2017年度の未来TVアニメ動画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2017年度の未来成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月04日の時点で一番の2017年度の未来TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.2 1 2017年度の未来アニメランキング1位
セイレン(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (535)
2658人が棚に入れました
高校2年生の夏。「嘉味田正一」は進路希望表の内容で担任に呼び出されたことをきっかけに、大人になることへの不安を覚えはじめる。
そんな彼が様々な女の子と出会い……そしてどんな将来を目指していくのか。
未来へ向かって駆け出す等身大の高校生と清廉(セイレン)可憐なヒロイン達の恋愛物語が、今始まる!

声優・キャラクター
佐倉綾音、木村珠莉、井澤詩織、三上枝織、沼倉愛美、下地紫野、黒木ほの香、江口拓也、田村ゆかり、藤田咲、藤井ゆきよ、長妻樹里
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ウケ狙いのネタがなければもっとよかった

学園恋愛ものでファンタジーなし(たぶん)。オリジナルと考えていいのかな。
「風夏」と比べると出だしのインパクトは物足りない(パンツ出せばいいってもんじゃないけど)。このサイトのランキングがあてになるかわからないけど、二つの作品の順位はそれほど変わらない。こちらは徐々によくなっていくアニメと考えておくか。

=キャスト=
常木 耀(cv:佐倉綾音)
桃乃今日子(cv:木村珠莉)
桧山水羽(cv:井澤詩織)
上崎真詩(cv:三上枝織)
三条るいせ(cv:黒木ほの香)
嘉味田十萌(cv:沼倉愛美)
宮前透(cv:下地紫野)
鬼型雅美(cv:田村ゆかり)
高遠由貴恵(cv:藤田咲)
菊池洋子(cv:藤井ゆきよ)
丸石燈花(cv:長妻樹里)
吉田麻子(cv:門脇舞以)

第1話 主人公が女の子だったらよかった
{netabare}
主人公が女の子だったらよかった、とまず思った。女子が座った机のあとを見て顔を赤くする女の子のほうが面白いんだけどなあ。

しばらくはキャラクターを把握するのが大変。机に座っていたのがヒロインの耀(読めない…ひかり、と読むらしい)。cvは佐倉綾音さん。ロリキャラのイメージがあるので、セイレン(セイレーン?)のタイトルと一致しないのが気になっている。
耀に突っ込みを入れたのが高遠由貴恵(cv:藤田咲)。キャラ説明ではツッコミ担当とある。そばにいたもう一人は菊池洋子(cv:藤井ゆきよ)。ボケ担当らしい。藤田さんの演じるキャラはボケのイメージがあるけどなあ。

主人公の妹は、嘉味田十萌(cv:沼倉愛美)。沼倉さんの妹キャラを見るのは「ファフニール」いらい。と思ったら姉だった(笑)。説明には昨年ミスサンタとある。主人公の「わがままサンタ」のセリフの意味がわかった。

バスケのシーンで男子に注意していたのが、三条るいせ(cv:黒木ほの香)。風紀委員で優等生キャラ。最初に出てきた女教師が鬼型雅美(cv:田村ゆかり)。
ここまででAパート。多すぎる…。

テスト結果を見ているときに現れたのが、桃乃今日子(cv:木村珠莉)。「SHIROBAKO」の宮森あおいをやっていた声優さん。ホテルのロビーで話していた二人の女子は、丸石燈花(cv:長妻樹里)と桧山水羽(cv:井澤詩織)。井澤さんは「ウィッチクラフトワークス」で猫だったかウサギだったか、いっぱい出していたキャラで覚えた。今回もいじわるキャラかも。

女子キャラだけだけどこんな感じかな。
最後に這いつくばっていたのは、髪型から考えて耀だろう。

セイレンはセイレーンのことなのか? 男子たちを誘惑する妖艶なお姉さんが出てこないのでわからん。耀がいろんな男子にちょっかい出すキャラなのか、それとも清廉という意味で清い交際をするアニメなのか。
{/netabare}

第2話 普通
{netabare}
宮前透編、桃乃今日子編と続くせいか、ご都合主義的に惹かれあっている感じ。尺がないから仕方ないか。突発的なことが起きるわけでもなくよくあるラブコメな感じでストーリーが進んでいる。

麻子の声は聞き覚えがあったんだけど思い出せなかった。イリヤをやっていた門脇舞以さんだった。あとはツンデレっぽい井澤さんの声がよかった。自販機でできることってなんだろって考えたけど。
{/netabare}

第3話 誰が犯人か推理してみた
{netabare}
女湯に男主人公が入るのはよくあるけど、これは逆なので珍しい。ジャージのゴムのあとに焦点を置くのもマニアックではある。しかし、このアニメのタイトル「セイレン」は、清廉という意味らしいので、マニアックなものは必要ない気がする。
麻子のオチは面白かった。門脇さんの演技によってコミカルな感じが増したと思う。

今回の話では、伏線が二つある。
耀(ひかり)が主人公を避けるようになったことと、携帯の画面を見て、耀が「あれ?」となにかに気づいたところ。
耀の関心事は、バイトをチクった犯人を捜すこと。主人公を避けるようになったのは、犯人が誰か考えていたから。
耀は主人公を疑っているのか?
これは、由貴恵のツッコミでわかる。主人公を気に入ったことを示しているので、耀は疑っていない。同様に楽しく話しているところからも、由貴恵を疑っていないこともわかる。

耀の関心事は犯人捜しで、由貴恵を疑っていない。耀が登校中に見ていたのは、由貴恵の隣の男。つまり、バイトをチクった犯人だ。証拠は携帯のなかにあるのだろう。

ラストは主人公が三角関係を疑って、耀と男が会っているのを誤解するけど仲は深まる、といった終わり方かな。
{/netabare}

第4話 さすがに気づかなかった
{netabare}
証拠の携帯画面は難しかった。由貴恵だけ名前がないとはさすがに気づかなかった。何人ヒロインいると思ってるんだ。でも、伏線としてはなかなか面白かった。耀(ひかり)は携帯画面を見るまでは由貴恵を疑っていなかった。携帯を見て気づいたあとは確証を得るまで泳がせておいたのだろう。
次回以降も推理したくなる伏線があれば飽きずに見れそう。

恋愛に関してはショートストーリーならこんな感じかな。結ばれずに終わりそうだったので意外と思ったけど、結局ハッピーエンドだった。ギャルゲーみたいに結ばれるルートや結ばれないルートでストーリー構成すれば面白いなって思った。
{/netabare}

第5話 ブラコンか?
{netabare}
制服が冬服で耀(ひかり)がバイトをしているので、4月か5月なんだろう。夏期講習に行かないルートの話になるのか?

最後に出てきた男は兄と思った。むかしは宮前透と一緒にゲームをして、格闘ゲームのパートナーだったけど、社会人となった兄はゲームを卒業。寂しくなっていたときに主人公と出会う、そんな設定が思い浮かんだ。

あと気になったのは、やたらと透が目の下を赤くするところ。デレのときもあるけど、ゲーセンに入る前に赤くするのはおかしい。だから、伏線の匂いがした。
{/netabare}

第6話 伏線らしきものはあるけれど
{netabare}
耀(ひかり)編ほど面白くはない。ウケ狙いが多くて恋愛要素が少ない。清廉というタイトルなのだから、今時そんな子いないといったキャラが出てきてほしかった。

伏線らしきものはあるけどもう一話見ないとわからない。耀と透もゲーセン行って風紀に見つかって飼育小屋の掃除をやらされたのかなって思うくらい。
{/netabare}

第7話 キャラの設定はいいんだけど……
{netabare}
起承転結の構成なら”転”になるが、透の諸事情が語られただけ。耀編のときは耀が主人公にそっけなくなって、それが結末に繋がっていった。透編も工夫してほしかった。

透のキャラ設定はいいんだけど、それをストーリーにうまく乗せていない。過去と似たような状況になって主人公によって透が救われるみたいにすればよかったと思う。
{/netabare}

第8話 もっとストーリーを練ったほうがいい
{netabare}
透編は最後までウケ狙いのコントみたいだった。それほど笑えるネタでもなかったし、恋愛要素もほとんどなかったので、どこで楽しめばいいのかわからない内容だった。

本編で一時間半はあるだろうから、映画を一本作るくらいの意気込みでストーリーを考えてほしいものだ。
{/netabare}

第9話 和装はよかった
{netabare}
ここから、桃乃今日子編。夏休みに合宿に行かなかったルートだろう。透のルートも通っているように思えた。

始まったばかりだけど、恋物語を期待しないほうがいい感じ。ヒロインが代わるたびにマニアックになっていく。耀編が一番よかったという感想で締めくくりそう。

構成がよくない気がする。設定もストーリーもそのままで、三人のヒロインのエピソードを同時に進行させるほうがよかった。ゲームならこんな感じなんだろうけど、アニメにすると面白さが半減する。
{/netabare}

第10話、第11話 試着はよかった
{netabare}
宮前透編よりは恋愛してるけど、ときどき出てくるウケ狙いのネタで、しらけてしまう。パンツを試着するのは面白かった。あと一話なので、がんばって最後まで見るつもり。
{/netabare}

最終話&総評 ウケ狙いのネタがなければもっとよかった
{netabare}
桃乃今日子編の最後は普通。ほかのヒロインと比べて普通の女の子なので、こんな感じでいいんじゃないかな。

総評としては、ウケ狙いのネタはいらなかった。ハッピーエンドが決まっているから単調にならないよう入れたのかも。

三人のヒロインのなかでは耀が、ストーリーも含めてよかった。
あとはルートを分けずに、三人のヒロインのストーリーを重ねるほうがよかった。どのヒロインと結ばれるか、投票とか視聴率とかで決めて、放送できなかったヒロインの結末は、DVDとかで見せればいい。そういった販売戦力も考えて作ったら面白かったんじゃないかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リアル高校生「風」恋愛アニメ

「アマガミSS」「キミキス」などが好きな方は当然合うでしょうね♪

オムニバス形式の高校を舞台にした恋愛アニメ。OPは、奥華子さんの透明感溢れる歌声がキラリと光り、今期(2017冬)では屈指に好きな歌です♪

【各話感想】
《常木耀 編》
{netabare}
1話目
ある意味凄いな。何のインパクトもない初回(ラストだけやや印象アリ)w いや、悪くはないですよ。どう考えても、リアル路線の恋愛系で、最終的には、「タヒね! リア充め!」的になっていくのだろうからw ゆっくり愛を育んでいくのもアリだとは思いますよ。もしくは普通に、「アマガミ系」(オムニバス形式)なのかな? ただ、このアニメ氾濫時代において、1話切りされても文句言えない、普通さです。とりあえず、様子見♪

2話目
予備校の合宿なんて行ったことないから、よく分からんな。普通の男子高校生らしいといえばらしい、妄想やら欲求やら。ヒロインの常木さんは、アニメには珍しいタイプ。完全リアルではないが、似非リアル女子高生キャラ。オムニバスだから仕方がないが、ヒロインデレるの早過ぎ、チョロ過ぎだな。

3話目
う~む、リア充してますな~w 勉強しろや(笑)という一言につきます。吉田さんと宮前先生のショートコントは笑ったw

4話目
女子って怖い……。毎週、「ALL OUT」を観た直後に観てるから、落差が(笑) やっぱり、来世も生まれ変わるなら男が良いなw ん? 作画、若干、体に対して顔がデカいシーンない? 海のシーンで思ったこと。まず確実に、スマホが水没してる(笑) なんかこう、応援したくならないカップルだな。嫉妬かな、嫉妬だな(笑)

《視聴終了》
結論。一番応援したいカップルは吉田さんと宮前先生です♪ 本編とカンケーな~い(笑)

アニメには珍しい「イケてる女子高生」がヒロインというのはなかなか良かった。が、なんか萌えられず。やっぱり、イケてる女子高生が、大きな理由やきっかけもないのに、イケてないカミタ君に惚れる展開にムリを感じたからかな。
{/netabare}

【宮前透 編】
{netabare}
5話目
ゲーム好き女子か。ゲーム好き男子からすれば嬉しいよね。しかも、特撮好きで美人で天然エロなんて、妄想の産物やな(笑) ラストに、なにやら怪しいシーンが。

6話目
プリクラ、昔(出始めの頃)から好きじゃないけど、こんだけ、スマホのカメラやプリンターが高性能の時代に、まだ需要があるのかな? 「女の子からの評判を聞きたい」って、どこのギャルゲだよw 常木さん、ゲームできるんだw てか、コメ要素必要かな?
なんだ? ネタ的な微エロもぶちこんできたけどw

7話目
確かに、ゲーム好きで大人しい女子グループに、モデル並みの美人がいたら、浮くよね。男子のグループにおいて、取るとか取らないとか存在しないんだけど、そこを心配するあたり、宮前先輩も女子ですね。もう、さっさと付き合えや(苦笑)

8話目
へ~、コミケって服飾のコーナーもあるのか。いつも(アニメだと)同人誌コーナーか同人ゲームコーナーばかりだったから(笑) ファスナーの場所エロすぎだけど、合理的だ(笑) 正一、諦めるの早っw 喉仏を吸うって、どんなフェチだ(笑)

最終回Cパート(未来の話)は、常木さん編の方が好きだったかな。ただ、ゲームとも服飾とも関係ない職業に就いてるってのが、妙にリアルで良かった。

《視聴終了》
オタク系男子の妄想を具現化したようなヒロインでしたね。ゲーム好きで、行動をリードしてくれて、美形で、エロくて、積極的で、でも清純で。なかなか魅力的なキャラでした。(制作の狙い通りと)分かっていてもハマるという(笑)
{/netabare}

【桃乃今日子 編】
{netabare}
9話目
今までで一番の「らしい」ヒロインかな。良くも悪くも「普通のアニメになった」感じですね。

10話目
どんな格好で寝てるんだよw 恥ずかしがろうよw 常木さん、すっかりギャグ要員に(笑) う~ん、あざとい……。(今日子の)問「どうして男の人はイヴになるとHなことをしたがるですか?」(視聴者の)答「イヴだけでなく、いつもです」(笑)

11話目
トラック回避とか、風夏と被るw 下着のクダリはよく分からなかった。パンツの穴のクダリは意味不明w プレゼントのパンツに穴を開ける=男性として意識していることの証明、っていうのは流石にムリがあるでしょw

12話目
なんか、イライラする(笑) とっくに両想いなのに、いつまでも牽制している生殺し感がイライラするw (可愛い)幼馴染を女として見られないって、アニメなら定番だけど、実際はそんなこと100%ないw

最終話Cパートは、一番普通かな。漫画編集者って、なぜ(笑)? まあ確かに、未来的に考えても、一番うまくいきそうな二人ではあるかな。

【視聴終了】
これまでのシリーズと違い、二人が幼馴染なため、(ゲーム風に言うと)スタートからパラメーターがMAXな二人。そのため、ヒロイン攻略に伴うドキドキ感は少なかった印象。

結論は分かっていて、しかも通じあっているのに、互いに気が付かない二人を、ニヤニヤしながら眺めるぐらいの態度が良いのかな?
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
主人公は共通、ヒロインは各シリーズごとに違うという構成で、恋愛AVGをやっている気分になります。

作り方としては「ヨスガノソラ」と一緒。

楽しみ方としては、各シリーズごとの純愛にニタニタするもよし、他シリーズではヒロインだったキャラとの微妙なすれ違いに切なくなるもよし。

ただ、主人公が共通なので、ある意味では「一風変わったハーレムもの」と観れなくもないです。「ハーレムもの」の正否は、「主人公(男)が、そのハーレムを築くに足る人物か」だと思っています。

本作の主人公「嘉味田正一」は、「優しさ」がメインの男子。それなりの積極性はあるが、基本的には受け身で草食系男子。

個人的に一番評価しているのは、「宮前透 編」。正一が唯一主人公らしく「惚れさせ」にいったシリーズだった。

常木耀は、モテ系女子なので、わざわざ正一に惚れる理由が分からない。たまたまの偶然、かもしれないが、これまで言い寄ってきた男子の中には、正一のようなタイプの奴もいただろうし。

桃乃今日子は、幼馴染み補正が入っているので、主人公に惚れてて当たり前。ノーカウント。

宮前透は、人間的に欠陥があり、コミュ力が低いので、ゲームで繋がった正一に惚れていく展開には説得力があった。自分的に一番好きなヒロインだったし、楽しめたシリーズだった。

そう考えると、(あえて字を当てるなら)「誠恋」をしていたのは、やはり宮前透編だけのように思う。後の二人は、別に主人公を変えても良かったのでは?

(でも1番好きなカップリングは、宮前先生と吉田さんですw)

巷では、桃乃今日子が一番人気のようですね。確かに、一番可愛かった印象です。ただ、なんか一番「アニメらしい」キャラだったな、と。リアルな高校生の恋愛が売りだとしたら、一番リアルにいそうなのは常木さんだと思うし、特殊なキャラという点では宮前さんかな。「普通に可愛い」今日子は、どこかインパクトに欠け、自分的には一番印象に残らなかった(別に今日子が嫌いなわけじゃないですよ。むしろ萌えたんですがw)。

全編を通し、女同士の恋愛がらみ時のドロドロさ(思慮深さ)と、男同士の友情の爽やかさ(バカさ)がかなりフォーカスされていた印象。そこはなかなかリアルで良かった。
{/netabare}

【総括】
ファンタジー設定や展開は皆無で、リアルな高校生の恋愛を描いている。と、思いきや、高校生のリアルな恋愛ってこんな感じですか(苦笑)? だとしたら、私が行ってた高校は、きっと高校じゃなかったんだなw

リアル風に描いていることで、かえってファンタジーよりファンタジーを感じることも(いや、私が部活ばかりやってたせいで、皆はこんな高校生活を送っていたのかも)w

OPは共通していますが、EDは各キャラごとのキャラソンになっている。いずれもレベルは高いと思った(特にOP)。

まあ、とりあえず、主人公の正一に殺意を覚えるアニメだった(笑) リア充タヒね~w

投稿 : 2024/05/04
♥ : 38

rFXEy91979 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

OPはダウンロードを考えるほど。本編自体も最初だけ見て切ってしまうより、一度全部はコンプすべき。

常木耀編(第1~4話)
第1章「ケツダン」
今回の章の主役・常木耀の性格は好みwああいう男子を振り回しちゃう女の子は憧れだから、翻弄される正一君を見てるだけでニヤニヤだね(照れる顔を隠せない正一君は弄りがいある)。ただ失礼承知で言うがあやねるが常木さんの役ってどうも違和感が。もしかしたら長身の役ってところが問題なのかなぁ?
絵についても古そうな絵ってだけで新鮮味がそんなに…美樹本さんの『カバネリ』はあんなに新鮮だったのに。

第2章「ヤマオク」
”拉致られた”って言われた瞬間、妄想する正一君は、ええ非常に分かり易い思春期の男の子です。もうね共感しか見えません。ぶっちゃけます(笑)
ところでこのアニメーションはちょいちょいズレた部分が多いね。例えば「全力救済クラス」の担当講師の恰好が、サングラスと木刀っていつの時代の講師だろ…。ホントネタにもならないよ(ダダ滑りのボケを延々隣で聞かされる気分です)。
まあやっと青春恋愛もののカラーが出始めたけど、キャラデザへの違和感は最終回頃は払拭してるかな?

第3章「オトコユ」
「おでんラーメン」をエロく飲み、ビキニを着て男湯入浴…背徳感満載で、こっちまでドキドキでした(常木編で一番かも)。中でも一番のインパクトは正一君を自分の泊まる部屋へ案内しようとしたら、ぶら下げている自分の(多分)下着を見られて赤面しちゃうとこ。あそこ現状本アニメのさりげない名場面です。何故って普段快活な女の子が赤らめるなんて、そんな激レア瞬間を正一君は見れたわけです(あと男子視聴者ね)。それだけで得した気分になれるのです。単純な男子はw
絵はまだ不慣れのままですが、ここまで切らずにいたお陰で次のラストも見れそうです。やっぱり切らずに完走するのは大変だけどいいものですね。

第4章(最終章)「ホシゾラ」
正一君が自分の妄想を”末期症状”と言っちゃうあたりや、”セロリやニンジンでエッチなこと”とか空気シリアスなのにコミカルwでも合間に感傷的なシーンを挟むところとか、多層的な演出を保っているのが素敵でした。
常木さんが断ったのが大分批判もあるらしいけど、中途半端に縋るより夢の為に身を引くのも、切ないけど前と未来を見据えた結論だと思うし、下手なハッピーエンドよりかは好感持てる展開じゃないかな。
後日譚での”再会”はベタっちゃベタだが、嫌いじゃないwあの後二人がどうなったのかも気になるけどどうなったのかな?

宮前透編(第5~8話)
第1章「コウカン」
一見クール系ゲーマーの宮前透、遂にですね。つか”鹿のゲーム”って何?それ話題になれるのか(まあそれが出会いの縁に転じたから結果オーライ)?
それにしても宮前透はたくさん属性持ってるなあ(笑)美人な上に特撮ものの曲をカラオケで歌うとか、オタク男子にとってはまさに天上の女神でしょ!
荒木先輩は男子の煩悩、一点に背負ってますねえ♪常木編でも美味しかったが、透ちゃんの選んだキャラに鼻の下を伸ばして挙句、一緒にDEADで気付くの遅い。何やってんのとツッコミたいほど彼は素敵な役ですわ。
ところで作中ゲーム(『軌道メカガソガル』ね)が完全、『機動戦士ガンダム』ですわwカップルに妬くガキどももなんすかね、オイシクね?

第2章「タイセン」
まさかここで常木さんが場を搔き乱す再登場とか、前半のキャラクターがリンクしてきて面白いです。チョイと敵役チックな出番で再登場とか、良いのかなw
あと宮前先輩って天然でトンデモ発現するね。ゲーム内で交配パートをためらいもなく催促するとか、かなりゲームや好きなものに迷い無しの一途ですね。もっともそれが波乱を招く要因ぽいみたいですし、転ぶ先が怖さ余ってドキドキですね。どうなるやら…。

第3章「ブラコン」
男子中学生=”生卵のようなプライド”。常木さんはああ見えて、人をちゃんと見てるんだね(やっぱり陽気な人間ほど、人間観察卓越してるね)。その常木さんが宮前さんに”伝える言葉”が、疎遠になっても彼女のことを気にかけてたんだと知れて何だかホッとしました。正一君も信頼できる”聞き手”がぶれずで安心ですし、今回は宮前さんの”周りの相手の回”ですね。
兄貴も楽しいキャラですね。勘違いがクスッとくるし、いくらなんでもフラットすぎちゃう憎めない性格が、なるほど素敵な兄貴ですね。男子に自分の妹の裸を玄関付近で見られてるのに、平然としているところは”良いの?”感が出まくりですが(笑)
さて次で最終章と、絵はやっぱり慣れませんが、中々切らずに見た甲斐のあるアニメになってきましたよ~

最終章「モフモフ」
宮前先輩のコスプレが、ポジション含めて成人向けギリギリライン行ってね?中でもファスナー探す場面のなんとまあ破廉恥か。あれは童貞・純朴・妄想男子にゃ刺激が強すぎるよ(苦笑)
常木さんって荒木さんとチョイチョイキャラ位置似てきたねwてっきり弄るキャラと思いきや、弄られキャラでもあるなんて、これスタッフに愛されてなきゃここまでオイシクされないよね。
つーかED入っても宮前先輩、爆発しとるなw事情知らない正一君の友達いるのに”赤ちゃんできた”だ、”荒廃した”って台詞はさすがにアウトでしょ(笑)面白すぎるわ!郁夫の反応も笑っちゃったし、今回サービス盛りだくさんすぎ!!

桃乃今日子編(第9~最終回)
第1章「カテイブ」
えー、いきなり正一君がブチかましてきました(唖然)ちょっとね…不意打ちにも程あり過ぎて消えました(言葉が)。何かは…まあ見れば分かる。てかここから今日子回のはずなのに、目立つの正一君(苦笑)
うーん今回は控えめに話が始まった印象だった。常木さんや宮前さんはキャラが大分際立ってたけど、今日子は逆に大人しいから静かだって感じたのかな?
でも悪くはなかったし、次がどう出るかかな?

