夏休みで友情なおすすめアニメランキング 46

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの夏休みで友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月29日の時点で一番の夏休みで友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.9 1 夏休みで友情なアニメランキング1位
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (792)
3047人が棚に入れました
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『 FORTUNE LOVER 』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、良くて国外追放…最悪、殺されてしまう…そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!勘違い?人たらしラブコメディの幕が上がる。

声優・キャラクター
内田真礼、蒼井翔太、瀬戸麻沙美、柿原徹也、雨宮天、鈴木達央、田村睦心、松岡禎丞、M・A・O、早見沙織、岡咲美保
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

肯定の魔法

カタリナ・クラエスが使えるのは、土ボコとかいうショボい魔法だけ。
でもそれは、カタリナが無自覚に行使する未公認のある魔法に
全能力が特化されているためなのだろう、というのが、自分の抱いた空想です。

他者による無条件の肯定。
それは、ある場合には魔法にも等しい作用を及ぼすものなのでしょう。

「あなたは特別な、素晴らしい存在なのよ」という
存在そのものを丸ごと肯定する力強い言葉。
得手不得手は誰にでもあるから、自分の得意な分野で自分を認めればよいという
きわめて良識的な自己肯定への指針。
あるいは、コンプレックスによって自己とも世界とも疎隔されているとき、
誰かがそのコンプレックスの根っこを肯定してくれれば、世界は劇的に変化する。

カタリナは縦横無尽に「肯定の魔法」を発動させて、相手の心を救済していきます。
さらには、この魔法があまりにも強力なので、
観ている私たち視聴者までも、救われたように感じてしまう。
ここに、このアニメの真骨頂があるようです。

原作は未読ですが、コミカライズ版は面白く通読しました。
そこで一つ分かったのは、アニメ版ではこの「肯定」のテーマを
さらに深める方向に構想が練られているらしいことです。

{netabare}
侍女のアンをめぐるエピソードがアニメオリジナルだとすれば、
彼女を「一人の人間」に変えたのがカタリナの「肯定の魔法」だったことは明らかでしょう。
あるいは、シリウスに託した母親の最期の言葉が、
生きることへの最大の肯定を表現していることも、
カタリナが彼を救った最後の切り札が、彼の本当の名前を呼ぶこと、
つまり、ずっと否定され続けてきた彼の真の存在への認知と肯定だったということも、
このテーマをめぐって展開される、ストレート過ぎるほどの変奏と捉えることができます。
{/netabare}

結局、私たちは他者による無条件の肯定を常に欲してやまないのです。
ここは好きだけど、ここは嫌い、といった部分的肯定だけでも十分に思えるほど、
現状は他者を否定する暗い情念に満ちていますから。
その意味で、カタリナ・クラエスはやはり「聖女」だったのでしょう。
彼女の存在は私たちにとって、束の間のオアシスとなっていたに違いありません。

いよいよ二期がスタートします。聖女との再会が待ち遠しいですね。

(初投稿 : 2020/06/23)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ゲラゲラ笑って感動する物語 人生のバイブルになるかも

この物語はゲームの世界へ転生した主人公カタリナが、自分の運命を変えるためにおバカをしたり見当違いなことをしたりする物語です。
カタリナの一挙一動にゲラゲラ笑ってしまうのだけど、気がついたらいつの間にか感動していました。心が温かくなっていました。
この物語は優しさに満ちています。(^_^)


交通事故で死亡した主人公は、ゲームの世界に転生します。ここではカタリナという名前の悪役令嬢のキャストとなっていました。
彼女には、良くて国外追放、悪ければ斬殺される運命しかありません。ほかの選択の余地はないのです。
このゲームの内容や結末を詳しく知っている主人公(カタリナ)は、自分の運命を変えるべく、あらゆる努力をします。

彼女はまず、{netabare}畑を作り野菜を育てます。
上流家庭の侯爵令嬢が農耕用の服に着替えて鍬をふるい、庭に畑を作ります。汗まみれになりながら土を耕{/netabare}します。
その姿は、周りの人の目には滑稽としか映りません。気が狂ったのではないかと思われます。
でもそれは、国外追放された際に一人で生き延びるための準備でした。

そして次に彼女は、{netabare}自分を斬殺する可能性がある{/netabare}男性たちに優しく振舞います。
彼らが悩んでいたら、悩みを聞いてあげたり、励ましたりします。そして彼らの特技を褒めてあげたりします。

さらにカタリナは、{netabare}このゲームの主人公である{/netabare}マリアにも優しくします。
心無い人達から虐められているマリアを守り、彼女がいつも笑顔でいられるように奮闘します。

カタリナの願いは、斬殺だけはされないように、国外追放されても生き延びられるように、その二つしかありません。
でも、人間って不思議ですよね。
自分が生き延びるための行動が、いつの間にかみんなを笑顔にしていました。そしていつの間にか、みんなから慕われていました。


このアニメは見方を変えれば、私たちが生きていくためのバイブルにもなりえます。
自分の環境、境遇には関係なく、周りの人たちを笑顔にするために自分ができることを精一杯する。
ただそれだけで、人生は楽しくなります。(^_^)

ちなみに、これからの日本では年金だけでは生きてゆけない人が大多数になります。破滅フラグがついているようなものです。
カタリナのように今のうちから畑を耕して農作物の作り方を学んでおいたほうが良いかもしれません

投稿 : 2024/04/27
♥ : 55

福松 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

題名だけで避けるのはもったいないです。【絶賛】

ア〇マで無料一挙があったので観てみました。
題名から女子向けだと思っていたのですが、二期が始まっていることで軽い気持ちで観始めました。
ところが、良い意味で裏切られ、視聴途中で「終わってほしくない」という気持ちまで湧いてきました。
話数を重ねるごとにOPの評価もぐんぐん上がっていきました。
転生ものをたくさん観てるわけではないのですが、「これは並みの転生ものではない」と感じました。
未視聴の方はぜひとも軽い気持ちで観始めてはいかがでしょうか。
きっと驚くと思います。
これから二期も観ようと思います。

2022-0103お知らせ
またもやアべマで無料一挙があります。
1月7日(金)10:00まで無料視聴可能です。
この機会にぜひお願いします。殺伐とした心が浄化されていきます笑
なお、一期だけで綺麗にまとまっています。
会議のシーンが好き。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23

68.8 2 夏休みで友情なアニメランキング2位
夏色キセキ(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (999)
4409人が棚に入れました
人気声優の4人組ユニット「スフィア」が、12年放送予定のオリジナルテレビアニメ「夏色キセキ」で主演を務めることが明らかになった。メンバー4人全員で主演を務めるのは初めてといい、監督は「機動戦士ガンダム00」の水島精二さんが務める。 スフィアは、寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遙さん、豊崎愛生さんの4人で09年2月に結成されたユニット。10年11月に日本武道館、今年4月に幕張メッセで単独ライブを行うなどパフォーマンスにも定評があり、7月には日本テレビで初の冠番組「スフィアクラブ」をスタートさせた。今回の「夏色キセキ」で、高垣さんは紗季(さき)役、寿さんが夏海(なつみ)役、戸松さんは優香(ゆか)役、豊崎さんは凛子(りんこ)役をそれぞれ演じる。

声優・キャラクター
高垣彩陽、寿美菜子、戸松遥、豊崎愛生、沢城みゆき、真堂圭、三木眞一郎、山崎和佳奈、長沢美樹、名塚佳織、子安武人、恒松あゆみ、宮野真守、鈴村健一、MAKO、斎藤千和、沼倉愛美、五十嵐裕美

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

デキるオタクはここで判断している?

”四人だけの秘密は、夏色の空に溶けたキセキ”

朝起きて、学校に行き、放課後は友達と過ごす。
楽しいことも、悲しいことも、4人一緒に体験する。
ずっと続くと思っていたあたりまえの毎日。

そんな彼女たちに、ひと夏のキセキが舞い降りる。
これは、下田の町で育った4人の少女の物語。

暑くてさわやかな夏色キセキがきっとあなたを包み込む・・・。

夏色キセキ 第1巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第1巻。
中学2年生の紗季、夏海、優香、凛子の仲良し4人組が、夏休みに体験した不思議な出来事を綴る。
人気声優ユニット・スフィアが声を担当。
オーディオコメンタリー
第1話「11回目のナツヤスミ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生、
水島精二、浦畑達彦

夏色キセキ 第2巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第2巻。
中学2年生の紗季、夏海、優香、凛子の仲良し4人組が、夏休みに体験した不思議な出来事を綴る。
オーディオコメンタリー
第2話「ココロかさねて」水島精二、菊田浩巳、宮本朋律
第3話「下田ではトキドキ少女は空をとぶ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第3巻
下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第3巻。
花木屋旅館に酒を届けに来た憧れの先輩・貴史に紗季のことを尋ねられた優香は、貴史が紗季に想いを寄せているのだと悟る。
オーディオコメンタリー
第4話「ユカまっしぐら」戸松遥、木村隆一、水島精二
第5話「夏風邪とクジラ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第4巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第4巻。
紗季とのペアでの最後の試合が決まり、気合が入る夏海。
一方で、母親が仕事で出張のため家事もこなさなければならなくなり…。
オーディオコメンタリー
第6話「夏海のダブルス」寿美菜子、高橋龍也、水島精二
第7話「雨にオネガイ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第5巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第5巻。
夏休みも半ばを過ぎたある日、引越しを控える紗季は、夏海から「4人で旅行に行こう」と誘われる。
オーディオコメンタリー
第8話「ゆううつフォートリップス」高垣彩陽、綾奈ゆにこ、水島精二
第9話「旅のソラのさきのさき」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第6巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第6巻。
台風が来るというニュースを聞き、4年前の台風に関する出来事を思い出そうとする夏海たち。
だが4人の記憶がどこか曖昧で…。
オーディオコメンタリー
第10話「たいふうゆうれい、今日のオモイデ」豊崎愛生、村井さだゆき、水島精二
第11話「当たって砕けろ! 東京シンデレラツアー」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第7巻
サンライズ制作、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第7巻。
夏海が目を覚ますと、そこは東京のホテルではなく下田の自分の部屋だった。
そこへ優香から「今日が昨日になっている」と電話が入る。
オーディオコメンタリー
第12話「終わらないナツヤスミ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生、
水島精二、浦畑達彦

デキるオタクはここで判断している?
2015年秋アニメも出そろいましたね。しかし、度胆を抜かれたというか……想像していた方向とまったく異なっていたのが「おそ松さん」ではないだろうか。初回の放送がスタートしてからカオスなネタと相次ぐパロディの連続に、ネット界隈を中心に「なんなのこれww(褒め言葉)」状態に。

その一方で「銀魂の監督とスタッフなのか。だったら納得」「監督の過去の作品からすると当然の展開」といった声も。うーむ……どうやらコアなアニメファンは監督などからも事前に情報を得て、放送開始前から内容を想定しているようだ。

【水島精二氏】
2015年秋放送:「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」
過去に関わった作品(例):「夏色キセキ」(監)/「UN-GO」(監)/「機動戦士ガンダム00」(監)/「鋼の錬金術師」(監)

さまざまな良アニメに関わる監督としてネット界でも度々話題にのぼるほど。ちなみに同業で同姓の水島努氏とは血縁関係はないそうだ。

テレビアニメの他にも昨年ヒットした劇場作品「楽園追放 -Expelled from Paradise-」でも監督を務めている。

2012年4月から同年6月まで毎日放送ほかで放送された。全12話。

声優ユニット・スフィアの4人が主要担当声優を務めており、それぞれの特徴を踏まえたキャラクターデザインとなっている。2011年9月17、18日に国立代々木競技場第一体育館にて開催されたライブにて初めて発表された。

元々、スフィア結成時に4人を主役にしたアニメを作る構想があり、それが3年の時を経て形となった作品である。

内容は静岡県下田市を舞台として、同地域で育った女子中学生の日常が描かれている(下田海中水族館など市内の各所風景も登場)。また、8話と9話では伊豆諸島の八丈島が登場している。

また、コンビニエンスストアのローソンが制作協力しており、作中にも実名で登場するほか、同チェーンとのコラボレーションも実施された。その他にも、いくつかの実在する企業・店舗・車両などが作中に実名(あるいは看板・ロゴなど商標類、カラースキームなども改変なし)でそのまま登場している。

オープニングテーマ
「Non stop road」
エンディングテーマ
「明日への帰り道」

投稿 : 2024/04/27
♥ : 42

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女子中学生が真昼間から裸で街中をうろついてはいけません。

古今東西のありとあらゆるSF設定をぶち込んだ萌アニメ。
すなわち、四人の女子中学生によるひと夏の友情不思議体験ツアーといったところでしょうか。

願い事がお石様に届いたとき、思いがけずいろいろな超常現象が発生し、しばらくするともとにもどるというライトなドタバタ劇です。

私の好きなストーリーはタイプスリップ物語。
この手の話が苦手な私ですが、なるほどと納得してしまいました。

スフィアのプロモーションアニメと言われようとも、ローソンのコマーシャルアニメと言われようとも、好きなものは好きなんです。
夏のまぶしい風景の中での個性豊かな四人組をさわやかに満喫できました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 42
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

夏らしいさわやかでちょっぴりせつない名作。

責任感が強くてまじめで熱いところがある逢沢夏海(あいざわなつみ)。
大人びててどこか冷めた感じで人付き合いが不器用な水越紗季(みずこしさき)。
明るくてお調子者でアイドル好きな花木優香(はなきゆか)
静かで天然ぽくてちょっと不思議な感じの環凛子(たまきりんこ)。

この中学生4人組が夏に体験するちょっと不思議な物語です。

凛子の実家の神社にある、願いをすると叶うという「御石様」。
これに願い事をすることでちょっとしたキセキが起こったりします。

4人の中では一生懸命頑張る夏海が一番好きかな。でも紗季の不器用なとこもなんかわかるし、優香の猪突猛進なとことか凛子のほわんとしてるとこもいいな。

コンビニのローソンとタイアップしてたようで、出てくるコンビニはすべてローソンです(笑

良いお話が多いですが、4人で{netabare} 紗季の引越し先へ{/netabare}「ミニ修学旅行」に出かけるお話が好きでした。
たぶん、彼女たちにとって決して忘れることのない、大事な想い出になったことでしょう。
最後に4年後の彼女たちが見られる短編もあり、満足です。

あとOP、EDともなかなか良かったです!これ声優さんたちが歌ってるんですね。

見終わって。これめっちゃ良作じゃないですかー!夏っぽいタイトルで日常系っぽいから見たんですが、大当たりでした。これは良作・・いや名作です!
夏らしいさわやかでちょっぴりせつない物語でした。
なんとなく、宇宙よりも遠い場所とか好きな方は合うかも。おすすめです!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

80.6 3 夏休みで友情なアニメランキング3位
明日ちゃんのセーラー服(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (452)
1412人が棚に入れました
舞台は、田舎の名門女子中学・私立蠟梅学園。 あるきっかけから、この学園のセーラー服を着ることが「夢」だった少女、 明日小路。 念願叶い、ドキドキで入学式当日を迎えるがー 「私はセーラー服に決めました」 決意を胸に、夢の中学生ライフが始まる♪ クラスメート、給食、部活動… “初めて”だらけの毎日を、小路は全力で駆け抜ける! 少女たちの、キラキラ輝く青春日記。 「友達いっぱいできるかな?」

声優・キャラクター
明日小路:村上まなつ
木崎江利花:雨宮天
兎原透子:鬼頭明里
古城智乃:若山詩音
谷川景:関根明良
鷲尾瞳:石上静香
水上りり:石川由依
平岩蛍:麻倉もも
四条璃生奈:田所あずさ
神黙根子:伊藤美来
龍守逢:伊瀬茉莉也
峠口鮎美:三上枝織
蛇森生静:神戸光歩
苗代靖子:本渡楓
戸鹿野舞衣:白石晴香
大熊実:小原好美
明日ユワ:花澤香菜
明日花緒:久野美咲
明日サト:三上哲
福元 幹:斉藤朱夏

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

優れた友情物語と歪んだエロスの視線。だからこそ文学を感じます。

この話、2つの大きな側面から見る事ができると思います。

 一つは、明日ちゃんが田舎暮らしで一人きりで、友達がいない。アイドルと沢山の人間がいる学校に憧れていること。

 その明日ちゃんは学校に通うことで、友人を作って行きます。が、単に友達作りの話ではなく、純粋な明日ちゃんの影響で、皆が自分と向き合ってやりたい事に挑戦するという事でしょう。

 たった1人のセーラー服。セーラー服は明日ちゃんの憧れでもありました。教室に沢山の人に対する憧れ、友達とは一見矛盾します。
 ですが、明日ちゃんはセーラー服が何より好きで、その自分に誇りを持っています。周囲と違う格好でいるのは、通常なら浮いた存在になると嫌がるところです。セーラー服が母の手作りというのもいいですね。時代を超えた良さという価値観にもつながります。

 で、明日ちゃんの自然なふるまいから、周囲を巻き込んでどんどん友達が増えて行き、最後のバレーの練習の時は自然に人が集まりました。

 一方でアイドルに対する憧れ…華やかな世界に対する漠然とした憧れに対して、自分の個性と一番の親友の協力で舞台で踊ることになります。最終的には、皆の前で踊る=学校のアイドルになるというカタルシスが待っていました。
 
 この友達、アイドルへの憧れ=セーラー服という象徴に対して、明日ちゃんは自分を周囲に迎合するのではなくあくまで自分らしく個性的に生きることで素晴らしい学園生活を実現しました。

 バレーで友情を表現し、ダンスでアイドルを表現する。そして、親友が楽器を演奏するという最終回はこの物語の結末として、そのことを非常によく表していました。

 小路が冒頭と最後にトラックの農家のタイラさんという人に挨拶します。この態度に変化がないのは、小路という少女の本質は変わらないという表現もあるのでしょう。



 もう1つの視点。それと同時に13歳の少女の無垢さ、自然のエロスを思う存分に堪能するという側面もあります。エロスと一概にいっても、性行為を夢想するものではないと思います。

 川端康成の「眠れる美女」という話で、枯れた老人が睡眠薬でぐっすりと眠ったうら若い全裸の少女の横で一晩寝られる、という秘密のサービスの店を扱った話があります。
 この話と同じで、本作の視聴者の登場人物に対する視線は、決して性行為の対象としてではありません。なので、性的な視線の対象となる少女の個人名はどうでもいいわけです。少女のアイデンティティは関係なく、自分を相手に知ってもらうこともなく、一方的に少女のエロスを感じるという事です。

 本作の視聴者層は決して老人ではないと思いますが、少女の無垢なエロスを盗撮的に覗き見たいという欲望はどこかにあるのではないでしょうか。マジックミラーのような一方通行の視線です。

 これは日本独特のものかはわかりませんが、すぐにペドフィリアにつなげる海外の倫理観を考えると、その違いに日本人に強く感じるところです。

 若さに対する劣等感が強く作用しているのでしょうか。世界的に日本人ほどルッキズムで若さ崇拝処女崇拝の国はないのではないでしょうか。つまり、醜い自分を美しい少女に知られることなく、そして処女を散らすような行為に及ぶことなく眺めていたいという欲求が文学的でもありました。

 本作って、2次創作の薄い本てあるんですかね?私としては、あまり成立しない気がします。それはこの作品が見ることそのものがエロスなので、行為に至ってしまうとエロスの質が落ちる気がするからです。

 フェチズム…特に下着、髪、足については非常に強く感じます。あるいは衣服そのものについてもでしょう。ここに少女たちを個性でみるか、形式で見るかの視線の分かれ目がある気もします。本作の場合、女子中学生あるいは13歳の少女という記号に対する視線なのか、明日ちゃんという個人に対する感情なのかの境界線があいまいです。

 この友情物語とエロスの視線。どちらもこの作品の本質かと思います。川端の文学は歪んだ老害の性欲の残りかすですが、それが新感覚的物語と私小説的な性癖の両面があって初めて文学となっていることを考えると、両立しているというより両義性が必要なのでしょう。
 女学園という場の13歳の女子中学生の友情物語は普段我々は本来覗き見ることができません。それを赤裸々に覗きみることは、友情に感動することでもあり、歪んだエロスを感じることもあるという両面性かと思います。
 

 キャラデザについてです。まず目の大きさの意味ですが、これって、内面というか感情を描きたいから?表情がちょっと大げさなくらいの描写でしたし。目がよく動いていました。萌え絵ではだめでしょう。特に髪の色が日本人としては、非現実ではありますが実際にある髪の色でないと駄目なんでしょう。

 また、それぞれの登場人物の制服の着方に個性があります。明日ちゃんのセーラー服は特殊ですが、クラスメイトたちの没個性の制服に「性格」が現れます。髪もそうですけど、制服の着方と目に非常に感情というか内面が表現されていた気がしました。

 少女にリアリティを与えると言う意味で本作は作画が乱れては話になりません。髪や衣服はもちろんですが、家も学校も、自然もプールや体育館など少女が配置される空間を含めてでしょう。
 明日ちゃんが学校生活の中で友人を得て行くは話にしても、少女を眺めるにしても、そこに現実感があるかどうかで、その価値はまったく変わってしまいます。
 本作は内容と作画の水準が高いレベルで相乗効果を生み出しています。

 あまりに悪意がない世界観ですので、少女のリアル…ではないですね。少なくともこんな悪意のない世界は世の中にありません。ただ、そのデフォルメされた世界に抽象化された「個性」についてのリアリティがあるんだと思います。また、そのリアリティのある少女の塊が、無個性な少女の集団でもある気がします。

 OPEDは更に上を行く作画でした。どこをとっても超ハイレベルな作品だと思います。縄跳びのEDは最高でした。



 22年8月までにリアルタイムでのレビューと、追記を数度重ねましたが、ゴチャゴチャしていたので、23年7月にまとめています。内容はほぼ変えていません。リアルタイムの時はそのあまりの13歳の少女に対する視線で、拒否反応が無くは無かったですが、しかし、改めて見てみると素晴らしい作品だと思います。

 評価は4.4だったですが、これだけ心に残る作品はめったにないと思います。再視聴も重ねていますので5にします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 48

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とんでもないフェチアニメ…、俺じゃなくても見逃さないね。作画とは伝えたいモノを表現する力。

 日常系は安易な道ではなく、作画も見た目が綺麗なら良いというような単純なものではない。この2つの道を見事に踏破した本作は凡百の作品ではない。



 日常系は物語を盛り上げる濃い味付け、即ち劇的なイベントは避けられる。それでいて視聴者に喜びを与えなければならないのだから難しい。成功している作品はそれぞれの戦略があるが、本作の場合それは圧倒的な表現力ある作画に基づいた少女たちのフェチズムと美術の素晴らしさにある。


 大きな出来事がなくても、世界はそれでも美しく素晴らしいと肯定させる力があるかどうかが日常系では大切だが、本作のフェチの描写は見事としか言いようがない。フェチといってもそこには下品な匂いが欠片もなく、そこに目をつけるかぁ!という視点の素晴らしさと、なによりそれを上品に表現する作画力が尋常ではない。さらに、キャラの描き分けや、その魅力を掘っていく丁寧さもあいまってシンプルでも退屈しない作りになっている。


 終盤の音楽に合わせて踊る描写は、色んな作品で何度もやられてきたことであるが、ここまで積み上げてきたものがあるから、そして心まで踊りだすような作画の表現力があるからこそ、「凄い作画だなぁ…以上」というような単なる技術自慢に対する感心ではなく、ジーンと胸に響く感動にまで高まっている。



 単に凄い作画といっても、それだけでは只の技術であって感心はしても感動はない。そこに伝えたいモノ、即ち感情やテーマが組み合わさって初めて人を感動せしめることができる。雄山曰く「人を感動させるものは、人の心のみなのだ」。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 34
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

美しさと無垢の向こう側

アニメーション制作:CloverWorks
監督:黒木美幸、シリーズ構成・脚本:山崎莉乃、
キャラクターデザイン:河野恵美、
サブキャラクターデザイン:川上大志、安野将人、
総作画監督:河野恵美、川上大志、安野将人、
美術設定:塩澤良憲、美術監督:薄井久代、守安靖尚、
音楽:うたたね歌菜、
原作:博(集英社「となりのヤングジャンプ」連載)

人によって、見え方が大きく変わる作品だ。
萌え要素や可愛い女の子を愛でる人にとっては楽しいだろうし、
合わない人は強烈な拒絶反応を示すほど、
偏った視点で女の子が描かれている。
おそらくそういう狙いで制作されたアニメであることは間違いない。
脇を見せたり、太ももを強調したり、お風呂シーンが多かったり。
主人公がすぐに脱ぐアニメとも言える。
口についたクッキーのかけらを舐めるシーンを見せるなど、
フェチ的な要素も満載だ。
初めて観た直後は、それらのシーンがかなり鼻についたのだが、
途中の回の1話分をじっくりと観終えたとき、
この作品がとても高いレベルを目指して、
とんでもない労力と優れたセンスで作られていると感じた。

原作は集英社のウェブコミックサイト
『となりのヤングジャンプ』で連載中。
作者の博氏は、いかに可愛らしく女の子を描くかということを
最重要視するような漫画家でイラストレーター。
アニメ化された『スーパーカブ』では、
ライトノベルの挿絵も担当している。

アニメのウェブサイトを覗くと、この作品には
かなりの資本と期待がかけられていることが見て取れる。
中心の3人以外は、それほど出番がないのに
声優陣の顔ぶれは、主役をのぞいて有名どころばかりで、
全員のコメントまで付いている。
アニメーション制作は、
最近、質の高い作品を手がけることが多い
ソニーグループ傘下・アニプレックスの
子会社であるCloverWorksだ。
そのなかでも特に力を入れた作品だろう。

おそらく、かなり優秀な人材が集められたチームで、
中心は女性スタッフで固められている。
題材からすると、かなり「イロモノ」として
見られる作品のはずだが、女性スタッフが
男目線を排除しているので、それほどいやらしさは感じない。
当初は進んで観ようとは全く思わなかったが、
1度観てみると、その絵作りの見事さと、
何気ないけれど、描きたいことが
はっきりしているストーリーに魅了されてしまった。

特筆したいのは、やはりその絵作りだ。
OPアニメーションは鮮烈。
木崎江利花がシャボン玉を吹くと、
主人公の明日小路のいる教室に
揺れるカーテンを掠めて
多くのシャボン玉が入ってくる。
まるでたくさんの友だちが現れたように。
それを見て微笑する小路。
やがてイントロとともにいくつもの絵が映し出される。
水道からの水を指で押さえて飛ばしているのを
騒ぎながら避けようとしているシーン。
神黙根子を背負っている小路を笑顔で見る谷川景。
「足の美しさ選手権?」を開催している構図は
アンリ=カルティエ・ブレッソンの写真で
見たことがある気がするほど決定的な瞬間を映し出している。
どの止め絵も構図や人物の動きがしっかりした計算で配置されていて
1枚の絵として純粋に楽しめるクオリティがある。

それらの絵よりも驚いて、細部まで見入ってしまったのが
体育館の舞台で小路のクラスメイト16人全員が
目を瞑って裸足で座っているシーン。
舞台の質感や赤い幕、左上から射し込む陽光。
キャラクターそれぞれの姿勢など、どれも完璧な構図。
一瞬しか映らない絵にとんでもない労力をかけている。
これを発見したとき、得をした気分になった。
もちろん一時停止して細部まで見入った。
芸術家がこだわりぬいた絵画のような凄みがある。

アニメーションそのもの美しさとセンスで、
ここまで驚かされたのは、京都アニメーションくらいかもしれない。
比較として思いつくのは藤田春香監督のヴァイオレットの外伝だ。
絵が綺麗というだけではないレベルの高さがある。

内容もかなりクオリティが高い。
物語は、小学生時代に過疎の学校に通っていて、
ずっとひとりぼっちだった明日小路が、
新しい学校で友だちを作るというだけのシンプルなもの。
しかし、細部の表現がとても丁寧で、
それぞれの心の動きも感じさせてくれるため飽きさせない。
例えば、2話のクラスでの自己紹介からの
給食の流れの話は、小路の純粋さと周りの反応を
とても上手く掬い取っている。
クラスのみんなと友だちになりたい小路は、
自己紹介のときに、思い切りアピールをして、
クラスメイト全員のことをノートにメモする。
給食の時間には、すぐに名前で呼びかける。
相手を喜ばせるために、いろいろなことにチャレンジする。
また、9話のショッピングモールに出かける回では、
バスに乗り込んだ小路が、読書に夢中になっている智乃に気づくのだが、
邪魔にならないよう近くに座るだけで、
降りる場所が来るまで黙って待っているシーンがある。
何気ないお話のなかに誰かのことを思いやったり、
他人が何を欲しているのかを想像して、
努力をする行動がとても微笑ましい。

{netabare}この積み重ねによって小路は、ほぼ全員と仲良くなり、
最後には自分が通った過疎の小学校の体育館に招き入れる。{/netabare}
セーラー服がテーマの物語ではあるが、
内容は小路が友だちを作るために努力をし、
好きなことに夢中になって周りを幸せな気持ちにする物語だ。
これが「アイドル」の物語というなら確かにそうなのかもしれない。

私はこの作品を観て、登場人物全員に名前があって、
きちんとそれぞれの背景が考えられていることや、
キャラの心の動きを重視しているところなどから、
『響け!ユーフォニアム』に通じる部分があると感じている。

ユーフォのシリーズ構成を担当していたのが山田尚子監督。
彼女の大好きな映画に『エコール』という作品がある。
当時、同僚だった山本寛はそれを聞いて、
「ロリペドの変態が作った映画だ!」と書いて、
山田尚子をクソミソに貶すわけだが、それは女性監督の作品だった。
映画は「美」と「無垢」をテーマにしており、真っ当な内容の作品。
だが、観る人によっては、変態映画に見えてしまう。
例えば、中原俊監督の『櫻の園』という
私の大好きな映画があるのだが、
これも、同じような視点で捉えられてしまうこともある。
岩井俊二監督の作品も然りだ。
昔の芸術家も世間からは白い目で見られることがあっただろう。
この作品にもある種の際どさみたいな部分があるのは理解できる。

しかし全12話という括りで、
とても上手く構成されているのは間違いない。
最終回のひとつ前の11話がクライマックス。
それまでも、毎話、とても完成度が高いが、
11話は特別で、元担任の先生の想いや小路自身の夢を叶えたことで、
これまでの流れを完全に1本のお話として意味のあるものに収斂している。
12話は、おまけ的ともいえるかもしれない。

音楽もとても好感が持てる。
杉山勝彦が手がけたOPの『はじまりのセツナ』は、
ドラム、バイオリン、ピアノを中心に、
コーラスと歌が絶妙に重なり、何度聴いても飽きない。
クラシック音楽調の劇伴も作品の内容とよく合っている。

ひとりぼっちで友だちの欲しかった少女。
彼女はセーラー服から勇気をもらい、
相手を思いやり、積極的に接することでクラス全員と友だちになる。
人との関係性が希薄になりつつある時代にあって、
真正面から人と関わることの大切さを説いているようにも見える。

努力と無垢な心が人を幸せにする物語だ。
(2022年4月30日初投稿)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 49

69.6 4 夏休みで友情なアニメランキング4位
天体のメソッド(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (963)
4735人が棚に入れました
「この町の空には、いつも円盤が共にあった――」
「願いをかなえるために、ここにいる――」

霧弥湖上空に現れた謎の円盤。
出現当時は世界中を大混乱に陥れたが、そこに留まるだけの円盤への恐怖心は消え、次第に観光地となり、徐々に人々の興味も薄れて行った・・・

二人の少女が出会うとき、それは止まっていた時間が動き出す兆し。
想いが人を変えて行き新しい物語を刻む。

中学校生活最後の年。それは一生忘れられない時間(とき)。

声優・キャラクター
夏川椎菜、豊崎愛生、佳村はるか、小松未可子、水瀬いのり、石川界人

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あの日見た円盤の名前を僕達はまだ知らない

上空に謎の円盤が浮かんでいる霧弥湖。
父親の転勤によって霧弥湖町に戻ってきた古宮乃々香(こみや ののか)と友人だった水坂柚季(みずさか ゆずき)・水坂湊太(みずさか そうた)・椎原こはる(しいはら こはる)・戸川汐音(とがわ しおね)が登場する。
バラバラだった登場人物が仲良くなるために様々な活動をしていく物語。

バラバラになった友達が再び仲良くなるといえば『あの花』を思い出します。
舞台設定は北海道なので場所は違いますが、ストーリーとしては似たものを感じる事があると思います。

