成長でコミカルなおすすめアニメランキング 12

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの成長でコミカルな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月29日の時点で一番の成長でコミカルなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

94.4 1 成長でコミカルなアニメランキング1位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1652)
6873人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 105
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ポエム成分多め?

知人が劇場先行試写会に行ったらしく、絶対面白いから観ろと言われた。
ググると、週刊少年ジャンプの人気漫画が原作らしい。
第1話の掴みとしては上々、なにより作画に力が入っている。
劇伴も作風に合っていて上質。
ただ、主人公のポエム成分多めなのは気になったかな。
なぜか甲鉄城のカバネリを重ねてしまうんだが、あのような惨事にならなければ
最後まで楽しめるかも?
あとは、巷で話題の脱税疑惑が影を落とさないことを願おう。

■4話目まで
もう年齢的に少年漫画原作のアニメは敬遠気味なんだが・・・・・
{netabare}いや~、熱いわこれ(笑){/netabare}

■5話目
体感10分だな。
{netabare}ここ数年でもTOPクラスの面白さ。
主人公のポエムもあまり気にならなくなってきた。
公式サイトを見ると円盤は全11巻らしいので2クール?
このまま崩れずにアニメ化大成功で終わって欲しい。
○○君、勧めてくれてありがとう(仮){/netabare}

■9話目
動く動く(笑)
動きだけじゃなくアングルがまた素晴らしい。
グロさと可愛さも加わって、ここまでは言うことなしだわホント。
評価も上方修正しておこう。

■10・11・12話目
何だか急におかしくなってきたな。
{netabare}クドくてお寒いギャグ連発のせいなのか?
ついでに作画のキレも無い。
新キャラも出てきて話自体はまぁ面白いんだが・・・・・困ったねこりゃ。
とりあえず評価は大きく下方修正。{/netabare}

■13話目
ちょっと間延び気味。
そのせいかテンポが悪い。
{netabare}この先も観続けるかどうか迷っていたが、物語自体は気になっていたので
ネカフェに行って既刊全部読んできた。
・・・うん、これ以降どんどん面白くなるのね(笑)
ということで期待してます。{/netabare}

■14話目
後半突入。
{netabare}いやー、引き出しが少ない松岡禎丞さんだけど、今作でははなかなか頑張って
らっしゃるような?
作中のギャグが絶望的なのは2クール目になっても相変わらず。
アニメ化の時点で何とかならなかったのか・・・。{/netabare}

■18話目
伊之助神回。
この章に入って一気に盛り返した感。
残りラストまで息切れせずに頑張れ。

■19話目
炭治郎神回。
残り話数的に今作のクライマックスかも(全26話)。
{netabare}ヒノカミ神楽の舞はモーションキャプチャー? ロトスコープ?
まぁTVアニメの動きじゃないな。{/netabare}
それにしても前回といい熱いねぇ・・・途中で断念しなくてよかったわ(笑)

■22話目
ここに来て柱の総お披露目。
{netabare}花澤さんの声と演技はやっぱり好きだわ~(笑)
それにしても声優陣が豪華だなぁ。{/netabare}
つーかこのアニメ、もしかして当初から2期決まってんじゃね?

■最終話
当初から決まっていたのは2期じゃなくて劇場版だったのねwww
漫画だとここから右上がりに面白くなっていくので、劇場版の後に2期来るのを
正座して待つことにしよう。
(・・・といっても、原作にそれほどストックがある訳じゃないからなぁ)
何にしろ、甲鉄城のカバネリのような惨状にならずに最後まで楽しませてくれた
傑作TVアニメだったのは間違いない。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

本当に骨が折れる大正バトルアニメ

原作コミックは未読。

OPの最後、守りたい禰豆子(ねずこ)の手を握る炭治郎の、
マメや傷だらけの掌が象徴するように、
苦行や苦闘を積み重ねて強くなる、
渋い味わいがグッと来る、素晴らしいバトルアニメでした。

他にも戦いはそんなに簡単じゃないと主張する描写が、
本作は徹底していたと思います。

首を落さない限り、部位欠損してもすぐに復活してしまう鬼を相手に、
戦闘で負傷しても、人間側には即時回復する手段等が乏しい所も厳しい。
しかも、回復もそこそこに次の任務を通告しに来る黒いカラスさん。
鬼殺隊……ちょっとブラック過ぎやしませんかねw
で、次の戦いでも、治りきってない骨折が尾を引いたりする。

{netabare} 私も一応、長男坊の端くれですが、
流石に肋骨にヒビが入ったまま、
自らを「頑張れ!」と鼓舞して鬼に対峙する根性はありませんw{/netabare}

大物を相手に大怪我を負い、やっと治療施設に入っても安心できません。
長いリハビリテーション及び再強化の苦難をもじっくり描いて、
成長物語として成立させてしまう。
作者とスタッフの手腕に脱帽です。

ナイチンゲール以来、女性看護師を優しい白衣の天使だのと崇める文化?がありますが、
本作を見ていて思い起こすのは、私の幼い頃のナースに関するトラウマ。
痛い注射や苦い薬を強いる怖いお姉さんと言う思い出が蘇って来ましたよw
鬼より怖い看護婦さん!リハビリこそ地獄!!


{netabare}渡る世間には鬼しかいないのか……!?
苦難の連続に喘ぐ私にとって、
激戦の最中、蝶の羽根を広げて舞い降りた、しのぶさん(CV早見 沙織さん)は、
一瞬、天使と見まごう神々しさでした。

ですが、間もなく、彼女の色々な意味で毒を出す毒キャラ属性が判明w
舞い上げて落されましたw{/netabare}


その他、鬼でありながら、人間の家族愛などを求めて彷徨う哀しき性、
その想いを汲み取り、安らかに逝かせる炭治郎の優しさなど、
簡素なセリフ回しとは裏腹に、
心情描写もなかなか繊細で、それらが丁寧な修行描写等と合わせて裏打ちとなり、
アクション、エフェクトの作画の綺麗さだけでは出せない、
胸を打つ美しさに繋がっていたのだと思います。


個人的には本年のみならず、
2010年代の中でも心に残るバトルアニメの一つとなりました。



評判の19話を観て……。

長いので折りたたみw
{netabare}
最近は動画配信サイトでおよそ一週遅れで追い掛けている本作。
この19話も私が観る前に、原作者が号泣して、20回観ただの、
好評や絶賛の声やAbemaTVの宣伝?やらが次々に耳に入ってきて……。

これは是非とも気合いを入れて観ねば!
と、深夜アニメで久々にハードルを高々と上げての視聴となりました。

ハードルを越えて来るのは作画だろうか?シナリオだろうか?キャラだろうか?
そう高をくくっていましたが、甘かったです。

俗に“神回”と称される話は、映像、音楽、脚本あらゆる要素が、
限界突破して次々にハードルを越えて来るもの。

私は、この夏アニメも視聴遅れ気味だと言うのに、
ビックリして思わず二度見してしまいましたよ♪

2010年代のバトルアニメシーンを語る上で、
挙げねばならない回の一つとなりました。


内容は……{netabare} 典型的な主人公覚醒回。

凡百のバトルアニメの覚醒回では、大体、主人公がプッツン来て、
理屈をぶっ壊して、ついでに作画もプッツン来て、繊細さより、勢い重視。
大音量の音楽や声優さんのシャウトの威も借りて、力押しして……。
というパターンが多い印象。

けれど、本作の場合は、主人公がピンチになるほど冷静になり集中力が高まり、
起死回生の打開策が見出される。今回はそれが極限まで高められた感じ。
作画もこれまでの話のクオリティが上限?と思い始めたこの19話で、
“全集中”して、隠し持っていたギアを一気に入れて来た感じ。


人が死に際に走馬灯を見るのは、
生き残るための手段を無意識に過去の記憶から探し出そうとする現象。
と言う着想がキーになる回でもありました。

これも走馬灯から奇跡の逆転劇だけだったら、
展開が詰まったバトル漫画の苦し紛れと斜に見るところ。

本作の場合は、走馬灯から見出した一縷の望みを、主人公少年が体現できるようになるために、
血反吐を吐くような修行と戦いの日々を繰り返したことを、
視聴者はこれまでの話でしっかりと共有できている。{/netabare}


シナリオ面でも、制作面でも確固たる理由があるから感動できた。
この手応えが、とても嬉しかったです♪

自分は価値ある走馬灯を見るだけの人生を送っているのだろうか?
それを生かすだけの日々の積み重ねをしているのだろうか?
何か生き方も問われたような、印象的な回でした。{/netabare}



【5話迄の感想】地道な修行と業の積み重ねが言動に魂を込める

これも、長いので折りたたみw
{netabare}


今のところ、良い意味で古風な少年バトルアニメとして、私は非常に楽しめています。
最近のチートレベルのキャラが無双する作品も爽快で良いですが、
やっぱり多少時間はかかっても、愚直に修行を積み重ねる。
呼吸法のレベルから、人間が人を喰う鬼と対峙するための強さを
着実に身に付けて行く、本作のような作品も良い物です。

展開も5話費やしてやっと土台となる修行を終えるスローペース。地味と言えば地味です。
さらに初見時は、これも私が最近の小中学生相当の少年少女にすら、
悟りや哲学を語らせるが如き、“名言”量産アニメを見過ぎていたせいでしょうか?
本作のセリフ回しは良く捉えれば素朴、悪く言えば凡庸に感じ、
失礼にも、この作者さん、もしかしてボキャ貧?などと不安に駆られたりもしました。

ところがそんなセリフについても、回を重ね、
積み重ねた修行の成果やら、登場人物が背負って来た業やらを共有する内に、
変哲もない単純な一言が胸に迫って来るから不思議です。

五話で{netabare}鱗滝さんに「よく、生きて戻った……」と言われてもらい泣きしそうになった時は、自分で自分に驚きました。
また、最終選別からの帰路で主人公少年が行き倒れそうになるシーン
をわざわざ描く辺りがグッと来るのですよ。{/netabare}

序盤を終えて、修行や物語だけでなく、作画や劇伴・主題歌も手応え十分なので、
今後も是非、鍛え上げられた足腰から放たれる直言を喰らわせて欲しいと期待しています。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 62

80.8 2 成長でコミカルなアニメランキング2位
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (770)
3200人が棚に入れました
ステータスポイントをVITのみに捧げた少女メイプル。その結果得たのは、物理・魔法攻撃・状態異常無効に強豪プレイヤーも一撃死のカウンタースキル!? 自らの異常さに気づくことなく、今日も楽しく冒険に挑む!

声優・キャラクター
本渡楓、野口瑠璃子、早見沙織、新井里美、加隈亜衣、諏訪ななか、杉山紀彰、佐藤聡美、小野賢章、山崎たくみ、竹達彩奈、神奈延年、佐藤利奈、山口勝平、石田彰、皆口裕子、丹下桜
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

好き嫌いがはっきりと分かれそうな作品。

原作未読。最終話まで視聴。

序盤から中盤までは、とても面白かった。
{netabare}主人公・メイプルが『痛いのは嫌だから・・・』という理由から防御力に極振りしたことから始まる物語。

運営が悪ふざけで作ったとしか思えない隠し要素を手に入れたメイプルのぶっ飛んだ言動のせいで、メイプルの”付属品”が毎話毎話増えていくのが、単純に面白かった。{/netabare}

終盤のギルド戦は、正直、面白くなかった。
{netabare}『楓の木』は各々個性豊かなのに、『集う聖剣』も『炎帝ノ国』も、モブの面々がお揃いの防具姿なのがとても気持ち悪かった。
デザインが大変?
お揃いじゃないと、所属ギルドを描き分けできない?

だけどこれでは、ギルドの正規メンバーと下部組織のメンバーくらいの違いが出てしまう。
『大ギルド』が聞いて呆れる。
ログ・ホラとか、ちゃんと描き分けてますよ。
VRMMOって、やはり個性豊かなキャラデザが生命線でしょう?

肝心のバトルも、主役級同士の戦いのみ。
モブの面々は、ほとんど戦闘にすら参加させてもらえない。

そもそも「大ギルド」VS「小ギルド」を描く気が無いなら、無理にギルド戦とか描かなければ良かったのに・・・。

盛り上げるだけ盛り上げといて、煽るだけ煽っておいて、これでは少々残念。{/netabare}

酷評っぽくなってますが、『お気に入りの棚』に入れています(笑)。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 45

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

SAOの対極をゆくアホ作品(嫌いじゃないです)

原作のライトノベルは未読です。

まずナーヴギア風のマンマシンインターフェースを身につけて「NewWorld Online」なるVRMMOゲームにログインする楓ちゃん。このゲームへのダイブ時の画面が、ほぼ『ソードアート・オンライン』なのに笑ってしまいました。

本名が楓だからハンドルが「メイプル」…、うん何の捻りもないね(笑)。「もちろんログアウト不能でゲーム内の死が実際の死に直結するデスゲーム」などではあるわけなく、任意の時間にイン・アウト可能なのです。

ということはこれ、リアル世界の話も出てくるんですかね。

キャラクター・メイキングでステータスパラメータの振り分けを全て防御力に割り当てた結果起こったことといえば…。うん、これもう完全に仕様バグですね。「テストプレイが足らないままβリリース→本番」みたいなことになってしまったのでしょう。

ということでツッコミを入れながら観るのに向いたギャグ・コメディー寄りの作品なんでしょうね。真面目な人は観ない方が良いと思います(笑)。

2020.3.26追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。最後のアレ、完全に「火の七日間」…(笑)。
なんか2期目がありそうな引きで終わりましたね…。

こう言っちゃなんですけど、私はけっこう楽しめましたよ!?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 51

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

VITとLUKに極振り。

ゲーム初心者の美少女が、ステ振りを防御力に極振りして大活躍するお話。
第一話の展開がSAOみたいで、これナーヴギアか?デスゲームなのか??
と身構えたけどそんなことはなく、普通に楽しいVRゲームでした
SAOと盾の勇者の成り上がりと転生したらスライムだった件を混ぜてクリア後の平和な世界にしたような作品

メイプルが悪い人に騙されるんじゃ?って心配になるけどそんなこともなく、敵も味方もただゲームが大好きなだけの善良なプレイヤーで、シリアスなシーンもないのでストレスなく見ることができるのが良かった

ゲームもSAOみたいなリアルなVRゲームに隠しスキルや隠しイベントがあって、高難度クエストをクリアしたらただ一人しか持てないユニーク装備一式がもらえたりと、プレイヤーを楽しませるサービス満点のゲームで、こんなゲームやりたいって思いながら見てました
SAOとは違う意味で廃人を大量に生みそう

メイプルは防御に極振りしてるけど、本当に極振りなのはLUK、つまり幸運です。あり得ないくらいツイてる
主人公の防御力へのこだわりもすごくて、慎重勇者と気が合うかも

最初は防御力だけでどうやって戦うのって思ったら、そう来たかって思った
盾の勇者よりもこっちのほうが盾の勇者っぽい
メイプルを見て、盾を活かしてソロで戦うっていうのは本来こういうことかな?って思った

メイプル以外のキャラの掘り下げが弱いのにたくさんキャラ出てくるので、もうちょっとキャラクター一人一人にスポットライトを当てていればもっといい作品になったと思うし、後半は防御力だけじゃなくなってきて個性が死んでくるのが残念

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

83.0 3 成長でコミカルなアニメランキング3位
リトルウィッチアカデミア(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (712)
3309人が棚に入れました
幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす! ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる―。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

少し懐かしさを感じられる作品

最終話まで視聴。

物語はやや子供向けか?とも思いますが、大人から子供まで楽しめる作品だと思います。
私のようなおっさん世代には少し懐かしさも感じられるような作品でもありました。
笑いあり、涙あり、最終話まで堪能させていただきました。

もっと話題になってもよさそうな作品なのに・・・。

この作品の好き嫌いは、主人公・アッコを受け入れらるか否かだと思います。
【本編15話より】{netabare}『計画性なし、客観性なし、衝動的、自己中心的、強引、単純、ズボラ、能天気』{/netabare}
こんな『猪突猛進アッコ』が受け入れられるかどうか?

