蒸気機関車で残酷なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの蒸気機関車で残酷な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の蒸気機関車で残酷なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.4 1 蒸気機関車で残酷なアニメランキング1位
甲鉄城のカバネリ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2065)
10000人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。

極東の島国である日ノ本の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは装甲蒸気機関車(通称、駿城)のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。

製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。

そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城が顕金駅にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。
その夜、生駒が無名と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅に駿城が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!
顕金駅に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒でカバネを倒す!

──こうして、本当に輝く男になるための生駒の戦いが始まるのだった。

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、梶裕貴、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、宮野真守
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

力なき力

オリジナルアニメーション。

舞台は日本、蒸気機関が発達した江戸時代終盤~明治初期のような架空の時代。
カバネという怪物に噛まれるとウィルスに感染して自分もカバネになってしまう。
いわゆるスチームパンク+ゾンビパニックの世界観です。

主人公の生駒(いこま)もいきなりカバネになってしまいます。
しかしながら、長年を費やした対策が功を奏し、脳まで乗っ取られることを防ぐことに成功します。

人とカバネの中間、カバネリ(たぶん屍人)となった生駒は、いかにして生きる道を模索するのか。
圧倒的な作画と迫力で描いた物語です。


テレビシリーズながら、映画クオリティ。
劇場版が先行公開され、その質が維持されていると考えれば、レベルの高さは推して量るべしです。
静止画の多用が見られるものの、全体的に安定感があるので安心して見ていられます。


とても勢いがある作品です。
ほぼ毎回大事件が起こり、次回が気になる終わり方をする。
見ている間はあっという間に時間が過ぎていきました。
{netabare}
唯一、七夕回は事件が起こりませんでした。
しかし、骨休めになりつつも内面に焦点を当てている。
ああいうメリハリの効いた休止の使い方、いいですねぇ。
{/netabare}

もちろん細かい粗は探せばいくらでもでてきます。
ストーリーや設定もざっくりしたもの。
{netabare}
* 生駒が克城をふっ飛ばしたの、あれ何?
* なんで生駒と無名にあんなに力の差があるん?
* 他の国はどうなってんの?
{/netabare}
と探せばきりがない。


しかし、テーマ性を無視しているわけではありません。
問われているのは「力のないものがいかに生きるか」という部分。
それに対し、{netabare}「意志力」{/netabare}という答えを導こうとしているのが見て取れます。

特に脇役が顕著です。
{netabare}
* 菖蒲(あやめ)は初期には指導力不足が目立っていたのに、後半は物事をはっきり言うようになっていく
* 逞生(たくみ)は怯えがちだったのに最後には体を張る

etc...
{/netabare}
……うーん、王道。

ただ、その答えが主人公によって明確にされているかといえばそうでもなかったり。

{netabare}
来栖(くるす)も最後に言っていました。
「まだ答えは聞いていない」と。


「弱いものは死ね」という弱肉強食論を持っていた美馬(びば)。

彼を倒すことでその持論を覆すように見えますが、結局「体力(あるいは暴力)」で押し勝っています。
まあ、その「体力」を身につけるためには「意志力」が必要だったわけですが。

……しかし、美馬はおそらく自らの意志でカバネリになっています。
彼もまた「意志力」と「体力」を持っていながら、自分より強い「何か」を見つけたがっていた。
そして、それに潰されることを望んでいた(死に面して笑い、汗を流すことから)。
結局のところ、その「何か」もまた「意志力」によって身につけた「体力」でした。
そう見出して、自分の考えの結晶たる生駒に、銃剣で白血漿を打ち込んで治癒したのでしょう。

これは、「強者に備わっている力」と「弱者が意志力で身につけた力」の違いを見せたかったのかな。
それとも、「結局力じゃん」「結局刀を向けた相手は人じゃん」という一種のアンチテーゼを表現したかったのかな。

いずれにせよ、そこに美馬の存在理由を垣間見ることができます。
{/netabare}

一応の着地点は見せてくれましたが、構想ではこれから先がありそうです。
単に「映像すげー、アクションすげー、無名の足エロい」で終わらず、考える余地も与えてくれるのは嬉しかったです。

……ということで十分に楽しめました。
最初の期待値がそれほど高くなかったのも幸いしたかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 65
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

