騎士で勇者なおすすめアニメランキング 22

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの騎士で勇者な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月28日の時点で一番の騎士で勇者なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.2 1 騎士で勇者なアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (446)
1504人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 48
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 {netabare}・マッドハウスの本気度を感じさせる精力的な動き
  ・金曜ロードショーで2時間(4話分)を一挙放送
   昔から第1話1時間拡大ってのはありましたが、「推しの子」の90分を凌
   ぐ2時間拡大スペシャルで勝負にきました。しかもまだ他作品が出そろっ
   ていない9月中にぶっ込んでくるなど、かなり精力的な動きが見られます。
  ・連続2クールまで明言
   コロナ以降分割2クールの作品が格段に増えましたが、一気に連続2クー
   ルで放送することも明言!
   初回の作画もかなり力が入っていましたが、これを最後まで維持できる
   力があるのか、視聴者としては嬉しい限りですが、逆にちょっと心配な
   部分もあります。
   とはいえ、賽は投げられました。後はマッドハウス頑張れと。
  ・OPに「YOASOBI」
   OPは「勇者/YOASOBI」と、いやーこの辺も抜かりないですなw

 ・フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
  正直本作は「面白可笑しくテンポよく」という作品ではないので、その辺
  りどうなのかと心配でしたが、本当に原作のもつ「緩やかな空気」や「間」
  といったものをしっかり意識して作っているなという、作品の理解度の高
  さに驚きました。4話分の放送で(コミック1巻+2巻1話の)全8話分を完
  全再現したんじゃないですかね。
  それゆえに初見の方には「テンポが悪い」と映る方もおられそう。
  でもそういう作品じゃないんだよなあ。

 ・何気ないセリフや会話が心に響く
  勇者パーティーにいた頃のフリーレンは(どうせ彼女にとってはひととき
  の出来事に過ぎないとして)他人には無関心でしたが、今振り返るとあの
  時の何気ない言葉たちにいろいろな思いが込められていたことに気付かさ
  れます。
  {netabare}また2話の「ヒンメル像のために蒼月草を見つける」エピソードでは、
  フリーレン「もう少し探したら切り上げるよ。」
  フェルン「もう少しって何年ですか?」
  という2人の時間に対する感覚の違いも巧み表現されるなど、こういう細か
  いセリフ回しとかも実にいい。
  (この花を見つけるエピソード自体も素晴らしい){/netabare}
  そしてアイゼンとの会話
  {netabare}「お前は人の時間を気にするような奴じゃなかった。」
  という下りも、人と交わり他人を気遣うようになったフリーレンを上手く
  表現しており、こういうところも巧みだなっと。{/netabare}

 ・戦闘シーンも丁度よかった
  {netabare}異世界の魔法使いの話ながらも戦闘が話のメインじゃないんですよね。そう
  いう意味でも3話の初めての魔族との戦闘シーンも派手過ぎず、地味過ぎず
  作品の世界観にマッチした、程よいバランスで描かれていたと思います。
  {netabare}(ここでもこの魔族が封印されていた間に80年が経過、その間にこの魔族の
   強力な攻撃魔法を研究し、新たな防御魔法を開発(魔族の「たった80年か」
   に対し、人間の営みを舐めるな!的な)人間と魔族の時間感覚の違いを上
   手く表現している。){/netabare}{/netabare}

 初回2時間スペシャルでしたがそれほど長さも感じさせず、それでいて原作の
 もつ空気感も壊すことなく、上々の滑り出しだったと思います。作画もよかっ
 たですし。懸案事項とすれば、
 ・上述の通り、連続2クールなので作画がこのレベルを維持できるのか。
  (それに落とさず放送できるのか)
 ・(気が早いですが)原作未完なので、どうしてもラストが・・・
  それに2クールなので、原作の大半を消費しそうで、2期があっても数年後に
  になりそう。
 という感じでしょうか。
 まずは制作陣の素晴らしい仕事ぶりに拍手喝采というところですね。{/netabare}

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 {netabare}>フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 5話では逆に
 「忠実さを意識しすぎて窮屈になっていないか?!」
 という不安もあったのですが、以降はエンジンがかかってきて
 「アニメとしての面白さがきちんと表現されている」
 という印象ですね。

 ・会話劇がちゃんと面白い
  「人間を知る」というのがフリーレンのテーマになっていて、そうなると
  必然的に会話劇がキモとなるわけですが、
  ・原作のセリフの秀逸さを活かしつつ
  ・種﨑敦美さんの名演
  ・それを支える他のキャラとのキャッチボールの上手さ(共演者も◎)
  ・その他アニメ的な細やかな演出
  等でちゃんとアニメとしての面白さが確立してるなと。

 ・他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →時間経過の描写が秀逸
  8話がかなりよかったと思うのですが、
  ・フリーレン VS ドラート
   「今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる」
   ・フリーレンの経験の豊富さは普通の作品でも思いつくところで
   ・上述のセリフも、普通なら「まだまだ青いな」位のセリフで済ませそう
    なところですが、これまでの作品の流れからフリーレンというキャラが
    しっかり確立してるから、いかにもフリーレンらしい言い回しがピタリ
    とハマり
   ・同時にこのセリフが、魔族側にも大きな時間が流れ、しかも人間界と同
    じような問題を抱えているという世界観を的確に表現してるという。
  ・リュグナー VS フェルン・シュタルク
   ・「我々魔族は永い寿命の中で一つの魔法の研究に捧げる」
    普通の作品なら魔族は「生まれながらのチート」で済ますところを、魔
    族側も日々研鑽してるという世界観を提示し
    (その集大成ひとつがクヴァールの魔法「ゾルトラーク」だと)
   ・しかし3話で既にその「ゾルトラーク」は一般魔法レベルに陳腐化してお
    り(人間は防御魔法を開発)、フリーレンはそれを対魔族用の「ゾルト
    ラーク」に改良、今回は更に弟子のフェルンに伝授できるレベルにまで
    解析が進んでいるという時間経過を表現。
    その様をアニメならではの戦闘描写でしっかり面白く魅せるという。
   
  このような感じで、魔族という種族も案外人間臭いんだなという独自の世界
  観を提示しながら、フリーレンの長寿命を単なるヒンメルたちとの死別だけ
  で終わらせるのはなく、魔族の未熟さや魔法の進化といった人間界・魔族界
  それぞれの時間経過という作品全体できちんと昇華されている描写が秀逸。

 そしてリュグナーは思い出す。
 → 歴史上もっとも魔族を葬り去った魔法使い――「葬送のフリーレン」       
 タイトルにはもうひとつの意味が込めらていたと!!
 それをアニメとして最高の演出で印象付けるという・・・
 製作陣の原作の理解度の高さおよびそれをアニメとしていかに面白く魅せるかと
 いう次元までしっかり落とし込まれているなっと。
 「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 すが、同じ土俵では戦わず
 「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 という姿勢は賞賛モノですね。
 原作既読でも「アニメはアニメとして面白い」と感じられる仕事ぶりかなっと。

(追 記)
6話でのフェルンのセリフ
「ちっさ」
の反響がかなり大きいらしいですねwww
・シュタルクで検索すると「シュタルク ちっさ」が候補に挙がる
・育ての親ハイターの「巨●ン」説が浮上
・LINE公式スタンプが発売されるetc{/netabare}

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 {netabare}>「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 >すが、同じ土俵では戦わず
 >「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 >という姿勢は賞賛モノですね。

 前回こう書きましたが、すいません前言撤回します!!
 ・リュグナー VS フェルンの魔法戦闘
 ・リーニエ VS シュタルクの近接戦闘
 これ、どっちも「鬼滅」や「呪術」に負けてないでしょ!!
 正直原作の戦闘シーンは淡泊な感じなので(それをウリにしていない)あまり
 期待していなかったのですが、これは度肝を抜かれました。
 この制作陣有能すぎるwww
 こんなに動くとか完全に想定外ですわ。
 ・師匠フリーレン →弟子フェルン
 ・師匠アイゼン →弟子シュタルク
 回想シーンを挟み、その教えをよりどころに強大な魔族に立ち向かう弟子たち
 の激アツ展開もいい。
 それに構成も
 ・Aパートにフリ―レン VS 断頭台のアウラの前哨戦でウオーミングアップ
 ・Bパートで上述全開バトルをぶち込み、時間キッチリに両方とも決着とかw
 「鬼滅」や「呪術」が無駄に戦闘シーンが冗長化してきて、食傷気味になって
 きてるのをみると余計その辺が際立つというか・・・
 最後の決めシーンも8話で魅せたフリーレンが月をバックに夜空に浮ぶ構図を
 今度は弟子のフェルンで再現してみせるとか、ホントいい仕事してますわw

 完全にこの制作陣の作画力を侮ってました。すいません__|\○_
 このシーンだけでもアニメ化の意義が十分あったといえる神回だったかなと。{/netabare} 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 {netabare}・断頭台のアウラ編
  ・魔族
   ・人間の言葉を操り人間を欺く
   ・魔族は組織を統率するために強さ(魔力量)にて格付けが決まる
    → 魔力の放出を制限するという概念が存在しない
  ・フリーレン
   ・(そこを逆手に取り)魔力の放出を制限して魔族を欺く
  魔法使いにおいては、ある意味魔法を愚弄する卑怯な手段だが、フリーレン
  は「一生を掛けて魔族を欺く」という覚悟を持って挑んでいる。
  「力を隠してのビックリ展開」自体はバトルモノではあるある設定ですが、
  それを細やかな設定や描写で、ひとつのドラマとしてストーリーに落とし込
  んでいる創りは本当に見事。

 ・他のエルフ(クラフト)との出会い
  ・長寿命のエルフゆえに、自分の成してきた正義や偉業を知る者はどんどん
   死んでいく。
  ・だからクラフトは女神を信仰して、死んだら女神に褒めてもらうのだと。
   → 女神を信仰しないフリーレンは、俺が代わり褒めてやる。
  ・回想でハイターにすでに褒められていたことに気付き、遠慮しておくよと。
   → いい友人をもったな
  「長寿命のエルフゆえの寂しさ」というアイデアから
  ・「褒めてやる」という些細なエピソードを細やかに創作し
  ・最後はきちんを勇者パーティーに回帰させ、すでにそんな優しさを受け取っ
   ていたことに改めて気づかされる。
  これも「人を知る」という本作のテーマに沿って、きっちり創り込まれている
  なっと。

 ・剣の里
  ・英雄譚では、ヒンメルがこの地で守られていた「勇者の剣」を見事に引き抜
   き、それを振るい魔王を討伐したとなっているが
  ・実際はヒンメルは「勇者の剣」を引き抜くことが出来なかった。
   それでもヒンメルは魔王を打ち倒し「真の勇者」となった。
   (「真の勇者」が実は「勇者の剣」を引き抜けなかったでは恰好がつかない
    から、そういう英雄譚になった模様w)
  これも「勇者の剣」のネタを逆張り的に創った感がありますが、ここまでのヒ
  ンメルの描写がしっかり出来ているから、
  「あのヒンメルらしいエピソードだな」
  って納得せられてしまうんですよ。物語の全体像がしっかり創り込まれている
  から違和感なく、むしろヒンメルというキャラに積み重ねが生まれるという。

 面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
 ・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
 ・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、むし
  ろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
 というケースが結構多いんですよね。その点本作は
 ・全体像をしっかり練り込んだ上で
 ・ひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 というところがきちんとできているなっと。
 私がレビューでよく使う言葉で
 「きちんと汗をかいている」
 というやつで、だからこそ(「暗殺教室」のレビューでも書きましたが)
 >そこに私たちも心動かされ、 
 >「やっぱりプロのクリエイターは、私たち素人と違って凄い仕事をしてるんだなあ」
 >という制作陣や作品に対するリスペクトが生まれるんだと思うのですよ。
 本作もそれに準ずる作品かなと。
 (逆にその辺をサボり、即効性のある「見映えだけ重視」のシーンに頼り「ドヤ、感動
  的な作品やろ」みたいなのが鼻につく作品には、つい辛口なレビューを書いてしまう
  んだよなw){/netabare}

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 {netabare}「断頭台のアウラ編」以降地味な展開が続いていますが、あの戦闘シーン
 はある意味「制作陣からの特別ボーナス」って感じで、「人間を知る」と
 いうフリーレンの旅の目的からすると、本来の姿に戻ったって感じですね。

 ・13話からは新キャラ・僧侶ザインが登場。
  「戦士ゴリラ」という冒険に出たまま音信不通となった親友を探すため、
  (兄の親心もあり)暫し同行することになります。
   「酒・たばこ・ギャンブル・女好き」のちょいワルおやじ系ですが
   ・フェルン、シュタルクがまだ「未成熟な子供」なところがあり(で、
    フリーレンは人の心が分からないw)、その関係がギクシャクした
    ところを「大人」としてサポート。
   ・「ハイターとも面識がある」
    こういうフックを持たせることで、フリーレンの回想にスムーズに
    繋げていく一端を担う。
   という感じで、単に目新しさだけでなくしっかり大局に織り込まれて
   いる点はさすがだなっと。

 ・14話も「鏡蓮華の花言葉 → 『久遠の愛』」というアイデアを
  (アクセサリーの装飾モチーフにして)
  ・「フェルン×シュタルク」の誕生日プレゼントという単体のエピソー
   ドだけで終わらせるのではなく
  ・「フリーレン×ヒンメル」の回想 → 指輪のプレゼント
   それまでその指輪に執着がなかったフリーレンが、(アクシデントで)
   扮失した指輪を必死に探すという「人間を知る」というテーマにまで
   落とし込む。
  1話の尺をフルに活用してしっかり創ってきてるなっと。
  それがより際立つように演出なんかも工夫されていて、ちゃんと「アニ
  メとして面白く魅せる」という仕事ぶりでしたし。

 原作既読ながらもその時は見落していた事項を、改めてアニメで観て、こ
 うやってレビューのために言語化してみると、結構新たな発見があるもの
 だなあっとw{/netabare}

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 {netabare}2クール目に入り、OPが変わったりといよいよ新章に突入かを思わせます
 が、「一級魔法使い試験編」は来週からということで、今回は前半戦の総仕
 上げ。
 
 ・シュタルク回
  オルデン卿の戦死した長男の替え玉を引き受けることになったシュタルク。
  ・オルデン卿のシュタルクや彼を通しての長男への想い
  ・オルデン卿の次男に、優れた兄を持った自分を重ねるシュタルクの想い
  そういったシュタルクを中心にした人物の掘り下げに加え、
  ・社交界でのシュタルク×フェルンの社交ダンスシーン
  アニメ化の意義をしっかり見せつける華やかな作画・演出も良き(^^♪
  
 ・僧侶ザインとの別れ
  元々親友「戦士ゴリラ」を探すために旅立ったザインですので、彼の消息
  の手掛かりを掴んだ彼とはここでお別れです。
  物語的にも「一級魔法使い試験編」までの繋ぎの短編が続く展開の中に、
  新キャラとしてザインを登場させ、彼にしかできない役割を演じさせてい
  たのは上手い構成だったと思います。
  エピソード的にも
  ・親友が「戦士ゴリラ」を名乗り出した理由
   どんな英雄も名前をいつか忘れられてしまう。
   → 忘れられないよう名前のインパクトは大事!
    (ザインは「勇者あごひげ」と命名されたw)
   それが頑固婆さんを介して、ひとつの物語として回収されるという・・・
  ・大人のザインらしい最後の仕事
   フリーレンが苦手とするフェルンとシュタルクの喧嘩の仲裁。
   → そして名言
     「もう付き合っちゃえよ!!」
   へと続くというwww

 ・ヒンメル曰く「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
  ・長寿友達・フォル爺とのやりとりでの一節。
   エルフの長寿命を出オチで終わらせずしっかり活かしてきますねー。
   この辺も死んで名前しか残らない人間、
   ・ヒンメルのように(フルーレンが寂しがらないよう)銅像を残したり
   ・前述「名前のインパクト」勇者ゴリラのエピソード
   と見事にリンクさせ、長寿フリーレンとの対比も綺麗に描写しているな
   っと。
   冒頭のヒンメルのセリフですが、勇者パーティーにいた頃のフリーレン
   には、本当の意味は分からなかったのだろうなと。でも今だから理解で
   きることがある。こういう魅せ方がホント上手いですね。
  ・最後にフェルンが病気になって、フリーレンが手を握るというひとつの
   アイデアから 
   ・実はそれはヒンメル譲りの行為。
    → 前述「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
      がきちんと受け継がれていることを印象付け
   ・でもフェルンは「子供扱いしないで」と拒絶してしまう。
    そしてシュタルクのフォロー。
    → 年頃の娘が若い男の前で子供扱いされるのが恥ずかしかったとい
      う複雑な乙女心を描写し、「人間を知る」という本作のテーマに
      深みを与えている。
   ホントひとつをアイデアをしっかり膨らませているなっと。
   
来週からは「一級魔法使い試験編」が始まりますが、ここまでは(いい意味で
予想外だった)ド肝を抜く戦闘シーンを始め、味わい深い「人間を知る」ハー
トフルなエピソード等、原作のよさを再認識するともに
「アニメはアニメとしてちゃんと面白い」
と思える制作陣の仕事ぶりだったのかなっと。
後半戦も「アニメとして面白い作品」に仕上げにしてもらえればと思います。{/netabare}

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の一次試験を描いていました。
 一部では
 ・「フリーレン」には「バトル展開」は似合わない
 という意見もあるようですが、まあこれだけ原作に人気がでてくるとねえ。
 長期連載を意識すると、いろいろな可能性を模索していく必要があるわけで
 ・今後も使える新キャラを育てていきたい
 ・魔法使いを魅力的にみせるには?
  → 魔法使い同士のバトル展開
 という流れは、ベタながらも一番堅実で王道な展開なのかなっと。
 
 例えば「暗殺教室」のように「中学卒業までの1年間」という明確な終わり
 が定められていれば、そこから逆算してタイムスケジュールに落とし込み
 つつ「一つの色に染め上げていく」というのは可能でしょうが、結局原作
 者も(ラストのイメージは決まっているかのもしれないが)、そこに至る
 までの道は「編集者と手探り」という感じで進めていってる状態だと思う
 ので、どうしても「玉虫色」的になっていくのは避けられないでしょうね。

 それで作品が迷走しだしたら大問題ですが、個人的には
 ・新キャラも魅力的に描かれていた
 ・バトル展開の中にも原作者のこだわりが垣間見れ、世界観は担保されて
  いた
 ということで、よかったのではないかと。
 ただ原作だとバトルシーンが多くなると、漫画に迫力が足りてないのでど
 うしてもトーンダウンしたように感じてしまう部分はあるんですよね。
 しかしアニメでは
 ・原作者の意図は理解しつつ
 ・バトルシーンはきちんと「アニメとしての面白さ」を追求している
 と感じるので、原作越えの面白さがあるのかなっと。
 またアニメ化されたことにより、原作を読んだときには気付かなかった新
 たな発見もあり、原作のよさを再認識したところもありますし。

 ここまでは「アニメ化して大成功」といっていいのでは、と思います。{/netabare}

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の二次試験終了いうことで。
 二次試験も
 ・「コピーレン」をはじめとする複製体とのバトルがあちこちで勃発
  → 各キャラを魅力的に描写(幾分冗長感はあったが)
 ・バトル作画ももう何の魔法を使っているのか分からんぐらいに超特盛w
 って感じですが、私が一番印象に残ったのが
 「ユーベルの『だいたい何でも切る魔法』→『レイルザイデン』」
 これを「裁縫」に見立てて解説するシーンですね。

 「分かってることならほぼ言語化できる」
 私の「理解度の尺度」のひとつなんですが、例えば小学生に勉強を教える
 とかなら、分かりやすい例え話等でしっかり言語化して説明できるじゃな
 いですか。
 そういう感覚で、本作では「魔法はイメージ」というセリフがよく出てき
 ますが、それはどういうことなのか
 「原作者の中では魔法に関する世界観が完璧に確立している」
 というのがよく分かるシーンだったなっと。
 このシーン自体は小さなものかもしれませんが、こういうしっかりしたべ
 ースに裏打ちされた描写の積み重ねが、大きな差となって本作独自の世界
 観を創っているのだと思うと、やっぱりプロのクリエイターさんは凄い仕
 事をしているのだとリスペクトしかないですね。
 アニメではこの辺りも上手く魅せていたと思いますし。
 そりゃ面白いはずですわ。

 あとアニメのユーベルさんは、何故か異常にエ●チに見えてしまうんだよなw
 ・たれ目具合や口元などの表情
 ・セリフ回しやネットリした(?)しゃべり方
 ・垣間見えるぶっ飛んだサイコ感(倫理観がとこか壊れているというか)
  (あと謎の脇チラw)
 等なんかアンニュイさがあるというか、妙に色っぽさがあるというか隠し
 きれないエ●チさを感じるんですよね。
 ・胸を盛るとか露出の高さ
 ・喘ぎ声っぽいセリフ
 など、エ●チな作品を創る制作陣はこういう分かりやすいエロさより、ユ
 ーベルさんをしっかり研究するべきだと思いますねw{/netabare}

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 {netabare}・三次試験 →ゼーリエとの面接
 ・試験終了 →別れ、旅立ち
 ということで、会話劇メインでしたが
 ・「フリーレン×ゼーリエ」
  → 2人を介しての「フランメ」という人物像や2人の思想の違いの描写
 ・「フリーレン×ヴィアベル」 
  → 試験では絡むことのなかった2人だが、最後に邂逅
 など各キャラを魅力的に描いていてよかったかなっと。
 今後の再登場も楽しみですし。
 ラストも仰々しく飾り立てする感じではなく、この作品らしい終わり方だ
 ったと思いますし。
 (2期を意識しているというのもありそうですが){/netabare}

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

67.0 2 騎士で勇者なアニメランキング2位
治癒魔法の間違った使い方(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (128)
403人が棚に入れました
平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。 気づくと、そこは異世界。 3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる『勇者』として召喚された……はずが、勇者の適性を持っていたのはスズネとカズキのみ。 ウサトは巻き込まれただけだった! しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性があることが判ると事態は一変。 救命団団長を名乗るローズが現れ、ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。 そこでウサトを待っていたのは、想像を超える地獄の訓練の日々だった――!

声優・キャラクター
ウサト:坂田将吾
スズネ:七瀬彩夏
カズキ:高梨謙吾
アマコ:会沢紗弥
ローズ:田中敦子
ブルリン:渡辺明乃
オルガ:中村源太
ウルル:青山吉能
トング:伊藤健太郎
ミル:堀井茶渡
アレク:奈良徹
ゴムル:堀総士郎
グルド:藤井隼
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

超体育会系な特訓で強くなっていく主人公が面白いかも

異世界に召喚されてしまったウサト、カズキ、スズネ3人の高校生。
しかし勇者として召喚されたのは2人だけで、一般人のウサトは何もないと思われたが・・で始まる物語。

結構な数の「異世界もの」が毎期配信・放送されてて、目を引くような設定やお話でない限りスルーすることが多くなってきました。
そんな中、面白い作品ももちろんあるわけで、この作品も皆様のあにこれレビューを見なかったら完全にスルーしてたと思います。いつもありがとうございます。

〇この作品の面白いと思ったところ
 主人公が弱くて、訓練を受けながら強くなっていくところ
 コンプラ無視な超体育会系な特訓
 召喚された国の王様はじめ、みんないい人なところ

 最初から俺TUEEEEな感じよりも、頑張って努力しているところのほうが感情移入できます。
 超体育会系なところは賛否あると思いますが、私はコメディとして楽しめました。
 こういう異世界もので王様があんなにいい人って珍しい気がします。
 
{netabare} 魔族に対抗するために各国に書状を渡す旅に出た{/netabare}ところで1期は終わりました。
最後のほうでこれから登場するキャラたちがいっぱい紹介されてましたけど、もうこれは2期発表と思ってもいいのでしょうか。。

〇スズネについて
 現世界にいた頃は殻をかぶっていたけど、実は異世界ファンタジーに憧れているちょっと面白い女の子なんですよね。
 彼女の絵がメインのEDですけど、最後の一枚絵と曲調の感じから、彼女に何か悪いことがあるんじゃ?ってずっと思ってましたw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

先輩が癒やし(*´д`*)

2024/04/23 初投稿

とにかく先輩の癒やしパワーがすごかったです!
先輩が登場するたびに癒やされましたw

あとはコロンブスの卵的な基本設定が秀逸でした!
回復系の魔法というと怪我や状態異常を治したり、死者を蘇生したりというのが今までのお約束でした。

本作品では体を鍛える
治癒魔法で回復しながらひたすら鍛える
という「間違った」使い方をしています。

筋肉は酷使すると筋繊維が断裂し
それが回復するときの超回復によって、発達すると何かで読みました。
治癒魔法で体力を回復しつつ超回復で筋肉を発達させる
疲労という限界を超え
超回復が起こる時間的制約も治癒魔法で瞬時に解決して
ひたすら人類が到底到達できない高みを目指す

でたらめですが、なんとなく科学的にあり得るような変な説得力があります。
この、「なんとなく科学的にあり得るような変な説得力」って作品にとって非常に重要だと思います。
何か納得して没入してしまいます。よくよく考えれば治癒魔法ってどんな理屈?とか脇に置いておかれている部分はもちろんあるのですが、意識させない説得力がありました。

攻撃を反射する鎧へ対抗できた理屈はまあどうでもいい感じでしたw

本音を言えば余り期待していなかったのですが、先輩の存在と設定の妙、そこそこ面白かったストーリーで割と高評価です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

リタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

声が素晴らしい

一番インパクトがあるのはなんといっても田中敦子さんの声。

主人公にとって大事な存在であり、団長の女性。
鬼教官、メスゴリラ、悪魔、などなど地獄のような愛称がなぜか沢山浮かぶ。

今回のアニメでさらにパンチの効いた心の奥底に響くような
唯一無二の声が本当に素晴らしかった。
ただ単に恐怖を与えるようなものではなく、厳しさの中にも少し見え隠れする優しさなんかもすっごく表現されていてため息が出る。

主人公の頼りなさ全開の一話から、地獄を味わう事で徐々に強さと自信を得ていく過程も面白い。

そしてラストもまだまだほんとこれから!って所で終わっている点も好感が持てる。変なところで終わってなくて、ちゃんと一旦観る側が一息つけるような締め方になって素敵だった。

魂を吹き込む感じの心に残りやすい演技が観られて幸せ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

88.1 3 騎士で勇者なアニメランキング3位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1168)
5459人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タイトルに偽りなし!