だけどね・・・、
アッコが何かをしでかさないと物語が進まないんだから仕方ないじゃん!

すべての世代の人に安心してお勧めできる作品です。

【物語】
前半はドタバタコメディ色が強い。
1話完結で非常に見やすい。

後半は少しずつシリアスな展開に・・・。
笑いの中にも感動的な展開が続きます。
そして感動の最終回へ。

【作画】
とにかく良く動きます。
そして見やすい。

【声優】
それぞれのキャラに良く合っていたと思います。

【音楽】
OP・EDとも良曲。
作品のイメージにもぴったりです。

【キャラ】
主人公アッコの周囲のキャラも好人物が多い。
優等生のダイアナ。
眼鏡を外すと美人のロッテ。(一体どういう仕組みなの?)
マイペースなスーシィ。
アマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカも好人物。
そしてアーシュラ先生。

こうやって名前を列記するだけでも感動がよみがえる。
この作品の世界観、個人的に大好きです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 91
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

制作会社「TRIGGER」がじっくり育てた作品。そう感じます!

少女が魔法学校に入学して色々成長して行く話。
1話1話が楽しくて良い話ですね。
この作品、深夜以外に放送したら、もっとたくさんの人に共感してもらえるのではないでしょうか。

●最後まで観て
2クール最後まで楽しく観させていただきました。
個性的な仲間や先生との学校生活。
アッコが思いどおりにいかない時や、うまくいった時を見て一緒に一喜一憂してました。「よかったなぁアッコ」「がんばれアッコ」ってね。
おぉぉ!自分はアーシュラ先生と同じ立場でしたね!書いていて気が付きました!

{netabare}「信じることが魔法の力」
王道のアニメだから言えるセリフです。
アッコとダイアナは人々に魔法を信じる力を生み出しました。
そして信じる力はとても綺麗な色をしていました。
アッコもダイアナもそして魔女達も気が付いたのでしょうね。
長い間、魔女が一般人と隔てていた壁があったことに。。。

雰囲気でしょうが、最後のシーンでアッコが箒に乗る場面では
心なしかいつもより明るい色使いのような気がしました。

ドッキドキ―のワックワクー!

スピンオフネタ沢山ありそうですから。まだまだ楽しませて頂戴。 {/netabare}




制作会社「TRIGGER」は「リトルウィッチアカデミア」をこのアニメ含め3作品作っています。
短編、リクエストに応えた映画製作、そして2クールのテレビアニメ。
これはもう「大事に育てているアニメ」で間違いないです。
私はとても制作会社の意気込みを上(下)記からも感じますし
私の嗜好に合っているので皆さんにお勧めです!!

最近は、ロッテ目線で観てしまいます。「アッコ今週も大丈夫かなぁ」



●前半
小さい頃の夢を実現して魔法学校に入れたアツコ。
王道的な物語らしいですが、(ライバル?)ダイアナも意地の悪い奴ではないしアッコが目標にしたいような相手です。
先生、生徒全員が協力してハッピィエンド系になっていきそう。
シャイニィシャリオにいつ会えるのかな?

観ていてとても爽やかでいいですね!

「TRIGGER」ということは!キルラキル!
だから主人公が最初から全力なのか!(笑)

正直、思った以上に楽しめています。

がんばれ アツコ!
 ロッテ、スーシィはマイペースでね。


●後半がはじまりました。
引き続き毎週楽しみに観れます。
言の葉、グラントリスケル、シャリオの役目
キーワードが揃ったようです。
ロッテ、スーシィとのこれからの友情(OPで3人で腕を合わすところ)、ダイアナの悩みも気になります。
アツコもっともっと成長して楽しませて頂戴。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 66

ノットバッド さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

昭和テイストのベタベタ王道テンプレアニメ、だがそれがいい

TRIGGERがぶっこんできた、昭和テイストのベタベタ王道テンプレアニメ。萌えもエロもグロも無し。個人的にTRIGGER作品の中でも一番の良作だと思う。

魔女っ子モノ、ウザカワ主人公、根拠の無い自信、ドジッ娘、熱血バトル、ドタバタギャグ、淡い恋、ライバルと設定のごった煮状態。
ここまで書くと、主人公が仲間と毎回ワチャワチャしているだけのギャグアニメと毛嫌いしてしまう人もいるだろう。

ところが本作は「少女たちの成長譚」というメインテーマが一貫して存在し、サブとして少年ジャンプのテーマである「友情・努力・勝利」がある。
これらをTRIGGERテイストで制作したのだから、ギャグパートは振り切られて、バトルシーンはこれでもかとヌルヌル動く、感動回も数話ごとに盛り込まれている。伏線も随所にはられているが、シリーズ構成の島田満さんが素晴らしくほぼキレイに回収される。

特に面白くなるのが、19話の「キャベンディッシュ」以降。それまでの一話完結から、作品のテーマ回収にベクトルが変化し、物語が加速度的に動いていく。毎話毎話がワクワク・ドキドキしてたまらない。そんなアニメだ!

※ 一部で主人公のため視聴断念したというコメントあるが、リトマス試験紙としてリゼロのナツキスバルやセーラームーンの月野うさぎが大丈夫なら問題ないと思う。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

85.1 4 成長でコミカルなアニメランキング4位
かげきしょうじょ!!(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (492)
1439人が棚に入れました
未来のスターを目指し、輝く舞台へ情熱をそそぐ歌劇少女たちの〈青春スポ根ストーリー〉!!大正時代に創設され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。“オスカル様"に憧れる、178cmの長身を持った天真爛漫な少女、渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田 愛。何もかもがバラバラな彼女たちの、希望と葛藤に満ちた音楽学校生活が今、幕を開ける──!!
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

懸命に頑張る歌劇少女たちの群像劇

未婚女性のみの劇団員を育成する「紅華歌劇音楽学校」での少女たちの奮闘努力を描いた物語です。
主人公だけでなく多くの人たちの喜び・悲しみ・成長を描いています。


渡辺 さらさ(わたなべ さらさ)は紅華歌劇音楽学校の100期生。
彼女は幼い頃に歌舞伎役者を目指していました。
でも歌舞伎役者には男しかなれません。
だがら彼女の今の夢は、紅華歌劇団でオスカルの役を演じること。
それは言い換えれば、紅華歌劇団でトップを掴みとることを意味しています。

奈良田 愛(ならた あい)は、さらさと同じ部屋で同学年の少女。
彼女は国民的アイドルグループのメンバーでしたが、ファンに暴言を吐いたためアイドルグループを脱退しました。彼女は過去のトラウマで男性恐怖症だったのです。

さらさは178cmの長身で力持ちですが、誰にでも笑顔を振りまく明るい少女。
彼女の無垢な笑顔は、まるで天使のように可愛いです。

愛は多くの男性が振り向くほどの美女ですが、笑顔をつくることができない冷めた少女。

この対照的な二人が、物語前半の主人公です。
そして後半は…


オープニングは、sajiが歌う「星のオーケストラ」元気が出る歌です。


エンディングは『星の旅人』。さらさと愛が歌っています。
とても迫力がある美しい歌です。
このエンディング、注意して聞いていると、いろんな人たちが歌詞を変えて歌っています。

第四幕、第十幕のエンディングは 杉本紗和と山田彩子が歌う「シナヤカナミライ」でした。

第五幕のエンディングは 山田彩子が歌う「My Sunset」です。{netabare}

第五幕は、山田彩子が主人公
美しいソプラノの歌声を持つ彼女は無理な減量により心と体を壊してしまいます。
そんな時に懸命に励ましてくれたのが小野寺先生。
小野寺先生の愛情ある指導に、けっこう胸が熱くなりました。

どんなにつらくとも、やめてしまったらそれで終わりです。
あきらめなければいつか歌劇団の大階段の真ん中で歌い、誰よりも真っ先に拍手をもらう日が来るかもしれない。
小野寺先生のおかげで立ち直った山田彩子は、その可能性を信じて頑張ります。{/netabare}

第八幕のエンディングは 星野薫が歌う「薔薇と私」です。{netabare}
 
第八話は星野薫が主人公ですが、彼女は頑張り屋さんです。

薫は、母親も祖母も有名女優。
いつも母親や祖母と比べられますが、薫にはそのような才能はありません。
でも彼女は歌劇が大好き。だから頑張れます。何度つまづいても頑張ります。
彼女のそのひたむきな生き方は、ある男性を立ち直らせることができました。
それは、ささやかな出来事ですが、とても素敵な出来事でした。{/netabare}

第九幕のエンディングは 沢田千夏と沢田千秋が歌う「薔薇と私」でした。{netabare}

第九幕は、千夏と千秋の双子姉妹が主人公です。
二人は何をするにも一緒。とても仲良しです。
でも同じ役を希望しても、役は一つしかありません。
ジュリエット役をやった千秋が憧れの野原ミレイと楽しそうに話しているのを嫉妬した千夏は、いつの間にか冷たい態度をとるようになります。そして思わぬ事件が起きます。
二人は、初めてケンカをします。
でも、離れ離れになると、やはりお互いが愛しくなります。二人はやはり仲良しです。

今回は、さらさが名フォローを何度もしてくれます。さらさがいると明るくなりますね!{/netabare}

第十二幕のエンディングも、杉本紗和と山田彩子が歌う「シナヤカナミライ」です。{netabare}

第十二幕でオーディション前に自信のない彩子を励ました紗和の言葉には、力強い説得力と優しさが感じられました。

男性と付き合った経験のないジュリエット役の彩子に対して、自分も人を殺した経験などないがティボルト役をすると言い放ち、未経験という点では同じだと安心させます。
さらに、失敗することを恐れていると必ず失敗する。そして、人よりうまくやろうと思っても失敗する。だから、今、自分にできることを精一杯しなさいと励まします。さらに、彩子は可愛いと誉めちぎり、自信を持たせるのです。

紗和に励まされた彩子は、見違えるほどのびのびと演技します。
勝ち抜くためには、ダメもとでもアピールしなければ始まらない。
彩子は自分にそう言い聞かせ、見事に役を演じ切りました。{/netabare}

第十三幕のエンディンは…、まさかのsajiが歌う「星のオーケストラ」でした。{netabare}

第十三幕では、さらさが活躍しますが、私はこの幕の主人公は杉本紗和だと思います。
紗和は、予科生の委員長。入試ではトップ合格したほどの実力の持ち主です。
品行方正で非の打ちどころが全くないのですが、紙一重の差で、さらさにティボルト役をとられてしまいます。
くやしい。泣きたいほど悔しいはずです。でも、彼女は泣きません。
さらさに嫉妬することもありません。それどころか、役に選ばれたさらさや彩子に対してケチをつける人たちから彩子やさらさを守ります。
紗和は、本当に心の清らかな人でした。

それでも紗和は、破天荒なさらさがうらやましいと感じます。
でも、紗和はさらさにのような性格になることはできません。
そんなときに、本科生委員長の竹井朋美(たけい ともみ)から悩みを見透かされ、そして励まされるのです。
「努力に裏打ちされた実力は、決して自分を裏切らない」
紗和は朋美の言葉により、自信を取り戻します。そして新たな目標を見つけるのです。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 69

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

食わず嫌いを反省中

<2021/9/29 追記>
最終話見ました。
「萌。その一言で腑に落ちる」
確かにそれはわかるー 笑。

例えば「腐女子のつづ井さん」読んで学んだのですが。
女性はもしかしたら男性以上に萌えに飢えてんじゃないか

その対象が
・男性アイドルならジャニーズとか
・王道の少女漫画とか
・ヒーローなら仮面ライダー俳優とか
・舞台なら2.5次元とか
・BのLとか
・アニメなら・・・たくさんありすぎてわけわからん 笑
・そして「ヅカ」

それらは全てリビドーの根本を辿ると同じ気はするんですよね
(同じにするな!と怒る声が今にも聞こえてきそう 笑)
とりあえず、その欲望は男より広く深いと思う。

という考察は置いといて。

本作は素晴らしい。

「一つ一つに真摯」

これに尽きます。

<2021/8/16 初投稿>
原作未読
6話まで見ました
評点は中間評価です

本作、事前の評判が良いことは聞いていたものの、1話をちょっと眺めたら宝塚
そちらの世界には全く興味なかったので脱落したのですが

予想以上にあにこれで評判が良い

都合よくATXで見逃しキャッチアップ用の再放送があったのと
最近の新型コロナ感染再々々々拡大で家にいる時間もさらに増えたこともあり
見てみましたよ

やー面白い!
面白くてびっくりしました。

正直いうと、やはり少女漫画全開の世界はやはり居心地悪く感じます
でもそんな気分を吹き飛ばすようなパワーを物語に感じます
エピソード一つ一つは王道な展開だけど王道は大事。
腕と才能がある人がしっかり王道を描ききるとすごい作品が生まれることありますし

キャラもいいですね
群像劇のように沢山出てきますが、人の顔覚えるの苦手な自分でもすぐ覚えられた
これはキャラ作りが上手いことの証。

というわけで、ただ今、自分の食わず嫌いを反省中です。。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 57

Dave さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

神戸より愛をこめて

神戸に住んでいても宝塚なんてまったく興味なかったし、少女向けアニメかなって期待してなかったけど…ごめんなさい、これ最高です。早くも1話にてずきゅーんとハートを撃ち抜かれました。良作は1話目で掴みに来ますね、なにこれめちゃくちゃ面白い。気付いたらWikipediaで宝塚を調べていました。骨太のストーリー、丁寧な演出、キャラクターの掘り下げ、明らかに一級品。一話ごとにきちんと見どころがあって、それぞれのキャラクターにしっかりと個性と背景がある。好きじゃなかったキャラクターが一番好きなキャラクターになるとか、最高でしょ。

宝塚音楽学校、もとい紅華音楽学校に25倍の倍率を突破して入学してきた少女たちが、スターを目指して切磋琢磨していく物語。スポコンものといって差し支えないと思うんですが、大きく違う点はあくまでも個人戦なんですよね。仲間であってライバルでもある色んな才能にあふれた少女たちが、正々堂々と勝負して高みを目指していくのが圧巻。それぞれに決して譲れない目標をもって、絶対にライバルには負けないというヒリヒリした想いでぶつかっていきます。そこは基本的に弱肉強食のシビアな世界。でも、お互いに好敵手としてリスペクトしているからこそ、清々しい勝負に視聴者はくぎ付けになります。

すずしい顔をしていても、誰だって順風満帆ではない。特に選ばれた者たちばかりが集まる場所では、絶対の強者はいない。妬みを言うのではなく、腐るのでもなく、ただひたすら真っ向から勝負に挑み続ける少女らの姿に、心が震えます。負けたときには悔しさに涙しながらも、しっかり上を向いて「おめでとう」とライバルに言える、そんな「清く 正しく 美し」い彼女たちを応援したくなりました。

彼女たちの下には、ステージに立つこともできなかった1000人以上の少女たちがいます。実際、宝塚に限らず、トップに上り詰めるのは並大抵のことではないでしょう。紅華(宝塚)に入ったってトップになれるのは一握り。それでもひたむきに努力しているすべての彼女たちに、乾杯!

