2017年度のファンタジーおすすめアニメランキング 53

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2017年度のファンタジー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の2017年度のファンタジーおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.2 1 2017年度のファンタジーアニメランキング1位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1281)
6323人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

HE once was a true love of mine

【2016/06/30 誤記訂正】


原作については何も知らないが、いい加減に、マーケティング会議で凡庸なブレーンストーミングの果てに多数決で決めたようなタイトル付けはやめるわけにはいかないのだろうか。
アニメの第一話を見た限りでは、十分にテーマ性も世界観も詰め込まれた物語に見えるのに、出版する側が創作性より市場を優先して目配りしているようでは作者が浮かばれないだろう。


一話の冒頭から、重苦しい展開を予想させるような描写で幕を開けるが、続く『スカボロー フェアー』でオッサンは完全にやられた。

同世代の視聴者であれば、文句なくサイモン&ガーファンクル版の『スカボロー フェアー』を思い浮かべるだろうが、別離を想像させる切ない歌詞が、「彼女」を想うものから「彼」を想うものへ変えられているのは、歌い手の性別だけではなく、先の物語の流れに合わせたのだろうか。
それに加えて、サイモン&ガーファンクル版の、あの不穏な輪唱の歌詞まで想起させて、より物語の行く末を(勝手に)想像させて来る。

名曲と共に登場した物語は、どのように流れていったのだろうか。


{netabare}ラストで再び流れる『スカボロー フェアー』は、やはり、この曲が物語を象徴していたと思わせる。

彼は私の大切なひと「だった」、と語る歌詞は、過去を「振り返って」あの時が「幸せ」だったのだと告げるものだ。
物語を通じて次第に明らかになる希望の無さは、ヒロインから「記憶」が剥落していく描写と並行して、「未来」から希望が次第に「消えてゆく」事態を表現している。

あの、物語の冒頭こそが「幸せ」の頂点であり、そこから滑落していく過程を象徴するものとして、この曲はある。

だが、「運命」に翻弄される悲劇だと一面化しきれないのは、サイモン&ガーファンクル版の、あの輪唱の記憶のせいだ。

>由来も遥かに忘却された いくさ に

>戦え、殺せ、と

>将軍たちは、兵士を駆り立てる

サイモン&ガーファンクル世代の視聴者としては、この詠唱(私的な意訳)を作品外から幻聴してしまう視聴を止めることが出来ない。
製作者の意図を度外視して、この詠唱を二重化する効果を含めて『スカボロー フェアー』を採用したという視聴を、あえて選びたいと思う。

そうであってこそ、ラストの、主人公とヒロインの「死」と「幸せ」が奇跡的に融合されるあの特権的な瞬間が、誕生するだろう。
与えられる「運命」としての「悲劇」であれば、それを「肯定」する事にも深みは生じない。
二人が「将軍」が「兵士」に死を命じるような「やりきれなさ」を受け入れてしまうことが、ラストの割り切れないやりきれなさを生む。


将軍と兵士の「やりきれなさ」は、「世界」の構造として表現されている。

本作の「世界」は、ひどく「堅い」印象があるのだが、これは設定の各要素が、互いに支え合うように配置されていることによる。

破滅的な超兵器によって半ば地獄と化した地上だが、そこから逃れて人々の生存を可能にする「島」は、「超兵器」と同根の「技術」によって「人工的」に維持されている「大地」だ。
人工的な維持機構なしで「大地」=生存は不可能で、やはり「超兵器」と同根である技術によって「生産」される「妖精」の「使い捨て」も、これもまた維持機構の一部であり、島の「生存」の為には不可欠のものとして構造化されている。
「人工島」を成立させるシステムの一切は、「獣」の支配する地上を生み出した技術と同根で、原理的に「システム」は「地上」の脅威を凌駕して浄化することはできない。
浄化できない限界性によって、「人工島」のシステムの停止=妖精の解放もまた、あり得ない。

こうして、「出口」を塞ぐように互いに絡み合う設定が作り出す窒息しそうな「世界」が、それでも作為性が希薄であるのは、この「世界」を構成するパーツが、視聴者には見慣れたものであるからかもしれない。


人工的な「大地」の維持システムの一部として、それ無しではシステムが崩壊してしまうものとして取り込まれている「妖精兵器」は、資本主義システムが必然化する、それ無しで存続が不可能である「相対的過剰人口」と相即的だ。

不景気には真っ先にクビを切られ、好景気でも最後まで安定雇用はされない、貧困との境界上に押し込められる不安定雇用の「相対的過剰人口」は、十分に好況であれば消滅するものではなく、資本主義システムの必然かつ必須のものとして、システム自体に構造化されて一体化している。
決して安定雇用を得られない「層」は、システム維持の「人柱」として、構成員の入れ替わりはあるにせよ「層」としては排除できない。
まさしく、「人工島」の維持システムとして、逃れられない「死」を押し付けられて何処にも行けない「妖精兵器」との相似を見るのは容易だろう。
どちらも、システム自体の崩壊や変質を伴わずに、脱出することが出来ない。

そしてまた、「地上」の敵を一掃し、環境や生態を一変させて「獣」の徘徊する廃墟に変えた「超兵器」と、「獣」を殺戮するために「妖精」の命を要求する「聖剣」が同じ技術から生じていることも、核兵器=原子力の関係を連想させる。

原子力発電所が、核兵器プラントから廃棄される排熱を発電機に接続しただけの、本質的に同じ設備であるのは周知のことだが、その維持がしばしば非正規労働者である現場作業員の(コントロールされているとはいえ)被曝と引き換えであるように、「超兵器」と本質的に等しい「聖剣」が妖精の生命や人格の喪失と引き換えであるのは、これも相似的だ。

別に「現実」を寓意するために、このような「世界」が構想されたとは思わない。

「世界」を、「堅い」強固なものとして構築しようとする意図が、自然に現実的な要素を引き寄せたのだ、ということだろう。


この「堅い」世界を、決して肯定的に描いているわけではないのに、抵抗や破壊に向けては物語は進まない。
破壊は、ある意味で「未来」を指向する。
しかし物語の視線は、一貫して「過去」に向いているようだ。

通常、若者向けの物語では、「過去」は脊髄反射的に劣位に置かれ、「未来」は無批判に優位におかれる。
だが、優劣を疑わない視点からは、「未来」を輝いたものとして希望する「私」は、「過去」によってしか存在し得ないことを自覚することが無い。

本作で、「記憶」の脱落によって深い絶望と恐怖にさらされるヒロインは、アイデンティティ=自己同一性は、「記憶」の連続性によって担保されているということを的確に表現している。
「私が私である」という自己同一性は、昨日の私がここにいたという記憶、1年前の私がここにいたという記憶、3年前の記憶、10年前の……という「連続性」の確信の上に成立する。

記憶の連続性が疑わしくなるとき、「私」の自己「同一性」は揺らぐ。
記憶が全て消滅すれば、「私」も消滅するだろう。私という自意識の消滅は、「私」の「死」だ。

「私」が消え去る「死」への坂を滑り落ちながら、あの時たしかに幸せ「だった」という特権的な「記憶」に支えられるヒロインを追う物語が、過去へ向けた視線に支配されるのも当然だろう。
無批判に「未来」志向の視線を「前向き」だと捉える能天気な気分は、未来を見つめる筈の「主体」=この私についての思考停止を表明しているに過ぎない。

「私」の不安定性に無自覚で「未来」の優位を漠然と信じる「前向きな」視聴からは、ラストの決戦は捉えにくいかもしれない。

あのとき幸せ「だった」、と「過去」を見つめて「未来」を指向しないラストの主人公とヒロインは、「後ろ向き」であるわけではない。

あのとき幸せ「だった」という記憶を持っている「私」は幸せ「である」のだ、と、この「現在」の「私」の一瞬に生きたのだ。

「この一瞬」にすべてが溶解するような作劇は、「絶望」とも「希望」ともレッテル貼りを拒絶する。
視聴者に向けて、レッテルを貼ってパッケージ化して差し出すことをしない製作者の「語り」は、この「堅い」世界を「生きた」キャラクターへの誠実を感じさせるものだ。


キャラクターへの誠実は、その描き方にも表れているようだ。

主人公とヒロインの恋が終幕に至るまで前景化してこないのは、そこに製作者か作者の自制を見たくなる。

保護者的な大人と未成年の恋は、典型的には「教師と生徒」の恋に象徴化できるだろうが、マンガやアニメではありふれている。

大抵は「二人が好きあっていればよい」と肯定的に描かれるが、普通の大人からは抵抗感を感じられる。
「教師と生徒」の大人と子供の関係には、抜きがたく力の上下関係が存在するからだが、「生徒」に近い読者層からは、「教師」という大人と、ある意味で「対等」になれるという力関係の逆転の満足を得たいという欲望から肯定されるのだろう。

しかし大人にとっては、力関係を背景とした恋愛は、一種のマイルドなパワハラかセクハラであって、未成年との「合意」という言い訳では、正当化するに十分であるとは感じられない。
現実に「教師と生徒」の恋を結んでしまった大人が非難されるのは、こうした大人のバランス感覚の欠如が問題視されるからだが、本作の主人公が、ヒロインの恋心を知っても距離を保っている描写は、アニメ的にやせ我慢をしているというよりも、「大人」を表現しているように受け取れる。(なにしろ主人公は500歳を超えている社会人だ)

トカゲ人間の将軍やサルベージ屋の大将が、「妖精兵器」に対してきわめて「まっとう」な公平性をもって接する描写も、ベテラン声優を配した効果を発揮して、いかにも「大人」であるバランス感を表現し得ているようだ。

こうした描き方が、終幕でヒロインの「死」を目前にして社会的な大人の配慮を捨てる二人の恋の成就を、アニメ的展開のご都合に見せない、「世界」を「生きる」キャラクターへの製作者の誠実を示している。


このような、あちこちで一般的な「受け」に逆らうような表現やストーリーラインは、「泣ける」「笑える」といったタグを掲げる大ヒットの手法を無視しているようだ。

しかし、非情で動かしがたい世界に置かれた実存が世界を肯定しようとするならば、「スカッとさせる」展開があるはずはないだろう。

「縫い目のないシャツを縫う」ような不可能な「奇跡」が、もしも起きるのならば彼は恋人に「なるだろう」という「未来」を歌う『スカボロー フェアー』が象徴しているのは、非情な世界では「未来」は「奇跡」を要求するという困難性であり、肯定しようとする実存の困難だ。

ラストシーンで誕生した新たな「妖精」が、転生による希望という「奇跡」であるのか、煉獄に送り込まれた「兵器」が一人増えたという「繰り返し」の絶望であるのか。
説明のない混沌は、視聴者のそれぞれの実存を問うものとして、レッテルなしで投げ出されている。


最後に、これだけの物語を、マーケ屋のでっち上げたタイトル付けで市場に送り出した出版社の安直は、どれだけ非難されても十分ではないと強調しておきたい。



P.S.
ヒロインの人格が浸蝕される悪夢のようなフラッシュバックの描写で、小文字でlilya(リーリア? リリア?)というキャラ名(?)が断片的に表示される。
一瞬、ilya〈イリヤ〉と錯覚させるかのような表示だが、自分の人格が消えて見知らぬ人格が立ち現われる場面で、存在者が消えてなお立ち現われる存在、は、できすぎた気がする。
作者か製作者がレヴィナスを読んでいたのかは分らないが、偶然としても、世界に投げ出された実存の物語にはふさわしいかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ごった煮にして薄っぺらくした感じ

4話までの感想
{netabare}まず1話で思い切り興味を引いたのは、町をさ迷うシーンでカメラ固定(背景そのまま)でキャラがパッパッとテレポートする…実際にテレポートしてるんじゃなくて途中の時間をカットする演出があるのだけど、
テレポートするたびに微妙にカメラ(つまり背景)がズレる。
実写だったらそうなりがちではあるけど、アニメだとむしろ手間がかかってるワケで、そんなのをワザワザやってることに驚き。
(気付かないだけでそのようなズレる演出は他のアニメでも普通にやってるのかも知れないけど)
スカボローフェアもさることながら、ひょっとしてアニメってより実写映画を意識してるんじゃなかろうか?と思うように。
そして話が進んでいくと…1話での先入観も手伝ってアレを思い出しました。
怪獣映画と謳っておきながら怪獣を一切映さない映画…「大怪獣東京に現わる」。
怪獣が本当に現れたらどのように報道されて、人々はどう行動するだろうかってのを描いた作品、面白いっすよ。
ひょっとして終末は~ってソレ系?
原作未読なので今後の展開は知らないけど、もし最後まで地底?地上?のバケモノとの戦闘を「描かなかったら」かなりの良作になるんじゃなかろうか。
一方で描いちゃったらよくあるラノベ系で終わってしまいそう。
…しかしそんなことやるのかね?派手なアクションのないアニメって評価下がりそうだし。
クライマックスくらいは戦闘あっても、ま、まぁ大丈夫とは思うけど…。

それにしてもタイトルで損してる気がしないでもない。{/netabare}

5話感想
{netabare}あっれー?なんか変な方向に向かってないか??
序盤戦闘シーンがあったことは↑で書いた期待してたモノとはズレるけどそれは別に構わない、こっちが勝手に期待してた部分だしね。
ってか「こうなったらメガンテを使わざるを得ない」って状況までは追い込まれてないので、↑の示す「戦闘シーン」にはまだ至ってないのでセーフセーフ。
問題はそこじゃない。
新型の敵が現れて、対処方法が見付からず、浮島を一つ放棄した、ってことだよね?
う~ん…そんな状況って軍的には戦々恐々で物凄くピリピリしてるものだと思うのだけど、なーんか妙にノンビリしてない?
別部隊がコト(データ集積や検証)に当たっててヒロイン達は休養したまえってことなのかも知れないが、それにしたってなんか変。
ハドソン夫人がトカゲ男に頼み込むシーンにしても、ヴィレムの居る目の前でこれこれこんな事態なのでどうにかしてくれって言った後で「この話はできればおじさま以外の方には…」って…正気か?
あれれ?
でもって過激派がホイホイと軍にケンカ売るとな?制服で軍って分かってるんだよね?
んでもって内政がどうたら正義がなんたら…う~ん、暢気だなぁ。
なんかトータルイクリプス見てる気分になったのだけど、「お前らそれどころじゃないんじゃないの?」感が果てしない。
マンガなんかでたま~に見る「掲載誌が変わった」ってことで雰囲気が一変することはあるけど、ラノベでもそういうことってあるのかな?
いや、これ原作がどうであれアニメとしても脚本ヒドいと思うんだが…。
内政には不干渉だと軍規で決まってるなら向こうから手を出してくれないことにはどうにもならないワケで、囮に使ったことで怒られたり詐欺師呼ばわりされるのは不愉快(じゃあどうすれば軍規背かずに干渉できるのさ、と)。
ラストもウサギを殴ったんだと思うけどそれも意味フ。

とりあえず今回は捨て回と思った方が良さそう。
次回以降マトモに戻ってくれることを切に願う。{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}終わってみれば「ありゃー?」って感じに。
今思えばハドソン夫人が出た回辺りからあれれ?だったかと、ってかそこで気付くべきだったか。
↑でも書いたけど、浮島1個沈んだことでじゃあ残った島はどうリアクションする?ってのは描かれない。
軍の活動も具体的に出てきたけど、同時にアラがやたら浮き出る形に。
活動資金は税金なのか接収なのか有志による募金なのか、とかね。

かつての自分の不甲斐なさを悔いて辛い生活に身を置く→わかる
かつて英雄としてスゲー存在だったけど今は知る者は居ない→わかる
この世界を統治する賢者に存在を知られてもそれまでの生活をそのまま→ん?

剣の調整ができるのはヴィレムだけで、もうこれだけでvip待遇待ったなしだと思うんだが…。
妖精が人扱いされないメガンテ要員だとしてもその立場は決戦兵器なワケで、扱いが雑になることはありえないような?
決戦兵器なれど消耗品な妖精の損耗率を下げられるって、ちょっとした革命クラスだと思うんだがかなぁ。
なんか、戦力増強が見込めるハズなのに放置してたり、妖精以外の対抗策全く考えてないっぽかったり、本気で化け物を倒す気は無さそうというか…危機感がなーんも無い。
これでは化け物の正体どうこうも、ふーんって感じにしかならない。

クトリの前世?侵食?もどうでもいいというか。
対決した化け物が侵食能力を持ってたってことではなく、一定以上HPを削ると侵食が始まるってことでいいのかな?
で、アイセアのケースから鑑みるに、前世の候補に挙がるのはヴィレムに縁のある連中(500年前にやらかした奴ら)ばかりってことではないっぽい?
あれ?じゃあクトリの前世が赤髪の少女だったのはただの偶然?
要は前世とやらは、生まれた時から決まってるのか後天的に植えつけられるのかようワカラン。
前者であるならクトリの前世に赤髪の少女が当たったのが都合よすぎ、後者であるなら最終回のオチが台無し。
じわじわと侵食されてく不気味さの描写もイマイチ、というか落第レベルだし(予算か?予算なのか?)。
…。
原作読めって?やだよお(苦笑い)

ところでここ(あにこれ)ではない何処かでプラメモと類似してるという指摘を目にしたことがあります。
う~ん、それはちょっと違う気がする。
プラメモは後半対応を変えたとはいえ、途中まで「そんなことをしても後で辛くなるだけだ」として主人公とヒロインが親睦を深めることに反対するキャラが居ました。
決して悪意があったってことではなく、「優しさ」由来の行動にバリエーションがあったというか。
対するこちらは二人を祝福するばっかりで、キャラに変化が無い。
ぶっちゃけ世界観を掘り下げる気が無いならラーントルクとノフトは要らんかったような…。
そうそう、ラーントルクで思い出したけど、生物兵器と生体兵器はちゃんと分かって使い分けてたのかな?
誤用してるなら誤用してるで構わないのだけど「バケモノの正体は一体何ぞ?」ってところで出た言葉なので、ハッキリさせてくれないと結局ボケボケにしかならないというか。
(敢えてどっちか分からない素振りで得体の知れない感を演出したのかも知れないが)

というかねぇ、同期に放送してたアニメでグラブルってのがありましてん。
浮島世界を舞台にしたファンタジーって共通点があって、どうしてもそれと比較してしまい安っぽく感じてしまう。
(グラブルの話も大概だが)島ごとに特産品があったりで、世界旅行をしてる気分になれた、多少なりとも。
終末も一応映画村とかあったけど…いやいやそうじゃなくて一次産業どうなってんのさ、ってのが説得力に繋がる部分だと思うのだが。
牧歌的な話を描きたいのなら人が社会生活するうえで最も根幹な部分である一次産業(農林水産業)を描くのが一番手っ取り早いと思うんだがのう。{/netabare}


総評
{netabare}浮島世界を楽しみたいならグラブル見た方が良い。
じわじわと侵食される恐怖を見たいならファフナー見た方が良い。
不幸ヒロインのラブコメが見たいならプラメモ(プラスチックメモリーズ)を見た方が良い。
転生ヲチがどれだけガッカリなのかを知りたいならケイオスドラゴンを見ればいい。
あ、大戦の生き残りネタ?う~んそれならガイアース(の1巻だけ)を見れば良いんじゃないかな、古いけど。
(ってか一時期流行ったんですよね、半ポストアポカリプスを舞台に大戦時の残党がどうこうするって話…ナウシカの影響か?)
それらをごった煮にして薄っぺらくしたのを見たければ…この作品!って感じでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

81.0 2 2017年度のファンタジーアニメランキング2位
魔法使いの嫁(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (969)
4358人が棚に入れました
羽鳥チセは15歳の少女。
彼女は帰れる場所も、生きる理由も、そのための術も、何も持ち合わせていない。
ただひとつ、生まれ持った特別な力を除いて。

そんなチセを弟子として、そして将来の花嫁として迎え入れたのは、
異形の魔法使い・エリアス。
自然と寄り添い、悠久の時を生きる魔法使いの暮しの中で、
チセは大切な何かを少しずつ取り戻していく…。

これは、世界の美しさを識る為の物語。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、遠藤綾
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異形の魔法使いに落札された『見える子ちゃん』の再生物語

性格俳優、という言葉があります。
これ、もともとはcharacter actorsという言葉の邦訳なのですが、
日本では概ね、英語本来の意味とは違う使われ方をしているみたいですね。

英語でのニュアンスは『名脇役・助演者』に近いものです。

役者本人の名前が大々的に宣伝される主演俳優たちとは違い、
鬼看守、薬物中毒者、狂気的信奉者など、
特殊な役柄に完璧になりきり作品を成立させる役者さんたち。
  名前は知らないけど見たことあるある、
そんな名助演者に対し、尊敬の念を込めて使われる言葉なのだとか。

それに対して日本では、主演・助演を問わず、
  『特徴的な芝居に秀でた役者さん』
のことを、芸を褒めるニュアンスで指し示す場合が多いようです。
『個性派俳優』という言葉と混同気味、みたいな。

もちろん英語的な意味あいでの使い方をするケースもあり、
あくまでも傾向としての話ですが。
ちなみにネットで検索を賭けたところ、
いまのところ『性格声優』という言葉はないようですね、僕調べ。


さて、そんななか、本作『魔法使いの嫁』で
主人公の羽鳥智世(ちせ)を演じた種﨑敦美さんは、
特定の方向をもったお芝居で僕が強く惹きつけられる役者さんの一人です。


で、まずは作品本編のお話から。

{netabare}
智世は幼いころから『この世ならざるものが見える』体質でした。
ぶっちゃけた言い方をすると『見える子ちゃん』だったわけです。
それは血筋的なもので両親もそうだったのですが、
周囲から気味悪がられ、家族以外に心を通わせられる人はいませんでした。

そして、父親が弟を連れて家を出てから、人生が大きく崩れていきます。

母子に対する『この世ならざるもの』の悪意ある手出しが激増し、
女手一つで智世を育てる母親は心身ともに疲れ果て、
わが子を殺すことだけは寸でのところで思いとどまるものの、
智世の目の前で飛び降り自死をしてしまいます。

その後、引き取り手である親族を転々とするものの、
誰とも心を通わせることができません。
それどころか『薄気味悪いやっかいもの』扱いを受け、疎まれ続けます。

実の母親に殺されかけたトラウマ、周囲からの冷たい視線。
居場所や存在理由を全く見いだせず傷つき果てて自暴自棄になった彼女は、
自分の身を『闇のオ-クション』に出品してしまいます。

  智世は、特殊な魔法体質を持つ『スレイ・ベガ』という希少種でした。
  それがゆえに、好事家たちから注目され、
  日本円で億単位の競りが展開していきます。

そして500万ポンド、約七億五千万円という価格で、
異形の魔法使いエリアスに落札されたことから、
幻想的で時に美しく、時に切なく、時には目を背けたくなるほど残酷な世界で、
智世の第二の人生が幕をあけます。
{/netabare}

物語は、傷つき、疲れ果て、絶望の淵に立ちすくんでいた智世が、
この世ならざるものたちと触れ合っていくうちに、
少しずつ自我を取り戻し、
おそるおそるながらも新しい人生を歩み始めていく様が、
濃密に、そして繊細に描かれています。

物語そのものは美しくて心温まるお話ばかりではありません。
陰惨であったり残酷であったり、
ふわふわした幻想物語とは一線を画す厳しい仮想現実がそこにあります。

それでも、個々のエピソードが終わったとき『嫌な感じ』が残りません。
むしろ、美しさや癒しといったプラスの余韻が漂います。

  それは智世が持つ非現実的なまでの基礎性質、
  『善』と『母性』を合わせ持つ、
  全てを許してしまう美しき器のなせる業なのかな、と。
{netabare}
一般的な感覚では恐ろしい怪物であるエリアスの真の姿を見ても、
恐怖するでも嫌悪するでもなく、
ただあるがままを受け入れ、慈しみをもって抱擁します。

個々のエピソードに登場する異形たちも、
智世によって許され、荒ぶる魂を鎮めていきます。

なんせ最後には、
諸悪の根源だったカルタフィルスまで許してかくまっちゃうのですから、
もはや『お人好し』なんてレベルではなく、
慈愛に満ちた『神』の領域に踏み込んじゃっています。

最初は飼い主・指導者じみていたエリアスが、
いつの間にか母親に甘える子どもみたくごろにゃんとなってみたり、

  いやほんとすげえなこの人、

と感心させられるシ-ンが随所に出てきます。
{/netabare}

特筆すべきは、
智世自身はあくまでも自己主張の少ない『ふつうの女の子』だということ。
正統派ヒロインみたく大層な正義感や使命感をもっているわけでなく、
単純に、そのときの『心の赴くまま』に振舞っているだけなんですよね。

  ようするに、
  単に目の前の相手が『かわいそう』だから『助けたい』と思うだけ。

世の中のかわいそうなものを全部なんとかしたいとか、
世界から邪悪なものを排除したいとか、
そういう大それたことは全く、一切考えていないんです。

だから、鼻につくような『あざとさ』がありません。
「みんながいるから、私、がんばれるっ!」なんてことも言いませんし、
実に安心して見ていられるヒロインです。

{netabare}
そして物語終盤、智世は自分の過去と対峙することになります。
そこで思い出したのは、
両親から十二分に愛されていた幼き日の自分自身の姿。

その愛情が彼女の基礎性質を形作っていることに疑いの余地はありません。
また、その日々を思い出したことで、
自分が『生まれてきたこと』を心から肯定できるようになります。

それが、最終話Bパ-ト、智世の決断へと繋がります。
自らの意志で『まほよめ』になることを選択した智世の花嫁姿には、
物語序盤で彼女を覆っていた影やよどみが一筋もありません。

  よかったね、と心から祝福してみたり、
  なんでこんなやつと、とやっかんでもみたり。
  まあ、このひとらしい選択ではあるのだけれど。
{/netabare}

僕的な作品のおすすめ度としては、Aランクです。

ただし、中二的な能書き魔法バトルが好きでたまらない方や、
アニメのヒロインはきゃぴきゃぴしてなんぼ、
みたいに考えている方には、全く、これっぽっちもおすすめできません。

この作品は異形の世界をモチ-フにしていますが、
ダ-クファンタジ-にありがちな
「オレかっけぇ」「オレつえぇ」的要素がほとんどないんです。

物語の骨格を成しているのは、
異形によって家族や居場所を損なわれ自我を見失ってしまった少女が、
その異形と暮らし様々な経験を重ねることによって、
自己の本質に還り、失われた自我を少しずつ取り戻していくという、
けっこう王道的な『再生物語』なのです。

  そういうのはめんどくさくていやだ、
  わかりやすくバトってデレて谷間とかパンツ出して欲しい、
  そういう方は見るだけ時間のムダではないかと。

  逆に、アニメにもきっちり『人のカタチ』を求める方には、
  なかなか骨のある作品に仕上がっています。


映像もほぼほぼきれいで、
カットによっては息をのむほど幻想的で美しく、迫力もあり、
鑑賞に値するレベルにあると思います。

ただ、残念ながらときおりは
  もうちょっと頑張ろうか、原画さん
とか感じさせられたり、あるいは
  総作監のキャラデ無視してんじゃね~ぞ、原画
とか思わされたりしますが、それはまあ、飲み込むしかありません。


音楽に関しては、前期のOP、
JUNNAさんの『Here』が出色のできですが、
劇伴やEDも、世界観をしっとり表現していて一聴の価値ありかな、と。

それでも僕が音楽に3.5という渋めの評点をつけたのは、
後期OPがあまりにも残念だったからです。
なんというのか、May'nさんに仕事をあげるためねじ込んだ、みたいな。
{netabare}
  他の方のレビュ-を拝読していても、
  後半ダレた、失速したという声がわりとあって、
  実を言うと僕も、初見のときは同じ印象を受けていました。

  後期のOPがあまりにも凡庸というか、
  既視感ばりばりのありきたりな世界観というか……
  単にそれを視聴しているだけで
  前期で構築したエッジみたいなものが霧散していく感じがしました。
  あ~、なんかその辺のファンタジーと一緒になっちったなあ、みたいな。

  で、二周目に思い切ってOPを全飛ばしして視聴したところ、
  え゛、作品のテンションぜんぜん落ちてないじゃん、と気づきました。
  ウソだと思う人、いっぺんやってみてくださいまし。

  May'nさんを悪く言うつもりは毛頭ありませんし、
  曲そのものの良し悪しの話でもありません。
  ただ、ひたすら、あまりにも、作品の世界観とかけ離れすぎです。
  なにしてくれてんだFlyingDog。

  ニセコイの二期と同じように
  (あれも決してLiSAさんのせいじゃないですが)
  OP楽曲が作品の世界観をチ-プにしてしまった代表例ではないかと。
  そういえば『くまみこ』もひどかったなあ。
{/netabare}


そして、僕的に、この作品の最大の魅力は
種﨑敦美さんによる智世の演技、人物造形です。
ああ、やっとマクラとつながった。

物語序盤で種﨑さんの演じた智世の語り口調は、
心が傷付いた少女のそれではなく、
もっと直接的な『身体的な重傷者』のそれであり、
包帯ぐるぐる巻きの少女が喋っているような響きがありました。

  僕はまず、この人物造形に鳥肌が立ちました。

おそらく種﨑さんは『本当に心が傷付き果てた人』がどうなるのか、
ものすごく深くシミュレートしたのだと思います。
そして『心の傷』と『身体の傷』の境界線が曖昧になるところまで、
行きついたのでしょう。
だからあの、包帯ぐるぐる巻きみたいなお芝居になったのだと愚考します。

その後、智世が回復するにつれて種﨑さんの芝居も変化していきます。
この繊細な使い分けがなんとも素晴らしい。

第一話で自分の『見える目』に関し、
「よかったことなんて一度もないっ!」と血を吐くような声で叫んだ智世。
それに対してエリアスが言った。
「いつか君がよかったと思えるようにしよう」という言葉。
それが『約束』として少しずつ果たされていく経過が、
種﨑さんによる繊細なお芝居によって見事に表現されていきます。

  最終話Bパ-トの台詞を聞いていると、
  前半~中盤と同じような話し方をしているにもかかわらず、
  そこにあった『戸惑い』や『自我のうすさ』が消え、
  ただの口ベタになっているのがよくわかります。

智世の周りを取り巻くキャラも、実力派・ベテラン勢がびっしりです。
さして出番の多くない役柄にだって、
森川智之さん、梅津秀行さん、浪川大輔さん、石田彰さん、諏訪部順一さん、
井上喜久子さん、三石琴乃さん、大原さやかさん、早見沙織さんなどなど、
ものっそいメンツが普通にキャスティングされています。

だからもう、作品としてお芝居の安定感がハンパない。
荘厳なものは荘厳に、思慮深いものは思慮深く、
台詞の奥にある心のヒダみたいなものがびしびし伝わってきます。

だけど、そんな中においても、
種﨑さんの演じた羽鳥智世は出色の出来でした。
この作品は種﨑さんなくして成立しなかった、と言っても過言ではないでしょう。

ちなみに種﨑さんは僕にとって、
『となりの怪物くん』夏目あさ子役で「おおっ」と思わされ、
それ以来、気になって注目している役者さんです。

あさ子のような三の線からおねいさん、少年役まで幅広く演れる方なのですが、
とりわけ僕が強く惹かれるのは、
やっばり特徴ある『ボソボソ系』のお芝居です。

代表的なところで言うと、
  『残響のテロル』 三島リサ
  『響けユーフォニアム』 鎧塚みぞれ
  『青ブタ』 双葉理央
  『ファントムトリガー』 ムラサキ  などかな。

種﨑さんの特徴は、それぞれの「ぼそぼそ喋る」理由を咀嚼して、
個々の役柄を繊細に演じ分けているところです。
つまるところ役柄に対する理解・解釈がとてつもなく深い。

  だから、似たようなお芝居をしていてもテンプレが一切ありません。
  リサ、みぞれ、智世あたり、
  全部一緒になってもおかしくないのに、全部違う。全然違う。

  また、同じようなアンニュイ調の役どころでも、
  理央とムラサキでは、やっぱり、まるっきり違っています。

いやほんとすごい人です。
もちろん他の役どころがダメなわけじゃないのですが、
このテの役どころを演らせたら当代随一なんじゃないのかな、と。


ちなみに、雨宮天さんが演っている『見える子ちゃん』ですが、
KADOKAWAが原作のボイス付き試し読み動画をネット公開してまして、
そっちは種﨑さんが見える子ちゃんを演じております。

Youtubeなので簡単に視聴できますので、
興味のある方はぜひ、お試しあれ。
けっこう、というか、かなりイイです。種﨑さんらしいや。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

温かい

人身売買でとある魔法使いエリアスに買われたチセが彼との生活や周囲に発生するできごとによって心を取り戻していくハートフルな物語。
命の危機に何度も晒されつつも、彼との絆を深めていく。
それに、時折助けてくれる仲間がいてまた心が温まる。

ドラゴンとのやり取りも良い。

個人的に一番心に残っているのはリャナン・シーの話。
{netabare}人間の命を奪う存在なのに、とあるリャナン・シーは老人ジョエルを殺さず、ずっと見ている。リャナン・シーの姿は通常人間に見えない。しかし、純粋に体が弱って寿命が近いジョエルに対して、チセがなんとかしようと奮闘する。リャナン・シーとジョエルの間の愛に感動した。{/netabare}

あとはチセと母親について
{netabare}夫が消えて精神的に追い込まれた母親(チセと同じく普通の人間が見えない物を見ることができたような気がする)がチセを殺そうとしたことがあり、そのことを悔いて自殺したような節があった。話の詳細は忘れてしまった。確か彼女は親に捨てられ恨んでいたが、本当は愛をもらっていたと気付いたという内容だったはず。{/netabare}


OP
Here 歌 JUNNA
You 歌 May'n
ED
環-cycle- 歌 糸奇はな
月のもう半分 歌 AIKI & AKINO from bless4
The Legend of "The Ancient Magus Bride" 歌 Jessic
挿入歌
リベロアーラ 歌 坂本美雨
君の行方 歌 KOCHO
精霊の舞 〜Dance of the Spirit 歌 KOKIA
アンノドミニ 歌 北條響
イルナ エテルロ 歌 竹中大地
Rose 歌 Kaco
花数え 歌 新居昭乃
Story 歌 コトリンゴ
主題歌は岩里祐穂さんの作詞多め。さすがです。
糸奇はなという歌手が出てきてびっくり。どんな人なんだろう。不思議な歌声。
bless4はやはり好き。2人のハーモニーは心地よい。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. April showers bring May flowers.
この世界で生きることを投げ出そうとした15歳の少女、羽鳥チセ。彼女はオークショニアの誘いに応じ、自分自身を商品とし、闇の競売会へ出品する。ヒト為らざる魔法使い、エリアス・エインズワースに500万ポンドの値で買われ、将来の「花嫁」として迎えられたとき、チセに見えていた世界の姿が変わり始める──。

2. One today is worth two tomorrows.
ロンドンの片隅にある古書店。その本当の姿を知るものは少ない。エリアスに連れられ、彼が古くから取引を続ける魔法道具の工房を訪れたチセ。工房の女主人アンジェリカは、チセにささやかな魔法を教えるが……。夜の愛し仔(スレイ・ベガ)のまことの力が、彼女の記憶の一欠片を水晶細工として蘇らせる。

3. The balance distinguishes not between gold and lead.
教会の命を受け、エリアスを監視する聖職者サイモン。彼はエリアスたちに、3つの案件を伝える。そのひとつを解決するため、最果ての地に赴むいたチセとエリアス。そこではエリアスの師、リンデルと、滅びに瀕した旧き種族が待っていた。今まさに大地に還らんとする古の者と共に、チセは天空を馳せる夢を見る。

4. Everything must have a beginning.
猫の集う街、ウルタール。その昔ウルタールでは、人と猫との間に悲しい出来事があった。惨禍の中心にいたものの魂は澱みとなり、代々の猫の王により封印され続けている。ふたつ目の案件を解決するため、この街を訪れたチセとエリアスは、そこに残る妄念を浄化しようと試みるが……。

5. Love conquers all.
魔法使いに騙された、哀れな少女。魔術師レンフレッドにはそう見えていた。だがチセは、エリアスの真意がどうあれ、彼から離れるつもりはなかった。なぜならエリアスは、初めて自分を必要としてくれた存在だから。チセは澱みの中に歩みを進め、惨禍の真相を知る。そして悲劇の裏側には、ひとりの少年の姿が──。

6. The Faerie Queene.
本来還るべきところに、還っていく魂たち。それを見送りながらチセは自身を想う。ウルタールの一件から10日と数日が過ぎても、チセは眠りに落ちたままだった。彼女を案じるエリアスとサイモンの前に、予期せぬ客が姿を現す。それは常若の国(ティル・ナ・ノーグ)の主。ブリテンの夜の一角を統べるもの。妖精たちの女王(ゲアラハ)、ティターニア。

7. Talk of the devil, and he is sure to appear.
たなびく漆黒の毛並み、燃えるように赤い目をしたその犬は、チセのことをイザベルと呼んだ。教会からの最後の案件は、とある墓地に現れた黒妖犬(ブラック・ドッグ)の検分。だが、見定めるべき彼の助けでチセはからくも難を逃れる。一方、レンフレッドの弟子アリスもまた、黒妖犬(ブラック・ドッグ)を手に入れるべく動き出していた。

8. Let sleeping dogs lie.
アリスは変貌したエリアスを見て、直感する。これは、けしてヒトには為り得ぬものだと。レンフレッドとアリスを操り、黒妖犬(ブラック・ドッグ)を手に入れようとしていた魔術師カルタフィルス。彼の「作品」にチセを傷つけられたエリアスは、今までとは違う異様な姿と力の片鱗を見せる。エリアスを知る魔術師たちは彼をこう呼ぶ。裂き食らう城(ピルム・ムーリアリス)、と。

9. None so deaf as those who will not hear.
教会の案件はすべて片付き、おだやかな日々が戻ってくるはずだった。だが最後の一件以来、エリアスの様子がおかしい。チセが初めてエリアスの部屋で一夜を過ごした翌朝、彼はこつ然と姿を消した。チセの身を案じるアンジェリカの言葉も、人より純粋なルツの言葉も、戸惑うチセの心を上滑りしていく。

10. We live and learn.
海豹人(セルキー)と共に竜の背に乗り、チセはリンデルの許へと向かう。自分だけの、魔法使いの杖を作るために。エリアスに「飼われるままでいる」ことを拒もうとしないチセを見かね、リンデルは夜の闇の中からエリアスを見出した頃の話を始める。そのころ、独り残るエリアスに魔術師たちの集う場、学院(カレッジ)からの便りが届いていた。

11. Lovers ever run before the clock.
ヒトのふりをしたがる、奇妙な為り損ない。いつしかエリアスが己のことを話さなくなったのは、師の教え故か、人への苦い記憶がそうさせるのか。リンデルの二つ名、百花の歌(エコーズ)の由来。その歌は雪解けの水音に似て、朗々と風に乗り、季節外れの開花と妖精たちの輪舞を現出させる。そして歌の魔力はチセが覗き込む水面(みなも)を水鏡に変えた。水鏡の向こう側に見える姿はもちろん──。

12. Better to ask the way than go astray.
完成した杖に触れた瞬間、チセは幻視する。無数の閃光の先に広がる、霧に包まれた巨木の群れを。縁(えにし)の糸が結ばれ、彼女はかつて見送った竜と再会する。自ら命を絶った母、自分を置いていった父。その本当の思いは、今となっては知る術はない。しかし今のチセには、伝えたい思いと言葉、そして伝えるべき相手がいる。切なる思いは彼女をはるか遠く、帰るべき場所へと運んでいく。

13. 「魔法使いの嫁」スペシャルダイジェスト
人間とヒトならざるものたちの交流。息を呑む幻想的な光景。ときに残酷さを突き付けつつも、どこか温かみのある世界と、そこに生きる者たちの心の機微-。10月から好評放送中のアニメ「魔法使いの嫁」。第13話の放送を前に、第1話~第12話の見どころを振り返ります!もう一度見たい方も見逃してしまった方も、どうぞお楽しみに!

14. East, west, home's best.
野に森に、夏の足音が聞こえだした頃。風に舞う綿蟲たちの毛刈りに追われるチセとエリアス。竜の国から急ぎ帰ったチセには、伝えたい想いがあるはずだった。しかし、それはいつ、どんな形で伝えたらいいのかが解らない。そしてエリアスもまた、己の中に芽生えた理解しがたい感覚に戸惑っていた……。

15. Looks breed love.
愛した相手に才を与える代わりに、命を奪う吸血鬼、リャナン・シー。彼女にとって愛すことと、大切な存在を失わぬため愛さぬことは、どれほどの違いがあるのだろう。彼女の想い人、ジョエルの命は尽きかけていた。その胸の内には、薔薇の園で見た一瞬の幻としてリャナン・シーの姿が焼き付いている。終わりが訪れる前に、惹かれ合う二人をひと目だけでも会わせたい。そう強く願うチセは、彼らの為に出来る事をやろうと決意する

16. There is no place like home.
行き過ぎた魔力の行使に悲鳴をあげるチセの体。チセの傷を癒やすため、エリアスは彼女を抱えて妖精の国へ向かう。ティターニアは問う。人の世で疎まれ、魔力に耐えられぬ愛し仔と、人の為りそこないと謗られる茨の魔法使いが、なぜ人の世に居続けるのかと。魔法使いという人と交わる生き方をエリアスが選んだ理由とは。

17. God's mill grinds slow but sure.
野山は雪をまとい、旧き女神と神獣が森を闊歩する最も昼の短き頃。クリスマスが近づき、活気づくロンドンの街で再会した魔法使いの弟子と魔術師の弟子。大切な人のためにプレゼントを選ぶ二人だが、何を贈ればいいものか、見当すらつかない。一日を共に過ごし、チセに心を開いたアリスは、レンフレッドと出会った頃を語り始める。

18. Look before you leap.
「弟なんていらない!」少女ステラが口にした心にもない一言は、恐ろしい出来事を引き起こす。弟イーサンは消え、父も母も弟のことを忘れた。イーサンを覚えているのは言葉を発したステラひとりだけ。弟を探すステラと出会ったチセたちは、灰ノ目が仕掛けた遊びに巻き込まれる。

19. Forgive and forget.
チセと友達になったステラは、すぐさまエインズワース邸を訪れた。彼女の子供らしい率直さが、チセには少しだけ眩しい。だがステラが来た直後から、エリアスの様子が落ち着かない。彼はその身を獣のような姿に変えると、逃げるように駆け去った。エリアスの中にまた新たに芽生えたもの。それは痛みにも似た、自分では抑えがたい感情だった。

20. Any port in a storm.
それは夢の中の出来事。しかしチセは確かに彼と会い、言葉を交わした。チセたちがカルタフィルスと呼ぶ魔術師と。そして彼の中で彼と共に在る、何者かとも。竜の国から連れ去られた雛たちを取り戻すべく、学院の魔術師たちと競売場に向かったチセとエリアス。希少な竜の雛を欲する者たちの熱狂が最高潮に達したその時、人間は自らの愚かさを知ることとなる。

21. You can't make an omelet without breaking a few eggs.
空覆う巨影。渦巻く炎の息。生きとし生けるものの恐怖を形にしたかのような古の姿を取り戻した竜は、ロンドンの空を舞う。だがチセにはそれが、戸惑う幼子のように感じられた。チセは竜の背に乗り、彼の魂を鎮めようとする。しかしその代償は大きく、彼女の身に異変が起こる。

22. Necessity has no law.
草色の蝋燭の灯り。塩入りの林檎酒。ローズマリーの枝と百合の花。それが秘密の集いに加わるための招待状。竜の呪いを解く方法を求め、チセとエリアスは古今の呪いに通じる魔女たちの集会に同席する。そして茨の魔法使いは立ち返る。命を繋ぐには、別の命で贖う他はないという真理に。

23. As you sow, so shall you reap.
たとえ自分のためだとしても。自分が求めていた答えが絵空事だったとしても。その人が為そうとしたことは、裏切りに他ならなかった。不死と噂される魔術師はチセに取引を持ちかける。彼がチセの眼前に差し出したもの、そして求めた対価とは――。

24. Nothing seek, nothing find.
人為らざる者の好意は必ずしも人のためになるとは限らない。自明だったはずの事を、己の身と魂で識ることとなった茨の魔法使いは独り荒れ野を彷徨う。ならば、人の好意は人ならぬ身に何をもたらすのか。救いを求めた者と、救おうとした者。カルタフィルスとヨセフの旧き記憶をチセは幻視する。

25. Live and let live.
この国に来て関わった大切な人々と妖精たち。彼らの力を借り、ついにチセは不死の魔術師と対峙する。ふたりの魂を苛んできた痛みや苦しみは、どこか似ていた。苦痛から逃れるために、一方はいつしか己の身を顧みなくなり、もう一方は他者を生贄にし続けた。その繰り返しに果てがないことを今のチセは識っている。少女の想いは、逃れがたき連鎖にひとつの区切りをもたらす。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Beauty and the Wizard

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
なかなかジャンル分けの難しいアニメ。

ダークな雰囲気漂うファンタジーものだけど、メインは心理描写と、異形との恋愛。そういう意味で大別すると、「美女と野獣」系なのかなと思い、こんなレビュタイにしました。べ、別に格好つけてるわけじゃないんすよ(汗)

作画はかなり綺麗で、ファンタジーに格を与えていました。(1期、2期共に)OPも、何かを決意するような、願うような力強い歌で、作風にぴったりで素敵でした♪

ただ、テンポがかな~りゆっくりで、中盤は魔法にかけられたように、眠くなっちゃうかもしれません(汗) でも、そこを乗り越えてほしいとオススメできる作品です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
異形を観ることが出来き、且つ、異形に好かれてしまう体質から、悲劇的な人生を送ってきた羽鳥智世。

彼女を嫁として弟子として実験台として「買った」(悪魔のような外見をした)エリアスとの、ゆったりとした恋愛ストーリー。

しかし、(少なくとも本作でアニメ化された部分においては)単なる恋愛モノで終わらなかったのが良かった。

これは、智世が自らの足で進む方向を決め、生きることを決意し、世界が美しいと感じられるようになるまでの物語。

5話や8話は、とても重く、悲劇的な死が描かれていた。その時点で智世は、他者の死を悲しみつつも、どこか(死に)惹かれている様子だった。

しかし、エリアスとの仲が深まり、「どうでも良い」ことがなくなっていく。(それが何に対してでも)「執着」とは、「生きる意思」だ。

「生きる意思」なんて、良いように聞こえるが、一方でそれは「エリアスへの依存」にもなっていく。「相手にとって都合の良い女でいるのが楽」なんて、なかなかアニメでは描かない部分だと思う。

そんな日々を送るなかで、ルツやアンジェリカ、リンデルらと出会い、少しずつ、世界の美しさを知る。あくまで、少しずつ。

12話で、智世は杖を作ったことにより、世界の本質と繋がる。ネヴィンとの会話により、自らが父や母らから愛されていたことに気づき、これまでのしがらみから自由になる。

ラストに、主題歌にのせて空を飛び回る智世の姿は、実によく自由を表していた。また、これまで通りの世界を美しいと感じられるようになった智世には、素直に感動した。

これはやっぱり、前半のダークな雰囲気があってこそ生きる最終回だったと思う。

あとは、原作でどうかは知らないけれど、途中途中に挟まれるディフォルメ絵やギャグ展開が凄く良かった印象。暗い作風の中、一種の清涼剤としてうまく機能していたと思う。もっと多くても良いくらいだと思う。

本当はこの作品には、「なぜか頭の上に乗っかってる可愛らしいマスコットキャラ」がいた方が良かったとは思う。せっかく面白い世界観やストーリーなのに、それに浸る前に(私含め)「疲れちゃう」人がいるのは、そういう「息抜き」が少ないからだと思った。

、、、って、2クールだったんか~い(笑)! いや~あまりにも良い12話だったんで、てっきり最終回かと(笑)

さて、2クール目だが、作品は益々暗い方向に進んでいく。

知世の身体は徐々に蝕まれていき、相変わらず、様々な陣営が知世を付け狙う。

そんななか、1クール目ではわりと「大人」として描かれていたエリアスが、実はただの「子供」であり、人間とは異なる価値観のもとで動いていることが分かってくる。その部分の、「通じあっていたと思ってたのが、ただの勘違い」だった切なさや不安感が、2クール目の見処となっている。

終盤は、完全にカルタフィルスとの決着をつける流れに。カルタフィルス、完全に悪役ではあるけど、確かに可哀想な面もあるよな。たかだか石投げたくらいで、2000年間も許されないなんてな。神様も、心が狭いw

最後はかなり綺麗だったかな。腹を貫かれながら、敵を抱き締めて子守唄を歌うとか、ドシリアスだったけど、死ねないカルタフィルスの呪いと、必ず死ぬ知世の呪いの力が相殺し合い、子守唄で眠るカルタフィルス。まあ、その程度でなんとかなるんだったら、カルタフィルスも2000年の中でなんとか出来たんじゃないかと、思わなくもないけれど。

んで、とりあえず中ボスを倒し、結婚式エンドは素敵でした。最後に思ったのは、知世は「夫」よりも「家族」を欲していて、エリアスは、「妻」よりも「母」を欲しているような気がしました。今のところ。それが、徐々に本物の恋愛感情に育っていくには、もう少し時間がかかるのかな? なんて思っていました。にしても、最近、涙腺が(笑)

とはいえ、やはり一番のクライマックスは、12話でしたね。2クールのこの暗い話のオンパレードは、流石に疲れました。2年後とかでも良かったかな。ホントは、16話みたいな平和な日常回が、もう少しあっても良かったと思います。

まあとにかく、よくは分からないけど、高級感があり、深そうな、本格ファンタジーのような、何かでしたw

あ~、我が家にもシルキーがいてほしい(笑)
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
これは、智世が自らの足で進む方向を決め、生きることを決意し、世界が美しいと感じられるようになるまでの物語。

友愛、恋愛、家族愛。これまで得られなかった様々な得る知世。その中で、世界を美しいと感じ始めます。

深い物語ですが、終始重いので、もっと息抜き回やゆるキャラがいても良かったかもしれない。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
顔が骨で、エインズ様(笑) ちょとディフォルメw なかなか独特の世界観が面白かったけど、これって少女マンガ的?

2話目
人身売買。たとえ打算だとしても。魔法と魔術の違い。他力か自力かということ以上に、魔術はあくまで物理法則に縛られ、魔法は物理法則を無視できる、ということかな。重く暗い作風の中に、音楽とディフォルメが効果的。ハニームーン、ハネムーンね。

3話目
ドラゴンの里か。ハリウッド並みに金をかけられるなら、実写化してほしいな。還る、ね。これ、かわいいマスコットが必要なアニメだと思う。

4話目
猫の国、行きたい(笑) 飼い主が子供みたいなもん。影を叩くなよw

5話目
自由を、望むとは限らない。これは酷い話だな。グロいし、悲劇。ラストに救いがあったのが、せめてもの救いか。死の先、死に様、それが多いな。

6話目
おっ○いの作画、独特だなw 垂れてるからこぼれそうだw キリ○ト教批判w ややデレてる(笑)

7話目
そうそう、この展開だよ。絶対かわいい(マスコット的な)キャラは必要だよ。ブラックドッグ、、、ヘルハウンドか。会話と会話の間が長いから、ストーリー的にはあまり進まないな。

8話目
夫公認の浮気w 魂で繋がった相棒と、キメラとして使役した相棒との対比か。カルタフィルスにヨセフか。キリストをビンタして不老不死になり、悔いを改めてヨセフになったという人ですね。

9話目
ショーケースに写る風景、すげぇリアルだな。依存。あんまり良い子でいるんじゃないよ。ハンマー(笑) みんなに嫌われ、雑に扱われるサイモンが笑えるw なかなか素敵な恋愛話2つ。良い回だった。

10話目
マントというか、どてら(笑)? 都合の良い女でいることが楽、、、ということかな。回想。最近観たこともあるけど、「精霊の守り人」に似てるな。

11話目
とても優しく、美しい回だな~。エリアスも子供か。なるほど。

12話目○
そこなんだよね。智世の母さんは、結局、智世を殺すより、自ら死ぬ方を選んだんだよね。ラストに、これまで通りの世界を美しいと感じられるようになったんだね。

13話目
って、2クールだったんか~い(笑) ちょっと二人が前進。ちょっとね。不思議で、美しく、平穏な日々。まあ、悲劇への序章だろうけど。

14話目
人狼の件、意外と早く終息したな。ジョエルの件、切ないな。これは、(男女逆だけど)智世とエリアスの未来の姿でもあるのかな。

15話目
チェンジリングね。色々出てくるね。それを人間界でやると安っぽくなるけど、妖精界だからこそ成立する、素敵な治療法だね。バンシーの存在理由。妖精って、何かの為に生きているのかな?

16話目
平和な回だな。女子会(笑) 珍しく、少しだけ明るかったw

17話目
家族の定義。灰の目、魔法使いらしい魔法使いだな。言葉は大切に。

18話目
ムカつく奴は最後までムカつく(笑) まあ、日本人は、童顔だしねw 忘れがちだけど、エリアス、基本的に人間じゃないしね。精神構造や思考回路も。独占欲かな。それを愛情ととるなんて、怖い怖いw エリアス、子供か(笑) 自分的に、人間の感情で一番理解できないのが、嫉妬。これはガチで、多分私は人生でガチの嫉妬を抱いたことがない(ちょっと羨ましいな~くらいはあっても)。他人に興味が薄いとも言えるけど。やっぱり、たまにコメディ挟み込むの、大事だよね。

19話目
サブキャラで世界を広げていく展開が続くね。いやいや、グロいって(汗) ジョニーウォーカーのブラックラベルか。苦手な酒だな。カルタフィルス、さ迷えるユダヤ人か。下ネタ、珍しい(笑) 道程。闇堕ち?

20話目
ドラゴンの呪い。知世の誕生日知らず、家事達人のシルキー、ショック(笑)

21話目
知世を助けることが、生きる目的となった、エリアス。生け贄? 魔法も現実の一部。知世パンチ。

22話目
オッドアイにちゃんとした理由があるアニメも珍しい。こういうの(スレイベガ)って、専門の機関が守ってくれたりしないのだろうか? 情報がないって、怖いな。これは、超シリアス。母親、辛いよな。変に美化せず、リアリティを残しているしね。

23話目
森を破壊すると、城戸に殴られるぞ(笑) 妖精の愛し方、、、。確かに、石投げたくらいで2000年以上呪われたらな。

24話目
ガチガチのシリアスだな。腹を貫かれながら、敵を抱き締めて子守唄を歌うとか。まあでも、救いがあるオチだったかな。その後、ややコメディを挟んだのは良かった。このバランスだよね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 38

89.3 3 2017年度のファンタジーアニメランキング3位
ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (852)
5117人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
----------------------------------------------------------------------------
  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

苦手だった人への劇場版

原作未読


略称がそこそこ知れ渡ってる数少ないやつのひとつ。“ノゲノラ”の劇場版106分でございます。
TV版の当方評点は3.6点。説明するとやや“つまらない”寄りの“普通”な出来と評価しました。あにこれでの高評価と比して低めです。元ネタ好きかどうかは指標の一つとなるためご参考まで。

棚ぼたでTV版と少し空いての劇場版を再放送しててそのまま流されてみました。「TV本編より劇場版のがいーよ」とのご推薦も念頭に。やや視聴にあたっては前のめりではなく、往々にしてこういう場合いざ試しても上方修正することは稀なんですよね。

結果、、、TV版から上方修正します。
理由は後述するとしてまずは概要から。一言でTV版の“前日譚”です。『○○(作品名)ゼロ』と銘打たれると鼻の利く方はタイトルだけで察することが出来ましょう。前の話か後の話かだけでもイメージ湧いてれば迷子にはなりづらい。ただ『 』(くうはく)兄妹らのではない別の昔話というのは少しばかりやっかいです。

次に中身。これも端的に“創世記”ということになるかと。前日譚としての創世記ということになりましょうや。あのゲームでなんでも決まる独特な世界の成り立ちのお話。
{netabare}盛大なる勘違い。主役二人リクとシュヴィの声がそれぞれ松岡さん茅野さんで、キャラ見た目の違いはアバターだからかなくらいかと、しばし『 』(くうはく)兄妹がまた違った世界で奮闘してるのかしらん?と思ってました。どうやら違うと気づいたものの終盤のネタばらしまでもやっとしてた私です。{/netabare}

TV版との繋がりはあるけれど独立したエピソードとして起承転結しっかりしてる106分です。そのため視聴順がTV版と前後してもそれほど弊害はないと思われます。
そしてこの起承転結しっかりした独立エピソードというのが上方修正の理由となります。なお

 ヒキコニートが謎の万能感で無双するのが苦手

いかんともしがたいTV版での苦手要素が一切ありませんでした。ヒキコ兄妹出てこないので当然ですね。当方の偏屈なバイアス抜きで作品に向き合えたのが大きいです。雑味が無くなれば物語に没入できますし映像など演出面では実績あるわけで問題ありません。
ヒキコ云々は作品評価というより自分の趣味志向みたいなもんで、こんなん堂々と言うのもアレでしたが、数少ない!?TV版イマイチ勢でも大丈夫じゃね?な良作だったと思います。



※ネタバレ所感

■感想
 マイナス要素が無いからといって面白いとは限りません。もちろん加点要素ありましたよ。
{netabare}“心を知りたい”シュヴィは欠陥AIみたいなもんという理解でいいんですかね? 
その後2018年冬クールで“愛してるを知りたいのです”なのと仲良く覇権を分け合った化け物アニメを制作したスタッフらの作品というのもなかなかパンチが効いてます。
さておき、本作での欠陥AIが心を知っていく作業って全く空(カラ)の容器に学習内容を入れてくことではなく、概念がない/演算できない状態から適正化していくことを意味してたわけですが、これ似てるようで全く違うんですよね。前者だとカウンターパートは教師役となります。後者だとパートナーと化します。パートナーであるから互いにすれ違いも生じるわけで、当然感動を生むとしたら後者となります。そして前者で同じことやろうとして失敗する作品は枚挙にいとまがありません。本作はきちんとお作法をわきまえており失敗とは無縁でした。{/netabare}

{netabare}それでもって長寿命のほうが先に果てる展開が個人的にはツボでした。驚きと言い換えても良い。
長寿命側が見送るからこそ両者の埋めがたい溝に心千々に乱れる!みたいな様式美を踏襲しなかったのです。しかもコンピューター的彼女が不合理な選択をしたというのが味わい深い。ご存知プログラムは演算できなければエラーとなります。彼女の最期って本来エラーとなるところに解を見つけて無理やりにでも動かしきった感がありました。Y or N の高速演算しながらの“らしい”描写から揺らぎが生じ処理しきれなくてABEND起こすか?と思ったところを突破するの胸アツです。そこで「リク。私“心”を知ることができたよ」的なセリフは一切なし。
セリフではなくバトルの中身で雄弁に語らせる。{/netabare}

無機物と人間との関係性ではお作法を守りながら、オチで変化をつける見事なお手前でした。
バイアスで迷子になりかけたことを除けば文句はありません。
松岡さんの苦悩する演技はもはや名人芸の域ですね。作品をしっかり底上げしてました。
あ、映像について抜けてました。えーと、、、良かったです。


■ビール好きヲタクに捧ぐ

{netabare}命名タイムでリクから「長いから短くしろ」とダメ出しされた素案“シュヴァルツァー”。短くまとめて“シュヴィ”に落ち着いたのでした。
まとめる前の“シュヴァルツ”と冠した海外銘柄ありますよね。なんなら国内地ビールでもたまに見かけます。えぇ黒ビールのことです。広い世の中ギネスだけではありません。でもむしろ馴染み深いのはヴァイスビア(白ビール)だったりするのかしら?
いずれにせよ黒ときたら「あー白ね」と11歳不登校児を想像するのに時間はかかりませんでした。配信専用勢ではなく地上波でもアニメ観てるならブシロードCM『ヴァイスシュバルツ』を一時期ヘビロテしてたの覚えてるヲタさんも多いことでしょう。よって馴染み深い。対する男も空(ソラ)に対してリク(陸)ってことねと早合点するのにこれまた時間はかかりませんでした。{/netabare}

空と白の話だと思ってたんだよなぁ(しつこい)。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

願ったのは、共に生きること…。

テレビでアニメ本編が放送されたのが2014年の春アニメ…
当時、この作品を視聴した際、続編の制作を激しく渇望したのを覚えています。

ただその時、著者である榎宮祐さんが手術後の予防治療中とのことだったので、無理はできないなぁ…と思っていましたが、しっかり復活されていたんですね。
小説版、漫画版ともに既刊の数が着実に伸びているのが実感できるのは嬉しいことです。

だから、頭の思考回路は続編のことばかりでしたが、まさかこんな形でこの作品と再会できるのは思いませんでした。
劇場版の上映は2017年の7月で、アニメ本編の放送から約3年が経過しています。
それでも、この物語は全てがゲームで決まる現在よりはるか昔の出来事が描かれているんです。

その頃のこの世界は、世界の唯一神を決める争いの真っただ中で、絶対に殺生が行われない今とはまるで真逆の世界…
それだけじゃありません。
その争いを行っているのはエルフやドワーフ、或いはフリューゲルといった圧倒的破壊力を持った種族たちなんです。
そんな中、人類は立ち向かう力どころか自分の身すら守る力もなく、次々に仲間が命を落としていました。
どんなに身をすり減らしても人類の圧倒的劣位の立場は揺るぐことが無く生きる事に疲弊していた、と言っても過言では無かったと思います。

だから人類の残された選択肢は一つだけ…
小さな穴ぐらで身を寄せ合いながら、悩んで迷って苦しんでの堂々巡り…
だって人類が選択するということは、仲間の命の犠牲に直結していたから…

そんな人類を統率していたのは、リクという若き青年でした。
きっと一番心がすり減っていたのはリクだったでしょう。
みんなの安全を…人類の明日を守るために彼は周りに対して非情であり続けなければいけませんでしたから…
でも、そんな心の底から非情になり切れるほど、リクは人間が出来ていませんでした。
当たり前です…もしそんな人がいたら、きっとその人は人間の皮を被った何か…なんでしょうから。

そんな中、リクはエルフの領内で「機凱種(エクスマキナ)」の少女・シュヴィと出会います。
彼女は人の心を知りたいという好奇心から機械で居続ける事ができなくなり、仲間から廃棄された少女だったんです。
リクたちは人類以外のあらゆる種から蔑まれ、奪われ続けてきました。
だからこの少女も当然敵…の筈だったんですが、あまりにも機械っぽくない言動と、リクの思惑とが交錯し、物語は意外な方向に転がっていくことになるのです。

最初は接点なんてどこにも無かった…
だから言葉も頭の理解もすれ違いばかり…平行線の一途とはきっとこういう事を言うのでしょう。

でもこの作品の本気はここからです。
最初の兆候は平行線の一途に変化が訪れたこと…
片方は機械で片方はにっくき敵であることに変わりありません。
それでも変化が訪れた…
相手の気持ちを汲み取り素直に思いを伝える機械と、どんな時でも寄りかかれる場所の存在に人が気付き、その結果互いの中で互いの存在が昇華したから…
どちらか一方だけの変化じゃ絶対に平行線は交わりません。
ここに行き着くまでに時間は必要でした。
でもお互いが接点に辿り着いたこと…これこそが二人にとってとても重要なことだったんです。

そしてここからは…もう涙無しでは見られません。
二人の選択したゴールは遥か彼方…
そのゴールに向かって共に歩んでいくことを誓った二人…
だから決めた通り二人で手を取り合いながら一歩ずつ進めば良いのに…

だけど相手を思う気持ちが先行して…良かれと思ったのに…こんな思いってきっとみんな経験していると思います。
だって、例えば最愛の人が風邪で熱を出したら心配するし、何か出来ることを率先しようとするじゃないですか…
二人の出発点もこんな感じで始まったんですけどね…

シュヴィのなりふり構わない様相と心の叫びが胸に突き刺さります。
リクと交わした約束を心の中で何度もなぞりながら忠実に守ろうと懸命なシュヴィの雄姿に私の涙腺は全く抵抗できませんでした。
ホント…シュヴィ…凄かったですよ。
ここまで思えたのも全てはかやのんのおかげ…流石としか言いようのない完璧な熱演だったと思います。
そして凄いのは、その後のリクも…でしたけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

キーワードは、エメラルド色に輝く石…
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語の正体が隠されているかもしれませんよ。
どこまでも儚くて…でもとても優しい物語に昇華してくれた大切なアイテムだったと思います。

テーマソングは、鈴木このみさんの「THERE IS A REASON」
この作品の余韻に浸るにはこれ以上ないマッチングだったと思います。

110分弱の物語でした。
いやぁ…月並みですが視聴して良かったと本気で思える作品でした。
いしづか監督並びに制作スタッフの皆さま…メチャメチャ堪能させて頂きました。
本編も勿論大好きでしたが、この劇場版を見てこのシリーズを「お気に入りの棚」の一作に加えさせて頂きたいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

80.6 4 2017年度のファンタジーアニメランキング4位
ロクでなし魔術講師と禁忌教典(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (931)
5075人が棚に入れました
魔術と科学が共に発展した世界――ルヴァフォース。
魔導大国・アルザーノ帝国の南部に位置する「アルザーノ帝国魔術学院」はこの世界で最先端の魔術を学べる最高峰の学び舎である。
およそ四百年の歴史を有するこの学院は魔術の道を志す全ての者の憧れであり、学院の講師や学生たちも自信がその輩であることに誇りを抱いている。

この由緒正しき学院に突如として赴任してきた非常勤講師、グレン=レーダス。
「お前らに、本当の魔術ってもんを教えてやるよ」
《ロクでなし》と呼ばれるこのオトコの破天荒な授業が、今はじまる。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、藤田茜、宮本侑芽、小澤亜李、高橋広樹、喜多村英梨
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ワルブレ難民救…ならず

2話までの感想
{netabare}学校の制服が可哀想すぎて辛い、これ年頃の女子には拷問じゃなかろうか、ってのが第一印象。
主人公は教師を辞めたくて仕方ないので無気力なのはさもありなん。
それでいて褒められると悪い気分じゃないってのもさもありなん。
ってことで自分は不思議とイヤミを感じませんでした、ロクでなしと謳ってるのに。
ここら辺は気を使ってるのかねー?
まぁそんなことよりも、ですよ。
学園にテロリストですよ、奥さん。
もう笑いが止まらん…これ、結構面白いかも知れない。{/netabare}

8話までの感想
{netabare}学園にテロリストの次は競技大会!
ここまでテンプレで迫るとホント潔いっていうか…他の方も書かれてるけど、伝統芸能だか無形文化財だかで“やり続けることに意味がある”って作品なんじゃなかろうか。
やんごとなきお方がクラスメイトってのもテンプレよなー。
「なんで処刑するために木に縛り付けるの?」や「正体隠すためにお土産屋に扮してたのに店そのままに立ち去っていいの?」など、突っ込みドコロを入れてるのもワザとなのかも知れない。
でもってお次のテンプレ展開は…リィエル登場で、あ、コレ強化人間ネタか。
戦闘力は高いけど精神が未熟ってヤツ、なにかに依存しててそれ以外の価値観に揺さぶられるってヤツ。
いやぁよくここまでテンプレネタ引っ張ってくるもんだなぁと感心。
更には人口呼吸、笑い殺す気か!
ってかそのネタ入れるなら海水浴も兼ねた社会見学だったんだから普通にそこで溺れたにすればいいのに、この無理やり感はやっぱりワザとだと思う、ギャグとして。
もうグレンは剣刺さったまんまピンピンして動き回らせた方が良かったんじゃないかな?ブラヴォみたいに。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}↑の感想で強化人間ネタと書いたが、自分が思い描いてた以上にプルツーしててビビった。
雑誌や公式の予告や原作のネタバレとか一切見てませんぞ?ホウトウデス。
スゲーよまじで、ここまでテンプレに徹するか。
あれ?でも前回人口呼吸がどうこうってのは引っ張ることなくアッサリスルー…今後そのことに触れるのかな?
というより、原作未読でありながらアニメは物凄く急ぎ足だと感じる。
強化人間ネタも本当はもっと時間をかけて心のうつろい様を描くべきだろうに…急展開過ぎて唐突感が否めない。
クローン姉妹を倒すシーンだって凄惨なBGM流してお涙頂戴な方向に持ってくこともできたハズ。
恐らくクライマックスには世界の存亡に関わる大事件を持ってくると思うので、そこまで話を進めなくてはならないとアニメは急いでるんじゃないかなー、と思ったり。
まぁそこら辺も「展開はえーw」「傷治るのはえーw」「あんな血まみれの部屋見て信じて待ちましょうってww」とギャグとして解釈できる逃げ道を用意してあるのはスタッフの手腕かと。
ここまでテンプレ全開で来ると次どんなテンプレが来るのか楽しみではあるのだけど、ちゃんと伏線を回収するのであれば生徒達が一丸となってグレンのピンチを救うってネタが来るハズだが、果たして…。{/netabare}

12話までの感想
{netabare}↑でも書いたように、最後は「世界の存亡に関わる大事件を解決」&「生徒一丸となってグレンのピンチを救う」を予想してましたが、最終回手前の11話でクラス対決を済ませてしまったのでそっち方向にはならないと悟りました。
おや?じゃあ最終回はどんなテンプレネタを突っ込んで来るんだろ?と思いつつ(テンプレネタ入れてくるのは確定扱い)12話を見たら…。

卒業ネタキター!!!!