原作未読。最終話まで視聴。

主人公がハメられ、酷い目に逢わされる第1話から始まる、他の異世界転生モノとは一線を画す作品。
主人公の尚文たち同様、視聴者も、何度もどん底に突き落とされる。
こういう所が、好き嫌いの分かれ目かも知れない作品。

私も何度も、どん底に突き落とされ、不快な思いをしました。
尚文たちが少しでも上向くと、必ず、突き落とされる。

{netabare}終盤に、女王の帰還をもって初めて、正当な評価を得られる。

しかし、『クズ』と『ビッチ』は逆恨みを増長させるばかり・・・。
剣、槍、弓の勇者もどきは、尚文たちに謝罪の一言もなく、相変わらず、一人前に勇者気取り・・・。
むしろ、ここまでくると笑えてくる。{/netabare}

人間たちの内側に秘めた汚さ・愚かさの表現が秀逸。
逆に、尚文とラフタリア、フィーロ、メルティの絆の美しさが光る作品。

ラフタリアとフィーロの感情表現の豊かな表情が、とても好印象の作品です。

続編を期待して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 63
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

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18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


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17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

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16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
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15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


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物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人間の醜い心に嫌気がし、人狼や神鳥の美しい心に癒される物語

この物語はドラゴンクエストのような立派な勇者が登場する素晴らしい物語ではありません。
人間の醜い心が思いっきり表現されています。
このアニメで美しいバトルを期待されている方は、見ない方が良いでしょう。
でも、人間でない人狼のラフタリアや神鳥のフィーロが私たちを癒してくれるので、この物語は何とか見ることができます。


この物語では、顔も見たくないほどの嫌な人間たちが登場します。
その嫌な人間たちから盾の勇者である尚文(なおふみ)は、何度も何度も濡れ衣を着せられて酷い目にあいます。

そんな嫌な奴らからの迫害をバネにして、尚文は少しずつ成長します。しぶとく、たくましく生き抜きます。
そんな尚文の生き方に、思わず感情移入してしまいます。
ドロドロして美しくないけど、大好きです。共感が持てます。

そして、尚文の仲間である人狼のラフタリアや神鳥のフィーロは、この物語では天使のように純粋です。いつも尚文を守ってくれます。

人間の心が醜く、獣や鳥の心が美しい、それが嫌というほどわかってしまう物語です。


この物語は、まさに人生の縮図のようなものです。
嫌な奴に屈服して日陰のような人生を送るか、それとも嫌がらせを跳ね返してしぶとく生き抜くか、その選択を迫られることが人生には割とあります。
私たちも盾の勇者のように、しぶとく生き抜きましょう。

エンディングは 藤川千愛さんの「きみの名前」 と 
               「あたしが隣にいるうちに」
2曲ともこの物語にふさわしく、心の叫びが聞こえてきます。魂の叫びと言っても良いかもしれません。
決して美しくないですが、心に響く名曲です。
       

投稿 : 2024/04/27
♥ : 69

68.3 4 騎士で勇者なアニメランキング4位
シャングリラ・フロンティア(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (164)
547人が棚に入れました
「クソゲー以外をプレイするなんて、いつ以来だろうな」 ディスプレイを使用するゲームが、レトロゲームに分類されるようになった、少しだけ未来の世界。 この世界では、最新のVR技術に内容が追いついていない、いわゆる“クソゲー”と呼ばれる作品が大量にリリースされていた。 そんな数多のクソゲーをクリアすることに情熱を捧げてきた1人の“クソゲーハンター”陽務楽郎。 彼が次に挑んだのはクソゲーの対極、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』だった。 集う仲間、広がる世界。そして“宿敵”との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていく!! 最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、ここに開幕!!

こま さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

エムルカワイイ!!

2024年1月時点で累計発行部数は650万部を突破している。
マンガアプリで最新話近くまで読んでます。

マンガそのままのアニメ化は嬉しいけども…これならナレーションはいらない。
なんでキャラネームをコレにしたのか?とかいらんです。
なんとなく察しはつくし、何ならマンガを読めばいい。
アニメだと分かりづらい部分の説明なら良いんだけど、ほぼ変なとこで入るので正直邪魔。

タイトルはシャングリラフロンティア、主人公の部屋の棚に2度とやらない以外にも…。
SAOと同じくフルダイブ型のゲームが現実で出来たらが詰まってます。
ゲームを本気で作ったら鬼◯ゲーになりました!が分かりやすいかなぁ。
あっちと違ってそれ系が無いのも見やすいかなと。

そしてヒロインらしき人物も出て来たけど分かりやすくス◯ーカー。
果たしてこの子は本当にヒロインなのか!?

個人的オススメ作品の1つです。


「もうどっちがモンスターか分からないですわ!」
「褒めてんのそれ…。」
「うん?」
「今後の計画を発表するぞ!」
「わー!パチパチパチパチ!」
「雑魚は全無視!」
「へっ?」
「狙うはエリアボス一択!以上!」
「計画言うわりに雑でしたわ…。」「おーっ!」
「沼地みたいに足が重くなりましたわ…。」
鉛筆王国!爆誕w

可愛いは正義!!
やっぱり声付くと良いなw相変わらず声優さんて凄いねホントw
ちなみにコレは人同士の会話では無いです!

最終話は最初声聞いた時はビックリしたけど、マンガ読んでる身としてはコレはアリw
アニメ勢は見た目と声の違和感凄まじいだろうけどw
個人的にはアレはいい終わり方だねw

終わり。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

漫画版既読。クオリティの高いアニメ化で満足

原作… はなろうではなく漫画版を既読。
なろうから書籍化を飛ばしてコミカライズした珍しい作品ですね。
他に同じルートを辿った作品がどれだけあるか無いかは知りません。

しかし四大少年誌で漫画化したのは間違いなく本作のみでしょうから、随一の出世作の一つでしょう。

漫画のクオリティは非常に高く、良くなろう系漫画というと質が微妙で、原作が微妙なのか漫画家が微妙なのか判断が難しいものですが、本作は全くそんなことはなく、非常に高クオリティで、マガジンの他の漫画に遜色無いどころか面白い方です。
まあ講談社漫画賞とかまで取ったのでしたっけ。まあとっても問題ないレベルの高クオリティだと思います。

内容はただゲームをやっているだけですが、そんなことを言ったら野球だってただ野球ゲームやってるだけですし、きちんと描けばゲームをやっているだかけの内容でも面白いのです。
主人公のプレイスタイルが独特ですから実況プレイ的な面白さもありますね。

というわけで好きな原作を高クオリティにアニメ化している、という点では視聴継続条件はばっちりかと思います。
今後も楽しみです。

全話感想
原作の魅力をさらに引き出す理想的なアニメ化でしたね。
非常にクオリティ高く楽しめました。

内容的にはゲームプレイを見ているだけなんですが、それだけで面白いからゲーム実況などに需要があるのですよね。
2期もやるようなので、今後とも楽しませて頂きたいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

DJ ZAKIヤマ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

登山家がデカい山を登るような熱い作品

「たかが、ゲーム(のキャラ)だけど感情移入した」と女性プレイヤーが言い、「いいんじゃね?本気でやるから面白い」と鳥の人がいうやり取りが劇中にある。
私は、作品の話がVRゲームの世界と思って、少し冷めてアニメを観てましたが、ガチゲーマーが己のすべてを賭け、本気でガチ攻略に挑む話と、13話辺りから作品テーマが徐々に明らかになるにつれて、非常に胸に刺さったアニメになりました。
その作品テーマに応える、作画に背景、CG、声優etc。しっかり手間暇かけ、構築された勢いがすごい。
日5で毎週子供が胸を熱くして観れる作品が生まれて嬉しい。2期、3期と続くかぎり見守っていきたいよ。
追伸。劇伴の曲、特にバトルシーンでかかる曲、普通にクラブで流れていてもアガるクラブミュージックで神曲。サントラ欲しいが数万かかるBD購入の特典のみなのが悔しいぞっ!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

60.2 5 騎士で勇者なアニメランキング5位
惑星のさみだれ(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (161)
351人が棚に入れました
ごく普通の平凡大学生だった雨宮夕日は、ある日現れた喋るトカゲに「地球の危機」を救う協力を依頼される。拒否する間もなく獣の騎士団の一員となった夕日は、指輪の力で超能力・掌握領域が与えられるが、早くも敵に襲われてしまう。絶体絶命のその時、夕日を救ったのはなんとお隣に住む少女・さみだれだった。救世主の降臨と思いきや、実はさみだれは地球征服を企む魔王だった……。 そのでたらめな強さと魔王的魅力に惹かれた夕日は彼女の下僕となり、彼女が望む別の思惑に加担する事になる。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメファンの先見性の無さに絶望したが、「逆張り完全勝利」を確信したので強気に攻めまくります

※解釈難易度が高すぎるため物語評価を4.5に下方修正
※その一方で音楽評価を5に上方修正

●ルシファーとは誰か?

本作のサブタイトルに「ルシファーとビスケットハンマー」とありますが
{netabare} この【ルシファー】とは一体誰のことでしょう?

本作のヒロイン兼もう一人の主人公である「さみだれ姫」は自らを「魔王」と
自称していましたから、【ルシファー】=魔王という関係性からして
【ルシファー】とはさみだれ姫のことを指しているようにも思えます。

ただ気がかりなのはさみだれ姫は自分のことを【ルシファー】と言ったことはなく
【魔王ルシファー】と言うならば魔法がもっと使えていいような気もします。

「魔法使い」という立ち位置にあるのはアニムスでありますが、
魔法使いのアニムスが能力によって生み出した最大の泥人形=ビスケットハンマーも
さみだれ姫の剛腕パンチによりあっけなく粉砕され、本人も獣の騎士団と姫の連合軍に
意外とあっさり追い込まれ、倒されてしまいます。

アニムスがラスボスの【魔王ルシファー】というのは今一つ説得力が無いように思えます。

そうするとやはり【ルシファー】とは魔王を自称していた「さみだれ姫」
のことを指していたのでありましょうか?

結論を下す前にまずは、そもそも【ルシファー】とは何であるのか考えてみたいと思います。
【ルシファー】とは【堕天使】の名前であります。

堕落する前の「天使」だった頃の名前は【ルシフェル】と言います。
美しく極めて知性が高い天使でありました。

【ルシフェル】とはラテン語で【明けの明星】を意味します。
【明けの明星】とは【金星】のことであります。
【金星】と所縁の深い【ルシフェル】は【光の天使】とも言われます。

そもそも「天使」という存在の性別は不明でありますが
その美しい面影からして、「女性的」な要素が強いように思われます。

聖書解釈の通説によれば【堕天使ルシファー】は【反逆者=サタン】であるとしていますが
それとは真逆の見解を持つ立場の解釈によれば
アダムとエヴァの願いを叶え、【知恵の果実】という叡智、人類に文明の【光】をもたらした
真の救世主こそがルシファーであるとのことらしくルシファーに対する
ある種真逆の解釈、これをめぐっての対立関係が浮き彫りになるのであります。

【光の天使】を崇める側は「全能なる創造主」のことを傲慢で身勝手な神
【デミウルゴス】と称し蔑み反逆の意を示します。

どこかで聞いたことあるようなこの【デミウルゴス】とは男神であり
それに対する真の救い主とする【光の天使】には女性的性格が見受けられますが
それがやがて「女神信仰」と結合し世に広まって行くのであります。

男神【デミウルゴス】は「破壊者」として捉えられ
一方「女神」は命を育む地母神と考えられるようになります。

このような前提を踏まえて本作を解釈してみますと
ビスケットハンマーで惑星を砕く破壊者=男神アニムスと
それに【反逆】する女神アニマという対立関係が成り立つわけであります。

本作のOPソング【暁光】、そして最終領域「願い叶う【光】」も
【光の天使】を暗示し、更には「バビロン 天使の詩」も同じ
天使を表しているのでありましょう。

破壊者アニムスが男神【デミウルゴス】であるならばそれと対立する
アニマは女神であり、【光の天使】ということになり
美しい天使【ルシフェル】、反逆者【ルシファー】を表していたわけであります。

本作で【アカシックレコード】を掌握していたのはアニマのようでありましたが
その意図するところは「知恵の天使」との関係性を示すためであったように思われます。

アニマの頭にはでかい【リング】が乗っかっていますが、
あれは「天使の輪」を表していたということであります。

最終的にさみだれ姫は能力を覚醒させビスケットハンマーを砕き、惑星を破壊できるほどの
力を身に着けたわけですがそもそも姫と騎士団に能力を与えたのは精霊アニマでありました。

つまり【ルシファー】とは、アニマのことであったわけであります。{/netabare}


●猫が繋ぐ魔王の属性
風巻氏が「創造領域」の能力により12体目として生み出したのは{netabare}黒猫のクーでありました。
「クー」の名前の由来が「(時)空」からきているのかは定かではありませんが
敢えて巨大化させた「黒猫」には何かしらの意味があったのかもしれません。

一つ思い当たるのは、「シュレディンガーの猫」です。

猫が「生きる」可能性と「死ぬ」可能性、
東雲師範と朝日奈姉が「映画」を「見に行った」可能性と「行けなかった」可能性
二人の子孫アニマが未来に「生まれた」可能性と「生まれなかった」可能性
アニムスの惑星破壊を阻止できる可能性やアニムスと≪一緒に生きる≫可能性、
そしてそれが叶わない可能性
そのような様々な可能性が発現するパラレルワールドが無限分岐する世界の有様を
量子論的観点に基づき再現しようという意図のあらわれとして「シュレディンガーの猫」
を仄めかす描写があったのではないかと推測いたします。

「幻獣が刻まれる」ゲートが置かれるあの異次元空間ではあらゆる潜在的可能性が存在し
他の次元と繋がってもいます。

アニマの拠点でもあるこの異次元空間こそが無限に分岐するあらゆる世界の可能性や
次元が集約する中心点と考えていいのかもしれません。

さみだれ姫救済を実現したこの世界線では、東雲朝日奈夫妻は結ばれず
従って子孫のアニマも生まれないという因果の結果になるはずでした。

しかしながら、「シュレディンガーの猫」が示す「量子論」において重要なのは
「観測者」という存在であり、早い話が観測者の意志の介在により
世界線の行方は変動し、世界線の分岐と因果の結末も変化するというものであります。

東雲師範は命がけで主人公を守り、そして自分の技を継承させるという選択を選びました。

師範の死により「2本柱」の融合は行われず、「未来」を示す3本目は生まれない
はずでしたが、技を継承した弟子である主人公はアニマの異次元空間で「方天画戟」を得て
これを未来へのバトンの如くアニマに手渡すのであります。

異次元空間で死んだはずの師範との対決を乗り越え、生まれなかったはずのアニマに未来を繋ぐ。

通常のSF思考で考えたら矛盾していますが、「量子論」という荒業を使えばあらゆる可能性
は観測者の意志によりどうにでもなるというお話でありますから
「シュタインズゲート」がご都合主義的ハッピーエンドで終わったように
可能性は無限大の何でもありということになるわけであります。

この世界線では東雲夫妻は「映画」を見に行けませんでしたが、さみだれ姫と地球は救済され
しかも主人公の覚醒によりアニマの未来の可能性にも道が開かれたようであります。

二人が見に行けなかった「映画」のタイトルが特撮超人「インコマン」であったかどうかは
定かではありませんが、異次元空間にあるゲートの扉に刻まれた4体目の「幻獣」の
ヴィジュアルは「インコマン」に似ているような気がします。

「インコマン」と言えば東雲師範が将来なりたいヒーローでありまして
師範の「未来」の希望であります。

ビスケットハンマーを除く泥人形の中で最も手強いマイマクテリオンは
この「インコマン」に変身しますが、これはある意味東雲師範の
「未来」の希望がアニムスが生み出した泥人形の形に現れたという風にも考えられ
あの「ゲート」に刻まれた4体目の幻獣は東雲師範の思いと連動するかのようにして
その子孫のアニムスに受け継がれ幻獣として発現したとも言えるわけです。

獣の騎士団にいる3体の幻獣に対し「幻獣インコマン」は1体でこれに対抗
できるという意味で最強の幻獣であるわけですが
最強の男東雲師範の未来の希望を示す存在だからこそそのように顕在化した
ということになるのでしょう。

マイマクテリオンが本好きなのは、東雲師範に通じるものがありますが
直接的由来は作り主であるアニムスによるものであります。

世界の分岐と世界線が複雑に絡み合い、途切れたり繋がったりしつつも
未来を形成していくパラレルワールドでは意外な因果の因縁と結末が
あるということなのでしょう。

最強の幻獣は「インコマン」でありますが、それでもビスケットハンマーに
対抗するには力不足であります。

そこで「魔法少女」の力を「インコマン」に融合し3本柱にあたる
より強力な存在を創造しようとアニマは目論み、
生み出されたのが究極兵器「ブルース・ドライブ・モンスター」であります。

アカシックレコードの頂点を極め異次元空間の頂から惑星を見下ろした
主人公が見たものはビスケットハンマーの隣に並ぶこの究極兵器であります。

その時流れたthe pillowsの「バビロン 天使の詩」のEDソングが示す
「天使」とは、インコマン最終進化形態の「ブルース・ドライブ・モンスター」であったのです。

「魔法少女」は朝日奈家(さみだれ)を、「インコマン」は東雲家(半月)を表し、その
「2本の柱」の融合により「3本目の柱」が生まれ、未来につながるということであります。

そしてこの究極の融合体を起動させるのが、師範の弟子でありアニマの思い人であり
「方天画戟」を受け継ぎ未来に手渡した男、雨宮夕日であります。

もともとは同じ眷属だからということもありますが
よく見たら登場キャラがそれぞれどこか似ているのは多元時空の相互作用により
現在過去未来が全部並列して干渉しているような状態にあるからなのかもしれません。

東雲弟は戦闘狂でアニムスは分析狂であります。
解体して分析したい衝動が抑えられないアニムスは
「メイドインアビス」の「黎明卿」に似ていますが
タナトゥスの原理に囚われており、そしてまた
東雲弟の攻撃衝動も同じようなものであるようです。

最後に追い詰められたアニムスは欲求への執着のためか
全身が真っ黒な姿に変わり果てましたが、
戦闘狂の東雲弟も黒づくめの服を好んで着ていました。

さみだれ姫にもアニムスが示すような強いタナトゥスの衝動が生まれますが
それには遺伝的なものや多元時空の作用などが関係しているのでありましょう。

あらゆる可能性が顕在化するアニマの異次元領域では特に
(現象の)観測者の意志や思いが次元に大きな影響を及ぼし得るため
アニマと同じレベルの精神力を持つさみだれ姫の純粋無垢な思いは
無限大の力を生み出すことが可能となり、自虐的なタナトゥスの衝動も
それに見合う出力で顕在化されるわけであります。

要するに無限の力があることを純粋に信じれば、それだけでその力が得られるわけです。

さみだれ姫の魔王の人格はアニムスに起因するネガティブな破壊衝動と
アニマの作用によるその潜在的思念の無限増長にあると考えられそうです。

さみだれ姫はあまりに純粋無垢な性格だったため、自己否定の負の感情も
ストレート過ぎて極端に至り、無理心中衝動として顕在化したようであります。

それを食い止めるには「愛」しかないと述べましたが、
最終的な愛の告白に至るまでに描かれていた伏線としては、
≪手をつなぐ≫というものがあったように思います。

最強の「矛」と「盾」は矛盾します。
アニマとアニムスも同じような存在なのでしょう。
矛盾はしているようでも≪手をつなぎ≫≪一緒に生きていく≫なら
矛盾は乗り越えられ最強の矛と盾は成り立ち得ると
そう弟子に伝えたのはカジキの師匠でありました。

カジキの師匠は主人公と意味深に握手を交わすシーンがありましたが
未来に繋いで欲しいという願望の現れだったのかもしれません。

師匠から弟子に思いが受け継がれたように
「願い叶う【光】」に乗せ
≪一緒に生きて≫行こうという主人公の思いが
姫に届く可能性が顕在化した世界、それを望んだのは
アニマであり、{/netabare}それこそが彼女の願いであったということでありましょう。

以上のように解釈してみるととても綺麗な終焉までを見事に描き切っているため
もしも展開が把握できるなら2週目3週目以降も楽しめる名作であるとも考えられ
よって原作ファンが絶賛する気も理解できるという結論に至るわけであります。




●アニマの嘘

十年後、大人になった{netabare}主人公はアニマに召喚されブルースドライブモンスターの内部、
錬金術が作用するその空間に現れます。

そこでアニマとの会話が始まり獣の騎士団、「指輪の従者」の選定基準が 「月の模様」で
あったとネタばらしされますが、早い話がこれはフェイクであると個人的には考えています。

厳密に言うとアニマではなく原作者がフェイク、ないしはぐらかしているわけでありますが…

獣の騎士は全部で12人でありますが、さみだれ姫も最前線で戦う戦士の1人なので
全部で【13】人ということになります。

フクロウの騎士=茜太陽は裏でアニムスと通じており、当初はアニムス側のスパイ
の立ち位置におり、最終的にアニマ率いる獣の騎士団の側につくことを決めたわけであります。

つまりフクロウの騎士は【13】番目の騎士ということになりますが、フクロウというのは
古代象形文字で【13】を表すものであり、「知恵」を司る女神の聖獣であります。

フクロウは「知恵」を象徴するシンボルでありますが、知恵と言えば
アカシックレコードであります。
更にカジキマグロの秋谷師匠は何者からか全能の知恵を付与されていたわけですが
恐らくはアニマが関係してるように思われます。

ユングの提唱したアニマとは知恵の女神を表すような存在であり
従ってフクロウがアニマの側に随伴するのは必然的帰結ということになるわけです。

更に「カジキマグロ」という聖獣の正体について考えてみたところ
例えば「うお座」というものが真っ先に頭に浮かびますが
なおも「聖獣」という存在を意識しつつ深堀りしていくと
「エレファントノーズフィッシュ」というナイル川に生息する魚に辿り着くのであります。

「エレファントノーズ」ですから象のように長い鼻がある魚でありまして
その姿はカジキマグロに似ているわけであります。

古代エジプト神話に登場するオシリスの守護者には「メジェド」という魚の聖獣がおりますが
その由来は「エレファントノーズフィッシュ」であるとのことです。

オシリスとは「植物」の再生を司る植物の神であることから
この魚の聖獣も「植物」と関係があると言うことになります。

「エレファントノーズ」は象の鼻ですが、象と言えばインド神話のガネーシャであります。
ガネーシャとは学問の神でありますが、鼻が長いあるいは鼻が高いというのは
クレオパトラの逸話にあるように教養や学識あることを表します。

そして魚系の聖獣的存在に当たるものを他にも探してみると【バビロニア】神話の
「オアンネス」という名の半魚人的なものが見つかりますが
どうやらこれは「知恵」の神として崇められていたということであります。

「本」は「知恵」を象徴する小道具でありますから、本かたくさんある図書館
と言うのは知恵の集合体であります。

「アカシックレコード」とはありとあらゆる知恵が集積された超次元的「アーカイブ」であり
本が好きな人たちは自然とここに集まるわけであります。

さみだれ姫の父は作家であり、東雲師範と主人公はそのファンであり本にサインを貰います。
茜太陽もアニムスも本が好きで、カジキの師匠も同じ系統であるわけです。

獣の騎士団は全員同じ眷属と予想できますが、特に本好きな人たちは
遺伝的に近しい関係にあるのでありましょう。
カジキの師匠と東雲師範の髪型が似ているのもそういう意味合いがあるのだと考えられます。