神戸を素敵な作品の舞台にしてくれてありがとう!
2期を神戸在住の家族全員で心待ちにしています!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41

78.5 5 成長でコミカルなアニメランキング5位
シャドーハウス(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (485)
1631人が棚に入れました
この館には秘密がある──断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。その“顔"としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。ある日、“シャドー"一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形"が訪れ、“影"と“人形"の不思議な日常が始まる。

声優・キャラクター
鬼頭明里、篠原侑、酒井広大、佐倉綾音、川島零士、下地紫野、羽多野渉
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

13話 え、終わり?アニメ業界終わるんじゃね?

 最終話を見て。一応作中の事件の結末はありましたけどね。雰囲気的にそうかな、とは思ってましたどね。ここで終わりかい!?でしたね。

 まあ、シャドウという発生源はなんとなく説明がありましたが、ケイトとエミリコだけでなく、エドワードまで現状維持だと、何も進んでねー、っていう感じでしたね。
 ここまで本当に面白かったから、非常に残念です。85点の水準できてたのが、最終話のせいで60点くらいの満足度になったという感じですね。

 製作委員会制、アニメ会社乱立、人材不足、アニメ作りすぎ、原作が不足気味などでアニメのクオリティが昨今心配です。
 ネットオリジナルの作品もほとんど満足行くのがないですし、どうなっていくんでしょうか。
 まず、ちゃんと終わらせろ、話はそれからだ、と言いたいです。
 
 原作中途半端だけど、ためしに1クール作る、12、3話で取り敢えず終わらせる。ソロバンはじいて次を考える、人気あったら時間稼ぎしてスピンオフする、メディアミックスする、作画だけやたら良くて内容も意味もない映画を作る、みたいな作り方がアニメを殺している気がします。
 構成も、エピソードの取捨選択もベストな選択ができるわけありません。2期作っても作品の質は絶対に落ちます。この傾向がこの2,3年で急激に進んでませんか?

 こんな優良なコンテンツですらこれでは、誰もアニメ見なくなっちゃいます。

 ぜひ、視聴者に対する責任とクリエーターとしての矜持を忘れないでほしいと思います。
 商売だからソロバンはじくのは仕方ありません。ですが、ドラッガーの「マネジメント」を思い出してください。顧客満足を忘れた商売は結果的に淘汰されます。

 

以下 視聴中のレビューです。

{netabare}

原作読んでなくてよかった。

4話までの感想です。面白過ぎます。
ローゼンメイデンとかゴシックの今風という感じでとても雰囲気が出ています。

 黒いキャラクターに表情とか感情を感じるのは、すごいと思います。作画は本当に奇麗。画面が暗いのに見やすいので、相当計算してるんだと思います。

 謎の展開が素晴らしい。引き込まれます。早く知りたくて、原作をポチりたい衝動を抑えるのが大変です。やっぱりこれはアニメで最後まで見たいですね。ですので他の方のレビューも見たくないです。

 声優も良いのですが、最後のクレジットでエミリコ、ケイトの順番ではなく、ケイト、エミリコの順番なのがすごく気になります。やはり影が主題なので、2人が…と想像してしまいます。

 1話冒頭の汽車のシーンに絡んで石炭と影からでるススの類似性も気になるし、舞台の上でケイトとエミリコが並んでいる場面とか、エンディング最後の置物みたいな屋敷とか、ちょっと謎解きしたくなりますが、まあ、この話は舞台に引き込まれて、素直に驚くのが楽しそうです。

5話見ました。
 相変わらず美しい作画ですね。
 声優のクレジットの件は考えすぎだったみたいです。
  {netabare} お仕置きのシーン含めて、お影さま-生き人形の組み合わせにいろんな形があるのが分かる回でした。クレジットもこの組み合わせでした。
 あの審査している生き人形の動きがアニメ的に何か不自然なのと、優秀だと言っている組み合わせが優秀に見えないのが、残念ポイントでした。彼らのいる世界の作り物っぱさを意識した演出の可能性もありますが。{/netabare}

 そういった気になることろを補って余りある謎がまだ続いています。

6話見ました。
 少し謎のスケールが小さくなった感がありましたね。本質的にはなんの解決も提示されていないので謎は謎なんですが。解決編がこじつけにならないよう、期待します。

7話見ました。
 エミリコの無邪気最強、という方向性?館の謎は最後なんですかね。謎めいた雰囲気がちょっと薄れたので、視点を館とかシャドーに戻してほしいんですが、まあ、当然そっちにつながっていくんでしょう。1クール通じて最高のアニメってやぱり難しいですね。でもまだまだ面白いので楽しんでます。

8話みました。
 優秀な人間とは、奢らない、臨機応変である、先入観を持たない…エドワードは反対ですよね。
 うーん。エドワードですべての緊張感がなくなってしまったような。「3階」はそれを含めて楽しんでるというどんでん返し?エドワードが排除されるとか?やっぱりエミリコが天然パワーでがんばって、「3階」が「あの娘面白いわ」とか言って救われる?
 ここが帰路でしょね。名作か、凡作か。
 にしてもそろそろ迷路は決着してほしいですね。

9話みました。
おお、シャドウと生き人形って…なるほど…でも、あの蝶々的なのはなに?とかまだまだ秘密はありますね。

10話みました。
秘密が簡単に暴露されて、おや、となりましたが、なんか、意外な方向に話が進みだしましたね。意外性大歓迎です。ケイトが活躍するんでしょうか。

12話までみました。
ケイト様活躍ですね。話の方向が謎解きからサスペンス的な方向になってきました。これ1クールなんでしょうか。ラストが楽しみです。

一つ疑問が。確か大掃除のときに、お披露目が終わった生き人形はもっと意思があったし、目もあのホニョホニョじゃなかったですよね?時間が経つとまた意思が戻るってことでしょうか。 {/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

メイキャップシャドー

原作未読


あやしげな色あいを忍ばせる世界で繰り広げられるなにかが今日はリアルでシュールなアニメ。

エミリコ(CV篠原侑)とケイト(CV鬼頭明里)が並んでいるキービジュアルでけっこう説明がききそう。
とあるお城に住まう顔のないシャドー一族とその一族面々対となる生き人形たちのサスペンス。
偉大なる“おじい様”への忠誠を示す出世レースがストーリーラインだと徐々にわかってきて、ペアとなる二人、片や真っ黒けっけなどうみても人外さんと、片や人形と呼ばれながらどうみても人間さんとの関係が気になる仕様。基本謎だらけです。

魅力的な素材が揃ってます。例えば“ゴシック風味”“人里離れた立地”“閉鎖空間の独自コミュニティ”など。不穏さしか感じられないのは私だけではないでしょう。

1.ゴシック風味
 ⇒エミリコのロリな見た目とメイド服でぱっと見はゴスロリになるかと。シャドー家のお屋敷がまんまお城だったり19世紀半ば産業革命前後の雰囲気があります。

2.人里離れた立地
 ⇒一般人立ち入り禁止。よく大雨で道が塞がれ陸の孤島になっちゃったとか、外部から閉ざされた山間の農村地帯ですとか、事件が起こるべくして起こる舞台が用意されてます。携帯・スマホいつでもどこでも外部と繋がると困る系。余談なっちゃいますけど、物理的に現代でのストーリー構築はしづらいでしょうね。21世紀以前の時代設定にしないと説得力持たせるのしんどくなってくるんだろうなぁ。

3.閉鎖空間の独自なコミュニティ
 ⇒カルトの定番/2.の発展形。現実世界とは異なるどんな価値観を作れるかは製作者の力次第。

1.2.3.共に一般論の範疇ではあります。どっかで思い当たる節があって惹かれるものがあれば拒む理由はないと思います。要はサムネとあらすじと1.2.3.要素に惹かれませんということでもない限りGO!世界観勝負な作品に見えました。
主題歌も雰囲気を壊さないどころかしっかりブーストかけてくれるOPとEDセットだったり、表情がないキャラに声で感情をもたせる声優さんの技量にも感心しきりだったり、屋台骨支える部分もしっかりしてて好感でした。

作品レビューらしきことも一言。“余計なことは考えないし考えてはいけない”閉鎖空間において

 余計なことしか考えないエミリコ/ケイトのコンビ

が巻き起こすなにかを堪能する1クール全13話。原作が連載中らしく根本的なことは何も解決していないわりには嫌な感じがしない良作です。



※ネタバレ所感

■来たるべき2期?に向けて

{netabare}・おじい様のラボですよね。意識を持ったすすの進化のために全てがある感じ
・その刺激誘発剤として有用だからエドワードは許されたとも見える
・もしくはシャドー家に踏み入れた者は何人たりとも外部へ脱出できぬホラー展開か?
・主役ペアだけ演者を分けてます。二人がシャドー家の異分子であることが際立つな
・最終話。「シャドー家のために」と宣うエミリコの目を映さず
・これが正気のままでの台詞なのか?洗脳先祖返りしての台詞なのか?で意味は変わってくるだろう{/netabare}


2期あれば必ず観ます。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.11 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 49
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

色々とブラック

原作は知らないが、俺の中では勝手にホラー系として観てきた。
とはいえ、いつ視聴を断念してもおかしくはない程度の興味で。
5話目でようやく面白くなりそうな展開になった・・・・・気がする。
{netabare}つーかエドワードさん好きだわ(笑){/netabare}

■10話目
ここまで観てきた甲斐があったと思える回。
登場人物が多くてよく分かってない部分もあるのだが、まぁ今のところ
さしたる支障もないので放っておこう(笑)

■最終話まで
全ては謎のまま終わってしまった、言わば長尺なプロローグ。
原作漫画の販促として見るなら上出来だろう。
まぁ俺は・・・・・素直に正座してアニメ2期を待ってます(笑)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11

80.1 6 成長でコミカルなアニメランキング6位
3月のライオン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (969)
4849人が棚に入れました
主人公は、東京の下町に1人で暮らす17歳の将棋のプロ棋士・桐山零。深い孤独を抱える彼が、あかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦を経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

シャフトらしくないかも(主に作画が)。ちなみに良作です。

ヤングアニマル掲載マンガが原作で、まだ終わっていない作品のアニメ化。既刊分の原作単行本は全部持っています。

第1回目を視聴しましたが、けっこう原作の画の感じが残っていました。背景もシャフトらしくない柔らかい感じの原作に近いタッチの画で、どこが制作かなんて気にしてない原作ファンは安心したかもしれないです(笑)。

通して最終回まで観る予定なので、レビューはそのあとになる予定。あと、評価の星は暫定ですが良い意味で作画に裏切られたので、あえて5をつけておきました(笑)。

2017.4.25追記:
視聴を終わって更新しそびれていました。原作準拠で穏当なアニメ化でした。原作者の羽海野チカ先生も原作既読のファンも満足できたアニメ化だったのではないでしょうか。

「ぼっちスパイラル」に嵌る零くんを見ていると切なくなりますが、それ以上に川本家の人たちや林田先生の暖かさ、そして対局解説中なのに「桐山~!」と叫びだす二海堂くんの熱さなどが心地良い作品です。

二海堂くん開発「ニャー将棋」のネタは原作マンガにもあったのですが、歌まで作ってしまったのはさすがのNHKでした。最終話の最期に2017年10月からの2期目の放送もアナウンスされ、まずは順風満帆といったところ。

あー、写真加工した静止画での次回予告とかドラマ『傷だらけの天使』へのオマージュっぽいスミスの朝食シーンとかはシャフトっぽいです(笑)。
(でも、あれも一応原作にそれっぽいシーンはある…。)

2017.10.4追記:
原作最新巻(13巻)が出たのでさっそく読んだのですが、OP主題歌「ファイター」のメーキングというページがありました。そこに書いてあったのですが、あのOPアニメーションのコンテ切ったの羽海野先生ご本人だったんですね!

そして間もなく2期目が開始になります。楽しみです。

2017.11.5追記:
2期目が始まってだいぶん経っています。原作通りだと、2期目中盤はしばらく「高校生らしい」零くんが観られるはず。
(以後、レビュー更新は2期目の方でする予定。)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 70
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いた作品、作者と制作会社とTV局が一体となった良作

これほど原作が読みたくなった作品は久しぶりのような気がします。終わるまでまとうか、読んでしまおうか、葛藤中です。

シャフトっぽさを消しているようで、ところどころやっぱりシャフトだと思わせるような描写がチョコチョコ見られるのが良いです。特に場面転換で不要じゃね?と思わせるようなカットを入れてきて、それがまた綺麗だったり、インパクトがあったりとするところなんか、シャフトだなと感じてしまいます。ただ、「シャフ度」と言われる首の角度が抑え気味なのはやっぱり寂しいかも(?)

