2015年度のファンタジーおすすめアニメランキング 27

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2015年度のファンタジー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の2015年度のファンタジーおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.8 1 2015年度のファンタジーアニメランキング1位
オーバーロード[OVERLORD](TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (2382)
12624人が棚に入れました
時は2138年。

仮想現実の中を自由に遊ぶことのできる体感型ゲーム全盛の時代に一大ブームを巻き起こしたオンラインゲーム《ユグドラシル》は静かにサービス終了を迎えるはずだった。

しかし、終了時間を過ぎてもログアウトしないゲーム。突如として意思を持ち始めたNPCたち。ギルドの外には見たこともない異世界が広がっていた。

現実世界ではゲーム好きの孤独で冴えない青年が、骸骨の姿をした最強の大魔法使い・モモンガとなり、彼の率いるギルド《アインズ・ウール・ゴウン》の伝説が幕を開ける!

声優・キャラクター
日野聡、原由実、上坂すみれ、加藤英美里、内山夕実、加藤将之、三宅健太、千葉繁、沼倉愛美、白熊寛嗣、子安武人、M・A・O、五十嵐裕美、渡辺明乃、村瀬歩、悠木碧、稲葉実

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

主役はダークヒーロー?

ネトゲ廃人がサービス終了後なのにゲームから離脱できなくなってしまった
しかもアンデッドで勇者に倒される側という

ヒーローと言っていいのかは分からない
初期設定?と言っていいのか分からないがめちゃ強い。あと設定のおかげでモテモテ。
いつの間にか見た目だけじゃなく、心も人間から遠ざかっている

他の幹部キャラクターも設定の癖があって個性的。

対峙する相手も死亡フラグたてまくりで好き。


OP
Clattanoia OxT
ED
L.L.L. MYTH & ROID
MYTH & ROIDもええな。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 終わりと始まり
広大な世界と高い自由度を誇るDMMO-RPG《ユグドラシル》。一時は爆発的な人気を博すが次第に低迷し、ついにサービス終了が決定した。そして最終日、ギルド《アインズ・ウール・ゴウン》の長・モモンガは、本拠地のナザリック地下大墳墓で仲間の訪れを待ちわびていた。しかし、すでにほとんどのギルドメンバーは引退し、久しぶりにログインしてきた仲間もすぐに帰ってしまう。モモンガは1人で最後の時を迎えるのだが……。

2. 階層守護者
突如《ユグドラシル》からログアウトができなくなり、NPCたちがまるで人間のように動き出した。モモンガは混乱する一方で、NPCたちに設定されていた絶対の忠誠にも変化が生じているのではないかと危惧する。しかし、ナザリック全NPCの頂点に立つ守護者統括のアルベドをはじめ、各階層守護者たちは心から主への忠誠を示す。そんなアルベドたちの期待を裏切らぬよう、モモンガは完璧な支配者として振舞おうとする。

3. カルネ村の戦い
マジックアイテム《遠隔視の鏡》の使い方を確認する中、モモンガは人間が暮らす村を発見する。その小さな村は騎士団と思しき戦士たちに襲われ、女や子供も容赦なく殺されていた。アンデット化のせいか悲惨な光景を目にしても平静なままのモモンガ。最初は村を見捨てようとするが、考えを変えて己の力を試してみることに。モモンガは村に転移し、村を襲う騎士たちと対峙。強力な魔法で敵の力を量ろうとするが……。

4. 死の支配者
リ・エスティーゼ王国辺境にあるカルネ村を襲ったのは、他国の騎士を装ったスレイン法国の特殊部隊《陽光聖典》であった。彼らの真の狙いは王国最強と名高い戦士長ガゼフの抹殺。当のガゼフはそれを察しつつも、村を救うべく陽光聖典と戦う道を選ぶ。しかしマジックキャスターを擁する敵の強さは圧倒的で、ガゼフの部下たちは次々と地に倒れていく。ガゼフも武技を駆使して奮戦するが、数多の傷を負い、ついには力尽きてしまう。

5. 二人の冒険者
カルネ村の事件の後、アインズは戦闘メイド(プレアデス)のナーベラルを供に連れ、リ・エスティーゼ王国の城塞都市《エ・ランテル》にやってきていた。二人はモモンとナーベという名前で冒険者組合に加入し、情報や金銭を得るべく名を上げようとする。しかし、最も低いランク《銅(カッパー)》の冒険者には簡単な仕事しか得ることができない。そんな中、モモンたちは《銀(シルバー)》の冒険者チーム「漆黒の剣」から一緒に仕事をしないかと誘われる。

6. 旅路
薬師のンフィーレアから護衛を頼まれたモモンは、《漆黒の剣》と共にモンスターを狩りながらカルネ村を目指す。見事な連携を見せる《漆黒の剣》のメンバーたちだったが、二振りのグレートソードを軽々と振るい、モンスターを薙ぎ倒していくモモンの力に度肝を抜かれてしまう。生きる伝説とも言われる《アダマンタイト級》にも匹敵するかのようなその強さに感嘆した《漆黒の剣》の面々は、尊敬と好意を持ってモモンに接するのだが……。

7. 森の賢王
カルネ村まであと少しのところで、村の変化に気づいたンフィーレア。周りを物々しい柵で囲った村の様子をいぶかしむ。すると突如、武装したゴブリンたちが出現し、一行は取り囲まれてしまう。緊迫した空気の中、村から駆けつけてきたのはンフィーレアが好意を寄せる少女・エンリだった。エンリからカルネ村が襲撃に遭った経緯を聞いたンフィーレアは、村を救ったアインズ・ウール・ゴウンの正体がモモンであることを察し……。

8. 死を切り裂く双剣
モモンは森の賢王に騎乗してエ・ランテルに帰還し、計画どおり冒険者としてその名を町中に広めていく。一方、バレアレ家ではクレマンティーヌがンフィーレアの帰りを待っていた。悪意と狂気を隠そうとしないクレマンティーヌにペテルたちは危険を感じ、身を挺してンフィーレアを逃がそうとする。しかし、冒険者組合で用事をすませたモモンがバレアレ家を訪れたとき、すでにンフィーレアはさらわれていた。

9. 漆黒の戦士
モモンが乗り込んだ墓地では、秘密結社ズーラーノーンの幹部・カジットがエ・ランテルを死の都に変えるべく儀式を執り行っていた。カジットの相手をナーベに任せ、モモンはクレマンティーヌと対峙する。英雄級の実力を誇るクレマンティーヌに対し、モモンはレベル補正によって肉体能力こそ高いものの、剣士としてのスキルはない。戦いの中でそれを見抜いたクレマンティーヌはモモンをなぶり殺そうとする。

10. 真祖
時は少し遡り──エ・ランテルに出立する前、シャルティアに魔法や武技といった特殊な能力を持つ人間の捕獲を命じていたアインズ。シャルティアは行方不明になっても表沙汰にならない犯罪者に狙いを定め、盗賊まがいの傭兵団のねぐらを襲う。圧倒的な力で傭兵たちを蹂躙するシャルティアだが、しだいに血に酔って我を失い、一部の者を取り逃がしてしまう。すると、そこに異変を察知した冒険者のグループがやってきて……。

11. 混乱と把握
シャルティアが反旗を翻した──不測の事態に混乱しながらも、アインズはまずシャルティアの居場所を探すことに。<水晶の画面(クリスタル・モニター)>に映し出されたシャルティアは、森の中で立ち尽くし、手には神器(ゴッズ)級の武器があった。シャルティアが必殺の武器を出さねばならない事態に陥っていることに、衝撃を受けるアインズ。急ぎ現地に向かおうとするが、冒険者ギルドからヴァンパイア出現の知らせを受ける。

12. 鮮血の戦乙女
軍勢も護衛も連れず、アインズはたった1人でシャルティアと対峙する。ユグドラシルには復活の魔法が存在していた。しかしこの世界で使用できるかどうかは確認できていない。文字通り命がけとなる戦いを前に、アインズは念入りに準備を整える。時を同じくして、ナザリックではデミウルゴスが憤りを露わにしていた。忠誠を誓うべき最後の主を失うわけにはいかないと、部下を率いてアインズのもとへ駆けつけようとするが……。

13. PVN
シャルティアに苦戦を強いられる中、アインズは即死系魔法を発動し、組み込まれたスキルの効果で、即死効果に完全耐性を持つシャルティアとその眷属を全て滅ぼそうとする。しかし、肝心のシャルティアは所持していた蘇生アイテムを使い、魔法の効果を打ち消す。MPやスキルを使い果たした両者に残されたのは、シャルティアにとって圧倒的に有利な接近戦のみ。勝利を確信するシャルティアに、アインズは全てを明かす。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

無課金勢は白旗を揚げる

原作未読 全13話


まずはじめに言いたいのがこの1期終了時点で完全に2期を視野に入れた畳み方をしてること。むしろ「絶対終わらせまい!」という確固たる意志すら感じた最終回。1期が2015年夏で2期が2018年冬。あのまま終わってたら清々しいまでの俺たたENDだったでしょう。結果オーライなんでしょうがよくこんな終わらせ方したなとそのことにびっくりです。

有名タイトルだしレビュアーさんからの推薦もある。なぜか2期を地上波再放送やるってんで廃…じゃなかった配信で1期を観ることにしました。

とあるVRMMOがサービス終了するタイミングで、その重課金ユーザーかつギルドの長まで登りつめた男が感傷に浸りながら最終日を噛みしめてたらそのまま異世界に転送されちゃって、ログアウトも管理者アクセスもできず「さてさてどうしたもんか」というところから始まる物語。

そこから紡がれたお話は大人気となったわけですが、要は主人公最強系の異世界モノなわけです。
2020年現在でトライする場合、このテのジャンルには半信半疑で

 「この時期にはまだ珍しかったからウケたんじゃねーの?」

先入観バリバリっすよ。

 …それでも面白かった。

  …どうしてなんだろう?

有名タイトルでも苦手分野だから躊躇することってあると思うんですけど、私にとって“主人公最強系”がまさにそれに該当します。
結局楽しめてたんで杞憂に終わった『オーバーロード』で気づいたことがいくつかありました。これまでは下手に言い訳じみたものより清々しいまでに最強だといいかな…くらいの認識だったのです。


■楽しめる条件其の壱

一つ目。理由が“そりゃそうだよね”と納得感がある。

理由なき最強はぺらっぺらに見え時間の無駄と感じる確率が極めて高い。そしてそんなん山のようにあったからこその不信感なわけです。たぶんなにかしらウケたやつがあってその後バッタもんが粗製濫造されちゃってブランド毀損しちゃったんでしょ?とありがちなやつだと思ってます。
『オーバーロード』での最強理由はいたって明解。

 {netabare}重課金ネトゲ廃人だから{/netabare}

チートなはずです。理由が理由だけにコメディにも化ける。


■楽しめる条件其の弐

二つ目。イキってるの見るのしんどい。

其の壱をクリアしてないイキリ主人公だと即離脱対象です。そこをクリアしててもちょっとしたことで離脱対象になりがちなのがこれ、イキリの有無。さらに今回の気づきのが以下↓

 {netabare}謙遜 VS 謙虚{/netabare}

似て非なるんですけど主人公が“謙虚”なほうが楽しめます。自分が強いのを理解してて力の行使は惜しまずさりとて背伸びせず。
これが“謙遜”タイプだとふとしたことで傲岸不遜な態度に早変わりしがちです。「いやいやそんなことないですよ~」が嫌味に聞こえちゃうのを指します。なにせ力はあるのにへりくだるポジショニングをするわけですから。このタイプは自分を客観視できていないため周りが求める役割を担わず時期を逸し状況が悪くなってから土壇場で力を発揮する、みたいな。


こんな諸条件をクリアした主人公アインズ・ウール・ゴウン / モモンガ (CV日野聡)は安心銘柄です。
あくまで私基準で“主人公最強系ウザい”方向けに「大丈夫ですよ」と言いたいレビューでした。



※ネタバレ所感

■『オーバーロード』のこういうところは面白い

1.煽る煽る

いわゆる敵がイキりまくるわけで、本人の死亡フラグをばんばん立ててくれるわけです。観てる方は結果だけは知っているので神座の視点から高みの見物。イキリのボルテージが高ければ高いほど面白い。『ワンパンマン』なんかもそうですね。
{netabare}クレマンティーヌ(CV悠木碧)は最高でしたね。顔芸もさることながら悠木さんの怪演。基本ご機嫌なんだけど感情の起伏が激しい。興奮して早口で罵詈雑言をまくしたてるのがなんとも。緩と急とそれ以外も高速回転しながら目まぐるしく変化する彼女は1期のみどころです。{/netabare}

2.アンチヒーロー

本人も骸骨なんですけど、本拠地「ナザリック大墳墓」で従えてるNPCたちもヴァンパイアやインプなど人外さんです。悪役の悪役たらんとしてる振る舞いと根はいい人みたいなギャップは面白かったです。

3.ところどころ気を抜く

同じLV100でもNPCはプレイヤーには勝てないだろうねって基本ルールなんだと思います。NPCはプレイヤーに逆らえないという力関係が眼前としてあるみたい。

{netabare}・プレイヤーのハンドルネームがひどい
 →“ぶくぶく茶釜”“ペロロンチーノ”“たっち・ミー”センスが…
・レアアイテムのネーミングセンスもこれまたひどい
・現実世界でのプレイヤーがチラ見できる
 →いくらひどくても“至高の御方”の崇高なお考えで納得できるNPCたち{/netabare}

4.アインズ様

日野さんのオフィシャル声とモノローグ声の演じ分けがナイスでした。日野さんあってのアインズ様だったと思います。他にも

{netabare}「お前のミスをすべて赦そう」
「お前のすべてを差し出せ」
「お前に罪はない。この言葉をしかと覚えておけ」

至高の御方として振る舞うべく努力されてたお姿が印象的です。
そんな横で創造主の名前がふざけ過ぎてて膝から崩れ落ちるんですけどこのへんのギャップで魅せるやり方は成功してましたね。{/netabare}


■まあでも結局は…

{netabare}たしか41人。廃課金者の元気玉で勝利を収めたラストがとても清々しいのであります。

もっともアインズ様の心が乱れたといいますか激昂してた箇所覚えてますか?

{netabare}夏のボーナス全部つぎ込んだ課金ガチャでゲットしたアイテムが無効化された時{/netabare}

ネトゲ廃人の生態をよく表わしてました。そういえばシャルティア復活も5億枚の金貨を“溶かす”ことで成就してましたが、こういう細かいメタも好まれる理由でしょう。{/netabare}


課金課金で隆盛を極めたソシャゲも一段落。『あつまれ どうぶつの森』などコンシューマー機器とネットワークとの融合にて課金せんでも楽しく遊べるゲームも出てきており、数年後に振り返ったら

 「課金って何?」

と新卒社員に不思議がられる時代がくるかもしれませんね。
そうなると本作は歴史的遺産の意味合いも出てくると思います。



視聴時期:2020年10月 

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2020.10.17 初稿
2021.09/04 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 65

keylove さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

予想を裏切られました、良い意味で。バーチャルMMOのこの展開はやっぱり!

まずはじめに、最近わかったことですけど。
これの評価はそれほど高くないですけど、あにこれの評価の傾向は、新しいものに高い評価が付き難いっていうことだと思うんですね。
他にも名作だと思われるものでも、意外に低いのに驚きますから。

何が言いたいかというと、あにこれの評価以上にこのオーバーロードは面白い作品だということです。
もちろん好き嫌いはありますけど、確実に名作であると思いますし、他の方のレビューを見てもそう感じていましたから。
ただ、個人的にはパッケージデザインで観るのをためらっていた作品なので、そういう人がいるなら、観たらきっと思ってるのと違いますよということもあわせて言っておきたいです。


これはライトノベルが原作のアニメ作品ですね。

そりゃそうだ、って思っちゃいますね、こういう設定のものを観ると。
アニメ好きの人なら、ある程度は感覚でわかっちゃうところがあるんじゃないでしょうか?

もちろん、異能の力、異世界、バーチャルMMORPGの設定を書いている漫画もあるのかもしれないけど、SAOやこの作品みたいに緻密に世界観を描けるのって、文章でしかない気もするんですよね。

ゲームの中に閉じ込められるお話で、その中の国の名前やキャラ、技の名前にゲーム設定の細かい説明。
これらはやっぱり漫画じゃ不可能に近いんじゃないかと思います。
ワンピースクラスなら別かもだけど。

キャラの描き方なんかは漫画が一番良いんだとは思いますけどね。


でもって、この作品もSAO(ソード・アート・オンライン)と同じく、近未来にもしかしたらできるかもって想像されているバーチャルMMOというゲームのお話ですね。

そしてそのMMOの技術というのはゲームや娯楽だけに活用されるものではなく、医学や異文化交流など、あらゆる可能性を秘めた夢のような仮想世界なので、世界は本当に本気で取り組んでいるような気もしますね。



あ、話が逸れましたが、このオーバーロードは、その伝説のオンラインゲームになぜか突然取り残された主人公のお話です。

SAOはたくさんの人たちがログアウトできなくなって、寂しくないですよね。
でもこのお話は、それまで一緒に戦ってきたメンバーがいないお話なので少し寂しい感じが最初はします。

でもすぐにその暗い感覚は払拭されて、パッケージデザインとは少し違う、なぜかのほほんとした気分になれるキャラたちの掛け合いが楽しめます。

見た目は怖いグロテスクな絶対支配者なのに、これはゲームなので実はちょっとあれ?っていうような人物が主人公だったりします。
なので人間味があるし、意外と親近感が湧きますね。

でも、この主人公はその一つの国の絶対的支配者であり、創造の神です。

あとは視聴して確かめてもらうのが一番かと思います。


それと、SAOと明らかに違うのは、あんなにきれいに死にません。
けっこうリアルに死にますし、グロと言えばグロのシーンもあるかもです。
それに、あくまでも悪の支配者という名目なので、そういう意味では無慈悲なところもあるかと思います。


ではキャラが魅力的だったので紹介しておきます。
全部は無理なので、好きなキャラだけ。


アインズ・ウール・ゴウン(モモンガ)- 日野聡さん
本作の主人公。
もともとこのゲームにおいての絶対的支配者たちの一員であり、アンデッドという種族の中での最高位(オーバーロード)として崇められるほどの存在だったのが、ゲームの世界が本当の世界のようになってしまったあとではそのギルドの唯一の絶対的支配者で、誰もが固い忠誠を誓う、神のような存在。
まあよくあることですけど、反則レベルです。
cvの日野聡さんは、灼眼のシャナ、ゼロの使い魔、ハイキュー!!、など多数で活躍されています。
この演技はかなり上手かった気がしますけど、どうなんでしょうか?


ここから下はもともとNPC(ノンプレイヤーキャラクター)であったものが感情を持ってアインズに忠誠を誓った者たちです。

アルベド(albedo)-原由実さん
種族:子悪魔、職業:ガーディアン
階級守護者統括でありナザリック地下大墳墓に存在する全NPCの頂点に立つ存在。
絶世の美女という設定なのですけど、個人的にはあまりそういう風に思わなかったかな?
ただ、底知れぬ実力の持ち主であり、ちょっとビッチでもあります。
cvの原由実さんは、THE IDOLM@STER、黄昏乙女×アムネジア、うたわれるもの 偽りの仮面、などで活躍されています。

シャルティア・ブラッドフォールン(shalltear bloodfallen)-上坂すみれさん
種族:真祖(トゥルーバンパイア)、職業:カースドナイト
ナザリック第1 - 3階層「墳墓」の守護を任された階層守護者。
外見は幼い感じがあって、でもきれいなところもあって、一番魅力的だと思いました。
それに、めちゃくちゃ強い戦闘特化型。
cvの上坂すみれさんは、中二病でも恋がしたい!、ガールズ&パンツァー、艦隊これくしょん -艦これ-、など多数で大活躍の若い声優さんでこれからが注目です。


ナーベラル・ガンマ(narberal・Γ)-沼倉愛美さん
種族:二重の影(ドッペルゲンガー)、職業:ウォー・ウィザード
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「プレアデス」の1人。
常に冷静沈着で何事にも動揺しない、戦闘メイド。
このメイド、強すぎます。
というか、この最初に出てきたレベルでこの強さなら後のメイドや階層守護者たちの強さとはどんなに強烈なのでしょう?
ということを、このメイドさんをみて思いました。
cvの沼倉愛美さんは、THE IDOLM@STER、恋愛ラボ、悪魔のリドル、など多数で活躍されています。



ここまで、この一期(二期もあるでしょうもちろん)において、特に目立っていたキャラたちを紹介しました。


曲も良かったです。

オープニングテーマ「Clattanoia」
作詞 - hotaru / 作曲 - 大石昌良 / 編曲 - Tom-H@ck / 歌 - OxT

エンディングテーマ「L.L.L.」
作詞・作曲・編曲・歌 - MYTH & ROID

これもチェックしてみてください。


ということで、オススメできます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32

83.5 2 2015年度のファンタジーアニメランキング2位
GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1856)
10133人が棚に入れました
異世界戦争勃発!陸上自衛隊員達の運命は――?20XX年、突如として東京銀座に「異世界への門(ゲート)」が開かれた。中からあふれ出た「異世界」の軍勢と怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと調査に赴く。第三偵察隊の指揮を任されたオタク自衛官の伊丹耀司二等陸尉は、巨大な炎龍に襲われる村人たちを助けたことで、エルフや魔導師、亜神ら異世界の美少女達と奇妙な交流を持つことになるが……

声優・キャラクター
諏訪部順一、金元寿子、東山奈央、種田梨沙、戸松遥、日笠陽子、内田真礼、安元洋貴、石川界人
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

開いた扉はすべてを変えていく

1話から2話を一気に観たら話にあっという間に惹き込まれました。
非常に面白い。
シンプルで分かり易いスト-リー。
テンポもとっても良い。

オープニング「GATE~それは暁のように~」
(作詞・作曲 - 岸田 / 編曲・歌 - 岸田教団&THE明星ロケッツ)が最高!
イントロとサビの部分が特にいい。
テンションがどんどん上がる。

原作未読でしたが
2話観た後は無性に読みたくなりました。
個人的に今期のダークホースか!?

<監督:京極尚彦(きょうごくたかひこ )さん>
近年の大ヒットシリーズ、『ラブライブ!』の監督さん。
今迄ノーマークでしたが、今作が注目のきっかけになりました。
ラブライブ!はまだ全く観てないので後で必ず観ようと思います。

<シリーズ構成・脚本:浦畑達彦さん>
『僕は友達が少ない』『境界線上のホライゾン』『咲-Saki-』など
評価高いシリーズ作品を数多く手掛けてらっしゃいますね。

<アニメーション制作:A-1 Pictures>
電波教師と同じ制作会社とはとうてい思えないほど作画はいい。


★第1話「自衛隊、異世界へ行く」
★第2話「二つの軍勢」{netabare}
<ゆりかもめに乗り損ねたばっかりに隊長になっちゃった主人公>
異世界に繋がるゲートが東京銀座六丁目に突然出現。
そこから現れたRPGの世界観まんまの軍隊やモンスターたち。
空には兵士乗るドラゴンが飛び交い、人族の兵士は馬を駆り
弓矢や剣で民間人を無差別大量殺戮。
ゴブリンやオークなど人外の兵士も多数。

非番中に同人誌即売会に行く途中の新橋で
その混乱に偶然居合わせた自衛官、
伊丹耀司(いたみようじ)(CV諏訪部順一)33歳。
あり得ぬ事態にも冷静に柔軟に対応。
機転を効かし民間人避難に多大な貢献をする。
そして、一躍ヒーローとして時の人となり昇進。

陸上自衛隊が出動後は、異世界の軍隊はあっという間に制圧。
防衛の任は果たされ、残されたゲートは自衛隊が奪取。
異世界は特地と呼ばれるようになる。

ゲートを使うのは今度は自衛隊。
伊丹は、交渉と情報収集の任を持つ特地派遣隊に配属される。
さらには、本人は望まぬのにとても重要な役割を担わされていく…。

<ファンタジーなのにリアリティ豊か>
自衛隊は専守防衛の立場で先に攻撃することは絶対しない。
しかし自衛隊が防戦すれば、圧倒的な戦力差で
敵側はあっと言う間に掃討されてしまう。

敵側の横暴さゆえの自業自得の結果なので
可哀そうと思う以上に観ててスカッとできます。

陸上自衛隊の兵器や戦闘シーンもリアリティを感じる。
ミリオタの受けも良さそう。

日本とA国、
そして異世界の最大国家の施政者たちの描き方も丁寧。

それぞれの国の立場や思惑もわかりやすく
今後の展開に目が離せなくなりました。

<魔法少女が好きで仕事より趣味優先で生きたい主人公>
昼行燈のおっさんキャラの典型。
仕事に対する情熱や、やる気は普段は全く見せない。
頭も良く、周りから給料泥棒と言われながらも
クビや左遷を回避する程度には職務には忠実。

マイペースでオタク。けど、成熟した大人の有能さも併せ持つ。
即断即決で、必要とあらば火中の栗も拾いに行ける勇猛心の持ち主。
根は正義感に溢れ優しく、やるべき時はやれる頼りになれる奴。

野心も欲心も少なめで老成した部分もあり、
見た目だけでは単純に推し量れない性格。

実は人望厚いとてもかっこいいキャラなのです。

自分がこの作品を気に入ったのは
こんな主人公のキャラが、どストライクだったのが大きい。

こういうキャラは冷静かつ柔軟性があり、能ある鷹タイプなので
いろんな困難や課題を飄々としながらも
いつの間にか乗り越えられると相場が決まってる。
だから落ち着いて見守れるし、
特にスカッとさせてくれる活躍を見せてくれるのが楽しい。

類似キャラとしては、
年長となるが「機動警察パトレイバー」の後藤隊長。
そして最近では、「バディ・コンプレックス」の倉光艦長あたり。

伊丹は、第3偵察隊隊長になって
次回からエルフのようなキャラとも交流するようで楽しみです。
彼の指揮下にある隊員たちの中でも
特に女性隊員2名は、OPから既にキャラ立っててかなり魅力的。
{/netabare}
★第3話「炎龍」{netabare}
<陸自の中から第3偵察隊のみをフォーカス>
1、2話から雰囲気がガラリと変わりました。
今迄は大局的に見た国家間な戦争の悲惨な現実をクローズアップ。
しかし3話でファンタジー色全開。
特地の人類と人外のキャラとの交流が始まった。

<主人公の味方側主要ヒロイン続々登場>
話のテンポの良さは今作の特筆すべき魅力です。
単調ではなく緩急巧みで飽きません。

今回、魅力あるキャラが一挙に3人も登場。
それぞれに既視感がある。
他作品の人気キャラからモデリングしてる印象。
独自性もありとてもいい。
今後の主人公モテモテのハーレム展開必至を暗示してました。
キャスティングも絶妙です。

(以下、本編ではまだ不明瞭な点はwikiを参照)

◎テュカ・ルナ・マルソー(CV金元寿子)…エルフ。
今回はまだ顔見せ程度ながら主要キャラの一員なのは間違いない。
エルフはファンタジーに必要不可欠といっても過言でないので
今後の描き方が楽しみ。

◎レレイ・ラ・レレーナ(CV東山奈央)…魔導師と呼ばれる魔法使い。
レレイという名から綾波レイをモデルにしてるのは明白。
そして長門有希も入ってる第一印象。
淡白な性格ながら少女の面影が強い15歳。
無表情ながら聡明さを感じるキャラが魅力。

東山奈央さんはナレーションも担当してて
思えば、初回からレレイの淡々としたキャラによる
主人公解説はいい味だしてました。

◎ロゥリィ・マーキュリー(CV種田梨沙)
…死と断罪の神エムロイに仕える不老不死の亜神(神に近い存在)。

個人的に最も注目したくなったキャラ。

見た目は「俺妹」の黒猫。
そして中身は「デート・ア・ライブ」の時崎狂三。
巨大なハルバード(斧槍)を武器として常時携行。
ゴスロリが神官の証。

見た目は12~13歳くらいの少女でも、戦闘力が半端無い。
笑顔で盗賊を容赦なく瞬殺する残忍さを持ちながらも
住民には神の使いと敬われる人望とのギャップがいい引きでした。
主人公の部隊に興味を持ったようで
初対面でもいきなり主人公の膝の上に座ってみたり、
小悪魔的な魅力も全開でグッド!

◆炎龍…ガメラの世界のギャオスのような存在。
やはり自衛隊VSドラゴンの構図は怪獣映画をほうふつとする。
捕食対象として住民を襲撃。
この世界の住人にとっては最恐最悪の存在であり、
軍隊でも出会ったら逃げるしかない。

口から吐き出す炎が最大の武器。
頑強な体と空を自在に舞う機動性。
天下無敵。知恵が回り同じ手は二度と通用しない。

隊員「怪獣と戦うのは自衛隊の伝統」なんて台詞が飛び出す。
また、2話の最後で初登場時の隊員の台詞に
「首1本のキングギドラか!?」なんてのもありました。

地上に立った時の動作と顔のドアップはゴジラに激似で
狙っての怪獣寄せなキャラデザと演出。
それらが実に効果的で戦闘描写が実に見事。
緊迫感と恐怖感がよく伝わるシーンでした。

そんな天敵にも逃げ出さず住民を守るため果敢に挑む偵察隊。
苦戦の末、ロゥリィのサポートもあり片腕をもぎ取る。
炎龍の一時撤退にかろうじて成功。
隊員は無傷だったが多くの住民の命は失われた。

伊丹は、被災し行き場を失った民を
ゲート中心に展開した自衛隊駐屯地であるアルヌスの丘に
独断で連れ帰ることにする。
(上層部に報告したら受け入れ拒否かもしれないので)
通信が繋がらなかったことにした。)

ロゥリィは、救援してもらう必要性はないが
避難民を守護する神官としてのお目付け役として同行。
陸自の装備や武器、そして謎の異世界人の人柄や技術に
好奇心の塊となり、興味津々で楽しそうなのはレレイ以上。
仮に民がいなくても勝手に付いて来ると思う。

役者もかなり揃ったので次回も楽しみです。
{/netabare}
★第4話「見知らぬ地へ」{netabare}
3話視聴後に、とりあえずコミカライズ版の原作読みはじめました。

ますますこの作品が気に入り、本来の原作小説も読まずにはいられなくなった。
と同時に、アニメと原作と比べてどうのこうのという悪弊にも陥りそう。
早速、敵側の姫君ピニャがコミックよりマイルドなキャラで若干不満。
でもサブヒロインの位置付けで、
これからどう描かれるかとても楽しみの一人。

<今回は戦闘はゼロ>
その分、丁寧な人物紹介と人間関係の状況が描かれた。
伊丹と正反対な性格ゆえ対立も多いが、
これからサポート役となる必要不可欠のパートナー、
エリートの柳田が初登場。

また、日本で勃発中の自衛隊特地派遣の是非の問題、
日本の近隣C国の思惑まで描かれた。
今後はR国も登場すると思われる。
特地の利権問題がリアルで話が濃い。

これ、1クールじゃ到底描き切れない、と思ったら
どうやら分割2クールでの全24話予定のよう。
それで今回のペースダウンも納得。

<自衛隊の避難民救援施設のリアルな描写>
ここでの仮設浴場の入浴シーンはアニメオリジナル。
一見サービスシーンと見紛うが、露出は多くない。
サービスというより合理的なシーン。
話の流れを自然にすることに貢献。
のんびりとした裸の付き合いで、リラックスしたフランクな会話。
初対面の3人のヒロインの距離が一気に縮まる。
そして異世界の住人から見た日本が見える。

<3人の会話から三者三様のキャラが見えてくる>
レレイは、思った以上に社交性があり、地味ではあるが無口キャラではなかった。
勤勉で探究心旺盛。日本語の習得も人一倍熱心。

陸自の防御マスクと戦闘服を借りて避難所近辺の探索開始。
なんか可愛い。好感度急上昇。
早速、翼龍の鱗という市場で高価に取引される
避難民自活のための資金源を見つける。

テュカは、炎龍に父親を殺されたダメージが大きすぎて心が病んでるようだ。

ロゥリィは、相変わらず謎多いけど、子供の頭を洗ってあげたりと根が優しい。

<イタリカへ>
次回、伊丹の部隊は、特地での商取引の情報収集と
ヒロインたちの送迎と護衛の任で、とある領地に同行。、
彼女たちの目的は龍の鱗の換金目的のため。

伊丹は強運の持ち主。
だけどトラブルに巻き込まれる、という先天的な星を持つ。
ただでは済まない第二の冒険の行方は如何に。

<原作読むと描くべきことが多い>
完全なコメディリリーフに振り切ったおばかキャラもいないし、
完全ギャグ路線は、まず無いと思います。
まだ始まって間もない現時点では、断定するには早計ですが。

<伊丹は、口では軽そうにしてても異性に対しては意外と堅物>
多くのヒロインから慕われてハーレムっぽさはありだろう。
ただベタなハーレム物にしては、キャラデザが微妙。
オッサン臭さを排除してもっとかっこ良くしないとね。
人間ドラマ重視の物語と予測してます。

それにしても
モテ度で伊丹に敵わない柳田のほうが
キャラデザがスマート、というのが皮肉ww
{/netabare}
★第5話「イタリカ攻防戦」{netabare}
イタリカへ無事到着した伊丹一行に待ち受けていたものは
500~600名の敗残兵で組織された盗賊の度重なる襲撃に疲弊した街だった。
街の攻防の総指揮は、盗賊襲撃をてっきり自衛隊による襲撃と思い
街に先に駆けつけていた帝国の第三皇女ピニャが執っていた。

伊丹隊は成り行きで攻防に協力することにする。
ピニャは伊丹隊を最も突入確率の高い城門前に配備して囮にするつもりだった。
しかし、思惑が外れ敵は自らの戦力に集中。
危機的状況に陥る…。

<王道の冒険&ヒーローものの魅力全開>
毎回、脚本が丁寧で無駄が無く見事。
状況の説明、キャラの掘り下げを確実に織り込みながらも
きっちり緊張感と次回への期待感を募らせる。

頭打って、異世界の言葉があっという間に理解できるようになった伊丹は
ご都合主義もいいところだが、
まあそのほうがストーリーがスムースになるのでいいと思う。

レレイ、片言ながら日本語が話せるようになってきた。
方位磁石に好奇心一杯の彼女がとっても可愛い。

道中、黒川二等陸曹を意識するテュカはどうやら百合の気もありそう。

ロゥリィの仕える神は、闘いの神。
人を殺めることは否定しない。
でもそれだけに動機が重要。
偽りや欺きは魂を汚すとされ彼女のハルバードで断罪される。
戦う動機を正直に告げる伊丹を
本格的に気に入り協力関係が強固になる。

次回、伊丹たちに、陸自のヘリも加勢する一大攻防戦のクライマックス。
ロゥリィの神の使いとしての能力も全開か。
伊丹たちは街を守り、ピニャの信頼を得ることが出来るのか。
{/netabare}
★第6話「戦女神の騎行」{netabare}
<伊丹散々、主人公は誰?>
今回は、健軍俊也(けんぐんしゅんや)団長(CV小山力也)率いる
第4戦闘団(ヘリによる空中機動部隊)と
ロゥリィと脳筋娘の栗林二曹が主役だった。

小山力也さんの演技が流石。場面を引き締めてました。
原作に忠実な「地獄の黙示録」(1979年)のオマージュも見事。
陸自無双再び&近接戦闘の見せ場たっぷり。

ロゥリィの胸を触ってぶん殴られ、
金髪縦巻きロール、ベルばら娘のボーゼスたちに単独捕まり、
痛めつけられる羽目になる伊丹。

どうやら彼には女難の相あり。
生傷絶えない状況から脱却して、
オタク三昧な平穏な日々を満喫できることは当分なさそうで哀れw

<イタリカは盗賊から救われ自衛隊と協定締結>
一大攻防戦はAパートのみであっという間の決着。
自衛隊&ロゥリィの共闘で盗賊全滅、圧勝する。

鋼鉄の天馬と称した戦闘ヘリ、銃器の殺傷力…
ピニャは、異世界のとてつもない兵器の威力を目の当たりにして
自分が井の中の蛙であることを思い知る。
人道的という概念すらない帝国側の武人たちには
初めてのカルチャーショック。

<戦闘狂娘たちと伊丹たち>
伊丹は的確な判断力、実行力がある優れた指揮官として描かれた。

南門に待機していた伊丹隊の内、東門へ救援に向かったのは、
伊丹と富田二曹と栗林二曹、そしてロゥリィの4人。

ロゥリィ×栗林、アイコンタクトだけで分り合う無言のシーンがかっこいい。
仲間として息もびったり無双発揮。バッタバッタと敵を掃討。

共闘する中で、伊丹と富田はサポートに徹し、
彼女たちの背後を取ろうとする敵だけを射撃。
自然と役割分担が決まって見事なチームワークでした。

そしてハルバートによる人体切断は見せず、血しぶきも最小限。
血の海もなく死体の損傷具合も控えめ。
ロゥリィと栗林の戦闘シーンは、グロさを抑えることで、
まるで演舞や演武のような美しさがあり見事な演出でした。

<リアルな自衛行為>
イタリカの代表から派遣要請があり出動した第4戦闘団。
威嚇射撃など悠長な手順が、彼等に無いのは当たり前。
交渉、駆け引きは政治や警察の役目であり、
交渉の余地は無いという前提で彼らは出動して実力行使する。

1話の銀座事件も、2話の帝国同盟軍によるアルヌスの丘急襲も
自衛隊が応戦する先にあるのは、無差別大量殺戮の可能性しかない現実であり
一瞬の判断で死ぬか生きるか真っ二つ別れるリアルな戦場。
生存本能と闘争本能むき出しで、
使える武器はすべて使い全力で応戦するのが
自然な描写と言えましょう。

ただ、平和な社会に慣れきった日本人にとっては、
犯罪を取り締まる警察と
軍事行動で戦争の被害を最小限に食い止めようとする自衛隊を
混同して、立場の違いも理解しかねる方も多そう。
この一方的な無双の戦闘シーンに拒絶反応を起こす視聴者が数多くいても
無理もないと思います。

<調子に乗った、数では何倍もの敵軍勢>
元帝国側正規軍の盗賊は、臆病を嫌い、
戦場で全力で戦って死する勇猛を美学としている。
そんな彼らに、仮に威嚇射撃したとしても、
停戦はおろか、却って舐められ、
市民含め犠牲者の増加も食い止めようもないだろう。

異世界の軍隊は、近代兵器の威力にこの時点でも無知に等しい。
近代兵器の威力を知る者は、自衛隊との過去の戦闘体験済みの者に限られ
体験者は、死亡済か捕虜になってるかで、盗賊の首領は無知蒙昧な一人なのは明らか。
冷静な戦力分析などもできるわけもなく、
なまじ元軍属であるゆえ、降伏は末代に至る恥とばかり
名誉のためなら捨て身で立ち向かう輩と思われる。

<認めんぞ。こんなものが戦いであってたまるか…そうは思わんか?>
そして予測以上の戦力差に、自衛隊とロゥリィに、
一矢も報いることなく当然大敗した盗賊たち。
ロゥリィに問いかけた首領の台詞が空虚に響く。
問いかけには無言のまま首領の止めを刺すロゥリィ。
神の裁きは、戦闘の是非と人知を超越。
このシーンの意味するところは深い気がした。

<もし原作通りなら>
今後、平和な日本の世論で誤解される自衛隊も描かれることになるでしょう。
そこは、この作品の魅力の一つと思います。

6話まで観て、多少のアレンジはあっても丁寧な作りなので、
原作からの、不要な省略や改悪する心配はなさそうで、今後に期待します。

ただ、陸自無双の大規模対人実戦シーンは、
少なくても1クール分の残り6話の中ではもうないでしょう。
原作うんぬん抜きにしても、
ピニャという、間近で近代兵器の恐ろしさを知ることになった王族も現れ、
不用意な軍事行為は避けるのが当然の流れになると思われますし。

おそらく当面は、武力より交渉力、作戦立案力などの
頭脳戦が鍵になる新たな局面を迎え、
外交力がものを言う流れへ移行するのと思われる。

既存キャラの掘り下げと共に、
まだまだ重要な新キャラも増えていくはずです。

分割にせよ2クール目があれば、
炎龍との決着で陸自の武力の大きな見せ場もありそう。

<レレイの存在感がますますアップ>
レレイ、OPの壇上の彼女の演説シーンと
今回の通訳と商談における彼女の有能さが暗示しているように
今後は彼女の勤勉さと聡明さが物語上重要になりそうです。
レレイは今の所、一番のお気に入りキャラとなりました。

<バラだな!?…バラです!!>
今回は、ピニャの騎士団を発見したときの伊丹と倉田の会話が面白い。
オタク同士ならではの、短いキーワードで盛り上がり思わず二人が身を寄せるシーン。
コミックにはない描写でアニメオリジナルかな?(小説は未読なので)
阿吽の呼吸が伝わる、動画と声優によりキャラに命宿るアニメならでは楽しさでした。

アルヌスの丘を中心に、文化交流の活発化もどう描かれるのかも楽しみです。
{/netabare}
★第7話「皇女の決断」{netabare}
毎回、話の切り所が非常に上手い。
引きが絶妙なので、次回が非常に気になる。
今回も、見せ場となる次回へのインターバルとして上出来でした。

全体的に、いいテンポ感を生み出してると思います。

コミック版から、印象的な台詞はかなりカットされてるけど
自分はそれをマイナスには感じない。

例えば、伊丹がレンジャー資格を持ってると判るシーンは
贅肉を上手く削ぎ落としつつ、アニメ用に上手くアレンジできてる。

思えば、レンジャー資格持ちだからこそ、
1話で非常事態に遭遇しても動揺することなく敵を刺し殺したり、
状況を冷静に分析して最善の策を生み出す力があったのだと納得出来ました。

<「と」の一言だけでかわいさ伝わるレレイ>
レレイが橋渡しをしての自衛隊幹部とピニャたちの会話シーン。
会話上の通訳の省き方が、レレイの個性と上手くかみ合ってて、
クスッと笑えるほどいい感じでしたね。

<前回のギャグを上手く再活用>
今回も前回もAパートの終わりは、女性キャラに引っ叩かれ伊丹の情けない叫びで締めくくり。
諏訪部さんの演技力がいい感じに嵌ってます。
今回と前回は別な脚本家さんが執筆してますが、上手く連携できてますね。
今回は前回以上に漫画チックな伊丹の生傷とやられ具合も絶妙。
またまた女難再来のギャグが今回の一番のツボでした。
憐れな伊丹。前回はグーパンチ、今回は半殺しの上、平手打ちの締めとは…。
アニメならではの楽しい演出。
今後も原作をどうアレンジするか楽しみです。

<新登場の人外キャラも魅力的>
ウサ耳娘と猫耳娘がとっても可愛い!
新登場の中でも蛇髪メデューサは、モンスター娘属性ありますね。
同時期放映中の「モンスター娘のいる日常」は
キャラデザにドン引きして1話で挫折しましたが、
これくらい人間に近いときっと視聴継続出来たのに、と思います。

<今回で丁度コミックの2巻まで描かれた>
次回は久しぶりに日本が舞台に。
3人娘とピニャとボーゼス、初めての日本訪問編。

異世界のかわいい5人のキャラたちによる、
色々な不思議発見の旅の行方は如何に?
伊丹のスマホに大量に送られていたメールの主は一体何者なのか?

もしかすると省略されるかもと、少し心配したキャラも
ちゃんと日本編で登場してくれそうなので、次回も非常に楽しみです。
{/netabare}
★第8話「門の向こうのニホン」{netabare}
前回は、伊丹の女難再来の描き方やレレイの「と」の件など、
時にコミック版より面白い演出があり、
期待値ちょっと上がってたせいもありますが…
今回はコミック版の面白さにはいまひとつ届かないかな、といった印象。

話を詰め込みざるを得ないと思われ、緩急が不足して出来事の羅列に終わっていた感強し。
淡々と話が進み、笑える所のタメが足りずツボらなかった。

例えば、ロゥリィの質疑応答自体は、全体的にはいい感じでしたが、
ロゥリィの年齢が明かされる所は、コミック版に忠実に
伊丹の心の声や周りの反応をもう少し丁寧に取り入れたほうが
視聴者の好奇心を駆り立てられて好かったかも。
流れがあっさりでいまいちでした。

あと、国会での質問者の幸原野党議員のキャラデザに違和感強し。
オシャレすぎて国会議員というより女優やタレントのように見える。
自分としては、コミック版のように色気は極力排除して、
ショートヘアで男顔負けの切れ者感ある
いかにもお堅い感じの中年女性のデザインの方が
ギャフンとさせたときの痛快感があったのに、と思う。

<今回の、コミック版を超えてると思えた好かった点>
・地下鉄で、ロゥリィにツンデレ台詞を求める伊丹の描写。
・ピニャとボーゼス牛丼初体験時の、子供のような無邪気さで口元にご飯粒付けたまま食べるシーン。
・梨紗のキャラデザ。

コミック読んで、残念系のアラサー、梨紗は結構好きなキャラです。
で、アニメでの登場を密かに期待していました。
次回からの彼女の絡みが楽しみです。
もちろん、箱根温泉でのサービスシーンも期待してます(^.^)

それにしてもロゥリィのハルバート、
通常は一般人には持ち上げることすら不可能なほど重いよう。
しかし6話で、伊丹はハルバート持ったままのロゥリィをお姫様抱っこして走ってました。
ロゥリィが手に持つと重量制御出来て極端に軽くなる、といった設定なのかな???
まあ、神さまの武器兼法具ですから何でもありですねー。
{/netabare}
★第9話「箱根山中夜戦」{netabare}
前回も今回も、伊丹の人脈、影響力、修羅場に強い指揮官としての凄さが何気に滲み出てた回でしたね。
天才的な危機回避力と状況判断力で機先を制する智将の才覚あり。
さらには、旧知の中で同じ趣味を共有できる防衛大臣との意外な繋がり。
持って生まれた運の強さもあって彼自身も将来、防衛大臣になりそうな予感。

せっかくの入浴シーンなのにバスタオル巻いてたりと、
なんだかバラエティの温泉紹介番組みたいな残念な画もありました。

そして、全体的にコミックからは、かなりのシーンがカットされてました。
例えば伊丹の元嫁、梨紗宅でのやりとりで、ロゥリィにいきなり♡で飛び掛る梨紗とか、
梨紗の代わりに朝食を準備する伊丹とか…。
そもそも梨紗の家に転がり込んだのは、
本来の宿泊先である市ヶ谷会館が放火されたためなのですが、
言葉の説明不足で状況はわかりにくい。
(前回の最後に、梨紗のPCのモニターにそのネットニュースが映ってましたが)

特地に残されてる倉田と猫耳娘との件も丸ごとカット。
新キャラの嘉納防衛大臣と伊丹の絡みも随分アレンジされてました。

カットの結果、梨紗の腐女子ぶりもマイルドになってて少し残念。
でもその分、異世界ヒロインズにいい感じに尺を使って
バランス感覚が素晴らしい!

伝えるべき情報を上手く整理してポイントを絞り込むことに成功。
クスッと笑えるシーンが多く前回よりも楽しめた。

前回不満だったシーンのタメのなさも今回は全くなく、
例えば伊丹と富田の入浴中の会話の間とか絶妙だったし、
いきなりドアップのロゥリィそっくりのビスク・ドールでギョッとさせるなど
脚本だけでなく、絵コンテと演出も実に冴えてたと思います。

伊丹夫妻の離婚の経緯を入浴中の女子の会話に
コミック以上に丁寧に組み込んだのもグッド。
また、「荒野の少年イサム」ネタなど、
コミック版からそのままの印象的な台詞も
随分生かされてたので全体的には大満足です。

<FATE(フェイト) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり>
伊丹の過去に関しても、アニメではかなり省略されてる部分があり
箱根夜戦内でFateに因んだコードネームが使われたのは、
アニメだけだとわかりづらいですが、コミック読んでると納得。
伊丹が特戦群に所属していた時に、同僚にゲームやアニメを布教した結果を
さりげなくシャレに使ってるようでww

<殿下、ここは異世界です~そうだった!>
この台詞のパターンの繰り返しにはツボった。
ピニャとボーゼスの、日本の特殊な芸術にどんどん嵌っていく様が可笑しい。
とても皇女と優秀な部下とは思えないほど、少女に戻ってしまった二人。
前回の牛丼体験のシーンといい、今回の腐女子への道にまっしぐらの描き方といい、
二人はとても素直な女の子として描かれ可愛さアップ。
この二人の描き方はコミック版を超えてます。

<やっぱりレレイが一番>
今回はロゥリィ推し。それはそれでとても好かった。
コミック版以上の可愛さでしたね。
個人的には、発情モードで伊丹に迫る彼女より
朝日に向かって祈る神々しさ溢れるロゥリィ、
ファッションに開眼して原宿で白いドレスを自慢げに着こなすロゥリィがお気に入り。

しかし、今回は台詞も少なく地味な存在でしたがレレイがそれ以上に輝いてた。
台詞や動作少ないのに、画だけでもしっかり存在をアピール。
安心しきって子供の顔で伊丹に身を寄せて眠るレレイ、
湯船でじっと動かず、空中に浮かべたお湯の玉を注視しているレレイがとても可愛い。

肉(ロゥリィ)と野菜(レレイ)のバランスのとれた栄養価満点の出来でした。

次回はOPにもある浴衣のロゥリィの狂いの乱舞が観られそう。
そして、某国群の奸計を突破するための奇策発動なるか?

次回はどんな演出で魅せてくれるのか、自ずと期待が高まります。
{/netabare}
★第10話「絶望と希望」{netabare}
4話以来のシリーズ構成の浦畑さんの脚本、
1話以来の京極監督の絵コンテ&演出でした。
原作からの省略のさじ加減と、アニメ独自のキャラの描き方は
相変わらず絶妙で安心のクオリティ。

<皆さまぁ~こんな夜半にわざわざご足労さまぁ~♥>
A国の政治的駆け引きにより、特戦群の護衛が解除されて伊丹一行に危機がせまる。

工作員はA国だけじゃなかった。
C国もR国の工作員もターゲット近くにて意外なお見合い状態。
夜陰で状況もよく分らないまま工作員同士の乱戦。
しかし、本当の脅威は別にあった。

<エロのいいところで邪魔が入るのは、アニメでもドラマでもお約束>
案の定、突然の伊丹の携帯に太郎閣下の警告メール。
興をそがれたロゥリィの欲求不満の矛先は伊丹から工作員たちへ。
着物姿のロゥリィ、颯爽と登場。
彼女のハルバートが宙を舞う。
効果的なBGMと相まってコミック版よりグロさ抑えた分、
夢の中の世界のような幻想的なシーンに感じた。
(6話の対盗賊戦の時より、血しぶきはそれなりに描かれたけど)
もはや誰のコントロールも効かない情け無用の修羅の世界。
あっという間に、多くの魂がエムロイの神に召される…。

<今回もロゥリィ推し>
バトルの魅力と彼女のカリスマ性発揮。
網タイツ履くロゥリィのセクシーさに釘付け。
あっという間の30分。

しかし次回以降は、いままで一番目立たなかったテュカの物語になる予感。
彼女のメインの武器は、日本で購入したコンパウンドボウ(化合弓)になるよう。
エルフの彼女に相応しい武器ですね。

<殺傷せず、無力化が出来れば良い?>
出しゃばらず、さりげなくサポートするレレイ。
彼女は温和で、ロゥリィと対照的なのが
この作品のバランスを支えてると思う。
そして賢く有能。魔法の威力は要所で必ず活かされる。
日本でのお土産にノートPCをチョイスするとはさすが!

<誰が好み?…容姿はエルフ、性格は黒ゴス、保護欲そそられるのはプラチナブロンドの娘かなぁ>
アニメでは青い髪のレレイ。
梨紗の台詞は、原作と同じだけど違和感ありすぎ。
さすがにツッコミたくなりました。
しかし、伊丹と梨紗の絆の深さ感じるこのシーン、とても好い。
カットされず良かった。

そして、伊丹と梨紗の別れ際のシーン。
梨紗はいじらしくてとてもかわいい。
伊丹も梨紗のことをいまだ愛してるのが伝わってきたのがとても好い。
しかも、異世界3人娘による、銀座事件犠牲者慰霊の献花をネタに
大衆を大量動員して伊丹たちを逃がそうとする梨紗、中々やりおる。

前回腰やられ、登場早々退場した公安のコロンボ駒門、ちょっとだけ再登場。
グッジョブで工作員の奸計を封印。公安の面目を保つ。
「伊丹、露払いはしといたぜぇ」の一言が渋かっこいいい。

<栗林の銀座です>
今回特に、栗林妹のドジっ娘ぶり、いい味出してたなぁー。
身長と髪型が違うだけで、目鼻立ちはそっくりなキャラデザも好かった。
脳筋系と天然系。一見正反対な姉妹なようでも、
マイペースで不器用な所が似てるのが微笑ましい。
二人とも、打たれ強い逞しさを感じます。
姉はアナウンサーの妹のマイクを奪い公共の電波を私用w
結果的に二人の絡みは、工作員たちの抑止のひとつの要因となった。

ところでTV局の撮影クルーを全員女性にしたのはアニメオリジナル。
どういう意図なんだろう。
でもそのほうが好いので、まあ、いいっか(^.^)

<全24話なら残り2話で折り返し>
今回でコミック版第3巻の内容終了、次回から4巻の内容へ。

次回にてようやく、次のお話に繋がる重要キャラのお出まし。
CV日笠陽子さんの演技が楽しみです。

1クール目の締めも大方の予想がついてきました。
2クール目はいつからなんだろう。
むしろそっちのほうが気になります。
{/netabare}
★第11話「来訪者」{netabare}
日本と帝国が開戦して5か月が経った。
武力による争いは、イタリカ以来しばらく途絶。
帝国軍は軍備再編中で、一見平和な日々が続く。

そんな平時、ゲートを介しての人的、物的交流が盛んになるにつれ
アルヌスには、仕事を求める者、商人など、多数の異世界の住民(人族も異種族も)が多数集い、
難民キャンプの周辺に少しずつ町が出来て活気が出てきた。
そして避難民自立支援の組織が母体となる、アルヌス協同生活組合も生まれていた。

日本から帰国して多くを学んだピニャは、個人的趣味嗜好は一旦封印。
為政者らしく己を律し、和平のため不眠不休で有力者の根回しと交渉に尽力する。
日本からは外務官僚も特地に乗り込み、事態は水面下で行われる外交戦術へ移行、新たな局面へ。

今回、栗林の出番ゼロ、久しぶりの黒川登場。
そして、外務省官僚の菅原、ダークエルフのヤオなど新キャラ多数登場。
(ただ、EDのキャスト表記は、ミスで次回分のキャストが表示されてしまった模様。
公式HPのNEWSにて謝罪文載ってます。)

<綾波降臨!>
冒頭、いつもと違う聡明さの欠片もない、幼げで寝不足気味の寝起状態のレレイ登場。
物憂げな目元なんか、まんま綾波レイ。
演出の遊び心が楽しい。
原作コミックでは一コマしかないない描写を上手く拡大、絶対狙ってると思います。
そして今回、この後彼女は本編に一切絡まず。
しかしこのシーンと、レレイ役の東山さんのナレーションで存在感はバッチリ!
控えめなのがレレイの魅力だし、適度な緩さが彼女の持ち味。
的を射った演出に感謝です。

<主人公が30代に相応しい成熟度なのが、キラリと光るシーン>
ロゥリィは1000年近くもの長い間、星の数ほどの出会いと別れを繰り返した。
伊丹もたかが33年とは言え、人生いろいろあったんだろう。
黒川に対して「最後まで責任を持てないのなら何もするな」の一言がかっこいい。
伊丹とロゥリィが酒場で二人きりになってからの、
大人同士の落ち着いた会話も味わい深い。
しばし伊丹がオタクだということを忘れる。
今回で一番好きなシーンでした。

因みにコミックではプラスαで、ロゥリィの心情がよく伝わる
心の声の描写も盛り込まれ、より魅力的なシーンになってます。

<またまたロゥリィ推しの押し>
いつの間にか、伊丹じゃなくヨウジと、下の名前で呼ぶロゥリィ。
二人きりになると、すっかりお気に入りの伊丹に再度のアプローチ。
日本から戻っても諦めず、なんとしてでも「しっぽり」したいようだ。
お酒の席の自然な流れでちょっとだけいいムードへ。
でも、齢961らしい策略もまたしても邪魔が入り逃げられる。
日本から帰ってから、これで何回失敗したんだろうか?
登場早々の新キャラで今回の邪魔者、ダークエルフのヤオに
向けられた腹いせの一芝居が、当に神の悪戯となる。

<綾波の次はルパン降臨!!>
伊丹、いいこと言って、目がイケメンぽくなったなと思ったら、
ロゥリィの嫌がらせでヤオに誤解され危うく成敗されそうになる。
あらら、あっという間に三枚目に逆戻り。
しかし、ヤオの一瞬の隙に神出鬼没にも伊丹は消えていた。
逃げる緑の人、伊丹の後ろ姿は、まるで緑ジャケットのルパン三世。
イケメンモードの伊丹はカリオストロのルパン風。
これまた演出の遊び心が楽しい。

因みに伊丹が猛ダッシュで逃げるときの台詞、
アニメでは諏訪部さんのルパンの物まねで「あ~ばよ~」だけでしたが
コミックでは「あ~ばよ~ とっつあ~ん ツケといて~」ですww
これだと露骨過ぎるし、アニメだと一言だけでも物まねで伝わるので必要十分でしょう。

善意でしたことも裏目に出てしまうとは…。
ヤオはなんとも不憫なキャラ。
間が悪いというか、運がないというか、いろいろポンコツらしい。
なぜなら、彼女がアルヌスに訪れたのは、他ならぬ伊丹たちに炎龍退治を依頼にきたのだから。
知らぬこととは言え、伊丹に恐れられ、避けられてどうするw
彼女に比べたら、特殊な芸術に開眼したピニャのポンコツぶりなどかわいいもの。
ヤオ役の日笠さん、こういう役やらせると見事に嵌る。さすがです。

<F-4ファントム復権>
開戦5か月の間には、陸自のみならず空自も特地に派遣。
F-4は、かなりの旧世代機だけど、
戦闘機同士のバトルもないし、帝国軍への牽制なら十分過ぎ。
対炎龍としてはどうなのか、は今後のお楽しみ。

今回、作画かなり力入ってました。
二機のF-4の演習シーン、ヌルヌルの動きは3DCGで細部は手書きの作画らしい。
短いシーンながらなかなかでした。
演習を目撃したヤオが感動するのも納得のかっこよさ。
F-4はやっぱり名機だよなぁ…子供の頃にプラモ作った記憶が蘇る。

あと、ヤオの回想の中で出てきた炎龍にF-4同様の作画の拘りを感じた。
動きのヌルヌル感、確実にヴァージョンアップしてる印象。
この流れの感じから察するに、しばらく先とは思うけど、
本格的な再登場時への期待値高まる。

<語学研修も活発化してる様子とか町中の交流シーンに興味ある方は原作をどうぞ>
原作から端折るところは思いきり端折ってますが、かなり丁寧な進み方。
いかにも、2クール目がありますよ、という流れでしたね。

次回も非常に楽しみです。
{/netabare}
★第12話「伊丹なら」{netabare}
<1クールの最後の2話は、思った以上に原作の流れを尊重>
アニメ11話は、原作コミック4巻頭より、第25話「炎流の影」、第26話「褐色の使者」より、
12話は、第27話「ヤオの希望」第28話「絶望のヤオ」より。
原作2話分の話でアニメ1話を構成。丁度、4巻のど真ん中で区切られた。

<今回は、締めに相応しく脚本チームの総大将、浦畑達彦さんのシナリオ>
いわゆる、俺戦(おれたた)エンド(「SHIROBAKO」で一躍有名の業界用語)と言っていいかも。
原作を多少のアレンジはあれども下手なカットもなく好印象。
原作知らないと中途半端な区切りと捉えかねませんが、
物語の流れを知る自分にとっては、そつのない纏め方だと思います。

<見事じゃレレイ、さすがはわゎ………見事過ぎて言葉もない>
淡きこと水の如し。
カトー役のチョーさんの演技最高!
アニメオリジナルのギャグ。使い古されたベタさでしたが、
打たれ強い師匠と淡白キャラのレレイのコンビのおかげで大爆笑!!

<不幸を呼ぶ女、ヤオ>
どうやら彼女に関わるとロクなことが起きないようだ。
伊丹こそが彼女が求める英雄であったがすれ違い。
見た目美女でも、中身が不器用で武骨な彼女の願いは果たされるのか?

GATEはヒロインズのキャラの立て方が絶妙です。

<ピニャも今回、かなり可愛いい>
ちゃんと趣味と職務の両立も出来てる様子。
語学研修中の薔薇騎士団は彼女の命令により、
伊丹の実態調査もしてるようで抜け目がない。
キャラとしてどんどん面白味増してきて、
レレイ、ロゥリィに次いで好きなヒロインになりつつあり。

イタミハーレム絶賛拡大中か!?
来期乞うご期待!!

<小説版は単行本全10巻(本編5巻+外伝5巻)で完結済>
(文庫版では本編10巻+既刊の外伝は6巻迄となります)
アニメ1クール目は結果として、
原作小説の本編第1巻(文庫版では第2巻まで)「接触編」に該当してましたね。
来年1月開始決定の「炎龍編」(第2クール)が非常に楽しみです。
これは小説第2巻(コミック版では第4~7巻)相当となります。

はなから2クールでコミック7巻まで描くつもりだからこそ、
1クール目最後をコミック上の半分で区切ったのでしょう。
配分がしっかり決められてるようで、これなら無理なく7巻まで描き切り
ひとつの大きな達成感を味わえそうです。

小説版3巻以降(「動乱編」「総撃編」「冥門編」)のアニメ化は、
「炎龍編」終了後の反響次第でしょう。
せっかくなので、出来れば小説版5巻の最後まではアニメ化されて欲しい。
そのためにもこの「接触編」と次の「炎龍編」が商業的に成功することを祈ってます。
{/netabare}

<アニメ版第1クール「接触編」の総評>
今クールスタート作品の中では、一番面白く一番のお気に入り作品となりました。
伊丹という主人公が、自分にはツボでしたので初回から嵌れたし、
自衛隊に対する偏見も特にないので、自衛隊無双もエンタメとして単純に楽しめた。

リアルな戦争と外交と異世界ファンタジーのコラボが絶妙。
かつてこれほどまでにリアルとファンタジーが無理なく共存していたアニメに出会った記憶がありません。

ヒロインでは、ロゥリィも大好きですが、レレイが最高でした。
アニメでの彼女は、コミック以上に可愛かった。
過去観た全てのアニメの中でヒロインのマイベスト3には入ります。
「そこに居てくれるだけで癒されるヒロイン」ランキングなどあれば、ベスト1間違いなし!