自分が本作品で好きなところは、底抜けに明るいノエルの存在。
ノエルのような人物がいるだけで周りが明るくなり楽しくなるでしょう。
この作品の鍵となる重要な存在ですが、ノエルの楽しそうな姿を見るだけで視聴者側も自然と明るい雰囲気となります。

円盤のある世界と円盤の無い世界。
どちらが重要なのかという事ではないです。
ただ円盤のある世界にはノエルが存在するので、個人的には こちらの方が好きですね。

円盤の存在は不思議に感じられますが、そこに注目するよりもノエルの明るさや友達の大切さを重視したほうがいいように思えます。
ラストの色鉛筆を使ったような色彩も印象的。
ノエルの明るさに癒される作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 51

はわわ軍師 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自分の中では今期の覇権アニメ

まさかごちうさ難民を受け入れてくれる作品が出てきてくれるとは・・・
チノとノエルの中の人つながりもあり新たなキャンプ地とすることができました笑


話としてはまずまずまとまった内容であり(まあ途中プロ市民のところは辛かったですが・・・)、それよりも田舎を舞台にした雰囲気最高の聖地巡礼向けな部分がとても評価できます。

OPのI'veサウンドが最高にその衝動を引き立たせてくれました。Bメロのあたりとかやばすぎです。EDも良い歌で一般的にはそちらのほうが評価されてますが、自分的にはOPの圧倒的勝利ですね(LSP1人になっちゃったけど頑張って!)。


あと絵がカワイイのもいいですね。気になって調べたら原案はガールフレンドとかのキャラも書いているQP:flapperっていう人達なんですね。自分の中でまた新たな要注目株が増えました笑


製作が今作品がデビュー作になる新しい会社ということでしたが、次回も良作を作っていただけるよう頑張ってほしいなあと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

ふの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最後はみんなで「にっこり」

辛かった…、そしてあきらめなくて良かった…。
こんなにもじっくり攻めてくる作品というのは
なかなか厳しい目で見られることが多いような気もしますが、
最後は本当に見続けてよかったなぁと感じました。

中盤にかけてかなり長い間、キャラクター同士が上手く交わらない
かなりギスギスとした展開にはかなり見ているこちらとしては
ハラハラ、そしてげんなりとさせられてしまいました。

しかし柚季が円盤を心から嫌悪していた理由が明かされた後は
「物事の始点にはワケがある」事を再認識することができたので
単純にそのキャラクターを嫌悪するという思いもなくなり、
逆になぜその行動に至ったのかに重きを置いて作品を見ることが出来ました。

良くも悪くも中学生という、子供と大人のハイブリッドみたいな
実に不安定な心身を持ったキャラクター達なので、
子供の頃の事件を引きづりつつ大人びた行動を真似してしまう柚季には
そんな年頃のキャラクター像がよく反映されているように感じました。

戸川汐音というキャラにも、作中では随分と振り回された印象でした。
ノエルの暖かさでせっかく心を再び開くことができたのに、
その力となってくれたノエルが円盤と共に消えてしまう事を阻止するため
自らの犠牲を選ぶあたり、誰よりも一番乃々香の事を気にかけていた人物で
かつ一番辛い思いを抱き続けてきた人物だったのではないでしょうか。

後で振り返ってみると、ただの嫌な奴なのではと思っていた頃が嘘のような結末でした。

円盤が消えた後のストーリーは、まさにノエルがみんなの願いを叶えた結果で
5人の仲間+1人の全員が「にっこり」になるという最高の結末でした。

はじめから円盤が来なければここまでの悲劇は起きなかったじゃないかという
話も出てしまいますが、これまでの円盤があるルートを経由しなければ、
汐音とノエルが出会っておらず、さらに汐音は乃々香の事を7年前待つことなく
引っ越してしまうため「5人がいつまでも仲良く一緒に」という願いは叶わない世界になってしまいます。

そこで円盤によって汐音と乃々香をつなぎ合わせておくことで、
最終的には5人が全て揃うという流れを生み出そうとノエルは考えていたのでないでしょうか。

正直なところこの作品には考察するべき個所と、着地させる個所があまりにも多く
自分の力不足もあってか、ストーリーに決着をつける事が全くできませんでした。
でも最終的には5人とノエルが一緒になって「にっこり」することができたのであれば、
ここまで続けてきたすべてのストーリーが美しく印象に残ったのでした。

ダラダラ続きそうなのであとは表面上のお話でも…。

劇伴回りはかなり評価が高い感じですが、特にEDに関しては
動画の美しさも相まってか実に素晴らしいチョイスだったのではと思います。
人物の動きから物の動きに至るまでが実にリズミカルかつ自然で、
やっとアニメーションでもここまで動かせるようになったかと感じました。

ただ、EDアニメーションという短い時間だからこそ生きた動画であって、
本編で同じことをやると、デフォルメに違和感を感じる人もいるかもしれませんが。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

81.9 5 夏休みで友情なアニメランキング5位
ぼくらの(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1882)
9779人が棚に入れました
政財界の権力者たちは、「子供たちの契約を解く鍵を探す」という建前の元に、ジアースの技術を研究して産業や軍事に利用しようとする。子供の親たちは、子供を救う方向に世論を動かす為に、ジアースの情報公開を目指して協力し合う。しかしその企ても権力者の陰謀によりつぶされ、子供たちはこの地球からも孤立してゆく。

声優・キャラクター
皆川純子、阿澄佳奈、野島健児、三瓶由布子、牧野由依、能登麻美子、浅沼晋太郎、比嘉久美子、宮田幸季、高梁碧、織田圭祐、井口裕香、杉田智和、保志総一朗、阪口大助、東地宏樹、石田彰

IraIra さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アンインストール

鬱アニメ作品で検索すると殆どのQ&Aに名がでる鬱作品。
途中で諦めないで最後まで見て欲しい作品です。
私はこの作品をすべて見終わった後、2,3ヶ月はこの作品が頭から離れませんでした。しかし1話からの戦いが最終的に無かったことになるようなアニメだったら頭からすぐ離れていったでしょう。そこが鬱アニメ好きにはたまらないのですが…
鬱アニメが好きな傾向の方は平気かと…、見る人によっては結構重いかと思いますので、あまりお奨めできないです。
勝手にジャンル付けするならばロボットものですが、ストーリー自体が独特の世界観に重点しているので、バトルものの様なアクション性は少ないです。OPだけ見るのもありかと。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

解釈することが、できないことのこわさ

■意図的な「雑な死」の表現

 「死」の表現が雑な話には二種類ある。
 単に「人が死ねば悲しいだろう」と思ってあざとい感動エピソードとセットにされて、どかどかと人が死ぬ話と、そもそも「死の瞬間」というのが雑な形でしか到来しないという無意味さを描こうとする話だ。
 「あざとい死」がただの泣かせの安っぽい方法論であるのに対して、「乱暴でちゅうぶらりんな死」というのは死そのものを描くことが話の目的になる。死の表現の雑さ、という点においては両者は同様なのだけれども、「死」に対して物語上の意味が与えられていれば前者のような表現になるし、物語上の意味が意図的に放棄されていれば後者のような表現になる。
 この表現は、決してわかりやすいものではない。
 正確にいうと「わかること」ができない。
 人が死ぬ瞬間、というのは、だいたい、たいした理由はない、というそれ自体を描こうとしているわけだから。

■ちゅうぶらりんな死

 いろいろな思いをかかえていた人間があっけなく、なんの理由もなく、理不尽に、ランダムに死んでしまう。そういうかたちで、多くの場合、死は突然にやってくる。「世界をすくうための崇高な犠牲として死を自覚的に選択できる」などというようなことはまず、ない。「ループする世界のはてから脱出するために死を選択する」とか、そういうことも、およそ幸福で稀な事態であると言ってよいだろう。

 鬼頭 莫宏という漫画家は、そういう、理不尽で偶発的な事件が、突如として悲劇としてあらわれてくるような。そういう事態を繰り返し、繰り返し描いている。そこには、巨大な情熱も、巨大な失望も、抱く間が無い。間抜けな形で到来する。


 鬼頭作品は、そもそもそういうタイプの世界の乱暴さを描く話だった。そういう世界の乱暴さばかりを描いてきた作家の仕事としては、『ぼくらの』はやや丁寧に属する部類の仕事だ。設定がこっていて、「死」を迎えるまでの時間が、ほんの短い時間ではあるけれども、ゆるされている。
 だけれども、やはり、その時間は「ほんの少し」だ。しかも、人生で何かをなしとげた人間の時間ではなくて、まだ何もなしとげていない少年少女たちの時間だ。
 死の前の少しの時間の暮らし方は、やはりどう転んでもぶざまだ。ぶざまで、感情移入をするまでには、時間が足らない。時間が足らない、その時間の足らなさ、こそが不気味な表現になっている。
 彼ら/彼女らのなかにある十分な物語を知る時間もあたえられず、ちゅうぶらりんなまま、人がぼろぼろと死んでいく、そういう乱暴な風景こそが、『ぼくらの』の醸し出す物語の怖さだろう。

 エンターテインメントとしてみてみれば、なるほど、描写は不十分ともいえるかもしれない。映画でいえば、絶対にアカデミー賞はとれないだろう。エンターテインメントとしては、ぎりぎりのバランスで成り立っている。わかりやすくないから。
 だけれども、わかりにくいもの、ばかりが世界にはたくさんごろがっていて、そのわかりにくさの、違和感のようなものを、ごろっと露呈させてみせる、その違和感があらわれる瞬間。そこに何かを感じ取ることが可能かどうか、ということが、鬼頭の書く物語を良いと思うか、悪いと思うかということの評価へと直結するだろう。ある人は、その違和感にたじろぎ、ある人は単に雑なものだと感じるかもしれない。


■セカイの生き死に自体がちゅうぶらりん

 ただ、こうした死の乱暴さそのものは、は実は決して知られていなかったものではない。世界の名作文学でも映画でもいい。あるいは、高名な哲学者の議論でもいい。戦争にいったことがない我々でも、そういう乱暴な死が世界中によこたえていることは知っていた。

{netabare} 『ぼくらの』の特殊性は「個人の死」が乱暴で、いいかげんで、ちゅうぶらりんに訪れるというだけでなく、「セカイの死」自体も、いいかげんで、乱暴で、ちゅうぶらりんな形でしか訪れない、ということだろう。
 この話は、「凡庸なぼくたち」が、セカイを救う物語であると同時に、セカイを滅ぼす話でもある。セカイを滅ぼす理由も、救う理由も、これといって明確な理由はない。サイコロを転がして決めているのといっしょだ。ただ、その過程に、たたかいを挟むから、じゃっかん本人たちの努力が可能なだけで、たたかいをする巨大ロボットが強いかどうか、ということはサイコロを転がすのと何もかわりはない。

 「セカイの成立」自体が乱暴で適当だという想像力は、「生命」自体が乱暴で、適当だという想像力の、さらに先にある、おそろしさをもっている。

■セカイ系作品としての異質性

 いわゆる「セカイ系」作品は、少年少女の憂鬱や、情熱の程度によって世界が救われたり滅びたりする。ハルヒしかり、エヴァしかり、エウレカしかり。
 「ぼくらの」もセカイ系の一種だと考えることはできる。滅びるべき世界/救われるべき世界は、「頑張らなければ世界がほろびる」。だが、そうは言っても、異世界の少年/少女たちもまったく同じ状況におかれているという点で、ロシアンルーレットの弾をこめるような意味においてしか、少年少女の憂鬱や情熱には意味がない。

 「セカイ系」においては、世界の救済や滅亡と、少年少女の情熱が、ダイレクトにつながる、ということが少年少女の「わたしには価値がある」という承認欲求を満たすものとして機能していた。
 しかしながら、『ぼくらの』はそういった構造を完全に逆転している。「わたし」ががんばろうが、がんばるまいが、どこかでセカイは滅び、どこかでセカイは残る。わたしの努力は「このセカイ」に対してこそ、一定の有効性はもつが、努力や情熱はごくむなしいものとしてしか、与えられない。少年少女は、みなロシアンルーレットの弾丸、としてしか役割を与えられていない。

 セカイ系の設定をかりながら、<「わたし」の承認欲求を否定するセカイ系>というごく、無残でみじめな世界を示すことを、あえて提示してみせる。
 鬼頭的な、世界の乱暴さをつきつけるという仕業、セカイ系という少年少女の逃げ場を否定することで、どうしようもなく、成立している。
 おまえらに、逃げ場なんてねぇんだぞ、と。
{/netabare}

■作品比較:『イキガミ』『バトルロワイヤル』

 なお、本作とある程度ちかい設定をもった作品としては、『イキガミ』『バトルロワイヤル』などがあるだろうが、いずれも世界の乱暴さを描くという点においては、『ぼくらの』の足元にも及んでいない。

 たとえば、『イキガミ』は、死にいたるまでの、当人たちの「物語」があまりにもきっちりと完結しすぎており、世界はあまりにも残酷ではなさすぎる。死にはきっちりとした意味があたえられ、物語世界はあまりにも簡単に解釈をゆるしてしまう、安易な「いい話」以上のものにはなりえていない。(そもそも心理描写の水準のだめさや、人間観のバラエティがステレオタイプに満ち満ちていて、論外なあたまのわるさ……ということはあるが、それをさておいても、そうだ。)

 また、『ぼくらの』がもし、失敗しているとすれば、やはりエンターテイメントとして作品をみる、という作法以外に作品を見る方法を知らない読者や視聴者層を大量に相手にするマーケットで作品をリリースしているということだろう。そういう視聴者層には、この表現は単に物足りない表現としてしか届かないケースが多い。つまり、『ぼくらの』は失敗している。作品の内容において、ではなく、売り出し方において失敗している。
 その意味では、エンターテイメントとして暴力表現を前面に押し出した『バトルロワイヤル』のほうが、大勢の人への伝わりやすさという点では、『ぼくらの』よりも世間的なインパクトは獲得できている
 しかし、『ぼくらの』の描く死はどうしようもなく中途半端であるゆえに、『バトルロワイヤル』などよりもはるかに残酷な風景を描いている。我々は、恍惚のうちに死ぬことができない。


■漫画版と比較して

 漫画のほうは、まだ全部はよみおわっていないのだけれども、おおむねアニメ版のほうが、見やすかった印象がある。一話完結である程度、はなしの起伏をつけているので。アニメの方がエンタテインメントとしては優れているだろう。
 エンターテインメントとしてではない、評価としては漫画のほうがすぐれているという人も多いかもしれない。
 わたしは、アニメのほうがやや気に入った。単純に映像もきれいだったのいうのもある。

■関連推奨作品:『パルプ・フィクション』『いのちの食べかた』

 なお、アニメでも漫画でもないが、本作が好きな人にすすめたい作品としては、
 まず映画ではもはや、古典ともいえる地位を獲得しているタランティーノの『パルプ・フィクション』は高い確率でハマるだろう。人が乱暴にしんでいく作品としては、まず多くの人が挙げるものだろうと思う。
 また、私個人のおすすめとしては、ドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』をぜひおすすめしたい。『ぼくらの』に続けて、このドキュメンタリーをみたひとは、確実にゾッとする体験をあじわえるのではないか、と思う。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

鬱と言うより泣かせメインの作品。昭和の戦争映画的かも。

点数上方修正します。
いい作品だと思ったし不満もそれほどないので、平均4.0では低すぎかなと思いまして。
/////////////////////////////////////////////////////
観終えましたので追記

 どうも後半のアニメとしてのアレンジが評判悪いみたいですが、私はそれほど気にはならなかったですね。
私が観たのが休日だったのも有りますが、飽きずに一気に観れましたです。
原作未読の私なんぞは、こういうお話なんですと言われれば素直に受け入れられましたです。原作に比べるとかなりソフトにアレンジされてるとの事ですが、充分救いの無い世界ですね(汗)
もう基本シチュエーションだけで残酷な上に、個々の子供たちの身の上まで不幸な訳でちょっとツラい作品なのは間違いないです。
私的には特にダイチの回とマキの回は泣いちゃいましたね。これは私が親だからってのもあるでしょう。赤ん坊・幼児が絡むとオッサンとしては涙腺がユルユルになってしまうもんで(汗)
 確かに重い話ではありますけど僅かながらも光明射す終わり方する作品でもありますので、それほど鬱だ鬱だと臆することなく観てもイイんではないかと。客引きのネタとして子供たちの死を利用した悪趣味な作品とは私は感じなかったですね。
 但し、個人的には女の子持つ男親は観ない方がいいかなと。
チズの件がちと、ね。
うちは息子だからまだ良かったです(汗)

 ただ、やはり契約してしまった子供達の姿には私は若干の違和感感じましたです。
{netabare}
 勝っても負けても死しかないと言う状況下で、あそこまで狼狽しないなんて達観しすぎじゃないかなと(汗)
ワクとコダマは自らの置かれた状況を把握することなく死んでますから別として、どうも皆13歳らしくない腹の括り方に見えるというか・・・。
ここら辺は個々のシーンをどう観たかと言う個人的な差異はあると思いますけども。
個々の心情描写にムラがあるというか、バックボーンは丁寧に見せる割には戦闘前後の姿の見せ方がアッサリ目な気がします。
13歳の子供が我を失って醜い姿を晒すなんてシーンばかりでは、流石にTV的絵面では無いと言う判断だったんでしょうか?
ここ最近はそういう心理面の描写が巧み且つ生臭いアニメも多い気がするので、今コレをアニメ化したら違ったイメージの作品になるのかもですね。
裏を返せば2007年制作のこの作品には、チズのエピソード以降に関しては散り際の潔さと儚さによる美談として概ね纏めようとしてる作り手側の意図が感じられる気がします。
世間で言われるほど鬱な作品では無いとの感想抱く方居るのも納得です。
私も視聴前は、死を前に泣いてわめいて命乞いをして自暴自棄になる子供達の生き地獄を延々と見せられる強烈な作品と思ってました。
完全に勘違いでしたw
まぁそんなドSな世界にカナちゃん放り込まれた姿は見たくないので、アニメ版位で良かったんだと思います。私的には彼女とダイチの妹が成長した姿だけがこの世界の救いのビジュアルでした(汗)
{/netabare}

人物の細かい描写の不満点とか時系列で?なところが僅かに気になりましたが、アニメ版も単独の作品としての話の収め方も悪くは無いと思います。
子供達主体の中盤までとタモツさんが出てくる辺りの終盤ではなんか別作品みたいな印象も受けるけど、チグハグな印象は無いです。
因みにこの作品も主人公たちの物語は完結するけど、世界の謎の全容は明かされないタイプの奴なので、そういうのがお嫌いな方はスルーした方が良いかも。

どうやら死に対するスタンスが随分と違う様子ですので、機会が有れば原作も読んでみたいですね。

//////////////////////////////////////////////////////
 以前から観たいと思いつつも、期待していた故に出来に失望したら嫌だなという事で手を付けず。盆の連休だから鬱々するのもいいかなと観始めてみました。
話の骨子は知っているつもりなので、もうしょっぱなから心が苦しいですね。こんな良く言えば悲しい、悪く言えば悪趣味な作品よくも考えたと思います。うちの子はまだ小学校にも上がってませんが、自分の子が・・・と思うとちと抵抗はあるんですよね。
だったら観なけりゃいいじゃんとも思いますが、残酷でも素晴らしい作品なのか否かは自分で感じたいなと思いまして。

 まだ2話しか見てませんが、確かに感情に纏わる描写に違和感有るかもですね。子供でも判るであろう異常なシチュエーションでも異常な程の感情の昂りが有る訳でも無く、ワクの転落に対する狼狽の無さも然り。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

83.9 6 夏休みで友情なアニメランキング6位
あの夏で待ってる(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (2729)
13509人が棚に入れました
『その夏の思い出が、僕達の永遠になる』  空は、とても青く澄み渡って。 入道雲が、向こうの山を隠すほどに湧き上がって。 それはいつもの、僕らの街の風景なんだけど。 でも、かけがえのない「夏」だったのだと思う。 その男の子には、「なにもないけど、なにかしたい」って漠然とした気持ちがあって。 だから仲間と一緒に、映画を撮ろうと相談しているところで。 そんなとき、「特別」な女の子が、この街にやってきたんだ。 そして。 男の子の気持ちを、「特別」にしたんだ。
『とらドラ!』、『とある科学の超電磁砲』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を手がける長井龍雪監督のオリジナルアニメ作品。

声優・キャラクター
戸松遥、島﨑信長、石原夏織、荻原秀樹、田村ゆかり、阿澄佳奈、日高里菜

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

季節はずれの忘れられない夏物語 ε- ( ̄、 ̄;A*) アッー

■「あの夏で待ってる」ってこんなアニメですヽ(*^^*)ノ
「おねがい☆ティーチャー」でお馴染みの黒田&羽音コンビがお届けするオリジナルアニメーションなんですね!
そこに「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の長井龍雪監督とキャラデザ担当の田中将賀さんのエッセンスが加わってなんともどこかで味わったことのある雰囲気に仕上がった作品になってますね♪

舞台は長野県小諸市、ときおり噴煙も見ることができる雄大な浅間山の景色がとっても素敵な場所ですね♪
ちょっと足を伸ばせばσ(・・*)アタシがたまに遊びに行く軽井沢があって、軽井沢の街並みも描かれているので、なじみがあってちょっとうれしい気持ちになっちゃいました♪

そんなノスタルジーな雰囲気と夏がとっても似合う街並みに、赤い髪が魅力的な女の子が空から降ってくるんです∑('◇'*)エェッ!?
こっこのパターンは(>▽<;; アセアセ…もはや王道!?
その名はイチカちゃん♪
何やら訳ありのイチカちゃんに巻き込まれる形で出逢う事となった主人公の海人[kaito]。
この瞬間から特別な夏が今始まろうとしているのですね♪
映画製作を通じて集まった仲間達と共にすごした、青春と一方通行の恋の行方はどんな形になって8ミリフィルムに残るんでしょうね(^ー^* )フフ♪


■4話までのちょっとした日記 φ( ̄∇ ̄o)
まず声を大にして言いたいですw
(* ̄o ̄)ゝオーイ…!! なぜ冬に放送するんですかー!!
百歩譲っても春放送くらいですo(≧∀≦。)ノ
四季折々様々な情趣を見せてくれる自然豊かな長野県が舞台で、しかもタイトルに『夏』って付いているのにもかかわらずですよ…冬放送はあり得なさすぎです!
なつまち製作委員会の皆様方…猛烈に反省してくださいね!!
って事で「今は夏!!」って念じながら視聴開始するのでした♪ \(;゚∇゚)/ナツダー…ε-(´o`;A アチィ☆

ヒロインのイチカちゃんと主人公の海人くんは、まぁ…ポイポイッ(/・・)/⌒ξ:D┼<ξ:D┼<って放っておいてもいいかなぁって思ってます!
紆余曲折しながらも一生忘れられないような青春の一ページを作っていくんだろうなぁーって思ってるので、この二人意外に注目していこうと思ってるんです♪
しかもこの作品、あえて登場人物を絞ってキャラ一人一人を丁寧に描写するって意気込みなので結構内容は期待してるんです(#^.^#)
とくに、柑菜[かんな]、哲朗[てつろう]、美桜[みお]、檸檬[れもん]、この4人の関係って1話目から微妙な関係だったりしているので、作品の善し悪しを握っているように思ってます(^ー^* )フフ♪
過去の作品と比較している人が多いのですけど、この作品には演出云々よりも、登場人物の飾り気のないちょっとした感情や表情などを大切にした、深みのあるストーリーを期待したいなーって勝手なことを思ってますw


■総評
まず全体の印象としては、長井監督らしい作品に仕上がっていたんじゃないかなぁって思います♪
1クール12話の中に甘酸っぱい青春ラブストーリーがギュッと凝縮されていて、観ていて非常に心地よく爽やかなストーリーに個人的には大満足でした(*^_^*)
なんといってもキャラクターの「表情」「心情」「言動」がとても丁寧に描かれているので、観ている側にとっても分り易く感情移入しやすい印象を受けました。
感情移入しやすくしていた要因としてもう一つ、ナレーションの効果は大きかったと思います (o^-')b グッ!
やっぱり人は言葉で発するよりも、言葉に出せない感情の方が多いと思うのです☆彡
揺れる感情や言い出せない胸の内をナレーション風にストーリーに織り交ぜられていて、キャラクターごとの心境が手に取るように分かるのでより感情を揺さぶられるのでしょうね♪
お互いの感情が絡みあうような恋愛模様については、悩み傷つきながらも前に進もうとする前向きな恋が描かれているので、どんな恋の結末となっても清々しい気持ちにさせてくれるのではないのでしょうか (*^0゚)v

それと前述したように主人公とヒロイン以外の役どころが絶妙で、ストーリーを引き締めて飽きさせない要因だった気がします♪
とくに神出鬼没の檸檬先輩の存在は宇宙人設定のSF部分のパイプ役に一役買っていた感じですね♪
それにしても一体何者なんでしょうねw うふふふふっ(*゚v゚*)

長井監督の次回作が待ち遠しいです(*^▽^*)

あっそうそう♪ 公式ホームページの「なつまちBOX」短編ノベルをまだ読んでないファンの方は是非♪
霧島海人編と谷川柑菜編がありますよ~♪( *^-゚)/⌒☆゙


■MUSIC♬
OP曲『sign』
 【作曲】折戸伸治 【編曲】高瀬一矢【歌】Ray
 Rayさんのファーストシングル。
 AIRの「鳥の詩」の作曲でお馴染みの折戸&高瀬さんコンビが楽曲担当で注目されてました♪
 爽やかな印象のデジタルポップサウンドとあどけなさを感じさせる歌声が特徴ですね!

ED曲『ビードロ模様』
 【作詞・作曲】中沢伴行【歌】やなぎなぎ
 注目は「君の知らない物語」でsupercellのゲストボーカルだったやなぎなぎさんです♪
 この曲がメジャーソロデビュー第一弾となりました!
 テクノポップサウンドに乗せた落ち着きのある爽やかな歌声がとっても聴き心地の良ですね(^^♪


2012.02.10・第一の手記
2012.06.28・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♬)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 93

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

爽やかで甘酸っぱい恋愛を非常に丁寧に描いていた素晴らしい青春作品!!【総合評価:82点】

2012年冬に全12話で放送された作品。

『とらドラ』『超電磁砲』『あの花』などを手掛けた長井 龍雪監督のオリジナルアニメーション
代表作となる三作品がいずれも素晴らしい完成度と人気を誇る作品。
『あの花』でもオリジナル作品として結果を出しているだけあって期待
ですが、代表作の三つの評価が高いだけに、それらと比較されても大丈夫なのかと言う不安もありました。
しかし、この作品は代表作と比較しても十分な出来の見事な作品に仕上がっていたと思います。
自分としては、2012年冬、期待値を一番上回った作品でしたね。

この作品で一番自分が評価している点は恋愛要素にありました。
登場人物の5人が織り成す多角関係は非常に面白かった。
しかし、多角関係とは言え、ドロドロな愛憎劇になるのではなく、正に爽やかで甘酸っぱい青春を表現できています。
互いに想う相手の幸せを願って、自分の意思を主張できない。
そんな良くある心境をとても丁寧に描いていて、心情描写のレベルはかなりハイレベル。
良くある心情を丁寧に描いているので、非常に感情移入がし易くてとても素晴らしい作品でした。この作品は恋愛要素の暗い面の表現がほとんど無かったものの、甘酸っぱさの表現は抜群で、12話構成にしてこの完成度には脱帽です。

恋愛要素に関してはかなりの出来栄え、もう一つの大きな要素である宇宙人設定は若干微妙でしたね。
まぁ、ヒロインの宇宙人設定が根底にあるからこそ、恋愛要素も盛り上がったのでしょうが
でも、やっぱり恋愛関係の話が一応の収拾が付いた後、ヒロインの宇宙人としての設定を全面に出したラスト2話はどうも微妙な感じはしました。
宇宙人事態が現実味に欠ける事と約一名のキャラがかなり現実味を欠いて上、ラストでその現実味の無さに更なる拍車をかけて来た。
まぁ、その一名も普段の言動は不自然でも、要所要所でしっかりと良い仕事をして、恋愛要素を盛り立ててくれた立役者的な面もありますがね。

今までの爽やかな恋愛要素が宇宙人設定が根底にあるとは言え、心情描写がかなりリアルだったため、ラスト2話は浮いてしまっていた印象。
恋愛要素があまりにも素晴らしかったと言う事、しかもラスト2話まで宇宙人設定は表面的で恋愛要素がメイン
なので、ラスト2話で宇宙人設定を押した話を今まで盛り上がっていた恋愛要素の話と同等のレベルに持っていくのは無理でしょう。

とは言え、ラスト2話も急展開に置いてけぼりにされなければ非常に盛り上がる。
そして、テンプレなかなり使い古されたような展開ではありますが、感動できる作りにもなっています。
今までの複線もしっかり回収してますし、ラストとしては纏まりのある締めでした。

OP、ED、共に良好で非常に作品にマッチした楽曲でした。
歌詞も実はキャラが背景になっていたりして……

作品全体を通して、かなり面白かった作品でした。
特に本作のメインである多角関係は本当に甘酸っぱくも爽やかな恋愛を表現
キャラクターの心情描写も丁寧なので、感情移入もしやすく素晴らしいものでしたのです。
個人的には同監督のオリジナルアニメ作品『あの花』よりも断然本作の方が好きですね。
とても良い作品だと思いますので、未視聴の方は是非とも一度視聴するのを強くオススメいたします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 132
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一夏(ひとなつ)の青春恋愛観測

夏休み。自主映画撮影。宙から女の子が降ってくる。
宇宙レベルの騒動と比肩する二人のカンケー……。
設定の骨組みは割と定番かつ王道。
({netabare}“MIB”や“裸族”{/netabare}も出てくるけど、きっとフツーw)

でありながら本作が夏になる度、私の脳裏に浮かんで来るのは、
恋バナにSF絡めてハチャメチャやってるようで、
恋愛の甘さだけじゃない。
人を想った故の痛みもしっかり描けているからだと思われます。

本作では、{netabare} 片想いの玉突き事故{/netabare}と言う結構な惨事が起こるわけですが、
そこに踏み込んでこその特別な夏。苦味も経験してこそのひと夏の成長。
と言わんばかりにぶつけて来ます。

こんな構成もあってか、
またスタッフの過去作の履歴から膨らませた期待との齟齬もあってか、
放送当時は、だいぶ批判も多かった思い出が(苦笑)

もっと各登場人物を萌えキャラ化、アイドル化して、
或いは各“攻略キャラ”をオムニバス形式で巡回するギャルゲー原作物の風味にして、
各々を推してる人が傷つかない無難な展開にすれば、
出火することもなかったのでしょうが……。

でも、結局、恋愛アニメとして、後々になっても心に残るのは、
こういう傷痕も刻むことができる作品だと最近改めて感じます。

2010年代は本作の後も、きちんと負け組も作る、
しんどい恋愛アニメが定期的に供給されている印象。

今、振り返ると本作の痛みの描写など、まだ可愛らしいもので、
むしろ好いた惚れたが入り乱れれば当たり前に起り得る話と感じます。
2010年代の割と早い時期に、本作等で改めて痛みに対する耐性が付いた。
受け身が取れるようになったと、妙な感謝の念?すら沸いて来ます。


恋する当事者は、自らに芽生えた訳の分からない感情を処理するだけで精一杯。
だけど隣の友人からは葛藤が良く見える。
けれど隣の恋慕が一望できるからって、自分の気持ちをコントロールできるわけじゃない。
第三者の歪んだ視線も交えて、様々なアングルで恋愛模様を活写する。

この構図もまた典型ですが、それらが滲み出たセリフ回しが私の好み。
自分だけ第三者として冷静に客観視しているつもりでも、
抱いている恋愛感情は隠し切れない。
言動からはみ出した恋のベクトルが突き刺さって実にこそばゆいです。


好きな登場人物は檸檬(れもん)先輩。

種々の権謀や謎スキルを駆使して、恋愛展開に新局面をもたらし、
不敵な笑みを浮かべて、恋バナの記録(盗撮)に勤しむ。
よくいる青春観察ムード盛り上げキャラ。

ですが彼女に“年季”を感じるのは、
このキャラの系譜が、一部参加スタッフらが以前手がけていた、
オリジナル恋愛アニメ『おねがい~』シリーズから続いているということ。

檸檬先輩のCV田村ゆかりさんは『おねがい~』シリーズの頃から本作まで、
名を変え、学校を変え、立場を変え(何故か制服は変えないけどw)
後輩たちの青春恋愛劇を眺めては、うふふふふ~とほくそ笑んでいるのでありますw
流石CVゆかりさん。何年も17歳やってるだけあって、微笑みにも威厳?が漂いますw


私としても、まだまだ檸檬先輩と一緒に?
色んな少年少女の恋物語を覗き見したいので、
これからも性懲りも無く、青春恋愛作品に舞い戻る所存であります。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 49

79.9 7 夏休みで友情なアニメランキング7位
バクマン。(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1363)
7830人が棚に入れました
舞台は埼玉県谷草市、中学3年生の真城最高(サイコー)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの退屈な日々を送っていた。そんな最高の叔父は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家川口たろうであったが、連載打ち切りとなり、その後の過労により亡くなった過去があった。ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイトで原作家志望の高木秋人(シュージン)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片思いのクラスメイト亜豆美保と、「アニメ化したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。

声優・キャラクター
阿部敦、日野聡、早見沙織、矢作紗友里、岡本信彦、諏訪部順一、志村知幸、川澄綾子、藤村歩、利根健太朗、野島裕史、川田紳司、堀内賢雄、浜田賢二

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

とっても気持ちの良い作品でした(o^-')b

■バクマン。ってこんなアニメなのです(*'ω'*)
『DEATH NOTE』でおなじみの大場つぐみ&小畑健コンビの作品なのです(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
ジャンル的には純愛青春サクセスストーリーですね!
 
