2017年度のロボットおすすめアニメランキング 15

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2017年度のロボット成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の2017年度のロボットおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.8 1 2017年度のロボットアニメランキング1位
ナイツ&マジック(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (775)
3963人が棚に入れました
凄腕プログラマーにして重度のロボットヲタクの青年が転生したのは、巨大ロボット『幻晶騎士=シルエット無いと』が大地を揺るがす騎士と魔法の異世界だった!?
エルネスティ・エチェバルリアとして生まれ変わった彼は、豊富なメカ知識とプログラマーの才能を活かして、理想のロボット作りをスタート。
だが、その行動が予期せぬ自体に発展して…!?

ロボットヲタクの野望が、異世界を変える!!

声優・キャラクター
高橋李依、大橋彩香、菅原慎介、内匠靖明、興津和幸、伊藤静
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

敬愛する偉大なる指導者エル同志の輝かしき軌跡

まずお断り、異世界転生に対してのスタンス
{netabare}昨今異世界転生ネタが溢れ返り、その反動か最近世間では排斥の流れになってるような気がする中のこの作品。
因みに個人的には異世界転生自体は否定も肯定もしません。
それより問題は、転生した先で(前世の記憶を使って)白人酋長モノをやり──白人酋長モノ自体も悪いことではないのが厄介なトコで、マズいのは“蛮族(原住民)どもが理由もなくありえないくらいアホに描かれる”ことにあるかと。
ここでいうアホってのは「いくらなんでもそれじゃ生活すらできないだろ」「○○があるなら××が開発されて然るべきなのにそれ無いの?」といった無茶な設定のこと。
最近ヒットした作品でいえば“けものフレンズ”も広い意味では白人酋長モノ。
けど、フレンズ達があそこまでアホでも不自由なく生活ができる理由は作中でしっかりと描かれ、だからこそヒットしたとまでは言わないけどヒットの一助にはなったと思います。
ここら辺マトモに描けない限りは無茶な白人酋長モノ、ひいては異世界転生モノはひとまとめで白い目で見られるんじゃないかな~?{/netabare}

1話見ての感想
{netabare}さて、で、この作品はそこら辺大丈夫かなー?と思いつつ見たワケですが…
転生は転生だけど、前世で何か悪いことをして・アホなことをして死んだワケではない、というのは高評価。
(いやぁ、前世で悪さしたヤツが転生先で反省も改善もせずただ無双するだけの作品があったもので…ああいうのやるから転生モノが疎んじられるような…)
なにやらダイジェストっぽい急ぎ足感が物凄いけど、これは良いのか悪いのか判断に迷う。
序盤丁寧に話を進めて終盤詰め詰め・ないしは放りっぱなしで終わるよりはマシかなぁ?と。
2話以降は普通のスピードで展開する…んだよね?
とりあえず1話だけではまだ本編って感じではないので、まだ様子見~。

で、別に異世界転生を否定する気はないと書いておいてアレなんだけど…。
召喚と転生は違う。
召喚ならお互いの世界を行き来できるけど、転生は一方通行かと(無茶な設定組めば行き来できるだろうけど)。
つまり、折角異世界巨大ロボを出しておきながら…

東京上空※は期待できない

うわ~ん、それは残念だーーーっ。
原作知らんけど無いよね?そういう展開…。


※東京上空
ダンバインの16話、並びに18話までの1連。
ロボ好きなら見るべき。{/netabare}

5話までの感想
{netabare}ダイジェスト風なのは1話だけかと思ったら2話もそうでちょっと驚いた。
まさかずっと最後までこんなスピードで展開してくんじゃ…と不安を覚えたけど、3話でようやく普通の展開スピードになってひと安心。

が…しかし、だ。
別の部分での不安…そっちは案の定的中し始めて、なんかイヤ~な予感に。
まず、君主制で、国家機密に関わることを趣味なんで教えてくれと王様にお願いする…。
あの、さ。
北朝鮮で、キムなにがしにあんたんトコの国家機密教えてよ、趣味なんで、と、言えますか、と。
それが自国民であろうと、武勲を上げたのであろうと、趣味よりもまず最初に国(首領)への忠誠を誓わなきゃアカンちゃいまっか、と。
他の国との関係がどうなってるか不明だけど、国家機密を餌に亡命するんじゃないか、他の国でもっと詳しく機密を教えてあげるよーと言われたらさっさと裏切るんじゃないかと、そういうの疑われるんじゃないの?と。
まぁここら辺は、ロボ至上主義というキャラ立てを優先するか世界観(雰囲気)を深めるか、どっちか選択を迫られて前者を選んだんだろう、と好意的解釈はするけど、折角「ああいう世界」を舞台にしたのにその雰囲気を大事にしないってのは、なんだかなぁ。

それともう一点、気になったというか気付いた個人的に大きなポイント。
試作機のアームについて。
折角前世があるのだから、「前の世界であった〇〇ってアニメの××ってロボのデザインを参考にしました」とすれば良いのになんでしないのだろう?という違和感が発端。
アシュラテンプルが脳裏をよぎって「あ、あれをやってみよう」と思い付くでいいと思うんだ、前世の記憶があるという設定を生かすならそうしたほうが良くね?と。
エルガイムでなくオリジナル(作中作)でもいいからさ。
そのアイディアが異世界で賞賛されるのはまだいいとして、せめて当人は「これって本当は〇〇(メカデザイナー)のアイディアなんだけどね」と心の中で思わせとこうよ、と。
で、そこで気付いたんだけど…。

先人が発明・開発したアイディアを、著作権や発祥の追及が及ばない異世界に持っていけば、自分の手柄にできる

転生モノ…特に最近流行ってるダメな異世界転生モノってこれが根底にあるんじゃ?と思ったり。
そうねぇ、例えば異世界に転生してペニシリンを広めてその世界を救い英雄だと崇められたとして、転生した当人(自力で発明したワケではない)はフレミング博士に感謝しないってのは…どうなんだ?
あ、そういえば他アニメでは転生した異世界で将棋を出して賞賛されてたけど、「それ、お前が考案したんじゃないよね?」という感覚。
発明・開発した先人(個人が特定できないものも含め)にリスペクトが無いっていうか、ただの盗作じゃーん、と直感的に感じ、それが不快感や違和感として現れるんじゃなかろうか。
「発想はあったけど技術的に無理だった」ではなく「発想自体主人公様が考案しなさった」だものなぁ…。
そんな目的のために転生ネタをやってるのだとしたら即刻辞めて欲しい、筆を折って欲しい。
繰り返しになるけど、せめて「いやぁ~、これ発明した人には頭が上がらないや」と心の中で思う、ただそれだけでいいのにそれが無いってのは、どうなんだ。
で、更に考察を踏み込んでみた。

そもそも先人に対しリスペクトがあるならあんな雑な異世界書いたりしないだろ、と

ああ…。
なんか凄く自分の中で納得できちゃった。
↑で書いた王様に対する振舞いも納得。
しっかしこうなってくるとエルは「盗作でイキがる主人公」にしか自分には見えず、この印象が覆ることは今後あるのだろう…か?{/netabare}

7話までの感想
{netabare}ラボのじじいをコテンパにしてぐぬぬさせる内容でなくて良かった。
「なろう」ってんで何でもかんでも下に敷かないと気が済まないものだと思ってたので正直意外。
また、ダイジェスト気味であるため細かい点で「それっておかしくね?」と思うことがあっても「アニメでカットされてるだけなのかもしれない」と意識が働いてツッコミにブレーキがかかる。
これは褒めるべきなのだろうか?ダイジェスト調であるための功名というか…。

と、褒めたところで敢えてツッコミ。
どうしてもプロマキスと比較してしまうため脹脛(ふくらはぎ)にダクトが無いと物足りなく感じてしまう。
以前も書いたけど国を左右するような新兵力を開発できる人間に騎士団与えるなんて、どうぞクーデター起こしてくれと言わんばかりで「なんで?」と不思議なのだが…。
文字通り基地外に刃物なワケで…ショットウェポンだってドレイク殺そうとしてたんだぜ。
実際ディクスゴードに詰問されたのはそれを疑われてのことだと思うのだが、その報告(出世欲は無くメカ開発以外眼中にない)は国王に伝わって、しかもそれが全面的に信頼されてるってことなのかな?アニメではカットされてるだけで。
じゃあ逆に、メカ開発を阻むようなこと──例えば開発費渋るとか理念に反する発注をするとか、そんな時に暴発はしないか?って懸念事項もカットか?
開発費渋られたので反乱起こす、資材(資源)欲しさに略奪に向かう、工夫は奴隷で死んだら取り換えればいいと言い放つ等、やってくれてもいい気がするんだがのう。
「ロボ以外興味の無いキチ」としての狂気っぷりがイマイチというか、周囲から危険視されるかも?というスリルがな~んか足りない。
さすがに騎士団にお目付け役や監視を忍び込ませてるんだろうと思ったけど、それもカットされてるだけかな?(一応内通者みたいのは居る?)
エルの開発機は稼働時間が短いという共通した弱点がある、ってことだと思ったら、その弱点カバーすることなく前王と王子の専用機作成とな?
ラボのジジイと共同開発ならまだ分かるんだけど…これもカットかな?
その二機の製作コストどうなってんの?ってのもカットか(FSSのKOGだってラキシスにリクエストされた時ソープは青ざめたハズだが)。
エドガーの白い機体が何百年と補修を続けて原型を留めてないって説明から、型は旧来のものであろうと新たに一体作るのは大変な世界と認識してたのだが…ポンポン新型作っちゃって、あれー?
まぁこれは「ボクのかんがえたてんかいとちがう」の範囲になっちゃうけど、まずはスクラップを寄せ集めてキメラ機体を作るのを期待したんだけどねぇ。
それやらんでなにがロボヲタなんだろう、別アニメの感想でも書いたけどアトールVは憧れロボだと思うのだが…今後そういうの出るのかな?

今やってるアニメでいえば“バチカン奇跡調査官”のローレンのように「倫理観の欠如した天才は危険」って認識ははごく当たり前だと思うのだが、それが何の障害も無しにホイホイ願いを叶えてくだけってのはどうなんだろう。
主人公はキの字と描いておきながら周囲は常識人扱いしてるのがどうにも違和感。
王様=無尽蔵にお小遣いをくれるお母さんで、未来は絶対成功する運命を付与されて転生したってことで見るのがいいのかな。
エルの開発した新技術によって多くの人が死んでも意に介さない…のかねぇ?さすがにその問題くらいは触れて欲しい。
それ以上に魔獣を倒せて多くの人を救ったからノーカンってなったりして。{/netabare}

8話感想
{netabare}恐らくダンバインの影響だろうけど「魔獣の死骸の扱いはどうしてんの?」ってのは前から気になってた点。
魔獣結晶なるものがエンジンの材料になると明かされて、ああやっぱり回収してるのね、と納得…するかい!
じゃあ前もってそういうシーン描いといてくれよう。
高価で取引されてないの?それ専用に魔獣狩るハンターとか居ないの?
それとも材料になること自体が秘匿されてる?
そうであるなら回収作業してる工夫を映して「全くこんなの集めてどうするのやら」「お上の考えることは分からねーぜ」「おい余計なことは考えるな」みたいな会話でもさせといてよ、前もって。
なんつーか唐突というか、今思いつきました~みたいでガックリする。
原作ではどうあれ先の展開を知ってるアニメスタッフはそういった「仕込み」が出来たハズ…これの手を抜くと異世界スマホと変わらなくなるぞ?
ってか予算や工期よく分からんままポンポンと新型作りまくりで、すっかりスマホと変わらんなぁと思い始めてます。
主人公ヨイショもなぁ…社会貢献を目的に働いてるでもないのに嫌うキャラがどこにも居ないってのはなかなかキツいもんだなと思い知らされました。
やることなすこと全てが良い結果に繋がる未来が約束されてる世界って、個人的にはなんか物足りない。

ところで、主人公はロボットオタクと謳われてるけど、どうにもそんな気がしない。
どっちかというと「ロボ好きな自分が好き」かと。
↑でも指摘したけど、ホントに好きなんだったらやっぱり「〇〇作品の××って台詞」をつい口走ってしまうとか「〇〇の主人公はこんな時××と判断した」みたいなのが無いと、な~んかねぇ…。
別にパロディやれってことじゃなくてね。
元の世界の作品が全然出てこないので転生の意味が宙ブラリンになってるような?{/netabare}

9話感想「作劇の都合で大人と子供を使い分けないで」
{netabare}あれれれ。
これまで他国との関係が詳しく明かされてなかったので言わずに居たのだけど、これってやっぱり危惧してた方向に行っちゃうのかな?
エルの行く末って「死の商人」にしかならんちゃう?
こんな調子でずっと成功を収め続けていったら──世界(作者)から「こんな冒険(成功するのは確定)ご用意いたしました」という介護の手が止められたら。
色んな国にロボをバラ撒いて、それで戦争させてほくそ笑むしか欲望を満たす手段は残らない。
ロボットアニメなんかでよくあるじゃん?…といいつつ自分が思い浮かべられたのは一番最近のでもアルジェヴォルンになってしまうのだけどサ。
キベルネス社が開発したユーリンクシステム搭載機をどっちの陣営にも配ってたじゃーん?
ロボヲタだったら当然そういう話も知ってて然るべきだと思うのだが(※)。

つーかさ、子供の頃社会科見学で消防署とか行ったことないかな?
ハシゴ車だったり放水車だったりを実演で動かしてさ、子供達うおおーと喜ぶの。
けど署の人最後にこう言うんだよね。
「これらが活躍しないのが一番良いことだ」って。
エルも、成功して成功して成功して…終いには世の中平和になっちゃって、それでも尚新たに開発したロボ動かしたい戦わせたいってなったら、後は語源通りのマッチポンプしか残ってない。
自分の開発した技術(これも疑問だが)で多くの人が死んだハズで、そこでハタと気付かない・逡巡することがないのであればそうなる未来しか見えない。
もうね、なに笑ってんだ?って感じ。
そうさなぁ、“鉄のラインバレル”の序盤、主人公が調子乗ってる最中のソレと同じに見える。

そういう話ならそういう話で構わないのだけど、だったら悪人っぷり?狂気っぷりを前面に出してくれよと。
「戦争起きたらロボ活躍できるぞやったー」とか「自分達だけ強すぎてもつまらないですからね、技術が盗まれなかったらこちらからリークするつもりでしたよ」とかさ。
そして周囲の人間がドン引きすること。
「常識人」と「メカヲタでトチ狂ってる」のとの使い分けが都合よすぎる。
「自分の都合で大人と子供を使い分けないで」って言葉知らんかな?…作劇の都合って辺り更に悪質なんだが。
ただの無邪気なガキなだけだったらまだ看過できたけど、転生設定が足引っ張りまくってる。


※印部分についてその後ちょっと思った。
ひょっとしてエルの前世って「作品は全然見てないけどプラモだけ買ってた」って可能性は…ある?
そうであるなら上記の突っ込み部分は解消される。
とはいえ、一端の社会人だった記憶があるクセにそこに思いが至らないってのはどうなんだか。


訂正
本文とタイトルに「作者の都合で~」と書いてしまったけど、これだと「原作者」を指してるように受け取られそうなので「作劇の都合で~」に訂正しました。
原作者はこの場合あまり関係ありません(原作読んでないし)、もし原作がそうであったとしてもアニメで改正は出来るハズですんで批判の矛先はアニメスタッフになりんす。{/netabare}

10話感想
{netabare}OPどうした!?
前回SEが追加されて「ああ、こういう手直しってよくあったなぁ」と思ってたら今回は更に手が入ってまして。
そりゃアンタ…ロンリーウェイって叫ぶだろ!
叫んじゃうだろおお!!??
なんだこれ、なんでいきなり?

と、いうか、↑で書いた突っ込み。
前世でどんな作品がやってたのか全然見えてこない→転生した意味薄くね?って部分。
所詮はオッサンのたわ言で歯牙にもかけられないものだろう、と思いつつも書いてたワケだけど、こういうのやっちゃうと逆に引き立たない?
今まで気付いてなかった人に気付かせてしまうというか。
で、懐かしくなって検索かけてみたらOPのセリフ集見つけて、ああやっぱりヤバくね?と思うことに。

エイジ「僕はもう合理的な殺人をする機械に乗るのはまっぴらだ」
ゴステロ「たまらないなぁ人殺しというのは(歓喜)」

うん、だから既存のロボアニメなんてこういうテーマよくやってるんだって。
エルが知らないのは百歩譲っていいとして、エル自身の行いはエイジとゴステロどっちだろーねぇ?っての考えるキッカケを制作者がワザワザ用意しとらんか?
いいのかのう…まさか敢えてそうしてる?

ところで前回の感想でアルジェヴォルンしか思い出せないと書いたけど、もっと最近の作品で該当するのを思い出しました。
マクロスΔ…のベルガー(藤原啓治が途中までやってたやつ)、あれなんかそうだね。
で、ベルガーが無双して賞賛されるだけの作品見て面白いか?と言われれば…ねぇ。
まぁそういうこと。
う~ん、OP楽しめたからそれで善しとする…のか?{/netabare}

全話感想「「躁病が人殺しの道具を作ってはしゃいでるだけ」←こういうのが好きなんでしょ?」と言わんばかり
{netabare}ダイジェスト調な作りのため「これおかしくね?」と思う部分があっても「原作ではちゃんと説明されてるけどアニメではカットされたんだろう」という可能性があり、正確な評価がし辛いなぁ~ってのは↑で書きました。
で、ちょいと見方を変えてみた。
「アニメスタッフが強調したい部分をピックアップして作ってる」って前提で見てみよう、と。
スタッフがこの作品のどんな部分を「ここが面白いんだよ」と思ってるかどうか。

ひょっとひねくれた、メタな考えだとは思うのだけど…
どんな糞だと思う原作でも「これをアニメ化したまえ」と渡されたらそれをどうにか売れるようにと最善を尽くすのがプロでしょう。
その場合「なんでこの原作が売れてるのか」を分析し、「ああ、こういう所がウケてるのねー」ってのをピックアップしてそこを強調したり、テレビ視聴者にも違和感無いようにアクの強すぎる部分は削除したり。
というかね…これ書くと問題発言になっちゃうのかね?

アニメスタッフはこの作品を面白いと思ってなさそう

面白いんだ、面白いハズなんだと自己暗示かけてる人も居るだろうけどさ。
「全然面白いとは思わないけど今こういうのがウケてるらしいのでそれやってみました、仕事だし」って印象をなーんか感じてしまう。
もっと酷い言い方をすると「気付いてくれよ、これ糞だぜ」というメッセージを発してるというか。
エマーン人もビックリな生産能力やレイズナーパロOPで「ひょっとして…」と薄々感じ、11話でエルが敵の王子に寝返りを持ち掛けられた時の返答でほぼ確信しました。
抜粋すると…

「貴国のシルエットナイトの開発製造に関する全権、および流通を管理する権限、加えて全ての騎士団の優先指揮権
実際に僕は国王陛下の代理人として開発製造に関する命令権を持っています
そもそも基礎開発の大半は僕が陣頭指揮を執ってるようなものですし流通に関しても口を出せますが面倒なのでやっていません
有事に際しての全騎士団への指揮権限も場合によっては国王陛下より優先されるものです
事実を申し上げたまでです」

これ、要る?
時間足りなくてダイジェストにせざるを得ない状況で、他に優先すべきシーン切り詰めて、こんな長台詞ベラベラ喋らせる必要、ある?
普通に「今居る国に満足してるのでお断りします」で良くね?
↑でも指摘したけど、こんなヤツに騎士団与えるのはどう考えても狂ってる。
騎士の称号与えられるってことは、自分の身を危険に晒すことになっても国や王の命に従う誓いを立てるんじゃないのか。
国の最重要機密を知るっことは、敵の手に渡りそうになった時は口封じに仲間から殺される可能性もあることを覚悟する、ってのとセットちゃうのか。
現代の社会に当てはめるなら騎士になるってのは王の連帯保証人にサインするようなもので…(実際はもっと重い)。
重責がセットでのしかかって来ないと「偉い立場になった感」の実感は得られないものだと思うのだが…。
こんな言動されても、その立場としての振舞い・気構えが全然無い人では逆効果、いわゆるチャラい、浮ついてる、ボクちゃん偉いんだゾ~って…「オレ社長だゾー」「ボクなんて会長だもんね」って子供の言い合い。
針の筵に立たされるとか真綿で首を絞められるとか背中が煤けるとか地獄への道を善意で敷かれるとか泣いて馬謖を斬るとか、そういうの無いのかよ、と。
こんなシーンをスタッフは本心から「面白い」と思ってるとはとても思えないし思いたくはない。
結局これってなろう系お約束の「権力は欲しいけど責任は取りたくない」の典型ですな。

まぁ分かる、サラリーマン気質なままなんだ。
もっと待遇の良い会社から引き抜きが来たら転職しちゃおっかなーっていう軽い気分。
そんで責任や義務を無視して「社長っていいよなー」というつもりになってロールプレイ。
こういうロールプレイ──ごっこ遊びはどの作品にもあるものだけど、ダイジェスト調なせいで際立ちまくり。
エルが金で動く傭兵なら上記の言動も問題ないし、敵の王子もそう思って引き抜きの打診をしたんちゃうかね?
けど実態は傭兵じゃなくて騎士、しかも国の最高機密を知り統帥権も持ってるらしい(いつの間に?)国政の中枢を担う一員。
謀反の恐れアリとして斬首か、座敷牢で一生設計図書かされるだけの人生がお似合いでしょう。
いやね、それでも最悪「転生設定」が無ければまだ納得はできたんだ。
転生設定があるお陰で社会常識の無さが目立って仕方ない。
「え、こんな態度取っても許されるんだ、この世界はチョロいな」とエル自身が驚くシーンでも入れれば良いのに。
このちぐはぐさが自分にはどうしても気持ち悪く感じてしまうのだけど、恐らくメインのターゲットは会社で疲れ果ててそういったものに触れるのは「考えたくもない」のだろう。
エルが妙にハイテンションで躁病か薬キメてるように見えるのも、落ち込むシーンすら見たくもないってことなんだろう。

そういったことを全部見越して「ハイハイ、こういうのがウケてるんですね、今は」って態度で、思想の基盤は一介のサラリーマンに留めて持てる権限は総理か大統領か書記長並にする、をワザと描いてる。
うん、そう、ワザと描いてる。

しっかしそうなると評価困っちゃいますね。
ワザとそう描いてあることに「これはおかしいおかしい」言っても詮無いこと。
同時期に放送されたアニメの“バトルガールハイスクール”ではスポンサーからの縛りを受けてか「メインキャラの19人を毎回登場させる」という、到底「スタッフはこうすれば面白くなるなんて露ほどにも思ってない」ことをやらされて同情さえ覚える内容だったのだけど、この作品も同じタイプか?
どの段階で方向性決定されたのかが問題になるけど、ただのいち視聴者にそんな裏事情分かるワケもなく…。


まぁこれまでゴチャゴチャ書いてしまったけど、そういった面倒臭いこと抜きに見ても「主人公が躁病っぽい」「躁病患者を誰も心配しない周囲が怖い」「薬切れてギギギと言いそう」と感じる人は…居ないのかなあ?
恐らく声優の演技指導からしてそれ意識してるっしょ。
躁病ってのは双極性障害(躁鬱)のハイになってる時のこと。
じゃあその揺り返しで鬱モードになった時が心配ってのは直感的に思ってしまうことで、その「不安」をあれこれと書いてきたのがこれまでの感想に繋がってる気がする。
また、それを不安がる人間が周囲に居ないってのは奇異に見えてしまう、「〇〇が好きすぎて倫理観が狂ってる」ってのならヘボットのがずっとよく描けてるぞ?
いくら分かっててワザとやったにしてもやり過ぎだと思うなぁ…。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スーパーポジティブヒーローの魅力

本作は、今期スタートの作品の中では個人的に注目度No.1。

ロボものは、もとから大好きだが、
異世界ものでもある本作は、
魔法や魔獣が存在するファンタジーとロボットバトルのコラボが新鮮。

そして、主人公がいつも明るく前向き、積極的で太陽の如き。
いかなる状況にあろうと情緒が安定していて、
ウジウジしないのが非常に魅力的。

テンポが非常によく不穏さの巧妙な演出で次回への引きも上手い。

BDの発売予定やネット上の情報からどうやら全13話の1クール作品のよう。
導入から話が駆け足だったのはこれで納得。

<余談:有名女性脚本家への私見>
{netabare}
多くの作品にシリーズ構成として参加する有名女性脚本家と言えば
吉田玲子、横手美智子、岡田麿里、各氏がまず思い浮かぶ。

今作のシリーズ構成を担当している横手氏。

彼女がシリーズ構成のアニメは割と嵌りやすい。
特に「侵略!イカ娘」「SHIROBAKO」「斉木楠雄のΨ難」は大好きだ。
「監獄学園」「それが声優!」「のうりん」「じょしらく」なども
捨てがたい魅力がある。

吉田氏と横手氏は、ユーモアのセンスがツボに嵌る。
キャラの長短両面の描き方のバランス感覚が素晴らしい。
絶妙なタイミングでキャラが輝くので自然にキャラに愛着が湧く。

今作も、初回は主人公、エルの人となりが簡潔に伝わったかと思えば
2話で無駄なく彼の魅力が最高に輝いて嵌ってしまった。

因みに岡田氏は、ユーモアのセンスが自分とは合わない。
キャラの長所よりも短所の方が大きく見える傾向があるのが苦手。
おかげで感情移入不十分で氏の描く大抵の主人公は
めんどくささが先に立ち好きになれない。
ゆえに1作を完走するに忍耐を要する。
完走できても多くは途中で最低一回挫折、再挑戦で完走のパターンばかり。
岡田氏の関わった作品の中では、
「さくら荘のペットな彼女」が唯一の例外で大好きな作品だった。
{/netabare}

★ 第2章「Hero & Beast」脚本:横手美智子
{netabare}
<「好きこそ物の上手なれ」のお手本>

ガンダムSEEDでは、主人公キラがガンダムストライク初搭乗で
瞬時にOSを自ら書き換え、持てるポテンシャルを最大に引き出し
初めてなのに自在に機体を操り不利な状況を打開、敵を掃討する。

SEEDクリソツの今作の第2話。これには燃えた。

SEEDは長年アニメから遠ざかっていた自分を
アニメの世界に引き戻した思い入れ深い作品。
SEEDもこのシーンで一気にキラを気に入り
作品から目が離せなくなったっけ。

今作の主人公エルは、キラと同等の天才的エンジニアとしての魅力に
プラスしてどんな困難な局面でも冷静に状況を柔軟に分析。
かつ状況を楽しんでしまうという天賦の才能がある。

ロボット命で、ロボットに関することなら
脳天気なほど明るく前向き積極的な性格は称賛に値する。
目的のためなら、強かに他者の弱点を利用する合理性も悪くない。

エルの周りのキャラも面白そうな人財が豊富な予感。
これからも周りを煙に巻いてどんどん活躍してほしい。

ロボのメカニックデザインもかっこいい。
大好きだったSEEDやマジェプリのメカデザにも負けてない。
合理的な骨格設計、ウェザリングも施され
リアルな重厚感がたまらない。
動きも精緻でエルが気に入るのも納得だ。
{/netabare}
★ 第3章「Scrap & Build」脚本:横手美智子
{netabare}
面白さが右肩上がりだ。

ロボット好きもマニア以上で、
もはやロボットフェチのエル。

非常に有能な彼は、ロボット(シルエットナイト)を改良するため
次から次へと革新的なアイディアが湯水のごとく浮かぶ。

彼を中心とした人の輪がどんどん広がっていくのを
眺めるのがとても心地よい。

前世の記憶もあり、肉体年齢以上な賢さを発揮。
成熟した思考により権謀術数にも長けてるのは、
「幼女戦記」の主人公と似てる部分だが
性格は真逆で明るく社交的になところはポイント高い。

根っからの明るさと目上を立てる謙虚さが非常に魅力的だ。

自らの理想とする自分専用の機体を自作する望みはあれど
出世欲もなさそうだし、自らの功績を自慢するタイプではないので
妬みを受けることもあるかもしれないが、敵は少なくて済みそうだ。

<光あるところに影がある>

しかし、この手の話に当然つきものの展開もやってきそう。

エルのような天才の発明を利用しようとする輩が現れるのも人の業。
次回、彼の技術力に目を付けた不穏な勢力も登場で
一層目が離せなくなった。

魔獣以上に、実は同じ人間のほうがやっかいな敵なのだろうか。
{/netabare}
★ 第4章「Light & Shadow」脚本:横手美智子
{netabare}
これから混沌な世情に向かうと予言するナレーション。
さらには新技術を奪取したい銅牙(どうが)騎士団が悪巧み発動。

その不穏さは次回への興味をアップさせてくれる。

ここまで観て、ナレーションはテンポよく話を進める上において
非常にいい仕事をしてると思える。

大まかな今後の流れと原作上の細かい設定を、
簡潔に伝えてくれるので話の展開の速さの割りに
理解が追い付き観易い。

<新型機開発の波紋が広がる>

国家の開発上層部も看過できず、エルを軟禁し事情聴取。
すべてにおいて想定外の言動のエルの天然さは、
相変わらず周りを煙に巻く。
常識が全く通じないエルとディクスゴード公爵とのやりとりは楽しかった。

<今回声優評価を3.5から4.0にアップ>

エルの親友、キッドとアディの双子兄妹コンビも
いい味出てきて存在感アップ。
特にアディは和み役としていいポジションだ。

最近いろんな作品で存在感増してきてるアディ役の大橋彩香さん。
彼女は本作でEDも歌ってるが、いろんなキャラの演じ分けが非常に巧い。
同じクールで放映中の『Re:CREATORS』のシマザキセツナもそうだったが
一聴して彼女が演じてるとは全く分からなかった

エル役の高橋李依さんの少年役の巧さは
2015年作の『乱歩奇譚 Game of Laplace』の
コバヤシ役の時から感じていた。
しかし本作では、当初『このすば』のめぐみんの
イメージが強すぎて若干違和感あった。
しかしさすがにここまでくると
すっかり役に馴染んで申し分ない。

悪役オーラ全開の他国、銅牙騎士団の団長ケルヒルト役に
井上喜久子さん起用とは少し意外だったし
喜久子さんが声当ててるとはエンドロールまで気づかなかった。
母親役と天然系キャラが十八番のイメージが崩れるが
やはりべテラン。すっかり役に嵌っていて巧い。
そう言えば、マクロスFのグレイスも悪役だったけど嵌ってたっけ。

池田勝、菅生隆之、土師孝也、木下浩之各氏の
ベテラン勢のいぶし銀のような好演が光るのも魅力だ。
{/netabare}
★ 第5章「Hide & Seek」脚本:横手美智子
{netabare}
<ロボットバトルの醍醐味>

面白さの右肩上がりがまだ続いてるし、
ロボットアクションの拘りが素晴らしい作品だ。

今回はアバン以外、ロボットアクション満載。
強奪機確保のためのバトルが今回の見どころ。
攻撃と反撃の繰り返しの波が最後まで続き、
あっという間の30分。目が離せない。

幻晶騎士は、どの機体もエルが惚れこむのも納得のカッコ良さ。
動きもさることながら、要所で機体の汚れ、塗装の剝がれ、
傷などしっかり描かれてるのはポイント高い。
機体に歴戦の勇者の風格が感じられる。

敵役、憎まれ役が光ってこその今回は、
ケルヒルト役の喜久子さんに功労賞をあげたい気分。

<後にカザトシュ事変と呼ばれる事件が勃発>

ジャロウデク王国のケルヒルト率いる銅牙騎士団が
カザトシュ砦を奇襲、エルが中心になって開発した
新型機のプロトタイプ、テレスターレ3機が強奪された。

最終的にはエルと仲間たちにより2機を破壊して
奪取を防いだもののケルヒルト搭乗の一機には逃げられてしまう、

そして今回のエルたちの功績が王に正式に認められ、
エルを団長とする異例の騎躁士学科学生による銀鳳騎士団が創設される。

取り逃した一機は、テストパイロット、ヘルヴィの愛機だった1号機だった。
エドガーは善戦したものの自らの機体を中破させられてしまった。
果たして次回以降取り戻すことができるのか。

以前は、危機に際し逃亡をはかったディーも成長して
今回は男らしい戦闘を繰り広げ、かっこいい。
彼もエルに命を救われたことで一皮むけた一人になった。

同じくエルと出会うことでかなりの手練れとなった
キッドとアディも大活躍。

エルは絶妙なタイミングで加勢。
おいしいところは全部持っていった。

エルは最高に現生を謳歌してる。
そして彼の感化力、勇猛心は素晴らしい。
そばにいる者は皆、向上心に目覚め、生き生きしてしまう。
まだ10代前半なのに団長の器として申し分ないと王が認めるのも納得。
{/netabare}
★ 第6章「Trial & Error」脚本:木村暢
{netabare}
<エルたちの新型機開発は、一つの到達点を迎えつつあった>

今作は原作未読状態で5話まで観たが、
5話終了後、ラノベ原作を読み始め
4巻まで読了の下で第6話視聴。

横手氏は、5話で原作2巻最後までを単独で描き出したが
今回から、第3巻の内容がスタート。
第3巻の内容の出だしは、初めて別の脚本家が担った。
このペースなら全13話で5巻最後まで描く予定かもしれない。

原作を読んだ上での視聴は、
以前よりダイジェスト感が強くなってしまい
若干物足りなさも感じる。

諜報員のノーラ、国立機操開発研究工房の、
ガイスカ工房長、オルヴァー所長などの
新キャラが多数登場したせいもあって
内容のまとめ方が雑な印象があった。

テンポが早過ぎて新型機開発の苦労が今一つ伝わらないのは非常に残念。
せめてエルの実験の失敗シーン、カルダトア大破の流れを
手抜きせず派手に描いて欲しかった。

しかし、ラノベでは想像するしかない
世界観に具体性が与えられるアニメはやはり素晴らしい。
キャラに肉声が、幻晶騎士に色と動きが与えられるのは楽しい。
{/netabare}
★ 第7章「New & Old」脚本:木村暢
{netabare}
今回までに原作は2017年8月現在で既刊の第7巻まで読了。

<エルたち、新開発の機体完成。その成果を国王に認められる>

これからエルの仲間として重要な役柄となるであろう新キャラ、
エムリス王子(CV:小野大輔)登場。

今回も横手氏が脚本を担当していないせいか
新キャラの魅力が今一つ伝わらない印象。
しかしこの話のテンポでは無理もないか。

作画は相変わらず素晴らしい。
模擬戦の魅力は充分以上に伝わった。

ケンタウロス状の幻晶騎士ツェンドルグと専用荷馬車。
原作読んでるときは、それをただ想像するしかなく
アニメで拝めるその形状、色、動きを非常に楽しみにしていた。
今回はその点で大満足。
それ以外の新型幻晶騎士のメカデザ、動きも素晴らしかった。
{/netabare}
★ 第8章「Secret & Quest」脚本:木村暢
{netabare}
今回もせわしない。
原作ラノベ第3巻最後まで一気に描かれた。

第6話から第8話までの3話で原作1巻分消化のハイペース。
残りは5話。
前半(第1~5話)と同じペースで描くのであれば
やはり5巻末がアニメのゴールとなろう。

<エル、魔獣討伐の武勲により幻晶騎士の心臓部の重要機密ゲット。
そしてエルの専用機”斑鳩(イカルガ)”完成>

今回の魔獣、シェルケースの女王は原作読んだときは、
もっと禍々しくおぞましいイメージだったが、
アニメではポップな色調とどことなく
土偶のような顔立ちのキャラクターにちょっとずっこけた。

原作読まないで最後まで観た方がより楽しめたような気がする。

面白いのだが原作での丁寧な描写と比べてしまうと
あまりにも話がとんとん拍子に行き過ぎて物足りなさは感じる。
{/netabare}
★ 第9章「Force & Justice」脚本:横手美智子
{netabare}
<テンポ早すぎるゆえの薄味感・・・これはまるでビールの水割りを飲んでるようだ>

主人公のエルというキャラは、悩まず迷わずでひたすらポジティブゆえ
乗り越えがたき試練や敵キャラの強さ、傲慢さを尺をとって
丁寧に描かないとどうしても物語の印象が
軽さの際立つものになってしまう。
登るべき高い山も低い山に見えてしまい、その点はかなりマイナス。

今回も原作読んでしまったため、
そういった本作の欠点をさらに感じてしまった。

しかしそうではあっても、
横手氏担当回の台詞の方がキャラの内面が伝わる分、ましかな。

また、今回、一番の受難を被ったクシェペルカ王国の王族の
キャスト(堀秀行、田村ゆかり、田中敦子)の好演と
劇伴の良さで、原作と比べてしまうと物足りないのは変わらないが
悲劇の重さがある程度は伝わった。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

好きはクオリティを超える ~なろうの功罪~

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
違うんすよ、夢と浪漫なんすよ(汗)

作品のクオリティとか整合性とかテンプレ感とか厨二感とか行き過ぎたパロとか「どこの幼女戦記?」とか、まあ色々あるのは重々承知です。それは私も不満でしたし。客観的にみて、65点くらいの作品でしょうか。

でも、そんなことよりも、ズバッと胸に突き刺さった、ハイファンタジー感。騎士、ロボ、剣、魔法、戦記、全部大好物なんですもん。しょうがないじゃないですか!(なぜか逆ギレ風)w

この間、あるTV番組でカンニングの竹山さんが言っていました。

「こんなナリした俺が言うのもなんですが、、、恋って、止まらないぜ!」

、、、。

ということで、贔屓で、評価は5です(笑) すごく「好き」なアニメです♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
なんでもかんでもカテゴライズするのは決して良いことではないのだろうが、(あにこれ内では特に悪名高き)「なろう原作アニメ」というのは、もしかしたら、「私達(素人)の安易な妄想を叶えてくれる作品群」なのかもしれないと思った。

(なろう作品の原作はひとつも読んでません。あくまで、アニメ化された作品の中ではということです)

本作を含め、「なろう原作」(とりわけファンタジー)に今のところ共通しているのは、「既成の世界観」+「ワンアイディア」という構成だ。

例えば同期(2017夏)でいくと、「異世界はスマートフォンとともに」も「異世界食堂」も、「指輪物語」や「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などから始まり、日本においては「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」、(「ロードス島戦記」)などが広めてきたファンタジーの世界観を「間借り」させてもらっている。そこに、「スマホ」「食堂」という1アイディアを加えたものに過ぎない。本作で言うなら、「プラモデル(技術者+趣味)」であろうか。

既存の世界観を流用するメリットは、「楽だ」という点。これは、「作者が考えるのが」の意味もあるし、「視聴者が受け入れるのが」の意味もある。

勿論、既視感があるというデメリットも大きい。

本作も、「技術者」という色はあるものの、基本的には他のなろう系と同じく、主人公最強系であり、ストレスフリーだ。(一応主人公に努力の描写があり、ハーレムじゃないという違いはあるものの)「じゃあクオリティ的に、異世界スマホと何がどれだけ違うの?」と言われたら、ハッキリは答えられない(異世界スマホは☆2)。

違いは多分、好き嫌い、いや、「自分がどんな妄想をしてきたか」だと思う。私の厨二的要素の根底にあるのは「ガンダム」「銀河英雄伝説」「ロードス島戦記」だ。初めて観た深夜アニメは、「天空のエスカフローネ」。だから、「ロボ」「騎士」「英雄譚」は大好きなのだ。よって、恥ずかしながら本作のような「妄想」をしたこともある。そんな、「自分の妄想」をアニメ化してもらったような、妙な嬉しさを感じながらの視聴だった。

「なろう系」には、良くも悪くも「気軽に観られる底の浅さ」があるように思う。生姜焼きのような親しみやすさと、カプレーゼのように誰でも作れる安易なオシャレ感だ。

勿論、自分には思い付かないような世界観の中で翻弄される楽しみもある。同期なら「メイドインアビス」などはその系統か。でも、AKBが「会いに行けるアイドル」としてヒットしたように、反対方向の良さもあるのだ(別にAKBのファンではないけれどw)。

ただ、☆5ながらもお気に入り棚にならなかったのは、やはり「深み」が足りないからだ。終盤の「ガンダム」「ダンバイン」のパロも不要だった(ギャグならまだしも、熱さをパロで補うのは嫌い)。1期でサクサク進むのも悪くないが、2期をかけて、苦戦や人物描写をじっくりと描いてくれれば、なお良かった。

ということで2期、絶対期待っすよ♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
声とキャラデザ、合ってるの? 作画、気合い入ってる。ロボ=騎士 という作風、大好物なんだけど♪ 最近は、「異世界から現実世界に戻りたい」って作品、ないね。みんな、そんなに現実世界に不満があるのかな。

2話目
なんかこう、気持ちが良い方の主人公最強系だね。

3話目
ガンキャノンだねw ディートリヒみたいなキャラが後半に活躍すると、胸熱。

4話目
老兵の嫉妬、しかし、根本にある忠誠心。規格外の天才をどう受け入れるか。

5話目
騎士団の新設とか、胸熱。

6話目
大事な回だね。幼女戦記にも似た回があったな。モビルアーマー作ってるの? サービス回w 鍵も専用機もメリットはあるけど、互換性と汎用性がな。

7話目
ディートリヒ、格好良いな。ラボとも敵対しない、素晴らしい結末。熱いし格好良いな。ナウシカ?

