戦闘で異世界なおすすめアニメランキング 85

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの戦闘で異世界な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月29日の時点で一番の戦闘で異世界なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.3 1 戦闘で異世界なアニメランキング1位
異世界のんびり農家(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (214)
682人が棚に入れました
ブラック企業で体を酷使し闘病の末に命を落とした青年・火楽(ヒラク)が神様に授けられた「万能農具」を手に、異世界で吸血鬼や天使、エルフなどと出会いながら、第二の人生を送る農業ファンタジー。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

スローライフもだけど内政物として観るととても楽しいなろう原作アニメ

ただし「のんびり農家」なのは3話くらいで、どちらかというと「農村」ないしはほぼ「国家」と言った方が正しいかもしれません。

『転生したらスライムだった件』のスピンオフ『転スラ日記』にも通じるところがあるかも。

「小説家になろう」での原作は読んでいて、コミカライズもかみさんが購入しているのでそちらを読ませてもらっていますが、商業出版されているライトノベルは未読です。

お話としては生前はオーバーワークが原因で結局病死してしまった街尾火楽(まちお ひらく)が異世界の創造神さまの力で転生し、そのときに転生ボーナスとして病気にならない健康な身体と「万能農具」を授かり、「死の森」と呼ばれる危険な秘境を開拓して「大樹の村」を作って仲間を増やしていくというものです。

なかなかヒラク以外の男性の住民が増えずにハーレムっぽくなっていく「なろう転生ファンタジー」的なところはあるのですが、このアニメ化ではヒロインの一人であるルールーシー・ルーを中心として演出などでハーレム感をマイルドに表現していて、忌避感を下げていると思います。

またルー中心に描くためのエピソード順の変更や登場キャラクターの整理(原作には出てくるがアニメでは登場しないキャラがいる)ということが生じているのですが、私見としては原作のエッセンスは大きく損なうことなくうまく処理できていたと思います。

あとはいくつか特筆すべき点を挙げるとすると:

[作画]
動きとかで作画枚数を多く割いたりはしてないけど、SDキャラの使い方が最高に上手い。

[声優]
作中で様々な状況により外見年齢や心情の変化が多いルーの、状況による演じ分けが素晴らしい。

[音楽]
第6話でのワイン造りのために収穫したブドウを踏むときに初出だった挿入歌が名曲で、後のエピソードでも様々なアレンジで使用されます。
(ただし、歌詞はまったく意味わからんですが。)

[キャラ]
ヒラク以外のキャラの多くが、大樹の村の内外を問わずけっこう経済的あるいは政治的な合理性に基づいて行動するのでストレスがたまりにくいです。ここまでみんな有能に描かれるなろう作品は少ないかも。

[ストーリー]
ヒラクが感じることと、むこうの世界の常識が微妙にすれ違っていてそこから生じるコント的なやりとりが面白いです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ウラ設定がヤバい、DASH(it)村

いきなり私的な嗜好のハナシで恐縮なのですが、
基本的に僕は『ハ-レムもの』というのがキライであります。
最近だと、完走した作品はほとんどありません。

  だってさあ……

  なんだコイツ、とか思っちゃうような主人公に、
  よりどりみどりの美少女が次々寄ってきてキャッキャウフフ。
  ねえよ、と言いたくなるご都合テンカイに世界観がムンクの叫び。

  でもって、その美少女たちが、
  リアル女子なら一発でカエル化しそうなクサいセリフに感動し、
  好きよ好きよのがぶり寄り。
  優柔不断な主人公をめぐって押し合いへし合いせめぎ合い。
  ラッキースケベもたっぷりあるでよ皆の衆。

  と、DT乙、としか言いようがないハナシが目白押しなんですもの。


本作『異世界のんびり農家』も、見る前はその系統かと思っていました。
あいかわらず原作は未読なんですが、その原作が、
  なろう系
  +異世界転生もの
  +ハーレムもの
  +スローライフもの
なんて、ほとんどマンガン確定じゃないですか。
ですからまあ「Aパ-トぐらいは見てもいいかな」ぐらいのつもりで、
点棒8000点ぶん握りしめて視聴を開始しました。

  結果はというと……みごとに完走。
  ためいきもストレスもなく、楽しく見ることができました。
  けっこう、というか、かなり好きかもです、これ。

  そもそも、妄想ラブ要素が満載の『ハ-レムもの』じゃなく、
  いわゆる『環境ハ-レムもの』でしたしね。
  アレな方には物足りないでしょうが、拙にとっては実によき。

  あにこれの評価を見る限り、けっこう厳しめの意見が多く、
  完走しなかった方、ハナから相手にしてなかった方も多そうですが、
  モノづくり的にも『かなり興味深いトコロ』があるんですよね。

  というわけで、ほとんどの方にスル-されるのを覚悟しつつ、
  製作的な見どころも踏まえたりしながら、
  ちくちくと本作を語ってみようかと思う次第であります。


おハナシは、神さまの手違いで過酷な人生を強いられたという、
主人公の街尾火楽(まちお ひらく)39歳が、
つぎの人生では人のいないところでのんびり農業でもしたい、
という願いを聞き入れてもらい、
健康なカラダと『万能農具』を与えられ、森の中へ転生したところから始まります。

この森、実は『死の森』と呼ばれ、
魔物がめっちゃ徘徊していて人が寄りつかない(寄りつけない)という、
おおよそ『のんびりと農業を営む』には全く適さない過酷な場所でした。

ただ、与えてもらった『万能農具』がスグレモノ。
あらゆる農具(それも超高性能)に変化するというだけでなく、
  ・どんなに作業を続けても疲れない。
  ・念じて使うだけで、種がなくても願った作物がすぐに芽をはやす。
  ・ドラゴンすら倒す武器にもヘンシンする。
という、リアル農家の方々が逆上しそうなチ-トグッズであるわけです。

この『万能農具』のおかげで、
テレビでしか農業を知らないヒラク君もなんとか体裁を整え、
柵で魔物を防止しつつ、孤独な自給自足生活をスタートさせることができました。

やがて、一人、また一人と、
同居する『村人』が増えていきます。
(ヒトではなく、吸血鬼や天使、エルフなどの亜人ですが)

最初のころの村人は「追われてる」「住むところがない」など、
ワケありの、そしてけっこうな、いや、かなりの美人さんばっか。
ところがこの村人たち、建築や道具づくりなど村づくりに有用なスキルもち。
しかもなかなかにパワフルかつワイルドで、
居住区は少しずつ、健全かつ文化的に発展していきます。

こうなると移民希望者が増え、雪だるま式に人口が増加。
リザードマンだの鬼人族だのも移住してきて、
ワインなんかも作れるようになり、そこそこの『農村』へ進化します。

近隣の町や村、さらに魔王なんかと物々交換による『交易』もはじまり、
ついにはじめての赤ちゃんも産まれたりして、
のびのびと、明るく楽しい農村ライフが続いていくのでした。

 ……とまあ、リアル農家の方々からはジト目でにらまれそうな、
   ある程度はリアルだけど、かなりのご都合主義、
   アニメだからこそ許される『楽しい農村づくり』物語なのであります。


僕がこの作品を『よき』と評価しているのは以下のポイントです。

  ① ロリっ子がでてこない。
  ② ラブ要素・恋のさやあてみたいな部分が一つもない。
  ③ 女の子が『守るべきもの』でなく『たくましきもの』として描かれている。
  ④ ラッキースケベみたくチープな演出がない。
  ⑤ 主人公のヒラクくんがオンナにハァハァしない。

まず①『ロリっ子がでてこない』ですが、これ、ダイジですよね。

  このテの作品って『ロリ成分命』みたく考えてる方が少なくありません。
  開拓初期に非労働力のロリはいらんだろ、
  という極めてまっとう、というかイッパン常識的な考察に対しても、
   『見た目はロリだけど実は300歳』
  なんて使い古された手で強行突破してきますしね。

  その点、本作にはロリ成分がほとんどありません。
  物語後半、移民の中にショタだのロリっぽいのが混じりますが、
  あくまでもモブで本筋にカンケイなし。実によきです。

次に②『ラブ要素・恋のさやあてがない』のもグッジョブかと。

  村にやってくる美女たちは、
  みんなヒラクくんに『好感』はもつけれど『好感どまり』なんですね。
  あくまでも『いい村長さん』であってレンアイ対象じゃありません。
  (繁殖の『種馬』にしたいとは思ってますが)
  {netabare}
  そもそもヒラクくんは第一村人のルールーシーに、
  誤解と勢いでプロポーズをして、OKされているんですよね。
  ですから、
  最初っから『他のオンナのだんなさま』ポジションですので、
  ラブの対象としては外れているんです。
{/netabare}
  そんなわけで、実にケンゼンにのびのびと、
  明るく楽しく農業に従事しているところが実によき、であります。

そして③『女の子がたくましきものとして描かれている』ところも好感度大。

  ラノベ系の作家って女の子を『守りたい』傾向があるっぽくて、
  どんなツンデレだろうが女騎士だろうが、
  最後はオトコに守ってもらって目がハート、というのがお約束かと。

  その点、本作のキャラには『男性依存』の傾向がみじんもありません。
  ヒラクくんってチ-ト武器のおかげで最強なんですが、
  本作においては、それと『目がハ-ト』は別モンダイになっております。

  開墾・土木・建築などの力仕事も自分たちでこなしますし、
  『自分のチカラで生きる』という姿勢が身についているんですよね。
  丸の内の有能OLみたく、しっかり働き、しっかり飲み、しっかり遊び、
  いやほんと、みんなかわいいクセに、たくましい。
  オトコがなんぼのもんじゃい、と。

  こういう自立性、というかたくましさって、
  なんかあったら『政府・世間のせい』にする男連中にも
  ぜひぜひ見習ってほしいものであります(←差別発言)。


さらに④『ラッキースケベみたくチープな演出がない』ところもよき。

  というか、みんなワイルドかつたくましいし、
  そもそも亜人ですからジョ-シキも我々とは違うのであります。
  ハダカ見られたぐらいで赤面して、
   「ばっ、バカっ、あああ、あっち向いてなさいよっ」
  なんて定番のセリフ吐くヤツ、いないんですよね。

  男の子みんな大好き『モジモジ・うじうじ・テレテレ』演出もなし。
  混浴も平気で、ヒラクくんの方がモジモジだし、
  脱衣麻雀も大喜びでやって「脱~げっ、脱~げっ」の大合唱。
  
  で、そういう設定だからサービスカット大満開の章かと思いきや、
  全12話で、お風呂シ-ンが一回あるだけ。実によき。
  おさわり厳禁オトナの社交場、がきんちょはお帰りくださいまし、

最後の⑤『ヒラクくんがオンナにハァハァしない』もポイント高し。

  環境的には、美女にかこまれウハウハのハ-レム状態。
  そしてその美女たちのほとんどが『繁殖』をしたがっているわけでして、
  その気になればアラブの王様みたいな暮らしもできるわけです。

  でも、しない。奥さま一筋。
  だからといって、べつに草食系をこじらせているわけでもなく、
  奥さまとの間には、きっちり子どもを作っております。

  いやあヒラクくん、アンタ男だよ。


とまあ、ここまでがアニメに描かれているハナシ。
なかなかにケンゼンな『環境ハ-レム村』だと思うじゃないですか。
で、その方向でレビュ-しようかなと思い、
下調べとしてウィキペディアで原作情報を見てですね……思わず

  Dash it!(なんてこった、ちくしょうめ)

と叫んじゃった次第です(あ、いえ、実際には叫んでませんが)。

で、ここからはウィキで調べた原作情報・ウラ設定。
正直『反転術式かよ』と思うぐらい作品を見る目が変わっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
  {netabare}

 原作では、第二村人のティアって、
 入村当初からヒラクくんの『第二夫人』なんですね。
 ルールーシーの策略でティアもヒラクくんと「励む」ようになって、
 なりゆきで二番目の妻になっているそうなんです。

   アニメでルーが「わたし一人じゃカラダがもたないのよぉ」なんて、
   なにそのオモシロ掛け言葉、みたいな台詞いってましたが、
   実際は掛け言葉でもなんでもなく、マジでガチなアレだったわけです。
   (ヒラクくんが転生の際に神さまにもらった
    『健康な身体』がゼツ〇ンだったみたいですね)

 さらにウィキペディアによりますと、
 ヒラクくんは二人の妻でマンゾクしているのですが、
 種族繫栄のための『種馬』リクエストにお応えするカタチで、
 たいていの女の子とカンケイをもち、
 次々に子どもをこさえていくそうであります。

   アニメと同じく正妻であるルールーシーの子どもが一人目ですが、
   原作ではそれ以降、10人以上も、
   別の女の子との間に子どもを作っちゃうんだそうです。

   ちなみに原作の時系列では
   アニメ最終回のすぐあと、同じ年の秋にティアが出産するんだとか。

 え? そんなに原作改変したの? よくカ〇カワが許したなあ、
 なんて思って再視聴してみるとですね……

   『してる』描写は一つもないけれど、
   『してない』とはヒトコトも言ってない。

 ということに気づくわけです。
 まいった、完全にやられた。
 おまえ『シックス・センス』かよってハナシです。
 いや、確かにこれ、カ〇カワも文句言えないわ。
 原作改変(専門用語で言うと『翻案』)してるわけじゃないんだもの。

   まあ確かに、原作に描かれていることをそのまま表現していたら
     ご都合満載の『農村ゼツ〇ン物語』
   みたくなっていたことが容易に推察できるわけです。

   それはそれで別のリアリティなり需要なりはあるかもですが、
   少なくとも僕は、あんまり見たくないかな。
   そんなもん、大枚はたいてアニメ化する意味がわからんし。
 
 というわけで本作は、
 なんかちょっとかなりアレな原作を改変することなく、

   『健康的で楽しい農村づくり』

 にベクトル変換するという、レベル5級の能力が発揮されているのであります。
 製作的には、菓子折りもいらず大助かり。えらい、スゴい。
 倉谷涼一監督、グッジョブです。
{/netabare}


で、本作の拙的なおすすめ度は、
あまり深く考えずまったり楽しむ、という前提でAランクです。

万能農具のチ-ト性能もさることながら、
物語の中盤あたりからかなりのご都合テンカイで村が発展していくので、
そこのところにツッコむと一歩も前にすすめません。

本作の視聴ポイントというのはそこではなく、

  健康的でたくましく、おまけに相当きれいな女の子たちが、
  元気に、明るく楽しく農村づくりをしていくさまを、
  ちょい鼻の下をのばしつつ、にこにこ笑いながら健全に楽しむ。

という、かなりマニアックな楽しみ方に限られるわけなのであります。


そのぶん、見るだけでも楽しめるよう、映像にリキ入ってます。
制作はゼロジ-さんで、
これまで『悪くはないけどクセがあって微妙』なイメ-ジだったんですが、
本作は『健康的できれいなおねいさん』の作画に大成功。
ほとんどのキャラが、姿勢がよく、リッパな谷間をおもちです。

キャラデだけでなく動画さんもがんばってまして、
なめらかな人体曲線やタブりの多い洋服デザインがけっこうあるのに、
動かすべきところはきっちり動かしています。
OP、ル-ル-シ-がジャンプしてくるっと一回転するところなんか、
ちゃんとジャパニメーションしていますもの。

そして、人物作画にリキいれるだけでなく、
畑・森・農作物などもていねいに描き込まれており、
質感や空気感まで表現できていて、世界観が心地よく伝わってきます。

  こんなにいちいちリキいれてたら予算合わないだろ、
  というような心配は、SD演出の多用でカバ-。

  このSD演出、ただ単に枚数稼ぎになっているだけでなく、
  ちゃんとカワイイうえに、メリハリが効き、
  シ-ンに応じた『演出』として立派に成立しているんですよね。

  わりとよく見る枚数稼ぎの手法であり、
  キメツでもしょっちゅうやってたりするわけなんですが、
  あっちは『箸休め』的な扱いなのに、
  こっちは本編進行と連動していて、しかも違和感がありません。
  倉谷涼一監督、本作に限って言えば、かなり有能です。


キャラクターの作り込みも、けっこう繊細にできております。
みんな『きれいなおねいさん』であるだけでなく、
『チ-ト的能力もち』『しっかりした自立心もち』『ウジウジしない』
という共通項をもっているのに、
しっかりと性格付けができていてキャラかぶりがありません。

  とりわけスゴイと思うのは、
  関西弁も廓言葉もにゃんにゃん言葉もボクっ娘もおかしな語尾もなく、
  みんな基本的にきれいな言葉遣いをしているのに、
  個々のキャラが書き分けられ、きちんと立っているところ。
  これ、作家を目指すワカモノたちにぜひ見習って欲しいかも、です。

  それだけでなく、同じキャラが同じ内容の話をするときも、
   「ラスティって呼んでください」
   「ラスティって呼んでね」と、
  相手との位置関係で自然に言葉が変化しているんですよね。
  こういう『キメ言葉にせず会話の自然さをダイジにしてください』という指示、
  脚本家的にはとてもウレしいものなのでありますよ。


キャラに生命を吹き込む役者さんたちも、いい仕事しています。

本作って、難しくとんがったキャラがいない分、ぶっちゃけて言うと
大手事務所に正所属できるレベルの役者さんなら
  『誰でもそれなりにできる』タイプの作品なんですね。
正直、駆け出しの若手や預かりレベルの役者さんをずらりと並べても、
ふつうの視聴者さんなら、良し悪しが判別できないテイストかと。

それだけに、違いを生んだり声の表情をつくったりするのがムズカしい、
手を抜こうと思えばいくらでも抜けるけど、
役者の根性見せたんよ、と思えばかなり難易度が高くなる作品であります。

  で、根性見せてくれたのが、物語序盤メインのお三方。

     下地紫野さん(ルールーシー役)
     洲崎綾さん (ティア役)
     Lynnさん(リア役)

  「わかったわよ」「え? ここにですか?」「皆さん、張り切って働きますよ」
  なんて、個性の出しようがなさそうなセリフにも徹底的にこだわって、
  実に活き活きとした人物像をつくってくれました。

  先行役者がいいお芝居をすると後続が『燃える』のが役者の性質であります。
  その例にもれず、中ほどから出てくる役者さん、
  藤井ゆきよさんや日岡なつみさん、伊藤かな恵さん、岡咲美保さんなどが、
  少ない出番でなんとか自分の爪痕を残してやろうと、
  テンプレふうでありながらも実はすごく細かいお芝居を披露しています。

  おかげさまで、同系統の『なろう系』作品に比べ、
  かなり耳ざわり・聴き心地のよい作品に仕上がっております。実によき。
  (それにしても洲崎綾さん、相変わらずスゴい声してますよね)


音楽は、OP・EDともに、耳に楽しい素敵な曲かと。
とくにOP、
この曲に下地さん・洲崎さんの二人をあてるのは、反則級のキャスティング。
劇中の、葡萄ふみの唄もいい感じ。
劇伴は……ごめん、なんにも耳に残っていません。



というわけで、作り手側はかなり頑張って、
あちこちに強い『こだわり』を見せている本作なのですが、
ショ-ジキ言って、視聴者の琴線に触れそうなところは少なめです。

のんびり農家、というわりにけっこう新展開が多めでせわしなく、
たとえば『のんのんびより』あたりと比べると、
ぜんぜん、まるっきり『のんびり』感が足りませんしおすし(←死語)。

  既述のように、ロリっ子もラッキースケベもなんもなし。
  ついでに言うと、リアル農家につきまとうJAとのしがらみもなし。
  ほんと、あっちこっち流用されているキャッチコピー、
    『なにもない、がある』
  みたく、田舎のやけくそ集客作戦が似合いそうな作品であります。

ただまあ、ムネの谷間と自然とおいしそうなごはんはたくさんあります。
そして最終話、出産前後の村人たちを見ればわかるように、
ヒト(亜人ですが)の本能に基く日々の営みが、ていねいに描かれています。

おすすめ度Aと書きましたが、
それはあくまでも『拙はスキ』という主観まみれの評価でありまして、
決して万人にすすめられるタイプの作品ではありません。
ですが、粗製乱造のおおい『のんびり系』において、
細部まできちんと気を使って作り込まれた『良作』ではあるまいかと。

女性の方が見られても
 『男の子ってホントこういう話、好きよねえ』
なんて感じにはならないと思います(たぶん、ですが)。


  ちなみに、脱サラ・定年退職してあこがれの農村生活を始めたものの、
    思ってたのとチガう、
  なんていろいろご苦労なさっているハナシをよく耳にします。

  まあ、あたりまえですよね。世の中そんなに甘くありません。
  都会には都会の、イナカにはイナカの、
  いろんなしがらみだったりアレだったりがあるのが人の世かと。

  都会であくせく働く方々にとっては、
  こういうかなり非ゲンジツ的なアニメをたまに見たりして、

    農村っていいなあ、自然っていいなあ、

  なんて思ってるのが『ほどよい生き方』なんじゃないのかなあ、
  と、愚考する次第なのであります。ゆめゆめ、
    あいてます、あなたのNOSON♪
  みたいな誘い文句には、カンタンに乗らない方がよろしいかと。

  いやほんと『となしば』というのは、
  言い古されているようでいて、
  いつの時代もけっこう真理だったりするんですよね。

    むかし隣の家で飼ってた豆芝は、ガチで可愛かったんですが。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ハーレムだけど・・・(汗)

2023/07/03 初投稿

「異世界スローライフ」物を謳っている作品は数多くありますが,概ねスローライフでは無かったりします。

この作品は,割と地道に生活します

トイレを作り
寝る所を作り
畑を作り
水路を作り

やがて家族が増え
もっと家族が増え
仲間が増え
村に成長して

戦闘要素のかなり弱い「転スラ」みたいな感じ


村づくり・国づくり
外交・経済

こう言うのが好きなのです。
そんなわけで,量産型B級臭強めの本作ですが,自分としては高評価です。


あえて,難癖を付けるとしたら・・・

1 「農家」に違和感問題
ずっと,「農家」に違和感を感じながら視聴していました。なんでか自己分析。たぶん自分の中で「農家」って社会の中で主として農業を担当する人と言ったイメージなのです。農家は野菜などを生産し,漁師は魚を捕り,手工業者が道具などを作る感じでしょうか?でも火楽は全部やっちゃいます。農家じゃ無くて自給自足ですよね?後半,外部と交易を行い,やっと社会に農業で貢献するようになりますが,その段階には「農家」というよりは「農村(あるいは小規模な国家?)」レベルの規模に成長していてやはり違和感が・・・

2 ネーミングセンス悪すぎ問題
主人公の名前がひど過ぎ・・・街尾 火楽(まちお ひらく)って(´・ω・`)
文字で見るまで勝手に「拓(ひらく)」というイメージでした。火楽ってぱっと見「火薬(かやく)」にしかみえないw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

64.9 2 戦闘で異世界なアニメランキング2位
冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (81)
238人が棚に入れました
故郷の田舎で冒険者モドキの生活を送っているベルグリフは、 森で拾った愛娘アンジェリンを育て、都へと送り出す。 久し振りの帰郷の知らせを受けるものの、 当の娘は帰ってこず、日々心配は増すばかり。 一方、ギルド最高≪Sランク≫冒険者となったアンジェリンは、 大好きな父のもとへと帰ろうとするのだが……。 「一体わたしはいつになったらお父さんに会えるんだ……!」 親子のふれあいと友情、そして迫力のバトルシーンを鮮やかに描く、 ハートフル異世界ファンタジー、ここに開幕!!

57.3 3 戦闘で異世界なアニメランキング3位
Re:Monster[リ・モンスター](TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★☆☆ 2.7 (31)
124人が棚に入れました
突如ストーカーに刺され、目覚めると最弱ゴブリンに転生していたゴブ朗。 喰えば喰うほど強くなる【吸喰能力】で異常な進化を遂げ、 あっという間にゴブリン・コミュニティのトップへ―― 弱肉強食の異世界で、有能な仲間達とともに生き抜いていく痛快下克上サバイバル! 怪物転生ファンタジーが蠢き出す!!

声優・キャラクター
ゴブ朗:佐藤拓也
ゴブ吉:細田健太
ゴブ美:加隈亜衣
ゴブ江:植田佳奈
ホブ星:山根綺
ホブ里:大森日雅
赤髪ショート:菅野真衣
姉妹さん:山村響
鍛冶師さん:島袋美由利
錬金術師さん:東城日沙子

67.0 4 戦闘で異世界なアニメランキング4位
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (339)
1093人が棚に入れました
「君は真の仲間ではない──」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦⼒外を⾔い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。「──はぁ、あんときは⾟かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が⼤パニックになってるとは露知らず、当の本⼈は辺境の地で薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが・・・・・・「私もこのお店で働いていいかな︖住み込みで︕」突如かつての仲間であるお姫様が⾃宅まで訪ねてきて!?"のんびり楽しい薬屋経営"、"お転婆姫とのイチャイチャ⽣活"、報われなかった英雄による素晴らしき第2の⼈⽣がはじまる︕

声優・キャラクター
鈴木崚汰、高尾奏音、大空直美、雨宮天、八代拓

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心地いい音楽

2022/01/29 投稿
  同日  加筆・訂正
2022/02/03 評価訂正(間違えて0.5高くつけてたため…f(^^;)

タイトルがダメなやつですw
9文字✕5行(笑)
こう言うのに限って,実は面白かったりする場合が意外と多いのです。
いざ視聴!


結論から言うと,かなり良かったです!
ツッコミどころは満載なのですが・・・
不思議に気にならない
何でだろう?


考えてみた


おそらく,最もいいと感じた要因は音楽ではないかとおもいます。

OP ゆいにしお「息を吸う ここで吸う 生きてく」
あまりにスローライフイメージぴったりのテンプレ的な曲調だけどそれがいいw

EDJYOCHO 「みんなおなじ」
相変わらずの見たこと無いような不思議なギター奏法から生み出される絶妙なギターサウンド

自分としては珍しくどちらも毎回しっかりと見ました。ホントに一度も飛ばしませんでしたw

BGMも曲としての主張は弱いものの,スローライフ感が有ってほとんどいい曲に感じました。

ここら辺は,現在の自分の音楽の好みにマッチしたというのが大きいかなと思います。
具体的に言うと,音の隙間があって一つ一つの音がハッキリしている,アコースティックサウンドが現在の好みなのです。楽器の質感が音から感じられるような曲が好きです。
そういった意味で,この作品の音楽はかなり好みにぴったりと合っていました。

音と言えば,自分は叫んだり怒鳴ったりといった声の演技もうるさく感じることが多いのですが,この作品はそこら辺も押さえられていました。
なんと言っても勇者が無口で無言で超絶攻撃を繰り出す設定ですからw
音的にうるさく感じたのは,あの「賢者」くらいのような気がします。
全体的にこの作品,音だけ聞いていてもなんかいい感じになれると思います。




以下はツッコミ所に関する系


自分はアニメに関しては基本的に「反エロ」を自称しています。(あくまでアニメに関してです^^;)
なぜかこの作品のエロに関しては気になりませんでした。
ヒロインのリットはかなり胸が大きいキャラデザインで普段着ている服も胸元が大きく開き胸が強調されているデザインなのですがなぜか気になりませんでした。
むしろ気になったのは,服の腕の部分に穴が開いているのですが,その穴の位置からは絶対に見えないだろう,脇の下部分が度々描かれていることでした。「たぶん描きたかったんだろーなー」と送り手の性癖が透けて見えるように思いました。
二人のいちゃいちゃも気にならないというか,むしろ心地よく見ていました。最終回も含めてw
なんだろう?二人のお互いを好きなのが前面に出てきているからなのでしょうか?


