2019年度の高校生おすすめアニメランキング 58

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2019年度の高校生成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月14日の時点で一番の2019年度の高校生おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

95.6 1 2019年度の高校生アニメランキング1位
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1690)
7409人が棚に入れました
家柄も人柄も良し!!将来を期待された秀才が集う秀知院学園!!その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!!プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、"如何に相手に告白させるか"ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!!新感覚"頭脳戦"ラブコメ、開戦!!

声優・キャラクター
古賀葵、古川慎、小原好美、鈴木崚汰、花守ゆみり、青山穣
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とっとと 御くっつきなさい

原作未読

原作はタイトルを知っていた程度。『惚れたら負け』をどう料理するのか興味がありまして。
いわゆる“惚れた者の弱み”とは、熱量のあるほうが気を揉んで焦る機会が多く往々にして上手くいかないことを指すと思うのですが、本作はそれが先鋭化していって、

・自分から誘うと「負け」
・自分から告白するともちろん「負け」

誘うと負けってww
ラブよりはギャグ色強めかと。どんなものでも先鋭化するとお笑い要素が出てきてその美味しいところを掬った感じです。
四宮かぐや(CV古賀葵)と白銀御行(CV古川慎)。両主人公のゴールは、『相手に告白させること』。前段として、『いかに相手に誘わせるか』に権謀術数張り巡らせるお話です。
{netabare}序盤こそは『天才たちの恋愛頭脳戦』でしたが、徐々に意地の張り合いになっていくのがなんとも微笑ましかったです。{/netabare}


2019年冬期で最も笑った作品でした。いいですね平和で (^^)


さっそくのOPは鈴木雅之feat.伊原六花。  ・・・出オチです。いきなりそう来たか!
組み合わせがバブル過ぎて、ハイここ笑うところですよ~の狙いかと思いきや、回を重ねるごとに病みつきになってく大人の味でした。このねっとり感は久々です。
{netabare}第4話。『渋谷で11時』 そう今から恋が始まるわけでもなく、土砂降りで会えずじまいというのもこの二人らしい。いつか二人でサボタージュできる日が来ると良いな~っておっさんしかわからん。{/netabare}
それに『ラブ・ストーリーは突然に』の有名すぎるカッティングもろパクリだろって劇伴があったり、そんな古臭ささえも心地よく、去り往く平成に思いをはせてみました。


※こう見てました、の3つのポイント

■頭脳戦?ちゃうやろ
『天才たちの恋愛頭脳戦』の看板はちょい違いますね。天才をヘタレに置き換えるとしっくりきます。

{netabare}向こうが好意を持っているのを薄々感じているのに確証を得られないから動けないだけのことで、主人公二人を高スペックのヘタレと見て楽しんでました。
まじめにラブとして観てしまうと、「早くくっついちゃいなよ」か「はーめんどくせー」と思ってしまいます。「お可愛いこと・・・」ってかぐや様は一度たりとも言ったことない、というのがポイントです。やはりヘタレてるのであります。
ではイラッとくるかというとそうではない。白銀は筋を通すいい奴でかぐやは別の理由なんですが二人とも応援したくなるようなキャラなんですよね。{/netabare}

{netabare}むしろ時折登場する柏木さんと柏木さんの彼氏だけが普通にラブしてました。付き合いたて女子は成績落とし男子は上げるあるある。藤原書記の助言で『頑張って』最終話のエンドクレジットでは仲睦まじそう。絶対こいつら夏休みになんかあったな。カップルとしてはこちらがまともですしよっぽどストーリーになってます。{/netabare}


■テンポがいいよね
オムニバスみたいな一週につき3エピソードのサ○エさんスタイル。テンポの良さと合わせて物語としてきっちり進行していました。{netabare}ラーメン四天王ネタさえ回収する脚本の繋がりはお見事です。{/netabare}
1エピソード7分弱の計算になります。R-1で3分、M-1で4分、キングオブコントで5分の持ち時間。こうみると10分超えるネタ見せってないんですね。前の出番の組のネタを拾って繋げるリレー漫才を堪能するようなもんでした。


■狂言回しが優秀
脇役みんな優秀過ぎませんか?

藤原千花(CV小原好美) 石上優(鈴木崚汰) 早坂愛(花守ゆみり)の3名。 

空気の読みあい化かしあいの白銀VSかぐやが膠着状態に陥らないように波風立てるのは藤原書記と石上の両名。空気は読むものではない。“作るもんだ”藤原と“壊すもんだ”石上がいてくれてよかった。二人とも空気は全く読めません。
{netabare}弓道部からの胸の話で墓穴を掘りまくる石上に腹抱えて笑いました。{/netabare}


なんだかんだイチャコラを楽しむ作品になるのですが、ラブ ↓ コメ ↑ でテンポの良さと脇役たちの突っ込み突っ込まれが楽しい作品でした。

あと、かぐや様の声はしばらく茅野愛衣さんだと思ってました。



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.19追記

実写版公開。つきあいで鑑賞。
アニメを観るようになってから、実写とアニメの歴然たる差に気づくようになった。普段良いアニメ作品に私が触れてるということですね。



2019.04.14 初稿
2019.09.19 追記
2021.03.13 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 110
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

キャラ設定のしっかりとしたラブコメの秀作

原作未読。最終話まで視聴。

主人公2人は言うまでもなく、周囲の登場人物もキャラ設定がしっかりしていてとても面白かった。
味のあるナレーションも魅力です。

ショートストーリーが続く構成も、テンポの良さを生んでいて高評価です。

【天才たちの恋愛頭脳戦?】
{netabare}確かに序盤は、『いかに相手に告白させるか』という頭脳バトルが展開されていた気がするんだけど・・・。
途中から単なるツンデレというか、頭脳バトルとは違う展開になっている気がする(笑)。

だけど、この変化も含めて、コメディ色の強いラブコメとなっています。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 81

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

かぐやが優しくなったのは誰のおかげ?

この物語は、恋愛がメインではありません。笑いがメインの物語です。
日常で疲れている人は、このアニメを見てゲラゲラと笑ってください。
でも、花火の回だけは、心がキュンとなり、感動しました。
こんな優しい友達に囲まれたかぐやは幸せです。


生徒会会長の白銀御行と生徒会副会長の四宮かぐや、二人は秀才中の秀才です。
しかも、この二人は、人がうらやむほどの理想的なカップルに見えます。

でも、恋愛に疎い二人は、相手に自分の正直な気持ちを伝えていません。
「先に好きになったほうが負け」という恋愛のセオリーを重視しすぎてしまい、
いかに相手に「好き」と言わせるか、そのための戦略を毎日練っています。

しかし、それぞれの秀才が練りに練って考えた戦略は、いつも失敗します。
それがすごく面白く愉快です。

失敗の原因の大半は藤原千花のせい。
もちろん千花には悪気など全くありません。いつも良かれと思ってやったことが、とんでもない結果になります。

藤原千花は、生徒会書記でかぐやの親友。しかも、純粋で皆に優しい。
かつてピアノコンクールで全国一位になったこともあり、5ヶ国語を話しこなすことができます。バイリンガルどころかペンタリンガルの天才少女です。

でも、彼女は空気が全く読めません。しかも、彼女の行動は誰にも読むことができません。というか、いつもとんでもないことをしでかします。

かぐやは、中学の頃は高慢で人を見下した性格のため、友達は千花だけでした。
でも、千花と一緒にいることでアホが移り、優しい性格に変わったようです。友達も以前より増えました。
藤原千花は、この物語には欠かすことができないヒロイン(?)です。

この物語を見ると、かぐやが少しずつ人間として成長しているのがわかります。


頭脳優秀で優しい心を持たずに寂しさに気づかない人生と、
少しおバカで優しい心を持ったがために寂しさに気づく人生と、
あなたはどちらを選びますか?

私は後者を選びます。
だって、寂しく悲しい気持ちを知っているからこそ、人に優しくなれるのだと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 78

88.6 2 2019年度の高校生アニメランキング2位
冴えない彼女の育てかた Fine(アニメ映画)

2019年10月26日
★★★★★ 4.3 (483)
2424人が棚に入れました
ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵をメインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、blessing software を結成。やっとのことで一作目を発表した――。英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。blessing software 代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、氷堂美智留と彼女のバンド icy tail とともに新作の開発を進めるが……。英梨々と詩羽の大作はどうなるのか? 倫也と恵の関係に異変が? はたして blessing software の新作の行方は?

声優・キャラクター
松岡禎丞、安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣、矢作紗友里、赤﨑千夏、柿原徹也
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

冴えまくり彼女に萌えそびれた私

ついにここまでやってきた!

1期2期を経て堂々完結の劇場版。fine(フィーネ)と言ってる以上終わるもんは終わるのです。
完パケしてるためこれからの方はパッケージで視聴検討されたらよいシリーズものかと思います。

 冴えないヒロインは育ったのでしょうか?

完結編で求められるはこの一点。恐らくダブルミーニングで

1.加藤恵の魅力はさらに増すだろうか?
2.渾身のギャルゲーは完成するだろうか?

しっかり育っての大団円だったと思いますが、どうなるかはもちろん自分の目で確かめて下さいね。


“お約束”を登場人物使ってとことんコケにしながらその“お約束”をありったけ投入し
“オタク”をさんざんをこき下ろしながらもその“オタク”へ注ぐ視線がこのうえなく温かい。
そして加藤恵という唯一無二ヒロインが異彩を放っている作品です。一言で言えば尖ってる。

いったんラブコメとラベリングし経過を辿ればこんな感じでもありました。
1期→ラブ2:コメ8
2期→ラブ5:コメ5
これが劇場版では

 劇場版→ラブ8:コメ2

くらいでしょうか。これまでを踏まえた流れに無理はないしきちっとラブはキュン死不可避でしょう。
なのでTVシリーズからのファンは迷う必要ありません。迷わず行けよ!行けばわかるさ!

ちなみに私はさほどこの劇場版では踊れませんでした。尖っておらず只のめちゃくちゃきゅんきゅんするラブストーリーだったことが理由。

自分の過去レビュー読み返してもみました。どうやらこの作品にはラブtheオンリーを期待してなかったみたいです。己の心の姿勢の問題。
過去の私の評価は1期(3.7)2期(4.1)です。面白いかどうかの分岐は4.0。つまらないかどうかの分岐は3.5として、クリエイターの産みの苦しみとラブコメが調和した2期を高く評価しました。なおシリーズ通して加藤恵に萌えてはいません。
唯一無二ヒロインについては『擬似三次元女子』と評し1期レビューにまとめております。平たく言えば現実には存在しないリアリティ無き女子です。存在に現実味がないため“ラブ”が深いところに刺さらない。響かない。
作品の柱ギャルゲ作りも産みの苦しみはどこかに消え作業ゲーになってました。障害はトモヤくんのサボりですもんね。これは比重をラブに置いた結果ですから仕方がありません。


あくまで私の心の姿勢の問題ですからね。シリーズの流れを逸脱しない自然な展開。劇場版ならではのグラフィック。きちっとタイトルを回収しながらの大団円。本来なら減点要素はない。どれも及第点だったけど自分には引っ掛かりの薄い佳作でした。



※ネタバレ所感

■遅らばせながら…

気づいたこともありました。遅せーよ!

{netabare}ストーリー展開がそもそもギャルゲーだったんですね。
加藤恵を模したヒロインでゲーム作ってるのに、お約束やフラグのギミックで遊んでいるって指摘してたのに、すこーんとこの観点が抜けておりました。

振り返ればエリリルートや詩羽先輩ルートを経てからのメインルートが劇場版の位置づけでした。
ギャルゲと思って1期から振り返ることは意義があるように思えます。{/netabare}


■高校生のスケジュール管理

納期より大事なものはあるっ!→いやそんなもんねーよ!
自由すぎるトップに翻弄されてた加藤恵が工程管理表を手にしていたのに驚いた。有能ですねこの子。

{netabare}項目を大中小分類に分けていて、分量(カット/差分)、月での区割り(上旬中旬下旬)のシンプルなやつ。

ええ一時停止してガン見しました。高校生にしてゴールから逆算して考える発想があることに驚き。
それでも人生の先輩ヅラしておせっかいを焼きたくなりましてちょっと失礼…

 {netabare}追加したほうがいい項目 → 担当者、予実、マイルストーンいやクリティカルパスかしら
 修正したほうがいい項目 → 区割りを日単位{/netabare}

自由人を縛れるかはまた別の話っす。{/netabare}


■エモかったとこ

もっとも胸を締めつけられたのはここ

{netabare}エリリが「トモヤがいても描ける」と淋しそうに目線を落としたところ

想い人との関係が深まるのと反比例しイラストが描けなくなってったエリリでした。クリエイター魂を優先し袂を分かった2期のクライマックス。整理すればエリリルートの終焉。
それが今は描ける。ちょっとしたボタンの掛け違いで別れる関係もある。今だったら素直に飛びこめるのに、でも今の自分があるのはあの時の別れがあったから。このジレンマがたまりませんでした。{/netabare}


■紅坂朱音(CV生天目仁美)のお仕事

ほんとにトモヤの…ひいては作品の魅力はこれでした。

{netabare}「クソみてぇなキモヲタの妄想を垂れ流せるのがお前の強みなんじゃねーか」{/netabare}

{netabare}「鳥肌が立って恥ずかしくなって目を背けたくなって…」
「それでも読めちまうのがお前のクソシナリオなんじゃねーか」{/netabare}

{netabare}「真のキモヲタは絶対お前についてくる」
「今は上手くなろうとするな」
「キモいまま突き進め」
「てめぇの妄想をそのまま垂れ流せ」{/netabare}

S.ジョブズの劣化版みたいなキモヲタ主人公のキモイ情熱をもっと見たかったのでした。
でもそれを望むのは酷なのかも。ヒロインと一緒に陰キャの代表選手みたいなキモヲタも人間的に成長したものと思うようにしました。

末永く爆は…いやなんでもありません。



※閑話休題

なんだったんだろう?

{netabare}題字協力 松岡禎丞 茅野愛衣{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

-----

2020.10.28 初稿
2021.08.26 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これが本当のメインヒロイン

原作未読

いやぁー面白かったw

お話のざっくり概要
サークルで冬コミに向けてギャルゲー制作お話
1期2期で陰に潜んでた加藤恵が
その真の最終形態へ変貌!つ…強すぎるヒロイン力
あ~胸がキュンキュンするんじゃ~
だいたいそんな感じ

集大成となっているので1期2期を楽しめた方は
絶対に楽しめる内容になっていると思います。

見せ場の作画も凄い気合が入ってて綺麗だった
松岡さんの演技は相変わらずキモいけどw
なんていうかその分、シリアスな所が際立って
恵の可愛さを引き立てたように思います。

感想
{netabare}
まさかの冒頭からの飯テロ…
そして浮気をバラされるというテロwww
なんてか恵の満面の笑顔は少し怖いよね(苦笑)
うん。
お二人のスタッフロールは大分下になってたww

合鍵…朝食…
つーか、もう既に嫁だよね?

フィーネみてて思ったのは
1期2期と違い恵の表情バリエーションの多さ
それだけ感情を表に出すようになったって事かな
ハッキリ言わないめんどくささがリアリティあって
更に恵を愛おしい存在に押し上げてますね~

しかし、あの高坂茜というおばさん、劇場で
オ〇ニー、オ〇ニー連呼しすぎじゃないですかねw
隣に座ってた女性の方の反応が気になって
妙にソワソワしちゃうでしょw

涙の作画はどれも渾身の出来ですね。
恵のセリフで特に印象的だったのは
「特別じゃないから、いいと思った」
ってのです。めちゃくちゃ恵らしいと思った。

特別じゃないから自然に好きになって
好きになったから倫也に自分の他に特別があるのを
大切にしてあげたい気持ちと
自分を特別に思って欲しいという
両方の感情で揺れてます。切なくて愛おしくて
本当に本当のメインヒロインでした!

しかしスタッフロール後のドッキリには見事に
引っかかりましたw

え!?別れちゃうの??って困惑しました…
…ラブストーリーは突然にが流れるまではw
さらっと自分をメインヒロインに据えようとするw
その後の10秒ぐらいの下りとか
ウタハさん最後まで冴えカノらしさを貫きましたね

最後は笑顔で終われる良い構成でした~
{/netabare}

えーと、もともと恵は凄い可愛いかったですけど
ほんとにフィーネでは完全ヒロインですw
是非、劇場でキュンキュンして下さい♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラブコメ

<2019/11/4 追記>
映画館で配布された小冊子(原作者による超短編 第2話)読んで評点引き上げました。
↓の方で「物語はご都合主義でイマイチ」とか書いちゃいましたけど、原作の方はそこら辺もっと掘り下げてるのかも、と思えて。
原作読んでみようかな。

<2019/11/4 初投稿>
あにこれで軒並み高評価なので重い腰あげて観てきました。
映画館で映画見るのはいつ以来だろう?

テレビ版は二期まで視聴済み。
といっても本放送で観ただけなのでかなり忘れており。

始まってすぐ
「あれ?どういう状況なんだっけ?」
「このパワハラ姉さんはどういう人だっけ?」
「あれ?下の名前で呼び合ってるけどそんな関係だっけ?」
とクエスチョンマークだらけに。

それでもなんとか思い出して楽しんできました。

一期のレビューでも書きましたが
「冴えない彼女」という新しいヒロイン像が秀逸ですね。
気がついたら人ん家に居つく「ぬらりひょん」ヒロイン。
その魅力は余すところなく発揮されてたのではないでしょうか。

ところで映画館の帰りのエレベーターで
「加藤って面倒だよね。だから推しにできない」
とか盛り上がってる高校生ぐらいの男の子たちがいました。
彼らを横目に
「ラブコメではその面倒くささが美味しいのにわかってないなー」
と秋刀魚のハラワタの旨みのようなこと思ったり。
そう思ってしまうぐらいラブコメとしては◎でした。

ゲーム制作の物語そのものははっきりご都合主義で今ひとつなんですが、まあ観て欲しいのはそこじゃないんだろうな。
(私がギャルゲとかコミケとかに無縁なせいかもしれませんが)

映像は相変わらず綺麗です。

最後のエンドロール。
使用楽曲に「ラブストーリーは突然に」が入っててあれ?
とか思ってたら・・・ちょっと笑かされました。
使い古されたバラエティのコントのよう 笑。

やはり映画館で映画観ると楽しいですね。
良い一日になりました。。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

86.4 3 2019年度の高校生アニメランキング3位
五等分の花嫁(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1087)
5040人が棚に入れました
貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

声優・キャラクター
松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

船頭多くして船山に上る

原作は雑誌でパラパラと


視聴動機は、マガジン案件だったから。けっこう近年のマガジン頑張ってるんですよね。
そして蓋を開けてEDのキャスト陣を見たらこれまた豪華。

中野家のご姉妹
長女 : 一花 (いちか) CV 花澤香菜
次女 : 二乃 (にの) CV 竹達彩奈
三女 : 三玖 (みく) CV 伊藤美来
四女 : 四葉 (よつば) CV佐倉綾音
五女 : 五月 (いつき) CV水瀬いのり

進級も危うい五つ子ちゃんの家庭教師を請け負う学年一の秀才上杉風太郎主演のハーレムラブコメとなります。風太郎の声は松岡禎丞さん。日本にはハーレムラブコメに松岡さん以外を出演させると禁固刑となる法律でもあるのでしょうか?出ずっぱりです。
富裕層中野家と貧民層上杉家の対比です。バイト代の高さを動機付けになにかとたいへんな五人の成績を上げるべく奮闘しながら、とはいえ同学年の美人五姉妹相手に健康な高校生男子が何も思わないわけでもなく、、、いやその前に先方が機先を制してデレ始める鉄板の展開でした。
わりきって観る感じでしょうか?キャラとストーリーを持て余してる序盤です。


観終わって、、、
ぶーぶー言いながらも後半面白くてそれなりに満足しました。
結局のところ、

{netabare}五人まとめてかかってこいやー!{/netabare}

というわけで選べん。


まずは良い点。キャラの配置から。五人がそれぞれ個性的でキャラが被りません。おかげ様で名前と顔の一致が早い。

一花:THEお姉ちゃん。ふわふわしながら締めるところは締める。長子の割に合わないところを飲み込んで責任を全うしようとしてる。意志の強さがショートヘアーに表れているのか?{netabare}良い{/netabare}
二乃:勝気さと家族思いのギャップ。女子力も高い。風太郎への警戒は人一倍強いが、こういった子のバリアを突破した時に見せるだろう情の深さは楽しみである。{netabare}良い{/netabare}
三玖:不器用女子。人との距離の取り方に難があれど、あばたもえくぼってやつ。心根の良さと頑固さが見え隠れしほっとけないタイプ。{netabare}これまた良い{/netabare}
四葉:奉仕の心。明るくアホそうに見えてそのくせ周りへの気遣いを欠かさない。もっと自分だしていいんだよ、の守ってあげたいタイプ。{netabare}なんだかんだ良い{/netabare}
五月:キタ!ツンデレ。頑張っても結果が出ない。そこを男のValueで彼女の不足を補ってあげるぜ!と勘違いしたい。主人公にだけ冷たい。落としたい。{netabare}というわけで良い{/netabare}

声優さんの魅力もさることながら、誰がヒロインでも一本書けそうです。さらに風太郎の妹らいはも存在感出してくるので侮れません。


ただしこちらは全体のバランスを無視して単品で一人一人に焦点を絞ったら?という前提が必要。

 みんな良い = {netabare}どうでもよい{/netabare}

なのです。
・みんな巨乳はやりすぎでは?安直な感じもします。
・狭い空間(中野家のマンションの中)が主戦場なので一対一になりにくく、かといって姉妹同士牽制しあう描写もソフトで消化不良。
・順に攻略した末での落としどころが見えづらい。結局情感揺さぶられるほど感情移入するにはせいぜい三角関係ぐらいにしとかないと破錠するよね。難しい設定。
・言っても同年代5人ですから。先輩後輩のような縦の関係もないと物語を膨らませることは難しい。これも設定になるのかな。


こういった背景もあって、数話観ると割りきってブヒる視聴姿勢で臨むか、嫌気さすかどちらかになりそうな気配です。

{netabare}アバンの結婚式描写などご都合展開飛び越えての超展開も期待できそうな伏線は配置されてますが、{/netabare}

作品の焦点をどこに置けば良いのかイマイチ掴みきれておらず、途中しんどかったです。船頭多くして船山に上る感じ。
まるで、ホテルのビュッフェで和洋中華それ以外と単品のクオリティがそこそこ良いけど全部食べろと言われると持て余しちゃうような感覚に近いかもしれません。

それと、五つ子全員お勉強が出来ないというのもなんか釈然としません。
勉強ができるのと地頭の良さは別物とはいえ、一定の尺度の中でだったり要求水準を求められて成果を上げるとか努力することって人として必要でしょうに、それがないというのが一点。それなりにインプットがないとアウトプットするネタに困るのが人間だと思うよ、が二点め。
それが揃いも揃って全員かよ!ある意味すごい姉妹だと思われます。

 {netabare}お母ちゃんも空の上で泣いてるで。{/netabare}


{netabare}林間学校編に突入してから{/netabare}加速していった後半が良かったのでOK!とします。
ちょっと五人それぞれが揺れ動いてくるあたりから物語が締まってくるので序盤で切っちゃうともったいないかもしれません。


OPの ご ・ と ・ お ・ ぶ ・んっ  もTHEアニソンらしくて良かったですよ。
{netabare}タイムリーにスキー場で流れてて、ウチの子供は「きもっ」って言ってましたが。。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴
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2019.04.06 初稿
2019.09.16 修正
2022.02.10 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 64
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

豪華声優陣だけが魅力!?

原作未読。最終話まで視聴。

美人揃いの五つ子。
家庭教師は同級生の男の子。

設定がありえなさ過ぎてどこからツッコめばよいのやら・・・。

せめて、コメディ要素が強ければラブコメとして楽しめたんだろうけど・・・。
コメディとしては笑いどころが少なすぎ。

さすがにヒロインが5人もいると、1クールでは間延びし過ぎかな。

{netabare}ご想像にお任せします{/netabare}エンディングも、何だかいただけない。

まさか、原作完結していないとか?
だったら、こんなエンディングにしなければよかったのに・・・。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

普通に面白い、普通に萌える、普通に2期観たい(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ギャルゲみたいなハーレムアニメ。

良くも悪くもそれ以上ではなく、それ以下ではない、クラシカルで優秀な楽しいラブコメ。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品の最大の問題点は、圧倒的にぶち抜けて断トツで、三玖がメインヒロインだということです(笑)

特に、三話目の「切腹」は、萌えた♪

作風的には、それこそファンが五等分されるような感じが理想でしょう。その上で、風太郎が誰を選ぶかを楽しむ。そういう作品なのに、、、

ちなみに、私が萌えた順番でいくと、三玖>>>>>一花>>>四葉>五月>二乃、ですかね。

もう、三玖以外がメインヒロインなら許さないぞというところまで来ています(まあでも、五月なのかな? 結局)。

なぜ、三玖ひとり勝ちみたいなアニメ化にしたんでしょう? (原作未読ですが)まあ、アニメスタッフが大の三玖好きで三玖の映える回ばかり選んだ可能性もありますが、多分、三玖は「序盤のメインヒロイン」で、この後、他の四姉妹も掘り下げていくんでしょうね。

この後(原作ラスト)は、4パターンでしょう。

①誰がメインヒロイン(結婚相手)かは、最後まで明かさずに終わる。→無難だけど納得いかない。

②このまま三玖がメインヒロイン。→個人的には嬉しいけど、無さそうかな。

③三玖以外の誰かがメインヒロインだが、結局、三玖が一番人気のまま。→これが一番のバッドエンド。

④三玖以外の四人全員が、この魅力的な三玖を更に超える萌えレベルまで上昇し、誰かがメインヒロインになる。→これが出来たら大したもの。

さあ、皆さん、どれだと思います?

私は①か③な気がしてます(苦笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
分かりやすいハーレム展開ながらも、テンポがよくて楽しめた。ラブコメにプラスして、先生要素がどこまで面白いかがポイントか。200円あるなら、握り飯なり弁当なり、自炊したら?とは思ったけど(どうせなら100円で良かった)。

2話目 ☆4
三玖回。歴女。なんかこう、可愛らしいな。声優さんもピタリと合っている気がする。

3話目 ☆5
二乃回。今のところ、五月とやや被ってるんだよな。安易に「1話一人攻略」にしないところが良いね。三玖の「切腹」が良かった♪

4話目 ☆3
らいは は良い妹キャラだな♪ そこで素直に宿題やる5人は、なんか違和感。萌え的には、やはり三玖の一人勝ちだな~今のところ。百歩譲って赤の他人(笑) 2話跨ぐの?

5話目 ☆4
パートナーだって、良いな。手持ち花火の幸せ。珍しいね、同じの選ぶなんて、の、萌え♪

6話目 ☆4
一応は3人、攻略? 真面目だが、馬鹿なだけだ(笑)
勘違いコント(笑) 三玖が1項目も当てはまらない(笑) 分かりやすくデレたw 三玖が自分の部屋に泊めるというのもな。定番(笑) ギャグのキレが良かったな♪

7話目 ☆


8話目 ☆


9話目 ☆4
肝だめしが怖いから、という理由は可愛い(笑)

10話目 ☆2
いつもの死んだ目に生気(笑) 二乃の萌え度、だだ下がりだな。普通にツンデレ貫いて、風太郎にデレてほしかったけど、それは五月の役目かな。まあ、二位は一花かな。

11話目 ☆4
なんで泣いちゃったかな~。って、良いな。ホントにギャルゲのイベントだな(笑) そして、かまくらイベント(笑)

12話目 ☆3
まあ、原作連載中だし、落とし処としては、こんなもんでしょうね。アニオリのラストなのかな?
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

75.0 4 2019年度の高校生アニメランキング4位
ありふれた職業で世界最強(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (664)
2955人が棚に入れました
“いじめられっ子"の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強"異世界ファンタジー、開幕!――そして、少年は“最強"を超える。

声優・キャラクター
深町寿成、桑原由気、高橋未奈美、日笠陽子、大西沙織、花守ゆみり、加隈亜衣

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

この手の作品の原作者が不憫で不憫で・・・。

原作未読。最終話まで視聴。

どうして、異世界で最強な主人公(主に♂)は、横柄な言動になっちゃうんだろう。
このせいで多くの作品が『駄作』と酷評されているのに、全く後を絶たない。
この手の主人公って、視聴者の反感しか買わないのに・・・。

こういう作品を描く原作者(脚本家か?)って、よほどこっちの世界で不遇なんだろうなって・・・。
「最強」=「モテモテ」=「ハーレム」って発想が、そもそもモテない男子の発想だし・・・。
ちょっと寂しい人なんだろうなって・・・。
凄く不憫に感じちゃう。

吸血鬼(♀)が主人公に師事する理由が明かされないまま物語が進む。
うさぎにしても、竜神族にしても似たようなもの・・・。
「主人公強い」=「ついて行きます」
たったこれだけ。
原作者が不憫で不憫で・・・。

明らかにカマセな同級生冒険者たちの様子が度々描かれるのは秀逸なんだけど・・・。

ただまあ、ハーレムラブコメとしてはまあまあ面白いので、続きがあったら多分視聴しちゃうでしょうね。
あくまで、ハーレムラブコメとしてだけどね(笑)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

盾の勇者の成り損ない。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
もはや、なろうの代名詞になりつつある、異世界転生&主人公最強系。

今期(2019夏)の「なろう原作アニメ」は、なかなかヒドイ作品が多かったのですが、不愉快度でいくと、個人的には、本作がトップです。

というか、私の中で、「なろう系歴代最下位」になったかもしれません。前半がやや良かっただけに、後半の残念さが際だってしまって。もったいなかったです。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、前半(1話~5話)の感想から。

やりたいこと、やろうとしたこと。つまり、設定は悪くなかったと思う。

クラスメイトが丸ごと転生したこと。現実世界での人間関係(いじめ)を転生先でも引きずること。周りは強い職業に転生したのに、自分は弱い職業に転生したこと。

他のなろう系に比べると、充分に個性的だし、面白くなる要素はあったと思う。でも、

①現実世界、および転生先でのいじめの描写が弱く、主人公の動機付けとして不十分。

②ありふれた職業=錬金術師なんだろうけど、異世界での錬金術師の位置付けがされてないので、弱さが演出されていない。てか、鋼のおチビさんもいるから、アニメ(漫画)好きにとって、錬金術師は強いイメージだし。

③食えば食うほど強くなるという戸愚呂兄的な感じだが、それが「錬金術師」と結び付かない。「料理人(どんな物も食べられるスキル)」とかなら分かるが。

④神結晶と神水&魔獣化というチート化も、吸血鬼(ユエ)発見によるチート化も、基本的にはラッキー。努力じゃない。だからイマイチ応援できない。

などの荒さがあり、勿体ない作品だと思っていた。これは、原作由来のこともあるかもだけど、構成面や説明不足は、アニメ化に際しての問題が大きそう。

などの疑問点はあれど、普通には楽しめていたんですよ、前半はね。

それが、1週の休みを挟んでの後半から、、、なんだ、このクソアニメは?

さらにヘボった作画。初代プレステ並みのCG。クソ寒いギャグ。ただのエロハーレム。謎の挿入歌や文字による謎演出。性格も目標も変わりすぎてもはや原型のない主人公。

なにひとつ誉める要素が見つからず、☆1の連打になってしまいました。6話目以降は、他のなろう系に比べても、かなり酷い出来。

現代武器の錬成とか、本当に「なろうらしい」。

自分の想像力を高める気概がないため、周囲の文明レベルを下げることで、実在する兵器が最強武器になるという、お手軽なロジック。周りを下げるのではなく、自分(の想像力)を上げることに力を注いでほしい。

さて、ここから、ほんっっっとうに、な~んの根拠もない、最悪の邪推をします(笑)

本作、1度アニメ制作に取りかかったものの、原作者からのストップがかかり、作り直されたんですよね?

