家族おすすめアニメランキング 287

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの家族成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2023年05月31日の時点で一番の家族おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.5 1 家族アニメランキング1位
Buddy Daddies[バディダディーズ](TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (128)
316人が棚に入れました
殺し屋バディの子育て奮闘記!? 狙ったターゲットは逃さない。 そんな男2人の殺し屋バディが、4歳の女の子を引き取るハメに。 新たに始まったのは、ホット&クールな男2人組と天真爛漫な女児との家族生活。 どんな仕事もこなす2人でも、1人の娘に悪戦苦闘。食事の世話から遊びの相手、保育園の送迎などに大慌て。それでも仕事の依頼は断れない。 さらに、女の子は2人が始末した極悪マフィアボスの隠し子だったのだ…! 果たして、仕事と育児の両立は可能なのか? そして、仮初めの家族に幸せは訪れるのか? オリジナルアニメーションを数多く制作してきたP.A.WORKSと、練り込まれたシナリオで定評のあるニトロプラスがタッグを組んだ新作オリジナルアニメーション。痛快アクション&ホームコメディ!
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

放送時期が悪かっただけのハートフルコメディ

原作未読。予備知識なし。
"殺し屋が子育て"という点でどこかSPY×FAMILYを
連想しながら観てしまうのが難点でしたね。
アニメ化のタイミングが違えばもっと評価されたはず。

殺し屋と子育てを両立させるというより
殺し屋のパパ2人が子育てに振り回される様子。

色使いやノリがアメコミに近い感じがして、
そういう気持ちで観ていたら細かな設定のゆるさ等は
あまり気にならずクスッと笑える作品でした。

最初はミリちゃんをウザく感じるんだけど
進めるとハートフルで癒される方が上回っていって
後半では泣いちゃうところがいくつかありました。

実は初めて観た時に思ってたのと違うな〜と
1話切りしてしまったんですよね。
だけどキャラやイラストの感じが好きなので
勝手な連想をリセットしてリベンジしたところ、、

観てよかったーーー!!!

{netabare}ミリちゃんを預かり育て始めた時は
殺し屋業を一旦お休みする期間があったり、

ミリちゃんのお母さんが殺された後に
自分たちでミリちゃんを守り育てようと決意してからは
殺し屋を引退する選択をしたり、

その後は2人で飲食業を始めて10年間
生計を立てていた事が最終話の会話で分かるのですが、

振り返るとパパ2人はミリちゃんと出会った時から
ミリちゃん中心の生活をずっと送ってたんですよね。
愛だなぁ〜(*´˘`*)
グレずに高校生まで育って良かったね一騎パパw

個人的にコメディ抜きでは運動会の"かぞく"が1番好き。
園児が文字を読めるのか?とか気にしちゃダメ!w
私は4歳で平仮名と片仮名の読み書き出来てたらしいし
ミリちゃんも入園前のお名前を書くシーンで
お洋服に自分でデーンと書いてたから
きっと読み書き出来る子なんでしょう。

コメディ部分で好きなのは、
どこがというより全体的に零パパの発言です。
的確だったりズレてたり
よく分からない不安定な鋭さが面白かったですw{/netabare}

投稿 : 2023/05/27
♥ : 12

BCixY08611 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

スパイファミリーの二番煎じ!!と結論付けるのは時期尚早では?

辛口コメントが多いですが、とりあえず10話見た現時点では良作。
舌が肥えている人達が多いので、声を大にして言えませんが
個人的には見て良かったと思える作品です。
特に、保育園や児童福祉に興味があったり働いている人や子育て世代には
それなりに響くアニメだと私はおもいます。
感情移入の強い外国人の方達には好評のようです。
裏稼業&疑似家族がSPYFを連想させるので、そこらへんを考えると
評価が低く見積もられるのは仕方ないのかもしれない。
記憶をなくして1から見たい!と思う作品と同じように
類似作品との相対評価で見てしまうと、悪いバイアスで
アニメを純粋に楽しめなくなるなって思う。
あと3話、楽しみにしています。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 3

タイガー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

『2人を守れないならこの腕に意味はない』

殺し屋のイケメン2人が子育てをするホームコメディ

最初ゎSPY×FAMILYに近いものを感じながら視聴してたけど、

面白かった!

今期結構上位で良い作品だったと私ゎ思ってる

零のギャップも含め、殺し屋っぽいことしてる時が最高
作画も内容も高評価🙆‍♀️
歌もとても好きで作品の雰囲気と合ってる!

家族についてのお話で登場人物の成長がとても暖かく感じた

愛剥き出しの一騎に比べて零の成長ゎ普通に泣けた

ラストのボスの行動も親子だな。と思わせるシーンでしたね。

見返したいくらい好きだった作品

投稿 : 2023/05/27
♥ : 2

77.5 2 家族アニメランキング2位
SPY×FAMILY 第2クール(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (423)
1423人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている―― 世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。 東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。 西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。 その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。 内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。 〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。 だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった! 3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。 ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

すぅ○○!○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○‥‥‥

原作未読 全13話

SPY×FAMILYの後半2クール目です。1クール目から観ることをオススメします。

西国のスパイ「黄昏」ことロイド・フォージャーは、東国の重要人物と接触を図るため重要人物のご子息が通う学校へ糸口を見つけようと擬似家族を作り、娘役のアーニャを入学させることに成功、引き続きご子息の興味を引こうと色々と考えて行動するアーニャ、実は、「ちち」役のロイドはスパイ、「はは」役のヨルは殺し屋、「むすめ」役のアーニャは人の心を読める超能力者、そして飼い犬のボンドは未来予知能力を大型犬と、偶然にも特殊な能力(職業)を持った人たちが集まり生活していくお話。アーニャ以外はそれぞれ正体を知らないためにそのことで様々事象が起こります。

今回は新キャラ{netabare} (“夜帷” フィオナ・フロスト){/netabare} が出てきますが、このクールで一番印象に残りましたね。強烈な一言だったので、タイトルにしてしまいましたw

目的の進展は少しはありましたが、お話はそんなに進んでいません。ホームスパイコメディをゆっくり観る感じでしょうか〜。

2023年に2期&劇場版が発表されました。どんな展開になるのか楽しみですね。

OPはBUMP OF CHICKENさん、EDはyamaさんが歌っています。

最後に、この作品は色々なものとコラボしてますね。まさかマイナンバーカードまでコラボしているとは思いませんでした。YouTubeのCMを見て吹き出しそうになりましたw

投稿 : 2023/05/27
♥ : 26
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

安定した面白さは感じるけど…

西側のスパイ、黄昏(たそがれ)ことロイド・フォージャーが、ある任務のために作った偽装家族たちのハートフルスパイコメディ、1期後半クールになります。

いよいよ新キャラのボンドが登場ですね!
最初の話は{netabare}爆弾犬を使った{/netabare}テロの話で、久々にスパイものっぽい話で、アーニャを中心としたほっこり学園展開も好きだけど、やっぱりこういうハラハラ展開を時々入れてくれると嬉しいかも。

後半にもう一人登場したロイドの同僚のフィオナの存在はヨルにとって自分の気持ちを確かめるきっかけになったと思うので今後の展開が楽しみです♡

あと相変わらずアーニャの変顔とか舌足らずな言葉や心は読めるけど子供らしい解釈をしてしまう面白さなど、見てて飽きないです♪
SPY×FAMILYの面白さの半分はアーニャでできてるのかも。

とはいえ、戦争終結のためにデズモンドに接触し情報収集するという任務が物語の根底にある以上、いつまでも日常アニメみたいにだらだらといく訳にもいかないところもあって、これからの展開どうするんだろうって思いながら見てたんだけど、前半同様アニオリを入れたりして進行はゆっくり目で、今後展開が進まないと飽きられそうな気も・・

来年は劇場版と2期が早くも決定みたいで新展開があればいいなと思いながら楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 30
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

たのしいアニメあざざます!

原作コミックは7巻まで購読中。

【物語 4.0点】
前半1クール目はアーニャのキャラ受けに全てを賭けた構成。
アーニャ回は1パート分のエピソードもアニオリ演出も追加し1話分に長尺化。
原作ではアーニャも、もう少しマスコット、コメディリリーフ寄りのポジションとの印象でしたが、
アニメでは作品の顔として前面に押し出し、シリーズ成功の地歩を固める。

対して後半2クール目に入ると、二本立ての回も交えて、他キャラも掘り下げ。
家族の運営、学園生活攻略に苦慮するプロのスパイたちを笑う日常キャラアニメとして、軟着陸を目指す。
とは言え、{netabare}ロイド&フィオナの地下テニス回{/netabare}などアーニャメインじゃない話でも、アーニャの出番は必ず用意。
1週1アーニャ。ウリの供給は怠りません。


せっかくの本格的な東西対立構造の世界観。
もっとビシッとスパイ、アクション決めてくれという要望もごもっとも。

ただ、フォージャー家はまだまだ任務のための、かりそめの家族の感が強い私。
誰もがフォージャー家の日常こそが真実と安心しきった所で、
有事へのシナリオ転回や、家族を破壊する暗殺指令などの導火線に火をつければ、一層良い味が出るはず。
この観点から見れば、この日常も退屈ではなく、着実な伏線の積み重ねだと感じます。

あんまり急かしちゃもったいない。
だって私もまだまだ可愛いアーニャちゃんやイヌさんたちと戯れていたいしw
{netabare}ボンドの上で寝落ちしたアーニャ。{/netabare}これは間違いなく天使です。


【作画 4.0点】
キャラを引き立てる演出が得意なCloverWorks。
描き込みの作画カロリーが豊富なWIT STUDIO。
必勝タブルスのコンビネーションにより、
中毒性の高いアーニャの顔芸と、迫力のアクションたまにスポーツの両立が実現。


OP・荒木 哲郎氏&ED・平尾 隆之氏。
一線級のアニメーターが絵コンテ・演出を手掛けた主題歌アニメーション。
フォージャー家の団らんに向けて家族3人+1匹と料理が踊る映像もワクワク。
MISSION:16{netabare}「ヨル's キッチン」のヨルさん&毒味係?{/netabare}の苦闘を経た後だと、また違った味わいが出てきます。


【キャラ 4.5点】
独特の幼児語や、人間の心の闇も含むエスパー解説&リアクション芸で作品を制圧したアーニャ。

アーニャを愛でているとつい忘れそうになりますが、
東西戦争回避のための極秘任務「オペレーション梟(ストリクス)」で、
偽装家族による重要人物への継続的関係の構築を主導する主人公は一応ロイド・フォージャー。

さらにこれも忘れそうになりますが、ロイドさんは姓だけじゃなく名も偽名。
エージェント〈黄昏〉(たそがれ)の出自は謎に包まれ、心が読めるアーニャでも読み切れず。
ロイドの過去は関連するサブキャラ回で断片が示されるのみ。
偽りの家族を真実にする上で、本性を幾重にも覆い隠すロイドの演技力は一番の難関になり得る。

こうなると展開の起点として期待できそうなのは妻役の暗殺者ヨルさんでしょうか。
後半2クール目は自分に良妻役が務まるのか悩むヨルの掘り下げを通じた、
フォージャー家の真実味の深化に力点が置かれた面もありました。

ヨルさんも、これまで数多のアサシンが苦悩してきた裏表の顔の使い分けを、天然で済ませてしまう凄いお方w
ですが、ロイドと旧知でヤンデレな?妻役乗っ取り志望のフィオナさん、
管理官(ハンドラー)のシルヴィアさんと、諜報組織・WISEは濃い女キャラばかり。
ヨルさんでも油断すると埋没してロイドさんを奪われかねませんw

このある種の緊張関係?もヨルさんとフォージャー家の試練として機能していたと思います。


【声優 4.5点】
アーニャ役・種崎 敦美さんによる、読心術に裏打ちされたわざとらしい棒読みによる子供のフリなど、
緩急も交えた中毒ボイスは言うまでもなく。

エージェント〈夜帷〉(とばり)ことフィオナ・フロスト役の佐倉 綾音さん。
「すぅ――きぃ―――♡」の怪演も期待通り?でしたw

アーニャの日常と能力を未来予知により拡張したイヌさんのボンド・フォージャー役はナレーション・松田 健一郎さんが兼任。
巨体に似つかわしい、野太く、こもった鳴き声でモフモフ感アップに貢献し、こちらも期待通り。

こもり声で緊迫感をもたらしたのはエージェント〈黄昏〉の標的ドノバン・デズモンド役の土師 孝也さん。
つい最近まで『ダイの大冒険』大魔王バーン役でも場を曇らせていた悪役。
終盤。ロイド役・江口 拓也さんとの、顔の皮が分厚い者同士の腹の探り合いは、
ゆるい日常の中でも忘れちゃいけない戦争の火種を想起。


【音楽 3.5点】
音楽プロデュースは制作ユニット・(K)NoW_NAME(ノウネイム)
サックスが咆哮する一級品のスパイBGMやアクション挿入歌等も提供するが、出番は少な目。
むしろ、とぼけたスパイBGMの笛の音程が外れる「Crisis of my home」などコメディ曲の方が重宝。
(K)NoW_NAMEの無駄遣い感がある内はせかいはへいわw

OP主題歌・BUMP OF CHICKEN「SOUVENIR」
ED主題歌・yama「色彩」
時に痛切な青春ソング等で心をえぐって来る両アーティストも、作品の日常感を受け息抜きムード。
正直この歌い手なら、もっと刺しに来て欲しいという願望はありますが、
せかいはへいわだから、これもこれで良いのでしょうか。


【付記】
2023年。TVアニメ2期放送&劇場版制作も決定した本シリーズ。

2期については引き続き家族の価値を高める日常の醸成を。
アニオリになる劇場版についてはスクリーン映えするアクションにより、
もっとスパイをとの声に応えるガス抜きエンタメ作でたのしいおでけけを。
今年も顔とメディアを使い分けるスパイ✕日常の益々のコンテンツ繁栄を期待しております。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 35

94.9 3 家族アニメランキング3位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1699)
7236人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

なるほど、酷評をする人はコレがパクリに見えるわけですね、その価値観を変えるのは出来んのでしょうが、コレがゼロ年代ヲタク文学への愛のあるアンサーであることは明白!

『さくら荘のペットな彼女』を手掛けた鴨志田一先生と溝口ケージ先生が再タッグを組んだライトノベルが原作の全13話のSF、略称は『青ブタ』
『さくら荘』が学園青春ラブコメだったのに対し、長く続いた『さくら荘』でファンの年齢層も上がったことだろうということで、お二人は担当編集の反対意見を押し切り(笑)意図的にターゲット年齢層高めのSF作品にすることで切り返しを計っています
制作はA-1高円寺ことCloverWorks
監督は増井壮一で構成と脚本は横谷昌宏ということで奇しくも“さくら”繋がりの『サクラクエスト』コンビが手掛けました


梓川咲太(あずさがわさくた)はニヒルな高校2年生
梓川サービスエリアの梓川に、花咲く太郎の咲太で梓川咲太
彼はある日の休日、野生のバニーガールに遭遇する
その正体はかつて国民的人気を誇った芸能人で今は休業中の同じ高校に通う3年生、桜島麻衣(さくらじままい)
彼女は有名人でありながら他人から存在を全く認知されなくなった“思春期症候群”と言われる不可思議な都市伝説に巻き込まれているという
思春期症候群に遭遇した経験を持つ咲太は麻衣先輩から「忘れなさい」と忠告を受けるも麻衣先輩が美女であることを含め放っておけず、思春期症候群の世界に首を突っ込み始める
やがて咲太のざっくばらんな性格や隠されていた誠実さに麻衣先輩も心を開き始める…
主人公の咲太を取り巻く6人の美少女と彼女達の身に起きる不可思議現象を紐解いていく青春SFストーリー


今作、正直2018年のテレビアニメの【最高傑作】と言って過言では無いでしょう
放送当時、あまりにも仕事が忙しくて視聴をかまけていたのですが、ラジオ番組でライターの前田久さんが紹介されてるのを機に、完結篇になる劇場版ももうじき公開されることだし、ってことで一念発起して半年遅れでイッキ観してみました


いや、本当に面白い
なんでもっと早く教えてくれなかったんだよ!w
何話が面白いとかじゃなく、全話捨てるとこ無し!
そもそもよく原作をここまで短く纏めることが出来たと思います
横谷さんの一人脚本すっご


あにこれでも2019年4月現在、放送時期ランキングでアレほど話題を集めた『SSSS.GRIDMAN』や『ゾンビランドサガ』や『若おかみは小学生』を抑えてベスト1に輝いています
こーゆー名作をちゃんと評価する辺りが、オイラがあにこれの皆さんを信頼する理由ですねぇ
しかもその内訳が「大絶賛」してる人と「大酷評」してる人に真っ二つに別れているwww
その上での1位って王道中の王道じゃないですかw
『エヴァンゲリオン』かってのw


まずアニメやラノベに詳しい人ほどこの作品に漂う既視感に絶えられないという批評が多いようです
が、その認識は間違っていないと思います
鴨志田先生はハッキリとお答えになったわけではありませんが、この作品は鴨志田先生の青春であり、我々の青春でもあるゼロ年代(2000年~2009年)のヲタク文学への鴨志田先生なりの愛とリスペクト、そしてアンサーが詰まった作品に仕上がっているんですよ
具体的に言うなれば『AIR』『Kanon』『涼宮ハルヒの憂鬱』『化物語』といった作品群へのオマージュが満載なのです
これらの「パクリだ」と声を荒げるのは簡単なのですが、SFなんだけども既存SFファンからは白い目で見られていたこれらゼロ年代ヲタク文学作品達に、愛と敬意と科学的根拠を用いた解答を提示したのが今作なんですね
つまり『青ブタ』とはゼロ年代ヲタク文学の総決算だということです!


例えば有名人であるが故に周囲に溶け込もうと周りとの関係を断ち、周囲も無視を決め込んでいた末に他人から存在を認知されなくなった桜島麻衣先輩の症状
これは観測する事で存在が確定する“シュレディンガーの猫”で説明が出来、誰にも観測されなくなった麻衣先輩は存在が消滅するのだという展開に広がるのです


これSFかー?って批判もある事でしょうw
でもそれまんま『涼宮ハルヒ』の頃に世間で錯綜していた批評感なんですよねw
歴史は繰り返すw


田村里美さんのキャラデザや高田晃さんの作監もあって画面クオリティは凄く高いです
高田晃さんの顔の内側にまつげを描くと『青ブタ』のキャラっぽくなる、という発見は流石のお仕事ですb
2~3話に一度クライマックスを迎える構成なので結構泣くシーンが頻繁に登場して画面からは目が離せない
6話で何度も通り雨を印象付けた上で泣くシーンに合わせて雨降って→雨上がる、って構成と演出もズルいですねぇ、素晴らしいですねぇ


画面が良く出来ているので音響面の演出は抑え目にしてリアリティを追求した、と岩浪良和監督は仰ってました
会話劇なのでセリフを聴かせようということですね
劇伴なんかも控えめです


例えばパク音と言われる咀嚼音がありますが、キャラが飯を食う時に声優に「はむっ」って言ってもらうアレです
今作では食事シーンが多く出てくるのでリアリティ追求の為にあえてパク音はやらなくていいよ、と岩浪監督は指示したそうです
「はむっ」とか言いながら飯を食う人間は現実にはいませんからね
ところがよく聞くと梓川かえでというキャラだけはこのパク音、わざらしく言ってるんですねーw






























いやー、伏線は張られていたー!
怖い怖いw
そもそも久保ユリカさんがシリアスな芝居をしている時点で察しが着きそうですw
あの久保ユリカの説得力の無い声(笑)でシリアスな役を演っているんですよ!?
つまりソコには意味があるわけです
いやはや恐れ入った;


9話と10話で麻衣先輩とは全くの別人を演じ分ける瀬戸麻沙美さんも凄い
岩浪監督曰く、瀬戸さんと石川界人さんは特に指示しなくてもなんでもこなせて若いのに凄いらしいです


あとは双葉理央の孤独感を出す為にアフレコ現場では種崎敦美さんにわざと声を掛けず、孤立するように仕向けたって話も好きですw
種崎さんが可哀想w


そして妙にしっとりとした劇伴
最初に観始めた時にオシャレだけどなんか引っ掛かるなーというか違和感というか異化効果を感じていました
そしてあのEDテーマ…


裏拍を打っている…!コレはジャズか…!


ってなって背筋ゾクってなりましたわ
fox capture planといえばドラマの劇伴なんかで最近よく目にするようになりましたがアニメを手掛けるのは恐らく今作が初
いやまた凄い人達を連れて来ましたね
個人的に増井監督作品はしっとりとしたEDが多い印象です
『すてプリ』とか『サクラクエスト』とか


さて、完結篇となる6月の新作劇場版が今から楽しみで仕方ない
最近『グリザイア:ファントムトリガー』のクリスとムラサキを足して割ったようなキャラがもしいたら最高なんだけどな~、って思った矢先に観始めた『青ブタ』で双葉理央を発見してしまったので好きが止まりませんw
以上、双葉理央の作ったカレーを食べたいけみかけでしたー


「流石けみかけ、ブタ野郎だね」

投稿 : 2023/05/27
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「もてあましてるフラストレーション」の具象化 

2019.01.05記


原作未読


You've got an easy day …と直ぐ脳裏に浮かんだ方は立派な“かつての青少年”です。

前評判の高さが視聴動機。
ラノベってもう少しタイトルなんとかなりません?家族共有HDDに2018年秋期に並んだタイトル…
「青春ブタ野郎・・・」
「エロマンガ先生(地上波再放送)」
「幼女戦記(同じく地上波再放送)」
言い訳するのがたいへんなのです。


峰ヶ原高校に通う2年生、梓川咲太(CV石川界人)が目を覚まし、自分では見覚えのない一冊のノートに目を向けると、そこには信じられない事が記されていた――。
「5月6日、野生のバニーガールに出会った。」

で始まる本編。思春期特有の不安定な精神状態が引き起こす不思議な現象“思春期症候群”が引き起こすトラブルを巡り繰り広げられる青春ドラマです。
『思春期症候群』もちろん架空の現象です。クラスメイトや家族など人間関係のひび割れ、本人の内なる心の葛藤、確かに思春期にぶつかりそうな問題を引用してヘンテコな現象を仕立てあげてます。その理論的支柱役を咲太の同級生リケジョ双葉理央(CV種崎敦美)が担います。支柱といってもTHE中二感を出すための柱。「人と話すのが嫌い。性格も暗いし、中学の頃は友達もできなくて、一人でずっといた」ような子ですが、彼女の口から「ブタ野郎」と言われるとご褒美以外のなにものでもないですね。
そして先述の野生のバニーガールが本作のヒロイン桜島麻衣(CV瀬戸麻沙美)さん。「桜島麻衣の桜島に、桜島麻衣の麻衣」と自己紹介するくらい自分に自信をもってますが、けっこうな頻度で咲太に赤面したり恥じらったりする典型的!?ツンデレさん。年不相応・年相応な振る舞い、両面性ある魅力的な女子です。なにより咲太をすごい好きなのが良い。

鴨志田一原作で手堅く、数話ひとまとまりのオムニバスで進むストーリーはテンポもよく見易いです。原作1巻につき数話を使い、、、こんな感じ↓

{netabare}1-3話  第1巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
4-6話  第2巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」
7-8話  第3巻「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」
9-10話  第4巻「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
11-13話 第5巻「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」{/netabare}

各エピソード毎に別のヒロインを立てる仕様となっており各々これがまた魅力的です。手堅い作風はなにかしら既視感を生むようですが、ベタなものとはそんなもんでしょう。
どのエピソードも、当番ヒロインの魅力とほどよくエモい脚本で飽きません。むしろいい話ばかりなり。ED「不可思議のカルテ」を当番ヒロインが務めたりとこのへんも鉄板でありベタな演出です。
ベタについて、その昔『くりぃむ○ちゅーのたりらリラ~ン』という番組で“クイズよくあるパターン ベタの世界”という名物コーナーがありました。アンケートに基づいて作られたベタなドラマを観ながら次の展開を予想するクイズコーナーです。
そのドラマの完成度がこれまた高くて、ベタとはわかりつつ涙腺が緩む回答者多数。TVの向こう側のこちらも似たようなものでした。私の既視感を挙げるとしたらこんな感じです。


本作が好感なのは、野生のバニーガールが物語の進行上必然性があって“タイトル詐欺”になってないこと。それに咲太と麻衣のカップリングの柱に揺るぎがなく安易なハーレムになってないこと。当番ヒロインに流れることなく作太は麻衣さんが好きで、麻衣さんも埋没せずに要所で顔を出してきます。
ベタな中にも筋を通していることで、数多の類似作品より頭一つ抜けてる感がします。変態的なタイトルは置いといて、サクッと観ることができる良作です。
なんやかんやで桜島麻衣のヒロイン力の高さを満喫した全13話でした。


■余談
{netabare}お前とこのグラウンドで高校生が大声で叫ぶアニメだぞ、とモデルとなった七里ヶ浜高校出身の知人に{/netabare}

{netabare}お前とこが毎度破壊されるアニメだぞ、とグリッドマンでのモデルとなった都立井草高校出身の知人に{/netabare}

このクールは知人の出身高が相次いで登場しました。ウチの母校もそのうち出ないかしら。敷地の広さと雰囲気なら「やがて君になる」の舞台とそう変わらないと自負しとります。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

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2020.03.27
《配点を修正》+0.1 麻衣先輩が最強だから(リピート視聴後修正)

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2020.09.22追記
劇場版視聴済み。TV版を気に入った方はわりと必見だと思われる。


2019.01.05 初稿
2020.03.27 配点修正
2020.09.22 追記

投稿 : 2023/05/27
♥ : 118

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

何でこんな避けられそうなタイトルにしたかと思っていましたが…。(「おるすばん妹」の破壊力、原作既読でもヤバい…。劇場版も楽しみです!)

原作がシリーズを重ねていくうちに「まあ、これで良かったのかも」と思えてくる、そんなタイトルですよね。

OP主題歌で、いくつかの原作タイトルに使用されている文字の組み合わせがランダムっぽくチカチカと入れ替わって表示された上で最終的にアニメとしてのタイトル『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』となります。

ということで、ここでタイトルの使われた原作は全部アニメ化されるのかもしれません。
(↑え、マジで…!?)

アニメでは、「バニーガール先輩」以外のシリーズのヒロインも早めにわりと多く画面には出していく感じに見えます。

……と、2話まで観たところでこの後は2話くらい放送時には観られない予定なので取り急ぎ書いておきます。このアニメ化には期待しています!