ストーリー的には「追い出された」エピソードは初回とストーリーが進行してからの整合性がとれていないように感じました。

勇者がらみのエピソードはすごくいい話になりそうで,設定を生かし切れなかったように感じました。色々思いついて突っ込んでみた感・・・自分のレビューと同じ臭いがしますw


作画はわりとひどいですw
リットとルーディーの止まっている絵は割としっかりかけているのでそれほど印象は悪くないですが,動きはひどいです。限られた予算で最善を尽くした結果なのかも知れません。


もしかしたら,音楽に癒やされて優しい気分で評価したのかも知れません(笑)



加筆部分
書き忘れていましたが,「辺境」のイメージが視聴前のイメージとかなり違っていました。
勝手なイメージでアリューシャン列島とかグリーンランドとかシベリアとか極寒の地にある小規模集落のイメージだったのですがかなりの規模の都市が近くにあったりなんかイメージと違いました。
気がついたのですが設定が辺境の「村」とかではなく辺境の「国」でしたw
ヨーロッパの人間が極東と言われる地域にある日本に来た的な設定ですよねw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いつも傍にいて欲しい

(初投稿2021年5月2日)

 略称「真の仲間」。原作は『小説家になろう』に2017年10月から投稿開始されたが、本編は2020年11月17日の第163話で中断。2021年5月時点で依然更新停止中。

書籍は2018年6月から刊行され、2020年11月時点でシリーズ累計発行部数100万部を到達した。

❬あらすじ❭
{netabare}
 主人公には、天より勇者の加護を与えられた妹がいた。そして彼には、勇者のサポーターとして相応しい加護を与えられた。
 彼はそれを己の宿命と捉え、己の加護を最大限に高める努力を怠らなかった。裏方の縁の下の力持ちに徹することを甘受した。

 しかしその加護は、どんなに努力して磨こうとも伸びしろには限界があり、勇者パーティーの中での戦闘において、いずれ自分が足を引っ張る存在になることは明白だった。

 そしてとうとう、仲間の一人からお前は足手まといで邪魔だ、と責められる日がやってきた。

 そのとき彼は、妹はもう一人前と思い込んだ。妹はもう自分の助けなどいらない、自分は妹離れしなければいけない、と。

 しかしそれはとんだ誤解で、妹にとっては兄はいつまでもずっと傍にいて欲しい存在だった。

 仲間たちも文句を言った者以外は、彼は必要不可欠な大切な存在だった。

 結局彼は誰にも相談せず、行き先も告げず、こっそりと一人でパーティーを去った。そして辺境の地での薬草採取を主とする冒険者になった。

 そこで彼は今までの修羅の日常とは真逆の、穏やかな日々を望む。新天地では偽名を使い、目立つことを避け身バレを防ぐ。しかし隣人に助力を望まれたなら、暗躍してでも持てる自分の能力は惜しみ無く使う、やさしさと包容力がある彼。

 そこで早々に良縁の恋人と歩む新たな生活がスタート。

 最高の二人、強運は彼らと共にある。そして二人の人生は、地に足が付いた彩り豊かなものになった。
{/netabare}

 私はアニメ制作発表前から本作の書籍を読んでいた。刊行開始からまだ3年弱、2021年4月時点で既刊本編8巻+前日譚1巻と、同時期放送の他のなろう系アニメなどと比べると原作の巻数は割と少ないが、個人的にこれからますます楽しみな作品。

 僅か2年半で100万部超えるほど。慌ただしい日々で様々なストレスにさらされがちな現代日本において、スローライフで心穏やかな平穏な日々を求める主人公に共感する読者が、自分を含めて多いのだろう。

 アニメがどんな作品になるかは現時点では未知だが、期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタート。視聴後に適宜修正するつもり。

 本作は当初、2021年7月からの放送予定だったが、同年10月からの放送に延期された。
 2021年夏クールは、大好きなラノベ原作アニメが大量に放送されるので、延期はむしろ個人的には好都合。秋の放送が今からとても楽しみだ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

Sat さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

テレビ小説のような雰囲気のアニメ

息を吸う ここで吸う 生きてく
オープニング曲がとても心地よく朝のテレビ小説のような雰囲気があり、このアニメとぴったりですね。

漫画も大好きでしたが、しっかりとアニメに落とし込まれていて大変観やい丁寧な造りだなぁという印象です。

リットの声はもう少し高いイメージでしたが、慣れてくると不自然さは無くなりました。

KADOKAWAのアニメは毎回この作品ほど丁寧に造ってくれたらいいんですけどねぇ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

63.8 5 戦闘で異世界なアニメランキング5位
ラグナクリムゾン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (76)
236人が棚に入れました
銀剣を振るい、竜を狩り、報酬をもらう職業──『狩竜人(かりゅうど)』。 ヘボ狩竜人の少年・ラグナは、ぶっちぎりの竜討伐数を誇る天才少女・レオニカとコンビを組み、日々、竜討伐に挑んでいた。 ラグナの願いはひとつ──「強くなれなくてもいい。レオのそばにずっといたい。」 しかしその想いは、これまでの相手と比べ物にならない強さを持った”上位竜”の襲撃により儚くも散りさる。 強大な敵を前にしたラグナの脳裏をよぎるのは、ここ数日ラグナを悩ませてきた悪夢──最強の力を手に入れながらも、何一つ守るべきものを持たない、絶望と孤独の未来を歩む自らの姿だった。 未来の自分が伝えるものとは……? 今の自分が選ぶべき道とは……? そしてラグナは、謎多き新たなる相棒・クリムゾンと共に、絶望の未来を回避するための一歩を踏み出す。 挑むは、絶対強者。抗うは、強制運命。限界のその先へ──。 超ストイック異世界極限バトル!!

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

またなろう系みたいなのかと思いきや、俺ツエー、敵ヤベー? 全然良いじゃないですか。面白いです

1話感想 3.9
CMで内容を紹介してくれていましたね。俺ツエー、敵もヤベーと。
それは実に良いじゃないですか。

俺ツエーだけ存在してふさわしい敵の存在しない無味乾燥ななろう系とは違うわけですね。

CMでのネタバレを最悪だと考える私ですが、本作について全く知らない状態では、この作品がどのような作品か端的に紹介してくれるのは助かります。
期待の高まる良いCMでした。

オープニングから作画はいまいちかな? とあまり期待していなかったのですが、CMや少しずつ描写される不穏な感じから徐々に期待していきました。

まあ1時間あるせいか、ややテンポは悪いなと感じてしまい…
正直アニメのクオリティとしては、そこまで高くないですね。

しかし内容には引き込まれました。
世の中訳の分からないチートを与えられて無双する作品が横行している中で、全てを失った後に強くなった主人公がその力を過去に送ったものだと。
そして代償として主人公は長生きできない。
これは実に良いですね。
大きな力には納得の行く代償もあって欲しいです。
一方的に都合が良いわけではなく、その力も自由自在に振るえるわけでは無さそうで…。

未来の主人公の慟哭は非常に感動的でした。

ただタイトルを分け合っているメインヒロインはまだこれからの登場なのですね。
現在のヒロインとどういう関係になっていくのかも興味深いです。

というわけで大いに気に入りました。これは見たいです。
ただアニメのクオリティにはやや不安も…
大丈夫でしょうか。

4話まで視聴 4,0
いや予想以上に面白いですね。
何と言ってもキャラが良い。
クリムゾンが非常に良いですね。主人公よりむしろ良いのでは。
そして敵のアルテマティアも良い。優しくて可愛くて恐ろしい。
ちょっと評価上昇です。今後も楽しみです。

全話感想
いや最初のテンションの低さから、どんどん右肩上がりに面白くなっていきましたね。
バトルが熱く激しく凄まじい。
全てを賭けて竜を殺すために突き進んでいくラグナが熱く面白く…。
敵の側の描写も厚いので、両方の描写が楽しめましたね。

銀器姫が良かったです。とても魅力的な子でした。
アルテマティアも敵ながら非常に魅力的でしたね。
クリムゾンも途中は彼が一番楽しみなくらい良かった。
とにかく死んでいった敵や仲間達も含めてキャラが非常に魅力的で、非常に良かったです。
名作です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

82.9 6 戦闘で異世界なアニメランキング6位
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(アニメ映画)

2019年8月30日
★★★★☆ 4.0 (480)
2271人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道ずれに異世界転生することに。「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。「私、カズマさんの子供が欲しい!」事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、滅亡の危機に瀕しているという。里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?カズマたちパーティを襲う最大の危機!平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、堀江由衣、豊崎愛生
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんだろねこの安定感

原作未読 1期2期視聴済

“伝説”ってここ30年くらいで一気に安っぽくなった単語じゃないですかね。にょろにょろ伝説…って見ただけでプークスクス不謹慎な私。
知らんうちにTV版があにこれランキングのTOP5位以内に。まぁそのうち収まるところに収まることでしょう。乱高下しているあにこれの歴代順位はどこ吹く風。外野の喧騒をよそにわりと堅実に作られたコメディの劇場版90分です。

2期まで放送済。その間、主人公カズマはフル稼働。パーティメンバーはそうでもないらしい。2期ではダクネスとアクアをしっかり掘り下げて、やや薄めむしろ一発芸担当だっためぐみん(CV高橋李依)が今回の主役。しっかり段階を踏んでますね。
めぐみんのペアというか同族のゆんゆん(CV豊崎愛生)もTV放送にて慣らし運転を完了するレディーパーフェクトリーぶり。彼女らの一族は紅魔族(こうまぞく)と呼ばれる魔術に長けたチート集団という設定。その紅魔族の皆さんは…


 {netabare}俺が見えないのか すぐそばにいるのに{/netabare}


あ、悲壮感みたいなのはありませんよ。隣人すら見ないか見えてないのかとにかく自由過ぎる人達でした。事前に楽しみにしてたのは3点、

1.声出して笑うところ1個でもあればOK

 ⇒ありました。充分×2

2.密かに進んでるアレはどう?

 ⇒{netabare}魔王軍の腹心がうっかり討伐されてるお約束。物語は匍匐前進してます。{/netabare}

3.劇場版ならではの…

 ⇒きっと映えますよね。爆裂魔法の作画。素晴らしかった。
 ⇒さらに舐めたようなぐだぐだな画を劇場で!と。この点は微妙…


ファン必見の劇場版でしょう。
パーティメンバーで今回めぐみんに白羽の矢があたりこれで仲良くみんな掘り下げられました。今後はアクア、めぐみん、ダクネスとその掘り下げられてきた人物像・家族・過去を使ってコントを作っていけばよいと妙に安心できる良作でございました。

おそらく今後はマンネリとの闘いになると思います。
そういえばTV版のレビューで、『このすば』は古典で王道のお笑いルールを踏襲、と述べてました。


 マンネリか? それとも 定番なのか?


やや後者寄りだと思ってます。「飽きたー」とかいいながら無ければ寂しい。知らんうちに紅…じゃなかった、、、『このすば』に染まってるのです。
そうやって染まったあなたをなぐさめるやつはもう…(自主規制)



※閑話休題

■受け継がれる駄女神

豊崎さんここで修行して『慎重勇者』に繋げたんだろうなぁ(適当)



視聴時期:2020年4月

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2020.05.16 初稿
2020.08.12 修正
2020.12.08 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 69

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

我が名はけみかけ!映画『このすば』の魅力を伝えし者!!一見してハーレムに見えども、決して煮えきれないヘタレに訪れたモテ期を語ろうぞ!!!

2016年冬期に第1期、2017年冬期に第2期がアニメ化された所謂“なろう系”異世界転生ラノベシリーズの初の劇場版
原作第5巻を題材にしつつテレビアニメと変わらぬスタッフが再集結
元請け制作はDEENからJ.C.STAFFに変更されました


事故死から異世界へ転生させられた引きこもりの少年カズマ
彼が転生先に特典として選んだのは、転生を司る水の女神アクアそのもの
神を旅の道連れにすることに成功したカズマだったが、実はこのアクアがとんでもないクセモノ
素行が悪く、口も悪いトラブルメーカーで、危機的状況をさらに悪化させるフラグを平気でバンバン立てる上でおまけに酒乱ときてる
能力が低いカズマは冒険を有利に進めるべくさらに仲間を集める
が、揃ったのは敵味方関係なく周囲をまるごと吹き飛ばす【爆裂魔法】しか使えない上に一発限りで行動不能に陥る女魔術師、めぐみん
打たれ強い強靭な肉体を持つが実はドMで敵に陵辱されることを妄想して全く剣が通らない女騎士、ダクネス
本来ならば魔王討伐の冒険を進める一行だが、実際は始まりの街に居座り続け、金儲けや私利私欲を満たす目先のクエストにしか興味が無い
稼いだ資産は毎夜豪遊しては散財、増えるのは借金ばかり
たまに生死を賭けた大きな戦いを制したかと思えば、国家転覆罪で裁判に掛けられる有様
そんな彼等がめぐみんの出身地である紅魔族の里へ、めぐみんを里帰りさせることからこの映画の物語は始まる…


今作冒頭の“マグロ漁船のクエスト”は金崎監督がコンテまで描き切ったのに尺の都合上お蔵入りになったそうですw
その苦渋の決断のおかげもあり、今作は非常にハイテンションなギャグがハイテンポに続くコメディ映画となっています
ギャグやコメディを映画化するのって難しいですよね
『プリズマファンタズマ』がボロクソにつまらなかったことからも良く解りますw
逆に『えいがのおそ松さん』は良く出来てた、あれもハイテンポでずっと笑ってられました


さて、『このすば』において一番大切な要素はシリーズ構成の上洲さんも仰ってますが【カズマ一行を恋仲にしてはイケナイ】ことです
一見してカズマは美女に囲まれたハーレムの真っ只中にいますが、実際のことろ彼女達は大方トラブルの原因か、もしくはトラブルを悪化させる要因となって世間的には厄介モノなんです
そんな彼女達とカズマがパーティーを組み続けるのは、単に【気の合う仲間だから】というところに尽きるでしょう
そこにガチの恋愛要素を絡めてしまうと“気の合う仲間と面白おかしく暮らすgdgd感”というモラトリアムを破壊してしまうわけです
歳を追うごとにわかりみが深まってくるのですが(笑)現実的には美女と付き合うのはメンドクサイw
気の合う仲間と戯れるのが、現代の現実的にはベストなのでは?という提案を剣と魔法の異世界ファンタジーに持ち込んでしまったのが『このすば』の魅力なのです


ところが今作冒頭、カズマにおもわぬ“モテ期”が到来します
モテてはイケナイ作品で、モテ期が発生するという矛盾がまず面白いのですがw実際には今作のクライマックスでカズマが最も惚れさせてしまい相思相愛の関係になる人物というのがとてもとても意外な人物
そのまさかのオチには度肝を抜かされ…いや、爆笑必至でしょうw


オチに選定されたキャラに僕が大好きな、とある大物声優が選ばれているのも仕掛けの1つ
彼女にしかこの役は出来ないんだ!という金崎監督の強いご指名だそうで、GJ!といわざるを得ません


あと今作の作画クオリティに関しては2019年公開の数多の映画でも“最高”と謳って問題無いと思う出来栄えです
とにかくテンションの高いお話である為、キャストの芝居もノリノリに盛り上がっていく
ですので、アフレコ後の芝居にリップシンクロするように作画リテイクを加えたそうで非常に手間と時間が掛かっています
崩すところ、動かすところ、纏めるところのバランスも完璧です


以前のテレビシリーズで描かれた細かなキャラ設定やサブキャラ達を覚えていると笑いどころはとても多くなるのですが、単純にボケとツッコミの応酬を剣と魔法の異世界ファンタジーでやる、っていうのが面白い作品ですので初見の方もこの機にチェックされることをオススメします

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

この素晴らしい世界に笑いを!

原作未読 約90分

この素晴らしい世界に祝福を!1期・2期を事前に観ることをオススメします。

めぐみんとゆんゆんが出身の紅魔族の里でのお話です。もちろん、パーティーメンバーのカズマ・アクア・ダグネスも一緒です。

2期ではアクアのアクシズ教やダグネスの家のお話がありましたが、今回は紅魔族のことが色々と分かりますね。{netabare}(ポーズをとって名乗ったり、凄い武器を物干し竿にしたり、紅魔族の誕生秘話も適当すぎましたねw){/netabare}

最後はお約束でしたねw 今回の印象に残った言葉は、{netabare}「モ・テ・キ」「ス・キ」{/netabare}でしたw

色々なシーンで笑いが起こり(私も笑いました)、終始飽きさせないギューと詰まった楽しい90分でした。

主題歌はテレビ版OP/EDと同じで、前半Machikoさん、後半はアクア(雨宮天さん)、めぐみん(高橋李依さん)、ダクネス(茅野愛衣さん)が歌っていました。

最後に、本日朝8:40の回に観に行きましたが、ほぼ満員でしたね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

64.7 7 戦闘で異世界なアニメランキング7位
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (253)
672人が棚に入れました
幼い頃から酷いいじめを受け、人生に絶望していた少年・天上優夜。 ある日、偶然見つけた『異世界への扉』を開いた優夜は、初めて異世界を訪れた者としてチート級の能力を手に入れ、驚異的なレベルアップを遂げていき……完全無欠な少年へと生まれ変わった。 さらに、異世界でのレベルアップは、現実世界にも影響を及ぼし始めて――。

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

チー牛無双

ニコ動で第4話まで見た。
これ、コメ付き動画やTwitter実況しながらだと恐らく今期最強。
それ以外じゃ、見続けるのもかなーりキツいんじゃないかな。
ゲームのようなキャラデザは好みが分かれるかもしれないが、美少女ぞろい
なので俺は好きだわ。
ただ、絵の動き自体はちょっとヤバめかも。
現実パートいらなくね?と思ったりもするが、そこを削ると道端に転がってる
ただの異世界なろうと同じになってしまうわけで.....う~ん。
とりあえず、ニコ動で追いかける限りじゃ今んとこ満点評価だわ(笑

・第10話
今期のアニメで一番笑えた回wwwww

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ミルパンセ、努力の結晶ここに極まる

デブが異世界行ったらチートでレベルアップし超絶イケメンの筋肉ムキムキになって、現実世界に戻っても姿・能力そのままで現実でも無双、人生が変わったという作品。以上。
まー、タイトルが全部説明しちゃってるタイプのやつですね。
異世界転生してチート能力を手にする作品は無限にありますが、現実世界に行き来できる点が本作の特徴と言えるのでしょうか。
それにしたってテンプレにテンプレの連続なので普通に考えれば胃もたれします。
・・・・が、普通じゃないことに、そんな内容の作品なのに何故か面白いのです。非常に不思議なことに。

他サイトの評価の話になってしまうが、Amazonのカスタマーレビューは★3.5。
高いとは言えない評価で、そのうち★1を付けた人は30%を占めています。
まぁ、1話切りした人たちが大部分でしょうが、内容だけに目が行ってしまって楽しみ方を理解出来なかったのだと思われます。
たしかにこんなバカみたいなストーリーは、大筋だけ見れば問答無用で★1ですが、あえて自分が★3にした理由は、バカも突き抜ければ優秀に裏返ると感じたからです。
真面目に見るもんじゃなくてギャグとして割り切れば、究極のテンプレも悪いもんではないのではないかと、そう思いました。
「まさかそんなベタな展開をやるはずが・・・・うわ~!やりやがった~!」みたいにね。

一番記憶に残ったのは第4話で学校に暴走族が乗り込んできたところでしょうか。
現実世界だけど近未来的な学校に、急にバキの雑魚キャラみたいな暴走族が突入してきただけで大爆笑です。
で、ヒロインを救出しに4階から飛び降りる主人公で腹が捩れ、そんな超人に果敢に特攻してボコボコにされる暴走族でゲロ吐くほど笑うこと間違いなし。
…いや、言い過ぎました。失笑間違いなし…くらいに訂正です。
でもバイクが爆発したシーンは間違いなく声出して笑いました、自分。
そういう楽しみ方をするのが正解な作品で、これがストーリー評価を★1にしなかった理由でした。
主人公の声優が松岡だったのも良かったですね。このアニメの主人公にはピッタリな適役でした。松岡の当たり役なんていつ以来でしょうか?笑

そして最後になりますが作画が何気にめっちゃイイのです。
キャラデザが特徴的で動画にするの難しそうなのに最後まで丁寧に描き切りました。
なんと制作は"あの悪名高い"ミルパンセ。
『Wake Up, Girls!』『コップクラフト』で作画崩壊ならぬ作画放棄をやらかしたミルパンセとは思えないクオリティでした。
自分の中で近年最悪のアニメ制作会社と思い込んでいましたが、2021年の『蜘蛛ですが、何か?』も結構面白かったし評価を改めたいですね。
2022年は元請制作がありませんでしたが、この1年間ミルパンセが何をしていたのかが非常に気になります。
ひょっとして…本作を手掛けるのに1年を費やしていたって線はあり得るのでしょうか?
うわー!だとしたらなんかスゲー泣けます!!ダメと言われた子が一生懸命、時間を掛けて良いものを残そうと頑張ってたとかマジ泣けます!!!
そういうことを踏まえて、このアニメを低評価した人たちは本当に★1にして構わないのか、今一度考えてほしいですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

こんな俺でも誰かの役に立ちたい、強くなりたいです。

この作品の原作は未読です。
個人的には2023年春アニメで一番キャラデザが好みでした。

キャラクター原案は、桑島黎音さん。
あまりにストライクだったので、他にキャラデザを担当したアニメがあるかとググってみましたが、残念ながら見つけられませんでした^^;

アニメでもキャラデザは綺麗だと思いましたが、実際に手がけられたイラストの美麗さは半端ありませんでした。
それを知ることができただけでも調べた甲斐があったというものです。

アニメーション制作会社は、ミルパンセさん。
これまで「てーきゅう」の第4期から始まり「蜘蛛ですが、なにか?」「コップクラフト」などを制作されてきました。
制作が2年で1作品くらいのペースですが、とても丁寧な仕事をする会社という印象を受けました。


異世界×現実世界。
レベルアップした少年は
2つの世界を無双していく――
人生逆転ファンタジー開幕!

幼い頃から酷いいじめを受け、
人生に絶望していた少年・天上優夜。

ある日、偶然見つけた
「異世界への扉」を開いた優夜は、
初めて異世界を訪れた者として
チート級の能力を手に入れ、
驚異的なレベルアップを遂げていき……

完全無欠な少年へと生まれ変わった。
さらに、異世界でのレベルアップは、
現実世界にも影響を及ぼし始めて――。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

これ、ムッチャ羨ましい設定ですよね。
見た目が変わって超イケメンになったと思ったら、異世界でレベルアップしてその強さを現実世界でも有効なのですから…

しかも、主人公の優夜を演じているのが松岡さん。
そしてヒロインをあかりんと、かおりんが演じるという最強コンビ…
他にもあやち、千本木さん、くまちゃんにちゃんりなといったメッチャ豪華な面子で声優陣が構成されています。

物語は現実世界と異世界の日常を描いた作品…ということで良いのでしょうか。
まぁ、容姿が180度変わった時点で日常とは呼ばないのかもしれませんけれど…

男性ならきっと誰もが羨む最高のイケメンが織りなす物語。
兎に角キャラデザが綺麗なので、メッチャ見易い上、声優さんの力量との相乗効果で個人的には毎週の視聴が楽しみな作品の一つでした。

気になるのは続きですよね。
原作は既刊14巻まで発刊されているそうです。
絶対とは言いきれませんが、きっと原作のストックは残っていると思うんです。
それに、最終回も現実世界の学校に編入するといった、気になる展開のまま終わっちゃいましたから…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、月詠み(ユリイ・カノン)さんによる「逆転劇」
エンディングテーマは、スガシカオさんによる「ハチミツ」
オープニングの「逆転劇」は、今期のアニソンBEST10に間違いなく入るであろう名曲だと思います。
通勤途中の車の中で口ずさんでみましたが、歌うのは超難しそうです^^;

1クール全13話の物語でした。
しっかり堪能させて貰ったので、唯一の気がかりは続編がアニメ化されるかが現時点で不明なことです。
何卒宜しくお願いしますね!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

67.7 8 戦闘で異世界なアニメランキング8位
異修羅(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (115)
253人が棚に入れました
地平のすべてを恐怖させた魔王が打ち倒され、破滅に怯える必要がなくなった時代。 未来に夢を見ることができるようになった今、少女は理不尽な暴力の渦中にいた。 素晴らしかった景色はもはやなく、都市も、草花も、全てが燃えている。 生きながら解体されていく親友の苦悶の断末魔を聞きながら、少女は逃げ出した。 親しい誰かが死にゆくとき、自分が無力でいること以上の絶望があるだろうか。 しかし、少女の前にふらりと現れた一人の剣士が、絶望を、抗うことのできなかった理不尽を、たった一振りのなまくらで、いともたやすく斬り伏せてしまった。 「――柳生宗次朗。このオレが、地球最後の柳生だ」 この世界には、あらゆる“力”の頂点を極め、「最強」の名を戴く者たちがいる。 剣士もまた地平に蠢く無数の、“修羅”の一人。 魔王亡きこの世界で、なおも闘争を求める、その一人目に過ぎない。 ――そうか、私はこの男が、“強者”が許せないんだ。 幾度も命を救われたにも関わらず、少女に芽生えた見当違いな感情。 しかし、すべてを失った少女には自分自身を支えていく理由が必要だった。 ――この男を殺す。この世界には、それができる“強者”がいる。 理不尽な“強者”たちへの憎悪を支えに、少女は剣士と共に歩き出す。 「最強」を殺す旅路は、そうして始まりを告げた。


声優・キャラクター
柳の剣のソウジロウ:梶裕貴
遠い鉤爪のユノ:上田麗奈
星馳せアルス:福山潤
静寂なるハルゲント:大塚明夫
警めのタレン:朴璐美
鵲のダカイ:保志総一朗
夕暉の翼レグネジィ:森久保祥太郎
晴天のカーテ:雨宮天
世界詞のキア:悠木碧
赤い紙箋のエレア:能登麻美子
濫回凌轢ニヒロ:高橋李依
音斬りシャルク:山寺宏一
鎹のヒドウ:岡本信彦
速き墨ジェルキ:子安武人
海たるヒグアレ:杉田智和
月嵐のラナ:花守ゆみり
通り禍のクゼ:三木眞一郎
静かに歌うナスティーク:堀江由衣
ネタバレ

腐った牛乳侍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ここまで全て地区予選の予選です。

キャラの話やってから本編でトーナメントおっぱじめるのか?話の内容はまだなんとも言えないが、バトルシーンはハイクオリティ。CG演出も迫力があっていいね。

キャラが好きになれるかどうかで言えば…ヒロインの逆恨みムーブが謎すぎて…シナリオ面もこれ不安要素の方が大きいな…

脳死で見るタイプの厨二バトル群像劇って感じ、見たことありつつも目が離せないので今後の展開次第かな?(追記:1話にでてきたあの二人は別に主人公とヒロインって訳ではなさそう、なんなら主人公やヒロインって概念があるかすら怪しい)

2話追記

今回は新しく出てきたオッサンとワイバーンの奇妙な縁の話。やっぱり違う話を少しづつ繋げてからトーナメントに臨ませる構成なのか。あとオープニングエンディング劇伴どれも良かったので加点しました。

3話追記
バトルだらけだった1話2話から一転して世界観掘り下げやキャラ描写主軸の話に。今までと違って思考がわかりやすいキャラが多くなってきて良くなった感はある。世界観が分かりやすくなってすんなり入ってきたけど説明は多少はあるけどもう少し分かりづらいので分かりやすくまとめた資料的な何かが欲しい。少なくとも1クール目は序章みたいな感じで終わるのか、中途半端な所で切られないどころかキャラ紹介が終わってない段階で1クール完走はご勘弁を…

4話追記
ウダウダ話すだけの世界観説明をおねロリ百合展開を挟むことで目の保養になる場面として昇華させるテクニックには恐れ入った。とはいえバトルがないのは物足りない…それとキャラ紹介はそろそろ終わるのか?次回でメインの修羅達の話切りそうなんだが…バトルの面白さや世界観、キャラの良さで持ってるけどそろそろ本筋始めないとキツイ。

5話追記
狂気的な杉田智和、いそうであんまいないけど見られて満足、三木眞一郎の気だるげで飄々とした感じは良かったな。そして6話、ようやく修羅同士の激突が始まる予感!トーナメント入るにせよ入らないにせよ面白くなることを期待。

6話追記
ついに各キャラの思惑が交差する展開に!こういう諜報メインの頭脳戦は見ててハラハラする。どのキャラも一枚岩じゃないからあぁいう引き込み方が出来るのかな。ただ惜しむらくは本格的なバトルは7話まで持ち越されそうになるのがなぁ…

7話追記
ついに修羅同士、ふたつの大勢力が激突し始める。大会始まる前に破壊!?どうなるのかいよいよ読めなくなってきた。

8話追記
修羅の交戦が始まり軍略的にもバトル的な意味でもまさしく混戦状態!大会始まる前で街一つ壊滅する規模の戦いとか今後大会やるとしたらスケールダウンするかしないか分からんな、ってか{netabare}ヒグアレ…嘘だろ…?{/netabare}

10話追記
9話はレグネジィとアルスのワイバーン同士の因縁対決。背景に何があったのかはあまりベラベラ語らないが、とにかく空中戦の迫力と勢いが凄まじい。
10話はニヒロVSダカイ。ニヒロはあれであっさり死ぬとは思えないが本当に死んでしまったのだろうか?にしても先行きがいい意味で読めないアニメだな…
ラナの発狂と暴走を止めたいキアの純粋さは心打たれた。切に生き残って欲しい。

最終話追記
まだまだ戦いは始まったばかり…どころかまだ始まってすらいないという、スケール感がヤバすぎるな…今後の修羅の登場で色々と情緒が爆発しそう。
あと2期決定おめでとうございます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

厨二的なカッコ良さ!

