入れ替わりおすすめアニメランキング 17

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの入れ替わり成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年10月11日の時点で一番の入れ替わりおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

95.1 1 入れ替わりアニメランキング1位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1841)
7791人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

さっすが咲太、ブタ野郎だね♪

こーゆー学園現象系は大好きです。他作品で例えると『ココロコネ○ト』に近いですね。『STEINS;○ATE』好きな方も楽しめるかも?です。
ただこの作品の損してるとこはタイトルかな(汗)


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全13話・30分アニメ)


『双葉』には親近感が湧きました。私もアルコールランプで湯を沸かしてカップうどん食べたりコーヒー作ったりしてたなぁ。
とまぁ無駄話はともかく、単純な私のお気に入りになった作品です。この作品の作者は『さくら荘のペットな彼女』の方なんですね。


ここから先、少しネタバレを含みます。
少しでもネタバレを見たくない方はお戻り頂ければ幸いです。

{netabare}

主な【思春期症候群】など。


・1〜3話『透過現象』【シュレディンガーの猫】

「彼女って、誰だっけ?」
んで、野生のバニーガールに会ったという日記(5/6)。それからOP曲が始まりバニーガールの先輩が踊ってるのを観て最初は「あ、またこーゆーラノベの…」と思いました。
1話のAパートだけなら視聴を辞めようと思いましたがそこからいい意味で期待を裏切ってくれました。
妹のお兄ちゃん好きも後々の伏線だったのもビックリしましたがそれは後程。

空気と戦うのはバカバカしい、【病院送りにした】という噂を持つ主人公の『梓川咲太』は周りに誤解されたまま高校に通う。
ある日、野生?のバニーガール『桜島麻衣』と遭遇(咲太より一つ年上)。どうやら『咲太』以外には視認されていない。そこから物語が動く。


見えない、または見えなくするという事の使い方は上手いなと思いました。『観測』されないなら『確定』されない。無いと同じ。
周りが空気を読んで『見えない』ようにされてる『桜島』。ま、『咲太』も噂+αとなって見えない事になってますが。
『無い』ということに世界もそれに収束していく。視認も記憶も接触も語る事も残していた物も全てが…それは最初から居なかったように。
学校が『箱庭』、『桜島』が『猫』、まさに『シュレディンガーの猫』だなと。空気の現象は+αされてるって感じでしたね。

これをどうやって解決、『観測者』に『咲太』がなったのか?が凄く楽しめました。物語の流れもシリアスな部分とコメディ部分もいい配分だったと思います。世界の中心…ではなくてグラウンドで叫ぶのは凄いなぁ。『空気』と『戦う』ってのは本当にカッコイイなと思いました。カロリーも使うし場合によっては社会的に殺される。
なので飾らない言葉で『咲太』の行動は凄いと。
本当、『咲太』は青春ブタ野郎だな。


・4〜6話『タイムループ』【ラプラスの(プチ)悪魔】

咲太「好きです、付き合って下さい」
桜島「…ときめかない」



ヒドい!(笑)

冗談を言いながら甘々な男女(咲太と桜島)の関係に…となる筈がまた次の現象が。今日も『6/27』を過ごす『咲太』。
やはりおかしいと思い『双葉』に相談。原因を探す。繰り返す『6/27』に違う行動をとる人(または原因)を探す。全世界の人類分の1?を探すのに辟易する。が、意外と近くに居た。『透過現象』の時に尻を蹴りあった『古賀朋絵』。
今回も青春ブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』の部分ですね。原作は見てないですがアニメだけの感想だと1番甘酸っぱくて青春してるなと思いました。こう胸が熱くなる感じ?でしょうか。
パワーはあるのにどう使って良いか分からない。失敗を恐れる。自分がダサいと思われたくなくて他人を貶める、独りが怖い…等々よく表現出来てたと思います。
それに加え『朋絵』役のCV『東山奈央』さんの福岡訛りがキャラの魅力を醸し出してました。


このストーリーではやはり『スマホ』というか『SNS』ですね。リアルでも数分でも返信遅れたら仲間はずれや炎上させるコンテンツにさせられたり、それが大きくなり過ぎて収集つかなくなってもう取り返しがつかない事になる事がしばしば。
『SNS』が主流になってから情報量が数千倍〜数万倍と言うくらいに膨れ上がってます。
その情報が簡単に手に入る今だから共有が出来ないと分かった時の反発がイジメの原因にもなったり。
なので今回の事象の『朋絵』の立場は今をよく表現出来てたなと思います。
敵役…というか、貶める奴等というかそいつ等の使い方も良かったですね。ここでも確証もない情報を信用する周りの『空気』が気持ち悪く感じました。
ここでの『空気』と戦う『咲太』の行動はスカッ!としました。


「友達になってくれ」
この言葉が『朋絵』にとってとてもとても苦しい物だなと感じました。6話は観てグッと来ました。
AパートとBパートでの『朋絵』の気持ちが、空気の読める『朋絵』の気持ちが、演技をしてる『朋絵』の気持ちが痛いくらいに伝わってきました。
表現というか描写も良かったなぁ。
今までは時が進んでたのに今度は『7/18』がループしだす。その理由も、その日の天気の使い方も。
あのにわか雨(夕立)が、『楽しい7/18』と『哀しい7/18』を上手い具合にマッチしてたなと。
演技ではなく、嘘ではなく、自分の心からの声で意志を告げた『朋絵』、本当に切なくなりました。

『咲太』も嘘を付いたのかな?『咲太』は空気が読めるのに読まない。『朋絵』を想っての事かな?と思いました。
CV『東山奈央さん』の演技が大変良かった、それもあって『朋絵』がとっても魅力的に見えた現象パートでした。

そして…『6/27』。
周囲に合わせる為、必死で空気を読んでいた少女は気が付くと未来まで読めるようになっていた。


…。


この、『咲太』のブタ野郎が!
『双葉』、再現実験だ!『咲太』の尻を蹴れ!


・7〜8話『(マクロな世界の)量子テレポーテーション』【ドッペルゲンガー】


「そうだね、よくある都市伝説…」


その後に続く「そっちは」とは?


昔『咲太』がやさグレている時に会った女子高生の『牧之原翔子』。それがある雨の日、捨て猫を拾おうかどうしようか迷ってる中学生の女の子が。その娘の名前は『牧之原翔子』。
その中学生の女の子は『咲太』を知る訳がない。
それを『双葉』に相談しようとしたら『双葉』にも異変が。
『8/2』、親しい友人『双葉理央』の為にブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』ですね。このストーリーの『双葉』の気持ちはよく分かります。友人、恋心、大切な物、これを失ってしまうかもしれないという焦燥感。
年頃だけで無くとも今まで仲良くやってた人が居なくなるかも?となると『双葉』の行動は分からない訳ではないですね。それが自分を苦しめるかもしれない行動だったとしても。


これは難しい議題でもありますね。
メンタルヘルス論では男女の間では友情は成立しないとか言われてるし。かと言って『アセクシャル(無性愛)』とは違いますし。
でも『双葉』と『咲太』と『国見佑真』にはそれがあった。「双葉、メンドクセー」と言いながら『咲太』は『双葉』の為に行動。『双葉』がピンチと知ると急いで駆けつける『国見』。
かまってほしいが為に行動してる『双葉』、その手段を許さない『双葉』、『思春期症候群』の影響で2つに分裂した『双葉』の心理をよく表現出来てたと思います。


『咲太』『双葉』『国見』の関係性はとても羨ましいなと思います。学生時代だからとはいえ夏休みのほとんどを使って『双葉』の為に行動するなんて信頼関係が無いと出来ないと思います。
『双葉』の家に『咲太』が泊まる話は『桜島』は少しムッとしたろうなぁ(笑)

『咲太』の無神経な行動にやっと本音をぶち撒けた『双葉』、そこで言われた『咲太』の言葉により救われた、変えられた『双葉』。本当に心の底からホッとしたんだろうなと思います。「一生友達してもらうつもり」は『双葉』の心に刺さったのかな。
『国見』は『咲太』と『双葉』の相談は理由も聞かずに聞いてくれたりすぐに駆けつける。『双葉』にとって2人は本当に大切な…。

使い方が合ってるか分からないけど二律背反かな?と。片方の『双葉』は嘘を付いて隠してましたし。
それで正直な気持ちをブツけた時にパラドックスが解消された…とまぁ、素人の考えです。流して下さい。


『双葉』は結構お気に入りのキャラですね。
人間くさいと言うかなんというかそんな感じです。

でもまさか『青春ブタ野郎』と命名した『双葉』がその『青春ブタ野郎』に救われるとはね。
んで、いつの間にか普通に『朋絵』と友達になってた『咲太』。訛りを真似してやがった!

さっすが咲太、ブタ野郎だ♪


・9〜10話『人格(見た目)入れ替わり現象』【量子テレポーテーションの一種】


桜島?「アンタ誰?」

『9/1』、色々あった夏休みが終わり2学期が始まる。夏休み中は『桜島』にあまり会えなかった『咲太』。学校が始まったら会えると思ったら学校に来ていない。何かあったのかと『桜島』のマンションに向かう。そこで見たのは確かに『桜島』なのだが様子が…。
今回は腹違いの『桜島』姉妹の為にブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』ですね。正直な気持ちを書くと他のストーリーよりパンチが弱かった様に感じました。
だからと言ってつまらないって訳では無いですが。
単純に解決の糸口が最初から明白だったし起承転結が大体想像通りだったからという理由です。
しかし現象に慣れた『咲太』達と現象が初めての『豊浜』の言動はちゃんと表現出来てたと思います。しかし現象はどんどん範囲が広くなってるなぁ(笑)


『咲太』の「友達居ますって、3人も。」ってセリフは少しニヤッてしました。「あ、『朋絵』が『咲太』の中で!」ってね。

さて今回は単純。『義姉へのコンプレックス』。
物語の始まりから『豊浜』が『桜島』に対しての話し方がなんか中途半端。変な敬語、それは『咲太』が居たからなのか、『腹違いの姉妹』だから?と最初は思いました。だからこんなたどたどしい間柄なのかと。
が、早い。9話のAパート後半で大体吐露されました。10話冒頭、『咲太』のセリフ「早く仲直りしてくんないかなぁ」につきます。
解決方法は大体分かってるのに姉(桜島)の意地と姉への劣等感(豊浜)が邪魔をしてる。
そこに『豊浜』には追い打ちとなる出来事が1つ2つとたて続けに食らう。
何もかも嫌になって卑怯なやり方や感情的に行動する『豊浜』は人間臭くて良かったと思います。
憧れだった、素敵な人が姉になり、嬉しかったのに比べて比べられて次第にコンプレックスになり不安で押し潰されてしまう『豊浜』。
だから努力して練習して少しでも喜んでもらいたい人に褒めてもらいたかった。ただそれだけだったのに。しかし「練習したら、努力したら報われる」訳ではない。これが余計に『豊浜』を苦しめる。
同時に『桜島』との差も。
出来ない事までやろうとしてる『豊浜』は凄いやつだなとは思いますが報われるかどうかは別ですしね。

こんなにコンプレックスを持ってる『豊浜』だったからかな。解決時の気持ちの堰(せき)を切る所はやっと楽になれたのかな?と感じました。
本当に長い間溜まっていたから感情が溢れて良い表現でした。そして『桜島』も…。


甘い事を言ってビンタ… …あ、あれ?なぜ『咲太』に?なぜご褒美に?(笑)
『桜島』の作品の『彩子』のセリフ。「いっぺん死んでみる?」は『地○少女』…、あ、すみません。
ちょっと疑問点が1つ。『豊浜』は「横浜にあるお嬢様学校」に通ってるんですよね?そーゆーとこって芸能活動とか大丈夫なのかな?と。ま、気にする事では無いですね(汗)


『かえで』に対しても良いお兄ちゃんやって『桜島』の妹の『豊浜』にも認められて…

さっすが咲太、ジゴロ…じゃなかった。ブタ野郎だ!


・11〜13話(終)『解離性障害』【思春期症候群を含んだストーリー】


かえで「かえでの今年の目標です!」


『10/16』、『かえで』から重大発表をされる。
「お兄ちゃん以外の人からの電話に出る」「お兄ちゃんと外に出る」…etc、そして最後に「学校に行く」。
『咲太』の妹、『かえで』が突然今年の目標を宣言してきて行動する。なぜ『かえで』はそんな行動をしようと思ったのか、なぜ【今年】なのか…
今回は妹の『かえで』の為にブタ野郎は奔走する。


原作では『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』ですね。最終話後半は『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』をちょっとやって劇場版へって流れ。
正直とてつもなく胸が苦しくなったストーリーでした。涙も結構出ました。
1話目の表現だけだったら『シスコンブタ野郎』ですが(ま、このストーリー観てもそうだなと思いますが(笑))、『咲太』の妹に対しての行動がとてつもなく胸を打ちました。その行動をするきっかけとなった『翔子さん』の言葉も。
ここのストーリーは私は文句なしでした。


「罵られて悦ぶブタ野郎」と『双葉』に言われいつも通りに、『朋絵』は『咲太』に対して友達と思って接してる(訛り等も隠さなくなったなど)等を観てるとこの2人は思春期症候群を乗り越えて強くなったんだなと少しホッコリしました。


『解離性障害』と言うか『解離性同一性障害』と言うか『かえで』は防衛本能だったんですね。それに『思春期症候群』が+αされた状態。
昨日まで一緒に過ごした、行動してた人が今日になったら自分と過ごした記憶が無くなってる。
…記憶を持ってる人も記憶を失った人も心身共にシンドイでしょうね。正直体験した事が無いので想像でしか言えないですが。
いくら説明しても、いくら言葉にしても伝わらない。病院で診察されても「思い込み」とか言われたら『咲太』の様に何もかもが嫌になるでしょうね。
ここで人生の先輩(翔子さん)からの素敵なアドバイスに『咲太』は救われたんだなと。
私もあの言葉は知らない価値観だったので凄く胸を打たれました。CV『水瀬いのりさん』の演技もとても合っててセリフがスッと入ってきました。

そして『咲太』の『かえで』への行動は泣けましたね。『花楓』ではなく『かえで』。
「今ここに居るのは今の『かえで』だから」…
『翔子さん』の言葉に胸を打たれて、『翔子さん』の様に生きて行こうと決めて行動に出せるって凄いですよね。感化されてもいざ行動となるとそうそう出来るかどうかは分からないと思うので。

母親は病んでしまったが『咲太』は『翔子さん』に、『かえで』は『咲太』に救われた。
でもやはり『かえで』は『花楓』であって記憶が戻ったら…という事案は必ずある。
ここまで視聴を進めた時に『かえで』の目標の意味やなぜ「今年」の目標なのかが薄々感じられて少し胸が苦しくなりました。


『10/16』から始めた今年の目標、『11/23』には登校しようとするまでに。が、出来ず。
そして『11/26』にとうとう爆発。『思春期症候群』の痣が出てきて無理をしても「かえでにはゆっくりしてる時間がないんですよ!」と自ら強行。
ここまで来ると流石に涙腺がヤバかったです。
とっておきの場所に連れてって『かえで』を勇気づける。年間パスポート、一人で出来た買い物、夜間だけど学校とノートの目標達成、そして…

かえで「明日が楽しみです!明日が待ち遠しいです!」


『11/27』

咲太「お前…花楓、なのか?」

ここのセリフはもうダメでしたね。胸を締め付けられました。『かえで』の待ち遠しい『明日』が…。
次の13話に行くのが少し嫌でした。


最終13話。どうしようもない気持ちを叫び、悲しみに打ちひしがれる『咲太』。当然ですよね。失った痛みが『咲太』を蝕んでるんですから。

咲太「翔子さんに何が分かるんですか?」

こう当たるのは分かります。

『翔子さん』が『かえで』の日記を『咲太』に読み聞かせて、これまでの行動が[お兄ちゃんと一緒に目標を叶えて多くの思い出を作ること]を知った『咲太』は辛かったでしょうね。
でもそこに『翔子さん』が居てアドバイスを貰えた事によりやっと悲しみを受け止め泣き叫べた。
ただ割り切れるものではないでしょうね、『咲太』も。だから悲しみを抱えながら現実を生きていく事になる…ってキツいなぁ。


後半の『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』の部分は少しだけで残りは劇場版なので省きます。いよいよ今日から上映ですね。
今回私は色々とあるので行けないけど、結構パンチの強い内容なので観てみたいですね。


それぞれの事象でED曲を歌う歌手が変わるのは良いですね。最終話は事象が起こった全ての歌手で。
『咲太』…は無かったか(笑)
石川くん、残念。

OP曲の『君のせい』はお気に入りです。
歌詞、絵のカットイン、曲のノリ、物語を盛り上げてました。


私個人はかなり楽しめた作品ですが好きフィルターがかかってると思うのでオススメするかは控えておきます。

{/netabare}

2019/06/15上映予定。CMでは『牧之原 翔子』が映し出されていた。今回は彼女のストーリーなのか、それとも違う誰かなのか、今回のブタ野郎がどんな事に奔走するのか非常に気になります!

投稿 : 2024/10/05
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

べ、べつに「青ブタ」なんて変なタイトルで悪目立ちしなくても、ちゃんと面白いんだからね!(笑)

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
いや、本当にレビュタイ通りで、普通に素敵で高いクオリティのラブコメですよ!

「化物語」や「俺ガイル」に近いかな。

ヒロインがちゃんと可愛くて、主人公がちゃんと格好よくて、笑えて萌えて考えさせられて。

(よりもい など未視聴ですが)2018唯一の☆5であり、「亜人ちゃん」以来のお気に入り棚です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、本作は五つのパートに分かれるので、それぞれの感想を。

〈青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(桜島麻衣 編)〉
{netabare}
☆5。「消える」という切なさをちゃんと使っていた。設定的には幽霊との恋愛に近いかもしれない。

梓川咲太と桜島麻衣の魅力をしっかりと紹介し、たった3話とは思えない程の、切なくも美しい恋愛を魅せてくれた。麻衣は、面倒臭い可愛さというか、ちゃんと「先輩」として、萌えました。また、咲太 は、本当に「静かな根性」があって。睡眠薬のシーンとか、本当に好き。

この3話で、「麻衣のことも咲太のことも大好きになり」「二人の仲を応援したい」と思えたことが、後々に効いてきたと思います。

ラストの一人告白大会も、観ているこっちの方が恥ずかしくなりそうでしたが(笑)、あのくらいやってくれると、いっそ清々しかった♪
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない(古賀 朋絵 編)〉
{netabare}
☆5。私は「報われないサブヒロイン萌え」なので、古賀にはかなり萌えた♪ 流石、「Just Because!」の鴨志田一さん!

また、「空気を読むなんて間違ってる」「スマホなんてなくても生きてける」と、現代の子供達に本当に観てほしいテーマをカチッと描いている。

ラストも好き。砂浜の少女と福岡のイモ娘が伏線になって、地味グループの方に入るとか。良いオチ!
{/netabare}


〈青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない(双葉理央 編)〉
{netabare}
☆4。このシリーズが一番勿体ない。

双葉理央は、文化的なエロさもあり、毒舌も鋭く、かなり良キャラだと思うけど、ちょっと肩透かし。

誰もがきっと、国見佑真とくっついてほしいと思っているのに、ラストの告白失敗も、随分アッサリ。まあ、2期にまたあるのかな。とにかく、3話あれば、、、と思わざるを得なかった。
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない(豊浜のどか 編)〉
{netabare}
☆3。この話は、正直、いらなかったかなと。

勿論、存在意義は分かります。

まずは、桜島麻衣の悩みを描くことで、彼女の魅力を倍増させること。それから、咲太の家族観を描くことで、次のシリーズに繋げる大切な役目。

なんだけどまあ、ラストもすごく平易なオチだったし、キレイにまとめ過ぎて、面白くなかった。

下に書くけど、取捨選択の中で、他のやり方、見せ方もあったかなと。
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない(梓川 かえで 編)〉
{netabare}
☆6(笑)。正直、このシリーズが始まるまでは、☆4にしようか、☆5にしようか悩む感じでしたが、このシリーズでお気に入り棚入りが決定!

ずっと違和感のあった梓川花楓という妹キャラが、梓川かえで だったということで、色んなことに納得。

咲太の「達観しすぎじゃね?」という違和感も、かえで の為に無理して作っていた部分であることも分かり、なんか納得。苦しむ咲太に、感動。最後、かえで の手紙てで、本当に久々に、アニメでちょっと泣いた。ガーリッシュナンバー以来だわ(笑)
{/netabare}

総じて、本作の良さは、

①梓川咲太と桜島麻衣を中心にした、軽妙なやり取り。会話のセンスが抜群だと思った。

②「雰囲気は明るく」「設定はファンタジー」「しかしテーマは深くリアリティーをもって」というあたりのバランスが絶妙だった。

③2~3話の短編を重ねながらも、縦軸となる咲太と麻衣の恋愛を深めていく構成の上手さ。

特に、①と②は特出していたと思う。

ただ、不満もあるにはあります。

まず、シリアスなシーンで、多少作画が残念なところがあったところ。コメディは多少崩れても良いけど、シリアスは余計に気合い入れてほしいと思った。

次に、「メインパートが終わったキャラが生かしきれていないこと」。特に、古賀は、あんなに良いキャラだったのに、空気になってしまって残念だった。もっとうまく絡ませてくれれば尚よかった。

最後に、「双葉理央 編」「豊浜のどか 編」のクオリティが、他の3パートに比べて低かったところ。特に、「豊浜のどか 編」は、なんか安易だったなと。ただこれは、多分、「2話」という短さが壁になっていたので、1クールで「梓川 かえで 編」までやろうと思った時に、仕方がなかった、いや、むしろよく頑張ったなとは思いますが。

なんで、現状でも充分に満足なのですが、あえて代替案を示すならば、「双葉理央 編」をまるっとカットするという選択肢はなかったものかなと。

勿論、色々不具合は出てくるし、批判もあるだろうけど、「豊浜のどか 編」は、「家族」というテーマを扱う以上は、ストーリーから外せないし、双葉理央はすごく好きなキャラなので、あのような中途半端なオチにするくらいだったら、2期にとっておいて、国見とくっつく(よね?多分)までをガッツリ魅せるのもアリだったのではないかと。んで、「桜島麻衣 編」と「豊浜のどか 編」に1話ずつ追加して、クオリティを上げていくのも良かったかな、なんて思いました。

いや、「お気に入り棚」に何を文句つけているんでしょうね(苦笑)

とにかく、「2018年、これより良いアニメはあった」「2018年、これより好きなアニメはなかった」ということで、個人的覇権&お気に入り棚です♪

好きはクオリティを超える♪

久々に、純粋な気持ちでアニメを楽しめました!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
俺ガイルみたいな雰囲気? 作画は普通に良いね。設定と会話センスはなかなか良い。やりたことは分かった。主人公だけに見えるというのは、幽霊とのラブコメに近い設定だな。いつかは一時的に見えなくなる展開もあるんだろうな。

2話目 ☆4
シュレーディンガーの猫なんて、クソ厨2病要素をド正面からってのは、なかなかに潔い。電話のやりとり、格好良いな。マジで蹴るとか(笑) デートからの中々の流れ。

3話目 ☆5
まあ、そういう展開だよな。orangeに比べると、ずいぶんと切実かつ意味ある、未来への手紙。根性あるな~。睡眠薬のクダリとか、良かったな。よく、3話でここまでもってきたなとも思うし、これが10話とかだったら本当に感動したなとも思う。

4話目 ☆4
ちゃんとバニー先輩との関係は深まって行くのですね♪ エンドレス8(苦笑) こんどはラプラスの悪魔か。一人は恥ずかしい。リアルなところだね。ドMじゃねぇか(笑)

5話目 ☆4
妹ちゃん、良い感じだね。演技が本気に、、、古賀のことなんだね。1周回ってアリな先輩(笑) 古賀が不細工なら、、、酷いけど、高校生ならマジでそうだからな(汗) これ、古賀がマジで咲太に惚れて、告ってフラれて、エンドレス8? 「僕は童貞だ!」w

6話目 ☆5
色々なやる気(笑) 妬いてるw 情緒不安定(笑) まあ、そういう流れだよな。これで古賀が嘘ついてたら素敵だな。同じ日でも繰り返したい。報われないサブヒロイン好きとしては、ポイント高い。結末も、良いな。砂浜の少女と福岡のイモ娘がここにきて伏線になって、地味グループの方に入るとか。スハラシイ!

7話目 ☆4
上手になるまで何度でもって、童貞が聞いたら悶えて喜びそうなフレーズやな(笑) やりとりが軽妙で良いよな。エロ賢い(笑) チョココロネ、、、こういう些細なことだよな。携帯恐怖症。サクッと彼氏。

8話目 ☆4
完全に同人格ではないとね。二人の問題でしょ、という自然な発言。作画、ちょい厳しい? 一種の自傷行為て、そんなもんなのか? 愛を知り、怖さを知る。作画がカタカタしなければ、もっと萌えられる泣きのシーンなんだけどな。夜の学校、入れるの?
ここでエロ双葉の方に戻るとしたら、ダーク双葉が分離体? これまで、パートの〆は次場らしかったのに、なんか中途半端。

9話目 ☆3
やがて君になる、かな(笑)?

10話目 ☆3
親を、親だと思っている。何気に深い。咲太、あまりにも達観しているけどな。父親、違和感しかないな。咲太のキレっぷりが良いな。う~ん、ちょっと綺麗にまとめ過ぎかな? 咲太をビンタwww 戻る瞬間。

11話目 ☆5
このいじめの顛末は、最近の特徴だよな。いじめっこが晒されて、いじめられる。なぜなら、力のある者(ガキ大将)がいじめるというより、モブ的な奴が数の力を頼りに、上位層や下位層をいじめるいじめ。いじめられる人間がいなくなると、立場が入れ替わるだけ。

引きこもり改善。ちゃんと、スモールステップ意識してるし、咲太の視点が温かい。図ったな、お兄ちゃん(笑) あんまり順調だと、、、。楓の事実。

12話目 ☆5
なかなかシリアス。見える世界は人の数だけ。真実。確かに、今の「かえで」。咲太、メチャいい奴。記憶喪失モノの定番だが、今の人格がどうなるか問題。統合が一番スッキリするけどな。小も大も、弱音も。笑いの道は険しいw 今の「かえで」のうちに、やりたいことやりたいわけね。年間パス、いちいち素敵なニクさ。教室でもなく保健室でもなく、夜の学校。カウンセリングマインドが、実に理にかなっている。かえで が、花楓に。安易に「かえで」を残さないのが、また、素晴らしい。次に復活させるかもだけど。

13話目 ☆5
記憶喪失の復活について、ここまでしっかりと喜びと悲しみを、対比をつけて表現したアニメは知らないな。咲太の叫びは胸にくる。ただ、ああいうところはもっと作画を頑張らないと、安っぽく見える。祥子さんは、咲太が作ったのかな。かえでの日記、泣くわ。バイト、そのためか。かえで は消えたくないけど、咲太の為の目標であり、前進か。トマトとパンのところ、リアル。「こんな時でも腹は減るんだな」とか、無駄に言わせないところが良い。咲太が本当にツラい時にいるのが自分ではなく、咲太が求めていたのも祥子さんで、という悔しさと悲しさと。過剰だが、それが良い。マネージャー、ナイスだな。ブタ野郎エンド(笑) これは、二期だな。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 55
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

『プロット』と『キャラ』、貴方はどちらが大切ですか?

名作アニメ『図書館戦争』の原作者で、
僕が心から敬愛する作家、有川浩さんの小説の書き方は、
なかなかに素敵です(わりと有名な話ですが)。

モチ-フとする題材の取材を徹底的に行い、
おおまかなプロットを決めて、キャラクター設定を作り込む。

ふつうの作家は、この段階で書き始めます。
なかには、飛行機の設計図みたくプロットを作り込む人もいるそうですが、
まあ、ふつうはエイヤっで書き始めます。

だけど有川さんは、何日か放置しておきます。
別にさぼっているわけではなく、
キャラクターが動き出すのを『待っている』のだそうです。

で、有川さんの中でキャラが動き始めたら、それを文字で追っていく。

だから、有川さん自身が書きながら
「おお、ここでそうきたか」とか「こいつ、動かね~っ」とか、
まるで観劇者みたくキャラの言動を楽しんでいる、みたいな。

おかげで、最初に出したプロットとまるで違う作品になることもあるとか。
それを「面白いからいいや」で通す編集さんもエラい。

この書き方の最大の利点は『キャラがぶれない』ことです。

もちろん、物語の序盤と終盤でキャラの言うことが変ったりしますが、
それは人間的な成長・気づきによるもので、
業界的に『振り幅』と呼ばれ、キャラぶれとは全く別のものです。

この『振り幅』はドラマを成立させるための大切な要素であり、
逆に『キャラぶれ』は、
ドラマを崩壊させてしまう欠陥因子です。

これは文芸の世界ではあたりまえのことなのですが、
残念ながらライトノベルの世界、
そしてそれを原作としたアニメの世界では、
それが『あたりまえ』になっていない感があります。

ええと、相変わらずマクラが長くて恐縮です。

僕がどうしてこんな話をぐだぐだ書いているかというと、
本作『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』が、
ものすごく『惜しい』作品だと思うからです。
{netabare}

作画は文句なしに素晴らしい。
OP、EDや劇伴もよくできていると思います。
とりわけOPのカット割りは、珠玉の出来と言っても過言ではありません。

役者さんも豪華で、力の入ったお芝居をしています。

物語も、量子がどうしたこうしたという物理学まがいはこじつけですが、
『思春期症候群』というばくっとしたくくりで
次々といろんな超常現象を登場させていくというのは、
視聴者を飽きさせない素晴らしい工夫だなあ、と。

それぞれヒロインが違うのにハーレムにならないところも好感度大。
言葉の掛け合いも軽妙で、
おお、と思わされる言い回しが随所に出てきます。
{/netabare}

いろんな要素に秀でていて、
総合的に評価が高くなるのも当然というか、
あにこれで総合ベストテンに入るのも、頷けるところであります。

ただ……好きな人ごめんなさい、
僕の耳には『キャラぶれ』がひどい、です。
とりわけ、主人公の梓川咲太が。
{netabare}

最初に思わず顔をしかめてしまったのは、
古賀朋絵の章のラス前、展望台での告白シ-ンです。

このシ-ン、朋絵に自分から「好き」と言わせる必要は何もないです。
リ-プを繰り返しても自分の気持ちは変わらない、
それを伝えるだけで目的が達成できるわけですから、全くの無意味かと。
残酷に追い詰めて嫌われようとするなら、
最後に「よく頑張ったな」なんて優しい言葉をかけることもないわけで。

要するに、このシ-ンでの咲太は「あんたなにさま?」の一語に尽きます。
ぶっきらぼうながらも人に優しかった咲太というキャラが、
ここではものの見事にぶっ飛んでいるんです。

そして、それを受ける朋絵のキャラも、よじけています。

朋絵は「何度も繰り返せば咲太の気が変わり、麻衣から略奪できる」
なんて本気で考えるほど、バカでも黒いキャラでもなかったはずです。
虚しいと自分でもわかっているけど、
一縷の望みにしがみついてやめられなった、
そう読むのが正解なのが、ここまでの古賀朋絵像ではなかったかと。

ところが、告白内容はまさかの黒キャラ、確信犯。

朋絵を演じてる東山奈央さんも「はあ?」と思ったんでしょうね。
熱演っぽく演ってますが、実はテンプレ読み。
気持ちが入った時の東山さんの芝居って、こんなもんじゃないです。

結局『展望台で告白』というプロットありきで、
そこに無理やりキャラを当てはめるから、
言霊がペラペラの、やすいシーンになっちゃったわけです。


この『プロットありき』は、この後も頻発します。

双葉理央編。
花火大会を控えた真夏の出来事なんだから、
雨の中を自転車で走ったぐらいで病院に担ぎ込まれるわけがありません。
本当に低体温症になってたら、
そのまえの理央との会話ができないわけで。

これも『病院で会話・解決』というプロットありきですね。
リアリティなんか置いてけぼりです。
炎に包まれながらべらべら喋るのと同じことかと。


豊浜のどか編。
のどかが狂言自殺で海に入る理由がまったくありません。
咲太を試したのだとしたら、何のために試すのか目的が不明です。

咲太はあくまでも姉の恋人であって、
直近になってようやく心を許しかけたぐらいの間柄です。
たとえ麻衣のライブにショックを受けてむしゃくしゃしていても、
ふつうにやつあたりするのが関の山では。
それまでの言動も、わがままではありましたが、
他人の前で狂言自殺するほど身勝手で非常識なキャラじゃなかったし。

これも『のどか、海に入る』というプロットありきですね。
派手で衝撃っぽいシ-ンが欲しくて、
とりあえずおまえ海に入っとけや、と。


で、最高にげんなりさせられたのが、梓川かえで編の咲太です。

かえでが花楓になり、ブラコン妹の人格が消えた。
それはまあ、ショックを受けるのは受けるでしょう。
だけどそれと同時に、花楓の記憶が戻ったことを喜ぶべきでは。

花楓は思春期症候群で心身ともにボロボロになり、自我を失い、
何年かぶりにようやく記憶が戻ったわけです。
なのに、それを喜んでくれるどころか、
その間の代替人格であったかえでの消失のみを嘆き悲しまれ、
街を彷徨われたりした日にゃあ、立つ瀬がありません。

あたし、ひょっとして記憶戻っちゃいけなかった? みたいな。

麻衣に「花楓が壊れるまで気づいてやれなかった、何もしてやれなかった」
なんて殊勝な話をしておきながら、
その花楓が帰ってきたら喜ぶどころか嘆き悲しむって、咲太あんた……。

最低でも、喜びと喪失感がごちゃまぜぐらいでないと。

もちろんこれも『プロットありき』です。
ここで咲太が打ちひしがれないと、翔子さんが出せません。
ここで翔子さんが出せないと、
翔子さんの手紙を見て立ち去った麻衣を咲太が金沢まで追いかけるという、
雪の中の感動シ-ンに結びつきません。

だから、つまるところ、
  おまえ、これまで口に出したことは全部忘れて、
  とりあえず泣いてそのへん彷徨っとけや
となったわけで。

もはや、キャラ設定も何もあったもんじゃありません。


原作者の鴨志田一氏はウィキペディアによると、
岡田麿里さんと意気投合した盟友みたく書かれていますが、
とんでもないと僕は思います。
岡田さんは、自分で原作を書く時には、
プロットに合わせてキャラの脳みそを入れ替えたりしませんから。
{/netabare}

とは言うものの、アニメとしては全体的にとてもよくできています。
そして、もっとひどい『キャラぶれ作品』が、
巷にあふれかえっているというのも目を逸らせない事実です。

ですからO型性格丸出しの人に、
  フリさん、言うことが細かすぎなんだってば。
  どうせラノベ原作のアニメなんだし、
  かわい~っとか、面白れ~っとか、
  そういうので楽しんだらいいじゃんかさ。
なんて言われたら、そうなのかなと思ってもみたり。

あ、でも、創り手としてのプライドというものが……うにゃうにゃ。

とりあえず、おすすめ度としてはAランクです。
キャラクターのぐらつきを、
  こいつはぐらついた性格をしてるんだ
の一言であっさり片づけてしまえれば、
最後まで楽しく、ワクワクしながら視聴できると思います。

ただ、本気でプロを目指している若い方には真似して欲しくない、かな。
  プロットがなんぼのもんじゃいっ
そう言ってちゃぶ台をひっくり返せる方、心より応援いたします。
リアルではけっこう苦労しそうですし、
ひょっとすると思わぬ敵を作っちゃうかも知れませんが、それでも、ね。

{netabare}
ちなみに、あまり人気のない豊浜のどか編ですが、
あれ、お芝居としてはかなり難しいです。

麻衣役の瀬戸麻沙美さんは、単にのどか役を創るんじゃなく、
内田真礼さんがのどか役を演った場合の口調・発声の真似をして、
しかも自分の声で、気持ちを入れて演じなきゃいけない。

内田真礼さんはその逆ですね。

自分の理解した役を自分の声で演る、
他人の口調・発声の真似をする、
どちらか一方ならプロ役者はできて当然ですが、
その二つが重なると、難易度が一気にはねあがります。

男女の入れ替わりなら多少雑になってもごまかせますが、
同性間の入れ替わりはそうもいきません。

それでも内田さんの場合、
過去に瀬戸さんの演じた「麻衣サンプル」が八話分ほどあったわけですが、
逆の「のどかサンプル」は二言三言しかなかったわけで、
瀬戸さん、めちゃくちゃ苦労したことと思います。

『ココロコネクト』なんか、その辺の作り込みが雑で、
誰が誰なのか全然わかりませんでした。
まあ、あれは入れ替わって発する台詞がごく僅かでしたが。

その点、本作では瀬戸さんも内田さんも、めっちゃ作り込んでます。
とりわけ、サンプルの多かった内田さんはすごい。
全然声質が違うのに、ちゃんと瀬戸さんの台詞に聞こえるもの。

確かに、お話自体はたいして目新しくなかったですが、
お芝居は一流でした。
熱演されたお二人の努力とプロ根性に、敬意を表したく。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 32

91.2 2 入れ替わりアニメランキング2位
君の名は。(アニメ映画)

2016年8月26日
★★★★★ 4.1 (2512)
11494人が棚に入れました
新海誠監督による長編アニメーション。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。

出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す

声優・キャラクター
神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、悠木碧、島﨑信長、石川界人、成田凌、谷花音

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

奥寺という女の重要性。なぜ前半の主役2人は嫌な描き方なのか?