2018.10.26追記:
第3話目まで視聴完了。原作でいうと1巻目の終わりだったのと話数から考えると、原作1巻に対して3話のペースで1クール=原作4巻分のアニメ化でしょうか。

劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のアナウンスもありましたね。こちらも楽しみです。

2018.10.29追記:
劇場版のタイトルと円盤の収録話数も踏まえて、おそらく下記のようなシリーズ構成になるっぽいです。

※話数が進んだので対応する原作の全タイトルをを記載
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない: 1~3話(先輩:桜島麻衣)
青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない: 4~6話(後輩:古賀朋絵)
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない: 7~8話(ウィッチ:双葉理央)
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない: 9~10話
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない: 11~13話

なお、劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は原作シリーズ6、7作目の内容になることは公式にアナウンスされていますね。原作は以降も続いていますが内容的にもここでひと区切りという感じなので、シリーズ構成的には妥当だと思います。

2018.12.10追記:
第9、10話でシスコンアイドル編終了。づっきー(広川卯月(ひろかわ うづき))役に雨宮天さんがキャスティングされてました。

公開予定の劇場版以降がさらにアニメ化された場合、そこそこ重要なサブキャラになるはずなのであんまりいい加減なキャスティングはできないとは思いましたが、天ちゃんでしたか…。

残る「おるすばん妹」編は原作でもかなり好きなエピソードなので、楽しみです!

2018.12.23追記:
原作既読であの展開を知っていてももヤバかった、12話ラストのシーン。視聴者(読者)も、ここまで時を積み重ねてあのキャラクターへの愛着が生まれていますからね。

思春期症候群的なエピソードは抑え気味でも、原作の『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』は、読んでて終盤はけっこう泣きそうになってました。

…ということで、最終回を待て(笑)!

2018.12.30追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。これまた本編からシームレスに劇場版の予告があったのですが、この作品については劇場版まで込みのシリーズ構成だったと思うので、まあこれもアリだな。モハメド・アリだ。(邪神ちゃん並感)

咲太くんは高校生としてはかなり大人で良い人なんですけど、その咲太くんも麻衣さんの助け、支えがないと誰も救えないんですよ。そして翔子さんも…。

原作通りなら劇場版で翔子さんの正体について衝撃の事実が明らかになりますので、こちらについても乞う、ご期待!

しかし、1クールで良くここまでアニメ化しましたね。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 100

92.2 4 家族アニメランキング4位
CLANNAD AFTER STORY-クラナド アフターストーリー(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (11463)
33572人が棚に入れました
『CLANNAD ~AFTER STORY~』は、「CLANNAD -クラナド-」の第2期シリーズ。「世界の終わりは悲しい色に満ちていた」あの感動のストーリーが再び――。制作は第一期に引き続き京都アニメーションが担当し、脚本も引き続き原作ゲームの大ファンと公言している志茂文彦氏という、黄金タッグで作られている。
ネタバレ

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

何度観ても泣いてしまう…… 個人的に最高の名作

全22話+番外編2話+総集編1話。

原作ゲームコンプ&アニメ14週視聴し再度レビュー更新。
1期からの続きの話ですね。
ゲームのアフターストーリーはほとんど卒業後の話になりますが、序盤は1期で描いてなかった芽衣・美佐江・有紀寧のサブヒロインの話が続きます。
特に有紀寧のストーリーには光の珠に纏わる逸話が出てくる大事なストーリーだと思います。
こういう主要キャラじゃない人物にスポットを当てた話は個人的に好きです。
9話からは朋也と渚のストーリー。今まではずっと学生時代でしたが、急に展開が早くなります。
18話以降は常に涙腺崩壊w泣きすぎてゲロ吐きそうになりました(笑)
アフターは恋愛よりも家族を前面に押し出したストーリーになりますが、正直自分はこの手の話ではほとんど泣けないようなドライな人間でしたが・・・
ストーリーもいいですが曲も主題歌、劇中歌とも素敵な曲がたくさんありますのでオススメです。Liaさんの声に癒やされます。
すべて見終わった後に、もう一度1期と2期のOP映像を見返して欲しいと思います。
これを作ったスタッフさんセンス半端ないです。CLANNADの全てを表現してるといっても過言ではないかと・・・
今ではOPだけで洗面器1杯分は泣けそうw
この作品に出会ったおかげで感動するということを思い出せた、個人的には最高作品です。
絵が嫌いと言う理由で見てない方が結構いると聞きますが、はっきり言って見ないと損だと思います。
1期から続けて見るには結構長い(1期2期合わせて4クール分)ですが、それだけの価値はあると思います。
個人的ランキングでは間違いなくNO.1のアニメです!
是非1期から見ることをお勧めします♪


ここからは結構不評である終わり方について主観たっぷりの妄想的な考察が入るので、自分なりの解釈がある方は見ない方がよいかも・・・

{netabare}
・朋也人生ループ説
『なぜ渚は生き返った?・平行世界?夢落ちかよ』と言う意見がありますが、朋也は現実世界→幻想世界→現実世界→・・・と、ひたすらループしてると思います。
1期冒頭に『この街は嫌いだ。忘れたい思い出が染み付いてるから』のセリフ。確かに朋也は親父にいろいろ酷い扱いをされてましたが、それだけで『街』まで嫌いになるだろうか?渚が幼少に死にかけたときに秋夫が願いをかけた場所であった奇跡。渚が『街』と繋がっていて街を削られるごとに衰弱していく記憶。汐が衰弱していく悲劇。これらの記憶が少なからず残っているからループしてると想像してます。
そして渚と共通する幻想世界の記憶。アフター最終話の幻想世界での『光をたくさん集めれば奇跡が起きる』という少女のセリフ。これも何度もループして光の玉を集める渚を救う奇跡を起こすのが朋也の目的なのかと考えています。
しかしアニメ化にあたり、原作ゲームでは各キャラそれぞれのストーリーが一本化されているためループしてるのが非常に分かりにくくなってるのが難点。杏と智代ストーリーだけが『もうひとつの世界』として番外編的に描かれてるだけですね(これも恐らくストーリー上、渚メインにすると矛盾が発生するための処置だと思われるが)


・幻想世界について
ことみエピソードに出てくる『かくされた世界』が幻想世界なのでは?『街』と繋がった渚(渚の死後は汐に伝わる)と朋也だけが幻想世界に行けるのは、好き嫌いにかかわらず街にこだわりがあったからなのか・・・ アフター最終話にて少女がロボットの『パパ』と話しかけてることから少女=汐・ロボット=朋也だとすぐわかると思います。汐が現実世界で唯一買ってもらったおもちゃのロボットと似たものを作りだし、そこの父親の意識が宿るとは、なんとも悲しくなります・・・

・光の玉とは?
アフターの美佐江エピソードで『願いをかなえる光』・有紀寧エピソードで『幸せな瞬間に現れる光の玉』等のエピソードがあります。これも朋也(汐誕生後は汐)しか見れないのも朋也が特別な存在だからなのか?

・風子について
かなりぶっ飛んだ存在に見える風子ですが、最重要キャラではないかと。1期初期には隣町で入院していて幽体離脱みたいな状態で現れましたが、このせいなのか朋也の町がループしている事や、渚(汐)が『街』と繋がっている事、汐が亡くなってしまう事も知っていたのではないだろうか?ひっかかってるのがアフターで風子が朋也の家で言ったセリフ。
【汐ちゃんを連れ『戻し』にきただけ】という言い回し。何故『連れて行く』ではないのか?悲劇を知っていて汐だけでも助けたかったのではないだろうか(考えすぎか?)
さらに『汐ちゃんの匂いまで覚えた』のセリフにもひっかかりが・・・ 最終話での病院での奇怪なセリフ『可愛い匂いがします』。時系列上繋がりがないにもかかわらず汐の匂いを覚えていたのは、やはりループ世界を客観的に知っていたからでは?このセリフを残し病院の木の下(渚が街と繋がった場所)に走りだします。アニメはそこで終わってしまいますが、実は1期のオープニングで風子が【幻想世界の少女=汐】を発見するシーンが描かれてるのをご存知でしょうか?全て見終わった後にOPを見直して欲しいと前述したのはこのためです^^
12周見て気付いたんですが、アフター最終22話の風子が病院に行くシーンに移るときのテロップ。今までAパートとBパートの間はちゃんとタイトル通り『CLANNAD AFTER STORY』って表示だったのにこのシーンだけは『CLANNAD』なんですよね。これってわざと1期を意識させてOPを見せようとしてたのかなと少し感じた(また考えすぎ?)
{/netabare}

なんだか長くなってしまい、さらには良くわからない文章になってしまいました。余計に訳わかんなくなっちゃうかもw

投稿 : 2023/05/27
♥ : 237

ハル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

これ以上の作品は……

他の方も言ってることですが、自分もこの『クラナド』はキャラの描き方が苦手で見らず嫌いな状態でした。…でしたが
このランキングとレビューを見て実際見ましたが、自分と同じ様にキャラの描き方が苦手で見ないという方は本当に一度騙されたと思って見てみてください。
観ていくうちにキャラの個性に自分は惹きこまれて作画なんて気にならなくなっちゃいましたよw
個人的には春原と秋夫・早苗夫婦が完全つぼでしたwww

見る人にもよって強弱はあるかもしれませんが、ストーリーが進む中で自分はてどれだけ親に思われて生まれてきたのか?自分が健康に生活出来ていることの幸せさ。とか、観る人によって捉え方様々だと思いますが、価値観に変化があるんではないかと思います。

また、自分は2度観てしまいた。
ただ原作を知らなかったので1度目では分からない点が少しあって、2度目はサイトなどを参考にしながら自分なりに考察しながら観ました。
なので2度目は更に面白く観れましたよ。
ネタばれしたくないので控えますがorz
以外と奥も深く、考えさせられます。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 73
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

とにかく9話までがんばって見てほしい(85点)

ゲーム原作。原作未プレイ。
全24話。

個人的満足点:85点
アニメ系統:ファンタジー&家族愛

あにこれでの評価が異常に高いために視聴を開始したわけだが
正直、はじめの内は見るのが拷問だった。
CLANNADの方もはじめの内は拷問だったのではあるが。
 
はじめの6話ぐらいは見るのに相当日数がかかった。
1話みては数日放置、また1話見て数日放置が続いた。
9話にたどり着くのに1ヶ月ぐらいかかったんじゃないかと思う。
この段階では正直ここまでの高評価の理由はまったく理解できなかった。
 
それでも、これから見始める方はどうか9話ぐらいまでは我慢して見てほしい。
9話あたりからはぐっと物語りに入っていけることと思う。

家族の絆をうまく表現していて後半きっと涙腺崩壊を体験することが出来ると思う。
自分自身ここまで泣くとは正直思わなかった。
本当に序盤、我慢して見てよかったと思う。

ここまで泣けたのは感情移入の度合いだと思うが
自分の場合、後半、ありえないぐらい感情移入してしまっていた。
あまり書くとネタバレになりかねないため控えるが
そこまでの感情移入を実現したのは現実と非現実の
融合ではないかと思う。
実生活にありそうで、なかなか無い。
そんな部分を自分の実生活と重ね合わせてしまっていた。

家族の絆のすばらしさ。
朋也を取り囲む人々の心の温かさ。
そこにもってきてのあの卑怯なまでの泣きポイント。
色々突っ込みどころはあるかもしれないが、素直に泣いてしまえる。
今では団子大家族を聞いただけで泣きそうになる始末。

しかし、物語を満点としていないのは
序盤のダルさと最後の最後に違和感があったため。
というか最後にファンタジーであったことを認識させられた。
最後は原作をプレイしている方なら意味が分かるのだろうが
CLANNADの序盤やアフターの序盤が辛かった人には理解するのは難しいと思われる。

私も理解できなかったので、思わずゲームを買ってきた。
ゲームをやると理解は深まると思われる。
どうしても納得いかない方はゲームをプレイしてみてはいかがだろうか。

それ以外は作画、音楽ともかなりよい出来だと思う。
キャラデザは好みではないが、1期にて耐性ができていたので、問題ないレベルだった。

色々突っ込みどころはあるかもしれないが素直に大泣きできるアニメである。
家族の絆に感動して、泣きたい方には自信をもってお勧めできる。
お涙頂戴な話が嫌いな方にはお勧めはしないが。

ただし、視聴の際には注意していただきたいことがある。
私はティッシュで挑んだが、ティッシュ大量消費という罠にはまったw
これから視聴する方はタオルもしくはバケツを準備していただきたい。


と、まあ色々書いてきたが
何がいいたいかというと

汐は俺の娘!


■追記
以下、個人的な思いを書きたいと思う。
完全にネタバレだし、まったく参考にもならないだろうが、この思いは書き記しておきたい。
お時間の許す方はお付き合いくださいませ。

{netabare}

私はこれほどアニメで泣いたことが無いのではあるが、どうしてそこまでになったのか。
正直な所、CASがリアルかと言われればリアルではないだろう。
非現実的だし、最後にファンタジーであることを思い知らされる。
しかしながら、私は号泣してしまったのである。

いったい何に号泣したかと言われれば、汐の存在である。

渚の死後、汐をおきざりにしてしまう朋也。
朋也をぶん殴りたいと思ったのも事実だが、今となれば朋也の気持ちも分かる気がする。
私も一児の父であるが、娘が生まれてすぐに親の自覚があったかと言われればなかった。
自分が父親になった実感など全くといっていいほどなかった。
自覚が出てきたのは娘が1才すぎてからだろうか。

そんなことを思い返すと、あのタイミングで最愛の人を失った状況で
娘のことを考えられなかったというのも分かる気がする。

話が少しそれたが、そんな状況の中、汐は本当にいい子に育っていた。
自分を置き去りにした父親を嫌うことなく、むしろ一緒にいたいと。

そんな汐のセリフ1つ1つに泣かされてしまった。
列車の中でトイレに泣きにいった汐
「泣いてもいいのはトイレの中と、パパの胸の中だって」
おもちゃをなくしてしまって
「あれ、ひとつだけだから」「選んでくれて、買ってくれたものだから」「はじめて、パパが・・・」

こういったセリフ達が私を号泣させた。

自分の娘と重ね合わせていたのかもしれない。

そんな汐が渚と同じ難病になってしまったときは愕然とした。
アニメのキャラの運命に愕然としたのである。
私の娘も実は心臓病である。
娘が心臓病だと知らされた時のことが思い出される。
あの瞬間、私はアニメに向ってこんな残酷なしうちやめてくれと本気で思ったのである。
そして、案の定、汐はだんだん弱っていってしまう。
もうこの辺りからまともに画面を見ていられなくなってしまっていた。

最後のシーンで旅行に行こうと言い、出かける二人。
汐の足取りがだんだん重くなっていく。
冷静に考えればありえないような行動ばかりだが、
もう、この時点で私には冷静な判断力などあるはずがなかった。
本気で汐を助けてやってくれと願っている自分がいた。

最後のループシーンに最初は意味不明だったが、今は良かったと思っている。
私は汐に幸せになってほしいと思っているのだから・・・

{/netabare}

投稿 : 2023/05/27
♥ : 131

90.5 5 家族アニメランキング5位
凪のあすから(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (6416)
25338人が棚に入れました
海と地上、そのどちらにも人が暮らす世界。中学が廃校になり、幼なじみと共に地上の学校へ通うことになった海村の少年・先島光が転校初日目撃したのは、大切に守ってきた少女まなかが、地上の少年と特別な出会いをした瞬間だった。

声優・キャラクター
花江夏樹、花澤香菜、茅野愛衣、逢坂良太、石川界人、小松未可子、石原夏織、名塚佳織、天田益男、間島淳司、清川元夢、鳥海浩輔
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

溢れ出る感情の波に幾度も心をかき乱されてしまう、感銘も感動も大きいが視聴に難儀する《名作》

(2019年3月) 制作情報等を追記

◆感情描写の濃度が桁外れに高い作品

私は、恋愛などの感情描写系アニメを視聴するときは、作品中に不意に差し込まれる微妙な心情変化を見逃さないようになるべく集中して視聴するようにしているのですが、本作の場合、多数の登場キャラたちのどんな目線の動きにも手足の仕草にも確りと意味が込められていて、そうした一つひとつの挙動に暗示される各キャラの感情推移を読み取るのに視聴中ずっと頭をフル回転させている状態が続きました。
そのため1話視聴する毎に物凄く疲れて、暫く頭を休ませてから次の話に行く、ということの繰り返しで、これまで本作を余裕を持って視聴できていなかったのですが、3周目を終えた時点で漸(ようや)く、そうした感情を読み取る作業を自分が納得いく程度に終えることができた感じを持てました。
そして念を入れて行った4周目の視聴で、やっと余裕をもって本作全体を楽しめ、かつ自然な感じで感動もできたように思ったので、それに合わせて本作の評価を ★ 4.3 → ★★ 4.7に大幅に引き上げました。
(※1~3周目も視聴中に感動はしていましたが、果たしてその自分の感動が辻褄の合った納得のいくものなのか確証がもてずに警戒しており、本作の総合評価を ★ 4.1~4.3と低めに据え置いていました)
だいぶ苦戦しましたが、頑張って繰り返し視聴して良かったと思いました。

◆起/承/転/結のはっきりしたシナリオ構成

本作は、純粋な日常系の恋愛作品ではなく、①ファンタジー設定と②セカイ系設定を上手く組み込んだ変則的な恋愛感情描写系作品ですが、よく見るとシナリオ構成の基本に忠実に、全26話を以下のように、【起】【承】【転】【結】に上手に振り分けていることが見て取れます(※詳しくは◆各話タイトル&評価へ)。

【起】第1~7話(計7話) {netabare}海村とウロコ様の存在というファンタジー設定が示される{/netabare}
【承】第8~13話(計6話){netabare}地上の異変と海村の冬眠・人の滅びの予告というセカイ系設定が示される{/netabare}
【転】第14~20話(計7話){netabare}5年後の世界に切り替わり海村の3人の冬眠からの目覚めが描かれる{/netabare}
【結】第21~26話(計6話){netabare}登場人物たちの錯綜した恋愛状況が世界の命運と連動しつつ収束していく{/netabare}

◆作品テーマ

ひとことでいえば、{netabare}恋愛感情をもつがゆえの苦悩とその最終的な肯定{/netabare}、を描き尽くすことにあると思います。
この作品テーマは、第5話(あのねウミウシ)での美海と光の会話によく現われます。
{netabare}
美海「もう、あんな悲しいお腹になるのは嫌だ。大好きにならなければ、あんなに苦しくならない。だから、だから美海・・・」
光「大好きにならなければ、好きにならなければ、辛くならない。確かに、そうかも知れねぇな。」
美海「え?」
光「なんか俺も人のこと言えねぇ。好きとか、なんないほうが、やっぱ楽なのかも知れねぇと、思う。だけどよ、誰かを好きになるの駄目だって、無駄だって思いたくねぇ。」{/netabare}

→この会話は最終話で見事に回収されます。

※なお、本作で最終的に肯定される「恋愛感情」とは具体的にどのようなものか?をさらに一歩踏み込んで考察すると本作を一層深く楽しめるようになるのではないか、と思います(※その点、◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理へ)。


◆制作情報
{netabare}
原作         Project-118
監督         篠原俊哉
シリーズ構成     岡田麿里
脚本         岡田麿里(12)、横手美智子(4)、吉野弘幸(4)、和場明子(3)、根元歳三(2)、西村ジュンジ(1)
キャラクターデザイン ブリキ(原案)、石井百合子
音楽         出羽良彰
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回