8話目
いつの間にか、みんな中隊長に♪ THE・ファンタジー♪ オリジナル機体は、もっと丁寧に作ってほしかったな。

9話目
う、ウェスタングランドストームだって!? 、、、ダサいw 航空技術は強いよね。鎖で吊るして降下させるあたり、他の技術との整合性がとれてて良いね。ここまでガチガチのロボバトルは、ちょっと違うんだよな~。

10話目
そこにもラブコメか。もうちょい苦戦しても良いな。

11話目
ほとんど、ガルマだな(笑) どんどん新兵器が登場するね。竜型の兵器か、ラスボス?

12話目
いや、ガンダムパロはもういいよ。台詞遊びはいらないかな。戦う動機が、「ロボットを戦場の中心におきたいがために、戦艦をロボットで倒す」は面白い歪み。

13話目
今度はオーラバトラーですか(汗) そういうのはいらんのですよ。いや、ニュータイプの共感とかさぁ。逆シャアもやり過ぎかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 42

85.0 2 2017年度のロボットアニメランキング2位
Re:CREATORS(レクリエイターズ)(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1065)
5242人が棚に入れました
自室でアニメ “精霊機想曲フォーゲルシュバリエ” を観ていた水篠颯太の目の前に、画面の向こうに映っていたはずのアニメのキャラクター、セレジア・ユピティリアと、軍服を纏った謎の少女が現れる。
両者の戦いに巻き込まれた颯太は、2人を追って代々木公園へと向かう。そこにPCゲーム “追憶のアヴァルケン” のキャラクターであるメテオラ・エスターライヒまで現れて──

声優・キャラクター
山下大輝、小松未可子、水瀬いのり、日笠陽子、坂本真綾、雨宮天、村川梨衣、鈴村健一、豊崎愛生、小西克幸、金元寿子、杉崎亮、柳田淳一、濱野大輝、寿美菜子、恒松あゆみ
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クリエイターが伝えたいこと

以下の情報は、放送直前特番や
ネット上で見つけた監督インタビューなどで知った。

今作は、放送開始の4か月前、
2016年12月19日に突如ベールを脱いだ
オリジナルアニメ企画。

<「BLACK LAGOON」の作者、広江礼威氏が
原作・キャラクター原案を務め、監督他複数と共に脚本も担う>

準備期間は不明ながら、
氏が紡いだ原作テキストは25万字に及んだそうな。
相当の力作なよう。

しかも幸運なことに物語の骨格に沿う形で、
始めから過不足のない話数ということで
全22話という尺が決まったらしい。
(公式HPによると特番は、放送直前含め3回予定されているようで
放送枠自体は、まるまる2クール分の25回確保されている模様)

<監督とシリーズ構成は、あおきえい氏>

氏の最近の監督作「アルドノア・ゼロ」が
途中までは非常に面白かったのに終盤で、
かなりがっかりさせられているので過剰な期待は禁物と思っていたが、
その準備の用意周到さとクリエイターの情熱と拘りが
初回から発揮され、非常に掴みが良かったし
引きの強さはも今期No.1だった。

<ながら観にはあまり向かない>

クスッと笑える部分も多々あるし、
キャラが親しみやすく感情移入も容易で
観やすいようであっても...

伏線は、OP映像含め見落とし注意。

時にメテオラの説明台詞が立て板に水で長い、
しかも言い回しが難解ゆえ理解に咀嚼が必要。

<音楽は、アルドノア・ゼロも担当した澤野弘之氏>

ボーカルを活かした劇伴のセンスが好く
スタイリッシュでスリリングに物語に誘ってくれる。

<最終22話まで観て>
{netabare}
もしこれから観るのであれば、事前の心構えが必要に思う。

まず主人公を、常識的に特定の誰か一人と決めつけない方が
本作をより楽しめる気がする。

この作品は、まともな台詞のあるキャラは
たとえ被造物と言えども皆、等身大の人間味が等しく描かれていて
新キャラも後半でも投入され、群像劇の色合いが益々濃厚となった。
回ごとに主人公が変化していくし、それは一人とも限らない。

例えば、15話ではあえて主人公を一人選ぶならアルタイル。
16話~20話は、一人に絞れない。
21話はアルタイルとシマザキセツナ、そして颯太も主人公だった。

また、派手なバトルを期待し過ぎない方がいい。

バトルシーンは、やるときは徹底してやるが地味な展開も多く、
緩急の「緩」がやたら長くて、「急」はかなり溜め込んだ上で訪れる印象。
台詞説明が多く話のテンポが遅く感じやすい。

丁寧に描かれるキャラクターの心情に寄り添えないと
退屈な作品と化すかもしれない。

今までずっと、アルタイルがもたらそうとする大崩潰とやらの影響が
民衆の生活へ現れなかったゆえ脅威が今一つ実感できなかった。

またこの作品、溜めの多すぎた構成上、中弛み感がつき纏っていたし
設定で意味不明な部分もありついていけない部分もある。

しかしキャラの心情は毎回とてもよく伝わる。
とても心に響く台詞で彩られる脚本の魅力が一番の魅力かなと思う。
絶賛は出来ずともやはりいい作品だと21話であらためて感じたのだが...。

最終話で『アルドノア・ゼロ』同様の大風呂敷の雑な畳み感を味わった。

その最たるものは、マガネが都合よく物語から消えていた点。

<総評として、素材はいいのに料理の仕方はいまいち>

原案は斬新で素晴らしかったし、キャラも全員魅力あった。
その点で非常に面白くはあった。
また、それなりにすっきりするいいまとめ方ではあった。

しかし、22話の尺を有効に活かし切れなかったと思う。

・特に4話あたりから目立ち始めたメテオラの長台詞による状況説明がわかりにくかった。

・アルタイルとその一派が特にこの世の人々に何するでもなかったのが緊迫感が削がれた。

・以上と関連して、途中かなり間延びしたのに結局終盤詰め込み過ぎで
全体の構成にかなり疑問。

・最終話では、マガネ不在以外にも、
途中退場してしまったキャラ達にもスポットあてられなかったも不満。
例えば、最後にそれぞれの作品世界での彼らを
台詞付きで少しでも描くなどが欲しかったところ。

以上の不満点により最終話で物語評価を4.0から3.0に下方修正した。
{/netabare}

★ #01「素晴らしき航海"I will remember everything that happened to me."」
{netabare}
導入として申し分ない。

冒頭からいきなりの自殺少女が、
この物語はシリアス路線だということを明確化している。

主人公の高校2年生男子、颯太はあまりに平凡で影が薄い印象。
しかし彼の冒頭のモノローグに謎解きの大きなヒントが隠されていそう。

しかし、女性キャラ3人、
セレジア、メテオラ、軍服の姫君が圧倒的な存在感で現実世界に登場。
声優との相性も抜群と思った。

現実界⇒異世界の召喚作品は
最近多すぎな印象で食傷気味だったが、
アニメやゲームの住人が現実世界に
召喚されてしまうというのは新鮮だった。

そして、昔、ハリウッド映画のシュワルツェネッガー主演の
「ラスト・アクション・ヒーロー」(1993年作)を
観たときのワクワク感を思い出した。

特に今回は、セレジアが颯太に時折見せるお姉さん的な仕草から
優しい人柄が滲みだし、とても印象に残った。

<“軍服の姫君”の豊崎愛生さんに注目したくなった>

監督曰く、キャストは基本的に話の進行の一切を事前に知らせていないが
軍服の姫君は例外で、豊崎さんだけには先の展開を教えた上で
収録に臨んでもらっているそう。

つまりそれだけ重要な役ということらしい。

豊崎さんは、最近いい役に恵まれず
パッとしない印象が個人的にあったが、
今期は「アリスと蔵六」の早苗といい
いい役に恵まれていてると思う。
{/netabare}
★ #08「わたしにできるすべてのこと"I CHOSE this way of life."」
{netabare}
<良くも悪くも、あおきえい監督らしい展開、と思う>

「喰霊-零-」の第一話や「アロノドアゼロ」の前半終了時の演出から
監督は、フェイクによるミスリードが得意な傾向があると思ってはいたが
それは今作にも当てはまっていそう。

キャラを容赦なく、絶望的に叩きのめし
視聴者を最後まで観ないわけにはいかない状況に追い込む。

視聴者の期待と予想の裏切りが
最後まで観た時、吉とでるか凶とでるか。

収録台本以降の話の展開を、
豊崎さん以外一切知らせないようにしいているらしいから、
今作に関してはキャストも視聴者同様、
先のことが気が気でない状況に追い込まれてそう。

まみか、どうなるんだろう?
全話終了時、観たまんまの悲劇になってないことを今は祈るのみ。

<颯太の好感度の下げ方にクリエイターの計算が見え隠れしてるような>

「うじうじ」「ネガティブ」「臆病」「自己中」「保身的」...
視聴者が嫌う「めんどくさい」キャラの要因のオンパレードの颯太。

ここまで不快な点ばかり見せつけられると、かなり意図的なものを感じる。
最後まで観た時、彼への印象はどうなってるんだろうか?

<ED映像の画の意味>

間違ってたらごめんなさいだが、
ここまで観てEDは、
最終話以降の状況を暗示してるんじゃないかと思えてきた。

創造主側の颯太、松原、まりね、中乃鐘と共に
セレジア、メテオラ、鹿屋、弥勒寺の
この世を楽しむスナップショット。

そこにはいないものの、街頭モニターや
アリステリアの物語『緋色のアリステリア』の車内広告、
まみかカレーから顔を覗かせるどや顔まみか。
しかも広告内の「激闘、決着」のキャッチコピー。

しかも最後、颯太の微笑む姿で締めくくられている。

逆に、ここに登場しないキャラの運命は非常に気になる。
しかし、少なくてもここに登場する人物だけは
「悪いようにはしないさ」という
クリエイターのメッセージが仕込まれてると信じたい。
{/netabare}
★ #09「花咲く乙女よ穴を掘れ"The world requires choice and resolution."」
{netabare}
<築城院真鍳(ちくじょういん まがね)恐るべし!>

悪役が魅力的でないと物語はつまらなくなる。
その点、今作はよく出来てると思う。

アルタイル(軍服の姫君)は、
悲劇のヒロインとして同情の余地があるのに対し、
趣味で人を殺し、人心操作で意のままに人を翻弄するマガネ。

彼女の狡賢さは半端なく非常に魅力的なキャラになってる。
人心掌握術に長けた彼女は、饒舌で妙に人懐っこい所もあるので
憎み切れないのもまた魅力。

少なくとも今回まで観た限りでは
救いようのない悪党であり最大の敵はマガネのようだ。
そして彼女が、物語を良くも悪くも牽引していく存在に思えた。

それにしても、
彼女があまりにも都合良く、いろんな重要な場面に
偶然遭遇するのが観てて不自然で仕方ない。

そうしないと話が進まなくなってしまうから
やむを得ない側面があろう。

しかし、自然に見えるよう台詞のフォローは欲しい。
(それともフォローの台詞を聞き逃しただけかも?)

例えば、
「私ってさ、いつもおいしい状況にたまたま遭遇しちゃんだよねー。
私の創造主さんのおかげかなー」の一言でもあればいい。

それだけで「マガネは強い悪運の持ち主で、
自分が楽しむためのネタを自らに引き寄せる能力がある」
というキャラ設定でもあって、
それがこの世にも当てはまるのかと視聴者は納得できよう。

現実を捻じ曲げる『言葉無限欺(ことのはむげんのあざむき)』
という彼女の能力そのままに、
不自然が自然に入れ替わるのに勿体ない。

<今回のマガネと弥勒寺のバトルは、今後いいネタになりそう>

キャストの坂本真綾&鈴村健一さんはご夫婦。

「これっくらいマーヤちゃんなら、平気の平左。どうだろうかね不良中年...」
「笑い袋が調子に乗りやがって」

ネット上、そして鈴村夫妻とその友人たちの周りでは、
レクリバージョンの夫婦喧嘩ごっこでしばらく盛り上がれそうだ。

<マガネが悪魔ならメテオラは天使>

すべての解決の鍵は、メテオラの叡智っぽい。
マガネと対極のメテオラの賢者ぶりもますます重要性を帯びてる。
彼女なくして、解決の道筋はまず得られないと感じるほど。
そして颯太を救い導くという癒しの役割まで担う。
{/netabare}
★ #10「動くな、死ね、甦れ!"We know exactly how you think and how you're fighting !"」
{netabare}
<第1部の締めくくりは、被造者8人によるオールスターキャスト共演&競演の大バトルが見所>

今回は感情移入させてもらうことの多い巧い脚本&演出だった。
松原とセレジアの絆に、一番の胸熱でジーン。
次に必死でアリステリア説得を試みる颯太の勇気に感服。

どん底まで落とせば「陰極まりて陽」となり後は上がる一方。
やはり今までの颯太の欠点の強調は意図的なもので
今回、その効果が存分に活かされたと思う。

こういう展開を待っていたので非常に満足だ。

<セレジアを思う気持ちは親が我が子を想う気持ちと同じ>

一か八かの賭けだったが、ネットにセレジア強化の新設定を拡散させ、
結果、セレジアの能力改変に成功する松原とマリネ。

敵側にいいようにされていた状況を打破、一時撤退させることができた。
しかし、セレジア、メテオラ、弥勒寺は瀕死のボロボロ状態。
まさに危機一髪で完全敗北から免れた。

<この世界を守るために、傷つかないものはいない>

再びマガネの術中に嵌り、切り札の能力までも奪われた弥勒寺。
チートな存在と思えたギガスマキナも思わぬ妨害で何もできなかった鹿屋。
薄々自らの過ちに気付き始めた脳筋で不器用なアリステリア。
アルタイルの底知れぬ能力の脅威。
なぜアルタイルに加担するのか未だに解からぬブリッツ。

キャラ設定がしっかりしてるから、
人間ドラマとしてもなかなかの出来だと思う。

自らの享楽のために場をかき乱し、
直接自ら手を汚さずとも多くの人を傷付けるマガネ。
最凶かつ最狂マガネの無双はいつまで続くのか。

クリエイターたちの知恵の見せ所はこれからが本番。
気になることは山積だ。
{/netabare}
★ #11「軒下のモンスター"We cannot decide where we go but you can."」
{netabare}
<脚本に、クリエイターと呼ばれる人たち全般に対する愛情を感じる>

物話は、再び動から静へ。

バトルものとしてはテンポが悪いと感じる半面、
こういうの嫌いじゃない。否、むしろ好み。

しみじみした今回。
場と雰囲気をかき乱すキャラは一切登場させず
不穏さをあえて封印したと思われる。

22話構成という大枠があり、ゴールが決まってないと
こんなに丁寧なキャラ描写は出来ないと思う。

「煌樹まみかお別れの会」などを企画する余裕ある製作委員会。
もう物語の設計図は完成済であとは推敲し肉付けするだけなのだろう。

<とても優しい人たち>

セレジアと松原、鹿屋と颯太の会話。
颯太の勇気のいる告白を無言で受け止める仲間たち。

以上のシーンで
「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない
- If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.-」
というレイモンド・チャンドラー著、小説「プレイバック」出典の
超有名な主役フィリップ・マーロウの台詞を思い出した。

強さと優しさの両輪あって初めて魅力的な主役が生まれる。

鹿屋は初登場時の、幼稚な困ったちゃんの印象が強かったから
今回は、やたらカッコ良く見えた。

<今回初めてシマザキ セツナに台詞が与えられた>

とても魅力あるキャラになってて、
故人であることが惜しい、出来れば生きてて欲しいとさえと思えた。

直近の「BanG Dream!」のドラマー、沙綾のイメージが残っていて
大橋彩香さんの声だとは全く気付かなかった。

彼女は実際にドラム叩けるし、実に器用な方。
役になり切っててさすがだ。
{/netabare}
★ #13「いつものより道もどり道"An unpredictable story that no one knows where it's leading to."」
{netabare}
総集編風の「過去のおさらい&設定補足説明の特殊回」だった。

<メテオラ・オン・ステージ>

大人気!もちもち!もっちもっち!!の
「もちもちメテオラクッション」
ホントに商品化されたら買ってしまいそうである。

これは確かにユニーク。
制作陣のユーモアのセンスが素晴らしい。
本編より面白いという視聴者の感想続出なのも納得。

この回が気に入ったなら公式HPに掲載された
メテオラ役の水瀬いのりさんのインタビューも楽しめるはず。

彼女もスタッフから事前にこの回があることを
「いろいろとがんばってもらうことがある」と
遠回しに言われて知っていたらしい。

しかし、内容までは知らないので
きっとシリアス方面で頑張るのかと思いきや、
渡された台本に思わずひとりでクスクス笑ってしまったとのこと。

適度にブラックで適度に聡明。
メテオラは、ホントおいしいところ持ってく。
愛嬌のある乙女と、世の理を鋭く見抜く賢者の役割を
ちゃんと両立させていてかわいいキャラだ。

人にあだ名付けるの上手い。
弥勒寺から気に入らないニックネーム「めっちん」と名づけられたからか、
弥勒寺に対しては一層辛辣なのもまた一興と言えよう。
{/netabare}
★ #14「ぼくらが旅に出る理由"I feel painful and so useless that I want to cry but it's fun nevertheless."」
{netabare}
<新章スタートに相応しく今回でOP,ED共に変更>

OPは、楽曲は以前の方がイントロから盛り上がれて好みだが
画的にアルタイルが表情豊かで新鮮。
今後の彼女にいい変化が起きるだろうか。
被造物の新キャラ、星河ひかゆも登場で
さらなる話の広がりを予感させられた。

しかし、まみかはもういない。
彼女は徐々に忘却の彼方に消えてしまいそうで少し寂しい。

新EDはミニ3頭身キャラと化した被造物たちが
本作のアニメ制作現場に訪れる風。
遊び心があってなかなかユニークで面白い。

<菊地原の姉御>

一大国家プロジェクト始動!
冒頭からの、責任者である菊地原統括調整官の
有能ぶりと逞しさにインパクト大。
大勢のクリエイター達に喝を入れる。
啖呵を切る姿が実に男前。

政府関係者代表とは言え、まさかここまで重要な役どころになるとは...。
初登場時には考えも及ばなかった。

<創造主のそれぞれの想い>

今回は一貫して創造主にスポットがあたった。
被造物の影が薄くなるほどで、メテオラ陣営の登場は最後のみ。
アルタイル側陣営やマガネなどは出番なし。
この構成上の割り切りは実に潔いと思う。

颯太も11,12話の懺悔を経て一皮むけた。
何事も前向き積極的なのはいいこと。
今後は創造主の一人として活躍しそう。
{/netabare}
★ #15「さまよいの果て波は寄せる"This is perfect! She couldn't have been any more perfect!"」
{netabare}
<新キャラ、またも登場>

前回終わりに初登場した星河ひかゆ。

今回で意外なジャンルからの現界で戦闘能力はほぼ皆無と判明。
彼女の創造者も含め場違いも甚だしい。
しかし逆に、和み担当と見せかけて
別ベクトルに化ける可能性もありそうだ。

次に弥勒寺の物語、
漫画『閉鎖区underground-dark night-』の主人公、翔まで現界。

CVは岡本信彦氏で、氏が採用されたのは得意とする
『とある魔術の禁書目録』のアクセレーター系の
狂気をはらんだ演技が必要とされるキャラだかろうか。
これからあるであろう弥勒寺とのバトルは盛り上がりそうだ。

あとは、12話の最後で登場した小野大輔氏演じるキャラが
本作登場の被造物すべてかな。

顔こそは見せなかったものの纏っているもので誰だかバレバレ。
○○○に違いない。
以前のOPと1,2話でヒントがあった。
今回話題のロボット乗りとは彼のことだろう。
ということは、新OP登場の機体も現界が期待できそう。
これで○○○○は本来の強さを発揮できるだろう。

<アルタイル、マガネ、なんと10話以来のお久しぶり!>

なんとも悠長な展開である。

「憎まれっ子世に憚る」とは
当にマガネの事言ってるようなもの。
一体どれほどの時間経過があったかは知らないが
マガネは、どうやら強かな世渡りで
リッチになって高級マンション住まい。

濡れたお札を丸めてポイなどお金を粗末に扱うようでは、
我が世の春もそんなに長くは続かないだろうが...。

自身の娯楽のためなら大量殺戮すら
なんとも思わないキャラじゃなければ
嫌いになれないタイプだ。

マガネに協力を仰ぐアリステリアの不穏な動きが気になる。
悪い方向に向かわなければいいのだが...。
『緋色のアリステリア』の作者、
高良田の活躍で彼女に幸あらんことを祈りたい。

アルタイルは、ブリッツとの今回の絡みで
チートな能力の反面、弱くも儚い存在として魅力アップ。
本作の一番の主人公と思えるようになった。

ブリッツも今回で非情な悲しみを負ったキャラと判明。
悲劇に向かわなければいいのだが...。

こういった人物たちが紡ぐ物語は一体どこに向かうんだろうか。

来週はスケジュール通りの特番で本編はお休み。

本編は残り7話。
再来週からの溜めて溜めての一挙大放出のクライマックスを期待したい。
{/netabare}
★ #19「やさしさに包まれたなら"The story continues,
as long as there is someone out there, who believes in my existence."」
{netabare}
<アリステリアとセレジア退場>

16話の後半以降、ラストに向けて動き始めたが、
今回は、クライマックスに向けてますます盛り上がって来た。

今回の展開は、かなり切なく心に響いた。
鹿屋やセレジア、アリステリアの必死の攻防。
彼らは、ギャラリーに多くの感動を与えたはず。

主人公という言葉が飛び交った今回、
それぞれの作品世界の中で本来は第一の主人公たち、
アリステリア、カロン、翔はどこか不器用。
結局、そんな彼らは作品外に飛び出すと
深慮が足りず人から騙されやすかったりする。

カロンに力では敵わぬセレジアや
翔のライバルポジションの弥勒寺の方が
賢明で器の大きさを感じられたりした。

さすが広江礼威氏、人間の描き方が単純でない。
今回は、善悪だけではキャラの魅力を測れなかった
「BLACK LAGOON」に通じるものを感じた。

<唯と澪がもしも中二病だったら>

ところで、今作には「けいおん!」の放課後ティータイムの
唯、澪、紬の声優がそれぞれ、アルタイル、アリステリア、
そして『code・Babylon』の原作者の駿河となって共演している。

さしずめ今回のアルタイルとアリステリアの絡みは、
「中二病になった唯、澪のバトル」とも思えて
ネタとしてちょっと楽しかった。

また被造物キャラは、設定上いかようにも改変できそうな
この世界観の中にあっては、アルタイルは、
唯のような天然ドジっ子キャラにもなり得るわけで、
キャラ変で180度違う唯の声で演じてくれる展開があったら
面白いのにと妄想。

まあ、アルタイルは、ガチなシリアス担当。
そんな遊びを入れられるキャラではなそうなので
物語の都合上、実際にはそんなことは起こせないだろうけど。
{/netabare}
★ #21「世界は二人のために"I love you too."」
{netabare}
<アルタイルとシマザキセツナ、初めてのコミュニケーション>

当に今回はアルタイルとその創造主の二人のためにあった物語の1ページ。

アルタイルは今まで、被造物には容赦なく危害を加えても
一般人をマガネのように直接危害を与えなかったのは
今回があったからだろうか。

セツナや颯太の存在など知る由もないチャンバーフェスのギャラリーは
何が何だか解らないことが多いのは我ら視聴者以上のはずなのに
不満顔一つ見せず話にのめり込んでるのは不自然など、ツッコミ所は多い。
颯太の想いのこもった台詞なども会場には流れてないだろうし...。

しかし声優の演技力で無理くり作品世界に引き込めた感。
かく言う当方も、豊崎愛生さんと大橋彩香さんの迫真の演技に引き込まれ
感情移入しまくりで冒頭からずっと涙で視野が霞んでしまった。

<アルタイルがもたらしたこの世の危機は今回で終結したものの>

このまま放置はしておけない鬼っ子マガネを最終的にどう描くのか。
退場してしまったキャラは退場したままで終わるのか。
そして全体をどう締めくくるのか、非常に興味深い。
{/netabare}
★ #22(終)「Re:CREATORS」
{netabare}
上手い落としどころだとは思う。
皆、明るい未来に向け前向きに生きていこうとするラストはとてもいい。
おそらく、この決められたラストに向けて始めから物語を紡いでいったのだと思う。

しかし一番やっちゃいけないなと思うのは、
マガネを放置したまま話を終えてしまったこと。

彼女は、話のスパイスとなり
颯太に力を授け転機を与える重要なキャラだったのだが、
見事に最終話で彼女の存在は消えていた。

登場人物の誰の話題にも上らず
あたかも始めから存在してなかったかのようだ。

マガネは、少なくとも2名、
たまたま遭遇した本屋の店主と自分を生み出してた原作者を殺している。
いつまた己が衝動で殺人を犯してもおかしくない。

また、タワーマンションに住み、
リッチにこの世を謳歌している描写もあったが
その富はどうやって得たのか不明で
他にも犯罪を犯している可能性がある。

だだの便利なキャラとしてフェードアウトさせるには
濃すぎるキャラだったのだが、
本筋優先のツケが彼女の放置につながったのか。
これにはかなりがっかりした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

6話で済む内容

初期の印象から9話までの感想
{netabare}マンガのキャラが飛び出して原作者をブン殴る。
昔はそういうマンガをよく目にした気がするのだが、この作品はそういった懐かしさを感じさせてくれる。
最近そういうネタって見たことがないけど、単に自分が気付いてないだけで今でもどこかで継承されてるのだろうか?
で、そういった古臭い言い方を避けて今風に表現すれば、現実世界にスターシステムが発動した…って感じになるのかな?

元々自分は「創作物が自我を持つ」ってネタは結構好きで…原典を辿ればロボットに意思が宿るとか、もっと古いのでは彫像が動き出すとか。
そもそも日本には八百万の思想があるし恐らく有史以前からあるネタではあると思うのだけど、SF寄りかは絵本風なノリが好みです(感覚的なことなので言葉で説明が難しいのだけど)。
アニメでいえば永久アリス輪舞曲が評価高い、ゲームならmoonか。
ただ、これらの作品はひとつ問題があって…。
永久アリスならルイスキャロルのアリスインワンダーランド、moonならファイナルダンタジーやドラクエ、これら元ネタありきの作りであるということ。
あくまで有名作品のパロ、二次創作でしかない。
で、レクリエイターに目を向けると…一応物語世界から飛び出してきたキャラ達はオリジナルではあるものの、どうしても「どこかで見た感じ」は拭えない。
要は作中作が作中に飛び出すって話なのでいちいち作中作までは個別に紹介してらんない。
漠然と「ああコレ系ね」と分かるものでないとやってらんない(※1)。
つまりはラノベでよく居そうなタイプ、アニメでよく居そうなタイプ、ゲームでよく居そうなタイプ…と絞らないといけないため、結果的に…う~ん、キャラクターに新鮮味は全く感じない、仕方ないことなのだけど。

でもって、なんでそんな分かり切ったことをわざわざ書いたのかと言うと…※1の点。
漠然と「ああコレ系ね」と分かるもの、と書いたけど、分からん人は大丈夫なのだろうか?という余計なお世話かも知れないけど不安が…。
どうしてもパロ的側面は否定できないため、元ネタ(なんとなくでも)が分からない人は楽しめるのかどうかが気になる。
ラノベは原作どころかアニメも一切見たことありませーんって人、魔法少女はアッコちゃんとサリーちゃんしか知りませーんって人ね。
↑はわかりやすくワザと極端に書いたけど、要はターゲット層は狭く設定されてる気がする、企画段階から。
少なくともこの作品は“アニメ上級者向き”だと思います、上級者が偉いってことじゃなくてね。
言い換えれば非常に内向き・閉鎖的。
ロクアカのようなテンプレネタを繰り返す天丼ギャク作品ならまだしも、真面目な内容なんだよね…大丈夫なんかのう?

…と、不安な気持ちで見始めてみたら、あ、どうやら自分が当初思ってたのとは方向性が違うっぽい。
原作者の力ってのは実は大したことではなく、発表された作品が多くの人にどう印象に持たれてるか、ってのが重要らしい。
作者の意図を離れて勝手にキャラが動き出して「どーなってるんだー」ってなるのが主題ではなく、自我を持ってるのはとっくに確定済みで、現界することで「印象を持たれてる状態」からどう変化してくのかってのがテーマ…なのかな?
ラストは多くの人間の認識を変えることでパワーアップして逆転(※2)ってなったりして。

と見てたら、なかなか興味深いシーンが。
マガネ(ギザ歯)が作者を殺したって場面なんだけど、マガネの能力はどうやら言葉を交わして自分のペースに引き込むと発動するっぽい。
要は知恵比べをして勝つと倒せる、みたいな。
んで、賛否はあれど「作者以上に賢いキャラは造れない※3」って説が世の中にはありましてん、メテオラの作者を逝去済みにしたのも主人公チームに「メテオラより賢いヤツは居ない」状況を作るためだと思ってました。
もし作者が生きてたらメテオラ以上に考察考証が進んでしまい物語的につまらなくなるってことかなぁ、と。
※3の説を採用するかどうかは置いといて、この作品では原作者以上に賢いキャラが登場するってことでいいのかな?
もしくは現界した後で得た知識でもって作者の知識を上回ったとか?
へぇ~勿体ないというか思い切ったことするなぁ、マガネvs原作者の対決シーンとか1話丸々かけても面白かったと思うんだが。
“相手の情報”だけなら明らかに原作者の方が圧倒的に有利なはずで、それをどう覆したのかって充分な見所になったような?
(といいうつつ「そんなことありえない」と口を滑らせてアッサリ決着付きそうでもあるけど)
というかですね、マガネの能力自体よく分からん…「ああコレ系ね」とパっと思いつくのとはちょっと外れてる気がするので、それの説明のためにも原作者との対決シーンは欲しかった気が…。

でもって最新9話。
お、おう、もう何をか言わんや。
マミカはどうやって逃げた(何故アルタイルはトドメを刺しそこなった?)から始まり、各被造物の遭遇率やらホウレンソウどうなってるのかとかマガネの語り半分要らないよなぁ?とかとか。
細かいことを言うとマミカは「流血NG作品」で、個人的には切り裂いても血は流れない(せいぜい火薬が爆発するエフェクトが入って痛がる程度)認識だけど、恐らく作中の大多数は流血するもんだと思ってるのだろう。
けど死体が消滅するのはやり過ぎな気が…。
そんなことよりアリスですな、いくらなんでもアホ過ぎるというか。
ひょっとしたら騙されたフリをしてるだけで次回以降にタネ明かしがあるとか…な、ないかな?
マガネは邪悪な存在であることは分かった前提で「嘘は言ってないから正しい」と認識しちゃうのはちょーっと無理がある。
こんなDHMO(※4。詳しくはググってちょ)めいた手法に簡単に騙されるようなキャラが人気キャラというのは…う~ん?

更には公式でマミカのお別れ会(イベント)やるんだそうな。
へ、へぇ…。
ひょっとして、※2のネタをメタで引用するつもりかな?と思ってしまったり。
イベント会場のファンの声援により復活~みたいなの。
似たようなのではKey the metal idolってアニメを思い出す、イベ会場の声援(音声)を作品に使う的な。
そして、けっこう仮面(何バージョンかまでは不明)が各話のけっこう仮面が実はそれぞれ別人でラストで全員登場するってのがあった記憶があるのだけど、そんなのも可能なハズだよね?
なんか、それやりそう…やらんかなぁ?


一応ググってといいつつ※4のDHMOの解説。
大雑把に言うと肝心の物体の全容は伏せ、その物体にまつわる現象の一側面だけを列挙して解釈を意図的に誘導する手法。
ネット上でよく見る“偏向”もこの類で、厄介なのは「嘘は吐いてない」点。
また、これについては同期に放送してる別アニメでも思うところ(2つの作品にまたがって言いたいこと)があるのだけど、果たしてどうやって書いたらいいものが困惑中。
とりあえず推敲そっちのけで書くと、「どんなに不可解なことでも目の前で起きたらそういうものだとして納得する」一方で「不可解なことを理屈だけで説明されても納得はしづらい」。
要は物語の設定を納得させるうえで現象と理屈は可逆の関係ではない。
例えば“稲妻”の語源とかググれば分かると思うけど「空中放電で空気中の窒素が固定されて~」なんて理屈を知らなくても昔の人は雷が多い年はイネがよく稔ったと理解(納得)してたワケで…どんな原理なんだってのは正直どうでもいい。
そういう意味ではメテオラの世界崩壊説も懐疑的に思ってます、作中その前触れ的な現象描かれてないし。{/netabare}

13話までの感想
{netabare}政府主導のイベント…東京国際アニメフェア…アニメジャパン…うっ、頭が。
そのイベントが大失敗したり、アルタイル側がカウンターで別のイベントを開くって展開ならいいのだけど、大成功なんてことになったら…ちょっと…ねぇ?
フタッフ?スポンサー(小学館?)?が和解の手を差し伸べてるラブコールなんじゃなかろうかと穿った考えががが。
ただでさえオリンピックに向けて規制強化が進行しつつある昨今、そんな日和ったことしちゃう…のかなぁ?