漫画家の叔父の姿を幼少の頃から見ていた「真城 最高」(愛称:サイコー)と、学年トップでサイコーの絵に惚れ込み漫画家を一緒に目指そうと誘った「高木 秋人」(愛称:シュウジン)。
そして、この2人がコンビを組むきっかけになったのが、声優を目指すヒロインの「亜豆 美保」(azuki miho)とそれをサポートする親友の「見吉 香耶」(miyoshi kaya)。
この4人の純愛と紆余曲折しながらも夢に向かって突き進む日々を描いたストーリーなのですよ♪
 
 
■総評
原作の方はまったく知りませんけど、アニメから観た人も十分楽しめる作品だと思います♪
とにかくサイコーとシュウジンの2人を見ていると、何かこういう関係って良いなって思えて、とっても良い気分にさせてくれました♪
 
中学生で漫画家という自分の進む道を決め、同級生達とは違う道を選んで行くわけなのですけど、決して中途半端な気持ちじゃない、真っ直ぐに夢に向かっていく本気さが伝わってくるように描かれているのです。
さすが本職のストーリーだけあって、漫画家を目指す心理描写が細部までこだわりを持って描かれている印象ですね♪
 
個人的には、シュウジンが面白くって、かっこ良くって一番のお気に入りかな(*^-^)
サイコーの良き理解者であり、頭は元々良いのだけど裏では人並み以上の努力を惜しまないそんなシュージンにもう釘付けですo(- -;*)ゞ
 
それと、夢に向かって一直線のサクセスストーリーの中にも、甘酸っぱい恋のお話が絡められていて、それがハーブティーのように気持ちを(´▽`) ホッっとさせてくれる良いアクセントとなっているのです♪
 
サイコーと亜豆ちゃんのわざと距離を置いてお互いを支え合い、愛を育んで行く関係は到底理解できないですけど、ちゃんと成就できたらどれだけ幸せな気分になれるのかなって考えちゃいました♪
それとは対照的に恋に積極的な見吉ちゃんと徐々に惹かれて行ったシュウジンの恋の行方の方が自然でいっぱい共感できました♪
とにかく、2組4人の絶妙な関係は注目して欲しいところですし、こんな恋の話があるからこそ、地味な漫画家のイメージにさわやかなが風吹き込まれて清々しさを感じる作品になっているようなきがしました(⌒-⌒)
 
「バクマン。」を観ると、きっと前向きな気持ちにさせてくれて、元気をもらった気持ちになれると思いますよ♪
なので、2期もとっても楽しみなのです( `ー´)ノ
 

■MUSIC♫
OP曲『Blue Bird』
 【歌】コブクロ
 「まだ見ぬ二人の幸せの為に、愛が繋がっていれば信じて歩んでゆける」って内容の歌詞です!
 サイコーと亜豆ちゃんの気持ちを歌ったコブクロらしい心温まる楽曲ですね♪

ED曲『BAKUROCK 〜未来の輪郭線〜』1話~13話
 【歌】YA-KYIM
 軽快なロックサウンドと前向きでストレートな歌詞がヤル気を出させてくれる応援ソングですね♪
 R&Bやヒップホップ主体のYA-KYIMの楽曲では珍しいナンバーかもしれませんね(*^。^*)
 
ED曲『現実という名の怪物と戦う者たち』14話~24話、25話はOP曲
 【歌】高橋優
 前期のED曲同様に、元気をもらえるような応援ソングです♪
 東京メトロのCMソング「福笑い」の人ですねw
 ダミ声とまではないのですけど、ノイジーな声質が特徴的で、
 胸に響くストレートな歌詞が特徴のシンガーソングライターなんですよ♪


2011.09.16・第一の手記
2012.01.26・第二の手記(追記:■MUSIC♫)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 51

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジャンプ漫画の超王道を自ら実践

漫画家を目指す若者の物語ですが地味さはありません。
ジャンプ漫画原作という事で、ジャンプらしいアツさが漲ってます。
こういう一風変わったコンテンツはNHKの得意とするところ。アニメとしての出来は原作に忠実かつ良質でした。


一口に漫画といっても、ただ漫然と漫画家になりたいのではなく「ジャンプの漫画家」を目指すお話。
日本一売れている漫画誌の人気作家になる!が目的です。
アンケートの順位で一喜一憂する生き馬の目を抜くシビアな最前線。
その中で夢を叶えるための、ある意味戦いの物語といっても過言ではないでしょう。
決意し、努力し、友情を培い、愛情を育み、挫折し、成長し、(漫画で)勝負し、勝利する という、ジャンプ流の王道を踏襲してます。


劇中で、面白い漫画とは、人気の出る漫画とは、が何度も語られますが、本作そのものが、それをふんだんに含んでいるのは流石。
信頼できる親友と仲間がいて、
愛すべき可愛いいヒロインがいて、
切磋琢磨する強力なライバルがいて、
不屈の意思で目標に向かって突き進む主人公がいる。
そんなベタな少年漫画の世界をお楽しみください。




じつは私、随分前からジャンプは読んでいません。
もうワンピースもナルトも読んでないのですが、バクマンだけは単行本を即日購入する大好きな作品です。

大人も若者も、編集も作家も、みんな真摯に向き合ってる漫画バカ達が愛おしく思えるのは、やっぱり自分もマンガが好きなんだからだろうなぁ、と、しみじみ思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

☆スピスタ☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ダントツに好き!!

個人的に昔からマンガ大好きで溢れるほどの量が家にあります。

そういうのもあるのか、漫画家を目指し頑張る姿や漫画家としての仕事の裏側やその人たちの心情を上手く描いたこのアニメはとても面白く興味深い話だと思います。

この設定でここまで面白く、話を展開させているのは正直すごいです!

アニメを観た後、続きが気になり即マンガ全巻大人買いしたぐらいなのでめっちゃオススメです(^O^)/

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

80.9 8 夏休みで友情なアニメランキング8位
劇場版 のんのんびより ばけーしょん(アニメ映画)

2018年8月25日
★★★★☆ 4.0 (394)
1784人が棚に入れました
旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、いつも一緒に春夏秋冬の変わりゆく田舎生活を楽しんでいます。ある日、デパートの福引で特賞の沖縄への旅行券を当てた「旭丘分校」の面々。夏休みを利用して、皆で沖縄に行く事になるのですが……。

声優・キャラクター
小岩井ことり、村川梨衣、佐倉綾音、阿澄佳奈、名塚佳織、佐藤利奈、福圓美里、新谷良子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

卓よ、世間ではそれを”ハーレム”と呼ぶんだぜ(笑)

TV版は第1期、第2期とも視聴済み。
TV版と1ミリも違わぬ、安定感抜群のほのぼのほっこりな世界観は秀逸です。

【はじめに】
{netabare}原作の単行本に付属されていたOVA『沖縄へ行くことになった』の前後の物語。
無口なのに存在感抜群の兄ちゃんが福引で沖縄旅行を引き当てるシーンと、全員の服装が同じ辺りからもうかがえる。

OVAでは、『沖縄旅行が当たった~!みんなで行くぞ~!』って、みんなで準備して、飛行機に乗ったところで終了。
あれれ?せっかくの「ひか姉&なっつん」コンビがまさかの不発で、どこか消化不良・・・。
そんな感想だったので、この作品はとても楽しみにしていたんです。{/netabare}

【舞台は日常から非日常へ】
{netabare}夏休み。
まずは、いつも通り4人で遊ぶ光景。
そして、偶然に偶然が重なり、デパートで買い物をする4人とかず姉、駄菓子屋、そして、卓兄ちゃん。
いわば、ここまではいつもの日常。

卓が福引で沖縄旅行を引き当てたところから、物語が徐々に”非日常”へと動き出します。

そして本作の舞台、沖縄へ・・・。
いつもの、山に囲まれた世界(日常)から、海に囲まれた世界(非日常)へと・・・。{/netabare}

【沖縄でも”らしさ”全開の面々】
{netabare}まあ、舞台が変わったとはいえ、いつものメンバーですからね。
ほのぼのほっこりワールド全開です。

面々の”らしさ”は何気ないシーンでもしっかりと描かれています。

個人的に一番ほっこりしちゃうのはバトミントンで遊ぶシーン。
れんげとバトミントンをする蛍。
あちこちに打ち返すれんげに振り回されながらも、れんげが打ちやすい位置に打ち返す蛍。
れんげに対して、しっかりとお姉さん役を果たす蛍らしさが良く表現されているシーンだと思います。

飛行機や食事の時の座席など、絶妙で良く考えられているし・・・。

終始ニヤニヤ、頬が緩みっぱなしです(笑)。{/netabare}

【唯一、いつもとは違うメンバーが、良いアクセントに!】
{netabare}民宿「にいざと」の看板娘・あおい。
夏海と同じ中学一年生。

民宿のお手伝いをする、しっかり者のあおい。
夏海にとっては、とても気になる存在。

夏海にとっては、同じ年齢の娘は”非日常”。
気になって当然ですよね。{/netabare}

【旅行の醍醐味の表現が秀逸】
{netabare}旅行の醍醐味の一つは、いつものメンバーで非日常を体験すること。
そして、最終日に感じる、得体の知れない”寂しさ”も醍醐味の一つだと思います。

あおいの存在が、旅行の醍醐味である、”楽しさ”と”寂しさ”を、分かりやすく伝えてくれます。{/netabare}

【個人的ツボ=ひかげの存在】
{netabare}フライング土下座~飛行機でビビる~難聴でグダグダ~子供部屋で床寝~船酔い~天然記念物~大人部屋でも床寝~ベット死守~泣いてねぇし・・・。
終始安定のボケ要員。
「ひか姉&なっつん」コンビは鉄壁(笑)。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 39
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

上映館が倍以上に増えるようです!

初日の舞台挨拶は抽選漏れしたため
翌日にあにこれ面子と一回目
今週の舞台挨拶には当選したので
舞台挨拶付きで2回目を観てきました

そんなかんじで初めて観た日は
アニサマ全通の3日目に
会場に行く前に新宿まで寄り道して観たのもあって
かなり疲弊した状況での鑑賞となりました

しかし、この最上級の癒しアニメのおかげで
だいぶ活力を取り戻して3日目へと向かえたように思います

ふだんののどかな田園風景とは舞台は違えど
やっていることはいつも通りの
ゆったり日常アニメ
ゲストキャラクターのあおいちゃんとの
ハートフルな交流もあったりと
とにかく沖縄の情景がとてもきれいに描かれていて
なんだかキャラクター達と一緒に
沖縄旅行を楽しんでいるような気分になりました

あとはサブキャラクターのくせに
{netabare}ジャンピング土下座にはじまり
難聴ネタ
ふとん
リバース
天然記念物
泣いてねーし!{/netabare}
と要所要所でギャグ要員として出動し
美味しいところを全部持っていくひかげに
今回はかなりやられましたw
ほんといいキャラしてる

そしてあまり間を置かずに2回目を見に行ったわけですが
舞台挨拶は置いておいても
2度目の鑑賞でも1回目と変わらず癒されたし
楽しく見れました

そして今は久々にTVシリーズを見返したい思いに駆られています
1期2期ともにdアニメにあるので
今期のアニメをいくつか切れば見れるけどどうしよう?

閑話休題

この映画かなり見れる劇場が少なく
基本的に都会の映画館でしかやっていない感じでした

隣の芝は青いと言いますか
田舎の人は都会にあこがれ
都会の人は田舎にあこがれるものです

のどかな田園風景とゆったりしたスローライフに
まるで異世界ファンタジーでも見るような感覚で
憧憬の念を抱くのは基本的に都会の生活に摩耗しきった層なので
都会に絞っての公開は戦略的に正しかったと思います

この戦略が吉と出たのかどうかは定かではありませんが
館数からするとかなり好調な収益を上げているようで
今回の舞台挨拶にて上映館が27scrから71scrへと
大幅拡大されることが発表されました

特に東北と九州は仙台と福岡で1館づつの上映だったものが
各県で1~2か所みられるようになり
だいぶ見やすくはなってるんじゃないでしょうか?

もし今まで観たいけど近くでやってないからと敬遠していた方がいれば
ぜひもう一度上映館情報を確認しなおすことをお勧めします

この後全国でさらにヒットすれば
劇場版をもう一作
あるいは3期の制作なんて話になるかもしれません
応援のためにもみんなでぜひ観に行きましょうw

おまけ(舞台挨拶内容・ネタバレ含)

{netabare}今回はれんちょん役の小岩井ことりと
なっつん役の佐倉綾音が登壇
映画に関してのちょっとした裏話などをしてくれました

あやねるの話で面白かったのは
夏海とあおいの関係について

あのど田舎の生活では
同い年の子供がまったくいなかったので
夏海にとってあおいは初めての同い年の友達
そして初めて仲良くなった同い年の子と
出会って数日で別れなくちゃいけない
「ほんと切ないよねー」
と、こっこちゃんと頷き合ってました

こっこちゃんは演じる際に考えていたことを
いくつか話してくれましたが
中でもハッとさせられたのは

TV版ではひらたいらさんとの別れを悲しむれんげを
夏海がなかなかにニクい形で元気づけていました
今回の映画であおいとの別れを悲しむ夏海を
れんげが慰めるシーンは
れんげが夏海に教わったことを
夏海にお返しするシーンだと思っているというお話
言われてみるとなるほどという感じで目からうろこでした

りえしょんみたいに難しいことは何も考えてなくて
それでいて感覚的に何でも器用に演じれてしまう人もいれば
こっこちゃんみたいに一つ一つのセリフの意味を
自分なりにあれこれ考え抜いた上で演じてる人もいる
っていうのが面白いですねw{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残暑お見舞いなのん~

テレビアニメ「のんのんびより」のファンムービーとしては期待を遥かに上回る出来映え!
美しい自然と可愛く楽しい女子キャラたちによる極上の和みと癒し。
ストーリー性も充分あり、70分という、映画としては短めの尺ながら満腹度は100分以上の長編並みに感じる密度の濃さがありました。
作品の魅力が存分に表され、テレビ版を未視聴の方でも、日常癒し系アニメの人気作たる所以に納得し楽しめるのではないでしょうか。

《ストーリー》

旭丘分校の生徒たちをはじめとする田舎の村民9人の沖縄旅行顛末記。
ユーモラスなキャラたちの個性に沿った小ネタ満載の展開にニヤニヤと和むことしきり♪
そんな中にしっかり描かれる、脚本・吉田玲子さんお得意の、ちょっぴり切なくも心温まるハートウォーミングなエピソード。
のんのんらしい優しさもたっぷり伝わり大満足です!

《作画&演出》

テレビ版と同じく手書きの自然風景は美しく、キャラ画との親和性も高くて目の保養になります。(特に夜のワンシーンにうっとり!)

本作のシリーズを通して川面真也監督の演出面でつくづく感服するのは、シーン毎の間尺の取り方。
今回の映画でも、静止したキャラを見せられる度に笑い声や涙をこらえるのに必死になり、長回しで映る自然風景や建物などの器物を見てるだけでうっとりと癒されたり感慨に襲われてしまう。
しっかり情感を汲み取れる時間を充分とりながらも、決して間延びを感じさせないのは卓越した手腕ですね。

《音楽》

テレビドラマと同じくnano.RIPEさんによるOP。
nanoさんは作品に合わせた曲作りが上手く、海をイメージさせるサウンドでバカンスへの出発気分を盛り上げてくれました。
そしてこれまた同じくキャラ4人によるEDは、バックで場面を振り返りながら名残惜しい余韻に浸れました。

また、劇場ならではの音響システムで、水しぶきや波の音、無数の虫の音に包まれながら美しい景色を眺めてると、マイナスイオンのシャワーを浴びながらキャラ達と共に大自然の中に居るような幸せな気分になれました。

《キャラ》

今作では、なっつんこと夏海が一番活躍?
メンバーそれぞれの個性で笑わせてくれる中、いつもはからかい上手の彼女にキュンとさせられます!

あと個人的に一番楽しめたのは宮内三姉妹。
末っ子れんちょんの才能と感受性の豊かさは要所に描かれ、ホント、将来が楽しみな小学1年生。
長女かず姉には、意外な一面に驚きつつ楽しめました。
そして、キャラたちのお笑いの中でも突出してたのが次女ひかげ。
可愛い一面も見せ、今作のR-1グランプリ受賞でしょう♪

《声優さんの舞台挨拶初見学記》

今回、映画上映後にれんちょん役の小岩井ことりさんとほたるん役の村川梨衣さんの舞台挨拶を見る事が出来ました。

幅広い年代の250人程度の観客のほとんどは男性で平均年齢35歳といったところ。
小岩井さんの生「にゃんぱす~!」で始まるおふたりのトークは、村川さんの盛り上げ方も上手で、アニメ関連イベント初参加で変に緊張してた私も和やかな気分で楽しめました。

村川さんの地声は、ほたるんより「ヒナまつり」のアンズっぽく聞こえ、個人的に好きなキャラ声を生で聞けるのはテンション上がる~!
作品の架空の田舎の事をキャストみんなで「(仮)のんのん村」と呼んでるそうで、制作現場の楽しい雰囲気が伝わりました♪

小岩井さんのトークで、 {netabare} れんちょんがスケッチをプレゼントした夏海への気遣いについて、「テレビ版のひらたいらさんのエピソードで、夏海が機転を利かせてれんちょんを元気づけた事に繋がってる」と言われ、 {/netabare}私の感想も深まると共に、小岩井さんの作品への思い入れを強く感じました。


観光地の旅行先がメイン舞台なので、田舎の「のんびりさ」だけが成分不足ですが、それを補う「強壮バカンス成分」がてんこ盛り。
この夏の暑さを和らげるくつろぎと癒しの清涼剤をぜひご一服どうぞ~♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 34

71.4 9 夏休みで友情なアニメランキング9位
キズナイーバー(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (773)
3691人が棚に入れました
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。

かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。

夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。

そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。

しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。

園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」

その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。

互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

声優・キャラクター
梶裕貴、寺崎裕香、島﨑信長、久野美咲、山村響、前野智昭、佐藤利奈、西山宏太朗

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

よかったよ♪

5/8
全く期待しないでみはじめたんですよ。

脚本:岡田麿里
絵コンテ:小倉陳利
演出:田頭悠郎
作画監督:田村里美、坂本勝

TRIGGER制作と私得だったのです。

OPもJOJOとこれ好きだな
BOOM BOOM SATELLITES
「LAY YOUR HANDS ON ME」
EDもいいな

三月のパンタシア
「はじまりの速度」

4話までまぁ、ぼーっと見ていて
5話で訴えたかったのが見えてきて
これ案外化けそうじゃないかと思い
筆を認めた所存です。

じわじわくるな
さらっと上辺をかすんでくるなと
思いつつ見てたのですが
5話で確信
多分?私好み

キャラもまぁ立っていていいのですが
個人的に感情移入しながら見てるのは
愚鈍こと阿形勝平
10代の頃を思い出すんですよね
ああわかるわってぐらいのミラー的キャラ
今は感情こもりすぎてしょーもない人間なんですけども

ラストに最大の希望を見てるのですが
期待しちゃっていいのかな??
地味に楽しんでる私めです。

10話 いきなり重い話がブッ込んで参りました。
いや、このみだよ。
エグいけど。
でもここから希望を見てる。
感情は難しいよね。

最終回

綺麗な終わりかただった。
これは友達の概念がわかる前に見たかったな。
痛みがないと生きてる実感なんて
わからないからね
だから感情は大事なんだよ
閉じ込めていたらだめなのだと
優しく教えて貰った気がした

投稿 : 2024/04/27
♥ : 35
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

収納上手

【2周目】
22.2/28感想
5年越しくらいで思い立って2周目視聴してみました。
内容はうっすら覚えてるけどある程度新鮮な気持ちで見直せるくらいには忘れている。

5話時点》音楽、作画、キャラがかなり良い。声優さんも凄く合ってるので☆0.5ずつup。
思ってたよりポテンシャル高くてビックリして感想書き足すわたし。
ランキング的に『ふつう』くらいの位置付けの作品みたいだけど、物語以外の部分が点数を押し上げているタイプの作品と考えると物語に何か問題が…?

でも、個人的には現時点まで面白く視聴できている。

【2周目完走後】
今まで使ってこなかったあにこれ的定形文使いますが、
これ、“もっと評価されるべき”ですね。
勿論個人的見解の域ですが、物語もとてもよく出来ていました。

ちょっと脱線しますが、最近私的主要コンテンツであるdアニメで観れないやつ(この作品は観れます。)とかまで観たいという想いから、久しぶりにあにこれチェック始めたのですが、結果、10年代の作品を掘るケースが増えまして、その中でもこの作品は、私の肌感とあにこれ評価とのズレが大きい作品だと思います。5話時点でも触れましたがキャラのデザイン、配置のバランスは最高クラスです。
私の場合鬱展開どっぷりは辛く思っちゃうタイプなので、日染やニコのタイミングの良い立ち回りに感動すら覚えました。

BOOM BOOM SATELLITESのOPであの映像はVJですか?みたいな感じで、謎の実験都市感出てるの良いです。
あと、人物像に突っ込み所がある部分をその人物の一面として描き、無理に美談側に寄せたり言い訳しちゃったりしない感じも好感もてます。
{netabare}
あと、組織も突っ込み所満載ですが、突っ込まれるのは織り込み済みな雰囲気は感じます。感じますが、最後めでたしめでたし♪みたいなのは違うかなとは思います。結構エゲツないことやってるわけですから…。
{/netabare}

あと、5年たっても変わらず感心するのが構成の絶妙さです。キャラ(自己)紹介の上手さ、7つの大罪というギミックを嫌味なく振りとして使うしたたかな感じとか、これだけの情報量、多彩な気持ちの変化を1クールに綺麗に収納した力量とか、結末に向けての絶妙なエピソードの配置の仕方とか、評価できる点をあげたらキリがありません。素晴らしい。

(…感想見返すと、2回目だからなのか、観る時のコンディションなのか、歳とったからなのか判らないですが、多少変化してるようですな。。
ま、それもまた真実です。)

ということで改めましてこの作品、

心より謹んでオススメ申し上げます。

【私的関連作品】
M3-ソノ黑キ鋼- … 絶望
冷たい校舎の時は止まる… 漫画(辻村深月)

【myココ重要ポイント】
設定…89
キャラのカラーイメージと恋愛的相性の相関…85
大人の解決能力…23

【過去感想】↓
2016、7年あたり

{netabare}

面白かったです。
基本シリアスなストーリーだけど個性的なキャラクターや謎、ちょいちょいサラッと入れてくる笑いのおかげで重くなり過ぎずになかなか視やすい展開でした。

が、メインのある登場人物が感情表現皆無なのでちょっとイラッとする部分もあるかもしれません。

内容的には世界系だとか青春ものだとかいろんな展開が可能な立ち上がりで期待感十分。
疑問を解消しつつ新たな疑問が出てくる感じの「引き」もよく機能していたし、ちょっと現実的ではないとんでも設定を絶妙な匙加減で使いこなしていたんではないかと思います。

タイトルから「絆」と「傷」を描いているだろうことが容易に想像できると思いますが、まあその通りだと思って間違いありません。

その中で、絆に関しては所謂「人それぞれ」な部分を割とちゃんと描いていて、安易に同調しない感じがよかったです。人と人の関係性のあり方は多種多様で、各々の答え(のようなもの)を描くと共に、答えに対する各々の受け止め方も丁寧に描かれていて、テイストとしてはどろどろありの「濃い味」に分類されると思います。

そういう意味では、概ねココロコネクトというアニメと同類の匂いがします。

正直言うと絆に対する各々の考え方を十分描くのには全くもって同意なんですが、それによって後半独白めいたやりとりが延々展開されるのがちょっとキツくはあります。ちょっとです。

個人的には
感情は行動で示し、説明は極力少なく。が理想なんですが1クールでこのキャラ数でとなるといたしかたないだろう・・とは思います。
まあ、自己紹介をミッション化するなど上手いことコンパクト化を図っていますし、こういう作品で独白めいたセリフが多くなるのは避けられないのかもしれません。

意外だったのは「傷」に関してです。
傷は絆を掘り下げる為の道具。そういう認識でずっと視聴を続けていたんですが、傷についてもかなり掘り下げていたように感じました。

最後しっくりきた理由の1つは、のりちゃんの傷に対する考え方に(設定ならではの)説得力を感じたからです。

まあ、組織に対する突っ込み所は少なからずあるんですが、個人的には些細な問題の範囲です。もっと精密に組織の設定を構築するに越したことはないですが全然許容範囲内でした。

因みに・・
のりちゃんでDTBのインが脳裏をよぎるわたしですw

結構タイプですww

てか、キャラデは総じて良かったですね。これだけ全員のキャラデに納得なのも珍しいです。

あとOPはサウンド、映像共にかなりのクオリティだったと思いますし、OP自体が作品のテイストを謎化する装置にもなっていた印象です。


最後に・・日染くんが {netabare}ド変態→いい人{/netabare} で終わったのが残念である。
彼は掘ってあげるべき。

{/netabare}


以上です(・∀・)ゞ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キズのキズナでつながれた7人の少年少女たちのひと夏の物語。

制作はTRIGGER、脚本に「あの花」「ここさけ」の岡田磨里さんが書いているということで視聴し始めました。
話的にはあの花、ここさけと同じような感じの青春ものと思っていたのですが、キズナシステムといったSF要素の絡んだ青春ものでした。
途中から恋愛要素も加わってより見ごたえのある作品になりました。
心情描写も見事で、キャラの掘り下げもある程度行われました。
OPがブンブンサテライツ、EDが3月のパンタシアなのですがどちらも絵に合っていて好きです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14

77.7 10 夏休みで友情なアニメランキング10位
暗殺教室(第2期)(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (683)
4261人が棚に入れました
南の島で鷹岡との戦いに勝利したE組の生徒達。殺せんせーはカップル成立を目論んで「肝試し」を企画!だが、いつしかE組全員でのイリーナと烏間をくっつける作戦に!?果たしてその結末は!?夏休みも終わりに近づき、2学期へと思いを馳せる生徒達。その裏で謎の男の影も…?

声優・キャラクター
福山潤、杉田智和、伊藤静、速水奨、岡本信彦、逢坂良太、内藤玲、田中美海、矢作紗友里、松浦チエ、洲崎綾、佐藤聡美、川辺俊介、金元寿子、渕上舞、宮下栄治、山谷祥生、水島大宙、間島淳司、木村昴、沼倉愛美、斎藤楓子、日野未歩、河原木志穂、植田佳奈、浅沼晋太郎、高橋伸也、はらさわ晃綺、諏訪彩花、下妻由幸、藤田咲、緒方恵美、宮野真守
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

原作尊重が伝わる安定のクオリティ

原作は、少年ジャンプでリアルタイムで読んでます。
原作は完結しそうでなかなか完結しない状態でスタートしたアニメ二期。
単行本は2015年12月時点で既刊17巻ですが、
松井先生によると15巻からは、
最終回までの各回のプロットは既に決まっているそう。

アニメ版制作スタッフには最終回迄の流れを伝達済みなのか?
お話のゴールは間近のようですが、アニメは最終回まで描けるのか?
アニメ版を、どうまとめ、締めくくるのか、非常に興味深いところです。

今作制作の直前に、アルペジオを劇場版で高評で締めくくることのできた
岸誠二監督と脚本の上江洲誠さんのゴールデンコンビに期待してます。

第2期OP「QUESTION」とED「欠けた月」は初回時は
1期ほどのパンチがなくまあまあでしたが、、
4話目にはすっかりお気に入りの曲になりました。

キャラでは、状況に応じて衣装を変える人工知能の律が
アニメでは毎回おちゃめで可愛いし、
原作以上にいい味出してて一番のお気に入り。

渚のナレーションと的確なツッコミも楽しい。

<各話レビュー>
★ 1時間目「夏祭りの時間」 {netabare}
… 原作単行本第9巻:第74話「怖い時間」、
  第75話「殺しの時間」、第76話「衝撃の時間」より

二期は、二学期の始業式以降からスタートするかと予想してましたがハズレ。
意外にも一期のラスト第73話からの話をそのままでスタート。

キャストも既に2クール演じてるキャラだけあってよく嵌ってるし、
息もあった掛け合いも絶妙で安心のクオリティ。

<告白のつもりが殺白(ころはく)してどーすんのよ!!>
二学期編序章となった今回、
今後のヤバそうな伏線もありましたが
肝試しや「くっつけ」作戦などで構成され
大筋は小休止の日常回。
ヴィッチ先生の可愛さがよく描けていて始終ほのぼの。

放送が真冬なのに夏イベントというのもアレですが
コメディとして十分楽しめました。
{/netabare}
★ 2時間目「茅野の時間」{netabare}
… 原作単行本第10巻:第80話「茅野の時間」、第81話「鬼ごっこの時間」、
  第82話「泥棒の時間」、第83話「泥棒の時間・2時間目」より

第9巻の第77話から巻末の79話に当たる3話分、
前回、水木しげる先生似とされた、
竹林絡みのエピソードは丸々カット。
結構好きなエピですが、
話のテンポ上、仕方ないかな。

お話はいよいよ第10巻に突入。

今回、あまり繋がりのない3つのエピソードを
上手く1話に収めるることに成功してると思います。

・Aパート:第80話「茅野の時間」より

<プリン愛あればこそ>
松井先生も茅野と同じくプリンマニアだそうで
巨大プリンの設定をかなり練りこんだそう。

おかげでアニメでも丁寧な演出で
荒唐無稽なお話なのに妙な説得力があって
ギャグコメディなのに関心しちゃいました。

なにがあっても、ちゃんと生徒たちにもプリンを振る舞う殺せんせー。
ちょっとほっこり。

・Bパート:第81話「鬼ごっこの時間」~第83話「泥棒の時間・2時間目」より

殺せんせー、福山潤さんの
ハリウッド映画などのテンプレ悪徳警官の演技、
踊る大捜査線ネタ(アニメオリジナルの演出)にクスッw

おそらく尺の問題で、鬼ごっこ(ケイドロ)のエピの最後、
烏間を出し抜いた生徒たちの描写はカット。
これも無理ないけどちょっと残念。

<お前は俺より弱い>
自称殺せんせーの弟、イトナ、カムバック!
次回も楽しみ。
{/netabare}
★ 3時間目「堀部糸成の時間」 {netabare}
… 原作単行本第10巻:第84話「限界の時間」、第85話「駒の時間」、
  第86話「執着の時間」、第87話「吐きそうな時間」より

殺せんせーの力というより、
E組の生徒のチームワークのおかげで
イトナ(CV:緒方恵美)がクラスの一員になれたお話。

E組の生徒たちは人しての度量も大きくなってきた。
かつてはトラブルメーカーだった寺坂も
人を気持ちを解きほぐすことができるようになっていた。

殺せんせーの教育は、
生徒の学力や様々な技能のみならず
人格形成にも大きな結果を残してることが
伝わるエピソードでした。

原作の魅力を損なわず、
単行本の4話分を23分に無理なく収めるてる。
その上、原作上のいい台詞やギャグも決して外さない。
上江洲さんの脚本はやはりセンスがいい。
{/netabare}
★ 4時間目「紡ぐ時間」 {netabare}
… 原作単行本第10巻:第88話「紡ぐ時間」、第11巻:第89話「名前の時間」より