第2章「オサガリ」
サンタのことを”夜空を駆け抜ける淫獣”扱いするキャラ見て、「告訴状が届くわ!プレゼントの代わりに!」と言いたい(苦笑)てか常木さん、『恋愛ラボ』のリコみたいなキャラ化してるぞw鹿といい、ホテルといい、意地張らないで降参しなよ。
いよいよ今日子が正一君を異性として意識したし、正一君も初々しい反応見せてきましたね。あ、そういや今回の章は正一君の妄想場面がなかったな。あったっけ?まあイヤらしい視線は健在だったけど。
ところで正一君と郁夫はもめてるようだが、何があった?ぱっと見壁ドンしてるように見えなくもなかったが(いや、そりゃあねえか)。

第3章「カクセイ」
「カクセイ」ってそういうことか。ED入ってやっとわかったw
正一君を”隣のお姉さん”と呼ぶ裏腹の無自覚が、いつ自覚するのかなと待ってましたが、自覚したのは正一君の方でしたね。うん、盛り上がってきた!
見てて思うが恋愛ってのはホントに容易に行かないね…。勇気出して誘っても成就しないこともあって、想いが増しても上手く言葉にできない自分がもどかしくて、いちいちこう、痒くなってしまうところが厄介ですね。
等身大の恋愛が今日子編の見所なら、間違いなくその見所はちゃんと描写されてましたね。だって二人の行動イチイチ、歯痒いんだもん。見ててw
ところで次で最終回だが、本筋勿論楽しみだけど、個人的には郁夫くんは一体ラストどうなるの?彼、今日子編に入って、大分壊れだしたけど(苦笑)

最終章「ハツコイ」
うん、切らずに見続けて良かった。これ、悪くないよ。
マジか。最終回で男の”生理現象”出すとか、アニメ最後で飛ばしたな。笑っちゃったし最高だわ!今日子編、多分アニメで一番大好きな回かもしれん。
おっとしかも貰ったパンツを正一君は今日子に履かせたwなんすかね、この最終回。色々逆転しましたよ。
決して完ぺきだったとも、傑作だったとは言えない。言えないけど憎めない魅力があるのもまた確か。まだ描き出してない残り三人の女の子の物語も気になるが、描かれないのかな?やっぱ…。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

71.5 2 2017年度の未来アニメランキング2位
正解するカド(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (572)
2456人が棚に入れました
羽田空港上空に突如、正体不明の巨大な立方体が出現する。そこに出発予定だった飛行機が取り込まれてしまう。偶然その飛行機に乗りあわせていた外務省の外交官が、立方体の中でヤハクイザシュクナと呼ばれる正体不明の人?と出会い、日本政府と交渉をはじめるが、、、。

スタッフとして作家・野崎まど、アニメ演出家・村田和也、イラストレーター・有坂あこ、そして『楽園追放』のプロデューサーである野口光一の名前が並んでいる。

声優・キャラクター
三浦祥朗、寺島拓篤、M・A・O、斉藤壮馬、赤羽根健治、伊藤静、釘宮理恵、中博史、斎藤志郎、菊池正美、桐本拓哉、菅沼久義、阪口大助、後藤哲夫、小山剛志、半田裕典、甲斐田裕子、白石涼子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真の道(正解)を見つけた、異方と人類

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
近年観ることがめっきり減った、本格派のSF作品。しかも、アニオリ作品のため、リアルタイム視聴ならネタバレがなく、かなり楽しめました。絵はCGの利点がよく活かされ、かなり綺麗な出来に。ストーリーは重厚で、様々なことを考えさせられます。

色々賛否あるでしょうが、私はわりと好きでした。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ヤハクイザシュニナ(異方存在)が求めた、「処理しきれないだけの情報」とはつまり、「主観」だったのかな、と。異方存在はどこまでも客観的で、人類は結局主観的です。主観とは、心であり感情であり経験です。ヤハクイザシュニナも、最後は「愛(主観)」を手に入れていました。

異方が去り、人類にもたらされたものは全てリセットされた、ではなくて、「進化へのモチベーション」が残ったというのは、かなり面白い結末だったと思います。

さて、作品全体を振り返ると、1話目~8話目までは、多分、シリアス好き、SF好きなら多くの人が賞賛する展開でしょう。9話目を境に評価が分かれるかと。もっとも、否定的な意見が多数派のようですが。

私は後半も楽しく観られました。色々言いたいことは分かりますし、私も、序盤~中盤の方が楽しめたのは事実です。でもじゃあ、「他にどんなラストにするの?」と問われればこれ以上は思い付かないし、「それとも、最後話まで異方の目的などには触れず、ただただ人類のリアルを描いていれば良かったか」と言われれば、それはそれで批判されていたでしょうし(オチなしで)。

序盤~中盤は、人類の愚かさというか、ありのままを描いていました。実際にワムが提供されたら、世界はどうなるのかな? という想像をさせてくれました。めっちゃ良かったです。ただ、あくまでそれは演出の1つであって、作品の本筋ではありません。作品を作品として完結させるとき、9話目以降の展開も必要だったと思います。そして、おそらく作者が描きたいのも、本当は9話目以降だったはず。

つまりはまあ、前座(社会検証)が大トリ(SF)を食ってしまい、爆笑をかっさらった故の悲劇という感じですかね。これは、前座の芸を素直に誉めるべきであって、大トリを貶めるのは、ちと可哀想かなという気もします。

ただ、ひとつだけ不満を言わせてもらえれば、「それでもやっぱり真道は死ななくて良かったのでは?」ということです。だって、サイヤ人理論(地球人との混血により強くなる)により、ヤハクイザシュニナを圧倒した真道幸花がいれば、力ずくで異方を排除できただろうし、彼女の存在だけで、「ヤハクイザシュニナをビックリさせる」という目的は充分に達成できただろうから、死ぬ意味はないです。(安っぽくはなるけど)瀕死か、幸花によって復活しても良かった気もします。

もし、真道が死ぬことに価値を見いだすのであれば、それは、ヤハクイザシュニナ(友達)に「愛」や「悲しみ」(感情)を教えるということだと思います。であるならば、例えば、「真道の死によって感情(人類の力・主観)を得たヤハクイザシュニナは、異方存在より更に高次元の存在へと進化し、自らが新たな特異点となったため、人類を異方に連れ去る必要がなくなり、地球が救われた(ヤハクイザシュニナは異方に帰った)」とかの方が納得がいきます。

やはり、真道が死ぬメリットは少なく、ただ、「なんか作品のラストを芸術的(悲劇的・印象的)にしたい」という、制作の意図によって殺されたのではないかなと、そんな邪推をしてしまいます。ラストの展開は概ね好きでしたが、その一点だけ、気になりました(交渉官なんだから、交渉で解決してほしいという思いもありましたし)。

私は、アニメであっても、人が死ぬのは嫌いです。そして、もし死ぬのなら、「意味のある死」を与えてあげて欲しいな、と思っています。

まあ、結果、今一番記憶に残っているのは、栗Tシャツだったりはするのですが(笑) なにげに、萌え要素も高い、謎の良アニメでしたねw
{/netabare}

【余談 ~真道とは、真の道。道の文化論~】
{netabare}
「我々(人類も宇宙も異方ですら)は、皆、途中(発展途上)」というのは、この作品の大きなテーマですね。

昔、文化論を研究している教授の講義で聞きましたが、これは、剣道を含めた、「道」(柔道・弓道・華道・茶道など)の文化と共通しています。

武道など、「道」の精神性の特徴は、「自分はいつまでも、未熟者」「常に道中にある」「完成はない」という部分にあり、それが、日本人の謙虚さや向上心、他の文化から学ぼうという寛容さの根元になっている、という趣旨の講義でした。

「真道」という名字は、そういう意味で、「自分を途中だと思うことが、真の正解」だということを暗に言っているのかもしれませんね。

そして、そんな日本人の精神性に無意識に惹かれたからこそ、ヤハクイザシュニナは、日本にカドを出現させたのかもしれませんね。
{/netabare}

【各話感想(アニオリのため、ここも本論)】
{netabare}
1話目
{netabare}
人物にはやや違和感があるものの、「カド」の感じを出すにはCGは良いでしょうね。政治家のスピーディー且つ良心的で適切な行動に、違和感w カドの角の上に立つの、超怖そうw 首相のキャラデザ、小渕さんっぽくない?
{/netabare}

2話目
{netabare}
超科学と、まともな交渉ができるだろうか。人質をとったのは、意図的なのか、偶然を活かしただけなのか。海外の国(特にアメリカ)との調整に、えらい手間取りそう。カドに触った瞬間に生体情報を読み取られ、それに類似した個体を精製、とかそんな感じ? なんか、「ライディーン」って感じ?
{/netabare}

3話目
{netabare}
ハルヒなら喜びそうな展開だな。自然現象を相手にするとは、うまい表現だな。ある程度共通する概念や価値観がないと、交渉は難しい。心の安定、確かに日本は最低生活水準が高いし、良くも悪くも画一的で良心的な考え方をする人が多いとは思う。なんか、「ただより高いものはない」展開になりそう。
{/netabare}

4話目
{netabare}
まあ、アメリカ含め、中東もロシアも中国も、絶対に黙っていないよね。使いすぎれば毒、ね。飛行機の中に1ヶ月は、気が狂うな。いくら国連でも、ここまでスピーディーに制裁決議できるかね。世界に落とす爆弾……次が気になりますね。
{/netabare}

5話目
{netabare}
何の制裁? という疑問を抱くような展開にし、世界の仕組みの理不尽さを表現している。マッドサイエンティストはSFでの必須ですな。道具はただの道具、問題は使う側。人類皆で考える。とことん綺麗事と正論の積み重ね。これは、爆弾だな~。ワムの拡散により、価値のあるものを無価値にする。需要に対して供給過多になれば価値は暴落するわけですから、資本主義を逆手にとったわけですね。ただ問題は、「ワムの供給が無限である」という根拠ですね。例えばワムの存在が前提になった上で全てのインフラを整えても、ワム依存になるだけで、ヤハクィザシュナが、「ワム没シュート♪」って言ったら、全ての秩序が再度壊れるわけで。人類がどこまで異方に依存し裏切られるか? なんて展開にならなければ良いけど。
{/netabare}

6話目
{netabare}
今回は正直微妙。カドの移動にたくさん尺を使ったけど、映像美はもう分かったからという感じ。それに、あの移動方法は、「カドの一部は接地」という条件で、私でもすぐに思い付いたけど、それをヤハクイザシュ二ナが即座に提案しないことに、違和感を感じた。カド接地時にドーンとしてたけど、カドって、質量あるのかな? 眠らない人間か。なんか、ヤハクィザシュ二ナの目的って、人類を異邦存在に作り替えることかな? 新堂母の「寂しくないのかな」が伏線になって。
{/netabare}

6.5話目(ちょっと考察)
{netabare}
総集編をやること自体は、決して褒められたことではないけれど、こういう「アニオリ」で「謎解き(考察)」の要素が強い作品なら一定の価値があるかも(最近なら、「けものフレンズ」とか、そういうアニメ)。基本的に、「総集編に残す」ということは、「今後の展開に関わる」重要なシーンだという確率が高いし、今になって気づけることも多い。例えば、ワム初登場時にヤハクィザシュニナが、「これは異方から電力を取り出す装置だ」と説明した時、他の人はポカーンとしているなか、品輪博士だけがノータイムで、「それってヤバくないですか!?」と反応できてることは、彼女の有能さを物語っている。細かいとこを観られるのは、「こういうアニメなら」良いよね。

次週予告、「私達」には、異方も含まれるのかな? 「カドケーキ」(笑)
{/netabare}

7話目
{netabare}
眠れない、でなくて、眠らないこともできる、ならホントにデメリットが少ないな。少なくとも、経済活動は盛んになるね。多次元世界? そこに干渉できるのが異方なの? だとすれば、寝てるだけの人生の自分もいるということ? 発展と幸福。これに関しては、「世界一貧しい大統領」として有名な、ウルグアイの「ホセ・ムヒカ」元大統領の演説が有名ですね♪ 多分、皆が不安なのは、異方側のメリットが示されていないからですね。まあ、根本的な概念が違いすぎるから、メリットデメリットで動くとは限らないけれど、やはり、人間って自分の尺度でしか相手をはかれないから。
{/netabare}

8話目
{netabare}
報道の自由と責任。最後は個人の判断。まあ、正論と言えば正論だけど、それは例えば、「リスクを説明すれば、危険ドラッグを流通させても良い。後は使う人の自己責任でしょ」と言っていることにはならないでしょうか、極論を言えば。そもそも、サンサンの効果やリスクは、異方側の一方的な説明と、たった3人の感覚というだけのもので、何の検証もされてないのに、「個人の判断」に委ねて良いのだろうか。判断の為の材料は本当に提示できているのだろうか。

テレビ番組風の構成はおもしろい。ちょっとだけ、「呪いのビデオ」感が出ていて、リアル視聴者の我々にも「番組を観ない」という選択肢が提示されているようだった。でも、生放送って、途中(サンサ登場)から見始めた人に対しては、どう責任をとるのだろう?

ヤハクィザシュニナから提示される四つ目は何かな? 「話さなくて良い」かな? 「真道と話したい」という、ヤハクィザシュニナの怪しい表情からも、ニュータイプ的な能力(テレパシー・相互理解)とみたw

もしかしたら、次回予告の「お前は神なのか?」から、生命創造的なこと、例えば「不老不死」「記憶を保有したままの転生」「クローン体の複製(と記憶の共有)」なんかかもしれないけれど、そうすると、サンサ(睡眠不要)の価値が薄れるから、それは無いかな。サンサはあくまで、「人間の時間が有限である」という視点に立った時にメリットがあるわけで、そこが無限にあるのなら、必要のない技術なわけだからね。

しっかし、栗Tシャツは笑えたし、萌えたw かなり硬派なSFをやっているのに、隙間隙間に萌えをぶち込んでくるのが良いですね♪
{/netabare}

9話目
{netabare}
違った~w 質量制御、ね。まあでも、こうやって、予想して発信し、外れるのもまた、アニオリ作品の適時レビューの楽しみ(笑) ここで初めて、異方側のメリットが提示されましたね。なんか少し安心したような、がっかりしたような。底が見えたというか。え~、超展開(汗) なんか急にファンタジーというか、安っぽくなったな。つまりはまあ、異方存在はSimCityで遊んでたわけですね、オートモードにして。
{/netabare}

10話目
{netabare}
前半のバトル&説明は、あんなにいらないな~。沙羅花が、「人類の母」的なポジションじゃなく、「人類のファン」というポジションなのは、なかなかに新しく、良い設定だった。沙羅花が、あざとく萌えさせにくるw 真道VS真道、になりそうな展開。これ、ヤハクイザシュニナが、デレるかどうかになりそうだな。
{/netabare}

11話目
{netabare}
なぜ品輪博士の拉致を、わざわざヤハクイザシュニナの前でやったのかな? ヤハクイザシュニナが、だんたん真道にデレてきたなw あれ? 私は「月がきれい」を観てたんだっけ?(笑) この短期間で、人造フレゴニクスだと? 人類の凄さと怖さですね。交渉の基本は、相手に得をさせること。ヤハクイザシュニナをびっくりさせてやる、という真道の視点は温かくて良いね!
{/netabare}

12話目
{netabare}
つまり、異方とは客観であり、人類とは主観である、ということかな。ヤハクイザシュニナが、デレてる(BL)w まあ、通用しないでしょうね、品輪博士の拉致を、ヤハクイザシュニナが笑って見てたから。人造フレゴニクス以上の手段を用意しているとは思ったけど、なかなかに面白い展開だった。サイヤ人の理論ですねw なるほど、異方が残したもの、人類の進化のモチベーションだね。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 57
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

木を見て森を見ず

物語の前日談の第0話から観始めたので
序盤は、主人公に好印象。

国難対応に関して実写風なリアリスティックだが地味な政治家描写、
かつアニメにしては萌えを極力排除した作風。

初回は若干冷めた目で観ていたが、
徐々にその個性が他との差別化となり惹き付けられた。

そして、5話目(第4話)にして
キャラ設定、ストーリーともよく練られていると感じられ
自分の中ではすごく面白い作品に変化した。
そして期待値Maxとなり、最終話まで次回が非常に楽しみに。

<今作のキャラについて>
{netabare}
演じる声優陣も、特に政府絡みの成人男性キャラ、
派手な主役級よりどちらかというと名バイプレーヤーの
「名より実」のベテラン勢が多い印象。
そのためか、各キャリアの重みがしっかり伝わる。

頼りがいがあり
物事の本質を見極められる
大人、リーダーがちゃんと
全体を引っ張ってくれるのが
安心して観られる一番の理由。

最後まで愚者は出てこない。
そのため不要なイライラやハラハラがなくて観やすい。
逆に観終わると人類はすべてお人好しに見えなくもない。

主人公はもちろんだが、
総理が肝が据わってて意外にも魅力的。

他キャラは徭 沙羅花(つかい さらか)と花森 瞬が
和み担当で楽しかった。

釘宮理恵さん演じる理論物理学者もいい味でて好い。
浮ついているようで有能さも滲み出て好かった。

何より一番謎のヤハクィザシュニナがかなり魅力的。

なんでもお見通しなのに人類の自発的行動を
重んじる様が高次元の神的ポジション。

アニメに出てくる神様キャラは、
妙に人間臭かったり、
裁きや高圧的な押しつけがましい
パターンが多い気がしていた。
これくらい人智がとうてい及ばない位
達観して始終冷静沈着な様が逆に新鮮だったのだが...。

{/netabare}
★ 第5話「ナノカ」
{netabare}
想像の斜め上行く展開だった。

エネルギー問題を根底から覆す
人類へのプレゼント、「ワム」。
その争奪をめぐる話になるかと思いきや
まさかこんなに早くワムが全人類のものになるなんて。

毎回次が非常に気になる。

今のところ全話で脚本を担当する
野崎まど氏の世界にすっかり嵌ってしまった。

さすが小説家。
物語の構成力が素晴らしい。
ポイントがよく絞られて
雑味を下手に醸し出すキャラもいない。

ドヤ顔が清々しく決まった釘宮キャラが
見事に今回の助演女優賞獲得といったころ。
まさかヤハクィの〇を〇〇るとは…。

ヤハクィが日本を選んだのは
国益のみに奔走しがちな列強にくらべ
彼の提案に賢明に対応できる相応しい人材が揃っていると
初めから分かっていたからか?

個人的に、犬束総理は、
理想的なリーダーとしてますます株上昇中。

そしてアニメより洋画などの吹替えで聴き覚えのある
桐本拓哉氏演じる報道関係者も存在感がより増してきた。
{/netabare}
★ 第6話「テトロク」
{netabare}
相変わらず地味な展開ながら、30分があっという間。

真道はカドに取り込まれて以来、
自身が不眠不休で働ける体になっていたことに気付く。

もしかするとヤハクィは、人類に恵みをもたらすだけでなく
利用しようという腹積もりがあるかもしれない。

1クールの折り返しにあたる今回、次週の総集編の後、
第7話からは起承転結の転に移行しそうな気配。

今までは直接物語に絡むことのなかった報道関係者、
NNK報道部ディレクター、言野 匠のチームもこれから
どう絡むのか楽しみ。

ワムだっていきなり誰でも簡単に作れるわけではなかったし
カドの地球上の移動における制約など、
異方のテクノロジーの限界と制約、
その対応法など設定がやはりよく練られてる。

今回は、真道の母が初めて登場したが
女丈夫そうで魅力的なキャラだった。
これから彼の生い立ちも明かされるんだろうか。

そして、後半は羽田空港から狭山湖、およそ60kmの道程を
12時間掛けてのカド移転(当に転がしての移動)描写がメイン。
四方2キロメートルに及ぶ正六面体が移動する様は壮観。

移転に対する政府対応が丁寧に描かれ、
現実味があって派手なアクションシーンが無くても十分面白い。

ただ、ひとつだけ気になったのは
カドに取り込まれた搭乗者は全員帰って来たものの
乗っていた旅客機、ボーイング777型はどうなったのか不明な点。

一機、約150億円の高価な機体なのに、
誰もそれの回収を気にしてないのが物足りなかった。
{/netabare}
★ 第7話「サンサ」
{netabare}
序盤は、国家という単位でのシビアな
政治&人類ドラマとなりそうな雰囲気があった。

日本だけに天より恵みが降り注ぎ
諸外国の思惑が絡みだす。
GATEでもそうだったが、きな臭さはそれ以上に感じた。

しかし、7話まで観るとそうではなく
ヤハクィと当事者の問答の果てを
徹底して描こうとしているような気がしている。

<カドが出現し、ヤハクィが体現してから1か月が過ぎた>

カドに飲み込まれ、異方の影響を受けた真道は
20日間一睡もしていないほどタフになっている。
不眠症というわけではなく、寝ようと思えば寝れるらしい。

その効果を生み出す異方の機器が「サンサ」と呼ばれるもの。
今回は、その原理の説明がメインだった。
「サンサ」は「ワム」ほどお手軽に作りだせるものではないらしい。

今まで傍観者だった報道の言野とそのチームは、
世界的な民間ネットサービス企業からの引き抜きにより
公共の組織の柵から解かれ、より自由にカドを取材する立場となる。
そして体当たりの取材をカドに試みた。

結果、カドの内部に招待され「サンサ」取材のスクープをものにする。
初めてヤハクィと真道と直接対峙できた彼ら、
今後の動向が興味深い。

<ヤハクィ、お祭りという日本文化に触れる>

ヤハクィは大量の読書により人の感情を理解し、
自身も人間らしさを身につけ、
日本文化に対し好奇心あふれるさまが微笑ましい。
ヤハクィが源氏物語を読む姿は、なかなか雅な画であった。

お祭りに沙羅花の浴衣姿、彼女は有能なだけでなく
女性の可愛らしい魅力も描かれ好感度急上昇。

個人的に今作の和みキャラNo.1に。
品輪彼方よどこ行った?以前は貴女が一番でしたのに...

それにしても、あんなでかいカメをどうゲットしたんだろうか?
{/netabare}
★ 第8話「タルネル」
{netabare}
<地味に話が続く中、沙羅花の魅力だけは上がり続ける>

異方存在にお引き取り願おうという沙羅花の要望。
私は前回では女性の勘に基づく危機感かと思ってた。

しかし今回、ちゃんと彼女なりの価値基準に基づくものと判明。
そこんところを彼女の実家と家族まで登場させ丁寧に描写。
彼女が根っからのエリート家系じゃなく
庶民的かつ日本の伝統工芸の匠の家系だったのは予想外で興味深い。

真道家も庶民的で相性が良さそうで
添い遂げられるだけの良きご縁に違いない。
こりゃ二人は結婚した方がいい。
二人のDNAを継いだ子孫は優秀で国の宝となるに違いない。

沙羅花は真道くらい肝が据わって落ち着いた男性がいいに決まってる。
服のセンスをとやかく言わないのも包容力の証。
ヤハクィは二人の縁結びの神的存在。

本筋とは関係ないながらそんなこと考えてた。

6話以降、世界のお友達たちは蚊帳の外で
大した緊張感もなくのんびりしたもんだ。

それでもちゃんと作品として面白く感じるのは
ヤハクィの真意が謎のままであることが大きいと思う。

次回、ずっと謎のまま引っ張ってきた
ヤハクィの真意が明確になりそうな予告だった。

サンサ全世界一斉公開の反響も気になるし
やはり次回も観ないわけにはいかない。

そして、そろそろ品輪彼方ロスからも脱却させて欲しい。
{/netabare}
★ 第9話「ナノミスハイン」
{netabare}
<ヤハクィは、利己的な目的で人類の前に現れたのか>

今回、品輪彼方、久々の登場でうれしかったが
そんなことはどうでもいいほどに話が大きく動き、
本作からますます目が離せなくなってしまった。

<巧い展開に最後まで失望することなく観終えそうな予感>

ヤハクィは、目的のためには手段選ばぬ本性が露顕。
ならば、とてつもない異方存在の力の前では、人類は無力。
では対抗しうるのは同類しかないだろうということ。

まさか沙羅花が今後の展開の大きな鍵となるとは!
{/netabare}
★ 第10話「トワノサキワ'」
{netabare}
壮大な世界観にはやはり管弦楽が似合う。
今回で音楽評価を4.0⇒4.5に上げた。

賛否両論ありそうな展開と思うが、私は嫌いじゃない。

<「ワ'」という異方存在>

序盤で描かれたのは沙羅花の魂の足跡かな?

おそらく宇宙の誕生から観測開始。

そこから98億年後の銀河系に興味を示す。

異方存在の仲間からは自殺行為と言われつつも
40億年前の地球上に単独で管理者として降臨。

以降、様々な生物と共にあった。

人として24年前に生まれて沙羅花という名を両親にもらう。

若くして留学。外務省 国際交渉官となった今、現状に遭遇。

<~ひときわ咲いては散る 花にも負けぬ強さ 伝えてく旅詩~>

40億年の間地球と共にあり、無常なる人類を愛する異方存在、沙羅花。
今回、この物語の主人公は彼女と言ってもよさそうに思えた。

沙羅花(M・A・O)が歌う主題歌「旅詩(たびうた)」は沙羅花の想いそのもの。

旅のスケールのデカさ、そして異方存在の寿命は限りなく神様レベル?!

一度は拒絶されたもの、彼女の思いは最終的にヤハクィに届くのか?
九死に一生を得た真道のこれからとる行動は?

偽物の真道では寂しそうなヤハクィに、彼の心境の変化も感じられる。

あと2話でどう話をまとめるのだろうか。
{/netabare}
★ 第11話「ワノラル」 第12話「ユキカ」
{netabare}
総評として、アイディア先行で、次回への惹きつけは上手いものの
それを視聴者の理解と共感と感動に繋げるための構成力に難があった作品。

終盤近くまではそれを微塵も感じないほどの丁寧な描写が光っていたが
最後の2話で失速した。

<結局、ありきたりな、この宇宙を守るための戦いか>

人類に過分な恵みは、毒にもなり得る。
人類はそれをどう受けとめ、どう対処していくのか?
そこをテーマに、世界各国を舞台にした物語だったら
また違った感想になったろう。

今作は、今までの作品にない何かを期待できる構成が光っていた。

特にヤハクィというキャラが、
人類に対しての本当の目的がわからなかった分、
序盤は、超越した存在で
大慈大悲を感じられるキャラで好感度がかなり高かった。

そして本当に人類に救いをもたらすものであって欲しいと
願ったものの願いかなわず。

終盤は、超越した存在だったヤハクィが人間臭くなりすぎた。
普通に利己的で横暴な侵略者、独裁者に見えなくなっていったのが残念。

脅威や敵方がいないと物語として成り立ちにくいので
それもやむを得ないと思う。

しかしそれならそれで、中盤で化けの皮が剝がれて
最終話の結末に無理なくつなげて欲しかった。
特に第12話の内容を1話分でまとめるには、無理がありすぎる。

結局、終盤の駆け足でキャラの誰にも感情移入も出来ぬまま
起きてしまった出来事を傍観するのみで終わってしまった。

物語評価は11話までは4.5だったもの最終話で急落。
大風呂敷畳むに、強引、かつご都合主義全開で
話がかなり安っぽくなってしまった。

構成力があれば深みや味わい深さのある作品になり得たと思うのだが...。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最終話 結局、正解はなんだったんだ?