なーんてことを考えてしまい、いやいや考えすぎだ、そんなメタなことは無いだろう、作品は作品メタはメタで分けて考えよう。
と自分に言い聞かせてた矢先に総集編ですよ。
…メタネタやん。
なんでそいう不穏な方へ考えが向くようなことをするんだろう?
あーいや、作中のイベントが失敗するってのならいいんだけどさ。

それにしても…マンガが得意ないじめられっ子が「自分ないしその分身を美化し、いじめっ子を情けないやられ役にしたマンガを描いて鬱憤を晴らす」ってのは昔っからあるネタで。
それをやられても「お、おう」としか…。
ってかそういうのって大概「空しいモンだな」って自虐を含んでるもので、メテオラにやらせちゃいますか…へ、へぇ…。
今まで情けない描写しかされてない颯太が美化されて大活躍する~ってならまだしもさ…ってかそれへの伏線なのかねぇ?
とりあえず、1クール目の内容は3話に纏められると思う。{/netabare}

16.5話までの感想
{netabare}特番…については別にいいや。
そんなことより、フォーゲルナントカとか、どう(作中の)視聴者に承認されたのか~とか見せないのね。
チェンバーフェス開催までアルタイル陣営はずっと待っててくれたってことかな?まぁこれは後でまた何かあるかも。
そ ん な こ と よ り 。
ダラダラ会議ばっかりでなっかなか話進まないなぁと思ってるのだけど、そこまでして引っ張ってるチェンバーフェスの内容。
一体どんなのかなぁと想像するワケですが、そこでイヤ~な予想が…。
まさかとは思うのだけど、

リフレクションでI-GUYがやってたこと

じゃあるまいな?
チンタラ引き伸ばしてたら別アニメで先越されたってことになったら目も当てられないぞ。
だ、大丈夫だよね?{/netabare}

18話までの感想
{netabare}↑でフェスのことをチェンバーと書いてしまったけど、正確にはチャンバーでした。
ひょっとして茶番とかけてる?
というかね…その…イベントの内容や、それが一般参加者からどう映ってるのかの描写が少なくない?
チャンバーフェスのストーリー全然分からんのだが…各キャラがどう紹介されて何がどう承認されたかとかサッパリ。
誰かフェスで公開された外伝?のあらすじ教えてくりゃれ。
う~ん、丸々1話使ってフェスの前日譚の作中作を流すかも?と期待したけど、無さそうかな~。
ザリフレクションのアイガイと被るんじゃ?ってのも危惧したもんだけど、その心配は無用だった模様。
しっかしこれだと…後出しし放題じゃん?
まさかそんな技が→実はフェスで承認受けてました、外伝で承認受けてました
全部これで済ませられちゃう。
なにこれツマンネーといって閑古鳥になるのを期待してたのもあるけど…「なんか面白そう」で自主的に集まったんではなく、政府からこういうの作れと強制されて作らされた、ってことの違いとかさぁ。
会場のスクリーンにはメテオラ全然映ってないんじゃなかろうか、突然作者の名前言い出すのはドッチラケではないのか…視聴者ではなく作中の観客にはどう見えてるのん?
観客はイエスマンなのか?創作者の思った通りに承認してくれてますって体で話進めちゃうのは、結局創作者の傲慢さを感じてしまう。

ハンガク飽きたから返す、にズッコケ。
弥勒寺の「嘘ついてなんの得があるんだよ」、いやいや、自分が狙われない・恨まれないって得がありますやん?
「遊びたそうだから相手してやった」ってのは“半年猶予があったのに”翔は知ってなさそうだったし、その理屈は通用しない。
あんま言うとエラソーでイヤなのだけど、サリーアン課題解ける?大丈夫?
“半年猶予があったのに”は翔に限らず全員に当てはまる。
アルタイルがどんなヤツか分かってるハズなのに対抗策がソレ?
ぱっと出のカロンといきなり心中、そりゃあ言葉では時々出てたけど、もっと「コトあるごとにカロンのことを言う」位のことをして積み重ねしてくれんと全然感情移入できない。
主人公?英霊でいいんじゃね?

と、今思いつくだけでも突っ込み所山盛りで、もうどうにもこうにもになってしまったけど…。
それでも期待してるのがあります。
↑でも名前を挙げたことのある“永久アリス輪舞曲”、最後にソウタがあれのオチみたいなことをしてくれたら自分は大絶賛してしまうかも知れない。
単に自分が思いつかないだけなので、もしくはそれに匹敵するオチであればまだ巻き返せるので…頼んますよ~。
正直見るのシンドイっす…。{/netabare}

20話までの感想
{netabare}唐突に登場したシリウスだけど…政府の作ったオリジナル(アルタイルをオリジナルと呼ぶのも変だけど)の模造品…感情無し≒ロボット…くっそwこれスパーXっつ-かメカゴジラだ。
あんま詳しくないけど93辺り?
メカゴジラがゴジラに勝てるワケないやーーん!!
ということで当然のように負けて爆笑。
お約束的に松原達はあんなので勝てると本気で思ってたのか?「あれ、これメカゴジラみたい」と薄々気付いてたんちゃう?
いっそのこと「メカアルタイル」とぶっちゃけた方が潔かった気がする、スーパー付けてもいいぞ。

で、ソウタはソウタで…えーっとこれは“正解するカド”の感想で書いたことがあるな。
作戦会議に行き詰まって大人達が難しい顔をしてる中、バンと乱入してきた子供が核心を言う、ってネタ。
未だに元ネタは分からないままなのだけど(友人からはガメラじゃね?と言われた。岸和田博士でもそのパロあったような…)自分こういうネタ好きでしてん。
ソウタはその少年の役回りか?

ここへ来て妙に特撮のパロが目立ってきた感じ。
↑でパロ的側面は否定できないって書いたけど、いやいや、こっちが指摘したのはキャラ設定であって展開についてではなかった。
今回見た瞬間は爆笑してたけど、冷静に考えるとヒッドイ内容よねぇ。
こんな終盤でそんなことをされても、設定畳みきれなくなって特撮パロでお茶を濁してるような印象。
まさかとは思うが…パロやってないつもりでこの内容になりましたってことじゃないよね?
「こんなこともあろうかとスーパーメカアルタイルの伏線をフェス内に張っておきました」って、いやいやいやいや、真田さんでも「聞いてないよ」とビックリするレベル。
「後出しし放題じゃん」と前回書いたら本当にそれやられて、呆れるを通り越して大丈夫か?と不安さえ覚える。
というか、さ、観客に対し伏線張って承認得てました、とするなら、さ、アルタイルも事前に察してるハズなんじゃ?
なに驚いてんのさ、半年寝てたのか?
これはブリッツの娘もそうだけど、承認を得る=手の内を明かすだと思ったのだが…雑よねぇ、やっぱりサリーアン課題受けた方が良い気がする。
「子供が会議室に乱入して核心を言う」ってのも、あくまで余計な知識無く純真な気持ちで考えると答えが見つかるってだけで、マガネにチート能力授かって~ってことではない。
ただでさえ承認力とやらが都合のいい言い訳臭かったのに、それすら超越しちゃったらソウタにとって観客とはどういう存在なんだか訳分からなくなりそう。
初期の頃から「アルタイルに敵対するぞい」と決意した被造物達立つ瀬無いのう、パっと出のエロゲキャラやついさっき娘見させられて寝返ったオッサンが活躍しても…ねぇ?

白箱やニューゲーム見てないんで…代わりと言っちゃナンだけど、もう古い作品になってしまうのかな?「変身三部作」ってアニメがありまして。
“ヒットを狙え”と“LOVELOVE?”と“超変身コスプレイヤー”の3タイトルが同時進行するって作品で。
内容はイロモノ特撮の企画に関わる制作者の話で、LOVELOVEが原作者視点、ヒットがプロデュユーサー視点、でもってコスプレイヤーが出来上がった作品って体。
お勧めではあるけどお色気増し増しなのであんまり胸張って勧められないという作品なんだけど、どうにもレクリエイターはこれに例えるとコスプレイヤーが全然見えてこない。
まぁ笑えたからいいの…か?


でもって残り話数も少ないし今後の展開予想…ってより願望書いてみる。
セツナ登場に会場大ブーイング→ソウタ「こんな気持ちだったのか」→アルタイル同情→松原達「なんだこの程度か」→プロのクリエイターSUGEEEE
やっぱり会場の観客があんなので納得するのか?ってのが違和感デカいし、なによりクリエイター側に都合良すぎなのがどうにも。
こっちの思った通りに観客の心を操作できないって描写は欲しいぞ。
特にソウタはマガネの力で反則技使ったワケだし、これがもし受け入れられるようだったら…製作者の傲慢を疑う。
っつかね、あると思うんだけどねぇ、スポンサーの意向でどうでもいいキャラ投入しないといけなくて苦労したー、とかさ。
怨嗟の声が聞きたいとまでは言わないけど…もし現場にソウタみたいなヤツが居たら、好きか?喜ばしいか?
で、まだ続きがあって、ソウタの考えた物語はゴミのようにつまらなくて、けどその中でアルタイル始め現界した被造物たちは幸せに暮らしましたとさ、で〆(↑で書いた永久アリスオチ)。
「想像力が創造力に変わる時、終わらない物語を終わらせるための戦いが始まる」Take me to your story~♪で終わったら泣いて喜ぶ、自分は。
逆にこれをやったら激怒するぞ?ってのは…これは書かなくていいか。{/netabare}

21話感想
{netabare}わぁい、前回「これをやったら激怒するぞ」ってのは敢えて書かずに居たけど書かなくて良かった。
殆どそれと同じ内容でした。
実際大正解を引いて本当に激怒するかといえばそんなことはなく、ただただため息が出るばかり。

まず最初に、セツナの死因は別にあるものだと思ってました。
トレス疑惑で自殺に追い込まれるほどの炎上って、聞いたことが無い。
また、それほどの出来事であるなら政府総出で・それなりの第一線のクリエイター複数居て、アルタイルの正体が分からないというのは不自然。
うん…まぁ自殺だったんでしょう、そういうことにしよう。

で、そうすると次の問題。
セツナ現界からアルタイル逃走まで、どこまで予想してた・予定通りだったのか。
他に手段が無くて破れかぶれだったのか、「きっと説得してくれる」と思って現界させたのか、セツナ復活は一時的なものでまた死ぬか消滅するかでアルタイルは連れて別世界へ逃走すると睨んでたのか。
要は…「そうだ、セツナを現界させてもう一度殺そう」と思ったのかどうか。
現界セツナの正体も「自殺にまで追い込まれた人間の振舞いではない」「メガネがソウタのもの」「電車に轢かれたがる」等、現界セツナはソウタの願望・理想のセツナにしか思えない。
そんなのにまんまと騙されるアルタイルも噴飯モノだけど、そいつに赦しの言葉を言わせて赦された気になるソウタは正直…気持ち悪い。
「これで追いつけただろうか」も、クリエイターになるために何か努力してたワケでもないし、現界できたのはマガネの力なんだし…何をどう解釈すればそんな台詞が吐けるのか理解に苦しむ。

そもそも、だ、ソウタはセツナを自殺に追い込んでしまったことを気に病んでた…ハズ。
一方マガネは自分の作者を殺したんだか自殺に追い込んだんだか、それを悪びれる様子は無し。
結局、マガネがソウタに力を貸したのは「ソウタは実はセツナ自殺に責任を感じてない。むしろいいネタ頂き!と喜んでる」と見抜いたから?とさえ思えてしまう。
1クール目終盤「ボクが殺したんだああ」で「はぁ?」となったが、結局これは演技だか自分に酔ってたということだろうか。
「物語ならアリ」?
それを決める観客がイエスマンな中で言いますか。

──で次の問題、っていうか個人的に最大の問題。
「会場の観客があんなので納得するのか?」ってのは前回書いた通り。
なにやら感動してる風なのが違和感ありまくりで気持ち悪い、「お客」が都合良すぎて制作陣の傲慢に見えて仕方ない。
セツナの現界はマガネの力によるズルで承認力は関係ない。
…。
観客は大ブーイングであっても設定的には破綻しないじゃーん?
ならやっぱり、大不評ってことにした方が自然じゃなかろうか。
それに対し知ったことかとふんぞり返ればいいじゃないか、「オレはセツナと違ってこんなんで凹んだりしない」でいいじゃないか。
ろくすっぽ作品作ったでもなくちょっと関わりがあるだけで業界にずっと居座り、ズルをしてプロの舞台を踏み荒らし、その内容も自殺した実在の人物を2度殺しするという倫理に欠くもので「確かに卑怯だけど物語ならアリ」とまで言わせるなら、それくらいやらせりゃいいのに。
…。
観客はセツナなんていきなり出てもポカーンなだけなんじゃ?
正直これ、承認力とか無しにして、人知れず戦いが行われてるってことにした方が良かった気が。
被造物もアルタイルとマガネ以外要らなかったような?
フェス自体も要らなかったような?
解決方法も、何故か線路に飛び込みたがるセツナ救いたくば別世界に飛ぶしかないという人質戦法。
普通に飛び込んで、死んで、アルタイル「セツナを…二度も…二度も殺したな!」(クエイサーネタ)と血涙流させた方が面白かったような?


と、かなり文句を書いてしまったけど、まだだ、まだ挽回のチャンスはある!
なんといってもチャンバーフェスでメテオラは一回も戦闘をしていない、OPであんなアクションやっておきながら。
ずっと管理室?に閉じこもったままで「観客はこんなんでフェス楽しめてるの?」と思う一因にもなってるワケだけど、その代償を払ってでもやりたいとっておきのオチが用意されてるのかも知れない。
そもそも確証も無く世界崩壊言い出したのメテオラだし、フェスまでの期限を決めたのもメテオラ。
動機もあるんだよね、強引な解釈かも知れないけど。
メテオラの作者の死因が実は過労で、そんな過酷な労働環境の業界やそれを許してる世界が気に食わん、ってのは充分な理由にならないかな?
根拠のない世界崩壊や無茶なフェスの締め切り設定したのも、環境改善する最後のチャンスを与えたとか、自分の作者と同じ苦しみを味わえ、って意図であるなら納得できる。
マガネ以外の被造物の存在理由やアリスやセレジアの無意味な死も、それもメテオラの計画通りってことなら意味を成すような?
もうさ、黒メテオラになってさ、更に政府とグルでさ、「ご苦労様、もう用済みだ」と言って残った被造物を射殺とかさ、やってもいいんやで?
ついでにソウタを罵ってくれるとスカっとするんだが。
冗談抜きでバッドエンドで終わらせた方が良い気がする。
いいお話系で〆ようとすると気持ち悪くてどうしようもない終わり方になりそうで。{/netabare}

22話感想
{netabare}ああ、これで終わりか。
言いたいことは↑であらかた書いちゃったな…っていうかもうなにか書く気力も沸かない。
時間を置いて総評書くかも知れないけど、そうじゃないかも知れない。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最終話&総評 印象に残ったのは声優さんの浴衣姿

“アルドノア・ゼロ”のスタッフが集結、みたいな宣伝してたかな。声優さんも同じ人がいたりする。“アルドノア・ゼロ”、あまり高い評価してないけどね。
でも、オリジナルなので、全話レビューすると思う。

放送直前特番
{netabare}
物語のなかからキャラクターが出てきてバトルする話、でいいのかな? さらっと見ただけなので、詳しくは知らない。
印象としては、アメコミヒーロー集結って、感じ。棚に入れている表紙もバットマンみたいだし。
あまり期待しないで見るつもり。そのほうが期待以上になるから。
{/netabare}

第1話 ヒロインのキャラデザはイマイチ、ほかはそこそこ
{netabare}
ニーソやガーターはマンネリ。季節を考えたら、素足だろ。素足にブーツで足がむれるヒロインとかいいと思うんだけど(笑)。ヒロインだけでもリクリエイトしてくれるとうれしい。

ストーリーや設定は、むかしの漫画やアニメを探せば似たものがありそうな印象。だけど、見せ方は“アルドノア・ゼロ”を作ったスタッフだけあって秀逸。

どことなく、Fateに似ている気もした。それぞれのキャラにはクリエイター(創造主)がいて、好き放題できない、とかじゃないかな。その一方で、クリエイターを出し抜こうとも考えているとか。

中二病全開のセリフを聞かされて、セレジアが恥ずかしくなるシーンは面白かった。確かにそうなるよなって感じだった。

主人公の世界からも情報流出(?)してたら面白いな。車が運転できるところもムリクリでなくなるし。
あとは、アニメやラノベから出てきたキャラなら、水着回や温泉回がないと、この設定に説得力がない。
{/netabare}

第2話 創造主はイラストレーターだろ
{netabare}
見てると矛盾点とかありそうで、モヤッとした気持ちになる。面白いことは面白い。OP、ED、挿入歌もいい。このアニメにはもったいないくいらい。

創造主を原作者だけにするのはピンとこない。イラストレーターも含まれるだろう。ゲームだとなおさら。プログラマーでもいい。創造主=原作者という点は、ちょっと懐疑的に見ている。

異世界から情報が流出して、原作者にインスピレーションを与えたという設定も考えられる。ただ、複数の人に情報を与える必要がある。
オールスター集結みたいな、いまの設定のほうが面白いかな。
{/netabare}

第3話 視聴者が疑問に思うことを試した回
{netabare}
セレジアは原作者の手を離れて動いているから、すでに改変しているだろって、突っ込みたくなった。この点にキャラたちが気づかないのは、ちょっと不自然。
セレジアの行動は原作者が決めていたことになる。原作者がストーリーを書かないと、セレジアは動けない存在と言える。だけど動いている。この点から考えても、創造主=原作者はありえないと思う。

逆のパターンとして、もともと異世界が存在して、クリエイターにインスピレーションを与えた可能性もある。ただ、セレジアはラノベにある未来を知らないから、過去からきたことになり、パラレルワールドとタイムスリップの両方をからめた感じになってしまう。これも無理がある。

現時点で考えられるのは、主人公のいる世界そのものが創造したもの。いろんな作品から集めて作った二次創作みたいな感じ。これならどんな矛盾点も解決できる。
{/netabare}

第4話 キャラたちのセリフがウザい
{netabare}
キャラが増えてきて、そのキャラのほとんどが中二病全開のセリフを吐くからウザいな、って思った(笑)。そういう設定だから仕方ないんだけど。

”つじつま合わせ”という言葉を使うからには、セレジアたちが出現した理由もあるはず。メテオラの話から考えると、第1話の冒頭に出てきた少女が大崩潰(大崩壊ではないらしい。HP参考)と関係している気はする。ミスリードの可能性もかなりあるが。

アニメ通りの設定なら、3タイプのキャラが存在すると思う。
1.人類(創造主)
2.ラノベやゲームのキャラ
3.セレジアたちを主人公の世界に送り込んだ存在

3は、軍服の姫君が最有力だが、どのようにしてという問題が残る。アニメでは、人気のある作品ってことで、自然現象のように捉えている。だけど、呼びこんでおいて大崩潰を起こすのも変な気がする。
{/netabare}

第5話 どうやって収束させるのだろうか
{netabare}
主人公の周りだけなら、ファンタジーなオチで済んだのに、なぜ、自衛隊や政府まで出してきたのか。漫画やラノベのキャラが現れたら、政府はどう対応するのか、シミュレーション的で面白い。だけど、セレジアたちが現れた理由にもリアリティを持たせる、物理法則的な説明が必要になってきた。

その一方で、軍服の姫君は、主人公や(最後にちょっと出た)少女と関係があるように見せている。これは精神論的な作用を思わせる。少女に重大な出来事が起きて、それが原因で軍服の姫君が現れたみたいな。

このアニメはリアリティを求めている。”漫画やラノベのキャラが現れてもおかしくない”と、視聴者に思わせる必要がある。だから、結末は相当難しい。量子論を使えばなんとでもなるかな。
{/netabare}

第6話 B級アニメ
{netabare}
便宜上、主人公や創造主をリアルキャラ、ラノベから出てきたキャラを中二病キャラとしておく。

今回はリアルキャラがほとんど出ず、中二病キャラばかりだったので、安っぽく感じた。
理由は、キャラクターに思い入れがないから。実際に放送されたアニメのキャラを使ったら、かなり面白くなると思う。(著作権の問題で無理な話ではある)

アニメのなかでヒットしてても、視聴者にはただの中二病キャラにすぎないので、気持ちが入らない。このアニメの欠点だと思う。この欠点を補うために、人気のある魔法少女や女騎士を出してきているのだが、パクりキャラに見えてしまい、安っぽく感じるのだ。
もっとオリジナリティのあるキャラにすべきだったと思う。

いろいろ書いたけど、面白いことは面白いと、最後に付け加えておく。
{/netabare}

第7話 視聴者の疑問に答えた感じ
{netabare}
人気があれば出現するなら、ほかにもたくさんあるとか、視聴者の疑問に答えた回だった。
キャラが偏っているのは、だれかの趣味、趣向によるものだとか、軍服の姫君はネットで活躍するアマチュアの作品だとか、視聴者が考えることを先回りして答えた感じだった。

漫画やラノベに詳しい者が作った二次創作の世界かな。キャラがシナリオなしでも動けるところを考えると。
軍服の姫君は主人公の知り合いの少女が創作して、ネットで嫌がらせを受けた。そのあたりの事情を主人公は知っている……そんな展開か。
タイムトラベラーのキャラが出てくれば、過去に戻って原因を究明できそうって思った。
{/netabare}

第8話 魔法少女がどうなるのか気になる
{netabare}
話はそれほど進んでない印象。魔法少女がどうなるのか、気になるくらい。元の世界に戻るのか?
彼女と言っているので、軍服の姫君の創造主は予想した少女で確定か。

リアル感を出すと、"二次元"が強調されて、(ラノベやアニメの)キャラたちが薄っぺらくなるなあ、と思った。原因を探ったりせず、ハチャメチャなドタバタ劇でも面白かったかも。

設定さえあれば自由に動き回れるのもご都合主義的。まだ、真相はわからないから何とも言えないけど。
{/netabare}

第9話 音楽がいい
{netabare}
バトルで流れる音楽がいいので、たいしたことなくても、かっこよく見える。
魔法少女はありきたりな消え方だった。退場させるにはちょっともったいない気もした。
あとは、敵対するキャラをできるだけ悪く描いている感じ。たぶん、嘘を逆に利用して倒すんだろうな。cvが坂本真綾さんなのは驚いた。

次回は、メテオラとアリステリアが戦っているとき、主人公が真相を話して止めそう。「きみたちが戦う必要なんてないんだ」みたいな。
{/netabare}

第10話 明らかになってきた
{netabare}
ストーリーはさほど進んでいないけど、中途半端だった事柄が明らかになってきた。

1.創造主による改変が可能
2.現実世界に現れるには、人気が必要
3.だれかの趣味や嗜好に沿ったキャラだけが現れている

人気だけではダメなのは、シンデレラや白雪姫が出てこないことからわかる。(そういえば、童話のキャラが現実世界に現れる映画があったなあ)
{/netabare}

第11話 メガネオチ
{netabare}
すでに視聴者が気づいていることを淡々と説明する回だった。
主人公がセツナからメガネを引き継いだわけではなく、落としたというオチだった。
セツナの声優さんは甘ったるい声ですぐにわかった。大橋彩香さん。

秘密を明らかにしたあと、主人公の役割はどうなるのか。
アルタイルと戦うキャラを創作するのか。共感ないと出てこれないけど。

セレジアたちが現れたのは、主人公が原因なのか。ショックを受けたから漫画からキャラが出てきたというのは、ちょっと無理がある。
{/netabare}

第12話 別の作戦を考えてみた
{netabare}
終盤(第2クールもあるのかな)にきて、ちょっと粗さが目立ってきた印象。ツッコミたくなる点がいくつかあったり、もっと単純な作戦があるだろって思った。

まず、サイトを閉鎖するなり、動画をアップできないようにして、アルタイルの新技阻止。
改変してパワーアップさせたら、中国人に協力してもらってアクセス数を上げる。これで勝てると思う。

政府の情報漏えいの甘さとアニメが海外にも普及しているのを考慮したら、外国人が介入しないのは不自然。
リアルに描いているのだから、「日本で変なこと起きてるぞ」みたいな海外の反応はあったほうがいい。

アルタイルは、アルタイルの存在を世の中に示すのが効果的。面白半分に動画をアップさせる人が増えるから。
あと、弱点も作れるのかなって思ったりした。
{/netabare}

第13話 総集編なので、疑問点を挙げてみた
{netabare}
アルタイルがアニメや漫画のキャラを現実世界に出現(現界)させ、戦わせたりすることで、大崩潰を起こそうとしている……。こんな感じでストーリーは進んでいると思う。
疑問がいくつか出てくる。

・アルタイルを現界させたのはセツナなのか?
キャラに偏りがあるのは、セツナの好みが反映されたからなのか。主人公の颯太が詳しいのは、二人の好みが同じだったから?

・アルタイルが現界させているなら、その能力はだれが作ったのか?
二次創作なので、そういう能力を持っていてもおかしくないが、創作者がいるはず。

・大崩潰が起きるという根拠は?
現時点ではメテオラが言っているだけに過ぎない。

現界のメカニズムが精神的な要因になっているのがしっくりこない。ネットの中傷が原因なら、世の中二次元キャラであふれてしまうぞ。
あと、エンディングで歌っているのはアルタイル、豊崎さんだけど、動画を作ったのはセツナだから大橋さんだろって突っ込んだ。それとも、豊崎さんをcvに雇ったという設定なのか。
{/netabare}

第14話 新キャラはスパイか?
{netabare}
主人公の颯太が創作に関わるのは予想できる展開。秘密をカミングアウトしたあとは役目がないので。アルタイルを倒すキャラよりは、セツナを思い出させるキャラを作ってきそう。名前はベガ。

アルタイル側も勝てるシナリオを作ると思う。そのためには颯太側の情報がほしくなるからスパイを送る。だから、新キャラはスパイだと思った。
最初は颯太側のシナリオで勝って、つぎはアルタイル側のシナリオで勝ち、最終決戦という展開かな。
{/netabare}

第15話 ちょっとお笑い回
{netabare}
ギャルゲーを作る人が変態とは限らないけど、否定はしない。
新キャラの星河ひかゆ(cv: 夏川椎菜)は、スパイキャラと思ったけど、お笑い担当かもしれない。
ギャルゲーキャラなら、主人公とからんでほしい。セレジアはツッコミばかりで、主人公とラブラブになるようなキャラではなさそうなので。

メテオラは以前からだが、アルタイルも、なにを言っているのか、わからなくなってきた。セリフのなかに伏線があったら腹立たしい。

メテオラは別の思惑があると面白いんだけどな。大崩潰を言いだしたのはメテオラだから、意図的に戦いに誘導させていると取れなくもない。
{/netabare}

第16話 温泉回
{netabare}
まず、いつ免許取ったんだ、合宿で短期集中かって、突っ込んだ。

そのあとは、アニメらしく、無理やり入れてきた感じの温泉回。
男は大雑把で、女性キャラはアングルを変えたりと、サービスシーンに力を入れていた。
声優に関しては気になってたけど、声優さんとご対面するようなシーンはなかった。

メテオラが現界できるのは、なぜなんだ?
説明とか設定を見逃していたのか。なんせ、メテオラのセリフは聞き流してるときがあるので。
ネットには改変したから現界できたとかあったけど、承認はいつしたんだって疑問が出てくる。

メテオラあやしいなあって気はするんだよなあ。大崩潰が起こると言いながらも、現界したキャラが世界遺産を壊しまくるような危機的状況でもない。
仕掛け人がメテオラでもアルタイルでも、その仕掛け人を現界させた人物がいるんじゃないか。
颯太も被造物で、颯太の世界も物語じゃないかって思ったりもした。
{/netabare}

第17話 最後のオチはありそうな気がした
{netabare}
娘が登場するのは、やさぐれた姉ちゃんがしゃべっているときにありそうだなって思った。だけど、話を面白くさせるという信念を曲げていることにならないか?
それに、承認を得られる展開とも思えないし、オッサンも喜びはしないんじゃないかな。

バトルシーンは面白かったけど、新技なのか、既存の技なのか、わからない。それぞれのキャラが初期状態でどんな技を持っているのかがわからない。
承認を得られず技が出なくて慌てるみたいなのもほしいと思った。
{/netabare}

第18話 承認されすぎだろ
{netabare}
ご都合主義的な回だったけど、ひかゆは面白かった。
承認されてばかりで、その過程がないのは物足りない。例えば、娘が復活するかどうかの承認を数値で表したら緊迫感も出てきた。あと、メテオラとコラボして復活したなら、そのあとずっとコラボしたままになるのか?

ひかゆは面白かった。ファンディスクがこれなんだろう。ただ、ひかゆ単体はそれほどでもない。周りでまじめに戦っているから、ひかゆが面白く見えるんだと思う。

ラストはセレジア以外は衝撃的ではない。いろいろなキャラが出てきたせいで、各自のエピソードが薄っぺらくなってきている気がする。
{/netabare}

第19話 白だろ
{netabare}
ひかゆが白のパンチラを見せたあと、「白黒きめる」というセリフを言わせたのは、意図的な気がした。ひかゆは面白い。唯一楽しめるキャラかも。
セレジアはひどかった。敵ごと倒せって、古めかしい展開。しかも、無駄に音楽がいい。こんなふうな扱いにされて、セレジアはちょっとかわいそうかな。でも、承認力で復活するかも。

メインヒロイン?だった二人を消滅させたところが、今回の見どころだろう。だけど、まえから指摘しているように、それぞれのキャラが薄っぺらいので、それほど感情移入できない。
薄っぺらい原因は、視聴者にすぐにわからせるため、設定や背景が簡略化されているから。セレジアが出てくるアニメが見たくなる奥深い設定にすべきだった。
{/netabare}

第20話 歴史上の人物も現界できるのか?
{netabare}
第14話のレビューで、"セツナを思い出させるキャラを作ってきそう"と書いたけど、そのものとは思わなかった。アニメに実写が入ったような違和感。

現界されたキャラは二次元に思えるけど、三次元。現界キャラも颯太と同じ人間と見なければいけない。
アニメのなかでアニメのキャラが現れるからわかりづらい。だから、このアニメは実写にすると面白いかも。

セツナは、アルタイルを倒す(というか諭すか)だろう。でも、ラスボス、マガネの作戦じゃないかと思う。
セツナは現界されたまま残るわけにはいかない。颯太が苦しむのをわかってて、マガネは手を貸した。
それに、こんなことができるなら、歴史上の人物も承認されれば復活してしまう。
{/netabare}

第21話 きれいにまとめた感じ
{netabare}
ご都合主義的で突っ込みたくなったが、きれいにまとめているから、視聴者のほとんどは気にしないだろう。

気になったのは二点。
被造物は原作者を知らないのだから、アルタイルもセツナを認識できないはず。特別な存在ってことか?

セツナを描いたのは颯太。知りえる情報からセツナの設定を決めたはず。
「颯太に見てもらうためにアルタイルを書いた」というセリフはセツナの口から出てくるはずがない。なぜなら、颯太も初めて聞いたから。下手すれば、颯太がセツナに言わせているみたいになってしまう。セツナがこのセリフを言うための伏線を張っておくべきだった。
{/netabare}

最終話&総評 印象に残ったのは声優さんの浴衣姿
{netabare}
これで終わり……? と思ってしまうラストだった。オチと言えるのは、メテオラが残ることだけ。
フェスが一番盛り上がるところだったか。フェスは通過点で、ラストになにかあると思っていただけに残念。
このアニメのクリエイターは、このストーリーで満足しているのだろうか。

ここからは総評。
物語からキャラクターが出てくるのは、むかしからある設定。珍しくはない。
現界したキャラに思い入れがないため、どのキャラも魅力的に感じない。実際の人気アニメキャラを使っていたら、フェスの観客のように盛り上がれた(著作権の問題でそれは無理だが)。現界されるほど人気が出た理由もあればよかった。

ストーリーが物足りない。キャラを二つに分けてバトルさせ、キャラが消滅すれば補充する。とくにひねりもない行き当たりばったりなストーリーだった

アルタイルがすべての始まりであるのに、アルタイルが現界された理由はサラッと流された気もする。
アルタイルが憎しみの感情から現界されたとしても、セツナがその感情を持っていたとは思えない。その一方、颯太が描いたセツナは贖罪の意味が大きい。この二者が一緒の世界で過ごすというのも違和感があった。

最後まで見続けたのだから、そこそこ面白かったとは思う。ただ、印象に残ったシーンを思い出そうとすると、声優さんの浴衣姿しか脳裏に浮かばない。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

92.5 3 2017年度のロボットアニメランキング3位
メイドインアビス(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (2235)
9220人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。
どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。
「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。
そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。

アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。
そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、田村睦心、沼倉愛美、塙愛美、村田太志、坂本真綾
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

縛りプレイで挑む高難易度RPG「世界淵の迷宮」

人類最後の秘境、地上にぽっかりと空いた巨大な縦穴「アビス」の謎に迫る、ホラーあり、バトルあり、サバイバルあり、ミステリーありの冒険ファンタジー。

探窟家見習いの少女リコは、アビスの深淵で行方不明となった母親の消息を突き止める為、少年の姿をしたロボット=レグと共に旅立ちます。

先ず目を引くのが圧倒的な画力で描かれた※背景画。どれ一つ取ってみてもそれだけでアートとして充分通用するレベル。漫画版のモノクロ描写に命を吹き込んだかの様な臨場感豊かな色彩表現にも脱帽。目も心も奪われてしまいました。

反してキャラデザはディフォルメ強めのコミカル調。ちょこまかと動くのは良いのですが、背景とのギャップが大き過ぎるので若干浮いている様に見え、わたしは慣れるまで数話の視聴を要しました。こちらについては漫画版の方がやはり調和が取れていた様に思います。物語が進み、暗くくすんだトーンの画が描かれるシーンが増えてくるにつれて、あるいは私自身の物語への興味が増すにつれて、段々とキャラが背景に馴染んでいった感じです。結局の所、違和感はほぼ解消されました。‥慣れって恐ろしくもありがたい(笑)

世界観については、アビスの自然とそこに住まう生物、SFガジェットから探窟ツール、料理、治療の描写に至るまで、どこを切り取っても深みがあり興味深かったです。動植物たちの丁寧な描写には特に目を見張るものがありました。

キャラについては、知識はあるけれど力の無い楽観的なリコと、力はあるけれど知識のない直情型のレグという、2人の主役の行動や言動が直線的で感情の機微に乏しいので、何となく荒削りという印象が付きまといました。
{netabare}
中盤に登場する熟練探窟家のオーゼンや、後半に登場するナナチの様に、重い過去を背負っているキャラたちと比べて、主人公二人の思考が特に単純なのは、一人が子供で、もう一人がロボなので仕方ない気もしますが、リコの迷いや葛藤の薄さはアビスの恐ろしさを軽視しているかの様に見えるほどで、危なっかしいやら、場面によっては呆れさせられるやらで(危険地帯で楽しそーに話してる場面とか特に)毎回ヒヤヒヤさせられました(汗)

大人たちも大人たちでまた、何故リコ達をもっと必死になって止めなかったのか?など…疑問符を付けたくなる様な姿勢がいくつか見受けられます。探窟家として未熟過ぎるリコとレグを容認した形で見送った大人たち、地上で冒険の出発を半ば黙認したリーダーや、深界二層で二人を連れ戻す機会のあったハボルグ、ライザとの約束に基づいて渋々協力したオーゼンなども、リコの意志を汲んでくれているのは良く分かるんですが、自殺行為を黙認している様でもあり、一人前扱いし過ぎなのではとわたしには思えてしまいました。怪物じみた力を持つ最上級の探窟家"白笛"にしか進入が許されていない下層に2人を送り出す大人たちの心情は理解し難かったです。

一方で後半に登場するアビスの住人ナナチですが、このぬいぐるみうさぎみたいな人物は、優しくて思慮に富み、この1クールの中ではわたしにとって、その友人ミーティと並んで数少ないお気に入りキャラになりました。他のキャラよりもちゃんと血の通った言葉で話している印象があり、落ち着いた佇まいが魅力的です。毛皮に包まれたケモノな外見といい、井澤詩織さんの低く唸る猫みたいな声音といいかわいすぎます(笑)

そしてもう一人焦点を当てたいのがボンドルド。この男の生体実験描写を見て、初回のリコがレグに対して行なった実験(火あぶりとかナイフで突くとか)を思い出した人はいるでしょうか? 実験の為に集めた子供たちを"人間としての運用はしていない"という言葉であっさりと片付け、自他を納得させていたボンドルドですが、この思考傾向はリコに通ずる所があります。リコがレグをただのロボとしてしか見ていなかった時点での行いだったので大目に見たい気もしますが、やっている事はやはり同じ‥もしかしたら原作者のつくしあきひとさんは、この描写を持ってボンドルドとリコ、探窟家(研究家)同士の共通する性質を暗に描いていたのかも知れません(汗)
{/netabare}
またキャラと言えば忘れてはならないのがアビスの生物たち。※2現実の野生動植物を思わせる習性の細やかな描写は、ただ現れて撃退されるだけのモンスター表現とは一線を画していました。生命力と狡猾さが感じられます。世界観の広がりを見せる役割も、旅の障害としての役割も、いずれも十二分に果たしていたと言えるのではないでしょうか? 神出鬼没の死の運び手としての印象も大でした。

構成については、世界観と冒険の動機の説明に当てられた最初の3話を除き、移動、戦闘、拠点到達、休息の繰り返しという、冒険小説やRPG的な王道パターンを踏襲している様で、ストレス無く物語を追う事が出来ました。ただ地続きの旅ではないという事と、レグのワイヤーアームが便利過ぎるのが相まって、時間は割かれてはいるものの"移動"の部分の描写に関してはかな~り淡白な印象だけが残っています。OPで表示される※3奈落見取り図を初見した時には、最下層に到達するまで何クールかかるんだろう? なんて期待と不安のこもった想像していた手前、案外とサクサク進む展開に拍子抜けしてしまったので尚更(汗)

音楽についてはkevin penkinさんによる壮大かつ透明感ある楽曲全てに満点を送りたいです。一話目のOPで流れたUnderground Riverとアビスの風景の音と絵の調和があまりにも神がかっていたので、それだけで涙腺が緩んでしまいました(笑)メイドインアビスの世界が瞬く間に身を覆う様でした。

2話目以降のOPやEDも絵や動きで色々と楽しませてくれて捨て難いものがありましたが、少年漫画然とした明るさはダークな作風に沿わない印象があり、特に話が重くなる後半になるにつれて本編との隔たりが大きくなっていったように思います。私的には前者の方向から外れずに最後まで一貫した世界観を描き切って欲しかったです。

1~3話までの物語の運びが割とスローペースだったので、古典RPGの※4ウィザードリィの様に徐々に探索範囲を広げ、リコたちがレベルアップ(ダウン?)していく堅実な展開を想像していましたが、予想は良い意味でも悪い意味でも大きく裏切られ、いつしか、先が読めずスリリングな展開に目の離せない、同シーズン中でも取り分け刺激的で気になるアニメの一つになっていました。

今後も更なる過酷な試練がリコ達の行く手を遮る事でしょうが、生きてみんなで地上に帰還する光景を夢想しつつ、2期(もしあれば)の冒険にも大いに期待したいと思います。

※1~4
{netabare}
※1:美術監督を務められた増山修さんはジブリ映画のいくつもの背景を手がけられた事でも有名な方。裏方事情に全く詳しくないわたしでも、テレビの特集かなんかでお顔を拝見させて頂いた事があるほど(笑)色彩設定を担当された山下宮緒さん他、作画に関わった全てのスタッフの方に賞賛を送りたいです。

※2:今でこそ、銃声を恐れ鉄の臭いを嫌う、臆病なイメージのある動物達ですが、ヒトが弓矢や槍投げ器などの強力な武器を発明をする以前には、クマやオオカミなどの大型種(今よりもずっと巨大だった)がヒトの天敵として猛威を振るっていた時代があったらしいという話をドゥーガル・ディクソン氏とジョン・アダムス氏による共著「フューチャー・イズ・ワイルド」という本で読みかじった事があります。

恐れ知らずで大型な個体がヒトによって次々と淘汰される一方で、怖がりで小さな個体は身を潜め生存率を高め、現代まで種を存続させたとの見解もあるそうです。危険生物がうじゃうじゃいる未開のアビスの描写に何となく納得(笑)

※3:アビス断面を描いた地図。探窟家の報告によって日々更新されている。

※4:ダンジョンの探索、モンスターとの戦闘、アイテム入手、地上への帰還というサイクルを繰り返し、レベルを上げアイテムを蓄えつつ、徐々に行動範囲を広げ数々の謎に挑む3DダンジョンRPGの金字塔。派生作品が無数にある。
{/netabare}
※:レビュータイトルの「世界淵の迷宮」というゲームは存在しません(笑)「世界樹の迷宮」というゲームの丸っこいキャラデザと美麗な背景の組み合わせがこのアニメの雰囲気とちょっと似ていたので‥。

それともう一つ断っておくと、縛り~は別にやらしー意味ではありません。ゲーム内における設定可能な難易度では満足出来ないゲーマーが、さらに厳しい条件(レベル上げをしないとか特定のアイテムを使わないとか)を自らに課してクリアーを試みるゲームスタイルの事を指します。‥‥なんとまあ、ほぼ同じ意味でした(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 78
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

テンポが遅い(´・ω・`)/4~7話感想追記(8.27)

原作既読/全13話

音響と作画が本当に凄いです!
これからが楽しみ!

