組織でオリジナルアニメーションなおすすめアニメランキング 7

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の組織でオリジナルアニメーションなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.9 1 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
プリンセス・プリンシパル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (980)
3927人が棚に入れました
舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。変装、諜報、潜入、カーチェイス……。少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。

「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」

声優・キャラクター
今村彩夏、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

二期ありきの構成

4話までの感想「いいからちせを出せ」
{netabare}“悪魔のリドル”ってアニメでは、ど根性ガエルの五郎というかモグラというか、そんな三下キャラを美少女化したようなキャラが居て、しかもそれがしっかり可愛くて、「こんなものまで美少女化するのかー、スゲーなぁ」と感心したことがあります。
で、このプリンセスプリンシパルだけど、1話を見てその時と同じ衝撃を受けました。
単なる思い違いだと思うのだけど…というかそうあって欲しいとさえ思うことなんだけど…。

ちせがモータルコンバットのライデンの美少女化に見えて仕方ない

う~~~ん、やっぱり思い違い?
三度笠?に能面貼ってないのでゼイラムでもないし、砂ぼうずともちょっと違うような…とはいえ、まさかそんな…ねぇ。
けどもしライデンであるならこれまたスゲーところから引っ張ってきたとして、もうそれだけで評価せざるを得ない。
そのうちケイバーライトを使ってサイコクラッシャーや感電死みたいなことするんじゃないかとヒヤヒヤしつつ視聴。
フェイタリティやったら拍手モノだけど、放送できないよね?
…が、2話3話と、ちせが全然出ずに地味~な話が続く。

ええい、プリンセスとかいいからちせを出せちせを

と思う程になってたのだけど、モーコンであろうとなかろうとここまで思わせたのはスタッフ大成功だと思う。
そして4話、やっとちせがマトモに登場する話になったけど…ぐぬぬ、あんまり活躍しない。
さすがにずっと脇役させられるとも思えないので、この先に期待ってことでしょうか。{/netabare}

5話感想「本当にちせが出た」
{netabare}4話までの感想で「ちせを出せ」と書いたその直後の5話で早速ちせメイン回キターーーー!
しかもアクションスゲー頑張ってるし。
やったね、オレ様大勝利?
…。
と喜んでたのだけど、あれ、ちょっと待てよ?
ひょっとして4話終了段階で公式とか見れば次回どんな話か予告あったり…する?
自分見てなかったのでやったーって感じなんだけど、周りらはナニ当たり前のことを…と思われてたりして。
こ、公式の予告(あるのかすら知らない)とか雑誌の予定とか見てないっすよ、ホウトウデス。

で、話は戻って5話感想。
この世界の日本はなんか怖いのう…ちょっとのことで簡単にハラキリしそう。
相手はプリンセス言っても順位はそんなに高くないんだよね?まぁ不利な条約をもちっとマトモにしてくりゃれと頼む側なので下手(したて)に出るのはしょうがないんだろうけど。
トランプのシーンはよく分からなかった、手先の器用さを競い合ってたのだろうか?
でもって親父との対決、↑で書いた様にモーコンのイメージがあるので、いつ親父の指先から電撃が飛び出すんじゃないかとヒヤヒヤした。
最後ちせは親父を打ち倒し涙するワケだけど…同時にベア子は忌まわしき改造手術が4話に引き続き身を守ることとなり、内心どう思ってるか気になった。
ってか改造は喉だけなのだろうか?ホントにそれだけ??

とりあえず2話以降、時系列を変えてメンバーがどのように集まったのかを見せる回が続いてきたけど、5話でひと段落?
まだ居たっけ?
出揃ったらプリンセスが継承権を上げるために親戚兄弟をヌッ殺してく話になるのかなーと思ってるのだが…今のところそれを匂わす描写は余りない。
これからってことかのう?
かなり期待の作品…だけど、レガリアみたいなことを起こすんじゃないかとちと不安。
特に5話あんなに頑張っちゃって…息切れせんよね?大丈夫だよね?{/netabare}

6話感想
{netabare}自分の親父には改造され、ちせの親父には斬首されかけ、ドロシーの親父には機械いじくり回され…ベア子はなにかと親父に縁があるな。
ってか主人公ベア子ちゃう?
妙に活躍多い気が…メンバー紹介用に「視聴者と同じ目線(何も知らない)キャラ」として扱われてるだけ?
ええい、もっとちせを出せ。{/netabare}

7話感想
{netabare}ああ、こうだよこう。
戦争モノいうたって兵站や銃後の描写が疎かだとションボリしちゃうクチなのですが、こういう「兵隊だけでなくそこで生活してる人」がちゃんと描かれてるのはホっとしてしまう。
それよりなによりビックリなのは6話で登場した借金取りの再登場!
6話では「ひょっとしたら親父殺害の犯人に仕立て上げられてるかも?踏んだり蹴ったりだなぁ」と同情は寄せつつも、所詮その回限りの捨てキャラだろうしと思ってそこまで肩入れはしてませんでした。
時系列よく分からないので6話の後なのか不明だけど、再び元気な姿を見せてくれて安心しました。
でもってこれも6話から気付いてたけど広川太一郎ボイスじゃーん?
1回限りの捨てキャラならまだしも、もしこれからもちょくちょく出てくるようであるなら…この作品の批判書けなくなってまう!(現状書く気は無いけど)
世代的にねぇ…あの声をまた聞けるというだけで涙腺緩みまっせ。
しっかしなんで広川太一郎?モーコン(これは自分の勝手な思い込み)といいこのスタッフのセンス物凄いかも知れない。

ところで自分は滅多に声優については言及しないんですが広川太一郎ついでにちょっとだけ。
ベア子登場時、3話前半までキャンキャンうるさくて「ちょっとイヤだな」と思ってたのだけど、それは後半の変声機使った時の対比を引き立たせるためワザとそうしてたんだ、と最近になって思うようになりました。
序盤に感じたうるささがいつの間にか気にならなくなってるので多分意図的だったんだろう、と。
よくある話、第一印象がマイナスからスタートだと0に戻っただけでも好印象に錯覚するというヤツのせいか、ベア子もかなり好きになってたり(一番はちせだけどねー、インパクトが異常だったので)。
そこまで狙ってやってたとしたら…ひょっとして音響の方って凄い人だったりする?

で、肝心のちせですが、勤勉くんか!ついでにこれは…塚原卜伝か?
ああいった世界なので人種差別どうなってんだろ?と思ったけど別に日本人だからといって差別はされてない?
5話で大人達が奇異な目で見られてたけど、あの土下座っぷりは特殊な局面だったのか武士だか政治家がああってだけで、民草は至って普通なんかね?
いや~今後も活躍が楽しみですが…借金取りの再登場はあるのかどうかも気になり出したりしちゃったりなんかしてー。


余談・他サイトのネタを拝借してるため問題がある場合は消します
なんでまた広川太一郎が?と思い、ついつい考察サイトを覗いてしまいました…考察なだけでネタバレは無いのでダメージは無いかな。
そこでちょっと気になる点があったのでここでちょいと。
OPの花についてなのだけど、
ちせ  :梅
アンジェ:ユリまたはキキョウ
ベアト :牡丹?
ドロシー:不明
となってて、多分ドロシーはオダマキじゃないかな?
花だけ見たらスイセンやヒメノカリスも候補に挙がるけど、葉っぱが三複葉ってことで。
問題はアンジェ。
自分はよく考えずにキキョウだと思ってたら、六弁なので違うかもしれないとのこと。
あそっか…かといってユリというのは違う気がする。
意匠化されてるとはいえひょんと突き出た柱頭が無いのはあり得ないというか。
じゃあ何かといえば、見た目だけで言えばバビアナが近いような…?
けどそんなの使うんかいな?あんまりマイナー…ってよりもドメジャーな物しかこういった所では使わない気がするんだが。
う~ん、なんか見落としあるのかのう。
ついでに言うとベア子は美女ナデシコだと思ってた。
これは歯車一個一個を花と捕らえるか花びらと捕らえるかの違いだけど…フォルム的にボタンはどうかな?
ボタンってアレよ?賭ケグルイのEDの背景にでんと描かれてるやつ(あっちは花札からの引用だろう)。

更にもうひとネタ。
カサブランカをユリの何たら~と書いてあったけど順序が逆。
ヤマユリ等を品種改良してできた純白の花にカサブランカって名前を付けた園芸品種。
野生には生えてないし作出されたのも1970年代、作中のメッセージとして使うには時期が違い過ぎる。
作中は単に命名由来の地名を指してるだけでユリは関係ないかと…「カサブランカの白い家」はちょっとフフッとなったけど。
{/netabare}

8話感想
{netabare}まさかの2話のネタバラシ。
てっきり「アンジェとプリンセスはずっと以前から入れ替わってた?」はクライマックスまで引っ張るのかと思ってたのでビックリ。
これは「そこまで引っ張るほどでもない」ってことなのか「クライマックスに相応しい山場は存在せず、淡々とした話が続く」ってことなのか?
まぁどっちでも良いし、ボンヤリとした部分を早目に明確にしてくれたのは親切心だと受け取ろう。
(自分は考察サイトを覗いてしまったので「やった睨んだ通りだったぜ」と喜ぶことはできませんでした。しまったなぁ…)
継承権上げるために身内同士の骨肉の争いをするのかと思ったけど、そっちには行かないのかな。

それにしても(作中の)現代でも孤児は居るけど、革命前は更に酷い有り様だったんやねぇ…。
単に史実を元にそう描いただけかも知れないけど、あれでは革命起きても止む無しと納得のできる描写で好印象。
やっぱり民間人描いてナンボだよ、ウン。

ケイバーライトを使って物凄い怪力を演出してたけど、発光は視聴者には見えてキャラには見えないのかな?
それと残念なことに広川太一郎は出ませんでした、2回で打ち止めかねぇ?{/netabare}

9話感想
{netabare}ちせメインで異文化ギャップを見せつつ世界観の掘り下げと今までのおさらいっぽい回。
多分異文化交流で最大のハードルは匂い、靴履きっ放しで足が臭い⇔納豆や糠が臭い、お互い臭い言ってて、美少女相手でも容赦のない姿勢は好感が持てる。
7話感想で日本人差別はどうなってるんだろ?と思ったら、差別以前の「よく分からない国」だったと判明。
いやぁ~こういう回は必要です、分かってるねぇ。
折角出身の違うキャラを一人ポンと投入したのだから、当然起こるべきことを当然のこととしてスラっと描いてくれるのは子気味いい。
そりゃあ目立つし、からかわれもするだろうて。
同時にプリンセスが継承権がそんなに高くない“らしさ”も上手く表現されてたと思う(高かったらちせへの挑発はすぐに止めたかと)。

まだNINJAは広まってない模様、下手にちせが活躍したら勘違いNINJAが流行っちゃいそう。
なんかあったら黒トカゲ星人よりも噂になりそうじゃない?NINJA。
ってか活躍する機会は今のところあんまり無いのね、スパイだったら仕方ないやね。
刃傷と人情かけてた気がする。
堀川公の邸宅は大使館みたいなものと思っていいのか?
弱小国扱いにしては立派な庭園に見えたが…。
それ以上に気になったのはちせの姉の存在、あれ、以前から触れてたっけ?
ひょっとして実在してない?
と思ったのも、手紙の内容が機密をぶっちゃけ過ぎてるから。
あの世界なら普通に検閲あるよねぇ…日本に住む姉宛てというより天国宛てな感じがした。
“きんつば”も含め、餡子って実は外国人は抵抗持つ人が多いと聞いたことがある、甘く煮た豆が信じられないとかなんとか。
ってことで振舞われたきんつばはちせにとってのみご馳走で、もしお土産に持ち帰っても糠漬け同様不評だったろうなぁと思うとちょっとクスッとくる。
あそうそう、安易にSUSHIを出さなかったのも好印象、時代的にあり得ないもんね(なれ寿司ならあるんだろうけど)。
SUMOUは言わずもがな、カン違いっぷり全開で笑うところだろうけど、どんなに珍妙に思えてもその民族の儀礼なら尊重するってのはこれまた常識…ってのはあくまで対等な場合で、プリンセスが弱小国の珍妙文化を実践してくれるってのはなかなか凄いことなんじゃなかろうか。
これでちせは篭絡されちゃったかなー?{/netabare}

10話感想
{netabare}8話で、2話で張った謎(アンジェとプリンセスの入れ替わり)をサラリと明かしたのはなんでじゃろー?と思ってたら、ナルホドねぇ。
委員長の憧れの相手…その相手が持つ憧れの部分──気張らず飄々とした感じか──は、真似しようとしたってそう簡単にできるものではない。
また真似しようとしてヘマこいて二重スパイしなきゃならないハメになったっぽい、薬に手を出した?
入れ替わって上手いこと演じ切ってる(真似てる)アンジュとプリンセスとの対比を明確にするために8話では早々にネタバラシをしたんだろうと推測。
同時に、入れ替わって演じ続けるのもいつか限界が来るかも?ってのを暗示してるようにも思える。

アンジェが犬小屋(じゃないけど)へワイヤー使って行く際、ベア子がなにか言おうとした内容は「なんでCボール使わないの?」って感じかと。
手の内を明かさない→委員長を疑ってるって伏線やね。
もしあそこでケイバー使ってたら逃走経路に電車は使わず、もっと面倒なことにになってただろう。
ケイバー使い過ぎると病気になるんで使用を極力避けてるのか?とも思ったけど、その件は掘り下げられないのかな。

鹿威しのシーン、池に浮いてる葉はオオオニバス、温室でないと栽培は難しい、ってことで室内庭園か。
そしてそれが何のためなのかはちせも知らず…くっそw着実にカン違い日本を広めてやがる。

いや~今回も楽しめました。
驚くくらい毎回しっかりとした内容で、一部では大河内チェンジリング説が飛び交ってる模様…ヒデー言われようだw{/netabare}

11話感想
{netabare}・植民地からの人員で結成された軍の一部に反乱の兆しアリ、プリンセスを旗印に掲げようとしている
これが11話始まる前に起きてた出来事だと思うんだ。
それとあの状況で「プリンセスをなるべく目立つように殺せ」ではなく「“暗殺”せよ」と命が下るということは…暗に「アンジェがプリンセスに入れ替わりなさい」と言ってるって解釈でいいのかな?
で、それを受けての11話の感想というか推測。
ゼルダの上司、ってかコントロールでいいのかな?の思惑について。

仮説1・反乱するにしても本物のプリンセスではなく息のかかったアンジェの方がコントロールしやすいってこと?
仮説2・わざと反乱させてその後「お前のプリンセスはニセモノでしたベロベロバー」として瓦解させる、反乱分子を燻り出して潰す作戦?
またはこれら以外。

要はLの更迭によってどっち側になってるのか自分には分からない。
ほほう、こりゃ次の話が気になりますなぁ…といいつつひょっとして大きな見落とししてる?という不安を抱きつつコレ書いてたり。
ってかね、単に戦争やりたいだけだったらCボール精錬技術盗めばいいんじゃね?(※)と思ってるので、内部の不穏分子粛清狙いなんじゃないかなー?と思ったり。
その一方であの時代に身の証を立てる手段ってあるんかいな?という疑問も。

それにしても継承権上位の連中出ないねぇ。
女王陛下自らでもいいけど「実は私も壁は要らないと思ってます」ってドンデン返しもありえる?と思ってるので。
あと気になったのは「プリンセスは始末した」と聞いて死体の確認をしないのはどうなんだろう。
ゼルダも何かウラがあったり?
…と、ここら辺は疑い出したらキリが無いですね。
いやぁホント次回が気になる。



4話より、共和国側はケイバーライトの小型化はできたけど実用化(実戦配備化)できるほどの精錬技術は無いらしい、一方で帝国側はその逆。
10話より、Cボールの配備はスパイでもごく一部止まり。
その問題をクリアして反乱軍に配備されたとかでもなければ反乱の狼煙を上げるのは早計な気が。
まぁ所詮は帝国内の内乱なので、共和国としては上手くいけば儲けもん程度で焚きつけただけだったりして。
Cボール自体が物語を左右する鍵となってるのかただの小道具止まりなのか…どっちでも良いけど現状では不明なため、予測は難しいのう。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}ああやっぱり、コントロール(の更に上、共和国上層部)は一枚岩じゃなかったってことか。
帝国で内乱起きればそれでいい、植民地軍がどうなろうが共和国側の腹は痛まないってことで扇動することにしたゼルダ・ジェネラル派と、それはアカンとする慎重派・L派に分かれてるってところか。
まぁやっぱり戦争おっ始めるならCボール大量生産からでないとちょっとアレよね。
恐らくジェネラルはあの後始末されただろうけど、共和国にタカ派(といっていいのか?)が残ってる限りゼルダはその手先として働き口があるのであんなに余裕綽々だったんでしょう。
日本としては帝国と共和国どっちに着くべきか決めかねてる状態なので、自分から仕掛ける気は無いが何かアクシデントが起きてくれた方が見極めやすいってことだったのかな?
なのでアクシデント(騒動)を未然に防ごうとするちせが堀川に諭されたってことなんだと思う。
ヤバいのはノルマンディにプリンセスの影武者が存在すること、共和国側にCボールがあることが知れてしまった点か。
スパイで一番ヤバいのは尻尾を掴まされることで、こりゃ大変だ~ってところでアニメは終わってしまいました。
2期やる気なのかね?ってか是非やって欲しいのだが。

充分面白かったけど、最後はちょっと物足りない感じだったかな?
・結局ゼルダの失態は死体を確認しなかったこと
・アンジェが会場に戻ってくるの早すぎ
→航空機で暫く飛んでたんでしょ?結構な距離離れてたと思うのだが…。
・10年前に入れ替わったネタを使い切れてない
→是が非でも壁を無くしたいという動機にはなるけど、別にそんな理由無くても昔出会ったことがあるってだけでも動機としては充分満たせるかと。
→イングウェイ少佐から鍵を奪ったのは10年前まだ乞食だった頃に培った技で「こんなところで活かせるなんて」くらい言わせれば良かったんじゃないかなー?
→その場合、鍵はすぐには取り戻されずに最後まで引っ張る展開にしないといけなくなるが。
・さすがにちせは対Cボール用の技を編み出しては居なかったか
→そこまでやってたら「ああ、日本はどっちつかずで場合によっては簡単に掌返す勢いなんだな」ってのに深みが増したんじゃないかな。
・これは追及してもしなくてもいいことだけど、そもそもアンジェとプリンセスがソックリな理由も…できたらあった方が良い様な?

と、突っ込み所が無い訳ではないけど、総じて充分楽しめました。
なにより序盤ちせのモーコン勘違い、中盤の広川太一郎で中ダルみ回避は個人的にはお見事と言わざるをえない(どっちもオッサン向けのような…)。
あと2話で張った謎を8話であっさりバラすのもビックリでした。
それだけに終わり方がねぇ…やっぱり2期っすか?2期に期待ってことっすかねぇ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

飛び立つの~ モロッコへ~

オリジナルアニメって良いね(^^)


2018秋期『RELEASE THE SPYCE』観てた時に比較対象としてちょくちょく挙がってた本作。
ハードだよ、と聞かされつつもキービジュアルはいたって平凡。視聴を後回しにしてましたが劇場版控えた?再放送にて視聴しました。これきっとサムネで損してます。

19世紀末起点のスチームパンク作品。技術特異点は「ケイバーライト(重力遮断物質)」。このなんかすごそうなものをきっかけにあれやこれやの末、革命で東西に分断された架空のロンドンで暗躍するスパイたちの物語です。
現実のベルリンに「Checkpoint Charlie」通称「壁博物館」というのがあります。
勢力の境い目は常にインテリジェンスの最前線であるためきわめて妥当な設定。版図を広げた結果 “王国” と “共和国” に分裂した本作の舞台 “ アルビオン王国 ” のモデルはイギリスです。
イギリスといえば「007」を真っ先に思い浮かべますね。向こうは色男でこっちはJKです。指令役、向こうは“M”こっちは“L”。サイズアップしたことで一匹狼から五人組に変更が加えられております(嘘)。


結果、、、めちゃくちゃ面白かったです。
身も蓋もないハードな内容ですが、物語の柱となる主要キャラ二人の因縁に焦点をあてると、けっして後ろ向きではないメッセージが伝わってくるのがよい。
混み入ってるため整理がてら久々にあにこれ準拠で評価すると、


■物語
製作スタッフ曰く

「アニメ的に盛って作っています。綿密に考えているところと、わざとガバガバに見えるように盛ってあるところは強いメリハリをつけています。」

じゃあそういうことで(笑) 
全体のトーンはハードなんですけど力抜くところとのバランスが絶妙でごりごりの鬱展開手前でおさえる演出は見事でした。


■声優
可もなく不可もなく。主要キャラ五人組は以下。

 アンジェ(CV今村彩夏)
 プリンセス(CV関根明良)
 ドロシー(CV大地葉)
 ベアトリス(CV影山灯)
 ちせ(CV古木のぞみ)

私の場合どなたのお名前も存じ上げず、そのことがむしろ人知れずな存在であるスパイを体現しているかのように感じられました。
またアンジェ役今村彩夏さんは既に声優業を引退されたとのこと。続編を不安視する向きもあろうがきっと代役がしっかりこなすのでしょう。人知れず消えても何事も無かったかのように代わりの者が任に就く。スパイ稼業とシンクロするなぁと一人感慨に耽ってしまいました。ファンの方ごめんなさい。


■キャラ

アンジェとプリンセスをある意味超越した存在に仕立て、人間くさいドロシー、なごみとガヤ担当のベアト、ギャップボケのちせと緩急つけたキャラ配置。
そしてノルマンディー公や「コントロール」の面々。ハードな世界観を死守しました。いい塩梅です。


■作画

のっけの1話。架空ロンドンの街並みの妖艶さ。続けて2話。パーティーでのカメラワーク。そして緊迫感をともなうカット割り。正直文句はないです。そもそも技術の巧拙はよくわからんし。


■音楽

梶浦由記案件は無条件に5.0点!ドラマティックな劇伴の印象が強い梶浦氏。本作では緊迫のやり取りや潜入の緊張感を高める作曲。いわんや「志村後ろ~」を盛り立てるかのような楽曲たち。
OPEDは自分的には佳作。日本語でやっておくれ~、、、ただしOPアニメーションは秀逸。
{netabare}5人のワンカットが見事に各々のキャラを表わしています。黒蜥蜴星人からアンジェに切り替わってプリンセスに手を伸ばすカットからのツイストさせて銃爪をひくまで一連の流れがなかなかのメタファー。{/netabare}


概観するとこんな感じです。
以下はネタバレ込みで視聴済の方向け。


■非情をしっかりと描く

非情な世界で友情を貫けるのか?
保身に走ってもおかしくない状況でどう振舞うかは作品の見どころでした。説得力を持たせるためにハードな描写は必要不可欠だったのです。

{netabare}さっそく1話で襟は正されます。あ!死ぬのね・・・を目の当たりにして作品の方向性がわかる仕掛けです。過剰なまでに “ 嘘 ” というセリフを言わせて頭脳ゲーム的展開を想起させる良い導入でした。そしてセリフとしての “ 嘘 ” は2話以降控えめになってます。うさんくさくならない手前でやめといて正解だったと思います。{/netabare}


{netabare}作戦がどういった類のものかに着目してみました。

1. 亡命幇助(西→東)
2. 建造計画流出阻止
3. 共和国紙幣原版の回収作戦
4. 王国で“ケイバーライト”小型化成功
5. 共和国寄りの要人暗殺者の特定
6. 王国外務省の暗号表奪取作戦

どれもパワーバランスを崩すインパクトのあるものばかり。使い古されているとはいえチンケな作戦はありません。とりわけ3.4.6.は力関係が逆転するほどのものです。{/netabare}


{netabare}1話完結タイプでその1話内で伏線提示と回収を済ませるテンポの良さにも感心しました。非情さの面で一例を挙げると、委員長回(第10話)の「さよなら」の使い方ですね。

冒頭。養成所時代のアンジェの回想
「基準に足りないと判断された子はある日突然いなくなってしまう」「だからさよならなんて言ったことなかった」

時は流れて委員長 (*´Д`)
「さよなら ドロシー」

養成所同期でアンジェに続いて万年2位だった委員長。彼女が求めたのがどうあがいても辿り着けない才能ではなくどうやっても真似できない生き方というのがなんともせつなく、クスリに頼るような優等生の弱さを見抜いていたアンジェがかけたせめてもの優しさだったかと思うと震えます。

「どいつもこいつも、ウソつきばっかりだ」
ヘタに泣き言を言わないだけにドロシーの胸中も察して余りありますね。特殊EDが涙を誘った父親回もそうですがこのアニメはドロシーに厳しすぎます。{/netabare}


■ベアトリスとちせの効用

ほっこり担当の二人。鬱ストッパーとして活躍しました。二人のいないプリプリは想像できません。

{netabare}なかでもベアトのポンコツシーンが良くてそれを見せるために(嘘)、アンジェの飛行機潜入(第3話)とドロシーの死体漁り(第7話)などペア組み作戦では必ず帯同していたのを忘れてはなりません。{/netabare}

{netabare}ちせは五人揃っている場面で波風立たせる役回り。ペア作戦がない分ちせ回 を用意してバランスを取ってたような気がしてます。{/netabare}

{netabare}セリフ回しでもいい感じで脱力できるシーン多々。

・「(日本では神は)山に川に厠にまでおるからな」 第5話ちせ
 →それって『トイレの神様』ってこと?w{/netabare}




こうして描かれてきた非情さとほっこりといった「緊張」と「弛緩」のバランスの上に立って物語の主軸となすのはアンジェとプリンセスの因縁の関係。
数奇な運命を辿った二人がお互い難しい立場ながら相手を想い続けられるのか?
この運命の濁流に飲み込まれ翻弄されるタイプの物語は控えめに言って大好物な私です。

{netabare}「その子が壁をなくしたいって言った時どういうことかわからなかったけど辛い事や悲しい事がなくなるなら本当にそうなってほしいって思った…」
「でも私がそのチャンスを彼女から奪ってしまったの!だから私が代わりにこの国を変えるって誓ったんです!」

プリンセスの命を懸けた訴えです(第11話)。前の回での「私の人生をあなたのおもちゃにしないで!」とアンジェに吐き捨ててからのこれですよ。尊いったらありゃしません。{/netabare}

{netabare}My turtledove,
Run and live
as Ange!