NHKが、しかも総合で流すのですから、力入れているのはよく分かります。まだ前半も途中ですが、引き込まれっぱなしになっています。主人公である零の歩んできた人生の重さ、その重さを少しずつ解放する三姉妹と二海堂との掛け合いの面白い事。

二海堂のモデルは将棋好きの人なら知らない人はいないくらい有名な村山聖なんでしょうね。となると、太っているのは病気のせいであり、あかりが「むっちり」で喜んでいるのはどう解釈したらよいか戸惑いました。このあと二海堂は病気が重くなっていく展開になるんだろうけど、つらいな…

三姉妹は本当にキャラがいい。声も完璧だし、流石としか言いようがありません。話の展開も良く、たぶん、最後まで面白く見ていくことができる作品だろうと思います。すでにお気に入りに入れてもいいように思っています。

【前半を終えて】
結局終わるまで待てず、原作を読んでしまいました…。面白い、何故にこれまでスルーしていたのだろうと思います。前半は零の置かれた状況を表現していた感じです。零が何故に将棋をしているのか、零がどうして三姉妹と関わりを持ったのか、二海堂と零のライバル関係、零と香子の関係等々をシャフト独特の表現でうまく繋いでいた感じです。
とあるコラムニストがシャフトっぽくないのが良いと書いていたのですが、どこを見ているのかと。零の気持ちを表現するときや香子とのシーンはシャフトそのものでしょう。シャフト特有のズルいイメージ(個人的な感想)ふんだんに盛り込んでます。原作のイメージがそのままシャフトっぽいですし、シャフトなら良いと言ったらしい作者の感覚がすばらしいと思います。
三姉妹は癒しそのもの。に対して香子の危うさと言ったら…。香子の声も良いです。老倉育を見て井上さんに決めたらしいのですが、本当にぴったり。

後半はもっと将棋に突っ込んでいくのではないかと思います。また、三姉妹の関わり、零を囲む周りの人々の動きなど、楽しみです。

【後半の中盤】
後半に入り、零の気持ちがどんどん重くなっていきました。そこを救うのが三姉妹であり、先生であり、二海堂であり、島田八段であり…とにかく零は人に恵まれました。回を追うごとにその事が分かります。
将棋に関する話も濃くなってきたのも後半の面白いところです。鍵となる島田八段は飄々としているのに、プロの厳しさを零に伝えてくれます。そしてとうとう出てきた宗谷名人。まさに怪物に相応しい佇まい。アニメになると、その事がいっそう強調された感じです。
零と香子の微妙な関係も相変わらず。が、三姉妹と香子の絡みとか、実は可愛らしい一面もあるところとか見れて良いです。
それから、今の季節に合わせたような進行具合も非常に良いです。これからラストに向けて零がどう成長していくのか楽しみです。

【一期終了】
零のちょっとずつだけど、成長していく感じが見てとれました。
「11年もボッチだったんだ」いう台詞の重みから解放されていく過程を描いたのが一期だったと思います。ゆえに、展開は重く、零の台詞もなにかぱっとしません。耐えられない人はそれでこのアニメはお仕舞です。
零は周りに恵まれました。それは零が成長するための起点になっていきます。二海堂であり、三姉妹であり、林田先生であり、島田八段であり、科学部の面々であり、そういった人々と交わることによって、重く押しかかっていた零の心が開かれて、次のステップへと進んでいきました。見直すと、中盤までの零とは明らかに違う人間になっているのがよくわかります。

この作者は人と人とのつながり、心の葛藤や解放へ向かうまでの描き方が上手だと思います。重くなり過ぎそうなときはわざとデフォルメさせたり、ちゃちゃを入れるような場面を入れてほぐします。これが嫌味に感じないところがまた良いのです。せっかくなので、ハチクロも見てみたのですが、作品は違っても、描き方は同じでした。
それと、ハチクロを見て思ったのが、シャフトで良かったということです。ハチクロも悪いわけではないのですが、ライオンを見た後だと何か足りません。零や香子みたいな人物が多く出演する、心の葛藤を中心とするような作品を作らせたらシャフトは上手です。ちょうど同じ時間帯にAT-Xではefを放送しており、ライオン始まるまでの10分間は視聴していましたが、シャフトの右に出るものはないなとさえ思いました。

二期が決定したので万歳です。二期は{netabare}宗谷とひなが大きくかかわってくる話になると思いますが、この話がどう描かれるのか{/netabare}楽しみでしょうがありません。

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いたこの作品、2クールゆっくりと描かれているので、ドラマ性を求めている人にお勧めです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 53

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

才能の残酷さを描くことで、人の内面の弱さを表現しています。

 ハチミツとクローバーで恋愛ドラマの仮面をかぶって、才能の残酷さを見せてくれた羽海野チカ。さすがですね。人の愛憎や執着、孤独や過去などのヒューマンドラマの中に、しっかりと才能というものの恐ろしさを見せつけてくれます。
 ただ、ハチクロよりも進化したと思うのが、義姉ですね。あの義姉のキャラがあるから人の内面描写に深みが出て、才能の残酷さは他人にも劣等感という形でつきつけますが、己を傷つけ孤独にする部分も描かれていました。

 才能があるからこそ、居場所が出来た半面、人の居場所を奪ってしまった。周囲の人を巻き込み歪ませる。義姉の態度のコンプレックスの表現は女性作家ならではの迫真のストーリーですね。おしいことにコミック版ほどの禍々しさの中に見える圧倒的な劣等感の表現には至っていませんが、この義姉がいるからこそ、主人公の居場所の無さが浮き彫りになるし、3姉妹との交流に意味が出てきます。

 一方で将棋という特殊な世界にのめり込む男達の心の交流もありました。島田の研究会もそうだし、何よりあの二海堂くんですね。どう考えても村山聖ですよね。聖の青春という小説にもなった羽生善治の少年時代からのライバルです。ちょっと身体の事も村山をなぞっているので、いろいろ心配してしまいますが、詳しくは小説かWIKIで。
 彼がいたからこそ、将棋に向き合うことができたような気がします。良くいる真っ直ぐなおバカキャラに見えて誰よりも将棋に真摯で、主人公のこと…というより主人公の将棋の才能を純粋に愛していたような気がします。(それから学校の先生もですね)

 なお、羽生善治はタイトル99期、史上初の7冠棋士、永世7冠という圧倒的な将棋の天才でので、二海堂=村山だとしたら、主人公が羽生なのかなあと思ったら違いましたね。宗谷でした。宗谷が目指すべきラスボスっぽかったですね。

 その前に後藤ですか。彼の性格の意味は現段階ではちょっとわかりませんね。素の性格なのか、やっぱり宗谷に対比した時にコンプレックスがあるのか。
 ただ、この後藤の態度を見せることで、初めは憎たらしいだけの義姉に対する気持ちが和らぐから不思議です。うまいですよね。結果的に才能の世界の周辺に生きている人たちの惨めさを上手く表現しています。

 そう、義姉が重箱のお稲荷さんを食べるだけで、このキャラに対する見方が全然変わっていました。ここが少女マンガの凄さですね。直前の3姉妹の敵のように見せていて、胃袋で篭絡されてしまう。これで義姉の人間的な内面が表現されて憎めなくなります。ちょっと男の作家には描けないでしょう。ここが一番本作のすごいところだったのかもしれません。

 そしてこの3姉妹ですね。どうも傷があるようです。母性の塊のような長女の内面が見えてこないことが不気味です。この作者が単なる良いおねえさんキャラを出すとも思えませんが…どうなんでしょう。菩薩…で終わるのか違うのか。以前原作10巻まで読んでますが…無かった気がします。

 で、主人公ですね。この構造って、やっぱり主人公がラスボスと対決するために周囲を顧みず…みたいな話になるのでしょうか。ハチクロを見るとそんな気もしますし、3姉妹との交流でそうにはならないのかもしれません。

 将棋の世界の話だけに限定すると、ストーリー展開はちょっとヒカルの碁っぽい感じがありますが、似たような世界ですからね。

 とにかくきれいごとではない人間の内面、特に劣等感を描かせると、羽海野チカは最高ですね。決して「いい話」ではありませんが、特殊な世界をデフォルメすることでヒューマンドラマとして、人間の本質を見せてくれています。この辺りはハチクロのやり方を踏襲している気がします。


 3月のライオンはどちらかと言えばコミック版の方がコマ割りとかモノローグとか少女マンガらしいテイストが話にあっていました。アニメはその点がちょっと表現できていませんでしたね。



 追記 少女マンガ的表現ができていない、といっても、演出で内面描写、モノローグの時は少女マンガらしいエフェクトをいれて頑張っていました。ただ、少女マンガの文法はやっぱりあの独特のコマ割り=時間の使い方と客観主観のシームレスな切り替え、エフェクト=心の動きじゃないと。ここは媒体の特性もあるのでやむを得ないでしょう。

 追記2 水というモチーフは浮かんでいれば羊水のような心地よさがあります。が、泳いだ時のねばりつく水の抵抗は前にすすむ困難、もぐったときの息苦しさは思考が暴走している感じ、音が無くなるような感覚は棋士の集中力ですね。ハチワンダイバーとかにも通じます。

 それと川ですね。川は流れ、広がりなどで原風景のような心落ち着く光景になります。滔々と流れる広い川は、人の営みのアナロジーでもあるでしょう。それを岸から眺めるという意味ですね。また、街の移り変わりを映すことで表情を変えてゆきます。あるいは自分自身の人生そのものでもあるかもしれません。
 また、川岸ですね。これが不思議な効果をだしていました。漠然とした東京の下町の表現というより、俗世界から切り離された特別な場所として機能していました。
 これが演出というだけではなく、内面の重層的な表現に効果的に機能していいたと思います。ただ、とにかく象徴的・抽象的なので何を表現していたかを考察するのではなく、画面から感じるのが作法だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

81.7 7 成長でコミカルなアニメランキング7位
僕のヒーローアカデミア(第3期)(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (435)
2657人が棚に入れました
超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。No.1ヒーローのオールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、クラスメイトたちと互いを高め合う切磋琢磨の毎日を過ごしていた。雄英高の生徒同士が激突するビッグイベント「雄英体育祭」、プロヒーローの下で技を磨く「職場体験」、“ヒーロー殺し”ステインとの死闘、期末テストでのオールマイトとの戦い、そして敵(ヴィラン)連合の死柄木弔との邂逅…。次々と課される試練に対して、デクはヒーローを目指して果敢に立ち向かっていく。一方、死柄木や、オールマイトの宿敵である巨悪オール・フォー・ワンも仲間を増やし、その悪意をふくらませるのだった。デクの、最高のヒーローになるための道と、敵(ヴィラン)たちとの戦いは、ますます加速していく!

声優・キャラクター
山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、悠木碧、井上麻里奈、増田俊樹、諏訪部順一、内山昂輝、三宅健太、大塚明夫

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

幼少の砌に見た大きい背中。僕の、私の、憧れのヒーローたち。

わたしは兎角、ヒーローと名のつくものに目がありません。作中でカッコイイ男の背中を見るだけで涙腺が緩んできます。背中で語るってやつ?古くはフライシャー・スタジオで作られた『スーパーマン』。アニメじゃないですが仮面ライダーや戦隊モノは今でも子供達に愛されています。

№1ヒーロー“オールマイト”に憧れた少年が自分もカッコイイヒーローになるため、夢に向かって突き進んできました。今回はそんな少年が成長する瞬間、誰かを守るために立ち上がれるヒーローとしての背中を見ることが出来る第3期。全編通して最大の事件が前半に起こるため、後半の4期へ向けたストーリーは少し盛り上がりに欠け落ち込みますが4期は決定しているので問題ないかと思われます。(これで続かないなら大問題ですが)

本作の見所は、何と言ってもハイクオリティーなバトルと多彩な能力を持ったヒーローやヴィラン(怪人)、社会においてのヒーローの立場や在り方を問われ続ける事です。成長していく主人公だけで無く悪と戦うヒーロー達それぞれの正義や、力を持った人間は悪と正義の表裏であること。安定した平和を保つ為のシンボルである“オールマイト”が死地に赴き、人々を守るために戦う姿など、手に汗握って涙なしでは観られません。今回あった師弟の名シーンはどちらもカッコよくて体が震えました。今までで最高のクールだったと思う。前半は大きく分けて2つの事件が起こりますが、そのあとの後日談も大好きです。お母さんがカッコイイのだ…流石、出久(いづく)のお母さんだなと思う強さでした。


“きっと誰もが誰かのヒーロー”

男女関係なく子供の頃のヒーローはいたと思います。

プリキュアかセーラームーンで世代がバレると聞きますが彼女たちもヒーロー。私にとっては、悪役でもヒーローだった!なんて人達もいるでしょう。作中でも“自分にとってのヒーローとは?”のテーマがあります。続編が決定した『ワンパンマン』でも怪人に憧れるアンチ・ヒーローが奮闘していて大人気ですね。2期楽しみだぁ…。

『劇場版 僕のヒーローアカデミア』サポーター『千鳥』ノブさんのヒーローは自分のお父さんらしいです。出久にお母さんやオールマイトがいたように、背中を見せてくれる大人や憧れが存在することは大事なのだと思いますね。ちゃんとした人がいないとヴィラン(怪人)になっちゃう。

わたしだったら誰かな…?

……




悪役ばっかり思い浮かびますね。ヴィランの才能がありそうです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

更に向こうへ! Plus Ultra!!(ぱ~と3)

熱さ全開のこの作品も3期を迎えました。
相変わらず…というより熱さは更に増している気がします。

目標に向かって邁進する雄英高校ヒーロー科1-Aのみんな…
これまでは個々の個性をブラッシュアップすることに重点が置かれていたと思いますが、3期ではチームプレイをだいぶ意識した教育方針が取られていたと感じました。

ヴィランとの戦いは常に1対1ではありませんし、誰一人として同じ個性を持つ人間はいません。
従って、実戦を想定するとみんなの個性を上手くつなぎ合わせて最善の一手に昇華させる必要があるんです。
でもこれって口で言うのは簡単ですが、実践するのは並大抵のことではありません。

仲間の個性を良く知ること…これは当然だと思いますが、最低限必要なのが仲間を信じることです。
勿論、普段から1-Aの結束は固く、お互いが信頼し合っているのは分かります。
けれど、例えば自分の命が危険に晒されて、次の一手が自分の命を守る一手じゃなかったら…?
自ずと自身の安全を優先してしまいませんか?

