リメイクで学園なおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのリメイクで学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月04日の時点で一番のリメイクで学園なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.9 1 リメイクで学園なアニメランキング1位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1831)
10348人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2018年再度見直し中

{netabare}ここのレビューを読んでいて、
この作品についてほとんど覚えてないことにショックを受けた。
つまらなかったならば覚えてなくても、衝撃を受けないのだが、
Kanonはかなり感動した記憶は残っていたので、そら恐ろしかった。
2018年に見直してみることにした。

おっさんになると、
新しいアニメを見るより、
面白かったアニメを2度見る方が
良い時間の使い方ではないかという
枯れた人間の守りの姿勢も出てきたので丁度良かった。

▼当時の印象
コテコテのお涙頂戴展開だったけど、
キャラに愛着を持つと一気に引き込まれて感動した記憶が残っている。{/netabare}

▼2018年見直してみた感想
●1話
しょっぱなから電流走る。
当時は何も疑問を持たずに見てたはずのキャラデザが、
最近の萌えデザに慣れてしまった今、見ると、

目でかすぎ!目が離れすぎ。たれ目がたれすぎ。
(鍵っ子、ごめんね)

京アニじゃなかったら作画崩壊を疑っていた。
もう、ハルヒとか見れないな…

しかし、それも最初だけで、
1話のうぐぅが登場する頃には慣れており、ほっと一安心。
    ↑こういう覚え方してるから忘れるんだろうな。
これから見る人は耐巨眼衝撃装甲を装備してから見ることを勧める。

麻枝お得意の頭の弱いキャラ(うぐぅ)を見て、
昔から芸風が変わっていない点にほんわかする。
不覚にも麻枝に萌えた。
ヒロインでは無く何故か麻枝に萌えた謎の1話だった。

●2話
日常パートと新キャラ紹介のターン。
感動に至る前に日常パートが短いと、
唐突に感じ、
長いとダレル(クラナドは3クール日常できつかった)。
確かKanonはその塩梅が丁度良かったと記憶している。

●3話
主人公が叫んでるシーンで気付く。
銀さんと同じ声優じゃん。←遅い

うぐぅと大切なもの探し。
↓聞くに堪えない愚痴
{netabare}うぐぅ、マジで天使なんじゃないか。
背中の羽、飾りじゃなく、本物だったり。
OPの翼といい、鍵作品だし確定かな。
やばい、全然覚えてない。
こうやって、見ている最中にすぐ考察して、
ああ、やっぱりね、とか、そっちで来たか、とか、それは無いわ、
みたいな残念なことをやってるから、
驚きが無くて印象が弱く、覚えてないのかもしれない。
悪癖すぎてワロタ。アニメ人生、損してる。
だから最近は、何も考える余地のないアニメが楽しく感じるわけだ。

とりあえず、あうーがまことだと覚えた。
こういうイベントがあると覚えやすい。
やばい、同居人、秋子さんともう一人、だれだっけ。
全然、名前覚えてない。
うぐぅの名前も覚えてない。
短髪黒髪も分からない。
釣り目は知ってる。
舞が主人公の同人アクションゲーやってたから。

全員、公式サイトで調べた。
この作業は必須なのか。
ヒロインは名前を10回叫んでから始まるアニメを要求する。
もしくは毎話の各初登場時は下に名前の字幕を義務付けて欲しい。

みんなヒロインの名前とかどうやって憶えているんだ。
登場シーンだけじゃ無理だろ。
記憶力チンパンジーの俺に教えて欲しい。 {/netabare}

●4話
まことと不毛な争い、凄くいいな。

ゲスな大人になると水瀬家の財源が気になる。
富豪の親の遺産、夫の保険金、ゲスな想像がはかどる。

●5話
エロ本事件良かった。
{netabare}いくらまことが記憶喪失でもエロ本知らないのは変だ。
何かの伏線か。
なんか{netabare}狐{/netabare}的な話、思い出してきた。
悪癖が首をもたげたので思考を強制シャットアウト。{/netabare}

●6話
{netabare}まさかのうぐぅいじめ。
うぐぅの頭が弱いことをいいことに散々いじりまくる。
そして別れ際、楽しかったよ、の一言でうぐぅ上機嫌。
エロゲのヒロインがいくら男に都合の良い存在としてもやりすぎだ。
時代だろうな…
ここは素直にありがたく拝もう。
冗談抜きで、その内、このレベルのヒロインは絶滅するかもしれない。
うぐぅは俺が保護しよう。よし、解決。

お気に入りキャラになりつつあったまことが
お風呂の湯を味噌汁にする。
秋子さん、強く叱る場面で叱らないのは
優しいのとは、また何かが違う気がする。{/netabare}

●7話
{netabare}まことの異常性が如実になってきた。
ここまでいくと悟ってしまう。
こ、これは、ついに来るのか、怒涛の展開が、まこと√が。ざわざわ。

猫に肉まんを分けるシーン。
マジな話、人間の食べ物は塩分高すぎて猫の体に悪い。
なんでこういう細かいことが気になるんだろう。
重要なことは忘れまくるのに。{/netabare}

●8話
ヤバス。感動の下ごしらえが始まった。
まことへの愛着を深めるための怒涛のまことラッシュが来た。
なんか結末想像して、もう感動して来たんだが。
9話まで耐えるんだ、俺。

●9話
これでもか、これでもかと感動攻撃がつづく。

{netabare}俺、もうダメかもしれん。
せっかく感動のシーンに突入したのに、
頭の中は、
まことに尺かけ過ぎじゃないか、
大丈夫なのか、え~と、残りのヒロインの数掛ける~、みたいな
糞みたいな計算しだした。
我ながら駄目過ぎる。
お前、何が楽しくてアニメ見てるの?状態。
原因は娯楽モードに頭の切り替えができてないからだろう。
気を付けなくては。
このままではKanonが感動アニメでなく、
自分がいかにウンコ野郎なのか知らしめるアニメとして記憶に残りそう。{/netabare}

●10話
{netabare}まことが段々、退化していき、
自分の名前すら中々思い出せない辛いシーン。
「お名前は?」
「ま!」
 ↓コンマ1秒後、頭によぎった単語は
〇コ!
9話で自分を戒め娯楽モードに切り替えたそばからコレだよ。
もう、開き直った方が楽かもしれん。

再三にわたる天野の死の宣告のせいで
覚悟は完了しており、
最後の瞬間に涙は出なかった。
消える瞬間も一瞬だったし、
悲しいというより切ない感じの最後だった。{/netabare}

●11話
舞の日常パートメイン。

{netabare}主人公の質問無限ループ攻撃に対して
名雪が顔面に無双正拳突きかましてたら完全に惚れてた。{/netabare}

●12話
天使のぬいぐるみ登場。
{netabare}判決、うぐぅ、天使、確定、執行猶予多分10話ぐらい。{/netabare}

{netabare}舞と舞踏会(どんな学校だよと突っ込んではいけない)が始まる。
「どちらからいらしたお嬢様で?」
舞が一瞬、赤面する。
俺も舞とパーリィしたい。
舞がパーリィし過ぎる。
俺も舞と×暴れたい
     〇パーリィしたい。{/netabare}
どうやら次は舞√のようだ。

●13話
北川爆上げ回。
{netabare}真のヒロインは北川だった。

犬に弁当あげるほんわかシーン。
人間の弁当は塩分多くて犬の体に悪い。あれ、なんかデジャブ。{/netabare}


●14話
舞の相方の不幸話。
{netabare}病院で弟と和解するシーンに感動。
鍵作品はいつでも仕掛けてくると分かっているのにやられた。{/netabare}

●15話
バトル回。
ちょっと待て、京アニ。
戦闘の演出、構図が凄くいいじゃん。
何故に2018年の作品である
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの戦闘の方が糞なんだよ。
何故、こんなに退化した。
いや、退化というより戦闘の演出の技術を持った人が、
技術を伝承する前にいなくなってしまった、
と言われた方が納得するレベルだぞ。
原画マンを優遇して、演出家を冷遇して逃げられたのか。
この12年で何があったんだ。

{netabare}派手に壊れたはずの校舎がほとんど壊れてない。
ここに来て舞と主人公の幻覚説も浮かんだが、
それだとパーリィで壊れた窓の件が説明できない。
やばい、これ考えだすとドツボに嵌まるネタだ。
Angel Beatsで学んだはずだ。
そもそも答えなど無いパターンもありえる。
このネタはひとまず放置しよう。

幼少期の主人公の二つ名はフラグメイカーに違いない。
後、何本、フラグを立てたんだ。
後、何人、幼馴染がいるのだろうか。

舞、自決。
なんでやねんw
アニメだと心理描写がないから、意味不明過ぎる。{/netabare}

●16話
栞√突入。
主人公が少しジゴロっぽい性格になった。
ライター麻枝じゃないな。

{netabare}病弱来た。
舞√で舞の相方が姉と弟の和解ネタをすでにやっちゃってるんだが大丈夫かな。{/netabare}

●17~24話
栞の最後の扱いが雑過ぎてワロタ。
ある意味、ヒロインの中で一番不憫だった。

うぐぅ、天使じゃなかった。
これが一番ショック。

名雪√、スタート地点に立って終わった。
かなり気になる。

▼総括
最初のまこと√は良かったが、
他は特に感動しなかった。
当時見た時は感動したので、俺の心が病んでしまったのだろう。
多分、また10年ぐらいしたら忘れる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



-----
視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 55
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
{netabare} ~

と、いってもKanonは他のKey作品に比べてそこまで
難しく無いと思うので
そんなに書くこと無いです


真琴の話ですが、
真琴はなぜ死にそうになったのか?

真琴は元々祐一が世話をした子狐で
再び出会うために人間に化けていました
そして化ける際に狐は寿命を
削っている様でその為に死んだそうです


また、ピロは真琴のお母さん、若しくは仲間だと思います
真琴がピロが財布を持ってきてくれた気がすると発言したり、
また、真琴が異変を起こす途中からピロがいなくなり
美汐が妖狐がたくさん集まると奇跡が起こるのかもしれない
そう言ってることから

ピロは真琴を救うため
仲間を説得していたのだと考察出来ます
そして、最後ピロと真琴が丘で
横たわっていることから
奇跡が起きて真琴は人間になれたのでは無いかと思います

希望的観測過ぎますかね?
でも、祐一の理想だとしたら
ここで、ピロがいるのは少し違和感を感じるので
私はこっちの解釈だと思っています

この奇跡は、あゆによるものか、妖狐によるものか
判断に困りますが個人的には妖狐のおかげだと
思っています



舞について、
この話が1番難しいかもですね

舞には、生命力を回復させる力があり
それで死にそうだったお母さんを救ったのですが
マスコミなどのメディアで紹介されてインチキや偽物と言われ
名雪達のいる町に逃げてきたんですね。


舞と祐一は10年前に既に出会っており、
祐一を引き止めたい一心で「魔物が来るから一緒に戦って欲しい」と嘘をつく。
まぁ、正確には魔物=建設会社だった訳ですね

さらに、祐一が自分から離れていったのは自身の「力」を
疎ましく思ったからだという舞の誤解が「力」を拒んだ結果、
「力」は舞から分離し、魔物として本当に舞に襲いかかる。
また、舞より祐一を狙うのも拒絶された原因が祐一だからでしょう

こうして、舞は自分の分身と10年間同じ場所(かつては麦畑で今は校舎)で戦い続けることになる。

魔物(=力)は自分の分身であるため、
魔物を倒すことは舞自身を傷つけることになる。
舞は魔物の正体は主人公に聞かされるまでわからなかった様だが、
最後の一体を倒したら自分も死ぬというのは経験的に理解していたため、
主人公の前ではあえて止めをささず、牛丼を買いに行かせることで主人公を遠ざけた後、相打ちする気だったと思う。

もう一人の「まい」(=力)である。それによって主人公は昔の記憶を思い出し、事の顛末を舞より早く理解し、その後止めをささんと教室に入った舞を制止する。
そして、舞に全てを思い出させ、誤解を解くべく説得する。それでもあくまで「力」を拒否する舞に対し、「力」を含めた舞の全てを受け入れると語りかけ、佐祐理と三人でもう一度やりなおそうと提案する。

自殺を図った舞ですが、
これは2人に迷惑をかけるくらいならという思いがあったためだと思います。
また、舞は力を受け入れることで、傷は塞がり治りましたね。

そして、最終回ですが佐祐理と舞が退院してましたが
佐祐理さんの回復はあゆの奇跡の恩恵なんでしょうね

{/netabare}

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2024/05/04
♥ : 91

75.8 2 リメイクで学園なアニメランキング2位
フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版](TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (342)
1406人が棚に入れました
高校生の本田 透は、唯一の家族だった母親を亡くしてから一人でテント暮らしをしていた。ところが、テントを張ったその場所は由緒正しい『草摩家』の敷地内だった!草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、学校の王子様的存在の草摩由希、そして由希を敵視する草摩 夾と一緒に住むことに。しかし、透はまだ知らない。『草摩家』が何百年も前から忌まわしき呪いに縛られていることを……。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、坂本真綾、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

痛みを知っているから、優しくなれる。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ヒーリングミュージックのような、アニメでした。

ジャンルは、学園・恋愛・ファンタジー。

原作は、「もっとも売れた少女マンガ」として、2007年にギネスブックに認定された名作、らしいです。

2001年に「スタジオディーン(監督 大地丙太郎)」で1度アニメ化している、らしいです。

ということで、原作も前アニメも未視聴です。よって、色々な比較はできません。

なんとなく、原作はもっと「闇」的なものもあるのかもしれませんが、本作は至極平和な作風に仕上がっていて、かなり観やすかったですね。

男でもオッサンでも、普通に観られる、良アニメですよ♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
もし、自分に子供がいて、その子供が道で転び、「痛いよ~!」と泣き始めたら、皆さんならどういう声掛けをしますか?

「大丈夫! ○○ちゃんは強い子でしょ?(激励)」

ですか? それとも、

「痛くない、痛くないよ(否定)」

ですか? 「痛いの痛いの飛んでけ~(まじない)」もあるかもしれないし、「だから走るなって言ったでしょ!(叱咤)」かもしれませんね。

(勿論、ケースバイケースでしょうが)一応、教育学的に「正しい」と「されている」のは、

「そっか。痛かったよね~。分かる分かる。」

らしいです。つまりは、「肯定」と「受容」。

そうすると子供は、安心するとか。「大丈夫なのか」を決めるも、「反省すべきか」を決めるのも、それは転んだ子供自身であり、大人が大人の物差しだけで計るものではない。子供はただ、「分かってほしいだけ」で、後は自分で、ちゃんと考えるんです。

さて、本作に登場するキャラクター、特に「本田透」の特筆すべき点としては、この「肯定」と「受容」にあるようなに思います。

由希や夾、紅葉や杞紗など、草摩の家に生まれた者は多かれ少なかれ、傷を負っています。魚ちゃんや電波も。それに対して透は、共に心を傷め、共に泣きます。そして笑って、明日への道標となります。

相手の辛さを否定したり、卑下したり、偉そうに講釈を述べることはありません。控え目に、自分の考えを述べる程度です。

それは多分、透自身が、「母の死」という大きな痛みを抱えていて、相手の痛みに敏感だからでしょう。全てを包み込むような優しさ。

この点は、17話(魚ちゃんが今日子に助けられる話)で、今日子がはっきりと言っています。「痛い目見て、迷惑かけないと、分からない気持ちだってある」「痛みには優しさが必要。どっちも無駄じゃない」。こんな今日子に育てられたから、透も自然と、そう育ったのでしょう。

一見すると、「良い子過ぎる」透に、違和感を感じてしまうこともあると思います。私も最初は、透がちょっと苦手でした。

でも、24話(キョウが本当の姿をさらけ出す話)で思ったんだけど、我々視聴者が透に抱く不信感と、十二支が透に抱く不信感(コイツ、どこまでマジなんだ?)は同じものかもしれません。そして、最後には結局、透に籠絡されてしまう点も(笑) 「他人の風邪は気にするくせに、自分の風邪には無頓着」なのが、透という少女の本質なんですよね。

さらに、ちょっとしたことでへこんだり、意外と抜けてたり、勉強で赤点とったりする透が可愛かったです。やっぱり、基本的には強い(精一杯強がっている)透の弱さ、ダメさがみえると、萌えに繋がりますよね。

歌も良かったです。特に、2期のOPは、まさかの大塚愛さんでびっくり。久しぶりに聴いたわ(笑) 昔のような高音は出てないけど、逆に味が出てきてきて、かなり好きでした。雨上がりの感じ、よく表現できていましたよ。EDの、これ以上ないほど優しい曲も、作風に合ってました。

ちなみに、一番好きなキャラは、サブキャラですが、透の祖父。5話の 「こいつらを許してやってくれ。根が嫌な奴等なだけなんじゃ」は、最高w 今クールでNo.1の名言だと思いました(笑)

あと、みっちゃん、可愛いなと♪ ああいう不器用で真っ直ぐなキャラ、好きだな~。

男性陣も良かったです。ユキもキョウも可愛い(笑) ギャップ萌えというか、少女漫画ならではのキャラですが、人気あるの分かる気がします。あと、綾女が安定して笑えましたw

すでに完結している原作を、しかもリメイクを、2クールかけてゆっくりしっかり、クオリティも維持して作った、制作陣の心意気に拍手! 毎週癒されました♪ セカンドシーズン、楽しみにしていますね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんか、めちゃめちゃ良い子だな。らんま1/2みたいな?

2話目 ☆3
じゃあ男子校に進学すれば? と思わなくもないけど。

3話目 ☆3
優しさは手作り、なるほど。背中の梅干、上手いような、そうでもないような。

4話目 ☆2
新キャラ。いわゆるボコデレですが、暴力描写が長いかな?