「アンジェとして生きて!」脱出用パラシュートに残されたプリンセスのメッセージも芸が細かい!{/netabare}



期待値を大幅に上回った良作でした。ご都合展開は当然あるしラストは急いで畳んだ感も残ります。
しかしながら作品から受け取るメッセージに共感できる部分が多く、マイナス要素は不問としました。要は手のひらで踊ったわけです。
大きな力に抗うかのようなさまは、『踊る大捜査線』の室井管理官と青島刑事との関係性に近いものを感じたりもして自分的にはどストライクな一品でした。お薦めです。



最後に、、、

{netabare}「カサブランカに白い家を用意したの」

 Casa(家) blanca(白){/netabare}

やっぱりこの作品はどこまでも洒落てました。




※以下自分用整理メモ

ほんとやめて~の時系列シャフル。
まるで2期前提かのような時系列ミスリード

#01 case13 Wired Liar
#02 case1 Dancy Conspiracy
#03 case2 Vice Voice
#04 case9 Roaming Pigeons
#05 case7 Bullet & Blade's Ballad
#06 case18 Rouge Morgue
#07 case16 Loudly Laundry
#08 case20 Ripper Dipper
#09 case11 Pell-mell Duel
#10 case22 Comfort Comrade
#11 case23 Humble Double
#12 case24 Fall of the Wall

空白のエピソードがあるのかないのか?

{netabare}時系列で整理すると以下のとおり。TV放送と円盤とで話順もちがっていてややこしい。

#02 case1 チェンジリング作戦始動 アンジェ転入 王女と接近 建造計画流出阻止
#03 case2 共和国紙幣原盤の回収作戦 Cボールまじ無双 ベアト融和的に
 ★A case3~case6★
#05 case7 ちせと残り4人との初対面 ちせさんマジ五右衛門からの十兵衛討伐
 ★B case8★
#04 case9 王国で“ケイバーライト”小型化成功 王女の身分利用でパーティ顔パス 
 ★C case10★
#09 case11 ちせ担当学園回 ちせ融和的に
 ★D case12★
#01 case13 亡命幇助(西→東)の話 キャラクター紹介
 ★E case14~case15★
#07 case16 共和国寄りの要人暗殺者の特定 洗濯工場潜入
 ★F case17★
#06 case18 王国外務省の暗号表奪取作戦 ドロシー担当潜入回 ベアトと一緒に死体漁り
 ★G case19★
#08 case20 重要回 アンジェとプリンセスの馴れ初め
 ★H case21★
#10 case22 委員長二重スパイ プリンセス暗殺指令
#11 case23 ゼルダ登場 お買いもので巻く
#12 case24 ラスト


虫食いは8箇所で12話分と見てとれる。劇場版で6編描くみたいなので楽しみにしとく。
間を埋めるエピソードなのか?case24以降を描くのかは不明。 {/netabare}

{netabare}想定はこちら↓

★A case3~case6★:どこかでプリンセス(王国側)とコントロール(共和国側)とでの合意事項を描いておく必要がありそう
★B case8★:case9での初潜入前にプリンセスのスパイトレーニング描写がないと不自然かも
★C case10★:チームの信頼を勝ち取ったプリンセスの後日談もしくはちせが客人扱いされて疎外感を感じる話が欲しい
★D case12★:五人組が相互に信頼を寄せあえるようになってからの初回。スカッとするようなチームアクション希望
★E case14~case15★:どっかでノルマンディー公の人となりの話がほしいな
★F case17★/★G case19★:1.王国(ノルマンディー公)への情報流出っぷり 2.クーデターの萌芽 ・・・終盤の展開から逆算すると説明不足だった箇所
★H case21★:いかようにでも・・・アンジェとプリンセス再開するまでを深掘りするのが無難。二重スパイを思いっきり悪役に描くとかヤク漬けにする鬼畜プロセス描写などもあり。{/netabare}



視聴時期:2019年7月~2019年9月 地上波再放送

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2020.03.11 追記

アンジェ役後任の古賀葵さん。まんまアンジェでした。劇場版も楽しみですね。

{netabare}「レビュータイトル『世界でいちばん熱い夏』っしょ?」{/netabare}

二重三重に隠した慎ましいボケを言い当てた○○さん、さすがです。
引き続き宜しくお願い致します。


2019.09.04 初稿
2019.09.27 修正
2020.03.11 追記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 61
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最終話&総評 傑作ではないが良作

このサイトのあてになるのかわからないランキングで1位になっていたので、見ることにしてみた。

第1話、第2話 いろいろ含みがありそうだけど
{netabare}
作画やキャラデザは文句なし。設定はやや複雑だけど、伏線をちゃんと回収して、ストーリーもそこそこ。注文をつけるなら、つづきが気になる終わり方をしてほしい。
絶賛するほどではないが、今期のアニメではいいほうだと思う。ゲームにはなってそうだけど、オリジナルかな。

西側が共和国で、東側は王国。王国のほうが強大なのだろう。アンジェたちは共和国側で、スパイとして王国側の学校に潜入中。
プリンセスは王位継承の順位が下のほうで、トップに立とうと奮闘中。そのためにアンジェに近づいた。だけど、アンジェとプリンセスは幼いときに知り合っていた……。こんな感じでいいのかな。

こういう展開だと、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってるんじゃないかって深読みしたくなる。アンジェとプリンセスの容姿が似ているのは、ただの偶然なのか、とか。

今後は、アンジェがプリンセスになりきって、王国に潜入する展開になるのか。でも、プリンセス自身がすでに肝が据わっているようにも見える。
いろいろ含みがありそうだけど、あまり期待せずに見ていきたい。
{/netabare}

第3話 主要キャラの背景を予想してみた
{netabare}
・アンジェ
プリンセスとは姉妹。東の王国側で生まれたが出生に秘密がある。命を狙われているため、西側に逃れた。王室の親族であるにも関わらず虐げられた経緯があり、王室を憎んでいる。
「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのはプリンセスというより、王室に対するもの。アンジェの目的はプリンセスと入れ替わり、プリンセスを消し去ること。だから、プリンセスに「一緒に逃げよう」と言った。

・ドロシー
二重スパイ。王国側のスパイで、コントロールの居所を探り、壊滅させるのが目的。成功したら金銭や地位を約束されている。裏で糸を引いているのはノルマンディー公。だけど、約束を反故にされたうえに命まで狙われる。結果、両方から追われることになる。

・ベアトリス
二重スパイ。共和国側のスパイで、プリンセスに接近し、さらに地位の高い人物を狙っている。ただし、彼女自身にスパイの自覚はなく、機械によってコントロールされたりする。裏で糸を引いているのはドリーショップ。

・プリンセス
女王になることでなく、ケイバーライトを消滅、または均等に分け与え、世界のバランスをただすのが目的。そのためには女王になる必要がある。

現時点ではこんな感じ。二重スパイはありそうだし、プリンセスも嘘をついている気はする。
アンジェとプリンセスの容姿が似ている点は、何度かセリフ等で出ているので、伏線の可能性は高いが、ミスリードかもしれない。
{/netabare}

第4話 とくにオチはなし
{netabare}
毎回、オチがあると思ったけど、今回はなかった。
王国は共和国のように小型化には成功していなかったけど、飛行戦艦は製造できて世界を凌駕している、と考えればいいのかな。飛行機あるならじゅうぶんだろって思ったりするけど。設定が複雑で把握してないとわからなくなりそう。

プリンセスが二重スパイとは考えなかった。ひねりがないから。あるなら、王国でも共和国でもない三重スパイか。
情報をリークした人物がわからずに終わった。最後にアンジェがドロシーをチラ見してたのが気になるけど。

ドロシーが二重スパイで王国側の命令で動いていると予想しているけど、ドロシーがプリンセスを二重スパイと疑うのは不自然か。二重スパイ同士、味方ってことになるから。ドロシーは共和国側の人間だけど、王国側に寝返っているという設定ならいいか。書いててわけがわからなくなってくる……。
{/netabare}

第5話 オチはわかった
{netabare}
車両を切り離すのはやりそうな気がした。映画ではよくあるので。切り離されたほうにいて車で追いかけたりする。オチもわかった。ちせを裏切り者と呼んでいたから。

わかりやすい話だったけど、面白かった。ちせのズロース(?)も和洋折衷でよかった。

わからないのは、なぜ、話の順番を入れ替えているのか。ややこしいだけで、それほどメリットを感じない。伏線なのか、変わったことをしたかっただけなのか。
{/netabare}

第6話 ドロシーのエピソード
{netabare}
よくある泣ける(でもないか)話。そんなことしゃべったらフラグ立つぞって突っ込んでいた。
もともとドロシーは王国側の人で共和国に逃げてきた。共和国のスパイになって王国に戻っている……でいいのかな。このアニメ、設定は複雑。

スパイらしい活動はしているが、緊迫感や緊張感が乏しい印象。
case18とする必要があるのか疑問。普通、第18話になったら、かなり話は進んでいると思うんだけど……。
{/netabare}

第7話 伏線?の回収
{netabare}
ちせが弾丸をよけたところが面白かった。それ以外は普通。オチもなかった。バッドエンドになりそうな雰囲気はあったけど。
前回(case18)の借金取りがまた出てきた。今回(case16)のエピソードのほうがさきになる。前回、ドロシーが借金取りを見てハッとなった伏線(と言うほどでもないが)が回収されている。

case1~case18まではキャラクターの裏事情のエピソードで、話はそれほど進んでいない気がする。
次回はcase19以上だと思う。1クールアニメならそろそろ結末に向かわなければいけないので。
{/netabare}

第8話 この展開はあると思った
{netabare}
最初のレビューで、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってると深読みしていた。ありがちな展開だけど、面白かった。これがないと、味気ない。

アンジェ=シャーロット(プリンセス)、プリンセス=アンジェ、でいいのかな。ややこしいので、いままでどおりで。
アンジェの髪の色が気になった。意図的に染めているのか。子供のころは金髪だったので、二人が姉妹の可能性も高くなったか。

第3話で、アンジェが「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのは、自分自身ということになる。このセリフが入れ替わりの伏線だった。アンジェの言っている黒とかげ星は、王国のことを指しているのかも。
いままでの話を入れ替えて見直すと、面白いかもしれない。
{/netabare}

第9話 ちせのエピソード
{netabare}
ほのぼのと始まり、ちせの決闘という展開。ちせのエピソードがあってもいいけど、もっとまえに入れるべきじゃないか。
前回の入れ替わりに繋がるところは、アンジェの表情に影が差したくらい。

スパイものとしても物足りない。仲間を見捨ててミッションをつづけるか、といった緊迫したものを期待していた。

これまでの話をcaseで並べてみる。

case01(第2話)プリンセスとアンジェの再会
case02(第3話)紙幣の原版ミッション、ベアトリスの声の秘密
case07(第5話)ちせが仲間になる
case09(第4話)小型化ケイバーライトミッション、リークは謎
case11(第9話)ちせの決闘
case13(第1話)王国の研究者を共和国へ逃がすミッション
case16(第7話)洗濯ものミッション
case18(第6話)ドロシーのエピソード
case20(第8話)プリンセス、アンジェの入れ替わり判明

なにかあるかなと思ったけど、なにもないなあ……。リークした人物がまだ謎のままだけど、たぶん、ドロシーだろう。
{/netabare}

第10話 終盤なのに意外と普通の話
{netabare}
ドロシーが関係するエピソードはバッドエンドになるなあって思った。
遊園地を絡めたオチはよかった。アンジェではなく、ドロシーに持っていくのはありがちな展開だけど、このアニメはうまく描いているので、ありがちだけど楽しめる。

一話完結として見ると秀逸ではあるが、全話で一つのストーリーと思って見ているせいか、ちょっと物足りない。せっかくの入れ替わりが生かせていない。次回は期待できそうではあるが。
{/netabare}

第11話 最終回を予想してみた
{netabare}
シャーロットが女王になって終わる。

これは普通にありそうな結末。
残り1話でアンジェがシャーロットだと説明する尺はない。簡単に済ませるにはこうするしかない。

現女王は、入れ替わりに気づいている。

身内なら当然である。気づいたなら放っておくはずがないので、

"チェンジリング作戦"は王国側が考えたもので、シャーロットを取り戻すのが目的だった。

この作戦を共和国に持ち込んで円滑に進める王国側の人間が必要となる。

それが、ドロシー。

ドロシーは王国側のスパイで、いくつもミッションを成功させてきた。現役のスパイなので、養成所もパスできた。年齢の謎も解決する。みんなドロシーに騙されていたというオチ。

問題はプリンセス。アンジェの気持ちを変えるため犠牲になる可能性大。プリンセスの結末がこのアニメの印象を決めるだろう。タイトルの「プリンセス・プリンシパル」はプリンセスのことかもしれない。
{/netabare}

最終話&総評 傑作ではないが良作
{netabare}
最終話はあっさりしていた。
"Fall of the Wall"はじっさいの壁ではなく、アンジェの心の壁というオチだった。
このタイトルなら、プリンセスかアンジェが女王になって壁をなくすと思うよ。
もう少しひねりのある結末を見たかった。残り1話では仕方ないか。
水着(?)のラストから考えると、このアニメはミッションインポッシブルでなく、チャーリーズ・エンジェルのほうなんだろう。


総評

作画、キャラデザは文句なし。ストーリーもさいきんのオリジナルのなかでは一番いい。とくに第2話(case1)がいい。入れ替わりがわかってから見ると違った印象になる。これで終わってしまうのは惜しい作品である。

ここからは不満点。
山場と言えるのは、入れ替えの第8話。終盤にかけてこれを生かしたなら、もっと面白いクライマックスになった。

チェンジリング作戦が主軸なのに実行されずに終わってしまった。アンジェを王室に潜入させて、色々ミッションをこなすほうがよかった。

ホームページに説明まであるのに、ほとんど登場しないキャラがいたりする。その一方で、ホームページで紹介されないキャラを終盤の敵役にさせるのはどうかと思う。

スパイらしい活動が少なかった。仲間をとるか、ミッションをとるか、といったスパイにありがちな展開もなし。

メンバーのなかに一人くらい二重スパイがいてもいいと思うんだけど……。アンジェがドロシーを疑うようにチラ見したシーンはなんだったんだ。case順に並べたダイジェストがあるので、そこでなにかわかるかも。

二期がありそうな終わり方だったが、あまり期待できない。それに全12話でうまくまとめたほうが傑作は生まれる。傑作になり損ねた良作というのが全体の感想。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

71.4 2 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
キズナイーバー(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (774)
3691人が棚に入れました
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。

かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。

夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。

そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。

しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。

園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」

その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。

互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

声優・キャラクター
梶裕貴、寺崎裕香、島﨑信長、久野美咲、山村響、前野智昭、佐藤利奈、西山宏太朗
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

強制的に突き崩される『ハリネズミのジレンマ』

いきなりですが『ハリネズミのジレンマ』って言葉、
実は『ヤマアラシのジレンマ』というのが大元らしいですね。
心理学で言うところの『Porcupine Dilemma』。

それが新世紀エヴァンゲリオンの三話でリツコとミサトに語られ、
さらに四話「雨、逃げ出した後」のサブタイトルに、
「Hedgehog's Dilemma(ハリネズミのジレンマ)」ってついていたことから、
日本にハリネズミが定着したとかしないとか。

ただし、英語圏では
『Porcupine Dilemma』『Hedgehog's Dilemma』どちらも用いられていて、
(実際、WIKIにはHedgehog's Dilemmaで載ってました)
『Hedgehog』ならハリネズミで正解じゃん、との声もあり、
この辺になると僕ごときの語学力では何が真相なのかちっともわかりません。
  誰かわかる人教えてくださいませ。

閑話休題。

さて、本作はTRIGGER制作、岡田麿里脚本というビックカップルの作品です。
そして僕が個人的に思うには、
あにこれで最も過小評価されているTRIGGER作品でもあります。

これまでTRIGGERが制作したアニメで
ショ-トアニメ『宇宙パトロールルル子』を除くあにこれ総合順位は
  キルラキル            171位
  ダーリン・イン・ザ・フランキス 282位
  SSSS.GRIDMAN          282位
  リトルウィッチアカデミア    325位
  異能バトルは日常系のなかで   701位
  BNA ビー・エヌ・エー      905位
  SSSS.DYNAZENON         914位
  本作              1217位
と、ぶっちぎりの最下位。まさかの「ベスト1000落ち」です。
いやよくここまで嫌われたもんだ。

もちろん人さまの評価をあれこれ言うつもりはありませんし、
そんな資格など誰にもないわけですが、
僕は個人的にこの作品を、TRIGGERの代表作の一つに位置付けています。

物語は、とある実験都市で、
自分または他者の痛みを公平に分配して共有する仕組み、
『キズナイーバー』の手術を無理やり施された七人の高校生たち、
そしてそれを推進する謎の美少女高校生を含めた
八人の群像劇として進行していきます。

  まず、この設定が示唆に富んでいて抜群に面白い、です。

自分の好きな人ともっと親しくなりたい、距離を詰めたいという思いは、
誰にでもあるものだと思います。

だけど相手との距離が近づけば近づくほどに
  見せたくないものを見られ
  見たくないものを見せられ
というリスクが少しずつ膨らんできます。

それは、言葉を変えて表現するなら
  自分が傷つきたくないという身勝手な気持ち
  相手を傷つけたくないという思いやりの気持ち
が綾のように折り重なっている状態です。
それにより人は、人と距離を詰めることに二の足を踏んでしまいます。 

ところが本作『キズナイーバー』では、
外科手術により、まず『身体の痛み』という領域で、
このジレンマが強制的に取り払われます。

  一人の痛みを数人で分配し、分かち合う。
  これによって一人が受ける痛みの量は軽減されますし、
  他人の痛みを知ることもできます。
  こんなに素晴らしい、
  人と人が仲良くなれる画期的システムは他にありませんよ。

そういう、新興宗教の戯言みたいな考え方によって、
七人の若者が強制的に手術を施されて繋がれ、
さらに、様々な『仲良くなるための課題』に取り組まされるわけです。

もう、この段階で、
「友だちとの絆がいちばん大事」「みんながいるからがんばれる」
なんて言ってる安物アニメへの強烈なアンチテーゼになっています。

  同じ部活だから、同じ魔法少女だから、
  そういう『たまたま一緒になった』ことが絆を築く理由になるのなら、
  『たまたま手術で繋げられた』もアリだよね、と。
  痛みを分配して分かち合っているぶん、
  むしろこっちの方が『絆』は最初から深いわけで。

もちろん本編では、繋がれた七人は、そんなことに納得はしません。
夏休みが過ぎたらキズナが解除されるということで、
いやいや、しぶしぶ、計画にお付き合いすることになります。

そして、なんのかので関係性が深まっていくうちに、
その刻まれたキズナの効果に、
思いもよらなかった画期的な変化が生じます。

{netabare}
  他人の『心の痛み』を感じるようになる。

それは、最初はもわっとしたようなどんよりしたような、
単純に重苦しいだけのイヤな感覚でした。
だけど、その感覚が次第に研ぎ澄まされています。

  そしてついに嵐の夜、『心の声』が聞こえるようになります。

もはやこうなるとヤマアラシもハリネズミもありません。
聞かせたくない声、知られたくない思いがダダ漏れ状態です。
結果として事態がよくなることは何もなく、
七人はボロボロに傷つき、
散り散りに家路へついて夏が終わるまで引きこもることになります。

しかし、これがそもそも『キズナ計画』の目標でした。
ただ『痛み』を分配するのが目的ではなく、
むしろ技術的に『痛みぐらい』しか共有・分配できなかったのが、
この実験で大進歩をしたと、
研究者たちは手放しで大喜びをします。

もうなんか、痛い痛いと言ってるハリネズミたちを、
紐でぐるぐる巻きにして強制的にくっつけ喜んでいるみたいな、
マッドサイエンティスト色が濃厚だなあ、と。

ただ、その研究者たちにしても、
過去の失敗により廃人同様にしてしまった子供たちや、
投薬がなければ日常生活も送れなくなった園崎法子を何とか助けたい、
その一心で非道上等と腹を括ってやっており、
そこには救いようのない負の連鎖が存在しているわけです。

{/netabare}
そして、物語が後半に近づきキズナ計画の真相が明らかになるにつれて、

  そもそも人と人とのキズナとはなんぞや、

みたいなことにお話がフォ-カスしていきます。


通常生活において他人との『絆』を見い出せず、
キズナシステムへ狂信的に傾倒してしまう園崎法子。
そのキズナシステムが解除サされ、
改めて『絆』というものへフラットに向き合い、
おそるおそる足を踏み出す被験者たち。

最終話では双方が激しくぶつかり合い、せめぎ合います。
{netabare}
  そしてついに法子が、
  『キズナ』を手放すことで『絆』を手にいれる一歩を踏み出すという、
  それしかないよね的な大団円を迎えます。
{/netabare}
事件後、ほのぼのとしたエピローグの中で、
最後の最後に見せた法子の笑顔は、
悔しくなるぐらい素敵な、魂の込められたラストカットです。


ちなみに原作の岡田麿里さんは、
小学五年生から高校卒業まで筋金入りの不登校児でした。
集団生活の中で自分を動かす『絆』を見いだすことができなかった、
まさにリアル園崎法子だったんですね。

だから言葉が鋭い。まさにキレキレです。

被験者たちを『七つの大罪』に例えてこきおろすところなんか、
ああ、岡田さんにはクラスメイトがこんなふうに見えていたんだなあ、
そう思わせるだけの圧倒的なリアリティがあります。

そんな岡田さんだからこそ、この作品が書けたんじゃないのかな、と。

同じ学校、同じクラスに押し込められる。
そんなのは『キズナ』であって、決して『絆』なんかじゃない。
  じゃあそれを『絆』に昇華させるにはどうしたらいいんだろう?
  私は学生のとき何を見誤っていたんだろう?
そういう自戒と過去の自分への決別がこの作品の原点であり、
同時に根底に流れるテ-マであるのかな、と。

もちろん、そんなのをストレートに書いても鬱アニメにしかならないわけで、
いろんなギミックを仕込んでエンタメ作品に仕上げてますが、
それにしてもこんな難しいテ-マ、よく1ク-ルでまとめたもんだなあ、と。

ただ、他の方のレビューを読ませていただくと、
ギミックが強烈過ぎてテ-マが全然伝わっていないという、
残念作品の典型みたいになっちゃってますが。


作品のおすすめ度としては、僕の趣味嗜好が入ってますが、Aランクです。

よく練り込まれ、メッセージ性に富んだ脚本。
トリガーさんらしい、ちょっと荒いようで実は繊細な作画。
動と静のメリハリが見事で、見せどころをきっちり魅せる演出。
世界観をしっかり織りなす劇伴とOP、ED。
欠点らしい欠点が見当たりません。

  ただ、ギミックに目を奪われ過ぎると何も見えてこなくなるので、
  しっかりお話を楽しみながらも、
  ちょっと俯瞰的な視点を持つことが必要かも。

キャラ、お芝居という観点からは『秀逸』の一言です。

痛覚がなくなったことで感情の起伏を失った主人公の勝平と法子。
この二人は「起伏を失った」だけで、
綾波レイみたいに感情を「知らない」のではなく、
個人としての感情は、動きにくいだけで、残っているんです。

この難しい役どころを、
梶裕貴さん、山村響さんがしっかり演じきっています。

この二人が『静』のキャラである分、
天河、仁子の二人がややデフォルメ気味な動的キャラに描かれ、
しっかりメリハリがついているのも、さすがだな、と。

そして『凡人』キャラの千鳥と由多が物語にリアリティを持たせ、
さらに『変態』キャラの日染が、一歩高い位置で全体を俯瞰しています。
素晴らしいキャラ構成ですし、
それぞれの役者さんが期待された役割をきっちりこなしています。

そして、なんと言ってもレールガンこと佐藤利奈さんのお芝居がすごい。

ク-ルを装いつつ見事によじけた穂乃香というキャラが、
佐藤さんの力で何ランクもパワーアップしています。
{netabare}
とりわけ第九話の名シ-ン、
台風の中での語り言葉に続く「なっちゃいけない」というモノローグは、
聴く者の心臓をわしづかみにするような、後世に残したい名演です。

  ちなみに、穂乃香といえば七話のBパ-ト最終カット、
  「わたしも……」という台詞からED曲につながる演出も秀逸ですが、
  あれ、レッド・ツェッペリンのセカンドアルバム、
  『Heartbreaker』から『Livin' Lovin' Maid』への繋ぎの、
  素晴らしく出来のいいオマージュではないかと。

  わかる方、ぜひぜひ聞き比べてみてくださいませ。
  絶対、わざとやってますから。
{/netabare}

話は変わりますが、ED曲の『はじまりの速度』って、
作詞は岡田麿里さんなんですね。
ほんと名曲です。個人的に何回聞いたかわからないほどに。

この曲、三月のパンタシアのメジャーデビュー曲ですね。
それ以来気にかけてはいるのですが、
いまだにデビュー曲を越えられないでくすぶっているようです。

なんとかがんばって欲しいです。
てか、
いまさらじん君の曲なんか歌わないで欲しいんですけど。個人的に。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

どこか次世代のアニメを感じさせる作風は高く評価したい。但し独特すぎる部分も多くアニメ初心者には理解されにくい為、多くの支持を得られないという課題を抱えた作品☆

本作は「キルラキル・ニンジャスレイヤー」などを手掛けた「株式会社トリガー」によるアニメ作品です。キャラクター原案にPSP専用ソフト「セブンスドラゴン2020」のキャラ原案なども担当した‘三輪士郎’を起用。 各作品で絵コンテや演出などを担当してきた経歴を持つ‘小林寛’の初監督作品となりました。2016年の4~6月において全12話が放映されています。