趣味趣味アニメ

あらすじはどこかを参考に…。

終了前の感想
{netabare}
タイトルはあるj-popのアーティストが、自分の音楽を趣味趣味音楽といって、色んなアーティストの曲のフレーズを自分の曲にいれたことから。
このアニメも色々なアニメの要素が見てとれます。このアニメにはもはや他作品と被ってナンボ、クオリティで他を上回れるという気概が感じられます。

設定の人間の活動可能領域である「駅」と呼ばれる町はカバネの活動領域である外界とは壁によって隔てられていて、駅同士は鋼鉄城という蒸気機関車で繋がっています。外敵から人間を守る壁…進撃の巨人も同じような設定がありますので、これ、進撃だと思う人はいるようです。(追記 ディストピア物は常に外界との壁が存在しますよね。サイコパスやNO.6とか。進撃だけにとらわれる必要はないと思います。)

演出というか、話の進め方が進撃っぽいところもちらほらあります。意思の強さで物事をなんとかしたり、生駒の過去話と生駒のカバネに対する強い
復讐心とかがエレンの巨人に対する復讐心に似通うところが…

このアニメの良い所と言えば、画がとても綺麗ですね。特に人物。目や髪の質感が半端でなく綺麗。アクションシーンや映像で見せるアニメということで内容はあまり考えなくても良いかも。

登場人物の内面…生駒に関しては妹をカバネに殺された復讐心からくる行動なので、あまり語ることもないかな。今後内面の成長をするとしても、どこを目標にするのか見えてこない。。社会的使命を果たし、責任を負う人物、生駒を導いてくれる人物がいない。
むしろ、カバネリという、孤独な存在になってしまって、未来が見えない真っ暗闇で生駒は何を目標に生きていけば良いんだろう。ただカバネリを復讐心だけで倒し続ける戦士として生きるのだろうか。それは、ちょっと悲しいかな。金剛閣という場所にいけば治るかも知れないというがそう素直にいくだろうか。

このまま鋼鉄城で戦うのは、何回もないのではないだろうか。舞台があまりに狭すぎる。かといって列車は決まったところしか走れないのでまた町が火の海になるかもしれない。

レビューを書いていて思い出したが革命機ヴァルブレイブでも、機体の乗り手を吸血鬼にするという設定がありましたね。吸血鬼になってしまった乗り手は吸血衝動に襲われる。カバネリもカバネリになってしまうと吸血したくなります。(追記 まあこれはゾンビ物の定番ですからヴァルブレイブからとったわけではないでしょう。)


古今東西色々な作品があり、今更被っているから何だという話ですね。この作品が王道をいき、埋もれる事のない名作になることを期待します。
{/netabare}

終了後の感想
{netabare}
まず、全体の感想ですが、面白かったけどガッカリしました。
ビバ様が出てきた辺りから、ストーリーも細かい所も突っ込み所が増えたなあ。
カバネリの大群にバイクで突っ込むのが衝撃的すぎて。「この世界はバイクあるの!?」みたいな・・・思えばここからシリアスがシリアスでなくなったかもしれない。
それと何年も前からカバネリを倒す方法がありながら広まってなかったのか・・・となんとなく違和感を感じながら後半を視聴したのも良くなかった。
ギャグっぽさが抜けなかったせいか、マジメなシーンもなんだかなあ、マジメに見えませんでした。
極めつけはあのシーンですよね。ビバ様が暴走したカバネリに刀を突きつけられるシーンで、たらーっと冷や汗を流すシーン。小物か!腹を抱えて笑いましたよ。このシーンのせいで最後までビバ様が小物にしか見えなかった。
イコマが道を間違うことが無かったので、俺強系のシュールな笑いを感じていたのもありますね。
最終回は何が起きても別に良いんですが、来栖がぶっ倒れてるイコマに対して「イコマ!お前はなんだ!」じゃないだろと。イコマがカバネになっていた状態ならその発言は分かるけどなあ。
印象に残るかといえば、落差が激しかったアニメとして悪い意味で印象に残りますね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55
ネタバレ

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

進撃のカバネリ(雰囲気アニメ)

進撃を手掛けたWIT STUDIOによるオリジナルアニメ。

雰囲気ってありますよね。
こういうモノを言うのかな-というのが第一印象( 一一)
ただ、最後まで完走できたのには理由があります。

作画かっけ-!!(/・ω・)/
バトルアクションシーンは圧巻です。
進撃のような壮大なBGMもバックで相まって素直にかっこよかった(´・ω・`)
キャラデザも時代劇を見ているかのような世界観にバッチリハマり。
実際製作にはメイクアップ専門スタッフも参加したらしい。