でも、それじゃ駄目なんです…
次の一手が自分の命を守る一手じゃなくても、自分の一手で仲間を助けられるなら次に仲間が自分の命を絶対に助けてくれる…
僅かな隙や躊躇で1秒だって無駄にできない直面で、真っ先にそれを選択できるなら本物だと思います。

命を懸けるかは別にして、私たちの仕事でも一緒だと思うんです。
それは、最前線で戦っている人間は目の前の一瞬に集中しなければいけないので、思考パターンと行動がどうしても単調になってしまいます。
人間は同時並行的に複数のことを高いレベルで処理することができません。
それが故の適材適所なんですから…

最前線で戦っている人にしか見えない世界は確かにあります。
ですが、一歩下がって全体を俯瞰している人間にしか見えない世界もあるんです。
会社である程度階層別に物事が判断されるのも、それぞれの階層で見るべきポイントと気付くリスクが違うから…
これこそチームプレイの強さの醍醐味だと思います。

こうして個々の能力を伸ばしながらチームプレイの真髄を叩き込まれる1-Aのみんな…
彼らを取り巻く周囲の状況が刻一刻と変化していきます。
絶対的ヒーロー数の不足やヴィランの暗躍…

学生って…新入社員もそうですが金の卵なんです。
本当は時間をかけてゆっくり学んで欲しいと思いますし、出来る限り危険を排除したいとも思います。
でも、教える側にその余裕が無いんですよね…
これはこの作品でも…私たちの仕事でも一緒です。

私たちの仕事に例えてみると、携帯電話やPCの発達と普及によりどこでも仕事が出来るようになった結果、人は減るけど業容が広がる…といういわば矛盾が起こっています。
確かに遣り甲斐は感じますが、自分の業務で手一杯なので満足に教える時間が割けないんです…
まぁ、教わる方も残業規制などの縛りで十分な時間が取れないんですけどね…

でも周囲の状況は変わってもデクたち1-Aのみんなの情熱には微塵の変化もありません。
今も昔も変わらず目標に向け全力全開で突っ走るのみです。
頑張った分だけ結果は絶対についてくるから…
だから可能な限り高みを目指して欲しいと思います。

オープニングテーマは、UVERworldさんの「ODD FUTURE」と、Lenny code fictionさんの「Make my story」
エンディングテーマは、miwaさんの「アップデート」と、菅田将暉さんの「ロングホープ・フィリア (TV Limited)」

2クール全24話の物語でした。
冒頭にも記載しましたが、この作品特有の熱さは上昇の一途を辿り続けています。
そして嬉しい事に4期の制作も発表されました。
ストックがどれだけ残っているかは分かりませんが、視聴を楽しみに待っていたいと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

カッちゃんが嫌われたり好かれたりすることについて

ヒロアカ3期です。
私が読み終えた原作に追いついてしまいました。

今回は仮免編がメインでしょうか。
見直さずに勘と記憶で書くね。

仮免に向けた修行→仮免→インターンかヒーローの実習の導入
で終了。

私の好きなキャラはカッちゃん。
今回は彼について話して見る。

彼は個性と独特な向上心でUA学園1年生のトップの辺りを走る。
色々あって精神的にも成長しているが口が悪い。
元々賢いキャラなのに、なんで口が悪いんだろうね?

まあ正直、キャラとしてそれで差別化を図っているのだろう。

見た感じ、腹の中ではあの口調でしかし表では取り繕う、
最低限の礼儀を言葉にするぐらいできると思う。
この礼儀知らずな感じが物語のイイ方向に使われなければ、
なんか可哀そうなキャラで終わるだろう。

尊敬しているヒーローがオールマイトなんだしね。
どうしてNo.1ヒーローたる理由などすぐ分かるはずだ。
一方、オールマイトとカッちゃんとの単純な力量差は歴然としたものがある。
そこに追いつくためにはどうするか、
なりふり構わず突っ走るしかない、と思えれば彼の態度や言動を無理矢理理解できないこともない。

力あって初めてヒーローとして、勇者として存在ができる。

基本、まじめな優等生のデクとの対比としてはいいのだろう。

カッちゃんが報われることはあるのかね。

デクと再戦したときは胸が熱くなるものがあったよ。

高校1年生だし、今後の成長に期待します。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

70.3 8 成長でコミカルなアニメランキング8位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (637)
4204人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

地震・雷・火事・親父の感動作品☆

■評価
テーマ性    :★★★★ 4.0
父性愛度    :★★★★☆ 4.5
脚本&構成巧み度:★★★☆ 3.5
感動度     :★★★★  4.0
おススメ度 :★★★★ 4.0

■ストーリー
親を失った孤独な少年・九太(蓮)は親戚にもなじめず家出する。
しかし帰る場所もない九太は渋谷で異世界のバケモノの熊鉄という
親父に出会う事となる。九太は熊鉄の弟子となり格闘術を学ぶ事になるが
熊鉄はとんでもないランボー&不精なクソ親父だった。
はてさて九太と熊鉄はどうなってしまうのか?

■感想
本作は最近では滅多にお目にかかれなくなったちゃぶ台返しの雷親父と
生意気なクソガキとの父子の絆を描いた作品であり、個人的には一見凡庸に
みえるけれど色々なメッセージを詰め込んだ感動作品でした。

テーマとして『父と子の絆』と『子供の心の闇』になる。
本作で好きな点が、『父親として子供に何を伝えれば良いのか?』
『子供として親をどの様に理解していけば良いのか?』という父と子の
それぞれの視点で描かれる葛藤と、実は父子が互いに互いを恐れている事が
描かれているのはすごく面白い。私の十代の頃の気持ちを言い当てていた。
そして父子関係で描いて欲しかった『笑い』があるのは良い。
男の親(父)だから伝わるちょっとした下品さや馬鹿さ加減を交えた
笑いが、『母性』とはちょっと違う『父性』を感じ取れる。
劇場にいた子供達がケタケタ笑っていたのでやり過ぎではないだろう。

本作で描かれる父子はお互いに欠点があり、お互いに不満があり、
お互いに卑下しあい喧嘩も耐えない。けれど日々の生活の中で
『互いに必要な存在』と認めるまでの成長過程は実際の父子関係でも
ありえる事で、ここに共感できるかできないかで本作の面白さは
左右されると思う。特に父親視点を描いた事で子供むけだけではなく、
大人向け作品としても成立させているのは細田監督の手腕による
ものだろうと予測しています。

悪い点も書いておくと、色々と伝えたい事を詰め込みすぎだと思う。
特にもう一つのテーマである『子供の心の闇』は語りつくされておらず
今一飲み込みずらい部分であった。これを中だるみと捕らえる方も
いるだろうし、お子さんがこれを理解できるか少し疑問です。

だからここで描かれる心の闇について少しだけ私なりの補足を追記します。
(以下、ネタバレではないですが偏見を持ちたくない人は避けて下さい)
{netabare}
本作で描かれる『子供の心の闇』とは『親への不信感』や『世間からの
疎外感』だと思う。子供は子供ながらに理想の家庭像や父親像や母親像
なんてものを持っている。けれど現実はその理想とは反し、親も人であり
未熟な部分もあるから子供の想い通りにはいかない。
だから『世間』と自分を比較した時に他人の親が自分の理想像にみえるし、
それを世間からの疎外と感じて嫉妬したり妬んだりする。これが本作で
描かれる『子供の心の闇』だと思う。

だけどこの心の闇に対して本作は結構良いメッセージを伝えてくれている。
これは作中で直接語られたものではなく、私の言葉で表現させてもらうと
世の中には色々と腐った親達がいる。だから口に出して"直接"親に対して
怒りや憎しみをぶつけても良いし、バカにだってしてもよい。
だけどその気持ちを親以外にぶつけるのは辞めた方が良い。
なぜならその親への気持ちは自分の子供に伝染するからだ。
良くも悪くも親から子、子から親に人の意思は以心伝心するのだろう
…という様な事が感じ取れたのは儲けもんだった。
{/netabare}

総じて色々と細田監督が伝えたい父親像というのに共感できる作品でした。
どちらかといえば大人よりな作品と感じますが、夏休み開始の狼煙として
ちょうど良い作品です。

ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14

drts さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

素直に見れば楽しめる

相変わらずの細田守作品といった感じで、今作も今までと違わずストレートな作品で、私自身はいい意味で気楽に見れて面白かったです。子どもから大人まで楽しめる作品になっていると思います。

しかし、今までの作品もそうでしたが、細田守監督の作品は世界観や細かな設定、物語に緻密さを求めると途端に張りぼてと化します。ですので、そういった点が気になる方は少し評価がマイナスになるのかもしれません。

声優の評価として、声を当てられている方々は本職では無い方がほとんどですが、それでも役所広司さんや大泉洋さんなどの演技は上手いなと思えるものでした。本職の声優さんと比べたらそれは劣るものはあると思いますが、作品そっちのけで声が気になるような下手な方はいませんでした。

作画などもCGを上手く使い良く出来ていたと思います。戦闘シーンの動きは素晴らしいものでした。

今作は親子愛をテーマにしているのかなと私自身感じたので、お子さんを持つ方などは家族一緒に楽しめる、そういった作品になっていると思います。

私的には細田守監督の作品は、「どこどこがこうなってて面白いよね」とか考えるものではなく、「あー面白かった」で済まして素直に見れば楽しめると思っているので、今作もそんな風に見ることが出来ました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

心の中・・・

人とバケモノの世界が交錯する渋谷渋天街。
みなしご九太とあらくれ熊徹の躍動感あふれる物語です。

九太と熊徹の師弟とは思えぬ言い争いが楽しい。
こんな師弟いないだろうと思いつつ・・・
心のままの本音トークが好きなんです、私。
こんな関係、お互い成長せざるを得ませんね。

心の闇とは何かが基本テーマ。
人は誰しも闇を抱えているもの。
その闇を深くするのも人だし、癒すのも人。
また、心の闇に何を宿すかで全く異なった結果となる。
そして、闇によって成長するのも人なんだ。
心の中に灯を・・・そんなことを感じた作品でした。

細田作品ということでなめてました。
申し訳ありません。
まず、絵の美しさと生き生きした動きに感心。
声優さんの素人感も気になりません。
それに何よりも伝えたいことが真っすぐ感じられました。
まさか、こんなに感動するなんて・・・
次回作に期待です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

79.6 9 成長でコミカルなアニメランキング9位
このはな綺譚(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (557)
2408人が棚に入れました
あの世とこの世の間にある宿場町に建つ「此花亭」。
ここは神様に仕える狐っ娘たちが働く温泉宿。
期待と緊張で胸をふくらませ「此花亭」へ奉公にやってきた柚。
個性的な先輩たちに迎えられ、仲居修行が始まりました。
ある日、ちょっと頑張り過ぎてしまった柚は、お客様である薬屋さんを転ばせてしまい、
先輩仲居である皐とともに謝罪へと向かうのですが…。

声優・キャラクター
大野柚布子、秦佐和子、諏訪彩花、久保田梨沙、加隈亜衣、沼倉愛美

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

背景の美しさが際立つ、心温まるほのぼの系アニメ

原作未読。最終話まで視聴。

最初は、花咲くいろは+うらら迷路帳的な作品だと思っていた。
『ケモ耳は正義』って人向けの作品かなぁ・・・くらいの印象でした。

その印象は第5話で一掃されました。

前半はお菊ちゃん絡みのコメディ回。お菊ちゃんが面白可愛い。
後半は神作画回。モノトーンの背景に傘の『赤』とアジサイの『青・紫』が、息を飲むほど美しい。

第6話は打って変わって感動回。柚と八百比丘尼の心温まる物語。

『背景の美しさ+コメディ+心温まる物語』のバランスの良さ。
これがこの作品の魅力だと思います。

第8話は物語として完璧すぎる神回。
ラストの展開が見事すぎる・・・。

第10話の紅葉の風景も絶品。

そして感動の最終話。
ラストの所で、少し泣きそうになったじゃないか!(笑)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

キャラの見た目に騙されるけど、意外とちゃんと仕事しています!

==[下記は6話目まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作マンガ『此花亭奇譚』および『このはな綺譚』は未読です。これを書いている時点では第6話まで視聴済み。

此花亭の「あの世とこの世の間にある宿場町にある温泉宿」という設定が、わかったようなわからないような……、な本作ですが仲居として働いているのは(女の子の姿をした)狐ということで、ケモノ耳と尻尾がついています。

主人公の柚(ゆず)は狐でありながら人間(?:伝承通りなら不死ですけど…)である八百比丘尼(やおびくに)に育てられたため、人間界には他の狐たちよりも詳しいようですが、新人仲居として働いています。

基本的にはカワイイ仲居の狐たちの様子を観ていて和むという感じの作品ですが、仲居たちの間での恋愛(?:でも最初の連載が「コミック百合姫S」だったらしいですし)的な関係性や、接客などを通しての成長の様子を見守る感じの作品でもあります。

各エピソードは基本的に1話完結ですし、各話の中でもキャラクター間の(いわゆる「カップリング」的な意味での)関係は分かりやすく描かれていますので、途中からの視聴でもそんなに置いてきぼり感はないと思います。

各話毎のストーリーは、大別すると主にお客との関係に重きを置いたいわゆる「いい話」系のものか、従業員のみで進行するコメディ的なもの(「百合」的ラブコメ(笑)含む)に分かれると思います。

後者の展開のときには「あんたら仕事してんの?」と思いますが、前者の展開のときには意外とちゃんとした仕事ぶりですね。

作画も良いようですし、普通に面白いですよ。観てて疲れませんし、深夜アニメに癒しを求める向きにはお勧めできます。

あ、入浴シーンはけっこうあります…。
==[6話目まで視聴時のレビュー、ここまで。]==

2017.12.21追記:
全話観終わって思いましたが、これは原作もさることながらシリーズ構成・脚本がとても良い仕事をしていたと思います。

各話に含まれている複数パートであるパートが別パートの伏線になっていたりで全パート合わせてきちんと「1話」を構成していて、素晴らしい脚本になっていました。

さらに話数が進むにつれてのキャラクター同士の親密度なども、きちんと計算された脚本だった思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 57

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ずっと、レズビアン~(空耳)。1話完結のお手本な脚本

只のありがちな百合日常系と侮るなかれ、凄く良くできた百合日常系ですし、旅館アニメの傑作と言っても過言じゃない作品です。


opを見て頂ければわかると思いますが、上手くない日常系とは違い、わちゃわちゃした女子動物園ではなく、抑制と清潔感、優しさと上手さが同居していて、百合萌えだけでないウェルメイドという言葉が相応しい薫りが余韻にある。


特に8話の前編後編の構成は本当に上手い!。この回だけ取り出して見ても素晴らしさは充分にわかっていただけると思います。


百合日常系なんて糞食らえ!な人(そんな人って今時いるか?)、以外にはオススメで、「ゆゆ式」の次にもっと評価されて欲しい、2期が見たい作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

76.6 10 成長でコミカルなアニメランキング10位
ハイキュー!! TO THE TOP(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (251)
1282人が棚に入れました
春の高校バレー宮城県予選、激闘を制し悲願の全国大会出場を決めた烏野高校排球部。全国大会を控えた彼らのもとに、影山の全日本ユース強化合宿召集の報せが舞い込んだ。さらに月島にも宮城県1年生選抜強化合宿への招集がかかる。同じ1年生との差に焦る日向は、宮城県1年生選抜強化合宿に押しかけるも……!?全国大会本番に向け、日向、影山、そして烏野高校排球部の更なる挑戦が始まる⸺!!