======================= 凪のあすから(2013年10月-2014年3月) ====================

~~~~~~~~~~~~~~ OP「lull〜そして僕らは〜」、ED「アクアテラリウム」 ~~~~~~~~~~~~~~
     ※ まなか・ちさき・光・要・紡(中学2年)、美海・さゆ(小学3年)
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【起】 第1~7話は、{netabare}海村の4人が陸村の中学に転入したことを切っ掛けとして、彼ら内部や彼らと陸村の人たちとの間に発生する心の揺れ動きを描出{/netabare}
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{netabare}第1話 海と大地のまんなかに ★ 海村の4人の転校初日、まなか・紡の出逢い
第2話 ひやっこい薄膜 ☆ 美海・光、さゆ・要の出逢い、あかりの恋愛事情
第3話 海のいいつたえ ☆ 海村の掟、あかりの男の事情、紡と海村の4人が打解ける
第4話 友達なんだから ★ お女子様の破損事件、さゆの要への思慕の始まり
第5話 あのねウミウシ ★★ ちさきの想いを知ってしまう紡・まなか、美海家出・光への思慕の始まり
第6話 巴日のむこう ★ 光・紡の水泳競争、ちさき・まなかの喧嘩~仲直り
第7話 おふねひきゆれて ☆ 海村と陸村の対立、あかり海村から離れ地上へ{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【承】 第8~13話は、{netabare}地上の異変~海村の冬眠決定を契機とした海村の4人や陸村の人たちの決断・行動を描出{/netabare}
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{netabare}第8話 たゆたう想いのさき ☆ 美海・光・紡・まなか・ちさき町へ(プレゼント探し)
第9話 知らないぬくもり ★ 地上の異変、紡→ちさき「今のあんた嫌いじゃない」、廃校でハグ(光→まなか)
第10話 ぬくみ雪ふるふる ★★ 冬眠の準備、まなかの想いはウミウシへ、要の告白
第11話 変わりゆくとき ☆ お船引き決定~準備、あかりの決断(結婚・お女子様に)、ちさきの決断(光へ)
第12話 優しくなりたい ★★★ 廃校での告白(光→まなか、ちさき→光)、第1話のリフレイン(まなか・紡)
第13話 届かぬゆびさき ★★ 冬眠、お船引き、お女子様(あかり→まなか){/netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「ebb and flow」、ED「三つ葉の結びめ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ※ まなか・光・要・美海・さゆ(中学2年)、ちさき(看護学校1年)、紡(大学1年)
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【転】 第14~20話は、{netabare}5年後の海村の3人の目覚め、彼らと地上に残された人たちの戸惑いを描出{/netabare}
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{netabare}第14話 約束の日 ★ 5年後の世界(主にちさき・美海の視点から)、光の目覚め
第15話 笑顔の守り人 ★ 光・ちさき再会、美海の光への思慕、紡→ちさきへの希望表明
第16話 遠い波のささやき ★★ 光とのデート(美海・さゆ喧嘩)、美海にエナ、要の目覚め
第17話 ビョーキなふたり ☆ 要・ちさと再会、さゆ・要再会、海村へ(美海・光・要) 
第18話 シオシシオ ☆ 冬眠中の海村の様子、まなか発見~救出
第19話 まいごの迷子の… ★ 大人になった事に気付くちさきと、紡・要の彼女への想い
第20話 ねむりひめ ★ まなかの目覚め(必死に手を尽くす光と揺れる美海の心){/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【結】 第21~26話は、{netabare}海神様とお女子様の伝承をリンクさせつつ、登場人物たちのそれぞれの想いの着地点を描出{/netabare}
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{netabare}第21話 水底よりの使い ☆ OP映像マイナー変更。まなかの異変、ちさきと光たちとの距離・紡との距離
第22話 失くしたもの ★ ウロコ様探し、まなかの失ったもの(人を好きになる心)
第23話 この気持ちは誰のもの ☆ ウミウシの石、紡・光の殴り合い、紡の想いがちさきに伝わる(紡にエナ、海村へ)
第24話 デトリタス ★★★ お船引き再び、ちさきの本心(要へ)、さゆ→要へ告白・完結
第25話 好きは、海と似ている。 ★★ まなかの本心(美海・紡へ)、紡・ちさき完結、美海失恋、お船ひき
第26話 海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~ ★ 美海の心を知る光・お女子様の心を知る海神様、光・まなか完結、ぬくみ雪やむ{/netabare}
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★★★(神回)2、★★(優秀回)5、★(良回)10、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7


※このように本作は前半のラスト2話(第12-13話)・後半のラスト3話(第24-26話)にそれぞれクライマックスが来るように巧みに構成されていますが、その他の回も万遍なく楽しめる平均点の高い作品となっています。
(前半が詰らなくて後半がグンと面白くなく『とらドラ!』とは好対照)


◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理

私たちがラブストーリーを批評する場合、「きゅんきゅんする」「甘酸っぱい」「純情」というのは常套句ですが、そうした感覚的で曖昧な表現だけでは、恋心(恋愛心理)の分類としては舌足らずであり不明確だと思うし、また本作に描かれた恋を「青臭い」の一言で切り捨てるのはいかにも粗雑な感想だと思います(※もし「青臭い」と断言するならば、どこがどう青臭くて、それとの対比で「青臭くない」恋とはどんなものなのか?が具体的に示されないと説得力に欠けます)。

そこで、ここでは本作に描かれた恋愛模様をより具体的に考察するために、以下の分類を用います。

{netabare}<1> 出逢い方による分類

①幼馴染型 → 海村の4人の場合(光・要×まなか・ちさきの関係)
②ボーイ・ミーツ・ガール型 → 陸村と海村の出身者の間の場合(紡とまなか・ちさきの関係)
③年上への憧れ型 → 陸村の小学生と海村出身の中学生の場合(美海・さゆ×光・要の関係)

<2> 恋の回数による分類

①初恋 → この作品の大部分の恋
②2回目以降の恋 → 無意識のうちに進行してしまうちさきの紡への恋
③その他(既婚者との恋など) → あかりの美海の父への恋

<3> 恋愛感情の内容による分類

①趣味的恋愛感情(※相手の好意の獲得を目的とした駆引き的な恋であり、恋に恋して恋を自覚的に楽しんでいる状態)
②虚栄的恋愛感情(※ブランド品を見せびらかすように恋人を持ちたがること、また人の恋路に嫉妬して燃え上がる恋)
③肉体的恋愛感情
④情熱的恋愛感情(※説明が難しいが、本作で描かれるほぼ全ての恋愛感情はこれに当てはまる){/netabare}

このように本作は、都会から遠いファンタジックな小村(海村も陸村も)で生まれ育ち、世の波風にまだ汚されていない中学2年(13~14歳)の少年少女の初恋という設定に基づき、全26話を通して、①~③の要素をほぼ排除して、④情熱的恋愛感情の描出一本槍で突っ走るという、ラブストーリーとしては些(いささ)か稀な作品となっています。

また、本作で描かれる心理関係のほとんどが、幼馴染の間か、さもなくば年上への憧れとして発生していることも、彼らの④情熱的な恋愛感情に説得力を持たせています。

《一般的な恋愛作品との違い》

これがもし高校生以上の関係で、かつボーイ・ミーツ・ガール型の出逢いだったなら、いきなりの④情熱的恋愛感情の発生には余り説得力がなかったことでしょう。
例えば、あにこれでも高評価の恋愛アニメの代表格『とらドラ!』は、
{netabare}
(1)序盤から中盤にかけて、ヒロイン大河の北村君への恋のときめきや躊躇いを繰り返し描き出していますが、そうした大河の恋心は、実は「駆引きを通して相手の好意を獲得することを目的とする恋」つまり①趣味的な恋愛感情であって、
(2)第16話(すみれさん乱闘事件)を機に大河は自分の恋心の浅はかさを悟らざるを得ず、そして、
(3)第19話で、大河はとうとう自分の本当の恋心は北村君ではなく竜児にあることを自覚するに至り、なおかつ、この自らの恋の成就を目指すのではなく、これを秘匿し押し殺して竜児の恋の成就を密かに支援する側に廻ることを決意する、
{/netabare}
・・・という流れになっていますが、このように大河の恋心が、①趣味的な恋愛感情から、④情熱的な恋愛感情に移行してしまうストーリー展開の巧みさに『とらドラ!』の凄みがあって、それがこの作品が高評価を取っている本当の理由と私は考えています。

この『とらドラ!』の例のように、優れた恋愛作品というのは、アニメ・実写あるいは小説といった表現媒体に関係なく、

(1)①趣味的な恋愛感情、②虚栄的な恋愛感情、あるいは、専ら④肉体的な恋愛感情からスタートした心理的関係が、
(2)いつの間にか、④情熱的な恋愛感情に転換してしまい、本人の意思では簡単に逃れられなくなっている様

・・・を説得力をもって描き出している作品であるのが一般的だと思います。

※因みに、そのような説得力を持ったアニメ作品は、実は結構少ないと私は思っており、例えば、あにこれで「恋愛タグ」に高いポイントがついている作品であっても、その内容をよく見ると、①趣味的恋愛や②虚栄的恋愛の範囲内で終始していて、④情熱恋愛への転換を描くに至っていないものが幾つもあると思います(例えば、『CLANNAD』、『初恋限定』)。

《本作視聴の難儀さの理由と魅力》

そうした一般的な恋愛作品との比較から、本作はやはり、
{netabare}
(1)海村という閉鎖的な環境で自然に芽生えた幼馴染同士の恋という設定、また、
(2)小学3年生の少女の5歳年上の少年への憧れと、少年の5年間の冬眠状態~解除により、本来は恋愛が成立しないはずの関係が“成立し得る関係”に転換してしまう、という現実世界では在り得ない特殊設定
{/netabare}
を巧みに用いて、序盤から終盤まで一貫して、④情熱的な恋愛感情の進行過程の描出だけでストーリーを展開している点で、恋愛作品として特殊であって、

(1)その④情熱恋愛一本槍という特徴から、本作に独特の息詰まるようなナーバスさが発生し(※注釈)、
(2)その結果、私たちは毎話のように視聴に難儀してしまう羽目に陥るのですが、
(3)そのナーバスさ・難儀さは私たちにとって、懐かしくまた切ない感覚を伴ったものでもあって、
(4)結局のところ本作の最大の魅力は、そうした感覚を私たちに思いがけず(かつ繰り返し)惹起させてしまう点にある、

・・・と私は結論づけたいと思います。

(※注釈)もし本作に、①趣味的・②虚栄的・③肉体的な恋愛感情が一定量混在していれば、他作品によくあるように、それらが適度に陽気な冗談や下ネタやおふざけを作品中に呼び込んでいたはずです。

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◆(参考)過去に書いた感想・レビュー

※前述のとおり、私は3周目までは「自分が安易に感動させられてしまうこと」への警戒から本作に対して相当に身構えていて、本作から自分が受ける感動の性質を慎重に見究めようという批判先行の視聴姿勢を取っていました。
以下はその当時の感想・レビューの一部です。

2015.3.10 三回目視聴を完了。
各話評価を追記。総合評価を4.1→4.3に改訂。
1クールに上手く圧縮されていたなら私も本作を名作(総合評価4.5以上)と評価していたと思います。
ですが、2クールはちょっとやり過ぎ感あり(稀に見る美酒も味わい過ぎると食傷気味になってしまう感じ)。
そういう意味では、かなり残念な作品でした。

2014.7.19 二回目視聴を完了。
全体に遊びとかギャグ要素が非常に少なく、重く沈鬱な印象。
この作品は毎話毎話、ほんの一瞬のカットに感情の微妙な変化や発露を盛り込んでくるので、安直な気分で流し見するわけにはいかず、全26話を通しで視聴するのに今回もかなり時間がかかってしまいました。

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※以下は第1回目視聴直後の感想・レビューです。

《岡田シナリオのメタ分析》

{netabare}★岡田シナリオの基本パターン

このアニメのシナリオ構成・脚本を担当した岡田磨理という方のシナリオは、表面的には色々ヴァリエーションを取りながらも、大雑把にいえば、

==========
A子はB男が心底好きだ。
だがB男は、A子の親友のC子の方に恋をしており、A子にはそのことがよくわかる。
A子も親友のC子が大好きで、彼女の美点を沢山知っている。



A子は、自分がB男に恋しているのと同じように、B男もC子に恋をする権利があると考える。
A子は、B男の恋心を捕らえている親友のC子を羨ましく思い、そしてそのようにC子に嫉妬している自分の心に気づいて、自分を浅ましく醜いと思う。
A子は、B男のC子への恋が実ることが、自分が恋をしているB男にとって一番幸福なことだと思い込む。
こうしてA子は、自分の恋心を押し殺して、B男のC子への恋を実らせるために密かに行動を始める。



ところがC子は、ずっと以前から親友のA子がB男に激しく恋していることを知っており、A子のB男への恋を実らせるために、B男に対して無関心を装うどころか、B男ではなく全然関係ないD男に恋している振りまでして、B男の自分への恋心を挫こうとしている。
実はC子も本当はB男を恋しているのだが、親友A子の恋心を犠牲にしてB男の恋心を受け入れようと時折考える自分の心を醜く浅ましく思い、許せないでいる。



一方、B男は・・・
また、D男は・・・
==========

という複数の男女の恋心が錯綜しループして、それぞれの善意と誤解から軋みと混乱と和解とが繰り返され、こうしたカオス的状況の中から次第に着地点が現われてくる、というパターンを、凡そ踏襲しているように見える。

この「凪のあすから」という作品も、これでもかと畳み掛けるような感じで、こうしたパターンが集積して出来上がっているように見える。

さすがにここまでくると、ちょっと食傷気味で、私の個人的評価は低くしてしまいましたが、でも、やっぱり実際視聴してみたら、相変わらず面白いんだよね、これが。

逆に言うと、なぜ岡田磨理さん以外のシナリオライターが、こうしたワンパターンながら安定的に私たちの心を揺さぶるようなシナリオ・脚本を書けないのか?ということの方が疑問なくらいです。

★岡田シナリオとその他の人のシナリオの違いとは何か?

一言でいえば、登場人物たちが、根本的な部分で、自分の恋心の成就を望むか否か、の違いではないか。

上にも書いたとおり、岡田シナリオの登場人物たちは、

①自分は誰かに激しく恋しながらも、
②自分の恋の対象者は、自分と同じくらいの強さで別の誰かを恋する権利を持っており、あるいは、
③自分とは別の誰かも、自分と同じくらい自分の恋の対象者に強く恋する権利を持っている、

ということに何時も気づいて、結局

④自分の恋心を押し殺して、自分の恋の対象者の恋を成就させることが正しい、という結論に達し、
⑤そのために密かな行動に出て、かつその行動を決して誰かに悟られまいとする、

という行動パターンを踏襲する(しかも一方ではなくほぼ全員が)。

要するに、岡田シナリオの登場人物たちは、他の、言ってみれば趣味的な恋愛感情のやり取りをしている作品の登場人物とは全然違って、アニメ作品でありながら、かなりリアルな情熱恋愛的な行動パターンを取っている、ということになり、そこから岡田シナリオの独特の迫力が生まれるのではないかと考えます。
{/netabare}

投稿 : 2023/05/27
♥ : 161
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えました!心の底から感動した作品に

物語は海の人と地上の人がいる世界
ある日、海の中学校が廃校になり、光、まなか、ちさき、要の海村の幼馴染4人が地上の学校へと転校する...
海の人、地上の人。いがみあっていた別世界の人たちが出会いそこから物語が生まれていきます。

制作がP.A.WORKSということで映像が素晴らしい。風景、顔の表情、瞳の中に映る心の揺れに至るまで繊細に描いています。
映像を豊かに彩るサウンドを聴いてください、歌詞がまるで情景からあふれでたようです。音楽が醸し出す幻想的な世界に心惹かれます。

海はこの世界の美しさを強く表現しています。圧倒的な存在感で私の心を掴む。
沖へいくにつれて海の色は透明、水色、青、深い青…神秘的な程美しく、波の動きにあわせて太陽の反射した光がきらきら揺らめく、多彩に変化する光や波の表情を見てください。

出会い、友情や恋愛が生まれ、人の数だけ かけがえのない物語がありました。
{netabare}
自分の想う人は違う人を見つめている…
それに気づいていても諦めきれない
ちょっとした言葉に一喜一憂している自分がいて
気付いているからこそ何気ない自分への優しさが辛かったり
それぞれに想いをよせ、交差する気持ち

例えば好きな人が違う子を想っていたら・・
自分が身をひいて応援できますか?
私は、そんな風に思えないかもしれない
頭では分かっていても、きっと心が追いついてこない
心の中で何度「切ないね」って叫んだことでしょう...


一番感動したドラマティックな場面

踏み切りのシーン

さゆから要への告白

「あんたがいない間も、あんたはここにいた!ちゃんと、この真ん中にいた!」

電車が目の前を通り過ぎ、遮断機がゆっくりと上がる

踏切を挟んで、さゆと要

想いを全てぶつけた、さゆがそこにいた。

そして、あの要が涙をながす...
「そうか、僕は、さゆちゃんの中にいたんだね、本当は淋しかった・・・」

5年ごしの気持ちをストレートな言葉で伝え、それを受けとめた要。
心の底から感動しました。

切ないのも、苦しいのも、楽しいのも、全部大切な気持ち…恋なんですよね
{/netabare}
それぞれが想いを抱く恋する気持ち、葛藤、繊細な表現はどこまでも美しく、最後まで泣いたり笑顔になったり、感情を揺さぶられ続けました。
ストーリー、作画、デザイン、音楽、本当に素晴らしい。
この作品に出会えたことに感謝します。ありがとうございました。

最後に、またいつか皆に会えることを願っています!!

投稿 : 2023/05/27
♥ : 145
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

生活感のある景色が綺麗。優しく熱い青春。(全26話)

見れば見るほど背景の描き込みがガツガツしてて面白い。
デザインが凝ってるし、ライティングも時間帯に合わせて美しく変化する。
海の中の木造家屋のアールの入った柱や砂壁、作り棚とそこに乗る荷物、廃校の青い空間、丸窓の電車、サビサビハゲハゲした港町、地上の学校のカラフルな時間割表…
(多分そう何回もは映らなそうな)お葬式シーンの式場の建物まで、現実の生活感と、現実はちょっと違うニュアンスなデザインに丁寧な経年描写が加わえられていて、よく作られた町になっている。


主人公のヒカリ君、高血圧なの?ってくらいキーキー怒りっぽくて、ちょっとなと思ってたんですが

3話で、海での当たり前の暮らしと、地上の人に惹かれてしまった海の人間たちがぶつかる辛い壁について考えた時。
姉ちゃんの気持ち、アイツの気持ち…「きっと本人の方が、オレよりモヤモヤしてるんだろうな…」と思いやる所が、なかなか良かった。


各話 ダラダラとした感想
{netabare}
4話
青春〜な優しく熱いお話。
誰かを思ったがための些細な寄りかかりと、偏見に対する身構えとで、皆でこんがらがってしまって。
守ってくれた存在がいたから、今度は彼らを守りたくて、間違えたところからまたはじめる勇気を、各々持って…。

うーん。河原で殴りあいの末にお前やるな…!的な、熱さ。
EDがなんか演歌っぽくて(違う?)ムーディで素敵ね。

公式によると初めはエラを持ったデザインだったけど若い層に受け入れられにくく、胞衣(エナ)の設定を考えたらしい。童話的に海の中でも何でもアリとのこと。

5話
今回も背景が素晴らしい。
漁港の水面の、日向と日陰の照り返し具合。
海辺の古い喫茶店の、くすんだ壁。
アカリ姉さんがかけてた電話ボックスの、丸っこいデザインと錆感。
ヒカリんちの障子、破れを直してあるんだけど(よくある花形に切った紙を貼るやつ)、ヒトデの形のが貼ってあるの!!きっとアカリ姉さんが直したんだよね。
なんて丁寧な描き込み。

ヒカリとアカリのお父さんの無骨さが、自分、不器用なんでって感じで。不器用な父ちゃんと乱雑そうなヒカリだけになったら、こんなに可愛く修繕してあるお家も荒れてくるんだろうか。

みゆな、ちっこいのに我慢しちゃったんだね。大好きな家族にそばにいてほしい、失うのはもう怖い、それだけだった。

ちさきは何か色っぽいなあ。触ったら花弁が落ちそうな感じで。


6話
皆に当たられてばかりのマナカ。
「まなかはみんなの真ん中なんだな」
かなめは要、ひかりは光、つむぐは紡ぐ、ちさきは?先に行っちゃうの?

「言いたいことは、最後まで言うべき」はまっとうで納得。

スノードームのような不思議な景色からエンディングへ、美しい…。

7話
陸海共同おふねひきを実現させるためにやっきになるヒカリ。
時折、失恋の痛みを受けとめる表情。
またしても大人のけんかを見守る子供たち。

「陸のモンは女までとっていきやがる…」
そうねぇ。陸から海へは、身体的に無理なんでしょうか。

「陸の者と海の者は、言葉が通じるからこそ、伝わらないこともあるんだ」
「個人の、あたしたちの話をしているのに、父さんはいつも、陸と海の話にしてしまう。そこが違う。」

わかっているはずの言葉がわかってない。
今日、理解したことがあるんだ。
プールでの「先生のストライクゾーンは」発言が、私はうまく聞き取れなかったんだ。

せんせいのすとらいくぞーんはドタカメ

ドタカメ?クサガメとかイシガメとかワニガメの仲間かな…
凪の世界オリジナルなウミガメかもしれないな…
デバガメとは関係ないよな…
先生、ちょっと内向的な柔和さだもんな。
亀を愛でてるんだな。
いいんじゃないかなストイックで。
こまめに掃除して生き餌あげてるんかな。ウェルかめ思い出すな〜ザザーン。

そんなホノボノとした納得を越えた今日、発覚した。

ドタカメ=ド高め

フランスで女性の旬の年齢はかなり高いというが、先生フランス式なんか。

***************

ここでまた理解してなかったことが発覚したんだ。
{netabare} 某レビュアーさんと凪の話題で

某「あの建設途中の橋ゲタは、なんの伏線かな?」

私「ん?アレは、シオシシオの神社に続く鳥居じゃないの?」

某「…見返したけど、どーみても高架道路の柱だよ。」

がーん。
見えてるはずなのに見えていない。理解できてない。
そんな要素がここにも…!?
左右非対称なんて、変わったデザインの鳥居だな〜っなんて思ってたよ!!( ゚д゚)
道路や橋の柱にしちゃ書き方細っこいよーな。
最近近所に出来てる北陸新幹線の柱なんか、へらべったくてぶっといぞ。
{/netabare}

しかしそりゃあ、伏線ぽいですねェ。
ウロコ様が気がかりにしているような、何か物事の限度が近づいてるようなこと、ここに通じるのか?

8話
「彼シャツ」って要君、どこで覚えてくるんだい。

みゆなん家、アパートだけどやっぱり内装に味があるね。
何か昭和っていうか…
「おーへやは きたむき くーもりのガラス」って感じの生活感。
海から上がったら陸世界がハイテクでどこもかしこもコピペしたようなコンクリルームだったら、さぞかし味気なくてホームシックになってしまうでしょうね。

今回は街へ行ったので、色んな意匠がてんこ盛りで風景見るのがさらに楽しかった。あの看板などの丸っこい字体、デザイナーが凪用にこしらえたのかな?
シオシシオ、潮鹿生って書くんだ。スガシカオみたいだね


9話
子供たち、海も陸もいい子達…。
そして要も紡も、女の子に絶妙な声かけをするんですね…何故にそんなに大人っぽいのだ。

割烹着のまなか可愛い。

降り積もるぬくみゆきが海の町を白く変えている。
人の姿もなく。
海の生活が危機なのかと思ったら、陸にはもう戻れない危険が…?

10話
壮大な話になってきたー。しかし子供達の不安や抗いの気持ちも細やかに丁寧に語られて。面白くなってきたー!
エンディングの唄が感慨深く響いた。

紡のおじいさん達観している。人間にとっては災いかもしれない海の異変でも、どこかにそれによって得をしたり助けられたりする生き物のしくみもあるのかもしれない。バランスですね。

陸と海のケンカで、女のとりあいの話になった時、海から陸へは行けても、陸から海へはエナがないから行けないから一方的に減るばかりだと感じた。海の新聞記事にも「止まらない人口減少」とあった。それが今回は、エナがあるおかげで生命維持レベルで助かる道がでてきたという。やっかいなネックと思ったものが反転する妙。


12話
眠る前に、伝えたい想い。
みんなかわいいなぁ、今日もちさきはいろっぽいなぁ。
しかし
「私わかっちゃったの、まなかのことが好きなひーくんが好きなんだ、って。」
ちさきさん、不倫してる女みたいなセリフですよ…。奥さんのいるあなたが好きなの的な。
ズブン、こんな年頃時分に恋愛沙汰になった記憶ないんで、いまいち、どうなりたいのかがわからないわ…要くん。
眠ってしまうその前に確かめたい?一歩踏み込みたい?でも人と人の関係は〆切に焦って何ができるんだろう。
旗をうまくかっこよく振ってみたくてがんばる、今はそれくらいのことが大事だよね。

14話
五年間。五年間のもたらした変化と、変化しないものと。
ちさきがエロいのはもっと前からの定説ですよ、サヤマートの若。
そうだったの…一人戻れなくなってたの。水面下に戻れなくなる、そういうものだったの?
みんな成長し大人に近づき、おじいちゃんは歳をとり(>_<)…
先生が変わらずホッとする。

そしてやはり背景の美しさったら。

15話
変わってない?変わった?って話だけど、ヒカリは一話の頃からしたらずいぶんイイ感じになってるけどねェ。
みうな(notみゆなと他の方のレビューで知った^_^;)の旗ふり、グッときちゃったよ。旗をふる、って不思議な懸命な行為だね。すごいきれいな旗、補修したんだね。こういうとこ細かい。
紡の、人との間合いの妙な親密さは何でしょうね。人の秘密に触れがちな。要よりも、誰とでも恋愛関係に発展しうるかのようなスペック持ちだぜ…。

16話
みうな弟のあきら、カワイイ。お喋りは単純な単語のみなのね。あかりの夫イタルさん、結婚前は「いたらねぇー」というツッコミのはいってたイタルさん。いたるようになって。出来る夫な落ち着きぶりですね。
みうな、水の中に落ちて…息?!むむっ??
見つからない制服、あの旗入ってたあたりにないのかい?
近頃家の鍵をなくした私にもわかるわぁ、その探し物心。
ヤツも裸で起きてきた!ナチュラルに裸が似合う雰囲気で。
5年ともなると、布地が持たないのでしょうか。


18話
ちょいホラーな回。
埃かぶった眠るオヤジ前で待ち合わせ。そりゃあー怖いよ!ヒカリくん‼
オジョシ様の残骸も…´д` ;何が出てくるかわからないー。
ウロコ様はいけずですな〜。
みうながなでなでしてた、シオシシオのお家の玄関前のウミウシの焼き物の飾りがかわいかったな。シーサーみたいに飾ってあった。

19話
オープニング観てるのが歯がゆかった!
そしてちさきのコスプレ回かっ?!(≧∇≦)
レトロな看護師さんっ!小さくなった制服!パジャマ!団地妻(平素)!
つむぐんちの、夜の砂壁(魚の紋様入り)の情景とか、おじいさんの病室の窓辺の照り返しの景色とか、ハッとさせられるような描き込みがあって、今回も美しかったです。

失って得てプラマイゼロじゃウシシ、みたいなことをウロコ様が呟いていたので、まなかの代わりにみうなをとられるのか?ちさきか?とドキドキしていましたが、そういう人柱なことではないのかな…?

20話
海から上がったちさきの色っぽさにニヤニヤしてしまった自分が気持ち悪かった。

おふねひきの唄を聞かせれば…と漁協にかけ合いに行くから、
すわ、眠るまなかのまわりをふんどしの男衆に取り囲ませて唄わせるつもりか!?とハラハラ。
(そして漁協のホワイトボードに「ゆるキャラ名前案 うみうっしー ウミウシくん」…。)
で、録音ね。はーびっくりした。カセットテープね。カセット…カセットォーー?やっぱりどこか昭和でいいですなー。

本当に切実に想いやってあげられるのか?自信を持てないみうな。裏表じゃなくて、色んな思いが同居するよね…って紡が共感するたぁ思わなかった。
「俺みかん好きなのに誰もわかってくれないんだ。みかんよくね?まじで。この喉ごし。オレンジじゃダメなんだよ。みかんだろ日本人なら。あの薄皮の奥ゆかしさ…手のひらに乗る小ささ。酸味と甘みのまろやかな混ざり具合。追いかけても逃げるようなたおやかな味わい。そう、まるでアイツのような…」