24年8月再視聴。毎夏に視聴する映画です。評価としては日本アニメ史上1つの到達点を作った歴史的作品だと思っています。面白く、含意が深く、意味のある感動があり、映像表現が素晴らしい映画です。

 この作品の主人公、瀧が「気持ち悪い」という意見が多いそうですね。これは当然で、そう描いているから当たり前としか言いようがないです。

 奥寺をなぜあれだけ重要なポジションに置いたかと言えば、瀧と三葉の変化を描くためです。
 特に瀧ですけど、奥寺のようなモテる大人の女性から見ると、当初の瀧は童貞丸出しの女を過剰に意識したガキでしかないように描いています。だから、三葉が中にインストールされると、その細やかな気遣いや女に対する自然な態度で、奥寺はなかなかいいと思ったわけです。

 結果として奥寺ねらいの藤井司がいますが、彼は女に物おじせずぐいぐい来るタイプですね。これがもう一つの瀧の対比です。奥寺はこの時の藤井司はガキですから相手にしていませんが、かといって普通に友人あるいは恋人候補の様に接しています。これも瀧=気持ち悪いの補強材料です。

 三葉は都会にあこがれる、田舎を馬鹿にした少女です。その態度が皆と壁を作っていたのでしょう。そのコミュニティに参加しようとしません。三葉を馬鹿にしているギャルたちも、悪いように描かれますが一方で三葉にも壁があります。テッシーとさやかの3人は浮いているように見えます。

 そして、その瀧が入れ替わって三葉になったとき、その童貞くさい正義漢が学校では受けて三葉は見直され、たぶん一生懸命バスケットボールに参加し、コミュニティに参加したのでしょう。その結果、モテる様になります。

 ですから、前半の瀧と三葉は気持ち悪い、自分の周囲を見ない人物として描かれています。奥寺=都会=あこがれとなっています。

 結果として、なぜ2人が惹かれあったかという答えがここにあると思います。単なる「あこがれ」を目指していた2人が、入れかわることで相互の理解を深めた結果、いつの間にか相手に感情移入したということでしょう。おかれた立場による苦労を知ることができました。
 また、近い存在でいながら会えないという状況が、お互いの興味を産んだのでしょう。そして、奥寺という女子を通じて2人ともあこがれと恋愛の違いを自覚することになります。その結果、お互いに恋愛感情が芽生えるということです。

 ですから、奥寺にあこがれている瀧は気持ちわるいし、都会にあこがれている三葉は地元では浮いた存在なのでしょう。都会における奥寺を中心においたのはここを描写するためだと思います。

 その奥寺が岐阜に向かうときのダサくて自分勝手な姿。ここも意味があると思います。前半はキラキラした都会の女なのに、その本質はめんどくさい我儘さをもった女性ということです。この時、瀧も三葉ももうお互いを思っていて奥寺のキラキラが消えているという意味だと思います。それを受け入れられる司こそ、奥寺にふさわしいのでしょう。

 瀧が気持ち悪いという意見を聞いて、この辺の構造が言語化されました。たしか女性の意見だったと思うので、正しいとしか言いようがないですね。ただ、そこで気持ち悪くてやめた、はもったいない気がしますけど。

 それとこの映画、2人が名乗らないほうが良かったという意見も結構目にします。私もあそこですれ違う2人を想像します。それはそれで一つの結論です。日頃の自分の中にある寂しさにつながり、現実の我々にクロスオーバーしてくるかも、とは思います。

 ですが、それは今の時代安易な感動ポルノに堕す可能性の方が高い気もします。そして震災文学である以上は、いつ死別するかわからない時代だからこそ、お互い名前を呼びあおう、コミュニケーションをとろう、気持ちを伝えよう、後悔の無い生き方をしようという意味で格段に良かったと思います。

 災害で亡くなった人の分までしっかり運命の人を探そう、恋愛しようという話になったと思います。



以下 23年7月レビュー

何回見たかわからないです。日本のアニメ史に残る名作でしょう。

 夏といえば「君の名は。」本作です。アニメ映画の中でもっとも回数を見た映画で、20回じゃあきかないでしょう。季節問わず見ています。
 過去のレビューをまとめているものの、言いたい事が多くて支離滅裂です。現バージョンは23年7月に書いています。とにかく私が好きなアニメ映画ナンバー1の一つです。


 まず、本作の凄いところは、やはり美しい情景描写が感動を深めるということが筆頭でしょう。2010年代に入って他の作品も、背景美術のレベルはどんどん上がっていました。が、本作のスケールの大きさやカルデラ湖と村の見せ方、彗星の光など圧倒的な美しさの他に、視覚的な新しさがあったと思います。宮水神社や都会ももちろん、この美しい絵が後のアニメにどれだけ影響を与えたかは計り知れません。

 ハッピーエンド…とされていますが、果たしてそうでしょうか。外の視線である我々からは、2人が出会えたカタルシスはもちろんありますが、冷静に考えると2名はお互いを知りません。ただ、朝起きたときの寂しさを埋めてくれる相手を見つけただけです。ここにテーマ性が見えないでしょうか。

 震災を意識した作品です。つまり災害により人はいつ死ぬか分かりません。寂しく孤独な時代です。後悔しないために、運命を感じたりあるいは寂しい人は名乗り合おうよ、という事だと思います。

 ここでもし二人が名乗らないですれ違うのが新海らしさかと言えば、そうではないと思います。というのは「ほしのこえ」を考察して行くと、どう考えても2名はまた会う事ができます。つまり、デビュー作からして、一回時間と空間に隔てられた2名は再会するという話も初期の新海誠は描いていました。

 本作は、へその緒が断ち切られる=一人で生きる痛み、髪を切る=失恋の痛み、そして彗星の落下による死別。そういったことが丁寧に描かれていました。
 そうなると私たちが日ごろ感じている寂しさって、都会で生きていると、赤い糸の存在を忘れてしまっているのでは?だから、出会うチャンスがあればちゃんと声をかけて名乗って見ようよ、好きだと言おうよ、という風にも取れます。
 つまり「秒速5センチメートル」のアンチテーゼですね。


 それと瀧と三葉がいつ好き合ったかです。恋愛とは相互理解、コミュニケーション量です。そして2人は秘密を共有しています。瀧は三葉がクラスで陰口をたたかれているような苦労を知っていますし、三葉は瀧が奥寺先輩が好きな事も知っているし、奥寺に憧れる瀧の事を考えていたのだと思います。
 そこまで濃密な交流を重ねる男女がお互い惹かれ合うのは自然なことだと思います。

 あと三葉の描写ですが、田舎の因習に嫌気がさし特に家族関係で苦労しているからこそ、都会に憧れるという心理が上手く描かれていたと思います。伝統というものに対する拒絶とそれを律儀に守るアンビバレントな性格が、三葉の人間性を深いものにしました。この都会への憧れが瀧への思慕へと変わる焦点にいたのが奥寺先輩です。

 この作品、奥寺がキーパースンでした。彼女がいたからお互い好きになったのかも、というくらいです。

 瀧については、正義感とか短気なところ…要するになぜ奥寺にモテないか、を考えるといいでしょう。要するに女性に気を使いすぎるので、本来いい男なのにその遠慮が奥寺にとっては、居心地が悪いのでしょう。女子になって同性として接する=壁がなくなるとモテるようになったという描写も瀧の性格をしる一助となります。

 そして、三葉って中盤のシーンで一回死んでますよね。初めて髪を切った三葉が出るシーンです。そこまで描写はされませんがそこは読み取れます。この時の三葉の心情ってどうだったんだろうって、思いますよね。このシーンがあるからこそ、本作の内容も感動も深まるのだと思います。

 奥寺と瀧のデートを想像して自分の気持ちに気が付いたのでしょう。わざわざ瀧に会いに行った。瀧と出会って何とかつながりは残したけど気持ちを伝えられなかった。髪を切るというのは明らかに失恋を意味しています。

 その落ち込んだ気持ちのとき落下してくる彗星を見て三葉はどう思ったか。やっぱり後悔だと思うんです。せっかく会えた瀧に気持ちを伝えたかった。でも紐を渡しただけ。相手は覚えていない。ここが本当に胸に来ます。

 もちろん最終的に三葉は東京で暮らすことになるわけですけど、ここで死んだ三葉というのは確かにどこかのIFの中に存在したわけです。タイムリープ作品ではこの感受性が大事だと思います。いくら結果が良くても絶望で死んだ人間は存在したことを忘れると、安易な死にもどりの物語になります。この作品はその部分を見事にすくい上げています。この作品はバッドエンドのIFもちゃんと提示されていることを読み取るべきでしょう。

 そして、この瞬間があるのでその後のカルデラでの出会いと奮闘に意味がでてきます。この作品の最大のポイントはこの途中で死んだ三葉がいる、ということです。生きたい、名乗りたい、告白したい。だから、ラストが活きてくるわけです。

 一方瀧です。片割れ時に出会ってマジックで手の平に「好き」と書いた理由ですね。名前よりも気持ちを伝えるのを優先したんだと思います。それはなぜか。東日本大震災で沢山の人が亡くなりました。それは誰の身にもいつ起こるかわからないという衝撃的な事実を、クリエータに突き付けたわけです。パラダイムシフトですよね。だからこそ、つながりを大事にして「告白」しようよ、と。 

 気持ちを伝えられた。名前も出来事も記憶から無くなってゆく。でも喪失感だけある。この切なさも相当なものだと思います。この痛みがあるからこそ2人はまた出会えた。ひょっとしたら瀧が好きだと書かなければ2人の胸に痛みがなかった。そうしたら再会することはなかったのかもしれません。ここは完全な私の妄想ですが、名前がテーマなのになぜ名前を書かないかという点は少し考えたいところです。


 三葉と言うより宮水神社については、彗星の意思なのか人間の防衛本能からかわかりませんが、宮水神社の女たちに運命が与えられた。それが、組みひもであり、口噛み酒であり、へその緒であり、髪であり、運命の赤い糸でした。その辺は中盤の瀧君が口噛み酒を飲むところからちゃんとわかるようなイメージシーンがあります。


 構成ですが、初めのおっぱい揉むシーンがあるので、相互に視点が動いているようで、実は最初の25分くらいずっと三葉視点、そのご瀧視点としばらく視点が固定されます。
 その後、突然ショートヘアになった三葉が出てきて、そして、瀧が旅行にいって…がという構成です。ここで話が大きく動くことになります。
 この構造が非常に良くて、一瞬たりとも目が離せないドキドキ感がありました。

 全体として新海作品は言葉足らずな部分があるのも事実です。ただ、説明不足と言葉足らずは違って、本作は見て感じれば行間が読めます。というより、言葉足らずだから、見た人の個人の体験と重ね合わせて奥行がでるとも言えます。

 
 新海誠氏の作品を並べて見ても、この3作はアニメ作品として格段に出来がいいと思います。「秒速5センチ」「言の葉の庭」などいい作品ではありますが、正直文学などで代替できますし、エンタメとしての完成度を含めて考えればやっぱり最近の3作は全然レベルが違います。
 唯一「ほしのこえ」のスケール感と切なさ、純愛が私はSF恋愛作品として大好きなので、これがこの3作と同じくらい好きです。

 とにかく、新海誠氏の最近の3作品は、エンタメとしての面白さ、壮大さ、純愛、テーマ性、アニメーション表現などの点で格別だと思います。その中でも「君の名は。」は最高かなあ、やっぱり。


 本作を見て感動するのは馬鹿だというコメントを残したマンガ家がいます。新海は大衆に迎合したという評論家もいます。まあ、頭がいい人たちの意見だから、確かに私は馬鹿で大衆マインドなのかもしれません。
 私は馬鹿を自覚していますので、いくら馬鹿にされても結構です。それでも、本作は見て感動した気持ちは素晴らしかったと思います。ですので名作だと断言したいですね。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 31
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

夢の儚さを越えて二人は繋がる。

見終わった後、私は夢から覚めて、まどろんだ時ようなな気持ちになりました。

あのシーンの背景が良かったとか、あそこのスピード感が最高だったとか。
でも、その記憶は、強く「覚えていよう」と思い、まるでこれは面白い夢から覚めた時と同じじゃないかと。

でも、人の記憶は曖昧で、全ての良いシーンを覚えておこうと思っても、次第にディテールが失われていきます。
やがて夢の記憶は、「面白い夢をみた」に代わり、そして夢をみた事をも忘れていく。

時間に対して夢の中の記憶はあまりにも儚い。

この作品はそんな弱い繋がりで繋がった瀧君と三葉の物語です。



感想
{netabare}

【演出】
二人の入れ替わり生活が始まるときに曲が入り場面の切り替わりのスピード感は新海監督らしい演出。

二人の入れ替わり生活とは別に強く印象に残っているのは
時間が100倍速になった感じで都会の光や信号が光を放つシーン。
これは時間の経過を示しているのでしょうが
その綺麗さが強烈に印象付けられました。

また、夢の中の出来事という作品の設定のように
幻想的な美しさが視聴者を夢と現実の境界線に引き込んでくれます。

三葉の人生が瀧に見えたときのシーンもグッと来ました。何でだろう?
人の生き死にに涙もろいのかな。
あのシーンは母親との直接的な繋がり(へその緒)や親との別れ、家族の濃い「人と人の繋がり」を感じてしまったからでしょうかね。

【展開】
「瀧君、覚えてない…?」という三葉のシーンは本当に胸が痛くなりました。
3年後の瀧君にとってはずっと前から繋がっていた。三葉にとってはようやく繋がった。
だけど瀧君はこのときはまだ知らない、三葉は不審そうにこちらを警戒する瀧君に思いを伝えられない。
「二人が会えた」「繋がった」という嬉しさと同時に
勇気がでずに思いを伝えられない三葉の姿に自分を重ねてしまいました。



【キャラ考察】
瀧君がクレーターの上で君の名は!と涙ながらに叫んだ気持ちがわかってしまう。
大切な人に会いたいと、思いが募ると、苦しくて、吐き出したいなにかが心のなかにたまってきて、自然と涙が出てくるんですね。

三葉の境遇について
母親を幼い頃に亡くしていて、それをきっかけに父親が神職をやめて離ればなれとなっています。
離れて暮らしながらも、政治というなにかと目立つ仕事をしている父親のせいで
学校で本人の意思とは関係なく少し浮いてしまう三葉。
そんな狭い村社会に嫌気が差してどこかに逃げたい気持ちでいる時に起こる入れ替わり。
三葉にとって入れ替わりは逃避になり得た(まさに夢に逃げる)のですが
突然終わる入れ替わりは、夢の終わりであり、それは自分の逃げ場所がなくなったともいえます。
夢の続きが見たくて。そういう気持ち(逃避)、わかります。
東京にいるはずの瀧君に会いに行き、あの日々の続きがみたい。
でも、せっかく会いに行ったのに瀧君は三葉のことを知らなくて、繋がりの喪失を感じてしまった。
(ですか、ここで過去と未来を繋ぐ糸を渡したシーンの懸命さや、その糸が忘れかけた瀧君と三葉を繋げてくれた意味を持つアイテムであることの重要性が「繋がった!」と嬉しさを感じさせます)

その後の三葉の行為は、瀧君への思いをたちきりたくての髪を切る行為だったのでは。(切るということは思いや繋がりをたちきりたいための行為?)(夢の終わりが夏祭りの近くの日、つまり、一般的には夏の終わり近くです。夏の終わりの儚さと夢の終わりの儚さをかけているのではないでしょうか)

また、三葉が夏祭り前に暗い部屋で涙を流すシーンには、喪失感を感じ、失恋等のなにかを失う出来事を思わせました。


その後の彗星の衝突により、三葉は現実の問題と向き合い乗り越えることができました。
瀧君の残した「すきだ」が現実と向きあう最後の勇気をくれたのかもしれません。

そして、瀧くんにとっては、一生忘れられない体験であり
忘れられない繋がりだったのではないでしょうか。
それが記憶がなくなっても四年後も繋がりを求めていた理由かもしれません。
忘れたくないと思っても忘れてしまう、だけどどこかでおぼえているその繋がりのことを。
だから、これはなくなってほしくないという、繋がりの肯定なのではないかな。
【美術】
新海監督の作品は見たり見なかったりなのですが、背景の綺麗さは今作もすばらしかったです。
田舎のゆったりとした風景にはそこに溶け込めそうな気分にさせてくれました。まるで、その場所が自分の帰る場所のような。

都会の朝の風景はどこか孤独だけどエネルギーを感じます。
夕方の忙しそうな風景には少し寂しさがあって、早く帰りたいな、そんな気持ちにさせてくれます。

季節感も夏に始まり、春に終わるという、季節ごとの綺麗な風景を描いてましたね。

最後に桜さく路地の階段で二人が出会うシーンも、優しさと暖かさをリアルに感じてとてもよかったです。


【記憶が失われる設定について】
多くの人がここについて指摘してきました。
ですが、私はレビューの最初に書きました通り、夢だから、でストンと納得しています。
作中で夢をフォローしているシーンがあるのは覚えていますか?
三葉の祖母が三葉(瀧くん)に「三葉、お前、今夢を見ているな」と言う印象的なシーンです。
また、三葉も「夢の中で見たあの人の名前が思い出せない」と言い、友人を困惑させます。
それはそうでしょう。普通のひとはそんなことを非常時でも平常時でも口に出したりしません。
共通認識として「夢の中の内容は忘れやすい」ということがあるからです。
ですので、スマートフォンの中の日記が消えていくあの表現や、
二人が御神体のクレーターで出会うシーンが、
夢と現実の境界線が曖昧な時間や場所を表現していて
見た人間も、夢と現実の境界線にいるようなそういう作品だと思っています。

【朝、目が覚めるとなぜか泣いている】
印象的な導入のセリフです。
二人の繋がりを失ってしまったことを自分の中のどこかが泣いている。
そして、それにとりつかれているようになってしまっている。
私はそうやってどこかに繋がりを探すような感情を現す言葉は知りませんが
自分のどこかに、よく似た感情があると確信があります。
それが、私の心にズキズキとした胸騒ぎを起こしてくれます。

【総評】
色々書きましたが、瀧君と三葉のような10代の気持ちや考え方を上手く描いています。
君の名は。でとめていますが、これは相手への問ですよね。
相手の名前を知らないからこそ尋ねる(訪ねる)。
そして相手の事を知りたいからこそたずねる。
相手の事を知りたいという感情をエネルギーにして伝えてくる作品でした。

また、人と人の繋がりを感じる、もしくは、心の中のどこかにあるつながりを求める感情を肯定する物語だったとまとめさせていただきます。

【蛇足】
三年前の瀧君と三葉が東京でであったとき、二人の糸はどう繋がったのか、一瞬はまりかけました。
二人の糸は絡みあって大きなわっかを作った。そんな思いです。でも始まりはどこかよりも、今と未来の彼らが気になって(笑)

キービジュアルの瀧と三葉が東京の坂で振り返って見つめる絵って
ラストの5年後の二人を、であった頃の高校生の姿に置き換えているのかも?
これが「出会い」の絵なのか「再会」の絵なのかちょっと気になって面白い。

幻想的で儚さのある二人の奇跡の繋がりと、現実の繋がり。
ラストで二人の繋がりを現実の繋がりにすることで生まれる嬉しさ。
なぜだろうか?多分、二人が求めていたその繋がりは、人間が奇跡を信じたい気持ちの肯定だからでしょうか?

{/netabare}

ストーリー考察?(繋がりを軸にストーリーを考えてみました。)
{netabare}
三葉の祖母が、糸に例えて人と人の繋がりを話しました。繋がって、絡みあって、離れて、近づいて、また繋がっていく。その繋がることを結びという。

瀧と三葉の関係もまたそうでした。夢で繋がって、入れ替わりを繰り返して二人の糸は絡みあう。
入れ替わりは突然になくなる。突然糸が切れたように。
三葉のいる場所は時間を越えて遠く離れた場所だった。
真実を目にした時、三葉との思い出は一瞬で消えていき、崖から突き落とされたようなスピードで二人の距離は離れていく。(二人の距離が明確に離れていくことに儚さや悲しさを感じました)
でも、瀧は「そこにいかなくちゃいけない」という自分でもわからない使命感に押され御神体のある場所へ
三葉のいるかもしれない場所へ近づいて行く。(確信のない行動です。しかし、そこには記憶という曖昧な繋がりよりも、もっと深いところでの繋がりを感じます)

そしてまた入れ替わり、二人はお互いを自分の体で出会う。
今まで顔を合わせて話したかったことをいいあって、笑う。(ようやく、もがいてもがいた結果、出会えたという喜びを感じます)

互いの姿が見えなくなって、名前を忘れた瀧は叫ぶ。
「君の名前は!」忘れちゃいけない大切な人を思い出せない苦しさで一杯になる。(本気で相手の事を求めるシーン、記憶がなくなっても、もっと深いところからの欲求です)

名前は思い出せない。でも誰かが大切なことは覚えてて
誰かが思ってくれていることが「すきだ」という言葉からわかる。だから三葉はやりとおせた。

そして時が流れ、あの時間の記憶もなく、あるのはかすかな心残り。
どこかに大切な繋がりがあるような。

冬が終わり春が来る。
二人はまた近づく、自分の中の心残りの先にある繋がりを探して。
そして出会い、ずっと探し続けてきた繋がりだと信じて問いかける。「君の名前は」。
(最初のシーンと繋がる。どこかに特別な繋がりがあるという不思議な感覚。ラストはなんとなくわかるという感情の肯定が、とても心地いい)
{/netabare}


2018年1月3日 地上波放送を見て。
{netabare}
本当は追記する予定はありませんでした。
でも、見たら、自分の中に生まれた何かを書きたい衝動を抑えられなくて、
書こうと思いました。

今回の再視聴で感じたのは、
繋がりが消えることの悲しさでしょうか。
どこか身近に感じていた、繋がりの断絶。
私が繋がりの断絶を感じたのは、福島なんですが、
レビューを社会派にする気はないので詳細は伏せます。

それは、人間の営みの断絶であったり、人の関係の断絶。
繋がりが消えてしまうことへの悲しさ、つらさ。
そういったものが多分糸守町の消滅、三葉と瀧の入れ替わりの終わり、
そういった作品世界の出来事から、私はいつも感じていたこと、
繋がりの断絶を感じていました。

繋がりの断絶と同時に、繋がりを求める声も同時に感じました。

三葉が瀧に会いに東京に出た時も、瀧が三葉の名前を忘れて叫んだ時も、
繋がりを求めるその行動、その思いが、私には、
無くした繋がりを取り戻したい気持ちを感じて、
どうしようもなく、泣いてしまいました。
(すこし安っぽい表現ですが、実際少し泣いてます。
多分泣いた理由は、登場人物達と同じ理由で、
繋がりを求めたから、でしょうかね。
多分これが、共感何でしょうね。初めて実感出来たかも)

こんな瀧君のセリフがありました。
「今はもうない街の風景に、何故ここまで胸を締め付けられるのだろう」
心のどこかで糸守に繋がりを感じている瀧君。
私も、どこかで知らない街の知らない人の営みに、
繋がりは感じないまでも、営みの中にある繋がりを見て、
親近感を感じたりするのです。
それは人と人の繋がり、人と土地の繋がり、繋がりの中で生まれた営み、
そういったものを、私は求めているのだろうし、
大切にしたいし、失いたくないと思うのです。

だから、この作品を再視聴して、このレビューは、
完全に私の感想であるのですが、
私が求めていた繋がりを描いてくれているし、
私が恐れている繋がりの断絶も描いてくれている。

だから、私は、この作品が好きなんでしょうね。



{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 134
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメを伝道する好機

世界観:8
ストーリー:8
リアリティ:8
キャラクター:7
情感:7
合計:38

1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。
(シネマトゥデイより)

最近話題として何回か出てきたので、折角なので劇場に足を運ぶことに。そう決めてから、京アニの「聲の形」も上映中であることに気付いて、1日2本の豪華スケジュールを組みました。映画は、昔はよく観に行っていましたが、1日2本観たことは初めてのことです。

「君の名は。」は、午前中の回が満席だったので、「聲の形」→「君の名は。」の順で視聴しました。新海誠監督作品は「秒速~」と「言の葉の庭」を視聴済ですが、どちらも良作となる4点にぎりぎり届かない程度の評価をしてきたところ今回は評判が良く、京アニは「けいおん!!(二期)」で評価を上げたところでしたので、この2作は接戦になるかなと思っていましたが、本作は期待をさらに上回りました(劇場版の尺では過去最高点です)。

作画と楽曲はこれまでの作品の通り素晴らしい上で、映画の尺に合うだけの充実した設定とストーリーになっています。
入れ替わりネタはココロコネクトで経験済ですが、前半に和みの要素としてよいエピソードでした。やはり男は悪いと思っても揉みますね(笑)
入れ替わりが終わってからが本編という感じ。物語の展開がどうなっていくか、最後まで集中して視聴できました。

良作アニメは「時間」を効果的に利用しているものが多いです。タイムリープする必要があるわけではないですが、経年による物語の厚みは基本です。人間は、時間を遡ることができず、過去を振り返ったり後悔したり、そして遅かれ早かれ死ぬ、はかない存在であることの裏返しなのでしょうね。{netabare}この作品でも3年のズレが良い味を出していました。瀧が三葉に出会う前に、三葉が瀧に会いに行くシーンがありましたが、ああいう伏線は好きです(最初どのように描かれていたかは1周だけではよく思い出せないのですが)。

この作品ではさらに、入れ替わりが「夢」であって、その記憶がなくなっていく、という表現をしていたのも特徴的でした。夢を思い出したいのに思い出せない、あの感覚を、大事な人の記憶と結びつけたのはとても切なくて巧みでした。携帯の日記の消え方はちょっと変でしたけどね。{/netabare}

そうそう、リアリティ面では、細かいことを言えば上記のようなものがいくつかあったと思いますが、{netabare}名前の記憶が消えていくように{/netabare}終わる頃にはほとんど忘れてしまいました。それくらい浸れる作品ということかと思います。

興行成績でも今後どれくらいの数字を出せるかも期待大ですが、新海誠監督の代表作と言えるものになったことは間違いないでしょう。

{netabare}最後の二人が出会えるのかというところは「秒速」が繰り返されないかとヒヤヒヤしました。私は心の中で思い切り「よくやった!」と叫びました(笑)。ハッピーエンドが、良い余韻を呼んでいます。{/netabare}

そのほか、「言の葉の庭」の先生が登場していたり、彗星(星)を扱ったところなどにも、過去作品とのつながりも感じられ、新海誠監督の集大成になったのではないかと思います。もちろん、今後も今作を超える作品を目指していただきたいですね。

ヒロインの三葉の名前は、凪のあすから2クールED「三つ葉の結びめ」の影響もあったようです(前向きになれる、自分もとても好きな曲です)。
色々なところでつながっていると感じられることも自分のアニメ道の進歩ですね。

この作品でアニメに興味を持つ方も多いと思います。クールジャパンの代名詞のひとつがアニメだということは多くの方が知っているでしょうが、他にも「君の名は。」クラスの作品があることを、機会があれば伝えていきたいですし、あにこれの方々もそうしたら良いんじゃないかと思いました。(自分が初心者だという方には、私の棚でも見ていってください)

もう1回くらい劇場で観たいと思える作品です。劇場で観ておくことをおすすめしたいアニメ映画です。

(2016.9劇場で鑑賞)

追記(2016.9.20)
{netabare}余韻に浸り、あれこれ考えています。設定について補足したいと思います。まずは、入れ替わりが本人たちにとっては「夢」として感じるものであること(遠くにいる男女が出会う物語を考えつつ、古今和歌集の小野小町の和歌から着想を得たというのもイイですね)。朝起きて自分の人格に戻っていて、相手側の人格に入った記憶は消えているので、当初は訳が分からなくなり、周囲の言動などから、現実として入れ替わっていることを認めざるをえなくなるという流れでした。結果的には素晴らしく機能しているのですが、観客としては、別人格の2人がしっかり自分の意思を持って行動しているのを見ているので、忘れてしまうことに違和感を覚えます。ここを、注意深く見ていくには、1周では心もとないですかね(私も序盤は見落としがある気がします)。

それから、時間描写に特殊性のある作品でもあるかと思います。携帯電話の日記が消えてしまう部分はマイナスとして取り上げさせてもらいましたが、過去改変の可能性を示唆した表現でもあるのかなと思いました。つまり、我々が1本だと思っている時間軸は実は1本ではなく、交差することもあるけれども、その時は我々の記憶や記録物までもが改変されていて、我々に認識できないだけなのではないか、ということです。

また、通常、時間軸は1本であり、パラレルワールドを扱った作品は世界線が平行に並んでいるというもので、別の世界線に移動しても同じ時間というのが一般的ですが、この作品では別の世界線(と言ってよいのかも確信を持てませんが、多分そうかと)が3年ずれています。これは斬新ですよね。光速に近づくほど時間の流れは遅くなるという相対性理論もありますし、時間の経過は常に一定ではないとすれば、時間の流れが世界線ごとに異なっているというのもありじゃないかと思いました。{/netabare}

追記(2016.9.21)
{netabare}RADの主題歌を購入。その中の夢灯篭に「5次元にからかわれて」という歌詞があるのを見て、個人的にはパラレルワールドを描いた作品であると認識してみる。

(参考)私的次元の数え方
0次元…大きさのない点
1次元…太さのない線
2次元…厚みのない平面
3次元…静止した空間(これを0次元に戻して以降を想像する)
4次元…時間軸のある空間(1次元的な線としての時空=我々の認識する世界)
5次元…複数の時間軸のある空間(2次元的な平面としての時空=パラレルワールド)
{/netabare}

追記(2016.9.23)
{netabare}上記から、私は本作はタイムリープものではなく、時間の経過がズレたパラレルワールドの交錯した世界の物語と考えてみました。

①瀧のいる世界線と、三葉のいる世界線(瀧の世界線の3年前)がムスビの力によって重なってしまい、互いに心と体の入れ替わりが生じた。

②しかし、三葉のいる世界線において三葉が死に、入れ替わりは終わった。ムスビの力がなくなり、存在しないはずの三葉とのやりとりは過去改変により消失する。このため瀧の携帯電話の日記も消えた。

③三葉の「半分」である口噛み酒を飲むことでムスビの力が復活。三葉のまだ生きている世界線とつながり、再度入れ替わりが生じた。

④危機回避の努力の結果、三葉たちが助かり、その世界線と繋がった影響で瀧のいる世界線の過去が改変され、三葉が生きている世界になった。
という感じでしょうか。

小説版は1日で読み終わりまして、文章で読むと正直そんなに凄い作品とは思えなかったのですよね(本当に、映画の内容をそのまま文章にしたという感じのものですが、情感の起伏があまり湧かないのです)。
最高峰の作画と、疾走感や情感の溢れるRADの楽曲と、綺麗にはまった声優と、後半超展開となるストーリーと、感情をストレートに紡いだ心情描写と、夢のはかなさを活かした設定とが高度に融合した、アニメがベストの作品なのだと思います。

本日、9月22日までの28日間で興行収入100億円突破とのニュースがありました。祝!
もう一度見たくなってしまう、高揚感の余韻が強い作品です。
{/netabare}

追記(2016.10.10)
{netabare}最近週末まで多忙となり2回目をまだ観に行けていませんが、多数のレビューを見ていた中で一番良かったものをご紹介。
http://blog.kanjutsu.net/entry/2016/09/09/115947

作家性を捨ててエンタメに振れた、プロデュースの力によるもの、斜に構えた意見も多々見受けられますが、表面的な受けも狙いつつも底辺の深みに魅力がある作品だからこそ、何度も足を運ぶ方がいるのだと思います。
{/netabare}

<2019.1追記>
世界観の配点を1点減点しました(作画によるボーナス点を与えていましたが、他作品との平仄の観点から削除しました)。

(2017.2、2018.4、2019.1評価調整)

投稿 : 2024/10/05
♥ : 102

76.5 3 入れ替わりアニメランキング3位
山田くんと7人の魔女(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1257)
7394人が棚に入れました
この学校には7人の魔女がいる。

私立の進学校での日常になじめず、問題ばかり起こしている主人公・山田竜。

しかしあることをきっかけに、彼の学園生活は一変!

新たな仲間や魔女たちとの出会いとともに、楽しくも大変な毎日が始まった。

7人の魔女を見つけるまで、もう退屈なんて言わせない!

声優・キャラクター
逢坂良太、早見沙織、増田俊樹、内田真礼、佐々木寿治、喜多村英梨、小野大輔、福山潤、花澤香菜、牧野由依、タカオユキ、悠木碧、田澤茉純、立花慎之介、杉田智和、小野友樹
ネタバレ

future☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

タイトルなし

.。o○ ○o。.ドラマ.。o○ ○o。.

この作品は、TVでドラマ化されていました!
ドラマではうんうん、こーゆーのもいいなぁ...!って感じだったのですが、アニメ化されるということで興味津々な作品です。

ドラマと物語はだいたい同じだと思うので、あらすじや登場人物の紹介を...!

*ドラマの物語とアニメの物語には誤差があるのでご了承ください。


.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

私立朱雀高校に通う高校生・山田竜は、ある日階段から落ちたはずみで優等生・白石うららとキスをしてしまう。すると2人の身体が入れ替わるという不思議な現象に見舞われ、このことをきっかけに、山田は学校内に7人いると言われている「魔女」探しに巻き込まれていく。


.。o○ ○o。.作品情報.。o○ ○o。.

■『山田くんと7人の魔女』
吉河美希による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)で2012年12号から連載中。時系列は前作『ヤンキー君とメガネちゃん』の後であり、第1話で品川大地と千葉星矢が教師役でカメオ出演している。2013年8月10日からフジテレビにてテレビドラマが放送された。2015年にテレビアニメが放送予定。


.。o○ ○o。.登場人物.。o○ ○o。.


@超常現象研究部

・山田 竜(やまだ りゅう)
{netabare}声 - 逢坂良太 / 演 - 山本裕典
誕生日:8月31日 / 星座:乙女座 / 血液型:O型

本作の主人公。私立朱雀高校2年B組。学校きっての問題児(いわゆる不良)で、教師にも生徒にも嫌われている。能力は「キスした魔女の能力をコピーする」(ドラマ版では通称「魔女うつし」と呼ばれている)。保持できる能力は1つだけで、魔女にキスをする度に能力が新しいものに上書きされる。コピーするときに相手に自身の持っている能力をかけることができる。能力が一切通用せず、どんな能力もコピーし、使用することができるため、〝最強のカード(ジョーカー)〟と言われている。うららとのキスがきっかけで彼女とともに魔女に関わっていくことになり、生徒会長戦のときに未来を見てから彼女に対する好意を自覚する。儀式の後はうららと交際を始める。また、生徒会長になった宮村により会長秘書に任命される。{/netabare}


・白石 うらら(しらいし うらら)
{netabare}声 - 早見沙織 / 演 - 西内まりや
誕生日:12月24日 / 星座:山羊座 / 血液型:A型

本作のヒロイン。私立朱雀高校2年B組。超常現象研究部部長。元入れ替わりの魔女。胸のサイズはEカップ。学年トップの学力を誇る。以前は学園においていじめの対象にされており、学校をつまらないものと考え、大学への進学希望もしていなかった。しかし、山田と入れ替わったことをきっかけに、いじめがなくなり、学校を楽しめるようになる。「キスした相手と身体を入れ替わる能力」の持ち主だった。山田とキスして初めて能力が発現した。なお、本人は山田以外には能力を使いたがらず、第三者が入れ替わりを行う際は基本的に能力をコピーした山田が代行する。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻し、儀式を経て能力を失った。その後、山田と交際を始める。{/netabare}


・宮村 虎之介(みやむら とらのすけ)
{netabare}声 - 増田俊樹 / 演 - 井出卓也
誕生日:7月28日 / 星座:獅子座 / 血液型:AB型

私立朱雀高校2年C組で生徒会副会長兼超常現象研究部副部長。山田と白石が入れ替わっていることを突きとめ、次期生徒会長になるために魔女を捜索すべく2人を引き込み、部員不足で休部状態の「超常現象研究部」を活動拠点として提供した。女子に絶大な人気を誇るが、スケベでいつも女のことばかり考えている。また、本人曰く本気を出せば学年2位くらいはいけるらしい。ちなみに父親は外交官。実はレオナを不登校状態にさせた7人目の魔女を探すために青龍高等学校から転入してきた。山田の白石に対する好意を聞くまで、山田たちのことを信用していなかった。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻す。儀式後は新生徒会長に就任し、新たな魔女を探し始める。{/netabare}


・伊藤 雅(いとう みやび)
{netabare}声 - 内田真礼 / 演 - トリンドル玲奈
誕生日:6月6日 / 星座:双子座 / 血液型:B型

私立朱雀高校2年C組。純粋に超常現象に興味を持ち「超常現象研究部」に入部する。本来の活動目的を知らされなかったが、山田と白石が入れ替わり目的でキスをしているところを目撃してしまい、あちこちに山田と白石は付き合っていると流布してしまう。誤解を解こうと山田が伊藤とキスをして入れ替わったときに、伊藤が思い込みが強いために、周りから嘘つき呼ばわれされていたことから相手にされていないことが分かった。山田の姿で不良グループに絡まれていたところを、伊藤の姿で登場した山田に助けられたことで誤解が解かれて、超常現象部に入部した。魔女の能力を積極的に研究し、その結果をノートパソコンに記録している。学力は補習にならない程度である。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻す。{/netabare}


・椿 剣太郎(つばき けんたろう)
{netabare}声 - 佐々木寿治
誕生日:11月5日 / 星座:蠍座 / 血液型:A型

私立朱雀高校2年D組。猿島の友人で、同じ帰国子女。いつも背中にタオルを羽織っており、爪楊枝を咥えている。てんぷらを揚げるのが趣味。以前は白石に惚れていたが、猿島が見た未来では「白石にふられ、そのショックを癒すために旧校舎でてんぷらを揚げ火事を起こす」ことになっていた。火事を阻止するために近づいた山田に仲を取り持ってもらおうと依頼するも山田と入れ替わっていた白石と山田のキスを見せられて、ショックを受ける。未来を知っていた山田と入れ替わったことにより、火事は阻止され、その際に魔女のことを知り入部した。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻す。{/netabare}



@魔女(最初の7人)

・白石 うらら
{netabare}入れ替わりの魔女。詳細は#超常現象研究部を参照。{/netabare}


・小田切 寧々(おだぎり ねね)
{netabare}声 - 喜多村英梨 / 演 - 大野いと
誕生日:9月4日 / 星座:乙女座 / 血液型:B型

2年A組。元虜の魔女。紫色の髪のショートボブヘアが特徴。何かと山田に突っかかって来る素直じゃない性格。「キスによって相手の心を虜にする能力」の持ち主だった。この能力を潮に使ったことがきっかけで山田は学校中で嫌われるようになった。山田とキスをしたときをきっかけに山田のことを好きになっていった。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失う。その時に暴走し、魔女の能力を多用するようになった。しかし、たまたま山田とキスをしたことをきっかけに山田たちと魔女に関する記憶が戻る。その後は親衛隊を解散させ、山田と玉木と共に全員の記憶を戻す方法をレオナから聞く。儀式を行うために山田と猿島・大塚をキスさせた。その後、記憶が戻った魔女たちと玉木と共に飛鳥を捕まえる。そして、儀式を行い、能力を失った。儀式の後、宮村に新生徒会書記に任命される。山田と白石が付き合い始めてからもまだ諦めていない。合宿所にてうららにライバル宣言をする。【ドラマ版の設定】親衛隊は潮を中心とした男子生徒7人となっている。{/netabare}


・大塚 芽子(おおつか めいこ)
{netabare}声 - 牧野由依 / 演 - 美山加恋
誕生日:2月20日 / 星座:魚座 / 血液型:O型

2年C組。元思念(テレパシー)の魔女。眼鏡っ子で、緑色の左に寄せた縦ロールヘアが特徴。漫研部所属。白石と入れ替わった山田に恋をして、思い切ってキスをした。「キスをした相手とテレパシー(思念)ができる能力」の持ち主だった。1度大塚とキスした者同士の間なら、大塚なしでもテレパシーが成立する。人と話すのが苦手な性格。夏期講習で補習を受けることになり、同じく補習組だった亀田と鶴川と組みテレパシーを介したカンニングを行っていた。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失う。その時にこれまで以上に他の生徒とのコミュニケーションを取らなくなった。しかし、山田とキスをしたことをきっかけに山田たちと魔女に関する記憶が戻る。儀式を行い、思念の能力を失った。【ドラマ版の設定】父親は医者。兄が父の跡を継ぐ予定だったが、家出をしてしまい、妹の芽子が兄に変わって病院を継ぐことになっていた。親の意向で医学部を志望しているものの、本人の意思ではなく、漫画を描くことが好きで本心では漫画家になりたいと思っている。{/netabare}


・猿島 マリア(さるしま マリア)
{netabare}声 - タカオユキ / 演 - 小島藤子
誕生日:10月26日 / 星座:蠍座 / 血液型:B型

2年F組。元未来視の魔女。アメリカからの帰国子女。ウェーブのかかった、桃色の髪のポニーテールが特徴。「キスをした相手の視点で未来が予知できる能力」の持ち主だった。自分の能力で、自分と山田が「旧校舎火事」の犯人にされてしまう未来を見てしまったため、火事を防ぐために登校拒否に。しかし、白石の推理によって「入れ替わると未来が変わる」「火事の現場にはもう1人いること」がわかった。そして山田たちの活躍によって、火事を防ぐことに成功した。実は火事の一件はノアたちが猿島を退学させるために仕組んだものだった。恋をするために能力を消すことを望み、山田に相談した。このことをきっかけに山田は玉木と接触することになる。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失う。その時に暴走し、魔女の能力を多用するようになった。しかし、山田とキスをしたことをきっかけに山田たちと魔女に関する記憶が戻る。儀式を行い、未来視の能力を失った。【ドラマ版の設定】彼氏が怪我をする未来を見てしまい、その結果別れてしまった経験がある。{/netabare}


・滝川 ノア(たきがわ ノア)
{netabare}声 - 悠木碧 / 演 - 松井愛莉(少女期:清水詩音)
誕生日:11月29日 / 星座:射手座 / 血液型:O型