5話目 ☆5
お爺ちゃん、最高(笑) 「根が嫌な奴等なだけなんじゃ」w 予想外だ、お爺ちゃんも悪い人、もしくは、日和見主義かと思っていたわ。

6話目 ☆3
服装、紫のロングコートって(笑) なんで家を知ってるんだ、という恐怖心の方がw

7話目 ☆4
はとり の恋愛話は、しんみりした。ただ、片目が見えなくなったことで、そこまで病むかなとは思うけど。作画、なかなか綺麗だったな。

8話目 ☆4
良い子が良い子とは限らないしね。透の弱さが良い。泣いてるのがバレた後の透の動揺が可愛いね。お? なんか、黒いな。

透の「あけましておめでとうございます」は、アニメならではの、美しさ。風景、キャラ、声。二次元の強さを感じたな。

9話目 ☆3
なんか普通に良い話でしたね。普通に。

10話目 ☆3
時雨、少し色を出してきたな。みっちゃん、可愛いな~(笑)

11話目 ☆4
その「バカな旅人」って、「幸福な王子」だよね、元ネタ。あの昔話は、幼心に、なんだか胸に刺さったんだよな~。「僕が一番欲しかったもの(槙原敬之さん)」にも近いよな。遺影を持ち込んで、、、泣ける。あの笑いには、そしてプレゼントには、惚れるよな(笑) 何を重点に驚けば良いやら(笑)

12話目 ☆3
ドタバタしてて、明るくて楽しいな。下の毛(笑)

13話目 ☆4
忘れてはいけないのは、子供の時のこと。良い話だよな~。アニキ、ナイスキャラでかなり好き♪

14話目 ☆4
かなりシリアスだな。母親と紅葉のエピソードは、かなりツラい。後半は、親友二人のやりとりが良かったな。OPもEDも良いね。

15話目 ☆3
ケンカを観た時の透の笑い、良いな~。大人3人組のやりとり、好きだな~。

16話目☆3
大塚愛さん、高音厳しくなったな~。まあ、前から機械でいじってるっぽい感じだったが。

透のスクミズ(笑) 確かに、ピンクだな。でも、青よりはオレンジだよな。

以後気を付けます(ザザー)w

後半は魚ちゃん。来週、気になるわ。

17話目 ☆4
痛い目見て、迷惑かけないと、分からない気持ちだってある。痛みには優しさが必要。どっちも無駄じゃない。本作のメインテーマかな。今日子さんの私論。透の親友になりたい、、、なんか、心に響いたな。随分と厚みがある1話だな。

18話目 ☆4
田園調布の駅前だね~。トオル、シンプルに表現するな~。いじめだね、リアルな。その担任、センスなさすぎだろ。自分を好きになれば、受け入れられるんじゃなく、誰かに受け入れられれば、自分を少し好きになれる。確かにな~。

19話目 ☆3
ハイテンションなギャグ回。りっちゃん、叫び声がちと苦手。鬼滅の刃を思い出す。みっちゃん、可愛いな~。

20話目 ☆3


21話目 ☆3
電波回。静かに進んだな。

22話目 ☆4
花ちゃん、辛い過去。心理描写が実に素晴らしかた。

23話目 ☆4
透、赤点とる頭なの?(笑) 他人の風邪は気にするくせに、自分の風邪には無頓着、って、凄く分かりやすい表現で、透らしさだな。弱っている透のアホ顔が可愛かった。ナイス励まし、男ツンデレ、キョウもかわいいな~。くぎみー、生き生きしてるな♪

24話目 ☆5
キョウくん、可愛いな~。師匠、良い人だな~。透に全てを任せてしてしまう、あなたまで。透の負担、という観点もあるわな。嫉妬もあるかも。本来の姿。いや、あの距離飛ばされたら、死ぬぞ(汗) トラウマってるな~。こじらせてるな~。ダブル主人公といして、質が高いな。透無双だな~。

ある意味で、十二支が透に抱く不信感と、我々視聴者が透に抱く不信感は、同じものかもしれない。そして、最後には透に負けてしまう点も(笑)

25話目 ☆4
父と息子になったことを喜ぶ透が良いね。夏も好きになられるのですね。壁ドン(笑) やけに肉食系に(笑) ユキの笑顔で終わる、素敵な最終回。これ、2クール目あるんだよね。楽しみ♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

もはや天使...圧倒的ヒロイン力 2019年のマイベスト作品

☆☆物語と感想☆☆

内容のあらすじ等は省きます。
物語の中身は最小限で、ネタバレ無しの個人的な感想です。

まず、自分は視聴前にこの作品の事はタイトル名だけ聞いたことが有る程度で、
何一つ知らなかった。
どうやら少女漫画が原作らしい...
という事だが穿った見方をせずにフラットな気持ちで、
何気に1話を視聴してみたのだが、見事に掴みで持って行かれ、
話数が進むにつれて、どんどん引き込まれていった。

それから現在まで2期を待ちきれなかった間に、
恐らく4、5回はリピートして観るほどハマってしまっている笑
過去に所謂深夜系のアニメを観るようになってから、
これだけリピートして観た作品は数本しか無いけど、
本当に何度観ても笑って泣ける感動的で素晴らしい作品だ。

もし「少女漫画」というカテゴリーだけで視聴を敬遠しているなら、非常に勿体無い。
確かに作中には明らかに女性向けの、いわゆるイケメン無罪な描写や、
男同士のイチャつきも有るには有るのだが、
笑って流せる程度の些細なものであり、
当然ながら作品の本質はそんなところにあるわけではない。

それと、純粋に男視点から見ても出てくる女性キャラたちが魅力的で、
この作品に関しては国内で一番売れた少女漫画の「花より男子」のように、
少女漫画だから女性だけが楽しめる、といった内容にはなっていない。
自分は幸運にも何の知識もなく1話を観ることが出来たのが、今思えば幸いだった。

まだ物語の途中ではあるが、作品を通じて作者が伝えたいことは、
他者への理解、共感、感謝、優しさや思いやりであることは、
トオルやキョウコの言葉からもよく解る。
人がみな生きていく上で忘れてはいけない大事なことを教えてくれるし、
観ているこちら側が浄化されるような気持ちにもなれる。
単純に物語が凝っていて面白い、というだけの作品だとこうはいかない。

トオルと関わりを持った登場人物たちが、
徐々にコンプレックスや心の枷を解き放たれ、
癒されたり救われていく様は感動的だが、
物語そのものが1期ではそこまで大きく動いたというわけではなく、
学園、日常、コメディ、ドラマの要素をバランスよく配分し、
キャラクターそのものを過去の背景から、
とにかく丁寧に時間を掛けて描いたという印象だ。

物語自体の展開として派手さは無いし、スローペースで来たので、
この辺りの好みは有るだろうと思うが、
2期以降に繋がる伏線は十分に描かれていて、この辺りは旧作とは大きく異なる。
作品としての物語の評価は結末まで観てからにはなるが、
1期だけでも自分の中では既に十分傑作に値すると思っている。
というか、どうやら完結までにはセカンドシーズンでも終わらない?っぽい。。
これは個人的には嬉しいけど。

因みに1期を観ている最中から、
旧作ファンの間であれこれ言われているのを知っていたので、
2期が始まるまでの間に旧作の方も視聴してみた。
印象としては新作よりも全体的にコメディ色が強かったように思えるが、
旧作の出来も良く、何より当時ならではの空気感があり、
旧作を愛する人達の気持ちも良く解るものだった。

しかしながら、思い出補正のない、
フラットな状態で視聴した自分の感想としては、
新作は旧作愛も感じられるし、
何より原作者が総監修し原作に忠実に作っているという面で、
改変が無く旧作で大幅にカットされた、
感涙必至の重要回もしっかり描かれているのが大きい。
そして、何より新作の方が3倍は泣ける、これだけは間違いなかった。
どちらが上とかではなくどちらも良い作品には違いない。

☆☆声優☆☆

本作は各キャラクターの単独での長い語りも多く、
かなり声優の実力、演技力が試される内容だと思うが、
まず、よくこれだけの実力者を揃えたなと思うし、
旧作を参考にしつつ熟慮したのであろう、
キャスティングに関してはとても良く考えられている。
また声優陣も旧作を自分なりに研究し解釈して演じているというのが良く判るし、
各々素晴らしい演技が堪能できた。

個人的な好みとしては、
経験豊富な中村悠一、佐藤聡美、釘宮理恵、
森川智之辺りはハマり具合が特に気に入っている。
そして、若手としてヒロインに大抜擢されたとも言える石見舞菜香さん、
製作陣はよくこの人を選んだなとつくづく思う。
旧作当時新人だった堀江由衣の演技に比べても、
声の透明感や表現力に於いて、よりトオルのイメージに合っていると思うし、
何より感情の込もった泣きの演技が本当に上手かった。

ただ、唯一ハトリに関しては、
通常の演技に関しては特に気にはならなかったが、
回想の語りの所がやや抑揚に掛けたように聞こえたのが少し勿体なかった。
とは言え、全体としてみれば殆ど5点を付けても良いかなと思えるほど満足している。

☆☆キャラ☆☆

これに関しては減点できる要素が無い。
登場人物はやや多いものの、殆ど全てのキャラが個性的であり、
十二支の設定もユニークで、各々の魅力が存分に楽しめる。
コメディ&シリアスの両面で透との関わりを通じて、十分な掘り下げがなされており、
1期は言ってみれば2クール使って、
ひたすらキャラの背景とトオルとの関わりを丁寧に描いたとも言える。
(まだ殆ど出てきてない十二支や謎を秘めたアキトも居るが)

そして、やはり何よりトオルとキョウコの優しさ、
思いやりに溢れたセリフの数々が本当に尊い。
トオルはこれまで観てきた色々な作品の中でも、
もしかしたら自分にとっては最高のヒロインかもしれない。
ほんまにエエ子すぎる...少々現実離れしているかもしれないが、
それも理想だから良いのだ。トオルの性格ありきの物語でもあることだし。。

個人的なお気に入りは、男性キャラではシグレ 女性キャラではカグラと花島さん。
中村悠一の水を得た魚のように活き活きとした笑
シグレの演技に加えて、ちょっと変態っぽい所も最高だ。
釘宮節を思う存分堪能できるカグラ、
コメディ要員かと思いつつ壮絶な過去を乗り越えてきた花島さん、
佐藤聡美の落ち着いた声のトーンとも相性抜群だと思う。
メインな役柄ではない、プリユキのモトコや編集のミツなんかも何気に自分は気に入っている。

☆☆作画☆☆

キャラデザインは旧作に比べて、原作に寄せないようにと原作者から要望があったようで、
この点に関しては、やはり新作はより洗練され見やすくなった印象を持った。
(旧作も時代を考えると健闘しているが、透の目がデカ過ぎて自分には若干違和感を感じた)

背景に関しては手の込んだ作品の多い昨今としてみれば、特筆するほど迄ではないと思うが、
人物の造形と表情の変化がよく描けており、最後まで安定感があった。
この作画の安定感があったからこそ、思う存分キャラクターに感情移入できるというもの。
世の中が大変な時期ではあるが、2期もなるべくこのクオリティを保って頂きたいと願うばかり。
点数としては3.5と4.0の間くらいにしたいところだけど、無いので少しおまけの4.0


☆☆音楽☆☆

1クール目のOPに関しては、当初何故こんなEDみたいなバラードを持ってくるのか?
と疑問を持ったが、後から旧作を意識したものだったんだなと納得。
トオルとキョウコ以外のキャラがうつむきがちだったり、
遠くを見て物思いに耽っている様が、
物語の先行きとキャラの抱える闇を暗示しているようで興味深く、
曲調ともよく合っている。

2クール目のOPは一転曲調が明るくなり、雨上がりに空を見上げる様が、
十二支のメンバーとトオルとの関わりによる変化をよく表している。
EDに関しても曲自体は悪くない。
特に1期のクライマックスである24話、
キョウの語りからのEDの入りは涙なしに観れない。

しかしながら、旧作と比べてしまうとOP、ED共にややインパクトに欠けるのは確かだ。
これだけの作品であれば、曲単体で悪くない、
というレベルでは満足できないのは贅沢だろうか。
エイベックス絡みなので仕方ないところではあるが、
やはりこの作品のためだけに、作品の内容とよりリンクした歌詞と曲、
インパクトが欲しかった。
旧作のOP、EDは正直歌自体はそんなに上手いと思わないが、
インパクトが有り、何より作品への愛情が感じられる。
それに対して本作では挿入歌の「生まれる願い」が一番感動的で気に入ったのだが、
作曲が劇伴を制作した人のよるものだと知って納得した。

作中の音楽については本当に素晴らしい楽曲ばかりで印象深い。
サントラを聴きながら書いているが、数々の感動のシーンが蘇ってくる。
作品に与える音楽の演出力が如何に重要かという事が良く解るものだが、
シリアスな場面以外にもコミカルなシーンや日常に用いられる楽曲もよく出来ている。
作品を気に入った方には是非このサントラもチェックしてみてはどうだろうか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「人の素敵というものがオニギリの梅干しのようなものだとしたら、その梅干しは背中についているのかもしれません。」

1998年から2006年にかけて「花とゆめ」で連載され、
2001年に一度アニメ化された作品。

そんな作品が再びアニメ化!

私は2001年のアニメは観ていませんが、
原作はすべて既読です。

名シーンの数々に再び会うことができて、感無量です…(´;ω;`)

2001年のアニメでは原作が完結していなかったため、
最終話までアニメ化されなかったそうなのですが、
今回はラストまでやってくれるのかな?

1期は全25話です。


● ストーリー
女子高生の本田透(ほんだ とおる)。

彼女は両親を亡くし、
今は訳あってテントで暮らしていた。

透がテントを張っていた場所は、
クラスメイトの草摩由希(そうま ゆき)が暮らす家の敷地だった。

家主の紫呉(しぐれ)から家事を行うことを条件に家に住むことを提案され、しばらくの間、紫呉と由希と一緒に暮らすことになった。

しかし、草摩家には十二支に関わる秘密があり、
透はその秘密を知ってしまったことで、草摩家と深く関わることになる。


ストーリーは原作通りだと思います。

十二支の動物に憑かれた草摩家の人たちと、
その秘密を、草摩の人間以外で知ってしまった透の物語。

十二支に憑かれた人間は、異性に抱きつかれると、
動物に変身してしまうという体質を持つのです。

設定だけ聞いていると可愛い感じがしますが、この体質や草摩家の空気によって、それぞれが苦しい過去や悲しみと今も戦っているという、重く辛い雰囲気があります。

そんな苦しみや悲しみに対して、
透と一緒に過ごしたり話をしたりすることによって救われるという展開が多く、

透と出会ったことで草摩の人たちが変わっていくような、
心が溶かされていくような、そんなお話です。

透自身も母を亡くし、家もない、
居場所のない悲しさや寂しさを抱えていますが、

その悲しさや寂しさから救ってくれるのも、
草摩の人たちや友人たち。

共に支え合う優しさが温かい作品でした。


● キャラクター
この作品の鍵となるのは、やはり本田透という人間でしょう。

ちょっと天然でドジなところもあって、
周りの人を気遣い、どんな相手も笑顔で受け入れる。

そんな優しい彼女に、
これまで苦しんでいた人たちがどれほど救われたか。

気が付けば、
彼女の周りには彼女を慕う人たちが集まっていますね^^

タイトルにも引用した透の梅干し理論大好きです♪

「人の素敵というものがオニギリの梅干しのようなものだとしたら、
 その梅干しは背中についているのかもしれません。」

背中にあるから自分では自分の良いところには気付きにくくて、
他の人の良いところにはいくらでも気が付いて羨ましくて。

あなたの素敵なところ、私にはちゃんと見えていますよ^^と。

この語り、原作を読んだときから印象的でしたが、
改めてアニメで見て、大好きだなと思いました(*´ω`*)


十二支の面々も個性が豊かで、
しかもイケメンが多くて良い(*´Д`)

この作品はハーレムを狙っているわけではないので、
恋愛色は強くありません。

それぞれが、惹かれる人に惹かれる、という感じ。

透に関わる恋愛色は、由希くんと夾(きょう)くんが、
三角関係をにおわせているぐらいかな。

タイプの違うイケメンと三角関係とかもういくらでも観てられる(*´Д`)ハァハァ

私は昔から夾くん推しですが、
今回も可愛かったー(*´Д`)

素直じゃないところとか、単純なところとか、
びっくりすると猫耳が出ちゃうところとか、すべてが尊い(*´Д`)ハァハァ

だけど時に積極的になる由希くんがマジで王子すぎて揺らぐこともありましたw

王子属性は伊達じゃない…笑顔もかわいいし…。


動物姿があんまり私には刺さらなかったのが残念。

もうちょっと可愛い動物姿だったら嬉しかったのだけど…。


新しいアニメ化ということで、
声優さんも一新です。

私は前作のアニメを見ていないので違和感なく、
新鮮に聞いていました。

重い雰囲気とは切り離せませんが、
にぎやかで、なんだかんだ仲の良い十二支の皆さんのキャラクター、
楽しかったです^^

まだ十二支全員はそろわなかったので(あと二人)、
先の展開も楽しみにしています。


● 音楽
2001年アニメの主題歌が名曲すぎたので、
それによるハードルが高すぎて。笑

どの曲も単体で聞くと良い曲ばかりなのですが、
フルバの曲として聴くと、私の中ではいまいちハマりませんでした。


【 前半OP「Again」/ Beverly 】

2001年のOPを意識したのかな?と思わせる、しっとり感動系のOP。

いい曲だけど、どうしても2001年OPには適わないという考えがよぎってしまう…。


【 後半OP「Chime」/ 大塚愛 】

前半OPとはガラッと雰囲気が変わった明るい曲。

こんな雰囲気の曲も悪くないですね^^


【 前半ED「Lucky Ending」/ ビッケブランカ 】
【 後半ED「One Step Closer」/ INTERSECTION 】

こちらはどちらもしっとり系。

どちらもよく似ている雰囲気です。

いい話の後によく合っていました。


● まとめ
最近過去の名作のリメイクが多くて、個人的には嬉しいような、今さらリメイクする必要ある?と思う複雑な気持ちが入り混じって、なんとも言えない気持ちがあったのですが、

こうして実際にリメイク版を見てみると、
名作はいつ見てもやはり名作だなあと感じられます^^

時代を越えて再び出会える嬉しさがあるんですね♪

この作品の登場人物に重くのしかかる辛さ。
しかし、それがあるから感じられる優しさや温かさ。

透や草摩の人たちのそんな姿は、
気が付けば見ている人たちの心も優しく救ってくれているのだと思います。

2期も楽しみです♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

84.7 3 リメイクで学園なアニメランキング3位
SSSS.GRIDMAN(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (989)
3980人が棚に入れました
1993年から放送されたTVシリーズ「電光超人グリッドマン」。
まだパソコンが一般家庭に普及する前に制作された作品にも関わらず、 現代における「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りした内容で人気を集めた。

そして2018年秋「SSSS.GRIDMAN」が放送決定!
アニメーション制作は、2015年日本アニメ(ーター)見本市で公開された 「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を制作したTRIGGERが担当する。
監督は、同作でも監督を務めた雨宮哲。
あの時の未来が現実になった2018年、グリッドマンがアニメーションの世界で蘇る――。

声優・キャラクター
広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓、三森すずこ、鬼頭明里
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ベイビダンダン輝け

2話までの感想{netabare}
元の特撮の方はフィルム撮り“じゃなくなった”影響がどうにも違和感であんまり見てなかった…と思う。
なぜか掃除機が暴走する話だけは覚えてるけど。

んでアニメの方は…グリッドマンの声ちゃんと緑川だ!
カーンデジファーの声ってどんなんだったっけ…これも同じ人?ってかカーンデジファーではない!?
確か脱獄囚みたいなんじゃなかったっけ?特撮の方は。
ってかこっちは現実で戦うのか。
やっぱ怪獣が出たらミニカー蹴飛ばしてナンボだよなぁ…この町破壊シーンはお約束っつーか“オーバーロード”見て「足りてねぇなぁ」と思った部分をガッツリ補完してくれた。
と思ってたら…グリッドマンの登場シーン、平成ウルトラマン(の一番カッコいい所)じゃーん!、「巨大化して登場して地面に着地した瞬間に地表がドバーンってなる」やつ(※)。
(ガイアより前にあったんだっけ?それがウケてかガイアではお約束化されたの…グリッドマン(特撮)ではまだ無かった気がする)
おお、わかってるねぇ。
ってことで1話は大満足、果たしてこのクオリティがどこまで続くのかが気になるトコロ。
でもって2話。
死者が出てても誰も覚えてないという思ってた以上にハードな展開、それでいて主人公達はイマイチ実感が沸かないってのも妙にリアル。
電脳世界じゃなくて現実世界で戦うって方針は正解だったと思う。
こうなってくると「バカヤロー」と言ってるくれる人が欲しくなるのう(ウルトラマンメビウス)。
とはいえ、ひょっとしたら現実に思わせといてーの実は電脳世界でしたって展開あるかも?
このままだとモモデビルークじゃなくてアカネが贖罪し切れないもの。
そんな敵は敵で早くもスペルゲン反射鏡(でいいのか?)を実装、強化はええ。
まぁこれはとっととグリッドマン側にアシストウエポン出させないといけないからね、仕方ないね。
ってかガイア的なドパーンって表現は…えっ、もう終了?
コンピューターの処理速度を重い・軽いって言うけど、それを重量(感)によって表してた?…とすると最適化後はもう重たそうな表現は無くなっちゃう??
悪くはないんだけど、どっちかっつーと特撮寄りではなく勇者シリーズに傾いた予感。
それと特撮の方はコンセントに繋いである・ないし機械制御されてるものが暴走を始めて町はパニックって内容だったけど、こっちはそういったパニック方面は薄味なんかのう?