あらすじ…主人公の阿形勝平は「身体の痛みを感じない」という特異体質の持ち主であった。そしてその特異過ぎる体質のせいで、幼いころから同級生たちに殴られ放題の文字通り「サンドバック」のような扱いを受けていた。
ある日彼が通う「私立洲籠高等学校」から勝平を含む男女6人が謎の組織に拉致監禁される。何らかの手段で意識を失わされていた6人は目を覚ますと1つの部屋に集められ、少女「園崎法子」と対面する。そして困惑する勝平に彼女は告げた。
「これはお祝いです。貴方がたは何よりも強い傷の絆で結ばれた。」
「この世界は争いが絶えません、我々には自分以外の他者の痛みを知りようが無いからです。他者の痛みを、苦しみを、自分の事のように考え譲り合う事が出来たら争いなど起こりようが無い。けれど人の想像力には限界がある。」
園崎は意識を失っていた6人の身体に手術を行い‘キズナシステム’という処置を施した事を説明した。キズナシステムとは「一人が受けた痛覚を同じシステムにリンクしている他者に等しく分配する」というシステムである。余りに突飛過ぎる話に困惑する6人だが、勝平が園崎にスタンガンを浴びせられた衝撃を5人全員が同時に受ける事で、この話が事実である事を確信する。
そして園崎は高らかに宣言する。
「キズのキズナで結ばれた仲間と数々の難関に立ち向かっていく。そう、今日から貴方がたは、キズナイ―バーなのです!」


この作品の評価に移る前に一つ語っておきたい事があります。それはこの作品の主題歌を担当している「BOOMBOOMSATELLITES(ブンブンサテライツ)」についてです。彼らは1990年に結成されたロックバンド。だが彼らを‘ロックバンド’と一言で括るのは余りにも失礼、それほど偉大なミュージシャンでした。狭義としては「ビックビート」と言われるテクノから派生したジャンルに属します。ジャンルで言われてもピンとこない方は代表格である「ケミカルブラザーズ」や「プロディジー」と聞けば解るだろうか。テクノとロックを融合させた彼らの音楽は聞く者を魅了し、海外でも高い評価を受けています。
そんな彼らが2016年5月、26年に及ぶ音楽活動に終止符を打ちました。そして彼らの最後の作品となるのが本作の主題歌「LAY YOUR HANDS ON ME」です。勿論私自身も若い頃から大好きなミュージシャンの一人でしたので活動終了は残念に思いますが、最後に彼ららしく素晴らしい曲を聴けたなと感じました。
実はキズナイ―バーを視聴する前に彼らが主題歌を担当している事実を知らなかったので、最初に聴いた時は鳥肌が立ちましたね。こう言うアニソンがもっと増えれば良いのに、と心から思います。


総評として…「どこか次世代のアニメを感じさせる作風は高く評価したい。但し独特すぎる部分も多くアニメ初心者には理解されにくい為、多くの支持を得られないという課題を抱えた作品。」と言った感じです。難しく言えば「抽象絵画のような作品」。簡単に言うと「ふわふわしている作品」という表現になるでしょか。アニメーションや漫画の様に空想的な世界を表現する作品は「どこまで空想を取り入れるか」によって分類されると考えられます。
レベル1(全てありうる)=ちびまる子ちゃん・サザエさん・クッキングパパなど…いわゆる大衆アニメ
レベル2(世界設定が有り得ない)=ドラゴンボール・ワンピース・ガンツ・進撃の巨人など…準大衆アニメ。世界設定に空想が入るが、登場する人物の内面的な部分には共感できる部分が多く、感情移入が誰にでも見込める作品。
レベル3(内面的なキャラ設定が有り得ない)=我々が愛するほとんどのアニメ…「こんな人間が現実に居る訳無い」と考える人にとっては感情移入しづらいため、受け入れられる人口が限定される。外見では無く、あくまで内面である事に注意。
レベル4(キャラクターの行動原理が理解できない)=本作はここに位置します。理不尽な要求にも関わらず、本作の登場キャラクター達は意外と素直に展開を受け入れます。また、途中で何度も襲われる敵キャラクターに関しても「既に身内である事が明らか」になっているにも関わらず真面目に応戦します。悪く言えば「とんだ茶番」ですよね。


上記では4つに分類しましたが、もっと細分化する事も可能だと思います。ただ余りにも長くなるため割愛しました事をご了承ください。ひとつ言える事として、アニメと言うものは「?」が増えるたびに「受け入れられる人口の絶対数が減少していく」という構図が存在する事は理解頂けたと思います。つまり有り得ないが多すぎて‘ふわふわしている’と言う事ですね。


さて、どうもここまでの解説では「本作を酷評」しているようにも思えますが、決してそんな事はないのです。上記分類では「レベル4」と位置付けましたが、本来「行動原理が理解できない作品」は「駄作」と紙一重なのです。ですが本作を決して駄作とは思いません。では本作と駄作は何が違ったのでしょう?
答えは「アニメを形作る‘外枠’がしっかりしている」という事だと考えます。つまり眼に見える部分がしっかりしていると言う事です。キャラクターのデザイン・アニメーションの作画・構成・音楽がしっかりしているからこそ、この作品は中身がふわふわしているにも関わらず外側でそれを漏らす事がなかったのです。これは非常に高いレベルを維持しないと実現しない事だと思いますので、その点に関しては監督の力量を伺えた作品であったと評価したいと思います。


一言でまとめますと「一部のマニア受けはするものの一般的な人気を確立出来ない」作品ですね。ただトリガーの作品はどれもそう言った作品が多いので、これは社風なのかもしれません。‘気の合う仲間たちが集まって自分達のやりたい事をやっている’というべきでしょうか?そう言った社風は「クリエイティブな活動」が可能となるので、当たり外れはあれど‘新しい物を作っていく’という原動力に満ちていると思います。そこがこの作品に感じた‘次世代のアニメ’という印象なのかもしれませんね。新しい物は反論も多くなる、これはもはやアニメに関わらず宿命かもしれません。ただ‘自分達のやりたい事をやる’という事は一般的な同人誌の活動と根本的な所では同じです。トリガーが「革新的な作品を生み出して皆をあっと言わせる会社」になるのか「いつまでも利益を追わない作品ばかりで世間に見放されていく会社」になるのか、今後の活動に期待したいところであります。


*以下はネタバレを含むため閲覧注意です!

{netabare}
11話後半で漆原睦が「ありがとう。キズナシステムが無くても、それが可能だと教えてくれて」と言いましたが「10代の若者が気付けないならまだしも、20代の大人なら自分で気付けよ」と感じたのは私だけでしょうか?山田と漆原はのりちゃんに負い目を感じているからこそ、そこに気付いてはいても‘彼女のやりたいようにやらせてあげている’のだと思っていましたので、ちょっと違和感を受けてしまうセリフでした。

そもそも感情が繋がれてしまったら人類はそこで停滞します。何もかもが1つの意思にまとめられてしまうので、競争が起こらず、イコール発展は存在しえません。もし1つの意思にまとまってしまえば人類は人類で無い‘別の何か’となるでしょう。そしてその‘何か’は‘大いなる意思’のままに行動をする…それでは‘自然現象’と何ら変わりは無いのです。人類は宇宙の自然現象の一部としての活動を繰り返す事になるでしょう。今までの人類を、過去を否定する事は未来を否定する事に他なりません。人類は今までの過ちを認め、決して無かった事にしてはいけないのです。
そこに気付かず、大真面目に研究を取り組んでいたのでは「危ないカルト集団」と言わざるを得ませんね。

良かった所はやはり9話後半でしょうか。グラウンドで皆の心の声がキズナシステムによって漏れてしまう所、溢れだす若い感情がとても良く描かれていました。声優陣の演技も迫力が伝わってとても良かったと思います。あとニコちゃんの切ない願望が良かったですね。「要らないならテンガくん頂戴…」のセリフが切なすぎて可愛いです。‘ちょっとドロドロし過ぎて観ていられない…でも指の隙間からこっそり観ちゃう’みたいなシーンでしたw この辺りの演出は優れているなぁと感心できました。
前述しましたがキャラクターデザインも好感が持てましたね。昔のアニメって原色に近い色合いが多かったですが、今作は色づかいもキレイでセンスが感じられました。今作に限らず、最近はそういうアニメが増えて嬉しいです。

あにこれでも‘悪くは無いけど…’くらいの評価が多いのではないでしょうか?点数も伸び悩んでいる感じですね。どこか幻想的で定義しづらい作品でしたが、ピンポイントで良い部分も沢山見る事が出来た作品でした。トリガーの次回作に期待です。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ユニークかつ興味深い設定と巧みな脚本構成で描き切った青春群像劇

原作TRIGGER&岡田麿里による1クール、オリジナルアニメ。

タイトルの「キズナイーバー」とは一見意味が解りませんが、
内容を観ていくと、「キズ(傷)」「キズナ(絆)」「ナイーブ(繊細な)」な「バー(~な者達)」
という4つの単語を組み合わせて作られたものだということが解ります。
そして、タイトルロゴの「ナ」の部分だけ赤字で(ネタバレになるので書きませんが)ここも凝ってますね。


世界平和を目指すという崇高な目的の名のもとに、
キズナの会によって選ばれた、本来なら出会う事も仲良くなることもない7人のクラスメートが、
キズナシステムで強制的に「痛み」を分け合うキズナイーバーとして繋げられ、
夏休みが終わるまでの間、課されるミッションをクリアしていく事になる...といった感じのあらすじ。


☆物語の見どころ☆

最初は純粋に「肉体的な痛み」を分け合うだけだったキズナイーバーたちが、
ミッションをクリアしていくなかで、分け合うものが変化、増加していく過程。

キズナ実験の真の目的とは?

キズナイーバーの中でもひときわ閉鎖的な(ホノカ)が抱える心の闇、トラウマとは?

痛みを感じない、感情に乏しい主人公(カツヒラ)がなぜそのような体質になったのか?

(ノリちゃん)が頑なにキズナシステムで繋がることに拘る理由とは?
(カツヒラ)と同じく感情に乏しく見える(ノリちゃん)が抱えている秘密とは?
この二人の過去&「12年前のキズナ実験」が明らかになる終盤は特に観ごたえがあり、
物語はクライマックスへと向かいます。

キズナイーバー達の男女間に芽生える恋愛感情、
純粋に恋愛物語としてもキャラクターたちの心情が細やかに描写されており、充分楽しめると思います。


☆感想☆

1話観ただけではちょっと地味で面白そうにない!?と感じるかもしれませんが、
観終わってみれば、前半から終盤までよく練られた構成で、各エピソードの繋がりがスムーズで、
尺が足りないということもなく無駄がない。

そして尻上がりに物語は盛り上がっていき、最後はとても綺麗に纏まっていて、
ここ最近の作品の中では、シリアスでありつつ、かつユニークで興味深いテーマ&設定で、
ここまで巧く描き切った本格的な青春物語は稀だったように思います。

本作は同じく岡田麿里さんの手がけた作品「あの花」と比較してみても面白いと思いました。
「あの花」は過去に繋がっていた友人同士の絆を再び取り戻す事を目的とした物語でしたが、
本作は強制的にシステムで繋げられた、「作られた関係」から、
登場人物たちがお互いをさらけ出し、感情を理解&共有することを経て、
システムに頼らない本物の絆、友情で繋がっていく過程を描いた物語。

恋愛面や各キャラの内面の描き方など、なるほど同じ人が作ってるなぁというのがよく判ります笑
「あの花」ほど泣きの演出が全面に押し出されていなかった事もあり、
分り易い感動や泣き、というのは得られ憎いかもしれませんが、
こちらはジワジワと来るものがあり、
テーマ&設定の妙、シナリオの完成度的には勝るとも劣らないくらいによく出来ていると自分は思います。


自分はまずキズナシステムが目指したもの、コンセプト自体が非常に興味深いと思いました。
第一話で「争いが絶えないのは他者の痛みを知りようがないから」「人の想像力には限界がある」
とは(ノリちゃん)が語った言葉ですが、まさしくこれは的を得ていると思うし、深い言葉ですよね。

他人が受けた「痛み」はいくら「共感」することが出来ても、
その人が受けた痛みと同じだけのものを感じることはどう頑張っても出来ない。
所詮は他人事なんですよね。。

でも他人事だからこそ、痛みを感じることが出来ないからこそ、
如何に接し振る舞うべきなのか、「他者への思いやり」と言ってしまえば軽いですが、
人間としての生き方や本質に関わってくるところですよね。。

また、一話(ノリちゃんの)「みんな誰かと繋がっていたい」というのもよく理解できるところ。
自分含め皆さんが「あにこれ」を利用しているのも、きっと誰かと繋がりたいから、なはず。
昔に比べて社会での人間関係、地域でのコミュニティが希薄化してきつつある現代においても、
やはり人は誰かと繋がっていたいんですよね。
だからこそ、SNS等様々なツールを使って繋がろうとする。
そんな現代に則したようなテーマと内容は興味深く、また観るべき意義のあるものでした。

本作では友情という絆で繋がっていく青春物語の方向へ物語が向かいましたが、
キズナシステムが世界中に広がった後の世界、を描く社会派SF作品、
という物語でも非常に面白い壮大なスケールの作品が作れそうな気がしました。


☆声優☆

個性豊かなキャラクター一人一人に合わせたキャスティングが見事にハマってますね。
人気や経験だけじゃなく、キャラクターのイメージを第一に考えて選んだんだろうな、というのが本当によく判ります。
もちろん個々の演技も感情を豊かに表現するキャラの演技、
逆に感情の起伏を極力現さないキャラの演技はとても良かったですね。

中でもニコを演じた久野美咲さんは、キャラ的にもとてもハマっていましたが、
演技自体もこれまで観た作品の中でも特に上手く演じられてたなぁと思いました。


☆キャラ☆

登場人物個々の特徴や個性が非常に豊かでありつつも、かつ多すぎないので、
1話観ればほぼ全て覚えられますね。
そして、各キャラの抱えている想いや苦悩といったものも、丁寧に掘り下げられており、
視聴者に解りやすく共感ができるように描かれているのは好感が持てます。

TRIGGERの「熱さ」、岡田麿里さんの「繊細さ」、
この組み合わせの相乗効果がよく表れている描かれ方のように思います。

突拍子もない不思議系でありながら、ここぞという場面で重要な役割を果たす(ニコ)、
変態的な性癖を持ちつつも、実は周りの状況を一番冷静に俯瞰で見ていた(ヒソム)、
この二人のキャラが居ることで、作品がシリアス一辺倒にはならずに、
ユーモアにも溢れた絶妙のバランスを保つことに貢献していたと思います。

「あの花」に出てきた(あなる)と本作の(ちどり)の描かれ方なんかは、
主人公との関係性も含めて、凄く似てましたね笑


☆作画☆

TRIGGER作品以外では殆ど見られないようなキャラクターデザインが特徴的で個性的。
一人一人の特徴を解りやすく捉えて区別して描かれていますね。
また、色彩感覚がとても美しく鮮やかなのも印象的で、
作画全般良い仕事をされてるなと思いました。


☆音楽☆

OPは幻想的かつ浮遊感のある楽曲で、個人的に春アニメでは一番お気に入りの曲だったので、
最終話までOPを省かずに流してくれたのは嬉しかったですね。
英詩ですが作品の内容、OPアニメーションとの相性も抜群でした。

EDの方が楽曲的にはOPよりも個人的には印象は薄いんですが、
こちらは脚本の岡田麿里さんが歌詞を手がけているんですよね。
さすがに作品そのものの世界観をずばり歌われてて、この点はアニソンとして高く評価するべきでしょう。

OP,EDの出来に比べると、やや作中のBGMは盛り上げ方が少々地味だった気もしますが、
(音量がちょっと小さいかも?)、
逆にあまり入ってこないくらい集中して観ることが出来たのかも知れませんね。


「オリジナルの1クールアニメ」としては、派手さも控えめで馬鹿でも楽しめるようなエンターテイメント性も薄く、
正直爆発力は無いとは思いますが(唯一惜しい点)、非常に真面目な作風で好感が持てます。
声優、作画、音楽などのクオリティ面も優れており、完成度の高い作品に仕上がっていると思いますね。
なんとなしに観るんじゃなく、最後までじっくりと作品を観れる方にはオススメしたいですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

65.9 3 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング3位
Fairy gone フェアリーゴーン(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (253)
951人が棚に入れました
かつて妖精は、"兵器"だった――。この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに。それぞれの生きる道を選択する。戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こす。これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語――。

声優・キャラクター
市ノ瀬加那、前野智昭、福原綾香、細谷佳正、諏訪彩花、中島ヨシキ、園崎未恵、子安武人、大塚芳忠、津田英三、種﨑敦美、沖野晃司、小松未可子、間宮康弘、津田健次郎、麦人、川田紳司、寿美菜子、井口裕香、興津和幸、江川央生、伊藤静、土師孝也、東地宏樹、乃村健次
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

体裁だけは名作風

ベテランのラノベ作家が原案・脚本でぱっと見作画はとても綺麗、声優も惜しみなくベテランを起用して音楽にもこだわってる…と概要だけなら名作としか思えない雰囲気

……なんだけど、実際に見ると疑問とツッコミしか湧き上がらない出来
やりたいことは分かるし、設定も膨大でキャラの背景まで作り込まれてるのにそれを脚本にも演出にも反映しようとしてないから上滑り感が漂う
作家が好きなのでHPは確認して、放映分(3話まで)は設定やあらすじ、伏線を一通り読み取れるように最低でも各3回ずつは視聴しているけど、正直見る度ツッコミどころが増えている状態

1~3話視聴時点
{netabare}まずよく言われるけど固有名詞の羅列について
これ自体は別に気にならないし、ファンタジーなんだから独自の世界観を感じられる良い要素のはず
ただ、語るべき部分と不要な部分の取捨選択がズレ続けているから何を言われても耳に残らない
そもそも主人公たちが所属するドロテアは何を目的に動くのか?主要な任務はなんなのか?という基本すらアニメ3話時点で曖昧なまま
そしてヒロインがドロテアに所属する経緯も、マスコット役の小動物が押収物として回収されずにヒロインと一緒にいる理由も、それどころか仕事先の省庁に動物を連れて行く理由も一切語られない
1話で争点になって3話で一部情報が開示された「黒の妖精書」は確かに重要だけど、キャラを取り巻く環境が不明なまま話が進むから行動原理が全体的に不明瞭なままになる
そういう基本情報はおざなりなのに、妖精書の著者名ばかり羅列されてもそりゃあ意味不明としか言いようがなくなってしまう

そしてキャラの行動原理について
1話でオークション警護の任務に就いていたマーリヤは探していた幼なじみを庇うために(立場上)先輩にあたるフリーに対して威嚇射撃を行う。
それ自体は「芯の通ったキャラクター」のような振る舞いだけど、全体を通すとツッコミどころしかない

①任務をサボってオークションの出展物を弄る
②幼なじみ(ヴェロニカ)がオークションを襲撃し、複数名を殺害する
③ヴェロニカを止めるため戦闘を開始したフリーに対して威嚇射撃を行う

つまり、物語冒頭から一切仕事をしないばかりか邪魔だけを行ったことになる
マーリヤの理屈としては、「故郷を同じくするたった一人の生き残り」であるヴェロニカを探すため、敢えてオークション警護を受けたというものがある
そのためフリーを止める理由は一応あるわけだが、それにしても殺人強盗を犯した相手を一切諫めず庇い立てするのは行動に正当性が無さ過ぎる
しかもこの行動が人物背景が曖昧な1話時点でのものだから、マーリヤに共感も同情も感じられずただ不快な行動に映ってしまう

そしてこの1話ラスト、フリーはマーリヤを自分が本来所属する組織、「ドロテア」にスカウトするわけだが、普通に考えて有り得ないだろうと
いくらヴェロニカに繋がる人間とは言え、仕事を放棄して自分に銃を向けた人間を引き入れるなんてリスクのほうが大きすぎる
ともに仕事をする中で「感情にまかせて背後から狙撃される可能性」というのを考えないのか?
しかも各話アバンにてフリーは大戦を生き抜いた元兵士だと明かされている
なら余計に裏切りのリスクは理解しているべきだし、キャラの背景を理解するほど行動の矛盾が大きくなってしまっている

ちなみに1話でこんな暴走をしたマーリヤ、2話3話にて「仕事でしょ?やります」「仕事だから撃ちます」と決め台詞のように「仕事」を連呼する
初登場から仕事を無視し続けた人間なだけにすさまじい説得力があると思う

そして何より気になった演出、作画について
基本的にこのアニメは作画がとても良いと評判だけど、正確には「止め絵がとても良い」だと思う
やはりツッコミどころになっている1話アバンのフリーが剣を投げるシーン
「上」の決定への不満から剣を投げるが、何故か下手投げ。しかも叩きつけられたかのように勢いよく地面に突き刺さる
そもそも怒りで当たり散らすなら上手投げだし、剣は刺さらず地面を転がるだけでは?
そして2話アバンで戦友がフリーを庇って刺されるシーン
右手に剣を握り、フリーから見て左手側から真横に走ってきてフリーの前に立ちはだかるが、敵に刺された衝撃で握った剣を左前方に投げ飛ばしている
横から来たなら剣は慣性に従ってフリーの右手側に飛ぶはずでは?そもそも歴戦の兵士(HPによると英雄とも呼ばれる人物)が覚悟して刺されに行ったのに剣を手放すか?
そして3話のビター・スウィートが走るシーン
カットごとに剣の持ち方が順手、逆手でコロコロ入れ替わる
走るとき、人混みの中だけ逆手なのかな?と思いきや相手を攻撃するときは常に逆手のため、順手で持つ理由がそもそもない
また、ビター・スウィートに対してマーリヤが発砲する際、ビターの足元に撃った跳弾がビターの正面にいるフリーに向かって飛んでくる
どこから撃ったかというとビターの背後…ではなくビターの正面側、つまりフリーの後ろの建物の屋根から撃っていた
ビターに撃った弾がピンポイントに地面の角に当たってフリー側に跳ね返った?

こんな感じで、「格好いい止め絵」を描くために前後の動きの整合性を無視したシーンがあまりにも多い
そりゃ突き刺さった剣越しにキャラが映ってる画がお洒落なのは分かるけど、そのために動きに違和感持たせちゃ駄目だろうと
ついでに2話のバイクは全体的に手抜きがバレバレ過ぎた
バイクが横転する場面は横転させた原因も理由も分からないような引きの画だし、
横転したバイクを立て直して相手を追う際にはバイクを拾いに駆ける様子どころかバイクを立て直す動きすらカット、追いかけた相手がいきなり急停止したさいにバイクを降りて強襲する動きもカットしていきなり敵の尋問を始める
見ていて「バイクの乗り降りを描くのが面倒くさいから手を抜いたんだなあ…」ってのがはっきり伝わってくる

脚本面でも触れたけど、全体的にカットの取捨選択があまりにも適当すぎる
「ここは物語に重要じゃないから省略しよう」じゃなくて、「ここを描くのは好きじゃないからカットしよう」で制作してるんだな、と


最後に脚本の構成と設定開示について
このアニメ、公式HPやTwitterを閲覧することが前提の構成になっているのが何より大きな問題
2話にてマーリヤがウルフランの撹乱に気付くシーンがあるが、何故気づけたのかはTwitterでしか明かされない
ついでにマーリヤが愛用しているのが何故猟銃なのかもTwitterでの開示
国家や街、各組織の特徴はHPでのみ開示されている
要するに、オリジナルアニメでありながら視聴者に「予習」を求めた作りになっている
これが漫画・小説原作ならファン向け作品と言うことである程度納得もいくけど、オリジナルで展開しながらアニメ内で世界観を完結させられないのは脚本としてどうなの?としか言えない
前クールでオリジナルアニメの「荒野のコトブキ飛行隊」は、突飛な設定だけど設定自体はそこまで重要じゃなく、シンプルなシナリオと分かりやすい空戦の迫力をウリにしていた
その上で裏設定を推測できる情報を散りばめて世界観を広げていたけど、本作はその真逆
「妖精」にまつわる様々な設定がシナリオの中核にあって、2クールかけてそれを丁寧に紐解いていく難解なシナリオがウリ…のはず
なのに設定はアニメ内では明かされず、アニメ単体では世界観があまりにも狭いものになってしまっている
取っ付きにくい独自設定を、そもそもアニメ内で理解させることをすでに諦めている時点でオリジナルアニメとしては失敗なんじゃないかとすら思う

これですら全体のツッコミどころのうち半分にも満たないレベルの粗まみれ
今後も視聴はするけど、そろそろ無難に楽しめるレベルの話を見せてほしいかな{/netabare}


4話視聴
{netabare}フリーやっぱり無能すぎないか?
ビターの妖精の能力をやられただけやり返すカウンタータイプと見抜いたのは流石に戦い慣れてる
けどそこから、なんで攻め倦ねる?
カウンタータイプの弱点は受けたダメージをビター自身も無視できないって点だろうに
だからここでフリーがとるべき行動は、マーリヤにフォローを任せて相討ち狙いで攻撃に専念すること
なのに妖精の痛みにビビって拳銃にもビビって動けなくなる始末……
ついでに言えばビターは戦闘前にルパンもどきに一発、戦闘中に4発近く発砲している
リボルバータイプなら残る弾数は1発か2発、戦闘中のリロードは実質できない
予備の拳銃を取り出すだろうと想定しても、その隙を狙えば十分すぎるくらい勝機はある
発砲の予兆から避けるくらいの技量があるのにそんな簡単な計算もしないのか?
そしてマーリヤまさかの特攻
ここは近接用にナイフを持っていたりと好きなシーン、だけどフリーあまりにも情けない
そりゃビターにも煽られるよなぁってだけじゃなく、戦争で庇われた頃から成長してないかよ、と思ってしまう
2話でウルフランが「お前は俺に追いつけない」って言ったのに納得してしまった

そっから一旦場面が切り替わって回想
アバンの回想地獄から解放されたと思ったらこれか…
まあ最後まで見ると必要な演出だったと分かるけど、それにしても後半でも回想挟むしちょっとクドすぎかなあ
というか何より時系列の歪みがエグすぎる
なんで回想の途中でさらに2年前の回想を入れようと思ったんだ…
最初見たときは『2年前』って表記が何時の時点からの2年前か分からず本気で困惑した
回想くらい順番に進めてくれよ…