・Aパート:第88話「紡ぐ時間より

イトナは寺坂グループにすっかり溶け込んだ。
遠慮ない毒舌が友情の証であるかのようだ。

得意の電子工作の技術で対せんせー用の兵器を作ったつもりが、
E級男子の男のロマンの道具にされそうに…

エロと殺しと物作り、男子の都合をがっちり掴んで、
イトナを中心にいつの間にか輪ができていた。

真剣な作戦のために一致団結する彼らだが…

<ちょっと痴情のもつれが…>
オチには原作の補足となる描写もあって楽しかったです。
ちょっとだけプリズンスクール思いだしました。

・Bパート:第89話「名前の時間」より

一日だけ本名で呼ぶの禁止してお互いをコードネームで呼ぶお話。

コードネームは全員が全員分考え紙に記入、それを箱に入れる。
それを殺せんせーが引き当てたもので、全員分のコードネームは決定。

真面目な対戦訓練で、適当でふざけたネームで呼び合う彼らは
アニメでは声優の演技により漫画より可笑しさ倍増でした。

コードネームと呼ぶより、あだ名が相応しい。

特に笑えたのは、律の”萌え箱”を筆頭に、
ツンデレスナイパー、女たらしクソ野郎、鷹岡もどき、
中二半、永遠の0、メガネ(爆)など

ただ、メガネ(爆)は、竹林のことですが、
アニメでは竹林回がカットされてるので
原作読んでないと意味不明なのが残念。

原作のアレンジが絶妙で、なおかつ補足要素が加わり
今回の面白さは原作以上。

ちゃんと木村君の名前のコンプレックスを救うオチもあって
ギャグだけで終わらせないところが素敵です。

エンディングのキャスト表示で
E組生徒と担当教師3名の役名が本名でなく、
コードネームになってたのには(爆)

CAST
バカなるエロの
チキンのタコ   福山 潤
堅物         杉田智和
ビッチビチ    伊藤 静
---------中 略----------
性別       渕上 舞
って、これは「バカテス」の秀吉と同じくらいの笑撃www

だから岸&上江洲コンビの作品から目が離せません。

次回、浅野理事長親子が久しぶりの登場。楽しみです。
{/netabare}
★ 5時間目「リーダーの時間」 {netabare}
… 原作単行本第11巻:第90話「イケメンの時間」、第91話「体育祭の時間」、
  第92話「戦術の時間」、第93話「リーダーの時間」、第94話「敗北の時間」より

今回は、磯貝悠馬(CV:逢坂良太)の回。
コードネーム:貧乏委員
縁日でゲットした金魚まで食材にするほどの貧乏な母子家庭の苦労人設定。
でもE組の学級委員で、成績優秀、コミュ力あって人望厚くイケメンとして女子人気も高い。

前回は、原作2話分を補足まじえて丁寧に描いたかと思えば
今回は5話分を圧縮して構成してました。
だからといって薄味に感じることなく楽しめました。
ポイントは決して外してないためだと思われます。

体育祭の棒倒しのようなシーンは、アニメで音声と動画で描かれると
やっぱり漫画より見応えあっていいですね。
イトナが勝利を決める際、棒にぶら下がって倒すというアクションが足されていました。

留学生との会話を英語で統一させたのも
ヴィッチ先生の英会話の授業が役に立ってると伝わり良かったです。
キャストの誰が、英会話が上手いか下手かが判っちゃうのは、まあご愛嬌ですね。
{/netabare}
★ 6時間目「ビフォーアフターの時間」 {netabare}
… 原作単行本第11巻:第95話「間違う時間」、第96話「ビフォーの時間」、
  第97話「アフターの時間」、第98話「プレゼントの時間」より

<君たちは強くなりすぎたのかもしれない>
いつもの山中でのフリーランニングの訓練の成果を街中で試すE組の18名の生徒たち。
不注意から、自転車に乗った幼保育施設「わかばパーク」の園長に怪我をさせてしまう。
その責任を取るため、そして失敗から学ぶため、
E組28名全員参加の二週間の課外授業が始まった。

<なんということでしょう!>
『大改造!!劇的ビフォーアフター』…建築情報・ドキュメンタリー番組。
サザエさんの中の人、加藤みどりさんのナレーターが印象的。
殺せんせー、福山潤さんのものまねとBGMで上手く再現。
映像と音響あってこそのパロディ、原作では味わえない楽しさでした。

<蒼き鋼のアルペジオのキャスト再び>
岸&上江洲コンビの推薦でしょうか?
レギュラーのE組生徒は、
渕上 舞(渚、イオナ)
藤田 咲(律、ヒュウガ)
沼倉愛美(中村莉桜、タカオ)
宮下栄治(菅谷創介、橿原杏平)
佐藤聡美(神崎有希子、ナチ(劇場版))
カッコ内の前者は今作、後者はアルペジオでの役名

気付いたのは以上ですが他にもいるかも。

そして今回のゲスト、登校拒否の小5のさくらは山村響さんが演じてました。
つまり渚とさくらの絡みは、イオナとハルナの組み合わせ。
お二人とも演じ分けが巧みなのでエンドクレジット見るまで
この組み合わせとは思いもよりませんでした。
なかなか面白いですね。
{/netabare}
★ 7時間目「死神の時間 前編」 {netabare}
… 原作単行本第12巻:第98話「プレゼントの時間」、第99話「プレゼントの時間・2時間目」、
 第100話「「死神」の時間」、第101話「反撃の時間」、第102話「「死神」の時間・2時間目」、
 第103話「「死神」の時間・3時間目」、第104話「「死神」の時間・4時間目」より

今迄で最強最悪の超一流の暗殺者「死神」登場!
殺せんせー暗殺のため、あらたな外部からの刺客がE組生徒全員を人質にとる。
ヴィッチ先生もE組を裏切り「死神」側に取り込まれ、律もハッキングで無力化された!
E組に最大の危機が訪れ、殺せんせーと烏間先生が救出に向かうが……

「死神」絡みのエピソードは漫画では第99~110話までで12話分ありますが、
アニメでは2回分だけで描くのかな?
テンポがとてもいいです。
カット多いはずなんですが、全然気にならないのは、ポイントは決して外してないからでしょう。

<やる気しね~死神さんに逆らうとかありえねーし 働くぐらいなら電源落とす>
ほんの少しの登場ながら、漫画もアニメもHacked印の律はやっぱり可笑しい。
藤田咲さんの演技は、今回、ここだけ普段の清楚な役柄と違うので、
ちょっとだけアルペジオのヒュウガっぽく聞こえました。
{/netabare}
★ 8時間目「死神の時間 後編」 {netabare}
… 原作単行本第12巻:第105話「「死神」の時間・5時間目」、第106話「「死神」の時間・6時間目」、
  原作単行本第13巻:第107話「「死神」の時間・7時間目」、第108話「「死神」の時間・8時間目」、
  第109話「「死神」の時間・9時間目」、第110話「世界の時間」より

<この教室がどんな結果を迎えるのかはわからない...だが、この場所は...良い世界だ>
今回は、烏間が主役!烏間は、怪鳥音こそないもののビジュアル的には、
70年代の孤高のヒーロー、ブルース・リーのようなカッコよさ。
杉田智和さんのイケメンモードの演技も実によく決まってて、すっかり魅せられました。
ヴィッチ先生との絡みも素晴らしかった。

イトナもいい味出てます。彼の電子工学の才能が
しっかりE組の戦力に活かされてるのも地味にいい。

2回に分けられた死神の時間のエピソード、
カット多くても、キャラの心理描写がとても丁寧だったのが好印象でした。
{/netabare}
★ 9時間目「2週目の時間」 {netabare}
… 原作単行本第13巻:第111話「進路の時間」、第112話「2週目の時間」、
  第113話「1週目の時間」、第114話「渚の時間」より

生徒の進路指導のエピの中で浮き彫りになった、
渚と彼の母、潮田広海(CV:三石琴乃)の話。

広海役に三石さん起用とは少し意外でしたが、結果としては適材適所ですね。
実生活でも一女の母親でもある三石さん。
また「ドラえもん」で、のび太のママ役をもう10年以上演じているだけあって、
母性は、演じなくても自然に滲み出ていて、
さらに狂気を秘めた過保護の母という難しい役を絶妙に演じてらしてさすが。
{/netabare}
★ 10時間目「学園祭の時間」 {netabare}
… 原作単行本第13巻:第115話「学園祭の時間」、
  原作単行本第14巻:第116話「客の時間」、第117話「珍客の時間」、
  第118話「縁の時間」より

一期含め、今迄の敵味方問わず様々なキャラが文化祭でE組の模擬店に訪れる話。
なんとも緩く少年誌ならではのコメディ展開ですが、私は大好きなエピソード。
「昨日の敵は今日の友」的なものはいかなる作品でも個人的にツボです。

実に上手くまとめあげていたと思います。
二期のここまでの話で一番笑えて面白かった。

ここで久しぶり(一期17話以来)の、『いきなり「おしえて!くぬどん」』復活!
今回は、学園の文化祭紹介。
アニメオリジナルのこれ、好きです。
脚本の上江洲さんのブラックユーモアが冴えてます。

本校での浅野の企画した学園祭イベント描写の作画もセンスがいい。

<殺すつもりで売りましょう、君たちの数々の刃を!>
食は和を生み出す意味でも大切ですね。
どんぐりつけ麺、私も食べてみたいです。

修学旅行の不良高校生、わかばパーク関係者、南の島エピのキャラたち、
その他もろもろの殺し屋たち、最後に渚の母、再登場。
中でもユウジが、最もお気に入りなキャラなので丁寧に描いてもらえてうれしかった。
渚との絡み、可笑しくも今回は南の島の時以上に心温まりました。

渚の母は前回と打って変わり、子離れできた母親へ脱皮。

人の成長がちゃんと描かれてるから今作が好きなんです。

キャストの皆さんの演技力も冴えていて始終ほっこり。
{/netabare}
★ 11時間目「期末の時間 2時限目」 {netabare}
… 原作単行本第14巻:第118話「縁の時間」、
  第119話「期末の時間 2時限目」、第120話「殺気の時間」、
  第121話「解放の時間」、より

<正しい敗北を 僕の仲間と父親に>
理事長の歪んだ教育に気付き、素直にE組生徒たちに頭を下げる浅野学秀。
いつの間にか、本校舎生徒筆頭の彼も成長してました。
今まで見下していたE組生徒に素直に頭下げるとは
登場した頃には想像もつかなかった。
敗北から学んで強くなる…
普遍的な真理を自然に物語に織り込んでいて味わい豊か。

テスト問題と格闘する様をファンタジーバトルになぞられる演出
ここはアニメの真骨頂ですね。

{/netabare}
★ 12時間目「空間の時間」 {netabare}
… 単行本第14巻:第122話「空間の時間」、第123話「誤作動の時間」、第124話「教員試験の時間」より

前回と今回の間に、原作漫画はすでに第180話で完結してます。

アニメ2期は全25話予定らしいので残り13話あるよう。
とすると、アニメ1話分につき単純計算で平均、漫画の4話~5話分を
消化していけば結末まで充分描けますね。
これでアニメも、最後まできれいにまとめてくれそうで安心です。

<学秀vsカルマ、学業対戦の巻>

今回の数学の最終問題は、原作の松井先生が、
「中学生の知識で解けるけど、大学受験レベル」という発注で
中学生の通信教育のZ会の方に作ってもらたそう。
採用されたのは、いくつか作ってもらった候補から
漫画に相応しいと判断された選ばれた問題で
先生ご自身も3日かけて咀嚼して全容を理解した上での執筆とのこと。

私は、数学不得意ゆえ解く気も起きませんが
学秀とカルマ両者の着眼点の違いが対照的に描かれてなかなか面白い。

前回に引き続き、ファンタジーバトルの演出に、
アニメの利点が最大限に活かされてましたね。

でも、最高に可笑しかったのは、最後のくぬどんの件。
原作ではちょっとしたギャグをバージョンアップ
シリアス回なのに、こういうの、
いきなりぶちこんでくるセンスがなかなかいいです。

理事長と殺せんせー、教育方針は違えどどこか似てると思います。
理事長は好敵手としていいキャラです。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13
ネタバレ

名無すのレビュアー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

2期で気付いた事( ゚д゚)ハッ!

2話の後半に一瞬だけ!

{netabare}
3年E組女子のバストサイズが表示されてますヾ(*´∀`*)ノヤッタ-♪

E、矢田
D、中村、原
C、速水、片岡
B、倉橋、神崎、不破
A、岡野、奥田、狭間
永遠のゼロ 、茅野(本人はBと言ってるけどww)

イリーナ:B97W60H91(Hカップ?)
雪村あぐり:Fカップ(茅野の姉)

です♪(;//́Д/̀/)ハァハァ


個人的には隠れ巨乳好きなので、狭間、岡田、神崎、倉橋、速水あたりがもう少し大きかったらなぁと(  ˙-˙  )౨ヌルフフ♪

でも速水が以外にCなのは喜ばしい♪


みんなまだ中学生なので将来的には↓

G、矢田
F、中村、原
E、速水、片岡
D、倉橋、神崎、不破
C、岡野、奥田、狭間
姉がデカいので期待込めてC、茅野

というような可能性があります(;//́Д/̀/)ハァハァ
{/netabare}

⚠︎こういう事だけで私は「星5.0」にしてません!
本当にいい作品でした♪

大事な事なのでもう一度言います。

こういう事だけでは「星5.0」にしませんよ…
♪~(´ε` ;)ヌルフフフ~ン

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

殺センセーと3年E組の皆んなとの絆の物語・・・その熱情にただ感涙するしかできませんでした・・・

この作品は、「暗殺教室」の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

この作品からは予想外の幸せをたくさん貰ったような気がします。
①前期視聴の際、殺センセーのキャラデザからこの作品の視聴を敬遠した方もいらっしゃるようですが、殺センセーと3年E組の皆んなとの時間は思いのほか激アツで堪能させて貰った事

②2期「SECOND SEASON」の放送後、そのまま15話からの「FINAL SEASON」まで描ききって貰った事

③物語の終盤・・・殺センセーと3年E組の皆んなとの大切な時間を共有させて貰った事

これも岸監督ならではのサプライズ・・・だったのでしょうか^^?
一番ビックリしたのが②です。リアルタイムで視聴していた際、4月以降のTV番組欄にこの作品のタイトルがあったので、「枠を延長してしっかり描いて貰えるんだ」と思っていましたが、延長はこれまでの経験上1,2話程度だろうと勝手に推測していました。
ところが、いつの間にかタイトルが「FINAL SEASON」に変わっているじゃありませんか。
そこで、原作終了に伴いアニメも最後まで描ききる・・・という情報を耳にしたんです。
こんな嬉しい朗報もあるんですね^^

この物語は、賞金首である殺センセーと椚ヶ丘中学校の底辺と蔑まれてきた3年E組の生徒が様々な触れ合いを通して先生と生徒の絆をしっかり固めながら、底辺からの脱却を目指して生徒たちが成長していく・・・こんな感じの物語です。

3年E組の皆んなも最初はバラバラでした・・・
このクラスに送り込まれる事に対する屈辱や自身のプライド・・・
或いは未来に対する絶望・・・
誰も好き好んでこのクラスを志望する人のいない底辺のクラスです。
でも殺センセーが担任になって・・・烏間先生の他にビッチ先生もこの輪に加わって・・・少しずつですが、3年E組の皆んなに変化の兆しが訪れるんです。

自身の変化が実感できた時・・・これまで出来なかった事が出来るようになた時って嬉しいと思います。
でも、それは何の苦労も無しに手に入れられるものではなく、変われるのは努力をした分だけ・・・
3人の先生からの教えが功を奏したのでしょう・・・見違えるぐらい生徒が進化していくんです。
この進化は見ていてとても気持ち良いです・・・
これまでE組を蔑んでいた人達は、進化したE組を見て何を思うのでしょう・・・

殺センセーは100億円の賞金首・・・暗殺者が黙っているわけはありません・・・
ビッチ先生を含め次々と暗殺者が送り込まれてきました。
でもここには・・・殺センセーと進化した3年E組が待ち受けているんです。

でも・・・中には暗殺者の心中を察すると胸の痛くなるような事もありました。
たった一つの願い・・・それを叶えるためなら人は何でもできちゃうの・・・?
どんな痛みにも耐えられるの・・・?

生徒たちが目の前の階段を一つ一つちゃんと登った時間・・・だったと思います。
こうして物語は「FINAL SEASON」に突入する訳ですが、正直この最終章は私にとって泣きどころばかりでした。

私は当たり前と受け入れてしまっていたため、これまで全然気にする事はありませんでした・・・
殺センセーはどうして3年E組の担任になったのでしょう・・・
それどころか、自ら宣言した来年の3月までの時間を、どうして教師として過ごしたのでしょう・・・
・・・これら全てに理由があったんです。
その理由は本編で確認頂きたいと思いますが、私は涙無しにはこの場面を見れませんでした。

この作品はこれまでの十分激アツでしたが、一気に熱さの加速度を増すのがここからです。
クラスの皆んなの本音・・・そしてそれを自分達が一番納得できる方法を模索し実践する・・・
本気で・・・全部でぶつかり合うから絶対に中途半端なんてできない・・・
そして導き出された答えを総意として咀嚼する・・・
これだけでも生徒の成長を十分に感じられます。けれど、この作品・・・これで留まってくれないんです・・・

烏間先生はE組の皆んなに「余計な事をするな・・・」と言いました。
けれど、皆んなその言葉の本意をちゃんと分かっています。
これまで1年間・・・同じ時間を共有してきた先生なんですから・・・

ここからは3年E組の集大成・・・
例えどんな相手でも、自分達の領域に持ち込めばそこに活路を見いだせる・・・
生きていく上で大切な事を身をもって教えてくれる殺センセー・・・
それを貪欲に吸収する生徒達・・・
殺センセーとE組の間には究極の師弟愛があったと言っても過言ではないでしょう・・・

決める時間・・・
皆んなで出した答えは・・・

今でも渚の泣き叫ぶ姿と声が頭から離れてくれません・・・
そりゃそうだよね・・・泣き叫ぶしかできなかったんだよね・・・
でも・・・優しかったね

オープニングテーマは、3年E組 うた担 [渚&茅野&業&磯貝&前原の「QUESTION」と「バイバイ YESTERDAY」
エンディングテーマは、宮脇詩音さんの「欠けた月」と「また君に会える日」
オープニングのノリの良さと、しっとりとしたエンディング・・・どちらも好きでした。

2クール全25話の作品でした。
この作品って、こんなにも感動する物語だったんだ・・・が視聴後の素直な感想です。
この作品が最後までアニメで見れた事に至福の喜びを感じています。
ホント・・・視聴して良かったと心の底から思えた作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

65.4 11 夏休みで友情なアニメランキング11位
グラスリップ(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (1163)
5332人が棚に入れました
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。

声優・キャラクター
深川芹亜、早見沙織、種田梨沙、逢坂良太、島﨑信長、山下大輝、東山奈央、茅野愛衣
ネタバレ

アガパンサス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

グラスリップ解説最新版・分かりました

ネット上では「分からない」としか言われていない本作品。
いくつかの話をピックアップして見ていこう。ただし最終回の伏線になっているところは途中でも解説してしまうので、一通り観てからこのレビューを読んでくださいです・・・

1話のポイント
{netabare}
1話は最終話への伏線が沢山あるので重要。
・ヤナが「先のことは分からない」と言うが、透子は「ずっと友達でいたい」と言う。
→ヤナの「不吉な」セリフが、話数の進行に伴い、従来の友達関係が壊れていくことの伏線になっている。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→このとき、目をつぶって手を合わせている点に注目。最終話で同じセリフが言われるが、その時は手を合わせないし目をつぶることもない。より前向きになっていることが分かる。つまり、1話の時点で、透子は未来を他人任せというか「なんとなく」しか意識していなかったが、最終話で「はっきりと」意識して「自分で切り開く」ことを決心したのだと言えるだろう。
・ジョナサンが浮いている。残りの名前にフッサールとか出てくる
→間違いなく、「浮いている」ジョナサンとカケルが対応している。
→最終話でユキが「ジョナサンは冒険者だが、残りの名前はみんな哲学者だよな」と言うのに注目。
・透子は「放し飼いがいい」と言うが、カケルは「猫に襲われるだろ」と言う
→自由がいいか、守られているけれど不自由なのがいいか?とも解釈できる。カケルが自分自身の殻にこもっている証拠ともいえる。これを補足するものとして、透子の家でジョナサンが暴れまわるが、これは自由への欲求とも受け取れる。
{/netabare}
2話のポイント
{netabare}
・カケルは透子と会って、初めて映像と声の両方が合わさった欠片を見た。
→カケルは音の欠片を聞き、透子は映像の欠片を見ている
・透子が4人の友達から離れて電車がドン!な欠片
→これは、4人が死ぬという意味ではない。この時点でも想像はできるが、12話で透子が「私がみんなと過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことによって、はっきりと伏線が回収される。つまり透子は4人と親しい友達でいるつもりだったが、それは表面的なもので、実は透子自身は浮いた存在であり、次第にそれが明らかになっていく、ということ。今後の話で、まさにこの映像のようなストーリー展開がなされていく。
・ユキとヤナの恋愛感情が露呈して、5人の友達関係が崩れていく
→カケルは5人にとって「部外者」。しかし部外者の登場によって5人の表面的な関係が崩れていくのである。
{/netabare}
3~6話は、あまり重要ではない。未来の欠片をめぐって視聴者はじらされる。その中で、次第に5人の中の恋愛感情が育っていく回だとみておけば、大きな間違いではないだろう。一応5、6話だけ少し。
5話のポイント
{netabare}
・ヒロの恋愛感情がサチに向いている
・ヤナがユキに棒読みな告白をする
→これで5人の友達関係は完全に崩れてしまった。5人の人間関係はヤナが1話で予言したように「変わって」しまったのである。
{/netabare}
6話のポイント
血なまぐさいケンカがあるが、それ自体はあまり重要ではない
{netabare}
・透子がカケルとのキスシーンの欠片を見る
・カケルが「透子に味方してほしかったのかな」と言う
→透子とダビデの心理的な距離は近づきつつある
{/netabare}
7話のポイント
未来の欠片の正体が判明したり、カケルの今までの人生がどういうものだったかが明確になる非常に重要な回である。
{netabare}
・3人のカケル
→カケルは常に自分を冷めた目、つまり第三者的な目で見ている。これはすべてのことについてもそうである。
・テント暮らしの象徴するもの
→カケルは常に世界の「外」にいる。透子達5人に対しても、輪に入ることはなく「外側」にいようとする。
・透子が「高いところに登っちゃダメ」と言うが、カケルは「少しでも落ちる可能性のある所には登れない」と言う
→カケルは「挫折に対する恐怖」を感じている。だから何事も夢中になることがなく、冷めた目で外から見つめている。このことが、1話で透子に「そんなのお前の価値観でしかないだろ」というセリフにつながる。つまりカケルにとって「価値観」はすべて相対化されており、「カケル自身が何をしたいのか」という部分が気持ちの中に全くないのである。
・最後の砂浜でのシーン。ヤナの後ろ姿から鳥(後にトビと判明する)が沢山飛び出してきて「お似合いカップル」と憎らしくつぶやく「映像と声があわさった欠片」を透子が見る
→「未来の欠片」は、タイムマシン的なイメージで捉えた未来の予測ではなく、その人が抱えていたり自分が遭遇している現実に隠された「本質的なもの」と考えられる。これは最終話で透子が「未来ではなく、まだ起こっていない、でもきっとこれからおきること」という言い方もしている。「未来の欠片をみる力」というのは、「現実に表面的に存在しているわけではないが、そこに潜む本物をみる」能力と言ってもよい。「本当の想いや本音、隠しているもの、隠されているものを見る力」と言ってもよい。少なくとも、「ふつうの意味での未来」とは別の意味が「未来」に隠されていると考えないと、このアニメのストーリーが意味不明になってしまう。透子とカケルは未来予知能力者では全くない。
・9話の伏線として、サチが透子への好意をヒロに打ち明けるシーンがある。その打ち明け方がドロドロしているためか、ヒロはサチと一定の心理的な距離を置くようになった。これを、「ヒロはサチの友達でしかないと悟った」と解釈する人がいる。そうも読めるが、後で二人は登山デートをして、ついにヒロがサチを背負うところまで仲が発展していくのだから、「単なる友達」ではない。10話でヒロがサチへ読書感想をメールで伝えるというシーンからも、やはり二人の関係は特別なものになっているのである。ヒロがサチから一度心理的な距離を置いて冷静になったからこそ逆に本物の愛につながっていくのではないか。
{/netabare}
8話のポイント
カケルと透子の関係が重要な段階に入る。
{netabare}
・透子の欠片:二人の女性の会話中に窓ガラスが割れる→表面的な二人の関係を見破ったということではないのか。
・雪が透子の欠片の中で降り始める
→欠片の中に透子とカケルがキスをするシーンがあり、「やはり二人は両想いであることがはっきりしていくのかな?」と予想することは簡単である。では、雪の正体とはいったい何だろうか?これは、12話で透子が見るカケルの「唐突な当たり前の孤独」のシーンにつながる。つまり、キスをするだけでなく、カケルが抱える本当に重大な問題を透子が理解することによって、二人の関係は単なる肉体関係としての恋愛ではなく「本物の関係」になるのである。
{/netabare}
9話のポイント
{netabare}
・サチが透子とヒロの二人に告白する。
・透子がスケッチに描いた鳥を消している→これがトビの姿なので、7話でヤナから飛び出した鳥はカラスではなくトビではないかと思われる。あまり本質的ではないが・・・
・サチの言う重要なセリフ:「明日のために」→最終話への伏線。明日のために今日を一生懸命生きよう、ということ。
{/netabare}
10話
{netabare}
・ヒロが読書感想メールをサチへ送る。ようやく気持ちが通じ合ったかなと言う感じがする。
・カケルが欠片を見ることができなくなった
→次第に自分自身の「外」から「内側」へカケルの気持ちが移ってきていることの証。平たく言えば、カケルの「自分自身」が「覚悟を持って生きる」決心がつき始めている、ということ。
・「唐突な当たり前の孤独」
→「自分に友達が出来ても、自分が引っ越しなどでいなくなったらその友達は自分のことを忘れてしまう」経験のこと
{/netabare}
11話
{netabare}
・透子とカケルが一夜を過ごすが、カケルは「一緒にいるのが怖い」と言う。カケルは転校しようとしていたが、母に「一緒に世界を回らないか?」と誘われてしまう。だから、せっかく透子と仲良くなったのにまた別れる羽目になってしまい、やがて透子に自分が忘れられてしまうのではないか。また唐突な当たり前の孤独を味わってしまうのではないか。だったらやっぱり透子との仲は無かったことにしよう・・・というカケルの気持ちが読み取れる。
・サチがヒロに「また山に歩いて登りたい」と言う
→そういえば3話では車で登っただけだった。より二人の仲は親密になっている。
・サチが「近くにいるのに相手が見えないって不思議じゃない?」とヒロに言う
→二人の仲はまだ本物になっていないことを想起させる。雪はその象徴であると考えれば、透子の欠片がどういう意味かも説明できる。つまり、カケルがこの孤独についての問題を解消できない限りは、カケルと透子が本物の関係になることはできない、ということ。ただしカケルと透子は二人で花火の欠片を見ることができているので、二人の世界を共有し始めているのは確かであり、本物の関係になっていくと期待できる。もしかしたら、サチも「唐突な当たり前の孤独」を感じていたのかもしれない。病弱で学校にあまり行かないから友達が出来なくて・・・そうした中で透子は大切な存在だったと・・・
・カケルの母のピアノ演奏が始まり、カケルと透子は手をつないで聴き始める。
{/netabare}
12話のポイント
2話の重要な伏線が回収される回である。
{netabare}
これは並行世界でも未来の世界でもない。カケルの感じていた「唐突な当たり前の孤独」を透子が感じるシーンが大半を占めている。透子が「私がみんなと一緒に過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことで、2話の欠片についての説明がなされ、伏線が回収される。最後に、透子は現実の世界に引き戻される。

※補足
「これは単純に透子が友達を失う苦しみじゃないか」という意見がある。そうではない。冒頭のシーンで透子は4人に喫茶店で会っている。でも4人はいまひとつ透子のことを見てくれていないし、花火大会で挨拶しても「覚えていない」。たぶん、カケルもこういう感覚を味わっていたのだろうなと想像できるのだ。さらに、前述したように、このシーンは透子と4人の関係が露呈するという二重の意味もある。失うのではなく、「元々本当は」友達ではないのだ。

※補足2
したがってこれは透子が4人に対して感じた疎外感でもある。その中でカケルだけは「本物」だった。カケルが透子にとって本当に大切な人になった瞬間である。

{/netabare}
13話のポイント
この回ですべての重要な伏線が回収されると言ってよい。
{netabare}
・4人が喫茶店に集まる。ヤナが「偶然5人集まること、前はよくあったよね。」と言う
→やはり2話で透子が見た欠片につながっている。やはり5人の関係は変わってしまい、透子は4人から離れてしまった。これは見方を変えれば、5人の仲は「本当は友達ではなかった」と露呈したともいえる。残る4人の関係も変化しているためヒロが言うように「何かキンチョーする感じ」である。
・カケルが山歩きをしていたのは父の影響と判明する
・透子の母も欠片を見ていたと判明。しかし「思いもしなかったことばかり起きた」と言う
→「未来の欠片」は、やはり普通の意味での未来ではないことは明らか。母は「今、精いっぱいやらないと」とも言う。これが、このアニメで最も重要なテーマと言ってもよい。
・流星には「星に願いを」と言うように、「願い事」の意味が隠されていると言える。将来への希望である。
・「ジョナサンは強いて言えば冒険者」とユキが言う
→カケルは「放浪」ではなく「冒険」を始めた、と読み取れる。前向きに生き始めた、ということ。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→1話の花火大会で言った時よりもかなり前向きな言い方になっていることに注目。すでに解説済み。
・テントはもうない。だからカケルはもういない。しかし一人で登校する透子には「透子」と呼びかけるカケルの声が聞こえる。
→カケルと透子は別れてしまった。二度と二人が会うことはないのかもしれない。しかしカケルのことを透子は覚えているし、二人の想いは通じ合っているのである。だから、「友達ができても自分はやがて忘れられる」ということはもうない。カケルは「唐突な当たり前の孤独」を感じて苦しむことはもうなく、人生の意味を見出して前向きに進み始めているのである。そして、二人をつなげているのが、山で投げたビー玉?のうち、拾い忘れた一粒(最後に出てくる青い玉)、ということになっている。さらに、この山が二人にとっての「一緒に過ごした忘れられない場所」なのだ。また、透子は4人から離れて一人になってしまった(やがて4人からは忘れ去られるかもしれない)が、それは「唐突な当たり前の孤独」ではなくもっと力強い孤独である、という意味も込められている。
{/netabare}
<まとめ>
グラスリップは、要約すれば「カケルが透子と出会うことによって人生の意味を見出した」アニメと言えるだろう。
<感想>
ここまでメモを取りながら「読む」アニメは初めてだった。何度一時停止をしたか分からない。でも「分かった」時の感動はすごいものがある。いやー感動しますよ。TARITARIをはるかに超える、爽やかな美しい感動ですよ。

<補足>
OPで少し幼い透子たちが描かれている意味
→この時点でヒロがサチに好意を抱いている。つまりこのころから5人の関係は変わり始めていたが、表面的には今まで通りのつもりだった・・・と解釈できる。ちなみに、サチと透子が親しかったらしいこともわかる。
ジョナサンがカケルならニワトリが5羽しかいないのは何故?
→ジョナサンはカケルだけでなく透子も象徴しているのではないか?二人とも最後は唐突な当たり前の孤独を共有し、最後はそれを振り切って前へ進んでいくという共通点がある・・・トビはもちろん、カケルのように「世界を外から見る冷めた視点」のようなものを表している。
「グラスリップ」の意味
→グラスとトリップ(旅)と西山監督が言っている。個人的にはこちらの方が好みですね。透子がガラスのようにキラキラしたものの向こうに「未来の欠片」を見る。これを「未来へ飛ぶ=トリップ」と捉えたイメージ。しかしそれではスペルがGlassripにならなければならない。
→Glass+slipで「ガラスが滑る」という意味もある。ガラスが滑ると割れる=5人の人間関係が壊れる、ということ