今期のオリジナルでは一番期待している作品。映画や海外ドラマとまでは言わないが、つづきが気になるものを作ってほしい。


第1話 交渉する話かな
{netabare}
だれが主人公かわからなかったけど、たぶん、飛行機に乗っていた外務省の男だろう。凄腕の交渉官という設定なので、謎の存在と交渉して、地球を救うみたいな話かな。

”カド”は、立方体の名前らしい。このカドが謎の中心になるんだろう。このなかから人らしき者が出てきたときは、ちょっと冷めた。ありふれている感じがした。

作画は全部CGかな。キャラの動きが不自然なのであまり好きではないけど、ストーリーがメインなので気にしない。

いろいろ予想したくなるけど、材料が乏しい。気になるのはタイトル。交渉官が正解を出すならわかるけど、カドになっているのが謎。

少ないデータを頼りに予想してみた。
ネゴシエイターみたいな、かけひきがストーリーのメインになる。カドは地球を滅ぼす存在。これはありそう。人工知能のようなもので、地球についてわからないことを交渉官に尋ねてくる。カドが正解、つまり、地球を滅ぼさずに済むと結論づけるまでの話……第1話を見たところでは、こんなところ。
{/netabare}

第2話 過度な期待を持たなほうが正解かも
{netabare}
期待はしてもいいが、過度な期待はしないほうがいいかも。楽園追放を見てから考えを改めた。作画技術は上がっているけど、ストーリーは後退している気がした。

気になった点を挙げてみる。
まず、カド。ヤハクィザシュニナのような名称でないのは不自然。例えば、クワードゥみたいな感じ。立方体の概念がなかった時代にも出現して、カド(角)と呼ばれたとか。
ただ、人類の進化や文明の発展に寄与したみたいな設定はありふれているので、やめてほしい。

それから、カドにはコピー機能がある。真道が機内から出てきてヤハクィザシュニナが現れたから、真道に関係ある人物と似ている可能性はある。
真道が頭を抱えていたシーンは、大量の情報を頭に叩き込まれたか、もしくはその逆かな。

問題は謎の部分。たぶん、明らかになるのは終盤。真道はカドがなにをするのかわかっている節がある。真道が主人公だと、アンフェアな気もする。かけひきを主軸にするなら、謎は序盤で明らかにしたほうが面白くなると思う。
{/netabare}

第3話 つづきが気にならない
{netabare}
早く次回が見たい気持ちにならない。緊迫感がないせいかな。謎で固めすぎてるのもある。謎の真相→アニメの評価になるので、よっぽど面白い展開を用意してなければ、また低評価のオリジナルアニメになるだろう。

高次元(正確には違うが)の物って、人類では理解不能だと思う。理解できる物が出てきたのが不自然。ほかのアニメでも、ときどき、高次元って言葉が出てくるが、流行っているのか?
あのタマタマを巡って各国が争いながら、正しい使い道(正解)を導き出すっていう展開は、ありふれているかな。
そもそも正解を出すのが人類なら、カド=人類ってことになる。
{/netabare}

第4話 すごいぞ日本みたいになるのか?
{netabare}
各国が欲しがるタマタマを、日本が退けていく展開になるのかな、って思った。そこそこ面白いけど、進むのが遅いので、あきてしまいそう。

気になった点がひとつ。
タマタマを国連の管理下に置こうと各国が考えるのがおかしい。得たいの知れないカドから出てきたものを、なぜ便利な物として捉えてしまうのか。これでは登場人物たちがカドを信用していることになり、設定が矛盾してしまう。

「とりあえず、日本に置いててよ」となるのが正しいと思う。さらに、日本から出さないように厳戒態勢を敷く。使用してみて、日本が無事だったら、うちらも使ってみるかって、なるんじゃない。
カドが得体のしれない物であることを、もう少しきちんと描くべきだと思う。
{/netabare}

第5話 正解するかどうかの話ではない気がする
{netabare}
人類はワムを正しく利用できるか、それとも……みたいなアニメになってるけど、違う気がしてならない。理由は、アニメにするほどの内容ではないから。ワムをうまく使えるかそうでないかの結末で、面白いとは思えない。だから、ワムはブラフか伏線の気がする。

あと気になるのは、主役は交渉官なのに、ほとんど交渉していない。ヤハクは難題を出してはくるけど、交渉とは違う。

予想してみたいけど、データが少ない。品輪彼方(cvが釘宮さんのキャラ)のところに運んだのは、ただの鉄の玉なんだろう。それが簡単にワムになることをつきとめたのかな。総理に見せたのはその逆で、鉄の玉に戻るところ。

注目点はワムではなくカドだと思う。タイトルにもなってるから。カドは無線LANの親機みたいなもので、カドがあるから人類も異方とつながる、とか。
{/netabare}

第6話 眠くなった
{netabare}
カドを転がすだけの話。あんな単調なシーンを見せられたら眠くなるわ。
最後のセリフのとき、「寝てたよ」と突っ込みたくなった。

CG技術は上がってるけど、それを見せるばかりで、ストーリーがおろそかになってないだろうか。
キャラ同士のからみがあって、感動作や傑作は生まれると思う。このアニメは謎(カドやワム)に重きを置きすぎている。ラストで驚かせるのだろうが、それまでの過程をもう少し工夫するとか、キャラ同士のからみをもっと増やしたほうがいい。
{/netabare}

第7話 ひも理論かな?
{netabare}
今回見てて浮かんだのは、ひも理論。詳しくは知らない。
世界は10次元以上でできていて、我々がいる次元からは他の次元は認識できない。紙を広げると2次元だけど、丸めると3次元になるように、形を変えることで他の次元を認識できるとか、そんな感じでいいのかな(適当)。
人間が認識できない次元を認識させていく、そんなアニメかなって思った。

あとは、唯一?のヒロインのごくわずかな色っぽいシーンがあったくらい。さほどストーリーは進んでいない。取材班が来なくても、結局、映像で見せるしかないだろって、突っ込んだ。
{/netabare}

第8話 タイトルがオチ?
{netabare}
沙羅花のファッションセンスは人類のものではないね。きっと沙羅花は異方からきたんだよ(笑)。
すでに異方存在が紛れているという展開もありかなって、沙羅花の服を見ながら思った。

タイトルがオチになってそうな気はする。人類に正解を出させているのに、タイトルはカド。人類=カドだとすると、カドが人類を集約した物体になるのか。それも変な気がするなあ……。
{/netabare}

第9話 予想通り(笑)
{netabare}
やっぱり沙羅花のファッションセンスは人類のものではなかった。感性の違いをあのTシャツで示したんだろう。わかりにくい伏線だった。

宇宙の初期設定(だったかな?)あたりの説明をしているときは、SF風でよかった。目的が情報集めなのはイマイチ。ネットの時代に考えつきそうなオチだった。人工知能を搭載した宇宙船でも飛ばしておけば情報を集められそう。

硬派なSFアニメと見ていたけど、沙羅花が変身して突っ込んで、低次元なバトルアニメになりそう。沙羅花は人類の生活に感化された、みたいな展開なんだろうけどベタすぎる。人類を利用してなにかを集めるというのも、某魔法少女アニメのほうがいい。
{/netabare}

第10話 トワノサキワ'とは?
{netabare}
冒頭部分の説明。
まず、I-年は、インフレーションのIかな。ビッグバンのまえだから、描きようがない。
そのあと、暗くなってから光るのがビッグバン。
ビッグバンから38万年後に”宇宙の晴れ上がり”。
7億年後に最初の銀河ができて、92億年後に太陽系ができる。98億年後の特異点は生命のことかな。
以上、ネットで調べただけなので正確かわからない。

『トワノサキワ'』は、異方存在の便宜上の名前のように思えた。
ビッグバンになるまで、”ワ”と”キ”しかいない。"ワ"は、沙羅花で、"キ"は、ザシュニナか?
よく見ると、菱形と輪っからしきものがある。指輪をはめていたところからも"ワ"が沙羅花だろう。
"ワ"と"キ"が、自他を意識するみたいな会話があり、六つの物体が突入?していく。これが『トワノサキワ'』か?
解析したところで、それがなに、って感じなんだけど。

沙羅花は魔法少女なのか。変身が解けたら裸になるなんて、だんだんひどくなっていく、このアニメ。
真道がいなくなって、ザシュニナが寂しいみたいになっていたような……。
沙羅花の指輪が異方との境界で、ザシュニナはカド。そうなると、正解するのは、ザシュニナの可能性もある。
あと、カドは変形するような気がする。
{/netabare}

第11話 視聴者を驚かせてほしい
{netabare}
カドが巨大化するのは許容範囲だろう。もう少し驚かせてほしかった。
沙羅花が魔法少女になるまでは面白かった。まだ総評には早いけど……。
なぜバトル展開にしたのか、いまだに疑問。

物理学者の品輪彼方だけは進んで異方に行きそう。名前からしてそんな感じもするし。
あとは、タイトルの意味がどういうオチなのか、それが楽しみではある。
{/netabare}

最終話 結局、正解はなんだったんだ?
{netabare}
驚いたけど、めちゃくちゃ。
下町の工場で作ってくれたものはなんだったんだ。こっそり子作りしてそっちが正解なんて……。
異方の力が遺伝されるのもご都合主義と言いたくなる。
沙羅花が魔法少女になった時点で、なんでもありだったから、面白い一発芸を見たって感じ。

タイトルについて考えてみる。
英語では、KADO: The Right Answerとなっている。訳すと、カド:正解となる。カドが正解を出すとはなっていない。
:の記号を=と考えれば、カド=正解。カドの目的が正解と取れなくもない。つまり、人類を異方に連れて行くこと。これがタイトルの意味と解釈して、モヤッとした気分を解消した。どうせなら星界のカドってするほうがかっこよかった。


総評
沙羅花が魔法少女になるまではSFしててよかった。それ以降はアニメらしい展開。つまらないというより、もったいない。せっかくの設定を生かせなかった。
沙羅花は異方のものに異を唱えていたから、人類としては異質な存在になっていた。それを異方存在にしたために、普通になってしまった。人類だからこそ、変なTシャツを着ていて面白かったんだと思う。

伏線を張っていないので驚かせても一発芸で終わり、印象に残らない。最初からもう一度見るという気持ちにもなれない。第3話で沙羅花が子作りを考えていた伏線があったら、評価は変わっただろう。アニメが始まった時点で結末を考えていなかった、そんな気すらした。

視聴者を驚かせはしたが、楽しませるという点では正解は出せなかったと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

68.8 3 2017年度の未来アニメランキング3位
Rewrite 2nd Season(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (347)
1754人が棚に入れました
「Kanon」「AIR」「CLANNAD」といったPCゲームで知られるKey/ビジュアルアーツが2011年に発売したPCゲームを原作とするアニメ。身の回りで不可解な出来事が起こり始めた主人公・天王寺瑚太朗が、オカルト研究会や知り合いを巻き込んで謎の調査へ乗り出す様子を描いている。7月から9月にかけて1stシーズンが放送された。監督・シリーズ構成が原作ゲームのOPアニメを手がけた天衝さん。構成・脚本協力は原作ゲームのシナリオライター・田中ロミオさんと「CLANNAD」のシナリオを担当した魁さん(ビジュアルアーツ)の2人で、キャラクターデザインは「グリザイアの果実」でメインアニメーターを務めた野中正幸さん、アニメーション制作はエイトビットが担当している。

声優・キャラクター
森田成一、斎藤千和、篠宮沙弥、喜多村英梨、すずきけいこ、朝樹りさ、花澤香菜
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

篝火が導くたった一筋の道を歩む男の物語…世界観が壮大なだけにもったないと感じるアニメ

【二期開始前に】
この正月、一期の集中放送があり、改めてこの作品を視聴しました。思ったことは、この作品は一気見した方が圧倒的に面白いということでした。特に後半は展開が早くて、一週待たされるごとに先週の記憶は薄れ、ついていけなくなることがあったように思います。
一気見だとストレスなく視聴でき、ストーリーや相関関係が分かりやすくなっています。ただ、一気見だと謎もさらに多くなったように感じます。瑚太郎の能力、瑚太郎と小鳥の本当の繋がり、胡太郎に残る篝の記憶、瑚太郎の過去を知っていそうなガーディアンの連中、サクヤとは何者なのか、篝の存在理由、月とおぼしき場所の篝等々キリがありません。これらを解決することなく終わったのが一期で、二期に全部持ち越しです。最初から二期ありきの作りだったのでしょう。
一期で評価を落として、二期をスルーした人が多かったというリトバスと同じ流れになっている気がします。リトバスは二期の方が断然面白いのですが、一期見て二期を積極的に見たいと思う人はkeyが好きだという人に限られてしまったように思います。Rewriteもたぶん二期の方が圧倒的に面白いと思いますが、一期でついてこれなくなった視聴者を呼び戻すことができるのでしょうか?

ただ心配なことが…これをまた1クールでまとめるというのでしょうか。かなり複雑で、世界観が大きいから心配です。好きな内容なだけになおさらです。

1話…ヒーコーの威力を再認識
{netabare}いきなり小鳥が篝を撃とうとする場面から始まります。それを阻止しようとする瑚太郎。静流が篝を撃ち場面が転換します。今度は静流と瑚太郎が別れる場面。二人は恋人っぽい。場面がまた変わり今度はちはやと恋人っぽい。その後も瑚太郎が経験した世界が語られる。その途中では別の世界にいる篝に殺されまくる瑚太郎。
瑚太郎は様々な世界線を生きては篝のそばに来ることを繰り返していたのだ。篝に近づこうとする瑚太郎。拒む(というより興味がなさそう)篝。多くの世界を見てきた胡太郎は核心に近づく。そしてコーヒー飲まないか?と誘う瑚太郎。興味を示した篝はコーヒーを飲む。それも三杯も。そして壁は取り払われ、篝と接触に成功。篝の紡いでいた場所へ入るのだった。

原作を理解していないとかなり難しい展開だと思います。一期で謎だった瑚太郎の記憶の一部が分かりました。つまり一期はいろんな世界線の一部だったということだったんですね。二期初回で見たルートはゲームで確認してね、という感じです。
どうなんんだろう、これに至るまで一期は必要だったのか?と思います。正直、この1話の方が一期全話以上に面白いです。とはいえ、一期がなければ登場人物や全体の構成が分からないので必要性はあったのでしょうけど…
moonからterra、物語の本筋がようやく始まりました。{/netabare}

2話…瑚太郎の決断
{netabare}瑚太郎の一人語りが始まる。篝の存在、篝の行っていること、この世界とは、自らの存在が自問しながら、確認しながら明らかにされていく。途中で魔物化して篝に刺されるが、以前とは違い、篝も瑚太郎の存在が近いものになっている。瑚太郎が篝を守るべき存在と認めたとき、魔物が襲う。聞いたことのある声、加島桜だった。加島は人間そのものが忌むべき存在と考え、この世界の篝も消そうとしていたのだ。胡太郎は戦いながら気づく。自分も本来は篝を消すために生まれてきた存在だったと。しかし、今は守り、篝を消そうとする存在と戦うこと決断した。
瑚太郎一人では戦えない。瑚太郎は思う、みんなが必要だと。部屋のドアが開く。そこには小鳥が立っていた。促されるように外へ出た胡太郎のもとに吉野たち、そしてオカ研メンバーがいた。ここから真のルートがスタートする。

原作知っていないと本当に理解しがたい物語です。特に加島桜と瑚太郎は一期で全く絡んでいないのでアニメだけだと?になっただろうと思います。一見さんお断りでよく通したと思って…。圧倒的に二期の方が面白いんだけど、深すぎて原作知っていても難しい内容ですし。感覚で楽しむのが一番ではないかと思います。
小鳥たちが現れた時、不覚にも泣きそうになりました。Keyのズルい作り方は相変わらずです。物語の後半に一人語りや重い話を展開させて、大事な人や仲間をポンと登場させるやり方、実に泣かせ上手。しかも、ずっと見ている人に効果絶大な手法です。kanon、CLANNAD、リトバス、Cherltte等々、同じ手法なのに泣ける。これぞKeyというしかありません。{/netabare}

3話…そして舞台は次のステージへ
{netabare}オカ研メンバーが揃い、篝の研究について話し合う。しかし、どれも結果は救済や破滅に向かい、なかなか道筋が見えない。瑚太郎がこれまでのルートを再確認していると、ふと空白の時間に気づく。それは瑚太郎が篝にやられそうになり小鳥に救ってもらった時間、10年という期間だった。
やがて篝のボードから弱弱しい線が消える。瑚太郎が何気にメッセージを書き記すと、そこから一本の道筋が現れる。これまでとはまったく違うものだった。これがひとつの機転となり、篝の研究に決着がつきそうになる。そこへ加島が総攻撃を仕掛けてきた。
瑚太郎たちオカ研メンバーと吉野が迎え撃つ。次々力尽きるメンバーと仲間、そこへサクヤが現れる。瑚太郎とサクヤは邂逅する。サクヤがすべてを込めて攻撃を仕掛ける、サクヤのもうひとつの姿となって。瑚太郎もなりふり構わず振り払う。そして救済(というより篝の回答が出て別の場所に向かうといったほうがよい)が始まる。瑚太郎と篝が別れの話しをする。瑚太郎が消える瞬間、今まで居たのが月で、地球の運命にこれから向かうことを悟る。

オカ研メンバー+吉野、サクヤまで現れて消えていく。とても切ない話が詰まった回でした。篝との話が決着したことで月編は終了です。次回から最後の話に向けて動いていきますね。詰め込んで見えますが、一期の終わりに比べたら内容も濃いし、十分に楽しめました。
ただ、話の中で「淘汰される」という言葉が何回か出てきましたが、このアニメ自体、視聴者がどんどん淘汰されていっている気がしますね…。{/netabare}

4話…そしてまた新たなアニメが始まった
{netabare}砂漠を走る車両の列。その中に瑚太郎がいた。狙われる車列、何だか戦闘に巻き込まれているいる感じだ。
場面は変わって瑚太郎の生い立ちが表現される。高校生になった瑚太郎は心が荒んでいた。わけのわからない心境に怒りをどこへぶつけていいのか分からない、思春期のそれのようだ。地球防衛と称して異物を殺しまくる瑚太郎だったが、森のなかで恐竜っぽい生物に襲われる胡太郎。そこを救ったのは若き頃の江坂たちだった。互いに本当のことを言わない瑚太郎と江坂。メル友になった。
瑚太郎の隣に住む神戸家の子供、小鳥。頭はいいのに無愛想で可愛くない性格。当然、瑚太郎とは合わない。それでも繋がっていく瑚太郎と小鳥だった。

いよいよ始まったテラ編。これまでの流れとはがらりと変わり、瑚太郎は心が荒んだ少年に描かれています。オカ研のメンバーは小鳥も朱音も子供、吉野も子供、今宮は高校生に、江坂も若いし、つまり、この段階はムーンで見た空白前のこと。時間軸の戻りではなく、新たに始まった物語と考えた方がいいでしょうね。
今宮が一期で「まっとうな高校生やってんだ」がここに繋がってたんですね。瑚太郎と小鳥の両親が出てきて、一期で分からなかった二人の関係も分かるし、どんどん繋がっていく感じです。瑚太郎の能力も次第に明らかになるでしょうし、ガイヤとガーディアンのことも分かってくるでしょう。見てきてモヤモヤしていた部分、きっちり回収させてもらいます。{/netabare}

5話…key作品なのに足りないものがあった
{netabare}瑚太郎はマーテルを抜けたいと考えていた。そんなとき、マーテルの重要人物である加島桜と面会する。加島の質問をうまくかわし、その後、江坂と会う。江坂からガーディアンへの誘いを受け、瑚太郎はマーテルを抜けてガーディアンに入ることを決断した。家を出るとき小鳥と会う。小鳥は家族と出かけるところだった。その時、突然頭の中で選択肢が現れる。出かけるのを止めるべきという選択肢が選ばれたが、止めることはできなかった。小鳥と祭りを一緒にまわる約束をして瑚太郎は別れた。
ガーディアンの戦士になるための半年間の訓練に臨む瑚太郎。そこに集まっていたのは同世代の能力の持ち主たち。瑚太郎と同じように力の持って行き方を分からずにいて、ガーディアンにスカウトされたもの達だった。知った顔もいた。中学時代の同級生の今宮だ。そこで訓練を受け、力のランク付けがなされた。瑚太郎は22人中の最下位、最高成績は三国(cv緑川光)だった。グループ分けされ、瑚太郎含む下位の四人が組むことになり、今宮、西九条、長居と一緒になった。その後、訓練期間は終了したが、長居は辞めていた。

今宮、西九条ときて、長居はツチノコ追いかけてて朱音のもとにいた津久野ですね。一期で謎だった今宮が胡太郎を知っている風だったのはそういう訳でした。一期の時は瑚太郎の記憶失っていて、今宮も西九条のことも覚えていないからあんな状況になったたと。一期での人間関係がよく分からなかった部分がどんどん明らかになっていきます。
瑚太郎に現れた選択肢は導かれているということなんだろうと解釈しました。小鳥はこのあと事故に遭い、大きく人生が変わっていきます。これを止めれば大きく流れが変わりますし。このあとも大きな選択肢が導いていくのでしょう。

key作品なのに足りないものがあった。それは「緑川光」。ここできたかという感じです。今回は斎藤ではなかったね。{/netabare}

6話…ここで分岐した
{netabare}訓練から風祭に戻った瑚太郎、スパイとして仮名「鈴木凡人」と名乗ることになった。今宮、西九条とともに森周辺の見張りと「鍵」を見つける指令が与えられ、任務に当たることに。今宮と西九条は這い上がりたい思いがあり、隣のグループのピンチを知り、行ってしまう。瑚太郎は脳内選択に従い、追いかけるが、途中、朱音の名札を見つける。慌てる瑚太郎だったが、三国たちが地竜と戦っているところに遭遇する。三国たちは地竜になす統べなくやられて死んだ。
瑚太郎は朱音を見つけるが、怪物が現れる。退治して朱音を救った瑚太郎は不思議な光の柱を見つけて寄っていく。そこには篝がいた、いわゆる鍵だ。ガーディアンにとって鍵は消さなくてはならない相手。しかし、瑚太郎は見逃した。江坂のもとに戻った瑚太郎は銃の扱いを覚えたいと訴え、本人いわく、逃げるように外国へ旅立った。

この回が本当の「鍵」でしたね。これまではここで瑚太郎は篝にやられて瀕死になり、小鳥に救われて10年間眠り、個別ルートに突入だったのですが、見逃した(篝に救われた?)ことで、これまでにはない展開へと移っていったということになります。実際に、篝と遭遇した時に小鳥がうろちょろしてましたしね。これでtella編の初回に繋がっていきます。{/netabare}

7話…見つけた居場所は
{netabare}傭兵として外国に行った瑚太郎。ガーディアンの組織内であったが、そこは差別があり、新入りで、しかも能力が劣る瑚太郎には厳しかった。初めて人を殺した瑚太郎はPTSDに陥ったが、親友となったルイスや地元の子供たちと心を通わすうちに救われていた。
ある日、魔物が現れ、魔物使いを退治する命が下り、瑚太郎も参加することに。敵を追い詰め、踏み込む瑚太郎とルイスの前に現れたのはヤスミンたち、瑚太郎が面倒を見ていた子供たちだった。愕然とする二人だったが、ヤスミンは生きていくために魔物使いになっていたと語る。瑚太郎たちは生き残った子供たちを救おうと逃げる。途中、部隊の相当作戦が行われ、逃げ切れる感じではなくなった。そこでルイスが槍を使って足止めを行う。ルイスは過去の過ちを語り、もう足を止めるのはやめることを決意したと瑚太郎に語りながら、消えていった。
ヤスミンたちを救った瑚太郎は成長した。ヤスミンたちを援助しながら、新たに魔物使い、能力者関係なく子供たちを救った。救った子供たちが元気に遊ぶ姿を見て、瑚太郎は新たな可能性を見ていた。そして江坂から連絡を受け帰国、ヤスミンに別れを告げた。

一期ではミドウの過去にちらっとだけ登場したヤスミンが登場です。もう完全なヒロインでしたね。瑚太郎に気を向く少女はツンデレが当たり前…。これでミドウの残酷な過去も無くなったということかな?
ルイスは大きな存在でした。ヤスミンとルイスは瑚太郎の人生に大きな影響を与えたということでしょうね。今回の話は泣きそうになりました。これから更に泣けそうな感じの話がありそうですけど…やっぱり泣きゲーの基本は変えないということかな?{/netabare}

8話…篝がまともにしゃべっている!
{netabare}帰国した瑚太郎は江坂と会う。鍵探索のために人手不足だったらしい。そのために呼び戻されたとのこと。
瑚太郎はヤスミンと鍵の実態を調べていた。そして、鍵と会う。鍵=篝は瑚太郎に地球の事情を話し、瑚太郎に地球が滅ぶことを止めるため「良い記憶」を残すように半ば命令した。その一つのとしてガイアとガーディアンの争いを止めるように勧める。
さっそく瑚太郎は実行に移した。今宮、西九条から自分達の役割を聞き、その役目が緩いことを知るとガイアに潜入し、魔物を使うまでになっていた。そして篝と再び会う。篝は焦っていた。ガイアの殲滅とガーディアンの壊滅を望むが、瑚太郎にたしなめられる。
瑚太郎はガイアの内部抗争を利用しようと考え、加島桜と対立する須崎に近づいた。その事を話そうと篝のもとに行くが、いない。篝を探すと、篝は歩き回っていた。篝を叱る瑚太郎に篝は驚きを隠せなかった。その夜、ヤスミンと情報を交換し、ヤスミンに更なる探索をお願いする。
篝のもとを訪ねると小鳥がいた。小鳥は事故で両親を失い、両親の蘇り(ゾンビ化)と引き換えにドルドイとなって篝を守っていたのだ。しかし、瑚太郎は小鳥を責める、死んだものは蘇らないのだと。小鳥は泣いた、優しくしてくれる人がいないと…。