「武士」という位もある設定なんで、和風スチーム系バトルアクションでいんじゃね?
蒸気技術が発達した仮想日本でゾンビ(カバネ)が蔓延したパニック感って
妙に入り込みやすいのは自分だけかいな?( ̄▽ ̄)
食われりゃ自分もカバネ化っていうシンプルな設定も良し。
....この世界、移動手段ってまぢで蒸気機関車だけ?w


つまり
設定、キャラデザ、作画、BGM、序盤のテンポは好きやった!引き込まれた!
ただ肝心なとこがホントにもったいなかった!!!!(;´Д`)
{netabare} ラストが非常に良くない。ただたソコに尽きるw
最終話 甲鉄城で生駒が覚醒して俺TUEEEE系になったのはいいと思う。
たださ、遅くね?w
いきなり手から異能出して蒸気機関車(でかいの)吹っ飛ばすしさ。
後半、美馬が登場するあたりから、ホント説明ないに等しいアップテンポが咲き乱れます。
序盤の観やすさが、まさにスタミナ切れした印象。
そんな不安要素も、劇場顔負けのBGMと作画クオリティの高さが忘れさせてくれます。
そう。また言うけど、
まさに「雰囲気アニメ」( ̄▽ ̄)w
ラストは無名に起こされる生駒。
「あ、生き返っちゃった」ってのが率直な感想(ゴメンね生駒ファンさん)
緊迫したダークファンタジーなので、残酷方向に仕向けるのも良かったんやないかな....(´・ω・`)
ま、そこは人それぞれでw{/netabare}

続編あったら、また観てみようと思います(゜-゜)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

77.5 2 蒸気機関車で残酷なアニメランキング2位
甲鉄城のカバネリ 海門決戦(アニメ映画)

2019年5月10日
★★★★☆ 3.9 (309)
1641人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。 極東の島国である日ノ本で、カバネの脅威に立ち向かい、前線をくぐり抜けている分厚い装甲に覆われた蒸気機関車(通称、駿城)の一つ甲鉄城で生き残った生駒たちは、カバネと人の攻防戦の地、日本海に面する廃坑駅「海門」で玄路、虎落、海門の民と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てていた。そんな中、生駒は、海門の地のカバネたちは統制され、集団行動をとる特徴を持っていることに気づく。そのことを連合軍へ報告を行う生駒だったが、相手にされず、逆にカバネリであることから連合軍から虐げられてしまう。怒りに身を焦がし冷静さを失った生駒は単身で敵地へ乗り込むことを決意する。一方無名は、これまで自分を支えてくれた生駒に対してこれまでとは違う感情が芽生え始めていた。しかし、そこへ生駒が単身で敵地に乗り込むつもりであるという知らせが飛び込んでくるーー。新たなカバネとの戦い、そして、無名と生駒の運命はー!?

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、マックスウェル・パワーズ、三木眞一郎
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

WIT STUDIO制作。

金剛郭の崩壊から半年、天鳥幕府は要を失い、
日ノ本は複数の勢力圏に分割し、
各地でカバネとの戦いを強いられている。
旅を続ける甲鉄城は北陸の要塞「海門」にいた。

近世から近代へ移り変わろうとした時、
突如として不死の怪物が現れた。
カバネと呼ばれるリビングデッドだ。

城下町の風情は雑多ながら書き込みが美しく、
死と隣合わせで生きるものたちの営みがある。
カバネの進攻に国土の大半を奪われた人々は、
北陸の要衝は死守したいところでしょう。
生駒も無名も懸命に生きているのだ。

劇場版の尺の方が良いのかも知れません。
{netabare}少しある恋愛模様も見所の1つですが、
やはり幾多の戦闘シーンには熱が籠っています。
蒸気を上げ暗闇を疾走する甲鉄城にも迫力がある。
物語もきっちり締めてくれました。{/netabare}

ゾンビの歴史とは「奴隷」の歴史だ。
それはアフリカ源流の人類史の汚点である。
物語の鍵はヴードゥー教が握るのでしょうか。
{netabare}この「海門」にもまた隠された悲劇があるのです。{/netabare}