1年C組。元過去視の魔女。右目の隠れた水色の髪で、ツインテールにリボンが特徴。一人称は「ノア」。数々の問題を起こしている。「キスをした相手のトラウマになった過去を夢で見る能力」の持ち主だった。後述する仲間たちに濡れ衣を着せた相手に復讐し、失われた人気を取り戻すために白石たちを退学に追い込み魔女の力を手に入れようとしたが、山田たちの策によって阻止される。その後、心を許した山田に事情を話して和解。山田に恋心を抱くようになってからはベタベタしだすようになった。ノートの下巻を見たことがある数少ない人物の1人でノートを飛鳥たちに盗まれるまで所持していた。山田に玉木の存在を教えてあげた。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失う。その時に暴走し、魔女の能力を多用するようになった。しかし、山田とキスをしたことをきっかけに山田たちと魔女に関する記憶が戻る。儀式を行い、過去視の能力を失った。このことにより、悪夢を見なくなった。山田と白石が付き合い始めてからも寧々同様山田のことを諦めておらず、自分のことを山田の嫁と言っている。【ドラマ版の設定】元人気子役で、「ノアリン」と呼ばれていた。テレビドラマ『踊るノアちゃん一家』での決め台詞の「どんどんまいまい」が流行語大賞を取り、「ノアリンヘアー」と呼ばれるツインテールが大流行した。アニーも3年連続で演じていたが、しかし、成長すると共に仕事や人気も減少する。中学の頃に舞台を使った嫌がらせにあったことがトラウマになっていた。{/netabare}


・飛鳥 美琴(あすか みこと)
{netabare}声 - 花澤香菜 / 演 - 小林涼子
誕生日:1月23日 / 星座:水瓶座 / 血液型:AB型

3年。元透明人間の魔女。ロングヘアにカチューシャが特徴。宮村や小田切と同じ生徒会元副会長で、山崎の元秘書。至って冷静な性格で、何を考えているか分からない。体術を身につけており、山田でも恐れるほど。「キスした相手に自分を確認できなくさせる能力」の持ち主だったが、玉木の「魔女の能力を吸い取る能力」により一時的に能力を失っていた。儀式直前に玉木から能力を返され、儀式を経て力を失った。山田たちが全員の記憶を戻そうとするのをいろんな手を使って妨害していたが、寧々たちに捕まえられる。隙をついて逃げるものの山崎の命令に従って、儀式を行う。儀式後、潮と共に将棋部を創設し、その裏でノートの上下巻を盗み何かを企てている。【ドラマ版の設定】卑猥な言葉を投げかけてくる男性や異常な変質者から自分の身を守るために武道を習っていた。{/netabare}


・西園寺 リカ(さいおんじ リカ)
{netabare}声 - 田澤茉純 / 演 - 川村ゆきえ
誕生日:5月1日 / 星座:牡牛座 / 血液型:B型

3年F組。元記憶操作と魔女探知の魔女。毛先のカールしたオレンジ色のセミロングヘアに、そばかすが特徴。一人称は「リカ」。日傘を常に持ち歩いており、スリルが楽しいからと学校でもノーパンで過ごしている。「7人すべての魔女を知った相手の魔女にまつわる記憶を消す能力」と「すべての魔女を探知する能力」の持ち主だった。他の魔女とは違いキスをしなくても能力が効くが、魔女に対しては1度しか能力が効かない。宮村から「別格」と言われている。山崎のことが好き。山田と玉木が7人の魔女全てを知ってしまったため、本来なら山田たちの記憶を消すことになるが、山田たちには効かないため、山田たちの周りの人たちから山田たちと魔女に関する記憶を消した。始めは生徒会側で山田たちに対抗していたものの、山田の説得の末、山田に味方することを決意する。儀式を行い、記憶操作と魔女探知の能力を失った。【ドラマ版の設定】レオナと友達であった。また、超常現象部に所属していた。他の魔女同様キスで能力をかけていて、山田にも能力が有効である。{/netabare}



@前から存在していた魔女

・紺野 つばさ(こんの つばさ)

{netabare}2年F組。服従の魔女。女子バスケットボール部の部長。「キスした相手を服従させる能力」の持ち主である。部をまとめるために能力を使い続けるが、やがてリスクがない力に溺れていき、部員に宿題をさせたり、寧々に能力をかけたりと暴走していくも、山田の活躍により、能力の使用をやめた。遊園地でデートして観覧車でキスをする理想のデートに憧れていた。山田に好意を持っているような描写がある。{/netabare}


・ナンシー

{netabare}2年G組。記憶操作と魔女探知の魔女。「記憶を消す能力」と「すべての魔女と魔女に能力をかけられた生徒を探知する能力」の持ち主である。シドと一緒に魔女と魔女にかけられた生徒の監視をしている。しかし、詫摩側の魔女は見ることができない。能力に呑まれた魔女の記憶を消すことによって魔女を救っている。山田とは過去に面識があるようだが、自身の本名を含め詳細を語ろうとしない。{/netabare}


・萌黄 ことり(もえぎ ことり)

{netabare}2年E組。読心の魔女。「人の心を読む能力」の持ち主である。親友であるぬいぐるみの「さとり」をいつも持ち歩いている。ぬいぐるみを媒介とすることで相手に能力をかけることができる。厳密にはテレパシーの能力のように互いの考えが読める能力である。(ただし、普段は意志を持たないぬいぐるみを媒介としているので、一方的に能力をかけている。)山田ですら呑まれてしまうほどの能力を自制できるほどの精神力をもつ。クラスメイトを他の魔女から守るために全員に能力をかけている。彼女により新生徒会の最初の目的であった魔女に対する「シールド」が完成した。しかし、ナンシーがいるため、すぐに能力を解除した。{/netabare}


・筑紫 愛子(ちくし あいこ)

{netabare}2年G組。未来視の魔女。「未来予知の能力」の持ち主である。この能力は猿島の能力と違い、筑紫自身の行動により未来を変えることができる。普段は能力を占いのために使い、それによって視た未来を変えるために行動している。また、ことりと同じく水を媒介としているので、キスせずに能力をかけられる。{/netabare}


・清集院 桃子 (せいしゅういん ももこ)

{netabare}2年I組。入れ替わりの魔女。「キスした相手と身体を入れ替わる能力」の持ち主である。うららの能力との違いは不明。柔道部に所属。{/netabare}



@儀式後に誕生した魔女

・黒崎 仁(くろさき じん)

{netabare}1年。新副会長。タイムスリップの魔女。「相手の過去に関われる能力」の持ち主である。キスした相手の過去に飛んで、相手の過去を見ることができる。うらら曰く、「誰かの〝今〟を幸せにする能力」である。キザで山田曰く暗殺者(アサシン)のような見た目をしている。山田たち先輩に対して常に尊大に接するが、宮村にだけは心酔しており、秘書である山田を敵視している。実は気が小さく、高校デビューである。山田は黒崎が何も変わってないから能力を手に入れたと考えている。{/netabare}


・詫摩 類(たくま るい)

{netabare}2年D組。記憶操作と魔女探知の魔女。「7人すべての魔女を知った相手の魔女にまつわる記憶を消す能力」と「すべての魔女を探知する能力」の持ち主である。しかし、ナンシー側の魔女は見ることができない。能力と自身の頭脳により、人間関係を知ることができることが一番気に入っている。知能がとても高く、うららよりも賢い。魔女の能力がキスで発動する理由と自分の能力にすごく興味を持っている。7人目の魔女になってから、学校が楽しいらしい。貧血持ちである。{/netabare}



@生徒会(旧)

・山崎 春馬(やまざき はるま)
{netabare}声 - 福山潤 / 演 - 徳山秀典
誕生日:4月1日 / 星座:牡羊座 / 血液型:AB型

3年。元生徒会長。一見女好きですっとぼけた性格だが、宮村曰く「とんでもないタヌキ」。リカからすべての魔女を教えてもらっているため、魔女に関する情報を握っている。また玉木を利用していろんな魔女の能力を消していた。実は超常現象研究部の元部員であり、レオナと共に魔女について調べていた。その際接触してきたリカに正体を明かされたため、レオナを守るべく学校から逃がした。その後で魔女やレオナに関する記憶を消されたが、リカからいろいろと吹き込まれたことによって、生徒会長になった。再び学校にやってきたレオナと顔を合わせたことで自分が記憶を消されていることに気づき、真実を知るため山田たちの儀式実行を黙認した。その後記憶を取り戻し、生徒会長の座を宮村に譲る。{/netabare}


・飛鳥 美琴(あすか みこと)

{netabare}元副会長兼生徒会長秘書。詳細は#最初の7人を参照。{/netabare}


・猪瀬 じゅん(いのせ じゅん)
{netabare}演 - 永江祐貴

元生徒会会計兼書記の女子生徒。いつもフード付きの服を着用している。ドラマ版では次期会長候補の男子生徒・猪瀬潤として登場。{/netabare}



@生徒会(新)

・宮村 虎乃介

{netabare}元生徒会副会長→新生徒会長。詳細は#超常現象研究部を参照。{/netabare}


・山田 竜新

{netabare}生徒会長秘書。詳細は#超常現象研究部を参照。{/netabare}


・小田切 寧々

{netabare}元生徒会副会長→新生徒会書記。詳細は#最初の7人を参照。{/netabare}


・玉木 真一(たまき しんいち)
{netabare}声 - 立花慎之介
誕生日:3月21日 / 星座:牡羊座 / 血液型:A型

2年H組。新生徒会会計。次期生徒会長の座を狙っていた小柄な青年。「キスをした魔女の能力を吸い取る能力」の持ち主で、登場当初は飛鳥から奪った透明人間の能力を保持していた。奪った能力はもう1回キスすることで魔女に返せる。山崎の指示で色々と動いていたが、山田が7人目の魔女の名を山崎に伝えるのをたまたま聞いていたため、リカに山田同様に周囲から自身に関する記憶を消される。その後は山田に協力し、儀式後宮村に新生徒会会計に任命される。元々寂しがり屋な面があり、「生徒会」という仲間ができたことを喜んでいる。生徒会に所属してから、飛鳥を驚かせるくらい変わっている。{/netabare}


・黒崎 仁(くろさき じん)

{netabare}新副会長。詳細は#儀式後に誕生した魔女を参照。{/netabare}


・有栖川 翠(ありすがわ みどり)

{netabare}1年H組。新副会長。天然で巨乳である。打算的な面があり、大学推薦で有利なため、副会長に立候補した。演技力が高く、入れ替わった相手に完全になりきることができる(ただし、入れ替わった相手と密接な関係にある人にはバレる)。{/netabare}



@魔女の関係者

・五十嵐 潮(いがらし うしお)
{netabare}声 - 小野大輔 / 演 - 間宮祥太朗
誕生日:10月5日 / 星座:天秤座 / 血液型:B型

2年。山田の中学時代の親友。高校に入ってから暴行事件をきっかけに疎遠になっていた。小田切の補佐役を務めていた。小田切に好意を寄せている。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻す。儀式後、飛鳥と共に将棋部創設を申請した。また、ノートの上下巻を盗んでいる。{/netabare}


・シド

{netabare}2年H組。ナンシーのサポートをしている。魔女の能力を調べたり、エクセルやパワーポイントを駆使して、魔女に能力をかけられた生徒の数を表やグラフにして管理したりしている。{/netabare}


・亀田 満(かめだ みつる)
{netabare}声 - 小野友樹

2年D組。大塚の友人で、小太りな体系。語尾に「〜ぞな」をつけるのが口癖。{/netabare}


・鶴川 秀明(つるかわ ひであき)
{netabare}声 - 杉田智和

2年E組。大塚の友人で、メガネをかけている。大塚に山田を仲間に加えるよう勧める。{/netabare}


・浅野 蓮(あさの れん)
{netabare}演 - 上鶴徹

1年H組。滝川の仲間。山田と五十嵐の同じ中学の後輩で、かつて名の通った不良だった。夏休みに他校の生徒と乱闘したことになっている。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻す。【ドラマ版の設定】朱咲高校1年D組。軽音楽部。部員ともめて、3か月で退部。{/netabare}


・渋谷 敬吾(しぶたに けいご)
{netabare}演 - 佐藤永典

1年。滝川の仲間。サッカー部のエースだったが、体育祭でボイコット事件を起こしたことになっている。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、後に記憶を取り戻す。【ドラマ版の設定】朱咲高校1年C組。サッカー部。春に行われた練習試合後、レギュラー落ちになり、頻繁に部活を休むようになる。{/netabare}


・深沢 冴子(ふかざわ さえこ)
{netabare}演 - 相楽樹

1年。滝川の仲間。学年一の秀才。期末テストで集団カンニング事件を起こしたことになっている。リカによって山田たちと魔女に関する記憶を失うが、同じく記憶を失って暴走したノアを止めることを山田たちに依頼した。後に記憶を取り戻す。【ドラマ版の設定】朱咲高校1年B組。特別進学コース。成績が落ち、授業にもついていけず、さぼり癖がついてしまう。{/netabare}



.。o○ ○o。.用語.。o○ ○o。.

・魔女
{netabare}本項では、作中の設定について説明する。キスをすることで、特殊能力を発揮する人である。魔女たちは互いに能力をかけることができない。(記憶操作の魔女を除く)7人全員が揃って儀式を行うと、願いごとが叶えられる。魔女にはうららや寧々など生徒会や超常現象研究部が確認していた魔女グループと紺野やナンシーなど生徒会や超常現象研究部が知らなかった魔女グループの2つのグループがあることが確認されている。また、後者のグループのうち、読心と未来予知の能力は媒介を使用することによりキスせずに能力をかけられることがわかっている。(他の能力は不明。)うらら達が能力を失った後、黒崎や詫摩の新たな魔女グループが誕生している。学校を卒業または退学した場合、魔女の能力は消えてしまう。{/netabare}


・魔女殺し
{netabare}玉木が自分の能力を元に命名した、魔女の能力が効かない能力者。コピーの能力を持つ山田とキャプチャーの能力を持つ玉木のことを指す。今のところ、男子しか能力者がいない。{/netabare}

・私立朱雀高校
{netabare}私立の進学校。生徒会長がこの学校における絶対権力者である。作中における夏休みまでは旧校舎が新校舎と同じ敷地にあった。主に合宿所として利用されているクラブハウスが存在する。この学校には他の学校と違って在学している生徒が魔女または魔女殺しとなることがある。しかし、能力の存在に気付いているのは魔女や魔女殺しの周辺の人たち、または生徒会のみである。{/netabare}


・超常現象研究部
{netabare}山田竜、白石うらら、宮村虎之介、伊藤雅、椿剣太郎が所属している。主に朱雀高校に存在する魔女伝説について調べている。以前は山崎春馬と宮村レオナが所属していた。その時に西園寺リカが仮入部していたことがある。儀式によって能力が消えてからは特に活動していない。{/netabare}


・ノート
{netabare}「トイレの花子さん」や「放課後の13階段」などといったありきたりな話や「朱雀高校の魔女伝説」といった話が記載されている。上下巻に分かれていて、儀式前までは上巻は超常現象部に置いてあり、下巻は朱雀高校のクラブハウスにある超常現象研究部の部室に置いてあったものをノアが所持していた。儀式後にどちらも飛鳥たちに盗まれている。{/netabare}


・儀式
{netabare}生徒会室の隣の部屋にある祭壇によって隠されている魔法陣の上で7人の魔女が手を繋いで、その場にいる全員が目を閉じることによって行える。儀式の間は魔法陣の中心に存在している人と7人目の魔女以外の時間が止まる(正確には相対性理論的なものであり2人の時間がものすごい速さで加速している)。7人目の魔女とキスするときに願っている願いごとが叶う。山田は儀式で「この学校から魔女の能力を消してくれ」と願ったが、儀式を行ったときの7人の能力が失われただけで、能力自体は黒崎や詫摩たち新たな7人に受け継がれた。{/netabare}



.。o○ ○o。.放送日.。o○ ○o。.

2015年春アニメ(2015年4月~放送中)

TOKYO MX 4/12(日) 23:30~
テレビ愛知 4/12(日) 24:35~
テレビ北海道 4/12(日) 25:35~
西日本放送 4/12(日) 25:55~
読売テレビ 4/13(月) 25:59~
TVQ 4/13(月) 27:00~
BS11 4/13(月) 27:30~


.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.

OP「くちづけDiamond」WEAVER
ED「CANDY MAGIC」みみめめMIMI


.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

放送開始直前特番「山田くんと7人の魔女と7つの秘密」

1話「アイツになってんじゃねーかぁぁッ!」

2話「俺とキスしな」

3話「受ける?それとも受けない?」

4話「山田のことが好きになったみたい!」

5話「キスしちゃダメよ?」

6話「応答せよっ!」

17巻OAD 第2話「もうひとつの朱雀祭 歌え!踊れ! 超常現象研究部!」

7話「天ぷらだけはやめてくれぇ!」

8話「超ウザイんだけど」

9話「必ず未来を変えて」

10話「俺と付き合ってください!」

11話「白石をどこにやった!」

12話「俺は白石が好きだ!」(最終回)

投稿 : 2024/10/05
♥ : 3
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

この学校には7人の魔女がいる。

タイトルの“魔女”というワードに惹かれつつも,ハーレムっぽいタイトルに敬遠していた部分もあって観れていなかった作品です。

結果,物凄くというわけではないもののけっこう面白く,観て良かったと思いました。
お話の最初は主人公の男の子が女の子と一緒に階段から落ちて体が入れ替わってしまうという,入れ替わりモノとしては王道の展開です。
第3話まではこの入れ替わりでわちゃわちゃするという「らんま1/2」のような雰囲気で話が進んでいきます。
終始,こんな感じなのかなと思いつつもタイトルが“7人の魔女”だし,OPにまだ見ぬいろんな女の子たちが出てくるので「この子達はどういうキャラなんだろう??」って思いながら見進めていきました。
キャラクターは登場時は嫌な奴というか敵っぽい感じで登場します。
でも,話が進んでいっていろんなことが判明するうちに,そのキャラクター毎に思惑があって気付けばなんとなく仲間っぽくなって協力し合う仲になっているのは面白いと思いました。
完全な悪というのは居なくて,みんなが自分や自分以外の魔女たちの力に翻弄されていく―みたいなストーリーです。
物語の中に目標とかやり遂げたい何か柱があってそれに向って進んでいくわけではなく,話の中で次々に目的が切り替わっていきます。
なので話が取っ散らかっている感じもありますが,てんやわんやテンポ良く話が進んでいくので,見飽きることなく最後まで楽しめました。
ただ,そのテンポの良さ&目的がどんどん変わっていくせいでこの魔女の力の設定とかがよく飲み込めないまま話が展開していき「え。何?どゆこと??」ってなったり,「これ何のため??意味ある??」って思うこともしばしばでした。
一旦疑問に思っていたことが,観ていくうちに後から「そういうことだったのね!!」ってなる部分もあるんですが,結局分からずじまいなところもけっこうあります。
こちらは漫画が原作のようなので,原作ではきちんと納得できるような描かれ方をしているのかな??
アニメでは細かい説明を端折っちゃってこうなっているのか,それとも設定が甘いのか…。
多分,わたしの理解が追いついていないからなんだけど…。
ていうか,設定ややこしいよ!!
まず最初にこんがらがったのは第3話。
{netabare}山田がうららと,宮村は雅と入れ替わるのだけど…。
えっと…どういう順番で入れ替わるとこうなるわけ???
って思ってしばらく考えました。
まず,宮村(もしくは雅)と入れ替わる。
そして雅(or宮村)と入れ替わり,そのあと再び宮村(or雅)の入った自分とキスをして自分の体に戻り,最後にうららと入れ替わるとこうなります。
分からなかったのはノアの3人の友達…。
あの3人に濡れ衣を着せたのは一体誰だったの!?
あとは玉木が部室に透明人間の能力で忍び込んでたのだけど,それって彼にキスされなきゃその力は発動しないよね!?
キスされる時に気付くと思うし,彼が超常現象研究部のみんなにキスしたという描写もなくて「??」となりました。
そして「あいつの裏をかいてやる」とかいう理由でうららと入れ替わったけど,あれ意味あった!?
結局7人目の魔女が分かったのも宮村のお姉ちゃんから聞いただけだったし…。
見つけたらっていうゲームは名前を当てるだけで良かったんですね😅
それにリカは山田の記憶を消す気がなかったのなら何でわざわざ会いに行って勘違いさせるようなことしたんだろう??
この子と山崎は結局何がしたかったのかよく分かりませんでした。{/netabare}
他にも細かいところでよく分からなかったところがちょいちょいありました。

観終わってみると,意外とハーレムっぽさは少なかったかも…。
けど,このアニメで1番何を思うかというと「キスとは…」です(笑)。
登場人物のキスシーンがやたらあって,それも恋愛感情とは全く関係なくほいほいキスするので,キスに対するハードルの高さがバグってると思いました。
{netabare}なので,第10話で寧々とキスしたところを見られた山田が慌ててうららを追いかけるところは「あ。一応まだこの世界のキスに恋愛的な意味あったんだ」って思いました(^▽^;)
あと思うところとしては無駄に女の子達がエロいということです。
うららは羞恥心をどっかに忘れてきたの??ってまず思います。
「体洗っとけ」とか,「これで未来が変わるなら裸になるくらい安いものだわ」, etc.
いや。男たちの前で裸になるくらいなら秘書になった方がましでしょうが!!
寧々も合宿の浴場でうらら(中身は山田)にくっついてたけど,2人はそんな仲じゃなかったよね!?
リカもスリルを楽しむためにノーパンとか,ちょっと訳が分かりません。{/netabare}
女の子達に全く共感できなかったので,残念ながらこのアニメで好きな女の子キャラはできませんでした。
{netabare}面白いと思うところはいっぱいあったのだけど,山田が玉木の居る前で普通にうららに告白したところは面白かった。
玉木どう思ったのかな(笑)。{/netabare}

キャラクターは…多いのでなかなか名前と顔が一致しませんでした。
好きなキャラクターは宮村です。
単純に見た目が好きなのと,意外と良いやつだけど野心家で何気にスケベという…(笑)。
生徒会長の座を狙うキャラじゃなさそうなとこもギャップがあります。
あと好きなのは椿と玉木です。
椿は可愛いですね。天ぷらあげるメンタル謎だけど…。
{netabare}玉木は山田の周りが記憶を失っちゃったとき一緒に居てくれたおかげで物語が重苦しくならなかったなと。
そして声が(・∀・)イイ!!{/netabare}

作画は第6話辺りでちょっと崩れたかなと感じました。
キャラクターデザインは割と好きだったんですけどね。。

このアニメはキャラクター同士の入れ替わりがあるので,声優さんの演技が光ってるなと思いました。
その一方で,こういう突然キャラが変わるようなシーンのあるアニメを観るといつも思うんですけど,声優さんが本領を発揮しすぎる気がするんですよね。
普通の人は中身が入れ替わってもあそこまで声変わらないと思うので…。
山崎の声はいかにも“生徒会”って感じですよね。

OPはアニメーションが可愛いと思いました。
黒い三角帽と上目遣いのうららが特に。

最後はハッピーエンドで良かったです。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 8

pipikapu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ところどころ勿体無い演出が目立ったものの良アニメ

今期開始前はそれほど注目していなかった作品です。なんとなく同曜日に他に観たいものもなく試しに1話を観てハマり、現在に至っています。

まずはじめにおそらく今期1・2を争うであろうOPの完成度。動きが少なくセピアな画調ながら、OPのテーマ曲とぴったりハマっており、近年多い「女声アニソン」+「ぬるぬる動くアニメーション」からなるOPとは一線を画したおしゃれなOPとなっています。自分はこれだけで、今期の視聴を継続することにしたほどのインパクトがありました。


原作未読の段階ではテンポの良さも気に入りました。2話視聴後に我慢できず原作を読んでしまったため3話以降は原作既読の状態での視聴でした。

アニメという限られた期間のなかで作品を描くためにはすべての描写を盛り込むことは不可能です。その中でも十分適当といえる程度の原作の取捨選択を行っており、かと言って原作を改変したりしすぎることもなく、原作既読の人からしてもそれなりに満足度の高いテンポと内容のバランスになっているのではないでしょうか。

(個人的には2クールにして、7人の魔女を見つける前後で1クール程度ずつ一気にやって欲しかったのですがその辺は大人の事情があるでしょうから文句は言えませんね。2期に期待といったところでしょうか。)

ネタバレは極力避けたいのであまり内容についてはここでは触れませんが、声優の名演技にも注目です。内容面でも、7人の魔女を見つけ出すところまでで一区切りかと思いきや、実はその後(アニメ10話以降になります)も結構内容的には盛りだくさんで、さまざまな伏線が回収されていくことになります。おそらくアニメ版では(2期が無い限り)そこまで深く描くことはできないでしょうし、原作の途中までで終わってしまうでしょうから、アニメ終了後にでもぜひ原作を読んでいただければと思います。

不満を上げるとすれば、途中数話ほどOPをカットし本編中にBGMとして流す形式を取っていましたが、せっかく完成度の高いOPだっただけに勿体無く感じました。尺の関係もあるのでしょうが、それでもあまりに的はずれな場面で曲が流れはじめたのは残念でした。今は通常OPに戻っているので良しとします。

<全話視聴し終わっての追記>

結局後半でも劇中OP使用は続いていきましたね・・・。最終話だけはまだ話の流れと曲は合っていて許せるものの、それ以外は基本的に的はずれな場面での挿入な上に歌詞付きで流したため、キャラクターのセリフと被ってしまい、ごちゃごちゃした印象は拭えませんでした。
1回2回こうした演出を使うのはアリだと思うのですが、こうも連発された上に少々小気味良すぎるテンポと相まって、「ああ、枠が足りないんだろうな・・・」と視聴者が察してしまう場面も多々あったのでは無いでしょうか。

原作はまだ続いていますし、切りの良い「儀式」までで一区切りするのはごく自然な構成でしょう。ある程度原作も進み、2期の話があれば「儀式後」のストーリーをぜひ描いてほしいなと思います。(原作未読の方にはおそらく「最後は能力全部なくなって平和になりましたチャンチャン♪」というようなぶっきらぼうな話に見えてしまだろうというのが残念)

で、まあこれでとりあえず何もなく終わってくれれば多少勿体無いなと思いつつも良アニメでした、で済んだのですが・・・。なんと夏クールの同枠もやまじょ再放送で埋めるというではありませんか・・・。いや、再放送も適度に入れないと厳しいのは分かるんですけど、直前に放送したアニメの再放送をそのまま入れますかね普通・・・。
「こんなに駆け足で、OP入れる余裕もなくぶっ飛ばしてきたのに、次クールの枠余ってるんだったら最初から2クールで作ってくれよ」って思うのが視聴者的には当然なのでは無いでしょうか・・・。

アニメ製作の現場のことはSHIROBAKOで得た知識しかないのであまり大口はたたけないのですが、流石にちょっとこれはひどいなぁと。せめてもう少し前の、他のアニメの再放送でもいれれば良い物を・・・。

原作も面白いですし、多少テンポ良すぎるにせよアニメの構成も概ね満足、OPやEDも良い、声優さんも素晴らしい、と今期1・2を争うレベルで毎週楽しみにしていただけに最後の最後ですごく残念な気持ちになりました。


「大好評につき」ってことは当然2期やってくれるんですよね?(威圧)

投稿 : 2024/10/05
♥ : 8

76.9 4 入れ替わりアニメランキング4位
∀-ターンエーガンダム(TVアニメ動画)

1999年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (494)
2571人が棚に入れました
正暦2343年、月の民(ムーンレィス)の少年 ロラン・セアックは、「地球帰還作戦」の潜入調査員として北アメリア大陸に降下した。旅の途中、川で溺れているところをキエルとソシエのハイム姉妹に助けられた。鉱山を経営するハイム家は新興富裕階級に属し、当主の長女キエルはロランが憧れる月の女王ディアナ・ソレルにそっくりだった。ロランは姉妹の力添えでハイム家に雇われ、のちに機械好きを買われて自家用車の運転手に起用されるなど、地球人として平穏な日々を重ねた。2年後、ロランとソシエは、マウンテンサイクルでの成人式の儀式に参加していた。同じ頃、地球と月との2年間にわたる秘密交渉が決裂し、月の女王の軍(ディアナ・カウンター)が「地球帰還作戦」を開始。巨大MSで威圧するようなディアナ・カウンターに対し、地球のアメリア市民軍(ミリシャ)は複葉機や高射砲などの旧式装備で、果敢に郷土防衛戦をはじめた。この戦力差を理解していないミリシャの攻撃にいらだつディアナ・カウンターの一機(ポゥ少尉)は、発砲を禁じられていたにもかかわらず、強力な対艦ビーム砲を発射し、マウンテンサイクルに封印されている“黒歴史”の遺物「∀ガンダム」を目覚めさせてしまう。ロランはなりゆきから∀ガンダムのパイロットになり、地球と月の共存のために活躍する。

声優・キャラクター
朴璐美、高橋理恵子、村田秋乃、青羽剛、福山潤、渡辺久美子、稲田徹、小山剛志、子安武人、石丸博也
ネタバレ

sinsin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

超考察。15年目の∀ガンダム

∀ガンダム。まずこの素晴らしい創作劇に出会えたことを私は幸せに思う。まずはこの作品の制作に携わった多くのクリエイター達に敬意を表したいと思う。
今回、BDBOXの発売により再視聴となり再評価という事になる。BOX1まで鑑賞済みだがBOX2まで観てターンXを拝まずにしての再評価が少し心苦しい。ターンXは私の大好きなロボットであるから。
今回、BDを見直して一番感動したのが高度に描き込まれたメカデザインの線画、ディテールである。DVDとは比べ物にならないぐらい線がはっきり出ていて驚かされる。私は∀ガンダムのデザインはアップに強く、引きの絵には弱いメカデザインだと思う。特に手の平や、背面の線画は高度に書き込まれていてそれまでのロボットのメカデザインと違いアップになったときのメカの説得力は凄まじいものがあると思えた。動いたとき無理の無い稼動範囲をシド・ミードはデザインしていて、作画を殆ど崩さなくとも思いどうりのアクションシーンの再現に貢献していると思えてくる。
そんな高密度の線画のロボットが毎回動く事もなく、制作スケジュール的な問題もあるのだろうが∀が出てこない回さえもあるのだがそれがくしくも、他のシーンでのロボットの作画に時間を避ける事に貢献していたと思えるし、毎回ロボットが後半大活躍するような無理のある展開が少なく全体的に無理の無い展開で大人の視聴者にも耐えうる嗜好性を得ていると思えるのだ。
そんな、∀のメカ作画監督をした中田栄治氏の作画はけれんみのあるカッコイイ作画と線による弾痕の表現がリアルである。そんなロボット達に息吹を吹き込んだ鶴岡陽太氏の効果音は重くてリアルで臨場感あふれる。その仕事ぶりは∀というドラマを一層重厚なものに仕上げたと思える。
キャラクターの作画監督をした佐久間信一氏は原案のフランクな安田氏の設定画を一番よく理解し殆ど全てのカットに修正を加えていたと思うし毎回回を重ねるごとに∀の世界をより深く形作ってきたと感じる。鈴木藤雄氏は持ち前のデッサン力とパースセンスで描いた。「ローラの牛」ではちょっと空振りだったかもしれないが。菱沼義仁氏の作画は美麗でイラストのようであった。
毎回、何かと日常的なエピソードがあり意外と観やすく娯楽性のあるアニメだとも思える。
こんな素的なアニメを制作していただいたスタッフの方々、富野監督ありがとうございます。

{netabare}心理的エントロピーの増減。月世界からの帰還。
ディアナ女王の地球帰還の動機の謎の為に書こうと思う。
私は常々バランス感覚という言葉を多用する。このバランス感覚そのものが人間の心理的エントロピーを決定ずけ、しいてはこの宇宙全体のエントロピーを決定付ける。というのが今回の論点である。
まず、このエントロピーという言葉はおのおの方がパソコンかなんかで調べてほしいのだが単純にいって熱が高いところから低いところに移って行き温度が一定になるような事をエントロピーが増大すると言うらしい。均一化していってより乱雑になっていく事を指し示す様子のようだ。少なくとも私はそういった解釈だ。
先に出てきたバランス感覚という言葉なのだが私はこう考えている。
最近私はバランス感覚には二つの意味が在ることに気づいた感じが在る。一つは「正義」でありもう一つは「悪」である。
正義とは物事を均衡を保とうとする力であり、人間の根幹から来る感情であると考えている。正義、つまりジャスティスの語源に出てくる正義の女神は片手に天秤を持ち、もう片方に剣を持つのである。コレは正義と言うのは「均衡を保つ為の力」の象徴と言っているように考えられる。弁護士のバッチのマークも天秤である。
このとき、エントロピーの考え方から正義と言う行為を見て見ると正義と言うのは足らないところを補おうとする力、自然治癒力のような働きであって全体的には均一方向に向かう事によって安定しようという行為であるからエントロピーは増大しているといえるような気がするのだ。勿論、足らないところを補い均一方向に向かうので世界と言うか世の中は平和の方向に向かって言っているといえると思う。
悪と言うのは単純にその逆を行く行為であり、分散化によって秩序だった世界を壊し不安定な混沌を生み出す行為であろう。文字どうり人心はそんな中では不安である。常に満たされない思いでいっぱいであるから。一定である世界を嫌った世の中であり混沌である。
このとき、エントロピーの考え方からすると均一化から離れ分散化していく様子はエントロピーが減少したといえるような気がするのだ。
ここで私は思うのだが、人の世とは正義と悪の狭間にあり、エントロピーの増減の狭間の中に存在するものなのではないかと思うのである。つまり、エントロピーが増大しすぎた均一的世界は安定しすぎていて何も起こらない。そこでは多様性は生まれないのではないかと感じるのだ。しかしエントロピーの減少しすぎた混沌とした世界でも、複雑、分散化しすぎていて目的と言うか方向性がバラバラになって行きしまいには何をしているか、何の為にいきているかわからない世界になりそこに自分の居る事の意味さえ見いだせない世界になりやはり多様性は生み出せないと考えるのである。
そうやはり、世界とは光と闇、善と悪が存在するからこそ永続できるのだと考える。
以上の文を踏まえて∀ガンダムの月世界を考えて見たいと思うのだが、コレは本当に推論でしかないのである。
∀ガンダムの月世界と言うのはディアナという強い秩序に守られ民衆の心理的エントロピーが増大し、月世界の精神性のようなものが均一化されてしまって、もうなにも生み出す力が残っていない世界だったのではないかと思うのである。
その現状をディアナは感覚的なバランス感覚で感じ取り、思惟的に敵、悪を作り出し望む事でムーンレイスの心理的エントロピーの増大を抑制しようとしたのではないかと考えるのである。勿論、それはディアナの深層心理での無意識の中の話である。
そのためにディアナは地球に帰還しようとしたのではないだろうか?
次にロランとギンガナムをこの心理的エントロピー的な見方で見てみようと思う。
大きな戦争の無い∀の地球は平和であったのだろう。化学の発達が遅くどこか牧歌的世界である。
そんな世界を一瞬にして変えてしまったのがディアナの地球降下作戦の第一陣のポウの放ったウォドムのメガ粒子砲の一撃であろう.。このことが一気に地球全体の心理的エントロピーを減少させたに違いない。地球人たちのショックは計り知れない事であったであろう。
そのことに危機感を感じたロランのバランス感覚は地球と月のバランス、平和を何とか取り戻そうと彼を奔走させる。
ロランを突き動かしたのは平和への思いである。平和の為には平気で嘘をつき人間関係と言うか、終始一貫して対立点をなくし、人々の考え方の均一化を図ろうとしているように見えるのだ。彼は非常にずるい。しかし、尋常じゃないくらいいいやつだ。
そんなロランと拮抗した存在ギンガナムが後半出てくることになる。彼はどこまでも自分に対して正直で他人に対しても正直であるから憎めないキャラクターである。彼もディアナと同じく大衆の心理的エントロピーが増大しきった月の社会に破局の危機を感じて地球に帰還した一人ではないかと感じるのだ。彼の台詞の中の「マニュアルどうりやってますと言うのはバカの言うことだ」と、言うのは一つの象徴ではないか。勿論、ストーリー上のところではグエンとの結託はあったのだろうがギンガナム自身の根源的なバランス感覚の中でやはり地球帰還を望んだのではないかと思うのである。
ロランは地球のエントロピーを増大させる為に奔走した。
ギンガナムは月のエントロピーを減少させる為に発起した。
やはり、∀ガンダムと言う作品は心理的エントロピーなしでは語りつくせないのだと思う。それは月の世界が架空の世界であって我々が想像もできない心理的エントロピーが増大しきった遥か未来だからである。
エントロピーの増大=ロラン。
対比。バランス=ディアナ。
エントロピーの減少=ギンガナム。
心理的エントロピー理論で長年の私の∀ガンダムへの思いのようなものが少しでも伝われば良いと思う。

衝動と安寧の∀ガンダム。
久しぶりの創作分析になると思うのだが最近BDBOX2も見終わってしまったので今日書いてしまいたい。
今観返してみると後半部分にはディアナの心情について語られているセリフが多い事にいまさらながらに気づかされていて私の目は節穴だったと思わずにはいられない。
中でも下記の二つの台詞は∀を語る上でとても重要なものであると考えられると感じる。
ディアナ「わたくしは、今度の地球帰りで死にたかったのです。.年を取り、死ぬ人生だからこそ、生の喜びがある…..その喜びを、一人でも多くのムーンレイスに知らせたかった….わたくしのエゴだったのでしょうか…?」
この台詞には、ディアナ姫の内に在る安寧に対するあこがれのような衝動を感じ取れるのである。
単純に理解してしまえば永遠の命という束縛を与えられたディアナの死へ対するあこがれのような気持ちであると思う。私は永遠の命ではないからこの感情はわかりかねるのだ。しかし、創作劇としてそれを創り上げたところにこの作品の素晴らしさがあると感じる。
死、つまり死んでしまえばそこでやっと安寧がもたらされるとディアナは感じてるんじゃないかと邪推するのである。そしてその安寧を多くのムーンレイスと共感したいと思っている。コレはひとびとに真に幸せになってほしいと願うディアナの衝動である。
人々に幸せになってほしいと思う心がディアナの中で衝動を生み出して地球に帰還したのだと言い切れなくなくも無いと思うのだが、でもその根幹にあるのはやはり前述した心理的エントロピーの増大であろうとも思える。
人々にとって死が幸せとは、本当に奥が深い物語である。∀ガンダムとは。
もう一つの台詞はギンガナムのものである。
「見ろよ、戦いを忘れたムーンレィスは、死人のように歴史を重ねただけで何も生むことはなかった。が、グエン卿はひとつ小生に教えてくれた。タブーは破る為にあるとな。しかし、タブーなどはディアナ・ソレル自身が破ったのだから、ギンガナム家が守る必要もない」
これもギンガナムの性格を上手く表現している名台詞であると感じる。ここにも死というキーワードが出てくる。
勿論、このときのギンガナムは戦いたい衝動でいっぱいである。その根幹にあるのはやはり前述の心理的エントロピーの増大であったと感じるのである。
ギンガナムにとって死とは何も生み出さないものなのだ。つまりそれはどういうことかというと死=安寧とは必要ないものだと考えているように感じる。
ディアナは安寧である事が幸せと考え、ギンガナムは安寧である事は不幸せと考えたようだ。この辺が∀ガンダムで語られている生死感の違いである。しかし、ディアナを地球に帰還させたのは衝動であると感じる。それを見てギンガナムはタブーは破る為にあるものだと悟ったと言っているのである。
衝動こそ、人の幸せなのであろうか?安寧が人の幸せなのであろうか?
その答えがわからないからやはり∀ガンダムは心理的エントロピーの問題に回帰してしまうのだ。

以下まえに書いた考察文章である。
日常の賛歌∀ガンダム。
私が思うに∀ガンダムとは行き着きところ日常の賛歌ではないかと思ったしだいである。
∀を観終わったのはもう2年ぐらい前にもなるとも思うのでとても記憶に心配になるのだが振り絞って考えて行きたいと思う。