そして場所を移してドロテアによる査察
妖精兵器による反乱を起こさないかを調査してるんだろう、というのは分かる
フリーの上官と、その女性のかっての上官が立場を変えて領主と査察官になっているのは時代の流れを思わせて好きなシーン
だけどやっぱりドロテアの活動が不明瞭すぎるし、査察を受けた領地が統一ゼスキアにどういう立場で従っているのかも不明瞭なまま
いずれ明かされる伏線として意図的に隠す部分も有るだろうけど、単純な描写不足で必要なところまで隠れているから意味深なようで意味深にも見えない微妙な展開
そしてこの領主に匿われる形でウルフランが登場するけど、全員の立場が何も見えてないから
「何故ウルフランがこんな所に!?」の驚きよりも「そりゃウルフランくらい出てこないとこのシーン不要すぎるしなぁ…」と変な納得をしてしまう

あとはフリーの無能パート
置き引きにまんまとやられる…のはまあお約束だから最早ツッコまないけど、
そっから誘導されてると分かっていながら分断に引っかかるのはさすがに駄目でしょう…
というかツーマンセルで相手が動いてるのはわかっているんだし、近接戦闘が苦手で本調子でもないマーリヤを一人暗い場所に置く時点でおかしい
そもそも妖精書を入れた鞄を自分が持つこと自体おかしい
妖精書を狙うビターの足取りが掴めず、ルパンもどきを連れ去る人間もいる
となると自分達と妖精書が狙われる危険は割と高いわけで、そんな状態で二刀流かつ近接特化の自分が妖精書を持つのは戦闘で邪魔だろうと
鞄自体妖精書くらいしか入ってない小さなものだし、本調子でなく戦闘に参加できないマーリヤに持たせるべきだろうと
要らんフェミニストぶりを発揮して自分が鞄を保持した挙げ句目を離して置き引き食らうって最悪すぎる

ちなみに良いと思ったシーンも今回はあった
さっきのマーリヤのナイフもそうだけど、フリーが地下墓所への通路で拳銃を取り出したシーン
狭い場所では剣を振れないために拳銃を握るって言う判断は合理的だし装備としても違和感がない
……まあフリー自身も拳銃持ってるならなおのことビターの拳銃の装填数は考えているべきだけど
ただ、惜しむらくはやはり演出
ただでさえ暗い地下墓所で、しかも黒い拳銃を握るなんてシーン何やってるか見えるわけ無いだろうと
何を装備したのか通路を降りる段階で手元をアップにしてくれよと
結局通路を降りきるまで何持ってるかよく分からないのは単純にもったいない
ついでにマーリヤ腹を刺されても悶えないって超人すぎない?
妖精がダメージを食らうと痛みで何もできなくなるのに、いくら小さなピックと言えども自分が刺されればもっとルパンもどきくらい苦しむだろに
もしかして妖精のダメージフィードバックのが本体のダメージより痛い?んなアホな…

粗筋については今までと変わらず、1話の話を少し振り返ったことで多少伏線を回収しようとしたのは今までより良かったかな?くらい
まあそれに倍する勢いでキャラと勢力を増やしていったから意味ないけど

ヴェロニカお前もしかしてステンドグラス越しにストーキングしてたのか?とか監視対象が地下に潜ったなら屋内で待機しとけよ、とかツッコミは追いつかないけどそれはそれ
次回はもっと面白ければいいなあ…
{/netabare}


5話視聴
{netabare}アバンで怒濤の回想
分かるよ?やりたいことは
でもこれ4話の戦闘の続きな訳で、なんで盛り上がりをぶった切って回想詰め込むの?
内容そのものはマーリヤとヴェロニカの過去と、そこから連なる現在を対比的に見せているので面白い…というか今までで一番好きな内容だった
でもタイミングはそこじゃないよね?多分Aパートのマーリヤとヴェロニカの会話に関する情報を開示するためにこの回想を用意したんだろうけど、
作中のドラマに落とし込むことができず、場当たり的に必要なシーンをアバンに突っ込んだ印象が強くなってしまってる
陳腐ではあるけど、マーリヤとヴェロニカが決別に至る前にレイ・ドーン襲撃や一人村を旅立った様子などを語り合う形でいいのでは?

そして相変わらず無能のフリーさん
パティに苦戦する中スイッチが入って一転敵を打ち負かす、ありがちだけどハマると格好いい演出
ただ、動きや戦法が変わったわけでもなく、スイッチが入った結果やったのは「力押しで敵の剣を折る」…は?ただの火事場の馬鹿力?
そして本気になったはずなのに敵に武器を構える時間を与えたり、それどころか武器の詰まった鞄をわざわざ敵に蹴って返す始末
敵の方はというと、戦力差を見極めて受け取った鞄をもってさっさと撤退、盗んだ黒の妖精書をフリーに投げることで追走を躊躇わせる潔い判断力を見せる
そしてBパートの歓迎会では敵を捕まえられず機嫌の悪そうな様子を見せるフリー
逃げられた理由は「舐めプして武器を与えて棒立ちしてたから」なのに不機嫌になるって……マジでセルジュに介護してもらえば?

4話から続く黒の妖精書騒動に一区切りついたところでフリーの行動を列挙すると…

①ビターの拳銃の装填数に気付かず、さらに妖精の能力にビビって近づけなくなる
②ドロテア以外に最低2つの勢力が狙っている黒の妖精書から目を離して置き引きにあう
③ツーマンセルを組む相手を追跡中、敵に誘いをかけられていると気付きながら相方と分かれて行動……ちなみに相方は本調子でなく後衛のため自衛手段なし
④敵が思ったより強いため油断を捨てる……かと思いきや力押しが酷くなっただけで舐めプはさらに悪化、自分の慢心から敵を逃がす

これはちょっともう駄目すぎだろうと
結果的に敵が逃げを優先して妖精書を返してきたから結果オーライだったものの、持ったまま逃げられたらどうするつもりだったのか
そもそもビターの手に途中で妖精書が渡っていたら、フリーは妖精書を奪われた挙げ句襲撃犯を逃がす大失態を犯していたところだった
1話時点ではマーリヤのが酷いと思ってたけど、蓋を開けてみればフリーがそれに輪をかけて無能だったというオチ
感情を優先するマーリヤをスカウトするなんて謎采配だと思ったけど、本人が感情優先の舐めプ野郎なんだからそれも当然だったのかも

残るシーン、マーリヤとヴェロニカについてはいい感じ
殺しを平然と行うヴェロニカに対して動揺を見せてくれたし、マーリヤが今後どう向き合うかは純粋に気になる
ただまああヴェロニカの身体能力はリアル調のアニメでやって良い演出ではないだろうと思う
みんな多少アニメめいた動きはするけど、中でもヴェロニカはやりすぎて白けるくらいある
キャラの好みと「意味もなくカッコつけたシーンにしたい病」で相変わらず考えなしのカット作ってるな、と

公領関連は今後の事件の焦点になるだろうから現時点ではノーコメント

ドロテアの歓迎会は…いらなくないか?
未だに組織の様子はほぼ見えてないのに、歓迎会でキャラだけ増やされても何とも思えない
というか愛着のない新キャラが半数以上を占める日常パートって純粋に退屈
歓迎会やるならそもそも入隊時の描写を細かく見せないと説得力がない、くらいの感想しかない

総評としては今まででは一番面白かった回
ただ、それも本筋と独立した回想の描写だけで、いざ本筋になると「シナリオ進行のためのシナリオ」みたいな行動の不可解さ、意味のなさばかり目立つ脚本と作画は相変わらず
マーリヤについては今回で多少好感度もあがったので、次回以降フリーが有能さを見せてくれるといいなあ…無理だろうけど
{/netabare}


6話視聴
{netabare}妖精を出さず、ドロテアの仕事の様子をメインにしているのは割と好き
ただ、人工妖精の暴走と黒の妖精書発見を同時に扱うのはどうなん?って思う
錯綜する事件や情報が、最終的に一つの点を結ぶってのは展開的に予想できる
ただ、錯綜するものを同じ話数で等分して描写するからどっちも半端になって内容的にはスカスカな印象になってしまってる
暴走原因の調査を今回のメインにして、Bパートラストで黒の妖精書発見のニュースを仕入れて7話でそっちにシフト、じゃ駄目なのか?
フリーの無能を示しただけのパティ戦とか無駄話だけで掘り下げにならない歓迎会とかやってる割に本筋の尺がカツカツなら明らかにペース配分がおかしい

しかも黒の妖精書追跡にマーリヤとクラーラが出動するのがおかしい
二人とも役割は後衛なわけで戦闘になれば勝ち目はないだろうと
今回はただのゴロツキだから良かったものの、黒の妖精書なんて結構な勢力が探し求めてるのは3話のアレで分かってるだろうに
というか酒場に行かせたりバイクで尾行したりって、どう考えても女二人じゃ目立ちすぎると思うんだが
私服で素性を隠しているはずが逆に目立つ結果になって、オークション代理人にバレて危うく逃がすところだった
ネイン局長は人選についてドヤ顔だったけど、対象者確保に成功したのはほぼ結果オーライ
フリーだけじゃなくその上まで無能なのか…?

というわけで話はスカスカなのにツッコミどころは減らない感じ
予告とかあらすじを調べた時点では、話が大きく動くと思ってワクワクしてたのに、あまりにも内容が無さ過ぎてガッカリしてる
ついでに言えば、クラーラの回想とかまっっっったく要らない
5話の歓迎会でネイン局長との出会いを語っているわけで、その時点で入隊の動機は察せられるやろと
それをわざわざ回想を挟んでまで改めて描写するなんて正直時間の無駄だし、そもそもタイムリミットのある中で対象者を探すって状況でやる話じゃない
尺稼ぎみたいなシーンは多いのに肝心の本筋は描写不足ってのが本当に多すぎる
7話はもうちょっと本筋に主眼を置いた展開になってほしい
{/netabare}


7話視聴
{netabare}今までの中ではハッキリと面白かったので物語の評価を0.5引き上げ
やっぱアクションシーンが無いほうがこの作品面白いんじゃないか?と思う
これまでは半端にアクションを挿入することで設定がただ記号的に語られる上滑り感があったけど、
ドラマをメインにしたことで設定に意味が出てきた印象
逆に、妖精を使ったスタンドバトルを期待してた人にとっては6話に引き続き退屈な回だっただろうな、と

ビターが絡んできて、グイ・カーリンの幹部から妖精書を回収しようと奔走する流れは結構気に入っている
正攻法では黒の四を見ることができないなら、ドロテアに押収させてでも目的を達成しようって考え方も面白い
互いにやり過ぎなければ政府機関もマフィアも遺恨を脇に置いて協調するって流れは世界観にマッチした雰囲気を感じる

人工妖精の暴走についての捜査も面白そうな雰囲気ではあるんだけど、やはり妖精書と構成を二分したために微妙な感じになってる
元公安のチェイスが伝手や過去の捜査から真相に迫ろうとする様子や、
妖精省と軍部の軋轢、その間に入るドロテアって図式は政治ドラマとして普通に面白い
ただ、6話から一つの筋として辿っていくならともかく、
話が妖精書と行ったり来たりしつつ更に他の陣営の様子を交えつつ、大量の人名を整理していくのは面白さを理解した上でもやや面倒くさい

物語の展開的に現時点で重要なのは黒の妖精書探索よりも人工妖精の暴走事件
ただし、黒の妖精はマーリヤがメインなのに対して人工妖精はチェイスがメインでフリーは脇を支える役割
「話的に人工妖精を追いたいけど主人公を見せるには妖精書を追わないと…」
みたいな状態になってしまって主軸を定めきれない脚本になったのかな、と

こっからはツッコミ
いよいよ人物名が処理しきれなくなってきた…
群像劇の要素が強いから人物が多いのはわかるけど、会話パートでいきなり第三者の名前が出てきても誰のことだかわからなくなる事がある
特に人工妖精の暴走原因を調べる技師たち
6話で数分しか出ない上に名前を呼びあうのは仲間内だけ、みたいなキャラが7話ではチェイスのセリフ中にポンポン出てくる
おまけに未登場のキャラも会話上で登場するようになるので整理がかなり大変
台詞の途中で名前を出す際に顔を映すとかしてくれればいいのに
こういうときはお得意の回想を挟まないから、理解をこっちの記憶力に依存し過ぎな演出になってる

というか回想、今回は珍しくアバンにも本編にも登場しなかった…んだけどCにぶち込みやがった
しかもビターの回想、かつ現在の時系列で扱う事件に関わってくるかどうかも一切不明な内容
いい加減に、「脚本にうまく織り込めないから適当にぶち込んだろ!」みたいな回想の入れ方はやめろよ…
ただでさえ今回はEDの入りが演出的に最悪だったのに、Cパートまで意味不明って有り得ない

序盤から続く固有名詞の羅列がいよいよ問題化してきたな、という以外は割と問題なく見れた回だった
回想の不要さは最早お約束レベルだし、そろそろ(呆れるという意味で)慣れてきた
ついでにバトルなどアクションシーンがないおかげでコンテの違和感も最小限ですんだのも高評価
こんな調子で8話も期待したいけど、そろそろバトルが出てきそうだし、そうなるとまた酷い演出を見せられるのかな…という不安が残る
{/netabare}


8話視聴
{netabare}6話7話と積み重ねた話を雑に流す内容……Aパートは好きだったがBパートが洒落にならないレベルで酷い
ギルバートの屋敷に乗り込んだあと、支援型妖精を扱うクラーラが突入の合図を示す流れはかなり好き
支援型ってやっぱりこういう市街地では無類の汎用性を示すよなって感じ
とは言え屋敷周辺を他の隊員が固めるってのは7話の時点で見せていてほしかった描写
普段から小出しにしている回想とかじゃなく、こういう緊迫感ある展開こそ伏線があればよりワクワクしたのに、というくらい
で、タイミングを見てビターを取り押さえようと目論むドロテアと、それを察して出し抜くビターの構図も面白い
必要となれば裏切りもするけど、一応の義理立てとして妖精書を放置してドロテアに回収させるのも「憎めない悪役」という雰囲気
……まあビターを確保するってのも8話でいきなり出てきたから、辻褄合わせのぽっと出なフレーズに聞こえてしまって上滑りするのは相変わらず
設定を開示することには余念がない割に人物や組織の目的・行動に対する描写が全然ないから、
「やっていることはわかるけどもっと見せようがあるだろ?」みたいなモヤモヤ感が付き纏う

そして妖精書確保が終わったら本格的に人工妖精暴走事件
こっからが本当にひどかった
内部犯行の可能性と、アーケイムに匿われた元技術者のエディ・ロイドが関与している可能性、この2つからハンスの取り調べを行う
そしてチェイスの独自調査からエディ・ロイドに息子がいたという事実が判明する流れ
このあたりの展開は文句なしに好き
新型の暴走は操りやすい旧型を復帰させて首相を暗殺するためだった、というのも展開的に盛り上がる
なのになんで事件が尻すぼみのまま解決されるかなあ…
いや、チェイスは本当に優秀な雰囲気だったし、その後のドロテアの動きで事件が解決されたのも理解できる
でもアーケイムだのダミアン・ヴェロニカだの各勢力が結集している中で、結果的に「ただの様子見でしたー」で終わるってどうなんだ?
2話かけて記念式典を焦点にずっと話を盛り上げてきたのに、結局何事もなく事件解決、よかったね!で終わってしまうなんて…
アーケイムがまだ何か狙ってるのも、ハイブランツ公が暗躍しようとしているのも描写されてるし理解できるよ?
できるけど、こんなあからさまに話が盛り上がるポイントすら空振りさせる必要がどこにあるの?
というか式典でアーケイムもハイブランツ公も殆ど動きがないわけで、なら前2話で彼らの暗躍をあんな時間割いて描く必要あったか?って話になる
だったら上記に挙げた、妖精書関連でのドロテアの動きをもっと丁寧に見せる時間くらいあっただろうに

で、今回何より酷いと感じたのは挿入歌
何考えてるの?チェイスがバイクに乗りながら取り調べを回想してるシーンでバラードってなんかもうドン引きだったんだけど
確かに話の全体を見れば、結局式典も何も盛り上がらないちゃちなイベントで、犯人の心情描写が大事だってことはわかる
ただ、あの場面自体は「首相暗殺の時が迫る中、犯人確保に向けてバイクを走らせる」って緊迫感のあるシーンなわけで、
そんなシーンにあのバラード流されても「いやそんな場面じゃなくね?」みたいな気分になって笑ってしまった
というか挿入歌を入れるなら犯人確保後、搬送前のやり取りのシーンにすれば違和感もなかったのに
「EDをカットしたくない、でもイントロが本編にかぶさる形だから挿入歌を入れるとおかしくなる……せや、適当なシーンに歌流したろ!」みたいな感じ
今回だけ特殊EDとして歌を変えて本編にクレジットを載せる形にして、あの最後の場面のやり取りを掘り下げたほうが良かったんじゃないの?
なんかちょっと前に、「挿入歌は映像作成後に作られている!」みたいな記事があったけど、
あの映像を見てあんな挿入歌をぶち込んだなら音楽集団としてあまりにもセンスが無いと思うので嘘であってほしいくらい

あ、この回は本編に無関係な時間軸の回想はなかったので、その点は最高だった
まあその分前回のビターの回想が意味不明すぎるままなんだけど
次回は話が大きく動きそうな予告映像だった……けど、同じく話の動きそうだった今回がこの出来なので期待薄かな
{/netabare}


9話視聴
{netabare}いよいよ話が大きく動く回
ハイブランツ公が首相を庇った報奨として妖精武器を求め、それに応じてドロテアが搬送を行う…という展開
妖精武器を扱う戦争請負人、ビーヴィーによる襲撃という今までにない規模の戦闘が描かれていた

ハイブランツ公の思惑や暗躍を続けるウルフランの真意など今後の展開に係る描写も多い回
ただ、一番の見せ場である戦闘が相変わらず真っ暗なのが本当に酷い
襲撃に向いた地点を選んで夜間に戦闘を行うってのは合理的だしそれ自体はかなり好みなんだけど、本当に真っ暗にするアホがどこにいるのかと……
オマケにドロテアの制服は黒だし襲撃側も暗色系の服装、出てくる妖精も暗色で唯一分かりやすいのはビーヴィーの妖精武器のみ
オズの二丁拳銃にナックルガード状の刃がある…なんてこんな暗い戦闘じゃ分かりづらすぎる
せめて襲撃前に打ち合わせを行って、各々の武装を確認するシーンを用意するとかしてくれよと

あと、妖精武器が具体的にどう強力なのか全くわからないのはどうなの?
オズの妖精をスパッと斬っていたのは果たして能力なのか単純な切れ味なのかも不明
フリーが「こっちも妖精武器でないと対抗できない」と言っているが、能力不明なまま言われても説得力がなさすぎる
というかフリーは護送中の妖精武器を使って戦闘をするけど、ものすごくアッサリ負けてるわけで……
最終的に負けるのは分かるよ?普段と勝手の違う武器だし慣れない間合いでは勝ち目が薄いのも理解できるし
でも、武器を変えて挑んだ結果、互いに変わった力を使うというわけでもなく普通に戦闘し敗北
あんな簡単に負けるなら普段の双剣で戦ったほうが良かったんじゃないのか?という疑問が残ってしまう

マーリヤに関しては特に違和感も無いけど、やっぱ妖精デリケート過ぎない?
敵兵を貫通して威力の落ちた銃弾一発、しかも本人じゃなく妖精に当たったもので気絶するって何なんだろう
そんなに妖精がデリケートなものなら、敵の妖精に銃弾浴びせれば勝てたんじゃないの?

総評すると、「予定調和の敗北を見せられた回」といった感じ
というか、「突然の襲撃に味方が壊滅的打撃」って普通に考えればかなり盛り上がる展開なのに、
これまでにドロテアが活躍したシーンがなさすぎて「そりゃそうやろ」としか思えなくなってるのは脚本に問題がありすぎる
また、この襲撃でオズが犠牲になったけど正直何も思わないというか…
歓迎会で実質初登場(一応訓練や査察で出てるけど)したあと特に絡みもなく、8話Cパートで軽く言葉をかわした程度
ぶっちゃけ8話時点で名前忘れてた程度には存在感なさすぎなキャラだから、犠牲になろうが「はぁ、そっスか」くらいにしか思い入れが…
エガオノダイカのがまだお涙頂戴の準備をしていただけ若干マシだったとすら思えてしまう
思い入れが強いキャラを殺すと反発が来る、みたいな狙いからかもしれないけど1クールラストに向けた展開としては弱すぎるだろうと
これがセルジュ・クラーラ・チェイスのいずれかなら驚きや衝撃も強い分感情も揺さぶられたと思う
「マーリヤのトラウマを刺激するために適当なキャラを殺しとくか」、みたいな作業感が強くてむしろ萎えてしまった
お得意の回想でオズの掘り下げでもするのかな?したらいよいよギャグアニメとして笑うことにする
{/netabare}


10話視聴
{netabare}オズの死に責任を感じたマーリヤが迷い、仲間の説得を受けてドロテアの活動を続ける決意をする回
主人公が過去のトラウマを乗り越えるって展開はよくあるものだし、目新しさはないけどきちんとまとまった話だったと思う
ここにシュヴァルツ・ディーゼ、妖精省、チェイスらアーケイム捜索組の描写が挟まれることで、1クールラストに向けた助走の回となっている

ただ、面白いと感じた点とおかしな点が同時に展開されるのが惜しい
それがオズの死体の扱いとマーリヤの進退について

妖精器官は本来違法なもので、首相直轄のドロテアに所属していることで例外的に妖精兵の存在が許されているという点
オズの死亡をもって体内の妖精器官が妖精省の管轄となり、死体ごと持ち去られてしまうというシビアさは世界観にマッチした好みの展開だった
妖精器官の再利用などあるのか?や器官の摘出だけで済ませる事ができない理由はあるのか?など想像すると面白い

それだけに、進退を迷うマーリヤの扱いが気になってしまう
マーリヤは(確認される限り)唯一の妖精憑きであり、局長が情報を握りつぶしたとは言え希少価値は非常に高い
そうでなくても妖精兵としての登録を受けている以上、ドロテアを離れると即座に拘束される対象となる
となると「親しい人が死ぬのは嫌だからドロテアを抜ける」なんて呑気なことを言える立場には無い
もちろんマーリヤにとってはそんな組織の論理なんて関係なく、自身の葛藤に気を取られて周囲が見えないのも当然と言える
ただ、フリーの立場としては説得に感情や目的、仲間との絆を語り聞かせるのは大事だけど、
組織としての考えも描写してくれないとただの「お友達ごっこ」みたいな甘っちょろさばかり目についてしまう
せめてフリーが酒を飲んでいるときに局長とのそういった会話を回想してみせるとかあれば……

ハードな世界観なのに、やけにヒロインには甘い展開ばかりなのはどうなんだろう?と
未だに「災いの子」と呼ばれた経緯や村で爪弾きにされたような描写も無いのもファッショントラウマみたいな上っ面感が漂ってしまう
回想が多い割に村での境遇が描かれないせいで、災いの子ってのもヴェロニカに執着するのもどことなく上滑りしてる
「世界はマーリヤに厳しいけど、仲間の優しさが守ってくれる」みたいなのを表現するにはマーリヤ自身の苦境の描写が薄いな、と

今後の伏線については素直に楽しみ
列車襲撃によって、自身に向いていた反乱の疑いを逸しつつフラタニルを入手したディーゼと、戦争準備を進めるビーヴィーの動きはワクワクする
恐らくそれを阻止するためだろう親書を託すレイ・ドーンや動きが活発になったウルフランらアーケイムも次で何かしてくれそう

あとは純粋に悪い点
以前にも言ったけど挿入歌が本当に要らない
普段は使い回しのインストなのに突然挿入歌が入ってこられても笑うしかない
戦闘中のハードな曲はまだ問題ないんだけど、今回みたいなしっとりした展開にボーカル曲をいきなり出されても困惑してしまう
「一話につき一曲音楽を売りつけるノルマでもあるの?」みたいなやっつけ感すらある
挿入歌は、全編ボーカルのアニメでも無い限りは「物語の大きな山場」を演出するためのものでないと効果が薄い
それを、本作みたいに「大事なシーンはとりあえず全部ボーカル入れる」みたいなことをされると
「あ、ここで泣けってこと?はいはい泣く泣くー」みたいに受け取ってしまうし、白けてくる
こう言っては悪いが、最近はボーカルが流れるたびに失笑してしまい、画面のストーリーが頭に入らなくなってきている
BGMが邪魔で何度も見直すのはいい加減不毛すぎる
音楽集団を名乗るくせに音楽を効果的に使う方法を理解してないの?という感じ
曲単体でいくら良くても、やってることはあくまでもアニメの演出の一環なわけで、雰囲気を崩すような曲を流すくらいなら全編BGM無しでいい
だんだん不快になってきたので音楽の評価を更に下げておいた

次回は戦争が始まりそうで結構楽しみ
シナリオはどうせ1クール時点では尻すぼみで終わるだろうし、
せめて画面で市街地戦を行って、派手で分かりやすいバトルをしてくれると良いかな
{/netabare}


11話視聴
{netabare}いよいよハイブランツ公の反乱が始まり、ビーヴィー・ネイン局長・フリーが妖精武器を持ち戦争に突入、と盛り上がりのピーク…のはず
なのにその実態は、描写の大半が陽動で戦闘も散発的なために状況から読み取れる緊迫感が画面から感じられないガッカリ感のほうが強かった
オマケに「カッコつけたいだけのシーン」のために局長が人外じみた動きをするために、リアル調の雰囲気が逆に損なわれてしまっている

これまでの事件がハイブランツ公の思惑によるもので、暴走事件により戦力となる人工妖精を削ぎ、
妖精武器フラタニルを襲撃によって所在不明にしつつ奪うという計画的な動きがこの回で明言される
この辺は今まで見ていた視聴者への答え合わせでしかないからとくに言うことはないかな、くらい
そこから局長がアリアドラを持ち出し戦場に向かうまでは普通にワクワクした

