グロテスクおすすめアニメランキング 29

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのグロテスク成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2023年12月02日の時点で一番のグロテスクおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.6 1 グロテスクアニメランキング1位
チェンソーマン(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (613)
1714人が棚に入れました
『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中、裏切りに遭合い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの『チェンソーマン』として蘇る──。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

死亡フラグにご用心

前評判がいい人気アニメ予備軍。
ジャンプ系アニメの特徴としてやはり作画は良いようであり、
ジャンプ系にしても作画系にしても、当方とは相性が悪いという法則は鉄板でありましたが
本作は案外大丈夫であった模様です。

※初回視聴の印象はスプラッターごり押しでくるような気がしましたが
意外にもごり押しと言うほどでもなく、設定もかなりしっかりしていることが判明したため
最終的に物語とキャラ評価を3.5に上方修正いたします。

●天使と悪魔の思想的シーソーゲーム
見逃そうかどうか迷った挙句、やはり{netabare}「天使の悪魔」に言及しないわけにはいかない
という結論に至り、この話をする次第にございます。

かくして芸能界の起源がヤクザにあったように、金融業の起源は【古代バビロン】にあり、
そして悪魔の起源は天使にあったわけです。

その詳しい事情については今回は割愛しますが、要は「天使」と「悪魔」の関係性を
把握すると色々と見えてくるものがあるという話であります。

①「Engage kiss」②「金装のヴェルメイユ」③「Angel Beats!」④「〇〇〇〇〇〇〇ム」
①と②はヒロインが悪魔という設定ですが、特に主人公にとっては「悪魔」どころか
むしろその真逆の「天使」のような存在として描かれています。

天使と悪魔とは相対的であり、そしてある時にはそれがひっくり返るというそういう相関関係があると示唆しているようにも思えるわけであります。

本作における「ポチ太」も主人公にとってはむしろ救いの存在でありました。
そうして悪魔のポチ太は主人公に心臓を提供することにより彼と融合するわけですが、
それは②の作品と同様の展開でもあり、①の作品では主人公は悪魔のヒロインと
同じ「記憶」を分かち合う関係となります。

③と④はタイトルの意味合いが同じもので、「心臓」や「命」更には生命の営みと
関係性があるものであると言えるのではないかと思います。

このような関連するであろう作品が暗示している「未来」と本作主人公の進むべき「未来」とは
リンクしており、主人公がこの先目指すであろう「天国」のような「楽園」の在り様や
そこに至るまでの【生存戦略!】を示唆するところ大いにあるように思えてきます。

「未来」や「融合」と言った {/netabare} 裏テーマが本作の続編でも重要な要素になり得るように思います。

●誰も知らない≪数字≫物語
狐先輩と両名はリベンジ達成を祝してのパーティーを開くため買出しに出かけます。
その途中で公園に立ち寄った時刻は{netabare}5時40分、時計の針は【5】と【8】を指します。
【5】+【8】=【13】

パーティーが始まった時刻は6時55分、時計の針は「7」と「11」を指します。
7+11=【18】

ビールを片手に持つ狐先輩を指差し相方Pが何か喋っている、その時刻は7時28分頃
時計の針は「7」と「5.5」付近を指します。
7+5+5 に 「1」本指の数を足し7+5+5+1=【18】

用意した食料を食べつくした時刻は19時57分
19+57=67 → 6+7=【13】

【18】は【666】でもある【土星】に由来する数字であります。

【8】【5】【13】は金星に由来する数字であります。
これら数字の意味するところは惑星の公転周期と関係しております。

「地球」が公転運動で【8】周回る間に金星は【13】周公転します。
その際に地球と金星が太陽に向かい一直線で重なる回数が【5】回ということであります。

周回運動の際の地球と金星が重なる点の5カ所を線で結んだ図形により
表されたものが【☆】=【五芒星】であります。

「星に願いを」という歌があるように「※願い」と言えば自然に【☆】が思い浮かび
だからこそ「※願い」と【☆】に関わる数字には必然的とも言えるほどの結びつきがあり
故に本作の様々なシーンにおいて【☆】に関する数字が示されていたものであると
考えられるわけであります。

【☆】はいたるところで見受けられます。
米国の星条旗や中国の国旗、特にベトナムの国旗は「【金星】紅旗」とも呼ばれていますが
名前の通り【金星】が由来ということになるのでありましょう。

「サッポロ☆ビール」の商品のロゴにもなっていますが、
同社の製品【ゴールドスター】もまさに【金星】由来であるわけであります。

【8芒星】は【金星】でもありますが、別の意味も持ち合わせています。

【金星】のことを【ヴィーナス】と呼ぶことがありますが、
【ヴィーナス】とは女神、美の女神を表す言葉であります。
ということで、【8芒星】には女神という意味合いも含まれているのであります。

以上のことを踏まえ考えてみますと
狐先輩の【金球】を【8】回蹴ったあの騒動には【8芒星】が示す「女神」の存在が
関係していたという予想が成り立つわけであります。

【☆】や【✡】に関する数字が何度も示され各シーンで機能していることと
米津氏が関わったOPソングにある「ビュティフォスター」という歌詞とは
完全にリンクしてることからしても、すべては偶然ではなく
意図的に仕組まれた必然であるという結論にいたるわけであります。

物語はいくつかの謎を残しつつ幕を閉じてしまいましたが
最後に裏設定的な【☆】に関わる数字を検証することにより
謎の解明につながるものが何かないか、確認していきたく思います。

狐先輩が契約した【未来】の悪魔には、他に契約した者が2名いるとのことであります。
未来の悪魔のいた部屋の番号は【108】ですから
【18】=【666】という数字に関係があるという予測が成り立ちます。

【666】は3人の契約者に関係する数字であるならば
それぞれは【6】によって示されるのではないかと考えられるわけであります。

狐先輩は【キツネサイン】で【6】を表していましたが
同じように【6】を表示していた人物を見つければいいということなのかもしれません。

コベニ後輩は「永遠の悪魔」の登場回でダブルピースのサインを表していました。
数字としては「4」で、あと「2」足りません。

そこで気になるのは彼女の赤い髪留めが相方Pの2本の角の形になんとなく似ていることであります。
ということで、4+2=【6】という計算式が成り立つという可能性も十分考えられます。

コベニ後輩の契約している悪魔について本編ではまだ明らかにされていないことも
気になるところでありますが、彼女は経済的な問題を抱えているらしく
よって拝金主義的な側面があると言えるのかもしれません。

拝金主義者は【666】のOKサインに一致する「銭ゲバサイン」と所縁が深く
よって【6】との結びつきはかなり強い有力候補であるということになるでしょう。

1つ気になることは、コベニ後輩には姉がいるという話でありまして
本編には登場していませんが、妹によく似ている例えば双子だったりするなら
実は姉が【6】の契約者であるということも考えられたりもします。

だとしても姉本命説の信憑性を確認しようにも現状では情報が全くないので
これについては続編を見ないことにはどうにもならない話であると言えます。

もう一人の【6】の候補はマキマであります。
彼女の執務室が【6】階にあるのにはやはり何かしらの意味合いがあるようであり
【土星】=【✡】を想起させる【リング】に関係する描写が多いことからしても
契約者の可能性はかなり高いように思います。

血の魔人(=相方P)は魔人故に悪魔と契約できないルールになっているとのことですが
彼女が魔人となる前に既に契約していたとか言う話ならば、
もしかしたら成り立つのかもしれません。

彼女もダブルピースと頭の2本の角で【6】を表していたシーンがありましたので
可能性は少ないながらも候補の一人と言えなくもないのかもしれません。

未来の悪魔との契約者以外にも、鼠の話ややたら「木」の描写が多いことなど
{/netabare}気になる点は色々ありますが詳しいことは続編に乞うご期待!というオチでございましょう。


☆学歴ないと言われても、「大【金星】」はたまにある
狐先輩のチャイニーズレストランでの回想シーンで、眼帯先輩は煙草を{netabare}「2」本の指で挟み差し出す
という【Vサイン】の様なハンドサインを示しました。
数字で考えると「2」になるかと思います。

狐先輩の行く手を阻む幽霊は、突如【5】本の指を開いて煙草を差し出します。
それは恐らく眼帯先輩の最後の「※願い」が幽霊に反映されたものでありましょう。
「ゴースト≪ハンド≫」の指の中の「1」本の煙草に「※願い」を込めたのであります。

数秘術を逆算的に考えるなら「※夢」や「※願い」は【5】か【8】に関係するだろう
という発想で行けば計算式は比較的容易に導き出せます。

幽霊を媒介とした眼帯先輩の「※願い」の数字の「公式」は
2+5+1=【8】となります。

次のコベニ後輩の「※願い」に関するシーンは「蛇使い女」との合わせ技であります。
何故か唐突に狐先輩は後輩に公安残留の理由を聞きます。
(彼女の「※願い」はボーナスであります)

刃物を持ったコベニ後輩の指は(眼帯先輩の煙草のシーンと同じく)「2」本の指を
立てた状態にあります。
そして「蛇使い女」は、①「蛇、丸呑み」②「蛇、尻尾」③「蛇、吐き出せ」の「3」回
の命令により爪が剥がれた指が「3」本という状態にありまして、
コベニ後輩の「2」本と蛇使い女の「3」本を合わせると指は【5】本になります。

【8】が出て次に【5】出たならその次はそれに関係する【13】が出るかもしれない
という見込みで今回も計算式を逆算的に導けばいいわけであります。

恐らくは死闘を繰り広げた成り行きの結果だと思われますが、
ゾンビの腕の部位がエレベーターの中の相方Pの腕にしがみついた状態で残留しております。
相方Pはそのゾンビの腕の「指」に対して「自分の指」を絡み合わせるような
(フィンガーtoフィンガー)形でゾンビの指をはがし腕を引き離し、これに齧りつきます。

肉欲的肉食行動は魔人である相方Pの潜在的「願望」の現れとも考えられますが
前述の合わせ技の発想で考えたらゾンビの腕の【5】本の指も関係
してくるような気がいたします。

相方Pは「7」階で降りて待ち受けるゾンビに猪突猛進していきます。
注目すべきはその際に「1」本指を立ていることでありまして
そして主人公に対して自分の雄姿を見せつけ
「PoweR最強伝説」を世に伝えるようにと声高に叫びます。

この行為には相方Pの「※望み」が現れておりまして
前に「侍剣士」の力に圧倒され敵前逃亡したのを主人公にディスられたことがありましたが
それの汚名返上のために、カッコいいところを見せようという意図が働いたものと推測できます。
ゾンビの指【5】+相方Pの指「1」+「7」階、すべて合わせて【13】になります。

方程式の「解」が【13】であることをまるで強調するかの如く
遂に主人公はラスボスが待ち受けるゴールの「階」にたどり着きます。

前回のエレベーターのシーンでは8階が最上階のように見えましたが
最上階まで行ける「当たり」のエレベーターは別にあったということなのかもしれません。

主人公とヤクザ孫が対峙するシーンでは、孫は主人公に謝罪を「望み」
両手を広げ5本×2の指を曝け出します。

その時ヤクザの子分2人の指はそれぞれ銃の引き金に
それに対して主人公はチェンソーのトリガーに指を掛けています。
広げた10本の指と3人の1本指、指の合計はやはり【13】であります。

ヤクザ孫が「望む」謝罪を突っぱねたことによりバトルが始まり
戦いの舞台は[急行 石井]の電車に移行します。

①急行=7+38+3+10+3=61 → 6+1=「7」(五十音図による数字変換)
②石井→1+4+1=「6」(「いしい」の発音を数字に語呂合わせ変換)

①+②=「7」+「6」=【13】

【13】という数字が「伏線」として機能しているならば
【8】+【5】の数式が意識されます。

勝敗が決した後、戦いの舞台であった電車はズームアウトするようにして
車両全体が映し出されます。全部で【8】両編成であります。

となると最後の仕上げは【5】でございます。

指あるいは「腕」が関係してくるのではないかという予想で
「腕」に注目するとそれぞれノコギリとソードがついているわけあります。

頭の装備を含めそれぞれ3本ずつで合計「6」本、
そして主人公は両手2本を切り落とされます。
6-2=4 ?計算が合わない??と思いきや
最後の切り札「1」本を脚に埋め込んで見事主人公は騙し討ちに成功というオチであります。
6-2+1=【5】

数秘術による伏線回収が完璧に決まりました。

そして最後には【13】日の【金】曜日が示すところの伏線回収で舞台に幕が下ります。
狐先輩の玉を【8】回蹴ったことが始まりであったなら
やはり【8】に戻るべきでありましょう。

主人公は玉蹴り大会の商品をハンドサインで表します。
【666】のOKサインは【18】でもあり【6】という風にも考えられます。

2人で1回ずつ蹴とばしたので【6】+「2」=【8】になるかと思います。

【8】とは何の数でしょうか?
それは【ゴールデンボール】の伏線が示す通り【金星】であります。
「ビュティフォ☆スター」とはこの☆のことを示していたというオチでございます。

そして物語の展開は【金玉】キック合戦の騒動の原因となったものに
収束していくのであろうという風に予想されるわけです。

【金星】{/netabare}に辿り着くまで予想外に手こずりましたがあともう少しで
ゴールに辿り着ける見込みであります。
もうしばらくお待ちください・・・


●その「目」、誰の「目」?
狐先輩と運命的出会いを果たした「【未来】{netabare}の悪魔」は【一つ目】小僧でもあり
【6】つの目を持つ存在でもあります。

【目】と言えば【土星】であり、【6】と言えば【土星】であります。
【土星】は「輪っか」を持つ天体ですが、「運命の輪」とは「現在・過去・未来」
を示すものでございます。

悪魔契約の条件は狐先輩の右目に住まう=巣くうということでありますが
狐先輩の右目を含む「目」の合計数は数は1+6+1=【8】となります。

「未来の悪魔」がいる部屋番号「【1】0【8】」即ち【18】とは
=【6+6+6】であり、つまり【666】を表すわけであります。
【666】というナンバーを厳密な意味で考えるとややこしいことになりますので
今はとりあえず一般的に認知されているところの「悪魔の数」であるということにしておきます。

アル中先生と主人公と相方Pの修行後のシーンに場面が切り替わりますが
先生はまたしても二人に「100」点をつけ、修行のペースを週一つまり「7」日に「1」回
でいいという風に言い渡します。
100+7+1=「【1】0【8】」

それに対して相方Pは地面に這いつくばりながらもダブルピースのハンドサインで喜びを表現しますが
ダブルピースの「4」と頭の「2」本の角を合わせた数は【6】であります。
「108」=【18】とは【6】からなる数だとここでも再び強調しているのが読み取れるわけです。

悪魔契約により狐先輩は「魔眼」の能力を身に着けますが、そもそもの【魔眼】のルーツとは
【土星】にあり、土星の第19衛星であるところの【プロメテウス】という名前
それが意味するのは「先見の明を持つもの」であります。

つまり「魔眼」とは【プロメテウスの目】であるわけです。
【プロメテウス】とは【ティターンズ】でありますがこの話については今回は割愛をいたします。

「未来の悪魔」の頭には「木の枝」のようなものが、他にも「つる」や
「根」のようなものが生えていますが、それらはOPで意味深に描かれていたことからして、
この悪魔はかなり重要な存在であると考えられるわけであります。

二人との修行後、場面はアル中先生とマキマとが密会をするための料亭的な所に移り変わりますが
その店の暖簾には「㊀」という文字が記されております。
「〇」の中に「一」の文字つまり「10」という数を示しているのだとしたら
その後に出てくる数は【8】であると容易に予想出来るわけであります。

案の定マキマは「4」課というワードを2回発し、合計でまたしても【18】という数が成立しますが
この時アル中先生の「右目」は盃に注いだ酒に映し出されるという形でクローズアップされます。

この「片目を強調する表現」はアニメに限らず至る所で繰り返されますが
「魔眼」即ち【プロメテウスの目】を表しているわけであります。
つまりここで【死亡フラグ】が「悪魔の数」と一緒に立ったということでございます。

そして「魔眼」は「先見の明」を表すわけですから、このシーンでアル中先生が「嘘つき」と
指さしたのも伏線であったという風に解釈できるわけであります。

次のシーンでは「侍剣士」と「蛇の女」が潜伏するビルの部屋の模様が映し出されますが
部屋の外には見張りが2名、部屋の中には例の2人と手下の6名、全部で10人
いるわけでありますからやはり【8】という数が意識されます。

ここでも予想通り、侍剣士が「4」課というワードに触れた後に
「蛇女」も「4」課というワードを口にします。

何が何でも【18】を作りに行ってる感が非常に強いような印象を受けます。

ということは、次の狐先輩と京都人の絡みのシーンでも【18】コンボを作りに行く
と考えられるわけですから車の搭乗者「3」名と関係するであろう数、
つまり「15」を探せばいいという話であります。

乗っていた車のナンバーは[東京 312 に 20-146]でありまして
「東京」を五十音図に従い数字変換しますと[20 3 7 40 3]
「に」は[22]になります。そしていつものお約束足し算であります。

[20+3+7+40+3]+312+[22]+20+146=573
→5+7+3=15
ここでも鮮やかに3+15=【18】の数字が示されるのであります。

次のマキマとヤクザ者のシーンはやや苦しいですが、一応やくざ者の総勢10名に
紙袋に入っていた「目」の数が約8個(実際は8個以上あったようですが)ほど
明示されていたということで概ね【18】的な感じでありました。

更にお次にはテロ実行犯が待ち受けている拠点のビルに対魔課のメンツが突入いたしますが
そのビルの階数は地下2階を含む8階建て、つまり全部で「10」階層ありますから
【8】を探せばいいということでありまして、狐先輩気の行く手を阻んだヤクザ者の総数が
6名、それに「蛇女」と吐き出した「幽霊」の合計で【8】コンボ達成ということでございます。

数字の話は特に計算式を導くプロセスがかなり面倒であまりに時間を消耗するのが
厄介であるため【18】の件はそろそろこの辺で差し控えようかと思いますが
京都からマキマが帰還した[4:45分]の時間にメッセージボードに表示されていた

(ひかり) 95(号) 17:55 広島(行き)
(停車駅)名古屋・京都・新大阪・岡山

これも数字転換して計算すると【18】になるという話でございます。

今回「数字解釈」の消耗戦に苦戦しつつも【プロメテウスの目】{/netabare}について言及できたのは
個人的には意義あるものと非常に自己満足しております。

●鬼教官アル中先生との「数字」遊戯
主人公と相方Pはアル中先生と出会い強くなるためジャンプお約束の過酷な修行が始まります。

アル中先生は2人に「3」つの質問をします。
質問の答えは2人×「3」つで合計6こになるはずですが
{netabare}1つは答えが同じなので答えの数は【5】ことなり
質問とその答えの合計数は3+【5】=【8】ことなります。
2人の答えを聞いた先生は≪素晴らしい「100」点だ≫と感激しますが
その数字が示すのは 8+100=【1】0【8】であります。

厳しい戦闘訓練により2人は負傷し出血を余儀なくされますが
アル中先生が持ってきた輸血用の血液充填により回復します。
その輸血用血液のパックに表示されていた文字は
[A 10-141-LR-2]であります。Lはアルファベット12番目、Rは18番目です。
よって数字変換すると
[A 10-141-1218-2]になりますがハイフォンで区切られているのでハイフォン内で足し算します。
[A 1+0/1+4+1/1+2+1+8/2]
[A 1/6/12/2]1桁の解を求めるためハイフォン内の数字中で2桁の「12」を更に足します。
[A 1/6/(1+2=)3/2]
[A 1-6-3-2]4つの数字を足して最後にアルファベット1番目のAも数字転換して足します。
[1+1+6+3+2]=[1+12]=【13】
足し算の解は【13】ですが[1+12]としたのは次のシーンとの関係性を示すためです。

日が沈み一帯は暗闇に包み込まれます。
過酷な戦闘訓練に消耗し横たわった主人公が突然発狂しだしますが、それを見た相方Pは
「また頭が故障しておる」と主人公の頭(もしくは顔面)を拳で何度も叩きつけます。

狐先輩と出会った時は「たま」を蹴りましたが、今度はあ「たま」を叩きました。
「たま」にしても、あ「たま」にしてもやり過ぎであまりに回数が多すぎるのです。
「たま」は【8】回、あ「たま」は「12」回?くらい叩きましたが
最後の1回は両手の拳で叩いていますので[12+1]回という風にも考えられます。

その後、主人公と相方Pのやり取りが続きますが、数字に関する言葉を抽出すると以下の通りです。
「『20』回以上じゃ」
「作戦『100』個思いついたぞ」
「『2』つの頭脳が合わさったら」
ということで数字を足し算します。
20+100+2=122=1+2+2=【5】これを[12+1]に足します。
5+12+1=【18】

日が明けて主人公の家を訪れたアル中先生でありましたが
待ち伏せをしていた二人による頭脳作戦の奇襲攻撃により戦闘は開始されます。
相方Pによる血の武器を使った攻撃回数は全部で1+7=【8】回
更に畳みかけるように主人公がとどめの1回を繰り出します。
それに対してアル中先生は血の武器を破壊するために1+6=7回
(その内1回は回し蹴りで血の武器を2本破壊しています)
主人公に対してカウンターの1回と油断した後に更にナイフで1回
全部で9回攻撃を行っています。
まとめると相方P=8、主人公=1、アル中先生=9
すべて足すと【18】になります。

これは更なる蛇足ですが、奇襲攻撃開始の時に主人公が口にした言葉は
「俺たちの日常を壊す奴は死(=『4』)だ」で
頭脳戦が失敗した後アル中先生が発した言葉は
「今回の敗因は『2』つ」であります。
4+2=【6】

【6】は京都の神社でマキマが術式のために身代として重犯罪者を2列に
【6】人ずつ(計12人)並べた数と一致します。

「【1】0【8】」の部屋には「未来の悪魔」が待ち受けています。
OPのボーリング場のシーンにいた隠れキャラと関係あるのでしょうか?
【リング】の貞子の目を彷彿とさせる【一つ目】小僧はやはり
【土星】との関係が強いように思います。

「※目は口程に物を言います。」
この悪魔と契約した者のうちの一人は両目を代償に差し出したようですが、
「デンジ君の目が見えなくなっても…覚えて…」{/netabare}というあの発言はこれと
繋がるのでありましょうか?

兎に角数字は「未来」を示し続けています。

(ひかり) 95(号) 17:55 広島(行き)
(停車駅)名古屋・京都・新大阪・岡山

ようやくここまでたどり着きましたが「数字」の話は時間がかかり過ぎて難航を極めております。
しかしこの話はまだまだ続きます。


●スマート機能搭載≪眼鏡キャラ≫の相方P、堂々伏線回収の巻
冒頭のTVのニュースで前回のテロ事件の一件が放送されていましたが
その時の時刻は、当然の如く{netabare} [7:10]分であります。

毎度毎度の話でありますが、「7」「1」「0」を足したら【8】になるというのは
もはやこのレビューの定例行事、お約束展開でございます。

そしてTVの横には狐先輩のお見舞いにと主人公が差し入れとして用意した【林檎】が
カゴの中に入った状態で置かれております。

我々が普段食べる【林檎】には当然、農薬や化学肥料が相応に使用され
それが体に悪くないかと言えば、まぁあまりいいとは言えませんが
それでもコンビニで売ってるパンとかに比べたら遥かにマシであると言えるでしょう。
それは兎も角、話を【林檎】に戻します。

カゴの中の【林檎】のうち1個は主人公が食べているらしく「ネット状の緩衝材」のカラが
残されているだけであり、(「ネット状の緩衝材」に包まれた)
中身のある【林檎】の数、映像で確認できるものについては全部で【5】個であります。

主人公が食べている分と残りを合わせると恐らく最初は【6】個あったようですが
少なくとも1個、もしくは更に2個目を食べて【林檎】の数は減り
つまみ食いをしている主人公に気が付いた相方Pは
大声をあげて怒りをあらわにします。

その時の相方Pが大声を発するシーンで病院の廊下の模様が映し出されますが
そこにいた人の合計人数は【5】人であります。
更に言うと廊下の天井付近に吊るされた案内板には
[← 【⑥】 救急受付]と表示されております。

偶然にしてはあまりに出来過ぎな【8】と【5】そして【6】の法則
今回も冒頭から完全コンプリート達成でおなか一杯感ありますが
「数字」の話はまだまだ終わりません。

次の展開で主人公と相方Pがつかみ合いの喧嘩を始めますが
その時に二人が座っていた椅子が供に「倒れ」ます。
椅子の足はそれぞれ「4」ですから4+4=【8】であります。

(「倒れた」椅子の後に)そして狐先輩が「4」課メンツの安否について聞くわけですが
「4」課が襲撃され生き残ったのは狐先輩、主人公、相方P、新人コベニと「眼鏡」の
【5】人ですが、「眼鏡」が辞めたので最終的には「4」人であり
4+4=8であります。

「4+4」については前回の話に遡ります。
・新幹線「4」号車での「死」(=4?)体の数「4」を足したら【8】
・「倒れた」椅子の数を足したら(「4+4」)【8】
・「4」課残存数「4」足したら(「4+4」)【8】

これはただの偶然ではなく狙ってやっているとしか思えませんよね???
(米津氏が関わったOPソングの歌詞に「4444」を意識したような表現があるのは偶然ですか?)

もしも本作において「4」という数が「死」を暗示する数だとしたら
狐先輩が「呪いの悪魔」にあと何年生きられるかと尋ねた答えの年数
即ち「2」年が関係するという解釈も成り立ち、これを足したら
4+2=【6】となるわけであります。

ただこの足し算よりも、その時描写されていたライターの火花と
そしてなによりその【炎】こそが重要な意味を持っていたものであると個人的には考えています。

その炎とは魂や命を象徴するものであり、狐先輩にとっての【灯火】を表しているのであります。

【灯火】とは「道」を「照らす明かり」でありますが
「希望」であり、「輝ける未来」であり、「望ましい理想」であったりします。
もしも米津氏だったら、別の表現でこれを表したかもしれません。


つまり「それ」をこう呼ぶわけです。「ビュティフォ☆【スター】」(=希望の【光】)と。
【灯火】は「希望の【光】」であります。

そのシーンでの狐先輩が一人涙する病室の床には漫画本が落ちております。
本のタイトルは「ゴンゴン」ですが、濁点が(中途半端に?)【☆】で表示されており
「表表紙」と「背表紙」にある【☆】の数を足すと(「2」+「2」=)「4」つになります。

「4」がもしも「死亡フラグ」を表すならば、主人公が回収できなかった「漫画本」が暗示する
結末の効力は【☆】に願う者の行く道に及ぶことを意味しているのかもしれません。

床に置き去りにされた漫画本の背景にはキャスター状のベッドの足が【5】本映し出されています。
【5】とは【☆】を示す数字であります。

ちなみに漫画本を回収しようと戻ってきた主人公が手に持っていたカゴにその時
入っていた【林檎】の数はなぜか【5】個であり、主人公が少なくとも2個食べて
狐先輩に1つあげたわけですから、最初にあったはずの【6】個から3個を引くならば
6-3=「3」となるはずでした。

しかしながら残った数【5】個が正しいとするとこれに「3」を足すことにより
最初にあった本当の数が判明するわけであります。
つまり【5】+3=【8】であります。
更に言うならば、その時カゴに【5】個入った【林檎】を持ちながら主人公は
4課のメンツが死んだようにマキマ死んだら自分は悲しむだろうかと自問自答しますが
「3」日後には立ち直っているだろうと自信満々に自分自身のポジティブさを確信する
シーンが描かれております。

「【5】+3」のリピートして強調する感じもなかなか凄いと言わざるを得ないわけであります。

そしていよいよその先にて、狐先輩、命がけの「※願い」を成就するために
彼が選ぶ「未来の道」はある数字によって暗示されるわけであります。
それは即ち「【1】0【8】」であります。

この数字が出てきたのは恐らく2度目?否、今回で2回出てきたので3度目になりますが
話は呪術使い☆マキマが京都からとんぼ返りを果たした[4:45]分の時のこと
新幹線の運行情報が示された案内板に遡ります。


●ファンタジー系の鉄板法則
ファンタジー系特にダークファンタジー作品において必ずと言っていい程作用する
法則は{netabare}「等価交換の原則」であります。
これは錬金術の法則であり、ベルセルクや烈日の黄金郷などありとあらゆる作品で確認できる
ある種の絶対的理論ということになるでしょう。

悪魔契約においてこの大原則が作用するのは周知の事実でありますが、更に重要なことは
「呪術」についてもこの大原則が当てはまることをシャーマニック・プリンセスであるところの
マキマ課長が見事に示したことは個人的には興味深く感じました。

そんな課長が京都から東京に戻ってきたのは、[4:45]分でありますが
4・4・5とは【8】と【5】という風にも考えられるわけであります。

そして、新幹線の運行表に示された数字などをまたしてもこれから足し算するのかと考えたら
いい加減やってる本人もウンザリしてきましたが、この足し算は要するに何なのかと言うと
「数秘術」というやつでありまして、例えば陰陽師や【✡】に関係する話であるわけです。

物語と連動しているであろう【☆】の話をする以上はこれを全く無視するわけにもいかないため
単調な話ですが、もう少しお付き合いしていただければ幸いに思います。{/netabare}


●呪術廻戦1話斬りの後悔・・・
謎の上司マキマは新幹線に乗り京都へと出張に赴くわけですが
ご覧の通り{netabare}銃撃テロを受けるのであります。

そして謎のチート能力を使い実行犯を返り討ちにしますが
乗っていた車両は「4」号車で、胸の辺りに穴が開いた実行犯の死体も「4」
4+4=【8】であります。

恐らくこの謎の上司には【8】と【6】が暗示する能力が備わっているものと推測できますが
詳しい描写がないために謎は深まるばかりであります。

ただ何故「京都」のシーンを描写する必要性があったのかということについては
恐らく【呪術】絡みの能力について示すことを意図していたからだというように感じました。

京都には所謂「パワースポット」と呼ばれる寺がありまして
「鞍馬寺」などがその代表例ですが、標高が高いという点においても
【☆】(厳密に言うと逆五芒星のペンタグラムでありますが)の領域で囲まれた
場所に位置するという点においても条件に一致します。

【☆】=五芒星=ペンタグラムとは「陰陽師」の術式で用いられるシンボルでありまして
陰陽師と言えば「【呪術】使い」の種族であります。

マキマが指定したのは「神社」であり「寺」ではないという突っ込みを受けそうですが
運営母体の違いはあれども、本質的には似たようなものであり
そもそも神道と道教とヒンズー教では同じ神や似たような神を祀っているのが実状であります。

かき集められた犯罪者、最後の晩餐がその辺のコンビニで買ってきたような
パンというのはなんとも残念過ぎるお話であります・・・
重犯罪者を【6】人づつを左右に身代として置き術式を発動させるその様は
まさに陰陽師を彷彿とさせますが、「呪術廻戦」を1話斬りしたような当方には
陰陽師や呪術に関しては理解しかねる要素が多分にあるというのが正直なところであります。

そして【呪術】の発動にはカラスが関係しているような描写があったことから
【八咫烏】を暗示しているように感じましたが、この
【八咫烏】も「【呪術】使い」の種族であります。{/netabare}


●シンメトリーの背後に浮かぶ影の正体
「シンメトリー」マニアと言えば「死神」の息子デス・ザ・キットでありますが
「死神」と{netabare}【土星】 {/netabare}には何かしらの関係性があるらしいです。

米津氏が関わったOPのボーリング場でのシーンで狐先輩がストライクを叩き出すと
モニターに≪PoweR≫という文字が表示されますが、{netabare}その文字の上の辺りに
隠れキャラのような存在が3体ほど映り込んでいます。

その正体はどうやら今回の戦いで狐先輩が切り札として使った「呪いの悪魔」?とかなんとか
いうものだったようです。

見た感じは「死神」のように見えないこともないような気がしました。

主人公をお持ち帰りした眼帯先輩の部屋にある照明器具の形が「八角形」だったのは
個人的には興味深いものを感じましたが、今は【6】について語るべきターンで
あるような気がいたしますので、【☆】よりも先に【✡】についての話をします。

【6】は【✡】でありますが、もしかしたら「チュッパチャップス」は【土星】を
暗示していたのかもしれません。

「正解するカド」にも登場した「ブラックキューブ」は、角を起点に直立させると
「【6】角形」に見えたりします。

この「6角形」、実は【土星】の北極に刻まれおり、ということで
【6】=【六芒星】は【土星】を意味していたというオチであります。

OPにも映っていた「貞子の井戸」は丸い「輪っか」状であり、
輪っかの中の貞子は「一つ目」小僧ですが、
実に【土星】も「輪っか」を持つ「一つ目」小僧なのであります。

【土星】には一般的にはあまり知られてない別名がありまして、その名も
【ロード・オブ・ザ・リング】と言います。

【土星】の中心には「台風の【目】」があり北極では6角形の中心にそれが位置し
南極では「台風の【目】」だけが不気味にギョロリとこちらを見ているような感じで
存在しています。

狐先輩が「キツネポーズ」で「輪っか」に「片目」を覗かせるのは【土星】の「一つ目」小僧を
表しているということになるのでしょう。

【ロード・オブ・ザ・リング】とは単純に「【リング】の主」という風にも考えられますが、
「ロード」には「統べるもの」という意味もあったりします。

今一度貞子との関係で考えると貞子の登場するホラー映画のタイトルは「リング」であり
「螺旋」でありますが、いつぞやのEDで【ブラックキューブ】が登場した時には
「螺旋」も一緒に描かれておりました。

「螺旋」とは【土星】の南極の「台風の【目】」を表しているような気がいたします。

そしてそしていかにも「サッポロ☆ビール」が好きそうなマキマが飲んでいたグラスには
見事なまでに「エンジェル【リング】」が残っていましたから、もしかしたら
【ロード・オブ・ザ・リング】を暗示する【土星】の力が発動されるターンが
やってきたのかもしれません。

【リング】を統べるものは、首につけた「輪っか」で人を操るだけにととまらず
あらゆるチート能力を兼ね備えているとも考えられます。

「輪っか」が「運命の輪」であるなら現在過去未来をあれしたり?
【土星】との関係から「時間」 {/netabare}をあれしたりする可能性もあるのかもしれません。


●チャイニーズ・レストラン・シンドローム
未だかつてここまで極端に設定をガチガチに固めてくる作品があったでしょうか?

ジャンプ系作品にしてはテンポが悪いような印象があった本作がついに急展開を迎えます。
結論はここにきて{netabare}「死亡フラグ」が機能しまくってきたということでありますが、
その死亡フラグとは何であったのか確認していこうかと思います。

まず京都に出張中のマキマは駅弁を購入しようということになりますが
今時の駅弁というのは食品添加物が確実に入っております。
駅弁にも色々の種類がありブランド牛や豚肉が入っているものもありますが
作ってから時間が経過しており、具材はすべて冷え切っております。

そんなわけですから、肉はもちろん野菜もご飯も美味いわけがありません。

ラーメン屋で昼食をとる主人公たちに、ヤクザの孫にあたる男が語りかけます。
「こんな惨い味のラーメンをよく食えるな?」と。

貧困層に属していた主人公の食生活の惨さについては、弁解の余地はありませんが
意外にも公安という勝ち組の職業に就き、経済的にはゆとりあるはずの
眼帯先輩と狐先輩の両名ともが、貧困層の主人公の味覚と大して変わらないというのは
とても皮肉な話のように思えてなりません。

そもそも人間というのは、生きるためにものを食べるはずであったのが
人体に有害な毒物入りの食べ物を習慣的に食べ、病となり死んでいく…
そしていつの間にか我々現代人は味の良し悪しもわからないバカ舌になっているのです。

現代日本人の食生活を見る限りにおいては、食生活の中に生はなく
むしろ緩やかな自殺を図っているようでもあり、生きることを放棄しているようでもあるため
「死亡フラグ」を快く受け入れ、死ぬべくして死んでいるという風に
見えて仕方ないのであります。

毎回の如く繰り広げられる本作の食レポ的な描写の意図するところ
それについては、ヤクザの孫が指摘したことで明確に記されたような気がいたします。

「チャイニーズ・フード」に次ぐ死亡フラグ2つ目は合わせ鏡です。
飲み会で酔っ払い主人公をお持ち帰りしてしまった眼帯先輩は
自宅の部屋にある三面鏡に自分の姿を映してしまいますが、ドッペルゲンガーを
暗示する合わせ鏡は死亡フラグである可能性が濃厚です。

死亡フラグその3は、朝食でサンドイッチを食べながら眼帯先輩と主人公が
同盟を結んだことであります。
将来の楽観的な出来事に関する約束はむしろ本人の意図しない結末を呼び寄せてしまうことが
往々にしてあり、そのような形でフラグが成就してしまったようであります。

しかしながら以上に挙げたフラグのどれよりも強力な死亡フラグは
【牛】と「ノーベル賞」であると個人的には見ています。

そして何と言っても鉄板の死亡フラグの法則は「悪魔との契約」でありますから
設定的にも裏設定的にも {/netabare}ガチガチなのは間違いないという結論であります。



●ビュティフォ☆ゲッチュ~
{netabare}書き忘れていた伏線について取り上げます。
1つ目は「ノーベル賞」に関するものですが、閉じ込められていた【8】階が突如傾き、従って【∞】になるわけでございます。

そして主人公は【∞】の悪魔に勝つための必勝法を閃くわけですが、その名も
【∞】に血を飲んで回復するという永久機関、本人曰くノーベル賞ものの
発明ということであります。

もう一つは、「ゲロチュ~」でありまして
デープキスの誘惑に翻弄されうっかっり異物を体内に取り込んでしまう主人公ですが
恐らくこのパターンは将来にも繰り返すであろうというものであります。 {/netabare}

●ビュティフォ☆OP
いよいよ米津氏が関わったOPに秘められた謎に迫って参ります。
個人的に一番重要だと思うのはボーリング場のシーンでありまして、その次が
映画館と最初の横断歩道のシーンでございます。
他にも恐らく伏線に関係するであろうと思われるものも何か所かあるようですが
すべてに言及するとキリがないので最初に示した3か所を中心に話を
進めていこうかと思います。

ボーリング場のシーンで球を磨く主人公がクローズアップされますが、その背後にあるレーン番号 {netabare}
と思われる数字は「24」と「26」、(なぜ「25」がないのかいささか不自然でありますが)
2桁の数字を足すと「24」は【6】、「26」は【8】になります。

そして6+8=14 これをまた足して 1+4=5
毎度毎度でありますが、【8】と【5】そして【6】のパターンです。

「24」と「26」以外に数字が出てきた箇所を探すと横断歩道のシーンで
車両通行止めの交通標識の上に[8-20]とあるのが見つかります。
8時から20時なので12時間を意味し、「12」という数字を「24」「26」に足します。
24+26+12=62 それをまた足せばやはり【8】になります。

これは蛇足みたいな話ですが、「62」に「9」を足すと「71」になりますが、
「71」もやはり【8】になります。
「9」とは何の数かと言いますと隠れキャラから導き出したものでありますが
それについては映画館のシーンの後に言及してみたいと思います。

ひとまずは、消えたレーン番号「25」の謎について解き明かしていこうかと思いますが
話の都合上、悪魔の女、相方Pについて触れていきます。

ボーリング場のシーンで相方Pは後ろの席に座って指をさしてゲラゲラ笑っているわけですが
誰のことを笑っているのかと言えば当然モニターに映し出される主人公であります。

このシーンは映画館のシーンから繋がっており、主人公が「一杯食わされた」挙句
ワンワン吠えてるような意味合いのあるものであると読み取れますが、
そのモニターにデカデカと映し出されたのは相方Pの「正式名称」
≪PoweR≫の文字であります。

よく見てみるとなにかおかしな表記になっていませんか?
もちろんそのようにしたのには理由がいくつかあるのでしょうが、今回は一番簡単な理由
についてのみ触れてみます。

≪PoweR≫という文字列にはシンメトリー=左右対称性があり、それが
ビュティフォであるという、そんな価値観が世の中にはありまして
例えば「ソールイーター」に登場する「デス・ザ・キット」も「左右対称性」に
極めて神経質なキャラでありますが、そんな彼は「死武専」校長である
「死神」の息子であります。
他にも「ブラック★スター」というキャラも登場しますが、
「死神」とは【土星】と密接な関係があり、実は「ブラック★スター」も
【土星】を暗示しているのではないかと個人的には考えています。

「シンメトリー」という視点を得た後なら消えたレーン番号「25」の謎が
解きやすくなりましたのでそれを見てみることにします。

【ゴールデンボール】が伏線であることについては多くの人が気付いている
ことだと思いますが、ボールに纏わる決定的なシーンはやはり何と言っても
狐先輩がボウリング場でボールを投げるシーンであります。