<アニメのキャラデザに関して>
伊丹他オッサンキャラとメインの3人のヒロインと黒川はコミック版とそれほどは変化ない。
しかしそれ以外、女性キャラを中心に若々しくマイルドになってました。
男キャラでは、公安の駒門のアニメでのコロンボ化が面白かった。
女性では、特に栗林はスマートになり美人度がかなりアップ。
ピニャはコミックでは、髪型が全然違い年齢的にアニメより5歳以上年長に見えるし、
ヤオなんか、ボンテージファッションでもっとアグレッシブで野性的なイメージです。
梨沙もアラサー感、残念感がコミック版のほうが強い。
自分はどっちもありで気にならなかったけど、原作好きな方には賛否両論ありそう。

演出は全体的に外れが少く、コミックとは別の魅力があって好かったです。
シーンによっては、コミック版を超えていたと感じられた所もありました。
結論としてコミック、アニメ、どちらも一長一短があり両方とも好きです。

アニメ版「炎龍編」も大いに期待します。
コミック版は既刊分の7巻までは数回読み返しましたので、
これから待ってる間に、入手済で読み始めたばかりの小説版も全巻読破するつもりです。

<炎龍編開始直後の追記> (2016.1.12)

2クール目開始までに、小説版の本伝は読破しました。

非常に面白かったし、結末も好かったですが、
状況や背景の説明が長く、くどかったり、
筆者の価値観が出過ぎていたりして、
結果的に物語のテンポが悪く
意外なストレスを感じることがありました。

肝心な場面で舞台や時系列が、
あっちこっち飛ぶこともあり。

原作をこれから読もうかな、という方は
旨味成分のみで構成されたコミック版を
初めに読むことをおすすめします。

その上で、コミック版では描き切れていない部分に
興味が持てたら小説版を読むといいかもしれません。

また、2016年1月からスタートした2クール目は
あくまでも分割された全24話の残り12話です。
2クール目をアニコレでは別スレで炎龍編としていますが、
実際は動乱編までが描かれます。
誤解しがちですが、二期ではなく一期の一部として認識すべきと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 43
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Operation Tomodachi(オペレーション・トモダチ)

リフジンな理由で特定の方々から嫌われている職業、
というものが世の中には存外あって、
その代表格とも呼べるのが、本作の主役『自衛隊』であります。

いまはもうだいぶニッキョ-ソなるものも弱体化しておりますが、
ふた昔ぐらい前のガッコ-には、
クラスのなかに自衛隊員のお子さんがいたりすると
  「〇〇くんのお父さんは人殺しですっ」
なんて教壇で断言しちゃうセンセイなんかもおられたそうです。

  サベツ、ダメ、絶対。

  ちなみに、言っておいた方がよいだろうから言いますが、
  僕自身は、リアル自衛隊肯定派であります。

  震災の折、大変お世話になりましたし、
  災害派遣で現地に赴かれた元陸自の方にいろいろお話を伺い、
  純粋にリスペクトいたしております。

  政経・国防論からも肯定・改憲賛成派なんですが、
  そっちはあにこれカンケ-ないので割愛。
  ここは、個人の政治シンジョ-を述べる場ではありませぬ。


さて本作は、そんな自衛隊が異世界で大活躍するおハナシです。
元自衛官の方の原作(未読です、ごめん)でして、
軍装や隊規についてはけっこう正確ではあるまいかと(たぶん、ですが)。

ただし、
関連法規いろいろぶっちぎっておりますので、
IFものとしての完成度は、それほど高いものではありません。

  原作者である柳内たくみさんが、
    エンタメ性重視で関連法規に目をつぶったのか、
    ほんとに現場のことしか知らんかったのか、
  は、本人のみぞ知るところ。    

  ただ、ドラゴンだの魔法使いだのが出てくるおハナシであり、
  現行法規どうこうというのはヤボに過ぎるので、
  あくまでも『エンタメ特化』作品として評価すべきと思っております。


この物語は、
銀座のど真ん中に突然、異世界と日本をつなぐ『門』が出現し、
六万人もの武装した中世ふうの軍勢が、
いきなり軍事侵攻してきたところから始まります。

  民間人への一方的な攻撃、虐殺、逃げ惑う人々。

すぐに陸自が出動し、これを鎮圧。
ただし『門』は消滅せず、謎の世界とつながったまま。
日本政府はこ門の先を『特地』と命名し、
調査および大規模テロの犯人逮捕という名目で、
自衛隊を派遣することにいたします。

で、門の向こうにあったのは、
剣あり魔法ありエルフありドラゴンありの冒険ファンタジー世界。
しかも、様々な鉱物資源が手つかずのままで、宝の山状態。

自衛隊は、特地を治める『帝国』との講和条約締結に向けて、
現地に駐屯地を設けます。

帝国も一枚岩ではなく『講和推進派』と『反対派』が混在する状態。
とある町の攻防戦で知り合った第三皇女を抱き込み、
反対派を懐柔するためにあれやこれや。
それに特地利権を狙うリアル世界の諸大国の思惑なんかが絡んできて、
なんかいろいろ大変だけどガンバロウ、
みたいなところでこの一期はおしまいになります。

  自衛隊と現地軍のド派手な交戦というのは、
  二話でほとんど終了。
  剣だの弓だので現代兵器にかなうはず、ありません。

  あと、大きめの戦いは、イタリカの野盗掃討戦ぐらいかしら。

  わりとジミめな政治的水面下の動きが多めに描かれており、
  異文化コミュニケーションみたいなのが、
  全体的にかなり大きくクローズアップされております。

  萌え成分もきっちりしっかり盛り込まれており、
  ガチのミリタリーアクション作品とは呼べない雰囲気かと。

  SF(空想科学小説)と称するのもけっこう気が引け、
  ミリタリー成分多めの異世界ファンタジー、
  ぐらいの位置づけと考えたらいいんじゃないかと思います。



ちなみにリアル自衛隊というのは、
ここまで自由に動けるものではなくガンジガラメなのですが、
そこは本筋と関係ないのでネタバレで。
{netabare}

本作では帝国による突然の銀座軍事侵攻に対し、
すぐに実弾フル装備した自衛隊が出動していますが、
リアルに考えると、これは大ウソ。

  そもそも初期段階では相手の武装も人数も目的も、
  何一つわかっていることがないわけです。
  せいぜい「武器を持ったヤバいやつが大勢暴れてる」ぐらいの情報量。

  そのぐらいの情報量で自衛隊に治安維持出動要請などできるわけもなく、
  初期対応としては、まず警察や機動隊が出動します。
  (警視庁だけでも四万六千人いますしね)
  たぶんSATを出す出さないだけでも情報が錯綜して、てんやわんや。

  で、もちろん警官や機動隊は重火器などもっておりんせん。
  六万もの殺意をもって武装した『軍隊』に、
  催涙ガスだの放水車だのがたいした抑止力になる道理もなく、
  瞬く間に弾を打ち尽くし、
  相当数の警官や機動隊員が殺戮の餌食に。

  神奈川県警なんかも駆り出されたりして時間をいたずらに浪費し、
  何千、ひょっとしたら何万という犠牲者を出した末に、
  ようやく『警察では対応できない・ムリ』という判断がなされ、
  都知事の要請~総理大臣の認可というプロセスを経て、
  遅まきながら自衛隊の治安出動が開始されるのがリアルなところかと。

    はあ?
    なにやってんだよ、なんのための自衛隊だよ。
    この税金ドロボーがぁ。

  そんな声も聞こえてきそうですが、
  それが『シビリアンコントロール』の実態なのであります。
  
  実際のハナシ、
  自衛隊って設立以来、一度も『治安出動』をしたことがないんですよね。
  ゴ〇ラみたいに見た瞬間『警察ではムリ』とわかる相手でない限り、
  スクランブル出動というのはマジでキビしいんです。
  (このあたりに興味のある方は、
   麻生幾さんの『宣戦布告』や
   有川ひろさんの『海の底』なんかをご一読あそばせ)

イタリカ攻防戦でも、
ピニャコラーダ(第三皇女)の治安維持協力要請を現場で受けちゃってますしね。
  ワ-グナ-鳴らすんかい、
と突っ込むまえに、そんなもん自衛隊が勝手に受けたらあかんのです。
それって内閣総理大臣の専権事項なんですから。

というか、そもそも論として、
門=GATEが日本にしか繋がっていないことだけを理由にして
  『門の向こうは日本であると考えることにした』
と言い切っちゃてるところがリッパな国際法違反ではあるまいかと。
(向こうには、帝国という『主権国家』があるわけでして)

  もちろん、そこに自衛隊を派遣するための緊急立法、
  本作でいう『特地法』も同じです。
  あんまり言いたくないけど、けっこうロコツな憲法9条違反。
  平和をアイするパヨクさんも、
  みんな大好きコクレンさんも黙っちゃいません。

というわけで、
良識派の方々の『ええんか』という問いの答えは『あかん』です。
ただ、どこまでいってもファンタジー作品、
魔法使いだのエルフだのドラゴンだのが出てくるおハナシですから、
そこのところはムリにでも飲んでおくんなまし。
{/netabare}


僕的なおすすめ度は、エンタメ視点で堂々のAランク。

単純な『自衛隊TSUEEE』ではなく。
アクション、萌え、プチ社会問題などがうまく配合され、
いろんな角度から楽しめる総合娯楽作品に仕上がっております。

もちろん自衛隊が主役のおハナシではあります。
いやほんとそうではあるんですが、
既述のとおり、いろんな意味でリアリティがありませんので、
厳格な考証を求めるディ-プなミリオタさんには軽すぎるかもです。
(拙ごときが見ても「はあ?」なカット多いですし)

むしろ『萌え要素のある異世界ファンタジー』好きの方、
それも、出尽くした感のあるモチーフにいささか食傷気味な方あたりに、
こんなんありますよ、とおすすめしたい的な感じかと。

主役の自衛隊員、伊丹耀司がマツリに熱狂するレベルのヲタ、
彼が指揮する第三偵察隊の倉田武雄もヲタ(てかケモナ-)という設定も、
視聴のハ-ドルをかなり下げてくれておりますし。


  ただ、自衛隊嫌いの方は、ご覧にならない方が賢明かと。

  自衛隊に限らず近代兵器ってたいがい『あんなもん』なんですが、
  火力で圧倒するシーン、イラッとする方いるかもです。
  (僕は『すっげえ迫力』と素直に感心したクチなんですが)

  他の方のレビューを拝読していると、
  剣や弓しかない相手に重火器砲弾を容赦なくたたき込み、
  何万人も死傷させたことを『虐殺』と解する方もおられるようです。
  他の戦争アニメで同じような感じ方をした経験のある方は、
  やっぱ、ムリして見ることはありません。  

  ここでちょっと、ムダ知識。
  {netabare}
  リアル世界の日本には『警察比例の原則』というのがあります。
  これは警察権を行使する際のキマリゴトで、
  相手の脅威度や、目的達成の必要性・難易度なんかを考え、
    必要以上にアレしちゃだめよ、
    相手のヤバさに比例した方法でナニしなさいね、というもの。

  おまわりさんが凶悪犯人に発砲した際、
  ぎゃあぎゃあ文句いう人たちは、これを拠り所にしています。

  この『警察比例の原則』は、自衛隊の治安出動にも適用されます。
  ですから、
    剣や弓だけの相手に重火器や戦車砲の使用はアレじゃね?
  という声は単なる『考え方の違い』ではなく、
  ちゃんとした論拠のあるご意見であり、カンタンに否定できないんです。
 
    そんなもんリチギに守ってたらこっちが死ぬわ

  という言い分は、ジンケン派の方々にはおそらく通用いたしません。
  原作者さんが本作をあまりリアルに寄せなかったのは、
  そういうめんどくさい事情を考慮したからかも知れませんね。
{/netabare}


お話は、二話のBパ-ト以降、
主人公の伊丹耀司率いる第三偵察隊の活動がメインになり、
けっこう、というかかなり、小ぢんまりしていきます。

この第三偵察隊、途中で魔法使い・エルフ・神官が合流しますので、
リアルなハードミリタリー感は、ほぼ皆無。
てか、どちらかというと萌え成分が、かなり多めではあるまいかと。

キャラ編成に合わせているのか、殺伐としたシーンも少なく、
むしろコミカルな演出やプロットが多用されていて、
一話二話で「うげ」と思った方も、次第に落ち着いてくる感じですね。

  ただし、イタリカ攻防戦はけっこうインパクトありますし、
  国会に呼ばれてリアル日本に戻ったりとか、
  いろいろとメリハリをつけたプロットが展開していくので、
  ストーリーが冗長という感じはいたしません。

  二期はけっこうグダグダになっていくのですが、
  少なくとも一期は、
  しっぽまでけっこう美味しく食べられます。


役者さんのお芝居は、ほとんどが高レベルで安定していてよき。

主人公の伊丹耀司を演じる諏訪部順一さんが、
まるでコンマスみたいに全体のトーンをうまく調整していて、
でこぼこのないまとまった世界観を構成しています。

  東山奈央さんの演った、レレイ・ラ・レレーナ
  種田梨沙さんの演った、ロゥリィ・マーキュリー

この二人は、ユニークなキャラ造形をしているので一聴の価値アリ。
あと、特別なお芝居は何もしていませんが、
内田姉弟のおねえさんである、

  内田真礼さんの演った、栗林志乃

が、拙個人として、とってもお気に入り。
脳筋な自衛隊のしたっぱ、という感じがよく出ていて楽しい演技でした、

  ちょっとだけ残念に思ったのが、
  日笠陽子さんが演じたヤオ・ハー・デュッシ。

  むか~しからある定番で無難なキャラに、
  むか~しからある定番で無難なお芝居をのせた感じで、
  登場と同時に物語のテンションがガクッと落ちた気がしました。

  もちろん、彼女のキャラ造形が好きな方を否定はいたしません。

  いたしませんが、拙的には、
  こういうフックが少ない昔ふうのキャラには、
  『安心・安全』ではなく『攻めたキャスティング』をした方が、
  物語の鮮度が維持できたように思うのであります。
  (日笠さんファンの方、ほんとごめんなさい)


作画は、さすがA-1 Picturesさんという感じで、
おおむね問題なし。てか、きれい。
加えてアルヌスの丘での夜戦表現などは『ど迫力』のひとこと。すげえそす。

  ほんと、ほとんど全編で高品質なのですが、
  なぜか時々「はあ?」というカットが混じっちゃうんですよね。
  イタリカ攻防戦なんか、
  作画チ-ムの『見せ場』のはずなのに、
  なんじゃこれ的なカットがいくつも差し込まれてだいなしに。

  あまりリアルに描くと残虐になる、という配慮かもしれませんが、
  ばっと見は、ただ『ヘタ』なだけ。
  あんたら、描いてなんぼのショーバイでしょうに。


音楽は、劇伴とEDは、まあまあよき。
で、あくまでも極私的な評価にすぎないんですが、
OP曲、岸田教団&THE明星ロケッツさんの『GATE〜それは暁のように〜』は、
好きくありません。
もっとはっきり言うと『きらい』です。

  曲そのもののよしあしというよりも、
  バンド名に『教団』とつけるセンスが好きくありません。
  あと、歌詞がおもいつかず『Wo』でごまかしたのもマイナス評価。
  (それやっていいの、寺山修司さんぐらいだと思います)

  曲自体は楽しくていい感じだと思うし、
  カット割りもていねいで世界観をよく表していてよき。
  ほんと、単に拙がヘンクツなだけのイチャモンなのであります。



いずれにいたしましても、
本作における自衛隊というのは『テーマ』ではなく『モチーフ』です。
あんまり難しいことをいってる作品ではありません。

ムカシ映画の『戦国自衛隊』にインスパイアされ、
自衛隊がファンタジー異世界行ったら反則級の無双状態になるんじゃね?
みたいなお気楽想像から生まれた娯楽作品かと。

かわぐちかいじさんの『ジパング』みたいな社会派アニメと違い、
楽しんでいただけたらそれでよし、
好きか嫌いかはジブンで判断してくださいね的な作風なのであります。

  なにかのプロパガンダみたいな要素はなく、
  政治的にうんちゃらかんちゃらもありませんので、
  安心してご賞味あれ。

    いやいやそうじゃないんだ、
    自衛隊を『正義』みたく書くこと自体がプロパガンダなんだ、
    キュ-ジョ-さえありゃ鉄砲なんかいらないんだ。

  そういう方のご意見も、当然尊重いたします。
  いたしますが、たかがアニメのことでもありますし、
  ここは穏便に収めてやってくださいまし。
  
  逃げんのかゴラァ、とか文句いわれましても、
  そのあたり拙の愚考するところは、
  レビュータイトルに全て込めさせていただいておりますです、はい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Domestic only

2022/01/23 投稿

まず,タイトルが微妙なのです
「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」
もう今更長さについてはあえて触れないとして・・・(まあ実際それほどは長くないですし)
でも・・・正直に言って読み方がよく分かりません・・・
GATEの方は丁寧に読み方が付いているけど,
「斯く」の方です(語彙力・・・というか漢字力?^^;)
まあなんとなく文脈的に「かく」かな?と読んでいたのですが微妙に自信なしw 「しばらく」もこんな字だったような(暫くでしたw)この文章を書くに当たって調べたら「かく」で当たってました。「しばらく」だったらかなりコメディー方向に振ったタイトルでそれはそれで良かったとは思うのですが・・・
とにかく,このタイトルで「なんて読むんだ?」なんて言っている自分のようなちょっと教養の無い輩にはこの時点で敷居が高かったりするのです。
なかなか人を選ぶタイトルです!!

しかもアニコレでは,評価が割と分かれているようなので気になります。
自分はどっち?たぶん,ダメなほうかな?w


とりあえず,見始めると随所に強烈な違和感を覚える(後述)のですが面白い!!
話のテンポや,次回が気になるような構成の力でしょうか?自分は割とチョロくどんどん話に引き込まれてしまいました。

キャラクターもなかなかに魅力的に感じました。
ハーレム構成員の女の子もですが
それ以上に,柳田(メガネの人)とか菅原(外務省の人)などがけっこういいと思いました。変な意味じゃ無く(笑)

20話の{netabare}シェリー救出とか24話のピニャ救出などはウルウル{/netabare}しちゃいました。

20話見終わった後などは,「あと4話で終わるの寂しいなぁ~」といった心境になっていました。
かなり,のめり込んで楽しめた作品だったと思います。




しかしこの作品,常に強い違和感を感じさせ,問題提起してきます。
まず1話冒頭
銀座に門が現れ,オーク,ゴブリン,コボルド,ドラゴンライダー,その他騎士などが攻め込んで来ます。指揮官がいてある程度陣形なども取っていることから明らかに軍事的な進行(侵攻?進攻?どれが正しいんだ?)と捉えられると思います。
そしてその中で,事件に巻き込まれた33才オタクの主人公が警官に襲いかかろうとした異世界の兵士の胸を剣で刺します。(ここはせめて民間人を助けるためにしてくれれば印象はちょっとは違ったかも・・・)
その後,銀座に到着した自衛隊によって,攻めてきた,オーク,ゴブリン,コボルド,ドラゴンライダー,その他騎士などは退けられ一応事件は収束します。

後に日本政府は門の向こう側を特別地域(特地)として日本国内と考え自衛隊を派遣します。自衛隊は門の向こう側のアルヌスの丘に陣を張り,現地の軍隊と交戦します。
2話の会話で成された内容によると,銀座とアルヌスの戦闘での異世界側の犠牲者は12万人と言われています。

12万人ってどの位か調べてみると
東日本大震災 約2万
新型コロナウィルス感染症 日本国内約2万
日清戦争の日清両国の総犠牲者(病死も含めて)約4万人
長崎の原爆 約7万4千人
関東大震災 約11万
広島の原爆 約14万人
日露戦争 日本軍約9万 ロシア軍約8万

こうやって並べてみると,関東大震災と広島の原爆の間です。
自衛隊が銀座とアルヌスの丘で殺した異世界人の数です。





とりあえず,日本国憲法の条文を貼っておきます。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


戦争で勝った連合国軍は日本に再び戦争を起こさせないよう,このような憲法を作らせ軍隊も解体させました。

ところが冷戦が激しくなるとアメリカは日本に軍事的組織が必要であると考えるようになっていきました。なんせ日本の近隣にはソ連,中国,北朝鮮と日本の脅威になりかねない国々がひしめいています。敗戦国とは言え有力国である日本は西側陣営として守りたい。在日米軍のみではアメリカの負担も大きい。
そこで警察予備隊を経て自衛隊が設立されました。
日本に軍事的な組織を設立するに当たって,ネックとなるのが9条の②の条文です。
ここの解釈が,自衛隊の性格を決定づけることになるのですが。
②の条文には前提として「前項の目的を達するため」という文言があります。前項の目的とは①の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」の部分に当たると考えられます。したがって国際紛争を解決する手段としてでなければ軍事力の保持は可能という解釈が成り立ちます。
では,具体的にどのようなケースか?
日本国憲法は国民に基本的人権を保障しています。
つまり日本国の政府は日本国民の基本的人権を守る義務を負っているという事になります。つまりは日本国民の生命や・安全・自由・財産などが脅かされた場合には守らなければならないという事です。そのための,つまり自衛のための最低限度の戦力の保持は可能であると。※ここら辺の解釈については諸説有ります。


そんなわけで,自衛隊法という法律を作り自衛隊を作りました。

以下自衛隊法から自衛隊の任務に関する部分引用

第一章 総則
第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。
2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動
3  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。


銀座への出動は「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛すること」を目的とした出動と捉えていいかと思います。
とはいえ,敵側死者数6万という数は,国内世論的には相当数の異論が噴出する可能性もあり得ます。

一方,特地への自衛隊派遣については,特地を日本国内と考え派遣したという設定ですがこれにはかなり無理があるように思います。まあ門を介して日本に隣接はしているのですが,とりあえず領有に関しては,どこの国も領有していないのであれば言った者勝ちと言った側面もあるのですが,国際的に認められるには他国政府から承認される必要もあります。領有を一方的に宣言し自衛隊を派遣するのは,門のこちら側での紛争の火種になりかねません。
やるなら,自衛隊法第3条2の一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動としての派遣が適切でしょう。門周辺の警備に当たる的な?でもなぁ~でも相手側が攻めてきて6万の死者が出ちゃうんだから・・・
邦人救助の名目では?いやこれも自衛隊法上無理か

以下引用
(在外邦人等の保護措置)
第八十四条の三 防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置(輸送を含む。以下「保護措置」という。)を行うことの依頼があつた場合において、外務大臣と協議し、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができる。
一 当該外国の領域の当該保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たつており、かつ、戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。第九十五条の二第一項において同じ。)が行われることがないと認められること。
二 自衛隊が当該保護措置(武器の使用を含む。)を行うことについて、当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従つて当該外国において施政を行う機関がある場合にあつては、当該機関)の同意があること。
三 予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と第一号に規定する当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること。

一~三まで全て当てはまらないですね。


ここで気がついたのですが,このアニメの放映時期2015年って集団的自衛権に関するいわゆる「解釈改憲」なるモノが行われたりして,自衛隊を巡る状況が大きく変わった年でもあります。
それを踏まえると,おそらく作中でも解釈改憲が行われ,自衛隊を特地に派遣することを可能にしたとみるのが妥当という気がします。
つまり,安易に解釈改憲を重ねれば自衛隊が大量虐殺を行う未来もあり得ると言うメッセージと受け取ることもできるのでは無いでしょうか?というかそう思いたいw




この作品を見ていると楽しいのですが,「自衛隊とは斯くあるべきなのか?」との思いがチラチラ頭をよぎります。

有るランク付けでは自衛隊の軍事力は世界第5位だとか,予算的には世界第9位だとか実はGATE同様かなりの実力を持つ軍事的な組織だったりします。しかも,憲法上は曖昧な存在のまま・・・
一方で,銀座とは言わないまでも,北方領土や竹島は占領されたまま。尖閣諸島は中国の船舶が頻繁にやって来て,北朝鮮は日本海にミサイルをたびたび発射。日本周辺をロシアと中国の海軍が隊列を作って航行・・・「正義と秩序を基調とする国際平和」は大丈夫か?

憲法第9条は守るべき?改正すべき? 解釈改憲って有り?とりあえず玉虫色で触れない?どれが一番いいのだろうか?


そして作中では重ねて,自衛隊による大量殺戮が行われます。
そして,それを割と好意的に描いています。
なかなかの,問題提起ですね!

この作品を見て,自分は改めて自衛隊について考えたり調べてみたりしました。そういった問題提起的な側面からもこの作品の価値は高いように思います。



そして,自分に対しての違和感
この作品で自衛隊が人間を大量に殺すことには違和感があったのですが
ゴブリンやオーク,ジャイアントオーガなどなどイメージがモンスター寄りの一部のデミヒューマンが殺されることには全く抵抗を感じませんでした。
人間の指揮する軍勢を構成していると言うことは,知性を持ち言葉を理解する種族と捉えていいと思います。つまりは,人種的な違いですよね?
なのに人間以外の殺戮に違和感をもたない自分,おそらく人種差別の出発点はそこなのでは無いでしょうか?


ところで登場人物の名前で栗林ってふと気になりました。
栗林中将って聞いたことあるような・・・栗林忠道陸軍大将,硫黄島の指揮官だった人物でした。作中の栗林みたいなキャラに名前使っちゃっていいのだろうか?というか大日本帝国の軍人を連想させるような名字は極力避けるのが無難だったように思います。
ちなみに他の自衛隊関係のキャラクター何人か(全員じゃ無いですよ)検索してみたら検索したキャラの名字全て大日本帝国陸軍の人物に該当者有りでした,まあ珍しい名字とかでは無いので偶然かも知れませんが・・・
主人公の伊丹に関しては自衛隊法を眺めていて気がついたのですが,
最後の附則に方面総監部の所在地等が一覧表が記載されていて,
方面総監部所在地は札幌市,仙台市,東京都,伊丹市,熊本市となっていました。この中で最も名字として捉えやすく地名のイメージが薄いのは伊丹ですよね?


まとめると,予想に反してミリオタでもハーレム好きでも無い自分が見ても,すごく楽しめました。娯楽作品としてかなりお勧めです。
一方で自衛隊に関して,問題提起をしていてそういった意味でも存在価値が高いと思います。

ただし,短絡的に自衛隊による大量虐殺アニメと受け取られかねない恐れもあるので,国外への展開は控た方が無難な作品と言えるかと思います。


恐れ入りますが,法解釈等の論争はご容赦下さい。
事実誤認などのご指摘はアニコレのメールでしていただければ,こっそりと訂正させていただきます^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

85.5 3 2015年度のファンタジーアニメランキング3位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2756)
15370人が棚に入れました
広大な地下迷宮、通称「ダンジョン」を中心に栄える迷宮都市オラリオ。

英雄譚にあるような「異性との運命の出会い」にあこがれ、駆け出しの冒険者となった少年ベル・クラネルは、ある日ダンジョンで場違いな強さを持つモンスター「ミノタウロス」に襲われる。

あまりのレベル差になすすべもなく追いつめられたベルは、間一髪のところでトップクラスの冒険者アイズ・ヴァレンシュタインに助けられる。

その瞬間、アイズに一目惚れしてしまったベルは、いつかアイズに釣り合う冒険者になろうと行動を開始する。

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、大西沙織、内田真礼、戸松遥、石上静香、日笠陽子、久保ユリカ、岡本信彦、早見沙織

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

それなりの面白さ

ヘスティアの紐が話題になった作品。
ベルはいつ気付くのだろうか。ヘスティアからの想い。この辺りは非常にもどかしいと思いつつ見ていた。

平凡と見せかけて稀有な才能を見せつける主人公ベルがダンジョン攻略していく物語。しっかり神の寵愛を受けているし、タイトル通り、色々な人と出会っている。出会いを求めて冒険しているわけじゃないだろうが。

これからの主人公の成長と恋模様が気になる作品。
にしても、アイズさん強いなあ。こんな強い女性惚れるけど、リアルじゃ中々相手してもらえないよなあ。そこは主人公補正かな。


OP
Hey World 歌 井口裕香
ED
RIGHT LIGHT RISE 歌 分島花音
挿入歌
REALIZE 〜始まりのとき〜 歌 リリルカ・アーデ(内田真礼)
Hey Worldいいよね。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
迷宮都市オラリオ──『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ! 」「はいっ! 僕は強くなります! 」どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。これは、少年が歩み、女神が記す、── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──


1. 冒険者(ベル・クラネル)
迷宮都市オラリオ。その都市の象徴ともいうべき『ダンジョン』にこだまする魔獣の咆哮--新米冒険者・ベル・クラネルは、まさに絶体絶命の危機を迎えていた。少々残念な神・ヘスティアの唯一の眷族となり、はや半月。眼前には、5階層で遭遇するはずのない高レベルモンスター。すくむ足、震える身体……恐怖と絶望に支配されたベルの前に、一人の剣士が舞い降りる……。剣、魔法、魔物、そして神々。オラリオの零細ファミリア所属、ベル・クラネルの冒険譚は、ここから始まった--。

2. 怪物祭(モンスターフィリア)
「僕、強くなりたいです」憧れの『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインのように--純粋なる思いがベルに与えた能力(アビリティ)【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】。それは、懸想(おもい)が続く限り、懸想の丈に従い、少年に著しい成長をもたらすものだった。その能力を、ベルの憧れの対象を知ってしまった神・ヘスティア。彼女は複雑な思いを抱えたまま、神々の宴へと足を運ぶ。たとえ憧れの対象が自分ではなかったとしても、それでもベルの、彼女のたったひとりの眷族の力になりたい、そう決めたから--。

3. 神様の刃(ヘスティア・ナイフ)
「僕はもう、家族を失いたくないです」モンスター・フィリアの喧騒の中、突如、脱走したシルバーバックからの急襲を受けたベルとヘスティア。唯一の家族を護るため、ベルは、たったひとりで格上の魔物と対峙することに--しかし、奮闘むなしく徐々に追い詰められていくベル。一方、不本意な形でベルに逃がされたヘスティアもまた走り続けていた。再びベルに合流するため、彼女にとって唯一の眷族--家族を護るために。

4. 弱者(サポーター)
「突然ですが、サポーターを探していませんか?」急速な成長に伴い、ダンジョンの7階層にまで到達していたベル。装備品も新調し、次なる冒険への準備をしているところにシアンスロープの少女、リリルカ・アーデに声をかけられる。冒険者について回る雑事を一手に引き受けることを生業とするサポーターの彼女と、より冒険に集中し、ダンジョンの更なる深淵を目指すため、ベルは初めてのパーティを結成することになるのだが…。

5. 魔道書(グリモア)
リリの助力を得て、ベルの冒険は、これまでにないほど順風満帆な様相を呈していた。戦闘に専念することで収入も増え、ファミリアの女神ヘスティアにも、ささやかながら恩返しができるほどに。だが、そんな幸運をもたらしてくれたはずの、リリの周囲に漂う不穏な空気。「なにが冒険者様……ですか」 独りつぶやき、薄暗い路地裏で虚空を見つめるサポーターの瞳--そこに映るのは絶望、憎しみ……それとも……。

6. 理由(リリルカ・アーデ)
ひょんなことから手元に舞い込んだ魔導書(グリモア)から、遂に魔法の力を手にするに至ったベル。着々と力をつけていくさなか、明らかになっていくソーマ・ファミリアの実態。それは、奇跡の美酒に呑まれた狂信者たちの悲劇。リリルカ・アーデもまた、そんな狂気の渦に巻き込まれたひとりであった。冒険者を謀ろうと画策するもの、利を掠め取らんとするもの、同胞を護ろうとするもの……そして、愚直なまでに仲間を信じ、その手を取ろうとするもの--その誰しもが足を向ける、暗く深い迷宮(ダンジョン)の深奥へと。

7. 剣姫(アイズ・ヴァレンシュタイン)
ダンジョンでの出来事を経て、晴れてリリルカ・アーデとのパーティを結成したベル。神ヘスティアの承認も受け、山積された難題は全て取りさらわれたかに見えた……。「やっぱり闘おうか」 目の前にはベルが追い求め、未だやむことのない憧れを抱き続ける『剣姫』の姿。神々にすら惜しみなき賛辞を送られる、その華麗で鋭い剣閃がベルに襲いかかる。吐息さえも感じられる、アイズ・ヴァレンシュタインとの夢の様な距離、その間で舞い散る剣戟の火花。延々と放たれ続ける輝きの中、ベル・クラネルは何を感じ、何を得るのか--。

8. 英雄願望(アルゴノゥト)
「あなたは冒険者だ--」冒険者が、その高みを目指すとき、更なる次元に足を踏み入れようとするとき……必要となるものは文字通り『冒険』。かつて冒険者であった先駆者は、そう口にした。アイズ・ヴァレンシュタインとの特訓の日々を通じ、アイズも驚愕するほどの速度で力をつけてきたベル。そのベルが、次第にランクアップに興味を示すようになるのは当然の帰結であった。いつもと同じダンジョン。いつもと同じ冒険者としての日々。だが、静かに、そして確実に近づいていた--ベル・クラネルにとっての本当の『冒険』の刻(とき)が--。

9. 鍛冶師(ヴェルフ・クロッゾ)
史上最速でのランクアップを遂げた世界最速兎(レコードホルダー)--ミノタウロスとの激闘を制し、ベルの名は『リトル・ルーキー』のふたつ名と共にオラリオ中に轟くこととなった。ダンジョン探索も、中層という更なる境地を視野に捉え、ひとつの節目を迎える。これまで以上に苛烈さを増すであろう冒険を前に、着々と準備を進めていくなか、「俺をお前のパーティに入れてくれ」 ヘファイストス・ファミリア所属、ヴェルフ・クロッゾとの新たな出会い。この出会いが次なる冒険の扉を押し開ける--。

10. 怪物進呈(パス・パレード)
ダンジョン中層--浅層とは比較にならぬほどの難所、13層へと足を踏み入れたベルたち。そこは冒険者を困惑、混乱させ、死に至らしめることに長けた、死地と呼ぶに相応しい場所だった。悪意すら感じられる迷宮構造、圧倒されるほどのモンスターの数と質。更に少しの不運、期せず到来する人の悪意……少しずつ、気づかれぬよう密かに、ベルたちは真綿で首を絞められるかの如く追い詰められていく。冒険者という獲物を狩るに十分すぎる状況が整ったとき、迷宮(ダンジョン)は、その研ぎ澄まされた牙を露わにする--。

11. 迷宮の楽園(アンダーリゾート)
ダンジョンで消息を絶ったベルたちを捜索するため、有志の冒険者を伴いダンジョンへと潜ったヘスティア。だが、彼女たちが中層に至ったとき、既にベルの姿はなく、一行は、ベルたちが更に奥へ進んだことを知る。ほんの僅かな希望の光を求め、更なる深奥へ--。それは、ベルたちに残された最後の、限りなく困難かつ無謀とも呼べる選択肢だった。より強大になるモンスター、複雑さを増す迷宮、物資は枯渇し、仲間たちもやがて……そして姿を現す階層王(モンスター・レックス)--生命を賭した冒険は終わらない……。

12. 悪意(ショー)
モンスターが産まれない18階層『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』。命からがら、安全地帯(セーフティ・ポイント)へたどり着いたベルたちは、そこでアイズを始めとするロキ・ファミリアの面々に迎え入れられることに。無事、ヘスティア、リューたちとの再会も果たすことができ、慌ただしくも安息と平安の時間に身を浸し、傷と疲れを癒やすベルたち。しかし彼らは知らずにいた--最短期間で『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』までたどり着いたことが、オラリオ最大級のロキ・ファミリアに厚遇されるということが……どれほど冒険者たちの羨望や嫉妬--そして悪意を呼びこむのかを。

13. 眷族の物語(ファミリア・ミィス)
ヘスティアの力により、冒険者たちとのトラブルは収束したものの、安全地帯(セーフティ・ポイント)であるはずの階層に突如姿を現した階層王(モンスター・レックス)・ゴライアス。その風体、そして強さは、多くの冒険者が知る常識をはるかに凌駕していた。剣を抜き、弓を引き、魔法の詠唱がこだまする--つい先刻までいがみ合っていた冒険者たちもベルに続くように、死力を尽くして階層王に立ち向かう。だが、階層王の力は、彼らの団結をも嘲笑うかのごとく強大であった--。少年が歩み、女神が記す【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】--少年は今、英雄への道を歩み始める。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

暇を持て余した神々の遊び

原作未読 ただし珍しく原作に興味が湧く


{netabare}「神様…僕…強くなりたいです」{/netabare}
神様ヘスティアが安西先生に見えた初回で期待に胸膨らんだ。大きく外すことなく全13話完走です。
タイトルは知っていて地上波再放送を機に手を取った『ダンまち』。タイトルと見た目で視聴優先順位を下げていた過去の自分よ、なんておバカさん。

至極真っ当にRPGしている作品でした。ノリでいえばそこはかとなく『Dungeons & Dragons』や『ウィザードリィ』古典の香りがする佇まい。

ダンジョン潜入

クエストの達成やモンスター戦闘による経験値稼ぎ

ギルドでのクエスト成功報酬受取りや宿に泊まるとステータスやLVアップ
 {netabare}※注 本作ではファミリア元締めの神にナニされるとステータスアップ{/netabare}

{netabare}ダンジョンの存在意義といった根っこの説明は無いです。{/netabare}世界の一部としてダンジョンが存在し、上記ルーティンをこなしていく冒険者の一人、ベル・クラネル(CV松岡禎丞)が本作の主人公です。
転じて、神々の世界。暇を持て余した神々が人間と接触を図り“ファミリア”と呼ばれるパーティを形成するのは本作の特長です。原作は知りませんが、神々の代理戦争といった殺伐した感は無く、神々の特色にあった性格を持つファミリアが複数存在し日夜ダンジョン攻略に励んでおります。
神々のモチーフは各国の神話からの抜粋。ギリシャ・北欧・ヒンズー・そして日本とバラエティに富んでおり、そのうちのギリシャ神話からもじったヘスティア(CV水瀬いのり)がメインヒロイン。ベルくんとヘスティアを中心に神と人間(人外種族も当然おる)けっこうなキャラが登場し物語を構成しております。

そんなややこしそうな設定は観ていればすんなり理解できる親切設計なので物語理解のわかりづらさとは無縁です。そう!分かり易い。
観終わっての感想はいたってシンプル


{netabare}「ベルくん。もうヘスティアでいいじゃないか」{/netabare}


ほら あなたにとって大事な人ほどすぐそばにいるのよ、と思わずにはいられません。
タイトルから色恋沙汰を想像し、蓋を開ければ抑えめで真っ当なRPGをし、いざ終わってみるとやはり看板に偽りは無いんじゃなかろうか、と思える良作です。


1.ナメたタイトルのわりにはまともな内容
ベルくんを軸にしっかり“物語”があるのです。
{netabare}・ヘタレ優男が徐々に地力を付けていった序盤。惚れた弱みだから?眷属だから?駆け出し冒険者のためにヘパイストスに頭を下げるヘスティアの覚悟に感動しました。
・第6話。父母との別離の後、初めて触れたであろう他人からの信頼で救われたリリルカにこれまた感動しました。リリはベルの生命を獲ろうとする程の追い込まれた状況下にいたのです。そしてベルは甘いと思えるやり方を貫き通します。こちらもそういう話なんだと観方を固めました。
・転機となる第8話。第1話と同じケースに直面し…乗り越えました。これがまたベルくんいい顔してるのです。第7話が下地として活きてました。残り5話!
・その後、味方側にいわく有りげな男キャラを配置。最大のピンチ到来。と展開が速くなります。“詰め込み過ぎ”か“怒涛のラストスパート”か受け取り手に任せていて、私は後者寄り。{/netabare}


2.ヘタレな主人公が苦難を乗り越え成長していく
RPGのステータス成長のみに非ず。主人公が殻を破る内面の葛藤も描いた成長物語です。


3.ハーレムは申し訳程度(と感じる)そして俺TUEEEも申し訳程度(と感じる)
ハーレム:ベルくんはモテる要素を潤沢に保持してますので総取りも納得です。なんでコイツが?というキャラのハーレムとは一味違うと一線を引きました。

俺TUEEE:やや力技でした。{netabare}最初から「しあわせのくつ」持ちですしね。ただ、もしかすると死ぬかもしれん、という緊迫感はあったので良しとしてます。{/netabare}


4.緩急つけた魅力的なキャラたち
陰キャ陽キャそれぞれ特徴があったのはもとより、例えばヘスティアにしてもベルくんにデレる(ストレートな愛情表現が◎)ところと、意外と立派に神様してるところなど二面性や緩急をつけてきてました。
{netabare}「罪悪感なんて結局、自分が自分を許せるか許せないかでしかないんだ。君が心を入れ替えたっていうんなら、行動で証明してみせろ。」
※厳しくも温かい。そしてベルくんへの信頼があるからこそ出る言葉でしょう。{/netabare}


主演松岡さんで早々に戸松さんと絡んでるし、階層攻略のゲームっぽいし、モンスターにやられたらきっちり死ぬし、本人は一途ながら出合う女性軒並み好意持たれてるし、と某SAOと類似する点はそれほど気になりませんでした。松岡さんの声のトーンがいつもより高めだったからかもしれません。
既視感はあっても、丁寧に処理されたアニメです。神々と紐づくファミリアの設定は独特で世界観を構成する要素としてきちんと消化できてますし、別個のものとして捉えてます。


気にする気にしないのどっちに転ぶか、どこが刺さるかを言語化できたらラクなんですけどね。上に挙げた4点は魅力というより「マイナス先入観はこうしてプラスに転じました」的な内容。
もう少し掘り下げると、前述4.に絡んで“キャラへの愛着があった”が上乗せされて評価に影響しました。


■祖父の薫陶
人の好いベルくんに脈打つ祖父のDNA。これでだいたい説明がつきます。
{netabare}チートスキル「英雄願望」。ベルくんのモチベというか強さの源泉。女のために体を張る、そして女のために頑張る理由は幼いころ受けた祖父からの薫陶でしょう。{/netabare}
{netabare}「ベル。冒険者ならダンジョンに出会いを求めなくちゃっな」1話
「醜悪な怪物から、か弱い女冒険者を助け、感謝され、いい仲になる」同じく1話
「これぞ冒険の醍醐味ってやつだ!」これまた1話
「ゆけーいベルよ 男なら寝込みを襲え!接吻じゃー」7話
「覗きは男のロマンだぜ!」12話{/netabare}

■ヘスティアの献身
ベルくんは無自覚ですが、ヘスティアのベルくんへの信頼の厚さを端々に感じます。疑いの目を向けられてもヘスティアは動じません。二人の絆の強さを表わす描写に嫌味がなくそこにシビれます。
{netabare}昭和、いや明治の女の凄みを感じます。会ったことないけど。。。旦那を支える覚悟と信じ続けることのできる肝の据わりっぷり。THE内助の功。{/netabare}
{netabare}ヘスティアナイフの時もそうですが、エイナにリリを警戒するよう忠告を受けた時も、生還した後リリを諭す時も、パス・パレード(怪物進呈)を食らったベルくんの捜索隊を出そうとする時も、とむしろベルくんが目の前にいない時の振る舞いに惚れる。{/netabare}
{netabare}“例の紐”も良いですが圧倒的にここが私のツボです。{/netabare}

■長老役リューさん
古くはナウ○カのユパさま。強いです。そして淡々と飄々とさらっと大事なことを主人公に伝える役回り。本作で誰かヒロインを選べと言われたらこのワケあり美女を選びます。
{netabare}一緒の皿洗いでの一言が8話でミノタウルスに対峙するベルくんの背中を押しました。ベルくんをクラネルさんと呼び一歩センを引いている姿勢にも好感です。{/netabare}
リューの雇い主ミア母さんも粋ですね。ラ○ュタのドーラ婆さんと魔女の宅○便のオソノさんを足したような快活おかみさんもいいこと言うんですよ。
{netabare}「冒険者なんて格好つけるだけ無駄な職業さ。最初のうちは、生きることに必死になっていればいい。惨めだろうが笑われようが、生きて帰ってきたやつが勝ち組なのさ。」{/netabare}



難点挙げるならベルくんとヴェルフの名前の音が被ってしまうのはいかんとも。

恐らく原作では言及されていてアニメでは説明不足と感じる部分、アニメ観ただけでは理解しようがない箇所もあったり、未回収は残ります。
続きは外伝(ソード・オラトリア)、そして公開中(2019年3月現在)の劇場版を楽しみましょうか。
さらに2期制作のお知らせが公式サイトより発表されました。


とても見やすいファンタジーの良作。原作まで手を伸ばすかと久々に思える良い作品に出会えました。



視聴時期:2019年1月~3月再放送

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2019.08.11追記

この1期視聴から日をあけてオラトリアを視聴。できれば1期とオラトリアはセットで観たほうが良いかなあ、と体験談。結局オラトリア観てすぐこっちを観返すハメに。
これで2期の予習はバッチリということですな(^^)



2019.03.25 初稿
2019.08.11 追記
2020.03.22 修正
2021.10/10 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 81
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

フレイヤ様の視点=視聴者の視点。ベルに感動せざるを得ない秀逸な構造でした。

「ダンまち」と「とある」「SAO」「魔法科」とアニメとして数期の続編が作られた超ビッグタイトルを並べてみると、震災後の数年に台頭してきたファンタジー要素が強いラノベが非常に多いですね。これ以外ですと「青春ラブコメ」が例外的に恋愛もので、これも長く続きました。
(追記 アニメの人気シリーズとして「化物語」も同時期ですね。私はラノベだとは思っていませんけど)

 多分ですが、作品としての幹の部分、キャラ、設定、テーマなどがしっかりと作りこまれているんでしょうね。数年…10年近くたってもシリーズが継続できる力強さがあります。
 これらの作品の特徴として、女性キャラに萌えることが視聴の理由ではない気がします。作品を見る理由がストーリーの面白さであり、または男性主人公の活躍です(レールガンの御坂は女性ですが同じ理由)。もちろん魅力的な女性キャラがいるので萌えることもありますが、それが視聴理由ではありません。

 古きよき少年マンガやジュブナイルからの系譜で男性の主人公の活躍が面白い作品ですね。話の結末を今はやりの「設定」により解決するのではなく「展開」による解決だということです。つまり俺TUEEEの「設定」で「えいっ」と解決するわけではなく、俺TUEEEを使いながら「ストーリー展開」で解決するということです。
(最近の転生ものが数値化とスキルに頼っている理由であり、無職転生が面白い理由もこの部分でしょう。進撃の巨人は、前半はストーリーが面白かったのに、後半でこの設定での解決に堕したといえばお分かりいただけますかね?)

 最近の作品が好きな人にとっては、舞台や世界観の設定が過多だし、キャラ造形に内面を持たせているので鬱陶しいと感じるのだと思います。それがないとストーリーが展開しないですからね。それにスマホ画面で読んでいる人には伏線や展開ではなく、キャラの設定で解決するほうが分かりやすいのでしょう。
「小説」原作のアニメなのか「なろう」原作のアニメなのかの分水嶺は、この解決の手法だと思います。

 ですので、ここに並べた作品の特徴はアンチが多いことですが、アンチが多いというのはそれだけメジャーだということだし、それだけ人気がある証でしょう。出来が悪いだけの作品なら切られておしまいですからね。

 ダンまちはその中では最後発で、異世界感が非常に強くなっていますが転生ではありません。ファンタジーの舞台設定です。これ以降は「なろう」が台頭し現世→異世界転生になって行きます。


 さて、作品ですがまあ、主人公萌えですよね。ストーリーが面白い理由も同様です。ベルクラネルという無知で無垢な少年が努力と根性で強くなってゆく。
 そのピュアな精神性は一方で事件事故の原因になるわけで、損な立ち回りをしているように見えるけど、結果的にその純粋性を貫き事件を解決する。それが周囲の人間を感動させる。

 神々、特にフレイヤ様の視点ですよね。ベルクラネルの活躍が無感動になった美の女神の心を動かす。そのフレイヤ様の視点が読者の視点になります。その構造になっているのでベルというキャラクターに感動できます。

{netabare}  そう…本作の最大のテーマ、あるいは仕掛けは、物語の初めからフレイヤ=シルですよね。ラノベ版の登場人物紹介のシルのスペルを見るとSYR=FLOVERですから、loverという文字がありますし、SYR=FはフレイヤFREYAのアナグラムではありませんが似た語感になっています。彼女は何のために登場したのかがわかります。

 シルはベルを愛するためのキャラというのは原作の1巻を見ると謎でもなんでもなく、作者は結構大胆に暗示しています。明示と言ってもいいくらいです。アニメの祭りの周辺のカットや演出もキャラデザの髪の形や色もそうでした。(追記 魔導書のところを言い忘れました。あれは露骨にシル=フレイヤと言っていましたね。) {/netabare}

 つまり「ダンまち」とは、構造的にフレイヤ様の視点でベルを見守りながら彼の純粋性が生み出す感動を見守る話です…というのが明確に1巻目、あるいは1クール目からの組み立てになっています。
 だから、ミノタウルス戦が本作のクライマックスだったわけですね。

 ミノタウルス戦…燃えましたね。登場人物たちがベルに感動しますが、それがそのまま視聴者の視点になっていました。

 実はこの構造のせいでヘスティア様がちょっとノイズに…いや、まあ狂言回し、コメディーリリーフとして、あるいはベルの純粋性を表すために必要だったのでしょうけど…

 この様に計算されたストーリーと設定に成り立っているので、非常に面白いです。アニメの脚本も原作に忠実ながらわかりやすく手が入っているし、映像の出来もいいし。

 というわけでいろいろ書きましたが、非常に面白く繰り返し見られる秀作でした。


追記 他のレビュアーさんのご意見でなるほどと思いました。題名の「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」です。
 これは題名が間違ってますね。キャッチ―ですけど物語とズレてます。アイズに憧れる成長物語ですもんね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

73.7 4 2015年度のファンタジーアニメランキング4位
六花の勇者(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1248)
6692人が棚に入れました
闇の底から『魔神』が目覚めるとき、運命の神は六人の勇者を選び出し、世界を救う力を授ける。

地上最強を自称する少年アドレットは、その六人、『六花の勇者』に選ばれ、魔神復活を阻止するため、戦いへ向かう。

だが、約束の地に集った勇者は、なぜか七人いた。

その直後、霧幻結界が作動し、七人全員が森に閉じ込められてしまう。

七人のうち誰かひとりが敵であることに気づいた勇者たちは疑心暗鬼に陥る。

そして、その嫌疑がまっさきにかかったのはアドレットで―。

伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、堂々始動。


声優・キャラクター
斉藤壮馬、日笠陽子、悠木碧、鈴村健一、佐藤利奈、加隈亜衣、内山昂輝
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

頭に蛆でも湧いたか?

とりあえず1話だけ見た感想として・・・
本作のどこがどう面白いわけ?か考えたみたが、理由は今のところ不明。

なんだか理由はよくわからないが、第1話からいきなり惹き込まれていたりする・・・

「戦う司書」と同じ作者の作品だからということもあるのだろうけど、
主人公と魅力的なメイド様の会話シーンだけで直感的に満足ケージが一杯になる。

{netabare}いい意味で主人公は紙一重の大馬鹿野郎で、彼の紙一重な本質に惹かれた
姫様との対面シーンが印象的で、宿命的出会いを物語っているような予感を感じた。{/netabare}

過去に本当に気に入った作品というのは言語表現するのが難しいという
経験則からしても、多分この直観は間違いではないと思うが、それを
表現できないとしたらそもそもレビューを書く意味がなく、
なんというかとても矛盾しているのだけど。

しいて言うなら、直感的期待感優先で次が見たくなるところが本作の魅力なのかも
と思ってみたりもする。


追記:頭に蛆でも湧いたか?
はい、湧きました・・・忘れてました。作者は「戦う司書」の人でた。。。
{netabare}
正直、「戦う司書」も「another」も大好物で、というか大好物なら
1話だけ見て迂闊にレビュー書くかね、「これだから素人は!」
という感じで、駄目駄目人間だなこりゃ・・・

駄目駄目人間でさぁーせん。ネタバレ厳禁アニメだけど
ここまで来たら開き直って参ります!
{/netabare}

本作とはある意味運命的な出会いなので悪しからず。
{netabare}
この中に一人偽者がいるという件について余計な詮索してるため、
以下は特にご注意されたし!(第6話あたりの話について↓)


容疑者の確率が7分の1ではなく、8分の2なら答はさらに簡単。
考え方としては7分の1+1の共犯者で、ルールはある意味「another」と同じ
勇者でないけど発動権限を持つもの。それが多分、答。
「another」よりも登場人物が少ないから消去法でやったら自ずと
答が出てくる気がする。
(と舐めてかかったのだが、ファンタジー作品特有のドンデン返し展開を
考慮したら予想以上の泥沼に嵌り、只今アンナカモナカの暗中模索中)

もし本当に共犯者がいるなら、まずは共犯者を捕らえ口を割らせれば万事解決だが
そう上手くはいかないのだろう。
にしても、次の展開に移行するのは間違いなく、そのプロセスが最も確実性高いと推測。

1番最初に神殿に入ったのが真犯人、2番目がアドレットで
1番目が神隠し状態なので2番目が自動的に1番扱いとなっている。
彼は何故2番なのか?もしかしたらそこに意味があるのかも。

もしも「絶望を笑え」というのが伏線なら、笑えないような絶望が待ってることに・・・


ところで、数的には圧倒的不利な勇者6対1裏切者でどうやって勇者を倒すのだろう?
{netabare}
もしも共犯者がいるということなら6対2になるが、それでもやはり戦力比は
3:1で数的劣勢は変わりない。
しかし、戦略の常套手段、常に数的優位を作り各個撃破していったら勇者は全滅する。
つまり、6対2ではなく、6を1+1+1+1+1+1に、1人VS2人を6回
やれば少なくとも戦略的には、全勝出来る可能性が大きいと言える。

そして、雛見沢・・・いや、疑心暗鬼のトラップが発動しだしたら
竜虎相打つ計略炸裂で同士討ちが発生し、スタンドアローン状態の1人に
対し操り人形の勇者1+2の3人で圧勝するパターンだって無きにしも非ず。

自分が疑われたくないあまり、他人を誰でもいいから無理矢理でも裏切り者に
仕立て上げようとする無意識的心理が働き、勇者軍団は今まさに決壊戦線状態。
既に本当の裏切者の術中に嵌ってる感がかなりある。

この先は裏切り者が誰なのか?よりも、何故裏切ったか?という点に
とても興味がそそられてしまうわけだが。
恐らくは回想シーンで、共犯者ともども、割と丁寧に描かれるような気がするというか
そうなることを強く期待したく思うわけである。
{/netabare}
{/netabare}

今更手遅れなので禁断のネタバレに突撃!(8話以降の行方は?)
{netabare}
ファンタジー作品の特徴として「マジカルな現象」によって何でもできてしまう
というある種のご都合主義が発生してしまうことがしばしばあるのだが、
それは推理もの系として今後の展開を予想していく上では少々厄介な要素ではある。

ところで、裏切者はどうやって凶魔と連絡をとっているのだろうか?
裏切者が人間ではなく、凶魔と同じ本性が魔属性であるなら、
テレパシーのような能力で遠くにいる凶魔と意思疎通可能だが。
しかし、人間だった場合は連絡役としての共犯者が必要となる。

というのは、凶魔の奇襲攻撃が陽動作戦的意図を持って行われた可能性が
かなり強いからである。
恐らくアドレットは罠に嵌められたのだろう。
だが、それは何のために?
勇者の戦力を削ぐ、数を減らすだけなら裏切者の手により勇者の寝首を掻く
というのが最も合理的な手段であるはずである。

しかし、そうせずに結界を発動させるという魔王サイドに
とってのリスクを冒してまで敢えて謀略で勝負してきたのには、
六花の勇者の各々に相互不信感を植え付け、彼等を無力化する狙いがあったように思う。
結局のところ、勇者の物語というのは「信じる」ということがテーマになるはずだから。

7人目の裏切者が魔属性だった場合、凶魔との連絡は都合よくいくのだが、
それだと結界の発動権限がないから、やはり権限のある8人目の共犯者が必要になる。

もし8人目の共犯者がいないとしたら、7人目が結界を発動させたことになるのだが、
その線で考えた時、あり得る方法は、マジカルな瞬間移動や遠隔操作的なものに
なるのだろうが、いくらファンタジーでも瞬間移動はチートすぎて推理ものとして
説得力がなく、遠隔操作だとするなら、発動権限ある人間によるものだから
連絡困難な状況下での凶魔の奇襲攻撃が偶然のご都合主義展開になってしまう。

より説得力ある展開を考えたらやはり8人目の共犯者は不可欠であると言える。

一番シロに近いのは、フレミー。
チャモとは面識があり、勇者候補者を殺害した事実が知られ逆に命を狙われる
立場になって今更他の勇者と行動をともにすることに意味がないから。
(ハンスとモーラによれば魔属性には結界発動権限がない。
という話でうっかり勘違いの記憶違いをしてしまったが、
フレミーは半分人間なので発動権限はあるというのが正解だった・・・)

次にシロに近いのは、ハンスと思ったが・・・
もし彼が魔王サイドなら、わざわざフレミーの身の潔白を証明することに
意味がなく、状況的に見て一番疑わしいアドレットを積極的に殺ろうと
しているが、一番疑わしい容疑者を始末したが、その容疑を実証できなかった場合
次に疑いがかかるのは、彼を積極的に殺害したハンス自身になる。
アドレットを躊躇いなく殺りにいけるのは彼自身が潔白であるという自信の証
なのかも?と思ったが、誘導尋問くさい話の進め方がなにか引っかかる。
とりあえず、殺し屋という設定のキャラとしては言動に一貫性はある。
依頼主の心変わりという現象、彼の経験則に関してある種の真実を語っていた
ことからしても、案外ストレートな人間なのかもしれない。
但し、偽者が殺し屋というキャラを演じてるだけだとすると全部ひっくり返るが。

8人目の共犯者がいるとしたらアドレットは自動的に潔白となるが
未だ8人目の存在は証明できてないので、現時点では重要参考人扱い。
でもなんと言っても一番勇者的なのが彼であることだけは確か。

チャモは、フレミーによって過去に命を狙われたことからして
本物の勇者である可能性が高い。もし仮にチャモとフレミーが共犯関係で
口裏合わせているだけだとすると、チャモがフレミーを殺そうとしているのも
嘘になるのだが、簡単にばれてしまう嘘をつくことに意味がないから、
チャモがフレミーを殺そうとしているのは真実と推測される。
チャモが勇者でないとフレミーが魔王をサイドを裏切ったきっかけとなる話が
全部台無しになることからしても、チャモとフレミーの過去対決は嘘ではないはず。
但し、フレミーが母親たちにより切り捨てられることになった理由が
勇者暗殺に失敗したからではなく、大いなる謀略のための優秀な手駒を
誤って殺そうとしたからだと考えると、チャモが勇者とは必ずしも断定できない。

とりあえず、容疑者を特定しようと考えてみたが今ひとつ決め手に欠ける。
冷静に考え直してみると確定できる情報が未だ少なすぎるのだが、
にもかかわらず、ついつい容疑者を特定したくなるのは、もしかして孔明の計略なのかも?
{/netabare}

8話を見て消去法の方針転換
{netabare}
情報量が不足している現状で一般的な消去法ではラチが明かないようなので
消去法の基準をシロさが一番明確だったフレミーに標準設定。
つまり真実味のある話を語ったかどうかで洗い直してみる。
当然、寝返りの動機を語ったフレミーはシロ。
殺し屋の経験則を語ったハンスもシロ。ならば
姫への忠誠心というか個人的な思いを吐露した?ゴルドフもシロで?
面倒くさいから皆殺しにすることを表明したチャモもシロになるかも?