ただ、これ以降の展開があまりにも酷くて正直視聴を止めるか迷ったレベル

ハイブランツ側はアーケイムから供与された人工妖精を防衛戦力に公都ハプシュタットに立て籠もっている
そこに局長が参戦し、妖精武器を手に敵を薙ぎ払っていく…とそれ自体は構わない
ただ、局長の動きがあまりにもあんまりじゃないかと
七騎士とも呼ばれるだけあって人工妖精がいくらいようが障害にならない、というのは分かる
妖精の天敵である妖精武器であれば(なんで装甲を切れるかは謎だが)人工妖精を簡単に切り裂ける、というのも妖精武器の強さを端的に示していて面白い
ただ、それと銃撃の中を単騎突撃できることは別だろうと
「単騎であることを活かして敵陣地に潜入、撹乱して同士討ちを誘って銃を封じる」、とかなら分かる
でも「単騎で突撃して銃弾は一切当たらず敵をとにかく薙ぎ払う」なんてどこの無双ゲーかと
ここまで散々陰謀だの動員戦力数だの地に足ついた会話をしておいて、戦闘になったら途端に作品が変わったように無双されるとむしろ白ける
しかも敵のど真ん中で一人きりなのに、人工妖精の操縦者一人潰しただけで
「投降しろ!→全員投降」はあまりにもお粗末すぎないか?なんで銃を全員捨てるんだと
「局長カッコイー!デキる女ー!」やりたいだけで展開を考える力が無さすぎじゃないかと

そこから場面が変わり首都防衛戦
市街地を進行するビーヴィー一行は各所に陽動部隊を配置して宮殿を目指す
ドロテアは局長ら不在のため、実働隊員が査察から帰還した4名しかいないなか防衛戦に参戦することになる
ここで何より気になったのがフリーの持つベロスティール
局長と同じく人工妖精に覿面のためバッサバッサと薙ぎ倒す…んだけど、やっぱなんかこう舐めプ感がある動きをするなあ、と
というか敵が陽動部隊の人工妖精少数のため、イマイチ妖精武器を持ち出したことへのインパクトが無いというか
腰に帯びたベロスティールを見た瞬間は「どんな見せ場が待ってるんだろう…?」とワクワクしたのに、やったことは雑魚処理一戦だけ
そんな一回ぽっちの前哨戦で早々と披露した挙げ句、「ベロスティールだ!すごい!」って適当に持ち上げられても肩透かしにしかならない
結局ベロスティールに関しては見せ場なし、ビーヴィーに関してはただの口笛おじさんにジョブチェンジして11話終了という消化不良

というかこの脚本、執拗なまでに盛り上がりを外すことばかりに力を注いでいるんだけどなにを考えているんだろう……
レイ・ドーンの親書が間に合わず反乱を許してしまう、という展開自体に不満があるわけではない
ただ、その流れと以降の展開に対して1ミリも親書が役に立たない死に設定同然になっているのが問題
「レイ・ドーンはじつはいい人なんだよ~」をやりたいんだろうけど、これじゃあまりにも遅きに失した感が強くて無能にしか思えない
加えて今回の反乱全体
ハイブランツ公領の独立→鎮圧戦(陽動)
首都市街地襲撃(陽動)
宮殿東門・西門襲撃(陽動)
宮殿大天門襲撃(本命、12話に続く)
と起こった戦闘の大半が陽動で、規模も散発的なレベルで練度が低い
戦略的な意味で言えば防衛戦力を段階的に削ぎつつ本命への攻撃を確実にする、と面白いし理解できる行動をとっている
ただ、アニメ的な意味で言えば今回は1クール最終話直前の一番の盛り上がりなわけで、そんななかで地味な陽動ばかり描写してどうするんだ?と
これが6話くらいで、ここから盛り上がりをかけていくならワクワク感があるけど、最終回直前でしかも前回が溜め回となるとガッカリ感のほうが強い
2クール目は10月からなのに、1クールをとことん地味なまま盛り上がりを作ろうとしないのは見ていてあまりにもしんどかった

あと、あの口笛おじさん本当にどうにかならないのかな…?
またもや挿入歌に失笑することになるとは思わなかった
ビーヴィーが口笛を吹くシーンを印象的に見せようとしたんだろうけど、そもそも口笛吹くキャラじゃないじゃん?っていう
吹くにしても列車襲撃前の静かなシーンとか、もっとそれらしい場面はあっただろうと
そういう場面的な問題を別にしたとしても、今回の挿入歌が口笛を前提にメロディを作られているせいで、メロディが単調すぎて盛り上がりに欠けている
これはさすがにあんまりだろうと……
そもそも演出として口笛がキャラとも場面とも合わない上に、口笛合わせの音楽のせいで挿入歌まで陳腐になるなんて絶望しか無い
前回はハードな曲は問題ないと評したけど、今回のせいでその評価すら覆ってしまいそう

というわけで今回は前回望んでいた戦闘面のインパクトすら感じられず完全に肩透かしの回だった
次回が恐らく最終話だけど、きっとゼスキア崩壊の雑な鬱エンドを狙ってるんだろうな、と
当初抱いていた期待は完全に地に落ちたので、エガオスイッチを導入して驚きのハッピーエンドを迎える超展開を期待してる
{/netabare}


12話視聴
{netabare}ドロテア組vsビーヴィーの戦闘シーンはこのアニメ通しても最高に面白かった回
一人の強敵を相手に仲間と協力して戦う様子や、あくまで戦乱にこだわるビーヴィーと鎮圧任務に徹するフリーの立場も明確になっていた
正直このくらいの戦闘が中盤にあったならば手放しで褒められる作品になったんじゃないかってくらい見せ場としてよくできていた
11話の口笛おじさんも口笛止めてくれたり、武器を盾にして銃弾を防いだり多少はマシな演出になってくれたのも高評価

ただ、それらを除けばあとはツッコミどころまみれの投げっぱなしエンドという印象
ビーヴィーに殺されたオズを思い、仇を取る思いからも奮起するドロテア一行…という一見熱い展開
ただ、以前も触れたけどオズってアニメ中じゃ無言で酒飲み続けたシーンと、マーリヤの帰り際に挨拶を交わしたシーンしか交流が描かれて無い
そんな人物の仇討ち云々言われても、気持ちはわかるけどなんとなく上滑りしてる感じがしてしまう
言っては悪いがお涙頂戴の安易な舞台装置にすらならないただの踏み台と言った印象で、死んだオズは良いように利用されてるなとすら思う

次いで戦闘シーンでのジェットとの回想
一言で言うと「知らんわ!」
ジェットが大事な戦友なのは2話の回想の時点でわかっているし、そいつから託されたのも分かっている
でも、「前に進め」とかなんとか、作中で描かれていない過去をさも名シーンかのようにフラッシュバックされても唐突な感すらある
描かれていない過去を唐突に戦闘中に振り返って、描かれていない人物との絆がさも力を与えてくれるようなシーンを作るなんて何を考えているのかと
これが中盤なら、この戦闘を経てジェットとの過去を描くなりして掘り下げもできるけど、今回最終話だろうと
掘り下げができないタイミングでよく知らない人物との過去の絆を持ち出されても、見てる側は「いや、そんなシーン知らんし」としか言えない
過去がキチンと描かれているなら間違いなく名シーンになったと確信できる場面なのに、これまでの積み上げが足りなすぎて半端な演出になっている

あとはやはりレイ・ドーンとシュヴァルツ・ディーゼ
レイ・ドーンが妖精武器を持ち出していた事からこの二人が戦うのは予想がついていた
ただ、時系列的にレイ・ドーンがあの場にいるのはかなり無理があるし、そもそも戦闘をアッサリ片付ける意味はあるのか?と
というかせっかく奪ったフラタニルに活躍の機会を与えないのはどう考えても演出として意味がなさすぎるだろうと
「簒奪者を自認するからこそ、皇帝を我がものとしたサイダルの騎士ガーランバトルの所持した武器を使う」みたいな意味合いだろうけど、
そんなオサレ感だすんじゃなく実際的な意味を見せるべきだろうと

あとはなんと言ってもマーリヤ
「戦うのは怖い~」とか独白したかと思えば敵を見れば豹変して「かたきを討たないと~」って……
ビャクレー行って自分を見つめ直した意味あるか?ってくらい情緒不安定にも程がある
あそこで感情に揺さぶられながらも自制心を持つような葛藤を見せれば成長が見えるのに、なぜか1話の頃の感情重視の自分に逆戻り
正直オズが死ぬ前の仕事連呼してた頃のほうがマシだったし、オズの死は成長要素にもならず無駄でしか無い
というか2話で自分が危険なのにウルフランを撃つのを躊躇う性格だったのが、怒りに任せてヘッドショット狙いに行くって滅茶苦茶すぎるだろうと
ヴェロニカに対すること以外成長しないってことですかそうですか……

挿入歌に関しては今回は(目立たないので)言うことなし
口笛おじさんにジョブチェンジすることも無かったので大満足
というか口笛を吹かないなら最初から吹かない方向で統一しろよ、と改めて感じた程度

総評としては「戦闘以外は最終話として落第点」といったところ
3話でアクセルと接触した理由が明かされていないからビーヴィーは生存
ヴェロニカ関連が2クールに回されたのでシュヴァルツ・ディーゼは話の整理のため1クールのうちに死亡
妖精武器の封印が解かれていたのでレイ・ドーンがシュヴァルツ・ディーゼを討ちにいく
戦場が分断していてドラマを作りづらいのでドロテア陣営は全員生存
こういった予想がことごとくそのまま当たってしまう平凡なシナリオだったな、という感じ
とは言え「全部レイ・ドーンがなんとかしてくれました!」みたいなヤケっぱちなエガオノダイカパターンに入るとは思わなかった
ここで皇帝が殺害されてディーゼが倒れて、ゼスキアがさらなる動乱期を迎えるようなハッキリとした「引き」があるとばかり思っていた
まさか2クール目への引きも作らず、無理矢理ハッピーエンドからの朝日を拝んで終了!なんてB級映画みたいなオチになるとは…
展開的には予想を超えず、オチはざっくり纏まるような小ぶりにすぎる最終回だったなあ
{/netabare}


疑問・違和感まとめ
{netabare}とりあえず1クール終了時点で積み上がった疑問等について
シナリオ上に残った今後の謎ではなく、現時点の描写における疑問

妖精兵の身体能力
作中ヴェロニカやネイン局長、ビーヴィーなど人間離れした動きをするキャラが多かった
もちろんアニメだから大げさな動きで魅せるのは大事だけど、「お前もはや妖精いらんやろ!」みたいな動きが多い
連携に特化したヴェロニカはともかく、妖精を出していないネイン局長、別々に戦うビーヴィーに関しては妖精の特異性を霞ませるだけになっているんだが…
「本物の妖精兵は一騎当千と思え」というフリーの台詞は練度のことを指しているのか、この人間離れした動きを指しているのか
仮に妖精兵になると身体能力が上がるならそれはそれで説明が入るべきだろうし、やはり違和感がある

妖精兵のダメージフィードバック
マーリヤはアホほど痛みを感じて、ともすると自分の肉体以上に妖精の痛みに引きずられてしまっている
フリーは気絶こそしないものの、割と敏感に痛みを感じている様子がある
ところが敵になるとマーリヤの妖精が直接体を燃やすような大きな損傷を受けないと痛みを見せない
我慢してるだけ?キャラによってそのあたりにバラツキがありすぎる
マーリヤに関しては妖精憑きのため、直接人間に取り憑いた分敏感なのかな?とも思うが、他については説明がつかない
演出面で戦闘バランスをとって勝敗を決めるためのファッション要素かな?

兵器運用
大戦時代のレドラット王国では大砲を使っていたにもかかわらず、統一後はハプシュタット鎮圧でも首都防衛でも大砲は使われなかった
それどころか爆弾も敵専用の兵器となっており、いくら平和とはいえ兵器運用のノウハウが10年足らずで衰え過ぎかな、と
新型人工妖精を開発する程度には兵器開発にも力を注いでいるはずなのに、その様子が見えず傭兵団にも劣るのはどうなんだろう
兵士の質は(ありえないレベルとはいえ)練度の差と思えば見ないふりもできるけど、兵器については明らかにおかしい

その他技術
車が蒸気を上げていたところを見るに、電気技術は発達していないと思われる
ではこの時代の通信技術は何が用いられているのか?
フリーらがカルオーの査察を行っているタイミングとシュヴァルツ・ディーゼがハプシュタットにいるタイミングがほぼ同時期
その後レイ・ドーンから親書を預かり帰還、というタイミングでハイブランツの反乱が発生する
いつ、どうやって首都ロンダキアはそれを察知した?
統一ゼスキアはもともと小国をまとめて出来上がった
もとがいかに小国とはいえ、各公都と帝国首都との距離は日本の尺度で県を跨ぐような距離では済まないはず
まして技術の拙い時代の移動手段では情報伝達にかなりの時間がかかる
そういう諸々を説明できる要素がないまま反乱~鎮圧までが終了してしまった
レイ・ドーンについても、フリーらが帰途についたあとに妖精武器を持ち出し、列車に乗り首都に向かうなど時間的に可能なのか?
反乱を起こす日時が予めウルフランから伝わっていたとしても、あのタイミングで首都に到着するには障害が多すぎる気がする

各回想について
各話に回想を入れることで過去に起こった出来事が断片的に分かるようになっている
実際、フリーとウルフランについては「現在所属する組織に入った動機」はともかく、「どのような事件を経て今に至るのか」は分かってきた
ただ、マーリヤとヴェロニカについては正直分からないことしかない
もちろん2クール目にて描かれるはずだけど、それにしても不足する描写は多い
災いの子とはなにか?どのような扱いを受けたのか?ヴェロニカはそれをどうして受け入れたのか?
逃げ延びたあとのマーリヤはどこでビャクレーとの伝手を得たのか?
ビャクレーは違法行為をしないと自認しながらなぜグイ・カーリンにコネがあるのか?
逃げ延びたあとのヴェロニカはどこで服を揃え、どこで銃を調達し、どうして釈放されたのか?
わからないまま「私は災の子」だの「全部奪われた」だの言われても……と思っていたら、そのまま1クール終わって呆然としてる
ヴェロニカについては2クールにて明かされるだろうけど、マーリヤは説明した気になって放置されそう
そしてなによりビター・スウィート
黒の妖精書を集める理由なんだろうけど、なんで意味もなく過去の父親との会話を回想した?
あれについては全話数のどこにもつながらないまま宙に浮いているんだけど、どうしてCパートに入れた?
あのシーンをドロテアの突入準備を描く時間に当ててくれればと未だに思わずにはいられない

フラタニルの存在価値
結局活躍しないまま終わったフラタニルは、(シュヴァルツ・ディーゼの作戦はともかく)アニメ的にはどうしたかったのか?
12話視聴の感想にてその考察はしたものの、やはり意味は薄い…というか最終話の演出として不十分すぎる
「レイ・ドーンすげえ!」をやるためにフラタニルを出したのかもだけど、その場合列車襲撃にてフリーがボロ負けしたため効果が小さい
というかあの列車襲撃時点でフラタニルを使った理由全く無かったのはどういうこと?
最終話にてフリーがヴェロスティールを持ってビーヴィーと渡り合っていたけど、ならやはり普段の双剣で良かったんじゃないの?
ヴェロスティールと妖精が対峙したのは上に駆け上がってひと刺ししたところだけ
しかもビーヴィーには痛痒すら感じさせられていないまま、あとはビーヴィー相手に切り合いをしただけ
フラタニルは負け戦専用兵器ってこと?完全に存在価値が無いんだけど…
オズを殺すために事件を用意したい、で適当にフラタニルを表に出したものの、結局脚本で扱いきれず持て余した感が大きい
あるいはこれも(最後ブツ切りだったから)2クール目にてレイ・ドーンが持ち出したりするのか?
一応そのパターンでも色々想像はできるけど、その場合フラタニルに見せ場がないままキーアイテムになるのは半端すぎるかなと
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

気長にいきまっしょい

オリジナルアニメ。分割2クールの前半12話分。


24年前勃発の“統一戦争”が終結し10年後の世界。リアルでも新兵器が戦術の発展に寄与してきた歴史がありますが、こちらの世界でそれに該当するのが「妖精の力を宿した妖精兵」なる人体兵器とのことです。
戦争が終わればコストのかかる兵器は適切な量を維持したまま徹底した保管管理が求められます。ご多分に漏れず平和な世界での妖精兵はいろいろストッパーがかけられてました。人が兵器であるということからも帰還兵のPTSDやら退役軍人の再就職などの問題も絡んできそう。ここらへんを期待しての視聴開始です。
ざっくり感想でいえば、ファンタジー世界ながらある程度、“大戦後10年経過した世界”に相応の説得力は感じられる仕様にはなっておりました。


そして世界観と設定。これは作りこまれてるのではないかと思います。
妖精は意思を持つとかスタンドアローンで何かするという描写が今のところはなく、宿主のスキルといった扱い。個々に名前や性能の違いもある模様。
このテの戦記ものはキャラが無限増殖する傾向にあって覚えきれないものです。地勢や諸国間の力関係であったり、登場人物の相関などは12話終わった時点では残念ながらふわっとしています。

P.A.WORKS製作とあって作画は期待通りで、音楽もかっこいい。
が、実は序盤の戦闘シーンの劇伴が自分にはしっくりきませんでした。エッジ利かせたギターのリフなんてめちゃくちゃ好みなんですけどね。これってどういうことかというと、実写映画『ワイルド・スピード』のカーバトルやってる時のノリの音なんです。本作に於いては、場を固定した剣でのつばぜり合いをやってる画と時速○○km/hの疾走感を強調したい音とが喧嘩している感じ。
しっくりこないのは劇伴だけではなく、後半の戦闘シーンでもなんかへんなところがありました。{netabare}例えば第11話の無能な衛兵隊。いくらなんでもゆっくり歩いてる相手には一発くらいあてなさいよ。{/netabare}
バトル作画は自分的にはOKです。そしてこの作品はおそらく人間ドラマで魅せたい作品なんだろうな、今後そんな展開してくんだろうなと思ってます。


分割2クールという形を取っており、あにこれではいったん区切るルールのようですので暫定でも『観終わった』にせざるを得ないのですが、まだ評価する段階ではないでしょう。今言えることは後半も観るつもりだということでしょうか。まだ途中ながら、完結してから一気に鑑賞するのに適しているかもしれません。前半が冗長気味です。
というのも12話終了時点で、何が起こっているかの説明はあります。しかし誰が何をしようとしているのかの説明が薄い。行動原理が不明なため人名や組織名・国名が覚えられません。だいたい理由や背景と相関づけて覚えますからね。
このへんはベテランラノベ作家ながらシリーズ構成・脚本は初という十文字青氏の経験不足によるものかもしれません。3か月期間をおいての巻き返しに期待します。


ここまで苦言めいたことを述べてきましたが全体の印象は真逆で、はっきりいって世界観は好物ですし、シリアスではNGと思われるご都合過ぎる展開も抑えめです。萌え抜きキャラデザインも見てて安心感があり、OPEDも作品世界にマッチし、しかもかっこいいです。
繰り返しになりますが、行動原理の説明がないことが致命的なだけです(笑) 
妖精兵は一騎当千の設定ですのであまり場面はないのですがモブをなぎ倒す“妖精兵”“七騎士”の無双ぶりなど、横山光輝『三国志』の橋の上の趙雲が好きな人とかには合ってそう。

とりあえず様子見。あとは後半に向けての自分用メモ



■いろいろ整理する時
登場人物多めの作品でメモること二点
・時系列おさえとく
 →統歴○○年と出てたのは親切でした
・人は所属組織と国で覚えとく
 →ドロテアの人は最低限覚えられるはず
・あわよくば国の位置関係
 →これはちょっとわからんかった
※あとはフリーとウルフの元同僚組、マーリヤとヴェロニカの幼馴染組を注視しとく


■登場人物一覧

{netabare}マーリヤ・ノエル(CV市ノ瀬加那)妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」に配属されたばかりの新入隊員。所有する妖精は、「アッシュクラッド」
フリー・アンダーバー(CV前野智昭)「ドロテア」第一部隊隊長代理。所有する妖精は、「レッドフッド」
ヴェロニカ・ソーン(CV福原綾香)マーリヤと同郷の暗殺者。所有する妖精は、「ブラッドドーター」
ウルフラン・ロウ(CV細谷佳正)フリーの元同僚のテロリスト。所有する妖精は、「フィッチャー」
[ドロテア]
クラーラ・キセナリア(CV諏訪彩花)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「トメリーズ」
セルジュ・トーヴァ(CV中島ヨシキ)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「ブリンツテイル」
ネイン・アウラー(CV園崎未恵)「ドロテア」局長 兼 第一部隊隊長。所有する妖精は、「モルズニーク」
リリー・ハイネマン(CV種﨑敦美)「ドロテア」第三部隊隊長。
ロバート・チェイス(CV沖野晃司)
オズ・メア(CV間宮康弘)所有する妖精は、「エアレー」
[妖精学者]
ダミアン・カルメ(CV子安武人)
カイン・ディスタロル(CV麦人)
[マフィア]
アクセル・ラブー(CV川田紳司)所有する妖精は、「ピリーウィギン」
“スウィーティー”ビター・スウィート(CV寿美菜子)所有する妖精は、「スクライカー」
[統一ゼスキア]
マルコ・ベルウッド(CV大塚芳忠)
グリフ・マーサー(CV津田健次郎)
レイ・ドーン(CV津田英三)所有する妖精は、「スローンテイカー」
[その他]
エレノア・ニード(CV小松未可子)
パトリシア・パール(CV井口裕香)
ジョナサン・パスピエール(CV興津和幸)
ビーヴィー・リスカー(CV江川央生)
ソフィー(CV伊藤静)
シュヴァルツ・ディーゼ(CV土師孝也)
ジェット・グレイヴ(CV東地宏樹)
ユアン・ブリーズ(CV乃村健次)所有する妖精は、「ノルカ」{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

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2020.02.05 追記

2クール完走後追記。3か月空くと全く分からなくなる恐れあり。


2019.06.29 初稿
2020.02.05 追記
2020.07.27 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 50
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

3話までの感想{netabare}
“天狼<シリウス>”+“魔法少女あすか”にジョジョのスタンド…ってよりもペルソナを和えた感じ?(ペルソナもスタンドじゃんと言われたらその通りだけど)
制作工程とか全然知らないけど、シリウスが後半「制作途中で打ち切りが決まった?」と思うような雑な展開で、まさか“色づく世界の~”に人員割いた?とありもしない疑惑(まぁネタみたいなもの)を浮かべたことがあるけど、まさかひょっとして万が一にフェアリーゴーンの習作としてシリウス作ったんじゃないだろうなぁ?と思ったり思わなかったり。
だってねぇ、何か秘密がありそうな故郷の村を焼かれて生き残りが主人公ともう一人って、ねぇ?
こうなると「黒の妖精書」の欠片を集めてるのも「シリウスのハコの在り処を探してるからでしょ?」と思ってしまったり。
でもって戦争のために妖精ってのを利用してたけど終戦後は無用のものとなり、だからといって妖精器官移植術を施した兵士を野放しにもできないから国の管理下に置き、違法妖精取締りをさせるってのは“あすか”っぽい。
戦争は終わったけど当時使われたテクノロジーを犯罪利用するのが後を絶たないってテーマは好きだし、そんなに珍しいものでもないのだけどタイミングがなぁ…。
ここから更に、敗戦側が復国を目論んでテロやってたって展開になったら更に自分好みになるのだが果たして。
また主人公とドロテアのメンバーが、もしくはドロテア自体が「お上」を裏切る展開にはなると思うのだけど…なるよね?
いつまでも政府の犬を続けるようには思えないし、マーリヤの故郷焼いたのは偉い人なんだよね?

ってなことを2話見た段階で下書きしてたんだけど、3話見たら…。
妖精兵の数17人って言っちゃったよwますます“あすか”っぽい。
と思ったら妖精省の人間が…ホーチューとツダケンwwww
絶対コイツら裏があるわ、ゴールデンカムイ的に。
更に学者の家訪ねたら子安と麦人wwwww
わぁい、2話まで“シリウス”の二の舞を恐れて素直に誉められなかったのだけど、こりゃ本気っぽい?
声優から制作のヤル気を計るのもどうかと思うけど…期待して大丈夫かなぁ?