狐先輩が投げるボールと主人公が磨くボールと背後にあるボール
すべて合わせると「18」になります。

狐先輩がボールを投げ終えると1個減って全部で「17」だからそれを足せば【8】になる
と言いたいところですが、投げる瞬間には先輩の右腕に背後のボールが隠れてしまい
全部で「16」になってしまいます。

そこで発想を変えてひとまず消えたレーン番号「25」を探してみると同じシーンの背後に
天井に電球があり、数えてみると丁度「25」こあることが判明します。
更に重要なのが、狐先輩がボールを投げた辺りのところで右腕によって
背後の電球2こが隠れてしまうというものでございます。

ボールは18→16
電球☆は25→23

この数字の変化をどのように解釈しようか考えた時
強引と思われるかもしれませんが、「シンメトリー」的発想で解けるのでは
ないかということで斜めに2つの数字をそれぞれ足してみると
18+23=41
25+16=41

「41」の2つの数字を足すと毎度毎度の【5】になるわけであります。
このようなシンメトリックな解法と答えを見てビュティフォと思うのは
デス・ザ・キットと一部のマニアの人たちぐらいでありましょうが、
この【5】とは何であり【8】と【6】とは何であるのか?
それについては米津氏に聞いてみれば簡単にわかることなのかもしれません。

しかしながら話の都合それより先に映画館のシーンに軽く触れ「隠れキャラ」の存在について
明らかにしていきたいと思います。

映画館のシーンで4課のメンツが並んでいますが、何故か真ん中にいるのは
主人公ではなく狐先輩であります。

裏設定的な話になりますが、狐先輩の髪型には秘密があり髪型との関係において
あの位置でないとポジション的に巧くなかったということであります。

「アホ毛」キャラというのはよく見ますが、「チョンマゲ」キャラというのにも
隠された意味があります。
しかしながらいずれにしてもそれに触れると長くなりすぎるので今回は説明を割愛します。

一つだけ言うとすると背後にある「光」と「チョンマゲ」には関係性が
あるということであります。

そして映画館からボーリングのシーンに切り替わる直前に主人公がワンショットで
抜かれるわけですが、そこで「何を食わされた」のかはわからないものの
次の瞬間に謎の「隠れキャラ」が主人公の前を見切れていく姿が一瞬映し出されます。

あまりに一瞬のことで気づかない人も相応にいたのかもしれませんし、その一瞬で消えた
隠れキャラの正体を知るのは原作ファンだけなのかもしれませんが、個人的な見解では
その隠れキャラの形跡はボーリングのシーンでもはっきり残っていたため
それを数えてみたら「9」という数字が出てきたという話でございます。

それではいい加減この辺で【8】と【5】そして【6】について答えを示してまいります。
一番説明簡単なのは【5】次に簡単なのが【6】ですのでまずはその順番でいきますと
【5】=☆
【6】=✡
【8】=✴
☆は五芒星、✡は六芒星、✴は八芒星を表します。

米津氏がこのような裏設定についてどこまで知っていたのか定かではありませんが、
星にまつわる話はこれからが本質に迫るものであり、【8】と【5】そして【6】の法則も
ただの偶然では済まされない学術的な要素も絡んでくる類のものであると
確信するところでございます。

そして、ビュティフォな話はまだまだ続きます☆{/netabare}

●ビュティフォ☆パーリィ
現時点で「チャイニーズレストラン」が死{netabare}亡フラグなのかどうかは定かではありませんが、
何と言っても新人歓迎会の「居酒屋シーン」には刮目すべきでありましょう。

悪魔の女、相方Pは独占欲が強いため料理を独り占めしようとします。
基本的に刺身は体に良いものですが、から揚げは不健康な食べ物なので
悪魔以外の人には全くもってお勧めできません。

そしてやはりアルコール類は腸内環境を悪化させることもありますが
☆ビール(beer)は糖質が高いので、ストレス解消の効果はあるとしても
飲み過ぎには注意が必要であります。

ビールと言えばシュメール文明発祥の飲み物であり、その色は「黄【金】色」であります。
古代エジプト人もビールを好んで飲んだようですが、彼らがビールに酔いしれた理由は
味だけでなく、ビュティフォな「その☆色」にあったのかもしれません。

参考までに美味しい☆ビールを入れる方法について言及するならば
きめの細かい泡で旨味を封じ込めよということになるわけですが
そのようにして注がれたビールは{/netabare}飲み干した後のグラスに泡の跡が残ります。

それが恰も、何かの☆彡【リング】☆彡のように見えるというのは割と有名な話でございます。

飲み会という場には滅多に顔を見せないキャラであると思われる「マキマ」は
{netabare}かなりのビール好きなようで、ビールばかり飲んでいましたが
彼女の好きなビールの銘柄を推理するならば、恐らくは「サッポロ☆ビール」
ということになるような気がいたします。

上司がおごるタダ酒に酔いしれ{/netabare}気分は上々、場の空気が温まったところで
いよいよ繰り出されるのは「夢☆バトル」ならぬ「IQ☆バトル」であります。

毎度毎度の「計算」なので数字だけ抜粋して足します。
{netabare}
相方P「100」
女A 「100」
相方P「120」
100+100+120=320 → 3+2+0=5
やはり【5】という数字が出てきます。

男A 「134」
1+3+4=8
【8】は【5】と対になる数です。

相方P「500」
相方P「1000」
500+1000=1500 → 1+5+0+0=6
もう一つの数字は「キツネ∂サイン」の【6】であります。

前回の[8:18]のエンドレスシーンの補足になりますが
時計の針は「8時18分10秒」あたりで止まっておりました。
そして今回もお約束通り数字を足してみます。
8+18+10=36 → 3+6=9

「9」が答えのその止まった時間に出されたサインは「ダブルピース」でありますが
数字的には「4」ということになります。
「9」と「4」足せば【13】になるわけですが、「【13】日の【金】曜日」の
【13】とは【8】と【5】から構成される数字であるということにございます。

「8時18分10秒」もう一つの解釈は秒針が「2」の数字の辺りで止まっていたので
8+18+2=28 → 2+8=10 とするものでありますが
「10」にダブルピースの「4」足せば「14」
なので→1+4=5 やはり【5】という数字が出てくるわけあります。

【8】と【5】、そして【6】の数字が何を表すのか?
それについてより本質的に示されているのは米津氏が関わったOPでありますが
本丸に攻め込む前にまずは外堀から埋めていくことにいたします。

悪魔の女、相方Pの名前は「パワー」ということですが、実は厳密に言うと
「パワー」という表記は正確ではないということになるでしょう。

もしかしたら原作ファンでも知らないことかもしれませんが、
ユニクロが「UNIQLO」であり、かつ「ユニクロ」であり
ビールが「beer」であるように
「パワー」にも実は正しい表記があるのです。

そういう意味でも本作のOPには秘密がいくつも隠されているということになるでしょう。

最初に「ノーベル賞」について言及したのは悪魔の女、相方Pでありますが
彼女は血の悪魔であり、動物を殺し血を飲んでおりました。
その動物の中で特に印象的だったのが【牛】であります。

飲み会後に主人公をお持ち帰りしたのは【眼帯】先輩でありますが
ベッドの上で彼女の口から【牛】という言葉が出てきたのは只の偶然とも考えらます。

しかしその一方で某人気アニメに登場する「フォージャー家」の食卓に【牛】の置物が
さり気なく置かれていたことには、何かしらの関係性を感じずにはいられません。

【8】と【5】の法則、そして唐突に出てきた「ノーベル賞」と【牛】の関係性・・・
同じことは何度も繰り返され、やがて点と線はつながるでしょう。

さて、外堀固めはこの辺にしていよいよ本陣へ攻め込むターンが来たようであります。
恐らく【8】と【5】、そして【6】の{/netabare}話は、とても長くなりそうな気がいたします。


●悪魔の女
本作に限らずジャンプ系作品は設定がかなりガチガチに固められている傾向があるようです。
なので、ちょっとした些細なシーンでも注目が必要と言えるのかもしれません。

相方Pはノーベル賞 {netabare} を足掛かりに首相になると宣言していましたが
一見冗談のような話に聞こえても、ノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチー
その人はミャンマーの実質最高権力者の地位に見事に就任をするのであります。

ノーベル平和賞と言えばバラクオバマ元大統領も同じく受賞していましたが、
彼は近年で最も戦争に加担した大統領であり、平和のために行った実績など
皆無であると言ってもいいくらいのナマクラであります。

問題のアウンサンスーチー最高顧問とオバマ大統領は親交があり、なおかつ
WEFまたの名をダボス会議と呼ばれるグローバルエリートのメンバーが主催する
国際会議に招待されるような人物でありまして、人種こそミャンマー人でありますが
実際は英国人と結婚し、英国の名門大学を卒業した、英国に魂を売り渡したエージェント
であるというのが彼女の正体ということにございます。

血の悪魔である相方Pは嘘をつき人を騙すのが得意ですが「グローバルエリート」
と呼ばれる方々もそれに負けないくらい嘘がお上手で、例えば権威に弱い我らが
ニッポン人を「ノーベル賞」という名のフィクションで箔をつけ欺くことなど
朝飯前の人々であります。

相方Pのノーベル賞{/netabare}発言は単なる純粋なボケだったのか
皮肉を交えたブラックユーモアだったのか定かではありませんが、
悪魔の設定としては実に的確な表現であったことだけは間違いないように思います。

そして更にもう一つ興味深いシーンがありまして
【眼帯】先輩が殉職した{netabare}同僚の遺族からビンタを食らうというものでございます。
公安のエージェント対し一般人が怒りをぶつけるという対立軸が浮かび上がるわけですが
その場所がよりにもよって「薬局」の前というのは、意図的なものを感じます。

現代日本人の食生活は不健康故にかなりの高確率で生活習慣病を患い
病院にかかり薬を山ほど飲まされるという運命が確定してますが、
それによって患者に何かメリットがあるのでしょうか?

確かに薬を飲めば症状は一時的に緩和されますが、生活習慣病は生活習慣を
改善しない限り治ることはありません。

薬で騙し騙しやったところで行き着く先は病状悪化の最終局面、寝たきり状態
「リビングデッド」のオチであります。

公安ではありませんが、ある種のエージェントが現行の健康保険制度や医療制度を作り上げ
薬を気軽に消費しやすい体制ができたおかげで、病は治らずも薬の消費はうなぎ上り
製薬会社の株価もうなぎ上りであります。

日本経済のためにそんな粋な計らいを成した英雄たちが、仮に
患者の家族から仕返しの一撃を見舞われたとしても因果応報
というように見受けられました。

「薬局」の前で「チャイニーズレストランシンドローム」絡みの{/netabare}エージェント二人が
佇むシーンが映し出されたのなら、そういう解釈ももしかしたら成り立つ
と言えるのではないでしょうか?

●「サスティナブル☆デザイアー」のための行動目標
今回主人公の食事シーンこそなかったものの
明らかに体に悪い食べ物が当然のように出てくる「∞」ループを繰り返すのは
鉄板法則であるかのようにも思われます。

宿泊客が残した食料の中に{netabare}パッケージ化された「おにぎり」が見受けられましたが
コンビニ等でよく売っているこの商品には確実に食品添加物が入っております。

しかしながら資本主義経済で一攫千金を目指したい「ビュティフォ☆ドリーマー」のためなのか?
我が国の食品表示のルールには「キャリーオーバー」なる裏ワザがあり
例え食品添加物塗れの米でも「米」とだけ表示し他の原材料は省略できるという
欺瞞が当たり前のように通用するのですから、未来永劫ニッポン経済の回転率に
憂いはないと自信をもって断言できるでしょう。

食品添加物とよく似たもので我が国の外食やパッケージ化された食品によく入っている
ものとして「調味料アミノ酸等」がありますが、要するにこれは「グルタミン酸ナトリウム」
でありまして、これを摂ると「脳が☆彡スパーク☆彡」する神経毒にございます。

「ラーメン次郎」が提供する通称「豚の餌」がかつて一部でブームになりましたが、
「ジロリアン」と呼ばれるB級味覚のジャンキーどもがオプションで追加増量していたのが
「グルソー」と呼ばれるもので、脳が痺れる興奮性刺激作用をもたらし
その依存性故に病みつきとなるという究極の「麻薬」食材であります。

毎日ラーメン食べるのが日課だった某「ラーメン評論家」が
早すぎる生涯の幕引きを迎えたのも偶然ではなく必然であると考えるべきでしょう。

我が国の食品事情について言うなら、体が欲するよりも、「脳が喜ぶ」食品を
「美味しい」ものと定義しているかの如く、例え不健康でも脳が欲するまま
その欲望を満たしたいという衝動に身を委ねただただ追求するのが正義である
かのように思えてなりません。

「チャイニーズレストランシンドローム」(中華料理症候群)については諸説ありますが
それでもやはり「グルソー」の問題と、それに負けず劣らず重大なのが通称サラダ油と呼ばれる
植物性油脂というもので、この「オメガ6」系の油は採りすぎると体内に炎症を引き起こす
という要するに毒物であります。

「オメガ6」に比べて体に良い油は「オメガ3」と「オメガ9」でございますが、
「オメガ3」の魚から出る油にしても「オメガ9」のオリーブオイルにしても高温によって
成分が変化し酸化するならば「トランス脂肪酸」等の発がん性物質に変わってしまうという
問題が発生してしまいます。

よって揚げるにしても炒めるにしても高温調理によってできた食品は
体にはあまりよろしくないという話になり、そういう意味で「中華料理」には
相応のリスクが伴うのでたまに食べるなら兎も角、毎日のように食べる
べきではないというのが結論であります。

ニコチンも中華料理もストレスを発散するという意味では効能はありますが
そもそもストレスはどこから来るのかと言えば日常の生活にあるようにも思えます。

そういう意味ではこの「資本主義☆万歳」の社会にいる限りは、ストレスで病むか、
ニコチン中毒やグルソー中毒で病むかしか、我々庶民には選択肢がなく
そういう惨めな破滅の道を無邪気に突き進むのが{/netabare}
我らニッポン人のメビウスの運命であり、
我らニッポン人とは∞ループする運命の輪っかに未来永劫囚われた
囚人であるのかもしれません。

☆【8】時1【8】分の【∞】ループ
[8:18]のすべての数字を{netabare}足すと
8+1+8=17
1桁の数字の解を求めるために更に2つの数を足すと
1+7=8

答えはやはり【8】という【∞】ループの結果になりますが
更に興味深いことは【眼帯】の先輩が「赤い髪留め」の新人娘に
「ダブル【ピースサイン】で待て」と指示を出すというものであります。

この「ダブルピースサイン」を数字として見ると
2+2=4になりますが【8】にこの4を足すと12になります。

12は【6】+【6】に2分できますが、何故今回は「2分する」のかと言えば
「キツネサイン」を横から見たら「輪っか」のある【6】の形に見えたように(由緒正しい?)
【ピースサイン】の真の形は親指と薬指と小指で「輪っか」形成するものであり
従って横から見たら【6】の形を成さねばならないという裏設定があるようで
恐らく原作者は「由緒正しい」【ピースサイン】の形を熟知していたからこそ
「ダブル【ピースサイン】」のシーンを描いたように見えたため
ある意味こじ付け気味でも敢えて【6】を抽出したという話であります。

狐先輩に(大量消費の経済性をもたらす)喫煙の習慣を推奨したのは【眼帯】の先輩ですが
「チャイニーズレストラン」で【眼帯】の先輩が煙草を差し出した指の形も
同じような「輪っか」付きの【ハンドサイン】だったことは確信犯の証明であるように見えます。

【8】と【5】そして【6】に{/netabare}秘められた数字について語り出したらキリがありません。
確信めいた米津氏のOPに繋がる話までたどり着くにはもう少し時間がかかりそうであります。


●不思議の貞子が誘う秘密のうさぎの「入口」へ
今回のEDではついにあれが映し出されておりました。
裏設定的にはかなり重要な意味を持つあれであります。

それは{netabare}【ブラックキューブ】であります。
この【ブラックキューブ】は「正解するカド」にも登場しましたが
特に強調すべきは、斜めに傾き立方体のカドを起点に直立した形
そこにこそ本質的意味が隠されているという話であります。

【6】というナンバー、実は【ブラックキューブ】を示すものなのです。

今回お約束の【眼帯】キャラが満を持して登場し、秘密の能力発動しましたが
眼帯キャラの【目】にまつわるのルーツと狐先輩の「キツネサイン」の「輪っか」
を覗く 【目】のルーツは恐らく同一のものと推測できるでしょう。

「キツネサイン」の「輪っか」は【6】でもありますが
「【6】の部屋」のシーンで主人公の【左目】が、とある「輪っか」の中にあったのも
似たような意味合いがあったのだと言えるでしょう。

【ブラックキューブ】、「輪っか」他に注目すべきものは恐らく「絵画」{/netabare}であります。

裏設定の話はまだまだ尽きませんが、いよいよ米津氏が関わったOPに秘められた
謎に迫るワンダーランドの世界に参ることにいたしましょう。

●【大淫婦バビロン】は【獣】に乗ってやって来る
ジャンプアニメにはバトルシーンが付き物ですが、今回はバトルほぼ無しで
ミステリーの要素が強かったため、今まで一番興味をそそられる回でありました。

しかしながら主人公の朝食、パンではなくご飯に変わっただけマシにも思えますが
相変わらずベーコンにウィンナーなどの{netabare} 加工肉製品という悪魔の相方Pも喜んで食べるもの。
これには発がん性物質=亜硝酸ナトリウムなど有害食品添加物が入っており、
毎回毎回酷く不健康な食べ物という意味ではもはやお約束と言えましょう。

前回で狐先輩の「キツネサイン」に言及しましたが、このサインには色んな意味が含まれてます。
親指・中指・薬指で『輪っか』を形成しますが、これを横から見た時には【6】のシルエットが
浮かび上がるということを強調しておかなけばならないでしょう。

今回主人公は蝙蝠の悪魔を倒した際に発生した案件の始末書整理に追われますが
それが行われた場所はもしかしたら【6】階ではなかったかと推測します。

なぜならば狐先輩の【6】等分の【林檎】と「キツネサイン」の【6】、それと【6】階
(他にも米津氏のOPにもありますが)すべての【6】同じ意味で使われているように
見えるからであります。

そして今回のEDでは「それ」を示す「シンボル」がもろに描かれておりました。

そしてついにお約束の【眼帯】キャラが登場しますが、その彼女の【6】人目のバディが
狐先輩であり、今回先輩2人新人4人の計【6】人でチームを組んだのも
駄目押しと言わんばかりに【6】を強調したいからだと推測いたします。

相方Pの「76.1」=【5】を「3」モミーこなした後に【6】の数字が繰り返され
そして終盤においては【8】{/netabare}階の無限ループというオチであります。

しつこいくらいに繰り返される裏設定の話はまだまだ「☆ビュティフォ」に続きます。


●きつね「コント」?
敢えて見逃すべきかとも迷った末に、これを見逃したら突っ込む機会が
2度と来ないかもしないので敢えて言わせて頂きます。

蛭の悪魔をあと一歩のところまど追い詰めるも、しとめ切れずに力尽きる主人公
そこで救いにやってきた先輩が…{netabare}「コン」ですって!?

果たして狐先輩のあの動作、あのキツネポーズは必要だったのでしょうか?
5、6年前に「ベビーメタル」というアイドルユニットが「キツネ祭り」と称した
ライブ上でやってたキツネポーズ、そのまんまを公安の偉大なる大先輩が
恥じらいもなくやってしまっていいのでしょうか?

いえ、百歩譲って国内でそのポーズやるのはいいでしょう。
しかし海外の人に「コン」と鳴く「コント」みたいなキツネポーズは当然通用しません。
海外では別の意味の「ハンドサイン」になってしまいます。

その上狐先輩は片目をつぶってキツネの「輪っか」を覗いているではないですか?
「ブルーロック」でも似たようなことしてましたし、
海外のアーティスト {/netabare}もそんなポーズやってましたが?

それはつまり、また裏設定というオチですね??


●2度あることは「3」度ある
{netabare} 夢バトルの勝者となった主人公のもとに景品である相方Pがやってまいります。

悪魔は体に良い野菜が嫌いだったり、「血の悪魔」だから牛や熊などの血を好んで飲む
というような細かい設定については適切であるように思いますし
悪魔と吸血鬼とは厳密に言えば違うようでいて本質的には同じだということを示したことには
個人的には大いに評価したいところであります。

そして単に設定が細かいだけでなく裏設定もかなり細かいと言いますか
しつこいまでに繰り返されるわけでございます。

宗男揉む、それが主人公の「※願い」であり「夢」でありました。
当然すべての視聴者が見ているはずであり、見えているはずであります。
血の悪魔相方Pの胸の辺りを、彼女が来ている上着の胸の辺りを。
そこには何と書かれているでしょうか?

「76.1」←これが見えない「め●ら」はまさかいないはずですが
人間とは意味がわからないもの、あるいは概念がないものを認識できないという習性があり
「76.1」とあからさまに書いてあっても認識できない人は実際かなりいるものと推測されます。

要するに「蛭の悪魔」との夢バトルの時と全く同じなのであります。
相方Pは「3」度だけ宗男揉むことを許可しますが、何故「3」なのでしょうか?
もちろん「3」についての理由は説明されますが、丁度胸の辺りにある「76.1」はなんでしょうか?
と問われても多くの人が理解不能な事態に陥ることでしょう。

「76.1」の数字を全部足すと
7+6+1=14 一桁の数字の解を得るために更に2つの数字を足します。
1+4=5
「76.1」は【5】を暗示し【5】は「※願い」や「夢」を示す数字であります。

蛭の悪魔の夢語りのシーンでは制限速度「30」キロの標識が背景にありましたが
今回は「3モミー」という単位が提示されたわけです。

【5】+3=【8】
しつこいと言えばしつこいですが、【8】と【5】の法則
裏設定の{/netabare}話は本作でも他作品でもまだまだしつこいくらい続きます。

●ビュティフォ☆ドリーマー
{netabare}蝙蝠の悪魔志半ばで倒されるも相方である蛭の悪魔が登場し
「人間をすべて食べる」という崇高な夢について語り出せば
以て夢バトルの開幕であります。

その夢語りのシーンで背景にあったのは「制限速度{30}キロ」の道路標識ですが、
まず最初に突っ込むべきは何と言っても主人公の「食生活」でありましょう。

朝食にパンを食べ昼飯にカレーを食べる主人公の食生活があまりに惨過ぎて
怒り心頭、我慢の限界にございます。

もちろんスパイスを使った本格インド料理ならば有害どころか体に良いのでありますが
日本で市販されている「カレールゥ」とは小麦や砂糖類や乳製品、食品添加物に
発がん性物質など兎に角人体に有害なものだらけの毒物の集合体であり
食べれば食べるほど病のリスクは高まる一方ですので、日本のカレーには
注意すべきと言わざるを得ません。

カレーに比べたら主人公が病院?で食べていた【林檎】の方が健康的でありますが
兎に角本作で主人公が「食べるもの」には色んな意味で厳重警戒が必要であると考えるべきです。

先輩が【林檎】を「6等分」に切り、皮を剥いて「ウサギの形」にしていたのには
恐らく何かしらの意味があるものと予測しますが、【6】と言えば
マキマの執務室があったのも6階でしたから【6】というナンバーにも
やはり何かあるのだと思われます。

先輩が【狐】の悪魔と契約してること自体突っ込見所満載でありますが
先輩の言葉により「悪魔契約の本質」が明確に示されたからには
「エンキス」や「ヴェルメイユ」や「よふかしのうた」のようなラブコメ路線への退路は
大きく遠のき、シリアス路線に進むしか道がなくなります。
たとえ展開に意外性はなくとも一貫性があるという意味では良い傾向であるように思います。

シリアス路線が確定しているならばこそ裏設定の意味合いは強まり
それについての描写はしつこいくらいに何度も繰り返されるだろうと予測いたします。

結論から言えば「蛭の悪魔」が語る「夢」と蝙蝠の悪魔が語った「※願い事」とは
同じようなものであるということになるでしょう。
主人公と蛭の悪魔との夢バトルのシーンで列挙された夢は以下の通りです。

1.人間をすべて食べる
2.復讐を果たす
3.家族を守る
4.猫を救う
5.宗男揉む

「※願い」と同じく今回もカウントは【5】でありますが
「制限速度{30}キロ」の道路標識の「30」を【5】に足すと
5+30=35
3+5=8
このようにやはり【8】という数字に結びつくのには意図的なものを感じます。

更に言えば、蝙蝠の悪魔が潜んでいた家で主人公の大量の血痕が発見されたという経緯を
先輩がベッドの上の主人公に語り出した時の、その実況見分のシーンで映し出されていた
パトカーのバックナンバーは「69-526」であります。

ハイフォンの右辺は5+2+6=【5】+【8】=【13】
ハイフォンの左辺は6+9=15→1+5=【6】

【13】に意味があるのは【8】と【5】の関係から導かれるものですが
【6】という数字に {/netabare}意味があるというのはまた別の理由があるのだと思われます。

そのことについて「米津玄師」は知っていたかどうかは定かではありませんが、
裏設定の話はまだまだ続きます。

●ナンバーに込められた悪意
蝙蝠の悪魔との対決シーンで車が出て参りますが
{netabare}その車のナンバープレートに記されていたものを確認できたでしょうか?

西東京 457
お 793-35

このようにあまりにもあからさまにクローズアップされるにナンバーには
当然何かしらの意味が込められていると見るべきでありましょう。
前回の【金】的バトルでは【8】という数字が示されていましたので
恐らく今回もそれがあるのだろうという見込みでまずは【8】を探してみます。

するとハイフォンの後の「35」が見つかります。
3+5=8 です。

次に「457」の3つの数字を足してみます。
4+5+7=16 更に「16」の2つの数字を足します。
1+6=7 「7」という一桁の数字の解が得られます。

同じように「793」の3つの数字を足してみます。
7+9+3=19 同じように「19」の2つの数字を足します。
1+9=10 一桁の数字の解を得るために更に2つを足します。
1+0=1 「1」という一桁の数字の解が得られます。

ハイフォンで区切られた前の数字は繋がっているのではないかという見込みで
「7」と「1」を足せば【8】という数字が浮かび上がるわけであります。

更に「西東京」といういかにも怪しげな表記にはどのような意味が込められているのか
解いてまいりますが、「う」という表記がヒントになるのではないかというように思われます。

「あいうえお」の五十音図に照らし合わせると「う」は5番ですから
「う」=【5】であります。

同じように「西東京」をカナ転換して「にしとうきょう」それぞれのカナの番号を導き出します。

「に」=「22」
「し」=「12」
「と」=「20」
「う」=「3」
「き」=「7」
「よ」=「40」
「う」=「3」

それぞれの数字をすべて足します。
22+12+20+3+7+40+3=107 「107」の3つの数字を同じように足してみます。
1+0+7=8 やはりここでも【8】という数字が姿を表したようであります。

ナンバープレートに込められた【8】と【5】を足せば【13】になるというオチであります。

このような数字についてのミステリーもただの偶然やこじ付けと考えられそうではありますが、
【8】と【5】の法則は他作品でも確認できていることからして、逆にそんな偶然が
重なり過ぎている方がむしろ不自然ではないかと個人的には思う次第にございます。

最も大事なことはこのような数字に込められた「意味」でありますが
その意味こそがアニメの「謎」を解く鍵であると確信いたします。

「西東京」という表記を見てふと思い出したのは「バビロン」というマイナー作品にて
描かれた「新域」であります。

「新域」とは東京西部に新設された特区のようなものでありますが
もしも「バビロン」 {/netabare}を暗示しているのならすべては伏線ということになるでしょう。


●「脂肪」フラグにご用心?
ジュースが飲める生活が夢のようと言う主人公、そんな主人公が選んだ商品は
「ヨーグルウォーター」であります。(乳酸菌飲料?ですか・・・)

「うる星やつら」{netabare}の「ラム」みたいな相方の女と主人公の凸凹コンビが結成され
ドタバタ騒動は当然のように起こります。

相方の女は「魔人」という設定ですが、要するに悪魔の一種のようなものなのでしょう。
魔人の外見は人間と酷似しているようであり、悪魔と人間の中間的存在ということなら
主人公と同じような立ち位置になりますが、魔人化した人間はもはや人間の心を持ち合わせていない
らしく目的のためには手段を択ばない冷徹さが垣間見られ、人間の倫理観など
全く通用しないようであります。

自己主張が強い凸凹コンビの二人は当然の如く反発し合いますが{/netabare}
エロ心を満たしたいという「※願い」を抱く主人公と
{netabare}飼い猫を奪還したいという「※願い」を抱く相方の女とは、
悪魔退治という目的において利害が完全に一致するということで
ここで二人の取引は成立するのでございます。

しかしながら悪魔との取引、すなわち「悪魔との契約」は「死亡フラグ」でありますから
当然の成り行きの結果として、いつか見た「ヤクザの裏切り」のような
デッドエンド展開が待ち受けているというオチであります。

相方の女は理性が高いという特性があり、公安を裏切れば身の破滅を招くことを理解しているため
公安の犬として飼いならすこともできる反面、計算高く嘘も上手いという厄介な一面も持ち合わせ
ているため、純粋無垢なる煩悩エロ主人公をたぶらかすことも朝飯前のことでありました。 {/netabare}

ということで「嘘も裏切りも愛想のようなもんさ」とはまさに悪魔の囁きのような言葉であります。

{netabare}米国による悪魔の軍事利用という話などまるで「エンキス」のようでもあり
主人公が悪魔と仲良くなれると信じてる軽いノリとか「夜ふかしのうた」のようでもありますが
腐っても本作はラブコメ的な逃げ口上が通用しないシリアス路線を進むしか道がないからこそ
当然の如く「裏設定」は機能しまくるものと予測いたします。 {/netabare}

主人公が選んだ「ヨーグルウォーター」とは恐らく「乳酸菌飲料」だと思われますが、
{netabare}兎に角この主人公の食のセンスはあまりに惨いものがあります。
乳酸菌それ自体は腸内環境を改善する効果が期待されるという話ですが、
「乳酸菌飲料」となると話は全然違って、メリットよりもデメリットの方が遥かに多く
飲まないことに越したことはないと言えましょう。

砂糖・ぶどう糖果糖液糖、食品添加物などの有害物質にカゼインや乳糖など
アレルギー誘因物質により、腸内環境はむしろ悪化し習慣的に飲み続ければ
生活習慣病を患い「脂肪フラグ」は確定するというオチであります。

「腸内環境を改善する乳酸菌」という謳い文句で実質はむしろ病気になるような
成分てんこ盛りの清涼飲料水の類が怒涛のドブ洪水の如く溢れまくる我が国、
日本の資本主義経済とは恰も「嘘も裏切りも愛想のようなもんさ」と言わんばかりの
なんとも悪魔的なびゅてぃふぉスターでありましょうか。

そしてまた、相方の女は飼い猫に牛乳を飲ませてましたが
現在日本で一般に流通してる牛乳も腸内環境を悪化させ
乳ガン等の成人病リスクを高めるため習慣的に飲むことは避けるべきと思います。

問題は「高熱殺菌」処理によりカゼインが「変性カゼイン」化することのよって起こることが
大きいため、【牛】から搾りたての高温加熱処理がなされていない牛乳ならば有害リスクは
回避できるという話になります。
従いまして本作にあった通り相方の女が直で搾った牛乳ならば
かなりまともなものであるとは言えそうです 。

それにしましても猫のために【牛】一頭をわざわざ?敢えて?
登場させる飼い主と言いましょうか、原作者の意図とは何でありましょう??{/netabare}

●恒例の「カウント」シリーズ第二回目は {netabare} 「蝙蝠の悪魔」{/netabare}の「※願い事」です。
まず最初の願いは
{netabare}1.人間によって受けた傷を癒すための人間(の血)。
でしたが、その人間=主人公の血があまりに不味かったため
口直しの人間(の血)を欲し、更に以下のように「※願い事」を列挙します。

2.子供
3.生娘
4.肉付きがいい男
5.妊婦

全部で【5】。
前回のカウントで出てきた数は【8】です。
【8】と【5】を足すと【13】になりますが、
「チェーンソー」使いである「ジェイソン」が登場するタイトルが
「13日の金曜日」というのは偶然ではなく「裏設定」の仕込みであると確信するものでございます。{/netabare}

そして車のシーンでもさく裂しまくる裏設定の話はまだまだ続きます。




裏設定のネタばらしについてはもう少し先にしようかと思いましたが
この先アンチ故に四面楚歌状態にならないとも限りませんので触りだけでもご披露いたします。

戦いのゴングが鳴り響き男たちの死闘が繰り広げられるならば
ボクシングであれプロレスであれ「カウント」を取るべきでしょう!
その結果判明したのはカウント{netabare}【8】でした。

【8】つまり主人公が先輩の【●】玉蹴とばした回数が【8】でございます。
そして主人公は公安での初仕事、魔人狩りを終えてエロ本を回収しますが本の表紙あった数字は
「6」と「2」で、足したら【8】なります。
【金】的狙いにしてもエロ本にしても下ネタ絡みは【8】と結びつくというお話ですが
これかなり大掛かりな伏線の仕込みと捉えていいでしょう。

特に【金】的KOのシーンは「起承転結」の「結」であり「転承」と遡り「起」に繋がるという
逆算方式の伏線仕込みというのはかなり斬新であるかもしれません。

この伏線が回収される時には恐らく裏設定が発動しまくるような予感がいたします。 {/netabare}

{netabare}チェーンソーと言えば「ジェイソン」でありますが
ジェイソンと言えば【13】日の【●】曜日であります。
主人公のあの執拗な攻撃パターンの背景にはこのような意図があったというオチでございます。
そして裏設定 {/netabare}の話はまだまだ続きます。

まぁジャンプですから、基本若者ですよね。
若者が無意識的にエロ願望抱くのは自然と言えば自然ですが、
{netabare}いくら貧困層とは言え主人公の食い物が酷すぎであります。

うどん、パンという小麦製品にフランクフルトですかぁ・・・
パンにはジャムを塗りたくるという甘党感覚もある意味病的であります。
マーガリンよりはバターの方がまだマシなのかもしれませんが、
乳製品は発がん性のリスクがあるため、控え目にすべきでしょう。

ある意味悪魔的な食生活に満足する主人公がデビルハンターというのは皮肉な話であります。

公安のマキマなる上司に奴隷の象徴である「ネクタイ」を結ばれた主人公は
安い餌で飼いならされる犬に成り下がったということでありましょう。

そして相方の女?魔人は「ダーリンインザフランキス」のゼロツーみたな奴でありますが、
やはり「金装のヴェルメイユ」のパターンそのままでございます。

主人公のしつこいまでの「金的」攻撃などには裏設定みたいなものがありまして
兎に角ジャンプ系作品では裏設定の類が頻繁に繰り返されます。

マキマの名の由来が「デウスエクスマキナ」なのかは否かは現段階では定かではありませんが
マキマに関しての描写には裏設定が多いようなので、 {/netabare}ファンの皆さんはその辺の
細かい背景など是非とも見逃さないように心がけていただきたく思います。

時に「目」は口ほどにものを云いますので。



タイトルからもあまりに簡単に予想できた通り {netabare}スプラッター {/netabare}感満載の描写が
お約束のように繰り広げられますが、そこに芸術性でも感じろということなのでしょうか?

個人的に好感持てたシーンは主人公と{netabare}電のこ {/netabare}ペットの心温まる交流でしたが
主人公が覚醒した途端に全部吹っ飛んでどうでも良く思えてしまいました。

もしも本作最大の見せ場が{netabare}「スプラッターグロ展開」{/netabare}だとしたら、
この先見続けるのは至難の業のように思えます。

令和という今の時代にあって{netabare}「スプラッター」 {/netabare}がウケるとは謎すぎてついて行けません。
どう考えてもB級映画でしかない次元の世界をこれでもかと見せつけられて、
今更そこに何を感じろというのでありましょうか?