※レビューにネタバレはほとんど含みません。
※最新1話のみ各話レビューから外しています。
※星評価の基準は各話レビューのネタバレ内に記載

( 'ω'o[放送前の期待レビュー]o
{netabare}
まずはこの作品の簡単な説明からです。

舞台は、約1900年前、南ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートル、深さ不明の縦穴である[アビス]です。

アビスには人間の手では作れない、[遺物]がたくさん眠っており、今まで数数の探窟家がアビスの底に降りていきました。

しかし、アビスには[アビスの呪い]というものが存在しており、アビスの下に降りた後、上に登るとその呪いが発動します。
(帰り道に呪いが発動する=1度入ったら深さによっては戻って来れない)

呪いの内容は以下の通りです。

・深界1層→地上
※軽い目眩と吐き気

・深界二層→深界一層
※重い吐き気、頭痛、末端の痺れ

・深界三層→深界二層
※上記+/まともに立つのが困難、幻覚、幻聴

・深界四層→深界三層
※全身に激痛・穴という穴から流血

・深界五層→深界四層
※全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為

・深界六層→深界五層
※人間性を失う、場合によっては死

・深界七層→深界六層
※人間である以上【確実な死】

というものです。
さらに、アビスには凶悪な生物が多数存在しており、人間の命を脅かします。
(。-ω-。)----------キリトリ線----------(。-ω-。)
探窟家には、それぞれが所有する鈴の色によって
降りていい層が決まっています。
(実力が認められると鈴も変わる)

それぞれの鈴の降りれる範囲は以外の通りです。

・鈴付き
※素人。降りてはならない。

・赤笛
※見習い。深界一層まで行っても良い

・蒼笛
※一人前。深界二層まで行っても良い

・月笛
※師範代。深界四層まで行っても良い

・黒笛
※達人。深界五層まで行っても良い

・白笛
※伝説級。複製できず、それぞれ独自の意匠を持っている。深度制限なし。
(笛の条件は人間が定めたもので、仮に赤笛が1層より下[二層~]にいってもアビスの呪いは発動しません)

まあ、アビスの世界観はこんな感じです。
次は簡単なストーリー説明をします

[あらすじ]
ヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習い。アビスへの憧れが人一倍強い彼女は、母のような偉大な探窟家になることを夢見ていた。ある日の探窟で、リコは謎の存在に生命の危機を救われる。その何者かが放った熱線の跡を辿ると、そこには少年そっくりのロボットが倒れており…。(wikiより)

まず、物語はリコとロボットのデクの出会いから始まります。
リコはロボット(デグ)を孤児院に持っていき、他の孤児院のメンバーと共にデグに電気を送り、復活させます。

そこから孤児院でしばらく生活したデグとリコは、ある日、アビスへ潜らなければならないきっかけを見つけ、夜の孤児院を抜け出します。(脱走)

ここでは言いませんが、リコのアビスへ潜る理由がまた泣けてくるんです!
この内容は原作の1巻分なんですが、
1巻のアビス(大穴)への出発シーンで、一気に涙腺をやられました(2巻からアビスでの冒険が始まる)

とりやえずストーリー説明はここで終わります。

ここまで読んで貰えれば分かるように、このアニメ。

作り込まれた世界観が凄い

可愛いイラストの割にかなり重い内容

なんです!

しかも、2巻からはさらに面白さが増し、
3巻からは可愛い新ヒロインが登場します!(ナナチ)

制作は東京マグニチュードのキネマストラシス!
監督はブラックブレットの倉田さんです!

PVの作画クオリティーもかなり高く、
声優もかなりキャラにマッチしていました。

素晴らしい制作陣にも恵まれ、この作品は
きっとかなりの良作になると思います!

皆さん!夏のメイドインアビスに大いに期待しましょう!

補足︰この作品。
前半はないんですが、後半から極度のグロシーンがかなり存在します。
苦手な方は視聴を止めるのをおすすめします( ´・_・`){/netabare}

( 'ω'o[各話レビュー]o
{netabare}
※星評価の基準
---------------- 8×キリトリセン ---------------- 
★★★★★/神
★★★★☆/かなり面白かった
★★★☆☆/面白かった
★★☆☆☆/普通
★☆☆☆☆/微妙
---------------- 8×キリトリセン ---------------- 

[1話]大穴の町/★★★★☆
{netabare}
先日日曜日に先行上映会に行ってきました。

見終わった感想としては、まず音響と作画が凄いです!若干クセがあるものの、アビスの世界を完璧に再現していました。

物語は原作の3話分。
かといって、[1話→2話→3話]ではなく、
[2話→1話→3話]の順でした。

信者はどうせ[原作レイプ死ねとかいうんだろ]
と思ったそこのあなた!

違います!(断言)

原作プッシュアップも完璧で、序盤の少しつまらない(失礼)展開を完璧に打ち消してました!

物語も始まったばかりですし、今後に期待したいです!{/netabare}

[2話]復活祭/★★★★☆
{netabare}
冒頭で[アビスの呪い]の説明がされましたね。
あそこでしっかり説明してくれたのは嬉しかったです。

物語は1話に引き続きまだ序盤(´・_・`)
これからさらに面白くなっていくので見届けたいと思います。(今も充分面白いけど)

EDはほんわかな感じで物凄く好きでした(´▽`)
(OPの映像美も凄かった){/netabare}

[3話]出発/★★★★★
{netabare}
旅立ち会。
原作読んでて展開は知ってるものの、普通に泣いてしまいました。

なんといってもナットが可愛い!
あの、なんというかツンデレな感じがいいんですよね(´ω`*)

これからアビスの中でさらに盛り上がっていくので、切るか迷っている人は6話ぐらいまでは見て欲しいです。

※勘違いしてる人が結構いるみたいですが、アビスの呪いは[帰路]にかかるのであって[行き]にはかかりませんよ。{/netabare}

[4話]アビスの淵/★★☆☆☆
{netabare}
うーん(´・_・`)今回は少しテンポが遅かった印象かな。
原作ファンだからって原作が〜とかいうつもりはないけど、もう少しテンポ良く描いてほしいと感じました。

アニメオリジナルでクモが出てきましたが、これもあまり好感は持てませんでしたね。
アビス独特の奇妙さがあまり無かったと思います。

何がともあれ次回で巻き返してほしいです。{/netabare}

[5話]火葬砲/★★★★★
{netabare}
胸熱展開キタ━(゜∀゜)━!
いいですね!今回は特にアニメオリジナルが素晴らしかったです。

前回と違いテンポが良いにも関わらず、原作で適当に済ませたシーンを丁寧に描いてくれてて感動しました。

次回は監視基地。楽しみです。{/netabare}

[6話]監視基地/★★★☆☆
{netabare}
(゚ロ゚;)エェッ!?これは驚きです。
まさか自分が想定していた進み具合の二部の一しか進まないとは思いませんでした。

マルルク,オーゼンのキャラデザ,声優はとても良かったですが、テンポが悪い!

次回なんとかして下さい!{/netabare}{/netabare}

[7話]不動卿/★★★☆☆
{netabare}
やっぱりテンポがあまり良くないね。
ネットで少し叩かれていた戦闘シーンに特に不満はないけど、もう少し速くやらないと中途半端に最終回を迎える気がします。

後、回想シーンをもう少し丁寧にやって欲しかったかな。(原作はかなり雑なので)

次回は生存訓練みたいですが、どう作ってくるんでしょうか。期待と心配半半で待ちたいと思います。{/netabare}

( 'ω'o[最終レビュー]o
※後日追記

( 'ω'o[観点事のレビュー]o
※後日追記

総合点数【 】

続編の可能性
※後日追記

投稿 : 2024/06/01
♥ : 71
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

星の羅針盤が指し示す場所は… 胸の鼓動は本物、憧れは止まらない、さぁ!アビスへ!

入院してた時にレトロゲーを大量に買い込んでやったのでそれで例えると…
『トル◯コ』『風来◯シレン』等の不思議のダンジョンっぽいテイストでRPG要素が高いファンタジー作品でした。(地図は変化しませんが)
『グラ◯ディア』要素もあったかな。ナナ……ふわふわのぬいぐるみは『聖剣◯説』のキャラで出てきそう。んなぁ~…。


原作・未読。
アニメ・全話視聴。


簡単に言うと現実世界の平地に世界一高いエベレスト(8848m)+ヒマラヤ山脈の広さの山々を逆にして地下穴(アビス)にしたイメージ、といえば想像しやすいかな?(深さは不明。)
そこをある理由で冒険をするストーリーって感じと受け取って貰えれば。かなり簡単な説明になりますが。
『アビス』は深淵や地獄って意味もありますが、作品的に『大穴』や『奈落』って感じかな?
間違ってたらすみません。


大・満・足!!
もうビックリするくらいハマってしまいました。
絵のテイストが可愛らしかったのであまり期待はしてなかったんですが、視聴を始めてみたらドンドン惹き込まれていき、時間を忘れ全話ノンストップで視聴しました。そんで泣きました!笑いました!感心しました!魅力的な作品でした!
OPは聴き惚れました。EDは紙芝居テイストなのが可愛かった。OPの曲終わりの絵はその時のストーリーに関係あるカットに変わるのもニクい演出でした。(数話後に次のカットって感じです。)
あ、EDも所々変わってます。1番分かりやすいのがある話数からふわふわのぬいぐるみが歌に参加すること。
後は探してみて下さいね。


設定も中々面白かったですね。
単純にして分かりやすいものから、凝っててこの後の展開で明かされるのかな?って物があったりと。

…設定…というかレグの構造といえば2話の頭からレグは災難でしたね。ある意味『拷問』だったのでは?(笑)

話を戻しますが1話から最終話まで流れも良かったですね。主人公の『リコ』『レグ』の位置付けや設定も良く、いい具合に伏線も謎も残している。
これを回収や解決するとなると原作は結構長いストーリーになるかもしれませんね。


ちょっと書きたい事がネタバレ含むので先に書いておきます。
この感想を書いてる前に決まってたのですが、メイドインアビスは第2期決定しました!まだ放映時期は分かりませんが本当に楽しみです。
ただ現在(2018:3/22)出てる原作は6巻。今年中に7巻が発売されると予想しても第2期は1クールが限界だと思います。レグの言葉を借りて「度し難い…」。

冒険系が好き、ドキドキしたい、動きのある作品が観たい方にはオススメ出来ます。
逆に前述したものに興味がない、グロい表現や描写が苦手な方にはオススメしません。結構キツイ表現があります。

2期は嬉しいんです。が、ちょっと試し読みしましたところ、『どうやって表現するんだろう?』ってのもあるので少し不安もあります。
憧れがとまらない2人の旅の続き、楽しみにしたいですね。


これより書く感想はネタバレを含みます。なのでまだ観ていない方はこの先はオススメしません。
まぁ超!趣味書き…好き勝手に書いてます。
{netabare}

『上昇負荷』通称『アビスの呪い』の設定は高山病+ファンタジー要素を加えて中々面白いと思いました。
山の病気といえば…

高山病→高所肺水腫→高所脳浮腫。

レベル1↓
山酔い・命に関わる場合がある。
成人で標高2000M(高齢者は1500M)以上の高地で次の症状が1つある。
・食欲低下、悪心、嘔吐等の消化器症状。
・全身倦怠感や脱力感。
・立ちくらみや目眩。
・眠れない、息苦しい、睡眠障害。

レベル2↓
高所肺水腫。
山酔いと合併がほとんど。数時間で急速に進行することも。安静時の呼吸困難、せき、歩行困難、腹部圧迫感、頻脈など。

レベル3↓
高所脳浮腫。
命に関わる重篤な状態。山酔いに加え、運動失調(まっすぐ歩けない等)、見当識障害(日時や場所がわからなくなる)がみられ、放置すれば昏睡からやがて死。
(元・登山家に聞きました。)

これにファンタジー要素を加えて『アビスの呪い』にしたのかな?と思いました。
高山病の地下版と思えば分かりやすいかな?と思います。オーゼンのとこでの3週間滞在(訓練)は理に適ってて上手いなと。

…オーゼンで思い出したけど、マルルクは男の子?女の子?…謎だ!?(笑)

アニメやマンガだから仕方ないんですが、『レグ』はロボットだからよしとして、出来たら『リコ』の装備は肌を出さない様な装備服にしてほしかったです。元・登山家の方に聞いたんですが、「こーいった冒険の場合は何があるか分からない。だから出来るだけ肌を出さない格好で毒物などに触らない様にするのは基本だ」と。

後は地下に潜れば潜るほど元素の存在度が変わる。
全て表現するのは無理でしょうがせめて『火がつかない』とか『酸素が…』とか『地熱が…』など一般的に分かりやすい『危機』を作って欲しかった。

笛の設定やいつでもゲームオーバーになる様なピンチは良かった。ハラハラした。♯5の『リコ』の食事の考え、好きです。
後、私は「よく表現した!」と思うんですが、やはり♯10は無理な方が多かったですね。かなり酷だったと周りの方にも言われました。
でも旅や冒険するとなるとこーいった事も起こる事を想定した知識がないと無駄に傷口を悪化させたり、腕や脚を切り落とす事になったりします。
なので♯10の表現が無ければこの物語はかなりチープな物になったと思います。
オーゼンの「アビスの深部に住む原生生物は、アタシより遥かに狡猾で強かだ」やその他の言葉や行動も薄っぺらくなってしまう。
なので♯10くらいな事がないと重みがないと思います。
この作品がお気に入りになった1つの要因です。

好きなキャラはやっぱり『ナナチ』ですね。
たまたまだけど私のハンドルネームを呼んでくれた…♪(殺されるんだろうけど(汗))
ナナチの言葉で言えば私に「チョロいなぁ〜」って言われるんでしょうね(笑)
CVの井澤詩織さんはケモノ系の声は似合うなぁ…。
もうね、あの毛並みをお手入れして最高にもふもふにしたい!美味しい料理を作って食べさせてあげたい!『んなぁ〜…』を聞きたい!…と色々とヤバい!(主に私が!)
『リコ』とは料理の話がしたい!『レグ』は身体の構造を知りたい!『ナナチ』は…もう書いたか。

まだまだ書きたいけどここまでにしておきます。もしこの好き勝手な文を読んで下さった方が居たらこの場で感謝を申し上げます。ありがとうございます!
{/netabare}

Deep in Abyss…、深い深淵(合ってるかな?)
羅針盤はずっと闇を指したまま逃げ場のない方へ…
アビスに臨む者達に祝福を…

to be continued, next 2nd season〜…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

68.8 4 2017年度のロボットアニメランキング4位
ID-0(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (265)
1033人が棚に入れました
Iマシン―― それは極限環境での作業を行う大型ロボットの総称である。
連盟アカデミー学生のミクリ・マヤはIマシンを使用中に事故に巻き込まれるが、
Iマシンに乗り海賊同然のオリハルト掘削を行うエスカベイト社の宇宙船に助けられ、
その一員として働かされるはめになる……。
かつて『無限のリヴァイアス』『スクライド』を生み出した
『コードギアス 反逆のルルーシュ』の谷口悟朗監督と、
『機動戦士ガンダム00』の脚本・黒田洋介が再びタッグを組んだ『ID-0』は、
深宇宙の彼方を舞台にした、かつてないロボットアクションだ。
 アニメーションキャラクター原案は『LAST EXILE』の村田蓮爾、
メカニックキャラクターデザインは『機動戦士ガンダム00』の海老川兼武が手がける。
制作はセルルック3DCGの表現で高い評価を得るサンジゲン。
フル3DCGで表現される、キャラクターとIマシンの魅力、
誰も見たことのない深宇宙のスペクタクルな風景は本作の見どころだ。
 一癖も二癖もあるメンバーの中で過ごしながら、マヤは“人間”とは何かを知っていくことになる。

ー失くした記憶に潜むのは、希望か絶望かー

声優・キャラクター
興津和幸、津田美波、松風雅也、大原さやか、小山力也、金元寿子、小澤亜李、皆川純子、上田麗奈
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正解するイド

4話までの感想
{netabare}最初はダイバージェンスイヴみたいに難しい話なのかな?と思ったらそうでもないみたいでひと安心。
そして見続けること第三話でちと違和感が。
なし崩し的にマヤは海賊に協力することになってしまったけど、3話目にしてナビ?役をやってて馴染むのが早すぎのような?
もしこれが枠を4クール取っていたら、マヤは軍に保護されるのを目論んで海賊たちを裏切ろうとするエピソードを入れたハズ。
う~ん、けど他に描きたいネタは山積みみたいだし、そっちを優先させて泣く泣くカットしたんだろうなぁ…と思うとマイナスポイントにしてしまう気にはなれない。
と思ってたら次の4話、捕虜としたアマンザ中尉がその位置に。
おお、やっぱりコレだよ、「協力してもらう分には心強いけどいつ裏切るか分かったモンじゃない」、イデオンでいうギジェ的ポジションが同乗してこその犯罪宇宙船モノよね~。
といいつつ通信可能宙域に出たらすぐに下船しそうではあるけど。

とりあえずマヤが海賊に馴染むまでの間をスッ飛ばしてでも描きたかったであろうエピソードはこれから。
イドや謎の少女の正体やら敵の目的やら、それとニューリンク…じゃなくてトランスシステムだっけ?それも単に人命の安全ってだけではなさそう。
ちゃんと風呂敷畳んでくれればいいけど、果たしてどうなるのかなー。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
面白かった。
面白かった、が、雰囲気で誤魔化されて細かい部分の理解は不十分のままだったり。
一番分からないのはアリスの病気、意識が拡散するとかなんとか、どういうこっちゃ?
それとこの世界におけるクローン+マインドトランスによる個の不死化は完全ではないらしい。
普通の人間は記憶の継承が30%落ちるそうな。
それを理由に(劣化しない記憶継承方法の研究を名目に)アダムスはスポンサーを得てたっぽい。
これは人間の意識を抽出(データ化・バックアップ)する段階で100%ではなくなるのか、ツルツルの脳味噌(または別個体)に意識を乗せる時に「馴染まない」のか。
リックはどうやら前者っぽいのだが、ケインの場合は肉体が特別(常人とは違う天才の脳味噌と解釈してる)で劣化を起こさないみたい。
ど、どっちなんだ?
10話でイドがケインの肉体(クローン体)に戻された時に記憶を一部戻したので両方?
これが分からないのであらすじめいたものを書こうと思ったけど無理だと諦めました。
スタッフはちゃんと考えてるし調べれば分かるんだろうけど、あくまで作中からの情報のみで理解したいところなので調べる気力沸かない…。

それと2話冒頭のケインのプレゼンシーンでは「(意識データは)移送前にバックアップしてるので万が一アイマシン(ロボ)を失っても意識データを消失することはありません、作業中のちょっとした記憶が失われるだけです」と言ってるのだが、それを生かした展開(ロボが破壊されてそっちの方で取得してた記憶が飛ぶ)はありませんでした。
てっきりやると思ったんだけどね。
そうそう、やらなかったといえば「危機的状況からの脱出策をマヤが思いつくとイドも同じことを考えてた」って展開が序盤繰り返されるので、じゃあ最後はイドも思いつかない作戦をマヤが打ち出すのかな?と思ったらそれも無し。
マヤはあくまで「この世界で何が起きてるのか」の傍観者であり主役ではなかった…視聴者の代わりとしてそういうキャラが配置される作品もあるのは知ってはいるけど、それにしちゃあ前半妙に中心っぽく扱われるので紛らわしい。

と、先に不満に思う部分を書いてしまったけど、逆に言えばツッコミどころはその程度で、全体からしたら非常に良作です。
一番感動したのは最後、イドがラジーブ側の世界に行きかけたのを「お前はケインじゃない」とアダムスに否定されて戻って来れた所。
自分的にはマヤの呼びかけよりもそっちのが決定打に感じて…否定されることで(イドとしての)アイデンティティが確立するとか、なかなか粋じゃな~い?
それと先に分からない所を書いたけど、複雑な設定の割には理解しやすいように気を使ってたのも感じます。
10話なんて前半は記憶を戻したイドと情報の刷り合わせとして、後半はマヤを目撃者として子安が丁寧に丁寧に解説してくれます。
何もそこまで…と感じなくはないけど、こうでもしなきゃ12話に収まらなかった事情もあったのかも?
あとキャラの声は人格に合わせて声優を充ててました。
複雑にしようと思えば肉体準拠にすればいいし、むしろそっちのが自然だと考えると、これも気を使ってくれたんじゃないかなーと思ったり。
逆にこれだけ親切に尽くしても先の2例(アリスの病気とクローン継承の件)の解説は詰め込めなかったかー。

やっぱり記憶喪失ネタをやるのであれば、喪失前の人格と喪失後に新たに形成された人格、両者には違いがあってそれが明らかになった時、本人や周囲はどう戸惑うか・葛藤するか、そして納得させるかを見せるのは重要だと思います。
これはそれがちゃんと描かれてたんじゃないかな。
一応書いておくと記憶喪失前のイド…ケインはオリハルトには物凄い危険性があると予知しつつも研究を優先してそれを隠していた。
そのうちオリハルトは人類の生活には欠かせないまでに普及したところで研究仲間のアダムスに危険性とそれを隠してたことを知られる。
その危険性とは人類の90%が死ぬって内容で、なんで隠してたんだとアダムスに問い詰められてもケインは「90%死ぬ程度いいじゃないか」と返すマッドサイエンティストっぷり。
更にはアリスはアダムスにとってはお荷物としか感じてないだろうと思ってたり、まぁ兎に角極悪人、ってかサイコパスっていうの?
一方、そんな人間が記憶喪失起こして(させられて)新たに形成された人格のイドは仲間思いのイイ奴…なハズ。
かつて助けられる確率7%で「見捨てられても仕方ねーや」ってところを助けに行ったことがあるらしく…なんだけど、このエピソードのせいで余計にマヤの存在理由が薄くなってしまったような?
マヤと会ってから真人間になった訳ではなくなってしまうので。

アダムスは性格破綻者のケインに激怒しつつもその才能に嫉妬というか羨望してる部分があって、更には英雄志向持ち、これはケインに対する劣等感からそうなったのかも?
オリハルトの危険性を知りながら人類を何とも思ってないケインに、当時はまだ研究段階だったマインドトラストを行ってケインを流刑送りにする。
ケインはケインで「万が一のために」意識を避難させるIマシーンを秘密裏に作ってて、それがのちのイドのボディとなる。
このボディの制作秘話みたいな話も見てみたかったなぁ…何十年も前のロボなのに現行の軍のロボと性能は遜色無いみたいだし、設計すればあとは勝手に機会が組み立ててくれるのかエンジニアは必要なのか…後者だったら口封じに始末したのかな?とか。
ここら辺の「え、掘り下げずに先行っちゃうの?うわぁ勿体無い」と思わせるのは同監督が次に作った“リヴィジョンズ”に通じる。
そういうハッタリを利かすのが上手いだけなのかも知れないけど、2クール以上かけてじっくり描写して欲しかったと思わせるのが上手い。

最後はラジーブ(既に滅んだ異星人文明の置き土産、オリハルトを回収せよとプログラミングされててそれを実行してるだけ)のプログラムを身と呈して書き換えて英雄にならんとするアダムスに対し、別の回答、映画ウォーゲームみたいに学習させて手を引かせる方法を示すイド。
繰り返しになるけど、ここでアイデア出しするのがマヤだったらもっと良かったと思うんだけどなぁ。
よく突っ込まれてるソーラン節だけど、自分は本当はヨイトマケの唄のような炭鉱夫の歌を入れたかったけど権利だなんだでダメで渋々差し替えたのかな?と思ってて。
ってことで自分は良いとも悪いとも言えない感じ、真相は知らないけどねー。
けど漁の歌ってのはやっぱりなんか違う気がする、いくらラジーブが最後サザエみたいな形になったからといっても、ってかソーラン節に合わせてサザエ型になるように設定したように見える。


総評
リヴィジョンズを見た後、そういえばこっちの感想が途中までだったわと見返したのだけど、やっぱり共通する部分多いですね。
リヴィジョンズの主人公の性格はアダムスと通じるんじゃないかな?ってかアダムスをより深刻化させたのがリヴィジョンズの主人公か?
そして一番強く感じた共通点は「2クール以上やってくれよ」。
掘り下げたら面白そうな設定が沢山あるのに、それをスルーして話を完結させられた印象。
完結しないよりは全然良いのだけど、どうしても勿体無いって感情が湧き上がる。
ホント勿体無い…悪く言えば設定過多になるのかな?
SF好きなら見て損は無いかと。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シドニア以来の本格的なSFを期待してましたが……

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
う~ん、評価が難しいです(すごく好きで楽しめたけど、なんか、こう惜しいというか)。

私はこのアニメのレビュータイトルを、途中までは「本格SFをライトな作風で」としていました。その頃(7話目くらいまで)は評価を4にしていて、その後、下げてしまいました(その時点でサンキュー下さった方、申し訳ありません)。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
エバートランサーやIマシンといった設定は面白く、また、SFにつきもので、もはや説明すらいらないような「ワープ」を「ミゲルジャンプ」と呼称し、それが「武器」「運輸」など様々なことに応用され、「経済」を支えているという設定は素晴らしいです。正に、「世界を創造」しているなと感心しました。これだけいろんな事柄をカチっとリンクさせ、しかもそれを説明臭くならないよう、エンタメの中で魅せられる手腕には脱帽していました。本当に、力があるスタッフが集まったのだな~と。

……だからこそ、終盤のドタバタには残念さを感じてしまいました。

SFアニメにおいて、大きな展開で始めて、小さな展開に落ち着いてしまうのはどうも苦手です。

イド(主人公)の正体、は確かに作品のストーリー上の縦軸で、それが宇宙の謎や危機と繋がっているのは王道なんですが、なんかこう、ケイン有栖川の部分に踏み込んでから(8話以降)は人間ドラマになってしまい、それをこんな本格的なSFを背景で行うのはもったいないと感じました。

イドの正体とか過去の贖罪とかよりも、普通に「格好良い宇宙海賊が世界を救う」というエンタメの方が観たかったかなと。そのぐらい、キャラが良かったとも言えます(リックとか特に)。

終盤は特に駆け足で、いったい、何がどう解決したのやら。

最終的に頭に残っているのは、子安さんの「怪演」っぷり(まあ、私の中で子安さんと言えば、ガンダムWのゼクスなんで、もっと落ち着いた格好良いイメージなんすけどw)と、謎の「ソーラン節」なんですよね(汗) もっとも、各所で話題沸騰、主に不評のソーラン節ですが、超個人的には好きでした。というのも、なんか「ターンAガンダム」を思い出したので、違和感が少なかったからだろうと思います。男の作業というか、なんか「太古感」「壮大さ」「芸術的センス」は感じましたよ。ただ、「色々ぶち壊し」という意見は理解できるし、客観的に観ればそうだよな~と共感できます。あれは、素晴らしいED(やはり影山さんはレベルが違う)とのギャップが悪い方に出たんだな、と。

とにかく、このアニメ、惜しむべきは一期の尺しかなかったということですね。この優秀なスタッフならば、あと12話あれば、各キャラの背景を更に掘り下げつつ、設定や世界観をカッチリ説明し、イドの人間ドラマと世界の危機を、もっとドラマチックに演出出来たはず。多分このアニメ。制作が表現したいことの半分も出しきれなかったのかな、でも我慢して、プロ集団らしく、きちんと完結までもっていったのかな、と、そう思います。

う~ん、名作の予感は感じてたんだけどな~……。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
{netabare}
ご丁寧に、世界観の説明から。最終的には、宇宙の神秘とか人類の存続の危機に立ち向かいそう。深みありそうなSF設定にライトな作風、テンポも良いし。なかなか期待できるな。途中のクイズは笑えた、銀河英雄伝説パロw Cパートにサービスシーンあり。
{/netabare}

2話目
{netabare}
これ、エスカベイト社の面々、実際の身体を失っている感じなんですね。気になるのは、MTSし、iマシンが壊れた時、その間の恐怖の記憶が「失われる」というもの。失われた記憶はどこへいくのか。ひょっとすると、それが純粋な記憶の塊になり、宇宙を漂い、どこかに蓄積され……とかね。途中に見えた記憶が、イドのものなのか、オリハルトに蓄積された誰かの記憶なのか。やはり、クイズは面白いw
{/netabare}

3話目
{netabare}
あれ? 世紀の迷作「コメットルシファー」的な展開ですか(笑)? ボブソンジャンプ連発ですねw ずいぶんペラペラと説明してくれる親切な敵キャラw あの隕石群を操ってるのはあのネコミミ少女だろうね。今回はエヴァパロで〆w
{/netabare}

4話目
{netabare}
お~、物理シールド、逆に新しいw 中尉さん、完全に仲間になる流れだ~(もしくは軍に戻って間接的に協力するか)。それぞれの能力を最大限に活かしてのチームワーク、胸熱だね。Cパート、団体芸w
{/netabare}

5話目
{netabare}
たまにある、ちょっとしたサービスシーンはなんだろう(笑) イド、格好良いな(他にも知りたがってる奴がのクダリ)♪ なんか、リック、最後はアマンザを守って逝くのかなぁ、スレッガーのように……。人間だから出来ること、Iマシンだから出来ること。Cパート、グレイマン可愛いなw クイズはシュール系w
{/netabare}

6話目
{netabare}
なんか、あんまり人間ドラマにはもっていってほしくないというか、世界を狭めてほしくないな。と、思ってたが、イドの過去とセカイのヒミツが良い感じに交わりそうだね!
{/netabare}

7話目
{netabare}
リックの格好良さが際立っていましたね。なんか、謎の真相に触れた感じ。大きい要素(SF)と、小さい要素(仲間との絆)を同時に深めていく、良いアニメを展開ですね。
{/netabare}

8話目
{netabare}
戦闘シーンもなかなか面白かったです♪ 裏切り、あるのかな?
{/netabare}

9話目
{netabare}
なんか、人間ドラマになってきたな。あまり世界を小さくしてほしくないんだけどな。同じエバートランサーでも、事情は四者四様ですね。
{/netabare}

以下、書いたのに、保存前に消しちゃった(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

熟練の設定・世界観を懸命に伝える若さがもう少し欲しかった

総じてベテランスタッフたちが構築した物語設定、世界観に噛み応えがあり、
それらを咀嚼していくことに喜びを感じられる
良質なSFアニメだったと思います。

1クールだとメインストーリーを折り畳むのに精一杯で、
2クールの方が良かったかな?と終盤思うこともありました。

私はIマシンや別の身体に魂を移した経験はないので、
元の肉体を離れてもアイデンティティを確立している、
エスカベイト社員たちのサブエピソードの掘り下げ等を通じて、
共感度を上昇させてから最終決戦に挑みたかったという悔恨は確かにあります。

ただ1クールで中途半端にサブシナリオに寄り道して、
メインストーリーがクラッシュするよりは全然まし。
抑える所は抑えつつ着地を決める辺りに熟練の力技を感じました。


一方、視聴者とのキャッチボールについては幾つか疑問も残りました。
その辺りを語るにはやはり最終回クライマックスの……

{netabare}「ソーラン節」(笑)については触れておかねばならないでしょうw

実は「ソーラン節」……私は意外とすんなり受け入れられました。
それは多分、私が佐咲紗花さんが歌う本作のOPが結構お気に入りで繰り返し聴いていたのが一因。

本作は公的にも罪人、狂人、或いは絶滅生物として、
なかったことにされている民間の連中が、
軍とか公的機関とかを向こうに回して大立ち回りするお話でもあります。

佐咲さんのOPはSFでいきなりサンバでも踊りかねないw異端の楽曲ではあります。
が、一方で、公には光が当たらないアウトローの民が魂を揺さぶる歌だの踊りだので存在を誇示する。
表現の世界でもしばしば描写されて来た構図。その精神の継承も感じてはいました。

だから同じ佐咲さんが歌うニシン漁民謡ソング・「ソーラン節」が流れた時も、
民間掘削業者による一世一代の大仕事らしいBGMだな(笑)と受け止められました。

後で知りましたが「ソーラン節」は本作のティザーPVで使われたこだわりの一曲だそうでw

以上は憶測に過ぎませんが、「ソーラン節」はテキトーなウケ狙いではない。
長年インプットとアウトプットを重ねて来たベテラン作家にしか打てない、
渋い一手だったと私は捉えています。


……では、だからと言って、荘厳なクラシック風BGMによる王道演出を期待していた視聴者が、
訳の分からない「ソーラン節」で台無しにされたと苦言を呈するのは、
決して不当な批判ではないと思います。

そもそも本作はトレンドに乗って人気を取りに行く作風でもないとは思いますが、
それでも私は練り上げた物語をより多数の心に響かせる選択肢として、
「ソーラン節」が最適解だったとは思えないです。


もう一つ、ED後お決まりの「ご長寿早押しクイズ」らしき設定・用語クイズ風のネタCM(笑)
についても、面白かったけど(笑)
視聴者とのキャッチボールという点では勿体ないなと思った演出。

私はあそこは例えクソ真面目過ぎると言われても、
HPで連載されていた「クレアの「ID-0」用語解説」を流して設定を掘り下げて、
より多くの人に理解を深める時間を取っても良かったのでは?と思います。


私も、脚本一行も書けない一視聴者の分際でこんなことを言うのはおこがましいのですが……。
本作のベテランスタッフ陣が初めて世に創作物を出した時、
自分たちが作り上げた物語世界を懸命に伝えるのに、
「ソーラン節」や「ご長寿早押しクイズ」を選択しただろうか?
ユーモアを交える余裕が足りなくてもいい。
青臭く、泥臭く、物語をぶつけてくる若々しさがもう少し欲しかった……。

本作TV放送時に“谷口悟朗監督×黒田洋介氏の原点”として毎回流れた、
『無限のリヴァイアス』Blu-rayBOX販促CMのことも思い出しつつ、
そんな感想も抱いたアニメ視聴でした。{/netabare}



【四話までの感想】魂の漂流

長いので折りたたみ。
{netabare}

あにこれの序盤感想を拝見していて、ピン♪と来て視聴し始めた3DCGアニメ。

科学が進歩し過ぎて、意識を自由に飛ばせる段階に到達し、
肉体と魂の境界や行方が不確実になった宇宙時代。
これによりアイデンティティの確立が困難になった世界観に、
進路決定以前の女子学生を巻き込み、自分探しをこじらせつつ、
鉱石掘削SFアニメという何とも渋いジャンルでテーマを着実に掘り進んでいく、
地道なSF作品になって来た印象。

スタッフ陣は谷口吾朗監督&構成・脚本・黒田洋介氏ら、
かつてヒット作も飛ばした制作者を軸にした布陣。

けれど本作はブームを狙うというより、ベテランの域に達したスタッフたちが、
肉体と魂の在処といった、SF作品が繰り返し問うてきた王道テーマに挑み、
確かな足跡を残しておきたいという意志を感じる大人の味わい。

現代で言うとインターンシップに挑み始めている頃の学生から
広義の社会人?で構成されたキャラ設定からして、
およそ中高生受けを狙っているとは思えませんw

さらにEDを担当する影山ヒロノブ氏の円熟味の増したボーカルが、
当該世代のハートを深掘りします。

毎回、見終わって、設定用語に解説動画が必要なSFアニメっていいなと思える大人のブレイクタイム♪
若干の予習復習により、この宇宙の仕組みを理解、整理しつつ、
中盤以降もしっかりと物語を掘り進んで行きたいと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 37

64.7 5 2017年度のロボットアニメランキング5位
アトム ザ・ビギニング(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (151)
632人が棚に入れました
これは、まだ誰も知らない”鉄腕アトム”誕生までの物語。

大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」となるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る―。


手塚治虫が描いた永遠のヒーロー・鉄腕アトム。その誕生までの物語を、『機動警察パトレイバー』のゆうきまさみと『RIDEBACK』のカサハラテツローがタッグを組み、まったく新しい構想でコミック化した本作が、ついにTVアニメーションとして始動。アニメ化にあたっては、『踊る大捜査線』『PSYCHO-PASS サイコパス』の本広克行の下、『モーレツ宇宙海賊』の佐藤竜雄が監督を務め、『BLOOD+』の藤咲淳一がシリーズ構成を担当する。
アトムのいる「未来」と私たちの「今」が、『アトム ザ・ビギニング』によって結ばれる !