んで、本作の「前半はまだ観られるけど、後半はマジクソ」というクオリティ。

もしかしたら、原作者へのリベンジというか、ある程度のクオリティでgoサイン出さしといてのクソアニメ化、、、いや、それは流石にないですね。アニメ制作会社も損しちゃうし。

という邪推を、思わずしてしまいそうになるくらい、ドイヒーなアニメでした。

まあ、唯一誉めるところといえば、敵はちゃんと殺すところかな。あと、ユエは可愛らしい。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
インパクト重視にしたんだろうけど、時系列を逆にしたのは、分かりにくくなったかな。しかし、1話にして、チートに一直線やん。あと、やたら説明臭いな。

2話目 ☆2
いやまず、先に門番食えよ。奥に強い奴いるのが定番じゃん。

3話目 ☆3
ユエがなかなかに可愛いw なぜ、裸に? つか、ハジメ、まず服を錬成しろや。あと、義手とかは錬成できないの? レールガン錬成できるくらいなんだから、神経までは繋げられなくても、武器つけても良いし。

4話目 ☆2
なぜ、初っぱなからレールガンを使わない? エリクサー使い放題やな。なぜに、キス? え? レールガン全体攻撃なん? いやだから、ユエは死なないんだからさ。つか、わりと上層で作った武器以上に強い武器、作れなかったのかな? たかが崩落でダメージ受けるんかい。

5話目 ☆3
こういう、慎重にレベル上げていく展開は好きだな。でも、なぜ、エロを入れるかな。それがなけりゃ、結構良いのに。

6話目 ☆1
バカみたいなリスタート。この話はクソつまんないな。なんだ、あのバカみたいな挿入歌。総集編を挟んだ上で、さらにヘボった作画。ワケワカラン専門用語の連打。てか、主人公性格変わりすぎ。復讐どした? 相変わらずの説明台詞。文字による謎演出。

いったい、なんのために休んだんだ?

7話目 ☆1
え? ギャグシリーズ、エロシリーズ、続行? 初代プレステレベルの3D。そして、誰だ? なぜそこまでの信頼? あの魚で笑う奴いるか? そのディープは何のため? 最後のオチもひどい。なんだ、このアニメ?

8話目 ☆3
ああ、農業支援スキルあるんだっけか、先生。清水? まあ、こんな中2感ある格好を知人に見られたら、死んじゃうよなw 元クラスメイト、恨んでいる設定だよな。

9話目 ☆1
作画も酷いし、ネタも酷い。文字通り、クソみたいだな。

10話目 ☆1
いやだから、変な挿入歌やめろて。てか、先生、いじめに気付かなかった、救えなかった先生だよな? ゴリゴリゴリ押し。そこでの口移し、必要か? だったら清水を連れてくる必要あったか? 敵陣の中で拷問し、情報吐かせてから殺せば?

11話目 ☆2
何話か話をとばしたか? というくらい、意味わからん。唐突。シーマン、どのくらいの年齢まで分かるネタだ? 新たな幼女をゲット。

12話目 ☆1
ひでぇな、作画。どんくらい、戦闘から時間経ってるん? もう無理だろ。てか、そこで親バカギャグ? ひでぇな。一人死んだか。勇者、強いんだか弱いんだか。そこで南雲のこと思い出すか?普通?

13話目 ☆1
てか、パイルバンカーは、勇者パーティ(現代人)なら驚く必要ないだろ。いや、そこでこの軽いノリは、なんだ? そこでの嫉妬は、意味わからん。だったら序盤で、南雲とラブラブさせとけや。ますますのお手軽ハーレム。2期決定? マジか!?
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ありふれた異世界転生モノ。ありふれ過ぎですけど、なんとなくいいんです(*^^*)

みなさんのレビューにも溢れかえっている、
「もう異世界転生なろう系ウンザリ」っていうの、
まったくそのとおりなんです。
そのとおりなんですけど、
なんだか見続けてます。
別にムリに頑張って観てるって訳でもなく、
なんとなく~♪

なんか一緒に召喚されてきたクラスメートのいじめっ子に、
仲間の筈なのに後ろから攻撃されて、
酷い目にあって・・・って可哀想!!
というのは、ありました。

魔獣の肉を食べまくって能力アップって、
たしかに「ええええッ?」です。
でもメチャメチャ不味そうだから、
食べるの大変なんだろうなって思って、そこは許しちゃいます。
だって某国民的少年マンガなんて、美味しく頂いた木の実1個でいきなりチート化してるんだしw

で、本来はロリな展開は苦手なんですけど、
何百年も囚われてた美少女系吸血鬼が登場しちゃったし。
無駄なお風呂シーンとか、制作遅れで総集編とか、断念要素満載なのに、
また観ちゃいました。

そしたら、
ちょっとびっくりな、お色気担当?の残念ウサギさん登場!
と思ったら、残念ウサギは単体じゃなくって、
おじさんの残念ウサギとかもいる、
残念な群れでしたwwww
ここから、ギャグ展開?

自分を陥れたいじめっ子をやっつける話だと思ってたら、
急に、ノリが軽~くなっちゃって、
これはもう、転スラです。
なんにも考えないで、
ぼーっと眺めていられる異世界コメディになっちゃいましたwwww

そのうえ、凄い強そうな竜人が出てきたと思ったら
ドエム担当で仲間になっちゃうしwwww

高校生のときのメンバーも一人加わって、
せっかくキャラが揃ったのに
ここで終わりかあ、残念・・・って思ってたら、
エンドカードで、
まさかの2期制作決定!

なんだか自分でも理由がはっきりしないまま、
楽しみになっちゃってますw

これはきっと今、ハガレンFA観てるせいかも?
錬金術師最強説があったら、私、賛成票1票入れたいですww

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

87.9 5 2019年度の高校生アニメランキング5位
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(アニメ映画)

2019年6月15日
★★★★★ 4.1 (552)
2885人が棚に入れました
空と海が輝く街“藤沢"に暮らす梓川咲太は高校二年生。先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

愛しさはずっと前から

「さくら荘」の鴨志田一、
CLOVERWORKS制作。

思春期症候群なる不思議な現象に、
心揺れる少年少女の青春ファンタジー劇場版。

藤沢に暮らす高校2年生の梓川咲太は、
恋人の桜島麻衣と心踊る日々を過ごしていた。
{netabare}そんな咲太の前に初恋相手の牧之原翔子が現れる。
しかもこの世界に翔子はなぜか、
大人、子供の2人が同時に存在していた。
翔子という2つの存在の謎、{/netabare}
咲太の胸の傷跡の秘密が今明かされる。

様々な物理現象をライトモチーフにして、
青春の甘酸っぱさともどかしさが、
不思議な世界で同居する物語はここでも健在。
崇高な超ひも理論とひも野郎理論に苦笑。

小さい頃から病弱な女の子翔子、
{netabare}確実に訪れるかわからない未来の姿に、{/netabare}
思い悩み生きているか弱き少女である。

時間と記憶が物語の鍵を握る。
{netabare}人は人生をやり直せば、
同じ幸せを得られるのだろうか。
大事な思い出を全て捨ててまでも、
やり直す価値を持つものとは何であろうか。{/netabare}

そこに思いやりと覚悟を見たとき、
幾多の人との出会いが身に染みるのです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ブタ野郎見あたらないんですけど?

原作は相変わらず未読


もともと13話で構成されたTV版は原作小説をほぼ刊行順に並べたもの。

※TV版構成表
{netabare}1-3話  第1巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
4-6話  第2巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」
7-8話  第3巻「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」
9-10話  第4巻「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
11-13話 第5巻「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」{/netabare}
※劇場版構成表(今回のやつね)
{netabare}本編  第6巻「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」
    第7巻「青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない」{/netabare}

TV版の続きであり、おそらくブタ野郎シリーズ中盤のピークとなるだろう今回の劇場版。
そしてこの劇場版を経てもなお原作ストックありの状態で道半ば。2期を期待したいところですね。

TV版で「なんかと似てる」と嫌気された方はおそらくこの場にいないと思います。
そちらを踏まえてる方か、当時の私のように元ネタ良く知らずにベタ展開の持つ力強さに心地よく踊った方が映画まで観ようとしてるはずです。むしろTV版を楽しんだ方は必見であると断言可能です。


牧之原翔子(CV水瀬いのり)と桜島麻衣(CV瀬戸麻沙美)のWヒロインでございます。
思い出してください。TV版での麻衣先輩のヒロイン力は無双でした。1~3話最初のエピソードがピークだった私の趣味も影響してるかもしれませんが(^_^;) 大黒柱ヒロインがしっかりしてるので、サブヒロイン達が自由に遊べてたのです。彼女らの魅力も引き立つ幸福な関係でした。それが、

 メイン - サブ

ではなく

 Wヒロイン

麻衣先輩が相対的に弱まったわけではありません。麻衣先輩の強靭さはそのままで、牧之原翔子が肩を並べたのです。これだけで観る価値ありでしょう。
かつサブヒロイン達も、TV版のネタをちょいちょい絡めながら本編にも影響を及ぼしてきます。

※サブヒロインズ
 双葉理央(CV種﨑敦美)
 古賀朋絵(CV東山奈央)
 豊浜のどか(CV内田真礼)
 梓川花楓(CV久保ユリカ)


内容に少し触れとくと 「どシリアス」 でした。しかもほぼ全編。
梓川咲太(CV石川界人)がブタ野郎ぶりを発揮する機会が無くて残念です。なにがブタ野郎なのかはTV版でもよくわかりませんでしたけどね。
ついでに双葉が言うところのブタ野郎通り越してゲス野郎ぶりもおそらく無縁だったかと思います。


89分とありますがそれよりも長く感じましたかね。
個人的なツボもありまして、麻衣さん一辺倒から崩しの入った咲太を拝められたの意外性があって良かったです。そう、翔子さんと麻衣さんとで揺らぐ咲太。



■青ブタⅤ~○○の花嫁~!?

ドラクエでいうところのビアンカかフローラ選ぶやつですね。なんとなく頭に浮かんじゃいました。
FFでも7でティファかエリアスを選ばなきゃいけなかったりしますがそっちはややマイナーです。

{netabare}映画が原作第5巻の話でしたらレビュータイトル決定だったのですがずれてたので断念。{/netabare}

ただ気づきもありましてですね。※重度ネタバレ

{netabare}両方助かる世界線を見つけちゃった八方収まりの良いハッピーエンドで良かった良かったと。
それは小学4年生の翔子さんが咲太と会わないことで開かれる新たな世界線。蓄積は消えてしまい、咲太は麻衣さんともサブヒロイン達とも交差する確証なし。ってところを超えた二人。めでたしめでたし。


…そう思ってたのですが、これでどちらかを失うエンドはそれはそれでありだったのではないかと。

 “選択をすることで失うものがある”

小学生か中学生くらいで学んだわけです。しかも自分で手を下す残酷さ。
気軽にシュタインズゲート見つけられちゃご利益も霧散。誰も傷つかない優しい世界の住人のまま。{/netabare}


失う怖さを知っているという前提でこそ輝く劇場版の結末ではなかろうか。
まあアニメだから楽しめればOKです。及第点ゆうに超えてるし不満と言う程でもありません。



■(余談)あ!?既視感?

海の見える結婚式場で挙げた結婚式にいくつか参加したことあるけどここだっけ?

『SCAPES THE SUITE』だそうです。

ここだ!と思ったのだが俺行ったの『シーサイド リビエラ』だったような。ま、どうでもいいっす。


■されど麻衣先輩は麻衣先輩

{netabare}翔子さんが肉薄したのは事実です。
それでも終わってみれば麻衣先輩の圧倒的なヒロイン力にひれ伏す私がいました。

愛だよねぇ、愛{/netabare}



視聴時期:2020年2月 

-------
2020.04.22
《配点を修正》+0.1


2020.02.28 初稿
2020.04.22 配点修正
2020.09.22 タイトル修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 66
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

藤沢バタフライ・エフェクト

6月に本作を劇場鑑賞した帰り路……。

俺は長い間、自己責任論に蝕まれ、
自分がどうにか助かればそれで良いと言う人生を歩んで来たけれど、
このままじゃお前、いくらなんでも、もうダメだろう……。
との強烈な観念に襲われました。

寄付や募金なんて学校や職場の同調圧力に屈した時以外、
ほとんどろくに手を差し伸べてこなかった男が、
この映画をキッカケに俄に毎回少額ながらネットで寄付とかやり出している……。


本作の評価は?と聞かれれば、
劇場鑑賞後の時点だと、TVアニメ版からの流れを汲んだ良くできた続編映画。
原作未読組の私にとっては想定以上に内容の濃い展開が詰め込まれて、
一回観ただけだと、ちょっと理解が追い付かない&忙しいかも?……位の感想。

劇場鑑賞後の自分の心に起こった現象と作品との因果関係解明などの難題を前に、
長らく書きあぐねていた本作のレビューを年内投稿するため、
寒気強まる季節の威も借りて、先日、レンタル配信で再鑑賞しました。

二回目観て、限られた尺内に、複数の"思春期症候群”が絡まる複雑なシナリオを、
破綻なく成立させつつ、しっかりとキャラ総出演&見せ場あり。
相変わらず毒キツめの"青春ブタ野郎”ギャグ?(笑)も散りばめられた。

私の作品理解度も上昇し、素晴らしい続編映画に格上げされたものの、
やっぱり、TVアニメ版振り返りもOP主題歌も一切ないまま濃厚な本編に突入して行く、
事前予習必須のご新規さんお断り映画なんだよな……。
今年は単体の良作アニメ映画も豊富にある中で、
他の方に広く薦められるか?と言う観点からは優先順位は高くはならないよな……。
との感想は変わらず……。


けれど、私の人生に影響を与えた作品と言う意味では、
本作は今年ぶっちぎりのNo.1でした。

ほんの小さな心境の変化が世界に奇跡を起こすと信じることができた。
私の人生が切り替わるタイミングとかち合ったこと等を考慮しても、
本作のシナリオには、完成度に裏打ちされたパワーがあったのだと思います。


本シリーズの正ヒロイン・麻衣先輩は
TVアニメ版でもサブヒロイン回を経る度に"正妻力”が増していった印象ですが、
本劇場版のそれは極め付けと言って良いと思います。

レビュータイトルは2004年アメリカ映画『バタフライ・エフェクト』より。
「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こる」
小さな差異が大きな変化をもたらすカオス理論「バタフライ効果」をシナリオに取り込んだ、
野心的なSFスリラー映画。

私は主人公&ヒロインらのピンチを『バタフライ・エフェクト』の鑑賞記憶とも重ね合わせて、
ドキドキしながら本作を観ていましたが、
それだけに咲太&麻衣先輩の決断の凄まじさが倍増した感じ。


『バタフライ・エフェクト』では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 主人公青年はヒロインと幸せになろうと過去をいじると、誰かが不幸になると悟る。
だからヒロインと親密になる過去をなかったことにして、皆を守る決断をする。
そして過去を改変する手段を処分し、ヒロインとは赤の他人として生きていく……。
と言う、運命を変えるリスクの重たさを思い知らされる、
かなり哀しい"ハッピーエンド”でした。{/netabare}


対して本作では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 咲太は、翔子ちゃんの過去の心境を変えることで、
中学時代の咲太と翔子さんが出会わない未来を選択する。
これは『青ブタ』がここまで紡いできた物語を、
丸ごとリセットしてやり直すことを意味する。

決断前の未来も、咲太と麻衣先輩が二人でいられる割とマシな未来であったはずですが、
これを捨てて改変すれば、咲太と麻衣先輩が全く出会わない未来すらあり得る。
しかも、過去を変えた記憶は手段も含めてせいぜい夢で残り香として見る程度。
気に入らない未来だったからって、やり直しはまず出来ない。

それでも彼らは再び出会い、世界を善意で満たして、
正真正銘のハッピーエンドを掴み取ってみせました。

運命を変えると言う大きなリスクを取ってでも
咲太との未来を信じて決断した麻衣先輩マジ半端ないです。{/netabare}


麻衣先輩どんだけ咲太との運命の赤い糸に自信持ってるんですか!?
今後、"青春ブタ野郎”の眼前にどんな美少女が現れても
麻衣先輩にはまるで勝てる気がしませんw


6月の鑑賞時、夏を前に12月のシナリオなんて季節的にチョット……(苦笑)
と思ったのも事実w
けれどBD/DVD発売&配信レンタル等が始まったこの冬ならば、
おうちで聖夜のムード取り込みも含めて、季節の効果も見込めるはず。

私にとっては2010年代でも指折りの年末クリスマス映画としても、
心に残る作品になりそうです♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

76.4 6 2019年度の高校生アニメランキング6位
ソウナンですか?(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (542)
2016人が棚に入れました
家もない…。食べ物も、水もない…。女子高生4人組は、どこかもわからない無人島でソウナンしてしまい大ピンチ! …のはずが、けっこう元気です! なんにもないから、なんでも作る! なんでも食べる! 知恵と勇気の無人島サバイバル!

声優・キャラクター
M・A・O、河野ひより、安野希世乃、和氣あず未、大塚明夫
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

括約筋肉少女帯

なんでもかんでもJK出しときゃいいと思ってんと違いますか?

・・・大見得を切って昨今のJK花盛りな風潮を揶揄した自分を殴っていただいて構いません。
えーあのー、、、JKいいね ボソッ

ここ2,3クールの15分ものの中では一番好き。


 タイトル 『ソウナンですか?』

Q なるほど。遭難した時に役立つサバイバル知識満載の教育系アニメですね?
  ↓
A そうなんですけどちょっと違います

Q となるとそのまんま愛でたり鼻の下を伸ばしたりするアニメなんですね?
  ↓
A いやほんとまぁそうなんですけどなんかちょっと違います


 {netabare}恥じらいを捨てた{/netabare}

 {netabare}または恥じらいの皮を一枚ずつ剥がす途上にある{/netabare}

 {netabare}若い娘さんの生命讃歌に目を細めるアニメです{/netabare}


修学旅行中の飛行機事故という絶望的な経験をしたのにクラスメイトや先生の話題なぞどこ吹く風 (笑)
原始的欲求と文明的理性との狭間でユルく葛藤する遭難者4名の観察日誌です。ちなみに原作は未読。


 それでも生きていかざるをえない!


かつてオーケンはダメ人間に向けそう語りかけました。
無人島サバイバルのような原始的環境において、恥じらいや見栄は不要であるとの現実。
昆虫食も尿による水分補給も肯定されちゃうのです。
だって生きていかざるをえないんですもの。

これがもう少し歳を取って分別のある大人になってればエロチシズムを感じたのかもしれませんが、親の庇護下にあるだろう女子高生たちから感じるのは、守られてる身分からの自立の胎動です。
・・・実際はだいぶユルイです。悲壮感がないなどとことさら目くじらを立てるほどではありません。アニメですから。


アイディアの勝利でしょう。
普段なら眉間に皺をよせてしまうデリカシーのない表現は置かれてる状況が免罪符となりました。
突発的なえっちい描写もそうは言ってもしゃーないだろうよと説得されてしまう環境下に生きる彼女たちであります。

 {netabare}とってつけた感がないのです!キリッ{/netabare}

よくあるラッキースケベやお約束水着回などに飽きがきてる方でも許すことが出来ちゃう仕様です。


なおメンツはこちら ↓

 鬼島ほまれ(CV M・A・O)
 鈴森明日香(CV河野ひより)
 天谷睦(CV安野希世乃)
 九条紫音(CV和氣あず未)

ダントツでほまれですね。遭難歴複数回のエキスパートの彼女。心地よいのは行動 / 言動になんら躊躇がないこと。即断即決は頼もしかったりギャップボケを生じさせたり、かといって他の三人に歩調を合わせる柔軟さもある。プランAで同意を得られないならすかさずプランBと次善策を講じます。そのプランBは周りの意見を咀嚼した上での最適解なのでいったんここでアクションに移れます。ズルズルと第3第4の案に流れたり話し合いでループすることもありません。
自称脇役マニアの私には珍しく主役鬼島ほまれが最も魅力的なキャラクターに映りました。


ついでに、回想に出てくるほまれパパ鬼島丈一(CV大塚明夫)とほまれとの掛け合いもじわじわくる。

{netabare}「いいか?ほまれ」で始まる回想 @ どこぞで遭難中
ここから丈一によるほまれへのサバイバルチュートリアルが展開される。例外なく自信満々である。なんというか屈託がない。
対するほまれのリアクションは一定。「うんっ!」その瞳はきらきらと輝いているのである。{/netabare}

手を変え品を変え繰り返される親子の会話シーンも毎週の楽しみでした。
OPEDの印象は薄いかも。サクッと15分の手軽さ。毎度次週が待ち遠しかったです。



※最終回ネタバレ

{netabare}私、何かを失った?
いえ、ちがうわ。
命をつないだだけよ。
うん。
きっとそうよ。
だって{/netabare}

それでも生きていかざるをえない、な満足の全12話でした。
置かれた状況がシビアであればあるほど、そこからの落差でお笑いが映えてくるものなんです。
徹頭徹尾シリアスに振れずギャグで貫き通した点も評価が高い一品です。


{netabare}紫音がひと皮むけて躊躇なくウ〇コハンドクリーム塗ってたらさらに点数上げてましたね、きっと。{/netabare}




■(余談)鬼島ほまれを雇いたい

仕事でも頼れるリーダーとして能力を発揮してくれそうです。
仮に彼女をヘッドハンティングできなくても育てる手というのもある。新人研修にはほまれ父を招聘し1年くらいどっかに放り込むとか。研修コストは飛行機代くらいだし。
雇用なので給与支払義務は生じるとしても帰還後の伸びしろに期待できそうです。
従業員も税法上 “ 非居住 ” 扱いで納税額を減免されますし、手をつけてない1年分の給与所得が口座に振り込まれてるわけですから、それほど悪条件ではないと 勘違いしてくれるかもしれません。
もちろんそんな会社に応募があるかどうかはまた別の話です。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------

2019.09.18 初稿
2020.04.06 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

遭難時の心得

アニメーション制作:Ezo'la、
監督:長山延好、シリーズ構成・脚本:待田堂子、
キャラクターデザイン:西尾淳之介、音楽:立山秋航
原作:岡本健太郎、さがら梨々

「なめくじは決して生食してはダメだ」
「ヘラジカの睾丸は生食できる希少な部位だ」
「パパ、タマ臭いよ」
という衝撃的なセリフからスタート。
修学旅行中に飛行機事故で遭難してしまった
女子高生4人が島に辿り着き、
そこでサバイバルする物語。
こう書くとかなりシビアな内容に思えるが、
実際には、遭難したときの豆知識と、
エロ描写&コメディ満載のストーリーとなっている。

トビウオを捕まえてからつぶして
内臓や血などから水分を補給する方法や
海に漂流しているときに見えている水平線は、
せいぜい4~5キロ先までなどということなど、
1話目から色々な豆知識を披露する。
{netabare}水分を分けるために殿様バッタを食べた口から
唾液を口移しで流し込むという笑い満載の展開。
また食べられるものかどうかを判定するために、
実の部分を切って断面を皮膚に押し付けてみるというのは、
万が一のときに役に立つかも。
こういうシーンで尻に実を押し付けるなど、
あざとい描写が色々あるが、観ているうちに
あまり気にならなくなってくる。{/netabare}

ところで、これを観ていて思い出したのだが、
私も子供のころにヤドカリを食べたことがある。
アウトドアに詳しい親戚の叔父さんと海に出かけて、
貝類とともにヤドカリも食えるということで、
浜辺で焼いて食べた。
気持ち悪さだけが記憶に残っていて、
味はあまり覚えていないのだが…
そういえば、私は食べてないのだが、
兄はその同じ親戚の叔父さんとヒトデを
食べたと言っていた。
今では浜辺で貝を焼いて食べていると、
すぐに監視員が飛んできそうだが、
昔はそういうのも大らかな時代だった。
潮干狩りに出かけても今ほど重量に
厳格ではなくて目分量のチェックだった気がする。

子供のころは海にもよく潜って遊んでいたが、
さすがに水深が10メートル以上もあるような場所では、
潜っているうちに恐怖感が強くなる。
しかも私が泳いでいたのは瀬戸内海だったから、
それほど海も綺麗というわけではなく、
ある程度潜ったら、真っ暗で遠い海底が見えて、
底まで行くのには、かなりの勇気が必要だった。
あれは、スキューバダイビングなら、
怖くないのだろうか。
私が暗所恐怖症なのかもしれないが。

動物を捕らえるときのトラップは、
ゴールデンカムイと同じような「くくり罠」が
紹介されていた。輪を針金なようなもので作り、
そこを通った振動によってトリガーが作動し、
吊り上げられるという仕組み。
リスは癖がなくて旨いらしい。
さすがに食べたことはないが…

それとウサギ実食の回では、
動物を仕留めたとしても気温が高い場所だと
1時間くらいで肉が腐敗してしまうことなども
しっかり描いている。
捌くのは普通は難しいが、
名人であるほまれの存在がリアリティを持たせてくれる。
サバイバル系のテレビや映画などで、
狩りの様子などを見たことがあるが、
しっかりとした処理をしていないと、
小さな虫がどんどん寄ってきて
すぐに大変な状態になってしまう。
せっかく食物を確保しても、
虫が湧いたグロテスクな有様を目にして、
生き抜こうとする心が折れてしまうのだ。

そういえば、子供のころにウサギのソーセージを
食べた記憶があるのだが、どんな味だったかは
覚えていない。普通に美味しかった気がする。
7話で登場する海岸に生えている
ハマボウフウという多年草が食べられるという。
漢方薬としても使用されるそうだ。
世界中のどこにでも生えているというのも
また興味深い情報だった。

キャラクターとしては、サバイバルの専門家である
ほまれを中心に、明日香、陸、紫音の性格が
それぞれ個性があって面白い。
特にストーリーが退屈にならないよう
紫音の我儘を上手く使っている。

最終回の衝撃の展開は、
おそらくほとんどの人が驚いただろう。
こういうやり方があるというのは、
知識としてもとても面白い。

ヤンマガでは現在でも連載中。
{netabare}そこでは、未だ遭難生活を続けている。{/netabare}
アニメのラストでほまれの父が
救助に向かっている様子が描かれたのだが、
彼女たちが家に帰れる日は来るのだろうか。
(2019年10月5日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

女子高生4人、ゆる~くソウナン中ですww

なんか毎回、
新しい発見とか体験とかを、
遭難初心者3人が、
遭難マスターの女子高生にリードされて、
だんだん一人前の遭難者に育っていく、
そんな感じのギャグアニメでしょうか。

遭難したときのウンチクも出てきます。
でも普通、人は、
一生無人島で遭難生活したりしないから、
何かの役に立つとは思えませんww

そこが、何だか楽しいです!

だって、人は、ゆるキャン観て面白かったって、
実際には女の子のソロキャンプなんて、
危険だから、出来ないじゃないですか。

だから、無人島生活だって、
実際には出来っこないけど、
それをギャグっぽくアニメで描いて貰えるのって、
凄く贅沢なアニメ仮体験だぞ!って思います。

こういうのを、シリアスに描かないからこそ、
楽しく観れるんだと、思います(^^)



最終回まで楽しく視聴しました!
最後の2話で、ちょっとシリアスな感動展開?
って思ってたら、全然違ってましたwww
生存のために必要だっていう言い訳、
凄く便利ですよね( ̄▽ ̄;)
スゴいインパクトで、
下品大好きな私、シリアスなことだと思ってても、
笑いを堪えられませんでした(≧▽≦)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42

81.4 7 2019年度の高校生アニメランキング7位
ちはやふる3(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (341)
1644人が棚に入れました
クイーンになる夢も、将来の夢も諦めたくない! この一瞬に一生を懸ける―――――高校2年生の夏、新入部員と共に全国大会へ出場した千早たち瑞沢高校かるた部。団体戦では常勝校・富士崎高校を破り瑞沢高校が念願の初優勝、個人戦ではB級が太一、そしてA級では新が優勝を果たす。千早は団体戦で負傷した右指の手術も無事成功し、太一と共に富士崎高校の夏合宿に参加する。顧問の桜沢先生によるスパルタな指導にもめげず、名人・クイーン戦に照準を合わせ練習に励んでいた矢先、出場が危ぶまれるある事実を知ることに……一方、チームを持つことでかるたへの可能性が広がることが知った新は、かるた部創設に向け動き出していた。新たなるライバルの登場、これからの進路、クイーンになる夢……等身大の高校生によるひたむきでまっすぐな想いと情熱が溢れ出す第3期が開幕!

声優・キャラクター
瀬戸麻沙美、細谷佳正、宮野真守、茅野愛衣、奈良徹、代永翼、潘めぐみ、入野自由、坂本真綾
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

時は流れゆく、波は砕け散る

アニメーション制作:マッドハウス
監督:浅香守生、シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン:濱田邦彦、
音楽:山下康介、原作:末次由紀

2008年に講談社の少女漫画雑誌
『BE LOVE』で連載を開始して10年以上。
現在では、コミックスが45巻まで刊行され、
累計発行部数は2500万部を超える。
その影響力は、全国に伝播し、
かるた競技人口を大幅に押し上げた。

私は2期が始まるタイミングで
アニメ1期の再放送を視聴し、
物語世界の虜になった。
2期の放送終了時には諸々の理由で、
アニメ化が当分は難しいことが確定していたため、
コミックスを全巻購入。現在も追いかけている。
ちなみに実写映画は未視聴。
映画ヒットの恩恵もあってアニメ化につながったので、
実写化が宣伝として大いに役立った好例だ。

綾瀬千早、綿谷新、真島太一という
幼馴染の3人が物語の中心。
それに加えて部活のメンバーや
ライバル、先生、主人公たちの家族までを
深く掘り下げて描写しているのが最大の特徴だ。
まさに、微に入り細を穿つという言葉が当てはまる。
もちろん、競技かるたの魅力も
余すところなく表現しており、
ポイントを分かりやすく解説。
勝負の分かれ目における思考法や作戦、
必殺技?までを描くことで、
地味と思われていた競技を魅力的に見せている。

3期における最大の見どころは、
これまで楽しく過ごしてきた日々や関係性も
永遠には続かないことを
多くのキャラクターが自覚することだろう。
特に3人の関係性はモラトリアムの状態が
長年続いていたが、決着をつけなければ
ならない時期が迫っていた。
作者がこの物語世界を終わりに向けて
動かし始めたことがはっきりと感じられる3期だった。

競技かるたによってつながった幼馴染3人は、
それぞれに競技に打ち込む理由がある。
千早は競技かるたに対する一途な気持ち。
強さを渇望し、遠くにいる好きな人を近くに感じながら、
クイーンの座を目指している。
新は永世名人の祖父の才能を受け継ぎ、
幼少から積み重ねた努力によって
祖父が辿った道を歩んでいる。
太一は、かるたとの決別を常に意識しながらも、
複雑な想いを胸に抱いて競技を続けている。
才能の面でふたりより大きく後れを取る太一だったが
競技かるた特有の「感じ」とは別方向の
記憶力と洞察力に磨きをかけて覚醒し、
千早を脅かすほどの実力を発揮する。

原田先生の活躍や猪熊遥の登場が、
このクールのもうひとつの大きな見どころ。
両者は膝の痛みや母乳の出る体を抱えた状態で、
年月がもたらす残酷さを何度も味わいながら
懸命に戦っていく。
原田先生は、千早と太一に対して、
いつも含蓄ある言葉を投げかけてくれる存在。
その戦いぶりに、特に太一は心を動かされる。

人は時間経過の必然として変わっていく。
高校卒業後の進路はもちろん、
3人の関係性も、ずっと同じではいられない。

太一は、小学生のとき
千早が好意を持っていた新にかるたで勝利するために
新の眼鏡を隠すという行動に出てしまう。
そのときの自身の暗い感情とずっと対峙しながら、
千早や新のような真っ直ぐな生き方を目指した。
そして、仲間とともに競技かるたに青春をかけてきた。
「青春全部懸けたって、新より強くはなれない」と
思っていた太一は「懸けてから言いなさい」と
原田先生から窘められる。
この言葉が、ずっと太一の心の奥にある。
千早のことが大好きで、ずっと一緒にいたい気持ち。
太一にとってのかるたを続ける理由。
それは千早の存在だけだと思い込んでいる。

{netabare}告白の前に開催された太一杯。{/netabare}
原作を読んでいたときは、
あまり必要のないエピソードだと感じていたが、
アニメで改めて観ると、
ある意味、このクールでいちばん重要な話だと感じた。
ここで行われた源平戦が3人の原点。
競技かるたが人生を豊かにしてくれるのだ。

{netabare}そして、太一の退部後にその気持ちに対して
千早が想う源重之の歌。
「風をいたみ 岩うつ浪(なみ)の おのれのみ
砕けてものを 思ふものかな}
(風が強くて波が岩に向けて砕け散るように、
私だけが心が砕けんばかりに、
あなたを思い悩んでいる)
「私が岩だったんです。岩で粉々に砕いていたんです。
太一の気持ちを。ずっと、ずっと」と
千早は言葉を絞り出す。
千早は太一のこれまでの気持ちを深く想像していた。{/netabare}

太一の行動と決断は、どのような結果をもたらすのか。
かるたを好きな人々の感情と
仲間に対する想いを掬い上げながら、
物語はいよいよ終盤に向かっていく。

3人の関係性の変化とともに、
クイーン・若宮詩暢と名人・周防久志の
生き方にもスポットが当たる。
新は、競技かるたに対しての深い理解を求めて、
千早や太一から1年遅れでチーム作りを始める。
競技かるたがもたらしてくれた大切なもの。
それはどんな形となって現れるのだろう。

感情が解き放たれるクライマックスが近い。
(2020年4月25日初投稿)

15年の連載を終えた原作
(2023年4月2日追記)