などとは一切語らず、水平線を見据えてみかんジュースを飲む紡であった。


25話
紡…。ちさきが俺のことを好きなのは、間違いない。どう言えば認めるのかを、考えてる。
この色男は驚愕だ。
かなわねぇよぉ〜、要くん。

ひーくんが好き。
この物語は「好き」がどうしてこうウェットに哀しくなってしまうんでしょう。好きは温かくて嬉しいものでもあるはずですよ、若人たちよ。だのになぜ 歯を食いしばり 君はゆくのか そんなにしてまでー

エンディングへと浸るように移るところは鳥肌ですね。この見据えるような音色がとても生かされている。

26話
オラに力をわけてくれ
…的なところもありましたが、大団円。
起きて来た父ちゃんたちが、子供達同様に真っ裸…では なかった、不思議な法則。カワイイ若人の衣服しか、経年劣化しないのじゃ。コレもエナの力なのじゃ。

それにしても海神さまは、とんだコンコンチキな独りよがりですな。オジョシさまは幸せだったんだよォ〜(T ^ T)がっかりしないように記憶とるなんて、余計なお世話な乱暴でしてよ。

終わった後に、まなかとひかり二人だけの落ち着いた時間が流れている様子を見せるところがほほえましかったです。そーかそーか。そう収まったか。{/netabare}



*************
総評

変わる想いと、変わらない想いと。そして人の想いと実際の想いの差異。
眠りのブランクの時間を挟むことで、時の流れの感覚を感じさせた作りでした。
子供達がそれぞれ成長しながらも、みんなの事を考えられる性格で偉いなぁと思いました。
背景や暮らしの描写の仕方がリアルにありそうで、かつユーモラスなアイデアが添えられ、見ごたえありました。美しいものを描きたい!て熱意を感じました。最後数話はエンディングに入るところが鳥肌たつようにハラハラさせられました。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 88

83.1 6 家族アニメランキング6位
輪るピングドラム(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2073)
10466人が棚に入れました
双子の高校生・冠葉と晶馬、そして妹・陽鞠は三人で暮らしている。余命いくばくもない陽鞠を連れて、ある日水族館を訪れた兄弟たち。楽しく過ごす中、倒れた陽鞠はそのまま息絶えてしまう。霊安室で絶望する冠葉と晶馬だったが、死んだはずの陽鞠が、突如ペンギンの帽子を被り起き上がり叫んだ! 「生存戦略!」「妾はこの娘の余命を伸ばすことにした」。だが、被っていた帽子が落ちると、いつもの陽鞠に戻っているのだった――。不思議なペンギン帽子のおかげで、
陽鞠の余命は少し伸びたのだ。ペンギン帽子を被った陽鞠が再び、冠葉と晶馬に命ずる。「ピングドラムを手に入れろ!」ピングドラムとは何か。そのカギを握るのが、女子高生・苹果という人物と解り、探り始める冠葉と晶馬。ある偶然から陽鞠と苹果が仲良くなったことから、苹果が高倉家に出入りするようになり……!?

声優・キャラクター
木村昴、木村良平、荒川美穂、三宅麻理恵、石田彰、能登麻美子、堀江由衣

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『銀河鉄道の夜』風、幾原劇場(゚ロ゚;)エェッ!?

■輪るピングドラムってどんなアニメ?
本作品の幾原邦彦監督は、ARIAでおなじみの佐藤順一監督の元で演出助手を務めて下積みをつんで
いた経験があるみたいですね♪
師匠と弟子みたいな関係だったみたいです。
独特の止め絵、バンクのトリッキーなつかい方が特徴な監督らしいのでそういった映像表現にも注目し
て見て行こうと思います♪
 
【止め絵とは】\_( ・_・)ハイ ココテストニデマスヨー
・文字通り、動かない絵の事なのですよ!
 動きのある絵をあえて止める演出技法が止め絵。
 この技法は、元々は手抜きのために使われた手法らしいのですが、手抜きに見せないようにするのが
 腕の見せ所ですね♪
 
【バンクとは】\_( ・_・)ハイ ココテストニデマスヨー
 正式にはバンクシステムというのですね!
 特定のシーンの動画、あるいは背景を保存し、別の部分で流用するシステムなのですよ♪
 コストダウンの為に用いられることが多いのですが、どんなつかい方をするのか注目したいですね♪
 「せいぞんせんりゃくぅうううう」からのアニメーションがこれにあたりますね♪
 
ところで、このアニメの制作会社「ブレインズ・ベース」ですが、今2011年夏作品に
・夏目友人帳 参
・神様ドォルズ
・輪るピングドラム
と3作品もエントリーしてきてるのですね!!
しかも、劇場版アニメ「蛍火の杜へ」9月17日公開予定なのですよ!
勢いがあるのかどうなのかは、分りませんがホームページの2011年作品に「輪るピングドラム」が乗っ
ていなかったのが気になりますね!
力配分が気になります、ちょっと心配になってしまいました・・・っが、是非がんばってもらいたいとこ
ろですね♪
 
■私が見た第一印象♪
まず、OP曲の「ノルニル」は、荒川アンダー ザ ブリッジの「ヴィーナスとジーザス」でおなじみの、
やくしまるえつこさんの曲ですね♪
つかみどころが無い「輪るピングドラム」には非常にマッチした楽曲でとっても好印象でした♪
 
作画については、水彩画のような優しいタッチの作画とCGを使った無機質な作画を使い分けているので
すが、私的にはちょっと違和感を感じるところですね、冒頭でご紹介した止め絵を水彩画タッチで描い
ているようですね。
生活感や温かみをだす狙いなのですが、ラフすぎる感じがどうも気になっちゃいました(-ω-;)ウーン
また、ピクトグラムを通行人に使ったりしているところも狙いのようですが、予算的な制限もかなり
あるように感じられてしまうところですね♪
とにもかくにも、このアニメは最終的にどういう形でおさまるのか楽しみな作品だと思います。
 
「ピングドラム」って何なのか、なんとも可愛いペンギン達は何なのか、楽しみがいっぱいですね♪
 

■総評
なんだかとっても長かったなぁって印象の作品でした!
それが良い方の感覚だったのか悪い方の感覚だったのかは・・・また後ほどw

『輪るピングドラム』って放送開始当初はつかみ所がない印象だったのですけど、最後の最後で納得できる作品に仕上がってましたね♪
はじめは気付かなかったのですけど、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフにしているのがよくわかりました(*^^)v
『銀河鉄道の夜』を知れば『輪るピングドラム』の本質に近づけるんじゃないかなって思ったので、ちょっと違った視点からこのレビューを書いていこうと思ってますのであしからず(^▽^)/

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は、作者と作品ってだけの関係ではなくって、賢治自身の想いが綴られている作品でもあるんですよ!
賢治は若い頃、愛する妹の「とし」を亡くしているのですけど、「妹のとしが天の木星にいるかも知れない」と考えた賢治は少しでも天に近いとされていた北極に近づくために、北へ北へと向かおうと思うのです☆
そんな想いを胸に、樺太鉄道に乗って北へ向かった傷心旅行が『銀河鉄道の夜』のモチーフとなってるともいわれているのです♪
どおりで『輪るピングドラム』では電車のシーンが多いわけですねw

『銀河鉄道の夜』ではジョバンニとカムパネルラが友人として描かれてますけど、このように捉えることもできるって言われてますヾ(=^▽^=)ノ

<ジョパンニ=賢治>、<カンパネルラ=とし>

で、物語の方でも死んでいるカンパネルラと生きているジョパンニとなっているんですね♪
ここで「輪るピングドラム」の登場人物を当てはめてみると・・・(・・?

<ジョパンニ=賢治=冠葉>、<カンパネルラ=とし=陽毬>

ってなるんですよね♪
でもそこは幾原監督なので『銀河鉄道の夜』とは違った「if」の世界を見事に作り上げていたのでした♪

「if」の世界を作り上げるにあたって幾原監督は禁断の「運命の乗り換え」を取り入れたのでした('∀`)
その「運命の乗り換え」で必要不可欠となった「りんご」の描写も比較すると面白いことが分かってきますね♪
賢治は作中に「苹果」を数々登場させていて、自分の考える”死”のあり方として描写しているようなのですけど、幾原監督は”生”の源として描写しているのですね♪
登場人物の荻野目 苹果[おぎのめ りんご]ちゃんの漢字を「林檎」としていない点からも、賢治の作品から引用されていることが良くわかりますね♪
また、北欧神話で登場する”黄金の林檎”は不老不死の果実とされていることからも命の象徴とするにはもって来いのアイテムだったのではないでしょうか(*^^)v

それと「運命の乗り換え」を実行した冠葉くんの心理描写は賢治の気持ちとリンクしてるんですよね♪
としの事ばかり考えるのは良くないと頭で解っていても行動できない賢治の自嘲が、「ほんとうの幸」を追求しようと思いながらもカンパネルラだけを求めてしまうジョパンニの嫉妬として表現されているのです!
冠葉くんも妹の陽毬を思うあまり、もっと目を向けなくてはいけない家族や仲間が見れなくなっていましたね♪
賢治とジョパンニと冠葉くんの心の中の葛藤が作品の中にも生かされていた印象です♪
ここでも幾原監督はひと工夫してましたね♪
それは心の中の「ほんとうの幸」を追求できるキャラを双子の晶馬として設定していた事です☆彡
冠葉と晶馬のそれぞれの「運命の乗り換え」は一見同じようでもその性質は全く別なのでそこがこの作品の魅力であり最大の見所ともなっていますよ♪

一番印象的な描写としては、数多く回想シーンで使われてきた駅名の表札のシーンで、駅名が『命 ⇆ 蠍の炎』という演出のシーンでした(*゚∀゚)
賢治は蠍のことを「良い虫」と表現しているんですよね♪
『銀河鉄道の夜』での蠍はこんな感じです('-'*)フフ
--------------------------------------------------------------------
イタチに追いかけられて、命からがら逃げたのですけど、井戸に落ちてしまうんです!
数々の命を取ってきた蠍がその時こう思ったのです。
素直にイタチにこの生命を捧げていればイタチの命の足しになったろうに、神様どうか今度は虚しく命を捨てずにほんとうにみんなのための幸として私のからだを使ってください・・・と!
そしたらいつの日か蠍は真っ赤な美しい炎になって夜の闇を照らし続けたそうなんです!
--------------------------------------------------------------------
この蠍の姿は賢治とジョパンニの理想の姿であり、現実から目を背けていた自分への決別だったと思うのです( ー`д´ー)
「運命の乗り換え」が行われる最終回のシーンもそんな決別を連想させる演出がありましたね♪
苹果ちゃんが燃える炎を晶馬くんが抱きしめるシーンは思わずジーンと来ちゃいましたよ(*´ω`*)

他にも色々リンクされているところはあるのですけど書いているととてつもなく長くなりそうなのでこの辺でまとめですw
『銀河鉄道の夜』も『輪るピングドラム』も転義法を用いて作られているので、雰囲気が似ている印象を受けました♪
色んな比喩的用法を用いているので正直分かり辛いってことですねw
『輪るピングドラム』の演出にいたっては、過去の回想シーンも断片的に入れてきているし、ピクトグラムや止め絵などを使った無機質で斬新な演出をこれでもかって使ってきているので、ワザと解り難くしているとしか思えないですねΣ(^∇^;)
正直この作品は最終話に行き着くまではと~っても長く感じます!
幾原監督のナルシスト気質が作品に出過ぎていて、俺って凄いだろって感じがものすごく伝わってくる印象ですw
最終話まで見ればすべてが理解できる内容なのですけど、あまりにも最終話を意識するあまりそこに行き着くまでのプロセスに面白みがあまり感じられないのです♪
ペンギン達のコミカルな動きが無かったら完走は難しかったかもしれませんw
幾原監督の作品の「少女革命ウテナ」はもっと分かりづらいと言われているみたいなので、好みの問題ではありますけど玄人目線ではなくって、素人目線にして欲しいなって個人的には思ってます♪
でも、この作風が幾原監督の良さなんでしょうけどね(>▽<;;

他にも子供ブロイラーやピングドラムが移り渡ってきた軌跡等々、観終わった後に考察をたのしめるシーンがいっぱいある作品なので、考察するのが好きな人に向いているアニメじゃないかなぁって思いました♪


■MUSIC♫
OP曲『ノルニル』(1話~14話)
 【歌】やくしまるえつこメトロオーケストラ
 名前の通りストリングスと金管木管楽器で深みがあるドラマティックな楽曲です♪
 やくしまるさんのふわふわした歌声でこのアニメの世界観を上手に表現していましたね(#^^#)

OP曲『少年よ我に帰れ』(15話~23話)
 【歌】やくしまるえつこメトロオーケストラ
 前期のOP曲はプログレッシブ・ロック的でどこか焦燥感を煽るような曲調だったのですけど、
 この曲はよりポップでどことなく希望の光が差し込んでくるようなドラマを感じる曲でした♪
 どちらも曲構成が複雑なのに一体感があって聴き心地がとっても良い素晴らしい曲ですね♪

ED曲『DEAR FUTURE 』
 【歌】coaltar of the deepers
ED曲『DEAR FUTURE feat.Yui Horie』
 【歌】堀江由衣
 ディーパーズとか誰が推薦したんでしょうねw
 90年代を代表するシューゲイザーバンドの一つで囁くようなボーカルが特徴ですね♪
 あたしはNARASAKIさんの声が好みではないので・・・
 エレクトロニカっぽくアレンジした由衣ちゃんの曲の方が好きですε- (´ー`*) フッ

挿入歌『ROCK OVER JAPAN』他・・・
 ARBの曲からロック魂を一滴残らず抜き取った挿入歌の数々・・・Σ(´∀`;)
 ある意味、その行為そのものがロックですねw
 その背徳的行為を行ったのがアレンジャーの橋本由香利さんって方です( ゚Д゚ノノ☆パチパチパチパチ
 キーボーディストらしく、ピッチとリズムを上げてポップな感じにアレンジしちゃってます♪
 トリプルHのキュートな声と歌詞がミスマッチな所がなんかピンドラっぽいですねw
 
2011.07.23・第一の手記
2012.01.03・第二の手記(追記:■総評)
2012.01.14・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2023/05/27
♥ : 99

ダークフレイムマスオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

問 「同じく風雨に晒されども汝は赤く我は黄なり」を4文字以内で表現してね

解 WC?

この作品ぐらい放送時期2011年が重要ファクターになる作品無いでしょうね。でもこの作品のこと調べまくって視聴し直して2周目以降はちゃんと泣けた。あれがあったとき当時夜の仕事してて夜7時ぐらいに新宿駅に着いたが正月並みの人の少なさになんじゃこりゃ?って思って東口出たときにアルタの画面に延々と報道されてる事件を見て怖いなって思ったのが最初だった。ネットも携帯もほぼない時代で様々な憶測がテレビ、新聞、週刊誌でなされていた。
日本の安全神話崩壊の時でした。

閑話休題

本作は8話目ぐらいまでは何だよこいつっていう感情が付きまとうし、意味不で終わる要素が多いです。暗喩やメタ、引用なんかが多いので多分25歳以下の人にはぼやけた感じにしか感じられないかもです。
タイトルはこの感覚どう表現したらええかな?でつけました。解はサイコパス参照で

難話休題

後半なるにつれて各個人のルーツなり因縁なりがわかりますんでギブしないで視聴頑張ってくださいな。結構なM度ポイント消費します。おススメは刺されば泣ける作品なんで微妙な部類ですかね。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 10

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

忘れてはいけないこと 人は一番に忘れてしまうから

作品のあらすじには触れません。

でも絶対に埋もれさせてはならない作品です。


一見、ファンタジー作品のようですが、
『絶対に知り、考えなくてはならない事』が隠れています。

ある意味、ファンタジー要素がなくては、成り立たない、とも言えるでしょう。

でないと、悲しすぎるのです。この作品は。



消費、消費、消費、消費、消費の世の中で
翻弄される私達。

『見落としてはならないもの』が沢山ある事を
この作品は教えてくれます。


例えば、愛。
例えば、罰。
例えば…言葉にならない感情。愁傷のような。




子供の頃にデパートの催しに行ったときのことを思いだしました。
その催しは、『世界の絵本展』

父に、『好きなのを選びなさい』と言われ、
悩みに悩んで、私は綺麗な洋書を、『これがいい』と父に渡しました。
すると父は、『それはやめて、これにしなさい』と、『頭の良くなる絵本』という本を渡されました。

わかった、と、私はその絵本にしました。


親が『社会』の私の幼少期には、選択肢などなかったのです。
(今となっては笑い話ですが)



人が生を受けてから、もう、

平等ではありません。
運命には抗えません。

抗うこと、それも運命。


(今、生きているこの時を
総て『運命だ』と受け入れてしまうと、死んでるのと同じような気もしますね)



作中、沢山の印象的な言葉がありました。
それらを大切に、大切に心に刻みました。

作中、可愛いペンギンがでてきます。
彼らは、小さな『希望』『未練』の象徴に思えました。


もしも
大切な人の為に自分の命をあげることができるのなら
私は喜んで差し出すでしょう。

救う事、それだけがこの世の光なのだから。




私は
『どうしようもない』って言葉が嫌いだ。

でもどうだろう、
この世には『どうしようもないこと』で溢れてる。



この作品に出会えて本当に良かった。
しばらく『ピンドラ鬱』っぽくなったのだけど。。



この作品を教えてくれた貴方に、最大の感謝を。



これはレビューではありませんね(笑)
お許しを。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 45

82.2 7 家族アニメランキング7位
有頂天家族(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1664)
8006人が棚に入れました
京都には人間と狸と天狗が住んでいる。下鴨神社・糺(ただす)ノ森に暮らす下鴨家。狸界の頭領であった父・総一郎は、ある日何の前触れもなく狸鍋にされたのだが、その経緯は今も謎に包まれていた。残された四兄弟のなかでも偉大な父の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり」をモットーに、生真面目だが土壇場に弱い長兄・矢一郎、蛙の姿で井戸にこもっている次兄・矢二郎、臆病ですぐに尻尾を出してしまう末弟・矢四郎、そしてタカラヅカ命の母に囲まれて暮らしていた。隠居中の大天狗・赤玉先生の世話を焼いたり、神通力を得た人間の美女・弁天に振り回されたり、はたまた五山送り火の夜空で宿敵・夷川家と空中決戦を繰り広げる日々の果てに、突如下鴨家を襲う絶体絶命の危機! 父が鍋にされた真相が明らかになるなか、固い絆で結ばれた一家の運命はいかに!

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、井上喜久子、石原凡、佐倉綾音、梅津秀行、飛田展男、西地修哉、畠山航輔、樋口武彦

もりもりにーと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

京都宣伝アニメ。映像と雰囲気がとにかく素晴らしい。

人間に化ける狸たち4兄弟が主人公で、森見登美彦が原作という遊び心溢れる作品だ。

ユーモラスな口語体と、お馬鹿な遊びをたしなむキャラクターたちはさすが、森見登美彦作品。
それをさらに昇華したのは、原作者の京都愛をこれでもかと映像美で表現した作画担当班だ。舞い散る嵐山の紅葉、空飛ぶ屋形船に乗って、花火を打ち上げるシーン。有名なシーン以外でも、背景はとにかく凝っていてどれもうっとりするくらい綺麗だ。未だに記憶に鮮明に残っている。

そして、四畳半では友情愛をテーマにしていたが、この有頂天家族では、タイトルにある通り、家族愛をテーマにしている。
なぜ、この家族の偉大なる父は殺されてしまったのか。その謎と、個性豊かなキャラ達の葛藤も描かれている。

終わりもだれることなく綺麗に纏まっている。BOXが出たら買いたいくらい良いアニメだった。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 6
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おもしろき こともなき世を おもしろく

原作未読。


主人公は下鴨矢三郎(しもがも やさぶろう)。
タヌキの名家である下鴨一族の三男坊。
彼は「面白く生きる」ことをモットーに生活していた。
その言葉どおり、彼のまわりにはひとクセもふたクセもあるタヌキや人間やテングが。
そんな中、タヌキ鍋にされて亡くなった父、総一郎(そういちろう)の死の真相にせまっていく。


あらすじだとミステリーっぽく聞こえるかもしれません。
しかし、実際は「家族」を扱ったハートフルコメディ。
そこそこ笑って、ちょっとほっこりできるアニメです。

テーマ性はレビューのタイトルに書いたとおり。
OPの歌詞の中によく似たフレーズが含まれています。

これは、高杉晋作の言葉とされています。
下の句を含めると、

「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり」

世の中は望もうと望まないと無常に過ぎていくもの。
面白いどうかは、その人の心のあり方によって決まる。
それなら、楽しい方向にとらえないでどうすると。
どうでもいいことだって、見方を変えれば面白いものになります。

それを表現するように、随所にばらまかれた小ネタの数々。
やっていることはハチャメチャなのですが、それを面白く見せるマジックが効いています。
特にセリフの選び方が上手ですね。
面白さの半分は言い回しでできていると思います。
{netabare}
また、どうでもいいことに変に力が入っていたりしますよね。
赤玉先生の風呂のシーンでうまいこと前を隠したり、芸が細かいw
{/netabare}

キャラクターの存在感もポイントです。
下鴨一族はみんなそれなりに個性的で愉快です。

・子供思いの母親
・責任感たっぷりな長男
・ニートな次男
・通称アホだけど機転の利くの三男
・臆病でかわいらしい四男

敵役もどこか憎めません。
じいさんも妙にかわいい。


この「ほどほど感」がクセになります。
1~2話では見えてきませんが、回を重ねるごとに魅力が増してきました。

とにかく何事も深追いはしない。
おかげで疲れとは無縁です。
見ていて時間の経過を忘れました。

この「疲れない」ってのがポイントですね。
日常系ではないのにまったり見られます。
それでいて次回が気になるんです。

和やかな気分で笑いながら見たいけれど、日常系には飽きた。
そんな人に向いている作品だと思います。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 69
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

一つの大きなサヨナラが、遺された者達を繋ぐこともある。

2013年7月放送。
全13話。


【前置き】

原作者は、メディア芸術祭アニメーション部門大賞のアニメ「四畳半神話大系」も書かれた『森見登美彦さん』。
(本作は、森見作品の中では「毛深い子」という愛称で呼ばれていたりするそうですww)
そして制作は、安定と信頼の作画で定評ある『P.A.WORKS』。

『森見登美彦』に『P.A.WORKS』
どちらも、私にとっては名前を聞くだけで条件反射してしまう単語です。
事実、本作の放送が始める少し前、来期のアニメ一覧を眺めていた中で本作『有頂天家族』を見つけた時も、私の…今思えば「阿呆」の血が無性に騒いだのを覚えています。

『うむ。これは、見ないわけにはいくまい。

 これも、阿呆の血のしからしむるところだ。』

なんて台詞、本作を見る前は出る筈も無かったわけですけどね。



【あらすじ】

千年の都・京都。
ここでは古来より、人に化けた「狸」と「天狗」が、人間に紛れ暮らしておりました。

狸一家『下鴨(しもがも)家』の三男であり、偉大な亡き父から「阿呆」という一点の血を受け継いだ主人公『矢三郎(やさぶろう)』も、その中の一人。
狸界では「名家」であることも顧みず、彼は日々をただ面白可笑しく過ごしていました。

しかし周囲では、その偉大な亡き父の遺志を継ぐ、次期頭領を決める「偽右衛門(にせえもん)選挙」で、躍起立つ者(狸)が出始めておりました…。



【論じてみる】
{netabare}
正直、序盤の数話は
「本当にこれから、四畳半の時のようにドンドンと面白くなるのかな?」
と、半信半疑でした。
理由として、キャラの立ち位置や関係性が分かりにくく、どういう風に話が進んでいくのかも明確でないので、続きが全く気になる感じになれなかったのです。
上記のあらすじにしても、第1話の時点ではよく見えてこなかったですし。

第4話「大文字納涼船合戦」にしても、内が見えないキャラクター達がドンチャン騒ぎをしていても一緒に楽しめるワケもなく、ただただ温度差を感じました。
「四畳半神話大系」の実績が無ければ、まず間違いなく切っていたことでしょう。


ただ、P.A.WORKSの作画は流石の一言。
久米田康治さんが描く、角張った特徴的なキャラクターデザインをアニメ的に上手く表現しながらも、緻密に描き込まれた舞台背景は、見ているだけで心地良かったです。

京都という舞台上どうしても人通りが多いわけですが、そのモブも事細かに動きますので、スタッフの職人魂を感じましたね。
退屈な序盤を視聴継続出来た要因としては、この作画は非常に大きかったと思います。


そして中盤より、やっとこさ

「偉大なる父親狸が、狸鍋にされ人間に食べられてしまった。」

というエピソードを元に、徐々にそこに関わっていたキャラクター達が浮き彫りになっていき、少しずつ物語にも魅入るようになっていきました。

ストーリーとキャラの立ち位置が明確になってくると、序盤とは打って変わりの面白さ。
もぅ毎週、楽しみで仕方無くなっていました。

特に第8話「父の発つ日」にある、次男であり蛙でもある「矢次郎(やじろう)」の回想語りは、胸に響きましたね。


『その当時の俺は、厄介な問題を抱えていた…。

 俺は大いに悩み、その想いを父に打ち明け…判断を仰いでいた。


 俺は…、カタのつけようのない恋をしていた…。』


作中ずぅぅっと引っ張ってきた次男坊の本心。
そして、それを軸に語られる偉大な父の死の真相。

あくまで自分の中でですが、数多あるアニメ作品の中でも間違いなく、私にとって数少ない『神回』と言える一話でした。


ラストに関しても、とんでもないドンデン返しはありませんが、良い意味で予想通り気持ち良く楽しく終わっていたので、本作としては丁度良い塩梅でした。
予想が出来てしまい、そのまま予想通りでも、その絵が見たくて楽しみで仕方無い。
そんな気持ちで、ラスト3話は見ていた気がします。
{/netabare}



【偽右衛門 下鴨総一郎】
{netabare}
さて…「毛深い」だけでなく中々「味のある」キャラクターの多い本作。
その中でも、特に魅力的で味わい深いキャラクター、偉大な父親狸『下鴨 総一郎(しもがも そういちろう)』について、じっくり語りたいと思います。

この父親は、まさに「カッコイイとはこういうことさ」と言わんばかりの立ち振舞いでしたね。


山に化けることが出来る程の、非凡の化け力を持っていた父。
しかし突然、狸を食べる会「金曜倶楽部」に捕まった父親は、その人間達に鍋にされ食べられてしまっていました。

中盤、その父を食べた張本人の一人、大学教授の「淀川 長太郎(よどがわ ちょうたろう)」と矢三郎は奇しくも出会うのですが、そこで語られた父の最期は、想像していたものとは随分と違っていたのです。

その淀川は、人間であるから狸を食うのは当然と言いながらも、「食べることは愛すること」とも言い、狸に対し深い愛情を抱いていました。
そんな淀川に対し父は、狸界のタブーを破り…こう言葉を交わしていたのです。


「俺はコレまでにやりたいことは全てやり、子供達も大きくなった。

 末はまだ小さいけれども、兄たちが居るから…あとは助け合って立派にやっていくであろう。

 俺は種をまき、そこそこ育てた。

 一匹の狸としての役目は全うしたんだ。

 残された日々は天恵である。つまりは儲け物である。

 したがって…、まあ…ここであなた方に食われたところで一向に構わない。

 食いたければ食うが良い。」


狸が喋ったことに驚く淀川にも井を返さず、


「貴方ならば喋っても構わんかな…と、ふと思ったのだ。

 我が生涯最後のイタズラと言うべきか、阿呆の血のしからしむるところだ…。」


と、落ち着きながらも…「狸らしい」個性そのままに、それから食べられるまでの時間を、父は淀川と語り合っていたのでした。