声優・キャラクター
中村悠一、寺島拓篤、井上雄貴、櫻井孝宏、小松未可子、佐倉綾音、河西健吾、飛田展男、南條愛乃
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

子ども向け・ハートフル系として見た方が良さが感じられるかも〈原作を読んだので一部追記〉

2017年春アニメ。全12話。
原作は漫画、未読です。鉄腕アトムにもほぼ触れたことがありません。

【あらすじ】
5年前の大災害により復興のためにロボット技術が発展し、ロボットは日常に欠かせないものとなっています。そんな中、練馬大学第七研究室で天馬午太郎とお茶の水博志は次世代型人工知能「ベヴストザイン」を搭載したロボット・A106(エーテンシックス)を制作中。
七研での経験により少しずつシックスは変化し、自我を獲得していきます。


全体的には明るく楽しい子ども向け寄りのアニメ。のんびり見ると楽しいです。
キャラクターがとても良くて、午太郎と博志の関係はしっかり描かれましたし、シックスと女の子達が可愛くて楽しめました。
OP、EDも凝っていて、作画・演出、BGMも常に安定していて良かったです。
個人的には日常の中でシックスが成長する姿をもっと見たかったですし、伏線が回収されていない部分も気になるので2クール欲しかったですね。

{netabare}
一周目の視聴時は序盤あまり引き込まれませんでしたが、ロボコン回などのいくつかの回と最終2話で全体の繋がりが見えてきて、二周目でちゃんとハマった感じでした。
月刊ヒーローズ連載、夜に放送ということでもっとハードな内容になると思っていたので、全体的に優しい雰囲気だったのは結構意外だったかな。最終2話は若干ヘビーでした。
中盤まではあくまでも日常生活のドタバタがメインですが、裏ではテロが進行していたり、5年前の大災害で瓦礫の山となった街並みが見られたり意外と暗い部分もありますね。

ロボットバトルものとしてはバトル無しの回が多く、けれども原作があるため全くバトル無しともいかないので、若干どっちつかずな印象ではありましたが…。
ただ、脚本会議には監修の手塚眞さんと原作者のカサハラテツローさんがほぼ毎回参加されていたそうです。内容については綿密に相談したこと、原作でも日常回をやりたかったけどなかなかできなかったこと、「どうするか迷ったときには明るい方向にしてもらった(カサハラさん談)」ことなどがインタビューで語られています。


【本作のふたつの柱】
・天馬午太郎とお茶の水博志の大学での研究と日常

原案となる「鉄腕アトム」では制作者であった天馬博士が手放したアトムを、お茶の水博士が引き取っています。
本作では学生時代の二人を描いていて、考え方の違いからぶつかることはあるものの、基本的には仲の良い共同研究者。ただし午太郎も博志も逆の意味でマッドで、お互いが歩み寄れないと平行線になりそうな危うさもあり、その描写が絶妙でした。

個人的に博志があまり好きになれないと思っていたんですが、多分言うこととやることにズレがあると感じるからかなあ。
最終話でのシックスの扱いを見ていても、ロボットが「心」を獲得するのを信じているなら一時的にでも粗末な扱いをするのはよくわからない…というかちょっと身勝手というか。
午太郎のほうが同じようにマッドでも言ってることは理解できる感じ。


・自律型AIの自我の獲得

人工知能が「心」を獲得するためには「自己と他者を分けて認識すること」と第2話で博志の口から語られています。
なので、シックスの成長と変化を少しづつ描いた上でロボレス編に入ったのはとても良かったです。一度目の視聴では正直ダレ気味に感じましたが、最終回まで見ると日常回の細かな描写がむしろ肝だったと思います。
日常の中で「守り助けること」を行動原理として緩やかに成長してきたシックスが、ロボレスで「戦い勝つこと」というある意味では行動原理に矛盾する命令に答えを出し実行したことで、急激に変化したと感じました。

シックスの内面が描かれた最終回が凄く良かった。度々ポイントを絞って(アイキャッチもですが)シックス視点が入っていたのが良い演出だったなと思います。
断片化した記録を精査しながら、自身を客観視していく描き方は上手い。AIであるにも関わらず夢や願望のような映像が入り交じり、混濁した記録を整理していく描写は色々と考えさせられます。
オーナーの命令に逆らうより自身の機能停止を選んだマルスに対して、シックスにとって自我の獲得ははじまりという描き方なんですね。

本作の作りと鉄腕アトムに続く流れから考えれば、人工知能(少なくともベヴストザインに関しては)の発展が人間社会に悪影響を及ぼすような展開は無いだろうと思うので、このアニメのテーマのまま続編が見たいですね。


【以下雑感】
調べてみると、全12話のうち5話ほどはアニメオリジナルで、原作エピソードをアニメ独自に膨らませた部分もあるよう。どれも楽しくて良かったです。
ロボコンの回好きなんですが、オリジナルなのかな?蘭のメイン回としても良かったですが、現実的な題材なのが素晴らしかったと思います。
ストーリーのメインに描かれるのが自我を獲得しつつあるシックス、軍事技術を用いたマルス、ロボレスの戦う花形ロボットたち、という中で災害救助用ロボットを描いたのも個人的にすごく評価したい部分。その意味では第3話でペットロボットを登場させたのも良いチョイスだったんじゃないかな。
スタッフや参加者の何人かが実際のロボコンを見に行ったりもしているようで、現実に繋がるリアリティを積極的に作り上げようとしている印象がありました。
{/netabare}

全体としては質の良い作品で、脚本のこだわりや生き生きとした作画も観ていて楽しかったです。この子ども向けのような雰囲気のままもっと長く見たい作品でした。(2017.11.30)


【追記】
原作4巻まで読了。
ヒーローズ連載らしくバトル多め、ストーリーにミステリー要素もあり大人向けです。ベテラン漫画家らしい手慣れたタッチの絵と画面作り、凝ったロボットデザインが素晴らしいです。
アニメ版はきちんと原作を尊重しながらも変更点によって描きたいこと(自我の獲得)が明確になっていて、ちょっと哲学的な描写が増えているのも映像作品ならでは。
どちらも面白いですが、原作の読者層とアニメの視聴者層は結構割れていそうな感じがするw

{netabare}
アニメ化されたのは漫画の2巻の半ばほどまで。
ただし3巻以降に登場するシチュエーションやキャラクターをサービス的に拾っている部分も多いです。
アニメ作品の準備期間から考えると、おそらくかなり早い段階でアニメ化決定したんでしょうね。連続性の強いストーリーなので、これ以降の区切りまでにすると蛇足っぽくなってしまう気がします。

アニメオリジナルが3話、4話、6話、7話。他の話もかなり膨らませています。個人的にはロボレス編をコンパクトにしてもう1話日常回を観たかったかも。戦うロボットだけではなくて、ペットロボットや救助ロボットの回を作り人とロボットの様々な関係性を描いたのがとても良かったと思います。

個々のキャラクター描写が増加してます。
原作では茂斗子さんと蘭ちゃんの出番がそこまで多くないので、アニメでは見せ場がかなり増えていて嬉しい限り。アニメでの蘭ちゃんのシックスへの想いの強さと、茂斗子さんのシックスへのニュートラルで自然な関わり方にはずいぶん癒されました。
なにせ午太郎と博志の意見が食い違う描写が原作より多くなっているので、アニメ最終回の「シックスくんこれからも大変ね」みたいな台詞には同感ですね。

アニメでは視聴者に与えるシックスの印象の変化にかなり気を遣っている感じ。
原作ではシックスは最初(自我が芽生える前)からしっかりと喋っていますが、アニメでは人工的な音声と台詞回しになっていて、最初は自我がないことや人工知能の成長過程がかなりわかりやすくなっています。そのため自我を獲得するタイミングは同じマルス戦ですが、アニメ版10話ラストの「話がしたい」のインパクトは絶大。素晴らしい演出でした。

最終回も原作のエピソードではありますが、その膨らませ方もとても上手。シックスが自己を省みる描写を丁寧に入れたことで、「自己と他者を認識すること」が明確になっていました。ラストシーンの「はじまる」という台詞で、シックスが自我を獲得し、これから「心」を育んでいくという描き方になっていると思います。
{/netabare}(2017.12.4)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

これは、いずれ"天才"と呼ばれるふたりの"日常"

この作品の原作は未読ですが、「鉄腕アトム」の前進を描いた物語だとピンとくるほど分かりやすいタイトルですね。
鉄腕アトムの功績は物凄いと思います。
日本で最初の本格的な1話30分の連続アニメ…
日本初の国産ロボットアニメ…
平均視聴率30%超…

これだけでも十分重みを感じますが、この作品はこれだけじゃありません。
現在のロボット工学学者たちには幼少時代に「鉄腕アトム」に触れたことがロボット技術者を志すきっかけとなっている者も多く、現在の日本の高水準のロボット技術力にはこの作品の貢献が大きいともいえる(wikiより)

まさに現代の科学の礎を担っている作品なんです。
それが形を変えて現代に蘇るとなると気にならない訳がありません。

この作品の第1印象はこんな感じです。
A106:ATOMより無機質さを感じるフォルムが逆に格好良い、良く動くなー、グーパンチ凄っ…!
お茶の水博士:若っ…! 鼻小っちゃ…!

この作品は、練馬大学の若き天才コンビ、天馬午太郎とお茶の水博志が作り上げた意志と人格を持つ自立型ロボットであるA106を巡る日常を描いた物語です。
決して潤沢ではない資金面…むしろ慢性的な資金不足が続く第7研究室でしたが、午太郎と博志はA106の今後について熱く議論を交わす日々が続いていました。

A106は確かに格好良いけれど、この展開だけでは流石に飽きてしまいそうですが、この作品…華である小松未可子さん演じる堤 茂斗子と、あやねる演じるお茶の水 蘭が抜群のタイミングで絡んでくるので、決して飽きる事はありませんでした。

お茶の水博志と茂斗子…そして妹である蘭の位置付けがまた面白い…
博志は決してモテるタイプではありません。
ですが彼の優しい人柄を知れば気になる人がいてもおかしくありません。

それに共同とはいえA106を自作してしまうほどの技術の持ち主なんです。
妹の蘭だって一目置かない訳がありません。
この欄ちゃん…この作品における私の一推しキャラでした。
口数は少なく無表情ですが、第7研究室に入り浸り廃材の山から使えそうな部品を探している姿を何度も見かけました。
兄に負けず劣らずロボット好きなのは遺伝のせいだけじゃないと思います。
特にA106との絡みは個人的に大好きでした。
でも…お茶の水博士に妹がいるなんて…この作品を見て初めて妹の存在を知りました。

A106が人格を持っているとはいえ、本来人間が持っている人格とは似て非なるモノ…
でも、お茶の水兄妹のロボットに対する接し方は人間と分け隔てが感じられません。
A106がどこまで気付いて感じているかは分かりません。
でも自分に向けられている気持ちに嫌な感じがしないことは分かっていたのではないでしょうか。

だから思います…
A106が「心やさしき科学の子」と呼ばれる所以は、博志の優しさが伝染したからだと…
二人の思考パターンが似ている…と思える言動がチラホラ見受けられるんですよね。
でもこの優しさがA106最大の魅力だったのではないでしょうか。

A106の前を通り過ぎる様々な出来事を真摯に受け止め、彼ならではの思考パターンで自分らしくあり続けた…完走して振り返ってみると、「A106らしさ」がしっかり描かれていた作品だったと思います。

オープニングテーマは、After the Rainさんの「解読不能」
エンディングテーマは、南條愛乃さんの「光のはじまり」
After the Rainさんは最近気になりだしたユニットです。
今回のOPもアニメともマッチしていて格好良かったと思います。

1クール12話に物語でした。
気が付いたら夢中になって見ていた作品…この作品に対する私の印象はこれがピッタリです。
作画は好みを選ぶかもしれません。
でもそれだけで切ってしまうのはあまりにも勿体無い…そう思える作品でした。
原作はまだ続いているみたいです…
それにDr.ロロは未だ謎だらけですし、第1研究室の件も描き切れていないと思います。
もし続編が制作されるなら絶対視聴します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

これも恐らく・・・・・・・・・・・・・【漫画】の方が面白そうな感じがします。

最近の手塚リスペクト物で『ヤングブラックジャック』なんかもありました。漫画の方は結構面白く思えて、アニメ化に少し期待してたのですが・・・「コケた」と思えたのが個人的な感想です。、で

年長者は一度は耳にして、若い人には[嫌]でも聞かされる漫画の神様「手塚治虫」先生の定番代表作の一つ「鉄腕アトム」から、アトムの「生みの親」と「育ての親」の若き青年時代のストーリーというのはみなさんご存知のとおり。

※【鉄腕アトム】
原作や、幾つかメディア化されて設定を後付け盛り付けたりされてますが、私の記憶してる基本ラインは-
・科学省長官の天才科学者「天馬博士」。最愛の息子・飛雄(トビオ)を交通事故で失い、その深い悲しみから息子そっくりの「少年ロボット」を作り上げる。(なんか「フランケン・シュタイン」みたいなさわり)
・しかしロボットはロボット。人間の代役にはならないジレンマで天馬博士は少年ロボットをロボットサーカスに売り飛ばします。そして天馬博士は科学省を去り、行方をくらませ世捨て人に。
・ロボットサーカスのショーで働く少年ロボット。そこへたまたまサーカスを見に来ていた現科学省長官「お茶水博士」。その少年ロボットが盟友・天馬博士が作り出した傑作ロボットと見抜き、サーカスから引き取ることに。
・そしてその少年ロボットは『アトム』と名付けられ、お茶水博士とともに様々な怪事件・大事故を解決し、はたまた勧善懲悪の大冒険もあり、見る者に問いかける問題ドラマもありと「正義の少年ヒーロー」モノとして結構ヤマ盛りな内容の展開が次々と。
・小さな体に10万馬力、ジェットで自由に空を飛び、秘められた「7つの力」のアトム。
・しかし「心」あるが故、人間と同じく喜怒哀楽があり、特にボッチなところを不憫に思ったお茶水博士はアトムに家族ロボット(パパ、ママ、妹のウラン、兄のコバルト)を作ってあげて人と同じく優しさや思いやりを育んでいきます。
、といったところでしょうか。

そして、今回「アトムの素」を作った二人の天才、天馬午太郎とお茶の水博志("はかせ"じゃなかとです。"ヒロシ"です・・・"ヒロシ"です・・・)。
謎の災害から5年後。復興作業の為にロボットが大量導入。当然ロボット産業が急速に進み、練馬大学学院生の午太郎と博志は次世代型人工知能「ベヴストザイン」搭載の自立型ロボット「A10-6(エーテンシックス)」を開発。
A→【ア】
10→十(とお)→【ト】
6→六(む)→【ム】とかけ合わせてあるのはご周知の通り。
オリジナルキャストの博志の妹・蘭。
アトムの妹・ウランと「妹でラン」繋がり。
主要この三名を中心に様々な事件が起こるようですネ。
(復興で技術産業が進むのはパトレイバーのバビロンプロジェクトを思いだしますね。東京湾を埋め立てて土地不足を解消。数万パワーの土木作業機械=巨大マニピュレーター=レイバーの多数登用。レイバー技術の急速な発展→レイバーの犯罪発生・増加→「パトレイバー」の誕生。)

監督は本広克行さん(ドラマでは「踊る大捜査線」アニメでは「PSYCHO-PASS」が有名どころ)。NHK放送のせいなのか、あまり「ムチャ」出来なさそうで気の毒な感じがします。
今のところアクションはそれなりにイイと思うのですが、ドラマパートがなんか非凡に感じます。特に伴健作。すんごく昭和テイストです。しかも将来、父にクリソツになる息子・伴俊作(後のヒゲオヤジ)。今は似つかないほどの爽やか(ちょっとオマヌケ?)青年ぶりにオッタマゲーです。

知名度があっても「局」の縛りで伸び伸び出来なさそうな感じがしますが、
はてさてどうなりますやら。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

78.0 6 2017年度のロボットアニメランキング6位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (706)
3156人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

残酷描写は嫌いだが最後は感涙した

冴えないおじさんが大活躍する作品。さえないおじさんが活躍する作品は自分の好みになることが多いかもしれないと思ったけど、主人公が冴えないおじさんの作品があまり思いつかない。実際、この作品すごく好き。おじさんかっこよすぎる。
{netabare}娘の麻理を助けるときと最後自爆して地球を救うシーンは涙ちょちょぎれた。かっこよすぎる。あの一家に完全に感情移入しちゃった。今までぞんざいに扱っていたのに掌返しは虫が良すぎる気がしないでもないっていうのは内緒。最初は犬だけだったもんな、犬屋敷壱郎に懐いていたのは。家族の会話はないし、癌の宣告受けたことを誰かに伝えたくても全く取り合ってくれない。だからこそ余計引き立つ。{/netabare}

同時期に機械の体になった獅子神は犬屋敷壱郎が人助けで生を実感するのとは対照的に人を殺すことで生を実感している。そのシーンを描いている2話がしんどかった。{netabare}適当に選んだ家に入って母親を惨殺。風呂に入っていた父を撃ち抜き、一緒に入浴していた幼い息子は死んだ父の重みで水から出られずに窒息。極め付けは最後に帰ってきた娘に脈絡なくワンピースの話を持ち出した挙句、射殺。ここが耐えられないポイント。母にそういったことをしていたと知られ、絶望で自殺され、悲しみからさらに暴走する。そんな彼を愛するしおんの登場や犬屋敷壱郎との戦闘で最後はさすがに更生している。途中、人助けもしている。{/netabare}

OP
My Hero 歌 MAN WITH A MISSION
映像がなんか色々凄い。泣いた顔とか。
ED
愛を教えてくれた君へ 歌 クアイフ
この曲は獅子神のほうに焦点を当てているように感じる。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 犬屋敷壱郎
老人のような見た目の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎。念願のマイホームを建てるも愛する家族に疎まれ、やるせない日々を送っていた。そんな犬屋敷を末期の胃がんという更なる悲劇が襲う。家族にもがんの事を言い出せず途方に暮れていた犬屋敷はその夜、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ、兵器ユニットを搭載した機械の体に生まれ変わる。 「私は、私ではない…私は機械…」人間ではなくなってしまった犬屋敷。自分の存在に悩む犬屋敷は偶然、男性が少年たちに襲われそうな場面に遭遇する。勇気を振り絞り助けに入った犬屋敷を少年たちはバットで殴りつける。犬屋敷が意識を失ったその時、彼の体に眠る人智を超えた力が目覚めて…。

2. 獅子神皓
生まれ変わった機械の体で人を救っていくことに自身の存在意義を見出した犬屋敷。 一方、犬屋敷と同じく機械の体に生まれ変わった高校生・獅子神皓。獅子神は家族や親友以外の人間にはまるで思い入れを持たず、機械の体の力で無差別に殺人を繰り返していた。彼は犬屋敷とは逆に人の死を間近に感じることで、生の実感を得ていたのだ。 ある日の夕方、学校帰りの獅子神は軽い足取りで適当な民家に立ち入ると、そこに住む住人一家を機械の力で容赦なく皆殺しにする。獅子神の凶行を察知した犬屋敷は急いで民家へと向かう…。

3. 安堂直行
殺したはずの犬屋敷が無傷で立ち上がったことに獅子神は動揺すると、その場から飛び去った。その姿を見て、犬屋敷は獅子神が自分と同じ機械の体であることを確信する。その翌日から犬屋敷は飛行能力や治癒能力など新たな能力が使えることに気づくと、その能力を駆使して更に人助けを行っていく。一方、獅子神はなぜ犬屋敷を倒せなかったのか戸惑いながらも、親友である安堂直行をいじめの標的としていた不良グループと対峙する・・・。

4. 鮫島
全身に入れ墨をまとった極悪非道な暴力団員・鮫島は気に入った女性を見つけると拉致し、薬漬けにした上で乱暴することを繰り返していた。弁当屋で働くふみのは背は小さいが美人で、恋人の悟ちゃんからのプロポーズを受け、幸せな日々を思い描いていた。しかし、ある晩、ふみのは鮫島に目をつけられ、手下たちによって拉致されてしまう。ふみのは何とか鮫島の元から逃げ出して、悟の家に逃げ込むが、そこに鮫島たちが押し入ってくる。ふみのを守ろうと立ちはだかる悟の首に手をかける鮫島。その時、鮫島の凶行を察知した犬屋敷が駆け付けるが、鮫島に銃弾を撃ち込まれて昏倒してしまう…。

5. 獅子神優子
連続民家襲撃事件が大きく報道され、獅子神の犯行を唯一知る安堂は苦悩する。そんな安堂は偶然目にした「各地の病院で治療困難な患者が回復している」というニュースから、獅子神と同じ能力を持った人物がもう一人いるのではないかと仮説を立てる。安堂が助けを求めるウソの声を上げたところ、安堂の家を大慌てで犬屋敷が訪れた。犬屋敷がニュースで報じられていた重病人を回復させている人物である事を聞いた安堂は、犬屋敷を本物のヒーローだと称賛し、獅子神を止めて欲しいと懇願する。一方獅子神は、離婚して別居している父親の家から帰宅した獅子神は、最愛の母から末期のがんに侵されていることを告げられる…。

6. 2chの人たち
十人以上の警察から逃れた獅子神であったが、直後、連続民家襲撃事件の容疑者として全国に指名手配され、母との幸せな時間は終わりを告げた。行き場を無くした獅子神は、彼に好意を寄せるクラスメイト・渡辺しおんの家に身を寄せる。一方で犬屋敷は安堂のサポートを得て、機械の体の能力を使いこなしつつあった。そんな折、獅子神の母・優子がテレビで謝罪する姿を見た犬屋敷と安堂は、獅子神の動向に不安を感じる。 獅子神も優子の身を案じていてニュースをチェックしていたが、「連続民家襲撃事件 犯人の母親が自殺」と速報テロップが入る。獅子神は上空へと飛び出すと、終わらない慟哭を響き渡らせるのであった・・・。

7. 渡辺しおん
獅子神は自身の無実を信じるしおんに自分の体が機械になったこと、また生を実感するためにこれまで多くの人の命を奪ってきたことを告白する。「もっともっと人を殺す…この国の人間を全部…」しおんに無情な宣告をする獅子神。しかし、しおんはそれでも獅子神に置いていかないでほしいと懇願する。これまで獅子神が奪った人にも未来や大切な人がいたと泣き叫ぶしおんに獅子神はある提案をする・・・。

8. 犬屋敷麻理
侵入した特殊部隊から銃の乱射を受ける獅子神。獅子神は銃撃の巻き添えになり倒れたしおんとしおんの祖母を抱え、何とかその場を脱出する。気絶した2人を安全なところに避難させると、しおんとの幸せな生活に別れを告げ、涙を流し飛び去る。 別の日、獅子神や安堂のクラスメイトで犬屋敷の娘、麻理は偶然にも犬屋敷と安堂が一緒に病院に入るところを目撃し、彼らの後を追う。彼らが入っていった病室の様子を窺うと、そこでは麻理には信じられない出来事が起きていた。その後、犬屋敷が火災現場へと飛び立っていく姿を見て呆然とする麻理。同じ日の夜、深い絶望に打ちひしがれた獅子神は復讐を決意し、警察署を襲撃する・・・。

9. 新宿の人たち
獅子神による警察署襲撃事件が大きく報じられる中、獅子神は各地の街頭ビジョンをジャックし、日本に対し宣戦布告をするとともに「今から100人殺します」と宣言。手始めに新宿で無差別に殺人を開始する。獅子神が携帯電話を通して無差別殺人を行っていることに気づいた安堂は、犬屋敷の能力で携帯を使用しないよう緊急警報を発信し、人々を携帯から遠ざけることに成功する。携帯からの殺人を邪魔された獅子神だが、今度は街頭ビジョンを通して引き続き発砲を行い、100人を殺害すると「明日から1日1000人」殺害すると宣言し姿を消す。獅子神の凶行を止められず肩を落とす犬屋敷。あくる日、獅子神はまたも非情な行動に出る。

10. 東京の人たち
新宿での無差別殺人を行った翌日、より多くの人を殺害するために獅子神が取った行動は、都内に飛行機を次々と墜落させるという非情なものだった。安堂から連絡を受けた犬屋敷は墜落を阻止すべく、能力を駆使して何機もの飛行機を操り、ギリギリのところで無事に着陸させることに成功する。更に犬屋敷は、飛行機墜落による火災で高層ビルに閉じ込められている麻理の救出に向かおうとするが、そこに現れた獅子神から攻撃を受ける。一刻の猶予も無い中、必死で麻理のもとへ向かおうと飛ぶ犬屋敷とそれを追う獅子神。同じ機械の体を持つ者同士の戦いは熾烈を極めていく・・・。

11. 地球の人たち
新宿で多くの人を救い、自宅に戻る犬屋敷。犬屋敷は帰宅を待っていた家族に自身が機械の体である事を告げ、家族のもとを去ろうとする。しかし、家族は機械になった彼の存在を受け入れ、涙を流して抱き合う。一方、犬屋敷との戦いで両腕を失った獅子神は安堂のもとを訪れていた。安堂は獅子神の来訪に戸惑うが、獅子神を激しく断罪する。大切に思っていた親友に強く存在を否定された獅子神は、失意の中、安堂の前から姿を消す。犬屋敷は自分を受け入れてくれた家族と幸せな時間を過ごしていたが、巨大隕石が直撃する未曽有の危機が地球に迫っている事を知る。世界中が絶望に暮れる中、犬屋敷は家族を守るという決意とともに隕石に向けて飛び立つのだった・・・。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人は悪い事をしながら善いことをし、善い事をしながら悪事を働く妙な生きもの

漫画原作の全11話、ノイタミナ枠。
昨今の深夜アニメには珍しくなりつつある、青年誌連載の原作だが、
やや過激な描写もある中で目立った規制も無く、
何かとうるさいこのご時世、概ね原作に忠実にアニメ化した事にはあっぱれと言いたい。
後に実写映画が控えているというノイタミナ特有の事情もあったのだろうが、
青年誌原作はアニメ化されずに実写化されるものが大半なため、
この流れは素直に歓迎したいところだ。

☆物語&感想☆

58歳見た目老人で、家族や周囲から疎まれている冴えないサラリーマン犬屋敷と、
今時のイケメン高校生獅子神が、ある日突然機械の体にされてしまった絶望から、
他人を救うことでのみ自身が生きていると実感する一方、
無慈悲に他人を殺すことでのみ生を実感するという正反対な2人が、
自らのアイデンティティ、存在意義と向き合っていく様が描かれる。

公式のイントロダクションには最後に、「人間の本質は善なのか悪なのか…?」とある。
物語のメインテーマ、煽り文句としては、まさしくこの一文が相応しいとは言えるが、
2人の顔が合成され一つの顔になった背景が表しているように、どんな人間にも善と悪、
表裏一体でどちらの側面も持ち合わせた存在であることは言わずもがな、
100%完璧な善者も居なければ100%の悪者も居ない。
犬屋敷が善で獅子神が悪、というのは明らかではあるが、
人間の本質が善、又は悪という二者択一でないという点はふまえて観なければいけない。

犬屋敷が正義感が強く善人であることは、機械の体になり神の領域の力を得て人を救ったから、
ということを抜きにしても言えるとは思うが、
そもそも世間の彼を見る目はどうだったか?
作中での何気ない人物の一言一言は妙に生々しく、
その多くは本人が自覚しているかどうかは別として、
差別や偏見、悪意のあるものではなかったか。

この、何気ない生々しい言葉の中に込められた悪意は、犬屋敷に向けられたものだけではなく、
作中の随所で垣間見ることが出来る。
子供、若者~社会的地位のある医者、
掲示板の中の人間や偏向報道を垂れ流し印象操作をするマスコミ、某国の大統領に至るまで、
世間には悪意のある言葉、差別や偏見が満ち溢れているのがよく分かる。
(作者自身も確信犯的にディスったりパロってるのは少々タチが悪いが、ブラックで面白くこの辺は青年誌ならでは)
しかしながら、言ってしまえばこれも人間の本質、悪の側面であるのは明らかで、
むしろ自然といえば自然。
人間が100%の善でないから、犬屋敷のようなヒーローに憧れたりその行為に感動するのだろう。

で、仮にこの物語が犬屋敷がヒーローとして、
悪を成敗し、自らの命を掛けて地球存亡の危機を救う、というような単純な勧善懲悪&ヒーローものの物語であれば、
エンタメ的によくある他愛無い作品に成り下がっていただろうが、そうならなかったのは、
獅子神の存在があったからというのは言うまでもない。

この物語が優れているところは、タイトルにも同義の事を書いているが、
「人は善いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら善いことをする」
という、池波小説がテーマに掲げた人間の本質、性を如実に表していると受け取れる所だ。
その代表は本作で言うところの獅子神のことであるが、
先に挙げた悪意のある言葉を発するごく普通の一般人全てに於いても当てはまる。

自分は犬屋敷のような人間は本当に素晴らしい、もはや聖人と言っても過言ではないとは思うが、
心の何処かで「こんな奴居るか」と思っている自分も居る。
一方の獅子神の方が、むしろある意味正直で人間味、人間臭さがあるのではないか、とさえ思う。
無論、獅子神が行った虐殺はいくら機械の体になった事に絶望し、
他人を殺すことでしか生を実感できないとしても、養護できるものではないし、
改心して他人を救ったとしても、償えるものでもない。
ただ、他人の虐殺に関しては共感できなくとも、
自分が招いた自業自得とは言え、彼の境遇や心情的には同情できる部分は多い。
母親の自殺によって世間に対し復讐の鬼と化す様や、
犬屋敷と対峙した際に、本来は「ワンピース」を読んで涙するような自分が悪役であり、
犬屋敷がヒーローだと悟った時の悔しさ、
唯一の親友と思っていた安藤に、最後に言われた言葉...彼の胸中を察すると胸が苦しい。

彼は自分のことしか考えてない、自分に関係のない人間がどうなっても良い、
と言った趣旨の発言をしており、尊敬できる人間でないのは明らかではあるが、
程度の差こそあれ、どこかで大抵の人間心の中では皆同様のことを思っているのではないだろうか。
もし自分が彼と同じ立場に立った時、どういう行動を取るか...
他人を殺さないと生を実感できない、かどうかは分からないが、
少なくともその力を他人を救うためだけに使う、というよりは、まず自分のために使うだろう。

人はよく「性善説」「性悪説」と言った言葉で語られることがあるが、
共通しているのは、好き勝手に欲望のままに道徳を顧みずに生きれば人間は悪行を働くということ。
獅子神は人間として成熟した大人ではなく、まだ子供だということもあるが、
道徳心という面では大きく欠落しており、他人の痛みが分かる想像力を持ち合わせていなかった。
自分を愛してくれる存在に気付き、一時は改心したが遅すぎた。
自分が殺した人間全て、自分のように愛し愛される人が居る、という想像力があれば...

結末は獅子神が行った方法、アイデアがなければ人類を救うことは出来なかった。
愛を与えてくれた人が離れ、唯一の友人にも見放され天涯孤独、絶望の淵に立たされた彼が、
もうあれ以外の選択肢は無かったとはいえ、
他人を虐殺することのみでしか生を実感できない者が、自分の守りたい人間だけを助けたいというエゴによって、
結果的に全ての人を救うことになったのは、何という皮肉だろうか。

☆声優☆

ノイタミナお決まりのキャスティングに癖が出た感があるものの、
犬屋敷に関しては声優でもなかなかこういう役がビシッと合う人は、
考えてみると今はあまり居なさそうだし、ハマる人が思いつかない。
演技自体の声優っぽさが薄いぶん、逆にリアルで良い味を出していた。
安藤は本物の声優がやってんのかな、と全く違和感を感じることもなく普通に上手かった。
獅子神だけがやはり少々勿体無い。
若干宮野真守っぽい声質なので、これやったら宮野でエエやん、って。。
無機質な所は気にならなくても感情を込めた台詞の演技にはやや物足りなさがあった。
演技がもう少し上手ければ、獅子神の心情がより観てる者に伝わったかもしれない。

☆キャラ☆

感想の所と重複するので簡単に。
家族や周囲から疎まれている冴えない58歳、見た目老人の主人公という設定は秀逸。
否応なく観る者にその悲哀を感じさせるもので、その活躍ぶりにはより一層胸が熱くなる。
犬屋敷を中心にこの物語を観てもエンタメ的には面白いが、
やはり獅子神が居ることで作品における人間の本質、善悪というテーマ性が浮き彫りとなった。

☆作画☆

キャラに関しては原作準拠だと思うが、
麻里以外の女性キャラが不細工でリアル笑
深夜アニメを見慣れてると、萌えを全く意識してない(目が不必要にデカくない)
女性キャラには新鮮さを覚えますが、内容を鑑みると妥当。
目を見張るのは作画と3DCGとの組み合わせが違和感無くとても自然だったこと。
アクション面での出来は素晴らしかった。

☆音楽☆

ノイタミナは電通絡みのゴリ押し系アーティストがOP,EDに採用されることが多く、
作品ありきの曲や歌詞じゃない、と感じることが多いものの、今回に限っては文句無し。
特にEDアニメーションと曲、歌詞の相性は特筆すべき点で毎話視聴後の余韻が残った。
獅子神への鎮魂歌であるのは一聴してすぐに解るが、
FULLで見てみると後半は犬屋敷や家族への詞でもあると解釈できる。
個人的には秋アニメ屈指の名曲と評価したい。

作中BGMもとても上手く緩急が付いており良い出来。
アクション時や緊迫感のあるシーンは打ち込み系のBGMで迫力を出しつつ(ちょいちょいチープな音もあったが)
静かなパートはギターやピアノのアコースティックな美しいメロディが絶妙で胸に迫る、
対比が素晴らしく聴き応えのあるもの。
ラストも盛り上げてくれて、お手本となるような演出は見事。


解りやすいエンターテイメント性だけではなく、高いテーマ性を備えた本作の内容は、
ノイタミナの真価を示したとも言えるもので、
2017年を締めくくるに相応しい観ごたえのあるものとしてオススメしたい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

serius さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今この時のために僕は生まれてきた。

タイトルは主人公である中年のおじさんの名前。
それがそのままアニメのタイトルになってる。

僕がいいなと思ったのは、各話のタイトルが登場人物の名前になってること。
これめっちゃ分かりやすい。
その話がどの人物を中心に展開されるか分かるし、予想しながら観れるのが良かった。

話しの大筋は、まあダブル主人公っていうのか、中年のおじさんと男子高校生の中身がロボットになって人を助けたり殺したりする。

また、主人公視点だけじゃなくて、他の重要人物の視点でも話が進められていくため、飽きることがなかったし、話がすんなり頭に入ってきた。

最後もキレイに締めてたし、1クールものとしてはかなり高水準のアニメだと思う。

分かりやすい勧善懲悪が描かれているので、胸糞悪いシーンもあれば、スカッとするシーンもある。

表現を軽くすれば普通のヒーローものなんだろうけど、主人公と過激なシーンの応酬でいい具合に歪な作風になっていて見応えがある。

主人公の2人は共に同じ能力を持ってるんだけど、その使い道がまるで違っていて、{netabare}壱郎は決して人を殺すことがなかった。{/netabare}何のために力を使うのかでその人物の本性を表しているところはすごく良かったと思う。

{netabare}壱郎が「今この時のために僕は生まれてきた」って言うところと、最後の目のスイッチを押すと同時にEDが流れ始めるところは本当に感動した。そのあとの、家の風景と家族の姿が映されるシーンと、宇宙に爆散した壱郎のカケラが浮かんでるところもグッときた。{/netabare}

全11話で観やすいし、観て損はないアニメなのでぜひ。


以下雑な感想
{netabare}一話を観たときから、最終的に壱郎が家族から見直してもらえればいいなぁと思ってたから、良かったといえば良かった。

マリが漫画を描いてたと発覚してから、その漫画が何らかの賞をとるっていうオチは想像できたんだけど、やっぱその通りだった笑

壱郎とひろが自滅するってのも予想できたし、話の展開的には王道というか、別段変わったことはなかったかな。
意外とすっきり終わったよね。

各話のタイトルのやつもそうだけど、かなり分かりやすく作られていてよかった。

壱郎とひろの能力は、自分がそうしようと思えば何でも出来る能力。
でも、壱郎は必ず誰かを助けたいという気持ちをもって、その気持ちがキーとなって力が発動してたよね。そこがよかったなぁ。

全般的な感想
・ふみのちゃんかわいい。金元寿子すごい。
・渡辺しおんが実は一番やばい。
・飛行機の女性特に重要じゃなかった。
・この時のために生きてきたに感動
・缶ジュースをひろに与えた子達影のヒーロー
・新婚旅行の思い出を語るシーン感動
・最後のEDが流れ始めるシーン感動


各話を追っていくと、

2、3話 
まあ、アトムの歌で飛ぶのは笑ったよね。
思ったよりも出来ることに幅があることに驚いた。

4話 鮫島
冒頭やべぇ。規制入ってたぞw
ふみのちゃんかわいい。確かになんでさとるとって思うね。
でも普通に幸せそうでいい。
よくあんな格好でタクシー乗れたなw 運転手無頓着ってレベルじゃないぞ。
殺すか殺さないか。ひろとの差はここだな。
金元寿子はすごい。俺ずっと思ってるからね。

5話 獅子神優子
渡辺しおん ひろに好意あり。ちんげ。
ひろの親は離婚してるらしい。複雑なんだな。
そしてがん。そしてソッコー治す。引っ越す。
力を持つと欲が無限大になるね。
警察きた。これ安堂がチクったのかな?