生きる為に必要なものを探す旅、
夜道を照らす松明はきっとどこかにある。

期待して、続報を待ちたい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その旅路の先に、新たな運命。

本作は、2016年の春アニメでTV放送された「甲鉄城のカバネリ」の続編となります。
TVアニメ放送後に総集編の前後編が上映されましたが、そちらは未視聴です。

劇場では2019年5月10日から2週間限定で上映されるようですが、私はNetflixで視聴しました。
劇場での上映と配信が同時に行われることってあるんですね。
最近、Netflixに入っていて良かったな…と思えることがちょくちょくあります。

一番嬉しいのはNetflixオリジナル作品のバリエーションが増えてきたことです。
それと最新のTVアニメも放送されているので、万が一、録画に失敗したとしても追いかけ視聴ができるのもメリットの一つだと思います。

カバネリ…といって真っ先に頭の中に浮かび上がるのが無名の存在です。
TV本編では色々と大変だった彼女でしたが、甲鉄城の旅はまだ終わっていなかったのです。
生まれ故郷を目指す一行が辿り着いたのは、日本海に面する「海門(うなと)」という廃坑駅でした。
ここでは海門を奪取すべく、人間とカバネの激しい抗争が繰り広げられていたんです。

ここを通らなきゃ故郷に帰れない…
甲鉄城に乗った菖蒲らは、カバネを撃退する連合軍に参戦することとなり…物語が動いていきます。

アニメーション制作が「WIT STUDIO」で監督が荒木哲郎さんといえば「進撃の巨人」と一緒ですよね。
カバネが人間を襲う様を見ていると、お互いの作品の共通点に成り得ると思いました。
そしてこの作品でも見惚れてしまうほど圧倒的なのが、戦闘シーンにおけるキャラの躍動感です。
本作品は劇場版で特に気合いが入っていたからでしょうか…
無名の…生駒の戦闘シーンの迫力は半端ありません。

きっと、何もかもがTV版の延長だったら、レビューで書けるのはきっとこのくらい…
でも、TV版とは大きく違っている点がこの劇場版にはしっかり用意されていたのです。

それは、ベタですが無名と生駒の関係です。
これまではお互い信頼関係にあって、カバネとの戦いにおいて背中を預けられる間柄でした。
でも、この劇場版ではもう数歩気持ちの面が進んでいるんです。

特に作中における無名と、炊事や子守りに精を出している鰍との会話シーンがあるのですが、見方によってはコイバナに見えちゃったり…
無名…戦闘スキルの高さとカバネに対する残忍さは相変わらずですが、こと生駒の話になると態度が急変するところも、彼女の可愛らしさに拍車をかけています。

そりゃそうだと思います…
あれだけの激戦と苦しい状況を切り抜けてきたのですから…
そんな気持ちの変化が戦闘や普段の言動にどの様な影響を及ぼすのか…
この作品の見どころの一つだと思います。

それと根っこの部分の共通点は忘れられません。
正直カバネリになって良いことなんてあったでしょうか…?
強くなったかもしれない…
でも所詮はどっちつかずの中途半端な存在である上、いつカバネ化するか分からないリスクだって孕んでいます。
それでも、無名と生駒の二人がカバネリだったから乗り越えられた局面だってありましたし、二人にしか感じられない世界を共有することだってできるんですから…

でも、そのくらいの恩恵はあって然るべきなのかも…
甲鉄城に乗っている時間が長くて忘れていましたが、カバネリって人から虐げられる存在だったんですよね。
様々なリスクを想定して進言してもまともに取り合って貰えないし、挙句の果てには諸悪の根源みたいな存在を受ける始末…
心が折れても仕方無い場面だってゼロではありませんでした。

ですが、軍人や民衆が二人をどの様に評価しても、これまで一緒に苦難を乗り越えてきた甲鉄城の仲間は、二人に対する疑念など一点の曇りもありません。
最初は彼らだって違ったのに…甲鉄城で過ごした時間と揺ぎ無い実績が、絶対的信頼に値することを彼らは知っていますから…

海門での決戦の行方…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
個人的には、その後の…無名の行動の方がよっぽど気になりましたけどね…^^
あんな真っ赤な顔の無名…きっとそうお目にかかれるモノではないと思いました。