<2024/1/9 初投稿>
原作のラノベ(なろう)は未読。
まだ1話見ただけなので評点はデフォルトの3.0です。

なろうっぽくないなろう、という感じです。
「客人(まろうど)」って呼ばれてる人が転生者ってことなのかな。

1話目に登場したソウジロウさんは口グセが「ういっ」
SPY×FAMILYのアーニャと同じですね。
つまり本作はほのぼのアクションアニメです(ウソ)

雰囲気や熱量的にはなんとなく「ドリフターズ」思い出しました。
コントの方じゃなくて漫画・アニメの方の。
「首置いてけー」って言う方の。
イカれポンチな転生者がドロドロに暴れまくるアレ。
あんな感じかな。

魔法とファンタジーな異世界が舞台で、そこで転生者含む強そーなあれこれが闘いまくる感じらしい。
ちなみに魔王は討伐され済みらしいですよ。

1話見た限り結構期待してしまうけど、さあどうだろう。
しばらく見てみたいす。

<2024/3/23 追記>
最終12話見ました。
西尾維新の十二大戦のようなバトルロイヤルで、今季は予選Aグループって感じでしょうか。
この先、戦いに参加する修羅はトータルで何人くらい出てくるのかわからないけど。

古き良き厨二テイストに懐かしさを感じます。
二つ名とか好き!
超人バトルが好き!
という方におすすめです。

中途半歩なので二期やって欲しいけどどうだろう?
あと声優陣がやたら豪華でした。
実力のある人気声優が揃うとお話が締まりますね!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

わりと面白かった

1話の掴みが引き込まれる内容だった。昨今の情勢なんぞクソ喰らえと言わんばかりに地震や街の崩壊を堂々と描写したり、グロシーンも平気で見せつけたりとチャレンジャー精神全開で魅せプにきた反骨精神満載のアニメ。

群像劇らしいので、最初はキャラ魅せ中心の展開にならざるを得ないから序盤は耐える必要あるかもしれない。けど視聴継続。好みは大きく分かれるかもしれない。

3話まで見たけどキャラがみんな濃い…グロだけじゃなくてちゃんと清涼剤に関係性の尊さを見せる場面やキャラ同士のやり取りを見せる場面もあって面白いね。

9話まで見てみた、大会前の前哨戦とは思えない凄まじいバトル。序盤半クールを耐えた分魅せに来てると思う。

最後まで見てみた感想
まぁ1クールで終わるんならスケールに対して話のボリュームが小さすぎるし、そりゃまぁ2期に続くよねと、前哨戦時点でも戦闘が白熱していて面白かったし、2期でもどんな新キャラが出てくるのか、どんなバトルが起こるのかも楽しみになってきた。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

59.3 9 戦闘で異世界なアニメランキング9位
結婚指輪物語(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (80)
248人が棚に入れました
月刊「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて大好評連載中のめいびいによる漫画『結婚指輪物語』。累計部数130万部(電子書籍含む)の人気作がいよいよアニメ化! どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。 告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと突然の別れを告げられてしまう。 恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。 ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。 サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。 さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!? 5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる――!

声優・キャラクター
サトウ:佐藤元
ヒメ:鬼頭明里
ネフリティス:島袋美由利
グラナート:上田瞳
サフィール:加隈亜衣
アンバル:小松未可子

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

RIGHT and LIGHT

異世界ハーレム×古典王道ハイファンタジー。
構造こそハーレムっぽいが可哀想を楽しむ作品ではない。

2期へ続く!

サトウの幼馴染のヒメは異世界の姫だった。異世界を救うには5人の姫の持つ5つの指輪が必要。指輪王となったサトウは異世界そして何よりヒメのため、残り4つの指輪を求める旅へと向かう。

OP・コテコテに王道で壮大な楽曲と映像が最高。ラストは罠。
ED・ヒドい手抜き映像だが見た目で判断するなって挑戦状かも。

異種族が交差するハイファンタジーの醍醐味を軽いノリでサクサクライトに味わえる楽しさがある。フリーレン以上にハイコンテクストで、シリアス・コメディ・微エロが入り混じるのも人を選ぶか。本格ファンタジーだと長くてシリアスで重たい硬派な雰囲気が逆にハードルの高さにもなるが、異世界ハーレムとの融合で気楽にサクサク楽しめるよう時勢に合わせて軽めのファスト作品へと昇華させた逸品。

光の国・人間_ヒメ_ツンデレギャル
風の国・エルフ_ネフリティス(54)_モジモジロリ
火の国・獣人_グラナート_オラオラ姉御
水の国・竜人_サフィール_ドSわらわ
土の国・ドワーフ製ロボ_アンバル_サイコパス

12
指輪が揃うも深淵王の撃破ならず。リベンジに向けて花嫁修行!

花嫁修行言いたいだけだろ、と思えば2期はヒロインズのバトルもありなのかな。メンバー集めが終わってここからが本番って感じか。各々の見せ場も作れてより面白くなりそう。生き別れの妹も出てきてやれることも増えた。今期で戦闘要員ではなかったヒメとネフリティスも魔法を覚えて参戦って流れ?あの二人が前線でバリバリ戦うのはなんか違うのでバッファーとかのサポート役でいてほしいところ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

60.1 10 戦闘で異世界なアニメランキング10位
異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (74)
192人が棚に入れました
…秋津みどり(享年27)、過労死したら異世界へ!?神様から能力を与えられ、異世界に転生した私。そのスキルは。えっ? 人間にはモテないかもだけど、もふもふたちには愛されちゃうってことだよね?うわあぁぁ、白虎やドラゴンにも触り放題――!スペック高い貴族のおうちの末娘ネマに生まれ変わった私、今日も「もふもふ」「なでなで」しつつ、人類存続(?)のためにがんばります。「小説家になろう」発、異世界もふもふファンタジー!!!

Lovesing さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

癒しと可愛さを求めて

原作を読んでいる人間なので、ストーリーは知っていました。
これをアニメ化するには作画問題やストーリー構成など色々不安がありましたが、漫画版に寄せた作画でした。
後ストーリーは終始ニヤニヤする感じで個人的には好きでした。
しっかり異世界なので多少のバトルは入ってますがそのバトルも雑ではないのでストーリー進行に必要なぐらいで特に気にはなりませんでした。
後ちょいちょい良い声優使ってて私的には良かったかな!
個人的には続きをアニメ化したら嬉しいかな

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

もふもふ無双開幕!

2023年1月時点でシリーズ累計発行部数が170万部を突破している大人気作品。
一言で言えば何時ものなろう。毎回言うけど展開次第かな。

コレだけは言いたい!!
ノーもふもふ!ノーライフ!
もふもふ道を貫いて欲しい。毎回思うがコレ系は特化してこそだと思ってる。
転生前主人公がどこまで動物好きだったか?によるがコレだったら最後まで観れる。
もふオタである事を心から願う…。

何時もの過労死来たー!玄関で力尽きて神様のもとに。
「死に方を選ばせてあげよう」とか発言が斬新だなw
願いを叶える代わりに転生したらこの世界を滅ぼすか決めて欲しい!だと!?
ヤバい頼みで草なんだ。

転生特典付けるけど何が良い?瞬間移動!とか必殺技!とか欲しくない?

人間以外の生物に好かれる力!「人間以外」ここ重要!
考え得る限りの生物だよやったね!

公爵家の赤ちゃんに転生!してトラに抱きつく主人公!が可愛い!
さて年齢に引っ張られてるかフリをしてるのか…どっちだろうね?
ただ、言葉も発音がまだ出来ないのは確か。
あいがとう!考えてる事は大人のそれだけど。

絵面が凄いなw大きいトラにちっちゃな幼女w
魔法に精霊術がある世界と。
なるほどね契約した相手にしか懐かないなら見られるとまずいよね。
…果たして27歳のこの人は理解しているのだろうか?大丈夫だよね…?

記念すべき1回目のテヘなんかやっちゃいました?
とにかくもふもふしたい主人公を自由と言う名で釣る王子。この人ド…。
黒い目なぁ。コレ系も多いなホント。
ここでも発音がアレwヴィウ?
見た目レッドドラゴン召喚!次回も私何かやっちゃいました?テヘペロ(๑˃̵ᴗ˂̵)
ただアレはしょうがない気がするけども。

うーん…まあ次どうなるのか分かりやすい…のは良いんだけど、コレ観てるとお菓子思い出すんだよなぁw…頭が悪くなるのだけはまじ勘弁()

で気になったのが人間以外とか言ってたけど人間にも普通に好かれてるんですが?
…デレデレなんですが?
神様のなんかやっちゃいました?とか直近で見たんだけどコレもか?

この作品の良いところと言えば、ちゃんと毎回お礼言ってるのは好感持てるね。
主人公の見た目が可愛いのも良い。動物?もたくさん出て来るだろうし。
やっぱりもふもふ可愛いは正義!

余程の事がない限りは視聴継続しようとは思ってる。余程の事がない限りは…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

タイガー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『こちとら中身アラサーの幼女だぞ』

過労死したOLがある力を手に入れて転生したゆるもふストーリー

前半ゎ意外と好きだった。気軽に見れる幼稚園ストーリー

後半ゎただもふもふしたいだけじゃ生き物ゎ生きていけない。と考えてしまう少し話が中学生の道徳ぽくなった

前半だったら主人公も幼女でよかったけど後半ゎキャラ幼稚すぎて疲れたかな。

op.edゎ結構かわいくて好きだった

転生できるのにもふもふの力か…とおもった作品w

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

76.6 11 戦闘で異世界なアニメランキング11位
陰の実力者になりたくて!(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (439)
1346人が棚に入れました
『我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者……』 みたいな中二病設定を楽しんでいたら、まさかの現実に!? 主人公でも、ラスボスでもない。 普段は実力を隠してモブに徹し、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す「陰の実力者」。 この「陰の実力者」に憧れ、日々モブとして目立たず生活しながら、力を求めて修業していた少年は、事故で命を失い、異世界に転生した。 これ幸いと少年・シドは異世界で「陰の実力者」設定を楽しむために、「妄想」で作り上げた「闇の教団」を倒すべく(おふざけで)暗躍していたところ、どうやら本当に、その「闇の教団」が存在していて……? ノリで配下にした少女たちは勘違いからシドを崇拝し、シドは本人も知らぬところで本物の「陰の実力者」になっていき、そしてシドが率いる陰の組織「シャドウガーデン」は、やがて世界の闇を滅ぼしていく――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

面白いですが作品の評価は2期が来るかですね。追記2期決定ですね。

 キャラや演出で魅せてくれました。かなり面白かったと思います。それぞれのエピソードについてちゃんと数話ごとに完結していく構成なので、飽きなかったんだと思います。

 冒頭のスタートからはアルファを初めハーレムものになるかと思いきや随分変わった展開の仕方でした。「ワンパンマン」的といえばいいのでしょうか。すべての努力を相対化してしまう、滑稽な部分に面白さがあるのでしょう。

 主人公ではなく、どうやらアルファの正体とか裏の歴史に謎があるようで、その部分を楽しみにしていますが、終わってしまいましたね。

 面白さでは評価できると思いますが「作品」としての評価は難しいですね。アニメとしての完結は放棄した感じです。ただ、20話を初めからやるのだから、勝算があっての事でしょうし2期の期待も出来そうですので「作品」評価はまた後程ですね。

 ですので、アニメとしての評価はストーリーは割り引くしかないですね。キャラは非常に良かったです。出てくる女性キャラたちの苦悩がもう少し深掘りできていれば、すべてを無意味にしてしまう主人公との関連でテーマ性が出たかもしれませんが、そこは機能せず、むしろギャグになってしまいました。

 EDの曲は良かったですね。やっぱりアルファの声がいいかなあ。止め画がちょっと手抜き感がありました。本編の映像の使いまわしでいいので動かしてほしかったかなあ。


追記 2期決定したので評価少しあげます。なお、原作の小説の方、全部買っちゃいました。オバロくらいあるのかと思ったらまだ05までなんですね。それでも、話の展開が意外すぎてかなり面白かったです。なろう、ではもっと先まであるんでしょうか。ただ、やっぱり紙の本が読みやすいので新刊どんどんだしてください。

 で、1期のOPって…ひょっとして…???



4話 面白過ぎて草。演出もいい。異世界という分類を越えて良作の予感。

{netabare} いや、構成も演出もキャラ作りも最高です。1話1話の話の展開が明確でそれぞれのエピソードに見せ場もあるので、本当に見ごたえがあります。1話の入り方も良かったですね。「世界最高の暗殺者…」的構成でグッと物語に引きこまれます。

 設定は開き直って、中世といいながら20世紀後半でなぜか電気がないという風情ですが、気になりません。舞台がストーリーにあまり関係ないからでしょう。

 そして3話から4話ですね。プリンセスの妹さん。最高ですね。劣等感とプライド、性格造形が見事に素晴らしいキャラを作っています。今のところ感情的に乗れるのはこの子ですね。姉に対する妹・弟、平凡な武術と言う面での主人公との共通性が今後どう活きてくるのか楽しみです。

 そしてシャドウガーデンという組織の再登場のカタルシスもかなりのものでした。主人公の勘違い設定があまりしつこくなければいいのですが、これでずっと行くのでしょうか?

 演出で瞳のアップを使うのが一貫しているのがいいですね。低予算対策かもしれませんが、効果的に瞳で感情や思惑を表現していますし、演出の力量を感じました。
 背景がペラペラな感じで低予算ぽいとはいえ、作画は丁寧だし、キャラデザはそれぞれのキャラに個性がありますし、演出が上手いので、全体としてはストーリーを楽しむ分には十分な画面作りが出来ていると思います。

 これだけの良作です。小説とコミカライズからのアニメ化ということで連載ものの欠点で、どんどん薄まってゆく危惧はあります。是非アニメ版での完結で構成させてほしい。続きがあるにせよ、1期で一応の目標を完結させてほしいです。

 OPがちょっと面白いですね。本当にストーリーに関係するんでしょうか。現世にシャドウガーデンが来たら面白そうです。イメージだけかな?{/netabare}


5話 「ルルーシュ」+「魔王学院の不適合者」そこに「オバロ」のプレアデスがくっついた感じでしょうか。つまり、面白いです。

{netabare} 配信時間が楽しみな作品は久しぶりというより、初めてかもしれません。ちょっとはまってしまいました。

 背景美術が安っぽいかと思ってましたけど、改めてみるといいですね。低予算かと思いましたけど、結構いい感じです。実際、止め画は多いので潤沢に予算があるとも思えませんけど、細かい演出に見るべきところが多いです。
 王女様(妹)が落ちる剣を掴むシーンとか心象映像としてなかなか見せていました。なかなかの画作りだと思います。EDも止め画ですけど演出で魅せてますので、工夫が上手いんでしょうね。

 その、EDとかOPなんですが、王女様が登場してないということは、ゲストキャラなんですかね。モブでもいいので絡んでほしいなあ。

 それにしても「アイアム〇〇〇ッ〇」は大笑いです。この外連味は「魔王学院の不適合者」を思い出します。印象としてはキリト君っぽいですけど、ルルーシュの「ゼロ」のほうがイメージが近いですね。
「ぷれぷれぷれあです」的なスピンオフもいつの間に始まっていましたので、「オバロ」のプレアデスは意識はしていると思います。

 スピンオフは下手をすると作品世界がメタ的になってしまい、本編の真面目な部分が楽しめないので、もうちょっとずらしても良かった気がします。{/netabare}


10話 やっと本性が現れました。本作はエロギャグアニメですね。

{netabare} キャラ作りのための少しシリアスな展開もありますが、ここまでやられるとさすがにわかります。そう、つまり本作は真面目にやっているように見せかけたエロギャグアニメということでしょう。時代考証とかやる意味はゼロです。何でも有りですね。

 やっぱり作品のコンセプトはオバロと似ている気がします。ただ、オバロより更に、エロギャグが強めということで。俺TUEEEがオチになっているのもオバロっぽいです。
 本作はそれに加えて、各ヒロイン毎のエピソードが面白くできているのが、いいですね。

 本作は真面目に考察してはいけない、エンタメ作品の位置付けで楽しませてもらいます。10話はちょっとふざけすぎですけど。{/netabare}



13話 あれ?続くの?アルファが重要な役みたいですね。

{netabare} なんか続く感じですね。かげじつが作られてたので力は入っていると思ってましたが…なんか、作画もいいし、キャラも女ばっかりなのにあまり混同しないし。
 あれだけ複雑な髪型の作画が破たんしないのは、CG技術?最近ほとんどのアニメの作画ってモデリングになったのかなあ???それにしては、遠景でも破綻がありません。うーん。やっぱり単なるCGペイントっぽい感じです。いずれにせよ、本作の髪の毛の作画は本当に良いです。「明日ちゃん…」みたいな動きのレベルの高い良さではないですけど。13話、イプシロン良かったです。デルタもいいですけど。

 最後の赤い画面の演出も、出崎演出(低予算アニメを逆手にとった止め画の演出。予算関係なく意図的にも使います)っぽくて良かったですけど、そこは線画で行こうよ、という感じもしました。

 この先続くと思わなかったので、2022年のベスト10に入れませんでしたが…うーん。どうしよう?エンタメとしては優秀でも深みがなあ。アレクシア王女の深掘りが出来ていればなかなか、良かったと思いますが、どちらかといえばギャグよりですからねえ。

 アルファがなんかありそうですね。前から出番がもっとないかなあ、と思ってましたけど、あのツンがいいです。アルファの過去に何かあったとしても、うーん、物語上の展開は楽しみだけど、深みにつながるか…あるいはエンタメ極振りでいくか。{/netabare}


17話 なんか中世世界みたいな設定を守る気が無くなってて草。話が進むたびに現代的になってる?

{netabare} 宿泊施設はビジネスホテルだし、道路にセンターラインはあるし、化粧品のコンパクト、地下鉄、グランドピアノ…って挙げるのが恥ずかしくなるくらい現代じゃんという感じです。完全に遊んでますね。話が進むたびに現代的になっている気が…

 これもギャグだとしたらなかなかのセンスです。それにしてもキャラがいいなあ。王女様かわいい。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

中二病を極めし者

【紹介】
古代文字とか、二つ名とか、古の遺跡とか、黒マント集団とか、コロシアムとか、戦ってる最中に雷鳴とか、炎に包まれるとか、選ばれし血とか、アトミックとかエモいよね・・・?
横文字の言葉とか、それっぽく発音できたら超カッコいいよね?
そんな中二病の男子が憧れる「カッコいい」が詰まったアニメ

【感想】
最初は中二病の夢の塊に話を後からくっつけた感じっていう印象だったけど、実は中二病の本質をよくとらえた作品で、突き抜けたこだわりが感じられて良い作品でした

主人公は中二病から卒業できず周囲から浮いていることに寂しさを感じているところがあって、彼の夢が現実になったファンタジー異世界にきても浮かれっぱなしってこともなく、周りが中二病設定に合わせてくれていると勘違いしているなど、どこか現実的な思考を捨てきれてない部分があるんです、でも周りが合わせてくれてるんじゃなくて、自然と中二病的においしい展開になっているだけ
この中二病にツゴウノイイ世界は、中二病を拒絶する世界に寂しさを感じている主人公へのプレゼントみたいなものなのかなって思った

私には中二病の感覚がわからなくて主人公の気持ちに共感できないし、まったくカッコいいと思えないけど、主人公のアイデンティティがぶれずにしっかりしているのは凄いと思ったし、まじめとふまじめの緩急がちょうどよくて面白いアニメでした!

【主人公が陰の実力者にこだわる意味とは?】{netabare}
陰の実力者って主人公のアイデンティティを作るのに結構よく考えられた設定だと思いました

まず、なんで主人公が「影の実力者」にこだわるのかっていうと、自分に自信がないからなんですよね

中二病男子は妄想の世界では最強・・・でも現実世界ではだれにも注目されないただのモブ・・・つまり現実の自分に自信がなくて物語の主人公になる度胸が彼にはないのです

人々からの賞賛を、ヒロインからの愛を、敵からの憎悪を、真正面から受け止める自信がない、人と向き合うのが怖くて仕方ない、みんなの中心に立って主役になる自分がイメージできない、だから影の実力者じゃないとダメなんです

女性キャラの扱いにも主人公の劣等感が見えている部分があって・・・

シャドーガーデンは掘り下げがほとんどされてない地味な主人公の手下、彼女たちの役割は人々に知られないモブ主人公の活躍を見届けること、目立つのは嫌だけど、ちゃんと見てくれる人がいないと心が満たされないのでしょうね

これに対して姫様達の役割は主人公のステータス、勲章っていうのかな?
「姫」「強い」「美少女」「高嶺の花」と絵にかいたような「勝ち組」で「ハイスペック」、たくさん掘り下げてとても魅力的に描いていますが、そんな魅力的な女性が主人公に惚れて、でも主人公は特に興味を示さないことでそのハイスペックな女性を踏み台にして主人公の立場・価値が高くなっているんですよ、これで両想いになったら「対等」になってしまいますから

「美少女と両想いになってイチャイチャしたい」
男性なら誰もが思い描きそうな夢

だけど彼は女の子とのイチャイチャよりもカッコいい自分が優先だった
え?それってただ子どもなだけなんじゃないの?

違うんですよ

彼は第一話から「周りはどんどん中二病を卒業していったけど自分だけは中二病のまま」っていうことをモノローグで語って寂しがっていました

つまり彼はまだ子どもなんじゃなくて、それが彼の価値観なのです
それが中二病にどっぷりつかった彼の生き様だった
そういう確かな自分を持った主人公を一貫して描き切っているところが個性的で素晴らしい作品だと思いました

わたしにも中二の心があればもっと楽しめてたかなー?
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シャドウ様の叡智にテンプレの嗜み方を諭される

同名原作小説(web版、ラノベ版共に未読)の連続アニメ化作品の1期目(全20話)

【物語 4.0点】
常に視聴者の存在を意識してキャッチボールを成立させるための思案が重ねられる。
視聴者がま~たテンプレかwと呆れる前に、一歩先回りして、
シャドウ様の妄想ロールプレイにより、ポジティブに転換する仕掛けが巧妙。


異世界の魔剣士学園や、武術大会の裏で暗躍する勢力による一騒動だの、
もう何度目の再提供か?ってくらいのお約束展開。

新鮮味を与えるのが、転生の原因が{netabare} 魔法など未知なる力の体得を探求した末の交通事故死{/netabare} などという、
狂気を感じる位ピュアな中二病主人公少年・シャドウことシド・カゲノウ。

転生異世界にて起こる数々のテンプレを、ここが“陰の実力者ムーブ”を決める絶好機。
或いはカモフラージュたる華麗な“モブムーブ”を見せてやる。
などと待ってました~♪とばかりにお約束をエンジョイする主人公の姿を眺める内に、
コイツ頭おかしいだろうwと私も不思議と笑顔にさせられますw


【作画 4.0点】
アニメーション制作・Nexus

舞台設定は剣と魔法の封建貴族社会や教会が残る近代化前後といった風情。
が、一方で“悪魔憑き”に関する、高度な魔法科学技術に基づく薬剤が裏で流通していたり。
我々の世界の常識に照らしても、馬車と列車が共存するこの異世界が、
いびつな文明発達をしてきたことが作画、背景からも伝わって来て、
技術を秘匿する闇の勢力の野望など陰謀論が盛り上がりますw

シャドウ様が転生前の現代社会の知識を“陰の叡智”と称して“シャドウガーデン”配下の美女たちに“テキトーに”(※テキトーなのが肝w)伝え、
それが“ミツゴシ商会”のデパート風店舗などに具現化して一人歩き。
その文化侵略の様子も明快に伝わって来ました。

アクションシーンなども高密度で上々。
黒、白、赤、あとは“例のあれ”の美しい?紫など、
見せ場では、敢えて色彩を絞って表現する演出も◯


【キャラ 4.0】
主人公シャドウことシド・カゲノウは無双ハーレム主人公の一種。
この異世界を裏で支配する黒幕を闇に葬り去る俺という妄想を配下にテキトーに吹聴する内に、
異世界裏社会の方がシャドウの妄想設定に追い付いてしまうのがポイント。

シャドウ様がぶち上げた陰の組織・シャドウガーデン。
だがシャドウが組織立ち上げ時に行ったのは、最初に助けた悪魔憑きの美少女にアルファと命名した上で妄想の概要を伝えたくらい。
あとはシャドウガーデンも、ベータだのガンマだの“七陰”と呼ばれる幹部の美女も、
“ナンバーズ”と呼ばれる美女も、
アルファたちがシャドウ様の“叡智”を拡大解釈して、いつの間にか拡大、増殖していく。

連れてくる美女もまたことごとく巨乳ばかりでw
スタイル抜群の美女たちが、スライムの黒スーツ(破壊や魔力喪失で消滅するw)を身にまとい居並ぶ姿は壮観。
(いや、一部、スライム虚乳もいたような……。いえ何も見てません。抹殺しないで下さいw)


シャドウガーデンの女キャラたちは数が多すぎて覚えきれませんがw
これもキャラ濫造、掘り下げ不足との不満を抱く前に、
知らぬ間に増えたハーレム美女という形で、シャドウ様の妄想ストーリーが大事になって行く演出の補強材料へとポジティブ転換されてしまう。
これもまた視聴者心理の先を読んだ妙手。


シャドウガーデンの広がりと共に、王室、貴族のプリンセス、令嬢も絡み、
ツンデレコンプレックス属性に、クーデレ属性にと、ハーレムは一層たわわに。

ラスト。オリアナ王国の王女ローズが、{netabare} ナンバーズの666番に転落する衝撃もまたプリンセス転落劇の定番ですが、
美女666人もおるんかいwとの笑撃に上書きされ美味しく頂けました。
表と裏両方を知ることになる彼女。{/netabare}
今後の視点の興味深さという意味では一番注目したいヒロインです。


【声優 4.5点】
主人公シャドウ役の山下 誠一郎さん。
異世界転生後の赤子ボイスから、モブに身をやつした軽口から、
威厳のある陰の実力者プレイボイス、ここがロールプレイの好機と色めきだつモノローグまで。
幅広い演技で、シリアスにもコメディにも貢献する大車輪の活躍。

普段は{netabare} 金貨にワン!と飛びつく{/netabare} など小物感丸出しのモブなシド・カゲノウなのに、
シャドウ様として決める時は{netabare} 「アイ・アム・アトミック」{/netabare} などとキザに囁く。
あとは、{netabare} 自称最強に真の最強とは何かを教え諭す時の「レッスン1、レッスン2」とかw{/netabare}
見せ場で英語の発音が流暢でノリノリなのが、ホント可笑しかったですw

一方シャドウ様がモブ剣士として変身した{netabare} ジミナ・セーネン(ドエム・ケツハットほどじゃないがテキトーなネーミングだw){/netabare} 役には、緑川光さんのリリーフも仰ぐ。
ただ、ここもモブの裏に見え隠れする凄みなどもカバーする好リリーフ。
今後もどんな変身バリエーションを、どのキャストが救援するのか、楽しみな要素です。


シャドウがモブの隠れ蓑に活用したダチの“天然モブ”同級生剣士コンビのヒョロとジャガ。
特にこれまで数々の無双ハーレム主人公を演じて来た松岡 禎丞さんが、
ヒョロ役で{netabare} ギャンブル転落劇{/netabare} という合せ技も絡めながら、見事なモブプレイを決めているのがツボでしたw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は末廣 健一郎氏。
ストリングスとコーラスによるダークな楽曲群でシャドウ様の陰の実力者プレイを好アシスト。
ここも重たくなり過ぎず、電子音もアレンジすることで視聴者もプレイをエンジョイできるエンタメ性を確保。

BGMで一番インパクトがあったのはベートーヴェン「月光」
何だかんだ{netabare} 17話の「月光」を奏でるシャドウ様のプレイが一番カッコよかったですし。{/netabare}


OP主題歌はOxT「HIGTEST」
サビの裏声が入り混じった大石 昌良さんのボーカルに表と裏の二面性を感じるテクニカルな楽曲。

OxTは『オーバーロード』シリーズの主題歌も担当していますが、
『陰実』放送前に『オバロ』とのコラボ画像を公開したプロモーションが印象的。
『陰実』とか『オバロ』のパクリでしょ?との声がデカくなる前に、
シャドウ様とアインズ様の蜜月ぶりをアピールして、共通点がある異世界転生物としてポジティブに上書きする、これまた先回りの妙手。
本シリーズには企画プロデュースにも実力者がおられるようで。
OxTには今後も両シリーズの主題歌提供で盛り上げて欲しいです。


ED主題歌はキャラソン「Darling in the Night」を、
シャドウガーデン・七陰の面々が持ち回りで担当。
明るい曲調でシャドウ様への感謝の意を伝える。

正直、私は、EDや、“逆転生学園物”風のOPアニメーションで、
シャドウガーデンにはこんな美女キャラもいたんだ
と確認、整理していた面も多々ありw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23

62.3 12 戦闘で異世界なアニメランキング12位
佐々木とピーちゃん(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (134)
387人が棚に入れました
佐々木がペットショップで購入したのは、異世界から転生してきた高名な賢者様だった。 『我が名はピエルカルロ、異界の徒にして星の賢者』ただし、文鳥。 佐々木はこの可愛らしいペットに「ピーちゃん」と名付けて生活を共にすることにした。 賢者様から与えられたのは、異世界に渡る機会と魔法の力。 会社から帰宅したのなら、二人は異世界ライフを満喫! やがては、現代日本で仕入れた品物を異世界に持ち込み、商人として活動することに。 異世界でお金を稼いだり、ピーちゃんから魔法の訓練と受けたり、美味しいものを食べたり。 社畜生活でくたびれた心身を、剣と魔法のファンタジーな世界で癒やされる。 すると、そんなある日。 佐々木は会社の帰り道で「異能力者」なる存在と出会う。 ピーちゃんから教わった魔法で異能バトルを切り抜けるも、異能力者と間違われて、国の機関「内閣府超常現象対策局」にスカウトされてしまう。 脱、社畜! 脱、ブラック企業! しかし、今後は安定した公務員生活......という訳にもいかなそうで......。 一羽の文鳥との出会いが、佐々木の日常に大きな変化をもたらす! 異世界と現代日本を舞台に繰り広げられる、異世界ファンタジー×異能バトルが幕を開ける!