6話 2ちゃんの人たち
渡辺ひろの肩を持つ。まさかの家にかくまう。
なぜか同じグレーの服を着てる。
撃とうとしたけどもう殺さないって言ってたしな。
この時点で安堂とか壱郎を疑っていいと思うんだけど。
母親自殺しひろが狂う。
2ちゃん男ばっかだなw

7話 渡辺しおん
こんなひろでも居場所が必要なんだな。
ここにきて伏線回収。自殺を見た時の事。
ずっとひろのターンだなここ2,3話。
渡辺に打ち明ける。人を殺すことで生きていると自覚できるらしい。
これからは殺した分救うんだってさ。それじゃダメでしょ。
でも渡辺は納得してる。こいつも大概やな。
中尾さんのがんが治ったのはうれしかったし、体調良くなると美人だった。
なんでも治せる力があったらどんなにいいか。
なんかきた。渡辺とおばあちゃん撃つ必要あった?共犯扱いか。
野次馬がいっちゃんうぜえな。

8話 犬屋敷麻理
麻理回きた。やっとひろ回からの脱却。
中華料理屋の会話なんだったん?異星人かと思ったわ。
織田君登場。漫画家の息子。麻理は漫画家志望らしい。
安堂といるとこ発見。飛ぶとこ見られる。
壱郎が麻理の夢に理解を示し、ちょっと見直す。
やっぱ渡辺死んでなかったか。
弟いいキャラしてんな。
警察ボコボコ。

9話 新宿の人たち
いかれた野郎ばっか。
結局知ってる人以外は顔なんだよね。
こっから最終決戦かな。
宮根が宮野になってるやんおいww
飛行機の謎の女性。結局なんでもなかった。
たまにそこまで重要じゃない人をクローズアップするねこのアニメは。
まり新宿行くなよ。

10話 日本の人たち
まさか飛行機を墜落させて殺そうとするとは。
壱郎すげえ。
話してないで、麻理を助けにいけよ。
ガチンコ対決。だけど麻理の安否のほうが気にかかる。
麻理、、、、、。
顔が妙にリアル。
諦めかけたけど、なんとか蘇生に成功。蘇生だけは時間かかるっぽい。
てか、普通に泣いた。
他の人たちも助けに行く壱郎。
この時のために生きてきたんだって言葉が胸にささる。
後から考えると、ヒロに缶ジュースやった子達が真のヒーローなのかもな。

11話 地球の人たち
家族に打ち明ける。
共有できる思い出があるっていいな。
これだけ覚えてることだけでも壱郎の人となりがよくわかる。
弟がラスボスになるかと思ったけどそうでもなかった。
ジャンプ好きすぎだろ。
隕石問題をすっかり忘れてた。
ひろ自爆。そして壱郎も自爆。地球を救う。
最後の壱郎が目のスイッチを押してED流れるシーンで泣いた。
麻理のマンガが入選。
完結。{/netabare}



声優問題にも触れとくべきか笑 
ひろ出てきた時、お前どうした!?って思ったよねww壱郎のほうは良かったと思うんだけど、ひろは違和感しかなかったな。
それでも慣れてくれば、これはこれで味があっていいかって思えたんだけど。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

67.5 7 2017年度のロボットアニメランキング7位
フレームアームズ・ガール(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (291)
1195人が棚に入れました
ある日の早朝、普通の女子高生あおの元に届けられた謎の小包。
開けるとそこにはフレームアームズ・ガールと呼ばれる完全自立型の小型ロボット「轟雷」が入っていた。

おもちゃだ!プラモデルだ!

しかし轟雷はただのフレームアームズ・ガールではなかった。

通常の人工知能以上に高度な、人格を有する人口自我、AS(アーティフィシャル・セルフ)を搭載した最新型の試作機だったのだ。
しかも轟雷を起動できたのは世界中であおたった一人。

バトルデータを収集し、感情を学んでいく「フレームアームズ・ガール・轟雷」。
フレームアームズ・ガールの知識0(ゼロ)の「少女・あお」。

かくして、あおと轟雷、少女とフレームアームズ・ガールの奇妙で楽しい、きゃっきゃうふふな日常がスタートする!


主人公「あお」と「轟雷」たちFAガールたちの日常生活と成長する感情のストーリー!

声優・キャラクター
日笠陽子、佳穂成美、綾瀬有、長江里加、山崎エリイ、山村響、樺山ミナミ
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かつてプラモ少年(非モデラー)だった人の感想

2話までの感想
{netabare}てっきり武装神姫の新シリーズかと思ったのだけど、関係ないの?
スカイガールズとストパンみたいに紛らわしいことによく顔を出すなぁ、島田フミカネって。
いや、そういいつつ実は世界繋がってました~とかやるんじゃないの?(願望)

内容は…うん、現時点では武装神姫なのでこれといって感想はナシ。{/netabare}

6話までの感想
{netabare}5話まではキャラ紹介って感じだったのかな。
次から次へと新たなフレームアームガールズが加わり、どいつもこいつもなし崩しでアオの家へ居候することになる。
ってことでマトモに話が動くのは6話からかな~と思ったけど、これまで通り日常生活を描くのみでした。
別にそれは良いのだけど…どうしても武装神姫のイメージを引きずったまま見てるせいか、その作品の社会での立ち位置が見えないのはどうもシックリ来ない。
要は武装神姫からの設定を拝借するなら「世間ではフレームアームズが大流行で、オモチャ屋には本体やパーツが並び、ちょくちょく大会も行われてる」…くらいは描いて欲しいなぁ。
そうでないとお買い物の回とか、酢はちゃんと代金を支払えたのかどうか気になって仕方ない。

それと童心に帰ってプラモにハマってた頃のつもりで見てみると、一応そうは描いてるけどまだまだピーキーさが足りないような?
ゴウライは空を飛ぶのを捨てて地上戦用特化なのだから、もっと重量級を意識してもいい気が。
相撲の回とか、空戦用がいくらぶちかましをかけてもビクともしない(場合によってはゴウライ無傷で空戦機体が壊れる)とか、掴むことさえできれば負ける要素が無いとか。
ってかそれくらい差がないと空戦用が圧倒的に強すぎる気が…。
あ、それとパーツ換装ね、他の機体との。
コアファイター挟んでガンタンクダムにしてみたり、エルガイムにバスターランチャー持たせたくて買いたくもないバッシュのプラモ買った人は少なくないハズ。
(さすがにアトールⅤの再現はできませんでした、お小遣いがねぇ…)
古くは変身サイボーグ、現代でもねんどろいどがそういった「楽しみ方」で需要を満たしてるんじゃないのん?
…って、そこら辺ってビルドファイターでやってるんだろうか?自分そっちは全く見てないので。
折角模型屋が原作なんだからもっとそっち寄りの魅力を前面に出しても良い気がするんだがのう。

一方で誉める点。
バーゼラルドがストパンのハルトマンとルッキーニを足したようなキャラで(それがパクりだと非難してるワケではない)、ブレパン見てた時「なんか足んないんだよなぁ」と思ってたのはコレだと気付けました。
トラブルメーカーって言っちゃっていいのかな、それでいてムードメーカー的なキャラの配置は重要だなぁと思った次第。
本作だとどのキャラもトラブルメーカーになりえる感じだけど。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}↑の6話までの感想にて換装してくれないかなーと書いたけど、どうやらアオ宅に居るFAGはどれも特注品らしく、装備も専用のでないといけないらしい。
って設定が明かされてガッカリしたと思ったら…8話で装甲強化したゴウライキター!
更にアーキテクトがフレズヴェルクに化けたシミュレーションなので実戦ではまだどうなるか不明だけど、取っ組み合いをしてパワー勝ちしてるし!
ゴウライはもっと重量級・パワータイプにしてくれんかのうと書いたらホントにそれが実現してしまいました。
雑誌の月間あらすじとか公式予告とか見てないですよ?
いやぁ驚いた。
っていうかさすが模型屋というべきですね、何が望まれてるかちゃんと把握してたのねー。

ってことで評価がドドンと上がったところで話は戻って7話…モ、モグタン!?
ゴンとオリーブも含めればかなり長いこと放送されてたのでマニアックとはいわんけど、3Dを実写パートになぞらえて、工場見学パートをアニメでやる辺りなかなかニクい演出。
できればナレーションは局アナにやって欲しかった…というのは贅沢な望みか。
でもって9話では鬼公園ネタ。
色んな作品のロケ地になってるそうでこれまたマニアックとはいわんけど(普通のご当地ネタかと)あんなにグッズは出てないよね?
ってか昔リアルで何度か通り抜けたことがあるけど、立川周辺はもっと散策すれば良かったなぁ…当分行く用事無いよ。
そして病状を聞いた時の反応で「一回関節外して~」と言ってるので、ああやっぱりそういうことができる設定なのねーと思いつつも多分実際にそうやるシーンは見せないんだろうなぁ。
残酷表現に引っかかってしまうんだろうか、バラバラに分解した姿は見せてくれないんだよなぁ、武装神姫もそうだった。
そこから組み立てなおしてガンタンクダム状態とかやって欲しいんだがのう。{/netabare}

12話までの感想
{netabare}まず11話、あおがフレズベルクに会うべく本社へ…って近所かよw
しかも恐らくアポなし。
「試供品送った客(唯一ゴウライを起動させた重要人物)が突然本社へやって来た」となれば、すわクレームかと社員は色めき立ったと思うのだが、相手があおで助かったな。
あっさりフレズベルクと面談できて「あれ?」と違和感をあまり抱かないのはこれまであおを能天気なアホキャラとして描いてきた功績かと。
でもって最後のフレズベルク暴走シーン…ちょ、ウイルスファージww
「なにかに浸食されてる」ってのを絵で表現するなら、これ以上分かりやすいのは存在しねーだろってくらいの潔さ。
親切心なのかヤケクソなのかもーワカランぞ。

そして12話。
↑でエルガイムのアトールV(ウルトラマンのタイラントの方が通じる?)のことを書いたけど、それが最終回で実現んん!!!
腕外したり首もげたりするのがNGであるなら、恐らく作中の描写が精一杯のキメラモード。
おおお、わかってるねぇ。

こ れ を 見 た か っ た ん だ

もし自分が未だプラモ少年だったら全キット集めて再現目指さずには居られなかったと思います。
または、既にキットを持っててゴチャゴチャ組み替えて遊んでたらそれが本編で実現して大興奮だったかと。
これで更にあの形態が可能なのはパワー自慢のゴウライだけってことなら大歓喜だけど、そこまでは説明されませんでした。
ってか…金ピカ…だと?
金ピカ…メッキ…ハイシャルタット専用ウィンガル…うっ頭が(※)。
とはいえ、CGで金属を表現した時ってあり得ないほどテカテカしてるのをよく見るけど、この作品はかなり自然に描かれてました。
(気付いてないだけで最近のCGはこれ位普通にできてる?)

でもってラストのステージシーン。
実は今まで書かずにいたけど、秘かに期待してたことがありまして…。
それは「実物のキットを使ったコマ撮りシーン」をやってくれないかなー?というもの。
ガンプラでアニメのダンスシーンを再現した動画だったかを見かけたことがあるので、もし踊らすことがあるならあんなのをFAGでやらんかなぁ?と思ってたり。
なので最後のステージシーンがCGだったのはガッカリ…と思ったけど、いや待てよ?
これは…「キミも実際にキットを買って作中のダンスを再現させてみよう」って意図なのかも?
さすがにそこまで動画を追う気力無いけど、居そうじゃない?ってかもう居たりして??
そういう人に向けたメッセージかあれは、と思えばなるほど納得、CD売りたいとか大人の事情もあるんだろうけどうまく作品コンセプト(キット売りたいってのも大人の事情ではあるのだけど、これはもう最初から提示されてるコンセプトかと)に落とし込んだなぁと思います。

それとこれは自分語りになってしまうけど…自分はプラモは動かしてナンボと思ってます。
関節ダルダル接合部カパカパになるまで動かし倒して最後は空気銃の的…がプラモの一生かなぁ、と。
ヤマトのプラモならまだしも、ロボットでわざわざ可動部分があるんだから動かさなきゃ勿体ないというか。
(なのでプラモのコマ撮り動画は究極形態だと思ってます)
で、そのことを友人に話したら、どうやらリアルのFAGは動かそうとするとパーツがポロポロ取れてしまいそういう楽しみ方は困難なんだそうな。
「現実はそんなものかー、残念だなー」と頭の片隅に置きながらアニメを見てたら、ドローンに運ばれるゴウライを追おうとしたフレズベルグが、燃料切れだかで地面に落ちてあっさりとパーツが取れてしまうシーンがあったり。
「ナルホドこうなっちゃうのか」と思うと同時に「え、そこでリアルネタ入れるの?」とビックリ。
現実と空想の匙加減が絶妙というか…さすが原作コトブキヤというべきか、しっかりキットとしての性質を描いてて感服しました。
(ってか友人から実際のFAGのこと聞いてなかったらそのシーン何も感じなかったと思う)
FAGコマ撮り動画で「動く度にパーツが落ちる轟雷」なんてのあったらウケるんじゃないかな?



ガリアンの敵メカ。
全身銀ピカって設定でプラモデルもランナーの状態からメッキ加工済み。
接着剤効かないヤスリかけられない塗装できない、で当時の自分は「こんなの作れるか!」と投げ捨てた苦い記憶が。
自分はただのプラモ少年で“モデラー”に足を踏み入れずに卒業しちゃったのだけど、モデラー的にはメッキ処理って面白いのだろうか?
(百式やナイトオブゴールド見るに){/netabare}

総評
{netabare}「自分が未だプラモ少年だったら~」って視点(つまり玩具の販促アニメ)で見ると、痒いところに手が届くというかよく分かってるじゃんと感心するというか、ニーズをよく理解した出来だったと思います。
モデラーじゃないので断言はできないけど「モデラー心をくすぐる」って表現がシックリ来るかな。
まぁ腕外したり首もげたりして欲しかったってのはあるけど…これは仕方ないか。
スポンサーが作品の内容に口出すとロクな結果にならないことが多い中、これは非常に上手く行った珍しい例かと。
(コトブキヤがどこまで口出ししてるのかは知らないけどね)

一方でバトルモノだったり社会描写モノとして見ると、まー緊張感が無いこと、ワザとだろうけど。
早めに「そういうアニメじゃないですよ」と示してくれれば良かったのだけど、暫く自分は戸惑ってしまいました。
だってさぁ、エンディングでオモチャ屋の売店と思われるシーンあるじゃない?
本編でそれ出るんだろうなーと予想してしまうのは仕方ないと思うんだが…。
そうそう、エンディングで思い出したけどオープニングの方、分身したアーキテクトに囲まれてるシーンを見て「量産機(市販品)相手に多対一の戦闘もあるのかなー?CGだったら楽そうだし」と思ったけどそれもありませんでしたね。
登場したFAGはどれも試作品らしいので、市販品との違いなんてのも見たかったかもー?
もし続編が出るようなことがあれば、そこら辺に期待でしょうか。


余談
バーゼが金髪なんだか銀髪なんだかよーワカラン。
アニメ見るだけだったらプラチナブロンドって解釈でいいんだろうけど、公式のキットの写真見てみると黄色…う~ん?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

アレク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ダイレクトマーケティングも愛があってこそ

監督が好きなというか個人的に注目してる人だったので視聴、と思いきやフレームアームガールズ達の
柔らかで丸っこいキャラデザ、それ以前にOPにいきなり拝めるパンチラならぬパンもろ
どこかで見たノリだなと思いきやキャラデザは島田フミカネ氏というビッグネームでしかも作中で活躍する
プラモも同氏のデザインで実際販売され詳しい経緯は知らないがその販売元の肝いりで今回のアニメ化まで
こぎつけたらしい。

なのでこのアニメは販促色が濃くアニオタにとってそういうのっていい予感がしないもんなんですが意外や意外
面白いですよこれ。(実写化でもアニメでもムーブメントを作りたいのか原作売りたいのか知らんけど宣伝に
予算をかけて制作陣も下請け的に無感動に作った作品ほど見てて萎えるもんはありませんからね)

{netabare}

愚痴はさておき実際このアニメは販促色が濃い、濃いがだからといってダメなわけでは決してなく
プラモ素人のあおちゃんと一緒にプラモの組み立てからそのプラモが出荷されるまでの様々な工程などを
一緒に学んでいくチュートリアル的機能もある作品。
自分はプラモいじりの趣味はないがオタ知識には無関心でいられなかったし知らなかったからこそ
一昔前に流行ったクイズ番組での工場見学のような知的好奇心がくすぐられる感じもあり(実際に
工場見学パートもあったしね)その道の人には物足りなかったであろうが初心者の自分としては
楽しく学べました。




そして個人的にはこちらの方がより楽しめた最終的にフレズヴェルクも含め8体の主要なプラモが
登場するがその彼女たちが各イベントやハプニングて巻き起こす掛け合いや会話劇。

色んな意味で純真無垢で感情を学ぶという設定にふさわしい轟雷
逆に今時珍しいテンプレートなツンデレでこのメンバーの中ではむしろ常識人の突っ込み役スティレット
一見おバカだが実は頭がいいデレマスでいう杏ポジ、バーゼラルド
変態お色気枠マテリア姉妹
古風だが頑固で融通がきかない実はトラブルメーカー迅雷
ググる枠で優等生なアーキテクト
そして終盤登場し緊張感を与える戦闘狂フレズヴェルク
そして忘れちゃいけないイベント好きで金にがめついのも含めて生活感のあるいい子源内あお
(デフォルメたっぷり属性盛り盛りの子もいいけどAチャンネルのユー子とか最近では天使すぎるきらいがあるが
ガヴドロのヴィネットちゃんとか実際にそんな人は現実にいるのか、いたとしてお近づきになれるかは
いったん置いといてこういった実際にもいそうなデフォルメ控えめないい子っていいよね( ´∀`)b)



そんな今時珍しくはない属性のキャラたちだが少ないシーンでのキャラクターの個性の際立たせ方を心得てる
印象でどのキャラも来てすぐ覚えられたし大爆笑ってわけじゃないが所々クスリとさせるようなギャグセンスは
流石、正直あおちゃん役の日笠陽子以外は新人らしくあまりうまく感じられないんですがキャラが生き生きした
脚本を見ているとそれすら好意的に感じてしまう不思議。
こうなってくるとアイマスのようにいろいろな組み合わせのカップリングやユニットを妄想したくなるが
最終回のライブシーンはその兆候か、それもこれもキャラとしての土台がしっかりしていればこそ。
感情を学んできた轟雷が後半恐れや不安などといったマイナスな感情も出すようになったという
描写が軽いタッチながらも盛り込まれていてそういうとこまで踏み込むのは個人的にポイント高かったり。


しかも舞台は資本元のコトブキヤのお膝元立川市ということで街並みや背景はもちろんのことさりげなく名産品を
作中に入れてみたりご当地アニメの側面から見てもぬかりなく肝心の内容も面白かったしプラモに関する描写も
愛があるかは本人にしかわからないが少なくともしっかり下調べしてから作品におこしている印象で
やらしい話スポンサーの意向にも沿ってるしこれからプラモを始めたい人にとって入口としてふさわしいアニメ
これぞまさにプロの仕事。
(個人的にたまにある百合、またはフェチズムを感じさせる艶めかしい描写も好きでしたヾ(*´∀`*)ノ)



このアニメの監督どこまでが監督の功績かわかりませんが今までクレジットされてる作品をざっと見ても
個性を押し出すタイプじゃないが原作の魅力をよく引き出せてる印象の作品が多く今回の件でますます
好きになりました(∩´∀`)∩



特に印象に残ったのは6話の怪談話は画面越しだが思わずぞっとした
あんなうっかりミスやろうもんなら自己嫌悪でその夜眠れない(((( ;゚д゚)))
プラモに限らずコレクターにとって使い込まれた各用具というものは愛着沸くしコレクションの一部なのです。
高価なものならなおのこと
そんな知識だけじゃなく心理まですくい取ってるところも本作の美点




最後にふとした疑問なんですけど自分はプラモをいじる趣味はないんですが昔いじってる奴眺めてたのと今回の
アニメで気付いたんですが昔は塗装は買い手の裁量に委ねられていてクリエイターと買い手共同の作品という
印象だったんですが今回出てくるプラモはみんな塗装済みで買い手は組み立てるだけなのでクリエイターの作品
というウエイトが大きくなってるのかな?誰か詳しい人いたら絶賛メッセ募集中です(/・ω・)/

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今期(2017春)のダークホース ~シガラミの少ない、清々しいまでの販促アニメ~

[文量→小盛り 内容→感想系]

原作が「プラモデル」ってのは変わってるね。まあ、ガンプラを原作にした「ビルドファイターズ」は面白かったし、やりようだよね(自由度はかなり高いはず)。

【総括】
「どうせ、美少女プラモの可愛い仕草を観て、ブヒブヒ言わせるだけのアニメでしょ? 販促目的の低クオリティアニメでしょ?」なんてナメた態度で視聴開始しましたが、いや~、良い意味で予想を裏切られました。

バトルものの側面もありますが、わりと日常ギャグよりで、そのギャグがなかなか面白い。面白いというより、微笑ましい!

これは「食わず嫌いは勿体ない作品」だと思います! 今期(2017春)、一番のダークホース(期待以上に面白かった)でした!

(まあ、元の期待値が低かったというのはあるけどねw)

《以下ネタバレ》

【視聴終了】
{netabare}
販促も、飛び抜けると面白い! が、現実はただのプラモな(バトルが出来ない)わけで、本当に販促になってるのかな(笑)? まあ、知名度は上がったか。

バーゼの天然に見せかけたやや黒い性格と、白黒姉妹の漫才、あお の拝金主義(なのにちゃんと優しい)で現実味のある性格が良かった!

個人的には9話(風邪回・夢回)が一番好きだった。プラモ原作の自由度(なんでもアリ)をフル活用していましたね。キャラが良いからできる変化球回。あと、7話の反則的販促回w や、最終話のメチャメチャな感じも好きだった。なんか、制作も楽しんで作っているんだなというのが伝わる、良いアニメでしたがたね♪
{/netabare}

【余談 歴史上No.1のバトル玩具システム】
{netabare}
今まで日本では、様々な玩具が発売されました。その中で「戦い」をメインにしたもので、私が思うNo.1の玩具(システム)は、

「バーコードバトラー」

という玩具です。知ってますか?

これ、市販の(何でも良いので)商品のバーコードを切り取って厚紙とかに貼り、「バーコードバトラー本体」で読み取ると、そのバーコードに応じて「攻撃力」や「防御力」が決まり、カードゲームのように戦えるという商品です(まあ、モンスターファームと同じ理屈です、って、モンスターファームも知らないかw)。

バトル自体にはさほど工夫はなく、そこは面白くなかったです。でも、とにかく面白かったのが、「強いバーコード探し」という遊びでした。まるで、宝探しのような楽しさ(んで、バーコード貼った紙に、自分で絵とか数値を書いて、カードっぽくしてたw)。

この遊びの良さは、とにかく「親の経済力に左右されにくい」という点です。だって、「1万円のラジコンのバーコード」に、「30円の駄菓子のバーコード」が勝つこともザラですから。

だから私たちは、ムリヤリ毎回違うお菓子を買ってもらったし、親が買い物に行ったら、ごみは全部もらったし。たまに旅行に行き、地域限定の商品を買ってもらうときは、2倍の喜びでした。

いや~、あの、新しいバーコードを試す時のワクワク感と、それが弱かった時のガッカリ感、鬼強かった時の喜び、たまらなかったな~。

「ゴミが玩具になる」なんて、すげぇECOな商品で、今の時代に超マッチしてるとも思います(けど、結局、販売元が本体の分しか儲からないから、生産中止になったけどね)。

ただこの「バーコードバトラー」、今、売ってもダメでしょうね(アプリ版もあったようですが)。【バーコードバトラー 最強】とネットでググって、Amazonでポチっとやって、すぐにみんなが最強になれちゃうから……。(まあ、当時も改造バーコードとか流行ってから、つまんなくなりましたね)

あぁぁ、あの「え~! ナニソレ!? そのバーコード超強いんだけど! 何のバーコード? ねぇ、教えてったら、教えてよ!」「うーん、ダメぇ~♪」「ケチ! マジムカつく!」という友達とのやり取り。あの「自分だけが知っているという優越感」。今の子供は経験できないんですねぇ(何事においても)。

調べれば何でも分かる時代。恵まれてるんだか、可哀想なんだか……。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
丁寧なプラモデルの説明ですね。嫌いじゃないです(こういう導入系アニメ)。

2話目
やはりの百合展開。三者三様。キャラがたってきましたね。

3話目
武器庫(笑)? いや、語尾w ヤギに小便かけられるヒロインってw Aパートの伏線を上手く使う展開。

4話目
相撲、シュールw タダ働きに嘆く主人公ってw

5話目
新キャラ&日常回

6話目
なぜかたまにあるサービスシーン。迅雷の頭に落ちるギャグ的重りが100gで、笑ったw

7話目
製造過程をガッツリ見せるなんて、新しい(笑) 個人的には、振り切ってて好きでしたね♪

8話目
ハイブリッドアーマー(笑) みんなの出し物、良いね~。マテリア姉妹の漫才と、あおの手紙は面白かった♪

9話目
なんか、「プラモデル原作」という自由度をフルに使う生かした回でしたね。今まで一番好きかも♪

10話目
鍋回。なかなかよかったです。特に、ホルモン鍋のクダリが(笑)

11話目
ああ、バトルアニメだったんだな、と。

12話目
作画、いつも以上に頑張ってましたね。Bパート、遊び過ぎでしょ(笑) まあ、作品の〆としては、平和で良かったかな、と。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

67.3 8 2017年度のロボットアニメランキング8位
おそ松さん 第2期(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (271)
1118人が棚に入れました
2016年に幕を下ろしたTVアニメ、“おそ松さん”が戻ってくる!!
波乱を呼んだ第一期終了から時は経ち、イヤミとチビ太が目にしたものは…
はたして前回を反省し、6つ子たちはちゃんとできているのだろうか……?

クズでニートなオトナに成長した6つ子を主人公として一話完結で描く、笑えて、泣けて、ほっこりも出来る、予測不能なギャグ・コメディ。
第一期を手がけたスタッフ・キャストを再集結させ、川流ちな記憶を残した6つ子たちが、さらにパワーアップして帰ってきます!

声優・キャラクター
櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山潤、小野大輔、入野自由、遠藤綾、鈴村健一、國立幸、上田燿司、飛田展男、斎藤桃子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

少年! お前は思ったより曖昧透明。一生全力モラトリアムな童貞ニートと、どっちが自分の色をもっている?

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
各所で、好評やら苦情やら、様々な意味で話題となった1期は、ギャグアニメとしては、(商業的に)近年でもトップレベルに成功した作品ではないでしょうか。

その2期に当たる作品です。

視聴者の慣れの問題もあるかもしれませんが、1期に比べるとややスケールダウンした感はありますが、それでも充分に楽しめましたよ♪

ブラックジョーク、エグい下ネタ、パロ、メタ系の笑いに不快感を覚えない人ならば、オススメできます♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
全25話の多くを占めるギャグ回より、むしろ、たまにある感動回の方が印象深い。

8話目、十四松がイルカショーに挑む話。私が十四松好きなのもあるけど、なんかホッコリしたし、「意外とスパルタ~」は笑ったw

16話目、金子ちゃん回。金子ちゃんは勿論可愛かったけど、トト子ちゃんの好感度がメッチャ上がった。ワガママで強引なトト子ちゃんが、少しだけ大人になったし、オチ含め、「短所も魅力になり得る」と思った。

18話目、イヤミが盲目の少女を助ける話。もしかしたら、「最後にあの少女が金を持ち逃げする」とか、そういうダークなオチを期待する視聴者心理も計算に入れた上で、あえて変なオチをつけずに、シンプルな感動回にしたのかもしれない。

21話目、母親が、六つ子の誰かを施設に入れようか悩む話。ダメな子でも可愛い。母の愛を感じた。

24話目、父親が倒れて、六つ子が自立を考える話。この六つ子の暮らす世界は、ある意味「夢の世界」なんだと思った。モラトリアム全開だからね。勿論、我々視聴者の多くは世知辛い現実に身を置いているわけだけれど、だからこそ、アニメの世界でモラトリアムを卒業しようとしている六つ子達に感動(共感)も覚えたし、寂しさも感じた。


と、この辺が印象深いエピソード。なんだったら、24話の雰囲気でしんみりと終わらせるのもアリだと思ったが、まあ、またバタバタしてくれて、ラストに「はなまるぴっぴ」も聞けて、観終わった後はかなりスッキリした。

ただ、「こいつら、ニートで童貞のくせに、なんか、(自分より)楽しそうに生きてるな」と思って、自分の生活を省みてしまった。それがレビュタイ。

確かに、自分はあの六つ子よりはまともな人生を送っているとは思うけど、じゃああの六つ子ほど、日々を色鮮やかに、楽しんで生きているのかと問われれば、自信がない。なんて、そんなことを考えるアニメではないんだけれども(笑)

1クール目OP「君氏危うくも近うよれ」は、名曲「はなまるぴっぴはよいこだけ」に迫るほど、クセになる良い曲。2クール目OP「まぼろしウィンク」もなかなか良い。どの曲も、A応Pさんらしい楽しさがあった。

ますますダレるかもしれないけれど、もし3期があったらと、楽しみに待ちたいと思います!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
おそ松さんが、おそ松くんのパロw おい、ファンをディスるなよ(笑) 一松だけ、どしたw 2回ともw 実写の衝撃w 1話目から、カオスw OPは、「はなまるぴっぴはよいこだけ」に比べれば落ちるけど、そこそこ耳に残りますね。

2話目
ユーチューバーなんて、倍率何倍かって話だが、あんだけできればなれるだろw まあ、通報されるわなw 失業保険w 内蔵で個性を表すなやw ブラックジョークだな~。

3話目
クソ下ネタだな(笑) ○○ホール、大丈夫か? 大丈夫か!(笑) 確かに珍しい組み合わせ。一松、ジワジワ好きになってきたんだよな(笑) 照英(笑)

4話目
またかい(笑) 親の悩みには触れたくないって(笑) 良い夫婦だよな(笑) お? 1話ぶち抜き? 新しいね。

5話目
最恐のVR、皮肉が効いてて良いね。てか、グロい(汗)

6話目
音w 友達は江戸時代の制度(笑) ちょっと良い話。たまにこういう回があるから気を抜けない。オチも効いてたしね。

7話目
安定の原始松w 逆に良く、「くれ」って読めたなw 三國志分からん人もいるでしょうね。まあ、私も漫画の知識くらいしかないけどw エロいんじゃなくてゲスいんだよ!(笑) 賢者タイムw シェー(笑) チェリーハラスメントw トッティは、トッティが大好きだよ(笑) おそ松の純情が、弄ばれたw

8話目
蝿、サイズでかいんかい(笑) 化け物ばかりw いや、下ネタより、大谷翔平さんはダメだろ(笑) 無駄に荘厳な音楽w 安定の十四松回。思ってたより、スパルタ~(笑) 流石に、城みちるさんは、キャスティングできなかったのかな? 照英さんはいけたのにw

9話目
一松の正論が負けてるw おそ松だけターゲット(笑) ゲームセンターの話、どんな話だよw ラリってるのか?(笑)

10話目
実は兄弟の中で一番カラ松が微妙だったんだけど、今回で好きになった。

11話目
チビ太、チョロい(笑) ホラー映画w

12話目
ハゲネタ(時間軸)、続くの? 十四松回、好き♪ 意外と感動回が多いんだよねw でも、ダヨーン&デカパン回は、尺長いわりにあんまり面白くないんだよな。

13話目
後は自分達、笑えたw 餅つき、正月早々にやるネタか(笑) 昔話を汚すなよ(苦笑) この、一人いないネタは、1期でもやったからな。化物語かw 各アニメの戦力外って、大体分かるデザインにするなよ(笑)

14話目
実松、いつの間に9話目まで(笑) ダサハラ(笑) 十四松が出てくとややこしくなる、確かに(笑) 流石、おそ松w 自意識松(笑) この六つ子、対等に見えて、微妙に兄弟関係あるのも良いよね♪ ED、石膏ボーイズ
(笑)

15話目
ユーマ3人がユーマを探してるw イグニッション(笑) カラマツタクシー。オチは微妙かな。ここでまた茶髪ネタかw

16話目○
コブラじゃね~か(笑) ハ、ハタ坊なのか(笑) 美味しんぼじゃね~か(笑) ケータイから出てくるとこ、怖いわ(笑) トト子の解釈(笑) トト子、怖いって(笑) トト子、号泣。キン子は確かに可愛いけど、こうなると、やはりトト子に感情移入。良回だな。

17話目
ユーマはイマイチ。十四松の、家(笑) ホラー、オチなしかい(汗)

18話目○
メッチャ良い話なんだけど(笑) これ多分、「最後にあの少女が金を持ち逃げする」とか、そういうダークなオチを期待する視聴者心理も計算に入れた上で、あえて変なオチをつけずに、シンプルな感動回にしやがったな(笑)

19話目
これ、若干、トランプさんを風刺してるのかな? バレンタイン、メッチャ良い話(笑) やや、腐が入っているが、まあ、ギャグとして面白いから、よし(笑)

20話目
財布のくクダリは笑ったw 確かに、イマイチ(笑)

21話目○
母の愛だね。なかなか良い話。トッティ、その作戦、前もやったよね(笑)

22話目
おい、名作への酷いパロ、やめろ(笑)

23話目
ダヨーン、ちょっと良い話からのダークな落ち。イヤミ、超メタネタ。フランスをディスるなよ(笑) おそ松やチビ太、旧作のキャラだけでワチャワチャやってるのが良いね♪

24話目○
ホントの日常を描き、日常の終わりを描き、本当の日常が始まる。夢の世界の住人と、夢の終わり。

25話目
まあ、オチはこんなところかな。ハナマルピッピが流れたところは、定番だけど嬉しかった。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

1期で稼いだ「おそ松マネー」の威力を如何なく見せつけてきた2期

1期もリアルタイムで視聴していたのだが、その時はレビューを省いたので、今回は1期にも少し触れながらレビューを。

社会現象にもなった「おそ松さん」が2年ぶりに帰ってくる―そのニュースが世間を駆け抜け、ありとあらゆる媒体で特集が組まれた。
ついには6つ子役の声優たちが雑誌の表紙を飾るまでになり、否応にでも周囲の期待を一身に集め、ハードルを上げに上げられまくった中での放送スタート。

しかし、1話からそんな「おそ松人気」を支えた女性視聴者を皮肉る描写をいきなりブチかましてくる。
正直、個人的にはこういうのは嫌いではない。ある意味視聴者に媚びないで、自分たちの作りたいものを作っていく…という姿勢そのものは評価したい。
とはいえ、その後は本当に製作者の趣味に走った、視聴者置いてけぼりの悪ふざけストーリーが目立つように。

1期でキャラの個性をしっかり描き切った故か、2期はその「応用編」あるいは「発展編」のような作りになっており、笑いのネタがやや上級者向けというか、「1期をしっかり予習できている人向け」に作られているな、という印象。
要するに、「一見さんお断り」感が半端ない。これが、ドラマ仕立ての作品ならば仕方ないにせよ、ショートストーリーで構成されたギャグアニメで、しかも基本設定意外の殆どの設定が毎話リセットされるコント的な方式を取っているにも関わらず、初見の人には分かり辛い内容になっている事は好ましく思えない。

私は1期の、時々羽目を外しすぎて「無かった事にされた」ある意味伝説級のパロディーの連続と、メインターゲット層には絶対に分からないであろう昭和ネタが好物だったが、2期ではこの辺りが非常に大人しい作りになっていたことも残念だ。
パロディーはまた事件になってはいけないので仕方ないにしても、昭和ネタはもうちょっとやれたのではないかと思う。
ただ、だからなのだが、第5話のEDの{netabare}「イヤミ音頭」{/netabare}は非常に嬉しいサプライズだったり。昭和アニメの夏といえば、やはりコレでしょ!