くっそw思いつかなかった、終末~でヒント出てたのに。
婚約者ネタが出た時点で気付くべきだったか?まさか結婚式挙げるとは思わなかったよ。
それ以上に、その…今の時代「使い古されてそのネタをやるのは勇気が居る」系だと思います、卒業ネタって…ドラクエ8以降なんかあったっけ?
それをやる勇気、すっごいなぁこの作品…。
白猫の両親はどうしたとか突っ込み所を残してあるのはやっぱりワザとか。
というか、もしレオスが本物のままであるなら最大目標は名家?との結婚なので、参列者には国のご歴々を呼ぶハズ→実際はそうじゃなかったので式は急遽行われたもので、レオスも本物じゃないかも?
と匂わすシーンだと思うのだが、なんかアッサリ流しちゃって勿体ないような…尺のせいか?
他にも、グレンは対レオス用に隠し玉(有刺鉄線や菜箸)を準備しといたけど天使の塵中毒者を相手するため(予定外の出来事)に手の内を明かしてしまった!、ってのももうちょっと強調して描いた方が良かったかも?
前回からの“引き”に係わる部分だし、作中描写じゃグレンは勝機ナシで挑んだかのように見えちゃいそう…やっぱり尺なのか?

そんな「どうしてこんなに急ぎ足なのだろう?」という疑問も最終話で解決。
ああ、ワールドブレイク…じゃなくてアカシックレコードっでワードが出るところまで進めたかったのねー。
原作有りのアニメで出来の悪いのがあった場合、犯人は「原作」「アニメスタッフ」「アニメ化しようと決めたヤツ」のどれかに絞られるものだけど、これは…誰も悪くないね。
これを2クール枠でやるってのはまず無理だもんねぇ…やられてもこっちも困るし。
まぁでもラスボス逃走エンドってのは最悪のオチだったかな?ISUCA見てるのかと思った。
ここはアニオリ展開にしてでもスカっと一区切りできる終わり方にして欲しかった。{/netabare}

総評
{netabare}「次はどんなテンプレ展開が来るのだろう?」と予想したり「そのネタやっちゃう?」と驚いたりしながら見るのが楽しい作品でした。
使われたテンプレもラノベのあるあるネタから始まり、ラストは創作物全般にまたがるあるあるネタ(卒業)を突っ込み、原作からしてそうなのかアニメスタッフによるものなのかは不明だけど思い切りの良さは評価したい。
とはいえ、こういう作りって既存作品の知識に胡坐をかいて斜に構えたもの、というのも忘れてはならない…かと。
悪く言ってしまえば寄せ集めのパロディ作品だし、人によっては既存作品を揶揄ってると捉えかねない。
当然作ってる側もそれは承知してて、そこはギャグ寄りってことで「笑って許して」が適用されるようにしてるのは流石というべきか。
(シリアスぶったパロ作品は辛くて適わん)

ラノベテンプレを順手にとったギャグ作品としては“聖剣使いの禁呪詠唱(通称ワルブレ)”が思いつき(このすばは逆手※)、この作品はそれ系統かな?と思ったけど微妙に違いました。
ワルブレはテンプレもさることながら「思い出した→処刑用BGM」で勝利確定という天丼ネタを構築したのに対し、こっちは作品独自の天丼ネタは無し。
毎回ヒロインが攫われるってのを天丼にするのかな?と期待もしたのだけど…。
また、ワルブレはクライマックス用に「原作者も知らない竜」をアニオリで用意したのに対し、こっちはラスボス逃走というガッカリな幕引き。
面白さで言うとワルブレのほうに軍配が上がってしまいますね、あくまでアニメだけで評価した場合ね。
結論としては「惜しい」かと。
あ、それと女生徒の制服は最後まで慣れることができませんでした。
そうさなぁ、10話でルミアが攫われて電流?だか流されるシーン、あそこ電流じゃなくて紐をひたすらペチペチする拷問だったら良かったかも?


※順手と逆手
展開予想に対し「そう来ると思った?そう来ると思った?」→「ハイその通りです」ってのが順手。
「そう来ると思った?そう来ると思った?」→「違うんだなぁ」というのが逆手、かと。
お約束を守るのが順手、破る(皮肉る)のが逆手…って解釈してます。
あくまで個人的なものだし、どこまでを展開予想とするかも曖昧なのでこの場だけでの使い分けです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

こうへい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ろくでなし無免許講師です。テンポもオチも毎回良いです!テンプレ具合も満点です(笑)

あらすじ
アルザーノ帝国魔術学院に赴任した非常勤講師であるグレンは授業もせず居眠りばかりのロクでなし。
優等生のシスティーナはそんな彼に耐えきれず「まともな教鞭」を求めて決闘を申し込むことに・・・。


いやー、待ってたよ!久しぶりのコテコテのテンプレアニメ!
深夜アニメ黎明期のあかほりさとる先生の作品を彷彿とさせるなつかしい雰囲気です。
第1話から女子更衣室で百合展開や期待通りのお約束展開があったりと・・・。しかし言及してくるとは、ちょっぴり新しいですねww
ニートになれなかったので、しぶしぶ講師に就職を決意しました。(どっかのラノベタイトルみたいですね(笑))
非常勤講師になるまでの彼のかわいそうな過程も必見ですよ!
はたして2話はまともな講義が始まるのか?テンプレお約束でなぜかヒロインが主人公に落ちてたりするのでしょうか?
どこかの素晴らしい世界のクズマさんとも違うタイプのクズっぷり(笑)
主人公がショボイ!大事なところもしっかり押さえられていて丁寧なつくり!これは面白いです!!

何気に一番キャラが立ってる眼鏡君は毎回出てくるのでしょうか?そちらも期待したいです(笑)


第2話を視聴して、本を釘で打ち付けるところから開始です。
さすがはロクでなし講師ですねw今回もまじめに講義をするつもりはないようですww
魔術に対して良く思っていないグレン先生。彼は過去に魔術で故郷でも滅ぼされたのでしょうか?今のところ彼の過去について語られていないので、これから語られることを期待しましょう!

そして、第2話でもあの眼鏡君にセリフがありましたよwwいやぁ、彼には毎回出てきてほしいですねww
やっとPV詐欺をしていた箇所に今回でつながりました。三節の呪文が四節になるとどうなるか?A:右に曲がる
今回の呪文詠唱改変のくだりは、TVゲームの「ルドラの秘宝」を思い出しました。あのゲームでは自分で魔法を作ることができて魔法に名前を付けることで効果が異なるというものでした。
さて、話が横に反れましたが戻しましょう。
グレン先生曰く、魔術は深層意識の自己暗示とのこと。なんと適当な呪文でも魔術が発動するというものでした。しかし、威力は通常よりだいぶ劣る模様です。

第2話にしてロクでなしがロクでなしでなくなってる!?
なんか最近CMでよく見るリスニングの力が向上するCMを見ているかのような講義でしたw
グレン先生、本気を出すとちゃんと講義できるんですね。学生時代にこんな先生に出会いたかったですね。

そんな中、暗躍する影が・・・。
さあ、みんなお待ちかねのズドンさんの登場です!見た目はザコそのものなのですが、魔術使いとしてはある程度実力があるようです。なにせズドンなんていう適当な呪文にもかかわらずそれなりの威力を誇っていましたので。
そして、メインヒロインの今日付けている下着の色を教えてくれるだなんて、なんて良い人なんだww
そんなメインヒロインはズドンさんに落ちました。あれ?お約束で主人公に落ちるものと思っていたらそっち?ww
そうこうしている間にさっそうと登場するグレン先生。やっぱりチート持ちのようです。
ズドンさん、ありがとうございました。最大級の感謝を(`・ω・´)ゞ
なお、ズドンさんについては原作での立ち絵はなく、マンガ版の絵がそのままアニメに引き継がれたそうです。

ノリノリで講義したり、終盤のバトルもスカッとしてよかったですね。グレン先生のことをクズだと思っていましたが今回で人間くさいところも見れて好感度が上がりました。



「ズボンがドーン!」第3話はこれに収束されます(嘘です笑)
意外な人物が今回の騒動の黒幕でした。しかし、今回の騒動は一旦は解決したものの、あとに引きそうですね。
そして、OPが初解禁です!OPカッコよかったです!


第4話にて、「魔術競技祭」が始まることに。学園ものではおなじみのお祭り会ですね。
今週の解説であるメガネくんやるきないぞー(´・ω・`)それでもメガネくん好きです(笑)

金欠で給料の前借って、やっぱりロクでなしですね(笑)
でもグレン先生はそんなにお金を使うようなイメージがないのですけど何に使ってるんでしょうか?

「自業自得だ。自分の力でなんとかしろ」
「学院長聞きました!?セリカのやつこれだから困るんすよ!」
「なんで私が悪いことになってるんだ?」
「頭潰れる~!助けて~!ママ~!」

富士見ファンタジア文庫でママというと例の全体攻撃を2回攻撃してきそうなママ(CV:茅野愛衣)が思い出されます(笑)
このネタどれだけの人がわかるだろうかww

システィの未来が不安です。グレン先生とのやりとりにおいて勘違いが・・・w

それにしても、ルミアちゃんの過去に何があったのでしょうか?
今回、途中で回想がありましたが・・・。ここまでの流れでなんとなくあの人が関わってることはわかるのですが・・・。
しかし、グレン先生、必殺の固有魔術ムーンサルトジャンピング土下座で・・・ってwあなた毎回土下座ネタを入れないと気が済まないのかww

そして、前シーズンのタイトルとは裏腹に高いレベルの変態指数を叩きだした主人公がいましたが、本作品でもいましたよ!あれとは違うレベルの高さを持った変態がwwww
舌の動きが変態紳士過ぎますwww舌でレロレロしてる様がキモすぎますwww
学園長、グレン先生より彼のほうをクビにしたほうがよいのでは?
漢ジャイルくんもいいキャラでしたね。彼も今後再登場してもらいたいですね。彼はどっかの学戦都市のレスラーさんに似た雰囲気を感じました。

第4話にして、初めてEDが流れました。PVでは少し聞いていたものの、やっぱりかわいい曲ですね♪
そして、OPには登場している気になるあの子も初登場!彼女がグレン先生にどう関わっていくのか楽しみですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あれ…そういえば禁忌経典って…?

この作品の原作は未読ですが、早くから視聴を決めていました。
藤田茜さんや小澤亜李さんといったお気に入りの声優さんが出演されるのも決め手の一つでしたが、ラノベ原作で実は大いなる力を宿しているとは思えない一見普通っぽい主人公が複数のヒロインに囲まれて、というお約束の設定が好きだからなんだと思います。
似たような設定の作品…これまでたくさん視聴してきましたが、飽きもせず毎回結構楽しんで視聴しているのが何より「好き」の証拠だと思います。

この物語の主人公は、グレン=レーダス…アルザーノ帝国魔術学院2年2組の担当講師になる前は、ずっと引きこもりのニート生活を送ってきた人物です。
引きこもりのニート生活が一変して学校の先生…そのギャップは大きく直ぐに順応できないのは理解できますが、正直着任早々のグレンの生成としての態度は教師としてあるまじき振る舞いでしかありませんでした。
だから生徒の中でも本気で勉強したい人に先生の態度は耐えられなかったと思います。

物語の進展に合わせていい加減だったグレンの態度の理由も明らかになっていきますが、隙あらば引きこもりのニート生活に戻りたい…という欲求は本物だったと思います。

でも世の中ってそんな簡単に楽ができないような仕組みになっているのでしょうか…
結果的に面倒くさい出来事に巻き込まれ始めて…この作品の面白さが加速していくのですが、同時に輝きを増していくのが3人のヒロイン達です。

システィーナ=フィーベル(CV:藤田茜さん)
この作品のメインヒロインに位置する彼女は、グレンの受け持つ2年2組の生徒…
真面目な性格の持ち主で、一生懸命勉学に励んでいるのはどうしても叶えたい夢があるから…
だから中途半端を許さない彼女の振る舞いは、個人的にグッとくるモノがありました。
でもグレンとの事になると途端に色々と面倒な女の子に早変わり…
そこが彼女の魅力でもあるんですけどね…
CVの藤田茜さんは今期大活躍ですね。

ルミア=ティンジェル(CV:宮本侑芽さん)
システィの家に同居している彼女はシスティのクラスメイトであり良き友人です。
何をするにもシスティと一緒…
優しさで出来ている様な彼女ですが、ここぞという時の彼女の芯の強さは折り紙付きです。
そして…システィが持っていないものをルミアは持っている事から時折嫉妬されるのはお約束…
でも完走して振り返ってみるとルミアが物語のキーパーソンだった…と言っても過言ではないと思います。
もちろん自分がキーパーソンである事を彼女が望んでいた訳ではありません。
それで人一倍苦しい思いを積み重ねてきたのですから…
そんな彼女は私にとって目の離せない存在でした。

リィエル=レイフォード(CV:小澤亜李さん)
リィエルもグレンの教え子でしたが、彼女だけ引きこもる前のグレンを知っている存在…
だから彼女だけ他の二人とはちょっと経歴が異なっています。
彼女も辛い十字架を背負って生きてきた一人でした。
一人で背負うのは重過ぎる十字架…グレンや他の二人ならリィエルの背中を支えてあげた事でしょう…
けれど、真っ先に彼女に手を伸ばしたのはグレン達とは真逆の考えの持ち主で、それらは彼女の心の折り方もちゃんと心得ていました…
一番見ていて心の痛んだ存在でした。

この作品のタイトルは「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
「ろくでなし魔術講師」については、それなりに回収できていたと思いますが、「禁忌教典」については、殆ど触れていないのではないでしょうか。
だから作品としては結構楽しみながら視聴できましたが、タイトルがしっかり回収されなかったところに少々物足りなさを感じてしまいました。

オープニングテーマは、鈴木このみさんの「Blow out」
エンディングテーマは、ヒロイン3人組が歌う「Precious You☆」
どちらも通勤途中に聞いている曲です。
個人的には勢いのあるオープニングの方が好み…
可愛らしいエンディングも捨て難いんですけどね…

1クール12話の物語でした。
現在オリジナル版は8巻まで発刊されているうち、5巻までを使ってアニメ化されたようです。
続編はもう少し原作のストックが貯まらないと難しいかもですが、続編の可能性はどうなんでしょう…
これで終わってしまったら販促作品…でもそうなるのが勿体ない作品だと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

93.7 5 2017年度のファンタジーアニメランキング5位
幼女戦記(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2175)
10452人が棚に入れました
統一暦1923年6月。
金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、
部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。
航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は
何事もなく無事に終わるはずだった。

しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。
協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。
戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、
協商連合軍による奇襲が発生し、
ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。
多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、
しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。
何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、
ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。

“其れは、幼女の皮をかぶった化物――。”

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

神と子供と会社員

【追記に蛇足追加  再読には及びません】


一見かわいらしい見せかけの幼女が、圧倒的な魔力で戦場を蹂躙する異世界の戦争。

タイトルに挿入された「the Evil」そのままに、まさしく邪悪の権化として死を振りまく主人公が「幼女」の姿をしているのは、ひょっとすると「妖女」の含意であるのかもしれない。

この無情な戦場に、殊更に非情に君臨する「幼女」とはいったい何なのだろう。



{netabare}といった緊迫感は、早々に「幼女」の中身が現代日本から転生したサラリーマンであることが暴露され、霧散する。

主人公に寄り添って物語を追えば、転生したサラリーマンの異世界でのサバイバルであり、「幼女」であることにほとんど意味は無い。

無常な「世界」の意味を問うような緊迫感の消失は、物語の焦点が主人公に「罰」あるいは「挑戦」を仕掛ける〈神〉と主人公の抗争にあって、「世界」自体が興味の対象から外されていることによる。

この視点の「矮小化」は、世界観の設定と主人公の設定の、二方面から生じているようだ。


神に逆らうというテーマはアニメやラノベでしばしば見受けられるが、何故かキリスト教の神を特権化して「神なるもの」全般を代理させることが多い。

「神なるもの」に運命や制度や抑圧を象徴させて「敵」として描こうとする意気込みに対して、日本社会に根付いているとは言えないキリスト教的な神をわざわざモデル化することで、たいていの場合、実体的な超越者ではなく、顔に「神」と書いた案山子を相手にシャドーボクシングを仕掛けているような、空回りした空想性が目立つことになる傾向があるようだ。

本作においても、罰や試練を与える抑圧者として〈神〉が一面化されているのは、主人公あるいは製作者が、自分の身の丈に合わせて「神なるもの」を切り縮めている結果だろう。

主人公が神を「存在X」と呼ぶのは、ある程度この空想性に自覚的であるのかもしれないが、この「世界」が超越者の創作であるという世界観の意味に迫ることなく、ただ「試練」との格闘だけに物語のスケールは切り縮められてゆく。

そして、このスケール感は、この「世界」に投げ出される主人公の、視野の狭さの反映でもある。


転生前の自分を有能な人材であったと自己認識する主人公は、転生先の異世界においても、現代日本で有効であったノウハウで「有能な」人間に相応しいエリートコースに乗ろうとする。

が、「生前」のエリート性の実態が、有能な「サラリーマン」=株主でも経営者でも無い「使用人」であったことに自覚的ではない。
主人公の考える有能な「エリート」性とは、「ご主人様」に命じられた課題と「ルール」をいかに忠実になぞるかという一点に焦点化されていて、自らがルールを創造して「ご主人様」になるような「有能」性は、視野の外に追いやられている。

劇中の描写からは、どうやら、自分の「死」は「ルール」に記載されていない「敬虔」や「慈悲」という無価値な美徳を欠いた結果、「存在X」に与えられた「罰」であると、主人公は捉えているらしい。
ルールに忠実な「意識の高い」自分が、インチキな基準で断罪されるのは不当であると。

が、普通に観ている視聴者には、「殺される」という事態を招いたこと自体が、適切に職務を遂行できていなかった「無能」の結果としか見えないのだが、自分の姿を相対化できない視野狭窄としか思えない。

この視野狭窄の一面性が、戦争状態の異世界へ放り込まれても平然と「出世コース」を探るという「牧歌的」な主人公の精神状態と、抑圧者として一面的に描かれる〈神〉との抗争という物語の基礎となっている。


極めて人工的な恣意性を感じさせる「異世界」が、それでも不思議に空想的な印象が希薄なのは、この視野の狭い主人公の設定が奇妙な整合性を感じさせるからだ。
「不思議」と感じるのは、どうも、この「整合性」が作者や製作者の計算によるものとは思えない印象が強いせいだろう。


会社員として身に着けた世間知と異常な魔力を元手に「出世街道」を上ろうとする主人公だが、これほどの「武器」があれば既存の秩序(の少なくとも一部)を自分の都合よくひっくり返して、造り変えることも可能だ。
しかし、既存体制での「出世」以外の選択肢は、主人公にはない。

あくまで「ルール」の「外」を発想しない思考様式は、「生前」に執心であったシカゴ学派のネオリベ理論と奇妙に符合する。
「ルール」がすべて=ルールに載っていないことは何でも「許される」というネオリベの世界把握は、ある意味では子供の理屈だ。

人間の行動を律するものは、法律や明文化された「ルール」のほかにも、社会倫理や自己倫理、単なる因習や気まぐれなど多様にある。

が、子供の世界には「ルール」しかない。
定義として、自己の核としての内的倫理や、共同体の社会倫理を獲得するという成長過程の途上にある者こそが「子供」であるからだ。

子供の行動を定めるものは、「ルール」という与えられた枠と、そこからはみ出せば「怒られる」という他律的な基準しかない。
「廊下を走ってはいけません」「上履きで校庭に出てはいけません」といったルールに過剰に敏感で、一歩でも「校庭に踏み出した」生徒を学級会でルール違反者として吊し上げる下らない規範意識は、「子供じみた」態度の典型例として定番だ。
一方で、「座って読んでいるから立ち読みではない」と「ルール」の言葉じりをとらえて「違反」から逃がれたつもりになる猿知恵もまた。

「怒られない」限り何でもしてもいいのだ、という子供の行動原理が、主人公と重なる。
「いい年をして」子供じみている主人公の行動原理は、単一のルールブックに反していない限りどのような競争も正当であるというネオリベ理論「しか」行動律のない反映でもある。
あるいは、「幼女」の外見は、子供じみた内面の表現であるのか。

多様な基準を貫いて自身の行動を決定する「自己」を持つものが「大人」であるならば、単一の基準しか知らないのが「子供」であるとはいえるが、「この基準が絶対で、それ以外は守る必要などない」と強制するのがネオリベ理論であって、この「強制」にさらされていた主人公の視野の狭さには、確かに整合性がある。

実質的な軍事体制下にある「異世界」が、ソビエト連邦を連想させるくせに殆んど抑圧性を感じさせることなく主人公になじんでいるのは、主人公ご執心のネオリベ理論が、ある意味で(ニワトリと卵のように)平時の日常世界に戦時の非常事態性を持ち込んで固定化する原因でもあり/結果でもあるものだからだろうか。
ここでも、現代日本と同じ方法論で異世界を「世渡り」する主人公の描写は、やはり整合性があり、現代日本が一種の戦争状態であると表現されている、かのように見える。


だが、〈神〉のスケールの小ささが、やはりこの整合性が計算の結果であるのかを怪しくさせる。

「死」の瞬間、「敬虔」や「慈悲」の欠如を指摘された主人公だが、本来、それらは人の行動律として異常なものではない。

時には矛盾も衝突もする多様な規範の中から、その時「自分が」どう行動するか判断できるのが一般的な普通の大人であり、大人としての能力だが、シカゴ学派のネオリベ理論とやらの唯一の「ルール」しか所有していないことが、主人公の過剰な反発の根源だ。

「敬虔」や「慈悲」が数千年にわたって人類社会に「生存戦略」として機能してきたことに対して、崩壊が目前に迫っているネオリベ理論は余りにも貧弱で勝負にはなりそうもない。

が、〈神〉は「存在X」に切り縮められる。

「敬虔」を象徴するイコンであるはずの〈神〉は、単に自分の教えに拝跪することを強制し、従わないものに「罰」を与える、「存在X」という抑圧者に一面化されてしまう。

「生存戦略」の人格化であった〈神〉は、信仰心と「引き換え」に恩寵を与える「契約者」のごときものとして、契約を拒むものに脅迫で契約を迫る悪徳リフォーム業者のごときものとして、「存在X」に変貌してしまう。

主人公を超越するものとして登場したはずの〈神〉が、まさしく主人公の子供の世界観に適合してしまう展開は、果たして作中で何が争われているのかを曖昧化してしまう。
自分に従わなければ「罰」を与えると迫る超越者は、外観上は主人公の価値観と差異が無い。
主人公の「罪」を鳴らして「罰」を与える根拠は、互いの力関係の大小というだけで、両者が争うことに説得的な理由を見出すことが出来なくなる。

一見して整合性が生じているように見える「世界」は、整合性と引き換えに、そもそもの「世界」の意味が混濁していくかのようだ。

一体、主人公は何と戦っているのだろうか。


劇中の「戦場」で、敵も味方も区別せずに死を振りまく主人公が、情実に惑わされずに状況に応じた冷徹な決断を下している、と見える視聴者がもしも居るならば、おそらく「社畜」の素質があるだろう。

そうでないなら、他者に死を与えるたびに主人公が振りかざす「祖国の為」といった理屈を、主人公自身は全く「信じてはいない」事をどう捉えているのか。
それらの理屈は、自分が他者に君臨するための「いいわけ」でしかなく、理屈の実践のために他者を支配するのではなく、生殺与奪という究極的な他者の支配を正当化するために持ち出されている「口実」に過ぎない。
全く信じていない大義名分を持ち出すのは、自分の生存のためですらなく、安楽を手に入れる「出世」のために他者を殺す口実に「使える」からだ。
もっともらしい「大義名分」の下に殺される敵・味方の兵士は、主人公の出世のための犠牲でしかない。

反道徳的な言動で他者を踏みにじる姿は、ニーチェを誤読した中二病患者の妄想する「超人」をモデル化したかのようだが、ルサンチマンを超越する意思もなく、既存の支配的規範の「威を借りて」恣意的な暴力を行使する主人公は、いわばウルトラ化したルサンチマンの権化であり、こんなものを超人と同一視すれば墓の中でニーチェが激怒することだろう。

言ってみれば、ブラック企業の中間管理職が「会社の為」と称して精神や健康を破壊する過剰労働を強制しているのと同じ姑息さに過ぎない。

戦場に君臨する幼女の皮をかぶった「化け物」というよりも、タイトル通りEvil=「邪悪」が相応しく思えるのは、ブラック企業の管理職のように、「信じてもいない」タテマエを持ち出して、自分の安泰のために他者を踏みつけることを正当化している薄汚さのためだ。
ブラック企業においてすら、「会社が絶対」というタテマエを本気で信じているようなら「管理職」にはなれないだろう。


戦時下の「異世界」では、死にたくなければ戦時下の規範を受け入れる他ない。
自分の「死を避ける」ためには、他者に死を「押し付ける」しかない。

主人公の主観では、このように自分の行動は「現実的」なだけだと自己了解されているようだ。
戦争を終わらせ、死なずに済む「平和」をもたらす為には、戦闘で大勝利することが「現実的」な手段であるのだと。

この主人公の自己了解を真に受けて「冷徹な決断」者だと肯定的に見てしまう感性は、「会社の為」というタテマエを真に受けて奴隷労働を受け入れる社畜根性と同型的に見える。

平和を望むのは、自身が「勝者」として生きるために過ぎない。
戦争が終結しなければ=勝敗が決定しなければ「勝者」になりようがないからで、他者の「平和」に関心はない。
「冷徹な決断」は、ようするに自己保身の理論化だ。

押し付けられた規範に嫌々「妥協」しているのではなく、進んで「同化」する態度は、「現実」の日本社会から引きずられて持ち込まれたものだ。
その意味で、この異世界は現代日本を表現するために創作されたかのような整合性は、確かに感じられるとは言えるだろう。

ネオリベ理論を内面化して抑圧的な権力に同化しようとする「生前」の態度は、ミシェル・フーコーが言及した、遍在する微小な権力が統合されて大きな抑圧権力を構成する「生権力」の姿に過不足なく適合する。

抑圧的な権力に支配されることを承認すれば、自分がより弱いものを抑圧して踏みつける行為もまた、許される。
「ルール」に支配される子供が、「学級会の吊るし上げ」リンチを内心で楽しむように。
そのような微細な「権力」を吸い上げて統合するものとして利用されるのが、一つにはネオリベ理論だ。

従って、視野狭窄の主人公の、〈神〉の存在を否定する動機が「合理性」の有無であるという言葉は、鵜呑みにすることはできない。

主人公にとって身体化されている「生権力」の体系を脅かすものであるから、〈神〉は否定されなければならない。
抑圧の根拠たる生権力が揺らぐことは、自身が微小な「権力」を行使する根拠の消滅を招くことになるからだ。
いや、意思的に否定を「決断」しているのではない。
拒絶の根拠は、〈神〉という属性がどうこうという問題ではなく、「身体化」が必然とする思考以前の「脊髄反射」だ。

ネオリベを基礎づける市場原理主義が「世界」を支配出来るのは、「(生存のためのあらゆる必需品を含め)全ての」モノやサービスは「貨幣を媒介とした」交換によって入手しなければ「ならない」、というドグマを確立したからだ。
生存のための手段は、したがって「金銭を稼ぐ」というただ一つの行為に制約され、金儲けの「ルール」が世界を支配するルールにすり替わる。

このようなドグマは、別に自然法則に根拠づけられているわけではない。
もしも金銭以外の価値や、生存を超える価値が承認されたとしたなら、「ルール」の支配性は崩れるだろう。
市場原理ベースの「生権力」の体系は混乱し、これに迎合することで他者を抑圧支配させていた主人公の微小な「権力」もまた、消滅してしまう。
単一の「ルール」しか持たない空虚な人格であるがゆえに、代替えの基準を持たない主人公は、「ルール」の否定性に過剰に反発せざるを得ない。


だが、ネオリベ/市場原理主義の否定性を〈神〉として導入した安易さが、このような主題化を不可能にしているようだ。
いや、「存在X」が、真の意味で〈神〉であったなら、違っていたのかもしれない。

自身が他者の上に立つ「権力」性の確保を目的として支配的な規範/権力にすり寄る、という意味で、主人公の態度は現代日本でも「異世界」でも変らずに一貫している。

「生きたい」を「金銭を稼ぐ」に一面化する市場原理の生権力と、「死にたくない」から軍政に従わせる「異世界」の抑圧性は、外見的には双子のように似ている。
異世界の「戦争」が、拝跪を強制する理不尽な「契約者」に矮小化された〈神〉=「存在X」によって一方的に押し付けられた「試練」であると設定することで、一方の「生権力」もまた、超越的に「押し付けられた」ものであるかのように見せかけてしまう。

両者が曖昧に混濁して見えてしまう結果、主人公の行動原理の深層も曖昧化したままだ。
主人公の、他者を踏みつける「権力」を欲する欲望が、自身をも踏みつける「ルール」に接近させるという倒錯した深層も。

「ルールには従わなければならない」という行動原理は、いささかも変化していない。
主人公の「敵意」は、実行に伴う「苦労」の多さに向けられるだけで、「従う」という行動原理自体への懐疑は全く生じない。
それゆえに、主人公に「罰」を加える理由も、この「異世界」が果たして「罰」として機能しているのかも全く意味不明にする。

そうして、「生前」も「転生」後も他者を踏みにじり続ける主人公の、「生前」も「転生」後も強圧的な「ルール」に翻弄されているかのような「被害者面」を不自然に感じない視聴者も出てくるのだろう。

このように単純な抑圧者「存在X」が、主人公との対立軸をも単調化する。
いや、現代社会の抑圧に対抗するものを、〈神〉という名の別種の抑圧者の形でしか発想できなかった限界性なのだろうか。


主人公の「本音」が見えない作中の兵士たちはともかく、視聴者の立場で、主人公が冷徹な現場指揮官のように見えてしまう屈折した視聴は、この「世界」が「物語」の舞台として緻密に構築されたものではなく、「マジック・ワード」に依存した一種のゲーム空間に過ぎない印象しか視聴者に与えることが出来ていない事を示しているようだ。

アニメを視聴するとき(フィクションを鑑賞するとき)、たいていの視聴者は、何処か虚空に自立して「実在」している別「世界」に入り込んでいるように看做していることが殆どだろう。
作り手は、なんとか「実在」感を生み出し、視聴者の現実感に接続しようとあの手この手で四苦八苦する。
一方で、ゲームにおいては、プレーヤーを引き込む「実在」感は問題にされず、何処までも恣意的に制作される仮想空間として了解されるようだ。

その意味で、存在X=〈神〉という創造主兼管理者のいる「世界」は、架空の時空間に「自生した」固有の歴史性を持つ異世界ではなく、「運営」が恣意的に作るオンラインゲームのステージと同質と言える。
もっともらしい「戦争」は、創造主に「創造」されたゲーム世界の「設定」に過ぎず、死んでいく兵士や市民も、「創造主」に創造されコントロールされているという意味でNPCと同質であると言えるかもしれない。
本作内の戦争について、その是非や悲惨について考慮するのは、この「ゲーム」空間の恣意的な「設定」に合わせてあちこちから引用してきた「背景」に過ぎない以上、あまり意味がないだろうと感じさせる。
主人公の殺戮は、異「世界」での殺人ではなく、ゲーム空間の「無双」ではないかと。


キリスト教的な、世界の「造物主」としての唯一の〈神〉は、絶対的に「世界」の「外部」に在る、「世界-内」存在である人間にとって絶対的な不可知の存在だ。
何であれ不可知のものは、人間が認識できた瞬間に〈世界-内〉に取り込まれる。
どこまでも〈内〉化できない非・認識の絶対性が、神を定義する。
日本の〈カミ〉のように、お供えやお祈りによってご利益を与える、人間と同次元にいる交渉可能な〈世界-内〉に存在する〈神〉とは異なる絶対性が、造物主としての唯一神だ。

決して〈世界―内〉に降りてこない不在としての神、絶対的な「外部」の存在との契約の不可能性と可能性、このような不条理と信仰の絶対性、などなどの難問は、西欧では数百年にわたって考え抜かれている。
日本においても、遠藤周作が『沈黙』を書いたのは50年以上も前だ。

人間の眼前にある案山子に『神』と書き込んであれば〈神〉扱いして疑問を持たない、というのはラノベ/アニメ周辺のローカル・ルールに過ぎない。
〈世界-内〉に入り込んで「世界」に自由に干渉する「造物主」は、ラノベ/アニメの外では存在矛盾として成立できないだろう。
案山子の〈神〉は、「全能の」神という一種の「マジック・ワード」として、製作者の代理として「世界」の創造や改変を容易化してくれるものとして導入される。

しかし、容易化は安易化として、創造された作品「世界」を、人為的なゲーム空間に矮小化してしまう。
「存在X」と呼称する、〈神〉性を引きずった、「世界」内に立ち入って自在に干渉する「造物主」を導入することで、「運営」が作り自在にコントロールする人工的な「ゲーム空間」に、異「世界」は同質化することになる。

主人公の利己的な行動が爽快に見えてしまうのは、主人公が「物語」の登場「人物」ではなく、単なるゲームのキャラとして、「ゲーム空間」で都合よく無双をしているに過ぎないと無意識で解釈されている結果ではないか。
主人公が現代日本から「異世界」に転生したという設定も、単に、初めて絶滅戦争という異様な形態の戦争を経験しようとしている「異世界」にやってきた、すでに絶滅戦争の世界大戦を経験している現代日本人という、一種のチート的な優位性で「無双」をするネタに過ぎないものに、これまた矮小化されている。


【追記】
敗者が抵抗をあきらめずに「復讐」する不合理な感情が、「戦争」を終わらせようとする「合理的な」行動を無駄にすると語る主人公だが、勝者の立場に立ち、他者の反抗を認めない傲慢からくる事実誤認に過ぎない。

敗者の抵抗が続くのは、この「戦争」が現実の世界大戦同様に「絶滅戦争」=どちらかの国家が絶滅するまで終わらない異様な性質のものであるからだ。
作中での、後方の民間人の殺戮も、この性質から余儀なく生じている。

相手が絶滅するまで、あるいは国体が完全崩壊する=敵「国家」が「死滅」するまで戦闘が継続されるということは、死滅しない限り敵への反撃を止めては「ならない」ということでもある。
感情的に「もう戦争は嫌だ」と思っていても、息がある限り「理論上」反抗を止めることが出来ない。

敵の執拗な抵抗は、感情に駆られているのではなく、主人公が敵国家の完全壊滅を完遂しようとするのと正に同じ「論理」の裏返しとして、選択の余地なく発生してくる。
自分が優秀な「合理主義者」で、馬鹿な敵が感情に任せて抵抗してくるという主人公の自己認識は、全くの的外れで、視野の狭さからくる「合理性」の不徹底さを露呈しているに過ぎない。
視聴者までが、この自己認識を真に受けて、優秀な合理主義者だと看做してやるいわれはないだろう。

そもそも転生の原因となった「死」も、一方的な逆恨みの被害であると疑われていないが、普通の企業であれば、職務の遂行において「殺される」ほどのトラブルを発生させることは、直ちに「無能」とみなされる。

逆恨みされて転生した「エリート」が「優秀な合理主義者」として戦争を生き抜こうとしているという主人公の自己認識は妄想的で、「認知のゆがみ」を引き起こしているのではないのか、と疑ってみるほうが自然な気がする。



労を惜しまずに設定を積み重ねれば、「存在X」という案山子の〈神〉など導入しなくても、このような「異世界」とサラリーマンの「転生」を創造することは可能だったろう。
世界を支配するルールと人間の対決を描く為には、〈神〉は必要条件ではない。

設定の土台を、案山子の〈神〉=作者の傀儡に過ぎない造物主に置いてしまった安易さが、「異世界」につづられる「物語」なのか、ゲーム空間での妄想的な無双であるのか、分裂して中途半端に揺れる視聴感になって現れてくる。

一見、現代日本を批判的に再現したような「世界」と「物語」は、結局、オンラインゲームに閉じ込められたトッチャン坊やのクエストと同型だという印象しか与えることが出来ていないようだ。

これだけの道具立てをそろえながら、幼女の外見とサラリーマンの内面のギャップの笑いと、「無双」で破壊されるビジュアルの派手さだけが見どころであるというのは、なんとも勿体ない気がする。{/netabare}



それにしても、アニメ作品の評価に「声優」を独立した項目として入れるのは妥当なのだろうか。

確かに、声優はキャラクターに生命感を与える重要なパートではある。
しかし、世界観の破綻や、脚本上の不備を修正できる立場にいるわけではない。
そのような作品でキャラに生命を吹き込んでも、「不条理な世界にも関わらず『生きいきと』生活する狂人」が生まれるだけだろう。

そんな立場である声優に評価の一端を背負わせるのは、余りに気の毒な気がする。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

現代のリーマンが少女に生まれ変わって戦争を生き抜く物語

原作未読。予告でかなり気になったので視聴です。1話見て、最後まで見ようと決めました。

今期の戦争もの。ヨーロッパを下地にしているのかな。魔導を使ってガンガン撃っていく、そして主人公は厳しい性格。キャラデザインも含め、イゼッタよりハードな感じがします。


1話…いきなり前線での戦い
{netabare}最近の戦争ものは、顔見せや世界観を知るためにゆっくりした始まりなるものが多いのですが、これはガンガンやり合いで始まりました。

主人公のターニャは少女というよりは幼女。が、強すぎる戦力。頭も切れるし、非情な性格。この子を軸に、大人たちの思惑が交錯し、戦いと世界の秩序が形成されていくのでしょうか。

BGMは重厚、中の人たちも厚いです。悠木さんの声が良いですね。早見さんは今期も戦争ものですか。フィーネと容姿が全く違うのでいいか…{/netabare}

2話…悪魔はいかにして生まれたのか
{netabare}いきなり現代の話。チャンネル間違ったのか?と思いきや、幼女戦記だった。やり手のサラリーマン、会社のため…というより、自分のためにリストラ言い渡しも容赦ない。その帰りの電車待ちの時に、リストラ言い渡した社員にホームから突き落とされる。時間が止まる。神とおぼしき者と会話をする。噛み合わない会話、神とおぼしき者からそのリーマンは転生を余儀なくされる。飛ばされたのは戦争間近な国の孤児院。リーマン時代の意識を意識を残したままの転生だった。
魔導の能力があり、進んで士官に。上級官として下級へのあたりはリーマン時代のまま、愛情の欠片もない。訓練に向かうと戦闘に巻き込まれるが、能力と思いだけで乗り切る。思いとは…「離脱して後方にまわれる」というものだった。しかし、その戦績が高く評価され、思いとは別に軍の顔とされるのだった。

面白い。2話にしてこれはちょっと異例なほど面白いと感じました。これはなかなかない世界観で引き込まれます。後半、ちょっと吹き出すようなセリフぶちこんできて、ターニャの中身や本当の考えが少しずつ分かるようになっていたのも良かったです。
何より悠木さんが良いです。ターニャの怖さと裏側のリーマン的考えを上手く表現しているし、可愛いところも存分に伝わってきます。
これは本当に面白そうだ。{/netabare}

3話…アナタハカミヲシンジマスカ
{netabare}今回も過去の話が中心。
前線から離れることを目論むターニャ。試験飛行に参加するが、失敗の繰り返し。開発担当者はターニャと同じような性格。当然、ぶつかってばかり。そんなときに神とおぼしき者からまた会話を求められる。信仰云々言ってくる。それを追い払うターニャ。
翌日、試験飛行は成功する。担当者は言った。神の存在など信じなかったが、神に祈り成功したと。ターニャは戸惑った。

ターニャは変わり始めているのだろうか。いや、性格は品曲がったままだと思う。{/netabare}

4話…策士、策に溺れてドボン
{netabare}大学生活を謳歌するターニャ。そんな中、軍の幹部と接触する機会も増え、感触が良いと感じる。一人の幹部から先の見通しについて質問を受け、相手の考えを探りながら答える。それが論文となって上層部に伝わるとも知らずに。
ターニャは大学生活で得た感触から後方だと信じていた。が、目論見は脆くも崩れる。ターニャが語った魔導士大隊の責任者に選ばれたのだ。最前線である。愕然としながらも仕事をこなす、しかもわざと遅れるように。が、助っ人参上でそれも叶いそうにない感じで…。

流れるような話の回でした。戦闘シーンはないけど、ターニャの心の中が見えて面白いです。策に溺れて最前線、自分の評価を見誤ったという感じかも…{/netabare}

5話…吹いたビールを返してほしい
{netabare}ターニャのもとを訪れたのはヴィーシャだった。ターニャの目論みが外れ、どんどんと進む面接。しかし、基準が高く、とても大隊を作れるような人材は集まらず。しかし、基準を下げろと言われ、またしても目論みとは違う方向に。
人材は揃ったものの、とても強い隊を作れるような強さはないということで、鍛えることに。しかも1ヶ月で。ターニャの厳しいというより、脱落させるとしか言いようがないほどの訓練に耐え、脱落どころか、強い隊になってしまった。
南東に向かうように指示を受けるが、その先にはダリア公国があった。ダキアは国境付近を探っているようだが、ターニャが掴む情報はとても近代戦のものとは思えないものばかりだった。ターニャは実弾訓練と称し、隊を引き連れ向かう。ダキアの軍はまさに前時代的な戦いだった。魔導隊には全く歯が立たず、壊滅。ターニャは狙いを首都にした。軍事工場をねらい、宣誓を行う「しぇんせぇ~わ僕たち、私たちは…」(幼女風に)。圧倒した。

やることなすこと裏目に出てしまうターニャに笑わせてもらいました。でも最後の幼女宣誓は卑怯です。ビール吹いて拭くの大変だった…。
ヴィーシャの存在が良いです。ターニャのこと分かっているから、とっとと坑を掘りにいった場面は笑いました。キャラデザインどうかとも思いましたが、慣れると可愛くさえ思えます。
ダキアはルーマニアのことか。世界大戦の前だからこんな感じか。{/netabare}

6話…世界大戦はすぐそこまで
{netabare}帝国は2つの戦線を抱えていた。特に協商連合との戦いには苦戦、そこにターニャの軍が送られることになった。
協商のバックには帝国と敵対する列強諸国が加勢し、飛行機はじめ近代兵器が揃っており、帝国は押されていた。そこにターニャの軍がやって来た。ターニャは隊を鼓舞し(25年ものをかけて)、戦う。
ターニャの軍は協商連合の想定を越えていて、協商連合の軍は引かざるを得なかった。ターニャが落とした飛行機に行くと、存在Xがターニャに語りかける。ターニャは振り払うしかなかった。その後、ターニャは協商連合の通信基地を破壊した。

先頭シーンが多くなってきました。戦争が始まるという感じです。ターニャは敵の他に神様的な存在と戦っていかなければなりません。
ターニャの存在が世界大戦を早めてしまっている気がするんだが…{/netabare}

7話…まさに悪魔
{netabare}協商のスー大佐が港で家族を見送る。娘から早めのクリスマスプレゼント(銃)をもらい、どう見てもフラグ。
ターニャは軍幹部と会談中。意見の相違でイライラ。その後、作戦指令が出されるが腑に落ちない。その指令は港の砲台を潰すこと。ターニャは気づく、これは艦隊を寄せ上陸作戦の前段階のことだと。
時間は限られていた。ターニャの部隊は次々と砲台を潰していくが、協商の軍も抵抗する。そして砲台がすべて潰され、協商の軍は作戦の真の狙いに気づくが時すでに遅し。帝国の軍は艦隊とともに現れ、上陸が始まった。最後のあがきとスー大佐が突っ込んでくる。そこには因縁のターニャがいた。ターニャは大佐を撃ち、ライフルを取り上げ、大佐は落ちていった。ターニャは奪った銃を持ち、自分へのクリスマスプレゼントだと言い放った。

1週分すっ飛んで再開。総集編は要らないです…。
ハードな展開にぞくぞくです。ターニャの悪魔さ加減は相変わらずで、容赦なし。ターニャが進む道は天国か地獄か? 天国ではないさね…{/netabare}

8話…これは戦争である
{netabare}協商との戦闘が終わり、ピクシー隊は新たな戦闘員も加わって、ライン戦線で戦っていた。
ターニャに新たな命令が下る。共和国からぶんどった領地の市民が共和国軍をバックに蜂起して帝国軍がガタガタになっており、これを抑えるというものだ。しかし、バックに軍がいるとはいえ市民であり、無差別には攻撃できない。そこで市民の避難勧告を行い、残ったものは共和国軍と見なして殲滅するという非常な作戦だった(しかも、この作戦の原案を構築したのはターニャの論文だった)。
この作戦を部隊に伝えると、部隊はざわついた。民間人を巻き込むことが必至だったからだ。作戦が開始され、街はめちゃくちゃに。市民も多くの犠牲が出ている。それを見た隊のウォーレン少尉はターニャに意見するも、ターニャは言い返す。ウォーレンは頭を壊しながら街を撃つのだった…。
その頃、撃たれて海に沈んだはずのスー大佐が意識を取り戻した。彼が見たのは神で、ターニャを滅してやると誓う。

今週からEDが変わりました。物語はいよいよ佳境に入るということでしょうね。
ターニャの悪魔度が更に増した感じですが、根本はリーマン時代のままなんですよね。上の命令は絶対、義務を果たす、下が上に逆らうことは許されない…。戦争だろうがなんだろうが、自分の仕事をこなすだけ、そこには人の命の重みなど感じてはならないし、自分がこなした仕事の成果が上がれば良いだけである。鬼畜だが、ターニャのような考えを持った人はいる。戦争なら貴重な戦力なのも分かります。すごい重い話です。{/netabare}

9話…もはや人間兵器である
{netabare}列車で本部に向かうなか、ターニャは鉄道部の少佐から今後行うであろう作戦のことを聞く。ライン戦線を捨てる振りをして包囲する作戦だった。
本部では作戦をめぐって意見を交わしていた。そして作戦が実行される。ターニャたちは撤退の殿を努めていた。厳しい状況で負傷者も大勢だった。中には腹が割かれた感じのものもいた。
作戦には新たな兵器が投入されることになった。それを開発したのはターニャの天敵、あのドクトルである。ろくなものじゃないことは察していたターニャだったが、今度の兵器は魔導士入りロケットで、敵の中枢まで飛んでいき、一気に壊滅させるというものだ。本当にろくなものではなかった…そして作戦が実行される。

まさかの人間ロケット…。飛んでいくときのターニャの叫びが非常に…おかしくて(かなり真面目なシーンなんだけど)。隊員たちが緊張するなか堂々と寝ているヴーチャの大物ぶり、Cパートでの腹痛のオチなど、重い話しのなかにちょこちょこ笑いを差し込んでくるところがこの作品の好きなところです。
どんどん厳しい戦いになっていきますが、ターニャは存在Xに一泡ふかせることができるのだろうか?{/netabare}

10話…戦いは終わらない
{netabare}ロケットで敵中枢にぶっ飛んでいったターニャの部隊。電撃作戦であり、時間は限られていた。その頃、帝国では軍と行政官たちが会議を開いていた。戦いの状況が思わしくないことに責める行政側、作戦を隠してのらりくらりの軍部。その時、一報が届く、作戦が成功したと。一気に盛り上がる軍部に対して、呆気にとられる官僚たち。
作戦を成功させたターニャたちは潜水艦で移動した。その頃、帝国の作戦は執行され、次々に成功し、共和国軍を追い詰めようとしていた。ターニャたちは最後の戦いに加わるべく向かったが、謎の魔導軍が現れたという。ターニャの頭に戦後の生活が頭をよぎった瞬間、グランツが撃ち落とされる。相手は海に落としたらはずのスー大佐だった。

このアニメは戦闘のシーンをしっかり描きます。グロいと感じる場面もね。
軍部内の会話も本当に面白いというか、良い声の男たちの競演なので、しっかりした厚みある感じがとても良いです。
それからCパートでのオチ、毎回笑わせてもらいますが、今回は特に可笑しかったです。ヴィーシャ、君は女の子だ…いちおう…{/netabare}

11話…戦後を夢見て
{netabare}協商と共和国の魔導士たちに襲われるターニャたち。苦戦というより、ヤバイ状況。次々落とされ焦るターニャだが、部下たちを見て怒りが湧いてくる感じである。部下をかばい、スー大佐と正面激突、大佐は存在Xとなっており、ターニャはピンチに陥る。激ヴィーシャの機転の利いた一撃で難を逃れたターニャは存在Xを撃ち落とす。
危機を脱出したターニャたちに届いた連絡は共和国軍の掃討作戦で、帝国の勝利が確定したことを伝えるものだった。
共和国は首都を捨てるように無血明け渡ししたが、実は裏があった。それに気付いたターニャは敵の作戦を断とうとするが、帝国軍は聞き流すのだった。

戦後を夢見ていたターニャに追い討ちをかける展開が何とも戦争ものっぽいです。
ここにきてヴィーシャの存在が大きくなってきた気がするんですが、どうなんでしょう。話が続いたらターニャの敵になるんですけどね、パターン的に。
それから、おっさん時代には考えられなかった、部下を気にしたり、かばったりするところ。神を信じる云々より大きな変わり目のように感じました。
いよいよラストです。どうまとめるのでしょうか。{/netabare}

12話…戦争は終わらない、物語も終わらない
{netabare}ターニャが危惧していたことは軍中枢には伝わらない。勝利が軍全体を浮かれさせてしまっていた。ターニャは人の感情が狂わすこと訴えたのだ。
ターニャの危惧していたとおり、共和国軍は着々と反攻の準備を進め、帝国に恨みを持ったり、力を恐れたりした国々が帝国を討とうと加わってきた。それにようやく気付いた軍部は焦った。焦ったところでまともな作戦も立てられない。とりあえずはゴドール率いる共和国軍の集まる港を討とうと進め、その役目をターニャの軍に負わせた。
合衆国では軍への志願者を募っていた。そこに、スー大佐の娘が志願してきた。理由は「憎き帝国を討つ」ことだった。憎しみは憎しみを生み出す。終わらない戦いが続く。
ターニャは隊で檄を飛ばす。神に反抗する、神のごとく戦うことを祈り。

ここで終わりとは…続きが気になります。戦いの続きに存在Xとの決着、ターニャの最大の敵になりそうなスー大佐の娘との因縁等々。スー大佐の娘のシーンで終わったらもっとモヤモヤだったかも。とりあえずはまとめましたということかもしれませんね。
ターニャはなんだかんだ言いながらも、リーマン時代より人間的に大きくなった気がするんですが。部下を守ったり、上司に意見したり、人の感情について考えたりと、リーマン時代には考えられなかったのではないかと思います。でもやっぱり続きが見たい…{/netabare}

少女が主役になるという、しかも裏方ではなく兵士として。異色の戦争ものでした。戦いのこともそうですが、ターニャの人生観や思考について、いろいろ考えるように設定していて、たいへん面白かったです。また、存在Xとターニャの会話の対決も興味深いものでした。

笑いやホッとする場面を所々にぶっ込み(ヴィーシャの存在も)、重くなりすぎないようにしているところが良いです。戦争ものなだけに、どうしても重い話を入れざるを得ません。人が死んでいる場面もキチンと投げずに描写していたと思います。

中の人については文句のつけようがありません。渋い声だらけの重い演技の中に混じっても、跳ね返すだけの迫力と可愛さ、ひときわ存在感が際立っていたように感じました。また、作画も戦いの場面は中々のものでしたし、ロケットで突っ込むシーンも迫力ありました。

戦争ものではありますが、人の感情や考えを捉えるような話が中心になっています。最後まで飽きさせない作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 68
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

やっぱりダメだったよ

自分頭悪いんでイマイチ理解できない…。
ってことで整理のためメモ。

4話までの感想
{netabare}えーっとまず大前提として、リストラ社員に駅で線路に突き落とされたのは「信仰心が無かったから」。
逆に言えば信仰心があれば回避できた事件というワケで、たまたま運悪く頭のおかしい社員の首切り担当をさせられたということではない。
(もしその場合は存在Xも「不運だったね」で話しかけてくることはなかったであろう)

が、この大前提はあくまで存在Xの見立て。
それに対し主人公は「その通り」と思ってるのか「そうではない」と思ってるのか、どっちなんだ?
前者であるなら存在Xの言ってることを信じることとなり、既に信仰してるのと変わりないような?
または後者であるなら、じゃあ突き落とされた原因は何だったのか・どうすれば回避できたかという追及はしないのだろうか?

2話見てから1話を思い返して「あれ?」と思ったのだけど、命令を聞かない部下を死地送りにしたのは単に性格が悪いから、と描かれてるように見えるけど、
実は前世の体験から「使えない部下は生かしておくとこっちが後ろから撃たれる」というトラウマに因り出た行動だったのでは?と思ってしまったり(好意的解釈)。
けど話を見てくとそうではない?

で、4話で違和感がいよいよ看過できないレベルに来たのだけど、「前世で殺害されるほどのことをやらかしたことの反省・教訓」は全く踏まえてない?
学校にライフル携帯して通うのはてっきり味方からの闇討ちを警戒してかと思ったら…え?そうじゃないの?
なんか優秀っぽい振舞いをしてるけど、全然教訓にしてないってのはどうなんだろ?
あくまで突き落としたリストラ社員が特別に異常者なだけだったと思ってるのだろうか?
まぁこれは自分が「存在Xを否定したいのなら“信仰ナシでも誰からも恨まれることのない振舞いをする”が正解じゃね?」って思ってるせいもあるんだろうけどさ(正解は1つだけじゃないからね)、そう考えると軍に入って戦争に参加して人殺した時点で詰みなんじゃねーかなぁと思ったり。
どんなに順風満帆な生涯を送ったところで人である以上いつかは死ぬワケで、転生も1回で終わらせてくれるとは言われてないワケで(※)…。

因みに※部分の考えに至ったのは、3話で、普通に考えたら畜生や虫ケラに転生させるなり地獄落とせばいいのに、何で特別な力与えた上に更にレアアイテムまでプレゼントするんだろ、アホなんかな?と思ったから。
これってむしろ前世で善行積んだものが受ける処遇じゃね?と。
あの世界で魔法も持たず、他に才能もなくミジメな生活をしてる人は前世でどんな悪行したのよ?と、どうしても思ってしまうのよねぇ。
で思ったのが、既に転生は何万回何億回と繰り返すのが予定済みで(異教徒がちょっとやそっとで改宗することはない、ってのはXも承知してるでしょう。拷問にかけて100回殺しても改宗しないぞ、多分)、「一周くらいボーナスステージ与えてもいいかな~?そっちのほうがその次の転生でダメージ大だし」ってことで能力やレアアイテム授けたのかな?って解釈。
つか“命令違反した部下を死地送り”したヤツが“不信心者を能力持ちで転生させた”者に不平不満を述べても説得力が無いしのう。

あーそれとこれは文句じゃなくて、自分みたいな頭カタい人はどう解釈したらこの作品を違和感なく受け入れられるだろう?っていう視聴姿勢の模索です。
こういう見方もあるんだなー程度に捉えてくれるとありがたい。
これでラストが「実は神に寵愛されてた」ってオチなら笑えるけど、果たして…{/netabare}

2月4日追記{netabare}
上でゴチャゴチャと書いたけど、おかげで整理が付き始めました。
存在Xが信仰の無いことが原因だと断じてた「前世で殺された理由」、信仰どうこうは置いておいてもっと直截にいうなれば「人間性の欠如」ではなかろうか、と。
前世で殺される直前まで勝ち組めいたことを嘯いてたけど、家族も友人も居なさそうでとても勝ち組には映らなかったんだよねー、自分の目には。
それに対して何も感じてない辺りただのコミュ障以上に病状は深刻で、ある意味私がモテないのはどう考えても~のもこっち(※)以上に見てて痛々しい。
これは性格悪そうに描かれてる通り、作り手も狙ってそうしてることなので読み間違いとか重箱の隅とかではない…と思いたい。
そして転生後に墓穴を掘るのも、結局は「人間性の欠如→他人の感情を読めない→誤解される・足元を掬われる」ってことかと。

ぶっちゃけオチはどうなるかのネタバレは聞いてます、但しあくまで大雑把なものだけど。
ということでオチは知ってるけどアニメでそこまでやるか知らないし、問題はオチそのものではなくそこへ至る途中で「人間性の回復」があるのかどうか?
ってのが自分的な興味の対象なんだな~と気づきました。
別に人間性の回復といっても大仰なことでなく、合理的ではない感情的な理由で「友達っていいなー」とか「この部下は失いたくないなー」とかその程度に思うことね。
ヴィーシャとかそのための配役なんじゃないかなー、なーんて思ったり。
まぁ一番は前世で殺されるに至った自分の行いを省みることだけど、そこまでは行かない予感がする。
それをしない時点でエリートリーマンにはとても見えないし、自覚症状すらないコミュ障がただ無双するだけの作品に終わる可能性は高い気がするけど…果たしてどうなるであろう。

※コミュ障って言葉を使ったけど、アニメなどで見るコミュ障の大半は対人恐怖症的なものが多いけど、決してそれだけではないかと。
私がモテないのはどう考えても~のもこっちでいえば同級生相手にはオドオドしてたけど、目下の小学生相手には大きな態度をとっていました(カードの回とか)。
ターニャも同様、前世で歴史を知ってるというアドバンテージを引っ提げて他人を下に見てるからこそあんな態度でいられるのであり、前世も会社を笠に着てたキライがある。{/netabare}

5話感想{netabare}
と、やっとこさ見方の整理が付いたところで5話感想。

お?不採用言い渡す時に幻影(?)使って自身の姿は見えないようにしてるのって、前世の教訓を生かしてる?
やっぱ気にしてる…のかな?
おお、これだよこれ、こういうのを見たかった。
今後もこんな感じで、失敗したことを対処→ダメだった部分を改善し続けていったらいつの間にか真人間になってたって流れ(実際にそうはならずとも、そう匂わす程度でいい)になってくれると良いんだけど…。
但しこの場合「どうしてこうなった」に繋がるネタは同じものは二回と繰り返せない、引き出し大丈夫かのう。
んで訓練では例によってコミュ障ゆえの読み違いで士気を高める結果に。
う~ん、言ったそばから同じネタ使い始めてるような気がしないでもないけど…これで恨みを買って後ろから撃たれたら前世の二の舞のような?
今回は見た目が幼女なのと絶大な魔法力を背景に造反は抑え込めると思ってるってことだろうか。

後半の戦闘(虐殺)シーンは、まぁこれはこれで。
侵攻してきたのは向こうだもーん、ってことで虐殺でも何でもどうぞご自由に。
ただ首都まで攻めてしまったので、その功績が思った以上に認められて「どうしてこうなった」に繋がりそうな予感はするけど…。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
虐殺だ戦争の悲劇だ、っていう側面についてはこの作品に関しては自分はこれといった感情(良印象も悪印象も)は沸きません。
デグはあの世界の住人を「憎き存在Xの徒」として捉えてて、犯罪でない手段でもって一人でも多く殺したいと思ってるのだろう、と解釈すれば違和感ないかと。
というか何話だったっけ、手にかけた人間が目の前で起き上がって喋り出すなんてことされたらもう人間をゾンビかなんかとしか見ない、人を人と思わなくなっても仕方ないかと。
そういう意味では相変わらず存在Xは何をしたいのかサッパリですね、実は悪魔で殺戮者を育成してるってのが一番シックリ来るような?
ただそうするとデグはまんまと掌の上で踊らされてることになり、それはそれでどうなんだ?という疑問が。
それ以前にあんなんな体験したらトラウマもんな気もするけどねー。

と、そんな感じで殺戮シーン(戦闘シーン)は興味ナシ、関心はデグはいつまで心を閉ざしたまんま突き進むんだろう?って点で見続けてたのだけど9話でビックリ。
存在Xに対し市場原理を叩き込むって、え?まだそんなこと言ってるの!?
しかも前世で突き落とされたのも存在Xのせいってことになってるニュアンス。
あれ、そんな話だったっけ?
無能リーマンが調子フカして部下を煽って、護衛もつけずに無防備にホームに一人で立ったという己のアホ行為を…反省してない!?
前も書いたけど突き落としたヤツが特別に異常ってことでもないみたいだし、もしそうだとしてもその責任は10-0じゃあないかと。
鍵もかけずに家を留守にして空き巣に入られた後で「泥棒がこの世に居るのが悪い」と怒ってもなんだかなぁって感じでしょ。
己の至らない部分を全て他人のせいに押し付けちゃうのはちょっといただけないなぁ。
ってか突き落としたヤツは何か信仰してたのかどうかも不明だし…もしかしたらそいつ自身も市場原理主義者だったりして。
見落としでもしてるのかな?存在Xが操ってた描写でもあったりしたっけ…?