父親の最後となったこのエピソードは、はたから見た残酷さとは裏腹に、まるで長年信頼しきった間柄のような会話を見せており、良い意味での違和感を生む演出がなされていました。
しかしまぁなんと潔い狸(おとこ)でしょうね、惚れ惚れいちゃいましたよ。


そんな父を想い返し、矢三郎は終盤前(第8話の最後)に、こう語っておりましたね。


『この世にサヨナラするにあたり、我らの父は、偉大なるその血を律儀にも四つに分けた。

 長兄は、責任感だけを受け継ぎ、

 次兄は、暢気な性格だけを受け継ぎ、

 弟は、純真さだけを受け継ぎ、

 私は……、阿呆ぶりだけを受け継いだ。

 てんでバラバラの兄弟をつなぎとめているのは、海よりも深い母の愛と、偉大なる父とのサヨラナである。

 一つの大きなサヨナラが、遺された者達をつなぐこともある。』


私はこの2つのシーンが作中でも大のお気に入りで、特にこの矢三郎の台詞の一連シーンでは、演出や音楽の挿入も抜群に良かったのも重なり、不覚にもボロ泣きしてしまいました。
正直、今もこの台詞を読み返すだけで、目頭が熱くなってしまう程です…。


下鴨家を始め、本作を彩るキャラクター達は皆どこかで、この父と繋がっていて、良くも……そして悪くも触発されていました。
それほど、この父親狸『下鴨総一郎』は、大きな存在だったんですね。

今もサントラで、このシーンの曲を聴いています。
曲のタイトルは、『一つの大きなサヨナラ』です。

アカン、泣けてきてしまった……。。。
{/netabare}



【総評】

初見では、序盤で人物設定や世界観が掴み辛く、馴染みづらい点は大きなマイナス。
原作ファンや前知識を持つ人でなければ、ここで切ってしまう人も多かったのではないでしょうか。

ですが後半は、そのマイナスを補って十二分に余りのある、大変面白く心動かされる「馬鹿馬鹿しい狸活劇」となっておりました。

しかし、いやはや序盤の悪印象から、まさかボロ泣きに発展するとは……。
これだから、物語は追ってみないと分かりません。
勿論、数多ある原作の中からアニメ化された作品なので、誰が見ても面白くない内容だなんてことはありえない、と思って一応追ってはおりましたが。
(と言いつつも、やっぱり自分には合わないケースがよくありますので、こういう風に覆るケースは珍しかったです。)


私は、ラノベ作品によくあるような、いわゆる萌え系のアニメも喜んで鑑賞します。
付け加えるなら、本作と同時期に放送されていたアニメを見て、「小学生は最高だぜ!」とも言っていた、本当どうしようもない阿呆の萌え糞豚です。

それでも、このような大人の鑑賞にも十分耐えうる、でもそれでいてカッコ付けて高尚ぶらずに面白いものを描く、こういう作品も大好きです。

この作者が描く「阿呆」に、私はたまらなく魅力を感じてしまうんですよね。
それが面白い出来事に繋がり、それが面白い周囲を呼び込んできてくれるのですから。

そして、まさに『四畳半神話大系』がそうであったように、それが周囲を巻き込んだ「良きこと」にも繋がっていくのですから…☆彡


まさに「面白きことは、良きことなり。」でした。

読んでいただき、ありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『下鴨 総一郎』声 - 石原凡さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『夷川 海星』声 - 佐倉綾音さん



以降、獣に当てた駄文なので〆ておきます。
{netabare}
さて…、これまで美少女にのみ、その欲情を露わにしていた私ですが…。


本作を見てからというもの、私は

『美少女』

ならぬ

『美少狸』

にまで、欲情の目を向けてしまいかねないようになってしまいました。

これに限っては、オスだろうが問答無用で手を出しかねない勢いである。


野生の狸は危険? 気性が荒い? 疫病も持っている?

ノープロブレム。

本能の赴くままに行動している時の私の気性の荒さは、野生の狸を凌ぎます。

爪も使います。

歯も使います。

舌も出します。

何より、私もこの通りの病気持ちです。


以降、私が京都に赴いた際は、町に隠れ住む『美少狸』は、決して私に近づいてはいけないと警告しておきます。


もし私に発情期があるとするならば、狸とだけは同時期でないことを願ってやみません。
{/netabare}

投稿 : 2023/05/27
♥ : 43

84.0 8 家族アニメランキング8位
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(アニメ映画)

2020年10月16日
★★★★★ 4.1 (532)
2230人が棚に入れました
蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

列車と流行は乗るものです

長いものには自ら巻かれにいきます。プライドはありません。


全23巻で完結するだろう原作漫画の7巻ぐらいまでを2クール26話でアニメ化。この劇場版は8巻の内容に相当、TV本編からの続編を意味します。

2期やるならゴールデンタイム放送も荒唐無稽な話ではなく。
しっかりバンダイさんが日輪刀を発売してますし、物販で円盤以外の武器があることは強み。原作が完結しているとはいえ暫く商売にはなりそうです。
そしてこの劇場版。老若男女巻き込んで記録的ヒット中なわけですがなんか様子がおかしい。初見の方が楽しんでるのです。「続編だからTV版観といてね」というわけでもなさそう。整理します。

1.原作を読んでいる。読んでない。
2.アニメを観ている。観てない。
3.観た人はリアタイの頃?それとも最近?

一見さんお断りというわけではないのでそれぞれ立ち位置だけ確認。
自分は原作未読でアニメ視聴済み。かつ公開直前の部分一挙放送でおさらい済み。もしも準備したいなら第21話以降最後までをおさえておくとよいかもしれません。
{netabare}※劇場版メインキャラ:煉獄杏寿郎(CV日野聡)と魘夢(CV平川大輔)が顔出しするのと、無限列車編に向けた先出し情報がけっこう含まれてます。{/netabare}


【社会現象】
様々な角度から分析されてるでしょうから細かくやらんけど、もたらされた興収で一服つけた映画館が数多くあったと聞きます。上映作品の弾数少なくスクリーンに空きができたコロナ禍の特殊事情なんてのを数年後に思い返すことでしょうね。流行り病を鬼の仕業とみなす伝承になぞらえ、経済循環の一翼を担うことで現実世界でも鬼退治してるようなもんに思えました。


そして本編。
冒頭の1カット。え!?実写ですか?というところから始まります。TV版の第1話は、え!?劇場版ですか?という入りだったのでなんとなく既視感みたいなのを感じますね。
美術はTV放映での神回と呼ばれる第19話の気合が最初から最後まで続くと思っていただいてよし。
117分の上映時間のうち一部を除いて列車の中での出来事です。殺陣や空間を使った演出など狭い列車空間ではスケールダウンするかもという不安は杞憂となってます。梶浦由記さんの劇伴も物語を盛り上げ、作画/音楽の良さは太鼓判を押せましょう。まさに劇場で鑑賞すべき作品ですね。

ストーリーはいかんせん途上なのでなんとも言えじ。全体でどうこうはひとまず置いといて1エピソードとしてみるなら申し分なしではないでしょうか。家族愛との結びつきで“強くなれる理由”を知った本編なら、その強さを何のために使うのか志(こころざし)の領域、メインキャラ煉獄さんを通して“闘う理由”が劇場版でははっきりしてきます。感動するとしたらここ。個人的にはむしろ家族愛に囚われちゃうと見落としかねないとすら思ってます。

キャラはもちろん炎柱の煉獄さんがごっそり持ってくんですけどTV本編からの進展もある。炭治郎の同期、特に伊之助との絡みにそれは顕著でした。TV本編では兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめ。「努力」「友情」「勝利」の「友情」部分が希薄だったと言えましょう。そのため「友情」の中核たる善逸や伊之助についてキャラ立ちの良さを認めつつも別角度から見れば三人いることの相乗効果は感じられず、またギャグテイストな二人は一歩間違うとガヤ扱いでうるさい。炭治郎の“やさしさ”で繋ぎとめている関係に見えなくもなく、このへんが子供向けと断じてしまう要因だったように思えます。それが劇場版では幾分緩和されてました。段階が一段上がったとも言えるかも。
そして余力あるか2回目でもいいですけど“煉獄さん”“炭治郎”“善逸”“伊之助”“禰豆子”誰が欠けてもラストステージには届かないという細い糸を手繰り寄せるような作業を各々がしていたことを見逃さないでほしいです。

公開中なら映画館の迫力映像&音響を楽しめるのはもちろんのこと、例え機を逸して自宅鑑賞となったとしても、ストーリーやキャラの関係性がTV本編に上乗せされてるので見応えはあります。
それに事ここに至ってはなんだかんだ鑑賞のきっかけをはかるレビューの意義をあまり感じないのが本音。これだけメディアの露出がある作品ですのでお祭りに参加する感覚でよろしいのでは? 

ちなみに泣こう泣こうと思ってもそうはならないと思います。感動したーのインタビュー映像は一切無視。期待値のコントロールは各自しっかりして、無駄にハードルを上げ過ぎないようにしましょう。





※ネタバレ所感

■これはデカい!共通言語を獲得

「それにしても素人使うのはちょっと…」
劇場版が公開される度につぶやかれてきた常套句ですね。プロモ兼ねて世間認知度の高い俳優さんを起用するいつものアレ。ふとしたことで気づきます。このメガヒット作にその不満が一切ないことを。
このことはアニメファンにとって二重の意味で幸せなことだと思います。一つは文字通り棒演技を我慢することからの開放。二つめは共通言語の獲得。

 普段アニメを観ない人と声優さんの話ができる!{netabare}…かもしれない{/netabare}

「あー○○さんね。鬼滅で△△の役やってた人だよ」というテンプレがこの度誕生した衝撃はもの凄いものがあります。

「あー○○さんね。××で△△の役やってた人だよ」の××の選択肢がほぼジブリ/ディズニー/他夕方ご長寿アニメ独占状態だったところに近年『君の名は。』がやっと追加された今日この頃。
鬼滅はキャストが脇役含めて深夜アニメオールスターと言ってよく、TV本編を視聴してる層も一定数いることも考慮すると△△に入る人たちがめっちゃ多い。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準。皆なにかしら代表作持ってる方々なのに一般の人からみれば誰も知られてない。
それが此度の一件で「鬼滅の煉獄さん役の人が主役はってるオーバーロードってのが…」みたいな発展が容易にできちゃう世界になってしまいました。
応用パターンも。スラダン世代だったら鱗瀧さん役の芳忠さんは仙道やってて、炭治郎が初めて遭遇するお堂の鬼役緑川光さんは流川楓だぜー!みたいなツカミもできるわけです。


実力のある制作会社。本職がもたらす声の演技の凄み。作品に寄り添って製作された主題歌の余韻。
よくよく考えると深夜アニメ王道を行くタイプの作品としてこれだけのメガヒットは史上初では?
訓練されたアニオタには常識でも一般人には未知なるフロンティア。今回初めて“深夜アニメ”に触れた多くの方々が泣いたり笑ったり楽しんでいるこの状況が喜ばしいのです。
あらためて思います。日本のアニメは素晴らしい。


■「家族愛」と言うけれど…

“覚悟”と“責任”のお話ですね。だから人々の琴線に触れるのだと思います。
“家族愛”があまりにもプッシュされてるんですけど少しばかり疑義が有る。行動や考え方の根っこに家族の存在は根付いてるけれども登場人物たちはその想いを大切にしながらそれより先。志を持ち責任を全うする覚悟を携えている。いわば未来を見据えております。むしろ鬼側の諸事情が家族止まりという対比にもなってますね。
愛郷心とでも言うべきでしょうか。家族より広範囲な+αの共同体を守らんとする物語となってます。

{netabare}TVの第2話で鱗瀧さんが炭治郎に覚悟を迫り禰豆子が人を襲った時に自害すると即答できなかったことを詰問するところから始まり、柱門会議の御前において禰豆子が人を襲えば腹を斬る主旨の書面をしたためていた鱗瀧さんと富岡義勇の凄みがまさにそれかと。三人とも実際の家族ではないのです。{/netabare}

{netabare}煉獄さんが守ったのは200名の乗客の生命。それと己の生き様でした。

劇中で炭治郎が叫んだ「勝利」の定義を受け入れられるかどうかは作品の評価に直結します。
野暮と承知しつつ、引き換えにしたものと天秤にかけて敢えて損得勘定したとしても、後進(炭治郎、善逸、伊之助)の心に炎を灯したことでお釣りが充分とれたよねと私は思ってます。
これが唯物論的に捉えるとまったく景色が変わってくると思います。物理的な勝利ではなく「え!?これでなんで感動するの?犬死じゃん」となっちゃうかも。{/netabare}








※マジで無駄話…しかも長くてゴメン

■つまりこういうことね

鑑賞済みの方向け。そのわりには全く踏み込んでないただの妄想のため閉じとく。

{netabare}国際関係に少しばかり踏み込むネタなため不快にさせちゃうかもしれません。たいした話ではありませんが念のための注意喚起。ブラウザバック推奨です。
ちなみに弊社は彼の当該国に事業所があり取引先も存在し、同僚もそこそこ多国籍でわりと喧々諤々楽しくやってます。そのため実地をそれなりに把握してると自負しつつ放言しますのでご容赦を。{/netabare}

{netabare}鬼 「鬼にならんか?14億の市場で儲けさせてやる!」
人 「一度鬼になれば利益の再投資は鬼界に限定され人間界には戻ってこれない」
鬼 「人口減少や低水準待遇の人間界に未来はない。鬼はいいぞ!バスに乗り遅れるな!」
人 「弱い鬼たちを浄化してふんぞり返るなんて俺とは考え方が違うということだ。断る!」

という既視感。{/netabare}

{netabare}代々蓄積されてきた肌感覚なんですよ。
菅原道真公がなんで大宰府に流されたかって遣唐使廃止で利権をごっそり潰したことへの報復でしょう。左遷先の大宰府で客死しそのあと都で人死にが続く。祟り扱いされたのは飛ばした連中に後ろめたさがあったからでしょうね。

となるとそんなリスク背負ってまで遣唐使廃止する必要なかったのになんで?となるのが普通の感覚です。そこで出てくるのがマルコ・ポーロの『東方見聞録』、玄奘三蔵の『大唐西域記』と並ぶ世界三大旅行記とされながら現代日本人にとってはドがつくマイナー書『入唐求法巡礼行記』(円仁)。刊行年は遣唐使廃止の50年くらい前。大陸の人肉食習慣その他悪習がこれでもかと書かれていて国内の東洋史学会ではウケない内容っすね。なお書店で販売されてるのは肝心な唐での体験部分がごっそり抜けたもの。

そもそも遣唐使は行って戻ればアホみたいに儲かる。交易あらば交流あり。文化は良し悪し関係なく流入してくるのは当たり前ですよね。巷では悪習が入り込んですこぶる庶民には評判が悪かったという土台があって、それを唐が滅亡する13年前に鎖国を断行。悪習の流入阻止ばかりではなく大国滅亡の混乱に巻き込まれることをも防ぐファインプレー。

そんなこんなで道真公は神社of神社ともいえる『天満宮』の御祭神であらせられますからね。亰で頻発する祟りを鎮めるために大宰府の庶民が詣でますかって話です。神童でならし出世が早かったなんて人は他にもたくさんいるでしょう。

 きっぱり関係を絶ったからです

そして別にこの時も後の江戸時代だって彼の国と敵対してたわけじゃないんですよ。付く時期と離れる時期の見極めは歴史に学んで良いと思います。隣り近所なんてそんなもんなんですから。
そもそも人食ってるところに利益ぶら下げられたからってホイホイついていくか?ってのが問われているのです。ズブズブになって「生殺与奪の権を他人に握らせる」前に道真公は撤退したのですよ。おそらく自分の身にふりかかる災難を見越した上でです。
そんな菅原道真公を祀って顕彰し続け御社に足を運ぶ1000年前の日本人の感覚と“煉獄さん拝みに劇場に足を運ぶ”僕らの感覚とでそんなには変わらんのだろうよと勝手に妄想している私です。大ヒット神社と大ヒット映画!うーん…このへんで止めとかないと罰が当たりそうなのでお終い。

{netabare}そういえばいつのまにか聖地化してた竈門神社も大宰府でしたね…{/netabare}


作品に戻って“正しく生きること”を考えさせられます。煉獄さんの母はこう言いました。

 「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」

これはお侍さんの基本的な考え方だったかと思います。
思えば伊之助が乗客省みず猪突猛進しかけた時も乗客の安全を確保してからだったし、
火の呼吸は知らんので話はお仕舞だとぶった切ったと思いきや、煉獄家のヒントを指し示したり、
後輩の話を聞き流してんじゃなくて留めて心を砕いてくれてたんだなということがわかります。

そして正しいことをやるためには強くならないとね。子供に見せたいという声があるのも分かる気がします。子供に見せる名目で大人が見るのももちろんご随意に(笑)

{netabare}大事小事関係なく、私たちは常に「鬼にならないか」と誘われる日々を過ごしているといえます。人と鬼双方に事情があることは作中で示されており巷でも作品の魅力によく挙げられてますよね。そんなんで鬼にも同情すべき点があるなぁと呑気に構えていたら、この劇場版で煉獄さんに「鬼の倫理」と「人の倫理」は明確に違うことを突きつけられたわけです。{/netabare}

映像と音楽が突出して良くて、あとは良くも悪くも少年JUMP的作品。これはTV本編の私の評価です。その基本的な考えは変わってないのだけれどもちょっとだけTV本編よりも評価高めどす。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 劇場にて 

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2020.11.15 追記

別に予言でもなかったのだがさっそくの教訓。

「お前も鬼にならないか?」 ⇒ 「はあいよろこんで~」

を地でいくNEWSが飛び込んできた。炭治郎の耳飾りのデザインを変更して某半島で配給するとのこと。長くなるので止めとく。



2020.11.01 初稿
2020.11.15 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2023/05/27
♥ : 65

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

煉獄さんの信念、勇気、責任感に感動!

この映画には良い意味で騙されました。

宣伝では、睡魔を武器とする鬼と闘う炭治郎の姿がしっかりと描かれていましたので、炭治郎が大活躍するのだろうと思っていました。

確かに炭治郎は大活躍しました。
でもそれ以上に、柱の煉獄さんが大きな大きな力を見せてくれました。
大きな大きな感動を与えてくれました。
煉獄さんの信念に感激です。

彼は汽車の乗客や仲間たちを誰一人死なせることなく、守り通しました。
体を張って守り抜きました。

確かに煉獄さんは柱の一人であり、炭治郎たちよりも強いのですが、強さだけであの行動はできません。
彼の信念、彼の勇気、彼の責任感があそこまでさせたのでしょう。


物語は、行方不明者が30人以上も発生している夜行汽車に鬼殺隊の煉獄、炭治郎、善逸、伊之助が乗り込みます。そして、彼らは睡魔に襲われます。

睡魔に襲われた際に見る夢は、とても懐かしく、とても暖かく、心地良い。二度と帰ってこない時代の夢でした。

私個人としては、あんなに暖かい夢を見せてくれる鬼がいたならば、その鬼を大好きになると思います。
あの下弦の鬼は、能力の使い方を誤らなければ、誰からも尊敬され、そして親しまれたでしょう。



ところで、この物語の途中で主要メンバーの心の景色が表現されます。
炭治郎の心の景色は、やはり思った通り澄んだ青空でした。
ウユニ塩湖のように美しい風景でした。

こんなに澄んだ心を持った炭治郎は、鬼を殺す仕事には向いていません。
それは炭治郎自身もわかっていることでしょう。


エンディングは、Lisa の『炎』 素晴らしい歌でした。
Lisaさんは作詞も手掛けます。今回は梶原由紀さんとの共同作詞ですが、
自分で作った歌詞なので、あれだけ感情がこもった歌声が表現できるのだと思います。そして、心がこもった歌声だからこそ、多くの人が感動するのでしょうね。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 57
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

一つ期待したいのです

<2020/11/3 初投稿>
昨日ようやく観に行けました。
原作未読。
テレビ版全26話は視聴済みです。

凄いですね。
ついこないだまで、今年日本で1番話題になった映像コンテンツは半沢直樹だろうなと思ってたのですが、あっさり上書きする勢い。

興行収入も3週目で既に150億円超え。
千と千尋の神隠しの300億円超えも現実味を帯び、どこまで行くかもうわからん感じです。

なぜこんなに売れたのか?
は自分にはよくわかりませんが良い作品であることは間違いないと思います。

ただ一つ期待したいな、と思ってることがありまして。
それは本作の爆発的なヒットでアニオタと非アニオタの垣根がなくなる、まではいかなくともかなり下がるのでは?という期待。

この20年くらいで、例えば「けいおん」ブームなどを経て垣根はかなり下がってきました。
それでもその垣根はまだまだ高さを保っています。
その証拠が深夜アニメ。
お子様向け作品を除くと今のアニメはほぼ100%ド深夜の放送です。

結局「アニメを好きな層は深夜でも見る視聴欲求が極端に強いマイノリティ」とテレビ局は認識してるのだと思います。

ところが本作の文字通り「空前」の大ブーム!
元々はどちらかというとアニオタ向けの深夜アニメ。
そんな本作が、老若男女小さなお子様/アニオタ・非アニオタ全ての層に受け入れられたという奇蹟。
この世の空気感まで変わってくれると嬉しいのですが。

と、ここまでは前置。
以下、本作鑑賞の感想です。

まず第一印象としては、テレビアニメ版見てるか、そこまでの原作を読んでないと十分楽しめない。
当たり前なことなのですが、人気が出過ぎて「いきなり観に行っても大丈夫じゃね?」と錯覚する人も出てきそうなので。
つまり予習は必要。

そして、映像美。
予想はしてましたが、それを超える美しさと迫力。
始まってすぐ、最初のシーンの映像で一気に飲み込まれてしまいました。
例えば「君の名は。」なども映像が至高レベルなのですが、それは「絵画」「フォト」としての美しさ、つまりそこだけ切り出して成立するような美しさなのではないでしょうか。
本作は「アニメ」としての美しさが際立っている。
それは動きの滑らかさや力強さ、迫力を伴った美しさだったり、背景であってもあくまでアニメの一部として調和した美しさだったり。
特に戦闘シーンは特筆もの・さぶいぼものです。

声優は実力と人気を兼ね備えたプロで固めてます。
特に今回は日野聡さんのよく響くテノールの力強さと突き抜け感が◎。
もちろんレギュラー三人組+禰豆子もさすが良い仕事をされている。
ややサプライズだったのは{netabare} 猗窩座の石田彰さん。{/netabare} やはりこの方はスペシャル・ワンですね。


そしてキャラクターと物語について、ですが
ここからはネタバレなので未視聴の方は開かないでください。

{netabare}
三人組+禰󠄀豆子、みんな活躍してました。

伊之助が存外とかっこよかった。
敢闘賞クラスの活躍
被り物が役に立ってよかったね。
女性ファンからしたら被り物脱いでほしいのかもしれないけど。

善逸は相変わらず煩いけど、笑えるしいざとなると強い。
いきなり霹靂一閃はびっくりしたけど、そっか。
こいつは寝てるから出せるのか 笑。
やはり結構好きなキャラ。

禰󠄀豆子は可愛らしさと面白さに磨きがかかった印象。
あと久しぶりに日本語喋ってた 笑。
善逸の夢の中だけど。
最後の朝日をバックに禰󠄀豆子を箱に詰めようと慌てる善逸ときょとんとする禰󠄀豆子には感動してる最中に笑かされました。
でもバトルでも頑張ってましたよね。
頭突きは笑ったけど。

主役の炭治郎。
無意識のイメージがまさかのウユニ塩湖!
ここでピアノでバライチを弾く炭治郎をつい思い浮かべたり。
花江さんはウユニ塩湖に縁があるんでしょうか。
と、それはさておき。
やはり本作の主役は炭治郎なんだな、とあらためて思いました。
その優しさや誠実さ、濁り一つない真っ直ぐさ。
当然、その強さも活躍ぶりも。
彼のキャラクターは本作の方向性の中心にあると思います。
どんなジャンルであれ良い作品というのは主役がそのキャラクターと行動で作品全体を支えてますよね。
その典型だと思います。

そして炎柱・煉獄杏寿郎さん。
本作では炭治郎超えましたねえ。
というか全部持っていきました。
強い、優しく、熱く、まさに燃えるようにかっこいい漢。
それでいて心のうちに葛藤も抱える。
最初の登場シーン、大量の駅弁を一口食べるごとに馬鹿でかい声で「美味い!」「美味い!」「美味い!」
「うみゃーうみゃー」言いながらキャットフード食べる仔猫動画を思い出しました 笑
声デカすぎてうるさかったけどw
普段、目がどこ見てるかわかんないし大丈夫かこの人?と思ってましたが、いざ鬼を前にするとカッコ良い。
加速装置みたいなものもついてるみたいだしw
猗窩座との一騎打ち痺れました。
ufotableの映像力が遺憾なく発揮されていたと思います。
煉獄パパのやさぐれてしまった理由が気になる。

猗窩座は出た瞬間「フリーザ様?」とか思ったけど、声が石田彰さんなもんだから「色っぽいフリーザ様」w
上弦の強さがよくわかりました。
彼は最後の炭治郎の叫びをどのように受け止めたのでしょうか?
たいして気にしてないのかな。

ストーリーは王道というかシンプルというかわかりやすいシナリオ。
元々が話をこねくり回して複雑にするタイプの作品ではないので、そこを期待してる方は残念な気持ちになったかも。{/netabare}
テレビアニメ版のレビューでも書きましたが「王道なストーリーを腕の良いクリエーターがしっかりと肉付け練り上げると素晴らしい作品になる」
それだと思います。


というわけで。
まだまだまだまだ勢いの止まらない本作。
本当に面白いし、未見で本作が気になってる方は、映画館に足を運んでみてはいかがでしょう。
あ、予習してから、ですよ。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 60

74.8 9 家族アニメランキング9位
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (172)
709人が棚に入れました
西暦2011年、アメリカ・フロリダ州。恋人とのドライブ中、交通事故に遭遇した空条徐倫は、罠に嵌められて15年の刑期を宣告される。収容されたのは、州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所――別名「水族館」。絶望の淵に立つ徐倫だったが、父から託されたペンダントを手にした時、彼女の中で不思議な力が目覚める。

“この世には死ぬより恐ろしい事があって、それがこの刑務所で起こっているのは確実なんだ”

徐倫の前に現れた謎の少年からのメッセージ。次々と起こる不可解な出来事。面会に訪れた父・空条承太郎から語られた恐るべき真実、そしてDIOという名前…。

果たして空条徐倫は、この刑務所という「石作りの海」から自由になることができるのか? そして、100年以上に及ぶジョースター家とDIOの因縁に終止符を打つ、最後の戦いが始まる!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

俺は原作をやめるぞーっ

原作は5部ぐらいまで

そのため第6部『ストーンオーシャン』はまったくどんな話か分からないところからです。
連載やってる頃はすでにジャンプを購読してないしアニメ化されてるジャンプ作品だと『るろうに剣心』くらいまでしか知らんのよね。『ONE PIECE』も実は未経験というもぐりな私。

そしていまだ連載中のジョジョなんですけどもはや様式美が確立してるから何も言うことないのよね。
感想入る前に周辺環境をば。第6部と言いつつアニメは第1部と第2部がセットで1stseason扱いだったので本作は5thseasonとなります。ジョースター家とディオが物語に作用してるのは相変わらず。第7部以降はこれまでの血筋の物語から世界線がずれて別物になるらしいので連載足掛け20年近くかけたジョースター家の物語は一区切りとなる記念碑が本作となります。
ふと思ったんですけど、ディオというキャラクターは人生リセット系で形だけ見れば巷に溢れる異世界転生無双キャラとそう変わらんのですよね。ただ両者には埋め難い深い溝があって、“自分の意志”か“降って湧いた災難”かというのと、“絶対悪の存在”か“ちやほやされる存在”かという点。置かれた場所で咲くことを放棄する代償や対価に触れてるし、それを自身が選択したことで凡百な作品とは段違いな深みを我々に与えてくれてる気がします。