今のところ非常に良い感じに思えますが、ど~しても旧作と比較してしまいますね、そんな詳しくもないのに。
あと※部分、気になってちょいと調べたらやっぱり「これが良いんだよ」って声は高いみたい、そこだけ編集した動画発見。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30524641
アニメじゃないしお暇な時に見てやって、いやぁタマランわぁ。

ところで円谷といえば、アイゼンボーグはどうなったんだ?{/netabare}

3話感想{netabare}
おお、ガイア演出復活、2話でグリッドマンがスタっとビルの上に乗った時はヒヤヒヤしたぞ。
やっぱこれだねー、巨大怪獣つったらミニチュアをどれだけ派手に壊せるかだよなぁ、と昔特撮をワクワクしながら見てた頃の記憶が蘇る。

それはそうとやはり現実世界だと思ってる舞台は実は電脳世界って展開じゃないかな。
そう考えりゃ街が戻ったり記憶失くしたり、アカネは贖罪無理じゃね?って問題は全て解決。
怪獣なの人間なの?とか一旦負けた後どこに居たの?とか、それの伏線じゃないかなぁ。
そうなってくると問題はあの世界の住人はNPCなのか中身居るのか…「オレはデータだけの存在だったんだ!」ってなるんかのう?
ってかうっかり「怪獣は人間なのかも?」と洩らしてしまったウツミはどうやらウルトラマンヲタ、カネゴンやジャミラ辺りの知識からそういう推察を立てたんじゃないかなー、と思って調べてみたらウルトラシリーズには結構な数怪獣になった人間ってあるみたい。
じゃあ舞台が電脳世界って作品知っててそこから推察するってことは…無いかな?
大元の特撮版グリッドマンは見てないとして…映画TRONとか。
その、個人的に凄い恐れてるのは“ゼーガペイン”みたいになっちゃわないか、似通ってしまうのは仕方ないにせよ劣化コピーみたいになってしまうのはカンベン願いたい。
ダリフラの前科があるからそこんとこイマイチ安心できない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああ、こう来るのか。
常日頃“なろう系”について考えてるワケじゃないけど、やっぱりそれ関係を思い起こしてしまう。
グリッドマンがなろう系ってことじゃなくてね、それへのカンターというか揺り戻しとでも言うべきか。
今やってるソレ系(ゴブスレと転スラ)でも感じてることなのだけど、なろう系でよく目にするのは「自分の作った箱庭世界で気に入らないヤツをぶっ殺す」だけで、そんなのただ見させられてもちょっと…ってのがありまして。
これは“オーバーロード”の感想でも書いたような…って見てみたら「自分が怪獣になったつもりで積み木やミニカーで築かれた町(時にはそれの設定あれこれ考える)を破壊する遊び」って書いてました、自分。
あはは、グリッドマンのアカネのやってることが正にコレ。
別に自分が賢い訳じゃなく、同じように思ってた人は沢山居て、当然アニメスタッフにも居て、そのうち揶揄ったの作られるんじゃない?とは思ってましたが、まさかグリッドマンってかトリガーで来るとはなぁ。
といいつつまだカウンターかどうかは不明か。
今後アカネの行為が正しいって展開になる可能性も…あ、あるのか?そこまでヒネくれてはないと思うんだが。
「こんなこと(なろう主人公プレイ)ばかりやってるとカーンデジファー(詐欺や新興宗教)に付け込まれますよ」って展開だと良いなぁ。

ところで大して詳しくないのに特撮どうこうをよく喋ってるけど、エッセンスとしては昭和ウルトラマンではなく平成ウルトラマン寄りってのはオタ友とも共通見解。
元の特撮グリッドマンもそっち側ってのもあるけど、昭和の方は庵野が使い果たしたからなーってのはオタ友の弁。
確かに実相寺っぽい演出は無くて──これは自分評価してる部分でもあるのだけど、戦闘シーンを明るい日中にやってくれてるのは助かる、その時間帯でないとジャンク屋が開いてないって設定のおかげもあるんだろうけど。
(極端な例では作中夜しか登場しないキャラ(敵でもロボでも)があって、それの玩具見てみたら「え、こんな色だったの?」とビックリする羽目になったり)
その一方でフィルム撮りからビデオ撮りへの移行で余計な部分までハッキリ映ってしまう(影で誤魔化せなくなる)って問題がCGもそんな凄くなかった頃の初期平成ウルトラシリーズにはあって、解決策としてスモーク炊いてたんだけど──防衛隊のコクピットの中を俯瞰で映すシーンとかね、破損してる訳でもないのに──特撮グリッドマンではその処理も無かったんじゃなかったっけかなぁ。
ってことで6話で霧が出たときは「あっ」って思っちゃったよw
で気になるのは…平成ウルトラシリーズにも怪獣が出ない回ってあったっけ?
でもって怪獣好きであるならぶっ壊し甲斐のあるコンビナートを創造しておいて欲しいが…範囲的にアカネの生まれ育った町があの世界の限界だったりするのかね?地元にないものは創られない?{/netabare}

7話感想{netabare}
空を飛んで行ったらバハムートもとい天井があって…おお、この天井のディテールって初代グリッドマンのソレじゃん。
これには初代にそんな思い入れの無い自分もつい感動、CM見てりゃ嫌でも気がつくけど。
ってかこれ、CGを使わず狭いセットものだった特撮とは違ってアニメではどんなに広くもできるぜ、っていう特撮とアニメの違いを見せ付ける演出(意図)なんじゃないかな。
今ならCGでいくらでも出来るんだろうけどさ。

それとアカネの部屋映すときシルバーブルーメと、そこから2つ挟んで(この2つは知らん)ノーバの人形が置いてあるシーンがありまして…前から出てた?
もしこの回が初出であるなら未確認飛行物体が登場する回で円盤生物出すって狙ってのことだろう。
更に深読みすると新章突入の暗示に思えなくもない…マックもといジャンク屋メンバー全滅とかよしてくれよ?
ところでこれまで怪獣はアカネが作ったモノって内容だったので、最後は今まで倒した怪獣を繋ぎ合わせたタイラントみたいなのが出るかも?と思ってたが、その可能性は下がったかな。{/netabare}

8話感想{netabare}
前回書いた円盤生物の件、CMで流れてる怪獣娘のほうで登場するみたい、ああそれでか。
ってかあのジャージ着てたキャラってブルーメだったのか…気付かんかった。

でもって今回の感想。
ウツミとリッカが意見が対立しケンカして、けど最後は仲直りして。
一方アカネは自分と意見の違うヤツは殺しちゃえばいいって考えで、それの対比だったのかな?
「果たしてアカネは、ウツミとリッカの時のように謝ることができるのか?」って方向に話は進むのだろうか。
また、怪獣は復活強化型が登場。
ありゃあ、これで前回も書いた合体型の可能性は更に低くなっちゃったかな?
ってか全合体グリッドマン金色になってるし…ホントこういうの好きねぇ。
最近?だと“フレームアームガールズ”も最後そうなってたのを思い出したけど、これもお約束として定着してると解釈したほうがいいのかね。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
9話、ビックリするほど実相寺。
↑で「実相寺っぽさが無いから昭和ではなく平成ウルトラマン寄りっぽい」と書いてたのだけどちょっと訂正、平成に入ってからの実相寺だわコレ。
特に9話はティガの「花」「夢」リスペクト回じゃねーの?とさえ思えたり(もうちょっと頑張って「地平線と平行でないカメラアングル」を意識してくれたら完璧だった)。
ここじゃないどこかでウルトラマンマックスの胡蝶の夢がよく挙げられてるけど、あれも実相寺だし。
そこまでは良いのだけど、それプラス金田or板野要素が加わってプラマイゼロって感じ。
これまで金田臭さは無かったのになぁ…バリ臭はあったけど。
別に金田or板野が嫌いってワケじゃないのだけど安っぽい引用されると冷める、ってかそんなのは伊魔崎にやらせとけばいい。
そうねぇ、この気持ちは伊魔崎じゃないけどゾイジェネの3期ED見てもらえれば分かると思う。
細かいスタッフや制作のスケジュールとかサッパリ分からんが、この回作るタイミングでダリフラの制作が終わってそっちのスタッフと合流したのかな?と思ったり。
ってかね、「実相寺+(金田&板野)=エヴァ」であるならエヴァっぽいと思われてしまうのは仕方ないんだろうけど、個人的にはちと不本意。

そして10話。
心の奥で「アレやってくれないかなぁ…今の時代無理なんかなぁ」と、期待しつつも諦めてたアレがまさかの実現。

八 つ 裂 き 光 輪 キ タ ー

ウルトラスラッシュ?知らんなぁ。
個人的にウルトラマンはスペシウム光線よりも切り裂いてナンボと思ってる部分があって、それをやってくれただけで涙が出る勢い。
敵もケムール人…ってよりもメトロン星人じゃねーか?コレ。
縫いぐるみも最初はわざわざ覗き穴のあるデザインで、特撮好きはゲラゲラ笑うところだと思う。
ストーリーの方は、ゲーム“MOON”というか、アニメなら最近のだと“レクリエイターズ”のような、例え作り物であっても一度人格を与えたら作り手の意のままにはいかなくなる、って展開か。
まぁレクリはアレだったけど…かつてレクリの途中感想で書いた気がするけど、マンガのコマからキャラが飛び出してマンガ家をブン殴る、そんな話だったら良いなぁ。


参考・著作権的にアレかも知れんが消されずに残ってるしってことで…ってかエヴァが流行った頃アニオタなら実相寺作品はある程度チェックしてると思うので、あにこれでは「何を今更」レベルのものかも?
ウルトラマンティガ 夢
https://www.nicovideo.jp/watch/sm12565870
ゾイジェネ3期ED
https://www.youtube.com/watch?v=WKz6v8VX-BA
ウルトラマンは切り裂いてナンボ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm22282002
メトロン星人
https://www.nicovideo.jp/watch/sm9932681
おまけ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm11358810


それと今回参考動画探すに当たって以前書いた感想に間違いがあったことが分かったのでここで訂正。
フィルム撮り「じゃなくなった」ことで余計な部分までハッキリ映ってしまうことの回避としてスモーク炊いてると書いたけど、実際はそうじゃなくてレンズにワセリン塗ってたらしい。
ティガの「夢」を見ていただければ分かると思うけど…とはいえこれは実相寺回で特例、スモーク炊いてた回もあったような気がするんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
アカネの“外の人”は一体どんなんだろう?ってのは気になってて、ひょっとしたら“カリギュラ”のスイートP({netabare}正体は脂ギッシュなラーメン大好きプリパラおじさん{/netabare})みたいかも?なーんて意地悪なことも思ってて。
そして実際最後は実写になって…あはは、さすがにカリギュラまでは行かなかったか、これでも十分「配慮」してるんじゃない?
それと途中「扉を開く」って演出があって、前も書いたけどその時以上に自分ははどうしてもゲーム“MOON”を強く連想してしまい(そっちも実写エンド)、それのせいもあるのかな?
ラストは「まぁこんなもんだろう」と思ってたら…あれ、一部では不評なん?
自分的にはもっとキモヲタデブ使って視聴者に冷や水ぶっかけるオチでも良かったくらいなんだが…。
因みに「エロマンガは作者の顔を知るとヌけなくなる」ってのはよく聞く話で、その気持ちは分からんでもないけど「そんなもんだろ?」とも思ってて…さすがに親しくなったら辛いけどね。

──って、もうちょっと真面目に考えてみよう。
あの世界はアカネが逃避の果てに自分の殻(空想世界)に逃げ込んでたって説明はされている、「ただの夢」ではない。
自分の作り出したリッカに励まされてリアル世界で「外に出よう」と奮起する、つまりは自分で自分を奮い立たせたというオチで、これを「ただの自作自演」と取るか「作り物でもひとたび自我を与えたら制御しきれなくなる・自分の想定を超えた行動をする」と取るかで評価分かれそう。
後者であることの説明も十分されてたと思うのだが…ってかそんなんちょっとネトゲかじる位で分かるっしょ、「開発者の想定しなかった挙動」なんてよく聞くじゃん。
そうでなくても意識して作ったモノでも無意識下の意思が乗ってるとか(※)、自分の与り知らぬ場所で外部からの影響で変質したとか、まぁそんなのはよくある話で。
気になるのはそんな夢の世界に先住民(アノシラス)が居たこと。
夢はそれを見てる個人の内にあるものなのか、どこかとアクセスしてるのか。
多分「今回」空想世界に逃げ込む以前に、幼い頃にまだアカネがリアルに押しつぶされる前に作った存在なんじゃないかなぁ、と解釈してます。
欲を言えばリアルアカネは「自分は孤独だ」として夢の世界に閉じこもって、けど実は気にかけてた人が居て、それがユウタで、つまりユウタにも外の人が居て…って展開の方が良かった気がするが(ってかそういうのを予想してた)ベタすぎかのう、今はそれって嘘臭いになっちゃう?「どこかで誰かがきっと待っていてくれる」はアカン?
けどこっちの方が「キミは、ひ・と・り、じゃ・な・い」って前作グリッドマンのOPに合うような。



他の作品でも同じ事を書くかもしれないので別枠で。
同じトリガー作品の“リトルウィッチアカデミア”の…何話だっけ?魔法のペンの話、超長編小説がリレー小説だったって話。
そこで触れられてたネタが結構印象深い、その内容は──
作家が何気なく書いた・意識してそう書いたワケじゃない描写が、ファンから見ると「このシーンは○○に繋がってる!」と賞賛されるポイントになってて、「え、そこ誉めるの?いやぁ気付かなかったわ」ってのを作者が認めるって話。
果たしてそれは「無意識の内にそう書ける自分は才能がある」と取るか「たまたまの偶然で別に才能があるワケではない」と取るか、どっちがいいのん?って問題提起とも。
モノを作ったことがある人間なら誰もが体験したことがあると思うのだけど、このテーマはエヴァで庵野が精神病患う(劇場版で「こんな糞内容でも誉めるのか?バーカバーカ」とケンカ吹っかけた件)原因だったり、“けもフレ”でいえばプロデューサーが「冷奴」と唾棄したものだったりと、かなり根深い闇を抱えている気がする。
または偶然を才能だと勘違いして天狗になってファンから煙たがられる作者とか…誰とは言わんけど思い当たる人居るんじゃない?
作家と読者の関係だけでなく、作家と創作物との関係でもそういうことは起こって、本気でモノ作りしてる人ほどこの問題に真摯に向き合ってる気がする。
ってかこの問題無視してる・気付かない人は作家として失格でしょう(要は「この場面はこのキャラにこう行動させると楽に展開させられるけど、このキャラはそんな行動しないよなぁ」ってのを気にしない人)、結構見かけるけど。
って書いてたら“ダリフラ”思い出しちゃった…あっちの感想で「いちいち突っ込んでいったらキリが無い」として書かずに居たのだけど、そんなツッコミの一つをここに書いときます。
自分は短命であるってのが分かってて、しかも同胞が次々と体調不良起こして「いよいよあと僅かか」と自覚してるハズの状態で、死ぬかもしれない決断をする時に「ここで何もしなかったら“一生”自分を許せない」と言うシーンがありまして。
ん?その台詞ってこの先何十年も生き続ける前提じゃね?そのキャラにとっての一生ってなんだ?明日をも知らぬ命だったら「生涯(生き様)に悔いを残したくない」とか言うべきじゃね?ってことを思ってしまって。
実際その体質は“後で”改善されるワケだけど、もうそれを知ってる前提での台詞になってて、キャラの声じゃなくて制作者の声が丸分かりで冷めた記憶があります。
些細なことだけどこういう積み重ねは重要でしょう。
なーんてことを考えると、グリッドマンは同じトリガーにしてはよく出来てると思います。


と、先にオチの感想書いてしまったけど、それ以外の途中の感想。
前作OPの挿入はやっぱりクるものがありますね、そこまで前作に思い入れ無くても。
最近だと“魔方陣グルグル”や“シュタインズゲート”が同じことやってて…ってかそれ以外も何かあったハズ…くそう思い出せん。
兎に角前シリーズの曲を流すのは良い文化だ、今後も続いて欲しい。
過去の出来事を写真風に流したアレ、出崎ってよりも自分的にはやっぱり実相寺(出崎だったら劇画タッチにするだろう)。
けどそこら辺意識してるなら(昔の)特撮好き?としては空中戦はもっとダサくして欲しかった、空中戦はヘボくてナンボでしょう。
ウルトラセブンの告白シーンリスペクトはやっぱりこれも最近何かのアニメで見たんだよなぁ…思い出せん、くそうくそう。
これも文化として継承して欲しい。