一方8話から続くグランツの描写。
お、これって…前世でクビを言い渡した時と同じ構図やね、非情な命令を下すって。
ただ前世と違うのはヴィーシャが後でフォローをしてくれてる点。
もしヴィーシャが居なければ背中から撃たれるという前世と同じ轍を踏み、学習しねーなこのバカと呆れる展開になってたところだったかと。
今後もこの違いにより救われるって方向に行くのかね?
ただ問題はデグは意図的にフォロー役としてヴィーシャを傍に置いてるってことではなさそう、たまたま偶然というか成り行き。
要は市場原理とは無関係な「人の縁」に支えられてるワケで、デグはそれに気付くことになるのかどうかが今後の見所になるのかなー?
まさか人の巡りあわせすらも存在Xが仕組んだことだったなんてオチは…ないよね?{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}11話、最大のピンチ?を救ったのはやっぱりヴィーシャでした。
上司に追撃を進言するも一蹴され、ぐぬぬするシーン、自分としては「日頃の行いのせい」としか思えなかった。

う~ん、結局なんだったんだろう?
幼女「なのに」ではなく、幼女「だから」が無いってのは一体…。
前世で恨みを買って殺される目に遭いながら、それに対して何も反省はしてない、と。
むしろ存在Xという都合のいい怒りのぶつけ先を用意してもらい、事実から目を背けてるだけのような…?
そのうち自分の思った通りに人が動かないのも存在Xのせいだって言いそう。
前世と今世では何が違うのか分からない。
周囲の人間が違うってことで、その巡り合わせは人によっては「神の思し召し」と言わせしめるもので、それにどう答えるのかくらいは期待したんだがのう。
神が嫌いなら代わりの宗教立ち上げるくらいしないと…霊剣山に負けてるじゃないの。
コミュ障が賞賛されるってのはやっぱり無茶があるような…リアルで成功してる人なんて大概コミュ強っすよ、市場原理であろうとも。
全人類と面接し選別できる状況でなければ完全な市場原理なんて無理だと思うんだがのう。
なのはの二次創作…っていうか戦記モノの二次創作であるのに係わらずメアリースーとか出しても皮肉になってない。
トワプリのミドナは好きだが、これによって“それ系”にケチが付くのは勘弁願いたい。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

92.5 6 2017年度のファンタジーアニメランキング6位
メイドインアビス(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (2232)
9203人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。
どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。
「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。
そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。

アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。
そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、田村睦心、沼倉愛美、塙愛美、村田太志、坂本真綾
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

縛りプレイで挑む高難易度RPG「世界淵の迷宮」

人類最後の秘境、地上にぽっかりと空いた巨大な縦穴「アビス」の謎に迫る、ホラーあり、バトルあり、サバイバルあり、ミステリーありの冒険ファンタジー。

探窟家見習いの少女リコは、アビスの深淵で行方不明となった母親の消息を突き止める為、少年の姿をしたロボット=レグと共に旅立ちます。

先ず目を引くのが圧倒的な画力で描かれた※背景画。どれ一つ取ってみてもそれだけでアートとして充分通用するレベル。漫画版のモノクロ描写に命を吹き込んだかの様な臨場感豊かな色彩表現にも脱帽。目も心も奪われてしまいました。

反してキャラデザはディフォルメ強めのコミカル調。ちょこまかと動くのは良いのですが、背景とのギャップが大き過ぎるので若干浮いている様に見え、わたしは慣れるまで数話の視聴を要しました。こちらについては漫画版の方がやはり調和が取れていた様に思います。物語が進み、暗くくすんだトーンの画が描かれるシーンが増えてくるにつれて、あるいは私自身の物語への興味が増すにつれて、段々とキャラが背景に馴染んでいった感じです。結局の所、違和感はほぼ解消されました。‥慣れって恐ろしくもありがたい(笑)

世界観については、アビスの自然とそこに住まう生物、SFガジェットから探窟ツール、料理、治療の描写に至るまで、どこを切り取っても深みがあり興味深かったです。動植物たちの丁寧な描写には特に目を見張るものがありました。

キャラについては、知識はあるけれど力の無い楽観的なリコと、力はあるけれど知識のない直情型のレグという、2人の主役の行動や言動が直線的で感情の機微に乏しいので、何となく荒削りという印象が付きまといました。
{netabare}
中盤に登場する熟練探窟家のオーゼンや、後半に登場するナナチの様に、重い過去を背負っているキャラたちと比べて、主人公二人の思考が特に単純なのは、一人が子供で、もう一人がロボなので仕方ない気もしますが、リコの迷いや葛藤の薄さはアビスの恐ろしさを軽視しているかの様に見えるほどで、危なっかしいやら、場面によっては呆れさせられるやらで(危険地帯で楽しそーに話してる場面とか特に)毎回ヒヤヒヤさせられました(汗)

大人たちも大人たちでまた、何故リコ達をもっと必死になって止めなかったのか?など…疑問符を付けたくなる様な姿勢がいくつか見受けられます。探窟家として未熟過ぎるリコとレグを容認した形で見送った大人たち、地上で冒険の出発を半ば黙認したリーダーや、深界二層で二人を連れ戻す機会のあったハボルグ、ライザとの約束に基づいて渋々協力したオーゼンなども、リコの意志を汲んでくれているのは良く分かるんですが、自殺行為を黙認している様でもあり、一人前扱いし過ぎなのではとわたしには思えてしまいました。怪物じみた力を持つ最上級の探窟家"白笛"にしか進入が許されていない下層に2人を送り出す大人たちの心情は理解し難かったです。

一方で後半に登場するアビスの住人ナナチですが、このぬいぐるみうさぎみたいな人物は、優しくて思慮に富み、この1クールの中ではわたしにとって、その友人ミーティと並んで数少ないお気に入りキャラになりました。他のキャラよりもちゃんと血の通った言葉で話している印象があり、落ち着いた佇まいが魅力的です。毛皮に包まれたケモノな外見といい、井澤詩織さんの低く唸る猫みたいな声音といいかわいすぎます(笑)

そしてもう一人焦点を当てたいのがボンドルド。この男の生体実験描写を見て、初回のリコがレグに対して行なった実験(火あぶりとかナイフで突くとか)を思い出した人はいるでしょうか? 実験の為に集めた子供たちを"人間としての運用はしていない"という言葉であっさりと片付け、自他を納得させていたボンドルドですが、この思考傾向はリコに通ずる所があります。リコがレグをただのロボとしてしか見ていなかった時点での行いだったので大目に見たい気もしますが、やっている事はやはり同じ‥もしかしたら原作者のつくしあきひとさんは、この描写を持ってボンドルドとリコ、探窟家(研究家)同士の共通する性質を暗に描いていたのかも知れません(汗)
{/netabare}
またキャラと言えば忘れてはならないのがアビスの生物たち。※2現実の野生動植物を思わせる習性の細やかな描写は、ただ現れて撃退されるだけのモンスター表現とは一線を画していました。生命力と狡猾さが感じられます。世界観の広がりを見せる役割も、旅の障害としての役割も、いずれも十二分に果たしていたと言えるのではないでしょうか? 神出鬼没の死の運び手としての印象も大でした。

構成については、世界観と冒険の動機の説明に当てられた最初の3話を除き、移動、戦闘、拠点到達、休息の繰り返しという、冒険小説やRPG的な王道パターンを踏襲している様で、ストレス無く物語を追う事が出来ました。ただ地続きの旅ではないという事と、レグのワイヤーアームが便利過ぎるのが相まって、時間は割かれてはいるものの"移動"の部分の描写に関してはかな~り淡白な印象だけが残っています。OPで表示される※3奈落見取り図を初見した時には、最下層に到達するまで何クールかかるんだろう? なんて期待と不安のこもった想像していた手前、案外とサクサク進む展開に拍子抜けしてしまったので尚更(汗)

音楽についてはkevin penkinさんによる壮大かつ透明感ある楽曲全てに満点を送りたいです。一話目のOPで流れたUnderground Riverとアビスの風景の音と絵の調和があまりにも神がかっていたので、それだけで涙腺が緩んでしまいました(笑)メイドインアビスの世界が瞬く間に身を覆う様でした。

2話目以降のOPやEDも絵や動きで色々と楽しませてくれて捨て難いものがありましたが、少年漫画然とした明るさはダークな作風に沿わない印象があり、特に話が重くなる後半になるにつれて本編との隔たりが大きくなっていったように思います。私的には前者の方向から外れずに最後まで一貫した世界観を描き切って欲しかったです。

1~3話までの物語の運びが割とスローペースだったので、古典RPGの※4ウィザードリィの様に徐々に探索範囲を広げ、リコたちがレベルアップ(ダウン?)していく堅実な展開を想像していましたが、予想は良い意味でも悪い意味でも大きく裏切られ、いつしか、先が読めずスリリングな展開に目の離せない、同シーズン中でも取り分け刺激的で気になるアニメの一つになっていました。

今後も更なる過酷な試練がリコ達の行く手を遮る事でしょうが、生きてみんなで地上に帰還する光景を夢想しつつ、2期(もしあれば)の冒険にも大いに期待したいと思います。

※1~4
{netabare}
※1:美術監督を務められた増山修さんはジブリ映画のいくつもの背景を手がけられた事でも有名な方。裏方事情に全く詳しくないわたしでも、テレビの特集かなんかでお顔を拝見させて頂いた事があるほど(笑)色彩設定を担当された山下宮緒さん他、作画に関わった全てのスタッフの方に賞賛を送りたいです。

※2:今でこそ、銃声を恐れ鉄の臭いを嫌う、臆病なイメージのある動物達ですが、ヒトが弓矢や槍投げ器などの強力な武器を発明をする以前には、クマやオオカミなどの大型種(今よりもずっと巨大だった)がヒトの天敵として猛威を振るっていた時代があったらしいという話をドゥーガル・ディクソン氏とジョン・アダムス氏による共著「フューチャー・イズ・ワイルド」という本で読みかじった事があります。

恐れ知らずで大型な個体がヒトによって次々と淘汰される一方で、怖がりで小さな個体は身を潜め生存率を高め、現代まで種を存続させたとの見解もあるそうです。危険生物がうじゃうじゃいる未開のアビスの描写に何となく納得(笑)

※3:アビス断面を描いた地図。探窟家の報告によって日々更新されている。

※4:ダンジョンの探索、モンスターとの戦闘、アイテム入手、地上への帰還というサイクルを繰り返し、レベルを上げアイテムを蓄えつつ、徐々に行動範囲を広げ数々の謎に挑む3DダンジョンRPGの金字塔。派生作品が無数にある。
{/netabare}
※:レビュータイトルの「世界淵の迷宮」というゲームは存在しません(笑)「世界樹の迷宮」というゲームの丸っこいキャラデザと美麗な背景の組み合わせがこのアニメの雰囲気とちょっと似ていたので‥。

それともう一つ断っておくと、縛り~は別にやらしー意味ではありません。ゲーム内における設定可能な難易度では満足出来ないゲーマーが、さらに厳しい条件(レベル上げをしないとか特定のアイテムを使わないとか)を自らに課してクリアーを試みるゲームスタイルの事を指します。‥‥なんとまあ、ほぼ同じ意味でした(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 78
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

テンポが遅い(´・ω・`)/4~7話感想追記(8.27)

原作既読/全13話

音響と作画が本当に凄いです!
これからが楽しみ!

※レビューにネタバレはほとんど含みません。
※最新1話のみ各話レビューから外しています。
※星評価の基準は各話レビューのネタバレ内に記載

( 'ω'o[放送前の期待レビュー]o
{netabare}
まずはこの作品の簡単な説明からです。

舞台は、約1900年前、南ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートル、深さ不明の縦穴である[アビス]です。

アビスには人間の手では作れない、[遺物]がたくさん眠っており、今まで数数の探窟家がアビスの底に降りていきました。

しかし、アビスには[アビスの呪い]というものが存在しており、アビスの下に降りた後、上に登るとその呪いが発動します。
(帰り道に呪いが発動する=1度入ったら深さによっては戻って来れない)

呪いの内容は以下の通りです。

・深界1層→地上
※軽い目眩と吐き気

・深界二層→深界一層
※重い吐き気、頭痛、末端の痺れ

・深界三層→深界二層
※上記+/まともに立つのが困難、幻覚、幻聴

・深界四層→深界三層
※全身に激痛・穴という穴から流血

・深界五層→深界四層
※全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為

・深界六層→深界五層
※人間性を失う、場合によっては死

・深界七層→深界六層
※人間である以上【確実な死】

というものです。
さらに、アビスには凶悪な生物が多数存在しており、人間の命を脅かします。
(。-ω-。)----------キリトリ線----------(。-ω-。)
探窟家には、それぞれが所有する鈴の色によって
降りていい層が決まっています。
(実力が認められると鈴も変わる)

それぞれの鈴の降りれる範囲は以外の通りです。

・鈴付き
※素人。降りてはならない。

・赤笛
※見習い。深界一層まで行っても良い

・蒼笛
※一人前。深界二層まで行っても良い

・月笛
※師範代。深界四層まで行っても良い

・黒笛
※達人。深界五層まで行っても良い

・白笛
※伝説級。複製できず、それぞれ独自の意匠を持っている。深度制限なし。
(笛の条件は人間が定めたもので、仮に赤笛が1層より下[二層~]にいってもアビスの呪いは発動しません)

まあ、アビスの世界観はこんな感じです。
次は簡単なストーリー説明をします

[あらすじ]
ヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習い。アビスへの憧れが人一倍強い彼女は、母のような偉大な探窟家になることを夢見ていた。ある日の探窟で、リコは謎の存在に生命の危機を救われる。その何者かが放った熱線の跡を辿ると、そこには少年そっくりのロボットが倒れており…。(wikiより)

まず、物語はリコとロボットのデクの出会いから始まります。
リコはロボット(デグ)を孤児院に持っていき、他の孤児院のメンバーと共にデグに電気を送り、復活させます。

そこから孤児院でしばらく生活したデグとリコは、ある日、アビスへ潜らなければならないきっかけを見つけ、夜の孤児院を抜け出します。(脱走)

ここでは言いませんが、リコのアビスへ潜る理由がまた泣けてくるんです!
この内容は原作の1巻分なんですが、
1巻のアビス(大穴)への出発シーンで、一気に涙腺をやられました(2巻からアビスでの冒険が始まる)

とりやえずストーリー説明はここで終わります。

ここまで読んで貰えれば分かるように、このアニメ。

作り込まれた世界観が凄い

可愛いイラストの割にかなり重い内容

なんです!

しかも、2巻からはさらに面白さが増し、
3巻からは可愛い新ヒロインが登場します!(ナナチ)

制作は東京マグニチュードのキネマストラシス!
監督はブラックブレットの倉田さんです!

PVの作画クオリティーもかなり高く、
声優もかなりキャラにマッチしていました。

素晴らしい制作陣にも恵まれ、この作品は
きっとかなりの良作になると思います!

皆さん!夏のメイドインアビスに大いに期待しましょう!

補足︰この作品。
前半はないんですが、後半から極度のグロシーンがかなり存在します。
苦手な方は視聴を止めるのをおすすめします( ´・_・`){/netabare}

( 'ω'o[各話レビュー]o
{netabare}
※星評価の基準
---------------- 8×キリトリセン ---------------- 
★★★★★/神
★★★★☆/かなり面白かった
★★★☆☆/面白かった
★★☆☆☆/普通
★☆☆☆☆/微妙
---------------- 8×キリトリセン ---------------- 

[1話]大穴の町/★★★★☆
{netabare}
先日日曜日に先行上映会に行ってきました。

見終わった感想としては、まず音響と作画が凄いです!若干クセがあるものの、アビスの世界を完璧に再現していました。

物語は原作の3話分。
かといって、[1話→2話→3話]ではなく、
[2話→1話→3話]の順でした。

信者はどうせ[原作レイプ死ねとかいうんだろ]
と思ったそこのあなた!

違います!(断言)

原作プッシュアップも完璧で、序盤の少しつまらない(失礼)展開を完璧に打ち消してました!

物語も始まったばかりですし、今後に期待したいです!{/netabare}

[2話]復活祭/★★★★☆
{netabare}
冒頭で[アビスの呪い]の説明がされましたね。
あそこでしっかり説明してくれたのは嬉しかったです。

物語は1話に引き続きまだ序盤(´・_・`)
これからさらに面白くなっていくので見届けたいと思います。(今も充分面白いけど)

EDはほんわかな感じで物凄く好きでした(´▽`)
(OPの映像美も凄かった){/netabare}

[3話]出発/★★★★★
{netabare}
旅立ち会。
原作読んでて展開は知ってるものの、普通に泣いてしまいました。

なんといってもナットが可愛い!
あの、なんというかツンデレな感じがいいんですよね(´ω`*)

これからアビスの中でさらに盛り上がっていくので、切るか迷っている人は6話ぐらいまでは見て欲しいです。

※勘違いしてる人が結構いるみたいですが、アビスの呪いは[帰路]にかかるのであって[行き]にはかかりませんよ。{/netabare}

[4話]アビスの淵/★★☆☆☆
{netabare}
うーん(´・_・`)今回は少しテンポが遅かった印象かな。
原作ファンだからって原作が〜とかいうつもりはないけど、もう少しテンポ良く描いてほしいと感じました。

アニメオリジナルでクモが出てきましたが、これもあまり好感は持てませんでしたね。
アビス独特の奇妙さがあまり無かったと思います。

何がともあれ次回で巻き返してほしいです。{/netabare}

[5話]火葬砲/★★★★★
{netabare}
胸熱展開キタ━(゜∀゜)━!
いいですね!今回は特にアニメオリジナルが素晴らしかったです。

前回と違いテンポが良いにも関わらず、原作で適当に済ませたシーンを丁寧に描いてくれてて感動しました。

次回は監視基地。楽しみです。{/netabare}

[6話]監視基地/★★★☆☆
{netabare}
(゚ロ゚;)エェッ!?これは驚きです。
まさか自分が想定していた進み具合の二部の一しか進まないとは思いませんでした。

マルルク,オーゼンのキャラデザ,声優はとても良かったですが、テンポが悪い!

次回なんとかして下さい!{/netabare}{/netabare}

[7話]不動卿/★★★☆☆
{netabare}
やっぱりテンポがあまり良くないね。
ネットで少し叩かれていた戦闘シーンに特に不満はないけど、もう少し速くやらないと中途半端に最終回を迎える気がします。

後、回想シーンをもう少し丁寧にやって欲しかったかな。(原作はかなり雑なので)

次回は生存訓練みたいですが、どう作ってくるんでしょうか。期待と心配半半で待ちたいと思います。{/netabare}

( 'ω'o[最終レビュー]o
※後日追記

( 'ω'o[観点事のレビュー]o
※後日追記

総合点数【 】

続編の可能性
※後日追記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 71
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

星の羅針盤が指し示す場所は… 胸の鼓動は本物、憧れは止まらない、さぁ!アビスへ!

入院してた時にレトロゲーを大量に買い込んでやったのでそれで例えると…
『トル◯コ』『風来◯シレン』等の不思議のダンジョンっぽいテイストでRPG要素が高いファンタジー作品でした。(地図は変化しませんが)
『グラ◯ディア』要素もあったかな。ナナ……ふわふわのぬいぐるみは『聖剣◯説』のキャラで出てきそう。んなぁ~…。


原作・未読。
アニメ・全話視聴。


簡単に言うと現実世界の平地に世界一高いエベレスト(8848m)+ヒマラヤ山脈の広さの山々を逆にして地下穴(アビス)にしたイメージ、といえば想像しやすいかな?(深さは不明。)
そこをある理由で冒険をするストーリーって感じと受け取って貰えれば。かなり簡単な説明になりますが。
『アビス』は深淵や地獄って意味もありますが、作品的に『大穴』や『奈落』って感じかな?
間違ってたらすみません。


大・満・足!!
もうビックリするくらいハマってしまいました。
絵のテイストが可愛らしかったのであまり期待はしてなかったんですが、視聴を始めてみたらドンドン惹き込まれていき、時間を忘れ全話ノンストップで視聴しました。そんで泣きました!笑いました!感心しました!魅力的な作品でした!
OPは聴き惚れました。EDは紙芝居テイストなのが可愛かった。OPの曲終わりの絵はその時のストーリーに関係あるカットに変わるのもニクい演出でした。(数話後に次のカットって感じです。)
あ、EDも所々変わってます。1番分かりやすいのがある話数からふわふわのぬいぐるみが歌に参加すること。
後は探してみて下さいね。


設定も中々面白かったですね。
単純にして分かりやすいものから、凝っててこの後の展開で明かされるのかな?って物があったりと。

…設定…というかレグの構造といえば2話の頭からレグは災難でしたね。ある意味『拷問』だったのでは?(笑)

話を戻しますが1話から最終話まで流れも良かったですね。主人公の『リコ』『レグ』の位置付けや設定も良く、いい具合に伏線も謎も残している。
これを回収や解決するとなると原作は結構長いストーリーになるかもしれませんね。


ちょっと書きたい事がネタバレ含むので先に書いておきます。
この感想を書いてる前に決まってたのですが、メイドインアビスは第2期決定しました!まだ放映時期は分かりませんが本当に楽しみです。
ただ現在(2018:3/22)出てる原作は6巻。今年中に7巻が発売されると予想しても第2期は1クールが限界だと思います。レグの言葉を借りて「度し難い…」。

冒険系が好き、ドキドキしたい、動きのある作品が観たい方にはオススメ出来ます。
逆に前述したものに興味がない、グロい表現や描写が苦手な方にはオススメしません。結構キツイ表現があります。

2期は嬉しいんです。が、ちょっと試し読みしましたところ、『どうやって表現するんだろう?』ってのもあるので少し不安もあります。
憧れがとまらない2人の旅の続き、楽しみにしたいですね。


これより書く感想はネタバレを含みます。なのでまだ観ていない方はこの先はオススメしません。
まぁ超!趣味書き…好き勝手に書いてます。
{netabare}

『上昇負荷』通称『アビスの呪い』の設定は高山病+ファンタジー要素を加えて中々面白いと思いました。
山の病気といえば…

高山病→高所肺水腫→高所脳浮腫。

レベル1↓
山酔い・命に関わる場合がある。
成人で標高2000M(高齢者は1500M)以上の高地で次の症状が1つある。
・食欲低下、悪心、嘔吐等の消化器症状。
・全身倦怠感や脱力感。
・立ちくらみや目眩。
・眠れない、息苦しい、睡眠障害。

レベル2↓
高所肺水腫。
山酔いと合併がほとんど。数時間で急速に進行することも。安静時の呼吸困難、せき、歩行困難、腹部圧迫感、頻脈など。

レベル3↓
高所脳浮腫。
命に関わる重篤な状態。山酔いに加え、運動失調(まっすぐ歩けない等)、見当識障害(日時や場所がわからなくなる)がみられ、放置すれば昏睡からやがて死。
(元・登山家に聞きました。)

これにファンタジー要素を加えて『アビスの呪い』にしたのかな?と思いました。
高山病の地下版と思えば分かりやすいかな?と思います。オーゼンのとこでの3週間滞在(訓練)は理に適ってて上手いなと。

…オーゼンで思い出したけど、マルルクは男の子?女の子?…謎だ!?(笑)

アニメやマンガだから仕方ないんですが、『レグ』はロボットだからよしとして、出来たら『リコ』の装備は肌を出さない様な装備服にしてほしかったです。元・登山家の方に聞いたんですが、「こーいった冒険の場合は何があるか分からない。だから出来るだけ肌を出さない格好で毒物などに触らない様にするのは基本だ」と。

後は地下に潜れば潜るほど元素の存在度が変わる。
全て表現するのは無理でしょうがせめて『火がつかない』とか『酸素が…』とか『地熱が…』など一般的に分かりやすい『危機』を作って欲しかった。

笛の設定やいつでもゲームオーバーになる様なピンチは良かった。ハラハラした。♯5の『リコ』の食事の考え、好きです。
後、私は「よく表現した!」と思うんですが、やはり♯10は無理な方が多かったですね。かなり酷だったと周りの方にも言われました。
でも旅や冒険するとなるとこーいった事も起こる事を想定した知識がないと無駄に傷口を悪化させたり、腕や脚を切り落とす事になったりします。
なので♯10の表現が無ければこの物語はかなりチープな物になったと思います。
オーゼンの「アビスの深部に住む原生生物は、アタシより遥かに狡猾で強かだ」やその他の言葉や行動も薄っぺらくなってしまう。
なので♯10くらいな事がないと重みがないと思います。
この作品がお気に入りになった1つの要因です。

好きなキャラはやっぱり『ナナチ』ですね。
たまたまだけど私のハンドルネームを呼んでくれた…♪(殺されるんだろうけど(汗))
ナナチの言葉で言えば私に「チョロいなぁ〜」って言われるんでしょうね(笑)
CVの井澤詩織さんはケモノ系の声は似合うなぁ…。
もうね、あの毛並みをお手入れして最高にもふもふにしたい!美味しい料理を作って食べさせてあげたい!『んなぁ〜…』を聞きたい!…と色々とヤバい!(主に私が!)
『リコ』とは料理の話がしたい!『レグ』は身体の構造を知りたい!『ナナチ』は…もう書いたか。

まだまだ書きたいけどここまでにしておきます。もしこの好き勝手な文を読んで下さった方が居たらこの場で感謝を申し上げます。ありがとうございます!
{/netabare}

Deep in Abyss…、深い深淵(合ってるかな?)
羅針盤はずっと闇を指したまま逃げ場のない方へ…
アビスに臨む者達に祝福を…

to be continued, next 2nd season〜…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

83.0 7 2017年度のファンタジーアニメランキング7位
リトルウィッチアカデミア(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (713)
3310人が棚に入れました
幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす! ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる―。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

言の葉の力

言葉は本当大切。
それをあらためて教えてもらえる作品。

日本には古来より言霊(ことだま)という考え方があり、
良き言葉には良き霊力が、悪しき言葉には悪しき霊力が宿り
人の運勢にも大いなる影響をもたらすという。

確かに明るく前向きな言葉ばかりの人は運がいいし
周りの人々も明るくしてくれる。

今作の主役、アッコはその典型。
明るく前向き、積極的な言動で、
周りからどんなに馬鹿にされようと、
援軍無き孤独奮闘の状態なろうと
一旦決めたことは決して諦めない。

わがままな自己中、衝動的、押しつけがましいのが玉に傷で
物語の開始当初は、単なる痛いキャラに過ぎなかったのだが
徐々に彼女の魅力が発揮され遅くても15話の時点で、
自分の中では愛すべきキャラとしてすっかり定着してしまった。

彼女に巻き込まれたのは、物語の中の人々だけじゃなく
視聴者の多くもそうかもしれない。
この作品を愛する方のレビューを読むとそう感じる。

素直な感性を忘れない人には必ず届く
何らかのメッセージ性がある作品、
だから大人も子供も楽しめる作品だと思う。
決して幼稚ではないのが魅力。

これなら深夜に放送するより、
多くの子供たちが観れる時間帯に放送したほうがいいと思うが
なんらかの大人の事情でもあったんだうか。
そこはちょっともったいない。

2クールなので人物の掘り下げも丁寧。
個人的には15話でアーシュラ先生が
一番好きなキャラになった。
中の人、日高のり子さんの好演が光る。

日高さんは、最近では、カーナビ音声や
「PSYCHO-PASS」のドミネーターなど
機械系、無感情系の声のイメージが強かったが
今作は、人情味や母性豊かなキャラで新鮮。
演技の幅の広さは、さすがのベテランといったところ。

また、ここまでくるとアッコ役の潘めぐみさんは
すっかり役が染みついて顔までアッコに見える。

<シンプルで解かりやすい、親しみやすい物語>

いい感じに謎も残し、終盤に向けて盛り上げられるようにと、
よく練られたストーリー構成だと思う。

作画も頑張ってて、キャラの表情の豊かさと
動きの中にある説得力が素晴らしい。

コミカルでありながら、キャラの深い内面まで伝わる。
作品世界に確実に引き込む吸引力が半端ない。

スタッフの作品に対する愛情が伝わってくるようだ。

★ 第18話「空中大戦争スタンシップ」
{netabare}
今回、今までで一番笑えて
物語評価4.0→4.5、作画評価4.5→5.0に上げた。

特に今回の後半の演出の勢いは、
「未来少年コナン」の頃の宮崎駿氏を思い出させる。

ネタばれ抜きで何も考えないで観るが吉。

今回は、コンスタンツェとアッコ、
コミュ障無口×お騒がせおしゃべり、
器用な天才×破壊的不器用、
正反対のキャラが繰り広げるドタバタ劇。
二人組むと魔法が掛かってすさまじい化学反応を起こした。

よくできたシナリオに乗った
演出&作画スタッフたちの頑張りで
笑えるだけじゃなくちょっといい話にもなってるという
奇跡のハーモニーを奏でたと思う。

{/netabare}
★ 第19話「キャベンディッシュ」&第20話「知性と感性」
{netabare}
<アッコは妖怪「天然人たらし」>

ここしばらく、アッコの直感的な行動で問題解決、
人間関係の改善&深化の話が続く。

仲間の窮地を救い、人間攻略がなされ、
新たな言の葉ゲットという
目標達成も同時に描かれ一石二鳥。
効率がとても良い。

必要な攻略が完了して
固い絆の仲間たちが出来上がった暁には、
ラスボスと思われる某先生に、
皆で一丸となって立ち向かうという
今作のクライマックスが待っていそうな予感。

今回は、アッコとは、真逆の性格と才能と思われ、
水と油のようで難攻不落と思われたダイアナのターン。

1話分ではとうていそのプロセスを描き切れないと
脚本家は判断したんだろう。
2話掛けることで、無理のない自然な流れが生まれ、
そんなダイアナも遂に落とし信頼関係を築いた。

アンドリューまで登場させ、
その関係性の深化まで描いていることも非常に巧い。

しかもダイアナの慈愛溢れる本質まで判明。
彼女の人間的魅力も倍増した。

敵対するものも憎むべき存在として描いていないのも好印象。

とても後味が良く、微笑ましくホッコリ。

<印象的な19話でのロッテ&スーシィ>

アッコが無鉄砲にもダイアナを追いかけようとしたその時、
決して引き留めず、多くを語らず、必要なものをそっと差し出し、
信用して暖かく送り出す短いシーンがいい。
アッコの実力を認め、すっかり一番の理解者になってる様が微笑ましい。
{/netabare}
★ 第21話「ワガンディア」
{netabare}
<キャストの皆さんの、息も合った感情移入深い演技に魅了された>

今回で声優評価4.0⇒5.0に修正。

シリアスに話は進む。

シャリオとクロワの因縁の一端が明かされ
7つすべての言の葉の復活で得られるものをクロワが欲しているとわかる。

また、シャイニィロッドがアッコを選んだ理由もわかる気がした。

本質的には似た者同士のアッコとシャリオはソウルメイト。
世代を超えて固い絆で結ばれた二人は最終話で
何らかな奇跡を起こしてくれそうな予感がする。
ダイアナたちも大いに活躍しそう。
スーシィの「デレたか」の一言にクスッ。

7つ目、最後の言の葉の復活は過去においてシャリオは達成できなかった。
そのためにシャイニィシャリオであることを辞めて
名前まで変えて地味に目だない存在になってしまったのかもしれない。
そのあたりも今後どう描かれるのか。

シャリオが失敗したのなら、そう簡単にはいかなくて
アッコも相当苦労しそう。

課題、謎が明確なので次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
★ 第22話「シャリオとクロワ」
{netabare}
<アーシュラ先生の正体がばれる>

前回、アーシュラはアッコを庇い、
ワガンディアの花粉を浴びて空を飛べなくなってしまった。

しかし、アッコとアーシュラの試練はこれからが本番。

アーシュラは、本当はちゃんと伝えるつもりが思わぬ形で
シャリオ・デュノールであることがアッコにばれた。

それが結果的にアッコとの間に溝を生む。

<夢見る力を魔力に変える>

今までのアーシュラの正体ひた隠しの理由が明確に。

シャリオへの憧れだけが、
すべての活力の源だったアッコ。

クロワの、シャリオの真実の暴露のおかげで、
アッコの心は絶望に似た奈落の底まで突き落とされる。

当にヒロイン最大のピンチ!

果たして彼女は再び信じる心を取り戻し
言の葉を蘇らせることができるのか。

魔法は皆を喜ばせるために使うもの、
という信念を貫き通すことが出来るのか。

シンプルでベタで王道の展開ながら
キャラの魅力と相まって非常に面白い。

全25話なので残りは3話。
ドラマティックな盛り上がりを期待したいな。
{/netabare}
★ 第23話「Yesterday」
{netabare}
<感情移入させるポイントを絶対に外さない構成と脚本の魅力>

今までのエピソードの積み重ねは、
当初ダメダメで皆から馬鹿にされてたアッコが
皆から愛され、かけがえのない友になった過程そのもの。

ここまでずっと欠かさず観続けた
この作品を愛する視聴者にとっては
ロッテ達と同じようにアッコを心配してしまうだろう。

慈愛と尊敬の言霊でアッコを救ったダイアナ。
そんなダイアナだって19話、20話があればこそ
自分に足りない、素晴らしいものを持ってるアッコに
素直に敬意をはらえるのだと思う。

<若きシャリオの挫折描写も感情移入のポイント高い>

アッコは、若かりしき頃のシャリオと同じ。
私心なく、一途に魔法で人々を幸せにしたいという
純真な価値観だけが行動原理だった。
だから、シャイニィロッドに選ばれたのだろう。
21話ではぼんやりと、今回で明確に伝わった。

アッコの挫折からの立ち直りを1話で済ませたことは好印象。
ラストに向けて無駄なく必要なピースをさくさく埋めていく制作の手腕が見事。
出来上がったパズルは、きっと素晴らしい絵柄となって記憶に刻まれそうだ。
{/netabare}
★ 第24話「アルクトゥルスへの道」
{netabare}
今回は次回の25話とセットで最終話と言ってもいいと思う。
これなら、問題解決後の余韻も存分に味わえるラストが描けよう。

<シャリオ、カッケー!アッコ、まじ天使!>

ここまで一途に慕われるシャリオは幸せ。
シャリオとアッコは、前世からの深い縁に違いない。
師弟関係極まる二人の抱擁に感動でウルっ。

ベタな展開がこんなに心地良いとは!

スタッフたちのアイディアは多岐に渡り、
シャリオ渾身の戦いを彩る。

飛べなくなった設定が存分に活かされ、
長い髪をなびかせ必死にジャンプするシャリオ。

その素晴らしい身体能力は、峰不二子、ナウシカ...
過去に出会ったアニメの複数のヒロインのイメージと被る。

今まで魔法に頼っていたのに
何故あれだけの身体能力があるのかというツッコミは野暮というもの。
ここは素直に話に乗ったもん勝ちだ。

スターウォーズへのリスペクトか。
ライトセーバーっぽい武器が画的にいいアクセントに。

アッコの純真な気持ちは
7つ目の言の葉復活の決め手として
十分な説得力を持っていた。

<クロワの敗北はあっけなく訪れたものの・・・>

昨今の世界情勢の不穏さと絶妙にリンクしてる感。
絵空事でない緊迫感もあってヤバかった。

クロワはテクノロジー依存の人々の象徴か。
クロワは悪人ではないが、人は等しくクロワになり得ると伝わった。

怒り、いらだちの負の感情がもたらした機器の暴走。
クロワもすでに制御不能。
最後の○○○○は非常に生々しい。
今の日本を取り巻く情勢のタイミングでこう来るとは...
制作陣の勇気に感服した。

魔法は人類を救うための神々の恵み足り得るのか?
最大の危機が訪れ最後は如何に?

アニメは、今作の魔法の立場と一緒で
人に夢を与えてくれるもの。

この作品に限ってバッドエンドはあり得ない。
ハッピーエンドは見え見えだがそこがまた好い!

OPや今回登場した地面のシンボルマークに共通する、
三つ巴に組んだ腕は、人と人が信頼し助け合うことで
奇跡を初めて得るということなのだろう。

大勢の学友とシャリオが信頼し、協力してこそ奇跡は生まれ得るのだ。
{/netabare}
★ 第25話「言の葉の樹」
{netabare}
人々の憎悪の感情が集まって生み出された魔獣はミサイルと一体となった。
世界中にさらなる憎しみを拡散させ、完全なる自己破壊を達成するために。

<9人の魔女が一丸となることが現状打開の唯一の方法となる>

世界はミサイル迎撃に万策尽きた。
しかし周りがどんなに絶望感に囚われても我らがアッコは相変わらずだ。
「出来るよ!私たちなら止められる!!」
空気を一瞬で前向きなものに変える言の葉の魔法がアッコの最大の強み。

後は、ジェットコースターのような怒涛の展開。
制作陣の沢山のアイディアが詰まった作画と演出に魅了されるのみ。
アクションは台詞無くて作画だけでも面白い。

<世界中に広がる笑顔...>

ベタだが爽やかで希望溢れるラスト。
最終話で、世界中の子供たちに発信したい作品になった。
仮に日本の売り上げがいまいちでも
海外の売り上げが良ければ、続編も期待できよう。
その時には、シャリオのワガンディアの呪いも解けるに違いない。

ずっと飛べなかったアッコが、力むと全くダメなのに
リラックスして能天気な状態になることで
飛べたというオチがまたアッコらしくて微笑ましい。

多くの、このサイトのレビュアーがこの最終話を絶賛し
本作を名作認定している。
当方も全くの同感だ。

最終話で物語評価は5.0他で、全体評価を4.4を4.8に上げて更新した。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バカは時々、凄いことをする

[文量→大盛り 内容→考察系]

劇場版などは観ておらず、ここからの視聴です(が、充分に楽しめました♪)。

[2017冬 個人内ランキング 4位]

【総括】
心、洗われるアニメでした。絵本のページをめくるだけでドキドキしていた頃の気持ちを思い出しました。

忘れていたモノがたくさん詰まってる、古くて新しい素敵なアニメ♪

昭和のレトロ感が漂う映像にテンポ。落ちこぼれ魔法使いの奮闘と成長を描いた王道のストーリー。それらは意図的に懐古的に作られているものの、そのクオリティは高く、十分に新しいアニメと言えます。

パッと見、子供向けのようですが、小ネタなど笑える部分も多くてストーリーも良く、何気に深みがあるので大人にもオススメできます。というか、老若男女が楽しめるTHE・アニメですね♪ このアニメを日曜の朝に流してほしい!

あと、前後期共に、OPの歌詞、メロディー、爽やかで前向きで好きです。EDもレトロ感があり、素敵♪

ちなみにレビュータイトルは、「のだめカンタービレ」で、「千秋真一」が「のだめ」を見て言った言葉です。「のだめ」にもピッタリだけど、アッコにもピッタリだと思いました♪ 「時々」というのがポイントですw

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品には、アッコを中心とした、いくつかの対立軸が見える。

伝統を重んじるダイアナと、革新的な行動を繰り返すアッコ。その一方で、魔法(伝統技術)を愛するアッコと、科学(革新的な技術)を信じるクロワ。政治の(現実的な判断が求められる)世界に身を置くアンドリューと、魔法の(夢を追い求める)世界に身を置くアッコ。

一方で型に囚われない行動を占めすアッコが、一方では魔法に固執する。それは一見すればやや矛盾を孕むものの、多分アッコの中では筋が通っているのだろう。

先日、あるテレビ番組で、オリラジの中田さんが、「科学とは、解明された魔法である」と言っていた(テレパシー→電話・魔法の箒→飛行機 など)。それはそれで正しい認識だと思うけど、アッコの信念とは違う。

魔法が何かを為すための装置、道具に過ぎないのなら、それはいつか科学技術にとって変わられるのかもしれない。でも、「魔法そのものに価値を見出だすのなら、魔法が科学にとって変わられることはない」。

そんな強いメッセージが、優しく発せられている印象。少なくとも、アッコ自身はそう信じて突き進んでいる節があった。

多分アッコは、シャリオのショーと同じものを、ワイヤーやレーザー光線で再現しても、あそこまでは感動しなかったんじゃないかな。それは、魔法が、あくまで人の(内側からくる)力だから。

シャリオは確かにアッコから魔法の才能を奪ったが、もっと大きなもの、「夢みる力」「信じる力」を与えていた。そして、それこそが真の魔法であり、世界を変える力だった。

クロワが目指したのは、「世界(行動・環境)を変えることで、人(心・想い)を変えること」。シャリオやアッコが目指したのは、「人(心・想い)を変えることで、世界(行動・環境)を変えること」(若い日のシャリオは方法を間違えてしまうが)。

最終話。アッコとダイアナ。クロワとシャリオ。魔法と科学と政治。様々な対立が解消され、ひとつになった。正に大団円。あれ以上素敵なミサイル爆破シーンは知らない(笑)


「間抜けのアッコ」「不気味のスーシィ」「空気のロッテ」

現実の学校の教室でも、ともすれば隅に追いやられしまっているような少女達。しかし、周りがどんな目で見ようとも、彼女達自身は自分を信じ、互いを信じ合い、支え合っている(憎まれ口なんかも叩き合いながら♪)。そんな少女達が小さな力を出し合い、大きな事を成していこうとするのだから、心が踊る。

「何か成す者とは、歩み続ける愚者である。成せぬ者とは、歩みを止めた賢者である」

という言葉は、「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」の「セリカ=アルフォネア」の言葉だが、アッコ達にピッタリの言葉だと思う。

OPの爽やかな疾走感。安定した高レベルの作画(特にバトル)。熱さもギャグも感動も、ほどよくある1話完結ストーリー。落ちこぼれで視聴者の共感性が高い主人公。エロなし。なにより、夢に溢れる古典的な世界観。

魔法で何かをしたいのではなく、ただ魔法を使いたいだけだった女の子。それが徐々に自分のやりたいことを見つけていくという、実に王道な成長物語だった。

ホントに「誰にでも勧められる」良アニメ。なんか、「もう一度夢をみよう」と、思った。
{/netabare}

【余談(実は似ていると思う作品)】
{netabare}
この作品、私は「NARUTO」に似ていると感じました。NARUTOの初期~中期(ナルト少年時代)の感じ。

アッコは当然、ナルト(性格的にも、魔法の才能が吸われている点でも)。ダイアナは、サスケ。

シャリオはエロ仙人(アーシュラはイルカ先生)で、クロワは大蛇丸。スーシィはサクラでロッテはヒナタかな? 同室3人の関係性は「第3班」のようだったし、アマンダ・コンスタンツェ・ヤスミンカは、まるで「猪鹿蝶トリオ」のようw

ルーナノバは、この葉隠れのアカデミーって感じだしね。

いや、NARUTOをパクっているとかそんな無粋なことを言いたいのではないです。「ポイントを押さえた、実に王道な作品」だということです(両者とも)。

この作品にはどこか、少年漫画のような真っ直ぐさや熱血感、爽快さがありました。まあ、NARUTOに近ければ当然ですね♪
{/netabare}


【各話感想】
{netabare}
1話目
古くさい映像、好きですね、こういう作画。私は「リトルウィッチ」より先に「宇宙パトロールルルコ」を観ていたので、スーシィが出て来て嬉しかったw 主要キャラ3人の出会いと初めての冒険、なかなか盛りだくさんの初回でした。

2話目
ねるねるねるねw 展開が良いね。こっそりイタズラするスーシィが可愛い(笑) カードゲームにハマっていたから(初心者&劣等生でも)呪文を暗記していたというのは上手いな~と思った。

3話目
流星号、最後は自由になったんですね。爽やかな終わり方でした。

4話目
ロッテ回。アッコの逆ギレw アッコにとってのシャリオが、ロッテにとってのアナベルなんだね。ただのパロギャグ回かと思ったら、なかなか面白い展開に。スーシィ、キノコしか探してないw アッコとロッテの違い、なかなか深いな~と。

5話目
あれ、ドラゴンというよりワイバーンですな。なんだ? バトルも面白いじゃないか! 各キャラがちゃんと得意魔法使ってたし。ドラゴンが投資家w

6話目
崩れ落ちる通路を駆ける古典的シーン、久々に観た(笑) イケメン、マジ、イケメン(笑)

7話目
魔法の試験。試験範囲の意味も分からない(笑) パイシーズ先生、、、これ退学でもヌルイんじゃ(笑)

8話目
スーシィ回。なんか、テーマ性というか、メッセージ性が強い回だったな。これまでと、やや作風が違うかな。嫌いではない。

9話目
い、良い話しや。校長も良い味だしてる♪

10話目
惚れ薬(蜂)なんて、なんて古典的なw なんか、ラブコメの波動が(笑) あんな顔(ベルばら風)が、アンドリュー好みなのかなw この3人娘の恋ばなとか、なんか普通の中学生(いも)っぽくて良いね♪

11話目
いや~、スーシィの毒舌、いちいち好きだわw 熱いね。

12話目
アッコ達三人娘は、三人セットではなく、三者三様なのがまた良いね。なんか、すげぇ謂い話だった♪

13話目
現代魔法か。そういうジャンルもあるんだね。なんか、黒幕登場?

14話目
久々に全力バトル。ん? セカイ系に移行?

15話目
ネットw 遅い~ムリ~w シャールストレミングのパイかな? 相変わらずテンポが良いね。

16話目
サブキャラの使い方も上手いし、何気にバトル作画が良いよね、このアニメ。

17話目
アマンダ回。ここにきて、またサブキャラを活かしてくるか。

18話目
コンスタンツェ回。なんかこの、同期で同室の3人の通じあっている感じ、NARUTOっぽいな。まさかの巨大ロボw なんだ最後のコンスタンツェの笑顔、破壊力抜群か(笑)?

19話目
あれだけ色々あったダイアナを、本気で迷いなく止めるアッコは、らしいですね。ダイアナもシャリオファンだったってのは、良い設定だ。

20話目
しきたりは、破るためにある(笑) スーシィの毒に比べれば(笑) 最後は壮大で感動的。流石のバランス。この2話だけで映画をつくれそう。

21話目
アッコの根本にある、幼さがマイナス方向に出た話。クロワも、シャリオを殺しい程憎んでいるわけではないのですね。皮肉にも、憧れのシャリオから空を奪ってしまったアッコ。でも、引き継いだのは思い。そんな話でしたね。

22話目
政治の世界の話、過激なナショナリズムが描かれはじめましたね。これは意外な展開。実はアッコから魔力を吸いとったのがシャリオだったなんて……。

23話目
う~ん、ドリームヒューエルスピリットを使わせたのがクロワか。単純にクロワが悪い感じだね。

24話目
スターウォーズ(笑) シャリオは確かにアッコから魔法の才能を奪ったけれと、もっと大きな力、信じる心を与えていたのですね。

25話目
良い最終回だった。それ以上の言葉が、必要ですか?
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 41
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

私が個人的に最も苦手なタイプの魔法もの

私の個人的な感想を一言でいえば、
《①シナリオや、②キャラの心情推移を、丁寧に追っていこうとすると、馬鹿を見てしまう類の作品》
・・・ということになりました。
でも、まあ、そういうことってあるよね。

同じ魔法ものでいうと去年見た『終末のイゼッタ』、それから魔法ものではありませんが特殊なSF設定のある『電脳コイル』あたりが、個人的に本作と同じような感想になった記憶があります。
(序盤である程度の期待感を抱かせたくせに、中盤からシナリオ等がどんどん微妙になり、終盤は最早どうでもいい話になってしまってガッカリした点が共通)。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点の感想
ワザとらしい作画や展開が、個人的にかなり苦手な部類の作品である。
このような作風の作品を、無条件に『まどマギ』『なのは』『CCさくら』等の上に置いてしまう人がいることに少しイラつく。
但し完走して本作の内実を確り見極めたいとは思う。
・第2話視聴終了時点の感想
ヒロインの魅力のなさは相変わらずだが、魔法学院の生活ということで、『レディジュエルペット』みたいな展開(前半の少女たちの成長物語を踏み台にして、後半からセカイ系に発展)になるのか?少しだけ期待感を持つ。
・第10話視聴終了時点の感想
やはりヒロインの性格や行動の安直さからくる魅力のなさにゲンナリする。
(同様に魔法系学園での修行込みのコメディものの良作『レディジュエルペット』(※個人評価 ★ 4.2)のヒロイン(ももな)と比較しての感想)
・第14話視聴終了時点の感想
ヒロイン(アッコ)の性格や行動の厚かましさに閉口してしまう(とくに妖精労働者のストライキ扇動は、やり過ぎ)。
アッコの性格や行動が、『おジヤ魔女どれみ』のどれみに何となく似ているので、同作品を好きな人にはお勧めできる作品なのかも?
・第18話視聴終了時点の感想
こんなとこで場違いな合体ロボットを出してくるとか・・・下らないギャグ・アニメになっていいの?
・第20話視聴終了時点の感想
ダイアナの叔母一家が分かり易い悪人達で、第18話のロボット出現と併せて“作品の格”をだいぶ下げてしまった印象。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         TRIGGER / 吉成曜
監督         吉成曜
シリーズ構成     島田満
脚本         大塚雅彦(無印他)、島田満(映画他)、うえのきみこ、樋口七海、佐藤裕
キャラクターデザイン 吉成曜(原案・劇場版)、半田修平(TV版)
音楽         大島ミチル
アニメーション制作  TRIGGER{/netabare}


◆作品別評価

(1) アニメミライ版   ☆ 3.9
(2) 劇場版       ☆ 3.6
(3) TVシリーズ    × 3.4
-------------------------------------
 総合          ☆ 3.5


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


======== リトルウィッチアカデミア (アニメミライ版) (2013年3月) ========

全1話 ☆ 3.9 {netabare}シャイニー・アルク発見、ドラゴン退治{/netabare}※約25分、作画・演出はいいけど、これだけでは何とも・・・


=== 映画 リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード (2015年10月) ===

全1話 ☆ 3.6 ※約55分、だからどうしたの?位の感想にしかならない・・・

主題歌 「Magic Parade」
挿入歌 「ふたつの夜」


========== リトルウィッチアカデミア (TVシリーズ) (2017年1-6月) ========

 - - - - - - - - OP 「Shiny Ray」、ED 「星を辿れば」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 新たなるはじまり ☆ シャリオの魔法ショー、アルクトゥルスの森とシャリオの魔法の杖、魔法学校入学
第2話 パピリオディア ★ 魔法学校の授業と生活(仲間たち)、記念樹とパピリオディアの蝶
第3話 Don't stop me now ★ 伝説の箒(流星号)、箒リレー ※ディズニー/ジブリ風の演出が個人的に苦手× 
第4話 ナイトフォール ☆ ロッテの大好きな小説の作家(アナベル)、古道具の精霊
第5話 ルーナノヴァと白い龍 ☆ 魔導石紛失、学園の財政危機 ※微妙な展開・・・
第6話 ポラリスの泉 ☆ アンドリュー(ハンブリッジ伯爵長子)来校、シャリオの祈り、アッコの願い
第7話 オレンジサブマリナー ★ 問題児アッコ、退学の危機 ※ギャクのツボが自分と完全にズレてる点は× 
第8話 眠れる夢のスーシィ × ※同上(単に奇を衒ったお騒がせ話にしか思えない) 
第9話 ブライトンベリーアンデッド紀行 ☆ ミランダ・ホルブルック校長のパパのアンデッド ※コメディパートがクドい×
第10話 蜂騒ぎ ☆ ハンブリッジ伯爵家パーティ、惚れ蜂の悪戯 ※スーシィ安直な便利屋キャラになってて×
第11話 ブルームーン ☆ 10年間消息不明のシャリオ、洞窟の亡霊、第2の言の葉の蘇り ※動きのある回だが分かり辛さは×
第12話 What you will ☆ 魔法祭の準備、ポラリスの泉再び
第13話 サムハインの魔法 ★ 魔法祭、バハロアの呪い、第3の言の葉の蘇り{/netabare}

 - - - - - - OP 「MIND CONDUCTOR」、ED 「透明な翼」 - - - - - -
{netabare}
第14話 ニューエイジマジック × 現代魔法の使い手(クロワ)赴任、妖精ストライキ、クロワの策謀開始 ※脚本の酷い回
第15話 チャリオット・オブ・ファイア ★ クロワとシャリオの因縁、狙いは世界改変魔法、アーシュラ先生との会話
第16話 ポホヨラの試練 × 4番目の言の葉、緑人間病 ※脚本が酷い回
第17話 アマンダ・オニール・アンド・ホーリー・グレイル ☆ エイプルトンの伝説の聖杯、アンドリュー久々登場回
第18話 空中大戦争スタンシップ × ワイルドハント(ゴーストを狩る集団)、ゴースト暴走 ※合体ロボット登場はさすがに場違い過ぎ
第19話 キャベンディッシュ ☆ ダイアナの退学・継嗣騒動、彼女の背負うもの
第20話 知性と感性 ☆ 続き、アッコとアンドリューの貢献、当主継承儀式の未達、5つ目の言の葉 ※見所はあるが脚本は粗雑×
第21話 ワガンディア ★ 6つ目の言の葉 ※シャリオとクロワの因縁が明かされる回だが、展開が遅すぎる点、そしてキャラの心情推移に説得力が不足な点は× 
第22話 シャリオとクロワ ☆ シャリオ身ばれ、ドリーム・フューエル・スピリット ※謎回収の中身がショボ過ぎる×
第23話 Yesterday ☆ シャリオの過去、ダイアナの過去、ノワール・フューエル・スピリット ※設定矛盾が目立つ回
第24話 アルクトゥルスへの道 × 市民暴動の発生、魔力の消滅、機械の暴走、最後の言の葉、世界改変魔法 ※最早どうでもいい話に・・・ 
第25話 言の葉の樹 × 魔獣の取り付いたミサイル ※ED「星を辿れば」{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)13、×(疑問回)6 ※個人評価 × 3.4

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

95.4 8 2017年度のファンタジーアニメランキング8位
この素晴らしい世界に祝福を! 第2期(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2181)
11680人が棚に入れました
不慮の事故により異世界に転生した、ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」という夢はイマイチ叶わないものの、なんとかそれなりに、異世界での日々を送っていた。転生特典として道連れにしてきた女神・アクア。一日一発しか魔法を撃てないアークウィザード・めぐみん。攻撃が当たらないクルセイダー・ダクネス。能力は高いのにとんでもなく残念な3人のパーティメンバーたちとも、なんとかそれなりに、クエストをこなしていた。―――そんなある日。機動要塞デストロイヤーの脅威からアクセルの街を救ったカズマたちに、王都からやって来た使者は言い放った。「冒険者、サトウカズマ。貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!」……平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、原紗友里、稲田徹、堀江由衣、豊崎愛生、諏訪彩花、江口拓也、生天目仁美、西田雅一
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この素晴らしいアニメに拍手を…贈ろうと思う

今期一番の期待作品が始まりました。さてさて、どんな冒険(?)が待っているのでしょうか。

1話…やっぱりこの連中はこうでないと
{netabare}完全に一期の続きです。あのタイーホから始まりました。
クズ…カス…カズマが国家反逆罪容疑で捕まり、取り調べ。救おうとアクア達が動くが、相変わらずすっとんきょうな感じで役に立ちません。裁判ではララティーナ(ダグネス)のおかげで処分保留。が、領主屋敷の弁償として12億ものの借金を背負うことに。

この感じ、良いですね。難しく考える必要なし。クズマとダメガミと爆裂娘とMお嬢様の冒険ではない冒険譚。ファンタジーとは言いがたいファンタジー、クスクスしてしまう笑。やっぱり面白いです。
作画がなんか変です。狙い?万策尽きる前のギリギリ?原作の挿し絵やなんかは可愛いのに。{/netabare}

2話…黒歴史は涙無しには見ることが…
{netabare}あの場面、見たことあるぞ、そう、∀ガンダムだ。黒歴史とは過去の恥じではない、恥ずかしいだけだ。

ダグネスが一晩経っても帰ってこないことに悶えるカズマたち。そんな折りにデカガエルの退治を命じられる。ドタバタしながらも退治を試みるが、残りにパクリでピンチ。ピンチを救ったのは「ゆんゆん」。自称、めぐみんのライバルで、紅魔族の長の娘。めぐみんが主席でゆんゆんは次席という立場だったらしい。
ゆんゆんに勝負を挑まれるものの、卑怯(?)な手でかわすめくみん。
家に帰り、カズマの挑発に乗って一緒に風呂に入るめぐみん。結局アクアにバレてカズマは「ロリニート」の称号を得た。
カズマ達がウィズの店へ行くと、偶然を装って店にいたゆんゆん。再びめぐみんに挑もうするも、仲良くなるための魔法の水晶を使う(その間にウィズの胸をモミモミするちょむすけが気になった)。そこで映し出されためぐみんとゆんゆんの過去があまりにもな…めぐみんは貧乏すぎる過去が、ゆんゆんは超ボッチなとが明らかになってしまった。

ゆんゆんが思った以上に可愛くデザインされていました。豊崎さんの声も合っています。これからどんな活躍(?)を見せるのか楽しみです。{/netabare}

3話…アクアって女神だったんだなぁ…
{netabare}大借金を背負ったカズマ一行。それでもめぐみんの爆裂魔法の日課を欠かせない。
新しいダンジョンが見つかり、お宝があれば借金返済の足しになると挑むカズマ。カズマは新たなスキルをマスターしており、未知のダンジョンもなんとか進むが、待ってろと言ったのにアクアがダンジョンに。アンテッドが襲うけど、アクアが清めて浄化。そしてリッチと遭遇。そのリッチは過去に結構な魔法使いとして活躍していて、王の妾の一人を解放し、一緒に行動していたが、彼女が重い病になり、それを解き放つためにリッチとなったのだとか。
すでに彼女も亡くなり、アクアに浄化してほしいと願う。アクアは願いを聞き入れ、魂を導いた。

何、この感動系の話は?…このすばっぽくない。でも所々笑いぶっ込んでくるので飽きないです。アクアは女神だったんだなぁ…
前回と今回は作画がきれいだったような…{/netabare}

4話…ララティーナ(本名)は真性の…
{netabare}カズマとアクアが戯れる(日常)なか、飛び込んできた謎の美女、ララティーナ(ダグネスとも言う)だった。何でも見合いさせられるという。
パーティーで冒険を続けたいララティーナは見合いを破談させようとカズマたちに頼み込みにきたのだ。寿退社ならやめさせる理由にもってこいと考えたカスマは屋敷へ向かう。
屋敷ではララティーナが見合い相手の話をするが、どこをどう考えても良縁である。ララティーナからぶち壊すように頼まれていたものの、臨時執事で見合いを成功させようとする。見合い相手はイケメンな上に性格も良し、本当は断るつもりできたのが、ララティーナを気に入ってしまった。何とかしたいララティーナは本性を見せつけ、カズマと決闘。カズマとの仲を勘違いしたのか何だか分からない感じで破談になる。しかも、お腹にはカズマの子を宿していると爆弾発言を残して。

今週も腹抱えて笑いました。ダグネスの真性っぷりが良いです。2週物語から離れていた分、爆裂した感じです。
このすばは展開だけでなく、細かいところも爆笑できるんですよね。今週はアクアに笑いを持っていかれてます。冒頭のでかいコブ、米粒を使った紙の修復、鯉の呼び寄せなど。本当に面白いです。{/netabare}

5話…オチは?
{netabare}セナにモンスターの出現がカズマのせいと疑われるが、ダンジョンにアクアが魔方陣を張ったせいだった…
仮面を被ったちびモンスターは爆発するものだったがダグネスには効かない。カズマとダグネスがダンジョンに入り、魔方陣を消すことに。すると、魔王軍幹部のバニルが待ち構えていた。バニルはダグネスタイプのM持ち、どんなやられ方するのが楽しいか考えていた変態混じり。但し、能力は確かで、見通す力や土から人形系モンスターを発生させるなど優秀。
が、ダンジョンからモンスターがいなくなったことのが女神であるアクアのせいだと怒り、アクアを倒すことに動く。そこをダグネスの剣がたまたまカズマがこけたせいで当たり、倒す。と思ったら、仮面だけで乗り移れる能力を持っており、ダグネスに乗り移る。ダグネスとバニルの一人漫才が始まる。バニルに乗っ取られながらも最後まで精神的な抵抗をし、最後はめぐみんの爆裂魔法をダグネスに放ち、バニルを倒した。
この件を一部始終見ていたセナからカズマの嫌疑は晴れて無罪放免。しかも、幹部を倒した功績によって借金完済どころか、莫大な恩賞を得ることに。

あ、あれ? こんなキレイなオチでいいのか?
ダグネスとバニルの漫才が面白かったです。掛け合い上手いものだなと感心です。しかしまぁ、魔王軍の幹部は変なのしか居ないのか? 魔王は更にいっちゃっているんではないか?{/netabare}

6話…ちゅんちゅん丸と聞いて、ピュンピュン丸と反応した人は…
{netabare}年齢がばれてしまいます。
バニルは生きていた。というより、仮面にⅡとあり二号機のようだ…。バニルからカズマの世界の商品を売ったら儲かると言われ、カズマは早速コタツを製作。あまりの気持ちよさにコタツムリになるカズマ(熱源はなんだろうか?という突っ込みは…)。ダグネスとめぐみんにコタツごと外に投げ出され、ようやく動くことに。
カズマが新たな武器として日本刀を製作をしたが、商品やドアに引っ掛けてしまい、結局は短刀に(背中に背負うとか、武士のごとく脇に差すとかすればいいものをという突っ込みは…)。かっこいい名前をつけようとしたら、めぐみんが勝手に「ちゅんちゅん丸」と名づけてしまい涙目のカズマだった。
リザードランナー(80年代に一世を風靡したあおのトカゲ)を退治するクエストに挑む一行。珍しくカズマが完璧な作戦を立てたものの、フラグでしかない。見事にアクアがぶち壊してしまい、アクアは悶絶。ダグネスは群れにぐちゃぐちゃにされ喜ぶ…。カズマがキーポイントのモンスターをかっこよく(このシーンは本当にかっこよい描写)討つものの、登っていた木から落下、首がグシャ…。気がついたらエリス様の前にいて、生き返りを進めるものの、ふと考えるカズマ。なんと、現世に生き返りたいと言い出す。
アクアが説得するものの、動じない。めぐみんが体にいたずらをしていると聞き、あわてて戻ることに。目を覚ますと涙目のめぐみん、なぜかこらえるダグネス(泣いているように見えたのだが…)、やれやれという感じのアクア。
家に戻り、風呂に入ろうとすると、下腹部に「聖剣エクスかリバー」のいたずら書きが。

今週も爆笑でした。どうせやられると言ってダダこねるアクアの動きが妙におかしくて。エリスが可愛いのと、めぐみんの涙目がキュンときました。{/netabare}

7話…どんどん優雅になっていく…あってはいけない
{netabare}めぐみんはゆんゆんのところから帰ってきて焦った。なぜかカズマとアクアが優雅なティータイムを送っていたからだ(ただし、紅茶はアクアによって浄化され、単なるお湯になっているが)。バニルがやって来て、カズマにカズマが用意したグッズを一括なら3億で、月々なら百万で買い取ると言うのだ。すでにセレブ気分だった。冒険しようとめぐみんは言うが、カズマは首折れたばかり、よくなるまで休みたいと言い、それなら温泉にと言うめぐみんの誘いに乗った。
温泉行く前にウィズの店に寄ったら、ウィズがボロボロになっていた。売れそうもない商品を仕入れてきたウィズにバニルが撃ち込んでいたのだ。温泉にはウィズも連れていくことになった。
温泉へ行くための馬車乗り場でゴタゴタするカズマ一行。ようやく出発したら、なんか走ってくる影が…どうも、ダグネスの着ている防具に寄せられたらしい…。

安定感抜群の面白さです。留守中に乗り込んでくるゆんゆんの孤独さたるや…。
作画がこれまでのなかで一番綺麗だったような気がします。アクアの斜め上からの目線が綺麗で、めぐみんの表情が可愛くて。まぁ…この作品は作画が云々ではないのですが、それでも綺麗な方が良いのは確かです。
{/netabare}

8話…前半珍しい冒険譚、後半詐欺話
{netabare}ダクネスに突進してくる鳥たち、相変わらずダクネスは嬉しそう…。カズマの機転を利かせた対処で一難を乗り越える。その夜、野宿でカズマは違和感を感じる、それはゾンビだった。どうやらアクアに寄ってきたらしい…。ウィズが川を渡りそうになるが、アクアが退治した。カズマはお礼の受け取りを拒否した…すみませんと言いながら。
目的地の温泉に到着、そこはアクシズ教の総本山だった。カズマに近寄ってくる人々は詐欺師…アクシズ教に入信させるためにあの手この手で迫ってくる。エリス教のダクネスには物凄く冷たい。あまりのしつこさに流石にキレたカズマだった。

今週も安定したお笑いでした。ダクネスのMっぷり、アクアのダメっぷりが絶妙。ウィズの川を渡りそうになる場面にはそう来たかという感じで。
女神がアクアですものね、そりゃあ信者もそうなる…。エリスを目の敵にしているのもね(笑){/netabare}

9話…アクシズ教は詐⚪集団?
{netabare}キレたカズマは教会に乗り込む。そこにはシスターが居たのだが、やっぱりおかしい…。傍らでめぐみんはアクシズ教の恐ろしさに震えていた。
懺悔室に入ったカズマ、答える女の子はどこからどう見てもアクアだった。調子に乗っていたアクアにカズマは容赦なく攻める。半泣きのアクアは陥落した。
アクシズ教の信者はそれほど多くはないらしい。なので、アクアは信者をどんなことをしても守るのだという。
目的だった温泉、当然のように混浴に向かうカズマ。そこにはカップルみたいな男女がいた。男はアクシズ教の勧誘にぐったりだった。女はカズマの熱視線を浴びてあがっていった。女風呂にダクネスとめぐみんが入ってきて…。
風呂上がり、アクアが泣いていた。なんでも、温泉を浄化してしまい、女神だと言い張ったのに信じてもらえなかったらしい(当たり前である)。だが、温泉が毒で汚染されているとのこと、何とかしようとがんばるアクアだが…

今回もたっぷりと笑わせてもらいました。アクアとカズマの教会でのやり取り、「エリスの胸はパッド入り~」、ウィズが浄化されそうになるときの場面、風呂場のカズマとめぐみん&ダクネスのやり取り、カズマのガン見、噴水前での演説などなど、本当に飽きません。アクシズ教、怪しすぎ…て、女神が女神だしね~
今回もゆんゆんの手紙で締めたけど、どんどん悲壮な感じになっていくのだが…気になります。
おや?次回で終わり? 早いよ~{/netabare}

10話…このおかしな一行に祝福を
{netabare}アクシズ教徒から追われるアクシズ教の女神アクア(ちょっとかわいそう)。毒が混入されている原泉に向かうが、追い返されそうになる。そこはララティーナ(ダグネス)の家の威光で入れることに。するとそこには怪しげな男が何かしていた。ウィズが思い出す「ハンスさんですよね」。なんと、魔王軍の幹部で強いと言われる毒スライムだったのだ。スライムと聞いてカズマは余裕ぶっこいていたが、スライムは弱くはない(それはドラクエのイメージだ)、焦って逃げ出すカズマたちだったが、後ろからはアクシズ教徒の集団がやって来ていた。原泉を浄化しようと突っ込むアクアにカズマは観念して戦うことを決める。ウィズはハンスが管理人を食ったことに激怒して氷の魔法で攻撃する。カズマの自己犠牲を伴った戦略でハンスを弱め、どこからどう見てもホイミスライムとなったハンスをアクアのゴッドブローが襲う。そして、原泉も浄化され、一件落着。
だったはずだが、アクアが温泉を完全浄化してしまったため、町を追われてしまう。蘇ったカズマ、始まりの街に戻り、中間たちとの日常が一番と感じておしまい。

アクシズ教、これはいかん…。教義、笑ったけど、真を突いているところもあったりするところが憎いです。まぁ女神が女神だけにねぇ…。でも、アクアが教徒を守ろうとする気持ちはかっこよかったです。
カズマも同じ、何だかんだ言いながらみんなを守るところが何とも良いです。
それにしてもバトルの場面、メチャクチャカッコいい感じがしたのですが…。この作品は作画まで含めて笑ってくださいということなんでしょう。
三期の予告期待したのですが、何故かカウンターに置かれたパンツが…。まったく、最後の最後まで笑わせてくれる。{/netabare}

二期も一話から最終回まで楽しめました。大爆笑というより、クスクスが連続でやってくる感じがこの作品の持ち味です。また、下手な人情話はないけど、時おり仲間や町の人たちのことで行動するようなところが良い感じになっています。
一本の流れはなく、一話から数話で話をまとめていて、中だるみも、飽きることもありません。

クズマ…カズマと3バ…3人のヒロインたちの関係は相変わらずの距離感で本当に良いです。カズマも言っていたとおり、見た目は良い3人なので普通ならハーレムアニメになるんですけどね…付かず離れず、恋愛にもならず、かといって互いに嫌な感じもしない。これこそ「このすば」の魅力なんだと思います。

作画ですが、OP1話ED見たとき、このままずっとこれではさすがに…と思ったのですが、毎回のように違い、7話や最終回のバトルは本当に美麗にさえ感じ、何が本当なんだかよく分からないのが「このすば」。作画まで「ネタ」なんでしょうね。

三期の予告を期待したのですが、ありませんでした。このあとも(というより、このあとの方はもっと)面白そうなので、アニメにしてほしいです。ともあれ、この作品に祝福を!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 59
ネタバレ

チョビ0314 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この素晴らしい石鹸なんか食えるか!!