アドレットは地上最強って発言が嘘だから、嘘つきかもと考えられるが
なりたい願望という意味では嘘ではないと言えなくもない。

積極的に真実を語ろうとしないという意味で順番的に怪しいというか
不自然なのはモーラということになりそうだ。
今回の件に関して一番知識と情報量を持っているはずのモーラがイニシアチブを
取らないのがどうしても腑に落ちない。
{/netabare}

9話で、立直!
{netabare}
偽者が誰なのか割りと簡単に判明すると見込んでいたが、
いや、勘だけで言うなら大本命が誰であるのかは容易なのだが
消去法でやるとフレミー以外は積極的に違うと言える要素が希少すぎたようだ。

簡単に判明すると思ったのは、実は{netabare}
大本命の被疑者が7人目で、砦の兵士がその協力者である8人目だと予想した
からなのだが、話の流れ的には砦の兵士とは別カウントで7人目と8人目が
いそうな雰囲気になっている模様。

8人目が砦の兵士なのか、別にいるのかはさておき、まずは7人目を特定してみる。
半ば強引な消去法でやった結果、フレミー、ハンス、チャモ、ゴルドフはシロ。

そして残りのアドレットとモーラはトレードオフ?的関係にあるようで
一方の言っていることが本当ならもう一方の言っていることは必然的に嘘になる。
アドレットはハンスの信頼を得る。モーラはチャモの信頼を得るが、
チャモはアドレットとハンスの信頼関係を共有できなかった、というのは
つまり信頼関係を見誤っていたということになり。
結論として、チャモがモーラに抱いていた信頼はトレードオフの関係により
崩れ去る。
7人目はモーラでファイナルネクロマンサー!
モーラにはチャモとハンスに偽情報を流しけしかけた疑惑があり、
そのことについてハンスも勘付いたようである。
{/netabare}
但し、{netabare}モーラ=大本命ではない。{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「敵」と「味方」

【2015/9/20 視聴完了して改稿と追記。長くなりましたが再読いただけると嬉しいです】 *誤字訂正


昔々、マンガファンが喫茶店に集まると、誰か一人は人数を数える真似をして「11人いる!」と言うのがお約束だったが、これからのアニメファンは「7人いる!!」と言い出す事になるのだろうか。


神託に選ばれて集結した勇者の中に、ニセモノが紛れ込んでいる。
果たしてニセモノは誰か、という謎が物語を駆動するのだが、ミステリーにおいては、作者はあらゆる手段で偽装を施しミスリードを試みる。

中でも製作者によって仕掛けられる最大の偽装は、{netabare}本作が、魔神と戦う「冒険ファンタジー」ではなく、ニセモノをめぐる謎〈ミステリ〉が主題の「ミステリー」である、という点だろう。

あたかも探偵小説における叙述トリックを参照したかのように、ミステリーを冒険ファンタジーと見せかける製作者の「騙し」は慎重で、「謎」に直接のかかわりを持たないものの、視聴者に驚きを与える効果は十分にある。

冒頭の首都の描写において、「本筋」には全く関与しないのに、壮大な美術設定や華麗な映像を見せていることは、製作者が「騙し」に自覚的である証左だろう。中世的な設定が多い冒険ファンタジーに対して、古代的なビジュアルを用意するオリジナリティも、新味のある「ファンタジー」を意図しているように見せかける偽装の一環だ。

冒頭の数話で、能天気に「地上最強」を連呼する主人公と物語のリズムに不和が感じられるのは、この偽装がもたらす違和感による。

周到に楽曲と映像を変えるオープニングが、勇者同士が戦う映像に切り替わったとき、偽装は解かれ、違和感も消失することになる。
魔神を斃す冒険ファンタジーではなく、仲間に紛れ込んだ敵を炙り出すミステリーなのだと暴露されたとき、物語がどこか鬱屈していて爽快感に欠けると感じられていた理由にも納得がいく。
疑惑にかられた勇者同士が戦う物語は、陰惨な雰囲気を纏わざるを得ないだろう。

異世界の構造や異能の仕組みがどこまで開示されているか不分明な中での「謎解き」は、「本格」として推理する条件には欠けているかもしれない。
条件に欠ける結果、安楽椅子的な「推理」で決着をつける探偵小説的快楽は不可能となるが、その分、「推理」の醍醐味を補うように、引き起こされる勇者同士の戦いはビジュアル的に派手で見ごたえがある。背景や戦闘描写はしっかりと「ファンタジー」風味で、「偽装」に引き摺られた視聴者にも満足を与えるものだろう。

そんな状況の中、仲間の勇者から疑惑を向けられ、嫌疑と攻撃を退けながら真相を「推理」しなければならない主人公は、奇妙にメタミステリー的な条件を背負い込むことになる。


ミステリーにおいて探偵の「推理」は、真の意味での「真相」とは言えない。

メタ的な視点からは、事件の「謎」という現象は多様な解釈が可能だ。
「本格」のルールの存在意義は、なるべく解釈の多様性を減らし、非合理的なものは排除するためでもあるが、真相の「唯一」性を保証することはできない。

物語の中で探偵の「推理」が「真相」となるためには、作品世界内で唯一の「真相」であると作中人物たちが(読者もそうであることが期待される)「信憑」することが必要になる。
メタ的な意味で、事件が「解決」され真相が明らかになるのは、推理が「信憑」を得た時だ、とも言えるだろう。

他の勇者たちから疑われ、抹殺の対象ともなる主人公は、「推理」するだけで解決に導くことが不可能な立場に追い込まれている。
いくら「推理」が「事実」と合致したとしても、「信憑」を得られない限り「真相」に到達できないからだ。
どれほど合理的な推理であっても、疑惑を向ける勇者たちからは信憑を勝ち取ることができないだろう。


このメタミステリー的条件は、勇者の「一員」であるという自覚と相まって、主人公の「戦い」を独特に屈折させる。

勇者という「仲間」同士が戦う状況で、主人公は自分を攻撃する勇者を、上記の二重の理由で抹殺してしまうことができない。
二重の意味で、反撃して斃すことは禁じられ、信頼を勝ち取ることが要求される。

戦いの焦点は、紛れ込んだ「敵」を発見し抹殺することではなく、自分を襲う仲間に自分を信じさせなければならない、「味方を作る」というより困難な方向へ結ばれることになる。

ファンタジー世界であれば「拳で語り合」えば済むかもしれないが、合理性に規定されたミステリー世界ではそうはいかない。

性格も立場も信条も違う、自分に敵意を持つ対立者に対し、まず対話の可能な共通の立場を模索し、味方につけ「なければならない」という「戦い」は、「魔神を斃す」ように「敵対者を抹殺」するのとは困難の次元が違う。

物語の語り口が地味になるのも無理はないが、このような「戦い」を主題にするアニメは空前と言っていいと思う。


ここまできて、主人公の「地上最強」の意味が明らかになってくる。

ルールに則って競われる「強者」に対して、ルールの枠組みなど無視する「地上最強」は、「卑劣」で済ませられるほど安易なものではない。
通常、恣意的に捨て去ることが困難なルールという「絶対」性を、相対化して無視することが可能なのは、絶望の中でも足掻き続け、なりふり構わず生存の可能性を探り続ける主人公の精神と不可分の「能力」と言える。

「強者」たる勇者にとっては、世界の構造が崩壊し精神的な足場が崩れ去るような異常な状況の中で、ルールの底が抜けた混沌で勝機をうかがう精神を持つ「地上最強」の主人公のみが、謎に正面から挑むことができる。

何処までも足掻き続けなければならない凡人であることが「地上最強」だと語る主人公は、敵対者を抹殺することなく「対話」し続けなければならないこの困難な「戦い」に、唯一、勝利を呼び込める「勇者」だろう。

「敵を斃す」冒険ファンタジーの爽快を期待して裏切られた視聴者も、失望する前にぜひ、「味方を得る」全く新しい「戦い」とその帰結を目撃して欲しい。


【追記】

「本格」のフェアプレイルールを満たすものではないが、密室トリックの解明と犯人の指摘は、この世界内での論理に則って合理的に解決される。
「冒険」ファンタジーではない、ファンタジー世界の「ミステリー」として、成功したと言えるだろう。


当面の敵に勝利した主人公だが、この独特な「戦い」の形態を最底辺で規定したのは、ミステリーという形式と共に、「六花の勇者」という集団が、一種のプロジェクト・チームであるという設定だ。

定められた宿命ではなく、魔神を斃すという「プロジェクト」を最適化するものとして抽出される「勇者」は、プロジェクト遂行上の要請を除けば、構成員同士に共有される価値観も規範も、ましてや人格的なつながりも無いと巧妙に設定されている。

内的な結束の理由を持たない結果、「プロジェクトを不能にする」敵の潜入したクローズドサークルの「罠」のように、外的要因を左右されることで求心力は失われ、一体であるべき「チーム」は結束を保つことができずに容易に解体する事になる。
求心力の消失と解体の危機は一回性のものではなく、何度も繰り返され得る不安定さから逃れられないと最後の最後で暗示されるが、この設定から生じる必然的な帰結だろう。


「六花の勇者」チームという一個の「組織」から秩序と規範が消失し、単に物理的な「勇者の集まり」という無秩序の集合に変貌する事態は、法哲学者カール・シュミットの提唱した「例外状態」と完璧な相似形をなしているようだ。

シュミットによれば、国家の規範が崩壊し秩序が失われた「例外状態」の混沌において、「敵」を名指しし「友」=味方との間に線を引くことが、新たな秩序形成の根源であるという。
敵との闘争が、主権を勝ち取り集団に秩序を打ち立てるという政治的なるものの起源であり、まず「敵」を名指し「味方」を糾合する事から闘争は始まる、と。

例外状態で名指される「敵」は、運動のその場その時に合わせ、その都度繰り返し選択される。
敵と味方を規定する秩序が消失している混沌では、「自分」と「それ以外」しか存在しない。まず「敵」を名指し、敵ではないものとして「味方」が生じる線引きには、あらかじめ自明である「味方」は存在していない。

主人公以外の「勇者」がそうであったように、その都度「味方」であるか疑わしい者を「敵」として排除しようとする倒錯も秩序形成の過程ではあり得る。が、自明の「味方」が無い以上、「敵」とその線引きは次々に交換されてゆく。
そのような「敵」「味方」の名指しのダイナミズムによって、最終的に秩序を打ち立てる主権者が誕生するのだ。

本作において、主人公は、密室トリックを仕掛けクローズドサークルを作り出した「犯人」を暴き出す。
主人公のみが、味方「候補」を切り捨てることなく、「犯人」という属性を持つものだけが「敵」であると見据えて特定=名指しに挑み、他の勇者がその都度行おうとした「敵」「味方」の線引きを退けて、最終的な「敵」の名指しと「味方」の最大化に成功する。

本作の「謎解き」は間延びしているとみる人も多いかもしれない。
が、「推理」と共に進行する主人公の「戦い」は、主人公が単なる「探偵」ではなく特異な「アジテーター」として、犯人という「敵」を名指し、「味方」を獲得して秩序を形成する例外状態での「政治」的なるものの過程を、ミステリーという形式のエンターテインメントとして展開して見せたと看做すことができるだろう。
「秩序」は動的であり、闘争は不断に生じる必然を暗示する、最後のエピソードを含めて。


シュミットの「例外状態」は、立憲国家の憲法が機能停止し、法秩序が無効化した状態を指している。

本作の主人公の「戦い」は、今後のために記憶しておく価値が十分にあるのではないかと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

この中に,偽者がいる…

タイトルとキャラクターデザインが良さそうだったので観ることに…。
観始めて「これはライトノベルが原作かな?」って思ったらやっぱりそうらしいですね。

ストーリーはファンタジーで,ピエナという国で開かれた武闘会に主人公であるアドレットが乱入するところから始まります。
1番初めに思ったのはアドレットに対する「何コイツ」っていう思いです。
主人公なのでもちろん悪いやつではないんだけど,自分のことをずっと“地上最強”って言っててなかなか痛いやつなのかな??って思いました。
でも,そこを作者がいじってくるようなキャラ設定だったら良いんですが(強い割に詰めが甘くてドジするキャラだとか),そうでもないし戦い方も武器頼りなので見ていて「強いな」とか「かっこいいな」って思えなかったんです。
まぁ武器を持って戦うのは良いんですよ,それはもちろん。
だけど,いろんな暗器の使い手みたいな戦い方で剣一本で正々堂々と戦うようなスタイルじゃないからね~。

牢獄に捕らえられた彼の前に現れたのはナッシェタニアというピエナ王国のお姫様。
彼女がこのアニメのメインヒロインで,物語が進むうちに彼と良い感じになるのかなと予想。
まぁみんなそう思うよね。
少なくともアドレットのことを好きになるんだろうなって。
そしたら,旅が始まってすぐにもう好意を示してくるので「え。チョロっ!!」って思いました。
ていうか,そのうさぎの耳なに??
初めて登場した時には無かったよね!?!?

で,その旅というのは闇の底から魔神というのが目覚めるからそれを阻止するための旅。
魔神ってのは1000年前人間をたくさん殺したやつらしいのだけど,一輪の聖者によって封印されたそう。
タイトルの「六花の勇者」というのはその魔神の復活を阻止できる唯一の存在で,6人居るから“六花”らしい。
それに選ばれると身体のどこかに紋章が表れるのだけど…。

主人公のアドレットはもちろん,ナッシェタニアも紋章が表れたからお城にいる2人は一緒に魔神が封印された土地「魔哭領」をめざして出発。
途中でアドレットはフレミーという,同じく六花の勇者の女の子に出会います。
ナッシェタニアの方はゴルドフという家臣と合流。
彼はナッシェタニアより強いらしく彼も当然紋章が表れたとか。
で,そのゴルドフの報告によってフレミーが六花の勇者に選ばれそうな人達を殺していた“六花殺し”だと判明。
そんな彼女を野放しにしておけないってことで戦闘が始まるけど,アドレットはフレミーを庇います。
第4話からは勇者が集結して神殿でのお話。
わたしはこの物語は魔神の復活を阻止するべく色んな凶魔(魔神が生み出す存在らしい。子分的な??)と戦っていくのかなと思ったら,勇者が7人も集まっちゃったってことで「この中に勇者じゃない偽者がいる…!」と(^-^;
なんかこれ,もちろんファンタジーではあるんだけどいきなりミステリーが始まっちゃった感。
密室殺人の犯人を捜す推理モノみたいな展開だよね,これ(苦笑)。
それと人狼ゲームやデスゲームを組み合わせた感じかな。。
これファンタジーでやる必要ある!?!?
でもね,それも話の途中にちょっと組み込まれる分には良いんだけど,それで最終話までいっちゃったものだから,「このアニメのメインストーリーこれか!!」ってなっちゃったのよね。
肝心の魔神はおろか凶魔との戦いの話でもないんですよ。
これ,原作はまだ完結していないのかな。
原作では長いストーリーの中のほんの一部なのかもだけど,ここでアニメを終わらせられると「は!?」ってなります。
きっと原作ではこれがメインの話じゃないだろうからアニメではこの犯人捜しの件もっとさくっと終わらせてほしかったです。

観ている間は,わたしはゴルドフが怪しいなと思っていました。
ナッシェタニアが彼と合流したとき「わたしが選ばれてあなたが選ばれないわけないものね」みたいに言ってたのでこれがミスリードなんじゃないかと…。
{netabare}まさかナッシェタニアが偽者だとは思いませんでした。
これにはほんとにびっくりしたし,好きな展開ではありませんでした。
わたしは王道でも彼女がメインヒロインでいてほしかったんですよね。
うさ耳とか着ているコスチュームとかツッコミどころはあれど,キャラデザ可愛いし…。
一方でフレミーが急にヒロインに成り上がってきた展開も驚いたし,そもそも{/netabare}わたしはフレミーみたいなキャラ好きじゃないんですよね。
ナッシェタニアもそうだけど,彼女以上に心許ないその服装はなんなの!?
なんか「乳バンド」とか言われてたらしいですね(笑)。
こういうコスチューム,他のラノベ系アニメでも観たことあるな(^▽^;)
作画も安定しないものだから「それ覆えてないよね!?」って思うこともしばしばでした。
{netabare}アドレットがフレミーを好きとか言い出したときはほんとにびっくりした(*_*){/netabare}
それでまぁ取り敢えず偽者が誰か分かったところで終了。
もう~何なの,この話。―ってのが1番の感想かな。
これで第2期があったらまた評価も変わってくるのだろうけど,こちらは2015年のアニメでもう続きは作られないだろうから物語の評価はどうしても高くできませんでした。

他のキャラもなんか魅力的なキャラが居ないんですよね。
チャモは可愛い感じで8歳とか9歳くらいなのかと思ったらもう14歳らしく…(^-^;
14歳でその感じって思いっきり中二病発症しちゃってるじゃん!!って思ったし,モーラはわたしが2番目に怪しいと思った人物だけど,{netabare}彼女は途中アドレットを殺すために嘘をつく辺りで{/netabare}嫌になりました。
唯一好感が持てたのはゴルドフかなぁ。
{netabare}彼はほんとに可哀相だった。
アドレットが主人公だから彼のナッシェタニアへの想いは届かないんだろうなと思って観ていたけど,わたしは彼の恋を応援したい気持ちでした。
あんな展開になると知るまでは…。
「まさかあんなことを言い出すなんて…!!」ってナッシェタニアが言ってたけど,彼何か言ったかな!?!?
彼がナッシェタニアに告ったシーンなんて無かったと思ったけど…。{/netabare}
ナッシェタニアは可愛いから彼女のことを好きになっちゃう気持ちはよく分かるんだよなぁ。
身体が大きいし声も低いから年齢もっと上かと思ったけど,観終わった後でまだ16歳だったと知って驚きました。

なんとなくツボだったのはハンスとチャモの会話かな。
うまく言語化できないけど,お互いに相手を「可愛こぶってんじゃねぇよ」って思ってそうと言いますか…(笑)。
なんかその感じが好きでした。

最後の最後で{netabare}もう1人勇者が現れて{/netabare}びっくり!!
えぇ~。もういいよー。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

74.3 5 2015年度のファンタジーアニメランキング5位
アルスラーン戦記(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1088)
5926人が棚に入れました
東西を結ぶ陸路の中心地・エクバターナを王都に掲げ、各地からの人や物資、そして豊かな文化が集まる強国パルス。この国の王太子として生まれた少年・アルスラーンは、幸福のうちに国を引き継ぐはずだった。土煙が舞う平原に、パルスの誇る騎馬隊が葬り去られるその日までは……。パルスの豊かな領土を狙って、異教徒の国・ルシタニアが侵攻を開始。初めての直面する本物の戦いに、不安を隠しきれない"気弱な"王太子・アルスラーン。彼の不安が的中したかのように、戦場には不穏な空気が渦巻き始める。敵の策略にはまり、これまでにない脅威を感じるパルス軍と、混乱する戦況に翻弄されるアルスラーンの父王であるアンドラゴラス三世……。駆けつけた「戦士の中の戦士」の異名を持つ騎士・ダリューンとともに、次々と襲いかかる敵、そして過酷な運命へと立ち向かうアルスラーン。運命という名の嵐が吹き荒れるなか、彼は信頼できる仲間たちとともに"王太子"として最初の一歩を踏み出す!

声優・キャラクター
小林裕介、細谷佳正、浪川大輔、花江夏樹、KENN、坂本真綾、梶裕貴、菅生隆之、田中敦子、津田英三、大川透、安元洋貴、三宅健太、小西克幸、桜井敏治、子安武人、斎藤志郎
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

王道のお手本

<全25話観終えて>
全話通していつも地に足が着いた脚本で、
偉人伝の王道の、「王となる道程」が
ブレずにしっかりと描かれてましたね。
ラストシーンのオーケストラも雄大で素晴らしかった。

特に不満や中弛みを感じることもなく、
1話から最終25話まで童心に返って楽しめました。

大河ドラマのような展開だったと思います。
フィクションにありがちな刺激的な急展開などあまりなく、
ゆっくりと詰将棋を楽しむような感覚が心地好かったし、
あたかも実話を基にした伝記のようなリアリティを感じられた。

時折、ナルサスの絵画ネタとか、
ギーヴとファランギース、エラムとアルフリードとの絡みなど
真面目な戦記物なのに、クスッと笑えるシーンを
さりげなく挿入するセンスもいい感じ。

また、最初から最後まで素直に楽しめたのは、
原作やOVAにはノータッチで、
白紙の状態のまま完走したためかもしれません。


★最終話:第二十五章「汗血公路」感想
{netabare}
明らかな続編を前提とした構成。
いわゆる俺戦エンド。
でも制作の、続編に対するやる気と前向きさが伝わる
いい締めくくりでした。

2クール最後でも王都奪還までいきそうもないのは、
毎回の丁寧な話の運び具合から大方の察しがついていたので、
これはこれであり。

最終話なのに、ひとつの戦いの事後処理をひたすら丁寧に描いてました。

結果、王子の魅力がしっかり伝わった点を評価したい。

<玉座にはそれ自身の意志はない>
25話で一番印象的だったファランギースとエトワールの会話。

ファランギースが劇中、
アルスラーン王子の魅力を端的に表現してくれました。
坂本真綾さんの含蓄ある演技も素晴らしかった。

長台詞ですのでほんの一部だけ抜粋します。
エトワールは、アルスラーンについてファランギースに問う。

エトワール
「なぜ皆、あのような青二才の王太子に忠実に仕えておるのだ?」

ファランギース
「(前略)王太子殿下はいつも努力しておられる。
そのことが、仕える者の目には明らかなだけなのだ。」

この作品が好きになれたのも、ファランギースと同じ観点で
アルスラーンに惚れこめたからだったので、
このシーンはかなりグッときました。

学問、武芸、あらゆる精進努力怠らず、進歩すること、
これこそが聖人君子の基本中の基本。

夕刻の、川の辺のシチュエーションも象徴的。
淀みなき川の流れこそアルスラーンに相応しい
というメッセージともとれる。
流動なくば腐ってしまう水の如く、
指導者たる者、努力怠り成長が止まると、
欲にまみれて道を誤るのは世の常ということでしょう。

<エトワールの、不器用だけど健気な魅力が最終話で開花>
そして、1話から始まったアルスラーンと彼女の因縁も、
最終話で相応の決着があり、
この後も、さらなるドラマが生れそうな展開が好い。

続編があれば、ツンデレ展開まで期待できそうな雰囲気でした。
戦乱殺伐した中で咲く一輪の恋バナになるならなるで
それもあり、と微笑ましかった。

エトワールは、コミカライズ版とアニメ版の設定と、
小説原作版の設定がかなり違うようようですが、
とても愛すべきキャラでした。
彼女もこの戦乱を最後までぜひ生き延びて欲しいな。

そして一番気になったこと。
時折登場した、エルメスの背後の控える黒魔術系の魔法使い?の存在、
最後まで全く正体不明のままでしたので、続編は必ずあると信じたい。
{/netabare}

ヒルメスの闇はどこまでも深い。
アルスラーンたちは、その闇を討ち砕き、
王都を奪還し、奴隷制度を廃し、
希望に溢れる王政を実現することができるのか。

続編が生れることを切に願います。

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以下は、初投稿時のレビューです。(2015/08/10)
ネタバレがあるわけではないですが、長いのでタグで閉じます。
{netabare}
2015年の8月現在、放映中のTVアニメは10本以上視聴中ですが、
ワクワクして非常に次回が待ち遠しい作品は、これとGATEの2つのみ。

自分は基本的に、アニメ、ドラマ、映画は鑑賞する前に
監督や脚本家をチェックした上で作品を選びます。
どんなに原作が素晴らしくとも、
自分に合わない制作の映像作品はがっかりすることが多いので。

全366話もあった「BLEACH」で
監督を一貫して務めあげた阿部記之さんと
シリーズ構成を上江洲誠さん担当の今作。

開幕当初よりOVAも原作も知らずとも期待値大でした。

特に上江洲さんは、個人的に大好きなクリエイター。
放映済みの18話中、9話分の脚本も上江洲さんが自ら執筆されてます。

阿部監督、「BLEACH」は一部しか観ていませんし
「幽☆遊☆白書」(全112話)や「GTO」(全43話)など
他の阿部監督作に触れる機会もなく今迄、全くのノーマークでしたが、
今作の安定した面白さに大きく貢献してるのは間違いなさそうです。
ベテランの匠の味わいがあり流石。
4クール以上の作品を数多く務め上げた実績は伊達じゃない。
長丁場でもダレさせないコツをよくご存知な印象。
派手さはなくても、一本一本のまとめ方と話の盛り上げ方に
監督としてのセンスの良さを感じます。

18話まで視聴済みの現在、
期待を裏切らない面白さで右肩上がりが止まりません。

奇を衒うこともなき王道ストレートな偉人伝に素直に感服してます。

キャラ描写も丁寧。
状況変化に応じての裏切り、恭順、忠誠など
人の心の移り変わりもリアル。
敵役のヒルメスでさえも、回を追うごとに憎めなくなる。
主人公の王としての成長の描き方も上手い!

声優のキャスティングも絶妙。
特に、坂本真綾さん演じるファランギースと
浪川大輔さん演じるナルサスが大好きです。

荒川弘さんの作画に準拠したキャラデザも好みですし、
作画も全体的にレベル高いと思います。
カーペットなどの調度品。
職人芸を感じられる柱の色使い。
異国情緒たっぷりです。
城壁のウエザリングなども写実感あり。
空模様の描き方など、自然描写も丁寧。
この作品の世界に素直に入っていきやすい。

BGMもオーケストラの壮大さを上手く活用してて好き。

肝心の原作小説が未完ということで、どういった結末を迎えるのか。

期待と不安の両方の気持ちを抱きつつ最後まで見届けるつもりです。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

世界観チグハグ&シナリオ散漫な残念作2

これも、シナリオ等そこそこ頑張っているものの、世界観の不統一さが次第に目についてきて視聴意欲が削がれてしまった残念作。
作中の用語から、イスラム化する以前の古代ペルシャ・中央アジア・北部インド(現パキスタン)風の世界を舞台とする作品として構想されていることは明らかだけど、第9章「仮面の下」に至って唐突に{netabare}魔術の存在する世界{/netabare}と判明するなど、いろいろとチグハグ。
シナリオも最後まで焦点が定まらず、続編が制作されているけれど続けて見たいという気持ちがあまり起きない作品となりました。
原作者・田中芳樹氏のもう一つの代表作『銀河英雄伝説』の方は、長大すぎる点はマイナスながら作品内容自体は高く評価していただけに、残念でした。


◆制作情報
{netabare}
原作         田中芳樹(原作小説)、荒川弘(コミカライズ版)
監督         阿部記之
シリーズ構成     上江洲誠
キャラクターデザイン 小木曽伸吾、田澤湖、渡邊和夫
音楽         岩代太郎
アニメーション制作  ライデンフィルム、サンジゲン(CG制作){/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


================ アルスラーン戦記 (2015年4-9月) =================

 - - - OP「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」、ED「ラピスラズリ」 - - -
{netabare}
第1章 エクバターナの栄華 ☆ パルス暦317年、ルシタニア人捕虜と王子の出遭い、奴隷制度と狂信的宗教国家
第2章 十四歳、初陣 ★ パルス暦320年秋、アトロパテネ平原の戦(対ルシタニア軍)、大敗北
第3章 黒衣の騎士 ☆ 続き、ダリューン奮戦・王子逃亡、パルス軍壊滅・バフリーズ敗死(銀仮面卿)
第4章 厭世の軍師 ☆ 元書記官・隠者ナルサス卿、宮廷画家登用の約束
第5章 王都炎上~前編~ ★ ナルサスの用兵論、王都エクバタナ攻防戦、奴隷解放の扇動 
第6章 王都炎上~後編~ ★ 続き、奴隷叛乱、パルス暦320年12月王都陥落
第7章 美女たちと野獣たち ☆ タハミーネ王妃、ミスラ神殿女神官ファランギース
第8章 裏切りの英雄 ★ カーラーン追求戦、弔いの歌、正統の王ヒルメス
第9章 仮面の下 ☆ 王都潜入、ルシタニア国王イノケンティス7世、王子とエトワールの再会、銀仮面卿vs.ダリューン
第10章 カシャーン城塞の主 ★ カシャーン城主ホディールの思惑、討伐、奴隷解放と思惑違い
第11章 ペシャワールへの道 ★大司祭ボダーン直属・聖騎士団、ザンデvs.ダリューン
第12章 騎士の忠義 ☆ ゾット族長の娘アルフリード、銀仮面卿vs.ナルサス
第13章 王子二人 ★ 東方辺境ペシャワール城塞到着、鉄仮面卿vs.王子、守将バフマン死亡、シンドゥラ国軍侵攻{/netabare}

 - - - - - - - - - - - OP「渦と渦」、ED「One Light」 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第14章 異国の王子 ★ 対ラジェンドラ第二王子軍戦、同盟締結、シンドゥラ侵攻開始
第15章 シンドゥラの黒豹 ★ パルス暦321年、ジャスワント助命、クジャラート城塞攻略
第16章 落日悲歌 ☆ 対ガーディビー第一王子戦(戦象部隊)
第17章 神前決闘 ☆ ダリューン卿vs.戦士バハーデゥル、シンドゥラ次期国王決定
第18章 ふたたび河をこえて × 国王交替、ラジェンドラの姦計失敗、3年間の不可侵条約
第19章 冬の終り ☆ ザーブル城攻略戦(銀仮面卿/万騎長サーム)、万騎長クバート、王太子アルスラーンの布告(ルシタニア追討令・奴隷制度廃止令)
第20章 騎士の素顔 ☆ 帰参者の思惑と不満、エトワールと王子の城内の再会、王子の決意
第21章 別れの詩 ☆ ギーヴ離脱、エクバタナ奪還作戦開始
第22章 出撃前夜 ☆ 続き
第23章 聖マヌエル城の攻防 ★ ルシタニア拠点聖マヌエル城、ザンドvs.ダリューン、エトワールの王子襲撃
第24章 決戦 ★ 続き、ダリューンvs.銀仮面、落城、投身者、バルカシオン伯爵自害 
第25章 汗血公路 ☆ 銀仮面とルシタニア王弟の盟約、エステル帰参、王太子軍王都へ ※挿入歌「天空に舞う鳥よ」{/netabare}
---------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)10、☆(並回)13、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.6

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

美しいよ・・・ホント美しい・・・

原作未読。
私は田中さん原作アニメ銀英伝、タイタニアも視聴しておりそれなりに好きな方です(原作は一切読んでませんが・・・)。銀英伝もアル戦記も綺麗すぎるんですよね、主人公が・・・。言い方悪いけど人間臭い汚い部分がまるでない。聖人君主(いや英雄だから美化は当然)過ぎるというか・・・(まぁ、多少あるけどね)。例えば中国の英雄とか欺瞞に塗れて平気で他人を貶めたりかつての家臣を殺したり人間臭さがプンプンするんだよな、確かに子供の頃は完全無欠のヒーローに憧れるけど大人になるとそんな奴逆に信用できん(笑)。それから私が田中作品で一番嫌いなのがナレーションで「後に〇〇会戦と呼ばれ〇〇の圧倒的勝利に導いたのであった」的な最初に結果言っちゃうパターン(全部ではないが・・・)。銀英伝もそうだけどハラハラドキドキが全くないんだよね。どうせうまくいくんでしょ?はいはいって見てしまう。この荒川版はどこまで原作に忠実なのかわかりませんが合戦とかキャラの登場や行動が???な部分が結構あります。ずっと違和感を感じてました(演出や脚本が下手なだけか?)。相手が都合よく罠にかかるのは田中さんの作品では常道ですが(笑)それとは違った変な所が散見されるんですよね。 {netabare}例えば人質に取られた場合一緒に走って逃げるなんてありえない(笑)。攻め込んできた反乱分子の王子側と手を結ぶ(現時点での正当側への交渉材料にするのが妥当)、信頼されてない王子が現王の前で突如乱心して下知した位で多くの兵が王子側につくわけがない、いわば国同士の盟約を簡単に破ってきた相手をあっさり許す(美徳とするにはあまりに軽率。自軍の軍規が乱れる元)。自領で作戦を立てる祭に地形はくまなく調べているはずなのにいきなり本陣に来る(こんな所に抜け道が的な台詞があったように思う。あるキャラがつけられたのかもしれないがそのキャラの方が後から出てくる)、城壁内側すぐ横の抜け穴がそのまま塞がれていない、総大将が乱戦必死の場内にほぼ先方で突入し、身辺警護もなしに城内をうろつく(危なくなると間一髪味方が助ける・・・この間一髪は結構あるんだよなぁ笑)等・・・。あとで後述しますが古い松竹映画版はこの辺うまくできてます(違和感が少ない)。{/netabare}
評価にね演出、脚本を追加した方がいいんじゃないかなぁ。前から言ってるけど作画と歌と声優さえ良ければ評価上がるんだから。逆にショートは評価できないし・・・。

私のツボ:普通になき先代王の嫡子と名乗って他国の兵借りて正々堂々攻め込んじゃ駄目なの?まぁアルスラーンの立場終了だけど。


劇場版+OVA版視聴済・・・評価3.8
上記の荒川版観てどうも腑に落ちないので昔の観てみました。まぁこちらは尺の関係もあって変更してる所もありますが戦のシーンなんかはこちらの方が納得できますよ。荒川版の説明不足というかそういった所を補完してくれます(普通逆じゃないの?)。 {netabare}例えば隣国の第2王子は何故攻め込んできたか、何故攻め込んできた第2王子と手を組む事にしたか、また戦もこちらの方が鮮やかな勝ち方の印象です。{/netabare}そして何より田中さんといえば主人公のキラキラ感!こっちのアルスラーンの方が断然輝いています!声優さんも往年の方々でこちらはこちらで私は好きですね。まぁ作画はどうにもならないですが私はこちらの方が田中さん作品ぽい気はします(笑)。まぁ荒川版は2期ありますし一応楽しみではあるんですよ。



風塵乱舞視聴済。
これやっぱ演出が悪いのかな?とにかく御都合すぎて笑える。こいつらみんなどこでもドア持ってんじゃないの?どっからでも都合良く現れる。正直バカバカしくなってきた。なんだろうな、とにかくリアリティなさすぎんだよな(戦争とか描いてるくせに)。何でも後付けでアルスラーン万歳だもんな。わからん、古い作品だけどどんだけ綺麗事なんだよって思うわ。こんな綺麗事軍団の行く末が楽しみですね(笑)。
うーん、原作読んでみないと何とも・・・制作会社がヘボな気がするけどね。やり直し(笑)。

追記:たまたま、時間があったので某本屋で荒川版のコミックを少し立ち読みしたんですが・・・これ制作側の構成や演出が稚拙というか端折り方が下手すぎでした。割と話の流れ的に重要な所アニメ端折ってる感じでした。やっぱやり直し(笑)。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

70.3 6 2015年度のファンタジーアニメランキング6位
新妹魔王の契約者(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (943)
6685人が棚に入れました
「お前、妹が欲しいって言ってたよな」高校生の東城刃更に再婚宣言した父は、義理の妹になる女の子二人を連れて同居させた。そして自分はあっという間に海外出張へ行ってしまう。澪と万理亜、二人の少女は父が家を離れるや態度を一変させ、刃更を圧倒しようとする。二人の正体は、新米な魔王とサキュバスだった! だが刃更と主従契約を結ぼうとして誤って逆契約、刃更がマスターの立場になってしまい!?——最強契約者のディザイア・アクション。

声優・キャラクター
中村悠一、朝井彩加、ブリドカットセーラ恵美、福原香織、浅川悠、藤原啓治、杉田智和、野水伊織、井上剛、平川大輔、吉田聖子、津田健次郎
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本作の「正しい」楽しみ方とは…?

原作・上栖綴人のラノベ。作者の前作は『はぐれ勇者の鬼畜美学』
本作を皮切りに、ラノベ同梱OVA、第二期(BURST)、さらに新作OVA(DEPURTURES)も発売されている。
ハーレムバトル微エロ系のアニメとしては、恐らくハイスクールDxDに次ぐ成功作だろう。
あにこれの評価点数はそれほど高くないが、それは女性視聴者は確実に忌避する作品だからだろう…。

個人的にはなかなかの良作。
バトル要素はそれなりに良いし、ストーリーもシリアス展開と(ロリエロサキュバスのおかげで発生する)微コメディ展開をうまく織り交ぜ、
テンプレ通りの王道展開とはいえ、仕上がりは上々。
さらにヒロイン娘も可愛い!作者の前作「はぐれ勇者の鬼畜美学」と比較して、格段にヒロインの可愛さが向上しており、
その点だけでも(自称えっちぃアニメ研究家の)小生は大満足。
ヒロインキャラの紹介は以下のとおり。
{netabare}
成瀬澪(CV-日笠陽子)
先代魔王の娘で、主人公の義妹。超巨乳で胸が性感帯。魔王から受け継いだ絶大な魔力を持つが、まだ覚醒していない模様。「100回殺すわよ!」が決めゼリフのツンデレだが、時折発生する催淫時、上気した頬で「…お兄ちゃん…♡」とデレる姿は愛らしい。

成瀬万理亜(CV-福原香織)
澪に仕える魔族で正体は淫魔(ロリエロ)サキュバス。主人公の義妹でロリっ娘。淫魔だけあってえっちぃこと大好き。澪と主人公の主従契約を締結させた張本人。主人公と澪のえっちぃシーンをビデオに録りだめして楽しんでいる模様。本作のギャグ要素担当でキーパーソン。

野中柚希(CV-ブリドカットセーラ恵美)
主人公の幼馴染で勇者の一族。性感帯はお尻。冷静な口調だが、興奮すると関西弁に。澪にヤキモチを焼き、主人公に「澪と同じことをして♡」と迫る。戦闘力も高く、個人的には一番可愛い娘。

ブリドカットセーラ恵美の少し訛っている関西弁が個人的には可愛くてツボ。
久遠寺右京(らんま1/2; CV-鶴ひろみ)の関西弁に近い。
このイントネーション、少し京都寄りの「はんなりした」関西弁に聞こえるなぁ。
{/netabare}

そして、本作の代名詞とも言える、ハーレム&えっちぃ描写…
いや〜、ごっつーえっちぃ作品でしたわ(笑)。
えっちぃ描写という観点では、ハイスクDDよりエロい。
もう設定から展開から、ザ・エロアニメ。
各話必ず1度はお色気描写を入れることを義務付けられているのか…?
もはやえっちぃシーンのためにストーリーが作られている、と言っても過言ではない。
{netabare}ロリエロサキュバスの悪知恵により、魔王の娘と主従関係を締結。
下僕と化した魔王の娘、さらには勇者の幼馴染娘とイチャイチャして、色んなところを弄って、気持ちよくさせれば(=絶頂を感じさせれば)絆が強くなり、下僕の力も強くなる…そしてロリエロサキュバスはそんなシーンを嬉しそうに録画!{/netabare}

「そんなわけあるか〜い!」
「そんな馬鹿な〜!(笑)」
「ま、まじでか!?」

という心の声が何度も外に漏れましたよ…

本作がバトルアニメではなくてエロアニメと称されてしまう理由…
それは、ヒロインの澪が{netabare}えっちぃ亊を主人公・刃更にされて気持ちよくなって{/netabare}強くなっていく…はずなのに、
大して強くなっているようには見えない。
バトルアニメの黄金展開は、『苦戦・敗北→修行などの強化ポイント→リベンジで成果を見せて勝利』という流れが大原則。
その流れになって、初めて修行の意味が生まれる。
なのに本作、修行({netabare}という名のえっちぃ愛撫{/netabare})しても、大して強くなっている印象を受けない。そういったバトル展開ストーリーになっていない。
故に、ただえっちぃ行動とえっちぃ画像を堪能するだけになってます。
(ただし、{netabare} この愛撫による強化イベントは最終2−3話の伏線となっています。が、そんなことに気づいたのは2週目からでした。{/netabare})

…えぇ、もうそれで良いんです。この作品は。
えっちぃシーンを堪能するための最低限のストーリーさえあれば!
本作の正しい楽しみ方…それは、バトルやストーリー展開を重視して視聴しないこと。
それらの要素が陳腐に見えてしまい(いや、実際大したことないんだけど…)、
結果としてえっちぃシーンが完全に浮いて見えてしまいます。
そうなると完全に駄作です。

むしろ、えっちぃシーンを見るために視聴してください!すると…
「あれ、意外とストーリーもあるやん?」
「えっちぃシーンもよかったけど、それだけじゃないかも…?」
といった感じで楽しむことができます。
つまり、最初からストーリーに対する期待値を下げておけば、そこそこストーリーも楽しめるえっちぃアニメに大変身!

ちょうど「ToLOVEる・もっとToLOVEる」から続けて「ToLOVEる ダークネス」を視聴した感覚に似ていますね。
ただえっちぃシーンを堪能するためのアニメ…のつもりで視聴したら、「あれ、こいつ、ストーリーもあるんじゃね?」みたいな。

…あ、でも本作視聴時は一人暮らしで誰にも邪魔されない環境か、イヤホン着用をお勧めします。
イヤホン着用時は、家族の足音が把握できる音量で♡
迫る足音に気付かず、ニヤけている視聴現場を母・嫁・姉妹・娘に見られるとOUTです(笑)

にしても刃更くん、{netabare}あれだけいろいろ絶倫王者の如く娘たちを絶頂に導いているのに、
君は一切煩悩の片鱗も見せない。ただ弄って気持ちよくさせているだけ。
可愛い義妹と下僕を気持ちよくさせるだけで満足したのか…もはや全ての煩悩を捨て去った僧侶のよう…
奉仕するだけ奉仕して何も見返りが返ってこない…{/netabare}本当の奴隷契約はあなたですよ♡

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

内側に宿る力を契約により増幅させる。全ては家族を守るために・・・

上栖綴人によるライトノベルを原作とする作品です。

全12話、原作未読。


父親と二人暮らしをしていた東城刃更は父親の東城迅が再婚する

と言って妹が出来ることになる。その妹は成瀬澪と万里亜であった。

そして家族として新居に引っ越した直後に父親も海外に行くことに

なり妹と三人で暮らすことになったが・・・


このクールのラノベ四天王と呼ばれた作品の1つです。

人でない魔族や人を守る勇者が存在する世界で魔族たちの事情、

そしてその動きに対して策を立てる勇者側がそれぞれの思惑で様々な

駆け引きやバトルを繰り広げるファンタジーです。

物語としてはあんまり比較をしたくはありませんがラノベ四天王の中で

一番面白かったと思います。

バトルの質もその中でそれぞれの立場における駆け引きも割と良かった

ように思います。


{netabare}
ただ非常に残念だったのがエロの度合いと比率がどうとも言えない感じ

だったことです。原作がどうなのかは知りませんが別にチラッと見えたり、

見えそうで見えないとかテンプレなもの程度なら別に問題があるとは

思いません。それにちょっとエロい要素はこういったファンタジーもの

には程度は別にして少なからずあると思います。(ラノベにせよ漫画にせよ)

ていうかそういう描写がないものはテーマがよほどハードなものか

もしくは低年齢層向け(つまりは子供向け)だと思います。

(他にもあるかもしれませんが自分にはこれくらいしか思いつきません)


しかしこの作品においてはそれが行き過ぎているように思います。

規制のあるなしは関係ありません。私はただこういったファンタジー作品

にはそこまでのものは必要ないと思うだけです。

そういった描写レベルを要するテーマの作品においてはどんどん規制を

かけてきっちりとやっておけばいいと思います。

どこぞの誰かの妄想(そう言えば三期が始まるなぁ)の中でとかなら

まだしも・・・と思います。

ラッキースケベが様々な作品で色々とある中、これはそれとは一線を

挟んで違う領域にあるものだと思います。


堅いのもエロいのも関係なくファンタジーが最も好きな私が

ただ一つ感じたことです。もう1つ付け加えるとするなら俺はそんな事

ぐらいで簡単に手のひらを返すようなことはしませんし俺はそんなのも

全然好きです。二期をするということなので多分描写のレベルは変わら

ないと思います。(おそらく原作がこういうのだろうと思うからです)

ですがアニメという短い限られた時間の中でどういった配分でやってく

れるのかとちょっとは物語を前に押し出してくれるかなと思います。
{/netabare}
(とあることについて色々と書いたので閉じました)


↑の閉じた部分は抜きにして、何度も言っているようですが物語展開は

面白かったです。正直二期がどんな風に展開されて行くのか最終話の最後の

フラグは一体・・・とか気になることはまだたくさんあるくらいで

楽しみなくらいです。

そんなこんなで毎週楽しみにしていた作品の1つでした。

付け加えみたいになりましたがOPとEDも好きです。(ただしOPは映像を除いて・・・)

◆個人的点数評価 80.493点

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

勇者と魔王とサキュバスの三つ巴・・・心ゆくまで堪能できますよ^^

この作品の原作は未読ですが、TVのCMなどでPVを何度か見た事があったので、作品の雰囲気程度は知っていました。
私の大好きな熱血主人公(恐らくテンプレ最強系)にナイスバディの美少女姉妹の設定作品・・・
寝る時間を30分削ってでも・・・と視聴を決めた作品でした(//∇//)

この作品の主人公は、高校1年生の東城 刃更(とうじょう ばさら)
彼は幼い頃、妹が欲しかったと父親に漏らしていたとの事ですが・・・
ある日突然2人の可愛らしい美少女が妹として東城家にやってくるのです。
それと入れ違えるかのように父親が出張で家を空けることとなり・・・これまで父親と2人暮らしだった家が主人公と美少女姉妹の3人で暮らすことになるのです^^

序盤からいきなり羨ましい設定なのですが、姉妹の一人は先代魔王の娘・・・もう一人は魔王の娘の護衛役だったのです。
先代魔王の魔力は極めて強大・・・そしてその血を受け継いでいる娘も相当の力を受け継いでいることが、魔王の力を欲する者から格好の的にされる理由になっていました。
こうして妹を一生懸命守ろうとするお兄ちゃんの物語が動いていきます・・・

こうして作品の視聴を始めた訳ですが・・・
2話目のオープニングから早速虜になってしまいました(//∇//)
それぞれのヒロインたちの怪しくも凛と輝く瞳・・・表情含めて言うこと無し!
やっぱこの手の作品はキャラが丁寧に描かれているから見応えもタップリです^^

一方、先代魔王の娘・・・成瀬 澪(なるせ みお)を狙う輩はあちこちに存在するようです。
それはただ単に先代魔王の力が目当て・・・というだけではなく、色々な伏線が散りばめられていますが、1期ではその全容は解明されません。

それより、この作品がこれまでの作品と一線を画しているのは「主従契約魔法」だったと思います^^;
サキュバスである成瀬 万理亜(なるせ まりあ)の使用する魔法なのですが・・・
効能と副作用(?)にはドキドキでした(//∇//)
でも、「兄として妹を守る」という幹が出来上がっているので、この魔法自体はあくまでも物語の枝葉だと思うのですが、これが今後どのように発展していくかは見ものだと思います。

この作品もどのキャラを推して見るかで印象が変わると思います。
刃更と同郷の野中 柚希(のなか ゆき)も悪くはないのですが、私の推しは境遇まで含めサキュバスの万理亜ちゃんが一歩リード・・・というところでしょうか^^;
彼女の献身さ、愛情の表現など時として計算しつくされた感もあるのですが、それはサキュバスという彼女自身の本性というだけではなく、彼女が重い十字架を背負わされていたのも理由の一端でした^^;
彼女の心からの笑顔は見ることができるのか・・・この辺りは是非本編をご覧下さい^^

オープニングテーマは、sweet ARMSさんの「Blade of Hope」
エンディングテーマは、佐土原かおりさんの「Still Sis」
これは2曲とも覚えることができました^^

1期12話の作品でしたが物語は完結していません。
でも早々に2期「新妹魔王の契約者 BURST」の発表があったのは嬉しかったですね^^
今年の秋アニメで放送が予定されているようですので、楽しみに待っています♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26

56.1 7 2015年度のファンタジーアニメランキング7位
ケイオスドラゴン 赤竜戦役(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (323)
1571人が棚に入れました
ドナティアと黄爛、覇権をかけて争うふたつの超大国の、冷戦によって引き裂かれた世界。
その睨み合いの只中で、独立を失った島国ニル・カムイ。
島の守護神たる<赤の竜>の異変をめぐって結成された混成調査隊のメンバーに、この島の運命は委ねられた!
ケイオスドラゴンの世界 世界を分かつのは、冷戦状態にあるふたつの大国。

一度は世界を征しながらも、いまでは衰退しつつある
軍事国家・ドナティア帝国。
もう一方は、かつては遅れをとったが、いまや旭日の極みにある黄爛国。
その中間地点には、世界の覇権をめぐって相争う大国の間で
翻弄され続けてきた島国――ニル・カムイが存在した。

声優・キャラクター
井上麻里奈、沢城みゆき、斉藤壮馬、内田真礼、石塚運昇、大塚芳忠、赤羽根健治、江口拓也、大川透、山寺宏一、古木のぞみ、渡辺はるか、照井春佳、中田譲治、藤原啓治、愛美、佐藤晴男、関智一、大原さやか、松井恵理子、白石涼子、田丸篤志

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

何を主において視聴するかで、印象が大きく変わる作品だったと思います。

この作品で私の知っていた事前情報は大きく2つ・・・まず1つ目は、内田さん、沢城さん、井上さんといった大好きな声優さんが出演されること、そして2つ目はキャラクター原案に虚淵玄さん、那須きのこさんといった超有名シナリオライターが関係していること、でした。
この方々が組んで作品を作る・・・この事に対して期待しないなんて私にはできません。
キャラクターデザインをシナリオライターが・・・という疑問は一瞬頭を過りましたが、「凄い人達なんだから、きっと何でも出来るんだろうな」と極めて楽観的な考えの下、期待値MAXで視聴に臨みました。

物語の舞台は、ニル・カムイという2つの大きな国に挟まれた小さな島国です。
その片一方の国である黄爛(こうらん)が突如ニル・カムイに侵略を開始し、領土の3割を奪取したのです。もう一方の国ドナティア帝国は沈黙を続けたことからニル・カムイは混乱の渦中に引き込まれることを余儀なくされてしまいます。

また、それぞれの国には守り神である竜が存在し、ニル・カムイは赤の竜の加護を受けているのですが、その赤の竜が突如原因不明の錯乱状態に陥った事から事態は混沌さを増していくのです。
そこで事態を重く見たニル・カムイを含む近隣諸国は「赤の竜討伐隊」を結成し、物語が動いていきます。

ダークファンタジー的世界観とキャラデザは好みだったので、1話目からのめり込んでしまいました^^;
特に主人公のイブキの力を引き出すための対価はあまりにも大きく掴みはバッチリ・・・
と思ったのですが、視聴を重ねるうちに物語が難解になったと感じたのは私だけでしょうか^^;?

赤の竜討伐という主題は明確・・・でもその裏で蠢く策略に対する説明が圧倒的に少ないんです。
そのため、登場するキャラの言動が唐突だったり理解できなかったり、という場面が結構あったのが少し残念に感じました。

視聴を重ねると愛着の沸くキャラが当然出てきます。今後の活躍や展開を期待したくなるキャラだっているのに、そんなキャラが意味も分からず突然ドンパチ・・・
それで推しのキャラが無事だったらまだしも、傷つくような事があるとやっぱり心が痛みます。

なぜここまで物語が難解なのか・・・どうしても知りたくなってwikiを調べてみました。
この作品の原作は、「テーブルトークRPG」というジャンルに位置付けられているそうです。
これは実際にゲームを遊び、その後その状況を記録したもの、という事のようです。
そして、キャラクター原案は実際にそのキャラを用いてプレイした方々だったようです。
つまり、虚淵さんや那須さんがプレイヤーとして遊んだ記録がアニメ化された作品という事になるようです。

作品の起点は実際にプレイしたゲームの記録でも全然構わないと思います。ただ展開に振り落とされないような説明はもう少し欲しかったのが本音です。それでもラストは綺麗に纏めてくれていたと思います。

ストーリーが難解でも目の前で起こっている出来事は十分見ごたえがあります。
沢城さん演じるエィハ・・・その一貫して一途な姿勢はとても好印象でした。ラストの展開も悪くなかったと思います^^
愛美さん演じるウルリーカ・・・密かに推しのキャラだっただけに色々と複雑です^^;
内田さん演じる婁震華(ロー・チェンファ)・・・私にとって一番行動原理の説明を欲っするキャラでした。これからどの様な道を彼女が歩むのかが気になります^^

オープニングテーマは、昆夏美さんの「ISOtone」
エンディングテーマは、エィハ、婁、メリルの「Delta Decision」
どちらの曲も無茶苦茶格好良い曲でした。どちらも好きですが、エンディングは完全に私のツボに入った曲でした。

1クール12話の作品でした。途中の展開に付いていけなかったのは残念でしたが、もう一度視聴して内容が頭に入ると作品に対する印象も変わって来るような気がします。
物語的には次期への布石も見られましたが・・・どうなるんでしょうね^^?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

現世という地獄に叩き落す

単純に、よくこの国(ニルカムイ)は滅んでないなっていうのが最初の印象。
{netabare}歴史がどの程度なのか知らないけど、あんなのが神として守護してるって邪教の国やん。
ってか島国って言ってたハズなのに、さ、砂漠!?
更に視聴を続けると赤の竜が狂った原因が分かるけど、あんな程度で狂ってしまうって過去王族はよっぽど甘やかされてきたのか。

国の扱い以外にも還り人への認識が謎。
それまで伝説として語られてただけのものだったのに、現れたら即座に性質を特定。
具体的にはシロが還り人だからアカン、みたいな流れになるのだけど、それが伝説通りなのか火山で見た還り人と同質のものかどうかはあの時点では分からないと思うんだが…。
ってか還り人はアカンのにグラバ(メカ人間)の存在や赤の竜の再生やウルリーカの身代わり地蔵や最後の転生はOKだったり、なんか基準が分からない。
他のアニメの感想でも書いた気がするけど、生きてる/死んでる(ゾンビ)の境界が不明瞭。
アニメ見てる側は分かりますよ?流れや雰囲気で。
ただ、作中のキャラクターに判別ができるかどうかはまた別じゃね?と。

当然ながら生贄云々の基準も意味不明、もう開き直ってダイスで判定って言い切った方がまだ済々するレベル。
んで、黒の竜は領地を増やしたいのかどうかも不明、国民じゃなくて竜自身の考えね。
赤竜が正気でも侵略したかったのか、狂ったから任せられないと名乗り出たのか、黄爛に遅れはとれないと対抗意識故なのか…。

他にもいろいろと突っ込み始めるとキリがないのだけど、総括すると「脚本の都合でキャラクターが動かされてる感」がかなり強い。
極めつけはラスト、身を挺して生贄となったエイハを転生させる件。
どうにもあれ、ハタから見てると「現世という生き地獄に再び叩き落とした」ようにしか感じられないんだけど…ひってぇ仕打ちするなぁ。
転生後の姿がブッサイクなのが輪をかけてる。
世界が平和になったワケでもない、赤竜の呪いが消えたワケでもない状況で生まれ変わらせるとか、どんな罰だよと。
転生させないと主人公の忌ブキが孤独に堪えられないとかそんな理由なんだろうけど、そもそも忌ブキは生贄なんか使わずに済む世界を目指すのが目的じゃなかったかい?
それを成し遂げるまではおっかなくて親しい人を作ろうって方向には向かないと思うのだが…。
そこら辺についての葛藤が描かれてるでもないし、あのラストを以てハッピーエンドにしたと思ってるなら脚本家はちょっと…ちょっと、ねぇ。

えーっとこれ、テーブルトークのリプレイものなの?
それが原因なのかな…GMがプレーヤー(キャラクター)を困らせてやろう困らせてやろうと知恵を捻り、それに対しプレーヤーがどうにか活路を見出して遊ぶってノリの中、
プレーヤーを取り払ってGMだけでゲームを続行しちゃってるような感じ。
リプレイ系の悪い所だけ抽出してしまった、独善的なメタルフィギュアのごっこ遊びになり果ててるかと。
ゲームはともかく、アニメなら最初にルールを提示して、あとはプレーヤー(キャラクター)に任せてGMは出しゃばってこないほうが良いと思うなぁ。


と、えらく辛口なことを書いてしまったけど、絵柄に関しては妙に好きです。
なんか幻影ヲ駆ケル太陽を髣髴とするような…そんな似てないか。
正直エイハのケツを見るためだけに最後まで視聴できました、ってかあのケツは誘ってる、間違いない。
それだけにねー、最後のオチがねー、う~ん…。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

うにゃ@ さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

紙芝居のようなアニメ

基本的に話が脈絡なくぶっ飛ぶアニメなので紙芝居のようなアニメ。特に1話目から紙芝居で初見離れは多かったと思う。
詳しくは知らないがコンプティークのロードス形式のTRPGアニメみたいなのかな?
なので緻密な設定等は納得なのだが、設定盛り込み過ぎで1話目で四つ巴確定設定が出てくると1クールで収集つかない予想が立つ。
そもそもTRPG形式アニメでゲームメインだから作品自体収集させるつもりはなかったのかもしれない。勿論原作を知らないものはついていけない展開。
友の命を対価にする設定やつながれものの設定等、上記で記したように設定は面白いものが多い。
3色旗のようなドナティア帝国の制服とマントはデザインは良くありそうであまりないので秀逸。
しかし5話目冒頭のエィハの話の際、ウルリーカが同席してるのに風呂等で同席者と初顔合わせのような展開は時間軸がおかしく、正直どんな作品であれやっちゃダメなんじゃないかな思う。
あと火山には何しに行ったのか、よくわからないまま帰ってくる。7話で新キャラ登場w収集する気ない進行で笑えた。
前半から戦闘シーンはふっとばされた所を描いたりと手抜き目立つ作りだが、更に後半に進む従い作画も崩れていく。最終話冒頭にエィハの吹っ飛び方は必見。
OPがコマ送り調の所はデュララっぽく新鮮味を与えようとしたのに、真似事になってて残念。

結局、身内で楽しんでるTRPGをアニメにしました的で視聴者を考えて作ってない。そして5話目が作品として致命的。
見る価値ないアニメとして見るのがいいかも。

100段階中3点

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

64.1 8 2015年度のファンタジーアニメランキング8位
DOG DAYS″(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (343)
2508人が棚に入れました
新時代勇者系エンターテイメント、再演!
楽しかった夏 ―あれから一つの季節が過ぎて、3人の勇者が、またまたフロニャルドへ帰ってくる!
今度の舞台は秋。
敵か味方か、謎の少女・シャルも新たに加わって、ますますにぎやかな大騒ぎが・・・!?
愛と勇気と耳としっぽの物語、みたび開幕!


声優・キャラクター
宮野真守、堀江由衣、水樹奈々、小清水亜美、高橋美佳子、悠木碧、柿原徹也、竹達彩奈、日笠陽子、阿澄佳奈、上坂すみれ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いよいよ3期を迎えました・・・今度はどんな展開が待ち受けているのかな^^;

1期ではシンクがビスコッティの危機を救うためミルヒ姫に勇者として召喚され、レオ姫率いるガレット獅子団領国との戦興行で大活躍しました。
そして2期ではレベッカとナナミも勇者に加わり、フロニャルドもパスティヤージュ公国の公女クー様を交え更に規模が拡大しました。

そして待ちに待った3期・・・個人的には2期の大勢で賑やかな物語の展開も嫌いではありませんが、どちらかというと1期の方に強い思い入れがあります^^
なにせ、ミルヒ姫(CV:堀江由衣さん)、リコッタ(CV:水樹奈々さん)、エクレール(CV:アヤチ)の3人推しなので・・・(//∇//)
ミルヒ姫は言うに及ばず・・・リコッタの懸命な努力とエクレールのツンデレにすっかり心を奪われてしまっているので、活躍を期待せずにはいられませんでした^^;

今回は竜の巫女であるシャルと先輩勇者・・・そして星の民が仲間に加わりました。いよいよフロニャルド大陸を飛び出してしまい、スケールの大きさはこれまで以上です^^

それに1話1話とても丁寧に作られていて、作画は確実にレベルアップしていますし、SEも良い意味で安定していたと思います。
エンディングで数多くの関係者の名前が記載されていますが、その人数の多さがこの作品のレベルの高さを物語っているのだと思います。

物語の一つ一つは面白いですし、英雄姫の回はちょっぴり感動もしました^^
けれど、完走して振り返ってみると何かが足りないんですよね^^;

まずは、登場人物が余りにも多いので、当然一人一人にスポットが当たる時間も限られてくる上、物語の展開や設定上新参者の比重を多くする必要があるのは分かります・・・
その結果、いわゆる古参の出番はおのずと減ってしまうのですが、私にとっての不足がこれでした^^;
ミルヒ姫は出番の減少は否めませんが何とか・・・リコッタも度々登場したのでかろうじて及第・・・
でも、エクレの出番は残念ながら殆どありませんでしたし、ツンデレ姿に至っては皆無だったのではないでしょうか・・・^^;?
エクレファンにとっては悲しいことです(´;ω;`)

もう一つは物語の展開です・・・1期はスリリングな展開に加え、物語の終盤・・・死に物狂いで頑張るリコッタや寂しそうなエクレ・・・
散歩でシンクに甘える姫様の姿は未だに眼に焼き付いています^^
3期も総じて面白かったとは思いますが、眼に焼き付く強烈な印象・・・というと限定されてくると思います。
今は視聴直後なので色んなシーンが浮かんできますが、2年、3年後にどうかと自問すると自信がありません^^;
もう少しシリアスな展開があっても良いのではないか・・・と思ってしまいました^^;

3期まで物語が続き、3期も次への布石も残して終わっているので次期も期待しているのですが、4期目は是非「原点回帰」による展開を楽しみにしています^^

オープニングテーマは、水樹奈々さんの「No Limit」
エンディングテーマは、堀江由衣さんの「Stay With Me」
どちらもお気に入りの曲です^^

しかし、私が推しているのはワンちゃんばっかり・・・
決してネコやリスが嫌いな訳ではないのですが・・・
やっぱり私は猫山さん派なのかな^^;
あ、ビックリしても引っかかないので安心して下さいね♪

1クール12話の作品でした。大好きな作品だけに望みのハードルも上がってしまっていますが、「またね。」を期待して4期を楽しみに待っています♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ケモナーホイホイ3期であります!

1、2期観ていないと入りにくいかも。
新キャラが、結構出てきそうなOPだったので、
3国のキャラたち出番少なそう。

10-12話目
{netabare}
クジラが病んでいて、その中にいる人魚達も体調を崩していて、
歌姫が歌えば治るらしいので、犬姫がライブして〆って感じかなー

新キャラ投入率が多すぎるなぁ3期

11話は、姫様オンステージと勇者2人のイケメンタイムで、
ストーリーはあまり進展なしと…

12話で、引き画像が崩れまくってたのは残念だけど、
安定の平和アニメだった。
{/netabare}

9話目
{netabare}
ソラウミ?にいる巫女さんに会いにく新展開
新キャラ2人登場だけど、片方は謎キャラのまま。

流れ的にガウルが主になる回かなーと思われる。
{/netabare}

8話目
{netabare}
英雄譚 後編
英雄王アデルとヴァレリーが結婚?していたのが意外だったのと、
イスカとヒナが長生きしている理由も分かり色々゚+。(о'∀')bスッキリ!

普通にいい話であります!
{/netabare}

7話目
{netabare}
ウサギ王子回

次週は過去の英雄譚でオチなく終わりそう…
{/netabare}

6話目
{netabare}
閣下のお見合い(物理)回で、新キャラウサギ王子が出てきた。

3人の勇者より強いんじゃ?

次週も、ウサギ王子の話っぽい。
3回連続ポロリだったけど、これから終わりまで毎回こんな感じなのかな?
{/netabare}

5話目
{netabare}
ゴザルとデアリマスがエロ要員の温泉回

安定のほのぼのだったけど、キャラ絵が汚かったなぁ…
雑というか背景キレイなのに浮いている
{/netabare}

4話目
{netabare}
ほのぼのパスティヤージュ回だったけど、
ナナミのゴリオシ感が否めない…ベッキーだけでいいじゃないかと

まぁ、ほのぼのに戻ったからいいかー
{/netabare}

3話目
{netabare}
ひとまずシリアスモード終了で次回から平和日常系なのかな?

英雄結晶、魔人結晶は分かるけど、
精霊結晶…ナナミも平等にしなくても
{/netabare}

2話目
{netabare}
3勇者合流。
どんどんヒロイン増えていくなー
メインは、ミルヒオーレから変わらないんだよね?

やはり、スポーツ大会的な興業がないと、いまいちな感じ。
{/netabare}

1話目
{netabare}
シンクとナナミが転送に失敗して、ジャングル?に
落ちて、新キャラと出会うまでの回。

この新キャラが、3期の話の中心にくるのかな?
同じ勇者なのにベッキーの扱いが…
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大運動会?大雲移動回?(擾乱)

ジャンル : ファンタジー / バトル / 獣人萌え
「DOG DAYS」の3期にあたります。


~あらすじ?~
楽しかった夏(2期)から季節は過ぎ秋へ。
シンク、ナナミ、レベッカの3人は再び異世界・フロニャルドへ向け出発。
しかし、シンクとナナミの二人はとある影響を受け、
目的地とは違う場所に落ちてしまう。
そこは竜の森。
その名のとおり、神竜が棲息している地帯です。
物語は、2人が竜の森からそれぞれの国へと帰還を試みるところから始まります。
竜の森で出会うシャルという女の子が3期のキーパーソンであります。


異世界ファンタジーの鏡とも呼べる本作。
この3期もファンタジー色が濃く、その点は大満足です。
ゆるふわアクションが今期も魅力的でした。
3期は戦より、魔物との戦いが多いです。
個人的にはワイワイ戦争やってるほうが好きですが、
これはこれで十分楽しめる内容でした。
今回は空の上にも行ったりして、スケール感は大きくなってます。


1つ残念だったのが、お気に入りキャラの出演時間。
何となくですが、減った気がします。
あっ、エクレとリコッタです。
新キャラも確かに魅力的ではありましたがね、
その分、出番が削られた点は完全主観ですが少し残念でした。

代わりにといいますか、
準お気に入りのノワはこれまでよりスポットを浴びていると思えたので、まぁ良かったです。
今思えば、キャラという面では2期が好きですね。
エクレ&ノワの絡みが大好きだったりします。


OP「No Limit」 歌ー水樹奈々
ED「Stay With Me」 歌ー堀江由衣

やはりDOG DAYSは音楽も素晴らしい。
1期~3期まで通してこの点も満足です。



私は1期2期3期と駆け抜けたわけですが、至福のひとときでしたね。
幻想的な空間と可愛いキャラたちに囲まれて私は幸せです。
全部合わせて38話。(13,13,12)
長いようで短い時間でした。
もっと観ていたいと心から思える作品です。

4期召喚を希望します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

67.2 9 2015年度のファンタジーアニメランキング9位
SHOW BY ROCK!!(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (416)
2462人が棚に入れました
音楽都市【MIDICITY】。ゴスロリ好きなネコの女の子【シアン】は、通りすがの怪しい音楽事務所社長【有栖川メイプル】にスカウトされる。優等生ウサギの【チュチュ】、ネットギークイヌの【レトリー】、宇宙ヒツジ?の【モア】、3人の仲間と出会い、ガールズバンド【Plasmagica(プラズマジカ)】を結成。バンドで世界の頂点を目指す事になる。
だが、トップバンドへの道は長く険しく、ノリが大事。数々のクセのあるアーティスト達と対バンし、Plasmagicaは少しずつ成長して行く。やがてMIDICITYの音楽シーンを牽引する存在にまで上り詰める・・・かも?
Gonna be a music millionaire!(音楽で億万長者になってやる!)