4thseason『黄金の風』が全39話一気通貫だったのと違って、本作はネトフリ先行でまずは12話。期間を置いて続きが制作されるとのこと。レビューはひとまずこの先行分となります。今後どういう刻み方するかは不明ですが、『黄金の風』17巻が全39話、『ストーンオーシャン』も17巻ということで似たような尺になるでしょう。下手に省略しても伸ばしても暴動が起きると思います。
そんてもって結果↓

 ジョジョでした {netabare}※これで充分でしょ?{/netabare}
  ⇒原作未読でもそれとわかる様式美

舞台はフロリダ。空条承太郎の娘“空条徐倫”が今回のジョジョ。土地柄なのかやんちゃな言葉遣いと血筋の持つ聡明さを併せ持った魅力的なヒロインです。物語がほぼ刑務所で進行するのもフロリダっぽい。ついでにスタンド使いのいる刑務所って入りたくありません。
いかんせん全39話(仮)の1/3(仮)ですからお披露目程度なんですけど掴みとしては今後に期待充分なできだと思ってます。
シリーズ構成・脚本は1stseasonから一手に受けてる小林靖子氏。ヒロインのファイルーズあいさんなんかもそうですが、携わる人それぞれに作品への愛情を注いでるんだながわかる仕上がりになってます。

カルト的なファンの御眼鏡にかなってるか否かは不明ですが、ライトファンの私には充分。
漫画とアニメの表現の違いをどう最適化させるのか?
擬音やポージング、ジョジョ節に至るまで再現度高めかと思われ、知ってる人は高い確率で楽しめそう。知らない人も濃ゆい因縁の物語はなにかしら心に残ると思います。一緒に楽しみましょう!


※雑感

■やんちゃくれガールズ
OP曲いいですね。「STONE OCEAN」岸田教団&THE明星ロケッツのフロントマンichigoさん。いつもの岸田教団さんと毛色の違うロックチューン。カメラワークも配色もかっこいいです。

{netabare}コーラスの被ってる感じが往年の名曲『Wannabe』('96)のMVっぽい感じがします。メンバー一人がベッカムの奥さんなあれ。後続ガールズグループわんさか出てましたよね。連載当時の時代感が出ていて好感触でしたよん。{/netabare}


■備忘的なもの

{netabare}承太郎のディスク2枚のうち1枚を奪還しスピードワゴン財団の手に渡すところまで。次は2022年秋ですね。直前に一挙放送やってくんないかな。{/netabare}




視聴時期:2022年1月~2022年3月 リアタイ

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2022.04.02 初稿

投稿 : 2023/05/27
♥ : 22

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

僕の名前はエンポリオです

荒木先生は天才だと思った。

それぐらい私には衝撃的で
これを漫画にするなんて、、、
一番好きなの
ジョジョの中で

これを見るまでは
ジョジョを面白おかしく
読んでいたんだけど
これはね特別

lain好きな人は好きかも
芸術的で色彩感覚抜群だし
カットされるかなと思ってたとこも
ちゃんと入ってる

ネトフリで12話までしか見れないのが残念
これは一気みした方がいいんじゃないかな
難解だと思うので
好みや解釈は
はっきり分かれると思うけど
ツボにハマる人はどっぷりハマると思う

じゃあぁないかの発音が
拘ってて笑う
ああ、ジョジョだなって

一般受けはしないかもしれないけど
私はとてつもなく
素晴らしい作品だと思ってる

2クールめ
我慢できずに見てしまった
ホワイトスネーク戦
序盤から面白い
JOJOは下品だけどそこもまぁひっくるめて
JOJOなのよ
以前もエジプト編とか例に挙げるけど
トイレの話そんなに描きたかったのかと笑ったぐらい

アニメ化成功の例だよね
解りやすくなってるし
声ついて動いて音楽も良くて
動きもいいし
愛がないとこれは無理だよねって思う
我慢できずに見ちゃったから
全部終わったら通しでみるわ

続きが待ち遠しい

投稿 : 2023/05/27
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

【2023年3月26日追記】第2クールまではこちらだったんですね^^; 今度の主人公は19歳の空条 徐倫…空条承太郎の娘です。

本作品の第1クールが2021年12月にNETFLIXで先行配信され、2022年の1月から冬アニメとしてテレビ放送されました。
私はてっきり第2クールは別の作品としてあにこれに登録されるとばかり思っていたので、私のレビューは第1期前提でのレビューとなっていましたが、第2期クール分までこちらで纏めてレビューする構成となっていたようです。

知らなかったとはいえ、間違えた情報を発信してしまったことをお詫びいたします。
ということで、ここから第2クールのレビューを追加したいと思います。

この第2クールも「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」から物語が始まります。
空条承太郎の娘・空条徐倫に次々と差し向けられるスタンド能力使いが、あの手この手で徐倫を亡き者にしようと躍起になって襲い掛かってきます。

この作品って、スタンド能力を駆使した戦いが基本なのですが、ある意味新たなスタンド使い…というか、スタンド能力を生み出し続けることで、物語を無限ループに入れることが可能なんじゃないかと思えてきました。

毎回新しいスタンド使いが送り込まれますが、自然現象、物理現象、生物や昆虫など、私たちの身の回りの事象、現象、物質の全てがスタンド化できる可能性がある訳です。
これって、スタンド能力がほぼ無数にあるのと同義だと思います。
そして言わずもがなですが、これがこのシリーズの面白さでもあるんですよね。

そして、徐倫を支持する仲間は今回も大活躍です。
今回の一番の立役者は、伊瀬茉莉也さん演じるフー・ファイターズ(F・F)にほかなりません。
序盤こそ田村睦心さん演じるエルメェスが頑張っていましたが、謎のスタンド「ホワイトスネイク」が明るみに出た物語の核心へと一気に迫った後半でのF・Fからは目が離せませんでした。
勿論、アイちゃん演じる徐倫はもとより、アナスイも凄かったですけどね。

徐倫と出会うことでF・Fの世界は一変しました。
きっと生き甲斐を知ったからだと思います。
痛みと苦しみをずっと隣に抱えながらの共闘でしたが、結果的に振り返ってみると、それらって良い思い出に昇華するんですよね。

これは私たちも現実で何度も感じていることだと思います。
「若い頃の苦労」や「生みの苦しみ」なんかが同義だと思います。
最近は、業務効率化や残業規制などで、若手が力を伸ばす機会がドンドン減ってきています。
少なくても、私は昔の苦労が今の自分を支えてくれていると思っていますが、最近の若手にも自分の自信として同様の意識を持って貰えたらと思っています。

話が脱線してしまいました。
今回の第2クールで大きく物語が進展しました。
徐倫の目指すべき道は、当初から比べると大きく変わった様な気がします。
ですが、これが「空条」の名前が背負う業だとすると、納得できるから不思議です。
さぁ、次はいよいよ最終決戦ですね。
どの様な結末を迎えるのか、そのプロセスまで含めてしっかり堪能させて頂きたいと思います。



以下が第1期視聴後のレビューとなります。

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この作品の原作は未読ですが、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズを見ないという選択肢はありません。
しかもNETFLIXで先行視聴ができたのも個人的には嬉しかったり…
まぁ、1月から地上波でも放送されるんですけどね^^;


西暦2011年、アメリカ・フロリダ州
恋人とのドライブ中、交通事故に遭遇した空条徐倫は、罠に嵌められて15年の刑期を宣告される

収容されたのは、州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所――別名「水族館」
絶望の淵に立つ徐倫だったが、父から託されたペンダントを手にした時、彼女の中で不思議な力が目覚める

“この世には死ぬより恐ろしい事があって、それがこの刑務所で起こっているのは確実なんだ”

徐倫の前に現れた謎の少年からのメッセージ
次々と起こる不可解な出来事
面会に訪れた父・空条承太郎から語られた恐るべき真実、そしてDIOという名前…

果たして空条徐倫は、この刑務所という「石作りの海」から自由になることができるのか? 
そして、100年以上に及ぶジョースター家とDIOの因縁に終止符を打つ、最後の戦いが始まる!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

正直、ジョジョが女性と知った時にはビックリしました。
この独特の世界観を醸し出せるのは、筋肉質の男性ばかりと思っていたからです…

完走後にwikiをチラ見した時に目に留まったのは、女性の起用に関してです。
「主人公を女性にするという案は本作よりも前から出ていたが、考慮した上で取り下げられていたが、本作では荒木が女性案を押し、編集側は保守判断から反対案を出すも、最終的には女性主人公となった。」

やっぱりジョジョ=男性のイメージはこれまですっかり定着していますからね。
根底が崩れるように感じた関係者の方もいらっしゃったんでしょう。

ですが、本当に面白いかは実際に視聴してみなきゃ分からないと思い視聴を始めました…
何これ、メッチャ面白いんですけどっ!

主人公の徐倫のCVはファイちゃん…
「ダンベル何キロ持てる?」の紗倉ひびき役や、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」のえりぴよ役を演じている方と言えば、ピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ファイちゃんのwikiを見ると、こんな奇跡的なことが書いてありました。
中学生の時に読んだ漫画『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』を読んでファンになり、結果的に自分が声優を志すきっかけになったそうです。

しかも、プロ・フィットに入った理由は、養成所時代の講師が『ジョジョの奇妙な冒険』でウィル・A・ツェペリを演じており、プロ・フィットに入ったら徐々のアニメに出演できるチャンスがあるんじゃないかと考えたからという、動機全てがジョジョなんです。
だから、『ストーンオーシャン』で主人公の空条徐倫役に決定した時は、12年間追い続けていた夢が叶ったことの喜びで涙が止まらなかったそうです。

淡々と演じられたんじゃない…こんなにもファイちゃんの熱い想いが空条徐倫には乗せられているんです。
格好悪い筈なんて…ありませんよね。
公式サイトのキャラ紹介欄に記載されている通り、ジョースターの血統を受け継いだ強い意志とタフな精神、そして女性ならではのしなやかな感受性を併せ持っていたと思います。

一方、物語の方は徐倫が女性だからと言って甘く見てはいけません。
これまで以上に熱く、痺れるような展開が視聴者を待ってくれています。
もちろん、スタンド能力も大活躍です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ichigo from 岸田教団&THE明星ロケッツさんによる「STONE OCEAN」
エンディングテーマは、Duffyさんによる「Distant Dreamer」
岸田教団&THE明星ロケッツさんの楽曲は久々ではないでしょうか。
久々に聞けて嬉しいです~^^

1クール全12話の物語でした。
第12話目はなんの奇をてらうことなく、「To Be Continue…」で締めくくられましたが、しっかり堪能させて貰いました。
いつ続編の配信や放送されるか、などの情報は未だありません。
ですが、原作は完結しているので、これまでの作品同様ラストまで描き切ってくれることでしょう。
期待していますよ^^

投稿 : 2023/05/27
♥ : 17

87.6 10 家族アニメランキング10位
みなみけ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3765)
19260人が棚に入れました
大ヒット作品『今日の5の2』発売から365日。桜庭コハル原作単行本のアニメ化。
小学生・中学生・高校生の一癖ある南家の3姉妹、千秋(ちあき)、夏奈(かな)、春香(はるか)や周囲のキャラクターがおりなすのほほんでお馬鹿でちょっとエッチな平凡な日常をたんたんと描いていく。

声優・キャラクター
佐藤利奈、井上麻里奈、茅原実里、水樹奈々、森永理科、柿原徹也、小野大輔

U-tantan-U さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

日常系アニメの完成形。"私は頼られるのは好きだがアテにされるのは嫌なんだ"

思うに、日常系アニメで評価されるのはマンネリがないものだと思います。まあ日常系アニメは本当に同じようなシーンをほのぼのかつ淡々と進めていくため、どうしてもマンネリはつき物だと思うんですけどね。
ただ、このみなみけに関してはそれが全くといっていいほどありませんでした^^


これほどキャラ同士の掛け合いが絶妙な作品も無いでしょう^^特に夏奈のぶっとんだボケと千秋のシュールなツッコミに毎回吹かせていただいておりましたww
特に9話くらいの千秋の長セリフがよかったですね^^


みなみけ3姉妹<春香について語ってないw>以外のキャラも個性のたちっぷりがいいですね^^全員少しずつ抜けてますが、本当にちょうど良いレベル。やりすぎず、やらなさすぎず。内田と吉野がステキすぎる^^


そしてOPのM・I・N・A・M・I・K・Eが聞いてループして困ります^^w

たぶん日常系が苦手な人でも見始めるとハマる人も多いと思います。自分はみなみけによって偏見を取っ払いました。

ぜひ見やがってください^^

投稿 : 2023/05/27
♥ : 46

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

保坂くんのお弁当食べたいよー♪

■みなみけの面白さが解りました( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ
実は・・・4話までみて3ヶ月も放置してました・・・ヾ(^-^;)
前半は面白いけどなんとなく物足りなさを感じていたので他の作品に手をだしてたらずーと後回しになっちゃったのです( ´△`)アァ-
ただ、中盤の真くんがマコちゃんに女装する頃からググっと惹きつけられました♪
キャラデザ的には、まん丸お目々は可愛くって良かったのですけど、動物っぽいお口が慣れるまで気になっちゃってダメでしたねヾ(゚0゚*)ノ
ただ一度慣れちゃえば逆にチャーミングと思う事ができたので、アタシσ(゚-^*)の順応力の高さに感心しちゃったりもしてました(>o<")
 
■「みなみけ」の魅力って♪
なんと言っても南家3姉妹の、春香・夏奈・千秋はそれぞれ個性的であり魅力的なのですけど、そんな3姉妹の周りのサブキャラ達が3姉妹の個性をより一層引き立てている印象を受けました♪
しかも、3姉妹の学年が、高校生、中学生、小学生と違うのでそれぞれの学校で並行して話が進んでいくのですけど、そんな学校での生活と自宅での日常をうまくリンクさせているのでストーリー展開がちぐはぐになることなく、学年の壁を感じさせないキャラの絡みを演出している所も高評価につながっているのかなって思いました(*^-^)
それと、もうひとつの南家というスパイスが輪をかけて面白くしてくれたのも良かったですね♪
 
■総評
とにかく登場するキャラはみんな個性的で主人公の3姉妹に見劣りすることないので、色んなキャラの関係の絡みが至る所で断続発生します♪
なので、常にニヤニヤ、たまに(。・w・。 ) ププッって感じで楽しく最後まで観ることが出来ました!
個人的にはマコちゃん&冬馬ちゃんが大好きでした♪
夏奈ちゃんにまでバカと認識されている真くん!
「あふれるワイルドさ」・・・ヾ( ̄o ̄;)ないない・・・
「生まれ持ったダンディズム」・・・ヾ( ̄o ̄;)ないないない・・・
「俺の男気を・・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヾ( ̄o ̄;)ないないないない・・・
って突っ込んでいましたw
冬馬ちゃんについては声優さんが水樹奈々さんだとは思ってなかったです♪
クールな感じでかっこ良かったですよ♪
全体通して出来は良かったので問題作のおかわりを味わってみたいと思いますw
 
■お・ま・け
たまーにみせる凄んだ時のアップの描写って・・・
荒川アンダーザブリッジの冷血なマリアさんの表情に似てますねw
 
それと、「先生と二宮君 10時間スペシャル」って・・・ぜひOVA化して下さいw
 
2011.08.17・第一の手記

投稿 : 2023/05/27
♥ : 54

メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「この作品の仕上がりを奇跡といわずなんと言おう」。これは「ほのぼのコメディの金字塔」だ。

ツボにはまる可能性は一度お試しを。観ていないことは人生の損。やめるのはいつでもできますよ。

■とても良い意味で「つまんない内容」です。

毎日のごくあたりまえの生活です。唯一特徴的なのは、2歳違いの姉妹が未成年3人で暮らしている点、それに伴うのか、「みなみけの住むマンションの一室」が友達があつまる中心になっているという点ぐらいでしょうか。

そして、おおよそ次女が起点になって、小さなとるに足らないエピソードが綴られていくのです。にもかかわらず「この作品の仕上がりを奇跡といわずなんと言おう」。これが、何度か観た自身の実直な感想です。絶妙に配された「ツボ」にはまってしまうと簡単には抜けだせなかったのです。

大げさかもしれません。それでも、ほのぼのした笑いを提供してくれる数多の作品群の中で、最高峰の作品として自分の中では位置づけることができます。

■観るたびに新しい面白さを登場キャラクターに発見したりでき、なかなか飽きさせてくれません。

当初は、

1)クールで可愛い千秋がいるからこのお話はおもしろいとかんじ(1周目)、

2)ついで闊達な夏菜がいるからおもしろいのではと思い(2周目)、

3)3周目で「はるか姉様」がいて全体が成立し、

4)それに加えて、周りの絡ませ方が絶妙ななのだと鈍感な自分はやっと気がつきました。

もちろん、南さん3人姉妹が展開の中心になる中、脇を固める小学生ともだちや高校の先輩、中学のともだちなどなど……登場してくる人物たちがほんとうにうまく絡みあってきます。

ばかな子供、まこと、女装化まこちゃん
天然でばかな内田、見た目ヒロインキャラなのか?
どこか小学生ばなれしたおちつきの吉野
生意気だけど憎めない冬馬

なぜかストーリーに徹底的に直接絡まない〝カレーの妖精〟
などなど、脇が充実していますよね。

藤岡君もいい味だしているキャラですが、なかなか報われません。

演出BGM一部も定番(のクラシック楽曲)を地味めに使っていたりしますが、それがまたいい味を出しながら作品に溶け込んでいるようです。

楽しさ満載のアニメです。少なくともあと2回位は通しで鑑賞しそうです。ぜひ、一度とおすすめしたくなる作品です。

個人的には、いまだに違和感がある作画とはいえ、それはそれで。ほんと楽しいですよ。このシリーズ全体がほんとにツボに入ってしまっています。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 71

86.1 11 家族アニメランキング11位
東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2671)
13733人が棚に入れました
中学1年生の小野沢未来は弟の悠貴のお守りとして一緒に東京のお台場へロボット展を見に来ていた。その最中、東京にM8.0の海溝型大地震が発生、連絡橋は崩壊し、東京タワーが倒壊するなど、東京は大きな被害を受ける。
未来と悠貴はお台場で出会ったバイク便ライダー日下部真理の力を借りて世田谷の自宅へ帰ろうとする。

声優・キャラクター
花村怜美、小林由美子、甲斐田裕子、喜多村英梨、豊崎愛生、高平成美、遠藤綾、沢城みゆき、野中藍、中博史、井上喜久子、滝川クリステル
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

地震と津波。

<みじかい感想>

 とてもよかった。何よりも、わたしにとってはなまなましい作品だった。

<みじかくない感想>

■わたしにとってのなまなましさ

 何のヒネりもない感想だけれども、観ていて涙がでた。わたしはだいぶんスレてしまっている人間なので、あまり泣くことはないのだけれども、泣いてしまった。
 なぜ泣いてしまうのか。
 そういうことの理由を問うことはヤボでもあるのだけれども、その理由はおそらくわたしにとっては、三つぐらいあったのだと思う。

 一つ目は、震災直後のタイミングにみたせいだ。非常になまなましかった。これは2011年だからこそ、よくわかった。死者数がどんどんと増えていく報道や、自衛隊の動きなどが、まさに数ヶ月前の三月の記憶がそのままだった。
 そして、帰宅ルートであるお台場→芝公園・麻布十番・恵比寿→三軒茶屋のルートはわたしにとって通勤・通学・居住経験のあるところだ。いずれの場所もなじみ深いゆえに、それが崩壊したシーンというのは感じるものがあった。
 加えて、この中に登場する姉弟は、幼かった頃の、姉と自分の関係に非常に似ていた。姉はまさに、ああいう未来ちゃんにそっくりな性格の人で、小さい頃の自分は、悠貴くんをもう少し残念にしたような子供だった。大筋の性格はすごく似ていた。この姉弟の描写は実際にモデルがいるんじゃなかろうか、と思った。姉がああいう性格だと、弟は姉の影響をうけて、自分の欲求を外に出すのを我慢する子になりがち…だというのがあるのかもなあ、などと思ってみていた。

 そういうわけで、とても、この話がフィクションだとは思えず、すべてがわたしにとっては極めてなまなましかった。
 私は、この作品にとっての理想的な観客だったのかもしれない。


■本作のうそっぽいところ

{netabare} なお、実際とそぐわないところ、ということでは帰宅に時間かかりすぎではないか、とは思った。あの道のりを実際に知っている身としては…大人の足だけならば物語上の10分の1以下の時間で帰れる。子供の足でも、五分の1ぐらいの時間で帰れるのではないだろうか…。
 いかに道がねじまがっているとは言え、そんなには遠くない。これは、古屋兎丸の『彼女を守る51の方法』についても言えるのだけれども、六本木から渋谷までの道のりって、実際にあるくと1時間ぐらいしかかからないはずなんだけどね…{/netabare}
 

投稿 : 2023/05/27
♥ : 34
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

長尺の目と、fuushinの妄想、もう、よそう。2018.12.5 追記。

本作のレビューからズレてしまうことをお許しください。

{netabare}
先日の大阪の地震は、愛知県では震度4でした。
私は職場にいて、「あ、ついに来た!」と身構えました。
熊本地震、東日本大震災、阪神淡路大震災の実情。
桜島、霧島連山、御嶽山、草津白根山などの噴火の記憶も生々しい。

しかし、私の知識はほぼほぼ中学生レベルで止まっています。
高校で、地学を取りましたが記憶するばっかりで、実学には結びついていません。

本作では、地震学者から見ると、待望の啓蒙作品でもあるし、危機管理と対策の教本的なものなのかもしれません。

マグニチュードという言葉を調べていて、ちょっと理解が進んだのですが、先日の大阪の地震はM6.1でした。震源地は地下13㎞です。

これは、広島に投下された原爆(20キロトン)の放出エネルギーと同じです。地下13㎞のエネルギーは、地表ではあの爆発規模になるのですね。

ちなみに、東日本大震災(M9.0)は、関東大震災の約50倍、阪神・淡路大震災の約1400倍です。

(ここまでは、「日本の地下で何が起きているのか」(鎌田浩毅氏著。岩波科学ライブラリー。2017.10.18)より一部引用。)

さて、私はザックを担いで鈴鹿、比叡、伊吹山などから琵琶湖を眺めるのが好きで、その大きさに感銘を受けるのですが、同じように、北、中央、南アルプスを縦走するのも好きです。雄大な山並みや巨大な山塊には地球のパワーに圧倒されます。
体力的には2泊3日が限界ですので、そうそう長い距離は歩けませんが、見るだけなら、160㎞くらいは(富士山から槍ヶ岳)。思いを馳せるだけなら、九州・北海道の山も・・見て見たい。

それで、南海トラフの距離は、東西約700㎞と、全く私の想像を超えます。ここが動くかも・・・ということですね。


ここから先は、fuushinの虚妄です。はい。

本作を観た後のレビューとして適切ではないかもしれません。
いつものようにちょっぴり、スピリチャルっぽく書いていますので、お好みでない方はスルーしてくださいね。
 
私は、「君の名は。」や「かぐや姫の物語」などで、いささか異質なレビューを書いていますが、その視点は、縁の不思議さや魂の錬磨といったたぐいのものです。そして、そのアプローチには、言霊、数霊、シンクロニシティといったたぐいの概念を使っています。

前振りした地震についての妄想なのですが、今、こう思います。

ひとつは、ジュセリーノ・ダ・ルース氏の「予言」です。ネットでは「怪情報」としての扱いです。まあ、そうでしょう。

2018年6月21日。(夏至ですね。陽の極点です)

明日ですが、東海地震の発生を「予言」しています。本当かどうかは分かりませんが、この人の予言は結構な確率で「的中」させているので、個人的には全否定はしていません。もちろん当たらないことを祈りますが。

マグニチュードは、10.6。 東日本大震災が9.0でしたから、放出されるエネルギーは、数100倍(詳しくないのでごめんなさい)。

日本地震学会では、「中央防災会議での「現状では東海地震の確度の高い予測は困難」との議論もあり、より範囲の広い南海トラフ地震の想定震源域全体(駿河湾〜宮崎沖)を対象とした「南海トラフ地震に関連する情報」の運用が平成29年11月1日から始まりました。」と述べ、ホームページの「東海地震に関する項目」はすべて「改定中」になっています。つまり、学会としては見解を出してはいません。

これを受け、気象庁は「当面の間、気象庁は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表することとしました。この情報は、平成29年11月1日から運用を開始しました。」としています。

ちまたの官民合わせた情報においても、「いつ起きても不思議ではない」となっています。そういういろんな科学的な知見、防災予防、啓蒙に機運がかつてなく高まってきてはいます。そう思うと、私は、ジュセリーノ氏の予言もあながち間違いではなく、当たらなければいいわけで、当たれば困る・・・ということです。


それで、fuushinの思いとしてはこうです。

日本を、龍体と見立てたとき、琵琶湖は「子宮」、淀川は「産道」になります。震源地はその付近でした。それは陣痛?何かが生みだされる?それは何?

琵琶湖には、竹生島があり、都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ、竹生島神社)が坐しています。
主祭神は、市杵島姫命(イチキシマヒメ)。
天照大神の子で、皇孫(こうそん)邇邇芸命(ににぎのみこと)が降臨に際し、養育係として付き添い、邇邇芸命を立派に生育させたことから、子守の神さま、子供の守護神として、崇敬されている」との謂れがあります。
女性の人格を持った神様ですね。
仏教(4次元界)になると、弁財天です。日本最古・最初の弁財天で、日本三大弁財天とも言われています。江島神社(神奈川県 江の島)・厳島神社(広島県 厳島)

女性・子宝・生産の象意をもつ神仏の働きを予感させます。

また、『近江国風土記』には、夷服岳(伊吹山)の多多美比古命が姪にあたる浅井岳(金糞岳)の浅井姫命と高さ比べをし、負けた多多美比古命が怒って浅井姫命の首を斬ったところ、湖に落ちた首が竹生島になったという記述があって、ここにも"夷"の文字がありました。
(今季、春アニメには、この"夷"に纏わる作品がちっくと多いような・・・。ちなみに、夷→エビス→外国人→外来の知見(特に農業生産技術)→尊敬・崇敬→神社の主祭神という流れがあります。また、夷=戎≒十戒=モーセの十戒ですね。伊吹山の隠された主祭神はどなたかしら、なんてね。)



プールの壁が崩れたのは、"寿栄小学校"。
被害にあわれたのは9歳の女の子。

この小学校の校章は"六芒星"を彷彿とさせます。(一般的にも校章に6角形を取り入れたデザインは多いのですが)
六芒星は、伊勢神宮、元伊勢とも呼ばれる籠神社(京都府宮津市)の隠された印章です。一説には「ダビデマーク」とも言われています。
ダビデは、約3000年前にイスラエル王国の王となり、12部族をまとめたと言われています(旧約聖書)。

寿栄という言葉は、歴史的には地元の寿町と栄町の両方の名前を使ったものなので、それだけをみると深い意味はありません。しかし、非常に印象的な言霊の響き(ことほぎ、さかえる)です。

9は数霊では「尊いもの・人間」を意味します。
女の子は「社会的な弱者」の暗喩になるでしょう。
壁は、「重い何かが覆いかぶさっている」「出るに出られない状態=どうにかして間もなく出てくる」という意味かもしれません。