この素晴らしい世界に祝福を!二期の感想になりますが長文なので、読んで戴く場合はその点をご理解下さい。

まず結構感心したのがオープニング&エンディング。
一期のオープニングは物語の始まりらしく、メインキャラの特性と今後登場するキャラの顔見せ的な構成でした。
これに対して二期は場面変化と共にキャラが徐々に汚れ表情も変化させ、各々の得意技を披露してから締め括り冒険成功の報酬をGETするまでを1つの物語として描きます。
これによりクエストをこなし糧を得られる様な冒険者への成長具合も分かる様に構成されていました。

エンディングの場合一期と同様アクセルの街と各キャラの一日を描き、冒頭等で流れるチルトシフト調の風景が余計に生活感を増させつつ生活状況の変化を自然と織り交ぜています。(チルトシフトはミニチュア風に写す技法の事です)
例えばカズマが一期と違い釣りが上手くなり、アクアは子供に対しての人気がやたら上昇。
メグミンはリンゴを勝手に取る事を止め猫を飼い始め、ダクネスは以前より街に馴染んだ感じ。(売り物のリンゴを盗ったらダメですしね)
そして帰る場所が馬小屋から屋敷に変わるが、帰宅する順番が重要です。
一期では最後にトボトボ帰ってくるカズマが一番先に戻って魚を焼き出迎える。これは彼が役立つ存在へと成長しパーティの要になったと様に感じました。

オープニングは仕事という日常、エンディングは休日という日常。
タイプの違う日常を短い時間で上手に描いている良い演出だと思います。

次はストーリーについて…また思い切った展開ですよね。
{netabare}主人公はいきなり囚人で裁判を受けるも何とか死刑を回避!するのですが膨大な借金を背負わされる。
しかもメインヒロインの一人ダクネスが丸々二話ほぼ出てこないという思い切りっぷり。
ここから先の話は暫くほぼララティーナことダクネス無双。
その変態性…いやいや問題児っぷりを存分に発揮しドン引きさせてくれると同時に盛大に笑わせて貰いました。
まぁなんやかんやで魔王軍幹部のバニルさんを討伐し汚名返上名誉回復、借金問題もなくなり似非セレブ候補になります。
そして4話を跨ぐ温泉回が始まりますが、肝である入浴描写は1話のみという構成。
代わりに一番多く描かれているのが温泉街の特異性で、簡単に言うと怪しげな新興宗教団体の異常行動の数々を赤裸々に描きます。
それはそれは恐ろしく街中に張り巡らされた勧誘トラップの数々…偶然を装った出会いから貴方の為に祈らせて下さいコンボ…飲める洗剤やら食べれる石鹸ってアム◯ェイ?果ては子供すら囮に使う徹底ぶり…みたいな感じで妙にリアル…もし自分があの街に行ったなら精神に異常を来たす自身があります…(登場人物の一人は異教徒に対する仕打ちを楽しんでたが…)
この手の方々の一番怖ろしい所は「純粋に良かれと信じやっている」点でして、ホント怖いなぁ…
で、またなんやかんやでラスボス「デぇっドリぃポぃぞンスラぁイムのハぁンス」との戦闘へ突入します。
各キャラが特性を活かし神作画の戦闘に勝利するのですが、{/netabare}ここで一番肝心なのがカズマの行動。
ご存知の通り主人公パーティはカズマ以外個々の能力が非常に高い。しかし各々問題があるのでそのままでは額面通りの能力を発揮できません。
カズマの機転と的確な指示、自らを囮とした誘導なくして強敵の{netabare}デぇっドリぃ以下略に勝利する事は叶わなかった筈。{/netabare}
つまりカズマはエース、ジャック、クイーン、キングを最適に運用出来る繰り手であり自らも化け戦うジョーカーという立場です。
エンディングの事でも少し触れましたけど、やはりカズマは無くてはならないリーダーではないでしょうか。

妙に主人公カズマの事を書いてしまったので、もう少し彼について考えてみたいと思います。
ダクネスが「アイツはどういう男なのだ?保守的で臆病かと思えば、身分の差を気にもせず貴族相手ですらひどく強気な時もある」と疑問を呈した通り、彼の行動はかなり変わっています。
周りからカスだのクズだの言われてるけど、本当にカスでクズなら貰えるお金を選んだりしませんし、強い相手には媚を売り諂い(へつらい)役立たずと知れば途端に縁を切る筈です。しかし彼は一概にそうしません。
どうしてかというと、彼はたぶん自分のルールに従順なだけではないでしょうか。
根性はないが自分が納得したら躊躇せず動くし、納得出来ないならば断固として断るという行動がそれを物語っています。
それに欠点のある彼だからこそ、同じ様に凸凹なパーティの欠点を理解し補うことが出来る様に思えます。
妙に褒めてしまいましたが、正直品性は汚いし小狡い…でもそういう彼を本気で嫌う人は少ない…不思議と愛される魅力があるという事ですね。

少し脱線してしまいましたが、前作と同様に全話を通じテンポ良く進むストーリーで一気でも個別でも視聴しやすいですから、色々な人に楽しんで戴きたい良作です。

えっと後、少し謎に思っている事を…
{netabare}カズマってスティールを使うと女の子のパン…下着をほぼ確実にGETしますよね。
でもアクアの場合だけは羽衣を剥ぎ取れました…これってアクアがノーパ…いやいや下着を付けてないから羽衣だったの?
む?そうなるとデュラハンのベルディアもそうだったのか?男だったから?
いやはや謎は深まるばかりですね。

で、やっぱり気になってグーグル先生に調べて貰った所、同じ様な疑問を感じてる方々のスレへ行き着きました。
それによりますとアクアのリアルなフィギュアではTバックを着用していて、ディフォルメされた「ねんどろいど」では未着用だったそうです。
う~ん…まぁどっちでもいいやw{/netabare}

一期のレビューもありますので、良かったら読んで戴けると嬉しいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37
ネタバレ

赤緑 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

2期も良かった ただし作画は・・・ ハーレムのようでハーレムじゃない男子向けファンタジー

1期が好きなら楽しめると思う。
しかし、作画は1期より平均レベルが下がったように見える。
あと、めぐみんファンにはちょっと物足りないかも。
男子向けというのはお色気が多めという意味。


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あにこれ始めてから初のリアルタイム視聴アニメ。


ラノベ原作の、異世界転生RPG風ファンタジー、ただしギャグ。
詳しい説明は1期のレビューを参照。


2期はダクネス無双だった。(※ひいき目。実際はアクアも同じくらいだったと思う。)
その代わり、めぐみんが第2話を除いてちょっと目立たなかった気がする。
とにかくダクネスを堪能できた。注目しているのは、エロのところじゃなくて、お嬢様のところね。

新キャラもたくさん出てきて楽しい。
特にバニルがいいキャラ。人気も高いらしい。
バニルに言葉責めされているダクネス、いいね。


ただ、作画がちょっと・・・。1期にも増して悪いところが目に付いた。
第5話が一番良くて、第1話が一番悪かった、かな?
あと、後半はちょっと勢いが失速したと思う。さすがにマンネリになってきた気もする。
最終回はカッコ良かった。


最終回のエンドカード、原作のイラストの方が書いてるんだけど、何これ可愛い。
ダクネスが手前にいるから一番大きく描かれているわけだが。


《総合評価》

作画が良くないが、ギャグかキャラが気に入れば楽しめる。
見た目も好きなキャラがいるのに作画は評価できないということがあるのだろうか。


物語:
主にギャグの評価。
ストーリーは特に注目すべき点はない。
アルカンレティア編(温泉の都)は同じネタが続いて飽きた。

作画:
正直良くない。全編で第1話の水準だったら観てられなかった可能性が高い。
第5話で3.0、第1話で1.7、平均で2.2弱くらい?
OP・ED作画もあまり良くないのが悪印象になっている。

声優:
茅野さんあってのダクネスだ。
他のみなさんも、サブキャラ含めて良かった。
ただし、好みでの評価であって、総合的には最高とまでは言えない。

音楽:
劇伴のアコーディオンの曲が笑える。
OP曲、ノリがイイ曲。
ED曲は1期と同じノリのカントリー風。

キャラ:
ダクネス。
カスマさんも相変わらず。
アクアとめぐみんも割と好き。
過度な巨乳キャラが多すぎるのがちょっとマイナス。



以下、放送中に書いた駄文。

{netabare}
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▼第1話~第4話 - ララティーナ可愛いよララティーナwww

1話目での作画崩壊でどうなることかと思ったが、2話目からは何とか持ち直した。
ただ正直なところ、面白さの勢いは失速してしまったかな。

でもアクアの不憫さとダクネスの可愛さでまだ走り続けられそうだ。
拗ねてるダクネス超かわいい。


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▼第5話 - 作画が安定してきた(このすば基準)

今回もダクネスが大活躍。
中身がアレでも見ている分には問題ない!
あー可愛かった。

アクアもあいかわらず。

めぐみんの影が少し薄かった。

あと、すごくどうでもいいこと。→最奥は「さいおう」と読む。姑息そうな男、は誤用な気がする。


そして今回作画が、このすば史上最高品質だったのでは?


締めのシーンで、ガリル(角が生えた鉄のお面みたいのつけてる冒険者)が
前回の私の投稿のタイトル(↑第1話~第4話)と全く同じセリフ言ってて笑った。
(原作未読。)


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▼第6話 - 中休み回

今回は久々にロープレらしい展開。
・・・いや、前回は中ボス討伐だったはずでは。
前回のはカズマとダクネスの暴れっぷりが凄すぎて、中ボスバトルのイメージが無さ過ぎた。(褒めている)

安定の駄女神。


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▼第7話 - うちのがすいません

ストーリーがダクネス中心で進んでいる気がしてならない。

ところで、もしかして、めぐみんも履いてない?(いや、黒いの履いてるはず)

バニルいいキャラしてるな。


いざ、冒険に出発。
しかし、音楽が無駄にカッコいいなー。

「そんなスキル使ってません」「バインド」・・・ダクネスもう隠す気ないだろ。

カズマの名ゼリフ→すいません、うちの変態がすいません!


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▼第8話 - 美しい景観の街。景観は良かった、景観は。

やはりダクネスの登場シーンが多い気がするのはなぜだ。
私得じゃ・・・語呂悪いな、「俺得」じゃないか。

今回は作画がダメな部分が目立ったな。第1話ほどではないが。


カズマ、鬼畜とはいえ、なぜダクネスの言うとおりにした。(引き摺り)

そういえばトンビだったか、あのダチョウ。

ターンアンデッドの時のアクアの表情がヤバい。そういえば特徴に「顔芸」を付けてなかったな。

ウィズをもっと心配したげて。
ところで、ウィズを背負ったらスゴイことになりそうだが、平気なのかカズマ。

作画が悪い作品だけに、アルカンレティアの到着シーンは作画がんばったのか、美しかった。
アクアの同類がたくさんいるところを除けば良いところだな。

しかし後半はちょっと同じネタがクドかった。
最後のオチも読めたし。
幼女の叫び声は良かったが。

作画の悪さと髪型服装の違いもあって、街を散策した時のダクネスが誰だお前状態に。
キャンプ時の黒い私服のダクネスは可愛かった。そしてちょっとエロかった。


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▼第9話 - 温泉いきたい

また作画が良かった。もち(ry
特に、ヒロインたちが3割増しくらいで可愛いな。風呂だからとかそういうのではなく。
カスマが壁に耳つけているときの顔がウケる。

あと、ネコ(ちょむすけ)も可愛い。

ウィズは不憫属性が上がった。


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▼第10話 - カッコいい!

カズマの捨て身の策で
ハンスを倒すシーン、絵面はカズマを除いてカッコよかった。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

93.5 9 2017年度のファンタジーアニメランキング9位
小林さんちのメイドラゴン(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1690)
8087人が棚に入れました
朝、会社に出ようとしたらドラゴンがいた。
茫然とする小林さんの目の前で、そのドラゴンは角あり尻尾ありのメイド服を着た美少女へと変身した。
トールと名乗るそのドラゴン娘は「今日からメイドとして働かせてください!」と申し出る。
どういうことか分からず尋ねると、昨夜酔った勢いで小林さんが家に誘っていたようだった。
「人を雇う余裕はない」と断る小林さんだったが、会社に遅刻してしまいそうな時間だと気づき―。

声優・キャラクター
田村睦心、桑原由気、長縄まりあ、高田憂希、高橋未奈美、小野大輔、中村悠一、加藤英美里、後藤邑子、石原夏織
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

鶴の恩返しならぬ竜の恩返し? 萌えあり、神話・伝説ネタあり、ほっこり笑えるホームドラマ

ある日ある夜、お酒に酔った小林さん、前後不覚の千鳥足、足向く先は何と山、そこで会ったはドラゴンさん。つるぎ刺さった巨体見て、絆され助けたその翌日に、メイドラゴンのトールさんがやって来た。

OLでオタクで死んだ魚の目(笑)の小林さんとメイドラゴンのトールさんが織り成すの笑い多めの日常もの。

多忙で笑いのない日々を送っていた小林さんのお家に、ドラゴンだけどメイドで、天真爛漫で元気印のトールさんが住み込んで、賑やかな生活のはじまり、はじまり~というお話。寂しさの立ち込めていた小林さんちに新たな家族?の到来で赤々と火が灯った様です。

トールさんが小林さんの服を口に含んで洗濯?したり、自分のしっぽを切って食卓に出したりとギャグは概ね万人向け(笑)クトゥルー神話ネタで一部視聴者を置き去りにした「※1這いよれニャル子さん」みたいな、分かる人にしか分からない神話・伝説ネタとかも若干ありますが、あまりくどくないので気にせず楽しめると思います。酔っ払った小林さんの持ってた一升瓶に"竜殺し"とかの小ネタも笑えました。鬼殺しより遥かに強烈そう‥。

でもあれこれ知ってると面白い場面も‥。私的には1話の電話越しからトールさんに怖ろしげな支持を出すファフニールさんの声(小野大輔さん)に爆笑。彼の※生い立ちとか末路とか考えると無理もない台詞でした(笑)

大まかな印象はありがちなご主人様とメイドのお話で、トールさんが強大な力を持っている所とか、小林さん好き好き(笑)な所は、上でも引き合いに出した「這いよれニャル子さん」に良く似ていますが、女性同士のお話なのでやらしさが全然無くて、老若男女見やすいアニメになっているのではないでしょうか? 主人公に一目惚れというよりは助けてもらった恩返しという所にも好感が持てました。

ご近所さんや商店街の人たちも一緒になって物語に絡んでくる場面などもトールさんが妙に馴染んでいて何となしに顔がほころんでしまいます。ツノあるのに‥(笑)ツノは出せるけどしっぽは出せないという所はトールさんと小林さん以外の人間達との距離感を表している様でした。ツノは出せるんだ‥(笑)

2~3話
{netabare}
2話ではトールさんを慕う同じくドラゴンの幼女のカンナちゃんことカンナカムイちゃんも登場し、ホームドラマ色やほのぼの色がより強くなった印象。お父さん役の小林さんとお母さん役のトールさん、子供役のカンナちゃんとくれば、まるで仲の良い3人家族ですね(笑)

3話には、電話の声の印象ではかな~り怖そうだったけど、実の所は割と優しいファフニールさんが人間の姿で登場。いつもニコニコ穏やかなケツァルコアトル=ルコアさんも加わり、ますます賑やかな雰囲気に。
{/netabare}
4話
{netabare}
カンナちゃんが小学校に通い始めるというお話。

文房具から体操服から上履きまで、結構色々買い揃えなければなりません。ランドセル38000円もするんだ‥とか小林さんみたいに思いつつも6年間使える上等なものなら安いものですね。小林さんの僅かな動揺を見逃さず、カンナちゃん気にしてましたが、こちらもとてもリアルな描写でした。ちょっとした言葉の端でも子供はお金の話に敏感に反応する事があるものです。小林さんの方もちゃんとそれに気付いてて、言葉じゃなくて行動で「大丈夫だよ」って伝えられた様で‥こういう気遣いは大人として見習いたいものですね。

そして場面変わって小学校。おっとりだけど何でも出来ちゃうかンなちゃんはあっという間にみんなの人気者。小林さんの言いつけで、カンナちゃんの学校生活を監視するトールさんは過保護で文句たらたらなお母さん(お父さん)状態。気持ちは分かりますが、全国のお父さんお母さん真似しちゃいけませんよ? 木の枝の上に横たわったり、草むらの影から頭を出したりしながら人類批評するトールさんの図がちょっとドラゴンっぽくもあり、シュールでもあり何気に笑えました(笑)

後半はいい年した大人(ドラゴンだけど)が子供と一緒になって思いっきり(殺さない程度で)爆風ドッヂ。島本和彦先生の漫画「炎の転校生」とかから脈々と続く、ありがちで伝統的なギャグなんですがフツーに笑えました。ファフニールさんいつになく燃えてるなぁ(笑)地面えぐれたり木とか折れたり色々とメタメタになってましたが、ツノとかしっぽ隠すよりもそっちを心配した方が良いかもとか思ったり‥でもルコアさんが全部元に戻せるそうでヨカッタヨカッタ?

終幕前の子供間のマジやべぇ伝染には‥(汗)でした。子供の前で軽率な言葉は使わない様にしたいものですね。

今回も楽しいお話でした。
{/netabare}
5話
{netabare}
今回は小林さんの事をもっと知りたいトールさんのお話とファフニールさんのお家探しのお話、トールさん、人間の超能力に驚愕というお話の3つ。お約束のカンナちゃんと才川さんの「萌え~(笑)」なオマケもあちこちにありました。盛り沢山ですね。

最初のお話はトールさんが認識阻害(透明人間みたいになる事)を使って小林さんの職場見学するというもの。

人の働く姿をドラゴン視点から見下ろすトールさんでしたが、どことなく興味深げ。

でもパワハラ上司の登場でそんな心持ちも一転、小林さんを罵倒する所長の姿を見て激怒、を通り越して殺意を抱くトールさん。憎き敵を抹殺せんと‥足かけて転ばせただけ(笑)これも小林さんへの愛ゆえですね。

繰り返し同じ言葉で罵倒する人って現実にもいますけど、このアニメで描かれている様に、特に社会的地位のある程度高い年かさの人に多い気がします‥。自分よりも落ち着いていたり、優れていたりする人間に対して攻撃的になるのは、多分自分が見下されていると思い込む心の裏返しなので、怒りの燃料は主に劣等感と被害妄想、ゆえに無尽蔵、なので非常に性質が悪いのです。

所長の2度目の登場シーン、ここでもほぼ同じ問答が繰り返されトールさんのささやかな復讐あり、所長、殺されなかっただけでも幸いでした。小林さんに感謝しなければなりませんね‥パワハラの証拠録られてクビになったけど。リアルでもこういう風に因果応報が上手く機能してくれるといいんですけどね‥(汗)

それはそれとして、人に頼られ、黙々と仕事をこなす小林さんの姿を見て、トールさん、ますます小林さんの事が好きになった様子。恋する人の美点を見つけて歓喜してしまう所など女の子っぽくて可愛らしかったです(笑)

次のお話はファフニールさんのお家探しのこと‥「人類など滅ぼしてくれん」とか突発的に口走るファフニールさんですが、テレビゲームにご興味を持たれた様で(笑)街頭での呆然とした面持ちでのエアプレステ?笑かさせて頂きました。

トールさんの指示に従って人間のやり方で人間界に住む事に決めたファフニールさん、不動産屋さんに「お予算は?」って聞かれて金塊をゴトって‥流石です。いくらでも持ってますものね、この人(笑)

あれこれあって、行き着いた先はオタクモードの「ヤンス」の語尾が面白い滝谷君のアパート。快くファフニールさんを同居人として受け入れてくれました。かな~りいい人。ファフニールさん、ゲーム狂の素質が見え隠れするので滝谷君と仲良く出来そうですね(笑)良きゲーム仲間の誕生?楽しいコンビになる予感がします。

最後はトールさんがテレビで見た人間の超能力に興味を持つというお話。最初のお話の延長上にあるお話ですね。好きな人やものに関する事なら何でも知りたい!と思うのは、人でもドラゴンでも同じな様です(笑)小林さんの事を知りたい、小林さんは人間だから人間の事も知りたいという様に‥よ~く分かります。トールさんの愛と笑いに溢れたお話でした。

今回も充実した内容でした。次回もとても楽しみです。
{/netabare}
6話
{netabare}
新キャラのジョージーさんと翔太君の登場回。

OPで竹とんぼみたいにくるくる回ってるメイド姿の人がジョージーさんなんですが、才川さんのお姉さんで、メイドさんではなく、ただのメイドマニアの人でした(笑)

今回登場したジョージーさんといい、小林さんといい、女性でメイド好きの人って稀だと思いますが、漫画「エマ」の作者の森薫先生とか思い出すと、重度のメイドマニアって案外女性に多いのかもって気になります。(服着れるし)

続いてはお約束の才川さんとカンナちゃんパート。部屋で一緒にゲームとかして遊んでいただけなんですけど、事ある毎にカンナちゃんと密着してしまう才川さん大変でしたね(笑)

性差のはっきり表れる前の子供時代の方が、男女ともに心も体も中性的で、同性や異性の区別無く好きになっちゃう事が多いと思うので、描写は色々とあざとかったんですけど、わたしには割と自然で微笑ましい光景に見えました。

翔太君とルコアさんのお話では、ルコアさん、気まぐれに翔太君の作った魔法陣から現れたものだから最初は悪魔と間違えられ、結局は風貌や態度から淫魔と見なされてしまいました(汗)3話ではトールさんがファフさんの姿に注文付けてたシーンもありましたし、ルコアさん元神だし、外見の融通は利くと思うんですけど‥ルコアさんもトールさんみたいに今の自分の姿を気に入っているのかも知れませんね(笑)

このお話では"魔法使いの家系"という言葉も出てきましたが、メイドラの世界にはハリー・ポッターにあるみたいな魔法界らしき場所がある様子。トールさんの元いた世界との関連は今の所不明。

最後は滝谷君とファフさんの同居生活のお話。2人が仲良くプレイしてた対戦ゲームは「※スパイVSスパイ」(パロディですが)。レトロゲーマーとしてはチョイスが渋くてこういうの見るだけでも嬉しくなります。

でもアニメ内で頻繁に見られる、ゲーマー=ネトゲ廃人=アイドルオタクというテンプレはちょっと控えて欲しい気が‥。3つとも当てはまる人もいるにはいると思いますけど、大抵はどれか一つか二つだと思うので(笑)

ゲームは情報媒体が基板だったり光ディスクだったりするだけで、本や映画と同じで内容は千差万別。誰だって数学の問題集と芸能人のゴシップ本を一緒にしないですよね‥。当然ゲームにも色々あります。ゲーム文化の歴史はまだまだ浅いので、一般的な認知が甘いのは仕方ありませんが、こういった混同は"ゲームはゲームでしょ"という誤解を生む原因になるので、この作品に限らずきっちりと区別して欲しいと思う事はあります。

それはそれとして、ファフさん、イベントのオタ芸?練習とか食事の片付けとか案外人間の世界に馴染む為の努力もしている様で(笑)尊大な口調とは裏腹に結構健気でした。

今回も短編3つ+の構成で飽きずに楽しめました。次回にも期待。

※:VSをアンドと読む。すなわちスパイアンドスパイ。敵を倒すのは目的ではなくあくまでも手段という、アクションながら知恵比べに重点を置いた割と珍しいタイプの対戦ゲーム。罠の仕掛け合いや白兵戦などで相手を出し抜きつつ、フィールド内に隠されたアイテムを集め先に脱出するのが目的。続編とかもある。
{/netabare}
7話
{netabare}
今回は水着回、後半にコミケのお話。

海の家を見て何の気無しに口にした小林さんの言葉の端から、小林さんの家族に興味を持ち始めたトールさん。トールさんに訊かれて小林さん、自分の家族を"普通の家族"という言葉で表現。彼女の社会的立場や温厚な人柄とかを見ると、かなり恵まれた環境で育った人だという事が察せられますので、謙遜した表現というか、事実から大きく外れた表現と感じました。日本人は特に、とかく自分を普通と思いたがる癖がありますよね(汗)

作中で触れられたのは人とドラゴンの常識の違い云々の話でしたが、人同士の家族を比べてみても、それぞれの持つ常識にあれこれと違いはあるものです。国とか地方とか、環境が大きく異なれば尚更の事。どっちが恵まれているとかは一概には言えませんが、小林さんの言う普通の家族ってかな~り貴重なものなんじゃないかと思われます。出来れば"いい家族"と言って欲しかったシーンでした。

次のコミケのお話はその場にしかない一体感、ライブ感を知るトールさんのお話。このあにこれでも新しく参加する人もいれば、去って行く人もいます。代わりになる人など一人も無く、今ここにある巡り合わせはこの時だけのもの。嬉しい事も寂しい事もありますが、この場に身を置く限り、一期一会の気持ちでその時その時を大切にしたいものです‥。

オマケのカンナちゃんパートでは、夏休みの理科の宿題に昆虫採集が含まれている事(選択性ですが)とプリントに"集めた昆虫を貼ろう!"って書いてあるのに唖然。しかもバッタ、チョウ、セミの指定が‥(汗)

虫に防腐剤注射したり、ピンで刺したりするのは知ってますが、"貼る"とはこれ如何に? 昆虫の死骸をボンドとかで紙に貼っつけて提出するんでしょうか? 見るからにおぞましいプリントの束になりそうです(汗)まぁ選ぶ子供(特に女子は)少ないと思いますが‥。

カンナちゃんはと言うと、虫を貼り付ける欄に食感を擬音とかで書いただけでした(笑)貼り付けられるにしても食べられるにしても虫たちの末路は同じですね。合掌‥。

水着回の後にコミケネタと今回は2本立て、単純なギャグになりがちな舞台やテーマを扱ったお話でしたが、家族における親子の関係、人同士の繋がりについてちょっと考えさせられる、メイドラらしい、しみじみとしたお話でした。

他のアニメだと水着回を捨て回みたく思ってるブリキ男としては嬉しい誤算。

次回も楽しみです。
{/netabare}
8話
{netabare}
最初のお話はお弁当対決。

審査員役のファフさんの立ち居振る舞いが堂に入っていて、グルメマンガ張りだったのには笑えました。

お題目はサラダ、肉、デザートの三種、定番からゲテモノ!まであれこれ登場しましたが、弁当作りの経験割とあるやつとしてはトールさんのシーザーサラダは量さえ加減すれば、お弁当箱とは別の密閉容器に入れて有りだとか、小林さんのベーコンエッグは弁当にはおかしいとか思ったり‥。ベーコン使うならアスパラとかにんじんのベーコン巻き、タマゴ使うなら玉子焼きがあたりが妥当なんじゃないでしょーか? 色々と気になってしまいました。最後にヘンテコ生物食べてしまった小林さんがちょっと心配になったお話でもありました(笑)

次のお話では新キャラのエルマさんが登場。いつぞやのシーンのトールさんの台詞の中で彼女と死闘を繰り広げたと言うリヴァイアサン(レヴィアタン)がこの人の様です。中々の純朴(天然)キャラですが、何の冗談か小林さん勤めてる会社にしれっと入社しちゃいました。PC見た事も無いのに入れるSE関係の会社なんて無いと思うので魔法でも使ったんではないでしょ~か?

最後は人に求められるのに慣れていないと、どう応じて良いか分からないという小林さんのお話。愛される事に慣れていない人は愛する事も苦手だったりする事がありますが、小林さんは両親から愛されて育ったはずなのに、何でそんな風になっちゃったんでしょうね? 愛情の匙加減が分からない様です。わたしも多過ぎたり少な過ぎたり、若干そんななので、ちょっと心に痛いお話でした(汗)

最初のお話に"仲良くケンカ"というファフさんの言葉がありましたが、あれも上の話と同じで、ある程度の互いの信頼無くしては出来ない事ですから、小林さんもトールさんに甘えていると見て取れます。愛情表現にも色々とあるのです(笑)

本筋とは関係ありませんが、神と敵対しているはずのトールさんが指で十字架を作ってポーズ決めている図には大きな違和感が。何かの伏線だったりして‥。
{/netabare}
9話
{netabare}
今回は運動会のお話。

前回の小林さんの"求められる事に慣れていない"理由の一端が描かれました。

運動会に両親揃って来てくれると子供はそれは嬉しいものですが(特に低学年の子は)こういうのを見ると家族の人が誰も来てくれなかった子の事も思い出してしまいます。そういう子は大体の場合、友達の家族とかと一緒にちょっと萎縮した面持ちでお弁当を食べるのです。子供にも寄りますけど‥。そう言えばみなみけにもそんなエピソードがありましたね‥。

今回のエピソードを見ても分かる通り、愛情表現の不器用な小林さんもトールさんもカンナちゃんも、欠けたものを互いに補い合って助け合って生活している者同士。これはもう立派な家族と言う印象でした。こういう家族の形もあってもいいんじゃないかとわたしも時たま思います。現実では法律やら何やらで不可能だったり、手続きが面倒だったりするんですけどね(汗)
{/netabare}
10話
{netabare}
今回はほぼ演劇の話一本、老人ホームでボランティア上映と言うお話。

演出担当のファフさんが料理回に続いて例の感じのキャラになっていたのには若干のマンネリ感が‥。でもお約束の笑いは頂けました。ご馳走様でした(笑

上映会の話。結局出来上がったのは、童話にアニメに、老人向けという事で忠臣蔵要素を加味したごたまぜ劇でした。見ていてちょっと恥ずかしい気持ちになるのはルコアさんの衣装のせいではなく(笑)素人の作る劇というのはこのアニメで描かれている様に得てしてオリジナリティが希薄で、どこぞから借用したものの継ぎ合わせである事が多いので、それを見ている気になるからなんでしょうね。わたしも子供の頃そんな劇に参加した事がありました。まぁ劇の内容はともかく、子供が頑張っている姿を見れれば大抵の大人は満ち足りた気持ちになれるんじゃないでしょうか(笑)

オマケはクリスマスのプレゼントのお話。サンタの姿を一目でも見たいという気持ちが子供の眠気を強力に退けると言うのはよくある話ですが、例に漏れずカンナちゃんも頑張ってました(笑)

サンタの存在を疑い始めた頃、わたしも同じ様な事した事ありますが、結局の所、大人の愛と辛抱強さの前には負けてしまってました‥。幼少期を思い返した時、私は大人に関する良い思い出をあまり見つけられないのですが、愚直ながら愛情を注いでくれた人もいたのだと改めて思い出させて頂いた次第。感謝したいですね。

サンタの存在をいつまで子供に隠し通せば良いのか、そもそも隠す必要はあるのか? 疑問に思う方もいるかも知れませんが、私的にはなるだけ隠しておいた方が大人も子供も楽しめるので良いのかと(笑)ネットの普及してしまった現在では秘密を死守するのが困難でしょうけど(園児とかでもサンタ信じてなかったりして?)‥この世には不思議な事が沢山あるのだと夢中でいられる時代というのは、儚くも貴重なものだとも思いますので。
{/netabare}
11~13話
{netabare}
最終話にかけて各話レビューサボっちゃいましたので色々と端折って。

11話は年末年始の小林家の様子を描くごく普通の日常もの、12話はトールさんの過去のお話、最終13話はトールさんとそのお父さんの親子のお話という流れ。

後半にかけて小林さんの態度が若干横柄になり、トールさんの遠慮が薄くなりましたが、これはとても自然な流れで、二人の信頼が強まった事の表れと私は感じました。やはり最初の印象から遠からず、小林さんとトールさん、何となく夫婦関係みたいに見えます(笑)

最終回の中盤、トールさんを失った後の小林さんの心境もよ~く理解出来ました。人との繋がりが深ければ深いほど、その人が去ってしまった時の喪失感は強くなるものです。でもトールさんすぐに戻ってきてくれて良かったですね(笑)

最後はトールさんのお父さんと小林さん&トールさんの対決というお話。

お父様の言う秩序の話ですが、トールさんが人間界に下っても、便乗や混乱は起きないとわたしには思われました。これまでのお話にも異界からいろんな人が来て人間と仲良くやってる描写がありましたし、ドラゴンだって何人か来ていますものね。ファフさんとかルコアさんの方が影響力ありそうですし‥。そんななのでお父様が理屈を盾に無理に説得している様にも見えてしまいました。そとみは厳格で怖そうでしたけど、本当は娘が可愛くってしょうがない優しくて心配性な、割と普通なお父様だったのではないでしょーか?

小林さんがトールさんを"私のメイド"と言うシーンは今回のハイライトですね。好意を素直に受け、与える事が出来る様になった小林さんの成長が伺えました。

その後もあれこれと問答がありましたが、大まかな流れとしては、ドラゴンと人間の立場の違い(人間同士で言うと身分の違いとかに置換出来そう?)はあるものの「娘さんを私にください!」「娘はやらんっ!」な古典的なお芝居に近かった気がします。ただそこに至るまでの過程はちょっと変わったファンタジーで、概ね小林さんとトールさんのラブストーリーという体で上手くまとめた最終回だったのではないでしょうか?
{/netabare}

小林さんの同僚の一見爽やかイケメンの滝谷君も面白い。オタク話になると声の高さもテンションも異常に上がり、出っ歯が生えてメガネ着用、語尾には何故か「ヤンス」が付いてしまいます。もはや変態!もとい変身としか‥それにしてもスゴい変わり様です‥(笑)

スゴい変わり様と言えば、小林さんの酒癖の悪さはかなりのもの(汗)こちらはちょっと不快に感じる人もいるかも知れません。アニメではこういう表現が割と目立ちますが、酒飲み本性違わずという言葉がある様に、しらふでも怒りやすい人は酒を飲んでも怒りやすく、怒らない人は怒らないというのが私が経験上知っている酒飲みの性質です。酒を飲んで人格が豹変する様に見えるタイプの人はしらふの時でもぴりぴりしていて、怒りを抑えている印象を受ける事が多いのです。小林さん、多忙過ぎてストレス相当溜まってるんじゃないかな?とか余計な事考えちゃいました。明るいトールさんとかわいいカンナちゃんとの生活で心癒されて、酒癖の悪さも治るといいですね(笑)

あとちょっとした事ですが、場面が変わる時に表示される格ゲーの必殺技コマンドとか、一見ほぼ無意味なんですけど、シンプルながら気持ちを切り替えるいい演出になっていたと思います。これのおかげでだだ漏れ感が無く、快適に視聴出来る気がしました。

OP「青空のラプソディ」は溌剌としていて動きも多くて見てるだけで楽しくなってしまいますし、ED「イシュカン・コミュニケーション」もちょっぴり邪悪なドラゴン視点の歌詞が印象的。

行き場を失ったドラゴンさんたちが小林さんちに集まって、擬似家族みたいになっていく、笑かされほっこりさせられるアニメです。



最後まで見終えて

原作者のクール教信者さんが重度のおっぱい好きなそうで(笑)趣味全開の描写が毎回の様に有りましたが、男視点からでも目に余るものがありました。女性からはひんしゅく買いそう‥。おっぱいが揺れるのってオタクアニメでは定番の表現だと思いますが、メイドラのはちょっと度が過ぎる‥。よく言えば奔放に作られていると言えるし、悪く言えば節操が無い気がします(汗

全編を通して、日常ギャグ、家族ドラマとして安定した作りだったと思います。キャラ魅力も十分。登場人物の大半をうら若い女性が占めてしまうアニメよりも、このメイドラの様に、滝谷くんやファフさんみたいな男性キャラ、商店街のおじさんとか近所のおばさんみたいなモブキャラ、才川さんや翔太君みたいな子供キャラを、バランス良く登場させているアニメの方が私はずっと落ち着きます。「みなみけ」なんかでも保坂先輩とか藤岡(あえて敬称略)がいなかったら、雰囲気全然違っただろうなぁとか思い出したり(笑)

ちょっとわざとらしい演出が気になるルコアさん関連のお話が苦手でしたが、全編を通してとても楽しく視聴させて頂きました。

2期あれば是非見たいアニメです。

駄文お読み頂きどうもありがとうございました。


※1:人間の真尋君に一目ぼれしたニャル子さんこと邪神"ニャルラトホテプ"とその愉快な仲間たちが繰り広げる、アニメ、特撮、クトゥルー神話ネタ多めのラブコメ&ドタバタギャグアニメ。

※2:財産の為に弟と共謀し父を殺害、後に武力で弟も退け呪われた指輪を含む財宝を独り占め。ファフニールは元々人(もしくはドワーフ)の姿でしたが、洞窟に納めた宝を守るために竜の姿に変身し、その上に横たわりました。宝を奪われる恐れの為、毎日決まった時刻に湖に水を飲みに行き、その時の他は洞窟の外に出なかったという‥。

※:スピンオフ作品(web漫画)「小林さんちのメイドラゴン カンナの日常」も面白いですよ。ニコニコ静画(http://seiga.nicovideo.jp/manga/?track=home)で無料で読めます。(ちょっと重いのでコメントOFF推奨)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 60
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

感情的な場面の積み上げ…という京アニの手法の典型例?

追記 改めて再評価してみました。破壊と悪意、自己保身や欲望があるので日常系ではないと思いますが、だからこそ面白かったと思います。ブラックユーモア的…というとちょっとオチが人情味的すぎますね。

 で、本作を見ていてちょっと思ったのが、京アニのアニメって、面白い、感動的という評価をされてもテーマの深さで評論の対象にならないですよね?ちょっと気が付いたことがあります。京アニのアニメの作成の手法についてです。

 面白そうな「場面」をしつこいくらいに積み重ねているというか…その作品のニーズに対して感情に訴えかける「場面」をこれでもか、と入れてくる感じですね。それを驚異的な作画と感情たっぷりの演技・演出で飾るので、心を強引に揺さぶってきます。

 だから感情は動かされますが、後になにも残らないのでしょう。テーマが無くモチーフと設定しかないからだと思います。逆に言えばだから普通はアニメ化の選択をしない4コマや4コマモドキのマンガ、特に評価が高くない(失礼)原作を、面白いアニメに仕上げられるのだと思います。原作改変が批判されない理由も、この辺にあるのでしょう。

 つまり原作のつまみ食いして良い意味でも悪い意味でエモい場面にどんどん変換して行く感じでしょうか。だから視聴中、視聴後感は感情が高ぶってものすごくレベルが高く感じるんですけど、後になって振り返ると「あれ?」何を得たのだろう?という感じですね。

 京アニの作品が2期になってより感情的になるのは、この動かすべき感情の「ニーズ」がはっきりするからでしょう。ですから私は京アニの2期は、1期の微妙なバランスのチューニングがずれてしまっていてほぼすべて嫌いです。

 特に「らきすた」以降かなあ…「けいおん」はこの手法が上手くいった例でしょうね。ここで、この4コマ的なマンガをアニメにする独特のアニメ制作手法を完成させた感じでしょうか。

 それ以前にフルメタのふもっふの評価が高くてセカンドレイドの人気がない理由もこれが原因でしょう。境界の彼方も深そうでいて内容が無くエモい場面とセリフばっかりですしね。原作をきっちり映像化した「氷菓」と「聲の形」が良かったですね。
 ユーフォの特に2期とヴァイオレットは更にこの感情を強引に揺さぶる手法を進化させた感じですね。


 違う話ですが、本作の小林さんですが、後半に行くにつれ、小林さんが聖女になって行くのは、ドラゴン達がボケで小林さんがツッコミに回ったからだと思います。当初は小林さんも特に対トールではボケてたんですけどね。その比率が下がってゆく気がします。話を回すためにドラゴンの種類を増やしたからこその変化でしょう。

 あとケツァルコアトルが不気味なのは目が見えないから…そして目が見えた時の目の異様さ、でしょうね。



以下 1回目のレビューです。

{netabare} 結論から言って面白いです。といっても日常系やギャグとして面白いというのではなく、価値観がまったく違うドラゴンという種族が、小林を中心とした人間との出会いで考え方に変化が起きる話としてです。また、考え方の変化も必ずしも人間の道徳をそのまま受け入れるのではなく、可能性を感じる程度でとどまることです。

 ファフニールがその意味では一番わかりやすくて、人間の文化と同居人との生活で、人間世界を破壊するデメリットを感じ同居人に対する信頼は得ますが、それでも人間そのものに対しては距離を置きいつかは決別する可能性も理解しています。ですので、ファフニールのパートはギャグにしてもどこかダークな雰囲気が漂います。

 もちろんカンナおよびカンナと才川についてが癒しパートとなります。が、才川の性格や今までの孤独を考えると、あのメイド萌えの姉の存在が少々異質に思えてきます。カンナに対する才川の異常な執着が、才川の両親との関係性の歪みの象徴に見えて少し切なくなります。

 トールそのものも人類をあからさまに信頼していませんし、人命に価値を置いていません。もちろん大量に殺戮を繰り返していたのでしょう。つまり、小林を含めたこの世界の人間は、トールがいる限り死と隣合わせにいるわけです。エルマとの対立もあります。むき出しの悪意に癒しはありません。原作がそうなのか京アニチューニングかわかりませんが、1期を見る限りギャグとして振り切れない裏の設定を強く感じました。

 小林という人物。文句を言いながらもトールやカンナを受け入れて仕方なく同居を始めるというところまではいいのですが、カンナの小学校の道具を用意するところは「こんなにいい人なんだよ」というエピソードが表面にですぎました。このチューニングが以後続いて行きます。

 小林というキャラが謎でした。マイペースで人情的ではあるのですが。我々が漠然と善と見做す価値観を物語に当て嵌めて生まれたような人物像ですね。というより、小林が本当はそうじゃないんだけど「善」とか「道徳」に縛られて、自分の本来の欲望とは違う価値判断をしているというか。だから酒を飲むと性格が変わるのかもしれません。モノローグはたっぷり見せてくれているんですけど内面が見えない人物でした。
 ひょっとしたら現代人の感覚に近いのかもしれません。善悪の判断とか行動の基準が外部の価値判断に縛られているというか。いや、なんか違いますね。そこまで不自然ではありません。カンナによる母性の発露とトールとの出会いによる成長?最終回を見るとそうかもしれません。でも、やっぱり謎でした。この辺りは2期を見終わると言葉になりそうなので追記するかもしれません。

 ケツァルコアトルと少年の部分はなぜか全く面白くありませんでした。エロが過剰というよりも、ケツァルコアトルの少年の扱いが愛情故というより玩具にしか見えないせいかもしれません。このケツァルコアトルというキャラも内面が分からず少々不気味です。いざというときに仲間になる感じもありませんし。
 あと、トールのしっぽを食べるとか舐めて奇麗にするとか、少しリョナというかグロ的な部分もあって、少し気持ちが悪くなったこともありました。

 これらを考え合わせると本作を単純にギャグとみるには「行間」にあるダークな部分や寓話的な何かが表現されすぎています。まして「日常系」にはとてもではないですが、見られませんでした。

 とはいえ、アニメ作品としては面白いです。ドラゴンと人間の価値観の違い的なストーリー部分ですね。ギャグとしてもまあまあですが、笑えたところはあまりなくほっこりもしませんでした。人情もの…でしょうかね。あとはカンナが可愛いくらいでした。どちらかといえば演出とかアニメ表現とかメタ的な視点で、アニメの出来の良さを楽しむという意味で面白かったということかもしれません。

 ただ、京アニのハルヒ、けいおん、氷菓、ユーフォの流れの超一級の作品ではなく、演出と細かいエピソードの積み重ねで何となく話を進めて行く、らきすた、日常の次くらいの流れに属する作品かなあと思いました。ただ、この2作よりはストーリー性がありますので、あるいはまったく違う系統なのかもしれません。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

日常の大切さを知る系アニメ

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
祝! 2期放送開始ヽ(´∀`)ノ

一言で言うと、「流石、京アニ」。

この時期は「響けユーフォニアム」など、シリアスで芸術性の高い作品が続いていた(そしてそれが大好きだった)けれど、むしろこういう日常系が、本来の京アニらしいんだよな、と、京アニの守備範囲の広さを再確認。

癒し、萌え、を求めている方は是非! 私は、残業の後に観るようにしてましたw

作画は抜くところは可愛く抜きつつ、魅せるところではガッツリ魅せてくれ、かなり良かったと思います。

あと、OP、EDはどちらも良かったです。OPは私の好きな「fhana」さん(河合荘の主題歌)。EDも可愛らしくて良い感じ。久々に、どちらも飛ばさずに全話観ました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
このアニメの成功の大きな要因は、小林さんを、中性的ながらも「女性」にしたことだと思います。

話の筋的には、小林さんが男であっても成り立つものばかりです。というか、もし、萌えの方向にもっていきたいなら、「男性」の方が良いくらいです。

この作品は、「日常系」ではありますが、トールの背景には大きなシリアスがありますし、「いつか死が二人を分かつまで」という「期間限定の日常系」です。もし定義するならば、「日常の大切さを知る系」と言っても良いでしょうか(小林さんの社畜感含めw)。

そういう作風の中で求められるのは、「萌え」や「燃え」以上に「癒し」。その「癒し」を演出する上で、小林さんを女性にしたのは、必然性がありますね。

例えば最終回、トールと終焉帝の戦いに小林さんのが割って入るのだけれど、もし小林さんが男だったら、どうしたって打算的な部分が入ると思うんですよ。いわゆる、「男女間に純粋な友情が成り立つか否か」という命題的なアレですよ。

うん、やっぱりなんか違ってくると思う(終焉帝にしたって、娘が現状から逃げて男のところに転がり込んでたら、流石に最後まで許さないでしょうしw)。

トールは小林さんを愛し、小林さんもトールを愛しているけれど、その愛は、「恋愛」に属するものではなく、キリスト教における「隣人愛」に近いものだと感じました(いや、私はキリスト教徒でもなんでもないですが)。だから、この作品は「百合」ではないのかな、と(まあ、トールは怪しいですがw でもあくまで、トールは小林さんを尊敬し、敬愛していると思うのです)。

私はこのへん、「のんのんびより」に近いものを感じました。サンクチュアリ感というか、なんというか。自分的にどストライクでした(音の少なさ、台詞感のたっぷりとした間、というのも共通点ですね)♪

この作品、キャラの良さも光りました。

特に、小林さん。小林さんの良さは、1拍おくところなのかな。

ガーッと感情的になることは少なく、必ず考えてから言葉を発します。その思いやり方が実に微妙で絶妙で、「あぁ、優しい人間ってこうだよな」と思います。小林さんの言葉で、心に残ったものはいくつもありました。

例えば、第2話の「誰かを信じたから友達や恋人になるのではなく、友達や恋人になった後に誰かを信じられる」というのは真理をついていると思うし、第7話の「大体の人って、大人になったんじゃなくて、子供でいれなくなっただけ」とかは色々考えさせられた。第8話の「あの子はメイドだけど、友達でも良いと思ってるよ」は、温かい言葉だし、第11話の(いつも通り尻尾を食べさせられそうになり)「来年も再来年もムリ」という発言は、来年も再来年も一緒にいることが前提ってことで、これ、最終回での終焉帝との問答の伏線になっていたのですね。

などなど、他にもたくさん。これだけ名言が出るアニメも珍しいです。

それだけ思慮深く、ともするとドライな小林さんが最終回に発した、(トールがもう戻らないと聞き)「マジか……」の一言は、胸に突き刺さりました。「マジか」なんて、もしかしたら日本人が一番日常的に使っているかもしれない言葉にここまで実感を込められるのは、逆に新鮮でした。

他にも、トールのドラゴンならではの思考回路や、倫理観、突拍子のない行動も笑えたし、そういう「異種間コミュニケーション」も見所のひとつでした(そこも書くと更に長くなるから割愛します)。
{/netabare}

《以下ネタバレ》

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
衝撃の開幕(笑) かなり良い設定とテンポ。1期にひとつは必要な作風だね。私の尻尾焼き、は笑った(笑) 最後にちょいシリアス。

2話目
カンナカムイ、アイヌの神様だね。「誰かを信じたから友達や恋人になるのではなく、友達や恋人になった後に誰かを信じられる」ってのは、なかなか深いと思う。戦闘シーンの作画は、流石に京アニ!
ふ~ん、なんかやっぱり深みがありそう。

3話目
なんか、いいほんわかさ。「のんのんびより」「甘々と稲妻」以来だな。小林さんの枕元に、寝たまま電気消せるスイッチあった。面倒くさがりの小林さんらしく、細かい作画○。ケツァルコアトルって雄の蛇神じゃなかったっけ? 酒飲んで妹に手だしたはずだし。

4話目
文房具の進化って、計り知れないよね。余談ですが、最近個人的ヒットの文房具は、1位スタンプのり 2位ライフスタイルツール。トールの人間評がいちいち辛辣w 才川さんもなかなかナイスなキャラw

5話目
ルコア、ファフニール、それぞれが人間世界に、それぞれのペースで溶け込んでいるのが良かった。

6話目
ガチのメイドおたく(笑) ホントに刺激的で平和な世界。

7話目
水着回。小林さん、貧乳でgood(笑) 蟹食うなや(笑) 史上最も残酷な西瓜割り(笑) 「大体の人って、大人になったんじゃなくて、子供でいれなくなっただけ」……深いな。コミケを観て、「訓練なしに統率とれてる」って、流石ドラゴン的思考w

8話目
いつもと少し違う作風、小林さんの「あの子はメイドだけど、友達でも良いと思ってるよ」は、温かい言葉。新キャラ登場。OPにいたのに、ホントに「やっと」出てきたね(笑) 百合なんだけど、なんか好きな百合だ。「友達はいたけど、親友はいなかった」……響くな~。

9話目
運動会、相変わらず良い話。余談だけど、最近の学校って、運動会の選手宣誓で、「最後まで戦い抜く」じゃなくて、「最後まで競技する」って言うそうですね。

10話目
婆さんの笠、燃やしたw 爺さん達、大喜びw

11話目
お正月、いつもの尻尾ネタ。でも小林の「来年も再来年もムリ」という発言は、来年も再来年も一緒にいることが前提ってことですね。良い感じ♪

12話目
どんな掃除の歌だw ここで0話に戻るんですねw 酒でグダまいて意気投合かw

13話目
小林さんの動揺。「マジか」の一言が、逆に新鮮。そして、1話目に戻る。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 78

80.9 10 2017年度のファンタジーアニメランキング10位
ナイツ&マジック(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (775)
3959人が棚に入れました
凄腕プログラマーにして重度のロボットヲタクの青年が転生したのは、巨大ロボット『幻晶騎士=シルエット無いと』が大地を揺るがす騎士と魔法の異世界だった!?
エルネスティ・エチェバルリアとして生まれ変わった彼は、豊富なメカ知識とプログラマーの才能を活かして、理想のロボット作りをスタート。
だが、その行動が予期せぬ自体に発展して…!?

ロボットヲタクの野望が、異世界を変える!!

声優・キャラクター
高橋李依、大橋彩香、菅原慎介、内匠靖明、興津和幸、伊藤静
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

敬愛する偉大なる指導者エル同志の輝かしき軌跡

まずお断り、異世界転生に対してのスタンス
{netabare}昨今異世界転生ネタが溢れ返り、その反動か最近世間では排斥の流れになってるような気がする中のこの作品。
因みに個人的には異世界転生自体は否定も肯定もしません。
それより問題は、転生した先で(前世の記憶を使って)白人酋長モノをやり──白人酋長モノ自体も悪いことではないのが厄介なトコで、マズいのは“蛮族(原住民)どもが理由もなくありえないくらいアホに描かれる”ことにあるかと。
ここでいうアホってのは「いくらなんでもそれじゃ生活すらできないだろ」「○○があるなら××が開発されて然るべきなのにそれ無いの?」といった無茶な設定のこと。
最近ヒットした作品でいえば“けものフレンズ”も広い意味では白人酋長モノ。
けど、フレンズ達があそこまでアホでも不自由なく生活ができる理由は作中でしっかりと描かれ、だからこそヒットしたとまでは言わないけどヒットの一助にはなったと思います。
ここら辺マトモに描けない限りは無茶な白人酋長モノ、ひいては異世界転生モノはひとまとめで白い目で見られるんじゃないかな~?{/netabare}

1話見ての感想
{netabare}さて、で、この作品はそこら辺大丈夫かなー?と思いつつ見たワケですが…
転生は転生だけど、前世で何か悪いことをして・アホなことをして死んだワケではない、というのは高評価。
(いやぁ、前世で悪さしたヤツが転生先で反省も改善もせずただ無双するだけの作品があったもので…ああいうのやるから転生モノが疎んじられるような…)
なにやらダイジェストっぽい急ぎ足感が物凄いけど、これは良いのか悪いのか判断に迷う。
序盤丁寧に話を進めて終盤詰め詰め・ないしは放りっぱなしで終わるよりはマシかなぁ?と。
2話以降は普通のスピードで展開する…んだよね?
とりあえず1話だけではまだ本編って感じではないので、まだ様子見~。

で、別に異世界転生を否定する気はないと書いておいてアレなんだけど…。
召喚と転生は違う。
召喚ならお互いの世界を行き来できるけど、転生は一方通行かと(無茶な設定組めば行き来できるだろうけど)。
つまり、折角異世界巨大ロボを出しておきながら…

東京上空※は期待できない

うわ~ん、それは残念だーーーっ。
原作知らんけど無いよね?そういう展開…。


※東京上空
ダンバインの16話、並びに18話までの1連。
ロボ好きなら見るべき。{/netabare}

5話までの感想
{netabare}ダイジェスト風なのは1話だけかと思ったら2話もそうでちょっと驚いた。
まさかずっと最後までこんなスピードで展開してくんじゃ…と不安を覚えたけど、3話でようやく普通の展開スピードになってひと安心。

が…しかし、だ。
別の部分での不安…そっちは案の定的中し始めて、なんかイヤ~な予感に。
まず、君主制で、国家機密に関わることを趣味なんで教えてくれと王様にお願いする…。
あの、さ。
北朝鮮で、キムなにがしにあんたんトコの国家機密教えてよ、趣味なんで、と、言えますか、と。
それが自国民であろうと、武勲を上げたのであろうと、趣味よりもまず最初に国(首領)への忠誠を誓わなきゃアカンちゃいまっか、と。
他の国との関係がどうなってるか不明だけど、国家機密を餌に亡命するんじゃないか、他の国でもっと詳しく機密を教えてあげるよーと言われたらさっさと裏切るんじゃないかと、そういうの疑われるんじゃないの?と。
まぁここら辺は、ロボ至上主義というキャラ立てを優先するか世界観(雰囲気)を深めるか、どっちか選択を迫られて前者を選んだんだろう、と好意的解釈はするけど、折角「ああいう世界」を舞台にしたのにその雰囲気を大事にしないってのは、なんだかなぁ。

それともう一点、気になったというか気付いた個人的に大きなポイント。
試作機のアームについて。
折角前世があるのだから、「前の世界であった〇〇ってアニメの××ってロボのデザインを参考にしました」とすれば良いのになんでしないのだろう?という違和感が発端。
アシュラテンプルが脳裏をよぎって「あ、あれをやってみよう」と思い付くでいいと思うんだ、前世の記憶があるという設定を生かすならそうしたほうが良くね?と。
エルガイムでなくオリジナル(作中作)でもいいからさ。
そのアイディアが異世界で賞賛されるのはまだいいとして、せめて当人は「これって本当は〇〇(メカデザイナー)のアイディアなんだけどね」と心の中で思わせとこうよ、と。
で、そこで気付いたんだけど…。

先人が発明・開発したアイディアを、著作権や発祥の追及が及ばない異世界に持っていけば、自分の手柄にできる

転生モノ…特に最近流行ってるダメな異世界転生モノってこれが根底にあるんじゃ?と思ったり。
そうねぇ、例えば異世界に転生してペニシリンを広めてその世界を救い英雄だと崇められたとして、転生した当人(自力で発明したワケではない)はフレミング博士に感謝しないってのは…どうなんだ?
あ、そういえば他アニメでは転生した異世界で将棋を出して賞賛されてたけど、「それ、お前が考案したんじゃないよね?」という感覚。
発明・開発した先人(個人が特定できないものも含め)にリスペクトが無いっていうか、ただの盗作じゃーん、と直感的に感じ、それが不快感や違和感として現れるんじゃなかろうか。
「発想はあったけど技術的に無理だった」ではなく「発想自体主人公様が考案しなさった」だものなぁ…。
そんな目的のために転生ネタをやってるのだとしたら即刻辞めて欲しい、筆を折って欲しい。
繰り返しになるけど、せめて「いやぁ~、これ発明した人には頭が上がらないや」と心の中で思う、ただそれだけでいいのにそれが無いってのは、どうなんだ。
で、更に考察を踏み込んでみた。

そもそも先人に対しリスペクトがあるならあんな雑な異世界書いたりしないだろ、と

ああ…。
なんか凄く自分の中で納得できちゃった。
↑で書いた王様に対する振舞いも納得。
しっかしこうなってくるとエルは「盗作でイキがる主人公」にしか自分には見えず、この印象が覆ることは今後あるのだろう…か?{/netabare}

7話までの感想
{netabare}ラボのじじいをコテンパにしてぐぬぬさせる内容でなくて良かった。
「なろう」ってんで何でもかんでも下に敷かないと気が済まないものだと思ってたので正直意外。
また、ダイジェスト気味であるため細かい点で「それっておかしくね?」と思うことがあっても「アニメでカットされてるだけなのかもしれない」と意識が働いてツッコミにブレーキがかかる。
これは褒めるべきなのだろうか?ダイジェスト調であるための功名というか…。

と、褒めたところで敢えてツッコミ。
どうしてもプロマキスと比較してしまうため脹脛(ふくらはぎ)にダクトが無いと物足りなく感じてしまう。
以前も書いたけど国を左右するような新兵力を開発できる人間に騎士団与えるなんて、どうぞクーデター起こしてくれと言わんばかりで「なんで?」と不思議なのだが…。
文字通り基地外に刃物なワケで…ショットウェポンだってドレイク殺そうとしてたんだぜ。
実際ディクスゴードに詰問されたのはそれを疑われてのことだと思うのだが、その報告(出世欲は無くメカ開発以外眼中にない)は国王に伝わって、しかもそれが全面的に信頼されてるってことなのかな?アニメではカットされてるだけで。
じゃあ逆に、メカ開発を阻むようなこと──例えば開発費渋るとか理念に反する発注をするとか、そんな時に暴発はしないか?って懸念事項もカットか?
開発費渋られたので反乱起こす、資材(資源)欲しさに略奪に向かう、工夫は奴隷で死んだら取り換えればいいと言い放つ等、やってくれてもいい気がするんだがのう。
「ロボ以外興味の無いキチ」としての狂気っぷりがイマイチというか、周囲から危険視されるかも?というスリルがな~んか足りない。
さすがに騎士団にお目付け役や監視を忍び込ませてるんだろうと思ったけど、それもカットされてるだけかな?(一応内通者みたいのは居る?)
エルの開発機は稼働時間が短いという共通した弱点がある、ってことだと思ったら、その弱点カバーすることなく前王と王子の専用機作成とな?
ラボのジジイと共同開発ならまだ分かるんだけど…これもカットかな?
その二機の製作コストどうなってんの?ってのもカットか(FSSのKOGだってラキシスにリクエストされた時ソープは青ざめたハズだが)。
エドガーの白い機体が何百年と補修を続けて原型を留めてないって説明から、型は旧来のものであろうと新たに一体作るのは大変な世界と認識してたのだが…ポンポン新型作っちゃって、あれー?
まぁこれは「ボクのかんがえたてんかいとちがう」の範囲になっちゃうけど、まずはスクラップを寄せ集めてキメラ機体を作るのを期待したんだけどねぇ。
それやらんでなにがロボヲタなんだろう、別アニメの感想でも書いたけどアトールVは憧れロボだと思うのだが…今後そういうの出るのかな?