声優・キャラクター
稲川英里、上坂すみれ、佐倉綾音、沼倉愛美、谷山紀章、内山昂輝、柿原徹也、細谷佳正、潘めぐみ、早見沙織、松井恵理子、宮野真守、逢坂良太、村瀬歩、日高里菜、茅野愛衣、村川梨衣、五十嵐裕美

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

3DCGによる驚異のクオリティのライブパートは必見!(追記アリ

視聴前レビュー

サンリオの音ゲーSHOW BY ROCK!!のアニメ化です
サンリオというと女性向け子供向けというようなイメージが強いですが
サンリオ社内で男性をターゲットにした作品を作ろうという形でスタートしたのがこの企画

しかし出来上がったスマホ向け音ゲーは
音ゲーマニアからすればゆるすぎる代物で
結局居ついたのは元々のサンリオの顧客だった女性客が中心のようです

私自身はアニメ化の話が持ち上がった頃に
アニメ化されるくらいだから面白いのかな?
と少し気になって始めた感じなのですが
音ゲーとしてはちょっと物足りない感じでした

しかし、オリジナルのバンドと
実在ミュージシャンとのコラボバンドと
合わせて20組にも及ぶバンドの奏でる
100曲近い多彩な音楽に強く惹かれて
そのまま継続して遊んでいます

オリジナルバンドの中では
「徒然なる操り霧幻庵」が推しバンド
もともと和ロック大好きなんです

タイアップバンドの中では
植田真梨恵さんとコラボした
「しにものぐるい」が好み

一昔前の音ゲーは曲追加ごとにお金をせびられるものでしたが
全楽曲が無料で遊べるスクフェスのヒット以降
ゲーム内楽曲は客寄せのために無料にして
それ以外のところで稼ぐスタイルの音ゲーが増えています
コレもその一つでガチャを無視すれば
基本無料でだいぶ遊び倒せます

ほんとに多彩なバンドが揃っているので
多分誰でも一つか二つかは琴線に触れるバンドがあるんじゃないでしょうか?
という事でシステムが若干微妙ですが
曲はガチなのでゲームとしては十分お勧めできます

まぁでもそれとアニメが期待できるかってのとはまったくの別問題ですよね
そもそもゲーム内にストーリーと呼べるほどのものは無いので
PVには原作:サンリオなんて書いてありますが
ゲーム原作というよりはゲームキャラを使ったオリジナルアニメだと思っていいでしょう
アニメとして面白くなりそうなのかどうかは
正直全くわかりません

なので個人的な興味はアニメ化によって追加される楽曲にあります
ただし一部ゲーム版とキャスト変更があるようなので
その辺ちょっと心配です

キービジュアルにあるバンド「プラズマジカ」が
OPEDと挿入歌を発売することが発表されています
シアン:稲川英里
チュチュ:上坂すみれ
モア:佐倉綾音
レトリー:喜多村英梨⇒沼倉愛美
レトリーのキャラソン好きだったので
キャスト変更はちょっと残念に思っていましたが
アニメジャパンのレトリーコスのぬーぬーがかわいかったので
なんかどうでもよくなりました(何
まぁぬーも歌唱力の高さは文句ないですしね

中二病バンド「シンガンクリムゾン」は挿入歌一曲発表
クロウ:谷山紀章
アイオーン:柳田淳一⇒内山昂輝
ヤイバ:市来光弘⇒柿原徹也
ロム:丹沢晃之⇒細谷佳正
こちらは大幅にキャスト変更されていますが
ヴォーカルはクロウのみなので特に問題はなさそう

個人的イチオシ「徒然なる操り霧幻庵」も挿入歌一曲
阿:?⇒早見沙織
吽:松井恵理子
ダル太夫:潘めぐみ
ヴォーカルは阿ですが
今まで歌ってたのははやみんではない(と思う)
ので歌手自体が変更になるのか
演技部分と楽曲部分で分ける形で行くのか気になります

シンガンと腐女子人気を二分するゲームの稼ぎ頭「トライクロニカ」
シュウ☆ゾー粕谷大介⇒宮野真守
カイ:逢坂良太
リク:村瀬歩
こちらもヴォーカル変更なのか
演技と歌で分けるのか気になるところ

ゲーム内未実装のアニオリバンド「クリティクリスタ」
ロージア:日高里菜
ツキノ:茅野愛衣
ホルミー:五十嵐裕美
ジャクリン:村川梨衣
ゲームがいまいち男性層の囲い込みに失敗しているので
テコ入れで別路線のバンドを投入という事なんでしょうかw
睦月あるいは延珠
めんまあるいは白
ひなだお!あるいは杏
りえしょんだけは一条蛍くらいしか思いつかないけど
幼女役で名を馳せた声優を集めました!
って感じのユニットなのはわかりますw

プラマジの挿入歌は両A面であるそうなので
OPED+挿入歌6曲?
結構豪華な感じですね
アニメジャパンのステージ観に行った時の話だと
「ライブシーンも結構多い」ということでした
その辺も少し気になりますね

アニメがどんな感じになるのかは
とりあえず来週末の先行上映会行ってみてきますn(・x・

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

一話視聴後レビュー

一話上映会に行ってきました

2等身のミューモン体の3DCGによるバトルシーンと
擬人化verをメインに使った作画で構成される日常シーン
元々のゲームPV内の説明だとテンションが上がると擬人化体になる
という話だったような気がするけどまぁどうでもいいや

第一話なので当り前ではありますが
CGパートも作画パートもクオリティ高いです
でもふたつセットにして説明なく出したら
ご新規さんは混乱するだけだと思うんだよね
なにしろゲームプレイヤーでも展開に置いて行かれそうになったので

今回のアニメ化の目的は男性客層の開拓にある
というような話がアニメジャパンであったので
新規層にやさしい導入が必要だったと思うんだけど
その辺かなり強引な印象を受けました

あとキャスト変更のあったバンドは
歌も変更後のキャストにやらせるみたいですね
元のバンドよりもアニメのキャラソンっぽさが増してる感じ
開拓したい客層を考えるとまぁコレはこれでいいのかな?
しかし今は音楽を題材にしたアニメで溢れているうえ
そうでないアニメからもキャラソンなんかがガンガン出ている時代です
アニオタの嗜好に合わせてしまうと他の作品との差別化が難しくなるので
元のゲームが曲の多彩さ幅広さが売りなのを考えると
そのままの路線を貫いた方がオンリーワンなアピールができた気もするんだよねぇ

とりあえず2話以降も継続して観ていきますが
他人に勧めるならアニメより先にゲームかな?

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

最終話視聴後レビュー

話の大筋は深夜アニメというよりは
夕方に放送される子供向けアニメです
そこに原作ゲーム組や大友向けのネタを
ちょいちょい差し込んだような作りになっています
実際深夜に最速放送されているだけで
そのあと夕方にリピート放送されているので
深夜の客層にちょっと配慮しつつも
基本は夕方アニメだと思えば良いでしょう

純粋に深夜放送のオリジナルアニメとしてみた場合
キャラが多すぎる分掘り下げが足りないとか
何だかよくわからないバトル展開から
なし崩し的にすべて解決する
おおざっぱなストーリー展開とか
色々気になる点は多かったです

ただ3DCGシーンのクオリティだけは異常に高かったです
綺麗にデフォルメされたミューモン体の豊かな表情と滑らかな動きは
3DCGアニメーションとしては最高峰クラスだと思います
制作費の桁が一つか、下手したら二つくらい違うディズニーアニメと遜色ないレベル
これみてるとなんか他の国産CGアニメ(劇場版除く)がものすごく粗悪に見えてきます

あとはOP/EDから挿入歌の数々まで
中々クオリティが高かったのでゲーム組としても満足です
特にED曲のhave a nice music
挿入歌の迷宮Destiny&流星ドリームライン
とプラズマ絡みの曲はミューモンCGによる演奏付きで
すごく良いPV映像だったと思います
挿入曲2種に関しては最終回での使われ方もバッチリ!
あれはバンド演奏シーンで使った曲を
最終回で使いまわしたというよりも
最終回のクライマックスシーンに合わせて作った曲に
あとからCGアニメーションをつけてライブシーンを作ったのかもしれませんね

一応(?)音楽を題材にしたアニメですし
音楽部分がしっかりしていないと話にならないんですが
ゲーム内でもしばらくはアニメ曲がプレイできる形になっていたので
楽曲でアピールして本家の音ゲーへユーザーを呼び込むのにはまぁまぁ成功していたようです

ゲームユーザーの中には
アニメ化によるボーカル変更に抵抗のある方もいるようですが
宮野版シュウ☆ゾー(通称宮ゾー)以外は違和感ありませんでした
宮ゾーもまぁあれはあれで別物と割り切れさえすれば悪くないと思います

一番心配していたのは徒然なる操り霧幻庵でしたが
はやみんの歌唱力が尋常じゃないことを再確認させられて終りました

沼倉レトリーも悪くなかったですね
ちなみに沼倉さんはオーディションで選ばれたそうなのですが
最初呼ばれたのはクリティクリスタのオーディションだったそうで
自分に中学生役ができるか悩んでたところに
後からレトリー枠が追加されたんだそうな
おそらくその間にキタエリからNGが出たんでしょうねw
スケジュール合わなかったのかな?

シンガンに関してはVo変更ではなく追加だったこともあって
こちらは全く違和感なしでした
ちなみにシンガンの曲を作ってるのはボカロPのマチゲリータさん
ボカロ界では割と知られた鬼才ですね
かなりぶっ飛んだ曲を作ってるイメージしかなかったので
正直同じアーティストが作ったものとは思えませんでしたw

アニメではライブパートをもらえなかった
それ以外のグループもちょこちょこ出てきていたのが
ゲーム組には嬉しい演出でしたね
楽屋で一緒になる雫シークレットマインド
MIDICITYの音楽イベント情報を視聴者に伝える
チョイ役の田舎者集団ウワサノペタルズ
トライクロニカの追っかけでライブの最前列にいた豚は
ゲーム組以外はただのモブにしか見えなかったと思いますが
実はドーリィドルチというガールズバンドのメンバーですw

しかし一番優遇されていたのはしにものぐるい
ゲーム内でも特に人気の高いバンドです
アニメに出てきた中では唯一
ゲームオリジナルではない
実在アーティストとのコラボユニットなので
たぶん大人の事情でライブ披露とはいかなかったんだと思いますが
なんと個別回をもらう程の厚遇ぶり
さらにゲームでもまだ出てきていない「つぎはぎ」の擬人化Verが
緑髪のショタキャラとしてお披露目されて驚きました

そんな感じにゲーム組視点でみると
ファンサービスに溢れたいいアニメでした
あくまで純粋にアニメとして評価したので
ストーリーの☆評価は高くしませんでしたが
ゲームの販促映像としてはとてもよくできていました

アニメからのファンをゲームへ誘導し
ゲームからのファンへのサービスも欠かさず
さらに従来のサンリオファンにもアピールできるような
深夜アニメとしては相当マイルドなつくりで
老若男女問わず楽しめる作品になりました
これはスマホゲー原作のアニメとしては
大成功だったんじゃないでしょうか?

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

11月8日に行われたガールズバンドフェスティバル
昼の部&夜の部ともに参加してまいりました
歌える人気声優がずらりと並ぶ姿は壮観でした

対バンニコニャマの出張版も楽しかったし
各バンドの楽曲が生で聴けて最高でしたが
まぁそれはアニメとはあまり関係ないので割愛するとして

夜の部のラストに今後の展開についての新発表がありました
アニメと関係あるものだけ上げておくと
各バンドをフィーチャーしたショートアニメと
そしてTVアニメ2期の制作が決定しました

キービジュ一枚とキャッチフレーズのみの発表でしたが
その場にいたキャストさんたちにもサプライズだったようで
みなさん驚いていました

これは今後の追加情報に期待ですね!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

nk225 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

サンリオキャラに異変?6頭身のアニメ調キャラが人気!“萌え”に本腰

サンリオキャラクターの人気投票企画「2015年サンリオキャラクター大賞」の結果が27日に発表され、ハローキティなどの人気2頭身キャラクターを生み出してきたサンリオのイメージを覆すような、等身&デザインのキャラクターがトップ10の4割を占めていることが注目を浴びている。

その代表格が、18年ぶりの1位に輝いたポムポムプリン(獲得票数:27万837票)に続いて2位に入った「シンガンクリムゾンズ」(獲得票数:27万802票)だ。イラストには、ハイライトや影などの表現や色を多用したアニメ調で、少なくとも6頭身以上ある男性4人組が描かれている。彼らからはほかのサンリオキャラが醸し出す、ゆるさはみられない。そんな「シンガンクリムゾンズ」は、トップ10で同じく異彩を放っている「プラズマジカ」「トライクロニカ」「徒然なる操り霧幻庵」と同じキャラクタープロジェクト「SHOW BY ROCK!!」によって誕生した。

「SHOW BY ROCK!!」は、サンリオ初のゲーム・アニメファン向けのプロジェクトとしてスタート。音楽とバンドをテーマに、キャラクターたちが世界一のバンドを目指す過程が描かれている。2013年7月にはリズムアクションとキャラクター育成ゲームの要素を組み合わせたスマートフォン向けゲームアプリを配信し、2015年4月にはテレビアニメの放送を開始した。そして「サンリオキャラクター大賞」の上位を占めるほどの人気を誇ることになるが、グッズはサンリオの公式オンラインショップで検索しても見当たらない。ここに子供や女性を中心に人気を集めてきた従来のサンリオキャラクターとの違いがある。

ゲームアプリは、音楽に合わせて三つのボタンをタッチするという子供や女性を含むライトユーザーも取り込みやすいつくりになっているが、テレビアニメは基本的に夜22時や27時の「深夜アニメ」として放送。子供向けの朝・夕方ではなく、コアなアニメユーザーを取り込める時間帯に設定された。限定グッズも、ゲーマーズやアニメイトなどアニメファン御用達の店で販売。これにより、子供や女性を中心とした幅広い客層を対象とするほかのサンリオキャラと一線を画し、「SHOW BY ROCK!!」は層を絞り、ニッチなファンの声にも対応しやすいキャラとして差別化した。

以前、ハローキティのファン「キティラー」をキャラクター化した「ハローキティといっしょ!」が、“オタクの祭典” コミックマーケットに出展したことが話題を集めたが、こちらはサンリオの子会社であるサンリオウェーブが展開。そのため、「SHOW BY ROCK!!」は、サンリオが“萌え”路線に本腰を入れた作品ともいえる。また今回「サンリオキャラクター大賞」の上位に入ったことにより、マクドナルドのハッピーセットのおもちゃになることも決定。よりサンリオキャラとして周知されることで、サンリオにどのような変革がもたらすのかにも注目だ。

【サンリオ大賞2015】ポムポムプリン18年ぶり1位 キティ19年ぶりTOP3圏外
今年で30回目を迎えるサンリオの人気キャラクター投票企画『2015年サンリオキャラクター大賞』の最終結果が27日、東京・サンリオピューロランドで発表され、27万837票を獲得したポムポムプリンが大賞に輝いた。デビュー翌年の1997年に初参加した際に大賞と新人賞をダブル受賞して以来、18年ぶり2回目の快挙。また、ハローキティは他キャラクターの躍進を受けて7位にランクインし、19年ぶりにTOP3圏外となった。

初日速報5位、中間発表3位とじわじわ順位を上げて、ラストスパートをかけたポムポムプリンが、2位のシンガンクリムゾンズとの大接戦をわずか35票差で制し、大逆転劇を繰り広げた。3位はシナモロール、4位にはぐでたま、5位にマイメロディがランクイン。

20位から順にランキングが発表され会場が大いにざわつくなか、最後に1位の大賞として名前を呼ばれて登場したポムポムプリンは小さな手を大きく振って喜びを表現。感想を求められると「はい! 僕、プリンです。みーんなが応援してくれたおかげで1位になれました。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! 本当にありがとうございました! 僕、プリンでした」とファンに感謝を伝えた。

『サンリオキャラクター大賞』は1986年にサンリオの月刊『いちご新聞』誌上でスタート。節目の30回となった今年も総勢100組のキャラクターがエントリーし、投票数は歴代最多の376万5250票を記録した。5月10日の初日速報から波乱が巻き起こり、音楽ゲーム&アニメファン向けキャラクタープロジェクト『SHOW BY ROCK!!』のシンガンクリムゾンズが暫定首位に。続く中間発表でも暫定首位を独走していた。

バンドをテーマにした『SHOW BY ROCK!!』は、今年4月にテレビアニメがスタートしてキャラクターの認知度が上昇。大人のアニメ・ゲームファンの投票により票が伸びていたとみられ、最終的にはエントリーした5組中4組がTOP10にランクインする大健闘をみせた。

『SHOW BY ROCK!!』のランクインを受け、シンガンクリムゾンズ(2位)のギター&ボーカル・クロウの声優を務める谷山紀章、プラズマジカ(6位)からギター&ボーカル・シアン役の稲川英里がサプライズゲストとしてステージに登場。イベント後、取材に応じた稲川は「たくさんのキャラクター、伝説的に有名なキャラクターもいる中、6位という栄えある順位をいただいて本当に嬉しく思います」と喜んだ。また、7位のハローキティのひとつ上という順位には「ありがたい気持ちと、キティ先輩すいませんという気持ちとで複雑です」と恐縮しきりだった。

▼『2015年サンリオキャラクター大賞』TOP10
1位 ポムポムプリン(27万837票)
2位 シンガンクリムゾンズ(27万802票)
3位 シナモロール (26万2274票)
4位 ぐでたま(22万3336票)
5位 マイメロディ(20万3883票)
6位 プラズマジカ(18万5381票)
7位 ハローキティ(14万3342票)
8位 トライクロニカ(14万2673票)
9位 リトルツインスターズ(13万8926票)
10位 徒然なる操り霧幻庵(12万7936票)

世界観など大きな点はゲーム設定をそのまま使用、TVアニメ用にオリジナルストーリーとして制作され、プラズマジカのシアンの設定、各バンドのミューモンの担当声優など、一部変更点がある。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オレのギターが真っ赤に燃える、おまえに届けと火を噴き叫ぶぅ、響けぇひぃ~っさつのぉおレーーーーーッドトマホゥーーーーーク! Beat END!!

ただ、これ(出来は38点のタイトル)を言いたかっただけなんだ。

さて、萌え燃えもえもえキャラアニメなのでキャラ紹介だけします。
※公式と異なるかも知れませんが悪しからず


♡シアン♡{netabare}
私、ひじりかわしあん♪
入学したばかりのごくごく普通の女子高生☆ ギターが好きなメガネっこ♯
軽音部に入ろうと思ったんだけど、もう4月も終わっちゃう!
GWには合宿もあるっていうし早く入らなくちゃ!!
・・・でも勇気が出ない、人見知りの小猫ちゃん、
もうビビリかわダメやん!!!

そんなこんなで自分の部屋でスマホゲームしてたら、あれあれ、
怖い画像が現れて喋ってきた!
えっ、どこに連れていくの!!!!!

なんだかんだでゴスロリファッションのスーパーギタリストとして、
プラズマジカでギターを奏でるにゃん♪

あと、なんかゴスロリファッション好きとか誰かが言ってるけど、
好きだけど、そういう服は1つも持ってないです☆

女の子がマリスミゼルみたいな恰好は好きだけど、男はやめてほしいにゃん!
{/netabare}

うさこ
プラスマジカのギターでリーダー、バニー服は夏に快適ですの♪

ぴるみ
プラスマジカのドラマー「ぴる」じゃなくて「ぴゅる」だぴゅる~!

めがつー
プラスマジカのベーシスト、ネット(だけ)は友達♯

社長{netabare}
ドMの覗き魔{/netabare}

秘書
セクシー


以下、Shingancrimsonz{netabare}

クロコリン
聞こえるぜ、家畜共の叫び声、
ギターで響かせて、声で震わせて、歌で燃え上がらせて!
・・・待つ必要はない、オレならいつでもココにいる!!
その渇きを炎で、この赤で、この魂で満たしてやる!!!
叫べ、喚け、求めろ、
おまえたちが望むのなら何度でも奏でてやる、この紅蓮の轟きを!!!!
さあ、オレのギターが真っ赤に燃える・・・!!!!!

アイオーン
我、闇の太陽神は聖なる太陽と交わらぬ、
唯一無二にして絶対なる存在。
さ、最近、プラスマジカもメンバー増えて、その、
我が禁じられた黒衣の波動を纏うホーリーアークにその身を焦がさぬよう、
はな、離れるがよい。
おい、か弱き小動物よ。
昏き玉座に傅くのは其方だけで十分過ぎる。
まずは100mから、と伝えてこい。

この対なす鏡が見るは真の闇。内なる黒き影に染まりし毒蛇。
その邪悪さ故にか弱き背丈の小さなものは下がるがよい。
磨かれしこの肉体、この魂を共にするは故に、
拙者の得物は森羅万象を司る真髄 
龍虎無双神威流 故に龍剣伝 刃 参上

労務
・・・音楽を続けるとは、そういうことだ。

{/netabare}以上

あと、その他いろいろ。


そう、何を隠そう、
シンガンクリムゾンズとシアンが好きだ!!!!!
wikiとかセリフ集とか見ずにイメージだけだと、
シンガンのカッコよさが伝わらないな。
ロム、ちゃんとカッコイイです。

この作品はシンガンのカッコよさとかわいさと、
シアンのかわいさだけで出来ていると言っても過言ではない。

シアンの声がええ☆
あのちょっと籠ったちょっと低めのちょっとハスキーで
一言に高低さがある、なんだろ、
アニメ声って言うのかな?
あの独特の声と、
猫耳と特に髪が湿ったときの巻き毛伸び伸びヘアーがええ。

あとベリーさん書き忘れたけど、{netabare}
おねえ言葉やめて欲しかったな。別に面白くも何ともなかったし。
普通にカッコよかったのになぁ。{/netabare}

別にケモナーではない。というかこれだけは覚えてほしい。
かわいい女の子がケモ耳や尻尾を付けているからかわいいのであって、
獣がケモ耳と尻尾を付けたところで、獣は獣だ。
つまり、
人間の女の子がケモ耳を付けた姿を見たいのであって、
マスコットを見たいわけではない、断じて。
そこのところ勘違いしないでよね。

素晴らしい3Dを見せてくれたが、
あの滑らかなピン○ーみたいなのは2Dと合わない気がする。
何より人間の面影が何一つない。
猫耳王国め!

さて、サン○オは活き活きとこの作品を作ってたんだろうな。
最近規制が煩い中、漆黒の闇を悠々自適に飛び回る梟のように!!!!!


というわけで、
シンガンクリムゾンズかシアンが好きになったら最後まで割と楽しめると思います♪


音楽も結構いいけど、
対バンにこ生を見ると{netabare}「ロックをぐぐれ」と萎える。
ロックのことを有名どころしか知らない自分でも思うよ。{/netabare}
そもそもニコ生って面白いのあんまないかも。ものすごいファンよりの作品。

変化するOPから分かるように萌え燃えキャラアニメなので、
ストーリーには期待しないでね、
それじゃあみんなBooDooKanでオレサマたちに握手!しに行こうぜ♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

70.3 10 2015年度のファンタジーアニメランキング10位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (638)
4209人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【ネタバレ無し】熊徹と共に吠えろ!!

2015年7月より劇場公開
本編119分


【前置き】

細田守監督の長編映画第4弾。
(ONE PIECEの映画を除くと。)
「時をかける少女」の頃は、原作を上手くアレンジし名作に仕上げた監督の手腕が高く評価されておりましたが、「サマーウォーズ」以降、その評判は一般層をも巻き込むカタチで大きくなり、今やポスト宮崎駿とすら呼ばれるまでとなり、その観客動員数も他のオリジナルアニメとは一線を画すレベルとなりました。
それに従い、批評する側の目線も高くなったり、偏った意見も多くなっていった印象を受けました。

私的には、監督の作品はどれも大好きです。
大手を振って褒められるかどうかはともかくとして。
なので、評判が上がるのは勿論嬉しいのですが、批評の中には闇雲な感情論による悪態でなくしっかり的を得ている意見も多くあり、色んな意見から新たな視点を得る機会に恵まれたことに楽しさも覚えました。


前置きが長くなりましたが、そんな監督の第4作目。
普段はあまり映画館へは足を運ばないのですが、知名度の高い細田監督の作品だけは評判が出尽くす前に見ておきたいと思い、前作品らと同様に出向いて来ました。



【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」という、通常交わることのない二つの世界。
ある日、とある事情から渋谷で途方にくれていた少年「蓮(れん)」は、渋天街の熊のような風貌のバケモノ「熊徹(くまてつ)」と出会います。

蓮は、熊徹から強くなるため弟子になるよう説得され、渋天街で「九太(きゅうた)」という名を貰い、日々修行に明け暮れるのでした。

8年後、成長した九太は偶然渋谷へ戻ってしまうのですが、そこで高校生の「楓(かえで)」から新しい世界や価値観を吸収することで、自身の生きるべき世界を模索するようになります。

そんな中、両世界を巻き込む事件が起こるのです…………。



【(劇場公開中なのでネタバレ無しで)語ってみる】

監督の他作品と比べて、本作はどこが優れていたか。
それは、この少年漫画的なシナリオからくる『熱さ』にあると、私は思いました。
サマーウォーズでもあった、「キングカズマVS人工知能ラブマシーン」の徒手空拳の格闘シーンが好きな人なら、本作でもまず燃えられるでしょう。
徒手空拳の格闘技だけでなく、本作はバケモノ達(と言っても怪獣ではなく熊男や猪男のような人型)による格闘技で、非常に力任せであり泥臭いところもあるのですが、迫力は満点でした。
作画は前作同様、映画であることを差し引いてもしっかり描ききれており、そこから上記のような魅せるシーンの更なる力の入れようは視聴者を大いに湧かせてくれます。
約2時間とアニメ映画としては少々長い部類ですが、私は一度も退屈させられるようなことはありませんでした。


ただ、映画のテーマとしては少々監督の引き出しが少ないと感じてしまったのも正直な話。
本作は、異種間を含めた「親子の絆」を描いた作品。
それこそ、前作「おおかみこどもの雨と雪」でもそうでしたし、広く家族と捉えれば「サマーウォーズ」でもそうでした。
細かく分ければ「おおかみこども」は完全に親の視点である為、本作とはまた少しテイストも対象となる年齢層も違うのですが、端から見れば一緒である時点で、多くの視聴者に既視感を与えてしまう点は残念です。
加えて、「熊男」「狼男」というのもまた、ニアミスしてると言わざるをえません。
舞台設定こそ監督の作品の中では新しい「渋天街」も、それこそ他作品で言えば見慣れた世界観であり、新鮮味には欠けてしまいましたね。


キャラクターに関しても、主人公の「九太」は、幼少時代は横着な熊徹のもとで子供なりに必死に学ぼうとする(加えてコミカルな)様に心打たれ愛着を持てたのですが、8年後のスマートになった青年「九太」は少々魅力に欠けました。
なんと言うか、見た目も含めて格好良過ぎたんですよね。
これは、前作でも主演声優を務めた「宮崎あおいさん(幼少期の九太)」と「染谷将太さん(青年期の九太)」とのキャリアの差も大きかったのかもしれませんが。
彼の見せ場のシーンも、そこに至るまでの過程や肝心の敵が少々腑に落ちなくて、首を傾げながらということもありましたしね。

何より、九太の師匠である『熊徹』が非常にキャラ立ちしている為、主人公の九太の活躍が、どうしても霞んでしまうんですよね。
私的には、青年九太が頑張るどのシーンよりも、熊徹が無骨に挑みかかる格闘シーンのほうに目を奪われてしまいました。

まず「役所広司さん」の演技が抜群に良いんです。
声をヘンに作っているわけではなく、でも役所広司さんの地声とも少し違う、まさに「熊徹」というキャラクターを自身で作り上げて演じ切った感じでした。
横柄で、人の話を聞かず、短気で、ぶっきらぼう。
そして、たった一人で自身を鍛え抜いて、自分の力で強くなった…、…強くなってしまった熊徹。
そんな男が、世界の違う人間の子供に目をかけ、なんだかんだで必死に育て上げていく様。
泣くには至りませんでしたが、やっぱり心に訴えるものがありましたよ。

この作品の評価は、この熊徹が好きになれるかどうかが大きな分かれ目となると思いますね。
私は、こういう男臭くて人情的なヤツ大好きなんです。
弟子になりたいかと言われれば、それはまた別の話なんですけどね……(笑)

勿論、魅力的なバケモノは熊徹だけでありません。
やはり見た目もインパクトのあるバケモノ達が中心となるのですが、中でもその熊徹の元で九太に目をかける豚顔の僧侶『百秋坊(ひゃくしゅうぼう)』は魅力的でした。
度々の彼の諭しがあってこそ、九太も…そして熊徹も、道を違えず成長出来たんでしょうね。
視聴後に声優さんが「リリー・フランキーさん」だと知りましたが、とても落ち着いて演じられていて、あの声だからこそここまで好感を持てるキャラになったんだと感じました。


主題歌であるMr.Childrenの『Starting Over』も非常に作品に合っている名曲でした。
いつぞや、ONE PIECEの主題歌を担当された時の曲は個人的に好きではなかったのですが、今回は自分にとっても大当たりでした。
このレビューも、この曲を何度もリピートしながら作りました。
聴くと自然と作品の良いシーンがフラッシュバックする、そんな1曲でしたね。



【総評】

映画館で見る価値があったかと言われれば、私的には十分ありました。
ただ、やはり初見且つ映画館というインパクトも含めて、評価が上乗せされた感はあるので、そういう意味では少し抑え気味な評価となるかもしれません。
まだ前評判の無かった「サマーウォーズ」を公開初日に映画館で見た時のインパクトと比べると、視聴後のテンションはかなり違いましたし。

ですが、やはりシナリオからも分かる通り王道ながらしっかり見せ場のある熱い作品なので、ファミリー層を中心にまた興行収入としては成功の作品となるでしょう。
勿論、変に偏り過ぎでなければ大人も十分楽しめる内容ですので。
私は同じ作品を映画館で二度見ることはまずないので、また足を運ぶことはないでしょうけど、早くBlu-rayでもう一度見直したいです。


ただ、やはり次回作以降の引き出しには不安を感じさせるものであったことは確かです。
アニオタ界隈では「ショタ好き」「ケモナー」等の名誉?なレッテルを貼られている細田監督。
そこが真実かどうかはさておき…この監督は、しっかりと面白いところが分かっていて且つ視聴者の目線にも立てる、そして「ショタ」等の偏った需要を上手く一般層向けに紛れさせ商業作品へと仕上げるセンスを持つ、数少ない実力のある監督だと私は思っています。

と言うわけで、次回作は
『ブッキラボウな男+そんな彼を慕うロリ少女』
という私の大好きな設定を是非、一般層にも受けるような作品へと昇華させ仕上げていただきたい。

……最後の一文は忘れて下さい。

読んでいただきありがとうございました。

◆一番好きなキャラクター◆
『熊徹(くまてつ)』声 - 役所広司さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『チコ』声 - 諸星すみれさん



以下、声優を務めた「広瀬すずさん」について。
(低俗な文章を含みますので、〆ます。)
{netabare}
本作のヒロイン「楓」を務めたのは、女子高校生ながら話題の女優『広瀬すずさん』。

とある番組での、悪質に切り取られたかのような彼女の言動が世間の反感を買い、謝罪騒ぎにまで発展したのをご存じの方もいるでしょう。

そう言えば以前にも彼女は、「明星一平ちゃん夜店の焼きそば」のCMで、一部言動が誤解を招くとして差し替えとなる騒ぎも起こりましたね。
これも謝罪騒動同様、私的には少々解せなかったんですよね。

全く………、


『ぶっちゅ~~~~~~~~~~、全部出たと?』


という言動の、一体どこに誤解を招く要素があったと言うのでしょうか。

しっかり口をすぼめ(ソースを)絞り出す様の、一体どこに何の誤解が生じていたのでしょうか。

広瀬すずさんには、これからも逆境に負けず作中の「楓」と同様に、自身の信ずる道を邁進していって欲しいものです。




………………………………ふぅ。

シュッシュ、フキフキ
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“新冒険活劇”の意味は分からずじまいでしたが・・・

2018.08.11記


「時をかける少女」に続き「未来のミライ」公開記念で地上波で放送していたのを鑑賞。
細田監督作品は「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」に続き3作目の鑑賞となります。


今日も渋谷駅周辺は外国人で溢れ、きょろきょろしながら歩いたり、めいめい写真を撮ったりして楽しんでますね。これだけ多くの作品で取り扱われる街ですからなんの聖地巡礼かはさっぱりわかりません。ハチ公前交差点は都会の雰囲気を描写できる上、空間を広めにとれるため引きのカットをいろんなアングルから撮れることが作り手にとって魅力なんじゃないかと勝手に思ってます。

で、その渋谷の街とその渋谷に隣接する異世界「渋天街」が舞台のお話です。
お約束のハチ公交差点前もしっかり出てきますので、渋谷ファンは要チェックです。


家族関係で闇落ちしている少年“蓮”の視点から物語は始まります。夜の渋谷を走り回ったりするのですが、この時の背景しかり通行人の描写、防犯カメラを使った数枚のカットなどの工夫はさすが劇場版といえる作画です。ひょうんなことから迷い込んだ渋天街もプチ千と○尋の幻想的な作りだったりと導入はバッチリでした。ただプチ神隠し感が出たことで、否が応でもポスト宮○駿を無駄に意識させちゃったかもしれないのは余計だったかも。

物語は、作品タイトルやポスターの絵柄からバケモノ(熊徹)と蓮(または九太)の親子関係または師弟関係を軸とした展開が予想され、実質その通り進んでいきます。ただそこに焦点を絞り過ぎると中盤以降の追加要素に混乱してしまうかもしれません。《詰め込み過ぎだよん》という評はしかりで、父子愛というメインテーマを補足するための追加要素がわかりづらいです。父子関係に加え蓮の成長も描こうとしてますので尺を考えればギリギリ、劇場版の宿命とはいえ、多くを観客の解釈に委ねてます。


じゃあ自分はどうだったかというと、、、普通におもしろかったです。
ただもうちょい脚本はわかりやすく出来なかったかと注文はあります。
テーマは普遍的なものを扱ってますので、その一点突破で感動するかもしれない佳作と良作の中間と言っていいでしょう。


熊徹はいい味出してました。大正生まれか昭和一桁世代の佇まいです。イメージは星一徹(大正)か銭形のとっつぁん(昭和一桁)あたりでしょうか。頑固親父かと思いきや猪王山から子供のようと指摘されてる通り、がきんちょのようでもあります。このへんのイメージはLEONっぽい気もします。子供(っぽい大人)と子供の組み合わせもなんとなくLEON。


なにかと評判の悪いリアル俳優が声優を務める劇場作品の例に漏れず、本作もそうなのですが、全く違和感のない方がお一人いたと思います。
うさぎの宗師さま役津川雅彦さんです。 
{netabare}「お前という奴は迷いなど微塵もない眼をしおってぇ」{/netabare}
合掌…


細田作品のおおかみこどもの雨と雪では母子の愛を、本作では父子の愛ということになるんでしょうが、なかなか難しいのかもしれませんね。母と子の組み合わせが物語を作りやすいのかもしれません。であれば父と子の関係を扱った本作は意欲作ということでいいんだと思います。

{netabare}「君は俺と同じだよ。バケモノに育てられたバケモノの子だ」{/netabare}
蓮が初めて言葉にして父親と認めた瞬間、親父冥利に尽きるなと感じた瞬間でした。目の前で言われるかいなくなってから言われるか、男にとってはどうでもいいことかも。
多少のご都合展開は目を瞑って親父の自分が自己投影できたので評価が甘くなったことは認めよう(笑)


ちょっと気になったところはネタバレで隠します。

■白鯨の処理
{netabare}蓮と楓を繋いだメルヴィル著の『白鯨』。たしか船長さんが船もろとも鯨と運命を共にした話だったことは覚えていて、本編では一郎太が鯨に化けたあたりから嫌な予感しかしなかったのですが。。。
{/netabare}

以下ほぼ私見かつ妄想です。

■楓の役割って
{netabare}主人公と同年代の女の子だからといってヒロインではありません。九太が蓮に、彼が人間界に戻るための触媒と思えばたぶんすっきりします。
序盤、多々良と百秋坊が触媒となって蓮と熊徹を結びます。楓はもともと蓮が持っていた好奇心を現実世界に落とし込む存在として役割を果たします。
途中から出てきたのもあって恋愛要素を前面に出すと話がぼやけるため、あのくらいの按配で良かったことでしょう。{/netabare}

■女よ、GOMEN
{netabare}虎徹への弟子入り直後、剣士としての成長きっかけとなったのは母の幻影「なりきる。なったつもりで」の一言。宗師さま巡りを経て『大事なことは自分で見つける』と気づきがありました。これまで他人のせい、自分の殻に閉じこもっていた蓮が一皮むけるために母は必要でした。
楓もそう。8年ぶりに人間界に戻ってきた蓮は楓がいなければ路頭に迷って野垂れ死にしてたかもしれません。一郎太とのバトルでも早まって差し違えて終わってたかも。
父子愛がテーマの作品で、といいつつも結局女がいなければ何もできないのが男だったりするような。こうゆうこと言うのは女性に言わせれば男の甘えだそうです。{/netabare}



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2019.01.19追記
《配点を修正》


「おおかみこどもの雨と雪」で母子の愛、本作は父子の愛。
私は昭和の人間なので、父と子ってペラペラ話し合う印象が薄く、その延長線上、エンタメとして成立しづらいのでは?と邪推。
「クレイマークレイマー」のようなのも良いが、頑固一徹親父とその息子の物語をこの時代にこそ観たいとぞ思う。そういう意味で本作は及第点です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぼくはケモノもオッサンもすきなので熊鉄のこと可愛いとおもいました(まる)

月曜メンズデーの夜に行きましたが客の少なさにビビりました。
3週連続細田作品地上波放送で、宣伝にも力入ってるのに……。
先が不安になりましたが、平日の夜だし、単に山形がアニメ過疎地ということ、なんですかね。

ケモナー細田の真骨頂!!
バケモノの造形が可愛らしく、現代的です。
どっちかというと人間に近い。もののけ姫のそれとは大違いです。
まさしくケモナーが好む、ケモナーのための映画といっていいでしょう。

本作を見て一番に感じることは、広い意味で男の子が好きそうな映画だな、ということ。
(話と関係ないのですが、「おとこのこ」を変換したら普通に「男の娘」というワードが真っ先に出てきたw 打ったの初めてなのに。なんという時代……)

主人公の男の子が、熊鉄というバケモノに出会うところからはじまり、ともに成長していくお話で、子供の目線、子を育てる男親の目線、どちらからも楽しめるんじゃないかと思います。
今までの細田作品では珍しいくらい激しいアクションシーンが多いのもポイントです。
個人的には、どっちの目線にも共感できたなと思います。
熊鉄の乱暴でぶっきらぼうな接し方が、自分の父親と似ているせいかもしれません。
だんだん、顔まで父親に似て見えるもんだから不思議。バケモノにもかかわらず、です。
でも、それくらいリアリティのあるキャラクターだったと思います。
熊鉄を演じた役所公司さんの演技が素晴らしかった、というのも大きいですね。
違和感なさ過ぎてエンドロールまで気が付きませんでした。
「ああ、俺の父親もこんな感じだったよな……」なんて、少し懐かし気持ちに。

先週「おおかみこども」が放送していましたが、それと比較するのも面白いですね。
熊鉄と花のキャラクター性の違いは、父親と母親の子どもへの接し方のスタンスの違い、とも言えそうです。
本作パンフレットの細田監督インタビューでは、
「最近、うちに男の子が生まれまして。父親として何ができるかなって、考えたんです。」
と、綴られており、作品には男親としての理想がやはり込められているんだな、と感じました。
確かに、父親だったら男の子が生まれたら、一緒に体を鍛えたり男としての強さを教えてあげたいって気持ちになるかもw

前作に比べると、キャラクターのセリフでメッセージ性となる部分をはっきり伝えるから分かりやすい。
その分かりやすさに徹しているぶん、想像の余地が少なく、物足りなさを若干感じるところが欠点。
なので、ふわふわした映画の余韻を好む人には不満があるかもしれません。説明不足の部分もあります。
が、それでも完成度は高く、この作品の評価はほぼ好みの問題になるんじゃないかと感じています。
お涙頂戴なくカラッとしていて、後味爽やかで笑いがある作品は個人的には大好きです。

見ているだけで高揚感を得られる、しっかりと作られた王道ファンタジー映画は本当に久しぶりです。
宮崎駿が引退したらしたで次世代の監督が良い作品を作ってくれる……。素晴らしいですね。
会社は違えどバトンは受け渡されていくものなのかな、と感慨深くさえあります。
この幸福な循環がずっと続くといいですね。


P.S. バケモノの子展行きたいです。一郎彦の帽子欲しいです(大人サイズ)。2015/7/17

【追記】
{netabare}
ひとつ気になったのは、ケモノらしさについてです。
作中、「ニオイ」に触れられませんでした。ケモノ臭いだとか、人間臭いだとか。バケモノとは言っても、獣人なんできっとケモノ臭がすると思うんです。

バケモノの子を見て後、もののけ姫が無性に見たくなって見てみると、その部分において明らかに違います。
バケモノの子に出てくるケモノたちは臭いも無ければ、見た目以外ほとんど人間と違いが無い。
文明も発達しており、異国風と思わせといて玉かけご飯を普通に食うくらい、生活にも違いが無い。
もしかしたら、生活型が日本人と同じで無臭になってしまった・・・という裏設定が(!)
なんて妄想したりw
熊とか、体臭すごいですし、ニオイの演出も加わるとより面白くなってたんじゃないかと感じました。
九太が人間界に戻ったときに、九太に染みついたケモノ臭さに楓が鼻をつまむシーンとか見たかったんですけどね(笑)
でもニオイに突っ込むと、一郎彦の正体がすぐばれてしまい話がややこしくなるから、なんて事情が見え隠れするのであえて入れなかったのかなー、なんて勘ぐったりしてw

仮に、ニオイがあったら熊鉄のオヤジらしさに、より一層リアルさがあったのかもしれない。
一方で、ニオイなど生臭い要素をなくしたことが、マスコット的な愛らしいオヤジキャラの演出に一役買っているんだろうなとも思うので、結局この作品には「無臭」のバケモノが正解だったんでしょうね。
熊鉄のことを「可愛い」と感じる背景に、実はニオイも深く関係してるんじゃないかと、一人納得しましたw
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

66.1 11 2015年度のファンタジーアニメランキング11位
うたわれるもの 偽りの仮面(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (538)
2713人が棚に入れました
目覚めたのは雪深き山間部。
過去も名も思い出せぬまま彷徨う男に、世界は優しくはなかった。
巨大な牙を持つ生物が襲い掛かり、闇に蠢く異形が男を追い詰める。
そんな男に差し出されたのは白く美しい少女の手……
その手を取った時、物語は始まった。

声優・キャラクター
藤原啓治、種田梨沙、利根健太朗、水瀬いのり、加隈亜衣、原由実、山本希望、櫻井孝宏、佐倉綾音
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

偽りの仮面

『うたわれるもの』の続編らしい。

1話観た感じでは、前作の続きではなさそうなので、
こっちから観始めました!でも大丈夫そうだと思う。

18話辺りから、駆け足感が強く『?』と感じるところも。

25話
{netabare}
出だし5分ぐらい無音声だった。
オシュトルが亡くなり、ハクが成りすますのは、
タイトル通りなんだろうけど、25話使ってそこまでで終わりとかねー
{/netabare}

24話
{netabare}
ラオウvsオシュトルは一応終わったけど、
最後ネコネ泣いていたから、オシュトル死にそう…

25話のタイトル『意志を継ぐもの』だし。

続きはゲームで!かアニメ3期見てね終わり感しか感じない…
{/netabare}

23話
{netabare}
まだ脱出途中…

ラスボスラオウ、黒幕ルルーシュもどきって感じ?
続きはゲームで!って感じで怖いわー
{/netabare}

22話
{netabare}
オシュトル、アンジュ救出からヤマト脱出まで。
救出に1話とか使い過ぎだろうと思いつつ、
デコポンポが落とした、オシュトルの仮面拾ったのは、
絵面的にラオウ?
毒持った犯人分からない、続きは続編ゲームで!みたいな
終わり方だといやだなー
{/netabare}

21話
{netabare}
帝の崩御はトラップではなさそうで、アンジュも、
オシュトルが差し入れたお茶を飲んで倒れると…

毒もったのは、ホモかルルーシュもどきだろうけど、
ハクが仮面付けて出てアンジュ復活で終わるのかな?

トゥスクル侵攻から、大分、駆け足過ぎな気がするー
{/netabare}

20話
{netabare}
トゥスクル強すぎでしょう

クロウが、クオンを『お嬢』と呼び、あの方の忘れ形見的な
セリフを言っていたから、ハクオロの子供は確定かな。

生んだのは誰になるのかが気になる。

ヤマト側は、帝が策を用いるようなことを言っていたから、
次回予告の『崩御』は何かの策なのかな?

トゥスクル側のキャラの方が、個人的に好きなので
もっと出番を増やして欲しいかな。
{/netabare}

19話
{netabare}
アトゥイの娘LOVEオヤジよりも、
トゥスクルに入り、支援物資輸送中、コポポが、
ムックルに気がつき、暴走して後を追っていくのだけど、
うまい具合にムネチカの所に誘導されて、結果として
支援物資が、コポポが積んでいるものだけになってしまったのは、
アルルゥ策士だわぁと思った。

次回は、ベナウィとクロウが登場するみたいなので楽しみ!
{/netabare}

18話
{netabare}
トゥスクル侵攻の理由が特に説明なく侵攻開始…

そして、ハクに支援物資を送る仕事をオシュトルが依頼。
かなり強引な感じだけど、トゥスクルにハクが行ったら、
ハクオロが復活して出てくるとかあるのかなー
{/netabare}

17話
{netabare}
ハクと帝の関係が分かる回。

帝がハクの実の兄で、ホノカとアンジュは、
帝の妻と娘に似せて作られたものとも…

帝は、家族を取り戻せた的な事を言っていたけど、
トゥスクルに赴いていたウォシスが、17話最後に邪悪な顔していたから、
トゥスクルと戦争して終わるのかな?

トゥスクルは、オボロが帝位?についていたけど、
そうすると、クオンは、オボロの娘とかいうオチなのかな?

17話で、アイスマン(ハクオロ)が、帝の回想で出てきたけど、
あっちの計画より、帝とハクは後の人達みたいね。
TVアニメ3期とかすぐにやってくれるとすごく楽しめそうな感。
{/netabare}

16話
{netabare}
仮面の力を目の当たりにして、何もできなく、
自己嫌悪に陥っていたハクを慰める回。

メインは男祭りで、マロロはやはり男色家で生贄はキウル…
男祭りを見た腐ルティエさんは案の定歓喜で昇天。

しかし、ネコネって、キウルの他にミカヅチにも
好意を寄せられていたとは意外。
{/netabare}

15話
{netabare}
デコポンポの話は一切なく、
ウズールッシャとの戦いで八柱将3人、
ライコウの知力、ムネチカ、ヴライのチート戦闘力と、
オシュトルの卓越し過ぎの剣術がメインフォーカスだったと思う。

ハクオロが巨大な怪物になれたみたいに、帝から仮面をもらったもの
全員同じようになれるってことは、帝はハクオロと同じ人間ぽいなーと。
これは、後々わかるのだろうけど、前回助けた剣豪さん親子、
ハクの所に居候決定のようで、なんかワケあり人部屋みたいだーねw

次回は、笑いネタ回ぽいので楽しみ。
{/netabare}

14話
{netabare}
ルルティエとアトゥイが父の代わりに戦に参戦する為、
オシュトル、ミカヅチの隊に合流するべく移動中、
ハク、ルルティエが集落で人質に取られている人たちを
たまたま見つけ、ルルティエの助けたいという願いにハクが、
知恵を絞って全員救出すると中に幼女が…

その幼女は、剣豪ヤクトワルトの子で、
ハクたちの仲間になるーという回だった。

デコポンポは、まだ敗走しないのかー残念。
{/netabare}

13話
{netabare}
ハクが帝から呼ばれ雑談の相手をさせられている状態からスタート。
そこで、ハクの質問の中から、デコポンポだけ世襲で、
八柱将になっていることが分かったw

で、軍議でみんな、デコポンポスルーしているのに納得。
誰か裏切りそうな感じで進んでいるけど、誰か裏切るのかな?

あと、OP/ED変わったけど、後のネタバレ的な絵が多すぎだよぉ…
{/netabare}

12話
{netabare}
ハクが、帝からアンジュ救出の褒美をもらうのだけど、
双子の巫女さんをもらうことに…
ハクハーレムが増えていく~。

そして、ルルティエは、もう腐要員でしか…
さり気なく、女性専門家をディスってるアニメな気もするけどw

前半戦終わったけど、日常回と、
後半活躍するであろうキャラ紹介で終わっちゃった印象。

あと、4話Cパートで、帝が『やっと見つかった』と言っていたから、
ハクとは、何かしら血縁関係とかなのかな???
{/netabare}

11話
{netabare}
アンジュが皇女としての自覚を持つ回

オシュトルとオウギって面識があるようで…
オシュトル苦労してるなーというのが分かる回でもあった。
ルルティエは、もう腐ルティエってのも…

あとは、ヤマト八柱将でも、アンジュに対して、
オシュトルが飴、ムネチカが鞭という役割もね。

次回から、のほほん回から、本筋に移行するみたい。
長かった…
{/netabare}

10話
{netabare}
ヤマトの皇女アンジュが、オシュトルに恋をしたという恋話回
あと、ハクと女義賊との出会い。

オチを腐ルティエさんが、BLでかっさらうとは…
風呂とBLが好きなアニメだなぁとw
{/netabare}

9話
{netabare}
前回の捕物の話とは変わり、トゥスクルからの使者のほのぼの話。

アルルゥとカミュ、ムックルが登場。
クオンが、この2人を姉様と読んでいるから、
前作の誰かの子供の可能性があるのかな?

カルラとトウカを母様とも読んでいたしね。

風呂、専門家ネタがまた出てきたけど、
もはやネタではなく好きで出しているとしか…
{/netabare}

8話
{netabare}
ヤマト八柱将が一人デコポンポの不正を暴く捕物話
このキャラって前作にも似たようなものがいた気が…
悪者はみんなこの絵なのかw

久しぶりに風呂、専門家ネタがない回だった。
{/netabare}

7話
{netabare}
また風呂から?と思ったら…
BL本からだった…ヤマトの皇女お披露目がメインだったけど、
大体、ルルティエ…腐っている…が持っていった感じ。

あと、ハクが、ヤマト八柱将を見た際に、
1人だけ凄く反応したキャラがいたけど、あれがラストに繋がっていく
キャラになるにかな?
{/netabare}

6話
{netabare}
また風呂から…風呂好きだなぁ。

旅籠屋「白楼閣」の女主人から、酒宴に誘われるハク。
その正体は、クオンの育ての親だった。

舞台はヤマトだけど、前作の舞台トゥスクルでの登場人物が
出てきたということは、今後、たまに違うキャラも出てくるのかな?
ちょっと気になる。
{/netabare}

5話
{netabare}
ハクとウコンの風呂から…専門家向けか…

家出少女とそれを追う少年の新キャラが登場。
少年の方はウコンの部下?みたいだけど、
次回以降、この2人が仲間になったようだから、
どんな感じになるのかな?
{/netabare}

4話
{netabare}
帝都に到着して、ウコンの屋敷?へ

ウコンの妹ネコネの登場から、
風呂回へ…
マロロのメイク落としが見えるのはまだいいけど、
ハク×ウコンで、BL想像する腐ルティエさん…
無駄に画力高いのと声いらないから。

そして、翌朝町に出かけるハク+女子3人
ハクの仕事を探すらしいけど…仕事から戻ってきたら、
ネコネが、ウコンから預かっていた手紙を渡すんだけど、
ハクは字が読めない!!
この時点で、少なくともこの国の住人じゃないと気づこうよー
耳もネコ耳じゃないし…
そして、妄想する腐ルティエさん…

ウコンに呼ばれていった場所に行くと、オシュトルが!
オシュトルの正体はウコンだった!
ハクがオシュトルを次回から演じるのかなー

そして、最後は、また風呂で〆
{/netabare}

3話
{netabare}
ウコンからの依頼で、ルルティエ姫を帝都まで送る護衛につくことに。
それで、盗賊に襲われるのだけど、ウコンが元から仕込んでいた策で、
わざと積荷を奪われ族を一網打尽に。

族の中に密偵ぽいキャラがいたけど、今後、仲間になるのかな???

族を掃討した後に、帝都から、前作の主人公登場?と思ったら、
似ている別人らしい。気のせいか主人公に背格好、髪型似ている気が…

ヒロイン枠は、今のところ、マロロと鳥なんだけど、次回予告で、
腐っているシーンがあったのだけど、ヒロインは女の子以外なのかな…
主人公、風呂シーンでクオンの裸見ても無関心だったし。
{/netabare}

2話
{netabare}
クオンとハクが泊まった里にモンスター出ましたー

ウコンという任侠者に手伝ってくれーと言われ手伝い倒しましたーと、
ウコンという新たな仲間?ゲットと、
体力面ダメダメでも、ハクの数字に強く洞察力に優れているという
長所が分かってきた回。

OPで前作主人公出てたから、同じ時期の話なのか、
それとも、後に仮面を付けるのか?どうなっていくのか楽しみ。
{/netabare}

1話
{netabare}
記憶を失い、雪山をさまよっていた主人公が、
クオンという女の子に助けられて、
記憶を失っている主人公に『ハク』という名前を付けてあげるのと、
主人公の得意分野の描写がある1話だった。

まだ1話なのでなんともだけど、ハクという名前は由緒ある
名前みたいな事をクオンが言っていた気がするから、
前作とも関連性があるのかもね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

違うよ、ゲームではもっと良い作品だったんだよ!…と言いたい。

脚本!違う!違うよ!
…と、第一声を書いておきます。
やっと同時進行して終わったので書きます。

ゲーム・Vitaでハードクリア。プレイタイム60時間。wikiなし。トロフィー全回収。全演出回収。

アニメ・全話視聴。


ゲームだけの評価は星5でも良いです。三部作の二部作目になるので最後は繋ぎになってしまうのは仕方ない。それでもゲーム版は良い作品でした。早速『二人の白皇』を買いました。書いたらプレイします。

(※注意・かなり長文になります。長文が苦手な方はお避けになって結構です。)

では始めます。

{netabare}
さて、ではアニメ版を…

正直違いが多すぎる。これが第一印象です。
演出が前後してたりや演出がなかったり、居ない筈のキャラが居たり居なければならない所に居なかったり、謎解きもハクがやらなければおかしいのに他のキャラがやってたり…
挙げればキリがない(-_-;)

でも1番の原因は全25話では表現するのに尺が足りなかった事でしょう。詰め込むしかなかった、なら仕方ないですが、最悪なのは脚本がゲームをやってなく、もしくはかいつまんだだけでただ資料を読んだだけで書いた怠惰な方か…。
だったら嫌だな。

アニメ版は1話目から駆け足だった感じがします。
が、それは仕方なかったのかなと思います。
ゲームと同時進行でやってて、情報量の多さをこのアニメで全て表現は無理だと思いました。
せめて3クール、余裕を持たせるなら4クールは欲しかった。
前半に日常回に時間を使いすぎたのも欠点ですね。
もう後半が駆け足ではなく色々と無視したやり方になってました。
3期(二人の白皇)については後で書きます。

折角なので良い点も書きます。
前作、『うわたれるもの』のキャラが出てくるのはプレイした人には嬉しいですね。ゲームでも出て来ますがプレイキャラとしては使えません。
次に食べ物が美味しそう…♪見た感じは中華料理に近いでしょうね。作法などからも、ね。
薬の調合の仕方や薬膳等も中国系だから場所的にもそこかな。
ケモミミ好きなら堪らない!(私はそこまで(-_-;))
古語も合ってる。
一応ストーリーの最初と最後は合ってる。
個人的にまたムックルが見れた(笑)

キリがないのでこの辺で。

さてストーリーやキャラ等なんですが…

まず
『ハク』がちょっと違う。ダメ男だけど人当たりが良いのは合ってるのだけどなんか違う。

『ネコネ』はキャラは◯。なんですが、クライマックスの大切な部分が全く違うストーリーになってて感動シーンがかなりチープな出来上がりに…残念。

『ウルゥル』と『サラァナ』の登場場所が違う。後、クライマックス付近で行動出来て居るのでそれも原作とは全く違う。これは結構マズイ。

『クオン』は能力解放した場所が違う。これのお陰でストーリーが絶望的。

『マロロ』がもう『おじゃ◯丸』。

『ルルティエ』は色々描写が削られて可哀想なキャラ。BL好きだけが強調され残念ヒロインに。ゲームでは良いキャラなのに…。

『キウル』は原作と違う行動を取らされたり、登場回数もかなり減らされている。残念キャラに。

『アトゥイ』戦闘狂などの描写がない。かなりクセのあるキャラだったのにな。持ち味が…

『ノスリ』『オウギ』はほぼゲームと同じ。ただ旅団配下が登場しない。

『ヤクトワルト』は雑。説明もちょっとしかなく、なぜかヤマト側についている。

とりあえずキャラ違和感などです。


次はストーリー。

前半パートはまぁキャラ紹介などがあるから目を瞑るとして帝都に着いてからちょいちょいBLネタが多い。制作してるときがそんな時期だったのかな?そこに時間を裂くくらいならもうちょっと他のパートに生かして欲しかった。
ゲームではハクとルルティエが新しいお菓子の発明をしたりアンジュの火遊びがどれだけの莫迦な事だったかとか結構面白い事をするのでそっちを使って欲しかった。
BLばかりなとこはネコネの言葉を借りて『不潔なのです…』。

ネコネがサコンの正体を知ってたり、殺戮の描写が生ぬるい、グンドゥルアの猟奇さがいまいち等々は尺の問題と放送の問題があるから仕方ないとして1番の問題は後半のクール。クライマックスのオシュトルの所なんか別物になっている。

ハクの落ち込む理由も違う。アレではミトの話が噛み合わない。原作ではハクはヴライの殺戮を見てではないのです。実は仲間と行った洞窟内の出来事を見て…
これからゲームをやる方が居るかもなのでネタバレは書きません。
多少書くならウズールッシャのヴライの戦闘中にはハク達は全く違う場所に居ます。

次に帝の崩御の詳細が出されていない。
ゲーム版は帝の崩御の理由が出ています。が、アニメ版ではない。アンジュも巻き込まれるのですがそれについては理由が出てくるのに帝に関しては何も。帝の崩御の詳細がなかったのでその後のストーリーに影響と弱さが出てくる。
それからここで居てはいけない『ホノカ』が居て『エントゥア』が居ない。どんどん崩れて行きます。

そして崩御の報せを聞いた八柱将ライコウ・デコポンポがトゥスクルから撤退しヤマトの大門で足止めされずに中に入れてしまってること。
ヴライが良識人になっているのももうアウト…
ヴライが帝を病的な程崇拝していて、だからこそヴライの正義は成り立つし殲滅戦のような猟奇さも納得出来る。が、アレではヴライが…
トゥスクルから帰ってきてからの(20話)からはもう別物です。茶番も多い。正直だれる。

原作の大事な事が1つ抜けている。デコポンポとライコウがヤマトに撤退してる間に実はハク達は野営をして何者かに襲われます。そして今後のキーにもなる『塩』…。なぜこれを外した?