いわゆる黒富野と呼ばれた時代の富野監督の作品の傾向とはと言えばすぐに思いつきそうな事としてカタストロフィーなラストに向かう事が多いと言えないだろうか?。
私はザブングルは見てないんだがエルガイムを除いてこの頃の富野監督の作風は全滅エンドとかバットエンドが多かったように単純に思えてくる。
バットエンドではないと言う事は簡単に言って救いのない世界で終わってしまっているって事と同じで未来がないと言うか未来に対して希望的観測を持たないと言った一つの富野監督の意思表示のような気もする。
さらにいうが富野監督の作劇は現状に満足出来なくなるとカタストロフィーな方向に行くことで現状突破、現状破壊するカタルシスのようなもの。つまり現状がなくなってしまえば単純に楽になれるんではないか?と言ったシンプルな誰でも考えるような子供のような負の妄想が黒富野期の作品には多くみられると思うのだ。
それはコミュニティに認められないと潜在的に思っている視聴者。単純に大人になりたい子供の心をつかんだ可能性は高いと思う。
黒富野作品それはつまり、「どうせ認められないのであれば世界なんてなくなってしまえばいい」と言った子供の頃は誰でも持つであろう負の願望が根底なあったのではないかと思うのである。
それによって生まれたのは認められない子供の承認欲求を満たしてやる事と、現世界の否定である。
だがそれはその時代に求められていたものではないかと思う。
子供の感性をあまりにも否定する、子供だからと言ってすぐバカにする世界は当時あったのではないかと想像するのである。

が、しかし子供の心を大切にしろよみたいな風潮も大概にしないと世界をただ否定するだけじゃ何も生まれて子なんじゃないだろうか?
この疑問に対しては逆シャアのクェスで体現している。
このことは行き過ぎる承認欲求はもはや独占欲になってしまっていると言う事を表現しているのではないかと思うんである。
このことからも富野監督も父親に立ち返ったとき色々と考えたんじゃないだろうかと推察する。
それは自分の創った創作劇を子供たちが見ることによって承認欲求を増大させてしまったんじゃないかって罪を感じたんじゃないだろうか?
まあ、その辺のところはわからないんであるが。

白富野期と呼ばれる時代に作ったガンダムで有名なものでこの∀ガンダムがある。
この∀ガンダムと呼ばれる作品。今まで富野監督の創ってきたアニメとは違うんである。
大雑把に言ってしまえばこの作品戦争の話ではないんである。月と地球の交渉の話である。
大きな戦場と言うのはこれまでの富野作品とは違いラストのところの1,2話ぐらいしかないんである。この作品には今まであったであろう戦争アニメとしてのカタルシスはあまりないんである。それによってこの∀ガンダムを食わず嫌いする人も多いんじゃないかって思っている。
次にこの作品は月と地球の交渉の駆け引きの文芸的な面白みのある話をベースにしている。そこにお姫様と一般人の交代劇を巧く使うことによって「誰かと入れ替わって何気ない日常を違った視点で観て見る」と言った面白さがある。
ここで重要になってくるのがグエンとディアナの存在であろう。実は結構政治的に結構高度な駆け引きはあると思うのだがどれも派手でない為子供にはわかりにくいと思うし、それはもう子供の願望を体現したものとはほど遠いものなのでとても大人向けな作品と言えると思える。だが大人が観るとつぼにはまってしまう。だから∀でも子供の視聴者を否定した可能性はある。

私は「墓参り」でディアナが自分とは違う異星人の為に涙したのはとても感動したものである。
とにかく∀ガンダムは本当に言葉にしづらいんだけど日常人間が生きていきということは必ず汚れ物が出てくると言う根源的なことから洗濯であったり(ディアナ奮戦)。人間生きていくためには家畜は必要とか(ローラの牛)。人間の食べるものを作り出すのは大変な事と言ったところで人間の普遍的日常的テーマを徹底的に描く事に富野監督は注力した印象を受ける。正に∀ガンダムは「日常への賛歌の話」であると思う。それは何気ない日常を肯定しろと言う事で暗に人には何千年たとうが「革新」など絶対に起きようがないことを語っているように思うのだ。
そして黒富野監督時代一貫して人の革新という抽象的テーマ性を掲げる事で視聴者の承認欲求を満たす事で大人になれない子供たちを創り上げてしまったと思える事に対しての贖罪ではないかと思うのだ。

そして今、我々は∀ガンダムから多くを学べるのではないかと思うのである。


∀の闇の部分と世界観。
∀ガンダムは、言うまでもない他民族との交流。異文化とのコミニケーションの話でもある。
平和の為にはなんでもする主人公ロランは、平然と嘘をつく。時にはムーンレイスとゆうことを隠し、時には核兵器をガンダムの胸の中に隠し持った。
勿論そのことは、グエンには黙っていた。「平和」の為である。そして「平和」の為に核兵器を使用して小惑星の月への激突を阻止する。
そう、∀ガンダムは、核兵器をも「平和」の為に肯定、つまりあるべきものとして認めている。
そこが凄いと思う。

ところがそんな∀ガンダムの世界にも闇の部分が存在するのだ。
レッド隊である。
レッド隊とは、ムーンレイスの地球降下作戦の為の民族同化の為か何百年か前に地球に降下して移り住んだ人達の末裔である。
そんなレッド隊は、アイデンティティを月の女王ディアナ信仰に持っている。女王ディアナに対する忠義は、本編でもいかんなく発揮されている。
ディアナの身に危険を感じたら、独断行動をとって逃げ出したり、ディアナの身に危険が及ぶ可能性がある局面では戦闘を中止することもあった。
そんなレッド隊は、何百年もディアナ信仰とゆうアイデンティティを守続け地球人と同化することは、なかったようだ。
まあ、細かいところは解らないが明らかに地球人とは違うアイデンティティを持っていたようだ。
レッド隊は、ムーンレイスという誇りがあるから地球人と同化できない。

レッド隊の先祖が、初めて地球に降り立ってから何百年後ムーンレイスの地球降下作戦が始まった時、レッド隊もディアナカウンター(ディアナ直属の軍)に参じたようだ。
しかし、その対応は冷たく「地球の空気を吸って野蛮になった」というような偏見の目で見られる。それでレッド隊は前線に送られる破目になる。
そう、レッド隊は、何百年か地球に移民しただけで元は同じムーンレイスに差別されているのだ。

レッド隊は、アイデンティティはディアナに持っているので地球人とは同化出来ない。
しかし、レッド隊はムーンレイスにも「地球の空気を吸って野蛮になった人」と言われもうムーンレイスにも戻れなれない。

ここに、異民族との同化の闇の部分があると思う。ここが∀ガンダムの闇の部分であると思う。
アイデンティティ、血族の違いから生まれる「誇り」は、譲れないとゆうことだろう。
彼らの印象的な中核のキャラクター二人は、最後動かないフラットの中地球の引力に引かれて引っ張られてゆくカットで終わっている。
彼らの安息は、そうしなければ得られないとゆうことだろうか?

頑固でディアナに忠実なキャンサー・カフカ、ムロン・ムロンにとっては、それで良かったと思いたい。

以上のことから∀ガンダムの世界観。
民族の誇り。現実=レッド隊。
対比。バランス=ディアナ。
異文化との同化。理想=ロラン。
∀の世界観を構築する為には、レッド隊は絶対必要であると思う。テーマは、ずばり「多面的に観るそれぞれの平和」であると思う。

まとめ。
∀に関しては、富野監督は、これを生み出す為だけに生まれてきたのでは、ないか?と思う。
人間観察なら、富野監督にかなうアニメ監督は、いないだろうと思う。
とくに∀では、キャラクターが丸くなりより客観性の高いものになってる。一つの構築された本物の世界のような説得力がある。
そこまで、キャラクターのつくり込みがすごく、偏っていない。
∀の存在意味は、民族融和のもたらす普遍的障害とゆうか問題を、多面的に描いた事だと感じる。
そして他の監督では、創れないだろうし、まねできない高みにあると思う。{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 2
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

人類史の一コマとしての戦争

 アニメで戦争を扱うのは難しい。アニメ画では戦闘の実態を表現しきれず、必然的に、戦争をドラマの舞台として利用するだけのケースが多くなる。壮絶な戦闘に駆り出される男性と、悲惨な境遇に苦悩する女性--こうしたドラマチックな物語を盛り上げようと利用するうち、クリエーターからすると、いつしか戦争が好ましいものに思えてくる…。
 おそらく、『ターンエーガンダム』の作者(クレジットでは原作・総監督・絵コンテ)である富野由悠季にとって、この問題は深刻だったろう。ガンダムシリーズ第1作『機動戦士ガンダム』は、もともと戦争に巻き込まれた少年少女の逃避行という設定だったにもかかわらず、しだいにアムロやシャアがヒーローとして活躍するストーリーに変質していく。富野は、『Z』の主人公カミーユを精神崩壊させたり、『ZZ』で戯画的な語り口を採用したりと工夫を重ね、劇場版『逆襲のシャア』では戦略的な思惑によって遂行されたジェノサイドまで描くが、「好ましい戦争」という逆説を克服できたとは言いがたい。結局、『Vガン』というちょっと“壊れた”作品を発表した後、いったんガンダムから離れる。
 『ターンエー』は、神話的な『ブレンパワード』を経て心の安寧を取り戻した富野が、久しぶりにガンダムに復帰した作品。「シリーズ20周年記念作品」らしさを願った経営陣の思いに反して、ヒーローものとは程遠い女性的な優しさにあふれている。
 戦争は、決して英雄の活躍する場ではない。営々と続けられる人類史の中に刻まれた、ほんのひとときの過ちなのである。「戦争とは何か」という問いに真摯に向き合いつつ、戦争の始まる前から終わった後までを描ききった作品であり、『銀河英雄伝説(1988年版)』や『FLAG』などと並ぶ、戦争アニメの最高傑作と言いたい。

【物語】
 舞台となるのは、人類絶滅の危機となった大戦争が終結してから長い年月(1000年とも1万年とも言われる)を経た世界。人間は、20世紀初頭の文明水準に後退した地球人と、より高度な文明を維持するムーンレイス(月の民)に分かれている。物語は、月の女王ディアナが地球への帰還を発案したことから転がり始める。
 もっとも、冒頭の何話かは、富野の調子が出なかったのか、ストーリーはギクシャクし登場人物が無意味に裸になるなど、演出にブレが見られる。面白くなるのは、ディアナ本人が地球に降り立って以降であり、紛れもない傑作であることが明らかになるのは、第10話あたりから。
 当初の計画によると、ムーンレイスは、地球に残る広大な未利用地を借り受けて生活圏を築くつもりだった。しかし、地球人の間では、自分たちより遥かに高度な文明を有する民族の移住に不安が高まる。ムーンレイスにも、地球人に対する抜きがたい差別意識があり、両者の反発が強まる中、偶発的な事件を機に戦端が開かれる。誰も望んでいないにもかかわらず、歴史の歯車が無慈悲にかみ合って戦争が始まる過程は、世界の現実を思い起こさせる。

【何が描かれるか】
 「ガンダム20周年企画」だったことから、これまでに登場したキャラを結集して決戦を行うという案もあったようだが、富野はこれをきっぱりとはね付けた。『ターンエー』で描かれるのは、地球連邦とジオン公国のような大国同士の戦争ではなく、あくまで偶発的な局地戦である。しかし、それでも一つの街が壊滅し、核兵器の恐怖が迫る。個々の戦闘が小さなエピソードでしかない大戦争の物語とは異なり、個人の生活が破壊される苦悩と、そこから立ち直ろうとする人々の力強さがリアルに(生々しく/生き生きと)描写される。
 多くの人が戦闘回避に尽力するため、他のガンダム作品に比べて『ターンエー』のバトルシーンは少ない。散発的に起きる戦いは、MS(モビルスーツ)同士の泥臭いどつきあいが繰り返される無様なものであり、多くのロボットアニメのようにカッコよくない。そこに作者・富野の思いを感じ取れるかどうかが、この作品の評価を分けるポイントだろう。
 本作の最大の魅力は、戦闘シーンではなく人間の描写にある。特に、二人のヒロイン・ディアナとキエルは、いつまでも心に残る。
{netabare}  地球の有力者の娘キエル・ハイムは、なぜか月の女王ディアナ・ソレルと瓜二つであり、戯れに服を交換し相手になりすましている最中に戦闘が始まる。こうして、相手の立場から戦争を見つめるという新たな視点が生まれた。自分のせいで犠牲となった男の墓前に娘として跪く月の女王は、死者にどんな言葉を掛けるのか(第10話)、あるいは、敵国の女王として建国宣言をする立場に置かれた地球の娘は、昂揚する兵士を前に何を語るのか(第18話)--こうした言葉を真剣に受け止めるならば、このアニメの持つ底知れぬ魅力が感じられるはずだ。
 興味深いのは、当初は懸命に互いの真似をしていたディアナとキエルが、まるで相手と溶け合うかのように、しだいに演技を超越し統一された人格になっていくところ。地球人とムーンレイスという民族の差違が、自然と消え去るのである。『ターンエー』とはディアナとキエルの成長物語であり、彼女たちの軌跡を軸として捉えると、作品の構造が実に単純明快だとわかる。 {/netabare}

【セクシュアリティ】
 『ターンエー』は、「男が英雄として戦闘に赴き、女が悲惨な環境にじっと耐える」といった、類型的な性役割を前提とする安直な物語ではない。そのことを最も明確に表すのが、主人公ロランのセクシュアリティである。
 作品の構想を練っていた富野は、ガンダム・パイロットを英雄にしない方法をあれこれと考えるうちに、主人公のロランが時にローラと呼ばれる女性として登場する展開を思いつく。そこで、ライターの一人に具体的なストーリー作りを頼んだところ、バイオテクノロジーを使って性転換するという話を提案してきたため、激怒する。「…セックスをコントロールできるという物語をやってしまったら、身勝手なセックス志向を喚起するだけで、病人をつくるだけだ。オスメスが同居するという怪しさをのみこんでしまう人間、そういう人々の暮らしというのは、本来われわれが共有していたものであるはずなんだ。…(中略)…同性愛もあって当然、だから、人間というのは、怪しくも楽しい生物なんじゃないのか」(『ターンエーの癒し』(富野由悠季著、ハルキ文庫)p.21)。
 ロランが女性的な心優しいキャラ(ガンダムの男性主人公としては初めて女性が声を当てた)で、彼に同性愛的な好意を示す男性が現れるのも、「男性原理に支配された戦争」というありきたりなイメージを覆すための意図的な作劇術である。
 実際、『ターンエー』では、しばしば女性の方が好戦的である。特にサブヒロインの立場にあるソシエは、可能な限り戦闘を回避しようとするロランよりも遥かに積極的に戦う。こうした性格の違いは、最後まで二人の関係に影を落とす。
 型にはまった男性性・女性性の否定は、脇役にまで徹底される。「泣き虫」ポゥは、巨大MSを操る攻撃的で有能な女性士官でありながら、戦闘中にミスを犯しては泣き、敬愛する上官から叱責されては泣く。第31話で、体調を崩したポゥがハリー大尉から口移しで薬を飲まされた際、あまりの苦さに滑稽なほど狼狽する姿が可愛い。女性ジャーナリストとして戦争の真実を冷静に見据えるフランと、男らしく彼女を守ろうと粋がりすぎて失敗するジョゼフも、男女の役割が逆転する『ターンエー』に相応しいキャラだ。
 型どおりの行動パターンではないため、人生体験の乏しい子供にはわかりにくいストーリーだろうが、逆に大人の女性には好まれる。
 男女関係が曖昧になる中で、ただ一人はっきりと恋愛感情を表に出すのが、キエルである。 {netabare}第38話で、突如それまでの冷静さをかなぐり捨てて愛を語り出すシーンの、何と美しいことか。テレビアニメで描かれた最も感動的な告白である。 {/netabare}

【MSデザイン】
 放送当初からMSのデザインがダサいと酷評されたが、このデザインには富野が意志が反映されている。
 ガンダムをはじめ、巨大ロボットをフィーチャーするアニメでは、舞台が地上であろうと宇宙であろうと、ほぼ同サイズの二足歩行ロボットばかりが登場する。これは、工学的な機能性を無視し、ロボット同士に肉弾戦を行わせることを想定したデザインである。富野は、こうした便宜的なやり方を反省し、あえて日本アニメに疎いデザイナーを起用したのだろう。
 MSのデザインを担当したシド・ミードは、もともと工業製品を紹介するカタログのイラストで人気を得たデザイナーであり、現実の製品から少し乖離した近未来的なビジョンを提示する。そのセンスに感銘を受けたリドリー・スコットが、映画『ブレードランナー』の世界観を具現するために抜擢、以後、『2010年』『エイリアン2』『ショート・サーキット』などで各種デザインを担当した。2019年には大規模な「シド・ミード展」が東京で開催され、改めて多くの人に感銘を与えた(私もその一人)。
 ミードのデザインは、工学的な実現可能性とSF的な斬新さを併せ持つ。『ターンエー』では、用途に応じて大きさや外見が全く異なるMSが登場するが、単にアイキャッチ効果を狙ったものではない。巨大な体躯を支えるための現実的な工夫が脚部を中心に施されており、工学の知識に裏打ちされていることがわかる。後年のMSには、フリーダムガンダムなどやたら突起物の付いたものが目立つが、工学的には邪魔なだけの過剰装飾であり、本作のように工学的な観点からデザインされた方が好ましく感じられる(もっとも、∀ガンダムの“ヒゲ”には、私も最後まで馴染めなかったが)。

【最終回の意味】
 『ターンエー』の感動は、最終回で頂点に達する。
{netabare} 『ターンエー』をどのように落着させるかについては、放送が始まってから半年近く経った1999年9月のミーティングで検討されたという。この時点では、途中のストーリー展開に未定の部分が多く、ミードの提案によるターンXのデザインについての説明などが中心になったようだが、後半には、実際に最終第50話の脚本を執筆した浅川美也をはじめ、出席したライターが意見を出し合った。ガンダムを戦争ものとして捉えると、対立勢力がどう動くかを巡って、さまざまな決着の仕方が考えられる。しかし、富野によれば、ディアナとロランの関係性を見据えた彼の腹案を、全員が承認したそうだ(『ターンエーの癒し』p.187-)。その上で、キエル、ハリー、ソシエら他のキャラの帰趨が熟考され、ラストの大筋が決定された。
 最終回のシナリオが出来上がりかけた頃、菅野よう子から『月の繭』が届けられる(『ターンエーの癒し』p.202)。曲の素晴らしさに感銘を受けた富野は、予定を変更して台詞を大幅に減らすことにした。第41話から、それまでBGMとして使われていた『月の繭』をエンディングに採用、これが布石となり、第50話の終盤では、曲がフルサイズでゆったりと流れる中、ほとんど台詞のない映像によって後日譚が綴られていく。戦争がどのように始まるかを緊迫した調子で語った序盤と照応させるべく、戦争が終わった後の情景を淡々と描くのである。残された台詞をどこに配置するかが改めて検討され、「ディアナ・ソレル、また皆様とともに、ここにおいていただきます」という重要な台詞が、あるべき場所にすっきりと収まった。
 そして、最終カットでロランが発する一言。さりげないようで、その思いが切々と伝わり、『ターンエー』の世界に没入していた視聴者に、文字通り圧倒的な感動を与えてくれる。 {/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 5
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

九条

2021/10/20 投稿
2021/12/19 キエルハイム演説リンク追加

【1999年放映の本作の今更の視聴動機】
なんと言っても「黒歴史」と言う言葉を生み出した作品だと言うことです。現在本当に普通に使われている言葉のような気がします。自分自身,たまに使います。であれば,由来となった作品を見ておくべきでしょう。アニメ等現代日本文化を語る上でのたしなみであると言えるかと勝手に思いました。例えるなら,「HiNative」で外国の方から「『黒歴史』という言葉について教えて下さい。」という質問が来たら,すかさず答えられるように。備えあれば憂い無しですw



【1~3話】

第1話 神回認定
冒頭,大気圏突入シーン。
典型的なガンダムの1シーン,大気圏突入の様子。
緊張を紛らすためか鼻歌を歌う搭乗員。鼻歌の選曲がこの後の世界観とマッチして秀逸。
着地の瞬間少しだけモビルスーツが描かれるが,以後ロボット物の要素全くなし。
20世紀初頭のアメリカの田舎を思わせる世界,南北戦争の頃の雰囲気もあるかも^^;
開始から20分程度BGM無し!鼻歌とお祭で人々が歌う歌のみ
ロランの地球での日常を描いただけの内容にもかかわらず,何故か惹き付けられる不思議な魅力。
20世紀に作られたガンダムシリーズという事を抜きにしても斬新な演出,
作画も丁寧かつ美しいです。

実は以前数話で脱落したのですが,何故脱落したのか謎です(笑)
あ!EDは自分としては相当残念です,曲も絵も・・・
曲はほとんど演歌に聞こえどちらかと言えば拒否反応が・・・
映像的にはロランのお尻見せられてもなぁ~
なので,なるべく急いで飛ばしますwあくまでも好みの問題ですが・・・

第2話
OPのヴォーカルは故西城秀樹氏,EDのように拒否反応を感じるほどでは無いですが・・・ちょっと苦手です^^;

ストーリーは相変わらず日常が続きます。まるで名作劇場!「愛の若草物語」が最近似作と感じられます。
そして成人式!晴れの日の高揚感が良く表されていると思います。
そして,またもや裸wロランとソシエ家の令嬢の裸多過ぎ^^;それこそ,別な意味で封印されて黒歴史化するのでは無いかとちょっと心配です。
終盤ついに戦闘が起こります。
何故戦闘が始まったのか良く分かりません??
2回ほど見直した結果,たぶん成人式の場面で町が燃えているのをロランが見た後,時間をちょっと遡っているのかなと思いました。ミリシャに対しポゥがビームを打ったシーンです。しかし,普通に見たら,町が燃えているのをロランが見て,ポゥ対ミリシャのシーンに切り替わり,再度ポゥがビームを発射したように見えるんですよねー・・・結論,何故戦いが始まったのか不明です。戦争の始まりなんてそんなもんなのかも知れません。

それにしても,ディアナカウンター側のモビルスーツのデザインはひどい・・・おもちゃを売る気はありませんね!さすが,富野監督(笑)

第3話
おそらく試練の回です。見ていると非常に精神的に不安定になってくるように感じる作画・・・正直言ってキツいです・・・黒歴史作画ですw一度脱落したのはこの回の絵が原因だったのかも知れません。
そして,たぶん,ここまで見落としてなければ,この回で初めて「黒歴史」という言葉が使われます。開始後10分くらいにジョゼフによって語られた「村の歴史,黒歴史に書いてある機械ってこれなのか?」これが初出と思われます。

表面的には,これで「黒歴史」について語ることはできますが,やはりたしなみとしては「ターンエーガンダム」の全体像についても押さえておきたいところです。


【ストーリーの骨格】
人類が生活するのに厳しい環境になった地球を離れ月に移住した人々の子孫(ムーンレイス)が2000年の時を経て地球に帰ろうとしたところ,帰還先には地球に残った人々の子孫が生活していたため,地球人(北アメリア人)とムーンレイスの軍事的衝突が起こり,戦いの連鎖に陥るというのが序盤の展開です。

これから真っ先に連想するのはシオニズムではないでしょうか?
遠い昔祖国を追われたユダヤ人が「約束の地」を目指す。
しかし,そこにはパレスチナ人(アラブ人)が暮らしている。
いろいろ端折って,中東戦争に至り現在まで戦いの連鎖は続いています。

そういえばシオニズムって英語表記でZionism
ジオン公国の初期の英語表記はZion Dukedom(途中で海外展開の都合でしょうかPrincipality of Zeonに変更されています)ジオン公国建国の思想をジオニズム(おそらく英語表記ではZionism)といいます。
そう考えると,ファーストガンダム初期の設定はスペースノイドが約束の地,地球に帰還しようとして,地球連邦政府との戦争になるという話だったのではないかと想像してしまいます。
しかし,その案は政治的な配慮によってボツになりジオン公国の名前だけが残ったと・・・勝手な妄想ですが・・・^^;
仮にそうだとすると,富野監督は20年前に断念したアイディアをガンダム20周年の機会に新たな作品として結実させたと言うことになるのではないでしょうか?なんかすごいなーって勝手にしみじみしちゃいます。


◆◆これ以降は長くなるので,全体視聴後印象に残ったことなどを中心に記述。◆◆

【統制のとれていない軍事組織】
この物語の随所で,軍事的組織の統制の取れていなさが目立ちます。先述のおそらくポゥの暴発によって開かれた戦端。停戦協定が徹底されない,ミリシャとディアナカウンター。ソシエ・ハイムやコレン・ナンダー,ギンガナム隊,その配下マヒロー隊もう各自勝手気ままに動き戦いを拡大させていきます^^;そういえば中盤くらいで誰かのセリフに,武力を持ってしまうと使いたくなってしまうと言った感じのセリフがありました。さらに,思い返せばファーストガンダムの幕開けも,偵察任務中のシャア配下のジオン兵が先走って連邦の試作モビルスーツを攻撃した事件でした。富野ガンダムが一貫して描いてきた物かも知れません。

【何かと突然】
いろんな事が前触れも無く突然起こります。
戦争
キエル・ハイムとディアナ・ソレルの入れ替わり
フィルのクーデター(そもそも彼はモブ的なキャラと思ってたwというか,その後舞台が移りほとんど登場しないのでやっぱりモブ?)
ギャバンのプロポーズ
グエンの心変わり
などなど忘れたけど,他にも「なんで?」と思う場面が多くありました。もうちょっと丁寧に説明してくれてもいいのでは?


【南北戦争化】
キエルの演説はファーストのギレンの演説の対極に位置する演説でした。
しかし,中盤以降フィルのクーデターにより,サンベルト共和国建国宣言が行われ,アメリア大陸を南北に分けての戦争になっていきました。シオニズム的な話から南北戦争への構図のシフトです。丁寧に建国宣言でフィルは「ムーンレイスの,ムーンレイスによる,ムーンレイスのための政治」という一節を演説に盛り込んでいました。できれば北部の指導者に言って欲しかったw以下どうでもいいことなので隠しておきます。{netabare}原文の解釈にも寄りますが自分としては"of the people"は「人民に由来する」という社会契約説を表していると考えるので,「人民」が「ムーンレイス」に置き換わると,意味的には破綻をきたすように思います。{/netabare}

【混迷】
中盤から終盤へ
戦闘勢力の枠組みがめまぐるしく変わり,正直言ってさっぱり分からなくなりました。自分がぼーっと見ていたせいかもしれませんが^^;
誰が味方で,誰が敵なのか?誰と誰が味方なのか?
{netabare}最終的にはディアナ・ソレルが味方で,グエン・ラインフォードが敵になっていて最初と逆転していましたw{/netabare}

【富野ガンダムの終着点】
{netabare}
本作は最終的にはターンエーとターンエックスが共に自らが作り出した繭に閉じ込められ強大な力が封印され,平和が訪れます。
強大な軍事力を手に入れた人類がその力に振り回され戦いの連鎖が起こった「黒歴史」としてのガンダムの世界の帰着点,象徴的な2体のモビルスーツの封印という,軍事力の不保持による,平和の獲得。日本国憲法の精神と完全に一致する,極めて日本的なメッセージと感じました。
遠い遠い未来の最終到達点,崇高な理想と言えると思います。
{/netabare}



【菅野よう子天才】
不覚にも今まで気がつかなかったのですが,この作品を見て菅野よう子は天才であると認識しました。
どんなジャンルにも,寄せていかにもそれっぽい曲を作っています。ほぼそれぞれのジャンルを代表するような風格を持った,傑作的な曲に仕上げています。例えば,カウボーイビバップの「TANK」なんかはJAZZのスタンダードにしか思えませんでした。逆にだからこそ,盗作疑惑がささやかれたりするのでしょうが・・・
同様にターンエーガンダムでも多くの優れた楽曲を提供しています。
個人的には
Until
THE Eternity Dance
ボーキサイト
の3曲が超気に入って,ダウンロードして毎日聞いています。

【その他諸々】
・ウォドムのデザインが異彩を放っていました。とにかくかっこ悪いだけでは無く,なぜか北斎や広重などの錦絵っぽい線のタッチや色彩を感じさせられました。勝手にそう感じていただけかもw
・21話「ディアナ奮戦」ディアナ・ソレルが野戦病院で奮闘する話はかなり好きでした。また,このエピソードのような戦闘では無く,戦争中の日々の生活を生き生きと描いた点がこの作品の良さのように思いました。

長々ととりとめなくなりました・・・いつもですが^^;


2021/12/19 追加部分
高橋理恵子さんによるディアナ・ソレル(キエル・ハイム)による「サンベルト共和国建国宣言」風SDGs全文朗読
https://withnews.jp/article/f0211217000qq000000000000000W0dy10501qq000023945A

投稿 : 2024/10/05
♥ : 17

72.0 5 入れ替わりアニメランキング5位
ミギとダリ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (181)
545人が棚に入れました
1990年2月、神戸市北区オリゴン村。 児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられる。 しかしそれはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。 二人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために二人で一人の人間を演じているのか。そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

こんな家族の出来方もありかもね。

これはまた、摩訶不思議な作品が出来たものですね。
マジメとギャグ的要素、サスペンスとコメディ要素、要素をごちゃまぜにして、ミステリ要素というふりかけをかけた様な・・・。

個人的にはひと昔、いやふた昔前に海外作品でも、国内作品でもこういったエッセンスを装ったドラマや映画があったように思いました。

ちょっとクローズドな村や生活エリアで少し挙動のおかしな人や不思議な人が散りばめられていて、お化けエッセンスもあるという・・・。

いくつか作品が思い当たった方もおられるのでは?

などと、昔話も交えつつ、今作です。


物語は、あまり話すと差しさわりがありますので、いつもの私のパターンで多くは語りません。

ただ、今作を楽しむには少し肩の力を抜いて「そうはならんやろ」「そこは無理筋」と言ったところを少し大きく受け止める事が必要だと思います。
また、実際に描かれているシーンの欄外を考えたりすると、やっぱり少しつまらなくなってしまうので、そこもやはり、深掘りしない方が楽しめるかもしれません。

これらを踏まえた上で、キャラの行動と物語、クリエイターとの作品的会話を楽しむのです。
そうすれば、もの凄く楽しめる作品だと思います。

別の言い方をすれば、物語のラインを踏み外さずに集中し、キャラの変な動きやコミカルな部分を物語の本筋とは別の要素として見る事ですw。

私は、キャラは濃いし、キャラデザも好みではないし、動きもきもうぃw。
特に好きなキャラが現れたわけでもなく、なんだこれ?という感想を持ったままの視聴でした。
作品視聴の求心力は主に「結末を見せろ!」でした、正直いますと。

この一念で、何とか視聴を終えることができました。
結論としては、まずまずの作品との評価です。
好みであるかと言えば違います。
もう一回観ますか?と言われると、特には・・・って感じです。
面白かったかと問われれば、そこそこ、と答える程度です。

中途半端な評価で申し訳ないです。

ただ、独特の雰囲気をもっており、特異な作品であるとは思います。
摩訶不思議な引力も持っていたとは思います。


私がこの作品を観て思った事は。。。

老夫婦へ。
きもっち悪い夫婦だと思ってゴメンナサイ。

「親」っていうものはやはりこういった大きな器が必要なんだぁぁ・・・としみじみ思いました。
「親」になりたくて、なりたくてなった人はこうなんだろうなぁ、きっとと。

そして「親」ってやつは、自分の子供をよく見てるもんなんだなぁ・・・と。

一人が二人になってもドンとこいです。

この老夫婦はちゃんと自分の子供を見て、ちゃんと受け止めて、ちゃんと巣立たせていました。

作品の内容にアレやコレや言いましたが、この老夫婦の器のでかさに感服した次第です。
気持ちよく、作品視聴を終えることができました。
そういう意味では、地味かもしれませんが、観ておいても損はない作品との評価です。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 17

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3話 シリアスとギャグが中途半端。1話がピークでした。

3話 シリアスとギャグが中途半端。1話がピークでした。

 すみません、集中力が続かなくなってしまったので一旦休止します。もうちょっとサスペンス色が強くてよかったかな?

 ギャグの方も1話の爆発力が無くなってしまいました。シュールギャグですらなく意味がわかるギャグになっちゃったし。

 シリアスもギャグも中途半端な感じでした。ひょっとしたら後から見るかもしれない、というクオリティはありますが、今のところは中断ですね。





1話 面白いがネタありきだと飽きそう。本筋の意外性で勝負でしょう。

「坂本ですが?」とギャグのセンスが似てるなあ、と思ったら同じ原作者でした。

 リアルと不条理と全員ボケの混合した不思議な世界観のギャグです。なんというか楳図かずお氏の作品のホラーの中に潜む緊張の中の可笑しさを、意図的に逆さまにしてギャグをホラー的な演出でやるという感じと言えばいいのでしょうか。チャップリンのような真面目な中の滑稽さも垣間見ることができます。(追記 そうそう真面目な顔をした不条理ボケと言う点では「クロマティ高校」のような感じもあります)

 アニメの演出はやはりホラーで「オーメン」を意識している気がします。主役が美少年であることも共通しています。

 1話は面白いです。ですが、ネタありきで1話と同じことの繰り返しだとすぐに飽きるでしょう。ですのでストーリーを組み込んだのかもしれません。何か本筋があるように感じられます。そこがどれだけ脱力できるのか意外性があるのかが胆でしょうね。
 わざわざ年号を1990年にしている意味は何か?ですね。バブル崩壊とか携帯もスマホもないとか、あらすじによると神戸らしいので震災に関わる可能性とかいろいろ考えられます。

 週刊連載での人気だとすると、面白さの性質がアニメの一気見にあうかどうかはどう考えているのか気になるところです。

 引っ越しやの段ボールがズラしになっていました。日本なのかアメリカなのかわからないような演出ももちろんギャグの要素にしています。

 監督とシリーズ構成の他に、音響監督をまんきゅうという人が一人でやっています。つまり、セリフが命のギャグで、作品を通じてギャグの演出というか表現を統一したいという趣旨なのかもしれません。ジャン・バラーヤとか。
 つまり、作品にこだわりがあるのかなあ、という気がします。


追記 神戸市北区に淡河町と書いて「おりごちょう」という地名がありました。ウェブページでみると神社や寺の町みたいですね。チューリップとか苺を売りにしてました。
 なお21年6月に高校生の集団自殺事件があったみたいです。23年1月にも単独の自死がありましたが…?本作の連載開始が17年ですから関係ないでしょう。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 8
ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

耽美系ホラーに見せてギャグという珍妙な雰囲気が面白すぎる。作者追悼…

内容はめちゃくちゃ面白いですね。
いやそうはならんだろう!
という。

全体の雰囲気としてはホラーっぽくはあるのですよね。
1人だと思いきや双子のトリックを利用して2人が入り込む、という、一見恐怖物でもおかしくない。
そして主人公は耽美な美少年で、耽美系ホラーな雰囲気を持っていながら…。
ギャグでしか無いという。

いやなんですかねこの雰囲気は。
まともなセンスをしていたらこんな作品は作れないですよ。

さすが坂本ですがの作者さんですね。
これはもう目が離せません。

ミギとヒダリ→ヒを取って→ミギとダリ
だからヒトリ君なんですね。
これもおお、とすごいとなりますね。

試聴継続です。

ただ、最初のインパクト重視な面もあるので見慣れたら飽きが来るかもしれませんが…。

しかし作者さんは残念でしたね。もっと多くの作品を残して欲しかったです…。

全話感想
大変良い物語でした。全体的に珍妙な雰囲気を保ちつつ、少しずつ謎が解き明かされていく展開。
最初は区別のつかなかったミギとダリもすぐどちらがどちらか一目でわかるようになっていうくなど、出来自体が非常に良い。

一番感動的だったのはやはり老夫婦の存在ですね。{netabare} 老夫婦はほぼ最初から気づいていて、ただ黙って見守っていた所ですね。打ち明けるか迷っているところまで感じ取ってネタばらしをしたのでしょう。あの二人は本当に良かった。 {/netabare}

真面目に面白いシュールギャグ系の雰囲気は終始続きながらしっかりハラハラさせて感動もさせてくれる…。
このバランス感覚は他に無いですね。
非常に楽しめました。
素晴らしい作品だっただけに、作者さんは本当に残念ですね。
惜しい方を亡くしました…。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 6

86.7 6 入れ替わりアニメランキング6位
五等分の花嫁(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1096)
5100人が棚に入れました
貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

声優・キャラクター
松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

5人の女の子に家庭教師してみたい

冒頭のウェディングドレス姿が気になる。
一卵性の五姉妹。2000年5月5日生まれ。合計身長は795センチメートル、合計体重は250キログラム、合計バストサイズは441センチメートルらしい。バストにばらつきが。調べたら一卵性で4人くらいまではいるらしいけど、5つ子ってどんだけの確率なんだろ。ちなみに、一卵性三つ子で確率は200万分の1らしい。
松岡禎丞は羨ましい役をできていいなあ。

長女の一花はアシンメトリー調のショートヘアと右耳に填めたピアスが特徴。
揶揄い上手の小悪魔的な性格だが、面倒見のよいお姉さん。風太郎にもお姉さんぶっては時折アドバイスを送る。私生活はかなりズボラで自室は汚部屋で寝る時は半裸。また、常に姉妹の事を考える余りに自身の気持ちを押し殺してしまうことも。駆け出し新人女優であり、学業の傍ら家族にも秘密にして細々と活動。自分の夢を応援してくれた風太郎に、好意を抱く。数学が得意。花澤香菜もすっかりお姉さん役が板についている。

次女の二乃は前髪ぱっつんでロングヘアと黒いリボンが特徴。
毒舌だが、姉妹で最も繊細であり、姉妹を守るために風太郎を敵視したり、姉妹全員で花火大会を見ようと奮闘したり姉妹思い。料理好きでオシャレに気を遣うなど女子力が高く、社交的で友人も多い。当初は時折荒っぽい言動が目立ったが、次第に女子高生らしい口調に統一された。五つ子の自宅に踏み込んできた風太郎を最も煙たがり赤点を取れば家庭教師はクビということを知った後はチャンスと思うほどだったが、月日が経つにつれ態度は軟化し、今では彼を徐々に強く意識するようになっている。男の趣味はちょっと謎なところがあって、金髪に染めた風太郎の顔が好みらしい。暴力系男子が好きなのかも。

三女の三玖は右目が隠れる斜め分けのセミロングとヘッドフォンが特徴的
口数が少なく、クールだが、信頼した人物にはとても素直で風太郎への好意も認めている。積極的に風太郎にアプローチしようとしているが、恋愛に関して奥手で進展しない。大の運動音痴で料理下手だが、他の姉妹への変装が一番得意。成績は姉妹の中では一番良いが、それでもやはり赤点候補。
ゲームがきっかけで大の戦国マニアになった歴女だが、変わった趣味であることを自覚していたため他の姉妹にもずっと隠し続けてきた。しかし、そんな自分の趣味と向き合ってくれた上、激励してくれた風太郎に好意を抱くようになる。当初は感情表現に乏しかったものの、次第に口数が増え表情も豊かに。五つ子の中で一番最初に風太郎に心を開いている。

四女の四葉はボブカットとウサギ調のリボンが特徴的。
明るく前向き。頼み事を断りきれないお人好し。自分の本心を明かさなかったり、自分に自信がなかったり無邪気なだけではない。身内以外には丁寧語で話す。国語が得意と言うが、姉妹中もっとも成績が悪いが、最初から勉強会に参加してくれた。今だに小学生の頃の下着を着用。
運動能力が非常に高く、女子バスケ部や陸上部から助っ人を頼まれ本格的な入部を請われるほど。風太郎の頭を抱えて好きと言ったところはキュンときた。

五女の五月は若干クセのあるロングヘアーに、頭頂部から生えたアホ毛と星柄のヘアピンが特徴的。
真面目だが何かと要領の悪い性格で、勉強もやる気があるがうまくいかない。誰にでも丁寧語を徹底している。
食いしん坊で、食事シーンが多い。ホラーが苦手。理科が得意。風太郎と高校で最初に出会った姉妹で、クラスメイト。当初は自分から勉強を教えて欲しいと頼むも断られた挙げ句デリカシーのない一言を言われ、風太郎とは最悪な出会いを引きずり不仲が続いたが、次第に気を許し、喧嘩も少なくなっている。後に、母と同じ教師になる夢を抱くようになる。男性に対しては父親が家庭を捨てて蒸発したために少し潔癖な所がある。{netabare}上杉君と呼ぶことから一花に変装してたけど、ばれちゃった。{/netabare}

最初は自分の中では四葉一択かなと思ってた。あんなに元気に話しかけられたら惚れてまう。だけど、話が進むにつれて、三玖の不器用な可愛さとか一花が強がるところが可愛いなんて考えが変わってた。ヒロインみんなに個性があって魅力的。みんなにキュン要素があった。

あるなら2期がみたい。終わり方の感じ的にはどうかな?{netabare}急に、上杉らいはが大人びててびっくりした。前田がお前誰だって感じに。結婚式のシーンになるわけだが、相手は誰だろう?自分には今のところ五月のように感じられる。最初に出会っているし、最終話でも話題の中心みたいなところあったから。{/netabare}

OP
五等分の気持ち 歌 中野家の五つ子(花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり)
歌の冒頭で姉妹ごとにそれぞれ違う上杉の呼び方がいいね。名前の呼び方が実は鍵を握っているかも。
ED
Sign 歌 内田彩
内田彩の歌声好き。小鳥ちゃんボイス。
ごぶんのいち 歌 中野家の五つ子(花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり)


教え子はなんと同級生!!しかも五つ子だった!!全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児!最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!?毎日がお祭り騒ぎ!中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

第1話 五等分の花嫁
家が貧乏な高校二年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師のアルバイトの話が舞い込む。ところがその教え子は最悪な出会いを果たした同じクラスの転入生、中野五月だった!何とか五月のご機嫌を取ろうと近づく風太郎だが、行く先々に現れる四人の女の子たちに振り回されてしまう。どうにか五月のもとまで辿りついた風太郎だったが…

第2話 屋上の告白
「五つ子を無事卒業させる」という依頼を引き受け、家庭教師をすることになった風太郎。しかし赤点候補の上に極度の勉強嫌いな五つ子は、事あるごとに風太郎から逃げてしまう。五つ子との距離を縮めようと奮闘する風太郎だが、突然三玖から屋上に来るよう呼び出される。

第3話 問題は山積み
三玖と打ち解けた風太郎は、この調子で他の五つ子とも仲良くしようと勉強会を開く。そこへ風太郎のことが気に食わない二乃が、邪魔に入ってきた! 風太郎を助けたい三玖が、負けたら邪魔をしないことを条件に二乃と料理対決をすることになり…

第4話 今日はお休み
初めて給料が入った風太郎はらいはの望みを叶えるため、五月と三人でゲームセンターにやってきた。その帰り道、花火大会に向かっていた他の五つ子に遭遇する。『お祭りに行きたい』と言うらいはのため、五つ子と一緒に風太郎も花火大会に行くことになるのだが…

第5話 全員で五等分
花火が始まっているのに、バラバラに逸れてしまった五つ子。そんな中一花は『みんなと一緒に花火を見られない』と告げ、一人離れようとする。放ってはおけないと風太郎は一花を追いかけていく内に、自分と五つ子との関係について一つの答えを導きだす。

第6話 積み上げたもの
ついにやってきた中間試験。五つ子のうち一人でも赤点をとったら家庭教師をクビと宣告された風太郎。そこで彼女たちに勉強をさせようとするが、一人頑張ろうとする五月に風太郎はつい言い過ぎてしまう。五月を怒らせてしまった風太郎は何とか仲直りをしようとするが…

第7話 嘘つき嘘たろう
中野家に泊まりこみで勉強を教えることになった風太郎は、結局五月と仲直り出来ずにいた。一方の五月も、一人勉強をするも上手くいかず悩んでいた。そんな二人の様子を見ていた一花が二人にアドバイスを与える。二人は無事に仲直りできるのか? そして中間試験の結果は─?