これらを、シンクロニシティしてみると、日本で、あるいは世界情勢に、なにか大きくて尊いものが現れる前兆、狼煙(のろし)のような、加えて、南海トラフ地震への直前の警鐘のようにも感じるのです。



・・・はい、そうです。ただの妄想です。もちろん大きな地震は起こらないにこしたことはありません。ただ、科学的には「いつ起きても、明日起きても不思議ではない」という評価もあるので、ちょっと気になっただけなんです。

それをどう捉え、どう乗りこえるのか。
魂をどう磨くのか。どう守るのか。
自助、共助、公助にどんな知恵を働かすのか。
当面のポイントはここのような気がしています。

不快な気持ちにさせてしまったら、本当にごめんなさい。
{/netabare}

本作を鑑賞して、ふと、要らないことを書いてしまいました。

2018.6.22追記。
{netabare}
今日から、予言は予言でなくなりました。ただ、ホッとしていいのかどうかは一概には言えなくて、これで安心して眠れるという訳にもいきません。まんじりともしない気分です。
例えれば、今日から"毎日が8月31日"のような気分です。ごめんなさい、告白します。学校なんてなくなっちゃえばいいって、何度も思ってました。懺悔します。本作の主人公と同じです。
 
ものの本によると、"正しく怖がりましょう"と書いてありました。
地域ごとで言い伝えられている伝承とか史跡とかは、激甚災害から生き延びてきた先人たちのしたたかな知の財産ですし、最新の科学(プレートテクトニクス理論からプルームテクトニクス理論へ)もまた、未来につなげられる知の財産のひとつだと思います。

プレートが4つもひしめき合っている地域は、日本、インドネシアとその周辺、コロンビアとその周辺くらいです。
この地域は、文学的に言えば、地球規模の"ムスビとすれ違い"のもっとも激しい場所。
大地と海洋の感情と情動を、敏感に感じ取って生きている地球人の一人として、こうした国々とネットワークを組み、世界一の災害強国としての知性と見識、行動と体制作りなどを共有して70億人の人々に還元できるようになるといいですね。

長尺の目で、100年、500年、1000年、1万年というスパンで、自分と周りの人たちの命も同様に、慈愛で視る目を持ち、率先避難者(逃げるが勝ち)になろうと思います。
そうして何があっても、生き延びねばと思います。サッカーならいいけど、戦争や紛争なんてしている場合じゃないな。

そういう意味でも、本作の魅力を発信し続けていくことは大事ですね。先輩レビュアーさんの感想を読んでそう思いました。感謝しかありません。
{/netabare}

2018.12.5 追記。
{netabare}
またぞろ、こんなことを書いて不謹慎なこととは重々承知しています。
おバカな fuushinの妄想かと笑い飛ばしていただければと思います。

ジュセリーノ氏ほか、直近の地震の予言をなさっています。
12月7日、9日です。9日が本震で、マグニチュードが8.5と言う人もいるようです。
書籍、ネットにも記されています。関心のある方はご覧になってみてください。
ないにこしたことはありませんが、準備だけはしっかりとしておきたいと思います。
{/netabare}

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

本作が、みなに愛されますように。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 28

たにゃーん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いまだからこそ

東北地方太平洋沖地震によって多くの犠牲者や苦難者がでているいま、不謹慎ではありますが、いまだからこそこのアニメを見ようと思いました。

東京湾を震源としたマグニチュード8.0の大地震によって多大な影響を受けた姉弟を中心にその家族、被災者の苦難やそれに立ち向かう姿を描いたアニメです。

東北地方太平洋沖地震に良い思いをした方は一人とていらっしゃらないと思いますが、私はこのアニメをみて姉弟の絆の強さ、家族の愛の深さ、他人と他人との暖かくもあり冷たくもあるその繋がりをみて、様々な感情をいだきました。

終盤は涙なくしてみることができませんでした。

さっきの今でこのようなアニメみることは不謹慎と思う方もいると思いますが、わたしは今だからこそこのアニメを見ることをお勧めします。

感情移入はもちろんですが、被災地の方々への考え方や思い方がひとつ変わると思います。


投稿 : 2023/05/27
♥ : 15

84.7 12 家族アニメランキング12位
おおかみこどもの雨と雪(アニメ映画)

2012年7月1日
★★★★☆ 3.9 (1816)
9858人が棚に入れました
いまや全世界が待望する、細田守監督の最新作は「母と子の物語」。おとぎ話のような不思議な恋をした女性・花は、おおかみこどもの姉弟、"雪"と"雨"を育てることになる。「親と子」という普遍的なテーマを、人間とおおかみの二つの顔をもつ ≪おおかみこども≫ というファンタジックなモチーフで描く。いまだかつて誰も見たことがない傑作が誕生する。

声優・キャラクター
宮﨑あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人、大野百花、加部亜門、林原めぐみ、中村正、大木民夫、片岡富枝、平岡拓真、染谷将太、谷村美月、麻生久美子、菅原文太

魔女旅に出る さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おおかみ?にんげん?どちらとして生きるか?それを見守るお母さん!

おおかみ男と結婚した女性から生まれた子供はおおかみと人間のハーフでした。子供は2人いて一人は活発な女の子、もう一人は引っ込み思案な男の子。その二人の子供を育てるお母さん。この三人が主人公です。小学校高学年になった少女と少年はおおかみとして生きるか人間として生きるかを決断します。それを見守るお母さん。どうなるかは実際にご覧ください。自分で道を決めることに大切さや子育ての楽しさや苦しさを観ることができる作品です。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 79

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ドラマツルギー

一人の女性が、オオカミオトコとの出会いから始まり、二人は子供を授かるが、オオカミオトコは、狼の本能なのか、寿命なのか、人間として思う事があったのか、身投げして亡くなる、そんな悲しみの只中にありながらも、残された人間と狼との間に、出来た子供を育てていく母親の物語でもあり、3人の家族の物語。

正直に言ってしまえば、この上ない悲しい物語に感じるが、本作はこの悲しさを愛で覆い尽くすかのように、家族の過酷な生き様を、本当の家に帰ったような安堵を覚えるような安心感に変換してくる。オオカミ子供を育てる過酷さ&母の強さの中に育くまれた「生きる」という中に、「シアワセ」があるという単純さを、まじまじと味あわせてくる。

観ているだけでいつ倒れてもおかしくない母の姿。オオカミ×人間の子を誰にも知られずに、ただ一人育ててゆくと決めた母の姿は、何よりも美しい。たが現実という名の風は、容赦はしてくれない。オオカミの姿を誰かに見つかってはいけない、ただそれだけでも、どれだけの神経をすり減らして暮らせばならないのだろうか。まさに綱渡りのような毎日。それは見ていて苦しい位だった。

だが、逆に子供達が成長し家族3人の笑顔を見る度に感動してしまう程で、3人の笑顔はどのカットの場面もアルバムから出てきたように、満面の笑みで「シアワセ」を感じさせてくれる。

子供達がある年齢になり、交差点に差し掛かることになる。それは人間として生きるか、オオカミとして生きるかだった。ラスト、二人が決断した道の上で、微笑む母の笑顔が本作を物語っている気がした。二人の子供達はずっとこの笑顔に守られて、自分の生きる道を見つける事が出来たからだろう。本作のような作品に出会う度にアニメのありがたさと、ドラマっていいよな、と改めて痛感する。

「そう・・・・・・、人はドラマを求めるだろう?まるで栄養でも求めるように」 by 阿良々木暦w

投稿 : 2023/05/27
♥ : 55

風紀 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

心がほっこりする

予想以上に良かったです。
物語の展開が今までにない新しいスタイルでとても面白い作品でした。

声優は宮崎あおいさんと大沢たかおさんということで正直、
あまり期待していませんでしたがなかなかすごい。
特に大沢さんのおおかみおとこはかっこよかったです。
カッコよさを主張するわけでもない冴えない感じがとてもキャラと合ってました。
雨と雪の声も結構、というかとても上手でした。
俳優・女優が声優に挑戦した映画の中では例外といえるほどなじんでいました。

さて、メインのストーリーはというと。
サマーウォーズのような派手さはなくて、
むしろありふれた日常を描いた作品だったように感じました。
一番近いのは「となりのトトロ」でしょうか。
もちろん、神様がでてくるわけではありませんが子供たちのやりとりがメイとさつきのようでした。
生まれてから少年期までのお話なのでハイペースで成長していきますが、
まったくはしょった感がなく自然なストーリー展開でした。

おおかみこどもを育てる大変さがとても実感できます。
都会での冷たい人間関係。
夫が死んでしまい母子家庭で頑張る花。
それを暖かく見守る田舎町のやさしいご近所さん。
特に生活の描写が丁寧で、かといって小難しくなく、
こういったところで細田監督の実力を垣間見た気がします。
子供二人の遊ぶ姿が萌えとかではなく純粋に可愛かったです。

成長するにつれて変化する二人は素晴らしかった。
半分の狼だけどやっぱり女の子な雪に、
半分人間だけどやっぱり狼な雨の考え方や人格の表現の仕方がすごい。
特に後半からの思春期の二人や親子の掛け合いがジーンときます。
狼人間なんていないけど胸を打つシーンがいくつもありました。

でも、小学生が見る作品ではないなと思います。
10代後半以上ぐらいがターゲットでしょう。
大事件やアクションシーンはないのでそういうの目当ての人には微妙かもしれません。
むしろ、童話や絵本とかが好きな人にはすごくおすすめします!

もちろん作画もいうことなし。
そこはさすが細田監督というかアニメ監督としてのプライドを感じました。
キャラデザは最初はちょっと目が離れてるなって思いましたが、
見ていくにつれとても自然になっていきました。
全体的に高水準。

ここ最近で見た映画の中でダントツ一番です。
とても感動できる心温まる映画でした。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 20

93.4 13 家族アニメランキング13位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1659)
6560人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2023/05/27
♥ : 105
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ポエム成分多め?

知人が劇場先行試写会に行ったらしく、絶対面白いから観ろと言われた。
ググると、週刊少年ジャンプの人気漫画が原作らしい。
第1話の掴みとしては上々、なにより作画に力が入っている。
劇伴も作風に合っていて上質。
ただ、主人公のポエム成分多めなのは気になったかな。
なぜか甲鉄城のカバネリを重ねてしまうんだが、あのような惨事にならなければ
最後まで楽しめるかも?
あとは、巷で話題の脱税疑惑が影を落とさないことを願おう。

■4話目まで
もう年齢的に少年漫画原作のアニメは敬遠気味なんだが・・・・・
{netabare}いや~、熱いわこれ(笑){/netabare}

■5話目
体感10分だな。
{netabare}ここ数年でもTOPクラスの面白さ。
主人公のポエムもあまり気にならなくなってきた。
公式サイトを見ると円盤は全11巻らしいので2クール?
このまま崩れずにアニメ化大成功で終わって欲しい。
○○君、勧めてくれてありがとう(仮){/netabare}

■9話目
動く動く(笑)
動きだけじゃなくアングルがまた素晴らしい。
グロさと可愛さも加わって、ここまでは言うことなしだわホント。
評価も上方修正しておこう。

■10・11・12話目
何だか急におかしくなってきたな。
{netabare}クドくてお寒いギャグ連発のせいなのか?
ついでに作画のキレも無い。
新キャラも出てきて話自体はまぁ面白いんだが・・・・・困ったねこりゃ。
とりあえず評価は大きく下方修正。{/netabare}

■13話目
ちょっと間延び気味。
そのせいかテンポが悪い。
{netabare}この先も観続けるかどうか迷っていたが、物語自体は気になっていたので
ネカフェに行って既刊全部読んできた。
・・・うん、これ以降どんどん面白くなるのね(笑)
ということで期待してます。{/netabare}

■14話目
後半突入。
{netabare}いやー、引き出しが少ない松岡禎丞さんだけど、今作でははなかなか頑張って
らっしゃるような?
作中のギャグが絶望的なのは2クール目になっても相変わらず。
アニメ化の時点で何とかならなかったのか・・・。{/netabare}

■18話目
伊之助神回。
この章に入って一気に盛り返した感。
残りラストまで息切れせずに頑張れ。

■19話目
炭治郎神回。
残り話数的に今作のクライマックスかも(全26話)。
{netabare}ヒノカミ神楽の舞はモーションキャプチャー? ロトスコープ?
まぁTVアニメの動きじゃないな。{/netabare}
それにしても前回といい熱いねぇ・・・途中で断念しなくてよかったわ(笑)

■22話目
ここに来て柱の総お披露目。
{netabare}花澤さんの声と演技はやっぱり好きだわ~(笑)
それにしても声優陣が豪華だなぁ。{/netabare}
つーかこのアニメ、もしかして当初から2期決まってんじゃね?

■最終話
当初から決まっていたのは2期じゃなくて劇場版だったのねwww
漫画だとここから右上がりに面白くなっていくので、劇場版の後に2期来るのを
正座して待つことにしよう。
(・・・といっても、原作にそれほどストックがある訳じゃないからなぁ)
何にしろ、甲鉄城のカバネリのような惨状にならずに最後まで楽しませてくれた
傑作TVアニメだったのは間違いない。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

本当に骨が折れる大正バトルアニメ

原作コミックは未読。

OPの最後、守りたい禰豆子(ねずこ)の手を握る炭治郎の、
マメや傷だらけの掌が象徴するように、
苦行や苦闘を積み重ねて強くなる、
渋い味わいがグッと来る、素晴らしいバトルアニメでした。

他にも戦いはそんなに簡単じゃないと主張する描写が、
本作は徹底していたと思います。

首を落さない限り、部位欠損してもすぐに復活してしまう鬼を相手に、
戦闘で負傷しても、人間側には即時回復する手段等が乏しい所も厳しい。
しかも、回復もそこそこに次の任務を通告しに来る黒いカラスさん。
鬼殺隊……ちょっとブラック過ぎやしませんかねw
で、次の戦いでも、治りきってない骨折が尾を引いたりする。

{netabare} 私も一応、長男坊の端くれですが、
流石に肋骨にヒビが入ったまま、
自らを「頑張れ!」と鼓舞して鬼に対峙する根性はありませんw{/netabare}

大物を相手に大怪我を負い、やっと治療施設に入っても安心できません。
長いリハビリテーション及び再強化の苦難をもじっくり描いて、
成長物語として成立させてしまう。
作者とスタッフの手腕に脱帽です。

ナイチンゲール以来、女性看護師を優しい白衣の天使だのと崇める文化?がありますが、
本作を見ていて思い起こすのは、私の幼い頃のナースに関するトラウマ。
痛い注射や苦い薬を強いる怖いお姉さんと言う思い出が蘇って来ましたよw
鬼より怖い看護婦さん!リハビリこそ地獄!!


{netabare}渡る世間には鬼しかいないのか……!?
苦難の連続に喘ぐ私にとって、
激戦の最中、蝶の羽根を広げて舞い降りた、しのぶさん(CV早見 沙織さん)は、
一瞬、天使と見まごう神々しさでした。

ですが、間もなく、彼女の色々な意味で毒を出す毒キャラ属性が判明w
舞い上げて落されましたw{/netabare}


その他、鬼でありながら、人間の家族愛などを求めて彷徨う哀しき性、
その想いを汲み取り、安らかに逝かせる炭治郎の優しさなど、
簡素なセリフ回しとは裏腹に、
心情描写もなかなか繊細で、それらが丁寧な修行描写等と合わせて裏打ちとなり、
アクション、エフェクトの作画の綺麗さだけでは出せない、
胸を打つ美しさに繋がっていたのだと思います。


個人的には本年のみならず、
2010年代の中でも心に残るバトルアニメの一つとなりました。



評判の19話を観て……。

長いので折りたたみw
{netabare}
最近は動画配信サイトでおよそ一週遅れで追い掛けている本作。
この19話も私が観る前に、原作者が号泣して、20回観ただの、
好評や絶賛の声やAbemaTVの宣伝?やらが次々に耳に入ってきて……。

これは是非とも気合いを入れて観ねば!
と、深夜アニメで久々にハードルを高々と上げての視聴となりました。

ハードルを越えて来るのは作画だろうか?シナリオだろうか?キャラだろうか?
そう高をくくっていましたが、甘かったです。

俗に“神回”と称される話は、映像、音楽、脚本あらゆる要素が、
限界突破して次々にハードルを越えて来るもの。

私は、この夏アニメも視聴遅れ気味だと言うのに、
ビックリして思わず二度見してしまいましたよ♪

2010年代のバトルアニメシーンを語る上で、
挙げねばならない回の一つとなりました。


内容は……{netabare} 典型的な主人公覚醒回。

凡百のバトルアニメの覚醒回では、大体、主人公がプッツン来て、
理屈をぶっ壊して、ついでに作画もプッツン来て、繊細さより、勢い重視。
大音量の音楽や声優さんのシャウトの威も借りて、力押しして……。
というパターンが多い印象。

けれど、本作の場合は、主人公がピンチになるほど冷静になり集中力が高まり、
起死回生の打開策が見出される。今回はそれが極限まで高められた感じ。
作画もこれまでの話のクオリティが上限?と思い始めたこの19話で、
“全集中”して、隠し持っていたギアを一気に入れて来た感じ。


人が死に際に走馬灯を見るのは、
生き残るための手段を無意識に過去の記憶から探し出そうとする現象。
と言う着想がキーになる回でもありました。

これも走馬灯から奇跡の逆転劇だけだったら、
展開が詰まったバトル漫画の苦し紛れと斜に見るところ。

本作の場合は、走馬灯から見出した一縷の望みを、主人公少年が体現できるようになるために、
血反吐を吐くような修行と戦いの日々を繰り返したことを、
視聴者はこれまでの話でしっかりと共有できている。{/netabare}


シナリオ面でも、制作面でも確固たる理由があるから感動できた。
この手応えが、とても嬉しかったです♪

自分は価値ある走馬灯を見るだけの人生を送っているのだろうか?
それを生かすだけの日々の積み重ねをしているのだろうか?
何か生き方も問われたような、印象的な回でした。{/netabare}



【5話迄の感想】地道な修行と業の積み重ねが言動に魂を込める

これも、長いので折りたたみw
{netabare}


今のところ、良い意味で古風な少年バトルアニメとして、私は非常に楽しめています。
最近のチートレベルのキャラが無双する作品も爽快で良いですが、
やっぱり多少時間はかかっても、愚直に修行を積み重ねる。
呼吸法のレベルから、人間が人を喰う鬼と対峙するための強さを
着実に身に付けて行く、本作のような作品も良い物です。

展開も5話費やしてやっと土台となる修行を終えるスローペース。地味と言えば地味です。
さらに初見時は、これも私が最近の小中学生相当の少年少女にすら、
悟りや哲学を語らせるが如き、“名言”量産アニメを見過ぎていたせいでしょうか?
本作のセリフ回しは良く捉えれば素朴、悪く言えば凡庸に感じ、
失礼にも、この作者さん、もしかしてボキャ貧?などと不安に駆られたりもしました。

ところがそんなセリフについても、回を重ね、
積み重ねた修行の成果やら、登場人物が背負って来た業やらを共有する内に、
変哲もない単純な一言が胸に迫って来るから不思議です。

五話で{netabare}鱗滝さんに「よく、生きて戻った……」と言われてもらい泣きしそうになった時は、自分で自分に驚きました。
また、最終選別からの帰路で主人公少年が行き倒れそうになるシーン
をわざわざ描く辺りがグッと来るのですよ。{/netabare}

序盤を終えて、修行や物語だけでなく、作画や劇伴・主題歌も手応え十分なので、
今後も是非、鍛え上げられた足腰から放たれる直言を喰らわせて欲しいと期待しています。{/netabare}

投稿 : 2023/05/27
♥ : 62

80.7 14 家族アニメランキング14位
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★★ 4.1 (712)
4134人が棚に入れました
昔懐かしいテレビ番組や映画、暮らし等が再現された「20世紀博」というテーマパークが日本各地で開催されていた。毎日付き合わされていい加減辟易しているしんのすけら子供達を尻目に、ひろしやみさえら大人達は、懐かしさに触れて20世紀博を満喫する。街中でも昔の自動車やレコード、白黒テレビといった古いものが売れるようになり、帰宅しても大人達は昔の懐かしい特撮番組やアニメ番組に取り憑かれたかのように夢中になる。ある晩、テレビで『20世紀博』から「明日、お迎えにあがります」という放送があり、これを見た大人達は突然人が変わったようになり、すぐさま眠りについてしまった。


声優・キャラクター
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、真柴摩利、林玉緒、一龍斎貞友、佐藤智恵、津嘉山正種、小林愛、関根勤、小堺一機

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

オレの人生はつまらなくなんかない!

先日、クレしん映画20周年記念として、作品人気投票が実施されました。
栄えある第1位に選ばれたのが本作。子供も大人も楽しめる傑作映画です。

私は、本作で描かれる古き良き時代(60~70年代)を経験してはいませんし
野原ひろしのような妻子持ちでもありません。
ですが、世代じゃないのに懐かしく思える感覚は抱けたし、
ひろしの過去回想シーンはもう号泣でした。

今がどうしようもなく辛くて、ふと昔に戻りたいと思うこと。思い出に浸ること。
そんな経験、誰にでもあるでしょう。
だからこそ本作を見て懐かしいと思えるし、泣けるのかもしれません。
過去に思いを馳せる、その行為自体が重要なのだと思います。

本作の敵は、まさにその「昔の思い出」につけ込んでくる。なかなかの強敵です。
子供たちは立ち向かう。奪われた未来を取り戻すために。

終盤、しんのすけが何度も転び、鼻血を出しながら懸命にタワーを駆け上がるシーンが最高。
BGMがこれでもかってぐらい盛り上げます。作画にも勢いがあり、迫力を感じました。

もうね、しんちゃんが最高にカッコいい作品ですね。
言うまでもなくヒロシもカッコいい。というか、尊敬に値しますよ。
「オレの人生はつまらなくなんかない!」
そう胸を張って言える自分になりたいです。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 1

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

隠蔽された欲望を真正面から問う、という正統的な名作

 本作は「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズの名声を一挙に高めた作品だろう。名作である、とはわたしも思う。



 大筋をいえば、

A.大人の退行願望と 
B.ノスタルジーの欲望
という、普段、一般に隠ぺいされているタイプの欲望をあえて全面に押し出しつつ、
 物語のラストで、その欲望を否定してみせる。
 という筋書きだ。敵は「イエスタデイ・ワンスモア」という70年代カーペンターズな名前からもわかるとおり、本作を視聴するターゲットとして想定されている「大人」は1960年~1970年生まれぐらいの、クレしんにハマっている子供の親世代がおおむね中心となっているものと思われる。


 でだ。
 本作は、賛否両論のある作品で、まあ作品の捉え方がけっこう別れるものにもなっている。

■肯定論:隠蔽された欲望を真正面から問う物語として


 ベタな肯定の仕方としては、
 1.「あえて、隠ぺいされた欲望/しかし、単純には否定できない欲望」としての退行願望&ノスタルジーを隠さずに正面から描いたこと、それが一概に否定できない大事な欲望であるということも隠さないこと。
 2.大事な欲望ではありながらも、最終的には「でもやっぱり」という形で、否定されるべき何かでもありうる、ということを認めること。
 という、ような感じだろうか。大筋は。

■否定派:そもそも、欲望されている風景に惹かれない

 否定派の議論は、おそらく肯定派のいうような話とはたぶんすれ違う。、
 敵役の欲望としていっしょくたにして書かれている A:退行願望と、B:ノスタルジー の二つの欲望とが、一緒に見えない、ということだろう。
 ごく単純に「その風景、ノスタルジーでもなんでもないんですけど…」ということだ。
 つまり、ノスタルジーとして表象されている60年代~70年代の風景を、80年代以後生まれの人間は「懐かしい風景」として共有できない、ということだ。これは、浦沢『20世紀少年』にせよ、『あの花』にせよそうだけれども、ノスタルジーものの宿命のようなところがあって、ノスタルジーとして表象される特定の時代性のようなものに入り込めない世代は絶対に出てくる。そうなると、ターゲットでない世代の人は「おっさん/おばさんたちのオナニー」とか言う人も出てくるわけだよ。これはけっこう避けがたい。※1
 
 椛澤美洋さんがむかし、『20世紀少年』への批判で
 「描かれた酔うべき思い出は、読者にも甘くみえなきゃダメだろ。万国博覧会、太陽の塔、三波春夫の魅力を、浦沢直樹は描くつもりがなさそうである。それらに、あらがいがたき魅力がないんだったら、悲劇は切実になってこない。それなのに作中、ただ敵も味方も酔っぱらってて、連中の観念のあいだに死体が散ってる。」
 http://homepage3.nifty.com/manga/manga/0501nikk.htm
 って書いてたけれど、そうなんだよね。

 これは、作品の問うている一定の思想的な問題設定/問いの作法に対する疑念というよりも、作品の表現手法に対する興ざめ感。
 だから、否定派と肯定派の議論はまじりあう余地がそれほどなくて、自分がどっちのリアリティの側に属する人間だったか、ということだけが、問題になってくるような。そういう評価の別れかたが成立する作品になっている。

■わたしの評価:理性的に評価するけど、感覚的には若干ひっかかりを覚える。

 わたしの評価は、

i.率直にいえば、1980年生まれなので、この作品で描かれている風景は、なんか一個上の世代の人たちのノスタルジーだなぁ、という感じがしてしまって、そこの部分の表現の切実さの足りなさ、みたいなところで、引いてしまったというのはある。つまり、感覚的には上述の否定派だといってよい。
ii.ただ、そういう世代感覚的なところは一端さておいて、ノスタルジーものを「退行願望」として描くという、方法は、<理性的には>すばらしいものだと、感じている、
 という感じである。

 比較して論じる作品としては、やはり、浦沢の『20世紀少年』だと思うが、20世紀少年が、1970年代的な
 A’.素朴な近代的ユートピア思想の暴力性と 
 B’.ノスタルジー 
 という二つを共犯関係として描いていたの比べると、クレしんの「退行願望」のほうが、より普遍的な欲望だというようには思う。高度成長期的なユートピア夢想なんて、さすがに批判すべき思想としても、もはや死に体でしょうよ、と。そんなん批判してどーすんねん、という感じになる。けれども、退行願望みたいなのは、100年や200年で滅びたりすることはまずない。
 そのように考えれば、本作は『20世紀少年』などより、はるかにすぐれた作品であると思う。

 *

 しかし、繰り返しになるけれども、ノスタルジーもの、の宿命としての、「世代はずれるとおいてけぼり」問題なるものを、これもまた解消はしきれていない。
 もちろん、ターゲットど真ん中で命中したらめっさのめりこめるだろうとは思うのだけれども、外れちゃうとなかなかに厳しい。
 ノスタルジーによって描くことをやめて、単に退行願望だけで正面突破してくれたら、もっとさらに素晴らしい作品だったと、わたしは思ったかも…しれない。(ただ、ノスタルジーによらずに、「幼少時代」を表象するための仕掛けというのは、実際むずかしいとは思うので、けっこう原理的にむずかしい批判だとは思うのだけれども)

 ま、あと、「大人の退行願望」のほうは日常的には隠蔽された欲望であることには違いないけれど、「ノスタルジー」のほうは、実は隠蔽されているどころか、テレビのゴールデンタイムとか「目覚ましテレビ」のような、エッジ感のかけらもない万人向けメディアにおいてすらばんばんと押し出されているような表現でもある。