カジキの師匠は泥人形との死闘の末、力尽き息を引き取りますが
その背後には「大樹」が天に向かって聳えていました。

この最後のシーンの「大樹」の描写は「植物」の神オシリスと聖魚「メジェド」の関係性に
完全につながり、しかも「大樹」が「世界樹」=「ユグドラシル」を暗示しているのなら
ここでもやはり「知恵」につながるということになります。

北欧神話に登場する「ユグドラシル」の頂上には「フレスベルグ」という名の幻獣が留まって
いるという話でありますから、つまり「月の模様」を見て適当に思いついただけという
アニマの証言はこれまで象徴的表現法を使いつくして矛盾なくつなげてきたすべてのこと
と辻褄が合わなくなるわけであります。。

恐らく真相は【バビロンの一族】と「月」の関係を象徴的に
仄めかしたかっただけのように思います。

獣の騎士の指輪は「ロード・オブ・ザ・リング」に由来する魔法のアイテムであり
アニムスは魔法使いと呼ばれていました。

しかしながら本作ではアニマやアニムス、獣の騎士たちの異能力を「サイキック」として
強調してる節があるように思えます。

「月」の女神の側のアニマが象徴する原理、例えばサイキック能力や最終兵器を
起動させた錬金術の原則、そういったものの由来と所属がどこにあるのか明確に
示したかったので「月」という連想的キーワードを用いたように思います。

陰と陽の対立関係においてハンマーで断罪される側の「陰」=「月」が
断罪する側に対して逆襲するという構図、これを示唆していたのでは
ないかと推測いたします。

獣の騎士団の筆頭である「さみだれ姫」は宿命的な「罪」を背負った
故に死ななければならない定めでした。

かつて罪故に滅んだ都市は【バビロン】であります。

【大淫婦バビロン】とは罪深い【バビロン】という都市を比喩的に表現したものであります。
【バビロンの空中庭園】とは恐らく彼ら独自の文化、「錬金術」に繋がるものであり
本作でサイキックとして描かれたものは【呪術】に由来するのだと思われます。

12ではなく【13】という数字が強調されるのも彼ら独自の文化に関係しているようです。

獣の騎士も風巻氏が創造した泥人形の数もアニムスが生み出した(ハンマー含む)泥人形も
全部で【13】であるのはすべて計算通りであったわけです。

【13】は{/netabare}「惑星」に関する数字であり、「願い叶う【光】」やOP曲の「暁光」に関係します。

以上、本作特有の「象徴的表現法」はかなり洗練されているとは思いますが、
これを見てすべてを理解できる人は限りなく少ないように思います。
という意味では酷評されるも無理ないと言えるのかもしれません。



最終話を見た感想としては、伏線は見事に機能して辻褄も合っており
矛盾点は基本無いように感じました。

設定も精密というくらいなまでに見事に生かされていたようですが
ただこれを見て普通に全部理解できるかと言えば、解釈難易度かなりのもののため
ついて行けない人も相応にいるように思います。

象徴的な表現法が多用されていますが、これもそういう視点から見ないと
ただ説明不足の物語にしか見えないということになるのかもしれません。

もしかしたら原作の重要箇所を端折り過ぎていたために説明不足感が生まれたという
可能性も否定はできませんが、個人的には話の大筋は理解できてしまったので
最終的に大きな減点には繋がりませんでした。

解釈を難しくしている要因について考えてみましたが、一つには純粋SF{netabare}というよりも
スチームパンク寄りの方向に偏った世界観や設定がそれに該当するように思いました。

ユング的集合的無意識の世界、そこには4体の「幻獣」が刻まれた扉=【ゲート】が存在します。

3体は【獣】の騎士たちにおいて発現しますが、残り1体はどうなったかと言うと
どうやら「ブルース・ドライブ・モンスター」というのがそれのようです。

【獣】と「幻獣」は対応していますが、【獣】と「モンスター」も対応しています。
「幻獣」はファンタジー的な表現でありますが、片や「ブルース・ドライブ・モンスター」は
純粋SFというより「スチームパンク」的な表現に基づく存在と考えられます。

「スチームパンク」において最も重要な小道具は蒸気機関ではなく「飛空石」であり
超古代のロストテクノロジーであります。

主人公が「ブルース・ドライブ・モンスター」の内部に入って、何もない空間に歩を進めると
飛空石的なものが動いて道をつくっていくという描写ありますが、これは
スチームパンク的機構を表現していると解釈できるわけです。

ただのスチームパンク的表現なら理解するのはそれ程難しくないように思えますが
そこに「錬金術」の要素が加算されるので解釈難易度は更に上がります。

ハンマーに対抗するこの最終兵器をここでは「LW」と呼称します。
LWに至るまでには【ゲート】をくぐって来るわけですが【ゲート】とは
「2本柱」によって表現されものであります。

そしてこの「LW」を操縦できる資格者とはアニマと同じ意識レベルに達した者
即ち【アカシックレコード】に辿り着いた者であるわけです。

アニマ以外に【アカシックレコード】に辿り着いたのは、さみだれ姫と主人公の2人だけですが、
姫には姫の思惑があり、アニマもそれを知っていたこともあって、最終的に
操縦者に選ばれるのは主人公であります。

LWの内部では時空の歪みによるのか定かではありませんが、別次元の自分の「精神体」と
アクセスできるという現象が起こります。

別次元の相互的で連鎖的な結合が起こるだけということなら、SF的な「量子論」という
発想でも理解可能な現象でありますが、別次元の「精神体」と繋がるという発想は
やはりこれは錬金術寄りの思考回路であるということになるように思います。

【ゲート】は「2本柱」でありますが、その先を極めたものは「3本目」を得た
と言うような解釈がなされるようです。

つまり錬金術の法則が作用するその空間で「方天画戟」を手に入れたという描写は3本目の
「3本柱」を暗示しており、当然の如く未来人のアニマに手渡されるわけであります。

「2本柱」は「男と女」や「陰と陽」などの一対のもを表しますが、2本の柱の融合により
新たに3本目が生まれるということであります。

アニマは主人公と姫の子供ではありませんが、未来の親族に当たる存在であり
この次元の世界を終わらせようとするアニムスに対峙し未来を切り開く立ち位置にあるため
3本柱を示す「方天画戟」を手にし事を成すのであります。

さみだれ姫が「アカシックレコード」に辿り着いたということを表現するために
「ピラミッド」の頂点に仁王立ちするようなシーンがありますが、姫がつけたマントが
見事に「△」の形を再現していたりしますからかなり計算高いものを感じます。
ついでに言いますと姫の「知ってんで」という口癖も「アカシックレコード」を
示すための伏線であったようであります。

更に言うと本好きの茜太陽は「図書館」に通っていましたが、この「図書館」とは
「新世界より」や「輪るピングドラム」の作中で不思議めいた図書館として
示されるものであり、アカシックレコードの象徴的表現であると考えられるわけです。

「量子論」的発想でもある程度の解釈は可能ですが、更に細かく見ていくとするなら
「スチームパンク的な世界観」や「錬金術」的な発想が必要になるようでもあり、しかし
そんなことを考えているだけで既におなか一杯になりそうですが、
更に「エヴァンゲリオン」に見られた「エロスとタナトゥス」というような二元論的発想も
必要になってくるとしたら、それはなかなかにカオスな状況と言えるのかもしれません。

取り合えず「アニムス」は破壊を表し、「アニマ」は創造を表します。
病が原因でさみだれ姫は自己否定的自虐的な思念に囚われますが
このマイナス思考は「アニムス」の要素であります。

自己否定的思考だから自分のエゴにも否定するため、欲もなく
その反動として自分以外のありとあらゆるものに愛着が生まれます。

他者への思いやりの心がある純粋無垢な少女は主人公と運命的な出会いを果たし
純愛に目覚めます。

しかし一方で自分が病という鎖に囚われるだけでなく更にその鎖で家族を縛っている
ということに罪悪感を覚え、死という罰を自分に課さねばならぬと覚悟を決めるのであります。

純愛に目覚めた少女はこの惑星と無理心中をすることにより、自死の刑罰を実施しようと
目論みますが、この考え方はどこか矛盾しており屈折しているわけです。

ある種の葛藤的な精神作用のもつれや心理的拮抗状態は相反する「エロスとタナトゥス」の
原理から説明可能でありますが、相反する「アニマ」と「アニムス」との衝突
戦闘とはさみだれ姫の中の葛藤を表しているとも考えられるわけです。

ハンマーは鉄槌であり、断罪の象徴であります。

罪悪感と断罪による幕引きはさみだれ姫の思いでありました。
自虐的で自己否定的な衝動はタナトゥスの作用でありますが
ハンマーはタナトゥスを表すものでもあるわけです。

世界は愛せても罪深い自分は許せないというタナトゥスの衝動、これに打ち勝つには
エロスという存在肯定の衝撃が不可欠であり、やはり最後は愛の告白タイムとなるわけです。

告白タイムと言えば屋上のシーンでありますが、あの時はハンマーに靄がかかっておりました。
あの時は魔王の僕となれと口説いたさみだれ姫でありましたが、本心は別にあり
主人公には見えていなかったのでありましょう。

やがて人間的に成長した主人公は思いやりの心を持ち、時にピエロの役を演じながらも
姫の純愛レベルに達するまで距離を縮め、遂には霞を蹴散らし姫のハートをぶち抜く
渾身の一撃を放つのであります。

生きることに意味を与えるための必死の告白は既定路線でありますが
それでも屋上での告白タイムのやり直しという風に考えるとこれ以上の着地はないと
言えるくらいしっくりくる結末であったように思います。

「惑星と無理心中」という発想が純愛を示していると気が付けば何の違和感もありませんが、
「無理心中」という発想が古すぎたため、純愛物語的な最後の告白タイムに{/netabare}
違和感を感じた人ももしかしたらいたのかもしれません。


●SF的設定がもたらした罪と罰、視聴者を混迷に導くか?
個人的に思ったのは本作はファンタジー路線を進むべきであり
アニ{netabare}マとアニムスのSF的未来人設定は他の要素との食い合わせが非常に悪い
ような印象を強く受けました。

ユングが提唱した「集合的無意識」 なる概念は非常に曖昧で漠然としており
なおかつそれに「アニマ」と「アニムス」という更に漠然とした概念が乗っかってきたら
それはもはや「科学」とは真逆の領域の問題であるということになるでしょう。

そもそも心理学とは心の科学を目指しながらも、実質は科学ではなく、
極めて曖昧で漠然としている人の「心」を科学的に解明するというのは
そもそも不可能な試みであるとしか思えません。

本作において「集合的無意識状態」に関わる夢の中のような世界に主人公が召喚可能なのは
「さみだれ姫」の存在によるとこころが大きいように思われますが、その「不思議領域」が
「アカシックレコード」に繋がるかと考えた時には、やはり言葉の定義の曖昧さ
という問題が最後まで残るように思います。

そういう曖昧さを許容しつつも、重要キャラであるところの頭に【リング】を身に着けた
「アニマ」には超自然的な力が備わり、ある意味「メタフィジカル」な認識を
提供できる存在であるということは確認できるわけでありまして、よってこの不思議領域に
召喚された主人公が長い長い階段を上り「ピラミッド」であるようであり、
「世界樹」であるようでもあるその頂点に辿り着き、上から「ビスケットハンマー」を
見下ろしているシーンが描かれていたことからして、それは頂点を極めた者であるという
ことの表明であるわけですから、結果として「アカシックレコード」に辿り着いたという
解釈が成り立つわけであります。

この解釈がギリギリの線で成り立つのはアニマという神秘キャラを大前提にしていますが
「アカシックレコード」をSF的に科学的に{/netabare}説明しろと言われたら
恐らくすべてが破綻することと思います。

そしてもしも{netabare}「アカシックレコード」{/netabare}の本質が知りたいという人がいるならば、
個人的には {netabare}「密教」{/netabare}をやることを強く推奨するでしょう。

●作画が惨いと評判の一見して糞アニメと呼ばれる本作の真価は如何に?
主人公の成長については兎に角よく描けていたことだけは間違いない良作アニメ
だと思っておりましたが・・・

前回の内容を見る限りにおいては各種の不安要素が徐々に鎌首をもたげてくるような感じで
じりじりと嫌な雰囲気が全体を包み込むようにして広がっている、
そんな印象を強く受けてしまいました・・・

更に悪いことにはこの期に及んで原作ファンの酷評とか見たら、いよいよこれは本格的に
期待外れの結末とか覚悟するしかないという話になるわけであります。

そのような前提で最新作を見たわけですが、どういうわけがこれが期待外れなまでに面白い!?
なんじゃこりゃ??というまるで意味不明な展開であります。

本作のキャラ設定とかやたら洗練されていることは重々承知していましたが
だからと言って終盤戦での失速が無いという理由にはならないわけですから
ある程度までは終盤戦での失速あり得ることについては想定していたのですが・・・

実際蓋を開けてみたら、駄作どころか良作レベルを余裕越えるもの凄い盛り上がり展開が
待っていたという、なんじゃこりゃ?展開であります・・・

本作については、原作ファンが何を言おうが全無視でいいのかもしれません。
本作は「腐っても鯛」レベルの物語性を誇るが故に、
結末を見ずして即断は禁物と改めて実感した次第に御座います。



●因果律の糸は絶たれた?
{netabare}主人公と姫には前世での因縁があり、なので二人は自然と惹かれ合ったのだと
そんな風に考えていたわけですが、前世の因果ではなく、幼少期のエピソードが縁だとすると
少々想定していたのは違うと言いますか、スケール感が不足しているような
そんな印象を抱いてしまいました。

アニマとアニムスの関係性もSFっぽい過去描写が予想外でやや期待外れ感があり、
現状微妙な空気も漂っていたりもいたします。

姫が主人公のことを「ゆう君」と呼ぶのは、彼をハニートラップに嵌めるための
魔王の知謀によるものではないかと疑っていましたが、純粋無垢な少女の心残っているが故に
「ゆう君」と言っているのだとすると魔王という設定はどうなったのでしょうか?

矛盾を解くための尺はまだ残っていますが、この先どう転ぶのでありましょうか?{/netabare}


●未来へ続くは棘なりしか、飛燕草
ファンタジーとは「集合的無意識」{netabare} の世界を具現化しただけの世界というのは
ある意味正しい解釈でありまして、ファンタジーとはご都合主義だと言われたら
それまでの話でありますが、当然のお約束として泥人形とビスケットハンマーの
攻略法が見えてくるという展開が訪れます。

最強の男東雲師範を新技で撃破した主人公には、もはや敵なしと思われましたが
何故か蛇の騎士「白道やよい」とは相性悪いらしく見事に2連敗を喫し、
手も足も出ない醜態を晒すのであります。

ある意味天然キャラの蛇の騎士でありますが、二人が目論む「惑星破壊」を何としても
止めようとする意気込み・気合は十分であり、主人公に対する彼女の思いもそれだけ強い
のに対して、主人公はそれに対してどう向き合っていいのか態度を決めかねているため
当然集中力は低下し、東雲師範の時のように完全制御できた新技が上手く発動できず
見事に「捕縛」されるというオチであります。

かつて鉄血の「鎖の掟」で主人公を捕縛するかの如く自由を奪ったのは彼の祖父でありましたが
さみだれ姫はその鎖を壊し主人公をその鎖から開放します。

そこで主人公は自由を手に入れたでしょうか?
姫が彼に求めたのは絶対服従であり、新たに鎖の関係を結ぶ契約を半ば強引に
主人公に迫ったのであります。

「鎖の掟」の後遺症により人間不信の呪縛から抜け出せていないその時の主人公は
自分から幸せを奪った世界を呪っており、その世界に復讐できるならばと姫の惑星破壊計画に
快く賛同するわけですが、後にさみだれ姫だけでなく東雲師範や世話焼きな大人たち、
仲間たちと触れ合うことにより人間的成長を遂げ気が付けば信頼できる人たちが周りに溢れ
奪われるだけの人生から一転して与えらる側にいることに気が付きます。

東雲師範をはじめ与え続けてくれた人たちの恩に報いるためにも、主人公は
究極の決断を迫られることになるでしょう。

「愛しているぜ魔王の騎士」と言うさみだれ姫、
「愛しています我が魔王」と呼応する主人公
二人の間に本当に愛情はあるのでしょうか?
姫が一番愛しているのはこの惑星であり、だからこそこの惑星と無理心中しようとするわけです。

尊敬の念や信頼感あったとしても恋愛関係にはない二人の間に
自由恋愛的な立場から割り込んでくる蛇の騎士により
三角関係が生まれるわけでありますが、鎖の呪縛により自由恋愛の経験が無い
主人公は{/netabare}どのような態度を示すでしょうか?

ある意味泥人形との戦いを描くよりも落としどころが難しいため
不安がまず頭をよぎりますが、この決着をどうつけるのか大変見ものでもあります。

●ネタバレソングの登場?
{netabare}「集合的無意識」とは心理学者ユングが提唱した言葉でありますが
主人公と姫が何度か会合していた場所はその領域に当たるものだと思われます。

そこにある扉には奇妙な生物の絵が刻まれておりましたが
もしかしたらそれは「幻獣」であるのかもしれません。
だとするともう一体いるということもあり得そうです。

超自信過剰な男=東雲師範との決闘で師匠を超えた主人公は
彼以上の自信家となり、潜在意識下に眠る無限の可能性を顕在化させ
奇跡を起こし得る超越的存在となったのかもしれません。

ヒロイズムの完成によって物語が加速するか、むしろ高みを極めたが故に
逆にピークアウトしてしまうのか、この終盤戦にすべてがかかっていると言えましょう。 {/netabare}

●連鎖するくびきの虜
フクロウの騎士 茜太陽はムッツ貧弱根暗眼鏡キャラであるところの主人公に
どこか似ているところがあり、 {netabare}深い闇を抱えているようであります。

その闇故にアニムスに付け込まれ取り込まれてしまったのか、はたまたアニムスに取り込まれた
振りをして接近するのが彼の本意か、定かではありませんが
かつての主人公が鎖の掟に囚われもがき苦しんでいた日常から、さみだれ姫の手により
解放されたように、仲間の鉄拳制裁という荒療治をきっかけに何も決断しないという生き方から
開放され、生に輝き見出したのも必然のような気がいたします。

昇る太陽は覚醒し、幻獣の騎士が出揃います。
ここまでは【梟】という裏設定の発動を含め予定通りの展開と言えましょう。

しかしながら残りの話数もわずかとなり、その割に描かなければならないものが
山ほど残っていることを考えると少しばかり不安なものを感じずにはいられません。

さみだれ姫、アニマ、アニムスにまつわる謎や前世での戦いの経緯
そして主人公の未来の・・・
これらのことを詰め込み過ぎの駆け足であっさり片づけるようなこ{/netabare}とだけは
どうにか避けてもらいたいと願うばかりであります

●「墓穴」に入らずんば虎児を得ず
原作ファンによる「ネタバレ禁止かん口令」のフラグ{netabare}が発動し
後半戦に入るや否や怒涛の巻き返し展開が始まった模様です。

我らが主人公=ムッツリ貧弱根暗眼鏡は太郎の死に対し激しい憤りと自責の念に苛まれ
復讐を果たすべく幻獣の力を手に入れようと必死にもがくのでありました。

自分が不甲斐ないばかりに東雲師範に続き後輩をも死なせてしまうという大失態、屈辱、後悔
負の感情のオンパレードの荒波に飲み込まれ、前後不覚五里霧中のままに決闘に挑むも
敢え無く惨敗・・・惨め惨め、ただただ惨めな男でありました。

ここまで激しく空回りする主人公とか前代未聞でありましょう。

そして降ればどしゃ降りの雨中、自ら掘った墓穴に嵌って
「生きているのも嫌になる」程に自分があまり馬鹿らしく思え、
自分という存在の愚かさや無力さを際限ないくらい徹底的に思い知らされるのでありますから
これはもう笑うしかない・・・

墓穴を掘る男=「アンダーテイカー」という役者が墓穴の独壇場で繰り広げる喜劇の舞台、
その背景には雨があり、沈む夕日が似合うでしょう。

バッティングセンターでフルスイングするも、思いっきりカラ振りした時の痛み、
それはとにかく屈辱的なものでありましたが、
そんなカラ振りや空回りが史上№1に似合う男、
それこそ我らが主人公「Mr.アンダーテイカー」その人であります。

決闘の敗北と雨と墓穴、すべてがこれ程までに機能する物語展開など
それだけでもうお腹一杯になるほどのフルコースでありますが
太郎と花子のキャラ設定もかなりエグイことになっているようです。

太郎の超共感性体質というのもかなり凄い設定でありますが
花子を死なせないためにはどんなことでもやり得るという太郎の動機を
これ程までに説得力ある形で裏付けるとは、完全に脱毛であります。

必殺技は「叫ぶ」べきだという話でありましたが、
喪服を纏った弔い合戦において騎士たちが発する「叫び」には鬼気迫るものがあり
高ぶりまくる胸熱感は必至のことでございました。

特に陰キャ眼鏡の花子の「叫び」には極上の味わいある響きが感じられ、
陰から陽にスイッチ転換する成長っ振りも含めお見事な結び締めであったと思いました。{/netabare}

●踊るデッドエンドのからくり
後半戦に突入早々{netabare}死亡フラグは発動します。
3度ほど仄めかされた死亡フラグがこのタイミングで成就したのには理由があったようです。

大前提としてあるのは泥人形の攻撃力は異常に高く、一発食らえば即死もあり得るということ。
今回の太郎ターンではその大前提を再確認するような形になったように思われます。

東雲師範も一撃でデッドエンドを迎えましたが、その時は不幸な事故みたいなもので
弱小主人公を助けようとしなければ、本来の実力で泥人形の攻撃は回避可能なはずでした。

それが今回の騎士型泥人形は攻撃力だけでなく、素早さやリーチの長さなど含む
トータルでの戦闘力は格段に高く、最強打撃王のさみだれ姫でさえも手を焼く有様です。

騎士の中でも一番弱そうなのはネズミの太郎ですが、ただでさえ死亡リスクが高いのに
幼馴染の花子のことを気遣い、命がけで守ろうとするわけですから
生還する可能性は無きに等しいということになるのでしょう。

更に悪いことには、そんな太郎の思いを知ってか知らずか当の花子ときたら
まるで自分の命を軽んじているかの如く泥人形に対する囮役を自ら買って出るという始末で。
ある意味自殺志願者のようにも見えてしまう花子ですが、そんな彼女の真意とは
いかなるものであったのでしょうか?

もしかしたら彼女は自虐的な人間で、その自虐の意味するところは
自分が太郎の足枷になっていることに対する自責の念、それが元にあるのかもしれません。

騎士の中で最も弱いのは太郎であり花子であることを自覚していたからこそ
自分の命を有効に使うため、あるいは太郎の足手まといならないために
危険な役を敢えて引き受けたような気もいたします。

太郎と花子はお互いの気持ちをどこまで理解していたでしょうか?
互いが相手を思い庇おうとすればするほど死亡リスクがどんどん高まってしまうという不条理。

そんな不条理を受け入れ自らをその犠牲に捧げようとした花子と
その不条理を全否定する形で愛のために自らを犠牲に捧げた太郎。

兎に角太郎の思い、願いは徹底しており、花子の命を救うためならば
どんなことでもやる覚悟ができていたようで、
騎士の願いにより花子の命には保険がついたとしてもそれでは満足せず
即死のリスクが少しでもあるならば、そのリスクを完全に潰しておこうと
言わんばかりに自らを楯として曝け出し、花子の即死のリスクを強引に
回避させたのでありました。

カマキリのキル曰く「無駄死にだ」ということですが
太郎にしてみれば結果即死のリスクを潰せたわけですから
意味ある行動だということになるでしょう。

太郎の死はある意味必然ということになりますが、その必然を今まで回避できたのにも
理由があったようです。

泥人形の攻撃力が高すぎて食らえば即死という大前提があったからこそ
夏合宿により各自の能力を高めるだけでなく、数の利を生かしたチームプレイを強化し
泥人形に対抗しよういう話でございまして
その戦術に効果があったからこそ、その時点での犠牲者はゼロであったというわけであります。

そしてユニコーンの騎士に覚醒した南雲隊長の踏ん張りと言いましょうか
「決して誰も死なせはしない」という必死過ぎる執念も死亡フラグを覆す
方向に作用していたようでありましたが、冷静に戦況を分析したアニムスの
今回の策謀、分断戦術により死亡フラグを回避する要因はすべて取りの払われたのでありました。

太郎の犠牲により命を拾った花子ですが
もしも彼女に自虐志向があるならばどうなることでしょう?
愛想笑いの{/netabare}ジュリエットが迎える運命とは、さて?