第8話 始まりの写真
三玖の手作り料理を食べ過ぎた風太郎は腹痛を起こしてしまう。ちょうどそこへ五月と二乃がやって来た。二人にも勉強をさせたい風太郎は、四葉に何とか二人を引き留めてもらおうとする。すると困った四葉は『風太郎が重い病にかかっている』と嘘をつき…

第9話 結びの伝説1日目
明日からいよいよ林間学校。〝フィナーレの瞬間に踊っていたペアは、生涯を添い遂げる縁で結ばれる″キャンプファイヤーの伝説に周囲は浮足立っていた。そんな中、一花に身代わりをするようお願いされた三玖は、一花と間違われある男子から告白をされることに。

第10話 結びの伝説2日目
林間学校に無事に合流できた風太郎と五つ子。肝試しの実行委員を任された風太郎は、四葉と一緒にお化け役をやることになる。そんな中、五月とペアを組んで肝試しに参加していた二乃は、途中五月に置いて行かれてしまった。ひとりぼっちにされ不安な二乃の前に現れたのは…

第11話 結びの伝説3日目
キャンプファイヤーの準備を手伝っていた風太郎と一花は、手違いで倉庫に閉じ込められてしまう。一方、二人が帰ってこないことを心配した三玖・五月・四葉は、二人を探しに行くことに。そこで風太郎からキャンプファイヤーの伝説を聞いた一花は、三玖の気持ちに気づいてしまい…

第12話 結びの伝説2000日目
林間学校の最終日。自由参加のスキーに来ていた風太郎たちだったが、朝から五月の姿が見当たらなかった。遭難しているかもしれないと全員で五月を探すが、なかなか見つからない。果たして五月を見つけることは出来るのか!? そして五つ子の気持ちの行方は─

投稿 : 2024/10/05
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

船頭多くして船山に上る

原作は雑誌でパラパラと


視聴動機は、マガジン案件だったから。けっこう近年のマガジン頑張ってるんですよね。
そして蓋を開けてEDのキャスト陣を見たらこれまた豪華。

中野家のご姉妹
長女 : 一花 (いちか) CV 花澤香菜
次女 : 二乃 (にの) CV 竹達彩奈
三女 : 三玖 (みく) CV 伊藤美来
四女 : 四葉 (よつば) CV佐倉綾音
五女 : 五月 (いつき) CV水瀬いのり

進級も危うい五つ子ちゃんの家庭教師を請け負う学年一の秀才上杉風太郎主演のハーレムラブコメとなります。風太郎の声は松岡禎丞さん。日本にはハーレムラブコメに松岡さん以外を出演させると禁固刑となる法律でもあるのでしょうか?出ずっぱりです。
富裕層中野家と貧民層上杉家の対比です。バイト代の高さを動機付けになにかとたいへんな五人の成績を上げるべく奮闘しながら、とはいえ同学年の美人五姉妹相手に健康な高校生男子が何も思わないわけでもなく、、、いやその前に先方が機先を制してデレ始める鉄板の展開でした。
わりきって観る感じでしょうか?キャラとストーリーを持て余してる序盤です。


観終わって、、、
ぶーぶー言いながらも後半面白くてそれなりに満足しました。
結局のところ、

{netabare}五人まとめてかかってこいやー!{/netabare}

というわけで選べん。


まずは良い点。キャラの配置から。五人がそれぞれ個性的でキャラが被りません。おかげ様で名前と顔の一致が早い。

一花:THEお姉ちゃん。ふわふわしながら締めるところは締める。長子の割に合わないところを飲み込んで責任を全うしようとしてる。意志の強さがショートヘアーに表れているのか?{netabare}良い{/netabare}
二乃:勝気さと家族思いのギャップ。女子力も高い。風太郎への警戒は人一倍強いが、こういった子のバリアを突破した時に見せるだろう情の深さは楽しみである。{netabare}良い{/netabare}
三玖:不器用女子。人との距離の取り方に難があれど、あばたもえくぼってやつ。心根の良さと頑固さが見え隠れしほっとけないタイプ。{netabare}これまた良い{/netabare}
四葉:奉仕の心。明るくアホそうに見えてそのくせ周りへの気遣いを欠かさない。もっと自分だしていいんだよ、の守ってあげたいタイプ。{netabare}なんだかんだ良い{/netabare}
五月:キタ!ツンデレ。頑張っても結果が出ない。そこを男のValueで彼女の不足を補ってあげるぜ!と勘違いしたい。主人公にだけ冷たい。落としたい。{netabare}というわけで良い{/netabare}

声優さんの魅力もさることながら、誰がヒロインでも一本書けそうです。さらに風太郎の妹らいはも存在感出してくるので侮れません。


ただしこちらは全体のバランスを無視して単品で一人一人に焦点を絞ったら?という前提が必要。

 みんな良い = {netabare}どうでもよい{/netabare}

なのです。
・みんな巨乳はやりすぎでは?安直な感じもします。
・狭い空間(中野家のマンションの中)が主戦場なので一対一になりにくく、かといって姉妹同士牽制しあう描写もソフトで消化不良。
・順に攻略した末での落としどころが見えづらい。結局情感揺さぶられるほど感情移入するにはせいぜい三角関係ぐらいにしとかないと破錠するよね。難しい設定。
・言っても同年代5人ですから。先輩後輩のような縦の関係もないと物語を膨らませることは難しい。これも設定になるのかな。


こういった背景もあって、数話観ると割りきってブヒる視聴姿勢で臨むか、嫌気さすかどちらかになりそうな気配です。

{netabare}アバンの結婚式描写などご都合展開飛び越えての超展開も期待できそうな伏線は配置されてますが、{/netabare}

作品の焦点をどこに置けば良いのかイマイチ掴みきれておらず、途中しんどかったです。船頭多くして船山に上る感じ。
まるで、ホテルのビュッフェで和洋中華それ以外と単品のクオリティがそこそこ良いけど全部食べろと言われると持て余しちゃうような感覚に近いかもしれません。

それと、五つ子全員お勉強が出来ないというのもなんか釈然としません。
勉強ができるのと地頭の良さは別物とはいえ、一定の尺度の中でだったり要求水準を求められて成果を上げるとか努力することって人として必要でしょうに、それがないというのが一点。それなりにインプットがないとアウトプットするネタに困るのが人間だと思うよ、が二点め。
それが揃いも揃って全員かよ!ある意味すごい姉妹だと思われます。

 {netabare}お母ちゃんも空の上で泣いてるで。{/netabare}


{netabare}林間学校編に突入してから{/netabare}加速していった後半が良かったのでOK!とします。
ちょっと五人それぞれが揺れ動いてくるあたりから物語が締まってくるので序盤で切っちゃうともったいないかもしれません。


OPの ご ・ と ・ お ・ ぶ ・んっ  もTHEアニソンらしくて良かったですよ。
{netabare}タイムリーにスキー場で流れてて、ウチの子供は「きもっ」って言ってましたが。。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴
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2019.04.06 初稿
2019.09.16 修正
2022.02.10 修正

投稿 : 2024/10/05
♥ : 64

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

五等分の花嫁 レビュー

この作品の設定は、深夜向けというより一般ドラマ向けなんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
視聴前の印象は、女性声優さん達が新人声優とは言いがたいけれども、若手声優さんの中では「売れっ子」な人達を集めて、おお、気合の入ったメンツだなあ、と感じましたね。
しかし、キャラクターデザインに少し古さを感じるところもあり、期待値的にはやや低めという感じでした。印象的なのは五つ子の髪色や服装の強めの配色や、2019年では少しシンプルな瞳のデザインなどでしょうか。
現時点では5つ子を一人ずつフォーカスしていく地道なラブコメディの展開ですが、1話冒頭及び原作でも提示されている、「主人公の花嫁は誰なのか?」という謎により、五つ子達の主人公への気持ちの傾き、恋心への変化を視聴者に敏感に感じとろうとなってしまう仕組みがにくい!

可憐で個性豊かな五つ子達によって描かれる日常とロマンスの魅力を紐解いていきましょう。

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Introduction(公式サイトより引用)
貧乏生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、
好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。
ところが教え子はなんと同級生!しかも五つ子だった!!
個性豊かな中野家の五つ子は全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児!
最初の課題は彼女たちからの信頼を勝ち取ること…!?
毎日がお祭り騒ぎ!中野家の五つ子たちが贈る、
かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

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さて、冒頭に書いたとおり、私としては、一般向けドラマ的印象がありますね、この作品。
どこにそんな要素があるのでしょうか?
まず、設定を整理しましょう。主人公である上杉君が貧乏で、教え子となる五つ子は美少女でお金持ち。そして上杉君は頭がよく、五つ子は勉強嫌い。
対照的ですね。
この対照設定が、その要素の一つだと思います。逆シンデレラストーリー。貧富の差を越えた恋物語はいつのでも大衆向けかもしれません。上杉君で一般的よりも少し貧しい生活を描き、五つ子達で華やかな高校生活を描く。こうして、どんどんと「差」を描くことで、対比が強くなっていくのかなと。
成立した時のシンデレラ感があるのかもしれないですね。最初は上杉君に対して五つ子は最初は仲が悪いですが、嫌いからの好きになるという関係の変化を描く恋物語展開はありがちですが素敵ですよね。
最初から上杉君と五つ子が一緒に行動しないというのが、この作品の重要な骨組みだと思います。上杉君が行動している間に、五つ子達は別の事をしている。または、上杉君に協調しない。
5人それぞれの個性を描いていますよね。それぞれが別の友達を持っていたり、別の趣味を持っていて、五つ子の個性が多彩だと感じました。
5人それぞれが多彩な個性を持っているので、コメディとしてのドタバタ感がよく引き出されています。最終的には、上杉君の家庭教師の場に全員集まるのが理想ですが、現状では皆が別々なことをしてしまっている。その別々なことを描くことによって、物事が予定通り進まない、ドタバタ、を描いているのだと感じます。それが少しずつ整理されていくのが、物語が進むに当たって気持ちがいい所かもしれません。


作品を語るにあたって、やはり登場人物の魅力には触れておかなければならないのですが、まだ五つ子全員のフォーカスは終わっておらず、核心的な魅力はつけないかもしれません。
4話まで終わり、三玖と二乃には触れられましたね。
私は元気で明るい子のほうが、恋愛で曇ると素敵に見えるので、四葉が好きです。これからの展開に期待ですね。

作品のEDについても触れておきたいです。
多分このED曲が「ドラマ」感が強い(笑)。
「Sign / 内田彩」ですね。日本コロムビア(株)のYouTube公式ページで試聴できます。「運命の恋の予感に胸のベルを高鳴らせる気持ちを切々と綴る」楽曲だそうです。
恋をストーリーのベースに、女性の心の繊細な変化や可憐さ、運命感のロマンチックな想いを歌いあげていますよね。
映像の方も、五つ子それぞれの個性、可愛らしさや意地悪っぽさ、いじらしさなどがよく出た表情をしていると思います。
薄いピンクのバラやマニキュア、リップなど、大人びた女性をイメージできたり、花嫁という華やいだ女性の美しさをイメージするのにピッタリだと思います。
運命の赤い糸が五つ子と絡まりながら、恋の関係性や女性としての変化を、グラスの水の変化やケーキ、マニキュアの形で表現しているのかもしれませんね。女性的な美しさや大人の女性らしさを物の鮮やかさによって表現した素晴らしいEDだと思います。

さて、いかがだったでしょうか。本編映像面で少し劣ることもあるかもしれませんが、楽曲や物語の大筋はとても魅力的になっていると思います。
ED詐欺?(ヾノ・∀・`)ナイナイ

投稿 : 2024/10/05
♥ : 34

69.0 7 入れ替わりアニメランキング7位
創聖のアクエリオン(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (856)
4595人が棚に入れました
1万2千年前の大戦の末に封印された人類の天敵「堕天翅」が、気候の大異変によって復活し、 人類はこれと再び戦うために、「創聖の書」に記された伝説の機械天使「アクエリオン」を発掘する。
これを運用する地球再生機構「ディーバ」は、アクエリオンを動かすために、特に鋭敏な五感や純真な魂を持つ10代半ばの少年少女たちをパイロットとして集め、その中に、1万2千年前に堕天翅でありながらアクエリオンを操り人類に味方した伝説の戦士「太陽の翼」再臨の予言を受けた少年・アポロも加わる。
だが、アポロは本当に太陽の翼なのか? 太陽の翼を巡る1万2千年前の因縁とは? そして次に滅びるのは堕天翅か、人類か…。
今まさに「機械天使アクエリオン」の合体するときが来た!!

声優・キャラクター
寺島拓篤、かかずゆみ、杉田智和、小野坂昌也、小林沙苗、佐藤ひろ美、日笠山亜美、阪口大助、朴璐美、石塚運昇、玉川砂記子、飛田展男、森川智之、兵藤まこ、青森伸

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

繋がっていたい♪ ひとつになりたい♡

2005年4月4日 - 9月26日TV放送された。全26話。
ジャンルはSFロボットアニメ。
キャッチコピーは「あなたと合体したい」ネタ元でも有る。
「1万と2000年前から愛してる」「1万と2000年後も愛してる」

あらすじ。

創世記0011年大異変によって荒廃した地球を、1万二千年の
眠りから蘇った"アトランディア"の"堕天翅"達が襲う・・

その恐るべき侵略から・・人を世界を守る為、心と体と魂
をひとつに合せ、性なる戦いは始まる・・という物語・・

「創聖合体!」 はぁ~ん・・気持ちいぃ~♡ というやつ


ナンセンスと思われた合体ロボを見事に復活させた作品?
音楽は非常に分かり易く馴染み易く耳に残る危ない曲・・
使われ方も"マクロスF"等に似た可也効果的な用い方。

声優の演技と音樂の盛り上がりだけで結構楽しめるレベル。
声優陣は人気より実力重視な感じがして中々良い味わい。
3Dは稀に?という動きもあるけど中々の拘りを感じる動き。
各キャラに確り思い入れできる個性や雰囲気が感じられる。

順次過去回想等で人物像の掘り下げや設定の補填をする。
緩急ある次の展開が気になる良い感じのエピソードが多い。
シリアスにコミカルを入れるセンスが結構好みにハマる。

似たようなアニメも沢山あるけどバランスが良く総合力が
高く感じるし、徹底した潔さが有る分世界観に浸りやすい。

一部の表現はやや微妙だけど小中学生向けの楽しい作品で
デザインや作風は高校生でも楽しめるもの♪おっきな子供
も大満足の仕上がりでは?と感じました。


アポロ/アポロニアス:寺島拓篤
推定13歳。難民キャンプでバロンと共に行動していた。
収穫獣の襲撃で仲間達を奪われ、能力者として覚醒。
ディーバに保護され、エレメントスクールの一員となる。
根っからの野生児で勘が鋭く実益を兼ねた狩りが趣味。

シルヴィア・ド・アリシア:かかずゆみ
14歳。シリウスの妹。アリシア王国の王女として育つ。
極度のブラコン。ガサツで食い意地が張っている。
怪力で念動力を使う勝ち気でロマンチストなじゃじゃ馬。


シリウス・ド・アリシア:杉田智和
16歳。シルヴィアの兄。アリシア王国の王子として育つ。
英才教育を受けていた。非常に剣術に長けている。
完全無欠のナルシストで自惚れ屋で高飛車な発言が多い。

ピエール・ヴィエラ:小野坂昌也
17歳。陽気なムードメーカーでスポーツ万能にして軽薄。
無類の女好きで手当たり次第に女性を口説くのが趣味。
若いエレメント達の兄貴分。ジュンの良き相談相手。

紅麗花:小林沙苗
15歳。自身を「不幸を呼ぶ女」と称するネガティブな少女。
学力も戦闘能力も常に上位の成績。中国拳法の使い手。
面倒見がよく人望があり、下級生達からも慕われている。

ジュン・リー:阪口大助
14歳。ネオアジア第17エリア出身。性格は温厚で控え目。
頭脳明晰で、国家の中枢機関をも脅かす天才ハッカー。
機械類にも強く、薀蓄を語ると止まらないほど博識。

つぐみ・ローゼンマイヤー:日笠山亜美
15歳。機械の修理が得意で、同時に機械オタクでもある。
ドジでノロマだが天真爛漫な少女。眼鏡で巨乳。同性愛者。
興奮すると心拍数が上昇、周囲に爆発を起こす能力を持つ。

リーナ・ルーン:佐藤裕美
11歳。目が見えず足が不自由だが霊感が人一倍強い。
創聖の書を読み解くディーバの預言者。謎めいた少女
性格は小悪魔的で意外にお茶目。様々な能力を隠している。

クルト・クーリック:朴璐美
14歳。クロエの弟。二卵性双生児でテレパシスト。
顔も声も似ているが、性格も酷似。犬が好き。

クロエ・クーリック:朴璐美
14歳。クルトの姉。委員長的な役割をこなしている。
猫が好きなところ以外はクルトと一緒。

不動GEN 石塚運昇
年齢不詳。顔に古傷がある強面。エレメントスクール教官。
特殊機関地球再生機構ディーバ(DEAVA)AQ運用部隊司令官。
経歴等謎が多く、神出鬼没。神速の魔術師と称される。

ソフィア・ブラン:玉川紗己子
27歳。エレメントスクールのサイコセラピスト。
また授業では教官として度々登場している。
アクエリオンを始めとして様々な知識を持つ博識。

ジャン・ジェローム・ジョルジュ:飛田展男
24歳。ディーバAQ運用部隊副司令官。人徳と人望は無い。
軍事・防衛他数々の博士号を有し13ヶ国語を習得等博識。

グレン・アンダーソン:風間勇刀
17歳。生真面目で優しい性格。成績の上位を競う優等生。


聖天翅・頭翅(トーマ) 森川智之
堕天翅族の前線指揮官。外見は若く美しき青年男性風。
12000年前はアポロニアスの許婚だった。

音楽翅・音翅(オトハ) 兵藤まこ
美女の堕天翅。現在の頭翅の恋人で、嫉妬心も強い。

老賢翅・夜翅(ヨハネス)青森伸
この世の闇を司る、コウモリの羽を持つ最長老堕天翅。

戦翅・両翅(モロハ)矢尾一樹
虫のような体形と剣状の腕を持つ戦闘型堕天翅。
非常に気位が高く好戦的で、頭翅をライバル視している

原型翅・錬翅(レンシ)石塚運昇

小天翅・双翅(フタバ)川上とも子
堕天翅族最後の子供天翅。足首に翅を持つ。最後の子供。

情報翅・智翅(シルハ)小西克幸
叡智と情報収集を司る堕天翅。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャッチコピーは「あなたと合体したい」。

この作品はオリジナルアニメなのですが、パチンコ機になったりオープニングが人気になったりと、言わずと知れた超が付くほどの有名な作品です。
ですが、今まで未視聴でした・・・ロボットものにあまり興味が無かった時の名残です^^;
今回2015年に「アクエリオンロゴス」が放送されることを知り、今回の視聴に至りました^^

放送は2005年と今から10年も前になるのですが、その古さを全く感じさせない出来映えの作品だったと思います。

物語の舞台は人間が環境を大きく変えてしまった事により堕天使が人類の敵として復活した地球・・・
人間と堕天使の争いはこれが初めてではなく、1万2千年前にも同じ様な事態が起こりました。
その時には、人間のセリアンと恋に落ちた強大な力を持つ堕天使アポロニアスが、人間の味方に付き堕天使を退けるのですが・・・その争いの最中セリアンを救うためアポロニアスが自らの翅を失うという、大きな代償を支払わなければなりませんでした。

そして1万2千年後の現代・・・堕天使と互角に戦うにはアポロニアスの生まれ変わりの力が必要なのですが、人間側にはその力をまだ手に入れていませんでした。
そんな中、預言者であるリーナが「太陽の翼」アポロニウスの生まれ変わりを予知し、能力者であるピエール、シルヴィアが一人の少年を探しに行きアポロと出会い・・・物語が動いていきます。

・・・正直こんなに面白い作品だったとは思ってもいませんでした(制作に携わった方々・・・申し訳ありません)^^;
これはもっと早くに見るべき作品だったと思います。

生まれも育ちも違う人間が同じ目的を共有するために集う・・・
でも、これまで生きていく上で身につけてきた習慣や価値観はバラバラなので、うまくいかずに衝突します。
話し合いで解決・・・できれば一番良いのですが、自分の生命が危険にさらされるリスクが大きければ大きいほど平和的な解決は難しいのだと思います・・・
時には窮地に追い込まれたり、信じていた人の存外な反応に絶望を感じる事もあるでしょう・・・
また時には自分を抑えられなくなり、人を傷つけてしまうこともあるかもしれません・・・

それでも、この作品では「どんな事があっても自分の居場所や存在価値を決めるのは己自身」ということと、「目の前の障壁を乗り越えられればお互いの理解が深まり、心を通わせる事ができる」という一貫した方向性が打ち出されています。
それらがしっかり練られたストーリーと、思わず息を呑むような躍動感と颯爽感溢れるロボットのバトル・・・
そして、これらが不動GENの禅問答と預言者リーナのつぶやきが絡み合って激アツな展開に発展していくんです^^
加えて作画は10年前とは思えないほど綺麗・・・これが面白くない筈がありません(あくまで個人的見解です)

また、登場人物においては主人公アポロとライバル関係にあるシリウス・・・ヒロインのシルヴィアにムードメーカー的存在のピエール・・・登場人物はそんなに多くありませんし、キャラの立ち位置もしっかりしているので、キャラが分からなくなるような事もありませんでした。
私の推しは・・・やっぱヒロインのシルヴィアですかね^^;
彼女は物語の中で立場上、何度も狭間で苦悩するのですが、自分で考えて乗り越えて・・・答えを導いていく過程は見ていて好感が持てたので・・・^^;
何かとミステリアスなリーナの存在も気になっていましたけれど(//∇//)

人間は地球を守れるのか・・・もし守れるならどの様に守っていくのか・・・
きっと想像し得ない展開が待っていると思います^^
もし気になる方は是非本編をご覧下さい♪

オープニングテーマ
AKINOさんの「創聖のアクエリオン」「Go Tight!」
エンディングテーマ
牧野由依さんの「オムナ マグニ」
AKINOさんの「荒野のヒース」(第14話のみ)
Gabriela Robinさんの「Celiane」(第25話のみ)
「創聖のアクエリオン」は惹きつける力の大きい曲ですね^^
人気があるのも納得です。特にサビに入ってからのアニメとの一体感が半端ありません・・・特にシルヴィアの軽やかな動きには毎回釘付けでした(//∇//)
エンディングは牧野さんの「オムナ マグニ」が幻想的で気に入りました^^
これ以外の挿入歌にも良曲がたくさんあります。
KINOさんの「プライド〜嘆きの旅」は特にお気に入りです。
この曲は劣勢だった展開を覆すタイミングで流れるのですが、絶妙な入りに思わず鳥肌です^^;

2クール全26話の作品です。
最初から最後まで中だるみを感じることなく一気に視聴できた作品でした。
引き続き、続編を視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/10/05
♥ : 28

柚稀 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

8千年過ぎたあたりから恋しさが増してくる、1万2千年の愛の記憶…

2005年のこのアニメ。
当時アニメをお休みしていた僕でさえも知っているこのOP、
『創聖のアクエリオン』
♪♪いちまんねんとにせんねんまえから、あ・い・し・て・るぅ~♪♪ヽ(゚◇゚ )ノヽ( ゚◇゚)ノ

はて、この有名な楽曲を携えたこのアニメはどんなお話なのか!?と蓋を開けてみれば…

そ、そこには…!?

-とりあえず、そこらじゅう【合体】だらけですw
そしてその【合体】とやらは、えらく気持ちイイ♪ものなんだそうでwww

「何、これ…!?気持ちいい…!!」だの、
「激しい…っ!!」だの、
「ちょっといいかも~…♪」と
(特にシルヴィアのお声が激しいw)
ここだけ抜き出したらもはや何のアニメだかわかりません!!w
щ(゚ロ゚щ) オーマイガーッ!!

そのせいなのかどうなのか、【合体依存症】なる病まで発生!!w
症状:僕はとりあえず繋がりたくてしょうがないんだ…(*ノノ)

むむっ…Σ(・ω・ノ)ノこれはなんと恐ろしい病じゃ…w
(´Д`|||)

-12000年の時を経て復活した【堕天翅:だてんし】と
合体ロボ【アクエリオン】を擁する人類との戦い-

【堕天翅】と人類には12000年の長きに渡る
“因縁”と“憎しみ”、“哀しみ”
そして深い“愛の記憶”があった-

真相に辿り着くまでの道のりは遠くw
コスプレとか、ダイエット話に、夢の世界、地下迷路とか、
名言?迷言?だらけの司令官の不思議なトレーンニグが目白押しですわw(゜-゜)ソレ…ナンノヤクニタツノ??

【アクエリオン】は3つの機体で構成されていて、
合体時に頭の部分になった機体により見た目も機能も変わるという、1つのカタチにこだわらない斬新さがひかりますな♪

必殺技も頭になった機体と操縦者により変化して、
操縦者の能力を存分に技に込めている(時にはコンプレックスさえも技に生きてくるという)…が、
これまたあまりに斬新すぎる…というか、

戦い中に笑いさえも生まれてくる“ネーミング”と“攻撃”…w

『哀天使剣』よみ:哀しみのエンジェルソードw
『不幸断絶拳』とかw
たくさんあるので実際に目にしていただきたい…ヾ(;´▽`A``

君らセンスがすごいよ~wな技の数々を!!(/▽\)

なんだかんだで楽しませていただきやしたw

にしてもなんで12000年?
…キリよく1万年ではダメだったのかねw

投稿 : 2024/10/05
♥ : 20

74.7 8 入れ替わりアニメランキング8位
暦物語(その他)

2016年1月9日
★★★★☆ 3.8 (704)
4418人が棚に入れました
怪異に曳かれつづけた阿良々木暦の一年間。
これまでの"物語"と"物語"の間でひそかに生まれていた、いまだ語られていないエピソードたちを、一月に一話からなる12編の短編連作で巡る。

<物語>シリーズ公式アプリだけで視聴できる短編アニメという新たな形でつづられる、暦達が過ごした1年間。
そして"物語"は運命の朝へ向かう――。

声優・キャラクター
神谷浩史、斎藤千和、堀江由衣、加藤英美里、沢城みゆき、花澤香菜、喜多村英梨、井口裕香、水橋かおり、坂本真綾、早見沙織、白石涼子、ゆきのさつき
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

第11話&第12話だけ毛色が違う。

こちらは他の物語と違って怪異と似て非なる現象を取り扱った物語といったところでしょうか。
怪異譚ではなく,日常の謎です。
ジャンルとしては個人的にはミステリーより怪異譚の方が好みなのだけど,このアニメに限って言えば他の物語シリーズより重苦しくなくこの暦物語は楽しんで見れました。
キャラクターの良いところだけ見ていられるというのかな…。
1話完結ですし,その1話も短いというのもあって気軽でした。
スピンオフって感じですね。
でも第11話&第12話だけは日常の謎ではなく1話完結でもなく本編って感じです。
終物語へと続いていく話なのかな。

こよみストーン
阿良々木くんは羽川から学校に祀られている石の話を聞きます。
これが怪異がらみじゃないかと思った阿良々木くん。
忍野さんにこの話を売って借金から差し引いてもらおうかと,彼に会いに行きます。
まだ髪をおさげにしていてメガネの垢抜けない羽川さんが可愛いです。
{netabare}それにしても,その祠を自分が置いたこと忘れるかね!?{/netabare}

こよみフラワー
戦場ヶ原さんと歩いている時に道にお花が供えてあるのを見ます。
それに気を取られて車に轢かれそうになりますが阿良々木くんが助けます。
そんな戦場ヶ原さんに知っている怪異はないかと尋ねる阿良々木くん。
戦場ヶ原さんも忍野さんに借金しているからね。
今回の話はちょっと無理があったかなぁと思いましたが,2人の会話が好きなので良かったです。
それにしても,阿良々木くんと戦場ヶ原さんて同じくらいの背丈なのね。

こよみサンド
阿良々木くんは八九寺ちゃんに出会します。
そこで公園の砂場が鬼の顔みたいな模様を描いていることを知らされます。
確かに鬼の顔のようだと不思議に思った阿良々木くんは羽川にそのことを話します。
いや。阿良々木くん。夜の公園でご苦労でしたな!!
―っていう回です。

こよみウォーター
阿良々木くんは神原の部屋を片付けるのみ彼女の家にお邪魔しています。
それにしても炭鉱で採掘してるみたいになってるけど大丈夫(笑)!?
肉体労働を終えた阿良々木くんは神原にお風呂を勧められます。
神原の家,おっきくて和風でまるで旅館ですね!!
そこで水面に未来の結婚相手が映る話を聞かされるのです。
まるでハロウィーンのおまじないみたいですね🎃(▲∀▲)

こよみウインド
撫子ちゃんが阿良々木くんのお家を訪問します。
彼のベッドで靴下を脱ぐ撫子ちゃん。
確かに靴下でベッドに乗っかってほしくないという人もいるとは思うけど(^▽^;)
そんな撫子ちゃんとパーティーハットを被っている阿良々木くんの空気が違い過ぎる(笑)。
そしてミスタードーナツの貝木はシュールすぎるのよ!!

こよみツリー
火憐ちゃんが,彼女の通う道場の木が切り倒されちゃうということを阿良々木くんに相談します。
ていうか,おっぱいを兄の頭にのっける妹…居るかね!?
そして超絶迷惑そうな阿良々木くんが面白い。
そしてまた羽川に相談する阿良々木くん。
そっか☆羽川,部屋をもらえたんだったね!!
まだ殺風景な部屋だけど,良かったなぁ。
いつも頼りになるね,彼女は。

こよみティー
うわ。囮物語で嫌いになった月火ちゃんだ!!
阿良々木くんに茶道部でお化けの話を全否定したという話をします。
でも信じてくれない部員たち。
まぁ分かるなぁ。そんな論理立てて言われても興ざめだよね。
そういうのはさ,信じるとか信じないとかじゃなくてみんなできゃーきゃー言ってるのが楽しいんじゃん。
今回は神原に相談するんだけど,確かにこの解決方法は羽川だったら提案しないかな。
スマートだと思うけどね♪

こよみマウンテン
阿良々木くんは扇ちゃんと一緒に北白蛇神社に行きます。
不気味な扇ちゃんが怪異以外のことで彼を誘うなんて珍しいですね。
で,それを撫子ちゃんに話すんだけど「あっ!!あの時の撫子!!」って思いました。
あの白いシュシュを見て。
で,まぁ撫子が謎を解いてくれるんだけど,この後のことを知っているとスッキリとはいきませんね。

こよみトーラス
阿良々木くんは戦場ヶ原さんからドーナツをもらいます。
何でまたドーナツ。。
忍ちゃんの好物だって知っているのかな!?
今回の忍ちゃんは可愛かった★
ドーナツが絡むと可愛くなりますね。
―ていうか,彼女はミスタードーナツのドーナツが好きなだけだったのか。
そして,囮物語のことを責められる阿良々木くん(笑)。
今回のオチもちょっと無理があったかな(^-^;

こよみシード
センター試験の帰り道,阿良々木くんは斧乃木ちゃんに出会します。
いっつも彼女は神出鬼没だなぁ。
そこで探し物を手伝ってほしいと頼まれ,何故か斧乃木ちゃんの指先に立って街中を探すことに…。
いや。阿良々木くん恥ずかしくないの(笑)!?
探し物は見つからなかったのだけど…。
{netabare}オチとしては要するに貝木と出会さないように斧乃木ちゃんが配慮したっていう話。
でも,そんなことしなきゃいけないのなら貝木が街に出入りしている間ずっと出かける時は斧乃木ちゃんの指先に乗らないといけなくなるよ(^▽^;){/netabare}

こよみナッシング&こよみデッド
こちらは続き物なので一緒にレビューします。
2月,憑物語の事件の直後かな。
北白蛇神社で阿良々木くんは影縫さんに襲いかかって稽古をつけてくれといいます。
斧乃木ちゃんに守られてるだけってのは嫌みたい。
いや。取り敢えず今のところは受験勉強しようよ,受験生!!
そこで,影縫さんに斧乃木ちゃんとの関係を聞きます。
何で“お姉ちゃん”と呼ばれているのか―と。
影縫さんは一発でも自分に攻撃を決められたら斧乃木ちゃんについて教えてくれるそう。
だけど,相手は影縫さん。阿良々木くんじゃ手も足も出ないので,火憐ちゃんに相談します。
{netabare}「これからはお前の好きな時におっぱいを揉んでやるから」って!!
気持ち悪すぎるんだが…!!
「兄ちゃんに,好きな時におっぱいを揉まれるのと,嫌いな時におっぱいを揉まれるのと,どっちが良いんだ?」
なんか心理学でこういうのあった気がするが,こうも簡単にひっかかってくれるとは…💧
けど,いざ相談してみるとそれは一発どうこうではなく阿良々木くんのお願いを体よく断られているのだと教えてくれるのです。
確かに(笑)。かぐや姫と同じ手法。
ところで何気に斧乃木ちゃん,月火ちゃんに愛されてるなぁ。
それで,まぁ阿良々木くんなりにどうするかを決めて影縫さんに挑みに行ったのに影縫さんは居なくなっていました。
それから1か月,阿良々木くんは北白蛇神社に通っていました。
大学受験当日。
阿良々木くんが行った北白蛇神社に居たのは臥煙さんでした。
そして,影縫さんと斧乃木ちゃんについて聞きます。
そうして臥煙さんの話を聞くうちに町から暗闇を晴らすためには阿良々木くんが死ななければならないと言われ,臥煙さんに殺されてしまうのでした。
―っていや!!どんな結末よ!?
目が覚めた阿良々木くん。
そこにはなんと真宵ちゃんが!!
ってとこでおしまい。{/netabare}
結局,問題だけが起こって終わったかたち。
終物語に引き継がれるのかな。
(わたしはまだ途中までしか終物語観てないんです。)
正直,この暦物語はスピンオフ的な話だと思ってたけど,ここにきて急に変わりましたね。
物語シリーズ観てる方で暦物語飛ばそうと思ってても,第11話&第12話は観たほうが良さそう。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

阿良々木暦とヒロイン達の短編物語

この作品は、「化物語」のその後を描いた〈物語〉シリーズ・ファイナルシーズンの第2弾に位置付けられているそうです。
原作の方では2005年に「化物語」が発表されてからかなり時間が空いたので、一度物語を振り返るために書かれたとか(wikiより)。

私は原作未読でアニメしか見ていませんが、阿良々木暦とヒロインが怪異ち対峙する様がシャフトさんの演出で鮮烈に表現されていたので、全然忘れられませんけれど・・・
でも「時間が空いたから」が理由で執筆できるって、他の作家さんが聞いたら羨ましく思うんじゃないでしょうか^^;
きっと作家の卵って星の数ほどいるのだろうに・・・
これもヒット作を生み出した作家さんならではの特権なのかもしれません^^

この物語は短編で全12話あり、このシリーズに登場するヒロインが1話に一人出て来る構成になっています。
そしてこの作品も一元さんお断りの作品・・・何の説明もないままいきなり本題に入っていきます。
以下にサブタイトルと登場するヒロインを記載します。主人公の阿良々木暦は毎回登場するので、記載から省略します。
なお、サブタイトル以降の感想はネタバレにしかならないので割愛させて頂きます。

第1話 こよみストーン 出演:羽川翼
第2話 こよみフラワー 出演:戦場ヶ原ひたぎ
第3話 こよみサンド  出演:八九寺真宵
第4話 こよみウォーター出演:神原駿河
第5話 こよみウインド 出演:千石撫子
第6話 こよみツリー  出演:阿良々木火憐
第7話 こよみティー  出演:阿良々木月日
第8話 こよみマウンテン出演:忍野 扇
第9話 こよみトーラス 出演:忍野 忍
第10話 こよみシード  出演:斧乃木 余接
第11話 こよみナッシング出演:影縫 余弦
第12話 こよみデッド  出演:臥煙 伊豆湖