 なので、ノスタルジーの表象に同意できないと、なおさら「オナニー乙」的な、反感も呼びおこしやすい。ノスタルジーというのは、そういう危うさがあって、スタンスの作り方が実はある側面においては、けっこう難しいものではある。
 まあ、そうは言っても、これは、けっこう意地悪な文句で、エッジ感とかを大事にするマイノリティなどに対して説得的な表現である必要は、マーケット的にはないとは思う。けれど、長年の名作みたいなところにランクしようという思うと、そこらへんで、まあようやくひっかかるような、そういう文句である。



■追記:ここでいう「正統性」について

 なおタイトルに「正統的な」と付けたのは、「文学批評文脈において正統的な」ということ。むかしっから、いわゆる「ブンガク的」という表現をする場合に、高い評価をうけるものの、ある種の典型であろう、ということです。
 とはいっても、この<ブンガク>の典型をやるのはとても難しくて、それはそれで大変なことに挑戦しなければいけないということは言うまでもありません。
 ただし、この<ブンガク臭さ>に気づいた、反骨精神あふれる一部の人々は、あえて「オトナ帝国だっせぇ」とか言ってみるという差別化ゲームに身を投じたりもするものです。あるいは、「オトナ帝国そのものはいいと思うけれども、これをベタに好きだとか言いたくない」という、ある種の派閥性に対する敏感のようなものを呼び起こすものです。それはそれで、ある程度あたまのいい子じゃないとできない差別化ゲームなんだけれども、その王道性によっても「否定派」を生む、ものになっていると思います。
 わたしは、本作はなんだかんだで良いものだと思っています。

※1 全員が全員だとは申しません。物語構造的に、ノスタルジー無視しても、じゅうぶんいい話、というのは、それはそれでそうだと思います。わたしがここで書いてる話は、受容論に目がむきがちなので物語構造的な側面から本作のよしあしを論じるのも、それはそれで興味深い議論になると思います。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 19

メア さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

汚いお金、燃えないごみ、そんなものばかり

クレヨンしんちゃんを見たことのあるものなら、ほとんどの人が知っているだろうクレヨンしんちゃんの映画代表作!

秘密結社「イエスタデイ・ワンスモア」による
大人を子供に戻して「古き良き昭和」を再現し
未来を放棄するという“オトナ帝国”化計画を防ぐため
かすかべ防衛隊が頑張り始める。
というクレヨンしんちゃんの映画らしい話の作品。
なんといっても最後のシーンは感動的で
腑に落ちないところもなくもないが良い作品だった。

普段の馬鹿馬鹿しい事ばかりするしんちゃんをイメージしている人はこれを見て見てください。
たぶん『クレヨンしんちゃん』という作品、主に映画に対してですが
見る目が変わるでしょう。

お勧めできる作品だと思うので
 時間に余裕があればどーぞご視聴あれ

投稿 : 2023/05/27
♥ : 11

88.4 15 家族アニメランキング15位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (1302)
3883人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックにひかれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた! ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていくことを誓うー!ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼なじみ、凶暴ツンデレお嬢さま、そのほかのさまざまな人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。新しい人生が動き出す!

声優・キャラクター
内山夕実、小原好美、加隈亜衣、茅野愛衣、森川智之、金元寿子、Lynn、浪川大輔
ネタバレ

NEKONYAN さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アニメ組は最後まで見てから判断下してほしい

原作読破済み
主人公マジキモイよな。原作ファンからしてもそう思う。ただそのキモさにも意味がでてくるので、ぜひアニメ組にも最後まで見てほしいなと思います。精神的な成長が見どころです。

1話
まずみんなにはディザーPVを見てほしい。(https://youtu.be/Qx01pn9l-6g)
本作は山場までアニメ化するには尺が足りないので期待しないようにしてたが、これだけ魅せられたらもう原作ファンも期待するしかない。

本作のために立ち上げた制作会社というだけあって、とてもクオリティが高いです。
作画はもちろん、絵コンテやキャスティングや心理描写にも力を入れているのが伝わってきます。
アニメ見始めて10年くらい経ちますが、初めて深夜アニメを見た時のように興奮しました

2話
{netabare}
動くロキシーかわいかった。この後しばらくは直接出てこなくなりますが、2クールあるのでまた会えるところを期待してます。
ロキシーが優秀なルディに劣等感を覚えていたり、ルディが心の底から師匠と慕っている所が好きです。
まだまだ前世の記憶を引きずった子供ですが、こうやって一つ一つ成長していくのはいいですね。 {/netabare}
3話
{netabare} キャラの表情と独白が相まってキャラの心理描写がわかりやすいですね。人間臭いキャラたちが好き。息子と父親というより悪友って感じ。
OPの演出が最高。ARIAしか知らないのでARIA方式と呼ばせてもらいますが、OP流しながら村の風景映すの最高です!
あとロキシーのパンツをご神体って呼んでますが、あの信仰はどの程度かというと(原作内容含むプチ{netabare}あの信仰は作中の宗教の信者と同じ目してるって言われるくらいガチの信仰ですw {/netabare}。)
この頃のルーデンスは打算的てまだ成長してないのがよくわかる。シルフィを助けたのはイジメに対する正義感かもしれないが、その後仲良くするのはイケメンのおこぼれもらう気満々っだたりね。あれは照れ隠しじゃなくて多分本心。パウロとの口論ももっとうまくやれただろうに、相手を論破することに拘ってて、まだまだ精神は稚拙であることを表してて好きです。異世界転生して、いい師匠に出会って頑張ってきたつもりでも、人間早々に変わることはできませんね。{/netabare}
4話
{netabare} OP冷え冷えで笑った。尺の関係上アニメではここではカットされてましたけど、ゼニスママが悩んでいた原因の一つは彼女の宗教のせいだったりもします。ハーレムはそこまで珍しくもないけど、ゼニスの信じてるミリス教の教義的には妻は一人じゃないとだめなのです。作中ではスルーされがちだけど、ルーデウスのキモさに作中のキャラから指摘されるのは貴重ですね。アニオリでパンツ盗んだのが父親にもばれたの面白かった。にしても、シルフィを自分の都合のいい女にするためによその子の学費も出せとかほんと自己中心的。それを象徴するセリフとして「僕のためになるかと」は印象的。あと無詠唱できる主人公はチートって言われてますけど、 パウロに負けることでそこまでチートじゃないことが伝わったかと思います。{/netabare}
5話
{netabare} はい、さっそく主人公死にかけましたね。敵の剣士も弱くはないけど、ゴロツキやってるくらいには普遍的な強さです。この世界剣士強すぎ!あとエリスの教育のために色々考えてるのが心の声で伝わってきてよかった。3話ではパウロとの喧嘩の原因となった引きこもり時代に鍛えたレスバ力が珍しく役に立ったwww口で暴力の権化みたいなエリス言い込められるの凄いw {/netabare}
6話
{netabare} 今さら気づいたけど、OP映像が作られてないのは尺不足をOP流しながら日常の風景映すことで解決するためでは?提案したの誰かわからないけど採用した監督さんを称賛したい。今回はようやく特に大きな事件もない日常回でしたね。褒められたり、パウロの息子っぷり(変態)に呆れてるギレーヌの表情が可愛かった。今回は日常回なので、アニメ組へのネタバレも配慮するとこのくらいしか感想書くことないですね。 {/netabare}
7話
{netabare} 元ニートとは思えないルーデウスがなぜここまで頑張れているのかわかる回だったと思います。色々投げ出してきてしまったからこそ、魔術をはじめとした成功体験を大切にし、糧として頑張れてるわけですね。エリスがルーデウスをどういう目で見てるかもよくわかる回だったと思います。エリスにとってルーデウスは完璧な人間に近い存在だということは今後も重要になるので覚えておいてほしいです。 {/netabare}
8話
{netabare} ターニングポイント1
ようやくルーデウスの精神的な成長を感じられるようになってきましたね。場の空気を読んだり、エリスに謝ろうってセリフが自然に口から出るようになったり。まあ、えっちなところは相変わらずですが、DTの自分に自己嫌悪できるようになっただけでかなりの成長だと思います。原作既読組としては、今回で初登場した重要キャラたちの声がイメージ通りで感動しました。前にも書いた気がしますが、本当にキャスティングがファンの心をつかんできますね。話のまとめ方も上手く、シナリオ構成の手腕が輝る回でした。欲を言うならこの終わり方ならED聴きながらこれからどうなってしまうんだってなりたかったですが、尺が足りないので仕方がないですね。 {/netabare}
9話
{netabare} 初めて原作とイメージ違うキャラ出てきた。ヒトガミの見た目と声が想像してたのと違った。でもこの話し方はかなり特徴出てていいと思う。 魔神語話すときに字幕になるのすごい好き。読むの疲れるっていう人もいるみたいだけど、それはふだんからアニメ見ながら何か別のことしててちゃんと見てない証拠では?それと今回も心理描写凝ってて最高でした。ルイジェルドが自分を怖がらない子供にどう接するべきか戸惑ってたり、「傷だらけの誇り」って言う時に目線を左にそらしてたり。魔大陸出てきてついに始まったなーって感じ{/netabare}
10話
{netabare} エリス強い。マジ強い。剣王ギレーヌとデットエンドのルイジェルドと過ごせばそりゃ強くなるなって。あと門に入る前の時にエリスがルーデウスのアホ毛つかんでるシーン可愛かった。ルーデウスの根本的な倫理観(殺し、近親結婚)などはこれだけこっちの世界で経験しても前世基準のまま変わりませんね。それにしてもここら辺は雰囲気がギスギスしてて見ててつらい。 {/netabare}
11話
{netabare} ついに1クール目最終回。アニメ組は冒頭のシーンで魔力災害の規模が初めて分かったんじゃないでしょうか。ルーデウス視点しか見てなかった視聴者が災害規模を知らなかったって事は当然ルーデウスも家族が巻き込まれてることを…。今回出てきた新キャラも声ぴったりで驚いた。特にエリナリーゼ(耳長族の女性の方)の声が脳内CVとこれ以上なく一致してて本当に驚いた。キャスティングしてる人たちと俺の感性が一致してて最高に楽しい。ちょっとした場面でもエリスの動き可愛すぎ。表情だけじゃなくエリスの性格も込みでよく動くw今回は1クール目ラストってこともあって戦闘やストーリーに見ごたえありましたね。ルーデウスにとって初めての大きな失敗とそれで弱い部分も露呈してました。命かけてるのに打算的なのは褒められませんが、助けるタイミングを間違えたのは周りの人たちが強すぎるからしょうがないかなって。ルーデウス自身語学やフィギア作りには自信持ってるけど、パウロやエリスの誘拐犯に負け、ギレーヌやルイジェルドやエリスにまで力の差を見せつけられているし自己評価低いのと、だからほかのパーティーの強さの判断間違えるのは残当。ルーデウス以外の所だと、ルイジェルドが小さい冒険者を子供扱いするのやめて、頭撫でようとしたのをやめて肩叩くのに変更したの良かった。雨降って地固まるって感じでこれでギスギスした保護者と子供から仲いいパーティーに成長できる。 {/netabare}

忙しくてまだ2クール目見たけど感想かけてない…

投稿 : 2023/05/27
♥ : 33
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

なろう界隈のレジェンド(笑

ネット民いわく、異世界転生ブームの火付け役であり頂点とのこと。
なんだかスゲーな。
(ちなみに日本における異世界転生モノの元祖は嘘か真か古事記らしいぞw)
そんなわけで、アニメ化での力の入れようも尋常ではない模様。
{netabare}第1話は主人公のCVのせいもあってかハ○ヒ臭が鼻から離れなかったが、
見ているうちに気にならなくなった。{/netabare}
原作の世評通り楽しめるアニメとなることを願うだけだ。

・第2話
杉田智和のモノローグがこのアニメ全体を底上げしてるのは間違いない。
{netabare}これが勢いに任せて花江夏樹とかだったらどうなんだろうね。
(別にディスってるわけじゃないぞwww){/netabare}
映像も劇伴も素晴らしい上にCVも完璧。
あとは展開次第で今期どころかいきなり今年のベスト作品になる..........かも?
まあ原作知らないから期待値込みということで。

・第5話
3人目のヒロイン登場。
{netabare}男性声優陣のせいかやっぱりハ○ヒと被るわ(笑
つーかね、99%の「ツン」と1%の「デレ」を装備したヒロインはやっぱ最強。
しかも金では買えないらしい。
もしかして筋肉ダルマさんもそのうちデレるのかな?
あまり興味はないけどw
耳鳴りシーンといい、今回も演出が冴えていた。{/netabare}

・第8話
ネット民いわく、ここまでがプロローグなんだそうで。
{netabare}作中に出てくるフィギュアは、そのうち実際に販売されると思うぞ。
ギレーヌ人形は人気出そうだ(笑){/netabare}

・第10話
本編?に入ってからまだ2話目だが、見ていてどうにもテンションが上がらない。
まあ長いストーリーの中で当然起伏はあるだろう。
でもなんだ..........ちょっとだけダルくなってきたかも(笑
物語上の設定とはいえ、字幕で読まされる会話が多いのも好きじゃないわ。
しばらくはずっとこんな感じで進むんかな?

・第11話
え? 1クール目はここで終わり? しかも次回は夏期?
2クール立て続けにやるものだと思ってたわwwwww
もし2期以降もあるとすれば、やっぱ1年以上間が開いたりするんかいな?
そのうち物語シリーズのような公開状況になったりして..........。
まあ始まれば必ず見ると思うので待ちますよ(笑

投稿 : 2023/05/27
♥ : 17
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鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良作なのは間違いない・・・けど

原作知らず。

物語:
{netabare}なるほど、事前の期待が示すようによく練られたお話になっていると思う。昨今はやりの「死んじゃった転生しちゃったおれTUEE」ではない。他作品に溢れる人物や物語の薄っぺらさは感じられない。きっと、原作を読むと楽しいのだろう。

エロ描写が批判されているようだが、、、正直なところ主人公(生前)がキモイという点には同意するが、批判されるほどのものなのか、僕には判断が出来ない。ま、自分も雄・おっさんだし、そこはご容赦。でも、文学作品と呼ばれるものの方が、遙かに官能的で、かつ、歪んだ描写がみられるように思う。

1クールのアニメ作品としてみた場合、少なくとも現時点では「物語は何も始まっていない」状態なのだろうと思う。その意味では、さっさと次をはじめて欲しいし、現状のままでは不満。転生~実家(4話まで)、家庭教師(8話まで)、魔大陸冒険(ラスト3話)ととんとん拍子に話が流れていったが、全体的に凄くあっさりと流れていった感じもする。{/netabare}

作画:
{netabare}終盤、少々荒れたしカメラ(視点)の移動時のフレーム数も少し減らされたような気がする。そこが少し残念だが、静止画として上の上、動画として上の品質は維持できたと思う。全体にわたって丁寧に作画されていて、十二分だとおもう。でも、魔術のシーン以外は視点の置き所がオーソドックスで、目を見張るような、わくわくするような構図があまりなかったようにも思う。{/netabare}

声優:
{netabare}さすがの一言。実質的に同一人物を、男女二人の声優で演じ分けるという構図も楽しめた。脇を固める演者もとても良かったと思う。{/netabare}

キャラ:
{netabare}ごめんなさい、エリス・グレイラットがどうしても好きになれませんでした。物語のスパイスとして、大きな役割を持っているのは確かですし、終盤には結局デレていくことにはなるのですが、それでも1クールを通して好きになれませんでした。

現実世界、しかも現代であれば、家庭教師初日で辞職+訴訟ものです。それが出来ないのが、作中で描かれる身分(主従関係)であり、社会風潮なのだと理解する以外にありませんでした(これは、パウロの浮気を巡るお話の展開にも同様に関連することと思う)。{/netabare}

音楽:
{netabare}OP、ED、劇伴とも良かった。劇伴が丁寧に作られ、使われていたなと思います。
{/netabare}

思うこと:
{netabare}
Q.良い物語か?         A. Yes
Q.良いアニメ作品か?      A. Yes
Q.では、本作を楽しめたか?   A. んー・・びみょ。

偽らざる実感です。なんていうか、僕は本作にほとんど「没入」出来ませんでした。アニメに限らず、漫画でも文学でも、物語の描かれ方っていろいろあると思うのですが(ここら辺の分類はあまりよく知らない)、本作での物語の語られ方が僕には会わないように思いました。

で、その理由はおそらく「ルディ+前世の男の1役2人体制」なのだと思います(ん・・・2役1人体制なのかな?よくわからん。)。前世の男の内なる声は、間違いなく本作の鍵であり、本作を「良い作品」たらしめた大きな要因の一つだと思う。だが、彼の語りが効果的であるが故に、常に(視聴者である)僕が、前世の男によって作品から押し出されてしまうような感じがした。結果、画面で繰り広げられる物語を遠くから眺め続けているような感覚を持った・・・のかな?作品に入り込めないままあっという間に11話が終わっちゃったなって感じです。{/netabare}

[2021/04/02 v.1]

投稿 : 2023/05/27
♥ : 33

72.4 16 家族アニメランキング16位
ヤマノススメ セカンドシーズン(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (800)
3599人が棚に入れました
インドア趣味で高所恐怖症の主人公・あおいと、
山が大好きで常に人を振り回す・ひなた。
幼馴染の二人は、
幼いころ一緒に見た山頂の朝日をもう一度見る為に、
登山に挑戦することに。
登山を通じてできた仲間に助けられながら、あの時見た山頂を目指す…。

声優・キャラクター
井口裕香、阿澄佳奈、日笠陽子、小倉唯、牧野由依、東山奈央、儀武ゆう子、久川綾、荻野晴朗

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヤマノススメ!

かわいい女の子たちが山登りを通じて
友情を育みさらに
山の魅力を伝えてくといったアニメ。

山登りといえば、つらい、疲れる、虫多い
など今の女性たちにとっては
マイナスなイメージしか浮かばないと思います。
そこでこのアニメでは
「女の子が登山をする」をモチーフにして

山は実はこんなに素晴らしい場所なんだ!
山登りって実はこんなに奥が深いんだ!

といった山の魅力を老若男女幅広い年齢層に
伝えようという制作側の思いが
この作品に顕著に表現されていると思います。

前期では5分アニメという尺の短さが
多少ネックに感じられましたが
膨大な人気が昂じて前期の3倍の
15分枠で始まったのも
前文に述べたことの証左だと思いますね。

セカンドシーズンでは
今後の期待とともにとても楽しみにしています!

投稿 : 2023/05/27
♥ : 71

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ヤマノススメ強化版

山登りを主題とした作品『ヤマノススメ』
その2期ですね

1期と比べて放送時間が約3倍となったセカンドシーズン
(OP,ED除いて約10分)
さらに2クールにわたって放送されました(全24話)
1期で足りないよ!と感じられた方もこれならより満足できるのではないでしょうか

放送時間だけでなく、他もパワーアップされてました
作画面は1期の頃から良かったですが、2期はさらに綺麗になった気がします
キャラたちの魅力やその掘り下げ、音楽面などなど、
なかなかの充実した内容でした


1期では特に見つからなかったお気に入りのキャラ。
セカンドシーズンで発見しました!
あおいでした。バイト姿に見事にノックダウン
ですがやはり、ひなたあってのあおいでしたね
このコンビは観てるだけで幸せな気分にさせてくれます
単純な可愛さだけで言えばここな、
おバカと判明し好感度アップの楓さん、
それにほのか、ゆうか、ひかり他の新キャラの皆さん
みんなかわいらしくて良い子で素敵でした


前期のOP「夏色プレゼント」はとても気に入ってます
ただ、映像は最初のままでも良かった気がします


1期で好きだった雰囲気の良さはそのまま持ち越し、
そして他の要素はパワーアップ
セカンドシーズン、満足です
サードシーズンは流れ的に30分枠の2クールで!
と言いたいところですが、
この作品は10分ちょいがベストなのかもしれませんね
気楽に観れる感じが合っていると思います
それに原作のストックもそこまではないでしょうし。
まぁ何にせよ、気長に待ちたいと思います


今から思うと1期は2期のPVみたいでしたね
山登りの手引き、道具の説明…etc.
出来れば、順番通り観るのがオススメです


1期含め、この作品に出会えて良かったなと感じています

投稿 : 2023/05/27
♥ : 46
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ゆるふわだけじゃなく、人間として大切なことを気づかせてくれる物語

このアニメはゆるふわとして有名です。
主人公たちがとても可愛く、心を癒してくれます。

ですが、それだけじゃありません。
人間として大切なことを何気に気づかせてくれます。
そして、あおい、ひなた、かえで、ここなの性格がとても美しい。
彼女らの行動は、見ていて気持ちが良いです。
さらに、あおいとひなたの関係が凄く良く描かれており、思わず微笑みました。

以下、気になった箇所だけ選んで読んでいただければ幸いです。

■人間として大切なこと {netabare}
以下のようなことに気づきました。

 ①友達を大切にする
 ②親には自分の気持ちを真剣に伝え、理解してもらうように努める
 ③自分が本当にほしい物は、親にねだるのでなくバイトをして得たお金で買う
 ④一歩づつ、ゆっくりでもいいので前へ進む
 ⑤失敗しても、またチャレンジすればいい  
 などなどです。

例えば、親と疎遠な人は少なからずいると思います。
でも自分は今まで親に、自分の想いを熱心に伝える努力をしたかというと、あまり自信がありません。
親はいつも子供の幸せを願っています。
自分の考えを懸命に親に説明すれば、親もきっとわかってもらえます。


しかもこれらは、教え諭されるのでなく、見ていて自分で何気に気づくように描かれています。
だから、すんなりと心に入ってきます。

Openingソング「毎日コハルビヨリ」にも大切なことが唄われていました。
「世界で一番の絶景ポイントはいつも目の前のその笑顔」
とても素晴らしい表現です。思わず納得してしまいました。

だから、この物語を見ると、いつの間にか前向きになれます。
{/netabare}


■4人の性格について {netabare}
みんな可愛くて素直な女の子です。

あおい
 非力ですが、がんばりやさんです。
 そして、いつもみんなの和をとりもつようにしています。
ひなた
 太陽のように明るく元気です。
 たまには失敗しますが、小さいことは気にしません。
ここな
 いつも笑顔でみんなの心を癒してくれます。
 彼女の穏やかな話し方は、聞いていて和みます。
かえで
 年長者ですが、しゃしゃり出ることなく、
 みんなが困ったときに何気なくみんなをフォローします。
{netabare}
かえでは、富士山で高山病になったあおいを看護しました。
そのため、かえでは頂上には行きませんでした。
このときあおいは、「みんなに迷惑をかけた。特にかえでに迷惑をかけた」と感じます。
でも、かえではそんなことを全く気にしていません。
だって具合が悪くなった人がいたら、その面倒を見るのが当たり前だと彼女は割り切っています。
それが登山者の基本だから…
{/netabare} {/netabare}


■あおいとひなたの関係について  {netabare}

あおいにとって、ひなたは特別な存在です。
あおいは最初は内気で地味でしたが、ひなたのおかげでいつの間にか外交的で前向きになりました。

ひなたはいつも、あおいの背中を後押しします。
あおいの成長をひなたは自分のことのように喜びます。

ひなたがいたからこそ、今のあおいがいます。
そしてあおいがいたからこそ、いまのひなたがいます。
ケンカするほど仲が良いといいますが、
二人は何度もケンカをし、何度も仲直りします。
こんな仲が良い友達がいたら、それだけでも十分に幸せですね。(^_^)
{/netabare}


■余談: 高山病にならないための準備  {netabare}

富士山に初めて登る人は高山病になりやすいです。
一度高山病を発症したら、低いところに降りるまで治りません。
そして、頭がズキズキと痛くなり、何をしても苦痛に感じます。

高山病にならないように、以下のように心がけたほうが良いです。
・5合目で十分休憩をとり(できれば2時間以上)体を気圧に慣れさせる
・5合目から6合目までは、深呼吸をしながら、いつも歩く速さの2/3ほどでゆっくりゆっくり進む。
 なだらかな上り坂なので、ついつい早く進みたくなります。
 でも、体は富士山の気圧に慣れていません。気圧になれるためにもゆっくり進みましょう。
・六合目についたら、できれば10分以上休む。
・6合目から7合目までも同様に、深呼吸をしながらゆっくりゆっくり進む


高山病にならないためにも、焦らずゆっくりゆっくり登りましょう。
{/netabare}

投稿 : 2023/05/27
♥ : 61

77.8 17 家族アニメランキング17位
東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)

2003年11月8日
★★★★☆ 4.0 (655)
3397人が棚に入れました
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。

声優・キャラクター
江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドブネズミは美しかっただろうか?

劇場版オリジナル


それは年の暮れのこの物語と同様に全くの偶然でした。
・・・ともったいぶる必要はなく、年末に録り溜めてたものを観忘れていたのを思い出してついぞ最近観ましたというやつです。

私にとっての初“今敏”監督作品になります。
タイトルだけは記憶にあって、とはいえ氏の作品とは知らずにOPクレジットを見て気づいたくらい。
その氏についても早世したアニメ監督らしい、程度のニワカ全開、先入観なし状態で鑑賞突入です。

絵は独特。このタッチはけっこう好き。
ん?劇伴がたまに邪魔してセリフが聞き取りづらい。
声は職業声優さんではないのね。劇場版あるあるなのでそのへんはスルーしよう。


≪クリスマスの奇跡≫タイプの作品、と使い古されたモチーフながら、主人公がホームレスの三人という面白い組み合わせ。
ひょんなことから捨てられてた赤ん坊を拾った三人が、赤ん坊の親を探しにいく道中で、ハプニングが起こりすったもんだしながら、自身の過去にも向き合い、最後は≪クリスマスの奇跡≫タイプらしい、ちょっと心温まる終幕を迎えた良作でした。

おそらく監督も狙ってたのかもしれません。
多少のご都合主義は“クリスマスだしね”で私の場合納得しました。基本、ちょろいんです。
それで手に入れたのがテンポの良さ。92分あっという間です。すったもんだは一つや二つではありませんでしたが、ありえない都合の良さで見事に収束していきます。エンタメはこれくらいでいい。


そしてテンポの良さと相性がいいであろうドタバタコメディやアクションムービーといった方向にあまり舵を切らなかったのがこの監督のすごいところなのかもしれません。
ホームレス三人の主役たち。ギン(CV江守徹)、ハナ(CV梅垣義明)、ミユキ(CV岡本綾)の過去を掘り下げます。赤ん坊という家族の幸せの象徴みたいな存在を媒介にして、宿無しに身をやつした経緯とそれぞれの家族への思いが明かされていく中盤以降がなんとも心に沁みるのです。
本作とそれほど変