主題歌は、EGOISTの「咲かせや咲かせ」
個人的に、この楽曲は結構感慨深かったです。
何故なら、この楽曲の背景で流れているのは、甲鉄城の乗組員…無名、菖蒲、鰍に生駒ら男性陣も加えたヨサコイなんです。
彼らの旅が終わったかどうか…私には分かりません。
ラストの風景に、それらしさも感じられましたが、日ノ本の殆どを覆い尽くしているカバネの影響はそう易々とは無くならない事でしょう…
それでも、笑顔でヨサコイが踊れるのは少なくても今は平和だから…にほかなりません。
束の間かもしれない…これからどんな試練が待っているかも分からない…
何せ伏線が回収しきれていませんから…
けれど、ここで見せて貰った笑顔は本物だったと思いました。

願わくば、みんなのその笑顔が少しでも長続きすることを…
みんながこれから手にするのは人殺しの道具ではなく、鳴子のような人々を笑顔にする道具でありますように・・・

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

まあ。。もう少しインパクトは欲しいけどヒロインが好きなら

 
2期かと思ったら劇場版なんですね。
ノイタミナ枠のTVシリーズは視聴済み。
(レビュー書いてないけど・・)

導入部で説明があって背景が分かり易い。
TVシリーズを観てからの方がいいけど、
観てなくてもワケわからんくはないかな。

てか『日の本』の状況、そうだったんだw

さて、ゾンビ系は好きなジャンルですが果たして・・

■ストーリー
~{netabare}
日常シーンから入るのは好感。
カバネの異質性やキケン性がわかる。
少しは観る人に恐怖心を持ってもらわないとね。

出し惜しみなく無名参上。
ほどなく生駒も登場。

やっぱ無名カワイイw
女子の描き方がわかってらっしゃる。
表情とか、身体の丸みとか・・
(この絵で『みるタイツ』とか作って欲しいなあw)

日常の無名、編み物してる姿もカワイイ。
すれ違い・・王道ですなーw

しかし人間どもはなぜにこうもお決まりでカバネリを疎むのか。。
異質なものを排除したくなる心理はわからないでもないけど。。
でもこれってコロナ禍の世の中に似てなくもないか。

さて、特に刺さったシーンは・・

 無名:喋らなくていいよ
 生駒:ずっとそばにいろ。俺から離れるな
 無名:もう一回、言って・・

うぐぅ・・w
定番かも知れんけど胸に響くw

最後のキスシーン、控えめだけどそこがイイ・・
真っ赤っかな無名もレア感ありw

でも・・
{/netabare}~

劇場版なら、もうちょっとインパクトがあってもいいかなーw

■作画
背景は綺麗だし、異形もイタい絵じゃないし、バトルも見応えあり。
トリッキーな動きは殺陣師でもいるのかな。
そんな動きに絵もちゃんとついて行ってる。
普通かも知れないけど、その普通がいかに大変なことか、色んな作品を観ると感じてしまうw

■キャスト
ほぼ自分用メモなので畳んどきます。
~{netabare}
生駒(いこま):畠中祐
 ちょっとハスキーだけど
 若くて危うい青年にドンピシャな
 感じは適役で好演。

無名(むめい):千本木彩花
 千本木さん、声好き。
 ガーリッシュナンバー(烏丸千歳)
  初主演。よかったですw
 転スラ(シュナ)
 空挺ドラゴンズ(ナナミ)
 などなど・・
 共演した内田真礼が絶賛?へー。
 同じ日ナレ出身だけにw

菖蒲(あやめ):内田真礼
 もう一人のヒロインですなw

侑那(ゆきな): 伊瀬茉莉也
 惡の華(仲村佐和)
 フォトカノ(前田果音)
 宝石の国(アンタークチサイト)
 約束のネバーランド(レイ)
 そして・・
 スクスト(天音)
 メイドインアビス(レグ)
 呪術廻戦(佐々木先輩)
 けっこうお世話になってました。
{/netabare}~


 原作:オリジナル
  にしては珍しく面白い。
  やはり色々なテイストは感じますが。
 制作:WIT STUDIO
  新劇の巨人、終わりのセラフ、
  魔法使いの嫁、恋は雨上がりのように、
  GREAT PRETENDER、など
 公開:2019年5月
 視聴:2020年11月アマプラ/dアニメ

EDは歌とかキャラとか踊りとかボーっと観ていたら、なんか・・・ジワっと来てしまった。
 ~{netabare}
 いや尿漏れじゃなくてw
 
 目頭ですからw
 {/netabare}~
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

74.9 3 蒸気機関車で残酷なアニメランキング3位
銀河鉄道999-The Galaxy Express 999(アニメ映画)