こうして見てみると・・・オールスター選手の勢揃いみたいですね^^;
どのお話もオープニングとエンディングを含めて1話10分〜15分くらいなのでサクっと視聴できます。
ただこの時間では物語の深掘りはできないので、ストーリーは全般的にライトな感じです。
その感じがもしかすると評価が分かれるポイントかもしれません。
キャラによっては深掘りしてからが本番みたいなヒロインもいる事ですから・・・

でも原作同様懐かしさを感じるといえば・・・それぞれのキャラソンが物語の冒頭に流れるので、これには懐かしさを感じると思います。
戦場ヶ原のstaple stable、八九寺の帰り道や千石の恋愛サーキュレーションなど、第10話の余接ちゃんまでの歌を聞くことができます。

エンディングテーマは、TrySailさんの「whiz」
物語シリーズっぽい曲調で可愛らしい歌詞が特徴的な歌でした。

私はこの作品を物語シリーズ公式アプリ「暦物語」で配信されたモノを視聴しました。
対応OSがiOSとAndroidなのでスマホでの視聴だったんですけれど、テレビの画面で見たかったのが本音です。
どうしてこうう放送の仕方をしたんでしょうね^^;?
という人のために、2016年6月29日に全12話を収録したBlu-rayとDVDが発売されるそうです。
スマホでの視聴を敬遠していた方もいらっしゃると思いますが、これで大画面で視聴する事ができますね^^

投稿 : 2024/10/05
♥ : 21

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

阿良々木暦、高校生活最後の1年間を振り返る物語。

物語シリーズの一作。

 化物語
  ↓
 偽物語
  ↓
 猫物語(黒)
  ↓
 <物語>シリーズ セカンドシーズン
  ↓
 花物語
  ↓
 憑物語
  ↓
 終物語(12話)
  ↓
 暦物語
と見てきました。

「暦物語」の原作は「終物語」の前に発売されていたのですが、
アニメでは終物語でサンドする形で放送されました。

これまでの物語の狭間の物語。

箸休め的なストーリーかな?と思っていたら、
終盤の重大な出来事にびっくり。

1話が15分ほどで、
全12話の作品です。


● ストーリー
高校3年生の春休みに吸血鬼となった阿良々木暦(あららぎ こよみ)。

春休みから卒業まで、怪異絡みの様々な出来事と対峙してきた。

そんな日常では、
怪異と関係はない不思議な出来事と遭遇することもある。


主人公・阿良々木くんの高校3年生の1年間を振り返る12のエピソード。

総集編というわけではなく、
これまでの物語の狭間で起きた出来事というストーリー。

時系列が複雑なシリーズなので、
「あのエピソードが解決した後の話ね。」と時系列表を確認しながら見ました。笑

阿良々木くんの身の回りでの出来事が濃すぎて、
1年間での進展の凄まじいスピードを感じずにはいられませんでした。

1話が4月、2話が5月、というように、
1話につき1月ずつの物語で構成されています。

いつもなら3話程度で1つのエピソードという構成なのが、

今回は1つのエピソードが1話で描かれていて、
しかも1話が15分ということもあり、
1話ずつのエピソードはあっさりに感じました。

怪異と絡んで大きな事件が起こるわけでもないので、
のんびり見ていたら最終話には衝撃…。

この先の展開がアニメシリーズの続編「続・終物語」で描かれるのでしょうか。


● キャラクター
懐かしいキャラやヒロインたちも登場。

誰が出てきても、
阿良々木くんが誰と絡んでも、

物語のクオリティが安定していることからも、
キャラと声優さんの良さをしみじみと感じます。

個人的には久しぶりの忍野(おしの)メメが嬉しかったです。

あと、ドーナツにご満悦な忍(しのぶ)ちゃんが可愛かった^^


● 音楽
物語シリーズのOPはヒロインによるキャラソンが定番。

今回はエピソードの登場するヒロインのキャラソンがOPに使われていたので、全話OP曲が違うという豪華さ。

懐かしいというより、
さすが良曲しかないという感動の方が大きかったです。


【 ED「whiz」/ TrySail 】

EDだけ新曲でした。

この曲、良かったです♪
作品の雰囲気にもよく合っていました。


● まとめ
これまでの物語の狭間のエピソード。

アプリ配信の作品だったし、
とばしてもいいのかな?と思っていましたが、

ラストには重要なエピソードもあったし、
見てよかったです。

ファイナルシーズンもいよいよ終盤。

「続・終物語」を観るか、先に「傷物語」を観るか、
悩むところです。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 22

86.0 9 入れ替わりアニメランキング9位
プリンセス・プリンシパル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (983)
3955人が棚に入れました
舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。変装、諜報、潜入、カーチェイス……。少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。

「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」

声優・キャラクター
今村彩夏、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

二期ありきの構成

4話までの感想「いいからちせを出せ」
{netabare}“悪魔のリドル”ってアニメでは、ど根性ガエルの五郎というかモグラというか、そんな三下キャラを美少女化したようなキャラが居て、しかもそれがしっかり可愛くて、「こんなものまで美少女化するのかー、スゲーなぁ」と感心したことがあります。
で、このプリンセスプリンシパルだけど、1話を見てその時と同じ衝撃を受けました。
単なる思い違いだと思うのだけど…というかそうあって欲しいとさえ思うことなんだけど…。

ちせがモータルコンバットのライデンの美少女化に見えて仕方ない

う~~~ん、やっぱり思い違い?
三度笠?に能面貼ってないのでゼイラムでもないし、砂ぼうずともちょっと違うような…とはいえ、まさかそんな…ねぇ。
けどもしライデンであるならこれまたスゲーところから引っ張ってきたとして、もうそれだけで評価せざるを得ない。
そのうちケイバーライトを使ってサイコクラッシャーや感電死みたいなことするんじゃないかとヒヤヒヤしつつ視聴。
フェイタリティやったら拍手モノだけど、放送できないよね?
…が、2話3話と、ちせが全然出ずに地味~な話が続く。

ええい、プリンセスとかいいからちせを出せちせを

と思う程になってたのだけど、モーコンであろうとなかろうとここまで思わせたのはスタッフ大成功だと思う。
そして4話、やっとちせがマトモに登場する話になったけど…ぐぬぬ、あんまり活躍しない。
さすがにずっと脇役させられるとも思えないので、この先に期待ってことでしょうか。{/netabare}

5話感想「本当にちせが出た」
{netabare}4話までの感想で「ちせを出せ」と書いたその直後の5話で早速ちせメイン回キターーーー!
しかもアクションスゲー頑張ってるし。
やったね、オレ様大勝利?
…。
と喜んでたのだけど、あれ、ちょっと待てよ?
ひょっとして4話終了段階で公式とか見れば次回どんな話か予告あったり…する?
自分見てなかったのでやったーって感じなんだけど、周りらはナニ当たり前のことを…と思われてたりして。
こ、公式の予告(あるのかすら知らない)とか雑誌の予定とか見てないっすよ、ホウトウデス。

で、話は戻って5話感想。
この世界の日本はなんか怖いのう…ちょっとのことで簡単にハラキリしそう。
相手はプリンセス言っても順位はそんなに高くないんだよね?まぁ不利な条約をもちっとマトモにしてくりゃれと頼む側なので下手(したて)に出るのはしょうがないんだろうけど。
トランプのシーンはよく分からなかった、手先の器用さを競い合ってたのだろうか?
でもって親父との対決、↑で書いた様にモーコンのイメージがあるので、いつ親父の指先から電撃が飛び出すんじゃないかとヒヤヒヤした。
最後ちせは親父を打ち倒し涙するワケだけど…同時にベア子は忌まわしき改造手術が4話に引き続き身を守ることとなり、内心どう思ってるか気になった。
ってか改造は喉だけなのだろうか?ホントにそれだけ??

とりあえず2話以降、時系列を変えてメンバーがどのように集まったのかを見せる回が続いてきたけど、5話でひと段落?
まだ居たっけ?
出揃ったらプリンセスが継承権を上げるために親戚兄弟をヌッ殺してく話になるのかなーと思ってるのだが…今のところそれを匂わす描写は余りない。
これからってことかのう?
かなり期待の作品…だけど、レガリアみたいなことを起こすんじゃないかとちと不安。
特に5話あんなに頑張っちゃって…息切れせんよね?大丈夫だよね?{/netabare}

6話感想
{netabare}自分の親父には改造され、ちせの親父には斬首されかけ、ドロシーの親父には機械いじくり回され…ベア子はなにかと親父に縁があるな。
ってか主人公ベア子ちゃう?
妙に活躍多い気が…メンバー紹介用に「視聴者と同じ目線(何も知らない)キャラ」として扱われてるだけ?
ええい、もっとちせを出せ。{/netabare}

7話感想
{netabare}ああ、こうだよこう。
戦争モノいうたって兵站や銃後の描写が疎かだとションボリしちゃうクチなのですが、こういう「兵隊だけでなくそこで生活してる人」がちゃんと描かれてるのはホっとしてしまう。
それよりなによりビックリなのは6話で登場した借金取りの再登場!
6話では「ひょっとしたら親父殺害の犯人に仕立て上げられてるかも?踏んだり蹴ったりだなぁ」と同情は寄せつつも、所詮その回限りの捨てキャラだろうしと思ってそこまで肩入れはしてませんでした。
時系列よく分からないので6話の後なのか不明だけど、再び元気な姿を見せてくれて安心しました。
でもってこれも6話から気付いてたけど広川太一郎ボイスじゃーん?
1回限りの捨てキャラならまだしも、もしこれからもちょくちょく出てくるようであるなら…この作品の批判書けなくなってまう!(現状書く気は無いけど)
世代的にねぇ…あの声をまた聞けるというだけで涙腺緩みまっせ。
しっかしなんで広川太一郎?モーコン(これは自分の勝手な思い込み)といいこのスタッフのセンス物凄いかも知れない。

ところで自分は滅多に声優については言及しないんですが広川太一郎ついでにちょっとだけ。
ベア子登場時、3話前半までキャンキャンうるさくて「ちょっとイヤだな」と思ってたのだけど、それは後半の変声機使った時の対比を引き立たせるためワザとそうしてたんだ、と最近になって思うようになりました。
序盤に感じたうるささがいつの間にか気にならなくなってるので多分意図的だったんだろう、と。
よくある話、第一印象がマイナスからスタートだと0に戻っただけでも好印象に錯覚するというヤツのせいか、ベア子もかなり好きになってたり(一番はちせだけどねー、インパクトが異常だったので)。
そこまで狙ってやってたとしたら…ひょっとして音響の方って凄い人だったりする?

で、肝心のちせですが、勤勉くんか!ついでにこれは…塚原卜伝か?
ああいった世界なので人種差別どうなってんだろ?と思ったけど別に日本人だからといって差別はされてない?
5話で大人達が奇異な目で見られてたけど、あの土下座っぷりは特殊な局面だったのか武士だか政治家がああってだけで、民草は至って普通なんかね?
いや~今後も活躍が楽しみですが…借金取りの再登場はあるのかどうかも気になり出したりしちゃったりなんかしてー。


余談・他サイトのネタを拝借してるため問題がある場合は消します
なんでまた広川太一郎が?と思い、ついつい考察サイトを覗いてしまいました…考察なだけでネタバレは無いのでダメージは無いかな。
そこでちょっと気になる点があったのでここでちょいと。
OPの花についてなのだけど、
ちせ  :梅
アンジェ:ユリまたはキキョウ
ベアト :牡丹?
ドロシー:不明
となってて、多分ドロシーはオダマキじゃないかな?
花だけ見たらスイセンやヒメノカリスも候補に挙がるけど、葉っぱが三複葉ってことで。
問題はアンジェ。
自分はよく考えずにキキョウだと思ってたら、六弁なので違うかもしれないとのこと。
あそっか…かといってユリというのは違う気がする。
意匠化されてるとはいえひょんと突き出た柱頭が無いのはあり得ないというか。
じゃあ何かといえば、見た目だけで言えばバビアナが近いような…?
けどそんなの使うんかいな?あんまりマイナー…ってよりもドメジャーな物しかこういった所では使わない気がするんだが。
う~ん、なんか見落としあるのかのう。
ついでに言うとベア子は美女ナデシコだと思ってた。
これは歯車一個一個を花と捕らえるか花びらと捕らえるかの違いだけど…フォルム的にボタンはどうかな?
ボタンってアレよ?賭ケグルイのEDの背景にでんと描かれてるやつ(あっちは花札からの引用だろう)。

更にもうひとネタ。
カサブランカをユリの何たら~と書いてあったけど順序が逆。
ヤマユリ等を品種改良してできた純白の花にカサブランカって名前を付けた園芸品種。
野生には生えてないし作出されたのも1970年代、作中のメッセージとして使うには時期が違い過ぎる。
作中は単に命名由来の地名を指してるだけでユリは関係ないかと…「カサブランカの白い家」はちょっとフフッとなったけど。
{/netabare}

8話感想
{netabare}まさかの2話のネタバラシ。
てっきり「アンジェとプリンセスはずっと以前から入れ替わってた?」はクライマックスまで引っ張るのかと思ってたのでビックリ。
これは「そこまで引っ張るほどでもない」ってことなのか「クライマックスに相応しい山場は存在せず、淡々とした話が続く」ってことなのか?
まぁどっちでも良いし、ボンヤリとした部分を早目に明確にしてくれたのは親切心だと受け取ろう。
(自分は考察サイトを覗いてしまったので「やった睨んだ通りだったぜ」と喜ぶことはできませんでした。しまったなぁ…)
継承権上げるために身内同士の骨肉の争いをするのかと思ったけど、そっちには行かないのかな。

それにしても(作中の)現代でも孤児は居るけど、革命前は更に酷い有り様だったんやねぇ…。
単に史実を元にそう描いただけかも知れないけど、あれでは革命起きても止む無しと納得のできる描写で好印象。
やっぱり民間人描いてナンボだよ、ウン。

ケイバーライトを使って物凄い怪力を演出してたけど、発光は視聴者には見えてキャラには見えないのかな?
それと残念なことに広川太一郎は出ませんでした、2回で打ち止めかねぇ?{/netabare}

9話感想
{netabare}ちせメインで異文化ギャップを見せつつ世界観の掘り下げと今までのおさらいっぽい回。
多分異文化交流で最大のハードルは匂い、靴履きっ放しで足が臭い⇔納豆や糠が臭い、お互い臭い言ってて、美少女相手でも容赦のない姿勢は好感が持てる。
7話感想で日本人差別はどうなってるんだろ?と思ったら、差別以前の「よく分からない国」だったと判明。
いやぁ~こういう回は必要です、分かってるねぇ。
折角出身の違うキャラを一人ポンと投入したのだから、当然起こるべきことを当然のこととしてスラっと描いてくれるのは子気味いい。
そりゃあ目立つし、からかわれもするだろうて。
同時にプリンセスが継承権がそんなに高くない“らしさ”も上手く表現されてたと思う(高かったらちせへの挑発はすぐに止めたかと)。

まだNINJAは広まってない模様、下手にちせが活躍したら勘違いNINJAが流行っちゃいそう。
なんかあったら黒トカゲ星人よりも噂になりそうじゃない?NINJA。
ってか活躍する機会は今のところあんまり無いのね、スパイだったら仕方ないやね。
刃傷と人情かけてた気がする。
堀川公の邸宅は大使館みたいなものと思っていいのか?
弱小国扱いにしては立派な庭園に見えたが…。
それ以上に気になったのはちせの姉の存在、あれ、以前から触れてたっけ?
ひょっとして実在してない?
と思ったのも、手紙の内容が機密をぶっちゃけ過ぎてるから。
あの世界なら普通に検閲あるよねぇ…日本に住む姉宛てというより天国宛てな感じがした。
“きんつば”も含め、餡子って実は外国人は抵抗持つ人が多いと聞いたことがある、甘く煮た豆が信じられないとかなんとか。
ってことで振舞われたきんつばはちせにとってのみご馳走で、もしお土産に持ち帰っても糠漬け同様不評だったろうなぁと思うとちょっとクスッとくる。
あそうそう、安易にSUSHIを出さなかったのも好印象、時代的にあり得ないもんね(なれ寿司ならあるんだろうけど)。
SUMOUは言わずもがな、カン違いっぷり全開で笑うところだろうけど、どんなに珍妙に思えてもその民族の儀礼なら尊重するってのはこれまた常識…ってのはあくまで対等な場合で、プリンセスが弱小国の珍妙文化を実践してくれるってのはなかなか凄いことなんじゃなかろうか。
これでちせは篭絡されちゃったかなー?{/netabare}

10話感想
{netabare}8話で、2話で張った謎(アンジェとプリンセスの入れ替わり)をサラリと明かしたのはなんでじゃろー?と思ってたら、ナルホドねぇ。
委員長の憧れの相手…その相手が持つ憧れの部分──気張らず飄々とした感じか──は、真似しようとしたってそう簡単にできるものではない。
また真似しようとしてヘマこいて二重スパイしなきゃならないハメになったっぽい、薬に手を出した?
入れ替わって上手いこと演じ切ってる(真似てる)アンジュとプリンセスとの対比を明確にするために8話では早々にネタバラシをしたんだろうと推測。
同時に、入れ替わって演じ続けるのもいつか限界が来るかも?ってのを暗示してるようにも思える。

アンジェが犬小屋(じゃないけど)へワイヤー使って行く際、ベア子がなにか言おうとした内容は「なんでCボール使わないの?」って感じかと。
手の内を明かさない→委員長を疑ってるって伏線やね。
もしあそこでケイバー使ってたら逃走経路に電車は使わず、もっと面倒なことにになってただろう。
ケイバー使い過ぎると病気になるんで使用を極力避けてるのか?とも思ったけど、その件は掘り下げられないのかな。

鹿威しのシーン、池に浮いてる葉はオオオニバス、温室でないと栽培は難しい、ってことで室内庭園か。
そしてそれが何のためなのかはちせも知らず…くっそw着実にカン違い日本を広めてやがる。

いや~今回も楽しめました。
驚くくらい毎回しっかりとした内容で、一部では大河内チェンジリング説が飛び交ってる模様…ヒデー言われようだw{/netabare}

11話感想
{netabare}・植民地からの人員で結成された軍の一部に反乱の兆しアリ、プリンセスを旗印に掲げようとしている
これが11話始まる前に起きてた出来事だと思うんだ。
それとあの状況で「プリンセスをなるべく目立つように殺せ」ではなく「“暗殺”せよ」と命が下るということは…暗に「アンジェがプリンセスに入れ替わりなさい」と言ってるって解釈でいいのかな?
で、それを受けての11話の感想というか推測。
ゼルダの上司、ってかコントロールでいいのかな?の思惑について。

仮説1・反乱するにしても本物のプリンセスではなく息のかかったアンジェの方がコントロールしやすいってこと?
仮説2・わざと反乱させてその後「お前のプリンセスはニセモノでしたベロベロバー」として瓦解させる、反乱分子を燻り出して潰す作戦?
またはこれら以外。

要はLの更迭によってどっち側になってるのか自分には分からない。
ほほう、こりゃ次の話が気になりますなぁ…といいつつひょっとして大きな見落とししてる?という不安を抱きつつコレ書いてたり。
ってかね、単に戦争やりたいだけだったらCボール精錬技術盗めばいいんじゃね?(※)と思ってるので、内部の不穏分子粛清狙いなんじゃないかなー?と思ったり。
その一方であの時代に身の証を立てる手段ってあるんかいな?という疑問も。

それにしても継承権上位の連中出ないねぇ。
女王陛下自らでもいいけど「実は私も壁は要らないと思ってます」ってドンデン返しもありえる?と思ってるので。
あと気になったのは「プリンセスは始末した」と聞いて死体の確認をしないのはどうなんだろう。
ゼルダも何かウラがあったり?
…と、ここら辺は疑い出したらキリが無いですね。
いやぁホント次回が気になる。



4話より、共和国側はケイバーライトの小型化はできたけど実用化(実戦配備化)できるほどの精錬技術は無いらしい、一方で帝国側はその逆。
10話より、Cボールの配備はスパイでもごく一部止まり。
その問題をクリアして反乱軍に配備されたとかでもなければ反乱の狼煙を上げるのは早計な気が。
まぁ所詮は帝国内の内乱なので、共和国としては上手くいけば儲けもん程度で焚きつけただけだったりして。
Cボール自体が物語を左右する鍵となってるのかただの小道具止まりなのか…どっちでも良いけど現状では不明なため、予測は難しいのう。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}ああやっぱり、コントロール(の更に上、共和国上層部)は一枚岩じゃなかったってことか。
帝国で内乱起きればそれでいい、植民地軍がどうなろうが共和国側の腹は痛まないってことで扇動することにしたゼルダ・ジェネラル派と、それはアカンとする慎重派・L派に分かれてるってところか。
まぁやっぱり戦争おっ始めるならCボール大量生産からでないとちょっとアレよね。
恐らくジェネラルはあの後始末されただろうけど、共和国にタカ派(といっていいのか?)が残ってる限りゼルダはその手先として働き口があるのであんなに余裕綽々だったんでしょう。
日本としては帝国と共和国どっちに着くべきか決めかねてる状態なので、自分から仕掛ける気は無いが何かアクシデントが起きてくれた方が見極めやすいってことだったのかな?
なのでアクシデント(騒動)を未然に防ごうとするちせが堀川に諭されたってことなんだと思う。
ヤバいのはノルマンディにプリンセスの影武者が存在すること、共和国側にCボールがあることが知れてしまった点か。
スパイで一番ヤバいのは尻尾を掴まされることで、こりゃ大変だ~ってところでアニメは終わってしまいました。
2期やる気なのかね?ってか是非やって欲しいのだが。

充分面白かったけど、最後はちょっと物足りない感じだったかな?
・結局ゼルダの失態は死体を確認しなかったこと
・アンジェが会場に戻ってくるの早すぎ
→航空機で暫く飛んでたんでしょ?結構な距離離れてたと思うのだが…。
・10年前に入れ替わったネタを使い切れてない
→是が非でも壁を無くしたいという動機にはなるけど、別にそんな理由無くても昔出会ったことがあるってだけでも動機としては充分満たせるかと。
→イングウェイ少佐から鍵を奪ったのは10年前まだ乞食だった頃に培った技で「こんなところで活かせるなんて」くらい言わせれば良かったんじゃないかなー?
→その場合、鍵はすぐには取り戻されずに最後まで引っ張る展開にしないといけなくなるが。
・さすがにちせは対Cボール用の技を編み出しては居なかったか
→そこまでやってたら「ああ、日本はどっちつかずで場合によっては簡単に掌返す勢いなんだな」ってのに深みが増したんじゃないかな。
・これは追及してもしなくてもいいことだけど、そもそもアンジェとプリンセスがソックリな理由も…できたらあった方が良い様な?

と、突っ込み所が無い訳ではないけど、総じて充分楽しめました。
なにより序盤ちせのモーコン勘違い、中盤の広川太一郎で中ダルみ回避は個人的にはお見事と言わざるをえない(どっちもオッサン向けのような…)。
あと2話で張った謎を8話であっさりバラすのもビックリでした。
それだけに終わり方がねぇ…やっぱり2期っすか?2期に期待ってことっすかねぇ。{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

飛び立つの~ モロッコへ~

オリジナルアニメって良いね(^^)


2018秋期『RELEASE THE SPYCE』観てた時に比較対象としてちょくちょく挙がってた本作。
ハードだよ、と聞かされつつもキービジュアルはいたって平凡。視聴を後回しにしてましたが劇場版控えた?再放送にて視聴しました。これきっとサムネで損してます。

19世紀末起点のスチームパンク作品。技術特異点は「ケイバーライト(重力遮断物質)」。このなんかすごそうなものをきっかけにあれやこれやの末、革命で東西に分断された架空のロンドンで暗躍するスパイたちの物語です。
現実のベルリンに「Checkpoint Charlie」通称「壁博物館」というのがあります。
勢力の境い目は常にインテリジェンスの最前線であるためきわめて妥当な設定。版図を広げた結果 “王国” と “共和国” に分裂した本作の舞台 “ アルビオン王国 ” のモデルはイギリスです。
イギリスといえば「007」を真っ先に思い浮かべますね。向こうは色男でこっちはJKです。指令役、向こうは“M”こっちは“L”。サイズアップしたことで一匹狼から五人組に変更が加えられております(嘘)。


結果、、、めちゃくちゃ面白かったです。
身も蓋もないハードな内容ですが、物語の柱となる主要キャラ二人の因縁に焦点をあてると、けっして後ろ向きではないメッセージが伝わってくるのがよい。
混み入ってるため整理がてら久々にあにこれ準拠で評価すると、


■物語
製作スタッフ曰く

「アニメ的に盛って作っています。綿密に考えているところと、わざとガバガバに見えるように盛ってあるところは強いメリハリをつけています。」

じゃあそういうことで(笑) 
全体のトーンはハードなんですけど力抜くところとのバランスが絶妙でごりごりの鬱展開手前でおさえる演出は見事でした。


■声優
可もなく不可もなく。主要キャラ五人組は以下。

 アンジェ(CV今村彩夏)
 プリンセス(CV関根明良)
 ドロシー(CV大地葉)
 ベアトリス(CV影山灯)
 ちせ(CV古木のぞみ)

私の場合どなたのお名前も存じ上げず、そのことがむしろ人知れずな存在であるスパイを体現しているかのように感じられました。
またアンジェ役今村彩夏さんは既に声優業を引退されたとのこと。続編を不安視する向きもあろうがきっと代役がしっかりこなすのでしょう。人知れず消えても何事も無かったかのように代わりの者が任に就く。スパイ稼業とシンクロするなぁと一人感慨に耽ってしまいました。ファンの方ごめんなさい。


■キャラ

アンジェとプリンセスをある意味超越した存在に仕立て、人間くさいドロシー、なごみとガヤ担当のベアト、ギャップボケのちせと緩急つけたキャラ配置。
そしてノルマンディー公や「コントロール」の面々。ハードな世界観を死守しました。いい塩梅です。


■作画

のっけの1話。架空ロンドンの街並みの妖艶さ。続けて2話。パーティーでのカメラワーク。そして緊迫感をともなうカット割り。正直文句はないです。そもそも技術の巧拙はよくわからんし。


■音楽

梶浦由記案件は無条件に5.0点!ドラマティックな劇伴の印象が強い梶浦氏。本作では緊迫のやり取りや潜入の緊張感を高める作曲。いわんや「志村後ろ~」を盛り立てるかのような楽曲たち。
OPEDは自分的には佳作。日本語でやっておくれ~、、、ただしOPアニメーションは秀逸。
{netabare}5人のワンカットが見事に各々のキャラを表わしています。黒蜥蜴星人からアンジェに切り替わってプリンセスに手を伸ばすカットからのツイストさせて銃爪をひくまで一連の流れがなかなかのメタファー。{/netabare}


概観するとこんな感じです。
以下はネタバレ込みで視聴済の方向け。


■非情をしっかりと描く

非情な世界で友情を貫けるのか?
保身に走ってもおかしくない状況でどう振舞うかは作品の見どころでした。説得力を持たせるためにハードな描写は必要不可欠だったのです。

{netabare}さっそく1話で襟は正されます。あ!死ぬのね・・・を目の当たりにして作品の方向性がわかる仕掛けです。過剰なまでに “ 嘘 ” というセリフを言わせて頭脳ゲーム的展開を想起させる良い導入でした。そしてセリフとしての “ 嘘 ” は2話以降控えめになってます。うさんくさくならない手前でやめといて正解だったと思います。{/netabare}


{netabare}作戦がどういった類のものかに着目してみました。

1. 亡命幇助(西→東)
2. 建造計画流出阻止
3. 共和国紙幣原版の回収作戦
4. 王国で“ケイバーライト”小型化成功
5. 共和国寄りの要人暗殺者の特定
6. 王国外務省の暗号表奪取作戦

どれもパワーバランスを崩すインパクトのあるものばかり。使い古されているとはいえチンケな作戦はありません。とりわけ3.4.6.は力関係が逆転するほどのものです。{/netabare}


{netabare}1話完結タイプでその1話内で伏線提示と回収を済ませるテンポの良さにも感心しました。非情さの面で一例を挙げると、委員長回(第10話)の「さよなら」の使い方ですね。

冒頭。養成所時代のアンジェの回想
「基準に足りないと判断された子はある日突然いなくなってしまう」「だからさよならなんて言ったことなかった」

時は流れて委員長 (*´Д`)
「さよなら ドロシー」

養成所同期でアンジェに続いて万年2位だった委員長。彼女が求めたのがどうあがいても辿り着けない才能ではなくどうやっても真似できない生き方というのがなんともせつなく、クスリに頼るような優等生の弱さを見抜いていたアンジェがかけたせめてもの優しさだったかと思うと震えます。

「どいつもこいつも、ウソつきばっかりだ」
ヘタに泣き言を言わないだけにドロシーの胸中も察して余りありますね。特殊EDが涙を誘った父親回もそうですがこのアニメはドロシーに厳しすぎます。{/netabare}


■ベアトリスとちせの効用

ほっこり担当の二人。鬱ストッパーとして活躍しました。二人のいないプリプリは想像できません。

{netabare}なかでもベアトのポンコツシーンが良くてそれを見せるために(嘘)、アンジェの飛行機潜入(第3話)とドロシーの死体漁り(第7話)などペア組み作戦では必ず帯同していたのを忘れてはなりません。{/netabare}

{netabare}ちせは五人揃っている場面で波風立たせる役回り。ペア作戦がない分ちせ回 を用意してバランスを取ってたような気がしてます。{/netabare}

{netabare}セリフ回しでもいい感じで脱力できるシーン多々。

・「(日本では神は)山に川に厠にまでおるからな」 第5話ちせ
 →それって『トイレの神様』ってこと?w{/netabare}




こうして描かれてきた非情さとほっこりといった「緊張」と「弛緩」のバランスの上に立って物語の主軸となすのはアンジェとプリンセスの因縁の関係。
数奇な運命を辿った二人がお互い難しい立場ながら相手を想い続けられるのか?
この運命の濁流に飲み込まれ翻弄されるタイプの物語は控えめに言って大好物な私です。

{netabare}「その子が壁をなくしたいって言った時どういうことかわからなかったけど辛い事や悲しい事がなくなるなら本当にそうなってほしいって思った…」
「でも私がそのチャンスを彼女から奪ってしまったの!だから私が代わりにこの国を変えるって誓ったんです!」

プリンセスの命を懸けた訴えです(第11話)。前の回での「私の人生をあなたのおもちゃにしないで!」とアンジェに吐き捨ててからのこれですよ。尊いったらありゃしません。{/netabare}

{netabare}My turtledove,
Run and live
as Ange!

「アンジェとして生きて!」脱出用パラシュートに残されたプリンセスのメッセージも芸が細かい!{/netabare}



期待値を大幅に上回った良作でした。ご都合展開は当然あるしラストは急いで畳んだ感も残ります。
しかしながら作品から受け取るメッセージに共感できる部分が多く、マイナス要素は不問としました。要は手のひらで踊ったわけです。
大きな力に抗うかのようなさまは、『踊る大捜査線』の室井管理官と青島刑事との関係性に近いものを感じたりもして自分的にはどストライクな一品でした。お薦めです。



最後に、、、

{netabare}「カサブランカに白い家を用意したの」

 Casa(家) blanca(白){/netabare}

やっぱりこの作品はどこまでも洒落てました。




※以下自分用整理メモ

ほんとやめて~の時系列シャフル。
まるで2期前提かのような時系列ミスリード

#01 case13 Wired Liar
#02 case1 Dancy Conspiracy
#03 case2 Vice Voice
#04 case9 Roaming Pigeons
#05 case7 Bullet & Blade's Ballad
#06 case18 Rouge Morgue
#07 case16 Loudly Laundry
#08 case20 Ripper Dipper
#09 case11 Pell-mell Duel
#10 case22 Comfort Comrade
#11 case23 Humble Double
#12 case24 Fall of the Wall

空白のエピソードがあるのかないのか?

{netabare}時系列で整理すると以下のとおり。TV放送と円盤とで話順もちがっていてややこしい。

#02 case1 チェンジリング作戦始動 アンジェ転入 王女と接近 建造計画流出阻止
#03 case2 共和国紙幣原盤の回収作戦 Cボールまじ無双 ベアト融和的に
 ★A case3~case6★
#05 case7 ちせと残り4人との初対面 ちせさんマジ五右衛門からの十兵衛討伐
 ★B case8★
#04 case9 王国で“ケイバーライト”小型化成功 王女の身分利用でパーティ顔パス 
 ★C case10★
#09 case11 ちせ担当学園回 ちせ融和的に
 ★D case12★
#01 case13 亡命幇助(西→東)の話 キャラクター紹介
 ★E case14~case15★
#07 case16 共和国寄りの要人暗殺者の特定 洗濯工場潜入
 ★F case17★
#06 case18 王国外務省の暗号表奪取作戦 ドロシー担当潜入回 ベアトと一緒に死体漁り
 ★G case19★
#08 case20 重要回 アンジェとプリンセスの馴れ初め
 ★H case21★
#10 case22 委員長二重スパイ プリンセス暗殺指令
#11 case23 ゼルダ登場 お買いもので巻く
#12 case24 ラスト


虫食いは8箇所で12話分と見てとれる。劇場版で6編描くみたいなので楽しみにしとく。
間を埋めるエピソードなのか?case24以降を描くのかは不明。 {/netabare}

{netabare}想定はこちら↓

★A case3~case6★:どこかでプリンセス(王国側)とコントロール(共和国側)とでの合意事項を描いておく必要がありそう
★B case8★:case9での初潜入前にプリンセスのスパイトレーニング描写がないと不自然かも
★C case10★:チームの信頼を勝ち取ったプリンセスの後日談もしくはちせが客人扱いされて疎外感を感じる話が欲しい
★D case12★:五人組が相互に信頼を寄せあえるようになってからの初回。スカッとするようなチームアクション希望
★E case14~case15★:どっかでノルマンディー公の人となりの話がほしいな
★F case17★/★G case19★:1.王国(ノルマンディー公)への情報流出っぷり 2.クーデターの萌芽 ・・・終盤の展開から逆算すると説明不足だった箇所
★H case21★:いかようにでも・・・アンジェとプリンセス再開するまでを深掘りするのが無難。二重スパイを思いっきり悪役に描くとかヤク漬けにする鬼畜プロセス描写などもあり。{/netabare}



視聴時期:2019年7月~2019年9月 地上波再放送

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2020.03.11 追記

アンジェ役後任の古賀葵さん。まんまアンジェでした。劇場版も楽しみですね。

{netabare}「レビュータイトル『世界でいちばん熱い夏』っしょ?」{/netabare}

二重三重に隠した慎ましいボケを言い当てた○○さん、さすがです。
引き続き宜しくお願い致します。


2019.09.04 初稿
2019.09.27 修正
2020.03.11 追記

投稿 : 2024/10/05
♥ : 61
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最終話&総評 傑作ではないが良作

このサイトのあてになるのかわからないランキングで1位になっていたので、見ることにしてみた。

第1話、第2話 いろいろ含みがありそうだけど
{netabare}
作画やキャラデザは文句なし。設定はやや複雑だけど、伏線をちゃんと回収して、ストーリーもそこそこ。注文をつけるなら、つづきが気になる終わり方をしてほしい。
絶賛するほどではないが、今期のアニメではいいほうだと思う。ゲームにはなってそうだけど、オリジナルかな。

西側が共和国で、東側は王国。王国のほうが強大なのだろう。アンジェたちは共和国側で、スパイとして王国側の学校に潜入中。
プリンセスは王位継承の順位が下のほうで、トップに立とうと奮闘中。そのためにアンジェに近づいた。だけど、アンジェとプリンセスは幼いときに知り合っていた……。こんな感じでいいのかな。

こういう展開だと、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってるんじゃないかって深読みしたくなる。アンジェとプリンセスの容姿が似ているのは、ただの偶然なのか、とか。

今後は、アンジェがプリンセスになりきって、王国に潜入する展開になるのか。でも、プリンセス自身がすでに肝が据わっているようにも見える。
いろいろ含みがありそうだけど、あまり期待せずに見ていきたい。
{/netabare}

第3話 主要キャラの背景を予想してみた
{netabare}
・アンジェ
プリンセスとは姉妹。東の王国側で生まれたが出生に秘密がある。命を狙われているため、西側に逃れた。王室の親族であるにも関わらず虐げられた経緯があり、王室を憎んでいる。
「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのはプリンセスというより、王室に対するもの。アンジェの目的はプリンセスと入れ替わり、プリンセスを消し去ること。だから、プリンセスに「一緒に逃げよう」と言った。

・ドロシー
二重スパイ。王国側のスパイで、コントロールの居所を探り、壊滅させるのが目的。成功したら金銭や地位を約束されている。裏で糸を引いているのはノルマンディー公。だけど、約束を反故にされたうえに命まで狙われる。結果、両方から追われることになる。

・ベアトリス
二重スパイ。共和国側のスパイで、プリンセスに接近し、さらに地位の高い人物を狙っている。ただし、彼女自身にスパイの自覚はなく、機械によってコントロールされたりする。裏で糸を引いているのはドリーショップ。

・プリンセス
女王になることでなく、ケイバーライトを消滅、または均等に分け与え、世界のバランスをただすのが目的。そのためには女王になる必要がある。

現時点ではこんな感じ。二重スパイはありそうだし、プリンセスも嘘をついている気はする。
アンジェとプリンセスの容姿が似ている点は、何度かセリフ等で出ているので、伏線の可能性は高いが、ミスリードかもしれない。
{/netabare}

第4話 とくにオチはなし
{netabare}
毎回、オチがあると思ったけど、今回はなかった。
王国は共和国のように小型化には成功していなかったけど、飛行戦艦は製造できて世界を凌駕している、と考えればいいのかな。飛行機あるならじゅうぶんだろって思ったりするけど。設定が複雑で把握してないとわからなくなりそう。

プリンセスが二重スパイとは考えなかった。ひねりがないから。あるなら、王国でも共和国でもない三重スパイか。
情報をリークした人物がわからずに終わった。最後にアンジェがドロシーをチラ見してたのが気になるけど。

ドロシーが二重スパイで王国側の命令で動いていると予想しているけど、ドロシーがプリンセスを二重スパイと疑うのは不自然か。二重スパイ同士、味方ってことになるから。ドロシーは共和国側の人間だけど、王国側に寝返っているという設定ならいいか。書いててわけがわからなくなってくる……。
{/netabare}

第5話 オチはわかった
{netabare}
車両を切り離すのはやりそうな気がした。映画ではよくあるので。切り離されたほうにいて車で追いかけたりする。オチもわかった。ちせを裏切り者と呼んでいたから。

わかりやすい話だったけど、面白かった。ちせのズロース(?)も和洋折衷でよかった。

わからないのは、なぜ、話の順番を入れ替えているのか。ややこしいだけで、それほどメリットを感じない。伏線なのか、変わったことをしたかっただけなのか。
{/netabare}

第6話 ドロシーのエピソード
{netabare}
よくある泣ける(でもないか)話。そんなことしゃべったらフラグ立つぞって突っ込んでいた。
もともとドロシーは王国側の人で共和国に逃げてきた。共和国のスパイになって王国に戻っている……でいいのかな。このアニメ、設定は複雑。

スパイらしい活動はしているが、緊迫感や緊張感が乏しい印象。
case18とする必要があるのか疑問。普通、第18話になったら、かなり話は進んでいると思うんだけど……。
{/netabare}

第7話 伏線?の回収
{netabare}
ちせが弾丸をよけたところが面白かった。それ以外は普通。オチもなかった。バッドエンドになりそうな雰囲気はあったけど。
前回(case18)の借金取りがまた出てきた。今回(case16)のエピソードのほうがさきになる。前回、ドロシーが借金取りを見てハッとなった伏線(と言うほどでもないが)が回収されている。

case1~case18まではキャラクターの裏事情のエピソードで、話はそれほど進んでいない気がする。
次回はcase19以上だと思う。1クールアニメならそろそろ結末に向かわなければいけないので。
{/netabare}

第8話 この展開はあると思った
{netabare}
最初のレビューで、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってると深読みしていた。ありがちな展開だけど、面白かった。これがないと、味気ない。

アンジェ=シャーロット(プリンセス)、プリンセス=アンジェ、でいいのかな。ややこしいので、いままでどおりで。
アンジェの髪の色が気になった。意図的に染めているのか。子供のころは金髪だったので、二人が姉妹の可能性も高くなったか。

第3話で、アンジェが「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのは、自分自身ということになる。このセリフが入れ替わりの伏線だった。アンジェの言っている黒とかげ星は、王国のことを指しているのかも。
いままでの話を入れ替えて見直すと、面白いかもしれない。
{/netabare}

第9話 ちせのエピソード
{netabare}
ほのぼのと始まり、ちせの決闘という展開。ちせのエピソードがあってもいいけど、もっとまえに入れるべきじゃないか。
前回の入れ替わりに繋がるところは、アンジェの表情に影が差したくらい。

スパイものとしても物足りない。仲間を見捨ててミッションをつづけるか、といった緊迫したものを期待していた。

これまでの話をcaseで並べてみる。

case01(第2話)プリンセスとアンジェの再会
case02(第3話)紙幣の原版ミッション、ベアトリスの声の秘密
case07(第5話)ちせが仲間になる
case09(第4話)小型化ケイバーライトミッション、リークは謎
case11(第9話)ちせの決闘
case13(第1話)王国の研究者を共和国へ逃がすミッション
case16(第7話)洗濯ものミッション
case18(第6話)ドロシーのエピソード
case20(第8話)プリンセス、アンジェの入れ替わり判明

なにかあるかなと思ったけど、なにもないなあ……。リークした人物がまだ謎のままだけど、たぶん、ドロシーだろう。
{/netabare}

第10話 終盤なのに意外と普通の話
{netabare}
ドロシーが関係するエピソードはバッドエンドになるなあって思った。
遊園地を絡めたオチはよかった。アンジェではなく、ドロシーに持っていくのはありがちな展開だけど、このアニメはうまく描いているので、ありがちだけど楽しめる。

一話完結として見ると秀逸ではあるが、全話で一つのストーリーと思って見ているせいか、ちょっと物足りない。せっかくの入れ替わりが生かせていない。次回は期待できそうではあるが。
{/netabare}

第11話 最終回を予想してみた
{netabare}
シャーロットが女王になって終わる。

これは普通にありそうな結末。
残り1話でアンジェがシャーロットだと説明する尺はない。簡単に済ませるにはこうするしかない。

現女王は、入れ替わりに気づいている。

身内なら当然である。気づいたなら放っておくはずがないので、

"チェンジリング作戦"は王国側が考えたもので、シャーロットを取り戻すのが目的だった。

この作戦を共和国に持ち込んで円滑に進める王国側の人間が必要となる。

それが、ドロシー。

ドロシーは王国側のスパイで、いくつもミッションを成功させてきた。現役のスパイなので、養成所もパスできた。年齢の謎も解決する。みんなドロシーに騙されていたというオチ。

問題はプリンセス。アンジェの気持ちを変えるため犠牲になる可能性大。プリンセスの結末がこのアニメの印象を決めるだろう。タイトルの「プリンセス・プリンシパル」はプリンセスのことかもしれない。
{/netabare}

最終話&総評 傑作ではないが良作
{netabare}
最終話はあっさりしていた。
"Fall of the Wall"はじっさいの壁ではなく、アンジェの心の壁というオチだった。
このタイトルなら、プリンセスかアンジェが女王になって壁をなくすと思うよ。
もう少しひねりのある結末を見たかった。残り1話では仕方ないか。
水着(?)のラストから考えると、このアニメはミッションインポッシブルでなく、チャーリーズ・エンジェルのほうなんだろう。


総評

作画、キャラデザは文句なし。ストーリーもさいきんのオリジナルのなかでは一番いい。とくに第2話(case1)がいい。入れ替わりがわかってから見ると違った印象になる。これで終わってしまうのは惜しい作品である。

ここからは不満点。
山場と言えるのは、入れ替えの第8話。終盤にかけてこれを生かしたなら、もっと面白いクライマックスになった。

チェンジリング作戦が主軸なのに実行されずに終わってしまった。アンジェを王室に潜入させて、色々ミッションをこなすほうがよかった。

ホームページに説明まであるのに、ほとんど登場しないキャラがいたりする。その一方で、ホームページで紹介されないキャラを終盤の敵役にさせるのはどうかと思う。

スパイらしい活動が少なかった。仲間をとるか、ミッションをとるか、といったスパイにありがちな展開もなし。

メンバーのなかに一人くらい二重スパイがいてもいいと思うんだけど……。アンジェがドロシーを疑うようにチラ見したシーンはなんだったんだ。case順に並べたダイジェストがあるので、そこでなにかわかるかも。

二期がありそうな終わり方だったが、あまり期待できない。それに全12話でうまくまとめたほうが傑作は生まれる。傑作になり損ねた良作というのが全体の感想。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 10

71.0 10 入れ替わりアニメランキング10位
蟲師 続章(後半エピソード)(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (411)
2379人が棚に入れました
それは何処であったか、何時であったか。
白き髪と緑の目を持つ少年は、
世と生命の“理”を──そして己が居るべき処を照らす光を知った。
(第十一話 「草の茵(くさのしとね)」より)

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

蟲師もついに残すところと一話・・・ラストは劇場版で!