重い、重いけど、篝と瑚太郎の会話にはクスッとするような話しも交えていました。篝と瑚太郎の関係はmoon編での流れを汲んでいるので分かりやすいです。
小鳥に冷たく当たったのは戦場での出来事があったからなのでしょうね。ルイスの死に、ヤスミンたちを巻き込んでしまった後悔。小鳥が巻き込まれるのを黙ってみていられなかったのだと解釈しました。
tella編、重い話が続きますが、本当に面白いです。ただし、流れが早い気がしないでもありません。また最後混沌にならないか心配なんですが、一期のようにはならないと思います。一本の道筋があるので、流れが急でも大丈夫だろうと思います。{/netabare}

9話…騙し、悟られ、さらに騙し、篝にはよしよし
{netabare}篝に同調してガイアとガーディアンの二重スパイとなった瑚太郎。とうとうガイアの中心人物、加島桜と対面する。その会話について篝に報告すると、篝は不満そう。自分が何とかするような話しぶりに、瑚太郎は篝の頭をなでるのだった。
そんなとき、朱音が森に現れる。なんでも昆虫採集(中身は魔物)で迷ったらしい。朱音を届けると、そこにいたのは長居だった。長居はガーディアンのことを覚えておらず、津久野と名乗っていた。朱音には友達(ちはやだ~)ができていた。
州崎のところへ行くと、加島と会っていたことを問い詰められる。瑚太郎は会話の録音を聞かせ、その場をしのぐ。そして、鍵のことを聞き出し、州崎が行おうとしていることを知る。州崎は滅びから人を救い出し、その者たちと生きていく、ノアの箱舟のような計画を実行しようとしていた。
江坂が海外へ行くことになり、江坂の店は瑚太郎が代理店長になることになった。瑚太郎は州崎と加島を争うような仕掛けを考えていた。
州崎は加島が朱音を聖女にすること、ガーディアンだった津久野を抱えた情報を手に入れ、加島を追い落し、さらに、朱音をさらってしまって、亡き者にしようと考えた。そこで、朱音の連れ去りを瑚太郎に依頼する。
ガイアの会議では、加島が先手を取った。朱音のこと、津久野のことを話し、出席者の同意を取り付けたのだ。瑚太郎の動向を探っていた加島の勝利だったが、瑚太郎はわざとそのように仕向けたのだった。瑚太郎には朱音を亡き者にすることができなかったのだ。
一連の出来事を篝に話すと、篝は感情が爆発した。人の行動が理解できなかったのだ。感情がないはずの篝が感情を爆発させる、それをとめる手段はなく、瑚太郎は篝にキスをした。動揺する篝、感情の爆発は抑えられ、その場を離れた。

「スーパータンク篝ちゃん」重くなるばかりかと思ったら、篝が篝であることで軽くなった感じです。それにしてもこの瑚太郎、小鳥といい、篝といい、一期の小太郎ならうまく立ち回れたと思うけど、この瑚太郎はこれまでにはない瑚太郎ということなのか?
瑚太郎の篝への気持ちは何故かはわからないと答えていたけど、月編での「再び会いたい」という愛情にも似た感情が受け継がれているんだろうなと思います。
う~ん、話が大きくなっているけど、後数話でうまくまとめられるのか?{/netabare}

10話…良い記憶とは何なのか?
{netabare}瑚太郎が動く。森に近づくガイアの魔物使いを抹殺、さらに篝を捜索するガーディアンの連中にも容赦ない。
餌かが帰国し、ガイアの要人である須崎を捉え、瑚太郎が抹殺。これによってガイアとガーディアンの全面対決は不可避となった。加島桜は滅ぼしの儀式を始め、篝がおかしくなり始める。
瑚太郎は全ての準備を整え、最後の戦いに挑むことを決めた。ヤスミンには感謝をし、小鳥にはツラくあたり分かれた。
ガーディアンは空から篝を探索、そして発見。瑚太郎はリライトしてルイスの技でヘリを撃墜。その行為に江坂が動き、瑚太郎の前に現れる。江坂と瑚太郎の対決は江坂が追い詰めたところで瑚太郎の血が槍状になって江坂を串刺しに、そしてとどめを刺す。瑚太郎は江坂に感謝と謝罪を伝え、江坂は瑚太郎の行動を後押しするのだった。

かなり飛ばした感じです。一気に核心どころか、クライマックスになってしまいました。結局、良い記憶とは何なのか、そこです。最終回で明らかになるのでしょうけど、どうも鬱っぽい最後になりそうです。
小鳥への冷たい態度は瑚太郎なりの愛情なんだろうね。巻き込みたくなかったのと、小鳥は自ら不幸な方向へいってしまいそうだったから、瑚太郎が歯止めになったと。
原作ではちはやとルチアの少女時代は出てこなかったらしいのですが、ファンサービスみたいなものなんでしょう。
いよいよ最後か…。最終回終えたら、もう一度moon編から見直して見ようと思います。多分、見過ごしてきたような大事な部分が多そうなので。{/netabare}

11話…その結末は「残された明日」
{netabare}加島による「地球救済」が始まる。そこに向かう瑚太郎に今宮と西九条が襲う。そこをかわして先へ進むとガーディアンがやってくる。再び今宮と西九条と対峙するが、瑚太郎は二人に未来を託し進んでいく。
加島の化身とも言うべき地竜が瑚太郎を待っていた。上書きを重ねて退治する瑚太郎はすでに人の形を保てなくなっていた。
救済は進み、このままではひとつの道筋さえも失いかねない展開で、瑚太郎の前に成長した姿の篝が現れる。瑚太郎をねぎらい、そして告げる「最後の仕事を果たしなさい」と瑚太郎は篝を刺した。これが残された可能性だったのだ。救済は止まり、瑚太郎は人ではなくなった…
救済から免れた人々は元気に生きているのだった。数年後、朱音、小鳥、ルチア、静流、ちはやの五人は巨大な木の前に立っていた。使い魔を呼び出すためだ。出てきた使い魔は五人の言うことを聞かない。しかし、何でもできると言う。五人を連れて月に向かう使い魔。月に到着すると使い魔は高校生姿の瑚太郎になっていた。そこにはたった一人で待っていた篝が立っていた。「また会いたい」その約束を果たしたのだった。

そうまとめたかという感じでした。またも最後は飛ばしましたが、きちんと伏線を回収していったので、まずは悪くない感じです。月での約束を果たすなんて、けっこうきれいに締めたなと思います。最後までみてみると、結局この作品は「篝ルート」といるのかもしれません。原作にはない展開になっていた1期後半の作り、ムーンとテラ、最後は5人のヒロイン揃った中で篝とキスですからね。嫌いじゃないですよ、この話。{/netabare}

個人的に高い評価になりました。

1期に比べ、物語性の強い内容と展開になった感じです。特にテラ編は瑚太郎がこれまでの瑚太郎とはまったくの別人格のような感じで進行したせいで、ぜんぜん違う作品にさえ感じたほどです。ともあれ、まとまってよかったなと思います。

この作品見て、やっぱりKeyの作品は好きなんだと感じました。どの作品もそうなんだけど、綺麗にまとめるんですよね、途中がどうであれ。かなりごまかされているのかもしれませんけど…。この作品もまた、なんだかんだ言いながら、綺麗に終わっています。
ただ残念なのが、やっぱり話数が少なすぎです。壮大なだけに、もうちょっと丁寧に描かないと、ついていけません。最後まで残ったのはKey好き、原作好き、一部視聴者のみだったように思います。テラ編なんて、あと5話くらいあったら、もっと評価が上がった気がします。それくらい内容自体は面白いものでした。

万人受けする作品ではありまえんでしたが、それなりに楽しめる作品だと思います、特にKeyが好きな人には。あえて言うなら、シャーロットが面白かったと思った人にはお勧めできると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さあ、翻弄されろw

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
レビュータイトル、偉そうですいません(笑) ただ、「翻弄」→「全てが繋がった時の快感」が半端ないアニメだったので♪

「Rewrite」の2期目にあたり、前作を観ていないと「更に」難しいと思います(前作を観てたって意味fume、ゲフン、難解なんだからw)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
今までそういうアニメの見方はしたことなかったんですが、序盤(14~16話)は1話視聴する度にまとめサイト等を覗き、補完しながらの視聴でした(置いていかれ過ぎ、考察どころか、このままでは流石に作品を楽しめないと判断したため)。(なので本レビューは、100%私の発想、というわけではありません。テラ編はかなり自力ですが、ムーン編はほぼ他力です)。

1期からを時系列にまとめると(原作未プレイだから、自信はないですが)、

①地球滅亡(アニメには描かれない、1期のずっと前に前回の救済、地球の資源がガチで尽きかける)。

→②篝はアウロラ(生命エネルギーの塊のようなもの)を持って月に逃れ、生命が地球で生き延びる可能性を探り始める(アニメには描かれない、2期の前)

→③篝はアウロラを用いて、人類が滅びる前の状況を月に再現し、人類が滅びない可能性(色々な攻略ルート)を試す(1期の内容→「通称 枝世界編」。つまり、1期の内容は全て月の仮想現実で行われていた篝による実験だった)

→④瑚太郎のヒント(もう一度会いたい)により、篝が、人類が滅びない可能性を発見する(2期の序盤14~16話「通称 MOON編」)

→⑤アウロラを地球に返し、その可能性を、実際に地球で試す(2期の40億年程前であり、我々の生きる世界・文明・生命の始まり)(ただし、ぶっつけ本番でやり直しがきかない)

→⑥人類は順調に進化していき、現代に至る。瑚太郎はじめ、ヒロインズ誕生(2期4話目以降「通称 TERRA編」)。

→⑦瑚太郎は、「マーテル(ガイア)」を脱会し、「ガーディアン」に入隊する。

→⑧風祭市の作戦で、篝に遭遇。ここで篝を確保、あるいは殺害しようとすると、逆にやられ(1期冒頭)、小鳥が瑚太郎を助け、瑚太郎にアウロラが入り込んでしまい、10年間の昏睡の後に目覚め、オカケンを設立(枝世界編突入→どのルートを選んでも、世界は滅ぶ)。しかし、篝を見逃した(MOON編で篝が見つけた新たな可能性を実行した)ため、1期の枝世界編とは別のルートに突入する。

→⑨中東に行き、「ヤスミン」や「ミドウ」達を助ける。ここで瑚太郎が、「魔物使い(ガイア)と超人(ガーディアン)が協力し合う組織」を作る。

→⑩日本に帰り、篝と再会。ガイアとガーディアンの二重スパイになる。

→⑪ガーディアンVSガイアの死闘(ここで、瑚太郎の暗躍により、双方に壊滅的なダメージを与える)。

→⑫ガイア(加島桜)による、滅びの計画が発動。

→⑬篝に「良い記憶」を、見せることには成功するが、時すでに遅し。世界の崩壊(救済)が始まる。

→⑭瑚太郎は、篝を殺すことで、世界の崩壊を先に引き伸ばす。瑚太郎はリライト能力の使いすぎにより、人間をやめ、大樹となる。

→⑮(瑚太郎の計画通り)ヤスミンにより、ガイアのもつ「魔獣」とガーディアンのもつ「超人」の知識(ノウハウ)が全世界の人類に公開される。

→⑯人類は、自らの生命を資源として、「魔獣」や「超人」の力を駆使し、なんとか生き残っていく。

→⑰3年が経過し、成長した「オカ研」メンバーが、「大樹」を用いて人型の魔獣(瑚太郎)を生み出す。

→⑱瑚太郎は「オカ研」メンバーを引き連れ、月にいき、「MOON編」で別れた篝と再開する。

→⑰作品には描かれていないが、おそらく人類は魔獣瑚太郎の力で、惑星間移民を行う(2期の後の話)。


複雑なのは、1期の扱い。時系列的には2期の前なんだけど、視聴者の感覚的には2期の後という時間の捻れ。この辺が作品を難解にすると同時に、作品に深みを与えていると思います。

最終話、「良い記憶」とは何か? ということに対して、篝本人から解説がありました。篝曰く「未来を切り開くための意思と力。たとえ母星を食い潰してでも人類は広がっていかなければならない」というものです。

思えば、ガイアもガーディアンも、根本的には未来を切り開く「意思」がありませんでした。ガイアの基本理念は、「地球(資源)のために、人類は死すべし」(加島派)と「地球(資源)が滅んだ後、限られた人類だけが石の街で生き残れば良い」(洲崎派)ですし、ガーディアンにしても「救済(人類のリセット)を行う鍵(篝)やガイアを殺し、限られた資源を大切に使いながら、現在の人類が出来るだけ長生きする」ことを考えています。極論を言えば、ガイアは「一気に滅べ」。ガーディアンは、「ゆるやかに滅べ」。一見対立する主張に見えますが、「根本的に」人類を救おう(未来を切り開こう)としていないという点では共通していたのですね。

だから、篝は両者を認めなかったわけです(22話?で朱音らを助けた瑚太郎に篝がキレたのも、「人間は今が良ければそれで良く、未来を切り開くためにベストを尽くしてない」という内容でしたし)。

そんな時、第3の選択肢を示したのが瑚太郎でした。瑚太郎の計画とは、①ガイアとガーディアンを倒す。②人類を全員、超人か魔獣使いにする。③そんな新人類の力により、惑星間移民を実現させる。

というものだったのでしょう。②は恐らく、他の惑星に行った時に、そこを開墾し、生き残っていくだけの「力」を全人類に与えたかったのだと思います。ただし瑚太郎は、本当は①の段階で、未来を切り開こうとする自らの「意思」を(地球の)篝に見せ、それが良い記憶となり、篝含め、皆が生きている状況で、②、③に進みたかったものと思います。しかし、間に合わなかったので、次善の作である「篝を殺し、救済を先送りにし、その間に②や③はオカ研メンバー(や、西九条達)に任せる」という選択をしたのが、最終話の(地球の)篝を殺したシーンだと思います。

でも実はこれ、多分、(月の)篝の狙った通りの展開なんですよね。

2期の最初(moon編)では、瑚太郎の「もう一度、君(篝)に会いたい」から、(月の)篝が発想を得て、一気にアウロラの選択肢(枝)が広がりました。あれは多分、「瑚太郎がもう一度自分に会うためには、瑚太郎が月に来る、つまり惑星間移動の能力を身に付ける必要がある=人類が惑星間移民により、生き残る可能性がある」ということなんだと思います。だから、瑚太郎がrewrite能力を使いまくり、人間の限界を超えて大樹となり、その間に瑚太郎が広げた可能性(オカ研メンバーやヤスミンら)により、魔獣として復活、惑星間移動能力を持って会いにくるまでが、(月の)篝の計画だったのでしょう。

いや、計画と言っては印象が悪いですね。「可能性に賭けた」というところでしょうか。

そう考えていくと、全てが1本の筋に繋がります。

そして、そんなことを抜きにしても、ラストシーンは、40億年ぶりに、月で再び出会う恋人同士、という非常にロマンチックなシーンに感動することができます。

難解どころか、多分、アニメだけで内容を把握することは不可能なアニメでしたが、充分に見応えのある、考察しがいのあるアニメだったと思います(ただし、アニメだけでは正解に辿り着けないので、5はつけられません)。

2期を前提した1期というのはよくあるけど、そういうのとはまた違う、「2期を前提とした1期」だったのだと実感しました。今作を観たことで、もう一度1期を観直してみたくなりました。そういうアニメは稀有だと思います。

というよりも、2期を観た後に1期を観た方が楽しめるのでは? とすら思いました(それが、1期の「原作組はしっかり楽しめた」という感想の要因かと)。それって、あにこれにいる私達のように、何百とアニメ観てる人にとっては新しくて良いけど、そうではない視聴者にとっては著しく不親切だよな、と思ったり(汗)

今作ですが、はっきり言って序盤(14,15,16話)は、1期から通しても一番は難解な話で、多くの視聴者が振り落とされていくと思います(私も一度折れかけました)。

そこは、雰囲気だけつかめれば良いので、理解できない人は(というか、2期から入った人で、アニメしか観てない人で理解できる人間なんて絶対いないw)我慢して下さい(笑) 最悪、飛ばしてもなんとかなります。中盤、17話からは、別の話と言っても過言ではない展開で、グッと観やすく、面白くなります。

中盤以降は、「グリザイアの果実」とか好きなら、合うと思いますよ♪

正直、そこだけでも平均点以上のアニメだと思います。

ただ、やはり深みを感じるためには、1期から全部観ていかないとね(正直、しんどい時もあるけどw)

オススメの視聴順は、1期→2期→1期→2期序盤 です。何周観させんねん!って感じですが、そのくらい、「噛めば噛むほど味わいが増していくアニメ」です♪

(1期のレビュータイトルを「隠れ家的名店のようなアニメなのか?」としていましたが、正にそんなアニメでした。流石はKeyって感じです♪)
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
時系列を掴むのが難しいがようは、2期序盤→1期→2期中盤以降 という流れ。実は箒の本体は月で40億年も瑚太郎を待っていて、ラストは魔獣となった瑚太郎が惑星間移動の能力を身に付けて、地球人を他の惑星に移住させるというもの。1期は、そこに辿り着けなかった失敗の歴史(ルート)。2期中盤以降は、全て、惑星間移動を成功させるために必要だったこと。そういうストーリー。

良い記憶、とは、生きる意志。なんとしてでも生きたいていう瑚太郎の強い気持ちが、奇跡を起こした話。
{/netabare}

【各話感想】
{netabare}
14話目
ん? 一期の続きじゃないの? 別の世界線? いきなり意味不明なんだが(笑) 各ヒロインとの結末は、各ルートのおさらいってこと? う~ん、やはり意味不明w

15話目
なんだか、哲学? ただ、結論を用意しない哲学的な問いは、単なる雰囲気作りですよ。なるほで、つまり篝は、「ムリゲーを攻略するためのバグを探しているプレイヤー」なわけですねw

16話目
なんだかよく分からないけど、面白い!、、、ような気がするw まだ3話なのに、なんだこの、ラスト1話前感w

17話目
おい、観るアニメ間違えたかと思って、タイトルに戻ってしまったじゃないか(笑) 剣道部が防具つけて外走るたと? あり得んw なるほど、瑚太郎の過去編か。

18話目
なんか、超グリザイアしてるんだが(笑)

19話目
今回、凄く重要な回でしたね。ここからが、ある意味では本編かな。

20話目
すごい密度。あっという間の30分。感動的な回でした。分かりやすい死亡フラグ&それを覆したキャラも○。

21話目
時系列的にはmoon編の(45億年w)後だから、少しは記憶があるのかな? シリアス内のギャグ、笑えるw 二重スパイやるんですね。

22話目
GPSか、何かの布石かな。世界を救うのは、個人の愛情、というのは定番ですな。

23話目
二重スパイの特性をうまく使っているね。だんだんヒロインが退化していく感じは、KANONと似ている。原作をショートカットでやりつつ、それでも全部見せないっつ感じ? 会話の間とか適当すぎ。無理しすぎ。「卑劣なことは弱者でもできる。勝つことは強者しかできない」。真理だね。

24話目
う~ん、最後の最後で尺不足? なんか場面が色々とすっ飛んだ気がする(加島桜との最終バトルとか、朱音とのやりとりだとか)。ただ、パワープレイではあるが、感動はした。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

おんみょん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

「好き」を前提としたストーリー構成に唖然

視聴中の感想はこちらです↓
{netabare}14話を見たのでその感想を。

 悪くはなかった。むしろわけわかんないストーリーを少し解説して少しスッキリしたという印象。でも14話見終わって、ここから続ける意味あんの?って正直思う。いやむしろここからがスタートなんだろうけど、これで終わりでもいいんじゃね(笑)救われましためでたしめでたし。

 それと、シーズンで切っちゃってるから視聴者層は減るだろうね。前半が余りにも理解不能ぶつ切り構成すぎた。新規で2ndから見るにしてもある程度予備知識は必要。2ndから見れるのはゲームプレイ済みの人かな。
 でも前半で新規から入った人はわけのわからない物語構成でドロップアウトしちゃうでしょ。ある程度妥協できる人はいいのかもしれないけど、結局まともに見れる層をだいぶ絞ってしまった。

 後半面白くなる例で成功したのはシュタゲ。リライトも多分大雑把に見るとそれと近いものを感じる。無限ループ。変わらない世界線。それをどうにか変えようともがく。リライトも非常に面白い物語ではあるものの、アニメ化にあたってテンポが悪くなってしまった。ゲームではじっくりできるものの、限られた時間でとなると、どうしてもはしょんないと厳しい。そこのはしょるポイントをシュタゲは成功したが、リライトは失敗した。
 
 名作に成り得る作品であっただけに非常に惜しい1stシーズンだったが、2ndシーズンで巻き返せるのか(自分の中ではほぼ終了してしまっているが)。これからの動向を見守っていきたい。

 ゲームはやってみたいと思った。

15話を見ての感想。
{netabare}相変わらずの超展開。でも内容は1期を踏まえれば多少理解できる。続きが気にならない出来ではなかった。ここから盛り返せるかな。{/netabare}


16話 相変わらず難解なストーリー。
{netabare}ムーン編はこれで終わりと捉えてよいのでしょうか・・・。よく分からなかったけど・・・かがりちゃんは月の存在で、今までのも全部月面上で再現したもので、かがりちゃんの孤独を紛らわすものだったってこと??ん~わからん。あと主人公がなんでそこまでかがりちゃんを好きになったの?愛の描写が少なすぎる。強キャラ登場した時の挿入歌がかっこよかった。{/netabare}


17話の感想を。
新編が始まったみたいですね。
相変わらずダサい3D、戦闘絵にウンザリしてしまう。ストーリーは一貫してて、見る者に訴えかける何かを感じた。
2期だけだとかなりの完成度に見える。1期いらねえ・・・

22話までの感想。
Terra編、めちゃくちゃ面白い。天王寺瑚太朗を中心とした人間関係が分かりやすく展開されていて、それぞれのキャラクターが立っていて無駄がない。音楽も良い。作画に関しては言うまでもなく悪いけど。前科が無ければ紛うことなく魅了されただろうに・・・。ここからmoon編とのつながりが見えてくるのだろうか・・・。
展開は早め。残りの話数的に削らざるを得ないのだろう。全体を通せば無駄の多い構成。
この物語にヒロインの関係性を抽出したのが前編であるならば、後編は天王寺瑚太郎の物語と言えるだろう。だけど自然破壊と人間の不合理性をテーマにしたこの話にヒロインの癒し要素いる?って疑問が沸いたので後編を強く推奨。
希望があるなら、前編削ってTerra編を深く掘り下げてほしい。


ところで・・・リライト2期見てる奴いんのかなあ?僕もすっかり忘れてたけど。

☆NEW☆
24話すべて見終わりました。感想を
{netabare}感動の最終話でした。しかしこれはまたAIRを超える難解な作品。素直に感動することはできません。
篝ちゃんを守るために今まで頑張ってた瑚太郎ですが、滅びを止めるべく篝ちゃんを殺さなくてはいけませんでした。そして上書きの力を使い切った瑚太郎は樹になります。樹になった瑚太郎を初期のヒロインだった5人が復活させます。復活した瑚太郎は月にいる篝との再会の約束を果たすべく、月へ向かいます。・・・という流れ。
{/netabare} {/netabare}

この作品の総合的な評価。

尺が足りないのはそもそもの問題ではあるが、それ以前に一番問題なのは天王寺瑚太郎がヒロインに惹かれている思いが見ている側へ全く伝わらないこと。ストーリー展開の作業にひたすら追われる主人公だったため、「なんでそこまで篝ちゃんが好きなの?」という疑問が生れてしまう。主人公がヒロインを「好きになる」瞬間が全く見えない。気づいたら好き。気づいたら近くにいる。それだけでは視聴者は惹かれない。

生命をテーマにした壮大な作品なだけに惜しいことをしたなと思う。もう少し時間をかけて作って欲しかった。クラナドは全てで48話くらいあるらしいけど、これもそれくらいの規模にしても良かったんちゃう?