1番許せなかったのはヴライVSオシュトルのバトル。『民を…』と言ってたオシュトルをヤマトの街の中で戦わせる暴挙。居てはいけないウルゥルとサラァナ。オシュトル勝負の鍵を握るネコネがあまり関わらない。ネコネの兄を想う行動やその行動後の絶望、これがゲームではかなりの見せ場なのにアニメではかなりチープ。
そしてクオンの能力発動。これはもう終わったと思いました。あそこで発動させてはいけない。

これでも半分くらいなのですがこれ以上書くとまだ長くなるのでこの辺で。ネタバレは少なくしてます。


さて、3期(二人の白皇)についてなのですが…
正直難しいでしょう。1番の問題はアクアプラスの現社長(2017:7/16現在)の下川さんが『アニメ化は考えてない』とインタビューで言ってる事。
そして『二人の白皇』は外伝にしようとしたネタも全て入れたと下川さん。これをアニメ化するとなるとかなりの量になり今回の『偽りの仮面』みたいに駆け足でも入らないという現実です。
4クール以上となるとアニメ化はかなりの賭けです。1クール放送するだけでも数億円掛かるので。
『偽りの仮面』の円盤売り上げもそこまでなので3期は基本難しいと思ってます。
もうひとつ下川さんが言ってたのは、やはり『偽りの仮面』での表現の違い。アニメとゲームでは違いがあり『アニメ・偽りの仮面』の続きにするか、『二人の白皇』単独で放送に持っていくか、悩んでるそうです。
が、今のところ社長を始めアクアプラスの情報では3期は作る気はないというスタンスです。今後は分かりませんが。
海外の反応は良かったし後は円盤の売り上げやゲームの売り上げが必要ですね。そうすれば変わるかもしれません。
下川社長自身は『やりたい』みたいではあるので。(インタビュー記事より。)

後の問題は声優さんですね。

ハク役の藤原さんは2017:7月から徐々に声優業再開されてるのですが、やはり年齢もあるし無理は出来ないでしょう。
クオン役の種田さんもどこまで回復してるか分かりません。
ウルゥルとサラァナ役の佐倉さんも2017:6月だったかな?3週間くらい入院していたらしいです。理由はちょっと分かりません。
情報として有力なのは、ファンイベントで聞かされてない事をやらされて精神的に…ってのがあるようです。

個人的には3期(二人の白皇)をアニメで観たい気持ちは強くありますが、こういった問題があるので正直…かなり難しいと思います。
私は良い作品のオフラインRPGゲームは完全クリアするまでやるので(二人の白皇)もやりますが、『うたわれるもの』『うたわれるもの 偽りの仮面』とアニメでやったので3期もやってほしいと思います。
ゲームが出来ない人の為にも。


こんなに長文になるとは思いませんでした。
読んで下さった方、心から感謝を…{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

格段に綺麗になった作画を引っ下げて帰ってきてくれました・・・

この作品は、うたわれるものの2期に位置する作品です。前作との直接的な繋がりがないのでこの作品から視聴しても問題はありませんが、前作より登場するキャラがいるので、懐かしさや1期との違いを堪能されたい方は前期からの視聴をお薦めします。

この作品の放送はとても楽しみでした。前作が好きで2巡くらいは視聴していると思います。
その上ヒロインのCVが種田さん・・・と知り俄然盛り上がったのを覚えています。

1話を見て感じたのは作画が格段に綺麗になっている事です。前作が2006年の春アニメで放送されたので今から10年前・・・今前作を視聴しても作画には古さを感じませんでしたが・・・
技術の進歩か制作陣の拘りか・・・それとも両方・・・?
作画の綺麗さには舌を巻きましたが、一番ビックリしたのが物語の序盤で前作のキャラ・・・カルラとトウカが登場してくれた時です・・・キャラデザがムッチャ綺麗になっているじゃありませんか^^
ここで前作の記憶を新たにするためもう一巡する事を決め視聴しましたが・・・その気になれば2クールの視聴だってあっという間です^^
こうして自分的には万全の状態で視聴を進めたつもりです^^

物語は、記憶の無い青年が猫耳しっぽのある美少女と冬の雪山で出会うところから始まります。
その少女は名をクオン(CV:種田さん)・・・各地を一人旅をしていたところでした。
青年は自分の名前すら記憶も無ければ文字の読み書きもできない有様・・・
これでは生活もままならない、という事でクオンが親代わりになる事に^^

親代わりになったクオンが最初にしたのは・・・名を与える事でした。
ちょっと考えたクオンは「あなたの名前は・・・ハク」
この名前は「伝承にまでうたわれし御方の名」
そして見覚えのある鉄扇をクオンはハクに渡すのですが、この時点で前作とどの様に交わっていくのかが半端なく楽しみになってしまいました。

肉体労働は苦手ですが頭の回転が早く機転の効くハクは、帝都でオシュトルに認められてクオンと一緒に働くようになり・・・ここから大きく物語が動いていきます。

クオンの勧めで旅籠屋白楼閣を拠点にしたハクは、オシュトルの命によりドブさらいの毎日・・・^^;
ですが、事あるごとにハクの周りには人が増えていくんです。
ハクは普段から特別何かに打ち込んでいる訳でもなければ、周りに気を遣って手伝ったりする様な事は決してありません。
白楼閣で見かける彼は昼間はお茶を飲んでいるか・・・甘いお菓子を食べているか・・・
夜になると男だらけの大宴会に興じてみたりと、やっている事は青年・・・というよりオッサンです^^;

でも・・・だからこそ彼の周りには何の気兼ねもいらないオーラが立ち込めているのでしょう・・・
そのオーラに惹きつけられ・・・癒される・・・だからハクの周りには人が集まるのだと思います。
元々はハクとクオンの二人だけだったのに・・・ホント大所帯と言っても過言ではないと思いますよ^^

クオン(種田梨沙さん):本作のヒロインでハクの親代わりでトゥスクル出身の彼女・・・前作とも大いに関係しています。
ネコネ(水瀬いのりさん):才女ですが激動を渡り歩くことを運命付けられ・・・
ルルティエ(加隈亜衣さん):気弱ですが家庭的で料理や裁縫を得意としています。
アトゥイ(CV:原由実さん):物腰の柔らかい口調が特徴の彼女ですが、戦闘力の高さが魅力です。
ノスリ(CV:山本希望さん):とんでもない事をやらかした後、ハクがお目付け役となり一緒に居ることに・・・
オウギ(CV:櫻井孝宏さん):ノスリの弟で情報の収集や操作が得意。
ウルゥル、サラァナ(CV:佐倉綾音さん):鎖の巫と呼ばれる双子の能力者。
ヤクトワルト(CV:江口拓也さん):各地を渡り歩く剣豪。
シノノン(CV:久野美咲さん):ヤクトワルトの養女。

回を重ねるにつれハクの周りが華やかになっていったと思っていましたが、改めて見てみると女性の比率がメッチャ高いじゃないですか・・・!?
これにカルラとトウカもいるんですよね・・・カルラのその妖艶さはどこから・・・っていう位魅力的・・・
ハク・・・これは羨まし過ぎでしょう^^;

こんな平和な毎日がずっと繰り返されれば良いのに・・・
でもそんな思いは所詮フラグでしかありませんでした^^;
久々に聞いたトゥスクルの地名・・・帝都に起きた一大事・・・
でも事態はこれだけでは済みませんでした・・・

大粒の涙が・・・嗚咽が止まらない・・・
「どういう事かな・・・?」が唯一発する事のできた台詞・・・
その目に生気は宿っていますか・・・?
それでも約束を違えぬようにと全てを振り払って前を見つめるのですが、その目に映っているのは何だったんでしょう・・・
詳しくは本編でご確認下さい。
最終話・・・私は涙が止まりませんでした。

オープニングテーマは、「不安定な神様」「天かける星」
エンディングテーマは、「ユメカウツツカ」「星降る空仰ぎ見て」
全てSuaraさんが歌っています。
オープニングはどちらも格好よくて好きな曲でした。
うたわれのテーマソング=Suaraの図式が既に出来上がっていると思います^^

2クール全25話の作品でした。前作は2クールで物語に区切りがつきましたが、今回の作品は2クールでも未だ道半ばです。
少し前に3期の噂をネットで目にした事があります。
物語の展開的にも面白くなるのはむしろここから・・・という感じがします。
続編が出るという前提で見ると作画も綺麗・・・キャラデザも綺麗で見どころ満載・・・
物語の展開的には帝都の物語にトゥスクルがどう絡んでくるのか・・・あるのは期待ばかりです。
この作品をしっかり活かすためにも・・・続編の制作を宜しくお願いします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

67.4 12 2015年度のファンタジーアニメランキング12位
リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード(アニメ映画)

2015年10月9日
★★★★☆ 3.9 (177)
1030人が棚に入れました
幼い頃に見た魔女・シャイニィシャリオのショーで魔法の魅力を知り、伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。
騒動ばかり起こしているアッコと、友人で世話役のロッテ、皮肉屋のスーシィの3人は、罰として魔女狩りの歴史を再現したパレードに参加させられることに!
同じく問題児グループのアマンダたち3人と一緒にパレードを成功させなければ、落第決定。
しかしどうせなら、シャイニィシャリオのショーのように思いっきりハッピーなものにしたい!!
街全体を巻き込んだ、アッコたちの魔法仕掛けのパレードが動き出す──。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“THE HAPPYTINE 計画”!魔法が素敵なものだって、みんなに知ってもらいたい♪

2013年に公開された“アニメミライ”の1つ、
「リトルウィッチアカデミア」。

その続編として、
2015年に公開されたのがこの作品です。

DVDには2作同時に収録されているので、
先に前作から観ることをおすすめします。

前作は30分、
本作は1時間ほどの作品です。

ちなみに、2017年のTVシリーズは本作の続編ではなく、
完全新作だそうです。(私はまだ観ていません。)


● ストーリー
魔法学校の生徒であるアッコ、ロッテ、スーシィ。

彼女たちは学校でよく騒ぎを起こしていた。

罰として、ふもとの街で行われるお祭りの、
魔女パレードを成功させるよう命じられる。

魔女パレードは魔女狩りを模したパレードで、
どう見ても楽しそうなものではない。

他の問題児3人が加わり、
パレードの計画を考え始めた。


標準的な映画と比べると短い時間ですが、
中身に関して物足りなく思うことはありませんでした。

テンポよく話が進むので、
むしろこの時間でよかったなと思います。


話のオチからエンドロールへ。

この時の気持ちって映画の感想に大きく影響すると思うのですが、
いやーとても清々しくて満足度の高い終わりでした。


≪ うまい!空気作り ≫

アッコは幼い頃に観た魔法への憧れが強く、
魔法に対して“かっこいい”という明るい印象を持っています。

そんなアッコのキャラが
とても大切にされているような気がします。

様々なハプニングが起こり、
ピンチに立たされることも。

しかし、
ピンチが嫌な緊張感になることは決してない。

なんかむしろ「もっとやれー!」な楽しさw

それはキャラたちが意図的に作った空気なのですが、
それがそのまま作品の空気になっちゃうんですね。

空気がいいから、
この作品に対して悪い印象を抱きにくい。

結構荒いんですけどねえ、脚本w
{netabare}
・街が破壊されているのに演出だと信じてうろたえない市民。
 演出だとしても相当派手に破壊されてますけど…。笑

・すごく難しいと言ってた高等魔法を、 あっさり使えてしまう3人。
 火事場の馬鹿力ってやつ?いやいや無理あるだろ。笑
{/netabare}

魔法っていいな~と純粋な気持ちで憧れちゃいます♪


≪ 物語を動かしていたのは悪ガキたちだった ≫

魔女をバカにしている街の悪ガキたち。

物語が展開するときにまず動くのが、
この悪ガキたちなのです。

メインキャラ以外のキャラが物語の舵を切ることで、
物語に意外性が生まれる。予想しなかった方向へ物語が動く。

この作品の楽しいところの一つに、
そういう“一筋縄でいかないところ”もあると思います^^


● キャラクター
私、どうもアッコが好きになれなくて。

自分がやりたいことしか考えてなくて、
それがすべて正義だと思っていて、
平気で周りを振り回す。

にぎやかで明るいキャラだけど、

周りの人たちの気持ちを何も考えず、
自分がやりたいことだけに一直線な姿には高い好感は持てない…。

夢は思い描く。しかし口だけで自分が努力をすることもない。

何か不都合があれば、
周りのせいにしたり、わかってくれない人を悪く言う。

…ほら、アッコ最低な主人公じゃない?笑


しかし、そんなアッコを私に見捨てさせない存在がありました。
2人の親友、ロッテとスーシィです。

特に終盤のロッテの台詞がすごくて。

アッコ:
「{netabare} ごめんね。いつも自分勝手で、ロッテの気持ち考えないで。 {/netabare}」

ロッテ:
「{netabare} いいの。だからアッコは、私ができないことができるの。前を向いてどんどんやりたい方に進んでいくの。それがアッコだよ。 {/netabare}」

アッコの悪いところを全部わかっていて、
それでも悪いところじゃなくて、よいところを大切にしているんだな~と、

なんて懐が深い人たちなんだと、感激しました。

ロッテのこの台詞が、
アッコというキャラをすべて表している。

「アッコが腹立つんだよね。」なんて思っていた自分は、
なんて歪んでいると思いました。反省。笑


● 音楽
【 主題歌「Magic Parade」/ 大原ゆい子 】

この主題歌好き♪

爽やかでキラキラしていて…
私の好みです^^


● まとめ
私の中では珍しく、
「キャラに好感は持てないが、物語は好き」な作品でした。

手描きのぬくもりが伝わってくる丁寧な作画も好きでした。

アッコの自分押し付けな行動は好きではないけど、
夢を恥じない一直線な姿は見習いたいな。

テレビシリーズも観たいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「忘れないで、信じる心があなたの魔法よ」

この作品は、2015年10月に劇場公開された作品ですが、実はこの作品には前日譚に位置付けられる作品があるんです。
2013年の「アニメミライ2013」で公開され、2014年の1月からレンタルが開始されている「リトルウィッチアカデミア」という作品です。
収録時間は26分なので普通にアニメ作品1話分に相当する尺となっていますが、作品自体が登録されていないので、合わせてレビューを記載したいと思います。

この物語の主人公は、日本人のアッコ…彼女は幼い頃に魔女シャイニィシャリオの煌びやかな魔法に憧れて、魔法家系でもないのにヨーロッパの魔法学校に入学した女の子です。
でも魔法使いを目指す者の多くは魔女の血筋を持つ者が圧倒的に多く、一般家庭育ちのアッコは言わば落ちこぼれ組…
それでも憧れの魔女に近づくため希望を持ち続ける…そんな女の子です。

「リトルウィッチアカデミア」では地下迷宮探索の実習中に、アッコはシャイニィシャリオの杖…シャイニィロッドを見つけるのです…本来そのロッドは2度と輝きを取り戻せないと言われていましたが、アッコがそのロッドを手にした途端にロッドが輝きだしたんです。
でもその実習では、同時に古のドラゴンの封印が解かれていました。
ドラゴンが地下迷宮から地上に出てきた事で学校は大混乱…
ですが、これまでろくに魔法の使えなかったアッコがシャイニィロッドを手に魔法使いの片鱗を見せてくれる…
こんな物語が描かれています。

一方、本作ではアッコ、ロッテ、スーシィの仲良し3人組は、仲が良すぎる反面、自由気ままな授業態度がそのままみんなの迷惑になっていて、その態度は一向に改善されません。
そんな3人に痺れを切らせた先生は、アッコを含めた問題児6人にこの街の伝統行事である「魔女パレード」への参加を命じるのです。
でもその魔女パレードとは名ばかりで、実質的には昔行使されていた魔女狩りを、学校の生徒を魔女に見立てて再現したお祭りだったんです。

「どうせパレードを見てもらうなら、見に来てくれた人が笑顔になれるようなパレードにしたい」
アッコらはこう考えて物語が動いていきます。

作風は、一目見てTRIGGERさんだと分かるくらい、キャラの勢いや躍動感など表現の特徴がしっかり捉えられています。
「お客様を喜ばせたい」
シャイニィシャリオに憧れるアッコなら当然の発想だと思います。

でも何故、魔女狩りを再現したお祭りが街の伝統行事として今でも続いているのか…
学校の外では魔法使用に限界があり、学校の中の様にうまく魔法を使えない事も後押しして事はそんなに単純には運ばないんです。
結果的に実現不可能な議論を堂々巡りさせた成れの果てで待っているのは亀裂しかありませんでした。

でもアッコは諦めません。
何故なら、ここで自分が諦めたらもう「狩られる」事しか選択できなくなるから…
彼女のありったけの知恵と時間を絞り出した「彼女らしさ」は迫力満点です。

それとこの作品の魅力は豊かな表情を持ち合わせたキャラデザだと思います。
TRIGGERさんのキャラは喜怒哀楽が全身で表現されていますが、それがまた作風にピッタリなんですよね…
それに所狭しとキャラが画面一杯使って動き回るのも見ていて楽しいと思います。
「綺麗」とか「汚い」という尺度で測れないこの作品のキャラも十分魅力的だったと思います。

完走して言える事…それは2017年冬アニメで放送予定の「リトルウィッチアカデミア」には十分期待できる、といったところでしょうか…
「キルラキル」でも同じ事を感じましたが、この作品も躍動感が半端ありません。
90分弱の作品なのですが、タイトルに相応しい内容だったと思います。

もし、現在放送中の作品を見て過去作が気になった方は、視聴をお勧めできる作品だと思いました。
引き続き、2017年冬アニメの放送を視聴します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

【これがTRIGGERの本気!】アッコに勇気付けられ、ロッテに泣かされ、スーシィに爆笑させられる【超豪華スタッフによるネ申作画と新しいアニメの作り方!】

2013年度アニメミライに採用されたTRIGGERの短編作品『リトルウィッチアカデミア』の続編で長篇作品です


舞台は魔女を養成する名門、ルーナノヴァ魔法学校
幼い頃に観た魔法ショーへの憧れが忘れられず魔女を目指す問題児、アッコとその友達たちが巻きこすドタバタファンタジー
街で開かれるお祭りのパレードに参加することになったアッコとその友達たち
しかしパレードは魔女狩りを再現した陰険なもので、ルーナノヴァでは忌み嫌われていて問題児達へのペナルティ的な側面が強すぎた
アッコは魔女の悪いイメージを払拭すべく、ハッピータイム計画なる明るく楽しいパレードを企てるが友達たちとの折り合いが付かず一人空回りしていく・・・


上映前に30分の前作が流れ、その後に60分の本作が流れるので全くの予備知識無しでもオーケーb
魔女っ子ファンタジー、歯に衣着せぬキレたギャグ、ドタバタマジックアクションがお好きな方は是非チェックしていただきたい!
新たに加わった新キャラも魅力的でしたが、折笠富美子さんの歌声が久々に聴けたのには思わずホロっときちゃいましたね


監督は超天才アニメーター、弟成こと吉成曜
前作は新人の育成が主目的でしたが(と、いっても凄い新人さんたちでしたがw)今作では現在のTRIGGERを代表する夢のような作画メンバーが一堂に集結
だから作画クオリティはめちゃくちゃ高いです!
『キルラキル』とか好きな人にもオススメします


実は今作が制作されるまでの経緯が特に面白いんです


アニメミライ2013のプロジェクト終了後、YouTubeで公開され大きな反響を呼んだ前作
すぐさま続編が企画されましたが、続編制作を成立するための資金調達としてクラウドファンディングで15万ドルも集めなくてはいけなかったんです
記憶が確かなら、日本のアニメがクラウドファンディングで制作費を調達するのは初めての試みだったはず
YouTubeでの英語字幕付きの公開も助けになり、特に海外からの熱いエールと応募があって目標を遥かに超す62万5518ドルが集まりました


丸2年の歳月を経て完成した本作の先行上映は、あえてアメリカ最大のアニメファンイベント、AnimeExipo2015で行われ4000人の観衆からスタンディングオベーションが巻き起こったそうです
そんなこんなで満を持しての国内凱旋ってわけ


これは本当に凄いことです
【日本のアニメをお金を払ってでも観たい】という海外の方々が本当に沢山いるんだってことをこの作品が証明してみせたわけですよ
と同時に、一見して無謀なオリジナルアニメ企画にもクラウドファンディングという形でなら直接消費者から制作者へエールを送れる、という可能性を示したのです


ずばりアニメの新しい制作スタイルを確立した歴史的一作と言えるでしょうb

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

70.5 13 2015年度のファンタジーアニメランキング13位
純潔のマリア(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (866)
4486人が棚に入れました
百年戦争の時代に生きる最強の魔女マリア。戦が嫌いで、強力な魔力で戦場を蹂躙してきた彼女は、実は処女。恋はしたいけどその先はちょっと怖いお年頃。でも女夢魔アルテミスと男夢魔プリアポスをひきつれ大暴れしすぎたせいで“天上の教会”に目をつけられ、大天使ミカエルに裁定を下された。人前で魔法を使わぬこと、そして、純潔が失われたとき、その魔力も失うこと。お目付け役の美少女天使エゼキエルも加わって、マリアの制約つきの大活躍は続く!

声優・キャラクター
金元寿子、日笠陽子、小松未可子、花澤香菜、小野賢章、加隈亜衣、一城みゆ希、小野友樹、島田敏、小島幸子、三宅健太、櫻井孝宏、花江夏樹、能登麻美子、井上喜久子
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

神は情緒的な博愛・平和主義には寛容だが、ガチの設計主義は許されなかった模様

※AKIRAをつい更新してしまったので、こっちも更新しておこう(長文注意)。

私は、アニメという表現媒体は、その原作となることがある小説・漫画、あるいは類似した表現媒体である実写映画・ドラマなどと同じく、

(1) 人の感情推移を巧みに表現できる点にその最大の長所があると思っていて、
(2) 逆にいうと「正義」とか「平和」とか「真理」といった抽象的な概念の論理的表現には殆ど向いていないと思っています。

そして、こうした (2)抽象的概念は、より妥当な答えを求めようとすれば、論理的な図表や数式等を援用しつつ、分析的および総合的に考察する必要があると思うのですが、
上記のように、(1)感情的・情緒的な表現に強みがあるアニメ・実写ドラマや、小説・漫画といった媒体で、こうした概念を表わそうとする場合、
 <1> 視聴者の側がそうした媒体の特徴を自覚していない限り、
 <2> 制作者の側が意図した通りの、どちらかというと感情論レベルの(=論理的というよりは感情的・情緒的な)結論が、一方的に視聴者の側に押し込まれてしまう、という結果になりがちだ、
・・・と考えています。
→表現媒体のプロパガンダ的利用の危険・・・昔から「プロレタリア文学」とか「反戦映画」とか、その逆の「戦意高揚」目的の映像作品とか、過度に扇情的に特定の問題を訴える「ヤラセ番組」とか、その例は色々ありますね。

そうした意味で、本作は事前情報からは、「平和」(その裏返しとして「戦争」)とか「正義」といった、(2)抽象的概念の是非を扱うタイプの作品に見えたので、余り自分の好んで見たい作品には思えず、放送時は視聴を敬遠していたのですが、本サイト等での評判が良かったこともあり、ひとつの経験として全話視聴してみて、できる限り「哲学的」に(つまり真面目に論理的に)その感想をまとめてみることにしました。
→その結果として、聞きなれない専門用語が多い、アニメの感想としては余り適切ではない読み難いガチガチの考察レビューになってしまうことを予めお詫びしておきます。

※そう前口上を述べつつ、実は私は、自分のニックネームを「ピピンの寄進(西暦756年)」から採っているくらいの重度の西洋史マニアなので、本作のような史実を交えた中世ファンタジーは、十分以上に愉しめてしまいました。
※本アニメ公式サイトの「なぜなに中世事情」(第9~最終話)も何気に非常に充実していましたし。
http://www.junketsu-maria.tv/special/nazenani.php


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================ 純潔のマリア (2015年1-3月) ==============
{netabare}
第1話 完全なる乙女  ☆
第2話 世界に対す ★
第3話 武器ではなく信仰で ☆
第4話 死を思え ★
第5話 勇気を、分別を、 ★
第6話 薔薇の下で ★
第7話 戦争は戦争を食う ★★
第8話 人は、人にとって狼 ★
第9話 一つまみの塩を ★★ アニメで設計主義だと!?
第10話 我憎み、我愛す ★
第11話 愛を望むなら愛せ ☆
第12話 愛は、全てに勝つ ☆ 設計主義は誅滅される!!{/netabare}
----------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.9

OP 「Philosophy of Dear World」
ED 「ailes」


◆視聴直後のナマの感想
{netabare}
・上記の通り、全12話中、★付き(高評価)が8回で、うち★★(優秀回)が2回と、視聴前に期待していなかっただけに予想外に濃い楽しみ方が出来ました。
・特に、第4話(メメント・モーリ=死を思え)から第10話まで、7話連続で★付き(高評価)という、続きがとても気になる展開で、第9話後半の魔女マリアと修道院長ベルナールとの教理・哲学問答には、完全に予想外の驚きを覚えました(※後述)。
・但し、そうした第10話までの盛り上がりを受けてのラスト2話は、些(いささ)か拍子抜けしてしまう安直な結び方となってしまったように感じました。
・もし本作が、専ら魔女マリアと従者ジョセフの恋心の進展を描く通常の恋愛アニメならば、本作のようなハッピーエンドでも自分としてはそこそこ満足していたと思いますが、本作の重点テーマはそこ(恋愛感情の推移を描くこと)にあるのではない(※後述)と思うので、残念ながら本作の全体評価は、3.9と自分としては少し低めの点数に留めることにしました。{/netabare}


◆本作最大の注目点(第9話)

《ベルナール(B)とマリア(M)の牢獄での会話》
{netabare}
M 「何度もいってるでしょ。私は目の前で人が苦しむのが嫌なの」
B 「貴方は神を恐れないのですか?貴方が忌み嫌っていることは神が定めた摂理かも知れないのですよ。」
M 「摂理?人が酷い目にあって死ぬのが?じゃ教えて。神はなんでそんなこと決めたの?」
B 「天の父の御心を理解するなど傲慢です。精霊の言葉に耳を傾け、善良な行いをするしかありません。」
M 「戦場で今にも死にそうな人にそれが言える?」
B 「戦場の死にどんな意味があるか、それは分かりません。しかし、神の愛は普遍です。良き信仰を持てば戦死した者の罪も許されるでしょう。」
M 「何よそれ?どこにでもいるくせに言葉しかくれない神なんて、いないのと同じだわ。」

B 「ふむ?いないのと同じ?神が?」
B 「同じ・・・同じ・・・同じ?普遍はないことと同じ?いや、形相的にそもそも存在しない?」

M 「あんただって結局、教えがどうのって、分かりもしない言葉を人に話してるだけじゃない。本当に神が出てきたら、何もかも一発で片付くのに。」
M 「黙ったままの神を頼るより、地上は私たちで廻したほうが、ずっとマシだわ。」

B 「神の導きのない世界を考える?神を疑う?あり得ない。」
B 「サン・トマ(聖トマス=トマス・アクィナス)は神の存在証明を、いや、オッカムのギョーム(ウィリアム・オッカム)は人間の理性は神を証明できないと。不合理であるからこその信仰なのか?しかしアリストテレスは肯定しつつ否定することはできないと。だとしたら・・・だとしたら・・・」
B 「いや待て。普遍を前提とするのがそもそも間違いだとでもいうのか?」
B 「神を疑い、疑い尽くした後で残ったものが本当の信仰になる。神が残らなかったらどうなる?いや、それは分からない。人が人の世で生きる。普遍をないものとする?エッセ・エスト・デウス(Esse est Deus 存在すなわち神である)。あ、いや、私の認識こそが、存在とでもいうのか?」
B 「認識と存在は神によって、いや、私によって。」
B 「神なき世界を生きると仮定すれば、全て自由意志によって自分を救わなければならなくなる。」
B 「ふぁ?そうなのだ。ペラギウスの教えのように神を崇めつつも自由意志によって自分を救う。より良き繁栄と幸福、魂の安寧を求め、神は我らの認識によって存在する。そうなれば世界は神から人へ。信仰と人の調和へ。」

M 「あんた何言ってんの?全然分からない。この世界で私たちが生きていくために必要なことは。」
B 「必要なことは?」
M 「まず一人で立ち上がることよ。」

B「これは良いクォドリベット(掛け合わせの自由会話)。とても興味深い討議でした。有難う、マリア。」
{/netabare}

《上記会話の含意》
{netabare}
※この会話は、中世から近世初期へと続く西欧思想の流れを簡潔に要領良くまとめています。
※普遍は実在するのか、それとも単に個物が存在するだけ(普遍は名目)なのか、は中世最大の思想的論争=普遍論争で、オッカムは名目論の側の中心人物。
※同じく、①存在論(ontology、神は実在するのか)、②認識論(epistemology、神は実在するとしても我々はそれをどう認識できるのか)、は中世哲学・神学の2大テーマ。
※ベルナールが驚きをもって迎え入れた、神中心の世界観から人間中心の世界観への転換を示す思想的潮流を「フマニスム(人文主義、人間中心主義、いわゆるヒューマニズム)」と呼びます。
※この人間中心主義は、「人間が(神の恩寵によってではなく)、自らの理性を働かせることによって、世界の一切を理解し、設計・構築していく」という発想を生み出します。
(rationalism すなわち、「理性主義」とか「合理主義」と訳される考え方ですが、"世界の一切を設計・構築していく"という発想に注目して、20世紀の自由主義思想家・経済学者F.A.ハイエクはこの考え方を「設計主義的合理主義(constructivist rationalism)」と呼びました→これを更に短縮して「設計主義」と呼ぶことがあります(上記))
※また、こうした人間中心の世界を築き上げる第一歩として、「まず一人で立ち上がること」すなわち「個人主義」の萌芽が示唆されます。{/netabare}


◆本作で示される結末ないし結論

通常の作品ならば、私の場合、意識的に作中人物の何人かに焦点を当てて、その心情を推し量る形の「感情考察」型レビューを書くことが多いのですが、本作の場合は、登場キャラの心情推移ではなく、上記のように「抽象的概念の論理的是非」がテーマとなっている(ように私には思われた)ので、ズバリ、本作で示される結末だけを書くことにします。すなわち、

{netabare}<1> 感情的・情緒的な「博愛主義・非戦主義」を信念とし、地上でそれを実現しようとした魔女マリアは、神の怒りによって最終的にはその魔力を失うものの、(もはや魔力という強制力を失った)一個人マリアとしてその信念を堅持し追求し続けることを許される。

<2> 一方、地上の教会の組織力をもって、理詰めの「設計主義的合理主義」(略して「設計主義」)を追求しようとした修道院長ベルナールは、神の怒りに触れて誅滅されてしまう(聖書伝承にある悪徳の街ソドムとゴモラの“塩の柱”にされてしまう)。{/netabare}

ここで問題は、この結末が妥当かどうか、です。
結果から先に言うと、私はこの結末は意外と妥当だと思いました。

"意外と"というのは、私の事前の予想では、例えばマハトマ・ガンジーの唱えたようなガチガチの「非暴力反戦主義」みたいな考え方が視聴者の側にゴリ押しされるような結末だったら、何だかとても嫌だな・・・という感覚があったからです。
でも幸いなことに、本作の結末はそういうことにはならず、そういう点で、堅実で良質な造りになっていると評価できるのではないかと思いました(私とは全然別の感想を持つ方も何人もいらっしゃると思いますが)。


◆では、何故その結末が妥当なのか?

本作の結末を妥当だと「思った」だけなら、それは単なる私の「感情」に過ぎず、例えば「本作の結末は妥当ではない」と思う他の人の別の「感情」とせいぜい「同等である」としか主張できないでしょう。
だから、ここで、私が自分の思いの妥当性を主張するためには、何よりも、本作の結末を「論理的に見て妥当である」と説明することが必要となります。

<1> まずマリアの結末から ~ 個々人の価値観は多様であることが保障されねばならない《価値多元主義》
{netabare}
・物語の最初の方で、別の魔女がマリアに言っていますが、マリアの《博愛主義・非戦主義》は単なる彼女の価値観に過ぎず、それが絶対に正しい(正義である)という保証はどこにもありません。
・マリア自身も、「なぜそんなに戦を止めようとするのか?」と尋ねられると、せいぜい「私が戦が嫌いだから。嫌いなものを見たくないから」(=要するに単なる感情論)としか答えることが出来ませんでした。
・しかし魔女マリアには、そうした自分の一方的な価値観を強制的に英仏両軍に押しつける強力な魔力がありました。
・そして、その強制力は天上の教会の怒りに触れる事になり、結局マリアは(経緯はどうであれ)その魔力を失うことになるのですが、それでも彼女自身の《博愛主義・非戦主義》という信念そのものは最後まで揺るぎませんでした。
・魔力を失い普通の人間となったマリアは、自己の実力の及ぶ範囲で、今後もその大切な信念を貫いて生きていくことでしょう。
・このように、個々人が自らの価値観を他者から侵されずに貫いていける場の在り方を《価値多元主義》といいます。{/netabare}

<2> 次にベルナールの結末から ~ 組織が一見理詰めであり"唯一絶対"と思われる設計主義に盲進することは許されない《設計主義の否定》
{netabare}
・一方、修道院長ベルナールは、第9話後半でのマリアとの会話を契機として、神の介入のない世界を自らの理性と意思によって設計し構築していく、というアイデア(すなわち《設計主義》という思想)を獲得し、修道院という強力な組織を使ってそれを実行に移そうと画策します。
・しかし、天上の教会の使者・大天使ミカエルは、ベルナールの考えを許さず、彼を誅滅してしまいます。
(マリアが魔力を失うことと引換えに、一個人として自らの信念を貫くことを保障されたのとは好対照)
・ここで現実の西欧近世~近代の歴史を考察すると、近世に生まれた rationalism すなわち、「理性主義」「合理主義」ないし「設計主義」は、最終的には 18世紀末のフランス革命を生み出し、さらに20世紀に入ってロシア革命を生み出してしまいます(※両革命とも、それまでの国家・社会を完全にリセットして、人間の頭で考えた新たな国家なり社会なりを設計・構築しようとしました)
・すなわち、両革命は、それぞれ「ジャコバン党」(フランス革命)ないし「ボリシェヴィキ党」(ロシア革命)という一党派が自らの考える"唯一絶対"の国家・社会の設計図を暴力的に推し進めようとして、未曾有の大惨事をもたらしてしまう、という結末に終わっています。
・本作に示された修道院長ベルナールの到達したアイデアは、人類に様々な進歩をもたらしたのかも知れませんが、それを極限まで押し進めようとすると、現実の歴史にあったような悲劇に到達してしまうことが経験的に明らかなので、やはり《(教条的でガチの)設計主義は断固否定されるべきである》という結論が妥当となると考えます。
※因みに、前記のF.A.ハイエクや科学哲学者K.R.ポパー、政治哲学者H.アーレント等によって、論理的にもガチの設計主義の結末が惨事に至るカラクリが詳細に分析されています。
・そして、組織的で教条的な《設計主義の否定》というこの結論は、個々人の自由な価値観の保障という<1>の《価値多元主義》という結論と表裏一体の関係になります。{/netabare}

・・・

以上で、本作で示された <1> および <2> の結末(ないし結論)が、論理的にもまずまず妥当と考えられることを、不完全ながらも一応示すことが出来たと考えます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 56
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

想像してたよりもずっと良かった!

 あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 凝った演出とかはあまりなかったように思えるのですが、テーマ的には結構面白かったです。
 2015年の冬アニメらしいのですが、全然タイトルに聞き覚えがありませんでした。ややマイナーだったんですかね? まぁ私の情報収集力はお察しレベルなので一概には言えないんですけど、あまり評価が伸びていないところを見るとそんな気がしました。

 「排斥されるべき魔女であるマリアが、神聖視されている処女だった」というところに端を発する物語なんですけど、これについて「下ネタが・・・」という意見もあるようですね。個人的にはこの程度でどうこう言うタイプでもないので、ほとんど気になりませんでした。戦争や宗教を隠れ蓑にした個人の価値観のぶつかり合いこそがこの作品の魅力であって、中でも主人公マリアが社会性を獲得する話、というのが本質なんだと思います。


世界観:{netabare}
 この作品は中世のヨーロッパ、具体的には百年戦争時のフランスを舞台としています。ただ、世界観として大事なのは百年戦争そのものではなくて、当時の宗教事情です。

 百年戦争は14世紀半ばから15世紀半ばに起こりましたが、この前に行われたのがキリスト教による十字軍の遠征です。11世紀末から13世紀始め(広義には15世紀半ば)までです。当初の十字軍はイスラム教から聖地エルサレムを奪還することを目指していましたが、次第にその目的が変容していきます。遠征先が北ヨーロッパや北アフリカにまで拡大していく。この結果としてキリスト教圏が拡大していくわけですが、その裏側では異教徒の弾圧が行われていました。

 というのが前提となるところですね。
 「純潔のマリア」には、ヴァルキリーやケルヌンノスが登場しています。ヴァルキリーは北欧神話の、ケルヌンノスはケルト神話の出身です。いずれの神話もキリスト教化される以前にあった土着の宗教がベースとなっています。作品内でヴァルキリーやケルヌンノスがややおざなりに扱われているのは、衰退しつつある側の存在だからですね。また、これらと同様に弾圧の対象となっていたのが魔女です。

 手元にある書籍には、魔女のルーツは二つあると書いてありました。一つ目は「賢い女」と言われていた人々で、彼女らは薬草の知識を持ち、産婆役であり、生まれた子供の運命を予言していたそうです。二つ目は「社会のアウトサイダーに属する女性たち」で、隣人に疎んじられ、森などの人里離れたところに追いやられていた人々をいうそうです。
 この作品では、前者をエドウィナが、後者をマリアが中心となって担っていたんだと思います。

 なお、当時のキリスト教が他の宗教に対して排斥的だったのは事実ですが、土着の宗教的価値観の全てが根絶されてしまったわけではありません。現在でも残るハロウィンの習慣は、もともとはケルト人が行っていた収穫祭ですからね。
{/netabare}

ジョセフ:{netabare}
 マリアの相手役であるジョセフ、これは「Joseph」のことですね。言語によってはジョゼフやヨーゼフと読むこともあります。ミカエル(Michael)がマイケル・ミシェル・ミハエルになったりするのと同じです。こういう多言語に登場する名称というのは、そのほとんどが聖書に登場する人物が語源になっています。
 で、「Joseph」の引用元というのは新約聖書に登場するヨセフという人物です。ヨセフは聖母マリアの婚約者であった人物で、聖母マリアの受胎告知後に婚姻関係を結びました。イエス(キリスト)の養父と呼ばれる人物です。

 マリアとジョセフ、そしてエゼキエルを交えたエンディングでの展開は、新約聖書におけるマリア・ヨセフ・イエスのエピソードにかけているんだと思われます。
 マリアとジョセフの関係がどう進展するのかは、二人の名前で公式にネタバレされていた、ということですね。
{/netabare}

ミカエル:{netabare}
 作中のミカエルが言う「人間」と私たちが一般に使う「人間」は、おそらく違うものだと思われます。
 キリスト教では、唯一の神様がいて、その神様が自分に模して作ったのが人間だとされています。キリスト(三位一体における神)を信じるものが神の民・クリスチャンであって、それ以外を異教徒と見ています。つまり、ミカエルの言う「人間」というのはキリスト教徒を言うのであって、それ以外を人間とは見ていないように思われます。

 これを察することが出来るのが、ミカエルがマリアから魔女の力を奪う際に言う「慈悲」という言葉です。マリアの意思を無視して魔女の力を奪うことは、現代の価値観からすれば慈悲などは感じられません。ですが、ミカエルにとっては、魔女の力の喪失は異教徒の否定、すなわち、キリスト教徒への改宗に通ずるわけですから、魔女という非人間から人間への昇格を認める極めて慈悲深い行為である、ということなのでしょう。
 このあたりの表現も含めて、時代や宗教への考証はかなり力を入れていたんだと感じました。

 なお、ミカエルに触れたベルナールが変わってしまったものは「塩」ですね。神に反したものが塩の柱にされるという話が旧約聖書に出てきます。ソドムとゴモラの話です。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 この作品を見るに当たって、宗教的な基礎知識が必要なのか?というと、特段必須ではないと思います。知っていればより楽しめるのは間違いありませんが、中心的なテーマはもっとシンプルなものです。
 「厭世的であり、また社会からも隔離されてしまった一人の人物が、人とのつながりの大切さに気づき、社会とのかかわりを回復する」というマリア個人の物語として抑えるべきだと思います。戦争や宗教というのは、自分の価値観が絶対だと信じているマリアが、多様な価値観に触れるための単なる手段に過ぎなかったのだと思います。

 で、終盤の物語の収束の仕方がやや急で、そこが不満点に挙がるかもしれないので、少しだけ補足をしておきます。
 この作品て、戦争や宗教の話がたくさん出てきますが、「戦争もの」や「宗教もの」にまでは足を踏み込んでいないんですよね。「戦争もの」として必要な「戦争が起こった理由」「双方の言い分」「戦争終結への道筋」みたいなものは何一つ描かれませんし、「宗教もの」の常である「理想的な宗教」と「現実的な宗教」の対比もありません。あくまでもマリア個人が「戦争や宗教に対してどう思っているのか」に対して、「それとは違う考え方を持っている人々がいる」というところまでしか描かれていないんです。
 「戦争もの」や「宗教もの」としての決着を期待すると、マリア個人の話に収束するエンディングでのまとめ方には、やや違和感が残ってしまうんだと思います。

 アニメ版視聴後にマンガ版も簡単に読んでみたのですが、マンガ版がほぼマリアにだけ注目していたのに比較して、アニメ版はマリアの対比先も用意していた、というのが一番の違いですかね。ですが、上述の通り、アニメ版も「戦争もの」や「宗教もの」にまで踏み込んではいませんから、「主観進行のマンガ版よりはやや客観に寄ったのがアニメ版」という整理で良いと思います。マンガ版とアニメ版の関係は、「ミクロとマクロ」ではなくて、「ミクロと、ミクロよりはややマクロ」くらいだってことですね。どちらを好きになるのかは嗜好の問題だとは思いますが、私としてはアニメ版の方がより楽しめました。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ゆう。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦いの嫌いな魔女と人の心理を描いた話。

戦争絶えぬ中世・百年戦争中のフランス[注 1]。戦を嫌う処女で聖母の名をもつ魔女・マリアが夜な夜な戦場にサキュバスを遣わし、戦争をかき乱す。

戦争が嫌いなマリアが繰り広げるファンタジー物。

1話感想
{netabare}
魔女達は可愛く描かれているのだがその魔女が戦争で人が死ぬ中笑っているのが気になる、見た目がエグイ魔女ならわかるのだが見た目が見た目だけに変な気分。

宗教のことについて触れすぎていて海外での反応などは大丈夫か?

見た目とは裏腹に魔法の使い方は意外とリアルな感じかな(まぁ魔法がどんなのかわからないけど個人的に)と思った。
{/netabare}

2話感想
{netabare}
2話目でだいぶ面白くなってきた気がする、1話目で下ネタが多いなと感じたが話しの内容などを理解してくるとなるほどと思う部分もある。

途中人間のいざこざに割って入ってあまりにも目立ちすぎたマリア達を止めに入った大天使ミカエルだが正直どちらが天使かわからない、しかし筋が通ってるのはミカエルなのかな。

2話目でこれだけ面白くなってくるとこれからも楽しみです。
{/netabare}

3話感想
{netabare}
マリアは、ミカエルに制裁として処女を失ったと時に、魔女としての能力を失い人間になるという罰をうける。

見張りに天使エゼキエルを付けられるがマリアはミカエルにずっと見張られていないと言うことを知ると普通に魔法をつかっちゃってましたね、監視を付けられているが意味あるのかな?

修道士側の話もこれで終わりと言う雰囲気ではないし気になりますね。
{/netabare}

4話感想
{netabare}
マリアが戦争を止めることにより傭兵達の収入はなくなり近くの村から強奪を行うことや、黒死病で村人が死んでいくなどの話だったがこんな状態になっても神は何故何もしないのか?普通の人なら疑問に思う話です。

黒死病の時もマリアは村を救おうとしていましたが村は魔女を恐れマリアを受け入れようとしていませんでした。

何故己の命を捨てるような真似をしてまで神を信じようとするのか、本当の正義とはどちらなのか考えさせられる話です。
{/netabare}

5話感想
{netabare}
今回はマリアの出番は少なめだったけどやはりあの修道士は策士でしたね。
マリアのことを利用するだけして捨て駒にするというもの。

修道士にとって神も実に都合のいいものに思えます。

ガルファの決闘の時は止めに入るのかと思っていたけど「止めちゃいけない戦いはあるのか?」と考えていた。

決闘はガルファの勝利で終わったがマリアに何か心境の変化などがあったのかな?
{/netabare}

6話感想
{netabare}
ジョセフが今度の戦いだけは止めないでほしいとマリアにお願いしてきたがその理由は今度の戦いさえ無事終われば当分戦は無くなるとの事だった。

マリアは悩みながらも戦いを止めないでいたが目の前の戦と今後の戦を天秤にかけて考えるのはマリアも難しそうでしたね。

エゼキエルがアンからのお願いをマリアに伝えたことにより結局戦を止めに行ったがエゼキエルがいつもとは違う何かを言おうとしていました、多分ミカエルに何か言われたんでしょう。

人間界でマリア達と生活していくうちにエゼキエルの心境も少しずつ変わっていってるようでマリアの事を少し理解し始めて今回は本気で心配しているのかな?
{/netabare}

7話感想
{netabare}
ミカエルの槍であったエゼキエルはどうしてもマリアを貫くことは出来なかったようです、やはり一緒に暮らしていくうちに感情の変化があったのでしょう。

ミカエルは槍であるお前に感情は必要ないみたいなことを言っていたけれど言うこと言うことが大天使とは思えない。

エゼキエルと一命を取り留めたマリアが対面した時マリアは何事もなかったのように話エゼキエルを許しました。
正直どちらが天使なのかわからない。

マリアが戦を止めたことによりアンの父親が帰ることが出来たがおばあさんはどうしたのか?
{/netabare}

8話感想
{netabare}
ガルファは教会からマリアを襲う(レイプ)ように言われたのか?

アンのおばあさんは病気になっていたようだがベルナールは全てをマリアのせいに、マリアがおばあさんに渡していた薬も毒だと言って村人を混乱させていた。

一時期はマリアを利用しようとしていたが無理だとわかれば捨てる様な行為、どこが神につかえる者なのか?

マリアは異端の存在、混乱を招くと言われしばらく家でおとなしくしてるように言われたが果たしてこのままじっとしていられるのだろうか?今度は向こうから仕掛けてきそうな気もしますね。
{/netabare}

9話感想
{netabare}
ガルファがマリアから処女を奪い魔法を使えなくしようとしたがそこまでする必要もなくなぜかマリアは魔法が使えなくなった。

マリアが魔法を使えなくなったことをいいことに教会はマリアを捕まえやりたい放題、マリアを完全に悪者扱い、正直人は信用ならないと思わせる回でした。
やはり純粋なのは子供のうちなんだなと。

ビブがマリアを助けに行こうとした時にミカエルが邪魔をするがビブが言ってたように神の操り人形状態だね。

マリアに色々言われたベルナールが何かに気づいたような感じだったけど狂ってるようにも見えるからどうなるのやら。
{/netabare}

10話感想
{netabare}
神は愛を知らない、愛を作ったのは人だから・・・

印象的なセリフでした。

確かにミカエルの表情など愛以前に感情自体が色々欠けているような感じがします。

おばあさんはやはり友達を裏切ってしまったと悔やんでいましたね、周りからの圧力もあってのあの決断だったのでしょう。

マリアはジルベールの独断で火炙りの刑に、ベルナールは明らかに様子がおかしい何があったのか?

引きこもりだったエドウィナが助けに入ったことでマリアは助かりましたが何も知らないジョセフが危険な目に、次回何が怒るのか。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
今まで以上にジョセフとマリアが性別反対に見えてしまう回だった。

ジョセフ女々しすぎ、いくら魔女でも仮にも魔力を失った女性であるマリアが男性のジョセフを助けに来てジョセフは主人の命令ばかりきいてる状態って。

マリアの方が男らしいよね。

口論してる中どこかでマリアをまだ魔女として見ていたことに気づいていた。

そしてその口論でマリアは自然とプロポーズをしちゃってた。

二人は婚約することになりマリアは魔力を戻し盛大に魔法を使って戦いを止めるがミカエルに呼ばれることに、マリアは嬉しそうにジョセフを彼氏と紹介してたけどどうなるのかな?

今回もベルナールが出てきましたが、ベルナールの言葉を聴いてると一番怖いのは人間だなと思ってしまう。
{/netabare}

12話感想
{netabare}
前回の続き。

ミカエルがマリアに罰を与えようとするが魔女が集結しミカエルを止めようと立ち向かう。

それを見たミカエルは人のマリアに対する反応を聞き裁定を下すことに。

結果マリアは許してもらえることに。

エゼキエルはミカエルに反抗したことにより天に仕えることはできなくなったが人の子として生きよと言われる、そして選んだ母親がマリア。

マリアは人と一緒に生きていくことを選び村人にも無事受け入れてもらったようです。

最後は昔話のような形で終わりました。

ミカエルが笑うシーンがありましたが自分で何か思うことがあったのかな?

色々考えさせられることも多く見ていて面白い内容の作品でした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

70.9 14 2015年度のファンタジーアニメランキング14位
学戦都市アスタリスク(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (1044)
6812人が棚に入れました
“アスタリスク”と呼ばれる水上学園都市“六花"を舞台に物語は展開する。

アスタリスクは、世界最大の総合バトルエンターテイメント星武祭の舞台であり、六つの学園に所属する星脈世代の少年少女がここで覇を競う。

声優・キャラクター
田丸篤志、加隈亜衣、東山奈央、井澤詩織、小澤亜李、内田雄馬、星野貴紀、赤﨑千夏、田村睦心、内山夕実、長妻樹里、杉田智和
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

8話まで視聴済。感想というより疑問点などなど。

原作関連は未読です。

比較して書くのはどうかと思いますが、
方向性・ジャンル・元媒体等々カブると
比べずにはいられないです。

話数が進むにつれて、
個人的に評価が悪くなってる感。
無難な出来だとは思う。
何かあるか?といえば、無いと思う。

8話まで視聴後-----
{netabare}
今回は感想ではなく、ここまで観た上での疑問点などを。
見方によっては揚げ足取りのような内容かもしれませんが・・・。

●ジェネステラ●
社会的な立場や市民権などの一般人との関わりはどうなっているのか?
キリンの父親の件を視聴した時に抱いた点です。
それなりの「力」を持っているのだから、
正当防衛な内容でも罰が重くなるというのも理解できなくもない。
ですが・・・強盗・人質的な流れで責められるべきことなのか?とも。
ましたや一般人とそこまでの差があれば、
迫害・差別がありそうなものだが、その辺りの描写は無い。

もっと根本から言えば『ジェネステラ』の詳細。
『ストレガ』という用語は出てきましたが、
他のそれと何が違うのか?
ストレガ以外にも何か特殊な分類はあるのか?

●フェスタ●
どうやら様々な形式の大会があるようだが、
次の舞台がタッグ戦であること位しか説明されてない。
差別化したいなら、まず軽く説明があっても良かったのでは?

●学内ランキング●
8話まで観て驚いたのは、
アヤトに負けたキリンが一発でランク外という事実。
順位付けの意味が無いような気がするのですが・・・。
普通割り込まれて負けた方が1つ下がるものだと。
明確なランク付けでなく、
おおよそのTOP○人的な表現なら有だと思えますが。

ついでにランキング2位と5位の待遇の差は?
ハッキリ描写は無いですが、
ユリスの部屋はそんなに広そうでは無かったような。
でも会長の部屋は・・・。

●アヤト●
目的・真意的なところはここでは触れずに、
純粋に強さ・能力的な部分について。

封印を解除しないと全力で戦えないというのは理解しましたが、
封印の有無でそんなに差があるのか?

ユリスとの決闘では(多分)封印したままで圧倒している。
セルベレスタ適合時封印は解除してない(と思われる)。
が・・・キリンとの最初の決闘では解除&セルベレスタで負ける。
改めての決闘では普通の武装と絡め手で倒す。

何というか・・・強さの基準というか描写というか、
今一つハッキリしない印象ばかりが目に付くかな。


2クール物らしいので、
恐らくは順次小出しにしてくれるパターンだとは思うのですが、
もう少し先に見せてくれてると分かり易いと思える部分は多いかと。

追記で。
レスターさんが結構良い人になっていて安心しました。
逆に会長と新聞部の兄ちゃんが何者なのか、とても怖いですw
{/netabare}

6話まで視聴後-----
{netabare}
5話から新章突入というところでしょうか。
ここ2話で、また新キャラが沢山出てきました。

キャストがやたら豪華な他校生徒会長達。
技術提携(?)結んだ学校の2人組。
そして学内ランキング1位の娘さん。
ちょっと増えすぎでは?とw

ユリスは頑張ってメインヒロイン的アピールしてるんですが・・・
他の方々の印象が強すぎて、霞んでるかな?
クローディアは相変わらず腹黒・お色気で押してきますし。
新キャラ・キリン(漢字は勘弁)は・・・
色々な意味で13歳という年齢に驚かされますし。
(普通の刀でオーガルクスと決闘~勝利。さすが学内1位。)
幼馴染の青い娘さんは・・・出番の無さが逆に印象的。

ユリスの立場が危ういな~と思いつつ、6話まで観てきました。
{/netabare}

4話視聴後-----
{netabare}
ひとまず、闇討ち事件(でいいのかな?)に終止符。
正直・・・斧の兄ちゃん疑ってました。
でも顛末では結構可哀想なことになってました・・・。

何というか・・・この作品だとツッコミ処を
笑って済ませられないんですよね、何故だか。

武器の性能なのか主人公の腕なのか、
人形をぶった斬っていくシーンでも、
やたらと手応えというか描写というか軽すぎる気がしますし。
お姫様抱えて戦う理由も途中までは納得できますが、
最後までしてないとダメなの?とか。
「お姉ちゃん」とか「為すべきこと」とか、
殆ど「呪い」と変わらないな~とか。

何より、やはり主人公の心情に
全く共感もできないですし好感も持てない。
途中すっ飛ばして結果だけ見せられてる感じしかしない。
まだ「一目惚れでした」と言われる方がマシか。
説明セリフ的な物ではなく、
表情や行動・しぐさなどでも見せて欲しいかな。

2話で出てきた幼馴染ちゃんには、ここ2回では出番無し。
ヒロイン対抗馬というなら、
もう少しタイミングとか順番とかあると思えます。
{/netabare}

3話まで視聴後-----
{netabare}
我が家の視聴環境では『落第騎士の~』の後にコチラが放送になる為、
似てるという噂を聞いた上での視聴になりました。
が・・・思った程は似ていない感。
噂でハードルが上がっていたのでしょう。
設定や展開は近いものがあるのも確かです。

今のところ、これと言って評価できる点が
あまり無いというのが正直な感想です。
唯一あるとすれば・・・生徒会長役で東山さん出演という点。
(生徒会長だけ名前を憶えてますw)

それぞれのの思惑や人間関係は
今後明かされていくスタイルだと思います。
が・・・やはり比較してしまうのが人の性でしょうか。
主人公(現時点で名前を覚えてない)君の
思惑や狙いや感情等々が今一つハッキリしない。
姉探しや復讐かと思ったが1話で否定していたような・・・。
特待生っぽい扱いだが、それまでは何処で何をしていたのか。
「なすべきこと」という言葉に反応を見せるけど
彼自身何がしたいのか見えない。
『落第騎士~』の一輝に比べるとパッとしないな~と感じます。

ところで。
2話で登場した幼馴染さん。
3話で全く出番ありませんでしたが・・・。
チラッとでも出番あげてくださいw
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

呪縛と約束のコラボレーション・・・テンプレ系ですが全然有りッス^^;

この作品の原作は未読ですが、ラノベ原作の学園モノである事・・・そしてCVには加隈さん、東山さん、小澤さんが出演されると知って視聴を決めた作品です。

最近、アニメを視聴する上で出演される声優さんのウェイトが大きくなりつつあります。
「あ、この作品○○さんが出演するんだ・・・んじゃ見よっと^^」
こうして当期に視聴する作品が山のように膨れ上がっているのも理解していますが、大好きな声優さんが活躍している姿(?)は一人のファンとして視聴しておきたい・・・と思っちゃうんですよね^^;
作品には色々な入り方があるので、その一つかと思いますけれど・・・^^;

この物語の主人公は、「天霧辰明流」という剣術の使い手である天霧 綾斗・・・
彼は生徒会長に剣術の腕を見込まれ、星導館学園の高等部に特待生として転入してくるところから物語は始まります。
生徒会長が彼に託した願いは、6校の学校で覇を決する星武祭(フェスタ)と呼ばれる武闘大会で良い成績を納める事・・・という話をまず生徒会長から聞く筈だったのですが・・・^^;

やっぱり「持っている人」の運命って違うんですね^^;
転校初日の朝は、気持ち良いくらいの晴れ渡る空に爽やかなそよ風・・・
そんなそよ風になびいて綾斗の前に舞い落ちてくる一枚のハンカチ・・・
ホント心の中は親切心だけだったと思います。
「きっと困るだろうから返してあげよう・・・」
ハンカチの落ちてきた窓から部屋に入り込んだ綾斗の目の前の光景は・・・(//∇//)

この様な主人公とヒロインので出会いはこれまで何度も目にした光景です。
「何で玄関じゃなく窓から入るの・・・? しかも勝手に・・・?」
とツッコミが頭に浮かんできますが、これもご愛嬌・・・^^;
でも現実で同じことしたら犯罪ですけれど^^;

「ハンカチを届けてくれてありがとう・・・これはとても大切なハンカチで・・・」
と綾斗の行動に素直に感謝したのは、ユリスというこの作品のメインヒロインでした。
「え、それで良いの?」と思ったのも束の間・・・
「でも、それとこれとは話が違う・・・私はお前に決闘を申し込むっ」
こうして綾斗は転校初日に学園の中で決闘する事になり・・・物語が動いていきます。

物語の進展と共に、ユリスの背負っている十字架が明らかになっていきます。
ヨーロッパのとある国の第一王女であること・・・幼い頃共に遊んだ友人がいたこと・・・
そしてフェスタで絶対優勝しなければいけない理由があること・・・
でも明らかになるのはユリスの過去だけではありません。
多少考え方に硬さはありますが、実直で・・・仲間を守るためならどんな敵が相手でも決して身を挺する事も厭わない・・・
最初はツンツンしたお姫様だと思っていましたが、後半に向けて鰻登り的に評価が向上したキャラでした。

キャラ・・・というとどうしても外せないキャラが二人・・・
まず一人目は生徒会長のクローディアさんです。恥ずかしながらエンディングのテロップを見るまでCVが東山さんだとは気付きませんでした(//∇//)
明るく元気なキャラ・・・若しくは恥ずかしがり屋のキャラを演じるイメージがありましたが、こんな妖艶なキャラも演じられたんですね^^
東山さんの新たな魅力を発見したと共に、キャラ自身も底の見えていないので、今後の動向が気になるところです。

そしてもう一人は・・・はい、綺凛ちゃんです(//∇//)
小澤さんのキュートなボイスもですが・・・色々と盛り過ぎで、これって反則じゃありません^^;?
最初に綺凛ちゃんを見た時から予感はありましたが・・・この作品の一推しキャラでした(//∇//)

オープニングテーマは、西沢幸奏さんの「Brand-new World」
エンディングテーマは、坂本真綾さんの「Waiting for the rain」
とにかくオープニングの曲が格好良くて大好きでした^^
今回もレビュー投稿後にアニソンBEST10を作成する予定ですが、間違いなく上位に食い込む曲だったと思います。

1クール12話の作品でした。レビューではキャラのことばかりでしたが、核心である舞踏会もキャラがしっかり動いていて見どころ満載です。
この作品は分割2クール作品と聞いているので、後半戦も目が離せない作品になると思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

うち. さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

主人公最強でヒロインがそこそこ可愛く、作画も綺麗なのでそういった面ではオススメ

主人公の耳が良い系アニメです。
ツンデレっぽい赤髪とお姉さんタイプの金髪とか古き良きラノベの王道を突き進む作風だと思います。
一話は作画が綺麗で戦闘も良く動くので観てみても良いかも?

四話感想
主人公の力が実は封印されていたようでやろうと思えば封印が解ける設定だったようです。
こういったヒロインを抱えながらサクサクと敵を倒す展開はもう清々しいくらい俺最強な特色が出てて、面白いと感じました。ただキャラに愛着が湧いたとか、興味が出てきたかと言われるとそうでもないんですけどね。

物語の方はまあ生徒会長が思ったより黒いキャラで闇の組織の一員という感じがしてヒロインとしてはあんまりなキャラになったのは良かったのか悪かったのか…まだ判断するのは早い気がします。

六話にして魅力が薄まってきた感じがします、敵側が何をしたいのか良く分からないしキリンは良いのですが主人公が鬱陶しくて魅力を感じません。
これまでのラノベアニメとの差別化があまり出来ていないのでこれからは挽回してほしいところ…

十話感想
まあまあ面白くなったかな?という印象。
主人公組以外の戦闘描写は良かったと思いました、主役の戦闘は淡白さが出てしまっていてイマイチ入り込めないのが残念。
私がレスターに感情移入してしまうのは綾人にあまり魅力が無いからでしょう、主役としてどうなんだそれ。
綾人がただ流されているように見えるのは主体性が見えてこないからかも知れません(私の読解力不足もある)

物語の起伏があまりなくて淡々と進行しているように見えるのですが気のせいでしょうか?山場がどこなのかが分からないのが難点なのかも。

年上系ヒロインがそろそろ出てきて欲しいところ。

最終話まで観た感想
 あまり面白くなかったかなぁというのが素直な感想。エロス描写と戦闘描写がどこかのラノベアニメと比べてしまうと見劣りしてしまうのは否めませんでした。

 しかしエフェクト…特殊効果の見せ方というかそういう描写は好きな部類でした、OPとEDも好みでした。
 何というか作画が良いだけに薄味なストーリーなので怒りというか勿体無いと思う感情の方が強いと思わせるアニメでした。

・キャラとか物語について
 それぞれのキャラの背景はまあ一長一短という感じでメインヒロインであろうユリスの戦う理由が孤児院に寄付(あやふや)だったのが個人的には薄味だったかなーという印象(イレーネの目的も金だったので被るというのもある)
 ユリスのハンカチって結局如何に大事なものかという設定も無いみたいですし、なんだったんだあのハンカチ…
 キリン関係の親父の刑期を軽くするとか無実の証明とかは良かったと思います、小物なおじさんも良い味だしていたと今思えばそう感じます。
 綾人の目的が不明瞭なのは頂けなかった…というか明確な目的が無いのはどうかと思いました、姉の失踪理由を探るということも一切していないのはどうなのよと感じました。
 彼のやっていることは戦うことと、女の子を口説くことしかしてません。

・音楽とか作画
 なかなか良かったと思います、特に武器を振る時のビームサーベルみたいな音は好きです。

・総括
 面白さというよりヒロインの可愛さに助けてもらっているアニメだった。戦闘シーンはイマイチな時とまあまあな時があり安定しなかったのも残念でした。
 主人公最強物語やヒロインの可愛さを味わいたい方にはオススメ出来ます、物語の品質は保証出来かねます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

69.7 15 2015年度のファンタジーアニメランキング15位
終わりのセラフ 名古屋決戦編(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (819)
4964人が棚に入れました
新宿攻防戦にて、優一郎はミカエラと再会を果たした。しかし、ミカエラはその身を吸血鬼へと変貌させていた…。「家族」を救うため、仲間を守るため、知識と力を求める優一郎は、吸血鬼を人間に戻す方法を模索すると同時に、鬼呪装備の訓練に邁進する。一方、グレンは暮人に呼び出しを受け、衝撃の事実を告げられる。「1か月後、吸血鬼の本隊が東京に攻めてくる」。暮人は吸血鬼に対し先手を打つため、グレンに名古屋へ赴くことを命令。貴族殲滅作戦の火蓋が切って落とされる!!

声優・キャラクター
入野自由、小野賢章、中村悠一、櫻井孝宏、早見沙織、岡本信彦、石川界人、井口裕香、悠木碧、前野智昭、鈴木達央、鈴村健一、遠藤綾、細谷佳正、種﨑敦美、石川由依、小野大輔、嶋村侑、山村響、永塚拓馬、梅原裕一郎、古木のぞみ、日笠陽子、平川大輔、石原夏織、加藤英美里、星野貴紀
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

相変わらず面白いけど,最後の展開なに!?Σ(・□・;)

第1クールのレビューの方で書いた「吸血鬼ミカエラの物語」を取り敢えず既刊の第2巻まで読み終えたのでこちらのレビューをしたいと思います。
原作のネタバレになるかもしれないので,それが嫌な方はタグを開かないでくださいね。

作画は第1クールに引き続ききれいだったと思います。
あと第1クールのレビューに書いたバトルシーンの物足りなさ。
それもまぁあるっちゃあるんですが,第1クールよりはこちらの方が良かったと思います。
特に第21話,優ちゃんが鬼呪装備本来の力を引き出す薬を飲んで「ちょっと行ってくる」って言ってグレンの元にギュイーンって駆けつけるときとか良かった★

これは作画の評価なのかキャラの評価なのか分からなくて結局キャラの評価を第1クールより下げたのだけど,それは吸血鬼の軍服です。
第1クールとこの第2クールも名古屋入り前は真っ白なクロークを纏っていたけど,名古屋での軍服がなんかかっこよくない。。
季節によって変わるのかなとも思ったけど,むしろ雪が降ってきてる!!
第1クールのが素敵だっただけに残念でした。
まぁそこは原作のデザインをそのまま持ってきてるので仕方ないっちゃ仕方ないんですが…。

次にストーリーです。
物語の面白さは相変わらずだったんですが,最後の展開何あれ。
思ってたのと全然違う方向に行ったのでびっくりしました。
最初に大風呂敷を広げる(回収できるかどうかは置いといて)物語ってけっこうあるかと思うんですが,最後に大風呂敷を広げてそのまま終わるって感じだったので,観終わったあと正直「は!?」って感じでした。
{netabare}まぁ吸血鬼側,特にミカは人間を悪としてとらえてて,でもそれは4年の間になんかいろいろ吹き込まれた可能性もあるから取り敢えずそこはスルーしてたんです。
でも,こうなってくると正義はどっちだ!?そもそも正義とは何ぞ!?
ってなってきて,第1クールの戦い,ひいては優ちゃんが4年間心に抱えてきた復讐心が茶番になっちゃいません!?
比べるのもどうかと思いますが,その点大ヒットした「鬼滅の刃」は人間を食べる鬼は悪っていうのを徹底していてどんな悲しいそして哀れむべき過去があったとしても斬らなければならないっていうのが大きな柱としてあったから観ている方も分かりやすいしきちんと芯が通ってる感じがありました。
こちらもそういうアニメだと思っていたので,仇敵のフェリドくんが実は悪じゃない可能性もあるよとかなると拍子抜けしちゃう。
もう1度言うけど,{/netabare}今までの件が茶番になっちゃうと思いました。
でも,それでも相変わらず優ちゃんとミカの友情は泣きたくなるくらい美しいし,そのフェリドくんやお友達(?)のクローリーくん,そしてグレンや深夜たち脇役が魅力いっぱいでみんながこれからどうなっていくのか気になって仕方なかったので原作を読み漁りました。
結果,さらにカオスになってました(^▽^;)
観終わった直後は正直「第2期やったとしてももう観なくていいや」ってなってたんですが,原作読んでみてカオスではあるもののそれでもやっぱり面白くて読んで良かったと思ったし,第2期も是非やってほしいなと思いました。
でも,まぁカオスです(苦笑)。
アニメが終わってから何年も経っているのに未だに物語の全貌が見えないってどうなの!?って思うし,その登場人物たちにも分かっていません。
なので,第1クールの戦いもそうだし,この名古屋での戦いも「何で戦ってんの!?意味あるの!?」ってなる。
{netabare}それで死んじゃってる人間も吸血鬼もいっぱいいるし,主役の優ちゃんでさえ薬飲んで一旦は死んでるわけで…。{/netabare}
そこは意味あるものにしてほしいです。
ただ,グレンが主役の方の小説を読んで思ったのですが,この原作者さんはこういう作風なんだなって思いました。

{netabare}良かったところとしては,また優ちゃんとミカが再会できたとこですね。
前の戦いではほとんど話すことができなかったので,名古屋ではちゃんと会えて良かったと思いました。
そして,ミカが優ちゃんの血を飲んじゃったのはやっぱちょっと残念でした。
ミカも言ってたけど,ずっとずっと我慢してきたからね。
でも,もう限界だったなら他の人の血じゃなくて優ちゃんの血で良かったなと思いました。{/netabare}
わたしは優ちゃんとミカの子どもの頃の何気ない会話「はい出たアホ発言」とか「優ちゃんはいっつもバカなんだから」「いっつもって何だよ!!」みたいなのが凄く好きなので,ちょっと大人になった2人が話してるのをもっとアニメで観たいと思いました。
原作では
{netabare}「目ぇ覚ましたらいきなり血が飲みたいって襲ってくる奴がいてさ~」
「あ~はいはい ごめんごめん 不味い血飲んでごめんね」{/netabare}
っていう会話があってそこ好きなんだけど,アニメでは削られてたのが残念でした(´・ω・`)
{netabare}「吸血鬼になってからミカが笑うことなんてなかったんだろうな。そして,ミカが笑えるのはもう優ちゃんの前だけなんだな」って思ったら,なんだか悲しい気持ちになったし再会できてほんとに良かったと思いました。
あと第22話でミカが剣を抜いて優ちゃんを引き留めようとしたとき,刀身を持って刃を首にあてる優ちゃんまじでかっこよかったな~。

次にグレン&深夜とクローリーくんの戦いも面白かった☆
それにしても,もう少し吸血鬼の強さ抑えてくれないと戦いにならないんですが…(;・∀・)
グレンも深夜もめっちゃ強そうなのにクローリーくん相手だと遊ばれてるだけなんですもん。
それに,せっかく一旦死んでまで戻った優ちゃんの意味!!
―って感じで…。
それに,深夜がグレンをどんな気持ちで置いていったのか。
アニメだとまぁこの先輩方にも先輩方のドラマがあったんだろうなぁくらいだったけど,原作の小説を読んでわたしの想像以上の絆があることを知って,その後またあのシーンを見て深夜の気持ちを考えたら切なくなりました。
そして,空港で鳴海がグレンを救出しに行くと言い出したことも小説を読んだから「あ。彼はそういう立ち位置の人間なのね」って分かったし,漫画だと深夜はちょっとそこで考えるんですよね。
それがアニメでは端折られてたので,なんか深夜が鳴海に乗っかったみたいに見えてかっこ悪くなっちゃってたのでそれが残念でした。

次に,グレンと柊真昼。
第13話のグレンとシノアの会話を聞いたとき,グレンと真昼にはどんな悲恋があったんだろう??
って勝手にロミオとジュリエット的なもしくは嵐が丘的なドラマを期待してたんですが全然違いました。
今のところ,わたしは真昼が好きになれません。{/netabare}

OPとEDはですねぇ…
第1クールが秀逸だっただけに,今回のは残念でした。
オープニングテーマはどこにでもあるラノベ原作のアニメの主題歌って感じだったし,エンディングテーマはなんか途中で全然別の曲になる感じがあまり好きではありませんでした。
アニメーションも第1クールの方が断然良かった!!
EDの最後の優ちゃんが歩いてきて座るとこはロトスコープなのかな??