{netabare}昨年末に最終巻の50巻が発売され、
完結を迎えた『ちはやふる』。
実は読了したのは、つい最近のことだった。
最終巻のコミックスは購入していたのだが、
ずっと放置して、読めずにいたのだった。
それは終了するのが名残惜しいというよりも、
終わり方については、おおよそ想像ができていたので、
敢えてすぐに読まなくてもいいだろうという思いだった。
もちろん、そこには終わってしまう一抹の寂しさもあったのだが。

そして読了したあと、
納得できる部分も多かったし、驚かされることもあった。
改めて末次由紀氏の温かさに触れたような気にもなった。
この作品は、小倉百人一首のかるたを広く全国に広めて、
競技人口を増やすことに大きく貢献した。
また、読み手やトップの競技者、競技かるたを楽しむ
多くの人々の想いにもスポットを当てた。
競技に対する深い理解も作品のなかで表現した。
最終回を迎えるにあたり、作者が思っていたことは、
おそらく競技かるたとそれに関わる人々に対する
「感謝」だったのだろう。
いや、ある意味、当然のことかもしれないが、
15年間の連載を通して、マイナーな競技かるたに
関わった作者は、コミックスの登場人物のような人々と
ずっと交流してきたのだろうという気がした。
私がちはやふるを読んでいて、いつも感じていたのは、
登場人物たちの圧倒的なリアリティとそこにある深い理解だった。
どのキャラクターも、まるでそこにいるように、
楽しんだり、悩んだり、苦しんだり、そして仲間たちと
喜びを共有していた。
私にとっては、それは奇跡のようにも思えた。
人の気持ちに寄り添うというのは、
こんなにも辛いものなのだと思いもした。

そんなことを含めての最終盤。

作者が行き着いたもの、
選んだもの。

それが凝縮されているように感じた。
長年にわたる競技かるたの世界との関わりで
着地したところは、深い感動を与えてくれた。
ぜひ、アニメで最後まで表現して欲しいと願う。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 66
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

青春の色は匂へど

原作末次由紀、制作マッドハウス。

強豪富士崎高校指導者桜沢の招きを受け、
強化合宿に参加する千早と太一から始まる。

強くなりたい動機は人それぞれですが、
追い込まれた経験のないものは強くは成らない。
集中し葛藤し理想の自分へと近づいて行く。

ちはやふるが称賛を受けるのはここであろう。
自分に期待する力、そのことの清々しさ。
燻り続ける青春とは対照的に、
全力であることの真っ直ぐさが心に響く。
それにしても宮野真守は独白が上手な声優だ。
そして林原めぐみの気怠い声が最高に美しい。

18話視聴追記。
文化系競技にしてこの緊迫感が凄い。
{netabare}応援、期待、全てが雑音だと、
孤独にかるたと向き合うもの、
いつだって全盛期だと自身を鼓舞するもの、
白熱した試合を通じ成長するのは、
技術だけではなく、心技体全てであろう。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}私の好きな王座2人が活躍し、
概ね満足なのですが、やはりこの物語は、
千早の葛藤と飛躍が主軸なのでしょう。
脇を固めるキャラの陰影が色濃く演出され、
緩やかに形になり始める恋愛模様少々、
大人の群像劇としても楽しめましたね。{/netabare}

立ち止まればそこで悩み学びなさい。
こうやって私たちの月日は流れていくのだ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

普通どこかでダレてくるもんですよ

原作既読 1期2期視聴済み

『アニメ3期決定!』

1期放送が2011年。2期2013年。ざっくり7年ぶりなわけであります。
この吉報は多くのファンから歓迎の意をもって迎えられました。自分も高揚感がハンパなかったっす。
聞けば、実写映画ヒットとメディアミックスでの収益化。福井での細く長いファンのバックアップ。単純に「原作のストックが…」というわけにはいきません。商売面でも企画を通すだけの材料が揃っての3期ということで大げさでもなく奇跡的な続編となりました。ひとえに感謝感謝です。
なお、どんな内容でどんなキャラがいてみたいな説明はばっさりカットであいすみません。
競技かるたに取り組む高校生らの奮闘記です。

 {netabare}方言指導 安済知佳{/netabare}

アニメに限らず映画『上の句』『下の句』『結び』もなんですかね。名も知れた華のある声優さんが裏方に回り後方から支援にあたる。細谷さんのセリフ部分を録音して毎度提供してたりしたんだとか。
福井南雲会と藤岡東高校。そこに確かな“福井”があった裏に福井人あり。
起用の経緯までは存じ上げませんが、このクレジットから役職や知名度に関係なく「良い作品作るぞーっ!」という熱のようなものが伝わってきます。
作品そのものも以前と変わらぬ熱量をもった安定の名作でした。

 ・質の高い原作
 ・継続したスタッフ
 ・変わらぬモノづくり

正直これ以外ではパッとしない『99RadioService』の継続起用もそうだし、2クールものでの楽曲使用では一般的な手法。1クールで曲交替をせずに2クール通して同じ楽曲を使い続けるやり方も1期2期そしてこの3期も変わることはありません。
1期から9年経過してるわけです。
キャストだってキャリアを重ね現在、皆一線級の活躍をされてます。監督さんはじめクリエイターさんだってそう。9年の蓄積を糧に色気を出したくなるのが本音でしょうに見事なまでにそのまんま。継続は力なりを実践されてますね。古典に向き合う上での“型”や“作法”を大事にしてるともいえます。

 {netabare}“作品制作の熱量”{/netabare}

 {netabare}“変えない勇気”{/netabare}

1期からの視聴者は変わらぬ様式美を堪能できます。
原作の信頼とそれを活かす勝利の方程式を知り尽くしたスタッフが仕上げる逸品にハズレはなしです。


 とかいって実は3期ってマンネリなん?


これがまた違うんですな。同じことやってても現状維持も覚束なくて“劣化”と捉えられることも少なくないシリーズもの。
瑞沢高校の面々。間違いなく本作の中枢を担う高校生たち使ってきっちりと掻き回してくれます。ざわつきの原因はしっかり1期からの流れを汲むもので納得感もある。本作の源泉、ちはや・太一・新のかるたを通じた三角関係のことです。
そしてこの三人が作品の根として、瑞沢高校かるた部を例に、同級の机くん・肉まんくんは第二波。1期25話で定評を得てからの第三波で筑波くん・花野菫。登場順で分けられると思うのですが…
想像してみてください。人気作であればあるほど通常は一→二→三と後続のキャラになるにつれ思い入れは浅くなってきます。『SLAM DUNK』みっちーやリョータ『俺ガイル』いろはすのように後から出てきてきっちり中枢に入り込んでくる事例は複数あるものの、けっこう難しい作業なはずです。
そんな『ちはやふる』3期は花野菫のターン。{netabare}この一年間過ごしたかるた部での時間が彼女を人間的に成長させました。“人間的に”です。未だ見ぬ4期ではかるた的な覚醒にも余地を残してたりします。筑波くんは変わらず筑波くん(笑){/netabare}


安定感のみならず、本流でしっかり動きをつけてきたわけでマンネリとも無縁な良作といって差し支えなく、これまで1期2期と視聴されてきた層が視聴を躊躇う理由は皆無と思われます。
ここまでで失速らしい失速も感じませんのでご新規さんも1期25話ずつとボリューミーではありますがこれらを安心材料とみてぜひこの世界に飛び込んできてくれたら嬉しいですね。お待ちしてます。



※ネタバレ所感

■この作品の恐ろしいところ

1.{netabare}もの凄く高いレベルで安定{/netabare}

これまで上のほうで書いてきたやつです。引退間際のイチローだって並の選手と比べれば高いパフォーマンスを残してたのにどうしても比較対象がイチローとなってしまうくらいには我々もマヒしてる。
ここではジョージ・シスラーの年間安打記録を更新した頃と変わらぬパフォーマンスを数年後も保っていて「いやー、良いシーズンだったね」と日常を楽しんでるのに似てるくらい普通の出来事。それでいて「内野安打減ったのは年齢じゃね?」とか無責任に放言してたりもする。
キープするための努力は確実にある。振り子足の幅が狭くなったことやサイズアップといったマイナーチェンジは言われてみないと気づかないレベルなんです。
 

2.{netabare}じじいと子持ちママを主役に!{/netabare}

まさにこの選択をできてしまうのが『ちはやふる』という作品の凄みだと心の底から思います。このレビューで一番訴えたいこと。
高校選手権の比重の高かったこれまでのシリーズからその上流工程、名人戦クィーン戦に重きを置いた3期でした。そして各々絶対王者に挑む挑戦者にこの人選。あり得ない(褒め言葉)。

{netabare}原田秀雄(CV三宅健太)猪熊遥(CV坂本真綾)両名のことです。
片や爺さん。初の名人戦。元々ナイス脇役の原田先生を無理に表舞台に乗せたところでという不安。
片や出戻り。3期初登場の元クィーン。坂本真綾さんで話題作り。はいはい分かりますとノーマーク。

ひとつ冷静になって、爺さんと出戻り以外の選択肢はなかったか?
例えば名人対綿谷新にしとけば新VS太一を活かした展開に容易に繋げられます。強い男子は他にもいます。須郷みたいな若手でも坪口(白波会)や村尾(南雲会)みたいな中堅どころでも不思議はありません。
そんな男子と比べて女子側。こちら対クィーンは新キャラで穏当だった気もします。めぐむたんやまさかの桜沢先生も選択肢としてはなくはないんですけどね。
挑戦者確定で思ったこと。原田先生は想定外。猪熊さんは桜沢先生との絡みも楽しく、とはいえ両名ともかませ犬ポジションを大きく逸脱しないだろうくらいで構えてました。

結果、

 {netabare}誰ぞ二人をかませ犬と誹ることができようか?{/netabare}

周防名人にとって初めて本気で闘わないと勝てない相手だったのが原田先生。
詩暢ちゃんにとって自分以上に札に好かれてるかもと思わせしめた相手だったのが猪熊元クィーン。
鉄面皮と言ってよい圧倒的な個性持ちだった二人の心をぐらつかせる激戦は本作のクライマックスだったと思います。それでいて、千早・新・太一ら若人の物語ともがっつり繋がっているというね。{/netabare}


あと超絶に好きだった猪熊さんのこの台詞。

{netabare}「やっぱりお腹の子、女の子だと思う。お願いしたのよ。男の子でもいいから勝たせてくださいって」

母になると○○ちゃんママの呼称を受け入れて折り合いをつけてく過程が生じます。この子には自分が必要だと思う母性の発動で徐々に消えてく個性や本人の意思。要は諦める作業です。
そんなして一度切り替えたスィッチを再度切り替えるのは旦那の協力があっても困難極まりないことでしょう。復帰するにしても自分なりのルールを決めて。とても納得感がある心の動きです。
そんな思いをして復帰して、マイルールをしっかり守って、でもやっぱり限界はあって子供にも負担をかけて、とクィーン戦を前にして無理がたたってるのも見え隠れしてきた猪熊遥。思い出できたからと気持ちが切れてもおかしくありません。彼女にとってあくまで日常は普段の家庭生活なんです。
そんな彼女がクィーンへの執着を示した精一杯の願い事が上のセリフ。男子三人はマジたいへん。ガキンチョの叫ぶ「一生のお願い!」とは比べ物にならない重みがあります。イマイチ理解できてなさそうな未婚の桜沢先生の表情もいい。{/netabare}



■名人戦クィーン戦に向けて

・名人戦
対立構図や対比がシンプル。
周防名人に新と太一が絡むのでまだ読めないところはある。

{netabare}「青春全部かけてから言いなさい」
を地でいき、かるたに人生を賭けた男と、かるたにしか人生を見いだせなかった男の対比だったのが原田VS周防でした。
全部かけて運命の女神は微笑んだか?運命戦の結末が一つの答えでした。
それでも試合後の清々しい先生の表情が素晴らしい。{/netabare}

{netabare}未来の挑戦者/太一と新はそれこそ一つに絞れないほど多くの場面で、行動言動の比較があったり、同じだったりしてました。その中で一つだけ印象的な場面を挙げると、周防名人のインタビュー場面。
名人を引き留めた新と名人の引退を望んだ太一がどうしようもなく二人らしい。
「真島 おめぇ 卑怯なやつやのー」
引退を望んでることが卑怯とはならないでしょうが、名人につっかかる新を目の当たりにして思うところがあったんだろうなとみられる後の展開です。
卑怯な奴である自分を克服するストーリーが太一自身には必要ですからね。{/netabare}

・クィーン戦
けっこう同じもの同士。

{netabare}若宮詩暢と綾瀬千早に絞られたと思われる。{/netabare}




そもそも最初のアニメ化の時点で紆余曲折があったものらしい。曰く、“売れなそうな商品”。
「セールス的な期待値は低いがアニメ化する意義ある作品」と関係者が企画を通し結果ヒット。

その後、ペイできる実写版がもう完結したし、3期をやる旨味がほぼほぼ無かったろうところをアニメ続編実現にこぎつけたことが至極ありがたい話です。
4期やってくれるかな!?根拠なく全幅の信頼をこの関係スタッフに置いときます。宜しくね!


最後に原田先生役での石塚運昇さんと宮内先生役での藤田淑子さんの訃報に際しあらためましてご冥福をお祈り申し上げます。
後任を見事に務めた三宅健太さん鳳芳野さんお疲れ様でした。



視聴時期:2019年10月~2020年3月 リアタイ

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2020.05.06
《配点を修正》-0.1


2020.03.30 初稿
2020.05.06 配点修正
2020.10.23 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54

76.6 8 2019年度の高校生アニメランキング8位
この音とまれ!(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (373)
1385人が棚に入れました
廃部寸前の時瀬高校箏曲部。一人になってしまった部長のもとを訪れたのは不良少年とその友達、そして箏の天才少女だった。それぞれの箏の音が紡ぐ青春学園物語―

声優・キャラクター
内田雄馬、榎木淳弥、種﨑敦美、細谷佳正、石谷春貴、古川慎、井口祐一、松本沙羅、浪川大輔、蒼井翔太
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正月限定だけではもったいない世界

原作未読


視聴動機はまさにあにこれ内での交流から。たしか『ちはやふる』好きならこんなんありまっせ!と。
分割2クールの前半13話で、後半は3か月後の放送とのこと。分割の場合ゴール設定が先となるわけですからどの辺でお話を区切るかが難しいわけでありますが、今回放送された前半クールは「次が観たい!」と思える中締めと感じましたのでおおむね成功だったと思います。
{netabare}ただし前半最終話のブツ切り感は評価が別れると思う。私は嫌。3ヶ月後覚えてられる自信がないから。{/netabare}

質担保の側面もありましょうが、できれば通しでやってほしかったかなあ、が正直なところでした。


廃部寸前の筝曲部に新入生らが集って全国目指すストーリー。弱小校のジャイアントキリングなるか?
手垢のついたテーマとはいえ“箏(こと)”題材の面白さと定番の中に本作ならではの物語をどう紡いでいくのか楽しみにしながら視聴開始です。

時瀬高校筝曲部メンバーは7名。
 久遠 愛(くどお ちか)1年:CV内田雄馬
 倉田 武蔵(くらた たけぞう)2年:CV榎木淳弥
 鳳月 さとわ(ほうづき さとわ)1年:CV種﨑敦美
 足立 実康(あだち さねやす)1年:CV石谷春貴
 水原 光太(みずはら こうた)1年:CV井口祐一
 堺 通孝(さかい みちたか)1年:CV古川慎
 来栖 妃呂(くるす ひろ)2年:CV松本沙羅


“文化系スポコン”+“音楽”

これまで成功を収めた作品をうまくトレースしてます。

■文化系スポコン
だいたい以下の4点をおさえておけば良いところ、濃淡はあれど各々描かれています。
1.努力型と天才型との対比
 {netabare}さとわと愛が雛型。{/netabare}※1後述
2.自校に有能な指導者がいる
 {netabare}滝浪涼香(CV浪川大輔)は柏葉英二郎(タッチ)を彷彿とさせる良キャラ{/netabare}
3.ライバルの存在
 {netabare}出揃ったかと思うところで前半終了。{/netabare}
4.敗戦を描く
 {netabare}これは今のところなし。後半に期待。{/netabare}

※1 天才型のさとわが天才然としてないところが良いです。早々に自分の演奏の弱点を自覚し悩みもがくわけです。すると部員全員努力家というある種一体感が醸成されるわけですが、反面、キャラの棲み分けが難しくなることの交換条件みたいな部分も。ここはボヤけないように愛、武蔵、さとわ、妃呂に資源を集中して乗り切った感はあります。

■音楽
以下の組み合わせをどうするか。失敗率の高いCGを選択せずというのは評価します。
1.技術:運指の正確さを見せるためのCGか手書きの選択。止め絵の利用もしかり。
2.情感:心象風景や曲想のビジュアル演出、演奏者のモノローグ、聴衆の反応。

{netabare}ピークを2回もってきたのは贅沢でした。第5話「流星群」第13話「久遠」。アプローチの違いはあり、意図も伝わり、素晴らしい演奏シーンでした。ただしやや演出がパターン化されてる部分があって2回目のインパクトが薄かったです。{/netabare}


リアリティの担保という意味では、原作者本人もそのご家族も箏への造詣が深いといいますか本職の方といって差し支えなく、オリジナル曲「流星群」の仕掛けだったり、箏初心者の視聴者への手ほどきだったりと丁寧な仕事ぶりも有り難いことでした。
正月三が日に聴くような音色のイメージしかもっていなかった箏の音がこれほど躍動感があるものだったとは新たな気づきであり知らしめた功績が作品自体にはあるでしょう。
なにより、自分の血肉となっている“箏”を連載化したいとの熱意は応援したくなります。



総話数全24話~全26話くらいでおさまることでしょう。途中折り返し地点のため詳細評価は数か月後に!です。
成功作品の良トレースということは、嗜好に合えば面白さは手堅い反面、突き抜ける部分がないことの裏返しです。『この音とまれ!』ならではを後半では観たいですね。

自分の琴線に触れる音楽ものって、とある曲の以下のフレーズを地でいってるような作品がほとんど。


 “一人じゃ出せない音が あることに気づいたよ”


今のところその波動をびんびん感じます。
評価は期待値込みで甘め。今期(2019年春クール)で自分の視聴作品のうちでは途中経過ながら上位に食い込んできた良作です。



※オマケ

■部活終わりの…
パピコ!!
趣味で草野球のチームに入ってる私です。当然体を動かした後のビールというのが王道のおっさんではありますが、試合直後はコンビニでパピコというのが習慣ですね。もちろんチョココーヒー味。個人的には“下町のモカフラペチーノ”くらい思っとります。


■でもここはちょっとなあ

1.そこはちょろくなくても・・・
{netabare}さとわも妃呂も揃ってちょろいの、どっちか片方で良かったんじゃないかしら。
どうも3バカが気の毒に思えてくる。{/netabare}
{netabare}ただし、ちょろくなる前のやさぐれ妃呂とで演技の変化が自然だった松本沙羅さんはGJ!{/netabare}


2.君ィのトゥオーーン
{netabare}実は蒼井翔太が苦手。スカート似合いそうなユニセックス男子に目の前でお気に入り女子をかっさらわれまくった実体験がそう思わせる。
八つ当たりもしくは嫉妬以外の何物でもないわけですが、OPは毎回飛ばしておりましたよ。{/netabare}



分割2クールだとの事前情報はおさえてましたけど、知らんとあのブツ切れ感ってついていけるのかしら?



視聴時期:2019年4月~2019年6月

-----
2020.02.06 追記

{netabare}2期のOPも蒼井翔太だが、早送りするともったいない。良い歌というよりもアニメーション画像にヒントがちりばめられている。{/netabare}


2019.07.04 初稿
2020.02.06 追記
2020.07.30 タイトル修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 63

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

箏の合奏を通した成長を描く、高校生たちの群像劇

アニメーション製作:プラチナビジョン、
監督:水野竜馬、シリーズ構成、脚本:久尾歩
キャラクターデザイン:山中純子、原作:アミュー

集英社の発行する月刊漫画雑誌である
ジャンプスクエアで連載中。
この雑誌は読んだことがないが、
小説やエッセイが原作のものや、
少女漫画誌で活躍してきた作家を
起用するなど幅広い作品を連載しているという。
アニメ化された作品は、『テガミバチ』や
『青の祓魔師』、『新テニスの王子様』、
『ワールドトリガー』、『血界戦線』など多彩。
一般的にも知られているような有名作が
たくさん連載されている。

『この音とまれ』は、お箏という
これまで扱われていない題材を用いた
群像劇という形をとっている。

先輩たちが卒業してしまった箏曲部を
存続させるために、ひとりで奮闘する
高校2年生の倉田武蔵だったが、
部室は不良たちの溜まり場になってしまっていた。
そこに1年生の問題児として知られる
久遠愛がやってきて、箏の家元の娘・鳳さとわなどが
加わり、本気で全国大会を目指すことになる。

主人公の久遠愛は、周りから不良と思われているのだが、
実は根は優しくていいやつで、
箏を作っていた人物が育ての親だが亡くなっていた。
自身は箏を弾いたことはなかったのだが、
箏に対しての天賦の才を持っていた。
ぶっきらぼうだが、人を見る目にも長けた愛は
周りから信頼される存在になり、
天才奏者の鳳さとわとの距離も近づいていく。

いかにも少女漫画にありがちな構図で、
周りから評判の悪い喧嘩ばかりしている不良が
道端に捨てられている犬に優しくしている姿を
ヒロインが見て、ギャップに惚れるという
パターンを彷彿とさせる。
私はこういう構造の少女漫画が苦手で、
それが1話目から見えたので、
少々視聴のテンションが落ちたのだが、
回を追うごとに、周りのキャラの内面まで
踏み込んで丁寧に描くことで、作品の基本的な構造を
忘れさせてくれるような厚みを感じさせてくれる。

例えば久遠愛を慕って入部した
モブ3人男子ともいえるなかの水原光太にも
スポットを当てて、チームが崩れそうになったときに
立て直す役割を担っていたりする。
また、人間関係にマイナスの感情を吹き込んでいた
来栖妃呂がチーム全体を見渡して行動したりと、
一人ひとりが変わっていくさまを
しっかり見せているのが良い。

主人公だから仕方がないが久遠愛ばかりが
目立ちすぎるストーリーになっているので、
部長の倉田武蔵にも、もう少しスポットを
当てて欲しいし、活躍してくれればと
個人的には思ってしまう。
やはり天才だけでなく、
凡人の成長もしっかり描いて欲しい。

シリーズ構成を間違えたのか、
1期では突然、終わってしまい
余韻も感じさせなかったのはマイナス。
演奏シーンがあるので仕方ないのだろうが、
作画的にも若干甘いところがあるように思える。

2期は顧問の滝浪涼香との関係性の進展や
他校の桐生桜介、鳳かずさ、神崎澪などと
どのように絡んでいくのかが見どころか。
箏曲部に関わる人物をそれぞれ丹念に
描いてくれるため、物語に引き込まれる。

箏の魅力と群像劇で2期でも楽しませてもらいたい。
(2019年7月15日)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ひと昔前の少女漫画っぽいストーリー?

『ジャンプSQ』に掲載の漫画が原作らしいです。

高校の筝曲部(つまり箏(こと)を演奏する部活)のお話です。

「誤解されやすいけど根は優しい男の子」と「何か生い立ちに事情を抱えているっぽいヒロイン」という構図が、ひと昔(いや、ふた昔?)前の少女漫画っぽいストーリーだなと思いました。そこに「努力・友情・勝利」で少年漫画的な味付けをしてある感じでしょうか。

その意味でいうと大枠で予定調和的なストーリーになるとは思うのですが、今のところは手堅く面白いと思います。テーマ的に音楽面で手を抜いてはいけないと思うのですが、現時点では楽曲、作画とも特に問題はなさそうです。

原作を読んでいないので、このままアニメで後のストーリーを楽しもうと思います。

2019.5.13追記:
第6話まで視聴終了。来栖さんというキャラとても女性作者のお話っぽくて私は気に入りました。これ、かなり面白くなりそうですね。

2019.7.1追記:
最終回まで視聴終了。「なるほど、分割2クールですか…。」という終わり方でしたね。

時瀬高校箏曲部の演奏に対して会場では様々な反応がありましたが、具体的な評価は第2クールにならないとわからない感じになっています。まあ、これは普通に続きが気になるからたぶん第2クール(2019年10月開始らしい)も観るでしょうね。

原作を読むかどうかは悩ましいところ…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 44

70.5 9 2019年度の高校生アニメランキング9位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (308)
1129人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

主人公の言動を許容できるか否か?

この作品の評価は、この1点に尽きると思います。

登場人物の中に『不愉快な人物』が描かれる作品は、たくさんあります。
この作品にも、不愉快な言動を繰り返す人物が、主人公以外にも登場します。

問題点は『不愉快な人物を、主人公に抜擢すること』の意味。
ゴールは『主人公の成長』しかない。
そのために重要なのは、『成長のきっかけ』。

この作品は、タイムリープも含めて、この点が上手く描かれていたと思います。

だけど、物語の評価は☆3が限界。
前半から中盤の主人公の不愉快な言動の数々が、マイナス評価になってしまう。
主人公の姿を目にしただけでも生じてしまう嫌悪感がどうしても拭い切れない。

『不愉快な言動を繰り返す人物を、主人公に抜擢すること』のリスクを感じさせてくれた作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


-----
2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

うわ~、アイツめっちゃイキッてますやん by小籔千豊さん

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
って、言われそうな主人公だったので(笑)

わりと考察したくなるような、ロボアニメ。

アニオリ作品ということで、視聴中は、予想などを楽しませてもらった(大概、外れたけどw)。それだけで感謝。でも、そういう要素を抜いたとき、純粋に楽しめるアニメかと言われれば微妙な感じですね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
意外と人が死なないな、と思った。もっと鬱展開になるかと思い、準備してたんだけど、なんでもわりと平和に解決。やや、肩透かし。本作の設定からすると、もっとドロドロな感じでも良かったかもね。渋谷の住人、めちゃ良い人過ぎて(汗)

「リビジョンズ」は、人間なのか。いや、人間とはなんなのか。

大介達は多分、心の根っ子の部分では、リビジョンズを人間とは思ってないよね。それが、自我の無さ故か、単なる、外見だけを見ているのか。

その辺の葛藤を生み出すには、リビジョンズの一般兵達に、もっと(外見上の)個体差をつければ良かったんだろうけど、CGだし、作画カロリーの都合上厳しかったのかな。であれば、動きで個体差(微妙に残る自我)を表現してほしかった。例えば、「子供だけは襲わない個体」や、「サボってうろちょろしてる個体」などがいても面白かった気がする。S.D.S.の面々の銃口が少しブレる。もっとそんなシーンを観たかった(なんか、特撮ヒーローものの、敵の幹部怪人と、前座の戦闘員みたいな感じに見えたw)。

閑話休題。

本作がなんとも中途半端な感じになったのは、1クールという尺の中に、何でもかんでも詰め込んだからだと思う。

世界観は非常に重厚で複雑。はっきり言って、その説明だけに12話をかけても良いレベルだった。

にも関わらず、本作が最も時間かけて表現したのは、「大介の成長」。

色々話題になった、「好感度が抜群に低い主人公、堂嶋大介」だが、個人的にはそんなに嫌いじゃなかった。そもそも、アムロ・レイにしろ、碇シンジにしろ、私が好きなロボアニメの主人公は、結構ロクデナシが多い(笑)

まあ、そんな「アニメ史に残る英雄」と比べると、随分ちっぽけな存在だが、ここまで厨2病をこじらせ、英雄願望、承認欲求の強い主人公は初めてで、なかなか興味深い存在であった。むしろ、終盤に成長を見せ、大介が「まとも」になった時は、一抹の寂しさを覚えたくらいだ。(ジャイアンが湖に落ちて、綺麗なジャイアンになった時、「それはもうジャイアンじゃないよ」という気持ちになったのに似ているw)

閑話休題。

堂嶋大介は、「興味深い存在」であった(良い人とか好きとは言わない)。だから、彼の成長をじっくり描きたい気持ちは、よく分かるし、それが失敗とも思えない。

なんだけど、「だったら作品世界をここまで複雑にする必要はない」し、「むしろ邪魔」になった感がある。例えば、リビジョンズが、正体不明の人類の敵的な感じで現代に現れたとしても、十分に大介はダメ人間として活躍、成長できただろう。

色々複雑にした結果、「アーヴの実体はよく分からず」「(本来一人一人が個性をもつ)渋谷の住人達も、渋谷の住人というひとくくりにされ」「マリマリやルウは思ったよりも活躍せず」と、色々中途半端に。リビジョンズにしても、「組織」「種族」というくくりよりも、ニコラス・サトウという個人がフォーカスされた。

私も、道場で子供達に剣道を教えていますが、大事なこと、教えるべきことを全部教えれば、強くなるとも限らず、むしろ、ポイントをしぼって(あとは教えるのを我慢して)教えた方が、相手は聞いてくれる。それに近いかな。

予算や放送日程が決まっているなら、思いきって削る勇気、をもってほしかった。個人的には、大介の成長とかより、この世界のことを、深く知りたかったし、渋谷の人達の、利己的な様子や人間の闇を観たかったですかね。
{/netabare}


【1話ごとの感想】
1話目「渋谷転送」☆3
{netabare}
ロボですね。作画は良いし、テンポも良い。先生が閉め出すところとか、なんかリアルで良かった。なぜ、過去人を戦力に頼るのかが謎かな。

《今後の展望》
とりあえず、5話くらいまでは、現状の説明と戦いが続くんでしょうね。7話か8話目くらいで、過去人を戦力に頼る理由、主にリスクが明かされるのかな? あと、敵が人間を生きたまま捕獲したから、宇宙人かなんかなのかな?
{/netabare}

2話目「勇者願望」☆3
{netabare}
大人達の対応は、違和感なく受け入れられる。ちょっと変わったタイプの主人公だけど、1話目の流れがあるから納得できる。

《今後の展望》
主要キャラ五人に対して、パペットは3機。一人か二人(多分、慶作あたり)が死ぬのかな?
{/netabare}

3話目「守護者たち」☆3
{netabare}
なるほど、ミロは5回、同じ時間に跳んで、5人それぞれに「必要なこと」を吹き込んだと。大人達の汚さ、大介の成長、両陣営の思惑、見所は多そうだな。

《今後の展望》
「アーヴ」は(金持ち連中が)例えば深海や宇宙など隔離空間に移動し、生存し(ウイルスが落ち着いた後に帰還した)た人類、「リヴィジョンズ」は、ウイルスに対する抗体を注入(あるいは遺伝子操作など)し、体を改造した人類なのかな。それぞれにそれぞれの「人類救済計画」があって。5人の中で(ガイとか)誰かがリビジョンズ側に行ったりするのかな。
{/netabare}

4話目「第一次帰還計画」☆3
{netabare}
リヴィジョンズは、やはり人間になりたい。もっと両陣営の引っ張りあいをすると思ったけど、わりとあっさり。大介のうすら笑いよ(苦笑)

《今後の展望》
これ多分、ミロも一緒に、アーヴに裏切られる?
{/netabare}

5話目「未来の姿」☆3
{netabare}
電気の復活は、大きいよな、インフラ的に。ヒーロー扱い。絶対、悪役扱いされるよな、そのうち。シビリアンも人間。だろうな。

《今後の展望》
ガイの命令を無視した大介のせいで、誰かが死んで、ガイが離脱するのかな? もしくは、大介が離脱するか。
{/netabare}

6話目「だって、人だから…」☆3
{netabare}
大介が、メンタル抉られてたな。それも、的確に(笑) それでもまだ、気づかない大介。

《今後の展望》
叔父さん、なんらかの取引をしてきたのかな? 謎の敵はなんだろう?
{/netabare}

7話目「真夜中の狂詩曲」☆3
{netabare}
全員戦っている。大介、マジでガキだが、なんか、日本社会に閉じ込められているからって感じもする。パペット、再構成、早いな~。これなら、量産も楽勝じゃね?