蟲師続章分割2クールの後半になります
大分前にアニメ化された作品の
一期アニメ化以降原作完結までをアニメ化する企画がこの続章
続章の前半ラストエピソードは「棘のみち」で後半ラストは「鈴の雫」だろう
という放送前の予想は結局どちらも外れることになりました
前半に関してはスケジュール遅延からの総集編再放送
というあんまりな理由でしたが
後半ラストと予想していた鈴の雫は
劇場版として2015年初夏に公開されるという嬉しい誤算

2期に合わせて書き下ろされた「日蝕む翳」を除けば
「鈴の雫」は原作のラストエピソードに当たる話です
もっとも他の話同様オムニバス形式で発表された一篇に過ぎないので
完結だからと気負って見に行くと肩透かしを食らいそうですが
それでもやっぱり作品の〆になるだけあって
蟲師という作品を理解するための重要なエピソードなのは間違いありません

「鈴の雫」が劇場版になるおかげで
代わりにTVシリーズのトリを務めることになったのは
原作でそのひとつ前のエピソードにあたる「香る闇」
ではなくさらにひとつ前の「常の樹」でしたが
そのラスト二十話へ持っていくまでの流れが実に秀逸でした

十四~十六話で「隠り江」「光の緒」「壺天の星」
十七~十九話には「水碧む」「雷の袂」「泥の草」
家族の絆、親子愛、友情といったものがテーマになった話を
原作の順番を無視して6話並べてあります
前半の3話では暖かいハッピーエンドを見せた後
後半は同じようなモチーフで後味の悪いラストを迎える話が3連続
その上でラストの「常の樹」は
「水碧む」同様蟲と同化していき
「雷の袂」のように家族との不和が描かれ
「泥の草」と同じく足が動かなくなった男の話
これまで一月バットエンドを見続けてくれば
いろいろヤバイフラグが立ちまくりなのに気が付きます
そしてそこからのあのラストですから
ぐっとくるものがありました
(まぁ実のところは原作組なので結末は知っていたんですけどね)

続章前半クールはやはりバッドエンドが足りませんでした
きれいなハッピーエンドや凄惨なバッドエンド
そのどちらともつかないような何とも言えない終わり
それらがごちゃ混ぜになっているのが蟲師の魅力の一つです
続章前半には後味の悪い話が少なすぎてやや淡白な感じを受けました
後半クールはそれを見事に解消できたといっていいでしょう

逆にいまいち改善が見られなかった点は子役の扱いに関してです
上手い子役は本当に上手いのですが
気になって話に集中できないレベルの子が交じってます
子供役は子役にやらせるべきというのが基本方針のようですが
子役の声優起用は博打なんですよね
大人の声優に比べて演技指導で何とかできる部分が少なく
年齢的に長時間拘束することも難しいですから
上手くいかなかったら上手くいくまでリテイクってわけにはいかないんですね
今回の後半クールでも明らかに子役が足を引っ張ってる場面がいくつかありました
ただ、プロ声優を使えば必ずしもうまくいくわけでもないですね
実際「水碧む」の少年だけは子役を使わず
潘めぐみが起用されていたわけなんですが
H×Hのゴンのイメージが強すぎてこれはこれで微妙・・・

なお前半クールではやけに多かった座談会ですが
今回は放送開始直前に一回あったっきりです
スケジュール遅延で何回も放り込まれても困りますが
無きゃ無いでなんかさみしい感じですね
まぁきっと次の劇場版封切り前とかに
また特番組んでくれるかなぁ?

投稿 : 2024/10/05
♥ : 16
ネタバレ

雪だるま* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

12話まで視聴(未評価)

◎ジャンル:怪奇、ファンタジー
◎放送時期:2014年10月~

●スタッフ、ストーリーは前半のレビュー参照
→http://www.anikore.jp/review/882067/

■総評■
※原作 アニメ終了部分まで既読。

(全話視聴後に更新予定)

■好きなキャラクター■

(全話視聴後に更新予定)

■各話感想■
【11話】
{netabare}時系列はヨキが常闇に囚われ、ギンコになった後。
山中で倒れているところを蟲師・スグロに拾われ、寿命が近い「山の主」に代わり新しい主が誕生するのを待っていた中、その主の声に引き寄せられ山中に入ったギンコが新しい主の卵を割ってしまったことで山の理が途絶し、村を閉じる事になった…という話。

家族やヌイとの記憶もすべて失い、他の蟲師からは体質を利用されるが災いを呼べば厄介払い。
そんな中で存在価値を失ってたギンコだったけど、主と光脈に生きることを許された。

さらに最後のスグロのセリフで、ギンコは一貫して救われたんだなぁと。
『この世で、いてはならない場所など誰にもない。』
『この世のすべてが、お前のいるべき場所なんだ。』

今のギンコが蟲や人間を含め、蟲師としてこの世の生を繋ぐ存在となるルーツが知れた、貴重な回だった。
蟲タバコはスグロが教えてくれたものなんだね^^

スグロの声が中尾隆聖さんだった。低音で落ち着いた、素敵な演技だった。{/netabare}

【12話】
{netabare}花の香りで誘い込み時間を歪める「廻廊」という筒状の蟲の洞穴を潜ったことで同じ時間(それまでの人生)を何度も繰り返していた男性・カオルの話。

時折 花の匂いを嗅ぐと『前にもこんなことが…』と思い出しそうになるけど思い出せない。
不安が募った先で訪れたギンコに打ち明け、『けしてもう一度潜ろうとは考えるな』と忠告を受け入ることを止まる。
しかしその後 奥さんの郁が山奥で転落してしまい、郁を救おうと再び廻廊に…
最後は郁までもがループの中にってことなんでしょうね^^;

久々に蟲師らしい後味の悪い内容だった。
『過去を変えたいとは思うが、それよりもその先が見たい』と言った時にハッピーエンドかな?と思ったらやられましたw

カオルはあの後、廻廊と同化してしまったんだろうか?
その先をもう二度と見ることが出来ないのかと思うと辛いけど、カオルにとってはたとえそれが「悪夢」であっても「幸せな悪夢」だから、ハッピーエンドってことになるのかも。

最後、ギンコが再び同じように訪れ、そして静かに響く雨音に乗せてのED。
この流れが余計に不気味さを煽って怖かった。

それにしても今回カオル役に古川登志夫さん。
なにげに豪華キャスト続きだ~
郁役の柿沼紫乃さんとは、なんとリアル夫婦らしいです。{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ただ生きるために」

この作品は、これまで1期、日蝕む翳、そして続章の前半と視聴を続けてきました。
圧倒的な作画とSEのクオリティーは、1期から着実に向上してきているので、視聴を楽しみにしてきた作品です。

人と蟲・・・普段はお互いの領分で慎ましく活きているだけ・・・
でも、この世という場所に両者が存在するということは、例え曖昧だとしてもお互いの接点は必ずあるんですよね・・・
普通に生活していれば、決して足を踏み入れる事の無い境界の狭間・・・
何の因果なのか人も蟲もそこに迷い混んでしまい、お互いが結び付いてしまう・・・

それが良いことなのか、それとも悪いことなのか・・・
一概に括れないところにこの作品の旨みが凝縮されているように思います。

でも、大概はちょっぴり淋しいです・・・じゃなかったら、お互いの共存の道がもっと早くから模索されていたことと思います。

結びついたお互いは決して多くは望みません。
望みはただ一つ、生きたいと思い生きるために行動すること・・・
ただそれだけ・・・

でもお互いが結びついたその先にあるのは、ただそれだけの願いを持つことすら難しい世界・・・
人はコミュニケーションにより状態を訴えることができますが、多くの蟲にはコミュニケーション能力が皆無・・・だから痛いのか、苦しいのかすら分かりません・・・
中には声にならない叫びを発していた蟲もいたかもしれません・・・

人と蟲が接する世界であるからこそ、蟲師の存在はとても大切です。
蟲師の多くは人を助けてくれますが、蟲により近しい存在であるからこそ時には断腸の思いをしたこともあったことと思います。

それでもギンコには蟲が集まってくるといいます・・・
蟲にとって蟲師の存在とは何なのでしょう・・・?
忌むべき者・・・? 安息をくれる者・・・?
それとも自分達の存在に気付ける蟲師に何かを伝えたがっているの・・・?

こんな事を考えながら視聴しましたが、後期の10話もあっという間でした。
終盤になると、この作品が終わってしまう事に対する寂しさを感じながらの視聴でした。

この作品は「原作が面白いんだから、それだけを見て、忠実に映像化する」
というコンセプトを掲げてアニメ化されたそうなのですが、極めて納得できる作品でした。
個人的には、もう一度淡幽さんの登場を期待していましたけれど・・・^^;

族章は前期10話、後期10話に「棘のみち」を加えた計21話でしたがしっかり堪能させて貰いました。
そして今夏には「鈴の雫」が上映されるとの事です。
この「鈴の雫」は最終エピソードだとか・・・どの様に纏められるのかがとても楽しみです^^

投稿 : 2024/10/05
♥ : 32

67.6 11 入れ替わりアニメランキング11位
信長協奏曲(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (482)
2156人が棚に入れました
ごくごく普通の今どき高校生サブロー。そんなサブローがひょんなことから飛ばされたのは、なんと戦国時代! そう、彼はタイムスリップしてしまったのである。自分の人生に日本の歴史なんてこれっぽっちも関係ないと思っていたサブロー。そんな彼がこの時代で出会ったのは、あの織田信長であった。歴史上とは似ても似つかないほど病弱な信長に、更に驚くべき頼み事をされる。それは、信長とサブローが入れ替わることであった…
乱世で生きることとなってしまった平成育ち信長の、奔放奮闘記!!

声優・キャラクター
宮野真守、梶裕貴、水樹奈々、中村悠一、悠木碧、興津和幸、小山力也、浅沼晋太郎、三宅健太、高橋伸也、緒方賢一、福山潤、櫻井孝宏、木村良平、杉崎亮、吉野裕行、村瀬歩、杉田智和、黒田崇矢、内山昂輝、清川元夢、秋元羊介、小栗旬
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

絵はアレだけど、面白い!! 下手な大河ドラマより、感動作だった。音楽が抜群にイイ!!

「乱世で生きることとなってしまった平成育ち信長の奔放奮闘記!」

主人公・サブローは高い塀から足を滑らせ転落したことをきっかけに、戦国時代(1549年)へとタイムスリップしてしまう。


【まず結論から】
日常系萌えアニメやロボットバトルアニメしか観ませんとゆう方には、無理には薦めませんが、
実写の映画やドラマを観て普通に感動できる方なら、面白くて、感動できる作品だと思います。
とにかく、絵が理由でこの作品を観ることを迷っているなら、もったいないです。

あとは、長々と書いているので、隠しているところは、読んでやってもいいと思ったご興味のある方だけ、読んでやってくださいませww


◆1話~4話まで観た印象
{netabare}
#1 サブロー信長(↓あらすじだけ)
{netabare}歴史に興味がないイマドキの高校生サブローが戦国時代にタイムスリップ! そこで出会ったのは自分と瓜ふたつの「織田信長」だった! 聡明だが病弱な信長は、サブローに自らの身代わりを頼むが…?
{/netabare}
#2 諌死
{netabare}信長として生きることになったサブローの破天荒ぶりに、尾張では「殿はうつけ」と評判。今川義元のスパイ・伝二郎は家来になって織田家潜入を試みるが、家老平手に見抜かれ門前払いをくらう。
{/netabare}
#3 美濃のマムシ
{netabare}「マムシの道三」と恐れられる妻・帰蝶の父と初対面するが、意外な展開に。別れ際、道三はサブローにあるものを託す。道三と息子・義竜の戦が勃発し、サブローは援軍に向かうが…。
{/netabare}
#4 桶狭間の戦い
{netabare}4万の巨大勢力今川義元軍がせめて来る! 対する織田勢は3千! このピンチ、サブローは切り抜けられるのか? そのとき、伝二郎から名を改め織田家に潜入していた藤吉郎は…。
{/netabare}

まず、ED♪…疾走感のあるロック調の曲でカッコイイ
曲がカッコイイとアニメ全体のセンスがぐんとアップして見えて、
つい評価が甘くなっちゃう傾向あるけど。良作になる予感♪

キャラデザインも個性的で味があっていい気がしてきた。
それにキャラデザ以外は、丁寧で綺麗っぽい。
ロトスコープもキャラデザのおかげか、悪の華のときみたいには感じない。
「簡略なキャラデザイン×リアルな動き」は意外と効果的な使い方なのかも。

悪の華では、{netabare}おそらく全編実写の映像をそのまま絵に変換するような手法がつかわれており、役者の演技そのままが動きに反映されて、部分的な調整や手書きとの併用も難しかったと思う。
今回は、おそらくリアルな動きを再現したい部分的のみロトスコープを採用し、トレースする際にも調整ができるので、手書きの良さとロトスコープによるリアルな動きを適宜使い分かることも可能だと思われます。それもシンプルなキャラデザインが故、膨大なトレース作業が可能になり、手書き部分との切り換えも自然にできるのだと思う。{/netabare}

一見へたくそに見える絵も、これはこれでいいと思えてきました。
声優も豪華。みなさんも楽しんで演じているのが伝わってきます。

なによりお話は面白そうです。
原作は未読なのでわかりませんが、人気漫画らしいので大丈夫でしょう。
見て損はなさそうです。
{/netabare}

#5 らぶれたぁ(↓あらすじだけ)
{netabare}帰蝶の生まれ故郷「美濃」を奪取するため、元康(のちの家康)と同盟を結ぶ。一方、藤吉郎は虎視眈々と織田家転覆のための策を練るのだが…。サブローの動向を見守っていたひとつの影が動き出す。
{/netabare}
#6 明智光秀
{netabare}美濃を奪還したサブローの前に、意外な人物が現れる。その人物の手引きでサブロー一派は時期将軍に足利義昭を擁立し2回目の上洛を果たす。
{/netabare}
#7 信長を討て!
{netabare}大和の大名・松永久秀登場。その背中には意外なものが…? 竹中半兵衛も合流し、活気づくサブロー織田軍。一方、信長の妹・お市の嫁ぎ先である浅井家ではにわかに不穏な動きが。
{/netabare} 長政とお市のやりとりは、うるうるします。
#8 まさかの裏切り
{netabare}朝倉領に侵攻したサブロー織田家と徳川連合軍。しかし、金ヶ崎の陣営にてお市から不思議な包みを受取ったことで、事態は思わぬ方向に。
{/netabare}
#9 イバラの道
{netabare}ついに織田軍と、お市のいる浅井、朝倉の連合軍が対決。古くからの家臣である森蘭丸の父・可成は、宇佐山の城守備に奮闘するが、敵に比叡山延暦寺も加わり、絶体絶命の危機を迎える。
{/netabare} いいな、男のロマン!感動します。


◆9話まで観たけど、やっぱり面白い。
{netabare}サブロー以外は大真面目なやりとりが、逆に可笑しくてチョイチョイ笑えたり、にまにましちゃったりします。

サブロー信長は、回を重ねるごとに好感度アップしてます。
絵がアレでも、何故かとても凛々しくカッコ良く見えてくるから不思議。
見事な采配に臣下もサブロー信長を信頼してて、忠義を尽くす姿に胸があつくなります。

先は読めないのだけど割と王道の展開なので、とっても観やすい。
特に9話は、脚本も演出も秀逸で、男のロマンや色んなものがいっぱい詰まったいい回でした。
{netabare}森可成と森ブラザースには泣かされました。長政もステキです。{/netabare}

史実では信長の死は確定してるにしても、サブロー信長にはなんとかGoodエンディングを迎えて欲しいと祈ってしまいます。

お市がチャーミングですごく可愛いです。長政とお市のやりとりは、うるうるします。
蘭丸も目がくりっくりで、可愛かった。

OPテーマもカッコいいし、BGMがとても良くて、使い方が丁寧でとても上手いです。
戦闘に向かうシーンや感傷的なシーンは、情感あふれるBGMでドラマチックに雰囲気を盛り上げてくれるので、下手な大河ドラマよりもワクワクするし、感動できるかも。
音楽の横山克氏気になったので調べてみた。
{netabare}アニメよりドラマを多く手がけていて、最近では「福家警部補の挨拶」「アリスの棘」「ペテロの葬列」など。福家のEDテーマは印象的で、毎回、強烈な余韻を残してくれたし、ペテロも良かった。BGMの使い方が秀逸なのも、ドラマのような使い方をしてるからなのかもしれません。{/netabare}

EDテーマの入り方は、本当にいつもとてもいい所で入ってくるので、
余韻を残しつつも次回への期待が高まります!
この曲せいで、サブロー信長が5割増しくらいでかっこ良く見える(笑)
{/netabare}


◆本当に素晴らしい最終回でした。<ネタバレ注意>
{netabare}まさかの新キャラ登場などもあり、前半ではまた笑わせてくれましたww

そしてもうひとりの信長(ミッチー)との絡みからはじまるラストへのくだり、
ミッチー目線が中心で描かれますが、
{netabare}サブローの代役をした際の、帰蝶とのやりとり、
松永との謁見でサブローが未来から来たことを知るくだり、そして決意のもと比叡山へ…。
ミッチーのモノローグと、誰もがおお〜って思うだろう、二人が重なるシーン、
二人の信長の最後の会話、サブローの一言まで…。
{/netabare}
目の表情、シナリオ、声優の演技、演出、音楽、ED、すべてにおいて秀逸で、
鳥肌立ちまくりで、何度も観かえしてしまうほど。

二人の信長が、二人とも
あの絵なのに…、目の表情が、なんと豊かなことか。しっかり目で語ってました。
あの絵なのに…、実に凛々しく素敵に見えることか。カックイイ〜♥です。
顔は似てるのにしっかり別人でした。あの単純な絵での描き分け見事でした。
特に最終回では、ミッチー信長が素敵でした〜♪

EDも「二人の信長バージョン」になって、最終回まで観てからみると、
ああそうゆうことかって判って、更に良く、違ったものに見えてきた。
{netabare}EDは、曲に酔って画面は割とぼーっと雰囲気で見てたので、最終回で初めて、
「二人の信長バージョン」に変わっていたのに気付いたのですが、確認したら6話から変わってました(笑){/netabare}

最高に素晴らしい最終回でした。{/netabare}



思わず笑ってしまうとぼけた台詞や
カッコよくて感動的なシーンや名言もたっくさんでてきました。

話は途中なのにこの満足感は何なんだろう。見事としか言いようが無い。


■この作品についての勝手な考察
実写ドラマの作り方を活かして制作したアニメなのかも知れません。
{netabare}
ロトスコープとゆうことは知っていたが、
アニメーション制作会社の記載が見当たらなかったので、不思議に思ったら…。
{netabare}放送局であるフジテレビがアニメ制作会社に発注せずに局内のCG事業部で直接アニメ制作を行うという、日本のテレビアニメでは異例の製作体制を採る。アニメ自体もテレビアニメとしては珍しい、俳優の演技によるロトスコープをベースに制作される(CG技術も導入したハイブリッドスタイル)。{/netabare}
とゆうことらしい。手書きアニメーションとの併用ではなく、CGとの併用みたいですね。

この作品の演出などの上手さは、作画と声優以外は、ドラマなどの制作でのやり方やリソースが、上手く活かされてるゆえんかと思います。
普通のアニメ制作では、つい作画や絵を動かすことにこだわりたくなると思われ、そこに様々なリソースがかかってしまったり、制作上の制約や葛藤があると思います。
そこでバランスを失い、お話などがおろそかになってしまうこともあると思います。
作画は良かったけど、お話は……。良く聞く言葉ですね。

他のアニメ作品とは、そもそも発想が違うのかもしれません。
アニメ制作会社にたよらなかったことで、
既存のノウハウのいいとこ取りができ、アニメ制作の制約からも解放されたのかもしれません。

詳細は違うかもしれませんが、考え方として、モーションアクターでドラマとしての作品を完成させ、
+それをアニメの絵に変え声優がアフレコ。
だから、ドラマ的な完成度の部分で、上手くコントロールできたのではないかと思います。
{/netabare}

===================================
【参考情報】

▼NEW
「信長協奏曲」コミックス11巻にドラマCD付き特別版の発売決定、
TVアニメ未収録の「修学旅行IN京都編」が収録
{netabare}
小学館:コミック 『信長協奏曲 11 ドラマCD付き特別版』

今、最高に豪華なキャストが大集結!
宮野真守のサブロー信長、いざ京都へ!! 
TVアニメ未収録の「修学旅行IN京都編」収録。原作&キャストファン必聴の特別版!!!
収録後のフリートークもたっぷりです!!

価格 2,100円(税込)
発売日 2014/09/10

・キャスト
サブロー:宮野真守
帰蝶:水樹奈々
木下藤吉郎:中村悠一
池田恒興:興津和幸
柴田勝家:小山力也
浅井長政:浅沼晋太郎
足利義輝:緑川光
{/netabare}



▼事前参考情報もろもろ
{netabare}ロトスコープで作ってるらしい。

2014年にはフジテレビ開局55周年プロジェクトとして
テレビアニメ・実写テレビドラマ・実写映画の3媒体を同時企画・随時展開する(@Wiki)

ドラマは10月からで、主演が小栗旬らしい。アニメのナレーションもやってる。

アニメPVはなんかへんてこな絵で??感じだったけど、マンガ原作で、
フジテレビがかなり力入れてるっぽいプロジェクトの一環なので、
きっとお話はおもしろいんだろう。

信長協奏曲 - フジテレビ開局55周年記念プロジェクト
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto/

テレビアニメ 
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto-anime/
テレビドラマ
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto-drama/
{/netabare}

■放送情報
フジテレビ:7/11(金) 25:50~
(初回26:10~)
{netabare}福島テレビ:7/18(金) 26:00~
テレビ静岡:7/21(月) 25:35~
新潟総合テレビ:7/21(月) 26:00~
テレビ長崎:7/22(火) 25:45~
岡山放送:7/22(火) 25:50~
高知さんさんテレビ:7/23(水) 25:40~
鹿児島テレビ:8/2(土) 25:55~ {/netabare}

EDテーマ「不可逆リプレイス」作詞・作曲・歌 - MY FIRST STORY
▼Here is the full song
https://www.youtube.com/watch?v=5fba9R2G3eE

■スタッフ
{netabare}原作 - 石井あゆみ
監督 - 冨士川祐輔
プロデューサー - 尾崎紀子
アニメーションプロデューサー - 高橋美香
協力プロデューサー - 村瀬健
企画協力 - 沢辺伸政、備前島幹人
原作協力 - 市原武法(ゲッサン編集部)
脚本 - 高橋ナツコ
音楽 - 横山克
ナレーション - 小栗旬
制作著作 - フジテレビ{/netabare}

■声優
{netabare}サブロー:宮野真守
明智光秀:梶裕貴
帰蝶:水樹奈々
木下藤吉郎:中村悠一
お市:悠木碧
池田恒興:興津和幸
柴田勝家:小山力也
前田利家:浅沼晋太郎
佐々成政:三宅健太
丹羽長秀:高橋伸也
沢彦:緒方賢一
徳川家康:福山潤
竹中半兵衛:櫻井孝宏
浅井長政:木村良平
森可成:杉崎亮
森長可:吉野裕行
森蘭丸:村瀬歩
足利義昭:杉田智和
松永久秀:黒田崇矢
織田信行:内山昂輝
平手政秀:清川元夢
斉藤道三:秋元羊介
ナレーション:小栗旬
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 29
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

信長はチャラい高校生だった!?

石井あゆみによる原作漫画は、『ゲッサン』(小学館)で連載中。第57回小学館漫画賞少年向け部門受賞、「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」7位(既刊22巻、原作未読)。
アニメは、全10話(2014年)。監督は冨士川祐輔。制作はフジテレビ。フジテレビ開局55周年プロジェクトとして、テレビアニメ、実写テレビドラマ、実写映画が同時展開されたメディアミックス作品。
(2024.6.10投稿、6.26「信長様の近年の評価」を修正(笑))

【あらすじ】
勉強嫌いでチャラい高校生サブロー(CV.宮野真守)は、塀から落ちた瞬間に戦国時代にタイムスリップ。そこで出会った本物の織田信長(CV.梶裕貴)がサブローの生き写しであったことから、病弱であった本物の信長に頼まれ信長の代役として戦国武将となることに…
もっとも、本物の信長も第6話から{netabare}明智光秀として{/netabare}再登場。
本作は、この「本物の信長」と「偽物の信長であるサブロー」の二人の「信長」が協力しながら天下を目指すというお話(「協奏曲」)。

また、本作がメディアミックス作品ということもあり、実写版で主人公役を演じた小栗旬さんがナレーションを担当。


【信長はチャラい高校生だった!?】
現代の創作活動における「版権フリーの存在」として各方面から引っ張りだこだからなのか(笑)、もはや知らない人を探す方が難しいほど国民的な戦国武将となってしまった織田信長公。

もっとも、その描かれ方は、大雑把な一致はあっても真相がよくわからない昔の人ということもあり多種多様(もはや創作によるイメージの方が強いかもしれませんね)。本作では、神仏をも恐れぬ「比叡山焼き討ち事件」を起こし、早くから「鉄砲」の有用性に目をつけるなど、かつて「戦国の革命児」といわれた信長が、実は現代人、しかも歴史を知らないチャラい高校生だったという設定が斬新。
(※色々調べていたら、最近の歴史学界では信長が特に「革新者」だったわけではないという説が主流のようです。このあたりは、実態とかけ離れて信長の評価が爆上がりしてしまったことに対する反動なんじゃないでしょうか。まあ、歴史は同じはずなんですが、後世の評価・見方で変わってしまうもの。)

確かに、信長は、「うつけ」といわれたように奇行が多かったり、(彼のしたことが特に革新的でなかったとしても、)それまでの価値観にとらわれない合理的な考えをもっていたといえるでしょうから、実は現代的な価値観を持ったチャラい高校生だったという設定も面白く感じます。

また、サブローは、日本史の詳しい知識がないにもかかわらず(※一緒にタイムスリップした歴史の教科書を見て、ざっくりとした知識はあり)、そのチャラい奔放な性格で、偶然上手く事が運んだり、周囲が勝手に都合のいい勘違いをしたりして、ほぼ史実通りの出来事を起こしていきます。

個人的に面白かったのは、松平元康(徳川家康)は正室・側室が合わせて20人以上いたといわれるほどの女好き(一応、跡取り確保という名目はありますが…)。その原因はサブローが現代から持ってきた「ある物」を元康にプレゼントしたからというもの…
まあ、そんな感じの斬新な解釈で、ほぼ史実通りの出来事を起こしていきます。


【「本能寺の変」はどうなる!?】
さて、史実通りであるなら、上で隠したネタバレのことも併せて考えると、信長が明智光秀に謀反を起こされた「本能寺の変」がどうなるのか、特に気になるところです。まして、第1話では、その「本能寺の変」の授業シーンから始まり、さらに、サブローが本能寺の前を通過した際には、意味ありげに俺ここで死ぬんだよねって敢えて言わせてます(笑)。

もっとも、本作では、史実通りの「信長包囲網」が形成されるところで終わってしまうので、残念ながら「本能寺の変」までは描かれず。ただ、全10話で弟との権力争いからそこまでいってるので、テンポはかなり速め。

まあ、主人公以外にもタイムトラベラーがいたり、羽柴秀吉が他の作品とちょっと違っていて信長の忠臣ではなく裏のあるキャラクターとして描かれているので、本能寺の変も斬新な解釈をしてきそう。でも、本作が出来てから、もう10年ですか…続きはどうなることやら…


【作画】
本作は、他のアニメではあまり見ない「モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法」(Wikipedia)である「ロトスコープ」をベースとして制作されてます(※EDのクレジットに「モーションアクター」の表示があります)。
キャラクターの表情がのっぺりとした浮世絵っぽい感じですが、動き自体はトレースなんで当たり前ですがむしろ自然かも。でも、見慣れない感じなので特殊な印象は受けると思います。


【まとめ】
主人公が現代人のままなので、時代劇としては感情移入しやすい作品だと思います。また、史実を知っている人も、一応史実通りに話は進んでいって、斬新な設定だけれど、そうきたかという感じにはなっているので、“細かいことを気にしなければ”、その解釈の斬新さを楽しめる作品だと思います。

総じて時代劇としての雰囲気を楽しむというより、一般受けを重視した作品でしょうか。


【リアリティとファンタジーのバランス】
こっからは時代劇アニメ一般に関する余談なので、興味のある方だけお付き合いいただければ幸いです。

{netabare}今、個人的に時代劇のベスト10を作ろうと思って時代劇アニメを集中的に観ているのですが、一つのテーマで様々な作品を観てると、なんか横断的なものが見えてくることがあります。

時代劇は、個人的に好きなジャンルなのですが全体的には衰退傾向にあると思ってます。地上波テレビでも、ほとんど流れなくなった。

その理由の1つは、時代劇に出てくる日本人を当時のまま忠実に再現すると、おそらく現代の日本人にはもはや理解しにくくなっているからではないかと考えてます。つまり、特に言葉や文化などの設定について、共感しにくくなっている。時代劇が少なくなっているので、知る機会も失われて「負の連鎖」ですよね。

例えば、言葉は忠実に再現しちゃうと通じない(笑)。文化についても、落語なんかでよく出てくる「長屋」での共同生活(井戸端会議など)も日本人でもピンと来ない。また、現代人にとっては、帯刀した武士が街を闊歩する姿も「コスプレ」です。

だから、時代劇が生き残るためには、より一般受けするよう現代人の感覚に合わせる必要がある。もっとも、そもそも「時代劇」とは、「主に明治維新以前の時代の日本を舞台とした作品の総称」(Wikipedia)をいうので、単に武士のコスプレをさせればいいというわけでもなく(笑)、少なくとも何時代か特定できる程度の「リアリティ」がないと時代劇とはいえないわけです。

時代劇アニメをみていると、この時代劇として確保しなきゃいけないリアリティと、そのこだわりを捨ててどこまで現代人の感覚に迎合させるかの「せめぎ合い」(≒「工夫」)みたいなものを感じるんですよ(例えば、『さらい屋五葉』の次回予告がまんま「サザエさん」とか)。

要は、現代人がわかりやすいように時代劇を作ると、言葉や文化といったリアリティが犠牲になってファンタジーになる。でも、完全なファンタジーにしてしまうと、その境界は曖昧ですが、時代劇ではなくなってしまう。あくまでリアル寄りだと感じるのが時代劇でしょう。

そういう意味で、本作のように戦国時代に現代人をそのまま飛ばすというのは、ファンタジー色は強まってしまうのですが、当時の人間を現代人にして登場させるより、戦国時代という設定自体をいじっていないように見せるので、うまいやり方だと思うのです。

ただ、本作でいえば、普通の高校生が、異世界転移ファンタジーでよくある特別なスキルを神から与えられて、馬にまたがって軍を颯爽と指揮し刀でバッタバッタと敵を倒しはじめたら完全にファンタジーになってしまう。だから、本作では戦国武将なのにサブロー自身が戦うシーンが描かれていないのだと思います。

まあ、戦国時代に現代人を無理やりねじ込むわけですから、どうやってもほころびが生じる。


じゃあ、そもそも現代人に迎合してまで時代劇にする意味あるの?という話にもなってくると思うわけです。

時代劇の忠実な設定は共感しにくくなっているとは思うんですが、時代劇のもっている精神性、例えば、「弱きを助け強きをくじく」、「判官びいき」、「人情」といった日本人に通底する価値観は薄まってきてはいるものの、まだ共感できるところがあると思うんです。
こういった価値観は、日本文化の発信につながり物語としても魅力的で、むしろ現代とは異なる時代劇だからこそ、うまく表現できる可能性がある。要するに、時代劇にはまだ魅力があると思うわけです。


時代劇というジャンルを生き残らせるためには、言うのは簡単ですが、「時代劇として認められるためのリアリティ」と「現代人に受け入れられやすくするためのファンタジー」との「バランス」をアニメでどう表現するのかが重要になってきそうだなと(作品を通じて何を伝えたいかにもよりそう。)。
もっとも、おそらく時代劇のファンタジー化は今後さらに進むと思ってます。なぜなら、本作のように、かなりファンタジー色の強い作品であっても「ファンタジー風時代劇」ではなく「時代劇」として認知されているからです。

なので、最近はそれが時代劇アニメが生き残るための術なのかなあと考えています。{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 4

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ロトスコープ否定派の自分でしたが、最高な作品でした。文句なし!。

原作未読です

見る前の印象として「絵柄が無理!><」・・で、見る気は全くおきませんでした。
・・でもこのサイトでけっこうダークホース的な評価がされてるので
じゃあちょっと頑張ってみてみようかな~になりました。

1つ気がかりなのは、宮野さんの勿体ない使い方になったりしないかなあ・・という心配。。
宮野さんの無駄遣いになっていないことを祈りつつ・・1話視聴に臨みました。

>1話まで視聴して
うわ、正直やっぱり絵柄はかなりキツいです・・><。
ロトスコープっていうんですか?。惡の華?の前例同様、生理的に受け入れ難いなあ・・。
やはり個人的には、独創的な”人の描く線”が好きですねえ・・。
映した実写をただなぞって・・(+背景やCGと合成??)っていうのは、
何か・・”魂の入っていない入れ物”的に感じてしまいます><。
声優さんの演技の映え方にも悪影響なんじゃないかな??。
よほど声優さんの演技でカバーしないと従来のイーブンまでいかない気がします。

物語的には、見慣れた(見飽きた?)織田信長のアレンジものかな?という第一印象。
「織田信奈の野望」がかなり気に入ってたので、もう満腹状態です・・。
「ノブナガザフール」では・・・・・・・・・・(無言)。

いまのところ残念ながら継続視聴したいなという要素が見あたらないですね。

宮野さんの良さも、十分生かしきれてなさそうに思います。

やっぱ宮野さんは”行動がある程度予想できる設定キャラ(歴史上人物含む)”よりも
”行動がまったく予想できないある意味イミフな難解キャラ”の方が
断然魅力的だと思います!!。


>2話まで視聴して
・・といいつつ、気になって2話見ました。
あ、けっこう宮野さんのセリフに破壊力がある♪。
「○○○は、やめて~><」だったかな?。あそこで断念を踏みとどまりましたw。
今後も意表を突くセリフが期待できそう^^。

・・でもやっぱり自分には絵柄が馴染めそうにないなあ・・苦しいですw。

-------------------------------------------------
>4話まで視聴して
3話で一気に評価があがりました!。
その最大の理由は、やはり宮野さんの演技ですね。
もう主人公と完全同化しています!。
ストーリー的にも予測不可能な展開ややり取りがあってとても面白い♪。
あれほど先入観があって嫌だと思っていたスコープ?の作画にもだんだん慣れてきた?。
どこかNHKの大河ドラマチックな壮大感と静寂な空気感を感じるほどまでにw。