1979年8月1日
★★★★☆ 4.0 (177)
918人が棚に入れました
身体を機械にかえて、人間は死なないですむようになった。そんな時代にも、やはり貧しい人々は存在する。彼らにとって、機械の身体は高価なものであり、買うことができなかった。そんな中、一つの噂が流れる。銀河鉄道999に乗れば、タダで機械の身体を貰える星に行けるというのだ。少年・星野鉄郎は母と二人、噂をたよりに銀河鉄道の停車駅、メガロポリスに向かう。その途中、二人は機械伯爵による人間狩りに遭い、母は殺されてしまう。メガロポリスのスラムに居着いた鉄郎は、銀河鉄道のパスを手に入れる機会を伺い、実行に移すも失敗に終わる。しかし、そのとき知り合った謎の美女メーテルから、鉄郎は銀河超特急999号のパスをもらい受けて、メーテルとともに地球を旅立つのだった。

声優・キャラクター
野沢雅子、池田昌子、一龍斎春水、肝付兼太、井上真樹夫、田島令子、富山敬、小原乃梨子、柴田秀勝、藤田淑子、槐柳二、坪井章子、納谷悟朗
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

少年期の終わり

松本零士、不朽の名作。

身体を機械に変えることで、
人が永遠の命を手にした未来。
貧しい環境で育った少年鉄郎は、
謎の美女メーテルと共に銀河鉄道に乗り込み、
機械の身体をただでくれる惑星へと旅立つ。

劇場版の制約のため惑星での滞在時間も短く、
哲学的な物語は省力され駆け足な印象を受けますが、
少年の冒険を軸に優れた青春活劇になっている。

テーマは限りある生命の在り方でしょう。
鉄郎は下を向いて人生を見つめ続ける。
意に反して生き方を決められた貧しき人々、
自分が歩む、歩まざるを得なかった道を考える、
だが失われたものを生きる力に変える方法を知らない。
{netabare}内省的な物語は旅を通じ、人や文化と出会い、
少年は世界をやがて自分の目で見つめ始める。{/netabare}

大人になってもわからないことだらけだ。
それが人生に於いて何か重要な意味を持つのか、
記憶と経験を頼りに手探りで生きていく。

少年期との別れを告げ、
汽笛が新しい時代へと若者を歩ませる。
たとえ跡形もなく消え去っても、
それは希望に満ち溢れた冒険なのだろう。

泣けてしょうがない。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 69

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

人生と999(スリーナイン)の旅路

原作コミックは未読。

最初観たのは90年代も半ばになってから。
夏休みに、TVアニメ版総集編&劇場版二作を連日一挙放送という、
素敵な企画があって、そこで一気見した記憶があります。

で、最近、何かと『999』を意識させられる機会が多く、
約20年ぶりに本作を再視聴した次第。


一言でいうと、本作はとても温かいSF作品です。

生命が永遠の命を得られる機械の身体に乗り換えていく宇宙時代……。
という硬派で、時に残酷な設定、世界観。
でありながら、銀河鉄道の果てしない旅路と人生を重ね合わせ、
復讐と機械の身体を求めて旅に出た、前のめりな少年主人公を、
大人たちの見守り目線が優しく包み込みます。

初見時は、少年主人公が理解し切れていない、この大人たちの会話や心象は、
私ももっと大人になったら分かるのかな?
そう思っていた言動が、今観ると、心に染み渡り、寄る年波を痛感しますw
死期が迫った頃に観たら、きっと、さらに違った感慨を覚えるのだと思います。

本当に999の旅路には人生が詰まっています♪


タイムリーじゃない視聴をしたにも関わらず、
『999』は私の中に深く刻まれている作品。

幼少以来、私は人間の命が有限であることに対する恐怖を引きずっていましたが、
『999』を観て、ようやく限りある命という現実と折り合いが付いた感じがしたことを覚えています。

その後も、『999』に大きな影響を受け、構築されたライトノベル『キノの旅』にハマってみたり……。

最近も『ID-0』で人体と機械の身体を行き来する意志という設定に惹かれたり、
Aqoursの3rdシングルで夜空を翔る機関車Aqours号?にグッと来たり……。

私のエンタメ嗜好にも多大な影響を与え続けている作品です♪


今回メーテルにも久しぶりに再会しましたが、流石は“宇宙一の美女”。相変わらずお美しい。

私が二次元の金髪美女にやたら反応してしまうのは、
“少年の日の心の中にいた青春の幻影”を探し求めているからなのかもしれませんw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