と誉めたところでツッコミ。
アクションシーンというか場面の繋がりが微妙に変。
2話で逃走するウルフランをフリーが走って追おうとするも銃撃で足止めされ、その直後にバイクに跨ってて「?」。
あれだ、バイクに駆け寄るシーンが無いからおかしく感じたのかな?
駆け寄るシーンがあればその間にウルフランは遠くに離れたってことで銃撃してこないことも違和感無くなるし。
また3話の学者邸でカインの放った妖精がひと暴れするシーン、各キャラが「妖精!?」と驚くタイミングが何か変。
てっきり常人には見えないって演出かな?と思ったらその後普通に見えてるっぽい。
あれー?
これらは代表的な目立った例で、他にも「あれ?」と思わせるようなのがちょくちょく入る。
一つ一つはわざわざ言うほどでもないのだけど、そういった小さな違和感が妙に多くて全体的に何か変って感じに。
こんな感想抱くの自分だけかな?と思ったら他の方でも「バトルがギクシャクしてる」と指摘されてて、やっぱそうだよなぁとひと安心。
「距離感のマズさ」は言い得て妙だと思います。
なんでこんなに変なんだろ、コンテになるのか?
この感じ…“クジラ”の時に味わったのと同じだ、調べてないけど同じ人だったりして。
一応フォローしとくと、こういった場面の繋がりが変なのはそんなに珍しくはない、同期放送作品で言ったら“ミリオンアーサー”の方がもっと酷い。
ただ、こっちはなまじ作画頑張ってるので目立っちゃう、作画頑張るなら同時にコンテ?も頑張ってくれないとちょっとね。
ひょっとしたらシリウスよりアカンかも知れない。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
うん?
う~ん…妖精の強さが分からない、そんな段階で妖精武器とか新アイテム実装されても更に分からない。
一応ね、妖精武器ってのがあると紹介された瞬間は“終末なにしてますか~”みたいな武器かな?と思ってちょっとは関心沸いたんだけど、実際は覚える甲斐があるのかどうか不明な情報が増えただけな予感。
↑で書いた「あすかっぽい」と感じてしまったせい…なのかなぁ?あっちは魔法や魔法少女に対して近代兵器でも適わない・もしくはどこまで対応できるかがしっかり描かれてたじゃん?
翻ってこっちは強いんだか弱いんだか分からない。
妖精に特効のある武器が登場した回で、マーリアがただの銃に妖精撃たれてサクっと気を失う(特殊な弾だったりしたのかな)のはさすがにアカンちゃう?
ってかライフル持っててなんで近付くんだ。
こういうことされると強さ比較だけでなく、他のアレコレとゴチャゴチャした情報も覚える意味あるのかどうか疑わしく、覚えようって気力がゴッソリ抜けちゃうのよねー。
上で「覚える甲斐」とも書いたけど、単語覚えて法則や関係性を頭の中で構築したところで、作り手側が簡単に反故にしそうで。

今後「妖精武器じゃないととても太刀打ちできない」っていう強力な妖精が出る…んだよね?そうだよね?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

60.1 4 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング4位
キャプテン・アース(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (437)
2416人が棚に入れました
高校2年生の真夏ダイチは、夏休みが始まる前の晩にテレビで、種子島上空に突如として不思議な丸い虹が浮かぶのを目にする。「僕はあの虹を前に見たコトがある・・・ 」激しい胸騒ぎに突き動かされ、ひとり種子島へと向かうダイチ。父親の事故死の謎。幼き頃出会った不思議な少年少女との記憶。複雑な思いを胸に島に降り立ったダイチは、とある施設で鳴り響く警報の中、"アースエンジン" と出会う。「君はキャプテンか―」その力が問われるダイチ。天王星から襲来する、謎の完全機械生命体 "キルトガング"の目的とは。満天の星が輝くとき、彼らの戦いが今、幕を開ける―。

声優・キャラクター
入野自由、神谷浩史、茅野愛衣、日高里菜、小山力也、鈴村健一、坂本真綾、工藤晴香、内山昂輝、山本希望、潘めぐみ、豊永利行

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

登場キャラが少なすぎる気が・・。(8話まで視聴で一旦断念><)

※★の評価は暫定的なものです。最後まで見終えてから再度つけなおす予定です

>1話まで視聴して
.+:。∩(・ω・)∩゚.+:。ゎ~ぃ。やっと始まりました!。
大好きなスタドラスタッフ様方、五十嵐さん+榎戸さん+ボンズさまのロボットもの?新作として期待大です。

相変わらず吸い込まれそうなほど素敵なビジュアル、背景ですね。
もう星空の1シーンだけでもプルプル震えるほど興奮します。

さりげなく心地よい物語の進行・演出は、やはりさすがですね。
ありがちな展開のシーンも、うまく隠し味が効いてる感じ。

ロボットのところは、実はあまり興味ないのですが、
エキスパンド?合体?、あれって要らないですよねwww(褒め言葉)。
最初から巨大ロボでいいじゃないっすかw。

あ、小岩井さんも出演されてるのですね。エンドロールで初めて知った。これは嬉しい。

オープニングテーマ、挿入歌、ともにしっくりくるいい曲ですね~♪。

何はともあれ、今期の最優先視聴アニメです。

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>ネット先行配信OP映像まで視聴して
(´・ω・):;*。’:;ブッ ←サイトへ行って一言。
先に見た方々が、「○○星って正解書きたくなる」って言ってたワケを理解しましたw。
スタッフ様方が”輝き”を大きなテーマの1つにしてるんだなというのがよく伝わってきます。
こういうちょっとしたことがうれしいな。

ボンズさんの作品って、画面に吸い込まれるせいか、
1つの同じ大きさの画面なのに、すごく広い広い世界に感じられるんですよね。
画面いっぱい使って表現されてるなっていつも感心します。
それに今回は○ブラのオマージュですね。これはズルいw(褒め言葉)←最高の構図だもん。
そうかだからあの形だったんだ!。

それとスタドラスタッフ様方は、音楽と映像の合わせ方・使い方がホントスゴイ!!。
自然に鳥肌立たす達人なんだと思っています。

先日1話の感想で書ききれてませんでしたが、やはりエウレカ、トップ2、スタドラの
いろんなエッセンスが盛り込まれてましたよねw。セルフオマージュ的な?。
どれもσ(o・ω・o)の大好きな作品ばかりなのでうれしいです。
今のところはエウレカ色が強いかな?。でも○○柩っぽいのや、○○バディっぽいのもモロですよね^^。
例の某夫婦共演のキャラは、これも自分の大好きなチャールズ夫妻のようになるのかな?って興味津々だな。
あとやっぱり3者面談のシーンではじっちゃんのことを思い出さずにはいられませんでした(TдT) 。その対比もね。

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>2話まで視聴して
2話の序盤、中盤は淡々と話が進んでいったけど、やっぱ最後でしっかり心揺さぶってくれるなあ。
うれしくてちょっとナミダ出たよ。
大地のやさしさ、前向きさ、明るさ等々。画面でタクトくんとダブりながら見えてる自分です♪。
神谷さんのやさしい口調にもグッときた((o・д・)b♪。
本質的なところで、完全にスタドラの正統後継作品ですな^^。
絶対スタッフさん達、楽しみながらの確信犯ですよね。
夕焼けの海岸シーンだったり、副部長っぽい小動物(鳴き方完全に一致w)、
合体も毎回のお約束シーン確定ですよね~♪。+短時間での戦闘決着w。
あとやはり大注目なのは「3人という関係」ですね。本作でもいろんな組み合わせありそう。
それに「ハナちゃん」ですか!?(意味深)。
ヘッドギアはトップレスのと構造がほぼ同じっぽいなあ(うろ覚え)。

余談1:なんか最近「綺麗」って漢字見ても「綺羅」にしか見えん自分ww。
余談2:あかん、○ブラをちょっと再視聴しようと思って見はじめたら
    本気で止まらなくなってきた。やっぱあの頃の作品は超絶カッコいいなあ!。

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>3話まで視聴して
4人目のあの子は、なかなかいいキャラですね。○○○っ子てのも新鮮^^。
今回はテッペイとハナの見せ場が良かったなー。歌のとこ、もう少し長くてもいい。
やはりここで気になるのは”2人がなぜこの島に来たのか”ですね。

全体的に堅実な作りだけれど、正直ちょっと真面目すぎるかな?w。
スタドラが好きすぎてどうしても比較してしまうσ(o・ω・o)としては、

「もっとバカなセリフぶっこんでほしいw!」ですね、ハイ。

「もっと敵キャラも某十字団的なのがほしい^^」、
あと、「やっぱり学園要素ほしいなー。もしくは日常要素」
野球回や学園祭、唐突なサッカー回とかw、
・・ずっと緊迫した真面目な戦闘対立図式のみだと2クールきついよね。
今後どうもってくるかがとても楽しみです♪。

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>5話まで視聴して
4話、5話のアレはちょっと(すごく)不快でした><。
こんなの要らないんです・・。ちょっとクドい安易な媚びだなあ。。

なんというか全体的に今一つパッとしないなというのが本音です。
なんだか盛り上がらないというのが1つと、各キャラの魅力があまり伝わってこないです。
1回の話で1人ずつでも深く掘り下げてくれたらグッと愛着わくんだろうけど
なんか広く浅く薄くになってる気が・・。

ちょっと表面的な絵的な見た目?に重点が行ってしまっていて、
肝心の中身がおろそかになってしまっているというか。

あんまり他作品と比べるレビューはよくないと思ってはいるのですが、
期待が大きすぎた分、本作を見れば見るほど、
スタドラの素晴らしさが際立って感じられてしまいます!。
(構成・テンポ・キャラの魅力・会話・音楽・・まあ全てですね)

★の評価、かなり下がってしまいました><

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>8話まで視聴して
すみません。ほんと自分の中で盛り上がらない・・。
本気で主人公が乗ってる機体の名前が覚えられない・・。
キャプテンって呼ばれるより「だいち」の方がいいような気が・・。
(先日だいち2号打ち上げニュースみた時、自分の中で本編より盛り上がった)

敵キャラ、なんであんなに少ないんですか?・・。というか全体的に人が少ない><。
・・ああ、いったん断念扱いにさせていただきます(一応見るケド)。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

いっき さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ロボットアニメ+美少女変身アニメにアニメーター色を濃くした感じ

ボンズ製作アニメ、全25話のロボットアニメ。

全話見終わって、ボンズ+アニメーター色が強いので背景、シーン描写、作画は綺麗で絵には満足です。

最初に思ったことは、ロボット青春要素に美少女変身アニメの敵組織を組み合わせたアニメという感じでした。

話も壮大で、シーン描写が良いところが所々あるので2クールという長さを別段、苦にはならず視聴できました。キャラも全員良かったし掛け合いも良かった、物語上のキャラの進展は別にして。

物語の進展の感想を言うと、これほどギュウギュウに詰め込んだパッツン未完成アニメは久しぶりでした。

ただちょっと予想できたのも感想を苦に思わなかった要因でもありました。

絵が綺麗で壮大そうなアニメは神アニメ&名作になるか企画倒れの中途半端なアニメ&迷作のどちらかになるのが自分的の考えです。

日常アニメや萌えアニメなどと違い''普通に良かった''という感想を抱けないのも壮大なアニメの欠点でもあると思います。なぜなら要素や伏線が多く視野(展開&視聴者層)も狭くなるからです。

キャラの掛け合いの笑いも単発ギャグしか出来ず笑いで視聴者を掴めない。それにギャグ路線に行っても超展開になるだけ、それは壮大なアニメではなくなると思います。そして消化不良が多いほどアニメも嫌になります。壮大なアニメはそういう意味で難しいアニメというのは昔から思い知らされてきました。

特にこのアニメはアニメ内専門用語が抜群に多いのに、説明という説明はキャラが一言二言いっただけの視聴者置いてけぼり推進アニメでもあると思います。自分は一機に視聴しましたので話数を繋げて見れましたが、一週間毎視聴だったら肝心の物語要素を楽しめず、意味不明の苦痛を伴うアニメになっていました。それに見返すこともしなかったでしょう。

用語
{netabare}・キルトガングの活動期←9年前にもあった
・アースドライバー
・ライブラスター←笛の女の子
・インパクター←ロボット
・マクベス革命←人類保管計画?
・箱舟派←めがねの黒幕
・アースエイジ←大地のロボット
・アルビオン←敵の仲間?
・ブルーメ←はなの戦艦
・リビドー=オルゴンエネルギー←生命エネルギー?
・キヴォトス計画←箱舟派VS迎撃派
・ソルティードック←てっぺいの父を拉致した黒幕
・ユウセイハグルマソウチ(てっぺい、敵などの生物)←エゴブロック←破壊されない限り不老不死
・敵の基地は天王星の衛星付近
・マシングットフェロー←敵のロボット←通常の人間では近づいただけでリ・ビドーを吸い取られる←大地はライブラスターのおかげで大丈夫
・7話グローブ種子島基地独立遊撃部隊ミットサマーズナイツ(真夏の騎士団)
・デザイナーズチャイルド
・ネオテニー←大地
・マクベスエンタープライズ←遺伝子操作で生まれた子供たちで実験をして・いた当時の社長はカンダタカシ、自殺した
・マグス号事件←アサノダ組関与?
・アースエンジン(主)バクレツジュウ(緑)、
・ニューラルバヌーバシステム
・はなのライブラスター「ブロッサム、エグディシズモード(追尾モード)」
・オペレーションサマー←独立遊撃部隊(電車のあれ)はこの計画のため時間稼ぎをしていた6話分も
・リスの名前ピンク:ラッパ 青:ピッツ
・ピッツのシンキュラリティー(予知能力)ではなくはな自身の能力?
{/netabare}
↑こういうのをメモしないと一瞬で置いてかれそうでした。

アニメーター色が強いアニメにも言いたいことがあるのですが、アニメーター指導のアニメは設定や作りこみは壮大ですごいのですが、それが視聴者のことをすみませんが考えていなく自己満足のアニメなる傾向だし(その勢いアニメが神アニメにもなります)、TVアニメシリーズに収まらないことが多々あるのが自分的に地雷要素でもあるのも事実です。はなと露店に行くところまでは描いて欲しかった(切実に)

でも壮大なアニメを全否定しているのではなく、壮大なアニメは自分も好きですし、神アニメはそういう壮大なアニメの中に多数あるのも分かります。

キャプテン・アースは本当に惜しいアニメでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ミッドサマーズナイツの4人が織り成す普段の日常が好きでした・・・^^

この作品はオリジナルアニメなので、公式HPとアニメ関連のニュースから事前情報を得ていました。一昔前を彷彿させる王道巨大ロボットアニメと聞いていたので、視聴を楽しみにしていた作品でしたが、私の中で視聴が確定したのは主要キャストを知った時でした。

主要キャラであるミッドサマーズナイツの4人と声優さんは以下の通りです。
真夏 ダイチ(CV:入野自由さん)
嵐 テッペイ(CV:神谷浩史さん)
夢塔 ハナ(CV:茅野愛衣さん)
夜祭 アカリ(CV:日高里菜さん)
これだけの声優陣が揃う作品・・・私が気にならない訳がありません^^;

学業に身の入らない主人公の真夏ダイチは、夏休みを利用して故郷である種子島にやってきました。
この種子島は彼にとって幼い頃の思い出の場所・・・なかでも、宇宙基地は嵐 テッペイや夢塔 ハナとの思い出が溢れる彼にとって大切な場所でした。
ところが、基地に訪れたダイチはひょんなことからロボットのパイロットとして出撃し、地球侵略を目論むキルトガングを撃退することになるのです。
こうして高校2年生の彼にとって「地球を守る」という特別な物語が動き出すのです・・・

放送前から注目されていた巨大ロボット・・・複数の機体が合体するタイプなのですが、前評判通りデザインは格好良かったと思います。
でも、インパクトの大きかったのはロボットの合体シーンです・・・
物凄いスピードで上昇する中、位置を確認しながらそれぞれのパーツが「接近」「接合」「結束」を繰り返していきます。それぞれの動きは一昔前から見てきたようなシチュエーションなのですが、これまで発展を続けてきたアニメ技術の下支えもあって・・・むちゃくちゃ格好良いんです^^
(私の友人は「無駄に格好良い・・・」と言ってましたが、その表現も納得です^^)

そのため、「無駄に格好良い」合体シーンを含めた巨大ロボットの活躍はずっと期待していたのですが、物語の展開上、後半は少し影を潜めてしまったのが少し残念に思えました^^;

ロボットも良かったのですが・・・私はそれ以上にミッドサマーズナイツの普段の日常が大好きでした^^

キャプテンことダイチ・・・4人の中で一番大きく成長しましたね。最初は呼ばれることをも気恥かしがっていた「キャプテン」ですが、その重責に気付きよく奮闘したと思います。

テッペイ・・・普段は大人しい彼ですが・・・勇気の塊のような存在でしたね^^ 
彼の言動は、常に自分よりも仲間が優先・・・CVが神谷さんということも相まって抜群の安定感あるキャラだったと思います。

自らを魔法少女というアカリちゃん・・・決して表舞台で派手に振舞う存在ではありませんでしたが、ミッドサマーズナイツの屋台骨として色々な作戦や戦闘の場面で自分の能力を精一杯出し尽くしていて、その貢献度の高さは半端無かったと思います^^
CVが日高さんと知って最初はもう少し違う声調をイメージしていましたが、これはこれで有り・・・というか、中盤以降はこの声調以外考えられなくなりました・・・^^

でも・・・一番印象に残ったのは、やっぱりハナちゃんでした(//∇//)
前にも同じことを違う作品のレビューで記載しましたが、ハナちゃんのような透明感のあるキャラと茅野愛衣さん・・・なんて相性が良いんでしょう^^
ハナちゃんが作品の中で何度も発した「キャプテン・・・」の台詞・・・
この言葉には色々な思いが込められているんですよね^^
特に花ちゃんの好意がたくさん込められた「キャプテン・・・」の台詞には何度キュンキュンしてしまったことか・・・(//∇//)

一方、物語の方ですが2クール作品ということもあり、ストーリーはしっかり練られていましたし、ラストまで目を離すことができません・・・
地球侵略を目論むキルトガングでしたが、彼らは決して一枚岩ではなく圧倒的な強さの源に眠る儚さ・・・
そして彼らが何に気付くのか・・・是非本編を通して色々と感じて頂ければ・・・と思います^^

2クール25話の物語です。途中敵であるキルトガングのメンバーが揃うまでの
パターンが似通っている感はありましたが、私とって総じて楽しめた作品でした♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

67.3 5 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング5位
戦姫絶唱シンフォギアAXZ (第4期)(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (154)
825人が棚に入れました
後日、「魔法少女事変」と称される、
錬金術師キャロルの世界解剖計画を阻止してから数週間後。

立花 響は最大最強の敵を相手に格闘し、為すがままに組み伏せられようとしていた。

対する脅威――その名は「夏休みの宿題」。

学生の本分という、避けられない運命はどうしようもなく過酷であり、
抗いようもなく無慈悲である。

どうして、こうなったのか?

押し潰されそうな心のままに振り返ってみる響。

海にも行った。
山にも行った。

新しくできた友達との約束だからと理由をつけて、
あちこちの夏祭りを満喫し、夜はバカみたいに口を開けて花火を見上げた。

お盆には学生寮を出て、千葉の実家に戻った。
久しぶりの家族水いらず。

「家族が揃ったら、やっぱり鍋だろうッ!」

真夏だというのに、
何年かぶりに顔を合わせた父親は、
何年か前と変わらず浅薄・短慮を惜しげもなく披露し、
そして響もまた、そんな父親のC調に同調して、
母親と祖母の眉毛の形を見事なくらい「ハ」の字に変えさせた。

少し前に――
シンフォギアを身に纏わなければならない超常の事件も発生したが、
結果、ちょっぴり世界史に詳しくなったような気になる響。
担任から、自分の書く字はまるでヒエログラフと言われ続けてきたが、
それがどんなものかようやく知り、さすがにそれはないとも理解した。

かつてないほどに満ち足りた日々。

クラスメイトのひとりは、
「あんたの日常も、ようやく深夜のアニメみたいになってきたわね」と評してくれた。
言ってることはよくわからなかったが、
口ぶりからそれが悪い事ではないと伝わって嬉しかった。

こんな毎日が、永遠に続けば……と願う響。

――そう……
あんなにもきらびやかな毎日を続けてしまったがためのツケは、
いつか払わなければならない。

夏休み後半、登校日。

立花 響の新たな戦いの幕は、ここに切って落とされるのであった。

声優・キャラクター
悠木碧、水樹奈々、高垣彩陽、日笠陽子、南條愛乃、茅野愛衣、井口裕香、久野美咲、石川英郎、保志総一朗、赤羽根健治、瀬戸麻沙美、寿美菜子、蒼井翔太、日高里菜
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

らしさ感じつつ、だとしても

[2020/02/08 v1 らしさ感じつつ、だとしても]

歌って戦う女の子たちの熱くハチャメチャなノリを楽しむアニメ、シンフォギア・シリーズの4期目にあたります。余裕があるなら1期から通してご覧いただいたほうが楽しめると思います。「手っ取り早く」をお求めでも、3期だけは見ておいたほうがよさそうです。

1~3期をほぼ連続視聴の後、けっこうな間を開けてからの本作視聴となりました。ちょっと新鮮さが回復したせいか、あるいは本作自体の性質か、それなり以上に楽しめました(シンフォギア・シリーズ比)。異論は多々あると思いますが、個人的な1~4期の順位付けは

 1: シンフォギア(1期)
--絶望的に大きな乗り越えられない壁--
 2: シンフォギアG(2期)& シンフォギアAXZ(4期、本作)
--そこそこ超え難い壁--
 4: シンフォギアGX(3期)

という感じです。あくまでシンフォギア・シリーズ内の比較です。シンフォギアGXだって、僕が見たアニメ作品全体で見ればかなり上位です。

5期(XV)はまだ観ていません。ただ、本作は事実上シンフォギアXVとの連作らしいので、本来はそちらを観てからあれこれ言うべきものかもしれません({netabare}最終話のアフタークレジットがもろに次期へのつなぎになっています。そしてそれ自体は「お、そうきたかー。なんかわかってたけど」な感じで結構ワクワクしています。{/netabare})。

4期のここにきて、シリーズとしてかなり綿密に物語を組んでいたんだなと感心しました。仮にそれが後付けだったとしても、僕がそう思えた時点で制作の勝利です(対・僕戦線において)。

以下、1~4期までをご覧になった方向けかな、と思うので畳みです。
――Negative factors――
{netabare}==1期の片鱗は感じつつも、やはり消失した音楽と映像のシンフォニー:2期以降3連続の愚痴
{netabare}2期以降継続して、映像の音楽に対するハマりが失せています。多少、それを意識しているのかなと思えるシーンはありますが(最終盤の錬金術師たちの戦い、最終話の黄金聖衣登場前後など)。

映像と音楽のシンフォニーは、もはや諦めたのかなと思われます。了解、理解した。5期はそのつもりで見る。

― 制作のプロセスを正しく知っているわけではありませんが、映像を音楽(テンポや転調など)にきっちり合わせるには、曲が先に完成していないとできません。おおよそのタイミング・時間の指示はあったとしても「きっちり」は難しいでしょう。1期ではそれが完璧だったのですが。予算の増加、人員の増加にともなう「ちゃんとしたアニメ制作進行」の型にはまった結果、その工程を作り出すことが難しくなったのかな。音楽と場面のずれはやかましいレベルの効果音でつなぐという形が今期も見られています。残念です。その分の埋め合わせではないでしょうが、OP映像はとてもよかったです。

― 決定的に時間方向のコントラストを作り出すことに失敗しています(制作陣はそんなこと思っていないのでしょうが)。音、光、動きが飽和しきっていて、感覚がマヒします。ほかの作品含めて何度か書いていますが、ヒトは変化を感じ取る生き物です。センサーの上限値付近で多少の変動があっても、それは検知できませんよ。

― 楽曲そのもののカッコよさは継続して上がっていると思いますが、それに比例するように、キャラの動作に合わせて強勢を入れる歌い方による歌声の乱れも上がっています。これも繰り返しですが、声優さんの技量には心の底から驚きます。でも、音楽として汚いものを聴かされるのは正直げんなりです(なので、音楽の評価が低いです)。なにより、「シンフォギア」の大前提がこれでいいのかな?と思います。1期に曰く「特定振幅の波動、つまり歌」に反応するのがシンフォギアだということでしたが、あんな乱れた音声(もはや歌声ですらない)でもその「特定振幅」は担保されるんですかね?基本フォルマントのレベルで一致していればいいとかいうなら、結構な数の「適合者」が出てくるはずですが。考えちゃ負けなんでしょうけど(笑)、考えれば考えるほど矛盾が深まります。{/netabare}

==そこはかとない物足りなさ
{netabare}期の締めとしては最後の戦いがしょぼいなぁという印象が拭えません。奏者全員のギアを預かった響は確かに黄金聖闘士スタンド使いとしてかっこよかったですが、結局彼女一人で決着というのが個人的には物足りない。その直前、X-driveなしで戦う6人のほうが個人的には好きだったな。{/netabare}

==「だとしても」
{netabare}8,9話あたりから突如キーワードというより、作品のテーマと化した「だとしても」が実に鬱陶しかった。前作までの響きのVocabularyになかった言葉をいきなり入れ込んでくるのは、正直なところ違和感しかなかった。10話の終わりからの導入で十分だったと思う。
{/netabare}{/netabare}

――Positive factors――
{netabare}==「だとしても」
{netabare}「だとしても」の導入自体には懐疑的ですが、期としてのテーマ、方向性としてはよかった。特に3期との比較になりますが、シンプルにして明確なメッセージを持たせるという意味では、悪くなかったと思います。

それ以外に4期の良かったところは、奏者たちのウジウジ物語が軽減されたこと。すっきり。{/netabare}

== OP曲 「TESTAMENT」
{netabare}3期に続いて、個人的にはドキッとするような主題歌のタイトルでした(いろんな意味がありますが、遺言という意味も持つので。。ま、おそらくは告白、信条の意味でしょう)。OP曲をギア奏者たちのファイナルブローの名前にするという伝統は3期で崩してしまいましたが、本作は、「TESTAMENT」がファイナルブローでした。ファイナルブロー自体はあまり評価できません。
が、OP映像は、シンフォギアの要点が詰まった素晴らしい作品だったと思います。曲もよい。1~4期のOP曲だけの単純比較なら、一番好きかも。

6話のEDは自分でもよくわからない感動を覚えたなぁ。{/netabare}

== 愛すべき悪役たち
{netabare}― 表面上奏者たちと対立する錬金術師三人(サンジェルマン、プレラティ、カリオストロ)と、その背後に控える黒幕たる存在(アダムとティキ)という構図がかなり早い段階で開示され、物語を牽引していったのは良かったです。物語全体のわかりやすさという点でも、いずれ錬金術師三人が「こちら側」に来ることの示唆という点でも。アダムとティキのわかりやすい悪役感とウザさは、まさに悪役として愛すべきポイントかと。全セリフ倒置法というのも、とってもウザくて面白かった。

― カリオストロの声をはじめて聴いたとき、違和感を感じてしまい(僕としては珍しく)声優を確認してしまいました。{netabare}第8話のたった一言のための配役だったのですね。。。不覚にも痺れました。かっこよかった。{/netabare}