<日本アニメの終焉について>
 こういう難解なアニメが受けなかったということは、もう日本のアニメは終わりに来たのかなと思えてくる。
 ざっくりと日本のアニメ史を分けるとするならば、昭和世代と平成世代に分けることができるだろう。昭和時代の作品は「何かが起きて」物語の進行とともに大きな山「クライマックス」ができる、という素直で爽快な「格好いい」ストーリー性があった。
 しかしこうしたストーリー性のネタが次第に切れてきた。それが平成時代である。ここで登場したのが「何ですかこれ」的な作品である。それは例えばセーラームーン(ただしTV版、原作は根本的にテーマが異なる)のようなパロディ性のあるものであったり、エヴァンゲリオンや少女革命ウテナのようにストーリーの軸を視聴者の予想を「あえて」裏切る形で完結させようとする作品であった。これは、ネタ自体の新しさを追求するのに限界が生じたために、その構成の仕方について新しい手法を提案したためである。これは、ストーリーにいくつかの解釈の可能性をもたせるものであるため、「考察厨」の間で論争が起き、「話題」になることによって作品が売れる、というビジネスモデルであった。しかし視聴者はすぐにこのモデルに順応してしまい「慣れて」しまった。こういう作品を苦労して作っても、「要するにいろいろな解釈をすればいいのだな」「考えるのではなく感じろ」という風に「冷静な」感想しか出てこない。
 視聴者にインパクトを与えるにはどうしたらいいのか?昨今のマンガ作品は「どれも似たようなもの」や「既に観たことがあるもの」になってしまっている。萌えに走るとただのエロアニメとして批判され、ギャグはネタが古いorひねりすぎとして批判される。SFは既に科学の世界で実現しつつあるものか、既に実現したもののデフォルメでしかない。「技術」に走ってグラスリップのような作品を作ると、「どう解釈することもできない」意味不明な作品と受け取られてしまう。だから、新しいものを作っても新しさが今一つだし、ウケないのだ。
 どこの世界でも、最近「イノベーションの重要性」が叫ばれつつあるが、これはイノベーションが困難になってきている証拠だと思われる。
 ホント、これからのアニメ界、どうしたらいいのでしょうね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 57
ネタバレ

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

確かに理解しがたい作品ではあった。

P.A.WORKSによるオリジナル作品です。

期待していたのにとか意味わからんとかいう

意見が多かったように思います。

そんなことより内容的なことを考えると

確かにわかりにくいのは事実であるのでは

ないかと思います。

ですがそのままにしても意味ないので自分なりの

考察を加えて見ました。(私の勝手な解釈で

出来たところだけなので気にしないでください。)

{netabare}まず、最初から何度も出てきた

未来のかけらと呼ばれたものについては

話数を追うごとに私は未来のかけら⇒世界のかけら

⇒心のかけらと解釈が変わって行きました。

最後の心のかけらですがこの心の欠片は

その名の通りの意味です。心の中に引っかかる

出来事が起きることで見えていた(正確には

感じ取っていたというところかな)ことで

心の埋め合わせ等の役割を出していたように

思います。つまり駆と透子には心の中に穴と

ひび割れがあったという描写の一種であると

思います。駆の欠片が見えなくなったのは

透子に会うことによって共有することで未来の欠片が

見える原因の心の穴とひび割れが修正されて

突然、見えなくなったということです。透子の欠片が

消えなかったのは心の欠片の原因が駆によって

だけでなく、おそらく幼馴染やニワトリにも

あるからだろうと思います。透子の心の欠片の

駆が落ちたり、やなぎが危ない目に

あったりの未来を予兆させるような欠片は

自分の中の分からない苦しみが目の前の対象に

添加された形で見えたからではないかと思います。

さらに雪景色のかけらの描写は上で言った自分の中

の欠片の原因が見えていないときの描写で

12話の雪景色の中の花火大会の様子の欠片は

ほかの幼馴染が透子のことをおいて行ってしまって

いる描写は心の欠片の原因がうっすらと暗示して

いる形だと思います。おそらく、幼馴染の関係が

変わり始めていることで自分の見られ方が変わって

いく事がわからなくなっていまうことを

示しているのではないかと思います。

ここまでの描写から13話の母親との会話を

考えるとあの短い会話ですが透子の心の欠片の

埋め合わせに必要なことを暗示しているかの

ようであると思います。単純に妄想だったという

結論だけではないと思います。これだけでは詳しいことを

考えるのは少しばかり難しく、わかりません。


次にニワトリについての考察ですが、まず5羽しか

いないのはこれも透子の心の欠片の一部であることを

示していると思います。ジョナサンが駆と例えられるの

はおそらく間違いないと思います。

それが駆と会うことによって心の穴の埋め合わせ

にならないことの理由の一つだと思います。

残りの4匹と名前の由来が違うのも駆≒ジョナサン

っていうことを示していると思います。


総称して考察すると欠片は実体がないが存在は

するものである。つまり心理描写の一種であり

そうではないということ。

未来と過去とのつながりを欠片が保っている

ということも考えられます。だから実体がないが

存在する、心理描写であってそうではない

ということにもつながると思います。伏線回収が

されているのかされていないのかはわかりにくく、

どっちの解釈でもつながりは途切れていない

と思います。(分かりやすく回収して欲しかった

ですけど。)

長々と書きましたが私個人の解釈なので

色々と思うことがあるかもしれません。

{/netabare}
まあ、難しかった作品だし、私の解釈は

個人の一つの意見でしかないものです。

私はいろいろ考えられた、わりとよかった作品だと思います。

(伏線の回収をあんまりしてるのかいないのかと思える

展開に見えたのはあんまり良くないとは思いますが・・・)

いろんな解釈で考えてみる一種の文学的な

思考で見てみると面白い作品なのかなと

思います。

10/17 星評価変更、追記

個人的点数評価 75.19点

余談(気にしなくていいです。)
{netabare}
この考察は13話視聴後2時間ちょっとかかって

過去のメモ等をまとめてできました。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 85

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

揺れ動く現実 思春期の幻想というマイナージャンルの佳作

2014年放送のテレビアニメ 全13話

原作 カゼミチ 監督構成 西村純一 構成 佐藤梨香 キャラデザ 竹下美紀
制作 P.A.WORKS

この監督さんはプロゴルファー猿(1985年の初監督)からすでに大車輪の活躍をしている大ベテランです。
封神演義など見事な失敗作も多いんですが、信頼度が高い人ではあります。

カゼミチというのは物語内の喫茶店の名称なので、
原作はほぼ西村純一さんで間違いないと思います。

キャラデ 目が大きすぎないですか?綺麗なんですが目は常軌を逸してます。
作画はP.Aにしては普通以下かも知れません。
特に後半は背景はともかく人物画に粗さが目立ちます。

感想はタイトルの通りで、特に考察など必要ないという考えです。、
もしかしたら、重大な展開を打ち切った可能性もありますので断言できないんですが、
観たままで判断すれば、「揺れ動く思春期の幻想」としか理解できません。

それで大満足ですよ。P.Aキャラで相当エロいシーンが観れるのは至福ですし。
女子中学生がスクール水着でうろうろしてても平気な町です。
などのエロ要素も含めて評価すれば意外な良作。
気持ちよく観れる青春劇です。

グラスリップのタイトルの意味は分かりませんでしたが、
そのまま分解すると、グラスとスリップになります。
ガラス工芸と幻覚によるタイムスリップでしょうか?
ガラス玉と流星、ただの印象風景ですね。


舞台の福井県坂井市は2006年に4町合併で出来た市で、
歴史的には、現在の天皇家の直接の祖先と言われる継体天皇の出身地です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

75.8 12 夏休みで友情なアニメランキング12位
白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (443)
1336人が棚に入れました
「――見えた?」くくるは、そっと、がまがま水族館のヒミツを教える。「ここではときどき、『不思議なもの』が見えることがある」夏の日差しが降り注ぐ、沖縄。那覇市内からバスに乗り1時間あまり揺られた先に、その水族館はある。沖縄本島南部、美しいビーチのすぐ脇にある、ちいさな、すこしさびれた「がまがま水族館」。18歳の女子高生・海咲野くくるは、そこでまっすぐ、ひたむきに仕事をしていた。祖父に替わって「館長」を名乗るほど、誰よりもこの水族館を愛している。ある日くくるは、水槽の前で長い髪を揺らしながら大粒の涙をこぼしていた女の子・宮沢風花と出逢う。風花は夢だったアイドルを諦め、あてもない逃避行の先に、東京から沖縄へやってきたのだ。がまがま水族館に流れる、ゆっくりとした、やさしい時間。居場所を求めていた風花は、「水族館で働きたい」と頼み込む。出会うはずのなかったふたりの日常は、こうして動き始めた。しかし、がまがま水族館は、「不思議」と一緒に、「閉館の危機」という大きな問題を抱えてもいた。迫りくるタイムリミットを前に、ふたりは立て直しを目指して動き始める。かけがえのない場所を、あたたかな寄る辺を、守るために。

声優・キャラクター
伊藤美来、逢田梨香子
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

優しい未来を目指した 心が落ち着く物語

このアニメを見ると、なぜか心地良く、心が落ち着きます。
おそらくそれは、キジムナーのせいかもしれません。
物語全体が優しい色で覆われているようです。

そして、この物語が目指すものは、「優しい未来」のような気がします。
人や全ての生き物にとって優しい未来をつくること。
そしてその未来をつくるのは、水族館を訪れる幼い子供たち。
今は小さくて何もできないけど、海洋生物に興味を持った子供たちが大人になったときには、きっと優しい未来をつくってくれる。
その願いを込めた物語のようです。

そんな未来を想像すると、心が楽しくなりませんか?


主人公は高校生の海咲野 くくる(みさきの くくる)。明るく元気な女の子です。
そして、ヒロイン(?)は宮沢 風花(みやざわ ふうか)。とても美しい少女です。

物語は、くくるが高校を卒業するまでの前半部と、くくるが社会人になった後の後半部とに大きく分かれています。

■前半部:
くくるは夏休みの間は「がまがま水族館」の館長代理をしています。
両親を亡くしたくくるにとって、この水族館は人生そのものと言える大切な場所。
でも水族館は老朽化で閉館が決まっています。
くくるは何としても水族館を存続させようと奮闘します。

風花は元アイドルグループのメンバーでしたが、優しすぎる性格が災いしてアイドルグループを辞めてしまいます。
傷ついた心を癒すべく沖縄に行ったときに、彼女は偶然「がまがま水族館」に立ち寄ります。
そこで彼女は、不思議な体験をするのです。
それは、まるで魚たちが風化の傷ついた心を慰めているようでした。

壁一面の水槽に囲まれている水族館の中は、まるで神秘の世界への入り口。
私達も今度水族館へ行ったときには、風花のような不思議な体験をするかもしれませんね。

ここで風花は、くくると出会います。
くくるを応援しようと決めた風花は、くくるの家に住み、「がまがま水族館」で働くのです。

{netabare} くくると風花は、がまがま水族館を存続させるために懸命に頑張りました。しかし水族館は老朽化により閉館してしまったのです。

このときのくくるの悔しさがとても切なくて…
くくるは元気な時が一番輝いています。だから早く元気になってほしいです。{/netabare}

■後半部:
月日は流れ、高校を卒業したくくるは、新しくできた大きな水族館「アクアリウム・ティンガーラ」へ就職します。そして営業部へ配置されます。
くくるにとって生き物を飼育しない営業部は不慣れな仕事ばかり。くくるは仕事に押しつぶされそうになります。

そんなときに、いつも真っ先に助けてくれるのが風花。
風花は、くくるの姉のような存在です。いつの間にか、くくるにとって最も大切な人へと変わっていました。

自分を助けてくれる人がいつも横にいてくれたら、どんなに辛くとも頑張り通すことができます。
風花の励ましで元気を取り戻したくくるは、与えられた仕事を懸命にやり抜きます。

{netabare}17話では、くくると風花が懇親会を企画します。
皆にくつろいでもらおうと頑張ります。
贅沢な料理はありませんでしたが、二人の皆への感謝の気持ちがこもってました。
幸せの基準は人によって異なりますが、
こんな接待を受けたら幸せな気持ちになるでしょうね。{/netabare}

くくるにとって最も不慣れだった営業の仕事は、いつの間にかくくるにとって最もふさわしい仕事に変わりました。
営業部だからこそ、全ての飼育員と仕事で話をする機会ができました。
営業部だからこそ、催し物企画でお客様と身近に接することができました。
営業部だからこそ、自分が推し進めたい企画を実現することができました。

嫌だ嫌だと思い続けて仕事をするのと自発的に仕事をするのとでは、同じ仕事でも人生が180度変わります。
そして社会人になったら誰でも、くくるのように挫折感を味わうことがあります。
でも、前向きに仕事を続けていれば、きっと報われる日が来るでしょう。


くくるが企画した白い砂の上での結婚式の様子は、とても素敵で頬笑ましい内容でした。{netabare}
装飾品が殆どなく、裸足で行う素朴な結婚式。
でも、壁一面と天井には沢山の魚たちが優雅に泳いでおり、まるで海底にいるような気分になります。
こんな神秘的な結婚式は、参加された方の心に一生残るでしょうね。{/netabare}


前半部の主題歌「たゆたえ、七色」は、とても心地よい歌でした。


私は若い頃に六年間、沖縄に住んでいました。
青い空に白い雲、そして真っ青な海
サトウキビ畑にシーサー
どれも懐かしいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 59

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

また「実写ドラマでやれ!」とか言われるのかな…?(第8話: 引きで新キャラ登場、転機きますね!)

沖縄にある弱小水族館の存続をかけた苦闘+アイドルグループをクビになった少女の再起の二本柱でお送りする感じの、いつものP.A.WORKSによる実写ドラマ風オリジナルストーリー(たぶん2クール作品)です。

これまでの同系統の作品の例に倣い、本作もアニメと並行してコミカライズ版が展開するようです。そしていつものP.A.WORKSなら水族館はあまり上手くゆく気がしないのですが、果たして本作ではいかに…?

でも私は『サクラクエスト』とかも好きだった私は、何だかんだ言ってたぶん最終話まで観ることになると思います。

2021.8.27追記:
第8話まで視聴終了。研修と称して新キャラ登場!

「原作: projectティンガーラ」とクレジットされている以上、単に「がまがま水族館閉館の危機」の現状からそろそろ話が動き出しそうです。サクラクエストもそうでしたが、P.A.WORKS作品の原作クレジットと本編との絡みは侮れません。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32

ファルコーニ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本当に単なるお仕事作品になってしまった

P.A.Worksのお仕事シリーズとして注目されていたアクアトープ完走!

相変わらず作画は上手いし、声優も豪華どころを起用していてハズレがない。沖縄らしさも出ていて、そこは素晴らしい。

ただ、歴代のお仕事シリーズに比べると2クール目からトーンダウンしてしまった印象は否めない。

2クール目からは本当に水族館のお仕事ドキュメントのようになってきて、キャラクターたちがあまり動かなかった。

このお仕事シリーズは過去の「花咲くいろは」や「サクラクエスト」と同じく、仕事の中の葛藤を通してキャラクターの成長を描くところに魅力があったはず。それが花咲くいろはとかサクラクエストでは丁寧に出来ていたように思うが、このアクアトープはそこが少し薄かった。

1クールの終わりまでは綺麗に描けていたように思うが、2クール目からはテーマを持たせづらかったのかな。

とはいえお仕事アニメとしては作画もきれいだし、楽しめるのではないか。仕事で忙しい思いをしている人たちの中には、共感できるポイントもあるはずだ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

86.6 13 夏休みで友情なアニメランキング13位
らき☆すた(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (3595)
17590人が棚に入れました
そもそもは、連載を予定していた作品ではなく、コンプティークで急にページが空いてしまい、そこを埋めるために掲載したのが始まりだが、人気を博したため連載となった。タイトルは、“Lucky Star(ラッキースター)”の意味であり、単行本表紙のロゴにもデザインされている。連載開始時は、主な登場人物4名は高校1年生で、実際の年度が進むと共に2年生、さらに3年生へと進級している(アニメの開始時点では2年生)。ほとんどのキャラクターが左利きである。
女の子たちの、まったり、ゆる~いふだんの生活を描く。

声優・キャラクター
平野綾、加藤英美里、福原香織、遠藤綾、今野宏美、白石稔、長谷川静香、茅原実里、ささきのぞみ、清水香里、前田このみ、西原さおり、平松広和、井上喜久子、古澤徹、小菅真美

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

曖昧3センチ そりゃぷにってことかい?

曖昧3センチ→大体3くらい→円周率→π→おっぱい→ぷにっ
という説があります。畑亜貴さんの発想力は神がかってますねw

原作は萌え4コマ漫画。
ハルヒで一躍注目を浴びた京アニ制作。全24話。

まずOPに度肝を抜かれましたね。キャラを踊らせてくるだろうとは予想してましたが
予想以上にキャラがクネクネ動いており、思わず何度も見返してしまいました。
歌詞も曲も電波っぷりが強烈で、とてもクセになります。

で、内容ですが1話が一番微妙。淡々とし過ぎていて演出にメリハリがありません。
しかし2話は演出レベルが格段に上がっていると感じ、それ以降は毎回楽しめました。
1話で切っちゃうのは勿体ないですね。

基本的にキャラの会話劇主体の作品です。あるあるネタやオタクネタ、
爆笑はなくともクスっと笑えてしまうネタが盛り沢山です。
そして何よりキャラに萌えますね。デフォルメチックなキャラデザが可愛らしい。

私の一番のお気に入りキャラは柊かがみ。
典型的なツンデレキャラで、ツンデレ好きにはたまらないと思います(笑)

不満な点は2クール目以降のED。実験的な演出が多く見受けられる本作ですが、
実写は流石にやり過ぎ。正直萎えました。白石稔は嫌いじゃないんですけどね。

作品の性質からして一気見するようなものではないと思います。
一気見だと流石に飽きがくると思うので1日1~2話のペースで見るのが最適でしょうか。
また、作業用BGM代わりに垂れ流すってのもアリですね。

最後に、つかさのキャラソンがお勧めです。
キャラソンCDが多く出てますが、つかさのキャラソンは群を抜いて素晴らしい出来です。
失敗だって Good night! 寝逃げすることも悪くないよね♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 45
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

内容が無いよう。それなのにヒットしたワケは……

原作未読。

テーマは「共感」。
女子高生4人組を中心とする、「あるあるネタ」集。

0.とりとめのない会話
1.日常生活であるある
2.学校生活であるある
3.食生活であるある
4.家族であるある
5.時事ネタであるある
6.オタクネタであるある

こんなところでしょう。

問題は6番。
ほぼ主人公と言ってもいい、泉こなた(いずみ こなた)が6番を連発します。
したがって、ある程度知識があったほうが面白いと思います。

・Kanonなどの京アニが手がけたKey作品
・涼宮ハルヒの憂鬱
・ポケモンやドラクエなどのヒットゲーム
・ガンダムなどの知名度の高いアニメ
・オンラインゲーム
・コミケ

このあたりに詳しければ、より楽しめますね。
……とはいうものの、実は知らなくても大丈夫です。
周囲のキャラクターが一般人なので、「知らない側に共感」できます。
オタク、そこそこ詳しい人、少しだけ知っている人、全然知らない人。
キャラクター配置が絶妙ですねー。


ストーリーはほぼありません。
ただ単に、日常会話と「あるあるネタ」を流してるだけ。
声優も遊んでます。
会話にアドリブを多く取り入れているそうです。
正直なところ、ラジオでやっても変わらないのでは? と思いました。


とにかく頭を使わずに見られます。
私は、寝る前のヒーリングアニメとして見ていました。
重要な話はほとんどありません。
1話飛ばしても気付きません。


さて、そんなアニメが大ヒットした要因には、OPテーマがあげられると思います。
一度視聴したら忘れない、ユニークな曲と振り付け。
放送当時はニコニコ動画が全盛期で、多くの動画でこのOPが使われていました。

そこからリンクをたどって本編を見る人が現れます。
すると、「あるあるネタ」とパロディの豊富さ、キャラデザイン、ご当地ネタ(聖地巡礼の元)にひかれる人が現れます。
そして、そんな視聴者同士が共感しあって、どんどん大きくなっていったのだと思います。

おそらく制作サイドもそれを見越して作ったのでしょう。
今でいう違法視聴とコミュニティを利用したわけです。


……で、実際に面白かったかと聞かれると微妙です。
特に前半はあまりのゆるさに断念しかけました。
それでも、中盤あたりになるとキャラクターに慣れてきます。
おかげでネタの質が上がったように感じます。

また、終盤には唐突ながら感動シーンが。
そして、実は{netabare}OPテーマ{/netabare}が伏線になっているという意外な作り。
{netabare}
最終話でOPテーマを踊ったときには正直感心しました。
{/netabare}

時間はかかりましたが、内容重視の私が最後まで見られた理由は4つ。

・まったりとした安心感
・パロディの元ネタが分かったときのうれしさ
・耳に残るOPテーマ
・少しずつ良くなっていく(ように感じる)ネタの質

まとめると、

「これと言って面白いわけではない。しかし、慣れてくると、惰性で見てしまい、気がついたら見終わっていた」

という感じです。
まさに日常系ですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 68

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

日常系が日常系にして在らず

ほのぼの系の女子高生達の日常を描いたアニメだが、日常が日常にして在らず!!
日常の何気ない疑問から、ヲタ的要素の突っ込みどころが多くて非常に面白かった♪♪

作画に関しては、流石は京アニ!!素晴らしいの一言につきる!!
音楽に関してはOPがグンを抜いてますね♪
最後に皆で踊ってくれたシーンが非常に私は好きでした!!

ハルヒからこなたへの声の変わりようは、【平野綾】は流石としか言いようがない!!
いろいろと叩かれていますが、やはり彼女の声優としての実力の高さが伺えます!!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

81.7 14 夏休みで友情なアニメランキング14位
僕のヒーローアカデミア(第3期)(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (435)
2657人が棚に入れました
超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。No.1ヒーローのオールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、クラスメイトたちと互いを高め合う切磋琢磨の毎日を過ごしていた。雄英高の生徒同士が激突するビッグイベント「雄英体育祭」、プロヒーローの下で技を磨く「職場体験」、“ヒーロー殺し”ステインとの死闘、期末テストでのオールマイトとの戦い、そして敵(ヴィラン)連合の死柄木弔との邂逅…。次々と課される試練に対して、デクはヒーローを目指して果敢に立ち向かっていく。一方、死柄木や、オールマイトの宿敵である巨悪オール・フォー・ワンも仲間を増やし、その悪意をふくらませるのだった。デクの、最高のヒーローになるための道と、敵(ヴィラン)たちとの戦いは、ますます加速していく!

声優・キャラクター
山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、悠木碧、井上麻里奈、増田俊樹、諏訪部順一、内山昂輝、三宅健太、大塚明夫

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

幼少の砌に見た大きい背中。僕の、私の、憧れのヒーローたち。

わたしは兎角、ヒーローと名のつくものに目がありません。作中でカッコイイ男の背中を見るだけで涙腺が緩んできます。背中で語るってやつ?古くはフライシャー・スタジオで作られた『スーパーマン』。アニメじゃないですが仮面ライダーや戦隊モノは今でも子供達に愛されています。

№1ヒーロー“オールマイト”に憧れた少年が自分もカッコイイヒーローになるため、夢に向かって突き進んできました。今回はそんな少年が成長する瞬間、誰かを守るために立ち上がれるヒーローとしての背中を見ることが出来る第3期。全編通して最大の事件が前半に起こるため、後半の4期へ向けたストーリーは少し盛り上がりに欠け落ち込みますが4期は決定しているので問題ないかと思われます。(これで続かないなら大問題ですが)

本作の見所は、何と言ってもハイクオリティーなバトルと多彩な能力を持ったヒーローやヴィラン(怪人)、社会においてのヒーローの立場や在り方を問われ続ける事です。成長していく主人公だけで無く悪と戦うヒーロー達それぞれの正義や、力を持った人間は悪と正義の表裏であること。安定した平和を保つ為のシンボルである“オールマイト”が死地に赴き、人々を守るために戦う姿など、手に汗握って涙なしでは観られません。今回あった師弟の名シーンはどちらもカッコよくて体が震えました。今までで最高のクールだったと思う。前半は大きく分けて2つの事件が起こりますが、そのあとの後日談も大好きです。お母さんがカッコイイのだ…流石、出久(いづく)のお母さんだなと思う強さでした。


“きっと誰もが誰かのヒーロー”

男女関係なく子供の頃のヒーローはいたと思います。

プリキュアかセーラームーンで世代がバレると聞きますが彼女たちもヒーロー。私にとっては、悪役でもヒーローだった!なんて人達もいるでしょう。作中でも“自分にとってのヒーローとは?”のテーマがあります。続編が決定した『ワンパンマン』でも怪人に憧れるアンチ・ヒーローが奮闘していて大人気ですね。2期楽しみだぁ…。

『劇場版 僕のヒーローアカデミア』サポーター『千鳥』ノブさんのヒーローは自分のお父さんらしいです。出久にお母さんやオールマイトがいたように、背中を見せてくれる大人や憧れが存在することは大事なのだと思いますね。ちゃんとした人がいないとヴィラン(怪人)になっちゃう。

わたしだったら誰かな…?

……




悪役ばっかり思い浮かびますね。ヴィランの才能がありそうです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

更に向こうへ! Plus Ultra!!(ぱ~と3)

熱さ全開のこの作品も3期を迎えました。
相変わらず…というより熱さは更に増している気がします。

目標に向かって邁進する雄英高校ヒーロー科1-Aのみんな…
これまでは個々の個性をブラッシュアップすることに重点が置かれていたと思いますが、3期ではチームプレイをだいぶ意識した教育方針が取られていたと感じました。

ヴィランとの戦いは常に1対1ではありませんし、誰一人として同じ個性を持つ人間はいません。
従って、実戦を想定するとみんなの個性を上手くつなぎ合わせて最善の一手に昇華させる必要があるんです。
でもこれって口で言うのは簡単ですが、実践するのは並大抵のことではありません。

仲間の個性を良く知ること…これは当然だと思いますが、最低限必要なのが仲間を信じることです。
勿論、普段から1-Aの結束は固く、お互いが信頼し合っているのは分かります。
けれど、例えば自分の命が危険に晒されて、次の一手が自分の命を守る一手じゃなかったら…?
自ずと自身の安全を優先してしまいませんか?

でも、それじゃ駄目なんです…
次の一手が自分の命を守る一手じゃなくても、自分の一手で仲間を助けられるなら次に仲間が自分の命を絶対に助けてくれる…
僅かな隙や躊躇で1秒だって無駄にできない直面で、真っ先にそれを選択できるなら本物だと思います。

命を懸けるかは別にして、私たちの仕事でも一緒だと思うんです。
それは、最前線で戦っている人間は目の前の一瞬に集中しなければいけないので、思考パターンと行動がどうしても単調になってしまいます。
人間は同時並行的に複数のことを高いレベルで処理することができません。
それが故の適材適所なんですから…

最前線で戦っている人にしか見えない世界は確かにあります。
ですが、一歩下がって全体を俯瞰している人間にしか見えない世界もあるんです。
会社である程度階層別に物事が判断されるのも、それぞれの階層で見るべきポイントと気付くリスクが違うから…
これこそチームプレイの強さの醍醐味だと思います。

こうして個々の能力を伸ばしながらチームプレイの真髄を叩き込まれる1-Aのみんな…
彼らを取り巻く周囲の状況が刻一刻と変化していきます。
絶対的ヒーロー数の不足やヴィランの暗躍…

学生って…新入社員もそうですが金の卵なんです。
本当は時間をかけてゆっくり学んで欲しいと思いますし、出来る限り危険を排除したいとも思います。
でも、教える側にその余裕が無いんですよね…
これはこの作品でも…私たちの仕事でも一緒です。

私たちの仕事に例えてみると、携帯電話やPCの発達と普及によりどこでも仕事が出来るようになった結果、人は減るけど業容が広がる…といういわば矛盾が起こっています。
確かに遣り甲斐は感じますが、自分の業務で手一杯なので満足に教える時間が割けないんです…
まぁ、教わる方も残業規制などの縛りで十分な時間が取れないんですけどね…

でも周囲の状況は変わってもデクたち1-Aのみんなの情熱には微塵の変化もありません。
今も昔も変わらず目標に向け全力全開で突っ走るのみです。
頑張った分だけ結果は絶対についてくるから…
だから可能な限り高みを目指して欲しいと思います。

オープニングテーマは、UVERworldさんの「ODD FUTURE」と、Lenny code fictionさんの「Make my story」
エンディングテーマは、miwaさんの「アップデート」と、菅田将暉さんの「ロングホープ・フィリア (TV Limited)」

2クール全24話の物語でした。
冒頭にも記載しましたが、この作品特有の熱さは上昇の一途を辿り続けています。
そして嬉しい事に4期の制作も発表されました。
ストックがどれだけ残っているかは分かりませんが、視聴を楽しみに待っていたいと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

カッちゃんが嫌われたり好かれたりすることについて

ヒロアカ3期です。
私が読み終えた原作に追いついてしまいました。

今回は仮免編がメインでしょうか。
見直さずに勘と記憶で書くね。

仮免に向けた修行→仮免→インターンかヒーローの実習の導入
で終了。

私の好きなキャラはカッちゃん。
今回は彼について話して見る。

彼は個性と独特な向上心でUA学園1年生のトップの辺りを走る。
色々あって精神的にも成長しているが口が悪い。
元々賢いキャラなのに、なんで口が悪いんだろうね?

まあ正直、キャラとしてそれで差別化を図っているのだろう。

見た感じ、腹の中ではあの口調でしかし表では取り繕う、
最低限の礼儀を言葉にするぐらいできると思う。
この礼儀知らずな感じが物語のイイ方向に使われなければ、
なんか可哀そうなキャラで終わるだろう。

尊敬しているヒーローがオールマイトなんだしね。
どうしてNo.1ヒーローたる理由などすぐ分かるはずだ。
一方、オールマイトとカッちゃんとの単純な力量差は歴然としたものがある。
そこに追いつくためにはどうするか、
なりふり構わず突っ走るしかない、と思えれば彼の態度や言動を無理矢理理解できないこともない。

力あって初めてヒーローとして、勇者として存在ができる。

基本、まじめな優等生のデクとの対比としてはいいのだろう。

カッちゃんが報われることはあるのかね。

デクと再戦したときは胸が熱くなるものがあったよ。

高校1年生だし、今後の成長に期待します。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

69.0 15 夏休みで友情なアニメランキング15位
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ映画)

2017年8月18日
★★★★☆ 3.3 (461)
1770人が棚に入れました
物語の舞台は、夏休みのある一日。花火大会をまえに「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」の答えを求め、町の灯台から花火を見ようと計画する少年たち。一方、クラスのアイドル的存在・なずなに想い寄せる典道は、時間が巻き戻る不思議な体験のなかで、なずなから「かけおち」に誘われることに……。何度も繰り返す一日のなか、なずなと典道を待ち受ける運命は? そして、果たして花火は下から見ても、横から見ても丸いのか?

声優・キャラクター
広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子、花澤香菜、浅沼晋太郎、豊永利行、梶裕貴
ネタバレ

YwJje43950 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

打ち上げ花火 ”もしも玉”

{netabare}”もしも玉”というものが時系列的に一番最初に確認されたのは、なずなの、死んだ父が海で手に持っていたところだったと思うんです。
取り敢えず1回観ただけなんだけど、この”もしも玉”とは何だったのか、というのが掴めない。メタファー的な意味でね。
それがあると、最後の方の、歪んだ、されど理想的なあの空間と、その崩壊・消失に意味を持たせられる気がするんだけれど。
頭良い人に何かしら、良い感じのをこじつけて貰いたいところだ。皮肉じゃないよ。
より良い解釈を示して欲しいという、頭の良い他人の頭で感動したいという、楽したいという気持ちです。いちから解釈するには、少々難解な部分の多い作品だからね。

岩井俊二が脚本の会議段階で提案した”もしも玉”というアイデアは、元々のオムニバステレビドラマにおいて前提とされた『If もしも』という、物語の基礎の説明という役割を担わせるという目的があったようだ。
パンフレット内の”もしも玉”に関しての言及といえば
『いろんな人たちの”もしも”っていう思いが凝縮された何かなんだろうっていうところに固まっていって、玉ということで花火と対極としてひとつのシンボルにもなる...』
というものと、他には劇中のあらゆるキーワードの紹介をしているページ。
私としては、最終的に2人が行き着いた閉鎖されている感のある例の歪んだ世界では、まるで”もしも玉”の中にいるかのようではなかったか?と思ってたんですけど、その【キーワード集】を読むと、制作側もやはり、なずなと典道の行き着いた歪んだ空間のデザインは、”もしも玉”の中に居るようなイメージでコンテを描いたとのことだ。
ただ、『(そうすると)きれいかなと思って、...』という、文脈なんですけど。
花火と対極的な玉の形をもって、”もしも”という思いが凝縮された、”もしも玉”。
なずなの父は、生前使っていたのかな。
それとも、父の思念的なものが生んだのかな。
劇中、これに関してヒントはあったのだろうか。
ここまで書いておいてなんだけど、1回観て分かるほど私は頭よくないよ?