総合的には第1クールの方が良かったと思います。
こちらは全然すっきりしない終わり方なので2期やるべきなんじゃないかと思いますが,原作は終わっていない上にもう6年も経ってるとなるともうしないだろうなぁ。
けど,このアニメどちらかというと海外の方に人気がありますよね。
未だに続編を待つ声も日本語以外でSNSとかYouTubeとかで見たりするので,2期作ってほしい(>_<)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

2クールでも尺が足りなかったんじゃ・・・^^;

この作品は「終わりのセラフ」の分割2クールにおける後半パートになります。物語の内容に繋がりがあるので、前半パートを未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

1期で関東の日本帝鬼軍と関西の吸血鬼との全面戦争が勃発し、争いは激しさを増す中この2期で戦いの舞台をそれぞれのほぼ中間地点である名古屋に移します。

この作品の聖地が名古屋になる事に対して小躍りして喜んだ私でしたが、実際に視聴を始めると背景の街並みがボロボロ過ぎて、どこかさっぱり分かりませんでした^^;
名古屋で生まれ育った方なら、分かる場所もあったのだと思いますけれど・・・^^;

種の即続を掛けた戦いです・・・必然的に凄惨になるのも分かります。
それでも随分痛みを伴った戦いでした。
人類は作戦上も耐え抜かなければならない痛みだった訳ですが、画面に映し出されるのは次から次へと命を散らす人々たちの姿・・・そしてこれは吸血鬼も例外ではありません。

ヘリコプターが空を飛んでいるのに・・・最前線で使われている武器は刀、槍、斧、弓などの何世代も前の武器・・・確かに彼らの使用している武器は只の武器ではなく、その武器そのものに力を宿している・・・だから近接戦闘時における威力は増しても痛みを軽減する訳ではないんですよね^^;
戦場の中、相手と対峙する彼らの緊迫感はひしひしと伝わってきます。
でももっと違う攻撃パターンがあると戦術にも厚みが増してより面白くなるのに・・・と思ってしまいました^^;

そして物語の中盤以降・・・個人的には混沌さが一気に高まったように思いました^^;
きっと色々と説明が不足していたからだと思います。

悠木さん演じるクルル・ツェペシ・・・前半から鍵となる人物なんだろうなぁ・・・彼女はどんな立ち回りを見せてくれるのかな^^?
と期待も鰻登りです^^
この手のキャラを演じさせたら悠木さん以外は考えられないくらいのはまり役・・・これだけお膳立てされていたのに・・・どうしちゃったんでしょう^^;
不発だったと感じたのは私だけでしょうか^^;?

でも一番分からなかったのは、百夜ミカエラの言動です。
彼の意志は一貫していたと思いますし、そこは評価できると思います。
でも幼少の頃の思い出だけで動けるほど組織は甘くないと思いますし、第一組織に対する筋が通っていないんです。
ましてや彼の言動を不審に思って発言する人が誰もいないなんて・・・
確かに、終盤に出てきたキャラは半端無かったと思います。
でもあれだけたくさんの人がいるんです・・・一人くらい突っ込んでも良さそうな気もしましたが・・・^^;
人との繋がりが希薄となりつつある中で・・・これはあまりにも希薄になりすぎなんじゃ^^;

自分の気持ちを貫いて、お互いの境界を超えた熱い展開は視聴していて気持ち良かったし、「絶対生き延びてやる」という意志も感じられました。
ミカエラの言動に対して説明不足だと感じたのは私だけでしょうか^^;?

あと個人的に分からなかったのは百夜優一郎がどうやって元に戻ったのか・・・というところくらいでしょうか^^;?

少し気になってwikiで調べてみました。
この作品は、漫画連載直後からアニメ化の話が水面下で動いていて色々下準備が進められていたそうです。
確かに「魅せる」という面においては十分だったと思います。
2クールという枠の制約が無ければ、2期の展開の緻密さで説明不足になることもなく描ききれたのかもしれません。
そう思うと少し勿体無かったですね^^;

オープニングテーマは、fripSideさんの「Two souls -toward the truth-」
エンディングテーマは、やなぎなぎさんの「オラリオン」
前半パートの曲は難解でしたが、今期は絶対間違いないアーティストがチョイスされましたね^^
どちらも曲も抜群でしたが、個人的にはやなぎなぎさん推しでした^^
やなぎなぎさんの曲って・・・何で毎回こんなにも格好良いんでしょうね^^;?
「ひと聴き惚れ」という言葉があるのなら、きっとってこういう事を言うんだろうなぁ・・・などと思ってしまいました^^;

後半パートは1クール12話で全2クール24話の作品でした。
きっと原作を既読の方なら何の問題もなく入っていけるんだろうなぁ・・・と思いました。
彼らの旅は未だ続くようです・・・本懐が遂げられることを祈っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

終わる頃にはシラフ

原作未読 ※基本スタンスは前半1クールめレビューにて


名古屋決戦につきましては古今東西ドラゴンズVSジャイアンツの名勝負以外認めてません。立浪の一塁ヘッスラに魂が震えたあの日。当時の指揮官両名とも鬼籍に入られましたね。そういえば大豊選手も(涙)。すでに歴史の一ページとなった伝説のあの夜。

分割2クールの後半。人間が絶えかけ吸血鬼が跋扈する世界での両者の闘いの物語2クールめです。人間VS吸血鬼の対立構図はそのままに、吸血鬼同士/人間同士、はたまた鬼や天使と入り乱れてのくんずほぐれつの様相を呈し深みが出てくるかどうかの勝負どころです。
槙原 - 斎藤 - 桑田の見事な完投リレーで興奮したい視聴前でした。ドラキチだけどここは譲る(^_^;)


雰囲気は良いです。劇伴いいなと思ったら鶴岡陽太さんをEDクレジットでお見かけしました。そして音楽のみならず終末ディストピア感がよう出てます。ある日突然ウィルスが…の事情もあり、街の建造物が朽ち果て蔦が絡んでるような背景美術。前半クールは新宿・渋谷・表参道、この後半クールでは海老名SAからの名古屋全般と、往時の面影を感じながら見慣れた景色のアナザーヴァージョンを楽しむことができました。
OPはfripSide「Two souls -toward the truth-」
EDはやなぎなぎ「オラリオン」
有名どころですね。OPは人気ユニットの量産品。いつものAメロBメロそしてサビのファルセット。使いまわしのコード進行が悪いとは言いませんが作品から浮いてる気がします。
EDはイントロ勝負の出オチ感。単体曲だとメロディーラインも綺麗なんですが …ファンには申し訳ないけど人気アーティスト使ってみました感が先行してるOPED両曲です。

いいところは良さげな雰囲気ってとこだけかなぁ。
こんな世界だからこその仲間との絆や家族愛。圧倒的な実力差を前にしての絶望感。正邪入り乱れた末の明かされる真相。どれもこれも中途半端でした。


■中途半端な絆や家族愛。絶望

{netabare}軍規守ったところでな世界だし猪突猛進イキリ主人公で活路を見出す意味はあるかもしれない。細かいところですが「敵の名前は覚える必要ないけど仲間はしっかり覚えてるぜ」カチコミ前のちょっといいシーンかのように描かれてたアレが嫌。
敵の情報を軽視して行き当たりばったりで突っ込むのは阿呆といいますか、置かれた状況が状況なんで勝てない戦の勝率を上げるために全方向に力を注いでほしいところでした。絶望要素足りなくて戦闘が茶番のように見えるのです。
イキリの悪い部分なんでしょう。家族だ絆だ言ったところで足を引っ張れば家族は死ぬし絆は絶たれることを想像できないのでしょうか?とつい思ってしまいます。{/netabare}

{netabare}ミカもねぇ。頑なに人間の血を摂取することを拒んでるわけです。人間としての矜持を守りたいからこその行動でした。それで人間好きかと思いきやゆうちゃん以外の人間にはまるで興味なし。忌み嫌ってる節さえあります。
一貫性が無いんですよ。それでも無きゃ無いなりに人間or吸血鬼の葛藤がミカにあれば良いのでしょうが感じられませんでした。勿体ない。{/netabare}


■明かされる?真相

{netabare}明かしてないままぶつ切りエンド。判断しようがない。{/netabare}



繰り返しになりますがダークな雰囲気に心地よく酔えそうな気配はあったのに!そんな作品でした。



視聴時期:2020年1月~3月 地上波再放送

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2020.03.13 初稿
2020.09.28 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

66.4 16 2015年度のファンタジーアニメランキング16位
モンスター娘のいる日常(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (727)
4347人が棚に入れました
人間以外の種族との交流が認められた日本が舞台となる。

主人公・来留主公人(くるす・きみひと)の家に、下半身が蛇のラミア族のミーア、鳥の翼と脚をもつハーピー族のパピ、下半身が馬のケンタウロス族のセントレアをはじめ、個性豊かなモンスター娘たちが続々と転がりこんで共同生活を送るストーリーとなっている。

声優・キャラクター
間島淳司、雨宮天、小澤亜李、相川奈都姫、野村真悠華、山崎はるか、中村桜、小林ゆう、麻倉もも、久保ユリカ、持月玲依、大西沙織、加隈亜衣、大津愛理、瀬戸麻沙美、種﨑敦美
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

えーい、みんなまとめて結婚しちゃえ!

「まともなエロコメディが見たい!」というわけで「モンスター娘のいる日常」です。エロコメディ自体まともじゃないんですけどね。

当初は割と引いてたのに、見直してみるとなかなか皆カワイイですね。(この愛でる気持ちは人間不信の人しか判らないのでは?)
昨今のテンプレアニメのベタで下手なラッキースケベやエロハプニングよりもマシな気がしますし絵もキレイですしアングルもイイです。
放送規制の「白い線」も少なめで裸の胸元はロングヘアーで自然に「先」が隠れているのが多く好感です。
下ネタを連想・妄想させる演出もgood! エロコメ演出のキレもダラダラしてなくてテンポも良かったと思います。
でもエロ耐性のない方々には不快だったでしょうね。

まだ「人」の形をしている人外モノとして妖怪・宇宙人・エルフ・ケモ耳などが多い中、需要が少ないファンタジー系モンスター・半人半獣(妖)モノヒロインというのは初めての試みかな?

どんな経緯で異文化と接触できたのか判らずじまいでしたけど、政府せいさく政策で異文化交流の為ホームステイが行われている現代社会。
手違いとはいえホストファミリーの家に選ばれた来留主公人(くるすきみと)君の家庭は両親が海外赴任で一人暮らしという、ラノベご都合主義を見事に体現している環境。
やってきたのはラミア族の女の子ミーア。それからあれよあれよとやって来るモンスター少女達。一見羨ましいハーレム状態と思いきや彼女たちとの生活は思いのほか命がけ・・・
{netabare}
【来留主公人】
異業種を見ても物怖じしない態度にモンスター少女達が次々と虜に。面倒みがよくて専業主夫。普通顔があるのに劇中ではコメディ用の「丸目」顔がほとんどなのが残念に思います。
ミーアと一緒に居るところを声高々に異業種を蔑視嘲笑するガングロチャラカップルにジャッキー映画ばりに3カット程使ってブン殴るところはイイ「漢気」を見せてくれました。

【ミーア】ラミア(半人半蛇) 公人への愛称→ダーリン
最初に来留主家にやって来た下半身大蛇の少女。見知らぬ土地で不安なのに公人の気心に惹かれてゾッコンに。熱烈にアプローチをするも料理下手が玉にきず。
夢中に恋する姿は可愛いけど、愛情表現としてのハグはもはや「死の抱擁」。大蛇のような下半身で巻つかれば普通は骨折して窒息死しそうなもの。なんとか無事でいられるのはサスガ主人公。

【パピ】ハーピー(鳥人間) 公人への愛称→ご主人
手足が鳥類の女の子。体形も精神年齢も低い人懐っこい妹キャラ。近所の子供たちには人気者だが鳥頭が玉にきず。
猛禽類のような足で公人を掴んで空を飛び回るけど、しょっちゅう落とすことに。普通、高所から落ちると死にます。なんとか無事でいられるのはサスガ主人公。

【セレア(セントレア・シアヌス)】ケンタウロス(半人半馬) 公人への愛称→主殿(あるじどの)
騎士道を重んじる誇り高い家系のお固いお嬢様。仕える運命の主を探すため伝統のシチュエーション「曲がり角クラッシュ」で公人と出会う。けしからん巨乳が走る度に爆揺れするのが玉にきず。
一途に思う気持ちはミーアといい勝負。色恋に不慣れの為、恥じらいでよく公人を蹴とばしたりしますが、馬の蹴りは当たり所が悪いと普通死んでしまいます。なんとか無事でいられるのはサスガ主人公。

【スー】スライム 公人への愛称→マスター
スライムを女の子にするという無茶ぶりキャラ。知能は低いけど素直なイイ娘です。後付け設定なのか、色んな特技を持ち合わせています(擬態・読心術・水の吸収具合でナイスバディにetc)。
よく公人を体にめり込ませ窒息しかけたりしますが、なんとか無事でいられるのはサスガ主人公。

【メロ(メロウヌ・ローレライ)】人魚 公人への愛称→旦那様
気品のある人魚の国のお姫さま。人間社会にも影響力も大きく水族館ではVIP待遇。報われない愛に憧れる「悲恋マニア」で、公人に対しては「正妻」よりも「愛人」の立ち位置を望んでいる。
愛欲渦巻く来留主家に来たのはその為。悲恋の最終手段である「心中」にならないように祈ります。

【ラク姉さん(ラクネラ・アラクネラ)】アラクネ(半人半蜘蛛) 公人への愛称→ハニー
自分の姿が人間にとって奇異で生理的不快に思われているのを理解しているので社会生活の上で人間不信に。公人に対しても当初警戒してたものの、怖気づかない態度や公人の「脚フェチ」が気に入り6番目の入居者に。
ツッコミ役のSっ気お姉さん。自分の糸でSM緊縛したがるのが玉にきず。スーだけが縛れないのでヤヤ苦手。OPではラクネラ自身が緊縛悶絶しているカットがあったのに、本編ではなかったのが残念でした。

その他、中二病デュラハンのララ、ドルイドのキー、MONメンバー・モノアイのマナコ、オーガのティオ、ゾンビのゾンビーナと公人はフラグ立てまくり。{/netabare}
わかっちゃいるけどラッキースケベも外さなくて良かったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どの娘を推して見るか・・・真面目に考えたら結構悩んでしまいました^^;

この作品の原作は未読で内容も全く分からないまま視聴を始めてしまいました。
視聴の決め手は雨宮さん、小澤さんが出演されるということ、のみでした(//∇//)
やっぱり好きな声優さんが出演される作品は見ておきたい、と思いますよね^^;
こうして当期内で視聴する作品が膨れ上がっていくのは認識していますが、こればっかりはどうしようもありません^^;
結果的に殆どの作品で楽しめているので問題無いんですけれどね^^;

物語は、人以外の種族との交流に関する法律「他種族間交流法」に基づき、人以外の人種が地球で暮らせるようになった世界が舞台になっています。
そしてこの物語の主人公は、他種族間交流のホストファミリーとして任命された来留主 公人(くるす きみひと)。
他種族は地球上ではこのホストファミリーの家で生活する事になっています。

こうして1話目からモン娘とご対面するわけですが・・・最初は大きさにビックリしましたが、それはすぐに慣れて・・・慣れるとモン娘が可愛く見えてきました^^
人間とは異なる体型をしていますが、喜怒哀楽を全身で表現するのは、人間も他種族も一緒です。
それにそれぞれの特徴を良く捉えているので、生傷の絶えない主人公には申し訳無いと思いますがしっかり堪能させて貰いました^^

この作品では、以下のモン娘が主人公の家で同居する事になります(wikiより)。
・ミーア(CV:雨宮天さん):ラミアの少女。
・パピ(CV:小澤亜李さん):ハーピーの少女。
・セントレア(CV:相川奈都姫さん):ケンタウロスの少女。
・スー(CV:野村真悠華さん):少女の形をしたスライム。
・メロウヌ(CV:山崎はるかさん):人魚の少女。
・ラクネラ(CV:中村桜さん):アラクネの女性。
・ララ(CV:加隈亜衣さん):デュラハンの少女。

また、主人公の家にモン娘を送り込んでいるコーディネーターの墨須さんの部下にもモン娘が存在します。
・マナコ(CV:麻倉ももさん):単眼種(モノアイ)の少女。
・ティオニシア(CV:久保ユリカさん):鬼人(オーガ)の少女。
・ゾンビーナ(CV:持月玲依さん):リビングデッドの少女。
・ドッペル(CV:大西沙織さん):影人(ドッペルゲンガー)の少女。

沢山のキャラが登場するため、一人一人のモン娘に当たるスポットライトは序盤から登場しているミーア、スー、セントレアなどと他のキャラを比べると差が生じてしまうのは仕方の無いことだと思います。
それでもキャラ単独で登場するシーンが多くないので、沢山のキャラが登場する作品にありがちな「最初に登場したキャラはどこへ行ったのやら・・・」という事を感じる事が少なかったと思います。
その分制作サイドは大変だったと思いますが・・・^^;

私は普段作品を視聴する際、推しキャラを決めてそのキャラ中心に見る事が多いので、今回も推しキャラを決めようと思いましたが、誰を推すか今回は結構悩んでしまいました^^;
爬虫類、鳥類、哺乳類、魚類などとありとあらゆる種族が入り乱れている中で誰を推すか・・・
皆んなちょっとずれているところもありますが、役に立ちたいとか、格好良いところを見て欲しいとか、根が素直で一生懸命なので見ていて微笑ましいんですよね^^

結局雨宮さん演じるミーアを一推し、小澤さん演じるパピを二推しで視聴していました(//∇//)
その他のキャラが嫌いなわけではありません。
ケンタウロス族の誇りを必死に守ろうとするセントレア、何気に皆んなのピンチを救っているスー、殺伐とした雰囲気の多い中、おっとりとした感じのメロウヌ、お姉さん的立ち回りで推しの候補に入れようか最後まで迷ったラクネラ、終盤に登場したララの恥じらいの顔も気になりましたが、序盤から何度も見て来た一生懸命の回数が決定要因になったようです^^;

オープニングテーマは、ミーア、パピ、セントレア、スー、メロ、ラクネラの「最高速 Fall in Love」
エンディングテーマは、墨須 with MONの「Hey!スミス!!」
オープニングはヒゲドライバーさんが作曲されています。それを知って速攻でゲットしちゃいました^^;
どちらも車の中で聴いています^^

1クール12話の作品でした。冒頭にも記載しましたが、モン娘達の可愛らしさと一生懸命をしっかりと堪能させて貰いました。
この作品で一番気になっているのが今後の動きです。
最終話16分15秒くらいの場面でとあるお店の看板が映し出されているのですが、何やら書いてあるんですよね^^
これに関する事実関係は不明ですが・・・もう期待しちゃっているのが本音です^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

うち. さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

モンスター娘のいる日常に私は行きたい(切実)

ヒロインが「モンスター娘」の珍しい(?)アニメです。
よくある主人公がモテモテで女の子にチヤホヤされる展開ですが、ヒロインは全員人間ではなく外見がモンスターなのが特徴。
下半身が蛇とか馬とかのヒロインが出てきますので人を選ぶでしょうね、気にしない方はハーレムラブコメとして認識すると思います。

二話感想
今回はハーピー、ケンタウロスが出てきましたね
ハーピーは比較的馴染み深い存在だと思います、主にカードゲームやテレビゲームによく出てきますからね。
ケンタウロスはハリーポッターに出てきたかな?(曖昧)
パピは漫画より可愛さが増していた、やはり動くと違いますね…声優効果もあります。
セントレアは動くたびに「パカッ」と馬特有の音が聞こえるのが面白いですね。
主人公が料理(家事)を手伝って欲しいと言っていましたがミーアとセントレア以外の料理の腕は判明していません。

五話感想
 人魚のメロが参戦しました。
名前の由来はおそらくメロドロマから。
人魚は極めてポピュラーな存在だと思われます童話「人魚姫」やディズニー映画「リトルマーメイド(実は観たことが無い)」等です。日本のアニメでも「むろみさん」とか「瀬戸の花嫁(観たことが無い)」等あります。
 人魚…セイレーンの類もまた人に害をなすモンスターとして登場したりしますが、主に船に乗っている人を歌で魅了し海に落とし…といったとんでもないことをする種族です。
 人魚は魅力たっぷりな存在なので是非調べてみてください。
・SIREN2
PS2のソフト、人魚っぽいキャラが出てくる。一部の物語は人魚姫をモチーフにしている。
・ウィッチャー3
PC,PS4のゲーム。敵としてセイレーンが出てくる。泳ぐ上に空も飛ぶ。敵としてモンスター娘も登場する(生かす選択も出来る)
・ハリーポッターと炎のゴブレット
映画。セイレーン(人魚?)が出てくる、怖い。
・陰陽師(一作目)
映画。人魚の肉を食べた女性役に小泉今日子さんが出演してます。

…人魚が好意的な待遇の作品ってアニメくらいしかない?

六話感想
ミーアの脱皮回とパピの産卵回でした、遂にヒロインが脱皮とか産卵する時代がやってきたのですね…

七話感想
遂にMONが出てきました。
抜け穴だらけの他種族交流法を補う為に他種族のみで結成された部隊です。

 マナコ…銃撃を外したのは夜目が効かないからだそうです。
モノアイ族で視力が凄く良い。妖怪か何か?いやめっちゃ可愛いキャラですよ?
 ゾンビーナ…ゾンビです(知ってる)おそらく世界で一番有名なモンスター属性。
 ティオニシア…オーガ族、バストサイズはなんとPカップ!良い子はGoogle画像検索しちゃダメだぞ!良い子はオーガ 姫騎士とか間違っても検索しちゃダメだぞ!
 あんまりオーガ族というのは良いイメージが無いですね…ティオは可愛いよ!
 ドッペル…ドッペルゲンガー、正確にはシェイプスター(変身能力者)なのですが結局のところ本当の正体は不明。

八話感想
スーの声真似と動作真似が良かったですね。
あそこはアニメだからこそ栄えました。
物真似と言えば「ほぼ毎日◯◯!生っぽい動画」でドッペルが全ヒロイン(MON含む)の物真似をしましたがあれはびっくりしました…脳が混乱しました。

しかしあのDQN(常識を弁えない連中の指すネットスラング)のカップルは瓜二つの他人なんでしょうか、彼らもドッペルの可能性が…?

 最終回まで観た感想
 ヒロイン全員モンスター娘という異色のハーレムアニメでした。
やたら作画が良くてキャラデザも高品質でエロスも完備している良作だったのではないでしょうか。

 一話の時点で人を選ぶと思います、蛇とか蜘蛛が本当に生理的に無理な人は果たして視聴出来るのかが疑問です。そういった面ではこの作品は視聴者にとっては狭き門なのでしょう…
 やはり私にも苦手なキャラというかキャラの特徴があるのですが、メロの鰓が苦手で理由は「めくったらグロそう」というアホの理由です。でも好きなキャラですよ?

 エロい時はとことんエロく可愛い時はとことん可愛く描写されていたアニメだと確信しています。

WEB漫画時代からアニメ化するとは夢にも思いませんでした、スタッフに賛辞の言葉を贈りたいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

61.3 17 2015年度のファンタジーアニメランキング17位
空戦魔導士候補生の教官(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (653)
4390人が棚に入れました
カナタ・エイジは、学園浮遊都市の一つ《ミストガン》の空戦魔導士科(ガーディアン)本科2年に所属する生徒であり、特務小隊(ロイヤルガード)S128小隊にも所属している。しかし、ある理由によってエイジは後方支援科(ロジティクス)の手伝いをするなど、本来の任務と小隊の仲間から距離を取っていた。そんな折、エイジは同じ小隊の仲間であり同級生であるクロエ・セヴェニーから、ある小隊の教官を務めることを要請される。


声優・キャラクター
松岡禎丞、山本希望、東山奈央、野水伊織、種田梨沙、山田悠希、藏合紗恵子、柿原徹也
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

教えてやるよ―― 最強への方程式ってやつをな

タイトルの響きから壮大で硬派なアニメを想像して観ることにしたのですが,キャラクターデザインを見た瞬間に違うということを悟りました。
後から調べたら案の定ラノベ原作でした(^-^;
でも,一応最後まで観たのでレビューします。

当時あった石鹸枠と呼ばれたアニメと「魔法科高校の劣等生」を足して2で割ったような話です。
キャラクターデザインや魔甲蟲と呼ばれる敵と戦う辺りは「銃皇無尽のファフニール」みたいな感じだし,ランキング戦で他の小隊と戦う件なんかは「魔法科高校の劣等生」味を感じました。
そういえば,タイトルの付け方も「魔法科高校~」っぽいですね。
主人公が男子で,可愛い女の子たちに囲まれているハーレム状態なとことか,女の子のテンプレなキャラ,彼女たちのやたら露出の多いコスチューム,お風呂シーンとか色々これでもかとテンプレを詰め込んだようなアニメだと思いました。
ヒロインのミソラなんかは「精霊使いの剣舞」に出てたよね(笑)!?

主人公のカナタは何で周りから裏切り者って呼ばれているのか分からなかったし,裏切り者呼ばわりされてる割には堂々としてます。
彼が教官として,ミソラ,レクティ&リコの3人を教えることになるのだけど…彼まだ17歳なのよね。
フロンという空戦魔導士科長も存在するんだけど,彼女も空戦魔導士科本科3年の18歳ということらしいので学生なんですよね。
生徒会長みたいなもの??
この子たちをちゃんと教える大人の先生方は居ないわけ!?!?
3人が本当に落ちこぼれならちゃんとした先生をつけた方が良いと思うのだけど…。
カナタだって自分の勉強とかやらなきゃいけないことないのかな??
ミソラ,レクティ&リコは高校生くらいに見えるけど,実際は14歳で予科2年ということなので中学生くらい。
なんかめっちゃロリってるな。。大丈夫かな??
予科生の落ちこぼれちゃん達はけっこう痛い子達です(^▽^;)
{netabare}ミソラは上記の通りだし,初め食パンを食べながら登校する件は古典的すぎて笑ってしまいました。
しかも,ジャムの付いてる面がカナタの股間の部分に…ってマーフィーの法則かよ!!
リコは「女神なわたし」とか思いっきり中二病を発症しちゃってます。
レクティの「○○さんですぅ~。」みたいな話し方は1番痛いと思いました。
彼女はカフェでウェイトレスをすることになるんだけど,メイドじゃなくてウェイトレスね!!
他の人たちは普通のカフェの制服を着てるのに彼女だけ露出多めのひらひらフリフリの服で…それって良いの!?
そして恥ずかしくないわけ!?!?
本科生に対してはそこまでイライラしなかったけど,カナタが何で裏切り者と呼ばれてるのかが分からなかったので,ユーリに対しても「はぁ!?」って感じだったし,クロエやロイドは事情を知ってるならユーリやみんなに教えてあげれば良いのにと思いました。{/netabare}
正直,物語の作りやキャラクターに目新しさがないので安っぽく感じたし,敵である魔甲蟲も気持ちが悪いだけでどこから何の目的でやってくるのか分からずじまいで,これからも彼らは魔甲蟲と戦い続けなければならないので何の解決にもならずに終わってしまいました。
{netabare}一応,あのユーリのストーカー事件だけは解決した…のかな。
キメラ・アンタレスの目みたいなやつは相変わらずまだあるんでしょうに…。
このアニメでは予科生の落ちこぼれ3人組がメインヒロインなのだろうけど,ストーカー事件においてはユーリがヒロインっぽくてそこら辺定まっていない感じがしました。
ユーリはあんだけカナタに反発してたのに実際は好きだったのか!!
カナタは鈍感すぎない!?!?
ユーリ「2人っきりで」ってはっきり言ってるじゃん(-_-💢)ってイライラ。
わたしはこの2人がくっつけば良いのにと思いました。
お願いだから予科生の3人には手を出さないでほしい。
カナタとユーリがくっついてくれたらもう少しだけ評価あげたのにそうはなりませんでした。{/netabare}

全体的にツッコミどころが多くてイライラしたアニメでしたが,唯一良いなと思ったのはEDです。
OPの最初にチラッと出てくる空の映像がずっと続いているアニメーションでメインキャラクターの4人が空を飛んでいます。
曲も最初は特にどうとも思いませんでしたが聴き続けていくうちに良い曲だと思うようになりました。
OPはいかにもラノベ原作アニメの主題歌って感じでそこら辺にいくらでも転がってる曲調なので好きではありませんでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
ネタバレ

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

スポ根ドラマを現代のラノベテイストで焼き直し

その昔、トレンディードラマと言うものが流行る前に、大映あたりが制作された
高校運動部を舞台にしたスポ根ドラマを現代のラノベテイストで焼き直した
とても拙い物語の作品。

人類の存亡をかけて異形種と戦争をしている雰囲気がまるでない、とてもぬるい
世界観であまりのもラノベ的テンプレなストーリー進行が退屈で第1話の
開始5分後ぐらいから1.5倍速でまわしてしまった。
早々に切っても良かったのだが、ラノベ特有の極端なハーレムストーリーに
ならなかったので一応完走は出来たのだが、最終話まで1.5倍速の時短再生で
流し見しつつの視聴になってしまった。
序盤から感じていたのは冒頭でも書いたが、昭和50年代あたりで製作された
スポ根物の漫画やドラマに初期設定が良く似ている事。
問題児ばかりの弱小運動部に過去そのスポーツで名を馳せた教師が赴任を
してきて顧問に就任した途端、学校側から次の大会で優勝できなければ廃部に
すると通告され、紆余曲折しながら最終的に教師も問題児たちも解り合い
一丸となり優勝を目指していく。
本作のあらすじを高校部活のスポ根物の設定で書くとこんなとこかな(笑)
今現在、活躍している作家の作品で過去の作品に似ている所はたくさんある
そうなってしまう事は致し方ない事も解るし否定はしないが似せるなら似せるで
2番煎じやパクリと言われない執筆者独自の表現で創作してほしい。
本作の舞台設定が高校の運動部だったらら差ほど違和感はなかっただろうが
人類の存亡をかけて戦っている軍の教育小隊だとどうしても違和感が出てしまう。
そういう意味で本作は基本設定のTPOが間違っていたのだろうな
まぁ軍事物に疎い作家が中途半端に戦闘物に手を出すと違和感だらけの
物語になってしまう典型だと思う。
たとえば、
{netabare}空戦魔導士課長の立場で考えれば、人類存亡の戦いの中、戦力の
底上げをする事が任務だと思うが、意味もなくE601小隊を目の敵にして行く
主人公カナタ・エイジに思う所があるのであれば自分の職権を使い本人に
対して事を起こすか遠ざければ良いだけなのに{/netabare}
とても不自然なストーリー進行になってしまっている。
また
{netabare}人類最後の砦としている空中都市がいとも簡単に空襲され
教育課程中のE601小隊がいきなり最前線に実戦配備されるあたりは
{/netabare}
「ああ!こいつら負け戦だな」と言う
感想しか出なかった。
それに数で圧倒している魔甲蟲との戦闘シーンも緊迫感がまるでなく、その割には
貧相な戦術しかない描写には残念としか言いようがない。

作画も全体的におざなりで、アクションシーンはまったく迫力がない構図と
動きで1.5倍でまわしてもまったく違和感なかったのはどういうことなのか謎だな
まぁ日常シーンも差ほど違和感はなかったが、ラノベ原作らしい
意味もなく入浴シーンや着替えシーンは無駄に多かったのは残念だな。
正直、本作の女性キャラのキャラデザにはあまり心惹かれなかったが、唯一
良かった点は女性キャラの衣装デザインは凝ったデザインで個人的には
良かったと思っている。
もう少し肌色が少なければもっと良かったかなと思ってはいるけど

今回出演している声優陣に関しては、ほとんど1.5倍速でまわしてしまっているので
演技が安定している松岡さんや東山さんなどはともかく、本作に関しては
特に言及しないでおこうかな(笑)

結論として、本作は創作の入り口である主題の構想などの原案の時点で
間違った選択をしているので、ファンタジーの戦闘物としては、どうしても
ストーリー構成が不自然に成っているのは残念。
ただ、ラブコメとしては極端なハーレムストーリーではなかったのは評価できるが逆に
メインのヒロインが誰になるかがはっきりしないので、軸がぶれているのも事実。
円盤の売り上げ次第では2期もありうるが、現状の物語の延長線だったら
視聴することはないだろうな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

テンプレであろうと何であろうとこの手の作品は好みです・・・^^;

この作品の原作は未読ですが、この作品も出演される声優さんの配役を見て視聴を決めた作品です。
タイトルにもなっている「教官」役に松岡さん・・・^^
この時点で主人公最強系の作品だと勝手に想像していましたが・・・予想を裏切りませんでしたね^^
そして他に出演される声優さんは山本希望さん、東山奈央さん、野水伊織さん、種田梨沙さん・・・
「やった、東山さんと種田さんの組み合わせ^^」
もうこの時点でテンションMAXです(//∇//)

この物語の舞台は、魔甲蟲と呼ばれる存在に人類が地上を奪われ、住む場所を空の上に変えた世界・・・人類はこの空の上で唯一魔甲蟲と戦える「空戦魔道士」の育成に力を入れていました。

松岡さん演じるカナタ・エイジは、魔甲蟲と戦うエリート集団S128特務小隊のエースとして活躍していましたが、ある日を境に戦闘に対する態度が変わり・・・いつの間にか周囲から白い目で見られるようになっていました。
そんなある日、カナタは小隊の教官を任命されることになります。
その小隊はE601小隊・・・今までの模擬戦でただの一度も勝利したことの無い最弱集団だったのです。
こうしてE601小隊とカナタが出会い・・・物語は動いていきます。

小隊は3名で構成されており、E601小隊は以下の3人が所属しています。
ミソラ(CV:山本希望さん):赤の長髪が特徴的な小隊のリーダー。
レクティ(CV:東山奈央さん):金髪碧眼のロリ巨乳です。優しい性格ですが気弱な面も・・・
リコ(CV:野水伊織さん):自称「女神」を連呼するだけあって絶世の美少女だが性格は気まま・・・
因みに今回の推しはレクティ・・・決め手はキャラ立ちと東山さん(//∇//)

このE601小隊・・・全戦全敗するだけあって蓋を開けてみたら問題だらけでした^^;
やる気はあるけれど空回り・・・
武器が上手く使いこなせない・・・
人の目が怖い・・・
女神なのだからそんなことはする必要がない・・・
模擬戦における戦術も無くそれぞれが勝手に行動・・・

こんなダメダメな小隊にカナタがどの様なメスを入れるのか・・・それがこの作品の見どころです。
カナタは彼女達に飄々とした表情で「ん?言わなかったか?」と色々な特訓を施します。
でもその飄々として表情の裏には、教官として・・・先輩空戦魔道士として・・・魔甲蟲と戦っても決して死なない小隊を目指す熱い思いが溢れていたのでしょう・・・
一見「これで強くなれるの?」と思える事もちゃんと先に繋がっているんです^^

初めはカナタを受け入れ難かった小隊の3人・・・教官はその立場を利用して私達にあんな事やこんな事をさせているのでは?
しかもその教官は周囲から白い目で見られている人だし・・・
時々突拍子の無い注文をするカナタは、3人にとってそう映る事もあったかと思います。

時には誇りを汚したかもしれない・・・
時には冷酷だったかもしれない・・・
それはE601小隊に欠けている大切なモノに気付いて欲しい親心です・・・

E601小隊とカナタが共に過ごした時間・・・この時間は小隊にどの様な変化をもたらすのでしょうか^^?
気になる方は本編でご確認願います。

オープニングテーマは、野水いおりさんの「D.O.B.」
エンディングテーマは、la la larksさんの「ハレルヤ」
個人的には躍動感溢れるオープニングが大好きでした^^

1クール12話の作品でした。
作品はテンプレだったかもしれません・・・魔甲蟲を剣で切り倒すとき、もっと勢いが無いと切れないんじゃ・・・それじゃ撫でてるだけなんじゃ・・・?
と視聴していて気になったところが無いわけではありません。
でも、良いんです^^
最強系の松岡さんはやっぱり格好良くて・・・登場する女の子は皆んな可愛い・・・おまけに大好きな声優さんも出演してくれている・・・私にはもうこれだけで十分でした(//∇//)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

63.3 18 2015年度のファンタジーアニメランキング18位
ユリ熊嵐(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (536)
2348人が棚に入れました
あるとき、宇宙に浮かぶ小惑星「クマリア」が爆発し、その破片が隕石となって地球に降り注いだ。するとこれに呼応するように地球上の全てのクマが突然凶暴化し人間を襲うようになる。かくして人間とクマの長い戦いが始まり、いつしかお互いへの憎しみから両者を隔てる「断絶の壁」が築かれた。
そんなある日。人間側にある「嵐が丘学園」に百合城銀子と百合ヶ咲るるという2人の転校生がやってきた。だがこの2人、その正体は「断絶の壁」を越え、人間に化けた「人食クマ」だったのだ。

声優・キャラクター
荒川美穂、生田善子、山根希美、諏訪部順一、斎賀みつき、山本和臣、小倉唯、悠木碧、小清水亜美、日笠陽子、井上喜久子、遠藤綾
ネタバレ

麦茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Viens avec moi. J'ai besoin de toi.

[ 熱中度:S ] [ 好み:S+ ] [ 楽しさ:S ] [ 面白さ:S+ ]
[ 作画:S+ ] [ 演出・絵コンテ:S ] [ キャラ:S ] [ 音楽:S ]

<< 総合評価:S >>

いや~本当に面白い作品って言葉で表現できませんね。

前半の少し抽象的なストーリーの掴みとは打って変わって、後半はわかりやすく王道的に話を進めてくれました。その点、先のレビューでも書いた通り視聴者に歩み寄ってくれている配慮を感じますね。
ただ、それが逆に言えば直球すぎというか、前半をあれだけ想像力豊かに脳みそを使わせてきたのだから、後半ももう少しひねりを加えても良かったんじゃないかな~と贅沢なことを思っちゃったりもしますw あ、決して今回のストーリーが悪かったというワケではありませんよ!

1クールの中に作者のやりたいことを詰め込みに詰め込んだ、本当にカロリーの高いアニメでした。
やっぱり何を魅せたいのかがちゃんと伝わってくるアニメって強いですね~。

ここまで感動したのは久しぶりです。ありがとうございました。



【僕もキスがもらえない】(2015.2/2)

「私たちは、最初から貴方たちが大キライで、最初から貴方たちが大スキだった。」
「だから、本当の友達になりたかった。あの壁を越えて・・・。」

今回はルルの過去回想。銀子と出会って、断絶の壁を越えるまでのお話。
裁判長の語りと紙芝居的な演出も交えながら寓話チックに物語を進めていく第4話。

前回までで既に卓越された語感センスにニヤニヤしっぱなしでしたが、それは今回も止まらず、「デザイア~」とか「じゃまじゃまジャマー」とかされた日にはもうね、完全にね。あ~ほんとルル可愛いなチクショウ!
でも凄いのはこの語感センスだけでなく、映像表現もさることながら、一話の中でかなり練り込まれた最高のストーリー。まさかこの作品で泣くとは思いませんでした。

今回はそこらへんも踏まえつつ、また例によっていつも通り内容の方を整理していこうと思います。
毎度のことですが、個人的な妄想の垂れ流しなのでテキトーに聞き流していただければ幸いです。


{netabare}(1)ルル姫と蜂

百合ヶ咲るるになる以前までの人生。ルル姫は王国1番の存在で、すべての人々から愛を享受していたみたい。でもルル姫に近寄ってくるのは、事務的なスキを与えるだけの侍女だったり、利欲的なスキを築こうとする他国の王子だったり、跡継ぎのことしか頭にない両親のスキだったり・・・。

彼女の「お姫様」というポジションから考えても、度々押し付けられる空っぽなスキを無意識下では拒んでるんじゃないかな。それが蜂となってパーソナルスペース(心の壁)を作り、「入ってくるな~!」と普段からアピールしているように見えます。家族3人で並んで映っているカットでも、両親ですらこのエリアの外側にいたのは何だか悲しいですね・・・。

彼らの「愛(スキ)」は本物ではない・・・と、そう語っているワンシーンに思えました。

それでも皆の1番であることにルルがまんざらでもないのは、まだ「本物のスキ」を知らないから。
これがある出来事によって変わっていきます。

【キーワード:蜂(ハチ)】・・・ルルの無意識の感情(好意・敵意)を表す


(2)みるん王子と約束のキス

>「『本物のスキ』はお星様になるって本当?」
>「・・・本当よ。『本物のスキ』は天に昇ってお星様になるの。」
>「そして流れ星となって地上に落ちたお星様は、『約束のキス』になるのです。」
>「フン、『スキ』が『キス』になるなんてバカな昔話、萎えるガウ~。」

惑星クマリアが爆発し、その流れ星が城に落ちた直後に誕生したルルの弟。

>「じゃあボクがお姉たまに『約束のキス』を取ってきてあげる!」
>「ボクはお姉たまが大スキだから、今の流れ星はボクの『スキ』なんだっ」
>「きっと何処かに落ちてるよ~!」

男の子なので、当然跡継ぎはみるん王子となり、王国1番の座を奪われてしまったルル姫。そんな彼女から受ける執拗なイジメを物ともせず、『約束のキス』と呼ばれる蜜瓶をみるん王子は届け続ける。

ここで少し内容を整理します。

まず2人の会話から「流れ星=約束のキス」という仮説が立ちます。
そして『約束のキス』と呼ばれている瓶の中には「蜂蜜」のようなものが入っていました。
蜂蜜とは、所謂「お星様」のような黄色をしていると同時に、「蜂」が作るもの。

つまり、これはお星様が地上に落ちて生まれたみるん王子の「本物のスキ」であると共に、ルル姫の無意識(蜂)にある「本物のスキ」が生み出したものだと考えることができるのではないでしょうか。

>「これ・・・君の弟の?」(蜜瓶を差し出す)
>「そ、そうよ。」
>「谷の向こうに落ちてた。だから届けに来た。君が捨てたの?」
>「・・・そうよ。」
>「でも『君のモノ』だ。」

終盤でルル姫が銀子と出会ったときに、蜜瓶を弟のものと認めた上で「でも君のモノだ」と銀子に返されるシーンがありましたね。この台詞のあとにもう一度ルル姫とみるん王子の会話を聞くと、さきほどの「2人が創りだした」という仮説にも信憑性が増してくるような気がします。

つまり『約束のキス』とは、本物のスキを持つもの同士の愛の結晶・・・的な?
(ちょっと言葉にすると恥ずかしいw)

まあ映像と話の流れから読み取れることはこんな感じですが、みるん王子がなぜ「本物のスキ」を持ってるのかというのは、流れ星関連の難しいことを考えなくとも、あんなに純粋で無垢な彼の愛情を見れば誰に聞いても(1)の人たちとは違う「本物のスキ」だってわかりますよね。
ルル姫は、心の奥底では、そんなみるん王子のことが『スキ』だったんです。(蜂が2人を囲ってくるくる回る)

だから「私は、最初からあなたが大キライで、『最初からあなたが大スキ』だったんだ」となるワケですね。

ちなみに『大キライ』の部分は、ルル姫が何度もみるん王子を騙して崖から突き落とすシーンで説明されています。箱に書いてあるとおり『愛(みるん王子のスキ)』を足蹴にしながら、自分の無意識の中にあるスキを、自分のスキの中にいるみるんを何度も心の奥底へ追いやろうとするルル姫。

>「ルル姫様は、みるん王子が届けた『約束のキス』を投げ捨てました。」
>「ルル姫様が欲しかったのは、そんなものではなかったからです。」

みるん王子が拾ってきた蜜瓶を投げ捨てようとする行為も同じですね。

この場合、蜜瓶とは『ルル姫の愛』で、こうすることで、ルル姫は無意識に『スキを諦めよう』としているんです。なぜなら、スキを諦めないと、邪魔者を消してしまわないと王国1番の座が手に入らないから。彼は生まれたときからそんなルル姫のデザイア~にとって邪魔な存在だったので『最初から』大キライとなるワケですね。
しかし、みるん王子は蜜瓶を必ず持って帰ってきてしまいます。自分のスキを届けることを、そしてルル姫の中にあるスキを諦めさせません。

このときにも、ルルの蜂(無意識)がみるん王子を受け入れている演出を挟むのが何だか憎いです・・・。

【キーワード:約束のキス】・・・相思相愛の証(みたいな感じの何か)。


(3)みるん王子の死

そんな折、ルル姫のもとへ訃報が入ります。

>「た、大変です!みるん様が・・・お亡くなりになりました。」

侍女が部屋に入ってきたときのドア音を聞いて、ルル姫は「またみるんか」みたいな顔をするんですけど、この顔がどことなく楽しげで・・・。なんというか、世話のかかる弟が「遊んで遊んで」とせがんで来るのを煙たがるお姉ちゃんみたいな。

>「ともかく・・・思い通りになったわね。」

そのあとのこの台詞。誰がどう見ても、ルル姫の胸にはつっかえがあるんです。
もうこれがホントに切なくて・・・とまあそれはいいでしょうw

>「そんなワケで、人々の感心、権力、愛の言葉。ルル姫様の欲しかったものは全て手に入りました。」
>「それもこれも、みるん王子が死んでくれたおかげです。」
>「それなのに、ルル姫様は一向に嬉しい気持ちになりません。それどころか何か・・・」
>「大事なモノをどこかに置き忘れたような、ひどく虚しい気分に襲われるのです。」

冒頭(1)で書いたように、今までルル姫は「本物のスキ」とは無縁の生活を送っていました。そこにみるん王子が現れ、だんだんとルル姫も「本物のスキ」に気付きかけていたんじゃないのかな。
みるん王子に触れたことで、今まで自分が他人から受けていた、また今受けている「スキ」も偽物なんだと薄っすら分かってしまう。自分でもまだそれがどんな感情なのか理解してはいないみたいだけれど、今まで通り王国の1番になっても嬉しい気持ちにはなれないのはそのためでしょう。

そして何より「本物のスキ(みるん王子)」がいなくなった穴・・・ これが一番大きいと思います。

『失って初めて気付く』とはよく聞く言葉ですが、空虚な愛を手に入れるために、自分が本当に欲しかったものを足蹴にしていたなんて、何とも皮肉な話です。しかも失ってなお、お姫様はその感情を理解できないというのは・・・残酷なものですね。

果たして、あのとき夢の中のルル姫は、『約束のキス』を受け取ることができたのでしょうか・・・。
あ~もうホント切ないぜチクショウ!!なんて良い話を書くんだ幾原ァ!!!


(4)ルルの蜂と事故死

>「わたくしは確かに見ていました。『完全』に『単なる』事故でした。『事故死』です。」
>「本当にいつものように、大スキなルル姫様に蜂蜜を届けるのだとおっしゃって、蜂の巣に近づき・・・」
>「そして蜂に刺されてお亡くなりになりました。あっという間でした。」

ここまで、蜂はルル姫の無意識の感情を表していました。それが今回、みるん王子を殺してしまった。多分・・・冒頭の赤い光(蜂)とコテッと倒れるクマが映っていたシーンはこの瞬間じゃないかな。

実はみるん王子が入っていた箱の「愛」という張り紙にはもうひとつの意味がありまして、それがここでは重要になってきます。一体何故、崖から突き落とすとき、ルル姫は毎回『あえて』みるん王子をダンボール箱の中に入れたのでしょうか。そして、どんなに過酷な状況に追いやっても、『箱に入っていた』みるん王子が死の淵から舞い戻ってきたのは何故でしょうか。

私は・・・箱の張り紙には、『ルル姫の愛』も含まれていたんじゃないかと思うんです。

どんなに憎い弟でも、本気では殺すことができない。そんなルル姫の葛藤が、ダンボール箱となって「跡継ぎを消す」という露骨な悪意からみるん王子を守っていたのではないでしょうか。つまり、ルル姫の殺意を『姉弟喧嘩』の範疇に収まってることを示していたのが、あのダンボール箱だったというワケなんです。

しかし、みるん王子は死んでしまった・・・。

そう、ダンボール箱で戯れ合う姉弟喧嘩とは異なる『自分自身ではどうにもできない蜂(無意識)の針』で。

現実の幼い姉弟でもよくありますよね。
>どこへ遊びに行くのにも着いてくる弟に嫌気がさしてしまうお姉ちゃん。
>そんなときに幼さ故の意地悪で、弟に嘘をつき置き去りにしてしまった。
>でもやっぱり心配になって戻ってみると、姉の姿を見つけ笑顔で走り寄ってくる弟の横から車が・・・。

直接的には関わってないにしろ、ルル姫の『意地悪』によってみるん王子の死を招いてしまった。それを侍女の台詞でも『事故死』と露骨に強調することで、『本気の殺意とは真逆のもの』だったということを表現しているのではないかと思います。

もうこれ書いてるだけで悲しくなってきますわ・・・。


(5)『失ったものを忘れたら、本当に失ってしまうよ。』

銀子が、蜜瓶を捨てたルル姫に投げかけた台詞。第4話の総まとめ的な言葉。
ルル姫の失ったものとは、みるん王子のことであり、ルル姫にとっての『本物のスキ』。

>「私は・・・最初からあなたが大キライで、最初から・・・あなたが、大スキだったんだ。」

銀子の言葉で、ルル姫はようやく、本当にようやく自分の心の真ん中にある隙間にみるん王子(本物のスキ)を見つけたのです。同時に、みるん王子の死が自分のしてきた「愛の拒絶」の結果だと気付いてしまいます。これ以降、好意も敵意も無意識ではなくなり、蜂は物語から消え去っています。

そして、『蜜瓶(約束のキス)』はルル姫の手元にしっかり留まるようになったワケです。
(ルルが自分の中の無意識、スキを自覚し『約束のキス=相思相愛』が完成した)

>「銀子、るるね。銀子に会ったあの日のこと、絶対忘れないよ。」
>「銀子が私のスキを見つけてくれた、届けてくれた。」
>「だから・・・るるは何があっても、スキを諦めないよ。」

第3話にあったルルのモノローグも、今聞けばどんな意味だったのかすんなり入ってきますね。
「スキを諦めない」については、次の項目で触れることにします。


(6)ユリ裁判とスキを諦めないクマ

>「そう、あなたは失う前の私。ううん、違う。多分、あなたは一度失ってる。」
>「それでも、もう一度会える人が、そこにいるなら・・・たとえ、壁の向こうでも!」

断絶の壁を越えて、ヒトの世界へ「スキを返しに行く」と言う銀子。
その背中に自分と同じものを見たルルは、一緒に断絶の壁を越える決心をする。

スキを諦めない銀子と、好きを諦めようとしていたルル姫。
そして今、彼女は自分のしてきた罪と正面から向き合うのです。

>「私も・・・罪熊だから。」

銀子に出会う前は、ルル姫はスキを諦めるクマでした。お城の人たちとの空っぽな上辺だけの関係も甘んじて受け入れ、周囲の流れに身を委ねる。つまり「透明」な状態。
実は3話までと内容的には同じで、スキを外部から壊すものとして登場していた『透明な嵐』を、今回は自分の中の葛藤として描いています。この場合の透明な嵐とは「王国1番の座に戻りたい」という暗い欲求で、そのときのルル姫の行動だけを汲み取ると「自分が透明だった状態に戻そう」という同調圧力が働いているようにも見えますよね。

結果的に『約束のキス=相思相愛』は届けられ、ルル姫はスキを諦めなかったわけですが、せっかく自分のスキを透明な嵐の中から見つけたのに、せっかく自分の中のスキに気付くことができたのに、肝心のみるん王子はもういません。
紅羽にとっての純花と同じく、透明な嵐によって既に消されてしまっています。

>「失ったものを忘れたら、本当に失ってしまうよ。」

だから、ルル姫は『スキを諦めない』。この気持ちを忘れてしまったら、みるん王子を本当に失うことになるから。そう誓って、彼女は約束のキス・・・今は亡きみるん王子との愛の証を抱き続けるのです。

>「それでは被告グマ、百合ヶ咲るるに問います。」
>「あなたはスキを諦めますか?それともキスを諦めますか?」
>「私はスキを諦めない。『キス』を諦めます!」
>「・・・ッ!」
>「そうすれば、あなたはキスを永遠に失うことになるのですよ?」
>「私のキスは、既に失われた。もう二度と会えない。」

『キス』とは、愛を受け入れるということ。
『スキ』が愛することだとしたら、文字通りその逆という認識で良さそうですね。

しかし、『ルル姫のキス=みるん王子からの愛』は既に失われた。もう二度とみるん王子と会うことはできない。そんなルル姫がキスを諦めることに何の躊躇いもないのは不思議ではないと思います。むしろ、諦めるしかないのですから。
つまり、彼女はみるん王子とのキスを諦めて、全てのキスを諦めた。誰からの愛も受け取らない、愛されなくて良い・・・と。もちろんみるん以外とのキスは可能だったのでしょうけれど、これがルルの選んだ決意・贖罪。

そんな一方通行で報われない、彼女の『無償の愛』を聞いて、裁判員たちも少し動揺していたように見えます。みるん王子の「おねがい、『キス』して?」という必死な訴えも、『キス』というワードの意味を考えると少し重みが変わってきそうな気がしますね。

>「でも、銀子は会えるから!きっと私の代わりに、約束のキスを果たしてくれる。」
>「つまり、自分の果たせなかった希みを百合城銀子に託す・・・というワケですか?」
>「それで自己自制を謀ろうというのは自己満足に過ぎません。傲慢、罪・・・ですよ?」
>「いいの、私は罪熊なんだから!」

でも銀子は違う。もう失ってしまった自分とは違って、また会うことができる。
それを叶えることができれば、私はもう一度みるんに会えるような気がするから・・・と言う。

>「わかりました。判決を申し渡します。」
>「・・・ユリ、承認!」

そしてルル姫は人間となり、銀子と一緒に断絶の壁の向こうへ旅立つ。
さて、約束のキスは果たされるのか・・・それとも。

それがセクシー、シャバダドゥ。{/netabare}


とそんな感じで、第4話は幕を閉じたわけです。はー長かったw
ラストシーンでは2人のキャラの『約束のキス』っぽいアイテムが対比で描かれていたので、またいつか銀子の回想もやりそうですね。やっぱりあのペンダントは{netabare}紅羽の母親のもの{/netabare}だったのかな。

他にもメインのストーリーからは少し外れていますが、まだまだ気になったことはかなりたくさんあったのですけど、さすがに長くなりすぎた気がするので今回はこのくらいで終わりにしておきます。

一応これは私の妄想が過度に入っているということを、再度お伝えしておきますね。
貴方の目には、第4話はどんなふうに映ったでしょうか?それではまたお会いしましょうノシ

シャバダ~シャバダバダ~バ~。


【ドヤ顔ダブルピース宣言】(2015.1/23)

{netabare}ちょ、ちょっとこれ3話ヤバくないですか!?

見てる途中、見終わった後、てかこの作品に触れてる最中はもう戦慄が止まりませんでしたよ・・・。いや~今まで曖昧だった部分がいっきに晴れて、全てのピースがパカッとはまりましたね。ところどころ2話までの私の見解と近いところもあったのでかなりスッキリしました。

今回、アニメの起点となる第3話というわけですが、このタイミングで「透明な嵐」というタイトルを持ってくるという脚本家、もとい監督の完璧な采配には感服しました。ホントにもう世界観の構築からキャラの会話、ストーリーの運び方に至るまでの全てが完璧です。

1話から既に「ユリ熊嵐」という世界はこれでもかと言うくらい確立されていましたが、今回外堀を埋めるという形で視聴者にそれを明確に認識させることで、世界を作るだけではなく「入り込ませる」工夫を魅せてくれたのは大きいと思います。

ここが今までの幾原監督作品との一番の違いであり、私が何より良いと思ったポイントです。
端的に言えば「分かりやすい」。視聴者に歩み寄ってくれているのが伝わりました。

そしてそれは、表面的なサラッとすくうことができる浅いものではなく、アニメを見ることでじんわりと理解が染みこんでくるという分かりやすさ。キャラの言葉や情景描写だけではなく、1話から続く物語の連続性、映像表現やその他演出全てがこの作品を語っているんです。

やっぱりアニメ好きとしては、ここまでアニメーションで勝負してくる作品をもってこられたらたまんないですね。監督と脚本が同じ作品は魅せたいものがハッキリとしていて分かりやすいです。


さて、こんな感じでレビューの出だしを切ったところで、今回も例によって内容の方をサクッとまとめていこうと思います。ネタバレを多分に含みますので、ご閲覧いただく際はご注意くださいませ。


◆透明な嵐◆

>「私たちは、透明な存在であらねばなりません。」
>「それでは『排除の儀』を始めましょう。」

大方、2話までの私の見解通り「透明な嵐=同調圧力」ですね。ここで明確に「空気を読めない=悪」というテロップも出ました。クマにやられた純花は仕方なかった、彼女は「悪」だったのだから・・・と。

こんなに明るみな社会の闇も珍しいですね。イジメカッコワルイ。

>「私たちは、次に排除する『悪』を決めねばなりません。」
>「Let's search evil!!」

まとまりを保つためには不穏分子は潰さなきゃいけない。そのための排除の儀。
なんか投票シーンを見て少し前に流行った「人狼」っていうゲームを思い出しちゃいました。

>「セレクト!ついにこの時がきた!!!」
>「私はあの子を、椿輝紅羽を食べる!・・・ジュルリ。」

自分の思惑通りになってご満悦の委員長ちゃん。「透明な嵐」がくるのを望んでいたのは紅羽が美味しくなるのを待っていたワケではなく、やっぱり食べるための口実ができるからのようですね。

なるほどなるほど、見えてきましたよ~。

①人間は「排除の儀」によって、足並みを乱す『悪』を決める

これは群れの空気を保つための必要悪とも言えますね。もし何かのキッカケでこのまとまりが瓦解してしまったら、自分たちの身を守るすべがなくなってしまうワケですから。まあ逆に言えば、皆が「スキ」という感情を持てば、それでもまとまり合えるということだとは思いますけど。

②『悪』となった人間は群れから追い出される(=ヒトの世界から追い出される)

ここで1話にあったライフ・クールの言葉を思い出してください

>「ヒトとクマの間には、断絶という越えられない壁があるのです。」
>「被告らはそれを越え、ヒトの世界に侵入しています。これは明らかに『食べ過ぎ』です。」

やっぱりクマはヒトの世界から追い出された人間だけを食べていたんじゃないですか?

だから委員長は「透明な嵐」を待っていた。ヒトの世界から排除された獲物が来るのを。
物理的には断絶の壁を越えてますが、この作中では概念的なものと考えていいでしょう。

これは以前の投稿から「断絶の壁=人間のルール」と書いている通り、この壁が、人間が群れを作るための括りであり、クマはその群れから追い出された(壁から外に出た)人間を狙って食べていたわけですね。

しかし、この秩序を無視し、群れから排除されていない人間を「食べる」クマがいます。
それが次に「ユリ裁判」でお話する銀子&るるたちです。


◆ユリ裁判◆

①まず1話で銀子&るるが食べていたのは誰?

これはラストシーンで語られた、赤江カチューシャという子だったようですね。靴下を折っていたのが純花ちゃんだけだったので、私も最初はすっかり騙されちゃいましたw 見返してみると、赤江ちゃんの足元は1回も映っていないんですよね~。ここでひとつのミスリードがあったわけです。

そして、それを偶然目撃した委員長ちゃんが驚いた・・・と。

②クマは排除された人間しか食べられないんじゃないの?

上記のようなことが起こったので、当然これが問題になってきます。赤江ちゃんは可愛い顔して1話でモブとヒソヒソ陰口叩いますからね。悪意があるかどうかはともかく、それを見る限り「透明な嵐」の一員であることは間違いないでしょう。当然排除の対象にはなっていません。

>「裁判長、今すぐユリ承認を!椿輝紅羽を助けたい!ガウガウ!」
>「私たち・・・人を食べます。食べなきゃ、銀子のスキが守れないんです!」

しかし、3話にして分かりやすく言葉に出してきてくれました。
銀子のスキを守るためには、人を食べなきゃいけない。透明な嵐を止めなきゃいけない。

ここで1話の捕食シーン「たとえ罪でも食べるよ。スキを壊すものは許さない。」に繋がるんです。

この流れからして、ユリの花壇を伐採したのは大方この赤江ちゃんでしょう。次のシーンのカメラアングルのせいで銀子たちが投げたのかと思わせていたレンガも、多分この子の仕業です。銀子たちは建物の上から赤江ちゃんの悪行の一部始終を見ていたわけですね。

>「貴女は透明になりますか?それとも、人間食べますか?」

透明になるとは、スキを諦めるということ。
そして銀子たちは人間を食べる選択をする。『私はスキを諦めない』。

このような過程を経て、3話ラストに鬼山江梨子ちゃんへ放った「これからキミを・・・食べるから。ジュルリ。」となるわけですね。ここまでが、ユリ裁判とそこで毎回決議されている「食べる」対象についての諸々になります。

問題は次です・・・w


◆ユリ承認◆

いや~さっきは調子こいて「全てのピースがはまった」とか言ってましたけど、良く考えたら全然そんなことありませんでしたね。正直このシーンで何をしているのかサッパリわかりません!!w

一応「対象外の人間を食べる」ことに対して承認してるような節はあると思うのですけど、そんな局所的な意味ではなく、もっと広いなにか大きな、大局を指しているような雰囲気があるんですよね。
だって、もしこのユリ承認が「人間を食べる」ことに対してのみ行われたものだったら、そのあとのペロペロも、襲われたハズの紅羽が無事なことも説明がつきませんからね。

そこで一つたどり着いた結論が

「ユリ承認には、輪るピングドラムで言うところの『運命の乗り換え』的な何かがあるのでは?」

ということです。

実は、1話のときに少し引っかかっていた裁判長の言葉がありまして・・・。
>「ようこそ・・・断絶のコートへ。さあ、扉は開かれました。」
>「生きとし生けるもの全て、そう、ヒトとクマの『彼岸』もここなんです。」
当初はあまり意識していなかったのですが、今思うとちょっと意味深に感じます。

『彼岸(ひがん)』:仏語。生死の迷いを河・海に例えたその向こう岸。悟りの境地をいう。

つまり何が言いたいかというと「紅羽はあのとき一度死んでいるんじゃないか?」ということです。
そして、例によって運命の乗り換えには「対価」が必要ですからね。それがあのペロペロかな~と。

紅羽から伸びたユリの花から滴る蜜をすするクマ2匹・・・。

まだ一体これがどう絡んでくるのかは分かりませんけど、大きな力にはそれなりの代償が必要というのが世の常ですからね。もしかしたら、紅羽の「スキという感情」を舐めとっているのかもしれません。

最終的にどうなるかは・・・まあ、あくまで予想の範疇を出ませんけども。

>「・・・いける!約束のキスを、私にッ!!(ダーン)」

銀子たちの想いは届き、ユリを承認された紅羽は運命を乗り換えます。そして確変を起こし、サンライズ立ちからの一撃をかましたり、それ以前の話では襲われる前の状態に戻ったりしていたワケです。
委員長ちゃんは多分生きてると思いますけどね~。腕章がちぎれた描写だけですし。

ということで、ユリ裁判と承認の見解についてはまあ、かなりコジツケもありますがこんな感じですかね。


◆その他気になったこと◆

・第3話冒頭でアップになっていた鳥型の紋様

かなり強調してましたが、何か意味があるんでしょうかね~。一応東京都の鳥に「ユリカモメ」が指定されていますけど、特に何かの象徴というわけでもなさそうですし・・・。
東京が舞台なのかな?でもそれってそんな重要なことなのかな~。

箱仲ユリーカ・・・ユリーカ・・・ユリーカモメ・・・ユリカモメ・・・ハッ!
いやいやいやいやそんなまさかね。

・学園長と紅羽の母

旧知の仲だったようですね。紅羽たちの前、二人でユリの花壇を育てていたという。
まあつまり百合だったわけですが、その箱仲ユリーカさんが今は学園長をしている・・・と。

これまで出てきたクマの名前を見る限り、「ユリ」と入ってるこの人も怪しいとは思うのですが、普通にいい人そうなんですよね。これからどう絡んでくるんでしょうか。

・銀子とるる

家の地下室で射撃の練習をしている紅羽を見つめる銀子。
るるは紅羽ばっかりで構ってくれない銀子に対してスネてしまう。

>「椿輝紅羽、きっとすごく美味しい女の子なんだよね・・・。」

この台詞がホントに切なくて、一気にるるのことが好きになりました。

きっとるるは、銀子のスキをちゃんとは理解できてないんじゃないかな~。
「何でこんな紅羽に執着してるの?他の女の子(食べ物)と何が違うの?」的な。
銀子が好きだから、銀子のためだから協力してる感じ。

しかもここまで想われている銀子はまったくるるのこと相手にしてないんですよね。いつもるる以外を見てるんです。記憶が曖昧ですけど、まだ銀子は作中で名前を読んだり、目を合わせたりしたことないんじゃないですか?w
ほんとに儚くて心にキますわ・・・。

まったくるるちゃん可愛すぎるぜ。

>「銀子、るるね。銀子に会ったあの日のこと、絶対忘れないよ。」
>「銀子が私のスキを見つけてくれた、届けてくれた。」
>「だから・・・るるは何があっても、スキを諦めないよ。」

この台詞も何かありそうですよね。これから過去のことも掘り下げてくれると嬉しいです。

・百合園 蜜子

第3話で一番良かったポイントを聞かれて、即答できるレベルで感動しました。
いやだって・・・もうこれはさすがにイカンでしょw 悠木碧さんの圧倒的な演技もさることながら、あの畳み掛けるような煽り。私も紅羽と一緒になって感情が昂ぶりましたね。

てかこんなにキャラの台詞で怒りを覚えたのは初めてかもしれません。
それほど最高なワンシーンでした。年明けからいいもの見れましたよホント。



まあこんな感じで、第3話はとても満足いく結果で幕を下ろせたんじゃないでしょうか。

それにしても、いきなり「ユリダァク~」ってきたときはお茶を鼻から吹きましたねw ほんとこういう細かいところがイチイチ私の琴線に触れてくれます。あ~書いてたらもう一度見たくなってきちゃいました。

それでは長くなりましたが、今回のレビューはこれくらいでお開きにします。
閲覧ありがとうございました。{/netabare}


【2話ショック!!】(2015.1/17)

{netabare}2話で少しですがクマサイドのことも見えてきましたね。

1話の投稿で気になった点も加味して、今回も内容の方を整理していきたいと思います。
まあ言ってしまえば自分用のメモみたいなものです(殴

それでは、まずは特に重要そうなところから書いていきます。


◆1話で銀子&るるが食べていたのは純花ではなかった!?◆

>「散々食い散らかしてようやく分かったわ。排除されてる個体だけが、本当に美味しいってこと。」
>「スキを諦めない娘の肉だけが、ザクロと蜜の味がする。私の飢えを満たしてくれる。」
>「泉乃純花、貴女はとても美味しかった。」

委員長ちゃんのセリフ。紅羽が狙われる理由も一緒に説明してくれましたね。
そうなると、1話で銀子たちが食べていたのは誰だったんだろう・・・?