― 爺さん。。。いいねぇ(笑)五期の敵役確定フラグだろ。{/netabare}

== 僕らのLast Action Hero!
{netabare}2期、3期と続いた「愛ですよ(ウェル博士)」「なぜそこで愛?!(マリアorナスターシャ)」の件(くだり)がこんな形で活かされてくるとは思いもしませんでした。6話の展開、「愛」という言葉を出すまでの引っ張り方はとてもよかった。ウルってしちゃったよ。{/netabare}

== 相変わらず意味不明に強い大人たち
{netabare}ええ。相変わらずです。緒川さん最高。今期は、特訓シーン(ジャッキー&シルベスタ オマージュ)がなかったかな。{/netabare}

== Story Blocker(?) エルフナイン
{netabare}Story Tellerというか、「そっから先は考えちゃダメ~」の壁を展開する存在として、エルフナインは実に有効に機能したと思う。彼女がいうよくわからない錬金術的サムシングは、観ているこちらが"OK.そこは触れちゃぁならねぇさむしんぐなんだな"と理解させてくれます。{/netabare}

{/netabare}



さて、XV(5期)。AXZ最終話でおおよその方向性が見えていますが、楽しみ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

アムハ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「一にして全なるモノが死を灯す」

{netabare}
この作品も3期に続いてなのですが、1番注目してほしい所は敵側である3人の錬金術師でしょう。まず、状況を整理します。3人の目的は月遺跡によってもたらされるバラルの呪詛から人類を解放して、支配のくびきから解き放つことでした。そしてその方法として用いたのがサブタイトルにも出てきます、「一にして全なるモノ」つまりは「賢者の石」でした。
つまり錬金術師たちは人類を救いたい。しかしその方法で使う賢者の石には多くの犠牲を必要としてしまう…
だとしても!未来を人の手にするために!支配された世界にしないために! と自分の正義を握りしめて貫く。そんな多くの命を救うためにいくらかの命を代償にする。というあり方が錬金術師らしくてとても良いと思うのです。

そして、そんなやり方は間違っているとシンフォギアが立ちはだかり、響も自分の正義を握りしめて戦います。
戦いの末、響はサンジェルマンに勝利しますがその際に「私もずっと自分の正義を握りしめて戦ってきた。だけど、拳ばかりでは変えられないことがある事も知っている。だから、握った拳を開くのを恐れない…人は人のまま変わっていかなければならないんです。」と言い手を差し伸べます。
それに対しサンジェルマンは「だとしても。いつだって何かを変えていく力は、”だとしても”という不倒不屈の想いなのかもしれない」と手を伸ばします。
このやり取りがとても良かった。ついに歌と錬金術が分かり合う。には至らなかったかもしれないけど。GXでキャロルと分かり合えなかった事を悔やんでいた響がようやく少し報われることができて本当に良かった。

わかり合えたと思ったのもつかの間、米国の核兵器が奏者たちを襲います。
ただ爆発させるだけでは放射能により辺一帯焦土と化してしまう。それを食い止めるべく立ち向かう錬金術師たち。賢者の石だけでなく、自分たちの命すらエネルギーに変換して核兵器を食い止めました。
また、その際に歌う曲「死灯 -エイヴィヒカイト-」は命を賢者の石に変換する歌なのですが、今回は自分の命を賢者の石に変換しました。その生命を犠牲にしてというのが、錬金術師版の絶唱のようで最高に熱かった!
また、この際サンジェルマンのスペルキャスターは本来肉体の消滅とともに消えるはずでしたが、3人の意思の力がしばしこの世に引き止めました。

そしてアダム戦にてスペルキャスターのエネルギーを響の思いつきでF2CAにて力へ変換しようとしますが、歌の力ではなかったためダインズレイフを焼却することで無理やり力へと変換します。ここで熱いのがエクスドライブにならなかったこと。あくまで抜剣。そして最期の抜剣、ラストイグニッション。出力はエクスドライブに届かないかもしれないけれど、歌と錬金術が始めて力を合わせた集積体。それだけで本当に熱い。

また、ここで新たに発動する響のアームドギア。みんなの力を自分の物とする力。今までありそうでなかった力ですが今回出したのはタイミング的に完璧でした。何故ならここに来てようやく錬金術の力を紡ぐことができたから。
そして完成する黄金のシンフォギア 。アダムは黄金錬成と言いましたが、この力はアダムが行った物理的な黄金錬成とは違います。賢者の石には不浄を焼き尽くす以外にも不完全を完全に昇華する力がありました。この時の響は一時的にですが、かつて融合症例と言われた1期、2期の(適合率が超高い)状態になりました。そしてそこから繰り出されるオラオラ!これには本当に痺れましたw
ちなみにカリオストロの局長に一発ぶち込みたかったという願いは最後に響と同化して一発どころかたくさん打ち込めてるので良かったねというところw

最後に。
ここまで神殺しの力でぶん殴り続けてきた響ですがアダム曰く、2,000年の思いが呪いと積増した哲学兵装であり使えば呪いを背負うという言葉を無視したしっぺ返しは来るのか。またバラルの呪詛が解かれた響と未来はどうなるのか。(主に未来)そして、創造主である神(アヌンナキ)に対抗する手段を失ってどう立ち向かうのか!
色々気になる第5期は2019年春公開!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一にして全なるモノが死を灯す。

この作品はシリーズ4作目の作品となります。
物語としての繋がりはあまりありませんが、登場人物やキャラ設定、そして
現在置かれている状況などの説明は一切ないので、この作品本来の面白さを思い切り堪能するなら前期からの視聴をお勧めします。

響たちシンフォギア奏者の前に立ちはだかる今回の敵は錬金術師…
錬金術師というキーワードは3期からチラホラ聞こえてきていましたが、今度の敵の強さは前期以上…

こういうバトル系の作品って前回より弱い敵って殆ど出てきませんよね。
途方もない戦いを繰り返してきた響たち…
時には貧弱な敵が出てきても良さそうなものですが…
こんな事が頭の中をよぎる位、今度の敵は半端無かったと思います。

錬金術師で構成されたパヴァリア光明結社…
その結社の核となるのがアダム・ヴァイスハウプト
そして以下の3人の幹部で構成されています。
サンジェルマン(CV:寿美菜子さん)
カリオストロ(CV:蒼井翔太さん)
プレラーティ(CV:日高里菜さん)

勧善懲悪を物語の軸に据えるこの作品ですが、なぜか女幹部の3人は憎めませんでした。
そう…彼女たちはただの悪ではないのです。
自らの信念と正義を貫きながら理想を追い求めるサンジェルマンと彼女に付き従う二人の女幹部…
そして追い求める理想に一番近い存在だと思ったからアダムと手を組んだ…

正義の形は一つではありません。
ある側面から見た時に正義に見えても、切り口を変えてみると真逆だったり…
決して無くならない戦争が良い例です。
みんな自らの正義を信じて武器を手にしているのです。

サンジェルマンと響たち…
振りかざす正義の形が違うから交われない…
お互いが自らの正義を真摯に受け止めているから…

だから3人の女幹部は決して長い物には巻かれた訳でも、朱に染まった訳でもないんです。
自分たちなりの筋が彼女たちの行動原理に感じられる…
だから自分たちの道は自分たちで切り開くことを選択した彼女たち…
きっと「格好良い」ってこういう事を言うんだろうなぁ…とお手本とも思えるくらい、ストイックだった彼女たちの雄姿…
是非目に焼き付けて頂けたら…と思います。

それと、このレビューを書く段階で初めて知ったのですが、カリオストロの声優さん…蒼井さんだったんですね。
物語に登場する彼女は色っぽさを兼ね備えた普通の女性だったのですが、まさか声優が男性だとは思いもよりませんでした。
全然違和感を感じませんでしたから…
まぁ、蒼井さんだからできた配役なのかもしれませんが…

激しい戦闘中とシャウトする歌が同時並行で流れていくこの作品…
声優さんにとって演じるのが大変な作品だと思いますが、代わりに半端ない熱量と躍動感が感じられます。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、水樹奈々さんの「TESTAMENT」
エンディングテーマは、高垣彩陽さんの「Futurism」
1期から変わらないこの組み合わせはもう鉄板ですね。

1クール13話の物語でした。
回を重ねるごとに激アツの度合いが増していく作品です。
そして嬉しいことに、既に5期の制作も決定しています。
4期と一緒に5期まで制作を発表するのは珍しいケースだと思いますが、5期に向けて視界良好…
あとは放送を楽しみに待つばかりです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

64.3 6 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング6位
アクティヴレイド -機動強襲室第八係-(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (379)
1796人が棚に入れました
第三次流砂現象によりその一部が泥濘に沈んだ東京。復興作業用に作られた、 高出力・強化外骨格<ウィルウェア>を使った犯罪の増加に対処すべく、警察庁警備局は、 その吉祥寺分室に第五特別公安課第三機動強襲室第八係──通称<ダイハチ>を新設した。 様々な法的制約としがらみに縛られながら、 知恵と勇気と口八丁で凶悪事件に挑む若者達(一部を除く)! 決裁完了、出動せよ!!

声優・キャラクター
島﨑信長、櫻井孝宏、小澤亜李、石上静香、倉田雅世、村田太志、相坂優歌、花江夏樹、大川透、大西沙織、鳥海浩輔、緑川光、大原さやか、山下大輝、黒沢ともよ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

色々頑張ったが・・・タイバニにもサイコパスにもなれなかった残念作

『コードギアス』の監督を務めた谷口悟朗氏を総監督に迎えて、かなり気合を入れて企画・制作された作品だと思うんですよ、これ。

2011年のヒット作『TIGER&BUNNY』や翌2012年のヒット作『PSYCHO-PASS(サイコパス)』をよく研究して、「今の売れ筋はコレ!」みたいな感じで企画が練られ、それらに続くスマッシュ・ヒットを狙って相当な勢いで制作が始まった作品だなあ・・・という感じが本作の視聴を始めてすぐに私にはヒシヒシと伝わってきました。

・・・が、しかし。アニメ業界は非情!
第1期から何故か思うように人気が出ず、慌てたスタッフが第2期では主人公を{netabare}『サイコパス』風の女性キャラから、より腐女子受けが狙える男性キャラに挿げ替える{/netabare}、という大手術を施してテコ入れを図ったにも関わらず、第2期はさらに悲惨な成績となってしまったそうな(いわゆる「爆死」ってヤツですね)。

何で、こうなった????
(私の見解は、下記の◆視聴メモ参照)

いずれにせよ、作画/演出/設定/音楽の各方面で、これだけ高い水準(※『サイコパス』と同水準で、『TIGER&BUNNY』より少し上だと思います)を満たしながらも、企画されたプロットのほんのすこしのミスが、こんな残念な結果を招いてしまうことの実例として、個人的には見て勉強になった作品でした(人にはお薦めしませんが)。


◆視聴メモ(第1期)
{netabare}
第1話視聴終了時点
・『サイコパス』風のヒロインで、『TIGER&BUNNY』風のバトル・スタイルで、『機動警察パトレイバー』風の作品世界・・・とりあえず掴みはOK。
第3話視聴終了時点
・男の娘アイドルあむちゃんって・・・『しゅごキャラ!』か笑(ナギヒコ?)。
第10-11話視聴終了時点
・ここから大詰めだが、リアル・バトルではなく、システム乗っ取り合戦がメインという点をどう見るか?やっぱりソフト関係に疎い層にはいまいち受けないのでは?と危惧。
第12話(最終話)視聴終了時点
・ラストが意外としょぼく、まさに「大山鳴動して鼠一匹」状態で、これでは評価が余り上げられない(※これでは、『サイコパス』の折り返し回どころか『TIGER&BUNNY』にも及ばない印象)。{/netabare} 


◆視聴メモ(第2期)
{netabare}
第1話視聴終了時点
・花咲里あかり転属!まさかの主人公交代か?{/netabare}


◆期別評価

1st.シーズン  ★ 4.0  (12話)
2nd.シーズン  ☆ 3.5  (12話)
--------------------------------------------
総合      ☆ 3.7  (計24話)


◆制作情報
{netabare}
原作         創通、フィールズ、フライングドッグ
監督         谷口悟朗(総)、秋田谷典昭、福島利規(副)
シリーズ構成     荒川稔久
キャラクターデザイン 佐伯俊(原案)、西田亜沙子
メカデザイン     森木靖泰、谷裕司、鈴木勘太
音楽         中川幸太郎
アニメーション制作  プロダクションアイムズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

====== アクティヴレイド -機動強襲室第八係- (第1期) (2016年1-3月) ======
{netabare}
第1話 コード No.538 ★ 西暦2035年、花咲里あかりのダイハチ配属、銀行強盗捕縛任務
第2話 学園崩壊 ★ 人質(山吹凛室長の妹)救助任務(花咲里ウィルウェア(WW)装着初出動)、ロゴス策動
第3話 アリーナからの挑戦 ★ 男の娘アイドル(神明あむ)ファン暴走 ※挿入歌「ミナクル☆ラッキー」
第4話 旋回空域 ★ 民間機爆破物解除任務、瀬名の同期生・統合自衛隊エリート凡河内みほ登場
第5話 消失のポーカーフェイス ★ ロゴスの指金ギャンブラー、天野円活躍
第6話 夢は、彼方の黄昏 ★ 巨大人型ロボット・バトル(舩坂係長と霞ヶ関博士・元正規パイロット)
第7話 ロングレールライフ ☆ 鉄オタはるか巡査部長の犯人説得失敗、長沼都知事候補不審死
第8話 アルティメイドロンド ★ 統自極秘開発WW(凡河内二尉装着)、瀬名&凡河内共同作戦(爆破物解除)、アルティメイド暴走、統自特殊部隊投入
第9話 ロゴスの名のもとに ★ バードのドッグ(通称フィッシャーマン)抹殺失敗、ドッグ都庁襲撃、ドッグvs.凛
第10話 姿なき征服者 ★★ ミュトス&バード面談、生徒会長・八条司稀(ロゴス・トップ)拘留、ダイハチ解散命令(任務は統自移管)、あかり配属の真相、ロゴスの「国家公共統合情報基盤(通称オロチ)」乗っ取り
第11話 ジャパン スタイル ★ 非常事態宣言発令、バードの凜挑発、ミュトス&ダイハチの「ロ」争奪戦、ミュトスの全システム掌握
第12話 誰がための秩序 ★ 最上位権限争い、バードのミュトス裏切り・国外逃亡、ミュトス身元特定・投降{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)10、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.0

OP 「Golden Life」
ED 「透明な夜空」


==== アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd. (第2期) (2016年7-9月) ====
{netabare}
第1話 西から来た男 ☆ ダイハチの新体制(エミリア&まりも配属)、スナイパー瀬名復帰 ※挿入歌「なにはなくとも」
第2話 果てなき復讐者 ★ 記憶移植事件(元警察官の復讐、黒騎救出)
第3話 天使と壊神 ★ ダイク花咲里警部への支援要請、フィンガーズ出動 ※挿入歌「なにはなくとも」「戦う怒龍號の歌」
第4話 再びのミュトス ★ ミュトス(巴弥 ともひさ)の操作協力、バード(八条司稀)の帰国
第5話 利するは誰か ☆ 陽の同級生の地下アイドルと反体制派大学生、黒騎の傷 ※挿入歌「ミヴ♡ドリーム」
第6話 逆襲のルドラ ☆ 特撮怪獣映像監督と瀬名の交流
第7話 絶対ピーピング宣言 ☆ 海水浴・水着回
第8話 異邦人は風のなか ☆ 流砂地区と不法移民、カルパヌパ公国への強制送還
第9話 第八係 出撃せず ☆ 高層ビル建設抗議デモ、稲城都知事のダイハチ出動中止指示、仕組まれた一連の騒動・稲城都知事とバードの繋がり(ミュトス指摘)
第10話 訣別の宴 ★ 稲城の凜への2回目プロポーズ、教会の稲城問い詰め、バード死亡?
第11話 偶像の夢 ★ 東京都市サミット開幕、稲城都知事の長沼議員殺害証拠映像公表、衛星落下
第12話 素晴らしき日常{ ★ 黒騎宇宙出撃、衛星破壊、バード逮捕{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「セルリアンスカッシュ」
ED 「Field Trip!!」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

お役所の戦隊ヒーローです

『コードギアス』の谷口悟朗さんが総監督の作品で、日アサの戦隊ヒーローシリーズの脚本を多く手掛ける荒川稔久さんが脚本を手掛ける。キャラクター原案は『食戟のソーマ』の原作者である佐伯俊さんに、『ラブライブ!』キャラクターデザインの西田亜沙子さんと面白い組み合わせだ。

インタビュー記事によると、脚本はデカレンジャ―をイメージしているらしい。デカレンジャーは特に好きなシリーズなので、私はこういうのが好きなのかもしれない。
戦隊ヒーローと警察ものがお好きな方はおすすめ。

【物語】
政治的な圧力で行動を制限されながらの戦いにリアリティがあって面白いけれど、同時に見せ場も奪われて地味な物語になっている気がする。

物語で特にデカレンジャーを感じたポイントは各話によって異なるメインキャラクターに焦点が当てられていること、主人公がよくわからないところだ。

各話の感想
{netabare}1話
メインキャラクターの自己紹介や世界観説明がメイン。
出世街道から逸れてダイハチに配属された花咲里あさみのイタイ娘ちゃんぷりが輝いていた。

2話
正義を振りかぶっていた花咲里あさみが玉砕してしまう。
出る杭は打たれるってね。挫折を経験してあさみちゃんがどう成長するのか楽しみ。

3話
おとこの娘アイドルのライブ会場で歌って踊って盛り上がる回!
あさみちゃんもダイハチに馴染んできた。
敵も間抜けで笑わせてくれる楽しい回だった。

4話
黒騎猛と瀬名颯一郎がメインの回。
雑な性格の黒崎と真面目な瀬名が協力して航空機の爆弾除去に向かう。
グダグダな事件解決と二人の関係がタイバニみたいだった。

5話
天野円のポーカー回。
普段は無口でほとんどしゃべらない彼女だが、昔は凄腕のポーカーの勝負師だった!警察に追い詰められて引退したらしいけど、そんなのが警察にいて大丈夫なのか?

6話
舩坂康晴がメインのロボットバトル回。
全話の中で一番面白かった。
怒龍號と猛銃號の(あんまり見たことないけど)懐かしさを感じずにはいられないロボットのデザインと、船坂視点の熱いロボットバトルシーンがとてもかっこよかった。

7話
星宮はるかの鉄道回。
5・6・7話とずいぶんコアな物語を入れてきたなと思う。スタッフのこだわりを感じた。
鉄道はあまり興味がなかったけれど、鉄橋のジオラマを作成した犯人に同情してしまう彼女の気持ちは痛いほどよくわかる。オタクの性なのかな。

8話
瀬名颯一郎と凡河内みほの拗れた愛の回。
ババミッチーって何者!?

9話
山吹凛がついに出動!
敵が本格的に始動し、クライマックスに向けての第一歩となった。

10話
これと言って印象に残るものがなかった。
協会さんのお名前は佐渡波平さんと言うのか。公式サイトを見ると偽名であるようだ。
名前の由来は『宇宙戦艦ヤマト』佐渡酒造と『サザエさん』磯野波平で間違いないだろう。両者は声優の永井一郎が務めている。おそらくこれが彼の本名なのだろう。

11話
うーん今回も特に。物語は間違いなく終結に向かっているのだが、この話単体でのインパクトが残らない。

12話
完結。
これで終わり?と思うくらいあっさり終わってしまった。
ミュトスの降伏の流れがな…仲間だと思ってた奴に裏切られたショックもあるけど、田舎でお母さんが泣いてるぞレベルの言葉で降伏したのがどうも解せない。
まあ、もう一人のロゴスは海外に逃走しちゃったし、2期もあるから今後に期待かな。{/netabare}

専門用語が多いので公式サイトは要チェック

【キャラ】
欲を言えば、議員秘書の稲城光太郎、黒騎猛と協会さんの見せ場をもっと作って欲しかったけれども、全体的に良いデザインで、キャラ立ちもしていた。

特に好きだったのは協会さん。協会から派遣されている整備士というイメージの固さと、ちょっとチャラいキャラのギャップが良い。
鳥海さんの声も嵌っていた。

【作画】
残念だったところ
EDのLikoの走り方。
腰を左右に捻らない走り方はわざとなんだろうか。人の走り方の基本だから、わざとなのかな。もしそうだとしたら、作中に説明が欲しかったな。

良かったところ
見せ場はやっぱり6話の怒龍號と猛銃號の船坂視点の戦いじゃないだろうか。
そこだけ手書きだったし、今時手書きのロボットバトルの作画なんてガンダムぐらいなものだろう。EDクレジットに船坂視点とあるのは実際はそんな動き出ないためか。この作品SF考証がしっかりしているからね。
コックピットの中のキャラクターのカットもいい。
右下から見上げるような描き方はや顔のアップは迫力が違うな。そういえば最近のロボットアニメはあんまりこの描き方をしてない気がする。現実的に無理があるのだろうか?

【音楽】
OPは AKINO with bless4 が盛り上げる
劇伴は仮面ライダーオーズやキャバルリィの中川幸太郎が盛り上げる
EDは 相坂優歌が可愛く盛り上げる
お洒落なロボットアニメらしさを失わない、清々しい暑さが良い。


全体を通して、尻すぼみ感はあったもののレベルが高く、スタッフのこだわりがみえる面白さがあったと思う。
今回残念だったところは2期できっと回収してくれるだろう。楽しみだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ムッツリーニ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

設定の取捨選択が出来ない凡作

あらすじを見て「パトレイバーのパクりかよ!」とツッコミを入れた人は多分私だけではないはず。実際かなり意識してると思いますけど。
まぁ、パクリ云々は置いといて、こういうヒーロー物の作品はかなり好きな方なので、結構期待しています。
まだそれぞれのキャラクターが見えにくいのでなんとも言えないですが、主人公の花咲里あさみの意識高い感じのポンコツ具合や、第八係の面々の飄々としていながらもキレ者な雰囲気はかなり好みです。ただ今の所はキャラの連携が取れすぎててそれぞれの個性が見えにくいのが若干気になる所で、もしかしたら「こいつらスゲー」だけで終わってしまう作品になってしまうかもしれません。

あと、時々出てくる中途半端な英語はできればやめてほしいなぁ……

↓見終わって↓

{netabare}初めに抱いた印象とは全く逆の作品でした。
まず物語の構成として、あの事件もあの事件も実は全て繋がっていたーみたいな展開は良いんですが、これがいかにも後付け臭い。
「この後どうしよーかなー。あ、前にこんなの出してたっけー。じゃーこうしよー」みたいな謎も伏線もへったくれもない雑さで物語が進んでいくので、ヒーロー物としては及第点でも、警察物としては落第かと。
あとまず間違いなくいらない点として、登場人物一人一人を主役にした話。これが明らかに邪魔。
いや、群像劇として誰か一人が主役になるのが許せないとかいう狂気的な話ではなくて、主役にするならその人物の過去とかじゃなくて、人間的な意外な一面が見たいわけで、
なんなの? 伝説のギャンブラーとか夢は巨大ロボットのパイロットとか。
ギャグとして完結する話なら「たまにはこういうのもいいよね」で済みますけど、メインキャラをその扱いって、今後も付き合っていくキャラに対して雑すぎやしませんかね? 挙句手に余ったのか、退職して探偵になったり清掃業者になったりしてるし。(……まぁまどかちゃんの隠れ巨乳は素晴らしかったですが)
まぁとりあえず、この話書いた脚本家に一言、

あほくさ 辞めたら? この仕事。

キャラクターを魅力的に見せたい思惑か何か知りませんが、キャラの設定が物語の足を引っ張っていて、この話って本当に必要なの? と思わずにはいられない。特にそれを実感するのが2クール目で、第八に新人が二人入ってくるんですが、特にそれらしいエピソードがあったり露骨に活躍することもなく最終回を迎えるんですが、特にそれで問題があったかと言えばそうでもなく、それはそれで新人二人の存在意義が問われそうではありますがともかくとして、第三者視点から見える範囲で有効なキャラ付けができていて、新キャラという枠からは脱せない物の十分に馴染んでいたと思います。
うん、こういうのでいいんだよこういうので。

ちなみにその部分に対して谷口総監督はインタビューでこんな事を言っています。
谷口「1クールだと、お話を追うだけでいっぱいいっぱいになるので多くのキャラクターのドラマを描写するのがちょっと難しいんですよね。だから、今回はドラマ的なるものは映像の影に隠そうと思ったんですよ。声優さんとの最初の打ち合わせでもドラマをやらないと伝えています。」
うん、わかってるならちゃんと管理しろやクソが。1クール目そんな話ばっかじゃねーか。

あと本当に必要だったのが疑問に思う設定として外せないのが、「第三次流砂現象」
ざっくり言うと東京23区が地盤沈下で壊滅したってことなんだけど、劇中でその設定って全く機能してないんですよね。
劇中で使われるパワードスーツ所謂ウィルウェア誕生の背景としてあるのは「そういう物」として理解できますけど、それ以外に何もないっていうのはちょっと。
というか、普通はそれに絡んだ話を展開していくもんなんじゃないの?
復興事業に関わる事故とその救助とか、雇用問題に関わるデモ対応とか、復興資金にかかる裏金や利権問題とか、非復興地域の環境調査とか、ウィルウェアにかかるお金や技術競争の話とか、いくらでもとは言わないまでもちょっと考えれば普通に思いつくテーマを完全に無視して犯罪組織と戦ってるとか、もっと自分の作った世界観を活かす努力をしなさいよと。
監督は明るく楽しい感じにしたかったとかほざいてるみたいだけど、だったらそんな重たい設定乗せんなよと。単純に「ハイパーテクノロジーの急速な発展と共に――」で良いじゃん。バカなの? 無意味に沈んだ東東京ほんとカワイソ。
まぁ結局の所、八王子警察とのタイアップってのがその真相で、八王子を舞台にして八王子を大都会にしたかったってのが東東京が壊滅した原因なんでしょうな。
まぁその場合、「災害時に首都機能が移されるのは立川だろ」ってツッコミが入るんだけども。

総評としてこの作品、周囲に余計なものをくっつけ過ぎじゃないかなと。
設定からキャラクターから、もっと言えば企画の段階から。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

64.4 7 組織でオリジナルアニメーションなアニメランキング7位
BEM(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (125)
402人が棚に入れました
湾港都市「リブラシティ」。政治・経済・文化の中心であり、街の“富"が結集した「アッパータウン」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウドサイド」、その両エリアを分かつ巨大な運河と、一本の「橋」。これらにより構成される、まさに人間の“差別意識"が顕在化した様な街である。そんな「アッパー」から「アウドサイド」に赴任してきた、若き女性刑事・ソニアは、数々の事件を追う中で、人間を守るために戦う、醜い姿の3人と出会う。彼らは一体何者なのか・・・?妖怪人間3人は、それぞれの思いを抱えながら、正体を隠し生きていた。人間に仇為す悪を倒すことで、人間になろうとする「ベム」、人間に憧れ、人間と同じ学校に通い、人間を理解することで、人間になることを目指す「ベラ」、人間や世間に達観し、冷めた様子でゲームの世界に没頭する「ベロ」。彼らはいくつもの事件や、人間たちとの触れ合いの中で、傷つき、悩む。人間のために戦っても、その醜い姿から、決して人間に受け入れられることはない…。そんな3人を探す1人の存在がいる。リブラシティを裏で牛耳る「見えざる議会」を操り、ベムたちを確保しようとする彼女の目的は果たして?