ところで、あの歪んだ空間は、まるで”もしも玉”の中であるかのようだったけど、あの町を囲うドーム状の歪んだ壁は、典道の空想・妄想の限界なのではなかろうか。
言い換えれば、典道の”もしも”の限界だったのではなかろうか。
町の外の事を、子供の彼らはまだ何も知らないからね。
そういうふうに意味付けるとどうだろう。
出来事の順番を忘れたけど、どこかのタイミングでドーム状の歪んだ壁は消失した。
彼は、周りより一歩先に大人に近づいたという事かな?
だから最後のシーン、クラスに典道は居なかったのかもしれない。
追記:海中のシーンで、2人の顔が大人になってるというツイートを見まして、確かめたい気持ちが強まりますよ〜。
あと、コレうろ覚えだったもんで書かなかったんですけど、劇中、電車に乗って、海の上を走って、結果何処へ行きましたっけ?
何処にも行けずに戻ってきたと記憶しているのですけれども...。
これってやはり、上で書いた”もしも”の限界によるものではないかなと思うのです。
”もしも玉”が砕けて、彼らに降り注ぐのは外へ飛び出していった彼らの可能性。
やっぱりあの夜って、彼らが大人になる劇的な瞬間だったのでは?
あぁ、記憶力よ。もどかしい。
追記2:”打ち上げ花火”と同じくシャフトの作品である、”まどかマギカ”の、劇場版、”叛逆の物語”ってあるでしょう?
{netabare}劇中の、ほむらの生んだ魔女空間と、”もしも玉”の空間とは似てるっていうレビューを読んで、正直、あまりピンときてなかったんですけどね、コレの意味が遅ればせながらようやく分かりました。
そういえばアレも、バスに乗って街の外へ行こうと試みて、行けなかったんですよねぇ。
何故なら、ほむらはその行き先の街並みを知らないから、再現のしようもないという。
たしかに、”もしも玉”空間とそこは同じですよね。
{/netabare}

打ち上がった”もしも玉”が花火のように破裂して、その欠片に、選択によってはあり得た”もしも”の世界が映り込む。
その一欠片を手にした事で生じるのは何だったか。
海の中での一連の出来事の意味は?
今作品の最初のほうのシーンで、なずなが玉を拾ったのと、歪んだ空間内のラストとが同じ場所であることは何を意味するか。
あの脱ぎ捨てた服だって、思い返すと最初のほうに伏線があった気がするぞ?
いやぁ、うろ覚えだ!1回観て語れるようなものではないわ!

追記:あにこれのレビューを改めて読んでいたら、ストライクさんの、今作のラスト、典道がクラスに居ない事についての解釈、良いなぁなんて思いました。
”男の典道は、願望の世界に浸るロマンチストなのかもしれない。”
でも、それだとハッピーエンドでは無いよなぁ...
典道のほうはその夏の恋に囚われちゃうって事でしょう?
"秒速5cm"的な関係でしょう?言いたいこと分かります?
やはり私としては、”もしも玉”空間の壁が砕けて外の世界へ飛び出していった彼らの可能性が降り注ぐあの演出を思い出すと...
でもね、いずれにせよ私の中で正直、未だに完全に納得いく解釈は得られてないんですよね〜。
まぁ、このよく分からない感じも好きですけどね、夢見心地で。

グダグダと書きましたが、この作品について簡単な感想としては、
シャフトには向かない題材ではないか、という事。
これは正直観る前から思っていた。
だからある程度、滑る覚悟はしていたりもした。
実際、賞賛するようなものでは、たしかに無かったと思う。
話が難しい以前に、例えば不自然なCG。冒頭の自転車等の動きなんか気になってしまった。
元の作品の人気、アニメとしての粗もところどころ見えてたし、また、分かりやすい感動!の物語を求めていた、脳の動かない人の多さも、大衆に向けた広告があっては仕方なく。
批判の多さも妥当かと思う。
でもね、ネット上のこの作品に対する批判はどうも(この作品に限らないけど)誠実でないものが多い。
後半の展開が原作と違うという点がお気に召さず、ただ叩きたいだけの価値のない批判をしてるブログが、少なくとも今、私がこの文を書いている時は検索上位にあったりして、嘆かわしい限り。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

蠱惑の球面

元ネタである岩井俊二監督のスペシャルテレビドラマは視聴済み。

球とは実に不思議な形をしています。
どの角度から見ても見える形は同じですが、
見えてる面は視点によって全部違う。

その上、光の加減まで考慮すると球はさらに神秘的。
特に例えばガラス玉のような透過性の高い球体ともなれば、
光の屈折まで加味されて見る視点によって輝き方が目まぐるしく変わる……。
そして、その透き通った球体は、あらゆる光を集めると共に、
球の境界を隔てた人々の視線や思念、願望をも惹き付け誘惑するのだ……。


本作は原作にもあった花火の見え方のウンチクによる好奇心刺激に加え、
シャフト作画によって全編に散りばめられた円柱、球形への違和感、興味。
それらが心を浮つかせる夏の空気、ヒロイン少女の魅惑的な美しさ等により加速され、
常識や倫理の壁をも超越して行く、真夏の青春アニメ映画。

主人公少年らと共に気持ちよくジャンプするには、
映像全体が醸すムードに憑かれることが必須で、ハードルはやや高めですが、
私としては夏に劇場鑑賞チャレンジした甲斐があった作品でした。



本作は単純に興味を持って観る。のとは別に色々な動機での鑑賞があり得る作品ですが、
以下、それぞれの立場からの見え方を想定してみると……。


①岩井俊二監督作のリメイクを期待して本作を観る。

……これは正直かなり失敗するリスクが高いと思われます(苦笑)

{netabare}私が思うに原作ドラマは脚本、シナリオ等により賞賛されているだけでなく、
90年代当時の子供の世界。その再現性によるノスタルジーにより、
年々、思い出としても美化され続けている作品。

(例えば{netabare}本アニメ映画だと少年宅でプレイされるゲームは『キラキラスターナイトDX』という
2016年発売のファミコン用新作レトロゲームという恐ろしく懐古狙いなマニアックぶりですがw
原作ドラマではスーパーファミコンの『スーパーマリオワールド』という大衆向け定番作 {/netabare})

それら当時の流行も取り込みつつ、しょーもない冗談や下ネタを言い合うw
ガキの会話あるあるな掛け合いが醸す、子供の世界にリアリティや説得力があります。
こうした子供の世界に背伸びしてる感を纏わせつつ、
大人の都合と対峙させることにより、物語の推進力と共感度をアップ。
さらに当時15歳の美少女だったヒロイン役・奥菜恵さんを画面に閉じ込めた希少性と相まって、
今なおタイムカプセルのような輝きを放ち続けている原作ドラマだと思います。

対して本作は後世、思い出となり得るような同時代性の強調は控えめ。
(例えば{netabare} スマホが出て来ない時点でタイムカプセルにはなり辛いですし、
松田聖子さんだの観月ありささんだの叫んでいる時点で
原作の時代に対するオマージュの方が勝っています{/netabare})

むしろ本作は花火の見え方というSFファンタジー世界展開の着火点により注目し、
そこからオリジナル要素も広げていくシャフト作品。

加えて本作では何故か主人公少年らを原作ドラマの小6から中1に設定変更していますが、
原作の掛け合いの流れも引きずっているためでしょうか?
少年少女たちの言動が今風でない感じがするだけでなく、
微妙に小学校卒業してない感じが、
原作ドラマ視聴後だと目につきやすく、それらがストレス要素になりかねません。{/netabare}

いずれにせよ、リメイク期待組とのキャッチボールは波乱含みのようです。

もしも原作ドラマ未見で、ドラマ観てから本作観に行こうと検討されている方がおられたら、
私としては是非、そのまま、よそ見をせずに映画館に直行することをオススメします。


②『君の名は。』川村元気氏のプロデュース作として、前年の感動再現を期待して観る。

……これも大分、失敗するリスクが高いと思われます(苦笑)

{netabare}特に『君の名は。』を気軽なエンタメ作品として楽しんだ方は、
それを期待して本作を観ると事故る可能性がいっそう高まると思われます。

『君の名は。』は何となく観ていても状況は説明してくれるライトな作品でありつつも、
深読みしても得るものがあるコアな作品でもあった、
間口の広いヒット作だったと私は考えていますが、

本作の場合は作画や表情、ちょっとした台詞の違いなどを深読みしに行かないと、
状況すらも把握し難く、物語の迷宮入りと共に、失意の途中下車に追い込まれかねません。

逆に些細な違和感から考察を巡らすことができる方なら価値を見出せると思います。{/netabare}


③シャフト、新房昭之監督のファンとして本作を観る。

……これはまだ割と期待できそうです。

{netabare} そもそも背景絵等が醸すムードが作品を牽引する構造である以上、
まず本作でも相変わらず癖がある作画、構図等に興味を持って鑑賞し続けることが、
作品と折り合うための必須条件。

何じゃ!?このワケわからん絵は~~wとなるか、
あっこれやっぱりシャフトだ(笑)イヌカレーだ(笑)とニヤニヤできるかは、
本作でも満足度を左右する重要な分岐点になると思われます。

但し作画レベルは背景画等については良好ですが、
人物描写、特にキャラ造形の安定度等については標準レベルなので、
至高の劇場版作画を求める等の過度なハードル上げはオススメできないと思います。{/netabare}



以上、色んな角度から長々と書いてしまいましたがw

簡潔にまとめると本作は普段あまりアニメを観ない層にはあまりオススメできませんが、
コアなアニメファンや、あにこれユーザ等には、
合う合わない、好き嫌いも含めて、是非、感想、考察を聞いてみたい作品だと思います。

例えば核心部分について、私見を述べると……

{netabare}あの夏、最後、典道は平行世界に飛翔したまま戻って来なくなった。
なずなは元の世界に戻って転校し、典道を待ち続けている……。
というのが私の解釈と言うより願望?ですが、如何でしょうか?

典道も平行世界から一応、戻っては来たけど……という見解が多そうかつ、
妥当性も高そうなラストではあったのですが……。
「もしも玉」と平行世界の妖しさに取り憑かれた私としては、
あっさり元の世界に戻って来るのは何か勿体ない感じもするんですよね……。{/netabare}

みなさんの評価、感想……お待ちしております♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

名作ドラマのアニメ化…心揺さぶる青春恋愛ファンタジー

【視聴前】
この夏の楽しみ、それは終物語の続編とこの映画です。共通点は「シャフト制作」というところです。

岩井俊二の名を世に広めたことで知られるこのタイトル。もう20年以上前になるわけか…。衝撃だったのは主演の奥菜恵。こんな可愛い子がいるんだ…というくらいビックリしたのを覚えています。あれから…時は残酷であるの見本としか言いようがありません。

名作映画のアニメ化というと、時かけを思い出しますが、あれは原作ありでさらに中身は全く違うものになっています。これは作品をなぞりながらだというのでこれまでにはないパターンと言えるかもしれません。予告編見ましたが、絵がシャフトだなと感じます。というより、主人公、どこからどう見てもガハラさんだよね…。それもそのはず、キャラデザインは同じ人だった。作中、首を変な方向に曲げたら…。

新房×シャフトなので内容も絵も心配はしていません。自分好みの面白い作品のはずです。が、心配なのは中の人、主役の二人です。予告編ですでに「あれっ?」となっています。特に広瀬すず。すでにキャラデザインと声が合っていないし…。

【視聴後】
この映画を見る前にもう一度実写を見たいと思いレンタル探したけど、もう20年以上前の作品だけになかなか探しきれず…。諦めかけていた時、偶然にもスカパーの日本映画チャンネルで放映していたのでじっくり見ることができました。そしてこの作品を鑑賞。実写を丁寧にオマージュしているなというのが最初の感想でした。アニメ化にあたって、スタッフは実写を細かく分析して、アニメでも通じるところはそのままに、また、原作のイメージを壊さないことを念頭に置いていたのかなと思います。そして、その上で現代の言葉や風景、風俗に当てはめていたと感じました。面白かったのは{netabare}スラムダンクをワンピースにしていたのに、なぜか「観月ありさ」は残したところ。今なら「広瀬すず」でも良いじゃないかと思いますが、これはスタッフの遊び心か、なんなのか判りかねます。{/netabare}

名作と言われる原作ではなかなかアニメになりにくいです。あれは素の子供たちがそのままの姿で演じ、幻想的な部分になり勝ちなところは現実の描写で伝えようとしているとこが良いわけです。が、アニメにするならさらにプラスアルファが必要と思っておりました。そこをうまくファンタジーでまとめたと思います。{netabare}原作では典道となずなは駅舎から帰ることになります。ここからなずなが引っ越すのか残るのかは曖昧なままで終えることになります。アニメでは駅からが本番になっていきます。でも終わりは原作のように曖昧なままで終えるのですが…。{/netabare}それから原作と決定的に違うのは恋愛要素を強めた点。典道となずなの関係は原作では恋しているのかなんなのかをなずなの表現だけで想像させる作りになっています。{netabare}祐介と典道に水を掛けるシーンでのなずなの表情がまさにそれ。アニメでも見事に表現されていました。{/netabare}この辺りは「君の名は。」の影響が大きいような感じもしましたがさて…。

作画はきれいなシャフトという感じです。シャフトの不可思議な描写は控えめにしてます。感心したのはとにかく水の描写がきれいです。ホースからの水の出方が美しすぎて見とれました。それと、なずはどっからどう見てもガハラさんです。ガハラさん好きの自分が言うのだから間違いありません(苦笑)。シャフ度ぎりぎりに抑えた首の角度にしびれました。でも…中学一年生には見えない…。とはいえ、原作のなずなは小学6年生で奥菜恵だったからなぁ…あれも小学生には到底見えなかったし…。それと問題の中の人。広瀬すずは声質はなずなに合っていたと思います(視聴前の前言撤回します)。例え棒でも声が合っていれば納得してしまうので個人的にはOKです。心配していた典道は…う~ん、頑張っていたと思います。でも中学一年生の声ではないよね。周り固めたのがシャフトでお馴染みの方ばかりなので、劣ってしまうのは仕方ないです。

個人的にこの作品は気に入りました。シャフト好きな人(特にefのような作品が好きな人)には合うのではないかなと思います。できれば原作も見ておくとより楽しめるのではないかと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 43

77.6 16 夏休みで友情なアニメランキング16位
若おかみは小学生!(アニメ映画)

2018年9月21日
★★★★☆ 4.0 (156)
727人が棚に入れました
小学校6年生のおっこ(関 織子)は交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることになった。

旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、小鬼の鈴鬼、ライバル旅館の跡取り・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修行を始めることになった。

慣れない若おかみ修行に、毎日失敗の連続…。

「あたしって、全然しっかりしてないじゃん。」

落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに助けられ、一生懸命に接客していくうちに、少しずつ成長していくのだった!

声優・キャラクター
小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ

てっく さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

全てを受け入れるという事の難しさと大切さ。

ふらっと唐突に映画館へ行きたくなり視聴。
原作を知らなかったので、タイトルと立ち絵を見た時には『大人が一人で観ても良いやつなのかな?』と思いましたが、公開されてから時間が経った遅い時間帯な事もあり、大人の方々が数名居るだけでした。

<あらすじ>
両親を事故で無くした『おっこ(関織子:小学六年生)』が、祖母が経営する旅館へ引き取られる事になる。
旅館へ到着するなり、おっこには幽霊の男の子『うりぼう』が見え、うりぼうの口車に乗せられる様に旅館で若女将として頑張ってみると言ってしまう。
その他にも、仲良くなる幽霊達やクラスメイトで同じ旅館業を営む『ピンふり(秋野真月)』などともドタバタしながら若女将として奮闘するお話。

原作は知らないですが、ストーリーは違和感なく入って来ましたし、内容も上映時間内で上手くまとめられてる作品だったと思います。
そして何よりも、
『大の大人が映画館である大衆の面前で、ほろっとさせられた事』の自分自身に驚かされました^^;
終盤の展開も、観ている時点で何となく気が付きましたが、それでもウルっとさせられたという事は、それだけ“おっこ”の頑張りが素敵なお話だったんだと思います。

可愛らしくも悲しく、でもステキな暖かい作品でした☆

投稿 : 2024/04/27
♥ : 20
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

今期イチの注目株と聞いたので観てみました

テレビ版と原作は触ってません。


以下ネタバレ内に推測上のテレビ版との比較を入れています。
(こんな状態で語るのはおこがましいと思いますが、あにこれに劇場版の感想書いてる人が少ないので一応記載させていただきます。勘違いしている部分があったらその都度指摘してください。詳細を書いてくれる人が現れたら消しますので参考程度で)

{netabare}1スタッフが違う
脚本もキャラデザも監督も違います。つまりはTV版のつぎはぎ総集編ではないということが言えます。

2原作は同じ
オリジナルエピソードではなさそうなので、エピソードの被りはあるかもしれません。

3視点を変えている
これでしょうね。テレビ版は織子が若女将として仕事をする中で、様々な困難に挑み、失敗しながら少しずつ成長していくお話がメインなのかな?{/netabare}
映画版は両親を亡くした織子のトラウマを少しずつ克服して行くところを中心に描いています。

これよりネタバレを含む感想{netabare}
家族との幸せな時間…両親との別れは突然に訪れます。
反対車線に飛び出したトラックに突っ込まれた乗用車。数分前まで会話をしていた両親が亡くなるのを目撃した織子はいったいどれほどのショックを味わったでしょう。
しかし、描かれたのは落ち込んだ様子の無い織子。
おそらくいつもやっているように誰も居ない我が家に挨拶をして離れ、引き取り先の祖母のもとへ向かいます。
移動中は特に両親の話題に触れず夏休みの間だけ親戚の家にお泊りに行くただの女の子のよう。

勿論徐々に両親について話題が出てきますが、
最初は「お父さんとお母さんは生きてる気がする」と言っていました。
幽霊がみれたことも一因なのでしょうか。
現実に目を向けられていない織子。仲居さんが気の毒そうな表情を浮かべますが、織子は気にする様子がありません。
そんな中、母を失ったばかりだという親子が旅館に泊まることとなり、時にお客さんと言い争いになりながらも、親身になってもてなしてゆく織子。
最初はやり場のない怒りを織子にぶつけていた同じくらいの年の子は、織子のやさしさにふれ、たまらず泣いてしまいます。

このあかねという子が布団に潜り込んで泣いてたところは印象深いシーンの一つです。
おそらくあかねさんは同い年の織子が両親を亡くしながらも強く正しく生きているのをみて、恥ずかしさ少々、自分に尽くしてくれたことで愛情を感じ安心して堰をきったのでしょう。
ひとしきり泣いて気持ちに整理をつけたあかねさんは、登場直後のひねくれた感じではなく素直で優しそうな子に変わりました。

続いて登場したのは恋人と別れた直後のお姉さんなお客さん。
織子と意気投合し、織子をドライブに誘いますが、事故のトラウマで震えが出て呼吸も大きく乱してしまいます。
最初は大丈夫でもちょっとした拍子でトラウマが呼び出されてしまう様子は、震災の体験談などで聞いたことがあります。
物語に関わりのないちょっとした仕草ですが、これによって物語のディティールがより細かくなったように感じます。

そして、心の支えにしていた幽霊が徐々に見えなくなっている織子。両親が死んだことも理解できるようになり急に孤独を感じるようになります。
織子役の小林星蘭さんの「置いていかないで!」と泣き崩れる演技、真に迫っていて織子が気の毒に思えて非常に胸が苦しくなりました。
一時自暴自棄になり飛び出す織子にハラハラ。
しかし、これまでの若女将の経験でいつの間にか大人になっていた織子、
事故で正面衝突をした張本人を前に、「私は関織子ではなく春の屋の若女将おっこです(どうぞくつろいでいってください)」と伝えます。
この時の織子がもう、どうしてこの娘はこんなにも逞しいのだろうか。まだまだ小学生だというのに…こんな良い子が…と、我が子の成長を見守る親の気持ちといいますか、そのような感じで胸がいっぱいです。
冷静になれば、菩薩か!と突っ込みを入れたくなるところかもしれませんが、そんな気分にはとてもなれませんでした。{/netabare}

物語の展開はほんとファンタジーです。しかし映像や見せ方のディティールがリアルなのでドキュメンタリーのように錯覚してしまう節があります。
また、両親の死を使った感動ストーリーに一瞬思えますが、最後まで見るとこの作品が織子の成長を描いたものであることがわかります。
この作品は一言で表すことが非常に難しいです。
変なレッテル貼りになっていないかとドキドキしています。

やはり、実際に見ていただくのが良いでしょう。
そして、それぞれ心に感じたことを自分の中で消化していただくのが良いと思います。
私は私の感想を大切にして、さらに読み込んていきたいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

TV版とは一味違う良さ

原作未読。TV版は視聴済み。
TV版のダイジェスト版程度のつもりで視聴したら、良い意味で裏切られたという・・・(笑)。
途中までは、確かにTV版のダイジェストだったけど、後半のエピソードはTV版のアフターストーリー。

主人公のおっことウリ坊、美陽、鈴鬼の繋がりの深さはTV版を視聴していないと、チョット分かりづらいかな?
本作では、かなりあっさりと描かれていたからね。

{netabare}おっこの両親が亡くなった交通事故の加害者運転手家族が「春の屋」へ宿泊したくだり。
圧巻でしたね。
ここに繋がるんだって・・・。{/netabare}

TV版のレビューでも書いたけど、タイトルだけで敬遠するのは、もったいないレベルの作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 30

76.3 17 夏休みで友情なアニメランキング17位
ヤマノススメ サードシーズン(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (385)
1473人が棚に入れました
この夏、あおいが、ひなたが、かえでが、ここなが、そしてほのかがTVアニメに帰ってくる!
そして新しい友達との出会いも……。
今度はどの山に登ろうかな?

声優・キャラクター
井口裕香、阿澄佳奈、日笠陽子、小倉唯、東山奈央、牧野由依、儀武ゆう子、七瀬彩夏、高尾奏音、山本亜衣

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

山はあんまり勧めてない3期目(笑)

漫画雑誌「コミック アース・スター」に連載のマンガが原作のアニメ作品(3期目)です。(原作は未読)

2期目がそうでもなかったのに対して、3期目は1期目・2期目を先に観ておくことをかなり強く推奨する内容です。ということで、以下のレビューは1、2期目を観ている前提で書きます。

OP/EDをキャストが歌っているのは従来通りで、OP主題歌「地平線ストライド」の背景アニメ(特に前半部分のデフォルメキャラによる登山シーン)が1、2期目の振り返りになっているあたり、もう新規の視聴者獲得は目指していないのかなと感じますね。

まず放送フォーマットとしては2期目と同様に15分枠で、ただし2期目が2クールあったのに対して3期目は1クールになっています。

『ヤマノススメ』(1期目: 5分枠)は久しぶりに高校で再会したひなたがインドア派のあおいに登山(ハイキングレベル)を勧める内容、2nd シーズン(2期目)は山登りにはまり楓さんやここなちゃんとも交友を深めつつ難易度の高い登山を目指したりあおいとひなたのかつての約束の地を目指したりするやはり「ヤマノススメ」のタイトルにふさわしい内容でした。

そしてこの3期目なのですが、2期目であおいの弱点として発覚した体力面での強化に取り組む一方で、山登りの費用面での問題を解決するためのアルバイト先の洋菓子店での人間関係や、ひなたを通じて打ち解けたクラスメイトあるいは2期目のエピソードで出会いを果たしながらも普段は離れた群馬県高崎市に住むほのかちゃんなどとの交友関係の広がりによって、山登りとは直接関係がないエピソードが1、2期目とは比較にならないほどたくさん発生していました。

ということで決して山登りをしなくなったりはしないものの、より「日常系」な側面が強化されたストーリーになりましたね。

結果としてアウトドア面での「あるある」描写が減ったので、この点に不満を持つ向きは多くいらしたのではないでしょうか。これは良し悪しというよりは視聴者の嗜好の問題のように思われますが、個人的には「あり」でした。

4期目以降があったとして、富士登頂再チャレンジを見据えつつやはり日常描写は多くなっていくのではないでしょうか。4期目が実現すればたぶん私は視聴すると思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 53
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

山登りを楽しむためには

この物語は、山登りの楽しさや友達の大切さなどを教えてくれます。

そして、サードシーズンでは、あおいのさらに成長した様子を見ることができます。

今まであおいは、クラスではひなたしか話し相手がいませんでした。
でも、他の友達とも話ができるようになり、しかも一緒に遊びに行くようになりました。
それにバイト先では、どれを選ぶか迷っているお客様にお勧め商品を説明したり、小さな子に優しくしてあげたりと、しっかりした店員さんに成長しています。

あおいの成長をみるたびに、私は嬉しくなります。
おそらく、それはひなたも同じ気持ちでしょう。

但し、ひなたは、あおいの成長を嬉しく感じるだけでなく、寂しくも感じているのでしょう。
今までは、ひなたがいなければ何もできなかったのに、ひなた無しでもできるようになったこと。

特にケーキ屋さんの中での人間関係は、ひなたが知らない世界です。
だから、つい、お土産を渡すのをためらってしまいました。

そして、行き違いが積み重なり…、だんだんと二人の間に溝ができていく。
これはひなたが悪いですね。
世の中には子離れできない親がいますが、
今のひなたは、まさにそれです。

あおいの成長を素直に認め、あおいをほめてあげるべきです。一緒に喜ぶべきです。

山登りの楽しさは、一緒に登る人との信頼関係で決まります。
一緒に登る人と仲たがいをしていると、山登りの時間は苦痛の時間になってしまいます。
山頂から見る景色も、色あせた味気ないものになります。
私も過去、そんなことがありました。

だから、山に登る前には、友達とは必ず仲直りしましょう(^_^;)
信頼できる友達と一緒に見た山頂からの景色は、すごく美しく、一生記憶に残ります。

{netabare}
あおいとひなた、元のように仲良くなって良かったです(^_^)
やはり、あの二人が仲良くないと、この物語は始まりません。
だって、あおいにとってひなたは、他の人とは違って心の中の大切な場所にいつもいるのだから。
{/netabare}


最後に、
筑波山は夜景も美しいですが、昼間に山頂から見る景色はもっと美しいです。
360度見渡せるのではないかと思えるほどの絶景でした。
日本百名山のひとつですが、低い山なので、初心者でも登れます。

体力がない方はケーブルカーでも登ることができますので、
ぜひ、一度登ってください。(^_^)/

投稿 : 2024/04/27
♥ : 55

ローズ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

オススメ

登山仲間の雪村あおい・倉上ひなた・斉藤楓・青羽ここなの4人組。
谷川岳で出会った黒崎ほのかが仲間に加わり、一緒に行動する事が多くなった。

1期2期と続けてガチ登山。
3期目は少し趣向を変えたのかなぁ?
登場人物の日常を描いている事が多くなりました。
まあ、目標である富士山登頂が来年という事なので、登山メインという訳ではありません。

幼馴染で高校生活でも仲良しの雪村と倉上。
終盤になるにつれて、すれ違う事が多くなります。
これは雪村の成長。
おとなしくて人見知りだった雪村。
クラスでは倉上としか話が出来ませんでした。
仲直りできたかどうかは、視聴して確認して下さい。

作中雰囲気は『ゆるキャン△』に近いものがありますね。
テント泊で豪華な食事なんて、まさに理想的。
緩くない激しい登山でも山を楽しむことは同じ。
むしろ、本作品の方が元祖で『ゆるキャン△』のほうが後追いかもしれません。

物語・作画・声優などの要素も文句の付けようがありません。
個人的にはガチ登山は勘弁ですが、視聴して疑似体験するだけならツラくないですし。
みなさんも夏休みでレジャーシーズン。
海や山に繰り出すはずです。
しかし、コロナ騒動で海は禁止。
必然的に山に人が集まります。
山を楽しむ予習復習として『ヤマノススメ』をオススメします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

69.3 18 夏休みで友情なアニメランキング18位
きみの声をとどけたい(アニメ映画)

2017年8月25日
★★★★☆ 3.6 (115)
517人が棚に入れました
湘南・鎌倉の海辺の町を舞台に繰り広げられる、少女の悩み、葛藤、夢、そして届けたい“声(想い)”の物語。
将来の夢が見つからず少し焦っている16才の少女・行合なぎさは、幼い頃に祖母からきいた「コトダマ」言葉には魂が宿るという話を、ある出来事により信じている。
ある日、なぎさは何年も使われていないミニFMステーションに迷い込み、軽い気持ちでDJの真似事をする。すると、放送されたコトバは 思いもかけない人に届いていて―。

声優・キャラクター
片平美那、田中有紀、岩淵桃音、飯野美紗子、神戸光歩、鈴木陽斗実、三森すずこ
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これぞ王道の青春感動映画!こういうのが見たかった!/レビュー追記(8.31)

女子校生達がラジオ局を復活させようとする話。
見ててスッキリできる青春映画の良作でした。
(以下ネタバレほぼなし)

( 'ω'o[総括レビュー]o
{netabare}
ことだまとラジオを巡る青春物語。
(詳しい内容は自分で確認推奨)

全体的に分かりやすい展開で、最後まで飽きずに視聴出来たと思います。
キャラの性格も個性豊かで、ちょっとクッスっとしたりうるっとしたりの連続で楽しかったです。

その他にも全体的によく出来ていると思ったのが「音楽」
ラジオ局の話なのでもちろん色々な挿入歌が出てくるのですが、全てを曲が素晴らしかったです。

特に良かったのが最後の曲。
詳しい内容はネタバレになるので言いませんが、皆の思いが重なってからのあの曲は完全に涙腺をやられましたね。

少し不満を言うとすれば、ラジオ局の復活課程をもう少し詳しく描いて欲しかったかなーと思います。

まとめとしては、いい意味での王道の展開で最後にはしっかり泣かしてくれる。普段アニメをみない人にも遠慮なく勧められる良作でした。

是非1度劇場へ!{/netabare}

総合点数【86点】

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

想いを声に

海沿いの街で出会った、女子高生達のひと夏の友情を描く物語。

「言霊(ことだま)」として語られる作品のテーマ、「声に出すことの重みや大切さ」を、ミニFMという地域ラジオを通じて、リアルタイムの生の声を届ける事で伝えようとしています。

明るく真っ直ぐな主人公をはじめ、それぞれに良さが描かれる7人の女の子達が、目指す目的のために、協力していく様子は微笑ましく和みます。
クライマックスでは、彼女達の素晴らしいパフォーマンスに魅せられ、爽やかな感動も待っています。

(客観的じゃない個人的なマイナス感想なので一部伏せます)
{netabare}
しかしながら、深夜アニメを少々観てきた私にとっては、インパクトの薄いアッサリした内容だなと言うのが正直な印象。

ストーリーは、多少のツッコミどころ{netabare}(本名やメールアドレスの公開放送にオイオイ大丈夫?!なぎさの母親って?など) {/netabare}は気にならず、自分的には観やすく分かりやすい素直な展開なんですが、逆に驚きも深みも少なく淡白に感じました。

作画も安定してるものの、劇場版ならではと言えるほど美麗さは感じない。

キャラクターデザインも、日曜朝の女児向けアニメの様なスッキリさで、サービスシーン等の萌え的要素はありません。
(作風的には当然のつくりなんですが・・^^;)
{/netabare}

音楽は、「響け!ユーフォニアム」の松田彬人氏が担当されており、劇中歌は良曲揃い。
3000人のオーディションから選ばれた新人声優さん達の歌声も非常に上手く心地いい!
この歌唱だけは劇場観賞の満足感がありました♪
(私、アイドル系のアニメジャンル、ほとんど観た事無いんですが、キャラに入れ込めて、この映画の様に歌うシーンを観たら楽しいんだろうな~と納得できる)


声優さんについては、新人声優さんでメインキャストを固めてる割にはそつなく感じました。
(もちろん三森すずこさんは別格の安定感)
主人公なぎさ役の片平美那さんの新人らしい初々しさは、感情表現としてはやや物足りなさを感じましたが、リアルな高校生らしさを出すよう狙った演技なのかもしれませんね。
乙葉ちん役の鈴木陽斗実さんの歌声が美しくてインパクトありました♪
いずれの皆さんも、今後の活躍に期待です!