{netabare}主人公の {/netabare}死亡フラグは{netabare}悪魔と契約 {/netabare}したことにより成立しますが
これも鉄板法則で、「エンキス」「金装のベルメイユ」と同じ
{netabare}悪魔の心臓 {/netabare}も「金装のベルメイユ」と全く同じ再現であります。

結局のところダークファンタジー系の作品は鉄板法則に従うので展開を読むのは
意外と簡単なのかもしれません。

そしてもう一つの死亡フラグは {netabare}「パン」です。
何故パンが死亡フラグなのかと言いますと、パンには「グルテン」というものが含まれており
人体はこれを完全分解できません。
グルテンは腸や血管に炎症を引き起こし、腸壁に穴をあけ、開いた穴からフィルタリングされてない
有害物質が全身に巡り、体調不良や病(リーキーガット症候群)を引き起こします。

このことはパンに限らず小麦製品全般に言えることですが、特にアメリカ産やカナダ産の
輸入小麦は除草剤などの農薬が惨い状況にあり、毎日のように小麦製品食べてる人は
緩やかなる自殺を自ら試みていると言っても過言ではない程に
フラグを踏みに行っているようなものであります。

花粉症を患っている人は特に小麦製品には注意が必要です。

1日3食しっかり食べている人、朝食はパンに限るという人には死亡フラグが点灯してます。
現代日本の食品は農薬、化学肥料、食品添加物、生長ホルモン剤、遺伝子組み換え系等々
有害毒物だらけで体のデトックス機能が全く追いついておりません。
1日3食食べる人ほど毒物が体にたまりやすく生活習慣病にかかりやすいという孔明の計略、
死せる戦慄は五丈原を走らせます。

この世のすべては業者と株主のためにあり、例えがんなどの生活習慣病が日本で蔓延したとしても
製薬会社とその株主が儲かるなら経済は平穏無事に周り世の中は安泰です。

この世界の業者や株主の内面は本作以上に
「スプラッター」にまみれていると言えるのかもしれません。 {/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 8
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

契約の悪魔

著名作品のアニメ化には賛否両論がつきものだが、
本作をめぐっては制作陣が志向する映画的・写実的な表現コンセプトが
主に原作ファンからの批判に曝されているようだ。本稿を書くにあたり、
自分もアニメがカバーしている範囲を一読してみて、成程、と思った。

個人的な印象に過ぎないのだが、アニメでの主人公デンジは
設定とバトルシーンのインパクト以外、存在感が希薄なのではないかと感じた。
主人公でありながら、深い部分で物語と同期できていないような気がして、
むしろ早川アキたち公安のデビルハンターの側に力点をおいて観ると
自然にストーリーに入っていかれる感覚があった。

デンジのキャラクターは多分、原作のユニークな作風と不可分なのだろう。
そのため、デンジの生きた躍動感がアニメではあまり感じられず、
映画風のリアリズムとも相性は良くないようだった。その一方で、
アキたち公安サイドのシリアスなドラマを描いた部分に関しては
それなりに見応えがあった。この主観的な見地が本稿の出発点になる。

本作の物語にはデンジとアキ、二つの対立する極が内在している。
それが作品深部の、人間と悪魔の対立の構図に対応しているわけだが、
自分の印象では、主人公デンジが中心から退いて"周縁化"する力学が
作品の構造自体に内包されているように思われた。それを確かめようとしたのが
以下の、限りなく独り言に近い作業である。参考にはなりません。



Ⅰ 夢と動機

{netabare}主人公デンジの初期設定は、インパクトが強烈なだけに注意が必要になる。

"持たざる者"である彼の唯一の拠り所であり、アイデンティティでもある
「夢」が、「貧困」によって規定されている状況、そんな風に要約できるだろうか。
彼が夢見たのは、食パンにジャムを塗り、毎日風呂に入れるようなごく普通の生活。
そんなささやか過ぎる夢を、彼の最底辺の生活と結びつけて受け取ることで、
何かを理解した気分にさせられてしまう、そこが危うい。

一生を通じて、ただ見るだけで満足して終わるはずだった彼の「夢」。
それが現実にもなり得ることを知ったとき、彼の内部では革命が起こった。
「見つけたぜ…俺の本気!俺のゴール!それは…!・・・胸だ!!」
胸を揉みたい―。ただその一心で地獄のような死闘を繰り広げてみせる
第4話の"夢バトル"に、彼の「夢」の本質が表れている。

目的と手段とのあまりの落差に、いじましさを感じてしまうのは自然だが、
その時点で、デンジ本人の尺度を見落としてしまうことになる。
彼は、自分の「夢」を低俗な欲求として見下す連中に向かって
これまで虐げられてきた怒りを爆発させるのみならず、そこには
自明とされた価値の序列を力任せに覆そうとする獰猛な破壊衝動が発現している。

デンジの「夢」は多分、「動機」や「目的」とは異質なものだろう。
この生活を続けるために戦う、とは言うが、それは動機や目的とは呼べない。
「夢」を邪魔するものはぶった斬る。煎じ詰めればただそれだけのことだ。
いわば「動機」にまつわる人間的で高尚な"ストーリー"を
剥き出しの本能的な欲求によって相対化し、無効にする凶暴な"力"。
それがデンジの「夢」の本質である。

バトルの最中、彼は狂気のようにおのれの力に酔い痴れる。
精神的ないし心情的な理由付けなどとは無縁の、直接的な力の行使として
夢とバトルは一体であり、夢とは、バトルなのである。
生温いヒューマンな"ストーリー"を拒絶し"解体"する者。それがチェンソーマンだ。
デンジというキャラクターの本質はここにあると自分は考える。

shinoさんが最近提唱された「ポストヒーロー」という刺戟的な言葉を、
自分はポストモダンの文脈に絡めてこう理解したいと思う。
"大きな物語"に終焉をもたらした何物かを、ある"力"として客体化した時に
個々人の"ストーリー"="小さな物語"をも解体するほどに凶暴な存在が出現した。
ポストヒーローとは多分、善悪その他の相対的な価値づけを無効にすることで、
「正義」という曖昧な"ストーリー"を解体する、そのような絶対的な"力"である。
新しいヒーローとは、凶暴で剝き出しの、純粋な"力"そのものだ。

そしてそれは、彼の貧しく悲惨な生い立ちをめぐる"ストーリー"にも及ぶ。
その種の残像に浸りがちな我々の夢想もまた、解体されるべきなのだろうか。
メタレベルで"夢バトル"を挑まれているのは、私たちなのかも知れない。


デンジの「夢」について注意したいのは、それが更新される局面である。
マキマの飼い犬になった結果、人並みの生活をする夢は叶ったのだが、
第5話のマキマとの「契約」によって、この初期設定は更新される。

「もしもデンジ君が銃の悪魔を殺せたら、私がキミの願い事なんでも一つ叶えてあげる」。

本作の主要な登場人物は全員、何らかの契約を結んでいるのだが、
優越的な立場を利用して有利な条件を呑ませる点にマキマの本質が覗いている。
ヒエラルヒーを想定すれば、頂点に位置するのはマキマに違いない。
彼女から漂う不穏な気配はあたかも、"契約の悪魔"の存在を予感させるようだ。

この局面で重要な点はさらにもう一つ。
デンジの「夢」の対極には、殺された家族の復讐というアキの「動機」があるが、
この両者が、銃の悪魔という同じ目標を結節点として交差することである。
「俺はもう夢にゴールしちまってるからなあ。あいつはまだ追いかけてんだ…」
デンジのこの言葉が予告していたとおり、ここでデンジの「夢」は前景から後退し、
代わってアキを中心とした公安のデビルハンターたちの"動機の物語"がせり上がってくる。

物語全体を俯瞰すると、二つのフェーズが重なり合っているように見える。
仮にそれらを「人間圏」、「悪魔圏」と呼んでおくとすると、
デンジのドラマは「悪魔圏」に属しおり、デンジとマキマの間で潜在的に進行する。
一方、本作は公安サイドを中心に、ほぼ「人間圏」の枠組みの中で展開している。
要するに、本当の物語はまだ始まっていないのである。{/netabare}


Ⅱ 悪魔と人間

{netabare}デンジとマキマが新たに契約を交わす第5話には、
「人間圏」のドラマの出発点となる場面も含まれている。
こちら側のメインキャラである姫野とアキとの最初の出会い、そして
岸辺が初登場するシーンが、姫野の回想のかたちで挿入されている。

そのシチュエーションはとりわけ注意を引く。
そこは無数の十字架が果てもなく大地を覆い尽くす、広大な墓地の中だ。
悪魔との際限のない戦い。犠牲になった人々。殉職した仲間たち・・・。
そうした濃密な"意味"を凝縮させた、一種の「トポス」とも言える場所であり、
それぞれの「動機」と結びついた、彼らの心象風景をそこに重ねることもできる。

ドラマは主に姫野の視点で切り取られ、アキとの関係を軸に進行する。
メインのプロットに並行してやや間接的に、控えめに語られるそのスタイルを、
自分は「ミニマムな群像劇」、そんな捉え方ができると感じた。
こうした手法が可能なのはおそらく、キャラクターに共通する何らかの条件が
先行して物語の"磁場"を形成しているからで、それが「契約」なのではないかと思う。
それは抑制された心情を浮かび上がらせる、一種のフィルターのように機能する。


デビルハンターたちは悪魔と契約して悪魔と戦う。
力で劣る人間が必要に迫られて選択した、合理的な対抗手段であり、
契約の対価も「魂」ではなく、身体の部位を差し出すという現実的なものである。

「力を借りる代わりに、体の一部を狐に食わせる契約だ。今回は皮膚を食わせた。」
「公安でこいつと契約している人は二人。一人は寿命半分、
 もう一人は両眼と味覚、嗅覚を差し出しています。・・・」

何気なく語られる「契約」の非情な代償。そして、その非情さに麻痺した心。
「契約」は彼らの重い軛であり、自らの命を侵食するものですらある。
常識的には全く引き合わない職務であって、余程の覚悟がなければ遂行できないだろう。
だからこそ、彼らの内部にあるモチベーションは葛藤を孕みながら強く迫ってくる。
それが作品全体を貫く、どこか沈鬱なトーンとなっているように感じられる。

「契約」のフィルターをとおして見えてくるもの、それは、
自らの「動機」と死への恐怖との狭間で葛藤する、"普通の"人間たちの苦悩である。
岸辺の人格の破綻も、頭のネジをストイックに緩め続けた結果であって、
デンジたちに情が移り、それを言ってしまうあたりに彼の人間性は覗いている。
姫野のはっちゃけぶりも、絶望から目を逸らすために演じられたキャラであることは
遺された手紙からごく普通の、心優しい女性像が窺えることからも明らかだ。
第7話の墓地の場面では抑え切れずに、血を吐くような悲痛な叫びが漏らされる。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ・・・。」

一見クールな雰囲気を装いつつ、内面に潜むこうした痛切なドラマを掬い取り、
表現する手法としては、映画的なリアリズムは有効だったように思われる。


姫野の最期は二重の意味でドラマのクライマックスと呼べるものだろう。
自らの身体の全てを契約の対価に差し出し、死体すら残らない壮絶な死にざまは、
「契約」の極限的な帰結以外の何物でもない。まさに"契約のドラマ"の極致だ。
その死はまた、"動機の物語"の完結をも意味している。
彼女の「動機」はいつしか、アキという存在の中に集約されていた。
次々に先立って行ったバディたちの死が心に重くのしかかる彼女にとって、
アキの"普通さ"は絶望の中の救いであると同時に不安の種でもあった。

「アキ君は死なないでね・・・私が死んだ時さ・・・泣いてほしいから・・・」

アキを死なせないこと。その一念を貫き、敢えて引き受けた悲惨な最期によって、
彼女の「動機」は貫徹されたのである。

これに続く最終盤のバトルが本来のクライマックスなのだろうが、
姫野の"復讐"が果され、アキの「動機」の一部が成し遂げられたという意味では
姫野の"動機の物語"の延長戦と見ることができる。その点でこのアニメの結末は、
公安サイドのドラマの結着となっていると言っていいだろう。

その戦いの最中にアキが死の危機に瀕するが、その直後、
彼の前にゴーストの手が差し伸べられる。開かれた手のひらの上には一本のタバコ。
このとき差し出された"右手"は確かに、姫野自身の右手だったのだろう。
「私の右目を食べさせた代わりに、ゴーストの右手を使えるってわけ。」
彼女の「契約」は最後に、彼女の「動機」を助けたわけである。

 Easy revenge!(気楽に復讐を!)

このメッセージの意味は、ここまでの文脈に即して
姫野がアキの「動機」を肯定し、背中を押したもの、そのように解したい。


「人間圏」のドラマの中でデンジが周縁化するメカニズムも、
同じフィルター越しに説明できるのではないかと思う。

初期設定のデンジは「契約」の犠牲者とも言うべき存在である。
「腎臓が120万、右目が30万。キンタマ片方売って、いくらで売れたっけ・・・」
その彼が悪魔になることで、起死回生の大逆転劇が生じる。
死んでも元通りに生き返るのであるから、もはや身体の欠損など問題にならない。
自力で悪魔と戦える彼は公安の人間たちに対して圧倒的に優位な勝ち組である。
逆説的ではあるが、この特権性のゆえに彼は「人間圏」の中心から外れ、周縁に退く。
初期設定が解消された後のデンジの捉えにくさは、ここに起因するようだ。

結局のところ、デンジのキャラクターについては複雑なのか単純なのか、
現段階ではそもそも判別がつかないことになっている。
例えば、仲間が死んだことに涙を流すアキを見て、自分は泣けないと感じ、
「心臓だけじゃなく、人の心までなくなっちまったのか…?」と自問するシーン。
並みの主人公ならば、この葛藤がストーリーへと展開されるところだが、彼いわく、
「ま、シリアスな事は考えなくていっか!
 楽しくねえ事考えても楽しくねえだけだからな!」・・・これがデンジだ。{/netabare}



デンジのキャラクターは現段階では未分化の状態にある。
・・・これが相応に時間を費やした挙句の、結論らしからぬ結論である。

ただし、直観に過ぎないものだが、付け加えておきたいことが一つ。
Ⅰ章で指摘したとおり、彼は価値の序列の破壊者であり、かつ、その存在が
善悪、あるいは悪魔と人間の境界で、両義性と媒介性を体現している点で、
そこには「トリックスター」の本質がベクトルとして認められるのではないか?

特に示唆的だと思われるのは、本作ラストの{netabare}"キン蹴り"{/netabare}のエピソードだ。
この悪ふざけが彼一流のリベンジであることによって、
アキのシリアスな"復讐"をコミカルに反転させた戯画になっている点が、
秩序を撹乱するいたずら者であるトリックスターの要件に合致するのではないか。
何にしても今後の展開によって、彼の正確な像が定位するのを待つしかないのだが。

あるいは本作の演出の意図も、作品が孕む二極性を踏まえた上で、
第1部「公安編」を文字通りに、公安のデビルハンターたちの物語と捉える
ややイレギュラーな視角から作品にアプローチした結果なのではないだろうか?
・・・などと想像してみたが、これはおそらく考え過ぎだろう。

ところで本稿の作業中、参考のためにWikiを開いたところ、
いきなり強烈なネタバレを食らってしまった。・・・くれぐれも注意されたい。
お蔭でマキマさんの正体も含め、衝撃的な展開がこれから待っていること、
このアニメはいわば前座に過ぎず、本当の物語はこの先にあることが確認できた。
二期が制作されないうちは、トータルな評価は時期尚早と言うべきだろうか。


2023.1.20 投稿  2.6 補完

投稿 : 2023/12/02
♥ : 24
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

作品の評価はするが冗長で飽きました。3分の2の尺でやれば…

10話 一旦断念です。原作通りすぎだし、更に間延びが凄いです。

 もともと藤本タツキ氏の作品にしては、短編と比べて密度が薄い作品です。「スタイリッシュバトルもの」みたいな呪術廻戦などと同じカテゴリにくくられてしまいました。そのせいで人気は出たのかもしれませんが、感想としては原作時点でも冗長でした。

 それでも本作原作も、普通のジャンプ系の作品に比し、メッセージ性テーマ性の密度は全然違います。
 リビドーとタナトス。名前とおっぱい。資本主義と貧困。社会の犬。恋愛の難しさ。欲望、生存、衣食足りて礼節を知る、友情…そういう要素をバトルマンガにした才能はさすがだと思います。
 銃の悪魔は社会の共同意識、印象による価値付けみたいなテーマはいいですけど、これはちょっとチープなメタファだったかなあ。うまく使えてない気がします。
 そして、全体的にストーリーの進展が余りに遅いです。氏は大胆な省略ができるのがいいところだったのに。

 衝動、悪魔性の表現、破壊者としての脅威、絶望感などでバトルは必要だと思いますが、しかし、場面が多すぎだし、長いです。興味があるのはデンジの生存欲求が満たされ、贅沢や人間関係を得ることと同時に悪魔性が強くなってゆく描写です。

 ジャンプ連載なので間延びは仕方がないし、氏のキャリア形成にもなったでしょう。そもそもマンガ家としてこういう要素もやりたかったのかもしれません。楽しんでやれるならそれが一番です。ただ、それでも11巻は長すぎです。更に続いていますし。7巻くらいにまとめたほうが、濃い作品になったと思います。デビルマンになりそこなった作品だなあ、という感じです。

 その冗長な作品を丁寧なアニメ化といえば聞こえはいいですが、正直薄味の11巻を2クールにしようと思うと、こういう間延びになるのでしょう。
 演出とか構図とか、バトルシーンの出来とか、そういう批判の前に、尺が長すぎです。半分とは言いませんが、5分の3、無理なら3分の2くらいでやればよかったと思います。
 アニメで見たら、原作の間延び感が薄まるかなあと楽しみにしてましたが、かえってひどくなった印象です。

 原作と全く同じだし、見ていて飽きてきますので、一旦断念です。あとで確認するかもしれませんけど。

 評価点は高いですが、主観では57点という感じでした。




以下 視聴時の感想です。


1話 アニメは最高の出来。普通にエロと金と友達が欲しい男の物語

{netabare} ということで、本作。もう時代の気分そのままです。普通でいいから飯食いたい。女とエッチなことしたい。働いた分なんとかしてくれ。全部ぶっこわしてー、資本主義や大衆は悪魔だ、ですね。
 子犬を助けるという古典的なマンガのスタート、ジェイソンで殺戮の象徴となったチェーンソー。すべてのアナロジーは大変わかりやすいですね。その中で主人公がどういう選択をしていくのか?というストーリーになるかと思います。
 氏の作品は、選択と選択のIFを表現している場面が非常に多いので、本作の注目ポイントは主人公の選択が非常に低レベルの欲望でありながら…ということでしょう。つまり「逆世界系」です。

 アニメの出来は、マンガよりも内容が頭に入ってくる印象です。逆に良く出来過ぎて引っ掛かりがありませんけど。ですので、やはり両方見る、が正解なんでしょうね。

 アナロジーでいえば、もちろんデビルマンは想起します。 {/netabare}

2話 「男はパンのみにて生きるに非ず。オッパイのために生きる」ですね。そして、今日も男は女に翻弄される。

{netabare} 欲望は一つ満たされると膨らみます。「衣食足りて礼節を知る」ではなく「衣食足りて欲望に目覚める」です。「隴を得て蜀を望む」とも言いますけど。
 デンジは女を夢見ることからはじまって、女に近づくことができ、抱き締められる、エロ本を得て、おっぱいを求めるようになりました。そして、マキマに面白いように操られます。

 デンジの行動原理は単純で、主義主張も思想もなく、常に欲望を満たすように動く。それが破壊の規模と全く等価ではないのが面白いです。デンジ=リビドー、チェーンソーマン=タナトスのバランスと言い換えてもいいかもしれません。

 今のところ彼にとっておっぱいにアイデンティティは求めてないですね。これが面白いところです。おっぱいであれば、誰でもいい状態です。
 彼が唯一代替の効かない個として認め合ったのが「犬」でした。

 それに、女にも2種類いますよね。欲望のままやりたい放題する女、そして自分の欲望を満たすために人を操る女。

 コミックと違って展開が遅いので、いろいろ考えてしまいますが、それもまた面白いですね。{/netabare}

追記 そういえばコミックにないマキマがデンジのネクタイ締めるシーンがありましたね。 {netabare} ~「犬になれ」と対応して首輪が付けられたということでしょうね。コミック4話の絵扉の代わりにいれたのかもしれませんが。やっぱりアニメ版はわかりやすくしていると思います。あるいは制服と合わせて「社会の奴隷になった」アナロジーでしょう。{/netabare}

3話 名前のないおっぱいはただのおっぱい。

{netabare} デンジにとってパワーちゃんはパワーちゃんでなく、ただの名前のないおっぱいですね。自分の欲望の対象でしかありません。おっぱいへの憧れであって、パワーちゃんである必要がない置換可能なおっぱいです。
 つまり性愛を知らない童貞マインドですね。日本人の貧困童貞の象徴がデンジです。

 一方でニャーコが殺せない理由はニャーコだから。ポチタが大事なのはポチタと名付けたからでしょう。名前が無い人間は人間ではなく経済価値=欲望を満たすための物でしかないということ。
 名前がある=代替が効かないものの喪失を経験したデンジとパワーちゃんは分かり合える=名前で呼び合えるのか?

 有用性は「いいね」の数か?他人をどうみるかという話もありました。名前問題の逆ですね。イメージがすなわち力である。

 デンジくんの正義=破壊のモチベーションはなんでしょう。今のところ他人の痛みです。

 第3話でテーマがどんどん出そろってきました。今週はマンガだとセリフばっかりでサラリと流してしまうところを良く描けたと思います。面白くなってきました。「破壊」と「ライトでおしゃれなセリフ回し」だけではないところを見せつけてくれたと思います。 {/netabare}

4話 デンジと早川とコウモリの悪魔、対するパワーとマキマとヒルの悪魔は、男性とそれを操る女性を表しているのでしょう。

{netabare} パワーちゃんはデンジにおっぱいを揉ませると嘘をつく、マキマさんが早川くんを薄っぺらい言葉で手玉にとっていまう。
 デンジを批判する早川くんもマキマさんの色香に迷ってますから、同列に見えるのが面白いところ。
 わざわざ、ネクタイを直すシーンを男女両方に入れたのは、マキマさんが早川くんの思考と行動を読み取りつくしているという表現でしょう。

 これがコウモリの悪魔とヒルの悪魔が男女関係だったことから、この男女の対比ですね。コウモリの悪魔という個体が好きだったわけでなく、相手が必要だったと言い切っています。だから乗り換え可能になります。
 ヒルの悪魔の女性の性的なキャラデザからいって、女性がセクシャリティを使って男を操縦することに対する強烈な皮肉を感じます。

 この第4話の部分は女性はこんなものだというミソジニー(女性嫌悪)が出ていました。男の夢の価値の有る無しを懸命に解いている早川くんもコウモリ悪魔も、女性から見たら変わらないという風にみえました。

 性欲の対象でないニャーコへの愛情との対比でもあります。あと、善意に解釈するとパワーちゃんはちょっとデンジに心を開きつつあるかなあ。

 前半のバトルシーンも後半の早川くんの性格描写と日常の平穏からの混乱も尺が長くてくどかったかなあ。もうちょっとテンポが良くてもいいかもしれません。

 なお、鬼滅とか呪術なんかと同じ系統の作品だと評価している人も多そうですけど、2重構造なんでしょう。表面上はそういったバトル作品としても派手に楽しむこともできると思います。世間の本作の評判を見る限り、今のアニメとかマンガがどういう消費をされているのか確認するのが面白いです。
 バトルとか作画と声優の事ばっかりで、しかもエロ表現が余計だというのが支配的なんでしょうか。その見方は私は想像もしてなかった見方なので面白いなあと思います。{/netabare}


5話 男の私小説?マキマさんのうさん臭いエロさとは?それにしても出来が良すぎて飽きるかも。

{netabare}  誰にでも経験というのはありますが、この作者の初モミは不幸なものだったのかなあと想像してしまいます。要するにこの辺りの描写って、自分の経験が常識と勘違いすることが多いですから。私小説?赤裸々すぎる欲望の独白はヰタセクスアリス的でもあります。

 いい風にとればパワーちゃんはバディとして友達…現段階だと遊び友達になったので、エロスを感じなくなったとも取れます。少なくともニャーコの件で妙な信頼はあります。

 ただ、私小説というだけでなく気持ちのこもらない「揉み」では、おっぱいは単なる脂肪の塊ですから、マキマさんのセックスエデュケーションと合わせて、一般的な若い男の欲望ともいえます。マキマさんのエロさすごかったですけど、一方で胡散臭いところが良く表れていました。

 一方でデンジはディープキスには反応してしまいますので、欲望のエスカレートと結局は女性たちに性欲で操作される悲しい男の性なのかもしれません。

 銃の悪魔は…テロリズムで狂いだした何かの象徴なんでしょうね。

 さて、アニメですが素晴らしい出来だと思います。セリフの一つ一つが原作通りで、かつよく動きますし。
 しかし、原作通りすぎて意外性がないのも事実です。作品の性質上ストーリーが変えられないのはわかりますけど、何か工夫しないと原作読み返せばいいになってしまう気がします。特に今回のように動きが少ない回だとなおさらです。

 原作者が介入すればそりゃあ原作通りになってしまうでしょうが、しかし、化物語という稀有な例もあります。演出を工夫するとかコミックで表現できなかった動きのあるエロスとバトル。その辺の売りの部分でいい動きというだけでなく、何か感動が欲しいです。
 その辺がないといい出来すぎて飽きてくる気配も感じます。 {/netabare}



7話 閉じ込められる=閉塞感 チェンソーマンって何?

抜け出せないというのは日本の閉塞感でしょうね。
分けられる食べ物は少ししかない。貧困の象徴でしょう。
頭がぶっ飛んだ人間しか生きて行けない。まともな奴は死んでゆく。
デビルハンターは制服でネクタイというのも大事でしょう。つまり搾取される労働者・学生でしょう。新入生歓迎もしてますし、会社辞めちゃう問題もありました。
彼を殺された人間が姫野をひっぱたく。的外れな感情のぶつけ方。
コベニちゃんは兄の大学のために「デビルハンターか風俗」
コベニちゃんがウザくて私のせいじゃないと言う。面倒ではっきりものが言えない。
コベニちゃんは迷わず、自分が良ければ人は殺していいという判断をする。
キスについては、ある種の女性にとって、自分の肉体は男を操る道具。
コベニちゃんと姫野の描き方…他の女性キャラもそうですけど、作者のミソジニーでしょうね。あるいは女性嫌悪と性欲の二律背反でしょう。
あるいは大衆・概念としての女性の肉体の「経済性」と、個人としての女性の「代替の無さ、愛情」みたいな視点。
結果としてコベニちゃんは身勝手な女性の象徴でもあり、女性の生きづらさの象徴にもなっている感じです。
タバコより「ノーベル賞」という意味のないもの、「消費税」とか悪いもの…もっと他に辞めるべきものがあるだろう?
人間の集合体が悪魔として襲ってくる。そして最後はもう殺してくださいという。
契約は絶対。

 
 ゲロチューはなぜ、姫野先輩とのチューはゲロの味だったのかは、前回のおっぱいの比較の繰り返しかなあ。まあ、上に列挙した女性との関係性の矛盾が現れたということだと思いますけど。

 チェンソーマンって、バトルマンガとして見るとアニメ化は失敗なんでしょうかね。生きづらさ、閉塞感をどうやってデンジがぶっ壊して行くのかという視点で見ると、アニメ化にあたってクローズアップするところは正しいと思います。
 特にこの6,7話はチェンソーマンとは?をわかりやすく表現されていたと思います。

 原作からいってこの作者にしては、ジャンプ向けにちゃんとわかりやすく、かみ砕いていると思います。それにエンディングテーマで丁寧に視点を教えてくれているので、そこを拾って行くと面白いですね。今回はゲロチューです。

 それにしても原作準拠すぎでしょう。もうちょっと何かないんでしょうか?もうEDとエロシーンだけ見ればいいのかな?

投稿 : 2023/12/02
♥ : 23

75.2 2 グロテスクアニメランキング2位
呪術廻戦 懐玉・玉折(第2期)(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (151)
672人が棚に入れました
最強の2人 戻れない青い春 2018年6月、両面宿儺を己の身に宿した虎杖悠仁。 2017年12月、祈本里香の呪いを解いた乙骨憂太。 そして更に時は遡り2006年(春)—。高専時代の五条 悟と夏油 傑。 呪術師として活躍し、向かうところ敵のない2人の元に、不死の術式を持つ呪術界の要・天元からの依頼が届く。 依頼は2つ。天元との適合者である“星漿体(せいしょうたい)” 天内理子、その少女の「護衛」と「抹消」。 呪術界存続の為の護衛任務へと赴くことになった2人だが、そこに伏黒を名乗る“術師殺し”が“星漿体”の暗殺を狙い介入する…。 後に最強の呪術師と最悪の呪詛師と呼ばれる五条と夏油、道を違えた2人の過去が明かされる―。
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

若いごじょせん→渋谷事変

あのキャラクターの声優変更は無かったね。

42話
{netabare}
ナナミン・・・退場かぁ・・・

虎杖 vs 真人

裏側で分身した真人が釘崎と・・・
次は、釘崎死亡?

虎杖虐が止まらない。
{/netabare}

41話
{netabare}
宿儺、強い!!からの虎杖虐

そろそろ主人公ムーブ始まる?
{/netabare}

40話
{netabare}
親子対戦開始、途中でパパ黒が、
自分の息子かもと気が付いたのか、「禪院か?」と確認入れてからの
自害でパパ黒株上昇。

宿儺 vs 漏瑚は、結果は分かっていたけど、
幸せな漏瑚の死だったなぁ。

次回、重面は死亡かな?
{/netabare}

39話
{netabare}
パパ黒、強い!
あっという間にタコを倒して、
禪院直毘人、ナナミン、真希さん、伏黒から、
強者を選んで、次回、親子対戦?

その後、漏瑚登場。
禪院直毘人、ナナミン、真希さんを瞬殺。
強いのね。

でも、次は五条悟より強い宿儺だよ。
対戦運無いなぁ。
{/netabare}

38話
{netabare}
虎杖 vs 脹相の続きかと思ったら・・・

冥冥、憂憂のAパートより、
Bパートの伏黒のファインプレーからの
真希さん、5億円課金武器からの禅院家の大渋滞END。

パパ黒の笑顔登場怖い・・・
禪院直毘人、息子登場でどうなるかな?
伏黒はクズ父見てどう反応するのか、次回、混沌としそう。
{/netabare}

37話
{netabare}
虎杖 vs 脹相

主人公、覚醒せず敗北・・・

宿儺、脹相に何かした?存在しない記憶とか。
脹相が見たものが事実だとすると、虎杖は遠い血縁とか?
{/netabare}

36話
{netabare}
冥冥の強さよりも、ナナミンの理想の上司像と強さが印象的だった回。

ナナミンの死亡フラグが立ちまくっているけど、
真人に殺される?
{/netabare}

35話
{netabare}
ザ・ファブル、HUNTER×HUNTERキルア(ごじょせん子供時)に
インスパイアのオンパレードだったなぁ。

猪野先輩、死亡しそう。

しかし、伏黒頭いいな。
虎杖の物理は規格外だし、素晴らしい爺狩りでした。
{/netabare}

34話
{netabare}
物理だけで倒していく虎杖強すぎる。
伊地知さん、死亡?、ナナミンも死亡フラグ的なセリフ言い残していたし。

しかし、世界の中心で、愛をさけぶネタを入れてくるとは、
作者さん、この世代?
{/netabare}

33話
{netabare}
ごじょせん、死亡フラグ冒頭演出からの封印。

ハナミを壁ダーンからの押し花とか圧倒的だったけど、
夏油のガワを被った何かによって封印されたけど、
アレが渋谷事変ラスボス?真人?

最後のメカ丸の遺言?あれ、ごじょせんに届けたかったやつだよね?
次回から、ほんわかシーン無さそう・・・
{/netabare}

32話
{netabare}
冥冥班、冥冥と憂憂の家族間の雇用関係とか、
どういう家族関係・・・

やっと主人公登場。
エガちゃんみたいな喋り方のバッタ瞬殺で、
虎杖の成長を感じたけど、ごじょせんの作中最強者感が、
やはり抜きんでている回でもあったかな、
{/netabare}

31話
{netabare}
乙骨、エヴァに乗れ!からの
ハマーン様の演説→ダイソンCM→禪院直毘人登場。
真希さん、同じ班で精神大丈夫か?
{/netabare}

30話
{netabare}
平和回からの不穏回へ・・・

虎杖の中学時代の同級生小沢さんが、
タッパのある女性に大変身し、偶然、虎杖を見つけ、
釘崎を捕まえ過去経緯を話相談する。

虎杖の女性は見た目ではなく、本人も気が付かない
良い点を見ているのは、釘崎、伏黒が10点満点出すのは納得。
普通にイケメン。
(釘崎も無自覚に虎杖好きそうな描写もあったけど今後に期待?)

そして、不穏回
五条(中村)「歌姫(日笠)、なんかスパイいるんだわー、
メカ丸(松岡)の調査頼むわ。後輩だろ?」

メカ丸(松岡)、真人(信長)と共演だぜ。
テンション上がるぅーからのメカ丸 vs 真人へ・・・

ピンポン、チェーンソーマンのアキ君、エヴァと諸々インスパイアされたね。
{/netabare}

29話
{netabare}
夏油傑、闇落ちルートの分岐点が、
九十九由基だったとは・・・

特級呪術師、九十九由基は、傑サイドか、
ごじょせんサイドか、はたまた中立か?

キーキャラクターだったりする?
{/netabare}

28話
{netabare}
ごじょせん覚醒回?
最強がさらに最強化。

パパ黒、ごじょせんに負けて、
子供の権利差し出すのね・・・

Cパートが、新世紀エヴァンゲリオンぽかったな。
{/netabare}

27話
{netabare}
ごじょせん、まさかのパパ黒に敗北とは・・・
天内は、パパ黒のヘッドショットで即死?

夏油は、どこで、ごじょせんと袂を分かつのかな?

パパ黒、真希さんんと同じくフィジカルギフテッドだったとは!
{/netabare}

26話
{netabare}
パパ黒、子安さんだけど、もっと低い声のクズのイメージだったから、
少し違う感。

自分の子供の名前覚えてないとかさぁ・・・

メイドの黒井さん、呪術師でもない一般人なのにすごく強いけど、
死亡フラグの26話終わりが、フラグ成立高いかもしれない。

あと、途中、「ごきげんよう」の世界に入ったのはw
ごじょせん、どこでもモテル!
{/netabare}

25話
{netabare}
冥冥さん、後輩の歌姫から、金取ろうとするのするのヤメタゲテ。

歌姫の顔の傷無かったけど、第2期で、その原因分かるのかな?

あと、家入硝子のギャップ差が凄い。
釘崎かと思ったよ・・・
{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 2
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

生き方を決める

MAPPA制作。

懐玉・玉折編、
五条と夏油、高専時代の活動記録、
生き方を決めた2人の物語が描かれる。

不死の術式を持つ天元だが不老ではなく、
一定以上の老化を終えると星漿体との、
同化が必要となり、五条と夏油は、
星漿体である天内理子の護衛を命じられる。

{netabare}呪術界にしても、重要な任務であり、
ここで彼らは大きな挫折を経験することになる。{/netabare}

やはり優れた娯楽作品で面白いです。
五条の優れた才能が開花していく様と、
夏油の心が闇へと傾き始める様が対比されていく。

心乱れ疑う夏油の葛藤もよくわかる。
{netabare}呪術は非術師である人々を守るためにあるが、
愚かで無能な非術師を守る価値はあるのか!?
様々な事件を見聞し、価値観が揺らぎ始める。{/netabare}

彼らは岐路に立つ、そして混沌の渋谷事変へ。

ここからが呪術廻戦かも知れない。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 26

さとう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

面白い、それはそれとして荒らしに対する運営への不信感が募る

最初数話は五条先生の過去編。五条と夏油の決別と0に繋がる前日譚が描かれていて、夏油が非術師に不信感を抱いた理由を描写できている。

渋谷事変編は現代時間軸の話。夏油の体を乗っ取った脳みその化け物一味と虎杖たちの戦いが描かれる。


さて、ここで問題になってくるのが荒らしの話。
最近このアニメとmygoでは荒らしによる横暴が酷く、それに対する運営の削除を経ても彼らは凝りもせず荒らしを続ける。

今呪術原作が大荒れしていることに関係あるのだろうか?何はともあれ運営には荒らし対策を頑張って欲しい。今の運営には荒らし削除への感謝もあると同時に対応の杜撰さで不信感が募っている。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 3

83.6 3 グロテスクアニメランキング3位
劇場版『Fate/stay night Heaven’s Feel』 第二章(アニメ映画)

2019年1月12日
★★★★★ 4.2 (396)
2176人が棚に入れました
「俺の戦うべき相手は――まだこの街にいる」

少年は選んだ、自分の信念を。そして、少女を守ることを。
魔術師<マスター>と英霊<サーヴァント> が願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦争」。
10年ぶりに冬木市で始まった戦争は、「聖杯戦争」の御三家と言われた間桐家の当主・間桐臓硯の参戦により、歪み、捻じれ、拗れる。
臓硯はサーヴァントとして真アサシンを召喚。
正体不明の影が町を蠢き、次々とマスターとサーヴァントが倒れていった。
マスターとして戦いに加わっていた衛宮士郎もまた傷つき、サーヴァントのセイバーを失ってしまう。
だが、士郎は間桐 桜を守るため、戦いから降りようとしなかった。
そんな士郎の身を案じる桜だが、彼女もまた、魔術師の宿命に捕らわれていく……。
「約束する。俺は――」
裏切らないと決めた、彼女だけは。
少年と少女の切なる願いは、黒い影に塗りつぶされる。

声優・キャラクター
杉山紀彰、下屋則子、神谷浩史、川澄綾子、植田佳奈、伊藤美紀、中田譲治、津嘉山正種、水沢史絵、真殿光昭、小山力也、関智一、浅川悠、諏訪部順一、門脇舞以、七緒はるひ、宮川美保、稲田徹

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少女の願いは静かに、爛れ、散りゆく…

このレビューは第1章の視聴が終わっていることを前提として書いています。
第1章を未視聴の方は、まずそちらの本編からの視聴をお勧めします。

ずっと視聴したいと思っていた本作品…ようやく視聴に漕ぎ付けることができました。
一番不安だったのが、いきなり第2章を見て問題無いか…ということでした。
というのも第1章を視聴したのが結構前なので、内容を忘れていることが多分に考えられたからです。

だから視聴するならもう一度第1章から…と決めていたのですが、2本の視聴で約4時間もの時間を要すると思い躊躇していた面は否定できません。
そしてようやく本日、無事完走することができました。


「俺の戦うべき相手は…まだこの街にいる」

少年は選んだ、自分の信念を。そして、少女を守ることを。
魔術師<マスター>と英霊<サーヴァント>が
願望機「聖杯」をめぐり戦う…「聖杯戦争」。

10年ぶりに冬木市で始まった戦争は、「聖杯戦争」の御三家と言われた
間桐家の当主・間桐臓硯の参戦により、歪み、捻じれ、拗れる。

臓硯はサーヴァントとして真アサシンを召喚。
正体不明の影が町を蠢き、次々とマスターとサーヴァントが倒れていった。

マスターとして戦いに加わっていた衛宮士郎もまた傷付き、
サーヴァントのセイバーを失ってしまう。

だが士郎は間桐 桜を守るため、戦いから降りようとしなかった。
そんな士郎の身を案じる桜だが、彼女もまた、魔術師の宿命に捕われていく…。

「約束する。俺は…」
裏切らないと決めた、かのじょだけは。
少年と少女の切なる願いは、黒い影に塗りつぶされる。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

完走したばかりなので、まだ身体中の熱が全然治まっていません。
そういう状況で公式HPのSTORYを拝見させて貰った訳ですが、見た人の気持ちを煽る文字と構成…これは滾ります。

そう、これまでセイバールート、凛ルートと視聴してきた訳ですが、今回の聖杯戦争がこれまでの中で最も「いびつ」だと思います。
聖杯戦争の体を成していない…という表現が正解かもしれません。
でも、これが間桐家の当主・間桐臓硯の本気なのでしょう。

しかし、聖杯戦争の見どころの一つで、且つこの作品の「売り」でもあるのがサーヴァントらによる圧巻のバトルシーンだと思います。
激しくぶつかり合い、せめぎ合うサーヴァントの戦いは、自らの願望のため彼らの意志で武器を手にしていることを否が応でも認識させられます。

ですが、これまでキーパーソンだったサーヴァントが早々に脱落していくんです。
中にはこんな序盤で貴方のそんな姿を見たくなかった、或いは、見惚れるほどの技を楽しみにしていたにも関わらず、何もすることなく消えていったり…
みんな己の本分を全うすることに誇りを持っていた英霊たちばかり…
しかもセイバーまでもが消えてしまうなんて、物語が破綻するんじゃないかと思いましたよ。

でも、味方を変えると「そうでもしなきゃ、"Heaven's Feel"の物語が完結しない」ということと同義なんだと思います。
これまでの中で最も残酷なルートだと思います。

その思いの根幹にあるのは、やっぱり間桐 桜の存在にほかならないでしょう。
穏やかで優しくて可憐で…桜みたいな女の子が妹だったら、きっと私の人生も変わっていたかもしれません。

第2章は、そんな桜の色々を知る物語でした。
何となく気付いていたこと…
初めて知ってビックリしたこと…
悔しくて下唇を噛むことしかできなかったこと…

どうして「間桐 桜」だったんでしょう。
どうして慎二の妹だったんでしょう。
決して誰かを身代わりに…なんて事は思いません。
でも、何も桜じゃなくたっていいじゃありませんか…

確かに桜は魔術師としての高い適正があるのかもしれません。
たった一つのそれを除くと、大好きな人と一緒に静かに暮らしたいと願うただの女子高生なのに…

桜に聖杯戦争は似合わない…
だけど魔術師としての血の呪いが、桜を聖杯戦争に引きずり込むんです。
完走してwikiをチラ見して知ったこと…
それは桜は、もともと髪の毛や瞳は凜のような色だったんだそうです。
今の色になったのは体質が変化したから…いえ、変化させられたからです。
なんて惨いことを…

そして…物語は転がり始めました。
目の前で次々と起こるのは、凡そ最悪と呼ばれる範疇の出来事ばかりです。
そしてその慣性に抗えない桜もまた堕ちて…

一体この物語はどこに向かおうとしているのか…
サーヴァントを失ったマスターは、この状況にどう立ち向かうのか…
最強最悪の敵にとどめを刺す勇気と覚悟はあるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は、第1章から引き続きAimerさんの「I beg you」
梶浦さんとのタッグ再来です。

上映時間117分の物語でした。
もう、私の中では一時だって目が離せない物語に昇華しています。
最終章となる第3章は、2020年の春に上映が予定されています。
続きが視聴できるのを楽しみにしています。
最後に桜に救いの手があらんことを…

投稿 : 2023/12/02
♥ : 20

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

己の夢か、それとも、愛する者か。禍々しい運命への扉が開く――。

全三章構成の「Fate/stay night [Heaven's Feel]」の第二章。

第一章の公開が2017年、
第二章の公開が2019年、
そして第三章が2020年8月に公開されています。

第一章を見てから時間が経っていたため、
第一章を見直してからこの二章を見ました。

これまでのFateシリーズから展開が頭の中でごっちゃになっている部分もあったので、見直してから二章を見て正解でした。
冒頭は、振り返りやあらすじ説明等は一切ありません。

ちなみに、Fateシリーズはたくさん種類があって、
ざっくりと紹介をすると、

・『Fate/stay night』(2006年)…セイバールート
・『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』(2014年)…凜ルート
・『Fate/Zero』…10年前を描くスピンオフ

となっています。

今回の「Fate/stay night [Heaven's Feel]」は桜ルートと呼ばれていて、
上の3つのシリーズを見てから見ることをおすすめします。

細かな設定の説明や、これまでの話は知っているものとして大幅にカットされているので、Fateの初見さんには全く優しくないです。笑

反対に、これまでのシリーズを見てきた人にとっては、詳しいことは語られなくても事情や背景が理解できるという憎い構成です。

第二章は120分ほどの作品です。
PG12指定が付いています。


● ストーリー
衛宮士郎(えみや しろう)は幼い頃、
大災害に遭った唯一の生き残りである。

士郎と同級生の慎二(しんじ)の妹・間桐桜(まとう さくら)は、
士郎の家に来て家事の手伝いをしていた。

高校2年生の秋。
士郎は7人の魔術師“マスター”の一人となり、
“聖杯戦争(せいはいせんそう)”に巻き込まれたことを知る。

マスターと、マスターが契約する英霊“サーヴァント”が
何でも願いが叶うという“聖杯(せいはい)”をかけて争う戦いだった。


これまでのFateシリーズは、聖杯をかけてサーヴァントやマスター同士が戦う話でしたが、この桜ルートは少し毛色が違います。

これまでのFateシリーズを見てきたから知っている、手ごわい相手たち。強くてかっこいいキャラクター。

そんな相手たちが、正体不明の敵に次々とやられてしまう。
第一章は、そんな恐ろしすぎる謎の敵の存在で終わりました。

第二章では、本格的に桜ルートに突入すると同時に、恐ろしい敵が何者なのか、その正体がわかります。

あんなに強いやつらが一瞬でやられてしまうのに、
一般人に近い存在の士郎に太刀打ちできるはずがない。

そんな絶望に染まりまくりです。

これまで義父・切嗣(きりつぐ)を慕い、
正義のヒーローになりたいと夢見てきた士郎。

しかし、迫られるのは残酷な選択。

己の夢か、それとも、愛する者か。


≪ 間桐桜 ≫

桜ルートと銘打たれていることもあり、
今回士郎と想いが通じ合うのは、間桐桜(まとう さくら)です。

士郎と同級生の、間桐慎二(まとう しんじ)の妹。

桜の「先輩」と呼ぶ声は、なぜああ色っぽいのか、
第一章から(*´Д`)ハァハァしてました(*´Д`)

年下なのに色気あるなあと思ってたけど、
今回はその色気の根源が見えました。

桜もかわいいから好きだけど、
個人的に、士郎には凛を推しています。

冷徹に振る舞おうとするけれど、
結局すぐ情に流されてしまう優しい凛が好きなのです(*´ω`*)


● キャラクター
強いサーヴァントたちはかっこいい。

これまでのシリーズでもたくさん、
強さとかっこよさを見てきました。

それなのに、あんなに強いサーヴァント達でも全く歯が立たない相手。

その絶望感の中でも、
サーヴァントたちは必死に戦います。

主のために。己の願いのために。

相手が強すぎるとは言っても、
ちゃんと戦いの中でかっこいいところを見せてくれるのは嬉しい。

作画はさすがですし^^
きれいだし、迫力あるし、カメラワークがよく動く♪


● 音楽
【 主題歌「I beg you」/ Aimer 】

第一章の主題歌は、悲しさが感じられる曲でした。

今回の主題歌は、敵の底知れぬ強さと不気味さが感じられる、
妖しい曲調。

作品の余韻を主題歌が助長しています。

この主題歌聞いたら、
すぐに第三章へGOしたくなる!