さらば少年の日よ

昭和期劇場公開されたアニメ作品の中で、
私的お勧め感トップクラス、
シナリオ、音楽、サービス精神、見事という他はない、
よくぞこれだけのものを2時間弱にまとめたものだなと、

銀河鉄道999という事で主人公は当然星野鉄郎、
何をアタリマエな事をと思われるかも知れないが、
キャプテンハーロックやエメラルダス始め、
松本零士氏作品オールスター的キャラ複数登場し、
其々単なるゲストキャラではなくキャラ立ちも半端ない、
{netabare}
特にキャプテンハーロック等登場シーンからカッコいい、
ハーロックはTVアニメ版も大好きだったが、
本作でのハーロックはアルカディア号デザインと共に格別、
トチローも登場しアルカディア号心臓部含む根幹的物語も内包、
もうゲストどころの騒ぎではない、
{/netabare}
ヘタすれば物語統一性単一性欠きかねないが、
徹底した主人公視点駆使し原作999エピソード主軸に、
旅の過程で全てのキャラエピソードや出会いを、
主人公の成長物語として鉄郎中心に必然性保ちつつ、
自然に語られてるのが素晴らしい、

ヤマト革命から端発した70年代後半アニメブームにより、
様々なアニメが劇場にて公開される事になったが、
当初はTVアニメ使用フィルムの再編集的作品も多かった、
999は同時期TVでも原作本沿った形で毎週放送されてたが、
この劇場版999はTV流用無しのオリジナルで、
主人公鉄郎のキャラ画も原作或いはTV版より、
(5歳程)青年的に描かれている、
当初この鉄郎デザイン若干違和感もあったが、
本作フィナーレ迎える頃は、
自然気にならなくなったと言うより成程なと、
というのも、
{netabare}
序盤当初鉄郎にとってメーテルは母親の幻影、
道中冥王星付近で寒がる鉄郎メーテルに抱衣され、
思い出すのは母親の温もり、
{/netabare}
少年が、
{netabare}
様々な出会いや物語初期主人公目的であった、
母の仇打ち成し遂げ。
いつしか人間の機械化そのものに疑問持ち、
目的は終着駅である機械化惑星破壊へ、
真摯さが顕著になってゆく鉄郎の目、

鉄郎が辿りついた終着駅機械化惑星の名前はメーテル、
(ここからのラストまでの一連のBGMは神がかってる)
崩壊する惑星メーテルからの脱出シーンは今観ても圧巻、
戦火の中轟進するアルカディア号
999脱出路の盾となるエメラルダス号
一貫して流れる(BGM惑星メーテル)
メーテルの手を引き999目指し駆ける鉄郎は、
{/netabare}
いつしか大切な人を守るひとりの男になり、
{netabare}
原作上悲しいキャラだったガラスのクレア、
劇場版では助かったと思ったんだけどな、
思い出してしまった、、、
(BGMガラスのクレアフルオーケストラバージョン)

旅のおわり、
メーテルの別れの言葉
「私はあなたの心の中の幻影」
メーテルを乗せ走り出す999を追い駆けだす鉄郎、
(BGM別離そして旅立ち)

さらばメーテル、さらば銀河鉄道999
{/netabare}
さらば 少年の日よ、

というのが、
機械化人間等に象徴される人間性欠如への警鐘と共に、
本作のテーマな故、

放映当時の事だけど本作が凄かったのは、
TV版勿論原作においても表記されない物語クライマックスが、
見事なかたちで描かれ切っていた事、
原作先んじて或いは離れて物語構築し、
ともすれば台無しになった作品も多いが、
本作の場合は、
この劇場版一作こそ正道と言わしめるくらい完成されてた事、
TV版宇宙海賊キャプテンハーロックや同銀河鉄道999通し、
制作会社として関わってきた東映動画の本気度が窺える、

松本零士著作品という事であればその代表作は各人様々であろうが、
映像化された松本零士作品という事であれば、
本作は間違いなく代表格だと感じる。

1979年度劇場公開作品
原作 松本零士 監督 りんたろう 監修 市川 昆 
音楽 青木望 作画監督 小松原一男 制作 東映動画

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36
ページの先頭へ