《今後の展望》
これ、人工量子脳破壊したら渋谷が戻るなら、救出組は取り残されるんじゃ?
{/netabare}

8話目「オペレーション・ネフィリム」☆4
{netabare}
あの死に様は、トラウマになるよな。ここで、親玉交代? やっぱり、ケンサクは死ぬよな。無条件で良い奴の運命、、、。

《今後の展望》
次は、双子のどちらか(多分ルウ)が死ぬ流れ? もしくは、(明確に死に様が描かれてないから)ケンサクがリヴィジョンズに改造されて、敵として登場かな? その場合は、マリマリが死にそう、、、。
{/netabare}

9話目「消失の運命」☆3
{netabare}
大介が「自分が死ぬかも」「自分が達成できないかも」と考える思考は、キャラを徹底しているな。あのタックルは、一か八かだな。ここで黒岩の死。ある意味で、親離れ、自立。黒岩、良い奴過ぎるだろ。

《今後の展望》
大介がまともになった(大介の成長ほぼ完了という)ことで、いよいよ「世界のナゾ」に迫っていく展開かな。
{/netabare}

10話目「みんなの街」☆3
{netabare}
子供達の自立、を見せたいのですね。リビジョンズが、攻撃までの猶予を設けたのはなぜだろう? 普通に奇襲の方が良さそうなもんだけど。ケンサクの再登場は予想してたけど、ミロに暗殺命令か。

《今後の展望》
ミロはまあ、暗殺はしないでしょうね。んで、命令違反により、組織を脱退。渋谷側につくと。やはり、最後は皆で現代に帰還して、新薬の開発ですかね。
{/netabare}

11話目「最後の希望」☆3
{netabare}
ダイスケ、ようやく格好良くなってきたけど、なんか、寂しいな(笑)

《今後の展望》
ラストはやはり、現実世界に戻り、未来を改善するために、各自が奮闘かな。
{/netabare}

12話目「revert」☆3
{netabare}
つまり、最後にダイスケが戻れたのは、マリマリ達に観測された(認められた)ということか。

《今後の展望》
2期やるの? 劇場版かな?
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

89.5 10 2019年度の高校生アニメランキング10位
彼方のアストラ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (975)
3817人が棚に入れました
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?

声優・キャラクター
細谷佳正、水瀬いのり、武内駿輔、黒沢ともよ、木野日菜、松田利冴、内山昂輝、早見沙織、島﨑信長
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

私たちは変わることができる、そして人生は続く

アニメーション制作:Lerche
監督:安藤正臣、シリーズ構成:海法紀光
キャラクターデザイン・メイン総作画監督:黒澤桂子、
音楽:横山克、信澤宣明、原作:篠原健太

子供たちだけで惑星キャンプが行われる時代。
ケアード・ハイスクールのB5班は、
無人の惑星で5日間過ごす野外学習に出かけた。
9人の少年少女たちは、惑星マクパで降ろされ、
楽しい日々を過ごすはずだった。
しかし、彼らの前に謎の球体が現れ、事態は急変する。

集英社のウェブコミック配信サイト『ジャンプ+』で
連載された作品。口コミなどで評判が広がり、
『マンガ大賞2019』の大賞を受賞した。
宇宙という舞台、子供たちだけの冒険、
陰謀がうごめく背景、9人全員が抱える事情、
惑星でのサバイバルなど、様々な要素のある
エンターテインメント作品となっている。

原作漫画は完結しているため、
1クール12話、しかも1話と12話を
1時間ずつを使う特別編にすることで、
5巻分を余すところなくアニメ化している。
{netabare}無料開放の漫画を少し読んでみると、
原作に忠実に作られているだけでなく、
宇宙空間に飛ばされたアリエスを
カナタが助けるシーンでは、全員が手をつないで
ふたりを救助するという改変も行っている。
(漫画では、このシーンは残されたワイヤーに
戻り、それを辿って帰還している。
1度ワイヤーを巻き取って、再度、別の誰かが
助けに行けばいいなどの意見もあるだろうが、
ここは全員で手をつなぐという行為に意味があったわけで、
良改変だったと個人的には思う){/netabare}

SFの部分では突っ込みどころが多く、
アニメが終了した後にSNSなどで大論争が巻き起こり、
作者が降臨する事態にまで陥った。
ある意味、SF要素のある人気作の宿命だ。
ただ、この作品はSFを見せようとするものでないことは
明らかで、批判する人の気持ちは分かるが、
そこについて深く突っ込み過ぎるのは違和感がある。
この作品において、SFのリアリティは枝葉の部分に過ぎない。

では、どこを重視しているかというと、
9人の子供たちが抱えている問題と、
その悩みを解消するために、仲間が相手のことを
思いやり、本当に大切なものを得ることについてだ。
9人の子供たちは、それぞれ幼少期から、
大きな喪失感を抱えながら生きてきた。
旅を続けるなかで、一人ひとりが体験してきた背景を
各々が理解しながら、解決していく構成になっている。
9人もいるキャラクター全員の過去について、
しっかり語っているため、彼らが失い続けてきたものに
思いを巡らせることができる。
だから、そこから彼らが何かを獲得する様子に
カタルシスを感じられるのだ。
それがこの作品の最大の見どころだろう。

舞台装置としては、孤島の閉鎖空間での
ミステリーと同様の形を取りながら、
それだけに止まらない群像劇として、
最初から最後までしっかりとまとめられている。
{netabare}特に11話『CONFESSION』での回想から
カナタの怒りにつながる流れは素晴らしい。
カナタ役・細谷佳正の演技は、抜群の説得力がある。
反重力シューズを履いてきて、
ワームホールを飛び越すという展開からの
決着の付け方も完璧だった。
この回は、夏クールの私が観た全話のなかでも
出色の出来だったと思う。{/netabare}

9人の少年少女たちは、数ヵ月の旅の間に、
自分の支えになる原点を獲得することができた。
アストラ号で過ごした日々は、
何事にも代えがたい時間として
今後の人生の支えになるに違いない。

引きこもりや親子断絶などが、
もはや当たり前になった現代において、
子供たちの心に響く物語に思える。
ここではないどこかに行けば変われるかもしれない。
行動すれば誰かとの出会いによって、
人生が動くかもしれない。
親から愛されない境遇にあったとしても、
生きていていいのだ。

そして、人は絶対に変わることができる。
(2019年10月19日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 93
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

判別可能なキャラ達と金太郎飴的な惑星群

原作未読

漫画の評判がいいから、が視聴動機。
全12話ただし初回と最終回が1時間枠だったので実質14話分のボリュームです。
序盤はもの珍しい細谷佳正さんのハイテンション演技を堪能することから。SF興味なくともこの一点で “ 買い ” かもしれません。2~3話経過してからはBパートの引きが良く毎話楽しみながらの完走です。

ざっとあらすじ:子供たちだけでどっかの惑星で5日間自活してこよう!スケール大きめの林間学校に意気揚々と出発したらトラブルに巻き込まれて帰ってこられなくなりました的なやつです。

キャストは多め。性格ははっきりとキャラ毎に別れており、キャラ回というよりキャラパートを設けてあまり尺を使わずにさらっと紹介。それでいて不思議と名前は覚えていられました。
{netabare}みんな多かれ少なかれ境遇は一緒だよ、との本作の特徴を活かしこのへんばっさり切りましたね。英断だと思います。{/netabare}


カナタ・ホシジマ(CV細谷佳正):リーダー 十種競技選手 アツい!
アリエス・スプリング(CV水瀬いのり):天然ドジっ子に見えて意外と有能
ザック・ウォーカー(CV武内駿輔):頭脳明晰鉄面皮 キトリーと幼馴染
キトリー・ラファエリ(CV黒沢ともよ):医者の娘 フニシアの姉 基本ガヤ
フニシア・ラファエリ(CV木野日菜):最年少 キトリーの妹 パペットマペット
ルカ・エスポジト(CV松田利冴):政治家の子 僕っ子亜種「オイラっ子」
シャルス・ラクロワ(CV島﨑信長):貴族出身 なんというかムツゴロウさん
ユンファ・ルー(CV(早見沙織):国民的歌手の娘 超内向的隠れ美人
ウルガー・ツヴァイク(CV内山昂輝):教頭の息子 本人はアウトロー志向

ポリーナ・リヴィンスカヤ(CV生天目仁美):ゲスト ポリ姉


途中経過時点ではおおむね今期多かった中間層上位 ( 自分比 ) の作品という見立て。完走は苦にならずそこそこ面白いが一皮むけてないといった「惜しい!」作品の一つ。
ただしそれは物語の全容が明らかになってくるまででした。起承転結の転から加速しきっちりまとめてゴールイン!一気に観るのがいいと思います。

引っ掛かったところ先に述べとくと、全12話のけっこうな部分を占める各惑星描写についてもっとエンタメに振り切って欲しかったな~ということですかね。


※各惑星の簡易説明

{netabare}惑星マクパ:当初目的地
惑星ヴィラヴァース:最初に訪れた惑星。肉食恐竜みたいなのとにょっきーん植物が脅威
惑星シャムーア:脅威のない草食動物。毒胞子まき散らすポールツリーが脅威
惑星アリスペード:リゾート惑星。地震と津波が脅威
惑星イクリス:自転してない過酷な環境。超獰猛な可動性植物が脅威
惑星ガレム:最後の惑星。わりと平和

一覧すると、植物らしきものが脅威だよというパターンが被りヴァリエーションに乏しい。{/netabare}

いきなり遠くの宇宙空間に放り出され、かくかくしかじかで食糧の備蓄量を見据えながら惑星を中継して帰還するという一大作戦決行中の若者たちです。

 未知の惑星にどんなものを持ってくるか?

これがいってみれば想定の範囲内。観てるこちら側の斜め上をいくようなタイプの惑星が登場してたら、

 本当に生還できるのか?

SFサバイブもののドキドキワクワク感はさらに増したことでしょう。
{netabare}そしてサバイバルパートが際立てば際立つほど第9話「全容見えてきました!」回との目線ずらしが奏功してたと思います。サバイバルと見せかけてサスペンスでしたの落差で評価は爆上がりしてたことでしょう。{/netabare}


この引っ掛かり以外は気にならず、中盤までゆるやかに右肩上がりで面白くなっていくストーリーだったと思います。サバイバルという題材と+αの謎{netabare}(「裏切者は誰だ?」){/netabare}を早々に提示してくれたおかげで、なにがなんだかよくわからないまま後半に種明かしみたいな不親切設計でもありませんでした。
起承転結の構成も手堅く、転からの終盤はオチも含めて意外性と納得感のある内容。このへん詳細は本編で!

ジャンプ連載だったわりには、下手に引っ張らず撒いた伏線を回収して短くスッキリと終わらせた構成にも好感を持ちました。良作です。



■物語の構成について ※ネタバレ

{netabare}出来過ぎなくらいハッピーエンドでしたね。それが嫌らしいと感じませんでした。
物語は以下の順で明らかになっていきます。

1.アストラ号メンバーの共通項
2.刺客はこやつ
3.この世界の秘密

序盤から2.は提示されていて視聴者の興味を引っ張る材料になってました。そして2.が明らかになれば当然「どうして?」がでてくるわけで、その説明が1.と思ったわけです。
これで1クールでも充分だったと思いますがおかわりがありました。3.です。期待値の一段上をいってました。{/netabare}


■優しい人たち

これは雑感です。人間の善意を信じようという作者の意図が根底にあったのだと思います。
{netabare}・ユンファのライブ会場に押し入ろうとしたキトリーと警備員とでひと悶着。直後、隣にいたアリエスのとある報告に控えめに拍手を送る警備員さん。さっきまでもめてたのにw
・アリエスの母ちゃんに連絡を取ろうとした時に、だれも疑わなかった。普段ならご都合とか平和ボケみたいに感じたろうにこの時はクルーの絆みたいなのをより強く感じました。不思議なもんだねぇ
・ピンポイントでしか覚えてなさそうなカナタが本を執筆できるわけなかろうもん。きっと隣にいた超絶記憶力の持ち主がサポートしながら書き上げたんだろうね、と妄想。{/netabare}




■(余談)カナタのアストラ

冒頭に戻るわけですがハイテンション細谷佳正さんが個人的にはイチオシです。
アツい!とにかく勢いがあるキャラでした。そして、彼は脳筋一歩手前の絶妙なバランスで好感度を保っていると思しき立ち居振る舞いをします。行動に根拠がある。よって知性も感じる。

モデルは武井壮?と思った人他にいないかしら。

なかやまきんに君でも春日でもないんだよなぁ 
武井壮なんだよなぁ



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.09.20 初稿
2020.04.07 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 78

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ボッスン(スケット・ダンス)の宇宙物語

原作既読でした。
なので物語もわかっていましたが知ってても楽しめる作品でした。
でも、内容を知らない方が格段に楽しめますので、是非ネタバレ情報なしで楽しんでください。この作品、一気見タイプです。

設定は未来の高校生8人と10歳1人の計9人で惑星に行ってキャンプをするようです。
主人公はカナタ・ホシジマ。
運動能力とサバイバル能力に長けています。
どうやら他の高校生達も能力に特徴があるようです。。。


原作者はジャンプでスケットダンスを連載していた篠原先生
本作品もスケットダンスのギャグセンスそのままです。
篠原先生は東日本大震災直後に応援メッセージを作成して被災者に元気を与えたことを記憶しております。
ボッスン、カナタ達が人助けをするのは篠原先生自身の当たり前の気持ちなのでしょうね。

元気を与えてくれる作品。おすすめです。

原作は全5巻と読み易い作品なのでアニメ視聴後に楽しんでください。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 72

85.7 11 2019年度の高校生アニメランキング11位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (756)
3294人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

はーすげー!へーすげー!の連続

原作未読


JUMP案件全24話。
謎の石化ビームで人類が活動を止め3,700年。いにしえの時を越えて石化が解けた一握りの人類が科学の途絶えた地球でその科学の知識を駆使して失地を回復していく物語。
主人公はどんだけ幅広く深く網羅してんのよ!なスーパー理系高校生の石神千空(CV小林裕介)。見た目は下仁田ネギを擬人化してオーケンのメイクをしたような感じ。ジャンプっぽいデザインです。そして同級生の高校生ら数名。

『戦国自衛隊』だと現代兵器を信長時代に持ち込んで大暴れとなりますがこちらは持ち込み不可。3,700年ほったらかしだとさすがに文明は絶えて石器時代以前の原始時代かのよう。
同期の『本好きの下剋上』のように現代の頭脳を持ったまま後進文明に乗り込んで「無ければ作ればいい」を試行錯誤するのに似てます。『JIN』も同系統でしょう。そしてさらに文明がないところからスタートするのが本作なわけですからこのテのものでは最難関ハードル。ちょっとワクワクします。

それと自分幼稚園の時でしょうか。世界名作劇場『ふしぎな島のフローネ』から漂ってきた匂いと同じものを感じます。OPもEDも覚えてます。木の上の家は憧れでした。
つまりあぁそういうことか。原体験からくる刷り込みがどうやら自分にはあるようです。
イキリ主人公が教育上どうかとは思われど、少年少女が“科学の面白さ”に触れる良い機会になるやも。


 {netabare}オイラ文系でラッキー?{/netabare}


化学ならびに物理の理系科目に不案内なため、アニメで描かれている試行錯誤の産物が乾いたスポンジに水が浸み込むようにすーっと入ってきます。

{netabare}パクチーとライムなんかでコーラ作れんの?マジでスゲー!{/netabare}

信じるかどうかは俺次第 キリッ なんす。

そして前半のOP「Good Morning World!」がすこぶる良い。なにが良いかって作品にばちっとハマる感覚。久しぶりです。ピストルさんっぽい声質もしっくりくる良曲です。


障害ももちろんありますよ。
文明を起こそうという主人公らを妨害するのは野生の肉食動物や自然の猛威だけかと思いきやそう簡単ではありません。
アンチ文明の敵対する勢力もわりと序盤から登場し、主人公らの前に立ちはだかります。まあバトル要素ですね。


 科学の試行錯誤+バトル要素


このバランスが崩れず2クール完走でした。原作が続いているので続編期待な感じでの終幕。
大袈裟でしょうが“人類の叡智”の触りを感じるのにちょうどよい良作です。ごちそうさまでした。



※オマケ

■“霊長類最強の男”獅子王司ってどうよ?

あらためてこうして見るとすごい名前ですね。さてこの方について
好きですか?嫌いですか?どんなキャラだと思いますか?
私はちょっと受けつけないですね。作者の術中にはまってるのかもしれません。

1.{netabare}動くゴールポスト

敵視する対象が最初は“我欲にまみれた汚い大人”。ピュアな若い連中のみ石化解除しようともちかけ、それを千空に拒否されることで対立の芽が生じました。描かれてませんが、「お前らが年くったらどうすんだ?」と疑問符が浮かびます。
それがいつの間にか“科学を信奉し文明を起こそうとする者”へと。考えが深化したとみるよりゴールポスト動いてんじゃんとみてます。でさっそく作中でツッコミが入りました。途中出会った集落の科学?青年クロムについて千空が言及「俺を殺しても次が出てくる」と。まさにその通りなんですよ。
そのため獅子王司の目指す未来は破綻が約束されてるようなもんです。{/netabare}

2.{netabare}ポル・ポトと変わらん

毛沢東と迷うところですがこっちかな。最初は知識階級だけだったのが順次粛清対象が拡大して…
力で押さえつけるしか方法がないので、この世界で肉体での戦闘力に秀でた司が首領ポジションにいるのがしっくりきます。原作未読の戯言ですが、司陣営でそのうち粛清が始まることでしょう。{/netabare}



■スイカ役の高橋花林さん

超個人的なつぶやきです。
この方1年前の迷作『ソラとウミのアイダ』で主役張られてた方です。すでに多くの方の記憶から消え去っているかもしれない作品ですね。
新人でおそらく初めてゲットした主役級の配役があれでと。そのことをもって高橋さんの今後を案じる旨をレビューで書く、という余計なお世話極まりないことをした記憶があります。
こうして、再会できたのはなによりです。ぜひ頑張ってください。



視聴時期:2019年7月~2019年12月 リアタイ  

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2020.02.07 初稿
2020.07.19 修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悲しき熱帯

トムス・エンタテインメント制作。

地球上の全人類が石化する怪現象が発生。
生き残った少年少女は科学を頼りに、
再び、原始生活から歴史を歩み始める。

語り口が一風変わったサバイバル冒険譚で、
舞台の西暦を聞き、楽しいかもと確信した。

主人公は科学を信奉する合理主義者で、
偶然であれ必ずそこに合理的な理由があると、
数々のトライ&エラーを繰り返しては、
仲間とともに町を発展させていく。

太古から始める生活も、
{netabare}石の時代、火の時代、動力の時代と、
小さな一歩ではあるが、
確実に文明の灯を社会は宿し始めていく。{/netabare}

敵側の集団には少年ジャンプらしい、
主題を持つキャラを配置されていますが、
私はむしろ敵は居なくても良かった。
探索・発見・発明、仲間との友情、
やがて未曽有の危機に瀕した地球の秘密を知る。
そんな物語であってもいいなと思います。

本来、科学とは心まで豊かにするものだ。
人類は心まで実りある社会を取り戻せるのか。
私たちの武器は想像力と好奇心である。

続編が楽しみなアニメですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悠大で悠久な物語

<2019/12/22 追記>
全24話見終えました。

面白かったー!

科学の蘊蓄だけでなく、
文明がほぼ原始の世界というだけでなく、
現代に在る科学の凄みだけでなく、
逆転の発想で「今は過去からつながっていて、そして未来に続いていく」ことまでも実感できてしまう。

『悠大で悠久の物語』

ハリウッドが狙ってきそう 笑。

ここは無理があるんじゃないの?という部分ももちろんありますが、そこは架空のお話。
気にしないで見れたモン勝ちです。

二期があるとのことで今から楽しみです。

<2019/7/11 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作未読。
あにこれのあらすじ紹介だけで期待値上げてた作品ですが・・・面白いやんけ( ・∇・)

ざっくり言うとタイトルの通り
「ララーシュタインのような髪型した少年が科学でファンタジーに挑む」
と言う感じかな。

ララーシュタインってなに?と言う方は是非、画像検索してみてください。
ついでに言うとこのララーシュタインさんが登場する作品。
OP曲はグラムロックの名曲ですよ。

閑話休題

さて本作、ちょっと変わってる印象です。

普通、物語の分類で
ファンタジーと言えば「科学的裏付けの全くない空想」作品で。
SF(Science Fiction)と言えば「科学的裏付けがあったり、あるように思わせる空想」、 つまり科学と空想が入り混じった作品なのですが。

ところが本作はどちらとも言い切れない。
強いて言えば
「Science(科学) &(そして) Fantasy(空想)」
で「SF」かな

科学的裏付けが全く感じられない現象に対して
めちゃくちゃ地味な科学的考証の積み重ねで立ち向かう。
ScienceとFantasyの二つが融合せず、お行儀よく隣り合ってる印象です。

地味なウンチクも多い。
そう言うの好きな人にはぴたっとハマると思います。

例えば理系のアニオタの私とか( ・∇・)♪

自分は今期、「ヴィンランド・サガ」「炎炎ノ消防隊」「コップクラフト」と並んで注目しております。

<2019/7/15 追記>
2話目観ました。

炭酸カルシウムの4番目の使い道が意味ありげで気になるー笑。

そして新キャラ登場。
獅子王さん。
濃いですねぇ。
{netabare} 空飛んでる鳥を木の上から飛びかかって捕まえちゃったよ、この人 笑。
チート武力{/netabare} 担当だそうです。

さあこれで3人。
人間、3人集まると派閥が生まれるというような言葉がありますが、もしかしたらこれからはそんな展開なんでしょうか。

獅子王さんの発想は昨今の{netabare} 世代間の断絶{/netabare} のようなものを表してて面白いです。

でも、それを是としたら{netabare} ジャンプのような商業誌には載せられなくなってしまいます。
というわけで主役のララーシュタイン、もとい千空さんはかっこよく反発して、{/netabare} 引きへ・・・

でもですよ。
ちょっと思うんです。
もし{netabare} 獅子王さんの考え方に千空さんが同調して物語が進んだら・・・
結局、若い世代同士が新しい利権を奪い合って理想郷なんてできないってことがわかってEND{/netabare} とかSFっぽくてそれもありかなーなんて 笑。


ところで全く話は変わりますが。
他の方のレビュー拝見してて{netabare} 「石化してるのが表面だけならなんで中身の生物は何千年も生きてるの?」{/netabare} というような疑問を複数見かけました。

そこはファンタジー部分だから、と私は飲み込んでおります。
それ言い出したら、{netabare} 石化したら息できなくて数分で死ぬじゃん、という話だし。
仮に呼吸できたとしても水も食料もなければ一週間ももたないし。{/netabare}
そこら辺はファンタジーなんじゃないですかね。

<2019/9/3 追記>
9話まで観ました。

アニメでも映画でもドラマでもなんでもそうですが。

登場人物に対して「なんでそこ気がつかないの?」とツッコんでる自分いませんか?
それは俯瞰して見てる視聴者だからこそのツッコみな訳で。
物語を進める上での重要な部分ほど気がついてくれない。
それが物語の面白み。

ところが、たまにそういうのが極端に少ない作品もあります。
デスノートとかそうですよね。
登場人物が賢いので先の先、裏の裏まで読む。
ところがそれでも裏かかれちゃう。
で、そこが面白かったりする。

本作もデスノと同じ匂いがします。
千空さんはもとより、獅子王さんもかなり思慮深く用心深い。
お互いに裏の裏の裏を掻きあってもう痒いところもないくらい。

もしかしたらデスノの系譜と言える作品なのかもしれないですね。

デスノのようなイケメンいないので女性人気は覚束ない感じですが、理系男の私はハマってます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

84.0 12 2019年度の高校生アニメランキング12位
天気の子(アニメ映画)

2019年7月19日
★★★★☆ 3.9 (704)
3038人が棚に入れました
「あの光の中に、行ってみたかった」高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。「ねぇ、今から晴れるよ」少しずつ雨が止み、美しく光り出す街並み。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――

声優・キャラクター
醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子、小栗旬
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

空の青み

新海誠監督作品。

雨の降りしきる東京のとある病室から、
憂鬱に外を眺める少女。
不意に射し込んだ光に誘われ、
少女は不思議な力を手に入れる。
同じ頃、家族と離れ東京に降り立つ少年がいた。

日常への機敏な眼差しは健在で、
映像は満点でしょう。劇伴も素晴らしい。
置き時計、蛇口、錆びた三輪車、雨粒、
きっと配置にまで意味があるに違いない。
…と、思わせる描写の力に感嘆です。
鳥居は現世と幽界を繋ぐ門なのでしょう。

母なる海の物語を壮大に描く「海獣の子供」、
広大で青く美しい透明な空を描く「天気の子」、
重力が躍るその上下運動の美しさに圧倒される。

セカイ系2.0と呼ぼう。
新時代の映像作家として自らを更新していく。
私なりに主題を簡潔に伝えればこうだ。
{netabare}希望的観測に従えば「個の回復」であり、
そして「個々人が繋がる強さ」でしょう。
例え不調和な世界でもいい、君と寄り添う。
歪んだ世界を歪んだまま共に歩こうと。{/netabare}

物語は結末に向け悲劇性は増していく。
ここに於いて、監督たる所以である、
{netabare}強烈なナルシシズムと世界が衝突を始める。
端的にこの衝突には参った。{/netabare}
物語の力は率直に後退だと感じるが、
しかしこれこそ監督らしい感性なのだろう。

なんて不思議な作品なのでしょう、
フィクションが歪んだまま愛を知るなんて。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 72
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人の命は何事にも代えられない尊いものであると言い切った映画

この映画を一言で言い表すのは、とても難しいです。
しいていうならば、人の命は何事にも代えられない尊いものであると言いきった映画だと感じました。
ここまで言い切る新海監督は凄いです。尊敬しました。

物語は、
あるきっかけで、雨天を晴れに変える能力を身につけた少女、陽菜(ひな)。
離島から飛び出し、都会へとやって来た少年、帆高(ほだか)。
この二人が、都会で雨の日に出会います。
そして、帆高と陽菜は、雨天を晴天に変えるための仕事を始めます。

世の中には晴天を望む人が沢山いることを、二人は知ります。
そして、晴天を望む理由も、人それぞれで違うことを知ります。
その理由は、それぞれの依頼人にとって、とても大切なことなのです。
だから、空が晴れ渡ると、依頼人の顔が皆、笑顔になる。
二人は、依頼人の笑顔を見るのが好きでした。

仕事は一見、順調に進みますが、無理をして天気を変えると、それなりの『みかえり』があります。
そのみかえりとは・・・


作画はこの上なく美しい。
但し雨のシーンが多いので、美しさを感じる場面が少ないですが、だからこそ、晴れたときの青空は格別に綺麗に見えます。
音楽も大変すばらしい。
そして、帆高が陽菜をとても大切にしているのがわかるので、思わず応援したくなります。

ぜひ、映画館で鑑賞してください。良い思い出となります。

{netabare}
ところで、
陽菜(ひな)は、子供なのに、弟と二人で暮らしています。
都会で、子供だけで生きるのは、とてもつらいことです。
帆高も、都会で暮らし始めて、子供が一人で生きることの厳しさを知りました。

皆さんは、毎日三食を食べていると思います。
でも、子供が都会で一人で生活をすると、仕事にありつけず、食事もまともに食べられません。

おそらく、皆さんの中には、将来都会で暮らすことを計画されている人がいると思います。
都会は、お金を持っている人であれば、快適な生活が送れます。
但し、都会でお金を稼ぐためには、とても厳しい現実があることも、覚えておいてください。
そして、安易にお金を稼げる悪の道に入ることが無いように、切に願います。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 69
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

作品<商品の視点はそれなりに重要

オリジナルアニメ劇場版 114分


興収250億円。日本歴代4位の記録を打ち立てた『君の名は。』から3年。新海誠監督2019年の新作。
良くも悪くも『君の名は。』以前と以後で語られてしまうのはしかたないでしょう。
立ち位置もこの大作を起点にして、

 1.変わらず好き
 2.以前よりもっと好き
 3.昔のほうが良かった
 4.これを機に新海誠を知った
 5.一貫してネガティブ評価

ニワカな私は4.です。『君の名は。』で知って、『秒速…』や『言の葉…』に流れていった人。
余計なお世話は承知の上で放言しますけど、3.のスタンスの方、ヲタ村から一歩出た実社会では注意が必要です。メガヒット作品だと普段アニメを観ない一般国民の関心が低くありません。しかも好意的に作品を捉えたケースが当然ながら多い。それを事情を聞かずぶった切ってる方の多いこと多いこと。私はドトールで実際に遭遇しました。本人の狙いはともかく地下アイドル好きのキモオタ扱いされ撃沈するのが関の山です。5.も似たようなもんですが「一貫してるのね」と傷は少ない。
『けもフレ』の前と後がどうだ!とか、○○(制作会社)の新作があーだこーだとかは一般人にはどうでもいいことなんで彼らも他人事として聞いてられるのですがこのテの作品はその一般人のテリトリーに入ってることを十分意識しておきましょう。

声優を例にすると分かりやすいかもしれません。先日、民放ゴールデンタイムでの『聾の形』放送に際し、知り合いの非ヲタ一般人に出演声優を説明するにあたってはこうでした。

 主役→『千と千尋』のアシタカ役
 永束→ハリーポッターの中の人
 妹→『君の名は。』のさやちん役

彼らがイメージ湧くのはここまで。ヒロイン役の早見さんは残念ながら「誰?知らん」です。興行収入の多さと一般認知度は比例します。ハリポタは違いますが基本的にはディズニーかジブリ強し!という勢力図の中に割って入ってきた新海さんは凄いと思いますよ。

一般人と共有できるアニメ作品は貴重であると思うので、いつも以上に盛大に脱線しました。
作品単品での評価も気になりますが、マーケティング視点も少しばかり導入しつつ興収含めた一般社会での受け入れられ方も気になるそんな作品という前提で以下。

メガヒットの次に何をもってくるか?

『CROSS ROAD』でミリオン達成。シーンに認知されたMr.Childrenは次に年間チャート1位となる『innocent world』、その次にバンド史上最も売れた『Tomorrow never knows』をリリースしました。答えは簡単。名曲を出し続ければ良いという結論です。もちろんおいそれと真似は出来ません。
次にやらかしがちなパターン、特にここ最近顕著なのがヒットしたものをそのままなぞらえた模倣品を作ること。短期間に消費されること前提であり飽きられるのも早いのでクリエイターには不評。こればかりは会社だったりプロデュース側の方針に依ります。
というわけで最後。目先を変えてくパターン。すなわち王道な売り方。成功事例だとX JAPANが分かりやすい。『紅』でシーンに躍り出てからの次回作が『Endless rain』。前曲の激しい曲から一転してピアノのイントロが美しいバラードです。振り幅で勝負!人気を定着させました。
なお現在の音楽シーンはメディアミックスが複雑すぎて音楽単体評価が難しく該当事例ナシです。


そしてやっとこ作品そのものについての言及になるわけですが、
本作はだいぶ模倣品リリースに傾いてたと思われます。パッと見た感じは「模倣品」。中身は「異物」なんですけどおおむねパッと見た感じで判断しますもんね。別に「俺たちの新海戻っておいで」でもいいのですがせっかくドがつくほどのメジャーに踊り出たんでしばらくは居座っていて欲しいです。、
私は『秒速…』以降しか知りませんが、少なくとも全てボーイミーツガールです。お家芸となってる過去作品のキャラ登壇は本作に限らず伝統芸能といって差し支えないでしょう。実写より美しいともされる作画やモノローグを多用する心情描写は作家の色なので模倣品とまで言うのは酷ですが既視感あることは致し方なし。RADWIMPSの再起用はやり過ぎな感もあり。といったところでしょうか。

『ナウシカ』『ラビュタ』と連発。『未来少年コナン』以降の監督の得意分野である冒険活劇あるいはファンタジーを2本続けてから第3弾では2本立てにトライ。『火垂るの墓』で原作有り&別監督と目先を変えてきたジブリを無条件に賛美する意図はありませんが、早くチームか会社設立しちゃったほうが良い気がします。需要に対しての供給力が足りてないというか今のままでは監督への負担が大きいのではないかと思われます。
ボーイミーツガールの完成系を目指して試行錯誤しているクリエイター!? 技術的には積み重ねを感じる。例えば『言の葉の庭』で培った雨の表現をトレースしてたり違うものを見せたりと。そんな持ち味を楽しみにしているファンも大勢いるためガラッと変えるのは実際難しいところなんでしょうね。


して映画の肝心の中身は?

良いです。ボーイミーツガールは好物だしこの監督の演出する男女の営みも自分には合います。
特にツボにハマったのが新宿の繁華街の裏通りの雰囲気。終電逃してさあこれからって空気や、朝を迎えた時点での気だるさを感じさせるあの雰囲気がよく出ています。

これが家出少年の目にはどう映ったか?