さて、EDと言えば…ここからも酷評が続く。
1期1クール目のイヤミ、2クール目のトト子の歌うEDが作品にもマッチしていて非常に良かっただけに、2期のEDは1クール2クール共に失望したと言わざるを得ない。
意味もなく豪華なアーティスト陣による楽曲。ここで、タイトルの「1期で稼いだおそ松マネー」の一番の無駄遣いを感じた。
「どや、おそ松さんでこんな有名アーティスト呼べるねんで!」という製作者の得意げな顔が透けて見えてくるようで、非常に鼻につく。
2クール目に関してさらに言えば、楽曲も映像も不気味すぎて、この作品がどこへ向かおうとしているのか理解に苦しむ。
ただし、1期から続投のA応PによるOPは非常に良い。私の音楽への★評価は、OP楽曲・2期になって増えた作中曲・そしてカラ松のテーマに代表されるBGMの秀逸さに対して贈るものだということを、ここで明言したい。

おそ松マネーの影響は、何も悪い箇所にばかり出ている訳ではない。
作画のクォリティーは、1期に比べて総じて高いと感じた。ここは勝負話だな、と思われるエピソード、特に1話と最終話の作画は本当に素晴らしい。

声優は文句なしに★5だ。
出演者目当てに作品選びをしない私にしてみれば、特に6つ子を演じる声優さんたちは、2~3作品に1度は出くわすほどの売れっ子であり、作品によっては「またこの人か~人気声優使ってりゃいいってもんじゃないよ~」と辟易することもしばしばだが、「おそ松さん」に関して言えばキャスティングの妙と、彼ら本来の実力が如何なく発揮されていたと言っても良いと思う。
聞き慣れた声なのに、初めて聞くような言い回しやトーン。下ネタ全開ギャグアニメだからこその、普段は見られないクズっぷりを、それぞれの個性に合わせつつも手を替え品を替え表現できている。
なるほど実力が伴っての人気声優なのだな、ということに改めて気付かせてくれる、新たな彼らの「演技の引き出しの多さ」に納得させられる好演だった。

私の推しの松も、好きな声優さんも、実はこの人ではないのだが、色眼鏡抜きで一番素晴らしいと思ったのは、別作品でも触れた事があるが末っ子・トド松役の入野自由さんだ。
彼の演技はナチュラルなのに予測不可能。特に2期はツッコミが素晴らしい。
他の5人が、しっかりとした基礎とこれまでの経験で培ったものを工夫して料理している傍らで、彼だけは努力や経験とは別の、天才的な野生の勘のようなもので演技をしているようにさえ感じる。
しかし、決して6人の中で浮いているわけでも悪目立ちしている訳でもない。絶妙な立ち位置を構築できているのは、素直に感心する。

サブキャラクターも文句なく、ゲストキャラ含めて良いのだが、特に1人挙げるとすればトト子役の遠藤綾さん。
彼女は他に適任が考えられない程に、ザ・ヒロイン声の持ち主であるにも関わらず、ゲスいトト子に豹変した時の爆発力は想像を遥かに超えてくる。
ハイテンションでエキセントリックなトト子もそうだが、兼ね役でやっている1期・2期スタート時の白黒画面の「ふっかつ・おそ松さん」のナレーションで見せるザ・昭和感や、16話で見せた{netabare} 自動販売機のマシーン的なボイス{/netabare}は職人芸を思わせる。

イヤミ・鈴村さんも良いのだが、この方はどちらかといえばラジオでの功績を称えたい。普通に面白い。
ラジオといえば、第3期への示唆が頻繁に出てきているが、明らかに1期に比べ評価が落ちたと思われる本作品に3期はあり得るのだろうか。

考えてみれば1期最終話が滅茶苦茶すぎて、これは2期はなさそうだな…と思ったことを思い出した。
それに比べれば、2期最終話は随分「ちゃんとした」終わり方をしていたので、これは3期への布石なのかな、とも感じる。

ただ、稼いだお金は、然るべきところに使うべきだ。3期があるなら、そこはお願いしたいじょー、と思うダスよーん、てやんでぇ!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

面白くなるのが遅すぎた2期。2クール目はかなり良い。

前作「おそ松さん」は完走済み。

そこそこ期間が空いたのがどうなるか。

1話目感想
{netabare}
久々だから勢いが衰えてないか少し心配ではあったけど全く問題ない完璧な1話だった。

ちゃんとしたメカパートは大笑いした(笑)

今回が面白すぎて初回がピークになりそうな予感もするけど2期1話としては大満足。

OPも1期に劣らない。

途中で飽きる可能性はまだあるけどとりあえず視聴継続{/netabare}


2話目感想
{netabare}
出血だったり内臓だったりとややグロ(というか気持ち悪い)回。

良くも悪くもいつものおそ松さんだなぁと。

前回と比べると笑いどころは少なかくあまり面白くなかった。
{/netabare}

8話まで見終えて
{netabare}
正直外れ回が多い印象。

3話~8話までだと父親の話と短編集の回は良かったけどそれ以外は基本外れかなと。

照英の話やブーメランの話、8話の2本が分かりやすかったけど展開がくどい上にオチが弱いんですよね。

シュールな感じにすれば良いってわけじゃない。

正直、ぶっ飛んでて奇をてらいまくってる回ほど面白くない印象。

脚本が空回ってるのか、それとも単純に自分が飽きてるだけなのか...。

このテンションで続いていくと切る可能性も出てくるかなぁ。
{/netabare}

9話目感想
{netabare}
今回は3本とも面白かった。久々の当たり回だったかな。

毎回これくらい面白かったら最高なんだけどなぁ。
{/netabare}

9話~12話目感想
{netabare}
ネタを引き延ばす手法が良い方にも悪い方にも転んでる印象。

チビ太の復讐や十四松が師匠になる話はかなり面白かったけど、デカパンとダヨーンの追いかけっこの話は2期の中でもワーストクラスに面白くなかった。

ジャルジャルの全てのネタを楽しめる人とかはおそ松さん全話を楽しめたりするのかな。
{/netabare}

13話~19話目までの感想
{netabare}
実松さん回からテイストが面白かった頃のおそ松さんに戻り盛り返してきました。

ギャグはもちろん、30分フルで良い話をやったイヤミ回も良かったです。

それだけに1クール目の迷走具合が非常に残念に思えます。

前作は楽しんでいて2期は1クール目で切ったという人は実松さん回から見直すとまた楽しめるかもしれません。

もう完全空気になってしまった今作ですが自分は最後まで見届けます。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

67.1 9 2017年度のロボットアニメランキング9位
ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(アニメ映画)

2017年3月18日
★★★★☆ 3.5 (153)
574人が棚に入れました
2020年の東京オリンピックを目前にした岡山が舞台になっている。

声優・キャラクター
高畑充希、満島真之介、古田新太、高木渉、前野朋哉、高橋英樹、江口洋介、釘宮理恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

夢と現実、未来と過去、ソフトウェアとハードウェア、個人と社会、様々な境目で成り立つ不思議な映画

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
最初にタイトルとPVを観たときには、心温まる分かりやすいファミリー向けのアニメ映画なのかな?と思っていましたが、結果、(良くも悪くも)分かりにくいファミリー向けのアニメ映画でしたね。

この辺は、「深みがある」と捉えるか、「どっち付かず」と捉えるかで評価は別れそうですね。

私は後者です。社会実験的なアニメだとしたなら、同監督の「攻殻機動隊」くらい振りきってほしかったし、ファミリー向けなら、「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」の劇場版くらい、それこそ観ている大人が少し気恥ずかしくなるくらい、ガッツリファンタジーを貫いてほしかったかな。

なんとなく、監督が創りたかったモノと、出資者のリクエストが解離してたのかな? と思ったり。

とはいえ、クオリティが高いアニメであることは間違いないと思います。特に作画は良いです。風景とか綺麗。声優陣も、俳優さん中心の中ではハマっていた印象。そんな(声優若葉マーク陣の)中で、圧倒的に上手かった釘宮さんに、なぜかほっこりしましたw

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
やや、酷評です。良い映画なのに勿体なかったな~と。

テーマとしては「家族愛」「(目標としての意義の)夢」「自動運転技術(技術革新)」「日本社会の在り方」などでしょうか?

邪推ですが、前者の2つが出資者からのリクエストで、後者の2つが監督の描きたかったことなのかな? と思いました。せっかく、アニメ映画作成の話が来たから、それに乗っかって、かなり濃い味付けにした感じがしたのは私だけでしょうか? それがどこか、「ショートケーキとステーキを同時に食べているような」食い合わせの悪さを感じました。

夢と現実がリンクし、夢の合間に同時進行で現実が進んでいく展開は面白かったです。特に、夢を観ている(バイクで空を飛んでいる)間に、自動運転技術で大阪に着いているのは、本作のアイディアとストーリーが上手く噛み合っている良シーンだったと思います。

ただ、ラストの展開で、ココネが宙吊りになっているのには、?。会長と会った後、どのタイミングで寝るの? 寝ている最中に、どうなったらあんな状況になるのかが分かりませんでした。ナルコレプシー&夢遊病でもない限り、あんな状況にはならないのでは?

それから、バイクが風船に跳び乗ってココネを助けるのはいかがなものかな? モリオが「家に帰れ」とインプットしたのが、「家=ココネの元」と機械が勘違いした?のはまだギリで良いとして、その後は、? そもそも、バイクの中に落ちるより、風船に直接落ちた方がココネが受けるダメージが少なそうだけど(汗)

機械へのプログラミングを「魔法」と解釈するのはとても素敵だな~と思いました。でも、それが、本当の「魔法」になってしまうと、なぜか安っぽくなってしまうのが不思議でした。

他にも、夢の中で襲ってくる「鬼」は、多分、(自動運転技術に対して反対する、不安を抱く)「世論」の比喩だと思います。その「鬼(世論)」を「倒せる(説得できる)」のは、「エッシェン(イクミ)」の「魔法(プログラミング)」だけだというのも、夢と現実が上手くリンクしていて、素晴らしかったです。でも、ベワンが「炎上しろ」と言ったことで興醒め。ハートランド(自動車の国)の火災と、SNSの炎上とをかけていることを分かりやすくするヒントでしょうが、そこはハッキリ言わない部分に面白さがあるのでは?

そういう意味では、映画冒頭のハートランドの「説明」シーン(エッシェンの語り)も蛇足だったと思いました。ハートランドを本作の舞台(ファンタジー映画)だと思わせ、実はココネの夢の世界だったというミスリードは、(私も騙されましたし)凄く良い構成でした。でも、ハートランドは、ブラック企業感が凄まじく、明らかに「現実(もしくは過去、高度経済成長期)の日本社会」の負の一面を意識していて、それを否定的に捉える構成です。そのこと自体は悪くないけど、それを「描写」で「感じさせる」のが「アニメ」であって、「言葉」で「説明」されると、「説教」くさく感じてしまいます。そもそも、「ファミリー向けの映画」で、冒頭に、あんな「世知辛い世界」を見せる意味があるのかな? 子供の頭には?が浮かび、大人の心はズーンと沈む、誰得?な冒頭シーンだと思いました。

そもそも、機械技術を肯定したいのか否定したいのかが分かりにくかったです。

他にも、ソフトウェアとハードウェアのこととか、夢と希望と無茶に溢れていた旧東京オリンピックの時の日本と、どこか覚めた目でオリンピックをひかえる(話題になるのは、お金の嫌な話ばかりの)現在の日本との対比とか、書きたいことはあるけど、いい加減、長くなってきたのでやめておきます。

端的に言うと、「この作品に家族愛という主題は必要ない」「家族愛をテーマにしたいなら社会的な問題提起は必要ない」と思います。例えばラストシーンの「3世代軒下西瓜」は良いシーンだけど、なんか作品から浮いていた気がしました。取って付けたような感じがしました。

いずれにせよ、「もっと神山監督に自由に作ってほしかったかな~」と思いました。上記の「分かりやすい台詞」にしても、何処かの偉い人から「ファミリー向けのアニメにしては分かりにくい」とのクレームが入り、付け足したのではないかと邪推してしまいます。もしくは、視聴者に気を使いすぎた(信じてない)か。

まあ、映画を観ている大半は、私たちのようにアニメを数百とか観ているダメな大人ではないと思うので(笑)、絶対数的には、これで良いのかもしれません。そもそも、映画館に行かず、レンタルDVDで観ている分際で文句つけるなと怒られてしまいそうです(自戒)w
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

パクリ批判も何のその。心羽ちゃんは、自分でも制御不能な絶妙のタイミングで夢の世界に行ってしまうから、そのたびに観ているこちらはドキドキさせられるんで、

夢を効果的に使った作品が、またひとつ、佳作として劇場映画に名をつらねた。と思う。

例によって事前情報はなるべく入れずに劇場鑑賞。


鑑賞前は複雑に入り組んだサイエンス・ファンタジーを予想していたのだが、
鑑賞してみての印象は思ってたのと違って、もっといい意味で単純で、
話のころがりがいい感じに流れていくんで退屈しない。
この物語のキーポイントとなる「眠り=夢の世界」が、
妙な感じに現実社会とリンクしていて、
主人公・心羽(ココネ)は前ぶれ無く眠ってしまう癖があって、
そうすると、この夢の世界に、唐突に行ってしまうので、
ここが都度つど、ハラハラしたりワクワクしたり、突っ込み入れたくなったりで、面白かった。
{netabare}たとえば夢の中で、サイドカーで空を飛ぶ素敵なシーンがあるのだが、このあいだに現実ではココネと幼馴染みのモリオが四国から大阪までたどり着いてしまっていて、
この作品のキーファクターである自動運転技術が綺麗に描かれて楽しいエピソードになっていた。

そんな感じで、ココネが眠っているときに、
現実世界とリンクする異世界の夢を見るのだが、
このリンクが現実世界での事件が夢をなぞるように進行していくのが構成上のお楽しみになっている。

で、演出上のポイントとしては、
冒頭のシーンで、ハートランドを本作の舞台とするファンタジーだと思わせるミスリードが、上手い(これ他のレビュアーさんからの指摘が既にあり)。
また、ハートランドがディストピア風に描かれているのが、志島自動車を去った母親の、その心象を表していたと最後の方で解るようになってるのもいい構成。{/netabare}

映像も流麗だし、ロードムービーとしても、夢と現実がない混ぜになった、一風変わったものとして、楽しかった。

鑑賞後、他のレビューサイト見てみたら、あまり評判がよろしくないようで、
大雑把に言って、
話のテーマが盛り込みすぎ、またはピンボケで絞り込めていないっていう意見と、
神山監督作品にしては大人の鑑賞に堪えないという意見と、
主に「君の名は。」と「サマーウォーズ」からのパクリだという意見が多く見られた。

で、私はというと、面白く鑑賞出来ましたよ。

描きたかったのは、結局は父から、祖父から、亡くなった母からの家族愛。
この辺、たしかにどうも、子供向けにはややっこしいと批判の対象になってはいるんだが。
わたしゃ子供じゃないからいいんだ。

そして余計なはなしだが、
どうも勘違いしているとしか思えないパクリ批判が横溢しているようで、
いわく、PC、タブレット、パスワード等の使い方が「サマーウォーズ」のパクリだとか、
眠っている最中に夢と現実がリンクして世界が動く演出が「君の名は。」のパクリとか。

なんか批判自体のピントがずれている感じ。

PCの使い方やパスワードの演出は、サマーウォーズではなく、
TV版エヴァの第7話のジェットアローンへのオマージュであることは、
夢の世界に登場する、人の造りしものであるロボット=エンジンヘッドのデザインや、
姫=ココネが腕力で挿入して戻した、稼働停止のために排出された制御棒のシーンから見てとれるし、
パスワードの件やタブレットの件も、同様。

眠りの演出に対する批判については、偶然「君の名は。」から数ヶ月遅れで公開されたせいだと思うが、
本作では眠ることをトリガーにして物語を動かしてはいるが、眠りの効果の設定が全く違うし、
公開時期が近すぎてネタとして取り入れる、というかパクるには時間的余裕がなくて無理だろうし、
夢と現実が交錯する話なんて幾らでもあるんで、こういう批判は、
タイムリープを描いた作品に、時かけのパクリだといちいち文句つけるのと同類だと思う。

さらに言うと、{netabare}この作品では、夢を、世界が自分に有利な方向に導かれる道具として活用しているのが妙味なんで、
目覚めたばかりのココネに、モリオから「あまえ、今すぐ早く寝ろ!」と言われたりしてるのが面白いし、
上述した「自動運転技術」と上手くつながっているのも、面白い。
さらには、ココネが、ウェットないしは反感を抱く可能性のある、おじいちゃんとの初対面のシーンで、
唐突に眠りに落ちてしまい、夢の中で話を進めちゃったりするところなど、
思わず笑っちゃってから焦らせてくれる面白い趣向だったし、
目が覚めるまでに厄介ごとを夢の中で処理しちゃうってのが、可笑しくてたまらなかった。

父親を追うこと、祖父と出会うこと、母親を知ることすべてが重要なテーマなのに、これを全部夢の中でやってしまうんだから、大した演出度胸だ。{/netabare}


それから、そんなに他のレビューを見なかったから、
たまたまこれを指摘している人を見かけなかっただけかもだが、
冒頭の夢のシーンは明らかにカリ城へのオマージュだと見て判る。
姫を幽閉する塔のシーンと、その塔の屋根瓦と、窓から伝って出入りする、あれね。

カリ城で、北の塔への行き来に使われる可動式橋梁設備を、
昔、鑑賞した当時から「これ構造力学的に無理だよな」と思っていたら、
橋梁を可動式にするなら、こういう構造なら行けるでしょ。と絵解きしてくれてたのが個人的にはツボだった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

先端技術の魔法、大企業病という鬼、そして母と家族愛。

 夏になると見たくなる…というよりは、ココネの夏服とこの映画の印象が夏という感じですね。23年7月再視聴しました。

 この話世間の評価は悪いですけど、私はものすごく楽しめたので1回目のレビューは「ココネの活躍を楽しむ。大人も楽しめる児童書」という評価をしていました。
 ファンタジー的な映像や、2つのバイク、ココネ可愛いなど、結構ワクワクするような冒険譚だと思って見ていました。


 ただ、見返して、ああ、そういう話かと得心がいきました。もっと全然いい話だし、深い話だと思います。母の想いが胸に刺さりました。ココネの物語ではありますが、どちらかといえばココネの母の物語です。

 夢の中のエンシエント姫はイコール母で、魔法とはエンシエント姫が開発した技術です。そして鬼とは、人の心に巣食う嫉妬、功名心、出世欲等々の醜い心、怠惰、停滞、保身、相手を蹴落とすことで自分がのし上がる、です。

 つまり、母が開発した自動運転プログラムを容認できない経営陣が、母を追い出したという話です。経営陣=鬼つまり、老害、大企業病の象徴でした。
 ここで会長のジジイは何かといえば、対立軸が違う気がします。彼は自動車を愛して運転するよろこびを奪ってはいけないという視点でした。そして、母もその点は同意していますが、時代遅れだと評価していました。

 この母を追い出した会社のゴタゴタこそ、ココネが聞かされた物語の元型です。また、ピーチ=エンシェントつまりモモタロウと母の馴れ初めでもあります。
 なんでこんなにねむくなるのか。それはモモタロウに危機が迫っているという予感、あるいは少しファンタジー的に考えるなら母からのメッセージでしょうね。そう思われる場面もありますし。

 つまり、タブレット=母の作ったプログラムというのは、対立しているかに見えた会長のジジイを助けることにもなります。奪われれば、母を追い出した経営陣の手柄になってしまい、これは許せません。

 ココネがなぜこんなに馬鹿か。あえてそれを強調していました。それは母の苦しみと同じ目に合わせたくないモモタロウと母の合意ではないでしょうか。

 夢の中の世界と現実が交錯することによって、モモタロウを守り母の夢を守る。そして会長のジジイも助ける物語です。空飛ぶバイク=自動運転バイクでココネは見事家族を助けました。

「心根ひとつで人は空も飛べる」という社是。
 1文字変えた方がいいという母の言葉。ここまで来ればどこをどう変えるかは自明でしょう。この作品を理解しているかどうかですね。


 で、もう1点。ちょっと関係ないように見えるかもしれませんが、この話、舞台がどうしてもトヨタ市とトヨタ(自動車)に見えるんですよね。そうなると、立場は逆ですがレース命の豊田章男氏となんとなくいろんな事が重なります。
 トヨタは一時大企業病で、自動車会社の本質を忘れていたそうです。そして、経営陣から干された男が、2015年WRCレース向けの「ヤリス」など本格的なライトウエイトのレーシングカーでトヨタブランドを復活させる話があります。結構ドキュメンタリーで見た記憶があるので有名な話ではないかと思います。

 この作品が2017年ですから、どうしても関連を考えてしまいます。ひょっとしたらエンドロールに何らかの形でトヨタがクレジットされるかなと思いましたが、見つけられませんでした。

 そしてEDの高畑充希さんの歌う「デイドリーム・ビリーバー」最高です。アニメ映画の挿入歌NO1にあげたいくらい素晴らしい歌です。故忌野清志郎氏が亡き義母を偲んで日本語詞をつけました。非常にこの映画に合っている選曲です。
 
 21年6月の以前のレビューはちょっと頓珍漢で恥ずかしいので消します。要するに単純な一直線の話をファンタジーと現実の両面から楽しもうぜ的なレビューでした。

 非常に面白いし、家族愛、企業の旧弊などのテーマが感じられる素晴らしい作品でした。恋愛をきっぱりカットして、夫婦にクローズアップしたのも英断だと思います。
 現状4.6ですが、物語とキャラは満点にします。ちょっとだけ高すぎる気もしますが、3回目みたらもっと発見がありそうなので、4.8でいいでしょう。いや、やっぱり満点にします。

 今回は母の愛が染みわたりました。
 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

72.9 10 2017年度のロボットアニメランキング10位
BLAME!(アニメ映画)

2017年5月20日
★★★★☆ 3.8 (214)
1192人が棚に入れました
テクノロジーが暴走した未来。人類の希望は孤独な旅人に託された――。

過去の「感染」よって、正常な機能を失い無秩序に、そして無限に増殖する巨大な階層都市。
都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除・抹殺される存在へと成り下がってしまっていた。
都市の片隅でかろうじて生き延びていた「電基漁師」の村人たちも、セーフガードの脅威と慢性的な食糧不足により、絶滅寸前の危機に瀕してしまう。
少女・づるは、村を救おうと食糧を求め旅に出るが、あっという間に「監視塔」に検知され、セーフガードの一群に襲われる。
仲間を殺され、退路を断たれたその時現れたのは、“この世界を正常化する鍵”と言われている「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)であった。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天、山路和弘、宮野真守、洲崎綾、島﨑信長、梶裕貴、豊崎愛生、早見沙織
ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

超絶カッコいい!本当に映画館で観たい。

 1時間46分ずっと圧倒されっぱなしだった。絵、音、動き、匂い、熱。匂いや熱まで感じられる気がする。それほどに作りこまれた上質な作品だと思います。ポリゴンピクチャーズさん弐瓶勉さんはシドニアの騎士でしっかりと私の記憶に残っていて、ずっと観たいなーとか考えていたのですがやっと観れた。
 NETFLIXでの視聴だったのですが、映画館で観たかった。2017年の作品という事でなぜ気づけなかったのか後悔ばかりです。(本当に映画館で観たい)

 ネタバレタグ入れますので、未視聴の方はSF好きならぜひ見てもらいたいな、そんでもってその後また読んでもらえたら嬉しいかなと思います。

 魅力を語りたい。
{netabare}
 この作品の最大の特徴は建造物に囲まれている状況であるという事。ここまで閉鎖的な雰囲気の作品も珍しいし、全体的に黒く暗い。アンダーグラウンドを舞台とした物語だという事です。
 アンダーグラウンドというのも、地下という意味だけでは無く、機械の統制を免れて逃げている人間を描いた作品であるので、これは偶然ではなく必然的にこういう雰囲気づくりになったのだろうし、それを映画としてみた時にちゃんと演出されている。
 主人公はあくまでも、キリイという青年の容姿をしたイケメンなんだけれど、それは漫画でも映画でも同じではあるものの、どの視点から観客に見てもらうか意識しているかっていう点でいえば、生き残った人間達の視点からだと思われる。
 彼らは今の私達に一番近い存在です。
 キリイという主人公はサイボーグ化されていて元々は機械側の物だったが盗まれて今の状況になっているという存在。
 シボという科学者は機械が統制を初めてから、それを人間の手に取り戻すために動いていた存在。彼女はキリイに発見されるまで2000年ほど待っていたとかって言っていた(1752万時間位待ってたって)のでちょっと理解しがたい存在になっている。
 そして、機械から逃げている人間達。ある意味一番現在進行形であるはずの人達が視聴している私たちに一番感覚が近いというのも面白いなと思う。
 キリイと科学者の会話に対して「何言ってるか、全然分んねぇ」うん私も!ってなりました。共感できる人達を主体に描いて行くのは、この短い時間でこのハードなSFというちょっと難解な物語を楽しませる上では必要な判断だったと思います。これは英断ではありますが、主人公というキャラクターにスポットを当てる事が難しくなる、なんなら一番遠い存在として描かれているから。
 この不一致に私は最初困惑するも、話が進むにつれて主人公がこの集落にいる人間を助けようと走り出すその行為に感動すら覚えてしまっていた。
 サイボーグ化によって感情がほとんど出ないからこそ、一生懸命に走ったり戦っている姿に、行為そのものに私は感動していたわけです。

更新追記:人間達の機械へのリテラシーは不思議なもので、視聴者からすると完全にロボットに見えるシボに対して、ちゃんと人間扱いしている点は面白い。他の人間を知らない、機械は集落に入れない、会話できない、などが線引きになっているのかなって思いました。これって現代に生きる私達には無い感覚ですが、どこかで機械と人間の線引きを私達だってしているはず。無自覚または無意識なだけで。ものに生命が宿るまたは神がという考え方が日本にはある訳で物に人間と同じような名前を着けるような人だっている。
 そういう意味では線引きは意外に曖昧だし、SFのAIによる攻撃がだとかっていう話になってきたりする訳であります。
 シボというキャラの造形が完全に人間のそれではない、けれど人間はそれを人間と認めることに抵抗がない。という設定は視聴している私達よとはやっぱり違ってちゃんと何千年後の未来を語っているんだという表現になっているんだと感じました。まぁ二回目を1.5倍速位で観て余韻に浸っていたら思い浮かんだことなので、追記という形になってます。
 
 アニメーションとしての魅力。
 廃墟って好きですか?私は割と好きなんです。忘れ去られた地にもかつては人が住んでただろうと思いを馳せるのは好きです。お城を見に行ったりする時にも感じる。これはノスタルジーとも言えるのかもしれませんね。
 あと広い工場とか武骨な建物がその機能のみを意識して作られている純粋さが好きなんですけれど。
 この物語はその巨大な建物が階層のように重なり続けて建設されているって設定のようで、それを表現する絵のカッコよさ、そして不思議にノスタルジックな気持ちにさせられる絵によって世界観を完璧に構築している。画面全体が建物なんです。凄い以外の言葉を見つけられないって感じです。
 そこに、アニメーションとして動きのある機械や人間も3Dでメチャクチャ動きまくります。モーションキャプチャーなのかな?人間の動きがかなりリアルで重力を感じたりすっごい飛んだりする時の踏切とか伸びとか、細かいところまで作りこまれている。
 でも3Dだと、パーツを作りこむのかな?分からんけど装備のデザインも良い。フルフェイスヘルメット必要性がいまいち伝わらなかったんですが、その中で見れるHUDとか好きね。主人公の目とかに入る演出とかも良いくて、FPS視点を入れたりしてSFって感じ出てるのが良いんだよなぁ。
 そして、この作品の一番カッコいいシーンはやはり後半の戦闘シーンですね。主人公の背中を見せながらのティルトアップにより全体像を見せていく演出はマジでカッコいいし、凄く綺麗です。あのシーンだけでも見る価値あるんじゃないかとか大げさに言っておきます。見直したら、これポップのメドローアだ…ってダイの大冒険リメイクしたらメドローアの演出はあれで行きましょう。
 
 閑話休題。
 
 音楽が良いんです。
 音楽って好みによって違うからねーとかじゃなくて、シーンに合っているか、どう見せたいかを理解するための指標にもなったりするから侮れませんな。逆に、BGMをピッタリと止ませて呼気の音だけとかにしたり、上手いんですよねー。
 四足歩行で走り回る機械のシャリシャリした足音とかも気持ち悪いのなんのってもう上手。

 脚本が良い。
 回想から入り、速攻で見せ場、敵との遭遇、主人公に助けられる、主人公の目的、集落の目的、相互の利害関係の構築、中盤で訪れるピンチ、集落への敵の侵入、敵の排除、逃避、エンディング。
 最初から全開で見せ場を持ってくる、中盤でもまたピンチからの脱出後半へのネタ仕込み、後半での最高の戦闘シーン。
 この3幕構成の全てにアニメーションの見せ場を持ってくる。プロットポイントを動かしているのはやっぱり雨宮天さんが演じる づる という少女。この映画ではこの子が物語を動かしているので主人公であるとも言える。ここから見てもこの映画は人間の目線で描かれていて、ちゃんと観ている人を意識した作りになっているんだなって脚本からも感じますね。
{/netabare}

 最高だった訳だけれど、じゃあ物語として、テーマとしてどうなの?ってなると、映画だし良いんじゃない?って感じます。
 結局作り手がどういう作品を作りたいか、どういう物を観てほしいかな訳でそれがハマるかハマらないか。今回は映像として、アニメーションとして最高の作品であるからそれで満足なわけです。私はねw
 テーマがあってそれを見せたいって作品もあるんで、そういう物はそういう物としてちゃんと観れるようにしたいとは常々思っておりますが、この作品に関してそこはあんまり強く描いてないんじゃないかなって思うので、物語としての評価だけは低いです。

 長々と書いてしまいました。全部読んでいただけていたら嬉しいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

chariot さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

解りやすく入りやすさに配慮の成されたSF作品。

劇場版、約105分程度。
弐瓶勉氏の漫画が原作となるセルルック3DCG作品。
ジャンルはサイバーパンク、バトル的な感じ。

<雑な設定説明>
舞台は何千階層から成る巨大な構造物。
ネットスフィアと呼ばれる都市を管理するシステムがあり、かつての人類はアクセス権となる「ネット端末遺伝子」を持っていた。
突如起きた<感染>によりネット端末遺伝子を持つ人類はいなくなり、暴走するシステムを止める術を持たない人類はネットスフィアを護る為の人工物セーフガードから違法居住者とみなされ攻撃を受ける。
主人公・霧亥(キリイ)は世界を正常に戻す為にネット端末遺伝子を持つ人類を探す旅をしている…

劇場版では霧亥が旅の途中で出会った電基漁師たちをメインとして話を展開する。


◆原作、そして劇場版としての作り。
原作既読ですがこの作品をどう映像化するのか、どんなストーリーでやるのか、非常に気になっていたのですが、感想から言えばアリでした。
まず会話も説明も少なく解りにくい作品である事は有名な作品ですし、全10巻を100分程度の話にまとめるのも不可能。
そこを上手く劇場用にアレンジして初見でも問題なく世界観を掴め、霧亥ではなく電基漁師たちを主軸にする事で感情移入のしやすさにも考慮した良いストーリーとなっていました。


◆物語4.0
序盤でこの世界に住む人々の暮らしを見せ、明確な脅威(敵)を表示し、本来の主人公である霧亥と接触する事で話を動かして行く。
ストーリー的に難しい事もなく細かな設定もストーリーと無関係な部分は削ぎ落とした説明で無理なく受け入れられる作りは親切設計で◎
原作通りの部分とオリジナルな部分とを上手く混ぜ合わせ、緩急のしっかりした展開は劇場版用として良く練られた印象。


◆キャラ4.5
こちらも劇場版用に女性キャラを配し、好感度UPを狙う作戦(笑)
主人公とも言える少女づるは原作にも登場するものの、あちらはファンでももはや覚えている人も少ないと思える程度の存在。
そこを昇華させる事で薄暗い世界にメリハリをつけている。
またタエやフサタといったづるの同年代の仲間を用意し物語に関わらせ、原作との差異を上手く埋めていた。


◆声優4.0
全体的にはもう少し上げてもいいんですが…
何故だろう…
霧亥に櫻井孝宏氏を起用する意味がわかんない(笑)
もうね、喋らないし感情も薄いから別に近所のお兄さんがやってもそんな変わらないです。
づるもタエもシボもサナカンも捨造もおやっさんもみんな良かったです。
(なに、この適当感溢れる感想…)


◆作画5.0
個人的にポリゴンさんの作画というかCGは評価が高いのですが、やはりこの無機質な世界感に非常に合う。
シドニアの騎士から見ても更にCGである違和感が少なくなった印象です。
また背景に関しては弐瓶氏自身も拘りのある方ですが、制作陣の拘りも感じられる素晴らしい出来。
配管の隙間からのカメラワーク、ヘルメッターや網膜に表示される電子情報、建設者や駆除系の動き、重力子放射線射出装置の威力、全てに於いてBLAME!の世界観を損なわない見応えのある映像でした。


◆音楽4.5
音楽というか、音響効果に関しての評価とします。
シドニアの騎士でも細かい音にも拘りを見せていましたが今回も同様。
個人的に凄く気に入ったというか気持ち悪さを最大限に引き出していたと感じたのが駆除系の歩く音。
原作だと歩く音までは表現されていなかったので金属質且つ虫っぽさもある音が非リアルなのにリアル感があって最高に気持ち悪かったです。
重力子放射線射出装置の音も地響きのような轟音で凄かった…

3D音響ドルビーアトモスが体験出来る劇場でも公開されています。
(一番の近場が幕張なのでどうにか時間作って行きたいと思ってますが…)
僕が観たのは7.1chでしたがそれでも十分すぎる程の迫力はありました。


まとめ。
弐瓶氏の描く世界を丁寧に再現し、原作ファンのみに受ければ良いといった一見さんお断りな空気も作らず、すんなりとワールドに溶け込めるように工夫された良作。
単体の物語に関しては突出した良ストーリーとは言えないが構築された世界観や美術、3DCGを限界まで生かしたエンタメ性の高さは特筆すべき事項。
原作ファンやサイバーパンク物が好きな方は勿論ですが、そうでもない多くの方に弐瓶ワールドを体感して欲しいと思います。




最後に…
「俺は霧亥…人間だ」

セーフガードじゃないよ?的な意味で言ったのかもしれないけど、
ここは「お前、人間じゃねえよ!」とツッコムべきなのだろうか…(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

BLAME!の世界に浸ることができる傑作

2003年頃までアフタヌーンで連載されていた二瓶勉先生のSFコミックが原作。
原作は個人的な感想を一言で表すとある種の変態的な背景フェチ漫画です。
それは人間の制御を離れた機械の無秩序な建築により
どこまでも人工的な建造物で囲われた世界が舞台であるためです。
寡黙な主人公:霧亥はネットへのアクセスと機械の制御が可能な
「ネット端末遺伝子」を持つ人間を探して
「ネット端末遺伝子」を持たない人間を排除する「セーフガード」や
人間と敵対する「珪素生命」と戦いながらひたすら旅をするのですが、
その背景に描かれた世界の圧倒的な書き込みによって読者を魅了していたように思います。

以前にもアニメ化の企画はあったようですがいつの間にか頓挫していました。
二瓶勉先生原作の「シドニアの騎士」のアニメ展開から発展して
劇場用アニメとして2017年5月に公開されたのが本作です。

「シドニアの騎士」同様ポリゴン・ピクチュアズによる制作で
スタッフも2期の瀬下寛之監督とシリーズ構成:村井さだゆきさんなど
共通するスタッフが多いようです。

映像としてはポリゴン・ピクチュアズによる3DCGのアニメーションで
広大な空間が精細に描かれており、キャラクターの衣装や顔の汚しなども
非常にきめ細やかで、さらに抜群のカメラワークで
戦闘シーンの躍動感が素晴らしいです。

物語は原作の一エピソードを素にオリジナルの設定や
キャラクターなども追加されて新たに描かれています。
原作では霧亥、シボを中心とした話に村の人々が関わるイメージですが、
本作では食糧難で困窮した村の人々にスポットをあてた
群像劇として昇華されていて見応えのある物語になっています。
また原作のキャラクターは輪郭線が薄く、表情におぼろげな印象がありましたが
森山祐樹さんのキャラクターデザインにより意志の強い顔立ちで
物語の説得力が非常に増していると感じます。

このキャラクターの意志の強さや村の人々の物語の説得力は
個人的にはBLAME!がアニメになって得ることができた
最大の恩恵だと思っていますので原作をご存知の方には是非見てほしいところです。
もちろん原作を知らなくてもあまり問題ないくらいに
丁寧に世界観を描写してあると思いますので、
ハードなSFの空気が好きであれば是非にとおススメします。