最後に

個人的アニオタ目線で、ややマイナスな感想も述べましたが、本作は嫌みの無い後味の良さで、爽やかな青春ストーリーの好きな方にオススメの良作です。
深夜アニメに馴染みのない、小学生から高校生くらいまでの子や孫と、その親か祖父母が一緒に観に行くのにも適してると思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ユニゾンする声

2017年8月25日公開の劇場アニメ。
海辺の街を舞台に女子高校生たちの青春を描くオリジナル作品です。

この映画は御覧になられた方が少ないと思いますので、
ネタバレにならない範囲でストーリーを紹介しておきます。

~あらすじ~
海辺の町、日ノ坂町に暮らすなぎさはごく普通の高校1年生。
主人公なぎさには3人の幼なじみがいる。3人は全員ラクロス部。
かえでは同級生でスポーツが得意。はっきりした性格で気が強い。
雫もなぎさの同級生でお菓子作りが得意。こちらはおっとりした性格。
夕は別の名門学校に通うラクロス部の時期キャプテン。部活では3人のライバル。
特にかえでは夕に対してライバル意識が強く、最近は関係がギスギスしてきている。
夕のことを悪く言うかえでに対して、なぎさは快く思っていない。
でもかえでもなぎさの大切な友達なのでその思いは口に出せず、それがストレスになっていた。
ある時、何年も使われていない喫茶店アクアマリンに迷い込み、
その一角にあるミニFMステーションの設備を見つけたなぎさは、
ちょっとしたいたずら心でDJの真似事をする。
その放送を偶然聞いた少女、紫音との出会いから始まる夏休みの物語。

本作は極めてオーソドックスな青春アニメです。
将来の夢が見つかならず悩んでいるごく普通の女の子が新しい物に触れ、新しい人と出会い、
時にぶつかりながらも仲間たちと共に成長し、今まで気づかなかった自分の強みを見つける。
…という王道そのものの少女マンガ系ストーリー。展開も本当にベタ。
「誰」の声を「誰」に「どうやって」届ける物語なのか、
あらすじをもう少し先まで書くと勘の良い方は最後の結末まで読めてしまうんじゃないだろうか。
ただベタなのは別に悪いことではないですね。奇を衒ったものが良いとは限らない。
(べ、別に打ち上げ花火の映画の話とは言ってないからね)
青春物のツボはきっちり押さえてあるので安心して見れると思います。
いやー映画館で思いましたもん。「こういうのでいいんだよ、こういうので」って。
ほんとバカみたいにまっすぐなお話です。
ちなみに恋愛要素はありません。
「百合は?」あるわけないだろそんなもの!

少し目新しいのは言霊(コトダマ)というテーマでしょうか。
なぎさは幼い頃に祖母から聞かされた言霊の話を今も信じています。
願い続ければきっと叶うし、悪いことばかり口にしているとそれが現実となって自分に返ってくる。
なぎさの目にはその言霊が実際に見えるといいます。
電波な少女…ではなく、彼女は少し夢見がちな女の子なのです。
言霊信仰はなぎさの人当りの良さに作用している反面、
言いたいことがあって言えないという彼女の悩みにもなっています。
「思春期における葛藤」という青春物の大事な要素につながっているわけです。
この言霊の映像表現が平凡で拍子抜けするかもしれません。正直シャボン玉にしか見えない。
おっと、悪く言うと自分に返ってくるんだった。

でも「きみ声」がビジュアル・バリユーに優れた作品とは言い難いのは確かです。
背景等十分きれいなレベルですが、深夜アニメの中でも本作を超えてくる作品は多々あるかと。
僕が良いと思ったのはキャラクターデザインですね。
今の萌えアニメの主流とは明らかに違う"かわいい"というよりは"かわいらしい"デザイン。
言霊という少しファンタジックな要素と相まって、なんだか懐かしい「青春のおとぎ話」
といった雰囲気を作り上げています。

音楽には非常に力が入っていて、どれも良い曲です。
音楽担当は「響けユーフォニアム」の楽曲等を制作された方だそうです。

でもまぁ、中盤まで見た僕の感想は「悪くない。全然悪くない。でもフツー。」という感じでした。
この映画、ベタな話だと書きましたがストーリー構成も超ベタ。教科書通りの三幕構成。
物語の終盤に楽しい日々が終わってしまうような出来事があり、そして映画のクライマックスでは…
お約束。お約束すぎる展開だ。でもなぜだろう?僕の目が涙で滲んでいるのは。WHY!?

これはもう、なぎさちゃんの言う通りかもしれないね。

*。*。 奇跡も、魔法も、コトダマもあるんだよ *。*。

「そんな台詞なかっただろ!!」と怒られそうですねスイマセン。
(実際のキャッチコピーは「コトダマってあるんだよ」)
このアニメは新世代の声優を発掘するオーディション「キミコエプロジェクト」で選ばれた6人を
デビューさせるという声優アイドル企画ものです。
「きみの声を届けたい」は新人声優(=きみ)の声を観客に届けるための物語でもあるわけです。
そう考えると青春物の面白さを表現しつつ、デビューしたての声優のフレッシュな魅力を最大限に活かした
非常によくできた脚本のように思えます。
言葉のチカラ、声のチカラ、音楽のチカラ。それは決して陳腐ではない。
彼女たちの歌声から、声優企画と青春ストーリーのシナジーを確かに感じられたのです。

夏から秋の始まりにかけての時期には爽やかな青春物が見たくなるもの。
そんな要望にきっちり応えてくれると思います。
この作品、欠点はいくつかあれどイヤなところは一つもないんですね。それが大きな長所です。
あまり宣伝されなかったためか認知度が低く、すでに公開を終了している所も多いようですが
青春アニメが好きな方にはお勧めできる内容です。
きっと見終えた後は気分良く映画館を出れるはず。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

71.4 19 夏休みで友情なアニメランキング19位
ヤマノススメ おもいでプレゼント(OVA)

2017年10月28日
★★★★☆ 3.9 (99)
425人が棚に入れました
「天覧山に、高尾山、三ツ峠!」これまで登ったいろいろな山と、おもいでが詰まった写真を見ていたあおいとひなた。ふと、あおいの部屋にあった宝箱を開けてしまったひなたは、手作りで不格好のアクセサリーを見つける。それをきっかけにひなたは、あおいと一緒に過ごした、幼いある日のことに思いを馳せる――。

声優・キャラクター
井口裕香、阿澄佳奈、日笠陽子、小倉唯

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

どんぐりころころプレゼント

 今までのヤマノススメの回想に始まり、ここなから進んで、かえでちょこっと、あおいとひなたな展開だったです。

 「おもいでプレゼント」というだけあって、思い出がメインとした展開だったです。

 かえでちゃん楽しみにしていたお母さんとのお出かけが、その日はできなくなちゃったけど、そのおかげでお母さんとの思い出に浸ることができ、「これでいいのだ!」だったです。

 あおいとひなたは、相変わらずみたいだったけど、あおいの部屋で見つけたある物をきっかけに、幼い頃を思い出すひなたな展開だったです。その思い出に触れたとき、ひなたはどうだったか?あおいはどう反応するのか?は、見てのお楽しみです。

 ここな、ひなただったなぁです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

飯能は、きっと天国

このアニメを見ていると、時間の流れがとてもゆっくりに感じられます。

普段は、仕事→野球観戦→プリキュア→睡眠時間の確保、のサイクルに追われる毎日ですが、
そんな殺伐(?)とした気持ちが一瞬にして洗われる、魔法のような時間を感じることができます。

はっきり言って内容は無いようって感じなのですが、不思議と何度も見たくなってしまいます。



参考動画

↓サンキュータツオさんの熱弁をご覧ください(笑)

https://youtu.be/J2nj3pJEfWI?t=54m50s





P.S.飯能市立図書館はものすごく評判の良い施設なので、いつか行ってみたいものです

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ここなちゃん・・・、エエ娘やなぁ(笑)

【ここなの8月31日】
夏休み最後のこの日、ここなは一人で、飯能を散策しつつ、母親との思い出を巡る。
本編20話の「飯能大冒険」を彷彿とさせる話。
ここなちゃんの母娘の繋がりに心温まる作品。

【ひなたの10月28日】
あおいの部屋で、どんぐりを使った手作り髪飾りを見つけたひなた。
それは・・・。
あおいとひなたの過去、そして現在へと繋がる友情物語。

それにしても、あおい&ひなたとここなちゃんが{netabare}『過去に、すれ違っていた』{/netabare}演出って、本編の”ホタルの回”以来、個人的にツボです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

71.8 20 夏休みで友情なアニメランキング20位
つり球(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (999)
4464人が棚に入れました
舞台は湘南・江の島。懐かしさと瑞々しさの同居した町。他人とのコミュニケーションが異常なほど苦手なため、これまでの人生でまともに友達がいた試しのない高校生・ユキ。ユキに釣りをさせようとする自称宇宙人・ハル。生まれも育ちも江の島の地元っ子、周囲のいろんな事になんだかムカついているらしい少年・夏樹。つかず離れずの距離から彼らを見つめ続ける謎のインド人、アキラ。青春をこじらせてしまっている4人が出会い、釣りをして、小さな島は、大きな物語の中心となり――。ここから始まる、SF(=青春フィッシング)物語!

声優・キャラクター
逢坂良太、入野自由、内山昂輝、杉田智和、加藤英美里、冨永みーな、小倉唯、山本希望、平野文

黒羽翼 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

えの しま どーん!!!

アニメを見た人はきっとこのタイトルしかもう思い浮かばないはずw

ぶっちゃけ一話をみたとき→なんかシュール

二話をみたとき→フジファの曲、志村がいなくなってもちゃんとフジファってわかるなぁ、
でも、続けて見るのどうしようかなぁー

三話を見たとき→人生が変わったw

まさかこんな展開になるとは思ってもみなかった(笑)

えの しま どーん!!!
が、あたしの心の赤いケロちゃんバケツに入ったとき、これからどうやって生きて行こうかと行きづまっていた人生に、そこがはじまりなんだという新しい光が差し込みました。

見る人によって好き嫌いは極端に別れるだろうから、きっと意見は読んでも参考にならないだろうけど、

少なくとも自分は、今期一番だと思う!!!

このアニメを見ているせいで、他の今期のアニメを見ても、おもしろいと感じれなくなってしまうほどに、ハマれば中毒性が高いです。

そして、これからどう転ぶかはわからないが、三話目だけはDVDを買おうと思う。

すでに三話目だけは10回以上見ました。

そして上にも書きましたが、フジファの曲、この番組にはすっごくあうと思います!

とにかく、三話目を見たら、ハマる!!!

そして、栗コーダーカルテットつかっちゃってるところがなんとも言えずいい(笑)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

友情が成長させる人間性 えの、しま、どーーん♪

オリジナルアニメということもあり、先が見えてない分、
途中で断念してしまった方々も多かったようだけれど、
僕個人としては、すごく楽しめたし、いい作品だったなと思っている。

対人恐怖症っぽいユキ。彼とは真逆に相手が誰であろうとお構いなしに
どんどん入り込んでいくハル。
彼らをやさしく、あたたかく見守るケイトおばあちゃん。
彼ら3人の暮らしを描いたシーンも楽しくて大好きだったが、
やはり、夏樹を交えての釣り特訓シーンや、迫力ある海釣りでのシーンは
とても見応えがあったし、ぐいぐい惹き込まれた。

さらに、釣りをきっかけに4人の男子たちの友情は固く結ばれ、
それゆえにか、序盤の頃の面影も消えるほどの成長振りを見せた
ユキのたくましい姿といったら。。
ケイトおばあちゃんじゃなくても、嬉しくて仕方ないって。。

家庭にちょっとした事情を抱えていた夏樹も明るくなったし、
あるひとつの謎を最終回まで残しつつ、盛り上がっていく展開も良かった。

映画館で観たら大迫力であっただろうラスト近くの釣りシーンは
手に汗握る緊迫感も加わり、久しぶりに子どもの頃に戻ったような
心躍る感覚があり、EDに登場する夏休みの宿題で作ったような貼り絵の魚も
夏らしくポップでかわいかった。

好き嫌いはハッキリ分かれるのかもしれないけれど、
なぜ釣りなのか、そしてなぜ彼らの釣りが地球を救うのか、
これからいったい何が起きるのかがハッキリしてくる8話以降は特に、
音楽も作画も、演出も物語りも、けっこうバランスよくまとまっていたと思う。

ワハハっと笑って観終えることのできたラストシーンも
この物語のすべてを集約したようなさわやかさがあって好感持てた。

登場人物のそれぞれ、モデルがいそうなほどすごく細かく描かれているので、
今回のような大きな事件を用意しなくとも、釣りを楽しむ男子たちの
日常系な部分だけでも2期3期と作れそうな雰囲気はあるけれど、
実際のところ・・どうなんだろうね~

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<6話まで視聴>

ケイトおばあちゃんが退院してくるというので
お祝いにマグロを釣ってごちそうしたい!というユキ。
1話の頃からしたら、日焼けもして随分と逞しくなった彼。
ひょうきんで無邪気な変わり者、ハルと出会って素直な心を引き出され、
夏樹と出会い、釣りを覚え、そんな3人を微妙にコントロールするアキラ。
ケイトの大きな愛に包まれて、ユキがどんどん成長を遂げているのが
とても嬉しく、微笑ましい。

マグロ釣りに大切なこと。
キャスティングとチームワークと、場所。との言葉通り
見事、力を合わせた4人。

伝説の神隠しにも少し触れ、アキラの調査内容も少し明らかになり、
今後はそのあたりに焦点を絞っていくのかな?

この物語は釣りという行為をベースに友情、コミュニケーション能力、
アイデンテティなど、さまざまな要素で少年達の心の成長を描いていると想う。

カラフルポップな作画も夏っぽくて可愛いし、僕はこの作品がとても好き。
なので今後もますます見逃せない。

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<3話まで視聴>

意外と真面目につりを始めている面々。
3人の3拍子揃った「えの しま どーん!」が良かった。
レクチャーしてくれる、クラスメイトの夏樹がまたいい♪
真剣に取り組むユキの悔しさが、達成感に変わった瞬間、
もらい泣きしてしまった。

中盤から謎のインド人や、宇宙人ことハルの妹が登場したり
まだまだ話は大きく動いていきそうな気配。

また、ユキのおばあちゃんのセリフが素敵いっぱい。
「いずれ死ぬ花でも、生きてる間に精一杯綺麗に咲いて欲しい」
ユキにその想い、考え方が伝わるといいなぁ。





<以下は初回視聴すぐの感想>
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江の島を舞台にしたSF青春フィッシングストーリーということで、
中村健治監督によるアニメオリジナルストーリーなのだそうだ。

転校を繰り返しているからか、それとはまったく関係がないのか、
人とのコミュニケーションが異常に苦手な真田ユキという男子高校生。
ユキと同じ日同じクラスに転校してきた、自称 宇宙人というハル。
釣りにはプロなみの腕前を持つ、ちょっと不機嫌な宇佐美夏樹。
望遠鏡からユキとハルを監視している?謎のインド人 アキラ。
この4人を中心に物語が展開していく模様。

1話しかまだ観ていないから、不思議な登場人物ばかりで
どういう物語になっていくのか、まだ見当がつかないけれど、
ユキの祖母であるフランス人のケイトが、おしゃれで魅力的だった。
そして、海のような寛容さで物事を受け入れてくれる優しさと、
彼女から滲み出るポジティブな雰囲気がとても良かった。

ハルが何のために江ノ島に来て、ユキにくっついてくるのか、
アキラはいったい何を目的に監視をしているのか。
これから先の物語が、とても気になる。ということで、掴みはOK。

なんだけど・・・

EDのスピッツのカバー この曲大好きなのですが。。
あえて素人っぽさを出した感じが好き嫌い分かれそう。
釣りとSFをどんな比率で見せてくれるのか・・・
個人的にはあんまりSF配分多くしないで欲しかったり。

とりあえず、子どもの頃から学生時代まで、度々出かけた江ノ島界隈が
リアルなままに登場するのは、懐かしくて嬉しいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 62

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

爽やかSF(青春フィッシング)ストーリー

6話までの感想

江の島を舞台にしたSF青春フィッシングストーリー、とのことですが
現時点では「青春」の要素が非常に強い印象です。

コミュ障のユキの成長っぷりが、なんだか我が事のように嬉しいですね。
宇宙人のハルは最初ウザかったけど、不覚にも可愛く思えてきたw
釣り王子・夏樹も次第にユキやハルと溶け込み、面倒見の良さを発揮。笑顔が眩しいです。
そんな3人の仲良しっぷりに、嫌味ったらしさ全開のアキラ。お前友達欲しいんだろ?w

各キャラの成長ぶりや、青春してる感じが見ていてホント微笑ましい。
目にやさしいパステルカラーの作画と、栗コーダーカルテットによるホンワカBGMが秀逸で
本作の独特な世界観を引き立たせています。
釣竿を投げる時の掛け声「えの しま ドーン!」もインパクトあって良いですね。
ユキが初めてバケツに命中させた時は感動的だったし、ダイナミックな作画も素晴らしかった!

青春モノとして十分楽しめてますが、忘れちゃいけないのがSF要素。
「釣りで世界を救う」が意味するものとは?
毎回伏線を貼り、6話では急展開もありました。この先ますます目が離せません!


最終話感想&総評

最終話、突っ込みどころも多かったけど、爽やかで良いラストでした。
もっと切ない終わり方でも良かったけど、この方がつり球らしくていいかな?
ユキとハルの満面の笑顔に釣られ、思わず笑みがこぼれましたね。

観終わって、アキラが一番のお気に入りキャラにw
杉田智和のアドリブ演技は笑えるし、監視役なのにユキ達の輪にちゃっかり溶け込んでるし、
何より終盤のアキラには良い意味で驚かされました。意外と真面目で熱い男なんです。

終盤はSF要素が強くなりますが、中盤までのキャラの成長と絆、伏線をしっかり活かしており
やや唐突感はあったものの、なかなかの盛り上がりを見せてくれました。
SF、青春、釣りの各要素が絶妙に絡み合っている作品だと思います。良作。


○これからつり球を視聴する方へ

独特な絵柄と演出、色んな意味で濃いキャラクターなど、見る人を選ぶ要素があります。
とりあえず、軌道に乗りはじめた感のある「えの しま ドーン!」な3話までは観て欲しい。
ここまで観て、世界観に馴染めないようなら、切っておk。
逆にこの回で「つり球いいかも」って思えたら、その後ますますハマっていけると思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 46

72.6 21 夏休みで友情なアニメランキング21位
ヤマノススメ セカンドシーズン(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (809)
3629人が棚に入れました
インドア趣味で高所恐怖症の主人公・あおいと、
山が大好きで常に人を振り回す・ひなた。
幼馴染の二人は、
幼いころ一緒に見た山頂の朝日をもう一度見る為に、
登山に挑戦することに。
登山を通じてできた仲間に助けられながら、あの時見た山頂を目指す…。

声優・キャラクター
井口裕香、阿澄佳奈、日笠陽子、小倉唯、牧野由依、東山奈央、儀武ゆう子、久川綾、荻野晴朗

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヤマノススメ!

かわいい女の子たちが山登りを通じて
友情を育みさらに
山の魅力を伝えてくといったアニメ。

山登りといえば、つらい、疲れる、虫多い
など今の女性たちにとっては
マイナスなイメージしか浮かばないと思います。
そこでこのアニメでは
「女の子が登山をする」をモチーフにして

山は実はこんなに素晴らしい場所なんだ!
山登りって実はこんなに奥が深いんだ!

といった山の魅力を老若男女幅広い年齢層に
伝えようという制作側の思いが
この作品に顕著に表現されていると思います。

前期では5分アニメという尺の短さが
多少ネックに感じられましたが
膨大な人気が昂じて前期の3倍の
15分枠で始まったのも
前文に述べたことの証左だと思いますね。

セカンドシーズンでは
今後の期待とともにとても楽しみにしています!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 71

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ヤマノススメ強化版

山登りを主題とした作品『ヤマノススメ』
その2期ですね

1期と比べて放送時間が約3倍となったセカンドシーズン
(OP,ED除いて約10分)
さらに2クールにわたって放送されました(全24話)
1期で足りないよ!と感じられた方もこれならより満足できるのではないでしょうか

放送時間だけでなく、他もパワーアップされてました
作画面は1期の頃から良かったですが、2期はさらに綺麗になった気がします
キャラたちの魅力やその掘り下げ、音楽面などなど、
なかなかの充実した内容でした


1期では特に見つからなかったお気に入りのキャラ。
セカンドシーズンで発見しました!
あおいでした。バイト姿に見事にノックダウン
ですがやはり、ひなたあってのあおいでしたね
このコンビは観てるだけで幸せな気分にさせてくれます
単純な可愛さだけで言えばここな、
おバカと判明し好感度アップの楓さん、
それにほのか、ゆうか、ひかり他の新キャラの皆さん
みんなかわいらしくて良い子で素敵でした


前期のOP「夏色プレゼント」はとても気に入ってます
ただ、映像は最初のままでも良かった気がします


1期で好きだった雰囲気の良さはそのまま持ち越し、
そして他の要素はパワーアップ
セカンドシーズン、満足です
サードシーズンは流れ的に30分枠の2クールで!
と言いたいところですが、
この作品は10分ちょいがベストなのかもしれませんね
気楽に観れる感じが合っていると思います
それに原作のストックもそこまではないでしょうし。
まぁ何にせよ、気長に待ちたいと思います


今から思うと1期は2期のPVみたいでしたね
山登りの手引き、道具の説明…etc.
出来れば、順番通り観るのがオススメです


1期含め、この作品に出会えて良かったなと感じています

投稿 : 2024/04/27
♥ : 46
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ゆるふわだけじゃなく、人間として大切なことを気づかせてくれる物語

このアニメはゆるふわとして有名です。
主人公たちがとても可愛く、心を癒してくれます。

ですが、それだけじゃありません。
人間として大切なことを何気に気づかせてくれます。
そして、あおい、ひなた、かえで、ここなの性格がとても美しい。
彼女らの行動は、見ていて気持ちが良いです。
さらに、あおいとひなたの関係が凄く良く描かれており、思わず微笑みました。

以下、気になった箇所だけ選んで読んでいただければ幸いです。

■人間として大切なこと {netabare}
以下のようなことに気づきました。

 ①友達を大切にする
 ②親には自分の気持ちを真剣に伝え、理解してもらうように努める
 ③自分が本当にほしい物は、親にねだるのでなくバイトをして得たお金で買う
 ④一歩づつ、ゆっくりでもいいので前へ進む
 ⑤失敗しても、またチャレンジすればいい  
 などなどです。

例えば、親と疎遠な人は少なからずいると思います。
でも自分は今まで親に、自分の想いを熱心に伝える努力をしたかというと、あまり自信がありません。
親はいつも子供の幸せを願っています。
自分の考えを懸命に親に説明すれば、親もきっとわかってもらえます。


しかもこれらは、教え諭されるのでなく、見ていて自分で何気に気づくように描かれています。
だから、すんなりと心に入ってきます。

Openingソング「毎日コハルビヨリ」にも大切なことが唄われていました。
「世界で一番の絶景ポイントはいつも目の前のその笑顔」
とても素晴らしい表現です。思わず納得してしまいました。

だから、この物語を見ると、いつの間にか前向きになれます。
{/netabare}


■4人の性格について {netabare}
みんな可愛くて素直な女の子です。

あおい
 非力ですが、がんばりやさんです。
 そして、いつもみんなの和をとりもつようにしています。
ひなた
 太陽のように明るく元気です。
 たまには失敗しますが、小さいことは気にしません。
ここな
 いつも笑顔でみんなの心を癒してくれます。
 彼女の穏やかな話し方は、聞いていて和みます。
かえで
 年長者ですが、しゃしゃり出ることなく、
 みんなが困ったときに何気なくみんなをフォローします。
{netabare}
かえでは、富士山で高山病になったあおいを看護しました。
そのため、かえでは頂上には行きませんでした。
このときあおいは、「みんなに迷惑をかけた。特にかえでに迷惑をかけた」と感じます。
でも、かえではそんなことを全く気にしていません。
だって具合が悪くなった人がいたら、その面倒を見るのが当たり前だと彼女は割り切っています。
それが登山者の基本だから…
{/netabare} {/netabare}


■あおいとひなたの関係について  {netabare}

あおいにとって、ひなたは特別な存在です。
あおいは最初は内気で地味でしたが、ひなたのおかげでいつの間にか外交的で前向きになりました。

ひなたはいつも、あおいの背中を後押しします。
あおいの成長をひなたは自分のことのように喜びます。

ひなたがいたからこそ、今のあおいがいます。
そしてあおいがいたからこそ、いまのひなたがいます。
ケンカするほど仲が良いといいますが、
二人は何度もケンカをし、何度も仲直りします。
こんな仲が良い友達がいたら、それだけでも十分に幸せですね。(^_^)
{/netabare}


■余談: 高山病にならないための準備  {netabare}

富士山に初めて登る人は高山病になりやすいです。
一度高山病を発症したら、低いところに降りるまで治りません。
そして、頭がズキズキと痛くなり、何をしても苦痛に感じます。

高山病にならないように、以下のように心がけたほうが良いです。
・5合目で十分休憩をとり(できれば2時間以上)体を気圧に慣れさせる
・5合目から6合目までは、深呼吸をしながら、いつも歩く速さの2/3ほどでゆっくりゆっくり進む。
 なだらかな上り坂なので、ついつい早く進みたくなります。
 でも、体は富士山の気圧に慣れていません。気圧になれるためにもゆっくり進みましょう。
・六合目についたら、できれば10分以上休む。
・6合目から7合目までも同様に、深呼吸をしながらゆっくりゆっくり進む


高山病にならないためにも、焦らずゆっくりゆっくり登りましょう。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 61

61.7 22 夏休みで友情なアニメランキング22位
宇宙ショーへようこそ(アニメ映画)

2010年6月26日
★★★★☆ 3.6 (160)
675人が棚に入れました
村川村は、都会から遠く離れた自然囲まれた土地。夏休みの子供だけの合宿のために小学校に集まった夏紀達5人は、行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れるのだが…。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、生月歩花、鵜澤正太郎、松元環季、吉永拓斗、藤原啓治、中尾隆聖、五十嵐麗、小野坂昌也、竹田雅則、宮本充、飯野茉優、江川央生、斎藤千和、伊藤和晃、日髙のり子、銀河万丈、飛田展男

ガチHOMO野郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙かわいい

名前だけは知ってたけど観たことなかったシリーズ第1弾は本作、『宇宙ショーへようこそ』です。
長いことレンタルのパッケージだけ見て手を出さずにいましたが、実際観てみるとパケ裏のあらすじなどなどによる逆詐欺だったことが明らかになりました。

なんといってもこの作品の見所はキャラの良さ。
どいつもこいつもいい奴ばかりです。
キャラ付けはちょっとありがち感とか漂いますが、今の時代ありがちじゃないキャラは大体どっか破綻しているので物語を進めるのに適したキャラクターだったと思います。
あと宇宙人のデザインが秀逸。
キモかわいいという表現が一般的な気もしますが、個人的には直球かわいかったです。
後述する某キャラなんて家で飼いたい。

次に作画。
劇場版だけあってやはり流石の出来でした。
狂気の作画や手抜き風味などもなく、非常にハイレベルです。
あと序盤の色味とかがジブリ風味に感じられましたがそこはまあ個人の感覚ということなので深くは突っ込まないでいただきたい。
また色々な架空の存在の造詣が素敵です。
個人的には、過去これ以上俺好みな宇宙はトップをねらえ!以外では観たことないです。

音響面はまあ劇場版のクオリティだな、って感じで特筆すべき点を見出せませんでした。
唯一語るとしたら「Happy Birth Day to You」ですかね。
あれはすごい耳に残ります。

ここまで色々と書いてきましたが、ひとまず断言できるのはサブキャラの宇宙人、インクショップの看板娘であるインクちゃんがかわいいってことです。
まったくもって美少女キャラではございませんが、メインキャストのヒーロー(女)、ヒロイン(女)を押しのけてかわいいです。
言うなれば小動物。
頭部の髪の毛っぽい部分がメインの腕みたいになってるので乗り物のハンドルを切る時とか首を傾げてるみたいでマジたまりません。
上のほうで色々褒めたり貶したりしてますけどそのシーンだけでもこの作品を観る価値があると思います。
マジです。

そんなわけで、あなたも是非夏のバカンスに宇宙旅行をお楽しみくださいってこった。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙人、拾いました。

「ありがとう、おかげで助かりました」

全校生徒たった5人の小さな小学校に通う仲良し5人組は
行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れて、
ミステリーサークルと、傷だらけの犬を目撃し持ち帰る。

手当をして元気になると・・
人の言葉をしゃべる!
二足歩行で人間みたいに歩く!
小学二年生の女の子を「美しい・・」と褒め称えて口説くw
こんなの犬じゃねぇ!・・普通じゃないと・・。

だが、彼は犬・・ではなく宇宙人だったのだ。
{しかも名前はシンプルなポチ。}

ポチは介抱してくれたお礼として
一行は月で修学旅行をすることになった
{羨ましすぎるから私も仲間に入れて欲しい!w}
月では数々の宇宙人、見たことない乗り物やお菓子
地球にもあるファーストフードやコーラもある
{ただし地球で買うより高い}

物語に深く関わるキーワードの
今宇宙で最も注目されている番組「宇宙ショー」を楽しんでる中
月からの地球便がすべて通行禁止になり、帰れなくなってしまう・・。

帰れない。修学・・襲愕旅行(;゚Д゚)!
月でアルバイト
{netabare}
特急に乗るため一行は乗車料をバイトして稼ぐことに・・

良いなぁ。
私も月でバイトした~い!!(笑)
地球にもある宅急便、ベビーシッター
ピザの配達、アイドル、メカニック系なんでもアリ!!
今やってる仕事?そんなの放って月へ行く!w
{何て言って責任感強くて出来ないw}
{/netabare}

136分・・2時間弱あるのでとても長いです。

前半ジャングルジムごと月へワープするのとか
銀河鉄道の夜を思い出すような宇宙を駆ける列車
月を旅行したり別の惑星に行ったり
宇宙人の友達が出来たりとか
大人になると忙しさの中忘れちゃったような
子供の頃の夢とか詰まっていて見ながら
良いなーと思いながら観てました。

ポチ、かっこいいよポチ
{netabare}
ポチが初登場の頃から
犬にしてはイケメンすぎる声だな・・と一目惚れ(笑)
7歳に対して「あまねさん」と敬語なところと
本気で口説いちゃうところとか
実は教授なとことか好きすぎるw

最後あまねちゃんがポチにちゅーして
ポチがめっちゃ照れてるのが可愛い!
「いつかあまねさんを迎えに行く」
と言っちゃうところが素敵!
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

童心をくすぐる最高のファンタジー

ホントに大好きな映画です。

頭が突き抜けるほど晴れた夏の空、
自然に囲まれたド田舎の年齢バラバラの小学生5人がひょんなことから宇宙へと旅行に行くお話。

夏というのは不思議で何かが起こるような気がして仕方のないものです。特に子どもにとってはね。
だから、空からタイムマシンが落ちてこようが、いきなり汎用人型決戦兵器に乗せられようが
「やれやれ」といいながら心の中ではワクワクしてしまうものです。
この作品内ではそんな行き着く先も消滅の仕方をも忘れた欲望が水を得た魚のように、そりゃもう存分に暴れまわります。

この映画には強く明確なメッセージやテーマはありません。
少年少女1人1人の想いや行動から湧き出てくる活力がとてもすがすがしいことが魅力のひとつとなっています。
映画に出てくる背景やあらゆるもののデザインは好奇心をくすぐるものですし(特に人の動きが好き)
声優さん方の演技も子供ならではのあどけなさが伝わる名演技でした。

主人公たちはいろんなものが詰まったストーリーを通して
周りのすがた形の違う宇宙人たちと自分たちを比較し人間らしさを、
そして彼らやいつもそばにいる周りの友達に改めて触れることでその人の良さ、
または自分らしさをほんの少しだけれど見つけることができました。

本当に良い物語でした。


{netabare}

ジャングルジムが浮かんでいくシーンに感動しました。
すごく素敵で幻想的で引き込まれました。一番好きなシーンです。
もちろん宇宙ショーでの戦いシーンもとても良かったです。

登場人物ではインクがかわいかったです!
宇宙船の操縦なんかもたくましくて、でもかわいくて。
キャラデザもGOOD
その分最後の別れは悲しかったです。

なつきも好きだった。
なにかやろうとしても少しかっこつけたがって、しかも上手くいかなくて。
悩んだりしてるシーンなんかも含めてとても共感できました。
彼女にしかわからない彼女の葛藤をひとり抱えこみ、なんとか頑張ろうというこころが好きでした。


{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

71.2 23 夏休みで友情なアニメランキング23位
三者三葉(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (602)
2858人が棚に入れました
元気で食いしん坊の小田切双葉、天使のような悪魔の委員長の葉山照、凋落した元・お嬢様の西川葉子という、名前に「葉」の字がつく“三者三様”の性格の女子高生が織り成すキュートで愉快な日常模様が描かれる。

声優・キャラクター
和久井優、金澤まい、今村彩夏、Machico、鈴木愛奈、桃河りか、赤羽根健治、西明日香、渡辺はるか、夏野菜緒、桑山琴音、田中ちえ美
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

貧乏系お嬢様かわいい、でも主役は3人!