宿無しの不安とおそらく束縛からの解放がないまぜになった心理状態。そんな者すら受け入れる街。“ここではないどこかへ”来た感がこれでもかと出ております。
ウチの中学生の倅が劇場で鑑賞し「面白かった」と感想を言ってましたが、メインストーリーとは別にこのちょっとした淫靡な空気に吸い寄せられたのかもしれないなぁ、と実際の作品を観て思いました。朝オープンしたてのカフェに昨晩オールした若もんがぐったりしてるでしょう?そういうところです。

そして不穏な街には不穏な物語が良く似合う。
当人たちの問題がそのまま世界の危機に直結する“セカイ系”に分類されそうな物語でした。


 “ボーイミーツガール”

 “怪しい街新宿”

 “セカイの危機”


難点はキャラの行動原理がわかりづらいところ。その点はけっこう狙っていたらしく、例えば主人公穂高の家出理由はわざとぼかしているとのこと。自分はあまり好きではないです。
総じて“良い”と感じてますが、行動原理に納得感がないからか主人公らがやや低年齢だったからかは定かではありませんが、結局キュンキュンしなかったので評価爆上がりには至らずでした。

マーケ視点としては合格。メガヒットの次という超絶難易度をクリアしてます。「あー結局アノ作品だけの監督だったんじゃん?」という声がない。充分でしょう。
これで次回作も一般人巻き込んでみんなで楽しめますね。ぜひデートの誘いに新海映画を!
ボーイミーツガールは不滅です。



※閑話休題

■人身御供

ちょいちょい日本文化のわりとコアな部分を突っついてくる作風は今回も。
本質的には巫女さんの役割のお話なんだと思います。

{netabare}現代版の卑弥呼{/netabare}

僕らの血肉に息づいてる感覚をモチーフにしているので賛否はともかくイメージはしやすい。
{netabare}※自然の怒りを収めるための人身御供という概念のことです。
相方が人身御供となることを良しとするか否とするか?本作での結論は観ての通りでしたがあの結論はアリだと思います。{/netabare}

↓ネタバレ
{netabare}今のこの時代に社会正義を捨ててヒロインを取ったる!とやったのは痛快でした。
公の精神は大切です。ただしポリコレ棒をぶん回しての昨今コロナ禍での自粛警察みたいなのとは似て非なるもの。{/netabare}



■東京

{netabare}「街の風景を自分の手で・・・」
「東京だっていつ消えてしまうかわからないと思うんです」{/netabare}

建設会社希望の某就活生の志望動機をふと思い出しました。
もしやこの伏線回収か!?と思いきやところがどっこい消えずにたくましく東京の人達は生きている。
むしろ「埋め立てる前はもともと海だったしね」のセリフにお台場はもちろん江東区あたりもイメージしてそりゃそうだと膝を打ちました。

{netabare}「東京だっていつ新しいものが生まれてくるかわからないと思うんです」にバージョンアップ{/netabare}

自然災害を無視できない風土。だからこそ生まれた“もののあはれ”なる概念。そんな諦観だけに留まらず対となる進取の気性との両輪でここまで続いてきた国なのにどうやら後者の気概が最近弱まっている模様。もう一度取り戻して前を向いて歩いてく。
なんだかんだそんな前向きさを感じるのはエンタメの良い部分が出てるのかもしれません。



視聴時期:2020年7月

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2020.08.22 初稿
2020.10.25 タイトル修正
2021.05.30 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 64

76.8 13 2019年度の高校生アニメランキング13位
ぼくたちは勉強ができない(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (490)
2319人が棚に入れました
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」を得るために、受験勉強に苦戦する同級生たちの教育係となることに。指導する相手は「文学の森の眠り姫」古橋文乃、「機械仕掛けの親指姫」緒方理珠といった学園きっての天才美少女たち! 完全無欠の学力と思われた彼女たちだが、苦手教科に関してはとことんポンコツだった…!? 個性的な「できない娘」たちに振り回されつつ、成幸は彼女たちの入試合格のために奔走! 勉強も恋も「できない」天才たちのラブコメディ、ここに開幕!!

声優・キャラクター
逢坂良太、白石晴香、富田美憂、鈴代紗弓、Lynn、朝日奈丸佳
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

うるかにしてください

お静かに!って意味合いではもちろんございません。
原作は週間少年ジャンプ連載中。いつもながら未読です。

努力型秀才である貧乏男子高校生が、大学進学に係る費用の一切合切を学校に賄ってもらえる “VIP推薦” をエサに同級生女子に勉強を教えるというお話。
主人公男子は貧乏であるにこしたことはありません。トキワ荘以来の伝統芸能です。
同級生女子は二名。得意科目はほぼ満点だが苦手科目はてんでダメというのと、進路希望・将来の夢の観点だと苦手科目を超絶レベルアップさせないと進学もおぼつかないという点が共通する二人です。

 「お勉強」 + 「ラブコメ」

あらすじや第1話からそんな話かなぁという出だしでしたが、これがまた絶妙につまらなかったです。
少し経って{netabare}(第2話){/netabare}からもう一人、武元うるか(CV鈴代紗弓)が投入されて、元からの二人である古橋文乃(CV白石晴香)、緒方理珠(CV富田美憂)の三名体制となり屋台骨が出来たことで好転していきました。

 「ラッキースケベ」 +「ハーレム」 featuring「お勉強」

早々に路線変更です。真面目に言うようなことでもありませんが、、、路線変更です!


実際にお勉強要素の配分が多いまま、まっとうに学力向上を目指す内容でしたら視聴継続はしんどかったでしょう。リアル志向でもエンタメ志向でもなくガバガバの設定でしたので。
・学校側が生徒の学力向上と進路指導の責任を放棄してる時点でOUT!(これ大事)
・文乃と理珠の出来ないっぷり描写にもいろいろ言いたいことはある
設定もそうなんですがいまさら英語の構文や数学の公式にお付き合いするのもなんだかねぇ。

{netabare}「Don't you kiss someone , NARIYUKI?」(6話)
意訳) あんた成り行きでキスまでしたんとちゃう?成幸だけに(嘘)
   {netabare}しかもあんたの名前を音読みしたら・・・きゃーっ(もっと嘘){/netabare} 

これ文法だとanyoneが正解じゃなかったっけ? うるかが必死こいて覚えた構文を頑張って使ってみたけどちょいミスがあってかわいいじゃん、と普通なら思うところなんですが、ここに至るまでに、「この作者(編集含む)は絶対まともに勉強したことなさそうだな」の説得力ない描写が連発してましたので、素直に受け取れません。なお現場ではanyだろうがsomeだろうが通じるっちゃ通じます。{/netabare}


いざラッキースケベハーレムアニメとの立ち位置が固まってしまえば、お作法に則ってすんなり観ることのできる普通の作品でした。
小学校高学年ないし中学入学したての芽生えの時期にお世話になった(かもしれない)少年誌の『お色気マンガ』の佇まいです。

 {netabare}※注)『お色気マンガ』と『エロマンガ』は違うからね。{/netabare}

ヒロインの裸を見たり接触する程度の描写に留まるのが通例で、また、何かしらのトラブルに巻き込まれてサービスカットを披露する「お約束」のアレです。

肉体関係ありの最近のマガジン案件(あれはあれで良い)と違い、こちらジャンプ案件はきちんとお色気止まりにしているのが良いですね。なんとも懐かしい香りがしていて、その雰囲気を楽しむような感覚。
自分の場合このへんのルーツは連載終盤の『やるっきゃ騎士』(※ナイトと読む)でしょうか。
少年の夢と希望とスケベ心が詰まったこういう品は、健全な少年が親に見つからないようにどきどきしながら観てほしいタイプの作品です。


最終話で3か月後の2期放送が発表されました。
私の視聴優先順位としては低いです。少し懐かしい匂いを堪能したところでややお腹いっぱいかしら。自分にとってはそんな位置付けでした。



■オマケ1
どうせなら健全なお色気ものだったらよかったのに。
{netabare}ブラコン妹が登場して、兄のふとんをくんかくんかしてましたが、アニメ向けアレンジでしょうか?
視覚的なお色気どまりだったほうが健全な気がしていて、フェチまで踏み込むと大人向け指数がアップしちゃいます。なんかもったいない。{/netabare}

■オマケ2
球技大会にクレームw
{netabare}自分が高校生の時だったら、和気あいあいの男女混合なんてありえんと思ったでしょう。
勝ちにいきたいのに遠慮が入っちゃうから。クラス対抗ならなおさら負けるわけにはいかないのです。
当方の高校時代は、クラス対抗の雌雄を決するガチ系イベントだったので男女くっきり別れてました。混合だと体力面で劣る女性がやりづらくはなかろうか。イチャコラなんて別途いくらでもできるし。
このアニメに限らずいつも思うのですが、学園ものの校内イベントって文化系の目線で描かれてることが多いですよね。自分が知りえなかった高校生活を疑似体験できるのをもって良しとすればいいのかもしれません。だがしかし、なんとなく腑に落ちないのです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

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2020.02.06 追記

後半2クールめのほうが好み。


2019.07.02 初稿
2020.02.06 追記
2020.07.24 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

文系/理系/体育会系、ある意味「裏『人生』」!?

しかし、作中でヒロインたちの得意分野はあまり活かされないので「凸凹解決せんせーしょん」という訳には行かないのです…。

第2話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。週刊少年ジャンプに連載の同タイトルの原作マンガは、最新巻が11巻です。

アニメ化範囲でもストーリーが進むと増えるかもしれませんが、とりあえず主な登場人物は下記の5人です。

ちなみにタイトルが『ぼくたちは勉強ができない』なのですが、開始時点ですら全く勉強ができないのはうるかだけです。

唯我成幸(ゆいが なりゆき): 主人公。母子家庭で育ち、経済的な理由から大学へのVIP推薦なる枠での進学を目指すが、その条件として女子生徒3人の「教育係」に任命される。学業的にはどの科目もわりと成績が良いオールラウンダーだが、文系科目/理系科目のいずれも校内1位にはなれない。運動は苦手。

古橋文乃(ふるはし ふみの): ヒロイン枠。国語(現代文・古文・漢文)が得意科目だが、ある思い入れから理系の進学を目指す。しかし、数学を筆頭に理系科目の成績は壊滅的で、成幸に勉強を教わることになる。

緒方理珠(おがた りず): ヒロイン枠。数学と物理が得意科目だが、趣味がきっかけで文系の進学を目指す。しかし、気持ちを読み取ったり小論文を書いたりするのは苦手で、国語を筆頭に文系科目の成績が良くない。やはり成幸に勉強を教わることになる。

武元うるか(たけもと うるか): ヒロイン枠。水泳部で好成績を残すスポーツ少女。志望の大学にはスポーツ推薦で進学できると思っていたため勉強をしてこなかったが、推薦時に英語の試験成績を問われることが急きょ決まり、成幸に勉強を教わることになる。

桐須真冬(きりす まふゆ): ヒロイン枠(?)。世界史を担当する教師。文乃と理珠の初代教育係。才能がある分野に進まないのは無駄なことだという考えがあり、二人にも得意分野に沿った進学を強く勧めるが反発され、教育係を断念する。サブタイトルなどで「前任者」と出てくる場合は桐須先生のことを指す。

成幸が女子3人に勉強を教えることでいわゆる「ハーレム物」の構図になっているのですが、本作のフックとして機能しているのが桐須先生の存在です。

当初は成幸の「ライバル」として配されたと思われる先生ですが、おそらくアニメの中盤くらいから「ヒロイン」として機能しだしてからが本作の「本番」だと思いますので、お楽しみに!

2017.7.1追記:
第13話まで視聴終了。分割2クールということで、2019年10月からの2クール目の放送予定の予告がありました。

終盤でのあしゅみー(小美浪あすみ)先輩の登場で、主な登場キャラクターは出揃った感じですので第2クールでは各ヒロイン達の肉親たちの出場機会などもありつつ、お当番回的な物が回っていく感じになると思います。

原作では真冬センセー、先生とは思えないくらいに活躍してますがアニメではどうなることでしょうか。楽しみです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オーソドックスなラブコメ①

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
そういえば、今週発売の33号で、第2回キャラ人気投票の結果が載ってましたね。
{netabare}第1位 桐須真冬  14,598票
第2位 古橋文乃   3,259票
第3位 竹本うるか  2,980票
第4位 緒方理珠   1,803票
第5位 小美波あすみ 1,488票

真冬先生、ダントツぶっちぎりで2連覇達成でした。
ちなみに、主人公の唯我成幸136票で第9位・・・。{/netabare}

分割2クールの第1期。

ハチャメチャな初期設定さえ受け入れられれば楽しめるラブコメだと思います。
個性豊かな女性陣が、揃って好キャラ揃いですからね。

分割2クールの第2期も楽しみにしています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42

74.4 14 2019年度の高校生アニメランキング14位
可愛ければ変態でも好きになってくれますか?(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (482)
2159人が棚に入れました
彼女いない歴=年齢な普通の高校生、桐生慧輝に宛てられた突然のラブレター。遂に彼女ができると喜んだものの、そこに差出人の名前はなく、しかも何故だか純白のパンツまで添えられていて……???彼をとりまく可愛い女の子たちは誰もが怪しく、そしてちょっぴりワケあり風味!?果たして“パンツを落としたシンデレラ"は誰なのか?謎が謎を呼び、変態まで呼び寄せてしまう、新感覚変態湧いてくる系ラブコメがはじまる……!!

声優・キャラクター
下野紘、竹達彩奈、日高里菜、野水伊織、本渡楓、大橋彩香、春野杏、河本啓佑

えりりん908 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

なんとなく観てたのが、7話観て「素敵♡」って、なっちゃいました!

最初から、タイトルどおりの展開で、
主人公君に恋する女の子や仲良しの女の子が、
ひとりひとり、それぞれ違う変態性癖持ちっていう、
一言で言っちゃえば、すごく下らないハーレムギャグアニメです。

高校生ぐらいの若さで、
女の子が変態性癖に目覚めてるっていうのが、
そもそも現実離れし過ぎだし、
主人公君もあんまり冴えないし、
作画がなんとなく好みな感じなのと、
下着とか出てくるけど、タイトルほどにはエロ表現もひどくないので、
なんとなく観続けてました。

惰性もあるけど、半分以上は、主人公君に絡んでくる女の子たちの
変態性癖がそれぞれ異なるみたいなんで、
次はどういう人種かな?っていう興味があったからって感じで。

でも、6話~7話は、カラーが一新しちゃいました!

メインは、主人公君の友達の「翔馬君」と、「小春先輩」の二人。

小春先輩、たしかに盗撮しまくってるしストーカーっぽいけど、
翔馬君に恋したいきさつとか、そのあとの一途さとか、
全然、変態じゃない!って思っちゃいました。
むしろ、自らロリコンと名乗り、「年下の女の子しか恋愛対象にできない」なんて公言してる翔馬君のほうが、よっぽど変!

でも、好きって気持ちにちゃんと応えられるから、
翔馬君も、ギリギリ合格ですw

ただの変態少女ギャグアニメだと思って観てたんで、
7話の純愛展開、
グググって来ちゃいました!

こういうエピソードを挟んで来てくれるの、
とっても素敵だと思います!

そして、小春先輩バージョンのスペシャル・エンドロール!

何だか最近、力入れてるゾ!ってときのエンドロールを
スペシャルバージョンで。
っていう作品、すごく目立つ感じがしてます。

以前からこんなだったのを、気付かなかっただけなのかな?

今、パッと思いつくだけでも、
「鬼滅の刃」・「高木さん②」・「女子無駄」、
他にもいくつもあったみたい。

こういうの、楽しい遊びって感じで、いいと思います。
誰かスペシャルエンドロールのBEST10、やってくれないかな~


☆☆☆視聴終了しました☆☆☆

変態女子の博覧会は、無事終了。残念な終わり方でがっかりでした。
妹ちゃんを実の妹で、重度のブラザーコンプレックスにしてたら、
もうちょっと面白かったかな?
とって付けたような露出狂のカミングアウト?
あれは、青ブタで双葉がやってた自傷行為で、
露出狂とは全然違いますよね。

がっかりしたので、点数は削ります。

主人公が変わっちゃうけど、小春ちゃんのエピソードを最後に持ってくればよかったのに!って思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

笑い所の少ないラブコメ

原作未読。最終話まで視聴。

ヒロインたちがことごとく変態だという設定が秀逸な、ハーレムラブコメ。

前半は笑えるところもあったけど、後半はマンネリって言うか・・・。

全体を通して笑い所より、変態ぶりに引いちゃうところが多かった印象。

まあ、最後まで視聴出来たので、酷評って訳じゃないけど・・・。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

KANO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

真変態無双

主人公宛に置かれた一通のラブレター、に添えてある一枚の純白な下着。犯人?を探して行く中で出会う可愛い女の子達、でも蓋を開ければ変わった趣向の持ち主、変態ちゃんばかり。真相が遠のく程の変態ちゃんの乱舞が続く、真相は如何に?

以外と元はしっかりとしたストーリーですが、変態で交わし過ぎている感が有りますが、良いエピソードも有り、ラストの纏めも比較的綺麗な仕上がり、完走して良かったと思えるレベル。でいて最後までブレない変態要素は徹底を極めてて面白かったです。

有り得ないですが、主人公のようなシチュエーションであれば、反面教師として、どノーマルの道を歩むのか?はたまた変態無双乱舞をお見舞いするのか?くだらない妄想にふけれる楽しめた作品でした

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

75.2 15 2019年度の高校生アニメランキング15位
賭ケグルイ××(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (437)
2133人が棚に入れました
良家の子女が集う名門、私立百花王学園。ギャンブルで支配されたこの学園の頂点に君臨するのは、弱者の人生を支配し、政財界にすら影響力を持つ絶対的な支配者、生徒会だった。しかし、生徒会長の桃喰綺羅莉は突然、生徒会の解散・総選挙を宣言する。選挙のルールは一人一票。全生徒に学園の頂点を目指すチャンスが与えられる。カオスと悦楽を求める綺羅莉の思惑による選挙戦。さらに、その機に乗じ、新たな脅威が訪れる。百喰一族――綺羅莉と夢子に連なる者たちが。蛇喰夢子と友情を深めてきた鈴井涼太、早乙女芽亜里、皇 伊月の4名は、この仕組まれた総選挙の中、自らの信念をかけた闘いを迫られる。弱肉強食の学園で「餌」となるか、他を喰らい生態系の「長」となるか。ギリギリの選択が心を揺さぶる「究極の選挙バトルロイヤル」がいま始まる!

声優・キャラクター
早見沙織、田中美海、徳武竜也、若井友希、奈波果林、伊瀬茉莉也、芹澤優、杉田智和、鵜殿麻由、福原綾香、沢城みゆき、潘めぐみ、井上遥乃、竹達彩奈、内山夕実、大久保瑠美、高垣彩陽、北原沙弥香、斎賀みつき、細谷佳正、石田彰、朴璐美

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ギャンブル」そのものではなく「ギャンブル狂」を描く作品

1期目のレビューにも書いたのですが、ギャンブルそのものの駆け引きというよりは、ギャンブルに臨む人間の「人間性」みたいなものを描く作品なのだと思います。

1期目を視聴済みであると、「全てがギャンブルの結果で決まる」という私立百花王(ひゃっかおう)学園のシステムと、1期目から出ているメインキャラたちについて良く理解して視聴に臨めると思いますが、ストーリー自体は区切り良く始まっていて2期目からであってもそれなりに話にはついて行けるようにはなっていると思います。

以下、1期目視聴済みの方向け:
結局原作は未読のままですが、このレビューを書いている時点で第3話まで観終わっています。

2期目では新たな要素として生徒会長である桃喰綺羅莉(ももばみ きらり)をトップに据えているという「百喰(ももばみ)一族」なる新キャラたちが登場します。同じく名前に「○喰(ばみ)」の字を持つ主人公蛇喰夢子(じゃばみ ゆめこ)との関係も含めて、ギャンブルによって決められるという「生徒会長選挙」の行方が主なトピックといえるでしょう。

百喰一族にかかると1期目である程度強敵と目されていた生徒会執行部のメンバーの強さも霞んでくるわけなのですが、そんな中でも1期目同様かそれ以上に発揮される夢子の異常性に注目です。

それと、どうやら1期目では空気になりかけていた鈴井くんにも何らかの活躍の場面がありそうなので期待しています。

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。×喰零(ばつばみ れい)と蛇喰夢子の関係が視聴者に明かされるお話でしたが、『~××』で開始された生徒会選挙は終わりませんでした。

これ、続編が作られたりするんでしょうかね?
ところで敗者が敗者なりに、思ったより幸せそうにしているのが印象的でした。(幸せを感じること自体は理解できる状況ではありましたが。)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キワモノたちの賞味期限

原作未読 1期視聴済


生志摩妄(いきしまみだり)をそこそこ愛でる私。
のっけからエンジン全開で粘膜の至るところから体液まき散らすみだり女史を拝めたとあってはなんて俺得なんだー!

となるかと思いきやそうでもない。
作品へのツッコミは数多くあれど、1期は構成の手堅さを評価してました。
2期は良くも悪くも1期と同じと言いますか、同じ路線で顔芸に磨きがかかって、新たな敵!?が現れとインフレ方向で話が展開しました。

 少々飽きました

1期踏襲となれば『賭ケグルイ』世界に対する評価も大きく変わらないので、詳述している1期レビューに詳細は譲ります。


・生徒会長を超える逸材が出てきてない ←ここが大きい!
・メアリや鈴井ら主役級がカースト下位から這い上がるサイドストーリーのあった1期


百喰一族大量投入の2期は早々に登場人物が確定し、学園内という狭いコップの中の水を掻き回す作業に似ておりました。
作中のギャンブル(ゲーム)はどれもよく練られたもので、原作者さんの苦労が伺えます。しかしながら新鮮味は薄れていきました。
好意的に捉えれば円熟味が増したということですね。ギャンブル(ゲーム)のアイディアが尽きなければ3期でも4期でも続けていってもらいたいです。
少し飽きがきた理由も


 キワモノたちの賞味期限


が到来したわけで、キャラ先行の鑑賞だと遅かれ早かれということで間違いありません。生徒会長のキャラ幅を広げるか、もしくはそれを超えるキャラの登場が待たれます。


さてマンネリ感漂う2期の特徴について、


1.底辺が底辺を動かす
一発逆転はギャンブルの醍醐味。カースト下位奴隷が“取り戻す”物語を鈴井やメアリら主役級がはったのが1期とすれば、脇役らが演じきったのが2期。
{netabare}×喰(ばつばみ)良いキャラでしたね。男装の麗人ということで動きがイチイチ宝塚だったのがツボでした。{/netabare}
{netabare}主体が脇役。モブが×喰に託し、、という構図だったため{/netabare}カタルシスみたいなのは希薄でした。
底辺にとってかわられる恐怖すら楽しめる連中(キラリや夢子)との勝負には勝てる気がしませんよ。


2.魂の解放!?
身の破滅ではなく呪縛を解き放たれた人達がいました。擦り切れて倒れる弱肉強食の世界なのでほっとできます。作品としてはOK!
自分はどうしても違和感が拭えませんでした。なんかいい話に収めてますが、賭博と心温まるエピソードとの相性の悪さが見え隠れします。
{netabare}さやかが吹っ切れたように晴れ晴れとした表情を見せ、×喰さんも復讐や誰かのためのギャンブルから自分を解放できて、と。{/netabare}
賭博ものにどうしても求めてしまう“身も蓋もない絶望感”が足りないんですよね。その期待値をキャラが上回った1期はともかく、今期は弱かったです。
解放された二人とも対象への執着をけっこう簡単に捨てられる状況にあったのにぃ、と思ってしまいます。



蛇喰夢子がことあるごとに“賭ケ”の対象がそれでは手ぬるいとベットを上げてきました。天井は人生です。
ただどうしてもその人生の上限値というものは、背負うものの多寡という点で高校生ではまだまだ低い。負けても悲壮感はなく勝っても高揚しない理由はここにあります。この作品はそこで勝負しちゃいけません。
あくまでキャラでいきましょう。責任はもちろんとりませぬ。

{netabare}俺たちのギャンブルはこれからだ!{/netabare}

頼みますぜ3期!
鈴井も今回は影薄かったしね。



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2019.09.21追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.22 初稿
2019.09.21 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

第1期と比べて盛り上がりに欠けたかな?

原作未読。最終話まで視聴。

生徒会会長選シリーズに突入。
第1期のような、アホほど借金を背負うリスクが無い分、盛り上がりに欠けたかな?

その分純粋に、『ギャンブルを如何に攻略していくか?』に集中できた感はありますけど。

肝心の生徒会会長選に関しては、{netabare}結論の出ない{/netabare}まま終了。
{netabare}現在の状況もよく分からない状況で{/netabare}終わっちゃいましたね。

まあ、第3期ありきてことなんでしょうけど・・・。

顔芸は健在。
今回も顔芸はキレキレです!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

75.2 16 2019年度の高校生アニメランキング16位
ドメスティックな彼女(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (471)
2023人が棚に入れました
幼いころに母を亡くした高校生・藤井夏生は、高校の教師・橘陽菜へ密かに想いを寄せていた。叶わぬ想いと心の中へ押し込み、ふと誘われた合コンに参加した夏生は、そこで出会った橘瑠衣と、なりゆきで初体験をしてしまう。そんなとき、父が再婚することに。父の再婚相手と一緒に夏生の目の前に現れたのは、なんと陽菜と瑠衣だった……。ひとつ屋根の下で暮らすことになった3人の、ピュアで禁断過激な三角関係がスタートする。

声優・キャラクター
内田真礼、日笠陽子、八代拓、佳村はるか、小原好美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

昼ドラ好きでしょ?ほらほら認めちゃいなさいよ

原作既読


実は今期(2019年冬クール)で一番の期待株。ドロドロした恋愛ものを安定供給する週刊少年マガジンから旬な作品が届きました。
原作は20巻超え(2019年4月現在)で完結してませんので、区切りいいところで切り上げてくれりゃいいやと広い心で待機です。

高校生ナツオ♂くんは同じ学校の新任教師ヒナ♀先生に密かに恋心を抱いてる。
高校生ナツオ♂くんがその日合ったばかりの子ルイ♀と成り行きでヤっちゃう。
高校生ナツオ♂くんの父親が再婚相手として連れてきた相方さんの連れ子姉妹がヒナ♀とルイ♀でした。
かくして家族になった3人が平穏無事なわけもなく・・・ 

家庭内(ドメスティック)の彼女さんということで、どう転んでもドロドロの愛憎劇待ったなしの状況です。
恋愛ものは心情描写が肝だったりしますが、そこらへんはどうなんですかね。ある程度リアリティを担保しとけば残りは、

 荒唐無稽な設定に全力で踊るキャラ達

を堪能する。身も蓋もない言い方すれば、

 {netabare}昼ドラ act by 高校生{/netabare}

を満喫する。の心持ちで臨めばイケると思います。殺人なしの火サスと置き換えてもいいかもしれません。船越英〇郎氏の出番です。そこに元妻共演するくらいにとろみのある仕上がりでした。
渋谷・恵比寿を背景に椎名林檎リスペクト系と勝手に私が思い込んでいるOPが昼ドラ感に拍車をかけます。
{netabare}あのスクランブル交差点の真ん中でピアノを弾いてる唇が色っぽい女性はいったい誰だったんでしょう?{/netabare}


原作の一巻からわりと忠実に作られてたのは好感でした。
出合う女性けっこうな確率で主人公♂に好意を寄せる展開をハーレムと捉えるかはご自由に。繰り返しになりますが、昼ドラを高校舞台にやっちゃうところが面白い作品です。
ただし視聴者ウケはどうなんでしょうか?
{netabare}・主人公がどっちつかずで優柔なだけじゃん
・ヒナ生徒に手を出しちゃだめでしょ
・ルイ一緒に風呂入るとかエロ見せたいだけじゃね?
・シュウさん不倫野郎がなにいい人ぶってんだよ
・モモただのヤリ〇ンじゃねーか{/netabare}
一人くらいは「こいつダメ」と自分に合わないキャラ・不快なキャラを見つけられるのではないかと思います。
リアタイでのそこそこボロクソなつぶやきも肴にしながら全12話完走しました。私は満足してます。

不満があるとすれば、もっと“内面のドロドロとした心情描写”を期待してたこと。そこは原作よりパワーダウンしたかしら。
そのくらいで、『ただのエロ』ではない “どうしようもできない自己矛盾の言動” は描かれてたと思います。恋って愚かで素敵です。


■評価する理由
処女性を尊ぶアニメが多いのでたまにはこういうのもいいよね、が一点。
行動の不整合は「だってリアルだとそんなもんじゃん」を評価する、が一点。
設定は荒唐無稽な感じがしますのでフィクションと俯瞰して見ることができます。コッテコテの修羅場はノゾキ趣味に最適。艶っぽい描写もあるので下世話な視線で視聴するのも悪くないですが、描かれている人間は等身大です。

あり得ない行動にも背景がある
なんでそんなこと言っちゃうの?には心情が見える

「はあ?なんでそうなっちゃうわけ?」
キャラがおかしい言動をした時にその前後関係や人物相関で見えてくる部分はけっこうありました。こう見えて「惹かれる」「抑制する」「嫉妬する」「我慢できない」「傷つく」が丁寧に描かれた良作だと思います。



■ウケないキャラ造形
主要キャラだと、文芸部長の葦原美雨(CV小原好美)と夏生幼馴染の栗本文哉(CV江口拓也)くらいじゃないでしょうか。
藤井夏生(CV八代拓)、橘瑠衣(CV内田真礼)、橘陽菜(CV日笠陽子)、柏原もも(CV佳村はるか)らは済ませるものは済ませてます。

{netabare}「知ってる人は知らない人を見下すようなこと言うじゃん?」1話ルイ{/netabare}
{netabare}ルイが誘ったのもナツオが受けたのも元はと言えばヒナの煽りでした。二人が背伸びする気持ちわかるでしょう。{/netabare}

スタートラインに立ってからの物語です。済ませるもん済ませてるからこそ理性と欲望の揺れ動きに説得力が出てくる。
表面上のエロい部分は童〇ホイホイの側面があるし、一方で〇貞は直視できない男女のどうしようもなさの側面もあったり、パラドックスを抱えてたんじゃないかと思います。そういう背景もあって葦原さん、文哉、アレックスが安パイの憩い役として貴重な存在でした。


■ご都合展開カモン
気になったのはこれくらい
{netabare}・墓石に「南無阿弥陀仏」(笑) 原作では「藤井家」だったような気がするが。
・ヒナが一人ナニしてるのを目撃した翌朝。ヒナの左手のズームに顔を赤らめるナツオだが、そこは右手でだったような。
・修学旅行中なんだしカーテン閉めようよ。いや花火見ながらの魅力には敵わなかったか、無念。{/netabare}


■ラストはけっこう好き
ありきたりですが。
{netabare}絶望を創作に繋げ、魂削って小説を仕上げるのっていいですね。やっとナツオがひと皮むけた気がする。{/netabare}
{netabare}振り返ると最初の小説読んだヒナはナツオの想いに触れナツオに傾いてくし、ルイはナツオのヒナへの想いに打ちひしがれる。作品の重要箇所に小説あり。{/netabare}


愛憎劇昼ドラ系アニメって他にあるのかな?
ピュアっピュアなものの合間に箸休めで鑑賞したくなる作品でした。



※オマケ
その1 流されない男子は素直に尊敬します
{netabare}ナツオの理性の防波堤。モモの家で踏みとどまったのは偉いというか凄いな。{/netabare}

その2 脚本に渡航さん
{netabare}5.7.9話を担当されてたようです。回毎どうこうというよりもキャストに江口拓也さんがいる時点でもうねww 
祝!俺ガイル3期決定!{/netabare}



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2019.09.16追記


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴


2019.04.06 初稿
2019.09.16 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「少年漫画誌掲載でそこまでやりますか」的な、流石の流石景原作アニメ。

略称:「ドメカノ」。原作は「週刊少年マガジン」掲載で、2019年1月現在だとコミック単行本は21巻まで出ています。

原作未読で第1話冒頭をみると「???」な疑問符だらけの流れで本作品は始まります。少年漫画誌掲載作品では暗黙の禁忌とされているっぽい、現役高校生と現役教師の恋愛も扱う異色作品となっています。

本作品のポイントのひとつは主人公の藤井夏生(ふじい なつお)とヒロインである姉妹の橘陽菜(たちばな ひな)、橘瑠衣(たちばな るい)の一般的に見れば非常識な行動、そして夏生の父親である昭人(あきひと)や姉妹の母親である都樹子(つきこ)の倫理観とのギャップでありましょう。
(親世代目線で子供たちの行動を考えると、いろいろと頭おかしい作品です。)

おそらく今回のアニメ化範囲には含まれないであろう21巻の半ばくらいで、主人公の藤井夏生(ふじい なつお)はある女の子から「そんなの… そんなの不潔よー!!」と言い放たれていますが、実際夏生くんの行動遍歴をかいつまんで考えるとそう言われても仕方がない主人公なのであります(笑)。

本作品は、一応は「ハーレムラブコメ」になるんでしょうか。でも場面としてのコミカルな要素はあっても、ストーリー的にあまり「コメディ」要素は無いような気もするんですよね。

ナツオ視点で視ると特に序盤は少年漫画、中盤以降あるいはヒナ姉視点で視ると青年漫画っぽくもあり、ルイ視点で視ると少女漫画っぽくもあるハイブリッド作品と言えるかもしれません。

このレビューを書いている時点(第3話まで放送)では、原作コミックスでいうと2巻の冒頭1/5くらいのところまで進んでいる感じですね。ストーリーはこの第3話までほぼ原作準拠と考えて良いと思います。このアニメ化で原作をどこまで消化するかは不明ですが、おそらくは原作8巻あたりの区切りがよさそうなところで適当に終わるのではないかと思います。

なお、巷ではクズだのゲスいだの言われている気がする主人公の夏生くんですが、実は私は嫌いではないです。

というか、ストーリー自体を俯瞰してみるとそのように言われても仕方がないとは思うのですが、彼自身はきちんとモテ要素を備えているとは思います。

余談:
原作者の流石景先生は、同じく週刊少年マガジン連載作品を描いている瀬尾公治先生と並んで「少年漫画誌であるマガジンでメロドラマ的なドロドロの恋愛マンガを描く」という流れを担っておられる漫画家であります。

奇しくもお二人ともマガジン本誌で「袋とじ企画」として本編コミックス単行本には含まれないエロシーンを含む漫画を複数回掲載したという共通点がありますね。

余談その2:
原作は序盤が終わると以降は意外と「出版業界マンガ」でもあったりしますが、アニメの尺ではその辺はあまり描かれずにスルーされるような気もします。

2019.2.2追記:
第4話にて、原作でも笑ってしまった「あんパンと牛乳」がアニメでも再現されました。当事者が直接対面してしまうという意味では、実は意外にもドメカノ初の修羅場回。

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。

原作でいうと7巻までのエピソードを消化して、アニメの最終回をうまくまとめるために8巻からエピソードを拾ったという感じでしょうか。

たぶん続編は作られないとは思うのですが、この終わり方なら作ることになっても今回出さなかったキャラについて適当な登場エピソードを設けて、うまく軌道修正はできると思います。1クール作品としてはうまく纏めたのではないでしょうか。

ちなみに私は瑠衣派か陽菜派かでいうと、陽菜派です。(← たぶん少数派)
もしかしたら、私はけっこうダメ人間が好きかもしれません…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

そのままゴール!!!ゴラッソォォォ!!!アニメ化も決まったぁぁ!!!