{netabare}
欲を言うなら原作でのサナカンとの初戦闘シーンにおける
セーフガードの気持ち悪い表現(後のガウナに通ずるような)があっても・・・
と思うところですが劇場アニメ的には難しいのかもしれません。
{/netabare}




さて通常のアニメなら上記内容くらいで書き終わるところなのですが
本作には国産アニメではじめてドルビーアトモスという音響システムでの
上映を行ったという特徴があり、音の部分でも是非視聴していただきたいアニメです。
音響監督:岩浪美和さんがドルビーアトモスの「ゼログラビティ」をみて以降、
同じ音響システムでアニメをと求めてきた結果が本作で実現したとのことです。
今まではドルビーアトモス対応の作品を制作するための予算的な制約や
スクリーンの確保が難しいといった制約があったようですが、
某戦車アニメのロングヒットと高い評価によってドルビーアトモスを
使用したアニメの制作、劇場公開が実現されたのだとか。

前述の某戦車アニメでは戦闘シーンの大音響が
特に話題になっていたように感じます。
本作も銃器の音声や巨大な物の衝突音、爆発、
そして主人公霧亥の武器:重力子放射線射出装置の音声など
戦闘関係の音の迫力が素晴らしいです。
ただ、さらに言うなら音が流れていく方向や奥行きが
とても自然に感じられることが魅力です。
特に本作は無秩序に建造されていった都市群という
広大な構造体の中が舞台ですので、その場所ごとに響く音の感触が
全く違って聞こえて菅野祐悟さんの世界観に沿った劇伴音楽と合わせて
まるでBLAME!の世界に迷い込んだような没入感がありました。

残念ながらドルビーアトモスに対応した劇場は全国でも
千葉県、愛知県、兵庫県の3か所しかないとのことですが
もしそうした劇場に足を運べるようであれば
是非体感していただきたいとおすすめします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

65.8 11 2017年度のロボットアニメランキング11位
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (111)
544人が棚に入れました
好評配信中のアイドルプロデュースゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」。
そのゲーム内で展開されている「シンデレラガールズ劇場」が、TVアニメーションとして新たに登場!
おなじみのアイドルたちが、今日もひと騒動!?
普段は描かれることがないようなアイドル達の休日の過ごし方や、アイドル同士のコミカル劇など多彩にお送りするハイテンションショートアニメ、いよいよ開幕です♪

声優・キャラクター
大橋彩香、福原綾香、原紗友里、青木瑠璃子、五十嵐裕美、上坂すみれ、内田真礼

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「お待たせしました、プロデューサーさん♪」

この作品の原作であるゲームは未プレイですが、デレマスのアニメは視聴済です。
ですが、正直ゲームファン向けの要素が結構強い作品だと思いました。

アニメではシンデレラプロジェクトに選ばれた14人のキャラ中心に物語が紡がれましたが、ゲームでは200名を超すキャラがいて、その中でもボイス付きキャラは83名もいるとか…

もちろん、14人以外のキャラも本編で登場しましたが、兎に角キャラが多いので強烈な印象が無いと覚えられなかったのが実際です。

この「しんげき」では14人以外のキャラも普通に登場するので、一瞬「あれ、誰だっけ?」と躊躇してしまうことが何度かありました。
公式HPで登場人物を数えてみたら52人ものキャラが居たみたいですが、すみません…ほとんどキャラが頭に入りませんでした。
その代わり…と言っては何ですが、デレマス14人のキャラは直ぐに分かりました。
お気に入りは真礼さん演じる蘭子ちゃん…恥じらう仕草が超絶可愛いんですけど。

でも、エンディングのテロップから声優さんを見るのは結構楽しかったと思います。
声を聴いたら分かる人…テロップを見て「あ、この声優さんだったんだ」と新たな発見があった人…初めてお目にかかる声優さんもいらっしゃったり…

私接点がアニメだけなので、この程度の印象でしたがゲームファンの方には堪らない作品だったのではないでしょうか。
当然の事ながら声優陣は豪華ですし、好きなキャラのゲームとは違う一面が見れるとやっぱり嬉しいと思います。

1話3分のショート作品でしたが、エンディングテーマは5曲もありました。
「キラッ!満開スマイル」島村卯月、小日向美穂、佐久間まゆ、櫻井桃華、双葉杏
「エチュードは1曲だけ」渋谷凛、上条春菜、神谷奈緒、神崎蘭子、三船美優
「モーレツ★世直しギルティ!」片桐早苗、及川雫、堀裕子
「SUN♡FLOWER」本田未央、片桐早苗、佐藤心、城ヶ崎美嘉、諸星きらり
「きらりんロボのテーマ」諸星きらり

1クール13話の物語でした。
既に本作の2期が2017年秋アニメで放送される事が決定しています。
もちろん続編も視聴させて頂きたいと思っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

ミュンヘン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

春クール5分枠で1番好きでした

あらすじ

{netabare} 好評配信中のアイドルプロデュースゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」。
そのゲーム内で展開されている「シンデレラガールズ劇場」が、TVアニメーションとして新たに登場!
おなじみのアイドルたち が、今日もひと騒動!?
普段は描かれることがないようなアイドル達の休日の過ごし方や、アイドル同士のコミカル劇など多彩にお送りするハイテンションショートアニメ、いよいよ開幕です♪(TVアニメ動画『アイドルマスター シンデレラガールズ劇場』のwikipedia・公式サイト等参照){/netabare}

アイドルマスターシンデレラガールズのスピンオフ作品ですね、3分間のショートアニメです。
3分間の作品はお笑いでいうところショートコントを見る感覚なのですが、個人的には面白かったです。キャラクターの個性そして、アイドルが可愛い。この作品に求めていたものはこの2つぐらいだと思うので満足です、シンデレラガールズが好きな方にはオススメの作品です。

ちなみに自分は二宮飛鳥ちゃんが1番好きです

点数84点

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

多彩なアイドル達に癒されましょう

アイドルマスターシンデレラガールズのショートアニメ

ショートアニメということで、ストーリー性はほぼなし。
ただただデフォルメされたアイドル達に癒されるアニメですね

デレマスのキャラ自体がすごく多いので、お気に入りのキャラが出るのも1,2話くらい(^^;
お気に入りのキャラがいる人は物足りなく感じるし、そうでない人は色んな可愛いアイドル達に癒されるアニメだったんじゃないかなと思います。

自分としては、凛ちゃんのきらりモノマネの破壊力が凄かったです。
あれは可愛い。ほんと可愛い。
特に蒼推しとかじゃなかったんですが、可愛かったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

56.2 12 2017年度のロボットアニメランキング12位
THE REFLECTION WAVE ONE(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (44)
167人が棚に入れました
黒く邪悪な闇の煙と、それを打ち消す光が全世界の空を覆い、多くの人々が命を落とした「リフレクション事件」。稀に生き残ったものはスーパーパワーを持つ「リフレクティッド」となった。ある者はヒーロー(正義)に、ある者はヴィラン(悪)に。「リフレクション」はなぜ起こったのか? その目的とは?大きな謎を抱えたまま、新たなヒーローとヴィランの物語が今、始まる。

声優・キャラクター
三木眞一郎、三上哲、伊瀬茉莉也、花村怜美、吉井香奈恵、村田寛奈、佐武宇綺、西脇彩華、樫井笙人、三瓶由布子、日笠陽子、西村知道、宮田幸季
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

色々ともったいないけどキャラとストーリーが好き

2017年夏アニメ。全12話。
オリジナルですが、スタン・リー作品のセルフオマージュで構築された作品です。
東映まんがまつりみたいな感じで楽しかったw


アメコミ風の画面作りが鮮烈ですが、演出が全体的に淡白でのりきれない印象も。アクションにもう少しメリハリがあっても良かったと思います。
トレヴァー・ホーンの音楽が素晴らしいですね。普通のシーンでBGMをあまり流さず、静寂の部分もあるからこそ、音楽が流れた時に活きるなと思います。
声優さんの演技は洋画の吹き替えの雰囲気でとてもクール。アイドル4人の演技は個人的にはなかなか気に入っていて、声の演技に慣れるだけの出番があればもっと良くなったと思います。

全体的に女性キャラクターが強くて可愛くて好きでした。男性キャラクターもみんな渋くて良かったです。人間関係をもっと濃く描いてくれたら満足だったかな。
物語は描きたいことはわかるんですが、必要な描写が足りていなくて消化不良感がありました。2クールで制作して各キャラクターの掘り下げを深くするか、バトルシーンよりドラマパートにがっつり尺を使った方が良かったかも。


{netabare}
全体的に伏線の張り方が甘かったという印象。

エクスオンがリフレクティッドでないことを予想させる情報、エクスオンの過去についてももっとわかりやすければ、最終話の展開にカタルシスが生まれたと思います。
あとはダークネスについてと、煙を浴び化け物のような姿になってしまったリフレクティッドが社会的にどのような立場であったかはもう少し知りたかったです。光を浴びたリフレクティッドさえ迫害されているので、それよりずっと酷い扱いであろうことは想像できるのですが、本編内で描写されることは大切だと思うので。


キャラクターも単体では良かったですが、関係性の描写にもう少し重きをおいても良かったのではないかと。

エクスオンとエレノアのコンビは特に好きです。
エレノアは最初は気弱でしたが、中盤からは自分から戦う意思が現れて来て良かったです。
レイスがエレノアの心の闇であり、エレノアもレイスも自分を見つけてほしい、居場所が欲しい、それが得られるのなら大きな存在のひとつの欠片になることに傾いてしまうという点では共通しているように感じました。お父さんや両親の話が出るとエレノアは複雑そうでしたし、亡くなった兄の話もリサとの会話で出ていましたね。

エクスオンはエレノアに態度が軟化していくのがはっきり言動に出てないのが勿体ないかな。マギーを助けられなかった時にアイガイに激怒したのはエレノアの努力をわかっていたからだと思います。
まあデレすぎると二人のすれ違いも無かっただろうし、後の展開から考えて匙加減が難しかったとは思うんですが。年長者であるジムや、スティール・ルーラーとのやり取りの中でエレノアへの気持ちを視聴者に示すのも一つの方法だったかも。
ラストシーンで二人が完全に対等な関係になったのは本当に良かったし、軽口を叩き合ってるのは和みましたw

リサはとにかく可愛くて、多分作中で一番強いんじゃないかと思うシーンが多くて好き。足が不自由なぶん心が強く想像力が豊かでリフとしても強い、とてもいいキャラクターでした。ビッグホイールが可愛すぎるw

スティール・ルーラー格好良くて好き。
エレノアがレイスに吸収されたことで、スティールという一個人として必要とされているのではないとわかってしまったのだと思います。

イアンはとにかく美味しい役どころ。
大切な友人たちを自分のせいで亡くしたことで、自分第一のスターから復讐者へ。でも闇落ちとかいうのではなく、本当に大切なものが何だったのかわかってしまったからこそ決着をつけなければならないという信念だったと思います。
私としては最後にヒーローへと変わるのを期待していましたが、そういう方向性では無かったのかな。でも良かったと思います。

ナインスワンダー可愛かった!
日本の普通の女子高生であったはずの、彼女たちのスタンスを知りたかったですね。どんな気持ちで戦っているのか知るようなエピソードが序盤か中盤で見たかったです。ていうか地味可愛くて好きだったので単にもっと出てほしかっただけなんだけどねw
{/netabare}

全体的に好きな作風なのでそれなりに楽しめましたが、描写が不足していると感じることが多くてちょっと残念だったですね。{netabare}続編があるかわからないにも関わらず、二度目のリフレクションが起きてしまったのも含め{/netabare}勿体ない作品という印象でした。
もし2期があるなら、キャラクターを増やさずそれぞれにしっかりスポットを当てる作りにしてくれたら個人的には満足できそうです。(2017.11.2)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

淡々と

3話までの感想
{netabare}どこかに発表してたワケではないので証明のしようが無いのだけど、1話で「ん?これってどういうことだ?」と思い予想を立てたのが2話でほぼ正解してご満悦な自分。
I-GUYの戦闘シーンの背景のビルの件ね。
裏方が居てそう演出するように必死こいてるのかなー、と。
ただ、背景をそうすることで地形効果でパワーアップするんじゃない?と思ったけど、どうやらそういうことではないっぽい?
てっきり日本のjkがそのうちI-GUYの応援ライヴをやるんじゃね?と思ったのだが…。
そして3話、車椅子キャラが出て、アメコミ調作品ということもあり「うわぁ、ポリティカルコレクトネス臭ぇ」と訝しがることに。
(別に理念とかは結構なんですけどね、押しつけがましいのがどうにもイヤでして)
──が、その車椅子がロボット(火星大王)に変形。
うひょおお、やってくれるねぇ。
これくらい“そうであること”が物語に係わってくるなら文句ないです、ってか登場のその回でやってくれて助かりました。
さすがに3話の内容を数回に分けたら切ってたと思う。
さて、ロボットが手に入り機動力(捜査範囲?)が上がったところで今後どうなるか。
そのまま日本に飛んでいってjkと接触?といっても次回のサブタイ、ニューオーリンズだし違うか。
いつになったら線が繋がるんだろう?{/netabare}

10話までの感想
{netabare}I-GUYがバットマンとナイトライダー足したっぽい状態になってもうなにがなにやら。
バットマンでいうアルフレッド(執事)に当たる裏方4人が殺されて復讐に燃えるって展開は「やっぱこう来なくっちゃねー」と思いはするものの、声が玄田哲章なせいでどうしてもバットマンが…。
しかもそれがナイトライダーのキット化、パロなんだかオマージュなんだか、どう受け取ればいいんだろ?
でもってそれが相変わらずコウモリ男と対決ばっかりで、さすがに「もうその対戦カードはいいよ」と叫びそうになったところでフェイスフラッシュで一瞬でカタを付けたのは笑った。

そしてスパイディーもといエクスオンはひょっとして…煙側?
ソニーリンクスもといエレノアの能力パクればいいのに…と思うのだが、コピー能力は煙側しか複製できないとか?
…煙と光の発生原因に係わる人物だったりするのだろうか。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}ソーンの正体はかつて死んだエレノアの兄さん(名前はイーサン、これはギャグか?)でした、厳密にはエレノアが二重人格化して作り出された別人格。
融合して「さてどっちが主人格になりますか?」ってーのがストーリーの肝、問題解決(敵対勢力を倒す)の鍵となっておりました。
というか…お、おやぁ?
やっぱりネタって被るもんだねぇ…島本和彦の言葉を借りると「受信した」ってことでしょうか。
同一個体別人格ネタって18if、ヘボットも含まれるかな?そっちでも見たばっかり。
更には一番最後のオチ、「敵対勢力を倒す」よりももっと深刻な問題、「能力者が差別される」って問題の解決方法。

人類全員が能力者になっちゃえばいいじゃん

ってのを匂わせてエンドで…。
あれれ、これは自分がサクラダリセットで思ってたことなので、これまたネタ被り…といっていいのかな?
元々X-MENやプリキュアのパロ色の強い作品なのでなんらかの既視感が付きまとうものだけど、ここまで同時期に放送されてたアニメと被るともはや偶然とは言い難いなにかを感じる。

で、結局煙側と光側の対立は解決されることはなく──ってよりも鉄使いが裏切ったので煙vs光っていう簡単な構造ではなくなったっぽい(ヴィーは最初から例外)。
エクスオンも正体は不明なままで…ってかマスクの下はハゲか?
女子高生グループも登場理由無いような?
それよりもI-GUYvsコウモリ男はもういいっての、さすがに最終回のコウモリ男はイラっときた、しつこい、他にも能力者は沢山居たじゃーん?そっちに出番回せよと。
エレノアとイーサン(ソ-ン)の関係だけど、二重人格でずっと一人二役やってたのか、ソーンの衣装の中身空洞で思念体で動かしてたのか(二個体が同時に存在できるようになってたのか)よくワカラン。
前者だといいなぁ、そっちのがテレポート能力の意味も強まるし。
エレノアで動いてる間はソーンの衣装の中身空洞で、ソーンで活動する時はテレポートで中に入って…とか。
その瞬間を想像すると結構笑えるんだけど、そういうのもっとやって欲しかった。

総評
盛り上がりらしい盛り上がりも無く淡々と進んで淡々と終わりました。
過度の刺激に弱いお爺ちゃん向けって印象。
まぁなにより、コウモリ男ウザい。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

境界線の観測者 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

アメコミ風 アニメーション

求められているのはアニメーション的な面白さ。
かつ、アメコミの迫力、個性を融合させた作品だ。

この作品はどちらも見事に殺しきっている。

褒められる点があるとすれば、丁寧な作り。
作品の雰囲気は丁寧に丁寧に守っている、まぁ、それが面白くないんだけれど。

この作品の魅力がわかる人もいるのだろう。
作り手の努力もコンセプトも見えるし、くみ取れる。

だけど、つまらない。
私が求めているものはこの作品の中には無かった。
それだけのことなのだが、それが残念だ。

この作品の面白さがわかる様になれば「一皮」剥けるような気もする。

いい作品か悪い作品かでいえば、いい作品だ。
見れる作品か見れない作品かといえば、見れる作品だ。

だからこそ残念でならない。
いつかリベンジしたい作品ではある。


自分用メモ

私の知識不足だろう、この作品の魅力を拾い切れなかった。

第1話 セレモニー
{netabare}
「バケモノといって差し支えないでしょう」
{/netabare}
第2話 サバイバー
{netabare}
「おじょうさん、もう大丈夫だ」
{/netabare}
第3話 リサ
{netabare}
「不謹慎ですけど、いつも読んでるコミックブックの様で……すこし興奮してしまいました」
{/netabare}
第4話 ニューオーリンズ
{netabare}
「商店と商人だと」
{/netabare}
第5話 ヴィーとマイケル
{netabare}
「わたしは逃げない」

全弾発射は男のロマン
{/netabare}
第6話 サンアントニオ
{netabare}
「あんたとは」もごもごもごもご
{/netabare}
第7話 チーム・アイガイ
{netabare}
グイン、グインじゃないか(錯乱)
{/netabare}
第8話 ビーフ・オア・フィッシュ
{netabare}
死の抱擁
{/netabare}
第9話 ダウンタウンLA
{netabare}
「だったらここで焦がしてやる。……ちっ、しらけるぜ」

「子ども扱いしないで」
{/netabare}
第10話 エレノア
{netabare}
「弔いの宴だ」
{/netabare}
第11話 ホワイトサンズ
{netabare}
「ここは砂漠」

「ずいぶんかわったな」「いろいろあってね」
{/netabare}
第12話 ザ・リフレクション
{netabare}
「とうぜん、うちらヒーローやん」

「良い技だ、パクらせてもらおう」

「うん、わかった。前に進む」「けっして目は閉じない」
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

67.4 13 2017年度のロボットアニメランキング13位
ファイアボール ユーモラス(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (16)
102人が棚に入れました
いかにも遠い未来、ありふれた惑星にて――。これは、世界から隔離された「テンペストの塔」を舞台に、ハイペリオンと呼ばれる機械貴族の少女ドロッセルと、その執事ゲデヒトニスがおくる日常を記録した物語です。かれらは、やがて星々が正しい位置にもどる日を待っていました。

声優・キャラクター
大川透、川庄美雪
ネタバレ

チョビ0314 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

愛でて良し、食べて良し

麗しいフリューゲル家19代目当主ドロッセルお嬢様、ぬけぬけと三度目の御登場です。
前作より前の設定なのか「お嬢様とゲデヒトニス」どちらもやや辿々しい感じが致しますが、この作品はお嬢様が麗しければそれで良いという作品なので全く問題は御座いません。
今回の御召物(ボディ)も大変個性的で魅力に溢れておいでです。
特に頭部の4本のパーツは素晴らしく、バランスを失った際にも波動でお身体を支えるという大変嬉し恥ずかしい機能を備えていらっしゃいます。
他にどの様な機能(無意味な)を隠し持っていられるのか甚だ楽しみで御座います。
{netabare}しかも機能に頼らず布を被って幽霊の姿になられるとは、わたくし大変感銘を受けました。{/netabare}

この作品の魅力であるお嬢様とゲデヒトニスの「ゲデヒトニス、お前ホントにお嬢様を敬ってんの?」とも感じられる掛け合い漫才…もとい麗しきエッヂの利いた寸劇も健在で、お嬢様のご活躍が楽しみで身震いしております。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

70.5 14 2017年度のロボットアニメランキング14位
魔法少女リリカルなのは Reflection(アニメ映画)

2017年7月22日
★★★★☆ 3.9 (70)
343人が棚に入れました
劇場アニメ版第3作目。2017年7月22日公開。当初は『A's』から『StrikerS』までの空白期間を描くとされていたが、後の発表で本作にはPSPソフトシリーズの『BOA』および『GOD』が初出のキャラクターであるマテリアル達やフローリアン姉妹が登場し、ストーリーもGODのそれに準じたものであるということになった。2018年公開の『魔法少女リリカルなのは Detonation』と一体の作品で前編となる。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、植田佳奈、戸松遥、佐藤聡美、日笠陽子、清水香里、真田アサミ、柚木涼香、一条和矢、ゆかな、釘宮理恵、清水愛、久川綾、桑谷夏子、松岡由貴、水橋かおり、阿澄佳奈

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

孤独(ひとり)じゃない。心を繋いだ絆があるから。

「魔法少女リリカルなのは」シリーズファンの方には、待ち遠しい1作だったのではないでしょうか。
かく言う私もその一人でしたけれど。

何故なら、本作品は2期の「魔法少女リリカルなのはA's」と3期の「魔法少女リリカルなのはStrikerS」までの空白期間を描いた作品だったから…

何故3期で、主人公だった高町なのはが指導官としてのポジションを選択したのか…
もちろん、3期の物語の中で触れられていますが情報としてはあまりにも断片的過ぎ…
起こった事象の説明はありましたが、そこに至るまでの背景がボンヤリしていたからです。

誰よりも優しく、誰よりも強い正義感を持っているなのは…
天性の素質と類まれなる魔力を兼ね備えた彼女の「全力全開」は、いつだって困難を突破してきました。
まだ小学生の小さい身体に不釣り合いなほどの強大な魔力放出を何度も見てきましたし、それが彼女のトレードマークとも思っていたのですが…

だから本作では、これまで閉ざされてきたなのはの過去にメスが入る…
そう思って視聴に臨んだのですが、どうやら空間期間では私たちの予想を凌駕するほど色んな事件が起きていたみたいです。

今回の物語では、惑星エルトリアからの来訪者であるキリエと同行者イリス…
そしてキリエの姉であるアミティエを軸に物語が展開していきます。

惑星エルトリアは、きっとかつては豊かな星だったのかもしれません…
でも今では砂漠化が進み人が住める場所が殆ど無くなるまで大地の荒廃が進んでいました。
そんな中、エルトリアに緑を蘇らせようと奮起していたのが、科学者であるキリエたちの父親でした。
ですが、身体を病魔に侵され余命いくばくも無い状況に追い込まれていたんです。

父の命と願いのどっちも掬いたい…
幼い頃から父親の背中を見て育った娘たちがそう思うのは決して不思議ではありません。
ですが、その思いは自分の一生をつぎ込んだ父親に成し得なかったこと…
そんな簡単に手が届くはずがありません。

ですが、キリエは知ってしまったんです。
どっちも掬う方法が地球にあること…
そしてその鍵が第1級捜索指定されたロストギア「闇の書」であること…
こうして小さな少女が子供として当たり前の願いを抱えて地球に降り立ち、物語が動いていきます。

視聴を始めて最初に思ったこと…
「なのはちゃん」も「フェイトちゃん」も懐かし過ぎるんですけど…‼
それは出で立ちしかり、呼び方しかり…
物語開始時に二人は小学3年生でしたが今じゃ小学5年生…
確実に成長している筈なんですけど、気持ちの中で先行するのはやっぱり可愛らしさです。

それでもA'sとの明らかな違いは、闇の書事件が解決したので、なのはとフェイトの輪の中に八神はやてがいること、そして4人のヴォルケンリッターもすっかり生活の一部に溶け込んでいることです。
私はヴォルケンリッターの中で激しくヴィータ推しなので、姿を目にした瞬間はやっぱり嬉しかったですね。

そういえば、ヴィータのフィギュアって発売されているのかな…?
と何気なく調べてみたら、売っているじゃありませんか‼
しかもアルターさんの1/7スケールなのに、非常にお求めやすい価格なんです。
ヴィータの服装はStrikerSの時のモノですが、私にとってそれこそ願ったりです。
それにグラーフ・アイゼンがメタリック調で格好い良い…
思わずポチってしまいましたよ…^^;
我が家への到着は明日とのことなので、ヴィータに会えるのが楽しみです。

思い切り脱線してしまいました。
でもあまり書くとネタバレになるので割愛しますが、キリエらが想像以上に手強い事…
そして闇の書の件は解決したとばかり思っていましたが、その闇は想像以上に深かったこと…
ここまでなら大丈夫だと思います。
なのはの「全力全開」を見たい方は是非本編でご確認頂ければと思います。

約1時間50分弱の作品でした。
本作品はこれで終わりじゃありません。
2018年に公開される後編が控えています。
キリエの願いは届くのか…
なのはらの思いの行方は如何に…⁉
後編の視聴を楽しみに待っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小五なのは達が過ごす全力全開の夏休み♪

TVアニメシリーズ&劇場版シリーズは一通り視聴済み。
本劇場版の新登場キャラと関連が深いと言うPSPのゲームシリーズは未プレイ。

本作のシリーズ構成については、
{netabare} 当初から前後編で行くつもりだったとの制作者インタビューを雑誌で拝見していたので、
前編である本作の中途での幕切れや、
後編タイトル&公開時期決定については特に驚きはありませんでした。{/netabare}

夏休みの公開日に事件の発生日時をきっちり合せて来た本作。
夏だからといっても、やることはどーせ年中砲撃ですがw
なのはたちと同じ季節感を共有できた点は、一つ映画館に足を運んだ甲斐がありました。


メインストーリーは正直、微妙……と言うより、今の自分には何とも評価しがたい感じ。
{netabare} 前編なので、現時点でまとめるつもりがないことは想像できていましたが、
それにしても、事件の首謀者が抱く真意等が不明なまま、
新登場も含むキャラたちがそれぞれ抱えた事情や視点が“乱反射”して、
ストーリーの柱がまだ見えてこない印象。

後編でまとめるだろうと言っても、広げた大風呂敷を“爆発”させずに折り畳むには、
相応のシナリオ力が必須になると感じました。{/netabare}

もしかしたら、PSP版ゲームもプレイしていれば、より理解できたのかもしれません。
だとすると、要過去作チェックなネタや演出も含めて、
本作はご新規さんにはかなりハードルが高い作品だったということでしょうか。


サブストーリーや小ネタ等、全編通じてシリーズファンへのご褒美要素は満載♪

{netabare}序盤のシナリオ展開からは、“小学生の”はやて(←とても貴重かつ重要なので敢えて強調w)を
トリプル主人公の一人として活躍、確立させようという意志を感じました。

後半にかけては、特に劇場版2ndにて強調されていた、
リンディとフェイトの“母子関係”の新展開が描かれたのが好材料でした。

これであとは例えばドラマCD某話にあったように、
{netabare}フェイトちゃんがクロノくんに“お兄ちゃん”と呼ぶ奇襲攻撃を仕掛けて、
動揺させるシーン辺りを再現すれば、
フェイトちゃんも立派なハラオウン家の一員ですw{/netabare}

さらにヴォルケンリッターらも含めたキャラ同士の絡み、共同戦線等で、
一通り見せ場を演出して、主人公が誰か分らなくなった所で、
場を一変させる大砲撃でなのはが堂々、真打ちとして登場する。{/netabare}

この辺りは相変わらず『なのは』だなと思いました。


それにしても、強敵と遭遇する度に、
なのは等のデバイスたちが、リスク覚悟で相手の長所を取り込み、
自身のデバイス機能を強化、“工作”していく様には、
あらゆる能力を吸収し、変形していく、某人造人間じみた恐怖すら覚えますw

特に対象と積極的に接触を計るレイジングハートの飽くなき探求心には戦慄しますw

もしかしたら、この夏休みを一番エンジョイしているのは、
思う存分“自由研究”を満喫しているレイジングハートなのかもしれませんw


付記:挿入歌について。

本作で一つ懸念していたのは{netabare} 田村ゆかりさんの歌が登場するかどうか。

専属契約していたキングレコードからの事務所移籍等がスムーズじゃなかったのでは?
もしかしたらキングレコードが関わっている『なのは』シリーズに、
ゆかりさんが歌を出せない事態にもなるのではないか?
そんな噂も飛んでいたので、高町なのは(CV田村ゆかり)名義で挿入歌が流れた時はホッとしました。

大人の事情については私もよく分りませんし、憶測を巡らせてもしょうがありませんが、
“永遠の17歳”どころか役を通じていつでも“幼女”に変身できる、
声優さんの底力を垣間見た。そんな感想も覚えた劇場鑑賞でした。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なのはホント良い子だなぁ・・・

 とある惑星の少女キリエが、死にそうな父親を救うために人工知能イリスと共に、なのは達のいる時限にやってきて、はやての持つ夜天の書を狙うことをきっかけに話の規模が膨らんでいったアニメだったです。なのはA’s後2年後のお話ですねです。いきなり19歳になったStrikerSになってキャラが増えたときに比べ、A’sその後なだけに私は分かりやすかったです。
 見ていると、なのはとフェイトは、ホントに良い子だなぁと思ったです。

 平和になっても訓練を欠かさない、なのはとフェイト。お友達達との交流と平和な日々も束の間、はやても加えて、キリエの起こす事件に巻き込まれるです。はやて間一髪の時、キリエを追ってきた姉のアミタも参戦するです。
 キリエが来た時点から、時空を超えた出来事であることが、クロノたちにすぐに気づかれてしまうため、時空管理局の絡みが今回もありです。

 にしても、魔法とは思えない兵器、悟空たちのような光線技を多用するように見え、魔法少女アニメにかけ離れたバトルがかなり今回も繰り広げられるです。私は、好きなんですけど・・・です。ドラゴンボールZに例えるとシステム「オルタ」という界王拳もあるです。変身は、近代魔法少女な感じだったです。

 キリエ、イリスの言っていることは、まるっきり違っているです。なのは、フェイトに協力してもらうとか、夜天の書を少しだけ貸してもらうとか言っていて、やっていることは、事件を起こしての誘導、襲撃、言葉巧みにフェイトに話すとか、夜天の書の強奪にしか見えなかったです。

 今までのリリカルなのは以上に話の展開が早く、白熱するバトルが全体的に多かった印象だったです。なのは達のパクリ新キャラも出てきて、バトルはさらに激化するです。にしても、トランスファーマーとも違うロボットが、最初を通してパワーアップした感じのものまでこの時には出てくるので、このあたりからも魔法であることすら、分からなくなっていったです。

 イリスの正体と真の目的、キリエのやってきたことは一体!にも注目です。{netabare}更なる新キャラ、ユーリも出てきて、ピンチなのか?どうなるのか?というところに、パワーアップしたなのはが、登場してと良いところで終わりになってしまうです。カッコいい水ナナの劇場主題歌が流れるです。
 Reflectionに続きが来年にあるなんて知らなかったから、ビックリだったです。{/netabare}

 最後には、なのはキャラにおけるミニ劇場がまた来週と言って、週替わりに上映されるようなので、余裕がある人は毎週行くんだろうなぁと思ったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

50.1 15 2017年度のロボットアニメランキング15位
無責任ギャラクシー☆タイラー(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.4 (36)
133人が棚に入れました
ゴミ拾いをしていたバンジョー・ウエキ・タイラーが、何となく助けたボロ宇宙船の中で氷漬けになっていた少女・ゴザ168世(アザリン)と出会い、2人で銀河共和国の復興に向けて旅立つことになる……というストーリー。

声優・キャラクター
小出ひかる、高尾奏音、樋口日奈、江口拓也、諏訪彩花

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

無責任を地で行くアニメ

この作品は、1993年に放映された「無責任艦長タイラー」
の続編的立ち位置として制作された5分枠のショートアニメである。
調べてみると、「無責任艦長タイラー」から
最低でも千年経った後の世界のようだ。なるほどね。

内容としては、無責任艦長タイラーとほぼ同じなのであろうが
余りにも出来が酷いために調べなおした。どうやら
「無責任艦長タイラー」が知名度の高い作品であることを
いいことに好き勝手やっていることが判明した。
誰得なんだか。虎の威を借る狐とはまさにこのこと。

いい部分も見つけようと奮闘したのだが、話が進むにつれ
悪い部分がすこぶる目立つようになってしまったので、探す
ことを辞めてしまった。

作画は紙芝居並なので、動きに切れがない。
序盤における一部のシーンはまだ頑張っていたように思うが
後半からそれすらも怪しくなってきた。
極めつけは、5話の絵巻物スタイル。
これにはさすがに驚かされた。正真正銘、究極の手抜きである。
もはやアニメでも何でもない。苦笑いするのが精いっぱいだった。

ストーリ展開においても、引き込まれる要素が全くない。
なんでもかんでも詰め込みすぎて、自ら自爆しまくっているのだ。
某アニメで耐性はできていたので、ある程度のストーリーは把握できた
ような気はするが、たいして面白くない。
笑いを誘うための脚本であったとしても、苦笑いできれば
まだましなほう。いつの間にか、無心で見ていた自分がいた。
その時の私の顔は、恐らく真顔だったに違いない。

このアニメ、ナレーションは必ずついてくるので、熟睡していても
ある程度話が分かるように作られている部分が唯一の救いか。
だが、ナレーションが余りにも多すぎるので尺稼ぎに使用しただろと
反感を受けても仕方がない。
ナレーションさえ入れておけば、大丈夫だろ!と無責任な考えで
制作したスタッフの考えが手に取るようにわかる。
要所要所だけにしておけばよかったものを…。愚かだ。

声優に関しても、明らかにミスマッチしているなと感じた。
特に気になったのは、「バンジョー・ウエキ・タイラー」という
主人公だ。なんと、少年声ではなく女性声なのだ。モロに。声優は
ただ仕事をこなしているだけなので、彼女が悪いわけではないのだが
この作品においては裏目に出てしまったようだ。男の子を演じるには
まだ早かったのだ。予算の都合とはいえ、これにはかなり
違和感を感じる人が多かったと思われる。

主人公の台詞「気楽にいこうよ」がこの作品を象徴している
といっても過言ではない。余りにも気楽すぎて哀れとしか
思えなかったが。作る必要はなかったのでは?

あ!そういえば一つ素晴らしいと思える部分があったのだ。
それは、時間通りだぞと言わんばかりに急に流れるEDだ。
曲もそこまで長くないため、記憶に残りやすい。
記憶力がいい人なら、数話ですぐに覚えられそうだ。
時間の管理を徹底しているという点に 関しては非常に高評価。
後々調べて分かったことだが、私が以前書いたアニメ
「僧侶と交わる色欲の夜に…」と同じ制作会社が
作っていたことが判明した。道理でこのような終わり方をするはずだ。
ネタアニメとしてならまだ、僧侶の方が面白かったぞ。
僧侶にすら負けているとは…心底恐れ入った。

特に心を突き動かされることもなく、淡々と見てしまったため
終始意味不明な作品だという印象で終わってしまった。
心を無にするための修行の一つとして利用するのであれば
非常に優秀なアニメだと思われる。
(作品が面白いわけではない)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

あんと萬 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

全話合わせて40分ちょいなのですぐ観れます(観たい方は。)

うーん...はい。
あにこれのランキングを見てもらえればすぐ分かると思うのですが、日本の公式に発表された商業アニメ作品のなかでおそらく第一作と最も完成度に開きがある第二期(続編)作品ですね。
ヒロインのアザリンが可愛かったことと、放送時間が短くなかったら許してないでしょうね。それなりに楽しんでは観てました。

作画がかなり悪く紙芝居と言われてもこれは仕方ありません。さらにストーリーが一番悪いです。二分半ですから風呂敷を広げようとしたところで急に話がお粗末にまとめられ、次の週にはもう覚えていません。(覚えるようなこともなかったのが問題ですが…)
声優と主題歌は頑張って普通の水準までなんとか持って行っています。キャラクターはタイラーの雰囲気が好きだったのとアザリンが可愛かったです(2回目)。ただ他のキャラクターたちはおざなりではないでしょうか?

なぜ一期が有名なのに、こんな低予算で作ったのでしょうか。スタッフインタビューなど聞いているとなおさら悲しい......。

途中で挟まれる一期のあらすじを説明してくれた六話と、いい感じの雰囲気で締めてくれた最終話だけは前向きに評価します。しかし五話、お前は絶対に許さん。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

すべてがテキト~…。(悪い意味で)

一応、時系列的には『無責任艦長タイラー』の世界の未来のお話ということになっているストーリー的にはオリジナルな作品。

ショートアニメです。

ジャスティ・ウエキ・タイラーの子孫らしいバンジョー・ウエキ・タイラー(タイラー)と、ラアルゴン帝国皇女の血筋らしいゴザ168世(アザリン)と、マコト・ヤマモトを人格モデルとしているらしいロボットであるヤマモト372号(ヤマモトくん)がメインキャラクターです。

一応アザリンがラアルゴン帝国の復興を目指しており、行きがかり上ですがタイラーとヤマモトくんがアザリンを助けるというストーリーがありますが、基本的にはメインキャラ3人+ゲストキャラで毎回ドタバタやっているだけの話です。

「タイラーの続編」である必然性が良くわからないのですが、結局この作品は何がやりたかったんだろう…?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
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