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最終話まで視聴。流石に長過ぎw

可愛い動物好き(犬の方がと言っているが猫)の主人公が文鳥と運命の出会い!
文鳥突然喋り出し異世界から来たとか言い出すのだが…。

「神戸牛のシャトウブリアンが食べたい!」…(注)文鳥に肉をやってはいけません!

我が身の存在するこの世界より、かの故郷の聖域に通じる魔導の門を開かんと欲する。我は定義する我が願いは、現在の居所を離れ、務に就くべく聖域へと赴くことなり。我の転移は誰にも気取られない。我の転移は矛盾しない。我の転移の道筋に誤りはない。ここに眠る魔力を目覚めさせ、聖なる詠唱を謳い上げんと欲す。我が意志を込めた詠唱。我が体は宇宙の風に乗る。跳べ。

詠唱が長過ぎだよ!ちなみに移動魔法でコレ!

炎系統、回復系統、光系統、闇系統、地面系統、風系統、水氷系統、雷系統、樹木系統、移動系統がある。この中の幾つかを主人公覚えるが、覚えたい魔法が覚えられない。

何故か文鳥にいきなり異世界転移される展開だが、異世界で日本の物が売れる何時もので稼ぐ主人公。異世界と日本を行き来する事に。

そして日本では…。
テレビで通り魔が出没している事が分かる。早速フラグが。でいつもの様にフラグ回収!
美人な女性が襲われて相手が異世界の力を持ち込んだと思いきや…。
…ただ襲われていたのに、なにかがおかしい…。

結果厄介ごとに関わってしまった主人公。まあこの人の性格考えるとね。
で何やかんやあって職場を変えなければいけない事態に…。
コレも何時もの魔法を弱めで披露するのだが…。
「無から有は生み出せない」
この辺は分かりやすいね。
そして危険な現場に行きたい暴走系ヒロイン?は主人公の力を計算に入れ始め…。

仕事帰りに扉の前で座っている、お隣さんの美少女中学生と毎回出くわすのだが…。
分かりやすく事情ありのこの子ではあるが…
…あの人と付き合っているんですか?
目が怖い…。

最後のシーンで職場を変えた途端、尾行され家には盗聴器、カメラ等が家に仕掛けられていた…。
ここでもピーちゃん有能。

新たな職場の上司がパソコンのある画面を見ているのだがその中に美少女が!
異世界で順風満帆かと思いきや現実では面倒くさい事に巻き込まれる主人公。
果たして主人公は夢の異世界スローライフを送る事ができるのか!?

この後のストーリー次第だけどコレなら面白そう。おっさん主人公(笑うと…)が良いね。
良いキャラしてる。
女の子が美人美少女が今の所3人、作画キャラデザも好みなので視聴継続!

オマケ。ED観てたらメイン声優以外が佐々木なんですがw何コレw

2話感想。「16歳」と言うパワーワード!
コレが今回1番ビックリしたやつw
化粧でここまで変わるのホント不思議w
20代前半くらいかな?と思ってたのにw

主人公あっという間に中級魔法を覚えてしまう展開。文鳥曰く才能があると。
異世界では順調と思いきや不穏な話しを商売相手から聞く。
何故かトランシーバーが大量に欲しいと依頼が来るがアレが近いかもと言われる。
フラグかなw

変わって日本。
最前線近い場所に配置はフラグです!結局巻き込まれる主人公!
敵の策にまんまと引っかかってしまう。あっという間に2人以外が全滅。

ヒロイン戦うが相手との差が明白。まあでもこの子ふつうに強いよね。
自分のスキルを把握して使いこなしてる感はある。水の異能で攻撃防御と多彩。
色々応用効くの良いね。今回は相手が強過ぎただけ。
とにかく早過ぎて攻撃が全く当たらない。ヒロイン倒される。

最初重力系スキルかと思ったらサイコキネシス。ただし使っていたのは仲間の1人。
1人目着物美少女が高速移動、2人目がサイコキネシス、3人目が透明化かな?
この組み合わせはやばいね。初見殺しが過ぎる。
相手に何もさせず完封も可能だからね、

美少女には攻撃が当たらないと思ったら主人公の電撃が頬をかする。

主人公を勧誘する展開。まあ氷と電撃の2つのスキル持ってれば欲しいよねw
引き分けで良いので仲間を返して欲しいと主人公、それに応じる着物美少女。

そして仕事終わって帰り道、謎の美少女がゴミ箱?を漁っていたのだが…。
空中浮遊か重力系か、そして空間移動あるいは異界渡りの2つ以上のスキル持ち?
空に穴を開けその中に消えていった。
何処から来たのかが分からない。主人公が行った異世界か別世界の可能性も考えられるかな。

良いね!強敵着物美少女に謎の美少女!
今期の個人的当たり作品だわコレ。こう言うのでいいんだよw最後まで視聴確定と。


最終話までの感想。
最後観た限り、続きが気になったのは確かなんだけど…。
それでも途中中弛みしたのがね。
商人が捕まって投獄され解放されるまでが長過ぎた。
更に言うなら合法ロリ着物少女?の裏切りの唐突さ。
え?なんでここで裏切るの?ってなった。意味が分からなかった()
マンガ見ればもしかしたら分かるかもだけど。

それとEDのアレは何がしたかったのかが分からない…。
OPは毎回聴いてたけどEDは毎回スキップしてた()

確か2期が決定したので間違いなく観るとは思う。
女の子は可愛かったしね。それだけでも観る価値はある作品かなと。
最後の異世界増えたよwも気になる。

終わり。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

76.6 13 戦闘で異世界なアニメランキング13位
転生したらスライムだった件(第2期) 第2部(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (417)
1773人が棚に入れました
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国
<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは元人間故の「人間への好意」……
しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。
「何を失いたくないのか」を―― ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

けじめの行方

(2021.7.6初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 閑話1話 + 本編全12話(第37話~第48話)

❰第2期 第2部前半(第37-42話)迄視聴して❱
{netabare}
 GEM Partners株式会社がAmazonプライム・ビデオやNetflixなど様々な定額制動画配信サービスを横断して調査した結果(調査期間2021年4月3日~9日、4月10日調査日)、1位『呪術廻戦』2位『進撃の巨人』3位『転スラ』の結果となった。

 さらにその調査期間2021年1月2日~6月25日の結果では『転スラ』は6位になったが相変わらずベスト10入りで大したものだ。(因みにアニメだけでなく世界中のドラマやバラエティーも含んだ上でのランキングで、ベスト20の内日本のアニメが15タイトルを占めた)

 原作の累計発行部数は2021年5月時点で2,500万部突破。二期BD初動売上4,500枚。転スラは今が旬か。円盤売り上げ実績はそこそこ。だが圧倒的な原作売り上げと配信実績から転スラ3期制作の可能性は高いかもしれない。

 転スラのアニメは会話劇ばかりでスカッとしない、と特に2期になってから視聴者の不満の声はネット上でよく見かける。小説と漫画とアニメは違う、アニメはアニメらしく緩急自在に、バトルの見せ場たっぷりでテンポも良く、という意見もよく理解出来る。

 しかし私は転スラではアニメ現状肯定派。残り6話の時点では、会話重視で戦略の面白みが残る原作準拠の現状。これはアニメ3期制作を前提にしていると好意的に捉えている。

 これからテンペストを取り巻く外国勢力はさらに表面化する。軍事力と外交力は車の両輪。戦力だけ目立たせても片手落ち。短期で終わらせず長期シリーズにするなら、外交と安全保障の強みを会話劇でしっかり描く必要があると思う。

 私にとっては本作の物語の顛末は原作既読で既知であり、アニメではキャラのスポットの当て方、声優の演技による新たなキャラの魅力の発見などが楽しみ。2期後半でもそこは健在で魅力的。キャラクターが新鮮に輝き続ける限り、転スラのアニメは原作同様これからも応援し続けたい。
{/netabare}

❰第2期 全24話視聴して❱
{netabare}
 最後には視ている側も自然と笑顔になれるような締めくくりでとても好かった。第2部に関しては、放映前はオール4.0の作品評価からスタートしたが、3話目で一度評価上げて以来、一定以上のクオリティは保たれていて、最後まで変動する事はなかった。

 今期のOP「Like Flames」は、英語歌詞と激し過ぎないオーバードライブしたギターが印象的で、今までの優しさが前面に出ていたOPと違い、ロックビートに程よい緊張感と反骨精神が感じられて今期の物語に相応しく、初回から最終話までとても心地よかった。EDの落ち着きのある曲調の楽曲もじわじわその良さが伝わってきた。

 最終話放映後に、2022年秋に劇場版公開予定の発表あり。劇場版制作発表を9ヶ月の転スラ祭りの後に持ってくるとは、鉄は熱い内に打てとばかりの商業戦略の巧妙さに関心する。

 ただ、それは無いと信じたいが総集編のようなものだけは勘弁して欲しい。1期は2クールで書籍4巻分、2期が2クールで2巻分と原作消化ペースが半分に激減したので、ヒナタとの決着迄は描かれなかった。第1部でヒナタとの激闘が描かれた以上、そこはスッキリしていない。また、ラミリスのテンペスト移住の棚上げも気になる。第48話の最後、”to be continued”とあったこともあり、そこらあたりを補うための劇場版になる可能性は高いと思う。いずれにしてもどんな作品になるのか、今から非常に楽しみだ。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}                (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
★#00『第36.5話 閑話:ヴェルドラ日記2』(6月29日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<総集編 + α>

 第1期第24.5話以来、久しぶりの『ヴェルドラ日記』第2段。平和で長閑な「転スラ日記」、そして抗争の世界の「転スラ2期」の後半の本編スタート直前、転スラ日記最終話の翌週に転スラ2期前半を主にする総集編に当たる今回が放映された。

 2021年1月からスタートした転スラ祭りだが、緩急自在でよく考えられた構成と思えて好印象。今回は基本的に過去の振り返りなので9割以上はバンク映像で構成されているが、若干の新規作画あり。アバンタイトルの40秒、Bパート半ば以降の、ラファエルとヴェルドラたちの会話の約90秒は新規と思われる。

 一部を除き、ほとんどがヴェルドラとイフリートの台詞で構成される今回。脚本家の労力は通常のエピソード時と変わらない。今回の主役となるヴェルドラ役の前野智昭氏はもちろん、イフリート役の八代拓氏にとって有意義で有難いエピソードだろう。特にイフリートは、本編だとまだあるかもわからない3期以降相当のエピソードまで出番ないはずなので、非常に貴重な出番と言えそうだ。

 今回の閑話は脚本上、よく出来ていたと思う。ヴェルドラとイフリートの会話は、約2年ほどリムルの胃袋中に閉じ込められていた二人のしばしの別れの前ということもあり、中々の深みがあった。またイフリートはシズに対する懺悔の台詞もあり、しみじみと味わうことが出来た。
{/netabare}
★#01『第37話 訪れる者たち』(7月6日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 復活した暴風竜ヴェルドラを伴い首都に戻ったリムルは、早速皆に人型になったヴェルドラを紹介。そしてリムルは住民の注目下、ベニマルと一緒にシオンの手料理を食べることに...それは意外にも戦勝の慶びの味わいだった。

 その後、テンペストの危機に盟友として駆け付けた、自由組合ブルムンド支部のギルドマスターのフューズ、武装国家ドワルゴンのガゼル王。そしていきなりの未知の他国の重鎮の訪問。国を代表する彼らは、当然の如くリムルとテンペスト幹部達の会議に参加すると表明。面倒臭い話になりそうな予感。リムルの気苦労は戦時より戦後のこれからが本番になりそうだ。

<うざいほど騒々しいヴェルドラさん、シオン Ver.2、そして裏番長エレン>

 今回は、アニメ36話との整合性とテンポ重視のため相応に原作から改変されている。原作者に遠慮なく脚本家の個性が強く反映されている感があるが、そこに原作者と脚本家との信頼の強さが窺えた。

 アニメは原作小説や漫画と比べて色合いが全く異なった。特に台詞が原作と全く異なることが多いオリジナルな印象で新鮮で楽しかった。個人的には漫画版が一番好きだが、アニメ版も悪くない。何より色鮮やかな画と動きが多少の物足りなさを吹き飛ばしてくれる。

 シオンの料理ネタは個人的にはあまり好きではない。が、今回そこにたっぷり尺を取ったのは良かったと思う。テンペストの平和な日常が戻った象徴であり、一皮剥けたシオンを強調することで、新生テンペストの誕生を暗示するから。

 また、第1部終盤から転スラ日記に掛けて存在感が爆上がりのエレンだったが、今回ついにキャラクターとしての存在感は、テンペスト幹部級にかなり近づいたと思う。
{/netabare}
★#02『第38話 人魔会談』(7月13日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 リムルに敵対する魔王クレイマンの黒幕がユウキと明確化。テンペストが二度と他国に侵攻されないよう、仇なす者たちへのけじめの第一歩スタート。

<あらすじ>

● イングラシア王国、自由組合本部にて。

 自由組合グランドマスターのユウキに、中庸道化連のラプラスは、神聖法皇国ルベリオス(西方聖教会)潜入調査の報告を上げていた。そこにはユウキの秘書カガリも同席。実は彼女は、嘗て魔王レオンによって亡ぼされた魔王カザリームの、ユウキによって復活した姿。カザリームは中庸道化連会長でありラプラスとは200年ぶりの再会だった。どうやら良からぬ陰謀が水面下で進展しているようだ。

● ジュラ・テンペスト連邦国、首都リムルにて。

 ファルムス王国との戦後の対応のため、テンペスト史上初めての人魔会談が行われた。人類国家側は、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、魔導王朝サリオンの代表が参加。そして魔物国家側はテンペストの幹部以外は、獣王国ユーラザニアの幹部らが参加。さらに新生ファルムス王国を担うヨウム達、この度の関係者となったエレンなど、かなりの参加者となった。

 会議開始早々にその場にヴェルドラ参入。その波紋と混乱で休憩の事態に。その休憩の間はリムルの執務室にてリムルとガゼル王、サリオンの全権委任大使エラルドとの実りある三者会談が行われた。

 テンペストは魔王と竜種が共存する世界随一の脅威の国と三か国にバレた。が、ガゼルとエラルドに知られたのは、むしろ最大の幸運。事実を都合良く改竄して、色々と上手く立ち回る知恵を与えてくれることとなった。

 またリムルとラファエルは、状況からヒナタ来襲の黒幕がユウキだと結論付けたのだった。

<優しいだけでは、人も魔物も生きていけない>

 今回、テンペストの明るい未来を暗示するかのように、屋外に用意した会議場がとても美しく見えた。

 最後、ラミリスが一期以来久しぶりの登場。登場の仕方は原作を超えた面白さ。アニメスタッフは、キャラの魅せ方を心得てる。個人的に、ミリムとラミリスは同列で大好きなキャラなので次回が楽しみだ。

 ディアブロ、シオン、ヴェルドラ、リムルによる、ヒナタ絡みのやり取りもアニメならではの演出で楽しかった。

 キャラクターがかなり増えた。EDのキャスト一覧で確認した限りの今回の出演声優は18名。今回は場面では登場してても、ベニマル、ソウエイ、ゲルド、カビル、ハクロウ、ゴブタ他多数は、物語上、台詞不要なので声優の出番は一切ない。脚本上当然だが少々寂しかった。
{/netabare}
★#03『第39話 ラミリスの報せ』(7月20日 23:00 - 23:30)
 音楽以外全ての評価4.0→4.5
{netabare}
<あらすじ>

 その後の会議にて、最重要な懸案の具体的解決策が次々と決定した。リムルの決断にはラファエル以外に、ガゼル王やエラルドと言った為政者の大先輩の叡智が大いに役立った。

 リムルがクレイマンと直接対峙する時は刻々と近づく。この場で友好国への根回しの手間も省け、友好国の後ろ楯の確約も取り付けた。諸外国に対する工作活動内容と役割分担も、間もなくつつがなく決定するだろう。一丸となった前進が始まろうとしていた。

 一方、魔王クレイマンの居城にてクレイマンはラプラスと会談中。そこでクレイマンはリムルを滅ぼすための策謀を語っていた。ラプラスはクレイマンに同意しつつも、クレイマンは誰かに踊らされているのではないか、と違和感を感じる。いずれにせよ、ミューランが存命中なのをクレイマン側の誰も知らない時点で、既に策謀には綻びが生まれていた。

<『第39話 ラミリスの出落ち』>

 前回に引き続き今回も素晴らしい。カット割の工夫、キャラの配置、台詞の掛け合いの組み合わせ、どれもが絶妙。トップ同士の会談は会議同様、一歩間違えれば単調で詰まらなくなる場面。今回も視聴者に会談の多くの決定事項を、飽きずに、なおかつ誤解無く伝える工夫も抜かりない。あっという間の24分だった。

 キャラに相応しい微笑ましいカット。ヨウム等の男気あるシーンも良かったが、居眠りゴブタの和みカットを挟むタイミングの絶妙さが特に印象に残った。今回の21名のキャストを、無駄なく無理なく適材適所で使いこなせてたと思う。

 ラミリスは、アバンタイトルの2分ちょっと、一方的な大言壮語の長台詞の後、勝手に気絶して出番終了。益ある事もなし。ラミリスらしくて愉快愉快。ラミリス役声優のJKギャルっぽい演技が嵌まってる。特にラミリスの"そよ風竜"発言が印象的。ラミリスがどんなにヴェルドラをディスろうと、始終漫画に没入してアウトオブ眼中のヴェルドラもいい味出てた。

 今回のサブタイトル『ラミリスの報せ』はラノベ第6巻第2章と同じタイトルだが、アニメ内容は第1章『人魔会談』の続き。

 つまりラミリスは第2章冒頭の、会議終盤のまとめ段階に会議場に現れるのが原作の流れだが、アニメではラミリスの登場を前倒しした。しかしラミリスは話の最後まで気絶中で、お報せ内容は不明のまま。

 結果として、ラノベや漫画でも味わえない独特の可笑しさが生まれた。アニメ制作者たちはセンスがいい。

 以上から今回、音楽以外の評価を満遍なく上方修正した。
{/netabare}
★#04『第40話 会議は踊る』(7月27日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 ラミリスにより貴重な情報がもたらされた。

 ワルプルギス(魔王達の宴)と言われる十大魔王の会談が3日後に開催されるが、今回はクレイマン発議で、議題は『ジュラの大森林に新たな勢力が誕生しその盟主が魔王を騙った』とし、カリオンの裏切りがその背後にある、とクレイマンが主張するつもりとのこと。

 またクレイマンは配下の魔人たちに軍事行動を命じたとのこと。

 そしてソウエイ達の諜報活動にて、クレイマン配下No.1とされる魔人ヤムザの指揮下、軍勢3万がミリムの領地にて編成中と判明。

 そこからリムルとラファエルは、クレイマンの目的を見極める。

 既にミリムによって王カリオンは亡ぼされ、首都も消滅した獣王国ユーラザニア。その避難民はユーラザニア国内に散らばっている。そこにクレイマンはさらに軍を侵攻させ、その住民全てを生け贄として狩り尽くし、覚醒魔王に進化するつもりだと。

 ファルムス王国の戦後処理は、ヨウムと共にディアブロを派遣することで対処することになった。

 現状は、ユーラザニアの幹部と戦力の半分はテンペスト領内に駐留している。後手には回ったが、駒の配置を抜かり無く調整。テンペストとユーラザニア連合で反撃の時は近づく。

<浴衣柄 心豊かに 鮮やかに 和む主に 惹かれくる友>

 ラミリスのテンペスト移住の野望はいつ達成出来るのだろうか。

 今回、ここしばらく派手なアクションが全くないこともあり、作画も細部に目が行き届いて充実していた感。アニメ独自の高級旅館での和食の晩餐シーンが彩り豊かでとても和む。

 スイカ柄のラミリス始め、リムル、シュナ、ベニマル、ヴェルドラ、トレイニー姉妹の浴衣のデザインセンスが良く皆よく似合ってる。繊細で高級な美味しそうな料理と共に美しいハーモニーを奏でていた。

 大浴場シーンも久しぶりの登場でほっと一息。湯船でラミリスを接待するトレイニー姉妹はアニメ独自で新鮮。

 ヴェルドラやラミリスも巻き込んだクレイマンとの争い。戦闘はこれからだが戦略上はクレイマンは既に詰んでる感。今回は戦勝の前祝いのささやかな宴のようだった。

 私は原作の持ち味を損なわない丁寧さを望む派なので、今期の会議の尺を冗長と捉えるより丁寧で適切と捉える。原作の政治の駆け引きの面白さが必要十分に再現できてるので現状は満足。

 原作のラミリスとシオンの残念描写を適度に拾い上げ、アニメ独自に構成。その政治話の堅苦しさをやわらげる工夫も好印象。

 全体的に視覚においても脚本においても彩り豊かで楽しかった。

 ここまで視聴して制作陣は、アニメは原作よりもテンポ重視で、ということも考慮しつつも、それ以上に累計発行部数2,500万部の読者を裏切らない構成を心掛けていると感じた。
{/netabare}
★#05『第41話 会戦前夜』(8月3日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 食後のひととき、デザートを前にしても楽しんではいられないリムルたち。

 このままではテンペストからだとユーラザニア国内への進軍は間に合わない。しかしその窮地にあって、ラファエルは安全かつ効率的な転送魔法の術式を完成させていた。

 これでクレイマンの裏をかくことができる。リムルにゆとりが生まれた。そこに、シオンの脳筋な発言がヒントで、リムルにワルプルギスの場でクレイマンと直接対峙するアイディアが閃く。

 ラミリスに問うと、リムルのワルプルギス参加は問題なさそうとのこと。そして魔王1名の随行者枠は2名で、シオンとランガがリムルの付き添いに。リムルの味方ラミリスにはベレッタに加え、自ら志願したトレイニーが付き添うことに。

 いよいよクレイマンへの反撃が動きだす。

 会議翌日早朝迄にユーラザニアの住民全てを、テンペストの受け入れ地点へ1人残らず転送して保護する。

 同日の日中、広場にて出撃準備を終えた軍勢一同がリムルの御前に集う。

「「「「「「勝利を御身(リムル様)に!!!」」」」」」

 リムルは、ユーラザニア1万とテンペスト1万の連合軍を、たった一度の転送でユーラザニア国内に送りだす。それは後手から先手に変わった瞬間。戦略上勝利は目に見えていた。

 クレイマン軍を待ち受けるのは、かよわい民草たちから、したたかな軍勢に化けたのだ。

<先手必勝の夜明け>

 ラファエルのアニメ解説は相変わらず解り易くていい。

 勝利を確信する総勢2万の軍が一同に揃った様が壮観。色彩豊かな画で、これは視覚的に原作では絶対味わえない醍醐味。勝利の予感にとてもワクワクした。

 次回、重要な新キャラの登場は間違い無いだろう。ベテランの石田彰氏他、新キャストがどんな演技で魅せてくれるか楽しみ。
{/netabare}
★#06『第42話 魔王たち』(8月10日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 新キャラに心踊り、ミリムの行動の謎の一部が明かされる重要回。特に、ギィ(cv石田彰)、ヴェルザード(cv井口裕香)、レオン(cv福山潤)の共演が見所。豪華キャストの演技は見応えあってとてもよかった。

<あらすじ>

● 魔王クレイマンの居城にて

 クレイマンはユーラザニア侵攻中の軍総指揮官ヤムザから、ユーラザニア国内に殺害対象の住民が一人も見つからないとの報告を受ける。暴風竜ヴェルドラの復活の噂もクレイマンの耳に入った。しかし頭の中はワルプルギスのことで頭が一杯のクレイマン。情報に対する冷静な分析を欠く。本来用心深いはずの彼だが、過信により己が策に酔いしれ既に勝った気でいた。