自分にとっては何というか、子供の頃に食べられなかった嫌いな食べ物が
大人になってある日突然味に目覚め食べれた・・的な感じです^^。

宮野さんの信長といえば、どうしても前期のフールが刷り込まれてしまっている自分だったので、
宮野さんは信長に向いてないかもなあ・・と思い込んでしまっていましたが、
本作で見事にその対極ともいえるキャラになっていてとても爽快でしたっ。
本作での宮野さんの信長は最高です♪。

最終話まで視聴確定しますた。

-------------------------------------------------
>10話まで視聴して
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工。
もう終わっちゃうのぉぉおお??。
ウソだと言ってよ、○ー○ィ。

とにかく面白かった!。
視聴前に持ってた先入観なぞ、全て吹き飛ばしてくれました。

序盤では「のっぺりとした顔だなあ」と思ってたサブローの顔が、
信長になることによって、ほんとに自分の中で劇的に変化してしまいました!。
信長をやってる時のサブローの微妙な表情の変化が特に素晴らしかった!。
OP・EDでの曲の中での演出もとてもあってて、見る度にカッコ良くなっていった!。

ちょっと今、wiki見てみましたが、やっぱり
”俳優の演技によるロトスコープをベースに制作される(CG技術も導入したハイブリッドスタイル)”
なのですねー。”ハイブリッド”なんて、技術も進化してるんですねー。

いろんな方々の苦労の上に成り立ってた作品なのだなーと
今しみじみ感じています。

自分にとっては、サブローはもう宮野さんしかありえません!。
近日TVで実写版やるみたいですが、
こっちのキャストも、いっそ宮野さんにしてほしかった!!。
(ありえないだろうけど、どっかで実現してくれないかなああああ)

あ、そうそう。水樹さんも、かなりのハマり役だったと思います。
歌手としての水樹さんは以前からとても大好きで、曲は聴きまくっているですが
声優としての水樹さんはあまりコレといった印象が残る作品が思いつかない自分なのです。。
でも、本作では大満足でした!。
こんな人が近くにいてほしいものですね。

2期を切望しますが、もし実現してもおそらくかなり先になりそうなので、
ここからは原作に走ります!。
原作の評判は折り紙つきなので、とても楽しみです♪。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 24

65.2 12 入れ替わりアニメランキング12位
ルパン三世 VS 名探偵コナン(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (279)
1887人が棚に入れました
ヴェスパニア王国のサクラ女王とジル王子が、猟銃事故で死亡した。そのニュースは世界的に報道され、ルパン三世や江戸川コナンの耳にも入る。

サクラ女王の遺児であるミラ王女が王位を継承することになったが、ミラは母と兄の突然の死を受け入れられずに次期女王の座を拒絶し、訪問した日本の東京で警護の手を潜り抜け、逃げ出してしまう。

街で自分と瓜二つの少女・毛利蘭と出会ったミラは、彼女と服を交換して入れ替わることで、追跡から逃れようと目論む。その後、峰不二子に助けられながら反王女派の襲撃やコナンの追跡をも振り切ったミラは、身分に縛られない自由を満喫するが、事情を説明しようとホテルへ戻った蘭は、ミラの身代わりとしてヴェスパニア王国へ連れ去られてしまう。

声優・キャラクター
栗田貫一、小林清志、井上真樹夫、増山江威子、納谷悟朗、高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、茶風林、高木渉、松井菜桜子、山口勝平

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

100年以上の前の夢が世代を超えて実現

こーゆーレビュータイトルはらしくないな・・まあいいか
見たのは3ヶ月くらい前。これ実はすげー作品なんだよ。

何がすげーって、ついさっきウィキ徘徊してて知ったんだけど、
じゃあ今から色々ウィキからパクりながら書くね。


まず、名探偵コナンとルパン三世は多分誰でも知ってると思うけど

モーリス・ルブラン(1864-1941)の【アルセーヌ・ルパン】
                          ↓
モンキーパンチ(1937- )の      【ルパン三世】
       

シャーロック・ホームズの著者【アーサー・コナン・ドイル(1859-1930)】
                           ↓
青山 剛昌(あおやま ごうしょう 1963-)の【名探偵コナン】


で、コナン君の苗字の「江戸川」が日本の作家「江戸川乱歩」が元で、更に
これの元が「エドガー・アラン・ポー」(自分は黒猫しか読んだ事ないけど、
アメリカ最大の文豪って言われてる人)

このあたりも多分、ちょっと興味あれば知ってるような事。自分もここまで
は知ってたんだ。


探偵作品(推理物)や怪盗作品のルーツって「エドガー・アラン・ポー」
にあるらしくて、まあ、更に遡ると発想的にはギリシャ神話らしく、それこそ
よく言われる「神話の時代からあった」なんだけど、とりあえずそれは放置。

エドガー・アラン・ポーの作品が元で「ルパン」と「ホームズ」が生まれて、
年代で分かると思うけどモロ被りしてるんで、当時から「ルパンVSホームズ」
の構図、頭の悪い表現だと「超有名な怪盗 VS 超有名な探偵」って構図は
この手のファンなら誰もが待ち望んでいたもの。


で、ルパン書いたモーリスの方が、ホームズをパクってエルロック・ショルメ
って名前で登場させ「ルパン対ホームズっぽい奴」って作品は出してたんだけど
ホームズの方の著者とは全く関係無いんで、やっぱりそれじゃ違う訳ですよ。

(※(Herlock Sholmès)はアナグラムで、SholmesのSをファーストネームに
  持っていくとシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)となる。)

それが1900年頃の話ね。


でだ、


『ルパン三世VS名探偵コナン』
               【原作 - モンキー・パンチ、青山剛昌】

監督は双方の長編を担当した経験を持つ、亀垣一
脚本は前川 淳(代表作ルパン三世天使の策略他、DBZ、テニプリ、H×H等)


検索 ルパンVSコナン放送記念、モンキー×青山ドリーム対談

検索 金曜特別ロードショー「ルパン三世vs名探偵コナン」


ついに実現してしまうんだ、「超有名な怪盗 VS 超有名な探偵」が。

自分的にはルパンはちょっと好きくらいで、コナンはどうでも良いんだけど
両方知名度が狂ってるんで、気になって見てしまった。


あー・・内容とかは期待しない方が良いよ、「共演する事そのものに歴史的な
意味がある」んだ。1900年頃に生きてたこの手のファンはさぞ羨ましかろうよ。
なんでてめー等だけそんな作品が拝めるんだ、と。


元々のこういうジャンルは小説(今でも小説は多いけど)で、そこから漫画を
通しアニメって形にはなったものの、知名度を上げるにそれがベストだった。

今日本で一番有名であろう怪盗と、探偵が、共演した。
登場人物も、両作品に出てくるメインのメンバーが声優も含めそのままにね。

ぶっちゃけ見る価値は無いですけど、それでも見る価値はありますよ。と


公式サイトに「アニメ史に残る」とか書いてるけど、そんなもんじゃねーんだよ

と、ついさっき知った。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 4
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ルパンベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
コナンとルパンの夢の共演。毛利蘭とそっくりなお姫様をめぐって交錯する思惑を、コナンとルパンが解決する。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる★★☆☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★★☆☆☆
頭脳☆☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
ルパン三世、TVスペシャル特別企画20.5作目(2009)、ルパンとコナン中心

【こういう人におすすめ】
誰でも。

【あにこれ評価(おおよそ)】
64.1点。

【個人的評価】
映画版も合わせて一般の人におすすめ。この2作品がここまでフィットするとは(笑)
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 ルパンベスト10のためのレビュー。↓以下同文。
{netabare}
 まだ私が無垢な魂をぶら下げて山野を駆け巡っていた頃、風邪をひくと隣町の小児科に行き、ついでに隣町のレンタル屋で「ビデオ」を借りてきて、布団の中でそれを見ながら、私の液性免疫が急性上気道炎を撃退するのを待つ、という風習が我が家にはあった。
 その「ビデオ」(現在で言うDVDの立ち位置)はほとんどがアニメ映画であり、そのため私は、私が受精卵としてすら存在していなかったときの古いアニメ映画をほとんど知っている。
 ジブリコンプリートなどは我が家にとっては序の口で、ルパン映画、劇場版クレヨンしんちゃん、劇場版ドラえもんなどはほぼ制覇したと思われる。 その中でクレヨンしんちゃんとドラえもんはあまり覚えていないが、ルパン三世は当時の汚れ始めた私の魂にジャストフィットしたらしく、各作品を非常に鮮明に覚えている。

 で、今回ルパンベスト10を作ろうと思い立って、ついでに短めにレビュー書きます。最低でも10個書かなあかん(笑)
 あ、ルパン三世のテレビアニメ1期もたぶん「ビデオ」で観てるんですが、さすがに作画が古すぎて心に留まらなかったようで覚えてないです。だから「ルパンは本来こういうものなのだ!」みたいなのは無理っす。原作も知らないし、というかモンキー・D・パンチさんが何者かもいまいちわかってないし、栗田貫一さんの声に何の違和感も感じてません(笑)
 そういう若輩者の素直な感想です。
{/netabare}


 映画版も良かったが、こっちを見たときの衝撃のほうが強かった。夢のコラボ。「ラーメンのカレーセットが普通にめちゃくちゃ旨かった」みたいな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 6

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

世紀の大怪盗 VS 迷宮入り無しの名探偵

2009年放映作品

設定を聞いただけでとてもワクワクした!
よく原作者や諸々関係者が承諾したものです

子供の頃ハットリ君+パーマンとか劇場版であったけど、あの頃のワクワクが戻ってきた感じです
実際にルパンとコナンが組んだり、銭形警部と毛利小五郎が合同捜査したりとやはり見ていて楽しかったです

しかし肝心のストーリー自体にイマイチ捻りが無いように感じました
王道過ぎるというか、なんというか
やはり視聴者を二転三転と騙すようなトリックの応酬からまさかの大円団というのをぜひ観たいです

既に引退表明されたので可能性はほぼ無いのですが、これこそ宮崎監督に制作願いたいと思うのは私だけではないはず(笑)
2013年年末に劇場版として第二弾が上映されます
恐らく観に行くと思います!

ミラ王女を演じる堀江由依さん
化物語の羽川翼、とらドラのみのりんなどやられてます

キース伯爵を演じる緑川光さん
スレイヤーズのゼルガディス、スラムダンクの流川楓などやられてます

投稿 : 2024/10/05
♥ : 11

63.9 13 入れ替わりアニメランキング13位
夏のあらし!(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (253)
1579人が棚に入れました
夏休みを利用して田舎の祖父の家に泊まりに来た八坂一。彼はたまたま涼みに入った喫茶店の従業員・あらしに一目惚れをしてしまう。
とあるきっかけであらしが一に触れた瞬間、2人の間に雷のような衝撃が走る。あらしは「通じた!」と声を漏らすと、驚いた一を外へ連れ出す。そのまま2人で裏山を駆け抜けると、目の前には現代の日本だとは思えない風景が広がっていた…。

声優・キャラクター
白石涼子、三瓶由布子、名塚佳織、小見川千明、杉田智和、生天目仁美、安元洋貴、野中藍、堀江由衣
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

かなり オ・ト・ナ のアニメ(笑)

2021/03/08 投稿

この頃何を見ようか迷子なのです・・・

いっそ,自分の評価で,中で神アニメに当たるものを再度見ようかと考えて真っ先に浮かんだのが物語シリーズ!
でも相当なボリュームで敷居が高すぎ・・・

もっと手軽に1クールもので無いかな?

ハルヒ・・・2クール+2期+消失でやはり長いか・・・(エンドレスエイトはどうする問題もw)
シュタゲ・・・2クール+劇場版+Zero長いな・・・
ひぐらし・・・無印+解で50話と超長いし、見直すとしたらタイミング的には「業」終了後かな?
まどマギ・・・これだ!まどマギを見よう!!

いやまてよ・・・物語シリーズもまどマギも同じ新房昭之監督では無いか!

絶望先生と荒川は過去に挫折したけど,まだまだ新房作品にはスゴイ作品がありそうな予感!未視聴の新房作品を開拓しよう!

と言う流れで「夏のあらし!」です

見始めると

まず,OP曲が・・・

♪《前略》夏の扉が開いて 涙だけ(イントロはそこそこかっこよくボーカルが入ってからここまではまあ普通と思ったのですが・・・)

 (「~涙だけ」の続き)・・・{netabare}先走りね

 あたしにかけて いっぱいかけて
 罠をかけて ??(聞き取れません歌詞をみると「鼻に」耳に聞こえてくるのは「ほな?」)をかけて なさけををかけて
 あたしとかけて どこでもかけて
 時をかけて 生命かけて ※生死をかけて

 かけかけかけかけかけて
 あたしだけにかけて♪{/netabare}

汚れた大人の自分にはたいへんな歌詞に聞こえちゃうのですf^^;特に、※部分なんか違う漢字が頭の中に浮かびます・・・

映像もやよゐさんのカット【閲覧注意R-18】{netabare}(歌詞は「どこでも」のあたり)なんか脳内ではものすごい映像に変換されちゃいます…ゴメンナサイ...φ(..){/netabare}

キャラクターデザインは微妙・・・全体的に作成時期を考慮してもなお古くさい感じで、主人公の八坂一なんかは特にひどい,昭和の子供向けアニメの臭いがぷんぷんします・・・(意図的かも?)

1話は特に面白くも無く…と言うか訳分からない部類?
映像的には新房作品らしい演出も見られたものの1話で挫折しそうになりました・・・でも挿入歌「黒猫のタンゴ」やED曲(アニメーションの動きは不自然・・・)が良かったので

なんとか,勇気を振り絞って2話も見ました。冒頭は新房監督らしい演出,サブタイトル表示画面になんか既視感が・・・
あ!もしかしたらと思って検索すると中森明菜の「少女A」のジャケットでした,遡って1話を調べると山口百恵の「プレイバックPart2」のジャケット(以後全話タイトル曲のジャケットでした),挿入歌は「どうにも止まらない」ED後にはタイトルを忘れた話シリーズが追加。ここまで来ると視聴継続確定です!

3話ではEDにレコードジャケットの立方体が追加(「ひと夏の経験」と「ハイスクール ララバイ」以外ほとんど元ネタは分からないけど・・・w)

8話は神回

9話のタイムパラドックス論争もすごく面白かったです!

11話はストーリー上の山場!感動回。挿入歌の他の曲よりちょっと古い(大正の曲らしいです)「早春賦」も素晴らしいですし,ED曲もスペシャルです!

12話である程度伏線回収,Cパート(?)のタイトルを忘れたシリーズではなんとなくほろりときました。

13は1話のプレイバックPart2に対してのプレイバックPart1
{netabare}1話とほぼ同じ内容なのですが,1話で見たときよりもかなり好意的に見れました{/netabare}
ちなみにサクランボ爆弾を作ったときには洋楽のあの曲が挿入歌で出てくるのかと思ったのですが,著作権上の問題でしょうか・・・使われなくて残念でした。

尚,ウィキで調べたところ横浜大空襲について関連作品として記載されたいるのは意外なことに「夏のあらし!」だけでした。

総評としては,一定年齢以上のかなり大人には楽しめるのでは無いかと感じました。但し,一人で見た方がいろいろ気まずい思いをしなくてすむと思います。

で自分としては,何を見るか迷ったら新房作品という結論を得ました。(できたら,いろんな作品を見たいので何を見るか,困ったときに取っておきたいと思いますw)

OPアニメのジャケット風のカットの元ネタが全然分からず,エンディングの立方体も大部分は分からずいろいろ気になります^^;分かる方は教えて欲しいです。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 10
ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

し、塩ください

SF(タイムスリップ)+ホラー(幽霊)+ラブコメ要素を持つ、他に類のない独特の雰囲気のギャグアニメです。基本はあくまでもギャグです。
監督は、新房昭之さん。アニメ製作はシャフト。ギャグものとはいえ、アングル、背景、空間表現など、まどか☆マギカ、偽物語、最近ではささみさん@がんばらない、などと共通する斬新な雰囲気を持っています。それでいて、挿入歌には昭和40年代~50年代あたりの歌謡曲が使われており、キャラデザも昭和っぽいので、レトロな雰囲気も持ち合わせているのです。お話そのものは現代のお話です。
OPの曲も昭和っぽいのですが、かなり色(エロ)っぽいです。親といっしょに見ると気まずいかもしれませんので注意。
舞台は古くから続く喫茶店。常連さんが何人かいるワケですが、その人たちの声はすべて杉田智和さんが声色を変えて演じています。杉田さんの一言ボケ、これがまたいい味だしてます。し、塩ください。
{netabare}
主人公とヒロインは戦中(太平洋戦争)と現代をタイムスリップし、いろんな人を横浜大空襲から助けます。その助けられた人たちが仲間となって、仲間の輪が広がっていきます。
{/netabare}
テーマとして戦争を扱うということで、当然ながら表現される内容は深くて重いです。しかし、その重苦しさを、ギャグ要素でうまく中和させています。作品のメッセージ性は強いが、おしつけがましくない、という絶妙のバランスを保つのに成功していると思います。
{netabare}
タイムトラベルの原理は、シュタインズ・ゲートの他世界解釈ではなく、タイムトラベルしても過去を変えることはできない、という決定論です。なので、あちこちにタイムパラドックスと言われる矛盾が発生しちゃいます。この作品では、逆にその矛盾が狙いのように思います。これについては、最終話に人類の謎として扱われています。
{/netabare}
各話の構成ですが、まず1話は時系列からはずれているため、これだけを見ても、設定もキャラもなんもわからん・・ということになります。ただ、雰囲気だけは分かります。実際の時系列は2話から始まります。1話と最終話が純粋にギャグで、それ以外の回は「はじめバラバラだった登場人物たちが仲間になっていく」というストーリー要素が比較的つよくなっています。
{netabare}
CM前後やOP、EDの前後にはいる影絵風の小ネタに登場するやよいとかなこも、後ほどちゃんと仲間になります。彼女たちが仲間に加わったあとも、この小ネタは継続されますが、登場人物が異なったりします。
13話(最終話)は基本的には1話の繰り返しです。というか、1話で苺だったものがサクランボに置き換わった設定となっています。これは1話の平行世界なのでしょうか? そういうことだと、この作品で採用している決定論的な考え方である「タイムトラベルでは過去を変えることはできない」に反しているように思いますが・・・とにかく、1話と13話(最終話)が対になっていて、それらに挟まれたかたちで、時系列で進む2話から12話がある、というサンドイッチ構成になっています。
1話のリフレインと思われる最終話ですが、当然ながら苺がサクランボに変わる以外にもいろいろ違います。まず、登場人物の服装。なぜか、喫茶店での服装が皆さん水着になってます。お決まりの水着回ということでしょうか。つか、登場する毎に衣装が変わるんですが・・・。これも視聴者サービスの一環か?
{/netabare}
ギャグ好きのオレ的には、1話と最終話に加え、それと8話のギャグの要素がつよい回が好きです。
{netabare}
8話はテッパンネタの男女入れ替わりネタ。それも尾道転校生と同じく、八坂と上賀茂が階段を転げ落ちて入れ替わる。男女入れ替わりネタは、最近ではSKET DANCEやココロコネクトでも使われたが、どれもオレ的にはうけた。安易とはいえ、やっぱおもろいわ~。
{/netabare}
あまり知られていない作品(少なくとも私は知らなかった)ですが、かなりおもしろいです。シャフト作品としては、個人的には、偽物語やささみさんより好きですね。もっと評価されるべき作品だと思います。
にゃん^^さん(http://www.anikore.jp/users/profile/31098/)に紹介していただいた作品です。いい作品を紹介してくれてありがとう。
引き続き、2期分を視聴します。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 13
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

嵐のような時間でした♪

スクールランブルの原作者、小林尽さんの漫画が原作。

1期と2期まとめてのレビューです。

次が見たくてしょうがないほど楽しめたのは
久しぶりだったのでまとめて観ちゃいましたw
早速、お気に入りの棚にいれなければ!

※この作品を観るときの注意点。
{netabare}この人の作品の絵は癖が結構ありますが
見た目だけで断念はしないでほしいですね。
それと1期の1話で困惑するかもしれません。
そこで切らずに2話、3話をみてほしいと思います
それだけの価値がある作品だと思ってます。{/netabare}


あらすじは
昭和20年の美少女、嵐山小夜子(通称:あらし)と
現代の中学生、八坂一を中心に
喫茶店"方舟"の従業員たちと巻き起こす
タイムスリップドタバタラブコメディーです。

この人のキャラは本当に魅力的だなあ~
特に男キャラが本当に素晴らしいです。
スクランの播磨のときもそうでしたが
抜けてるところはあるけど根っこはめちゃくちゃ良い奴だし
何より凄く応援したくなりますしね。
ラブコメ主人公はやっぱりこうでないとね。

もちろん、女の子たちも素晴らしかったですね。
どれも魅力的な女の子達ばかりですが
1番はやっぱりあらしさんですかね。
天真爛漫で人当たりがいいですし、
一が一目惚れしたのも大きく大きく頷けます♪


ストーリーは7割くらいドタバタラブコメですが
昭和20年(1945年)ということで戦時中の話が出てきます。

そういえば、アニメで現実の戦争の話は珍しいですよね
ドラマなどでは知っていたけれど
アニメで観るとまた違った戦争の怖い部分、嫌な部分が見えてきました。
いろいろと勉強になるところが多かったですし、
見てよかったと思えるものでした。


でもラブコメ部分はニヤニヤしっぱなしでしたし、
真面目なところはしっかり真面目に観れますので、
ギャグとシリアスのメリハリがあって
とてもバランスのいい作品だと思いました。

それとタイムスリップ物には付き物のタイムパラドックスについてですが
{netabare}"過去へ行って変えた歴史が現代の歴史"{/netabare}という設定には
納得できますし、なにより話をさらに面白くさせてくれましたね。

ややこしいですがストーリーに矛盾がなかったこともかなり好印象でした。

特に1期の1話、13話、2期の13話と3回に渡って続いた
激辛アイテム、キューティーちゃんを巡っての話は
本当に楽しかったです。
時系列を整理するのは大変でしたが、
納得したときの爽快感は最高でした♪

声優は主人公の一の三瓶さんが最高でした
今のところ少年の声なら三瓶さんが1番ですね!


そういえば、物語シリーズの監督として有名な新房監督と
シャフトなので演出が面白い面白い。
ただし・・・小ネタが圧倒的に古すぎるw
軽く調べたところ1980年代のものばかりでした。
分からなくても楽しめますが、やっぱり悔しい。
分かる人がただただ羨ましくなりました。
ということで80年代の漫画や音楽が詳しい人には特にオススメですね!


凄く楽しい時間でした。
1期2期、26話があっという間に見終わってしまいました。
というか評価されてなさ過ぎでしょう。
こんな面白いのに60点ぐらいなんてありえないですね。
もっと評価されてほしい!!

原作のほうも完結しているようなのでぜひぜひ読みたいですね♪
できれば残りの方もアニメ化してくれるといいなあ・・・


観終わって思ったことは
やっぱりこういったドタバタラブコメが
自分の肌に1番合うということでした。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 26

62.7 14 入れ替わりアニメランキング14位
Lostorage incited WIXOSS(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (232)
978人が棚に入れました
池袋――幼少期にこの街で過ごした高校2年生の穂村すず子が戻ってきた。
「ずっと友達だよ!」幼いころに仲良しだった森川千夏と誓った大切な記憶。その千夏とまた会えるかもしれない…それだけですず子の胸は高鳴る。
 転入した高校にもすぐには溶け込めず、早々に浮いた存在となっていたある日、「WIXOSS」を覚えれば友達ができるかも……そう思って学校帰りに立ち寄ったカードショップでデッキセットを購入する。
 家に帰りカードデッキを開封すると、カードの中に描かれた少女が動きだし、口を開く。

 「ようこそ、セレクター」

 selectorとして選ばれた人間は、自分の記憶のすべてが詰まった5枚のコインを賭けたバトルに参加しなければならない。コインをすべて取り戻し勝利すればこのゲームから脱出できる。逆にすべてコインを全て失い、敗北すると、そのペナルティーとして──。

 「Lostorage」―――この不条理なゲームに巻き込まれる事となったすず子の運命は!?そして、すず子と時を同じくして、千夏の手にも……

声優・キャラクター
橋本ちなみ、井口裕香、伊藤静、金元寿子、井澤詩織、久保ユリカ、興津和幸、菅原慎介、山岡ゆり、洲崎綾、後藤沙緒里、間島淳司、日岡なつみ、西明日香、生天目仁美、中村悠一
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最終話 オチに気づいた人がいなかったので解説してみた

前作の続きなのかどうかわからないけど、しょうもない終わり方だけはやめてほしい。

第1話 バトルシーンはよくなったかな
{netabare}
前作をなんとかして思い出してみると、
・バトルで何度か勝つと願い事が叶う
・セレクターとルリグが入れ替わり、願い事は入れ替わったルリグが叶える
・最終回は腰砕けだった

願い事に関してはとてもあいまいだったし、それ以外にもおかしなところがけっこうあった。

前作の続きなら、すず子のルリグであるリルは、千夏の可能性が高い。音信不通なのと辻褄が合う。ただ、前作を知っていると驚きはないのでちょっと物足りない。初めて観る人なら面白いだろうけど。

白い部屋だったか白い世界だったか、それも存在するから前作と関係はありそう。だけど、ルールが変わっている点が気になる。前作はラスボス倒して完結したんじゃなかったかなあ。

バトルシーンはよくなったと思う。コインを使った大技みたいなのもあって。キャラクターは前作のほうが個性的だった。ただ、今回のキャストは興味深い。
まず、主役はいもちょの橋本ちなみさん。いもちょでこの声優さんを覚えたくらいだ。リルはエロいお姉さん役の印象がある伊藤静さん。珍しいなって思った。
{/netabare}

第2話 予告のあとも面白かった
{netabare}
あまり評価は高くないけど、今期のアニメで面白いほうだと思う。というか、胡散臭いところが色々あって考察したくなる。

気になっているのは三点。
まず、入れ替えはあるのか。ルリグはセレクターの記憶から作り上げたもののようだけど、OPにすず子やほかのセレクターがカードに入っているシーンがある。だから、入れ替えがないとは言い切れない。
ちなみにセレクターがルリグになっても声優は変わらない。前作のルリグが人間の姿に戻って(?)ちょっと出ているけど、どちらも声優は大西沙織さん(たぶん)。
ルリグは記憶をコピーしてるから入れ替えがあったとしても普段通りに過ごせるだろうし。

次はラスボスについて。前作でラスボスは倒されて、ルリグが元の姿に戻って終わりだった気がする。
今回もセレクターになったときに現れたルリグ(?)がラスボスっぽいけど、さらなるラスボス、黒幕がいるような。

最後に報酬。これが一番胡散臭い。記憶を変えられるって、それって本人だけなのか? 記憶は変わっても記録が残っていたら変な子になるだけだし。前作と同様に、勝っても負けてもまともな結果にならないオチなんだろうな。
{/netabare}

コインについての考察
{netabare}
カードも5枚あると思ったら違った。5枚あったら0か5が出たらその時点でバトル終了になってしまうので。

バトルに負けてコインが黒くなると記憶も消えていくように描かれているが、すず子はゴールドが一枚でも記憶は確かなまま。例えば、すず子のゴールドが3枚になってから負けてまた1枚になったら記憶が消えたりするのだろうか。たぶん、そんなことはないはずだから、バトルの勝敗と記憶には因果関係はないといえる。とはいってもそういう細かいところまで気にせずに作られていそうだけど。

ゴールドが5枚になったら、記憶の改ざんができる。この場合記録まで変えられるなら願い事をかなえることと似ている。記憶と記録を変えればアイドル声優にだってなれる。記憶だけなら変なことを言う子ができるだけだが。

コインすべてが黒くなった場合は、”消える”の解釈がいろいろ考えられる。物理的に消えるのか、それとも記憶と記憶が消えるのか。後者なら生まれたばかりの赤ん坊状態といったところか。前作と同様にルリグになる可能性もあるだろう。
{/netabare}

第3話 やっぱりこういう展開だったか
{netabare}
まだわからないけど、セレクターが消えてルリグが成り代わったのだろう。HPにはキャストがないけど、かがり(cv:西明日香)、ゆきめ(cv:生天目仁美)のペアなら、かがり(ゆきめ)(cv:生天目仁美)になっていると思われる。
面白いのはルリグはセレクターの記憶からできたから、成り代わった人物と似たような人物が存在するってことだ。
セレクターはどこに行ったのか? あの白い世界に行ってルリグとして戻ってくると前作と同じになってしまう。

バトルをしなくてもタイムリミットがあるから消えてしまうルールがあるけど、そのタイムリミットはコインが黒くなることでわかるのか? でもコインはゴールドになったり変動があるからタイムリミットが一定の期間にならないと思うんだけど。

まだ疑問点はある。ルリグはセレクターの記憶オンリーではないはず。セレクターが知らないバトルのルールも知っていたわけだから。ルリグのテンプレートがあってそこにセレクターの記憶が追加される仕組みなのかも。

OPで気になるのは、すず子と千夏のバトルシーン。なぜか千夏の姿が見えない。バトルに勝ち抜いた千夏が記憶を改ざんして、茶髪とかになって格好も変わってしまったからか。でも、バトルから解放されているはず。
そもそも、すず子と千夏のストーリーは同じ時間軸なのか疑問にも思っている。
{/netabare}

第4話 ルリグの微妙な変化に気付いた人はいるだろうか
{netabare}
バトルのたびにルリグの髪飾りが増えている。これは前作でもあった。作画ミスと思っていたけど、今回もあるってことは意図的なのだろう。

今後の展開を予想すると、記憶を消したい千夏とそれを止めるすず子、この二人のバトルを主軸に話が進んでいく。さらにブックメーカーの正体をあばきつつ最後はバトルの仕掛け人を倒し、消されたセレクターたちを取り戻す……というのが普通にありそう。

現時点で、ブックメーカーははじまりのルリグとつながっているとしか考えられない。セレクターの情報を把握できるのははじまりのルリグしかいないから。はじまりのセレクターなんかもいるのかもな。それがブックメーカーの近しい人でバトルをさせることで記憶を取り戻せるとか。

すず子と千夏の思い出がすでに改ざんされたものとか、面白そうなんだけど、それだとバトルを終えていなければおかしい。千夏がすでにルリグというのもありそうなんだけど、それだとすず子のような性格になっていなければおかしい。

あまり凝ったストーリーにはならない気がしてきた。
{/netabare}

第5話 このアニメがどうやったら面白くなるか考えてみた
{netabare}
前作を見ているせいか新鮮味がない。深読みしたくなるような伏線も見当たらない。

オリジナルアニメは序盤で出てきた謎を終盤で明らかにして視聴者を驚かせるのがほとんど。だから序盤と中盤はそれほど面白くない。終盤の謎解きにかかっているのだが、それもイマイチだったりする。このアニメもその方向に進んでいる気がしてならない。
こういった構成はもうやめるべきだ。謎がなくてもいい作品は生まれる。SHIROBAKOがいい例だ。

このアニメを面白くさせるなら、中盤に入る前に謎の答えをすべて出し、主人公たちの目的を明確にさせる。キャラクターたちの駆け引きに重点をおけば前作と違ったテイストになるしバトルももっと熱くなるだろう。
{/netabare}

第6話 キャストで面白いことに気づいた
{netabare}
千夏にすぐにやられたルリグと、はじまりのルリグ(cv:日野まり)の声優が同じだった。モブ同然のルリグが伏線だったら面白い。たぶん、声優を二人雇うよりギャラが安くなるから二役やってるだけだろう。新人声優に機会をあげたらいいのに。

すず子と千夏のバトルがあったのは予想外だった。終盤と思っていたから。でも中途半端に終わってしまった。決着をつけたほうがよかった。金が5枚、黒が5枚になってもそのあとがあるのだから。スポンサーのことを考えるとカードバトルを入れる必要があるんだろうな。
{/netabare}

第7話 千夏とはじまりのルリグには関係があると推理を立ててみた
{netabare}
深読みしたくなるネタがないので無理やりひねり出してみた。
千夏とはじまりのルリグには関係があることを示してみる。

まず、セレクターに選ばれるのはごくわずかである。すず子は千夏の幼馴染み。今回出てきた男は千夏の同級生。ごくわずかなセレクターのうち千夏に関係する人物が二人もいる。これは偶然ではなく必然と言っていいい。

セレクターバトルが千夏と関係あるなら、ブックメーカーやはじまりのルリグも彼女と関係があるだろう。ブックメーカーは兄妹といった近しい関係。髪の色やニヤリと笑うところが似ている。ブックメーカーが選ぶバトルの相手は千夏が知る人物に限定されているのではなかろうか。

はじまりのルリグは千夏が生み出したのか千夏そのものか。こう考えるとセレクターは無作為に選ばれたのではなく千夏に関係ある人物が選ばれていると言える。
{/netabare}

第8話 ひょっとしたら千夏も…?
{netabare}
セレクター全員ルリグだと疑ったことはあるけど、さらにセレクターになるのは無理があると思ってた。あとズルいのは、ルリグのカードを所持してなければセレクターと気づかなれない点(たぶん)。伏線か前フリがほしかったな。
いまのところルリグは女性だけなのでブックメーカーも中身は女性だろう。そうなるとブックメーカーには性格の悪い女性が二人いたことになる。(説明は長くなるので省く)

では、千夏もルリグかどうか検証してみる。まず疑わしい点を挙げる。

・OPですず子の対戦相手に千夏がいない
作画ミスとは考えにくい。意図的に消しているはず。千夏がすでに消えていることを意味しているのでは?

・はじまりのルリグに会ったシーンで千夏はメルを召喚していない
尺がなかったからとは考えにくい。ハンナの場合はちゃんとナナシが出ている。千夏の最初のルリグはメルではないのかも?

・メルはすず子に似ていない
千夏はすず子に対して「むしずが走る」と言いながらも、すず子の分身であるルリグをそばに置いている。メルはすず子とは関係ないのでは?

以上のように状況証拠はあるがどれも簡単にひっくり返されるだろう。
それに千夏が入れ替わっていたらすず子のような性格になってなければおかしいし、子供時代から声優も変わっていない。

結論としては、千夏がルリグの可能性は低い。ただし、メルに関しては疑わしい点が多い。
{/netabare}

仮面のルリグの正体を推理してみた
{netabare}
アニメの場合、仮面キャラはすでに登場しているキャラと関係があったりする。それに新キャラを出したところでエピソードの尺がないだろう。
ルリグは女性のみでセレクターの記憶から生まれるなら、ブックメーカーの近くには性格の悪い二人の女性がいたことになる。
該当するのが前作にいる。アキラとイオナだ。この二人はモデルで一緒にいるときも多かった。

ブックメーカーの現在の性格から元ルリグはアキラ、妖艶さから考えて仮面のルリグはイオナ。
ブックメーカーはマネージャーか事務所の社長。これなら二人をよく見ていただろう。

ブックメーカーはアキラに好意を寄せていて、セレクターに選ばれたときアキラに似たルリグを生み出した。そしてバトルに負けていまの性格になる。さらにセレクターになり、イオナに似たルリグを生み出した。アキラならピルルクになりそうだが(清衣のルリグはピルルクだし)、ブックメーカーの記憶にはないので生み出せないはず。
{/netabare}

カードの色は名前に関係しているだけ?
{netabare}
キャラの名前から連想されるだけで、カードの色に意味はないのかもしれない。

穂村すず子→炎→赤
森川千夏→森→緑
御影はんな→影→黒

ほかのキャラも似たような感じ。
このアニメ、期待するほど深くないかも。
{/netabare}

第9話 懸念した通りになった
{netabare}
コインがすべて金になっても期待したほどのオチではなかった。
前に指摘したけど、序盤で謎を出して終盤で解明する手法はやめたほうがいい。先延ばしにするほど視聴者の期待は増す。だけど期待に応えるだけのオチを作れない。オチがイマイチだとその作品の評価も下がってくる。謎はあってもいいが一つに絞るべきだろう。

ハンナは記憶を消すのだと思っていた。そういった視聴者の思惑を外したんだろう。でもハンナの関与はわかりきっているのでそれを思い出したと言われても…。ちょっとずれている感じがした。
ハンナは記憶を消したいのか思い出したいのかはっきりさせておくべきだった。謎にしておけば面白くなるとは限らない。

キャラも設定も悪くはないが作り方を間違っている。いい材料があっても料理人によって味が変わってくる感じかな。
清衣を主人公にして今回の話を第1話にすれば面白くなったと思う。いい素材をうまく使っていない印象を受けた。
{/netabare}

ハッピーエンドになる最終回を考えてみた
{netabare}
はじまりのルリグは声優がモブルリグを担当しているくらいで伏線らしい伏線がない。謎だけど絞り込むことはできる。今回から登場したキャラははじまりのルリグに会ってからルリグを知った。だからはじまりのルリグという名前をつけられるのは清衣しかいない。

清衣以外では新キャラになるが、終盤にきて新キャラに謎の説明をさせるアニメほどつまらないものはない。だから新キャラの可能性は低い。すでに登場しているキャラとつながっているはず。

該当しそうなのが莉緒。まだ過去エピソードが出ていない。莉緒は泣きエピソードを持っていそうなキャラなのではじまりのルリグとつなげればいい。前作も子供の遊びからルールができたような気がする。
もう一人いる。グズ子だ。外見がはじまりのルリグと似ているのも気になる。ただあのキャラでシリアスな説明をするのはどうかと思う。


このアニメをハッピーエンドにする方法はある。記憶が変わるとき周りの状況も変わればいい。ハーレムを持っていたと記憶を変えれば周りが美女だらけになるってこと。これなら千夏が思いとどまるし、セレクターバトルが初めからなかったことにもできる。
{/netabare}

第10話 謎のまま終わりそうな気がしてきた
{netabare}
残り二話なら謎を明らかにするには足りない。オリジナルアニメにありがちな終わり方になりそう。はじまりのルリグですら答えを出さないかも。

今回見ていてやっぱり清衣を主人公にしたほうがよかった。ファンタジーにありがちなラスボスと一度戦って負けるというパターンにもなったし。

次回はすず子と千夏の対決になりそうだけど、ブックメーカーと戦うのはイレギュラーなバトルができるすず子だろう。
{/netabare}

第11話 こうなるような気はしていた
{netabare}
すず子と千夏の対立が主軸なのに、二人のバトルは物足りないもので終わってしまった。千夏が自戒してバトルに負ける展開は読んでいたけどあまりにベタすぎると思っていた。

このような展開になった原因は二つある。
一つはブックメーカーがセレクターだったこと。千夏より強いラスボスが出たためにすず子とのバトルが通過点になってしまった。
もう一つはハンナのオチ。金が5枚になってもハンナのようなオチをつける必要がある。だけど千夏にはそういった伏線がないため、金を5枚にするという展開がなくなってしまった。
どちらも視聴者を驚かせようとして入れたものだろう。それがかえって二人のバトルを中途半端なものにしてしまった
{/netabare}

最終話 オチに気づいた人がいなかったので解説してみた
{netabare}
千夏が当初願っていた通りの結末になっている。
つまり、すず子に関する記憶を消すという願いがかなっている。
皮肉がきいて面白いオチなんだけど、ネットの感想を読んでもこれに気づいているコメントがなかった。

オチはもう一つある。
バトルが終わって千夏はこう言っている。「すずが守ってくれたこの記憶を大切にする」と。
このセリフで最後の一枚がすず子に関する記憶だとわかる。つまり、千夏もすず子との思い出を大切にしていたというオチなのだ。
記憶が消えるにもかかわらず、千夏はバトルしてコインを増やす気はない。
すず子との思い出を消すのが、千夏の贖罪だから。
タイムリミットがきたから千夏の記憶が消えたという感想をよく見るけど、これは間違い。千夏の最後のコインは徐々に黒くなってほんの少し金色を残してタイムリミットを迎えたのだ。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★