第一章に引き続き、梶浦由記さんの作る曲は、
作品の雰囲気にぴったりすぎます。


● まとめ
これまでFateシリーズはたくさん見てきて、
基本の設定はどれも同じなのに、

スポットライトの当たる人物が違うと、
こうも別の物語が生まれていくのがすごいなあ。

第一章は見えない敵を探りながらの戦い、
第二章はとうとう倒すべき相手を見つけた。

第三相は、その相手とぶつかる戦いになるのかな。

しかし現状の士郎には頼りにできる戦力もないし、体もボロボロ…。

万全な状態でも勝てるはずのない相手に、
どう立ち向かい、この危機的状況を乗り越えるのか。

ここまで来たら、
第三章は絶対に見逃せません。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 17
ネタバレ

アンデルエレーラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

気づくな…

Fate/stay night Heaven’s Feel(桜ルート)の第2章

ー2019.1.15ー

第1章が素晴らしかったため、第2章を長く待っていました!

原作未プレイの私は、
なるべく事前情報を耳に入れずに見に行きましたが…

息が詰まる、苦しい展開とはまさにこのことで、
見終わるとちょっぴり疲れました。(←褒めてます)

{netabare}セイバールート、凛ルートと違い、
桜ルートは鬱展開になると少し耳に挟んでいて、

私自身もいつもと違うダークな展開を望んではいたのですが…
想像を超えてきましたね(笑)

影の正体は、聖杯の器である桜が制御できなくなった「聖杯の中身」であり、
今までの冬木の殺人事件は、桜が魔力を欲したことの裏返しだったのか…

このことに気づいた士郎が、蔵硯に促されても、
桜を殺すことができなかったのは、見てて心が苦しかったです。

印象的だった雨のシーンで、桜を守ると決意したことを思い返し、
包丁を持って泣く士郎の姿は、特に感情移入できた場面でした。

シリーズを通して、正義の在り方を問う中、
衛宮士郎の従来の理想は、「すべて」の人間を救うこと。

桜の殺人を否定して「みんなの」正義の味方となるのか、
大切な桜を最後まで守る「桜だけの」正義の味方となるのか、
2章ではこの葛藤が丁寧に表現されていたと思います。


ラストシーンは…衝撃的すぎる。
慎二があそこまで最低な人物とは思いませんでした。

慎二を殺し、闇に飲まれてしまった桜を、
士郎は救うことができるのか…

2章を見る前はダークな展開を望んでいましたが、
今では最終章で士郎が桜と約束した花見ができるような、
明るいエンディングを期待してしまっています。{/netabare}

主題歌の「I beg you」は重みがあって良かったです。
予告編で聞いた時、1章の「花の唄」とはまた曲風が違うなと思っていましたが、
桜の心情がまさにそのまま歌詞となっていて、
ラストシーンからのエンディングに圧倒されました!
1章に引き続きAimerさん、さすがです。

本当に早く最終章を見たいのですが…
2020年春か~ 待ち遠しい!


ちなみに2章で一番ゾワっとしたシーンは…
{netabare}桜が人を殺して魔力を食べるシーンを、
ディズニーの城のようなポップな表現にした所です(笑)

初めは桜の夢で笑わせに来たのかと思いましたが、
人形を割って中から出たアメを食べるシーンで何の比喩か察しました。 {/netabare}


ー2019.11.9追記ー
1章に引き続き、2章もDVDを買いました。
以下気になった点、をまとめます。

原作未プレイの私が勝手に楽しんで書いているだけですので、
そこは暖かい目で見てください(笑)

{netabare}初めに、マスターとサーヴァントの状況について。
士郎/セイバー(消滅?)
凛/アーチャー(消滅)
桜/ライダー
イリヤ/バーサーカー(消滅?)
蔵硯/真アサシン
葛木先生(死亡)/キャスター(消滅)
綺礼/ランサー(消滅)&ギルガメッシュ(生死不明)
影/セイバーオルタ

・まず気になるのはギルガメッシュ。
 片足を食べられたところまでは分かっているけど、
 その後の描写がありません。 まだ生きているのでしょうか…

・綺礼の言動も意味深。
 桜を助けるために、自らの魔術回路を使い切りましたが、
 そんなに良い人だっけ…
 綺礼は他人が苦しむ様子に愉悦を感じるはずだから(笑)、
 今後の桜と士郎の行く末を楽しむため?
 「生まれつつあるもう1つの聖杯」との発言は、
 聖杯=イリヤで、もう1つの聖杯=桜という解釈でOK?

・「だってあの人、私には勝てないもの」
 桜が綺礼に対し、ここまで自信があるのはなぜ?


まだ分からないことが多いです(笑)
原作には2つのENDがあるそうなのですが、どうなるのでしょう…
希望の持てる結末を望んでいますが、「Heaven」’s Feelですもんね…
今は早く最終章を観たいけど、終わってしまうのが寂しい気持ちもあります。 {/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 18

78.1 4 グロテスクアニメランキング4位
ドロヘドロ(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (350)
1526人が棚に入れました
おいでませ、混沌。魔法によって顔をトカゲにされてしまった記憶喪失の男、カイマン。本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと一緒に自分に魔法をかけた魔法使いを探し続ける。いったい自分は何者なのか……。

声優・キャラクター
高木渉、近藤玲奈、堀内賢雄、細谷佳正、小林ゆう、高梨謙吾、富田美憂、江川央生、市来光弘、鵜殿麻由、ソンド、稲田徹、三木眞一郎、郷田ほづみ、勝杏里

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「アニメ化不可能」を可能にした3DCGと作画の融合にMAPPAの本気を見た

☆物語&感想☆

2020年冬アニメの中でもひときわ異彩を放った本作品。
「おいでませ混沌」という謳い文句通りのクレイジーな作風は、
昨今似たような作品が多いなか、強烈な個性を感じさせる。
ショッキングなシーンが多いので好みは別れるかもしれないが、
何よりNetflixなど配信を通じて、海外ウケしそうに思える。

「混沌」とは言うものの、
それは世界観や設定に関して言えることであって、
物語の内容や方向性は非常にシンプルかつ分かりやすく、
シリアスさよりもコメディ色の方が出ており、
ある意味ポップかつキャッチーさが売りになっているのではないかと思う。
あまり物語の事を突っ込んで書くような作品ではないと思うので、
取り敢えず、観て感じろ笑、と言いたい作品。
1話観てダメなら続けて観るようなもんでもないかなと。

物語はまだ混沌のなか...正直ここまでの内容だけで点数を点けるのは難しい。
とりあえず暫定的に。

☆声優☆

若手と人気声優、ベテランをバランスよく配しており、
カイマン役の高木渉さんなどはさすがのハマり具合。
(原作者のリクエストによるものらしい)

個人的に面白かったのがノイを演じた小林ゆう。
存在自体が混沌としている彼女を選んだのは、
製作陣が本当によく理解しているな~と思う笑

☆キャラ☆

とにかくどのキャラもインパクトがあり濃かった。
特に昨今の作品ではバトル、
アクション系であっても線の細い美少女が描かれることが大半のなか、
作品内に出てくるような、
ニカイドウやノイのような筋骨隆々とした女性は非常に稀でユニーク。
なんでもありな中でも魔法使い3人の過去~現在へ至る経緯はしっかり描かれていたのも良かった。

☆作画☆

本作品の作画は特に高く評価されるべきだと思っている。
昨今3DCGを用いた作品の比率が多くなってきてはいるが、
視聴者が見慣れてきてはいるものの、
今だに観ればそれと分かるものが占めている。
しかしながら、本作品の3DCGは、
どこまでがそうなのかが判らないくらいに従来の作画との違和感がない。
いや、本当に最初観た時はED観るまで、
これが3DCGであることに殆ど気付かなかったほどに。。

これまでのTVアニメは、ほぼ全てを3DCGで作っているものと、
作画をシーンによって切り替えているものが大半だったが、
本作はシーンによる切り替えに加えて、
3DCGに作画で細かく手を入れることによって、
その境界線を限りなく消すことに成功したように思える。
(厳密には作画だけではなく3DCGを作画に寄せる為の取り組みも大きい)
3DCGを作画に見せるような取り組みは、各社やっているとは思うけど、
このレベルで仕上げてきたのは恐らくTVアニメでは初だと思うし、
恐らく業界をざわつかせたことでしょう。
何はともあれ、このような新たな試みが上手く行ったのは、
3DCG専門の制作会社だからではなく、
作画ベースで作ってきたMAPPAだからこそ出来たんじゃないかと。

そして、独特の世界観を見事に描き切った背景も非常に手が込んでいて凄みがある。
ここまでのレベルの背景はなかなか並みのTVアニメではないでしょう。
セル画時代の大友作品を思わせるような質感(キャラも同様に)が、
デジタル化が進んだ現代、ここまで表現できている事は驚きしかない。

☆音楽☆

生半可なOPではこの作品にはインパクトが足りないと思われるが、
アニメ専門のクリエーターである(K)NoW_NAMEは最高のものを持ってきた。
混沌でよく意味が解らない歌詞でありつつ、ポップでキャッチーさを持っており、
ノイジーでローファイな音使いまで、見事に作品の世界観を表している。
またそれに合わせたOPアニメーションの出来も同様に素晴らしい。
作中の音楽もHOLEの退廃的な世界観に相性のいいものと、
全く合いそうにないアコーディオンの音色などを用いてポップさを出しているのが印象的。
作品を本当によく理解して作っているというのがよく解る音楽だった。


このような尖った原作の世界観を壊さずアニメ化に果敢に挑んだ、
MAPPAという制作会社は近年勢いに乗っている感があって個人的には特に注目している。
オリジナルも作っているし、原作のあるものは他社が取り上げないような、
挑戦的で攻めた内容のものを敢えて選んでいるのが好印象だが、
(バナナ・フィッシュ、どろろ、いぬやしきなど)
その中でも本作はその最たるものかも知れない。
アニメ化、映像化不可能と言われた原作を、ここまでの作品に仕上げたのは本当に見事。
引き続き続編の制作を期待したい。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

おいでませ、混沌。

この作品の原作は未読です。
実は、最初は視聴するのを躊躇っていたんです。
画面から受ける印象がゴチャゴチャしていたのと、主人公がトカゲ男という点も私の引っ掛かった点でした。
ですが、ヒロイン?であるニカイドウを演じる近藤玲奈さんの声質が気持ち良く2~3話視聴してみると案外面白い作品であることに気付き、完走して今に至っています。


魔法によって顔をトカゲにされてしまった記憶喪失の男、カイマン。
本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと一緒に自分に魔法をかけた魔法使いを探し続ける。
いったい自分は何者なのか……。

2000年の連載開始から18年にわたって愛され続けた林田球の「ドロヘドロ」(全23巻)。
唯一無二の世界観によって国内外で熱狂的なファンを獲得し人気を誇っている。
そのあまりにショッキングでカオスな内容が故、映像化不可能と思われていた衝撃作が
「どろろ」「ゾンビランドサガ」などハイクオリティで挑戦的な作品を数多く手掛けてきた
MAPPAによって、ついに奇跡のTVアニメ化!

ドアの向こうからやってくる 魔法使いの『練習』
陽気な笑顔と鋭いナイフ ビールを飲んでスカッとしよっと
黒いケムリと美味しいキノコ ホールか…胸クソワリィ場所だ
これだとケツが丸見えになるし 大葉ギョーザ時々ゾンビ
死にたくなければよく聞いてください 三遊間に底なし沼
なんでフォークを投げんだよ?ナイフだろ、フツー
口の中にもう一人男がいるぞ お前は違う こうなったらヤケ酒だ

これらの要素が作り出すもの。
それはまだ…混沌の中。それが…ドロヘドロ!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

18年間も連載を続けた作品とは知りませんでした。
物語は完結しているのに、何故途中までしかアニメを制作しないんでしょうか?
物語としては面白くなってきたところだと思います。

ニカイドウのことが色々分かって府にも落ちて、カイマンの目的に対する手掛かりが掴めそうなんですから…
しかも、この作品の音楽プロデュースは、「灰と幻想のグリムガル」や「 Fairy gone」の音楽を担当した(K)NoW_NAMEさんなんです。
(K)NoW_NAMEさんといえば、1つの作品で沢山の楽曲を提供されるのが特徴ですよね。
本作品でもオープニングとエンディング合わせて7曲も提供されているんです。
作り手の気合が感じられるのをとても嬉しく思います。

しかし、繰り返しになりますが、近藤玲奈さんの声質…耳障りが心地良いんですよね。
前田玲奈さんの声質に似ている気がするのは私だけでしょうか。
ニカイドウを見ていると、「それでも世界は美しい」のニケ姫が頭をよぎるんですよね。
どちらも女性っぽくない口調だからそう感じたのでしょうか…?
でも口調だけなら照井春佳さんが演じた「未確認で進行形」の夜ノ森 小紅も負けてないと思いますけれど…
すみません、レビューが発散してしまいました^^;

声優さん繋がりだと完全にノーマークだったのが、恵比寿というキャラを演じていたのがとみたんだったということです。
気付いたのは完走後にレビューを書くため公式HPを視聴したとき…
破天荒なキャラだなぁという印象が強く、演じるのが難しいキャラだと思いましたが、冬アニメでのとみたんは新境地を切り開こうという気概を感じた気がします。
この恵比寿も十分に難しいキャラですが、異種族レビュアーズのクリム…これまで演じてきたキャラとは真逆じゃありませんか。
まぁ、視聴する側は嬉しい限りなんですけれどね^^;

登場するキャラが何故マスクを多用するのか…実はこの意味も良く分からなかったのですが、少なくてもアニメ化に際する効果はあったと思います。
人間の多彩な表情を全てアニメで表現するのは骨が折れますが、マスクを被っていたらこの部分はスルーできるでしょうから。
でも、それを差し引いても派手なアクションシーンが盛り沢山で、キャラもヌルヌル動いているから手抜きには見えませんでしたけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Welcome トゥ 混沌」
エンディングテーマは、「Who am I ?」「Night SURFING」「D.D.D.D」「Strange Meat Pie」「SECONDs FLY」「404」
全て(K)NoW_NAMEさんの楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
何だかんだ言いながら面白かったので「俺たちの冒険はここからだ!」というところで終わると少し寂しさを感じます。
続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これ言葉にするのしんどくないすか?

原作未読


はじめに

どうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。
とりあえず“独特な世界観”ということでお茶を濁してそれ以上言うのが難しい。


原作はほぼ20年かけて完結したとのこと。そんな事情は一切知らずタイトル買いした作品。なんか画面から流れてくる溢れんばかりの“底辺”感が素敵です。
そして観てみた第1話。背景美術が美しいですね。制作は“MAPPA”仕事はしっかりしてくれそう。息をのむという美しさとは違う、底辺を這いずる質感、吹き溜まり特有の湿気を感じることができる美術といったらいいかしら。かつてドブネズミみたいに美しくなりたいといったあのセンス。
基本的に気持ち悪いので、初回で合いそうか否かわかる親切設計だとは言えると思います。

魔法によって頭を爬虫類に変えられた記憶喪失の男が、自分の本当の顔と記憶を取り戻す姿を描いたダーク・ファンタジー作品。
wikiの記述そのまま引っ張ってきましたがこれだけじゃわかりません。端的に“ヴァイオレンス”です。

私がヴァイオレンスに期待するものはズバリ殺す側の所作。
感情の上下がないのが理想。美学の有る無しは問わず鼻をかむくらいの軽さで殺すのが良い。一方で殺す時にドヤ顔決めたり、ビビりながら引き金を引くのは好みではありません。
理想は実写映画の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『パルプ・フィクション』あたりだろうか。この作品『ドロヘドロ』からはそんな名作の波動を感じました。個人的にはこれで充分満足です。
なお、殺す/傷つけるが基本の作風ですがそればかりではありません。キャラ達が自分の意思で動く。たくましく生きる姿は頼もしくもありコミカルで愛らしかったりします。生き生きしてるんですね。


どこか気だるくて陰鬱な空気に覆われてはいるんですけど、生き生きしたキャラクターたちが織り成すカラフルモザイクな世界は居心地の良いものでした。見てお楽しみなEDの仕掛けや背景美術のクオリティの高さがさらに作品を底上げしてます。良作でしょう。


※ネタバレ所感

■飯テロリング

二階堂と恵比寿って共通項は“麦”ってことですかね。ニカイドウ経営中華屋の看板メニューが餃子ということでビールにとても合いそう。
そこにこだわります?って程料理作画に気合入れとりますので深夜空腹に耐えるのがたいへんでした。

{netabare}そもそもOPアニメーションがひたすらニカイドウの餃子仕込み映像という謎っぷり{/netabare}

{netabare}そしてカイマンへ強くコミットしている女性は“友人としての”ニカイドウと“たぶん敵としての”エビスってことなんですかね。餃子とビールコンビに勝てる男性はおそらくいません。{/netabare}

いちおう飯テロネタということでこだわりの謎作画は他にも。

{netabare}焼肉。肉のサシの入り具合や弾力を感じる動画。これも素晴らしい。鳥や豚ならともかく牛は飼育に手間がかかるイメージ。あんな殺伐とした世界でまともな畜産業出来るんかいなというのがよぎり、何の肉なのか気になってしまった。牛ではないのかもしれない。でも美味そう。{/netabare}


■自由人

自由すぎる登場人物は物語の良きアクセントになります。例えば『キルラキル』満艦飾マコ。『ゾンビランドサガ』山田たえみたいな。自由すぎる振る舞いに笑いつつ、時おりハートウォーミングな行動を見せて不意打ちでうっかりこっちが感動しちゃうことがあるような存在です。

{netabare}その点で本作の恵比寿はとてつもない耀きを放ってました。{/netabare}

トップ of 自由人な一名が突出してますが、{netabare}カスカベ博士{/netabare}あたりもたいがいです。そして各々のコミュニティにも馴染んでいて二人とも浮いた存在にはなっておりません。強烈なキャラクターを受け止める側も個性が強烈だから違和感なく見えるのです。


これはちょっと後に引く感じでクセになります。ただこの面白さ文字にすると陳腐に映りますね。
やはりどうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.11 初稿
2020.05.04 タイトル修正
2020.10.15 修正

投稿 : 2023/12/02
♥ : 57

68.8 5 グロテスクアニメランキング5位
バビロン(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (357)
1108人が棚に入れました
「その啓示は、静かにそっと訪れる―」東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?

声優・キャラクター
中村悠一、櫻井孝宏、小野賢章、M・A・O、堀内賢雄、興津和幸、宝亀克寿、置鮎龍太郎
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

萌えと怪事件

【2020/03/12 末尾に追記】


怪事件を巡り、架空の政治的特別区で、生と死や、正義と悪を揺るがす政治的/法的闘争が開始される。

といった展開を予期させる冒頭の数話だが、「重そうな」要素は、サスペンスの設定のために効果的にそう見せかけるための装置に見えるので、あまり本質的ではない「哲学」への拒絶感で視聴を遠ざけるのは筋が違う気がする。

政治特区や検察特捜部などの「道具立て」がリアリズム的な効果を期待されながら、現実の「特区」は首相や有力閣僚のお友達に利権を分配する装置になっているとか、現実のアメリカ大統領は知性や熟慮とは100パーセント無縁の人物であるといった、作中のリアリズムが「現実」に減殺されてしまうような事態は、本作のせいではないので少しばかり気の毒だ。
が、必ずしも作中の「フィクション」性と「現実」が分離しきれていないところが、同情だけしてはいられない視聴感をもたらす。(後述)


なぜ人を殺してはいけないのか、という難問が中二病的な空想の産物に過ぎないように、なぜ自殺はいけないのか、という問いも、現代の視聴者が感じるほどの「深さ」はない。

文明との接触が限定的な狩猟採集の伝統社会においては、嬰児殺し=子殺しが広く観察されていることはよく知られた事実だ。
が、入手可能な食料の総量と人口とのバランス調整の手段は、「子供を減らす」に限ったことではなく、「高齢者の自殺」という形でも行われている。
そうした社会では、老人が自主的に自殺していく、あるいは老人の自殺の幇助は、自然な決断や称賛されるべき名誉ある行為とされているらしい。

伝統社会で観察されるという事は、人類史において、広範な範囲にわたって「名誉ある自殺」(と幇助)が存在していたことが推察できる。
日本の「姥捨て山」のお話にしても、老母を「殺す」というよりも、老人の「自殺の幇助」という習慣であるとも見ることが可能だ。

状況によって評価が変わる行為が「深く」見えるのは、問い自体の「深さ」というよりも、語りの「レトリック」の問題だろう。
相対的に「評価」される行為を、絶対的な「善悪」の価値と結びつける「レトリック」は、もう一方では「絶対的」な価値を「相対的」に引きずり落とすレトリックでもある。



{netabare}世界には、「正義」も「悪」もない。すべては相対的なのだ。
とは、中学二年生が言いそうなセリフだが、いい年した大人でも、どうかすると口走る。

中二であれば、人生でこうした考えに一度は向き合うことも大切だと思えるが、大人で口にする者が、得てしてブラック経営するIT成金だったりするところに、どっちもどっち論の幼さや無根拠性が表れている。


たとえば、虹の7色と言われるが、実際の虹はスペクトルであって、境目のないアナログな連続体であることはよく知られている。

ためしに赤色から橙色へ変化を追うとき、境目を見出すことはできない。
特定の波長を設定して、それより長いものは「赤」、短いものは「橙」と「定義」することはできるし、そうされてもいるが、それは光や色について取り扱う利便のために設定された「方便」であって、境界線のすぐ両側の「色」を見比べても違いを指摘することは困難だ。

「設定」は恣意的なものであり、「赤」と「橙」を区別する絶対的な境界線はない。
が、だからと言って、「赤と橙には違いは無い」、さらには「色の区別は不可能」といったことにはならない。

「境界線」の両側では、確かに違いを識別できない。
しかし、誰でも、「明らかに〈赤〉としか見えない」色や、「どうしても〈橙〉にしか見えない」色があることは「疑えない」。

「これは明らかに〈赤〉だ/〈橙〉だ」という直観(直感、ではない)、両者の区別の根拠はこれだと現象学は主張する。
「赤」を見たときに感じられる「あの感じ」。「橙」とは異なる「あの感じ」が現れることが、「赤」という直観を支える本質だ。
本質洞察されたこの直観によって、「赤」と「橙」の両者は峻別されるし、この区別=違いが直観されて不可擬であるからこそ、事後的に「区別」できない領域という疑惑が生じる。
論理的に、最初に区別が「ある」という確信があるからこそ、区別は「無い」かもしれない=「ある」は誤りかもしれない、という懐疑が生じるのであって、逆はあり得ない。
「境界線」、「定義」、の発想自体が、「ある」の確信の上にしか生まれないのも明らかだろう。

境界線の付近ではどちらの色か決定が困難に、あるいは不可能になるが、それは「ここでは決定できない」という「明確な」判断が下されるのであって、区別の原理的な不可能や、ましてや一切の決定不可能性を意味するものではない。

「正義」と「悪」にも、まったく同じことが言える。上記の「赤」と「橙」に、正義と悪を代入すればいい。
「色」も含め、あらゆる知覚像が人間にはアナログなものとして現れることが、人間にとって世界がアナログとして存在する根拠であり、「正義」と「悪」もアナログなスペクトルとして現れ出る理由だ。
取扱いの「利便」のために「境界線」が引かれるが、境界の設定や曖昧性は、正義や悪という区分の存在の不可擬性を脅かすわけではないし、善と悪の区別が一切不可能であると証明するものでもない。

中二病の患者が主張するように、「正義」も「悪」も存在しないのではない。直観に対する懐疑と再確認が「世界」での人間の振る舞いの実質だが、中学二年生はその経験を重ねる途上にいるだけだ。
中二じみた言動をする大人は、いい年して直観と本質洞察に無自覚なだけか、自覚しているなら意図的に「ウソ」を吐いているという事で、どちらにせよ真に受ける必要がない。


ついでに、作中の「政治」要素についても記しておこう。

哲学や倫理といった根本原理が、物語る設定のために意図的に「法律」という「利便」のための道具に重ねわされているように、政治もまた、本作内では変形している。

「正義」が「法律」という「方便」と二重化されているように、作中では「政治」は「多数決」という「方便」と一体視されている。

作中の「日本」は民主主義の「政治」体制だが、選挙=多数決の「多い意見を集める」ことは、国民が国民自身を支配する民主主義「政治」を具体的に運営する「制度」=「道具」に過ぎない。
何らかの方法で何が「国民の意思」かを可視化しなければならないし、意思が複数存在するならどれかに決めなければならい。
が、それは「利便」の手段、あるいは運用上の「限界」=「制約」であって、本質である「国民による支配」そのものではない。

選挙の投票率が著しく低い、あるいは意見投票がしばしば「どちらでもない」が多数になることがあるように、多数決=選挙が、そもそも投票者=主権者の「意思」=本質を反映できていない事態は当たり前に存在する。
そもそも「選択肢」から選ぶという選挙=多数決は「デジタル」であって、「アナログ」の本質は原理的に再現できない。
少数意見を切り捨てずに議論するというのは、せめて「選択肢」を精緻化して少しでもアナログの再現度を向上させる「実利的」な方法論であって、綺麗事のタテマエ論ではないのだ。

民主「政治」が「多数決」と同一視されるのは、今のところ「本質」を具体化する「道具」がほかに考案されずにいるからに過ぎない。

本作内での「政治」が、「本質」から離れた「多数決」の言い換えなのは、言うまでもなくサスペンスドラマの設定がパワーゲームの要素を必要としているからだ。
本作内の「政治」は、本質的な意味での政治とはかかわりのない、「ゲーム」の「ルール」の一部をなしているだけに過ぎないし、それゆえ作中で「政治」を問うことは見せかけに過ぎない。

作中の「政治」という言葉は、全て「架空の数取りゲーム」と置換して構わない。


作中で主人公が追い求める「正義」が揺らぐように見えるのは、「法律」の本質がまさに「利便」のための「境界線」であって、「正義」の本質とは異なるという食い違いによる。
「正義」が揺らいでいるのは見せかけで、揺らぎは「正義」と「法」の、本質の範疇的な違いが生み出している。

「正義」と「法」の範疇が混淆するのは、主人公の職業意識が反映されているからであり、サスペンス性を主人公視点で演出するからだ。
だが、終幕に至って、所属組織を離れ、職業上の立場を離脱してもなお、主人公の思考と価値基準が変化しないことで、サスペンス性が急速に拡散してしまう。

「サスペンス」は、怪事件が「捜査」され「真相」を追うことで発生していた。
だが、終幕では、「捜査」は放棄され、主人公は「職場」を離れる。

職場=捜査を離れることで、サスペンスを発生させる支点=視点の特権的な「立場」が喪失されているにも拘らず、行動の核である「職業的」信念が変化しない主人公は、中二病の自問自答じみた空虚な詭弁の狂言回しのように迷走し、「サスペンス」は決定的に喪失される。



それにしても、原作は小説のようだが、事件のキーパーソンの曲世という女性の造形は、まるでアニメ化のために創られたかのようだ。

いっさいの作為なく、対面する男の性的な欲動を(強制的に)挑発する、とは所謂「萌え絵」(の概念)をキャラクター設定にしているとも云えるだろう。

「乳袋」に代表されるような、現実からは不自然な衣服の張り付きや、皺の強調。
殊更にまくり上げられたスカート、しかし下着を描かない「はいてない」。
あるいは身体のひねりや指の微妙な曲線、「乳揺れ」、などなどなど。

描かれている(女性)キャラには挑発する作為などないと見せかけるイイワケを担保しつつ、性的な印象を喚起する「萌え絵」の技法。
こうした技法の数々に支えられる「萌え絵」の概念が、そのまま彼女のキャラクター設定に重なる。
と同時に、アニメ化に際して、こうした「萌え絵」の技法をなぞった描写をすることによって、このキーパーソンの特異「能力」を、最小限の説明で視聴者に納得させることが可能になる。

「意図的に」この「異能」で事件を操作する曲世愛というキャラクターは、まさに「萌えキャラ」構造の可視化という事になるかもしれない。
作為は無いという暗黙のイイワケを投げ捨て、「キャラ」「自身」が「自覚的」に「萌え」るビジュアルを誇示してきたならば、男子オタクは能天気に「萌え」つづける事はできるのだろうか。
彼女に「犯された」という同級生男子たちの証言は示唆的だ。

こうしたところが、本作が「アニメらしくない」物語ではなく、アニメならではのものだと思わせる。


バタイユの有名なエロティシズム論では、エロティシズムは、禁止によって規定されている人間存在が、規定された「禁止」線を「侵犯」することで立ち現れるのだという。

正義と悪の境界線=「禁止」の境界線を揺さぶり、混乱させる「犯人」=曲世が、性的イメージを喚起する「萌え絵」の化身のようなキャラクターであるのは必然だろう。

だが、アニメやマンガに投げかけられる「エロい」が「エロティック」のカジュアルな短縮形であるように、「萌え絵」の「エロ」は、バタイユ流の「死にまで至る生の称揚」である「エロティック」に比べれば貧弱で弱々しく、言葉同様に内実もカジュアルに薄弱化しているようだ。

挑発はしていません、という「言い訳」で性的要素がないかのように見せかける「萌え絵」の概念。
大人の目を盗んで「怒られ」無いようコッソリと逸脱を楽しもうとする子供のような態度を思わせる「萌え絵」の「エロ」が、死にまで至る生命の燃焼を求めて「禁止」を正面から「侵犯」するバタイユの「エロティック」に到底及ばないのは当然かもしれない。

何かの拍子にたまたま「萌え絵」が公共の場に出て、批判的な意見に曝されたとき、まるで発狂したような勢いで批判者に罵言が集中して、なんとしても批判者の口を塞ごうとありとあらゆる屁理屈が並べ立てられるのは、どうしてでも「こっそり」侵犯している姑息な「仕掛け」を隠蔽したいからなのだろうか。

禁止線をめぐる「境界線」の問題を、表現や自由などの「絶対性」に結び付けて一切の批判を一挙に無効化させたいという自堕落な欲望は、まさしく正義や悪を持ち出して「境界線」を「絶対」化しようとする曲世=「萌え絵」キャラの欲望と共鳴している。

こうした騒動は主にネット上での「炎上」という形で現れ、様々な「論客」とやらが「議論」をかわしている、とみられているが、ネットの掲示板やSNSには、「議論」など無い。
掲示板の書き込みやSNSのつぶやきは、交互に書き込むことで「対話」や「議論」が行われているように見せかけられてはいるが、実質的には単に自分の「意見」を書きこんでいるだけに過ぎない。

現実に対面しているもの同士の会話では、おのずから「意味」が立ち上がり、交換され、それによって「議論」や「決着」も導かれる。
一方的に、相手の「意見」を無視して「議論」が成立することは、原理的にできない。

言語の「原理」とは、「意味」が発生していると相互に不可擬な間主観的信憑が発生する、という現象学の本質洞察であって、言語哲学者の「言語は定義できない」は転倒した錯誤に過ぎない。
だが、掲示板上では、間主観的な不可擬性の信憑がなくとも、一方的な書き込みで「議論」の形式を見かけ上捏造することができる。
論客とやらの「論破」「オレの勝ち」の勝利宣言は、要するに独り言の書き込みと本質的に変わりはない、端的に無意味だ。


アニメの感想にこんなことが浮かんでくるのは、本作のラスト数話で繰り広げられる「議論」や「思索」が感じさせる空虚感、空想性、空回り感が、まさにこうした「形式上」の形を整えただけの無意味感と同じ感触を感じさせてくるからだ。

日常的な会話では、「よい」は、「良い」「善い」「好い」「正義」「優れている」「悪くない」などなどの多様な意味の中から、その都度使用する人間たちの間主観的信憑において「意味」を相互了解しながら使われている。
「よい」という言葉を使っているという「形式」だけで、善悪という根源的審級における「よい」、法律上「よい」、政治的に「よい」、などなど、本質の異なる諸要素を同一平面において混淆してしまう形式主義の言葉遊びが、本作ラストの空虚さを支え、ネット「議論」を連想させる。

あるいは、意図的な「詐術」として形式化を利用しているのではなく、作者や製作者の中では「本気で」先入観のない幅広い思索を試みていると自覚されているのだろうか。
掲示板で「勝利宣言」する「論客」が、ともすれば自覚的に詭弁を弄しているのではなく、本気で「勝った」気になっているように見受けられるように。
だが、上述したような、正義についての本質洞察の確信を把握する普通の視聴者には、本作の「議論」も、ネット論客の「勝利宣言」のように、独り相撲のつぶやきにしか感じ取れないだろう。


作者や製作者が形式主義を自覚できず、詭弁の空論を「本気」で捉えているのかもしれないと疑ってしまうのは、掲示板やSNSのみならず、形式主義が現実に浸透しているような日常感覚があるからだ。

この数年、首相を始めとする有力政治家が、論理的には明らかに不法行為を行っていると推察されるのに、一向に追及が効力を発揮できない事態は、ネット同様に他者の意見や言葉の意味を一切受け止めることなく、一方的に妄言を並べたてる態度を、「議論」とみなしてしまう「形式主義」の呪縛にある。

「形式」上、議論であるかのような体裁があれば、本質を顧みることなく事実的な「議論」として取り扱ってしまう「形式主義」

昔話では、「王様は裸だ」と言えば下らない欺瞞は霧散した。
が、「奴は嘘つきだ」という単純な真実を言えなくする「形式主義」の呪縛が、際限なく空論を繰り返す下らない「議論」を無限生産する。

こうした「現実」が、ネット同様、本作のようなアニメにも浸透して、サスペンスが空論に落ち込む事態を招いたのかもしれない。
「性的な挑発はしていません」という「形式」主義の産物である「萌え絵」を体現したキャラの姿で幕を閉じるラストは、象徴的だ。



【追記】

萌え絵を愛好することは、別に悪いことではない。
いや、むしろ「萌え絵」の魅力は性的な要素があってこそなのだろうし、それを間接的な仕方で匂わせる処に「萌え絵」の技術性があるのだろうと考えている。

だが、「炎上」で不毛な「論争」が爆発するのは、擁護したい者が、自分は「エロいから」この絵が好きだ、という明らかな「事実」を否認=隠蔽したまま「擁護」しようとするために、「擁護」の立脚点が架空の「論点」の上に築かれざるを得ないからだ。
「架空」の土台上に重ねられる言葉に、間主観的な「意味」の共有が生じないのは当たり前で、再反論もどこまでも空論へ流されていくのは、これまた当然だ。

「萌え絵は性的な挑発をしている(だから好き)」と事実を認めるだけで、不毛な議論の大多数はたちどころに消滅するだろう。
「形式」的な「議論」(の体裁)にこだわって、どう見ても明らかな「事実」を無いことにする歪みが、不毛な言説の氾濫となって「炎上」は繰り返される。

本作では、「曲世愛」が、(作品内の「現実」では)「事実」として他者の思考や情動に影響を与える「能力」があることはどう見ても明らかであるのに、法律上の構成要件に該当するかどうかという「形式」にこだわり、危険な異能という「事実」性を基礎に置かないために実効的な対応が取れない。

終幕の「空論」の空転感を底で支えているのが、「事実」を見ないことにして「形式」上の体裁に縛られる形式主義であり、中心点である曲世愛が「萌え絵」(概念)を象徴するキャラであることは、やはり必然だと思う。

その意味では、時代と現実を反映していると云えるのかもしれないが、触発的に告発しているというよりも、単に時代に「取り込まれ」て呪縛されてしまっているだけという印象しかないのは、作者や製作者の自覚的な内省や能力の問題だろうか。{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

生きることは善いこと

この作品の原作は未読です。
ここのところ、ツインエンジンさん制作の作品は面白いのが多いので、視聴を楽しみにしていました。
「甲鉄上のカバネリ」にはじまり、「クズの本懐」「ゴールデンカムイ」「からくりサーカス」「どろろ」など。
直近放送された「ヴィンランド・サガ」もツインエンジンさん制作の作品です。
このラインナップを見たら期待せずにはいられません。

この作品は全部で3章構成になっています。


第1章「一滴の毒」
その啓示は、静かにそっと訪れる―
東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。
そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、
紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。
捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。

時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。
正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?


第2章「選ばれた死」
人々に拡散し始める、死への誘惑─
新域域長・齋開化による『自殺法』宣言と、64人の同時飛び降り自殺。
日本を震撼させる事件の真相と、暴走する齋の行方を追うため、正崎は捜査に動き出す。
後任の検察事務官として瀬黒陽麻も加わり、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ機密捜査班が組織される。
さらに、事件の鍵を握る女・曲世愛に関する調査も進める正崎だが、その先にはさらなる絶望が待っていた——


第3章「曲がる世界」
絶望の先に辿り着く、「悪とは何か」の答えとは――
公開討論の末に域議選挙が行われ、新域では自殺法の運用が本格的に始まろうとしていた。
齋拉致計画の一件で捜査班全員の死に直面した正崎は、依然として絶望の淵に立っていた。

憎むべき人間はただ一人。“最悪の女”曲世愛を正崎は再び追う。
正義、そして悪とは何かを、己に問い続けながら——


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

レビューのタイトルでも触れていますが、本作品は人間の生死と善悪を結び付けて扱う作品です。
「善いこととは?」「悪いこととは?」「生きるとは?」「死ぬとは?」
キーワードはたったこの4つだけ…
でも、この4つのキーワードは如何様にも組み合わせることができるのが、物語をややこしくすると同時に、心の軋む元凶たり得るんです。

当たり前の様に生活を送っているので、普段こんなことは考えたりしないと思います。
だから真面目に考えてみると、答えを導き出すのが結構難しかったり…

でも完走して振り返ってみると、疑問点が二つばかり…
まず一つが登場人物の死について、こんなにも凄惨に描かなければいけなかったのか、という点です。
人に限らず、生物には必ず死が訪れます。
これは確実で不変的な事象で例外はありません。
そしてその生きている時間を決めるのは決して他の生物ではあってはならないと思います。

私はこれが世の中の一般常識だと思ってきました。
ですが、この作品ではその常識を根底から否定するんです。
しかも想定の範疇を軽々と凌駕する描写で視聴者に襲い掛かってくるのだから堪りません。

個人的には主人公の東京地検特捜部で検察官を務める「正崎 善」の部下として奔走していた彼女の死が一番痛ましく、視聴を続けるのが正直しんどかったかな…
よくもまぁ、そんな事が考えられると思ったと同時に、その愚行に及んだ犯人を心底憎いと思いました。
リアルでもそこまで憎いと思える人なんていないのに…

そしてもう一つが恐らく巷を騒がせているであろう最終回の展開です。
投げっ放しという感覚は無いのですが、あまりにも情報量が少なすぎるという印象です。
サミット会場の屋上では2発の弾丸が発砲されました。
ですが、その顛末が描かれているのがCパートのほんの一瞬で、そこには凡そ存在しないであろう人物が笑っていたのですから…
そしてその展開は最終回に相応しいとはとても思えなかったので、思わずネットをググっちゃいましたよ。
そしたら、原作は小説と漫画があるようですが、どちらも未だ続いていたんですね。
しかし、この消化不良感、何とかならないのかなぁ…
齋開化の件だって中途半端感が拭えませんし…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は各章ごとに使い分けられていました。
第1章が「Live and let die」
第2章が「イノチ食ム魂」
第3章が「The next new world that no one knows(blood stained ver.)」
あまり気付きませんでしたが、一応歌詞と歌はあったみたいです^^;

1クール全12話の物語でした。
本当に壮絶な戦いが繰り広げられるのは、寧ろこれからなのかもしれません。
でも、人間は勝てるのでしょうか…?
最終話で明かされた「善いこと」を貫くだけでは、きっと彼女には届かないと思います。
今は彼女に勝利するためのピースが欠けているのでしょう。
それが何なのかは分かりませんけれど…
だって、曲世 愛の能力が正崎 善に効いていないのか、或いは曲世は正崎に対して能力を発動させていないのか、それすら私たちは分からないのですから…
続編の制作が待ち遠しいところですが、それには原作のストックが足りないのかもしれません。
寝て待つことしかできないのかな…?