今やってるアニメでいえば“バチカン奇跡調査官”のローレンのように「倫理観の欠如した天才は危険」って認識ははごく当たり前だと思うのだが、それが何の障害も無しにホイホイ願いを叶えてくだけってのはどうなんだろう。
主人公はキの字と描いておきながら周囲は常識人扱いしてるのがどうにも違和感。
王様=無尽蔵にお小遣いをくれるお母さんで、未来は絶対成功する運命を付与されて転生したってことで見るのがいいのかな。
エルの開発した新技術によって多くの人が死んでも意に介さない…のかねぇ?さすがにその問題くらいは触れて欲しい。
それ以上に魔獣を倒せて多くの人を救ったからノーカンってなったりして。{/netabare}

8話感想
{netabare}恐らくダンバインの影響だろうけど「魔獣の死骸の扱いはどうしてんの?」ってのは前から気になってた点。
魔獣結晶なるものがエンジンの材料になると明かされて、ああやっぱり回収してるのね、と納得…するかい!
じゃあ前もってそういうシーン描いといてくれよう。
高価で取引されてないの?それ専用に魔獣狩るハンターとか居ないの?
それとも材料になること自体が秘匿されてる?
そうであるなら回収作業してる工夫を映して「全くこんなの集めてどうするのやら」「お上の考えることは分からねーぜ」「おい余計なことは考えるな」みたいな会話でもさせといてよ、前もって。
なんつーか唐突というか、今思いつきました~みたいでガックリする。
原作ではどうあれ先の展開を知ってるアニメスタッフはそういった「仕込み」が出来たハズ…これの手を抜くと異世界スマホと変わらなくなるぞ?
ってか予算や工期よく分からんままポンポンと新型作りまくりで、すっかりスマホと変わらんなぁと思い始めてます。
主人公ヨイショもなぁ…社会貢献を目的に働いてるでもないのに嫌うキャラがどこにも居ないってのはなかなかキツいもんだなと思い知らされました。
やることなすこと全てが良い結果に繋がる未来が約束されてる世界って、個人的にはなんか物足りない。

ところで、主人公はロボットオタクと謳われてるけど、どうにもそんな気がしない。
どっちかというと「ロボ好きな自分が好き」かと。
↑でも指摘したけど、ホントに好きなんだったらやっぱり「〇〇作品の××って台詞」をつい口走ってしまうとか「〇〇の主人公はこんな時××と判断した」みたいなのが無いと、な~んかねぇ…。
別にパロディやれってことじゃなくてね。
元の世界の作品が全然出てこないので転生の意味が宙ブラリンになってるような?{/netabare}

9話感想「作劇の都合で大人と子供を使い分けないで」
{netabare}あれれれ。
これまで他国との関係が詳しく明かされてなかったので言わずに居たのだけど、これってやっぱり危惧してた方向に行っちゃうのかな?
エルの行く末って「死の商人」にしかならんちゃう?
こんな調子でずっと成功を収め続けていったら──世界(作者)から「こんな冒険(成功するのは確定)ご用意いたしました」という介護の手が止められたら。
色んな国にロボをバラ撒いて、それで戦争させてほくそ笑むしか欲望を満たす手段は残らない。
ロボットアニメなんかでよくあるじゃん?…といいつつ自分が思い浮かべられたのは一番最近のでもアルジェヴォルンになってしまうのだけどサ。
キベルネス社が開発したユーリンクシステム搭載機をどっちの陣営にも配ってたじゃーん?
ロボヲタだったら当然そういう話も知ってて然るべきだと思うのだが(※)。

つーかさ、子供の頃社会科見学で消防署とか行ったことないかな?
ハシゴ車だったり放水車だったりを実演で動かしてさ、子供達うおおーと喜ぶの。
けど署の人最後にこう言うんだよね。
「これらが活躍しないのが一番良いことだ」って。
エルも、成功して成功して成功して…終いには世の中平和になっちゃって、それでも尚新たに開発したロボ動かしたい戦わせたいってなったら、後は語源通りのマッチポンプしか残ってない。
自分の開発した技術(これも疑問だが)で多くの人が死んだハズで、そこでハタと気付かない・逡巡することがないのであればそうなる未来しか見えない。
もうね、なに笑ってんだ?って感じ。
そうさなぁ、“鉄のラインバレル”の序盤、主人公が調子乗ってる最中のソレと同じに見える。

そういう話ならそういう話で構わないのだけど、だったら悪人っぷり?狂気っぷりを前面に出してくれよと。
「戦争起きたらロボ活躍できるぞやったー」とか「自分達だけ強すぎてもつまらないですからね、技術が盗まれなかったらこちらからリークするつもりでしたよ」とかさ。
そして周囲の人間がドン引きすること。
「常識人」と「メカヲタでトチ狂ってる」のとの使い分けが都合よすぎる。
「自分の都合で大人と子供を使い分けないで」って言葉知らんかな?…作劇の都合って辺り更に悪質なんだが。
ただの無邪気なガキなだけだったらまだ看過できたけど、転生設定が足引っ張りまくってる。


※印部分についてその後ちょっと思った。
ひょっとしてエルの前世って「作品は全然見てないけどプラモだけ買ってた」って可能性は…ある?
そうであるなら上記の突っ込み部分は解消される。
とはいえ、一端の社会人だった記憶があるクセにそこに思いが至らないってのはどうなんだか。


訂正
本文とタイトルに「作者の都合で~」と書いてしまったけど、これだと「原作者」を指してるように受け取られそうなので「作劇の都合で~」に訂正しました。
原作者はこの場合あまり関係ありません(原作読んでないし)、もし原作がそうであったとしてもアニメで改正は出来るハズですんで批判の矛先はアニメスタッフになりんす。{/netabare}

10話感想
{netabare}OPどうした!?
前回SEが追加されて「ああ、こういう手直しってよくあったなぁ」と思ってたら今回は更に手が入ってまして。
そりゃアンタ…ロンリーウェイって叫ぶだろ!
叫んじゃうだろおお!!??
なんだこれ、なんでいきなり?

と、いうか、↑で書いた突っ込み。
前世でどんな作品がやってたのか全然見えてこない→転生した意味薄くね?って部分。
所詮はオッサンのたわ言で歯牙にもかけられないものだろう、と思いつつも書いてたワケだけど、こういうのやっちゃうと逆に引き立たない?
今まで気付いてなかった人に気付かせてしまうというか。
で、懐かしくなって検索かけてみたらOPのセリフ集見つけて、ああやっぱりヤバくね?と思うことに。

エイジ「僕はもう合理的な殺人をする機械に乗るのはまっぴらだ」
ゴステロ「たまらないなぁ人殺しというのは(歓喜)」

うん、だから既存のロボアニメなんてこういうテーマよくやってるんだって。
エルが知らないのは百歩譲っていいとして、エル自身の行いはエイジとゴステロどっちだろーねぇ?っての考えるキッカケを制作者がワザワザ用意しとらんか?
いいのかのう…まさか敢えてそうしてる?

ところで前回の感想でアルジェヴォルンしか思い出せないと書いたけど、もっと最近の作品で該当するのを思い出しました。
マクロスΔ…のベルガー(藤原啓治が途中までやってたやつ)、あれなんかそうだね。
で、ベルガーが無双して賞賛されるだけの作品見て面白いか?と言われれば…ねぇ。
まぁそういうこと。
う~ん、OP楽しめたからそれで善しとする…のか?{/netabare}

全話感想「「躁病が人殺しの道具を作ってはしゃいでるだけ」←こういうのが好きなんでしょ?」と言わんばかり
{netabare}ダイジェスト調な作りのため「これおかしくね?」と思う部分があっても「原作ではちゃんと説明されてるけどアニメではカットされたんだろう」という可能性があり、正確な評価がし辛いなぁ~ってのは↑で書きました。
で、ちょいと見方を変えてみた。
「アニメスタッフが強調したい部分をピックアップして作ってる」って前提で見てみよう、と。
スタッフがこの作品のどんな部分を「ここが面白いんだよ」と思ってるかどうか。

ひょっとひねくれた、メタな考えだとは思うのだけど…
どんな糞だと思う原作でも「これをアニメ化したまえ」と渡されたらそれをどうにか売れるようにと最善を尽くすのがプロでしょう。
その場合「なんでこの原作が売れてるのか」を分析し、「ああ、こういう所がウケてるのねー」ってのをピックアップしてそこを強調したり、テレビ視聴者にも違和感無いようにアクの強すぎる部分は削除したり。
というかね…これ書くと問題発言になっちゃうのかね?

アニメスタッフはこの作品を面白いと思ってなさそう

面白いんだ、面白いハズなんだと自己暗示かけてる人も居るだろうけどさ。
「全然面白いとは思わないけど今こういうのがウケてるらしいのでそれやってみました、仕事だし」って印象をなーんか感じてしまう。
もっと酷い言い方をすると「気付いてくれよ、これ糞だぜ」というメッセージを発してるというか。
エマーン人もビックリな生産能力やレイズナーパロOPで「ひょっとして…」と薄々感じ、11話でエルが敵の王子に寝返りを持ち掛けられた時の返答でほぼ確信しました。
抜粋すると…

「貴国のシルエットナイトの開発製造に関する全権、および流通を管理する権限、加えて全ての騎士団の優先指揮権
実際に僕は国王陛下の代理人として開発製造に関する命令権を持っています
そもそも基礎開発の大半は僕が陣頭指揮を執ってるようなものですし流通に関しても口を出せますが面倒なのでやっていません
有事に際しての全騎士団への指揮権限も場合によっては国王陛下より優先されるものです
事実を申し上げたまでです」

これ、要る?
時間足りなくてダイジェストにせざるを得ない状況で、他に優先すべきシーン切り詰めて、こんな長台詞ベラベラ喋らせる必要、ある?
普通に「今居る国に満足してるのでお断りします」で良くね?
↑でも指摘したけど、こんなヤツに騎士団与えるのはどう考えても狂ってる。
騎士の称号与えられるってことは、自分の身を危険に晒すことになっても国や王の命に従う誓いを立てるんじゃないのか。
国の最重要機密を知るっことは、敵の手に渡りそうになった時は口封じに仲間から殺される可能性もあることを覚悟する、ってのとセットちゃうのか。
現代の社会に当てはめるなら騎士になるってのは王の連帯保証人にサインするようなもので…(実際はもっと重い)。
重責がセットでのしかかって来ないと「偉い立場になった感」の実感は得られないものだと思うのだが…。
こんな言動されても、その立場としての振舞い・気構えが全然無い人では逆効果、いわゆるチャラい、浮ついてる、ボクちゃん偉いんだゾ~って…「オレ社長だゾー」「ボクなんて会長だもんね」って子供の言い合い。
針の筵に立たされるとか真綿で首を絞められるとか背中が煤けるとか地獄への道を善意で敷かれるとか泣いて馬謖を斬るとか、そういうの無いのかよ、と。
こんなシーンをスタッフは本心から「面白い」と思ってるとはとても思えないし思いたくはない。
結局これってなろう系お約束の「権力は欲しいけど責任は取りたくない」の典型ですな。

まぁ分かる、サラリーマン気質なままなんだ。
もっと待遇の良い会社から引き抜きが来たら転職しちゃおっかなーっていう軽い気分。
そんで責任や義務を無視して「社長っていいよなー」というつもりになってロールプレイ。
こういうロールプレイ──ごっこ遊びはどの作品にもあるものだけど、ダイジェスト調なせいで際立ちまくり。
エルが金で動く傭兵なら上記の言動も問題ないし、敵の王子もそう思って引き抜きの打診をしたんちゃうかね?
けど実態は傭兵じゃなくて騎士、しかも国の最高機密を知り統帥権も持ってるらしい(いつの間に?)国政の中枢を担う一員。
謀反の恐れアリとして斬首か、座敷牢で一生設計図書かされるだけの人生がお似合いでしょう。
いやね、それでも最悪「転生設定」が無ければまだ納得はできたんだ。
転生設定があるお陰で社会常識の無さが目立って仕方ない。
「え、こんな態度取っても許されるんだ、この世界はチョロいな」とエル自身が驚くシーンでも入れれば良いのに。
このちぐはぐさが自分にはどうしても気持ち悪く感じてしまうのだけど、恐らくメインのターゲットは会社で疲れ果ててそういったものに触れるのは「考えたくもない」のだろう。
エルが妙にハイテンションで躁病か薬キメてるように見えるのも、落ち込むシーンすら見たくもないってことなんだろう。

そういったことを全部見越して「ハイハイ、こういうのがウケてるんですね、今は」って態度で、思想の基盤は一介のサラリーマンに留めて持てる権限は総理か大統領か書記長並にする、をワザと描いてる。
うん、そう、ワザと描いてる。

しっかしそうなると評価困っちゃいますね。
ワザとそう描いてあることに「これはおかしいおかしい」言っても詮無いこと。
同時期に放送されたアニメの“バトルガールハイスクール”ではスポンサーからの縛りを受けてか「メインキャラの19人を毎回登場させる」という、到底「スタッフはこうすれば面白くなるなんて露ほどにも思ってない」ことをやらされて同情さえ覚える内容だったのだけど、この作品も同じタイプか?
どの段階で方向性決定されたのかが問題になるけど、ただのいち視聴者にそんな裏事情分かるワケもなく…。


まぁこれまでゴチャゴチャ書いてしまったけど、そういった面倒臭いこと抜きに見ても「主人公が躁病っぽい」「躁病患者を誰も心配しない周囲が怖い」「薬切れてギギギと言いそう」と感じる人は…居ないのかなあ?
恐らく声優の演技指導からしてそれ意識してるっしょ。
躁病ってのは双極性障害(躁鬱)のハイになってる時のこと。
じゃあその揺り返しで鬱モードになった時が心配ってのは直感的に思ってしまうことで、その「不安」をあれこれと書いてきたのがこれまでの感想に繋がってる気がする。
また、それを不安がる人間が周囲に居ないってのは奇異に見えてしまう、「〇〇が好きすぎて倫理観が狂ってる」ってのならヘボットのがずっとよく描けてるぞ?
いくら分かっててワザとやったにしてもやり過ぎだと思うなぁ…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スーパーポジティブヒーローの魅力

本作は、今期スタートの作品の中では個人的に注目度No.1。

ロボものは、もとから大好きだが、
異世界ものでもある本作は、
魔法や魔獣が存在するファンタジーとロボットバトルのコラボが新鮮。

そして、主人公がいつも明るく前向き、積極的で太陽の如き。
いかなる状況にあろうと情緒が安定していて、
ウジウジしないのが非常に魅力的。

テンポが非常によく不穏さの巧妙な演出で次回への引きも上手い。

BDの発売予定やネット上の情報からどうやら全13話の1クール作品のよう。
導入から話が駆け足だったのはこれで納得。

<余談:有名女性脚本家への私見>
{netabare}
多くの作品にシリーズ構成として参加する有名女性脚本家と言えば
吉田玲子、横手美智子、岡田麿里、各氏がまず思い浮かぶ。

今作のシリーズ構成を担当している横手氏。

彼女がシリーズ構成のアニメは割と嵌りやすい。
特に「侵略!イカ娘」「SHIROBAKO」「斉木楠雄のΨ難」は大好きだ。
「監獄学園」「それが声優!」「のうりん」「じょしらく」なども
捨てがたい魅力がある。

吉田氏と横手氏は、ユーモアのセンスがツボに嵌る。
キャラの長短両面の描き方のバランス感覚が素晴らしい。
絶妙なタイミングでキャラが輝くので自然にキャラに愛着が湧く。

今作も、初回は主人公、エルの人となりが簡潔に伝わったかと思えば
2話で無駄なく彼の魅力が最高に輝いて嵌ってしまった。

因みに岡田氏は、ユーモアのセンスが自分とは合わない。
キャラの長所よりも短所の方が大きく見える傾向があるのが苦手。
おかげで感情移入不十分で氏の描く大抵の主人公は
めんどくささが先に立ち好きになれない。
ゆえに1作を完走するに忍耐を要する。
完走できても多くは途中で最低一回挫折、再挑戦で完走のパターンばかり。
岡田氏の関わった作品の中では、
「さくら荘のペットな彼女」が唯一の例外で大好きな作品だった。
{/netabare}

★ 第2章「Hero & Beast」脚本:横手美智子
{netabare}
<「好きこそ物の上手なれ」のお手本>

ガンダムSEEDでは、主人公キラがガンダムストライク初搭乗で
瞬時にOSを自ら書き換え、持てるポテンシャルを最大に引き出し
初めてなのに自在に機体を操り不利な状況を打開、敵を掃討する。

SEEDクリソツの今作の第2話。これには燃えた。

SEEDは長年アニメから遠ざかっていた自分を
アニメの世界に引き戻した思い入れ深い作品。
SEEDもこのシーンで一気にキラを気に入り
作品から目が離せなくなったっけ。

今作の主人公エルは、キラと同等の天才的エンジニアとしての魅力に
プラスしてどんな困難な局面でも冷静に状況を柔軟に分析。
かつ状況を楽しんでしまうという天賦の才能がある。

ロボット命で、ロボットに関することなら
脳天気なほど明るく前向き積極的な性格は称賛に値する。
目的のためなら、強かに他者の弱点を利用する合理性も悪くない。

エルの周りのキャラも面白そうな人財が豊富な予感。
これからも周りを煙に巻いてどんどん活躍してほしい。

ロボのメカニックデザインもかっこいい。
大好きだったSEEDやマジェプリのメカデザにも負けてない。
合理的な骨格設計、ウェザリングも施され
リアルな重厚感がたまらない。
動きも精緻でエルが気に入るのも納得だ。
{/netabare}
★ 第3章「Scrap & Build」脚本:横手美智子
{netabare}
面白さが右肩上がりだ。

ロボット好きもマニア以上で、
もはやロボットフェチのエル。

非常に有能な彼は、ロボット(シルエットナイト)を改良するため
次から次へと革新的なアイディアが湯水のごとく浮かぶ。

彼を中心とした人の輪がどんどん広がっていくのを
眺めるのがとても心地よい。

前世の記憶もあり、肉体年齢以上な賢さを発揮。
成熟した思考により権謀術数にも長けてるのは、
「幼女戦記」の主人公と似てる部分だが
性格は真逆で明るく社交的になところはポイント高い。

根っからの明るさと目上を立てる謙虚さが非常に魅力的だ。

自らの理想とする自分専用の機体を自作する望みはあれど
出世欲もなさそうだし、自らの功績を自慢するタイプではないので
妬みを受けることもあるかもしれないが、敵は少なくて済みそうだ。

<光あるところに影がある>

しかし、この手の話に当然つきものの展開もやってきそう。

エルのような天才の発明を利用しようとする輩が現れるのも人の業。
次回、彼の技術力に目を付けた不穏な勢力も登場で
一層目が離せなくなった。

魔獣以上に、実は同じ人間のほうがやっかいな敵なのだろうか。
{/netabare}
★ 第4章「Light & Shadow」脚本:横手美智子
{netabare}
これから混沌な世情に向かうと予言するナレーション。
さらには新技術を奪取したい銅牙(どうが)騎士団が悪巧み発動。

その不穏さは次回への興味をアップさせてくれる。

ここまで観て、ナレーションはテンポよく話を進める上において
非常にいい仕事をしてると思える。

大まかな今後の流れと原作上の細かい設定を、
簡潔に伝えてくれるので話の展開の速さの割りに
理解が追い付き観易い。

<新型機開発の波紋が広がる>

国家の開発上層部も看過できず、エルを軟禁し事情聴取。
すべてにおいて想定外の言動のエルの天然さは、
相変わらず周りを煙に巻く。
常識が全く通じないエルとディクスゴード公爵とのやりとりは楽しかった。

<今回声優評価を3.5から4.0にアップ>

エルの親友、キッドとアディの双子兄妹コンビも
いい味出てきて存在感アップ。
特にアディは和み役としていいポジションだ。

最近いろんな作品で存在感増してきてるアディ役の大橋彩香さん。
彼女は本作でEDも歌ってるが、いろんなキャラの演じ分けが非常に巧い。
同じクールで放映中の『Re:CREATORS』のシマザキセツナもそうだったが
一聴して彼女が演じてるとは全く分からなかった

エル役の高橋李依さんの少年役の巧さは
2015年作の『乱歩奇譚 Game of Laplace』の
コバヤシ役の時から感じていた。
しかし本作では、当初『このすば』のめぐみんの
イメージが強すぎて若干違和感あった。
しかしさすがにここまでくると
すっかり役に馴染んで申し分ない。

悪役オーラ全開の他国、銅牙騎士団の団長ケルヒルト役に
井上喜久子さん起用とは少し意外だったし
喜久子さんが声当ててるとはエンドロールまで気づかなかった。
母親役と天然系キャラが十八番のイメージが崩れるが
やはりべテラン。すっかり役に嵌っていて巧い。
そう言えば、マクロスFのグレイスも悪役だったけど嵌ってたっけ。

池田勝、菅生隆之、土師孝也、木下浩之各氏の
ベテラン勢のいぶし銀のような好演が光るのも魅力だ。
{/netabare}
★ 第5章「Hide & Seek」脚本:横手美智子
{netabare}
<ロボットバトルの醍醐味>

面白さの右肩上がりがまだ続いてるし、
ロボットアクションの拘りが素晴らしい作品だ。

今回はアバン以外、ロボットアクション満載。
強奪機確保のためのバトルが今回の見どころ。
攻撃と反撃の繰り返しの波が最後まで続き、
あっという間の30分。目が離せない。

幻晶騎士は、どの機体もエルが惚れこむのも納得のカッコ良さ。
動きもさることながら、要所で機体の汚れ、塗装の剝がれ、
傷などしっかり描かれてるのはポイント高い。
機体に歴戦の勇者の風格が感じられる。

敵役、憎まれ役が光ってこその今回は、
ケルヒルト役の喜久子さんに功労賞をあげたい気分。

<後にカザトシュ事変と呼ばれる事件が勃発>

ジャロウデク王国のケルヒルト率いる銅牙騎士団が
カザトシュ砦を奇襲、エルが中心になって開発した
新型機のプロトタイプ、テレスターレ3機が強奪された。

最終的にはエルと仲間たちにより2機を破壊して
奪取を防いだもののケルヒルト搭乗の一機には逃げられてしまう、

そして今回のエルたちの功績が王に正式に認められ、
エルを団長とする異例の騎躁士学科学生による銀鳳騎士団が創設される。

取り逃した一機は、テストパイロット、ヘルヴィの愛機だった1号機だった。
エドガーは善戦したものの自らの機体を中破させられてしまった。
果たして次回以降取り戻すことができるのか。

以前は、危機に際し逃亡をはかったディーも成長して
今回は男らしい戦闘を繰り広げ、かっこいい。
彼もエルに命を救われたことで一皮むけた一人になった。

同じくエルと出会うことでかなりの手練れとなった
キッドとアディも大活躍。

エルは絶妙なタイミングで加勢。
おいしいところは全部持っていった。

エルは最高に現生を謳歌してる。
そして彼の感化力、勇猛心は素晴らしい。
そばにいる者は皆、向上心に目覚め、生き生きしてしまう。
まだ10代前半なのに団長の器として申し分ないと王が認めるのも納得。
{/netabare}
★ 第6章「Trial & Error」脚本:木村暢
{netabare}
<エルたちの新型機開発は、一つの到達点を迎えつつあった>

今作は原作未読状態で5話まで観たが、
5話終了後、ラノベ原作を読み始め
4巻まで読了の下で第6話視聴。

横手氏は、5話で原作2巻最後までを単独で描き出したが
今回から、第3巻の内容がスタート。
第3巻の内容の出だしは、初めて別の脚本家が担った。
このペースなら全13話で5巻最後まで描く予定かもしれない。

原作を読んだ上での視聴は、
以前よりダイジェスト感が強くなってしまい
若干物足りなさも感じる。

諜報員のノーラ、国立機操開発研究工房の、
ガイスカ工房長、オルヴァー所長などの
新キャラが多数登場したせいもあって
内容のまとめ方が雑な印象があった。

テンポが早過ぎて新型機開発の苦労が今一つ伝わらないのは非常に残念。
せめてエルの実験の失敗シーン、カルダトア大破の流れを
手抜きせず派手に描いて欲しかった。

しかし、ラノベでは想像するしかない
世界観に具体性が与えられるアニメはやはり素晴らしい。
キャラに肉声が、幻晶騎士に色と動きが与えられるのは楽しい。
{/netabare}
★ 第7章「New & Old」脚本:木村暢
{netabare}
今回までに原作は2017年8月現在で既刊の第7巻まで読了。

<エルたち、新開発の機体完成。その成果を国王に認められる>

これからエルの仲間として重要な役柄となるであろう新キャラ、
エムリス王子(CV:小野大輔)登場。

今回も横手氏が脚本を担当していないせいか
新キャラの魅力が今一つ伝わらない印象。
しかしこの話のテンポでは無理もないか。

作画は相変わらず素晴らしい。
模擬戦の魅力は充分以上に伝わった。

ケンタウロス状の幻晶騎士ツェンドルグと専用荷馬車。
原作読んでるときは、それをただ想像するしかなく
アニメで拝めるその形状、色、動きを非常に楽しみにしていた。
今回はその点で大満足。
それ以外の新型幻晶騎士のメカデザ、動きも素晴らしかった。
{/netabare}
★ 第8章「Secret & Quest」脚本:木村暢
{netabare}
今回もせわしない。
原作ラノベ第3巻最後まで一気に描かれた。

第6話から第8話までの3話で原作1巻分消化のハイペース。
残りは5話。
前半(第1~5話)と同じペースで描くのであれば
やはり5巻末がアニメのゴールとなろう。

<エル、魔獣討伐の武勲により幻晶騎士の心臓部の重要機密ゲット。
そしてエルの専用機”斑鳩(イカルガ)”完成>

今回の魔獣、シェルケースの女王は原作読んだときは、
もっと禍々しくおぞましいイメージだったが、
アニメではポップな色調とどことなく
土偶のような顔立ちのキャラクターにちょっとずっこけた。

原作読まないで最後まで観た方がより楽しめたような気がする。

面白いのだが原作での丁寧な描写と比べてしまうと
あまりにも話がとんとん拍子に行き過ぎて物足りなさは感じる。
{/netabare}
★ 第9章「Force & Justice」脚本:横手美智子
{netabare}
<テンポ早すぎるゆえの薄味感・・・これはまるでビールの水割りを飲んでるようだ>

主人公のエルというキャラは、悩まず迷わずでひたすらポジティブゆえ
乗り越えがたき試練や敵キャラの強さ、傲慢さを尺をとって
丁寧に描かないとどうしても物語の印象が
軽さの際立つものになってしまう。
登るべき高い山も低い山に見えてしまい、その点はかなりマイナス。

今回も原作読んでしまったため、
そういった本作の欠点をさらに感じてしまった。

しかしそうではあっても、
横手氏担当回の台詞の方がキャラの内面が伝わる分、ましかな。

また、今回、一番の受難を被ったクシェペルカ王国の王族の
キャスト(堀秀行、田村ゆかり、田中敦子)の好演と
劇伴の良さで、原作と比べてしまうと物足りないのは変わらないが
悲劇の重さがある程度は伝わった。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

好きはクオリティを超える ~なろうの功罪~

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
違うんすよ、夢と浪漫なんすよ(汗)

作品のクオリティとか整合性とかテンプレ感とか厨二感とか行き過ぎたパロとか「どこの幼女戦記?」とか、まあ色々あるのは重々承知です。それは私も不満でしたし。客観的にみて、65点くらいの作品でしょうか。

でも、そんなことよりも、ズバッと胸に突き刺さった、ハイファンタジー感。騎士、ロボ、剣、魔法、戦記、全部大好物なんですもん。しょうがないじゃないですか!(なぜか逆ギレ風)w

この間、あるTV番組でカンニングの竹山さんが言っていました。

「こんなナリした俺が言うのもなんですが、、、恋って、止まらないぜ!」

、、、。

ということで、贔屓で、評価は5です(笑) すごく「好き」なアニメです♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
なんでもかんでもカテゴライズするのは決して良いことではないのだろうが、(あにこれ内では特に悪名高き)「なろう原作アニメ」というのは、もしかしたら、「私達(素人)の安易な妄想を叶えてくれる作品群」なのかもしれないと思った。

(なろう作品の原作はひとつも読んでません。あくまで、アニメ化された作品の中ではということです)

本作を含め、「なろう原作」(とりわけファンタジー)に今のところ共通しているのは、「既成の世界観」+「ワンアイディア」という構成だ。

例えば同期(2017夏)でいくと、「異世界はスマートフォンとともに」も「異世界食堂」も、「指輪物語」や「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などから始まり、日本においては「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」、(「ロードス島戦記」)などが広めてきたファンタジーの世界観を「間借り」させてもらっている。そこに、「スマホ」「食堂」という1アイディアを加えたものに過ぎない。本作で言うなら、「プラモデル(技術者+趣味)」であろうか。

既存の世界観を流用するメリットは、「楽だ」という点。これは、「作者が考えるのが」の意味もあるし、「視聴者が受け入れるのが」の意味もある。

勿論、既視感があるというデメリットも大きい。

本作も、「技術者」という色はあるものの、基本的には他のなろう系と同じく、主人公最強系であり、ストレスフリーだ。(一応主人公に努力の描写があり、ハーレムじゃないという違いはあるものの)「じゃあクオリティ的に、異世界スマホと何がどれだけ違うの?」と言われたら、ハッキリは答えられない(異世界スマホは☆2)。

違いは多分、好き嫌い、いや、「自分がどんな妄想をしてきたか」だと思う。私の厨二的要素の根底にあるのは「ガンダム」「銀河英雄伝説」「ロードス島戦記」だ。初めて観た深夜アニメは、「天空のエスカフローネ」。だから、「ロボ」「騎士」「英雄譚」は大好きなのだ。よって、恥ずかしながら本作のような「妄想」をしたこともある。そんな、「自分の妄想」をアニメ化してもらったような、妙な嬉しさを感じながらの視聴だった。

「なろう系」には、良くも悪くも「気軽に観られる底の浅さ」があるように思う。生姜焼きのような親しみやすさと、カプレーゼのように誰でも作れる安易なオシャレ感だ。

勿論、自分には思い付かないような世界観の中で翻弄される楽しみもある。同期なら「メイドインアビス」などはその系統か。でも、AKBが「会いに行けるアイドル」としてヒットしたように、反対方向の良さもあるのだ(別にAKBのファンではないけれどw)。

ただ、☆5ながらもお気に入り棚にならなかったのは、やはり「深み」が足りないからだ。終盤の「ガンダム」「ダンバイン」のパロも不要だった(ギャグならまだしも、熱さをパロで補うのは嫌い)。1期でサクサク進むのも悪くないが、2期をかけて、苦戦や人物描写をじっくりと描いてくれれば、なお良かった。

ということで2期、絶対期待っすよ♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
声とキャラデザ、合ってるの? 作画、気合い入ってる。ロボ=騎士 という作風、大好物なんだけど♪ 最近は、「異世界から現実世界に戻りたい」って作品、ないね。みんな、そんなに現実世界に不満があるのかな。

2話目
なんかこう、気持ちが良い方の主人公最強系だね。

3話目
ガンキャノンだねw ディートリヒみたいなキャラが後半に活躍すると、胸熱。

4話目
老兵の嫉妬、しかし、根本にある忠誠心。規格外の天才をどう受け入れるか。

5話目
騎士団の新設とか、胸熱。

6話目
大事な回だね。幼女戦記にも似た回があったな。モビルアーマー作ってるの? サービス回w 鍵も専用機もメリットはあるけど、互換性と汎用性がな。

7話目
ディートリヒ、格好良いな。ラボとも敵対しない、素晴らしい結末。熱いし格好良いな。ナウシカ?

8話目
いつの間にか、みんな中隊長に♪ THE・ファンタジー♪ オリジナル機体は、もっと丁寧に作ってほしかったな。

9話目
う、ウェスタングランドストームだって!? 、、、ダサいw 航空技術は強いよね。鎖で吊るして降下させるあたり、他の技術との整合性がとれてて良いね。ここまでガチガチのロボバトルは、ちょっと違うんだよな~。

10話目
そこにもラブコメか。もうちょい苦戦しても良いな。

11話目
ほとんど、ガルマだな(笑) どんどん新兵器が登場するね。竜型の兵器か、ラスボス?

12話目
いや、ガンダムパロはもういいよ。台詞遊びはいらないかな。戦う動機が、「ロボットを戦場の中心におきたいがために、戦艦をロボットで倒す」は面白い歪み。

13話目
今度はオーラバトラーですか(汗) そういうのはいらんのですよ。いや、ニュータイプの共感とかさぁ。逆シャアもやり過ぎかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 42

85.0 11 2017年度のファンタジーアニメランキング11位
Re:CREATORS(レクリエイターズ)(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1065)
5233人が棚に入れました
自室でアニメ “精霊機想曲フォーゲルシュバリエ” を観ていた水篠颯太の目の前に、画面の向こうに映っていたはずのアニメのキャラクター、セレジア・ユピティリアと、軍服を纏った謎の少女が現れる。
両者の戦いに巻き込まれた颯太は、2人を追って代々木公園へと向かう。そこにPCゲーム “追憶のアヴァルケン” のキャラクターであるメテオラ・エスターライヒまで現れて──

声優・キャラクター
山下大輝、小松未可子、水瀬いのり、日笠陽子、坂本真綾、雨宮天、村川梨衣、鈴村健一、豊崎愛生、小西克幸、金元寿子、杉崎亮、柳田淳一、濱野大輝、寿美菜子、恒松あゆみ
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クリエイターが伝えたいこと

以下の情報は、放送直前特番や
ネット上で見つけた監督インタビューなどで知った。

今作は、放送開始の4か月前、
2016年12月19日に突如ベールを脱いだ
オリジナルアニメ企画。

<「BLACK LAGOON」の作者、広江礼威氏が
原作・キャラクター原案を務め、監督他複数と共に脚本も担う>

準備期間は不明ながら、
氏が紡いだ原作テキストは25万字に及んだそうな。
相当の力作なよう。

しかも幸運なことに物語の骨格に沿う形で、
始めから過不足のない話数ということで
全22話という尺が決まったらしい。
(公式HPによると特番は、放送直前含め3回予定されているようで
放送枠自体は、まるまる2クール分の25回確保されている模様)

<監督とシリーズ構成は、あおきえい氏>

氏の最近の監督作「アルドノア・ゼロ」が
途中までは非常に面白かったのに終盤で、
かなりがっかりさせられているので過剰な期待は禁物と思っていたが、
その準備の用意周到さとクリエイターの情熱と拘りが
初回から発揮され、非常に掴みが良かったし
引きの強さはも今期No.1だった。

<ながら観にはあまり向かない>

クスッと笑える部分も多々あるし、
キャラが親しみやすく感情移入も容易で
観やすいようであっても...

伏線は、OP映像含め見落とし注意。

時にメテオラの説明台詞が立て板に水で長い、
しかも言い回しが難解ゆえ理解に咀嚼が必要。

<音楽は、アルドノア・ゼロも担当した澤野弘之氏>

ボーカルを活かした劇伴のセンスが好く
スタイリッシュでスリリングに物語に誘ってくれる。

<最終22話まで観て>
{netabare}
もしこれから観るのであれば、事前の心構えが必要に思う。

まず主人公を、常識的に特定の誰か一人と決めつけない方が
本作をより楽しめる気がする。

この作品は、まともな台詞のあるキャラは
たとえ被造物と言えども皆、等身大の人間味が等しく描かれていて
新キャラも後半でも投入され、群像劇の色合いが益々濃厚となった。
回ごとに主人公が変化していくし、それは一人とも限らない。

例えば、15話ではあえて主人公を一人選ぶならアルタイル。
16話~20話は、一人に絞れない。
21話はアルタイルとシマザキセツナ、そして颯太も主人公だった。

また、派手なバトルを期待し過ぎない方がいい。

バトルシーンは、やるときは徹底してやるが地味な展開も多く、
緩急の「緩」がやたら長くて、「急」はかなり溜め込んだ上で訪れる印象。
台詞説明が多く話のテンポが遅く感じやすい。

丁寧に描かれるキャラクターの心情に寄り添えないと
退屈な作品と化すかもしれない。

今までずっと、アルタイルがもたらそうとする大崩潰とやらの影響が
民衆の生活へ現れなかったゆえ脅威が今一つ実感できなかった。

またこの作品、溜めの多すぎた構成上、中弛み感がつき纏っていたし
設定で意味不明な部分もありついていけない部分もある。

しかしキャラの心情は毎回とてもよく伝わる。
とても心に響く台詞で彩られる脚本の魅力が一番の魅力かなと思う。
絶賛は出来ずともやはりいい作品だと21話であらためて感じたのだが...。

最終話で『アルドノア・ゼロ』同様の大風呂敷の雑な畳み感を味わった。

その最たるものは、マガネが都合よく物語から消えていた点。

<総評として、素材はいいのに料理の仕方はいまいち>

原案は斬新で素晴らしかったし、キャラも全員魅力あった。
その点で非常に面白くはあった。
また、それなりにすっきりするいいまとめ方ではあった。

しかし、22話の尺を有効に活かし切れなかったと思う。

・特に4話あたりから目立ち始めたメテオラの長台詞による状況説明がわかりにくかった。

・アルタイルとその一派が特にこの世の人々に何するでもなかったのが緊迫感が削がれた。

・以上と関連して、途中かなり間延びしたのに結局終盤詰め込み過ぎで
全体の構成にかなり疑問。

・最終話では、マガネ不在以外にも、
途中退場してしまったキャラ達にもスポットあてられなかったも不満。
例えば、最後にそれぞれの作品世界での彼らを
台詞付きで少しでも描くなどが欲しかったところ。

以上の不満点により最終話で物語評価を4.0から3.0に下方修正した。
{/netabare}

★ #01「素晴らしき航海"I will remember everything that happened to me."」
{netabare}
導入として申し分ない。

冒頭からいきなりの自殺少女が、
この物語はシリアス路線だということを明確化している。

主人公の高校2年生男子、颯太はあまりに平凡で影が薄い印象。
しかし彼の冒頭のモノローグに謎解きの大きなヒントが隠されていそう。

しかし、女性キャラ3人、
セレジア、メテオラ、軍服の姫君が圧倒的な存在感で現実世界に登場。
声優との相性も抜群と思った。

現実界⇒異世界の召喚作品は
最近多すぎな印象で食傷気味だったが、
アニメやゲームの住人が現実世界に
召喚されてしまうというのは新鮮だった。

そして、昔、ハリウッド映画のシュワルツェネッガー主演の
「ラスト・アクション・ヒーロー」(1993年作)を
観たときのワクワク感を思い出した。

特に今回は、セレジアが颯太に時折見せるお姉さん的な仕草から
優しい人柄が滲みだし、とても印象に残った。

<“軍服の姫君”の豊崎愛生さんに注目したくなった>

監督曰く、キャストは基本的に話の進行の一切を事前に知らせていないが
軍服の姫君は例外で、豊崎さんだけには先の展開を教えた上で
収録に臨んでもらっているそう。

つまりそれだけ重要な役ということらしい。

豊崎さんは、最近いい役に恵まれず
パッとしない印象が個人的にあったが、
今期は「アリスと蔵六」の早苗といい
いい役に恵まれていてると思う。
{/netabare}
★ #08「わたしにできるすべてのこと"I CHOSE this way of life."」
{netabare}
<良くも悪くも、あおきえい監督らしい展開、と思う>

「喰霊-零-」の第一話や「アロノドアゼロ」の前半終了時の演出から
監督は、フェイクによるミスリードが得意な傾向があると思ってはいたが
それは今作にも当てはまっていそう。

キャラを容赦なく、絶望的に叩きのめし
視聴者を最後まで観ないわけにはいかない状況に追い込む。

視聴者の期待と予想の裏切りが
最後まで観た時、吉とでるか凶とでるか。

収録台本以降の話の展開を、
豊崎さん以外一切知らせないようにしいているらしいから、
今作に関してはキャストも視聴者同様、
先のことが気が気でない状況に追い込まれてそう。

まみか、どうなるんだろう?
全話終了時、観たまんまの悲劇になってないことを今は祈るのみ。

<颯太の好感度の下げ方にクリエイターの計算が見え隠れしてるような>

「うじうじ」「ネガティブ」「臆病」「自己中」「保身的」...
視聴者が嫌う「めんどくさい」キャラの要因のオンパレードの颯太。

ここまで不快な点ばかり見せつけられると、かなり意図的なものを感じる。
最後まで観た時、彼への印象はどうなってるんだろうか?

<ED映像の画の意味>

間違ってたらごめんなさいだが、
ここまで観てEDは、
最終話以降の状況を暗示してるんじゃないかと思えてきた。

創造主側の颯太、松原、まりね、中乃鐘と共に
セレジア、メテオラ、鹿屋、弥勒寺の
この世を楽しむスナップショット。

そこにはいないものの、街頭モニターや
アリステリアの物語『緋色のアリステリア』の車内広告、
まみかカレーから顔を覗かせるどや顔まみか。
しかも広告内の「激闘、決着」のキャッチコピー。

しかも最後、颯太の微笑む姿で締めくくられている。

逆に、ここに登場しないキャラの運命は非常に気になる。
しかし、少なくてもここに登場する人物だけは
「悪いようにはしないさ」という
クリエイターのメッセージが仕込まれてると信じたい。
{/netabare}
★ #09「花咲く乙女よ穴を掘れ"The world requires choice and resolution."」
{netabare}
<築城院真鍳(ちくじょういん まがね)恐るべし!>

悪役が魅力的でないと物語はつまらなくなる。
その点、今作はよく出来てると思う。

アルタイル(軍服の姫君)は、
悲劇のヒロインとして同情の余地があるのに対し、
趣味で人を殺し、人心操作で意のままに人を翻弄するマガネ。

彼女の狡賢さは半端なく非常に魅力的なキャラになってる。
人心掌握術に長けた彼女は、饒舌で妙に人懐っこい所もあるので
憎み切れないのもまた魅力。

少なくとも今回まで観た限りでは
救いようのない悪党であり最大の敵はマガネのようだ。
そして彼女が、物語を良くも悪くも牽引していく存在に思えた。

それにしても、
彼女があまりにも都合良く、いろんな重要な場面に
偶然遭遇するのが観てて不自然で仕方ない。

そうしないと話が進まなくなってしまうから
やむを得ない側面があろう。

しかし、自然に見えるよう台詞のフォローは欲しい。
(それともフォローの台詞を聞き逃しただけかも?)

例えば、
「私ってさ、いつもおいしい状況にたまたま遭遇しちゃんだよねー。
私の創造主さんのおかげかなー」の一言でもあればいい。

それだけで「マガネは強い悪運の持ち主で、
自分が楽しむためのネタを自らに引き寄せる能力がある」
というキャラ設定でもあって、
それがこの世にも当てはまるのかと視聴者は納得できよう。

現実を捻じ曲げる『言葉無限欺(ことのはむげんのあざむき)』
という彼女の能力そのままに、
不自然が自然に入れ替わるのに勿体ない。

<今回のマガネと弥勒寺のバトルは、今後いいネタになりそう>

キャストの坂本真綾&鈴村健一さんはご夫婦。

「これっくらいマーヤちゃんなら、平気の平左。どうだろうかね不良中年...」
「笑い袋が調子に乗りやがって」

ネット上、そして鈴村夫妻とその友人たちの周りでは、
レクリバージョンの夫婦喧嘩ごっこでしばらく盛り上がれそうだ。

<マガネが悪魔ならメテオラは天使>

すべての解決の鍵は、メテオラの叡智っぽい。
マガネと対極のメテオラの賢者ぶりもますます重要性を帯びてる。
彼女なくして、解決の道筋はまず得られないと感じるほど。
そして颯太を救い導くという癒しの役割まで担う。
{/netabare}
★ #10「動くな、死ね、甦れ!"We know exactly how you think and how you're fighting !"」
{netabare}
<第1部の締めくくりは、被造者8人によるオールスターキャスト共演&競演の大バトルが見所>

今回は感情移入させてもらうことの多い巧い脚本&演出だった。
松原とセレジアの絆に、一番の胸熱でジーン。
次に必死でアリステリア説得を試みる颯太の勇気に感服。

どん底まで落とせば「陰極まりて陽」となり後は上がる一方。
やはり今までの颯太の欠点の強調は意図的なもので
今回、その効果が存分に活かされたと思う。

こういう展開を待っていたので非常に満足だ。

<セレジアを思う気持ちは親が我が子を想う気持ちと同じ>

一か八かの賭けだったが、ネットにセレジア強化の新設定を拡散させ、
結果、セレジアの能力改変に成功する松原とマリネ。

敵側にいいようにされていた状況を打破、一時撤退させることができた。
しかし、セレジア、メテオラ、弥勒寺は瀕死のボロボロ状態。
まさに危機一髪で完全敗北から免れた。

<この世界を守るために、傷つかないものはいない>

再びマガネの術中に嵌り、切り札の能力までも奪われた弥勒寺。
チートな存在と思えたギガスマキナも思わぬ妨害で何もできなかった鹿屋。
薄々自らの過ちに気付き始めた脳筋で不器用なアリステリア。
アルタイルの底知れぬ能力の脅威。
なぜアルタイルに加担するのか未だに解からぬブリッツ。

キャラ設定がしっかりしてるから、
人間ドラマとしてもなかなかの出来だと思う。

自らの享楽のために場をかき乱し、
直接自ら手を汚さずとも多くの人を傷付けるマガネ。
最凶かつ最狂マガネの無双はいつまで続くのか。

クリエイターたちの知恵の見せ所はこれからが本番。
気になることは山積だ。
{/netabare}
★ #11「軒下のモンスター"We cannot decide where we go but you can."」
{netabare}
<脚本に、クリエイターと呼ばれる人たち全般に対する愛情を感じる>

物話は、再び動から静へ。

バトルものとしてはテンポが悪いと感じる半面、
こういうの嫌いじゃない。否、むしろ好み。

しみじみした今回。
場と雰囲気をかき乱すキャラは一切登場させず
不穏さをあえて封印したと思われる。

22話構成という大枠があり、ゴールが決まってないと
こんなに丁寧なキャラ描写は出来ないと思う。

「煌樹まみかお別れの会」などを企画する余裕ある製作委員会。
もう物語の設計図は完成済であとは推敲し肉付けするだけなのだろう。

<とても優しい人たち>

セレジアと松原、鹿屋と颯太の会話。
颯太の勇気のいる告白を無言で受け止める仲間たち。

以上のシーンで
「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない
- If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.-」
というレイモンド・チャンドラー著、小説「プレイバック」出典の
超有名な主役フィリップ・マーロウの台詞を思い出した。

強さと優しさの両輪あって初めて魅力的な主役が生まれる。

鹿屋は初登場時の、幼稚な困ったちゃんの印象が強かったから
今回は、やたらカッコ良く見えた。

<今回初めてシマザキ セツナに台詞が与えられた>

とても魅力あるキャラになってて、
故人であることが惜しい、出来れば生きてて欲しいとさえと思えた。

直近の「BanG Dream!」のドラマー、沙綾のイメージが残っていて
大橋彩香さんの声だとは全く気付かなかった。

彼女は実際にドラム叩けるし、実に器用な方。
役になり切っててさすがだ。
{/netabare}
★ #13「いつものより道もどり道"An unpredictable story that no one knows where it's leading to."」
{netabare}
総集編風の「過去のおさらい&設定補足説明の特殊回」だった。

<メテオラ・オン・ステージ>

大人気!もちもち!もっちもっち!!の
「もちもちメテオラクッション」
ホントに商品化されたら買ってしまいそうである。

これは確かにユニーク。
制作陣のユーモアのセンスが素晴らしい。
本編より面白いという視聴者の感想続出なのも納得。

この回が気に入ったなら公式HPに掲載された
メテオラ役の水瀬いのりさんのインタビューも楽しめるはず。

彼女もスタッフから事前にこの回があることを
「いろいろとがんばってもらうことがある」と
遠回しに言われて知っていたらしい。

しかし、内容までは知らないので
きっとシリアス方面で頑張るのかと思いきや、
渡された台本に思わずひとりでクスクス笑ってしまったとのこと。

適度にブラックで適度に聡明。
メテオラは、ホントおいしいところ持ってく。
愛嬌のある乙女と、世の理を鋭く見抜く賢者の役割を
ちゃんと両立させていてかわいいキャラだ。

人にあだ名付けるの上手い。
弥勒寺から気に入らないニックネーム「めっちん」と名づけられたからか、
弥勒寺に対しては一層辛辣なのもまた一興と言えよう。
{/netabare}
★ #14「ぼくらが旅に出る理由"I feel painful and so useless that I want to cry but it's fun nevertheless."」
{netabare}
<新章スタートに相応しく今回でOP,ED共に変更>

OPは、楽曲は以前の方がイントロから盛り上がれて好みだが
画的にアルタイルが表情豊かで新鮮。
今後の彼女にいい変化が起きるだろうか。
被造物の新キャラ、星河ひかゆも登場で
さらなる話の広がりを予感させられた。

しかし、まみかはもういない。
彼女は徐々に忘却の彼方に消えてしまいそうで少し寂しい。

新EDはミニ3頭身キャラと化した被造物たちが
本作のアニメ制作現場に訪れる風。
遊び心があってなかなかユニークで面白い。

<菊地原の姉御>

一大国家プロジェクト始動!
冒頭からの、責任者である菊地原統括調整官の
有能ぶりと逞しさにインパクト大。
大勢のクリエイター達に喝を入れる。
啖呵を切る姿が実に男前。

政府関係者代表とは言え、まさかここまで重要な役どころになるとは...。
初登場時には考えも及ばなかった。

<創造主のそれぞれの想い>

今回は一貫して創造主にスポットがあたった。
被造物の影が薄くなるほどで、メテオラ陣営の登場は最後のみ。
アルタイル側陣営やマガネなどは出番なし。
この構成上の割り切りは実に潔いと思う。

颯太も11,12話の懺悔を経て一皮むけた。
何事も前向き積極的なのはいいこと。
今後は創造主の一人として活躍しそう。
{/netabare}
★ #15「さまよいの果て波は寄せる"This is perfect! She couldn't have been any more perfect!"」
{netabare}
<新キャラ、またも登場>

前回終わりに初登場した星河ひかゆ。

今回で意外なジャンルからの現界で戦闘能力はほぼ皆無と判明。
彼女の創造者も含め場違いも甚だしい。
しかし逆に、和み担当と見せかけて
別ベクトルに化ける可能性もありそうだ。

次に弥勒寺の物語、
漫画『閉鎖区underground-dark night-』の主人公、翔まで現界。

CVは岡本信彦氏で、氏が採用されたのは得意とする
『とある魔術の禁書目録』のアクセレーター系の
狂気をはらんだ演技が必要とされるキャラだかろうか。
これからあるであろう弥勒寺とのバトルは盛り上がりそうだ。

あとは、12話の最後で登場した小野大輔氏演じるキャラが
本作登場の被造物すべてかな。

顔こそは見せなかったものの纏っているもので誰だかバレバレ。
○○○に違いない。
以前のOPと1,2話でヒントがあった。
今回話題のロボット乗りとは彼のことだろう。
ということは、新OP登場の機体も現界が期待できそう。
これで○○○○は本来の強さを発揮できるだろう。

<アルタイル、マガネ、なんと10話以来のお久しぶり!>

なんとも悠長な展開である。

「憎まれっ子世に憚る」とは
当にマガネの事言ってるようなもの。
一体どれほどの時間経過があったかは知らないが
マガネは、どうやら強かな世渡りで
リッチになって高級マンション住まい。

濡れたお札を丸めてポイなどお金を粗末に扱うようでは、
我が世の春もそんなに長くは続かないだろうが...。

自身の娯楽のためなら大量殺戮すら
なんとも思わないキャラじゃなければ
嫌いになれないタイプだ。

マガネに協力を仰ぐアリステリアの不穏な動きが気になる。
悪い方向に向かわなければいいのだが...。
『緋色のアリステリア』の作者、
高良田の活躍で彼女に幸あらんことを祈りたい。

アルタイルは、ブリッツとの今回の絡みで
チートな能力の反面、弱くも儚い存在として魅力アップ。
本作の一番の主人公と思えるようになった。

ブリッツも今回で非情な悲しみを負ったキャラと判明。
悲劇に向かわなければいいのだが...。

こういった人物たちが紡ぐ物語は一体どこに向かうんだろうか。

来週はスケジュール通りの特番で本編はお休み。

本編は残り7話。
再来週からの溜めて溜めての一挙大放出のクライマックスを期待したい。
{/netabare}
★ #19「やさしさに包まれたなら"The story continues,
as long as there is someone out there, who believes in my existence."」
{netabare}
<アリステリアとセレジア退場>

16話の後半以降、ラストに向けて動き始めたが、
今回は、クライマックスに向けてますます盛り上がって来た。

今回の展開は、かなり切なく心に響いた。
鹿屋やセレジア、アリステリアの必死の攻防。
彼らは、ギャラリーに多くの感動を与えたはず。

主人公という言葉が飛び交った今回、
それぞれの作品世界の中で本来は第一の主人公たち、
アリステリア、カロン、翔はどこか不器用。
結局、そんな彼らは作品外に飛び出すと
深慮が足りず人から騙されやすかったりする。

カロンに力では敵わぬセレジアや
翔のライバルポジションの弥勒寺の方が
賢明で器の大きさを感じられたりした。

さすが広江礼威氏、人間の描き方が単純でない。
今回は、善悪だけではキャラの魅力を測れなかった
「BLACK LAGOON」に通じるものを感じた。

<唯と澪がもしも中二病だったら>

ところで、今作には「けいおん!」の放課後ティータイムの
唯、澪、紬の声優がそれぞれ、アルタイル、アリステリア、
そして『code・Babylon』の原作者の駿河となって共演している。

さしずめ今回のアルタイルとアリステリアの絡みは、
「中二病になった唯、澪のバトル」とも思えて
ネタとしてちょっと楽しかった。

また被造物キャラは、設定上いかようにも改変できそうな
この世界観の中にあっては、アルタイルは、
唯のような天然ドジっ子キャラにもなり得るわけで、
キャラ変で180度違う唯の声で演じてくれる展開があったら
面白いのにと妄想。

まあ、アルタイルは、ガチなシリアス担当。
そんな遊びを入れられるキャラではなそうなので
物語の都合上、実際にはそんなことは起こせないだろうけど。
{/netabare}
★ #21「世界は二人のために"I love you too."」
{netabare}
<アルタイルとシマザキセツナ、初めてのコミュニケーション>

当に今回はアルタイルとその創造主の二人のためにあった物語の1ページ。

アルタイルは今まで、被造物には容赦なく危害を加えても
一般人をマガネのように直接危害を与えなかったのは
今回があったからだろうか。

セツナや颯太の存在など知る由もないチャンバーフェスのギャラリーは
何が何だか解らないことが多いのは我ら視聴者以上のはずなのに
不満顔一つ見せず話にのめり込んでるのは不自然など、ツッコミ所は多い。
颯太の想いのこもった台詞なども会場には流れてないだろうし...。

しかし声優の演技力で無理くり作品世界に引き込めた感。
かく言う当方も、豊崎愛生さんと大橋彩香さんの迫真の演技に引き込まれ
感情移入しまくりで冒頭からずっと涙で視野が霞んでしまった。

<アルタイルがもたらしたこの世の危機は今回で終結したものの>

このまま放置はしておけない鬼っ子マガネを最終的にどう描くのか。
退場してしまったキャラは退場したままで終わるのか。
そして全体をどう締めくくるのか、非常に興味深い。
{/netabare}
★ #22(終)「Re:CREATORS」
{netabare}
上手い落としどころだとは思う。
皆、明るい未来に向け前向きに生きていこうとするラストはとてもいい。
おそらく、この決められたラストに向けて始めから物語を紡いでいったのだと思う。

しかし一番やっちゃいけないなと思うのは、
マガネを放置したまま話を終えてしまったこと。

彼女は、話のスパイスとなり
颯太に力を授け転機を与える重要なキャラだったのだが、
見事に最終話で彼女の存在は消えていた。

登場人物の誰の話題にも上らず
あたかも始めから存在してなかったかのようだ。

マガネは、少なくとも2名、
たまたま遭遇した本屋の店主と自分を生み出してた原作者を殺している。
いつまた己が衝動で殺人を犯してもおかしくない。

また、タワーマンションに住み、
リッチにこの世を謳歌している描写もあったが
その富はどうやって得たのか不明で
他にも犯罪を犯している可能性がある。

だだの便利なキャラとしてフェードアウトさせるには
濃すぎるキャラだったのだが、
本筋優先のツケが彼女の放置につながったのか。
これにはかなりがっかりした。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

6話で済む内容

初期の印象から9話までの感想
{netabare}マンガのキャラが飛び出して原作者をブン殴る。
昔はそういうマンガをよく目にした気がするのだが、この作品はそういった懐かしさを感じさせてくれる。
最近そういうネタって見たことがないけど、単に自分が気付いてないだけで今でもどこかで継承されてるのだろうか?
で、そういった古臭い言い方を避けて今風に表現すれば、現実世界にスターシステムが発動した…って感じになるのかな?

元々自分は「創作物が自我を持つ」ってネタは結構好きで…原典を辿ればロボットに意思が宿るとか、もっと古いのでは彫像が動き出すとか。
そもそも日本には八百万の思想があるし恐らく有史以前からあるネタではあると思うのだけど、SF寄りかは絵本風なノリが好みです(感覚的なことなので言葉で説明が難しいのだけど)。
アニメでいえば永久アリス輪舞曲が評価高い、ゲームならmoonか。
ただ、これらの作品はひとつ問題があって…。
永久アリスならルイスキャロルのアリスインワンダーランド、moonならファイナルダンタジーやドラクエ、これら元ネタありきの作りであるということ。
あくまで有名作品のパロ、二次創作でしかない。
で、レクリエイターに目を向けると…一応物語世界から飛び出してきたキャラ達はオリジナルではあるものの、どうしても「どこかで見た感じ」は拭えない。
要は作中作が作中に飛び出すって話なのでいちいち作中作までは個別に紹介してらんない。
漠然と「ああコレ系ね」と分かるものでないとやってらんない(※1)。
つまりはラノベでよく居そうなタイプ、アニメでよく居そうなタイプ、ゲームでよく居そうなタイプ…と絞らないといけないため、結果的に…う~ん、キャラクターに新鮮味は全く感じない、仕方ないことなのだけど。

でもって、なんでそんな分かり切ったことをわざわざ書いたのかと言うと…※1の点。
漠然と「ああコレ系ね」と分かるもの、と書いたけど、分からん人は大丈夫なのだろうか?という余計なお世話かも知れないけど不安が…。
どうしてもパロ的側面は否定できないため、元ネタ(なんとなくでも)が分からない人は楽しめるのかどうかが気になる。
ラノベは原作どころかアニメも一切見たことありませーんって人、魔法少女はアッコちゃんとサリーちゃんしか知りませーんって人ね。
↑はわかりやすくワザと極端に書いたけど、要はターゲット層は狭く設定されてる気がする、企画段階から。
少なくともこの作品は“アニメ上級者向き”だと思います、上級者が偉いってことじゃなくてね。
言い換えれば非常に内向き・閉鎖的。
ロクアカのようなテンプレネタを繰り返す天丼ギャク作品ならまだしも、真面目な内容なんだよね…大丈夫なんかのう?

…と、不安な気持ちで見始めてみたら、あ、どうやら自分が当初思ってたのとは方向性が違うっぽい。
原作者の力ってのは実は大したことではなく、発表された作品が多くの人にどう印象に持たれてるか、ってのが重要らしい。
作者の意図を離れて勝手にキャラが動き出して「どーなってるんだー」ってなるのが主題ではなく、自我を持ってるのはとっくに確定済みで、現界することで「印象を持たれてる状態」からどう変化してくのかってのがテーマ…なのかな?
ラストは多くの人間の認識を変えることでパワーアップして逆転(※2)ってなったりして。

と見てたら、なかなか興味深いシーンが。
マガネ(ギザ歯)が作者を殺したって場面なんだけど、マガネの能力はどうやら言葉を交わして自分のペースに引き込むと発動するっぽい。
要は知恵比べをして勝つと倒せる、みたいな。
んで、賛否はあれど「作者以上に賢いキャラは造れない※3」って説が世の中にはありましてん、メテオラの作者を逝去済みにしたのも主人公チームに「メテオラより賢いヤツは居ない」状況を作るためだと思ってました。
もし作者が生きてたらメテオラ以上に考察考証が進んでしまい物語的につまらなくなるってことかなぁ、と。
※3の説を採用するかどうかは置いといて、この作品では原作者以上に賢いキャラが登場するってことでいいのかな?
もしくは現界した後で得た知識でもって作者の知識を上回ったとか?
へぇ~勿体ないというか思い切ったことするなぁ、マガネvs原作者の対決シーンとか1話丸々かけても面白かったと思うんだが。
“相手の情報”だけなら明らかに原作者の方が圧倒的に有利なはずで、それをどう覆したのかって充分な見所になったような?
(といいうつつ「そんなことありえない」と口を滑らせてアッサリ決着付きそうでもあるけど)
というかですね、マガネの能力自体よく分からん…「ああコレ系ね」とパっと思いつくのとはちょっと外れてる気がするので、それの説明のためにも原作者との対決シーンは欲しかった気が…。

でもって最新9話。
お、おう、もう何をか言わんや。
マミカはどうやって逃げた(何故アルタイルはトドメを刺しそこなった?)から始まり、各被造物の遭遇率やらホウレンソウどうなってるのかとかマガネの語り半分要らないよなぁ?とかとか。
細かいことを言うとマミカは「流血NG作品」で、個人的には切り裂いても血は流れない(せいぜい火薬が爆発するエフェクトが入って痛がる程度)認識だけど、恐らく作中の大多数は流血するもんだと思ってるのだろう。
けど死体が消滅するのはやり過ぎな気が…。
そんなことよりアリスですな、いくらなんでもアホ過ぎるというか。
ひょっとしたら騙されたフリをしてるだけで次回以降にタネ明かしがあるとか…な、ないかな?
マガネは邪悪な存在であることは分かった前提で「嘘は言ってないから正しい」と認識しちゃうのはちょーっと無理がある。
こんなDHMO(※4。詳しくはググってちょ)めいた手法に簡単に騙されるようなキャラが人気キャラというのは…う~ん?

更には公式でマミカのお別れ会(イベント)やるんだそうな。
へ、へぇ…。
ひょっとして、※2のネタをメタで引用するつもりかな?と思ってしまったり。
イベント会場のファンの声援により復活~みたいなの。
似たようなのではKey the metal idolってアニメを思い出す、イベ会場の声援(音声)を作品に使う的な。
そして、けっこう仮面(何バージョンかまでは不明)が各話のけっこう仮面が実はそれぞれ別人でラストで全員登場するってのがあった記憶があるのだけど、そんなのも可能なハズだよね?
なんか、それやりそう…やらんかなぁ?