>「もうすぐ・・・『透明な嵐』がもうすぐ来る。・・・あぁ待ち遠しい!」
>「早く・・・早く食べたぁい。椿輝紅羽を!ギャウギャーウ!」

「透明な嵐」が来ないと紅羽のことは食べられないっぽい。
それとも嵐にさらされて美味しくなるのを待っている?

純花はその嵐に合ったから食べられたというのは分かるけど、他の被害者はどうなんだろう?

>「椿輝紅羽は、泉乃純花へのスキを諦めなかった。」
>「群れの空気を読まぬモノは、排除の対象になる。そういう仕組みですものね。」

委員長&このみの会話。「スキ」は群れの空気を壊すもので、それは排除の対象になる。
つまり「スキ」を持った子が透明な嵐に合い、クマに食べられてしまう。

そういえば1話でも「クマにとって私たちはか弱い獲物だから常に群れていなくちゃ」とかモブが言っていまいたね。透明な嵐によって群れから追い出され、クマに狙われる隙ができてしまうって感じなのかな?

>「ダメね。やっぱり透明な娘は透明な味しかしない。」

しかし『透明な嵐(社会の同調圧力)』によって『透明(スキを諦めた)』になってしまった子は美味しくない。ラストシーンで委員長が食べてたのは「スキを諦めない子」ではなかったみたい。

この被害者は、2話序盤にモブが話していた「遺体の見つからない行方不明の子」ですね。


◆実は1話屋上で紅羽を襲ったのは委員長&このみだった!?◆

確証があるワケではないのですが、私もすっかり騙されていました。

1話で紅羽を襲ったクマ2匹の「目」をもう一度良く確認してみてください。
右の黒いクマは切れ長で、もう一方の茶色いクマは横に長い楕円形なんですよね。

色だけなら銀子&るるの可能性もありますが、「目」が委員長&このみのクマと酷似しているんです。

このことを合わせて考えると、どうやって1話終盤に屋上で倒れている紅羽をどこからか突然湧いた委員長ちゃんが最初に見つけて保健室に運んだのか、2話でこのみを射殺したときに委員長ちゃんがあそこまで2匹目のクマに警戒心を抱かなかったのか。

これらに説明がつきそうな気がしてきますよね。


◆それじゃあ「ユリ裁判」って一体何?◆

上記の事実に気付いたとき、真っ先に浮かんだ疑問がコレです。

最初は銀子&るるが紅羽に襲いかかったから、1話であの3人がユリ裁判に出席したのかと思っていたけど、1話も2話も襲いかかったのは別人・・・というか別クマ。

『ユリ裁判の流れ』

①裁判官から意味深な電話が掛かってくる

>「貴女のスキは本物?これは断絶の壁からの挑戦です、椿輝紅羽。」
>「貴女のスキが本物なら、屋上へ行くがいい。クマが貴女を待っている。」
>「その身をクマに委ねれば、貴女のスキは承認される。」

②屋上でクマに襲われて謎空間に落ちる

これが裁判官の言っていた貴女を待っているクマ?
そしてこのクマに身を委ねれば「貴女のスキ(ユリ)」は承認される?

委ねるのは銀子&るるかとも思ったけど、それだとここでクマに襲われる過程に意味がなくなっちゃうような・・・ これがユリ裁判のトリガーになってるのかな?

④出席するのはいつも紅羽&銀子&るる

クマに襲われた紅羽と、何故か登場する2匹のクマ。

⑤「人間食べます」からの「ユリ承認」

やっぱり銀子の「食べる」は違う意味っぽいな~。
でも1話ラストで物理的に誰かをガリゴリ食べていたときも「食べる」って言ってたしな~あ。

少なくとも委員長とかこのみとは違う特別なクマなのかな?そんな感じがする。

でもまあ、その「ユリを承認する」ってことの意味がまだ全くわからないんだけどもw
百合を舐めるシーンも含めて、これだけはいつまで経っても何も見えてこないですね~。

そういえば、1話だとユリ裁判のあと紅羽は「気を失って倒れていた」らしいけど、2話では意識もあるし、クマに襲われる前の状態に戻っていますよね。ここも何か関係があるのかな~・・・。


◆その他気になったこと◆

・アバンのモノローグ

>「私たちは、最初からあなたたちが大キライで、最初からあなたたちが大スキだった。」
>「だから、『本当の友達』になりたかった。あの壁を越えて。」

毎回入れてくるのかな?繰り返し視聴者に聞かせるということは、この台詞がキーになってくるのでしょうね。まだ深い意味は掴めませんが『本当の友達』については前回の投稿でまとめた方向に攻めていくつもりです。

・先生の意味深なセリフ

>「泉乃純花さんの『地上での生』は、終わりを迎えました」

また妙な言い回し。普通に「天国へ逝った」というそのままの意味にも受け取れるけど、この作品内であえて登場人物にこういう言い方をさせるのは少し気になりますね。

>「可哀想に・・・あの子は『また』、大切な人を失ったのね。」

紅羽に対して発せられたであろう言葉。『また』って言ってますね。
大方1人目の「大切な人」に当たる人物は母親のことでしょう。

学園の先生だから、家庭のことを知っていても不思議ではないけど・・・
何かもっと深く入りこんでそうな臭いがしますね~。
しかも学園内に霊安室のようなものが?ここに被害者の遺影をしまっているみたい。

・クマが捕食をする場所

紅羽が純花と大事に育てていたユリの花壇・・・。
クマが人間を食べる現場って、2話までを見る限り必ずその裏側なんですよね。

ここを「人間の心」と見立て白椿の花言葉「理想的な愛情」の件も加味して考えてみると、この二人が育んできた愛情(百合)を『本物のスキ』と仮定するのならば、その裏側に当たるものは「暗い肉欲」?

つまり『愛情』と『性欲(本能)』の軋轢。
このシーンからは、そんな対比のメッセージを感じます。

・紅羽と銀子の会話

>銀「知ってる?悲しい、寂しいときの涙はご馳走の味がするんだ。」
>銀「紅羽のスキは本物だ。涙の味・・・紅羽のスキは本物だ。ガウガウ。」
>紅「貴女に何がわかるの?」
>銀「分かるよ。私のスキも本物だから。」

『本物』と『偽物』。本物というのは、上記の「理想的な愛情」のことでしょう。
委員長やこのみの「スキ」は肉欲だった。しかし、銀子のは違うということ?

>銀「椿輝紅羽・・・会いたかった。私たちはキミに会うためにここに来たんだ。」
>紅「どういう、こと?」
>銀「匂うよ・・・デリシャスメル、ガウガウ。キミに私のスキを・・・。」

やはり銀子は普通のクマとは少し違うみたいですね。
まだ核心には遠いですが、何か秘密があることは2話全体を通して明らかになりました。

スキが本物だからこそ「食べる」という行為も、他のクマのように物理的なモノにならないのかもしれませんね(百合の蜜を舐めとるような)。でもこの考えでいくと、1話ラストで銀子が「罪でも食べる」と言ってガリゴリ捕食していたことと繋がらないんですよね~w

これはアバンでも言っているように、クマの習性とも取れますが・・・。
(>「クマは人間を食べる!そういう生き物!」)
もしかしたら、紅羽をイジメた人間を裁いたのかもしれませんね。
つまり「透明な嵐」に当たる誰かを。

う~ん難しい。まだもう少しヒントが欲しいところです。


◆2話のまとめ◆

①純花を食べたのは委員長ちゃん
②1話で紅羽を襲ったのは委員長&このみのクマ
③「スキ」を抱くと透明な嵐に襲われて、クマに食べられる
④「スキを諦めない子」がデリシャスメル
⑤紅羽のスキと、銀子のスキは同じ本物
⑥銀子&るるは普通とは違う特別なクマ?

やっぱりまだユリ裁判のところと、1話ラストで銀子&るるが何を食べていたのか。
この2つがけっこう引っかかっていますね~。

次はいよいよ第3話。そう、ユリ熊嵐というアニメの彼岸もここなんです!
どんなふうに展開していくのか楽しみですね~。{/netabare}


【クマショック!!】(2015.1/10)

{netabare}ちょっと編集するときにエラー出て、最初の投稿とここらへん一帯が消えちゃいました\(^o^)/
なんか1月10日の私が1話について書いてたみたいなので、お暇だったら見てあげてくださいw


それでは、気になったことや重要そうなワードから見ていきます。

(1)ユリ熊嵐というタイトル

「熊嵐」とは、熊を仕留めたあとに吹き荒れると言われている強い風のことみたいです。
ユリ+熊嵐・・・ どういう意味なんでしょうね。

(2)花壇に咲いたユリ

これはほぼ同性愛(百合)のメタファーで間違いないでしょう。
それを紅羽と純花で育てて(はぐくんで)きたわけですね。

(3)断絶の壁

これについては、OP直後に世界観の解説で抽象的にですが言及されていました。
>「人間たちは、断絶の壁を作って私たちクマを自分たちの世界から追いだそうとしたけど~。」
>「でもでも、人間のルールなんて、通用しないんだからね!ガウ!」

これは「断絶の壁=人間のルール」と解釈していいのかな。
人間たちが、道徳や倫理を盾にして身を守ってる気になってるけど、そんなのクマには関係ないよってこと?とりあえず、これによって人間の世界とクマの世界が隔てられた・・・と。

(4)クマ

メインだけあって必ずキーになってくるのでしょうけど、1話の段階ではどういう立ち位置なのかまったく把握できませんね。以前投稿した際に適当こきましたけど、見ればみるほど意味が分からなくなってくる存在です。

分かっているのは、爆発した「小惑星クマリア」の破片が地球に降り注ぎ、その影響でクマが人間を襲うようになってしまったこと。「クマは人間を食べる!そういう生き物!」みたいだけど、無差別に狙うワケではない?こと。

>「私達は、最初から貴女たちが大キライで、最初から貴女たちが大スキだった。」
>「だから、本当の友達になりたかった。あの壁を越えて。」

アバンのモノローグ。「本当の友達」、「スキ」と「キライ」。うーん、重要そうなワードですね。

(5)椿輝 紅羽(人間)

今作の主人公(だと思う)。名前に入っている椿という花を英訳すると「カメリア」。
そして、キャラの髪色に重なる白椿の花言葉は「理想的な愛情」。

小惑星「クマリア」と椿の花「カメリア」。な~~~んかありそうでなさそう。

(6)登場人物の名前

クマ:「百合」城 銀子
クマ:「百合」ヶ咲 るる
人間:※椿輝 紅羽
人間:※泉乃 純花
人間:「百合」園 蜜子
人間:「百合」川 このみ
人間:箱根「ユリ」ーカ
人間:赤江 カチューシャ
人間:鬼山 江梨子

キャラ名のあちこちで見受けられる「百合」という文字。
そして、初登場する女性キャラすべての名前テロップ下にタグ付けされた「ユリ」という言葉。
名前に「百合」以外の花を持つ※二人のキャラクター。

何かありそうな匂いがプンプンしますねぇ~。

(7)先生の「クマが出没したので友達と一緒に行動するように」という発言

ここの台詞に違和感というか「友達と」というところを強調しているようなイメージを受けました。

(8)透明な嵐

花壇のユリが全部刈り取られているシーン。

>「嵐が・・・追いかけてきた。これが最初。大切なものから壊していくっていう警告。」
>「透明な嵐は、全てを壊していく。私たちがすり減って消えてしまうまで・・・。」

これは(11)の「透明」という言葉と合わせて考えてみると、社会の同調圧力や排他的悪意を表しているような気がしました。いわゆる「イジメ」ですね。そう言ったどうしようもない大きな流れのようなものを自然災害になぞらえて「嵐」と呼んでいる?

>「たとえ何をされても、私は紅羽ちゃんを・・・『スキ』を諦めないよ。」

「スキを諦めない」って不自然な台詞ですよね。
この「スキ」という単語に含みを持たせている印象があります。

(9)二人の汚れた手

これもほぼ間違いなく「罪、悪いこと」のメタファーでしょう。
つまり「罪=禁じられた恋(百合)」で、委員長さんは透明な嵐(同調圧力)に逆らおうとする共犯者ということで、一緒に手を汚していますね。

(10)「そう、だから今度こそ大切な人は・・・この手で守る!」

過去に何かを臭わせるような紅羽のセリフ。母親っぽい人と映っている写真をあえてここのシーンで見せているのに、家の中に紅羽以外の気配を感じない。紅羽のクマに対する敵愾心とこの状況を加味して考えると、昔クマに母親を食べられた?
そして何故か、銀子がつけている首輪と紅羽ママのネックレスが酷似しているんですよね。
これは絶対なにかありますよ・・・。

(11)モブの「透明にならないからいけないのよ」という言葉

クマに襲われて行方不明になってしまった純花に対して囁かれたもの。この場合の「透明になる」とは、言葉のニュアンスと、その前にあったモブたちの会話とを合わせて考えてみると「社会の流れに従う」みたいな感じ?

>「一人でいるのが悪いのよ・・・。」
>「生き延びるには、友達が必要!」
>「クマにとって私たちは、か弱い獲物だもん。常に群れていなくちゃ。」
>「そうよ、群れの空気が一番大切なんだから!」

また「友達」というワードが登場。先生の忠告(7)のこともあってなんだか意味深ですね。
ここまで通して見ていくと、どうしても「集団」を意識しているような描写が目立ちます。

>「でもこれで、次の透明な嵐は・・・。」

次の・・・? どういう意味だろう。

(12)裁判官「あなたの『スキ』は本物?これは断絶の壁からの挑戦です。」

アニメ内でたびたび口に出される「スキ」という言葉。
「断絶の壁=人間のルール」という考えでいくと、これは社会を敵に回してでも純花を好きでい続ける覚悟はあるか?という問いに思えますね。

(13)裁判官「その身をクマに委ねれば、あなたの『スキ』は『承認』される。」

これはそのままの意味にも取れるけど・・・終盤を見るとよく分からなくなってくる~。

(14)ユリ裁判

問題のシーン。紅羽がクマに襲われたと思ったらいきなり謎空間に落ちていき、
「食べたい・・・今すぐあの娘が食べたぁ~い!」という掛け声と共にイケメンボイスで開廷。
なにが「かいてーーーい」だよアホwww頭パンクするわボケwwwwww

ここでは「食べる」と「スキ」の二つの言葉がピックアップされていました。

>①「被告グマ、あなた方は罪熊であることを認めますか?」
>②「ガゥ~・・・ でもぉ~私たち、お腹がペコリンなんですぅ~。」
>③「私たちは『スキ』をあきらめない。」

①→②の会話の流れだと「人間を食べる=罪」だけどお腹が減って、という訴えに見えます。
しかし、③のセリフが入ってくると全く意味が分からない会話に・・・「食べる=スキ」・・・なのか?
クマが人間を食べることは一種の愛情表現・・・? いやいや。

>「ヒトとクマの間には、断絶という越えられない壁があるのです。」
>「被告らはそれを越え、ヒトの世界に侵入しています。これは明らかに『食べ過ぎ』です。」

ん?んんん?「食べ過ぎ」?これは一体どういうことだろう。
クマの世界で食べる分にはいいけど、ヒトの世界にまで行って食べるのはやりすぎって意味?
つまり普段はクマの世界に入り込んできた人間を食べていた?

>「では被告グマに問います。あなたは『透明になりますか?』それとも『人間食べますか?』」

頭がカチ割れそうだ・・・。今までの内容(8)(11)で考えると、やはり「透明になる=社会の流れに従う」という意味になるのかな。ここでの社会とはクマの世界のもので、ライフ・クールの訴えを素直に聞き入れてヒトの世界から手を引くか、それとも・・・って感じ?

>「ユリ、承認!」

なぜここでいきなり「ユリ」という言葉が!?
やっぱり「食べる=スキ」だから同性愛でユリ(百合)、そしてそれを承認っていう流れなの?w

(15)謎空間での出来ごと

輪るピングドラムでお馴染みのシーン。
今回は「生存戦略ゥー!!!」の代わりに「ユリ承認ー!!!」

>銀子「紅羽・・・私はあなたを『食べる』。」
>紅羽「私の望むものはどこ?」

>紅羽「透明な嵐の中、私は探す。」
>銀子&るる「どこを探すの?」「何を探すの?」
>紅羽「約束のキスを・・・私に!」

透明な嵐の中、つまり逆境に合いつつも紅羽には探さなきゃいけないものがあるみたい。

映像としてはユリ承認されたクマが何故か変身、擬人化して紅羽から伸びるユリの花から滴る蜜を舐めているという艶美なもの。そして3人が手を重ねて終了。あぁ^~頭が破裂しそうなんじゃあ^~。

また「食べる」という言葉が出てきましたね。
そして食べられたハズの紅羽の体には何も異変がない?

やっぱり「食べる」という言葉は普通とは違う意味で使われているみたいです。
(13)で言われていた「委ねる」とは今のような状況のことで、「承認される」とはこういうこと?
つまり「食べる=承認」? スキだったり承認だったり頭がこんがらがってきた~。

そういえば、OP映像では紅羽&銀子&るるの3人が仲良さそうにしてるけど、これも何か関係があるのかな~。それに銀子と紅花がキスしようとしてるし・・・「約束のキス」・・・うーん。

(16)意識が戻ってからの紅羽

謎空間から戻ると保健室のベッドの上に。
横で看ていた委員長ちゃんによると「1人で倒れていた」とのこと。

>「嘘よ・・・だって屋上にクマが!純花を、純花を返すって!!」

そんなことクマ言ってたっけ? (13)の言葉をそう解釈したのかな。
とにかく純花はまだ戻っていないらしい。

(17)問題のラストシーン

>「ガリガリ、ゴリゴリ、ガリガリ、ゴリゴリ・・・」

この引きのせいで今まで積み上げてきたピースが音を立てていっきに崩れていきました(白目)
えぇ~「食べる」って・・・えぇ~。もうどういうことやねん!!!

この擬音からして間違いなく「物理的」に食べられてますよね?w
多分、被食者は行方不明中の純花ちゃん・・・。

>「ガゥ~、やっぱり美味しいね!人間の女の子は。」
>「たとえ罪でも『食べる』よ。ガウガウ。『スキ』を壊すものは、許さない。」

ここでの罪というのは、ユリ裁判(14)で言われていた「ヒトの世界に侵入して食べる行為」のこと?
でも食べるってこういう意味じゃなかったんじゃないの!?w

(15)で「あなたを『食べる』」って銀子に言われてた紅羽は食べられてないのに・・・。

そしてまた登場した「スキ」という単語。しかも今度は「壊す」という意味深な言葉付き。
純花が「スキを壊すもの」で、それが許せないから「罪」でも「食べる」?

本格的にこんがらがってきたあああああああああああああ。



とまあ、今分かってる(?)ことを箇条書きにするとこんな感じですね~。
これら(1)~(17)の話をまとめると・・・

①紅羽と純花は愛し合っている(2)
②しかし、それは罪であり(9)社会の理解は得られない
③理解できない、浮いたものには同調圧力が働く(8)
④そのためヒトは、排他されないように集まり、群れて行動する(7)(11)
⑤その集合体における個人を「友達」と呼ぶ

なんか良くある学園ドラマで描かれるドロドロ劇に似た何かを感じますよね。特に女子のw
ハブられないように、嫌われないように周りに合わせるだけな表面上の社会。

そんな中で、紅羽と純花は「真実の関係」を築いていくワケです。

これが「ユリ熊嵐」の中におけるヒトの世界を表す構図だと思います。
そして、そんな世界が「断罪の壁=人間のルール」に囲われているんですね。
なんだか(4)の「本当の友達」に繋がりそうな気がしてきますね~。
(5)の花言葉「理想的な愛情」も一緒に考えると面白そうです。


で、ここにクマが絡んでくるワケなんですが・・・。
まあこのクマのことが存在から言ってることまで、その全てがまったく理解できないんですよね~。一応、以前投稿した際に書いたような「対極的存在」じゃない・・・とは思うのですが、まだいまいち掴めてないのでハッキリとした答えは出せません。

せめてラストの捕食シーンがなければ考えようはあったのですが・・・w


つまり何が言いたいかというと、ここまで色々まとめた結果「何も分からなかった」ということです!!

まあここまで色々考えてる時点でかなりハマってるということだけでも伝われば・・・w
とそんな感じで、これからも楽しみにしながら見ていきたい作品筆頭ですね。

癖はかなり強いですが、世界観がとても魅力的で、映像だけでも楽しめるくらいの出来だとは思うので、気になった方は一度視聴してみて欲しいです。

それでは長くなりましたがここらへんで失礼します。
閲覧ありがとうございました。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

クマを捕まえに行こうかな

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。


 とうとう最終話が終わってしまいましたね。完結したのでネットの情報を解禁してみたのですが、案の定第一話への風当たりは強かったようです。まぁしょうがないか。食わず嫌いせずにチャレンジして欲しいですけどね。私は全体を通して非常に楽しめたので満足しています。PVでは現代の神話を謳っていましたけど、童話(絵本)の雰囲気を作ろうとしていたのは伝わってきましたし、童話特有のめでたしめでたしな感じもあったと思います。

 幾原監督作品は、去年の9月ごろにウテナの劇場版とテレビ版、同じく11月ごろにピンドラを見ていました。劇場版以外に関して今更ながら明かしてしまうと、どちらも中盤は倍速で見たり、BGM状態になっていたりと、あまりきちんと見ていなかったんですよね。最初と最後だけはかなりしっかりと見ましたけど。
 冬アニメで新作としてユリ熊嵐が登場したのは単なる偶然だったんですけど、いい機会だから毎週きちんと見てみようかなと考えました。で、サボらないようにと自分への縛りとして、各話更新レビューを導入したんですが…、筆舌に尽くしがたいほどに大変でした! こういう企画は多分もう二度とやらないですね。心がポッキンしそうでしたから。各話更新しているには人には「すごい!」の一言しか出ませんね。

 そして、これが最後のレビューになるわけですが、各話の内容、エンディングへの経緯なんかはほとんど書き尽くしてしまったので、正直あまり書くことが無い。感想でもいいのかなぁと思ったのですが、私は感想を書くのが大の苦手。
 というわけで、私はユリ熊嵐をこう見ました、という話をしていきたいと思います。全体の復習をしてから、第12話のレビューにつなげます。過去の11話分のレビューを再掲するとかなり長くなってしまいますし、今更各話の流れに合わせる必要もないので、用語集的な感じにざっくりとまとめていきます。
 各話レビューで追いかけて来てくれてた人には新要素はありませんから、直接第12話のレビューへどうぞ。


★用語集的な何か{netabare}

幾原監督の作家性と世界観:{netabare}
 ユリ熊嵐を理解する一番の助けになるのは、作中のセリフや表現よりも幾原監督の過去作だと思います。幾原監督の主張は、過去作からかなり一貫していますから、まずはここを確認するのが一番楽。

 ウテナのメインテーマは「革命」で、それは「心が変われば世界が変わる」ということ。自分の心が変わると世界の見え方が変わるよね、ってことでもあるけど、本当に世界そのものを変革しちゃうところに幾原監督の特徴がある。今ある世界はダメな世界だから、良い世界に作り変えちゃおう、というのが基本的な考え方。この傾向は、次作のピンドラでも一緒。幾原監督の物語作りの基礎になっている。

 そして、世界の変革以外に軸となっているのが、愛と自己犠牲の話。ウテナでももちろんあったけど、概念として極まったのはピンドラのとき。なぜなら、ピンドラのベースに宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を置いたから。目指す「真実の愛」を「普遍的な愛」に固定して、愛のためには「自己犠牲」は厭わないはずだと結論付けてる。そして、生きるためには愛が必要だと描いていた。愛し愛されることが生きることだという話。
 で、この「普遍的な愛」はもう一つの作用をもたらした。ウテナにおける愛の普遍性は、男女ではなく女性同士、つまり性別を超えた愛だったんだけど、ピンドラでは親子愛の要素が入ってきて、愛の範囲が拡大した。

 「自己犠牲」しても構わないと思えるほどの「真実の愛」を成就させて、「世界の変革」を成し遂げちゃおう。これが幾原監督の作る話。一対一の愛の成就を求めちゃうとバッドエンドのようにも見えるかもしれないけど、自分の好きな人のために「希望のある世界」を残せたと考えるとハッピーエンドに見える。こういうモヤモヤが残るエンディングを作る人。

 以上が過去作の話。この世界観をベースにすると、ユリ熊嵐という作品が結構見やすくなる(気がする)。
{/netabare}

(キャッキャウフフの)ユリと熊:{netabare}
 ユリと熊は、「真実の愛」や「普遍的な愛」を説明するための単なる要素。
 ユリに関しては、キャッキャウフフはあんまり関係ない。ユリを使うことで、男女の愛ではなく、過去作と同じ性別を超えた愛を描こうとしている。男女だと「恋愛」が前面に出てきて、「真実の愛」が分かりづらくなるから嫌ったんだと思う。ピンドラにあった親子愛は今作ではクレハママが担ってる。この二つで過去作までの「普遍的な愛」の要素が充足できてる。

 で、今作で追加された愛の要素が熊。つまり、種族を超えた愛。捕食者と被捕食者の別をも越える愛。これを入れることで「普遍的な愛」にもう一歩近づくことができた。
{/netabare}

嵐(排除の儀):{netabare}
 こっちは「世界の変革」を説明するための要素。ダメな世界や愛のない世界を説明のために透明な嵐や排除の儀がある。
 で、良い世界や愛のある世界の説明のためにあるのが、クマリア様。

 幾原監督が作る話は、「世界の変革」「真実の愛」「自己犠牲」の三本柱だと書いたけど、タイトルの『ユリ熊嵐』だけで「世界の変革」と「真実の愛」の二つが含まれてるのが分かる。足りないのは、「自己犠牲」のところだけ。これがサブタイトルの「LoveBullet」なんだけど、詳しくは後述する。
{/netabare}

クマリア様と(植物の)ユリ:{netabare}
 クマリア様は普遍的な愛の象徴。これはもちろん、キリスト教のマリア様から来てる。マリア様は処女性のモチーフとしても使われる。クレハのお父さんが問題にならないのは、マリア様が処女受胎だから。
 そして、白ユリは清浄のモチーフ。これはマリア様を象徴するものだから。マリア様が描かれる絵画には大体白ユリも一緒に描かれる。転じて、白ユリ単体でもマリア様と同じ清浄のモチーフとして機能する。
 ユリ熊嵐では、その対義語として黒ユリというのが存在している。
{/netabare}

ジャッジメンズとユリ裁判(ユリ承認):{netabare}
 ジャッジメンズは、クマリア様に仕える天使的な何かなのかなぁと思っていたけど、ちょっと違った。クマリア様の砕け散った破片の一部とか、クマリア様の化身とかがより適切なんだと思う。彼らの目的はクマリア様の復活。

 ユリ裁判では、キャッキャウフフの方のユリじゃなく、植物のユリの方の思いを判断してる。白ユリ裁判でも、黒ユリ裁判でもなく、ユリ裁判。何がどんな作用でクマリア様の普遍的な愛につながるか分からないから、清浄でピュアな思いならルールに則って何でも承認してしまう。それがツミであろうともピュアさを重視して承認する。ユリ承認はピュア承認。
{/netabare}

スキとキス:{netabare}
 これは愛と自己犠牲に関連するところ。このうちの愛の話がスキとキス。
 目指すのは「真実の愛」だけど、それ以外にも愛の形はいろいろある。ピンドラを引用するなら、愛の中には「恋<一対一の愛(個人的な愛の成就)<一対全の愛(普遍的な愛の成就)」という段階が組まれてる。

 恋に対応するのがスキ。スキがないと、どんな愛にも至らないし、どんな愛も成就されない。一番の基礎になるところ。だから「スキをあきらめない」ことが重要になる。でも、相手からのスキ(=キス)をあきらめてしまうと、一方通行の思いで終わってしまう。作中ではルル。キスをあきらめてしまったルルの、一方通行な叶わぬ思い。
 「本物のスキ」は、相手のためには自分が犠牲になっても構わないと思えるほどの強いスキのこと。

 一対一の愛に対応するのがキス。自分のスキに対して相手からスキ、すなわちキスが還ってくると一対一の愛が成就できる。個人的には一番求めたくなるけど、「本物のスキ」を無視して、ここを目的にしちゃうとエゴになる。それは「ヒトリジメ」になる。作中ではギンコ。ギンコは、クレハのキスが欲しかったけど、「ヒトリジメ」だったからツミを重ねてしまった。「食べたい」という「ヒトリジメ」願望から離れて、献身的な「本物のスキ」に気付かなければならなかった。

 で、普遍的な愛を授けてくれるのがクマリア様。種族を超えた愛すらも承認してくれる。「スキをあきらめない」で、「キスをあきらめない」のならば、結ばれたどんな二人をも祝福してくれる。
{/netabare}

ミツとツミ、LoveBullet:{netabare}
 これも愛と自己犠牲に関連するところ。このうちの自己犠牲の話がミツとツミ。

 ミツは愛が物体として表出したもの。「スキが本物」なら、その相手のためには自己犠牲も厭わないはず。自分を犠牲にしてでも相手を守ろうとするはず。つまり、自分を犠牲にしてでも相手のために尽くすこと。これがミツの概念。作中で一番分かりやすいのはミルン。ミルンは自分に傷を負いながら、ルルへのスキをミツとして届けようと献身を見せていた。
 「鏡に向かって撃つ」は、この自己犠牲への覚悟。鏡に向かって銃が撃てますか? 自分に向かって銃が撃てますか? 自分を犠牲にする覚悟がありますか? この自己犠牲の覚悟を乗せた弾こそがサブタイトルの「LoveBullet」。タイトルと併せて、三本柱の全てが充足される。「嵐に飛び込む」も同じ自己犠牲への覚悟の話。

 ツミはミツの逆の概念。相手を犠牲にしてまで自分の利益を求めること。エゴな「傲慢」や「ヒトリジメ」は「本物のスキ」ではない上に、ツミを誘発しやすくなる。
 ルルのツミは、自分の立場を守るために、ミルンとミルンのスキを犠牲にしたこと。
 ギンコのツミは二つ。一つ目は、自分を守ろうとした幼きクレハを排除の犠牲にしたこと。二つ目は、クレハのスキを「ヒトリジメ」するために、スミカを犠牲にしたこと。
 クレハのツミは、自分がクマになるのではなく、ギンコが人になることを願ったこと。つまり、自分のために相手を変えようとした。実際には、ギンコは自分の願いで人になってるけど、クレハの傲慢のツミは消えなかった。
{/netabare}

人の世界とクマの世界:{netabare}
 人の世界とクマの世界は、どちらも排除がある点では一緒。でも、中身は全然違う。
 クレハやスミカは、スキに芽生えていたから透明な嵐から排除されてた。排除しているのは愛のない人たち。
 ギンコは、ヒトリカブトで、愛の承認がされなかったから排除されてた。排除しているのは愛のある人たち。
 これが世界観のベース。人の世界は愛のない世界で、クマの世界は愛のある世界。愛のない人の世界が、エンディングを経てどうなったのかがとても大事。これが「世界の変革」の内容になる。

 でも、クマの世界はもう一つ別の顔を持つ。愛のないクマたちを集めて、クマリア様の承認を与えようとするクマリア教なる団体がある。この中では、愛のない側がマジョリティ。「スキをあきらめない」と宣言したギンコは、ここからも排除されてしまう。クマの世界だけは、愛のある世界の中に愛のない世界がある。二重構造になっている。
{/netabare}{/netabare}

 かなりざっくりにしてしまいましたが、以上が私が見たユリ熊嵐の内容ですね。次は第12話の単体レビューです。


★第12話「ユリ熊嵐」

クレハのツミとクマ化:{netabare}
 幼きクレハは「傲慢」を理解しておらず、「熊は排除されちゃうから、ギンコを人にする」ことで問題を解決しようとしていました。ですが、「本物のスキ」は自分が犠牲になるほどの覚悟がないと達成されません。それなのに、クレハは自分ではなく、ギンコの方を変えようとしてしまいました。クレハのツミですね。
 このあと「ギンコを人にするか、スキをあきらめるか」の選択肢が用意されましたが、自分のスキを「本物のスキ」だと思っているクレハは「スキをあきらめないけど、ギンコを人にして」という「傲慢」な結論を出します。ですが、このスキは「本物のスキ」ではないですから、記憶とともに失われることになります。
 ギンコは自身の裁判で人になっていますから、クレハの願いで人になったわけではないと思います。クレハの願いでギンコの裁判が開催が決定されたとか、ギンコの同意は不可欠だったとかでしょうかね。

 そして、現在に至ってクレハは記憶を取り戻します。過去の「傲慢」を自覚し、「本物のスキ」を理解するわけですが、このきっかけこそが、スミカが見せてくれた自己犠牲的な愛です。ここからは、嵐の中に飛び込み、クマリア様を召喚し、鏡越しの自分を撃ち、6体目のクマへと展開しました。クレハがギンコのために自分自身を犠牲にすることで、ギンコへの「本物のスキ」が証明されました。
 一方通行ではない、ギンコとクレハの双方向のスキが達成され、相互のキスにて決着です。
{/netabare}

エンディング:{netabare}
 排除勢の銃撃により、排除が達成されたと述べられていました。ただ、銃撃が始まる直前に扉が開いていましたので、おそらくギンコとクレハは無事だと思います。
 そして、二人が向かった先は「人と熊の彼岸」だと思われます。彼岸というのは、ここ(此岸)ではない世界という意味ですから、「人と熊の彼岸」というのは、人の世界でも熊の世界でもない第三の世界なのでしょうね。ただ、この世界からは消えていますから、人の世界からは排除が達成されたように見えていたのだと思います。絵本のラストが「どうなったか分からない」のも、二人が全く別の世界に赴いたからでしょう。

 ルルとミルンは、クマの(死後の)世界にいましたね。ルルが(死んじゃったとしても)ハッピーエンドになって本当に良かったです。カッコ書きがクッソ邪魔ですけど。無視無視。二人ともスキのために犠牲になってしまったけど、「本物のスキ」を知ってるからこそのハッピーエンドですね。キスをくれくれ言わずに、自分から飛び込めば良かったのです。

 今作の世界の変革は、世界をまるごと入れ替えるようなものではなかったですが、断絶の壁が取り払われることで概念的には大きく変わりました。ギンコとクレハはいなくなりましたが、「愛のない世界」である人の世界にスキという希望が残りました。クマリア様の言う「世界はあなたのスキで目覚め、変わってゆくものなのですから」ということですね。
 今作も「心が変われば世界が変わる」お話だと明かされました。メッセージとしては「今の世界がイヤで、この世界を変えたいと思っているのなら、まずは自分の心を変えましょう。主体的にならないと何も変わらないんだから」ってところですね。いつもの幾原作品のいつものメッセージです。

 で、この希望の一つがこのみクマロボだったわけですが、彼女の救済は本当にうれしかったですね。不憫すぎて何とかならんものかと苦慮していたので、とても安心しました。エンドクレジットで確認したところ、相手の女の子の名前は「亜衣撃子」となっていました。この名前から察するにこのみクマロボも大丈夫そうですね。

※キャラクターの名前については、第4話のレビューでこんな風に書いています(コピペ)。
 この作品での「愛」は「蜜」です。この「蜜」が生まれるのは「花」から。そして、クマは「(ハチ)蜜」が好き。「花」の周りには、クマを殺し得る「蜂」が飛ぶ。この「愛」「蜜」「花」「クマ」「蜂」の関係は、この作品の基礎を形作るので意識しておいた方が良いと思います。

 この話の後に「幾原監督は概念からキャラを配置するタイプの監督だ」「キャラクターの名前は概念に対応しているはずだ」みたいなことを書いていたのですが、長いし大した話じゃないから貼りません。
 具体例を挙げると、「スミカは純花と書き、ツバキやユリという個別の花ではなく花そのものを冠してる、異常だし重要です」とか「針島薫は針=蜂だからクマに取っては危険、ギンルル気を付けて」とかですね。
 同じように「亜衣撃子」は「愛(相?)撃つ子=LoveBullet」なんだから、きっと鏡に向かって撃てるよね。このみのハッピーエンドは確定的だよねってことです。
{/netabare}

クマリア様:{netabare}
 大勢には影響がないと思っているので、あまり触れなくてもいい気はするのですが、ちょっとだけ。クマリア様はスミカの姿を採っていました。
 スミカがもともとクマリア様だったというのは少し違和感があります。スミカは自己犠牲や献身を真っ先に見せてくれはしましたが、普遍的な愛を見せてくれたかとなると、そこまでではなかったように思えます。
 個人的には、クレハにとってのクマリア様がスミカの姿で見えていた、くらいに考えています。心の中のクマリア様は、人それぞれ違うんじゃないかなってことですね。
{/netabare}

おわりに:{netabare}
 今作では、ハッピーエンド?ではなく、ハッピーエンド!になっていました。過去作とほぼ同じことをやっているのに、なぜ?が!に変わったかというと、理由はたった一つ、犠牲の描き方が変わったからですね。
 今作の犠牲は、「命をささげること」ではなく、「命をささげる覚悟」として説明されています。スキが本物であることを証明するために、実際に命をささげるのではなく、その覚悟を見せれば良かった。過程では多くの犠牲が伴いましたが、最後の最後にこの違いが機能してくれました。ハッピーエンド好きの私にはうれしい誤算でした。


 『ユリ熊嵐』について、「過去作を見るのが一番楽」と書いてしまいましたが、これには「序盤から物語を理解するためには」という枕詞が尽きます。最後まで見ることを前提にすれば、幾原作品の入門としては一番いい気がします。

 ウテナのテレビ版は分かりやすいけど、すごく長くてテーマを見失いそうになる。ウテナの映画版は、短いけど追加されたテーマがビックリするくらい読み難い。ピンドラは、『銀河鉄道の夜』を参照することが前提になる。カンバがカンパネルラでショウマがジョバンニってところから始まって、リンゴやサソリの概念まで。だから最初のハードルが高め。でも、ここを超えてしまえばかなり楽な作品。

 どれも一長一短あるんですが、『ユリ熊嵐』は至ってシンプル。短いし、前提も必要ないし、何よりも分かりやすい。過去作では考えられないくらいに、解説が充実しています。
 唯一の問題点をあげるなら、ベストガールを決めるのに苦労することですね。ルルを推したいけど、ギンコやクレハだって好きだし、蜜子やユリーカ先生も捨てがたい。やっぱり名言の多いルルかなぁ。う~ん…。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

テーマ性が表面に出すぎて、面白さが味わいづらいのでは?

 ピングドラムを視聴してやっとある程度納得の行く考察が出来た気がしたので、今回初視聴です。
 1,2話くらいの印象だと、考察ありきの面倒なアニメで思いっきりけなしてやろうかとも思ったんですけど、ちゃんと謎も展開もあり、ストーリーとして面白くないわけではないです。

 独特な世界観。謎と事件から入って、人間クマの思惑が絡み合って過去から現在に至るまでにどんなことがあったんだろう?という興味がもてる展開にはなっていました。絵も奇麗だし、百合の場面も耽美でいいです。バンクシステムを使いすぎなのは幾原氏お得意の演出です。


 今回はむしろテーマ性が表面に出すぎというか、押し付けというか、分かりやすさというか分かりづらさというか、そちらの方がちょっと鬱陶しかったです。そのせいでせっかく面白いストーリーなのにそこが味わえず、ポカーンとなってしまう気がします。

 断絶の壁があって、椿輝紅羽の家がY字路に建てられていて、道路の表示を見るとそのままストーリーの説明です。断絶を取るか取らないかですね。家のデザインも独特で部屋の内部もいろいろ含意がありそうです。

 ユリ側、空気、悪の投票、ミニスカ制服。現代の同調圧力、SNSなどの象徴なのはすぐに読み取れます。スキがテーマですから自分の価値観と、キス=コミュニケーションの話で、ビル工事はどんどん悪いほうへ進んでいる象徴でしょう。学校を取り巻く環境が資本主義的でした。
 引き出しはなんでしょうね?ハートの下半分みたいなデザインです。

 クマ側が王政を引いていて、古い価値観なのはそちらに必ずしも正義があるわけではないということだと思います。が、少なくとも野生=行動・欲望・感情・本能・そして好き嫌い。そういったものの象徴になっていると思います。
 あるいは食べる=性行為とも見えます。

「羆嵐」という小説=三毛別事件を模しているなら、野生を持った人間の犯罪=レイプとも取れますし、コンテンツの女性の性消費の問題にも見えます。健全な恋愛をしなくなったことで性行為が出来なくなった=飢えた羆という読み取り方もできます。 
 
 女性しかいないハズなのに、なぜ子供が生まれるのか?椿輝紅羽の母は誰と子をなしたか?ですね。そこにクマ(箱仲ユリーカ)との交流がありました。この嫉妬は、他に好きになった男性がいるという意味かもしれません。

 クマ側に男性がいて、ユリ側に男がいないのは、今の男は去勢されているということでしょう。ユリ=女性、クマ=男性ではないです。

 ここで分かりづらいのは百合という漢字が名前に入ったキャラはクマだ、ということですね。箱仲ユリーカがカタカナなのは、転向組だからでしょう。この人間の中のクマは制服で表現されてもいました。
 同調している振りをして、野生を持っている人もいるんだぞ、という感じでしょう。
 この人たちが「ユリ熊」=人の世にいる野生を持った人という概念になっていますが、そうなると熊の世界は何のアナロジーだ?と分かりづらくなります。
 断絶は世代ととも取れますが、草食系と肉食系でもいいでしょう。あるいは考えない人と考える人、つまり大衆と超人。つまり、ニーチェのツァラストラです。ただ、神を象徴にもってきてますので、そこまでは言ってないかもしれません。

 これは心の中の問題かもしれないです。結局断絶の向こうは、具体的なアナロジーではなく漠然とした野生を持った人間性なのかもしれません。

 2015年は「響け!ユーフォニアム」もありました。「みんなと同じでいいのか?」という問題意識が高まっていたのでしょう。 


 ライフ・セクシー、ビューティー、クールは基本自分で行動する人には承認を与えます。これは価値基準が自分の行動を決めるのではなく、そうしたいと思えばそうれが承認なんだ、ということでしょうか。つまり、自己承認で決めていいんだと言う風にも見えます。
 一方で人間=スキを捨てる。つまり感情をすて他人の価値観に身をゆだねると言う風にもとれます。
 もし、クマ=「性行為をする人」だとすると、人を食べますか?=セックスを捨てますか?ということにもつながります。

 友達の壁の前に鏡があるのは自分自身を良く自分で知って、その上で己を捨てる=相手の事を優先する=スキが実践できますか?ととれます。


 椿輝紅羽は椿姫のヴァイオレッタの事で、泉乃純花は泉鏡花?嵐が丘学園だからそんな考察も出来るかもしれません。全部悲恋ですね。まあ、お遊びなのか含意があるのかは、1回目なので良くわかりません。



 で、以上のように言いたい事はおぼろげながらわかるとして、これはメッセージの伝え方としてはどうなんでしょう?7年前なので当時の感覚がわかりませんし、かなり「何の話か」は分かりやすく表現はしています。一方で「何が読み取れるのか」は分かりづらいです。
 断絶を男女と取りかねませんし、下手をするとクマは人殺してるというシーンをそのまま受け取ってしまうのでは?

 が、手遅れな気もします。アニメの人気の出方が年々表面的な要素になって言っている気がします。ユリのなんだかわからない話…で終わってしまうのではないでしょうか。しかも2022年現在だと…うーん。

 幾原氏の手法がいつまで通用するかですね。含意を読み取ろうという能動的な見方をする人じゃないと通じない気もします。
 逆に露骨な百合を出すことで興味を引こうとしたのでしょうか?だとするとちょっと望まれる百合の感覚が違うと思います。

 結論はテーマ・メッセージの分かりやすさとしつこさのせいで、面白くはあるけど中途半端な面白さになっていると感じます。
 ウテナのようなエンタメ・メッセージの両面から完成度が高い作品と比べると、また、ピングドラムのような、メッセージ性が非常に深いゆえに、結果的に感動が深まるような作品と比べると、小粒感が否めません。

 本作の含意が私が思っている以上に深いとしても、もっと考えないと私には読み取れません。ですが、これ以上の考察をするほどストーリーに重層性は感じないし、キャラ愛も生まれないです。
 要するにストーリーもキャラも面白いけど中途半端で、ウテナ、ピングドラムほどのめり込む気がしません。
 それは現代のアニメ作品として成立するのか?ですね。

 これから「さらざんまい」も見ようと思いますが、うーん。アニメ視聴者のアニメの消費の仕方の変化について行けるのでしょうか?ちょっと心配です。

 評価は難しいです。いい事を言っているのかもしれませんが、それでもアニメの優先順位はエンターテイメント性です。せっかくのストーリーをしつこいテーマ性が打ち消している気がします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

55.2 19 2015年度のファンタジーアニメランキング19位
ISUCA(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (368)
2145人が棚に入れました
真実の名前「真名(まな)」を知られた者は、どんな命にも逆らえず、支配されてしまう――。貧乏学生・浅野真一郎は、家政夫として働くことになった旧家の島津家で、朔邪というガサツでワガママな美少女と出逢う。実は彼女、妖魔封じを生業とする島津流弓霊術の使い手で、名門島津家の37代目当主だった。朔邪に振り回されながら妖魔との戦いに巻き込まれていく真一郎だったが、どうやら彼女と出逢ったのは偶然ではなかったようで――!?

声優・キャラクター
木戸衣吹、河本啓佑、M・A・O、佐土原かおり、藏合紗恵子、小日向茜、幸田夢波、ブリドカットセーラ恵美、藤村歩
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

退魔モノ★懐かしい感じです♪

「月刊ヤングエース」で連載中の漫画が原作のアニメです。
知りませんでしたけど…なんとなく観てみました。

主人公の浅野真一郎は島津家で家政夫として働くことになります。
そこには朔邪という美少女が住んでいて,彼女は妖魔封じを生業とする島津家の当主(仮)だったのです。
そして,真一郎は妖魔との戦いに巻き込まれていきます。

この作品における印象はレトロ!!
なんか,昭和とまではいかないけど,子どもの頃に観た漫画やアニメを思い起こさせます。
例えば,「魔物ハンター妖子」とか「3×3EYES」とか「人魚シリーズ」とか「吸血姫美夕」とか…。
それにハーレムとエロ(ラッキースケベ)要素を加えた感じですね。
決して嫌いなジャンルではないのですけど,あたしにはちょっとグロかったかなぁ。。
ハーレム・エロ要素も要らないし…。
青年漫画が原作だからしょうがないっちゃない気もしますけど…。
あんまり人がパカパカ死んでいく話は嫌いなのですが,これはけっこうそんな感じです。
これの1つ前にレビューした「東京ESP」(全然違う話だけど…)でも人は死んじゃうけど,主人公はちゃんと心を痛めてて…。
でも,朔邪(他の登場人物も)は切り替え早っ!!って思いました。
メンタル強いなぁ。
{netabare}そう感じたのは第伍話で,なんかよく分かんないけど,島津家の調査員を朔邪が殺しちゃった時なんですけど…(^-^;
そもそもあれって何であぁなっちゃったの!?
周り,あんなに朔邪をせっついてたくせに,朔邪が攻撃したら「それやっちゃうと調査員も死んじゃう」って…。
え。知ってたなら予め教えといてよ!!そんな大事なこと(>_<)―って思いました。
攻撃の仕方が悪かったってこと!?
あたしの理解する能力が乏しかっただけなのかしら…?{/netabare}

あとは戦うと何故かパン一になるっていうね☆
服がぼろぼろになる割には体は大して負傷してないんですよね。
そしてパンツだけはきちんと残ってるという…(笑)。
残ってるんじゃなくて,敵の方が残しといてくれてるのかな?
ブラは無くなっちゃっておっぱい黒く塗りつぶすくらいならブラも残しとけば良いのに…。
DVDとかになった時のためですか(-_-)

あとは,好きになれるキャラが居ませんでした。
ハーレム主人公は何故か魅力的なキャラが居ないので,真一郎は論外だし,朔邪も…。
気が強い女の子は好きじゃないのです。
須世璃も特に…なんですけど,見た目は可愛いですね♪
巫女装束なのにツインテールっていうギャップが可愛い。胸大きすぎだけど…(笑)。
イスカも見た目は可愛いんですけど,とにかく鬼畜。

{netabare}でも,真一郎は朔邪のことが好きなんですね。
で,告白をちゃんと自分からしたとこは偉いと思うんですが…「ほっとけないんだよ」じゃー告白になってないよぉ。
ここは男らしくはっきり言ってほしかったですね。
朔邪の方からキスさせちゃダメだよ~。{/netabare}

OPは前奏が好きです。
でも,歌いだしから「あ。こういう感じなのね。」ってちょっと残念。。
男の方の曲だったらかっこよかったのにな。
EDは…キャラのタッチが本編とちょっと違ってて違和感。

ストーリーも10話しかなかったし,原作との兼ね合いもあるのかすっきりしない終わり方。
{netabare}イスカを倒すのにあんなに苦労したのに「いやいや。スペア居すぎでしょ(笑)!!」って思いました。
なんかエヴァの綾波を思い浮かべてしまいましたよ。。
あんなに居るんじゃ体がいくら有っても足りないよ(>_<){/netabare}
そんな感じで内心突っ込んでばっかだったので評価低めなのですが,つまらなくはなかったですよ!!
2期やっても観ないでしょうけど(汗)。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

jethro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

これはひどい

構成やストーリー展開に違和感と嫌悪感・・・
2015年2月19日現在コミックス6巻まで出版されている本作
6巻まで出版されているのだから・・・もしやと思い
原作を走破しました。
スケベ描写はともかくとして、しっかりとしたストーリー展開
次へ次へと読み進める購読意欲を沸かせてくれました。

要するに
今回のアニメがマズかった。
原作の失態などではない事が明白でした。

テレビアニメになるということはマンガ以上に
様々な人々の意見にさらされ
それらを吸収したものが作品として世の中に出る訳で
どのような政治的圧力や戦略があったか測り知れませんが

ことごとく失敗しているように感じます。
エロ要素の不自然さは原作にも存在し
この点に関しては特に突っ込むところではないでしょう
ありがちな要素でもあるので・・・
とはいえ、このシチェーションを活かすために
主人公を必要以上にヘタレキャラにしてしまっているのは
原作への冒涜と言って過言ではないでしょう
生きるか死ぬかの戦いの中
キスをするかしないかで
あたふたするシーンがいくつかありましたが
(こんなヘタレたシーンがどうしてokになるのか意味不明だし
原作に全く存在しないシーンです。)
このようなシチェーションの場合
人間として当たり前ですが
原作の主人公は迷いなく即座に決断を下す男らしさがあります。
キスの問題だけでなく、様々な場面で見受けられる
優柔不断な態度や性格はアニメ独自のものであり
原作における主人公はもっと基本的なカッコ良さがあります。

全10話ということで物語を圧縮しなければならないのは良くわかりますし
アニメはアニメらしい表現も重要だと思います。
そういった意味で物語の改編やキャラクターの変更なども必要だし
私自身それらの行為に関しては肯定派です。
しかし
それらは、作品を良くするために行う行為であり
ハチャメチャにする為ではないはずです。

1話に1回は妖魔を出す、バトルを組み入れる
原作に存在しない、このアニメ独自のスタイルを踏襲しても
充分、作品を盛り上げ良くする
脚本や構成が模索出来たのではないでしょうか

原作は現行6巻(続行中)までですが
人間関係が封建社会の縮図的なお家騒動もので
かなり入り組んでおり
たった10話で表現するのは難しかったと思います。
かなり無理な改変とエンドでした。
そういう意味で、
こんなムチャ振りをライターの方は良くまとめている
とも言えるかも知れませんが

人の生死より優先するものの描き方が
モラル崩壊を起こしているのは
人間として到底納得できるものではありませんし
辻褄合わせの犠牲となった須世璃の人格変更は
幻滅以外の何物でもありませんでした。

原作が可哀相でなりません

OP、EDの構成はとっても好みでした。
なんか、もったいない・・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キャッチフレーズは「こんな屈辱(コト)して…責任をとれ!」「バイトで退魔、時々ラブコメここに登場!」。

この作品の原作は未読です。冬アニメが始まったにも関わらず中々放送されないなぁ・・・と思っていたら角川10話作品だったんですね^^;
1クール12〜13話でも尺の短さを感じる作品が多い中、10話枠の作品があるのは未だに疑問なんですよね^^;
最初は視聴を迷っていましたが、AT-Xで土曜の20時から放送されていたんですよね・・・その時間他に視聴したい作品も無いので見始めたら、いつの間にか完走していました^^;

この物語の主人公は島津 朔邪(しまづ さくや)
封魔を生業とする島津家37代目の・・・未成年なので仮当主です。
島津の本家は鎌倉にあるのですが、訳あって一人暮らしをしています。
そんな彼女はある日、同じ高校に通う浅野 真一郎と知り合いになるのですが、彼は封魔に必要な真名を見抜く「真眼」の持ち主だったのです。
この二人の出会いから封魔の物語が動いていきます・・・

主人公の朔邪ちゃん・・・金髪ロングの貧乳でツンデレと一世を風靡したテンプレキャラなのですが、封魔に関してとても頑張り屋さんな彼女は、私の中では好印象でした^^
CVの木戸さんの声質もキャラに合っていたと思います^^

そして朔邪ちゃんの従姉妹の島津 須世璃(しまづ すせり)も次期当主の候補です。
お約束ですが、二人共見た目と性格は真逆なのですが、どちらも当主になる事を強く望んでいます・・・
封魔師としての資質の高い方が当主になるのですけど・・・どっちがなるんでしょうね^^;

一方物語の方は次々と妖魔が現れる中、西洋魔術使いの謎の金髪ロング美少女が登場します。
彼女は執拗に朔邪達を狙ってきます。
彼女の目的は・・・?
なぜ島津の人ばかりを狙うのか・・・?
気になる方は是非本編をご覧下さい^^

色んな妖魔が登場しますが、最後に乗り越えなきゃいけないのは自分自身であり、自分の心の弱さと向き合い受け入れないと進めない道がある事をこの物語では指し示しています^^

オープニングテーマは、アフィリア・サーガさんの「Never say Never」
エンディングテーマは、TWO-FORMULAさんの「Somebody to love」
何といってもエンディングの演出は秀逸だったと思います^^
キャラがとても綺麗だったのが印象的で毎回欠かさず視聴していました。
作風が「一騎当千 Great Guardians」と似ていたので、一目見た瞬間に梅津泰臣さんの演出だと分かった事に少しだけ嬉しさを感じました^^

1クール10話はやっぱり短いです^^;
多くの謎が出てきましたが、ほとんど回収されずに終わってしまったように思います。
これも原作のストックの関係なのでしょうか^^;?
続編があるなら是非視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

52.7 20 2015年度のファンタジーアニメランキング20位
台風のノルダ(アニメ映画)

2015年6月5日
★★★☆☆ 3.0 (124)
383人が棚に入れました
スタジオコロリドの作品。


その少女は、台風にのってやって来た。

僕たちに「本当に大切なこと」を教えてくれた、不思議な少女との一夜の物語。

舞台はとある離島、文化祭前日の中学校。

幼いころからずっと続けていた野球をやめたことがきっかけで親友の西条とケンカした東は、突如現れた赤い目をした不思議な少女ノルダと出会う。

「“地の渦”と“空の渦”と“私”が一つに繋がれたとき、この星は生まれ変わる…」。

その頃、観測史上最大級の台風が学校を襲おうしていた──。

声優・キャラクター
野村周平、金子大地、清原果耶
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ジブリ出身の監督?

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 30分弱のショートムービー。
 「陽なたのアオシグレ」と同時上映だったと聞いて、そこそこ期待して見たんですけど、率直に言ってあまり良くなかったですね。主張が前面に出ているせいもあってか全体的に青臭い感じがするんですけど、それは新人監督ゆえある程度は許容するつもりです。でも、それ以上にストーリー構成が噛み合ってなかったように思えました。


ストーリー:{netabare}
 主人公のアズマと親友のサイジョウが同じトラブルを乗り越えることで仲直りをする、っていうのがこの作品のメインストーリーですね。このトラブルというのが、ノルダの運んできた「この星の再構築」です。

 ノルダは、「送り込まれた」「首輪によって支配されている」「強制的に柱になる」と言っていましたから、ノルダの上位に位置する「何か」がいて、ノルダはその命令に逆らえない状況にあるのだと思います。また、その「何か」が「この星の再構築」をも目論んでいるのでしょう。
 ノルダは「もう止めることは…」と落胆していましたから、この「何か」と同じ目的を共有しているわけではなくて、むしろ反目する(阻止したい)立場にあったんだと思われます。

 最終的には「この星の再構築」の阻止が成功したんですけど、他方で「別の再構築」が行われていました。
 「別の再構築」で最も重要なのが「アズマの性格の再構築」です。アズマは、「この星の再構築」を阻止しようとするノルダの思いや、「少しでもいいから遠くへ逃げて」というノルダの献身性に触れて、「出来ることをやりたいんだ」という前向きな姿勢を取り戻すことができました。ノルダとの出会いがアズマに主体性を取り戻させたのです。
 また、この「アズマの性格の再構築」が、「アズマとサイジョウの関係性の再構築(仲直り)」へとつながりました。
{/netabare}

ストーリーのちぐはぐ感:{netabare}
 この作品のストーリーは二つの軸から構成されています。一つ目がメインストーリーである「アズマとサイジョウの仲直り」で、二つ目がサブストーリーである「アズマとノルダの出会い」ですね。で、この二つのストーリーが有機的に結合されていないな、と感じました。

 サブストーリーの方は比較的まとまっていると思います。「後ろ向きなアズマがいて、ノルダとの出会いによって、前向きなアズマになる」というボーイミーツガールをベースにした三段型の流れは出来ていますよね。アズマ単独の成長譚として見るのなら、こちらの方が重要性は高いです。

 問題なのは、メインストーリーの方です。
 この作品は、野球を辞めたことからケンカに発展する、というところから始まって、仲直りをするところで終わっています。保健の先生も「一生の友達になるかどうか」ということを言っていますし、どう考えてもこのアズマとサイジョウのストーリーがメインのはずです。
 で、アズマとサイジョウが仲直りをするために必要だったのは、後ろ向きなアズマが主体性を取り戻すことだったんですけど、前述の通りこれを成し遂げたのはサイジョウではなく、ノルダです。本来なら、「ケンカ相手のサイジョウがアズマに主体性を取り戻させたから、ノルダを救出できた」となるはずなのに、実際には、「ノルダがアズマに主体性を取り戻させたから、サイジョウと仲直りできた」となってしまっているのです。そのせいで、メインストーリーの解決がたなぼた的な解決になってしまっています。

 簡単に言ってしまうと、アズマが主体性を取り戻すタイミングが早すぎたんです。
 仲直りをメインとするなら、「アズマが野球をやめる」→「ケンカをする」→「ノルダのためにアズマがサイジョウに助けを求める」→「サイジョウのアドバイスと協力によりアズマが主体性を取り戻す」→「ボールを投げる」→「大団円」という流れであるべきだったと思います。この流れなら、仲直りをメインストーリーとして組めていたはずです。
 ですが、アズマが主体性を取り戻すのがサイジョウに助けを求める前に入ってしまっていたために、サイジョウが心情を吐露するシーンが「その影響を受けてアズマが主体性を取り戻せた」ではなくて、「ただ吐露しているだけ」になってしまっています。アズマの成長にとって、サイジョウが何らの寄与も出来ていないのです。このストーリー構成で、仲直りのストーリーだ、と言い切るのはちょっと難しいと思います。

 「再構築」というキーワードをベースに、「この星の再構築」から「アズマの性格の再構築」と「アズマとサイジョウの関係性の再構築」へと転換した事自体は評価に値するものかとも思います。ですが、メインストーリーである「アズマとサイジョウの仲直り」を描くためにはノルダが邪魔になっているし、サブストーリーである「アズマとノルダの出会い」を描くのであればサイジョウの存在に意味はありません。この二つをうまく結合できなかったために、この作品自体にちぐはぐ感が生まれてしまったように思えます。
{/netabare}

作画:{netabare}
 作画も期待したほど良くありませんでした。背景は綺麗でしたが、いまどき背景が綺麗じゃない作品なんてほとんどありませんからね。

 動きで気になったのは、重いものに対する動作の描き方です。身の丈を超える本棚を倒したり、丸太を持ち上げて投げたりするシーンなんかがあるんですけど、全く重そうに見えませんでした。
 ジブリ作品における重いものの動きで思い出されるのは、千と千尋におけるカマジイのもとで千尋が石を運ぶシーンや、ポニョにおけるソウスケがバケツの水を運ぶシーンなんかがあると思います。これらのシーンにおいては、無理している感とか頑張っている感とかが、その「重そうな感じ」からとてもよく出ていました。
 この作品では全然ダメでしたね。重そうに見えないために、頑張っているように見えない。ほんとにジブリ出身のアニメーターなのかと訝しんでしまいました。

 ストーリーもいまひとつ、動きもダメっぽくて、素人声優を採用した意義も見いだせない。
 作品としては駄作だと思いました。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

よくわからないアニメ映画NO1です。追記 わかるところもありました。

 何を言いたいのか、誰向けなのか、まったく理解不能の映画でした。台風に何か寓意があるとすれば、災害とか非日常なんでしょうか?そして、ノルダの意味は何でしょうか。ボーイミーツガールではないです。世界OR少女の世界系ではないです。少女を救う事が世界を救う事になります。

 非日常+女子高生でやっと少年は素直になれる?ということでしょうか。いや、意味わかりません。

 そして、なぜ地球が?という部分がまったく無意味、無思想です。台風と絡めると温暖化を引き起こすような愚かな人類は云々の言い方はできると思いますが、特に銀河帝国が制裁に来たという感じもありません。

 じゃあなぜ宇宙人はJKなんでしょう?制服=征服とかいう洒落?要するにJKを出したかったんでしょうね。普通失敗したら第2陣が来ると思うんですけど、そこに対する予防も無かった気が…あるいは少女を助けるのが何かの試験だったんでしょうか?ここは、正直ポッカーンで何もわかりませんでした。

 それでBLですらないのがすごいですね。構造的には「バブル」を3倍に薄めて時間を短くしたような感じです。あちらはまだアナロジーで言いたい事は散りばめられてましたけど。

 一期一会とかひと夏の冒険のような詩情もないし、不条理でもないし…うーん。キャラの激しい感情と行動で何を感じればいいかがわかりませんでした。

 映画にしては作画に感動するわけでもなく。冒頭の台風の映像だけは期待を持たせてくれますが、しかし何もないなあ。うーん。よくわからない映画NO1かも。


追記 あーちょっと考えると、台風は女性名が付きますから、台風を女性で象徴するのはありかなあ。あとは、文化祭だとすると非日常の典型ですね。台風も同じく学生にとってはワクワクする非日常です(沖縄なら日常かもしれません)。停電や災害ですらアミューズメントに変換できるのは学生の特権でしょう。

 2人きりでバナナを食べさせるのでエロいことを妄想してもいいですけど、それはまあ受け取る側に委ねる部分でしょうね。そもそもはじめ裸だし、濡れたシーンがエロいので爽やかさはあんまり感じません。
 少女と夏に出会えばまあ、いろいろあります。つまり少女と出会って大人になる、ですね。台風少女=大事件のアナロジーなら当然「大人の階段上る」もはいるでしょう。
「アニメは表現したいものしか表現されない」の原則から言えば、考えすぎではないと思います。

 そうそう宇宙船の形は何かを象徴している気がするので、思いついたらまた追記します。

 と考えると、仲直りのきっかけとして、ある夏の非日常の中でこんなことがありました…でもいいかなあ。ストーリーは1.5点は低すぎかな。ただ、3点はつけたくない感じで2.5点ですね。点数いろいろいじってたら2.9点になったのでそれが丁度いいですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

beatle さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

26分縛りでジブリっぽい作品を作った結果

割と面白かったです。

なんか終わりっぽい?ってシークバー見るとマジで26分ぐらいで終わりみたいで焦りました。

いろいろ詰め込んでますけど、これで26分ならまぁまぁ楽しめたのかもしれません。しかしながら、余りにも尺が短過ぎるので、言葉一つ一つに至るまでの過程の描写を端折り過ぎており、感動の安売りという感じが否めません。

が。決して悪くない。設定は悪くないのです。むしろ好みなのであります。(ToHeartネタで分かる一同爆笑)
これを1クールでやったらイリヤの空をライトにしたような感じでとっても良いかもって思いました。

ところどころホモネタに走ったりMAD素材を狙っているのかネタパーツが多いのもご愛嬌。いろいろと詰め込んでますが、アレですね。忙しい人向けのアニメです。つまり社会人が荒んだ心を癒す郷愁を想い起こすサプリメントと考えられます。現代社会に生きる社会人という名の闘士には、たまにはこういう成分も補給しないと病んでしまうのであります。

声優がちょっと目に余るって方もいましたが、僕としてはむしろコレで良かったと思います。こういうのでいいんだよ、こういうので。「諦めるな!」という主人公の声がかなり聞き取りづらかったですが、中学生っぽさが出て逆に良いなって思いました。

ぶっちゃけ声とかどうでもいいからね。萌え豚の僕でも近年の声優豚の鳴き声は目に余ります。声優とかどうでもいいじゃねーかっつーの。しかも近年雑誌に声優の顔写真が出てグラビア飾ったりしてるし。そういうのじゃねーだろうがって思います。裏方なんだから裏方を支えてどうぞ、なのです。声優にビジュアルを求める奴は正直いらっときます。顔の良い女はどんな職業についても大抵どうにかなるんだから、顔の整ってない女にこそ声優をやらせるべきなのだと思うのです。顔の整ってない女の方がもっと良い声出るんじゃないかと思うのです。むしろブスにこそ活躍出来る現場をサブカル界は与えるべき。声とかテキトーでいいんだよ。テキトーで。違いなんてほとんど無いんだから。格好良い声、可愛い声に慣れ過ぎてナチュラルな声の良さを理解しない奴の声のデカさはデカイことこの上無い。
味の濃い食べ物ばっかり食べまくったせいで舌がイカれて素朴な味わいを感じる事ができねーんじゃないかと。

まぁ学園祭の雰囲気も世界観も秋山混じりなのでつまりはそういう事なのでしょうが、良いのです。

もっとこういうのを作って欲しいです。実験作や意欲作だというスタンスを踏まえた上での評価になります。百円レンタルで借りれそうな多忙なサラリーマンにお勧めです。EGFマダーの瑞っ子はこれでも観て正気を保ち続けましょう。

こういうあっさりな作品ってありそうで無かったので新鮮で良かったです。
是非このまま挑み続けて頂きたい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

63.0 21 2015年度のファンタジーアニメランキング21位
ローリング☆ガールズ(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (543)
2370人が棚に入れました
守られてばかりだった少女が一念発起、平和を守る旅に出る。

行く手に待つのは魔法使いか怪獣か、はたまた巨大ロボットか。

ご当地色をきわめつくした各地をめぐり、仲間とかさねる奮闘努力、汗と涙は報われるのか――。

どこまでいっても普通の子という宿命を背負い、それでもがんばる少女四人組が織りなす­新感覚・青春ロードムービー!