元々KEYのぼやっとした話にはついていけない体質だからなあ僕・・・。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

68.8 4 2017年度の未来アニメランキング4位
ID-0(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (264)
1033人が棚に入れました
Iマシン―― それは極限環境での作業を行う大型ロボットの総称である。
連盟アカデミー学生のミクリ・マヤはIマシンを使用中に事故に巻き込まれるが、
Iマシンに乗り海賊同然のオリハルト掘削を行うエスカベイト社の宇宙船に助けられ、
その一員として働かされるはめになる……。
かつて『無限のリヴァイアス』『スクライド』を生み出した
『コードギアス 反逆のルルーシュ』の谷口悟朗監督と、
『機動戦士ガンダム00』の脚本・黒田洋介が再びタッグを組んだ『ID-0』は、
深宇宙の彼方を舞台にした、かつてないロボットアクションだ。
 アニメーションキャラクター原案は『LAST EXILE』の村田蓮爾、
メカニックキャラクターデザインは『機動戦士ガンダム00』の海老川兼武が手がける。
制作はセルルック3DCGの表現で高い評価を得るサンジゲン。
フル3DCGで表現される、キャラクターとIマシンの魅力、
誰も見たことのない深宇宙のスペクタクルな風景は本作の見どころだ。
 一癖も二癖もあるメンバーの中で過ごしながら、マヤは“人間”とは何かを知っていくことになる。

ー失くした記憶に潜むのは、希望か絶望かー

声優・キャラクター
興津和幸、津田美波、松風雅也、大原さやか、小山力也、金元寿子、小澤亜李、皆川純子、上田麗奈
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正解するイド

4話までの感想
{netabare}最初はダイバージェンスイヴみたいに難しい話なのかな?と思ったらそうでもないみたいでひと安心。
そして見続けること第三話でちと違和感が。
なし崩し的にマヤは海賊に協力することになってしまったけど、3話目にしてナビ?役をやってて馴染むのが早すぎのような?
もしこれが枠を4クール取っていたら、マヤは軍に保護されるのを目論んで海賊たちを裏切ろうとするエピソードを入れたハズ。
う~ん、けど他に描きたいネタは山積みみたいだし、そっちを優先させて泣く泣くカットしたんだろうなぁ…と思うとマイナスポイントにしてしまう気にはなれない。
と思ってたら次の4話、捕虜としたアマンザ中尉がその位置に。
おお、やっぱりコレだよ、「協力してもらう分には心強いけどいつ裏切るか分かったモンじゃない」、イデオンでいうギジェ的ポジションが同乗してこその犯罪宇宙船モノよね~。
といいつつ通信可能宙域に出たらすぐに下船しそうではあるけど。

とりあえずマヤが海賊に馴染むまでの間をスッ飛ばしてでも描きたかったであろうエピソードはこれから。
イドや謎の少女の正体やら敵の目的やら、それとニューリンク…じゃなくてトランスシステムだっけ?それも単に人命の安全ってだけではなさそう。
ちゃんと風呂敷畳んでくれればいいけど、果たしてどうなるのかなー。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
面白かった。
面白かった、が、雰囲気で誤魔化されて細かい部分の理解は不十分のままだったり。
一番分からないのはアリスの病気、意識が拡散するとかなんとか、どういうこっちゃ?
それとこの世界におけるクローン+マインドトランスによる個の不死化は完全ではないらしい。
普通の人間は記憶の継承が30%落ちるそうな。
それを理由に(劣化しない記憶継承方法の研究を名目に)アダムスはスポンサーを得てたっぽい。
これは人間の意識を抽出(データ化・バックアップ)する段階で100%ではなくなるのか、ツルツルの脳味噌(または別個体)に意識を乗せる時に「馴染まない」のか。
リックはどうやら前者っぽいのだが、ケインの場合は肉体が特別(常人とは違う天才の脳味噌と解釈してる)で劣化を起こさないみたい。
ど、どっちなんだ?
10話でイドがケインの肉体(クローン体)に戻された時に記憶を一部戻したので両方?
これが分からないのであらすじめいたものを書こうと思ったけど無理だと諦めました。
スタッフはちゃんと考えてるし調べれば分かるんだろうけど、あくまで作中からの情報のみで理解したいところなので調べる気力沸かない…。

それと2話冒頭のケインのプレゼンシーンでは「(意識データは)移送前にバックアップしてるので万が一アイマシン(ロボ)を失っても意識データを消失することはありません、作業中のちょっとした記憶が失われるだけです」と言ってるのだが、それを生かした展開(ロボが破壊されてそっちの方で取得してた記憶が飛ぶ)はありませんでした。
てっきりやると思ったんだけどね。
そうそう、やらなかったといえば「危機的状況からの脱出策をマヤが思いつくとイドも同じことを考えてた」って展開が序盤繰り返されるので、じゃあ最後はイドも思いつかない作戦をマヤが打ち出すのかな?と思ったらそれも無し。
マヤはあくまで「この世界で何が起きてるのか」の傍観者であり主役ではなかった…視聴者の代わりとしてそういうキャラが配置される作品もあるのは知ってはいるけど、それにしちゃあ前半妙に中心っぽく扱われるので紛らわしい。

と、先に不満に思う部分を書いてしまったけど、逆に言えばツッコミどころはその程度で、全体からしたら非常に良作です。
一番感動したのは最後、イドがラジーブ側の世界に行きかけたのを「お前はケインじゃない」とアダムスに否定されて戻って来れた所。
自分的にはマヤの呼びかけよりもそっちのが決定打に感じて…否定されることで(イドとしての)アイデンティティが確立するとか、なかなか粋じゃな~い?
それと先に分からない所を書いたけど、複雑な設定の割には理解しやすいように気を使ってたのも感じます。
10話なんて前半は記憶を戻したイドと情報の刷り合わせとして、後半はマヤを目撃者として子安が丁寧に丁寧に解説してくれます。
何もそこまで…と感じなくはないけど、こうでもしなきゃ12話に収まらなかった事情もあったのかも?
あとキャラの声は人格に合わせて声優を充ててました。
複雑にしようと思えば肉体準拠にすればいいし、むしろそっちのが自然だと考えると、これも気を使ってくれたんじゃないかなーと思ったり。
逆にこれだけ親切に尽くしても先の2例(アリスの病気とクローン継承の件)の解説は詰め込めなかったかー。

やっぱり記憶喪失ネタをやるのであれば、喪失前の人格と喪失後に新たに形成された人格、両者には違いがあってそれが明らかになった時、本人や周囲はどう戸惑うか・葛藤するか、そして納得させるかを見せるのは重要だと思います。
これはそれがちゃんと描かれてたんじゃないかな。
一応書いておくと記憶喪失前のイド…ケインはオリハルトには物凄い危険性があると予知しつつも研究を優先してそれを隠していた。
そのうちオリハルトは人類の生活には欠かせないまでに普及したところで研究仲間のアダムスに危険性とそれを隠してたことを知られる。
その危険性とは人類の90%が死ぬって内容で、なんで隠してたんだとアダムスに問い詰められてもケインは「90%死ぬ程度いいじゃないか」と返すマッドサイエンティストっぷり。
更にはアリスはアダムスにとってはお荷物としか感じてないだろうと思ってたり、まぁ兎に角極悪人、ってかサイコパスっていうの?
一方、そんな人間が記憶喪失起こして(させられて)新たに形成された人格のイドは仲間思いのイイ奴…なハズ。
かつて助けられる確率7%で「見捨てられても仕方ねーや」ってところを助けに行ったことがあるらしく…なんだけど、このエピソードのせいで余計にマヤの存在理由が薄くなってしまったような?
マヤと会ってから真人間になった訳ではなくなってしまうので。

アダムスは性格破綻者のケインに激怒しつつもその才能に嫉妬というか羨望してる部分があって、更には英雄志向持ち、これはケインに対する劣等感からそうなったのかも?
オリハルトの危険性を知りながら人類を何とも思ってないケインに、当時はまだ研究段階だったマインドトラストを行ってケインを流刑送りにする。
ケインはケインで「万が一のために」意識を避難させるIマシーンを秘密裏に作ってて、それがのちのイドのボディとなる。
このボディの制作秘話みたいな話も見てみたかったなぁ…何十年も前のロボなのに現行の軍のロボと性能は遜色無いみたいだし、設計すればあとは勝手に機会が組み立ててくれるのかエンジニアは必要なのか…後者だったら口封じに始末したのかな?とか。
ここら辺の「え、掘り下げずに先行っちゃうの?うわぁ勿体無い」と思わせるのは同監督が次に作った“リヴィジョンズ”に通じる。
そういうハッタリを利かすのが上手いだけなのかも知れないけど、2クール以上かけてじっくり描写して欲しかったと思わせるのが上手い。

最後はラジーブ(既に滅んだ異星人文明の置き土産、オリハルトを回収せよとプログラミングされててそれを実行してるだけ)のプログラムを身と呈して書き換えて英雄にならんとするアダムスに対し、別の回答、映画ウォーゲームみたいに学習させて手を引かせる方法を示すイド。
繰り返しになるけど、ここでアイデア出しするのがマヤだったらもっと良かったと思うんだけどなぁ。
よく突っ込まれてるソーラン節だけど、自分は本当はヨイトマケの唄のような炭鉱夫の歌を入れたかったけど権利だなんだでダメで渋々差し替えたのかな?と思ってて。
ってことで自分は良いとも悪いとも言えない感じ、真相は知らないけどねー。
けど漁の歌ってのはやっぱりなんか違う気がする、いくらラジーブが最後サザエみたいな形になったからといっても、ってかソーラン節に合わせてサザエ型になるように設定したように見える。


総評
リヴィジョンズを見た後、そういえばこっちの感想が途中までだったわと見返したのだけど、やっぱり共通する部分多いですね。
リヴィジョンズの主人公の性格はアダムスと通じるんじゃないかな?ってかアダムスをより深刻化させたのがリヴィジョンズの主人公か?
そして一番強く感じた共通点は「2クール以上やってくれよ」。
掘り下げたら面白そうな設定が沢山あるのに、それをスルーして話を完結させられた印象。
完結しないよりは全然良いのだけど、どうしても勿体無いって感情が湧き上がる。
ホント勿体無い…悪く言えば設定過多になるのかな?
SF好きなら見て損は無いかと。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シドニア以来の本格的なSFを期待してましたが……

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
う~ん、評価が難しいです(すごく好きで楽しめたけど、なんか、こう惜しいというか)。

私はこのアニメのレビュータイトルを、途中までは「本格SFをライトな作風で」としていました。その頃(7話目くらいまで)は評価を4にしていて、その後、下げてしまいました(その時点でサンキュー下さった方、申し訳ありません)。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
エバートランサーやIマシンといった設定は面白く、また、SFにつきもので、もはや説明すらいらないような「ワープ」を「ミゲルジャンプ」と呼称し、それが「武器」「運輸」など様々なことに応用され、「経済」を支えているという設定は素晴らしいです。正に、「世界を創造」しているなと感心しました。これだけいろんな事柄をカチっとリンクさせ、しかもそれを説明臭くならないよう、エンタメの中で魅せられる手腕には脱帽していました。本当に、力があるスタッフが集まったのだな~と。

……だからこそ、終盤のドタバタには残念さを感じてしまいました。

SFアニメにおいて、大きな展開で始めて、小さな展開に落ち着いてしまうのはどうも苦手です。

イド(主人公)の正体、は確かに作品のストーリー上の縦軸で、それが宇宙の謎や危機と繋がっているのは王道なんですが、なんかこう、ケイン有栖川の部分に踏み込んでから(8話以降)は人間ドラマになってしまい、それをこんな本格的なSFを背景で行うのはもったいないと感じました。

イドの正体とか過去の贖罪とかよりも、普通に「格好良い宇宙海賊が世界を救う」というエンタメの方が観たかったかなと。そのぐらい、キャラが良かったとも言えます(リックとか特に)。

終盤は特に駆け足で、いったい、何がどう解決したのやら。

最終的に頭に残っているのは、子安さんの「怪演」っぷり(まあ、私の中で子安さんと言えば、ガンダムWのゼクスなんで、もっと落ち着いた格好良いイメージなんすけどw)と、謎の「ソーラン節」なんですよね(汗) もっとも、各所で話題沸騰、主に不評のソーラン節ですが、超個人的には好きでした。というのも、なんか「ターンAガンダム」を思い出したので、違和感が少なかったからだろうと思います。男の作業というか、なんか「太古感」「壮大さ」「芸術的センス」は感じましたよ。ただ、「色々ぶち壊し」という意見は理解できるし、客観的に観ればそうだよな~と共感できます。あれは、素晴らしいED(やはり影山さんはレベルが違う)とのギャップが悪い方に出たんだな、と。

とにかく、このアニメ、惜しむべきは一期の尺しかなかったということですね。この優秀なスタッフならば、あと12話あれば、各キャラの背景を更に掘り下げつつ、設定や世界観をカッチリ説明し、イドの人間ドラマと世界の危機を、もっとドラマチックに演出出来たはず。多分このアニメ。制作が表現したいことの半分も出しきれなかったのかな、でも我慢して、プロ集団らしく、きちんと完結までもっていったのかな、と、そう思います。

う~ん、名作の予感は感じてたんだけどな~……。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
{netabare}
ご丁寧に、世界観の説明から。最終的には、宇宙の神秘とか人類の存続の危機に立ち向かいそう。深みありそうなSF設定にライトな作風、テンポも良いし。なかなか期待できるな。途中のクイズは笑えた、銀河英雄伝説パロw Cパートにサービスシーンあり。
{/netabare}

2話目
{netabare}
これ、エスカベイト社の面々、実際の身体を失っている感じなんですね。気になるのは、MTSし、iマシンが壊れた時、その間の恐怖の記憶が「失われる」というもの。失われた記憶はどこへいくのか。ひょっとすると、それが純粋な記憶の塊になり、宇宙を漂い、どこかに蓄積され……とかね。途中に見えた記憶が、イドのものなのか、オリハルトに蓄積された誰かの記憶なのか。やはり、クイズは面白いw
{/netabare}

3話目
{netabare}
あれ? 世紀の迷作「コメットルシファー」的な展開ですか(笑)? ボブソンジャンプ連発ですねw ずいぶんペラペラと説明してくれる親切な敵キャラw あの隕石群を操ってるのはあのネコミミ少女だろうね。今回はエヴァパロで〆w
{/netabare}

4話目
{netabare}
お~、物理シールド、逆に新しいw 中尉さん、完全に仲間になる流れだ~(もしくは軍に戻って間接的に協力するか)。それぞれの能力を最大限に活かしてのチームワーク、胸熱だね。Cパート、団体芸w
{/netabare}

5話目
{netabare}
たまにある、ちょっとしたサービスシーンはなんだろう(笑) イド、格好良いな(他にも知りたがってる奴がのクダリ)♪ なんか、リック、最後はアマンザを守って逝くのかなぁ、スレッガーのように……。人間だから出来ること、Iマシンだから出来ること。Cパート、グレイマン可愛いなw クイズはシュール系w
{/netabare}

6話目
{netabare}
なんか、あんまり人間ドラマにはもっていってほしくないというか、世界を狭めてほしくないな。と、思ってたが、イドの過去とセカイのヒミツが良い感じに交わりそうだね!
{/netabare}

7話目
{netabare}
リックの格好良さが際立っていましたね。なんか、謎の真相に触れた感じ。大きい要素(SF)と、小さい要素(仲間との絆)を同時に深めていく、良いアニメを展開ですね。
{/netabare}

8話目
{netabare}
戦闘シーンもなかなか面白かったです♪ 裏切り、あるのかな?
{/netabare}

9話目
{netabare}
なんか、人間ドラマになってきたな。あまり世界を小さくしてほしくないんだけどな。同じエバートランサーでも、事情は四者四様ですね。
{/netabare}

以下、書いたのに、保存前に消しちゃった(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

熟練の設定・世界観を懸命に伝える若さがもう少し欲しかった

総じてベテランスタッフたちが構築した物語設定、世界観に噛み応えがあり、
それらを咀嚼していくことに喜びを感じられる
良質なSFアニメだったと思います。

1クールだとメインストーリーを折り畳むのに精一杯で、
2クールの方が良かったかな?と終盤思うこともありました。

私はIマシンや別の身体に魂を移した経験はないので、
元の肉体を離れてもアイデンティティを確立している、
エスカベイト社員たちのサブエピソードの掘り下げ等を通じて、
共感度を上昇させてから最終決戦に挑みたかったという悔恨は確かにあります。

ただ1クールで中途半端にサブシナリオに寄り道して、
メインストーリーがクラッシュするよりは全然まし。
抑える所は抑えつつ着地を決める辺りに熟練の力技を感じました。


一方、視聴者とのキャッチボールについては幾つか疑問も残りました。
その辺りを語るにはやはり最終回クライマックスの……

{netabare}「ソーラン節」(笑)については触れておかねばならないでしょうw

実は「ソーラン節」……私は意外とすんなり受け入れられました。
それは多分、私が佐咲紗花さんが歌う本作のOPが結構お気に入りで繰り返し聴いていたのが一因。

本作は公的にも罪人、狂人、或いは絶滅生物として、
なかったことにされている民間の連中が、
軍とか公的機関とかを向こうに回して大立ち回りするお話でもあります。

佐咲さんのOPはSFでいきなりサンバでも踊りかねないw異端の楽曲ではあります。
が、一方で、公には光が当たらないアウトローの民が魂を揺さぶる歌だの踊りだので存在を誇示する。
表現の世界でもしばしば描写されて来た構図。その精神の継承も感じてはいました。

だから同じ佐咲さんが歌うニシン漁民謡ソング・「ソーラン節」が流れた時も、
民間掘削業者による一世一代の大仕事らしいBGMだな(笑)と受け止められました。

後で知りましたが「ソーラン節」は本作のティザーPVで使われたこだわりの一曲だそうでw

以上は憶測に過ぎませんが、「ソーラン節」はテキトーなウケ狙いではない。
長年インプットとアウトプットを重ねて来たベテラン作家にしか打てない、
渋い一手だったと私は捉えています。


……では、だからと言って、荘厳なクラシック風BGMによる王道演出を期待していた視聴者が、
訳の分からない「ソーラン節」で台無しにされたと苦言を呈するのは、
決して不当な批判ではないと思います。

そもそも本作はトレンドに乗って人気を取りに行く作風でもないとは思いますが、
それでも私は練り上げた物語をより多数の心に響かせる選択肢として、
「ソーラン節」が最適解だったとは思えないです。


もう一つ、ED後お決まりの「ご長寿早押しクイズ」らしき設定・用語クイズ風のネタCM(笑)
についても、面白かったけど(笑)
視聴者とのキャッチボールという点では勿体ないなと思った演出。

私はあそこは例えクソ真面目過ぎると言われても、
HPで連載されていた「クレアの「ID-0」用語解説」を流して設定を掘り下げて、
より多くの人に理解を深める時間を取っても良かったのでは?と思います。


私も、脚本一行も書けない一視聴者の分際でこんなことを言うのはおこがましいのですが……。
本作のベテランスタッフ陣が初めて世に創作物を出した時、
自分たちが作り上げた物語世界を懸命に伝えるのに、
「ソーラン節」や「ご長寿早押しクイズ」を選択しただろうか?
ユーモアを交える余裕が足りなくてもいい。
青臭く、泥臭く、物語をぶつけてくる若々しさがもう少し欲しかった……。

本作TV放送時に“谷口悟朗監督×黒田洋介氏の原点”として毎回流れた、
『無限のリヴァイアス』Blu-rayBOX販促CMのことも思い出しつつ、
そんな感想も抱いたアニメ視聴でした。{/netabare}



【四話までの感想】魂の漂流

長いので折りたたみ。
{netabare}

あにこれの序盤感想を拝見していて、ピン♪と来て視聴し始めた3DCGアニメ。

科学が進歩し過ぎて、意識を自由に飛ばせる段階に到達し、
肉体と魂の境界や行方が不確実になった宇宙時代。
これによりアイデンティティの確立が困難になった世界観に、
進路決定以前の女子学生を巻き込み、自分探しをこじらせつつ、
鉱石掘削SFアニメという何とも渋いジャンルでテーマを着実に掘り進んでいく、
地道なSF作品になって来た印象。

スタッフ陣は谷口吾朗監督&構成・脚本・黒田洋介氏ら、
かつてヒット作も飛ばした制作者を軸にした布陣。

けれど本作はブームを狙うというより、ベテランの域に達したスタッフたちが、
肉体と魂の在処といった、SF作品が繰り返し問うてきた王道テーマに挑み、
確かな足跡を残しておきたいという意志を感じる大人の味わい。

現代で言うとインターンシップに挑み始めている頃の学生から
広義の社会人?で構成されたキャラ設定からして、
およそ中高生受けを狙っているとは思えませんw

さらにEDを担当する影山ヒロノブ氏の円熟味の増したボーカルが、
当該世代のハートを深掘りします。

毎回、見終わって、設定用語に解説動画が必要なSFアニメっていいなと思える大人のブレイクタイム♪
若干の予習復習により、この宇宙の仕組みを理解、整理しつつ、
中盤以降もしっかりと物語を掘り進んで行きたいと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37

66.8 5 2017年度の未来アニメランキング5位
UQ HOLDER! ~魔法先生ネギま!2~(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (173)
819人が棚に入れました
平穏で退屈な田舎に暮らしている少年・近衛刀太の夢は、都へ行って一旗揚げること。
刀太は都へ行くため、育ての親であり優れた魔法の使い手である雪姫に挑戦する日々を送っていた。だが、戦いながらも仲良く暮らしていた2人の前に現れた賞金稼ぎによって、田舎での平穏な日々は終わりを告げる。

これは、ろくでもないモノになってしまった者達の物語。

声優・キャラクター
高倉有加、松岡由貴、広瀬ゆうき、佐藤利奈、茅野愛衣、小倉唯、白鳥由里、桑谷夏子、神田朱未、渡辺明乃、堀江由衣、佐久間未帆、能登麻美子、皆川純子、石田彰、原田彩楓、鬼頭明里、柿原徹也、咲野俊介、梶裕貴、小山力也、小野大輔
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「ネギま」は例外的な奇跡の作品であり、原作者であっても再現は難しい

[文量→大盛り・内容→余談が本論系]

※原作は最新巻まで読んでます。赤松先生大好きレビュアーとして、あえて厳しめのレビューです。ちなみに、自分で言うのもなんですが、私のレビューは思いが強くなり過ぎるとダメになる傾向があります(苦笑)

【総括】
ラブコメ作家の描くバトルもの。SF要素もあり、ある意味では、これまで赤松先生が作り上げてきたものの集大成と言えるのが、本作。

赤松先生の原作の中では、アニメでの作画は良い方かな。

グロい描写もありますが、グロがメインの作品ではないので、それだけで敬遠してもらいたくないな~というのが、赤松ファンとしてのお願いですm(_ _)m

まあ、タイトルから分かるように、完全に「ネギま」ファン向けに作られた、サービスアニメですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、アニメの尺に収まるようにかなり原作を変えていること。これをやると当然賛否はあるんだけど、赤松作品とっては平常運転。なんたって、「オフィシャルで二次創作を認めている漫画家(同人マークの生みの親だ)」からね。

忍との出会いを大胆にカットした部分とか驚いたけど、なるべくたくさんのヒロインを出そうと思えば致し方ないか。赤松作品に限って言えば、アニメは原作のスピンオフみたいなもんだし。

あと、意外とグロ描写がちゃんと(リアルに)あって驚いた。本作は「ネギま」のバトル要素を抽出して、続編として1つの作品にしてしまった、極めてレアな作品ではあるが、赤松さんと言えば基本的にはラブコメ作家。若干作風に合わないとは思った。血がブシャーとか首がスポーンとかは、(原作にもあるけれど)アニメならば、もう少しぼかすか、ギャグテイストにしても良かったと思う。グロがメインの作品ではないのに、(アニメから入った人でグロ苦手な方が)1話目で勘違いしてしまい、本作から離れてしまったとしたら勿体ない。(途中からはぼかしていたけど、1話目はアニメスタッフの失敗だと思う)

「~魔法先生ネギま!2~」という原作にはないサブタイがついていることから分かるように、原作に比べると、明らかに「ネギま」の要素が強い。アニメ制作会社的に、ネギまファンを出来るだけ取り入れたいという狙いが透けて見える(特に最終話のサービスシーン)。もっとも、原作でもその兆候は顕著になりつつあり、始めは「近衛刀太」の物語だったのに、次第に「ネギ=スプリングフィールド」の物語になりつつある。個人的にはそれで嬉しいのだが、果たしてそれで良いのかという疑問も残る。

近衛刀太は、ラブコメの主人公として、どうなんだろう? 「神戸ひとし(AI止ま)」や「浦島景太郎(ラブひな)」のような、「冴えないオタク」でもなく、「ネギ=スプリングフィールド(ネギま)」のような、「無邪気な天才少年」でもない。「普通のバトルものの主人公」的である、「近衛刀太」。普通にハイスペックで、普通にイケメンで、普通じゃないくらい鈍感で。よくいるハーレム主人公と何が違うんだろうかと感じる。

(神戸ひとしはともかくとして)「浦島景太郎」は、紆余曲折ある中で、一生懸命努力し、作中で本当に成長してくれたから、各ヒロインズとのデレ展開も、むしろ応援したくなった。「ネギ=スプリングフィールド」は、肉体的にも精神的にも未成熟で、基本的には「お父さんLOVE」な子供だったから、ヒロインズとのデレ展開も、ニヤニヤ眺められた。ちゃんとギャグになっていた。でも、「近衛刀太」は、(彼の出生に理由があるとしても)めちゃくちゃ簡単にサクサク成長しちゃうし、基本的にチートだし、あれだけツンデレだったエヴァンジェリンが簡単に頬を赤く染めたりだとか違和感あった。なんか、刀太が主人公だと、ハーレムがギャグにならないんだよな~。そこが1番の問題点に感じる。

〈まとめ〉
○原作改編は、赤松作品の場合、温かく見守ろう
△作風に合わない、しっかりしたグロ描写
○ネギまファンへのサービス
×近衛刀太の魅力のなさ
{/netabare}

【余談~ 勝手に赤松健の作品論w ~】
{netabare}
剣道部は、赤松作品の大ファンです。中学生の時に「ラブひな」にハマったのが、多分萌えの原点。ファンブックが出る前に、全キャラの登場コマ数とか数えて「正」でカウントしてましたもん。キモいです(汗)

以降、「AIが止まらない!」を読んでみて、やはり好きで、「魔法先生ネギま!」もメチャクチャ好きで、当然、全ての単行本も集めています。「いつだってMyサンタ」とか、マイナーな本も持っています。勿論、「UQ HOLDER!」も最新巻まで読んでいる状況。

自分的な赤松作品の順位付けとしては、ラブひな≧ネギま>>>UQ≧AI止ま>>>陸まお なんですが、陸まおは別物にしても、UQはちょっと、イマイチなんですよね。

正直、サブタイにある「魔法先生ネギま2」としか読んでいないと思います。ネギまのキャラが出てきた時は嬉しいのですが、それ以外は、、、。

ファンとして、やはり感じるのが、「雪姫(エヴァンジェリン)の違和感」と、「刀太の魅力の無さ」ですね。

エヴァは、「ネギま」の中でもトップクラスに好きなキャラでした。そんな彼女が、(精神的にも戦闘力的にも)弱体化しているのは嫌だったし、やはり、ナギ以外にはデレてほしくないです。「ネギま」の中ではネギ君にややデレてましたが、基本的に恋愛面はナギに一途で、ネギ君には親愛とかが複雑に混ざった感じが良かったんですよね。