●死亡フラグは3度死ぬ?
獣の騎士すべてが集結し、これから泥人形との{netabare}死闘は激化するように思われ
そして死亡フラグ的なものも3度ほど出されたようですが、
ここまですべて不発に終わったようです。

今回のフラグ回避には精霊アニマの能力によりユニコーンの騎士が覚醒したことが
大きく作用していますが、それにしても度重なるフラグ回避の展開にはどのような意図が
込められているのでしょうか?{/netabare}

1話~6話の主人公の{netabare}成長・覚醒{/netabare}を描いた物語展開には個人的にかなりの好印象を持っておりますが
それ以降から前半戦終わりにかけての展開には{netabare}少し中途半端で6話以前と比べるとやや物足りない
ような感を抱いております。

後半戦突入してもなおまさかこの調子で進むとかいうのは流石にないとは思いますが
もしもこのような感じが続くなら十分減点対象になるものと認識いたすところにございます。{/netabare}

失速し続けるのか?それとも急転するのか?
後半戦に期待を託します。

●先の展開を予想
獣の騎士全員揃っての初戦は{netabare}(フラグ全否定という形になり)犠牲者ゼロという{/netabare}結果でしたが、
この先も順調に{netabare}勝ち進むとは到底思えませんし、恐らく戦死者はそれなりに
出るのではないかと予想いたします。

強そうなキャラは馬、カラス、フクロウ
最強の「矛と楯」コンビのニワトリと亀も弱くはないのかもしれません。

一番弱そうなのがカマキリとネズミ、そしてヘビです。
一番最初に死にそうなのは、恐らくネズミなのかもしれません。
幼馴染を庇っての戦死とかは、ありそうなパターンであるように思われます。

ただ仲間を庇っての戦死パターンだと東雲師範の弟や馬の騎士も十分あり得る話ですし、
一見して裏切り者のようなフクロウも、仲間との交流が深まれば態度を反転させ
突然熱血キャラ化する可能性も全否定はできません。

騎士の中で一番立ち位置が不明なのが黒猫ですが、現時点では裏切る可能性も含め
余談は禁物と言ったところでしょうか。

ヘビの騎士は、もう少し先のところで主人公のピンチを回避すべく体を張った結果
戦死して{/netabare}しまうような展開はありそうかと思いますが、

次回以降その辺に注目しつつ展開が動くことを期待いたします。

●ある意味アニメという概念が通じない世界を描く?
最新話は{netabare}謎のヴェールに包まれた存在であるところの{/netabare}「姫回」でした。
獣の騎士が勢揃いしていよいよ急展開を迎えるのか?と思いきや
{netabare}まるで朝日奈一家のホームドラマみたいなベタな{/netabare}展開を見せられた
通常のアニメファンはかなり戸惑ったのかもしれません。
{netabare}その一方でドラマ性重視の当方としましては非常に満足できる回でありました。
ある意味王道ホームドラマ展開でベタベタでありますが、王道故の良さも漲っておりました。

さみだれ姫は不治の病を患っており、その治療法を確立するために姫君の母親は
医学者でもあったことから、海外に移住し長らく研究に没頭する日々を送り
それ以降娘に会うことも滅多にないような状況になるわけです。

姫自身も自分の母が海外暮らしを余儀なくされている理由には自分の病がもとにあり
その治療のためならば仕方ないと頭では理解しつつも、複雑な思いを抱き、家族の関係のこと、
特に母親に対し悶々と思い煩うのでありました。
母にも姉にも自分の傍にいて欲しいが、母や姉家族がバラバラになってしまったのは
自分の病が原因、すべては自分が蒔いた種であるとさみだれ姫は思い煩い、
罪悪感にも似た後ろめたさや自分という存在を悔いるようなセンチメント、
女子高生くらいの年齢特有のとても繊細でとても脆い自己嫌悪的感情の渦に
飲み込まれてしまうのであります。

そんな中、今回株を急激に上げたのがむっつり根暗貧弱眼鏡でお馴染み
我らの冴えない主人公=雨宮夕日 その人でありますが、今回の彼の態度・振る舞いは
つい最近飲酒し始めたにすぎないボンクラ大学生とは思えないくらいにスマートで
空気読め過ぎる大人そのものだったことには思わず舌を巻いてしまうくらいに、
見事な成長っぷりでございました。

本作は「成長物語」という要素がかなり大きく、故に
成長物語とはどういう特質があるのか理解できない人に説明するのはとても厄介な話でありますが、
逆に「成長物語」{/netabare}について精通してる人からしたらある意味神回だったと言っても
過言ではないのかもしれません。

以前ならば慎重さこそに重きを置いていた貧弱眼鏡の主人公でしたが
ここぞと言う瞬間には{netabare}掌握領域を発動させ「超飛躍」を成し遂げて
そして、さみだれ姫を(ハートごと?)掴み取り、姫の母親の元に送り届けるのであります。

主人公の大人びた対応は、本人曰く東雲師範の真似をしただけということですが、
さみだれ姫の家族関係を見て色々と思うところがあったようで
自分の家族である祖父との冷え切った関係性について見直しを図るあたりも
彼の成長を大いに感じられるような、成長物語{/netabare}としてはとても見所が多いお話でありました。

●主人公が騎士契約に応じた理由
{netabare}①姫が好みのタイプだったから(前世からの因縁?)
②姫が信頼に足る得る人物だったから(行動力がある)
③この惑星を砕くという姫の企てに共感したから

※③についてもう少し詳しく書くと以下のようになります
父の不幸な死をきっかけに母親はショックを受け失踪
祖父は人間不信に陥り孫が父親と同じ道を歩まぬようにと
「他人を信じるな」という(体罰ありきの)洗脳教育を実施。
少年時代から信頼関係とも無縁、家族愛とも無縁の不幸な人生を歩み
性格が歪んでしまった主人公は、自分を不幸にした「この世界」を呪い
いつか復讐してやろうという気持ちを密かに抱くようになる。

姫に出会い姫によって提案された惑星を砕くという計画を世界に対する復讐の好機ととらえた
主人公は心よりこれに賛同したため「御意!」と応じたというのが話の経緯であります。

このようにして主人公と姫の騎士契約は見事成立することとなりましたが姫の性格、本性
については謎の「ヴェール」に包まれているところがあり前世の因縁で出会うべくして
出会い、相思相愛の結果強く結ばれたような結婚契約にも見えるこの契約の背後には、
姫の本当の思惑が隠されているようにも思えてなりません。

ヴェールは結婚式の時花嫁が被るものですが、
(騎士の指輪)リングも結婚式の時に身に着けるものであります。
主人公の立ち位置から見たら姫との誓約を交わす儀式は結婚式のようにも見えますが
姫の側から見たらそれは偽装結婚式であったのかもしれません。

1話冒頭のシーンは桜の花から始まります。
桜の季節と言えば入学式の頃合、4月ではないかと予想されますが、
4月と言えばエイプリルフールであります。
もしかしたら姫と主人公の誓約の儀式は「嘘」だったのでしょうか?

姫が何を思い主人公に近づき、何を成そうとしているのか謎の部分が多いですが
それについて重要な鍵となるのは姫の性格、人格であると思われます。

恐らく姫の誕生日は6月(より詳しく言うと6月6日)ではないかと推測いたします。
その理由は名前が「さみだれ」で梅雨を表すというのがまず1つ目
次に1話冒頭の桜の季節の後の連休に主人公が実家の祖父の元に帰っていましたが、
連休とはゴールデンウイークを指し、祖父の容体が急変し命を救う願い事を申し出るシーンでは
雨が降っていたことから(「五月晴れ」という割に5月はよく雨が降るので)その時期は5月であり
獣の騎士が全員揃って海で合宿したのが夏ですから、5月~7、8月の間に姫の誕生日が
あったということなります。
というわけで姫の誕生日は5~6月ということになりますが、その時期の星座は双子座であります。

双子座とは何を暗示してるかご存じでしょうか?
これは「聖闘士星矢」にも通じるところありますが、
双子座とは「二重人格」を暗示するものでございます。

さみだれ姫のもう一つのヴェールに包まれた人格は、
精霊アニマによるところが大きいように思いますが
魔法使いアニムスの妹=アニマと思われる人物は本作OP最後の方に登場する人物のようです。

髪の色が緑色なのは「楯の勇者2」のオスト・ホウライを想起させますが
それは大淫婦バビロン=男を惑わす悪女を意味するのでしょうか?
それともやはりユング心理学を踏まえた解釈こそが適切な結論を導き出すのでしょうか?
いずれにしましても、姫の人格に秘められた謎を解くには少々骨が折れそうな気がいたします。{/netabare}

●10話でついにすべての条件が揃った?
{netabare}今にして思えば、1話の内容がよくわからないとか主人公や姫が何考えてるのかさっぱり
理解できないというような声も少なからずありましたが
実はその意見はある意味正しい指摘でもあったのは事実です。

1話の問題の屋上シーンで、突然ビスケットハンマーの挿入により
ストーリー展開に水を差し、すべてを謎のベールに包んだ最大の理由は恐らく
さみだれ姫の性格が実は二重人格であり、そのことが後の物語展開にとって
重要な意味があったために敢えてカムフラージュしたのではないか?と
当方は邪推しております…
しかしながら、要するにすべての謎が解き明かされるのはまだまだ先のことで
1話からすべての説明を晒さないならそれは不親切でさっぱり意味がわからないし
見る気もなくなるとあっさり本作を切った人たちには、それについて
いくら説明しても馬耳東風なお話になるのでしょう…

その一方で、自分なりに1話で何故に主人公が豪傑姫がもちかけたプランに対し
やる気満々で「御意!」とあっさり答えた理由についての解説を今だに書ききれてないので
説得力まるでないレビューと批判されたら返す言葉もないというのが現状であります…

少し言い訳すると「ユング心理学」の「集団的無意識」について少々調べてから
色々まとめようかと妄想奮闘してる際に、時をすっ飛ばす
スタンド能力保持者の奇襲攻撃を受けたのが最大の原因であります…{/netabare}

●9話で明確になった本作の特徴
群像劇をさり気なくぶっこみつつも師弟関係の人間ドラマをまともに描いてくるあたりは
流石名作という評判もあながち嘘ではないと確認した回でした。


●小耳にはさんだ情報によれば、なんでも本作に対しては原作ファンによって
「ネタバレ厳禁」のかん口令が敷かれている模様です。
そしてここでの評価が異常に低いという状況と合わせて総合的に考えると
これは「途中で切ったら後悔する系の名作」あるいは「隠れた名作」になる可能性が濃厚です。

キャラ設定や謎めいた各シーンを振り返ってみると、兎に角分析しなければならない要素が
あまりに多すぎてそれをまとめようにも1話だけで手一杯な状態であります。

考察系を得意とする人には{netabare}是非とも見てもらいたい作品ですが、
この時点で本作の評価に関しては自信をもって当てにいけることを確信しましたので
ここで超強気に!本作の評価を全体的に上方修正いたします。{/netabare}

今後の展開に大注目であります。


〇7話視聴直後の感想…
主人公の思いとその行方{netabare}は、少なくとも第1話の段階では固い結束により運命的なまでに決定づけられたように見えましたが今まで出会い別れて訪れる心優しき世話焼きたちの影響を受けた結果、
主人公{/netabare}にいよいよ「変化の兆し」が現れるのでありました。
{netabare}亡き東雲師範の願いや思い{/netabare}を受けたことが特に大きかったのは言うまでもないですが、
{netabare}この「変化の兆し」こそ{/netabare}が新たな展開を生むのは必至の状況。
{netabare}「変化の兆し」を匂わす描写については確かに相応の緻密さで以て「達磨落とし」が可能なくらい相応程度には積み重ねられてきたとは認めるところですが、{/netabare}
より多くの視聴者に正しく伝えるには、{netabare}丁寧さと尺が不足している感が否めず
重要なポイント故に残念感がよりましてしまったというのが個人的な見解です。

親愛なる下僕に躊躇なく「愛してる」を言う姫殿下の真意とは、実は第1話が「偽装結婚式」みたいな様相を呈していたことからある程度には予想できてましたが
まさかこれ程までに急展開するのは予想ができず、その詳細について書きそびれてしまうという見事なまでの我が醜態でありました…{/netabare}


●第1話を押さえるための予備知識に触れてみます。
{netabare}「ケモノの騎士」とは何でしょう?
「ケモノ」と「騎士」の2つの構成要素を持ちます。
「ケモノ」と言えば「大淫婦バビロン」ですが、それは何故かというと「バビロンの大淫婦」は
「ケモノ」に乗ってやってくるからです。

「騎士」とは何でしょう?
馬に乗り甲冑纏えば「騎士」に成れるでしょうか?
騎兵と騎士は別もので、騎士は貴族であり、盟約に従い主君に仕えるものであります。
「最後の騎士」として名高い「マクシミリアン1世」はハプスブルク家の血族ですが、
ハプスブルク家の家紋は「双頭の鷲」です。
2つの頭を持つ黒い鷲、そのヴィジュアルは日本の八咫烏にも似ていますが、このように
貴族の家紋になどによく使用される奇妙な生き物たちは「聖獣」
と呼ばれたりする存在であります。

実際の貴族を思い浮かべれば、ケモノ(=聖獣)と騎士とは実は相性が良く、
双方に密接な関係性があるのは容易に理解できることと思います。
そういうわけで、主人公のもとを訪れた(黒蜥蜴星人のような?)蜥蜴の騎士とは
実は聖獣を表しているというお話であります。

「ケモノの騎士」に似たようなものを他作品で探してみると
「楯の勇者」の「ラフタリア」と「聖闘士☆彡星矢」の「聖闘士」が思い浮かびます。(当初の)
ラフタリアは騎士ではなくただの剣士であり身分も奴隷階級ですが勇者に従い主人を守る存在であり、
かつ勇者とは時に王国やその姫を救い王権を託され王族に転身する展開もあり得ることからしても
王族予備軍であるところの勇者に仕えるケモノの剣士ラフタリアは
「ケモノの騎士」と全く同じ存在と言えます。
そしてケモノが聖獣ということならば相方のフィーロもその条件に適合します。

上段でケモノと言えば「大淫婦バビロン」だと申し上げましたが大淫婦とは売春婦のラスボス
みたいな存在であり、そのような前提で考えるなら「楯の勇者」の「オスト・ホウライ」は
まさにそのイメージにぴったり当てはまると言えるのではないでしょうか。
「大淫婦バビロン」とは要するに男を惑わす悪女的存在のことを意味します。

彼女は「霊亀」の本体でありますが、霊亀とは聖獣でありケモノであるから
大淫婦バビロンに繋がるのは必然なのであります。
そして「楯の勇者2期」の最後の最後に「ケモノの剣士」たちと「大淫婦オスト」が
「恋バナ談義」に「花を咲かせる」シーンが印象的に描かれているのも
もしかしたらそういう繋がりが背景にあるからなのかもしれませんね?

聖闘士もケモノの騎士と全く同じで、ケモノ(=聖獣)の甲冑を纏い「女神アテナ」の
生まれ変わりであるところの沙織お嬢様に仕えます。
「女神アテナ」とはギリシア神話の神ですが、ギリシア神話の神々は肉体関係を大前提とした自由恋愛には超積極的な性格を持ち合わせており、その中でもアフロディーテ(=ヴィーナス)は
特に愛欲まみれの女神として名高い存在です。

女神アテナと大淫婦バビロンではイメージに若干のズレがあるようにも見えますが、
Zガンダムのレコア少尉がジュピトリス(ジュピターは木星、主神ゼウスを表す)の男にそそのかされ
かつて男女の関係性を持った?とも噂されるクワトロ大尉とエウーゴをあっさり裏切り華麗に転身した時に乗っていたMSの機体名が「パラス・アテネ」だったのは偶然ではなく
必然であると個人的には理解してます。

ギリシア神話の神々はどうやら性衝動が抑えられない性分を持ち合わせているようで、そういう意味においては大淫婦バビロンと似たようなものとして解釈できるのではないでしょうか?

ケモノと騎士と大淫婦に関連性があるならば、本作においてもその法則は当てはまるのかも?
という話になりますが、ならば主人公=蜥蜴の騎士にとっての親愛なる姫殿下は実は大淫婦の化身
なのか?という疑問が浮上します。

よくよく考えてみると姫殿下の本性と言いますか、内に秘められたもう一人の人格の正体が魔王であることからして魔性の属性を持っているのは至極当然であり、
それ故に「大本命の思い人」に対する執着心や独占欲が並外れて強く、ならばこそ烈火の如く
灼熱的でドロドロの「愛憎劇」が繰り広げられるのは必然と言っていいのかもしれません。{/netabare}

●本作の敗者復活も可能かもしれない?
潜在的力を秘めた究極の※「ネタバレ」ソングです。
{netabare}途中で切った人には2、3度聞くことを推奨いたします。
Half time Old 「暁光」
https://youtu.be/zunFoF97vLc

「暁光」とは夜が明けるころに差す日の光のこと{/netabare}


●タイトルとOPからイメージされるもの
本作 ~惑星のさみだれ~ は ☆彡☆彡☆彡{netabare}「惑星を砕く物語」☆彡☆彡☆彡であります。
惑星が木端微塵に砕け散りそのかけらが流星群となって降り注ぐ様を
「さみだれ」という言葉で表しているのだと思われます。 そしてまた、
「さみだれ」はとめどなく「流れる涙」を暗示してるのではないかとも考えられます。
「惑星=☆彡」とは光であり希望であり、それが跡形もなく砕け散る儚さのようなものを感じる物語。
「さみだれ」という名を持つ渇望の姫君の物語でもあります。{/netabare}

●洗練しつくされているからこそ理解するのが難しいキャラ設定について
{netabare}本作攻略のための重要なポイントは姫殿下が「二重人格」であること。
ただしそれがはっきりと示されるのは3話のことであり1話ではほのめかす程度
の描写しかありません。
そのため1話の時点で姫の二重人格性については見抜ける人は皆無であり
1話の終盤、クライマックスシーンにおける原作者の意図するところが
読みにくくなっている点に注意が必要です。

姫殿下の性格分析は難しいのでまずは比較的簡単な主人公の方から始めましょう。
主人公はムッツリ・根暗・貧弱・眼鏡の大学生ですが
将来の夢もなく無気力に平凡に地味に生きてるだけ
はっきり言って人間的魅力が皆無に近い人物です。
今は亡き父親が警察官だったこともあってか案外真面目で頑固な一面もあるようで
そういう意味では生真面目な騎士クレザント卿とどこか似てるところがあるのかもしれません。

父の不幸な死をきっかけに家族は崩壊
悲劇的出来事にショックを受けた祖父は「人間不信」になり
孫である主人公に対して鉄血の「鎖の掟」を課すのでありました。
「敵を作るな!腹を刺される。味方を作るな!背中を刺される。」という鎖の掟
それを破ろうものなら鎖で体を拘束され物置に三日三晩閉じ込めるという体罰を加えられるのですが
その恐怖体験がトラウマとなり主人公の人格と行動原理に大きな影響を及ぼし
ある種のマインドコントロールのように主人公の精神に作用し、
結果「鎖の掟」は主人公を完全支配するするのでした。

第1話でクレザント卿が主人公に対し騎士になるよう何度も促すのに対し
完全拒否の姿勢を頑なにまでに貫いたのには、主人公が無気力人間だったということもありますが
一番の理由は「鎖の掟」の縛りと「人間不信」があったからというのが事の真相であります。
そういうわけで人を信じない、仲間を作らないという生き方を貫いてきた主人公を騎士に
引き入れるのは主人公の性格上、基本的には不可能のように見えますが、その不可能を
可能に変えたのが精霊アニマを宿した姫殿下の実力ということになります。

本作のヒロインさみだれ姫の性格は明るく優しく元気で活発、陽気で健気で可愛く強い、
一撃粉砕!豪快姉ちゃんです。
非の打ちどころがないくらいの完璧キャラでまさに漫画みたいな話ですが、
要するに主人公が理想とするタイプなのでしょう。

「朝日と夕日」「雨(宮)と五月雨」というキャラの名前には
対比構造が仕込まれているようにも思えます。
豪傑の姫君は主人公がないものをすべてもっているような人物で
本作主題歌「暁光」の2番の歌詞にある「与えられた人」とはまさに「さみだれ姫」のことであり
それに対して主人公は「奪われた人」に当たるのだと言えましょう。

昇る朝日に沈む夕日、両者には対照的な面もある一方で相通じる側面もある
という意味では相性がとてもいい凸凹コンビで、運命的片割れの結実であり
出会って結ばれることについては、
設定上は必然と考えられますがそれが具体的にはどのように展開されるかについては、
問題の屋上のシーンにて確認してまいりましょう。{/netabare}

●豪傑の姫君の投機敢行、その目的は?
{netabare}1話終盤のクライマックスシーンにて豪傑姫は主人公の学校に突然現れ、屋上に彼を呼び出しますが
それは何のためでしょうか?

もしかしたら視聴者の多くはその理由をミスリードしてる可能性があり得ます。
屋上に着いて言われるままに見上げた空に浮かぶのは、あると言われねば見ることも叶わぬという
問題の「ビスケットハンマー」ですが、その姿はあたかも謎の「ヴェール」に包まれているかの如く
輪郭はボヤけているようにも見え、あるいは朧げな影だけが映し出されているような状態でした。

そのあまりに巨大な姿を見て取り乱す主人公、一方で視聴者もその突然のインパクトある展開に
ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けたのでないでしょうか?
「ビスケットハンマー!?」「なんじゃそりゃ??」と…
その結果何が起きたかと言うと、展開を見失い状況がわからなくなったのではないかということです。

豪傑の姫が主人公を屋上に呼び出した真の理由はビスケットハンマーを見せることが最終目的ではなく
より重要なのは主人公を口説き落として自分の配下に加えることです。
学校の屋上というシチュエーションでまず思い浮かぶのは何でしょうか?

そうです「告白タイム」です。そして屋上でなければならない理由のもう一つは
例の「決死のダイビング」を敢行するためであります。
ハンマー見せるだけなら別に学校の屋上に限らず見晴らしのいい河原でも山でも
どこでもよかったという話になります。
屋上のシーンにおける「ビスケットハンマー」が「ヴェール」(=目隠し)として機能していたため
多くの人たちは展開を見失い話についていけなくなってしまったのだと推測します。

そもそも屋上に上がるためには階段を使用するのは当たり前の話ですが、階段から屋上に上がった瞬間にその流れをぶった切るかの如くビスケットハンマーのシーンが強引にねじ込まれます。
それにより少し前の階段のシーンのいきさつが全部記憶から
吹っ飛んでしまったという可能性が考えられます。

屋上に上がる前の階段のシーンでは姫殿下と主人公とクレザント卿の三人で
重要な会話のやりとりがあります。
その会話シーンに言及するにあたってまず、本作の主題歌「暁光」の歌詞をもとに
主人公の考えを分析してみるとその後の展開が読みやすくなるのでここに引用します。

「好きなもの嫌いなもの いつか変わってしまうけど」

主人公にとって「好きなもの」とは、要するに豪傑姫殿下のことですが
貧弱主人公にはない圧倒的強さや決断力、実行力、カリスマ性などを持ち合わせ
泥人形のファーストアタックでは命を救ってくれた恩もあるので告白タイム前に
既に姫殿下に惹かれていたのは容易に想像できます。
好きと嫌いは裏腹の関係性があり、嫌いの反対は好きであると考えることもできます。

そして例の階段のシーンでは、主人公の嫌いなタイプについてが明らかにされているのです。
そのあたりの会話を引用します。

姫 「大丈夫やって。信じとる。」
夕日「信じる信じないを気安く口に出すやつは嫌いだ。」
姫 「知ってんで。」

主人公が嫌いなタイプとは口先だけで説得力がまるでないような人間。
具体的に言うと警察官でありながら父を欺き裏切った父の同僚みたいなタイプの人間
ではないかと予想できます。
人間不信により他人を、他人の言葉を容易に信じない主人公の人間性については
姫殿下も十分「知っていた」ので策を弄して口説き落としに行ったというのが
屋上のシーンの趣旨ということになります。

口だけで信じてると言ったところで信じてはもらえないので決死の覚悟で屋上ダイブしたわけです。
最終的に主人公が姫殿下を救出し事なきを得たのですが、何故そんな危うい真似をしたかと言えば
姫殿下が主人公のことを信じていたからであり、「信じてる」という言葉が嘘でないことを
決死のダイブという行動でもって証明するためでありました。

眼鏡キャラの主人公はリアリストなので自分の目で見た決死のダイブの現実を否定できません。
「信じてる」ということを行動によって示されたならそれを否定することはできないのです。
これにより主人公の心は完全に豪傑姫の虜になり
「次はそっちが信じる番や」「私のものになりなさい」と畳みかけられれば
「御意」となるの当然の成り行きと言えましょう。

主君と騎士の騎士契約は結婚契約にも似ています。
この契約において一番大事なのが信頼関係です。
姫殿下は臣下のために決死のダイブを行い
臣下の主人公は姫を助けるために命がけでそれに応えた。

それにより両者の信頼関係は固く結ばれ、婚姻関係にも似た騎士契約が
(形式上)成立してしまいました。
豪傑姫の策略により主人公は意図せずして「命がけで主君を守ってしまった」のですが
その時点で「騎士の要件」を満たしてしまい、突然のことで条件反射的に姫を助けただけと言い訳したところで行動で示してしまったならば、事実上の騎士になったも同然ということになるでしょう。

問題の階段のシーンでクレザント卿が
「姫、まだ早いですぞ」「こんな腰抜け眼鏡にあれを見せるのは」
と発言してますが、「あれ」を見せるのは早いという「あれ」とは何であるかというとビスケット
ハンマーというよりも「姫の決死の覚悟」と解釈した方が意味が明確に通るように思います。