事前情報ほとんどなしで視聴

お話のざっくり概要
合コンで中抜け誘われてほいほいついてったら
「ここで私とHしてくんない」
いきなりの事後から始まる物語。そして二人は家族になる…
そんな感じ

開幕から飛ばしてる作品っすねw ブラつける所、妙にリアルでエロかった
タイトル名から察するに義姉、義妹と
すったもんだの末、最終的にどちらかと付き合う流れなのかなー。

ひなちゃんの方が好み。日笠のくせにかわいいとは生意気だ(ビクンビクン)
でも{netabare}あんなに大量にビール飲んでたら将来絶対デ…おっとこれ以上いけない、"わがままボディ"になってしまうと思うから{/netabare}将来性は、るいちゃんの方が良いかと。

登場人物について一話時点での感想
{netabare}
なつお…なんか小説書いてるのかな?なろう系なんかな?
ひな……泣いてたし、絶対付き合ってる彼氏に何かトラブルが出てるんだろうと思った。
るい……大人になりたいって言ってたのは、母親かひなに関連してるんじゃないかな
父親……いや相談の来週に中古家買うって、ちょっと息子の事ないがしろにしすぎなんじゃ…
母親……なんか元夫の文句ばかり言ってたってフラグ立ててたから、元夫が登場する流れかな?
メガネ…名前わかんないけど、たぶん説明役だね。ご愁傷様。君は一生女性に縁がないよw

性描写あるくせになんか淡泊な表現なのよね。
まぁその方が逆にエロく感じる不思議w
{/netabare}

2話感想
{netabare}
なつお…意外にめんどう見は良いっぽい。天パが悩みらしい。
ひな……なんかこじれてるっぽいね。相手の浮気とかかな?
るい……ぼったくりバーのキャバ嬢。お風呂一緒ってどんだけ自分の体に自信あるんだw
父母……なんでチャイム鳴らしてんの?23時なんだし鍵開けて入って来いよwおかしいでしょw

合コン抜けてヤってたのは友人連中にそのうちバレるんじゃないかなー
一緒に暮らしてるのもそのうちバレそうw
{/netabare}
3話感想
{netabare}
なつお…先週も思ったけど、ショートコントの才能あるよ。小説家やめて俳優なろうw
ひな……やっぱ不倫だったか。なんかそんな気はしてた。なんかその内、なつおとヤりそう…
るい……先週気づかなかった、玄関ではスリッパ脱いで。パジャマ姿かわいいけどくつろぎ過ぎぃw
メガネ…すげーいい奴。こんな出来た友達いないぞ。妄想では美化しすぎだけど、中身は確かに良い。
父母……あんたらギャグ要員なん?
津田……味のあるオカマ?インパクトあるw なんかオカルティックナイン思い出したw

メガネ家族すげー遺伝子だな。家族全員いい人。
あんなうざい友達の悩み相談に真剣に付き合ってやって、且つ家にも泊めてやるなんて
おいらだったら、女連れ込んだ時点で叩き帰すけどなーw
{/netabare}
4話感想
{netabare}
なつお…小説家ってやっぱなろうなのかな?問いただす時の言葉がかなり稚拙に感じた。
ひな……るいなつおの行動に感化されたんじゃなく、流れで別れてそうだからもう一波乱ありそ
るい……ナニコレ昼ドラみたいw 普段は表に出さないだけで感情の起伏が激しい娘なのね
しゅう…ゲスの極み的なすっごいクズ男。頑張って卒論書くからヨリ戻そうとか言ってきそう
津田……修羅場の見れる喫茶店www 商魂たくましすぎぃ! いくら払えば行けますか?
それにしてもナポリタンうまそうね。
{/netabare}
5話感想
{netabare}
なつお…あの状態から我慢するなんて、やるやん。もっと流されるダメ男かと思ってたから見直した。
るい……誰と付き合うかは私が決めるってスタイルかっこいい。なつおにも見習って欲しい
もも……すごい人数www 肉食系にもほどがある。ただかなり不安定な精神なのかも?

看病部分で理解不能な出来事が起こりました。
{netabare}
ヒロインが風邪で倒れる →ごく普通のイベント
それを主人公が看病する →定番だよね
なぜかその日に限って他の家族の帰りが遅い →よくあるよね
着替え&体拭くから手伝って →まぁここまでは良くあるパターンなので理解できる
{netabare}
座薬入れる → 理解不能wwwww 予想の斜め上どころか遥か上空の大気圏レベル
{/netabare}

なんだろう…んーと、とりあえず普通の予想は超えてくる作品だとはわかりました。
{/netabare}
{/netabare}

ギャグとしては面白いけど、恋愛ものとしてはまだいまいちわかんない。
まぁメインの3人も、今自分の気持ちが見えてない状態で、
新キャラのももが気づかせてくれる存在になるのかなと
細かい感情の動きよりは、インパクト重視な点が週刊連載物っぽいですね。
多分、次のページめくった時のインパクトとかを重視してるのかなと…
これが少年誌って事に戦慄を覚えますけどw

~8話まで
{netabare}
予想が外れて、ももはあんまり絡んでこない…

くずお…こんなやつもう名前で呼ぶ価値無し。絶対コイツ二股するよ!(断言)
るい……掌クルックルしちゃうけど、かわいいっすw正直ひなより好きになったw
ひな……ちょっと素直なった。一人暮らし始めたら、くずおとズブズブな関係なる
津田……キャーふんどし!サイコー!素敵☆ このアニメのメガネとの双璧の良心♪
{/netabare}
やっぱマスター出てくるとギャグとして面白いわぁー マスター観たいから観てるまであるw

~10話まで
{netabare}
浮気現場抑えられるの図
やっぱ、くずおだった。るいを泣かせるんじゃねー!グーパンものですぞ。

くずお…嘘ばれた際にさらにさらっと嘘重ねるこれぞくずおの鏡。そもそも嘘つくなら根回ししとこ。
るい……やっべ超かわいいです。メガネが「くずおなんかやめてさっさと俺と付き合えって」行くしか
ひな……食事の合間にキスするってどんだけー。なんか学校でもしてるし。バレる予感しかしない…

んー、そうだなぁ、るい、ひなは男を見る目が無い。
(母親も元夫はひどいやつだったらしいし、遺伝なのか?)
メガネにしとこ。絶対、大事にしてくれるよ。
くずおもすぐバレるような嘘つくんじゃないよ。あれ、ももにも根回ししてないでしょ?

自分だったらもう少しマシな嘘をつくよー
{netabare}
くず「実は今ヒナ姉の料理の味見に付き合わされてるんだ」
くず「ヒナ姉からは特にルイと月子さんに内緒にしといてって言われたんだけど、」
るい「どうして内緒なの?」
くず「隠れて練習して二人を驚かせたいんだとよ。だから俺から聞いたって事は内緒な」
るい「そっか…それなら仕方ないね。ヒナ姉の料理じゃ大変。胃腸薬用意しとこうか?」
くず「そこまではいらないよ。だからまぁちょくちょくそっちで食べるよ」
{/netabare}
ってな感じで嘘と真実を少しずつ織り交ぜた上で内緒にする事を相手にも同意させるんだよー
ん?くずお感がマシマシになったって? 大丈夫、どっちにしろくずおだからw
{/netabare}
るいちゃん、すごい可愛い…

最終話まで
{netabare}
え?これで終わり??2期こないの?
んー、原作買えって事なのかなぁ…でもこれをレジに持っていくのはへたなエロ本よりも恥ずかしいかもw

ラマンのマスターもこれが見納めかぁそれにしても入れ墨すごw 銭湯入れちゃうのかよ!
やっぱメガネすげーいいやつ。こんな親友なかなかいない…

くずお…受賞おめでとー(棒読み)
るい……嫌いになる言ってたのに、今度はそっちがずぶずぶなるんかぁぁい!(でもるい可愛いw)
ひな……やっぱりバレたね。フラグ立てまくってたし…、多分くずおが粘着ストーカーになりそう
父母……んーあんたら最後までギャグ要員の域を出なかったね。

ラマンのマスターが超お気に入りっす。今期1位のお気に入りキャラですw
おっさんのふんどし姿でテンション爆上げしたのは初めてかも?

座薬とか、女性のもなぴーとか中々無い所に突っ込んできている作品で
原作は少年誌だけど袋とじらしいっすw 一体どこにいくつもりだマガジンwww
でもこのチャレンジ精神は嫌いじゃない!
{/netabare}

OPの曲めっちゃ好きです。はよ買わないと…
それにしてもCMのインパクトが強すぎて大爆笑してしまったw

見終わっての感想としては明らかに物語は途中なので
2期欲しいなーと思った次第。もっと見たかった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

72.7 17 2019年度の高校生アニメランキング17位
俺を好きなのはお前だけかよ(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (479)
1920人が棚に入れました
ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!! もちろん、意気揚々と待ち合わせに向かうよね。そしてそこで告げれれた「想い」とは――……「俺じゃないヤツが好き」っていう「恋愛相談」だった。ハハハ。……やめだ! やめやめ! 「鈍感系無害キャラ」から、つい本来の俺に戻ってしまった。でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかもしれないからな! そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院菫子。俺はコイツが嫌いです。なのに……俺を好きなのはお前だけかよ!! 自分がモブだと気づけなかった主人公と個性的な華々しい女の子たちのちょっと刺激的な学園青春(?)コメディー、ここに始まる!?

声優・キャラクター
山下大輝、戸松遥、白石晴香、三澤紗千香、内田雄馬、三上枝織、東山奈央、斉藤朱夏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ゲスを気取ったヘタレに需要無し ※酷評注意

原作未読


うーん、、、小道具の“ベンチ”だけが面白かった作品。
なんならベンチにスポットライト当ててヘンデル『ハレルヤ』でも流せば上方修正してたかも。

原作小説はアンチ学園ハーレムが執筆動機っぽいのですが、少なくともアニメでは「どこが?」って感じでハーレム色は濃かったように思えます。

他のレビューでも吠えてますし、あらためて自分の嗜好を言っとくと、ラブコメはキャラの行動言動で“キュン”と出来るかが評価基準。キモくてもしゃーないです。
二次元の外見に惹かれたり「かわいいからまぁいっかー」となることはまずない。
その視点で本作を捉えると、、、面白くないです。
いくら可愛い(という設定の)女子を逐次投入されたところで「そこじゃないんだよ!」となるわけです。

女子の中ではメインの三色院菫子(CV戸松遥)/パンジーの魅力に引っ張られ完走することはできましたので、需要はゼロではないと思いますよ。以下、ダメな理由。


■取り巻きの女子がちょっと…

パンジー以外浅い。考えたり悩んでたりしてる形跡なしですよね。ビッチだとかアバズレだとか主人公くんに形容されてキャラ付けの努力はしてたのでしょうが、それ以前の問題で思考が現実の女性とは乖離し過ぎていてついていけません。
ひまわり/コスモス/あすなろ/ツバキ/サザンカ等々記号的な存在を超えないため、パンジーとの三角関係発展すら想像だにできなかったし、ひまわり/コスモスに至っては早々に私はモブ扱いしてました。
ラブコメのメインストリームを担える女子がいませんでした。


■ゲスではなくヘタレ

ジョーロがしょぼい。
1.{netabare}その発想はないっしょ
 恋愛マニュアルに沿った行動して、それすら能動的に女の子にアクションをかけるものではない。そのくせ、意に反した反応を女の子がとれば“ビッチ”“アバズレ”認定してしまう典型的な童〇思考。
 実践なきヘタレ野郎っぷりが第1話から展開されてたので正直きつかったです。そう第1話からさっそく無理ゲーでした。{/netabare}

2.{netabare}終盤でもそうなん?
 ホースの進撃からいったん身を引いて土壇場で反転攻勢!への共感ができないできない。
 本件に限らず「あなたは勝てますよ」と他人に担保してもらわないと動けないのはヘタレ以外の何者でもないのであります。{/netabare}


主人公のジョーロくんが策士っぽい設定だったからこそ、それとの乖離が気になった次第です。


■最近の流行なのかもしれませんが…

{netabare}TV放映分での結論が出てません。
終盤の重要キャラ“ホース”の登場も最終話手前の第11話。収拾つけるのは難しいしつけませんでした。{/netabare}

{netabare}“気になるので続編wktk”となるか“は!?だったらみねーよ”となるか。迷うことなく後者ですね。さようなら!{/netabare}



「実践」に勝るものは無し。もちろん書籍から得る「知識」だって糧となることを否定はしません。
リアリティをもって感情を揺さぶる筆力のある者か、エモさ全開でエンタメに振れる筆力のある者の作品を商業ベースでは主流にしてほしいもんです。
たまたまなのかアニメ化されるラブストーリーないしラブコメってこんなのばっか。

童貞か引き籠りが妄想で書いた自己満の作文見せられてるようで耐え難い。浅くて薄くて時間の無駄。


奇しくも自己満足作文ばかりを読んで育つとこうなりましたみたいなのが主人公ジョーロくんと言われればとてつもなく説得力あるんですがどうなんでしょうね。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------
2020.07.11 追記

最終回後、原作者がラジオで「原作知ってれば1クールで収まることないのわかりきってたことじゃないですか」と仰られてたとか。
…たぶんこういうところなんだと思います。


2020.01.08 初稿
2020.07.11 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

俺を好きなのはお前だけじゃないのかよ

原作未読 全12話

花に纏わるあだ名がついた高校生男女の恋愛を描くハーレムラブコメ作品です。

キャラ原作はブリキさん、「僕たちは友達が少ない」や「電波女と青春男」を思い出しました。女子は可愛く描かれていましたね。

3話まではなかなかドキッとする展開で面白かったのですが、その後はよくあるハーレムラブコメ作品になったのは残念でした。

また、お話が何故ここでという感じで、中途半端に終わっています。

OPは斉藤朱夏さん、EDは主要メンバーの女子3人が歌っています。

最後に、{netabare}ホースとジョーロの結末はOVAみたいですね〜{/netabare}作品名と同様に残念です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「俺は、すべてのすべてのラブコメを過去にする」

この作品の原作は未読ですが、キャラデザがブリキさんと知り視聴を決めた作品です。
それにハルカス、白石晴香さん、三澤紗千香さんに奈央ぼうと、これだけ役者が揃ったら視聴しない道理はありません。
この作品も期待値MAXで視聴に臨みました。


ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする?
しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と
可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!!
もちろん、意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。
そしてそこで告げられた「想い」とは…

…「俺じゃないヤツが好き」っていう「恋愛相談」だった。ハハハ。
…やめだ!やめやめ!「鈍感系無害キャラ」から、つい本来の俺に戻ってしまった。
でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかも
しれないからな!

そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。
三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院菫子。
俺はコイツが嫌いです。なのに…
俺をすきなのはお前だけかよ!!
自分がモブだと気づけなかった主人公と個性的な華々しい女の子達の
ちょっと刺激的な学園青春ラブ(?)コメディー、ここに始まる!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品…登場する女の子の可愛らしさが半端ありません。
キャラデザがブリキさん、という影響も多分にあるのですが、ちょっとした仕草など細やかな部分も配慮しているのが伝わってきます。

そして何より声優さんの演技が堪らないんです。
今回序盤から色々持って行かれたのはパンジーこと三色院菫子役のハルカスの演技でした。
今まで聞いたことの無い声質…
あの声質で「寂しいわ…」とかジョーロみたいに傍で囁かれたら、卒倒してしまうかもしれません^^;

私は専門家じゃないので詳しいことは分かりませんが、声優さんの完璧な演技って、きっとこういう作品の事を言うんだろうなぁ…とか思ったり。

今、公式HPのトップページを見ながらこのレビューを書いているのですが、物語の中での彼女たちの言動が、頭の中でフラッシュバックの様に蘇ってくるんです。
ジョーロへのアプローチの仕方は人それぞれ…
だけどどのキャラも素直に愛おしく感じれるんです。
パンジーさんには色々持っていかれたので推しキャラとしては頭一つ分抜きん出ていますけれど…

そういえば、先ほどこの作品のwikiをチラ見した時に、面白いことが書いてあるのを見つけました。
「本作はラブコメディ系のライトノベルではあるが、本作はライトノベルでありがちな主人公が複数のヒロインに好意を持たれる(落ちもの・ハーレムもの)という設定は否定的に描かれている。」

「落ちもの」って何かな…と思って調べたら、「ストーリーの導入部分において、平凡な主人公のもとに魅力的な異性が突然現れるところから物語が始まるというもの。」なんだそうです。登場する女の子は次第に増えていき、殆どの出会いはいつも突然だったように記憶していますが、確かに誰も空からは落ちてきてはいませんね。

ついでに「ハーレムもの」についても調べてみました。
主人公である1人の男性(女性)キャラクターに対して多数の異性キャラクターが対置され、多くの場合は大勢の異性が1人の男性(女性)に対して好意を抱く。
また、主人公はハーレムを構成する異性に対して好意を持っていて平等に接することも多い。

…この作品の作風とハーレムものとの違いが分からないです^^;
確かに「ハーレムを構成する異性に対して好意を持っていて平等に接する」という部分では違いがあるかもしれません。
でも疑念が残ります…
この違いがフェイクという路線がどうしても捨てきれません。
というより、捨てちゃいけない気がします。
何故なら、その展開を一番望んでいるからです。

主人公が誰の事も好きにならず、誰も選ばないのだとしたらハーレムの構図は不成立となります。
でもジョーロがこれを選択するでしょうか…そもそもの目的から完全に逸脱してしまいますよ。
個人的にはハーレムものは嫌いじゃないので、その違いへの拘りが理解できないんでしょうね。
これらを差し引いても十分魅力的な作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、斉藤朱夏さんの「パパパ」
エンディングテーマは、パンジー、ひまわり、コスモスによる「ハナコトバ」
エンディングの発売が12/25って遅くありませんか?
エンディングはまだちゃんと聴けていないので評価は止めておきたいと思います。
オープニングのノリは好きでしたよ。

1クール全12話の物語でした。
全体的に面白かったと思います。
後半登場したホースには登場キャラ同様に違和感を感じましたし…
唯一残念なのは幕の引き方でしょうか。
最終回のラストに「あともうちょっと続く」と言うのは、発売日未定のOVAの前振りだったんですよね?
これをOVAにしちゃいますか…というのが率直な感想です。
確かに「TVシリーズの完結編、ジョーロ(モブ)とホース(主人公)の決着を描くOVA」らしいので、気にもなりますし売上枚数もきっと伸びると思います。
でもできるなら気持ちの熱いうちに全13話として描き切って欲しかったのが本音です。
まぁ、後日発表される詳細に期待しましょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

71.1 18 2019年度の高校生アニメランキング18位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (413)
1733人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

語り得ないものについての試論

マッドハウス制作。

存在の違和感に翻弄されていた、
言葉では形容しがたい違和感である。
それは同じ場所に少しづつずれて重なり、
2人が同時に立っているような、
埴谷雄高が「虚体」と呼んだ思弁的なそれに近い。

世の中には精巧な人形と、
婚姻届けを出した男の逸話があるという。
彼はそこに意識のある主体としての分身を見たのか?
{netabare}世界の危機に反応する自動的存在、
それが不気味な泡、ブギーポップ。{/netabare}

語り得ぬものについての物語である。
しかし沈黙をしてはならない、
不死なるものを前に踏みとどまらねば。

10話~13話視聴追記。
夜明けのブギーポップ、とびきりの妄想狂である。
{netabare}死神と凪の初の邂逅、浮かぶ統和機構の存在、
MPLSの起源が語られ始める。{/netabare}

最終話視聴追記。
全ては歪んでどこか捻じ曲がっている。
{netabare}それはこの世界も人である現存在も同じなのだ。
どこにでもある存在の悲劇性、
つまりは隠蔽された主体の危機、それが歪曲王。{/netabare}

時代性を考慮すると不安も多々あります。
絵は意図してなのか古く感じ造形も似ている。
しかし普遍的な物語がここにはあるのでしょう。

ニヒリズムの超克が主題であるのでしょうか、
大胆にもそう伝えて締めたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 76
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54

81.8 19 2019年度の高校生アニメランキング19位
ハイスコアガール II(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (417)
1692人が棚に入れました
少年は好きだった、ゲームが。少女は出会ってしまった、ゲームと。勝利への渇望と、技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。友人や家族、そしてゲームキャラクターに支えられ、少年少女たちは強く、大きく成長していった。あきらめなければ無限コンティニュー?ハルオ、晶、小春が挑むファイナルステージの行方は!?

声優・キャラクター
天﨑滉平、鈴代紗弓、広瀬ゆうき、赤﨑千夏、新井里美、興津和幸、山下大輝、伊藤静、チョー、御堂ダリア、中村悠一、植田佳奈、井澤詩織、鈴村健一、寺島拓篤、諏訪部順一、小野賢章、安元洋貴、三宅健太、武虎
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

舞台も時代もやや被りな俺氏

※骨格となる作品評価は1期レビューにて。本稿では主に差分を記載


共感できるラブコメとは、肩入れできるキャラの有無といえるかもしれない。
その意味で本作はどっかしらに共感できる“誰か”がいるのであります。
さらに切り取った時代の空気を感じることのできる仕上がり。

 “良質ラブコメ+高い時代の再現度”

あたかもスープは豚骨と魚介系の合わせ技。両方レベルが高いため行列ができてしまうラーメン店。
このへんの魅力にほだされた諸兄は2期も四の五の言わず黙って鑑賞していることでしょう。
そして、最終話終わってリピートすると見える景色が変わる仕様。物言わぬヒロイン大野晶視点で軽くキュン死できます。


2期は見せ方が上手かったですね。
2019年3月リリースのOVA3話分(#13~#15)を先行放送し、そのまま2期9話(#16~#24)です。
1期の後日譚的意味合いのOVA3話も気合入っていて珠玉のエピソードであることはもちろんのこと、OPとEDが1期と一緒。嬉しい振り返りでした。


2期は高校1年生~2年生時代のお話。1995年~1996年と今から25年くらい前の時代を切り取ってます。
1991年小学生時代を起点に地ならししてた1期。日高小春が恋愛のスイッチ入れるまででした。当然ながら続編で“ラブ”要素が増すことは想像の範疇だったかも。かくしてその通りの展開です。


 あくまでゲームで語る


このへんが徹底してるので話がとっ散らかりません。

『星に願いをかけたりしない』

との2期ED。引き続きやくしまるえつこさんです。
{netabare}#18 渋谷で朝を迎えたハルオと小春、そして晶が鉢合わせするシーンからのEDへのカットイン。
あーなるほど!目を避けてばかりでは修羅場は乗りきれませんね、と。ハルオくんの成長を後押ししたいEDだと思えば味わいも深くなります。人生“待ち”ガイルは通用せずとの暗喩に見えてなりません。{/netabare}


物語は力強い冒頭3話から凹凸ある王道ラブコメ展開へと突入し、大事なことに気づく頃には不穏な空気が流れてからのさてさてどうなるかの最終話。1期と合わせて全24話。満足の一品です。



■日高さんMVP?
1期はささやくような声出しが心地よい印象だった日高。CV広瀬ゆうきさんを認知した作品でもあります。2期では、泣いて笑って嫉妬して激昂してーと幅広い表現を求められてしっかりこなされてました。

{netabare}たぶんどっち派とかじゃないんですよね。日高にも晶にも幸せになってほしいと思ってしまう駄々っ子みたいな私です。負けヒロインとしては近年トップクラスのお仕事ぶりでした。{/netabare}


■余談
私が大学進学を機に上京したのが1995年。本拠地は渋谷です。渋谷にほど近い田園都市線に居を構え、のちに溝の口に引っ越してたりします。
何言いたいかというとつまり、年代も場所もビンゴでたぶん冷静な評価は無理筋なんです。そんな私のピンポイントで胸を鷲掴みにされたところ。

 {netabare}多摩川の水面はマジでまぶしい!{/netabare}

渋谷に限らずでしょうが始発待ちの頃合いになるとネオンはあらかた消えて吉野屋くらいになって、日の出ちょい前なこともあって案外薄暗かったりします。渋谷の始発時間はだいたい薄暗い。
そのまま始発待ちで地下の乗り場へ。そしておそらく田園都市線だけだと思うのですが、多摩川のギリ手前まで地下を走る路線はこの路線のみだったかと。その手前の駅/二子玉川駅に着く頃には、薄暗かった空が明るくなっており、地下を抜ける瞬間に太陽光が一気に差し込んできてまぶしさに眼がやられる感覚に襲われたことがある方は私だけではありますまい。
渋谷でる頃には薄暗かったのから一転。多摩川のきらきらした水面を横目に見ながら、「あー朝まで飲んじまったよ」と爽やかな景色と対照的な自分によく嫌気がさしたものです。

用賀駅を越えてトンネル抜けて地上に出る時の一気に光が差し込んでくる感じが#19はよく出てるので、田園都市線沿線在住の方はチェックされてみてください。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2020.01.06 初稿
2020.07.28 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

いつだってゲームがあった

J.C.STAFF制作、原作押切蓮介。

当時の平凡なピコピコ少年の青春を、
コミカルでありながら、
ヒロインとの恋人未満の微妙な関係まで、
誠実に描いた前編は小さな驚きでもあった。

舞台は96年、
街には進化したアーケードゲームが溢れ、
プレステ・セガサターンは家庭に普及し、
出荷台数は100万台を突破。
日陰に生きる少年たちの薄暗い青春も、
それはそれで輝かしい時代であった。

毎日をがむしゃらに生きていれば、
擦り傷だってどうってことないのでしょう。
しかし誰もが自分を偽り疲弊して生きている。
空振りしてしんどくなったら逃げ出す場所、
それが春雄や晶にはゲームセンターなのだ。

緊張感に耐え切れず、
安易な選択肢を選べば敗北が待っている。
恋もゲームも一緒である。
コマンド入力をミスれば終わりだ。

最終話視聴追記。
誰の目にも触れない小さな人生の断片、
その断片にはありったけの物語がある。
ハイスコアガールが良質なコメディであるのは、
誰もが体験した歴史を見せてくれるからだ。

泣けて笑える青春をぜひ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガイル)春雄、2期なってゲーム愛が減ったのではないか。

今回の物語は、ほぼ恋愛物語。
{netabare}ゲーム愛はずいぶんと減ってしまいました。
この作品の特徴だったのになぁと原作未読なので勝手に思ってしまいました。
ゲームがないと普通の恋物語。
ゲームがあるときの春雄のポジティブ思考は楽しかったのに今期は春雄のネガティブ思考ばかりなので暗い物語となり、今一つ魅力に欠けました。
もっとガイル先生にアドバイスをもらえば良かったのに(笑)


最後の姉からの預かり物の件ですが
男として普通、指輪を返されたらは「さようなら」の意味だと思います。
これを「会いに来て」とは小春に言われなきゃ判りません。
女心はとっても難しいのね。真逆の答えだもんね。

その後小春の「ムカつく」はかなりの名演技でした。
私の中で一番印象に残ったシーンです。


最後はキャラクター達に助けられて晶に会うことができた物語はこの作品ならではの流れなので良かったですが、2期としては、1期ほどグッとは来なかったです。。。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

66.2 20 2019年度の高校生アニメランキング20位
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (393)
1566人が棚に入れました
夢にまでみたゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子もついてきて!? 母親同伴の新感覚冒険コメディ開幕!