全体を通してでは、あんまりやり過ぎると「これ分かるかな?クイズ」になって、内輪受けが過ぎて不愉快になりそうになるところをギリギリ踏み止まった感じ。
自分が特撮寄りで(そうなのか?)甘い部分もあるかも。
とはいえ同じ映像作品でありながら特撮きらーいって人はアニメだけ見ててもしょうがない気が…(特撮畑がアニメに関わってることはよくある、雨宮とか井上とか荒川とか)。
ロボアニメ視点としては自分は“フレームアームガールズ”で書いたけど「プラモデル寄り」で物理的に頑丈であることを至上としてるキライがあって、即ち外部パーツはあんまり好きじゃなかったり(ってかフルアーマーだったらせめて鈍重にしてくれと)。
最後ゴチャゴチャ合体した姿じゃなくて初代の素体になってくれたのはホっとすらした。
でもってやっぱり、創作世界で怪獣ごっこ(児戯)をやってるだけのゴミカスヤローは死ね…ってほど強烈ではないにしろ、やんわりと「そうじゃないでしょ?」っていうアンチテーゼは感じた。
ってかこれでクソと断ずる人は「アニメしか見てない人」と分かるのでいい踏み絵かも?
一方で自分はデッドプールだと勘違いしてるゴブスレ作者は絶賛してるみたいだが「お前のこと言ってるんだよ」ってのは気付いてない模様、まぁ海老谷はそんなもんか。
とにかく、だ

視 野 を 広 く し ろ 、 外 に 出 ろ

という、ゲーム“MOON”と同じテーマだった気がする、多分。
そんなん富野がずっと言い続けてたことではあるんだけどね…(※)。
これがエヴァの亡霊を追い続けてる(少なくともダリフラ見た限りでは)トリガーが作ったってのはなかなかに興味深い。
個人的に今期タメを張れるのは“ゾンビランドサガ”だけだったけど、あっちは最後やや失速したのでこれが今期一番かなぁ。


これに関しては最近知ったんだけど、富野のこの主張に対し当時芦田豊雄は「それでいいじゃないか、アニメしか知らなくて何が悪い」と反抗したらしい。
ヲタ友の一人はそれを支持してたらしいのだけど、最近のアレっぷりにはいい加減辟易して「富野のほうが正しかったみたいだ」と考えを改め始めてる模様。{/netabare}

追記{netabare}
某所で考察が捗って、なにやら神様アカネは現実リッカをモデルにしてるっていう説があるみたい。
…。
……。
まんまカリギュラじゃーん。
↑でスイートPのこと触れたけど、それ以上にカリギュラ。
ってかカリギュラ知ってればすぐに思い付く内容で、むしろまさかそこまでのネタ被りは無いだろうと考えないようにしてたくらいで…。
その説を推してる人はカリギュラは見たのかな?
あいや、知らないなら知らないで良いんだ、自分だって見てないアニメは山ほどあるし。
ただちょっとシャレになってないのがアカネの声優が上田麗奈ってことでして…。
えーっと一応カリギュラの設定書いときます。
{netabare}・μ(ミュー):バーチャロイドで架空世界(メビウス)を作った神様的存在。
・リツ(主人公):ミューをプログラミングした人。現実はコミュ障で対人恐怖症でキョロ充でジト目でドモリ(それでもプログラムの腕は一流で社会人)、メビウス内では現実の勤め先の会社のチームリーダー(憧れのコミュ強イケメン)の姿…ってのが明かされるのは11話。{/netabare}
アカネはミューとリツを足したような設定。
テーマ似たようなものだしこれだけアニメの本数が多いとネタ被りは仕方ないことではあるけど、ミューの声、上田麗奈なのよ。
もしその説が本当ならさすがに声優替えるんじゃないかなぁ?どうかなぁ?
アニメの放送時期近かったし自分はパクりだとは言わないけど、カリギュラのゲーム自体は2016の6月発売で、そっちから拝借したら間に合う…のか?
う~ん、否定はしないけど、なんか危うい匂いが…。
ってかね、これを期にカリギュラの評価が上がるってことにはならないかしらん?
グリッドマン本気で考察したい人は見て損は無いと思います。

あーそれと六花ママはトリガーお約束というか…ガイナ時代だけど“まほろまてぃっく”の式条先生や“この醜くも~”のジェニファーポジでしょう(糞嫌いだった)。
今風にリファインされてグイグイ攻めてくるタイプではなくなったけど、なにかあったら(外伝や続編作るとか)そん時の都合に合わせて「実は○○だったんです」って設定追加が出来る便利道具ポジ。
作ってる側は保険として配置しただけでそんなに深くは考えてないと思うので考察するだけ冷奴だと思います。
ってか、ファンの間での考察が進んで「こういうことだろう」って解釈が形成されたところで「そそそ、そうです、そういうことです」とタダ乗りする気配がして、あーんまいい気分ではない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

バンバン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

この世界、どうなってる?

グリッドマンシリーズに触れるのは今作が初めてだったが、とても引き込まれた。アクションシーンもさることながらドラマパートも高校生っぽさがよく出ていてとても良い。キャラデザも良い。
1話ラストを見るに、この世界もコンピューターの中ということなのかな?今後の展開にとても期待できる1話でした。


2話
{netabare}いかにも悪そうだけど実はすごくいい人なサムライキャリバーがかっこいい。響、内海、六花の3人の掛け合いもいいですね。ここも高校生らしくてじんわりくる。
アカネはかわいいのに、怒りと殺意が暴走するとんでもないサイコ。部屋に閉じこもって怪獣制作から破壊の鑑賞までしてるのを見ると、自分の行為に現実感を持ててないのかな。響たちは怪獣やグリッドマンといった非現実を生身で感じて受容しつつある点との対比だと思えました。{/netabare}

3話
{netabare} 謎の少年の正体が怪獣アンチというのはちょっと予想外。そして強い。まさに名前の通りアンチ・グリッドマンとしてデザインされたキャラという感じがするし、その対比に注目したいですね。アシストウェポン組もキルラキルの四天王みたいでいいキャラしてる。戦闘以外でもグリッドマン同盟をアシストしてくれる頼れる大人感が良い。そして戦闘がアツすぎる。 {/netabare}

4話
{netabare} 裕太の恋煩いというか、主人公らしい面が垣間見えた回。これまで薄かった主人公感が出てきたかな?お楽しみ回のようでアカネの闇は一層深まってきましたね。頑張ってるアンチくんが可哀想になってくる…。新世紀中学生はなんか楽しんでますね。個性的で見ていて飽きない。特にキャリバーさん…。
ラストの六花、性格が良い分他人を疑わないからそう考えてしまうのか…嫌なフラグが立ったようで怖い。次回も楽しみです。 {/netabare}


5話・6話
{netabare}一気にストーリーを動かした回。5話では水着のサービス回でありながら、アカネと裕太の双方がお互いの正体に気づきはじめるという重要な回。しかも舞台になった山間の街の被害はツツジ台と違って何故か修復されない。
その真相は6話で怪獣少女アノシラスによって明らかに。多くで予想されていた通りツツジ台はアカネが作った仮想世界で、「外」には行けないということが判明しました。壊れた街はベノラが直していたのか…。この下りで初登場のアノシラス2代目はめちゃくちゃかわいい。
アンチくんは六花に世話を焼いてもらったことで味方化のフラグがさらに高まった気が。見逃してやるー!の捨て台詞で笑ってしまったw
アレクシスはカーンデジファー同様、アカネの歪んだ心に漬け込んだ悪い奴ということらしいが、宇宙人?との問いかけにアノシラスははぐらかしていたので、まだ得体の知れなさが残りましたね。アノシラスが知らない事情もまだまだありそう。
怪獣戦はなく閑話という感じの6話ですが、これまでで一番の回と感じました。
{/netabare}

7話
{netabare} 裕太が知った真実は内海や六花のは当然受け入れられず…と思っていたら自分から裕太宅に乗り込んできたアカネ!そのままの流れで問川の実家の中華料理店に向かい、敵方と向い合せでの奇妙な夕飯に…しかもそこにアレクシスが参戦。お前はメトロン星人か!
アレクシスはさらっと実体化しておりましたが、アカネの反応を見るに普通のことみたいですね。あの出で立ちでモブに何とも思われていないのは新世紀中学生と同様か。
アレクシスはやはりただのイエスマンではなく、アカネではなくアンチの持ち込んだ怪獣をアカネの意思と無関係に実体化させます。「アンチくんは君よりグリッドマンを憎んでいる」。憎しみが強い怪獣を生むんですね。アレクシスの狙いはやはりグリッドマンを倒すことのようです。やっと動いたヴィット。やる時はやるヴィットの力を借りて上空にいた怪獣とアンチを撃退!…では終わらず、空の雲の上には原作のコンピューターワールドの風景が。1クールなのでグリッドマン同盟がアノシラスの伝えた情報が本当だと知るところまで一気に持って行ったようですね。敗北したアンチくんはアレクシスに用済みとばかりに襲撃され負傷。止めを刺さなかったのは引っ掻き回し役を期待してなのか、それとも。
アレクシスが今回初めて自分の意思で動き、ますます面白くなってきました。アレクシスは裕太を襲うことはなかった辺り、あくまで標的はグリッドマンですね。アンチくんは六花宅に逃げ込んで味方になるのかな?なってほしいです。{/netabare}
今回地味に重要なのは誰かと一緒に食卓を囲むという行為の意味かと。アカネが一緒に食事をする相手を求めているらしいのは今回で明らかだと思いました。彼女の家庭環境が影を落としていそう。次回が楽しみ。

8話
{netabare} アカネは高校の文化祭で怪獣を暴れさせると裕太たちに宣言。作っていた怪獣は1話のグールギラスのメカ化改造版。アカネへの対処でやっぱり喧嘩になる六花と内海…。裕太と内海から文化祭当日以外で怪獣を出せとお願いするもののアカネは一蹴。六花に対してもアカネは同様。しかも六花はアカネを嫌いになれないよう「設定」して「怪獣から作った」のだとか。他の人間についても同じっぽい。皆NPCなのかな?そうすると裕太はますます何者なんでしょうね。というか怪獣?!?
今回初めて新世紀中学生も全員同時出撃し、フルパワーグリッドマンがお披露目。カッコいい。メカグールギラスはやっぱり首を折られる運命。
アンチくんは六花を探しているみたい。そしてグリッドマンの登場にも怪獣化することなく傍観していました。裕太たちのクラスの先生のキャラ変といい、設定されたものを克服しているんでしょうね。このことが、「設定」されている六花や内海他の人たちにとり今後の希望になればな~
{/netabare}

9話
{netabare}先々週のファンネルもどき並に置物のような動きを見せる攻撃性皆無の怪獣は、グリッドマン同盟の3人の精神に干渉して夢の世界を見せる。アカネにとっても3人にとってもある意味理想の世界。「1学期はうまくいっていた」と言うからには元々こんな感じだったんでしょうか?そしてグリッドマンの影に揺さぶられて、3人は夢の世界に違和感を強く持つようになる。大切なあの子がいない、大切な友達がいない、こんなはずじゃないと。この辺の夢の世界の演出・作画はすごく良いと思います。
3人は共鳴し合って夢の世界から脱出。後始末とばかりに新世紀中学生の4人もグリッドマンなしで出撃。4機の合体でパワードゼノンとして怪獣を粉砕!
自分にとって理想だった夢の世界を裕太たちに拒絶されて、アカネは踏んだり蹴ったりですね…ラストはもう生気が無かったけど大丈夫なんだろうか?と自然に思っている自分に少しびっくり。中盤ではこんな外道はやくやっつけてしまえと思うような描写も散見されただけに、アカネをそうした「悪役」から一気に「救われるべき対象」のポジションに持ってきたのはよくできた構成だなと思いました。
六花はようやくアカネから聞かされた話をみんなに打ち明けるのかな?自身の怪獣性を否定されたアンチくんはどう動くのでしょう。次回10話から最終回12話まで3部作とのこと。物語がどう収斂していくのかますます目が離せません。
{/netabare}

10話
{netabare}アカネは完全に無気力状態で、ツツジ台には怪獣が現れない平和な日々が続く。アカネの家を訪れてみたところ、玄関の扉を開いたらなんとその先はコンピューターワールド…裏側というか管理者エリアに逃げられたらしい。
突然また現れた怪獣はいかにもソフビっぽい謎怪獣。突進するばかりであっさりやられます。ところが倒されても消滅せず、不気味に立ち尽くす死体の中からケムール人のような新しい怪獣が出現。ここら辺すごくエヴァっぽくて好きです。
アレクシス曰く「中の人」は謎の機動力で市街を疾走しながらベノラを破壊して回る。フルパワーグリッドマンでも歯が立たないスピードと高火力。この怪獣は今までのSSSS怪獣の中で一番不気味で怖い。
フルパワーグリッドマンも歯が立たず、アシストウェポンを引きはがされて直接攻撃を喰らってしまう。そのピンチに助太刀したのはキャリバーさんやアカネの言葉で吹っ切れたアンチくん、改めグリッドナイト。やっぱりこうなったか(歓喜)
グリッドナイトの活躍でケムール人もどきを倒すも、いやいやアカネそれはいかんよ…
ラストのアカネの行動が予想を飛び越えてて全部持ってかれた感があるのですが、エヴァオマージュのネルフの標語の出し方がいいなと。「神は天に在り、おしなべて世は事も無し」とは、今後はそうもいかんでしょうがこの世界を的確に表してますね。そしてアレクシスの「中の人」という言葉。それに続くアンチ=グリッドナイトの言葉も考えるに、メタ的な意味での「(怪獣の)中の人」がアカネの心の闇であるとはっきり示されたのかな。怪獣役の演者が着ぐるみから出てきてヒーロー役に襲い掛かるという構図であり、それによって舞台セット=ツツジ台も破壊されて紛い物の空も晴れる。まさに「崩・壊」のタイトルが相応しい回でした。
{/netabare}

11話
{netabare}刺された裕太は一命をとりとめるも、昏睡状態が続く。非現実が明らかな街にはそれでも日常の光景が広がり、一方のアカネはひたすら無気力。アレクシスにはグリッドマンがいなくなっても怪獣が必要らしいが…?
アレクシスは業を煮やしてこれまでの怪獣をツツジ台へ適当に投入し始める。そんな中で明らかになったのは、今の響裕太こそがグリッドマンであり本来の響裕太は眠ったままだという真実。どこまでが本来の裕太で、どこからがグリッドマンなのかははっきりしませんが、そういう憑依状態のようですね。そして響裕太本人もこの世界で大きな意味を持っているらしい。
そして復活したグリッドマンは、アシストウェポンや先んじて奮闘していたアンチくん、もといグリッドナイトと共闘して怪獣たちを一掃。同じ頃アカネのもとに辿り着いた六花はアカネと対話し説得を試みるも平行線、そしてアレクシスのアカネに対する驚くべき行動を目の当たりに。
伏線が回収されて、収まるべきところに収まってきましたね。六花ママ、グリッドマン裕太と同じ黄色の瞳なんですがそれは一体…?
アレクシスの素性など肝心なところはまだまだ不明。次回で最終回です。さらなる熱の高まりと大団円を期待したいです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

退屈な日々にさよなら

1993年~1994年にかけて放映された、円谷プロ制作の特撮テレビ番組「※1電光超人グリッドマン」のリメイク(あるいは続編?)作品。

記憶喪失の少年、響裕太が浅い眠りから目覚めたのは、同級生の宝多六花の自宅兼ジャンクショップ兼喫茶店「絢」のソファの上。店内に鎮座するレトロPC"ジャンク"から聞こえる声に導かれ、裕太はハイパーエージェント"グリッドマン"と出会う。

「思い出してくれ、君の使命を! この世界に危機が迫っている!」

90~2000年代のヒーロー特撮&ロボットアニメのテイストをふんだんに盛り込んだSFアニメ。アニメーション制作は、ダイナミックな構図の取り方や、緩急にメリハリの効いた動き、ビビットな色彩表現に定評のある、お馴染み※2TRIGGER。

構成は、前半のドラマパート、後半のバトルパートと、ウルトラシリーズに代表される特撮ものや、同じく一話完結型のヒーローもののセオリーに従った堅実なスタイル。物語については、古典的な勧善懲悪ストーリーからはやや遠く、大別すれば「新世紀エヴァンゲリオン」を皮切りに90年代半ば辺りから流行り始めた、サスペンス色や人間ドラマに重きを置いた作風です。
{netabare}
本作のイメージに最も近い特撮作品を一つだけ挙げるなら、2004年から放送された異色のウルトラシリーズ「ウルトラマンネクサス」になると思います。非戦闘員でありながら人知れず怪獣と戦うヒーロー、リセットされる記憶、幾重にも折り重なり隠蔽された秘密など、数多くのモチーフがこの作品へと継承されているのを見て取る事が出来ました。
{/netabare}
怪獣を造る少女(少年)、ジャンク、アノシラス、スペシャルドッグ(笑)など、オリジナルの「電光超人グリッドマン」の設定を踏襲している箇所もいくつかあり、※3世界観についても何らかの繋がりがある模様。
{netabare}
6話で明かされる"神様"の存在、ある人物の口から飛び出す「この世界の外には何も無い」発言から、1話から描かれてきた世界は丸ごと電脳世界なのでは? という疑問を覚えた人も多いのではないでしょうか? PCを介して、具現化したり転送されたりする、グリッドマン、怪獣、※新世紀中学生、また、記憶のリセット、町の修復、怪獣(怪人)を認識出来ない人々、"怪獣が聞こえる"などの描写からも、それが示唆されている様に思われました。

もしかしたら(7話終了の時点まで)リアル世界の描写が一切無い(目立たないだけかも)「電光超人グリッドマン」なのかも知れません。

※強くて頼れる大人なマックス、寡黙で口下手、心優しきサムライ・キャリバー、見た目はちびっ子、毒舌でやや暴力的、豪快なボラー、無気力でイーカゲン、でもやる時はやる男?のヴィットの4人のこと。皆どう見ても中学生ではない(笑)