● 数ヶ月前の魔王"天空女王"フレイの居城にて

 仲のいい魔王ミリムがマブダチのリムルからのプレゼントを自慢しにフレイの居室に突然来訪。そこでクレイマンに借りがあるフレイは、クレイマンから預かったネックレスをプレゼントとだと偽りミリムに装着した。そのネックレスは支配の宝珠でそれを首に掛けた途端に禁呪法が発動、ミリムはクレイマンの操り人形になった。しかしフレイは何故かミリムでなくクレイマンを憐れむ。

● 最強最古の魔王"暗黒皇帝"ギィ・クリムゾンとその相棒の白氷竜ヴェルザードの居城"白氷宮"にて

 呼び出しを受けた魔王"白金の剣王"レオン・クロムウェルが来訪。ギィはレオンをワルプルギスに誘うがレオンは既に参加を決めていた。そこで話し合う様々なこと。特にレオンから初めて聞かされたヴェルドラ復活の情報は、ヴェルドラの姉であるヴェルザードには非常に関心高く、普段は魔王間のことには無関心なのに珍しく二人の会話に彼女も加わる。

 話し合いの中で存在感の増すリムル。ワルプルギスはクレイマンの発議以上に、リムルの参加の方がギィ達には興味深いものとなった。

<魔王リムルに暴風竜あれば、魔王ギィには白氷竜あり>

 リムルとヴェルドラも強いが上には上がいる。主人公の強さはチートのようでも勝ち目のない存在がミリム含めまだまだいるということ。それもまた転スラの魅力。

 転スラは、キャラの関係性と対立が生み出す政治戦略ドラマも見所で、特に今期で描かれる部分の原作は会話劇が主で戦闘は従。1期のテンペストがまだ少国だった頃とは訳が違う。特に今期の2部は残りも戦闘には期待しない方が無難だろう。

 ワルプルギスなど今後に必要な会話はまだたっぷりあるはず。戦闘も既に大方は気付いてる通り結果は始めから見えている。嫌な奴ざまあな快感はあれど、スリリングな見せ場はおそらくない。

 ここまでは思った以上に原作通り。下手にアニメで原作を大幅に改変して、アクション重視でその分会話を省略するなんてつまらない。この調子で最後までいって欲しい。

 今回は、ラノベ第6巻の丁度真ん中、第3章『会戦前夜』と第4章『因縁の地』の間に位置する幕間『魔王達』を基に構成された。

 前回のアニメのサブタイトルは『会戦前夜』、そして今回のサブタイトル『魔王たち』と、大まかでもラノベ原作通りの流れなのは興味深い。

 今回、細部は改変あるものの場面展開は幕間と全く一緒だった。これで第1期はコミックからが主にだったが、今期、特に後半は主にラノベからアニメ化されてるのがよく分かる。アニメは今期内でコミックの内容を追い抜くであろうから、ラノベを基本に構成するのは当然の流れか。

 転スラのアニメは、今までは始めから中盤までは割と原作に忠実でゆっくりでも、終盤でいきなり飛ばす傾向があった。ゆえに残り6話で原作のどこまでアニメ化するのかは予想出来そうで出来ない。今は3期に繋がるいい終わり方をしてもらいたいと祈るのみだ。
{/netabare}
★#07『第43話 開宴の合図』(8月17日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 初めての戦闘回で幕開けの2部後半。OP映像が一部改定。テンペスト幹部達のカットと魔王達のカットなど一部差し替えられた。ラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容スタート。コミックでは第17巻が終わり、2021年7月8日に発売されたばかりの最新刊第18巻の内容に突入。

<あらすじ>

 リムルはワルプルギス参加の準備中。ラミリスの従者となるトレイニーに世界中自由に活動できるように体を与えた。

 ソウエイとハクロウはリムルに新たな進言を。ワルプルギス参加で主不在中のクレイマン城は攻略に最高の機会だと。結果、攻略はシュナも志願し3名で赴くことに。

 まさかのシュナの参戦に戸惑うリムルは笑顔固まる。

 その夜、ベニマルを総大将とするテンペスト軍の快進撃が始まった。

<巫(かんなぎ)シュナはある意味最強か>

 肉体と精神が極限まで追い込まれる戦争。戦場で明確に浮き彫りなるキャラたちの魂の本質が戦い方に現れる。

 戦争の勝敗を分けるその本質。王らしく泰然自若なリムル。大将らしく冷静沈着なベニマル。縁の下の力持ちらしい真面目で質実剛健なゲルド。天才だがヘタレのゴブタ。いかにも卑怯者らしいクレイマン軍のラムザ。戦闘ジャンキーその他大勢。

 しかし今回最も意外なのはシュナ。満面の笑顔に勝利の女神感漂う。怒るほどにおっとり笑顔の輝くシュナ。彼女ある限りテンペストは不敗なのではと考えてしまった。

 それは強運をもたらすという意味で。運も実力の内ではなく運こそ実力。シュナは将来結婚すれば、表面上は旦那を立てるだろうが、本質的にはかかあ天下になりそう。そしてその笑顔ある限り、旦那はいつも元気で嫁ぎ先の一族の繁栄は約束されそう。妻の明るい家庭は旦那が暗くても繁栄するという。その逆で妻が暗いと旦那の明暗関わりなく衰運を招くとも。よく言われる"勝利の女神が微笑む"とは、テンペストでは"シュナの笑顔が絶えない"ということと同義かもしれない。

<天然ゴブタはある意味最強か>

 原作によれば、ゴブタの辞書の"正々堂々"とは、敵に求めるものであり自分が守るものではない、とのこと。コミックリリーフの一翼を担うガビルも変わり身の達人のゴブタのコミックぶりには敵わない。格好良く登場してすぐにヘタレるゴブタ。ゴブタらしくて可笑しい。緊張感をぶち壊す相変わらず憎めないキャラだ。今回のゴブタ登場シーンは、漫画版は簡略されてるがアニメはラノベに忠実で漫画よりアニメの方が笑えた。
{/netabare}
★#08『第44話 因縁の地で』(8月24日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 原作通りで丁寧。前回にひき続きラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容。コミックでは18巻の第80話『大妖の再来』と第81話の前半の一部相当。今回はアバンタイトル抜き。クレイマン軍との戦場での三つの戦闘描写のみで、この場に居ないリムルやクレイマン他は出番一切無し。

<あらすじ>

 クレイマン軍との戦いは大詰めを迎えていた。固有スキルにより戦場全体を俯瞰出来る指揮官ベニマルは、敵の中でもやっかいそうな強者に幹部たちをピンポイントでぶつけたがそれも決着に近づく。

 アルビスとゴブタvs敵指揮官ヤムザ、ゲルドとフォビオvs中庸道化連フットマンとティア、スフィアとガビルvs竜を祀る民たち。

 一番の危機的状況はヤムザがやっかいな災害級の存在に変異したこと。だがベニマル介入により事なきを得る。リムルに連なる者は、等しくリムルが魔王に進化した恩恵を実感する。手痛い敗北もあったが味方の命は落とさず。ヤムザを討ち取り最終的には戦争は大勝利。獣王国の戦士たちにも有意義な戦いだった。

<踊る道化師ティアはある意味最強か>

 前回はゴブタがシリアスブレイカーだったが、今回のシリアスブレイカーであり、全体的にも存在感においてMVPキャラだったのはティア(cv本渡楓)。アニメの絶妙な動きと声によって原作では味わえないキャラ立ちがあった。緊張感ゼロのおふざけ言動がユニークで異彩を放つ。フットマンも同類だがティア程の存在感は無かった。今回登場のキャラはバトルジャンキーがほとんどで尚更ティアが光った。話の流れと台詞のほとんどが原作通りでも、アニメでの動きと声の演技は新鮮な発見があって面白い。

 次に、ミリムを崇めている竜を祀る民最強の神官長ミッドレイ。コミックでも魅力あったがアニメでもなかなかの存在感だった。

 転スラは毎回キャラが多いため声優たちの競演が楽しい。次回は新キャラがまたもや登場するよう。どんな演技かとても楽しみだ。
{/netabare}
★#09『第45話 示指のアダルマン』(8月31日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 またしても新キャラに主役級声優複数採用。今回は死霊の王アダルマン(cv杉田智和)と”眠る支配者”魔王ディーノ(cv小林裕介)。今回はアバンタイトルたっぷりでEDは抜き。シュナの活躍と魔王集合の件、なかなか見応えあった。

<あらすじ>

 テンペストのリムルの執務室にて待機中だったリムル、シオン、ランガ。そしてラミリス、トレイニー、ベレッタ。そこに突如現れる転移門。迎えに現れたのは魔王ギィ・クリムゾンのメイドである原初の悪魔の一人ミザリー。彼らは門に繋がった先のワルプルギス会場に向かう。

 一方シュナは、ハクロウとソウエイと共にクレイマンの城の攻略に向かう。その途上に立ちふさがるのは、死霊の王アダルマンとその配下たち。配下たちの魂は主アダルマンの中にあり、アダルマンを滅しない限り何度倒して配下はすぐに復活してしまう。そこでシュナは、ハクロウとソウエイに配下の足止めを任せる。そしてシュナ単独でアダルマンに立ち向かうことになった。

 シュナはアダルマンの全ての攻撃を全て防ぎ圧勝した。しかし、シュナの判断により彼は消滅を免れる。実はアダルマンは束縛されてクレイマンの命令に従わざるを得なかっただけ。その結果、彼は拠点防衛機構としての兵器だった存在から解き放たれ自由の身になった。

 以後は自分を自由にしてくたれシュナに敬服し恭順する。しかも彼はリムルとの謁見を望み、敬う以上の信仰対象としてリムルに仕えたいという。なんとも想像の斜め上の展開。ディアブロと同類のアダルマンにシュナは苦笑せざるを得なかった。

 リムル達が到着した時、会場にいたのはギィのみ。そして続々と到着する魔王達。ミリムとラミリス以外は初対面。とりあえず、リムルとラファエルは魔王達の魔素量(エネルギー)を推し量ることで今後に備えるのだった。

<粉骨砕身して仕えてくれそうな配下ゲット>

 ハクロウやソウエイの強さも霞むほどのシュナ。たまたま敵との相性が良かったのかもしれないが、いつもの女性らしい姿からは想像出来ない肝の据わった強さ。原作読んでて流れ知っててもアニメの演出に惚れ惚れする。腕力を一切使わないスマートで美しい攻撃。リムルと共に進化した巫女姫の格の違いをアニメで一層堪能出来た。

 そしてアダルマンの配役を杉田氏にするとは面白い。アダルマンはその服従の暑苦しさが可笑しさを醸し出すタイプ。今回もその片鱗が伺えたが、アニメに来期あるなら杉田氏の演技の妙味を一層楽しめそう。

 クレイマンに向けるリムルの"楽に死ねると思うなよ"の今回の表情、コミックを基に作画されたよう。いつものリムルと違うギャップが効いててなかなか格好いい。

 次回は魔王オールキャストによる競演劇が楽しめそうだ。
{/netabare}
★#10『第46話 魔王達の宴(ワルプルギス)』(9月7日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 今回はOP抜きのたっぷり尺。原作では味わえないダイナミズム濃厚回。

<あらすじ>

 クレイマンの弁論からワルプルギスが始まった。それを黙って聴く魔王たちと従者たち。彼の虚偽の主張にはリムルは心底呆れ、怒りのボルテージはますます高まった。

 次にリムルの反論が始まったが、リムルは完全にクレイマンを論破。そもそも主張だけで証拠もないのに持論を押し通すクレイマンに他の魔王の誰も賛同する者なし。

 その後、リムル、シオン、ランガは、クレイマンとその配下2名との3対3の戦いでクレイマンを叩き潰すつもりだった。だがクレイマンは、自分たちが戦うより先に精神支配しているミリムをリムルにぶつける。

 3対4でも不利なのに規格外の強さのミリム参戦で焦るリムル。ギィは戦いの場に結界を張った。他の魔王もラミリス以外は彼らの戦闘に不介入で傍観するのみ。そのためリムルはぎりぎりの攻防で戦闘は膠着状態に。

 しかしその渦中、結界内に現れた仲間が二名あり。一方はラミリスの命によってベレッタ参戦で大歓迎。もう一方は、この場では本来歓迎できないのだが、来ちゃたものはしょうがないと諦めるしかないリムルだった。

<魔王認定試験はバトルで>

 声優演技とバトル作画のマッチングが素晴らしく、今のところ第2期全体の中で一番スカッとして面白かった。場面での登場キャラは多いが、声をあてるキャラは厳選の上で最小限にしたよう。そしてバトル演出に見所たっぷりだったことが功を奏した感。最後の引きは可笑しさも加味されてて巧い。

 今回の声優の出演者の中でも、特にリムルの岡崎美保の演技が見事に嵌まって格好いい。まだ20代前半の彼女だが、一期の頃より確実にリムルとの一体感が増して役になりきってる感。子安武人の演じるクレイマンのゲスぶりはさすが。巨人族の"大地の怒り"魔王ダグリュールに小山力也とは出番少なく贅沢だがいいチョイス。ギィの石田彰もベテランらしく場面を引き締めてくれた。

 転スラのアニメは、一期のハクロウの大塚芳忠から始まり今回に至るまで、キャラの年代に相応しいキャリア豊富な声優を要所要所でキャスティングしてくれるので、視てて非常に安心感がある。次回も楽しみだ。
{/netabare}
★#11『第47話 起死回生』(9月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 結界内に突如現れたヴェルドラ。タイミング良くリムルの代わりにミリムにぶん殴られ、リムルのピンチを救う。以降、ミリムの相手はヴェルドラが担当。

 その後、ベレッタはクレイマンの操り人形のヴィオーラを解体。シオンはクレイマンの反撃を全て無効化してクレイマンをボコボコに、いつの間にか誰が勝者か確定していた。そして、ランガに任せたキツネの魔物ナインヘッドは、リムルがクレイマンの支配の呪縛を解くことで解放した結果、リムルに懐く始末。

 ミリムを暴走させてその場の全員を抹殺させようとしても、そんな命令は無視されるクレイマン。もはや勝ち目のないのは明らかで、彼の必死の悪足掻きに周りの目はますます冷えきっていく。
 
<クレイマンの油断と傲慢、それは後悔と悪足掻きへ>

 コメディ演出、特にBGMが少々大袈裟でいまいちだったが、最後3分位からのクレイマンのしみじみとした回想が話を引き締めて全体のバランスが良かった。ラファエルの嘆息も話のいいアクセントになってた。

 憐れクレイマン。一方的にやられっ放しで、弱い者いじめ感があって少し可哀想だった。しかしどんなに追い詰められても仲間を売らぬ矜持は立派だ。
{/netabare}
★#12 (第2期第2部 終)『第48話 八星魔王(オクタグラム)』(9月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 思った以上に原作に忠実で、丁寧に描かれて2期の終わりを迎えた。1期の半分のスローペース。なんと第2期第2部は全12話で書籍第6巻『八星輝翔編』の一冊の内容のみで終了した。

<あらすじ>

 ミリムは演技でクレイマンの支配下にあったことが判明。カリオンも存命だった。フレイもミリムの状況を察しクレイマンに従ったふりをしていただけ。

 結果、誰一人味方するものなきクレイマンはリムルによって完全に消滅した。

 そしてヴェルドラとミリムは、リムルとマブダチだということも全ての魔王に知れ渡り、リムルの魔王としての立場はもはや不動に。

 そのリムルの新参魔王の初仕事は、10+1-3=8名になった魔王たちの呼称の命名。そして誕生した名は、八星魔王(オクタグラム)。リムルはその一員として以降、"新星(ニュービー)"の二つ名で呼ばれることとなった。

 そして、ワルプルギスからテンペストに戻ったリムルたち。そこには住民たちの笑顔が満ち溢れていた。

<俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである>

 以下にある通り、アニメは一期と二期で同じようなリムルのモノローグの台詞で話を締めくくった。この脚本のセンスは素晴らしいと思う。

 どんなことがあってもリムルたちは変わらない。どれだけ強くなろうが自分は所詮、一匹のスライムにすぎないんだと語るリムル。

 どんなに己自身が強くなっても、配下も進化し軍事面、経済面で国力が上がっても、増長すること無く、国作りの原点を忘れていない為政者であれば、徳高くして国はますます発展する。

 国を愛する=国民を深く慈しむ。そんな王である主人公。配下が常に"さすリム"なのは当然と言えよう。そこがブレないから、話がワンパターンになっても転スラは愛され、原作もアニメも売れ続けるのだと思う。このワンパターンであっても少しずつ進化してる台詞が、3期の最後でまた聴けることを願いたい。視聴者の中には、本作のワンパターンを馬鹿にする向きもあるが、普遍的な本質がそこにある以上、ワンパターン上等である。アニメがどこまで続くかはわからない。出来れば原作の結末まで描いて欲しいものだ。

第23話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった男は、通り魔に刺されて死亡し、異世界に転生を果たした。暴風竜ヴェルドラ、そして一人の女性の想いと姿を受け継ぎ、幾度もの危機を乗り越え、様々な種族の魔物をまとめて、国を作り、子供たちを救った。その名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"

第48話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった俺は、通り魔に刺されてスライムとして異世界に転生し、魔物たちの国を作った。(しばしの間)...仲間を救い、敵を倒し、遂にはオクタグラム、8人の魔王の一人となった。俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

横綱相撲

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
説明不要のビックタイトルの、本編としては4クール目。

まあ、世間的はあまり人気でない展開かなと思いつつ、個人的にはかなり好きでした。レビューでは、その理由と、今後期待することを。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤からかなり長々と会議をやってて退屈だという意見もあるだろうけど、うちの会社の会議に比べればだいぶ面白い(笑)

というのは事実だけど冗談として、私はあれを「横綱相撲」だなと思った。たかだかこの程度の退屈さでは人気が揺るがないという自信があるからこそ、丁寧に原作を消費できるんだろうな。あんな会議、その気になれば1話にスッキリと収められるでしょ。

私は「建国モノ」と「戦記モノ」が大好きです。その両方の要素がある本作が楽しくないわけありません。

「建国モノ」で好きなのは、仲間や施設が充実していく過程。これ多分、ガキの時に「幻想水滸伝」をやりまくっていたせいです(笑)

転スラ、特に本作の中盤~後半はサブキャラ達のバトルが見られて楽しかった。個人的には、ベニマルとゲルドが好き。ゲルドは「転スラ日記」で特に好きになったキャラ。私の場合、ラブコメもサブヒロイン萌えだし、バトルも副将燃え(四天王とか好き)なんで、サブキャラが魅力的なのは大事です(笑)

「戦記モノ」で好きなのは、世界地図を大きく見ていくような展開。「戦術」ではなく「戦略」の話。これはまあ、「銀河英雄伝説」の影響が大きい。4話目の国家間の思惑も良かったし、最終話でミリムに2ヶ国が従属するのも熱かった。

あとはまあ、「英雄譚」も好き。当然「ロードス島戦記」の影響がでかい。リムルはどんどん出世するけど、「英雄」とは少し違う感じ。むしろ怒っていたり残忍になったりする時の方が魅力的に感じる。3クール目の後半からの(魔王になった)リムルは好きです。どうせチートなら、初期の頃のようなヘナチョコじゃなく、スッキリ最強でいてくれた方が好み。

個人的には、この作品の分水嶺になるのは、オクタグラム内のパワーバランスだと思います。

現状、リムル・ギィ・ミリムが、個人としても勢力としても三強で、どうせリムルが最強になるんでしょうけど、これが、「リムル 対 残りのオクタグラム全員」でもリムル(ジュラ・テンペスト連邦国)が勝つようだと、もう魅力がなくなると思います。誰が味方につくか敵につかでどんどんパワーバランスが変わってくる展開なら、まだまだ楽しめそうです。

次は劇場版ですか。この作品とは、長く付き合っていきたいので、本作のようなスローな展開でも、個人的には歓迎できます。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
アルティメットスキルが4つて、どんだけ強いんだよ(苦笑) 1つでもあれば、魔王クラスという解釈で良いんだよな? ベルドラ、明るいキャラで目立つな。ユニークスキル、料理人。個性を失ってないか? まずはワクワク感があるスタート。

2話目 ☆3
会議。かなり地味な展開も、自信の現れか。

3話目 ☆3
会議だけで2話またぐなんて、珍しいアニメだよな。

4話目 ☆4
そうそう、私が好きなのはこういう大きな話なんだよね。

5話目 ☆3
軍隊丸ごと転送はエゲツナイな。

6話目 ☆4
戦力の充実と分散。まあ、基本だな。これだけテンポ落として成立するのが凄いよな。

7話目 ☆4
バトル始まるとやっぱり面白いね。

8話目 ☆4
日常系? シュナ、強ぇな。もっとじっくり見たい相手、バトルだったな。アンデットが仲間になりたそうにこちらを見ている(笑) キャラ変わりすぎだろ(笑) 怒るリムル、良いね。

9話目 ☆4


10話目 ☆


11話目 ☆4
サザンアイズ(笑) CAPCOMに怒られるぞ(笑) ミリム、操られていなかったか。魔王という役目。カザリームが黒幕。クレイマンも、死に際にキャラが立ったな。あくまで利己的に、どこまでも純粋に。

12話目 ☆4
クレイマン、見せ場なくだな。一匹狼だったミリムの配下が増強され、国を持つか。胸熱の展開。魔王、、、モドキとはいえ、1の配下が瞬殺か。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「魔王」がいっぱい(笑)!→ 劇場版決定おめでとうございます!

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追加あり。] ==
『転生したらスライムだった件』1期目(2クール)+ 2期目前半クールの続きです。ここまでの本編を観ていないと、お話し的にはさっぱり意味不明なはずです。スピンオフの「転スラ日記」を観ていなくても大丈夫ですが、本編を観ていない人はとりあえずさようなら…。



主人公のリムルはネタ的にモンスターとして最弱クラスの例に挙げられがちな「スライム」に転生していますが、本作開始時点ではスライムなのは完全にネタで、作中でもリムルが最強というわけではないにしろかなり強いです。

1期目でのゴブリンの集落の拡大から周辺の魔物たちを取りまとめての「ジュラ・テンペスト連邦国」の設立やいくつかの既存国家との国交樹立、2期目前半クールでの首都リムルおよび街道の整備などの勢力拡大に伴うファルムス王国との摩擦からの開戦を経て、本作はその戦争の後始末から始まります。

ここまでのお話で作中世界には「魔王」と呼ばれる存在が複数いて、リムルと直接面識があるのがラミリス、ミリム、カリオンの三名、名前を知っているのがシズさんの一件で名を聞いているレオンと直接敵対しているクレイマンの二名、そして別途作中で名前が出ていたフレイの六名が出てきています。

他にも「魔王」がいるらしいのですが、それらは一体何者なのか…?


……ということでちょっと気になったので、今だと「ピッコマ」でアニメ化部分以降も含めて結構原作を読むことができるので、2期目前半クール終盤くらいのところから何となく読み始めてしまったのですがこれが面白くて、たぶん今期アニメ化される以降まで読んでしまっています。

転スラは確かにバトル要素もあるんですが、今期のように(世間では不評との噂も聞く)バトルしていない時期の方が、個人的には好きだったりします。ということで、なかなか話が進まないとじれている向きもあるかとは思いますが、私はけっこう毎週楽しみに観ています。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.9.22追記:
第12話(最終話)まで視聴終了しました。

当初レビューで書いた通り、現存の魔王達が勢揃いする形でキリ良く終わりましたね。クレイマンの「小物界の大物」感が素晴らしかったですね。仲間たちとの回想で盛り上げるのはズルい(笑)。まるで、主人公のようだ…。

魔王であることは絶対的な強さの指標ではなく、魔王という地位なのだということが印象付けられるこのクールでしたね。

劇場版は普通にここまでのストーリーの続きとして制作するなら「聖魔対立編」+α的な内容になるのでしょうかね?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32

64.9 14 戦闘で異世界なアニメランキング14位
Fairy gone フェアリーゴーン 第2クール(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (124)
476人が棚に入れました
かつて妖精は、“兵器”だった―。 この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。 妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現 させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士た ち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役 目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものは テロリストに。それぞれの生きる道を選択する。 戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮 圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。 未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、 復讐のためテロを起こす。 これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う 『妖精兵』たちの物語―。

声優・キャラクター
市ノ瀬加那、前野智昭、福原綾香、細谷佳正
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あれれれれ?

分割2クールの第2期。最終話まで視聴。

第1期は、物語の『起・承』に当たるため、正直、ついて行くのが大変だった。
味方と敵の構図が少々複雑だったのが原因だったと思う。

第2期になって、敵の数が徐々に減ってくると、敵味方の構図はシンプルになってくる。
物語は一気に分かりやすくなるけど・・・。

あれれれれ?その1
{netabare}ビター・スウィート・・・。いつの間にかフェイドアウトしちゃったなぁ?{/netabare}

いよいよ真の敵が明らかになって・・・。

あれれれれ?その2
{netabare}ウルフランとヴェロニカ・・・。簡単に心変わりしたなぁ・・・。
今までのゴタゴタは一体?{/netabare}

こんな感じで、終盤まではとても楽しく視聴していたんですけど、最終盤が少々残念。

あれれれれ?番外編
{netabare}妖精武器って意味ありました?{/netabare}

期待が大きかった分、少々着地が残念な作品だった。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

過去に抗い、未来を掴め。それぞれの正義を胸に

言わずもがなですが、本作品は「Fairy gone フェアリーゴーン」の続編になります。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

クロムクロ、天狼 Sirius the Jaegerに続くP.A.WORKSさん3作目のハードタッチなアクション系の作品です。

P.A.WORKSさんというと、「Angel Beats!」や「Charlotte」のような学園モノ、或いは「花咲くいろは」、「SHIROBAKO」や「サクラクエスト」のような働く女の子シリーズ、「凪のあすから」や「色づく世界の明日から」の様な「P.A.WORKSらしさ」を前面に押し出したオリジナル作品が有名ですが、個人的にはアクション系の作品も相当好みです。

加えて、音楽を「灰と幻想のグリムガル」も担当した(K)NoW_NAMEさんが手掛けられる、ということもあって、気合いを入れて1期の視聴に臨んだのを覚えています。
唯一、難を挙げるなら敵味方が区別しにくい、ということくらいだったでしょうか。
物語の核心に迫る2期…黒幕は誰なのか、途切れることの無くレイ・ドーンへの復讐心を燃やすヴェロニカ・ソーンの本懐は遂げられたのか、そもそも同郷のマーリヤとの繋がりはどうなったのか、この他にも見どころが山ほどありました。

私が一番気になっていたのは、やはりマーリヤとヴェロニカが故郷で暮らしていた時の様な仲を取り戻せるかでした。
故郷で「災いの子」と呼ばれたマーリヤは、「幸いの子」と呼ばれたヴェロニカと姉妹の様に暮らしてきたんです。
その記憶はマーリヤにとっての心の支えでしたし、ヴェロニカにとっても眩しい記憶となっていた筈です。
そもそも、故郷が焼き払われたりしなければ、二人は離れ離れにはならなかったし、ヴェロニカがレイ・ドーンを憎むことなんて無かった。

それなら、何故レイ・ドーンは村を焼き払ったりなんかしたんでしょう…
その場所は二人の故郷であると同時にレイ・ドーンの故郷でもあるというのに…

でも、もし全てを承知で背負う覚悟の上での行いだとしたら…?
もちろん、当時幼かったマーリヤとヴェロニカは知る由もありません。

ここで生まれるのが心の中での矛盾めいた葛藤です。

生存競争、弱肉強食と世の中に順番を付けるための競争はきっと決して無くなることはないでしょう。
私たちの身近なところでも、スポーツ、コンクール、入試や就職などは最たる例だと思います。
これらは結果に対する個人の感情は別にすると、適正で公平なルールの上で成り立っているものです。
だけど、戦争ともなると話は別です。
どうして人は妖精を戦争の道具にしたんでしょう…
本来妖精は人を殺める存在では無いんです。
妖精を戦争の道具にさえしなければ、村を焼かれることも妖精の悲鳴を人が聴くことも無かったのに…

結局妖精は、戦争の道具以上の厄災を人びとに振りまくことになりました。
でも、それは妖精が悪いんじゃありません。
自分勝手に、自分の都合の良いように妖精を弄んだ人間の愚行の産物でしたから…

最終話におけるヴェロニカの咄嗟の判断はきっと正しかったのでしょう。
だけど見たかったのはマーリヤの大粒の涙じゃなかったんだけどな…
どうして人間って過ちを犯したり、大切なモノを失わないと気付けない生き物なんだろう…
これはこの物語に限ったことではありません。
心の強さを試されている様な気がします。
自分の弱さに流されない自分で有り続けたいと改めて思いました。

オープニングテーマは、「STILL STANDING」
エンディングテーマは、「Ash-like Snow」
どちらも(K)NoW_NAMEさんの楽曲です。

後半1クール12話で、全2クール24話の物語でした。
全般的に暗めで、P.A.WORKSさんお得意の華やかさとは少し縁遠い作品でしたが、全体的なクオリティが高いので、腰を据えてじっくり堪能できる作品だったと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

私達は誰の声を聞けばよいのか

序盤 うむぅ

中盤 おぅ

終盤 まぁそうなるかな

この話は一期の続き
ジャンルは戦争・バトル・妖精・ファンタジー
まぁ一期と同じです。しかしまぁ終盤はちょっとびっくりしました。終盤で一気に畳みかけてきたという印象です。
内容です。序盤は一期の終盤とつながっているので掴みは良く、中盤は戦闘が少なかった気がします。一期のほうが戦闘は多いですね。中盤は戦争のジャンルが強く、マーリヤちゃんではなくドルテアとしての話です。終盤は「ドルテアに所属するマーリヤちゃん」が主人公です。一期と比べると正直面白みというか、なんというかが減っているような気がします。
ベロニカちゃんについてやウルフランについて葛藤し乗り越えようとする姿勢は好きです。しかしそれに対する自分の意見が話が終わった現時点でもはっきりしません。
さてウルフランの考えは面白いですね。{netabare}戦いをなんのために行うのか。戦ったところで何が残るのか。ウルフランは何も残らないと言いました。そう何も残らないのです。何も残らないから彼は戦った。面白いですよね。彼の心にも世界にも何も残らないんですから{/netabare}

スタッフは一期と同じですね
監督は鈴木健一さん。
シリーズ構成は十文字青さん。
キャラデザは清水貴子さん。
劇伴は(K)NoW_NAMEさん。
アニメ制作はP.A.WORKSさん。

作画は一期に続き丁寧な印象です。戦闘シーンが減ったとはいえ細かい動きも多かったです
opは(K)NoW_NAMEさんの「STILL STANDING」
edも(K)NoW_NAMEさんの「Stay Gold」
声優さんも引き続き良かったです

総合評価 まぁ一期の方が良かったかな

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

66.8 15 戦闘で異世界なアニメランキング15位
治癒魔法の間違った使い方(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (130)
404人が棚に入れました
平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。 気づくと、そこは異世界。 3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる『勇者』として召喚された……はずが、勇者の適性を持っていたのはスズネとカズキのみ。 ウサトは巻き込まれただけだった! しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性があることが判ると事態は一変。 救命団団長を名乗るローズが現れ、ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。 そこでウサトを待っていたのは、想像を超える地獄の訓練の日々だった――!