本作では、エヴァもヒロイン候補の一人ですが、う~ん、やはり師匠的な立場で良かったと思います。最近の原作では、{netabare}キリヱがメインヒロイン化してきて、{/netabare}むしろバランスが良くなってきた印象ですが、最初からその路線で良かった気がします。

それから、エヴァの「多弁」がどうにも引っかかります。「ネギま」でのエヴァは、スーパーアドバイザー的な立場であり、本当に必要な時に、一言二言格言を与えるみたいな感じでしたが、「UQ」のエヴァはよく喋ります。まあ、「ネギま」はエヴァ以外に30名ものクラスメイトがいたし、サブキャラも多かった(話す人がたくさんいた)ので、しょうがない部分はあるけれど、エヴァのミステリアスな魅力は大分損なわれたかなと思います。

そして、私はどうにも、本作の主人公「近衛刀太」にイマイチ魅力を感じません。

赤松作品の主人公としては初となる「少年漫画の主人公らしい少年」ですが、これがどうにも(赤松さんの)作風に合わない。

前作の「ネギま」は、元々ラブコメから始まり、途中からバトルに変わり、「ラブコメとバトルが高いレベルで融合した」奇跡的な作品になりました。それを支えたのが、「ネギ=スプリングフィールド」が「ナニをしても許される、無邪気で愛くるしい天才少年」だったからだと思います。ある意味で、「ラブコメキャラでバトル」したからこそ起きた、奇跡の化学反応。

よく、「キャラが勝手に動き出す」と言いますが、私はコレを名作の条件だと思っています。「ネギま」の場合、連載開始時は、絶対にあそこまでバトルに寄せるつもりはなかったのだろうと思います。勿論、バトル展開も想定してのキャラ設定を行っていますが、基本は、「クラス全員とのラブコメ」(過去最多のヒロインのラブコメ)を目指していたはずです(と、なんかで読んだ記憶が)。それが、想定を超えてキャラが動き出し、後半なんかガチバトルにガチシリアスでしたからね。いや~、楽しかった。ほんっっとうに、「キャラが生きている」名作漫画だったと思います。

一方で、「UQ HOLDER!」は、連載前にコンセプトとして、「ラブコメとバトルの融合」「ネギまの完結編」として描かれ始めたと思います。そのためか、どうしてもストーリーや展開ありきでキャラが動かされている印象を受けます。赤松さんって、キャラ作りの天才だと思っているので、ここが違和感の原因かもしれません。

「ネギま」と「UQ HOLDER!」の違いは、「ネギま→ラブコメキャラでバトル」をしたか、「UQ→バトルキャラでラブコメ」をしたかというものだと思います。

微妙なんだけど、確かな違いです。

バトル漫画でのラブコメ展開はよくあります。まあつまり本作は、「別に赤松さんじゃなくても作れる」んじゃないかと。

やはり赤松作品の主人公といえば、「ラブひな」の「浦島景太郎」や、「AI止ま」の「神戸ひとし」のようなダメダメ系が基本ですね。ネギ君は、ホントに例外的なナイスキャラでした。

つまるところ、この作品が「ネギ=スプリングフィールド」の物語なのか、「近衛刀太」の物語なのか、ということだと思います。

どうにも、「近衛刀太」が「ネギ=スプリングフィールド」に負けています。まあ、勝たれても、それはそれで納得いかないんですが、ネギまファンとしては(汗)

前作のファンって、面倒くさい存在ですね(自爆)w
{/netabare}


【各話感想(原作ネタバレ)】
{netabare}
1話目
原作と違い、「ネギま」のシーンを入れてきたね。まあそもそも、魔法使えなくても、エヴァはメッチャ強いんだけどね。う~ん、作風的に、グロは濁しても良いと思うんだけど。

2話目


3話目
地下編やらないのか。忍、キャラ設定が変わったね。本来、10巻くらいの話だよね。流石、赤松さん原作。自由度が高い。ネギまの回想も多い。グロもぼやかされるようになったね。批判あったからかな(にしては対応早すぎ)?

4話目
いやだから、グロに悲鳴は作風に合わないんだよね。

あれ?各話感想が消えた? まあ、いいやw

7話目
雪姫が作戦を知ってる設定に変えた意味は? てか、(なぜかエヴァより弱体化している)雪姫とフェイトなら、五分五分、ややフェイトの方が強い設定じゃなかったっけ?

8話目
これ、フェイト→ネギ の深い愛を知らないと、大分印象が変わるよね。ここでネギ登場は原作にない流れ。

9話目
いいんちょが、エヴァを尋ねるか。やはり、本屋>忍、いいんちょ>みぞれ、刹那>時坂、エヴァ>雪姫、なんだよな。強いて言えば、千雨とキリエが互角くらいってところかな、ヒロイン力的に。刀太のクローンは、エヴァが言うんじゃなくて、やっぱりゆえが言った方が良いな。

10話目
麻帆良祭編。赤松先生のアニメ作品なら、この辺から暴走、いや、独自のラストに向かって話が進むよね。ネギとラカンは強すぎるからな~。

11話目
やはりネギま要素が強いね。エヴァの台詞も微妙だな。「私と共に歩いてくれるか、青空のもとを」なんて言うかな? せめて、「灰色の空のもとを」だと思うんだよな。戦闘シーンがダサいw

12話目
いや、この展開、「ネギま」を知らん人は、ぽかーんでしょw だから、その告白でエヴァは照れんって。「フッ」と笑った後にブッ飛ばすか、「プ、ハハハハ」と上機嫌に笑った後にブッ飛ばすか、どっちかなんだけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは、ろくでもないモノになってしまった者達の物語。

この作品の原作は未読ですが、タイトルにも含まれている「魔法先生ネギま!」の続編に位置付けられる作品です。
続編とはいえ、前作からは約80年ほど時間が経過していること、そして主要登場人物もガラッと入れ替わっているので、完全な続編とは言えないかな…とも思っていましたが、この作品を完走して思うのは前作までの積み重ねが
どれほど大切であったかということ…
だから、この作品をより堪能したい方は是非「魔法先生ネギま!」から2作計4クールの視聴を経てからの視聴をお勧めします。

前クールからの視聴を勧めたい…そう思ったのは実は1話の冒頭からでした。
私は、この作品の視聴に向けつい最近まで過去作を視聴していたので、懐かしさを感じるレベルはきっと2005~2007年にかけてリアルでアニメを視聴していた方とは比べるのもおこがましいのは理解しているつもりです。

それでも、1話冒頭の光景には圧倒的存在感と懐かしさを感じずにはいられませんでした。
それと同時に感じるのは、原作者とそれを支えるファンの愛の力…
この作品はみんなから本当に愛されているのだと思います。
じゃなければ、アニメ終了から10年の時を経て見れる光景じゃありません。

それに懐かしさを感じるのは光景だけではありません。
きっとこれは前期から視聴してきた人へのご褒美と特権…それを感じずにはいられませんでした。

語り部はエヴァンジェリン…
当時を懐かしみながら自分の置かれた境遇と向き合い…そして前に歩き出すところからこの物語は始まります。

この物語の主人公は、田舎暮らしの近衛刀太…
彼の夢は、いつか村を出て都に立つ塔に上って村の仲間との願いを叶えること…
その願いの成就に向けてクリアすべき課題はたった一つ…
実はそのたった一つの願いを叶えること自体、刀太らにとっては半端なく高いハードルだったのです。
まぁ、当然といえば当然なのですけれど…

田舎でのんびり平和に暮らしたい…それを一番願っていたのは、刀太の育ての親である雪姫先生でした。
それでも雪姫先生は気付いていたのだと思います。
安寧は長くは続かないこと…
何より刀太がそれを望んでおらず、もっと広い世界を見たがっていること…
そして平和な田舎で起こったひと悶着を経て、刀太と雪姫の物語が動いていきます。

刀太と雪姫が向かった先…
それは雪姫がかつて作った「UQ HOLDER」という組織でした。
雪姫がここに向かったのは田舎で起こったひと悶着がきっかけ…
確かにこれまで住んでいた田舎では事なきを得ました。
ですが、その代償として刀太は希望と絶望を一度に受け入れることになったんです。
でもこの表現は物事を物凄く前向きに見た結果…
普通なら希望など微塵も感じられなくてもおかしくはありません。

そこで雪姫の背中を押したのが刀太の一言…
「この力を何かの役に立てたい…」
刀太へに力強さを感じたと共に、これからへの期待で否が応でも胸が高鳴ります。

だって「UQ HOLDER」は刀太と志を同じくした仲間の集う場所だったから…
そしてそこで繰り広げられるのは「あぁ、これがやっぱネギまの世界だよね」とある意味嫉妬と安心感が交じり合ったような展開なんです。

「UQ HOLDER」に所属するメンバーは、男性よりも女性の方が比率が多く、雪姫を含め女性はみな美人か可愛いかのどちらか…

小倉唯さん演じる結城 夏凜は、UQホルダーNo.4。
スタイル抜群の格好良い系の役どころなので、小倉さんの力強さを感じる一面が見られます。

広瀬ゆうきさん演じる時坂 九郎丸は、UQホルダーNo.11。
最大の特徴は「八咫の烏」と呼ばれる一族の出であること。これが何を意味するかは結果を見てのお楽しみ…いや、既に片鱗は見えているかもしれませんね。

かやのん演じる桜雨 キリヱは、UQホルダーNo.9。
かやのんの可愛い成分だけを抽出して詰め込んだ…そんな感じの女の子です。
自分の思いと言動が真逆なツンデレ…きっとリアルにいたら相当面倒くさい感がプンプンなんですが、そこはかやのん成分の七不思議…全然嫌味が無くて完走して振り返ってみると、この作品一推しの女の子だったと思います。
この子…本当に可愛いですよ♪

可愛いといえば、結城 忍を忘れてはいけません。彼女は特別な力に目覚めた人間ではありませんが、それは些細な事…何といっても彼女のCVは原田彩楓さんなんです。
これだけでキャラの魅力が倍増した気分になります。

そして鬼頭明里さん演じる雪広 みぞれ…
彼女も特別な力を持っている訳ではありません。
ですが、前作視聴済の方なら苗字と独特の喋り方にピンと来た方も多いのでは…?
そう、やっぱり血は争えないんですね…遥かな時間を超えても到達する場所が変わらないなんて…
彼女の覚悟を垣間見た一面…良かったと思います。

「UQ HOLDER」と昔懐かし3年A組の向かう先…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「ハッピー☆マテリアル」
エンディングテーマは、「Steady→Go!!」
どちらも今回出演した女性声優陣が歌ってくれています。
「ハッピー☆マテリアル」は当時の主題歌をカバーしているので、懐かしさを感じた方も多かったのではないでしょうか。

1クール12話の物語でしたが、UQ HOLDER!~魔法先生ネギま!2~ 放送後振り返り特番「UQTV ネギまHOLDER!2」
が本編とは別に放送されました。
原作の赤松先生と、雪姫役の松岡由貴さんのコメンタリーとなっているのですが、改めてこの作品に溢れる愛を実感させて貰った様な気がします。
そういえば、本編放送中にやたらと存在をアピールしていた「カモくん」について円盤での行方についても言及されていましたね。
これも楽しみの要因に十分なると思いますけれど…

「UQ HOLDER」のみんなは、まだ目標の道半ばです。
まさか、これで終わりってこと…無いですよね。
続編の制作を期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「育った」エヴァンジェリン登場(笑)!?(ハイペースの原作消費でした…。)

週刊少年マガジン連載の同タイトルのマンガが原作。
(今は別冊少年マガジンに掲載誌を変更。)

タイトルの「UQ(ユーキュー)」は「悠久」と掛けられていて、作中には前作『魔法先生ネギま!』でもおなじみの吸血鬼エヴァンジェリンをはじめとして、いろいろなタイプの「不死者」が登場します。

一応世界観は継続しているものの、「ネギま!」よりは相当に未来であることもありとりあえず「ネギま!」を観ていなくても特に序盤はそれなりにお話にはついていけると思います。

かなりの長期連載ですが、アニメ化でどこらへんのお話までやるのかは、謎…。
== [以上、視聴前レビュー] ==

…ということで、第1話を観ました。原作だと初期は『魔法先生ネギま!』との関係性を強く押し出さずに始まったのですが、最近の原作の現状を考えて最初からネギま!を匂わせる方向なのですね。

第1回放送の前の特番でも、「これまでのネギま!」まとめみたいなノリでしたし。OP/EDに出てたキャラも考えると、序盤の修行パートとかはけっこうハイペースで進むのかな…?

2017.12.20追記:
全話視聴終了。とにかく「ネギま!2も名乗ったことだし、どんどんネギま!キャラを出してやるぜ」とでも言わんばかりに旧作キャラが目白押し。

女性キャラも巻きでバシバシと登場させて、早期にハーレムアニメっぽい雰囲気を作ってましたね。

前作のネギま!よりは修行とか戦闘パートが目立つ原作でしたが、特に修行に関しては大幅に尺カットで一気に原作を消費しました。

ネギま!自体はずっと原作を読んでいたこともあり、もちろんつまらなくはなかったんですが今後あえて人に薦めるほど面白かったかというとそんなこともないかなといった無難な作品に収まってしまった感があります。

OPを『ハッピー☆マテリアル』(前作OP)のカバー曲にしてしまったのも、無難といえば無難でしたがそこはちょっと冒険して欲しかった気がしました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

65.0 6 2017年度の未来アニメランキング6位
活撃 刀剣乱舞(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (148)
635人が棚に入れました
審神者により宿された付喪神――刀剣男士。
和泉守兼定は、歴史を改変すべく現れる時間遡行軍からとある積荷を奪取するため、初陣の堀川国広とともに幕末の世に出陣する。
辛くも任務を成し遂げた二振りに下されたのは、新たな指令。『文久三年のとある城下町に、新たな時間遡行軍現る』と。
わずかな情報を頼りに、現れる遡行軍を迎え撃つ和泉守と堀川。しかし数で勝る遡行軍には二振りだけでは太刀打ちできず、窮地に陥ってしまう。そんな二振りの前に現れたのは、彼らの主“審神者”だった。

声優・キャラクター
木村良平、濱健人、榎木淳弥、山下誠一郎、櫻井トオル、斉藤壮馬、皆川純子、永塚拓馬
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

もう、映画じゃん!

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
活劇(立ち回りなど動きの激しい場面を中心とした映画・演劇。アクションドラマ)と銘打つだけあり、内容的には、前作(花丸)の日常系からガラッと作風を変え、シリアス&バトルになりました。

内容(ストーリー)も悪くないですが、とにかく素晴らしい作画を観るだけでも価値があるアニメだと思います。特にバトルと背景は、ホントに綺麗です。

原作未プレイ&花丸(前作)視聴済み


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
刀(物)としての矜持や責任感と、人(刀剣男子)としての自由や、やりがいの中での葛藤。今の主(歴史を守る任務)と前の主と(坂本龍馬や土方歳三などを歴史をねじ曲げてでも救いたいと思う)の狭間で悩む葛藤を描くのが本筋の物語だと思います。

また、前作(花丸)との違いは、「前の主(歴史上の持ち主)」の性質や関係性を大きく持ち込んでいることですね(花丸でも多少はあったけど)。例えば、「和泉守兼定(土方歳三)」と「陸奥守吉行(坂本龍馬)」の対立なんか分かりやすいです。刀剣男子自身ではなく、「前の主(新選組)」をバカにされたことで激怒する兼定など、熱かったです。

前作は日常系ゆえに登場人物を増やし、ファンサービス&販促を狙った感じでしたが、本作はストーリー重視のために、かなりキャラを搾っていましたね。基本ですが大事なことです。

歴史的な解説も、かなり詳しくなりました。坂本龍馬の逃げる経路や細かいエピソードなど(歴史に疎いので、史実かは知りませんが)、楽しく観られました。

あと、Wikipedia程度の情報ですが、土方歳三が死の間際、少年兵に渡したのは写真と毛髪であり、刀(兼定)という情報はないみたいですね。現存する兼定も、土方が持っていた物とは長さが違うらしく、その出所は謎なのだとか。だから、土方歳三の最後を、国広だけが見ていて兼定は見ていないというのは(かなり重要なエピソードだけど)、アニメスタッフの創作になるのかな? 私は歴史に疎いので良くも分かりませんが、きっと歴史好きな方なら、こういう僅かな違いとかも楽しめるんでしょうね♪

これは不満というほどのことではないのですが、最大公約数的には人気があるので、幕末や戦国時代をメインに据えるのは理解できるのですが、やはり見飽きた感はあるので、どうせなら南北朝時代とか、あまりアニメで扱われないあたりを観たいな~と思ったり。

さて、この作品、なんか一部の人にスッゴい批評されてますね。原作レイプ? と言われても、私は原作をやってないし、特段、本シリーズに深い思い入れがあるわけではないから分かりません。

でもまあ確かに、(勿論許可はとっているだろうけど)ずっと謎だった「主」を1話目からサラッと出したのはやりすぎだったかな? とは思いました。「主」は、いわばプレイヤー自身だと解釈していますが、それを具現化されると怒る人もいるのでしょう。私も基本は「RPGの主人公は喋らない」方が好きですし(自分を投影できるから)。

原作好きな方が怒るのであれば、原作付きアニメとしては、確かに良くはないですよね。

とはいえ、やっぱり高クオリティのアニメであることは否定できないと思います。少なくとも作画は。

個人的に不満があるのはOPかな。折角、シリアスで格好良い作風なんだから、ああいうアイドルソング的な感じではなく、もっと和風だったり、格好良い感じの曲の方が良かったな~と思いました。
{/netabare}

【余談1 ~剣道部的、刀の用法について~】
{netabare}
バトルの作画は前作に比べて格段に良くなったが、刀の用法としては、少し雑だった印象。例えば、刀を刀で(キン、キンって)払うとか、実際はほとんどやらないしね。折れるし、刃こぼれするし。

例えば、剣道の段審査で行う「日本剣道形」は、各古武術の流派(つまり日本刀古来の使い方)からきているが、七種類あるうち、刀と刀が接触するのは、三本目(突き返し突き)、四本目(突き返し面)、五本目(面擦り上げ面)、六本目(小手擦り上げ面)の四種類。その中に刀を刀で払う動作、例えば切り落としや応じ返しという動作は一切含まれない。四種類全て、「鎬(しのぎ)」という、刀の上部(峰と腹の間)で刀を擦るようにして、相手の刀の軌道を変える(そらす、受け流す)動作になる。残りの三種類は抜き技なので、相手の攻撃をかわして攻撃する動作だ。

ここからも分かるように、刀は基本的に、相手の攻撃を弾いたり受け止めたりしするようには作られていない。そういう「打ち合う」動作は、竹刀が開発され、剣道という競技になってから生まれている。

真剣での勝負の防御は、基本的に「避ける」か「そらす」。刀を大切にしているアニメだけに、そこまでリアルに作画出来れば、剣道部的には更に満足だった。まあ、それやると迫力には欠けるけど。

というのは、難癖ですよw 本当は書かなくて良かったんだけど、剣道部、という名前を使っている以上、キャラ付けの為にもなんか書かなければと思い、無理矢理、重箱の隅をつついてみました(笑)
{/netabare}

【余談2 ~ 作品の成分に個人的には違和感が ~】
{netabare}
……にしてもアニメ成分に作為的なものを感じるのは、私だけでしょうか……。マイナス要因が多すぎるし、それぞれの成分にほぼ同数の票が入っている不自然さ。(&少しでもポジティブな成分入れると、即座に-連打されて消されるって……)。

てか、原作改悪はまあ(本人の捉え方だし、主観の要素が強いから)あっても良いとして、「作画悪い」って、この作品で作画が悪いと言われたら、世の中の大半のアニメはクソ作画ということになるとは思うけど……。

作品に対しての賛否は自由。絶賛も酷評も好きにやって良いと思ってます。本作が気にくわないなら、ガンガン叩いても良いと思います。

でも、「一人一票」ってのは大切だと思うんだよな……。

(勿論、これが完全に私の邪推で、本当に多くの方が批判しているのなら、何の問題もなく、正当な行為だと思います。何が正しい(真実)かなんて分からないから、結局は各々の判断ですかね)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
まず、作画がヤバイ。劇場版やん。前作(花丸)とはガラッと作風を変えてきたね。人助けするなと言って人助けする兼定が良いね。え~! 「主」出して良いのかな? 蜻蛉切り、メジャーどこが来たね~。

2話目
持ち主やら由来やら、丁寧に説明するのは、華丸になかった特徴ですね。

3話目
ピンチからの増援。ワルくはない。実に王道だ。

4話目
なんなもう、映画だな、完全に。蜻蛉切り、折れはしないだろうけど、かなりシリアスな展開。

5話目
シリアス継続。いよいよ本丸に。

6話目
へ~、2205年の設定なんだ。全体を守れても、個の犠牲を悩む、良いシーンでしたね。

7話目
三日月、強いな~。第一部隊、一軍って扱いなん?

8話目
ちょっと良い話。なんか、前作(花丸)みたいでしたね♪

9話目
前の主のことを嬉しそうに語る刀剣男子、良いね♪ ちょっと腐のかほりはするけどw

10話目
いや、煙の描写とか凄いだろ、これTVアニメだぞw 幕末は盛り上がりますな~。蜻蛉切りがあれだけ苦戦した大太刀を、わりとアッサリ。

11話目
背景からキャラが浮いている感じは、ある意味ゲームっぽいので、これはこれでアリかな。なるほど、土方歳三以上に、土方歳三を本当は助けたい兼定の為に動くのか。

12話目
いや、本当に良いのか? 微妙に歴史変わらないか? 1000って、ムリゲーじゃね?

13話目
背景は、本当にキレイだな。人の動きはちょい変だけど、それは贅沢言い過ぎか。ラストのバトルは単純に熱かった。にしても、やっぱり千体は無理だったんじゃ? 100で良かったんじゃないかとw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

瀬名 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

刀剣乱舞が好きな人には良い

花丸のほんわか日常系とは違い、戦闘&シリアスな展開をメインにしたバージョンですね。

一応書いておきますが、登場人物の背景はこんな感じ。

和泉守兼定→土方歳三の愛刀
堀川国広 →同じく土方歳三の愛刀。和泉守兼定の相棒的立ち位置。
陸奥守吉行→坂本龍馬の愛刀
蜻蛉切  →本多忠勝の槍。天下三名槍の一振り
薬研藤四郎→織田信長の短刀(でもこの設定は出てこない)
鶴丸国永 →平安時代からある太刀。伊達家との縁が深め

ちょっと出てくる登場人物

三日月宗近→平安時代に作られた太刀。天下五剣の一つでもっとも美しいとされる
大典太光世→同じく天下五剣の一つ。
髭切   →源氏の重宝。
膝丸   →同じく源氏の重宝。
骨喰藤四郎→足利尊氏に献上されたり、豊臣へ献上されたりした刀。元は大薙刀の脇差。

こういった刀が出てくるので、歴史上の人物に興味があるなら試し見して観るのは良いかと思います。

ゲームの刀剣乱舞自体では、刀剣たちの物語に関する掘り下げはほぼないので、というかボイス自体が少ないので、ファンにとっては格好良い殺陣が見られて喋ってくれるだけで喜ばしいかと思います。

作画はufotable。fate/zeroなどを製作したところなので、作画に対する期待値は高かったかと思います。
実際、良かったです。
序盤なんて映画っぽく観えるほど手が込んでいた気がする。
戦闘時の躍動感も格好良かったし。
爆撃とか海とか、なんかリアルすぎて、アニメ作画の人物が浮くほどでした。
そこはなんか、バランス面でもっとアニメっぽくして良かったのではとは思うけれど。

肝心の物語ですが、まぁ基本はゲーム刀剣乱舞をプレイした人が観ること前提なのでしょうね。
初見にとっては、まず設定についていくのが大変かと。
正直、ゲームをやっていても理解しきれない設定とかはあるので、初見はさらに「?」という部分があるかと思います。

アニメなどでは、基本的に敵側には黒幕やらボスやらの存在が背景にあるのがお決まりですが、これに関しては時間遡行軍ってなんぞや?って感じですしね。
黒幕とかそもそもいないし。
妖っぽい、どんな思想や理念を持っているかもよくわからない時間遡行軍という名の敵が絶え間なく淡々と出続けるのみ。

そういった曖昧な設定が根本なので、わかりやすい敵設定がないんですよね。
なので、他の作品らとは根本的な物語背景が異なり、わかりにくさや感情移入のしずらさはあると思います。
もう、そういうものなんだと割り切るしかないw

ただ、今回のメイン出演キャラが新撰組や坂本龍馬の刀だったということもあり、物語的には初見でも入り込めるように工夫されていた感はあります。

刀の擬人化の話で、主と刀の関係性を見せてくる場面は感動しました。
坂本龍馬を思う陸奥守吉行のストーリーはとても良かった。
この話が一番初見でもわかりやすかったのではと思います。

それ以降はずっと新撰組ターンでしたね。
堀川国広が不穏な動きをする流れは、正直観ているのがしんどかったです。
ゲームをプレイしているファンからすれば、裏切り行為を働きそう…という不穏なキャラが出てくること自体、嫌なんですよ…。

でも、そこを自分の為にではなく、相棒の和泉守兼定のためだったという理由だったというところで救われます。

なので、刀剣乱舞を知っている視聴者としては、十分に楽しめる内容ではありました。
ただ、OPとかで本能寺の火の中にいる薬研とか出てきていたのに、本編では少しも触れず、織田信長が元主だったということさえ伏せられていたので、謎でした。
なら普通の戦闘シーンを挟んでおけば良かったのでは?と。