"新世紀中学生"の名称は、過去に世界を救ってくれた中学生に因んだものだそう。(「電光超人グリッドマン」に登場した3人(4人)の事?)一話冒頭にて空で6つに散った光が描かれましたが、それが彼らなら、グリッドマン+5人になるので、もう一人いるのかも。なお、サムライ・キャリバーさんの声を務める高橋良輔さんは、同姓同名の有名アニメ監督とは別人ですので間違えないよーに。
{/netabare}
※1:一貫してリアル世界を舞台にしてきたウルトラシリーズとは異なり、主にコンピュータワールド(電脳空間)内で繰り広げられる戦いを描いた特撮ヒーローもの。主人公の少年少女、敵役の少年はPCを介してグリッドマンや怪獣をサポートする。

※2:「天元突破グレンラガン」の製作スタッフとして活躍していた演出家の大塚雅彦さん、今石洋之さん、プロデューサーの舛本和也さんの3人を中心に、2011年8月22日に設立された。元ガイナックス所属のスタッフが多く参加している。

※3:続編として企画された「電撃超人グリッドマンF(ファイター)」に登場する予定だった、響裕太、新条アカネ、アレクシス・ケリヴなどの名も見られる。幻の企画が25年の時を経て姿を変えて復活! …感慨深いですね。


作画について、トリガーらしい振り切った表現は多く見られるものの、破天荒さは控えめで、円谷プロが描き続けてきた特撮ヒーローもののイメージを崩さない様に細心の注意が払われている事が伺えます。オマージュシーンも満載。※4バンクシーンの使い回しが若干あるもののそれもまたよし(笑)

3Dパートを制作しているのは※5グラフィニカ。スピードや手数の多さで魅せるのではなく、特にグリッドマンと怪獣の戦闘シーンでは、一挙手一投足を丁寧に描写する事で、動作に重みを持たせており、実写特撮張りの迫力と重量感が再現されています。{netabare}さらに空中戦やミサイル発射シーンでは板野サーカスフル稼働! ゴージャス!!{/netabare}

音楽について、ストレートな歌詞に懐かしさを覚える大石昌良さんとTom-H@ckによる主題歌「UNION」は、挿入歌として用いられた時の効果も絶大。重厚なオーケストラサウンドと共にバトルシーンを大いに盛り上げます。

エンディング曲は、昨年放映されたテレビアニメ「クジラの子らは砂上に歌う」のOP「その未来へ」でメジャーデビューを果たしたばかりの、RIRIKOさんが作詞・作曲を担当された「youthful beautiful」。青春時代のほろ苦さを内田真礼さんの優しい声音が爽やかに歌い上げます。

以下は校内シーンにて、合唱コンクールの練習?で歌われている曲の一覧。(7話まで)
{netabare}
「Believe」(第1話、第4話)作詞・作曲 - 杉本竜一
「心の瞳」(第1話)作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 三木たかし
「あなたへ―旅立ちに寄せるメッセージ」(第2話、第6話)作詞・作曲 - 筒井雅子
「若い翼は」(第7話)作詞 - きくよしひろ / 作曲 - 平吉毅州

まるでアカネちゃんの心情を投影しているかの様な選曲ですね。世界観の謎を解くカギになっている気もします。
{/netabare}
キャラについて、記憶喪失ゆえか、脅威の順応性で非日常を次々と咀嚼していく頼もしき主人公の裕太くん、ウルトラシリーズなら~が口癖の、特撮大好き、熱血純情メガネ男子の内海くん、冷めた態度は常識人の証!母性溢れる博愛の人、六花さん、理想と現実のギャップに苛立ち、ストレートな怒りと殺意を暴走させるアカネちゃん、どのキャラも魅力的です。
{netabare}
1話にて※自分のスペシャルドッグを潰されてキレ、7話にてアンチ君の持っていたそれを踏み付けたアカネちゃんは、自分には甘く、他人には厳しい、思春期真っ只中の少年少女の典型として描かれていますね。自己観察が足りていないと人は誰でもこうなります(体験談 笑)。そう言えば"キレる17歳"なんて言葉が流行った時代もありましたっけ。最近ではキレる高齢者という言葉の方がメジャーですけど(汗)

リアル殺人には手を染めていないと信じつつ、アカネちゃんの心の変化を最後まで見守っていきたい。

※:「電光超人グリッドマン」御用達。野菜たっぷり、輪切りゆで卵の載った美味しそうなホットドッグ。ソーセージがとっても長い!
{/netabare}
実写版から続投でグリッドマンの声を演じる緑川光さんの本作への参加も嬉しい限り。


冗長な展開とは無縁の、捨て回無しのスマートな構成、話数を重ねる毎に着実に丁寧に展開されていく謎、様式美を極めた活劇ものとしてのカタルシス。完成度の高さは豪華スタッフの顔ぶれを見れば一目瞭然、まさしく折り紙つき。

子供向け番組のイメージが強いゆえに特撮ものを嫌煙されている方、食わず嫌いの方に、特にお薦めしたいアニメです。

Amazonプライムにて、本作に加え、前作「電光超人グリッドマン」も配信中なので、ご興味が沸いた方は是非そちらもどうぞ。


君も一緒に、アクセーース・フラッシュ!(笑)


※4:変身や必殺技シーン等で使い回される映像の事。本作では90年代ヒーロー(ロボット)アニメのパロディとして、敢えて使っている様にも(笑)

※5:アニメ制作会社ゴンゾのデジタル部門。ガンダムやマクロスシリーズ等の作画監督、ウルトラマンネクサス以降のウルトラシリーズのCGディレクターを務められた事でも名高い、板野一郎氏がアドバイザーとして在籍。板野氏は本作第7話に登場する怪獣ヂリバーのデザインも手掛けている。


『SSSS.GRIDMAN』ボイスドラマ情報

本編放送後(毎週土曜25時30分~1週間だけ)Youtubeのぽにきゃんチャンネルで期間限定配信されている『SSSS.GRIDMAN』ボイスドラマの第1.1回~第7.7回が、11/24~12/1まで?一挙配信決定! コメディタッチですが、本編を補完する側面もある内容なので、聴き逃してしまった方はこの機会に是非どーぞ!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 56

71.1 4 リメイクで学園なアニメランキング4位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (412)
1732人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

時の壁

【未評価】*少し修正

ストーリーが読み取り辛い。
妙に訳知り顔の学生たちが、利いた風なセリフを演説するような印象ばかりが強く、話している内容が素通りしていく感触がある。

この分かりにくさは、カットバックを多用した演出や、キャラの描き分けといった技術上の問題ではなく、原作小説の発表された20年前と現代との時代差にあるように思える。


世界に侵入した世界の「敵」を、二重人格のような「学生」の主人公が密かに排除してゆく。

日常的な社会の運営とは隔絶して、「世界」の根本的な危機に社会参加していない「学生」がダイレクトに関与していく作品構造は、原作発表当時に萌芽し始めていた「セカイ系」を先取りしていた。
「学生」が訳知り顔で利いた風な能書きを述べるのは、社会参加していない「身分」と、「社会領域」が存在しない「セカイ系」世界との相互作用による必然だろう。

全体の構造が把握しきれないまでに複雑化して、感覚的に「よくわからな」くなってしまった社会が、社会を不可視化して排除する「セカイ系」の想像力を生んだ。

世界に侵入する「敵」は、政府や大企業などの「上のほう」の「えらい人たち」が「秘密」に独占して抱え込んでいる本作の陰謀論的な「世界」は、典型的な「セカイ系」構造だ。
一般人=大衆=社会から隠された「秘密」を巡って、「えらい人」と「学生」は同水準に立つことになる。
「社会」から秘匿して独占した「秘密」を、「えらい人」と共有していることが、社会参加していない「学生」が、多くの「セカイ系」作品で、世界の命運に接近して利いた風な口をきける根拠だ。

だが、こうした「セカイ系」構造の説得力が、この20年で変質したことが、本作の「分かりにくさ」の理由ではないだろうか。
原作でストーリーに説得力を与えていた時代感覚が変化してしまったのに、現代へと時代設定を変更してそのまま同じ舞台設定を使用してしまったことが、細かな技術上の齟齬などではない、根本的な「伝わりにくさ」の原因である気がする。


20年前、「セカイ系」に説得力を与えていたのは、逆説的に現実の「社会」は強固で不変であるかのような時代的な「信憑」だったのではないだろうか。

自律作動する複雑で「よくわからない」機械のようなものとしてイメージされる「社会」。

「よくわからない」ままに、自分とは無関係に自動的に作動していく複雑な機構としての「社会」、という現実の「世界観」が、逆に「社会領域」が削除されても「日常」は何の不都合もなく維持されていく「セカイ系」の「リアリティ」を支える。

「学生」が訳知り顔で「世界」の根本に関与していく背後で、電車は時刻表通りに運行され自動車は信号に従って走行する。
水は蛇口から流れ、スイッチ一つで電気は点き、コンビニに並んだ商品は望むままに購入できる。

本作でも同様に反復されているこのような「日常」のあり方は、逆説的に「社会」の不動の安定を暗黙の前提としている。

だが、この20年という時間は、こうした暗黙の信憑を掘り崩す過程であったのかもしれない。


こうした「セカイ系」世界の「安定」を支えていたのは、陰謀論的に歪曲された権力者=「えらい人」だった。(時として企業経営者がこれに加わる)
「ズル賢」く「悪賢」い権力者は、自らの権益を確保するために、権力の源泉である「社会」を自分に都合の良い形で「安定」させる強い動機がある。
「世界」の動揺と切り離して「日常」を安定させるために、「秘密」を独占する「敵」としての権力者は陰謀家として登場するしかない。
(世界の危機を「秘密」にしたまま「密かに」戦う主人公とは、「安定」を口実とした「陰謀」の共犯者であるともいえる)
多くの「セカイ系」で、「政治家」を始めとする権力者が役職も権能も不明な「えらい人」として現れるのは、「複雑系」の社会を「よくわからない」の一言で理解する裏返しだ。

本作もまた、この構造をなぞっているのは上述の通りだ。

当然、こうした「設定」は、読者=視聴者の現実感覚との連続性があるからこそ採用されてきた。
しかし、現代の視聴者には、こうした世界構造は説得力が薄れているのではないか。

そう、この20年で暴露されたのは、現実の政治家=企業経営者=権力者は「ズル賢く」もなければ「悪賢く」もないという事態ではないだろうか。

単に「ズル」くて「悪い」だけで、「賢く」などはない。
「ズルくて悪い」だけのバカではないかと。

「自分は何もしなくとも自律運動する社会」の「信憑」を支えていたのは、「えらい人」が自己利益のためにズル「賢く」社会を操作しているはずだ、という、ある種の合理思考だ。

しかし「えらい人」が「悪い」だけのバカならば、合理思考など存在していたはずがない。
「社会」の自律運動は、「複雑さ」から目を背ける反知性の怠惰が見せていた幻影ではなかったか。

「ズルい」バカが、思い付きで「権力」を振り回すことで、「社会」の機能不全を引き起こしてくるさまを目撃してきたことが、「自律運動」の幻想を、もはや「信憑」できない地点に視聴者を連れてきたのだろう。

おそらく現代の視聴者には、「学生」が利いた風なセリフで「世界」を救う背後で、日常が「自動的に」維持されているようには見えていない。

誰かが電力網を維持し、運行を管理して電車のダイヤを維持している人がいる。
信号機をメンテナンスする人に支えられて自動車は運行し、その流れに乗って商品の配送する人が、24時間のコンビニでの買い物を可能にしている。

こうした個々の「社会人」たちの肩で支えられた「社会」では「自動作動の安定」がリアルさを喪失するのであれば、「安定」のための共犯行為が要請する、「密か」に戦う「聖戦」の密儀性もまた説得力を失う。
社会参加していない「学生」が訳知り顔をする本作が、わかりにくいものとなるのは避けられないだろう。


時代的に失効した「世界観」を、無自覚に「現代」へ持ち込んだ設定が、本作を分かりにくいものにした。

だが、これは原作小説が現代では無価値になってしまった、という事ではない。
水準を超えて構築された作品は、その時代を離れても物語の訴求力は、衰えない普遍性を持つ。

ただ、その時代と強く結びついて説得力を発揮した「もの」を、十分に検討することなく時代だけ現代へスライドさせた不手際が、作品の語るものを不明瞭にしてしまったという事だ。
おそらく同じ失敗をアニメ版『BANANA FISH』にも指摘できるだろう。
東京もニューヨークも同方向に等質のものとしてフラット化する圧力に晒される21世紀世界で、温室の「日本」に対する「リアル」の渦中にある「アメリカ」、という80年代特有の誤解の対立構造に基づいていた原作マンガの説得力は機能しない。


「社会」や「世界」の理不尽さへ対する若者の不満は、いつの時代でも繰り返されるだろう。
可視化装置として、ある時代では有効であった「自動作動する不変の社会」への信憑を利用した「セカイ系」は、現代では有効性が薄れた。
新たな装置が求められるし、試みも多くなされているが、しかし、そうした「改変」を加えれば「原作」とはまるで異なる「作品」となるわけで、原作の「アニメ化」とは難しいものだと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

どっからどう見てもポップ・・・ではないよね

『これは猟奇サスペンスであり青春群像劇であるんだよ』 

相反しそうな言葉を同一の意味合いのものとしてキャラに語らせる。するとあら不思議!深淵なる哲学的ななにかに聞こえてきます。

『猟奇サスペンスである一方青春群像劇』 並列は×
『猟奇サスペンスである以上に青春群像劇』 序列も×

いずれもパンチが弱いため、ここではあくまであたかも相反するものが一体となってるような表現に努めねばなりません。

・レトリックのみでくどく、キャラをイタく感じてしまうのが “梅”
・レトリックがハマリ、キャラに魅力を感じてしまうのが “竹
・レトリックとストーリーがマッチし、作品に魅力を感じてしまうのが “松”

本作『ブギーポップは笑わない』はまごうことなき松!
抽象的な「世界の危機」という大問題を巡って登場人物たちの極めて主観的な台詞回しで進行していくサスペンスタッチの青春群像劇のようなものと言ってよいでしょう。猟奇性を帯びたキャラクターも複数登場するため、グロ描写も所々出てまいります。


1クールなのに全18話のお得感。トリッキーな放送スタイルのおかげで何話か飛ばしましたがなんとか視聴を完了しました。配信やタイムシフトのある時代で良かったです。
そんな便利なサービスの欠片もなく、ラノベという単語も浸透してなかった1998年に刊行されたヒット小説のアニメ化です。
元ネタの刊行年度を考えれば古典といって良いでしょう。私としては珍しく原作既読の作品です。作品の意義だったり影響等についてはgoogle先生あたりをご参照くださいませ。

実際に視聴してみて巷で言われるような “古臭さ” というのが実はよく分かりませんでした。
だいぶ原作の記憶が薄れているためほぼ初見のような新鮮さで堪能できてます。全18話を通してキーになる人物(人格)がブギーポップ。いくつかに別れたエピソードはこちら、

(1) 第1話 - 第3話 ブギーポップは笑わない
(2) 第4話 - 第9話 VSイマジネーター
(3) 第10話 - 第13話 夜明けのブギーポップ
(4) 第14話 - 第18話 オーバードライブ 歪曲王

計4つのエピソード。時系列は前後してたりするのでながら見は禁物です。時系列の掴みづらさと同様に、キャラ相関が難解、そして台詞回しが難解です。私は後者をあきらめました。
ただキャラ相関は小難しそうに見えて意外とシンプルなのではなかろうかと思ってます。ここが掴めてくるとテーマらしきものも見えてくる作品でした。


◆相関その1 二つの二項対立
・《世界の敵》 と 《世界の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}《世界の敵の敵》はブギーポップ。前者はブギーポップに“自動的に殺される”人が目安でした。合成人間もいいセンいってますが、MPLSと呼ばれる元は普通の人間でふと異能に目覚めちゃったのが敵認定される場合が多かった気がします。{/netabare}

・《社会の敵》 と 《社会の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}霧間お父さんの「社会の敵」というセリフに引っ掛かりを感じました。統和機構に殺されるのが《社会の敵》に見えます。ブギーポップは社会の敵は殺しません。{/netabare} 

《敵の敵》の主語は一つで《敵》はいろいろですが、《世界の敵》か《社会の敵》かに分けて整理するとスッキリします。《世界》と《社会》の違いはようわかりませんでした。
{netabare}強いて言えば
《世界の敵》はマジやばいやつ。世界を滅亡に陥れる者。
《社会の敵》はプチやばいやつ。世界を大混乱に陥れる者。{/netabare}

{netabare}ここでふと、《世界の敵》は超異能だけどスケールが小さいというか世界はさすが言い過ぎじゃね?と思ってみたり。
この作品でいう世界の規模感や質感が我々がイメージできるものならば、目立ってマークされてそのうち一個師団が出てきて壊滅させられる程度の異能ぶりです。おそらく煮詰まった上で殺される前といいますか勃興期のイケイケな時にブギーポップが登場するのかもしれません。だからこう噂されてるのかな。

{netabare}「その人が一番美しい時に、それ以上醜くなる前に殺す」{/netabare}{/netabare}


◆相関その2 宮下籐花はモブ
ブギーポップが主要人物であることはよいとして、肉体を間借り!?している籐花にも焦点をあてると混乱します。
先入観だと、ふつう主役はこの人だよって観る側に柱を作ってあげてから話を進めるとか、群像劇でもグループ(だいたい5名くらい)を作ってその囲いの中で話を進めるものだと思うのですが、それがありません。登場人物の母集団に大きな変動はないのにです。さらに4エピソードと分けてることでなおさらこんがらがります。
前のエピソードで主役を張ったかと思えば次のエピソードは台詞なしとか、ブギーポップに視点を置きたいけどなかなかもったいぶって出てこないとか。
{netabare}当初は、別人格に悩まされる少女(宮下籐花)と恋人竹田啓司との奮闘記を想像してしまったせいでとても混乱した私です。{/netabare}
{netabare}霧間凪も髪型変わってヴィジュアル判別が難しくなったりとかホント勘弁して~{/netabare}


対立の構図や人物相関が整理できたらあとは身を委ねて完走です。
こういった「世界の危機」といった抽象的な大問題をさも大事のように扱う作品って、外からだと馬鹿馬鹿しくつまらなく見えがちなのですが、中に入ってみるとけっこう陶酔できるものです。
作品が世に出た1998年あたりで例えれば、ヴィジュアル系バンドの歌詞世界とライブ模様みたいなものかと。「破滅」「追憶」「世界の果て」「彷徨」「闇」「孤独」「血」「薔薇」「憂鬱」「堕ちる」・・・とだんだん楽しくなってきちゃったのでこのへんで。あと「とりあえずフランス語」。

極めて私的で閉じた空間でのダークな物語。
きっと中学生や高校生くらいの思春期に出会ってたらドはまりしてたと思います。では思春期が遥か遠い大人の私はどうだったかというと、「とても楽しく鑑賞できました」になります。
毎度OPが楽しみだったのと、意外と大人がいい役回りをしてたことが理由としては大きいですね。語り部的な大人らしい大人もいれば、大人になりきれなくて身を滅ぼす大人と。
彼ら高校生が抱く未来への期待と不安を象徴するような大人ばかりでした。
子供ばかりだけだったら見られなかったような気がします。

思春期世代の抱える不穏さをファンタジーでふわりと包んだ良作です。

この作品に影響を受けた奈須きのこ氏の『空の境界』にドはまりした私にはとても相性の良い作風でした。



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2019.09.19追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.27 初稿
2019.09.19 追記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ブギーバックは笑えない

ダンスフロア~に鮮やかな光~。
…。
ピエール瀧ぇ。
ってことで妙に薬物ネタが出てくるこの作品、もうちょっと時期遅かったら世間に「配慮」して放送できなかったってことは…無いか?大丈夫か?