投稿 : 2023/12/02
♥ : 27
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

Fとか‥‥

5話までの感想{netabare}
やっぱりどうしても、“正解するカド”を知ってるとどうしても…ねぇ?
見る前から「この原作者の作品はクソだ」と決めて掛かることはないけど、警戒はしちゃいますw
栗T着た異方少女サラカちゃんが出てきやしないかヒヤヒヤ。
ヤンホモを殺すビデオレターが飛び出すんじゃないかヒヤヒヤ。

と思ってたらその片鱗らしきものが…。
曲瀬愛…一瞬で男を惑わす魔性の女…えええ、超常現象に頼っちゃう?そうしちゃう?
な、なんだろうな、しっかりした展開を望む気持ちとドッチラケで終わるのを期待する気持ちが混在してる自分に気付いた。
ある意味今後の展開に目が離せません、こんな楽しみ方で良いのか?{/netabare}

6話感想{netabare}
討論番組は“ダンスインザヴァンパイアバンド”の1話を彷彿とさせますね、あっちは作者本人がパネラー役やってたっけか。
少年の父親は「行方が分からない」と「誰だか分からない」とでは全然別だよね?
「父親とは連絡が取れておりませんが~」って、本当に存在するかどうかも不明なモノ(名前すら知らなかったんでしょ?)に勇み足が過ぎるなぁ、と。
まぁいいか。
野丸が少年を擁立させて当選を狙うって…元々齋開花を談合で当選させて傀儡にしようとしてたんだよね?
まんまと飼い犬に手を噛まれた形なのに、再び傀儡にしまっせオーラを隠そうともせずにぬけしゃあしゃあと懲りないねぇ…と思ってしまったので、親父の正体明かされても「ああやっぱり」って感じ。
まぁいいか。

「まぁいいか」として流しにくいのが、やっぱり誰にでも選挙権があるのが奇妙で…それこそ高校生総理大臣を笑えない。
とはいえ、それくらい現実離れした世界でないとこの作品のテーマが描けなかった…のかも?規制だなんだで。
但し、そうだったらそうでそれに見合ったリアリティはちと欲しい気が…感情論を語るなら、自分は子供に選挙権あるのはアカンと感情が動くぞw
自殺法の是非で討論番組開くなら、その前に子供の選挙権の是非で討論(※)してくれないとついていけない…前提から覆されて、そもそも論でちゃぶ台返しされた気分。


この作品でそれをやっても「自殺法を回避するために子供に選挙権は与えるべきではない」と循環論法になりそうではあるけどw{/netabare}

最終回までの感想(これだけ読めばいいかも){netabare}
人間の法律で裁けない化け物が超能力を使って人類を混乱させた──なんだい?パニックムービーになるのか?
繰り返し提起された善だー悪だーは、人間の間で考えるから人外は黙ってくれんかってノリで、本題になり切れなかった感じ。
そうさねぇ、マガセを人間だと捉えずに、見た目エイリアンやスピーシーズみたいなのに置き換えて考えれば通じるかな?自分はもうそうとしてしか見てなかった。
「どんな悪魔的な考えを持ってるヤツでも所詮は人間さ」とか「どんなに強力な化け物でも人間と共通の弱い部分を持っててそこを突かれて退治される」とかいった系ではない。
“ヴィンランドサガ”で実際に北欧の神サマが登場したら多分台無しになると思うのだけど、こっちではそれをやっちゃった感じ。
要はまぁ…マガセが万能すぎてそれ以外が茶番になってしまった。

一応まやかしのテーマ(善だー悪だーワオー)に沿って考えると…自殺法の是非より子供の参政権の方がよっぽど危なく感じて絵空事感が最後まで拭えなかった。
そして「よく考える」ってあーた…。
「良い」と「良く」は被ってる部分はあるものの意味としては別モノで、そこら辺混同させて煙に巻いただけ。
この手法、「少年の父親と連絡がとれない」を「行方が分からない」と「誰だか分からない」とで混同(バカには気付かれないようにそっと入れ替え)させたのと一緒で「またかよ」と。
殺人を敗北死だ救済(ポア)だと言い張るどっかのアレと同じで、そういう言葉遊びというか詐欺紛いの誤魔化しは止めてくれんかな。
と思ったら“正解するカド”も交渉官の主人公が最大の活躍をした交渉が性交渉というオチだったのを思い出した…そういうのが持ち味の作家なのん?落語家?
カドでは「ホモ死ね」、バビロンでは「生涯独身死ね」で一貫してるっちゃあしてるのかも知れんが、命を繋ぐを主軸に化け物が人類に干渉する作品なら“BEM”の方が数段上だったような…。
で、斎開花ってナンだったの?大統領夫人ってナンだったの?とかいう投げっ放しも持ち味として看過せにゃならんのかな?

最後のオチも…即座にマガセと対決しろやっつけろとまでは言わんが、正崎がマガセを追い詰めるのに「繋がる」ヒントやカギを何も残してないのってどうなんかね。
結局「続ける=継承する=繋げる」も放り出しちゃってブレッブレにしか思えなかった。{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 24

51.1 6 グロテスクアニメランキング6位
コープスパーティー Missing Footage(OVA)

2012年8月2日
★★★☆☆ 2.9 (83)
356人が棚に入れました
今日はサチコの誕生日。
呪いによる支配の弱まった天神小学校。
サチコの力により運命がリセットされた哲志たちは、天神小学校の行動に集められる。
記憶があいまいな状態委ではあるが、無事再会を果たしたことをよろこぶ哲志たち。
そこにサチコが現れ、突然、文化祭を行うと発表する。戸惑う一同。そして文化祭のテーマは…。

takumi@ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

なんだこりゃ・・・残念すぎる

惨たらしいグロホラーなシーンで始まり
ヘッドフォンしている耳元がゾワゾワするほどリアルな音に
映像では映されないものを想像してしまった。

でも3分もしたら別世界。違う作品かと思ったほど。
だがそれはそれ、兄と妹の仲睦まじい雰囲気は微笑ましいし
短い時間に次々と登場人物が増えていくので、
冒頭のシーンとどう繋がっていくのか、すごく期待した。

しかーーしっ

なんなのだ・・・えっ?あそこで終わりなん?
何かの間違いじゃなく、ほんとうに終わったん?
あまりにもぶった切りすぎでしょう。
とても「作品」とは言い難いし、「CM」でも失敗してると思う。
かなり譲歩して「中途半端なPV」かな。
でもPVだって起承転結あるものだよ。
11分もあったのに・・・
キーワードとして挙げるなら、「兄と妹」「微百合」「文化祭」
「学校での惨殺事件」「幸せのサチコさん」「おまじない」といったところ。

ショートアニメが好きでよく観るけれど、2分や3分でも
何度も観たくなるような良い作品がある中、
11分あっても説明不足すぎて、釣られたのが悔しくなる。

それっぽく恐怖感を煽る演出と音響は多少、評価できるものの
何がなんだかわからないよ。
放送中の作品の予告編だというなら、こういう手法もあるけどさ。
せめて続編というか、本編が出てくれるならあらためて観てみたいけど。

ちなみに原作はゲームらしい。
ゲームを知っている人にとってのみ、この11分のアニメは
完全にPVとして成立するかもしれない。
知らない人にはほんと、消化不良間違いなしです。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 21

てけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

編集が…。

編集が残念すぎます。

まず、1クールくらいの、ちょっぴりエッチな日常シーンと猟奇的要素を含んだアニメをイメージしてください。

1.残虐シーンを切り取って冒頭に流す
2.お気に入りの日常シーンを選んで、貼り付ける
3.スタッフロール

終わり。

…何か途中で力尽きた感がします。

これなら、日常部分だけ、スプラッター部分だけ、別々に放映して、同名タイトルだと強調し、ギャップを狙ったCMを流した方がずっと魅力を引き出せるような気がしました。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 18

AKIRA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

いくらなんでもみじかすぎる… 続編決まったらしいが…

10分ほどの内容になります

本当にさわりの部分なので続編が出てから見ても問題ないです

序盤の3分は内容もつかめない+グロいので初見の方は要注意。

何となく内容をつかみかけてきた所で終了ってなかんじ。

原作知ってる人向けにしてもざっくりすぎている、せめて30分ならばっ手感じでした

投稿 : 2023/12/02
♥ : 9

81.7 7 グロテスクアニメランキング7位
BTOOOM!(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (2103)
11092人が棚に入れました
全世界で300万本以上売れているこのゲームの武器に、銃の類はない。
BIMと呼ばれる爆弾のみだ。
レーダーで相手を見つけ、8種類のBIMを戦略的に駆使して敵を爆殺する。
それが、このゲームで勝つためのポイントだ。

22歳になっても職に就けず、さえない日々を送るだけの人生。
それが俺、坂本竜太(さかもとりょうた)の人生――。
だが、この【BTOOOM!】というネットゲームの世界では、
俺は誰よりも強く、
誰よりも尊敬され、
そして、誰よりも偉かった――。

しかし今、俺がしているゲームは仮想(バーチャル)ではない。
現実(リアル)だ。
無人島で、BIMを持たされ、戦う意味すらわからないまま、人殺しを強要される。

理由もわからず連れてこられたプレイヤーたちによる、生き残り(サバイバル)ゲーム。

現実世界で行われる【BTOOOM!】(殺し合い)。

生への渇望。
失われていくモラル。
侵食する狂気。
肥大化していく欲望。

全てが混ざり合い、粉々に砕け、

爆殺遊戯の幕が上がる――。

声優・キャラクター
本郷奏多、三森すずこ、大川透、沢城みゆき、中村悠一、高橋名人
ネタバレ

B,sべる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

爆殺遊戯

BTOOOMという8種類の爆弾だけを使って
戦うネットゲーム。
それにハマり無職でニートの主人公の
坂本竜太が無人島に連れてかれ、
リアルでそのゲーム(爆弾で殺し合い)
をやることになる。という内容です

一話を視聴して…設定が面白いと思う 。。
緊張感があって
一言で言うとサバイバルってイメージ
ルールもシンプルでわかりやすかったし助かる(^ー゜)

OPのナノのnopain nogameもカッコ良かった

最初はSA

あと主人公の坂本がデスノートの夜神 月と
雰囲気が似てる気がする


2話「血の女子高生」
{netabare} ヒロインの過去の話などで重い過去だった。
友達に裏切り者にされて
無人島で殺し合いに強制参加、オタクに襲われる…
理不尽すぎる…
そして主人公とヒロイン以外のキャラがウザい( ̄▽ ̄)

「あなたのまわりにいる消えてほしい隣人はいませんか?
書けば100万円」という手紙が友達におくられて
事件のあと、
友達にこの手紙に名前を書かれてヒロインのヒミコが
無人島におくられたってことでいいのかな?
で主人公はニートをよく思ってない母親に書かれた
ってことか。顔恐かったし
{/netabare}

3話「サバイバル」
{netabare} なぜ無人島に来て爆弾ゲームをやることになったのか
経緯が分かった。
おっさんはいい人なのか?裏切るパターンか?
食糧争奪戦、手を組んだりトラップをハメたり、
このゲームをはじめた理由の謎…

おもしろ要素が追加d(^_^o)
{/netabare}

4話「世界ランカー」
{netabare} またヤバイやつでてきた(O_O)
今回はグロい( ̄▽ ̄)
しかもBTOOOM経験者同士の戦い
坂本の実力が発揮!
おっさんがちゃっかり仕事してておもしろかったw
{/netabare}

5話「強襲」
{netabare} 坂本とヒミコが再会。
男性恐怖症になってるヒミコが襲ってくるが乗り切って
性欲も抑えて他の男とは違うところを見せつけるっていう
予想のできる展開d( ̄  ̄)
だけど今回もおもしろかった
ヒミコのはなしで身近な人に売られた人たちがこのゲーム
に参加していることを坂本と平のおっさんも知り、母親に
捨てられたことに気づく…

たいらのおっさんはレーダーを集めてるけど坂本に報告は
してるんだろうか?
爆弾もまだ見せてないし怪しい。。
裏切りの可能性も…
ヒミコが仲間になるとして3人が生き残るとは思えないし…
でも味方のままおっさんが死ぬっていうパターンも
あるしなa〜(~_~;)
ヒミコ仲間入り+おっさんの足のケガ+3人で行動すると
レーダーを21個集めなくてはいけない
ってのは死亡フラグな気もする

どっちにしろおっさんはそろそろ…

オオトカゲ出現でさらにサバイバル展開になってきた(^○^)
BTOoOMで結婚した坂本ってことに気づいたヒミコが
どうなるのか楽しみ(^ー゜)
{/netabare}

6話「生贄の夜」
{netabare} 今回はビムは持ち主が死なない限り
本人がスイッチを押さないと爆発しないことがわかった(^ー゜)
ガス式のビムは発動条件がわかんないけど、強くね?
平のおっさんの追跡ビムも対人間だと強そう…

平さん裏切らなかったし、生きててとりあえず良かった。。
タヌキおやじとかww

裏切ったと思ったら助けたり、その逆だったり
おもしろいなあ
1話がすごい短く感じる>_<

コモドドラゴンとかキャラの表情とか汗とかサバイバル
がリアルでこの後に「K」、絶縁のテンペストを見ると
違いすぎる(ー ー;)イケメンばっかりだし

あとここにきて声優にも違和感が…
{/netabare}

7話「仮装花嫁」
{netabare}今回は
傭兵&弁護士のおっさんにヒミコを連れてかれ、ヒミコの
携帯を見た坂本がBTOOOMで結婚したヒミコだと思い、
助けにいくって展開。。
ヒミコはBTOOOMやってた坂本って気づいても言わな
かったけどいい雰囲気に(≧∇≦)

傭兵のおっさんと坂本の頭脳戦がおもしろい、ビムは
スイッチを解除すると使用権が移ることもわかった。
木に引っかかったおかげで無事なとこはスルーで^_^

あと弁護士の性格がすごい変わってる気がする…
サバイバルで追い込まれるとああなんのか?
それとも変な薬飲んでたけど
それと関係あるのかも(^ー゜)

まあそれはイイけど平さんおいてっちゃったけど大丈夫?
凄い顔で正気を保てないとか言ってたし
{/netabare}

8話「白い亡霊」
{netabare}坂本とヒミコの距離が近づく回。

腕を失ったおばさんによって、この島でのサバイバルは
前にも行われてたことが分かった。
そのおばさんを裏切った医者がまた島におくられてきて
平のおっさんを助けてるっていう(ーー;)

予告で医者、食糧トラップで出てきた奴、ビムを奪った
ガキが出てきて来週もおもしろそう、

予告のあとの画像怖すぎ(O_O)
夜観なきゃよかった‥
{/netabare}

9話「最強プレイヤー」
{netabare}医者に助けられた平さんと再会。
チップを3つ持ってるって言ってたけど、おっさんも
何個かもってたじゃん(^ー゜)隠してんのか??傭兵に
取られたなら坂本が奪ったはず(ーー;)
そして最強プレイヤー再登場!グラサンと坂本との
駆け引きがおもしろかった。。
でもリモコン式ビムを口にくわえてたのはいいけど
上手くしゃべりすぎだろっw

予告観た感じでは、坂本とは学生時代の知り合いっぽい
けどグラサンは気づいてないのか?風貌変わってないし…
{/netabare}

10話「ハイレベル」
{netabare} 最強プレイヤー織田とは、坂本の高校の同級生って
ことがわかる。。決着はつかなかったし
ラスボスフラグか?

次回は定石どうりの医者との対決!「しき」も再登場
するしどうなるか…
{/netabare}

11話「復活」
{netabare} いろいろとツッコミどころあったけど、坂本が死んだ
かどうか普通レーダーで調べるだろ・)ノ
あと鎌で攻撃したあと、逃げた意味が分からない…
殺せたよね???

シリアス展開からのビムがヒミコの胸でバウンドした
あとの伊達のリアクションおもしろかった(^_^)

来週は平のおっさんとの今までの伏線がついに
回収されそう(^ー゜)
{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 35
ネタバレ

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

爆弾型バトルロワイアル!

話の設定がすごく好きです。
キャラデザはあまり好みではないのですが、爆弾を使ってのバトルシーンの作画は迫力があって良かったです。

1話感想
{netabare}
敵があんだけ爆弾投げまくって死ななかったのに、こっちが一個爆弾しかけただけなのに殺せるってどーいうことなの?
圧倒的主人公補正ですねw{/netabare}

2話感想
{netabare}
今回はヒミコサイドの話ですね。
てかヒミコかわいそすぎんだろ・・・
ヒミコがあの部屋から逃げ出せたんだから事件が解決されたといってもいいのに、それで島送りにされるってどんなだよ。
てか先輩の部屋に行きたがったの友達の方じゃねーか!
理不尽すぎんだろ!

てことは主人公が島に連れてこられたのはお母さんのせいなんだろねきっと。
いや、お母さんは悪くないのか?
働かないのがだめなんだし・・・
まぁなんでもいいやw{/netabare}

3話感想
{netabare}
ついに本格バトル始動です!
にしても平のおっちゃんはいいキャラしてるわ。
普段頼りなさそうに見える人がいざという時には超キレる、そういう人は結構好きです。
でも、坂本も伊達に主人公やってないねw
武器持ってる奴らがいるのに動じないなんて、やっぱ主人公はこうでないと。
てか、部屋で引きこもっている時とのギャップがすごいなw{/netabare}

4話感想
{netabare}
何か危ない子が出てきたよ!?
親父の方は中々エグイ死にざまでしたね。
てか、親子なのに顔似てなさすぎw

あの近距離で爆弾受けても死ななかったってことはあの子も主要人物なのかな?
主人公並みの補正がかかってますねw
あのモブっぽい弁護士のおっさんは今頃どっかであっさり死んでるんでしょうか?(;゚∀゚)

ちょっと原作が読みたくなってきましたw{/netabare}

5話感想
{netabare}
ようやく正ヒロインと行動することになりましたね。
準ヒロインはおっちゃんってことでw
バトルというほどのバトルはなかったけど、たまにはまったり?と話をしてもいいじゃないか!
中々エグイアニメだしねw

てか、オオトカゲって何ぞ!?
あんなのが普通に生息してたら殺し合いをするとか以前にみんな食われてしまうんじゃないか?
実際爆弾とか関係なく死んでしまう人とかもこれから出てきそうですね(;゚∀゚){/netabare}

6話感想
{netabare}
坂本いいね!
やっぱ主役はこうでなくては!
まぁわざわざはしごに上らずとも、普通にとっとと爆弾投げてりゃいいような気もしますがねw

ところで仕事中のおっちゃん、悪い顔してたね~。
あんないい人なのに、信じられないです(;゚∀゚){/netabare}

7話感想
{netabare}
坂本の運動神経おかしいだろ!?
引きこもりですよね!?
毒ガスからの逃げ方がすごすぎんだろ!
一体どこにあんな力が・・・?

そして宮本・・・
今回は中々のグロ映像でしたね(;゚∀゚)
あいつ結構いいキャラしてるからもっと最後まで残っていて欲しかったのに・・・

弁護士のオヤジ?
ああ、いたね~そんなのも。(興味なし){/netabare}

8話
{netabare}
手が吹っ飛んでも生きていられるものなのか?
即死はないだろうが普通は出血多量とかでお陀仏な気がするんだが・・・(;゚∀゚)

伊達って奴はひどい奴だねほんと。
でもおっちゃんの治療をしてくれてたっぽいよね。
何が目的なのか・・・

あとは出てきていきなり裏切りおった女ですね。
もうこの島では裏切りがあたりまえなんだね。
俺がもしBTOOOMに参加させられたらどうなるんだろう。
誰か仲間を作ってもやっぱり裏切ってしまうのだろうか・・・
それ以前にビムの使い方を誤って自爆したり、オオトカゲに食われて人知れず死んでしまいそうな気がしますねw
我ながら情けない(;゚∀゚){/netabare}

9話感想
{netabare}
史上最強のニート、それが坂本だ!
とは言ってもさすがにここまでの主人公補正はやりすぎなんじゃないかなぁ・・・?
ファイヤーを使ってたオッサンは一個のビムであっさり死んだのに坂本は三個ぐらい一気にくらったのに生きてたよ!?
いやまぁくらってないから生きてるんだけど、あの状況でくらわないのはさすがに無理があると思うんだ俺は(;゚∀゚){/netabare}

10話感想
{netabare}
坂本さん、マジすみませんでした!
前回は主人公補正で生き残れたとかなんとかほざいてしまって本当にもうしわけございませんでした(;゚∀゚)
ちゃんと坂本は考えてたんだね。
今回もまたピンチな感じで終わったが坂本ならまぁ大丈夫だよねw
結果として坂本は織田に負けてしまったが、ほんとに良い戦いで、これからの二人の対決が楽しみです。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
ヒミコ自重しろw
ヒミコが胸でビムを跳ね返した時に変な声を出しやがったせいでおもわず吹いちまったじゃねえかw
シリアス展開台無しだよ(;゚∀゚)

村崎さんは伊達を許してしまったのか。
どこまでいい人なんだよ。
俺にはいまいち理解できないが、ほんとに伊達のことが好きだったということだけはよくわかるよ。
てか、村崎さんも坂本に負けず劣らずの生命力を持ってますよねw
腕なくなったのに生きてるし、伊達のビムくらっても復活するしw

次回最終話か・・・
ほんとに最後のは平さんなんかな・・・{/netabare}

12話感想
{netabare}
まさか平さんが死んでしまうとは思わなかったよ(T_T)
てかその後すぐにラブコメってる二人ってどーなの?
大事な仲間が死んでしまったら普通はしばらく立ち直れないと思うんだが(;゚∀゚)

最後だけOPが変わってましたね。
なかなかカッコいい曲だと思いました。
変える必要があったのかいまいちわからんがw
流れてきた映像もこれまでの戦いの総集編って感じで中々良かったです。{/netabare}

総評

かなり楽しめたバトルアニメでした!
終わり方からしてこれは2期あるでしょうね。
大いに期待して待ちましょう!

投稿 : 2023/12/02
♥ : 62

Jacks さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なぜ彼らはサバイバルを繰り返すのか?

ゲームは多種多様。それは家や外でプレイするもの。
最近、VR(Virtual Reality)やアプリが人気ですね。僕は去年VRを体験しましたが、凄かったです。立体感が半端なかった。
こうしてゲームそのものは常に進化し続けます。デペロッパー(開発会社)が倒産しない限り。
ちなみに僕はモバイルゲームが嫌いです。今まで一度もプレイしていません。これからもずっとそうするでしょう。
お金は貴重です。時間を無駄にしないように。

さて、今からBtooom!について語ります。
この作品の主人公は坂本竜太(さかもとりょうた)です。彼はBTOOOM!というMMOでの実力派オンラインプレイヤーで、いわゆる「ニート」でもあります。
僕はニートも嫌いですが、彼の無慈悲な過去を考慮すると、ある程度は同情します。
ある日、竜太が目を覚ますと、そこは無人島でした。彼は「リアルBTOOOM!」に巻き込まれたのでした。
持ち前のスキル、爆弾(BIM)、レーダーを用いて、このゲームを生き残ることになります。
もう一人の参加者はヒミコ。彼女は本作のヒロイン。彼女も竜太と同じくらい悲劇的な過去を経験しています。
初めは一緒に行動しませんが、ある出来事をきっかけに行動を共にします。お互いを信頼し合うほど。

ストーリーは至ってシンプル。殺戮の繰り返し。それだけです。
にも関わらず、多少のSci-fi要素を含みながらもリアリティのある描写や掛け合いがチャームポイントです。
ある映画にこういう名言があります。「必死に生きるか、必死に死ぬか」。
そう、Btooom!の登場人物は生きるために食し戦う。狂気に落ちる者もいる。
僕が言いたいのは、この作品で人間の本性を垣間見ることができるということです。

登場人物は熟練した大人ばかり。竜太は頭が良く賢い。ヒミコは特別なスキルを持ち合わせていませんが、デリケートな性格で困難を乗り越えることも。
参加者の一人、吉良康介(きらこうすけ)はかなりイカれた子供です(褒め言葉)。出番こそ少ないものの、視聴者に激烈なインパクトを与えます。
見所は竜太と康介の心理戦ですね。ただの爆弾の投げ合いだけでは済みません。いかに相手の裏をかくか。狙い定めた時、爆弾を放つ。
織田信隆(おだのぶたか)や木下秀美(きのしたひでみ)などの参加者も手強いです。前者は竜太と訳あり。
他の参加者も厳ついぐらい個性的で、簡単には攻略できない面々。かなりねじれています。

作画は綺麗です。特に背景、日光、森、動物。
爆発のエフェクトは派手で鮮やか。状況に応じて構成が異なります。
キャラデザはすごく僕好みです。どのキャラもイケてます。ヒミコのデザインは個人的にツボです。

声優陣の演技も良い。まるで洋画の吹き替えです。竜太の中の人が俳優さんだとは観終えるまで知りませんでした。
OP・EDテーマはこの作品の最たる長所と言うべきでしょうか。OPはロックでスタイリッシュで、何度でも聴きたくなる。大好きです。
この作品を観る前に公式MVを観ました。カッコよすぎる。この一言に尽きます。観て損はないですよ。
EDはヒミコの心情を静かなメロディで彩っています。定期的に聴きたくなる曲ですね。
それぞれの歌詞も本編に忠実です。とても丁寧に。ナノさんとMay'nさんGJ。

若干の性的描写が含まれます。が、この点については意見が分かれます。
気にしない人がいれば、不必要だと言う人もいる。僕は前者ですね。

BGMはあまり印象的じゃない。ほとんどのシーンに合っていません。ですが、雰囲気を壊すほどではないです。

キャラの描写が細かい反面、ストーリーの進行が非常に遅い。面白く感じるのに時間がかかります。

ストーリーが未完。解釈次第では綺麗に終わったように見えますが、明らかに消化不良です。

全体を通して、Btooom!は良質な作品です。独特な作風で欠点も多いですが、それでも面白さは保証します。
当初、僕は主人公の設定で避けていましたが、いざ観始めると最後まで没頭しました。
この作品も万民向けではありません。ボンバーマン、ファークライシリーズ、LOST、ハンガー・ゲームが好きなら、楽しめます。

僕はこの作品をネットで観ました。数日後、海外版Blu-rayを購入しました。
理由はこの作品を愛していると同時に、第2期を熱望しているからです。
売上的には無理な話ですが、少しでも足しになれば。希望は捨てていません。

「生き残れ。爆裂ショーの幕開けだ」

投稿 : 2023/12/02
♥ : 1

81.0 8 グロテスクアニメランキング8位
魔法使いの嫁(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (958)
4300人が棚に入れました
羽鳥チセは15歳の少女。
彼女は帰れる場所も、生きる理由も、そのための術も、何も持ち合わせていない。
ただひとつ、生まれ持った特別な力を除いて。

そんなチセを弟子として、そして将来の花嫁として迎え入れたのは、
異形の魔法使い・エリアス。
自然と寄り添い、悠久の時を生きる魔法使いの暮しの中で、
チセは大切な何かを少しずつ取り戻していく…。

これは、世界の美しさを識る為の物語。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、遠藤綾
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異形の魔法使いに落札された『見える子ちゃん』の再生物語

性格俳優、という言葉があります。
これ、もともとはcharacter actorsという言葉の邦訳なのですが、
日本では概ね、英語本来の意味とは違う使われ方をしているみたいですね。

英語でのニュアンスは『名脇役・助演者』に近いものです。

役者本人の名前が大々的に宣伝される主演俳優たちとは違い、
鬼看守、薬物中毒者、狂気的信奉者など、
特殊な役柄に完璧になりきり作品を成立させる役者さんたち。
  名前は知らないけど見たことあるある、
そんな名助演者に対し、尊敬の念を込めて使われる言葉なのだとか。

それに対して日本では、主演・助演を問わず、
  『特徴的な芝居に秀でた役者さん』
のことを、芸を褒めるニュアンスで指し示す場合が多いようです。
『個性派俳優』という言葉と混同気味、みたいな。

もちろん英語的な意味あいでの使い方をするケースもあり、
あくまでも傾向としての話ですが。
ちなみにネットで検索を賭けたところ、
いまのところ『性格声優』という言葉はないようですね、僕調べ。


さて、そんななか、本作『魔法使いの嫁』で
主人公の羽鳥智世(ちせ)を演じた種﨑敦美さんは、
特定の方向をもったお芝居で僕が強く惹きつけられる役者さんの一人です。


で、まずは作品本編のお話から。

{netabare}
智世は幼いころから『この世ならざるものが見える』体質でした。
ぶっちゃけた言い方をすると『見える子ちゃん』だったわけです。
それは血筋的なもので両親もそうだったのですが、
周囲から気味悪がられ、家族以外に心を通わせられる人はいませんでした。

そして、父親が弟を連れて家を出てから、人生が大きく崩れていきます。

母子に対する『この世ならざるもの』の悪意ある手出しが激増し、
女手一つで智世を育てる母親は心身ともに疲れ果て、
わが子を殺すことだけは寸でのところで思いとどまるものの、
智世の目の前で飛び降り自死をしてしまいます。

その後、引き取り手である親族を転々とするものの、
誰とも心を通わせることができません。
それどころか『薄気味悪いやっかいもの』扱いを受け、疎まれ続けます。

実の母親に殺されかけたトラウマ、周囲からの冷たい視線。
居場所や存在理由を全く見いだせず傷つき果てて自暴自棄になった彼女は、
自分の身を『闇のオ-クション』に出品してしまいます。

  智世は、特殊な魔法体質を持つ『スレイ・ベガ』という希少種でした。
  それがゆえに、好事家たちから注目され、
  日本円で億単位の競りが展開していきます。

そして500万ポンド、約七億五千万円という価格で、
異形の魔法使いエリアスに落札されたことから、
幻想的で時に美しく、時に切なく、時には目を背けたくなるほど残酷な世界で、
智世の第二の人生が幕をあけます。
{/netabare}

物語は、傷つき、疲れ果て、絶望の淵に立ちすくんでいた智世が、
この世ならざるものたちと触れ合っていくうちに、
少しずつ自我を取り戻し、
おそるおそるながらも新しい人生を歩み始めていく様が、
濃密に、そして繊細に描かれています。

物語そのものは美しくて心温まるお話ばかりではありません。
陰惨であったり残酷であったり、
ふわふわした幻想物語とは一線を画す厳しい仮想現実がそこにあります。

それでも、個々のエピソードが終わったとき『嫌な感じ』が残りません。
むしろ、美しさや癒しといったプラスの余韻が漂います。

  それは智世が持つ非現実的なまでの基礎性質、
  『善』と『母性』を合わせ持つ、
  全てを許してしまう美しき器のなせる業なのかな、と。
{netabare}
一般的な感覚では恐ろしい怪物であるエリアスの真の姿を見ても、
恐怖するでも嫌悪するでもなく、
ただあるがままを受け入れ、慈しみをもって抱擁します。

個々のエピソードに登場する異形たちも、
智世によって許され、荒ぶる魂を鎮めていきます。

なんせ最後には、
諸悪の根源だったカルタフィルスまで許してかくまっちゃうのですから、
もはや『お人好し』なんてレベルではなく、
慈愛に満ちた『神』の領域に踏み込んじゃっています。

最初は飼い主・指導者じみていたエリアスが、
いつの間にか母親に甘える子どもみたくごろにゃんとなってみたり、

  いやほんとすげえなこの人、

と感心させられるシ-ンが随所に出てきます。
{/netabare}

特筆すべきは、
智世自身はあくまでも自己主張の少ない『ふつうの女の子』だということ。
正統派ヒロインみたく大層な正義感や使命感をもっているわけでなく、
単純に、そのときの『心の赴くまま』に振舞っているだけなんですよね。

  ようするに、
  単に目の前の相手が『かわいそう』だから『助けたい』と思うだけ。

世の中のかわいそうなものを全部なんとかしたいとか、
世界から邪悪なものを排除したいとか、
そういう大それたことは全く、一切考えていないんです。

だから、鼻につくような『あざとさ』がありません。
「みんながいるから、私、がんばれるっ!」なんてことも言いませんし、
実に安心して見ていられるヒロインです。

{netabare}
そして物語終盤、智世は自分の過去と対峙することになります。
そこで思い出したのは、
両親から十二分に愛されていた幼き日の自分自身の姿。

その愛情が彼女の基礎性質を形作っていることに疑いの余地はありません。
また、その日々を思い出したことで、
自分が『生まれてきたこと』を心から肯定できるようになります。

それが、最終話Bパ-ト、智世の決断へと繋がります。
自らの意志で『まほよめ』になることを選択した智世の花嫁姿には、
物語序盤で彼女を覆っていた影やよどみが一筋もありません。

  よかったね、と心から祝福してみたり、
  なんでこんなやつと、とやっかんでもみたり。
  まあ、このひとらしい選択ではあるのだけれど。
{/netabare}

僕的な作品のおすすめ度としては、Aランクです。

ただし、中二的な能書き魔法バトルが好きでたまらない方や、
アニメのヒロインはきゃぴきゃぴしてなんぼ、
みたいに考えている方には、全く、これっぽっちもおすすめできません。

この作品は異形の世界をモチ-フにしていますが、
ダ-クファンタジ-にありがちな
「オレかっけぇ」「オレつえぇ」的要素がほとんどないんです。

物語の骨格を成しているのは、
異形によって家族や居場所を損なわれ自我を見失ってしまった少女が、
その異形と暮らし様々な経験を重ねることによって、
自己の本質に還り、失われた自我を少しずつ取り戻していくという、
けっこう王道的な『再生物語』なのです。

  そういうのはめんどくさくていやだ、
  わかりやすくバトってデレて谷間とかパンツ出して欲しい、
  そういう方は見るだけ時間のムダではないかと。

  逆に、アニメにもきっちり『人のカタチ』を求める方には、
  なかなか骨のある作品に仕上がっています。


映像もほぼほぼきれいで、
カットによっては息をのむほど幻想的で美しく、迫力もあり、
鑑賞に値するレベルにあると思います。

ただ、残念ながらときおりは
  もうちょっと頑張ろうか、原画さん
とか感じさせられたり、あるいは
  総作監のキャラデ無視してんじゃね~ぞ、原画
とか思わされたりしますが、それはまあ、飲み込むしかありません。


音楽に関しては、前期のOP、
JUNNAさんの『Here』が出色のできですが、
劇伴やEDも、世界観をしっとり表現していて一聴の価値ありかな、と。

それでも僕が音楽に3.5という渋めの評点をつけたのは、
後期OPがあまりにも残念だったからです。
なんというのか、May'nさんに仕事をあげるためねじ込んだ、みたいな。
{netabare}
  他の方のレビュ-を拝読していても、
  後半ダレた、失速したという声がわりとあって、
  実を言うと僕も、初見のときは同じ印象を受けていました。

  後期のOPがあまりにも凡庸というか、
  既視感ばりばりのありきたりな世界観というか……
  単にそれを視聴しているだけで
  前期で構築したエッジみたいなものが霧散していく感じがしました。
  あ~、なんかその辺のファンタジーと一緒になっちったなあ、みたいな。

  で、二周目に思い切ってOPを全飛ばしして視聴したところ、
  え゛、作品のテンションぜんぜん落ちてないじゃん、と気づきました。
  ウソだと思う人、いっぺんやってみてくださいまし。

  May'nさんを悪く言うつもりは毛頭ありませんし、
  曲そのものの良し悪しの話でもありません。
  ただ、ひたすら、あまりにも、作品の世界観とかけ離れすぎです。
  なにしてくれてんだFlyingDog。

  ニセコイの二期と同じように
  (あれも決してLiSAさんのせいじゃないですが)
  OP楽曲が作品の世界観をチ-プにしてしまった代表例ではないかと。
  そういえば『くまみこ』もひどかったなあ。
{/netabare}


そして、僕的に、この作品の最大の魅力は
種﨑敦美さんによる智世の演技、人物造形です。
ああ、やっとマクラとつながった。

物語序盤で種﨑さんの演じた智世の語り口調は、
心が傷付いた少女のそれではなく、
もっと直接的な『身体的な重傷者』のそれであり、
包帯ぐるぐる巻きの少女が喋っているような響きがありました。

  僕はまず、この人物造形に鳥肌が立ちました。

おそらく種﨑さんは『本当に心が傷付き果てた人』がどうなるのか、
ものすごく深くシミュレートしたのだと思います。
そして『心の傷』と『身体の傷』の境界線が曖昧になるところまで、
行きついたのでしょう。
だからあの、包帯ぐるぐる巻きみたいなお芝居になったのだと愚考します。

その後、智世が回復するにつれて種﨑さんの芝居も変化していきます。
この繊細な使い分けがなんとも素晴らしい。

第一話で自分の『見える目』に関し、
「よかったことなんて一度もないっ!」と血を吐くような声で叫んだ智世。
それに対してエリアスが言った。
「いつか君がよかったと思えるようにしよう」という言葉。
それが『約束』として少しずつ果たされていく経過が、
種﨑さんによる繊細なお芝居によって見事に表現されていきます。

  最終話Bパ-トの台詞を聞いていると、
  前半~中盤と同じような話し方をしているにもかかわらず、
  そこにあった『戸惑い』や『自我のうすさ』が消え、
  ただの口ベタになっているのがよくわかります。

智世の周りを取り巻くキャラも、実力派・ベテラン勢がびっしりです。
さして出番の多くない役柄にだって、
森川智之さん、梅津秀行さん、浪川大輔さん、石田彰さん、諏訪部順一さん、
井上喜久子さん、三石琴乃さん、大原さやかさん、早見沙織さんなどなど、
ものっそいメンツが普通にキャスティングされています。

だからもう、作品としてお芝居の安定感がハンパない。
荘厳なものは荘厳に、思慮深いものは思慮深く、
台詞の奥にある心のヒダみたいなものがびしびし伝わってきます。

だけど、そんな中においても、
種﨑さんの演じた羽鳥智世は出色の出来でした。
この作品は種﨑さんなくして成立しなかった、と言っても過言ではないでしょう。

ちなみに種﨑さんは僕にとって、
『となりの怪物くん』夏目あさ子役で「おおっ」と思わされ、
それ以来、気になって注目している役者さんです。

あさ子のような三の線からおねいさん、少年役まで幅広く演れる方なのですが、
とりわけ僕が強く惹かれるのは、
やっばり特徴ある『ボソボソ系』のお芝居です。

代表的なところで言うと、
  『残響のテロル』 三島リサ
  『響けユーフォニアム』 鎧塚みぞれ
  『青ブタ』 双葉理央
  『ファントムトリガー』 ムラサキ  などかな。

種﨑さんの特徴は、それぞれの「ぼそぼそ喋る」理由を咀嚼して、
個々の役柄を繊細に演じ分けているところです。
つまるところ役柄に対する理解・解釈がとてつもなく深い。

  だから、似たようなお芝居をしていてもテンプレが一切ありません。
  リサ、みぞれ、智世あたり、
  全部一緒になってもおかしくないのに、全部違う。全然違う。

  また、同じようなアンニュイ調の役どころでも、
  理央とムラサキでは、やっぱり、まるっきり違っています。

いやほんとすごい人です。
もちろん他の役どころがダメなわけじゃないのですが、
このテの役どころを演らせたら当代随一なんじゃないのかな、と。


ちなみに、雨宮天さんが演っている『見える子ちゃん』ですが、
KADOKAWAが原作のボイス付き試し読み動画をネット公開してまして、
そっちは種﨑さんが見える子ちゃんを演じております。

Youtubeなので簡単に視聴できますので、
興味のある方はぜひ、お試しあれ。
けっこう、というか、かなりイイです。種﨑さんらしいや。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 23
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

温かい

人身売買でとある魔法使いエリアスに買われたチセが彼との生活や周囲に発生するできごとによって心を取り戻していくハートフルな物語。
命の危機に何度も晒されつつも、彼との絆を深めていく。
それに、時折助けてくれる仲間がいてまた心が温まる。