決死の覚悟示すためにダイブしても、主人公に能力を使って救う実力が「まだ」足りないなら
姫の命が危ういということになるから、時期早々という判断をしたのだと推測いたします。

しかしながら主人公の潜在能力を見抜き、彼を信じるに値すると判断した豪傑姫は
躊躇なくダイブを敢行したわけですが潜在的に魔王の人格を内に秘めた豪傑姫には
人並外れて優れた先見の明があり、主人公の性格含めすべてお見通しだったことを
表しているのだと言えましょう。{/netabare}


原作はなんだか凄いらしい!?という高評価の一方で、アニメ化されたに本作に関しては、原作ファンでさえもが酷評してるような?情況がここのレビューでさえも当然の如く見受けられますが、
当方個人の見解としましては{netabare}本作は必ずしも駄作認定するには惜し過ぎる作品であり金さえあればどうにもなるような作画技術にだけに特化した?ドラマ性についてはまるで描けてない既存の人気作品に
比べたら{/netabare}本作はマシどころか控えめに言っても佳作か?
それ以上の傑作予備軍になり得るものと確信!?いたします。

本作の特徴として抑えてほしいポイントとして、まず異能力バトルの要素はあるもののそれを最大の見せ場としていない{netabare}ということ、次にコメディパートは比較的多いようでも{/netabare}コメディ{netabare}方向に針を振り切る
のではなく、むしろ真逆の{netabare}絶望や鬱的な{/netabare}方向に針を振り切ることを意識した作りになっている点を指摘しておきましょう。
逆に言えば「かぐや様は濃くらせたい」や「酢パイ家族」のような{/netabare}純コメディ路線が好みの人には相性が悪い可能性が濃厚です。
ジャンルセレクト的な話をすると{netabare}成長{/netabare}物語ということになりますが、ミステリーの要素もそれなりに強く、同じ原作者の系統に属する「プラネット・ウィズ」同様の独特のクセがある{netabare}
だけにとどまらず、本作の方がマニアックな傾向がより強まり、{/netabare}よってクセの強い作品が苦手{netabare}だったり、ストーリーとはシンプルイズベストに限るという信条をお持ち{/netabare}の人には向かないように思われます。

また原作ファンなどからの酷評の原因として考えられることは、もしかしたら決定的な!?尺不足という問題があるのかもしれません。
{netabare}個人的には物語展開的に辻褄が合わない点は特にないですが、他の人の意見によれば、不満を抱いてる感が強いようで、その原因の一つとして尺不足感や状況説明の雑さなどがあるのだと言われればそうなのかもしれません。{/netabare}

(6話まで見て評価を全体的に上方修正)
ストーリー展開だけで評価したら今期注目度№1のリコリコに勝るとも劣らない優れた描写力、これこそが本作の最大の売りであります。
しかしながら、描写力のレベルが高いというのは諸刃の剣にもなり得、見てる側にとっては難解であるという結果にも繋がりやすく、その結果が低評価に表れているものと推測いたします。

ビバビバびろ~んと天空に聳える
あの「ピロウズ⚖ハンマー」の正体とは?
{netabare}それが何であるか?元ネタはピロウズというロックバンドの曲らしいとか言われてますが、ハンマーとは「鉄槌」とも表現でき「断罪」のシンボルという風にとらえることもできます。
(人類はなに故に断罪されねばならぬか?というのも本作に込められたテーマの一つでしょうか??)
ビスケットハンマーや魔法使いが何であるのか?それを知っているのは原作既読者等を除けば皆無なのが当然ですが、そういうミステリーの要素に興味を持てるかどうかというのも、
ハングオンか?脱落か?の分岐の行方に大いに関係するような気がいたします。{/netabare}

{netabare}(話題作のリコリコにも当然当てはまることでもあり…)作中にはちゃんと描写されているのにも関わらず視聴者には全く伝わってないことがあるというのはアニメ全般にあり得る一般現象ですが
そのように視聴者置いてけぼりで制作者サイドの自己満足的傾向に対してある種の不満や批判的な念を抱きクレームをつけたくなる心理はある意味まっとうで正しいとさえ言えるのかもしれません。{/netabare}

そういう意味では本作は不親切な作りをしているとも言えますが、{netabare}各シーンでの製作者の描写意図が読み取れるならば、これが嚙めば嚙むほど味が出るイカみたいな作風に嵌ること間違いなし!の
個人的には自信をもってごり押しできる高品質の{/netabare}優良作品になり得るものと確信いたします。

本作を攻略する上で一番重要なことは、主人公をはじめとする登場人物の性格や人間性をいかに正確に把握できるかということに尽きます{netabare}が、1話でそれができなかった人は
それ以降の展開の波には乗れずに脱落するのが運命のようです。{/netabare}

一見して無気力で根暗で何の魅力もない主人公?
視聴者ウケは初回から非常に厳しく、{netabare}こんな弱小キャラで戦闘開始とか無理ゲー糞ゲー過ぎんだろ!という懸念を抱くのはもっともなご意見でありますが、
そのような懸念を見事一撃でひっくり返した1話の予想外の展開は個人的には衝撃的でした。この逆転勝利の秘訣はキャラ設定の緻密さ絶妙さにあったと言えましょう。{/netabare}

「{netabare}騎士{/netabare}契約」になんて絶対に応じないはずの主人公があっさり姫と契約してしまうというミステリー?その謎が解けるかどうかが最大の関門でありますが、そこを見事にクリアできるなら
{netabare}6話の超劇的展開、主人公の「叫び」に心揺さぶられること間違いなし!6話のボリューム感と言いましょうか、{/netabare}濃厚な人間ドラマをここまで上手く描けた作品はなかなかお目にかかれないと
アニメアンチも太鼓判押さざるを得ないというとても皮肉なお話でございましたw


(これは図に上ったアニメアンチの露骨な蛇足に過ぎない意見ですが)
{netabare}本作は少なくとも主人公等が行動することに対しての論理的根拠?みたいなものについては最低限描写されてます。
それについて十分理解していてそれでも本作の展開を意味不明と酷評してるならまだ好みや感性の違いということで理解もできますが、必要最小限度の描写を無視して意味が分からんいうのは…
読解力の無さ?なのか…何が描写されたるかありのまま読めないパーソナリティの偏狭心さ?故なのか…何故そこまで歪んだ心を持ってるのか?今ではアニメアンチになった当方には理解不能な話です…

もちろん読解力は大事ですが、それより大事なのは人間的感性です。
異世界転生ものという糞アニメの乱発=腐りきった世界の流行劇に毒されてここのアニメファンの目や感性は腐り果ててしまったのでしょうか?
だとしたらアニメアンチの憂鬱はこの先未来永劫続くかもしれません…{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

75.7 6 騎士で勇者なアニメランキング6位
はぐれ勇者の鬼畜美学(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (1368)
9501人が棚に入れました
魔王討伐のために異世界に飛ばされた青年が無事任務を果たし、元の世界へと帰還する物語。現実世界から異世界に飛ばされ、そこでの話が舞台になるのではなく、異世界で役割を終えた後日談を描いているのが特徴である。

声優・キャラクター
岡本信彦、日笠陽子、植田佳奈、花澤香菜、井上麻里奈、佐藤利奈、櫻井孝宏、竹達彩奈、日野聡、阿部敦、石川英郎、寺島拓篤、小清水亜美、たかはし智秋

guru さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

第一章?

面白い設定だと思い見はじめました。

最初はエロに傾倒するのではないか?
と思いましたが、そんなこともなく無事に楽しめました。

話はファンタジーの異世界に飛ばされ勇者になった青年が、
ひとまずの役目(魔王退治)を終え、
もとの世界に帰るところから始まります。

もとの世界と言っても、
そちらも現実的なものではなく、未来都市?のようなところです。
主にその未来都市での帰ってきてからの新たな学園生活が、
描かれています。

所々に「ここいる?」と思えるエロ要素がありますが、
息継ぎくらいで、気になるほどではないです。
浅めですが、『ソードアート・オンライン』の川原礫作品のような雰囲気があります。
その浅さを複雑さではなく、エロで埋めていく感じで、
これはこれで考えずに見れる感じがします。

勇者なので最後まで圧倒的に強いまま終わるのですが、
「これから面白くなっていく!」
という前の第一章で終わっているようで、
続きがあるのではないでしょうか?
あれば見たいと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

あるほと さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

始まったのに終わったっていう。。。

最近やたらいってる気がするけど、僕は主人公最強なの好きなので、けっこ俺的好きな作品でした!なにより主人公がかっこよすぎだ、そしてあのがたいの良さは半端ない。あんながたいのいい主人公は見たことない。そして、エロいのだが、素直な行動からうまれるエロさな感じがします。紳士な面もあり、気持ちいいくらいの潔さもありますね。まあ魔王の娘はなんか体のバランスがあってない気がします。ちなみに生徒会長出番少なすぎてうけました。

終わったけど、始まったって感じなので、内容にかなり不明な点もあり、全然明らかになってないのでかなり気になります。ですが、切りのいいとこでいいっかい終わったので2期あるならちょうどいいとこから見れそうですね^^

これもろお乳やら何やら出ちゃってますが、正直これにその場面がちでいらないですよね、エロ要素意識していれる必要はないなあと俺的思いました。

EDけっこよかったです^^
2期がでるならみてみたい、途中なのはやなので・・・

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

が~お さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

鬼畜・・・

学園、バトル、魔法、微エロアニメといったところでしょうか。

ちなみに私は原作は読んでいませんのであしからず。

あらすじとしては、異世界アレイザードで魔王を倒し勇者となった凰沢暁月が、その魔王の娘と共に元の世界に戻って、BABELという学園に入り、様々な事件に巻き込まれるというお話です。

物語はなかなか面白いと思います。
コメディ調の部分や戦闘部分もあったり、ちょっとエッチなシーンもあったりといろいろと楽しめる作品だと思います。また話の筋もしっかりしているのでどんどん観ることができると思います。
まだ原作が完結していないので、中途半端なところで終わっていますが、次が気になる作品でした。

キャラに関してはかわいらしい感じでよかったと思います。また登場している主要キャラも少ないので覚えやすいです。

全体的に、軽い感じのアニメで非常に見やすくなっています。また、ストーリーもなかなか面白いので1話から最後まで一気にみてしまいました。
是非一度ご覧になってはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

85.8 7 騎士で勇者なアニメランキング7位
ソードアート・オンライン アリシゼーション(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1006)
5200人が棚に入れました
「ここは……どこだ……?」
気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。
ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。
「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。
それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。
更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
名前は、アリス。
絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣、島﨑信長、前田佳織里、近藤玲奈、石原夏織、小林沙苗、森川智之、岩瀬周平、木島隆一、潘めぐみ、村田太志
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハロー『アンダーワールド』

原作未読


そりゃあ観ます。分割4クールの半分24話を視聴完了。
長丁場にはなりますが、1期2期はおさえておきましょう。フェアリィ・ダンス編以降の伝統、アインクラッド起因のこじらせクンが今回もやらかしますし、ファンがアガるポイントも途中からでは掴みづらいでしょう。
SF要素を抜きで考えると、「ランボー」「パイナップルアーミー」みたいなPTSD発症した帰還兵の記録みたいなところありますよね。可能ならSAOサバイバーであるこじらせクンのメンタルケアはきちっとやってあげて欲しいものです。


4クールあるうちの半分ということで期待値抑えめで臨み、終わってみたらやや上回っていたかな、という印象。残り2クールに充分に期待できそうな中締めでしたが、評価は完結するまで据え置きです。

■SAO 1期
 アインクラッド編 フェアリィ・ダンス編
■SAOⅡ 2期
 ファントム・バレット編 キャリバー編 マザーズ・ロザリオ編

仮想と現実を行ったり来たりのSAO。とあるレビュアーさんの「これは異世界ではなくSF作品」とのご指摘が慧眼で、仮想と現実のリンクぶりが本シリーズの魅力に繋がってるんだと思ってます。○○編の各エピソード毎に微妙にずらしを加えて鮮度を保つ工夫もしてきました。
実を言うと、ハーレム、キリト無双あたりの要素ってわりと自分にはどうでもよくて、近しい未来図ってどんなだろう?が楽しみの大部分を占めてたりします。


そして本作『アリシゼーション』。ここでは、仮想世界での記憶を現実に持ち帰れないという新しい題材を持ち込みます。ダイブして戻ってきた後の記憶がない。
これまでは行ったり来たりの中で、どちらが自分の本当の居場所なんだろう?と懊悩する登場人物に共感したりしてたのが、まるであてはまりません。仮想はより独立した世界という位置づけとなるため、目の前で観てるのはSAOながら、「ちょっと何かが違う」違和感を内包したまま進行する展開でした。

・独立性の高い世界を作ったリアルでの目的は?
・独立性の高い世界のユニークキャラクター(アリス、ユージオ)の存在意義は?

{netabare}誕生直後の赤子の精神原型を複製してアンダーワールド内で成長させてどんなシミュレーションをしたいのだろう?副作用はどんなだろう?{/netabare}
全てが完結した時に明らかになるのでしょう。半分時点でどれくらい明らかになっているかは観てのお楽しみってところですね。壮大なお話になりそうです。

さてこの新しい題材。それに伴う変化。私は好意を持って受け止めてます。
エンタメ鮮度を保つこと以上に、仮想世界が行き着くひとつの到達点を提示してくれそうだからです。
マザーズ・ロザリオ編で “メデュキボイド” の思想は、横で綴られたユウキとアスナのストーリーと合わせて終末医療の一つの可能性を示しました。

{netabare}アンダーワールドは臨床試験をノーリスクでできます。これまで不可能だった人の行動心理の精緻なシミュレーションが可能です。

下衆い例えをします。ファンタジー世界を東京に置き換えてみて大地震を起こす。火災、家屋倒壊、備蓄量等事前にパラメータ設定し結果を収集。スパコンでも使えば有用な演算結果をいくらでも集められ、都市防災計画に役立てられます。発生火災の回避行動なんか世帯別で演算できそう。{/netabare}

{netabare}一方でノーリスクながら、倫理の葛藤に苛まれることになります。心を持ったこの仮想東京の住人の阿鼻叫喚を何度も何度もいや一回でも耐えられますか?という問題が付き纏うことになるでしょう。

脱線はこのへんで。
アリスもユージオも実世界には存在しない人格ってことで合ってると思うのですが、だからって切り捨てられるかってところですね。{/netabare}


冗長ないしやや緩慢と言われた展開は評価は分かれるでしょうが、これも悪くはありません。 “天命” “心意” “シンセサイズ” “フラクトライト” “ソウル・トランスレーター” その他もろもろ馴染みのない用語を繰り返し使う時間があって理解の助けになりました。

2019年秋からの続き。終わってみて肩透かしとならないようスタッフの皆さん頑張ってください。応援してます。


■ネタバレ所感
{netabare}それにしてもアドミニストレーターにとどめを刺したのが、チュデルキンの色欲というのが(笑)
仮に二人とも生きてたとして、どんな関係になってるんだろう?アドミンさん許すとは思えません。{/netabare}

実は陰のある神代凛子さんがお気に入りだったりもする。



視聴時期:2018年9月~2019年3月 リアタイ視聴

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2019.04.12 初稿
2019.09.22 追記
2020.08.01 修正
2021.08.04 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 66
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

次シーズンを待つ

1話~13話がビギニング編。14話~20話がライジング編。21話~24話がユナイティング編。

キリトがあんまり俺つええしてなかった。いつも最強だったら飽きちゃうからね。{netabare}勝手が分かりにくいゲームに勝手にぶち込まれているからっていうのもあるのか?というよりも相手がアドミニストレータだからか。とは言え、やっぱり、キリトは二刀流に走るんだなあ。で、お互いに腕もげる。逃げようとしたアドミニストレータに対して、元老院?のピエロみたいな人がまさかの凌辱プレイ的なことしだす。最後は爆発。あっけない。{/netabare}

アスナの代わりにユージオがパートナー。{netabare}まさか剣になるとは思わなかった。{/netabare}題名的にアリスをパートナーにするかと思ってた。{netabare}記憶を消され、最高司祭アドミニストレータに仕えていたけど、キリトの言葉で目覚め、キリトのパートナーぽくはなってた。眼帯姿も可愛い。{/netabare}

{netabare}蜘蛛さんが死んじゃったの切なかった。{/netabare}

坂本真綾がアドミニストレータ役としてはまってた。

まだまだ、やり残しがあるようなので、気になる。最初のほうに襲ってきた奴に関することもまだ残っている。{netabare}ユージオが死んでしまって悲しむのも束の間で、現実世界ではキリトをゲームに送り込む装置を搭載した船が襲撃されちゃう。アドミニストレータ倒したけど、さらなる敵が待ってる。{/netabare}

OP
ADAMAS LiSA
RESISTER ASCA
ED
アイリス 藍井エイル
forget-me-not ReoNa
挿入歌
虹の彼方に ReoNa
まずは欠かせない2人が歌ってくれて感謝。2クール目ではOP映像に途中変化ありでも、最後のキリトとユージオのグータッチとかハイタッチは変わらず。ASCAはどこにそんなパワーがあるの?と思わされる力強い歌声。


第1話 アンダーワールド
《ルーリッドの村》で育った少年・キリトは、幼馴染のユージオとともに巨大な黒樹・ギガスシダーを倒すという天職を背負っていた。今日も巨木を倒すべく斧を振るっていると、幼馴染のアリスが手作りのパイを差し入れにやってくる。昼食のさなか、3人はおとぎ話にでてきた《果ての山脈》の洞窟へと遠出することを決める。世界の掟である禁忌目録に違反しないか不安がるユージオに、キリトとアリスは大丈夫だと口々に言い、出発の日を迎える。

第2話 悪魔の樹
絶命の危機にあるキリトが目を覚ますと、そこはファンタジーゲームを彷彿とさせる謎の世界の中だった。記憶が曖昧なままログアウトを試すも、現実世界に戻ることはできない。キリトが途方に暮れながら散策していると、やがて巨大な樹の下にたどり着く。そこで一人の少年と出会う。その少年の名は、ユージオといった。キリトはこの世界について話を聞き出そうとするが、ログアウトの方法はわからない。そしてユージオは、かつて自分の幼馴染だったアリスという少女のことについて語りはじめる。

第3話 果ての山脈
《アンダーワールド》人界の中心・央都へ旅立つことを決めたキリト。そのためにはユージオの協力が必要で、彼を天職から解放するためにギガスシダーを倒そうと決意する。交代で斧を振るうキリトとユージオだが、そのさなか、ユージオはかつて北の洞窟で見つけたという青薔薇の剣をキリトに差し出す。この剣なら、ギガスシダーを倒せるかもしれないと考えるキリトだが……。一方、アリスの妹・セルカは、アリスが公理教会に連れ去られて以来笑わなくなってしまったユージオを心配しており、そんな胸の内をキリトへと明かす。

第4話 旅立ち
セルカが《果ての山脈》へひとりで向かったに違いないと考えたキリトとユージオは、彼女のあとを追う。だが洞窟の中で《ダークテリトリー》からやってきたと思しきゴブリンに遭遇、戦うことになる。キリトは剣を構えゴブリンたちと渡り合うが、ユージオは初めて見る《闇の存在》に身体が硬直し、立ちすくむ。果敢に戦うキリト。だがゴブリンの反撃が、彼に仮想世界では想像できない激痛を生み出し、恐怖で起き上がれなくなってしまう。窮地のキリトに、続けざまにゴブリンの刃が振り下ろされたそのとき……。

第5話 オーシャン・タートル
《アンダーワールド》内で央都を目指すキリト。一方、現実世界での桐ケ谷和人は依然意識不明の状態にあった。菊岡の申し出によって設備の整った病院へ転院するも、明日奈と直葉が和人の見舞いに行くと、回復するまでは面会謝絶だと言い渡されてしまう。不審に思った明日奈たちは、和人のアルバイト先であり、《ソウル・トランスレーター》の研究をしている《ラース》に彼がいるのではないかと予測する。明日奈たちは手分けしてラースの調査を始めるが、しかし和人の行方にたどりつくことはできず……。

第6話 アリシゼーション計画
《ラース》の研究施設である《オーシャン・タートル》へと潜入した明日奈は、和人の安否について菊岡を厳しく問い詰める。菊岡は観念したように、和人がこの《オーシャン・タートル》内の《ソウル・トランスレーター》で治療していることを明かす。一安心する明日奈だったが、明日奈と共に潜入した凛子は、何故自分を《オーシャン・タートル》に招いたのかと菊岡に疑問をぶつける。そして、菊岡が語りだした《ソウル・トランスレーター》の開発には、想像を絶するほどの壮大な目的があった。

第7話 剣の学び舎
キリトとユージオが《ルーリッドの村》を出て2年の月日が経っていた。央都セントリアへとたどり着いた二人は、目的であった《北セントリア帝立修剣学院》の入学を果たしていた。修剣士として腕を磨き、整合騎士になり、そしてアリスの行方を捜すべく、修練の日々を送っていた。キリトは学院次席のソルティリーナの《傍付き》として仕えていたが、彼女は稽古を重ねるなかでキリトには隠された本当の強さがあることを見抜いていた。ソルティリーナに頼まれたキリトは、彼女に自分が持っている全てを見せると約束する。

第8話 剣士の矜持
学院の主席であるウォロ・リーバンテインと実剣による手合わせをすることになったキリト。観衆たちの好奇の目にさらされるなか、ソルティリーナからの激励を受けて、キリトとウォロの立ち合いが開始された。ウォロは開始早々から秘奥義の構えを取り……それを見たキリトは、縦斬り四連撃バーチカル・スクエアで対抗する。2人の力は相応に思えたが、ウォロが背負うリーバンテイン家の祖先の戦士たちの《イメージ力》が強い剣圧となってキリトを凌駕する。

第9話 貴族の責務
キリトとともに《上級修剣士》となったユージオだが、自分が強くなるためには剣にどんな《想い》を込めればいいのかわからず、日々悩んでいた。そんなとき、日ごろからあまりいい印象を抱いていない学院の主席ライオスと、次席のウンベールに絡まれたユージオは、2人の強さを確かめようとウンベールからの立ち合いの申し込みを受けることにする。剣を交わす二人。はじめはユージオが優勢だったものの、ウンベールの剣に込められた《巨大な自尊心》の力の前に、次第に押されていき……。

第10話 禁忌目録
キリトとユージオの《傍付き》であるロニエとティーゼの帰りが遅い。2人を捜そうと部屋の窓から外に飛び出すキリト。それと入れ違いでユージオの元にやってきたフレニーカは、自分がウンベールにされた屈辱的な行為と、その行為についてウンベールたちに抗議に行ったティーゼとロニエがいまだに戻らないことを打ち明ける。嫌な予感に駆られたユージオは、急いでウンベールの部屋へと向かうが、そこでは最悪の事態が今まさに始まろうとしていた。

第11話 セントラル・カセドラル
《禁忌目録》に違反し罪人となったキリトとユージオの前に現れたのは、整合騎士のひとりであるアリス・シンセンス・サーティ。彼女は間違いなく、かつて処罰された幼馴染の少女、アリス・ツーベルクであるはずなのだが、キリトとユージオと暮らした時のことは記憶になく、まるで別人のようだった。困惑するキリトとユージオだが、2人は重罪人として《セントラル・カセドラル》の地下牢へと投獄されてしまう。一方、現実世界の《オーシャン・タートル》では、治療を受ける和人を見守る明日奈の前に一台の奇妙なロボットが現れる。

第12話 図書室の賢者
キリトとユージオは、地下牢の脱獄に成功するも、アリスの命令により待ち伏せていたエルドリエ・シンセシス・サーティワンに行く手を阻まれる。戦闘状態になる三人。キリトとユージオは先へ進むため、キリトがエルドリエの操る鞭を防ぎ、その間にユージオが撃ち込むという作戦でエルドリエに挑む。しかし、エルドリエの氷の鞭は蛇のようにうごめき、そして分裂して襲い掛かってくる。難敵に苦戦するキリトとユージオ。だが、ふとユージオは、エルドリエの顔に見覚えがあることに気づく。

第13話 支配者と調停者
《セントラル・カセドラル》の大図書室に隠遁する少女カーディナルに助けられたキリトとユージオ。彼女の正体は仮想世界《アンダーワールド》の秩序の維持を司る自律型プログラムだった。アドミニストレータの過去をはじめ、《公理教会》や《禁忌目録》の成り立ちをキリトに語り始めるカーディナル。驚きを隠せないキリトだが、更なる事実--《アンダーワールド》に迫る恐るべき危機を聞かされる。

第14話 紅蓮の騎士
カーディナルから世界の命運を託され、キリトとユージオは、《セントラル・カセドラル》の最上階を目指す。中途では武具保管庫に置かれた膨大な武器の中から奪われた愛剣を無事に見つけた2人だが、そこに整合騎士デュソルバート・シンセシス・セブンの弓矢が襲い掛かる。彼の操る神器《熾焔弓》から放たれる無数の矢を辛くも弾き切った2人だが、矢を使い切ったはずのデュソルバートの弓にとある変化が起きる。