一応ググってといいつつ※4のDHMOの解説。
大雑把に言うと肝心の物体の全容は伏せ、その物体にまつわる現象の一側面だけを列挙して解釈を意図的に誘導する手法。
ネット上でよく見る“偏向”もこの類で、厄介なのは「嘘は吐いてない」点。
また、これについては同期に放送してる別アニメでも思うところ(2つの作品にまたがって言いたいこと)があるのだけど、果たしてどうやって書いたらいいものが困惑中。
とりあえず推敲そっちのけで書くと、「どんなに不可解なことでも目の前で起きたらそういうものだとして納得する」一方で「不可解なことを理屈だけで説明されても納得はしづらい」。
要は物語の設定を納得させるうえで現象と理屈は可逆の関係ではない。
例えば“稲妻”の語源とかググれば分かると思うけど「空中放電で空気中の窒素が固定されて~」なんて理屈を知らなくても昔の人は雷が多い年はイネがよく稔ったと理解(納得)してたワケで…どんな原理なんだってのは正直どうでもいい。
そういう意味ではメテオラの世界崩壊説も懐疑的に思ってます、作中その前触れ的な現象描かれてないし。{/netabare}

13話までの感想
{netabare}政府主導のイベント…東京国際アニメフェア…アニメジャパン…うっ、頭が。
そのイベントが大失敗したり、アルタイル側がカウンターで別のイベントを開くって展開ならいいのだけど、大成功なんてことになったら…ちょっと…ねぇ?
フタッフ?スポンサー(小学館?)?が和解の手を差し伸べてるラブコールなんじゃなかろうかと穿った考えががが。
ただでさえオリンピックに向けて規制強化が進行しつつある昨今、そんな日和ったことしちゃう…のかなぁ?

なーんてことを考えてしまい、いやいや考えすぎだ、そんなメタなことは無いだろう、作品は作品メタはメタで分けて考えよう。
と自分に言い聞かせてた矢先に総集編ですよ。
…メタネタやん。
なんでそいう不穏な方へ考えが向くようなことをするんだろう?
あーいや、作中のイベントが失敗するってのならいいんだけどさ。

それにしても…マンガが得意ないじめられっ子が「自分ないしその分身を美化し、いじめっ子を情けないやられ役にしたマンガを描いて鬱憤を晴らす」ってのは昔っからあるネタで。
それをやられても「お、おう」としか…。
ってかそういうのって大概「空しいモンだな」って自虐を含んでるもので、メテオラにやらせちゃいますか…へ、へぇ…。
今まで情けない描写しかされてない颯太が美化されて大活躍する~ってならまだしもさ…ってかそれへの伏線なのかねぇ?
とりあえず、1クール目の内容は3話に纏められると思う。{/netabare}

16.5話までの感想
{netabare}特番…については別にいいや。
そんなことより、フォーゲルナントカとか、どう(作中の)視聴者に承認されたのか~とか見せないのね。
チェンバーフェス開催までアルタイル陣営はずっと待っててくれたってことかな?まぁこれは後でまた何かあるかも。
そ ん な こ と よ り 。
ダラダラ会議ばっかりでなっかなか話進まないなぁと思ってるのだけど、そこまでして引っ張ってるチェンバーフェスの内容。
一体どんなのかなぁと想像するワケですが、そこでイヤ~な予想が…。
まさかとは思うのだけど、

リフレクションでI-GUYがやってたこと

じゃあるまいな?
チンタラ引き伸ばしてたら別アニメで先越されたってことになったら目も当てられないぞ。
だ、大丈夫だよね?{/netabare}

18話までの感想
{netabare}↑でフェスのことをチェンバーと書いてしまったけど、正確にはチャンバーでした。
ひょっとして茶番とかけてる?
というかね…その…イベントの内容や、それが一般参加者からどう映ってるのかの描写が少なくない?
チャンバーフェスのストーリー全然分からんのだが…各キャラがどう紹介されて何がどう承認されたかとかサッパリ。
誰かフェスで公開された外伝?のあらすじ教えてくりゃれ。
う~ん、丸々1話使ってフェスの前日譚の作中作を流すかも?と期待したけど、無さそうかな~。
ザリフレクションのアイガイと被るんじゃ?ってのも危惧したもんだけど、その心配は無用だった模様。
しっかしこれだと…後出しし放題じゃん?
まさかそんな技が→実はフェスで承認受けてました、外伝で承認受けてました
全部これで済ませられちゃう。
なにこれツマンネーといって閑古鳥になるのを期待してたのもあるけど…「なんか面白そう」で自主的に集まったんではなく、政府からこういうの作れと強制されて作らされた、ってことの違いとかさぁ。
会場のスクリーンにはメテオラ全然映ってないんじゃなかろうか、突然作者の名前言い出すのはドッチラケではないのか…視聴者ではなく作中の観客にはどう見えてるのん?
観客はイエスマンなのか?創作者の思った通りに承認してくれてますって体で話進めちゃうのは、結局創作者の傲慢さを感じてしまう。

ハンガク飽きたから返す、にズッコケ。
弥勒寺の「嘘ついてなんの得があるんだよ」、いやいや、自分が狙われない・恨まれないって得がありますやん?
「遊びたそうだから相手してやった」ってのは“半年猶予があったのに”翔は知ってなさそうだったし、その理屈は通用しない。
あんま言うとエラソーでイヤなのだけど、サリーアン課題解ける?大丈夫?
“半年猶予があったのに”は翔に限らず全員に当てはまる。
アルタイルがどんなヤツか分かってるハズなのに対抗策がソレ?
ぱっと出のカロンといきなり心中、そりゃあ言葉では時々出てたけど、もっと「コトあるごとにカロンのことを言う」位のことをして積み重ねしてくれんと全然感情移入できない。
主人公?英霊でいいんじゃね?

と、今思いつくだけでも突っ込み所山盛りで、もうどうにもこうにもになってしまったけど…。
それでも期待してるのがあります。
↑でも名前を挙げたことのある“永久アリス輪舞曲”、最後にソウタがあれのオチみたいなことをしてくれたら自分は大絶賛してしまうかも知れない。
単に自分が思いつかないだけなので、もしくはそれに匹敵するオチであればまだ巻き返せるので…頼んますよ~。
正直見るのシンドイっす…。{/netabare}

20話までの感想
{netabare}唐突に登場したシリウスだけど…政府の作ったオリジナル(アルタイルをオリジナルと呼ぶのも変だけど)の模造品…感情無し≒ロボット…くっそwこれスパーXっつ-かメカゴジラだ。
あんま詳しくないけど93辺り?
メカゴジラがゴジラに勝てるワケないやーーん!!
ということで当然のように負けて爆笑。
お約束的に松原達はあんなので勝てると本気で思ってたのか?「あれ、これメカゴジラみたい」と薄々気付いてたんちゃう?
いっそのこと「メカアルタイル」とぶっちゃけた方が潔かった気がする、スーパー付けてもいいぞ。

で、ソウタはソウタで…えーっとこれは“正解するカド”の感想で書いたことがあるな。
作戦会議に行き詰まって大人達が難しい顔をしてる中、バンと乱入してきた子供が核心を言う、ってネタ。
未だに元ネタは分からないままなのだけど(友人からはガメラじゃね?と言われた。岸和田博士でもそのパロあったような…)自分こういうネタ好きでしてん。
ソウタはその少年の役回りか?

ここへ来て妙に特撮のパロが目立ってきた感じ。
↑でパロ的側面は否定できないって書いたけど、いやいや、こっちが指摘したのはキャラ設定であって展開についてではなかった。
今回見た瞬間は爆笑してたけど、冷静に考えるとヒッドイ内容よねぇ。
こんな終盤でそんなことをされても、設定畳みきれなくなって特撮パロでお茶を濁してるような印象。
まさかとは思うが…パロやってないつもりでこの内容になりましたってことじゃないよね?
「こんなこともあろうかとスーパーメカアルタイルの伏線をフェス内に張っておきました」って、いやいやいやいや、真田さんでも「聞いてないよ」とビックリするレベル。
「後出しし放題じゃん」と前回書いたら本当にそれやられて、呆れるを通り越して大丈夫か?と不安さえ覚える。
というか、さ、観客に対し伏線張って承認得てました、とするなら、さ、アルタイルも事前に察してるハズなんじゃ?
なに驚いてんのさ、半年寝てたのか?
これはブリッツの娘もそうだけど、承認を得る=手の内を明かすだと思ったのだが…雑よねぇ、やっぱりサリーアン課題受けた方が良い気がする。
「子供が会議室に乱入して核心を言う」ってのも、あくまで余計な知識無く純真な気持ちで考えると答えが見つかるってだけで、マガネにチート能力授かって~ってことではない。
ただでさえ承認力とやらが都合のいい言い訳臭かったのに、それすら超越しちゃったらソウタにとって観客とはどういう存在なんだか訳分からなくなりそう。
初期の頃から「アルタイルに敵対するぞい」と決意した被造物達立つ瀬無いのう、パっと出のエロゲキャラやついさっき娘見させられて寝返ったオッサンが活躍しても…ねぇ?

白箱やニューゲーム見てないんで…代わりと言っちゃナンだけど、もう古い作品になってしまうのかな?「変身三部作」ってアニメがありまして。
“ヒットを狙え”と“LOVELOVE?”と“超変身コスプレイヤー”の3タイトルが同時進行するって作品で。
内容はイロモノ特撮の企画に関わる制作者の話で、LOVELOVEが原作者視点、ヒットがプロデュユーサー視点、でもってコスプレイヤーが出来上がった作品って体。
お勧めではあるけどお色気増し増しなのであんまり胸張って勧められないという作品なんだけど、どうにもレクリエイターはこれに例えるとコスプレイヤーが全然見えてこない。
まぁ笑えたからいいの…か?


でもって残り話数も少ないし今後の展開予想…ってより願望書いてみる。
セツナ登場に会場大ブーイング→ソウタ「こんな気持ちだったのか」→アルタイル同情→松原達「なんだこの程度か」→プロのクリエイターSUGEEEE
やっぱり会場の観客があんなので納得するのか?ってのが違和感デカいし、なによりクリエイター側に都合良すぎなのがどうにも。
こっちの思った通りに観客の心を操作できないって描写は欲しいぞ。
特にソウタはマガネの力で反則技使ったワケだし、これがもし受け入れられるようだったら…製作者の傲慢を疑う。
っつかね、あると思うんだけどねぇ、スポンサーの意向でどうでもいいキャラ投入しないといけなくて苦労したー、とかさ。
怨嗟の声が聞きたいとまでは言わないけど…もし現場にソウタみたいなヤツが居たら、好きか?喜ばしいか?
で、まだ続きがあって、ソウタの考えた物語はゴミのようにつまらなくて、けどその中でアルタイル始め現界した被造物たちは幸せに暮らしましたとさ、で〆(↑で書いた永久アリスオチ)。
「想像力が創造力に変わる時、終わらない物語を終わらせるための戦いが始まる」Take me to your story~♪で終わったら泣いて喜ぶ、自分は。
逆にこれをやったら激怒するぞ?ってのは…これは書かなくていいか。{/netabare}

21話感想
{netabare}わぁい、前回「これをやったら激怒するぞ」ってのは敢えて書かずに居たけど書かなくて良かった。
殆どそれと同じ内容でした。
実際大正解を引いて本当に激怒するかといえばそんなことはなく、ただただため息が出るばかり。

まず最初に、セツナの死因は別にあるものだと思ってました。
トレス疑惑で自殺に追い込まれるほどの炎上って、聞いたことが無い。
また、それほどの出来事であるなら政府総出で・それなりの第一線のクリエイター複数居て、アルタイルの正体が分からないというのは不自然。
うん…まぁ自殺だったんでしょう、そういうことにしよう。

で、そうすると次の問題。
セツナ現界からアルタイル逃走まで、どこまで予想してた・予定通りだったのか。
他に手段が無くて破れかぶれだったのか、「きっと説得してくれる」と思って現界させたのか、セツナ復活は一時的なものでまた死ぬか消滅するかでアルタイルは連れて別世界へ逃走すると睨んでたのか。
要は…「そうだ、セツナを現界させてもう一度殺そう」と思ったのかどうか。
現界セツナの正体も「自殺にまで追い込まれた人間の振舞いではない」「メガネがソウタのもの」「電車に轢かれたがる」等、現界セツナはソウタの願望・理想のセツナにしか思えない。
そんなのにまんまと騙されるアルタイルも噴飯モノだけど、そいつに赦しの言葉を言わせて赦された気になるソウタは正直…気持ち悪い。
「これで追いつけただろうか」も、クリエイターになるために何か努力してたワケでもないし、現界できたのはマガネの力なんだし…何をどう解釈すればそんな台詞が吐けるのか理解に苦しむ。

そもそも、だ、ソウタはセツナを自殺に追い込んでしまったことを気に病んでた…ハズ。
一方マガネは自分の作者を殺したんだか自殺に追い込んだんだか、それを悪びれる様子は無し。
結局、マガネがソウタに力を貸したのは「ソウタは実はセツナ自殺に責任を感じてない。むしろいいネタ頂き!と喜んでる」と見抜いたから?とさえ思えてしまう。
1クール目終盤「ボクが殺したんだああ」で「はぁ?」となったが、結局これは演技だか自分に酔ってたということだろうか。
「物語ならアリ」?
それを決める観客がイエスマンな中で言いますか。

──で次の問題、っていうか個人的に最大の問題。
「会場の観客があんなので納得するのか?」ってのは前回書いた通り。
なにやら感動してる風なのが違和感ありまくりで気持ち悪い、「お客」が都合良すぎて制作陣の傲慢に見えて仕方ない。
セツナの現界はマガネの力によるズルで承認力は関係ない。
…。
観客は大ブーイングであっても設定的には破綻しないじゃーん?
ならやっぱり、大不評ってことにした方が自然じゃなかろうか。
それに対し知ったことかとふんぞり返ればいいじゃないか、「オレはセツナと違ってこんなんで凹んだりしない」でいいじゃないか。
ろくすっぽ作品作ったでもなくちょっと関わりがあるだけで業界にずっと居座り、ズルをしてプロの舞台を踏み荒らし、その内容も自殺した実在の人物を2度殺しするという倫理に欠くもので「確かに卑怯だけど物語ならアリ」とまで言わせるなら、それくらいやらせりゃいいのに。
…。
観客はセツナなんていきなり出てもポカーンなだけなんじゃ?
正直これ、承認力とか無しにして、人知れず戦いが行われてるってことにした方が良かった気が。
被造物もアルタイルとマガネ以外要らなかったような?
フェス自体も要らなかったような?
解決方法も、何故か線路に飛び込みたがるセツナ救いたくば別世界に飛ぶしかないという人質戦法。
普通に飛び込んで、死んで、アルタイル「セツナを…二度も…二度も殺したな!」(クエイサーネタ)と血涙流させた方が面白かったような?


と、かなり文句を書いてしまったけど、まだだ、まだ挽回のチャンスはある!
なんといってもチャンバーフェスでメテオラは一回も戦闘をしていない、OPであんなアクションやっておきながら。
ずっと管理室?に閉じこもったままで「観客はこんなんでフェス楽しめてるの?」と思う一因にもなってるワケだけど、その代償を払ってでもやりたいとっておきのオチが用意されてるのかも知れない。
そもそも確証も無く世界崩壊言い出したのメテオラだし、フェスまでの期限を決めたのもメテオラ。
動機もあるんだよね、強引な解釈かも知れないけど。
メテオラの作者の死因が実は過労で、そんな過酷な労働環境の業界やそれを許してる世界が気に食わん、ってのは充分な理由にならないかな?
根拠のない世界崩壊や無茶なフェスの締め切り設定したのも、環境改善する最後のチャンスを与えたとか、自分の作者と同じ苦しみを味わえ、って意図であるなら納得できる。
マガネ以外の被造物の存在理由やアリスやセレジアの無意味な死も、それもメテオラの計画通りってことなら意味を成すような?
もうさ、黒メテオラになってさ、更に政府とグルでさ、「ご苦労様、もう用済みだ」と言って残った被造物を射殺とかさ、やってもいいんやで?
ついでにソウタを罵ってくれるとスカっとするんだが。
冗談抜きでバッドエンドで終わらせた方が良い気がする。
いいお話系で〆ようとすると気持ち悪くてどうしようもない終わり方になりそうで。{/netabare}

22話感想
{netabare}ああ、これで終わりか。
言いたいことは↑であらかた書いちゃったな…っていうかもうなにか書く気力も沸かない。
時間を置いて総評書くかも知れないけど、そうじゃないかも知れない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最終話&総評 印象に残ったのは声優さんの浴衣姿

“アルドノア・ゼロ”のスタッフが集結、みたいな宣伝してたかな。声優さんも同じ人がいたりする。“アルドノア・ゼロ”、あまり高い評価してないけどね。
でも、オリジナルなので、全話レビューすると思う。

放送直前特番
{netabare}
物語のなかからキャラクターが出てきてバトルする話、でいいのかな? さらっと見ただけなので、詳しくは知らない。
印象としては、アメコミヒーロー集結って、感じ。棚に入れている表紙もバットマンみたいだし。
あまり期待しないで見るつもり。そのほうが期待以上になるから。
{/netabare}

第1話 ヒロインのキャラデザはイマイチ、ほかはそこそこ
{netabare}
ニーソやガーターはマンネリ。季節を考えたら、素足だろ。素足にブーツで足がむれるヒロインとかいいと思うんだけど(笑)。ヒロインだけでもリクリエイトしてくれるとうれしい。

ストーリーや設定は、むかしの漫画やアニメを探せば似たものがありそうな印象。だけど、見せ方は“アルドノア・ゼロ”を作ったスタッフだけあって秀逸。

どことなく、Fateに似ている気もした。それぞれのキャラにはクリエイター(創造主)がいて、好き放題できない、とかじゃないかな。その一方で、クリエイターを出し抜こうとも考えているとか。

中二病全開のセリフを聞かされて、セレジアが恥ずかしくなるシーンは面白かった。確かにそうなるよなって感じだった。

主人公の世界からも情報流出(?)してたら面白いな。車が運転できるところもムリクリでなくなるし。
あとは、アニメやラノベから出てきたキャラなら、水着回や温泉回がないと、この設定に説得力がない。
{/netabare}

第2話 創造主はイラストレーターだろ
{netabare}
見てると矛盾点とかありそうで、モヤッとした気持ちになる。面白いことは面白い。OP、ED、挿入歌もいい。このアニメにはもったいないくいらい。

創造主を原作者だけにするのはピンとこない。イラストレーターも含まれるだろう。ゲームだとなおさら。プログラマーでもいい。創造主=原作者という点は、ちょっと懐疑的に見ている。

異世界から情報が流出して、原作者にインスピレーションを与えたという設定も考えられる。ただ、複数の人に情報を与える必要がある。
オールスター集結みたいな、いまの設定のほうが面白いかな。
{/netabare}

第3話 視聴者が疑問に思うことを試した回
{netabare}
セレジアは原作者の手を離れて動いているから、すでに改変しているだろって、突っ込みたくなった。この点にキャラたちが気づかないのは、ちょっと不自然。
セレジアの行動は原作者が決めていたことになる。原作者がストーリーを書かないと、セレジアは動けない存在と言える。だけど動いている。この点から考えても、創造主=原作者はありえないと思う。

逆のパターンとして、もともと異世界が存在して、クリエイターにインスピレーションを与えた可能性もある。ただ、セレジアはラノベにある未来を知らないから、過去からきたことになり、パラレルワールドとタイムスリップの両方をからめた感じになってしまう。これも無理がある。

現時点で考えられるのは、主人公のいる世界そのものが創造したもの。いろんな作品から集めて作った二次創作みたいな感じ。これならどんな矛盾点も解決できる。
{/netabare}

第4話 キャラたちのセリフがウザい
{netabare}
キャラが増えてきて、そのキャラのほとんどが中二病全開のセリフを吐くからウザいな、って思った(笑)。そういう設定だから仕方ないんだけど。

”つじつま合わせ”という言葉を使うからには、セレジアたちが出現した理由もあるはず。メテオラの話から考えると、第1話の冒頭に出てきた少女が大崩潰(大崩壊ではないらしい。HP参考)と関係している気はする。ミスリードの可能性もかなりあるが。

アニメ通りの設定なら、3タイプのキャラが存在すると思う。
1.人類(創造主)
2.ラノベやゲームのキャラ
3.セレジアたちを主人公の世界に送り込んだ存在

3は、軍服の姫君が最有力だが、どのようにしてという問題が残る。アニメでは、人気のある作品ってことで、自然現象のように捉えている。だけど、呼びこんでおいて大崩潰を起こすのも変な気がする。
{/netabare}

第5話 どうやって収束させるのだろうか
{netabare}
主人公の周りだけなら、ファンタジーなオチで済んだのに、なぜ、自衛隊や政府まで出してきたのか。漫画やラノベのキャラが現れたら、政府はどう対応するのか、シミュレーション的で面白い。だけど、セレジアたちが現れた理由にもリアリティを持たせる、物理法則的な説明が必要になってきた。

その一方で、軍服の姫君は、主人公や(最後にちょっと出た)少女と関係があるように見せている。これは精神論的な作用を思わせる。少女に重大な出来事が起きて、それが原因で軍服の姫君が現れたみたいな。

このアニメはリアリティを求めている。”漫画やラノベのキャラが現れてもおかしくない”と、視聴者に思わせる必要がある。だから、結末は相当難しい。量子論を使えばなんとでもなるかな。
{/netabare}

第6話 B級アニメ
{netabare}
便宜上、主人公や創造主をリアルキャラ、ラノベから出てきたキャラを中二病キャラとしておく。

今回はリアルキャラがほとんど出ず、中二病キャラばかりだったので、安っぽく感じた。
理由は、キャラクターに思い入れがないから。実際に放送されたアニメのキャラを使ったら、かなり面白くなると思う。(著作権の問題で無理な話ではある)

アニメのなかでヒットしてても、視聴者にはただの中二病キャラにすぎないので、気持ちが入らない。このアニメの欠点だと思う。この欠点を補うために、人気のある魔法少女や女騎士を出してきているのだが、パクりキャラに見えてしまい、安っぽく感じるのだ。
もっとオリジナリティのあるキャラにすべきだったと思う。

いろいろ書いたけど、面白いことは面白いと、最後に付け加えておく。
{/netabare}

第7話 視聴者の疑問に答えた感じ
{netabare}
人気があれば出現するなら、ほかにもたくさんあるとか、視聴者の疑問に答えた回だった。
キャラが偏っているのは、だれかの趣味、趣向によるものだとか、軍服の姫君はネットで活躍するアマチュアの作品だとか、視聴者が考えることを先回りして答えた感じだった。

漫画やラノベに詳しい者が作った二次創作の世界かな。キャラがシナリオなしでも動けるところを考えると。
軍服の姫君は主人公の知り合いの少女が創作して、ネットで嫌がらせを受けた。そのあたりの事情を主人公は知っている……そんな展開か。
タイムトラベラーのキャラが出てくれば、過去に戻って原因を究明できそうって思った。
{/netabare}

第8話 魔法少女がどうなるのか気になる
{netabare}
話はそれほど進んでない印象。魔法少女がどうなるのか、気になるくらい。元の世界に戻るのか?
彼女と言っているので、軍服の姫君の創造主は予想した少女で確定か。

リアル感を出すと、"二次元"が強調されて、(ラノベやアニメの)キャラたちが薄っぺらくなるなあ、と思った。原因を探ったりせず、ハチャメチャなドタバタ劇でも面白かったかも。

設定さえあれば自由に動き回れるのもご都合主義的。まだ、真相はわからないから何とも言えないけど。
{/netabare}

第9話 音楽がいい
{netabare}
バトルで流れる音楽がいいので、たいしたことなくても、かっこよく見える。
魔法少女はありきたりな消え方だった。退場させるにはちょっともったいない気もした。
あとは、敵対するキャラをできるだけ悪く描いている感じ。たぶん、嘘を逆に利用して倒すんだろうな。cvが坂本真綾さんなのは驚いた。

次回は、メテオラとアリステリアが戦っているとき、主人公が真相を話して止めそう。「きみたちが戦う必要なんてないんだ」みたいな。
{/netabare}

第10話 明らかになってきた
{netabare}
ストーリーはさほど進んでいないけど、中途半端だった事柄が明らかになってきた。

1.創造主による改変が可能
2.現実世界に現れるには、人気が必要
3.だれかの趣味や嗜好に沿ったキャラだけが現れている

人気だけではダメなのは、シンデレラや白雪姫が出てこないことからわかる。(そういえば、童話のキャラが現実世界に現れる映画があったなあ)
{/netabare}

第11話 メガネオチ
{netabare}
すでに視聴者が気づいていることを淡々と説明する回だった。
主人公がセツナからメガネを引き継いだわけではなく、落としたというオチだった。
セツナの声優さんは甘ったるい声ですぐにわかった。大橋彩香さん。

秘密を明らかにしたあと、主人公の役割はどうなるのか。
アルタイルと戦うキャラを創作するのか。共感ないと出てこれないけど。

セレジアたちが現れたのは、主人公が原因なのか。ショックを受けたから漫画からキャラが出てきたというのは、ちょっと無理がある。
{/netabare}

第12話 別の作戦を考えてみた
{netabare}
終盤(第2クールもあるのかな)にきて、ちょっと粗さが目立ってきた印象。ツッコミたくなる点がいくつかあったり、もっと単純な作戦があるだろって思った。

まず、サイトを閉鎖するなり、動画をアップできないようにして、アルタイルの新技阻止。
改変してパワーアップさせたら、中国人に協力してもらってアクセス数を上げる。これで勝てると思う。

政府の情報漏えいの甘さとアニメが海外にも普及しているのを考慮したら、外国人が介入しないのは不自然。
リアルに描いているのだから、「日本で変なこと起きてるぞ」みたいな海外の反応はあったほうがいい。

アルタイルは、アルタイルの存在を世の中に示すのが効果的。面白半分に動画をアップさせる人が増えるから。
あと、弱点も作れるのかなって思ったりした。
{/netabare}

第13話 総集編なので、疑問点を挙げてみた
{netabare}
アルタイルがアニメや漫画のキャラを現実世界に出現(現界)させ、戦わせたりすることで、大崩潰を起こそうとしている……。こんな感じでストーリーは進んでいると思う。
疑問がいくつか出てくる。

・アルタイルを現界させたのはセツナなのか?
キャラに偏りがあるのは、セツナの好みが反映されたからなのか。主人公の颯太が詳しいのは、二人の好みが同じだったから?

・アルタイルが現界させているなら、その能力はだれが作ったのか?
二次創作なので、そういう能力を持っていてもおかしくないが、創作者がいるはず。

・大崩潰が起きるという根拠は?
現時点ではメテオラが言っているだけに過ぎない。

現界のメカニズムが精神的な要因になっているのがしっくりこない。ネットの中傷が原因なら、世の中二次元キャラであふれてしまうぞ。
あと、エンディングで歌っているのはアルタイル、豊崎さんだけど、動画を作ったのはセツナだから大橋さんだろって突っ込んだ。それとも、豊崎さんをcvに雇ったという設定なのか。
{/netabare}

第14話 新キャラはスパイか?
{netabare}
主人公の颯太が創作に関わるのは予想できる展開。秘密をカミングアウトしたあとは役目がないので。アルタイルを倒すキャラよりは、セツナを思い出させるキャラを作ってきそう。名前はベガ。

アルタイル側も勝てるシナリオを作ると思う。そのためには颯太側の情報がほしくなるからスパイを送る。だから、新キャラはスパイだと思った。
最初は颯太側のシナリオで勝って、つぎはアルタイル側のシナリオで勝ち、最終決戦という展開かな。
{/netabare}

第15話 ちょっとお笑い回
{netabare}
ギャルゲーを作る人が変態とは限らないけど、否定はしない。
新キャラの星河ひかゆ(cv: 夏川椎菜)は、スパイキャラと思ったけど、お笑い担当かもしれない。
ギャルゲーキャラなら、主人公とからんでほしい。セレジアはツッコミばかりで、主人公とラブラブになるようなキャラではなさそうなので。

メテオラは以前からだが、アルタイルも、なにを言っているのか、わからなくなってきた。セリフのなかに伏線があったら腹立たしい。

メテオラは別の思惑があると面白いんだけどな。大崩潰を言いだしたのはメテオラだから、意図的に戦いに誘導させていると取れなくもない。
{/netabare}

第16話 温泉回
{netabare}
まず、いつ免許取ったんだ、合宿で短期集中かって、突っ込んだ。

そのあとは、アニメらしく、無理やり入れてきた感じの温泉回。
男は大雑把で、女性キャラはアングルを変えたりと、サービスシーンに力を入れていた。
声優に関しては気になってたけど、声優さんとご対面するようなシーンはなかった。

メテオラが現界できるのは、なぜなんだ?
説明とか設定を見逃していたのか。なんせ、メテオラのセリフは聞き流してるときがあるので。
ネットには改変したから現界できたとかあったけど、承認はいつしたんだって疑問が出てくる。

メテオラあやしいなあって気はするんだよなあ。大崩潰が起こると言いながらも、現界したキャラが世界遺産を壊しまくるような危機的状況でもない。
仕掛け人がメテオラでもアルタイルでも、その仕掛け人を現界させた人物がいるんじゃないか。
颯太も被造物で、颯太の世界も物語じゃないかって思ったりもした。
{/netabare}

第17話 最後のオチはありそうな気がした
{netabare}
娘が登場するのは、やさぐれた姉ちゃんがしゃべっているときにありそうだなって思った。だけど、話を面白くさせるという信念を曲げていることにならないか?
それに、承認を得られる展開とも思えないし、オッサンも喜びはしないんじゃないかな。

バトルシーンは面白かったけど、新技なのか、既存の技なのか、わからない。それぞれのキャラが初期状態でどんな技を持っているのかがわからない。
承認を得られず技が出なくて慌てるみたいなのもほしいと思った。
{/netabare}

第18話 承認されすぎだろ
{netabare}
ご都合主義的な回だったけど、ひかゆは面白かった。
承認されてばかりで、その過程がないのは物足りない。例えば、娘が復活するかどうかの承認を数値で表したら緊迫感も出てきた。あと、メテオラとコラボして復活したなら、そのあとずっとコラボしたままになるのか?

ひかゆは面白かった。ファンディスクがこれなんだろう。ただ、ひかゆ単体はそれほどでもない。周りでまじめに戦っているから、ひかゆが面白く見えるんだと思う。

ラストはセレジア以外は衝撃的ではない。いろいろなキャラが出てきたせいで、各自のエピソードが薄っぺらくなってきている気がする。
{/netabare}

第19話 白だろ
{netabare}
ひかゆが白のパンチラを見せたあと、「白黒きめる」というセリフを言わせたのは、意図的な気がした。ひかゆは面白い。唯一楽しめるキャラかも。
セレジアはひどかった。敵ごと倒せって、古めかしい展開。しかも、無駄に音楽がいい。こんなふうな扱いにされて、セレジアはちょっとかわいそうかな。でも、承認力で復活するかも。

メインヒロイン?だった二人を消滅させたところが、今回の見どころだろう。だけど、まえから指摘しているように、それぞれのキャラが薄っぺらいので、それほど感情移入できない。
薄っぺらい原因は、視聴者にすぐにわからせるため、設定や背景が簡略化されているから。セレジアが出てくるアニメが見たくなる奥深い設定にすべきだった。
{/netabare}

第20話 歴史上の人物も現界できるのか?
{netabare}
第14話のレビューで、"セツナを思い出させるキャラを作ってきそう"と書いたけど、そのものとは思わなかった。アニメに実写が入ったような違和感。

現界されたキャラは二次元に思えるけど、三次元。現界キャラも颯太と同じ人間と見なければいけない。
アニメのなかでアニメのキャラが現れるからわかりづらい。だから、このアニメは実写にすると面白いかも。

セツナは、アルタイルを倒す(というか諭すか)だろう。でも、ラスボス、マガネの作戦じゃないかと思う。
セツナは現界されたまま残るわけにはいかない。颯太が苦しむのをわかってて、マガネは手を貸した。
それに、こんなことができるなら、歴史上の人物も承認されれば復活してしまう。
{/netabare}

第21話 きれいにまとめた感じ
{netabare}
ご都合主義的で突っ込みたくなったが、きれいにまとめているから、視聴者のほとんどは気にしないだろう。

気になったのは二点。
被造物は原作者を知らないのだから、アルタイルもセツナを認識できないはず。特別な存在ってことか?

セツナを描いたのは颯太。知りえる情報からセツナの設定を決めたはず。
「颯太に見てもらうためにアルタイルを書いた」というセリフはセツナの口から出てくるはずがない。なぜなら、颯太も初めて聞いたから。下手すれば、颯太がセツナに言わせているみたいになってしまう。セツナがこのセリフを言うための伏線を張っておくべきだった。
{/netabare}

最終話&総評 印象に残ったのは声優さんの浴衣姿
{netabare}
これで終わり……? と思ってしまうラストだった。オチと言えるのは、メテオラが残ることだけ。
フェスが一番盛り上がるところだったか。フェスは通過点で、ラストになにかあると思っていただけに残念。
このアニメのクリエイターは、このストーリーで満足しているのだろうか。

ここからは総評。
物語からキャラクターが出てくるのは、むかしからある設定。珍しくはない。
現界したキャラに思い入れがないため、どのキャラも魅力的に感じない。実際の人気アニメキャラを使っていたら、フェスの観客のように盛り上がれた(著作権の問題でそれは無理だが)。現界されるほど人気が出た理由もあればよかった。

ストーリーが物足りない。キャラを二つに分けてバトルさせ、キャラが消滅すれば補充する。とくにひねりもない行き当たりばったりなストーリーだった

アルタイルがすべての始まりであるのに、アルタイルが現界された理由はサラッと流された気もする。
アルタイルが憎しみの感情から現界されたとしても、セツナがその感情を持っていたとは思えない。その一方、颯太が描いたセツナは贖罪の意味が大きい。この二者が一緒の世界で過ごすというのも違和感があった。

最後まで見続けたのだから、そこそこ面白かったとは思う。ただ、印象に残ったシーンを思い出そうとすると、声優さんの浴衣姿しか脳裏に浮かばない。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

72.0 12 2017年度のファンタジーアニメランキング12位
クジラの子らは砂上に歌う(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (554)
2462人が棚に入れました
砂の海に覆われた世界を舞台とするファンタジー。

砂上を漂う巨大な船・泥クジラでは、サイミアと呼ばれる超能力を持つ代わりに短命な少年少女たちが暮らしていた。外の世界を知らないまま、泥クジラの上で短い一生を終えると信じていた記録係の少年・チャクロが、泥クジラに漂着した廃墟船の中で1人の少女と出会ったことから物語が動き出す。

声優・キャラクター
花江夏樹、石見舞菜香、梅原裕一郎、島﨑信長、金元寿子、小松未可子、神谷浩史、田丸篤志、加隈亜衣、山下大輝、石田彰、KENN
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

自由を求めて

J.C.STAFF制作、2017年秋アニメ。
砂漠の海に浮かぶ「砂クジラ」と呼ばれる巨大な船で生活する人々を描く本格ファンタジー。
原作はミステリー・ボニータで連載中の少女漫画です。2017年12月現在で既刊10巻。
アニメ版の終盤(第10話以降)はダイジェストになっているので、
原作で続きを読む場合は第5巻から読むことを推奨します。

§設定§
砂クジラには500人ほどの人々が住み、住民は印(シルシ)と無印(ムイン)に区別されます。
住民のおおよそ9割は印であり、サイミアという念力のような超能力を使うことができます。
しかし印は長く生きられず、20~30歳程度で寿命が来ます。
残りの1割はサイミアを使えない無印で、印と比べて長寿であり島の運営を担っています。
サイミアと短命、印の2つの特徴が物語に大きく関わってくることが予想される設定ですね。

砂クジラの人々の独自の風習や砂の海に囲まれた風景、独創的な世界観が展開されますが
主人公チャクロが語り部となり自分たちに起こった出来事や
物語の世界を説明しながら進行するため物語の世界に入りやすいと思います。
各所に散りばめられた謎も興味をひきます。

§暗い物語§
そのような設定で、物語は砂クジラの人々の穏やかな暮らしを描くところから始まるのですが
恐らく見終えた人は総じて「暗い」という印象を持つはず。
原作を知らずに見た人は予想外の殺伐とした展開の数々に戸惑ったかと思います。

実は最近暗いストーリーは受けが悪く、
アニメに限らずドラマでも重苦しい展開になるとガクっと視聴率が下がるそうです。
おそらく現実に希望が持てない時代ゆえに、フィクションの世界で暗い気分になる物語は見たくないのでしょう。
第2話で急展開があり、それ以降陰鬱とした展開が続くためどうしても評価は低くなってしまうのかなと思います。
アニメにハッピーエンドを求める人は多く、残念ながら本作が人を選ぶ作品であることは間違いないでしょう。

§演出への批判§
{netabare}
さて、もうひとつアニメ版のクジ砂で評価が芳しくない要素として演出が挙げられます。
とりわけ批判が集まったのは「ギャグシーンが浮いている」「戦闘シーンに動きがない」の2点。

まずギャグシーンについて。
原作通りといえば原作通りなのですが、コミックスを見ると分かるのですがとても小さいコマで描かれているのです。
なのでギャグシーンが悪目立ちせず、重苦しい雰囲気を多少なりとも和らげてくれます。
ところがアニメでは見開きも小さいコマも同じ大きさで見せる必要があります。
結果、アニメで見るとどうも浮いている。特に帝国の襲撃後は空元気にしか見えず、暗い印象を拭えない。
「兵士が棒立ちしている」と批難された戦闘シーンについても、原作もこんなものなのですが、
一枚絵と動きのあるアニメはやはり観る側の感じ方が違うわけで、
少年マンガのように兵士と睨み合っている場面に変えるなどして違和感のないようにして欲しかったですね。
馬鹿正直に原作通り描いてしまったのが敗因なのかなと思います。
それにしても各所で感想を見ると演出に関して辛辣なコメントをよく見かけました。
ここまで言われるのは他の要因があると思われます。

クジ砂を視聴してまず沸き上がる感情は「怒り」でしょう。
平穏に暮らす泥クジラの人々を無差別に処刑する帝国の兵士への怒り、
そして一方的に集団自決を決行しようとする身勝手な老人たちへの怒り。
特に最も可愛らしく描かれた甘えん坊の女の子、サミの命を奪ったのは絶対許せない出来事です。
相手に苦痛を与えることに悦びを感じるリョダリの存在も見る者の神経を逆撫でする。
敵のアパトイア兵士は感情を持たない人形のような人間なので同情する必要もない。

おそらくみんな思ったでしょう。帝国を完膚なきまでに叩き潰し、チャクロにはサミの敵を討ってほしいと。
しかしチャクロは最後までサイミアで人を傷つけることはできず、
前回に続きオウニが汚れ役を一手に引き受ける展開。
オウニと同等の力を持つ団長はスオウが止めに入ったため憎きピンク頭にとどめをさせず、
まだ幼い印の子供たちがサイミアを使って兵士を殺すシーンが描かれる。
そこにバトル物の敵を倒す爽快感は一切なく、ただただ後味が悪い。
帝国の襲撃を受ける第3話からスキロスを沈める第9話までストレスのたまる展開が続きました。
それゆえ、やり場のない怒りの矛先は作品批判へと向き、
演出の悪さや原作改変(実はほとんど変わっていない)を叩く流れになってしまったのではないかと思います。
戦闘シーンとギャグシーン以外の演出は情感豊かに表現できていたと思うのですが…
{/netabare}

§印と無印§
{netabare}
クジ砂を一言で言うと「自由のための戦い」を描いた物語です。
罪人を処刑しようとする帝国を前に印たちは戦いを決意し、自由を勝ち取ろうとする。

物語の終盤、印たちが短命である理由が明かされる。
無印の代表であるスオウもまた、自由のための戦いを始める。
印と無印、それぞれが誇りをもって暮らせる新しい共同体を作らなければならない。
外向きの自由だけでなく、内なる自由という視点が加わることでストーリーの厚みが増したと思います。

また本作のもう一つのテーマだと思うのが「メメントモリ」。
ラテン語で「死を想え」という意味の言葉です。
戦争や飢餓、疫病の流行。かつて死は日常と隣り合わせにあるものでした。
平均寿命の長くなった現代では、人は必ずいつか死ぬという実感を持ちにくい。

死を想うことは、かけがいのない今を大切に生きることにつながるし、
自分本来の可能性に気付くきっかけにもなる。

帝国との再戦を見ていて、
「無印は無駄に長生きで、戦いに参加せず隠れてばかりの腰抜け」だと思った人は多いはず。
そして印たちが帝国に復讐し、その手を血に染めることを望んだのではないかと思います。
しかしファレナの秘密が明かされ、印の双子が無印たちを役立たずと糾弾したとき、
私たちは心の中で蔑んだ、無印と同じ立場で物語を見ていたことに気付くのです。

――私たちは印ではなく、無印でしかない

実に皮肉で、計算された物語の構造。
言うまでもなく、この物語の主役は島民の9割を占める無印たちです。
不平等な命を与えられた印たちの戦いや生き様から、
現代人が忘れてしまったメメントモリの精神を思い出す。
それがこの話の到達点なのではないかと私は思います。
{/netabare}

§色と名前の話§
チャクロは茶黒、オウニは黄丹、スオウは蘇芳、ギンシュは銀朱と
泥クジラの人々の名前は色が由来になっています。

ED曲のタイトルは「ハシタイロ」。
ハシタイロとは薄い紫で、中途半端な色という意味合いです。
この曲は名前を持たない元帝国兵士の少女、リコスの歌なのですね。
歌詞だけでなく、曲調が徐々に力強くなっていく感じが感情を取り戻していくリコスの姿と重なります。
この曲が秋アニメの中で一番好きな曲でした。

§総評§
難しいテーマに挑戦している意欲作。こういう作品は高く評価したいですね。
確かに演出にやや難があるのだけども、作り手の生真面目さの産物と思えば許容範囲。
世界観とキャラクターデザイン(特に美少年)の良さには目を見張るものがあります。

新天地を目指し旅立つ場面でアニメは終了していますが
残念ながらアニメの二期は厳しいように思うのでこの先は原作で追いかけたいと思います。
ストーリーの縦軸がしっかりしている作品は続きに期待が持てます。
クジラの子たちが自由を手にする日が来ることを願いつつ。

2018.09.29追記
原作12巻まで読んだけど相変わらず陰気な展開が続いているんですよね。
チャクロが主人公らしくなるのはまだ先のようです・・・

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

空想の島国

*誤字修正


流砂の海を征く「泥クジラ」の遭遇する事件を、「記録者」の主人公の目を通じて語る年代記のような物語。

漂流する「島国」の社会は、同年輩の視聴者には『ひょっこり ひょうたん島』を少し思い出させるかもしれない。が、現代の「島国」は、そのような牧歌的な設定を許さないようだ。

「泥クジラ」社会は、昭和の「愉快な大統領」に統治(?)される「島」とは異なり、独特の身分制度と階級制によって維持される、どこか抑圧的な鬱屈を伏流させた社会と描写される。

漠然とした抑圧が、鬱屈する若者と社会との摩擦や衝突を駆動し、「泥クジラ」という「島国」を揺るがす大事件にも影を落としてゆくのだが、こうした物語と、それを基礎づける設定の数々が、どうもうまくかみ合っていないようで、力の入った映像表現の割に、散漫な印象を与えてしまっているように思われる。


冒頭では、一見ユートピア風に見える島社会が、一方では不穏な気配を漂わせて、背後に複雑な背景を持つと暗示する、巧妙な表現を見せている。

{netabare}ある日突然に、平和な「泥クジラ」を一方的に抹殺しようとする「帝国」に直面することから、物語は急展開を迎える。
全く未知であった島の「外部」に、攻撃という形で直面する「島」の若者たち。
「泥クジラ」の周囲に広く「世界」が広がり、複雑な設定を備えたファンタジー「世界」であると明かされるのだが、「戦争」に直面して揺らぐ島社会の描写から「ファンタジー」性が中途半端にしか感じ取れないのは、ここで明かされる設定やその描写が、妙に既視感を与えるためであるようだ。


周囲を砂の「海」に囲まれた「島国」で、日常的に「外」を意識しないまま、生活と「海外」は無縁であると感じている。

過去に、「世界」=外部から「罪人」であると判決されており、「老人」はその記憶に囚われている。

過剰に「罪人」であると自己認識する老人が社会を支配し、若者をも「罪人」であると教えようとする。

それゆえ、「老人」は反撃を許さず、「外」からの「攻撃」を無抵抗で受忍することを強制する。

昔の「罪」と自分たちは「関係ない」と認識する、「現実」に直面して「目覚め」た「若者」は、「攻撃」は理不尽で一方的な「悪事」であると規定し、「反抗」は「被害者」である自分たちの「純粋」な「避難行動」であると自己規定する。

反抗=戦闘への懐疑は「悪事」への加担であり、「純粋」な「避難行動」の「犠牲」である死者への裏切り行為であるとみなされる。


こうした「泥クジラ」社会の描写は、現実のSNSで、時には1通いくらのバイトによって大量に発信されている特定集団の妄言を生み出すネトウヨ的な歴史観と現実認識を、ほとんどなぞっているように見える。

もちろん、本作のファンタジーの「世界」は、現実の歴史修正的な妄想の「世界観」とは無関係だろう。

現実の、過去・現在・未来と連続性をもって国際社会間に存在する「国家」の国際関係と、完全に外部世界と断絶していながら突如として「外部」と接触するファンタジーの「島国」には、何の関連性もない。

が、現実を戯画化する意図は無いにしても、空想世界を構想するにあたって、たまたま目に入りやすい言説が侵入してきたとは考えられる。

特別に現実の戦争や国際関係に関心を持っていない作者が、「しっかりした」世界を創造しようとして改めて周囲を見回したとき、手近にあふれて目に付きやすい言説であったというだけのことで、歴史修正主義や新しい教科書には関心はないに違いないのだろう。

現実においては妄言である歴史観は、完全なファンタジーの設定としては必ずしも不自然なものとは言えない。


しかし、「しっかりした」世界の基礎が「妄想」の歴史観から分泌されている結果、重みのある描写ともっともらしい語り口の割に、物語から、どうにも落ち着かない散漫な印象が滲み出してくるように見える。

若者と支配層の老人の対立が、妙に原理に立ち入ることなく、「若い」が無条件で正しく優位であるという雰囲気の中で曖昧な思考停止に解消されてしまうような印象は、理屈を考えることなく「自虐」を信じ込む思考停止的な態度が二重写しに見えるからだろうか。

「泥クジラ」の若者の「外の世界」への憬れが、妙に抽象的で取ってつけたように見えてしまうのも、この「世界」の基礎が参照する妄言の世界観が、外国への抽象的な憎悪と、裏腹の劣等感から生まれている反映かもしれない。
妄言の影響がにじみ出ているのならば、「外の世界」への「憧れ」は嘘くさくならずにはいられない。

主人公の「記録者」の目的や目指すところが今一つ説得的に見えてこないのも、語るものが「年代記」=歴史である以上、設定の「基礎」を鑑みれば、語る意図や視点の妥当性が担保されていないような違和が生じても当然ではないだろうか。


繰り返すが、現実の妄想的世界観を具体化するために作品が創られているわけではない。

主題は、あくまでファンタジー世界での登場人物たちの「生」そのものだろう。
が、もっともらしさを期待して引用したものが、現実そのものではなく妄想であったことが、ファンタジーの効果を、逆に「絵空事」の方向に引きずってしまう。

一方的に過酷な運命に直面する「無垢な」被害者の抵抗という形で物語を展開したかったのかもしれないが、それにしてはモデルとする物を戦後日本としたのは効果的ではなかったようだ。
しかもモデルが「現実」そのものではなく、その妄想的解釈だと見抜けなかったとあれば尚更だ。
「現実」に色目など使わず、思い切ってファンタジーに振り切っていれば、と惜しい気になる。

せっかくファンタジー的に構築された悲劇的な試練が、妄想の被害者意識に構成された歴史観を持ち込んでしまったことで、説得力が大きく削がれてしまっているようだ。



社会から不当な扱いを受けていれば、抗議をするのが当然だろう。
搾取されているのが生命力そのものとすれば、なおさらだ。

自然に湧き上がるであろう反発を、異議申し立てが単なる「不平」であるかのような、殊更に粗暴な行動として描き、搾取を自主的に納得して行儀よくしているかぎり忖度して悪いようにはしないよう配慮してやると、必要悪を押し付けられた「被害者づら」で抑圧の自己弁護を図る指導者層の島社会の描写。

上から下まで全員が被害者意識にとらわれる中、究極の被害者=戦闘の「死者」の失われた生命を引き合いにして島社会の構造を容認する「記録」は、中立に見せかけようとしているにも関わらず、視点の妥当性が疑わしいと感じざるを得ない。

やはり現代日本とファンタジーの相性は良くないようだ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

零弍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

新しい雰囲気、感覚

独特の世界観があり、そこに住まう人達にも我々とは少し違った価値観がある。
固有の用語がそれなりに多いが、
それがまた味を出す。
公式サイトにも用語解説が載っているので、
何言ってるか分からないと言わず、
内容をじっくり楽しんでほしい。
何よりこのアニメは引きが上手い。
一度見始め、慣れてきた頃には、止まらなくなっているだろう。


わくわく、ゾクゾクする
{netabare} と思っていたら外の世界は、、、
泥クジラへの襲撃、大切な人達の死の連続、、
襲う喪失感。。。
あぁこういう作品だったのか、と。
今後どういう展開になるのか、、、
EDも1話とは違った印象を感じた。
{/netabare}
↑(3話までのネタバレを含む)


{netabare} つまり あの女の子が...
ってことなのか?
ますます先が気になってくる
{/netabare}
↑(4話感想・ネタバレ有)


{netabare} 長老会ってのもやはり敵では無かったんだ。長い間、自分たちが罪人だと思って生きて来なければならなかったと考えると思想も前向きになれないってのも分かる気がする。
スオウの演説、これが人を束ねるってことなんやなって。
そしてオウニの力強い後押しと「そうだ!」と力を貸すことの表明。とてつもない頼もしさを感じた。
しかし本当に、話が進むごとに本当にEDの印象が変わる。
今回は、巨大な船・それを複数持つ帝国・さらにその他の国も複数ある、といった世界の規模、大きさに関する新事実が浮かび、変わらないはずのPVの中に世界の有様をおぼろげに感じることができた。
泥クジラが沈まなくて良かった。
{/netabare}
↑(5話までの感想・ネタバレ含む)


{netabare} 心を取り戻したリコスが可愛いw
せっかくチャクロ好きになりかけてるのに
サミのことばっかでちょっとリコス可愛そう。
もっと構ってあげて!!
あと、エマ可愛い。mj天使。
天使...なのか?
タイトルは『明日』なのね 。
今回のEDにはみんなが撒いた砂、個々の魂。
更にこれから予想される戦火での血の色。
それらの雰囲気を感じました。
{/netabare}
↑(6話感想・ネタバレ有り)


{netabare}エマの歌がふつくしい...
砂上の『友』・愛しき『友』
エマ達は幾千もの長い時の間、
クジラの民の事を観て来たんやね。
そして、クジラの民つえぇ、
能力自体はくじらの民の方が上なんやね。
オウニのアクションがカッコ良すぎた。
毎回コイツの強キャラ感がすごい。
故郷を襲撃するリコスの心はどんなんなんやろな...
出てる感情を見る限り、
もう完全にクジラ側の人間やね。
ハクジの最期、カッコ良すぎる...
敵のスキロスへの扉を前にして
主人公が待つ側に着いた時に嫌な予感はしたが...
侵入組の勢力も大幅に削られ、
塔には穴まで開けられて、
今後どうなってしまうんや...
{/netabare}
↑(7話感想・ネタバレ込)


{netabare}ネリの歌がまた聴けるとは、
そして[手]の意味する処とは。
さらに、ヨダリの過去が明らかに。
心が壊れる原因ってのは
いつだって環境なんだよな。
心を取り戻した、というより
「知った」と言うのかな。
でも、スオウは心を「観た」と言っていたな。
狂っているのはヨダリか、それとも世界か、
若しくは世界がヨダリを狂わせたのかも。
人を殺して「遊ぶ・戯れる」ヨダリにも、
[生]への執着はあるんやな。
ヨダリがもしこのまま生きていたら
心変わりも出来たのかな。
シコン・シコクという新キャラも登場
オウニに似ている...兄弟か?
更に、ファレナの先祖の罪とは一体...
そして短命の訳とは...
「短い一生に生まれた夢」
というEDの歌詞にも通じるのかな
{/netabare}
↑(8話感想・ネタバレ有り)


{netabare}ニビとオウニのチームプレー最強かと思いきや
拳銃とは卑怯な...
ニビを殺され、怒りに狂うオウニ、つえぇ...
オウニにとって
ニビがどれほど大きな存在だったのか。
オウニがみたのは幻覚か、それとも...
ヌース・スキロスからの洗脳?に打ち勝ち、
チャクロが放った言葉、
「痛みや苦しみ全てが、
俺たちの生きてきた記録だから」
確かに、痛みや苦しみがあってこそ、
生きてるって事なんやろうな...
そしてスキロスの言葉からするに、
スキロスの住人は痛みを感じないのか?
{/netabare}
↑(9話感想・ネタバレ有り)


{netabare}スキロスの世界にも
不思議な社会があるんやなぁ。
舞台はファレナに、
水遊びって...裸っ?!!?
このアニメにもサービスシーンあるんかw
ちゃんと男女で分け方はあるんやね。
そして小舟に乗った謎のお客の登場
てか、スノウの出迎え方ウケるw
裸族の長扱いされてて草
お客の国では「美味い」のことを「マズイ」
って言うのか?
エマの登場シーンって、
毎回どこか切なげだよなぁ...
船には舵がある、そういえばそうだよな。
ファレナの舵を握った民たちは、
一体どこへと向かうのだろうか。
{/netabare}
↑(10話感想・ネタバレ有り)


{netabare}むっちゃ血出てるのに全然痛くなさそう...
てか、超ブラックやんけ、この世界...
一方、
なんか儀式的なの始まったーー
合唱で舵取りか...
11話にして再出発です。一体何処へ...
寿命を延ばす薬草の話聞いて足を退けたり、
地理を説明したり、
お客むっちゃ優しいやんけ。
ここで幾多もの歌詞の伏線も回収。
まさか泥くじらの動力源が印の命だったとは...
サイミヤの源も命だったのか...
体内モグラのシコンとシコク、
今までずっと鬱憤が溜まってたんやろうな...
側に立ってみれば言ってることも一理あるんだよね。
むしろ、印の真実を知った後だともう..
{/netabare}
↑(11話感想・ネタバレ有り)


{netabare}ヨダリのピエロ姿ちょっと可愛いw
なんかここに来て新用語結構出てくるな。
マソウさんの送別式。
「泣いちゃダメだ、泣かないぞ。」
→「構わん。今日は泣け!」やられた...
あぁ、やっぱ涙には弱いわ、、、
人の死を泣くことがやっと許されたんや。
結構スパート掛かったけど綺麗な終わり方やったかな。
最後にOP流すの、結構良かった。
{/netabare}
↑(12話感想・ネタバレ含む)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

75.8 13 2017年度のファンタジーアニメランキング13位
ゼロから始める魔法の書(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (712)
3698人が棚に入れました
魔女がいて“魔術”が普及している世界。その中でも、世界がまだ魔法という技術を知らなかった時代――。世界を滅ぼす可能性を秘めた魔法書“ゼロの書”を探して旅をする魔女・ゼロと、その護衛役として同行する人間になることを夢見る半獣半人の傭兵との交流が描かれていく。

声優・キャラクター
花守ゆみり、小山剛志、大地葉、加藤将之、子安武人

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

職業人という選択

たくましい獣頭の戦士が少女を護衛し、旅をする。
ネコ科の獣頭が絶筆した大河SF小説を思わせるが、二番煎じでも模倣でもないのは明らかなので、まあいいいだろう。

世界の秘密にまつわる冒険譚は、ヒロインの造形がライトノベル的な定型要素の集合に見えるのと同様に、定番的なものに見えるのだが、意外に抵抗なく視聴できるのは、主人公のモフモフの傭兵が、傭兵という「職業人」であるからの様だ。


ライトノベルでは、主人公は「学生」であることが多かったように見受けられる。
或いは「成長途上」にある若者だが、要するに社会的に「まだ何者でもない」という意味では、大きく「学生」とくくっていいだろう。

超現実的な異能力世界観や、ファンタジー的魔法世界観であっても「○○養成学校」のように半ば無理矢理に「学生」を設定しようとするのは、読者層をにらんだマーケティングか作者の信念かは分らないが、いずれにせよ、世界の根本に迫る物語に(社会の成員である大人を差し置いて)「何者でもない」学生を中心的に関わらせるために大きなハードルを抱え込むことになる。

「それが『世界』の意思だからだあ!」という一言で十分な説明になっていると了解する読者/視聴者が多ければ問題はないが、大抵は二重三重の屁理屈で、「学生」が「世界の命運」を左右するさまを社会が傍観することを理屈付けなくてはならなくなる。
「学生」の「承認欲求」の満足と「世界の存亡」を重ねる為には、お手軽な近道は考えにくい。

矛盾なく必然として見せられる表現力や構想力が伴っていればいいのだが、全ての作者/製作者がそのような手腕を持つとは期待できそうもない。
結果、「世界」か「主人公」、あるいはその両方共が「嘘くさく」なって、視聴者を物語から遠ざけてしまうことになり易い。

例えば、「戦士」が主人公であれば「世界」の帰趨を決める闘いの「物語」はスムーズに語れるのに、まだ何者でもない「士官候補生」にすることによって「もっともらしさ」の構築というハードルをわざわざ高くした挙句に、自ら足をとられてしまう。


本作を比較的楽に視聴出来るのは、主人公を「傭兵」にすることによって、「物語」にかかる負荷が低くなっているからだろう。
社会経験を持ち、社会的に承認されたスキルやキャリアを持つことを手形という「公的文書」で証明される「職業人」の主人公は、「世界」に余分な設定を要求することなく、「物語」にかかわっていく事が可能だ。

負荷の少ない事が、本作の「世界」に安定感を生じさせている。
カメラの周囲3kmの外側は書割が途切れた何もない空白であるかのような有りがちな人工感を感じさせることなく、映っていない画面の外側にも「世界」は広がっているのだと自然に感じさせる。
とりあえず「世界」に拒絶感を感じさせられることなく、「物語」を見つめることが可能だ。


意外に年齢が若そうな主人公は、十分に「若者」らしいドラマを演じることが出来るだろう。
若い視聴者の感情移入の為には、特に「学生」が必須であるとは思えない。若い「職業人」は十分に「主人公」を務められそうだ。

物語世界内で、ひとかどの自立した職業人である主人公は、ストレートに物語世界の中心に関わり、視聴にあたってストレスや違和感はない。

が、ビジュアルが追い付いていない印象があり、少し残念だ。

原作については知らないのだが、物語を追うと、どうやらヒロインの魔女は、非常に「美し」く、内面的には(バランスは多少欠いているものの)「成熟した大人の女」であるらしい。
が、ラノベ的な定型要素をマンガ化したようなビジュアル・デザインが、「美しい」「大人の女」であると直観的に把握させにくくしている。

マンガ家の若木民樹は、現代の創作物では「ブス」は背景の「モブ」であってすら存在できない/登場させられない、と指摘していたが、そうした或る種フラットなビジュアル構成が、ヒロインの「美しさ」を突出したものとして表現できない一因であるかもしれない。

ここを乗り越えて、ヒロインが「美しい」「成熟した女性」と了解できるようになれば、会話やストーリーの流れに入り込んで物語を追うことが出来るようになる。
この了解が無いと、ヒロインと主人公の関係が、陰影のない上滑りしたものに感じられてしまうだろう。
が、いったん了解が成立すれば、両者の関係が、幼い「ラブコメ」ではなく、成人の「ロマンス」であるのだとわかる。

「世界」を変える冒険が「契約」に従った仕事であるとすれば、物語は平板だ。
しかし二人の関係が重ねられることで、「物語」はロマンチックな彩りを持った冒険譚として現れてくるだろう。

書いていて些か気恥しいが、これも「若い」職業人を主人公にした成果と言うものか。

中途半端なラブコメがストーリーを邪魔しているように見えたとしたなら、一度「成熟した美女」と「自立した職業人」のロマンスだと頭をリセットして視聴してみるのもいいかもしれない。

余り出来のよくない「ラブコメ」が不自然な抑圧性を感じさせるのは、恋愛に「寸止め」を掛ける物語の作為が権力性を帯びるせいだ。
「学生」が主人公の物語に頻出するようにみえるのは、「学校」の権力的な制度性と照応するからだと思える。

ラストの主人公とヒロインの会話は、二人がラブコメ制度の「コマ」ではなく、「ロマンス」を生きる恋愛ゲームのプレイヤーであることを示しているようだ。

本作の物語が、ラブコメの制度性を離れてロマンチックな冒険へ向かう自由さを獲得しているのは、やはり「学校」を離れた「職業人」の主人公を設定したことによる効果なのだろう。

だが、こうした観方も、ヒロインが「美貌の大人」であるという了解があってのことだ。
繰り返しになるが、ビジュアル表現で直観させられないのは大きな弱点だろう。

物語の途中で、登場人物のセリフで「ヒロインは美貌である」と説明されても映像作品としては無理がある。
そういわれてしまえば1話から、これが「美しさ」を表した描写のつもりだったのか、と思い当たる表現が幾つか思い当りはするのだが。

キャラ絵がかわいらしいというだけでは、作品世界内で「美しい」と了解されている、という表現にはならないだろう。


冒険譚はストーリーだけ抜き出すと、しばしば類型的で平板だ。
語り口やディテールの味付けで、面白さや魅力が生まれる。

ロマンスを絡めた味付けは十分に魅力的で、「世界」やキャラクターの設定とも良くかみ合ってしっかりと構築されて見えるのに、ビジュアル表現の弱さで説得力が減殺されてしまっているのが残念だ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

世間知らずな魔女と獣の傭兵の魔導書ファンタジー

この作品の原作は未読ですが、公式HPを見ると「第20回電撃小説大賞≪大賞≫受賞作」と記載されているので、きっと読み応えのある作品なのだと思います。

私がこの作品の視聴に至ったのは、あんハピ♪の花小泉杏、灼熱の卓球娘の旋風こより、まほいくのねむりんを演じた花守ゆみりさんの名前を見かけたから…
花守さんがこれまで演じてこられたキャラを見ると、大概ほわんとした感じが多いので、この作品のヒロインであるゼロもそんな感じなのかと思っていましたが…蓋を開けたら全然違っていましたね。

この物語の主人公は獣落ちした傭兵で。名前はあるのでしょうけれど結局TVアニメ版では謎のままでした。
これにも理由があるのですが、その理由は本編の中で明らかになります。

そしてヒロインは自らの一人称を「我輩」というゼロ…
彼女は魔女で直視するのもはばかられるほどのぜっせの美女なんだとか…
そして傭兵はゼロと一緒に旅をする事になるのですが、実はそれは異様な組み合わせだったんです。

この物語の世界における獣落ちは「汚れた存在」に位置付けられていて人間から忌み嫌われている上、獣落ちの首や血は魔術の格好の材料なので、獣落ちはいつも命の危険と隣り合わせで生きているんです。

そんな獣落ちが魔女と一緒に旅をするという事は、いつ殺されてもおかしくない状況を自ら作り出していることにほかなりません。
だから獣落ちと魔女の組み合わせは異様なのです。

ですが、傭兵とゼロの組み合わせ…深い部分は本編でご確認いただければと思いますが、決してその様な関係などではありませんでした。
いえ、むしろ真逆といっても過言では無かったほどです。

ずっと独りぼっちだったゼロが、旅のパートナーとして最初に選んだのが傭兵…
白地に黒の縞模様の入った虎の姿の傭兵は、剣の腕が抜群で残忍な所業が噂になるほど…
そんな傭兵もゼロには身体が大きくモフモフで温かく寒さを凌ぐにはもってこいの存在だったのです。

もちろん、直ぐにこんな関係になれる訳ではありませんでした。
そりゃそうです…だって傭兵にしてみたら自分の命がかかっているのですから…
だからどんなに優しくても時間を積み重ねても、これまで虐げられ命を狙われ続けた時間が長いので身体に刷り込まれた「従来の当たり前」はそう易々と消え去ってはくれません。