ドラゴンとのやり取りも良い。

個人的に一番心に残っているのはリャナン・シーの話。
{netabare}人間の命を奪う存在なのに、とあるリャナン・シーは老人ジョエルを殺さず、ずっと見ている。リャナン・シーの姿は通常人間に見えない。しかし、純粋に体が弱って寿命が近いジョエルに対して、チセがなんとかしようと奮闘する。リャナン・シーとジョエルの間の愛に感動した。{/netabare}

あとはチセと母親について
{netabare}夫が消えて精神的に追い込まれた母親(チセと同じく普通の人間が見えない物を見ることができたような気がする)がチセを殺そうとしたことがあり、そのことを悔いて自殺したような節があった。話の詳細は忘れてしまった。確か彼女は親に捨てられ恨んでいたが、本当は愛をもらっていたと気付いたという内容だったはず。{/netabare}


OP
Here 歌 JUNNA
You 歌 May'n
ED
環-cycle- 歌 糸奇はな
月のもう半分 歌 AIKI & AKINO from bless4
The Legend of "The Ancient Magus Bride" 歌 Jessic
挿入歌
リベロアーラ 歌 坂本美雨
君の行方 歌 KOCHO
精霊の舞 〜Dance of the Spirit 歌 KOKIA
アンノドミニ 歌 北條響
イルナ エテルロ 歌 竹中大地
Rose 歌 Kaco
花数え 歌 新居昭乃
Story 歌 コトリンゴ
主題歌は岩里祐穂さんの作詞多め。さすがです。
糸奇はなという歌手が出てきてびっくり。どんな人なんだろう。不思議な歌声。
bless4はやはり好き。2人のハーモニーは心地よい。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. April showers bring May flowers.
この世界で生きることを投げ出そうとした15歳の少女、羽鳥チセ。彼女はオークショニアの誘いに応じ、自分自身を商品とし、闇の競売会へ出品する。ヒト為らざる魔法使い、エリアス・エインズワースに500万ポンドの値で買われ、将来の「花嫁」として迎えられたとき、チセに見えていた世界の姿が変わり始める──。

2. One today is worth two tomorrows.
ロンドンの片隅にある古書店。その本当の姿を知るものは少ない。エリアスに連れられ、彼が古くから取引を続ける魔法道具の工房を訪れたチセ。工房の女主人アンジェリカは、チセにささやかな魔法を教えるが……。夜の愛し仔(スレイ・ベガ)のまことの力が、彼女の記憶の一欠片を水晶細工として蘇らせる。

3. The balance distinguishes not between gold and lead.
教会の命を受け、エリアスを監視する聖職者サイモン。彼はエリアスたちに、3つの案件を伝える。そのひとつを解決するため、最果ての地に赴むいたチセとエリアス。そこではエリアスの師、リンデルと、滅びに瀕した旧き種族が待っていた。今まさに大地に還らんとする古の者と共に、チセは天空を馳せる夢を見る。

4. Everything must have a beginning.
猫の集う街、ウルタール。その昔ウルタールでは、人と猫との間に悲しい出来事があった。惨禍の中心にいたものの魂は澱みとなり、代々の猫の王により封印され続けている。ふたつ目の案件を解決するため、この街を訪れたチセとエリアスは、そこに残る妄念を浄化しようと試みるが……。

5. Love conquers all.
魔法使いに騙された、哀れな少女。魔術師レンフレッドにはそう見えていた。だがチセは、エリアスの真意がどうあれ、彼から離れるつもりはなかった。なぜならエリアスは、初めて自分を必要としてくれた存在だから。チセは澱みの中に歩みを進め、惨禍の真相を知る。そして悲劇の裏側には、ひとりの少年の姿が──。

6. The Faerie Queene.
本来還るべきところに、還っていく魂たち。それを見送りながらチセは自身を想う。ウルタールの一件から10日と数日が過ぎても、チセは眠りに落ちたままだった。彼女を案じるエリアスとサイモンの前に、予期せぬ客が姿を現す。それは常若の国(ティル・ナ・ノーグ)の主。ブリテンの夜の一角を統べるもの。妖精たちの女王(ゲアラハ)、ティターニア。

7. Talk of the devil, and he is sure to appear.
たなびく漆黒の毛並み、燃えるように赤い目をしたその犬は、チセのことをイザベルと呼んだ。教会からの最後の案件は、とある墓地に現れた黒妖犬(ブラック・ドッグ)の検分。だが、見定めるべき彼の助けでチセはからくも難を逃れる。一方、レンフレッドの弟子アリスもまた、黒妖犬(ブラック・ドッグ)を手に入れるべく動き出していた。

8. Let sleeping dogs lie.
アリスは変貌したエリアスを見て、直感する。これは、けしてヒトには為り得ぬものだと。レンフレッドとアリスを操り、黒妖犬(ブラック・ドッグ)を手に入れようとしていた魔術師カルタフィルス。彼の「作品」にチセを傷つけられたエリアスは、今までとは違う異様な姿と力の片鱗を見せる。エリアスを知る魔術師たちは彼をこう呼ぶ。裂き食らう城(ピルム・ムーリアリス)、と。

9. None so deaf as those who will not hear.
教会の案件はすべて片付き、おだやかな日々が戻ってくるはずだった。だが最後の一件以来、エリアスの様子がおかしい。チセが初めてエリアスの部屋で一夜を過ごした翌朝、彼はこつ然と姿を消した。チセの身を案じるアンジェリカの言葉も、人より純粋なルツの言葉も、戸惑うチセの心を上滑りしていく。

10. We live and learn.
海豹人(セルキー)と共に竜の背に乗り、チセはリンデルの許へと向かう。自分だけの、魔法使いの杖を作るために。エリアスに「飼われるままでいる」ことを拒もうとしないチセを見かね、リンデルは夜の闇の中からエリアスを見出した頃の話を始める。そのころ、独り残るエリアスに魔術師たちの集う場、学院(カレッジ)からの便りが届いていた。

11. Lovers ever run before the clock.
ヒトのふりをしたがる、奇妙な為り損ない。いつしかエリアスが己のことを話さなくなったのは、師の教え故か、人への苦い記憶がそうさせるのか。リンデルの二つ名、百花の歌(エコーズ)の由来。その歌は雪解けの水音に似て、朗々と風に乗り、季節外れの開花と妖精たちの輪舞を現出させる。そして歌の魔力はチセが覗き込む水面(みなも)を水鏡に変えた。水鏡の向こう側に見える姿はもちろん──。

12. Better to ask the way than go astray.
完成した杖に触れた瞬間、チセは幻視する。無数の閃光の先に広がる、霧に包まれた巨木の群れを。縁(えにし)の糸が結ばれ、彼女はかつて見送った竜と再会する。自ら命を絶った母、自分を置いていった父。その本当の思いは、今となっては知る術はない。しかし今のチセには、伝えたい思いと言葉、そして伝えるべき相手がいる。切なる思いは彼女をはるか遠く、帰るべき場所へと運んでいく。

13. 「魔法使いの嫁」スペシャルダイジェスト
人間とヒトならざるものたちの交流。息を呑む幻想的な光景。ときに残酷さを突き付けつつも、どこか温かみのある世界と、そこに生きる者たちの心の機微-。10月から好評放送中のアニメ「魔法使いの嫁」。第13話の放送を前に、第1話~第12話の見どころを振り返ります!もう一度見たい方も見逃してしまった方も、どうぞお楽しみに!

14. East, west, home's best.
野に森に、夏の足音が聞こえだした頃。風に舞う綿蟲たちの毛刈りに追われるチセとエリアス。竜の国から急ぎ帰ったチセには、伝えたい想いがあるはずだった。しかし、それはいつ、どんな形で伝えたらいいのかが解らない。そしてエリアスもまた、己の中に芽生えた理解しがたい感覚に戸惑っていた……。

15. Looks breed love.
愛した相手に才を与える代わりに、命を奪う吸血鬼、リャナン・シー。彼女にとって愛すことと、大切な存在を失わぬため愛さぬことは、どれほどの違いがあるのだろう。彼女の想い人、ジョエルの命は尽きかけていた。その胸の内には、薔薇の園で見た一瞬の幻としてリャナン・シーの姿が焼き付いている。終わりが訪れる前に、惹かれ合う二人をひと目だけでも会わせたい。そう強く願うチセは、彼らの為に出来る事をやろうと決意する

16. There is no place like home.
行き過ぎた魔力の行使に悲鳴をあげるチセの体。チセの傷を癒やすため、エリアスは彼女を抱えて妖精の国へ向かう。ティターニアは問う。人の世で疎まれ、魔力に耐えられぬ愛し仔と、人の為りそこないと謗られる茨の魔法使いが、なぜ人の世に居続けるのかと。魔法使いという人と交わる生き方をエリアスが選んだ理由とは。

17. God's mill grinds slow but sure.
野山は雪をまとい、旧き女神と神獣が森を闊歩する最も昼の短き頃。クリスマスが近づき、活気づくロンドンの街で再会した魔法使いの弟子と魔術師の弟子。大切な人のためにプレゼントを選ぶ二人だが、何を贈ればいいものか、見当すらつかない。一日を共に過ごし、チセに心を開いたアリスは、レンフレッドと出会った頃を語り始める。

18. Look before you leap.
「弟なんていらない!」少女ステラが口にした心にもない一言は、恐ろしい出来事を引き起こす。弟イーサンは消え、父も母も弟のことを忘れた。イーサンを覚えているのは言葉を発したステラひとりだけ。弟を探すステラと出会ったチセたちは、灰ノ目が仕掛けた遊びに巻き込まれる。

19. Forgive and forget.
チセと友達になったステラは、すぐさまエインズワース邸を訪れた。彼女の子供らしい率直さが、チセには少しだけ眩しい。だがステラが来た直後から、エリアスの様子が落ち着かない。彼はその身を獣のような姿に変えると、逃げるように駆け去った。エリアスの中にまた新たに芽生えたもの。それは痛みにも似た、自分では抑えがたい感情だった。

20. Any port in a storm.
それは夢の中の出来事。しかしチセは確かに彼と会い、言葉を交わした。チセたちがカルタフィルスと呼ぶ魔術師と。そして彼の中で彼と共に在る、何者かとも。竜の国から連れ去られた雛たちを取り戻すべく、学院の魔術師たちと競売場に向かったチセとエリアス。希少な竜の雛を欲する者たちの熱狂が最高潮に達したその時、人間は自らの愚かさを知ることとなる。

21. You can't make an omelet without breaking a few eggs.
空覆う巨影。渦巻く炎の息。生きとし生けるものの恐怖を形にしたかのような古の姿を取り戻した竜は、ロンドンの空を舞う。だがチセにはそれが、戸惑う幼子のように感じられた。チセは竜の背に乗り、彼の魂を鎮めようとする。しかしその代償は大きく、彼女の身に異変が起こる。

22. Necessity has no law.
草色の蝋燭の灯り。塩入りの林檎酒。ローズマリーの枝と百合の花。それが秘密の集いに加わるための招待状。竜の呪いを解く方法を求め、チセとエリアスは古今の呪いに通じる魔女たちの集会に同席する。そして茨の魔法使いは立ち返る。命を繋ぐには、別の命で贖う他はないという真理に。

23. As you sow, so shall you reap.
たとえ自分のためだとしても。自分が求めていた答えが絵空事だったとしても。その人が為そうとしたことは、裏切りに他ならなかった。不死と噂される魔術師はチセに取引を持ちかける。彼がチセの眼前に差し出したもの、そして求めた対価とは――。

24. Nothing seek, nothing find.
人為らざる者の好意は必ずしも人のためになるとは限らない。自明だったはずの事を、己の身と魂で識ることとなった茨の魔法使いは独り荒れ野を彷徨う。ならば、人の好意は人ならぬ身に何をもたらすのか。救いを求めた者と、救おうとした者。カルタフィルスとヨセフの旧き記憶をチセは幻視する。

25. Live and let live.
この国に来て関わった大切な人々と妖精たち。彼らの力を借り、ついにチセは不死の魔術師と対峙する。ふたりの魂を苛んできた痛みや苦しみは、どこか似ていた。苦痛から逃れるために、一方はいつしか己の身を顧みなくなり、もう一方は他者を生贄にし続けた。その繰り返しに果てがないことを今のチセは識っている。少女の想いは、逃れがたき連鎖にひとつの区切りをもたらす。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Beauty and the Wizard

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
なかなかジャンル分けの難しいアニメ。

ダークな雰囲気漂うファンタジーものだけど、メインは心理描写と、異形との恋愛。そういう意味で大別すると、「美女と野獣」系なのかなと思い、こんなレビュタイにしました。べ、別に格好つけてるわけじゃないんすよ(汗)

作画はかなり綺麗で、ファンタジーに格を与えていました。(1期、2期共に)OPも、何かを決意するような、願うような力強い歌で、作風にぴったりで素敵でした♪

ただ、テンポがかな~りゆっくりで、中盤は魔法にかけられたように、眠くなっちゃうかもしれません(汗) でも、そこを乗り越えてほしいとオススメできる作品です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
異形を観ることが出来き、且つ、異形に好かれてしまう体質から、悲劇的な人生を送ってきた羽鳥智世。

彼女を嫁として弟子として実験台として「買った」(悪魔のような外見をした)エリアスとの、ゆったりとした恋愛ストーリー。

しかし、(少なくとも本作でアニメ化された部分においては)単なる恋愛モノで終わらなかったのが良かった。

これは、智世が自らの足で進む方向を決め、生きることを決意し、世界が美しいと感じられるようになるまでの物語。

5話や8話は、とても重く、悲劇的な死が描かれていた。その時点で智世は、他者の死を悲しみつつも、どこか(死に)惹かれている様子だった。

しかし、エリアスとの仲が深まり、「どうでも良い」ことがなくなっていく。(それが何に対してでも)「執着」とは、「生きる意思」だ。

「生きる意思」なんて、良いように聞こえるが、一方でそれは「エリアスへの依存」にもなっていく。「相手にとって都合の良い女でいるのが楽」なんて、なかなかアニメでは描かない部分だと思う。

そんな日々を送るなかで、ルツやアンジェリカ、リンデルらと出会い、少しずつ、世界の美しさを知る。あくまで、少しずつ。

12話で、智世は杖を作ったことにより、世界の本質と繋がる。ネヴィンとの会話により、自らが父や母らから愛されていたことに気づき、これまでのしがらみから自由になる。

ラストに、主題歌にのせて空を飛び回る智世の姿は、実によく自由を表していた。また、これまで通りの世界を美しいと感じられるようになった智世には、素直に感動した。

これはやっぱり、前半のダークな雰囲気があってこそ生きる最終回だったと思う。

あとは、原作でどうかは知らないけれど、途中途中に挟まれるディフォルメ絵やギャグ展開が凄く良かった印象。暗い作風の中、一種の清涼剤としてうまく機能していたと思う。もっと多くても良いくらいだと思う。

本当はこの作品には、「なぜか頭の上に乗っかってる可愛らしいマスコットキャラ」がいた方が良かったとは思う。せっかく面白い世界観やストーリーなのに、それに浸る前に(私含め)「疲れちゃう」人がいるのは、そういう「息抜き」が少ないからだと思った。

、、、って、2クールだったんか~い(笑)! いや~あまりにも良い12話だったんで、てっきり最終回かと(笑)

さて、2クール目だが、作品は益々暗い方向に進んでいく。

知世の身体は徐々に蝕まれていき、相変わらず、様々な陣営が知世を付け狙う。

そんななか、1クール目ではわりと「大人」として描かれていたエリアスが、実はただの「子供」であり、人間とは異なる価値観のもとで動いていることが分かってくる。その部分の、「通じあっていたと思ってたのが、ただの勘違い」だった切なさや不安感が、2クール目の見処となっている。

終盤は、完全にカルタフィルスとの決着をつける流れに。カルタフィルス、完全に悪役ではあるけど、確かに可哀想な面もあるよな。たかだか石投げたくらいで、2000年間も許されないなんてな。神様も、心が狭いw

最後はかなり綺麗だったかな。腹を貫かれながら、敵を抱き締めて子守唄を歌うとか、ドシリアスだったけど、死ねないカルタフィルスの呪いと、必ず死ぬ知世の呪いの力が相殺し合い、子守唄で眠るカルタフィルス。まあ、その程度でなんとかなるんだったら、カルタフィルスも2000年の中でなんとか出来たんじゃないかと、思わなくもないけれど。

んで、とりあえず中ボスを倒し、結婚式エンドは素敵でした。最後に思ったのは、知世は「夫」よりも「家族」を欲していて、エリアスは、「妻」よりも「母」を欲しているような気がしました。今のところ。それが、徐々に本物の恋愛感情に育っていくには、もう少し時間がかかるのかな? なんて思っていました。にしても、最近、涙腺が(笑)

とはいえ、やはり一番のクライマックスは、12話でしたね。2クールのこの暗い話のオンパレードは、流石に疲れました。2年後とかでも良かったかな。ホントは、16話みたいな平和な日常回が、もう少しあっても良かったと思います。

まあとにかく、よくは分からないけど、高級感があり、深そうな、本格ファンタジーのような、何かでしたw

あ~、我が家にもシルキーがいてほしい(笑)
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
これは、智世が自らの足で進む方向を決め、生きることを決意し、世界が美しいと感じられるようになるまでの物語。

友愛、恋愛、家族愛。これまで得られなかった様々な得る知世。その中で、世界を美しいと感じ始めます。

深い物語ですが、終始重いので、もっと息抜き回やゆるキャラがいても良かったかもしれない。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
顔が骨で、エインズ様(笑) ちょとディフォルメw なかなか独特の世界観が面白かったけど、これって少女マンガ的?

2話目
人身売買。たとえ打算だとしても。魔法と魔術の違い。他力か自力かということ以上に、魔術はあくまで物理法則に縛られ、魔法は物理法則を無視できる、ということかな。重く暗い作風の中に、音楽とディフォルメが効果的。ハニームーン、ハネムーンね。

3話目
ドラゴンの里か。ハリウッド並みに金をかけられるなら、実写化してほしいな。還る、ね。これ、かわいいマスコットが必要なアニメだと思う。

4話目
猫の国、行きたい(笑) 飼い主が子供みたいなもん。影を叩くなよw

5話目
自由を、望むとは限らない。これは酷い話だな。グロいし、悲劇。ラストに救いがあったのが、せめてもの救いか。死の先、死に様、それが多いな。

6話目
おっ○いの作画、独特だなw 垂れてるからこぼれそうだw キリ○ト教批判w ややデレてる(笑)

7話目
そうそう、この展開だよ。絶対かわいい(マスコット的な)キャラは必要だよ。ブラックドッグ、、、ヘルハウンドか。会話と会話の間が長いから、ストーリー的にはあまり進まないな。

8話目
夫公認の浮気w 魂で繋がった相棒と、キメラとして使役した相棒との対比か。カルタフィルスにヨセフか。キリストをビンタして不老不死になり、悔いを改めてヨセフになったという人ですね。

9話目
ショーケースに写る風景、すげぇリアルだな。依存。あんまり良い子でいるんじゃないよ。ハンマー(笑) みんなに嫌われ、雑に扱われるサイモンが笑えるw なかなか素敵な恋愛話2つ。良い回だった。

10話目
マントというか、どてら(笑)? 都合の良い女でいることが楽、、、ということかな。回想。最近観たこともあるけど、「精霊の守り人」に似てるな。

11話目
とても優しく、美しい回だな~。エリアスも子供か。なるほど。

12話目○
そこなんだよね。智世の母さんは、結局、智世を殺すより、自ら死ぬ方を選んだんだよね。ラストに、これまで通りの世界を美しいと感じられるようになったんだね。

13話目
って、2クールだったんか~い(笑) ちょっと二人が前進。ちょっとね。不思議で、美しく、平穏な日々。まあ、悲劇への序章だろうけど。

14話目
人狼の件、意外と早く終息したな。ジョエルの件、切ないな。これは、(男女逆だけど)智世とエリアスの未来の姿でもあるのかな。

15話目
チェンジリングね。色々出てくるね。それを人間界でやると安っぽくなるけど、妖精界だからこそ成立する、素敵な治療法だね。バンシーの存在理由。妖精って、何かの為に生きているのかな?

16話目
平和な回だな。女子会(笑) 珍しく、少しだけ明るかったw

17話目
家族の定義。灰の目、魔法使いらしい魔法使いだな。言葉は大切に。

18話目
ムカつく奴は最後までムカつく(笑) まあ、日本人は、童顔だしねw 忘れがちだけど、エリアス、基本的に人間じゃないしね。精神構造や思考回路も。独占欲かな。それを愛情ととるなんて、怖い怖いw エリアス、子供か(笑) 自分的に、人間の感情で一番理解できないのが、嫉妬。これはガチで、多分私は人生でガチの嫉妬を抱いたことがない(ちょっと羨ましいな~くらいはあっても)。他人に興味が薄いとも言えるけど。やっぱり、たまにコメディ挟み込むの、大事だよね。

19話目
サブキャラで世界を広げていく展開が続くね。いやいや、グロいって(汗) ジョニーウォーカーのブラックラベルか。苦手な酒だな。カルタフィルス、さ迷えるユダヤ人か。下ネタ、珍しい(笑) 道程。闇堕ち?

20話目
ドラゴンの呪い。知世の誕生日知らず、家事達人のシルキー、ショック(笑)

21話目
知世を助けることが、生きる目的となった、エリアス。生け贄? 魔法も現実の一部。知世パンチ。

22話目
オッドアイにちゃんとした理由があるアニメも珍しい。こういうの(スレイベガ)って、専門の機関が守ってくれたりしないのだろうか? 情報がないって、怖いな。これは、超シリアス。母親、辛いよな。変に美化せず、リアリティを残しているしね。

23話目
森を破壊すると、城戸に殴られるぞ(笑) 妖精の愛し方、、、。確かに、石投げたくらいで2000年以上呪われたらな。

24話目
ガチガチのシリアスだな。腹を貫かれながら、敵を抱き締めて子守唄を歌うとか。まあでも、救いがあるオチだったかな。その後、ややコメディを挟んだのは良かった。このバランスだよね。
{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 37

63.0 9 グロテスクアニメランキング9位
TERRA FORMARS(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (771)
3683人が棚に入れました
2620年、致死率100%の「A・Eウィルス」による被害者が増加する。流行する前にその治療薬を作るべく、ウィルス培養のためテラフォーマーの捕獲が計画され、大型宇宙艦アネックス1号によって補充兵94名、幹部(オフィサー)5名、艦長の計100名の乗組員を送り込む。火星到着間際テラフォーマーの襲撃に逢い、乗組員は六班に別れ火星の方々に不時着する。テラフォーマーの更なる襲撃を乗組員はバグズ手術を発展させた「M.O.手術」によって得た能力を駆使して撃退するが、テラフォーマーも20年前のバグズ手術技術を奪うことで強化されていた。
ネタバレ

小歌 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ストーリー的には絶対面白いはずなのに…

 全13話 ※原作未読

人気漫画が原作なだけあって、プロットは絶対に面白いと思った。
でも回想シーンやら能力説明のナレーションやらを頻繁に挟んでくるので、
話の流れの中でイマイチ盛り上がりが持続しなかったのが残念。
黒規制があったのは序盤の数話だけ。
グロ苦手だから正直助かったけど、結局規制表現なくすなら最初からそうしてれば良かったのに…。
中途半端なところで終わってるし、「アネックス1号編」と銘打ってあるので、続編やることも見据えてそうだけども。
次は構成をもうちょっと改善しててほしいな。
キャラはミッシェルさんが1番お気に入りでした。

 * * *

第1話 SYMPTOM 変異
 {netabare} テラフォーマーという巨大ゴキブリが繁殖している火星。そこで致死率100%のAEウイルスのサンプルを手に入れるべく組織されたU-NASAの火星探索チームに、膝丸は加入することになる。グロシーンは画面真っ黒になって何が起きてるのか分からん仕様。クールにギャグセン高いミッシェルが好き。 {/netabare}

第2話 DEPARTURE 出陣
 {netabare} あと数時間で火星に到着というところで、艦内になぜかテラフォーマーが出現。乗組員たちが次々と犠牲になっていく。動くテラフォーマーは超絶気持ち悪いし表現規制もハンパないしで、今後の視聴をどうしようか考える…。でもストーリーは気になるんだよな。人間と害虫の立場が逆っていうのが面白い。 {/netabare}

第3話 TO MARS 災いの星へ
 {netabare} 幹部6人を先頭に6班に分かれて脱出し、火星に降り立ったアネックス1号の乗組員たち。しかし一息つく間もなく、待ちかまえていたテラフォーマーの群れに襲われる。黒規制があるおかげでなんとか観続けられる。サブメインのキャラでも容赦なく殺されるっぽいので、ミッシェルさんには頑張ってほしい。 {/netabare}

第4話 WAR 全面戦争
 {netabare} 昆虫の能力を人間に施すバグズ手術の技術が、テラフォーマーに流用されていたことが発覚。しかし、アネックス1号のメンバーには陸海空の生物の能力を得られるモザイクオーガン手術が施されていた。幼馴染のシーラちゃんを殺されたマルコスの、怒りの覚醒シーンは迫力あった。人為変態かっこいいな! {/netabare}

第5話 EXCEPTIONAL TWO 奇跡の子
 {netabare} ミッシェルと膝丸には遺伝的にバグズ手術で得られた能力が備わっている。そのため、M.O.手術と合わせて2つの能力を発揮できるのだった。ミッシェルさんが持つ爆弾アリの能力じゃテラフォーマーの生け捕りは難しいか。膝丸とはナイスコンビだなぁと思ってたら…ミッシェルさんどうか無事でいて…! {/netabare}

第6話 2 MINUTES 2分間
 {netabare} ゲンゴロウの能力を持ったテラフォーマーに水中に引きずり込まれたミッシェル。その一方で膝丸もまた、バッタの脚力を備え、かつ機体の操縦までこなせるテラフォーマーと対峙していた。膝丸がマーズランキング6位ってかなり凄いんじゃ…幹部の1人より上ってことだよね。八恵子ちゃんは面白い子だな。 {/netabare}

第7話 CRAB 猛士
 {netabare} 謎のバグズ型テラフォーマー2体を無事捕獲したミッシェル率いる第2班。同じ頃、アシモフ率いるロシア・北欧第3班もテラフォーマーを捕獲。目の前にそびえる謎のピラミッドへの潜入を開始する。ミッシェルさんと膝丸の信頼関係が良い。あと八恵子ちゃんが結構いいキャラしてて、一気にお気に入りに。 {/netabare}

第8話 DER ZITTERAAL 電撃生物
 {netabare} ミッシェルの指示を受け、アネックス機へ向かうアドルフ率いる第5班。しかし、第4班の脱出機を乗っ取った300を超すテラフォーマーたちに囲まれてしまう。アドルフがメインの回。クールなんだけど優しそうな感じのアドルフさん、まさか奥さんを寝取られた経験をお持ちとは…。かっこいいのになー。 {/netabare}

第9話 TOO SAD TO DIE 雷雨の一粒
 {netabare} 引き続きアドルフ班メイン回。戦闘要員がもはやアドルフ1人なため孤軍奮闘するが、ついに力尽きる。しかし彼に忠誠を誓う、エヴァをはじめとした第4班の班員たちが身を呈してテラフォーマーたちから庇おうとする。人徳あるのね、アドルフさん。エヴァちゃんの使えなさっぷりは残念だったけども…。 {/netabare}

第10話 DESIRE 願い
 {netabare} アドルフ班、全滅の巻。3話にも渡ってアドルフさん1人で奮闘したのに報われないって…。てか本当エヴァちゃんは何だったんだろう。最期すごくヒロインぽくアドルフさん抱きしめてたけど…驚くほど何もしてないぞあの子。失禁しかしてないぞあの子。ただただアドルフさんが良い人で、不憫な人だった。 {/netabare}

第11話 BOXER ボクサー
 {netabare} 第1班・鬼塚慶次がメインの回。網膜はく離を患い引退した元世界チャンプのボクサーでマーズランキングも8位の人なんだけど、どこか地味で幸が薄そうなもんで、いつ死んじゃうのかヒヤヒヤしてた。回想シーンで、勧誘時に猫かぶってるミッシェルさん可愛かった。あと慶次役の小野Dの方言たまらん。 {/netabare}

第12話 SHOOTING STAR 軌道と無軌道
 {netabare} アシモフたちが足を踏み入れたピラミッドの中にはバグズ以前の無人機の残骸があり、さらにテラフォーマーたちが様々な知識を学習していた痕跡も。アシモフと、テラフォーマーの戦闘に戦略性を見抜いた小町は、アネックス1号計画の参加国に裏切り者がいることを推察する。第2班の安心感パないです。 {/netabare}

第13話(最終話) TERRA FOR MARS 彼方と此方
 {netabare} 1班と2班は合流し、襲い来るテラフォーマーたちと闘い続けていた。一方その頃の地球では日本国総理・蛭間がアメリカ大統領から、火星に向けて救助艦が未だに飛ばされていないという報告を受ける。OP曲をBGMにした日米合同班の戦闘シーンはカッコ良かった。これが最終回かー、絶対2期あるよね。 {/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 15
ネタバレ

はにょ~♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ハニョー♪

21世紀、人口の激増に伴う火星のテラフォーミングのため、特殊な苔とゴキブリを大量に放ち、地表を黒く染め上げることで太陽光を吸収させ、火星を暖めようとする計画が実行された。
西暦2577年。宇宙飛行士6人を乗せた有人宇宙艦・バグズ1号は、生息するゴキブリの調査・捕獲、そして2500年以降に送られた無人機の通信途絶の原因を調査するため、火星に降り立つ。ところが、乗組員は船外へ出た直後、人間大の姿に異常進化したゴキブリに襲われ、全滅する。しかし船員の一人ジョージ・スマイルズが死の間際、後に「テラフォーマー」と呼ばれる生物のサンプルを地球へ送った事で、人類は新たな技術を得ることに成功する。

{netabare} 地球からテラフォーミングのために火星に放ったゴキブリが異常進化した生物の総称。地球人は主に「ゴキブリ」と呼ぶ。約2メートル以上の体長に筋骨隆々の体格、頭部から首の後ろにかけて生えたパンチパーマ状の頭髪という外見をしている。外見のデザインは「絶滅した原人」等を造形の参考にして描かれている[4][12]。痛覚こそないが、体内構造は人間に近く、脊椎を有し脳の形状や眼球も人間そっくりになっており、ゴキブリの形態的要素は甲皮、気門、触角、尾葉、羽くらいしか残されていない。人間に近い姿をしているものの、人間と異なり雄と雌の外見上の差異はほぼない。幼生も存在し、体長は成虫の腰の高さほどとなっている。
腕力が高く、薬で変身した乗組員も無防備ならば素手で簡単に破壊される。体も強靭で熱に強く、多糖類アミロースで出来た甲皮を全身の気門から入る酸素で直に燃焼させることで爆発的な運動量を得ているが、生命活動に必要な酸素は肺呼吸で得ている。身体のコントロールは胸部の食道下神経節に委ねられているため、呼吸および食道下神経節が無事ならば、首が破壊されても活動することがある。逆に言えば喉を潰すか食道下神経節を破壊することで活動を止められる。
普段は「じょう」「じじょう」「じょうじ」「じょうじょう」といった音声でコミュニケーションを取る。なお、この言葉の起源はバグズ1号乗組員「ジョージ・スマイルズ」のこと[8]で、彼が名前を呼ばれているところを覚えて以後使用されるようになった。瀕死の際は「ギィ、ギィ」と鳴く。
脳も進化しており、知性を持っている。銃器や網、旗などを使用する他、人間の機械の扱い方を理解し、初めて見るはずの高速脱出機を操縦することも可能とし、更に前時代に中国宇宙軍が飛ばした火星探査機「大鲤鱼二三號(グレイトカープ23號)」や「バグズ1号」を修理して利用している。なお、多くの個体が持っている石器製の棍棒は、武器ではなく岩に付いた苔を削ぎ取り食べるための食具である。バグズ2号の遺したカイコガで養蚕を行い、布や食料としても利用している。2620年には組織化が進んでおり、階級や役割のようなものを与えられた個体が存在し、身体に装飾具や衣装を身に付けた個体がテラフォーマーの部隊を統率している。また、カイコガという動物性タンパク質を摂取したことで、より巨大で筋肉質な肉体をした、両腕に紐を3本ずつ巻いている力士型テラフォーマー[注 7]という個体が複数存在する。
人類の侵攻をさながらナイル川の氾濫の如く被害をもたらすが同時に新たな恵み(技術・物)をもたらすものと捉えて、人間をある意味では『神』のように信奉し、スキンヘッド型のテラフォーマー達を頭目としている。『\・|・/』の元、組織化していたが、アドルフとの戦いの結果『\・|・/』が死亡したことで、一人のカリスマに頼った形態から「学習し蓄積し進化する」形態へと変わった。これによりバグズ(M.O.)型テラフォーマーも、生産体制の変化からか、複数個体が出てくるようになる。同時に指導者として『・|・』の模様を額に描いたテラフォーマーを頭目とするが、エヴァ・フロストの攻撃で死亡。『||・||』のスキンヘッド型のテラフォーマーが新たな指導者として登場した。
原始的な移植手術によりバグズ2号で死亡した乗組員の能力を持った個体「バグズ型テラフォーマー」が登場し、ANNEX1号で死亡した乗員、もしくは乗員の体の一部を奪取しその能力を持った個体も登場している。{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 0
ネタバレ

arca さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

原作未読派はどう感じるのだろう

【感想】
原作既読

原作を読んでるので、それなりに楽しめたが、
未読の人にはわかりにくい内容だったのではないか。
「酒場の二人の話し合い」って何なの?って人とかいると思う。

登場人物の多さ、背景設定の深さを考えると、
仕方ない気もするが、もう少しわかりやすくしてほしかった。


あとは、1~3話の規制がもったいなかった。
あれで離れた視聴者もいると思う。

アニメを見る→その人が原作を買うという流れを作れなかった原因でもある。
(その上、今回は規制が話題になりすぎて、アニメ化失敗したなという評判が広がったのがさらに輪をかけ…)


最終話の気合いはいった演出を毎話やってくれれば、よかったのよ!
最終話はあつかったです!

まぁ、それはおいておくとして
二期あるような終わり方
{netabare}
「俺たちの戦いはこれからだエンド)
{/netabare}
だったが、どうなんだろう。

ジョセフの活躍や各国家間のやり取りなど内容的にはまだまだやれるとは思うけど、円盤の売り上げが…

個人的には、続けてほしいが、あまり期待はしてない

原作はおもしろいので、興味ある方は読んでみてはどうだろう?

--------------------------------------------------------------
【11話】
{netabare}
けいじ回。
{/netabare}

【10話】
{netabare}
アドルフの想いの描写よかったな…

次は1班の戦いか。
{/netabare}

【8&9話】
{netabare}
アドルフ人気だからこの尺の使い方も理解できるけど、
アニメから入った人には響かないのではないかという印象。

もう1話つかうのかな?
{/netabare}

【7話】
{netabare}
ロシアつええ

次回はアドルフ回かな。
{/netabare}

【6話】
{netabare}
ミッシェル、アレックス、膝丸燈の活躍により、
危機を脱する。

第二班に他の班からSOS要請がきてるようだが・・

最後に描写されたのは第三班かな?
{/netabare}

【5話】
{netabare}
膝丸は何の生物がベースなんだろ?
ミッシェルつよすぎんよ・・

最後に、2班がピンチに!
ミッシェルさすがに死なんよね・・
{/netabare}

【4話】
{netabare}
第一班の戦い。
シーラが死亡し、マルコスが奮闘中。
マルコスの手術ベースはアシダカグモ。

バグズ手術という技術をテラフォーマーに盗まれた人間だが、
モザイクオーガンというテラフォーマーの持つ臓器を使用する(盗む)ことで、上位互換のM.O.手術という技術を開発した。

バグズ手術されたテラフォーマーが登場したが、
バグズ手術の上位互換であるM.O.手術を受けた隊員たちがテラフォーマーと戦っていく。

{/netabare}

【3話】
{netabare}
失敗と思ったら作戦続行。

幹部つよい。
みんなが分散する作戦に以降。

第三班でイワンの姉エレナが死亡。

規制が多すぎて、戦闘シーンがなんだかなぁ・・
あと、黒丸はひどいww
{/netabare}

【2話】
{netabare}
テラフォーマーが宇宙船に入ってきて、
みんなを殺害。

アネックス1号作戦失敗。
{/netabare}

【1話】
{netabare}
火星からのウイルスで人間が滅亡しようとしてる中
それを防ぐために調査にいくらしい。
その調査を妨害するのがテラフォーマー=ゴキブリ

主人公の小町小吉含む何人かが
手術を受けて、火星に出発。
{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 8

84.3 10 グロテスクアニメランキング10位
呪術廻戦(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (813)
3165人が棚に入れました
少年は戦う――「正しい死」を求めて。辛酸・後悔・恥辱。人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む。呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く。そして、呪いは呪いでしか祓えない。驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い"に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指"を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう。呪いである“両面宿儺"と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……。呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、小松未可子、内山昂輝、関智一、津田健次郎、中村悠一、諏訪部順一

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

呪術ぱいせん

ハリーポッター風に例えるとヴォルデモートのような存在の指を食べるはめになってしまった少年の話らしいと聞いて
普通、指食べようとはならんだろ。

よくある身体能力お化けなのに、運動部入らないマン。
よくある少年漫画的な作品という感じだけど、そういうシンプルなものが意外と良いもの。完全懲悪みたいなところもある。ショッカーと戦う初代仮面ライダー的な?
ただ、凄く流行る作品でもないような。どう?
強くなって自分の力も制御していくんでしょうね。仲間の力も借りて。
五条悟だけ規格外すぎんか。なんぞ?
タッパとケツのでかい女好きに対する想いは笑う。勝手に同じ中学卒業扱いて笑。


OP
廻廻奇譚 Eve
VIVID VICE Who-ya Extended
ED
LOST IN PARADISE feat. AKLO ALI
give it back Cö shu Nie
挿入歌
REMEMBER Masato
前半クールのOP・EDが好きだった。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
少年は戦う--「正しい死」を求めて 辛酸・後悔・恥辱 人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む 呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導くそして、呪いは呪いでしか祓えない 驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い”に襲われた学友を救うため、特級呪物“両面宿儺の指”を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう 呪いである“両面宿儺”と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条 悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり..... 呪いを祓うべく呪いを宿した少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす- 


1. 両面宿儺
並みはずれた身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁。祖父が死んだ夜に呪術高専一年の伏黒 恵と出会う。彼は、虎杖の持つ“呪物”を回収しに来たというが、ちょうどその“呪物”は虎杖の先輩らによって封印が解かれていた。“呪物”が引き寄せた、呪いの化け物に襲われる先輩たち。そこに虎杖と伏黒が駆けつける。

2. 自分のために
見知らぬ部屋で目を覚ます虎杖は、目の前にいた呪術高専の教師・五条 悟から自分の“秘匿死刑”が決定したと告げられる。五条は、虎杖に二つの選択肢を示す。今すぐ死刑になるか、『両面宿儺の指』20本を探し出し、すべて取り込んだのちに死ぬか--。

3. 鉄骨娘
3人目の一年生、釘崎野薔薇を迎えに行く虎杖と伏黒、五条。そのままとある廃ビルへ向かい、五条は虎杖と釘崎に、廃ビル内に潜む呪霊を祓ってくるよう課題を与える。ビル内、二手に分かれて呪霊を探し始める虎杖と釘崎は、子どもを人質にとる狡猾な呪霊と対峙する。

4. 呪胎戴天
少年院で起きた緊急事態に、虎杖、伏黒、釘崎が派遣される。任務は、いずれ特級呪霊に成り得る呪胎とともに取り残された生存者の確認と救出。乗り込んだ虎杖たちは、無慈悲な現実に直面する。直後釘崎の姿が消え、残された虎杖と伏黒の隣には、特級呪霊の姿があった。

5. 呪胎戴天-弐-
少年院の外に退避した伏黒は、特級呪霊の死に気付く。次の瞬間、横に両面宿儺が現れ、虎杖の体から心臓を抜き取り、人質にする。このままでは虎杖の意識が戻っても死んでしまうと戦い始める伏黒だったが、格の違いを痛感する。

6. 雨後
虎杖の死に悔しさをかみしめる五条。仲間の死に沈み込む伏黒・野薔薇は強くなるために2年生達と特訓を始める。一方、夏油達も動き出す。そんな中、死んだはずの虎杖は--。

7. 急襲
移動中だった五条は、特級呪霊・漏瑚の奇襲を受ける。攻撃を重ねても決して当たらない--漏瑚は、すぐに五条の強さを目の当たりにする。一瞬で高専に戻り、修行中の虎杖まで連れてくる余裕の五条に、漏瑚は怒りを爆発させ、ある手段に出るが、対して五条は--。