声優・キャラクター
小澤亜李、日高里菜、種田梨沙、花守ゆみり、中原麻衣、早見沙織、小西克幸

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

4人で旅した思い出はいつまでも色褪せない

ローリング☆ガールズ、はてさて一体何のアニメなのかと初めての方はお思いになるでしょう。
女の子4人がバイクで日本各地を旅する、簡単に言うとそんな話です。
主人公の4人、モブです↑
日本、おかしなことになっています↑
なんと他の作品だったらヒストグラムだったりシルエットだったりする"モブ"が主人公なんです。
でも実は火影の血を受け継ぐんでしょ?とかどうせ因果律が高まってたりするんでしょ?とか、そんなことは一切ありません、最後までモブです。
モブで主人公が務まるのか?と疑って当然だと思います。これはきっと恐らくアニメの分野では、「誰もやらなかったこと」でありつつ「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことなんだと思います。
声を大きくして言いますが、"モブ"が最後まで"モブ"であり、また"主人公"が最後まで"主人公"だったからこそ、私はこのアニメが大好きなんです!


主人公が特殊なら世界観も特殊です。
突如として日本に道州制が敷かれます、我が県こそが州都だと日本各地で争いが起きます、暴徒と化した都道府県民はついに東京・永田町に押し寄せ道州制に猛反発し始めます(=東京大決戦)。
東京大決戦から10年、10余りの道州から再び分割された旧都道府県がご当地色を強めながら内向きな発展を遂げた、そんな世界が舞台となります。
旧都道府県にはそれぞれ、国主と自警団が存在し、地域間の揉め事は主に自警団の団長(モサ)同士の戦いによって解決することが国の決まり(ツインタワー宣言)とされている、そんな現実的でありながらおとぎの国のような世界が舞台なんです。
例えば大阪であれば、たこ焼き店が百軒くらいずらっと道の両脇に並んでいるみたいな、47都道府県の設定とそこに住まうモサ140人弱の設定を三年間かけて考証し、世界を築き上げていったそうです。
私の出身は岐阜県ですが、岐阜は関ヶ原の戦いの舞台になったということで、県民(正しくは岐阜国のため国民)が甲冑に身を包み東軍西軍に分かれてドンチャン騒ぎをしているようです。
行き過ぎたご当地性、うんうんそうかも!と思えるようなものからこれはどうなの?と思うようなものまで、非常に楽しい"日本"という場所がこの作品には描かれているのです。

アニメでは全12話、大方は2話構成で主人公たちの住まう所沢から始まり、東京、愛知・三重、京都、岡山、広島という順に旅をしていきます。
実は他にも箱根だったり富士山だったり大阪だったり旅をしているのですが、その辺は漫画・小説の方で少し詳しく出てきます。
本来なら地域ごとに気が済むまでお話したいですが、ここでは割愛させていただきます。
所沢だったらバトル、愛知・三重だったらレーシング、京都だったらバンド、とにかくその土地で色々なことをしますが、それぞれバトルアニメ、レーシングアニメ、バンドアニメとして単体で見ても、それらを専門の題材としているアニメと比べて引けを取らない力の入れ込みようなんです!
これがすごい!
やれ総集編だの特番だのと万策の尽きるアニメが多い中で最後までハイクオリティで放送したこの作品の素晴らしさよ!
勿論、最終回付近の作画はちょっとぎこちない印象も受けますが、そこは大幅リテイクされてBD・DVDに収録されています。
設定資料集が今月発売されまして読んでみたところ、作画指導なる項目があったのですが、「常におしりを突き出して立ってたり、いつでもS字立ちしてたり、常に内股でなくても、かわいい女の子は描けると思います」「セックスアピール強い女の子より、とんでもない世界でアホみたいに生き生きとした女の子が見たいです」とこのように書かれていまして、全くその通りだと感動いたしました。
この媚びてなさ、これこそがローリング☆ガールズの最大の魅力なんじゃないかと私は思います。

モブ主人公の4人も非常に魅力的なんですが、なんといってモサのキャラクターの個性的なこと!
それぞれの地域でモサが居て、それぞれのストーリーで主役を食わんばかりに活躍します。
例えば、東村山の雇われ総長、武器使いの女帝・執行久仁子様は、その昔正義の味方を目指していたのがいつの間にか悪役になったというキャラで、所沢のリーダー、所沢の平和を守る正体不明の仮面戦士・マッチャグリーンと決死の戦いを経て互いを認め合い最後は共に国の平和を守るため共闘するというように一アニメの主役を張れる逸材がわんさかといます。
さらにいうとモサにしてもモブにしてもキャラクターの練られ具合が物凄いんです!
例えば、京都の古寺名刹の保安を担う舞子どすどす団長・豆千代さんと豆千代さんを指導する菊志乃さんの関係。
劇中では菊志乃さんのことを豆千代さんは「おかあさん」と呼ぶんですけど、これはお母さんではなくて女将さんの意味。
豆千代さんは有名な芸姑の忘れ形見で、その人に菊志之さんが頼まれて面倒を見ているというような、まぁなんとも複雑な設定が公式であるんです。
そんな細かな設定まで成されているんです、たかだた2話で出番が終わってしまうキャラクターに。
そんな強い拘りを節々に感じられるアニメは数少ないです、貴重です。
結局主人公達の名前すら出さないのは流石に不味いので一応言っておきますと、森友望未、小坂結季奈、響逢衣、御園千綾です。
今まで散々モブモブ言って来ましたが、この4人、私は本当に大好きです。
それはそれは言い尽くせないほどの魅力に満ち満ちていて、もうなんて言ったら良いのやらです。
"転がって落ちて這い回る少女達、他の誰かのため、自分達自身のために、たとえモブだという運命だとしても"
よ~く見てみると小さくタイトルロゴの下に書いてある英語、実はこんなことが書かれているんですね。
このモブの少女達がモブなりにほんのちょっと活躍するわけなんですが、それが結果的にストーリーをバッドエンドからグッドエンドに導いているんです。
彼女たちが居たことによって・・・最終的に解決するのはモサですが、彼女たちが居たことによってストーリーが成り立っているのです!
モブすごい!

声優は小澤亜李さん、日高里菜さん、種田梨沙さん、花守ゆみりさんがメインです。
放送当時・放送後含めて、ローリング☆ガールズはイベントを大量にやっていたことも印象強くって。
ロリガツアーズという劇場での先行上映会が5回、旅の寄り道というスタッフも呼んでの一挙上映会が2回、それからAnimeJapanのブースイベント、ぽにきゃん主催のP's Live、マチアソビのトークイベント、BD・DVD発売記念お渡し会、ロリガロックエクスプロージョンとまぁとにかく大量にイベントをやっていました。
先行上映会以外は参加したのですが、とにかく声優さんとの距離が近くてびっくりでした。
旅の寄り道01では、発売されたばかりの小説と原画ブロマイドと劇中でも登場したパスポートが配られていて、さらにそのパスポートにこれも劇中で登場したスタンプを押してもらえると言うとてつもない神イベ。
しかも会場でグッズ購入した人には抽選でサイン入り台本やポスターを配るという太っ腹っぷり。
いやー、あの頃が私の人生のピークでした()
さらに、これは声優さんは絡んでいませんが、舞台となった地域のアニメイトにて"モサスタンプラリー"なる企画があったり、上野のマルイでロリガショップが開催したり、古河の街角美術館でロリガの原画が展示されたり、とにかく精力的にイベントをしてくれてファンとしては感謝に尽きますね。
ちなみにモサスタンプラリーは難易度高くて、埼玉、東京、愛知、岐阜、京都、広島は行って推せたんですけど、奈良、岡山は断念しました・・・
それでも、舞台となった地方を巡ってロリガを感じることが出来て非常に楽しかったです。

曲は言わずもがな、ブルーハーツのカバーです。
まぁ萌えアニメにブルハなんてけしからんっ!と言わないでください。
私はそこまでブルハに明るくないんですが、イベント等でお話を聞いてみると熱心なブルハファンも居て、「ブルハは色々カバーされてるけど微妙なのが多くて、でもロリガ版のアレンジは良い、ガールズバンドとしては相当頑張っている」「いちいち選曲が良くて、特にネオンサインなんかは一番好きな曲だったからアニメで流れて嬉しい、こういうのをきっかけにブルハを知ってもらえればもっと嬉しい」というようなコメントをしてる方もいて、そうだよなそうだよなーと頷いてばかりいました。
BGMにもブルーハーツのカバーがいくつかあり、そのうち「シャララ」と「青空」はロリガロックエクスプロージョンで販売されたCDに歌付きで新規収録されています。
ブルハカバーではない他の横山克さん作曲のBGMも相当素晴らしく、私は特に「まぼろし軒での死闘」と「豆千代」が好きでよく口ずさんでます。
アンサーソング的な位置付のオリジナル曲、STONESですがこれもまた至高です。
8話で披露されたSTONES、プロットの段階では全然違う歌詞だったそうです
完成したものに監督が納得せず、再三作曲者に打診して最終的にあの形になったそうです。
実はイベントで配布された8話の台本に元の歌詞が載っているようです。
だからこそ、よりローリング☆ガールズにマッチした楽曲になっております。


この作品、ひっっっっじょーに奥が深いです。
アニメだけでなく、コミカライズ、ノベライズ、設定資料集、公式サイト、BD・DVDのキャラクターコメンタリー、スタッフさんのイベントやツイッターでの発言に至るまで、全てを網羅して初めてロリガの真価に触れることが出来ると思います。
とにかくアニメで説明する気がないのです、自分から積極的に突き詰めていかないと深められないというのはある意味では不親切ですが、むしろその方がオタクとして燃えませんか!?
まぁ別に深く知ろうとしなくたって、流し見で見てるだけでも雰囲気感じられて楽しいのです。
深く知ればもっと楽しいですが()

アニメが乱造され氾濫したこの時代に、これほどの名作に生まれ得るだなんて夢にも思っていませんでした。
私のアニオタ人生で終止符を飾るに相応しい、理想の上を行った、かけがえのない、まさに、"完璧"な作品でした。
こんな作品に出会えて良かった!ありがとう、ローリング☆ガールズ!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

お話のしんみりさ、キャラの魅力とは別に、明らかにコンセプトを履き違えた“迷作”…端的にバイクの扱いがオカシイ!?

2015年の冬期1クール全12話のオリジナルアニメ作品
出合小都美が監督
むとうやすゆきが全話脚本
キャラ原案をtanu
総作監を北田勝彦
音楽を横山克
主題歌や挿入歌はTHE BLUE HEARTSのカバー
映画『ハル』に続きWIT STUDIOのテレビアニメシリーズとして初の完全オリジナル作品です


戦国時代に遡った様に都道府県が国家として独立してしまった架空の日本が舞台
巨大ロボットや超能力などを振るう権力者達が跋扈する、なんでもアリの乱世
そんな日本を平々凡々な4人の少女が各地の争いごとをバイクで旅をしながら納めていくというロードムービー仕立ての旅行記モノ・・・


まずファンタジーとSFと大河ドラマが入り組んだような世界観、平凡な少女達が世の混乱の渦を突き進んでいくストーリー、個性的な無数のキャラ・・・
こういった作品の表面性、内面性はオイラも高く評価しているんです
ただどうしてもオイラにはこの作品に納得がいかないポイントが3つだけあるんです


その3つのポイント全てが今作における“バイクの扱い”にまつわる部分


まず4人の少女が乱世の日本列島をバイクで横断していくというあらすじ、彼女たちが乗っているバイクの車種、彼女たちのファッション
これらから今作のコンセプトが明らかに50~60年代を舞台にしたアメリカのロードムービーや若者のポップカルチャーの隆盛を題材にした一連の青春映画郡
あるいは片岡義男の小説を元ネタにしているのは明らかです


ノンスケは見た目Z2でエンジンはなぜか3気筒・・・なバイクにMA-1フライトジャケットの出で立ちってことで片岡義男作品の主人公がモデルでしょう
執行玖仁子の愛車は『イージー・ライダー』のキャプテンアメリカ号だし、千綾がM-51ミリタリージャケットを着てヴェスパに乗ってる姿は『さらば青春の光』のモッズと呼ばれる若者そのもの
ゆきっぺの愛車はトライアンフっぽいけど実のところコイツはA-1フライトジャケットを着てるし『モーターサイクル・ダイアリーズ』のエルネストこと若かりしチェ・ゲバラとポデローサ号がモデルでしょう


つまり今作は“往年のロードムービーを現代の萌えキャラでやる!”というコンセプトなのは明白です
コレ自体は素敵なアイデアだと思うのです

し!
か!!
し!!!

コレらを踏まえた上でオイラが今作をいま一歩受け入れ難い3つの指摘が以下です


【①準主役級の存在であるはずのバイクの描き方が雑】
これはある程度仕方のないことと認識していますが、、、ノンスケの愛車がどう見ても「Z2」(カワサキ750RS、通称ゼッツー)なのに4気筒エンジンのはずのZ2がなぜか劇中では3気筒で描写されてます
これじゃヤマハGX750になっちゃうよ!
バイク好きにとってこれは死活問題です
その車種のアイデンティティの一つですから、エンジンというものは
それにCGを多用してる一方で作画で描かれてるバイクは正直ぎこちない
ロボットアニメでロボットがダサかったらイヤですよね?
魔法少女アニメでマスコットがブサイクだったらイヤですよね?
それと同じように、世界観を演出するバイクの描写が雑ってのは如何なものかと思うのですよ?
まあ『ばくおん!!』の様にメーカーからちゃんと許諾を得て実車を登場させる、というのもメンドクサイのでしょう
権利関係に手間を掛けるのであれば他に回そう、ということなのでしょう
バイクはあくまで作中の小道具、女の子達が可愛ければそれで良い
と、いうことでこの点に関してはオイラも100歩譲ってまだ理解出来ます


【②バイクを若者を象徴する乗り物として描けていない】
なぜか今作の世界ではバイクが大流行しており、移動手段はもっぱらバイクということになっています
ノンスケ達の様な未熟な若者が自由気ままに旅をするのにバイクが丁度いい、ということでバイクが選ばれているわけではなく、兎にも角にもこの世界で旅するにはバイクが無いとお話にならないのです
ですが前述した通り今作のコンセプトには若者がバイクで旅をするロードムビーの要素を孕んでいます
だから考えてもみて下さい、若き日のチェ・ゲバラが何故ポデローサ号で南米を縦断しなきゃいけなかったんですか?
それは“彼に車を買う金が無かったからですよ”
車を買えない、飛行機に乗れない、けれど自由気ままな旅がしたい、、、こーゆー若者を解放する手段がバイクの旅なんです
なのにこの世界では誰しもがバイクに乗っており、特別な意味を持っていない
それどころか権力者側たる執行玖仁子がキャプテンアメリカ号に乗ってるって・・・
彼女は「自由人」として描かれはするが映画の中のキャプテンアメリカことワイアットは蔑視される側の人間ですぞ?
金は無いが自由な旅人=バイクとし、その対比として権力者側は車や艦にすれば良いのに、と感じましたね


【③バイクの旅を孤独の象徴として描けていない】
コレが最も残念な部分です
バイクってのは余分な荷物を持てませんし、沢山の人も運べません
極端な話、旅先でのお土産すら積めず持って帰ってくるのは思い出だけ
こんなのツーリングライダーにとっては日常茶飯事です
基本的にバイクってのは一人旅の象徴として使われるのです
ですがノンスケ達の旅はそんな孤独感とは無縁な、むしろマスツーリングと呼ぶべきものですよね
美少女が群れて旅をするのは画になるかもしれませんが、そうなるとなぜバイクなのでしょう!?という疑問が生まれます
コレをやっていいのはバイク元来の楽しさを伝導する作品である『ばくおん!!』だけですよ(或いはバイクをロードレーサーに置換した『ろんぐらいだぁす!』や『南鎌倉高校女子自転車部』もそれらに分類されるでしょう)
女子4人があんな少ない荷物をバイクにぶら下げて日本列島を縦断するなんてありえないんですよ
主人公を二人までに絞れば『ミチコとハッチン』の様な描き方が出来たとも思います
ですが、4人と3台は流石に多すぎる;
こうなると画的に×旅→○ツーリングになってしまい、だいぶ雰囲気が変わってしまいます
そして今作の場合、バイクの素晴らしさを伝えることは重要でないはず
もう“バイクである必要性はこの作品には無い”と言っても良いと思いますね
バイクを孤独の象徴として描けているアニメは沢山あります
『ルパン三世』の峰不二子は基本単独行動する時バイクで移動してます
『電脳コイル』の原川玉子や『花咲くいろは』の宮岸徹や『神無月の巫女』の大神ソウマといった一匹狼キャラもその類です
バイクで旅するアニメと言えば忘れちゃいけないのが『キノの旅』
キノの場合、何でも一人でこなそうとする無口なキノの孤独な旅に、エルメスという話し相手がいることで成立する必要最低限の条件下で進む最も洗練されたアニメの一つと言えるでしょう
話が逸れましたが主人公側を4人にもするんであればバイクの持つ孤独感が機能しなくなるんですよ
小道具としてのバイクを全く活かせてないんですね


バイクをマトモに描けてない、若者の象徴でもない、孤独の象徴でもない


もうね、出合監督といい、脚本のむとうさんといい「ああ、バイクという乗り物のことを何も理解していていないんだなぁ・・・」と言うのが筒抜けでオイラは残念なのです
この人たちはきっと『イージー・ライダー』や『モーターサイクル・ダイアリーズ』や『さらば青春の光』や『片岡義男』の萌アニメ版を作ろうとしたんだな
でもバイクの持つ演出意図を掴まず、ただかっこいいアイテムとしてアニメの中に登場させてしまったんだな
コレがオイラの今作に対する一番大きな感想です


もちろん混沌した世の中でやんわり、しかしながら強く逞しく生きるノンスケ達の旅路に思いを馳せることは出来ました
だからこそ!!!
今作はバイクでなくて1台の1BOXカーとかで美少女4人が旅をするアニメにした方が絶対面白かったと端的に思うわけですよ


ご批判は直接お願いします

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

ゆう。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ぶっ飛んだ青春アニメ

あらすじ

地方自治をめぐる内戦「東京大決戦」から10年。日本の47都道府県は解体され、かつての県や市は全て独立国家となり、そしてそれを「モサ」と呼ばれる能力者率いる「自警団」が守るという体制が確立していた。

そんな日本にいる、何の取り柄もない「普通の少女」が一念発起し、平和を守るための旅に出る。
ご当地色の増大に伴って戦乱が絶えない日本を巡り、彼女達はどのようにして日本に平和をもたらすのだろうか。

そして、彼女達が集めているという「月明かりの石」とは…

1話感想
{netabare}
単純に絵は悪くはないのであるが話の内容がごちゃごちゃしすぎ、マッチャグリーンとか最初意味が分からなかった。あれは完全に敵に中の人ばれてるでしょ。

ラーメン屋に入ってなぜか自然とラーメンの大食いバトルの流れになったが店主はなぜおかわりを出した?はなっから勝負しろと言う意味だったのか?

1話から色々謎が多いアニメだった。
{/netabare}

2話感想
{netabare}
前回の続きから始まった2話、真茶未がマッチャグリーンであることを隠していた理由が望未に真似されて危険なめにあってほしくなかったと言う理由だった。

かなり子供扱いしすぎな気もするがこのアニメのキャラがみんな子供の様な喧嘩事をしてるからなんともいえない。

今回はコメディは少なめだったがやはり色々中途半端感は否めない、まじめなシーンと笑う様なシーンの区別が出来てない気がする。

真剣な戦闘の中で1話のとき食べたラーメンを吐くシーンもその一つではないかな?


やはり色々勿体無い感じがするアニメですね。

今回流れたブルーハーツのカバーのOPは個人的には好きでした、賛否両論あるようですが、カバーなのですからその人独自のスタイルで歌い(アニメならアニメにあった曲調など)、曲自体が歌い継がれていくだけでも良いかと思います。
{/netabare}

3話感想
{netabare}
旅に出始めストーリーが動き出すかと思ったのですがやはり展開が中途半端。
ギャグシーンと真面目なシーンなどが混ざってしまっている状態、もうこの演出が当たり前なのでしょうね。

今後どう見せていくのかとも思いましたがやはりギャグと真面目なシーンはわけて欲しいものです。
{/netabare}

4話感想
{netabare}
今回は今までと違いどちらかと言えば話の内容がちゃんとしると思った回でした。

前回「双塔の騎士団」に捕まったのぞみ達だったけどアキが罪悪感から嘘だったことを話しみんな助かりました。

なくしてしまった石の方はみんなで探すことになるのですが赤い石に人の潜在能力を引き出す力があるなんてわからなかった・・・
4話にて初めて知りました、マッチャグリーンなどがあれだけ強い理由がこれなんですね。

自分と石どちらが大事か母親に尋ねる千綾がとても寂しそうでした。

ここまで見た限り赤い石が話しの中心の様ですね。
{/netabare}

5話感想
{netabare}
三重と愛知の戦いなのか?このアニメはご当地喧嘩アニメみたいな感じなんですかね?色んな地方を旅して巡り、マッチャグリーンの代行人として解決していくって話で良いのかな?

旅は始まり話も動き始めた感じですが今度はまた違う形で同じことの繰り返しになりそうな予感。
{/netabare}

6話感想
{netabare}
三重と愛知の戦いでしたが終わり方的に仲良くなったみたいな感じなのかな?

なんか変なシャチホコが出来てましたね、あのシャチホコがお互いが手を取り合った形なんでしょうか。

一応話にはなってきたけれどわかりにくい部分が多いかな。
{/netabare}

7話感想
{netabare}
物語の内容以前に色々ツッコミを入れたくなる部分が多い回でした。
鹿が懐いてる以前にどこまでついてくんだよって話wバイクで移動してるはずなのにその先にもいるしカメラ持ってるし色々おかしい。

なんか京都がロックの聖地という設定のようでしたがカリスマバンドのような存在のモミアゲハンマーズ解散の原因がボーカルがモミアゲをツルハシ型にしたせいとかw

まぁこのぶっ飛んだ設定がローリンガールズなのでしょうか。
{/netabare}

8話感想
{netabare}
今回の話は一条美沙と豆千代の友情を描く感じの話でしたが珍しく途中で余計なギャグなどを挟むこともなくしっかり二人の友情について描かれていました。

ただぶっ飛んでいるだけではなくちゃんとシーンが分けられている方がやはり良いですね。

二人の演奏のシーンなど普通によかったしこのアニメらしいぶっ飛んライブだけど友情が伝わってくる感じの回でした。
{/netabare}

9話感想
{netabare}
今回から出てきた新キャラなどが多いのですが色々つめ込まれすぎ感があり正直覚えるのが辛い回でした。

見てるとなんか一部極道者みたいな部分がありましたね。

どちらかと言うと気になった話は籾山が千綾と接触したところなどでしょうか。
籾山は母親以上に千綾の事を理解していたように感じますね、千綾の友人である望未達のことも信用しているようでした。

肝心の望未は逢衣と喧嘩をしてしまいましたがすぐ仲直りはできるかな?
{/netabare}

10話感想
{netabare}
今回はまた話の雰囲気が最初のロリガに戻った感じでしょうか。

前回まではそれなりにストーリーなどがあったような気もしたのですが少しぶっ飛んだ感じが戻ってきたかな。

以前千綾が宇宙人みたいなことを言っていてネタなのかなと思っていたのですが本当だったんですね、これもまたぶっ飛んだ設定でロリガらしいのかな。

望未と逢衣はまだ仲直りをしてないですがお互い仲直りはしたいように思えますね。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
今回は地味にいい話あり良いバトルシーンありな回でした。

ロリガはなぜこうも話に波があるのかな?
やけにぶっ飛んでる時と普通にいい時全く意味がわからない時とバラバラすぎる。

今週になって気づいたけど話に桃太郎成分があったんですね。

籾山がモミハンのメンバーだったのも初めて気づいた、けど正直どうでも・・・

赤い石は誰が持っても力を発揮できるというわけではないようでその辺は気になるかな。
{/netabare}

12話感想
{netabare}
最終回はなにげに良い回でしたが結局赤い石は何だったのかな?
あの石は特別な力に関係無かったようですが、それとも切欠的なものなのかな?

このアニメはブルーハーツのカバーの存在が大きかったように思えます、この歌がある意味ストーリー的なものだったのかな。

まぁ良くも悪くも青春アニメって感じでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

55.7 22 2015年度のファンタジーアニメランキング22位
ビキニ・ウォリアーズ(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (182)
772人が棚に入れました
かつて国を救った伝説の勇者の娘、ファイターをはじめとする、パラディン、メイジ、ダークエルフの4人は、王の命を受け、世界滅亡の危機に立ち向かうべく旅をしていた。そこで出会う、町の人々との珍妙なやりとりや、モンスターたちとの壮絶なバトルをくりひろげつつ、4人の旅は続いていく。果たして、ファイターたちは世界を救うことができるのか?それはどうでもいので、むしろ彼女たちのセクシーな艶姿に乞うご期待!

声優・キャラクター
日笠陽子、植田佳奈、加隈亜衣、たかはし智秋

nk225 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観れば観るほどバカになる!?――『ビキニ・ウォリアーズ』セクシー5分アニメという新境地

2015年夏アニメを語るうえで欠かせない要素のひとつが“ファンタジー”です。『オーバーロード』、『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』、『モンスター娘のいる日常』、『六花の勇者』などの作品は、ファンタジー世界及びそれに関連する概念を扱うことについて、とても自覚的なドラマを見せてくれています。

その一方で今期は下ネタやエロに関する切れ味鋭い快作も目立ちます。『監獄学園』、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』、『モンスター娘のいる日常』……これらファンタジーとエロの要素を併せ持ち、さらに大きな挑戦を成し遂げた、“2015年夏アニメの代表作”とも言うべき作品が『ビキニ・ウォリアーズ』です。

『ビキニ・ウォリアーズ』はホビージャパンとメガハウスの2社によるフィギュアプロジェクト。その一環として現在放送中の5分アニメは、ファンタジー世界でビキニアーマーを着た4人の勇者が冒険する――と、あらすじだけ聞くと実にオーソドックス。しかし、どこかで見た覚えのあるシチュエーション、これでもかと繰り返される淫らな描写、そして全編に漂うのんきな雰囲気により、観れば誰もが顔をほころばせるでしょう。

■剣と魔法の王道ファンタジーを彩るのは、美乳・巨乳・ビキニアーマー!?
世界を救うためにに立ち上がった4人の美しき勇者たち、ファイター(CV:日笠陽子)パラディン(CV:植田佳奈)メイジ(CV:加隈亜衣)ダークエルフ(CV:たかはし智秋)の物語。剣と魔法の世界で、4人はダンジョンや強敵に挑んでゆく。……と、ここまでなら普通のファンタジー作品に聞こえるかもしれないが、タイトルにある通り、この作品の見どころは何といってもビキニ・アーマー!

4人の装備はビキニ・アーマーと呼ばれる、もはやファンタジー物の定番とも言っていい鎧の一種。1話で語られているように、ビキニとはまったく違うものなので注意されたし。ビキニ・アーマーのおかげでセクシーな描写がメインと思われるかもしれないが、本作は実のところギャグアニメ。世界を救う勇者への旅の支度金がやたら少ない王様や、他人の家のタンスや壺を探す勇者一行など、王道ファンタジーRPGをパロディにした「あるあるネタ」が楽しめるのも本作の魅力のひとつだ。

もちろんセクシーな姿も大注目! ただでさえ肌色が多いというのに、最後には全裸な上に縛られたり、監禁されたりしながら終了するのがお決まりだ。お色気×RPG×ビキニアーマーな世界観に、今後も思わず笑ってしまうこと間違いなし!

アニメライターが選ぶ、2015年夏アニメ注目の作品
40本以上の作品が勢揃いした2015年夏アニメ。怒濤の新番組ラッシュを前にして、どのアニメを見ればいいのかとまどっている人も多いだろう。

ホビージャパンが送り出すセクシー路線のメディアミックス企画。RPGではおなじみの水着にしか見えない防具・ビキニアーマーを装備した女性キャラクターの冒険物語である。5分間の本編には意欲的なアングルがこれでもかと詰め込まれ、スライムにアーマーを溶かされてしまうなど、手に汗握る光景が繰り広げられている。この潔さから人類が学べることは多いだろう。
第1話「ビキニアーマーはビキニアーマーであってビキニではない」では、過激な装備を身につけた冒険者も恥じらいの乙女であることが表現された。水着に照れて身もだえする彼女たちもまた魅力的だ。ファイターやパラディンといった職業がそのままキャラクターの名前になっているのもポイント。キャラ名を覚えるわずらわしさまで排した親切仕様で、視聴者はただ画面に映る肌にだけ集中することができる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

えっ、これどうなっちゃうの!?

往年の名作RPGを連想させる音楽をバックに始まるこの物語・・・集まったのは4人の勇者、そして世界の平和を守るという壮大な目標を掲げていますが・・・
ショート作品12話で世界の平和を救う様子を描くこと自体が難しいですよね^^;
各話の勇者の様子から、世界平和に向けた旅はちゃんと進んでいるのでしょう・・・
本作ではその旅の模様が断片的に取り上げられて描かれています。
という事で、この作品もキャラを愛でる作りになっています。

主要登場人物は以下の4名です。
ファイター(CV:日笠陽子さん):かつて世界を救った伝説の勇者の娘。
パラデイン(CV:植田佳奈さん):髪に選ばれし勇者で自己犠牲の塊。
メイジ(CV:加隈亜衣さん):魔法使いで相当強い魔法も扱えるらしい。
ダークエルフ:(CV:たかはし智秋さん):剣と魔法のどちらも使いこなします。

皆さんの勇者としての強さは・・・正直良く分かりませんでした^^;
敵をやっつけていた場面とやられていた場面は半分ずつ・・・くらいだったと思います。

分かったことは4人とも物凄く色っぽい事・・・でした(//∇//)
まず服装はビキニの様な水着を主体としているのですが、登場人物曰く熱さ・寒さにも十分耐えられる仕様になっているそうです。
あとは職業に応じた武器を手にして旅を続けるのですが・・・
物語に脈絡が無いので、どうしてもキャラを愛でる目線で見てしまいました^^;

本作の一推しはメイジちゃんで決まりです(//∇//)
色んな感覚が一番普通だったこと・・・まだあどけなさを残す顔立ちですが、スタイル抜群だったこと・・・CVの加隈さんの演技もポイントアップ要素でした^^

もちろん、どこまでも真っ直ぐなファイターも嫌いじゃありませんし、ダークエルフのミステリアスな雰囲気も嫌いじゃありません・・・
パラデインに至っては金髪縦ロールという要素まで盛ってあったので、序盤はメイジとパラデインのどちら推しで視聴するか悩みましたが、パラデインの自己犠牲精神よりメイジの可愛らしい恥じらいに軍配が上がった・・・というところです^^;

1クール12話で1話5分のショート作品でした。
気になるのは終わり方・・・思い切り次に続きそうな含みを残して終わりましたよね^^;?
しかも12話のタイトルは「果たして本当にこれで終わるのかは我々にもまだ分からない」
という事は、続編の有無については神のみぞ知る・・・という事になるのでしょうか^^;
メイジが思った以上に可愛かったので、続編が放送されるなら絶対に視聴します^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

RPGあるある?

ホビージャパンとメガハウスが共同で行うフィギュアを

中心としたメディアミックス作品です。

約4分のショートアニメ、全12話


RPGあるある?をネタにファイター、パラディン、メイジ、

ダークエルフの4人のパーティが勇者として魔王を倒す為?に

進むのである・・・


1話完結、投げやり、ショートアニメでテンポよく見る事が

出来た作品でした。キャラクターに同じものを感じないなぁと

思っていたら原作画のイラストレーターさんがそれぞれ違う人

でああ納得でした。 余談:{netabare}{netabare}{netabare}{netabare}最近エロゲーとかを絵師さん単位で

調べたり選んだりしてるのでなんとなく違いが分かるように

なってしまったのかなと思います。{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}


あとは光先輩とかを使わずに限界まで攻めてたりした回とかも

あって面白かったかなw


全体として全部で1時間ほどでさくっと見れる作品で面白かったです。

余談(其のニ):{netabare}やっぱりメイジちゃんが一番可愛かったw

でも原作画の方だとパラディンもヴァルキリーも悪くないかなw{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

58.2 23 2015年度のファンタジーアニメランキング23位
DIABOLIK LOVERS MORE,BLOOD(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (123)
701人が棚に入れました
逆巻家に居候することになった小森ユイは、ヴァンパイアである逆巻六兄弟に血を奪われる日々をおくっていた。そんなある日――。彼らの前に、新たなヴァンパイア・無神四兄弟があらわれる。「イブ……迎えに来た」「おはよ、エム猫ちゃん」「逃げんなよ、雌豚!」「……君は痛いの……好き……?」彼らはユイのことを"イブ"と呼ぶが、その目的とは一体……?そして"アダム"とは……。今、新たな運命が動き始める――。

声優・キャラクター
末柄里恵、緑川光、梶裕貴、平川大輔、鳥海浩輔、小西克幸、近藤隆、櫻井孝宏、木村良平、鈴木達央、岸尾だいすけ、森川智之、森久保祥太郎

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

私なりにこのアニメの楽しみ方を考えてみた。

ここでは、1期と2期(MORE,BLOOD)のレビューをまとめて書くことにする。

メンズはもれなくイケメン・イケボ揃いの吸血鬼、ヒロインはただただ彼らに血を求められる不憫な女の子。逆ハーレムなんてとんでもない。
このヒロイン、ざっと思いつくだけでも「乳ナシ」「ビッチ」「餌」「家畜」「M猫」「雌豚」などと、男たちから散々な渾名で呼ばれ、理不尽な扱いを受けた挙句に毎話ノルマのように誰かに吸血される、一体誰がこんなの見ていて楽しいのだろうかと思っていた、最初は…

15分アニメということもあり、ストーリーはあって無いようなものと思った方がいい。もうそこは制作側も意図して放棄しているようにすら感じる程に、ある種「振り切って」いる。
ならばどのようにして、この作品を楽しむのが一番良いのだろうか…
まずは、乙女ゲーム原作ということなので、その手の作品では王道的な楽しみ方であろう自分をヒロインに置き換え、イケメンに囲まれてイロイロされる状況にキュンキュン―

…できない。
男たちは総じてドS設定で、優しい言葉も甘い言葉もなく、ヒロインはひたすら蔑まれ・罵倒された挙句に、体中の様々な場所をガブリと噛まれ、血を吸われる。
本作品の「肝」と言っても過言ではない、この吸血シーン。様々な場所・シチュエーション・ポーズで、妙に色っぽい声を出しながら血を吸う男たちと、ちょっとそれに抗ってみるが結局流されてしまうヒロインの絡みが最大の見せ場であろう。
当初私はこれを「耽美的」と表現しようと思っていたが、このアニメはもうそれを通り越している。直球で言おう、普通にエロい。

ただ、とは言ってもこの状況に心から気持ち良くなれるのは、言葉攻めも物理的な痛みも甘受できるドMの女子だけだろう。
生憎私は、M属性ではない上に、リアルに貧血持ちなので、自分をヒロインに置き換えてこのアニメを見続けていたら、途中で卒倒していたかもしれない。

しかしこの作品、見続けていくうちに、次第に突っ込み所の多いシーンやら台詞がクセになってくる。
先にも触れたように、ストーリーは破綻しているようなものなので、この作品はいわば「シチュエーションアニメ」「雰囲気アニメ」、もっと言うなら「サディスティック吸血アニメ」「エロティック献血アニメ」だ。
ここまで振り切った作品になってくると、もはや一周回ってギャグアニメだ。コメディ要素は一つもないのに、笑いが起こるという奇跡のスタイルがここに完成している。

特に2期の10話は、生粋のギャグアニメを見ていても笑みが少々こぼれる程度の私が、久しぶりに声を出して笑ってしまった神回である。

つまり私の結論:この作品の楽しみ方 = スタイリッシュギャグアニメとして見る、だ。

余談ではあるが、男性キャラ達には幼少期の回想シーンがある。こんな可愛い子たちが、大きくなってどうして皆が皆ドSでハチャメチャな性格に仕上がってしまったのか、甚だ謎に思えてくる。
というわけで、ドMかつショタ好きな方には身悶えするほどに美味しい作品である、ということは言っておきたい。
そう考えると、ストライクゾーンが極めて狭いアニメである(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

あれ、作品のジャンルが・・・^^;

この作品は、「DIABOLIK LOVERS」の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、1期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

1期を視聴した時に感じた痛み・・・正直衝撃的でした。
主人公である小森ユイちゃんが吸血鬼にひたすら翻弄され・・・血を吸われ続ける・・・
ほぼ無抵抗のままのユイちゃん・・・
抗うのを諦めたのか・・・機会を虎視眈々と狙っているのか・・・1期を最後まで完走して前者だと理解しましたが、とにかく血を吸われ続けるユイちゃんが痛々しくて・・・
もともとこの作品の原作のジャンルは「ドS吸血恋愛ADV」でしたが、今回2期を完走してwikiをチラ見するまで気付きませんでしたが、原作のジャンルが「恋愛、ダーク・ファンタジー」に変わっていました。

2期を完走して振り返ってみると、1期の時に感じた「痛み」は少なかったように思います。
私はてっきり吸血行動に「慣れてしまった」とばかり思っていましたが、ジャンルと共に内容も若干はソフトになっていたのでしょうか^^;?

1期では逆巻家のバンパイアに翻弄されたユイちゃん・・・
2期では無神家のバンパイアに翻弄されるユイちゃん・・・

物語の進行上、ディテールに違いはありますが、今期もほぼ無抵抗なユイちゃんに次々とバンパイアが群がってきて「カプッ・・・チュゥ・・・」という感じでした^^;

首筋に牙をたてられたらホント痛いと思います。
でも次から次へとチュゥチュゥされるユイちゃんを見ていると、生きていくのに必要な血液量が下回ってしまうのでは・・・とこちらの方が心配になってしまいました^^;

それにしても・・・ユイちゃん、なんでもっと抵抗しないんだろう・・・は疑問でした。
抵抗が少ないから、そんなに吸われちゃうんです・・・
しかもユイちゃんの血は特別らしいので、バンパイアの吸血意欲をより高めるのも後押しをしていて抵抗しずらいのかもしれませんが^^;

でも、2期の途中から「アダム」と「イブ」というキーワードの重要性が増して大きく物語が進展したと思います。

強く思うだけじゃ願いは叶わない・・・

途中からそうなんだろうなぁ・・・と思いながら視聴していましたが、やはりそこに落としてきましたね^^
とニンヤリしたのも束の間・・・ここで1期12話が終幕を迎えてしまいました^^;

こ、これから面白くなるんじゃ・・・
個人的には新妹魔王の契約者に引き続き、目の前で梯子を外された作品となってしまいました^^;
ここまで来たら、この作品ともトコトン付き合っていきたいと思います。
続編の情報・・・楽しみにしています^^
でも、続編があるなら視聴に伴う痛みは今期並でお願いできればと・・・^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

future☆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

逆巻家に居候することになった小森ユイは、ヴァンパイアである逆巻六兄弟に血を奪われる日々をおくっていた。そんなある日――。彼らの前に、新たなヴァンパイア・無神四兄弟があらわれる。
「イブ……迎えに来た」「おはよ、エム猫ちゃん」「逃げんなよ、雌豚!」「……君は痛いの……好き……?」
彼らはユイのことを“イブ”と呼ぶが、その目的とは一体……?そして“アダム”とは……。今、新たな運命が動き始める――。


.。o○ ○o。.キャスト.。o○ ○o。.

小森ユイ:末柄里恵
逆巻アヤト:緑川 光
逆巻カナト:梶 裕貴
逆巻ライト:平川大輔
逆巻シュウ:鳥海浩輔
逆巻レイジ:小西克幸
逆巻スバル:近藤 隆
無神ルキ:櫻井孝宏
無神コウ:木村良平
無神ユーマ:鈴木達央
無神アズサ:岸尾だいすけ
月浪カルラ:森川智之
月浪シン:森久保祥太郎


.。o○ ○o。.放送日.。o○ ○o。.

AT-X 9/23(水) 24:30~
TOKYO MX 10/4(日) 22:00~
ニコニコ動画 10/4(日) 22:00~


.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.

OP「禁断の666」無神コウ(木村良平)&無神アズサ(岸尾だいすけ)
ED


.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

1話「Episode01」

2話「Episode02」

3話「Episode03」

4話「Episode04」

5話「Episode05」

6話「Episode06」

7話「Episode07」

8話「Episode08」

9話「Episode09」

10話「Episode10」

11話「Episode11」

12話「Episode12」(最終回)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

53.8 24 2015年度のファンタジーアニメランキング24位
アクエリオンロゴス(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (168)
786人が棚に入れました
ロボットアニメの王道と呼べるギミック“合体”を通じ、人とその関係性を探求することをコンセプトとした『アクエリオン』シリーズ。記念すべきシリーズ10周年に送り出される第3作『アクエリオンロゴス』で語られるテーマは“文字”である。


SNSなどの普及によって、意味をなさない文字が増えた現代。

文字の世界であるロゴスワールドでは、現実世界にも影響を与えるほどの異常事態が発生する。

灰吹陽たち創声部のメンバーは、文字に込められた意味を紐解きながら、世界の危機に向き合っていく。

アクエリオンと文字が巡り合い、生まれる新たな力とは?

10年目の合体が新たな時代を切り開く!

声優・キャラクター
島﨑信長、佐倉綾音、千菅春香、梅原裕一郎、淺井孝行、小澤亜李、安達勇人、白石涼子、中野さいま、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一万年と二千年前はいずこへ・・・^^;

この作品はこれまで放送された「創聖のアクエリオン」「アクエリオンEVOL」と同じオリジナルアニメ作品です。

かつて一万年と二千年前に勃発した人類と堕天使との大戦・・・堕天使アポロニアスと人間であるセリアンの禁断の恋に落ち、大きな運命の歯車が回り始めました。
「創聖のアクエリオン」では、アポロとシルヴィアが・・・
「アクエリオンEVOL」では、アマタ・ソラとミコノ・スズシロが・・・
それぞれ一万年と二千年という途方もない悠久の時を隔てて蘇る熱き戦い・・・
2期(EVOL)も面白かったですが、1期の面白さが・・・特にシルヴィアの可愛さが半端なかったのを鮮明に覚えています。

この作品は3期に位置する作品だと思いますが、1,2期を視聴していない場合はそちらから視聴した方が良いか・・・と問われると答えは微妙です^^;
制作発表の段階で「1,2期を視聴していなくても楽しめる作品を作る」という事を制作側が言っていましたが、確かにその通りだと思います。
その当時はあまり深く考えませんでしたが、1,2期を視聴していなくても頼めるという事は、1,2期との接点が少ない・・・という事なんですよね^^;
「アクエリオン」と一万年と二千年前の設定は、切っても切り離せないモノだとばかり思っていました。
創聖のアクエリオンのオープニングのサビにも出て来るくらいなのに・・・

一万年と二千年て途方もなく長い時間だと思います。
その間ずっと待ち続けて・・・やっと出会えた奇跡の様な瞬間・・・
だから必死だったし、なりふり構わず本懐を遂げようとしたんです。
だって、この期を逃したらまた一万年と二千年待たなければいけないんですもん・・・

そう考えると文字と声を力の源にした本作品は、過去2作品とは少し異質なんですね^^;
前作から踏襲されているのは、アクエリオンの機体と所属する組織くらいでしょうか・・・
1期:地球再生機構ディーバ
2期:ネオ・ディーバ
今期:世界創声力機構ディーバ

この作品は、軽薄で無意味な文字が繁栄する社会を破壊しようとロゴスワールドの文字に現実世界の文字を侵食させようと企むネスタと、それに対抗するため声の持つ力「創声力」でベクターマシン操りロゴスワールドの文字の暴走を止めようとする両者がぶつかり合う物語です。

改めて登場人物の名前を見ると様々な状況が思い浮かびます。
2クール作品なので、一人一人に焦点を当ててしっかりキャラを深掘りしているんですよね^^;
舞亜とショウコさんが軸になって展開の時には、涙で前が見えなくなってしまいました(//∇//)
文字と声の力・・・どの様に着地させるのか・・・気になる方は本編でご確認下さい。

【世界創声力機構DEAVA】
 灰吹 陽(CV:島﨑信長さん):ベクター壹号機
 月銀 舞亜(CV:あやねる):ベクター貳号機
 綺声神 心音(CV:千菅春香さん):ベクター参号機
 土聞 努虫(CV:淺井孝行さん):ベクター肆号機
 空篠 翼人(CV:梅原裕一郎さん):ベクター伍号機
 海凪 花嵐(CV:小澤亜李さん):ベクター陸号機
 粗朶 桜子(CV:白石涼子さん):ディーバの総司令
 岩上 ショウコ(CV:中野さいまさん):オペレーター

オープニングテーマ
May'nさんの「ヤマイダレdarlin'」と「夜明けのロゴス」
エンディングテーマ
千菅春香さんの「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」
May'n featuring 千菅春香で「本当の声をあなたに預けたくて」
前半、後半で主題歌が分かれていましたが、後半のOP、EDはどちらも難しい歌でした^^
格好良いんだけれど難しくて中々頭に入ってこない・・・そんな感じでした^^;

そして挿入歌には・・・きっとこれはお約束なんでしょうね^^
「創聖のアクエリオン」(1期OP)
「君の神話〜アクエリオン第二章」(2期OP)
曲が流れた瞬間テンション上がっちゃいました(//∇//)

2クール全26話の作品でした。
これまでの様にアポロニアスらとの繋がりはありませんでしたが、完走して振り返ってみると堪能させて貰った作品だと思います。
お気に入りのキャラは舞亜・・・あやねるの演技も抜群でした^^
4期があるなら・・・もう一度アポロニアスとの繋がりを描いた作品が見たいです^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

アクエリオンとしてでは無く1つのアニメ作品としての評価

無印、EVOLを視聴してすぐに書いた感想

全アクエリオンファンを裏切った作品。
本当に存在するだけで迷惑な作品。
アクエリオンを語るうえでこの作品は観なくても良いレベル。
まず、設定が子供向けすぎる。
特撮の失敗作みたいな出来だった。
...と上記から分かるように前2作のような熱さを期待していたら見事に肩透かしを食らったためもはやレビューというより怒った時に書いた感想になっている。

そして、今回2度目の視聴を終えた。
注意したことはアクエリオンであることを忘れるということだ。
そのためレビューのタイトルにある通り1つのアニメ作品として評価する。
この作品はまず最初から勢いが全然無く物凄く退屈だ。
キャラは終始寒いギャグを連発してるしろくにテーマ性のない出来の悪い1話完結の回が多すぎるため。
したがって、途中で断念した人もかなり多いと思う。
しかしこの作品、20話からはそこそこ面白いのだ。
伏線も回収されているしそれ以前の回に比べると全然無駄が無い。
最後もスッキリ終わる。
{netabare} ただ、留置所のシーンはエピローグで流してそれで〆た方がより良かったと思う。{/netabare}
1クールにしろとは言わないが(1クール目と2クール目でテーマ性が結構変わる構成のため)無駄な話がほとんどだったためもう少しテンポを意識して欲しかった。
ハッキリ言って約3割はいらない回だと感じた。
しかし残りの7割全てが出来が良いという訳ではなく伏線とキャラの成長する回のためまあ必要だろうと感じた程度。
物語とキャラに関しては以上。
映像面は同時期のアニメに比べればまあまあ綺麗な方だと思うがこの作品の3年前に放映されたEVOLとは比べられないくらいクオリティーが低い。
これはEVOLのクオリティーが高すぎるというのもあるがもう少し頑張って欲しかった。
安っぽいCGにオタクに媚びを売ったような同人レベルのキャラデザは残念だった。
声優に関しては演技によって熱くなれるシーンはなかった。
叫ぶシーンや合体シーンも印象薄いし...
そこそこ豪華な面子のため残念だった。
音楽は劇中BGMは本当に印象が薄い。
1曲も頭に残っていない。
歌はどの曲も良曲だったと思う。
アクエリオンらしさはないがこの作品には合っていると思うし単純にレベルが高い。

最後になるがこの作品は全アクエリオンファンを裏切った作品であることは間違いない。
だってアクエリオン10周年記念作品なのにアクエリオンらしくないのだもの。
10周年記念作品は短いけど創勢のアクエリオンEVOLで良いと思うし。
いくら同じものを作らない監督であってもマクロスのように良いところは引き継ぐべきだろう。
まあ、そもそもアクエリオンはEVOLまでで良いというのが本音だが。
しかし、上記に書いたように20話以降はそこそこ面白いし河森正治ファンであるのなら観ても損はないだろう。
それ以前の回はつまらな過ぎるため忍耐力は必要だが。
趣味の話だがこの作品、いつになったらスパロボに参戦するのだろうか...
参戦すれば多少は救われると思うのだが...

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

”声をテーマにしてる”ってとこがじわじわと面白さになってきてる。(2話まで視聴して)

※★の評価は暫定的なものです。最後まで見終えてから再度つけなおす予定です

アクエリオン1期、2期ともに数話見て断念してしまっています><。

>1話まで視聴して。
まず第一印象としては
「戦隊ヒーローもの」×「某クイズ番組?」×「エロアニメ」
・・・といったところでしょうか?www。

真面目にやってるのかふざけてるのか判断に苦しみますが
この”他作では観ることのできない絶対的な突き抜け感♪”
が本シリーズの最大の魅力なのかもしれませんね^^。

一部だけ見ると、なんか昭和臭??っぽいような雰囲気もありますが
なんか”あえてやってるんだ的”な”ダサカッコ良さ”的に見えてしまうところも
ある意味マジックかもですw。

あと、本作はなんか漢字の勉強に役立つかも??!。
・・・・・って、役立つ訳ありませんww。

ひょっとしたら今後も続きも観るかもです(未定)。
(ずかちゃん出演効果で)


----------------------------------------------------------------------------
>2話まで視聴して。
1話同様、”合体のシーン”でお腹が痛くなるくらい笑えます!w(褒め言葉)。
なるほど~。
色々と”声”や”言葉”、”文字”といったところを起点にアイデアを張り巡らせた
・・というか思いつく限り何でもやってみてる感じ。

主人公の中二すぎなところや最強すぎるところや悟り過ぎてる感ありありなところは
若干マイナス要素的ですが、実際にはそんなにマイナス要素にはなってないです。

いろいろ都合が良すぎるし、説明的なセリフがガバガバ出てきますが
そういうのも全部含めて”いい意味でのバカアニメ”として楽しめます(褒め言葉)。

所々の”感情の描写”もクオリティー高いなと感じることがあり
ひょっとしたら今後もさらに続き観るかもです(未定)。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

58.4 25 2015年度のファンタジーアニメランキング25位
Dance with Devils(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (141)
727人が棚に入れました
人間の少女とアクマのドラマを描いたミュージカルアニメ。
四皇學園に通う高校2年生の立華リツカは皆の憧れである生徒会長・鉤貫レムから呼び出しを受け、生徒会の面々と不思議な出会いを果たす。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、斉藤壮馬、羽多野渉、近藤隆、木村昴、平川大輔、松田利冴、山本和臣、鈴木裕斗、鈴木達央

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

これ、女性向けの作品だったんですね^^;

この作品はオリジナルアニメ作品です。10月より漫画の連載が始まっているようですが、今後ゲームソフトや舞台などに展開していくようです(wikiより)

この物語の主人公は高校2年生の立華リツカ・・・普通の真面目な女子高生です。
ですが、ある日校則違反の疑いで生徒会に呼び出せれた事を皮切りにし、リツカに突如目の前が真っ暗になるような出来事・・・母が何者かによって連れ去られてしまう事件が起こってしまうのです。
何故突然リツカの身の回りで不審な出来事が起こるのか・・・その謎に迫るように物語が動き出します。

そうでしたか・・・これは女性向け作品だったんですか^^;
視聴している時には個人的に別の課題があったので、そっちに気を取られていて気付きませんでした^^;
そう言われてみると、主人公以外の搭乗人物は殆どが男性でしかもイケメンばかりだったと思います。

主人公のリツカちゃん・・・見た目は繊細で折れてしまいそうなのですが、探求心と芯の強さを併せ持った女の子です。
彼女の身の回りで不審な出来事が起こる理由は本編で確認して頂きたいと思うのですが、どうやらリツカが持っている何かを狙っているよう・・・
でもそれはリツカ自身が身に覚えのない事だったんです^^;

そうなると・・・捕捉の対象は自然と本人へと移っていく事になるのですが、この物語の本番はここからでした^^;
次々とリツカの前に現れるイケメンである生徒会の執行部のみなさん・・・
執行部の皆さんはそれぞれの個性を活かしてリツカを自分のモノにしようと試みるのですが、その中に必ずミュージカルが出てくるんです。

私は、恥ずかしながらリアルでもミュージカルの良さが分からないです^^;
何故突然歌になるのか・・・歌いだすのかが理解できないんです。
そんな私がアニメのミュージカルを楽しむ事ができるのか・・・これが冒頭に書いた私の課題だったのですが・・・

結論から言うとこの作品も完走しているので問題はありませんでした。
でもこの作品のミュージカルは全体の1〜2割程度で、ミュージカルパート以外にも見どころがあったのから大丈夫だったのだと思います。
はじめから最後までフルにミュージカルあったら・・・正直未だ分からないです^^;

皆んなの狙いは・・・そして狙われたリツカは・・・気になる方は本編でご確認下さい^^

オープニングテーマは、羽多野渉さんの「覚醒のAir」
エンディングテーマは、PENTACLE★さんの「マドモ★アゼル」
物語の点ミュージカルが描かれていたので、ミュージカルに伴う挿入歌はたくさんありました^^;

1クール全12話の作品でした。女性が主人公ですしリツカ以外にも女性は出てくるので女性向けと言いながら華が無いわけではありません。
でも完走して振り返ってみると「男性でも視聴できる女性向け作品」という感じなんだと思います。
今アニメショップに行くと男性より女性の方が多いのでは・・・?
と思える位女性の姿を見かけます。そして彼女達は結構大量にグッズを購入していくんですよね^^
間違いなく貴重な支持層なんだと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

おみや さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

急に歌うよぉ~~~

だってミュージカルですもの。w

この作品、完全に女子向けです。(と言いながら楽しめたおっさんが
ここにいる訳なんですけどね、、、。)

立華(たちばな)リツカは高校2年生。ある日校則違反で生徒会
から呼び出しを受けたのを皮切りにストーリーが展開していきます。

違反なんぞしてないわ!と、学園を出て自宅へ戻りますがなんと
そこにはあやしい輩が、、、。自宅内は荒らされ、ふと気付けば母親が
危険な状態に。母親と目が合い、こっち来ちゃダメのサイン。

リツカはイギリスに留学している兄のリンドに助けを求めます。
キーパーソンです。(後々何を学んでいたのかも、、、)
結局母親はどこかへ連れ去られてしまいます。

リツカも危ない目に逢いますが、生徒会長の鉤貫(かぎぬき)レム
に助けられます。彼もキーパーソンですね。

で、何でこんなことになったのか?なんですがその理由が、世界を
支配できる魔道書「禁断のグリモワール」の存在だったのです。

そしてこの魔道書にリツカが大きく関わっているという事を知ります。
しかしながら自分では何も知らない。どうしたらいいの?

とはいっても「禁断のグリモワール」争奪戦に否応なしに巻き込まれて
いくことになります。
彼女の運命やいかに!


あらすじ書くのも(ネタバレしないように)頭使うのねぇ、、
最近サボってばっかりだからかしら?w

まあ、魔道書なんてものが出てくる訳ですからおわかりでしょうが
この作品では悪魔、ヴァンパイア、エクソシストが出てきます。
(それと悪魔では無い〇〇、ヴァンパイアではない〇〇も、、)

ミュージカルと書きましたが、音楽パートの部分は少なめだった
と思います。楽曲はなかなか良くできていたと思います。1クール
作品であれだけ力が入っていたのは好感が持てますね。しいて言えば
登場人物が男ばっかりなのでもう少し女性の歌を聞きたかったかな。

あと、ストーリーの構成は自分にはとてもわかり易かったです。
そしてエンディングも、、、、ああそうですか。いかにも女性が
好みそうな終わり方なんでしょうね。

ちょっとオススメできるのが限られますが、女性向けミュージカル
というキーワードで気になった方は是非!







おまけ
なぜか生徒会室にあるガラスの将棋盤(普通ならチェスとかだろうに、、、)
これはレムのものなんですが、作品内でちょこちょこ出てきます。

終盤でパチン!と駒を置いて「詰みだ!」なんてセリフがあるん
ですが、、、
いやいや、それ詰んでませんから。w(多分。私、一応初段ですので)

一人ツッコミ、失礼しました。ぺこり。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

とてもエンターテイメント性の高い作品

手にした者は世界を支配できるという「禁断のグリモワール」、その在り処の鍵を握るヒロイン・立華リツカを巡って、悪魔やヴァンパイア、エクソシストなどによる争奪戦が繰り広げられる、といったストーリーのミュージカル風アニメ。
これは面白かったです。非常に楽しめました。
基本的に、美男子の悪魔やヴァンパイアたちがヒロインを手に入れようと争う逆ハーレムのような構成なので、女性向けの作品ではあります。ただ、ストーリーは意外としっかりしていますし、ヒロインもかわいいので、男性でも楽しめる人は結構いるのではないでしょうか。
リツカは、美男子キャラに迫られるとすぐ流されるような弱いキャラではなく、自らの意思で行動するのは良いのですが、危ないからどこにも行くなよと言われているのに、それを守らずに危険な目に合うパターンは、お約束ギャグのようで笑えます。
リツカを巡る美男子たちは、それぞれ確かにルックスはかっこいいのに、どのキャラもかなりクセが強く、どこか気持ち悪かったりして好感が持てます。筆頭格の生徒会長の鉤貫レムは、趣味?が将棋なのか、ガラスの将棋盤に駒を打ち込んで「これで詰みだ」みたいな決め台詞を言ったりするのが、かっこいいのかどうか微妙です。個人的には、棗坂シキという堕天使が、いい感じに気持ち悪くて好きでした。
音楽シーンは、ときにはシュールで笑えたり、ときには普通に感動的だったりして、全体的に楽しめました。特に、第三図書館四皇学園生徒会の歌(正式なタイトルはわかりませんが)は、とても耳に残って、つい口ずさみそうになって困ります。また、最終回の最後の歌も印象的でした。
声は、リツカ役の声優さんはプリパラのらぁら役の人で、その他の作品では見たことがなかったですが、歌も含めて悪くなかったと思います。
全体を通して、歌や笑い、謎やバトル、それに恋愛要素もあって、いろいろな面でそれぞれ楽しめる、とてもエンターテイメント性の高い作品だったと思います。かなりクセの強い作風なので全く受け付けないという人も多いでしょうが、今期の中ではトップクラスに楽しめた作品でした。

投稿 : 2024/06/01
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