offingbook さんの感想・評価
3.9
DREAM MATCH
2019年8月9日公開。約1時間41分。
人気コミックを原作にした
TVアニメの劇場版第14作目。
世界中の海賊が集まる“海賊万博”が開幕。
海賊王ゴールド・ロジャーの残した宝をめぐる
争奪戦の中、その祭典の裏に仕組まれた巨大な
陰謀に巻き込まれていく
ルフィ達を描いたバトルアニメ。
原作者・尾田栄一郎先生自身が映画の原作と
監修を務めているという事で、これまでの
ONE PIECE映画の中でも、特に原作ファンには
堪らないだろうなと思える映画となっていました。
久しぶりに登場するキャラクター、
懐かしいワード、懐かしい曲、遊び心を
散りばめた背景の細かいところまで、
原作ファンの心をくすぐってきます。
キャラクターが多いから声優陣も豪華。
作画も作り込まれているからゴージャス。
登場するキャラクターも、描かれるバトルも、
今作の中にぎゅうぎゅう詰めで、物語の展開も
とにかく目まぐるしくスピーディーで止まらない。
ONE PIECE好きな人は楽しめる、
ONE PIECE知らない人はほぼ分からない(笑)
そんなお祭りムービーのような、
フェスティバル的な作品です。
まぁちょっとてんこ盛り過ぎる気もするけれど、
今回はTVアニメの放送20周年記念映画でも
あるので、ワイワイガヤガヤドンドンと、
これぐらいうるさいのが丁度良いのだと思います。
今回の敵は
元ロジャー海賊団のダグラス・バレッド。
描かれる宝はロジャーの残した宝。
こういう伝説級が描かれるのも、
物語が佳境に入ってきたしるしであり、
尾田先生監修ならではですね。
そんな強大な敵に立ち向かうのは麦わらの一味…
だけではなく、今回はルフィと一緒に様々な
人物が、共に敵に立ち向かいます。
「昨日の敵は、今日の友」「敵の敵は味方」的な
理論で、普段は会わない、敵同士の奴らが共闘し、
手を組むのを観れるのは、
やっぱり胸が熱くなりますね。
ONE PIECE的ドリームマッチを、
自分もワクワクした気持ちで観ちゃいました(笑)
原作漫画の「頂上戦争」編っぽさも少し感じます。
そしてそのバトルというが、
とにかく強大で巨大で壮大でした。
この大迫力は、映画館でこそ、
大いに本領を発揮したのではないでしょうか。
全国の少年をワクワクさせるような力強さ。
原作漫画の熱量をそのまま映画に持ってきたかの
ようで格好良かったです。ただこれは、
原作漫画でもそうなのですが、
敵があまりにも(物理的に)巨大過ぎると、
規模が大き過ぎて、何が起こっているのか
観ていて混乱してしまいます(笑)
まぁそれだけ迫力があるってことでもありますが。
アニメーションなので、アクションの描写は
漫画よりも分かりやすかったかも。
ONE PIECEの過去の映画『STRONG WORLD』
『Z』『GOLD』などもそうですが、
原作と深い関わりを持つ敵、原作と深い関わりを
持つストーリーが劇場版で繰り広げられると、
原作漫画を読んでいる身としては、
やっぱり漫画で読んでみたかったな―という、
ある種のもったいなさは感じます(笑)
でも映画だからこそ、こんなに楽しく騒々しく
動きのあるアニメーションを出来るわけだし、
観れるわけだし、と考えると、ジレンマです(笑)
尾田先生監修の劇場版は、アニメーションで観る
スペシャルな原作漫画と受け取るべきですね。
ONE PIECEを読み始めてからもう十年以上、
思えば遠くへ来たもんだ。
ようやくここまで来たもんだ。
つってもまだまだ終わらなそうだけど(笑)
でもそれが嬉しくもあります。