8. 退屈
交流会に向けた特訓の合間。釘崎と伏黒の前に、呪術高専京都校二年の禪院真依と東堂が現れ、二人にケンカを吹っ掛ける。伏黒を腕っぷしで押していく東堂。一方、真依の言葉に嫌悪を抱き、釘崎は真依を挑発するが--。

9. 幼魚と逆罰
高校をサボり映画館に来た吉野順平は、自分をいじめていた同級生が顔を変形させられ、死んでいるところを目撃する。“犯人”を追い、声をかける吉野。その後、事件現場の映画館に乗り込んだ虎杖と脱サラ一級呪術師の七海建人は、2体の呪霊に遭遇する。

10. 無為転変
吉野の調査を任された虎杖は、補助監督の伊地知に作戦を聞く。低級の呪いに吉野を襲わせ、反応を確かめるというが作戦は失敗し、虎杖は吉野に直球で声をかける。結果的に嫌悪する担任教師を追い払ってくれた虎杖を見て、吉野は話を聞く気になる。一方、真人のアジトを突き止めた七海は地下水路で真人と相まみえるのだった。

11. 固陋蠢愚
真人に追い詰められた七海は呪力の制限を解除、十劃呪法『瓦落瓦落』で地下水路の壁を破壊し、がれきの雨を降らせる。一方、吉野と接触した虎杖は、映画の話で意気投合する。吉野の母とも会い、家に招かれるとさらに打ち解けるのだったが...。

12. いつかの君へ
真人に心酔していた吉野は、上手く利用され虎杖と戦うように仕向けられていた。復讐に走り暴走する吉野に対し、虎杖は拳を重ねながらも動機を聞き出し説得しようと図るが、吉野の口から残酷な事実を知ることになる。そんな二人のそばに真人が忍び寄り--。

13. また明日
間一髪で真人の一撃を防ぎ虎杖を救った七海。ここで確実に真人を祓うため虎杖と七海は息の合った攻撃を重ねる。真人は改造人間を使い虎杖を精神的にも追い詰めようとするが、虎杖はそれを乗り越える。畳み込まれる攻撃に追い込まれた真人は「死」を感じ--。

14. 京都姉妹校交流会-団体戦⓪-
虎杖たちから逃れた真人は、夏油らと合流し、あるプランを進めようとする。一方、呪術高専では“京都姉妹校交流会”が行われようとしていた。伏黒と釘崎、二年の真希、棘、パンダが集合するが、そこに東堂ら京都校の面々も到着。早速一触即発な空気の中、さらに遅れて五条が駆けつけあるサプライズを行う--。

15. 京都姉妹校交流会-団体戦①-
京都姉妹校交流会の団体戦が始まった。東京校のメンバーに、京都校の東堂が襲い掛かるが、足止め役を任されていた虎杖が相対する。東堂のパワーに圧倒される虎杖だが、突然東堂から女の趣味を尋ねられ--。

16. 京都姉妹校交流会-団体戦②-
東堂は、虎杖の“逕庭拳”が特級には通じない技だと指摘する。助言を素直に受け取る虎杖に対し、東堂は全力で相手をし、導いていく。一方、京都校の西宮に、釘崎はケンカを吹っ掛ける。その横にいたパンダに、陰から攻撃を仕掛けるメカ丸。釘崎と西宮、パンダとメカ丸の戦いが始まる。

17. 京都姉妹校交流会-団体戦③-
交流会団体戦は続く--。対峙する真希と三輪。三輪は真希の等級には表れない圧倒的強さに驚きを隠せない。同じ頃、箒で空中を飛び回る西宮を追う釘崎。真依の苦労、女性呪術師として生きていく意味を語る西宮をバッサリ切り捨て、一気に反撃に出る。そして姿が見えない真依は--。

18. 賢者
各所で勝敗が見え始めた交流会1日目。伏黒は御三家の嫡男・加茂と対峙していた。自身の血を操る「赤血操術」を使う加茂に、伏黒は式神と体術で対抗する。同じ頃、狗巻 の言霊の増幅・強制術式である「呪言」を生かして場を進めていく。その狗巻が突如感じた不穏な気配に振り返るとそこには--。想定外の事が起こり始める交流会。戦いの行方は--。

19. 黒閃
交流会に突如乱入し、襲い掛かる特級呪霊・花御。対峙する伏黒と狗巻、加茂は花御の攻撃を防ぎながら、帳の外に向かって走る。追い詰められる3人だったが、そこに真希が参戦し、伏黒との連携で攻め立てる。しかしそれでもなお、特級呪霊である花御の圧倒的な戦闘力を前に窮地に立たされてしまうが--。

20. 規格外
花御との戦いに参戦した虎杖と東堂。虎杖が黒閃を決め、東堂との連携プレーで攻め立てていく中、さらに自身の術式を解禁する東堂。超親友となった虎杖と共に、東堂はトリッキーな術式と(自称)IQ53万の脳内CPUを持つそのクレバーさで花御を翻弄していくが--。

21. 呪術甲子園
圧倒的な強さで五条は花御を退けた。瀕死の花御と合流した真人は、「両面宿儺の指」と特級呪物「呪胎九相図1番~3番」を強奪。着実に10月31日に決行する五条悟封印の準備を進めていた。一方、高専サイドは真人らの目的を明らかにできない。被害を鑑み、そのまま交流会も中止、となりかけるが、何故か野球で決着をつけることに。姉妹交流会・2日目野球戦、プレイボール--。

22. 起首雷同
呪霊により3人の男が似た状況で死亡する事件が発生。被害者たちは同じ中学校に在籍していたことが判明し、虎杖、伏黒、釘崎はその調査に派遣される。現地に着いてみると、その中学校は伏黒の母校であった。被害者らは地元の心霊スポット「八十八橋」の下で揃って倒れていたことがあったと聞く。さらに伏黒の姉・津美紀も事件に巻き込まれていたと分かり--。

23. 起首雷同-弐-
八十八橋の呪いに加え特級呪物「呪胎九相図」の1体・血塗(けちず)と対峙する虎杖・伏黒・釘崎。八十八橋の呪いの結界内にいる伏黒たちだが、突如釘崎が腕を引かれ、結界外に消える。それを追い、出ていったもう一体の血塗と虎杖も外へ。残った伏黒は早々に八十八橋の呪いを片付けるが--衝撃の光景を目の前にする。一方、釘崎は「呪胎九相図」の1体・壊相(えそう)と対峙。そこに血塗(けちず)と、追ってきた虎杖も加わり--。

24. 共犯
「呪胎九相図」兄弟の壊相・血塗に対する虎杖と釘崎だったが、壊相・血塗の血を浴びてしまい体内から腐食が始まる。窮地に立たされるも釘崎は自らに釘を刺し、「共鳴り」を発動。兄弟との我慢比べが始まる。虎杖も止まらず血塗を攻め立てていくが--。「両面宿儺の指」に端を発した今回の任務。果たして虎杖・釘崎・伏黒は無事高専へ帰還できるのか--。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 13

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

呪いから守るために、自らに呪いを宿す。

週刊少年ジャンプで連載中の漫画が原作のアニメ。

まだ鬼滅の刃人気が高い中放送が始まったこの作品、
とある小学1年生の女の子に
「私は鬼滅の刃より呪術廻戦が好きなの!」とゴリ押しされ、

放送が終わったら一気に見てみようかなーと思ってたら、

会うたびに「呪術廻戦見た!?」「絶対観てすぐに観て」とプッシュされ続けたので、観念して放送中から見始めました。笑

その後どんどん人気が高まって、
今や鬼滅の刃にとって代わる人気となり、
時代を先取る嗅覚の鋭さすごいなと感心しておりますw

全24話です。


● ストーリー
高校生の虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)。
オカルト研究会に所属する彼は、学校で怪しい箱を拾う。

オカルト研究会の先輩が箱の箱の中身を確認しようとするが、
それは強い呪いが込められた“呪物(じゅぶつ)”であり、
呪物の封印が解けたことで、人を襲う“呪霊(じゅれい)”が現れ、
先輩たちが襲われてしまう。

呪物の回収に来ていた呪術師の伏黒恵(ふしぐろ めぐみ)と共に先輩たちを救おうとするもピンチになり、

悠二は呪物「宿儺(すくな)の指」を食べ、
呪いに対抗できる力を得る。

しかしそれはあまりにも危険な力のため、
先輩たちを救うことができた後、悠二には死刑が宣告される。

死刑を延ばす代わりに、
そして世に溢れる呪いによって誰かが苦しまないように、

残りの「宿儺の指」を集める使命を果たすため、
都立呪術高専に転校し、呪術師として生きることを決意する。


長いあらすじとなりました。

ざっくりまとめると、つまり、
呪術師として呪いと戦う話です。

呪いの見た目は気持ち悪い。

死体も出てくるし体も切断されるしで、
なかなかグロさもあります。

現代日本が舞台なのに、
呪いという異形と戦うことで非日常感が強い。

でも学生同士で仲良くしてたり、
普通の高校生っぽい一面もあるし、
不思議な世界観です。


ストーリーは、進んでいるような流れているような。

いきなり新しい展開が始まっている。
そしてもやもやっとそのシリーズが終わる。笑

強すぎる敵を追いつめはするんだけど、
逃げられてしまったりで、いつも倒すわけではないのがその原因かな。

この作品はなぜ人気が高いのか、
その理由をうまく言葉で説明できない。

ストーリーは、波があったものの、
全体的に面白かったです。

毎回30分があっという間に終わるし。

アクションシーンの作画もかっこよかった。

キャラもそれなりに魅力があって個性的。
女子ウケ抜群な五条先生という最強キャラもいる。

でも、呪いの見た目は不気味だし、
必殺技も真似したいものとか真似しやすいものではないし、
血みどろの戦いで見た目はよくないし、

呪いとか人の心の闇とか、暗い雰囲気で、
人の心は醜く描かれてるところもあるし大事な人も死んでしまうし、
メンタルやられるところも多い。

ここが人気なポイント!と語るのが非常に難しい。笑

呪術師たちは元々強いけど、
その強さを十分に描けていないのか、
それともこれから強い敵とぶつけていくうちにその強さが描かれることになるのか、

全力出しきった感がないんだよなー。
いや当人たちは全力出してるんだろうけど。

それでも十分かっこよくはある。
これからもっと強くかっこよく見せてくれるのかなというわくわくもある。

24話見たけれど、
どうやら私はまだこの作品を掴み切れていないのです。

そもそもグロい系の作品が苦手なのもあるかもしれないけど^^;

少年ジャンプの作品だけど、
少年以上に青年や大人に好かれそうなタイプの作品だと思いました。


● キャラクター
全体的に大人から好かれそうな、
かっこいいキャラが多かったように感じました。

観終わってみると、
好きなキャラが多かったなー。

順位はつけられませんが、私のお気に入りは
・釘崎 野薔薇(くぎさき のばら)
・五条 悟(ごじょう さとる)
・七海 建人(ななみ けんと)
の3人ですね^^

釘崎は最終話のかっこよさで好きになりました。

クールでかっこいい女の子キャラならよくいるけれど、
釘崎のようなタイプのかっこよさは珍しいなと思いました。

自分に自信があり、女であることを忘れず、
相手が誰だろうと怯んだり屈したりしない。

認めた相手は慕うし、大切にも思う。

敵に対しては容赦しない非情さも好き。
なんなら、笑ってるもんなw
最終話はどちらが悪役なのかわからなくなったよw


五条先生はつかみどころがないけど、
その分、普段のふざけた人柄と真面目なときのギャップがやばい。

圧倒的過ぎる強さ、かっこいいです。

そしてcv.中村悠一さんなんだからもう大勝利です。笑


● 音楽
【 OP1「廻廻奇譚」/ Eve 】
【 ED1「LOST IN PARADISE feat. AKLO」/ ALI 】

この作品と言えば、やっぱり「廻廻奇譚」が強いですね。
この曲の圧倒的かっこよさよ…!

そして作品の雰囲気とぴったり。
というか、この曲が雰囲気を作ったと言ってもいいぐらい。

アニメーションにもいろいろと伏線やら秘密が隠されているようです。
細かな変化もたくさんあったし、とても凝られていました。

EDは英語の歌詞でのポップな曲調だけど、
こちらも別のかっこよさがありました。

アニメーションもおしゃれでした^^


【 OP2「VIVID VICE」/ Who-ya Extended 】
【 ED2「give it back」/ Cö shu Nie 】

この後半OPもまたかっこよくて好きだなあ。

「廻廻奇譚」と雰囲気は似ていなくもないけど、
別物のかっこよさです。

アニメーションはこちらもかっこよかったです。
じっくり見れば見るほどかっこいい!

というか、「廻廻奇譚」だけでも十分なかっこよさと人気だったのに、そのハードルを越えてきたこのOPによって、次のOPはさらにハードルが上がりますね。笑

EDはしっとり感動系。

映像とのマッチングによって、より沁みます。


どの曲も当たりで、
音楽の選曲もアニメーションも最高でした。


● まとめ
面白かったです。

よく理解できていない部分も多いものの、
楽しめたのは事実です。

好きな作品かと問われると微妙なところなのが、
自分では不思議な感覚なんですけど。

これからもっと強い敵と遭遇するのだろうし、
それに伴って彼らの活躍もよりかっこよく、
見どころのあるものとなっていくのでしょう。

話としてはまだまだ途中だし、
24話の最後に「続」と出てたから、きっと2期もあるでしょう^^

2021年には「東京都立呪術高等専門学校」の劇場版アニメの公開が予定されています。

これは「呪術廻戦」がジャンプで連載される前の、
呪術高専のお話のようですね。

まずはこちらを楽しみに待ちたいと思います^^

投稿 : 2023/12/02
♥ : 30
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

呪いは生き方を主張し、少年は正しい死を模索する

人間の負の感情から発生し暗躍する“呪霊”と“呪術師”との戦いを描いた
同名コミック(未読)のアニメ化作品。

【物語 4.0点】
理詰めのバトル中に披露される各々の人生哲学。
育成学校のイベントには裏の駆け引きがある。

お馴染みの枠組みをグロく装飾したバトル物だろう。
と気軽に入っていくと、人を虫とも思わぬ呪霊たちがもたらす容赦ない死の描写と、
抉り出された人の心のドロドロした部分を目撃し、引き込まれる感じ。


虎杖(いたどり)悠二も一見、典型的な熱血少年主人公だが、
若くして“正しい死に方”を選ぶ決意を固める。
{netabare}特級呪物を呑み込む{/netabare}体質的にも、人間的にも器の大きさ、異様さを有する。

他の呪術師たちにしても、いくら骨を断つためとはいえ、
その肉の切らせ方は尋常じゃないという戦い方を平然とする。
凡そ死という物への感覚が麻痺している感。

さらに、汚い陰謀を巡らせる呪術師界・上層部と、
上を見限り慇懃(いんぎん)じゃない無礼を働きw
教育からの変革を企てる五条先生との確執。


こうした描写に触れる内、己の本能に忠実に生きる呪いの方が、
むしろ人間的なのではないか?との倒錯した感情すら抱きます。

第五話の特級呪霊・漏瑚(じょうご)によるファミレスでの主張。
{netabare}人間の正の感情は嘘、偽りだらけ。真実の負の感情から生まれた呪いこそが取って変わるべき。{/netabare}
否定しきれないのが辛いですw

呪いを祓うだけが正解なのか?
根本的な問いが、五条の変革や、虎杖の存在と今後どう関わって来るのか。
深いテーマ性への期待が牽引力。


【作画 4.5点】
バトルアニメの楽しさを思い出させてくれる。

人物も呪いも画面を目一杯使って実に良く動く。
構図、アングルもダイナミックで、視聴者を常識外に拉致。
MAPPAはグロい物体をクールに動かすのがホントに上手いですw

背景美術も“領域展開”の再現など良好。
背景の動きも、時に地面と遠景で異なるスクロールを組み合わせるなど、
撮影もカメラを静止させることなく、映像が単調にならぬよう尽力。
バトル空間の広さを体感させ、戦闘のスケール感を伝達。


【キャラ 4.5点】
五条先生の格好良さは特級品として、教師では七海先生も印象的。
{netabare}実業より虚業が栄える人間社会に疑問を抱いた{/netabare}呪術師転身前の過去。
共感度が高くて哀しいですwあと、{netabare}時間外労働{/netabare}お疲れさまですw


主人公・虎杖(いたどり)と東堂の“親友”関係もバトル馬鹿ならではで楽しい。


ヒロインズが逞しい(おっかないw)のも特徴的。
そう言えば、虎杖の顔面が一番ひしゃげたのは、
{netabare}荷物持ち・虎杖が釘崎の買い物を落したことに対する制裁だったようなw{/netabare}


【声優 4.0点】
主役の榎木 淳弥さん。熱血の裏に何かがありそうな懐の深い演技で謎多き主人公を再現。
最近の、えのじゅんとのエンカウント率の高さも納得の充実度。

呪い側の最強キャラ・宿儺(すくな)役・諏訪部 順一さん。
人間側の最強キャラ・五条悟役の中村 悠一さんと共に、
落ち着いたボイスが、圧倒的な能力と対照的で背筋が寒くなる、底を見せない好演。

強者に対するリアクションボイスにも熱演が揃う。
特に{netabare}五条に軽くのされる漏瑚(じょうご)役の大ベテラン・千葉 繁さん。
相手をした中村さんが申し訳なくなる位の大噴火ボイスで五条最強を証明w{/netabare}


異例だったのは原作者の要望によりナレーションが除去されたこと。
没入度はアップしたが、専門用語、超常現象に解説が付かないのはスパルタw
モノローグは充実しているので、付いては行けますが……。


【音楽 4.5点】
劇伴はバンド音楽をベースに、興が乗るとラップも挿入し、滾(たぎ)るバトルシーンを演出。
coldrainのボーカル・MASATOさんによるバトル挿入歌「REMENBER」もアドレナリン全開♪


OPは前期がEve「廻廻奇譚」、後期がWho-ya Extended「VIVID VICE」
共にヒットアニメのタイアップを引けばもっと来る!と思っていた男性アーティスト。
ついに大吉を引きましたね。おめでとうございます♪


前期EDはALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」
スタイリッシュなジャズ&男性ボーカルで東京を喰らう。
EDアニメ含めて、どんな展開後でも呑み込む独自の世界観を持つ。

後期EDはCö shu Nie「give it back」
ハイトーンな女性ボーカルで、哀しい過去を抱えた呪術師たちの心情を炙り出す。
どんな展開後にもマッチする透度の高い良作バラード。


【余談】
「廻廻奇譚」について。

放送前、先に楽曲だけ発表された時、
ネット上ではイマイチ?との評も見られました。
ですが、Eveを、あにこれの「僕らはまだアンダーグラウンド」のMVレビューで知り、
アニメーションとの融合度を信頼していた私は、
OPアニメ見て度肝抜かすなよと、世間の反応の変化にほくそ笑んでいましたw

あにこれやってて良かったですw

投稿 : 2023/12/02
♥ : 39

72.2 11 グロテスクアニメランキング11位
ドリフターズ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (566)
2861人が棚に入れました
西暦1600年 天下分け目の大戦、関ヶ原の戦い――薩摩、島津家の武将、島津豊久は身を挺した撤退戦の後、死地から抜け出し一人山中をさまよっていた。降りしきる雨の中、たどり着いたのは無数の扉のある廊下のような部屋――豊久はそこにいた謎の男、『紫』を問いただす間もなく石扉の向こう側へと送り込まれてしまう。――そこはオルテと呼ばれる国家が支配する世界、人間とデミ・ヒューマンと呼ばれる「人ならざる」ものが暮らす異世界だった。異なる時代から先に流れ着いていた織田信長、那須与一ら歴戦の英雄とともに豊久は揺らぐことのない武士(さぶらい)の思想で異世界の戦場を疾り駆ける!

声優・キャラクター
中村悠一、内田直哉、斎賀みつき、鈴木達央、青山穣、家中宏、小野大輔、高木渉、櫻井孝宏、古城門志帆、西田雅一、楠大典、皆川純子、乃村健次、北西純子、田中正彦、安元洋貴、石田彰、宮本充、伊藤かな恵、間島淳司、続木友子、石塚さより、仲野裕、杉田智和、福田賢二、遊佐浩二
ネタバレ

wp38 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

常住戦陣

12話+2話、計14話視聴完了。

歴史上の名の知れた偉人達が沢山出てくるけど、聞き覚えのある名前は4,5人くらいだった。
だって社会の授業って退屈でダルくて、テストの時くらいでしか覚えようとしてないんだから
しょうがないw

この作品は戦国時代のような、戦いが激化してる世界が舞台だから人がかなり〇ぬ。
しかも血しぶきどころか、首ゴロン・胴体バッサリ描写が豊富(笑)
戦闘シーン外ではギャグ漫画のような作画や言動も多く、ある程度は緩和されてる気がするけど、
いくら血の色が抑えられてるとはいえ、中にはそういった描写自体が苦手な人もいるだろうから、
免疫力が少ない人にはオススメしない方がいいのかも。

異世界モノだと思うけど、{netabare}魔法がドカドカ使われてるようなのじゃなくて、剣や弓、銃火器等に
よる物理攻撃主体の戦闘が繰り広げられる。
そもそもあの世界には、魔法という概念は勿論、その元となる魔力自体が存在してるのか
どうかすら分かんないけど、ファンタジー系によく出てくるエルフ族やドワーフ族、他にも
獣人やオーク、ドラゴンなんかも存在してる世界だから、魔法があったとしてもなんら不思議
じゃないとは思う。
ただ、それっぽいのを使ってるのは敵大将と一部の者だけで、その他の者が行使してる姿は
見かけてない。あと陰陽術もあるが、こちらも味方大将の一派しか使ってない。
まぁそういった人達以外はみんなただの人間だから使えなくて当然かも。
それに、物語の中心となってる者達には、元々あの世界で暮らしてる人達をはるかに凌駕する
知識と戦闘技術を持ってるから、たとえ魔法が使えなくとも全く問題無いように思える。

しかし、いくら弓より威力があるとは言え、連射が出来ず、ライフリング加工もされてない
銃身の火縄銃を主戦力に組み込んでるのはどうかと思った。
味方にリボルバーやガトリングガンを所持してる者が登場してて、それらを好きにして良いと
言われてたし、それに信長が自分で「作れるかどうか分からんが、これがあれば・・」みたいな
事を言ってたから当然こっちを複製するものだと思ってたが、何故かそれらよりはるかに劣る
火縄銃を量産したからマジで意味不明。
まぁ信長の事だから、現状を踏まえた上で、威力はあるが構造が複雑で解析・複製まで時間が
掛かるガトリングより、戦への素早い投入が可能であろう単純構造の火縄銃を選択したのかも
しれない。で、火縄銃はあくまで繋ぎの時間稼ぎであり、その間にガトリング本体や弾丸の解析・
複製を進めてもらう、といった考えなのかも。
なんにせよ、そういった部分はこの14話の間では語られてないから推測の域は出ないけど、
今後もし続編が制作されるのであれば、多分明らかになるんじゃないかなって思う。

あのサンジェルミとかいうオカマの人、名前からして不老不死で有名なサンジェルマン伯爵だよね?
しかも、その口ぶりから他のドリフターズよりかなり先の時代から飛ばされてきてる感じがする。
もしかしたら現代より先なのかもだけど、もしそうだったらミサイルなどの大量殺戮兵器の知識を
持ってるって事になるから、ある意味1番怖い存在なのかもしれないな~。
あと零戦に乗ってた兵士の人。あの人の口調になんか聞き覚えあるなぁって思ったら、ナルトの
キラービーと似てる、というか全く一緒だったw{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 0

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「漂流者」vs「廃棄物」の熱き戦い…

この作品の原作は未読です。この作品…まずタイトルから気になりました。
なぜなら昭和を代表する伝説のお笑いグループと名前が一緒だったから…
でもこの作品…お笑い要素を殆ど感じさせないシリアス基調の作品になっています。

ドリフターズ…英語で「漂流物、放浪者」を意味するのだそうです。
この作品を良く表したタイトルだと思いますが、あの伝説のお笑いグループもデビュー当時に自分たちを「漂流物、放浪者」と位置付けていたとすると、感慨深いモノがあります…

この作品は、異世界にこの世界の人間を送り込む2人の人間が存在しています。
一人は紫とうい謎の男性…彼が送り込んだ人を「漂流者」と呼んでいます。
もう一人はEASYという少女…彼女が送り込んだ人は「廃棄物」と呼ばれています。
紫とEASYは犬猿の関係…そのため異世界でも「漂流者」vs「廃棄物」の戦いが繰り広げられるのです。

異世界に送り込まれた人達がかの地で頑張る…まるで戦国自衛隊のようですが、この作品の設定の面白いのはここから…
異世界に流れていくのは歴史上名前を残した人物ばかり…
しかもそれが時間も世界も飛び越えてこの異世界にやってくるんです。

今回描かれている人物の一部を少し列記します。

<漂流者>
島津豊久、織田信長、那須与一、ハンニバル・バルカ

<廃棄物>
土方歳三、ジャンヌ・ダルク、ジルドレ、明智光秀

それにこの異世界…漂流者と廃棄物しかいない訳ではありません。
「十月機関」という組織には安倍晴明が在籍しています。

正に異世界のフィクション作品だからできる事…その醍醐味を
しっかり使った設定は、登場人物の名前を見るだけでワクワクします。
(ジルドレは今回初めて知りましたけれど…)

そして戦い方も登場人物の生前の特徴を活かした設定になっています。
この異世界…文明という点においてはかなり遅れており、武器は剣、槍、弓といった先代のものしか存在していません。

その様な状況で彼らはどの様に自分の強みを活かすのか…
また活かす術はあるのか…
こういう視点でこの作品を見ると見応え満載だと思います。

そしてこの作品には異形の力を持つ者…符術の使える導師など、従来の武器に加え、戦いを彩る能力もこの異世界には存在します。
所謂「何でもアリ」の世界ではあるのですが、面白ければ何の問題もありません。

でもこの作品で難点が無かった訳ではありません。
所々でキャラがデフォルメされるのですが、あまりにも崩れすぎていたので個人的には無い方が良かったと思いました。
第六天魔王の崩壊した姿を何度見たことか…

でも、見ていれば燃えるし熱くなれる作品だと思います。
「流血」という点において少し過激な描写が無い訳ではありませんが、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Minutes Til Midnightさんの「Gospel Of The Throttle 狂奔REMIX ver.」
エンディングテーマは、黒崎真音さんの「VERMILLION」

1クール全12話の物語でした。
最終話の最後で「SECOND SEASON SEE YOU AGAIN TOKYO 20XX」とテロップが出ていましたが既に第2期の制作が進行しているそうです。
続編に関する情報の詳細が待ち遠しいです。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 15
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

コメディとシリアスが絶妙!ジャパニーズ聖杯戦争!!

1話の感想 ★★★☆ 3.5
島津があの世へ??
{netabare}
設定はすごく面白そうだ。
ただ、作画ちょっと変わっていてなれるかな?
あと、異国の言葉は何言ってるかさっぱりだからせめて字幕がほしい。{/netabare}

2話の感想 ★★★★ 4.0
国盗り開始
{netabare}
言葉の意味はわからんが逆にそれが本当に異世界に行ったみたいでこれはこれで面白い。
日本語の方がいいに決まっているが。
戦闘はグロいが水彩画みたいな絵的なタッチなのでまだ見れる。{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
ドリフターズとエンズ
{netabare}
敵軍エンズが動き出した。
飛行機くんはどーなったのかな??
武将たちは見方からしてもじゃじゃ馬扱いなんだな。{/netabare}

4話の感想 ★★★★☆ 4.5
国盗り開始
{netabare}
さすが戦国武将たち。
一言一言の重みが違う。
言葉もやっと通じるようになってわかりやすい。
これからが本番って感じかな。{/netabare}

5話の感想 ★★★★☆ 4.5
女を取り返す
{netabare}
戦の前の声が心に響いた。
あんな演説されたら、誰でも指揮をあげるしかなくなるな。
それにしても、信長は黒い。
陵辱のシーンがリアルで吐き気がしたわ。{/netabare}

6話の感想 ★★★★ 4.0
エルフ集結
{netabare}
時代を作ってきた英雄たちが集まるとここまでかっこよくなるのか。
いやー、痺れるね。
思想は違うが尊重できる、いい関係だ。
効果音が人の言葉なのが変わってるね笑{/netabare}

7話の感想 ★★★★ 4.0
エンズの襲撃
{netabare}
化け物すぎだろ、エンズ。
もう人間じゃねーよ。
はるあきら、って安倍晴明よな?
なんで、はるあきら??{/netabare}

8話の感想 ★★★★★ 5.0
ドリフターズ集結
{netabare}
やっぱ、かっこいいね〜。
どいつもこいつも個を持ってるから惹かれる!
時代は違えど、魂は変わらんってな。{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
物の見方
{netabare}
見方を変えれば使い方も変わる。
それに気付く信長はやはり天才やな。
火器に通信機器、どんどん戦が現代のものに近づいていく。{/netabare}

10話の感想 ★★★★ 4.0
売国奴
{netabare}
まさかまさかのオカマ野郎はドリフターズ。
予想外だったわ。
ドワーフも凄いね〜
さすが、異世界ファンタジーの住民だ。
黒王の正体は何となく予想出来るのだが、果たして…{/netabare}

11話の感想 ★★★★ 4.0
クーデター
{netabare}
豊久の空気の読まなさはすごいな。
日本人は空気を読む生き物なのに。
そして、初の鉄砲隊。
ここでも武器の前線がかわるぜよ。{/netabare}

12(最終)話の感想 ★★★★ 4.0
土方歳三
{netabare}
あのじぃちゃん、本当は超すごいよね。
ボケが治れば…
豊久は頭がおかしい。
島津の人はみんなあんな感じなのか?
最初は作画に驚いたが慣れたら平気。
むしろ、グロさを上手く調和してくれた。
音楽も鼓舞するかのようなアップテンポで良かった。
二期を期待!{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 12

85.2 12 グロテスクアニメランキング12位
劇場版 メイドインアビス -深き魂の黎明-(アニメ映画)

2020年1月17日
★★★★★ 4.2 (508)
2205人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。そこで、プルシュカと名乗る女の子に出会い…

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、森川智之、水瀬いのり
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

初日舞台挨拶に行ってきました

原作既読

TVシリーズの続き
あるいは2本の総集編映画の続きです

かわいい絵柄に反してハードな内容で知られるメイドインアビスですが
中でも特にしんどい部分の映画化です
その描写はそれまでのPG12指定からR15指定に引き上げられ
前売りの返金対応を余儀なくされるレベルなので
原作を知らずにこれまでの映像化部分のみの知識で観に行く人は
それなりに覚悟が必要です

メイドインアビスという作品の魅力は
未知の世界を一歩一歩踏みしめていく
ワクワクドキドキの大冒険と
過酷な運命に翻弄されながらも
そこに毅然と立ち向かっていく少年(?)少女の姿
その二つが両輪となって進んでいくストーリーにあると思っています

ですからメイドインアビスシリーズ全体としては
物語に5.0をつけても良いと思っていますが
今回の劇場版はあまりに後者に偏り過ぎています
ほのぼのしたシーンは序盤のリコ飯シーン程度のもので
一見ほのぼのして見えるプルシュカ関連のシーンは
結末を知っているとまったく心休まりません・・・

今回の舞台挨拶で続編製作が発表されたので
この後はもうちょっとバランスよくなるので
どちらかというとそちらに期待です

そんなわけで御通夜にでも出席するような心持ちで
今回の作品を見に行ったわけですが
漫画だと割とあっさり進んでいたバトルシーンが
大幅パワーアップしています
原作だと一コマ二コマの部分を大筋は変えないままに
がっつり尺を取って見ごたえのあるバトルシークエンスに仕上げてありました
この部分に関してはしっかりと劇場版クオリティで
それだけでも劇場まで足を運ぶ価値があったと思います

この先の映像化に関しては今のところ制作決定としか報じられておらず
1部ニュースサイトなどで2期決定などと報じられていますが
残念ながら根も葉もありません
原作のストックもそんなに多くありませんし
原作と並走する形で定期的に劇場版を公開する
という形なのではないかと推測していますが
どのような形であれこの先の映像化には期待しています

~・~・~・~・~・~・~・~舞台挨拶レポート~・~・~・~・~・~・~・~

初日の朝イチ、上映後舞台挨拶にて・・・(ネタバレ有)
{netabare}司会のおねーさん(カドカワのP)

司会「皆さんおはようございまーす!」
客「おはよーございます」
司会「あ、皆さんだいぶ探窟慣れしてきましたね!」
レグ役:伊瀬茉莉也「去年は我々の方もどう接していいかわからなかった」
リコ役:富田美憂「私たちもこの空気感に慣れてきましたね」
ナナチ役:井澤詩織「うんうん」
プルシュカ役:水瀬いのり「え!?・・・あの・・・
   私、今どういったテンションで行けばいいのか
   全然わからないんですけど・・・」

まぁそりゃそうなるよねw
ただ言わせてもらえば
後編の時はボロ泣きしてましたが
今回はそこまででもなかったです
グレードダウンしたというよりは
ボ卿の怪演が圧倒的過ぎて
そういう方向にあまり気持ちが動かなかったというか・・・

水瀬「私はこの作品に携わるのは今回が初めてなんですが
   実はTVシリーズの時にリコ役でオーディション受けてたんですよ」
富田「あわわわわ・・・」
水瀬「あ、いえ・・・別にそういう意味じゃないんですけどw
   私はオーディションの際に感情移入しすぎると
   落ちて辛い思いでになることの方がが多いので
   あんまり感情移入しないようにしているんですけど」
富田「あわわわわわわ・・・」
水瀬「いや、ほんと変な意味じゃなくてw
   でもこうして巡り巡ってリコたちと冒険することができるのは
   何かの縁なのかなと思うと嬉しいです」

冒険・・・?
それはカートリッジとしてかな?(´・ω・)
それとも笛として?(><;

司会「皆さんの思い入れのあるシーンを教えてください」

井澤「まずライザのモノローグとタイトルロゴ
  あれがいかにも映画だぞ!って感じで
  見ただけで鳥肌立った!」

食い気味に即答するしーたむ
確かにそこも良いけど
みんなが期待jしてるのはそういう話じゃないですw

富田「プルシュカがこぼれちゃうシーンの後
   場面転換があってそのあとの
   レグとナナチに『二人とも~』って呼びかけるシーン
   テストの時に通しでまとめて録ったおかげで
   前のシーンの感情が抜け切れてなくて
   ちょっと半泣きの変な感じになっちゃったんだけど
   スタッフさんからはなんか『面白い』って言われて
   でもって本番はそれに近づけようと何度も頑張ったんだけど
   うまくいかなくて結局テストのが採用されちゃいました」

意図せずうまくいかなかったときの演技を
もう一度出してくれって言うのは
なかなか難しい注文ですねw

伊瀬「雪の中で倒したボン様に
   プルシュカが駆け寄って泣きじゃくるシーン
   リコたちからしたらミーティの憎い敵でも
   プルシュカにとっては大切なお父さんだと思うと
   すごく複雑な気持ちになった」

確かにあのシーンまでで観たらそういう思いもわかります
でもそのあとボン様がその愛娘にした仕打ちを考えると・・・

伊瀬「レグが切り刻まれるシーンで
   台本には『……つ!』って書いてあるのを
   どうやって伝えるのか試行錯誤したのが印象的
   息を吐くのではなく息を吸う演技というを初めてやった
   スタッフさんとも相談しながらいろいろ試してみた」

こういう声にならない声をちゃんと声にするのが
やはりプロの声優さんの仕事ぶりなんですよねぇ
いい仕事してました

水瀬「『リコたちと冒険したい』って叫ぶところ
   最初の段階でキャラクターのディレクションとして
   『リコたちより少しお姉さんな感じで』
   っていうよいうに受けていたんですが
   リコたちの前ですこしお姉さんぶっていたプルシュカの
   内面に秘められていたものが解き放たれたシーンでした」

結末を知った状態で観に行くと
ものすごい死亡フラグにしか見えないんですが
原作未読組にはあれはどう映ったんでしょうか?

井澤「捕まったレグを取り返すシーン
   ナナチのまま怒りを表現したかったんだけど
   感情を込めすぎると全然ナナチじゃなくなっちゃって
   ただのイケメンじゃん・・・みたいな
   やっぱりあのアンニュイな気だるい感じがないと
   ナナチっぽさが無くなっちゃうんだよなぁ・・・んなぁ」

さすがに最初のだけではマズイと思ったのか
再びしーたむのターン
感情的になるシーンなのに感情的に演じてはいけない
うーん・・・難しすぎる注文ですね

舞台挨拶のラストに
TVシリーズからのアニメ化の歴史をたどる
ダイジェスト映像が流れその最後に
続編政策決定の文字が!

伊瀬「アニメ制作って箱根駅伝みたいなものだと思うんです」
周り「???」
伊瀬「つくし先生が原作を書いて
   それを脚本家がシナリオに起こして
   監督が絵コンテ書いて・・・
   そんな制作過程の一区間が声優によるアフレコなんだ
   お正月に箱根駅伝を観ながらそんなことを考えてた」
   そうやってつながってきたタスキが
   さらに続編へとつながっていくのがとてもうれしい」

オフにもそんな思考してしまうのは
やっぱりプロ意識のあらわれですね

水瀬「盛り上がってるところに水を差して悪いんですが・・・」
周り「(あっ・・・)」
水瀬「でも、聞くところによると
   原作ではリコちゃんがプルシュカを回想してくれるとか?
   なので是非そこをバンクじゃなく新録でやって欲しい
   マネージャーさんを通して『アフレコまだですか?』って
   定期的に圧力かけて行くのでよろしくお願いします!」

出番あるといいですねw
{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

妥当な構成と不適当な導線

2020年1月公開 105分でR15+指定


導線が悪いと思います。同時期で楽しめてる我々ではなく後続の方々にとって。
新作劇場版はTV版1期の続編にあたります。そして予定している2期はこの劇場版の続編になる模様。

 1期⇒劇場版⇒2期

矢印の変更やスキップはNG。1期は劇場版を楽しむための、劇場版は2期を楽しむためのそれぞれ必要条件が確定してます。しかもこれ以外に総集編映画が存在してたりと、視聴順が分かりづらく極めて不適当かと思います。
劇場版飛ばして2期観てしまう方が続発することでしょう。それ以前にやや混み入ってくると二の足を踏んでしまうものです。それが勿体ない。せっかくの良作なのにハードルが設置されてしまいました。


まあでも異議申し立てはそれくらいで、劇場版を続編としたことは極めて妥当な判断でもありました。劇場版として切り取る必然的な理由があったからです。
こと“冒険アニメ”に関しては私の浅いアニメ歴上この『アビス』ほぼトップクラスといってよい。
まず美術が素晴らしい。層を下がっていく度に景色が変わり、そのどれもが初めて見る光景だったり。さらに戻るべき場所オースの街も手抜きなしで描かれていることを地味に評価してます。
次に立ちはだかる困難が容赦ありません。“命がけの大冒険”を地でいくとこんな感じになるんだろうな、の説得力がそこにあります。
最後に探窟家のメンタリティがいかにもな感じでぶっ壊れています。
途中出会う人も先人もそして主人公のリコも。

{netabare}一層 : アビスの淵  深度0mから1350mの空間を指す。上昇負荷は軽い目まいと吐き気
二層 : 誘いの森   1350mから2600mの空間。上昇負荷は重い吐き気と頭痛、末端の痺れ
三層 : 大断層    2600m~7000m。二層に加え、平衡感覚に異常をきたし、幻覚や幻聴を見る
四層 : 巨人の盃   7000m~12000m。全身に走る激痛と、穴という穴からの流血
五層 : なきがらの海 12000m~13000m。全感覚の喪失と、それに伴う意識混濁、自傷行為
六層 : 還らずの都  13000m~15500m。人間性の喪失もしくは死。詳細不明{/netabare}

普通は一層すら勘弁です。そこを「憧れは止められない」で行けてしまうのが探窟家なんでしょう。
おさらいすると不動卿オーゼンの『監視基地』は二層。ナナチの住処四層は、リコがタマウガチに襲われミーティを送った場所であり、1期の終了地点でもあります。
そして五層『前線基地(イドフロント)』に待ち受ける黎明卿ボンドルド(CV森川智之)とのあれやこれやが劇場版で繰り広げられる物語となるわけでした。

このボンドルドがもう強烈過ぎて劇場版に押し込んだ感があるんですよ。
一大絵巻としての冒険物語がTV本編です。冒険というのは山場やポイントがあって、その一つ始めの関所にあたるのがオーゼンのとこ。オーゼンもだいぶユニークでしたが、二つめの関所の主ボンドルドには一人で根こそぎ持っていかれてしまいそうです。丸くなる前の野生爆弾くっきーが場を荒らしまくって後は一面焼け野原みたいな。冒険物語がバトルアニメに変貌してしまう怖さがありました。
全13話なりのバランスを崩しかねない存在それがボンドルド。ということで流れのあるTV本編からは切り離してリコたちに対峙させたのでしょう。動きも大きくなるのでスクリーンが映えます。

六層は還らずの都。上昇負荷は人間性の喪失もしくは死。目下リコ・レグ・ナナチの三名は五層なう。その五層には六層に行くため必ず通過しなければならないポイントがありそこにはボンドルドが鎮座。
因縁の深いナナチや一緒にミーティを送ったレグとリコにとっても激突必至です。果たして無事六層に向えるのか?動きが映える劇場版とか言っちゃってるのでドンパチはあると思っていただいてけっこう。

澄み切った悪意なき悪とはもっとも手が悪い。
人間でも善行を行ってると固く信じている時に最も残虐になれるのです。

冒険にとって必要不可欠なエピソードでありながらあまりにも規格外な存在であるため劇場版に押し込められた黎明卿をぜひご堪能ください。おそらく原作者の異常性癖がこれでもかと出ております。
あ、位置付けの話だけで文字数を取っちゃいました。



※ネタバレ所感

■1期のラストから

{netabare}「おや?反応が消えていますね」
「おめでとうナナチ。ついに成し遂げたんですね。」
「あなたにはたくさんのお礼が言いたい。是非ともまた会いたいですね」

1期第13話のラストのラストは黎明卿の不穏な一言で締めでした。
遡ることちょっと前。昏倒していたリコはミーティのお陰で戻って来られてましたね。

「私がずっと見てきた探窟家たちと同じ憧れにあふれた目」

リコの目に移ったミーティです。{/netabare}

{netabare}この劇場版で憧れを止められなかったもう一人の女の子が加わりましたね。これで五人パーティです。
ミーティを送って生への執着が無くなりかけてたナナチも「冒険が楽しい」と言いだしました。{/netabare}

これ以上ない2期への申し送りではないでしょうか?


