青龍 さんの感想・評価
3.7
これからどこへ向かうのか…
春原ロビンソン原作、ひらけい作画による原作漫画は、『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載中(既刊13巻、原作未読)。次にくるマンガ大賞2020Webマンガ部門2位。
アニメは、金森陽子監督。制作は『かげきしょうじょ!!』、『Do It Yourself!!』などのPINE JAM(10話まで視聴。評価は暫定。)。
まずいいたいことは、タイトルにだまされてはいけないということ。
一般的に想像されるような「拷問」要素皆無のギャグアニメで、気楽に観れる(多分、タイトルの"拷問"はそういう意味。)。
あらすじは、魔王軍と敵対する人類側の王女であり国王軍第三騎士団長の「姫様」が、魔王軍に囚われてしまったものの、拷問官の「姫様拷問の時間です」というセリフとともに始まる「拷問という名の手厚い接待」を受けるというお話。
そして、甘やかされまくった姫様がついついほだされて国王軍の秘密をバラしてしまうという「ほのぼの展開」までがデフォルト。
例えるなら、イソップ寓話の「北風と太陽」で北風と見せかけて太陽しかないやつ。もしくは、高潔な姫騎士様への拷問、「クッ、このような辱めを受けるくらいなら殺せ」的なイメージからのギャップ萌え。
具体的には、 {netabare} 深夜にこってり濃厚ラーメンを目の前で食べられ、食べたいなら秘密を吐け的な展開で、姫たる我がそんな誘惑に負けてたまるかっからの、ついつい食べる姫様がとにかくちょろくて、かわいい。 {/netabare}
イメージ的には、最近だと『魔王城でおやすみ』が近いか。
姫様は牢屋で監禁されているのに剣を取り上げられていないのだが、その剣はしゃべる剣でギャグマンガに必要不可欠なツッコミ役となっている。
また、基本的に中世騎士道的な世界観だが、テレビゲーム、「コ〇ラのマーチ」、「ディ〇ニーランド」が出てきたりするので、その辺の設定はガバガバ(ただ、日本人にしかわからない感覚かも知れない…。)。
難しいことを何も考えずに気楽に観れるギャグアニメとしてオススメ。
また、キャラの造形が全体的に「とにかくかわいい」。特に日高里菜さん演じるマオマオちゃんがよく(個人的にはトーチャーが好み)、キャラをゆるく愛でる作品かも。
ただ、ギャグアニメとしては、手を替え品を替え、拷問官をかえ、姫様を甘やかしているものの、同一展開による飽きや、原作漫画が続刊中ということもあり、1クールアニメとしてどこかで山場をつくって物語として一定のオチを付けるのは難しそう…。
コメディは、お笑いで一番を決める大会のように人によって好みが分かれやすいと思うので、迷ったのなら、とりあえず1話観てみるのがよいかと思います。
【声優】
『無職転生Ⅱ』でサラ役を演じた白石晴香さんが、今回はコメディということもあって、瞬間的に大きな感情の変化を求められる姫様という難しい役どころを好演中。
剣(エクス)には『ゴールデンカムイ』で杉元佐一役を演じた小林親弘さん(ツッコミ役多い?)。
個人的に、魔王軍最高位拷問官役トーチャーの伊藤静さんと魔王役の玄田哲章さんがツボ。
【10話までの感想(2024.3.12追記)】
4話で姫様以外の、「魔王」と「剣」へと"拷問"の対象が追加。魔王軍が魔王に拷問とかもはや何でもアリの展開(笑)。
6話までの前半戦が終了。7話は、魔王の娘の運動会のお話。他のアニメだと、海水浴回とか温泉回といった箸休めの回にあたるのかな…
8話で怖い系の拷問官が新たに登場。うーん、どこまで引っ張れるか。
10話で水着回きました(笑)。
ここまで、魔王軍と国王軍が戦っている割に、姫様と魔王様との相互理解が進んでもう争う感じじゃない(笑)
さらに、トーチャーが普通に人間のビジネスホテルに泊まってる…、戦ってるんじゃないのか…
毎回、その設定を忘れそうになるので、冒頭でそのあたりの設定をおさらいしてるんでしょうね…
さて、後半戦は、原作漫画が続刊中ということもあり、こっから1つのお話として山場をつくってオチをつけられるかに注目してみていこうと思います。
と書いたものの、落とす気なさそうですね(笑)
本作は、このギャグのノリとキャラクターが好みだとハマるかも。