トラウマ…きっと誰もが持っているであろう過去の記憶による縛り…言うのは簡単なんですけれど、実際には相当やっかいなモノだと思います。
だって自分の意志とは無関係に突然体が硬直したり、咄嗟に回避しようとどんなに頭で分かっていても身体が勝手に動いてしまったり…心が折れるのを防ぐために勝手に自分に言い訳したり…
本当に自分ではどうしようもないこと…
これが自分の命がかかっているなら尚更です。

ゼロも…自分が魔女じゃなかったらこんなに思いを傭兵にさせる事はないのに…
ゼロの振る舞いは常に気丈…だから普段の彼女からは微塵も感じませんが、そうして自分を責めた事だってきっと一度や二度では無いはずです。
ずっとそんな感じの女の子じゃないと思っていました。
ゼロの涙を見るまでは…ですけれど。
そう…思っている以上にゼロは繊細で優しい女の子だったんです。

傭兵はゼロを護衛しています。
有事の際には彼の腕っぷしが必ずゼロを守ってくれるから…
それじゃゼロは傭兵をどうしているの…?
この答は是非本編でご確認頂ければと思います。
優しさの形ってホントいろいろあるんだなぁ…
これが彼女の決意なんだ…
まさかの展開が待っていてくれています。

オープニングテーマは、たぴみるさんの「発見者はワタシ」
エンディングテーマは、Chimaさんの「はじまりのしるし」

1クール全12話の物語でした。
終盤の展開が少々足早だったのが唯一残念に感じた事です。
原作のストックが無くなったのかと勝手に思っていましたが、既刊は9巻でアニメ化されたのは1巻部分のみなんだそうです。
原作のストックはたくさんあるのに…
設定含めて面白い作品だと思います。
この作品が販促目的だけでなく、アニメで完走してくれる事を期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

獣人戦士とロリ魔女・・・いい組合せと思って期待したんだけどなぁ。

昨年、話題沸騰&炎上した「Re:ゼロから始める異世界生活」と同じ制作はWHITE FOX。
アバンで西洋の寓話風の挿絵が印象的。
魔女と人(王国)との諍いが絶えない中世風の世界。「獣堕ち」と呼ばれる人から生まれた(もしくは何らかの理由でなった)半人半獣の人間がいる世界(教会の教えでは前世の業のせいだと言われているが、実は・・・)。

巨漢で白虎の獣堕ちの男。粗暴に見えても実は心優しい『傭兵』と幼女の風体ながら、素振りから見てそれなりの年を重ねてそうな俗世に疎い泥闇の魔女『ゼロ』(お互い真名を明かしてないのでこの呼び名)。
プラス半人前の魔女の男の子・アルバス{netabare}(実は女の子らしい){/netabare}が互いの目的の為、世界を滅ぼしかねない魔導書「ゼロの書」を探して旅するロードムービー。

昨今のコテコテに盛り付けられたファンタジー(奇抜なキャラに奇抜な衣装・大層な得物や武具に武器・空飛ぶ奇抜な乗物・多種すぎるモンスター等)から最低限ネタを切り落とし、その分生活感のある設定を抑えている印象があって良いと思います。
{netabare}
この世界では[魔術]と[魔法]の区別化されており、
・魔術:精神修行と呪文の詠唱、魔法陣による魔族(悪魔)召喚により能力行使、そして重要なのが対価(生贄)を悪魔に支払わなければならないという事。その中で「獣堕ち」の「首」は大層な魔術の対価になり高値で取引されることが多く、ならず者達がこぞって獣堕ち狩りをするから『傭兵』にとっては迷惑なはなしである。
・魔法:対価無しに呪文の詠唱のみで行使できる。それを記述されてるのが「ゼロの書」らしいです(極端すぎる例えだと相手に「死ね」と「言う」だけで死んでしまうといったところか?)。
この設定が生かされるか?流されるか?ちょっと気になるところです。

あと個人的には『傭兵』がチョットお気に入り。
生まれながらに半人半獣。当然幼少時はイジメや嘲笑を受けて身の不幸を嘆いてヤサグレそうなものですが、人格者の両親に育てられたおかげで凶悪凶暴にならずに済みました。しかし住んでいた村に「獣堕ち」の首を狙う盗賊が現れ村人に被害が。『傭兵(当時既に大人を上回る体躯で13歳らしい)』は納屋に匿われていましたが、外では母と村人が『傭兵』差し出す差し出さないので口論。『傭兵』は単身盗賊の野営地に乗り込み盗賊たちを皆殺しに。その後は村に(迷惑がかかると思ってか)戻らずに渡りの傭兵稼業として転々と旅をしているようです。大男=オッサンという偏見のあるせいでアルバスにオッサン呼ばわりされるとスゴク怒ってたように年齢は20歳前後ぐらいと結構若そうです。なんせ『ゼロ』の色挑発や裸体に赤面するほどウブウブですから。顔の表情も人間ぽく豊かに表現してますが、これは好みが別れそうな感じ。自炊料理も結構得意そうです。EDでは仕込み中に材料全部『ゼロ』に食べられてますが。腕っぷしや身体能力もなかなかのもの。大剣を軽々と扱い、崖から顔面着地(笑)でも無事でいるというタフさ。人からは嫌われていることを自覚しているがゆえに、か弱い者には手を差し伸べる優しさが好感です。{/netabare}

「ゼロの書」探索の旅で人間の姿に戻すことを条件に『ゼロ』の護衛を渋々引き受けた『傭兵』。これからどう展開するか期待抑えめで注目してます。

【視聴終了】
なんか「十三番」が出てきてから面白味が失速してきたような感じがしました。あと本作に限らず今期、他の「ラノベ原作物」は総じて世界観のデザインが力量不足気味に思えます。メインキャスト以外『[ファンタジーだからこんなもんでいいだろう]テンプレート』にハマった、背景・建築・小道具類・モブ・サブキャストなどなど・・・ひねりが無くてちょっと残念(ウェニアス王の、貧相で風格の無い事といったら!)。デザイン担当が居なかったのか?未熟だったのか?あまり気にしなかったのか?とにかく(個人的には)気になってました。

部分的に見てみると「結構イイ所」もあるんですが、全体的に見ると「何か」が足りなくて面白味が出せてなく残念に思えました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

75.5 14 2017年度のファンタジーアニメランキング14位
アリスと蔵六(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (558)
2473人が棚に入れました
彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。
初めて触れるモノ、初めて見る風景、そして初めて出会う人々……。
そんな“世界”の広がりに、戸惑い、驚き、目を見開く。

名前は紗名(さな)。
“研究所”と呼ばれる施設で、“外の世界”を知らずに生まれ育った少女。
しかも、あらゆる想像を具現化する——「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力の
持ち主でもあった。

そして初めての“外”で、彼女はひとりの老人と出会う。
名前は樫村蔵六。「曲がったことが大嫌い」で「悪いことは悪い」という
頑固じいさん。
そんな蔵六との出会いが、紗名の運命を大きく変えていく。

紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、そして心優しい人々との
出会い……。
世間知らずだった“アリス”は、鏡の門(ルッキング・グラス)を抜けて、
世界の本当の姿を知ることになる。


——そう、これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。

声優・キャラクター
大和田仁美、大塚明夫、豊崎愛生、藤原夏海、鬼頭明里、小清水亜美、大塚芳忠、広瀬ゆうき、能登麻美子、松風雅也、内田秀
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

不思議な少女が人を知り、人として生きることを学ぶ物語

【第一部終了】
可愛らしいキャラデザイン、どっかの国、あるいは異世界からやって来た世間知らずのお姫様が、アルムのおんじのような風貌をした日本の頑固じいさんと暮らして成長していくほのぼのストーリー。

と思っていたら大間違いでした。

そりゃそうだ、メディア芸術祭の賞を獲るくらいの作品ですからね、そう簡単な話ではなかったです。良い意味で裏切られました。

紗名の存在や能力の謎を解き明かしながら、紗名を追いかける組織に、守ろうとする組織。蔵六と早苗。一部終了まで出てきた人物は限られているのですが、それぞれうまく絡んでおり、無駄がありません。無茶な設定に思えるところも背景が分かりやすいので違和感はありませんでした。全体的に面白いと感じる作品です。

内容はシンプル。{netabare}「アリスの夢」と呼ばれる特殊能力を持つ人々の中でも特に能力の高い「紗名」。自分でも素性が分からない紗名が研究所が嫌なところだと思って逃げ出し、たまたま出会った花屋の蔵六が引き取る。蔵六の孫の早苗とも打ち解けるが、研究所の手が差し迫って捕まり、そこから脱出して一件落着というもの。{/netabare}紗名も蔵六も魅力的なキャラなんですが、早苗の存在がとても大きく感じました。紗名と蔵六だけではけっこう厳しい設定になったと思うのですが、早苗が間に入ることによって緩和されます。
それからミニーCと一条雫の存在もこの物語をうまくまとめていたと思います。ミニーCの思いは最後まで口から出ませんでしたが、紗名の能力で何をしたかったのか、とても切なく描かれています。また、雫がいることによって紗名の存在は誰が守ってくれるのかがはっきりしてくれるので良いです。{netabare} メイドコスプレ魔法少女は笑ってしまいましたが。{/netabare}

可愛いキャラデザインなのに、シリアスな場面ではギョッとなるシーンもけっこう多いのが特徴です。特に{netabare}紗名が失禁したシーンや足を撃たれるシーン{/netabare}はそこまで描くのかと驚いたほどです。
一部は5話(初回一時間なので実質6話)でしたが、本当にうまくまとめられていると思います。これから後半、どんな話しになるのか楽しみです。

【後半終了】
前期が紗名の人であることの意味を知るパートなら、後半は人として生きる意味を知るという感じだったと思います。{netabare}紗名は蔵六の家で普通の子供として暮らすようになり、蔵六や早苗と日常を送っていた。そこにアリスの夢の能力をもつ羽鳥とかち合い、ワンダーランドに迷い混み、脱出するまでを描いています。かなり大雑把ですが。
後半の主役となる羽鳥の物語もけっこう重いものです。自分のせいで親が不仲になり、自分への目線も冷たく感じる。これは9才の子供にとって辛すぎる話であり、みんな変えちゃえ、そして思い通りにという思いも当然かと。羽鳥にとって紗名との出合い、ワンダーランドの10日間はこの子を救うために必要な出来事に思えます。
そしてラスト。かっこいいお姉さんの思い出語りで締めるという、綺麗にまとめました。そうだよね、紗名がかっこいいお姉さんくらいの年齢の時には…でも蔵六ならばまだまだ丈夫な気がしてなりませんでしたが。紗名の花のデザインを見て「なっとらん‼」とか言っていそう。{/netabare}

紗名は普通の子供として生きていくことが嬉しくてしょうがない。その感じがうまく表現されていて、見ていてほっとしました(前半が紗名にキツい状況だっただけに)。蔵六の頑固っぷりと優しさがまたたまりません。きちんと道理をもって叱ることができる。いま、そんなじいさんが少ないことへのメッセージだったのではないかと思えます。{netabare}それでもワンダーランドへの説教は笑いましたが。{/netabare}それから早苗、本当に良いキャラです。この子がいることによって蔵六と紗名を繋ぐだけではなく、紗名が安心できる環境を作っていました。前半に比べて影が薄くなった警察の面々、特に一条は好きなキャラだっただけに、ちょっと残念。まぁジョーカーみたいなものですから仕方ないのかな。

全体的に良くできた作品だったと思います。さすがはメディア芸術祭で賞を獲得した原作です。キャラデザインがほのぼの系なんですが、展開がシリアス。が、どこかほっとさせてくれる描写がこの作品の真骨頂かと思います。OPもEDも良い曲でした。コトリンゴを使う意味が分かります。

人と人との関わり、生きていく意味、そういったものが好きな人にお勧めしたい良作です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「アリスと腹巻き」このミスマッチこそ家族愛の証…

この作品の原作は未読です。
この作品に惹かれたのは、キャラがニコっとした笑顔に「ゆゆ式」がオーバーラップしたから…
あにこれのジャケットには小さな女の子と白髪のおじいちゃんが写っていたので、この二人が「アリスと蔵六」だと思っていましたが、蓋を開けたら全然違っていましたね。

この物語の主人公はアリスではなく、小学校低学年くらいの金髪の女の子で名前は紗名(さな)。
紗名は、これまで私たちが暮らしている世界と切り離された場所で生活していました。
物心ついた時からずっと…
だからそれが彼女にとっての当たり前…
ですが外の世界の事を知って彼女はこれまでの居場所から飛び出してきました。
荒れ狂う天候でコンディションは最悪…
そして何故か彼女を追いかける大の大人がたくさん出てくるのですが、何とか追手を振り切った先で、紗名は見るからに頑固親父っぽい樫村蔵六と出会い…物語が動いていきます。

彼女が今の居場所から飛び出して大の大人がたくさん追いかけてきたのは、紗名が「そういう力」を持っていたから…
でも、そこについては本編でご覧頂ければと思います。
私がこの作品を通して一番胸に響いてきたのはそこじゃなかったので…

タイトルにも記載しましたが、私が感じたポイントは「家族愛」でした。
蔵六と合ったばかりの紗名は全くの世間知らずでまるで無垢な赤ちゃんのよう…
でも仕方がないんです…だってこれまで居た場所には不必要な情報でしかなかったから…
だから出来るのは意思疎通を交わす会話程度…
でもきっと、その会話すらこれまでは単に自分の生理的欲求などを満たす事にできるツール程度としか認識していなかったのかもしれません。

だから紗名は蔵六と出会ってビックリしたと思います。
口を開けば「あれはダメ」「これはダメ」
その上、口のきき方や態度にまで散々ダメ出しをされて…
きっと蔵六の世界は紗名のこれまでと真逆…

思い通りにならないと怒る…単にそれを繰り返すだけならただの動物…
紗名も蔵六の孫である早苗が傍にいなかったら、きっと獣になっていたかもしれません。
この早苗ちゃん…おっとりとしていて優しさで包まれているみたいな雰囲気の彼女…
彼女の笑顔には癒しのパワーがあって、私も紗名同様何度助けられたことか…
そして早苗の促しに気付いた紗名は見違える様に変わっていくんです。

パジャマの上から腹巻きをするのは、夜寝ている時にお腹が冷えないように…
蛍光灯の紐に小さなマスコットが付いているのは、背の小さな紗名でも手が届くように…
どんなに寒くても毎朝ポストに新聞を取りに行くのは、この家での自分の仕事だから…
そして…苦しい時や困った時には絶対に手をさし伸ばす…
それはどんな時も…只の一つとして例外はない樫村家の絶対遵守事項…

だから樫村家の誰一人としてムキになっていたり意固地になっていた訳ではありません。
これって家族の絆としての固さは相当で…「優しさに溢れている」ってこういう事を言うんだろうなぁ…と強く感じました。
家族の繋がりの形は十人十色…中盤から登場した羽鳥も家族の繋がりを欲し続けた一人だったのではないでしょうか。
住む家が綺麗で大きいとか、ブランド物の小物をたくさん持っているとか、本質は決してそんな見せかけなんかじゃなく、根っこの部分で家族というしっかりとした繋がりがあるから私たちは強く生きていけるんだ…そう思わせてくれる作品だったと思います。

オープニング主題歌は、ORESAMAさんの「ワンダードライブ」
エンディング主題歌は、toi toy toiさんの「Chant」
どちらも作品のイページにピッタリの楽曲だったと思います。

1クール12話の物語でした(第2部放送直前特番の5.5話を除く)。
モノと情報に溢れかえった現代は人をより多様化させています。
その結果、人と人の繋がりの希薄さが助長されている、と言っても過言ではないこの世の中に「家族愛」という一石を投下した作品だったのではないでしょうか。
しっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

人は、基本的に誰かと繋がって生きている。

だから、人の間で生きてる、生かされてれるから
「人間」と呼ぶなんてこと昔、何かで読んだ。

確かに、ごく一部の例外はあるかもしれないが
人は一人では生きられない。

この作品は、そんなことをあらためて思い出させてくれた。

特に、家族というひとつの絆がもたらす人格形成を
一貫して優しく描いているのが魅力。

アリスは、蔵六と早苗と出会い、家族になることで、
人ならざるものから人間への階段を着実に歩んでいる。
そのプロセスを丁寧に描いてくれているし、
表情の作画も絶妙なこともあり
アリスが非常に可愛い存在となっている。

そのため、ファンタジーなバトル要素はあくまで従で
日常シーンの方が楽しい。

アリスは蔵六たちに出会わなければ、
人類の脅威になるほどの存在になっていたかもしれない。

そういう観点から「アリスと蔵六」というタイトルは
言い換えれると「バケモノと人間」と言えそうだ。

1クール全12話。
原作コミックは既刊8巻(2017年5月現在)なので、
もし2クール予定だったら尺を持て余したと思う。
{netabare}
第一部の5話終了時は、2巻までの内容で終了。
最終的には、区切りの良い6巻の冒頭あたりまでがアニメで描かれた。

Wikipediaによると、本作を製作した桜美かつし監督は、
「キャラクターの細かい仕草などによる情緒的な演出が特徴」とのこと。
当にその個性が遺憾なく発揮された作品だったと思う。

そういったキャラクターの表情豊かな作画がなければ、
おそらく本作の魅力は半減したろう。
原作上のお話の佳境はまだまだこれから、といった状況と思うので、
アニメでは、話自体で魅せる方向性になっていたらきっと物足りなかった。

構成も原作とは若干、エピソードの並びを変えて
さらに細かいところは上手くアレンジされている。
それが話を解かりやすく、テンポを良くするという意味で
とてもいい仕事をしていたと思う。
特に1話を1時間枠にして視聴者のキャラへの引き付けを
最優先にしたのは好かった。

<最終話>

終わりも続編の企画がなくてもいいように上手く完結してくれた。

”これは一人の少女が「私」になるために「自分」を探し続ける物語”と、
一貫させていた作品のテーマを文章で明示。

成人した紗名のナレーションと一瞬の姿で締めくくり、
蔵六との関りが紗名の人生にハッピーエンドをもたらしたと暗示。

この優しい締め括りは、まさにグッジョブ!
このエンディングで物語評価を最終話で4.0から4.5に上げて更新した。

<声優の魅力>

今作は特に、大和田仁美(紗名)、大塚明夫(蔵六)、
豊崎愛生(早苗)各氏の声優の好演に癒される。

5話終了後から原作を読み始めたが、アニメのキャラの魅力は原作より
3割増し以上になっているように感じた。

大和田さんは、「SHIROBAKO」の今井みどり役で初めて注目したが
可愛い目下(後輩)の女の子役は、年代を問わず巧いことを認識した。
自然な演技で役になり切り、あざとさのない可愛さがあるのが魅力だ。

大塚さんは、アニメのみならず洋画の吹替えでの
渋い色気あるヒーローが嵌るのは言うまでもない。
個人的には、名優デンゼル・ワシントンの吹替えが一番好きだ。

しかし、そのキャリアの長さで近年、
「モブサイコ100」のエクボ役でのコメディの巧さが新鮮だった。

さらにここに至り、父上の故大塚周夫さんの
円熟の境地にどんどん近づいてる印象。

ヴィンテージギターのような枯れた、
奥深い味いが声から滲み出る。
さすが、選れた声優のDNAは偉大といったところ。

豊崎さんは、演技の幅は広いが
やっぱり彼女は、「けいおん」の唯系統の
のんびりふわふわ系が一番の持ち味だと再認識。

「潤い」と「枯れ」のハーモニー。
彼女の持つ癒しのフェロモンが、
大塚さんの放つ成熟のフェロモンと絡むことで
絶妙な味わいを醸し出していた。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

75.8 15 2017年度のファンタジーアニメランキング15位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (683)
3748人が棚に入れました
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。最強と名高い女剣士は今日も仲間たちと共に、広大な地下迷宮『ダンジョン』へと繰り出していく。様々な謎と脅威が襲いかかる深層域で、アイズが風を呼び、迷宮の闇へと一閃を刻む! 迷宮都市オラリオの地で、それぞれの物語が今、鮮烈に交差する! これは、強さを求め続ける少女と、その眷族の物語。

声優・キャラクター
大西沙織、木村珠莉、村川梨衣、高橋未奈美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ダンまちに外伝を求めるのは間違っているだろうか

原作未読


劇場版『オリオンの矢』を控えた本編の再放送を観了後。だいぶ後回しにしていた『外伝ソード・オラトリア』をやっとこ観ました。2期も始まりましたのでその前に予習しとこ!そんな感じです。


本編は至極真っ当な古典的RPGの薫り高い良作でした。主人公ベルくんの成長物語や紐…女神ヘスティアに魅せられた本編の1期です。
思ったより硬派じゃあーりませんか…ってのが、「タイトルでもったいないことしてるな~」の褒め言葉にも繋がりました。


今回のソード・オラトリアは本編と時間軸を同じくするもう一つの物語。ロキ・ファミリアに焦点を当てた外伝に相当します。
ファミリアの豪華なメンツはこちら↓

{netabare}アイズ・ヴァレンシュタイン(CV大西沙織) LV.5 剣姫
レフィーヤ・ウィリディス(CV木村珠莉) LV.3 サウザンド・エルフ
ティオナ・ヒリュテ(CV村川梨衣) LV.5 アマゾン
ティオネ・ヒリュテ(CV高橋未奈美) LV.5 ヨルムガンド
フィン・ディムナ(CV田村睦心) LV.6 ブレイバー
リヴェリア・リヨス・アールヴ《CV川澄綾子(外伝)、種田梨沙(本編)》 LV.6 ナイン・ヘル
ガレス・ランドロック(CV乃村健次) LV.6 エルガルム
ベート・ローガ(CV岡本信彦) LV.5 ヴァナルガンド

※サポートメンバーもそこそこ。一部紹介。
ラウルーノールドLV.4超凡夫 クルス・バッセルLV.4 リーネ・アルシェLV.2
 ⇒超凡夫って(笑){/netabare}


1期の健闘で期待値が上がり、聞けば外伝の小説もなかなか良いらしい。いわゆる期待作ポジションからのスタートということだったのに

・なんか胸囲の格差社会の話になっとる
・本編の主人公と思しき娘さんの百合百合しさ

あーダンまちよお前もか・・・ラノベの闇に沈んでしまうのか!? およよ・・・となりかけました。
レフィーヤの成長物語のようなので百合嗜好薄めの自分にはキャラへの共感が薄くなりそうと不安になった序盤です。
意外と硬派だった本編のノリを期待した皆さま。どうしてもしんどい場合は撤退も選択肢でしょう。


さて、そんななかで本作の価値は

 {netabare}“そりゃ他にもファミリアがあるわな”{/netabare} 


もともと暇を持て余した神々の遊びみたいなもんで“ファミリア”と呼ばれる各神様の眷属(出入りの自由度高いけど…)パーティが複数あることは本編でも説明がなされてました。
言うまでもなく主役はヘスティア・ファミリア。紐・・・ヘスティア様とベルくんです。
主役はフォーカスされて当たり前。しかし同時並行して各ファミリアが別の場所でクエストをこなし、当たり前ですが各々の思惑で動いているのです。
そこを拾ってくれてよかった。拾われたのがこのファミリア以外考えにくいであろうロキ・ファミリア。この物語の基本設定を考えれば一足とびで2期に移行するよりも外伝をリリースすることは自然な流れだったように思えてなりません。

というわけで、

1.ベルくんたちがすったもんだしている横で何が起こっていたのか?

ありきたりですいませんが、具体的に形にしたことをなにより評価するものであります。

本編あっての外伝ですのでこちら単体の視聴はオススメしません。私はすこし時間が空きましたができれば1期から続けて観ることをお薦めします。またはこれ観ておさらいするとか。
本編とのリンクでは一部怪しいところありなものの、ところどころニヤッとできることでしょう。

{netabare}・アイズがベルくんに稽古をつけた理由の一つは“強くなるためのヒントが欲しい”事情があったから{/netabare}

本編描写の答え合わせであり、また両者の意思がいいタイミングで絡んだ結果でストーリーが進んでいったことがわかります。
ファンタジーは作りこまれてるに越したことはありません。本編が一見、“ハーレム”+“俺TUEEE”のコンボのように見えて安直さを感じなかったのは、こういった作りこまれた物語だったからとの背景もあるでしょう。


外伝としてはこれで充分な気がします。ところがさらにもういっちょ

2.やはり主役はベルくんということに(笑)

時系列の繋がりと同様に、この作品のメッセージが本編と外伝で乖離することはありませんでした。
ちなみに本編の主役らは驚くほど登場時間が少ないのでそちらのファン(私含む)はご愁傷様です。この一言のために松岡さんと水瀬さんアフレコに呼んだんかいな?というくらい。
それでも主役は主役だねと感じられる展開はお見事。ぜひ作品を実際観て感じてください。

{netabare}ベルくんもそうだったように、高めの目標をクリアすること、作中では“冒険”と言われてる困難を克服しないと次の高みに辿り着けないという設定がお気に入りです。形を変えてアイズもレフィーヤも彼女らなりの冒険をしてましたね。{/netabare}


上記1.2.を感じることができたので多少の百合やティオナ・ティオネのバスト漫才にも惑わされることなく、いや正直邪魔と思ったのですが、価値ある一品だと思いました。
いやだって本編だって似たようなばいんばいんはあったとは思うんですが、比重掛け過ぎですよ。こういうのは塩梅が大事なのです。
できれば1期とセットで観たい。そんな不思議な作品でした。



■オマケ
アイズさん何考えてるかわかんないです

{netabare}うーん、なんでアイズさん、ベルくんに謝ることにあんだけ固執したんでしょう?
・怖がられてると思い込んでて誤解を解きかたったから
・責任感から迷惑かけてゴメンと本気で思ってたから
・それは方便でベルくんに興味があったから

結論が導き出せないので考えればいくつでも出てきそうです。
剣を壊したら「(店の人に)怒られる」と言ってみたり、服破いてレフィーヤに謝ってみたりと、無事でなによりとの周囲の反応がアイズさんにはよくわかってなかった模様。天然っぽい返しをするヴァレン何某さんであります。
人との距離の取り方を学習中って感じでしたね。そして本人も取れるようになりたいとの指向がある。親とのやり取りがいわくありげで影を落としてそうでした。

そうみると、謝んなきゃ!って思ったら思い込んだでそれ以外の融通きかなさそうですし、“助けられる→逃げる”を繰り返すベルくんはアイズにとって特異なコミュニケーションをとる人として興味の湧く対象でもあったし。
それらしい理屈は思いつくのですが決め手に欠けます。{/netabare}


{netabare}もしかすると、強くなりたい彼女にとって、逃げ足がはぐれメタル級のベルくんから得られる経験値量を感じ取り、つけまわしてたのかもしれませぬ。
それにベルくん「しあわせのくつ」持ってますもんね。
だいぶナナメ上方向でとっても納得した気分になったのでこのへんで。{/netabare}


読んでいただき有難う御座いました。



視聴時期:2019年7月

-----
2020.03.22追記

リリース順
 本編1期→外伝→劇場版→本編2期→?たぶん本編3期

外伝(本作)の放送をしたことによって、ヘスティアファミリアに視線が集中しすぎず、なかなかダンジョンに入らない後の展開も許容されてるのかと。


2019.08.05 初稿
2020.03.22 追記
2020.10.10 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 56
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

わざとつまらなく作った?

ダンまち本編は見たことないです、内容も全然知りません。
という状態で見始めた外伝、感想はというと──

{netabare}つ、つまんない…。
ただひたすら盛り上がりに欠けるばかりで、「自分こういう点が苦手だわー」という大きなマイナスになるところが無いのがこれまた厄介。
退屈で面白い所がないってのが正確な言い方だろうか。
なんだろこれ?本編が物凄く売れてて、税金対策でワザと赤字出すためにつまらなくしてるのかな?
おそらく6話くらいまでの内容って少年誌原作モノだったら1話で収めちゃう程度なんじゃないかな。
ピンチらしいピンチもなく、さりとて圧倒的な力でいなすでもなく、ファッションピンチも「死力を尽くしてピンチ」ではなく「持てるパフォーマンスを発揮できなくてピンチ」って…。
じゃあパフォーマンスが発揮できないのは重たい理由があるのかといえば大したこともなく…ガクッガクッと肩透かしの連続。

なにより口をあんぐりしたのは6話、レベルアップを目指してアイズがウライオス?をソロ撃破目指すってところ。
ウライオスとやらがどれだけヤベー奴なのか口で説明するだけで全然緊迫感が無いのもさることながら、もしソロ撃破が無理そう(気を失うなど)な時はリベリアンが援護してくれる状態での対決って…マジか!?
そこは地面に線でも引いて「これより後退することがあらば私を撃て」とするところじゃないのか?
倒すのは目的ではなく強くなるのが目的であってソロ撃破はあくまで手段でしょ?
いわば修行みたいなもので、そこで自分を追い込むどころか保険かけまくりで、それでめでたくソロ撃破できてレベルアップおめでとーって…え?ええええっ?
なんだこの緊張感の無さ…。

でもって8話、ここでまた「えーなんで?」と不思議に思うことに。
オリビアが追い詰められてもないのに親切に自ら仮面を外して説明をベラベラしゃべって、その後でバンシーに「あの時の生き残りか」と気付くんだけど…順番おかしくね?
過去の惨劇をほのめかしたらしくこく食い下がられ、「あの時の生き残りか」って気付いて、その後にベラベラ喋るのが順番としては自然だと思うんだけど…。
「折角ここまで事件に関わったのだから教えてやってもいいか」みたいな感じでね。
そうでないとあの場にバンシーが居る意味が薄い(「居たから聞き出すことが出来た」っていう活躍?必要性?を潰してる)というか、オリビアが唐突に饒舌になって笑ってしまいましたよ。
単に順番入れ替えるだけのことなので作画(予算)的な制約は考えにくいし、やっぱりワザとつまらなくなるように作ってる?

最終話の12話も…う~ん…。
対精霊戦だけど、相変わらず強さが分からない。
まぁ舞台がダンジョンなので山吹き飛ばすとか数キロに渡って焦土にするとか海水を沸騰させるとか、そういった「パっと見で分かるハッタリ」が描きにいのは分かるけど…。
退路絶たれたとか制限時間あるとかじゃない…よね?見逃してる?
道中鍛冶屋キャラが小躍りしてたようにレアなアイテムが転がってたみたいだし、それ持ち帰って装備強化してから挑めばいいんじゃ…と思ってしまったり。
他にも10話の意図の通じてない「警告」や11話の狙撃って先言えやとか意味のないパーティ分断等々、要らん部分はカットカットで詰めれば全2話程度で終わる話をダラダラやってるだけのような?
ジャンプアニメの引き伸ばしかな?レズエルフも要らんよね。
と、思い出せるものだけでもあれこれと突っ込み所満載で、それでいて「不快」とまではいかないのが始末に悪い、不快だったら視聴切れるんだけどねぇ。

物凄く好意的解釈をすれば、上記の突っ込みどころは全て「本編と対比」してる箇所で、本編を知ってれば楽しめるって内容なのかも知れないが…正直これで「本編見てみよう」という気持ちは起きない。
更にタイミングが悪いことに同期にはグラブルが放送されまして…。
そっちは1~12話までを無(もしくは低)課金モード、13話を廃課金モードのシナリオ展開で、それぞれの対比を描くという荒業を見せてくれました。
廃課金モードでは主人公が激強で、ハエを叩き落すようなノリで敵をサクサクいなして「うおーこいつヤベーくらいつえー」というのをありありと見せつけてくれました。
オラトリアはダンまちと対比して高レベルパーティの話なんだよね?
いかにも高レベルらしい「うおーこいつらヤベーくらいつえー」というシーンがあったかといえば何話かの「アイツ一人に任せればいいんじゃね」くらい。
重要な1話からして武器失うわ魔法うまく使えないわミノ取り逃すわで(それでいてファッションピンチ)、設定では強いと語られてるけど全くそうは見えない。
グラブルの13話みたいなノリを1話でやれば印象は全然違ったんじゃないかなー?と思うと残念でならない。
尺的にそんなシーン入れる暇がなかったとはとても思えないし…むしろ尺稼ぎウゼーって内容だし。
ってかね、グラブルは13話だけでも、見よう、カブトボーグ好きなら必須。

で、こんな内容になってしまったのはやっぱり税金対策と考えるのが一番ハラの立たない平和的な解釈だと思う、皮肉とか抜きでね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ダンジョンに百合を求めるのは間違っているだろうか?

[文量→大盛り・内容→考察系]

前作、「ダンまち」は視聴済み。★4つと楽しめました。続編ではなく、スピンオフなんですね。

【総括】
ダンまちの、幕の内弁当みたいなアニメだな~と。色んな要素が詰め込まれすぎ、初見(本編未視聴)では辛いかもしれません。

ホントに、純粋にエンタメ作品だったと思います。今期(2017夏)は、純愛ものに本格SFと、濃い作品が多かったため、このような作品は楽しく観られました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レフィーヤを筆頭に、ロキファミリアの面々の成長物語、なのだと思います。

物語序盤、ビビり魔法使い(&それなのに重宝される様子)にイライラさせられましたが、ラストバトルでは、レフィーヤの魔法によりアイズが救われるという熱い展開に感動。ちゃんと、努力の描写もありましたし。(ラストにロキを投げ飛ばすなど、精神的にも強くなりましたw)

最終話、デミ・スピリット(穢れた精霊の分身)の大魔法によりピンチに陥った時のフィンによる檄は格好よかったけれど、「それとも、ベル・クラネルの真似事は、君たちには荷が重いか?」という台詞だけは違和感を感じました。なんでこんな大事な場面で(主人公だとしても)ベル「ごとき」の話をするのかな、と。

でも、きっとそれくらい、ベルがやった(Lv1ながらミノタウルスに勝利する)ことは、冒険者的に、凄い(有り得ない)ことだったのです。多分、経験の長い冒険者ほど、「勝つための準備」を怠らず、「勝算が高い戦い」をしているのでしょう。例えばライオンなど野生の獣は、狩りを成功させることより、自らが傷つかないことを優先させると聞きます。だから自然界においては「威嚇」が大事な要素になっています(戦わずして=互いに傷つかずに、優劣を決める)。いくら大物を仕留めても、そこで負った傷が化膿して死んでしまったり、弱っているところを他の動物に教われたら意味がないしね。

規模的には、オラトリア最大のロキファミリア。しかも、その主要メンバーであるフィン達は、いつの間にか「勝ち目の薄い戦いをすること=冒険」からは遠ざかっていて、それ(不確定な未来への挑戦という冒険者の本分)を、ベル君の姿や、デミ・スピリットとの戦いの中で取り戻していく様子は、かなり胸熱でした。魔法、バトルと、作画は流石で、かなり迫力もありましたしね。

と、ここまでは好評。ここからは、やや問題点を。

とにかくこの作品、百合&日常系? バトル系? ミステリー? と、いったいどこを目指しているのかがわからなくなるように、作風が動いて(ブレて)いましたね。ラストも、無理矢理(しかも説明会話だけで)まとめた感じで、しかも、(レヴィスのことなど)ちゃんと伏線を回収しきれずに終わりましたし。まあ、スピンオフですし、それはそれとして、本編のファンだから楽しめましたよ。「本編のファンだから」楽しめたのかもしれないけれど。

個人的には、序盤や8話目のような、百合百合した日常系展開の方が好きでした。というか、スピンオフなんだからそっちを観たかったかな、という感じ。まあ、バトルもかなり熱かったので、バトル一本に絞ってもらっても全然よかったけど。

あと、本作、久しぶりに「OPもEDも作品に合ってないな~」と感じました。音楽自体は良かったと思いますが。

ただ、全体的にはかなり楽しみました。評価、4と迷うけど、本編には及ばないので、3で!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
あの場面で、ビビり魔法使いに一番大事なポジション任すというのもね、う~ん。バトルはなかなか迫力がある。

2話目
バラメーターが(上がり幅含め)ランダムアップというのは、本人にとっては辛いやな。

3話目
ここで魔法の真価が。なんか、固有スキルとかパラメーターのランダムアップとか、才能でかなりの部分が決められる感じですね。

4話目
ここで、本領発揮ですね。ん? エロ? と思ったらグロだった。

5話目
バトル、バトル、バトル! 団長格好良し。

6話目


7話目
ユリユリしてますな~。

8話目
こういう日常系の方が良い感じ。

9話目


10話目


11話目
ベルVSミノタウルスは、やっぱり燃えるな。

12話目
ちょっとドズルさんがいらっしゃったw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

71.8 16 2017年度のファンタジーアニメランキング16位
異世界はスマートフォンとともに。(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (972)
4049人が棚に入れました
神様の手違いで死んでしまった主人公は、異世界で第2の人生をスタートさせる。
彼にあるのは神様から底上げしてもらった身体と、
異世界でも使用可能にしてもらったスマートフォン。
様々な人達と出会い、大切な仲間を得ていく中で、
いつしか主人公はこの世界の秘密を知る。
古代文明の遺産を受け継ぎ、お気楽な世界の王たちと力を合わせながら、
彼はのほほんと世界を巡っていく−

声優・キャラクター
福原かつみ、内田真礼、福緒唯、赤﨑千夏、高野麻里佳、山下七海、上坂すみれ、甲斐田ゆき
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

旨い話には…

1話感想
{netabare}まずお断り、異世界転生に対してのスタンス
昨今異世界転生ネタが溢れ返り、その反動か最近世間では排斥の流れになってるような気がする中のこの作品。
因みに個人的には異世界転生自体は否定も肯定もしません。
それより問題は、転生した先で(前世の記憶を使って)白人酋長モノをやり──白人酋長モノ自体も悪いことではないのが厄介なトコで、マズいのは“蛮族(原住民)どもが理由もなくありえないくらいアホに描かれる”ことにあるかと。
ここでいうアホってのは「いくらなんでもそれじゃ生活すらできないだろ」「○○があるなら××が開発されて然るべきなのにそれ無いの?」といった無茶な設定のこと。
最近ヒットした作品でいえば“けものフレンズ”も広い意味では白人酋長モノ。
けど、フレンズ達があそこまでアホでも不自由なく生活ができる理由は作中でしっかりと描かれ、だからこそヒットしたとまでは言わないけどヒットの一助にはなったと思います。
ここら辺マトモに描けない限りは無茶な白人酋長モノ、ひいては異世界転生モノはひとまとめで白い目で見られるんじゃないかな~?

と、↑は他のアニメの感想にも書いたことなのだけど、異世界転生モノには全部転載してったほうがいいのかな?

で、今回この作品を見て書き忘れがあることに気付いた。
・望郷の念が無い
・自分と同じような転生者が他に居ない
これも結構ドぎついんだよね、そんなに現実の暮らしが嫌なのかと。
元の世界の家族や友人に思いを馳せるのはカッコ悪い・リアルでそれやるのが苦痛と認識してる人が支持してる…のか?
ホームシック情けない・家族友人のことは考えたくない、みたいな。

…。
と書いたけど、この作品はそんなのは些末なことと超越しちゃってるかも。
なんかね、ここまで話が旨すぎると逆に恐い、疑ってしまう、神様なにかウラがあるんじゃね?と。
神様は実はこの世界に飽きてる?最悪破壊したがってる?など。
黒幕は自称神様で、主人公はそいつにまんまと掌の上で泳がされてるだけなんじゃ…。
原作全く知らないので先の展開知らないけど、「もしそうであるなら──」と考えると不思議と不快感はない。
逆に「そんなことないよ、本当に最後まで都合のいいことを用意してもらうだけだよ」であるなら、もはや病的としか…。
ってかこれ厳密には転生じゃなくて召喚よね。{/netabare}

3話までの感想
{netabare}その将棋とやらってさ、あんたが発明したんじゃないよね?
著作権フリーと自分が発明したかのように振舞うのは全くの別かと。
今後も先人が築いた英知を自分の手柄として盗んでく展開なのかな?{/netabare}

4話感想
{netabare}この作品は突っ込むことを楽しむってのが正しい見方になるのかな?
もう突っ込むことすらバカバカしくも感じつつ、ちょっとやってみる。

・父親に毒を盛った犯人を見ぬけない程度の魔眼能力

そんなのに太鼓判押されても嬉しくないというか…。
せめてその能力故に他人が信用できず血の繋がった家族以外心を開いたことがない、って過去でもあった方が主人公スゲーに説得力持たせられると思うのだが。

・この世界では一夫多妻制

だったら前もって王様の側室出せよと、ユミナの腹違いの兄弟出しとけよと。
描写が無く言葉だけでそういう設定なんだと言われましても、唐突にしか感じないというか。
ユミナからしたって一夫多妻がOKな世界で腹違いの兄弟も居ない一人っ子って、それはそれで寂しいんじゃないか?
というかね、ハーレムが認められるのは宗教的理由を除けば、死亡率が高い(特に赤ん坊)時代に後継者が途絶えさせないためって認識なのだけど、そうであるなら主人公の力で死亡率が抑えられる(我が子を見殺しにはしないと思うので)以上子沢山になりすぎて、将来跡目争いが大変なことになりそうな?
ってかこの調子でいくと主人公は不老不死になると思うので、跡目争いで子供同士が殺し合うのを眺める結果になりそう。
まさか主人公は子孫を残せないってことでもなかろう…それはそれで悲惨だし。

・ユミナがギルドの仕事

結婚すれば王様って言ってたので、恐らくユミナは継承権第一位。
そんな姫様が直々にクエストこなすって…騎士団呼べ。
前回公爵が「国から調査団送る」みたいなこと言ってたし、居るんだよね?
国の治安部隊が出動できない(するまでもない)些末な事件の対処をギルドが請け負ってるって形じゃないのか。
さもなくば国とギルドとで管轄の奪い合いをしてると思うので、姫様の介入は要らぬ火種になるんじゃなかろうか。
つか依頼する方も腰が引けるんじゃなかろうか。
もしくはクエストやってる最中、画面には映らないだけで護衛が大挙して取り囲んでるとか?
ピンチにならないので出る必要が無いってだけで。
ってかそっちのが良いと思うんだが…主人公の活躍を宣伝する証人となってくれるワケだし、なにより「こんな偉い人に惚れられるなんて」と、より優越感を満たせる。

ってかさ、ああいう世界で推理モノやるんだったらさ、発言者の地位によって証言の有効度が違うとか、それくらいやってくれんかのう。
まぁゴチャゴチャ書いたけど要は

王様といいつつフランクすぎて権威を感じない

だけなんだけどねー。
これは神様にも当てはまるので、ひょっとしてワザとそうしてる?
ってか主人公はずっと神様に監視されてる?
それと国王も公爵もハーレムOKな世界でいながら子供は1人だけって…ちと黒いものを感じるのだが。
スーシーとユミナって従妹関係なワケだけど、実はスーシー母って国王から下賜されたものだったりして。
スーシーの母が目を患ったのっていつだっけ?
ユミナ母がそう仕組んで、目の病気を理由に王妃の座を退かせたとか…でもって血の繋がり的にはスーシーとユミナは従妹ではなく腹違いの姉妹でまるで将棋だなとかサ、そういったの無いのん?

──と、突っ込んでみた。
最終話まで突っ込み続けられるだろうか…。{/netabare}

5話感想
{netabare}まずは↑の訂正。
「恐らくユミナは継承権第一位」と書いたけど、4話のアバンで明確に継承権第一位と言ってますね。
見落としてました…ってよりすっかり忘れてました。
で、それを踏まえた上での5話感想。
どういう政治体系なんだか知らんけど、↑でも書いた様に国が動くまでもない問題をギルドが請け負ってるんちゃうのん?
主人公が冒険者の心得みたいなのを語ってたけど、その気になれば軍を動かせる立場(実際できるかどうかは知らんが)のユミナにする説教かいな?
女子はスライムを毛嫌いしてたんだし、ユミナ「スライム退治はパパに頼んで軍を出動させます」でもええんやで?
ギャグ系でよくあるじゃない?金持ちの息子で何かある度お金で解決図ろうとするネタとかさ…そういうキャラに仕立てることもできるハズなのに何故やらないんだ。
取り巻きの女子がどれも一緒になってるというか、相手がどんな人だか分かってないっていうか、設定忘れてるというか…まぁ考えてないだけなんだろうけど。
サーチがロケートオブジェクトとディテクトシークレットを足したようなものと解釈してたけど、ロケートパーソンも兼ねるのか。
スマホ使って範囲も拡張されたみたいだし「この世で最高のお宝」でサーチかけたらヒットしそうな勢いだ。
それですぐ横に居る女の子が光って二人は幸せなキスをして終了でいいんちゃう?もう。{/netabare}

7話までの感想
{netabare}突っ込むの疲れてきたけど一応。
ゲームのエルシャダイのOPでそれまでの経緯(数百年間敵の居場所を探し続ける)をダイジェストで流すのだけど、そこで「永遠の命などあるのもか、処刑せよ」と、不老不死となった主人公を時の権力者(と思われる)が殺そうとするシーンがあるのだけど…。
なんでそんなことが起きるのか分かってるのだろうか?
この作品は誰も主人公を危険視しないのか…。
第一王女には陰ながら護衛が着いてたという設定が出て、↑でやったツッコミを回避した…に見せかけてるけどスライム館でその兆候は無かったし、今思いつきました感は拭えない。
あれなんかね、なろうでは伏線張るのはご法度だったりするのかな?
それにしたってアニオリでそれくらいやってくれても…。
ところで、同時期に放送されてるアニメで“賭ケグルイ”ってのがあるのだけど、そこで「銃口に口紅を詰めときました」と言われ、銃の扱いを心得てるキャラが軽はずみに銃口を覗き込むシーンは“無かった”。
ほう、分かってるじゃーんと感心したのだけど、一方のこの作品では逆に銃口覗き込むシーンあっても良かったんじゃ?と思ったり。
素人がやりがちなやっちゃいけない行為なワケだけど、それあった方が「ああ、この世界ではそれまで銃ってのが無かったんだなー」と説得力が増したハズ。
なんていうか“らしさ”の追及がホント甘いと感じる。
アニメーターもイヤイヤ作ってるんだろーなーと思うのだけど、それを悟らせちゃアカンちゃうかのう。

今回は原作自体の評価は避けて、なるべくアニメ単品としての感想にしてみました。{/netabare}

11話感想
{netabare}スタッフも「さぁどうぞ突っ込んでください」ってスタンスで作ってると思うので頑張ってそれに応えようとと思ったけどアッサリ断念。
突っ込むのも面倒くさい。
とりあえず…どんなに変に思えてもそれがその民族の正装であるならとやかく言うものではない。
すっかりあの世界の王にでもなったつもりか。

さてそんな中、褒める場所を1箇所発見。
空中庭園の背景のスイレンがしっかり熱帯睡蓮だった。
…単に担当した人がたまたま知ってただけで、打ち合わせや取材でそうなったってことじゃないんだろうけどね。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}さて、と。
実は最終回まで黙ってたことがあって…といっても別に隠してるワケでもないし知ってる人は知ってると思うのだけど、この作品のメイン作監(西田美弥子)って湖川友謙の一番弟子らしいです。
でもってこの作品の原作はロボが出るらしいと噂も聞いてたのでそこらへん一応期待してました(別に湖川はロボの人って感じではないが)、が、全然出ませんでしたね。
妙な期待持たせてもアレだなと思って黙ってたんだけど正解だったっぽい。

内容?まぁこんなもんでしょ、アニメスタッフも「これが面白い」とは全然思ってないっしょ。
ずっと神様から授かった借り物の力で無双して(よくチートと称されるけどコード自作してないのはどうなんですかね)、最後も女の扱い困ったら神頼み。
恐らく女性から見たら一番イヤな男性像を描いてみたんじゃないかな?
ってか女キャラ自体が妙に男っぽい。
あんな複数で結託したら、男の方から告白せざるを得ないように外堀から埋めてくというか真綿で首を絞める方向で攻めると思うのだが。
事あるごとに「結婚まだっすかー?」ってニュアンスのことをネチネチ言われること請け合い。

因みに作者はハイパーグラフィアなんじゃないかな(※)。
パソコンを与えて書体だけは見れる形にした感じの。
で、病人の頭の中を覗くという意味では面白いのかも知れないが、だったらもっと荒唐無稽でも良い気がするんだがなぁ。



芸術・クリエイティブの分野で精神異常なんてよくあることで、これ自体に差別的意図はありません。
が、一方でそういうのであることが評価を得やすい「なろう」のフォーマットは危険だと思う。
もっと乱暴な言い方してしまうと、頭の良いヤツがキチったことやるのとバカがキチるのは全然別モノかと。
バカがキチってるのを見せられても…ちょっと笑えない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

何でも出来ることは、何にも出来ないことに等しい

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
とにかく、「主人公がなんの努力も苦労もせずにチートクラスに強く、無条件で可愛い娘からウハウハされる」のが楽しめるんなら、観ても良いアニメかと。

まあ、気楽な作品ではあり、最後まで「ツッコミ」を楽しみながら観るには最適なアニメでした。私はやってないけど、ニコ動やアニメ実況なんか好きなら、最高の素材じゃないかな?(知らんけど)w

まあ、そんな邪道な楽しみ方しか出来ない抵クオリティアニメとも言えますが。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ガチで何でも出来る人をアニメにするのと、ガチで何にも出来ない人をアニメにするのって、どっちが面白くなるのかな? まあ、どっちも面白くならないだろうね。「強くてNEW GAME」って、2周目だからまだ楽しめるんだよね。

ストレスフリー(超ご都合主義)は、逆にストレスになるということも、本作で学んだw

この作品、「異世界にスマホ」は良いとして、「身体能力、魔力適性、その他諸々パワーアップ」がいらない設定だったんだろうな、と。

しかも、「スマホが異世界使用」もいらない設定だったかな。

「異世界の常識やルールに右往左往する貧弱主人公が、現実世界の情報をググって応用し、ギリギリ乗り越えていく話」で普通に良かったと思う。

それこそ、科学的な話から歴史的な話、工学や建築学、格闘技の知識、なんなら怪談やトリビアを話すとか、何でもかんでもググって解決していく話。

(しかもそれが、実際にあるサイトとかでも調べられて、視聴者もスマホ片手に観るとか……まあ、権利がムリだろうが)。

例えば、1話目のアイス作るクダリなんかが良いイメージに近い。でも、あれでも接待ゴルフしすぎ。例えば食材にしても、卵とか牛乳の味が違ったり、ない食材があった方が良かったと思う(てか、バニラビーンズとかあったのかな)。

んで、時には「ググってもなんともできないこと」も当然あったり、「ネットの嘘に踊らされて」みたり。そこで初めて「検索も万能じゃないことを知る」で、良かったんじゃないかな~と。

他にもツッコミ所多数(長いからたたみます)、{netabare}例えば、1話で冬夜の服が「珍しい」という理由で売れたが、だったら異世界人の服のキャラデザを、もっとオリジナリティあるものにせんと。つか、九重八重がどう見ても、サクラ大戦の「真宮寺さくら」やん。つか、感覚強化で血の臭いを感じたなら普通は逃げる(回避する)やん。つか、スマホより有用な無属性&全属性魔法とかあれば、スマホいらんやん。つか、文化や風習、倫理観など現実世界と共通しすぎていて、異世界である意味あるの? つか、回復魔法の呪文がリカバリーって、英語かい。オリジナルのネーミングくらい考えろよ。つか、2時間後に宿に集合って、4000万もってて少しも奢らないんかい。つか、主人公、たまには現実世界を懐かしめよ。つか、主人公チート級の戦闘力あるくせに、ポジション司令塔って。つか、敵が人外なのに内緒話する意味は? つか、能力がチート過ぎて推理にならんよ。つか、拭き取っただけで毒を除去できるとなぜわかる? つか、ユミナ姫、人の本質を見抜く看破の魔眼なんて便利なもんもってるなら、バルサ伯爵の本質を見抜けよ。父親殺されかけなくてすんだやん。つか、この世界の常識は分からんが、普通は男性の王族の方が王位継承権上じゃね? つか、別に悪くはないが、琥珀って普通は茶色だけどね。つか、スライム、本の紙だけ溶かして革表紙を溶かせないなら、革製の衣類を着ていけば良いんじゃね? 建物が燃えるかもって、石造りやん。つか、今度は探索系のチート魔法かい。つか、シャボン玉があるなら普通真っ先にイメージするやん。つか、どこまでチート重ねるんだい。つか、船酔い患者をおんぶって更に酔うやん。つか、「こちらの様子を伺っていた何者か」で検索かければ良いやん。都合に合わせて出来ないこともあるんやね。つか、シャイニングジャベリンは氷を貫けないんかい。つか、竜の牙、なぜ村長は上から目線? つか、気になるなら「この剣の持ち主」で検索しろや。つか、王とのバトルで致命傷可って。つか、アクセルを使えるのは良いとして、その状態で切り合うって、アクセルは動体視力も上がるの? つか、銃へのプログラムかなり複雑やん。いや、自転車って、ゲート以外の交通手段が必要かい? ゲートの発動条件が、行ったことある場所から、行った記憶がある場所に、微妙に変わってるやん。つか、母上若すぎ。つか、バイオハザードやん。つか、プログラムまで瞬間で組むんかい。つか、殲滅魔法強すぎ。つか、山本勘助って信玄の忠臣だろ。つか、スティールで心臓とか奪えよ。つか、信玄が二度死んだのに四天王あっさり過ぎるだろ。つか、王族みんなヒマなのか、働け。つか、全員水着の面積狭すぎ、恥女か。つか、つか、これ朱雀も青龍も出る流れね。つか、永続魔法って、MPはどうなってんの? つか、ディフォルメ化して浮けるなら、それでスリップ回避してから元に戻れば良いやん。つか、これ以上戦力増強してどうするん? つか、王族になれば一夫多妻すらOKかい。つか、ユミナ正妻は確定かい。つか、何の悩みもなくハーレムエンドまっしぐらとか楽なアニメだな。つか、ただのクズ男やん。つか、ガラスの仮面かい。つか、USBポートの規格が合うんかい。つか、次は未来予知に巨大ロボかい。つか、深く考えなくてよいっていう神のアドバイスは、視聴者に向けたものなのか? つか、恋愛神って、名前のヒネリなしかい。つか、神様のクダリは必要か? つか、責任もてないって理由なのに婚約はできるんかい。つか、いよいよスマホ関係ないな、純粋な意味でのハーレムアニメだな。{/netabare}

あ~、ツッコミ疲れたw でも、このへん、なんか(アホくさ過ぎて)ニクメナイんだよな~という感じで少しは楽しめたんで、評価1は付けませんw


さて、ネタではなく、ここからガチで酷評です。

まあ、簡単に言うと、主人公を「何でも出来る」という風にデザインしたのに、都合に合わせて「出来ない(やらない)ことがある」から、変になる。

「何でも出来る」なら、本来ピンチや困ったことにはならないはずなのに、作者の都合に合わせて、ピンチを演出している。キャラ自身が、そのキャラなりの思考回路やおかれた状況の中で考えて行動しているのではなく、作者が自分の都合の良いように、駒のようにキャラを動かしているタイプの作品に感じた。キャラが生きていない。

(「ロードス島戦記」の作者、「水野良先生」とかはその辺が凄いよ。「キャラが動いてくれないと書けない」「キャラが動き出したら全部書き直すこともある」と公言されてるし、それは読んでいても感じる。だから、出版が遅れる遅れるw)

つまり、根本的な問題として、作者に、登場人物を愛し、共に苦労して冒険しようという気概を感じないんだよね。

本当に良い作品というのは(それがファンタジーであれ恋愛であれスポ根であれ何であれ)、「作者が登場人物をリスペクト」しているように感じる。例えば、自身が産み出したキャラクターをストーリーの都合上どうしても殺さなくてはいけなくなった時、本気で悩み、泣きながら描くような、そんな姿勢だ(「キングダム」の「原泰久先生」は、あのシーンやあのシーンなんか、本当に泣きながら描いてました。「尾田栄一郎先生」もそうだそうです)。

きっと、そういう作者の思いって、読者(視聴者)に伝わると思う。

登場人物が、作者の「妄想」を具現化させるだけの「単なる道具」なら、多分、人は泣けない。それを、自身の「夢」を具現化させるための「相棒」にまで昇華できれば、多分、人は泣ける。やってることは近いんだけどね。

とはいえ、「小説家になろう」原作ということで、原作者はセミプロ?みたいなものなのかな。小学生の時、「RPGツクール」で作ったゲームのシナリオを思い出した。それでもまあアニメ化されるくらいには注目されているということなんで、(原作者の)今後の動向(成長)には期待して注目していきたいと思います♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

謎の神様パワーでモテる人生をゲットだぜ!

❁⃘❁┈┈┈┈┈INTRODUCTION┈┈┈┈┈❁❁⃘
彼にあるのは神様から底上げしてもらった身体と、
異世界でも使用可能にしてもらったスマートフォン。
様々な人達と出会い、大切な仲間を得ていく中で、
いつしか主人公はこの世界の秘密を知る。
古代文明の遺産を受け継ぎ、
お気楽な世界の王たちと力を合わせながら、
個性豊かな女の子たちと共に
彼はのほほんと世界を巡っていく (公式引用)
❁⃘❁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁❁⃘

異世界が流行ってる今の感覚で観ちゃうとテンプレだな〜
と強く感じる部分は多いと思うけど、
5年前の異世界作品と思ったら面白い方だと思う。

内容はありがちでも女の子たちが可愛くて
それぞれ個性もしっかりしてるのでキャラは楽しめます!

ただ、ここまで恋愛を持ってくるとは思ってなかったので
恋愛要素が多いことに少し戸惑いますね。
{netabare}
終着点がみんなと結婚の約束をすることなら
あまり必要じゃなかったのでは?と感じるバトルシーンが
結構含まれていたように思いました。

笑えるところと癒されるところが
いくつかあったのは良かったです(*´`)


◆1話【 目覚め、そして異世界】

フランクな神様いいキャラしてるなぁ〜
スマホをそんなあっさり使えるようになるのも凄いけど、
身体能力の向上と魔法の才能まで与えてくれた
神様パワーっていう謎の雑設定なにそれw

冬夜の、ギルドの例えがハローワークって発想好き。
あと異世界ならアイスクリームの教えは特許とれそう(°﹃° *)

◆2話【 初旅、そしてサムライ。】

スライム討伐をエルゼたちが全否定して
ブヨブヨネバネバした物体が生理的に無理だから
って言った瞬間、リゼロのアクア達が即座に浮かんだw

なんだこの生意気な小動物みたいな可愛い子はーっ♡
と思ったらスゥちゃん喋り方がそう聞こえるだけで
しっかり王族らしい筋の通った素敵な性格してるの好き。
スゥちゃんだけじゃなくてお父さんも
王族だけどフレンドリーでいい雰囲気なのいいな(*´`)

サムライの八重も仲間入り、うんうん、
いいね、着々と女子が集まりだした集まりだしたw
チートだとしてもなんでも出来る冬夜が羨ましい。


◆3話【 将棋盤、そして地下遺跡。】

アルマちゃん、、狐キャラきたぁぁああああ♡!

「このタイミングで冬夜殿が訪ねてくれるとは、
おそらく神が君を遣わせてくれたのだろう」
ってアルフレッドが冬夜に言うのを聞いたとき
冬夜と神様は顔見知りだから無きにしも非ずな感じがして
もしかして神様はあれからずっと
冬夜の事を見てるのかな?と思い始めてきた。


◆4話【 婚約、そして押し掛け。】

急に出てきたユミナと婚約させられるけど、、
サブタイ通り本当に押し掛け。
人の本質を見抜ける魔眼の持ち主なら
相手(冬夜)の心情とかも察せる子になっておあげw
個人的に今の所ユミナはグイグイ感がちょっと苦手だなー。

冬夜の神獣となった琥珀のちっこいバージョン
ぬいぐるみっぽくて可愛いですね(*´`)
持ち前の威圧感は欠片もなくなっちゃった!!


◆5話【 スライムキャッスル、そして新機能。】

「爵位!?!?」「辞退!?!?」この流れ好き。

4話の時よりもユミナの性格が砕けてきてて
最初の苦手意識も薄れました‪(*ˊᵕˋ* )
それに冬夜が他の女の子に変わらず優しく接してても
ユミナは嫉妬とかでそれを否定する訳でもなく
むしろそんな冬夜を受け入れてる感じが好感度高い。
それとも一夫多妻の世界だと
取り合いにならないからその余裕なのかなw


◆6話【 引っ越し、そしてドラゴン。】

ユミナのお父さんから爵位の代わりに
大きい家を貰って5人で過ごすことになる。
ユミナ以外のみんなが邪魔をしまいと遠慮をしたけど
「4人とも同じくらい好きだし家族みたいに思ってるよ」
と冬夜は伝える。

これはユミナもさすがに嫉妬するか!?と思いきや、
ユミナは1歩前進と捉えて凄くポジティブな上に
お嫁さんになるつもりではあるけど独占するつもりはない
という12歳にして大人な考えのユミナに完敗です(๑⃙⃘´꒳`๑⃙⃘)
、、4人ともお嫁さんになるつもりかしら♡w

ドラゴンとの戦いを終えたあと、
ドラゴンでさえ琥珀には頭が上がらない様子を見ると
琥珀が本当に凄い立場の神獣だという事がよく分かる。


◆8話【 日々の暮らし、そしてイーシェンへ。】

冬夜、少女を拾って帰る。の巻www
ここでレネちゃんが謎に仲間入りするのは
何か今後に関係してくる意味があるのかな??


◆7話【 獣人の国、そして監視者。】

「可愛い、可愛い、可愛い、筋肉〜、、」
スマホの写真をドローイングってw
上手いこと魔法と掛け合わせて使いこなしてるな。

プログラムで作られてる動くクマさん可愛い♡
このプログラム魔法めちゃくちゃ便利じゃない!?


◆9話【 オエド、そして不死の宝玉。】

八重のお兄ちゃんイケメンだったーっ!!!

宝玉のせいで戦が起きてたけど
冬夜の一斉攻撃であっという間に不死者達をノックアウト。

宝玉を目にはめてた自信たっぷりな持ち主からも
小物移動の魔法を使って一瞬で奪えた、、呆気ないw
チートに磨きがかかってきた(*•̀ㅂ•́)و


◆10話【 海、そしてバカンス。】

水着回ですねぇ〜〜〜(°﹃° *)
お胸のサイズに個性が出てるアニメは良いね!

召喚で呼び出した蛇の珊瑚と亀の黒曜と契約成功。
にしても蛇がオカマちゃんだと
必然的にNARUTOの大蛇丸を思い出してしまうw


◆11話【 ぱんつ、そして空中庭園。】

移籍を探していたら空中庭園を発見し、
そこでパンツ丸出しのフランシェスカと出会う。
またもやいいキャラ出てきちゃった〜w
フランシェスカから勝手に認められて
冬夜は空中庭園のマスターに。
マスター登録で遺伝子を取り込むために
突然フランシェスカが冬夜にしたキスが全然
フランクなものじゃなくて驚いた(°﹃° *)

2人のキスを目の当たりにして気持ちが爆発したのか
好きという気持ちを打ち上け張り合うように
リンゼが冬夜にキスしちゃったよ〜
1番勇気ある子なんじゃないか??
張り合った相手のフランシェスカは人間じゃなくて
何千年も前に人の手で作られた子だしw


◆12話【 決断、そしてスマートフォンとともに。】

ライムさんに対する
フランシェスカの棒読み「キュンキューン」がツボすぎる。

おいおいおい、
ただのハーレム求婚フィーバーやないかいwww

恋愛における「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」
って言う人が結婚できないお約束が存在するのは
なんと恋愛神のせいだったのか!!