声優・キャラクター
ウサト:坂田将吾
スズネ:七瀬彩夏
カズキ:高梨謙吾
アマコ:会沢紗弥
ローズ:田中敦子
ブルリン:渡辺明乃
オルガ:中村源太
ウルル:青山吉能
トング:伊藤健太郎
ミル:堀井茶渡
アレク:奈良徹
ゴムル:堀総士郎
グルド:藤井隼
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

超体育会系な特訓で強くなっていく主人公が面白いかも

異世界に召喚されてしまったウサト、カズキ、スズネ3人の高校生。
しかし勇者として召喚されたのは2人だけで、一般人のウサトは何もないと思われたが・・で始まる物語。

結構な数の「異世界もの」が毎期配信・放送されてて、目を引くような設定やお話でない限りスルーすることが多くなってきました。
そんな中、面白い作品ももちろんあるわけで、この作品も皆様のあにこれレビューを見なかったら完全にスルーしてたと思います。いつもありがとうございます。

〇この作品の面白いと思ったところ
 主人公が弱くて、訓練を受けながら強くなっていくところ
 コンプラ無視な超体育会系な特訓
 召喚された国の王様はじめ、みんないい人なところ

 最初から俺TUEEEEな感じよりも、頑張って努力しているところのほうが感情移入できます。
 超体育会系なところは賛否あると思いますが、私はコメディとして楽しめました。
 こういう異世界もので王様があんなにいい人って珍しい気がします。
 
{netabare} 魔族に対抗するために各国に書状を渡す旅に出た{/netabare}ところで1期は終わりました。
最後のほうでこれから登場するキャラたちがいっぱい紹介されてましたけど、もうこれは2期発表と思ってもいいのでしょうか。。

〇スズネについて
 現世界にいた頃は殻をかぶっていたけど、実は異世界ファンタジーに憧れているちょっと面白い女の子なんですよね。
 彼女の絵がメインのEDですけど、最後の一枚絵と曲調の感じから、彼女に何か悪いことがあるんじゃ?ってずっと思ってましたw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

先輩が癒やし(*´д`*)

2024/04/23 初投稿

とにかく先輩の癒やしパワーがすごかったです!
先輩が登場するたびに癒やされましたw

あとはコロンブスの卵的な基本設定が秀逸でした!
回復系の魔法というと怪我や状態異常を治したり、死者を蘇生したりというのが今までのお約束でした。

本作品では体を鍛える
治癒魔法で回復しながらひたすら鍛える
という「間違った」使い方をしています。

筋肉は酷使すると筋繊維が断裂し
それが回復するときの超回復によって、発達すると何かで読みました。
治癒魔法で体力を回復しつつ超回復で筋肉を発達させる
疲労という限界を超え
超回復が起こる時間的制約も治癒魔法で瞬時に解決して
ひたすら人類が到底到達できない高みを目指す

でたらめですが、なんとなく科学的にあり得るような変な説得力があります。
この、「なんとなく科学的にあり得るような変な説得力」って作品にとって非常に重要だと思います。
何か納得して没入してしまいます。よくよく考えれば治癒魔法ってどんな理屈?とか脇に置いておかれている部分はもちろんあるのですが、意識させない説得力がありました。

攻撃を反射する鎧へ対抗できた理屈はまあどうでもいい感じでしたw

本音を言えば余り期待していなかったのですが、先輩の存在と設定の妙、そこそこ面白かったストーリーで割と高評価です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

リタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

声が素晴らしい

一番インパクトがあるのはなんといっても田中敦子さんの声。

主人公にとって大事な存在であり、団長の女性。
鬼教官、メスゴリラ、悪魔、などなど地獄のような愛称がなぜか沢山浮かぶ。

今回のアニメでさらにパンチの効いた心の奥底に響くような
唯一無二の声が本当に素晴らしかった。
ただ単に恐怖を与えるようなものではなく、厳しさの中にも少し見え隠れする優しさなんかもすっごく表現されていてため息が出る。

主人公の頼りなさ全開の一話から、地獄を味わう事で徐々に強さと自信を得ていく過程も面白い。

そしてラストもまだまだほんとこれから!って所で終わっている点も好感が持てる。変なところで終わってなくて、ちゃんと一旦観る側が一息つけるような締め方になって素敵だった。

魂を吹き込む感じの心に残りやすい演技が観られて幸せ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

65.0 16 戦闘で異世界なアニメランキング16位
最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (117)
311人が棚に入れました
スキル至上主義の異世界オートグズ。前世の記憶を持つ気弱で優しい魔物使い<テイマー>の少女・アイビー(5歳)は星なしの最弱ランクがために、故郷の村から追い出されてしまう。おまけに唯一テイムできたのはゴミを食べる最弱の魔物・崩れスライムのソラ。最弱同士の2人(匹)には魔物が蔓延る異世界は過酷……と思いきや、その道中は愛されまくりの可愛いがられまくりで幸せ!?ひたむきで愛らしい彼女に魅入られ、異世界住民たちの親切と寵愛をその身に受けるばかりか、可愛い魔物にも囲まれて癒しの日々が続いていく!更にはソラに病気や怪我を治す能力が開花し──!? 可愛い2人(匹)があなたの心を虜にする、ほのぼのサバイバルファンタジー開幕!

声優・キャラクター
アイビー:鈴木愛奈
ソラ:田村睦心

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

プープ プップッ、プープ プップッ、プープ プップッ、プ〜

クリーピーナッツ風に乗せちゃってくださいな^ ^。

詳しいことは分からないのですが、第一話の作画クオリティと演出の素晴らしさ、そして何より最終回、それもCパートの感動は、絵本童話の世界から抜け出してきたかのようで、語らずとも訴えかけてくるスライムの思いに、思わず涙がこぼれそうに…。

そう、無理ゲーなんて概念は、“可愛い”の前では意味を為さないのです。
星なしテイマーと崩れスライムのお話は、今期の中でも特にお気に入りの作品となったわけでありまして…。
まあ、こんな可愛い子に、
一人になると 息が吸えるの♪
誰もいない世界にほっとした♪
…なんて言われて、胸ががキュッとしないおじさんはいないはず。
カル◯ス育ちなら尚のことではありますが…。

あと、丁さんが謳い上げるエンディングがまたイイ。

(独り言)
“最弱ゲーマー”の生きる道は、なんといっても“ゴミ拾い”、一見役立ちそうに無いものであっも拾っておくことであります。
前世者と言う役割を担い、ピンを鳴らして語りかけ、見守り続けるプレーヤーは私たち自身でありましょう。
(海外ドラマ的蛇足)
それでも、ヘクター・サラマンカ(演)のように、ベルを鳴らし続けてはいけません。
彼女は、決して“ブレイキング・バッド”に陥ることなく、あるいは“ベター・コール・アイビー”と、手元に置きたがる面々(調査兵団似?)に対しては、適度な距離を取ることのできる賢い子なのです。

演 - マーク・マーゴリスさん、昨年お亡くなりになっていたのですね(合掌)。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

ぽこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

刺さる人には刺さる最高のアニメ

最初に言っておきますが、これはよくある量産型のなろう系アニメとは一線を画したクオリティです。
人情に触れる温かさが、日々の荒んだ心を癒してくれる。そんなアニメです。
「魔女の旅々」みたいな、人との関わりの中で主人公が変わっていく様をみるのが好きな人は絶対に刺さるアニメだと思います。
マジでタイトルだけ読むと面白くなさそう(ごめんなさい)ですが、内容とのギャップで完全に心を持ってかれました。
作画もレベル高いし。
数は少ないですが私が観てきたアニメの中でも、トップクラスに良かったです。
ただ一つケチをつけるなら、前世のワタシと干渉できる設定は要らないのでは?と思いますね。
なんだか、別に作中世界の主人公自身でも気づけるような問いばかりでした。
ただ、そのおかけでストーリー展開がスムーズに進んだ点もあるし、尺の都合もあるのでしょうがないのですかね。
なんにせよ、素晴らしいアニメでした。
最終回の終わり方も完璧で、正直続きは全く気にならないのですが、作者さんへの感謝の気持ちを込めて3冊くらいは原作を買おうと思います。
そんな気持ちにしてくれる、とても温かいアニメでした。
この殺伐としたコンテンツ消費社会にこそ観てほしい作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

AGFHE11237 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

サンドイッチ話法で前半の暗い展開をプロローグにしてしまう

原作読んでる人なら存分に楽しめる第1話でした。
説明なしで話を進めたり前後させたりと、読み手に
勘の良さや推理力を求めたりするのが原作でもコミック
でも手法として使われており頻繁に読み返しさせられますが
書き手様の伝えたいことに気づくと思わずぐっときちゃいます。
が、この第1話は初見さんには伝わらなさすぎです。
2つのPVすら物語の進行に入れ込んできてますので
ご覧になってない方は早めに目を通されることをお勧めします。
作画に関しては、かねてよりスタジオマスケット様が一画入魂を宣言されて
いましたので、期待通りの優良作画でした。
音楽は夢見クジラ先生です。てげごいすーです。
アイビーの声は邪神ちゃんですねー。
内容が難しく主人公はとても弱くて貧乏で、1話切り2話切りされる方も
いるでしょうが、少しでもアイビーを応援したくなった方は
頑張って見続けていきましょう。

と、書いていましたが、謝罪と訂正を
原作の主人公の身の上を3話から盛り込んできました
嫌な話を後に回し、視聴者に鬱スタートによる1話切りを
軽減させるテクニックは見事
7話時点まで見てますがコミック3巻くらい
この進行速度だと2クールを予定してる可能性があるので
原作読んでいない方は びっくりするよな展開が待ってますよ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

70.6 17 戦闘で異世界なアニメランキング17位
転生したらスライムだった件 コリウスの夢(未定)

★★★★☆ 3.7 (81)
299人が棚に入れました
イングラシア王国で子供たちを救い、教師としての残り少ない日々を過ごすリムル。そんなある日、自由組合のグランドマスター、ユウキからある依頼を聞かされる。その内容は、イングラシア王国と神聖法皇国ルベリオスに挟まれた「コリウス王国」で起こっている王位継承争いの内情を探って欲しいというものだった。リムルは〝サトル〟という名でコリウス王国に潜入捜査を開始。だが、事態は一国の王位継承争いに留まらず、悪魔や吸血鬼の思惑も絡み合い、混迷を極めていくーー!

hidehide さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

3話目のエンディング後まで!

学園で生徒を救い…
ヒゲの妹を助け…の後で、
魔王に覚醒する前…のエピソードです。

3話しかないのが惜しい程、面白かったですね。

魔王ルミナスが登場するのですが。
ルミナスの戦闘が見れます。

※『誰と?』かは、是非、見てのお楽しみで。

全力ではなく、遊んでる、程度なのでしょうが…
やはり、
魔王は強し、ルミナスは強し、ですね。

本作中では『まだ荷が重い』と思われていたリムル。

魔王達の集い、ワルプルギスの夜では、
魔王となったリムルの強さを知り、
『等しく敵だ!』宣言に加え、クレイマンを圧倒。

以後、
ルミナスはリムルに一目を置き、
手出しを控える様になる訳ですが…

さらなる愛らしさ、戦闘、各面々、と
転スラ、先が楽しみです

3話のED後まで、是非お見逃しなく!
『色々』出てきますので!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

64.1 18 戦闘で異世界なアニメランキング18位
ノケモノたちの夜(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (107)
285人が棚に入れました
傍にいる悪魔が、救い。
傍にある少女が、暇潰し。
19世紀末、大英帝国の片隅での2人の出会いが
居場所を求め彷徨う物語を紡ぎ出す。
孤独を分かつ者たちに囁く
悪魔と少女の常夜奇譚。

73.0 19 戦闘で異世界なアニメランキング19位
SPY×FAMILY Season2(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (267)
964人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――
西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。
だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!
3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。
秘密だらけの家族に、再び世界の命運は託された!?
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

愛する者のため戦うのか?戦わせないのか?

【物語 4.0点】
1期2クール目に引き続き、各回2本立て以上の構成も交えながら、
ショートシナリオでアーニャ以外のサブキャラ育成も図るのが基本線。
中盤からは今回のメインエピソードとして複数話完結の「豪華客船編」も展開。


2期もスパイ要素を絡めたホームコメディに徹するため、
本格スパイ物として期待すると進行度の遅さにじれることも。
アーニャのイーデン校での“星(ステラ)”や“雷(トニト)”の数の変動もなく、
“オペレーション<梟>(ストリクス)”にも停滞感が漂う。


ただ本作のオペレーションの目的が世界と家族の平和と捉えている私にとっては
収穫もあった2期でした。

極論、アーニャが“皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)”に成り上がっても戦争勃発したらこの作品はゲームオーバーですから。
1クール程度でオペレーションをクリアする強硬策も可能でしょうが、
その場合は人類が戦争を無くす方法はこうだ!などと言う、
フィクションでも解決策を提示できたらノーベル平和賞ものの理論を、
拙速に用意せねばならなくなる。

取って付けたような平和思想で、強引に<梟>(ストリクス)を片付けたとしても、
結局、戦争がしたい次の黒幕とオペレーションが立ち上がりグダグダになる気がするんですよねw

よって『スパファミ』の場合は成果が上がらないオペレーション<梟>のための暫定偽装家族という綱渡りコメディをノラリクラリと続ける方が良いのだろうなと私は思っています。


その観点から興味深かったのが「豪華客船編」のヨルさんの“いばら姫”としての矜持と、
最終回・12話ロイドとボンドの散歩エピソードで垣間見えた、
戦いと家族に関する考え方の違い。

{netabare} 私が凡百の戦争映画を観る気すら起きない理由の一つに、
誰かの思惑で始めた戦争が、いつの間にか巻き込まれた個々の家族や愛する人のための戦いという美談にすり替わるという詐欺的プロットがありますが。

ヨルさんは弟の外交官・ユーリと共に、
上の思惑は知らないけれど、命じられたまま家族のために“わるものさん”と戦うという生き方に疑問を抱かないまま育って来た姉弟。
豪華客船での戦いでは、ヨル自身にも生き方についての葛藤がありますが、
結局、フォージャー家を想って身命を賭す生き様を貫き通してしまう。

ここまでならば私も眉をひそめる、いつものいけ好かない美談で評点も物語3.5点でしたが、
4.0点にしたのは最終12話で放火現場からペットを助けるために危険を冒したボンドに、
ロイドが職業犬訓練よりもまずフォージャー家の一員であることを自覚して、
無事に帰ることを第一に考えるよう優しく諭す場面ゆえ。{/netabare}

ロイドとヨルには、西国(ウェスタリス)の諜報員と、東国(オスタニア)
の暗殺者というだけでなく、
戦いに対する価値観に大きな隔たりがあり、今後、火薬庫になり得ることを全体構成で示して締める。
『スパファミ』は毎クール一見静かな幕引きのようで、重た目の課題を私に残していきます。

マジメに戦争と平和について結論を急ぐ戦争映画より、
本作のような、明るいホームコメディの方が、うっかり核心を突いてしまうこともあり得る。
ロイド(偽名)は何故、子どもが泣かない世界のため、戦闘員ではなくスパイを選んだのか?
今後も、ロイドこと“黄昏”の過去などに焦点を合わせつつ、核心を見逃さないようにしたいものです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・WIT STUDIO✕CloverWorks

序盤は日常回が続くため相変わらずアーニャの顔芸が楽しいClover色が、
中盤「豪華客船戦」では緻密に構築、管理された船上バトル空間の中で、
暗殺者同士が躍動するド派手なバトルアニメーションもありWIT色が強めな感。
美しい打ち上げ花火と血しぶきのコントラストに両スタジオのコラボを実感しますw


湯浅 政明氏がコンテ・演出を手掛けたOPアニメーションも印象的。
どうあがいても溢れない紅茶に、
薄氷の上に成り立つ偽装家族が効果的に比喩されていて、私はずっと紅茶を目で追っていましたw

ユージン氏によるEDアニメーションにも温味がありました。
紙人形劇風に、時に人物の裏表をひっくり返す演出も交えて、
アーニャだけが見えている人間の二面性を表現したという深イイED。
サビでダミアンに怪しい視線を送ってほくそ笑むアーニャがツボですw


【キャラ 4.0点】
サブエピソードで周りを掘り下げても結局アーニャが可愛かったに帰結する本シリーズ。
今回は{netabare} 古語{/netabare} が得意なアーニャを通じて出生地に関するヒントが示され、
アーニャもまたボンド同様、戦争を背景とした能力開発被験者である説を思い出させられますが、
深い詮索はなく、今日もせかいはへいわ。

今後もしもアーニャ一強に変化をもたらすとすれば、私はダミアンだと思っています。
そういう意味で2話Bパートの野外学習にて、特殊クレジット演出でダミアントリオをフィーチャーしてくれたのは嬉しかったです。
ただアーニャとの関係については、{netabare} ババ抜き{/netabare} の件といい、
ダミアンは“チョロイン”過ぎて陥落する時は一気にキャラを消費し尽くしそうな懸念もw

終盤には、ロイドを巡るヨルとフィオナの“正妻戦争”にベッキーも乱入しフォージャー家に上がり込む。
ナチュラルに庶民をころすセレブ自慢といい、
ベッキーは可愛くない可愛い親友枠として育成する方針なのでしょうかw


バトルでは“わるもの”役にいちいち通り名が付されていたのもシリアス、コメディ両面で要素補強になっていました。
例えば{netabare} 鎖鎌のバーナビー{/netabare} とかw

私が敢闘賞を送りたいのはヨルの先輩で的確な“お掃除ぶり”が渋い
デッキブラシの部長さん。


【声優 4.5点】
アーニャ役の種崎 敦美さん。
秘密露見等による家族崩壊を回避するためウソを付く場面も増えたアーニャ。
ウソで誤魔化す時は、棒読み風に演じることで、
視聴者にはウソと分かる、ロイドよ何故気づかない(笑)というお馴染みの種崎さんの芸風にも益々磨きがかかる。
豪華客船にて、{netabare} 託児所から脱出するため、お姉さんにボール遊びもうすぐ飽きる~などと{/netabare} とぼけるアーニャがお気に入りですw

『スパファミ』はアニメから楽しもうと7巻で原作購読止めている私にとっては未知のシナリオに入ってきた2期。
キャスト陣は適宜アドリブも入れて演じているとのことですが、
原作未読エピソードだとどこがアドリブだか全然分かりませんねw
各々がキャラをしっかりつかんだ上で自由に演じることができているのだと思います。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は(K)NoW_NAMEが続投。
同グループには中低音でパンチを効かせるAyaka Tachibanaさんがアップテンポナンバーなどを、
キーボード弾き語り&高音ボイスで癒やしを与えるNIKIIEさんがスローバラードなどを歌唱する。
二人の女性ボーカルを駆使しした幅広い表現対応という強みがあります。

ホームコメディ色が強い『スパファミ』ではどうしても有効活用されるのはNIKIIEさんの日常ソングで、
Ayaka Tachibanaさんはこんな場面でバトルソングとは大仰な(笑)という“無駄使い”コメディ要素が強かったのですがw
今回の豪華客船ではAyaka Tachibanaさんも「Until the End」でバトルを彩ってくれました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26

かしろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

1期前編に引き続き良いOP(メモ書き程度)

【スパイファミリーOPメモ】
OP担当:湯浅政明
曲:「クラクラ」ado
(10/27 ボンドの正面歩きの足に関して訂正)

前奏
ポップな絵で描かれる戦争をモチーフとしたアイコンを照準合わせて撃ち落としていく
=そのままロイドの目的

開幕
ロイド、ヨル、アーニャ、ボンドが正面向いて歩いている
=まんま前向きなストーリーの明示
ただし、ロイドとヨルは鏡写しの対象的行動で、アーニャ、ボンドはロイドと同じ動きをしている
=揃っているようで対立する立場の明示
>10/27訂正
アーニャの時はロイドと同じ歩調
ボンドに乗るとヨルと同じ歩調になる
なんでアーニャ・ボンドはロイドと同じなんだ・・・?
と思ってたら、ボンドに変わるところで歩調も変わるのでちゃんと中立の立場を明示されてた
これは閉幕時も同様


人物が◯で描かれる
=泡理論でもないだろうが、別の顔を持つ明示
明示どおりにロイドとヨルの影絵アクション
虹がかかる建物不明?市役所?

吹き出し中央でバタバタするアーニャとボンド
=二人の裏の顔によりアーニャがドタバタに巻き込まれる

アーニャ団長によるロイド、ヨルの大道芸
=ドタバタに巻き込まれたように見えて、何気にアーニャにより振り回される道化な二人

この辺の漫画原作らしく吹き出しを使ったドタバタと、歌詞をフラッシュ的に見せる演出は面白い

紅茶を入れてのアフタヌーンティータイム
ほのぼの時間に見えるが、窓の向こうは飛行機(爆撃機?)が後ろ向きに飛び、なにやら爆発の煙まで見える
窓の向こうを見せないようにカーテンを閉めるロイド
=窓の向こうにある真実を隠そうとするロイド、家の中の時間は偽りですよという明示

カーアクション
ほのぼのティータイムと思ったらやっぱりドタバタに巻き込まれる
ドタバタの中でも注がれた紅茶はこぼさない

潜水からの浮上、そして飛行機の上へ
潜水で無くなってしまった紅茶を再び淹れて、ロイドはアーニャに注ごうとするが失敗
その紅茶をヨルが受け取りそれを飲む

閉幕
紅茶が注がれたティーカップを手に、開幕と同様に正面を向いて歩く3人と1匹
開幕と同様、ロイド、アーニャ・ボンドとヨルは鏡写しの対象行動となっているが、右手にティーカップを持つことで同じ部分も生まれている


紅茶とは
注ぐもの
家族間で注ぐものといえば=愛情
ロイドが注ぐ愛情はこぼれない、こぼさない
潜水して失われても、再び淹れて
注ぐのに難しい状況でうまく注げなくても、それをヨルが受け止めることで家族全員で紅茶を飲むことが出来る
鏡写しの対象的行動だった開幕が、ロイドの注ぐ愛情で、少しだけ、ティーカップ分だけ同調している

非常に良いOPです

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1期で大いに話題になった作品の順当な続編

1期は大変話題になりましたね。
まあ2期はやらないはずがない、と思いましたが、そのままスタートと言う感じです。
今更言うまでもなく非常に質の高い作品で、普通に見ます。
今後とも楽しみです。

全話感想
普通に面白く問題ない出来でした。
2期2クールも予定しているのでしょう。楽しみです。


とはいえ、どうなんでしょうね。既に長期連載モードに入ってしまったというか、目的に向かったまっしぐら進むのではなくこの一家の日常を描くモードに入ってしまっている感じもあります。
人気連載というのはそういうものかもしれませんし、別に良いのですが。

とはいえ本作の肝はオペレーション・ストリクスがどうなるか、
アーニャがステラを獲得してデズモンドに面会できるか、と認識していると、そこに注目しすぎていると、『話が進まない』という感想になってしまうようにも思います。

だったらまあオペレーション・ストリクスはダミアンを通して仲良くなるなどで早めに解決してしまって、長期監視モードに切り替えるなど、長期連載に合わせて目的も切り替えた方が良いようにも思いますね。

それはそれで、いざという時にストーリーを進展させてメリハリを作ることがしにくくなるでしょうか。
でもそれは新たな事件を出せばいくらでもできるので、やっぱり目的を変えた方が良いと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

71.3 20 戦闘で異世界なアニメランキング20位
とんでもスキルで異世界放浪メシ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (275)
920人が棚に入れました
ある日突然異世界へと召喚された普通のサラリーマン、向田 剛志(ムコーダ)。 異世界の住人となった彼の固有スキルは 『ネットスーパー』という一見しょぼいものだった…。 落胆するムコーダだったが、 実はこのスキルで取り寄せた現代の食品は異世界だととんでもない効果を発揮して……!?