映画化が決まっているそうなので、その辺で触れるのでしょうか?
うーん、謎w

今回は第一部隊と第二部隊の12人しかほとんど出てこず、キャストを絞りに絞ったのは良い選択だったと思います。


音楽の部分では、何だかすごいufotable〜って感じが個人的にしましたw
でも良かったです。


と、個人的な評価は高い活撃刀剣乱舞。
ただ、初見の人がどう思うかは本当にわかりません。
刀が好きであれば、結構楽しめるのかもしれないし、擬人化と世界観の設定についていけずに意味不明で終わるのかもしれない。

そして、2話〜5話くらいまでの印象が正直とても薄い。
初見を引き込める内容を意識したのだろうか?と思うほど、初見バイバイな気がしました。

序盤こそもっと見応えのある内容にした方が良かったような気がしますね。
坂本龍馬が関わってくる話が良かっただけにもったいない。

よくわからないうちに物語はトントン進んでいき、置いてけぼりを食うような感覚。
刀剣乱舞を知っている人ならばついていけますが、初見はまずこの辺りで観るのをやめるのではないでしょうか。

なので、こんなダラダラと書きましたが、初見向きではなく、刀剣乱舞ファンならば観ると楽しいアニメだと思います。

イケメンがたくさん出てきて声優も豪華というビジュアル面で言えば、初見でも楽しめるのかも。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ufotableが贈る剣劇活劇譚、開幕。

この作品の原作ゲームは未プレイですが、2016年の秋アニメで放送された「刀剣乱舞-花丸-」は視聴済です。
でもこの作品は前作との物語上の繋がりは無いので、この作品から視聴しても十分に堪能できると思います。

ですがこのシリーズは刀剣を擬人化した作品…刀剣は常に主の懐にその身を置き、主の危機から身を挺して守り抜く存在…
だから戦闘時における激しい主の息遣いも、時には目を覆いたくなるような惨状ですら受け入れざるを得なかった…
そんな自らの忠義を尽くす存在が最も身近で、常日頃からその温もりを感じているが故に背負ってしまう悲しくも儚い刀剣の運命をしっかり堪能したい方は、是非前期の視聴もお勧めします。

戦国の世を渡り歩いてきた刀剣たちの今度の敵は、時間を遡り歴史に介入して史実の改変を試みる時間遡行軍…
そして今回時間遡行軍の歴史改変のターゲットは、徳川15代の歴史が激しく揺れ動いた幕末…

刀剣たちに課せられた使命は「歴史を守る事」
そんな時間遡行軍から歴史の改変を阻止するために派遣された刀剣部隊は、新撰組の土方歳三の愛刀とされる和泉守兼定と堀川国広
坂本龍馬の愛刀として知られる陸奥守吉行
「切れ味は抜群だが主人の腹は切らない」言い伝えが残る薬研藤四郎
本多忠勝が愛用した事で知られる天下三名槍である蜻蛉切
平安時代の刀工、五条国永の作である鶴丸国永の6振りからなる混成部隊…

物語が始まって直ぐに感じられるのは、主に対する刀剣たちの思いです。
楽しい思い出…ばかりじゃありません。
むしろ辛く悲しい…無念の思いの方が強かったのではないでしょうか。
それでもどれだけ時を重ねても主への忠義は薄れるどころか増すばかり…

私たちは刀剣ではありません。
ですが、大切な人への思いを貫く気持ちを持ち合わせているのはお互い様…
だから主に対する思いは嫌というほど伝わってくるのです。

何故物語の時代は幕末なんだろう…
でもその答えは痛みと涙に直結している事が直ぐに分かりました。

おかしいじゃありませんか…
そもそも土方歳三と坂本龍馬の愛刀がどうして同じ舞台に配属されているのか…
土方歳三は攘夷派で、坂本龍馬は開国派で思想が真逆なんです。
永遠に交われない人同士が一緒にいても、きっと報われないと思います。
そしてそれは当人だけではありません…当人を慕う人もまた然りなんです。

だから思います。
幕末から明治にかけて多くの血が流れました。
本当に私たちの先輩の辿り着いた答えはその一つしか無かったのでしょうか…?
若しくはどうしてもう少し欠けたピースを集める事ができなかったのか…?
例えば白虎隊…本当に会津の城が炎上していたのか、確認できなかったのでしょうか。
もし手前の城下町が炎上していただけ、と知る事ができたなら、飯盛山で19人もの若い命の華を散らす必要も無かったのに…

史実に忠実であり続けること…
時にはそれが残酷なほど厳しく、身を焦がすほど苦しいこと…
和泉守兼定率いる第2部隊が何を見て何を感じたのか…
そして第2部隊に課せられた天命や如何に…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

ufotableさんらしさである躍動感が半端ない作画に後押しされたこの作品…
視聴するまではただの女子向け作品だとばかり思っていましたが、それは大きな勘違いでした。
男性が視聴しても十分に感動できる作品だと思います。

オープニングテーマは、斉藤壮馬さんの「ヒカリ断ツ雨」
エンディングテーマは、Kalafinaさんの「百火撩乱」
Kalafinaさんの曲…相変わらず素晴らし過ぎです。

1クール13話の物語でした。
幕末での第2部隊の役目はひと段落しましたが、直ぐに次の任務が言い渡されていました。
そう…第2部隊のこれからの活躍は劇場版で見る事ができるそうです。
今後の続報が楽しみです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

64.8 7 2017年度の未来アニメランキング7位
アトム ザ・ビギニング(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (151)
632人が棚に入れました
これは、まだ誰も知らない”鉄腕アトム”誕生までの物語。

大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」となるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る―。


手塚治虫が描いた永遠のヒーロー・鉄腕アトム。その誕生までの物語を、『機動警察パトレイバー』のゆうきまさみと『RIDEBACK』のカサハラテツローがタッグを組み、まったく新しい構想でコミック化した本作が、ついにTVアニメーションとして始動。アニメ化にあたっては、『踊る大捜査線』『PSYCHO-PASS サイコパス』の本広克行の下、『モーレツ宇宙海賊』の佐藤竜雄が監督を務め、『BLOOD+』の藤咲淳一がシリーズ構成を担当する。
アトムのいる「未来」と私たちの「今」が、『アトム ザ・ビギニング』によって結ばれる !

声優・キャラクター
中村悠一、寺島拓篤、井上雄貴、櫻井孝宏、小松未可子、佐倉綾音、河西健吾、飛田展男、南條愛乃
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

子ども向け・ハートフル系として見た方が良さが感じられるかも〈原作を読んだので一部追記〉

2017年春アニメ。全12話。
原作は漫画、未読です。鉄腕アトムにもほぼ触れたことがありません。

【あらすじ】
5年前の大災害により復興のためにロボット技術が発展し、ロボットは日常に欠かせないものとなっています。そんな中、練馬大学第七研究室で天馬午太郎とお茶の水博志は次世代型人工知能「ベヴストザイン」を搭載したロボット・A106(エーテンシックス)を制作中。
七研での経験により少しずつシックスは変化し、自我を獲得していきます。


全体的には明るく楽しい子ども向け寄りのアニメ。のんびり見ると楽しいです。
キャラクターがとても良くて、午太郎と博志の関係はしっかり描かれましたし、シックスと女の子達が可愛くて楽しめました。
OP、EDも凝っていて、作画・演出、BGMも常に安定していて良かったです。
個人的には日常の中でシックスが成長する姿をもっと見たかったですし、伏線が回収されていない部分も気になるので2クール欲しかったですね。

{netabare}
一周目の視聴時は序盤あまり引き込まれませんでしたが、ロボコン回などのいくつかの回と最終2話で全体の繋がりが見えてきて、二周目でちゃんとハマった感じでした。
月刊ヒーローズ連載、夜に放送ということでもっとハードな内容になると思っていたので、全体的に優しい雰囲気だったのは結構意外だったかな。最終2話は若干ヘビーでした。
中盤まではあくまでも日常生活のドタバタがメインですが、裏ではテロが進行していたり、5年前の大災害で瓦礫の山となった街並みが見られたり意外と暗い部分もありますね。

ロボットバトルものとしてはバトル無しの回が多く、けれども原作があるため全くバトル無しともいかないので、若干どっちつかずな印象ではありましたが…。
ただ、脚本会議には監修の手塚眞さんと原作者のカサハラテツローさんがほぼ毎回参加されていたそうです。内容については綿密に相談したこと、原作でも日常回をやりたかったけどなかなかできなかったこと、「どうするか迷ったときには明るい方向にしてもらった(カサハラさん談)」ことなどがインタビューで語られています。


【本作のふたつの柱】
・天馬午太郎とお茶の水博志の大学での研究と日常

原案となる「鉄腕アトム」では制作者であった天馬博士が手放したアトムを、お茶の水博士が引き取っています。
本作では学生時代の二人を描いていて、考え方の違いからぶつかることはあるものの、基本的には仲の良い共同研究者。ただし午太郎も博志も逆の意味でマッドで、お互いが歩み寄れないと平行線になりそうな危うさもあり、その描写が絶妙でした。

個人的に博志があまり好きになれないと思っていたんですが、多分言うこととやることにズレがあると感じるからかなあ。
最終話でのシックスの扱いを見ていても、ロボットが「心」を獲得するのを信じているなら一時的にでも粗末な扱いをするのはよくわからない…というかちょっと身勝手というか。
午太郎のほうが同じようにマッドでも言ってることは理解できる感じ。


・自律型AIの自我の獲得

人工知能が「心」を獲得するためには「自己と他者を分けて認識すること」と第2話で博志の口から語られています。
なので、シックスの成長と変化を少しづつ描いた上でロボレス編に入ったのはとても良かったです。一度目の視聴では正直ダレ気味に感じましたが、最終回まで見ると日常回の細かな描写がむしろ肝だったと思います。
日常の中で「守り助けること」を行動原理として緩やかに成長してきたシックスが、ロボレスで「戦い勝つこと」というある意味では行動原理に矛盾する命令に答えを出し実行したことで、急激に変化したと感じました。

シックスの内面が描かれた最終回が凄く良かった。度々ポイントを絞って(アイキャッチもですが)シックス視点が入っていたのが良い演出だったなと思います。
断片化した記録を精査しながら、自身を客観視していく描き方は上手い。AIであるにも関わらず夢や願望のような映像が入り交じり、混濁した記録を整理していく描写は色々と考えさせられます。
オーナーの命令に逆らうより自身の機能停止を選んだマルスに対して、シックスにとって自我の獲得ははじまりという描き方なんですね。

本作の作りと鉄腕アトムに続く流れから考えれば、人工知能(少なくともベヴストザインに関しては)の発展が人間社会に悪影響を及ぼすような展開は無いだろうと思うので、このアニメのテーマのまま続編が見たいですね。


【以下雑感】
調べてみると、全12話のうち5話ほどはアニメオリジナルで、原作エピソードをアニメ独自に膨らませた部分もあるよう。どれも楽しくて良かったです。
ロボコンの回好きなんですが、オリジナルなのかな?蘭のメイン回としても良かったですが、現実的な題材なのが素晴らしかったと思います。
ストーリーのメインに描かれるのが自我を獲得しつつあるシックス、軍事技術を用いたマルス、ロボレスの戦う花形ロボットたち、という中で災害救助用ロボットを描いたのも個人的にすごく評価したい部分。その意味では第3話でペットロボットを登場させたのも良いチョイスだったんじゃないかな。
スタッフや参加者の何人かが実際のロボコンを見に行ったりもしているようで、現実に繋がるリアリティを積極的に作り上げようとしている印象がありました。
{/netabare}

全体としては質の良い作品で、脚本のこだわりや生き生きとした作画も観ていて楽しかったです。この子ども向けのような雰囲気のままもっと長く見たい作品でした。(2017.11.30)


【追記】
原作4巻まで読了。
ヒーローズ連載らしくバトル多め、ストーリーにミステリー要素もあり大人向けです。ベテラン漫画家らしい手慣れたタッチの絵と画面作り、凝ったロボットデザインが素晴らしいです。
アニメ版はきちんと原作を尊重しながらも変更点によって描きたいこと(自我の獲得)が明確になっていて、ちょっと哲学的な描写が増えているのも映像作品ならでは。
どちらも面白いですが、原作の読者層とアニメの視聴者層は結構割れていそうな感じがするw

{netabare}
アニメ化されたのは漫画の2巻の半ばほどまで。
ただし3巻以降に登場するシチュエーションやキャラクターをサービス的に拾っている部分も多いです。
アニメ作品の準備期間から考えると、おそらくかなり早い段階でアニメ化決定したんでしょうね。連続性の強いストーリーなので、これ以降の区切りまでにすると蛇足っぽくなってしまう気がします。

アニメオリジナルが3話、4話、6話、7話。他の話もかなり膨らませています。個人的にはロボレス編をコンパクトにしてもう1話日常回を観たかったかも。戦うロボットだけではなくて、ペットロボットや救助ロボットの回を作り人とロボットの様々な関係性を描いたのがとても良かったと思います。

個々のキャラクター描写が増加してます。
原作では茂斗子さんと蘭ちゃんの出番がそこまで多くないので、アニメでは見せ場がかなり増えていて嬉しい限り。アニメでの蘭ちゃんのシックスへの想いの強さと、茂斗子さんのシックスへのニュートラルで自然な関わり方にはずいぶん癒されました。
なにせ午太郎と博志の意見が食い違う描写が原作より多くなっているので、アニメ最終回の「シックスくんこれからも大変ね」みたいな台詞には同感ですね。

アニメでは視聴者に与えるシックスの印象の変化にかなり気を遣っている感じ。
原作ではシックスは最初(自我が芽生える前)からしっかりと喋っていますが、アニメでは人工的な音声と台詞回しになっていて、最初は自我がないことや人工知能の成長過程がかなりわかりやすくなっています。そのため自我を獲得するタイミングは同じマルス戦ですが、アニメ版10話ラストの「話がしたい」のインパクトは絶大。素晴らしい演出でした。

最終回も原作のエピソードではありますが、その膨らませ方もとても上手。シックスが自己を省みる描写を丁寧に入れたことで、「自己と他者を認識すること」が明確になっていました。ラストシーンの「はじまる」という台詞で、シックスが自我を獲得し、これから「心」を育んでいくという描き方になっていると思います。
{/netabare}(2017.12.4)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

これは、いずれ"天才"と呼ばれるふたりの"日常"

この作品の原作は未読ですが、「鉄腕アトム」の前進を描いた物語だとピンとくるほど分かりやすいタイトルですね。
鉄腕アトムの功績は物凄いと思います。
日本で最初の本格的な1話30分の連続アニメ…
日本初の国産ロボットアニメ…
平均視聴率30%超…

これだけでも十分重みを感じますが、この作品はこれだけじゃありません。
現在のロボット工学学者たちには幼少時代に「鉄腕アトム」に触れたことがロボット技術者を志すきっかけとなっている者も多く、現在の日本の高水準のロボット技術力にはこの作品の貢献が大きいともいえる(wikiより)

まさに現代の科学の礎を担っている作品なんです。
それが形を変えて現代に蘇るとなると気にならない訳がありません。

この作品の第1印象はこんな感じです。
A106:ATOMより無機質さを感じるフォルムが逆に格好良い、良く動くなー、グーパンチ凄っ…!
お茶の水博士:若っ…! 鼻小っちゃ…!

この作品は、練馬大学の若き天才コンビ、天馬午太郎とお茶の水博志が作り上げた意志と人格を持つ自立型ロボットであるA106を巡る日常を描いた物語です。
決して潤沢ではない資金面…むしろ慢性的な資金不足が続く第7研究室でしたが、午太郎と博志はA106の今後について熱く議論を交わす日々が続いていました。

A106は確かに格好良いけれど、この展開だけでは流石に飽きてしまいそうですが、この作品…華である小松未可子さん演じる堤 茂斗子と、あやねる演じるお茶の水 蘭が抜群のタイミングで絡んでくるので、決して飽きる事はありませんでした。

お茶の水博志と茂斗子…そして妹である蘭の位置付けがまた面白い…
博志は決してモテるタイプではありません。
ですが彼の優しい人柄を知れば気になる人がいてもおかしくありません。

それに共同とはいえA106を自作してしまうほどの技術の持ち主なんです。
妹の蘭だって一目置かない訳がありません。
この欄ちゃん…この作品における私の一推しキャラでした。
口数は少なく無表情ですが、第7研究室に入り浸り廃材の山から使えそうな部品を探している姿を何度も見かけました。
兄に負けず劣らずロボット好きなのは遺伝のせいだけじゃないと思います。
特にA106との絡みは個人的に大好きでした。
でも…お茶の水博士に妹がいるなんて…この作品を見て初めて妹の存在を知りました。

A106が人格を持っているとはいえ、本来人間が持っている人格とは似て非なるモノ…
でも、お茶の水兄妹のロボットに対する接し方は人間と分け隔てが感じられません。
A106がどこまで気付いて感じているかは分かりません。
でも自分に向けられている気持ちに嫌な感じがしないことは分かっていたのではないでしょうか。

だから思います…
A106が「心やさしき科学の子」と呼ばれる所以は、博志の優しさが伝染したからだと…
二人の思考パターンが似ている…と思える言動がチラホラ見受けられるんですよね。
でもこの優しさがA106最大の魅力だったのではないでしょうか。

A106の前を通り過ぎる様々な出来事を真摯に受け止め、彼ならではの思考パターンで自分らしくあり続けた…完走して振り返ってみると、「A106らしさ」がしっかり描かれていた作品だったと思います。

オープニングテーマは、After the Rainさんの「解読不能」
エンディングテーマは、南條愛乃さんの「光のはじまり」
After the Rainさんは最近気になりだしたユニットです。
今回のOPもアニメともマッチしていて格好良かったと思います。

1クール12話に物語でした。
気が付いたら夢中になって見ていた作品…この作品に対する私の印象はこれがピッタリです。
作画は好みを選ぶかもしれません。
でもそれだけで切ってしまうのはあまりにも勿体無い…そう思える作品でした。
原作はまだ続いているみたいです…
それにDr.ロロは未だ謎だらけですし、第1研究室の件も描き切れていないと思います。
もし続編が制作されるなら絶対視聴します。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

これも恐らく・・・・・・・・・・・・・【漫画】の方が面白そうな感じがします。

最近の手塚リスペクト物で『ヤングブラックジャック』なんかもありました。漫画の方は結構面白く思えて、アニメ化に少し期待してたのですが・・・「コケた」と思えたのが個人的な感想です。、で

年長者は一度は耳にして、若い人には[嫌]でも聞かされる漫画の神様「手塚治虫」先生の定番代表作の一つ「鉄腕アトム」から、アトムの「生みの親」と「育ての親」の若き青年時代のストーリーというのはみなさんご存知のとおり。

※【鉄腕アトム】
原作や、幾つかメディア化されて設定を後付け盛り付けたりされてますが、私の記憶してる基本ラインは-
・科学省長官の天才科学者「天馬博士」。最愛の息子・飛雄(トビオ)を交通事故で失い、その深い悲しみから息子そっくりの「少年ロボット」を作り上げる。(なんか「フランケン・シュタイン」みたいなさわり)
・しかしロボットはロボット。人間の代役にはならないジレンマで天馬博士は少年ロボットをロボットサーカスに売り飛ばします。そして天馬博士は科学省を去り、行方をくらませ世捨て人に。
・ロボットサーカスのショーで働く少年ロボット。そこへたまたまサーカスを見に来ていた現科学省長官「お茶水博士」。その少年ロボットが盟友・天馬博士が作り出した傑作ロボットと見抜き、サーカスから引き取ることに。
・そしてその少年ロボットは『アトム』と名付けられ、お茶水博士とともに様々な怪事件・大事故を解決し、はたまた勧善懲悪の大冒険もあり、見る者に問いかける問題ドラマもありと「正義の少年ヒーロー」モノとして結構ヤマ盛りな内容の展開が次々と。
・小さな体に10万馬力、ジェットで自由に空を飛び、秘められた「7つの力」のアトム。
・しかし「心」あるが故、人間と同じく喜怒哀楽があり、特にボッチなところを不憫に思ったお茶水博士はアトムに家族ロボット(パパ、ママ、妹のウラン、兄のコバルト)を作ってあげて人と同じく優しさや思いやりを育んでいきます。
、といったところでしょうか。

そして、今回「アトムの素」を作った二人の天才、天馬午太郎とお茶の水博志("はかせ"じゃなかとです。"ヒロシ"です・・・"ヒロシ"です・・・)。
謎の災害から5年後。復興作業の為にロボットが大量導入。当然ロボット産業が急速に進み、練馬大学学院生の午太郎と博志は次世代型人工知能「ベヴストザイン」搭載の自立型ロボット「A10-6(エーテンシックス)」を開発。
A→【ア】
10→十(とお)→【ト】
6→六(む)→【ム】とかけ合わせてあるのはご周知の通り。
オリジナルキャストの博志の妹・蘭。
アトムの妹・ウランと「妹でラン」繋がり。
主要この三名を中心に様々な事件が起こるようですネ。
(復興で技術産業が進むのはパトレイバーのバビロンプロジェクトを思いだしますね。東京湾を埋め立てて土地不足を解消。数万パワーの土木作業機械=巨大マニピュレーター=レイバーの多数登用。レイバー技術の急速な発展→レイバーの犯罪発生・増加→「パトレイバー」の誕生。)

監督は本広克行さん(ドラマでは「踊る大捜査線」アニメでは「PSYCHO-PASS」が有名どころ)。NHK放送のせいなのか、あまり「ムチャ」出来なさそうで気の毒な感じがします。
今のところアクションはそれなりにイイと思うのですが、ドラマパートがなんか非凡に感じます。特に伴健作。すんごく昭和テイストです。しかも将来、父にクリソツになる息子・伴俊作(後のヒゲオヤジ)。今は似つかないほどの爽やか(ちょっとオマヌケ?)青年ぶりにオッタマゲーです。

知名度があっても「局」の縛りで伸び伸び出来なさそうな感じがしますが、
はてさてどうなりますやら。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

66.8 8 2017年度の未来アニメランキング8位
Infini-T Force(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (130)
460人が棚に入れました
ガッチャマン――世界征服を目論む悪の組織ギャラクターと戦った、5人の少年少女からなる特殊チーム「科学忍者隊」の頼もしきリーダー。キャシャーン――人類に反旗を翻したロボット軍・アンドロ軍団から人々を守るため、自らの肉体を捨てて「新造人間」となった孤高の戦士。ポリマー――正体を隠して探偵事務所に身を置き、街にはびこる悪人たちに正義の鉄槌を下す、「破裏拳」流の使い手。テッカマン――滅亡の迫る地球から人類を新天地へと導くため、装甲を纏い宇宙からの侵略者ワルダスターに挑んだ「宇宙の騎士」。平和のために戦った4人のヒーローが、時空を超えて現代の渋谷に集結。その目的は世界と――1人の少女を救うこと。伝説のヒーローたちの新たなる戦いが、いま再びはじまる。

声優・キャラクター
関智一、櫻井孝宏、鈴村健一、斉藤壮馬、茅野愛衣、安元洋貴、平川大輔、花澤香菜、斧アツシ
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

劇場版前提ではこんなものなのかなぁ

1話感想
{netabare}始まる前→これ梅津泰臣関わってないなんてことはないだろう
始まって→い、居ない…だと?フルCGとはいえ、せめてアクション監修としてでも…
他アニメ(ダイナミックコード)見て→「キャラデザ:梅津」ええええええ

な、泣いていいですか、ってか泣きたい。
なんでこっちじゃなくてネタアニメ?の方やってるのさー。
うう…ま、まぁそんなこと言い出したら天野喜孝呼ばなきゃナランって人も出てきて収拾がつかなくなるか?
エアギアのアニメは当時結構苦痛だったような…。

それにしても普通に面白くて困惑。
なにより…これは勝手な印象だけど、CGでアクションってな~ぜか暗がりで戦闘するのが多い気がする。
今は平気だけど以前使ってたモニタはゲームやっても真っ暗で、どうもそこら辺でイ~な印象が染みついてます、実相寺じゃねーんだから。
で、これの1話はお天道様の元、明るい日差しの中で戦闘してくれて非常に好印象。
今後暗がりでの戦闘になるかも知れないけど、カラーリング覚えるためにも最初くらいはちゃんと自然光で戦って欲しい、他のアニメも見習うべき。

それにしても…テッカマンはペガス、キャシャーンはフレンダー同行してるのにガッチャマンは一人だけってのはなんか寂しい(ポリマーは…まぁ)。
今後助っ人が登場するってことはあるのかね?{/netabare}

2話感想
{netabare}さっすがヒーロー、全員性格が「いい人」ばかりで違和感…じゃないな、なんて言えば良いんだ?
すっかりダークヒーロー系に慣らされてしまって忘れかけた原点を思い出させてくれた。
これが本来のヒーローだよ、うん。

その一方、後半まで両陣営を行き来して話をかき回す役だと思ってたダミアンが正体表したり、最後まで伏せると思ってたゼットの正体が明かされたりで、あれ?こんな展開早くて大丈夫?
まさか全4話で終わりとかでもあるまいし…この調子で展開してくとネタも尽きて仲違い方面に進むんじゃないかという不安が。
名アリの敵キャラの数も少ないよね…どうするんだろこれ、ちょっと先の展開が読めない。
ダミアンはベルクカッツェの系統だと思うのだが、早々に退場させるのは勿体無い気がするし、まだなんかウラがあったりするんだろうか。{/netabare}

3話感想
{netabare}重症の中ダミアンを探そうと家を出ようとするポリマーを止める残りのヒーロー達←わかる。
特にキャシャーンの「痛いってのは生きてる証拠、それを失いたいのかアァン?」みたいなセリフはグっときた。
が、その後…ダミアンTV登場して隕石落下を宣言。
みんなで防ぎに行くぞ、ポリマーもな←!?
あれ、重症の件はどうした?
ケガそのものよりも独断専行を咎められてたってことかな?
ちと分かりづらいっていうか…解釈間違っちゃわない?