{netabare}噂には聞きつつもどんな作品なのかは全然知らず、「よしこれで内容知れるぜ」と1話見てみたら全然意味分からなくて一旦脱落。
脱落したといっても妙に後ろ髪引かれる部分があって…まずOPカッコ良いよね。
爆発したビルをボケーっと見てたら何者かが空をスッ飛んでいってハっと白昼夢見て最後は再びハっとする所に戻ってという内容で、「しょうゆおいしいです」みたいな。
それとこれ結構重要だと思うんだけど、女性キャラをワザと絵的にブサイクに描いてない?
青ブタのように美女に生まれて大変って内容ならまだしも、意味も無く美少女に描かれてる限り媚びてる匂いってのはどうにも付きまとい、それでいて所謂「意識高い系」をやられるとな~~んか気持ち悪い。
意識高い系でないならどんなに媚びてても平気なんだけどねぇ。
新シリーズ版のなんとかの旅とかヴァイオレットなんとかとか…自分的には評価低いんだけどブサイクに描かれてたらまた違ってたんじゃないかなー?と最近思ってて。
また色づくなんちゃらはそこら辺考えて、ブサイクになりかけギリギリのラインを攻めてた気配を感じます。
ってことで、この作品はめっちゃ思い切ったことをしてるという認識で、1話で脱落したといっても録画溜めて後で見るつもり満々ではいました。
これがきゃろ~んとした美少女だったら1話で完全に切ってたと思う。
(小声:というかですね、「ワザとブサイクに描いてる」と言うと普段深夜アニメ見ない人の食いつきが良いゾ)

でもって全話見てみたところ…ナルホドそういうことねー。
自分はどうしてもSF的に(機械的にと言った方がいいのか?)処理しがちで、哲学的・情緒的に考えるのが苦手というか。
つまりはコトの発端はエコーズが地球にやってきた、もっと厳密には過剰に進化したことが東亜機構の設立も含めたキッカケなのかな?と思っちゃってて。
なので全てはエコーズが余計なことをしたせい(実際、カミキシロはエコーズに優しくしなければ死ななかっただろう)、観測者が観測対象に接触してしまったのが悪い(=ブギポの敵)と思ってしまったのだけど、そうではないみたい。
実際は「(人類が)影響受けるのはどうでもいい、進化したいのならどうぞお好きに、但しそれが間違った方向だと判断したら始末しまっせ」ってことみたい。
あ、ブギーポップのスタンスのことね。
正義・悪の基準が曖昧というか、ブギポは別に身近な人を助けるために出現するってことではない。
むしろ場合によっては身近な人には迷惑な存在にもなりえたり。
ここら辺、どんな選択をしようが主人公の選ぶことが正義と扱われたサクラダなんとかより全然好感が持てる、自分は。

とはいえ…今作最終章になる歪曲王編、能力の合わせ技かぁ…。
これやられると何が起きてるのか一気に分かりにくくなる。
何が幻覚で何が現実か、または幻覚のどこまでが現実に影響したのかとか、よく分かりませんでした。
ってか田中お前も能力者だったのか…。
改めて考えるとカミキシロに始まりカミキシロに終わる構成だったのかな?
とりあえず歪曲王編以外は実はそんなに難しい内容ではなかった、1話でかなり身構えてたのでホっとした感じ。
むしろ簡単な話を必死に難しそうに装った感じ?

進化についてはこちとら園芸(生き物)を趣味としてるので色々と思うところがあるのだけど(書き始めたら止まらなくなるので割愛)、ある意味真っ当な捉え方だと思います。
まぁ能動的じゃあないよね、と。
漠然としたものを漠然と流してて、「現象」を紹介したものに近いので地味だし感想も書きにくい。
実はそんな難しいこと考えずに各キャラが微妙なタイミングでニアミスするのを「フフッ」っとほくそ笑むのが正しい楽しみ方だったりして。
ナギが父親と、知らぬ間に助けてくれた黒田の仇(実行犯なだけで一番悪いのは命令下した奴だけど)だと知らずに佐々木と手を組んだり、委員長何度も巻き込まれて災難だなぁとか、先にも書いた通りカミキシロと付き合ってた田中がアレだったり、人間関係を追うだけでも面白いかと。
キスギ先生の元へ宮下藤花がかかりに来たのもナギとニアミスだったのを演出しただけで、世間で言われる二重人格そのものはあまり重要じゃないんじゃないかな、だってブギポはそれを超越した存在だろうし。
1話があんなんだったので身構えがちだけど、軽くダラーっと流し見でもOKな気がする。


余談
16話が恐竜の頭のデザインが妙に上手くて、またキャラの顔(特に目)の描き方が他の回と違って「リトルウィッチアカデミアみたいだなぁ」と思ったら作監が半田修平で大正解。
やったぜ、本編からスタッフ当てるのは自分にとっては稀なのでチト嬉しい。
もし「派手なアクションシーンだけ見たい、その回だけ教えろ」って方が居たら、16話お勧めでっせ…まぁトリガートリガーしたアクションですが。{/netabare}

追記{netabare}
例えばライオンが草食獣を狩るシーンを、ナレーションやBGM入れずにただ淡々と流す映像があったとします。
それを見て「ライオンかっけぇ」と思う人も居れば、逆に草食獣に感情移入して「草食獣可愛そう」と思う人も居るでしょう、中には「自然はなんて荒々しくも美しいんだ」と涙を流す人も居るかも知れない。
どう思おうともそれは間違ってはいない、↑で書いた「現象を紹介したもの」というのはそういうことになります。
ブギポでいえば「何が起こったのか」を理解するのは実はそんなに難しくない、歪曲王編は除いて。
但し「これで作者は何を伝えたかったのかを言え」と言われたら…それは非常に難しい。
現象映しただけなので…掴みどころがないというか、自己主張が無いというか。
自分は性格ヒネくれてるので「露悪趣味披露したかっんじゃね?」と答えちゃうけど、こういう場合って大抵鏡のようなものになるのでお察し。
(そうはいってもさ、織機の設定はちょっとチンピクしたぞ?)

──なんてことを思ったら、冒頭で書いたキャラをワザとブサイクにしてる意図が分かった気分。
キャラに感情移入させないためだったのかなー?、と。
キャラが魅力的じゃないっていうのは狙い通りなんだろうなぁ、と。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

69.6 5 リメイクで学園なアニメランキング5位
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~(アニメ映画)

2017年11月11日
★★★★☆ 3.7 (76)
294人が棚に入れました
大和和紀「はいからさんが通る」の40周年を記念した作品。

大正時代の東京を舞台に、活発でおてんばな“はいからさん“ こと花村紅緒と、許嫁である陸軍少尉・伊集院忍との波乱万丈な恋模様を描く。

声優・キャラクター
早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴、瀬戸麻沙美
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

昭和の作品を平成の時代にリメイクした大正ロマンの名作ラブコメ

「はいからさんが通る」は再放送視聴になります。何せ、この裏で放送していたのが日本昔ばなしでした。テレビが一家に一台しかない時代、ゴールデンタイムに親子で見ることができた作品が優先されました。まぁ、小学校の中学年だったし、少女漫画原作作品なんて、恥ずかしくて見れないというのもありましたけどね…。

再放送で見たのは思春期に入る頃。その時に見た印象は「紅緒が可愛い…」。とにかくおてんばで、でも一途な紅緒に惚れてしまいました。それとストーリーとおちゃらけた場面の面白さがとにかく引き付けて、自分のラブコメ好きはこの作品が原点といっても過言ではありません。ただ、ワケわからないところで終わってしまい、心残りでした。このあと原作は読んだのですが、やっぱり動く紅緒が見たかった…。

あれからウン十年、まさかまさかのはいからさん。なんで今ごろ?という思いはありましたが、楽しみにしてました。が、キャラデザイン見たときに2017流行語大賞のノミネート言葉が真っ先に出てしまい…「ちーがうだ~ろ~‼」。正直、楽しみは不安に変わりました。そして、映画館へ。

不安と違和感は3分で消えてしまいました。そこに描き出されていたのはまさしく「はいからさんが通る」。制作会社が一緒だし、長い間喉に突き刺さったままだった中途半端な作品を仕上げようというスタッフの思いが伝わりました。そして何より中の人たちの演技力、特に紅緒のはやみんは特筆もの。あぁ、紅緒ってこういう子だったなという感じを思い起こしました。

物語は原作にしたがっています。ただ、前半とはいえ、結構なボリュームを90分にまとめてますので、どうしても無理が出ています。例えば{netabare}紅緒と忍がそれぞれ互いを好きになっていく過程や伊集院家での生活、紅緒と蘭丸と環の微妙な関係、忍の出征への過程、忍亡き後(死んではいないが)の伊集院家{/netabare}等々、上げたらきりがないかも…。それでも物語に破綻がないようにうまくまとめたと思いますし、原作も過去アニメも知らない人でも楽しめる内容にはなっていたと思います。また、ギャグになるシーンは懐かしいし、過去アニメ知っている人向けにはラスト付近で流れるインストバージョンのあの曲が涙ものです。

客層はけっこう広い印象でしたが、なかでもドストライク世代であったろう女性の姿が多かったのが他のアニメ映画では見られないなと思います。彼女たちがよみがえったはいからさんを見て、何を感じたのかな…。

大正ロマンを元にしたラブコメの名作。懐かしさも感じつつも、いつの時代にも通じるラブコメだと改めてストーリーの素晴らしさを実感しました。後半も見に行きたいと思いますし、ラブコメ好きな人にはぜひ見てもらいたい作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

浪漫の香りに満ちたこの東京 時代を超えて進んでいく勇気を私にください

2017年公開の劇場版アニメ 「はいからさんが通る」前編 97分

原作 大和和紀 監督脚本 古橋一浩 キャラデザ 西位輝美 音楽 大島ミチル
制作 日本アニメーション

主題歌「夢の果てまで」竹内まりや 唄 早見沙織

1975年から「週刊少女フレンド」に連載された少女コミックが原作。
当時のコミックは人気のあるなしにかかわらず、初期設定のストーリーで終了する場合が多く、
この作品もその代表格ともいえる文学的コミックだったと思う。

「世界名作劇場」「未来少年コナン」「釣りキチ三平」などを制作し、
20世紀五大制作会社の一つと言われた日本アニメーションによって、
1978年にテレビアニメ化。
4クールの予定であったが、42話で打ち切りで原作のラストは描かれなかった。
その後、三田寛子主演のテレビドラマ版など作られたが、
今回初めて原作のストーリーが最後まで映像化されることになりました。
それも、経営悪化から立ち直った日本アニメーション制作と言うことで感激もひとしおです。

舞台は大正時代、花の都東京の跡無女学館(モデルが跡見学園なので神田かな?現在は大塚)
徳川家旗本の没落した家の娘「花村紅緒」CV早見沙織と、
伯爵伊集院家(名前からして薩摩)の御曹司「伊集院忍」CV宮野真守の恋の物語。

4クールアニメだったものを100分程度の前後編では酷い詰め込みが予想されましたが杞憂でした。
原作に癖がありまして、当時のサブカルチャーをネタにしたギャグが全編を覆っていて、
本筋である日本版「ドクトルジバゴ」とも言うべきラブストーリーの部分は、
この劇場版前後編と言う長さが調度良いと感じました。

もちろん、監督でもある古橋一浩の脚本の出来が素晴らしいのも要因です。

昭和版「はいからさんが通る」は視聴済みのため物語は知っているのですが、
非常に良い出来で、ほろりとする部分もあり大満足の一作でした。
女房はギャグ部分が削られたことに怒っていました。
「牛五郎さんが~」とか訳の分からないことを口走っていましたが、
そんな寒いキャラはどうでもいいのです。

もともと原作や昭和アニメ版に不満があった私としてはこちらのほうがずっといいです。
泥沼の戦争へと向かう日本、ロシアの世界を震わせることになる革命。
大正ロマンに浮かれる日本から始まる美しいラブストーリーの前編は満足のいく作品になりました。
 
後編は2018年公開、初めて映像化されるラストシーンに期待は膨らみます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Fanatic さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ラブコメ感覚で楽しめる大正ロマン

原作は、はるか昔に既読。
結構楽しんで読んだ記憶はあるのですが、ストーリーは輪郭を覚えている程度。
1978年版のテレビシリーズは未視聴です。

監督&脚本は「ガンダムUC」や「るろ剣」の古橋一浩さん。
前編の範囲は、1978年版をカバーする感じでした。
テレビシリーズでの約40話ぶんを二時間弱に収めるわけですから、予想はしていましたが、展開はかなり駆け足です。

ただ、主人公・紅緒の、天真爛漫で心根の優しいところは、いくつかのエピソードと共によく表現されていて、感情移入もしやすかったです。
駆け足ながらも王道の基本は押さえて、見せるべきところは見せ、端折れる部分は端折る、そのサジ加減が秀逸でした。
ジーンとくるシーンも多く、思っていたよりも上手くまとめられていたな、という印象。
物語の輪郭は覚えていたので、それを補完する形で視聴できたおかげもあるかもしれません。

ストーリー自体は、ベタベタの王道少女漫画。
もっとも、原作が70年代ですから、本作もそれを楽しむための作品なのでそれはそれでよし。

コミカルな演出も随所にあって(多分、原作の描写をそのまま転用されているのだと思いますが)、昨今のラブコメを見慣れた視点でも結構笑わせてもらいました。
現代でも通用する大和和紀さんのセンスはすごいなと感心します。
(私の笑いのハードルが低いだけという話も……)

作画は、劇場版にしてはちょっと物足りないですが、普通のTVシリーズくらいには綺麗ですし、まずまずという評価でいいと思います。
西位輝実さん(「サーバントサービス」「君のいる町」など)によるキャラデザは、1978年版より洗練されているのはあたりまえですが、原作・大和和紀さんの絵よりも昨今風にアレンジされていて、好き嫌いはあるかもですが、アニメとしては観易かったと思います。

不満点は、1978年版の名曲を歌付きで聴けなかったことくらいかな?
(どこかで、早見沙織さんver.を挿入歌にでも使って欲しかった……)

そんなわけで、個人的には概ね満足の前編でした。
本作で初めてはいからさんに触れるという方にも、それなりに楽しめる内容だったんじゃないかなぁ、と思います。……前編はっ!

問題は、後編ですね(続く)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

71.9 6 リメイクで学園なアニメランキング6位
フルーツバスケット 2nd season(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (180)
753人が棚に入れました
親を亡くした女子高生の本田透が、縁あってクラスメイトの草摩由希やその親戚のたちと暮らすことに。しかし、"十二支の物の怪憑き"である草摩家には、「異性に抱き着かれると、憑かれた物の怪に変身してしまう」という秘密があった。その秘密ゆえの、家族からの極度な愛情や拒絶、学校でのいじめなど、草摩家の人々を、透は目の当たりにすることになる――。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、上田麗奈、大地葉、河西健吾、豊崎愛生、坂本真綾、森川智之、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき、江口拓也、加隈亜衣
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

イロイロナコイノカタチ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期は、各キャラクターの紹介&透を起点にした主要キャラクターとの交流を描き、美しく哲学的な話になっていた。

2期は、透との関係性というより、各キャラクター同士の関係性を深めたり、それぞれの背景にある謎に迫っていく流れ。

レビュータイトルを「イロイロナコイノカタチ」にしたのは、この作品に出てくる皆の恋愛が、本当に一筋縄ではいかないものばかりで、それぞれにそれぞれの「好き」や「愛」の形があるんだな~と感じたから。そしてそれが、非常に繊細で脆く眩しいガラス細工のような印象なので、カタカナ表記にした。

正直言って、1期に比べるとスローテンポでやや退屈な展開だと思った。丁寧な描写に努めたとも言えるけど。

全体として「繋ぎの2期」という印象なので、完結編を観ての評価ということになりそうかな。


《以下ネタバレ》


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
サブキャラ達の恋愛で良いな~と思ったのは、白木繭子と草摩はとり。草摩紫呉のちょっかいも最高だし、あそこでワンワン泣き出す白木繭子は素敵だな~と思った。

あとはまあ、草摩由希の成長が素敵だった。色々なことを決められ、与えられてきた由希が、初めて(2回目)自分の力で作れた仲間。個人的に深いな~と思ったのは、17話だったかで、由希が喧嘩した真鍋翔に、「罰として絶交」と言ったところ。絶交が罰になると思うのは、自分が好かれている自覚がある証拠だからね。ああいうセリフをサッと言わせて、行間で登場人物の心情の変化を見せるのは、この作者の最も優れているところだと思う。

意外だったのは、ラストギリギリまで透と夾と由希の三角関係を維持する(透の心の揺らぎを描くの)かと思っていたけど、こんなに早々と透ー夾のルートで固定し、
由希ー倉伎真知のフラグを出していくとはね。

それはつまり、作者がこの作品を、この作品の登場人物を愛しているからなのかな?と思った。

つまり、「刺激的な展開で読者を楽しませる」よりも、「各キャラクターみんなに幸せになってほしい」という思いを優先させたということ。

あるいは、「刺激的な展開」はある種の「ストレス」であり、本作の読者は、「平和な展開」=「癒し」を求めていると判断したのかもしれない。まあ、草摩慊人の件でストレスは充分だしね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
世間に認定されている休みとは違う、確かに。思いっきりの嫉妬。ここまで真っ直ぐな嫉妬だと、逆に不快にならないというね。

2話目 ☆4
透は、なんだろう、これが天然なら男はやられる(笑) 師匠、格好良いな~。当然、透にも弱さはあるわけで。時雨(笑) んで、イケメンだな(笑) 