第15話 烈日の騎士
キリトとユージオが《セントラル・カセドラル》を上り続けていると、リネル、フィゼルと名乗る2人の少女と出会う。なぜ子どもが? といぶかしむキリトとユージオは、とっさの隙をつかれ、整合騎士という素性を隠していたリネルとフィゼルの毒剣による麻痺攻撃を受けてしまう。身動きできないキリトとユージオが連れられた先には、整合騎士副騎士長ファナティオ・シンセシス・ツーが待ち構えていた。

第16話 金木犀の騎士
キリトは満身創痍の中、《武装完全支配術》をどうにか発動し、整合騎士ファナティオとの戦いは決着を迎える。再び《セントラル・カセドラル》の最上階を目指すキリトとユージオは、奇妙な昇降機の前にたどり着く。《昇降係》の少女の案内によって80階《雲上庭園》まで足を踏み入れた2人の前に現れたのは、ユージオが追い求める少女であり、神器《金木犀の剣》を持つ整合騎士アリス・シンセシス・サーティだった。

第17話 休戦協定
《雲上庭園》でキリトの剣とアリスの剣の《武装完全支配術》がぶつかり合った結果、破壊不可能であるはずの《セントラル・カセドラル》の壁が砕け、キリトとアリスは外へと放り出されてしまう。直後、キリトは外壁の隙間に剣を突き立て、落下するアリスも救ってみせる。しかし敵同士の二人は、絶体絶命の状況下でもお互いの信念をぶつけ合う。やがてキリトは、塔の内部に戻るまでの休戦をアリスに提案する。

第18話 伝説の英雄
ユージオは《セントラル・カセドラル》の90階にたどり着く。そこは熱い湯気が沸き立つ大浴場だった。困惑するユージオは、湯の中で長旅の疲れを癒している整合騎士ベルクーリ・シンセシス・ワンと邂逅する。落ち着いた佇まいながらも底知れぬ迫力を持つベルクーリに圧倒されながらも、単身戦いを挑むユージオ。一方、キリトとアリスは《セントラル・カセドラル》の壁を上り続けていた。

第18.5 話 リコレクション
天界から召喚されたはずの自分に妹がいる--。セルカという名前を耳にし、動揺する整合騎士アリス。そして、キリトは覚悟を決めた。彼女の奪われた記憶を取り戻すと。アリス・シンセシス・サーティがアリス・ツーベルクであったことを思い出させるため、そして彼女が整合騎士となった本当の理由を伝えるため、キリトはユージオと共に歩んだこれまでの旅路を語り始める。ただの村人だったユージオが、キリトとの出会いを機に幼馴染のアリスを救いたいと願ったこと。二人で騎士を目指して央都へと旅立ったこと。やがてその旅路は知らず知らずのうちに、この仮想世界《アンダーワールド》に隠された真実へと近づいていったことを……。要するに総集編。

第19話 右目の封印
キリトがふとした会話の中で口にしたセルカという名前。それを聞いたアリスの様子が一変する。その様子を見たキリトは、整合騎士の真実を彼女に告げる。しかし、キリトから語られる言葉を受け入れることができないアリスは激しく動揺する。そのころ、ベルクーリとの死闘の最中に意識を失ったユージオは、元老長・チュデルキンの手によって最上階へと連行されていた。そこでユージオを待っていたのは……。

第20話 シンセサイズ
右目の封印を打ち破ったアリスと共に90階の大浴場にたどり着いたキリト。そこには、チュデルキンの手によって石化された整合騎士長・ベルクーリの姿が--。アリスは師の悲惨なさまに涙するが、意識を取り戻したベルクーリは朦朧とした中で力を振り絞り、2人にユージオの行方を告げる。それを聞いたキリトは捨て置かれた青薔薇の剣を背負い、チュデルキンの後を追う。そして向かった先の元老院で、キリトは驚くべきものを目にする。

第21話 三十二番目の騎士
キリトとアリスの前に立ちふさがったのは、《シンセサイズの秘儀》を受け入れ整合騎士となったユージオだった。動揺するキリトだが、アリスの叱咤を受けてどうにか彼と全力で戦うことを決意する。互いにアインクラッド流の剣技を繰り出しながら、キリトとユージオの斬り合いは激化していく。戦いの中でも、キリトはユージオに懸命に語り掛けるが……。

第22話 剣の巨人
《セントラル・カセドラル》の最上階。キリトとユージオとアリスは、ついにアドミニストレータの許へたどり着く。しかし、神聖術によって巨大なピエロへと姿を変貌させたチュデルキンが三人に襲い掛かる。アリスは《金木犀の剣》でチュデルキンの放つ炎を防ぎ、その隙にキリトとユージオは連携し斬りかかる。そんな様子を、アドミニストレータはつぶさに観察しながら、キリトたちに問いかける。

第23話 アドミニストレータ
数百年にも及ぶ因縁の相手・アドミニストレータと決着をつけるべく《セントラル・カセドラル》の最上階に現れたカーディナル。秩序の維持を司るプログラムである彼女の本懐、アドミニストレータの抹消を果たさんと動き出すが、倒したはずのソードゴーレムが起き上がり行く手を阻む。そしてアドミニストレータの言葉を聞いたカーディナルは、ソードゴーレムに隠された真実に気付き激昂する。

第24話 ぼくの英雄
カーディナル、ユージオ、そしてアリスの想いを身のうちに宿し、キリトは再び立ち上がる。《人界》最強の存在であるアドミニストレータを倒すため、キリトが心意で強くイメージしたのは、かつて《SAO》を攻略したトッププレイヤーである《黒の剣士》の姿だった。この世界で出会ったすべての人の想いを胸に、二本の剣を携えたキリトはアドミニストレータとの一騎打ちに挑む。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

SAOまじやばいって

SAOの初めから見ていると、オープニングは少し辟易かなと思ってみていた。しかし、話がファンタジーの中でも、どこか牧歌的で絵本を読んでいるような感覚。話は、ありがちな様でいて飽きさせず、いつもあっという間だった。

そんなこんなで物語を進めていくと、次の話が待ち遠しくなり、今日は15話から見ていたのだが、最後まで見続けてしまった。ゲームじゃなく、ただの物語だと思ったままで。

MMOの話だと書いていたが、今回は、最終話まで、キリト達の話をもう話というか小説を読む感覚から、ゲームで話を拾う感覚と融合したような、技術の高い見せ方があったのではないかと思った。これは、ひとつのファンタジーで、すっかり最終話で、そういえばと思い出した次第である。

とくにユージオの成長がとてもすばらしい作品でした。
キリトも、精神面の向上が(経験によるもの映像にない部分だと思う)あったようで、幼馴染では少しやんちゃな男になっているせいだろうかとも思ったが、頼りがいのある勇者になっていた。
ユージオとアリスという二人との思い出が重要になってくるけど、対男対女みたいな面も出てくるので、多面的なキャラや設定の使い方がうまかったかな。今期の続きが気になります。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

78.5 8 騎士で勇者なアニメランキング8位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (657)
3366人が棚に入れました
その街には多くの神々が住まい、その街の中心には地中奥深く――深淵へと至る『ダンジョン』が存在する。その街の名は迷宮都市オラリオ。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルは、相も変わらず主神とたったひとりの眷族という最小構成。だが、世界最速のランクアップという偉業を成し遂げたベルには、これまでにないほどの視線が注がれ始めていた――迷宮・出逢い、そして冒険――これは再び綴られ始めた、――少年が歩み、女神が記す【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、早見沙織、大西沙織、渡辺明乃、千菅春香、KENN、逢坂良太

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1期目よりも好きかもしれません。

…とか書いていながら1期目のレビューを書いていないことに今、気がついてしまった(笑)。

このレビューを書いている時点では第4話まで観終わっています。第1話での主人公ベル・クラネルとアポロン・ファミリアのヒュアキントスとの間の因縁絡みの一連のエピソードが第4話で終わって一区切りといったところですね。

原作を読んでいないのでこの先のストーリーとか特にわかっていないのですが、1期目で築いた人間関係(いや、神様もおるけど)が活きてくる展開で今のところわりと楽しめています。

逆に言うと、1期目を観ていないとまったく楽しめない気がします。外伝の『ソード・オラトリア』も観ておいた方が良いですね。

そういえば、だから何だという話でもないかもしれませんがこのシリーズは劇伴音楽が結構良いですよね。音楽という意味では主題歌以上にそこを評価したいです。

2019.9.30追記:
作中における「神様」と「人間」との関係にフォーカスがあたる2期目でした。そして作品タイトルに反して、この2期目はろくにダンジョン探索はしていません(笑)。

それとリアルでは親交が深いとの噂の水瀬いのりさんと大西沙織さんですが、演じるキャラの出演バランスは大きく差がついてしまいましたね。バレン某くんはヒロインの一人のはずなんだけど、最終エピソード以外では影が薄かったなあ…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 44
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Q「歓楽街に出会いを求めるのは間違ってるだろうか」

A「間違っているよベル君!全くボクというものがありながら、あっちにふらふらこっちにふらふら、ヴァレンなにがし君にサポーター君までならまだしも、さらに守備範囲を広げるつもりか君は!全くけしからん!ボクという神がいるのに!なーんだその春姫とかいう小娘は全く…」

あ、はいはい。お話のざっくり概要ですね
(ほぼ)ダンジョンには入りません。間違ってます。
そんな感じ

あれ?一行で終わってしまった…なんか地上戦でした…

ミコトさんが別の作品で{netabare}バカ{/netabare}を演じてる
のですけど、そっちがある意味ハマり役すぎて
「ねぇ…いまから凄い事言っていい?」って言い出したら
どうしようとかくだらない事を考えて観てましたw
あ、ミコトかなり好きで推しキャラっす。うなじよすよす
でも一番はヘスティア様かな。背中が特に良いっすw

作画は超安定しててメリハリも効いてて良かった。
曲も変わらずOP/ED共に良かった。
声優陣も実力派揃いで聞いてるだけで楽しい。
キャラも魅力的なキャラばかり。新キャラも良かった。

でも、でもね。ダンジョンに入らないんです。
そこが、そこだけが不満なんです。

あれー?おかしいな冒険ファンタジーを見たはずなのに
なんかドロドロしたファミリア抗争ばかり見てる…
まぁ、楽しめたし、新キャラはそれはそれで良いけど
コレジャナイ感が強かった。外伝扱いなら良いかも?

見終わった感想
{netabare}
アポロン超キモかったw
「きもーいwww」言いながら見てましたw

あのガマガエル的な人、使い物にならなくなるまでって
どんだけテクニシャンなんだろう?普通反応しないよね?
って下世話な事を考えててちょっとそこだけ興味津々w
イシュタルの声優さん凄くいいな。

春姫さんは、なぜ娼婦扱いにしなかったのかが疑問…
娼婦扱いにした方がベル君も夜もえるでしょうにw
なんか本妻ポジに入りそうね。ヘスティア様が不憫…
{/netabare}

うーん、今後こんな感じでファミリアバトルなのかな?
1期が冒険物として良かっただけに勿体ないと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 49
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第1期以上にタイトル詐欺じゃん!

原作未読。最終話まで視聴。
第1期、劇場版は視聴済み。

第1期に引き続き、タイトルが・・・。
{netabare}ほとんどダンジョンに入ってなかったし・・・。{/netabare}(笑)

今作は、ファミリア同士の抗争が中心。
ベルくんたちが大活躍します。
対照的に{netabare}アイズ{/netabare}は陰で支える女、って感じ。

自然な形で{netabare}ヘスティアファミリアが{/netabare}増強されたのは高評価。
今後の展開がますます楽しみです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

67.9 9 騎士で勇者なアニメランキング9位
テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (352)
1637人が棚に入れました
人の目には見えない霊的な存在「天族(てんぞく)」に囲まれて育った人間の青年・スレイ。
「かつて、人間の誰もが天族の姿を見ることができた」という伝承を信じる彼は、
古代の謎を解明し、人と天族がともに生きる世界を実現したいという夢を抱いていた。

ある日、生まれて初めて訪れた人間の都で妙な事件に巻き込まれたスレイは、
なりゆきから石に突き刺さる聖剣を引き抜き、世界の災厄を払う「導師」となる。
重き使命を刻み込む胸の中、人と天族の共存という夢はより熱さを増し——

仲間とともに、「導師」は大冒険の旅路への一歩を、今、踏み出す。

声優・キャラクター
木村良平、逢坂良太、茅野愛衣、小松未可子、下屋則子、福圓美里、小野大輔、津田健次郎
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最大の魅力はキャラクターの関係性。第2期が今から楽しみ

2016年夏期放送のテレビアニメ。第1期13話。
ゲームが原作です。

ゲームゼスティリアは未プレイですが、内容の賛否については一通り調べました。
キャラクターに関する批判点はほぼ改善されていますが、短縮や改変が多いので再現されていないエピソードも少なからずあり、1クールで進んだのは本筋の序盤あたりまで。

世界観や設定の説明を最低限にして、ストーリー展開と味方キャラクターの関係性を重視した作りで一貫しています。
説明不足で進む所もあるので、直感的に「こういうものなんだろうな」くらいで見られないとストレスがたまるかも知れません。
ベルセリア編とても好きなのですが、ゼスティリア本編の詰め込み具合を見るに、特番とかで別にやってくれたほうが嬉しかったかも。今後ちゃんとクロスすると良いなあ。

ストーリーは王道でしっかり考えて構成されています。
再度一周したら必要な描写を入れ込むためにかなり余裕のない展開をしているのがわかりましたが、毎週見ている時にはそう感じなかったのが凄い。
王道過ぎて淡白に感じる人もいるようですが私は逆で、一つのシーンから想像をめぐらせ繋がりを見つけていくのがとても楽しかったです。

キャラクターデザインは、複数人のキャラクター原案を上手く調整して違和感のない絵柄に落とし込んでいて、とても魅力的だと感じました。
映像面ではたまに手描きが浮いてしまうことはあるものの、繊細なCGの背景と手描きのキャラクターを上手く馴染ませていてとても綺麗。特にドラゴンの造形・動きの懲りようと重量感は一見の価値ありです。

【キャラクターについて】
{netabare}
パーティーメンバーの入れ替わりなどあるので大雑把ですが、スレイが主人公・アリーシャが準主人公で二人の関係性はストーリー的にも柱のひとつで、それぞれに同性で年齢の近いサポート役(戦友)にミクリオとロゼがおり、見守る年長者ライラとエドナの存在があります。
皆がフォローしあっていてとても印象が良い。そして第2期でスレイとロゼの関係がどう描かれるかも注目所でしょうね。

スレイは意思の強い心優しい青年で、怒りをあらわにするのがいつも誰かの為であったり、戦闘の際ためらいなく仲間を庇ったりと誰からも愛される主人公像です。そして純粋で世の中を知らない故に脆く、穢れかねない危うさを持つという点が魅力を増します。憑魔化したランドンを浄化した後剣を収めるスレイの少し苦い表情は印象的で、これで乗り越えられたのかも気になるところ。

ミクリオとスレイはお互いへのライバル心や少年らしい意地が見ていて楽しい。
ミクリオはライラやエドナとのやりとりも少し背伸びしてる印象で微笑ましいです。初めてアリーシャがライラやミクリオの声を聴いた時の「君の感謝はちゃんと伝わっているよ」の言葉に和んだので、もう少しアリーシャとの交流があってもいいなあ。

アリーシャは自分の無力に苦しむことはありますが、騎士として様々なものを見てきているため実は芯の強い王女でした。穢れとは何か、感覚的に理解しているのかも知れないとさえ感じます。
スレイや天族との交流が前半では主に描かれるため、ロゼとの対峙までアリーシャの強さに気がつきにくいのですが、狙った構成だとしたらとても面白い。

ライラはスレイの決断を尊重する懐の深さや、他者への思いやりを印象付ける描き方になっています。導師の導き手としてスレイに隠していることもまだあるのでしょうが、スレイの心身を案じているからこそ話せないでいると感じられる所もあり、胸の裡を吐露する相手としてエドナがいるのもとても良いですね。
個人的にはライラはある意味最も重要な立ち位置だと思うので、とても良い方向に変わっていて嬉しいです。

エドナの斜に構えた態度もアイゼンの一件を丁寧に描写したことで納得できましたし、人間嫌いに見える部分も、実際には人間を理解した上で諦め半分悲しさ半分という見せ方になっていて好印象。
友人を救うために手にかけようとするザビーダの複雑な心境もとても良かったです。

ロゼはバルトロ卿の依頼を受けた理由が説明不足に感じられるのが残念ですが、自身を必要悪と割り切っているのかな。普段の姿は現実主義的ながらさっぱりした女の子として嫌味なく描写されています。深刻さを増すであろう第2期を少しでも明るい雰囲気にしてくれることを期待しています。
デゼルの掘り下げは第2期までお預け。

災禍の顕主とサイモンについてはこれからに期待ですが、あんなに普通の悪役になるとは思わなかったなあw
{/netabare}

【演出について】
{netabare}
全体的に演出も好きでした。
王家の紋章の短剣や街中にはためく導師の紋章の旗など、紋章の使い方が印象的です。
アリーシャがスレイに弱音を吐くシーンが二度ほどありますが、その際騎士の紋章をあしらった上衣を脱いでいたり、スレイの導師の衣もそうですが、誇りであると同時に背負うものとして、背中を大写しにする演出を意図的に使っています。

あと最終話はとても良い。
初見ではドキドキしていて気づかなかったのですが、アリーシャは腰の後ろに天異見聞録を差して常に持ち歩いていて、それが盾になって命を取り留めているんですね。スレイとアリーシャにとってバイブルとも言える天異見聞録っていうのがイイ!
ベタベタではありますが、第0話で伏線が張ってあったことには気がつきませんでしたw

アリーシャが死んでしまったのか助かったのかわかるまでのシーンは、初見では大丈夫だと思いながらもひやひやしながら見ていましたが、二度目の視聴時には、アリーシャが目覚めるのを待つ間スレイも同じようにアリーシャと出会ってからのことを思い返しているように感じられました。何度か丁寧に視聴すると違う感動があります。
{/netabare}

【第2期に期待すること】
{netabare}
スレイは導師として穢れを払い、アリーシャは王族として穢れの原因を少しでも取り除くという方向性が描かれたので、この先はお互いに役割を補完しあい状況が好転する過程が見たいですね。

穢れは人が生きる上でどうしても産み出してしまうもの。憎しみや怨みのみならず恐怖や悲しみも穢れの元ですから、人間が居る限りこの世界は「詰み」の状態なのですよね。
世界全て浄化することは出来ない以上、第2期でどう結末を迎えるか、ゲームと同じなのか、変わるのかも含めて注目しています。
{/netabare}2016.9.29

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

となぷ~ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

主人公最強系ファンタジーバトルアニメ

全12話。

あらすじはあにこれ参照。

テイルズ定番の魔法や技が出てくるかとも思いましたがそういうことはなく、
主人公最強系ファンタジーバトルアニメになっていました。
主人公最強とファンタジーという好きな2要素がツボでした。
作画もいいしスピード感のあるバトルも楽しかったです。

途中、同じ世界の別の主人公のお話としてテイルズオブヴェスペリアが
挟まっていましたが、これもとても面白いです。今後どうやって二人の
メインキャラクターが絡んでくるのか見ものです。

2期を期待します。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4
ネタバレ

スカイオーダー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

【期待】めちゃめちゃ次回が気になる

・1話時点
 ・使用されているBGMが、ゲームで使用されている最高峰に素晴らしい音楽。
 ・今のところ作画と音楽なら★満点です。
 ・オープニングも素晴らしい。
  ・ベル{netabare}セリアのベルベットが登場したのがすごく気になる{/netabare}
 ・次回予告がテイルズシリーズのチャット形式で、ゲームそのもの(笑)

・2話時点
 ・ゲームに同梱されているアニメ「導師の夜明け」と同じ時系列でも、
  全く違うシーンが展開され、新鮮な気持ちで観られた。
  ・それどころか改善点も多く観られた。
   ・スレイとアリーシャのイベントがより深いものになった。
   ・爺じが陰ながらアリーシャに気遣いをしている。
   ・憑魔(ひょうま)とのバトルは非常に激しい動きになった。
   ・マイセン生存
・3話時点
 ・アリーシャがとても強く、とにかく激しく動く。
 ・導師誕生から戦闘に至るまでのシーンが、
  神BGMとマッチして最高に痺れた!

・4話時点
 ・完全にオリジナル路線な話に思えた。
 ・ヴェスペリアでも使われた戦闘曲が流れた時は、思わず感激。
 ・次回予告がかなり気になる終わり方だった。
  ・{netabare}来週スレイたちは休み?
  ・とあるキャラが登場する?
   ・まさかベルベット?{/netabare}

・5話&6話時点
 ・{netabare}この話は完全に次回作ベルセリアの内容だった。
  ・私個人としては、魅力を感じず、いつものゼスティリアの内容を放送してほしかった。{/netabare}

・8話
 ・ゲームと比較すると最高の改善回だった。
  ・神戦闘曲
  ・{netabare}エドナとの出会いから仲間に加入するまでの流れが、かなり丁寧に掘り下げられている。
  ・ゲームではただ襲い掛かってきただけのザビーダとは、共闘して分かち合った。 {/netabare}

・10話
 ・原作では{netabare}大炎上の原因の一つである、アリーシャが永久離脱する{/netabare}時期でしたが、アニメ版は神展開だった。

・最終回
 ・やや駆け足であったけど、上手く一期を締めくくれたと思えた。
 ・アリーシャは、{netabare}ほぼメインヒロイン確定
  ・スレイと従士契約を結び、スレイ自身どんなに負担になろうと強くなると宣言した
  ・従士契約して真名をスレイから説明してもらった時の満面な笑顔も印象的だった。{/netabare}
 ・ロゼは、{netabare}今のところ原作で叩かれている様な言動は起こしていないと思われる。
  ・むしろ良い人。{/netabare}


現時点では、ゲーム以上に観てて楽しい上、次回がこんなに気になるアニメも久しぶり。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

65.6 10 騎士で勇者なアニメランキング10位
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (316)
1216人が棚に入れました
都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。身体能力バツグン! 古代魔法も完璧! 挙句の果てには家事もおまかせ! 己の強さを勘違いした村人による無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日岡なつみ、朝日奈丸佳、津田美波、伊藤美来、山下誠一郎、斉藤壮馬、日野聡、M・A・O

うばうば さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には割と好きだった

タイトルから「あ〜どうせああいう系だろな〜」って感じで期待はせずに見始めました。

だいたいは想像通りで、しかも主人公は自分が強いことに気づいてない鈍感系と来た
「うわ〜『俺、またなんかやっちゃいました?』系はきちぃ〜、、、」と最初は思いました

しかし、作品を見ていく事に主人公の鈍感っぷりが度を超えすぎてて気づいたら笑ってみてました。
鈍感っぷりをネタにしたコメディって言えばいいんでしょうか?

私は色んな人が勘違いしたまま話が進んでいく話に凄く弱いので、この作品は私のツボにハマっていたようです笑
人に勧めるかと聞かれると、正直別に勧めるレベルでもないかな、、というレベルではありますが。
思ってたよりは面白かったです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見る人によって評価が大きく分かれるだろうなぁ、って作品

原作未読。最終話まで視聴。

『主人公最強系ハーレムラブコメ』
大まかにまとめるとこうなっちゃうんだろうけど、この作品はちょっと違う。

まず『主人公最強ではない』点。
主人公・ロイドはラストダンジョン前の村・コンロンでは最弱の少年(という設定)。
これでは、主人公最強とは言えない?