声優・キャラクター
茅野愛衣、石谷春貴、鈴代紗弓、原田彩楓、Lynn、新井里美
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

すっぴん→時空+二刀流+みだれうち(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
まあ、ものまね士→時空+連続魔+バハムートでも良いけれど、、、って何の話だ?(笑)

このすば系というか、異世界転生ギャグですな。

ギャグパートは良いけど、インモラルなエロがあり、生理的にダメでした。そこが気にならない方は、良いのだろうけれど。

あ、OPはなかなか良かったです。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
一応、息子本人は嘆いてはいたものの、本当に、母親のエロとか、ドン引きだよな~。世界で一番いらん(苦笑)

個人的には、観ていて辛かったです。

私の中の3大NGが、「ゾンビ」「インモラル系エロ」「虐殺」なので、苦手でしたね。特に序盤は。

後半の、安っぽい親子論もまあ、どうかとはおもうけど、前半の母親エロよりはマシでした。

ただ、「親子で転生」「親が超強い」という設定自体は新しく、楽しめる要素もあったと思います、本当は。

例えば、「学校と晩ごはんがあるから、毎日、17時にはゲーム世界に転送され、20時には現実世界に帰される(土日は運営も休みだから転送されない)」というようなトンデモ設定でも、成り立った作品だとは思います。

そうすれば、ゲームと現実がちゃんと関係しあい、親子関係に変化が生まれたり、現実世界でもパーティーメンバーの仲が深まったりとする、日常系や学園モノの要素も入れていくことができたかも。

まあ、それで面白くなるかはワカランけど、そこまでカオスにしてほしかったなと、どうせなら。

とりあえず、新井さんが楽しそうに演じてて良かったです(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆1
このすば系? ギャグなら良いけど、エロに流れるとキツいな~。

2話目 ☆1
このまま、母親のエロを演出し続けるなら、次話で切ろうかな。

3話目 ☆2
多少、親子の話も入れてきたから、様子見かな。

4話目 ☆3
子供なんて作らなければ良かった、と、言ってはいけないよな。子供は、育ってほしいようには育たないけど、育てたようには育つよ。先天的なものを除けば、環境や教育次第で、かなり違うよ。

この作風なら、まあ、観られる。別に面白いわけではないけれど。

5話目 ☆3
モンペだな。パンチらはいらんかった。まあ、この作風なら。

6話目 ☆2
母親のスク水なんて、トラウマものだな。教育アニメか。いやいや、それで幻滅とか、クソだろ。

7話目 ☆2
う~ん、なんか、こう、深みがないな、説教に。当たり前のこと過ぎて。普通にヒロインだろ。

8話目 ☆3
まあ、綺麗にはまとまったかな。

9話目 ☆3
塔の攻略。新築のタワーダンジョンw 普通に楽しめた、ドタバタのギャグ回だな。

10話目 ☆2
訪問販売w

11話目 ☆2
みんな意味もなく、下着とか。まあ、そんなアニメだが。

12話目 ☆3
リフレクみたいなもんだな。親のでしゃばりで、子供の経験が奪われる。それもまた事実。それもまた冒険、という指摘も悪くはないが、それがゲーム世界で完結してしまったのは勿体ない。でしゃばり過ぎず、一緒に楽しむというのは、良い落とし処かな。

ドラゴンボールオチだな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32
ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

母なる大地

ゲームの世界へ行ける事を喜んだ大好真人。
その世界に母親の真々子がついて来てしまう。
普通の勇者・真人とチート能力を持つ真々子は、
ゲーム内で親子関係の問題を修復させようとするのであった。

思春期の子供と親の関係。
所謂、反抗期があります。
些細な事がすれ違い。
自分の殻に閉じこもってしまう子供の通過儀礼です。

親と一緒に冒険に出発。
ゲームとはいえ気恥ずかしいです。
作中では男性の子供と母親の関係。
学生さんは感情移入するのが難しいでしょうね。
ただし、母親役の声優は茅野さん。
茅野さんと一緒にゲームができると考えた方が視聴しやすいです。

親目線と学生(子供)目線。
視聴する立場によって変化します。
私は親目線に近いかなぁ。
学生(子供)の考えも分かりますが、まだまだ経験が足りません。
本当の苦労を超えていかないと大人にはなれませんから。

子供の方は自分が頑張って成長した、と考えるでしょう。
しかし、それは支えてくれる人がいる、という事が前提です。
体が大きくなって成長する事は数字が出るのでハッキリと分かります。
それでは、精神的な成長はどうでしょう。
多くの視点を持てる事などは、心が成長した証。
特に子供が出来て守るべきものができたら尚更です。
ただし、子供は親の所有物ではありません。
子供の自我を認めてあげましょう。

自己中な親・過保護な親、反抗する子・自分勝手な子などなど。
親と子。
どちらも問題を抱えています。
衝突しないで、スクスク育つのは稀なケース。
一緒に問題を乗り越えて、親子が共に成長するのが一番良いでしょう。
親の子離れ、子の親離れ。
どちらも重要です。

真人などの子供視点。
真々子の親視点。
どちらかに感情移入して楽しむ作品。
本物の親と考えたら視聴は無理でしょう。
親は茅野さんに代入。
茅野さんとの家族関係を持った、という設定にしないと難しいかも。
固い話ではないので、そんなに気を張らなくても大丈夫。
親と子の2つの楽しみ方ができて、お得ですよ。
親孝行したいときには親は無し。
子供よりも親の方が先に鬼籍に入るのは当然の事。
反抗する気持ちも分かりますが、なるべく早く大人に成長する事を期待します。
{netabare}という事を、おしらーせ、します。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

好きではありませんw

原作未読 全12話

母親である大好 真々子(おおすき ままこ)に苦手意識を持っていた高校生で主人公の大好 真人(おおすき まさと)は、MMMMMORPG(仮)(ママの 、ママによる、ママのための、ママと、息子がもしくは娘が、大いに仲良くなるためのRPG)のテスター選ばれ強制参加させられます。ゲームの世界で母と子が一緒に冒険するファンタジー作品です。

母親である真々子さんが、いくら見た目が若いとしてもヒロインというところに違和感がありました。

主人公の真人よりグイグイ前に出て目立つところは、真々子さんの方が主人公という感じがしましたね。

また、2人と一緒に冒険する2人もそれぞれの単独のお話では目立つものの、美味しいところはすべて真々子さんが持っていくためどうしても影が薄くなりますね。

すべての人に慈愛に満ちた真々子さん、あまりにも前面に出てきすぎて苦手でした。

これから観る方は1話観て継続されるどうか判断されるといいかもしれません。

OPはスピラ・スピカさん、EDは大好真々子役の茅野愛衣さんが歌っています。EDは「パタパタママ」の替え歌ですね。

最後に、シラーセ役の新井里美さん、あいかわらず独特で光っていましたねw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

73.4 21 2019年度の高校生アニメランキング21位
ぼくたちは勉強ができない! 第2期(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (343)
1555人が棚に入れました
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」獲得のため、学園が誇る3人の天才・古橋文乃、緒方理珠、武元うるかの教育係を引き受けることに。苦手科目にはとことんポンコツな彼女らを導き、志望校合格を目指すが…!?さらに、冷血に見えつつ超ドジっ子な教師・桐須真冬、メイドのバイトをしながら医学部を目指す先輩・小美浪あすみも加わり、成幸たちの勉強はさらなる追い込みへ!そして密かに恋の気配も…?「できない」天才たちが繰り広げるラブコメディ、 勉強も恋もまだまだ続く!!

声優・キャラクター
逢坂良太、白石晴香、富田美憂、鈴代紗弓、Lynn、朝日奈丸佳
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

続・うるかにしてください

・start ※うるか登場前

 「お勉強」+「ラブコメ」

・next step ※うるか登場後

 「ラッキースケベ」+「ハーレム」 featuring「お勉強」

・end ※この2クール目

 「お色気」+「なんかいい話」 featuring「お勉強」


全26話を通すと上記のような流れだったでしょうか。
1期全13話から3カ月空けての第2期全13話ということらしいです。3カ月インターバルを採用する目的なんて作画の安定ということなんでしょうが、リアタイで追う価値はなくなってきますね。
とはいえ作画安定の意図があったとしたら充分納得できるかも。本作において人気上位のとある方の見せ場でしっかりと動いておりました。

ちなみに1期の印象はそんなに良くありません。正確に申すと「続きをすんごい観たい」とはならず、なんならスルーしてもいいや程度の位置付けでした。古き良き少年誌のお色気マンガの範疇を越えません。ノスタルジーな風に吹かれてーの1期でお腹一杯だったのです。
「だったら観るなよ」という話ですがこの私。“にわか”を自称しつつもかれこれ1~2年くらいアニヲタっぽいことやってるとお作法や様式美なんぞもなんとなくわかってきて、とどのつまり

 {netabare}あれ!?うるか優勢じゃね?{/netabare}

ハーレムのくせに“幼馴染不遇説”を覆してくれそうな気配を感じたから。こたびの視聴動機になります。そして1期のレビューから常々言っております。


 {netabare}うるかにしてください{/netabare}


その結末は最終話をお楽しみに。良い意味としてのポジティブな終わり方をしてます。


さて2期です。
1期よりは好みの仕上がりでした。理由は足を引っ張る要素と思っていた“お勉強要素”がだいぶ薄まっていたこと。おそらく勉強の中身や内容をもって物語に説得力を持たせるには作者の力量は足りてません。1期の序盤がまさにそうでした。勉強要素を薄めてタイトル詐欺と言われようが、キャラ立ちさせてラブコメ要素増やすにつれて観やすくなった1期13話です。
2期では“お勉強要素”をさらに減らして“ラッキースケベ要素”通り越して“お色気”を増やしていきました。しかも男の子が好きそうなやつ(笑) 2クールめの第1話でその路線は明確に打ち出されてます。
{netabare}※主要キャラは言うまでもなく、湯船につかる先輩の下ろし髪など見た目の変化(ギャップ)をさり気なく見せてくるあたり侮りがたしでした。{/netabare}


そんなわけで、ジンクス破りくらいが楽しみだった視聴前から掌返しです。キャラも立ってきて、王道鉄板に徹すれば安定感は増す。タイトルそっちのけになるにつれて奇しくも面白さは増す。
ただし男子に都合の良いお色気でリアリティ皆無なため女性視聴者は離れそうな気配。胸の格差社会なんて思春期男子くらいじゃね?好きなの。。。
かくいう私なんですが、1期より2期が評価高いのでほぼキッズ男子と変わらんのかもしれません。えへ


■キャラの勝利

ハーレムっぽい作品に恵まれた2019年秋期ですが、キャラ立ちの点で本作は秀でてた気がします。

人気No.1は真冬先生らしいです。彼女と文乃はいい感じでギャップ作っていて良かったですね。二人が人気なのが分かります。
緒方とうるかはわかりやすさがウリ。天然不器用ただしデレる緒方と好き好き光線漏れまくりでデレるうるかと安心安定のキャラさんです。

古橋文乃(CV白石晴香)、緒方理珠(CV富田美憂)、武元うるか(CV鈴代紗弓)の3トップのはずが、おそらく当初サブキャラ設定だった桐須真冬(CV Lynn)先生もくい込んでくる嬉しい誤算。

関城さんは対うどん屋娘専任キャラとして輝き、からかい上手のあすみ先輩、ラブコメ特有の察しが良くて気が利く母親などサブキャラにも恵まれてたと思います。
なにより主役のなりゆきくんが敵を作らない好感度キャラ。これがもしもひねくれ主役だったとしたら取扱いが難しかったと思います。取り巻き女性陣に劣らぬ安心安定仕様の主人公でした。



続きが気になりつつもある程度綺麗にまとまったアニメでした。連載はまだ残ってるようですがこれで終わりで良いと思います。
というのも正直に言えば、最後半では真冬先生やあすみ先輩で尺を稼ぎ、賞味期限も切れるちょうど良いくらいで終了した感があるからです。

OPEDのアニメーションも勉強ネタ絡めて工夫があって良かったです。
思ったより満足しました。さすがに今度こそお腹はいっぱいです。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------
2020.07.24 追記

評点:1期3.4点。2期3.6点。


2020.01.12 初稿
2020.07.24 追記/修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

くぁwせdrftgyふじこlp

原作未読

あ、ありのまま起こったことを話すぜ
絶対来ないハズの万馬券が来てしまったんだぜ
な…何を言ってるのか分からねーと思うが
俺も何が起こったのか分からなかった…

詳しくは1期のレビューを観てくれなんだぜ

お話のざっくり概要
進路は向いてないのに突き進む天才ヒロイン達
家庭教師とは名ばかりのキャッキャウフフ毎日
女性教師とOGまでハーレムに加わって
最強に見える。妹もいるので完全無欠。
誰がユイガ君を墜とすのかのデスゲーム
だいたいそんな感じ?(全然違いますw)

もう、予想が大外れして大混乱です。
{netabare}
場内アナウンス「馬券を投げないでください!」
{/netabare}

おかしい…こんなはずじゃなかったのに…

んーと、んーと感想…感想…
{netabare}
桐須先生って大きすぎるんですけど
フィギュアスケーターとしてはどうなん?
競技的に胸無い方が有利かなーと思ったw
黒か…記憶を消しなさい?ごめんなさい無理ですw
{/netabare}

武元うるかとハイスコアの大野晶が同じ声優さん
(cv:鈴代紗弓さん)なのは驚きました。
{netabare}
しかし鈴代紗弓さんは最終回で飛行機に乗るって
病にでもかかってるんですかねぇ?w
{/netabare}

後半で一部シーンでCGになった時には
あれ?見るアニメ間違った?と思ったw
(日朝かよwと思いましたw)

曲はOPもEDも良かったですけど
どちらも1期の方が個人的には好みかなー

とにかく終始ドタバタラブコメで楽しかったです。
しかし…{netabare}奇跡の大逆転ってあるもんなんですね…{/netabare}
1期から見る事をオススメします!
1期見て楽しめたなら、2期もオススメです~

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オーソドックスなラブコメ②

原作既読。最終話まで視聴。
分割2クールの第2期。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
原作の方も、徐々にエンディングに近付きつつある今日この頃。
このタイミングで、アニメは一足先にエンディングを迎えなければならない訳で・・・。

こういうのって難しいですよね。
結局、肝心な所は「誤魔化す」or「想像にお任せする」のどちらかしかないですからね。

とはいえ、個性豊かで好キャラ揃いの女性陣。
少々鈍感系の主人公。
典型的な、オーソドックスなラブコメ。
普通に楽しめる作品です。

2020年3月9日追記【重大なネタバレですので閲覧注意】
今週号のジャンプで重大発表がありました・・・。
{netabare}【重大なネタバレですので閲覧注意!!】
{netabare}第2期最終話の例の花火の1発目。
アニメでは誰と一緒だったのか分からなくしてありましたけど・・・。

原作でも、5人5通りのマルチエンディングが発表されました。

『例の花火を誰と見たのか?』

そこから分岐していく、5人5通りの物語。
誰推しでも安心のエンディングとなるようです。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

77.5 22 2019年度の高校生アニメランキング22位
BEASTARS(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (352)
1529人が棚に入れました
肉食獣と草食獣の共存する世界。食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件"が起きる。犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本能に抗え

アニメーション製作:オレンジ、
監督:松見真一、脚本:樋口七海
キャラクターデザイン:大津直、
音楽:神前暁(MONACA)、原作:板垣巴留

しょう油顔、ソース顔という
男性の顔の方向性を表現する言葉があった。
「顔」は、ある意味、その人そのものであって、
私たちは一生逃れることはできない。
自分の顔が気に入らなくて整形を繰り返す人もいるが、
結局は自分自身を覆う「何か」は、
死ぬまで付いて回る。

そして「草食系」「肉食系」という
人間の生態や性格を指す言葉もある。
これは、努力によって変えることが
できるものかもしれないが、
もしそれが動物のことなら、
遺伝子レベルのものから逃れることは不可能だろう。

BEASTARSは、動物を擬人化した物語。
登場人物は全員が動物の設定のため、
本能から逃れることはできないはずだ。
しかし、それでも自分の想いを実現させようと
抗い続け、挑戦し続ける者たちがいる。
これは、何かの業に縛られた者が、
「想い」の力によって大切なものののために
本能を飛び越えようとする
信念の物語ともいえるだろう。

物語の中心は演劇部に所属する
ハイイロオオカミのレゴシとアカシカのルイ。
彼らは、自分たちの宿命から逃れるために
想いを募らせていく。
レゴシはドワーフウサギのハルを好きになったことで、
自分の本能について深く考えるようになる。
一方、ルイは肉食、草食という動物社会における
地位の格差について変革を起こす野心を抱いている。
これは人間社会に置き換えるなら、
民族主義的な部分で将来を嘱望されている黒人と
ずば抜けた才能を持った白人によって繰り広げられる
戦いの物語という構図になるのかもしれない。
ただ、これに動物の「本能」という宿命を
付加させることで物語を興味深いものとしている。

レゴシとルイのそれぞれの葛藤を演劇によって表現した
3~4話で物語の深みに引き込まれる。
草食獣の代表として地位を掴み取ることが
悲願であるルイ。そして、オオカミの本能と
自身の平時における性格の違いに戸惑うレゴシとの
対比が実に上手く描かれている。
さらに、ほかの動物たちの思惑も絡み合い、
複雑な様相を呈しているのは、
まさに人間社会そのものだ。

学園内で起こった重罪とされる食殺事件、
動物社会で草食獣が「BEASTAR」に選ばれる意味、
肉食獣、草食獣が共存する世界における
政治家たちの思惑と現実、
レゴシの内面を覆いつくす真っ直ぐな想いと
正しい行い、そして恋心。
さまざまな要素が溶け合って、
あまり今まで味わったことのない
複雑な感情が湧き上がってくる。

人間たちの奥底にある様々な感情を
分かりやすい形で炙り出した群像劇。
続編も決定しており、まだまだ途中なので、
高評価するには早い段階だが、
起承転結のある優れたシリーズ構成によって、
挑戦的な作風を1クールでしっかり見せてくれた。
ジャズを意識した劇中曲やOP、
そして数種類用意されたEDも聴き応え十分。
これまでにない新しいアニメーションを
紡いでくれるのではと期待できる。

草食獣と肉食獣が共存する新しい地平。
それは、どこかにあるのだろうか。
(2020年3月7日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の条件

板垣巴留原作、制作オレンジ。

擬人化された動物たちの物語が、
メジャー少年誌の看板になる。
その時点で物語に一定の力があるのだろう。

17歳、肉食獣のハイイロオオカミ、
身体は大きく繊細な心を持つ主人公レゴシ。
彼は肉食獣としての生き方に葛藤している。

興味深いのはよくある、
少数・多数や、勝者・敗者の関係性ではなく、
肉食と草食で対比している点だ。
この気持ちは「恋」なのか!?の後に、
それとも「食欲」なのか!?が配置されている。

当然、共存する社会の在り方や、
本能の抑制、倫理の確立が問題となる。
僕は単純に擬人化された物語は苦手である。
しかしながら擬人化した理由があるはずだ。

4話視聴追記。
人の持つ機敏な「感情表現」が、
あまりにも豊潤に表現され伝わる。
演劇内演劇の入れ子構造が様々な仕掛けを生む。
{netabare}捕食する側と捕食される側の論理。
否が応でも「他者」を考えさせられる。{/netabare}

最終話視聴追記。
レゴシに称賛を贈らねばならない。
落ち着いた声が素晴らしくキャラに馴染む。
肉食に・草食に生まれた存在意義、
その中で他者とどう分かり合えるのか。
レゴシはきっと見つけたのだ。
本能にも勝る偉大で崇高な感情を。

ここからが勝負どころである。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いろいろと生々しいのよ

原作未読


原作者の方。『バキ』を描いてる漫画家の娘さんらしいですね。すげー!
どうやら“動物の本能”を突き詰めたい血筋は変わらないようです。

“本能”を突き詰めすぎてもはやギャグ。荒唐無稽さを楽しむ良質なエンタメ作品を輩出している父。

対して本作『BEASTERS』では

“本能”を突き詰めたついでに社会の矛盾も浮かび上がらせる深みとコクを醸し出す娘。

サムネから想像するに、見た目重視。ケモナー優先。各動物の特性をなぞるかのようなキャラ設定。鳥獣戯画に毛の生えた擬人化ものを想像してました。とりあえず二足歩行させてやることは人間と一緒!みたいなやつです。

全然違いました。もちろん良い意味で、です。
草食動物と肉食動物を擬人化させて、彼らの特性を残しつつもそこに共存している世界を描いた作品。
食物連鎖をガン無視した統治機構を作り、そのための教育を施して理性キープしてますよという表部分と、蓋をしていても肉をどうしても食べたいという本能が見え隠れする裏の部分。その間で揺れ動くハイイロオオカミのレゴシ(CV小林親弘)が主人公です。揺れ動くのはレゴシだけでなく、肉食も草食も関係なく登場キャラたち軒並み葛藤している模様。そもそも本能に蓋をした社会は不健全であり、一見平和な世界そのものが揺れ動いている。そんな不穏さを孕みながら物語は進行します。これが大枠の背景。

そんなシビアな背景を原動力として、肉食動物の中でもそこそこ強い部類らしいハイイロオオカミとは対極の最弱の草食動物ドワーフ種ウサギのハル(CV千本木彩花)との恋物語がメインのストーリーです。一応この世界の恋のルールだったりその他常識については本編でお確かめ下さいね。
とりあえず二足歩行させてみた的な浅さとは程遠いと感じた次第です。


動物もの!?は無条件でパクッと喰いつく層以外でない、むしろ逆で安易な擬人化ものに辟易しているかもしれないあなた! …いいですよこれ。
やりとりされる会話の生々しさは2019年秋期もので断トツです。リアル世界に近いものがあります。そして、肉食と草食の両動物のフィルターを通した独自の世界観は新鮮に映ります。もの凄くファンタジーな世界で繰り広げられる生々しいやりとりと心の機微のリアルさ加減で充分楽しめるかと思います。

本能と理性という二項の対立/葛藤/調整なんて定番のネタでもあったりするので、いい感じでリアル世界の暗喩的なあれやこれやも感じる良作。
言い忘れてましたが、OPは音とアニメーション両方ともこのクールベストかも。ジャズファンク調リズムに乗った手のかかってそうなパペットアニメの組み合わせが素敵な一曲。
これは良いです(小並感) 2期決定したようなので今から楽しみですね。



※ネタバレ所感

■本能を無視すりゃ破綻しますよ

ナチュラリストを無条件で礼賛するほど極論には振れませんが、“自然”の対義語は“不自然”であるという常識(笑) 
この歪んだ世界は変わらずにいられるのでしょうか?

{netabare}レゴシと同族のジュノは「(対肉食への差別が)中学はそんなにひどくなかった」と高校に上がって社会の抱える歪みのひとつに直面。さらに別のシーンでは高校を卒業すれば闇市にも自由に行けることも。
人間と一緒。「お友達みんなと仲良くしましょう」の幼稚園時代から始まって徐々にやっかいな現実に触れていき、社会に出る頃には幼少期のそれは幻想と知る。段階を経て現実を知っていくのです。
ところがどっこい、BEASTERSの世界では幼稚園時代の理想がまかり通る世界。ライオン市長もいろいろ無理して“ライオンは怖くない”イメージ形成に成功したようですが、シシ組との棲み分け等々…蓋をしないとどうにもならないものを抱えざるを得ません。
“みんなと仲良くしましょう”という理想の実現のため歪みが肥大化しきって爆発しそうなのです。{/netabare}

{netabare}「メスは争いが嫌いです。(ジュノ)」に返す刀で「君ほど強欲なメスは違うだろ。(レン)」
矛盾を孕んだ世界を喝破する表現は随所にあるわけでした。{/netabare}



■ロミジュリを凌駕するほど二人を隔てる壁が

{netabare}「捕食者の本能があれば被食者の本能もある」{/netabare}
{netabare}「然るべき関係は体が一番知っている」{/netabare}

最終回で流れたテロップが示唆するところは?

{netabare}肉食草食同士、仲良くやろうという社会の中で、肉食草食同士の交合はご法度という世界観。
前者ですら危うい綱渡りをしているのに、さらにハードルが上がりもはや禁忌の世界。これを打ち破る可能性を秘めてるのがレゴシとハルの関係性ですわな。{/netabare}

どう畳むんでしょう。楽しみでしかありません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2020.01.23 初稿
2020.07.16 修正
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

71.5 23 2019年度の高校生アニメランキング23位
手品先輩(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (406)
1523人が棚に入れました
手品が大好きだけど、アガリ症のせいで失敗率は100%!? そんな「先輩」に、無理やり奇術部に入部させられ、あげくに「助手」扱い…。大道芸姉弟の「咲ちゃん」と「まーくん」、それに化学部の「斑さん」まで巻き込んで、先輩は、今日も元気に、ちょっぴりエロスに大失敗! 見てられないけど、見ていたい、ポンコツ手品GAGアニメ!!

声優・キャラクター
本渡楓、市川蒼、喜多村英梨、高橋李依、浪川大輔、茜屋日海夏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ツッコミ不在の悲劇

原作未読


ショート15分もの。短尺ものは途中断念するまでもないと引っ張りがちです。

ショートものには珍しくOPED完備で中身はさらに短縮。実質12分ちょっとしかありません。通常の主題歌90秒のところを本作では60秒ほど。エンドロールのスタッフ紹介の切り替えが早いです。

さらに短尺の中で3つ4つとショートエピソードが連続する構成なのでけっこう急ぎ足ですね。スピード感はあると思います。例えるなら一試合12分で1Q3分の3on3の試合みたいなものです。


マジック大好きなポンコツ主人公“先輩”(CV本渡楓)の失敗をツッコミ役の助手(CV市川蒼)が合いの手をかます基本スタイル。

水着回は当然あるとして、パンツ丸見え、脱いじゃってきゃーっ、接触してどきっ、水かかって下着スケスケ、SE付きでお胸ばいんばいん、その他悶えて赤らんでのお手軽で品のないエロが売りのギャグアニメです。
あまりにお手軽過ぎて眉間にしわ寄せて「けしからん」というのも無粋な話。B級コレクターにはまずまずの一品でしょう。基本はくだらないです。


二人の掛け合いを序盤に見せた上で、

{netabare}第3話 {/netabare}お姉ちゃん茜屋日海夏
{netabare}第6話 {/netabare}咲ちゃん(CV喜多村英梨)、正志(CV浪川大輔)

と登場人物を増やしていきます。あ、科学部部長斑さん(CV高橋李依)もですね。
人が増えたところで青春群像劇にはなり得ません。

ギャグがイマイチなため“キャラ愛で特化型”作品にならざるを得なかった印象です。そして自分にはキャラ愛で需要はそれほどないので、B級コレクターとして流して観る程度でした。


■ギャグが微妙

ツッコミの重要性が痛いほどわかります。先輩の渾身のボケを助手が拾えません。時おり「なんでやねん」的ななにかをかましますが、間もトーンもちぐはぐで、不慣れな駆け出しコンビのよう。

ツッコミの力不足という点で直近の他作品を例にとると、『上野さんは不器用』の田中でしょうか。お色気を無視すれば『川柳少女』のえーちゃんともいい勝負のダメっぷりです。

逆にツッコミで助けられたものは、『この素晴らしい世界に祝福を』のカズマ、『かぐや様は告らせたい』の書記と会計でしょう。
ポンコツ女子(男子)には有能なツッコミ役を配置してほしいと思います。


■キャラが微妙

先輩について良い点を挙げれば、“奇術(マジック)が好き” ということ。{netabare}3話で“和妻”を題材に持ってくるあたり{/netabare}研究熱心さ一生懸命さは伝わってきます。

アガリ症の裏付けに、一人でやってると失敗しないみたいな描写がありました。だいたい本番でアガるのは練習不足が原因だったりしますよね。先輩練習量は相当あるので、普段通りの力を出せば問題ないはず。対人苦手な性格ならそもそも人前に出る前提のマジックをやる説得力に欠けます。

そうなると「あーそういうの見せたいだけね」となり、自分は線を引いて、後は消化試合です。



ハイテンション先輩を拾ってくれない。露骨なキャラ設定。先輩役の本渡楓さんの孤軍奮闘ぶりが涙を誘います。

先日、「実は東郷平八郎の子孫でー」なネタが駆け抜けましたが、当時の日本の置かれた状況やバルチック艦隊を前にしての閣下の心境と本作での彼女の心境とがリンクするような感覚を覚えたのは私だけではないでしょう。 {netabare}※いやオメーだけだよ!{/netabare}



※オマケ

■種無(たねなし)高校

主人公らが通う学校名です。
良くも悪くも下品で見るに堪えないレベルにまで落ちていないのは助手♂の視線がエロに傾斜してなかったことでした。
だがしかし、、、
多くは言いませんが不自然です。いや、不健康です。先輩隙だらけもいいところでしたから。

 “種も仕掛けもございません”

作中用いられてもいますマジックショーでの常套句。

 “種を仕掛けにいきません”

まだまーくんのほうが見どころありそう。。。
・・・草食化を嘆くおっさんの世迷い言でした。失礼m(__)m



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.09.18 初稿
2020.04.05 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

手品●●パイ

原作未読

はい、この伏せ文字の所には何が入るでしょうか?
種も仕掛けもありません。ドコドコドコドコ…ジャン
正解は「手品{netabare}セン{/netabare}パイ」です!
正解した人は拍手!拍手!
あれあれぇ?間違った人がいるのかなぁ?
どうして間違ったのかなぁ?
心がピュアな人は間違えないハズなのにおかしいなー(棒

と、最初のネタはおいといて

お話のざっくり概要
すんごいエロい体した先輩が手品と前言い訳をして
後輩とくんずほずれつするお話
って感じ?(大体合ってるはずw)

手品ってタイトルについてるけど
まぁ手品関係ないっすねw
無駄にエロい体+ドジっ娘成分+何か題材
があれば成立する作品なので
大道芸だろうが、睡眠術だろうが何でも成立してしまう…
なので手品である必要はぶっちゃけ無いですw
何か理由があるんだろうか…?
そこまで語られるかはまだ分からないです。

まぁ先輩可愛いですよ?
先輩に可愛さを見いだせたなら割と楽しめる
そこが「ふーん」だったら全然面白くない
という潔い作品な気はします。

超どうでもいいですけど
たねなし高校らしいです。ほんとどうでもいいけどw

先輩が可愛いと思った自分は割と楽しめてる方なので
最後まで完走する予定です~

2019.09.18追記
完走しました。
最終回の手品は見事ですね。
あれだと男はトリックに気づくことはできないでしょうw
凄いカップでしたw

まぁしかし最後まで特に何も起こらなかったです。
特にオススメする要素はないのですけど、
15分で気軽に見れるので、何も考えずに軽く見たい時に
先輩の可愛さをちょっと楽しむ感じですかね~

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

チョイかわポンコツ先輩の微エロアニメ

原作未読。最終話まで視聴。

レビュータイトルのままですね。
ちょっと可愛い手品好きの先輩のポンコツぶりを見て笑う、微エロアニメ。

本編15分弱が、4、5本のショートストーリーで構成される。
1話1話が短いので、あまりストレスを感じずに視聴できる。

その反面、見終わった後、何も心に残らないんですよね。
内容が薄いっていうのもあるけど、心に残る名ゼリフ的なのも無いし・・・。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

67.2 24 2019年度の高校生アニメランキング24位
超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (372)
1441人が棚に入れました
飛行機事故に巻き込まれた七人の高校生。彼らが目を覚ますとそこは魔法や獣人の存在する異世界だった。突然の事態に彼らは混乱― ― することもなく( ! ? )電気もない世界で発電所を作ったり、ちょっと出稼ぎに出ただけで大都市の経済を牛耳ったり、あげく悪政に苦しむ恩人たちのために悪徳貴族と戦争したり、やりたい放題! ?そう。彼らは誰一人普通の高校生ではなく、それぞれが政治や経済、科学や医療の頂点に立つ超人高校生だったのだ!これは地球最高の叡智と技術を持つドリームチームによる、オーバーテクノロジーを自重しない異世界革命物語である!

声優・キャラクター
小林裕介、桑原由気、日高里菜、日岡なつみ、金元寿子、金子彩花、石上静香、間島淳司
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

現実世界においては結果こそ評価されるが、空想世界においては過程こそ評価される。

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
いわゆる、「なろう系」の異世界転生モノ。前期に乱発したものよりは、やや見処(面白さ)はあったと思う。

が、「ムダなエロ」でマイナス1。「やっぱりなろう系じゃん」でマイナス1。ってところですかね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作は、「異世界で(民主主義の)革命を起こす」「建国する」ということをテーマにしている。この点は、とても良いと思う(好きな内容です)。

また、一人のチートに頼るのではなく、異なる才能を持つ7人が、それぞれの得意分野を生かしていくのも、良い展開だと思う。

が、やはり所詮は「なろう系」と酷評せざるをえない。

「なろう系」(と酷評される、異世界転生モノ)に共通しているのは、(作家自らが創造した)異世界に対する、リスペクト、愛情がないという点。

「なろう系」の異世界(転生先)は、現実世界(転生元)に生きる我々に蹂躙されるためだけに存在する、低次元、低レベル、低生活水準の世界である。

現実世界の「当たり前」を披露するだけで、「無双」できてしまう。だからこそ、現実世界では冴えない自分でも、活躍できるという簡単なロジックを用いる(本作は、現実世界でも超人だが)。

よって、その「異世界」で暮らしてきた住人達の意思や努力、積み重ねてきた歴史、人々の生活の息吹は全て、「取るに足らないもの」と一笑に付される。

この点を不愉快に感じる視聴者は多いのではないかと思う。少なくとも、私はそうだ。

それは、作品に愛を感じないから。

作者を親とするならば、転生者(勇者)は子供。愛情をもって当然。でも、敵役もモブも、役割は違えど、基本的には子供じゃないの? 転生者だけが可愛いの?

自由民権運動も良いし、産業革命も良いけど、それらは全て、「転生先の世界の理」の中で行われるべきで、「転生元の世界の理」を引用してはならない。

本作で唯一良かったのは、2話でノイツェランド商会を潰したあたり。(忍者が市長を脅すという反則技が残念でしたが)ある程度は相手の土俵で、この世界の経済体系の中で戦っていたし、結局は、ノイツェランド商会のこれまでの悪行(独占市場)による信用のなさが決め手になった。マヨネーズも、原材料があればなんとか作れそうな範囲だし。

つまり、創作物においては、「結果」より「過程」が大切であるということ。

創作物において、作者は、神に等しい。

PCのキーをひと叩きするだけで、世界を救えるし、世界を滅ぼせる。どんなショボい奴でもハーレムを築けるし、夢も幻も現実に出来る。

何でもできるからこそ、自らを規制しなければならない。どうやら、「なろう系」と酷評される作者は、このブレーキがぶっ壊れているらしい。

今作で言うと、林檎が一番顕著な例。ミサイルもバリアも作るのは良いけど、どうやって作ったかはオールカット。「天才(超人)だから」で全て解決。きっと、作者は、マヨネーズの作り方は知っていても、ミサイルの作り方は知らないのでしょう(まあ、私も知らんがw)。

今期、私が一番感心した作品は、「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」。詳しくは他作品のネタバレになるから書けないけど、「転生先の世界の理の中」で、「自らに枷を設けて」、世界の改革を行っていく。この作品がやらなかったこと、やれなかったことを完璧に行っていた。

また、偶然だろうが、同期に「サルファ剤」を作るアニメがあったが、あちらは「科学」で「じっくり」。こちらは「魔法」で「あっさり」。物凄い分かりやすく、作者のレベルの差を感じた(そういえば携帯電話も、こちらは5秒で作っていましたね)。

最終回も、「え? 最終回なの?」という、肩透かしラスト。。。

う~む。重ねて言うが、他のなろう系に比べれば、楽しくなりそうな要素はあったんだよな。それだけに、残念感が残ったかな。
{/netabare}

【余談~ CMにモノ申す(笑) ~】
{netabare}
自分、このアニメはBSで観てましたが、アニメの後に流れる栄養ドリンクのCMが、「高麗人参や生薬で取り戻す、男の元気、活力」って。

旦那にも自信が~とか、長持ち~とか、いやいや、このアニメ観てるのを、オッサンだと決めつけて提供してるがな(笑)

まあ多分、かなり当たってはいるんだがwww
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
高校生である必要性がよく分からんが。科学者、剣豪、医者、実業家、マジシャン、ジャーナリスト、政治家。つか、コイツら全員いなくなったら、日本、大変そうだけどな。

なぜ、ディープ? みじん切りにしろや。

じゃがマヨ。まあ、卵と酢と油だからな。携帯の改造、、、どうやって? 小型原子炉? 総理大臣、なぜ強い?