声優・キャラクター
ムコーダ(向田 剛志):内田雄馬
フェル:日野聡
スイ:木野日菜
ニンリル:内田真礼

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ちょっと一言ゆわせてもらいますとですね。

なかなかの飯テロアニメで料理も旨そうだし、またプロの料理人やのうて、フツーのおっさんがエバラのたれを駆使してアッとゆうまにおいしい料理を作ってしまうとゆー設定もなんかまあええすよね。

基本フライパンひとつでなんでもやっちゃう感じなんで凝ったもんはできんとゆうアレですわ。

実際、ボクも愛用しとりますエバラのたれもクックドゥも食材に絡めるだけでなんでこんなにおいしくなるのか謎なんですが、なんしかそんなに手をかけなくてもおいしい料理はできますよと。

そーゆーなんちゃってスキルが世界を救うこともあるとゆう至ってゆるゆるの設定であります。

なので、まああんまり難しいことは抜きにして楽しめる作品なんではないかなとは思います。

ボクもそんな感じで楽しんで見とります。


但しですな。
ちょっと一言ゆわせてもらいますとですね。


食材の調達についてですが、一応フェルとゆーめっせ強い魔獣が狩ってきた獣がまあ基本食材になるのですが、やっぱり命をいただくとゆうことなので突然ロースとかバラ肉とかになったらあかんのとちゃうかなと思うわけです。

まあ銀の匙やサバイバルファミリーやないですからあまり説教じみたことはええ思うんですけど、とらえた獲物をさばくシーンをちょっとでもええから加えてくれるとよりええかなと思います。

主人公のムコーダ氏は一応料理は得意ってことになってますから下ごしらえや仕込みもそこそこできるってことにしてですね、内臓はこうしましょう、毛皮はああしましょう、骨はこう使いましょう、みたいなね。


どうかな。。。。
なんか変なこと言ってますか?ボク。


・・・・ま、原作があって原作がそおなってんだったらしょうがないですけどね。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

とまあはじめはぐずぐず言ってましたけど、まあとりあえずはそう目くじら立てるようなことでもおまへんでしたな。

いつのまにか食肉解体業のおっさんが現れて、いい感じになっとりましたな。

ハナシもいい感じでいひと段落して、次は違う町で新しい展開~ってんで終わりとゆうこってす。

にしても肉ばっか食ってるからバランス悪いぞ。
魚とか野菜とか、穀類、豆類とかいろいろ摂取しないとですよ。

ムコーダ氏は日本人なのだから発酵食品ももっと取らなんとあきませんな。

とゆーことで2期があるなら、バランスの良いメニューでもってハナシ進めて下さることを期待したいです。
あと女神さまたちの出番が少ないのでもうちょっと活躍してほしかったかもですな~。

まま。そんなところでしょうか。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「退屈」にほんのわずかなスパイスを振り掛けると「癒し」になる

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生×料理×冒険。

類似する作品はいくつか思い付きますが、本作には「ネットスーパー」というユニークスキルがあり、○バラ焼肉のタレ等、現実に存在する調味料を使っていくあたりが、オリジナリティかな。

これが原作由来か、アニメ化に際してかは分からないけど、AEONの全面協力で、かなり制作費も出しているのだろうと思う。「TIGER & BUNN」でもそうだったけど、個人的には、色んな手段で金を集め、アニメのクオリティ上げてくれたり、アニメーターさん達の給料が多少でも上げてくれるなら、賛成ですね。

まあ、特に何かが飛び抜けている作品ではないけれど、主人公の性格や行動、音楽、作画など、様々な要素により、なんだか癒される作品になっていて、ダラダラと見続けられました。

個人的には、良い作品だと思いますよ♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
やっていることは、1パターン。フェルが狩ってきたモンスターを、ムコーダが料理し、スイとフェルが食レポする。

それだけっちゃあそれだけのアニメなんだが、本作の場合、ムコーダの思慮深さが、良いスパイスになっている。

まず、異世界転生された時、大した能力をもたない(と勘違いされた)故に放り捨てられる作品はいくつかあるけれど、

呼び出した側の王様の豪華な服装や傲慢な態度を見て、即座に「この国はヤバい」と見限ったのは、素晴らしいなと思った。サラリーマン時代に培った、「人を見る目」なのだろう。ワンマン社長だけが利益を独占するブラック体質の企業に、先は無いと見抜いたか。そうなると、まだ若い勇者一向が、相手を見定められず、浮かれて勇者になるのにも説得力がある。

他の部分もそうで、(同期の「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」の酷評レビューには書いたけれど)思慮が足りない作者ならば、現実世界のプラゴミや容器が異世界に及ぼす影響に関してはスルーするだろう。それを、「スイ」というキャラクターによって解消し、シャンプーはきちんと瓶に詰め替えて売る。スライムがスライムである理由もあるし、こういうさりげない配慮がいくつか見られ、素晴らしいと感じた。

それに、ネットスーパーにアイテムボックスに鑑定スキルは、異世界転生主人公にしては、抑えている方だろう。あくまで「スーパー」だから、重火器の類いは買えないと思うし。

本作の展開としては、実は1話の最初が一番好きで、ネットスーパーを生かした貿易で貯めたお金をなんとかやりくりし、傭兵を雇い、旅をし、様々な人と出会っていく。

そういう、「狼と香辛料」みたいな方が、自分としては好きだったので、フェルとの獣魔契約が、全ての難易度を下げてしまい、「緊張感」のある、本格ファンタジーにはなれなくなった。それは残念ポイント。

ただ、その代わりに得られた「安心感」により、気軽に観られる日常系にはなれている。これはこれでまあ、1つの作風かと思っている。

さて、2期となると、流石に少し展開を変えてマンネリを防ぐ必要が出てくると思うので、そこを楽しみに待ちたい。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なろう系でもこれは面白い。ネットスーパーというアイデアも良い

なろう系というとかつては偏見もあってあまりまともに見ていませんでした。
今はそんな毛嫌いもないのですが…
当時見ていなかった前からの作品はあまりに見ていなかったりします。
なので、なろうで読んだことはありませんでした。

でも、ランキングが高いのは知っていました。
今見たら累計で3位ですね。
転スラ、無職転生、これ、ありふれ、蜘蛛の順。大したものですね。
7位Reゼロに挟まれた6位のヘルモードもいずれアニメ化するのでしょう。

というわけでなろうの顔の1つと言うべき作品が満を持してアニメ化という感じになりますかね。制作MAPPAというところも他とは気合いの入り方が違いますね。

というわけでおそらくなろうのテンプレを作った方の作品になるのかもしれませんが…
知らないで見たら、全然新鮮に見れました。

召喚された勇者達のやり取りをよそに、とっととフェードアウト。
そこから固有スキル… ネットスーパー!
確かにAmazonだと手に入るものが多すぎですが、スーパーなら手に入るアイテムは食材と最低限の食器に限られますのでメシを中心にするなら良いバランスかと。

イオンやエバラと提携してちゃんと商品名を出している所もいいですね。
というかこの内容なら下手なCMよりよほど宣伝になりますね。
良い飯テロです。焼肉食いてぇ。
良質な作画が飯の美味そうさをさらに掻き立てます。

冒険者達とのやりとりも楽しく、それからやってくるフェンリル。

…後発の作品が似たような展開を何度もやっているのですが、こちらの方が明らかに質が高いためか、見飽きた感じが全くしないです。

これは良質ですね。伊達に3位ではないようです。
文句なしに視聴継続。この先も楽しみです。

全話感想
楽しく見られました。ヒロインが居なくて、ただご飯を食べているだけなのに、そこが楽しい。良い飯テロアニメでした。

スイも可愛かったですね。
まあフェルも可愛かったですが。

フェルが強すぎて苦戦は一切無いのですが、全然楽しく見られましたね。

他のチート作品、チートが悪いわけではなく、魅力がないのにチートだからムカつくのが悪いわけで、好きなキャラがチートなら楽しく見られるのですね。

内陸部では肉料理ばかりだったので、魚料理が出てくるであろう2期も期待です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

71.5 21 戦闘で異世界なアニメランキング21位
便利屋斎藤さん、異世界に行く(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (254)
830人が棚に入れました
今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。 運動も、勉強も、そこそこ。決して一番になれない普通の人間……それが、斎藤さん。 職業“便利屋”の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。 そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。 呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいの モーロック。 姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。 斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。 鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。 元の世界で身につけた“便利屋”の経験を異世界で活かす。 異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。 しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。 斎藤さんは充実していた。

声優・キャラクター
サイトウ:木村良平
ラエルザ:ファイルーズあい
ラファンパン:東山奈央
モーロック:チョー
メヴェナ:大橋彩香
ギブングル:相馬康一
リリーザ:花守ゆみり
ギーブル:田所陽向
フランリル:青木瑠璃子
ニニア:田所あずさ
カインズ:松岡禎丞
ライチ:芹澤優
モンプイ:本多力
キスルギ:笠間淳
プリマス:井澤詩織
ラーヴェラ:斎藤千和
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

x=v₀t+1/2at^2

2023/06/07 初投稿

最初の印象は『かぐや様』みたい。
かなり短いギャグ寄りのエピソードを積み重ねていく感じ
一見関連性無く,場面や登場人物も次々と変わっていきます。
『かぐや様』のナレーションに相当する者として『斉藤さん』ではテロップが使われています。

そして,なんかビミョーなのです・・・イマイチ面白くない・・・
危なく切る所でした^^;
この回で切ろうと思いながら3話を見ていたら
(3話の)終盤横穴を見つけた当たりからちょっと面白くなってきましたw

視聴を継続すると
なんかドンドン加速度的に面白くなって行くではありませんか!!
4話で主要な登場人物がそろったのでしょうか(たぶん)
5話当たりからストーリーが見え始めます。5話で忍者のストーリーが始まり6話でもーロックさんのストーリーが始まりと言った具合で
意外とシリアス要素も感じさせながら,それぞれのストーリーも平行して描かれていきます。
8話で忍者の{netabare}ストーリーが完結します。思いの外感動的。
序盤単なるギャグアニメと思わせ,中盤以降もギャグに軸足を置きつつ,意外と真面目なストーリーを展開します。{/netabare}

色々突っ込みたくなる自分のような面倒くさい輩でも,ベースにギャグがあるので問答無用で色々納得させられちゃいました。
おかげで,ストーリーに集中できなんやかんやで感動的でした。

OPは1回しか見ませんでしたが。ED「ひだまりの彩度」はだいたい毎回見ました!

最近,評価の基準が狂ってるかも知れませんf^^;

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意外と楽しめる。毎回、ただ「いい話」では絶対に終わらない(笑)。

「便利屋」という商売があります。

鍵を無くした時に開錠道具を使って開けてくれたり、漏水などの応急処置をしてくれたり、簡単な修理を請け負ってくれたり…。

そんな便利屋に勤務している斎藤さんが異世界に転移して、便利屋として身に着けた様々なスキル(ゲーム的な意味ではない)を用いて冒険者パーティーの支援職として自分の存在価値を見出していく、そんなお話ですね。

各話ストーリーとしては基本的にはお笑いの方向に軸足を置いているのですが、恋愛要素があったり、シリアスな展開につながる過去回想があったりといった感じでけっこうバランス良くエピソードが配置されています。

こちらの世界では自分の価値を信じられなかった斎藤さんですが、異世界で徐々に自分のポジションを確立し、自己肯定できるようになってゆく様はこのアニメのグランドストーリーになっています。

そんな笑いとシリアスの両輪で進むこのアニメの脚本が心掛けているのではなかろうかと思う点としては、「各話の最後はシリアスでは締めない」という点が挙げられます。

しんみりさせたり感動的なエピソードが入ってきて尺的に「この話はこのエピソードで終わるのかな?」と思わせても絶対に笑いの要素で締めてきます。

そこに妙な安心感・安定感を感じてなんとなく楽しんで完走してしまう、そんなアニメでしたね。

2023年冬(1~3月)クールは視聴したい作品数に比較的余裕があったので、そんな中ではお勧めできる作品だと思います。

ただ、後から観たいアニメを探すという観点だと「絶対観ておけ!」的な強力なお勧め作品でもないような気がします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

剣も魔法も使えない。でも――サイトウの代わりはどこにもいない。

この作品の原作は未読ですが、私の中で今期のTOP10入り間違いなしの作品でした。


今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。
運動も、勉強も、そこそこ。
決して一番になれない普通の人間……
それが、斎藤さん。

職業"便利屋"の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。
そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。
呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいのモーロック。
姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。

斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。
鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、
カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。
元の世界で身につけた"便利屋"の経験を異世界で活かす。

異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。
しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。
斎藤さんは充実していた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品も異世界転生モノです。
異世界転生って、本来なら有り得ない話なんですが、アニメの世界では既に一般常識レベルで常態化していると思うのは、きっと私だけじゃないはずです。

この作品の最大の魅力は、斎藤のパーティーメンバーによる掛け合いに尽きます。
掛け合いというより、モーロックのボケとラエルザのツッコミがヤバい作品と言う方がしっくりくるかもしれません。

斎藤(CV:木村良平さん):現代日本から転移した盗賊。日本では便利屋さんに勤めていた。
ラエルザ:(CV:ファイちゃん):本作品のヒロインで重戦士。
モーロック(CV:チョーさん):伝説級の魔術師だったが、物忘れが激しいのが難点…
ラファンパン(CV:奈央ぼう):月光妖精の神聖魔術師で主にパーティーの回復役を担当。

起点は殆どモーロックさんから始まります。
ダンジョンでの戦闘中に魔法の詠唱を忘れたり、腰痛が酷いのに女の子とギャンブルが大好きだったり、とかく破天荒なおじいちゃんです。
この破天荒さ故に、緊迫した状況にあまり遭遇しないというか、遭遇していても緊迫感が感じられなかったりと、常にどこかほんわかとした優しい雰囲気が感じられる作品だったと思っています。

そう言えば、wikiをチラ見した際に知ったのですが「モーロック」って本名じゃないみたいです。
きっと、耄碌(もうろく)したおじいちゃんだから「モーロック」と誰かが勝手に付けたのではと想像しています^^;

個人的に大好きだったのは各話の終い方です。
物語は毎話色々あるのですが、ラストは大概「今日も一日お疲れ様でした。また、明日も頑張りましょうね。」的な優しい雰囲気になるんです。

これはきっと性なのかもしれませんが、そこで必ずモーロックさんが何かをやらかすんですよね。
そして間髪開けずにラエルザの激しいツッコミが入ってエンディング…というパターンが堪らないほど大好きでした。
何故ならエンディングのイントロがメッチャ心地良いメロディで、本当に物語を全部包み込んでくれるような感じを強く受けたからです。

このエンディングを迎える度に視聴して良かったと思いながら、終盤は何故かエンディングもイントロを聞いただけで何故か目頭がじーんと熱くなったり…(*ノωノ)
時に自分のチョロさに辟易することもありますが、これはきっと不治の病みたいなモノなんでしょう。
回を重ねるうちにどんどん可愛らしくなるラエルザや、奈央ぼう演じるラファンパンも十分魅力的だったのが個人的には加点要素だと思っています。

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Teary Planetさんによる「kaleidoscope」
エンディングテーマは、konocoさんによる「ひだまりの彩度」
言わずもがなですがエンディングに軍配です。

1クール全12話の物語でした。
これは続きが見たいでしょう。
斎藤とラエルザの顛末は、誰だって気になると思いますし…
ラエルザはラファンパンに対する警戒だって必要になるかもしれません。
モーロックさんは、これからもずっとマイペースなんだろうなぁ…
そんな温かなひと時を過ごさせて貰った作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

66.0 22 戦闘で異世界なアニメランキング22位
黒の召喚士(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (218)
676人が棚に入れました
「初めてですよ、神である私に配下になれとおっしゃった方は」 ケルヴィンは目を覚ますと異世界に転生していた。しかも、ガイド役としてその世界の女神を配下に従えて。 前世の記憶を引き換えに、高ランクすぎる召喚スキルと魔法スキルを得たケルヴィンは、冒険者としての生活を始めるが、強敵を求めたがる性格と、新人レベルを遥かに越えたステータスによりすぐに注目を浴びてしまう。 黒のローブに身を包み、戦闘狂な主人公が、仲間を集めてトップ冒険者へと成り上がる、爽快バトルストーリー開幕!
ネタバレ

しゆん@異世界 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界系でもTOP3には入るくらい面白い

総評
控えめに言って神アニメ。(異世界系には甘い)
異世界転生系って飽和状態でマンネリ化してるんだよね。
でもこの作品は斬新な展開や設定で飽きが来ない。
それに圧倒的俺TUEEE系で負けそうな描写が全くないのも安心感がある。
続きを原作で読みたいレベル。

1話
{netabare}
主人公は女神を口説いて異世界に連れてきちゃった。某駄女神と一緒だな。
主人公は召喚士でチートらしい。
エルフの奴隷に目をつけた。可愛い奴隷の子を仲間にする展開好きなんだよな〜。
滑り出しとしては良さそう。
{/netabare}

2話
{netabare}
確信した。このアニメ面白いわ。
新人狩りは噛ませだったな。
戦士長との戦闘シーンはCGがすごかった。
スピード出世にも程があるw
この調子でどんどん契約して仲間を増やす流れか。いいね。
{/netabare}

3話
{netabare}
ギルド長が只者ではない。声優も。
呪い持ちの奴隷を仲間に。結構可愛い。
{/netabare}

4話
{netabare}
奴隷とギルドの人とデート。二人とも華があるな。
悪魔が封印されてて、S級モンスターが強そう。
{/netabare}

5話
{netabare}
S級モンスター討伐。でも、回想によると凄く優しいキャラだったから悲しい。
魔王の娘を仲間にした。どんどん仲間が増えて賑やかになってるね。
{/netabare}

6話
{netabare}
セラの海でのシーンが綺麗で感動した。
勇者と戦うために、わざと敵になりすます作戦は面白いな。
主人公一行がもはや悪魔じゃんw
{/netabare}

7話
{netabare}
主人公vs勇者一行
向こうも強かったけど、主人公やっぱチートだわ
戦闘中に魔術作成とか狂ってる
こういうのが見たかったんだよ!
{/netabare}

8話
{netabare}
勇者育成・お米
A級冒険者が勇者一行を指導とか面白いな
外国行くときに和食が恋しくなる感覚だよな
{/netabare}

9話
{netabare}
マイホーム購入・女神召喚・勇者召喚
女神は期待以上の美人だった
主人公が勇者召喚とか新鮮で面白いな
その勇者が僕っ子でいいわ〜
メイドエルフ、魔王令嬢、女神、美人親子、妹勇者
夢見たいなパーティーで羨ましい限りだ
{/netabare}

10話
{netabare}
妹勇者と使用人親子の育成
経験値共有とか強すぎでしょw
自宅の警備が勇者とかセコムよりも安心だわ
なんか隣国が戦争始めるのか
主人公にボコボコにされる未来が想像できて待ちきれないな
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

ダリア さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

飢えている 手に汗握る、命を賭した強者との戦いを渇望している

かなり前になろうで読んだ作品がアニメ化されていて驚きました
時代やね……
『黒の召喚士』は玉石混交のなろう産の中でも原作が面白い方の作品なので、商業的な成功を密かに祈っている
売れるといいね

以下、PRIME VIDEOで2話まで視聴後の感想

☆商業的に本気
内山昂輝君に上田麗奈という本気キャスティングもさることながら、作画も悪くないです
悪くない、というのは手の抜き所が分かっているという事
常に素晴らしい作画である必要はなくて、最低水準を維持しながら、戦闘や重要なシーンではしっかりと枚数を重ねて凝った演出で魅せる、という事ができているな、という印象があります、テンポも良いし
枚数を重ねる、というか戦闘パート入ったら主人公もCGモデルで動き始めてめちゃビビった ガンダムじゃないんだからさ
昔は手描き背景にCGモデルを配置すると画的にどうしても浮いてしまうから、アニメとしての作画に拘るなら新海誠ばりに労力を割くか、諦めて手描きで描くか、という時代だったんですよ、本当に
今のアニメってこんなにCG使って戦闘シーン描くものなの?
モデルのライティングもそれ程違和感ないし、驚いちゃった
老人なので、、、

☆主題歌良すぎ問題
OP、かいりきベアで驚きました
変なリフの曲ばっか投稿してたから、作家仕事の時はこんなキーボードマシマシの曲描くんだ……と思う等
EDも鈴木みのりだし、フライングドッグが劇伴の版権握ってるアニメなので、多分コネじゃなくてコンペ勝ち上がって採用された曲っぽい
ボカロで名を馳せた人間が作家としても幅を利かせ始めるの、嫌いではないです
実力で才能を証明して欲しい

OPの映像についての話を少しすると、なろう産原作の量産クソアニメを期待して視聴すると想像より中々お洒落で驚くと思います
多分この監督、岸誠二作品好きなんだろうな……という、神様ドォルズやペルソナシリーズに影響受けまくりのアートワークですが嫌いじゃないです
少なくともなろう産アニメ、という言葉から受ける印象よりは大分垢抜けている

ED、鈴木みのりですがしっとりしたシティーポップ(?)でびっくり
h-wonderや北川勝利等のフライングドッグ系の作家じゃない曲は新鮮
こういう曲って意外とワルキューレでもなかったかもしれない
昨今流行りのニューレトロ、ヴェイパーウェイヴ的雰囲気漂う良い曲です

楽曲の強みを最大限生かした雰囲気重視の映像も丁寧
キャラ画とCG処理の背景を掛け合わせた、弧を描くような軌道で動くカメラワークも工夫を感じます(この演出って何かの作品で既出だったりしますか、有識者教えて下さい、、、)


総じて、なろう産、と馬鹿にはさせんぞ、とスタッフが各々心血を注いで丁寧に仕事を重ねているアニメです
主人公に変な嫌味がなくて、原作も割と面白いのでなろう産作品に抵抗がなければ拝読をお勧めしますよ
Webで無料で読めるし是非

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6
ネタバレ

しろにゃま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あなた様

アニメ勢。
ゆる~~く見られる感じが大好きですね。

アニメって集中して見るのって一回くらいで、サブスク系で何度もBGV的に流しています。そんな時は隠し要素・伏線とかは要らないんですよね。もちろん周回してるから内容は分かっているんですがなにせ現代のアニメ放送数って膨大で、見直しがいがあります。
なので太郎も次郎も好きですよ。見易くて。『まるで将棋だな』も「へ~将棋なんだぁ」くらいには受け入れてます。


黒の召喚士も突っ込みどころは多いです。
急に「バトルジャンキー」が仲間内で認知されていたり、、凄く違和感感じましたね。急に作画が落ちる、でも良いんです!予算が時間が無かったんでしょう?
数多あるなろう作品群からアニメ化されるんです!面白くないわけがない。
制作チームが予算、時間が限られたなか精一杯作ったんです。
監督が誠実に向き合えさえしていれば、アニメ化してくれて感謝!しかありません。
あとは個人的嗜好に合う萌要素があれば、私にとっていい作品ですね。
そんな要素
{netabare}
・うえしゃまの「あなた様、、、」、、、ありがてぇありがてぇ
・ビクトールは良い奴だった
・召喚巫女~くぎゅ 和国の女王~伊藤静、分かってる配役
・石見ちゃんは頑張った、、、うん、、、
・EDは至高、毎回飛ばさずに聴くこと。声優が声優として歌ってるEDではない。
・4人の召喚勇者PTの行方も気になるねぇ{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

70.1 23 戦闘で異世界なアニメランキング23位
ダンジョン飯(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (116)
583人が棚に入れました
ダンジョン飯。 それは、"食う"か"食われる"か――― ダンジョン深奥で、レッドドラゴンに妹が喰われた! 命からがら地上へ生還した冒険者のライオス。 再びダンジョンへ挑もうとするも、お金や食糧は迷宮の奥底……。 妹が消化されてしまうかもしれない危機的な状況の中、ライオスは決意する。 「食糧は、迷宮内で自給自足する!」 スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン! 襲い来る魔物たちを食べながらダンジョン踏破を目指せ、冒険者よ!

声優・キャラクター
ライオス:熊谷健太郎
マルシル:千本木彩花
チルチャック:泊明日菜
センシ:中博史
ファリン:早見沙織
ナマリ:三木晶
シュロー:川田紳司
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

17話 名作ではないがエンタメ作品としての完成度は最高峰でしょう。

1話 グルメ×異世界を楽しむ?それとも教養が試されている?

{netabare} 本作原作は未読ですが、原作者の九井諒子氏の短編集2作が好きで読んでいました。神話・聖書・民話などの物語、SF、そして社会問題を上手く絡めていて、かなりハイコンテクストで教養が試されるような作品集でした。

 その九井氏の作品ですから、一筋縄ではいかない…と思って見始めたら、うーん…うーん…なるほどわからん。グルメマンガ×異世界もの…しかもそれを架空の魔物でやろうというのは分かりますが…
 調理法を見る限り、現実の食べものを参考にして設定を面白がって作ったのかなあ…という気がします。何か自分で独自の「系」を作るのが好きな人なのかもしれません。

 単純にそれを面白がればいいのか、食文化等に対する何等かのメッセージが暗喩されているのか…まあ、まだ1話ですからいいんですけど、氏の過去作を知らなければ1話切りかも…という気もします。

 ちょっとエルフのお姉さんのキャラに現代女性の何かが乗っかっている気もしますが、キャラとしてはそれほど目新しい人物造形ではないのでわかりません。それにしても、このエルフのお姉さんの声優さん…低い声がいいですねえ…千本木彩花という方ですねえ…アニスフィア・無名・キルコの人ですか…結構グッときます。

 アニメのレベルは高いですけどね。グリッドマンユニバースの最後の場面で本作が映ってましたので、力が入っているのでしょう。



追記 原作者は物事を見る時に視点を変えて「行為」の本質を抽象し、その行為の意味をズラすとか違うものと組み合わせる…という人な気がします。

 食べるという行為は生命を維持すること。つまり魔物も生命である以上食べているはず。だから、魔物は食べられる。
 料理という行為「食べられないものを食べられるようにする」「おいしく加工する」である。だったらダンジョンにもグルメは有るはずだ、ということでしょう。
 さらに「グルメマンガ」「料理動画・番組」と「異世界もの」はどちらも人気ですから、組み合わせたんでしょう。

 だったら、出落ちのはずなんですけど、短編ばかりの原作者が長編を描けているということは出落ちではないと思います。そう考えると2話以降が楽しみかも。 {/netabare}


2話 コメディをやろうとしているのか、文化・文明を俯瞰しているのか。

{netabare} 料理という点でいえば、正直異世界グルメ、異世界調理というのは何の役にも立ちません。食材の知識はもちろんです。そこに何を見るか?ですね。もちろんエルルをコメディリリーフにしたギャグは面白いですが…ちょっと考えてみます。

 前半。栄養素が云々とかはそれっぽくウンチクを入れているだけですね。本当に読み取るべきは「古来から伝えられた技法は手間のようでもそれなりの理由がある」と言う事でしょう。効率化によって失われた価値があるということが主要なテーマだったかな?と思います。

 後半…はどうでしょう?専門性のある人間の繊細な努力が無駄ということが言いたいわけでなく、むしろ逆かも。適当な仕事の進め方で大雑把に何とかなっているように見えても、最終的には専門知識が必要になる。あるいは協力によって出来上がる、料理とは高度な人間の共同作業だとも取れます。

 あるいは罠というものを調理の道具に変える視点の問題なのかもしれません。バジリスクの尾と頭の関係も視点と先入観の話になっています。

 ということで、考察しようと思うといくらでも考察ポイントは出てきます。どうなんでしょうね?それはコメディをやろうとして原作者の教養がにじみ出ているだけなのか、それとも料理という文化・文明の視点を変えて俯瞰しているのか。

 さらに上の視点で言えば、食という人間に必須の営みに見える滑稽さと同時に努力と情熱を描いているのかもしれません。{/netabare}


3話 気楽に見ればいいかな…という感じです。

{netabare} 今回を見る限りあまり深い含意を込めようとしているわけではなく、エピソード作りの土台として教訓的なものを使っている、というスタンスが本作のような気がしました。

 世間に流布された風説や先入観を観察と実体験で打破すると言えば聞こえはいいですが、よくある話ではあります。成長という時間の流れも感じますけど。ただ、この3話は新キャラ?登場回の位置付けだった可能性はあります。

 いまのところ1回見る分には面白いですが、じゃあ、何度も見返して考察してテーマを深掘りしてという作品ではなさそうです。キャラに惚れるとかギャグが極めて面白いというわけでもないので、次回から気楽に見ることにします。で、気付きがあればレビューして考えてみます。