『ラブコメではない』点。
主人公・ロイドが純真無垢過ぎて、所謂、ラブコメとは異なる気がする。

『子供向け(?)コメディ』
子供向けだと思うと、かなり笑える作品。
私の評価は、これが一番近い気がする。
正直、かなり楽しめましたからねぇ。

出オチ感満載の本作ですが、最後までキッチリ楽しめました。
第2期こないかな?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 20
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

真冬に楽しむ冷凍庫

第2話まで見た。
{netabare}ギャグが寒い..........寒すぎる。
まるで今年の寒波に合わせたかのような瞬間冷凍アニメ。
だがそこは神が君に与えた試練だと思って忍耐で乗り切ろう。
冷え切った空気が痛いを通り越して快感に変わってきたらしめたものだ。
その先には「選ばれた者だけが導かれる悦楽の世界」への扉が見えてくるはず。
..........ということで、☆評価は畏敬の念を込めて満点にしておこうかな。
まあ俺のような凡俗には100年早かっということでさようなら(笑{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

66.3 11 騎士で勇者なアニメランキング11位
回復術士のやり直し(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.5 (456)
1088人が棚に入れました
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す"ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

声優・キャラクター
保住有哉、渋谷彩乃、石上静香、相川奈都姫、高森奈津美、津田美波、ふじたまみ、稲田徹

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的には神アニメになってしまいました(追記あり:北米版BDを購入して)。

>3話まで視聴して
原作未読です。

1話観た段階では、単純に”なろう系作品”の過激エロ版??・・といった印象。

2話観終えた時点で、「あれっ?結構、面白くないかコレ?」って思って

3話観終えた時点で、それは確信に変わりました!。


面白いです!!。

たしかに完全にほぼエロゲなんですが、かなり良質エロゲなのでは??(詳しくないw)。
もしエロゲ版あるなら買ってもいいくらいだし
それがアニメで毎週観れるというのも、これはこれでかなりありがたい!。


個人的に何が高評価なのかというと
単純な安易なエロイベントの乱発とかではなく
登場人物たちの置かれた環境における絶望がしっかり描かれている。

渦巻く人々の悪意、裏切り、策略など
また恨み恨まれといった連鎖
人間の本質をえぐって描いているあたりなど

今、思い浮かぶのは、コードギアスやひぐらし(初期TV版)
等の要素をしっかり取り込んだ、良質エロゲ!
といったところでしょうか?。


1話2話では見えてこなかった
主要キャラ2名(主人公とフレア)も
3話の時点で、自分の中でかなり魅力的に変化してきました!。
これは話の構成が上手いのでしょうね。

フレアの中の声優さんも、素晴らしい演技されていて
魅力的な演技に感じています!。
これを機に、今後も羽ばたいていかれることでしょう。

4話以降もさらに主要キャラが増えていきそうなので、目が離せませんね!。


-------------------------------------------------
>6話まで視聴して
3話までで感じた確信はゆるぎないです!。

毎週楽しみで仕方ないですし
毎週期待を越えてくる、いろんな意味での”濃さ”が素晴らしい!!。
よくあれだけの要素を詰め込んで
なおかつ成立させていることに驚愕っ。

とにかくアニメ化スタッフ様方が、かなり優秀なのでは??。


まず、ケアルの幼い顔であの言動・・は、ホントイライラさせられますw(誉め言葉)。
それを逆手にとった展開や演出に唸ります!。

作り物?であるかもしれませんが
ケアルガでみせる表情や、おだやかな語り口調にはかなり好感^^。
(ここはケアルガの声優さん絶賛^^)
・・かと思えば1周目で受けた苦しみへの本音吐露と憎しみの感情爆発表情!。

物語の展開や重要なセリフ、キーワードなどの随所に
コードギアス感が溢れてしまってますw。

・・ここは、むしろエロ特化した同人劣化ルルーシュ?
的な楽しみ方もできてしまって、残念ながら評価は下がりません><。

下手したら、単純なパクリといわれてしまうかもですが
この物語にあわせた、新たな上手い使い方、再構成がなされてるので文句なしですね^^。


作品の3種類のバージョン違い!?
(2種は知ってたが3種あるのは今調べて知ったw)・・も見逃せません!。

・テレビ放送版
・やり直し版
・完全回復版

はい。完全回復版というネーミングセンスも秀逸ですし
テレビ放送版も、単純なただの光規制にとどまらず
どこか、のんのんびより的な素晴らしい自然の背景と
時間が止まったかのような、ゆるやかな平和な時間の流れが表現されていますw。

これは、2度・3度おいしい♪。


主人公があまりにゲスいという評をよく目にしますが
1周目であれだけのことをされてしまった人間が
正常でいられることは、まずありえないでしょう><。

本人も語っていますが、いろいろ壊れてしまっています・・。。

でも、壊れてしまっているながらも、なんとかしようとしているところ

なんだかんだいいながらも
時折見せる人間らしさ・・。


また、ただの狂気に描かれているようなところも
それらは本来人間があらゆる両面持ち合わせてるところ・・?
と感じさせられるような
突っ込んで描かれたようなものに、なにか惹かれてしまうのです^^。


音楽面ではED曲がとにかく素晴らしい!!。
3連符??のところのリズム感と世界観の変化が心地よく
まず最初に本作を好きにさせられた要因は
間違いなくこのED曲でした♪。


-------------------------------------------------
>12話まで視聴して
結論から言うと1話から12話まで終始完璧でした!。

エロ系に寄った作品って、序盤数話までは素晴らしいと感じた作品でも
後半はネタ切れ等で失速してしまうことが多いように感じますが
本作は、毎回ネタの捻り方が秀逸でした♪。

特に10話での日笠さん登場は完全に予想外の神展開&神キャストでした!!(絶賛)。


最終話のラストは、若干説明的な感じにもなってしまってましたが
ケヤルガの心情変化描写が描かれていた点がよかった。
(もちろんそのままを鵜呑みにしてるわけではなく)


終盤で仲良くなった彼って魔族だったのですね。
ずっと人間だと思ってました。
生存させておいてほしかったな~。


ケヤルガは心を開いてしまって自分が変わってしまうことを恐れてるのですね・・。
本来の王道正義もの作品では、そっちルートが正解なのかもしれませんが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
ほぼ完全に(99%くらい?)壊れてしまっているので
そちらの方にケリをつけない限りは
もう前に進めなくなってしまっているように感じられます。

でも、時々、わずかに残っている1%の良心のケヤルガが見え隠れする
ところがグッときます。
でも99%の壊れケヤルガによって、打ち消されてしまうのですが・・。
(仲良くなった彼を助けない結果になってしまうあたりも)


あと、毎回のエロ描写ですが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
日課となってしまっているので(立場は逆ではあるが)

逆に壊れてしまってるがゆえに
この日課をこなすことで安心感を得たり
自我が保てているようにも感じられてしまいます。
限られたコミュニケーション手段の1つなのかもですね・・><。

まあ日課ならば仕方ない?・・ですか。。


ああ、書き忘れるところでしたが
クライマックスでの戦闘シーン描写もなかなかよかったように思いました。

あと、キャラデザは文句なしの満点です!!。


はい。2期切望します!。


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>北米版BDを購入して
国内版BDの購入をずっと迷ってましたが金額との折り合いがつかず、ずっと保留にしていましたが
北米版BDが発売されたことを知りました。

レビューでは強制字幕が消せないとあったので、そこがひっかかってたのですが
金額が国内版に比べて圧倒的にリーズナブルだったため、強制字幕を納得したうえで買ってみました。

で、まず家庭用のBDレコーダーで再生を試みたところ再生できませんでした。
リージョンコードは問題ないのですが、国コードロックで機種によっては再生できないようです。

次にPS4で再生してみたところ、再生できました。
ただし、強制字幕は消せませんでした。
まあこれはこれで、英語に親しむ教材に・・。なる?。
・・まあ視聴には問題ないのですが、消せるものなら消したい・・のが本音です。

次にパソコンでの某社の有料再生ソフトで試したところ
最初、再生できなかったのですが
国コードを変更したら再生できました^^。
ただし、強制字幕は消せなかったので、PS4と同じ結果でした。

最後に、無料再生ソフトを試してみたところ、設定で消せました^^。
ただし、日本製の再生ソフトではないので、もろもろ自己責任で・・ということですね。。
まあでも、やはり快適に視聴できたので、結果満足でした。


ひさびさの再視聴でしたが、評価が揺らぐことは全くありませんでした!。
むしろ盤石に。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人の心理として説得力がある展開。性表現の線引き問題。

 アニメにおいて性の欲望をどこまでどうやって表現するか、ですよね。

 さて、最近のアニメの性表現ですが、たとえば少女擬人化、不必要な露出の多い戦闘服、一見無垢な女の子の集団が温泉に入っているなど、欲望を持っていないように見せかけて表現し、妄想や2次創作で消費しています。

 これは庵野秀明からの系譜を見ればわかりやすいですが、一見SF設定としてのプラグスーツが、実際は彼のウルトラセブンのアンヌ隊員の制服への性的な欲望であり、また、大きなお友達としてセーラーマーキュリーが大好きでそれを綾波にした、と聞きます。

 庵野秀明から始まったのかは知りませんが、俺は変態じゃない、性欲なんてないよ、というアニメを作ってそれを性的に消費するという手法が今の深夜アニメの流れなのでは、と思います。

 また、処女厨が巷にあふれた結果、物語の男子から性欲がどんどん消えてゆきます。いや、性欲はそのままで、ミニスカやビキニアーマーの戦闘美少女、ラッキースケベまでの寸止めが横行してゆきます。
 加えて、人の悪意や辛い経験をアニメとはいえ見るのが不快という状況が日常系アニメ、おっさん趣味を少女が行うといったまったりアニメにつながってゆきます。

 さて、このアニメです。このような理由から登場人物にクズしかいない、過度な性的表現が視聴者に不快な思いをさせているという事実はあるでしょう。

 ですが、面白かったです。
 中世から近代革命までの間の、戦闘するための集団、今の転生ものでいえば、パーティーですが、娯楽もない、貞操観念も低い、まして戦いでアドレナリンが出まくっている状態です。ここに男女がいれば普通毎晩セックスするでしょう。

 人間の行動原理としてセックスが中心になるのは当たり前ですし、金銭欲、権力欲、人を貶める快楽などが人の行動原理になるのも自然なことです。

 この物語の展開は、その意味ではこの1,2年で見てきたアニメの中で一番自然でした。ちょっと盾の勇者もそういう表現に近づきましたが、やっぱりマイルドです。このアニメは、物語として見ていて主人公の行動原理で「それはないだろう」みたいな展開がほとんどなかった気がします。

 ヒロイン?も復讐の対象として主人公を盲目的に愛するように仕向けられますし、奴隷の美少女が主人公にのめり込む心理も自然でした。だって、命の恩人、村の恩人、そして、性欲を満たしてくれる相手ですから。奴隷の私に優しいから好き!という展開でないのは素晴らしいです。

 もちろん、まずセックスシーンが必要かという配慮は必要ですが、この物語は、人間の醜い欲望の上に成り立った世界観や倫理観、物語の展開上、違和感がありませんでしたし、あれがあるから、主人公の行動原理が物語として説得力を持ちます。

 人間の性欲を無視して、いい子が集まる物語にちょっと飽きていたので、非常に面白かったです。

 ただし、性的な表現、残虐な表現があるよ、ということが視聴する前に表示される配慮が必要です。特に女性視聴者に対し、不快に思える表現が多々あるのは事実です。そういう前提を見る前に提示し、視聴者側が自己責任でフィルターを掛けられるような配慮、つまり、ゾーニング(線引き)が必要だと思います。


 この作品への評価は、今のアニメ事情を考える上で、ものすごく参考になると思います。話としても面白かったです。ちょっとアンチテーゼ的に評価は高めにつけましたが。
 なお、女性の方は、そういう作品OKの方だけにしたほうが、いいでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

復讐劇

ひたすら復讐そしてエロ。
一気見してしまった。
意外とバカにできないぞこの作品。

チートながらもどんどん復讐していく様子は痛快とも言える。
復讐するにあたって、我を失うほどのかなり命がけな行動もしているわけで単に俺つええっていうわけでもない。

凌辱してきた相手を潰す作品が個人的に好きなのかもしれない。
現実には復讐はできないが、エンターテイメントで少しは憂さ晴らしになるのかも?


OP
残酷な夢と眠れ 栗林みな実
ED
夢で世界を変えるなら ARCANA PROJECT
栗林みな実さんの歌声いいよね。好きだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す”ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

第一話 回復術士は、やり直す!
幼少の頃から勇者に憧れていたアルバン村の少年・ケヤル。穏やかな日々を過ごしていたが、ある日、どこからともなく森の奥へいざなう声が聞こえてくる。湖にたどり着くと目の前に現れた星の精霊から森羅万象を見通す「翡翠眼」を譲り受けたケヤルは、かつて【癒】の勇者として生き、この世界を《回復》した記憶を取り戻すのだった。

2. 回復術士は、フレア王女を壊す!
想像を絶する《回復(ヒール)》の苦痛。ケヤルは拒絶するも、フレアの謀略によって《回復(ヒール)》の使用を強制されてしまう。暴行、陵辱、薬漬け……。それは勇者としての威厳だけではなく、人間としての尊厳も奪われる、まさに地獄であった。耐え忍ぶこと、約半年。薬物耐性の熟練度が上がったケヤルはついに正気を取り戻し、フレアと対峙する。

3 回復術士は、奴隷を買う!
身を隠すため、フレイアとともに王都を離れることにしたケヤルガは、その道中、勇者たちと過ごした日々の夢を見る。フレアの犬となり、ブレイドの暴力にさらされ、ブレットの異常な愛を受け止めていた毎日。虐げられた記憶は、改めてケヤルガの復讐心に火をつけるのだった。そして辿り着いたのは自由都市ラナリッタ。この街には原因不明の奇病が蔓延していた…。

第四話 回復術士は、セツナを手に入れる!
ジオラル王国軍--それはセツナの仇であり、ケヤルガの復讐対象でもある。王国軍が再び氷狼族の村を襲撃するとの情報を得たケヤルガは、セツナにその情報を伝えるも今のセツナでは対処できないと厳しく指摘。強くなるためにケヤルガの“力”を借りるかどうかを迫る。復讐を遂げるためならなんでもすると話すセツナは……。

第五話 回復術士は、新しいおもちゃを見つける!
水辺で戯れるフレイアとセツナを衝動的にかわいがったり、魔物を使った極上のごちそうに舌鼓を打ったり……氷狼族の村を救ったケヤルガは、束の間の休息を楽しんでいた。そこへ忍び寄る影が一つ。ゴルドマンとの取引を終えたケヤルガに鋭い剣が襲いかかる。目の前に現れたのは、ケヤルがかつて癒した人物だった。

第六話 回復術士は、血と涙を流す!
ある朝、ラナリッタにジオラル王国軍がやってくる。彼らが引き連れているのは、ケヤルガの故郷アルバン村の村人たち。ケヤルへの復讐に燃える近衛騎士隊長・レナードが、ケヤルをおびき出すために準備した人質だった。ケヤルガは兵士に扮装し王国軍の情報収集に当たるが、そこでレナードたちの“大罪”を知り激しい怒りをあらわにする。

第七話 回復術士は、正義を執行する!
怒声が響き渡るコロシアムに、姿を現した【癒】の勇者ケヤル。敵指揮官は、次々と兵士を仕留めていくケヤルを恐れ、磔になった村人を人質に彼を制止する。しかしケヤルは一切動じる様子もなく、己の正義を貫くため、ある行動に出る。一方、フレイアたちもまた追い打ちの一手を準備していた。

第八話 回復術士は、魔王と出会う!
人間と魔族が共存する街ブラニッカ。かつての戦争でジオラル王国に見捨てられたこの街は、魔族と手を取り合うことで生きながらえ、独自の文化を築いていた。ブラニッカに到着して早々に酒場で情報を集めるケヤルガたち。すると、そこへ魔族の少女・イヴがやってくる。初対面のはずだが、その面影には見覚えがあり……。

第九話 回復術士は、食べ物の恨みを晴らす!
ケヤルガたちの“日常”に戸惑いと恥じらいを隠せないイヴ。そんなイヴに、ケヤルガはある提案をしてくるのだった。それは魔王の追っ手を振り切り、復讐を遂げたいイヴにとっては願ってもない提案で……。一方、ケヤルガは情報収集のため、昨夜襲撃を受けた酒場へ向かうが、そこには生き残っていた狂牛族の男が現れるのだった。

第十話 回復術士は、可憐な一輪の花になる!
ブラニッカへ進軍してきたジオラル王国軍。先導するのは第二王女ノルンと三英雄が一人【鷹眼】、そして【剣】の勇者ブレイドだった。ケヤルガは、意気投合した商人カルマンからブレイドの情報を仕入れる。彼女は女癖が悪く、街中で女性を漁ってはひどい目にあわせているという。それを聞いたケヤルガはブレイドに近づく為、とある秘策を思いつく。

第十一話 回復術士は、ノルンの蛮行に心を痛める!
ケアーラとしてブレイドの部屋へ潜り込み、仇敵を拘束したケヤルガ。憎き【剣】の勇者に復讐を果たすため、ケヤルガが用意していたのは、ブレイドにとってもっともおぞましいものだった。態度を急変させ必死に許しを請うブレイドに、ケヤルガはある“ゲーム”を持ちかける。それはブレイドにとって恥辱と苦痛にまみれたもので……。

第十二話 回復術士は、新たなる旅に出る!
ジオラル王国軍の殺戮と略奪を食い止めるため、戦場に降臨した王女フレア。絶対的なカリスマ性で戦況を変えようとするが……。一方、ケヤルガはこの惨劇の元凶であるノルンのもとへ向かう。そこに立ちはだかるのは、王女の護衛であり、王国の三英雄が一人である【鷹眼】だった。故郷を奪われ、親友を殺されたケヤルガの復讐の結末は--。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11

71.5 12 騎士で勇者なアニメランキング12位
便利屋斎藤さん、異世界に行く(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (254)
830人が棚に入れました
今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。 運動も、勉強も、そこそこ。決して一番になれない普通の人間……それが、斎藤さん。 職業“便利屋”の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。 そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。 呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいの モーロック。 姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。 斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。 鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。 元の世界で身につけた“便利屋”の経験を異世界で活かす。 異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。 しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。 斎藤さんは充実していた。

声優・キャラクター
サイトウ:木村良平
ラエルザ:ファイルーズあい
ラファンパン:東山奈央
モーロック:チョー
メヴェナ:大橋彩香
ギブングル:相馬康一
リリーザ:花守ゆみり
ギーブル:田所陽向
フランリル:青木瑠璃子
ニニア:田所あずさ
カインズ:松岡禎丞
ライチ:芹澤優
モンプイ:本多力
キスルギ:笠間淳
プリマス:井澤詩織
ラーヴェラ:斎藤千和
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

x=v₀t+1/2at^2

2023/06/07 初投稿

最初の印象は『かぐや様』みたい。
かなり短いギャグ寄りのエピソードを積み重ねていく感じ
一見関連性無く,場面や登場人物も次々と変わっていきます。
『かぐや様』のナレーションに相当する者として『斉藤さん』ではテロップが使われています。

そして,なんかビミョーなのです・・・イマイチ面白くない・・・
危なく切る所でした^^;
この回で切ろうと思いながら3話を見ていたら
(3話の)終盤横穴を見つけた当たりからちょっと面白くなってきましたw

視聴を継続すると
なんかドンドン加速度的に面白くなって行くではありませんか!!
4話で主要な登場人物がそろったのでしょうか(たぶん)
5話当たりからストーリーが見え始めます。5話で忍者のストーリーが始まり6話でもーロックさんのストーリーが始まりと言った具合で
意外とシリアス要素も感じさせながら,それぞれのストーリーも平行して描かれていきます。
8話で忍者の{netabare}ストーリーが完結します。思いの外感動的。
序盤単なるギャグアニメと思わせ,中盤以降もギャグに軸足を置きつつ,意外と真面目なストーリーを展開します。{/netabare}

色々突っ込みたくなる自分のような面倒くさい輩でも,ベースにギャグがあるので問答無用で色々納得させられちゃいました。
おかげで,ストーリーに集中できなんやかんやで感動的でした。

OPは1回しか見ませんでしたが。ED「ひだまりの彩度」はだいたい毎回見ました!

最近,評価の基準が狂ってるかも知れませんf^^;

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意外と楽しめる。毎回、ただ「いい話」では絶対に終わらない(笑)。

「便利屋」という商売があります。

鍵を無くした時に開錠道具を使って開けてくれたり、漏水などの応急処置をしてくれたり、簡単な修理を請け負ってくれたり…。

そんな便利屋に勤務している斎藤さんが異世界に転移して、便利屋として身に着けた様々なスキル(ゲーム的な意味ではない)を用いて冒険者パーティーの支援職として自分の存在価値を見出していく、そんなお話ですね。

各話ストーリーとしては基本的にはお笑いの方向に軸足を置いているのですが、恋愛要素があったり、シリアスな展開につながる過去回想があったりといった感じでけっこうバランス良くエピソードが配置されています。

こちらの世界では自分の価値を信じられなかった斎藤さんですが、異世界で徐々に自分のポジションを確立し、自己肯定できるようになってゆく様はこのアニメのグランドストーリーになっています。

そんな笑いとシリアスの両輪で進むこのアニメの脚本が心掛けているのではなかろうかと思う点としては、「各話の最後はシリアスでは締めない」という点が挙げられます。

しんみりさせたり感動的なエピソードが入ってきて尺的に「この話はこのエピソードで終わるのかな?」と思わせても絶対に笑いの要素で締めてきます。

そこに妙な安心感・安定感を感じてなんとなく楽しんで完走してしまう、そんなアニメでしたね。

2023年冬(1~3月)クールは視聴したい作品数に比較的余裕があったので、そんな中ではお勧めできる作品だと思います。

ただ、後から観たいアニメを探すという観点だと「絶対観ておけ!」的な強力なお勧め作品でもないような気がします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

剣も魔法も使えない。でも――サイトウの代わりはどこにもいない。

この作品の原作は未読ですが、私の中で今期のTOP10入り間違いなしの作品でした。


今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。
運動も、勉強も、そこそこ。
決して一番になれない普通の人間……
それが、斎藤さん。

職業"便利屋"の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。
そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。
呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいのモーロック。
姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。

斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。
鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、
カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。
元の世界で身につけた"便利屋"の経験を異世界で活かす。

異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。
しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。
斎藤さんは充実していた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品も異世界転生モノです。
異世界転生って、本来なら有り得ない話なんですが、アニメの世界では既に一般常識レベルで常態化していると思うのは、きっと私だけじゃないはずです。

この作品の最大の魅力は、斎藤のパーティーメンバーによる掛け合いに尽きます。
掛け合いというより、モーロックのボケとラエルザのツッコミがヤバい作品と言う方がしっくりくるかもしれません。

斎藤(CV:木村良平さん):現代日本から転移した盗賊。日本では便利屋さんに勤めていた。
ラエルザ:(CV:ファイちゃん):本作品のヒロインで重戦士。
モーロック(CV:チョーさん):伝説級の魔術師だったが、物忘れが激しいのが難点…
ラファンパン(CV:奈央ぼう):月光妖精の神聖魔術師で主にパーティーの回復役を担当。

起点は殆どモーロックさんから始まります。
ダンジョンでの戦闘中に魔法の詠唱を忘れたり、腰痛が酷いのに女の子とギャンブルが大好きだったり、とかく破天荒なおじいちゃんです。
この破天荒さ故に、緊迫した状況にあまり遭遇しないというか、遭遇していても緊迫感が感じられなかったりと、常にどこかほんわかとした優しい雰囲気が感じられる作品だったと思っています。

そう言えば、wikiをチラ見した際に知ったのですが「モーロック」って本名じゃないみたいです。
きっと、耄碌(もうろく)したおじいちゃんだから「モーロック」と誰かが勝手に付けたのではと想像しています^^;

個人的に大好きだったのは各話の終い方です。
物語は毎話色々あるのですが、ラストは大概「今日も一日お疲れ様でした。また、明日も頑張りましょうね。」的な優しい雰囲気になるんです。

これはきっと性なのかもしれませんが、そこで必ずモーロックさんが何かをやらかすんですよね。
そして間髪開けずにラエルザの激しいツッコミが入ってエンディング…というパターンが堪らないほど大好きでした。
何故ならエンディングのイントロがメッチャ心地良いメロディで、本当に物語を全部包み込んでくれるような感じを強く受けたからです。

このエンディングを迎える度に視聴して良かったと思いながら、終盤は何故かエンディングもイントロを聞いただけで何故か目頭がじーんと熱くなったり…(*ノωノ)
時に自分のチョロさに辟易することもありますが、これはきっと不治の病みたいなモノなんでしょう。
回を重ねるうちにどんどん可愛らしくなるラエルザや、奈央ぼう演じるラファンパンも十分魅力的だったのが個人的には加点要素だと思っています。

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Teary Planetさんによる「kaleidoscope」
エンディングテーマは、konocoさんによる「ひだまりの彩度」
言わずもがなですがエンディングに軍配です。

1クール全12話の物語でした。
これは続きが見たいでしょう。
斎藤とラエルザの顛末は、誰だって気になると思いますし…
ラエルザはラファンパンに対する警戒だって必要になるかもしれません。
モーロックさんは、これからもずっとマイペースなんだろうなぁ…
そんな温かなひと時を過ごさせて貰った作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

65.7 13 騎士で勇者なアニメランキング13位
異世界迷宮でハーレムを(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (203)
662人が棚に入れました
ある日、この世に絶望していた加賀道夫が見つけたのは、あやしげなネットゲーム。 ゲームに書かれた、この世界が生きづらいなら異世界で生きればいいという言葉に誘われるまま、 設定やキャラメイクを終えた道夫を待っていたのは、現実とは異なる本物の異世界だった。 様々なスキルやジョブ、魔法に迷宮とまるでゲームのような異世界を舞台に、 自らのステータスを自由に再設定することができる力を駆使して、道夫の冒険が幕を開ける。

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Roxanne You don't have to put on the red light

2023/01/03 初投稿
2023/01/09 加筆

「エロ枠でしょ?あんまり興味ないけど冷やかしで見てみようか。」って感じで見てみました。

正直,認めたくないのですが・・・面白かったです^^;
すごく短く感じました。気がついたら全12話見終わっていた・・・
感覚的には半分くらいにしか感じませんでした。
いったい何が面白かったのか考えてみると
恐らくなのですが,自分は結構ゲームをやるのですが,ゲームに近い感覚だった事かなと思います。あ!もちろんエロゲじゃなく,RPGですよ!!w
ゲームだとかなり時間を要します。
それに比較してなんとなくゲームをやっているようなストーリー展開で全12話OP,EDカットすれば正味約4時間というお手軽さです。タイパかなりいいです。