2話目 ☆3
ノイツェランド商会が全く同じやり方をしてきた場合、資本力の差で負けそうだけどな。もしかしたら、これまでの信用の差で負けるかもしれないけど。

3話目 ☆2
医療は一番、マジかと思う。衛生状況とか、大丈夫か? タネがあればマジック、なければ魔法。タネを提示できないなら、魔法。

4話目 ☆2
う~ん、これ、文明を進めたくないなら、超人達だけ、少数精鋭で攻めたら良かったんじゃね? レールガン的なやつ作れるなら、サブマシンガン持たせて、忍者と侍に突っ込ませれば、なんとかなるじゃん。結局、市民革命やりたいだけだな。

5話目 ☆2
出た出た、「現代の通常生活を見せるだけで、ショボい異世界では無双しちゃうぜ☆展開」。こうなると、一気につまんなくなるんだよな。マジックと宗教の結び付きは、悪くないけどね。この短期間での狂信的なまでの支持は、気持ち悪いな。宗教ってことは、教えや戒律があったりする? そこを具体的に欲しいな。教え=民主主義、なのかな。

バーナード、わりと、あっさり。

6話目 ☆2
死刑て、政治的な不正で?

7話目 ☆2
たらふく食わして動けなくして、、、薬を混ぜる方が、高くつくのかな? ミサイル迎撃て(苦笑) だったら、長距離ミサイル作って、先制攻撃かけて、ギュスターブを殺せば良いじゃん。

8話目 ☆2
ミサイルの速度で走れる人間は、ミサイルよりも強いと思う。バカみたいで笑えたけどw

9話目 ☆1
ただの蹂躙に、ムダな一騎討ちに、イミフなエロ。

10話目 ☆2
りんごとのデート回。なぜそこで、「私のため」になるんだろう? 状況的には、「りんごを利用して修理費を稼いでいた」だと思うんじゃない、普通。あそこで、「なぜいつも壊れた機械ばかり買うんだい?」「友達に、、、夢を見つけてほしくて」とかってやり取りが必要なんじゃ?

11話目 ☆1
奇しくも、サルファ剤を作るアニメが、同期(2019秋)にあったけれど、その過程を見せるレベル差がエグい(笑) あっちは「科学」、こっちは「魔法」だもんな(苦笑) 作者も、(同じ事をさせてるだけに)自分とのレベル差を感じたのだろうか? 頭のいじるって、医療で、しかも、あの設備で可能なのか? 催眠術(も広義では医療といえるから)で良かったんじゃない?

12話目 ☆2
ミサイル攻撃。まあ、武力がないと交渉にならないのはそうだろうな。でも、その武力がお手軽チートだからな。民主主義国家の旗揚げ。演説の中でいきなり「責任」と言われても、民主主義の概念すらないなら、意味不明だろうな。え? 終わり? というラスト。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

scandalsho さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

あぁ、今期の酷評枠かぁ(笑)

原作未読。最終話まで視聴。

世界最高の政治家の御子神司
世界最高の実業家の真田勝人
世界最高のマジシャンのプリンス暁
世界最高の剣豪の一条葵
世界最高の発明家の大星林檎
世界最高の医者の神崎桂音
世界最高のジャーナリストの猿飛忍

彼たちが異世界において、産業革命を起こし、民主主義革命を起こし、建国していく物語。
マジシャン?ジャーナリスト?
少々微妙な人選ではあるが、面白そうな初期設定だと思う。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この作品最大の問題は、彼らが『全員日本の高校生』だという点。
なぜ、彼らが『日本人』である必要があるのか?
なぜ、彼らが『高校生』である必要があるのか?

司は総理大臣なんだそうだ。総理大臣=衆議院議員=被選挙権は25歳以上
『日本人』で『高校生』だと、さすがに無理がある。

これ以外の面々に関しても、『世界最高の』の冠がつくと高校生では無理が生じてしまう。

少なくとも、この点に関しては(強引なこじつけでも)説明が必要だと思う。
この部分の説明を避けたいのであれば、『日本人の高校生』という現実離れした設定は諦めるべきだ。
初期設定の段階で破綻していて、視聴者の理解が得られないからだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この作品の最大の不幸は、同期に『Dr.STONE』と『本好きの下剋上~』があった点。

その作品が『何に重きを置くのか?』という根本的な問題はさておき、『発明』という点においては、上記2作品に軍配が上がるだろう。
それも圧倒的に・・・。

原材料の入手から製造過程まで、丁寧に描いた2作品に対して、落差が半端ない。

色々なモノをすっ飛ばして、『世界最高の』をアピールしたいのか?とも思ったけど、恐らく、原作者の知識の問題なんだと思う。
知識がないから過程が描けない。
もっと言えば、調べてもよく分からないとか・・・。
そういう作者の浅はかさだけが浮き彫りになってしまう悲しさ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

いかなる理由があっても、相手国に武力攻撃を行う政治家、核攻撃を決断し、実行した政治家を『世界最高の』と謳ってしまう原作者の思想は、断じて許してはならない。

少なくとも、この点だけはもっと厳しく断罪されるべきだ。
こんな作品をアニメ化した制作陣の人格も疑わしい。

世界で唯一の被爆国である日本人の発想だとは思えない。
この主人公たちが『日本人の高校生』であるという設定は、日本人に対する最大の侮辱だ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

すべてが蛇足

[2019/10/05 v1 「そこで」の物語ではだめですか?]
[2020/03/30 v2 すべてが蛇足]

原作知らず。

1話切りをしていた本作ですが、皆様のレビューを拝見するにつれ、ちょっと見てみようかと思い直した本作です。v1は1話切り直後の、v2は最終話まで(一応)観ての感想となります。

― v1 「そこで」の物語ではだめですか?
{netabare}
(久しぶり(?)に口汚くなってしまった・・・・ごめんなさい)

冒頭のご紹介、ありがとうございます。おなかいっぱいです!

高校生にして「世界最高」の政治家、ビジネスマン、マジシャン、医者、剣豪、発明家、そしてジャーナリストですか。なるほど。

大変興味深いです。
高校生にもかかわらず総理大臣に指名されるまで(再選らしいから、中学生で?)、政界の狐狸たちを相手に立ち回る物語、どのような頭脳戦が展開され、そしてその絶大なカリスマはどのように獲得され、発揮されてきたのか。大河ドラマ級の物語があってしかるべきかと思われます。

深いドラマが見え隠れします。
高校生の身でありながら人の生死に関与せざるをえない身の上ときっとその中で培われてしまった医術の神技、剣術の妙技。何かを捨てざるを得なかった生い立ち。人を殺めることへの葛藤と救うことの喜びが織りなすドラマ。これは名作のかほりがします。

Drスト〇ンなんか目じゃないです。
あっちは37世紀巻き戻った世界だけど、こちらは今の先の世界で、発明家はさらにその先「数世紀」を行く。どんな科学マジック・発明マジックがでてくるのか。小型原子炉ですものね。もうガン〇ムやら旧設定のネコ型ロボット待ったなしです。手回しダイナモなんて目じゃないです!

とても面白いと思います。
高校生でありながら、世界の富の3割に関与するまでのサクセスストーリー。本宮先生が歯噛みしちゃいそうです。世界の富の3割に関与するビジネスリーダーがドバイのヘリポートに降り立ちながら百億円の追加融資にあんな反応するんですね。融資される側なんですね。ところで関与とは?いやいや興味深いです。

わくわくしそうです。
高校生でありながら世界最高のマジシャンと呼ばれる人物のトリック、心理操作術や仕掛けと、それを考案していくまでの物語。

にんにんうるせーよ。espionage=journalismなのか。そうですか。
(飽きた)

っていうかですね。↑みたいなのじゃだめですか?
なんでことさらに別の世界にツアー旅行するのでしょう。

すでに「そこ」が異世界じゃん。年端もいかない子供に他人の命はおろか国家人民を背負わせることができる、我々の住む世界とは全く相いれない倫理観をもち、すでに宇宙ステーション(重力あり)があり、その他もろもある異世界じゃん。で、かつ皆様それぞれに「世界最高の」方々じゃん。
そこでの物語でよいのでは?十分に異世界俺TUEEEできるじゃんか。

すでに「超人」としてアドバンテージありありの人たちなのに、周囲・周辺にこれでもかのディスアドバンテージを付加し、極限まで差を広げないとお話紡げないものでしょうか?ケモミミエルフなきゃだめなんですか?開幕べろちゅー必須ですの?(っていうかあのシーンは純粋に吐き気)


きっとそういう方が書かれたお話なのだろう、おそらく僕にはつらいだろう、ということで今期初の状態確定(見ない)となりました。ありがとうございました。

「世界最高の」という形容がどうにもなんていうか、、、浅いというかな。{/netabare}

― v2 すべてが蛇足
{netabare}
通しで観てみようと思ったきっかけは、皆様のレビューを拝見して知った「大量殺戮兵器({netabare}作中ではそれがなんであるか明言していない、念のため避けたということかな?{/netabare})」の存在です。皆様のレビューでも批判のやり玉に挙がっているこの兵器がどのように、なぜ登場したのかにちょっと興味がわきました。その兵器の投入は最終話だったのですが・・・・視聴、しんどかったです。

一話を見た段階で思っていたことが覆ることも、逆により強くなることもありませんでした。何かが刺さることもなく、うすーくのばしたなにかの中を淡々と過ぎていく12話でした。

展開としては、
- 登場人物顔見世興行(1話)
- 市場経済(2~3話)
- リルル奪還・蜂起(3~4話)
- 神権政治・貴族の官僚化(5~6話)
- 対ギュスターヴ(7話~)
- 圧政と貧困・カニバリズム(7話)
- 兵装の近代化・司さんパネェっす(9話)
- 司さんパネェっす・惚れるっす(10話)
- ハイ出たーサルファ剤だー・桂音さんすげぇっす(11話)
- どっかーん・エイブラハムの真似事・司さんパネェっす(12話)

いやー。高校の政治経済の教科書まるごと詰めたんすかねー。でも、教科書すらちゃんと読んでないかんじだなー。サービスシーン満載の12話アニメに。。。そりゃぁ、薄くなるわけだ。2~3話の展開にもいろいろあるけど、経済は得意ではないので他の皆さんにお任せ。後半の「兵器」と「立国宣言」について中心に。

―― 大量殺戮兵器の件
{netabare}「平和のためには軍事力を放棄すべき」という思想には全く賛同できない人間です。平和を維持するための軍事力(抑止力・抵抗力)に対して、現状においてはほかに選択肢がないから肯定派です(当然、自衛隊も必要であるという立場)。以下、こういう思想の人間が書いた内容ですよ、と前置きをしてから。

司さんの考えには、基本的に賛同できません。大きな理由は以下二つ。

―――この兵器、および軍事力に対する司さんの考え方が、浅い
{netabare}国家は「軍事力」を必要とする、という発想自体は嫌いではありません。しかし、その手段たる軍事力を必要とする「目的」に同意できません。

「国家として対等な交渉の席に着くために、他者と同等以上の軍事力が必要(12話)」という司さんの考え方では、お近くにいらっしゃる北の将軍様率いる国のやってることと大差ありません。軍事力の効用は次の3つ。強制力、抑止力、抵抗力。{netabare}「平和のためには軍事力を放棄すべき」を主張する方々に面と向かって聞いてみると「軍事力=強制力(のみ)」と考えている方が多くみられる(自分の経験なので一般的にはどうかは知らない)。{/netabare}そして、司さんの物言いは、軍事力を背景とした強制力を意図しているように聞こえる。

違うだろ。国家が国民との契約履行(あるいは履行状態の維持)のために国家外から国家・国土・国民に向けられる強制力を抑制する、抵抗する手段というのが近代以降の軍事力の位置づけだろうが。こういうお話を書くんだったら、多少は勉強しろよ作者さん。{/netabare}

―――この兵器を選択し、実用化した意味が分からない
{netabare}作中で明言はされていないものの、まぁあの兵器はアレでしょうねぇ(原作では明言されているそうですが)。なぜそれ?林檎君の開発力をもってすれば、違うもので対応できたはず。どうせご都合主義てんこ盛りなんだから、そういうのでいいじゃない?何でアレなの?しかもその直後に領土併合って、そこまでやるんだったらなおのことアレはだめでしょうに(自国土化予定地にコントロール困難なダメージを負わせるって{netabare}(僕は一応、科学信奉者なので「コントロール不可能」とは言いたくない){/netabare}、、、あほなの?)。
{/netabare}{/netabare}

―― 政治的な変遷の件
{netabare}
作者さんの勉強不足が思いっきり露呈していて、ちょっと悲しくなりました。

それとは別に、これは完全に僕個人の主観なのですが、日本人的発想って民主主義を啓蒙するには不向き(日本人は民主主義を語る存在としては不適格)だと思っていて、その片鱗が最終話に至るまでの政治的変遷、司さんの言動にちょいちょい見えた感じがします。勘違いされたくないので言い足しますが、「日本的民主主義」自体は、これはこれでアリだと思っています。でも、アメリカやフランスにおける「民主主義」とは、違うんじゃないかなぁと思います。

以下、12話の司演説について。

―――「そのために必要なものが、国家だ(ドヤァ)」 ( ゚Д゚)ハァ?
{netabare}おいおい、その直前に「七光聖教は*、*、*領、すべての統治権を獲得したことになる!!」っておっしゃってますが。。。統治権を獲得し(統治権を獲得=統治権を行使する存在がある)、かつ、それがいかなる他の統治権にも属さない時点でそれ既に国家では?ドルト何とかの街をちゃんと統治しているわけでしょ?マジシャン(我々のお殿様とどこかで呼ばれていたはず)を頂点にいただく、立派な君主国家じゃん、すでに。{/netabare}

―――「一人一人が国家の主であり、国政に関与・・・共和国だ(ドヤァ)」 ← せめて民主共和国で。
{netabare}なんていうか、作者さんはもう少し政治体制に関するお勉強をしてからお話書いてほしかったかな。辞書くらい引いてほしい。

共和国(共和制)って、君主を持たない政治体制全般を指す言葉です。過去から今日に至るまで王・皇帝は君臨せずとも一党独裁・一集団独裁の国家って、軒並み「共和」してたじゃないですか。ソビエト社会主義共和国連邦、とか。形の上で「君主」を名乗らなければ、総じて共和国です。定義上、国民が全て市民である必要もありません(万民平等に沿わなくとも共和できる)。

「せめて民主共和国で」って書きましたけど、この時点で司さんたちが立国を宣言した「国」の政治体制って、どうやっても君主制なんですよ(いいとこ立憲君主制)。完全に「教団」主導で統治が行われ、その教団が仰ぎ見るもの=神(マジシャン)が実在の存在としてそこにいますんでね。これ君主以外の何物でもないです。確認したところ、バチカン市国は立憲君主制に区分されていますね。神そのものではなく、教皇がトップという違いはあるものの、司国家はほぼこれと同等なのでは(仮に天司の誰かが代表となったとしたら、なお一致)。{/netabare}

――― 「七光聖教は、エルム共和国の立国を宣言」( ゚Д゚)トドメの一撃だな
{netabare}なぜ、実在する神(=マジシャン)を有する「教団」が共和国立国を宣言するのか。

仮に「共和国」が正しくて、本気でかれが言うような民主主義的なことをしたいんだったら、同時に議会の制定と選挙実施の宣言がなければだめだろうに。立国の宣言と同時に、天司たちの正当性が失われるはずだしな(その時点の統治機構全て)。これと同様の問題・矛盾は、6話あたりの「身分制度の廃止」も同様。{/netabare}

――― 余談:個人的な日本の民主主義観・個人的な経験に基づく、かなり偏った一意見として
{netabare}仕事のうえで海外の方々とも話をするのですが、そんな中の一人に数年前(10年くらいは経つか・・・)、「日本って、民主的な封建主義ですね」と言われたことがあります(日本語でw)。ちなみにその彼も君主制を敷いている国のひとです。ショックでした、曰く「日本は僕の国よりも、君主制が強い感じする(原文ママ)」、「政治に対する闘争心が感じられない(主観的要約)」とのこと。僕も最後には「なるほどな」と思ってました。

なんていうか、日本的民主主義って、民主主義の綺麗なところだけ寄せ集めてる感じがします。とくに、政治の面における綺麗なところだけ。でも、民主主義やそれの前提となる市民革命ってものすごくドロドロとした生存権をめぐる闘争が土台にあって、もちろん最大の闘争相手はその時の権力者だったわけだけど、すぐ隣に次の敵である「自分たちとは異なる市民」が控えていたんですよね。そういう実際に起きた対立や、対立の芽に対して、それでもなんとか(比較的)平和裏に妥協し合うための仕組みとして試行錯誤された結果が民主主義である、ともいえるわけで、その成り立ち自体とても平和的とは言えない代物だと思っています。ここら辺の感情的なものは、さすがに当事者じゃないからわからないけど、いわゆる市民革命を経験した国では市民の端々までその観念がいきわたっているのだと聞きます。

翻って我々日本人、多分そういうの無いですよね。ある程度試行錯誤が済んだ段階の「民主主義」っぽいものを大正期に輸入のような形で取り入れ始め{netabare}(自由民権運動は特権階級同士の闘争という認識です){/netabare}、戦争突入で抑圧・沈静化し、そして敗戦後に現体制をトップダウン的に採用していったわけで、日本は市民革命を経験することなく「民主主義国家」になってるわけで。

およそ、欲求に基づく権利の主張とか、自然発生的に起こった革命ってものが、日本にはなじんでない気がします。{/netabare}

――― で、司さんだが
{netabare}最終話で語る彼の「民主主義」が完全に日本式トップダウン型民主主義に思えるのです。
「神託」というかたちで語りだすのは、下策中の下策ではないだろうか。これは「市民の自発的独立意識」とは言えない。最低限、神を背負わない、「我々の中の一人」という立場で語るべき。
次に彼は「万民平等という正義」を語るのだが、これも微妙。神権政治からの脱却において万民平等はそれ単体ではお題目たり得ない。なぜなら、民がすべて平等であることは、神権政治であっても実現可能だから。すでに、マジシャンを頂点とする宗教が存在しており、神=マジシャンの前ではみな平等をその段階で実現できていないというのならば、神権政治という過程を経た意味がよくわからない。。
そして、神と天司さまたちに依存する気満々の市民たち(The 本末転倒)。

一応、司演説の中で自然権・生存権に類する話も出てはきたが。。。繰り返しになるけど、それは教団・権力をバックに語ってはだめなものなんだよな(「まおゆう」のメイド姉の演説の本当に表層だけをまねた感じですね)。{/netabare}

――― 余談:超個人的な歴史教育観
{netabare}これ、日本の教育の敗北案件だと思っています。

なぜ日本の歴史教育は、伝承の時代から始まり、近代手前で終わってしまうのか。あるいはせいぜい、滅茶苦茶な詰込みスピードで近代~現代を突っ走るのか。同僚の話ですが、高校一年間をメソポタミアだけで終わらせた「歴史」の授業を受けたことがあるそうです。シンフォギア視聴にしか役立たねぇw

思想史・哲学史と政治史、時代を問わず薄くないですか?「考え方の変遷」を覚えろと言われて、なぜこんなことをしなければならないのかと思いませんでしたか(思っていませんか? to 現役世代)?

歴史教育って「今ある我々の社会が、どういう理由・必要性があってこうなっているのか」を知る場だと思っています。だとすれば、現在からさかのぼる形で授業や教科書が進んでいったって良いと思うのです。少なくとも、「今」に直結する近現代、とくに思想史・哲学史と政治史はしっかりこなしてほしいと思います。

なんて偉そうに書いてますが、僕自身もかなりの部分を社会に出てから(というより、先の海外の方の発言をうけて)自学した口です。はっきり言って、思想史とか哲学史は歳食ってからはどうにもならんです。

海外の方って(全員とは言いませんが、結構多くは)酒飲み話とか、仕事以外の話題で自国の「歴史」「政治」「宗教とその派生を含む文化」「思想」について突っ込んで聞いてきます。それに対して曖昧なことを返すと次第に相手にされなくなるってのも聞いたことがあります。仕事の都合で、それなりの頻度で国外の方と話すので、せめて砕けた酒の席でくらいは話し相手になれないと、と思っていろいろ読み漁りました。ごくまれに、バーカウンターとかでたまたま隣り合った外国からの旅行客さん相手に、結構盛り上がることもできます。ツボにはまれば(そもそもこういう感じの方は日本に興味があって来ていることが多い)。もちろん、アニメ談義もハマるとかなり盛り上がります。{/netabare}
{/netabare}

―― その他思いつくままに(あふれ出る。。。)
{netabare}
・結局シノビ頼りだよね
・結局リンゴ頼りだよね
・結局マヨネーズなんだね
・さ る ふぁ 剤 (笑)
・圧政と貧困にカニバリズムまで追い立てられた人たちって、そうでない人たちと共に暮らしていけるのだろうか。相当な闇だと思うのですが。それなりのアフターケアをしないと、物語としても闇を残すよ。ちょっとインパクトを、みたいな軽い気持ちで盛り込んだのかな?バカなのかな?
・桂音藪医者説:全く同意でござるよにんにん
・マジシャン超能力者説:全く同意でござるよにんにん
・侍意味不明説:全く同意でござるよにんにん
・司非凡人説:全く同意でござるよにんにん
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

61.3 25 2019年度の高校生アニメランキング25位
異世界チート魔術師(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (387)
1417人が棚に入れました
どこにでもいる普通の高校生・西村太一と、運動神経抜群でモデル体型の美少女・吾妻凛。平和な高校生活を送っていた二人はある日突然、不思議な魔法陣の光に包まれ、見知らぬ土地へ迷い込んでしまう。そこは恐ろしい魔物が生息し、獣人やドワーフ、エルフといった多様な種族が存在する、まるでファンタジーのような世界。異世界へと導かれた太一と凛は、ここで生き抜くために「冒険者」になることを決意するが、その適性検査で、二人が“チート"な魔力を持っていることが判明して……。

声優・キャラクター
天﨑滉平、高橋李依、田中美海、大原さやか、久保ユリカ
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

【酷評注意】召喚されたのが凛ひとりだったら、もっと面白かったんじゃ?

原作未読。最終話まで視聴。

高校生が異世界召喚されて、最強でハーレム・・・。
初期設定から面白くなさそうな雰囲気が・・・。

主人公の少年の言動が常識外れで滑稽というか、不愉快に感じることもある。
普通の高校生が、異世界召喚され、チートな能力を与えられただけなのに、何故だか偉そうな言動。
これでは共感が得られない。
『おじいさんが常識を教えるのを忘れていた』初期設定が活かされている・・・、
いや、これは違う作品の初期設定か!!!(笑)

作画はとてもひどい。

物語としては、第6話まではそこそこ面白い。
本当はかなり面白いんだと思うけど、主人公の少年の言動が、ね・・・。
かなり足を引っ張っちゃう。
主人公なんだから、足を引っ張るなよ!!

第7話はヒドイ回だったな・・・。
かなり重要な回だったと思うんですけど、バトルのテンポが悪い。
無駄に多過ぎる会話!(特に太一の無駄口が多すぎる)
そして、意味不明の展開・・・。
{netabare}フードの男に何か言われて、フラフラと太一のところに行ってしまうアナスタシア。
太一の邪魔をするのかと思えば、太一の所に行っただけで、すぐに正気を取り戻す・・・。

双頭竜のブレス攻撃の際、アナスタシアに助けられる太一。
はぁ・・・。大したチートだわ・・・。

で、アナスタシアは双頭竜に殺されて・・・。
風の精霊エアリアルと契約を結んだ太一。
対するは、明らかに手抜きする双頭竜。
はぁ・・・。大したチートだわ・・・。

結果、太一は双頭竜を倒せない。
アナスタシアの仇である双頭竜を・・・だ。
はぁ・・・。全く、大したチートだわ・・・。

そして、地下から現れたはずの双頭竜は大空高く飛び立っていく・・・。
いやいや、せめて地下に戻れよ・・・。{/netabare}
原作がこうなのか、シナリオでこうなったのか知らないけど、これはひどすぎる。

これ以降、更にグダグダの展開が続く。
物語が佳境に入ると、見ているこちらは、だんだん盛り下がっていく・・・。
そんな不思議な作品。

主人公の少年の無駄口が多過ぎで、バトルのテンポが悪い。
バトル物としては、これは致命的。
{netabare}敵の大群(というほどでもないかな?)に取り囲まれているのに、太一は国王の弟と呑気に無駄口。
制作陣は『緊張感』という演出をどう考えているのでしょうか?

凛たちも敵に襲われる事も無く、無事に太一に合流。
『殺さず』の凛たちが、敵の大群を払い退けながら太一の元へ・・・。
ここが見どころの一つだと思うのに、ここは全く描かない。{/netabare}
ひたすらこんなことに繰り返し。
自分たちで盛り上げておいて、バッサリと切り捨てる。
原作がこうなのか、シナリオでこうなったのか知らないけど・・・。

ツッコミどころ満載で笑える『異世界スマホ』の方が、『笑える』だけマシだった?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

「チート」が言うほどチートでもないせいで、爽快感が得られない作品。

原作とは、テレビCMと書店店頭で売られているのを見かけた以外に特に接点がありません。そして全話観終わった今、特に原作を読もうという気持ちにもなっていません。

この作品で見るべきものといえば「主人公(男性)が異世界に転移する際に異性の幼馴染みを巻き込む」という点に若干のオリジナリティを感じるくらいだと思っています。

その巻き込まれた幼馴染みにしても主人公と知性的に同レベルなので、ほぼ全ての問題対処が力押しかつ思慮が浅いものになっています。まあ「高校生だからこんなものだ」と言ってしまえばそれまでですが、それにしてももう少し何とかなって欲しい気はします。

1クール観終わっても作中の「あの方」の思惑が「主人公を転向させたいのかな?」程度にしかわからなくてストーリーへの興味が続かないという構成上の問題もあるかもしれませんが、主人公の現地民に対するアドバンテージがせいぜい戦闘力くらいしかないという辺り、逆になろう作品をはじめとする近頃の異世界冒険物を好きな層からも注目されないことになりそうに思えてなりません。

数ある異世界物の中でも主人公が頭を使わないことにかけては最右翼ともいえる作品であり、だからといって戦闘場面の描写が優れているわけでもないし常に相手を圧倒して勝つというわけでもありません。
(例えばいせスマくらい常に相手を圧倒するなら、それはそれでアリな気がするわけなのですが…。)

ということで、お付き合いで完走はしましたが「物語の評価」は私の採点としてはかなり低いものになっています。途中で断念する方が多数いるのも理解できますし、無理に観なくても良いのではないでしょうか。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

なろう以下

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
どんなアニメかは、レビュー読まなくても、本作のタイトルで分かるでしょう。大量生産のお手軽異世界物語です。

てか、冗談抜きで、作者は中学生なんじゃ?

今までアニメで見てきた、他のなろう系作品は、(私も素人ですが)「素人の中では文章(構成)力ある」と思っていましたが、これが原作をちゃんと表現しているなら、マジで、(普通の人の中でも)中の下。正直、仕事やめて時間作れば、自分でも書けちゃう程度のクオリティに感じました。

あと、「なろう系」は大半がチートですが、それを開き直ってタイトルに入れてくる感じのセンスが、なんか嫌ですね、私は。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ちなみに私は、「小説家になろう」自体を、良いとも悪いとも思っていません。ただその中に、良い作品と悪い作品があるというだけです。

そして、「なろう」と言われるのは、「小説になろう原作アニメ」で、「低クオリティ」の作品です。

ただ、本作は(私の中の基準ですが)、「なろう系にすらなっていない駄作」です。

(ちなみに小説家になろうにログインしたこともないんですが)私の中で、「なろう系」の特徴だと思っているのは、

【既存の世界観+1アイディア】

です。「オバロ→ファンタジー+アンデッド」「このすば→ファンタジー+ギャグ」「異世界食堂→ファンタジー+料理」「ナイツマ→ファンタジー+ロボ」みたいな感じ。

そもそもが、「小説家になろう」とは、素人が気軽に小説を投稿し、気軽に読むことが出来るサイトなのだと思います。その中には有象無象の作品が数多あり、人気が出た一握りの作品だけが、文庫化やアニメ化までたどりつけるんでしょう。

でも、、、この作品も、その1つなの???

私は昔、「RPGツクール」というゲームにハマり、いくつかゲームを作っていました。自分の中では「オリジナルゲーム」だと思っていましたが、結局は「FF」「ドラクエ」「ロードス島戦記」など、自分が好きな創作物をごちゃ混ぜにしただけのものでした。

それと同じ様なこと(小中学生がする妄想遊び)を、大人になってもガチでやり続けているのが、「なろう」なんだろうと思っています。

既存の世界観を使うことは、パクりでもなんでもなく、「しょうがない」ことです。自分で世界を丸ごと創造できるような人なんて、ごく僅かでしょうし(まあ、そういう人をクリエイターやアーティストと呼ぶんでしょうけど、本当は)。

既存の世界観を使うメリットもあります。

最も大きいのが、「説明不要」だということ。例えば、「スライム」が出た瞬間、「ザコキャラ」だと認識したり、「冒険者」と一言書くだけで、「ギルドに属していて、依頼を受けて魔獣を討伐する等の行為で金銭を得る存在」だと分かるのは、読者(視聴者)の側に、同一の世界観(価値観)に触れてきた経験が豊富にあり、その部分に依存しているということです。

「既存の世界観」とは、作者と読者の共通言語みたいなもの。

表現する方からすれば、いちいち説明をしなくても済むし、新しいことを考えなくても良いから楽です。また、読む方からしても、自分の知識や価値観の枠内で物語が紡がれるので、大した読解力も求められないし、ストレスフリーで気楽に楽しめます。

でも、やはりそれだけでは、名作にはなり得ない。分かりやすいだけでは、超えられない壁がある。

そこで、なんとか目新しさ、オリジナリティを出そうとしたのが、(アニメ化された)過去の「なろう系」だと思っています(+ワンアイディアの部分)。

本作はなにか、「そのワンアイディアを考えることすら放棄している」ように感じられて、、、。

「やってできなかった」ならまだしも、「やろうとすらしていない」という感じを受け、このような厳しい評価にしました(まあ勿論、私がそう感じてしまったというだけではあるのですが)。

ある意味で希有だと思ったのは、「ただのパクリの集合体をなんの恥ずかしげもなく自分の作品だと堂々と発表できるメンタルの強さ、鈍感さ」です。

ていうか、開き直ってるのかな?むしろ。「異世界転生で、チートで、魔術師ですけど、なにか問題でも?」みたいな。

この作者の個性って、何なんだろう? スマホ太郎ですら、(あんまり使ってないけど)一応、スマホっていうワンアイディアを付け加えようという程度の工夫はあったのにさ。

これよりつまらない、低クオリティのアニメも、いっぱいあります。でも、「上手くいかなかったけど、やりたいことや頑張りは伝わった」って作品には、不快感はありません。が、本作は、なんか「作者が見えない」んですよね。「血が通ってない」ように感じてしまい、そこが☆1の最大の理由です。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆1
もうなんか、一工夫すらないんだね。なろう以下って感じだな。

2話目 ☆1
ガスを燃やす、、、それ、賢者の孫でも観たな。

3話目 ☆2
食パンとサンドイッチの食卓(笑)

4話目 ☆1
本来、めっちゃ凄くてレアな二属性同時魔法の凄さが、まっっったく伝わらない。このへん、NARUTOの血継限界とかは上手かった。どう考えても、スピード強化して、術師を一刀両断でしょ。体術かい。みんな大好き、粉塵爆発(笑) ダサい(笑)

5話目 ☆1
みんな知っているような知識を自慢気に出されても。なんならもう、核融合ぐらいしたら?

6話目 ☆1
この辺は、寝オチ。

7話目 ☆1
寝オチ2。

8話目 ☆1
お手軽チョロいん1名追加。

9話目 ☆1
雨を降らせて雷魔法で感電。スゲースゲー、斬新だわー。

10話目 ☆1
「そんなもの、理由になりませんよ。戦いは、常に手持ちの札でなんとかするもんです」って、キメ顔で言ってましたが、いや、ついさっき、「このままじゃ勝負にならないから、自分と同じ魔力量にして」って、タイチの魔力封じたの、お前やん。持っている魔力量も、そいつの手持ちの札じゃないんかい。ギャグなん(笑)?

11話目 ☆1
あなた、誰ですか? の、連打(苦笑)

12話目 ☆1
結局、俺たたエンドかい。ぶん投げだな。全話観たから、気兼ねなく1をつけられるな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
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