声優・キャラクター
村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、諸星すみれ、神谷浩史、江川央生、花江夏樹、宮野真守
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

視点が変われば、世界が変わる

制作:Production I.G、
原作:古舘春一、監督:佐藤雅子
副監督:石川真理子、シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:小林祐、音楽:林ゆうき、橘麻美
原作:古舘春一

2020年冬クールは良作が多く、ドロヘドロを筆頭に
視聴分だけで十分に満足できるラインナップだった。
そのため、面白そうだが、視聴に至っていない
録画したままの作品がまだ数本残っている。
この作品もそんな1本だった。

3期までの物語から面白い作品であることは
分かっていた。しかし、白鳥沢高校との決戦が終わり、
物語に一区切りついていたことから、
あまり視聴意欲が湧かなかったことが
これまで未視聴だった大きな理由。
ところがHDDの整理に迫られ、
視聴を始めると、やはり抜群に面白いことに
改めて気づかせてくれた。
キャラクターが個性的で魅力的だし、
競技を描くポイントの絞り方が、とても上手い。
Production I.Gが手がけるスポーツものは、
ほぼ外さないと分かっていたのに
ここまで放置していたのは痛恨だった。

ハイキュー!!の魅力は、日向翔陽と影山飛雄を中心にした
強烈なキャラと、爽快で緻密なスポーツ描写の面白さにある。
動きやカメラアングルもよく考えられており、
バレーボールの迫力を感じさせてくれる。
しかし、それだけにとどまらないのがこの作品の奥深さ。
個人的にはバレーボールという競技に
それほど興味はないのだが、この作品を観ていると、
競技そのものへの深い理解に驚くことがある。

今期で言うと、控えメンバーでサーブ特化の山口忠。
これまで何度も深く取り上げられている人物で、
サーブを打つだけのために試合に投入される。
どれだけ落ち着いた心理で試合に入っていけるか。
途中でワンプレーだけを任される選手にとっては、
最重要のポイントといえる。
それは、普段からの練習で意識することが大切。
効果的な方法である「リセットの視点」は、
とても納得できる話だった。

{netabare}つまり、会場内にある標識や
非常口の誘導灯などをリセットの信号として定め、
それを見たときに意識を集中させる訓練を
普段からやっておく。
緊張していてもすぐに試合に入れる心理状態に
持っていく準備をしておくのだ。
とてもリアリティのある話で、選手の心理について
深く考えられたエピソードだった。{/netabare}

また、選手たちをサポートする存在の人々の
想いもきちんと説得力を持たせて描いている。
例えば、今回は清水潔子が、
マネージャーとして最前線に立っているという描写。
自身が中学時代にハードル競技の選手だったことから、
そこに立つ心理を理解しつつ、自分が現在、
立っている場所はどこなのかを明確にする。
スポーツに関わるさまざまな状況を
上手くストーリーに組み込んでいる。
メインである全国大会はさわりだけだったが、
とても面白い4期目だったと思う。

今期のいちばんのポイントは、
全国大会に向けてレベルアップを図る
烏野高校排球部メンバーたちの想いや視点と
いうことになるだろうか。

影山は、全日本ユース強化合宿に招集され、
月島は宮城県1年生選抜強化合宿メンバーに選抜される。
合宿メンバーに選ばれなかった日向は、
呼ばれてもいないのに、宮城県1年生選抜強化合宿に
勝手に参加するという突飛な行動に出る。

{netabare}ただ、ここで偶然によるワンプレーをコーチが目にして、
合宿に飛び入り参加させてもらえるというような、
ありがちな展開にしなかったのは驚きだった。
日向は、部活のバレー部を休んでまで
合宿に参加したのに、
最後まで球拾いしかやらせてもらえないのだ。
しかし、才能ある者たちが揃った
各高校1年生代表たちのプレーを外から見ることで、
チーム全体に必要な動きや
論理的なタイミングについて考えるようになる。
自らの身体的な動きと技術面だけでなく、
プレーの連動性に着目するようになったのだ。{/netabare}
視点が変わることで、世界が変わって見える。
それは、レベルの違いもあるし、
下から見るのと、2階から見ることでも
見え方が変化する。県大会から全国に目を移した
ときの視点の違いを上手く表現していた。

一方、影山は全国トップレベルの選手とともに
プレーすることで、自らの足りない部分を考える。
日向をより効果的に使うことをイメージする。
ふたりは、違う世界のレベルの高さを心に刻み、
それをチームに持ち帰ることによって、
全体に大きな変革をもたらすのだった。

全国大会前の地味な話のはずが、
ここまで面白く見せられるのは、
やはり原作の持つ大きな力だろう。
また、全国大会突入後、天井の高いコートに
なったことで影山がアジャストに戸惑う描写の
リアリティにも感心させられた。
作者がバレーボールという競技を
とても深い部分まで捉えているのがよく分かる。

多くの人々の想いや視点が渾然一体となって、
全国大会に突入した第4期。
良質なドラマと感情の迸りを
今後はどのような形で見せてくれるのだろうか。
(2020年8月22日初投稿)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 42
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

4期は潔子さんのエピソード有

・・・ありますけれど、春高試合が始まる頃です。後半です。

4期本編の主役はやっぱり翔陽。そして飛雄。
特に翔陽の成長が楽しかった。
翔陽は呼ばれていない宮城県の1年生強化合宿に呼ばれていないのに飛び込みで参加する。
{netabare}今回の成長は新技やテクニックではなく
メンタルの成長。今迄は自分自身に精一杯でいかに周りを見ずにバレーボールしてきていたのか。
バレーボールを外から見ることで予測することの大事さを学ぶ。
それが、1点を守れることにつながり、1点を取ることにつながる。
春高ではどんなプレーができるようになるのだろうか。{/netabare}

飛雄は全日本ユースの強化合宿でハイレベルの選手たちと対面する。
{netabare}凄い選手がたくさんいることが分かってもさほど動じない飛雄。
その中でもとても大事なことを学ぶ。
セッターは相手の一番打ちやすいトスを上げるのではなく、一番能力を発揮させるトスを上げること。
烏野に戻り練習試合で実践。手ごたえあり。烏野全体の大きなレベルアップ。{/netabare}

他のメンバーも全員がレベルアップ意識して切磋琢磨。

準備は整った。さぁ春高バレーの開幕だ!

そして潔子さんのエピソードで感動だ!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 28

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

バケモンたちの宴…開幕!!

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ1~3期まで視聴済です。
調べてみると、OVAやコミック限定版に同梱された作品もあるようですが、そちらは未視聴です。


春の高校バレー宮城県予選、
激闘を制し悲願の全国大会出場を決めた烏野高校排球部。

全国大会を控えた彼らのもとに、
影山の全日本ユース強化合宿招集の報せが舞い込んだ。
さらに月島にも宮城県1年生選抜強化合宿への招集がかかる。
同じ1年生との差に焦る日向は、宮城県1年生選抜強化合宿に押しかけるも……!?

全国大会本番に向け、日向、影山、そして烏野高校排球部の更なる挑戦が始まる⸺!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

白鳥沢学園高校を決勝で破り、その勢いのまま春の高校バレー全国大会に物語が進むと思っていましたが、実際にトーナメントが始まるのは物語のほぼ終盤…

ですが、終盤までの間の取り方は個人的にとても良かったと思います。
何故なら、終盤まで物語を費やしたのは「井の中の蛙大海を知る」ことだったんですから…
INTRODUCTIONにも記載されていますが、全日本ユース強化合宿招集と、宮城県1年生選抜強化合宿への招集の2本の列車が同時に動き出すんです。

2つの共通点は「見れること」と「知れること」
そこには、いつもの練習とは全く異質のステージが彼らを待っていたのですから…
合宿に押しかけた日向は、流石にちょっとやり過ぎとは思いましたが、無理を推して正解だったのではないでしょうか。
正式に呼ばれた訳じゃないからまともな練習はできません。
ですが、日向が「見れること」の大切さに気付いてからの物語は、正に真骨頂だと思います。

そして気付いたのは日向だけじゃありません。
影山も全日本ユースで掴んだ確かなモノがあったと思います。

別々の路線を走っていた列車が交錯し、どの様な相乗効果を生んでいくのか…
今は物語の途中なので全容は分かりません。
ですが、これまでの烏野高校とは見違えた面が見れると思いますよ。

そして、物語の合間にちょいちょい刺さり込んで来るマネージャーたちの言動からも今期は目が離せません。
私のお気に入りの清水さん…彼女がどうしてバレー部のマネージャーになったのか…
どういう思いでマネージャーとしての責務を全うしているのか…
普段は寡黙な女の子ですが、バレー部を思う熱い気持ちは半端じゃありません。
個人的にはこういう熱い物語は大好物です^^
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、BURNOUT SYNDROMESさんの「PHOENIX」
エンディングテーマは、CHiCO with HoneyWorksさんの「決戦スピリット」
ハニワさんはハイキュー!!初参戦だと思いますが、イメージに合ってて良かったと思います。

1クール全13話の物語でした。
4期は全2クールの予定なので、ちょうど折り返し地点に差し掛かったところですね。
これまででも十分熱いですが、その熱量が今後更に増していくんでしょうね。
後半クールは7月放送予定…3ヶ月なんてあっという間なので、楽しみに待っていたいと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

72.8 11 成長でコミカルなアニメランキング11位
ひそねとまそたん(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (343)
1233人が棚に入れました
「私は、君とソラを飛ぶ。」

甘粕ひそねは、航空自衛隊の岐阜基地に勤務を始めた新人だ。

素直すぎて無意識で他人を傷つけるのに疲れ、任期限定の自衛官を選んだのだ。

だが、運命の出逢いが彼女の人生を根底から変える。

基地に秘匿された戦闘機に擬態するドラゴンがひそねを選び、大空高く舞いあがったのだ。

こうして「OTF(変態飛翔生体)」であるドラゴンに乗りこむ飛行要員が、 ひそねの仕事になった。

国家的な命運を左右するとも言われるドラゴンには、 はたしてどんな秘密が隠されているのだろうか……。



声優・キャラクター
久野美咲、黒沢ともよ、河瀬茉希、新井里美、名塚佳織、朴璐美、梶裕貴、徳本恭敏、釘宮理恵、諏訪部順一、中田譲治

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「テレビまんが」的で良い感じ。樋口真嗣監督といえば……(第7話:『キングダム』(笑))

商業アニメ的な最初の実績としては『ふしぎの海のナディア』での演出でしょうか。

たぶん世の中的には主に特撮畑の人(平成ガメラ3部作、実写版『進撃の巨人』など)として知られており、あるいは映画『のぼうの城』や庵野総監督の下での『シン・ゴジラ』の監督としてご存知の方もいらっしゃるかも。

基本的にアニメ畑の人とは思われていない気もしますが、旧ガイナックスやスタジオκαρα制作作品には参加しているので、門外漢ではありません。

どんな作品になるか、今後も楽しみです。

== [観終わっての総評めいたもの] ==(2018.7.11)
「日本の伝統」を一見大事にしているようで、意外と批判的な作品かもしれません。でも何も知らない、調べないという態度ではなかったので、そこは高評価。でも変に「ジェンダーフリー」みたいな方向性に話がそれたりしませんでしたし、「人格否定」みたいなのはあんまりなかったのも良かったかも。
==

2018.5.18追記:
第6話: 零戦が三二型なのと、一〇〇式司令部偵察機がマニアック。
ああ、ナオさんヘッド……(泣)。

♪ジョア ヤクルトジョア 誰のもの~
ジョア ヤクルトジョア 君のもの~♪

2018.5.25追記:
第7話:『キングダム』推しがガチだった(笑)!
(コミックスの最新巻、まだ読んでないや…。)

マツリゴト、かなりお金かかるんですね…。

2018.6.30追記:
最終回まで観終わりました。世の中におもねらず、ちゃんと作りたいものを作っていると感じられて好印象。

政府が古来からの神事に関わるというのは、面白いテーマでしたね。そこに国民に知らされない形で旧軍や自衛隊の陰の活躍があるという…。

主人公はひそねなのは間違いないんですが、思っていた以上にナオさんが裏主人公的な感じでしたね。

そこに年若くして大ベテランな黒沢ともよ様を起用して作品を締めていたのは、納得のキャスティングでした。ナオさんヘッドのインパクトも、さすが(笑)!

あと、全体的に音楽は神楽も含めて地味に良かったです。まあでもたぶんそんなに人気は出ないよな、これ…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 49
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

四柱の飛龍よ 天翔けり国翔けりたまいて 永久(とわ)の幸いをかかふらせ給え

第1話を観て非常に驚いた。
本作のシリーズ構成&脚本の岡田磨里さんは自分には苦手な作家。
今まで彼女の作品の第1話のほとんどは、
喉の奥に魚の小骨が引っかかったような違和感が残っていた。
しかし、本作には全くそれがないどころか、
今期の中のダークホースになりそうな予感すらしたのだから。

空自とファンタジーの融合が実に新鮮。
話が面白くなるかは未知数ながら期待値はMAX。
これは最後まで見届けたいと思えた。

<全12話視聴して>
最初から最後まで意外な展開で次回が楽しみだった。
ただし、前のめりで面白かったのは8話まで。
9話以降はどうにもしっくりこなくなった。
以降、各話レビューは書く気が失せた。
最終話で物語評価は4.5→3.5で更新。
ユーモア成分が足りなくなったのもマイナス。
{netabare}
自分にとっては、詰まらなくはないが詰めが甘い作品だった。

生贄とかシビアなネタは、2クールだったらぶち込んでもいいと思うが、
1クール12話の構成なら、OTFと共に生きる女子の成長物語程度で
まとめたほうが良かったと思う。

前半と後半であまりにも空気感が違った。
しかも、後半のシリアス展開が尺足らずで
ご都合主義な中途半端感が残った。

特に最終話はかなり不満。
ほとんどの関係者がひそねが戻ると信じてるが、
ひそねはミタツ様の中に3か月も取り残されてる現実があるのに
何もしないし気にしない。
前澤2等空佐が、曽々田司令や柿保飛行班長に対し
そんな不自然さにツッコミを入れてくれてたが
だからといって腑に落ちるものでもない。

ひそねの食料は?飲料水は?
ひそねの親族へ彼女のことどう伝えたのか…殉職?長期出張?