一方面白かっただけにエロ要素はむしろ不要と感じました。そういう関係になるのは全く不自然では無いというか,むしろ当然の流れだったとは感じるのですが・・・結構な尺を使い描かなくてもいいのでは?てかウィンドウ並んでいるカットを見せられても・・・(突起エラーや割れ目エラーにはちょっと笑っちゃいましたが^^;)その分本編に時間を割いて欲しかったw

一応申し訳程度ではあるのですが,主人公が現在の日本での価値観と異世界の価値観の狭間で葛藤する様子も描かれていて良かったと思います。エンタメ振りなので突き詰めず触れる程度で十分かとも思いました。

あとは,ハーレム物のように見せかけてハーレム要素は臭わせたくらいなのも悪くありませんでした。

OP 曲は普通ですがロクサーヌが素晴らしいです。
EDはヤバいです!!一回聞いただけで「お魚天国」のように脳内で反復されます。
「絵画より!ダイヤより!!美しい夢の逸品!!!・・・」無限ループ。油断していると口ずさみそうになりますf^^;

まとめると
ま,なんか分からなかったけど面白かったのです(笑)

でも。これの直前に見た「黒の召還士」と脳内で混ざり合っているような気がしますf^^;


2023/01/09 加筆
レビュータイトル
「Roxanne You don't have to put on the red light」
検索してもらえると嬉しいです(^0^)/

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

このエロには意志がある!(お見合い夫婦の距離感)

AT-Xにて「超ハーレム ver.」での視聴でした。地上波放送の方が時間帯的に後だったこともあり、たまに規制シーンがどうなっていたのかを録画で確認したくらいで規制版はほとんど観ていません。

本作はコミカライズからの流れでいわゆる「エロシーン」が評判になったアニメですが、意外にもラノベなどにありがちないわゆる「ラッキースケベ」的な描写はまったくありません。

迷宮(ダンジョン)での戦闘シーンにおいて女性キャラが粘液まみれになる、グルグル巻きに糸で縛り上げられる、下着や肌が露わになる、服が溶けるといった他作品でありがちなエロ描写は一切なく、翻ってエロシーンは必ずそれを始める意志が伴って始まる点が特徴的です。

さて本作主人公の加賀道夫ですが、転移先の異世界において特に「世界としての役割」を負わされていません。なろう異世界ものでお馴染みの転生担当女神みたいなのもいませんし、魔王を倒す勇者としての役割を負わされたりもしていません。

状況としてはオープンワールドRPG的な世界でただただ生き延びて明日を無事に迎えることが直接的な目標になってしまっている、ある意味で「志の低い」ストーリーです。

そんな中で始まりの村的なところでゲームイベントとして盗賊を殺し、生計を立てる手段として迷宮探索を選び、ソロ攻略は辛いからという理由で奴隷としてロクサーヌを買い、生き延びるために地味に迷宮や世界自体のルール把握に努めます。

奴隷商のアランからは「獣人で戦闘力は高いが、人間との性行為では子供ができないし性行為に応じることにも同意している」ということでロクサーヌを紹介されますが、道夫はロクサーヌの意思を探りそれを尊重しながら徐々に深い信頼関係を結んでいく点がなかなかに興味深いところです。

二人目の奴隷セリーが登場するのは終盤2話だけであり、道夫とロクサーヌの関係が深まってゆく感じはまるでお見合い夫婦のそれのようでした。

「エロシーン」が単に「裸を見せるため」というところにとどまっておらず、かなり面白かったです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

66.4 14 騎士で勇者なアニメランキング14位
ドラゴンクエスト ダイの大冒険[DRAGON QUEST](TVアニメ動画)

1991年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (137)
644人が棚に入れました
かつて、勇者アバンとその仲間たちによって、世界を席巻した魔王ハドラーは打ち倒された。 平和を取り戻した地上において、魔王配下の怪物たちは邪悪な意志より解放され、人里から離れて暮らすようになった。そんな場所の一つ、南海に浮かぶ絶海の孤島デルムリン島に、たった一人の人間がいた。 十一年前、難破した船からこの島に流れ着き、かつての魔王の側近であった鬼面道士ブラスに育てられた、その少年の名はダイ。 友達のゴールデンメタルスライム、ゴメちゃんと共に、勇者に憧れる彼が、本当に世界を救うことになる未来を、そのときは、まだ、誰も知らなかった。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

相手によって出したり引っ込めたりするのは本当の「勇気」ではない。

タイトルの言葉は格言だと思います。しかも、この言葉をいうのが、盗賊でろくでなしの魔法使いが言うのでなかなか胸に響きます。

最近のファンタジーはダークでアダルトな内容なのが多いですが「芯」がないんですよね。主人公の動機に

なぜヒーローはヒーローたりうるのか。

超能力があるからヒーローなのか。金持ちだからヒーローなのか。

違うでしょうと。

「勇者」や「スーパーヒーロー」は一般人にはできない決断や行動ができるから特別であって。

周囲の状況や私利私欲で動く人間は一般人と変わらないんですよね。

そういうことだと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 20

67.5 15 騎士で勇者なアニメランキング15位
解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (184)
616人が棚に入れました
「解雇ですか……?」 魔族で魔法が使えない無能といわれ、突然の解雇宣告を告げられた魔王軍の暗黒兵士・ダリエル(30代)。 故郷を追放され、偶然、森で助けた村娘・マリーカとの出会いにより、人間族のラクス村に流れ着く。 魔族ではパスできないはずの冒険者登録に受かってしまい、手のひらには人間族にしか使えないはずのオーラが宿る!? 駆け出し冒険者ダリエルとして、のんびりできないドタバタなセカンドライフがいま始まる。

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

超ハイスピード・スローライフw

2023/05/31 初投稿

今回も,何も考えず寝転がりながらのんびり楽しめるB級作品を求めて視聴しました。

最初からハードルが下がった状態で見始めるからでしょうか?
この頃「当たり」が多いように感じます。

この作品も予想以上に楽しめました。
というか,相当面白かったです!!

タイトルとは逆にダリエルのセカンドライフはハイスピードに展開していきます。
中盤6話は最終回でもいいのではと言うような展開が・・・前半の6話でここまで来るとはかなりハイスピードです。(マリーカのタックルはさらにハイスピードですがww)

とにかく全体的にスピーディーでドラマティックでした。

個人的には10話はかなり感動しました。
しかも,その後にさらに2話もあるとか,得した気分ですw

この作品に最高評価付けてる人はそんなにいないと思うけど・・・
大満足だったので★5つですw
最近評価甘過ぎでしょうか?f^^;

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

リタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

声の偉大さ

ストーリーはちょいちょい捻りがあって最後まで楽しむ事が出来た。
キャラ達もヘイト高めつつ...と良い味出してる人々のおかげで賑やか。

で、一番このアニメを完成させているのが主人公の声!
杉田さん凄いなー。銀〇や東〇七つのとかハル〇とか色んな個性的なキャラを演じても凄いのに、このアニメの頼りないけど温かく芯には力強さもあるユニークなキャラを素晴らしく表現している。

他の声優さんも豪華だけど、主人公との関わりがしっかりその立場の人間として綺麗にマッチしていて違和感も無く、言葉で言い表し難いけどすごくしっくりくる良いアニメに仕上がっていた。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

ごる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

タイトルがビミョーかもしれないけど面白い!

よくある目をつけられて嫌がらせのように解雇される感じでスタートしますが、見ていくと面白い感じで仲間が集まったり、事件を解決したりと全体的に明るく楽しい内容です(´∀`)

誰かが死ぬということもなく、全て平和に事件は解決していくので、戦闘メインでもないですw
主人公の元暗黒騎士は実は元々メッチャ強かったけど、それが幾多のトラブルで顕になっていきますww

この手のアニメでは珍しくヒロインとしっかり結ばれ、子供も産まれますw
後半になっても、色々と各キャラの繋がりが判明したりと予想外な展開も良かったです( ˋ͈ ˙̫ ˊ͈ )

四天王で唯一、主人公を探していたドロイエというキャラが主人公に好意があったように見えましたが、後半一切登場してなかったので、残念でした(ˊ・-・ˋ)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

63.9 16 騎士で勇者なアニメランキング16位
勇者が死んだ!(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (123)
398人が棚に入れました
剣と魔法、そして人類の敵として悪魔が息づく世界。 ちょっとスケベな農夫の少年トウカは、ある日自作の落とし穴に勇者シオンを落とし、殺してしまう! その事実を隠すため勇者の死体を埋めたが、翌朝トウカの体に異変が…!!? 落とし穴からはじまる、村人と美少女たちのちょっとエッチな冒険ファンタジー開幕!

58.0 17 騎士で勇者なアニメランキング17位
テイルスオブファンタジア-TALES OF PHANTASIA(OVA)

2004年11月25日
★★★★☆ 3.3 (53)
269人が棚に入れました
ある日、トーティスの村に住んでいるクレスは、いつものように友人のチェスターと一緒に南の森へと狩りに出かけていった。ところが猪を仕留めて村へ帰ると、トーティスの村には異変が起きていた。帰ってきたクレスとチェスターの目に映ったのは、何者かに破壊された村の家々と、虐殺された村人たち。その中には、チェスターの妹アミィもいた。
二人は、この村が襲われた原因がクレスがかつて父親から誕生日のプレゼントとしてもらったペンダントにあることを知る。クレスとチェスターは一度別れ、クレスは両親や、村の人々の仇をとろうと、村を襲った連中の手がかりを探すが、逆に彼らに捕まってしまう。
そこで、クレスは同じように捕まっていた法術師の少女、ミントと出会う。彼女の母親の形見のイヤリングの力を借りて、彼らは牢屋からの脱走に成功するが、村を襲った敵(マルス・ウルドール)は奪ったペンダントを使って、ある儀式を行おうとしていた。クレスとミントのペンダントは伝説の魔王ダオスを復活させるために必要なものだったことが分かる。阻止に向かうクレス達だったが、一歩間に合わずダオスは復活してしまう。永い眠りから再び覚めたダオスは彼らを殺そうとするが、間一髪でクレスとミントはトリニクス・D・モリスンの法術によって過去へ飛ばされる。
クレスたちはダオス打倒をめざして旅に出、クラースやアーチェら仲間と出会う。こうして彼らは、時空を超える冒険に飛び込むことになったのだ。はたして魔王ダオスの真の目的とは…。

62.2 18 騎士で勇者なアニメランキング18位
キングスレイド 意志を継ぐものたち(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (67)
256人が棚に入れました
カイル王が魔王アングムンドを葬り去って100年。平和な時代に見習い騎士のカーセルは生きていた。だが、魔族が近隣に現れたとの知らせからカーセルの運命が動き始める。大賢者に導かれ、頼れる仲間を得たカーセルは旅立つ。封印されし聖剣を求めて・・・

声優・キャラクター
石川界人、加隈亜衣、小澤亜李、河西健吾、鈴木崚汰、南條愛乃、咲野俊介、寺島拓篤、堀江瞬、置鮎龍太郎、伊藤健太郎、松風雅也、中村桜、中恵光城、神田みか、平山笑美、長妻樹里、田中貴子、豊田萌絵、高田憂希、飯田里穂、井上雄貴、村田太志、佐藤元、田所陽向

U-yan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

英雄の血と勇者の使命。これぞ王道!

ここではレビュー件数も少なくあまり評価されてませんね・・・。王道っちゃ王道。でもここ最近「なろう系」「転生物」が多いからね。たまにはありだと思いますよ。簡単に言えばドラクエっぽいwまぁゲーム原作らしいから仕方ないかな。100年前、魔王率いる魔族軍から人々を守ったカイル王。様々な種族と協力し魔王さえも討ち滅ぼしたという伝説。100年後も伝説は残り続け、平和な生活が出来ていたのだが・・・。というスタートです。最近は皆さん観る目が厳しいので「主人公の秘密は序盤ではなく謎を残して後半に伏線回収が良かった・・・。」って思う人もいるかもしれませんね。まぁこの辺もゲーム原作だから仕方ないか・・・。個人的には、異種族を敬い共存を望む者もいれば、異種族に根深い恨みや復讐心を持つ者もいて・・・となかなか良かったと思います。作画、音楽、声優さんも結構私は好きでした。勇者が魔王を倒すといったアニメで2クールです。そりゃ「ダイの大冒険」みたいにストーリーは濃くないですが、構えず観るなら楽しめると思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

聖剣の勇者 それは、偽りのお伽話

この作品の原作ゲームは未プレイです。
完走後にwikiを見て初めて知りましたが、原作は韓国で開発されたゲームだったみたいです。
あまり韓国チックな雰囲気を感じなかった作品です。

ゲームの方は、ウォリアーやアサシンなどの職業が分かれており、それぞれの職業に初期投入キャラがいるようですが、その初期投入キャラが、今回のアニメで活躍した主要登場人物になっているみたいです。
世界150か国で累計1,600万以上ダウンロードされているそうですが、この数字が凄いかどうかは正直分かりません^^;

ある程度、年月が過ぎないとこの数字は出てこないんでしょうね。
私は最近アサルトリリィ ラストバレットというゲームを始めましたが、このゲームのダウンロード数はどこにも見当たらなかったので…
こういうゲームを初めてプレイするので、知らないことばかりなんですけどね^^;


光の女神<ルア>が創造した世界の半分以上を占める広大なオルビス大陸は、
人間のみならず様々な種族が暮らしている種族のるつぼである。

本作の舞台は<オルベリア王国>。
オルベリア王国は100年前、魔界より現れた魔王<アングムンド>の侵攻に端を発する戦争において、
聖剣エアとともに破竹の活躍をみせた国王カイルを輩出した国である。
カイルは各種族の仲間とともに魔王軍に抵抗。ついにはアングムンドを退けるものの、
自身も決戦の最中に生死不明となる。

<オルベリア王国に迫る危機>
先代「聖剣の戦士」カイルが行方不明となってから100年。
長い平和と栄華を謳歌していたオルベリアにも陰りが見え始め、
100年前アングムンドと共に姿を消したと思われていた魔族が
オルべリア周辺に出没しているとの噂が囁かれるようになった。

現国王のベログランス2世は病に伏せ、
スカーレット姫は日々、腐敗した貴族たちによる暗殺の危険にさらされている。

<ブラックエッジとエル・モリハム>
100年前のある事件をきっかけに、ダークエルフという存在はオルべリアから迫害され、
王国から姿を消すこととなった。

その後も100年間に渡る迫害は続き、
ダークエルフたちはオルべリアに憎しみを抱いている。

リヒトが率いる「ブラックエッジ」は、オルベリアを憎むダークエルフたちによって構成される傭兵集団。
本来はならず者の集まりと紙一重の集団だが、
彼らを重用するのがオルベリア王国貴族のエル・モリハムである。

まともな戦力を持たないオルベリア王国において、
エル・モリハムはブラックエッジを有用な戦力として扱い、
オルべリア内での自分の立地を高めようとする。

オルべリアを憎むダークエルフと、
手段を選ばない野心家エル・モリハムが手を組むことで新たな戦乱の予感が巻き起こる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

物語は2つの大きな物語が時を同じくして進んでいきます。

一つは100年の時を経て魔王アングムンドが復活しようとしており、唯一魔王を倒せる聖剣エアを探して旅する物語。
もう一つは、ダークエルフの目論見、王国貴族の暗躍などオルベリア王国の足元で起こる事件を描いた物語です。

個人的には聖剣エアを探す旅のパーティーの中に、くまちゃんや亜李ちゃんが演じるキャラがいたので、こちらの物語の方が楽しめた気がします。
陰謀や暴力といった類の物語を、どうしても前のめりで見ることができないのも理由の一つだと思います。

ですが、物語はしっかり練られていましたし、ゲーム原作だけあってキャラデザも綺麗だったので、全般的に楽しめる作品だったと思います。
ただ、今期放送された「オルタンシア・サーガ」と作品の系統が似ていたので、頭の中でお互いの物語が交錯してしまった点が個人的には残念でした。
交錯していたのは私だけかもしれませんけれど…

あとはラスボス戦…
もう少し捻りがあっても良かったと思います。
迫力はありましたが、もう少し視聴者の記憶に残る展開があっても良かったのでは…と思いましたが、きっとこれは尺の関係でしょう。

ですが今後を予感させる物語の纏め方は良かったと思います。
未だ原作ゲームも続いていると思うので、この様なラストになったんだと思いますけれど。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、fripSideさんの「legendary future」と、DREAMCATCHERさんの「Eclipse」
エンディングテーマは、KOTOKOさんの「SticK Out」と、飯田里穂さんの「One Wish」
fripSideさんの楽曲は言うに及ばず。
KOTOKOさんの楽曲は超久しぶりなのではないでしょうか。
いろんな方に楽曲を提供されていたのは知っていましたけれど…
C/Wの「初雪ディスタンス」も素敵な楽曲だと思います。

2クール全26話の物語でした。
久々に全26話の作品が放送されたのではないでしょうか。
見応えも十分あったと思います。
こういう腰を据えたアニメが今後増えてくることを期待しています。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

63.5 19 騎士で勇者なアニメランキング19位
VS騎士ラムネ&40炎-ヴァーサスナイト・ラムネアンドフォーティー(TVアニメ動画)

1996年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (30)
246人が棚に入れました
ゲームが大好きな馬場ラムネードはある日、二人の少女からゲーム機用のCD-ROMを買わされる。それは妖神ゴブーリキを倒した2代目ラムネスの戦いを記録したものだった。ゲームをクリアすると先ほどの少女二人がテレビから出現。二人はラムネードを自分たちの世界へ連れて行き、3代目ラムネスとなって復活した大邪神アブラームを倒し、自分たちの世界を救ってくれと頼む。初めはとまどっていたラムネードもしぶしぶ承知し大邪神アブラームを倒す旅が始まる。

声優・キャラクター
草尾毅、矢尾一樹、宮村優子、氷上恭子、こおろぎさとみ、TARAKO、塩屋浩三、優希比呂、松本保典、根谷美智子、矢島晶子、森久保祥太郎、うえだゆうじ、岡野浩介、今井由香、高野直子、川上とも子、横山智佐

60.8 20 騎士で勇者なアニメランキング20位
セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (84)
241人が棚に入れました
“為せ 汝の欲することを"かつて世界を救った英雄達がいた。数多の英雄達は〈破壊〉の力と戦い、この世界を守ったのだ。そして、時は流れ――英雄たちは歴史の彼方へと去り、彼らの力を身に纏い戦う〈継承者〉と呼ばれる少年少女達に世界の運命は託されることとなった。〈継承者〉の頂点に立つ〈セブンナイツ〉の一人、少女ファリアは押し寄せる〈破壊〉の軍勢との戦いの中、ネモと名乗る一人の少年を救う。激戦の中、ネモは自らも知らぬままに〈英雄〉の力を喚起し、〈継承者〉としての力を振るう。だが、彼の〈英雄〉は誰も知らぬ、誰も語らぬ者だった。そしてこの時より始まるのだ。過去と現在の交錯する魂の旅路が――

声優・キャラクター
山下大輝、山村響、花澤香菜、梅原裕一郎、武内駿輔、保住有哉、沼倉愛美、櫻井孝宏、嶋村侑、田村ゆかり、伊藤健太郎、松本梨香、森川智之、新井里美
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

THE・王道

この話は世界に混沌中な話
中世風な時代でのファンタジーです
オリジナルキャラを身に纏うことで戦闘力とする系の変身をします。イメージとしてはグリムノーツ(1人1枚な上にキャラはオリジナル)みたいな感じですね。
そんな本作ですが、ゲーム原作らしいです。残念ながら全く聞いたことないのですが、これは私が無知だからでしょうかね。

さて内容としては「嫌いじゃない」
王道ファンタジーのお手本のようなストーリーでしたが、決してテンプレを当てはめただけでなく、しっかりと予想を裏切る展開もあり、全脚本家がお手本にして欲しい作品となっています。

ただ言うとすれば、全体的に面白い、という印象の方が強く、実際のイメージがあまり浮かばない、いわゆるインパクトにかける、と言えます。本作を嫌い、という人は恐らく少ないと思いますが、本作を1番に好き、という人も少ないのではないかと私は思っています。

つまりよく言えば大衆向け、悪く言えば陳腐。極端に言えば、の話ですがね

何度も言いますが、個人的には嫌いじゃないです。キャラにも脚本にも好感が持てますし。

ストーリー
{netabare}
邪教によって魔物が蔓延る世界で襲われた街の唯一の生き残りである主人公(ネモ)を助けた騎士(ファリア)に協力するため、主人公は(普通は訓練しないと使えない)召喚をやってのけ、学園に入りセブンナイツと呼ばれる6人組に加わる。色々あり、仲間の信頼を得たがこれまた色々あり、主人公はネモという少年を取り込み、ネモの意志を受け継いでる人造生命体であることがバレ、犯人扱いされるが、黒幕は学園に協力してくれていた司書(フィオナ)であることが判明。主人公とファリアを中心に団結しフィオナを倒し反動として主人公は召喚能力を失ったが、ファリアと共に旅に出た

端折りに端折りましたねぇ。前も後も重要な場面なので、是非ともダンスの部分は入れたかったのですが、説明すると結構一から説明しないと行けなかったため省きました。簡単に言うと「ファリアがネモを誘った」「吸血鬼(シャーリー)は時止め(エレン)を誘いたかったが照れ隠しで主人公を誘ったことを見抜かれていたため結局エレンを誘った」「主人公を知ろうとしたエルフ(ガレス)に協力した女生徒が呪いにかかり消滅」「フィオナに唆されたガレスを中心に主人公断罪ムーブ」
こんな感じですかね。個人的に吸血鬼と時止めのコンビがめちゃくちゃ好きなので、後も含めて良いシーンだったと思います。

「王子(ギルダン)の自虐」や「シャーリーの孤独」、「エレンの自己犠牲」、「ガレスの葛藤」も非常に捨てがたい。
つまり、良いシーン満載。
普通に面白い方だとは思います

黒幕はもう最初から分かってましたよね。最初に出てきた瞬間から「あ、このフィオナっていう司書は黒幕なんだろうなぁ」と思いました。しかし、その後の展開があまりにも分かりやすかったので「逆にフィオナじゃないんじゃ」と思いましたが、まぁ安定のフィオナですよね。あんだけ「私が犯人です」感出してるのにフィオナじゃ無かったら単純に脚本が悪い。

インパクトに残らないと言いましたが、個人的にはシャーリーが結局エレンを眷属にしたのは意外でしたね。シャーリーだって判明した時に「ああこれヘタレて後悔するやつかな」て思いましたが、まさかあんな大胆な行動をするとは。

ちなみに一切筋肉(ジョウ)の話はしてませんが、まぁそういうことです。ネモの最初の友達ってぐらいじゃないですかね。

作画が結構良かった気がします。多少の依怙贔屓はあるかもしれませんが、戦闘シーンが見てて一番面白かったですね。
熱くなりました。
{/netabare}

総評 嫌いじゃないですよ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

66.5 21 騎士で勇者なアニメランキング21位
機甲界ガリアン(TVアニメ動画)

1984年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (27)
132人が棚に入れました
「装甲騎兵ボトムズ」や「ガサラキ」の高橋良輔監督によるSF冒険活劇アニメ。ヒロイックファンタジー的な世界観を装いながら、実は銀河規模のSF要素を徐々に拡充させていった秀作。惑星アースト。亡国の王子ジョジョ(ジョルディ)は国と母を奪った征服王マーダルに反攻するため、忠臣アズベスとともに伝説の鉄巨神ガリアンを見つけ出す。徐々に力を付けていくジョジョたちだったが、マーダルの真意とは人間の内なる闘争本能の発現だった…。

声優・キャラクター
菊池英博、渕崎ゆり子、平野文、千葉繁、小林修、筈見純、兼本新吾、屋良有作、泉晶子、井上和彦、速水奨、佐藤正治、石森達幸、坂口征平、加藤精三

48.1 22 騎士で勇者なアニメランキング22位
出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★☆☆ 2.1 (34)
121人が棚に入れました
「ようやく探しに行くことができる。前世から待ち望んだ平穏な暮らしを。」 神の恩恵『ギフト』を得られず、出来損ないと呼ばれた少年・アレン。 しかし、彼の正体は――前世の記憶と力を持つ元英雄だった⁉ 実家である公爵家から追放されたのをいいことに、自由気ままな旅を始めようとするアレンだったが、 元婚約者の暗殺未遂に遭遇することになり......⁉ 今世こそのんびりしたい元英雄の、望まぬヒロイック・ファンタジー開幕!

声優・キャラクター
アレン:蒼井翔太
リーズ:栗坂南美
アンリエット:鬼頭明里
ノエル:雨宮天
ミレーヌ:愛美
ベアトリス:潘めぐみ
アキラ:伊瀬茉莉也
クレイグ:子安武人
ブレット:逢坂良太
カーティス:子安光樹
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