3話目 ☆


4話目 ☆


5話目 ☆
修学旅行。透、最初に気にするのそれか(笑)

6話目 ☆


7話目 ☆3
ドタバタからのホラーやな、アキト。

8話目 ☆3
ユキ、強くなったな。トオル、小学生かな?(笑) 海には勝てないし、トオルにも勝てない(笑)

9話目 ☆3
アキト、どこまでの力があるのか。まどろっこしいな。口だけでどこまでいく? ここに至っては、言葉は無力だと思うけどな。

10話目 ☆4
少し痛いやも、は、可愛い(笑) かぐや、切ないよな~。つじつま合わせの恋が、本物に。

11話目 ☆4
ガン泣き。この二人、付き合えよ。時雨(笑) 行くけども(笑) 羽鳥も、良いよな。

12話目 ☆3
冒頭チョップ(笑) あれが恋をする女の背中、なにか痛々しい(笑) ゆんゆん、定着(笑) ユキ、ネガティブだからな。なにしくさってるんですか(笑)

13話目☆3
おじいちゃん、久しぶり、好き(笑) 腹の底から嫌そうな顔をするマユを観たいシグレ(笑) 俺、もう死んだって良いよ、からの強引なキス。いや~、少女漫画(笑) 

14話目☆4
楽しそうだな、おい(笑) 菖蒲、良いよな。一番好きかも。人の為になら本気で怒れる。「お金や地位が好きという、一風変わった感性の持ち主」って、スゴい好きなワードだな。

15話目☆3
トオル、嘘、下手(笑)

17話目☆3
猫の嫉妬(笑) 絶交が、罰になると思うのは、好かれている自覚がある証拠。

18話目☆3

19話目☆3

21話目☆3

22話目☆4
僕は、嫌なんだ。シンプルで良いね。ユキが自分だけの人間関係を作っていく。好きな娘に意地悪する小学生(笑) 幸せになってほしい。幸せにしたい。完全にフラグが。

第23話目☆4
コントだな(笑) さらっと「親には見られたくない」って言うところ良いね。じっちゃんはいつも1人、は笑った(笑) そこで姫(笑)

24話目☆3

25話目☆3
女か~。なるほど~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君を、想う。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ2001年版と、2019年版の1st seasonは視聴済です。
2001年版は原作が完結していなかったので、全2クール26話で最終話はアニオリとなりました。
ですが、今回は本編の最後までアニメ化される…
2019年版の1st seasonを視聴した時、これがムッチャ嬉しかったのを未だ覚えています。
しかも、1st seasonからいきなり2クールなんですから…
そして2nd seasonも2クールという骨太の作品になりました。


透が紫呉の家に住み始めてから一年が経とうとしていた。

由希と夾だけでなく草摩家の皆とも交流を深めてきたが、
今も気になるのは忌まわしき『呪い』の正体。

進むべき道、決められた宿命、
終わりなき――十二支の――宴を前にして
由希は、夾は、そして透は何を想い、何を決意するのだろうか……。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

透を取り巻く世界の日常を描いた作品…
だけど、2nd seasonも色々なことがありました。

出来事の多くは十二支の呪い…物の怪に纏わる悲しい物語。
異性に抱きつかれると憑かれた獣に変身してしまうという体質の設定は、2nd seasonではすっかり影を潜めています。

それは物語の軸足が「草摩一族の秘密」という十把一絡げの状況から、十二支の個々人の在り方に変わったから…
一本調子だった物語が、登場人物の数だけ分岐し、それぞれの道を歩み始めたんです。

枝分かれした道は細く、脆弱で、行き先が分からず彷徨っているみたい…
時に道同士が交錯したり離れたり、歩みの速度もバラバラ…
心は「真っ直ぐ進め」と叫んでいるのに、右に行ったり左に行ったり…

でも、これらは私たちが「生きている」証なんだと思います。
心の弱い部分、知られたくない秘密、抑えきれない衝動、耐え難い畏怖…
そして誰かを愛する気持ち、大きく包み込む優しさ、温かさ…

ヒトは色んなモノを抱えて生きています。
それは十二支だって一緒…
そう、例え十二支の呪いがあったとしても、皆さん私たちと一緒なんです。
そういう十二支の人間臭さがひしひしと感じられる展開だったと思います。

そして、透の友人の魚ちゃんと花ちゃん…
2nd seasonも「透愛」が変わらず凄まじかったですが、今回は魚ちゃんに一波乱ありましたね。
コンビニ、蕎麦屋とたった2度の出会いでしたが、物凄いインパクトがあったと思います。
思いのたくさん詰まったDVD…両手を振りかざして叫ぶ言葉に、私の涙腺は全く抵抗できませんでした。

2nd seasonの中盤からこのクールじゃ絶対物語が完結しないと予感していました。
どの様に物語を纏めるんだろう…と思っていたら、物語の途中でスパッと切られて終幕となりました。
でも、いいんです…
だって、2021年に「フルーツバスケット The Final」の放送が決定したんですから…
それにしても、2nd seasonの最終話は凄かったですね。
私は原作未読なので、明るみに出た衝撃の事実にビックリすることしかできませんでした。
これで透の野望が一歩前進するかもしれないのは、きっと喜ばしいことなんだと思います。
でも、紅野の口から零れ落ちる台詞を聞いたら、素直に喜べないと思ったのも事実です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、AmPm feat. みゆなさんの「プリズム」と、土岐麻子さんの「HOME」
エンディングテーマは、THE CHARM PARKさんの「ad meliora」と、MONKEY MAJIKさんの「Eden」

2クール全25話の物語でした。
2nd seasonもしっかり堪能させて頂きました。
ですが、最終話の衝撃から波乱万丈が予想される最終章が気になって仕方ありません。
この状況で一年待ちかぁ…
完成するまで待ちますので、本当のラストまで描き切って貰えるのを期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

今のところ眠れる獅子です

相変わらず原作は未読


全63話予定。現在位置は↓

 1st season 25話
 2nd season 25話←今ここ
 Final (仮) 13話

踊り場の2nd seasonなので軽めにいきます。

正直しんどい。
まず2つの道があると思うんです。リアタイ追うのと終わってからまとめてドン。一応ここは前者の意見ということであらかじめご承知おきをば。言うても2nd最後まで観たところで結論には至らない。立ち上がりだった1stはうろ覚え。そして共に2クール分とボリューミー。まとめての視聴をお奨めします。

しんどい理由はそれだけではない。
いわゆる“障害”と思しきものが特殊過ぎるのです。現時点で“障害”とは“草摩の家に生まれついた宿命によって縛られてる何か”しか分かってません。なにを根っこに苦しんでいるのか掴めないのでキャラの感情を拾えないのです。よもや表層なぞってあははうふふしてるだけじゃ名作とは言われまいて。なにかしら“障害”を乗り越えるなり打ち克つのだろうと想像できるのですが現時点では私が絶賛迷子中。きっと終盤にネタ明かしがあるのでしょう。

{netabare}草摩家当主の慊人(あきと)が嫌キャラとして描かれてはいるが絶対事情あるよね?{/netabare}
{netabare}なんで高校卒業したら夾(きょう)は幽閉されるのか他の道いくらでもありそうなのに?{/netabare}
{netabare}親に愛されてない子が多いね。変身しちゃうだけが理由だったらひどくない?{/netabare}

目の前でめっちゃ苦悩してるんですけど、十二支を苦しめてるものの正体がうっすらとしか分からず、なんか良く分かんない理由でイラついたり絶望したりする物の怪憑きの皆さんに菩薩モード全開で寄り添うヒロインという構図。


 理由の如何によらず苦悩している人にただ寄り添えるか?


みたいなところを感じて下さい、といった雰囲気はあります。こういうのってキャラには知らせずとも視聴者にはわかるようにするもんですけどね。面白い試みですがエンタメ感は薄いかなぁ。
置かれた境遇の厳しさに理解と同情の念はあります。だからこそ背景と理由を下さいってことですね。
そういうのが無ければ別の切り口。呪いというだけで縛られるしかないというあくまで思い込みとか。これだと理由はいらないんだけどそれはなんかやだなぁ。

1期は当初苦手だった透くんのキャラが終盤になって素敵に見えた後半追い上げ型。
2期は十二支の呪いに翻弄される皆さんを追いかけながら苦悩に寄り添う現状維持型。

全部終わってからあの時この時こうだったが見えてくるのだと思います。
もしくは原作既読で顛末をすでに知ってるファンが答え合わせをする場所。

いざ完走して全貌が明らかになった時、これが1クール2クールだったら覚えてるんでしょうが、差し詰め5クール分となるとよっぽど強烈な印象を残したとこじゃないと覚えてない確固たる自信があります。
全般的にもやっとしており初見でここまで50話は正直つらい気がします。


いいところもあるよ。OPEDが軒並み作品の世界観に合っていて良かった。そこだけは胸張って言える中継ぎの2nd seasonでした。
ここまで来たら付き合うけどね。頼むぜ名作!


※メモ
{netabare}あきとが女!?そして紅野は呪いが解けてました…と。
この淋しかりやの神様に救いは訪れるのか?十二支連中も救われてほしいね。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~9月 リアタイ

-------

2020.09.22 初稿
2021.07.23 修正
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40

66.8 7 リメイクで学園なアニメランキング7位
UQ HOLDER! ~魔法先生ネギま!2~(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (173)
819人が棚に入れました
平穏で退屈な田舎に暮らしている少年・近衛刀太の夢は、都へ行って一旗揚げること。
刀太は都へ行くため、育ての親であり優れた魔法の使い手である雪姫に挑戦する日々を送っていた。だが、戦いながらも仲良く暮らしていた2人の前に現れた賞金稼ぎによって、田舎での平穏な日々は終わりを告げる。

これは、ろくでもないモノになってしまった者達の物語。

声優・キャラクター
高倉有加、松岡由貴、広瀬ゆうき、佐藤利奈、茅野愛衣、小倉唯、白鳥由里、桑谷夏子、神田朱未、渡辺明乃、堀江由衣、佐久間未帆、能登麻美子、皆川純子、石田彰、原田彩楓、鬼頭明里、柿原徹也、咲野俊介、梶裕貴、小山力也、小野大輔
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「ネギま」は例外的な奇跡の作品であり、原作者であっても再現は難しい

[文量→大盛り・内容→余談が本論系]

※原作は最新巻まで読んでます。赤松先生大好きレビュアーとして、あえて厳しめのレビューです。ちなみに、自分で言うのもなんですが、私のレビューは思いが強くなり過ぎるとダメになる傾向があります(苦笑)

【総括】
ラブコメ作家の描くバトルもの。SF要素もあり、ある意味では、これまで赤松先生が作り上げてきたものの集大成と言えるのが、本作。

赤松先生の原作の中では、アニメでの作画は良い方かな。

グロい描写もありますが、グロがメインの作品ではないので、それだけで敬遠してもらいたくないな~というのが、赤松ファンとしてのお願いですm(_ _)m

まあ、タイトルから分かるように、完全に「ネギま」ファン向けに作られた、サービスアニメですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、アニメの尺に収まるようにかなり原作を変えていること。これをやると当然賛否はあるんだけど、赤松作品とっては平常運転。なんたって、「オフィシャルで二次創作を認めている漫画家(同人マークの生みの親だ)」からね。

忍との出会いを大胆にカットした部分とか驚いたけど、なるべくたくさんのヒロインを出そうと思えば致し方ないか。赤松作品に限って言えば、アニメは原作のスピンオフみたいなもんだし。

あと、意外とグロ描写がちゃんと(リアルに)あって驚いた。本作は「ネギま」のバトル要素を抽出して、続編として1つの作品にしてしまった、極めてレアな作品ではあるが、赤松さんと言えば基本的にはラブコメ作家。若干作風に合わないとは思った。血がブシャーとか首がスポーンとかは、(原作にもあるけれど)アニメならば、もう少しぼかすか、ギャグテイストにしても良かったと思う。グロがメインの作品ではないのに、(アニメから入った人でグロ苦手な方が)1話目で勘違いしてしまい、本作から離れてしまったとしたら勿体ない。(途中からはぼかしていたけど、1話目はアニメスタッフの失敗だと思う)

「~魔法先生ネギま!2~」という原作にはないサブタイがついていることから分かるように、原作に比べると、明らかに「ネギま」の要素が強い。アニメ制作会社的に、ネギまファンを出来るだけ取り入れたいという狙いが透けて見える(特に最終話のサービスシーン)。もっとも、原作でもその兆候は顕著になりつつあり、始めは「近衛刀太」の物語だったのに、次第に「ネギ=スプリングフィールド」の物語になりつつある。個人的にはそれで嬉しいのだが、果たしてそれで良いのかという疑問も残る。

近衛刀太は、ラブコメの主人公として、どうなんだろう? 「神戸ひとし(AI止ま)」や「浦島景太郎(ラブひな)」のような、「冴えないオタク」でもなく、「ネギ=スプリングフィールド(ネギま)」のような、「無邪気な天才少年」でもない。「普通のバトルものの主人公」的である、「近衛刀太」。普通にハイスペックで、普通にイケメンで、普通じゃないくらい鈍感で。よくいるハーレム主人公と何が違うんだろうかと感じる。

(神戸ひとしはともかくとして)「浦島景太郎」は、紆余曲折ある中で、一生懸命努力し、作中で本当に成長してくれたから、各ヒロインズとのデレ展開も、むしろ応援したくなった。「ネギ=スプリングフィールド」は、肉体的にも精神的にも未成熟で、基本的には「お父さんLOVE」な子供だったから、ヒロインズとのデレ展開も、ニヤニヤ眺められた。ちゃんとギャグになっていた。でも、「近衛刀太」は、(彼の出生に理由があるとしても)めちゃくちゃ簡単にサクサク成長しちゃうし、基本的にチートだし、あれだけツンデレだったエヴァンジェリンが簡単に頬を赤く染めたりだとか違和感あった。なんか、刀太が主人公だと、ハーレムがギャグにならないんだよな~。そこが1番の問題点に感じる。

〈まとめ〉
○原作改編は、赤松作品の場合、温かく見守ろう
△作風に合わない、しっかりしたグロ描写
○ネギまファンへのサービス
×近衛刀太の魅力のなさ
{/netabare}

【余談~ 勝手に赤松健の作品論w ~】
{netabare}
剣道部は、赤松作品の大ファンです。中学生の時に「ラブひな」にハマったのが、多分萌えの原点。ファンブックが出る前に、全キャラの登場コマ数とか数えて「正」でカウントしてましたもん。キモいです(汗)

以降、「AIが止まらない!」を読んでみて、やはり好きで、「魔法先生ネギま!」もメチャクチャ好きで、当然、全ての単行本も集めています。「いつだってMyサンタ」とか、マイナーな本も持っています。勿論、「UQ HOLDER!」も最新巻まで読んでいる状況。

自分的な赤松作品の順位付けとしては、ラブひな≧ネギま>>>UQ≧AI止ま>>>陸まお なんですが、陸まおは別物にしても、UQはちょっと、イマイチなんですよね。

正直、サブタイにある「魔法先生ネギま2」としか読んでいないと思います。ネギまのキャラが出てきた時は嬉しいのですが、それ以外は、、、。

ファンとして、やはり感じるのが、「雪姫(エヴァンジェリン)の違和感」と、「刀太の魅力の無さ」ですね。

エヴァは、「ネギま」の中でもトップクラスに好きなキャラでした。そんな彼女が、(精神的にも戦闘力的にも)弱体化しているのは嫌だったし、やはり、ナギ以外にはデレてほしくないです。「ネギま」の中ではネギ君にややデレてましたが、基本的に恋愛面はナギに一途で、ネギ君には親愛とかが複雑に混ざった感じが良かったんですよね。

本作では、エヴァもヒロイン候補の一人ですが、う~ん、やはり師匠的な立場で良かったと思います。最近の原作では、{netabare}キリヱがメインヒロイン化してきて、{/netabare}むしろバランスが良くなってきた印象ですが、最初からその路線で良かった気がします。

それから、エヴァの「多弁」がどうにも引っかかります。「ネギま」でのエヴァは、スーパーアドバイザー的な立場であり、本当に必要な時に、一言二言格言を与えるみたいな感じでしたが、「UQ」のエヴァはよく喋ります。まあ、「ネギま」はエヴァ以外に30名ものクラスメイトがいたし、サブキャラも多かった(話す人がたくさんいた)ので、しょうがない部分はあるけれど、エヴァのミステリアスな魅力は大分損なわれたかなと思います。

そして、私はどうにも、本作の主人公「近衛刀太」にイマイチ魅力を感じません。

赤松作品の主人公としては初となる「少年漫画の主人公らしい少年」ですが、これがどうにも(赤松さんの)作風に合わない。

前作の「ネギま」は、元々ラブコメから始まり、途中からバトルに変わり、「ラブコメとバトルが高いレベルで融合した」奇跡的な作品になりました。それを支えたのが、「ネギ=スプリングフィールド」が「ナニをしても許される、無邪気で愛くるしい天才少年」だったからだと思います。ある意味で、「ラブコメキャラでバトル」したからこそ起きた、奇跡の化学反応。

よく、「キャラが勝手に動き出す」と言いますが、私はコレを名作の条件だと思っています。「ネギま」の場合、連載開始時は、絶対にあそこまでバトルに寄せるつもりはなかったのだろうと思います。勿論、バトル展開も想定してのキャラ設定を行っていますが、基本は、「クラス全員とのラブコメ」(過去最多のヒロインのラブコメ)を目指していたはずです(と、なんかで読んだ記憶が)。それが、想定を超えてキャラが動き出し、後半なんかガチバトルにガチシリアスでしたからね。いや~、楽しかった。ほんっっとうに、「キャラが生きている」名作漫画だったと思います。

一方で、「UQ HOLDER!」は、連載前にコンセプトとして、「ラブコメとバトルの融合」「ネギまの完結編」として描かれ始めたと思います。そのためか、どうしてもストーリーや展開ありきでキャラが動かされている印象を受けます。赤松さんって、キャラ作りの天才だと思っているので、ここが違和感の原因かもしれません。

「ネギま」と「UQ HOLDER!」の違いは、「ネギま→ラブコメキャラでバトル」をしたか、「UQ→バトルキャラでラブコメ」をしたかというものだと思います。

微妙なんだけど、確かな違いです。

バトル漫画でのラブコメ展開はよくあります。まあつまり本作は、「別に赤松さんじゃなくても作れる」んじゃないかと。

やはり赤松作品の主人公といえば、「ラブひな」の「浦島景太郎」や、「AI止ま」の「神戸ひとし」のようなダメダメ系が基本ですね。ネギ君は、ホントに例外的なナイスキャラでした。

つまるところ、この作品が「ネギ=スプリングフィールド」の物語なのか、「近衛刀太」の物語なのか、ということだと思います。

どうにも、「近衛刀太」が「ネギ=スプリングフィールド」に負けています。まあ、勝たれても、それはそれで納得いかないんですが、ネギまファンとしては(汗)

前作のファンって、面倒くさい存在ですね(自爆)w
{/netabare}


【各話感想(原作ネタバレ)】
{netabare}
1話目
原作と違い、「ネギま」のシーンを入れてきたね。まあそもそも、魔法使えなくても、エヴァはメッチャ強いんだけどね。う~ん、作風的に、グロは濁しても良いと思うんだけど。

2話目


3話目
地下編やらないのか。忍、キャラ設定が変わったね。本来、10巻くらいの話だよね。流石、赤松さん原作。自由度が高い。ネギまの回想も多い。グロもぼやかされるようになったね。批判あったからかな(にしては対応早すぎ)?