一言
{netabare}ナナチとボンドルドの顛末はあれで良かったのだろうか?特にナナチ。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

-----

2020.10.31 初稿
2021.08.28 タイトル修正

投稿 : 2023/12/02
♥ : 58

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

物語は深界五層「なきがらの海」へ…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版と劇場版総集編前編・後編は視聴済です。
後編のラストでチラッと映っていたボンドルドとその娘・プルシュカが本作のキーパーソンです。


隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。
どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、
奇妙奇怪な生物たちが生息し、
今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。

「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。
そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、
次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。

アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、
いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。

ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、
アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。
リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも
自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。

深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。
リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。
ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。
そこで、プルシュカと名乗る女の子に出会い…


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

ナナチからボンドルドの人となりは聞いていたので、リコたちはボンドルドに関わることなく冒険を進められれば良いと思っていましたが、その発想は虫が良すぎたようです。

何故なら、深界五層で唯一第六層を目指せるラストダイブ地点が「前線基地(イドフロント)」に設置されており、ボンドルドはそのイドフロントを拠点としていたからです。
つまり、ここから先に進むにはボンドルドとの出会いが不可避である、ということになります。

常にお面を被っているので、ボンドルドがどんな顔をしているのかは分かりません。
ただ一つ、ボンドルドの行いはナナチから聞いていた話以上に常軌を逸していたことだけはハッキリ分かりました。
ボンドルドの思考の原点は「アビスのためなら何をしても構わない」というこの一点…
それが例えどれだけ非人道的なことでも…
だからボンドルドは命を使い捨てることすら厭わないんです。
何故、この作品がR15+指定になったのかが身に染みて分かった気がしました。

もう一人のキーパーソンである、プルシュカ(CV:いのりん)は、リコと同じ年くらいの女の子です。
天真爛漫で無邪気なプルシュカは、姿を見かけたら直ぐ抱きつくほど父親であるボンドルドが大好き…
ボンドルドが女の子をあやしている…こんな奇妙な構図を見せられるとは思ってもいませんでしたが、心の底から慕っていたのは間違いありません。

そして年の近い子供同士…仲良くなるのに多くの時間は必要ありませんでした。
リコたちと直ぐに打ち解け、リコたちの冒険譚を聞いて「リコ達と一緒に旅に出たい」と希望するようになったんです。
アビスで生まれ育ったプルシュカはこの深界五層が世界の全てだったから…
外の世界を見たいと思うのも、ごく自然な流れだと思います。

脳裏に浮かびましたよ…
リコ、レグ、ナナチにプルシュカが加わり、四人仲良く探窟している様が…
プルシュカはリコに懐いていたので、リコの前向きパワーに元気を貰って、苦しくても笑顔で乗り切っちゃう…そんな姿が浮かんだんですけどね…

どうしてこうなっちゃうのかな…

前触れが一切無かった訳ではありません。
ですが、最後の最後まで私は信じていましたよ…というより、信じたかったですよ。
まさかこんなにも平然と裏切られるとは思いもしませんでしたけれど…
もう悔しさで胸が一杯です。
だけど、最後の最後で希望の光が…奇跡を見ることができて、少しだけ救われた気がしました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

上映時間が約105分の作品でした。
これまでリコ達が対峙してきたのはアビスに住む生き物や呪いといったアビスそのものでしたが、今回は相手が同じ探窟家という点において、やるせなさを感じたのは事実です。
また視聴して心に痛みを伴いましたが、それだけ前に進むということが甘くないのも事実だと思いますし、リコ達が選択したのはそういう茨の道なので、多少の痛みは止むを得ないのでしょう。

シリーズの続編の制作が公式HPで発表されていました。
TVアニメ版、劇場版、それともOVAなのか媒体は分かりませんが、今後の発表に注目したいと思います。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 23

79.9 13 グロテスクアニメランキング13位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (519)
2148人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

何故に今頃リメイクか分からないけど、とにかくホゲホゲタラタラホゲタラポン!(ひょっとして作品登場後、半世紀記念?)

2019.01.23 初見印象◎

東京オリンピックも終わった翌年の1965年(昭和40年)以降、水木しげる御大の「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」に改題連載され、人に害をなす妖怪を退治する鬼太郎のブームがジワジワ浸透してきた頃、
戦後コミック・アニメの先駆者&神様と言われつつも同業漫画家の才能に何かと嫉妬深い手塚先生。(楳図かずお先生や石ノ森章太郎先生とか、他にも色々の方々に対しても)
「ボクにだってね、コレぐらいの事はやれるんですよ!」と対抗して生み出されたのが『どろろ』ではなかろうかという『噂』も最近では囁かれてます。(あくまで『噂』です)
そして1967年(昭和42年)、少年サンデーにて漫画「どろろ」連載開始。でも暗いストーリーに不評だったらしいです。 ああ、あれから半世紀。(ホント、50年も経ったんだ!)
言わずと知れた手塚先生の異色作で、何かと主人公を逆境に追い込み追い詰め、どん底から這い上がる「生命力の強さ・尊さ・美しさ」を謳(うた)う『手塚テイスト』作品の一つ。(ホント手塚漫画って作品により読んでて何度心が折れそうになったやら)。

・1969年(昭和44年)には白黒アニメ。劇中の男性コーラス(「ん~ん~ん~ん~・・・」っていう暗いコーラスのアレ)も相まって、子供向けTV漫画(アニメ)なのに「物凄く暗い」仕上がりでやや不評。
・2004年(平成16年)のプレステ2では「無限の住人」の沙村広明先生がキャラデザしたゲームが出たり、
・2007年(平成19年)には妻夫木くん主演の実写映画になったり、
・2000年以降から、たま~に舞台演劇にもなったり、
・成長した「どろろ」が「ドロロンえん魔くん」と一緒に「百鬼丸」を探す旅をする永井先生の漫画が出たり、
未だ何かしら『尾を引く』作品。(白黒アニメは一応完結した〆方にしたものの原作漫画や映画は未完で終わっており、何かしらモヤモヤした感じが作品にふれた人それぞれの妄想を掻き立てるのでしょうか?)

そんな「どろろ」が2019年1月から放送。アニメーション制作は「MAPPA」と「手塚プロダクション」。製作は「ツインエンジン」と『質』が高そうです。
リメイクにあたって色々改変(改正)&ディティール設定なんかもあり、原作で不明瞭だったところが付加したストーリーで描かれて見応えありそうですネ。

身体部位を奪った妖怪を倒して取り戻す百鬼丸の物語ですが、勧善懲悪色がやや濃いめの鬼太郎と違い「人の業」の深さを描いているので今回も暗そうです。

三話まで見て、{netabare}
・原作と違い今回の百鬼丸は、序盤「会話に近い意思疎通(テレパス)」が出来ず「魂の色」を感じて敵味方を判別することしかできないので、声も出せずコミュニケーションはかなり不憫。少しづつ『人の心』を創り出すような今後の成長が注目。
・原作ではゲスト扱いだった盲目の琵琶法師で居合いも嗜む琵琶丸が準レギュラー?でもスートリー進行を助けるような役回りは好感。
・原作で百鬼丸が恋した(愛した)戦災孤児の世話をしている未央(みお)。OPやPVで意味ありげに出てるので彼女の登場に見る前から心が痛みます。(若い頃、原作読んだ時に軽いトラウマになったもんです)
・百鬼丸の育ての父・寿海が何故『侍』を辞めて医者になったかというエピソードが熱い!しかもCVは医者だけにブラック・ジャック(大塚明夫)と何か嬉しい。(笑)
・残酷な戦乱描写もさることながら、戦災で手足を無くした子供の描写もあり、今回何故「地上波放送」されないのか納得。(暇な「クレーマー趣味」の輩を煽らない対応策?)
・百鬼丸の両腕の仕込み刀。長さが収まりきらないのか、肘からハミ出ている感じがちょっとリアルで面白い。
などなど。{/netabare}
「ヘタな仕事」はしたくない意気込みが感じられるますし今後も期待出来そうです。

幼少時は子供特有の憧憬で仕込み刀の百鬼丸がカッコよく見えたもんですが、年を経た今では生まれながらに親の業を背負い、身体部位が戻る度に激痛でのたうち回り、そうまでして「人」になろうとする姿を見ていると色んな意味で心苦しいです。

さて、
・PVにも出てた「妖刀・似蛭(ニヒルって・・・)」にとり憑かれ、凶剣鬼となった仁木田之介(にき たのすけ)と百鬼丸との対決。
・「どろろ」は何故{netabare}女の子なのに「男の子(生意気なクソガキ)」のフリ{/netabare}をしなければならなったのか?(大体皆さんご存知でしょう?)
・どろろの両親、盗賊集団の頭だった火袋(ひぶくろ:手塚スターシステムのブーン)とその妻・お自夜(おじや)の末路。
・OPにも出てた盗賊集団の裏切り者・イタチ(手塚スターシステムのハム・エッグ)の策謀(野望)。
・実の兄弟と知らずに邂逅、そして敵対してしまう百鬼丸と弟・多宝丸(たほうまる:蟹頭)の行く末。
・因縁の実父・醍醐景光(だいごかげみつ)と実母・縫の方(ぬいのかた)と百鬼丸の運命は?
・百鬼丸は果たして『人』に成ることが出来るのか?(何か「ダーク・ピノキオ」みたいに思えてきた)

と、色々ドラマイベントはありますが、どんな風に味付け調理した仕上がりになるか今後も楽しみです。



2019.07.15
【感想あにこれ・・・じゃなかった。あれこれ】
現代風解釈と創意工夫を盛り込んで良作の部類であったと思います。自分は満足です。 ただ、キャラたちの「物分かりが良過ぎる」展開がチョット不自然すぎたように思えます。なので予想して身構える程『鬱』な感じはしなかったです。

自分で言っててなんですが「ピノキオ」的ファクターも少しありましたね。
百鬼丸→ピノキオ
どろろ→コオロギの幽霊・ジミニイ(ジェミニ)
寿海→ゼペット爺さん
{netabare}
[百鬼丸]
これまでの百鬼丸と違い、「ニヒルで物憂げで危ないお兄ちゃん」ではなく「本能に生きる無垢なモノ」というようなキャラ設定。当初は声も出せず、声を取り戻しても「言葉」を知らないのでカタコトで少ししか話せないまどろっこしさが「リアル」でイイ。
対人、対物の識別を『魂の色』で感じるというアイデアはよかったですネ。敵意あるモノに対しては視聴者側にも解るように小さな「赤い炎の数」で判るという、まさに『人間ドミネーター(サイコパスガ規定値ヲ超エテイマス。執行対象デス)』(笑) 人体欠損部位も48カ所から12カ所に変更されてるのも何となく納得いく設定(そら、48カ所もなかったら生きてられないって!)。
様々な経験で取り戻していく「体」、育まれていく「心」。本来あるべき「人」になっていく百鬼丸。しかし最後の試練は・・・鬼気的なもので、一歩間違えれば「闇堕ち」でした。
声は2019年の舞台版・百鬼丸と同じ鈴木拡樹さん。セリフ殆ど無いですが悪くはないです。

[どろろ]
もう大体ネタバレされてる様に「女の子」です。父母を死に追いやった「侍社会」を憎み、無鉄砲・啖呵と威勢だけは一人前で天涯孤独。女々しさで生きられるほど世間は甘くなく、男装で悪業(コソ泥稼業)をしてまで生き抜こうとするバイタリティー。原作では「バカなクソガキ」でしたが、今回は小さいながらも百鬼丸を気遣う母性(女性?)的な面や、社会体制(民百姓の暮らしなど)を真剣に想い悩み考える「賢さ」がステキ!
声は鈴木梨央さん。本業は子役からの俳優・タレント業ですが、それほど悪くはなく良かったと思います。「下手クソなのに無理くり入れたアイドル」よりは!「滑舌悪いのに採用されるタレント」よりはっっ!!!(笑)

[寿海・琵琶丸]
かつては武士だった寿海。戦さ(殺傷)に無常を感じ、武士を辞めて大陸(朝鮮か中国?)に渡航して医術を学び、「白」一族からはからくり人形の技術を習得。(ココは嘘です。でも時代的に白銀・金兄弟が西欧目指したのもこの時期かも。)(笑)
帰国後は戦場で「かたわ(身体を切り落とされた)」の遺体に義手義足を取り付け五体満足の「人の姿」にして供養したり。戦傷で無くした手足を義手義足で補う治療医師を行い戦没者に対しての贖罪のような生活・・・う~ん、業が深いような・・・
原作では、この頃の医術って「薬湯」が主流なのに対し、寿海は「外科」をを行う「異端医師」なので、人里離れたところに居を構えてたんだけどね。

気がついたら何故かいる琵琶丸。困った時に現れる琵琶丸。出てくる度に禅問答みたいな「道」を示す名バイプレーヤー。(笑) 全盲なので視界が百鬼丸と「同じ」というのも面白い。

[未央]
「相愛同士は結ばれず、悲運を乗り越えてこそ人間賛歌」という手塚トラウマの一つ。(苦笑) 幼少時、原作読んでび未央が百鬼丸に「汚れた女」という告白の意味が良くわからなかったのですが、大人になって察しがつき、今回気を引き締めてみましたが・・・やはり辛かった~~。(泣)
劇中歌「赤い花白い花」は昭和童謡なので作品(時代的)に合っていたかたというと・・・私個人としては△デス。

醍醐家の人々
[醍醐景光]
原作では野心の強い憎たらしい「外道暴君」でした。今回は領地の君主としてやや人間味ある感じに思えます。作中寡黙なシーンになると、ヤってしまった事(生まれたばかりの息子を鬼神に貢いだ)への後悔やら、贖罪やら、無かった事にしようと払拭する思いやらが、普段の固い表情からジワジワ伝わってきそうでした。毎度作品によってオチが違う景光。今回は・・・コレでもアリかなと思います。

[縫の方]
悲しい程典型的な普通の女(ひと)。身を痛めて産んだ我が子が人の姿をしてなくても慈しみ、しかし家長・景光の命で泣く泣く手放した事への後悔と懺悔。
運命の再開で叫んだセリフ。「百鬼丸!許してください!わたくしは・・・わたくしは!・・・そなたを・・・救えませぬ!」。コレは心底身につまされる思いです。それでもなお、「母」の愛は強かった(?) 終盤は結構立ち回ってくれました。

[多宝丸]
どろろに次いで準々主役。原作では武家社会にふんぞり返った憎らしい若き暴君でしたが、真っ当に次期・醍醐家当主になるべく日々研鑽し、国(領地)と領民を思い、歳の近い戦災孤児・陸奥、兵庫の姉弟を幼少時から従者に付けて人間味ある若様ぶりに成長してきました。が、ただ気になるのは頑張っても母・縫の方が自分を気にかけてくれないこと。その原因となる百鬼丸が現れると・・・兄が居たことに嬉しかったのもつかの間、
・百鬼丸が鬼神を倒して体を取り戻す度に醍醐の土地は疲弊していく。
・母の憂いの原因は実兄・百鬼丸への愛のみにあった。
という事実に、
・領主としての使命感20%
・母の愛を独り占めされてるような嫉妬感80%
ぐらいの比率(笑)で執拗に百鬼丸と対立。いろいろガンバッたんだけど・・・ものすごく不憫で可哀想な役まわりでした。

でも城下町でお団子喰ったら、ちゃんと銭は払おうね。(笑)

[オリジナル・エピソード]
幾話かアニオリがありましたが、
第七話「絡新婦」
女性型人外と若者(男)のなれそめ話ってケッコウ好き!

第十九話「天邪鬼」
終盤間際なのに、イキナリの手塚ギャグ・テイストの投入!ヒョウタンツギにスパイダー(オムカエデゴンス)まで出てくるとは!!(笑)
{/netabare}
厳密にツッコめば甘々なトコロも多少ありますが、リメイク物として設定や時代考証など割と丁寧に作り込んでた部類だったと思います。

投稿 : 2023/12/02
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

This is Japanimation

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
日本で、近年に制作されたアニメの中で、「外国人にオススメしたいアニメ」と言われたら、本作を勧めます。

それは、「最近のアニメで一番面白い」というのではなく、「外国人が喜びそう」という観点です(やや安易ですが)。

例えば私は、食べ物の中でラーメンが一番好きで、日本のラーメンはもはや日本食と言って良いレベルに昇華されているとは思うものの、やはり、「外国人にいきなりラーメン屋を勧めるか」といえば、その勇気はなく。もっとベーシックな和食(の中で旨い店)を勧めるでしょう。

そないな感じです。

作画は、ディズニーやピクサーのようなポップさや、ジブリのような幻想的な美しさがあるわけではありません。が、日本のアニメ独特の格好良さがありました。世界観など、やはり外国人にウケるものに感じます。

原作漫画は、多分大昔(小学校低学年の時)に1度読んでいるはずですが、内容はほぼ忘れています。薄い記憶頼りですが、多分、アニメ化にあたり、かなり簡略化し、現代風にしているように思います。この辺は、賛否あるでしょうね(私はまた別物として楽しめました)。

もし、視聴のポイントを言うなら、「部屋を暗くして近づいて観てね」ですかねw(画面をいっぱいに感じてほしい)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「人になることは、人として生きることは、不幸なことなのか?」

そんな問題提起を感じました。

百鬼丸が体を取り戻す瞬間に、初めて得た感覚は大抵、「苦痛」であった。感覚が戻れば、切られた痛み。聴覚が戻れば、雨音に啜り泣きの声。嗅覚が戻れば、硫黄の悪臭。両手が戻れば、血に濡れた武器を持つ。

それでも、それでも百鬼丸は、自身の体を取り戻そうとする。それは、利便性や復讐などではなく、もはや、「性(さが)」。本人にも分からない、どうにもコントロールできない、「熱いなにか」が、百鬼丸を突き動かしていた。

それは、生物として根元的な、「生きる」という意志。最後に目(全身)を取り戻した時、見たものは、母の姿に夕景に、どろろ。全て、美しいものだった。わずかな、救い。

そういう意味では、圧倒的なまでの、「生命讃歌」だった。

原作をちゃんと読んでいないので、手塚先生がこの作品に何を込めたかは分からない。でも、アニメを観た限り、そう感じた。

他にも、考えるべき事柄は多過ぎて、1回観た程度ではまとめきれない。

例えば母親。多宝丸の件に関しては、明らかに母親の愛情不足なのだが、もしかして、百鬼丸は「愛した男の子供」であり、多宝丸は「もはや愛していない男の子供」なのかな? だとしたら、母親もだいぶ、業が深い。

例えば、多宝丸。彼はたくさんの「宝」を持っていたが、最も大切な「愛」をもっていなかった。それは不幸ではあるが、百鬼丸からすれば、また一般の庶民からすれば、「金持ちの無いものねだり」にも感じられる。結局、人間とは、どこまでいっても「足りない」ものなのだろうか。だとしたら、業が深い。

他にも、イタチの死に様、というより生き様は、たんなる悪役と切り捨てられ無いだけの印象を残してくれた。善人も悪行を成すし、悪人も善行を成す。そんな人間の矛盾を感じさせてくれた。

みよ姉も、たんなるゲストキャラとは言えないだけの印象を残してくれた。最後まで汚れずに死んだお自夜(どろろの母)も立派だし、汚れながらも生きようとしたみよも立派だった。この辺は、簡単に良し悪しで語れるものではないだろう。

この色々と五月蝿いご時世に、よくこの原作をアニメ化したなと、感心。勿論、身体に障害を抱えた方にとっては、心が痛む内容であり、許せない部分も多分にあるのではないかと心配する。でも、やはり「表現する」という部分において、力がある原作であることは間違いなく、清濁併せ飲む覚悟で、後世に残すべき作品だろうと思った。

まあ、「人として生きる上で追求すべき普遍的なテーマ」ならまだしも、「アニメ」という「娯楽」において、あまりに「尖った主張」をすること自体は、好きじゃないんだけどさ。
{/netabare}

【余談~ 作品における原作者の影響 ~】
{netabare}
以前、私の大好きな小説家が覚醒剤で逮捕された。そして、本屋から彼の本が消えた。

勿論、覚醒剤は悪いことだ。覚醒剤をやった彼も悪い。きちんと罪を償うべきで、いくらファンだからといって、擁護する気は1㎜もない。

でも、彼の生み出してきた作品に罪があるかと言われたら、私は「ない」と思っている。

勿論、「クソみたいな彼が書いた本はクソだから読みたくない」と思うのも、自由。本屋も商売だから、彼の本を置かないのも、自由。

でも、それ言い始めたら、芥川や太宰の本なんか1冊も置けないでしょ。なんで、芥川や太宰は許されて、彼は許されないんだろうか?

それは勿論、「格」が違うから。

芥川や太宰なんかは、なんていうかもう、「絶対的な是」なんだろうね、国民の中で。芥川や太宰は、もう、「芥川龍之介」や「太宰治」という「存在、ジャンル」であり、「人」としての枠組、常識に当てはめる必要もない。

であるならば、同じように、「手塚治虫」もまた、「絶対的な是」と言える格があるだろう。だからこそ、このような「問題作」もスルーされる。

私が何を言いたいかと言うと、「それで良い」ということ。

芥川や太宰の小説も、手塚治虫の漫画も、全てが道徳的というわけではない。中には、差別的なもの、犯罪まがいのものもあるだろう。でも、それを「臭いものに蓋をする」ように、全てを「無かったこと」にするのが正しいとは、どうにも思えない。

小さい子に読んで聞かせる絵本や童話を、全て「良い話」にするより、「恐い話」や「悲しい話」を混ぜた方が、豊かな情操が育まれるとも聞く。保育園の角という角の全てに柔らかいスポンジを取り付ければ、確かに保育園では怪我はしないが、無闇に走ると痛い思いをするという学びは得られなくなる(勿論、それで死んでしまったら最悪だし、幼い内から汚いモノに触れすぎ、他人を平気で傷付けるようになってもいけない。この辺のバランスは難しいところではあるのだが)。

話を初めに戻すと、私は、芥川の作品も太宰の作品も手塚治虫の作品も、もっといえば、過ちを犯したの彼の作品も、生み出されたモノ(作品)は出来る限り後世に残すべき、伝えていくべきだと思っているということ。

あくまで、フィクションはフィクション。それ自体に人を傷付ける力はない。

人を傷付けるとしたら、そういうものに影響された、人だ。常に。

それが毒なのか薬なのか、それは個人が、あるいは後世の人が判断すれば良い。私たちは、正しく取捨選択するだけの価値観や倫理観、知性を磨けば、それで良い。かめはめ波で人は殺せるが、かめはめ波を実際に撃とうと思う、人を殺そうと思うバカを育てなければ、それで良い。

どろろ のアニメ1作目は、「大人の事情」により、ほとんど再放送されないと聞いた。そんな「問題作」を、これほど高いクオリティで再アニメ化した制作陣に、拍手を送りたい。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
スタートからいきなり深いな。仏への疑心が生まれる前に死ねるのが救い、って、もう疑心は生まれているわけね。

戦闘シーンは、よく動くな~。

前期のグリッドマンでも感じたが、やはり、「ガチの熱量」で作るアニメは、面白い。

2話目 ☆3
焼き魚に驚く、つまり、命が見える。魂の色。話の筋としてはよくある話。自らの身体を取り戻す話。

3話目 ☆4
かなりグロいんだけど、なぜだろう、グロさを感じないのは。古典的な話しがきっちりハマってるんだよな。まあ、そもそも古いんだけど。大陸で学んだという設定がな、オーバーテクノロジーだよな。二組の親子の対比。

化け物が人の器官や感覚を欲しがる理由。痛覚戻りは、この段階では不利だろうな。

4話目 ☆4
聴覚を取り戻し、最初に聞いたのが、雨音と啜り泣きか。

5話目 ☆4
みよ姉、川でナニを新って洗っていたか、だよな。身体を売っていても、魂は綺麗なんだな。歌も美しい。みよ姉、死亡フラグだよな~。得るものがあれば、失うものもある。

6話目 ☆5
痣? 性病? 田んぼを持つのが、夢、か。死んでも身体を売らなかったおっ母ちゃんも偉いけど、身体を売ってまでも生きるみよ姉も同じくらい偉い。

足、戻るもんなの?

心は取り戻したの? それとも元からあって、身体を取り戻したことで復活したの?

性善説、性悪説、そんなところかな?

7話目 ☆4
愛を知り、魂が浄化されるアヤカシ。ますます、性悪説だな。最後の蜘蛛といい、一話目の羅生門感といい、このへんは芥川オマージュなのかな?

8話目 ☆3
なんか前向き過ぎるが、サルは、死というものを身近に感じてきてたかな? と思わせての、夜泣き。緩急が上手い。初めて人間の感覚が役に立ったな。ただ、あの高さから落ちたら死ぬよね。初めてかいだ臭いが硫黄、悪臭か。

9話目 ☆4
どろろの過去。母の強さ。餓死、か。厳しいな。なぜか、ラブコメの波動が(笑)

10話目 ☆4
多宝丸、お坊ちゃんだけど、なかなか優秀。

11話目 ☆4
百鬼丸も、赤くなる。生きていくことは、汚れていくこと。

12話目 ☆4
確かに、言い分としては、分かるんだよな。因果だね~。

13話目 ☆3
新OPも格好良いね。EDは一期の方が好き。 背中に地図。ストーリーが動くかな?

14話目 ☆4
金があれば、余裕ができ、未来を考えられる。その通りだな。

15話目 ☆4
平和な村の様子は、コミカルで、どこか浮世離れしている。作り物の世界のよう。妖怪か、神か。背骨が戻ったか。

16話目☆4
イタチのキャラは、なんだか難しいな。基本的に悪役だが、それだけでもなく。正直、というところかな。

17話目 ☆4
狼狽するどろろ。いよいよ、真実に近づく?

18話目 ☆5
イタチの生きざま、死にざま。良し悪しではなく、ひとつの真実。敵キャラとして、かなり記憶に残るキャラとなった。

19話目 ☆4
珍しい、コメディタッチ。オチまで含めて、素敵な話だったな。こんなんも、箸休めには良いな。

20話目☆3
作画力、落ちてきたな~。

21話目☆4
シリアス、シリアス。らしくはなってきた。

22話目☆4
魔神の力に手を出したらね。壮絶な最後。執着。人とはなんだ? おいらが、手足になる、目になる、だから鬼になるな。母親がな、多宝丸に愛情を注がなかったから、こうなる。でも、もしかして百鬼丸は、「愛した男の子供」であり、多宝丸は、「もはや愛していない男の子供」なのかな? だとしたら、母親もだいぶ、業が深い。あってもなくても、足りない。思えば、鬼神も人間になりたかっただけ。
{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 29
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

成長の在処

*微修正



手塚治虫のマンガ『どろろ』の再アニメ化。

1969年の白黒アニメのリメイクではないが、それでもあの主題歌はどこかで挿入して欲しかった気がする。
「主題」を歌うものとしてのTVアニメ「主題歌」の傑作の一つと思うのだが、動画サイトあたりで試聴できるかもしれないので見かけたら聴いてみてほしい。


末法を思わせる、戦国の地獄のような世界であがく子供と若者の物語。

手塚のマンガには「戦争」や「戦場」が無数に描かれるが、例外なく「人間の人為的な行為」として、「責任者」や「実行者」が設定されている。
「戦争」は、「責任者」が「実行者」に命じて行わせている「行為」であって、降ってわいてくる「現象」ではない。

おそらく自伝マンガでも描かれているように、戦時中の軍需工場の勤労動員の経験から来ているのだろう。
手塚にとって「戦争」そのものである理不尽な「命令」は、眼前にいる顔のある「担当者」が、頂点の「戦争責任者」が組織した機構に沿って順繰りに「人の手によって」手渡されてきた、行動の「連鎖」として捉えられている。
「命令」と、手渡す「実行」を行う行為との合体として。

それは、仏教の末世を思わせる『どろろ』の戦国世界でも変わらない。
これは宗教的な「地獄」ではない。
「サムライ」が引き起こしている「戦」による結果なのだ。
大将が「戦」を決断し、足軽が実行することによって初めて現出する、「人の」世界。

こうした手塚マンガの視点は、69年の初アニメと同様、本作へも引き継がれている。

農民や職工などの「常民」からは理不尽な「地獄」のように見えている「この世」は、戦を望む「サムライ」の意思決定から生じる「人為」であることを、半ば「この世」からはみ出す「怪異に取り付かれた若者」と、棄民として「常民」から排除された「何ものでもない子供」の視線が暴き立ててゆく。

主演の二人は専業の声優ではないようだが、周囲の声優の演技から少し浮いた感じが、「常民」から遊離して「この世」から半分浮上したキャラの距離感とよくマッチしている。


{netabare}しかし、21世紀アニメの本作では、怪異に取りつかれた若者が肉体や感覚を取り戻す過程は、若者が「世界」を「知っていく」過程として描かれ、奪われた「自身」を「取り戻して」いく完成した「大人」として最初から登場した原作や前作とは対照的だ。

確かに現代的な視点ではあるとは思うものの、まるで赤ん坊が「成長」する過程とダブらせるような展開のさせ方は、やがては物語を破綻させるのではないかという不吉な予感を感じさせてもいた。


アニメの視聴に際して、「成長」に対して、つい身構えてしまうような警戒心を抱いてしまうのは、「成長」というタームは無前提に特定の価値観を肯定する場合が多いからだ。

事象は様々に変化するものだが、「成長」は、特定の価値観のフレームを通して見たとき、肯定的=「良い」とされる変化に対して使われる「評価」だ。

咲き誇る花に「価値」を見るフレームからは、花を咲かせるまでが「成長」と呼ばれ、しおれる様は「老化」という事になる。
種子を実らせることに「価値」を見るならば、しおれて枯れ落ちる花弁は「成長」途上になるだろう。

逆に言えば、ある変化の過程を「成長」と呼ぶことは、背後の価値観を「肯定」しているということだ。
ある変化を「成長」=「正しい」変化と受け入れてしまえば、自動的に評価基準であるその「価値観」が正しいと受け入れることになる。

違う言葉で言えば、「成長」という言葉を使えば、背後の価値観の是非を問われることを避けられる。
何処の職場にもいる、二言目には「成長」や「進化」という言葉で説教する上司は、その時々で自分に都合のよいものを「正しい」と押し付けられるから、こうした言葉を振り回し続ける。

現実世界の子供の「成長」のように、ある程度、成長を定義する価値観の共有がなされているならばいい。

が、まったくのフィクション、それも怪異や異能が登場するような架空「世界」で、世界観やストーリーラインの価値観を説得的に構築しないまま「成長」を振りかざすと、異なる文脈上での「成長」=価値観が混乱して、意味不明かご都合主義の印象にしかつながらない。

本作ではどうだろう。
赤ん坊に類比的な、社会の構成員として周囲と調和的に生きるすべを身に着けていく「成長」的価値観と、「奪われた」ものを回復していく「奪還」の価値観には接点がない。
いや、「周囲との調和」と「奪還」は、両立が不可能な対立項とさえいえる。

終幕で、難民化した「常民」たちが、生活を脅かす「怪異」の根本は、青年が鬼神から自らを「奪還」する結果ではないかと推量する場面は、この対立項の「対立」性が、物語の表面上に浮上してきた瞬間でもあるだろう。


ここで現代人である視聴者が誤解、あるいは見落としがちなのは、サムライ=「領主」は領民の「代表」として領地を治める「義務」を果たしているのではない、という点だ。
「領主」はその国における唯一の「主権者」であり、領地も領民も、一切の(政治的)権利を持たない領主の所有物に過ぎない。
形式の上では領主の奥方も子供も「所有物」であって主権者などではない。ましてや「領民」は言うまでもない。

だからこそ、国の為といいながら、犠牲に捧げるのは自分という「主権者」ではなく、子供という「所有物」なのだ。
「領地=所有物」と「子供=所有物」の交換であって、主権者という特権的な位置から見比べて手持ちのモノの価値を計量したに過ぎない。

国を「治める」行為の一切は、いわば所有物の手入れであって、「奉仕」や「施し」のごとく語るのは厚顔無恥の度が過ぎるというものだ。

旧作の白黒アニメの主題歌が使われないかと期待したのは、あの主題歌が、正にこうしたサムライの自讃じみたタテマエが、ただの宣伝文句に過ぎない欺瞞であるとハッキリと歌詞として言語化したものだったからだ。

領民を「保護」=育成することは、「所有」=管理を言い換えただけのことで、「サムライ」の善意でもなければ義務でもない。
サムライに護って「もらって」いるかのような領民の日常感覚は錯誤に過ぎないことを、この場面での主人公の「アジテーション」は暴き立て、生贄=「所有物」である青年を、領民=「所有物」が犠牲にしようとする倒錯と欺瞞を糾弾する。

サムライの所有物として存在する「領民」であることを捨て、自身が自身を支配する新しい「この世」を提示する「アジテーション」は、こうして「成長」と「奪還」の対立による物語の空中分解を阻止するとともに、阻止自体が、そもそも青年の「変化」には「成長」を重ねる「価値観」など含まれていなかったのだと証明するものでもある。

そう、作中に頻繁に登場する手足を失った人間たちは、手足を失ってもなお「人間」だ。
手足を喪失したからと言って、「人間」以外の(以下の)ものになるわけではない。
青年もまた同様に、成長するまでもなく最初から「人間」であるのだ。

琵琶法師が「修羅」と仏道=「慈悲」の間でもがくのが人間かもしれないと呟くように、顔のない仏像に始まり完全な仏像で終わる物語は、人間としての社会的「成長」を限定的に肯定するのではなく、その先の見果てぬ「価値」を追い求めるものとして人間を定義しようとしたのだろうか。
破綻なく「奪還」と調和した物語は、そう語っているように思える。



もしも敢えて「成長」を探すとしたなら、それは主人公の「棄民の子供」が提示した「サムライ」のいない「この世」の可能性=「未来」と、「奪還」を完了してこの世に生まれなおした青年との再会の可能性=「未来」の中にあるのだろう。

まるで早すぎた市民革命のような主人公の構想は、戦国の世を知る視聴者には、虚しい夢のように見えるかもしれない。
が、戦国時代には、一向衆によってサムライの支配を拒絶した社会を創ろうという一向一揆が頻発している。
加賀では、そうした「国」が90年ほども維持された。

歴史の流れの中では一瞬の夢かもしれない。
しかし90年は、平成と昭和の全期間を合わせた時間とほぼ等しい。
昭和の後期に固まった社会機構が、存続するのか潰え去るのか不透明な現代の視聴者が、一瞬の虚しい夢と冷笑することはできないだろう。

だが、現実の市民社会が理想郷ではないように、主人公が構想するサムライのいない「この世」も、理想郷ではありえない。

難民による青年のリンチをかろうじて防いだ主人公の「アジテーション」だが、「自分たちの生活を安定させるために、『生贄』は抵抗せずに黙って犠牲になれ」という難民の主張は、現代のSNSで毎日うんざりするほど凡庸に繰り返される放言と同型的だ。

犠牲を要求する難民の主張は「サムライ」のプロパガンダする欺瞞に捻じ曲げられた誤謬だと指摘する「アジテーション」の論理は、「領民自身の社会」において、「領民自身の意志」として主張されたとき有効性を持たないだろう。

新たな「犠牲の否定」の論理はどのようなものになるのか。
本作の、修羅と慈悲の間でもがく戦国の人間へ投げかけられた問いかけは、SNSに妄言のあふれる現代にも変わらずに問いかけられているようだ。{/netabare}

投稿 : 2023/12/02
♥ : 11

80.5 14 グロテスクアニメランキング14位
メイドインアビス 烈日の黄金郷(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (392)
1435人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。 どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。 「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。 そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。 アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。 ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。 リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。 深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。 リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。 ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。 そこで、出会ったプルシュカと名乗る女の子は、ボンドルドに育てられ外界を知らずにいた。 リコの冒険話に夢中になり一緒に冒険に行きたいと願うが、あえなくボンドルドの実験に利用されてしまう。 しかし、プルシュカは形を変えリコの白笛となり、一同は深界六層「還らずの都」へと進む。 そこには、成れ果てが独自の価値観を持って生活している「成れ果ての村」が存在していた。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

胸糞感が度し難し!冒険家には「呪い」という名の祝福とルサンチマンの「叫び」を手向けとして贈りましょう…

世界観には独自性があり、濃厚、壮大、広大のこってり豚骨風味。
本作は他を圧倒する底力、潜在力を持っていると言えるでしょう。
そして音楽面も文句のつけようもなく、{netabare}特にedの「味噌&ロイド」の曲は世界観にベストマットしてるものと認めざるを得ませんが、、
如何せん!{/netabare}どうにも度し難い!!のは、この「胸糞」展開であります。

●総評
{netabare}
独特の世界観や雰囲気には目を見張るものがあると言えますが
それに対してストーリーの評価となると残念ながら巧く機能していないような印象を受けました。

よって最終的に物語評価を更に下方修正いたします。

「烈日の黄金郷」のヒロインかつ主人公はプリンセスファプタでありました。
故に彼女の復讐物語が成就すべきであることも、彼女の復讐物語に正義があるのも
大いに納得がいくところでありますが、それに対してアビスの真のヒロインかつ主人公であるリコは
成れ果て村の住人との交流があり、親近感が生まれたことによりファプタの復讐を阻む立ち位置に
あるはずなのにもかかわらず、残念ながら存在感がまるでありませんでした。

本来の主人公であるはずの彼女の見せ場と言えば
笛吹くか、脱糞するしか、なかったような気がいたします。

プリンセスファプタの戦闘力が異常に高すぎたため、人間であるリコに対抗手段がまるでなかった
というのもファプタにバランスが片寄り過ぎたという問題に繋がりますが
それ以上にリコであれ、レグであれ、ファプタの復讐劇を止めるだけの動機や
正義みたいものを示せなかったのがかなり大きかったような気がしました。

正義の天秤がファプタの復讐劇に片寄り過ぎたなら、住人皆殺しの大量虐殺完遂
こそがハッピーエンドみたいなおかしな話になるようにも思います。

リコやレグは住人たちを守る側の立ち位置でもっと自己主張なり、自分の思いを
復讐の姫にぶつけることにより天秤の均衡を自らに引き戻すべきであり
復讐の正義が圧倒したままの状態では物語に「葛藤」は生まれず
それなら姫と旧知のレグも復讐の手助けをすべきということに
なり兼ねないのでは?という話になります。

本作のヒロインVS本シリーズの真のヒロインが正面からぶつかり合うことで生まれるはずだった
「葛藤」を巧く描けなかったのは痛恨の空振りであったと判断いたします。

べラフの記憶を利用してヴエコとファプタを結びつけるというやり方は便利で合理的ではありますが
ヴエコとファプタの人間関係をなにかしらのエピソードでもって個別に描かなかったのも
なんだか物足りないような印象を受けました