ひそねは生死不明なのに周りの関係者は呑気すぎ。
常識的には、可及的速やかに地面の掘り起こしとか
何らかのひそね救助を講じてると思うのだが...。

しかも財投と絵瑠の色恋の顛末まで描かれる。
ひそねが問題なく戻っていれば微笑ましいことだが、
戻ってないから不謹慎で釈然としない。

総じてほとんどのキャラは、いい味出てて魅力的だった。
しかし、ナツメというキャラだけは、
中の人の演技力の問題もありいまひとつパッとしなかった。

名緒の幾嶋への恋は、終わったようだが、
いつの間に?という印象でこれもパッとしない。

リリコスがキングダム(飯干)なら連絡先交換に興味がある発言は、
キャスト二人が夫婦であるゆえ、ちょっと可笑しかった。

OTF飛行班の解散も説明が足りない。
OTFは、パイロット不在でも単独飛行が可能と言うことなのだろうか?
これから74年後の次のマツリゴトまで、OTFはどう管理され生き続けるのか?

OTFの飛行は、犬の散歩のようなもので定期的に行わないと
体の冷却、ストレス発散など問題あるものと解釈して
OTFが生き続ける限りDパイは必要と思い込んでいたので
飛行班の解散は全く納得できなかった。

ファンタジーは、自由な発想の世界観であり
現実的な問題はある程度は放置されてもそれほど気にならないが
本作には自衛隊という現実的な組織があり、
キャラたちは日本の社会人として存在してる。
その場合、細かい所に現実味がないと白けてしまう。

これでは話が練れているとはとうてい言えないだろう。
せめてもうプラス1話で、ひそねの脱出にまつわる話が
丁寧であればもっと評価高かったと思う。
{/netabare}
<キャラクターデザインとメカニックデザイン>
{netabare}
昨今のアニメとは明らかに一線を画す、
思い切り簡略されたキャラクターデザイン。
これは、主人公と彼女に現場で直接絡む
同世代から中年未満限定で適応される。

この丸々とした感じ。
「小林さんちのメイドラゴン」の、
少し遠目になったときのキャラに似てる。

しかし、本作では顔がアップになっても、
キャラに鼻すらないことが圧倒的に多い。
肌は基本的には単調。女性は少し頬に紅が乗ってる程度。艶もない。
しかし目力だけはしっかりしているのが魅力。

そんなマスコットのようなキャラが、
岡田脚本らしい、人間の生々しいマイナスの内面をさらけ出す。
これが、普通の萌え系や精細な作画だったら、
この毒を受け止めきれず、いつものように
1話から違和感を感じていたかもしれない。
自分にはとって、どうやらこのキャラデザが
岡田脚本を受け止めるため功を奏したようだ。

かと思えば、モブキャラの整備士などや、中年以上の世代の大人全般は
リアル寄せの顔の輪郭になっていて、鼻や皺もそれなりに描かれる。
逆に目力が無く存在感は抑えられる。
そのおかげで、ファンタジーであってもリアル感が損なわれず
地に足が付いた感じがある。巧みな描き分けだ。

総合的に見ると、一見チープなようで、
よく考え込まれたキャラデザだと思う。

そんなキャラクターたちと、人の温もり溢れる水彩絵画的な背景が、
絵本のようなやさしい世界を作り出し、ファンタジー性を高めている。
音楽もそれに非常に合っている。

メカニックデザインは、キャラデザとの親和性を保ちながらも
F-15Jの離陸時など、行程と動作などに現実味があり説得力が大きい。
パイロットスーツもなかなかリアル。

1話を観終えてから、マクロスやアクエリオンシリーズでお馴染みの
河森正治氏がメインメカニックデザインということで、さすがだと思った。
{/netabare}
<キャラクターと声優>
{netabare}
プレスコによるアフレコらしく、
アフレコに合わせた作画はキャラに非常に感情移入しやすい。

<甘粕(あまかす) ひそね(2等空士→2等空曹) [TACネーム ひそね]> CV:久野美咲
搭乗するドラゴン(愛称 まそたん)は日本の主力戦闘機F-15Jに偽装される。

心の本音が声で駄々洩れになるというイタヒロイン。
1話からその悪意無き毒舌で、周りにいらぬ波風が...。
しかし4話になり、新登場の彼女以上の個性が強いキャラに囲まれるとイタさより可愛げが増してくる。
他のキャラの毒が意外にも、ひそねの毒を中和する効果があるようだ。

主役を演じる久野さんの声は、本作では花澤香菜さんに似てる気がする。
演技の幅も広く、キャラとよく馴染んでて安心できる。
久野さんのことは今まで存じ上げてなかったが、これから注目していきたい。

<貝崎名緒(かいざき なお)2等空士 [自称TACネーム セクシージャガー]> CV:黒沢ともよ
ひそねに第一の座を奪われたもののDパイ候補生としての資質は十分なパイロット。

1話から登場して、いきなりインパクト最大のキャラとなった。
以降ひそねとは、ある意味ゴールデンコンビになる。

思春期でもないのに、普通あれはない。ファンタジーなればこそのキャラ。
1話を観た時「ひそねとまそたん」より「ひそねとなお」のドラマの方が興味深くなった。
名緒にとって、ひそねとの出会いは吉とでるか凶とでるか。
本作でこのキャラがどうなっていくのか非常に楽しみになった。
4話まで観た後は、インパクトだけの出オチで終ってないどころか本作で一番好きなキャラになりそう。

「響け!ユーフォニアム」の久美子から注目するようになった黒沢さんだが
こういう毒を内に秘めたキャラはものすごく嵌る。

<樋本 貞 (ひのもと さだ)> CV:朴璐美
1話から登場。3話では台詞無し。4-6話は未登場。

基地に出入りするヤクルトおばあさん。
販売員なのに初対面のひそねにジョアをタダであげる気前の良さ。
出番も台詞も少ないのにいい味出てる。
こちらもファンタジーなればこそのキャラで、なんとも不思議な存在。
実はおばあさんは、ひそねのご先祖様の守護霊でした。
なんてオチがあったとしても、1話を観る限り納得してしまいそう。

演じてる朴さんは、2015年12月25日付官報によると
韓国籍から日本国籍になったそうな。
キャラの読みが、日ノ本に(母国を)定めた、と暗示してるよう。
偶然か故意か不明ながら洒落たキャラ名だ。
彼女が老年キャラを演じるとは実に新鮮。
2018年で46歳になられた朴さん。
いつもの男前キャラと全く違う味わい豊かな演技。
声優キャリアも20年目となり、そろそろ円熟期に入りつつあるよう。

<幾嶋 博己 (いくしま ひろき)> CV:諏訪部順一
2話から登場。4-6話は未登場。
パイロットスーツ開発の民間企業の技術者。

このキャラも本作のキャラデザでなければ、
笑えない存在だったかもしれない。
セクハラを通り越して、痴漢行為で逮捕レベルの振る舞い。
技術者というよりファッションデザイナーに見える。
「美しい」「素晴らしい」といった感嘆言葉を
フランス語、ドイツ語、イタリア語などの単語で表現。
口調と言い気障なことこの上ない。
そんな彼だが、名緒は彼に恋してるよう。

この手のキャラは、子安武人さんの方が十八番な気がするが
諏訪部さんの、バリトンボイスの演技は意外と嫌味がなく、
天然な変態感がいい感じで、これはこれでありと思えた。

<星野 絵瑠(ほしの える) 空曹長 [TACネーム ペンギン]> CV:河瀬茉希
4話から登場。福岡県築城基地所属Dパイ。階級は4人のDパイの中で一番上。
搭乗するドラゴン(愛称は ノウマ)は洋上迷彩の個性際立つ国産戦闘機F-2Aに偽装される。

Dパイの先輩として、ひそねに一番見込まれたのもの
有能そうで実際は不器用で思い込みが激しいキャラ。
ドラゴン虐待ともとれる、愛情が欠落した言動が痛い。
今後大きく成長していくのだろうか。

河瀬さんも久野さん同様、今まで存じ上げてなかったが、
これから注目していきたい実力者と感じた。

<絹番 莉々子(きぬつがい りりこ) 2等空曹) [TACネーム ジミー]> CV:新井里美
4話から登場。青森県三沢基地所属Dパイ。
搭乗するドラゴン(愛称 あけみ)は早期警戒機E-2Cに偽装される。

視線恐怖症。マイペースでコミュ力弱し。
彼女の地味子のイメージがTACネームの由来。

新井さん。こういう、リゼロのベアトリスのような
口数少ないアンニュイ&シニカルで観察眼鋭い役は最高です。
新井さんと言えば、レールガンの黒子の方が有名かもしれない。
しかし、性格が陽気な黒子よりこういう陰気なキャラの方が嵌る声優な気がします。

<日登美真弓(ひとみ まゆみ) 2等空曹 [TACネーム モーリス]> CV:名塚佳織
4話から登場。埼玉県入間基地所属Dパイ。
搭乗するドラゴン(愛称 ふともも)は中型戦術輸送機C-1に偽装される。

初登場の4話では、オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)を
頻繁に言葉にする癖があるように見えた。
(くんくん ぱっくん ごっくん がさがさ ぐしゅぐしゅ いそいそ)
また、おっとりで温和そうに見えるが笑顔の奥にある激情がちょっと怖かった。
動物に愛情を持たぬ者に向けられるそれ。
元動物園の飼育員らしいが、過去に何らかのトラブルがありそうにも見えた。
しかし5話以降、周りのDパイと打ち解けてきてからは、
おっとりさが上回り、それほど癖を感じなくなった。

名塚さんは、声優キャリアは来年には20年のベテラン。
演技の振り幅の大きい役を見事に演じられててさすがだ。
{/netabare}
<音楽>
{netabare}
本作は、オーケストラ主体の劇伴の存在感が大きい。
中でも、シンプルなピアノ伴奏の女声合唱曲が個人的にツボ。
サントラ欲しくなった。

・オープニングテーマ「少女はあの空を渡る」(2話から)
オーケストラ伴奏が作品のスケールを大きくしてくれており、天翔ける龍のイメージとドンピシャ。
岡田磨里さん作詞の歌詞も画面に表示され、じっくり味わいたい曲だ。
初めはメロディは地味に感じたし、歌声も素人っぽくていまいちかと思った。
しかし、聴くほどに心に染み入ってくる。
今では、不器用なヒロインの物語であるこの作品に非常に相応しいと思える。

・エンディングテーマ「Le temps de la rentrée ~恋の家路 (新学期)~」(2話から)

1966年のフレンチポップスのカヴァー曲。
オープニングとは全く違う独特な魅力がある。
踊る彼女たちの映像とよく調和してとてもお洒落。
Dパイの女性キャラたちがフランス語歌詞で歌う。
初見時はなかなかのインパクトで新鮮だった。
出来ればフランス語歌詞だけでなく日本語訳も表示してもらいたい。

話数によってボーカル組み替えあるのがユニーク。
(ひそね×名緒、絵瑠×莉々子×真弓など様々なバージョン)
2-4話は、上記の組み合わせでユニゾンのみだったのが、
5,6話ではハモったり、7話で莉々子のソロになったりと
遊び心があって飽きない。
{/netabare}
★ 第2話「ドラゴンの名前はまそたんにします」(脚本:岡田磨里)
{netabare}
<今回は名緒が主役。彼女のポンコツさに萌える>
精神年齢も見た目も小学生レベルの彼女。
嫌がらせでおかずを取り換えるなら、大量のわさびを仕込んだものにするとか
他に効果的な方法はいくらでもありそうなものだが、メンチカツをコロッケにするだけという…

相手を寝不足にする作戦も、自分の好きなもの聴かせてたら逆に自分が眠れなくなるという…

そんな間抜け具合が絶妙で癖になる。

ひそねも大概で、普段はあれだけ他人に辛辣なのに
名緒にだけは、なぜかすべてを好意的に解釈。

結局どっちもチョロインで似た者同士。
実は相性とっても良さそうなのが微笑ましい。

幾嶋に♡マークの名緒のレポート。静止画でじっくり読ませてもらった。
胸から下がマシュマロマンみたいなパイロットスーツの試着の、もこもこな感想で可愛い。

名緒は、ひそねの前ではヤンキーに、幾嶋の前ではミーハーちっくな乙女と、そのギャップがまた可笑しい。

また、ゆりかごから墓場までウエルカム、なんて言って何気にセクハラしてるF-15Jのパイロット、財投一尉。
こんなん、現実にいたら空自の信用問題になりそうだが、なんとも憎めない。
{/netabare}
★ 第3話「責任とってくださいよ」(脚本:小柳啓伍)
{netabare}
第1話でオール4にした評価を、今回でキャラ、作画、音楽をそれぞれ4.5で更新します。

どんどん話に引き込まれていく。

脚本が今回、岡田さんじゃなかった分、
若干キャラの毒が薄まっていい塩梅だった気がする。
それとも単に作品に慣れただけか。

今回の作画は、F-15Jの飛行シーンの拘りが素晴らしい。
大慌てでトイレに駆け込むかのように
ドリフトして格納庫に飛び込むまそたんが愉快。
また、ひそねや名緒は相変わらず表情豊かで可愛い。

財投一尉も、女性キャラを振り回すサブキャラクターとして定着してきた。

スロープ、キャッスル、ロング、イール…。
そう言えば2013年のドラマ「空飛ぶ広報室」で主人公の空井のことをスカイと呼んでたような。
今回、TACネーム(以下TN)の事、初めて知った。
色々、空自のこと調べてみたくなる作品だ。

ただ、前回から感じてる少々残念な点は、台詞が割と長いセンテンスを早口で、
時には空自の専門用語など入ってたり、台詞と台詞がぶつかり合ったりと、
字幕が無いと聴き取りにくい場面が多いこと。
音響監督さん、音量バランスにもっと配慮して台詞を聴き取りやすくして欲しい。

<2017年11月19日 8:30-15:00 岐阜基地航空祭 に向けて>
その1:名緒はひそねを超えられるか

「(Dパイ)補欠として輝ける場所を見つけた名緒さん、尊敬します」
「私は名緒さんに対して一定の評価をしただけなのになぜ…」
「これで貢献出来てると思える名緒さんが羨ましいです」

ひそねの悪意無き直球言葉に名緒は免疫ゼロ。
顔真っ赤になって襲い掛かっても、全く動じず、どこ吹く風のひそね。
最早、単にスキンシップしてるかのような二人。
天然なひそねに、結果としていいように振り回されてる名緒が面白い。

名緒の製作した本人似のダミーパイロットは、意外な所でショーに貢献。
しかしあれでは、名緒はひそねにこれからも当分勝てないような気がする。
首無しパイロットの帰還をどう誤魔化したんだろう?