4話目
いやだから、グロに悲鳴は作風に合わないんだよね。

あれ?各話感想が消えた? まあ、いいやw

7話目
雪姫が作戦を知ってる設定に変えた意味は? てか、(なぜかエヴァより弱体化している)雪姫とフェイトなら、五分五分、ややフェイトの方が強い設定じゃなかったっけ?

8話目
これ、フェイト→ネギ の深い愛を知らないと、大分印象が変わるよね。ここでネギ登場は原作にない流れ。

9話目
いいんちょが、エヴァを尋ねるか。やはり、本屋>忍、いいんちょ>みぞれ、刹那>時坂、エヴァ>雪姫、なんだよな。強いて言えば、千雨とキリエが互角くらいってところかな、ヒロイン力的に。刀太のクローンは、エヴァが言うんじゃなくて、やっぱりゆえが言った方が良いな。

10話目
麻帆良祭編。赤松先生のアニメ作品なら、この辺から暴走、いや、独自のラストに向かって話が進むよね。ネギとラカンは強すぎるからな~。

11話目
やはりネギま要素が強いね。エヴァの台詞も微妙だな。「私と共に歩いてくれるか、青空のもとを」なんて言うかな? せめて、「灰色の空のもとを」だと思うんだよな。戦闘シーンがダサいw

12話目
いや、この展開、「ネギま」を知らん人は、ぽかーんでしょw だから、その告白でエヴァは照れんって。「フッ」と笑った後にブッ飛ばすか、「プ、ハハハハ」と上機嫌に笑った後にブッ飛ばすか、どっちかなんだけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは、ろくでもないモノになってしまった者達の物語。

この作品の原作は未読ですが、タイトルにも含まれている「魔法先生ネギま!」の続編に位置付けられる作品です。
続編とはいえ、前作からは約80年ほど時間が経過していること、そして主要登場人物もガラッと入れ替わっているので、完全な続編とは言えないかな…とも思っていましたが、この作品を完走して思うのは前作までの積み重ねが
どれほど大切であったかということ…
だから、この作品をより堪能したい方は是非「魔法先生ネギま!」から2作計4クールの視聴を経てからの視聴をお勧めします。

前クールからの視聴を勧めたい…そう思ったのは実は1話の冒頭からでした。
私は、この作品の視聴に向けつい最近まで過去作を視聴していたので、懐かしさを感じるレベルはきっと2005~2007年にかけてリアルでアニメを視聴していた方とは比べるのもおこがましいのは理解しているつもりです。

それでも、1話冒頭の光景には圧倒的存在感と懐かしさを感じずにはいられませんでした。
それと同時に感じるのは、原作者とそれを支えるファンの愛の力…
この作品はみんなから本当に愛されているのだと思います。
じゃなければ、アニメ終了から10年の時を経て見れる光景じゃありません。

それに懐かしさを感じるのは光景だけではありません。
きっとこれは前期から視聴してきた人へのご褒美と特権…それを感じずにはいられませんでした。

語り部はエヴァンジェリン…
当時を懐かしみながら自分の置かれた境遇と向き合い…そして前に歩き出すところからこの物語は始まります。

この物語の主人公は、田舎暮らしの近衛刀太…
彼の夢は、いつか村を出て都に立つ塔に上って村の仲間との願いを叶えること…
その願いの成就に向けてクリアすべき課題はたった一つ…
実はそのたった一つの願いを叶えること自体、刀太らにとっては半端なく高いハードルだったのです。
まぁ、当然といえば当然なのですけれど…

田舎でのんびり平和に暮らしたい…それを一番願っていたのは、刀太の育ての親である雪姫先生でした。
それでも雪姫先生は気付いていたのだと思います。
安寧は長くは続かないこと…
何より刀太がそれを望んでおらず、もっと広い世界を見たがっていること…
そして平和な田舎で起こったひと悶着を経て、刀太と雪姫の物語が動いていきます。

刀太と雪姫が向かった先…
それは雪姫がかつて作った「UQ HOLDER」という組織でした。
雪姫がここに向かったのは田舎で起こったひと悶着がきっかけ…
確かにこれまで住んでいた田舎では事なきを得ました。
ですが、その代償として刀太は希望と絶望を一度に受け入れることになったんです。
でもこの表現は物事を物凄く前向きに見た結果…
普通なら希望など微塵も感じられなくてもおかしくはありません。

そこで雪姫の背中を押したのが刀太の一言…
「この力を何かの役に立てたい…」
刀太へに力強さを感じたと共に、これからへの期待で否が応でも胸が高鳴ります。

だって「UQ HOLDER」は刀太と志を同じくした仲間の集う場所だったから…
そしてそこで繰り広げられるのは「あぁ、これがやっぱネギまの世界だよね」とある意味嫉妬と安心感が交じり合ったような展開なんです。

「UQ HOLDER」に所属するメンバーは、男性よりも女性の方が比率が多く、雪姫を含め女性はみな美人か可愛いかのどちらか…

小倉唯さん演じる結城 夏凜は、UQホルダーNo.4。
スタイル抜群の格好良い系の役どころなので、小倉さんの力強さを感じる一面が見られます。

広瀬ゆうきさん演じる時坂 九郎丸は、UQホルダーNo.11。
最大の特徴は「八咫の烏」と呼ばれる一族の出であること。これが何を意味するかは結果を見てのお楽しみ…いや、既に片鱗は見えているかもしれませんね。

かやのん演じる桜雨 キリヱは、UQホルダーNo.9。
かやのんの可愛い成分だけを抽出して詰め込んだ…そんな感じの女の子です。
自分の思いと言動が真逆なツンデレ…きっとリアルにいたら相当面倒くさい感がプンプンなんですが、そこはかやのん成分の七不思議…全然嫌味が無くて完走して振り返ってみると、この作品一推しの女の子だったと思います。
この子…本当に可愛いですよ♪

可愛いといえば、結城 忍を忘れてはいけません。彼女は特別な力に目覚めた人間ではありませんが、それは些細な事…何といっても彼女のCVは原田彩楓さんなんです。
これだけでキャラの魅力が倍増した気分になります。

そして鬼頭明里さん演じる雪広 みぞれ…
彼女も特別な力を持っている訳ではありません。
ですが、前作視聴済の方なら苗字と独特の喋り方にピンと来た方も多いのでは…?
そう、やっぱり血は争えないんですね…遥かな時間を超えても到達する場所が変わらないなんて…
彼女の覚悟を垣間見た一面…良かったと思います。

「UQ HOLDER」と昔懐かし3年A組の向かう先…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「ハッピー☆マテリアル」
エンディングテーマは、「Steady→Go!!」
どちらも今回出演した女性声優陣が歌ってくれています。
「ハッピー☆マテリアル」は当時の主題歌をカバーしているので、懐かしさを感じた方も多かったのではないでしょうか。

1クール12話の物語でしたが、UQ HOLDER!~魔法先生ネギま!2~ 放送後振り返り特番「UQTV ネギまHOLDER!2」
が本編とは別に放送されました。
原作の赤松先生と、雪姫役の松岡由貴さんのコメンタリーとなっているのですが、改めてこの作品に溢れる愛を実感させて貰った様な気がします。
そういえば、本編放送中にやたらと存在をアピールしていた「カモくん」について円盤での行方についても言及されていましたね。
これも楽しみの要因に十分なると思いますけれど…

「UQ HOLDER」のみんなは、まだ目標の道半ばです。
まさか、これで終わりってこと…無いですよね。
続編の制作を期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「育った」エヴァンジェリン登場(笑)!?(ハイペースの原作消費でした…。)

週刊少年マガジン連載の同タイトルのマンガが原作。
(今は別冊少年マガジンに掲載誌を変更。)

タイトルの「UQ(ユーキュー)」は「悠久」と掛けられていて、作中には前作『魔法先生ネギま!』でもおなじみの吸血鬼エヴァンジェリンをはじめとして、いろいろなタイプの「不死者」が登場します。

一応世界観は継続しているものの、「ネギま!」よりは相当に未来であることもありとりあえず「ネギま!」を観ていなくても特に序盤はそれなりにお話にはついていけると思います。

かなりの長期連載ですが、アニメ化でどこらへんのお話までやるのかは、謎…。
== [以上、視聴前レビュー] ==

…ということで、第1話を観ました。原作だと初期は『魔法先生ネギま!』との関係性を強く押し出さずに始まったのですが、最近の原作の現状を考えて最初からネギま!を匂わせる方向なのですね。

第1回放送の前の特番でも、「これまでのネギま!」まとめみたいなノリでしたし。OP/EDに出てたキャラも考えると、序盤の修行パートとかはけっこうハイペースで進むのかな…?

2017.12.20追記:
全話視聴終了。とにかく「ネギま!2も名乗ったことだし、どんどんネギま!キャラを出してやるぜ」とでも言わんばかりに旧作キャラが目白押し。

女性キャラも巻きでバシバシと登場させて、早期にハーレムアニメっぽい雰囲気を作ってましたね。

前作のネギま!よりは修行とか戦闘パートが目立つ原作でしたが、特に修行に関しては大幅に尺カットで一気に原作を消費しました。

ネギま!自体はずっと原作を読んでいたこともあり、もちろんつまらなくはなかったんですが今後あえて人に薦めるほど面白かったかというとそんなこともないかなといった無難な作品に収まってしまった感があります。

OPを『ハッピー☆マテリアル』(前作OP)のカバー曲にしてしまったのも、無難といえば無難でしたがそこはちょっと冒険して欲しかった気がしました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

58.9 8 リメイクで学園なアニメランキング8位
Cutie Honey Universe(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (65)
197人が棚に入れました
「キューティーハニー」は、美少女アンドロイド・如月ハニーと謎の犯罪結社・パンサークローの戦いをお色気描写たっぷりに描く物語。「Cutie Honey Universe」では“カッコかわいい”というコンセプトのもと、新生ハニーが大活躍を見せる。

声優・キャラクター
坂本真綾、内田真礼、黒沢ともよ、花澤香菜、田村ゆかり、三森すずこ、堀江由衣、浅沼晋太郎、田中敦子、釘宮理恵

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

原作のエッセンスを取り出して現代版として再構築を試みた?

とりあえず1話を観た限りでは、原作『キューティーハニー』(永井豪)のストーリーを冒頭からなぞろうとしているアニメ作品ではありません。

『キューティーハニー』という作品の高い知名度を生かしてということなのでしょうか、今更ハニーがアンドロイドとか空中元素固定装置を使って変身できるとか、そういう説明は一切すっ飛ばしてハニーがパンサークローと戦う様子が描かれた第1話でした。

設定的にもPCISというパンサークロー対策を担う国際組織があったり、早見青児(はやみ せいじ)が新聞記者ではなくてPCISの捜査員であったり、如月ハニーが公式にPCIS所属のエージェントだったり、パンサーゾラはいなくてシスタージルがパンサークローの首領だったりといった差異が存在します。

ですが、変身時の「ハニーフラッシュ!」の掛け声や変身時に全裸になったりする点、あるいは戦っている最中に敵の攻撃により衣服が破れたりしてはだけていく点などは原作あるいは旧作アニメと同様です。

ハニーが通う聖チャペル学園や、ポチ校長、アルフォンヌ先生といった教師陣、女子学生寮の寮長である常似ミハルや友人の夏子、そして青児の家族である団兵衛や順平などの主要キャラクターも引き継がれています。

本作は私たちの記憶に残っている「キューティーハニー」像を現代的な設定の下で作ることを試みたリメイク作品であると思いました。

なお、本作では「7変化」のうちの如月ハニー/キューティーハニー(CV: 内田真礼)以外の5形態は、形態毎に別キャストらしいです。つまりハニー役の声優さんが計6人いるということらしいのですが、面白い試みですね。

原作でも変身形態で体格自体が変わったりしていたような気がする(ハリケーンハニーがゴツかったりとかそんな感じ)ので、キャスティングとしてはある意味原作準拠かもしれないです。

パンサークローの目的が「ハニーを倒す」ことではなくて「空中元素固定装置の入手」であるというのは、本作ではわかりやすく描かれていると思いました。

なお、戦闘中は単なるイメージの問題なのか設定としてなのか良くわからないですが、異空間的な感じの場所で戦っています。技のエフェクトに(ちょっとチープっぽくも見える)CGを使っていたりとか、作画の手数をある程度減らす方向の演出が行われているようですね。

それと、キャラクターデザインがやや永井豪寄りというか今風じゃないところが多々あります。

果たして、今時のアニメとしてこれはウケるんでしょうか…?

2018.11.20追記:
すっかり忘れていましたが、今頃になっての更新です。如月博士によるハニー誕生時のエピソードは1話目ではなく2話目で出てきましたね。

キャラクターデザインは良くも悪くも原作に寄っていまして、シスター・ジルのみならず変身後のキューティーハニーの体形なども、ある意味では正しく無駄なリアリティというか、かなりガタイが良い感じになっています。

作画やキャラクターデザインの面ではより制作年代が古い筈の『キューティーハニーF(フラッシュ)』や『Re:キューティーハニー』の方がウケるのではないかという気もします。これらの作品の方がハニーはカワイイので…。

設定は現代寄りになっていますが、敵の偽装や敵からの寝返りキャラの存在、身近な人間の死などストーリー自体は思った以上に永井豪原作っぽさはありました。案外原作者はこの作品には特に不満がなかったりするかもしれないです。知らんけど。

ただ原作自体にストーリー的には『デビルマン』のようなテーマ的な強さがないと思うので、キャラクターデザインや作画で視聴者に離れられるとかなり厳しい作品であると思います。

このような絵柄で勝負するのであればストーリー的にはハニーが色々な物を失って精神的に追い詰められていく辺りを見せていかないといけないのだと思いますが、そこも充分に描けているとは言えません。

主題歌変更とA応Pの起用は何か政治的な事情もあるかもしれませんが、これも良い結果にはつながらなかった気がします。

ということで、結論を書くとわりと中途半端感の残る残念作品なのでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

"最強で最嬌な女の子❤"新生ハニーがリブート!!

本作品は、「DEVILMAN crybaby」「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」と続いた、永井豪先生の50周年記念アニメの最後を飾る作品です。

私は、小さい頃初期のキューティーハニーは再放送かなにかで見た記憶がありますが、OVAや「キューティーハニーF」は未視聴です。
そう考えると、キューティーハニーを見るのは何十年振りになると思います。

この物語の主人公は、聖チャペル学園に通う如月ハニー…
そして今度の敵はシスター・ジル…

ここまでの設定は概ねこれまで通り…
この作品で最もぶっ飛んでいるのはキューティーハニーのキャストです。
キューティーハニーは「空中元素固定装置」を用いて7変化するのですが、それぞれのハニーごとにキャストが異なるんです。
つまり、通常時と戦闘時以外変身する5つの姿それぞれに声優さんが配役されているんです。

一人のキャラを6人の声優さんで演じる…
これまで一人が複数のキャラを演じる、という逆はたくさん見てきました。
でも今回のケースは私の知る限り初めてのような気がします。

それだけじゃありません。
ハニーに起用された声優さん…これが半端無いんです。
坂本真綾さん、まややん、ゆかりん、黒沢さん、花澤さん、みもりん…
改めて永井豪先生の紡いできた50年という時間の重さを感じずにはいられません。

物語の方ですが…永井豪先生の作品だけあって、やっぱり痛みはゼロではありません。
シスター・ジルは執拗に「空中元素固定装置」を狙ってきます。
そのやり方は狡猾…最初は直接ハニーを狙ってきましたが、次第に魔の手が周囲に広がっていきます。
そしてふと気がつくと、シスター・ジルの狙いは明らかに初期の頃とは違ってきているんです。

それはハニーが最も苦しむ手段であることを知っているから…
ハニーが心を痛めない訳がありません。
みんなと過ごす学園生活…
友達もたくさんできました。
特に、ほっしゃん演じる秋夏子とはルームメイトでもある大親友…

きっかけは自分自身かもしれない…
交わした約束は守らなきゃいけないのは分かってる…
けれど仲間を危険に晒すのは違う…絶対守るって誓ったのに…

懸命に手を伸ばしました…
きっとこれ以上ないくらいの全速力で走りました…

でも悲しい事ばかりではありません。
パンサークローのメンバーも一枚岩ではなかった、ということでしょうか。
気持ち…思い…願い…
言葉にすると軽く見えますが、人と人を繋ぐ大切な絆たりえるんだと思います。
この物語の示す先には何が待っているのか…?
気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、A応Pさんの「愛がなくちゃ戦えない」
エンディングテーマは、luzさんの「SISTER」

1クール12話の物語でした。
久々にキューティーハニーを見ましたが、しっかり堪能させて貰いました。
機会があったら過去作も見てみたいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

木村天祐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

永井豪画業50周年記念の老舗アニメ

面白いです。
テンポが非常によく、
恐らく数あるキューティーハニーアニメで話の流れはNO.1にいい出来です。

永井豪作品は基本ストーリーがハードな内容のものばかりで、この作品も当然ハードな設定を継承しているんですが、あまりそれを感じませんでした。
軽いといえば軽いんですが、テンポの速さと、ハニーを取り巻く仲間キャラの明るさがそれを打ち消していた気がします。
マジンガーのボスにしか見えない直子、早見の爺さんとガキンチョ、いいキャラしていましたね。

ストーリーの主軸もシスタージルとハニーの因縁が中心で一貫しています。
12話と話数が少ないのも功を奏しましたね。今までのと比べてダラダラ続く感はないです。

あえて言うなら、私としてはハニーの変身形態たちをもっとピックアップしてほしかったですね。声優まで変えたわけですし、一話ずつくらい専用の話があっても良かったと思います。話数が少ない弊害でした。

歌も良かったです。特にED。

私はオススメですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
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