 ただ今回の甲冑についての生態はこじつけがひどかったかなあ。生物は事実は小説よりも奇なりがありますけどね。頭を探すとか、一列に並ぶとかどういう生態だよ…と。説明はありましたけどあまり納得感は無かったかな。やっぱり気になるのは次週以降アレはどうなるんでしょうね?{/netabare}


4話 ダンジョンが世界の縮図であるという少々重い感じがする話です。

{netabare}  気楽に見ればいいかなと3話で思いましたが、また随分と真面目な話をもってきました。

 前半は汚物の処理をして循環させないと暮らせないし、それが食物の連鎖になるという点ですね。人工の環境内だからこそ工夫と人手がいるという話でした。里山問題なども想起します。ゴーレムが減るというのは農地や自然破壊のアナロジーにもなります。つまりいずれは環境が悪化するということです。

 後半は民族紛争のお互いの理屈です。ただ、食べ物と子供の無邪気な疑問。なぜ奪うのか、なぜ仲良くできないのか。当然の疑問に対して本作では丸く収めましたがそれでも戦うのが人間です。

 中盤のところはその理から外れた人間たちの生きる価値、儚い運命ともとれますが、あの部分の描き方は少々分かりずらかったです。

 ということで、ダンジョンが世界の縮図であることが提示されていたと思います。軽いかと思えば重くなる不思議な作品ですね。原作者の本領はこっちの少し重い方な気がします。

 そう言えば2話で「毎回同じところで全滅」3話で「初めての死亡」というセリフがあったので当然普通にダンジョン内なら生きかえるという前提でいいんですよね?酒場のシーンはそういう理解で見てましたが…{/netabare}


5話 重層的にいろんな含意がある作品。見る側のセンスと教養が必要かも。

{netabare}  思っていたよりもというか、九井諒子氏らしいというか、かなり含意がある作品ですね。テーマというより世界の作り方に「視点」を感じます。となるとご都合主義に見えた3話の食べられる鎧の話も、生物の不思議な生態への感動のようなものを含んでいたのでしょう。宝の擬態にもそういう面を感じました。

 さらに少し考えを深めると金と欲についても考えさせられます。「あるわけがない」宝に気持ちをたやすく奪われる人間の弱さですね。

 そして、今回は「取りつかれる」でしたね。「イワシの頭も信心から」でもいいですが、むしろ今いない人に無意識に頼ってしまう心理が人間を弱くしてしまう点を描いていました。しかも、その流れでファリンというキャラを上手く描いていました。加えてグルメと絡めているのも工夫でした。重層的にいろんなものが含んでいる気がします。

 アイスクリームは霊が現れると気温が下がるという風説からの連想だと思います。

 4話、5話とどんどん面白くなってきました。キャラ萌えとお話だけでもちゃんと作品になっているのがすごいですね。ただ、うーん…どこかのタイミングでちょっと立ち戻って考察したいなあ…コミック原作はもったいないので、現状では保留ですね。見る側のセンスと教養が必要かもしれません。ついていけるかなあ… {/netabare}


6話 アニメのクオリティが高い回だったと思います。面白かった。

{netabare}  今回は演出と作画、非常に良かったです。あっという間に時間が過ぎました。マルシルがとても可愛かった…というよりかなり女性らしい(死語?)感じがしましたね。今回特にマルシルの横顔がかなり西洋人っぽい造形だった気がします。後半の作画はかなりデフォルメしてましたね。

 で、絵の内部は何かの伏線になっているのでしょうか?ダンジョン自体の正体がまだわからない状態ですし、内部の人は妙な存在感がありました。ダンジョンの来歴と関係があるのか。あるいは絵画=バーチャルリアリティの様なイメージとも取れますけど。ここは無理に深掘りしないで後で何かないか楽しみにしておきます。

 後半はチルチャックの性格が災いした感じでした。彼はこだわりもそうですけど、人に頼ることを知らないで危機になる感じですね。今までで一番おいしそうな回でした。{/netabare}


7話 1つのエピソードとしてアニメ全作品の中でも出色な出来でした。

{netabare}  今回は最高に面白かったですねえ。グリッドマンユニバースのEDで出てきたシーンですね。完パケかどうか知りませんが、ということはこの作品は制作が随分先行していたのでしょう。総作画監督が1人ですしね。なるほどクオリティが高いわけです。

 それと前回でてきた絵の中のダークエルフって、OPでチラッとでてますね。やっぱり主要人物なんでしょうか。

 ということで食材に対する感情の問題が前半でした。今回は馬と亜人です。現実世界でも韓国では犬食が法律で禁止するとかしないとか、日本でも馬はアメリカ人からすると許せないとか、鯨の商業捕鯨の再開などで、結構ホットな話題です。それとイカタコ食ですね。特にタコなどイタリア人と日本人、中国の一部くらいでしょうか。

 人間から見ると慣れて心が通いあっているように見えた動物が、単なる捕食のための行動だ、というのも面白いですね。哺乳類と食虫植物との対比のセリフがありました。それに対して分からないのはライオスだけとチルチャックは言っていましたが、結果的にあの馬と食虫植物の行動は一緒でした。

 漁の節度もあったし、食物連鎖の話がありました。これは明示的でしたが、この食物連鎖の説明が6話までで描かれてきたことの総括のような感じでした。寄生虫は…うーん。

 そして、石鹸と魔法のところです。魔法はセンシからすると自然の理に反するようですね。そしてヒゲを洗っていない。だから、魔法を受け付けない=自然と共生しているという意味でしょう。それが文明の力として石鹸を受け入れると魔法が上手くかかる。これを堕落とみるか進歩と見るか、ですね。やっぱりこういうところに本作の含意のレベルの高さが現れています。

 一番初めに死んだ人がどうなるのか、という説明不足も回収されていました。彼らがまた死んでたのが笑えますが、彼らの経験・知識不足あるいは多様性不足も見て取れますね。

 それにしてもマルシルの戦闘シーンよかったですね。面目躍如でした。今回は話も演出も含意も全部良かったです。今回は1エピソードとしてあらゆるアニメ作品の中でも出色な出来でした。最高だったと思います。

 どんどん面白くなりますが、含意が多く教養とリテラシーが必要なので振り落とされる人もでてきそうですね。 {/netabare}


8話 ダンジョン=バランスドアクアリウムということかな?

{netabare} 8話を見る限り、ダンジョンは大魔法使いの実験場的な物なんでしょうか。要するにボトルアクアリウムというかバランスアクアリウムということですよね。養殖というか栽培というかそういう発想ではなく、世界の環境を知るためのミニチュアの環境がダンジョンと言う事なのかもしれません。だから、食物連鎖の話をこんなにしつこくやったんですね。

 それと人間の欲望とか民族闘争みたいなもの、絵画の世界の歴史の様なものが絡まっていますので、ダンジョンの正体が面白そうです。

 内容が深い…というよりもゲーム世界的な異世界設定とこの設定を絡めてストーリー世界を構築いしているところが本当にすごいと思います。

 キャラ達の過去と絡めて非常に面白い回でした。ライオスが主役かと思ってたし定義上はそうなんでしょうけど、マルシルとファリンが真の主役っぽいですね。OPの演出もそんな感じがします。{/netabare}


9話 キャラの言動・感情・心の動きが不自然に感じる回でした。

{netabare} SFやファンタジーにおいて設定が荒唐無稽とか、話が多少ご都合主義とかは物語性がしっかりあれば全然OKだと思います。ただし、人の言動というか感情の動きが不自然なのはいただけません。

 その点で今回のナマリとタンス夫妻はちょっと不自然だった気がします。だったら再開のシーンをもっとマイルドにしても良かったのかなと思いました。
 もちろん友情というかかつての仲間に対する感情とか、表面と内面のズレの様なものはちゃんと感じられましたけど、どことなく不自然な感じがしました。

 鍋の設定は面白いですが、やはりどこかナマリの心の動きが不自然だった気がします。ファリンの人柄というのも強調されていましたので、後で今回感じた不自然さは回収されていくのでしょうか?

 死と魔法が明確に説明される重要な回でしたが、話の出来は全9話の中で一番「ん?あれ?」と感じた回でした。今後、理屈優先でキャラの感情・言動が不自然にならなければいいのですが。 {/netabare}


10話 ドラゴン戦が終わったらコミックス買っちゃおうかな?

{netabare}  カエルでちょっと「このすば」を思い出してしまいました。マルシルが相変わらず可愛くて何よりでした。

 世界観も徐々に見えてきました。まだまだ謎は多いですが、全体の形は見えてきました。あとはどういうストーリー、設定が待っているかです。2クール放送の発表なのでじっくり楽しめています。

 いよいよですね。レッドドラゴン戦を見たらコミックス買っちゃおうかな、というくらいには楽しめています。ナマリはちょっと前回の唐突感がありましたが、キャラとしては根は良い人っぽいですね。あるいはファリンの人柄なのでしょう。
 キャラ達が良い人過ぎるがちょっと世界観と合わない気がしますが、そこがファリンなんでしょうか?{/netabare}


12話 緻密な設定と世界観が素晴らしかったですが、蘇生をどうとるかですね。

{netabare} ちょうど折り返しということで、話の区切りも丁度よかったです。構成に不自然なところもないので、これはかなりの脚本・構成力だったと思います。

 お風呂…サービス回…なんでしょうけど、まあ、色っぽくはないですよね。この2人。マルシルは髪型とか、悲壮な表情に色気がある感じでした。

 今後については、壮大な世界観とこの後のエルフとはどういう存在なのか?がテーマになってくるのでしょうか。最後に出てきたタークエルフは絵の中の人?長命で長い間生きているということなんでしょうか。

 で、その世界観と設定の緻密さ、伏線などに魅了されてきましたが、ここに来て出てきた「古代魔法」ですね。これをどう考えるか。設定を後出しの設定で解決したように見えなくはないです。
 ただ、マルシルのマンゴラドラのやり方とかその辺りに古いタイプの魔術を使う仕込みがあった気もします。そこは評価をする前に古代魔法がフェアな設定で納得いく伏線があるのか、後出しジャンケンなのかは検討したいと思います。

 評価は暫定です。{/netabare}


14話 2クールで終わらないなら、もう原作読んじゃおうかな。

{netabare} マルシル成分が足りない不満足な1話でしたが、いろいろキャラの相関が見えてきましたね。

 1クールを終え、2クール目の始まりを見ると、王道のファンタジーノベル…という感じの展開ですね。しかも、区切りが無い感じで。作品の楽しみ方としては、いろんな伏線が収束する感じと島主とかエルフとかダンジョンとか結果的にどうつながるのかというカタルシスを得られるか、ですね。

 登場人物が多いし設定が入り組んでいる割に、話が整理されて面白いと思いますが、この手の作品は結末を見ないことには出来の評価が難しいです。
 で、2クールじゃあ1区切りは無理かな?14巻だそうですし。それともアニメで何かの結末はつくんでしょうか。これは連続で結末まで見ないと、熱が冷めるのがもったいない気がします。場合によっては原作を読んでしまおうかな…今週考えます。{/netabare}


15話 ギャグ回面白かった。マルシルを堪能できました。

{netabare}  先週マルシル成分が少なすぎ多分、今週は最高でした。こういうギャグ回があるのも悪くないです。一応、蛇のピット器官のような秀逸な設定もありましたが、それよりもカボチャ的な物の絵面ですね。本当に面白い回でした。 {/netabare}


16話 ここにきて面白さが加速中。最高です。

{netabare} 面白さがここにきて加速中です。非常に面白い。面白過ぎます。話そのものも面白いですが、禁忌の魔法という設定とファリンの現状で否が応でも盛り上がります。

 黒魔術をもっと早くから仕込んでいれば最高だったんですけど…それともどこかに1か所でもマルシルが黒魔法を使うことを躊躇する場面とかそれらしいセリフとかありましたっけ?絵のところとか…まあ、後で通しで見てみます。

 本気で面白いです。この数年で見たなかでトップクラスに面白いです。{/netabare}


17話 名作ではないがエンタメ作品としての完成度は最高峰でしょう。

 冒険譚はこうじゃなくちゃっていう感じです。はじめは世界観とか設定に興味がありましたが、どんどんキャラに入り込んで、今はストーリーが最高に面白いです。原作がすごいのかもしれませんが、アニメーションの出来も素晴らしい。

 センシがずっとおにぎり持っているのに笑ってしまいましたが、そこにほのかな含意と哲学があります。そう…いろんな視点で考えるヒントは散らばっているんですけど、そんなことを考えなくても面白い。2クールで1回もダレないのは素晴らしいです。

 アニメの作品として感動とかメッセージ性は名作認定はしないと思いますが、全体の作り込みと作品のクオリティーはすごいと思いました。このまま一機にラストスパートですね。



 

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

魔法使いのビオトープ

家の近くに大きな植物園がある。そのシンボル的な存在である大温室のドーム。
それは、小さい頃からの畏怖を伴う憧れの場所。
熱帯のジャングルや水生植物、サバンナや砂漠の乾燥地帯に生えている植物は、ある意味動物的であり“物体X”であった。
エリアを隔てる扉を開ける時、今思うとそれはダンジョンの階層を越えるが如きワクワク感が最高潮に達する時、アリゲーターやらニシキヘビ、はたまたオオトカゲやサソリが襲ってくるのでは?、等と妄想を膨らませていた事を思い出す。
だからこそ、そんなビオトープを作り上げた先達の思い、自然環境に対して抱いたであろう尊崇の念と、我が手元に留め置きたいと願う強欲に感じ入るのである。
そんなわけで、正に“魔法使いのビオトープ”であるダンジョンの生態系の解説と、そこに分入り、アレキサンダー大王の東方遠征の如く、食料を現地調達しながらの冒険譚にロマンを感じてしまう今日この頃である。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

決してグルメアニメではない

貧乏パーティーがドラゴンに飲まれたメンバーを助けるため、
ダンジョンに潜ってドラゴンを探す。
食料が無いため、魔物を食しながら進む。
でも、食事メインという感じはしない、不思議なアニメである。
単純なストーリーのアニメにも関わらず、不思議な魅力のあるアニメ。
とにかくキャラが魅力的なのがいいのかな。
絶妙な距離感のパーティーメンバーで旅しているのが良いんだろうか。
次シーズンもまだまだ続く。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

65.8 24 戦闘で異世界なアニメランキング24位
魔都精兵のスレイブ(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (90)
283人が棚に入れました
日本各地に、突如として謎の門が出現。 その先の異空間『魔都』には女性にのみ食べた者に特異な能力をもたらす桃が存在し、『醜鬼』(しゅうき)と呼ばれる怪物を退治するため、女性兵による戦闘集団『魔防隊』が組織された。 活躍できる場所を求めていた男子高校生・和倉優希はある日、魔都へと迷い込むと醜鬼に襲われてしまう。そこへ駆けつけたのは魔防隊七番組の美しき組長・羽前京香。京香の能力で奴隷(スレイブ)と化した優希は力を開花させ、醜鬼を見事打ち倒し、奴隷 兼 魔防隊の管理人として醜鬼と戦うことに。 “飼われる少年”のバトルファンタジー、ここに開幕!

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

7話視聴。このアニメのモザイク基準て何だ?

2023年1月時点における電子版を含めた単行本の累計発行部数は400万部を突破している。


4話まで視聴。
何処かでみたような物語。
パッとしない主人公が戦いに巻き込まれその過程で奴隷になりご褒美にベロちゅーする。
この子の力を使うとご褒美上げなきゃいけない心の奥底に秘めた…!この後も電マとか色々。

女の子にアレを見られ小さいと言われる!が…。
この後の展開は個人的に予想通りだったので何となく分かると思うw


4話内容。
最近他アニメで見た時を操る力!止めたり戻したり。

コレがまあ厄介。攻撃を受けた瞬間巻き戻し戦闘前へ。
コレってどういう攻撃されたか本人は知っていて相手は分からないのが厄介…と思いきや体力を消耗するので「力を使った」事には本人見れば気付ける。ただし気付けるだけ。
とは言え戦闘前、自分達が何をしようとしたのかは分かるので別の攻撃方法を…。
相手は何か隠してる様子。勝てるかどうかはまだまだ分からない続く!

最初はそこまでエロくないかな…と思っていたら…。
最初のご褒美は〇〇〇!凝視!
2回目。撫で撫で。
3回目!下着外してあるものを持ち上げてるのがエッッッ!!
間違い無く主人公には見えている!
ついでにお風呂回!

確かに何処かで徐々に過激になっていくとかは聞いていた…なるほどとw
BD版とか、アニメ専門チャンネルもかな?とかだと多分消えるよねw
マンガの方は多分見えてるかな?ジャンプだし(とらぶるとかね)

コレ何処まで行くんだろう(トオイメ
なので視聴継続!

…ちなみに作画の評価は…。


7話までの感想。ヒロイン2人と主人公一緒に温泉回。
主人公、今回大きな力を使ったのでそれ相応の代償がコレ。

今回はモザイク(白い光無し)無しで泡と手で隠れてる。ただし範囲が狭い!
ちなみにタオルは下だけw
背中に抱き付き胸が直で。
タオルで下がギリギリ見え…ないw手で隠してる場面も。

コレで一応隠れてるから?
それとも前回のは場面的な所為?
4話のは間違いなく白い光の所為でほぼ見えなかったのに、今回も隠れてはいるけど範囲が狭い。
ここにもモザイク入れればいいのに、なんだか中途半端な気がする。

コレも。
ベロチューキスに下着姿はOK、ただし下着姿である体制になると白い光。
だけど他の女の子は下着姿で色んな体制なのに何も無し。下着の皺まで見えてる()

まあ考えても分からないしいいや。
話しは変わって5話。
2人は時止め攻撃範囲外から攻撃撹乱するが、お姉さん能力鍛えて時止め5秒が→10秒に。
これのせいで時止めで攻撃出来る範囲内に。2人はボロボロに。
そして勝利と思ったら…会話し始め負ける()油断大敵!

次は7話。
時を止めたり戻したりの姉は重度のシスコンだった!
前回見る限りイジメて楽しんでるドS姉だと思ったんだけどねw
ただ愛し方が歪んでいただけだったと言う…。
何で分かったかと言うと部屋が…。
赤ちゃんの頃からかコレ…。
見てはいけないものを見てしまった主人公逃げる!

うん…妹にアレを見せるのはやめようか…。

ああ、そう言えばマンガはとらぶる程じゃないけど見えてます!

主人公が敵に捕まった時点で飽きてしまったのでここで切ります。
たぶん8話切り。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1
ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャラとバトルを楽しむ作品

原作は、アニメの8話にあたる部分までは無料公開されていた期間があったので既読、それ以降は未読。視聴したのはご褒美ver。通常版を見ていないので違いはわからないが、ご褒美verに白い光はなかったと思う

{netabare}ストーリー展開は、仲間同士の模擬戦中に別の勢力に乱入されて中断されたり、人型醜鬼との戦闘中にまた別の勢力に乱入されて中断されたりと、「戦闘中に第三勢力に乱入されて決着持ち越し」という、もう何度見たかわからないくらいのベタベタな展開が続いたこともあり、特に評価する点なし。とはいえ、原案がRELEASE THE SPYCEのタカヒロであることは知っていて、もともと期待などしていなかったから、特にガッカリもしていない{/netabare}

ちょっとえっちな能力バトルもの、といった感じの作品

原作マンガの絵がかなり綺麗なのでアニメで再現できるのかと思っていたが、作画はかなり良かったと思う。キャラも良かった。能力の設定などもおもしろい

気になったのは、1話目から原作の改変が行われていたこと。原作にこだわりなんてまるでないから改変自体はなんとも思わないが、改変の意図がわからない改変で、果たして改変に意味があったのかと疑問に感じる

2期が決定しているとのこと(というか単に分割の予定だったのだろう)。新キャラと新能力目当てで視聴すると思う

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

93.7 25 戦闘で異世界なアニメランキング25位
幼女戦記(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2172)
10448人が棚に入れました
統一暦1923年6月。
金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、
部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。
航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は
何事もなく無事に終わるはずだった。

しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。
協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。
戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、
協商連合軍による奇襲が発生し、
ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。
多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、
しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。
何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、
ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。

“其れは、幼女の皮をかぶった化物――。”

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

見た目は少女、中身は・・・おっさん!?

原作未読。最終話まで視聴。

【物語】
1話を視聴し終わった時には、単なる「主人公最強系」かと・・・。
それにしては、主人公が『幼女』っていうのが意味が分からなくて・・・。

2話を視聴して初めて物語の世界観が分かった。

一見、現実の世界とリンクしているようで、でも『魔導師』なんて現実には存在しない存在がいるという不思議な異世界。
現実世界と異世界が入り混じった世界観が好きでした。

【作画】
背景や登場人物はとても綺麗に描かれていたと思います。
主人公の目は、主人公のひととなりを表しているというか何というか・・・。
セレブリャコーフ少尉は、もう少し可愛く描いてあげれば良かったのに・・・(笑)。

【声優】
何と言っても、主演の悠木碧さん。最高でした。

【音楽】
OP・EDとも作品の雰囲気に合っていて良かったと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 114

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦闘シーンが生々しい。1、2話のエピソード順はこれで正解じゃないかな…。

[2017年冬作品1クール視聴終了時ランキング] コメントより
==
1月末から順位は落としましたが、面白かったです。ただ、原作はもっと面白いと思いました。
==

小説投稿サイト「理想郷(アルカディア)」発らしい。原作があるはずですが、未読です。

ドイツ帝国っぽい「帝国」と周辺諸国(協商連合、共和国、連合王国、連邦)が、第一次世界大戦レベルの武器+魔法で戦争をしている状況らしい。普通の魔道士が観測兵として迫撃砲の命中精度を上げたり、飛行兵として空中から銃器で歩兵を攻撃するのがせいぜいっぽい世界で、「幼女の皮を被った化物」と呼ばれるターニャ・デグレチャフ少尉は戦術級の強大な魔法攻撃で無双している感じです。

このターニャと、その部下であるヴィーシャ伍長が中心人物のようですね。

協商連合のモデルは良くわかりません(ベルギーとか?)が、共和国はフランス、連合王国はイギリス、連邦はロシアがモデルでしょうか。

1話ではライン戦線の現状が、2話では時間を遡ってターニャが何も任官するまでの経緯が語られました。

魔法が普通に軍事技術化しているのは中々面白そうです。しばらく注目して観てゆきたいですね。

2017.1.23追記:
→アニメの第2話まで観て面白かったので、原作を読み始めました。2巻目まで読み終わりましたが面白いです!
戦記としての面白さとギャグ要素のバランスが良いですね。

2017.3.2追記:
協商連合は、帝国との国境位置的にフィンランドですね。

2017.4.1追記:
アニメ化部分よりも先に原作を読み進んで、既刊分7巻まで読了後にアニメを観終わりました。

原作のグランドストーリーに大きな影響のある改変は無いものの、ちょこちょこと改変はあります。私は原作原理主義者ではないので、現状レベルの改変ならOKです。でも、これだけ高い点数を付けたアニメよりも、原作の方が面白いと思います。

私は原作に出会わせてくれたことを本作品に感謝します。でも、そうさせてくれたのは「存在X」ではないと思っています(笑)。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 81
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

小さなACABCモンスター

原作未読、コミカライズは読んでいます。

ある人物がある理由により戦時下へと異世界転生する物語。
「見た目は子供。頭脳は大人。その名は、ターニャ・デグレチャフ」。


時代背景は第一次~第二次世界大戦ごろによく似ています。
地形なんかはそのままですが、

* 魔導師が存在する(生存率が高いなど、話に色を付ける程度の魔法使い)
* 1910~20年代にしては科学テクノロジーがやや高い

という違いがあります。

また、地域名が分かりにくいので整理しておきます。
{netabare}
国勢図が異なるので現在のおおよその位置です。

| 国名 | 呼び名 | 現実世界との対応 | 解説 |
| --- | --- | --- | --- |
| ??? | 帝国 | ドイツ | ターニャの国 |
| レガドニア | 協商連合 | スウェーデン・ノルウェー | スキー板 |
| ノルデン | ノルデン | デンマーク | 紛争地域 |
| ダキア | ダキア | ルーマニア | 大歩兵部隊の国 |
| フワンソワ | 共和国 | フランス | 空飛ぶ木馬 |
{/netabare}

歴史の流れも似ているため、ターニャは知識的に最初から有利です。
また、元の能力の高さと、転生の因果が重なって、ものすごい優秀。

そんな人物が軍に入り、世界大戦への情勢の中で奔走し、活躍(?)する物語です。


さて、イラストを見ればわかると思いますが、この幼女、怖いです。
原作絵や漫画版はもっとキュートなんだけど……(EDの絵)。
アニメでは顔芸と動きに特化したデザインになっています。


ターニャは人命を非常に軽視しているフシがあります。
演技で道徳心を装うことはありますが、見破られています。

これを聞いて湧いてきたキーワードが「サイコパス」。

人に共感せず、人を操り、衝動性が強く、責任感が欠如している。
これが「サイコパス」、後天的であれば「ソシオパス」の特徴です。

しかし、ターニャは責任を最後までしっかり果たす人物です。
決して衝動的ではなく、論理的に思考してから行動します。
また、自分で自分の性格の歪みを認知しています。


* 固定観念、目的意識が強い
* 冷淡で、マイペースで、情に動かされない
* 強引に人を釣り、自分に従わせるが、責任はしっかりとる
* 職務上では間違いなく尊敬を得るが、社交上では敬遠される

うん、こんな感じ。


あ、これ……私が考えたターニャの紹介文じゃないです。

性格テストで有名な「エゴグラム診断」の「ACABCタイプ」の診断結果です。
[エゴグラムによる性格診断結果](http://www.egogram-f.jp/seikaku/kekka/acabc.htm)
アニメを見た人はわかると思いますが、これとってもターニャっぽくないですか?

決して多くはありませんが、大人では一種の典型的な性格。
つまり、小さな女の子がこの性格で凄むから目立つわけです。


さて、「社交上では敬遠される」とある通り、ターニャはなるべく関わりたくない人物です。
キャラとしては立っているけど、現実にいたら嫌なタイプ。
(サイコパスはむしろ魅力的に映る)

そんなターニャが楽をするために策を巡らせます。

「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

結果、評価され、より重大で危険な任務を任されてしまいます。

「最悪極まる!!!」

外目には成功するものの、本人的には失敗。
完全にギャグになり、笑えます。

外目には失敗するものの、尊敬に値する行動を取ることもあります。
この場合は嫌なやつなのに意外性が生まれ、ギャップ効果で普通以上に感心できます。

つまり、成功も失敗も楽しめるんですよね。
そういったキャラクター設定、ストーリー運び、演出がとても上手な作品です。


歴史物、戦争物としても楽しめます。
戦術もなかなか練られています。
ターニャはめちゃめちゃ強いのですが、戦争はひとりの戦力でどうにかなるものではありません。
戦術単位では高度差だとか陽動だとか、作戦レベルでは一点突破や電撃作戦等、説得力のある描写も多々見られます。

戦争の歴史を、

* 知らない人は混乱しつつも、ギャグやアクション等に引き込まれる
* ちょっと知っている人はどちらも楽しめる
* よく知っている人は設定の粗探しを始めてしまう

くらいであり、それなりに重厚だと思います。

「この番組はフィクションであり、
登場する人物、団体、場所、『法律』、名称等は
実在のものとは一切関係ありません」

「法律」ってのがいい。

ただ、空中戦で空気抵抗の高そうな木馬に乗っていたり、ゴーグルをかけていなかったりします。
アニメでは映像的なわかりやすさを優先しているのでしょう。


映像、音楽、効果音はレベルが高いです。
OPもEDもかなりカッコよく、何度も見たくなりますね。
話の内容に合わせた曲の使い分けにも注目です。


1クールながらまだまだ書けることはあります。
属性の非常に多い作品であり、展開の余地も大きいです。
「物事の二面性」のようなテーマにも触れつつあります。


タイトルから誤解を受けますが、このアニメの幼女に萌えるのは難しいです。
しかし、それ以外の目的なら満足できる可能性が高い作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 72
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