あらすじは公式サイトをみてね。

第1話良かったです!コミカルな百合アニメなので、視聴継続できそう!

1話感想
{netabare}
没落貧乏なパンの耳系マヨ好きお嬢様、西川 葉子がとてもかわいい。1話はそれで視聴者の心にグッときますね。
葉子のかわいい所は語りつくせないほど1話に詰まってます。(以下私の熱い(キモい)葉子押しがしばらく続きます)

没落してもですわ口調で友達付き合いがわからないのがかわいい!
双葉にパンの耳の調理方法を聞いて、テンションが上がるのがかわいい!
次の日ウキウキで作ってきたパンの耳の砂糖揚げ(黒コゲ)をもって(この時点でかわいい)いつもの双葉達とお昼を食べる場所で双葉達がいなくて、強がってがっかりする所もかわいい!
双葉に声をかけられるだけで、とたんに眩しい笑顔になるのがかわいい!
パンの耳のコスパに感動しているのほんとかわいい!
山Gのバイト先の廃棄(ホントはもっていっちゃ駄目ですよ!)をうれしさを隠し切れないのがかわいい!
没落して以降お嬢様気分が抜けなくて友達が出来なかった反動か、双葉達の反応を期待して、頑張る姿がかわいい!


・・・とまあ葉子のかわいさを上げたらきりが無いわけですが、このアニメは葉子、照、双葉の3人が主役のアニメです。なんか葉子に凄く重きを置いた一話でしたね。今後はバランスよく3人を掘り下げていってくれるのかなと思ってます。

双葉もかわいいですよね~女子力低い系女子。パン一斤を「色々めんどくさいから」という理由で丸かじりするのは女子力低いですね~。色々葉子様をフォローしたり、何も入ってないおにぎりを率先して食べたり、良い子です。

照・・・かわいいんだけど黒い。唐突にスピードワゴンの「ゲ○以下の匂いがぷんぷんするぜー!」という言葉が思い出しました。いや、きっと根は良い人で良い匂いはするでしょう。ちょっと気取ってから素がでるのがかわいいです。

山G、女の子のお風呂についていくとか凄い変態の香りがするよ!悪気はないんだろうけど!山Gのストーカー芸と泣き芸最高だよ!

教科書を渡せず葉子様が申し訳なさそうにするのは、双葉達を少ない友達として意識して、嫌われたくないと思っている現われですね。

今期の最高のコメディ百合アニメですね!毎週の一番の楽しみになりました!
{/netabare}

2話感想
{netabare}
葉山照回でしたね。
葉山姉妹のやりとりから、照の人間性や姉に対する姉妹愛が伝わってきて良かったです。照を敵視しているピンク髪の女の子、今回完全にヒナギクに見えました。

やはり、今回も葉子視点が多いですね。原作もそうなのかな?

特売のマヨネーズを勝ち取り喜ぶ葉子。かわいい。そして目を覆う双葉達、面白い。

次は双葉ですね~ここまでハートフルな話が続いているので、双葉回もハートフルな話を期待してます。
{/netabare}

3・4話感想【4話感動回】
{netabare}
3話は西川家のメイドさん登場回。双葉回じゃなくて少しガッカリしましたが、コメディ路線のキャラが増えたのと、このメイドさんも葉子様の事を心配してるんだなあと思えるシーン(体育で葉子様がぼっちになっている所をみてクラスで浮いていることに気付き、双葉達が唯一の友達であることを悟る。そして、昼食の際に葉子様をよろしくお願いしますと双葉達にいう)もあり良回でした。

4話は双葉への認識を改めさせられた回です。そして今回も葉子様が超可愛い。制作の葉子様愛が溢れすぎている・・・
ハンバーガー屋で双葉が葉子様の両親の話を聞くのは、勇気あるなあと思います。双葉は行動に反して意外と賢い子ですし、無意識じゃなく意識的にもっと葉子様をわかりたいと思って勇気を出して気を使いながら聞いていると思います。それだけ双葉は葉子様ともっと仲良くなりたいんだなあと思うと、ちょっとウルっときます。それにさらっと答える葉子様も双葉達に心を開いて、自然な友達付き合いが出来ているのが、成長したなあと思えます。

今回肉をもらった葉子様の可愛さは必見です。あのシーンの可愛さは制作の愛があふれすぎていて、このアニメへの本気度が伝わってきます。

また、幼少期の3人の映像も可愛いですね!どの子も可愛いんですが双葉の幼少期の良く食べる子供っていうのが可愛かった。やまGの子供時代も可愛い。

さらに、4話は双葉への認識を改める回でした。食べるだけじゃなく、料理が上手いということを実践して証明する双葉。女子力が低いと1話レビュー時点で書きましたが、これは間違いでした。女子力高い!いや嫁力が高いのか?双葉可愛すぎるぞ!

最後に3人で双葉の作ったご飯を食べるシーンがあるのですが、美味しそうなのはもちろんなのですが、3人も可愛いし、「家で誰かと食事するのは本当に久しぶりですから」という葉子様の寂しさが過ぎ去った言葉、
3人で一緒に食べることが本当に美味しい理由なんだという事が伝わってきて凄く良かったです。最後に冗談を言って笑いあうシーンがこの3人が幸せということを感じて、嬉しく感じてきます。

4話、凄すぎました。少し画がいつもと違う感じがまた良かったです。ハンバーガー屋の夕暮れの陰影の使い方が凄く好きです。色々良い場面がありすぎて語りつくせない(笑)コメディシーンでの人物のデフォルメや顔の変化が細かくて凄すぎる。

西山ちゃんと照の猫パートも可愛いし、猫はいつもどおりぬるぬる動きますね。

山Gはストーカーといわれると傷ついていましたが、報われることがあるのだろうか・・・いやストーカーですけどね。

四話の最後の食事シーンの印象的な「夕焼け」と「鳩」が四話冒頭の葉子の幼少時代の友達とのお茶会シーンにも出てきているということは、どちらも葉子様にとっての幸せな思い出ということを示してるんじゃないかな。
{/netabare}

5話感想
{netabare}
照のライバル?猫好き西山さんが可愛い回。西山さんはツンデレ、プライド高い、そしてちょろい。西山さんのメイド服はかなり趣味入ってますねえ・・・ピンクが基調のメイド服とか現実には存在しませんよ、多分(笑)あと、西山さんの友達、近藤さんのケーキを食べるシーンかわいいですねえ。このアニメの貴重な黒髪っ子ですよ。

回を増していくごとに双葉が良い女であることがわかっていきますね~。髪を後ろでまとめて、出来る女性店員風ファッションが良く似合う・・・。葉山ちゃんの家に遊びに来た時は小学生かと思いましたが(笑)そのギャップが最高に魅力的ですね。
{/netabare}

6話~12話感想
{netabare}
6話
日常回。少しお嬢様気分が抜けてないなあと葉子様のワガママっぷりを見て思いますね。
7話
葉子様と青髪の子が体育で組んでいるのを照と双葉が見ているシーンは、
気にかけていたんだなと、裏で友情を見たようで少し嬉しい。
8話
近藤さん多め回。西川ちゃんと近藤さんの友情回かな。腐れ縁みたいな感じでいいですね。
9話
文化祭回。陰の無い楽しい回でしたね。
10話
何気ない日常回。パジャマパーティでお泊り会。何気ない日常が葉子様にとってかけがいが無いものですね。
11話
バレンタイン回。よかったな山G・・・。葉子様に執着して勝手に奉公してるとはいえ、ちょっと報われてほしかったので良かったです。
12話
葉子様にとって自分の家に行ってきますと言う意味は、その場所に自分の日常がある事を無自覚に理解してるからだろうなあ。・・・って園部の夢か!
バイトで昔の友人に会っても今の状況を受け入ている葉子様は成長しましたね。
そして3人の日常は終わらない・・・エンド。良いアニメでした。

{/netabare}

総評
{netabare}
作画:常に安定して綺麗。毎週楽しみでした。
キャラ:どの子も可愛い。全員をなるべく均等に掘り下げたのはよかったです。
音楽:OPEDどちらも良かったが、挿入される日常的なBGMが良い。
声優:新人さんばかりでしたが、ストレス無く視聴できました。
物語:最初の1~4話は葉子様の友人関係へのなれない感があり、成長を感じられた素晴らしい回でした。それ以降は何もない日常回が多かったです。もう少し情感があったほうが良かったかな・・・

{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 58

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ホンモノの「日常系」?(動画工房の本気)

※実はあにこれで視聴途中でアニメのレビューを書き始めたのは、本作が初めてです…。

原作未読です。
→ 読み始めました。いま3巻目くらい。(2016/6/15)
→ 6/18くらいに読み終わりました。既刊12巻。(2016/6/28)

多くの「日常系」といわれるアニメで私がいつも思うことは、「そんな日常は無い!」というところなのだが本作はそういうツッコミを入れずに観られている。
(ちなみに他にそんな気持ちで観られる他作品としては『のんのんびより』シリーズ。あ、『恋愛ラボ』あたりもそうかな?)

変に百合百合しくなくこの三人は本当に普通の友達なんだな、とリアルに感じられるのも本作の特徴だと思います。
(好みとして特に「百合が悪い」というわけではないのですが。あるいはこちらが本来の意味での「百合」?)

まあ、キャラのかわいさはファンタジーですけど、アニメだからね…。

キャラクターは女子高生ですが、ちゃんとオチを付けようとしている点に好感が持てます。特に葉子様さま絡みでときどきぶっとんだ描写もなくはないですが、そこはまあ、ギャグだからね…。

…ということでおそらく完走するでしょう。面白いので原作も買うかも。
→ 買い始めました。(2016/6/15)
→ 6/17には全巻揃えました。視聴の方も無事完走。(2016/6/28)

あと、OP/EDともにグッドです!

以下、追記:(2016/6/15)
原作を読み始めて、薗部さんが原作で出てくるのはかなり後だということがわかりました。原作では辻兄妹の方が先に登場するんですね。アニメ的には早めに出して正解だったかも。

あと、原作者も書いているんですけど双葉は大食い以外は意外と普通の人ですよね。基本は双葉のツッコミで話が回っているようなところがあります。双葉もボケるときがありますが、そのときには葉山ちゃんがツッコんでくれます。

全話観終わっての追記:(2016/6/28)
全話通して観た結果、全12巻から満遍なく原作が採用されていることがわかりました。アニメ中では、各エピソードは春から始まる通年で1年間の時系列に並べられています。

原作は13年におよぶ連載なので、その話数の季節に合わせたエピソード、あるいは季節を考慮しなくてよいエピソードが様々な巻から採用されていることになります。

複数のエピソードをつなげて1話を構成していますが、つなげ方は原作で連続のエピソードとは限らずこれはシリーズ構成や脚本がうまく処理したと思います。

★物語の評価を4 → 4.5に上げます。上記の作品構成に対する評価アップです。

★作画の評価を4 → 4.5に上げます。「マンガの絵が動く」という観点で、本作の作画はかなり良いと思います。ネコとか、絵的にマンガなんですがその動きは大変素晴らしいですし、コミカルなシーンの描写もマンガ的に実に良く描けていると思いました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「未確認で進行形」が恋愛を捨てて日常系に!(おすすめ!)

 もうなんか私、荒井チェリー原作の虜です。私の中では今期ナンバー1!

 「未確認で進行形」がラブコメから日常アニメにジョブチェンジした感じ。
 別のアニメ「未確認で進行形」にハマった人なら一見の価値ありです。原作者とアニメ制作会社が同じなので、ほとんど姉妹作品といってもいいでしょう。作画のあざとさもばっちり継承されています。萌え殺されます。み・る・ふぃ~・ゆっ☆

 しかし「未確認で進行形」がラブコメ中心だったのに対して、こちらは日常アニメのテイストが強いです。つまりラブがなく、コメディが若干薄いです。{netabare} 「未確認で進行形」からさらに萌えに特化と考えることもできますが、私にとってはちょっと不満かも。どちらが好きかと聞かれたら、いまのところ断然「未確認で進行形」かな {/netabare}……と思ったらじわじわハマってきました!例によって何でこんなにハマってるのかわからないけど。

 登場人物はメインの三人を中心に、それぞれに関連した人が2,3人ずついる感じです。{netabare} 私は勝手に「お嬢サイド」「腹黒サイド」「大食いサイド」と呼んでいます。最初「お嬢サイド」の元執事と、元メイドが出てきたのですが、この時はコメディにいまいちキレがなかったんですよね。
 でも「腹黒サイド」が出てきたとき評価が爆上がりしました。つまり西山さんとその付き人。葉山さんにケンカ売る役の人です(笑) 「未確認で進行形」でいうと「末続このは」の立ち位置。この子がいい仕事するんですよ!末続も好きだったけどこの子も好き!空回りして自分だけ損をする感じの、不遇な悪役がかわいくてしょうがないんです! {/netabare}

 原作は「未確認で進行形」よりも「三者三葉」のほうが連載開始が早いです。しかも原作から内容がかなり改変されてました。「未確認で進行形」で味をしめて無理やり作ったっぽいな、アニメ会社。
 超グッジョブ!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

73.8 24 夏休みで友情なアニメランキング24位
マリア様がみてる(TVアニメ動画)

2004年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (351)
1885人が棚に入れました
憧れの小笠原祥子に身だしなみを整えてもらった事をきっかけに、福沢祐巳が薔薇の館を訪ねると、学園祭の劇について揉めていた。王子役として花寺学院の生徒会長が来る事を聞き、シンデレラ役の祥子が辞退を望んだ為である。
役から逃げる為に祥子は祐巳を妹にすると言うも、祐巳はその申し出を断る。話し合いの末、学園祭までに妹にできたら降りてもいいが、その代役は祐巳が務める事になる。
祐巳もその時に備えて練習に加わり、周りに溶け込んでいく。王子役の柏木が同性愛者である祥子の婚約者だと知った祐巳は、役を引き受けようとする。
しかし祥子は同情を嫌い、申し出を受けずに役を勤める決心をする。学園祭が終わり、もう祥子と会う事もないと黄昏れる祐巳に、祥子がスールの申し込みをした。そして祐巳は、その申し出を受け入れるのであった…。


声優・キャラクター
植田佳奈、伊藤美紀、池澤春菜、伊藤静、能登麻美子、豊口めぐみ、佐藤利奈、甲斐田裕子、斎藤千和、下屋則子、大原さやか、檜山修之、市来光弘
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

百合というジャンルを広く知らしめた偉大な作品

マリア様の庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、
背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。
スカートのブリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、
ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
私立リリアン女学園。ここは乙女の園・・・。


毎回アバンで流れるこのナレーションが本作の独特な世界観を見事に表現しています。
というわけで、本作に頻出する専門用語をここでクドクドと説明することはしません。
”山百合会”所属の主人公、福沢祐巳は”ロサキネンシス・アンブゥトン・プティスール”であり
小笠原祥子とは”スール”関係にある。とか言われても初見の人は意味不明でしょうw
でも本作を見てハマりさえすれば、そういった専門用語も自然に覚えられると思います。

あー、ちなみに上記のナレーション、コピペしてませんので。余裕で全文暗記してますので。ww


原作は女性向けの小説。アニメ化の影響により、男性にも支持されるようになりました。
wikiに書いてあったけど、現在では読者の8割以上が男性らしいです。

そう、元々は女性作者による女性向けの作品なんですよね。
学園内を主な舞台とし、優雅で可憐で上品な乙女達の人間関係を中心に描く本作は
「閉じた世界観」であると言えなくもないですが、実際はちょっと違っています。
純粋培養されたお嬢様ばかりでなく、俗っぽさが目立つキャラだって普通にいるし
男キャラも出てくるし、物語にも普通に絡んできます。(出番自体は少ないですが)
{netabare}男と交際してるヒロインもいるし、チラっと触れられる程度ですが援交少女もいますww{/netabare}
アニメ版は多少軽減されてますが、女性作者特有の生々しい部分も割とあったりするんです。

それでも私は原作の方が好きですね。心理描写が非常に細やかで惹きこまれました。
そういった意味でアニメ版には若干の物足りなさがあります。作画も崩れ気味ですし・・・
ただ、豪華声優陣による気品溢れる演技、作品の雰囲気とマッチした音楽など
アニメはアニメで十分楽しめるし、一見の価値ありだと思います。

マリみての影響で私は完全に百合に目覚めてしまいましたw
一時期は同人誌を買い漁ったりネットに掲載されてる二次創作漫画やSSを読みふけったり
異常な程に熱中してましたね。なんというか、これ程妄想を掻き立てられる作品もないです。


原作の引き伸ばしがあまりに酷いので熱はすっかり冷めてしまいましたが、
百合ブームの火付け役であり、百合というジャンルを広く知らしめた本作の功績は偉大です。
後続の百合作品とは一味も二味も違う独特な世界観。
百合に興味がない方も、一度観てみることをお勧めします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 39

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

"スール"が見せてくれたもの

「リリアン」という女子校で静かな物音を立てて起こる群像劇。
主人公には祐美がいて、メインステージは「山百合会」と呼称される生徒会。
けれど派手で華々しいエピソードはなく、ささやかれる物語は常にとても個人的なものごとになる。
それは誰かと誰かのお話。

厳しい校則はなくとも淑女たる振る舞いを保ってきたリリアンの生徒たち。
それは上級生と下級生の結ぶ「スール(姉妹)」という関係が伝統として今も続いているから。
ある上級生は気に入ったある下級生を選び、選ばれた下級生も憧れの先輩の傘の下に入る。
親密な2人の間では当たり前のことを教え、たわいもないおしゃべりをし、また秘密を共有する。
先輩後輩の関係ではなく、友達でもなく、スールである彼女たちの間には誰も入っていけない絆がある。
容姿ゆえか、恋ゆえか、欠点ゆえか。彼女たちは強く、また深く、強烈な花の匂いに惹かれる蜂のように互いを求め合う。
そこには他人が踏み込んではいけない境界線をはっきりと感じ取ることができる。
互いに求め合ったその中に大事なものは隠されている。開けてはいけないパンドラの箱。人差し指を静かに唇にあてる。
スールである彼女たちは、こころの底から理解し合い、相手のために何かしたいと体が熱くなる。
半端ではないその関係にいささか驚かされるほどの愛をみるが、それは柔らかな光に包まれた、とてもあたたかいものだ。
依存のような危険性も、ヤマアラシのジレンマも皆無である。ただただ抱きしめ合うことができる唯一のもの。
それこそがこの物語の提示したい、世界のひとつの仮説である。


リリアン女学園で静かに起こる群像劇の本作「マリア様がみてる」。
目には見えない小さな傷も仄かな輝きも、決して見過ごすことのない彼女たちの真摯な姿勢、また他人に施す優しさと、スールに向ける愛の深さと誠実さはこの作品ならではの特徴である。
作品にはお嬢様学校で女子校という雰囲気もしっかりと出ている。口調や礼節、服装、身振りなど十二分にだ。
笑いをさそうコメディタッチの部分には迷走がみられるがさほど気にはならない。
作画についてももう少し頑張って欲しいという願いもあるが作品が良いだけに我慢して頷く他ない。
自分としてもそのように思うのは珍しいが、そういう部分では簡単に折れてもいいほどに夢中になれるのが本作品なのである。


個人的にこの作品のどこが良いのか、他ではあまり取り上げられないだろうところをピックアップしてみる。
それは、問題と態度にデフレがないことだ。その質は最後まで保たれ続けている。
どういうことかというと、例えば「名探偵コナン」ではFBI捜査官のジョディが出てくる。
しかし彼女はコナンと赤井を際立たせるためか登場のときよりも鈍感になり、簡単なことにさえ気づくことができなくなってしまう。
話を作る側も頭の良い人間のさらに頭の良い人間を作ることに苦労したのか、はたまた限界を感じたのか。
そうしてジョディのレヴェルを下げていくことで、あたかもコナンと赤井が1つ抜けた存在であることを示している。
至極淋しい表現である。

ではこの「マリア様がみてる」ではどうだろうか。
本作には、主人公の祐巳、そしてそのスールでありお姉様と呼ばれる祥子がいて、
祥子が祐巳から学ぶこともしばしばあるが、基本は上級生でもある祥子が祐巳にいろんなことを教える。
もちろん当たり前のことだが、祥子にもお姉様はいたし、作中で学年が上がることで祐巳にも下級生ができてだんだんと妹の存在が仄めかされていく。
しかし、「マリア様がみてる」ではジョディは作られない。
祥子のお姉様や他の生徒会のお姉様方もきちんと祥子に指摘するだけの能力と資格を持っていた。
そしてまた祐巳も下級生である瞳子や可南子にレヴェルを下げることなく、また奇をてらうことなく、祐巳自身の上級生としての自覚ある立場と振る舞いによって彼女たちを正しい方向に導いてあげることができているのだ。
この丁寧に、順番に段階を踏んでいく作りは作品全体にもそれぞれのスールの関係にも言える。
でも特別ここには感心しないわけにはいかない。人の成長をこれだけ素直に頷くことができるかたちに書き上げた物語には感謝の意さえ湧いてくる。救いと光に満ちている。作者の正直で、まっすぐな意志をしっかりと感じる。
だからこそ祐巳の等身大の成長には大きな感動がありました。「100数えなさい」の台詞を僕は忘れることができません。


「百合の火付け」として話題の本作ではあるが、僕はあまりそうは思わない。
なぜならそれ以上に描かれていることが素晴らしいからだ。
マイナージャンルを広めたのは確かなのかもしれないがその色眼鏡は必要ないほどに、百合であることをすっかりと忘れてしまうくらいに、この作品はあまりにも出来過ぎている。
わざわざそんな括りはを必要ともせず、「マリア様がみてる」は一作品として堂々としたアニメーション作品である。
むしろ「百合」という響きがかえって妨げてしまうことにもなりかねないのだ。


脆く、儚く、傷つきやすい十代の少女たちの葛藤と苦悩と幸せは、感じるには重く大きく、語るには恥ずかしく、振り返るとそれは思い出である。
「スール」という関係が生み出したこの作品の伝えたい大切なことは必ずこころに沁みてくるはずです。
誰もはこうはなれないけれど、せめて自分はこうなるように努めたいと、そんなことさえ思ってしまいます。

静謐で、たおやかで、あるときには地獄の火焔に焼き尽くされ、またあるときには頭から水をかけられる。
でもそこにはきっと、必ず手を差し伸べてくれる人がいる。
触れると眠った小さな動物のようにあたたかく、月の光のように私をみてくれる、あなたが。
もう薔薇の棘も痛くなんかない。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

歪んだ世界の高貴な女達を眺める

この宇宙のどこにも存在しない妄想世界、ユートピアを生きる
優雅で高貴なオーラを身に纏う女子高生達を眺める作品
通して見たのは大分昔、穢れた作品を見た口直しに
同じく穢れた作品のこれの一話だけをレビュー前にまた見た。

実際のところ、通して見ると出てくる大抵の女は極端に精神面が
成熟してないガキ共なんだけど、そこはあえてスルーする。
目的は美形で気品がある女達を外から眺めて目の保養をするだけ
この作品に関しては百合部分は個人的にはあまり評価できない

穢れを知らない~だなんてとんでもない、穢れ過ぎてるからこそ
こんな話になるんだよ。飾ったところで、いや逆に飾るところがさ、
歪んだ行為の正当化の為に・・なのは俺の視点が穢れてるだけ。
とは、思っていない


偏差値低めの宗教が絡む学校で、自分で物事を考えられない奴等
が集い、徹底して刷り込みをされればあるいはこういう話に近くなる
かもしれんけど、嫌でも外部の情報が入って来る現代じゃ・・。
こんな学校、こんな女達は信じない、こんな作品を書く女が怖ぇよ


姉がなー、自分よりずっと頭の出来良くて外では清楚に見えて、
実際家の中じゃ穢れ過ぎてたから、歪んでない女には心底憧れがある
裏表が少なくて目的が分かる分、ビッチが一番清楚に見えるんだ
感情、嫉妬むき出しとか、腹黒描写もやはり清楚に見えて安心する

猫や犬の○尾ってさ、本能的で歪みが無くて穢れの無い行動だろ
その本能部分を取り繕う為に精神で無理にストップをかけて、更には
美しいものと自己に錯覚させようって行為の方が、遥かに穢れてる
その穢れ、思い込みが取れた時に一気に豹変するのはさ、・・。

嗚呼、こんな学校の教師になりてーなー
手を出したいとかじゃねーよ、爽やかにピュアに遠目で眺めるだけ
と思わせる事がこの作品の最大の穢れ、だから脳内描写はスルーする

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

64.0 25 夏休みで友情なアニメランキング25位
イリヤの空、UFOの夏(OVA)

2005年2月25日
★★★★☆ 3.5 (254)
1394人が棚に入れました
浅羽直之は園原中学校の二年生。
夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていたがUFOについては結局何の成果も得られなかったため、せめてもの思い出にと浅羽は学校のプールへと忍び込む。が、そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。状況が飲み込めないままに浅羽は伊里野と触れ合うが、すぐに伊里野の兄貴分と自称する謎の男が現れて、その夜はそれでお開きとなった。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と、そんな伊里野のことが気にかかる浅羽と、伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。そんな風にして、浅羽直之のUFOの夏は、その終焉に向けて静かに動き出したのだった――。
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年のひと夏の苦い思い出

原作からアニメに入ったので、都合6話という制約もあったのでカットされた所も多く、ちょっと物足りないなという感想を持っています。だからといって、悪くは無い作品です。ボーイ・ミーツ・ガールのお手本のような作品で、見終わった後には何処か懐かしくもあり、そして何処か寂しくも感じる、モヤモヤっとした後味は残ります。ですが、それだけではない。主人公浅羽が体験した感情もきっと同じものだったのではないだろうかと、私はそう思うことにしています。

{netabare}元々小説を映像化する事については、小説では分かりにくい場面描写を視覚化する事で、人に理解しやすくさせるメリットがありますが、これに関してはそれが当てはまらないんです。というのも、原作小説の文章力が凄すぎて、文を追っかけているだけでも、自分の頭の中に鮮明にその光景が立ち上ってくるのです。こうした体験はラノベのみならず一般小説でも中々ないので、原作者の秋山さんは今でも大好きな作家さんの1人だったりします。原作の中で、伊里野の髪を切る浅羽のシーンがあるんですが、鳥肌立ちましたね。ここまで文章で表現できるのか。秋山さん凄いなー!!!ってな具合に。読んだ事ない方は原作読んで頂ければと是非思います。それでハマったら、E.G.コンバットを読んで、私と友達になってください、なんてねw

映像化に関してケチをつけましたが、する必要なかったのか?と、そういう訳でもなくて、特に夏の暑さによる揺らぎの演出はアニメならではものだと感心しましたし、大食い対決の所も伊里野と晶穂のギラギラした部分を上手く視覚化していたので、夏というイメージを視聴者に刷り込ませるのには成功していたなあという印象を持っています。それとやっぱり外せないのが、OPですね。切ない歌詞に切ないメロディー。作品の雰囲気に抜群に合っていました。

爽やかな青春物語ではなく、少し苦い青春物語。しかし決してバッドエンド一辺倒ではありません。ラストに水前寺の一言をきっかけに、浅羽はひとつの話の終わりを感じ、そして始まるであろう新たな物語に思いを馳せます。1人の人間の限界と無力さを感じながらも、伊里野との思い出を大切にして、前に進んでいく浅羽少年は得がたい経験をしたのかもしれませんね{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

Mir先生 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひと夏のSF

原作は電撃文庫のラノベ。著者は秋山瑞人さん。
遅筆で有名なんですが、本作のヒットで更に遅筆になった印象。
ただあまりに目に見える動向が少ないので、どうやって食って行ってるんだと疑問にすら思う。
イリヤヒットにかこつけて、
似たような作品である「ミナミノミナミノ」を執筆するものの、刊行されたのは1巻のみ。
本当に生きてるのか? と疑問でしたが、
2012年1月に「龍盤七朝 DRAGONBUSTER02」が刊行されて、生存確認が出来た。

制作は東映アニメーション。
あの、手を抜くことが仕事の東映アニメーションだ。恐ろしい。

監督(シリーズディレクター)の伊藤尚往さんは、
2002年に東映版Kanonにてシリーズディレクターをして、歴史に残る作品を生み出した方。
それを知った一部の方は、「イリヤ死んだ」と思っていた。

しかし本作は奇跡的にも、なかなかのクオリティを維持している。
いや、東映があまり得意ではない萌えにしては、かなり頑張っている。
デジタルペイントしてます! という感じの彩色ですが、
東映アニメーションは2000年頃からデジタルに移行したので、ようやく使いこなせるようになって来た頃なのかも。

もしくは、シスプリ、ダ・カーポなどの作監で経験を積んだ志田ただしさんが、
ここで本気を出したのかも知れない。

内容としては、ラノベ全4巻をOVA6話にまとめた形なので、
無理なく綺麗に収まっている印象。
このタイトルに関しては原作を知っていたので、
頭に予備知識が入っており、よく描けているのかな、という評価になった。
5話、6話の盛り上がりも手抜きはなかった。ただ絶賛と言うよりは、安心した感じ。

公式では「SF青春ラブストーリー」とジャンル付けされている。
だけどそんなにSF色は強めではなく、不思議転校生イリヤと、ちょっぴりセカイ系の青春ストーリー。
後半の展開はジュブナイルっぽさも入っている。

この雰囲気は後に刊行される涼宮ハルヒシリーズにも近いと思う。
イリヤ1巻は2001年10月、ハルヒ1巻は2003年6月なので、「学園ものSF」の流れを作ったのはイリヤなのかも知れない。

また、イリヤの関係者である榎本の声が井上和彦さんですが、
新海誠監督の2004年公開の「雲のむこう、約束の場所」において、
軍関係者の冨澤の声が井上和彦さんで、そのキャラクターには不思議な類似点がある。
他にも「雲のむこう、約束の場所」は、全体的に雰囲気は似通っている印象。

イリヤの声優はラジオドラマでは広橋涼さんだったが、アニメ版では野中藍さんに。
個人的には広橋涼さんの方が、線が細い感じが出てよかったのかなと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

あほあほ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これでアニメの偏見を捨て去った名作

 まだ数か月前、「深夜アニメ」もしらず、まして「OVA」の意味すらわからなかった自分が、たまたまこの作品を観て、アニメは浅くいい加減な芸術なんかじゃない、と心を入れ替えた作品。 目がおっきいアニメ絵の違和感をもちつつも、たくみなプロットと、凝った映像表現で見るのがやめられなくなった。
 いわゆるセカイ系の代表作だが、せつなくて、せつなくて、せつない。
 たった一人で戦う少女。そんなこと、もし知り合ったら、自分はどういう行動をとれただろうか……。 


 先日、久々に見直したのだが、内容しってるから詰まんないかと予想したが、全くの逆で二回目は実情を知っているだけに、より息が詰まる思いで悲しく、そして途中からずっと泣いていた。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1
12
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