その2:ヒソネはフォレストを超えられるか

Dパイ(ドラゴンパイロット)の前任者、森山元二尉(TN:フォレスト(森))登場。
現在のひそねの上司、柿保(かきやす)飛行班長(TN:パーシモン(柿))の後輩。
森山は3年前に引退し、今は男児一人に恵まれた主婦。
元ボンキュッボンも今では母親らしくボンボンボン。
航空祭当日に子連れで基地に訪問。

彼女とひそねの絡みで人間ドラマの深みが増した。
フォレストとパーシモンの過去のドラマも観てみたくなった。

今のフォレストとパーシモンのお互いを理解できてるような良さげな関係は、
将来のヒソネとヤンキー(名緒のTNと言ったら取り合えずこれ)の
関係を暗示してるような気がする。

<まそたん、君ってきっといい奴だ>
今回でまそたんは、とっても賢く洞察力があると確信。

他の機体の不調を見抜き、人の気にも敏感。
航空祭の大勢のギャラリーの気は、そんなまそたんには負担が大きい。
萎縮するほどの大きなプレッシャーになるようだ。

今回まそたんがそんなプレッシャーに勝てたのは、
ひそねのマジレッサー度がマックスになった時だった。

もしかすると、オスカー(まそたん)が3年前にフォレストを乗せなくなったのは、
彼女が妊娠してると気付いて母体を労わったんじゃないか。

ナイーブなのは、まそたんもひそねも名緒も一緒な仲間。

ひそねとの交流から名緒も脱皮して、まそたんに受け入れられる日もきっと来る。
今回、そんな予感がした。

次回、いよいよEDで踊ってる他のDパイ3名も合同訓練のため岐阜基地に集結。
どんなドラマが生まれるか非常に楽しみ。
{/netabare}
★ 第4話「ヤツらが岐阜にやって来た」(脚本:和場明子、岡田麿里)
{netabare}
面白さがターボで加速しました。
それはまさに今回、ひそねとまそたんの、
F-15なのにガツンとロケット打ち上げシーンのよう。
物語の評価を4.0→4.5で更新します。

<濃すぎる面々によるIt's Show Time!>
ひそねのボケ、名緒のツッコミは相変わらず楽しい。
このお笑いコンビに拍手喝采を!
財投一尉のコメディ要員としての株も上昇中。
そこに、新キャラの3人のDパイ参入。

<Dパイ勢揃い(4人+1人)。その化学反応は一体何をもたらすのか>
今回の新キャラの三者三様の個性の強さは、生みの親の岡田さんの真骨頂。
誰もが一筋縄ではいかない内面に毒持つ印象だった。

今回初登場の3人のDパイ
1.ペンギンは、ギスギスなヒーローコンプレックスの持ち主。
2.モーリスは、円満具足のようでメンヘラっぽい部分もちらほら。
3.ジミーは、見たままのネガティブ思考の根暗。
 しかし常に冷静で観察眼鋭そう。
 また人を食ったような掴みどころがないキャラで、
 実は5人の中で一番強かなメンタルの持ち主な気がする。
(今回は、バカボンのレレレのおじさんを思い出す、トゥルルル走りが最高だった。)

そこに、ひそねの天然な毒舌家、名緒の裏表のないツッパリ性格が加わる。
さて、混ぜるな危険で終わるか、混ぜたら最高の妙薬に生まれ変わるか。

飯干事務次官という謎のキャラも最後に登場。
そして気になる新たな謎の提示…ドラゴンが嗅ぎ分ける適正者のたった一つの共通点。
それは、銘菓「白い恋人」に例えられたが、その心は?

次回も、彼女たちから目が離せない。

<ツボに嵌ったひそねの今回の名(迷)言集>
「動物的勘で生きている名緒さん、TACネーム セクシージャガーには必要ない話かもしれませんが…」
「F-2をポンコツと呼ぶなら星野さんご自身もポンコツということで」
{/netabare}
★ 第5話「スキ好んで嫌われたい人なんていますか?」(脚本:和場明子、小柳啓伍、岡田麿里)
{netabare}
今回、ひそねとペンギンの、お互い独り言なのに会話として成立してる浴場シーンが最高に可笑しかった。
さらに、脱衣の置き場所も、こいつらどんだけ気が合うんだ、と。
財投は今回、スケベとその報いぶりがルパン3世っぽく見えて笑える。

<心に白の空白を持つ少女たち>
だからって、”白い恋人”と絡めるのは、こじつけっぽくてちょっと肩透かし。
しかし、お菓子シリーズはしばらく続くのか、今回は”かもめの卵”登場。
OTFによって孵化しなければならないものとは?
もう答えはどうでもよく、次回も何かお菓子に例えるのか、
どのお菓子が出てくるのか、そっちの方が興味深くなった。

ところでそのお菓子シリーズをネタにして謎を振りまいてる
飯干事務次官役の下山吉光さんは、ジミー役の新井さんとご夫婦。
今の所、直接やり取りするわけではないので収録は別のタイミングと思われるが、
今後会話するなどタイミング一緒で、夫婦共演が実現するといいな。

<名緒が、まそたん乗りになれなるためのヒント>
他のパイロットを観察すれば自ずから発見できそう。

照れずに強がらず素直に、愛情と、
自らの弱さも赤裸々にさらけだす様な感情表現が肝のような気がする。

名緒が一度まそたんに飲み込んでもらえたのは、
泣きじゃくって子供のように、弱気な感情表現を素直に出来たからだろう。

例えば今回、ひそねが愛する者を舐めまくる姿は飼い犬のよう。
名緒もそれぐらい愛情を素直に表現できれば、
まそたんに意外とあっさり受け入れられるのではないか。

しかしひそねは、ちょっと行き過ぎてて滑稽。
ご主人?の名緒と片時も離れたくないようで
まさかのアレをミッション先に持ち込む始末。
いかにも名緒がしゃべりそうな台詞を真似て
ちゃんと会話を自己完結させるという、
もはやイタコ芸(相手は生きてるけど)。

とは言え、ペンギンがF-2Aに受け入れらたのは
心に白の空白を持つ+別なαの理由だろう。
その理由が判明するようなF-2A組の過去の交流エピソード、
これから描かれると期待したい。

さて今回は、ペンギンの考え方の問題がネックで
4人のDパイの団結は阻まれている感。
この無人島脱出ミッション、
どうやって達成するのか予想しにくいので次回も楽しみ。
{/netabare}
★ 第6話「君の名前を叫ぶから」(脚本:小柳啓伍、和場明子、岡田麿里)
{netabare}
Dパイの絵瑠を除く3名は、お互いニックネームを付けあい
徐々に打ち解けてきた。

今回は、絵瑠の過去も描かれようやく感情移入できた。
そして彼女の成長が垣間見えてよかった。

しかしキャラとしては、莉々子(リリコス)の有能ぶりが際立った。

色々と他の気付きを促す彼女。
一人、他とは別なテンションでぼそぼそ呟いたり、
時に「ババーン」と叫んだり、
舞台俳優のように大げさに発声したり…
中の人、新井さんの演技は、
独特のイントネーションで台詞の緩急のつけ方が巧く、
絶妙なキャラ付けを成し遂げた感あり。
{/netabare}
★ 第7話「恋する王国」(脚本:岡田麿里)
{netabare}
岡田さんの、2話以来の久しぶり単独脚本回。
2話では「盗んだバイクで走り出す」(15の夜/尾崎豊)、
今回は「必ず最後に愛は勝つ」(愛は勝つ/kan)など
岡田さん世代には忘れられない20世紀の名曲の歌詞の一部を
分かる人にはわかるように台詞の中に挿入する遊び心が楽しい。

Dパイの内、ひそね、絵瑠、真弓に
見事なまでに恋愛カップル成立のフラグが立った。
Dパイを続けるには恋愛はご法度。
この三名にとっては、ある意味最大の危機到来といったところか。

また色恋絡みのエピソードを免除された莉々子(リリコス)。
彼女は前回以上に存在感が増した。
彼女がキングダムマニアとは、
イメージぴったりで原作チームはよく考えたものだ。

リリコス(新井さん) × 官僚(下山さん)の、
キャストが夫婦のやり取りは、さすが息がピッタリで楽しい。

ここまで毎回ずっと、毎回実在のヤクルト製品、銘菓、漫画など
作品に登場していて常に現実との架け橋があった。
だからファンタジーであってもどこか地に足のついた感じがするのだろう。

また、ヤクルトおばあさんに、さらなるミステリー要素アップの今回。
次回の前ふりも含め、おばさんに、DパイOG疑惑発生。
そう言えば、前回で4人の夢の中に共通して現れた
第二次世界大戦中のDパイはヤクルトおばあさんの若かりし頃に見える。
さてさて実際はどうなのか、それは次回のお楽しみ。
{/netabare}
★ 第8話「期間限定!激辛おばあさん味」(脚本:小柳啓伍)
{netabare}
OP楽曲変更(少女はあの空を渡る→少女はあの空に惑う)
新たなキャラ登場で新章突入。

今回から、劇伴含め神道カラーが濃厚になり
OTFの歴史は、神祭りを専らとする人々より
影から支えられていたことが判明。

事務次官を名乗っていた飯干は、
実は神道の祭典・儀式などを司る式部官だった。
さらにOTF機付長(整備責任者)の小此木空士長も、
実は神祇官大副が正式な役職で祭祀遂行の実務者だった。

<岐阜の異機種大編隊作戦 (仮)>
OTFの総元締めとされる超大型のミタツ様。
普段は眠っているが、その臥所(ふしど、寝所のこと)を変えるため
74年に一度、周期的に目覚めて新臥所まで長距離を移動されるらしい。

訓練で使われた無人島は、なんとミタツ様そのもの…その大きさは圧倒的。
しかもその訓練の真の目的は、長き眠りのミタツ様を起こすためにあった。
ミタツ様が主宰神なら、まそたんたちはその眷属といった感じか。

今年、現状の現臥所の日本海上から、
三日三晩掛けてゆっくりと岐阜北部の山間部へ向かう予定らしい。
移動先を間違うと移動先に大災害が訪れるので国家事業の大プロジェクト。
既にお馴染み4体のOTFは、そのエスコートが最大の任務であり、
そのマツリゴトと呼ばれる神事遂行に欠かせない存在。

謎だったヤクルトおばあさん、樋本 貞は、
大方の予想通り元Dパイ(旧陸軍の航空隊所属)。
前回の神事を成し遂げた現状唯一の生き残り。
関係者からは、尊敬を受ける立場だった。

貞は、Dパイの教育係として岐阜基地内に赴任。
マツリゴトは3か月後に実行予定。
その本番に向け現役の4名のDパイは、
映画にありがちテンプレ米鬼軍曹風の貞の厳しい指導を受けることに。

<新キャラ、三角 棗(みすみ なつめ)登場>
今回のマツリゴトを支える6人の巫女も岐阜基地に派遣。
その一人ナツメは、小此木と旧知の仲のよう。
中の人は、主題歌を歌う福本莉子さん。
本作が声優デビューらしい。
これからどんな形で話に関わるのか、今の所全く不明。

今回は、ファンタジー感がさらに増し増し。
予想のはるか斜め上の展開に実にビックリです。
その反面、コメディ要素は激減でした。

キャラたちの恋の行方は興味深いし、結末も予測不可能で面白い。
ですがちょっと寂しいのは、本筋に飲み込まれて
6話からずっと名緒の存在感が希薄になりつつあること。
一番好きなキャラなので今後に期待です。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

期待を裏切るでもなく期待通りというわけでもなく。

<2018/6/29追記>
最終回観終えました。
ラスト1話で謎の盛り上がりを見せましたね。
映画的な盛り上がり。
良かったです。

でも印象は1話を観た時からなぜか変わらず
「変わってんなぁ、これ」
「話がうまくハマれば凄いかも」
「でもハマらないと・・・」
その印象が最後まで変わらず結局どちらでもないような
うまく書けないけど

でも素直に面白かったです。
傑作かと言われると?ですが
でも面白かったです。
なんとも不思議な、そんな感じ。。

なので評価さらに引き上げました。

<2018/4/30初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3です。

タイトルから気になっていた作品。
とりあえず一話観ました。

絵柄は好き
自衛隊と竜?という組み合わせのアイデアも面白い
飄々とした台詞回しも好み
デザインはokamaさんなので安心
メカデザインも大御所なので安心?

気になるのはオリジナルだということ。
ストーリーはボンズと岡田麿里さん。
オリジナル作品ではどちらも(悪い意味で)定評のある組み合わせ。
もちろんボンズも岡田さんも素晴らしい実績あります。
ヒット作は数知れず。
ですがオリジナルだと「掴みは凄い」のに「広げた風呂敷を畳みきれずに尻切れとんぼになる」印象があります。
どちらも。
(※あくまで個人の感想です)

監督さんの腕次第という気がしますが果たして・・・

というわけで、素材は良さげなので上手くハマったら凄く好きな作品になりそうな気もしますが、裏切られる可能性も否めないのでタイトルは「ギャンブルです」です。

期待しすぎず、ハードル下げて、のんびりゆったりした気分で楽しみたいと思います。

ところでひそねさん。
なんとなく「日常」の阪本さんに似てませんか?

<2018/5/27追記>
第7話まで観ました。
丁寧に作ってるのに肩の力が抜けてるのがいいですね。

7話までいったのでとりあえず中間評価です。
絵柄やお話、音楽やキャラクターどれも個性的。
EDは特にクセになる。
調べたら「夢見るシャンソン人形」の人の歌なんですね。
フランス・ギャルという人だそうで。
フランス・ギャルさんのことも調べました。
「ギャル」は本名の苗字なのだとか。
日本だったら「日本・田中」みたいな芸名。

それはそれとしてあの謎なダンスも含め私の中では今年一番病みつきなEDになりました。

というわけで中間評価は「4.3」

ところで7話はキングダム!
こんなとこでキングダム!
なぜ? 笑

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41

64.4 12 成長でコミカルなアニメランキング12位
でこぼこ魔女の親子事情(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (83)
265人が棚に入れました
ひとり森で暮らす魔女のアリッサは、ある日人間の赤子を拾う。 戸惑うものの、ビオラと名付け、赤子を育てることにしたアリッサ。 そして16年後、ビオラはアリッサの想像を遥かに超える成長を見せ……って、成長しすぎー!! 容姿が逆転した親子のでこぼこドタバタコメディここに登場!!
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