そうはいいつつやっぱ普通に面白い、なにより展開早っ。
ダミアンvsポリマーはこれで終わりかな?
殺してはいないので後半助けに駆け付けてくるとかそんなんありそう。
ポリマーの考えはクラウズのゲルサドラー的に思えなくもないが、まぁ目を瞑ろう。
そして展開早いと思わせる理由に、テッカマンが妙にケースの詳細に詳しいってのがあることに気付いた。
ガッチャマンは何が何だか分かってないのにこの違いは?ゼットはテッカマンの世界を滅ぼすのには苦戦したとかそんなんだろうか?
先の展開が全然分からないので…まさかテッカマンが裏切るってことは無いよなぁ、いちいち謎として伏せといても面倒臭いってだけだと思うが。{/netabare}

4話感想
{netabare}え、マジで?これでベルリンの話は終わり?3話くらいかけると思ったのに??
凄いな、滅茶苦茶展開早い。
早いと言ってもダイジェスト感になってるでもなく、押さえる所は押さえてて非常に子気味が良い。
滑り台上でのエミへのビンタ、あの位置関係でビンタは難しいんじゃ?
ベルリンは次元移動の際親切にペガスも連れてきてくれた?等、思うことはあるけどまぁ些末なこと。
テンポ遅い作品(レクリエイターとかバージンソウルとか)でこういうことされると気になってしまうけど、この作品においては気にならない、ってかワザとやってる?
ゼットの願いってひょっとして娘に笑顔を取る戻させるとかそんなんかな?
エミの「そんなにケースが欲しければあげちゃえばいい」って考えも、前回隕石の軌道を変えたことから「おいそれとヘンな奴に渡すのはヤバい」と考えを改め始めてるって感じかな。
ここまで素晴らしいテンポではあるのだけど…まだ話数かなり残ってるんだが、どうなるんだ?
ちと気になったのが↑でも書いた様にガッチャマンが1人で他の科学忍者隊が居ないというのは何か寂しい。
「(元の世界に)仲間達が~」みたいなことを言ってたが、その姿は現在回想シーンですら一切出てません。
まさか…マリアと同じように存在を無かったことにされてたりして?
「元の世界の仲間が…あれ、仲間って居たっけ?」なんて展開になったりして。
失われた大切なものを探しに行くとかそんな感じの展開になるのかなぁ?あくまで想像ね。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}ありゃ、ダミアンやベルリンはもう懲りたってことだと思ったら相変わらず敵対して来るのか。
…って、6話でテッカマンが誘い込まれた部屋にあったルービックキューブ…ええ?名前忘れたけどガッチャマンクラウズに出てたヤツ!?
(ってかあのシーンでデッカマンが追い込まれた理由はなんじゃらほ?情報過多で処理が追い付かなくなったってことだと思うのだが分かりにくい気が)
クラウズってタツノコヒーロー的には異質なので別件扱いして考慮に入れてなかったんだけど、まさか突っ込んで来るとは(それともクラウズ以外の何かでルービックキューブ出てたりするんかな?)。
インサニティとインフィニティで発音が似てるなんてぜんっぜん考えもしなかったわ。
そういや次元移動の時のエフェクトはテッカマンのOP意識してる?
しっかしこうなってくると映画キャシャーンとかスマップガッチャマンなんかのネタも来るのかも知れない…自分全然ワカランぞ?

でもってエミは絶対死ぬウーマンだったのか。
正確には親父と接触したら死ぬ運命が決定付けられてるウーマン。
なので親父はケースの力で強引に死なない宇宙(本来は存在しない可能性の宇宙)を作り出して、その維持ために別次元を滅ぼしてる、と。
で、こういう設定であるならやっぱり気になるのは「他の平行宇宙に別のガッチャマン達は居ないの?」ってことなんだけど、どうやらそれに関してはゼットの見立てでは「イレギュラー」ってことらしい。
う~ん、なんかウラありそう。
無理やり存在しない可能性の宇宙を維持し続けたらそのうちエラい反動が来るんじゃないか?ってことを考えてしまうが、ヒーロー達はその前振りだったりして。
自動次元修復機能みたいな?
というかね、ポリマーはダミアン、テッカマンはベルリン、キャシャーンはラジャカーンと対比することで元作品を知らない人にも重たい過去を背負ってると分かる説明がなされたが、ガッチャマンだけは9話まで進んでも何を背負ってるのかの描写は無し。
数多の修羅場をかいくぐり、それで行き着いた・もしくはそれでも曲げなかった「正義論」なんだろーなーって想像は容易にできるけど、具体例はナシ。
ゼットを対比キャラにしてそのうち語られるんだろうか。{/netabare}

10話感想
{netabare}9話までの感想で書いた「設定の確認」に対しての答え合わせみたいな回でした。
ああ良かった、自分の解釈間違ってなかったっぽい。
ってかこれ…ゼットがエミに余計な接触図らなければそのままゼットが大勝利だったんじゃ?
う、う~ん…こっち側(ヒーロー側)の行動丸っきり関係なく、敵側の勝手な自爆行為に救われるってのはどうなんだろう。
せめてヒーロー側の行いが自爆行為を誘発させる結果に繋がったってくらいはできなかったんだろうか。

ところでちょっと自分語り。
あんまり関係ない話になるので畳んでおきます{netabare}
「デッキ開発おじさん」って知ってますか?
自分もそんなに詳しくないので説明しづらいのでググってくれれば有難いんだけど、若い頃色々やらかして現在生きた屍のようになってる「架空のキャラ」。
そのデッキ開発おじさんそのものの台詞ではないと思うんだけど、デッキ開発おじさん調の語りをするゲーム実況動画を見たことがありましてん、正確にはゆっくり解説付きのパズルボブル3RTA動画。
で、その発言の一つに「敷かれたレールがあるうちはまだ勝ち組なんだ」ってのがありまして…。
一方、賭けグルイってアニメがありましてん、そこで賭けに負けた人は「人生計画書」なるものを渡されてその通りに生きていかなければならないって設定がありまして。
ただ、その計画書って決して悪い人生ではないって内容でして…。
でね、リアルの友人(おっさん)が賭けグルイ見て言ったんですよ。
「人生計画書なんて最高じゃないか、それを嫌がる意味がワカラン」とね。
冗談だか本気なのかは不明なんだけど、まぁ自分は「血気盛んな高校生がそんなこと思うワケないじゃん。お前はデッキ開発おじさんか」と冗談めかして返しましたさ。
…。
うん、もうね、そういう境地にイっちゃってる人ってどれくらい居るんだろ?
インフィニTに話戻すと、エミの考えに共感する人・ゼットの考えに共感する人、比率どんなもんなんだろう?ってのが気になったり。
タツノコヒーローだし見てる年齢層も高そうだし、案外デッキ開発おじさん寄りの人って多かったりして…。{/netabare}

んで最後ヒーロー達が戻って来たけど、やっぱりガッチャマンの他メンバーの姿はナシ。
ええそうなーん?完全にナシとして期待しない方がいいのかな。
「バードミサイルをブチ込んでやる」聞きたいなぁ~。{/netabare}

総評・↑と重複しおた文相も多いためこれだけ読めば良いかも?
{netabare}序盤の盛り上がりも後半一気に失速、ラジャカーンがチャイム鳴らす所がピークかな。

よく指摘されるエミの性格、個人的には気になりませんでした。
というのも…別作品を例に挙げるとイセスマの主人公や、同期に放送されてたのだったらディエスイレの司狼が同じタイプなんじゃないかな?
神だか作者だかに庇護されてて、なにやってもヤバいことにはならない・死なない──もしそんなことになったら“死よりも辛い退屈な日々を送ることになる”だろう、ってのはちょくちょく思ってまして。
エミは一話が始まる前から「それ死ぬだろ」って目に遭い、その度に親父の用意した「絶対死なない世界」のお陰で奇跡的に無傷ってのを経験してたんじゃないかな。
一回だけなら奇跡でも、何度もそんなことがあったら「なんか嘘クセー」と感じ(頭では理解してなくても無意識のウチにそう感じ)、全てが空虚なものとなり笑顔も願いも持たなくなり、自棄・自殺願望めいた精神状態となってしまった、ってのは頷ける。
但し、これは結構好意的解釈を広げての解釈なので、そう思わせるだけの充分な描写があったか?と言われればそうでもないので、エミの性格が嫌って言う方の意見もよく分かる。

で、一話はそんな自殺願望状態からスタートで、最終回までになんやかんやあって最後は自分で未来を決めるとして親父を撃退(絶対死なない世界を否定)し、それでいて「やっぱり死にたくない」という“願い”を持つに至った、ってところでエンド、って感じでしょうか。
ただそんなエミの心の成長がこの作品のテーマだとしたら…一番影響与えたのはタツノコ4ヒーローじゃなくてラジャカーンのような?
あれ?それでいいのか?
また、ゼットを撃退できたのはそれまで接触を避けてたゼットがわざわざエミとコンタクト図ったせい。
それまでゼットの思惑通りにコトが進んでて、今まで通り遠くから見守ることに徹してたら大勝利だったワケで…10話のゼットが描いたエミの未来設計図、「黙ってりゃいいのに」とどうしても思ってしまう。
(というか血気盛んな高校生にあんなのを見せたら反発するに決まってるって)
で、そんなゼットの自爆行為のお陰で4ヒーローが復活して逆転勝利…4ヒーローはなにか努力したでもなくただボケーっと棚ぼたを拾っただけ(テッカマン曰く「そういうことなんだろう」)なのでどうにもカタルシスを感じない。
さながらイッパツマンの「イマイチだな」ってノリ…ギャグならともかくシリアスでこれはどうなんかな?え、この作品ってギャグだったりする?
9話のケンとゼットの対話により、ゼットに焦りが生まれたってことならまだ納得できるんだけど、そんな描写あったっけ?
あっるぇ~?
でもって4ヒーローの中で最もエミに説教してたケンだけど、4ヒーローの中で最も過去(元の世界はどんなだったか)について語られていない。
おかげで一番言葉に説得力が無いというか…。
「そんなの元のガッチャマン知ってりゃ必要ないじゃん」ってことなのかなぁ?
むしろ他の化学忍者隊に思いを馳せるとかも全然無いため「元のガッチャマンとは別モノ」ってことをアピールしてるように感じてしまったり。
ゴッドフェニックス無しで火の鳥やったし。
おっやぁ?

そして一番の問題は、エミの“絶対死ぬウーマン”の呪縛は解除されてないやん?という点。
最終回はこれが投げっ放しのまんま通常エンドに突入してポカ~ンとしましたよ。
一応Cパートにて、親父の置き土産のケースの力で危機に遭う度に回避するってことかいな?ってことを匂わせたところでケンが再登場。
ケンの居る宇宙だか別の宇宙だか知らんけど騒動が起きててエミの力が必要だ、と。
果たしてこの騒動がエミの“絶対死ぬウーマン”の呪縛解除に関わりのあることなのかどうかまでは不明だけど、騒動解決に向けて旅立つところで真エンド。
多分劇場版に続くってことなんだろうけど…制作分かってるよね?
まさかTV版だけでエミの絶対死ぬウーマンは「完全解決した」と思ってるならズッコケもいいところで…そこら辺に一抹の不安が。


序盤ポンポンポンとテンポよく敵を倒してく話が続いたため、このペースなら後半の話もテンポよく纏めてくれるだろうと期待したのに、蓋を開けてみれば中途半端に投げっ放しちゃった感。
まぁ劇場版が控えてるからそれ前提で話を組み立てるとこんな感じなのかねぇ?
ってことで総合的には劇場版を含めてでないと評価は難しい出来となりました。
じゃあ見に行くか?って言われたら、う、う~ん…。
ってか劇場版の内容全然知らず、「きっとTV版の続きをやるんだろう」と勝手に解釈してるんだけど、これで劇場版はTV版の続きではないって内容だったらどっと笑い。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

コミックス版に乗り換えてしまいましたw(9話までで断念+コミックス版1巻読んで)。

>2話まで視聴して
フルCG作品なのでしょうか?。
一見するとゲーム画面のようにも見えてしまうのですが
表情や瞳や動作など、細かく動きが描写されているので
自分は嫌悪感や違和感はほとんど感じず観れてます^^。
現実と仮想空間とフィクションの絶妙な狭間空間のようにも感じられます。

あとCGならではの配色やグラデーション、光の描写が自分好みでした。

気になってるのは、某キャラがマイケル○岡さんに見えてしまうことですw。

これだけ3Dでアニメ作品が作れるようになると
今度気になってくるのはVRとかとの親和性ですね。
案外近い将来、一部のアニメはVRで楽しむのが当たり前になってくるかもですね。
アクション性の強い作品だと、より臨場感ある視聴が可能になってくるかも?。
もう私たちはTVの中に片足突っ込んでる状態なのでは?・・と妄想してしまいます。
(もちろん2Dのアニメも、その良さを生かして生き残ると思います♪)


個人的に今期は、継続して観たいと思える作品があまり見当たらないので
自分にとっては継続視聴確定の貴重な作品となっています!!。

---------------------------------------------
>9話まで視聴して
ここ数話、正直言って継続視聴するのが若干難しくなってきています・・。

序盤の数話は、新しく始まった世界にワクワクさせられっぱなしでしたが
中盤になって、物語の中核に触れるであろう
大事な展開に差し掛かっているのかと思われますが

やはり作画?に難を感じてしまっています・・><。

本作はフル3DCG?
(・・じゃなかったシーンがあったりで、遭遇した時は脳内パニックw)
に、ある程度こだわって作られているようですが

3Dにこだわり過ぎてしまって、そちらに労力とられてしまった?・・ためか
肝心の説得力や感情表現が犠牲になってしまっている気がします・・。

なんというか
やはり画面全体を3Dで表現しきるまでの技術?に至っていないため
どうしても部分的な描写に終わってしまって
登場人物や背景描写に至るまで
本当は描きたかったであろう何かが
カットされまくったのではないか??
と思ってしまうまで
・・何というか”人形劇”になってしまっています><。

そうなってしまうと、せっかく描きたかったであろう”物語の説得力”まで
陳腐なものに感じさせらるハメにあってるのでは・・?。

・・なんか、人形劇的?に感じてしまってからは
”上手く作れなかった自主制作特撮作品?”
・・のようにまで思えてしまいます><。

3DCGベースでも、もちろん良いとは思うのですが
それをベースにアニメ的な(カートゥーン?)2DCGに仕上げる
・・といった手法であれば
もっと表現力の拡がるアニメ的な作品に化けたのではないか??
・・・と、残念でなりません。

★の評価、下方修正しました。

---------------------------------------------
>コミックス版1巻読んで
ちょっと気になってたコミックス版1巻を読んでみました^^。

アニメ版ではよくわからなかった”いろいろな理由”が、コミックス版ではわかりやすく描かれていました!!。
話の組み立てや主人公の”キャラ+性格”、その他にもいろいろな所が大きく異なっていました!。

⇒⇒⇒結論

断然”コミックス派”になってしまいました^^。

あらー、もうこれはアニメ版には戻れないです~><。
(アニメ版はせっかくの4ヒーローの扱いが
 なんとなくただ平らに投げっぱなしにされた感すら感じてしまうのですが
 コミックス版ではそれぞれの信念みたいなものまでしっかり描かれています)

なぜアニメ版はコミックス版準拠にしなかったのか、理解に苦しみます・・。
フル3Dにする必然性もあまりなかったような・・・。

もう一度言います。

コミックス版、面白いです!!。2巻以降も読む予定です♪。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

平和のために戦ったヒーローが、時空を超えて現代の渋谷に集結。その目的は世界と1人の少女を救うこと。伝説のヒーローたちの新たな戦いが、いま再びはじまる。

タツノコプロ制作によるオリジナルフル3CDCGアニメ作品です。
小さい頃、その活躍を見たくてTVにかじりついた頃の往年のヒーローが再来してくれる…
これだけでも嬉しいのですが、この作品では4人ものヒーローが集結してくれるんです。

『科学忍者隊ガッチャマン』『破裏拳ポリマー』『新造人間キャシャーン』『宇宙の騎士テッカマン』のヒーローが一同に介するなんて…一体どんなご褒美なの?
しかもこの物語の鍵となる界堂 笑のCVはかやのん…
これ、絶対面白いヤツだと確信すると同時に、即視聴した決定でした。

この物語の主人公は、女子高生の界堂 笑…
容姿端麗で黒髪ロングが似合う女の子…
そして性格も物事の見方も冷め切っている上、無頓着で執着心の欠片も無い女の子でした。

ある日、彼女はひょんな事から光り輝く巨大な色鉛筆を手に入れることになります。
それは「ケース」と呼ばれる全ての願望を叶えるアイテム…
そんなアイテムは、誰もが手に入れたいと思う格好のアイテムにほかなりません。

案の定、彼女はロボット集団に襲われることになるのですが、彼女のピンチを救ったのが、昔懐かしのヒーローだったんです。
聞くと、彼らの住まう世界は「ケース」によって滅ぼされたとか…

この「ケース」を悪事に使わせてはならない…
次々と現れる敵から笑を守るため往年のヒーローが立ち上がり物語が動いていきます。

こうして視聴を始めたのですが、序盤は心にモヤモヤがかかりっ放しでした。
それは笑の言動に度々カチンときたからです。
「叶えたい願いが無い」のは構いません。
ですが、自分の存在や命を「どうでも良い」とは言って欲しくありません。

だって命は一つしかなく、炎が消えたら終わってしまうのですから…
確かに命は自分のものです。
ですが、自分という存在は自分一人のものでは無いと思うんです。

私たちは沢山の人と関わり合いながら日々を過ごしています。
私たちは生きるための全てを自給自足できるわけではないので、この関わりは必然です。
だからお互い関わり合いながら生きるということは、お互いの存在も必要不可欠…

考えてみて下さい…仲の良い友達が例えば不慮の事故で亡くなったら、絶対に悲しみを感じると思います。
それはその友達が自分の心の中に住んでいるからだと思います。
だから、もし立場が逆だったら…?

自分がされて嫌な事を人にしてはいけない…幼稚園の頃に先生から教えて貰った言葉です。
命なんて、その最たるものなのではないでしょうか。

笑の言い分が分からない訳ではありません。
何せ、彼女を諭すのは「ヒーロー」なのですから…
ガッチャマンやテッカマンから言われたら、次元の違いを感じてしまうかもしれません。
その位、ヒーローと一般人の間には格差がありますから…

でも、ヒーローの影響を受け続けた彼女に変化の兆しが訪れます。
それはどんな変化だったのか…?
そもそも笑のケースを狙うのは、どんな敵だったのか…?
彼女は例えヨチヨチでも自分の足で歩く決心をするのですが、その答えに辿り着くまでの間、彼女に何があったのか…?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

ここで言えることは一つだけ…
往年のヒーローは例えどれだけの年月が過ぎ去ったとしても、やっぱりヒーローで、その格好良さは半端じゃ無かったということ…

オープニングテーマは、flumpoolさんの「To be continued…」
エンディングテーマは、eddaさんの「チクタク」
個人的に好きだったのはエンディングです。

1クール12話の物語でした。
懐かしのヒーロー、脂の乗り切ったかやのんの演技…
その他にもフル3DCGならではの迫力と緻密な作画にドキドキしっ放しでした。
2018年2月に劇場版の上映が予定されています。
こちらも視聴も楽しみです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

50.1 9 2017年度の未来アニメランキング9位
無責任ギャラクシー☆タイラー(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.4 (36)
133人が棚に入れました
ゴミ拾いをしていたバンジョー・ウエキ・タイラーが、何となく助けたボロ宇宙船の中で氷漬けになっていた少女・ゴザ168世(アザリン)と出会い、2人で銀河共和国の復興に向けて旅立つことになる……というストーリー。

声優・キャラクター
小出ひかる、高尾奏音、樋口日奈、江口拓也、諏訪彩花

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

無責任を地で行くアニメ

この作品は、1993年に放映された「無責任艦長タイラー」
の続編的立ち位置として制作された5分枠のショートアニメである。
調べてみると、「無責任艦長タイラー」から
最低でも千年経った後の世界のようだ。なるほどね。

内容としては、無責任艦長タイラーとほぼ同じなのであろうが
余りにも出来が酷いために調べなおした。どうやら
「無責任艦長タイラー」が知名度の高い作品であることを
いいことに好き勝手やっていることが判明した。
誰得なんだか。虎の威を借る狐とはまさにこのこと。

いい部分も見つけようと奮闘したのだが、話が進むにつれ
悪い部分がすこぶる目立つようになってしまったので、探す
ことを辞めてしまった。

作画は紙芝居並なので、動きに切れがない。
序盤における一部のシーンはまだ頑張っていたように思うが
後半からそれすらも怪しくなってきた。
極めつけは、5話の絵巻物スタイル。
これにはさすがに驚かされた。正真正銘、究極の手抜きである。
もはやアニメでも何でもない。苦笑いするのが精いっぱいだった。

ストーリ展開においても、引き込まれる要素が全くない。
なんでもかんでも詰め込みすぎて、自ら自爆しまくっているのだ。
某アニメで耐性はできていたので、ある程度のストーリーは把握できた
ような気はするが、たいして面白くない。
笑いを誘うための脚本であったとしても、苦笑いできれば
まだましなほう。いつの間にか、無心で見ていた自分がいた。
その時の私の顔は、恐らく真顔だったに違いない。

このアニメ、ナレーションは必ずついてくるので、熟睡していても
ある程度話が分かるように作られている部分が唯一の救いか。
だが、ナレーションが余りにも多すぎるので尺稼ぎに使用しただろと
反感を受けても仕方がない。
ナレーションさえ入れておけば、大丈夫だろ!と無責任な考えで
制作したスタッフの考えが手に取るようにわかる。
要所要所だけにしておけばよかったものを…。愚かだ。

声優に関しても、明らかにミスマッチしているなと感じた。
特に気になったのは、「バンジョー・ウエキ・タイラー」という
主人公だ。なんと、少年声ではなく女性声なのだ。モロに。声優は
ただ仕事をこなしているだけなので、彼女が悪いわけではないのだが
この作品においては裏目に出てしまったようだ。男の子を演じるには
まだ早かったのだ。予算の都合とはいえ、これにはかなり
違和感を感じる人が多かったと思われる。

主人公の台詞「気楽にいこうよ」がこの作品を象徴している
といっても過言ではない。余りにも気楽すぎて哀れとしか
思えなかったが。作る必要はなかったのでは?

あ!そういえば一つ素晴らしいと思える部分があったのだ。
それは、時間通りだぞと言わんばかりに急に流れるEDだ。
曲もそこまで長くないため、記憶に残りやすい。
記憶力がいい人なら、数話ですぐに覚えられそうだ。
時間の管理を徹底しているという点に 関しては非常に高評価。
後々調べて分かったことだが、私が以前書いたアニメ
「僧侶と交わる色欲の夜に…」と同じ制作会社が
作っていたことが判明した。道理でこのような終わり方をするはずだ。
ネタアニメとしてならまだ、僧侶の方が面白かったぞ。
僧侶にすら負けているとは…心底恐れ入った。

特に心を突き動かされることもなく、淡々と見てしまったため
終始意味不明な作品だという印象で終わってしまった。
心を無にするための修行の一つとして利用するのであれば
非常に優秀なアニメだと思われる。
(作品が面白いわけではない)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

あんと萬 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

全話合わせて40分ちょいなのですぐ観れます(観たい方は。)

うーん...はい。
あにこれのランキングを見てもらえればすぐ分かると思うのですが、日本の公式に発表された商業アニメ作品のなかでおそらく第一作と最も完成度に開きがある第二期(続編)作品ですね。
ヒロインのアザリンが可愛かったことと、放送時間が短くなかったら許してないでしょうね。それなりに楽しんでは観てました。

作画がかなり悪く紙芝居と言われてもこれは仕方ありません。さらにストーリーが一番悪いです。二分半ですから風呂敷を広げようとしたところで急に話がお粗末にまとめられ、次の週にはもう覚えていません。(覚えるようなこともなかったのが問題ですが…)
声優と主題歌は頑張って普通の水準までなんとか持って行っています。キャラクターはタイラーの雰囲気が好きだったのとアザリンが可愛かったです(2回目)。ただ他のキャラクターたちはおざなりではないでしょうか?

なぜ一期が有名なのに、こんな低予算で作ったのでしょうか。スタッフインタビューなど聞いているとなおさら悲しい......。

途中で挟まれる一期のあらすじを説明してくれた六話と、いい感じの雰囲気で締めてくれた最終話だけは前向きに評価します。しかし五話、お前は絶対に許さん。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

すべてがテキト~…。(悪い意味で)

一応、時系列的には『無責任艦長タイラー』の世界の未来のお話ということになっているストーリー的にはオリジナルな作品。

ショートアニメです。

ジャスティ・ウエキ・タイラーの子孫らしいバンジョー・ウエキ・タイラー(タイラー)と、ラアルゴン帝国皇女の血筋らしいゴザ168世(アザリン)と、マコト・ヤマモトを人格モデルとしているらしいロボットであるヤマモト372号(ヤマモトくん)がメインキャラクターです。

一応アザリンがラアルゴン帝国の復興を目指しており、行きがかり上ですがタイラーとヤマモトくんがアザリンを助けるというストーリーがありますが、基本的にはメインキャラ3人+ゲストキャラで毎回ドタバタやっているだけの話です。

「タイラーの続編」である必然性が良くわからないのですが、結局この作品は何がやりたかったんだろう…?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ページの先頭へ