声優・キャラクター
小西克幸、M・A・O、小野賢章、内田真礼、乃村健次、西山宏太朗、斉藤壮馬、諏訪部順一、小野大輔、坂本真綾
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

9話は良かったけど、全体としては中途半端な所も〈最終話まで視聴・追記あり〉

2019年夏アニメ。
「妖怪人間ベム(1968年版)」の最新のリメイク作品。
これまでに製作されたどのリメイクともずらした要素を入れてきた印象。


【1968年版(初代)、2006年版、実写ドラマ版について】
何かの参考になるかな?と思うので、簡単にまとめてみます。
このシリーズには「人間とは何か」という命題は常についてまわります。ベム達が人間になる方法を見つけることもあるけど……。
気になる作品があれば是非見て欲しい。作品の狙いに共感できるとどれも面白いものですよ。
{netabare}
・1968年版(初代)
壮年の大男、苛烈な性格のグラマーな女、浅黒い肌の子どもの3人組。出生不明。指は皆3本。
子ども向けなので主人公は天真爛漫なベロ。

3人の妖怪人間は妖怪や怪異から人間を守り戦い、最後にはその街を去るというのが基本フォーマット。
「正しい行いをすれば人間になれる」と考え行動しますが、その理由は語られません。人間たちには時に迫害を受けたり、彼らと心が通じたりしますが、正体を知られると恐れられるため一カ所に滞在しません。

国籍や時代は意図的にわからなくしてあるそう。
一話完結で子ども向けですが、古い作品なので胸の痛くなるような話も。妖怪や怪異は人間の敵であり、人の手により闇に葬られたりもする。差別がテーマの一つだと思う人もいるようですね。
ホラー演出もこだわっています。
ラストはバッド寄りのビターエンド。リメイクされてほんとに良かった。


・2006年版
3人の姿はほぼ同じですが少し優しい印象になり、指が5本に。
これも出生不明…だけどもしかしたら?という描写があります。

子ども向けなので主人公はベロ。子ども達とは仲良くなれるけど大人には不審がられ、出没する妖怪を倒したりしてもなかなか報われない。
天真爛漫なベロを丁寧に描き、ベロがベムとベラを精神的に支えることも少なくありませんでした。
「正しい心を持ち続ければいつか人間になれる」という言葉は昔3人を助けてくれた恩人の言葉とされていて、これは独自の要素。
舞台は日本の架空の港町で、高級住宅街と治安の悪い所があり社会の縮図のような感じ。

後半からメインストーリーを展開し、前半の一話完結回の描写を拾っていくのが見物。初代に比べ人間の美醜もかなり強調され、妖怪も人間も善人悪人両方描かれます。
最終盤では胸を抉る話が続きますが、最終回はビター寄りのハッピーエンド。


・実写ドラマ版
若い男性、若い女性、子どもの姿の三人組。
大人向け寄りで、主人公はベム。この実写版はキャスティングが見事で、特に悩める青年のようなベムは意外だけどテーマに合致していて納得させられました。

舞台は日本のある街で、そこに住む人達と交流し、正体が知られると街を去っていきます。数十年ぶりに偶然再会した老人と不老不死のベム達とのエピソードが好き。

この作品でベム達が戦うのは妖怪ではなく、別の存在。人間の持つ「正義の心」と「悪の心」を丁寧に描き、全編通して胸を抉ってきます。
そしてこの作品では独自の設定として妖怪人間の出生の真実が描かれ、物語の核心となりました。
ラストは爽やかなビターエンド。
その後作られた映画版も良い作品でした。
{/netabare}


【今作】
{netabare}
ベムのイメージはそんなに変わらないけど、ベラは女子高校生になり、ベロがやさぐれました。ベロが天真爛漫じゃなくなったのが私は一番驚いたw

物語の舞台(街)も固定され、新キャラクターもかなり多い。敵妖怪もなかなか奇抜といいますか…(汗)妖怪というより人造怪人なのでホラーにならない。
だから結構古参ファンを振り落とす要素が多いかも。

何をしたいのかは、設定の変更などからある程度理解しているつもりではあります。
ただコンテ・演出で画的に伏線を張るのがちょっと苦手っぽい?話数を跨いでの伏線はもう少し印象強くしておかないと全体像が見え難くなるから、世界観の渋さもあって結構致命的。ドラマパートの演出は好きなんだけどホラー的な魅力は少ないしなあ…。
私は結構好きになれそうなだけに色々もったいない。{/netabare}

【9話視聴時点での感想】
{netabare}
舞台となるリブラシティのアッパーサイド・アウトサイドですが、どちらに住む人間も結構ろくでもない…
アウトサイドはスラム化しているし、アッパーサイドは都合の悪い存在をアウトサイドに押し込めてしまう。しかも人間を辞めて生き生きしている敵もベムたちも、人間にとっては怪物扱いなのは同じ。
そしてこの街の在り方に一石を投じるのがソニア、カーヴァー、ギャビンだったわけですね。

第9話は、ギャビンは良い人すぎてかえって胡散臭い人物として演出されていて、ベロの友達も視聴者の想いを代弁します。そして肝心のベムも差し出されたギャビンの手を取れなかった。ベムには最後まで信じるべきかどうか葛藤があったということなのでしょう。
けれどもベムたちはギャビンを守りきれず、信じるに値する人間であったことがその死によって証明されます。

リブラシティで疑問も持たず暮らしている人々にとって、アウトサイド出身でありながらアッパーで成功し、しかも清濁併せ呑める理想家なんてにわかには信じられないと思うんですよね。
アッパーで普通に安全に暮らしてる人にとっては、理解できない・信じられない存在という意味ではギャビンのような人間も妖怪とあまり変わらないのかも。

で、人間て何?という問題は「妖怪人間ベム」の作品群では必ず何かしら答えを示してくるけど、さらに今作は人間として生きるってどういうこと?という問い掛けに繋がってくるんじゃないかって気がしてます。
少なくとも見た目とか体のつくりは答えにならないですよね。だからこそ、ほぼ完全に人間に擬態できているのにも関わらず、ベムたちは人間になることを切望する。
寿命があるからこそ人間は懸命に生きるというのは、その問いに対して大きなヒントになりそう。

「見えざる議会」はリブラシティの在り方に波紋を投じる存在を許さない。もしかしたら他にも目的があるのかもしれませんが、彼らとベムたちが対立していくのは明白。しかも不確定要素となりうるキャラクターが結構いるので最後まで注目したいと思います。{/netabare}

最後に、ソニアの潔癖さと愚直さが超可愛い!と言っておきますw(2019.9.27)


【最終話まで視聴したので追記】
作品が作品なのでラストはこうなりますわな。


【良かった点】
{netabare}
ベム・ベラ・ベロの関係がとても良かったです。周りの人間たちとの関係も好きでした。
ベガはキャラクターもデザインも素晴らしいラスボスだったと思います。もっと描写して欲しかったなあ。

「人間とは何か」ということを「生きる上での行為」と捉えたのは今作の独自性だと思います。
人間は寿命があるからこそ、次世代を残すからこそ懸命に生きる。人間の行為を模倣すること、すべてを経験することがベガにとっては人間になること。大切な人達と共に普通にひっそりと生きることがベムの考える人間の生き方。二人の対比はきちんと出来ていて、孤独で超然としたベガの存在は良かったと思います。
ベガがダリルを後継者にし、ハラジーを引き取ったのは育児の代替行為なのかもしれませんが、二人の幸福な未来を望んでいるわけではないため、最後までベガは孤独でした。

最終話は人間同士・妖怪人間同士が対決し、それぞれの問題とその先の希望をあぶりだす構成なのかなと思いました。
ベム達は人間を信じてリブラシティを去ったのだと思うし、ダリルがリブラシティを良くしていく可能性があるというラストだと思う。
アッパーサイドとアウトサイドを繋ぐ橋は分断の象徴であり、これまでの間違った関わり方の象徴でもあったのだと思います。最終話で橋は落ち、人間の手でアッパーとアウトの断絶を埋める新しい方法を模索していかなくてはならない。

ダリルがベロを信じ尊敬していたカーヴァー議員の意志を継ぐことが出来れば、リブラシティの今後は変わるでしょう。ただ、まだ幼いダリルにとって議会内の人間も味方とは言えないし、リブラシティの在り方に関しては困難な終わり方のような気もします。カーヴァーやギャビンと交流があったソニアと、ダリルが出会っていれば希望が持てるラストと言えたかもしれません。
{/netabare}

【気になった点】
全体的に中途半端な要素が多かった気がします。
{netabare}
人間キャラが物語の本筋に深く関与しないのは良くないと思う。
人間の心の美しさと醜さをバランス良く描いてくれたら、ベムが人間になりたい心理に寄り添えたと思います。いっそ、人間を辞めたヴィランの過去を掘り下げて人間の醜さを、ベム達の周りの人間を掘り下げて人間の美しさを描くとかした方がわかりやすかったかも?

1クールにしてはキャラクター数が多く、持て余してしまった印象はありました。
ソニアをもっと能動的に動かしても良かったと思います。ウッズさんはソニアに足りない部分を補う立ち位置だと思うけど、活躍が少なかった気もするし。
シルクハットの人物が死体を回収する役なのかな?と思っていたけど何してたんだろうね。
全体的に色々と勿体なかったなあと思います。
{/netabare}

【雑感】
そういえばお約束の{netabare}人間に火をかけられるシーン{/netabare}が今作はなかったですね。
京アニの一件に配慮したから(4話も2週遅らせましたし)だと思いますが、少し珍しい一作になったかも。
{netabare}
……あまり言いたくはないけど、2006年版も実写ドラマ版も狙いがはっきりしていたし、ターゲット層を明確化した作品作りが出来ていましたよ。
特に2006年版はあまり評価されていませんが私はとても好きです。監督の原田浩さんは「地下幻燈劇画 少女椿」を作った方で、一度作品を観てみたいなあと思うのですが自主製作なのでなかなか…。
{/netabare}
(2019.12.8)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

正義の妖怪三人組

昔のアニメのリメイクみたいですね。オリジナルってどんなのかとネットで画像を見てみたんですが、結構おどろおどろしい感じで、キャラも良く言えば一度見たら忘れられない濃いキャラでした(゜o゜)
なんか夢に出てきそうな感じです(-_-;)それと比べるとこの「BEM」はスタイリッシュというか、だいぶおしゃれな感じになってます。これを見ても夢に出てこないので安心ですね(*^_^*)でも昔のが好きな人はコレジャナイって感じなんでしょうか?
最終話まで見ました。人間の悪さ、愚かさを知っていてもなお人間が好きで人間になりたいと願うベムたち。そんなベムたちを嘲笑うかのように卑劣な人間たちの行為が繰り返されます。
ベムたちのように思えなくて孤独で人間を憎むベガとの対比も良かったですが、もっとベガについて深く掘り下げて欲しかったです。
個人的にはマッド博士の改造人間たちの話じゃなくて、普通の人間の犯罪者たちとベムたちを絡ませたほうがヒューマンドラマとして良くなった気がします。
以下、各話のレビューです。

1話。{netabare}警官の汚職が蔓延しているダウンタウンみたいなところに転任してきた女性刑事のソニア。
先輩刑事にここでうまく生きるには汚職に手を染めることだと言われるけど、自分の信念を曲げずに自分の正義を貫くソニア。それを影から見ている謎の帽子の男。これがベムみたいだね。
ベムの仲間として、女の子のベラと男の子のベロがいるけど、それぞれ人間に対する考え方が違うみたい。
水男とかいう妖怪みたいなのが出てきて人を襲うんだけど、誰かに作られたっぽい。
せっかく水男から助けてくれたベムを、化物の仲間だと思って銃を撃ちまくるソニア。
ベムに同情するけど、いきなりあんなの出てきたら私も気が動転するなきっと(>_<)
ベムを欲しそうに見つめる謎の女。この女と水男に何か関係があるのかな?{/netabare}
2話。{netabare} 今回はベラの話かな?学校いってるの?アニーって偽名?ちょっとびっくりした。
妖怪だから昼間とか洋館とかに隠れ住んでるイメージだったので。。友達とかいるし。
ベロも友達とゲーセン行ってるし、普段は普通に暮らしてるのかな?でもベムはどうしてるんだろ?
10年前に失踪して死んだ子とベラがそっくり?姿を借りたってこと?・・って思いながら見てたら。。
え?ちょ、敵キャラデザイン間違えてない?ちょっとこのアニメの雰囲気に合わないと思う。
次回はベロメインの話になるのかな?{/netabare}
3話。{netabare}今回はベロの話かな。ベロは人間の身でもベロって呼ばれてるんだね。
ゲーム対決するベロ。相手の子は結果に納得しなくてアッパーの相手の子の家に呼ばれて行くことに。
そこは議員秘書の家で、議員が刺客に襲われるところをベロが助けるけど・・結局後で殺されてしまって・・
実は議員秘書が自分が上に行くために殺したんだね。。でも秘書も忍者みたいな刺客に殺されて・・
ベロが忍者刺客を倒すけど、秘書の息子からベロが殺したと勘違いされて・・
最後、妖怪たちの仲間?が出てきたけど、彼らとベムたちの関係って?
今回は殺され→殺され→殺されみたいな話でごちゃごちゃした話でした。{/netabare}
4話。{netabare} 今度は電気男が現れて複数の若い女性たちが被害にあって。
裏ではそんな改造人間を造り出しているマッドっぽい博士が登場。
博士はベムたちを作ったわけじゃなくて、自分では作れないベムたちの能力にとても興味を持ってるみたい。
でんぷんくんも出てきたけど、足ひっぱっただけで退場(-_-;)
1話で出てきた謎の女がまた登場。ラスボス?ベムたちを妖怪人間と呼ぶし、何か知ってるっぽいけど・・{/netabare}
5話。 {netabare}今回は掃除機男が登場。相変わらずギャグっぽいキャラ造形だなあ(-_-)
新しい捜査官が赴任したけど、なんかヤな感じの男。
でもこの男の目的は、改造人間じゃなくてベムたちみたい。
なんとなくだけど、あのベムを欲しがってる女とつながってる気がする。。{/netabare}
6話。{netabare}サーカスを見に行くベラと同級生の男の子。
そこには、重力男と言われてる男とハラジーという女の子の団員がいて。
重力男の悪い噂をわざと流されて、ハラジーと逃げるけど、包囲されてしまって。。
撃たれて死ぬ重力男。そして力を使ったハラジーは意識を失い、捕まってしまう。
今回後味が悪い話でした。{/netabare}
7話。{netabare} 今回の話は・・・なんていうか・・・夢に出そうなとても嫌な話でした(-_-;)
○と○を合体させたりしてるし、元友達を助けたのに死ね死ね言われて銃撃たれるし・・
ベロの友達が無事だったのが救いかな。。こういう話は嫌いだな。{/netabare}
8話。{netabare} 新入生アルバートのパーティに誘われて舞い上がるベラ。
アルバートの母親はオペラ歌手らしいけど、今回の怪人ってもしかして・・
ベラの声に興味を持ったアルベートママにベラが襲われて・・
ベラは倒すけど、アルバートに怪物だと言われてしまう。でもメガネくんには美しいと言われて(-_-;)
次回、あのマッド博士が傑作だと言ってた怪人が現れる?{/netabare}
9話。{netabare}妖怪人間を病気として治療する財団の代表者がベムと接触してきて。
いい人そうだけど、どうなんだろ。見えざる議会のせいで迫害されてるっていうけど。
以前出てきた忍者怪人の改造版みたいなのが出てきてベロたちを襲ってきて。
結局、財団の人は忍者怪人に殺されてしまって。なんだか救われない話で嫌になるなあ。。{/netabare}
10話。{netabare}最近の事件すべてを妖怪人間、ベムたちのせいにされて報道されてしまう。
何度もベムに助けられたソニアはベムの味方になることを決意する。
無実の人々を殺してすべて妖怪人間のせいにするフェルト捜査官ってクズすぎる。。
ラスボスっぽいあの女は500年以上も生きている妖怪人間だと自ら名乗る。ベムたちと同じ?
ついにベムたちと対面するベガと名乗る女。すごい能力でベムは身動きが取れなくなって。
そこにすっかりベガに懐いてしまったハラジーに倒されて捕まってしまうベム。。{/netabare}
11話。{netabare} 裁判にかけられるベム。帽子脱いだベム初めてみた。
これ、裁判じゃなくて公開処刑じゃん(-_-メ)
ソニアが自ら証言台に立ってベムたちを擁護するけど、出来レースみたいで結果ありきみたい。
案の定、判決は死刑。。
ベラも友達に裏切られ、ベロも親切なおじさんが撃たれて重傷。。救いがなさすぎるよ。。 {/netabare}
12話。{netabare} ベムの処刑の日。
ベロは友達を助けにダリルのところに。
そしてベラはハラジーに会いに。
処刑場にベガが現れ、ベムとベガの細胞が合わさると街を吹き飛ばす大爆発が起きるというけど。
ベロは友達、そしてダリルを忍者から助ける。
ハラジーはベラに連れ出されて、幸せになってほしいとソニアに預けられる。
友達がかっこいいといってくれたからとベラの姿のままで。
ベム、ベラ、ベロの3人が揃い、ベガも本性を現し、決戦が始まる。
ベガはずっと孤独で、ずっと人間に蔑まれてきたけど、死ぬこともできず、ベムたちの登場を待っていたのかな。
最後、ベガはベムたちの、俺たちは守るものがあるという言葉を聞きながら、海の底へ・・・
そしてベムたちは姿を消してしまう。そしてどこかで今も生きている。。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ベムベムハンターとは関係ない

1話感想{netabare}
「今回のベラは女子高生だぞゲラゲラww」って情報は友人から聞いてました。
鬼太郎6期といい素晴らしい時代になったなwと思ったり思わなかったり。
ひょっとして鬼太郎の影響?にしてはまだ1年ちょっとだし、考えることは一緒ってことなんかな?
ところでえーっと2000年代入ってリメイク一回ありましたよね?
これか。
https://www.anikore.jp/anime/849/
確かMXとアニマックスのみの放送で、MXの方が途中で打ち切りになって「続き見たけりゃアニマックスでどうぞ」ってことになって「ざっけんなよオイ」とガックリした記憶。
見てる人殆ど居なかったけどさ…だから打ち切りになったんだけどね。
(その後地上波放送が打ち切りになった“R.O.D -THE TV-”がMXで全話放送されて「ベムん時と正反対だなw」と思ったのは強く覚えている)
“俺たちゃ妖怪人間”は全然見てないけど2006年版が散々だったのを見てた自分としては「またベムやるんだ、懲りないねぇ」って感じ。
いや果敢に挑戦するのは評価しますよ。

それにしても…へーまた村田蓮爾なんだ、“コップクラフト”に比べると蓮爾っぽさは弱い?
公式でキャラ紹介見る限りは良さそうなのに、実際本編見てみると…敵モンスターのデザイン?演出?ダッサくない?
モンスターだけじゃなくて作画全体が…う、うーん。
もっとこうフィルムっぽいというか、ホラータッチにした方が「らしい」と思うんだけどなぁ、妙にマンガチック、おどろおどろしさが無い。
それと水男のセリフよく聞き取れない、一応「博士」だけ聞けりゃ他はノイズ扱いで良いっぽいけど。

妖怪3人とソニアの性格は大体分かった…気がする。
舞台も(治安的に)どんなところなのかも分かったし、何やら黒幕が居るっぽいという匂わせ方も悪くない。
シナリオは決して悪くないと思うのだけど、な~んかパっとしないのはやっぱり作画だか演出なのかなぁ?{/netabare}

2話感想{netabare}
やりたいことは分かるんだ、「醜いバケモノ言ったお前の方がよっぽど(心が)醜いじゃないか」をやりたいのは、分かる。
「そんなヤツも居れば裏表の無いヤツも居たり、人間ってオモロイなー」ってこともりたいんでしょう。
ストーリー?シナリオ?は悪くないと思うんだ、多分。
だけどボーリング男のデザインだけは…これだけは…なんじゃこりゃ?
こういったフザけたデザインが逆に深い意味を持つ展開とかあるのか?大丈夫か?{/netabare}

3話感想{netabare}
個人の趣味でレトロゲーミュージアムみたいなのって実際にあるみたいね。
ってかアウトサイドのゲーセンの外観がトロンレガシーのFLYNN'S(ゲーセン)に似てるような?
ガンシュー、メンテナンス悪そう。
「殺人現場に居合わせて犯人だと勘違いされてしまう」って…こ、古典すぎて吹いたw
敵モンスターのデザインからして、意図的に古臭くしてるのかも?

…。
と思ってたら次回の4話は例の事件の影響で放送延期だって。
再放送で間を稼いでその間に4話の問題シーンを変更するっぽい。
これ言うと不謹慎かもだけど、すごいベムらしいと思ってしまった。
しっかしこうなると最終回が放送されるのはいつになるんだろ?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
暫くは変人を出してベム達がそれを撃退する話が続くのかなー?と思ったら大体その通りで、6話で話が動き始めた…のか?
人間になりたがってるベム達・人間を辞めたがってる連中・それ以外のただの人間、の3勢力だけでなく「人間を辞めたくなかったのに辞めてしまった人」という立場が登場。
ほほう、勢力増えるのは構わんが…これはレギュラー?1話限りのゲスト?
次元の狭間に飲まれて~とか、それまでの作品世界からぶっ飛んでる気がしないでもないけど「元々ぶっ飛んでたじゃん」と言われればその通りの気もするしまぁいっか。
ってかこのノリは見覚えがあるなぁ、と思ったら…思い…出した!(思い出したくなかった)
“セイントオクトーバー”ってアニメがかつてありまして、どんな内容かはいちいち書かないけどあれと同じようなオチにならないことを祈る。{/netabare}

最終回感想・総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
ラスボスのベガの目的は「死ねない存在で、唯一死ねる存在を見つけたので、自分を殺してくれるように仕向けた」ということで良いのかな?
その目的に至った動機は「もうこの世に飽き飽き」「人間に失望」それでいて人間の真似事は何でもしてきたけど未だ出来ずに居たこと=生と死、それの実行って感じか?
最後のほうはベムを懐柔するための方便に聞こえなくもないけど、結局は大規模で大迷惑な自殺をしようとした、という展開。
非常にベタでどこかで見たような…どちらかというとゲームでこの手の設定ってよく見た気がするけど、そうはいってもちゃんとラスボスが登場してそれを退治(殺すことは出来ないので封印って形だけど)したのは久々に感じてしまう。
なんか最近はラスボス倒さないどころかラスボス(or黒幕)が姿を見せずに目的すらあやふやなまま最終回迎える作品が多い感じだったのでねぇ…。
ラスボスの目的の提示→主人公との意見の相違・対立→対決・決着までを1クールで収めるとなると、やっぱ色々と難しいのかな?

余韻に関しては──
ベム達も一歩間違えれば、もしくは長年生き続ければそのうちウンザリしてベガのようになりかねない。
人間の方も人間の方で、ベガによって作られた(ベガがトップだったのでそうだよね?)議会のトップの後釜に人間を就任させて、今まで通りが続くとは限らないみたいなところを見せてエンド。
ハラジーもホントに今後安泰かどうかは不明。
博士は…これは、元々ベガを誕生させた太古の錬金術師の現代版になりかねない、ってことなのかなー?と思ってたり。
ベム達も錬金術師だか科学者だか知らんけど誕生させた存在ってのは居るハズで、そういうのが人類の歴史の中ではどの時代にも居るってことなのかも(そう感じたのは自分が“Dr.STONE”見た影響かも?)。
この手の作品の鉄則「化け物コワイコワイ言うけど、それを生み出せる人間の方がよっぽどコワイ」ってテーマも一応は描けているんじゃないかな?
もし妖怪人間が妖怪人間を生み出すことができたら、とっくにベガは自殺済ませてるだろうし。

と、テーマを表現できてたか?という目線では概ね合格なんだけど、細かい部分が…ちょっとね。
なんといっても改造人間のデザイン、なんでこんなプリキュアの怪人みたいにしちゃったんだろう?昭和っぽさを演出した?
そうはいっても子供向け作品はぶっ殺さないで浄化するのが大半で(そうでないなら“セイントオクトーバー”の二度殺しみたいな話は作られない)、元が人間で生き死にに係わる作品ででんぷんくんとか「ニン」とか言われてもちょっと…。
最後ハムスターが映画“スピーシーズ”のオチみたいになったらホラー作品として成立したけど、そんなことは無かった。
そもそもベム達はあの町を去る必要はあったんだろうか。
余韻との兼ね合いになるけど博士を追って姿を消すでも良かったような…。

現代風アレンジを目指したのか懐古路線だったのか、両方やろうとして結局どっちつかずになってしまった印象。
どっちか特化しろってことじゃなくて、もうちょい上手く融合できなかったのかなぁって感じ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
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