8話で起こった冬夜がお風呂に入ろうとしたら
着替えてる最中で下着姿の4人と遭遇したトラブルも
恋愛神のせいだったのねw

そんな恋愛神だけど、
「片方だけの幸せなんて恋愛じゃないのよ」って
しっかり良いことも言ってる(*´`)

フランシェスカは、未来が見えてた博士から
冬夜は最終的に9人と結婚するって聞かされてるらしい。
最後に9人の女の子たちが並ぶ映像が流れるから
その子たちが結婚相手になるんだろうけど、
その中にスゥちゃんも入ってたーっ(๑⃙⃘´꒳`๑⃙⃘)
612歳の妖精族のリーンさんも入ってたんだけど、
まさに異世界ならではのメンツですねw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

68.5 17 2017年度のファンタジーアニメランキング17位
GRANBLUE FANTASY The Animation(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (370)
1478人が棚に入れました
父親の手紙に記された星の島・イスタルシアを目指すため、故郷の島ザンクティンゼルを発つ決心をした主人公は、エルステ帝国から脱走してきた少女・ルリアと出会う。ルリアを帝国から庇い重傷を負った主人公だったが、ルリアが自らの命を主人公の命とリンクさせ、一命を取り留める。主人公はイスタルシアを目指すため、ルリアは帝国の追手から逃れるため、ザンクティンゼルを飛び立った。

声優・キャラクター
小野友樹、東山奈央、釘宮理恵、沢城みゆき、平田広明、田村ゆかり、山路和弘、田中理恵、加藤英美里、杉田智和、伊藤かな恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

良い意味で、ソシャゲRPG原作らしからぬ、真っ直ぐで爽やかなアニメ

【文量→中盛り 内容→感想系】

【総括】
2期、視聴開始っす♪

ソシャゲRPG原作らしい作画の良さとキャラデザの格好良さ、音楽の素晴らしさ(特にOP)がまず際立つ。その上、ソシャゲRPG原作らしからぬ、しっかりとした王道のボーイミーツガールのストーリー展開が好印象。キャラも増やしすぎず、きちんと感情移入できるものになっていました。

素晴らしく面白い! とまでは言えませんが、観ても損しない、なかなかに面白い作品でした。

《以下ネタバレ》


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
※個人的経験と感情により皮肉っぽくなっていますが、基本は、誉めてますよw

私は基本的にソシャゲ嫌い、ソシャゲRPGはアニメに向かない、という考え方です(詳細はチェインクロニクルのレビューに)。

でも、本品は良かったですね。ストーリーこそ目新しさはないものの安定していたし、それ以外はいずれも高いクオリティだったかと(音楽とかすげぇ良かった。OPは今期(2017春)1位かも)。

個人的に一番の高評価は、カタリナのポンコツっぷりでした。3話とか、かなり萌えましたw ラカムもFFにそのまんま出てきそうwで、格好良かったですね。

あと、8話目のダンジョン回好きでした。1話完結でも魅せ所をちゃんと作り(バトル)、普段と雰囲気を変えたラブコメの要素(ルリアのアホ毛レーダーとか笑えたし、砂山を滑ってきてグランに抱きつくかたちになり、照れてるところとか萌えた)。その中で新たな仲間に出会い、新たな武器を手にするという、正道のファンタジー要素も忘れない。かなり優秀な回で、これは脚本が良かったのかな?

私は原作未プレイなので自信はないけど、課金によって得られるのは主に「武器」と「召喚獣」なんですね。だとすれば、アニメにするには都合良いのでしょう(キャラを増やさずにいけるから)。

と、思ったら12話は怒濤の登場人物連続出場でしたねw まあ、ここまでご新規さん向けに作ってきたから、最後に原作ファンへのサービスがあっても良いのかもしれませんね。

そして、ある意味超展開の13話(笑) まさか、ここまであんなに丁寧に作ってきたのに、根底から覆すとわ(笑) まあ、明らかに賛否あるでしょうが、個人的には好きですよ。13話ですし、円盤特典のOVAをタダで観られたと思えばお得です。てか、あにこれならこっちの方が評価上がりそうだと思うのは、私だけでしょうか(笑)

こういうソシャゲ原作なら、今後も観たいですね♪
{/netabare}


【余談1 ~グラブルへの一方的な逆恨み(笑)~】
{netabare}
自分が唯一ハマったソシャゲの運営がグラブルと同じなのですが、グラブルが売れるのと反比例するように、ウチのイベが雑になり、ガチャやゲームシステムも「重課金者から搾れるだけ搾り取ろう」という方向性に。そして、サービス終了。だから、グラブルには恨みしかないんだよな~w そして、それがソシャゲの本質。愛がないっすよ(涙)

ただ、グラブルへの個人的な逆恨みは、本作への評価には関係しておりませんし、グラブル自体が嫌いなわけではないので、悪しからず(むしろ、好きな世界観で興味あるんだけど、サービス終了になった「我がゲーム」に義理を通し、喪に服すためにもプレイすることはないでしょうw){/netabare}


【余談2 ~番組間のCMに物申す(笑)~】
{netabare}
ルリア「ねえグラン! 私たちの冒険がゲームでも出来るって知ってた!?」

……いや、アニメを観ている層で、グラブルがソシャゲだと知らない人って、どのくらいいるのかな?(笑)
{/netabare}

【先行放送 ザンクティンゼル編(自分用メモ)】
{netabare}
王道のボーイミーツガール。

初対面の少女を助けるために、帝国の正規兵と躊躇なく戦うとかw なんかこう、展開が早いというか、キャラに感情移入できないまま、ストーリーが進んでいく。グランはなぜ、ルシアを正しい者だと断言できるのだろうか? 美少女だからか?(笑)

後編、少年時代のグラン……まんまラピュタですやん(笑)

美少女と離れられないだって……!? 御褒美ですやん(笑)

てか、今期(2016冬)、釘宮さんのマスコット役多すぎないかいw
{/netabare}


【本編 各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ん? 先行放送の「ザンクティンゼル編」のまんまかな?

2話目
同上。

3話目
カタリナ、ダメ可愛いw 渋いオッサンキャラは鉄板の格好良さですな。

4話目
なんか、普通のRPGのようにストーリーが流れていて、ここまでは好印象です。

5話目
艦隊戦っぽさもあり、面白かったです。なるほど、これで次のエリアにいけるわけですね(ソシャゲっぽい)w

6話目
シェロの動きは、清々しい程の力業で解決。まあ、開き直られると何も言えないw

7話目
なんか、ドラマをやってたな。悪くはないけど、普通に主人公パーティの話の方が好きだな。

8話目
なんか、ギャグ&日常回? ルリアさんのアホ毛、そんなことできるの(笑) あの剣は、ミッションクリア報酬かな(笑)

9話目
シリアス? ここからストーリーをまとめにいくのかな? オッサン同士の会話は、良いね~。

10話目
カタリナは、ルリアの親代わりなんですね。

11話目
安定してるな~♪

12話目
なんか、いっぱい出てきたぞ~。オッサンがパーティーに二人って、良いね!

13話目
まさかの女性主人公編(笑) まあ、良いんじゃないでしょうか。ファンサービスとして。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

キャッチフレーズは「君と紡ぐ、空の物語」。

この作品の原作は未プレイですが、春アニメでの放送に先駆けて1月に「ザンクティンゼル編」が先行放送されたのを視聴していたので、続きを楽しみにしていた作品です。

それに、メインヒロインのルリア役に東山さん、ずっとルリアと共に歩んできたカタリナ役に沢城さん、そして…この作品もピィというチビキャラが登場するのですが、そのピィ役が釘宮さん…
それにゆかりんや伊藤かな恵さんも登場されるというのですから、実力派の声優陣で構成されています。

特にチビキャラであるピィ役は、「FAIRY TAIL」のハッピーと立ち位置が似ているキャラなのですが、どちらも声優は釘宮さんなんですよね。
これに限らず、最近放送されている作品でもチビキャラの配役が多いと思います。
ツインエンジェルBREAKのみるくちゃん、エルドライブのドルーなど…それだけ需要があるのも理解できます。
釘宮さんの演じるチビキャラって全般的に愛らしいですから…

この物語の主人公は、ザンクティンゼルという小さな島で暮らすグラン…
彼はいつか父の様に大空を飛び回る騎空師を夢見ながら、パートナーであるピィと日々鍛錬を積み重ねながら暮らしていました。
一方、ちょうど同じ頃、ルリアとカタリナは空を飛ぶ軍艦の中からの脱出に成功したのがザンクティンゼルの上空…
でも地上からは光が落ちる様にしか見えなかった事から、グランとピィは光の落ちた場所に行ってみたところ、蒼い髪の少女が倒れていたんです。
彼女の名前はルリア…こうしてグランとルリアが運命的な出会いを果たし、壮大な冒険物語が動き出すのです。

原作のゲームが超が付くほどファンタジーの王道的作品なので、本作もその影響を色濃く受け継いでいます。
そのため決して奇をてらった展開はありませんが、雄大な世界観を背景に細部まで丁寧に作りこまれた作品…という印象が強く、作品から受ける雰囲気が堪らなく心地よいのです。

作り手の丁寧さを我々一般視聴者が感じるくらいですから、声優さんも私以上に感じるモノがあったのではないでしょうか。
声優さんの演技…台詞の間や息継ぎなど声優さんにとってはごく普通の事なのかもしれませんが、私はそういう細部にも丁寧さを感じた気がします。
個人的な感覚なので気のせいかもしれませんが、その気付きは私にとって嬉しい感覚でした。
それは早く次を視聴したいと思える大きな原動力になってくれましたから…

グランとルリアの選択した道は決して易しい旅路ではありません。
様々な困難・苦難が彼らを待ち受けていることでしょう…
今回の作品ではきっと壮大な冒険のほんの一端だったんだと思いますが、それでも決して楽な旅なんかじゃありませんでした。

でもグランやルリアを始めとするパーティメンバーに脈々と流れる「大きく優しい気持ち」が人と人を結びそれが突破口になっていく…
そしてその気持ちに呼応するのは人だけじゃありません…
ルリアが背負った重い十字架の先で、待っていてくれる存在がちゃんといるんです。

歩くのが辛くなったら手を差し伸ばして…
そしたら必ずその手を掴むから…
荷物が重く感じるならちゃんと教えて…
重い荷物はみんなで分け合うから…

終始一貫して助け合いの精神溢れる作品は見ていてとても気持ちが良いモノです。
だからこそ…なのかな、最終話のエクストラストーリーには心底ビックリしてしまいました。
立ち位置は本編から外れているので、ある程度は何でもアリだと思います。
でもこの作品の改変には正直度肝を抜かれました。
ずっと真面目一辺倒で進んできた作品だけに一瞬何が起きたか全く分からなくなりましたから…
でも最後のボーナストラックと捉えれば、逆にこの方がむしろ嬉しい感じもしますけれどね…
丁寧さの際立つこの作品…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、BUMP OF CHICKENさんの「GO」
エンディングテーマは、HARUHIさんの「ソラのパレード」

1クール13話の物語でしたが、12+1話と捉えた方が分かりやすいと思います。
原作がゲームだと、内容的に続編をアニメ化するのは難しいのかもしれません。
願わくばグランとルリアの本懐が果たせますように…
もし続編があるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

見終えてから時間を置いて、改めて評価

3話まで視聴
ヒロインの服をね…こう、ね、胸元をキュっと握りたくなるのは男なら当然だと思う。
作中それをやったら神アニメ(やらんだろーなぁ)。
マジメな見解としては…様子見。

全話見ての感想
{netabare}うわぁやられたー(棒読み)。
12話ラスト、なんかスゲー人達が突然生えてきて解決。
原作知らない人はポカーンなデウスエクスマキマですありがとうございました。
ってかこういう展開にするんだったら最初から示して欲しかった、境界線上のホライゾンみたいに。
そうすりゃ見なくて済んだのに…。

とはいえ本編が終わってオマケと思われる13話、これは見る価値アリ。
もう自分が年寄りなのか、どうしても舞台裏を勘ぐってしまう。
ひょとして…アニメスタッフは本当はこんな作品を作りたかったんじゃなかろうか?と。
本編12話ラストまでを「草野球チームが主人公の努力で段々チームを強くしてく」って話で例えるなら、13話はプロ野球のオールスター戦、正直1話のみなのに面白かった。
廃課金モードってことらしいけど、スポンサーだか上の連中に指図されて12話までの話を作って、13話はまぁ自由にしていいよと許可を取り付けて、それを形にした、みたいな。
なんかタイヤのブランコの画像を思い出す。
まぁ深読みしなければ、プレイスタイル(課金具合)によってはこんな進行も可能ですよ、ってのを示したんだろうけどね。
同時に、同時期に放送されてる某アニメのダメなところも浮き彫りになりました、これは制作も意図しようのない偶然の産物。

とりあえず、ストーリーは置いておいて絵を見るだけでも楽しめると思います。
なんだったら13話だけ見るのもオススメ。{/netabare}

見終えてから時間を置いて、改めて評価
{netabare}時間を置いて冷静に考えた結果、評価をプラスに修正。
やっぱり12話後半の唐突な全員集合っぷりが当時ガッカリで、↑の頃はまだそれを引きずってたみたい。

なんだかんだ言って自分は「最後の最後にそれまで積み上げてきたものをブチ壊す」系が好きみたい。
かといって夢オチやこの作品で言えば12話で終了ってのではダメで…ここら辺の違いは上手く言葉にできない。
そしてそういう系の何が魅力かといえば、1クール作品なんだし最初の段階からオチは決まってたであろうという点。
1話から12話前半までを作ってる最中、13話でブチ壊すことは知ってたハズ。
派手にぶっ壊す目的で積み木の城を丁寧に積み上げるというか、砂の城の細工を細部まで作り込むというか。
特に予算が潤沢なのか作画は物凄い凝っていて、だけどこれをブチ壊す目的で頑張っていた──と考えると、自分はなんかウキウキしてしまいます。
もうね、我ながら何なんだろうこの感覚は?…と思わないでもないけど「ウルトラマンでもゴジラでも、ぶっ壊すミニチュアは精巧に作ってある方が面白い」と言えば伝わってくれるだろうか。
ぶっちゃけ12話までの話は丁寧なだけで面白くないです。
派手さが無いというか、主人公たちが地味で…けどこれも13話を引き立てるための前フリと考えれば見方も違ってくる。
どこかで「グランブルーファンタジーってタイトルは、グラン(12話までの主人公)がブルーになる話だったんだよ」と冗談めかした言葉を目にしたことがありますが、結構本気でそれを目指したのかもしれない。
そりゃあグランパートはただの引き立て回だとしたらブルーにもなるわなぁ。
また、これならすぐにタイトルと主人公の名前覚えられるし。
…。
一体誰が思いついたんだ?その説が正しかったとしたら。
また、最後の最後でこういうことがあるから、途中つまらなくて文句垂れなまくりな作品があっても、なかなか視聴切れないんですよねぇ…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

78.8 18 2017年度のファンタジーアニメランキング18位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (750)
3290人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思考実験の国を巡る、ならず者の旅、キノの旅、シズの旅

ライトノベル「キノの旅」のアニメ化作品。原作は時雨沢恵一さん。映像化は2003年のテレビシリーズ、短編映画2作を経て、今回で4作目。

本作「キノの旅 -the Beautiful World-」で主役を務めるのは、前作に引き続き、キノとエルメス、一人と一台のコンビの他に、前シリーズのコロセウム回で登場したシズと陸{netabare}とティーを加えた2人と一匹のトリオ、(通称)師匠と相棒、フォトとソウの4組。{/netabare}

一貫してキノの旅のみを描いていた旧作と比較すると、今回は"キノの旅"が全体の約2/3を占め、そこに別の旅人達のお話が変則的に差し挟まれる構成。そのためロードムービーの色は薄くなり(元々それ程強くは無かったけど)オムニバスないしは短編集といった、原作により近い体裁を取っているという印象を受けます。

全12話中3話が旧作のリメイク、それ以外の9話の内4話+がキノ以外を主人公に据えたお話になっています。以下にサブタイのリストを載せときます。(リメイクはサブタイの頭に"Re:"付記)
{netabare}
第1話 人を殺すことができる国(キノ)
第2話 Re:コロシアム(キノ)
第3話 迷惑な国(キノ)
第4話 船の国(シズ)
第5話 嘘つき達の国(キノ)
第6話 雲の中で(フォト)
第7話 歴史のある国(師匠)
第8話 電波の国(シズ)
第9話 いろいろな国(キノ、シズ)
第10話 Re:優しい国(キノ)
第11話 Re:大人の国(キノ)
第12話 羊たちの草原 (キノ)
{/netabare}
リメイクは「コロシアム」「優しい国」「大人の国」の3本。キノの旅の起点であるエピソードの「大人の国」は、新作から見始めた人たちの為にどうしても除けないとしても、残念ながら他2つについては再構築の意義があまり感じられませんでした。アンケート結果に従って再アニメ化が決定されたそうなので仕方ない気はしますケド…。

各話についてのあれこれ
{netabare}
リメイクに対する不満を挙げればあれこれありますが、取り分け残念だったのが2話「コロシアム」。こちらは元々活劇描写の多いお話なのですが、それだけに作画面の劣化がひどく目立ちました。旧作と比べてキャラが全然動きません。また、前後編の2話に渡って描いたお話を無理矢理1話にまとめているので、これも物語の質を下げる原因になりました。時間的な余裕が無いので、キノ、シズ以外の人物-王、コロシアム参加者、門番(被支配者層)-の心理描写が丸ごと端折られており、台詞に重みが乗らず、結果、淡白かつ殺伐とした印象だけが残る薄味なお話になってしまいました。

6話は狂気に近い利他的精神を持った奴隷フォトが人間性を取り戻していくお話。主人公が特異な風習を持つ国を訪れるという毎度のパターンからは外れるものの、フォトを旅人とし、それ以外の登場人物を訪れた国の住人と見なすと、本質的には似た形式の話と捉える事が出来ます。自由をぎこちなく受け入れていくフォトの姿が、「大人の国」の女の子の姿と重なりました。今回のテレビシリーズでは最も印象に残るお話でした。

劇中に登場した毒草は多分トリカブト。ここで描かれた様に、開花前の状態では(葉の形状が酷似している為)ニリンソウやサンリンソウとの見分けが難しく、その致死性のある神経毒と共に、とても危険な事で有名です。トリカブトの花の特徴は名の由来となったとされる鳥兜に似た形状。山中等でなくとも(わたしは見た事無いけど)公園とか、その辺の道端とかにも群生している事があるそうなので、特に小さなお子様をおもちの方はくれぐれもご注意あれ。野草好きのわたしでも大事を取ってニリンソウにはあまり手を出さない様にしています。

7話は"師匠"とその相棒のお話。人伝に聞いた話という体裁をとっているので、他のお話と比べて明らかに話が出来過ぎていて、より寓話的、もとい精細さに欠ける与太話っぽいテイストではありますが(笑)ならず者ストーリーテラーの語るお話として相応しい雰囲気が出ていたと思います。

昔話というのは大抵そんなものですが、わたしは特にミュンヒハウゼン男爵の「ほら吹き男爵の冒険」をモチーフにして作られた映画、テリー・ギリアム監督の「バロン」を思い出しました。つまり、真実など、どこ吹く風、世の言い伝えは全てまゆつば、それならば、人は真実よりも自分の気に入った嘘を信じるという(笑)なかなか皮肉の効いたお話になっているのでした。

8話「電波の国」も7話と同じく、やはり真実よりも都合の良い嘘を選ぶお話。4話の「船の国」も似たテーマを扱っていますが、ひとたび流布した(ほら)話や長年続いた悪習は、払拭したり撤廃したりする事が非常に困難であるという事を寓話的に描いたお話になっています。~という言い伝え、~は常識、~は安心安全(汗)など、多数派がその様に唱えれば、その情報の内容がいくら不条理なものであっても、人は容易に騙されてしまうという事を示唆しています。

現代においては、マスコミによる情報操作、都市伝説、(インターネット)プロパガンダ等がその類と言う事が出来ますが、ここで描かれるのは"※国"という狭い社会の中でのお話。

家族、学校、職場、サークル、宗教団体等の様に、閉鎖された社会の中では、嘘が是正される機会が少なく、その中での"常識"は偏りの激しいものになりがちです。本作で度々描かれる、内輪の常識が外の世界では(その逆もまた然り)通じない、延いては丸っきりのお笑い種だなんて、悪夢みたいな冗談みたいな光景、皆さんの周りには無いでしょうか? わたしは良く目にします。そう言えば、このあにこれも一種の内輪でしたね(笑)

※:本作では都市国家の様な小国家をただ単に国と呼ぶ。

9話「いろいろな国」は小説で言う所のショートショートを幾つか集めた回。コメディ色の強い小話が殆どですが、その中の一つ「徳を積む国」のみは皮肉の効いたいつものテイスト。かつて殺人を望んだ男が、その願いを叶える為に善行を積み続けた結果、善人そのものの様になってしまったと言うお話。ウソでもホントでも、行動が精神に、精神が行動にと、フィードバックを繰り返す内に、両者の境が曖昧になり、それが本質になってしまうという事はままあるもの。模倣という行為の本質を掠めた、微笑ましくなる様な、怖ろしくなる様な、若干嫌~な後味を残すお話でした。(褒め言葉)

10、11話はリメイク。「コロシアム」程がっかりする事は無かったものの、やはり私的には旧作の描きの方が心動かされるものがありました。「優しい国」ではキノが感情を顕にする貴重なシーンが省かれてしまっていた点がとても、「大人の国」では(一代目)キノのキャラデザが刷新されていた点がちょっとだけ残念でした。別にイケメンにしなくても良かったのに(汗)

最終12話は全話中最悪の印象を残す回となりました。理由は以下に。

一つ目。クルマで撥ねられた羊がゴムまりの様に飛ぶシーン。描写を誤魔化す事で殺戮行為をコメディにしてしまっている点が非常に不快でした。キノの残虐行為にワンクッション置く意図が明白で、却って見苦しい表現になっていたと思います。救うにせよ奪うにせよ、命を軽々しく扱う(作中人物ではなく制作者が)描写はわたしは嫌いです。旧作2話にはキノが狩ったウサギの皮を剥ぐ前に脱帽し、一礼するシーンがありますが、こちらとの演出の違いに大きな差がある様に思いました。

二つ目。設定上では品種改良によって異常なまでに闘争心を高められたという事になっている羊たちが、なぜ内輪もめもせず、群れを作り、十年もの間、平和に暮らしていたのかという点が疑問でした。闘技場の様な狭い場所に押し込められていた時分にはあった、過度なストレスから開放されたからと解釈すれば良い気もしますが、それならば元々同族同士で争う様に改良された羊なのに、人間にのみ襲い掛かるのは何故?という別の疑問が生まれます。

羊たちの行動原理の根底にあるのが"人間への恨み"としてしまえば、ファンタジー的にはそれで結構ですが、そうすると品種改良云々という科学的な話とどこか噛み合いません。両者を都合よく合成した作り話という印象を受けました。

踏まえると作中後半にある「何故闘う?」というキノの問いは、羊たちに向けられた言葉ではなく、争うにたる合理的な理由も無いままに争いを続ける現人類(視聴者)に向けられた、作者の代弁とも取れる問い掛け(第四の壁を越えたメタ的な)だったと解釈出来るのではないでしょうか? この台詞に辻褄合わせする形で物語が組まれたのかと思うとかな~り興醒めしてしまいました(汗)

最後。エピローグのシーンについて、上とはまた別の意味で取って付けた様な印象があり、蛇足に感じました。元々数冊の本からの抜粋で全体が作られているアニメなので、特にエンドマークに相当するエピソードを入れる必要は無かったのではないかと思います。3期への布石とも取れますが、内容は取り留めの無いものだったし…。
{/netabare}
キャラについて、キノのアウトロー的な面、奔放な性格はそのままに、外見的描写はあからさまに女性寄りになり、旧作にはあった中性的な雰囲気が弱くなりました。コートを着用しないシーンが不自然なほど多くなり、体のラインをこれ見よがしに目立たせている風にさえ見えます。作中9話でもちらっと触れられていた様に、性別を隠す事は道中の無用なトラブルを避け、延いては自己防衛の有効な手段ともなり得るので、それを敢えてしないキノが何だか旅人として間抜けに見えてしまいました(汗)物語と演出の間の矛盾を感じます。

また、キャラデザ全般についても大きな変化があり、旧作とは異なり、よりラノベ的な、端正な顔立ちのキャラが多くなり、それぞれの個性が薄くなった印象を受けました。シズ、師匠、相棒あたりなんかは特に顕著で、理想的な顔立ちを追求すると、皆同じ顔立ちになってしまうと言わんばかりにそっくりさんで無個性でした。髪型と服装以外の外見的特徴で個々が区別が出来る様にして欲しかったです。「世界は美しい、ゆえに美しい」ではなく、「世界は美しくない、ゆえに美しい」が本作のキャッチコピーでもありますので(笑)

総評として、旧作と比べて全体的に雰囲気が明るく、キャラデザも今風、アニメが時代を映す鏡として機能している事を如実に表す作風の変化を感じました。命のやり取りなど殺伐としたシーンが度々描かれる作品なので、この変化は手放しでは受け入れ難いものがありました。構成の不備が第2話「コロシアム」と第12話「羊たちの草原」にあった事も残念です。

心待ちにしていた再アニメ化だったので、期待度が大き過ぎてがっかりしてしまう箇所もいくつかありましたが、なんだかんだで前期では取り分け楽しみなアニメの一つになっていました。原作ストックが山の様にあるので、次回のアニメ化に際してはリメイクエピソードを除外して、もう少し雰囲気暗めに作って欲しい(笑)というのが一視聴者としての願いです。

いつかまた始まる旅人の物語に期待を込めて!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 52
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

流れの革命家ごっこ

2話までの感想
{netabare}あっれー?こんな作品だったっけ?
あっれーーー?
ま、まだ2話だしね、今後の挽回に期待。{/netabare}

3話までの感想
{netabare}↑の感想ではあんまりなので2話の感想から。
敵を倒して──イヤな奴をやっつけて気分爽快って内容な場合、相手のやろうとしてたことを挫(くじ)くのが最も爽快であり、じゃあ相手のやろうとしてたこと(=意思)が見えないのであればそれは物足りないこととなる。
将棋…でなくてもでも勝負事でよく言われるのは「相手の最も嫌がる手を打つ」であり、じゃあ何を最も嫌がるのかってのは相手の意思を読まなければ(エンタメだったら見えてこなければ)ならない。
これといった理由を書かずとも納得させることができる「一番嫌がること」は死ぬことで、ぶっ殺せばそれで爽快ってのはある意味正解ではあるけど、それだけではやっぱり手抜き感を覚えてしまう。
そんなんだったら敵はモンスターにでもしとけばよく、人間である必要性が無い。
要は主人公側の意思だけでなく、それぞれの立場のそれぞれの意思(それが正しいかどうかは関係ない)が描かれてなければ面白いとは思えない。

で、2話の王様って、単に気が触れてただけちゃうん?
保身のために国民を蔑(ないがし)ろにしてたなら「保身=死にたくない←嫌がること」としてぶっ殺してザマァとなるが、ただ狂ってた奴を殺したのであれば「楽にしてやった」だけにしか感じない。
別に国のためを思ってああいう制度を入れたワケでもなさそうだし、国が滅んだとしてもやっぱりザマァにはならない。
むしろ国を思ってた者にとってはトンだ迷惑であり、そしてそういう立場のキャラが登場しないことに違和感。
王子がそうなんじゃないのかよと思うのだが、王子も王子で国はもう諦めてるみたいだし…。
教条染みた内容であるが「○○党は出来が悪いから××党に“試しに”政権執らせてみよう」ってことをして手痛い目に遭った経験を知る者なら「トップを挿げ替えれば良くなる」という発想には至らないでしょう。
あの事件が起きる前ならまだアリだったのかも知れないが、今となってはどうしても時代遅れのような…。
これはもう作者も「あの頃は若かったな」と苦笑いしてそうな予感…いやどんな人となりか知らんけどさ(※)。

そして3話は…ああ、うん、まぁアレか。
政治的な話はあんましたくないのだけど、領土の概念がハッキリしてないのでテーマとしてイマイチのような。
それこそ移動する国は摩擦を起こしたくないのであれば自分とこの領土を決めてその中でグルグル回ってれば良いだけ。
城壁を築いて通せんぼも、某島の実行支配を揶揄ってるように思えるが、先にも書いた通り領土の概念、領有権が不明なのでナンともかんとも。
こういうのって当事者同士でどうこうだけでなく第三国にどう映るか(バックに何が着いてるか)ってのが問題で…999だったら星系レベルで離れてるから気にならないけど、キノの場合は…ねぇ。


1話から通して謎なのは、国であることの必要条件、城壁外の統治・治安、城壁は無尽蔵に広げていっていいの?等。
恐らくリアルでは海なところを森にして比喩ってるんだと思うけど、それにしたって実際には領海があるし、何処の領海でもないのなら好きにしていい(海洋投棄など)ってことでもなかろう。
「城壁の外はどの国の支配下にもしてはいけない」って取り決めでもあるんかな?その場合も結局は国際合意の元でしか無いワケだが…。
例えば城壁の外で金脈見付かって、その鉱脈の所有権巡っての争いとか…今後そういう話来るのかな?
他の国との経済交流など必要なく自給自足で各国が独立して存在できるとしたら、どれだけ身勝手に振舞えるだろうか?というシミュなんかね?



今の時代に軍のコンピューターが「地球ノ環境ノタメニハ人類ハ不要ダ」とかいって暴走する話なんかやったら「古っ」ってなると思うんだ。
科学万能説も、あるいは科学万能説に警鐘を鳴らす作品も、今となっては古臭いと思うのだが…。
だからといって昔そういう作品が多く作られたのはくだらないってワケではなく、キノについても似たようなもので…別に作者批判ではないのだが、人によってはそう見えちゃう?{/netabare}

4話感想
もうどこから突っ込んでいいやら分からない。
下書き書いたらめっちゃ長文になってしまって誰も読まない予感。
次回以降どうにかうまくまとめて書ければいいのだが…。

8話までの感想
{netabare}真面目に書いたらすごく長くなってしまって誰も読まなさそうだし、簡単に。

5話、ああ、木枯し紋次郎のディスりね。
7話、安田講堂かあさま山荘の映像見て思い付いたのかな、連合赤軍大勝利で機動隊が大惨敗ねぇ…。
8話、ラマルク主義批判か…まぁそれはいい。
ただ、シズは真実をいきなり市民に明かすのではなく、国のトップにだけ明かし、どう報道するかはお任せしますって行動は思いつけないのか。
この「間違ってないから正しい」と、必要な過程を何段も飛ばす行為は船の国でやらかしたのと一緒、まるで成長してない。

作劇に於いて、他の作品や出来事を見て「オレだったらこうする」って書くのはよくあることだと思うが、だからといってテーゼまで描き切れないのであればアンチテーゼじゃなくてアンチでしょ、ってのは何かの感想で書いた気がするが、キノは正にそれを感じる。
「あてつけがましい」って言葉が一番シックリ来るかな。
こうなってくるとマグリットもディスってるんじゃないかとさえ思えてくる。
他にも色々言いたいことはあるけど、それは最後まで見てから(書かないかもしれないし、気が変わるかも知れない){/netabare}

断念{netabare}
8話で断念。
いつか見るだろう見るだろうとずっと「今観てる」状態のままでしたが「途中で断念した」にします。

↑でも書いた通りグチグチと小姑みたいな小言は長々とあるのですが、それは割愛するとして、その一方でゲゲゲの鬼太郎第六期が始まりまして。
それを見て「ああこれだ」と思ったのでこちらの〆の感想を書くに思い至った次第(あんまり他作品と比較するのは良くないんだけどさ)。

鬼太郎の方を先に書くと4話、妖怪の森へ少年が迷い込み、持ち出し禁止の木の実を持ち出して森の主が激怒するって話でして。
オチは木の実を返して謝罪して「どの世界にも侵してはならぬ掟がある」と説教されてエンドですが、自分の価値観的にはこっちでして。
これがキノだと山の主をスタイリッシュに銃殺して、エルメスが「木の実は本来タネを遠くに運ばせるもので、森の外へ持ち出したっていいのにね」と知ったような口聞くんかなぁ、と思ったり。
つまりはその世界の歴史文化風習を踏みにじるのがカッコイイと思ってるみたいで、自分にはどうにもダメでした。
「それぞれの国はバカにしやすいようにバカな風習しか書けない」ってのが透けて見えるけど、例えそうだったとしてもそれが歴史としてそうなってるのならそうならざるを得ない沿革があったんでしょう、と自分は思ってしまうので。
女人禁制の土俵に女性議員登らせてニヤニヤしてた政党もあるくらいなので、そういうのを支持する人も居るってのは分かるけど、ちょっとねぇ。

まぁなにより何話だったか町の英雄の遺品をディスったこと、元々“誰かが整備した道路”が無ければ役立たず、その程度でしかないバイク如きがその“誰か”に感謝することなく常に上から目線なこと。
住所不定無職が地に足ついて生活してるカタギに知った口聞くのがどうにも耐えられませんでした。
(木枯し紋次郎はカタギの人が道を歩いてたら自分は端っこを歩くと仰ってますぜよ)
よく銀河鉄道999に例えられるけど、あれは「あんなトンでもない路線を敷ける鉄道会社が発行した切符を持ってる」ってのが身分保障になってるワケで、それすらないキノは賊と同じなワケで…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界の静けさ。人の、醜さと脆さと強さ。第1級のファンタジーとしての雰囲気、名作に成りそうな風格が漂う、制作陣の本気がそのまま直球で伝わってくる作品で、

世界は美しくなんかない。
そしてそれ故に、美しい。
というキャッチコピーそのままの物語が展開して行きそうで、
一話にしてすでに、名作の予感さえただよっています!

前作未視聴、原作未読、前知識なし、で視聴に及んで、
これは素晴らしいファンタジーだ。と、視聴後はしばし、
その空気感にたゆたってしまいました。

もちろん、ファンタジーといっても、
ドラゴンが空を舞っている訳でもなく、
エルフやドワーフが出て来る訳でも、
魔法が飛び交う訳でもないけど、
まさに寓意に満ちた、ホントの意味での優れた「ファンタジー」で、
一発でその秀逸な世界観に心をもっていかれたのです。


鑑賞しながら思い起こしていたのは、「星の王子さま」のことでした。

ご存知の通り、王子さまは、作中で寓意に満ちた話を、
遭難した飛行士である「私」に話してくれますが、
星から落ちてきたって話も、さまざまな寓話も、
すべて王子さまが話して聞かせたことだけで、
ただの「脳内ファンタジー」なのかも知れません。
そして、砂漠で二人きりの時間を過ごす間、
なんのファンタジックな出来事も起きません。

でも「星の王子さま」は、まごうことなき最上質のファンタジーで。

キノの旅は、凄く、それに似た匂いがしたのです。



相棒のオートバイがしゃべるってことを除けば、
アニメとしての、いわゆるファンタジー要素は何もない。
機械がしゃべるってことだって、
それで自律起動したり勝手に走りまわったりすることもなく、
ただキノとお話しできるだけ。
これだって一人旅の寂しさ故の脳内会話だったってことにしてしまえば、
全ては現実世界と何も変わらない。



でも実際に、この一話だけで、一級のファンタジーとして成立している。

それは、おそらくは、物語の世界のあり方が、
そこだけが私たちのいびつな現実世界と違って
少しだけ違う方向に歪んでいること。
そしておそらくは、それぞれの都市国家が、
独自の文化をもち、独特の風習に倣って存立していること。

キノ自身は定住する場所をもたない旅人であること。

その前提条件があって、その上で、人と人が係わりあうことが、
凄くデリケートな出来事として存在すること。
そういった、人の在り方と、人に対する視線が、
ファンタジーとして見事に結晶していることが、この物語の魅力な訳です。
生き残る術として、夜ごと銃の訓練を怠らず、
寝るときには銃を握って胸に抱いて眠る。
そういう世界に生きていて、なお、都市から都市へ、
流れ続けて生きていく。
この少年の生き様は、それだけで寓意に充ち満ちた、
美しくなんかないからこそ、美しい。
そんな魅力的な話として心に刺さったのです。


第2話視聴。
第1話に比べると、先が読めてしまう展開ではあったんだが、
驚いたのが{netabare}キノが女の子だったってこと。これ、前知識ゼロの私だけで、どうやら周知のことではあるみたいなんですけど。でもこの、明かし方も、犬のリク君にエルメスが「スケベ犬!」と怒鳴って、そのあとリク君がシズに耳もとで囁いて、シズの呼びかけ方が、「キノ君」から「キノさん」に変わってってところまで気づけませんでした。その前に、キノがシズの、同行しようという提案に対して「知らない男に付いていっちゃいけないって言われてるんで」って発言で気づかなきゃいけないところなんですけどね。{/netabare}
そして、世界は美しくなんかない、と、キノが珍しく抑えられない程に怒っていたのが、{netabare}本来なら自暴自棄になっていてもおかしくない状況で、夫を喪ったばかりの、美人で、うら若き未亡人に、にこやかな笑顔で騙されて「コロシアムの国」を訪れていたこと。そういう目に会っていたからこそ、コロシアムの国を目指すときのキノが妙に弾けて道を急ぎ過ぎていて、その反動で、未亡人の所業にやり切れない憤懣を抑えられず、怒りを国王に、ひいては国王とともに堕落していった国民皆に向けていたことに、納得がいきます。{/netabare}


第11話視聴。
{netabare}これまでは、淡々と、様々な国が描かれ、その国と係るキノ、ときにはシズのエピソードが綴られてきて、
悪くはないんだけど、なんか作品世界としては広がりがなくて物足りないかな、なんて思い始めてきたところで、
この11話。

キノの誕生秘話が明かされました。
「滑稽な悲劇」とでもいうべき様々な国の成り立ち方を傍観して、ときに加担してきたキノたちにとって、
自分の出自に関する、悲劇的な現実が提示され、
世界の醜さ、残酷さが、冷厳に提示されます。
世界と係る当事者である以上、滑稽に映る国についても、
キノには悲劇なのだと、思い知らされます。
タメが長かったけど、やはり凄味がひと味違う作品だと痛感しました。{/netabare}

最終話視聴。
{netabare}ラストを締めくくるにふさわしい、素晴らしいエピソードだった。
世界の残酷さとともに、
自然や生物の残酷さも、無辜の人々の善意の残酷さも、
主人公キノの残酷さも、すべてを余すことなく描き切ってくれた、
という満足感とともに、
あらためて、世界が、美しくないからこそ愛おしいのだと、
そう感じられる話だった。
途中中だるみかとも思えるエピソードもあったが、
ローファンタジーなりのリアリティを追求したからこそ、
こういうはなしになったのだ、と、
十分に満足のいく仕上がりだった。{/netabare}
「10月クールTVアニメ 早めの折り返しBEST10」1位→https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46297/

↓「最速!2017秋アニメBEST10」にランクイン↓
https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46224/

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48

71.4 19 2017年度のファンタジーアニメランキング19位
神撃のバハムート VIRGIN SOUL(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (260)
1147人が棚に入れました
ここは、《人》《神》《魔》あらゆる種族が入り混じる神秘の世界ミスタルシア バハムート復活による世界崩壊を免れてから10年─── 新たな《人》の王は《神》の神殿を襲い《魔》の国を攻め落とした 壊滅寸前だった状況からの復興と更なる発展 王都は《人》に富をもたらす 王都復興の糧として奴隷となる《魔》 消えゆく信仰心により力を失った《神》 均衡を失っていく世界で《人》《神》《魔》それぞれの正義が交錯する―――

声優・キャラクター
諸星すみれ、梅原裕一郎、吉野裕行、井上剛、森田成一、沢城みゆき、岩崎ひろし、森久保祥太郎、潘めぐみ、坂本真綾、間宮康弘、小野賢章
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これを力作と言わず、何を力作と言うのだろうか?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
ここまで壮大な王道ファンタジーはなかなかお目にかかれません。前作を含め、ソシャゲRPG原作の中では最高傑作ではないだろうか?(2017夏現在)

絵もキャラもシナリオも音楽も良い。ほどよい笑いに恋愛要素もある。

一応2期にあたるが、前作から引き継いでいるのは設定とキャラがメインで、ストーリーは2期から観ても問題ないので、「2期から観ても面白い」「1期から観るとさらに面白い」という理想的な2期だと思う。

バトル、ファンタジーが好きなら間違いない力作です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の主人公のニーナ(序盤)は、「イケメンを見ると見境なくデレてしまう」という、アニメの女主人公としては珍しい設定だった思います。普通なら、こんな男好きキャラはアニメ視聴者層からはそっぽを向かれるかと思います。

つか、(性的興奮で強くなる女子という)設定だけなら、「魔装学園H×H」と変わらないのに、なんだろうね、この差は(笑)

ニーナは、確実に可愛らしい。

それは多分、ニーナの男好きが、「性格」ではなく、「性質」(竜人としての体質)だからだと思います。基本的には純情だしね。だから、しょうがないと許されるんですね。

あと、作画の力も大きいと思います。近年、ソシャゲ原作アニメは、神作画の代名詞のようになっていました。例えば、前期(2017春)の「GRANBLUE FANTASY」の美しい背景や、今期(2017夏)の「活撃 刀剣乱舞」の圧倒的なバトル作画などは記憶に新しいです。本作の1期目も、やはりヌルヌル動く戦闘シーンは圧巻でした。もちろん、本作も背景、バトルと素晴らしいのですが、それ以上に、人物の表情に力が入っていたと思います。コロコロと目まぐるしく変わるニーナの表情は魅力的で、活発なニーナらしさが際立っていました。こういう、「地味だけど大切な神作画」は非常に好感がもてました。

ストーリー的には、神と人間と悪魔という三種族の争いという壮大な物語。その中で縦糸となる、人間の王とドラゴン娘との恋愛ストーリー。

なんて真っ直ぐなファンタジーなんだろう。ここまで王道な作品は安っぽくなると台無しなんだけど、そんな不安は一度もなく、シリアスもニヤニヤも笑いもバランス良くある作品です。

また、1期のキャラと2期のキャラの住み分けも抜群です。基本的に、「1期が人気あったから、2期が生まれる」わけで、2期を観ている中には1期のファンが多くいますよね。しかし、1期のキャラをそのままメインに使うと、(1期が綺麗にまとまっていればまとまっているほど)蛇足感やマンネリに陥りやすい。そこで、新キャラをメインに据えて2期をやるというのは良くある手法だけど、これ、かなり難しいバランス感覚が求められると思います。1期のキャラが強すぎると2期のキャラが空気になります。2期のキャラが強すぎると1期のファンから叩かれます。1期のキャラを全く出さない(もしくはカメオ出演程度だ)と期待はずれと言われます。(余談ですが、アークザラット2(ゲーム)をプレイした時、ほぼ前作のキャラしか使わなかったことを思い出しましたw)

その点、この作品では、「ニーナ」「シャリオス17世」「ムガロ(エル)」といった2期の新キャラをメインにストーリー展開させつつ、要所要所では「ファバロ」「カイザル」「アザゼル」「リタ」「バッカス」「ジャンヌ」といった1期の人気キャラクターが活躍する(いわゆる、オイシイ役)展開が良い感じです。また、「ケルベロス」などがちょい役で出てくるファンサービスも嬉しいですし。やっぱり、ニーナが魅力的なことがデカいけれど、理想的な2期の作り方だと思います。ここまでバランス良くやった2期というのはあまり記憶になく、制作の手腕は称賛されて然るべきでしょう。

テーマ性に関しては、やはり種族間差別、そこから透けて見える人種差別問題でしょうか。差別主義的なアザゼルやガブリエルやシャリオスと、博愛主義的なニーナやカイザルやムガロ。双方に言い分があって、しかもある程度の正当性がある。ただ、差別主義的なアザゼル(悪魔)にはカイザル(人間)やムガロ(天使)の存在が、シャリオス(人間)にはニーナ(竜族)の(他種族の)存在が大きく、自らの主張の絶対性を失っているのが人間味があって良かったです。とりあえず、全編英語にして、ホワイトハウス(トランプ大頭領)に送り付けてやろうw

心理描写も巧み。例えば18話で、ニーナが自由に竜化できるようになったことに対して、「なぜ、今更……」と涙を堪えるアザゼル。そこには、「あの時(7話で)、竜化していれば同族が死なずに済んだ」というニーナに対する怒りと、「そもそもニーナに頼るしか無かった」という己の無力さに対する悔しさ、「愛されることを知ったから」というニーナの言葉で、「自分はニーナを利用しようとしていただけだった」という後悔の入り交じる、複雑な感情が表現出来ていました。圧し殺したような声(声優さんの名演)と、(泣きそうで)細かく揺れ動く表情(神作画)もあいまって、印象的なシーンになりました。

ラストも、なんというか、感動しました。「世界と愛する人のどちらを選ぶか」という選択で、「世界を選んだファバロ(1期)」。「愛する人を選んだニーナ(2期)」。多分、どちらも正解で、どちらも不正解なのでしょう。それは、「世界を一時守れたが愛する人を失った(1期)」と、「世界を一時守れたが、愛する人の目と声を失った(2期)」の結末が示しています。まさに、ビターエンド。ムガロやカイザルの死亡(カイザルはゾンビ復活)と併せても、後味は決して良くはない。が、最後の「視力を失った英雄王と、声を失ったドラゴン娘が月明かりの中で踊る」なんて、あまりにも「物語りすぎる」ものを見せられては、なんか無理矢理感動するしかないです。ニーナの満足そうな笑顔を観ていると、まあこれで良かったのかもなとも思いますね(笑)

一応、3期への含みは持たせましたが、正直かなり満腹だし、満足しています。3期は、あったら(いよいよ完結編だろうから)凄く楽しみたいですが、ここで終わりでも充分満足ですよ♪

制作の皆さん、お疲れ様でした♪
{/netabare}

【余談~ 神界が、あのアニメのあの場面に似てません?(笑) ~】
{netabare}
ムガロやバッカスが捕らえられて(軟禁されて)いた空間って、「WWW.WORKING!!」の「バレンチヌス様」の空間に似てませんでしたか(笑)? なんか、不思議な図形とか浮いてましたし。まあ、同じっ神様だから別に良いんですけどねw
{/netabare}



【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
神撃のバハムートって確か、神・悪魔・人間 の三つ巴の争いが世界観だったっけ? 主人公の少女は竜族なのか。

2話目
ロケットパンチw 悪魔が奴隷になっている現状には同情するけど、それって元々、悪魔が「力による支配」を行っていたからで、その力が及ばなくなったら、立場が逆転するのは自業自得では?

3話目
それ、HUNTER×HUNTERでゴンがやってたよねw ファバロ、どっかで出てくるとは思っていたけど、ニーナの師匠だったか。

4話目
嘘が下手な男は信用できるという風潮。純情色ボケ女主人公が成り立つのは、それが性格だからではなく、性質だからですね。

5話目
ラブコメの波動w しっかし、ニーナの表情豊かだな~。

6話目
ニーナの表情、本当に豊かだね♪ 地味だけど良い作画の力の入れ方だ! アザゼル、交通事故やんw アザゼルに見つめられても赤くならないニーナ。これ、本当の恋を知ったから、アザゼルにデレなくなって、奇襲失敗するノリだな!

7話目
アザゼル、良いヤラれキャラに(苦笑) ギャグとシリアスのバランスが良いね。

8話目
剣3人による三つ巴って、結構珍しい。アザゼルの男泣き、格好良いな。バッカス達が幽閉されている空間、少しだけ「WORKING!! web」の「聖バレンチヌス様」がいた空間に似ている気がするんだけどw ファバロ、来たね!

9話目
なんか分かんないけど、明日です(笑) しかしこの二人、髪型が普通なら、格好良いなw

10話目
宗教色あふれる回だったね。処女受胎や洗礼などをモデルにしてるんだろうね。

11話目
誰にとっての平穏かをはっきり話さないから、嘘はついてないよね。

12話目
鉄球を使った戦闘。昔、KOFにチャン・コーハンっていたよねw

13話目
荘厳な音楽。戦いというより、戦争だね。

14話目
まさかの野沢さんw ジャンヌの弱さ、素敵なエピソード。

15話目
エル、いい感じで狂っていそうだね。絶対正義と絶対悪は近いものがあるしね。

16話目
ニーナ、あのバカ明るい感じ、良いわ~。壁ドンw 前作オッサン三人衆もいい感じ♪

17話目
ニーナの無駄な変装w なるほど、悪魔だから捕まえなくて良いと、自分に言い訳できる笑顔ね♪ 2度目のデート回。なんか、目的を果たして両目失明して、最後はニーナと竜の里でひっそり暮らすという、08小隊的なラストかな?

18話目
ニーナが自由に竜化できるようになったことに対して、「なぜ、今更」と涙を堪えるアザゼル、良いね。そこには、「あの時、竜化していれば同族が死なずに済んだ」というニーナに対する怒りと、「そもそもニーナに頼るしか無かった」という己の無力さに対する悔しさと、「愛されることを知ったから」というニーナの言葉で、「自分はニーナを利用しようとしていただけだった」という後悔の入り交じる、複雑な感情が表現出来ていました。圧し殺したような声(声優さんの名演)と、(泣きそうで)細かく揺れ動く表情(神作画)もあいまって、印象的なシーンになりました。

19話目
突き放す優しさ? 自らの弱さを切り離したい? 質の良い、ロミオとジュリエット。シンデレラ。ニーナはニーナで、「私ならなんとかできる(シャリオストの心を変えられる)」って思ったのでしょうね。

20話目
ドラゴン対ドラゴンのガチバトルって、結構珍しいよね。アザゼルとソフィエル強え~。つかラスト、衝撃だぁぁ。

21話目
エル、死んだか。ジャンヌの顔が怖い、、、。でも、子供を殺されたらそうなるよな。アレサドロ君、漆黒兵は伊達じゃない。盛り上がってきましたね。種族間の全面戦争、熱い。

22話目
ジャンヌに息子がいることは、オフィシャルにしていいの? 処女受胎だと知らせないと求心力落ちそう。ジャンヌ正論。王がエルを狙わなければ死ななかったわけだし。バハムートさん、堂々たるラスボス感w

23話目
ルシフェルの母艦、オーラシップっぽい(笑) アレンサンドロ、死に様がまた、やるせないな。黒騎士の登場シーン、格好よすぎるだろw ここでネクロマンサーの本領発揮(笑) いや、カイザル死亡は予想外。

24話目
なんかもう、物語りすぎて、感動。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ファンタジーの衣を被ったガチめのラブストーリー

ゲームはしてない


1期に続いて2期を観たという流れです。1期が面白かったので特に抵抗なく。。。

1期全13話(総集編的なの1話込み) 2014年10月~
2期全24話(こっちは総集編無し)  2017年4月~

掘り出し物です。

Cygamesさんの数少ない一社提供のうち一つ。肝いりの2クールの割には話題にならなかったのかな? その頃アニメ観てないのでよう知りません。
レビュー・感想数207件(2019.02.06時点)は同期の作品の中でもTOP20にも入り込まないながらも、得点では地味に8番手くらいにつけてるというあにこれの評価です。同期に『月がきれい』『エロマンガ先生』『進撃の巨人2期』とあるなかで健闘してるように見えます。
観た人はそこそこ満足したと思われる客観評価。私も同様でした。
さて、、、、

・ゲーム原作かよ?
・〈神〉?〈悪魔〉? ファンタジー系はちょっと・・・
・1期逃してるのでスンマセン

安心してください。

“ファンタジーの衣を被ったガチめのラブストーリー”

でした。・・・いや・・・まあファンタジーなんだけどさ。ラブストーリーであり冒険活劇であり成長物語であったりと毎話Bパートの引きの良さもあって、2クール分一気に観せる力のある作品でした。
ソシャゲ原作特有のグダグダなところもなく、主人公が1期と変わるので、2期から参入しても問題は無さそうです。

1期でのファバロ、カイザル、アーミラ、リタを中心とした物語から10年後。ダークな世界観はそのままに2期の主人公をニーナ(CV諸星すみれ)にバトンタッチして、話は進んでいきます。
このニーナ、これあくまで私の思い込みですが、ヲタ受けしないヒロインさんです。少々イケメンならすぐ赤くなる恋愛体質に見えてしまう彼女は早々にビッチ認定されてしまいそうww
それも数話経てば霧散することでしょう。どんな娘かというとあれです。寝ちゃいけないって思うと眠くなっちゃう的なアレ。こちらは本編でお確かめください。彼女については表情が多彩というか喜怒哀楽で何パターンあるんだというくらい作画班が良い仕事してます。

繊細な“心情”を描写してのラブストーリーとは毛色が違う、“感情”を全面に出したり押し殺したりの全力投球ヒロインはとても好印象でした。
ちょっと脱線すると、全力投球ヒロイン設定は意外とリスクって高いです。さじ加減を間違えると

1.躁鬱の“躁”状態に見えてしまう
2.一歩間違えればコミュニケーション障害
3.ドジっ子空回りキャラみたいな型にはめたくなる誘惑に勝てずブヒる層以外が離れてく

この手の女の子でおバカっぽく見えないようにキャラ設定を組んだ製作陣の勝利だと思います。


そんな彼女のラブストーリーの行方と、“成長”物語が、けっして能天気じゃない世界で繰り広げられることになります。

能天気に見える女の子が能天気じゃない世界で能天気のままいられるのか?
能天気でいられないならどんな覚悟を決めたのか?

前半のほっこり回が進んでいる中でも忍び寄る不穏な影が徐々に濃くなっていく中盤あたりからはニーナの笑顔も違った意味をもってきます。このへんは親目線ですが、彼女の成長が頼もしくそして周りの救いとなってくるのです。
そして最終話を観終わると、序盤うっとうしく思った(かもしれない)彼女の能天気さを思いだし、

能天気が能天気でいられる世界がいいよなぁ・・・平和が一番!

ひと回りして“アリ”な娘さんと思える満足の全24話でした。くどい。。。


肯定的に捉えた本作の世界観については1期レビューで触れてますのでよろしければそちらを。


2期からOK!とのたまいつつ、物語を深掘りするならやはり1期からの視聴をお薦めします。1期は1クールと手に取りやすいしこちらも単体で楽しめる仕上がりですよ。
とりわけ重要局面で取った選択。旧主役ファバロと2期主役ニーナとの対比は“なにが正解か誰にも分からない”この世の真理を露わにしてました。やはり主役は主役でした。
ここでは触れてない脇役たちにも主役を食う魅力的なキャラに事欠きませんのでお気に入りをぜひ見つけてみてください。


物語は1期より複雑です。〈神〉〈悪魔〉の二項対立の末、「そうきましたか・・・」の1期だとすると、
2期は〈神〉〈悪魔〉の上に人間が立っちゃったかも、という斬新な種族相関からスタートします。
現実世界でもパワーバランスが崩れた時に戦争は起こるもので、まさに2期の舞台がそれ。極限の状態で人(※本作の場合神も悪魔も)は試されそして輝きを放つのです。


OPは1期から続くラウド系ロック。EDは米津玄師とのコラボで名の売れたDAOKOを配置。前半ED「拝啓グッバイさようなら」は地味ながらクセになる良曲です。

 
ソシャゲ原作の中では群を抜いて完成度の高い本作。言われなければゲームが母体とは気づかないでしょう。あらためて思います。

逆宣伝になるような粗悪品を濫造するくらいなら、しっかりアニメアニメしたものを作ってほしいな。よっぽど宣伝になるはずです。



※オマケ

■ジャンヌダルクは蜘蛛が苦手
ちやほやされた後は落とされる。本邦マスコミの得意技ですが、これをどさらにどでかいスケールでやられちゃったのが歴史上のジャンヌダルクであります。
{netabare}10話の母息子回の余韻が冷めない11話で、{/netabare}蜘蛛が苦手というエピソードを挟んできました。史実ではジャンヌを登用したシャルル7世の跡継ぎルイ11世のあだ名が“蜘蛛”だったとかなんとか。
王室に対しては恨み骨髄でしょうねww


■ジ○リっぽいと言えなくもない
表情筋がよく仕事をする巨匠の作品と似てるな~と思っていたら、{netabare}12話トロッコの脱走劇。{/netabare}どこぞの有名冒険活劇で見たことあるアクションシーンを堪能できます。


■声優“野沢雅子”のお仕事
2クールめ初っ端の14話に登場しました。人間国宝にしてよいと思う。


■サブタイトル“Virgin souls”
本作タイトルを冠した{netabare}第17話の{/netabare}サブタイトルです。
「次会えたら私のなすべきことを伝えよう」この回からクライマックスに向けてエンジンが吹かされる重要回です。
なんですが、ニーナが洞窟池の中に入ってって身を隠してから竜に変身してましたね。みだりに変身すると着ていた物を破壊しちゃうから、律儀に彼女は見えないところで衣服を脱いで変身したんだろうと妄想。
こういった恥じらいは大事です。気にも留めない振りをする男側の度量も試されます。


-----
2019.08.20追記
《配点を修正》 +0.2


視聴時期:2019年2月頭

続編で面白さが継続しているのはたいしたもんだ。それも主人公を変えてたりするのに。
ダンスシーンはこれまで観たものの中でもトップクラスでしたね。



2019.02.07 初稿
2019.08.20 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バハムート復活による世界崩壊かを免れてから10年…均衡を失っていく世界で「人」「神」「魔」それぞれの正義が交錯する…。

この作品は「神撃のバハムート」の続編に位置付けられています。
物語は1期から10年後の世界…そこで、新たな物語が紡がれていくので、この物語から視聴しても話は通ると思います。
ですが、1期から登場するキャラへの懐かしさや言動の理由など、前期から視聴するとより一層深掘りできるので、しっかりこの作品に入り込んで視聴されたい方は前期からの視聴をお勧めします。

1期から10年後の世界…即ちバハムート復活による世界崩壊を免れてから10年の歳月が過ぎた世界…
1期でバハムートに立ち向かった時には「人」「神」「魔」の隔てなく手を取り合って世界の崩壊を防ぎました。
それなのに、この10年で世の中は色々変わってしまっていました。

一番変わってしまっていたのは、均衡が崩壊してしまったこと…
いいえ、正しくは「人」が「神」「魔」との調和を破壊したこと…

その破壊がもたらしたのは、いびつに歪んだ世界…
「神」は信仰心を失い、人の奴隷に墜ちた「魔」が虐げられる世界…
バハムートを阻止した時、一体誰がこんな状況を望んだろうか…
でもこの流れに「神」も「魔」も抗えず時間ばかりが過ぎていました。
この状況にはもどかしさを感じずにはいられませんでした。

もう一つ変わった事といえば、1期の主人公だったファバロが弟子を取った事でしょうか…
この2期はファバロの弟子…ニーナを中心に物語が動いていきます。

1期は1クール12話でしたが、今期はたっぷり2クール全24話の構成…
兎にも角にもどっぷり作品に浸かって視聴する事が出来るだけじゃなく、その視聴スタイルそのものの心地よさが堪らないんです。

最近…自分でも多いと自覚していますが、今回は2曲目のオープニングに色々持っていかれてしまいました。
その格好良さは思わず息を呑んでしまうほど…
曲も格好良いんですが、オープニングアニメーションの構成が鬼懸かっているんです。
特に静と動…静寂と躍動のバランスが曲調と絶妙にマッチングしているのだから堪りません。
ヒッポ君の引く馬車に颯爽と乗りしっかり前を見据えたニーナ…格好良すぎです。

ニーナの日常パートがあまりにも穏やかだっただけに、堰を切ったように動き出す「動」の部分は衝撃の連続だったように思います。
ニーナにとってこの物語の紡ぐ時間は決して優しくなかったと思います。
仄かな灯りが無かった訳ではありません。
でもどんな逆境に立たされてもニーナの顔から笑顔が消える事はありません。
彼女の笑顔と持ち前の明るさが登場人物に…そして視聴者にどれだけ元気を与えたことか…

でもこの物語で苦しみを人一倍味わったのは、きっとムガロちゃんでしょう…
ムガロちゃん…何も悪い事なんてしていません。
でも「生きる」選択を余儀なくされたムガロは流す必要の無い血を沢山流し、失う必要の無いモノを失って…
いくら信仰力が失われたとしても、こんな小さい子供が受ける仕打ちではありません。
でもニーナと出会って変わったのではないでしょうか。
本人を取り巻く状況が変えた一面もあると思いますが、自ら変わった面も絶対にあると思います。

たくさん遠回りをしてきました。
やっと全てが元通りになると思いました。
少なくてもムガロは本来愛されるべき人から寵愛を受けなければいけない、と思っていました。
それなのにムガロを待ち受けていた運命はあまりにも残酷過ぎ…

私の涙腺は壊れているので、状況を推し量るにはあまりにも不適だと自覚しています。
でも、この出来事から受ける辛さはきっと本物…
だって、どんな時も笑顔と明るさを忘れないニーナの感情が爆発したくらいですから…

そうなると次の展開は…予想通り激しい激情の場面です。
でも当然の事で当たり前の発想だと思います。
もし私がその立場だったらきっと同じことをしたから…

でもこの作品のタイトルには「バハムート」が刻まれていて、それは2期になっても健在…
これが何を意味するのか…
少し考えれば分かる事ですが、事の顛末は是非本編でご確認頂ければと思います。
最後の最後で1期から視聴してきた人にとっては最高のプレゼントが受け取れたのではないでしょうか。
ほんの一瞬…不意を突かれましたが、気付けて感じる事が出来て良かったと心底思います。

オープニングテーマは、SiMさんの「LET iT END」と、THE BEAT GARDENさんの「Walk This Way」
エンディングテーマは、DAOKOさんの「拝啓グッバイさようなら」と「Cinderella step」
オープニングの「Walk This Way」とDAOKOさんの2曲がお気に入りでした。

2クール全24話の物語でした。
壮大でファンタジー作品としての出来栄えは最高峰と言っても過言では無いと思います。
原作ゲームの作品はこれまで数多く輩出されてきましたが、ここまでの完成度の高い作品はそうお目にかかれないと思います。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

86.5 20 2017年度のファンタジーアニメランキング20位
亜人ちゃんは語りたい(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (1114)
5433人が棚に入れました
サキュバス、バンパイア、デュラハン。僕ら人間とちょっとだけ違う、それが「亜人」。
そんな亜人の生態に興味を持つ高校生物教師・高橋鉄男と、生徒である「亜人」ちゃんたちとの少しだけ刺激的な新学期がスタートした!

声優・キャラクター
諏訪部順一、本渡楓、篠田みなみ、夏川椎菜、日笠陽子、Lynn
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

悪意の中で生きるか、善意の中で生きるか。

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
久々に観直してみたのですが、改めて素晴らしい作品だと思いました。

私はストーリー重視でアニメを観るので、実は、2周以上するアニメってかなり少ないんです。ガンダム系を除くと、10作品あるかどうか。

本作は、とても優しくて、とても深い、稀有なアニメです。基本はラブコメや日常系的ですが、その枠に留まらず、人生にとって豊かな指針を与えてくれるようなアニメです。心が疲れた時に観るには、すごくぴったりな癒し系アニメ。

剣道的に、かなりオススメのアニメです。未視聴の方にはぜひ観て欲しいですね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品は、全編を通して徹底されて貫かれる、優しく温かな視点に心が洗われます。

それは、同じく亜人(デュラハン)を愛した、「デュラララ!!」の「新羅」とはまた違う、もっと広義での愛の視点。

亜人という特性を、「そんなの関係なく、君は君じゃないか(数多の亜人系アニメ)」なんて綺麗事で片づけるのではなく、また、「だから良いんだよ~(新羅)」とマニアックに振り切るのでもなく。

短所は短所、長所は長所と認めつつ、基本的に受容するという態度が貫かれていました。

「亜人だから苦労している」「亜人でも関係ない」というのは、どちらも真実なんでしょう。亜人ちゃん達が普通の日常を送るためには、普通じゃない努力をしていて、そのことを真っ直ぐに理解してあげることが大切なんですね。

現代のヴァンパイアが血を吸わないことを、「ベシタリアンみたいなもん」とサラッと言ったり、(あくまで友達のノリの中で)、「デュラハンなんだから、Hで特殊なプレイができそう」といじってみたり、本当にフラットな視点が貫かれていました。あんな風にみんなが思えたら、様々な差別とかも次第に無くなっていくのかな、と思えたり……。

私は、人外萌えしないというか、容姿があまりにも人と離れるのは苦手なのですが、マチは例外! かなり良い娘でした♪

という部分に集約されるように、とにかくキャラが良いアニメでもありました♪

メインの四人は、本当に甲乙つけがたい。

まず、ひかりは、私が好きな「ダメな娘」と見せつつ、意外としっかりしてたり、弱さもあったりで、お調子者でいたずら好きで憎めなくて、ホントに良い子! これまでの視聴アニメの中でもかなりお気に入りのヒロインでした♪

マチは作中最も成長した人物で、容姿は最も「亜人」らしい。けれど、好きです。高橋先生にベタ惚れなところも可愛い。(私は巨乳は苦手ですが)ああいう、控え目な隠れ巨乳には萌えますw ヒロインズの中では、一番高橋先生とくっついて欲しいかな♪

ユキは4人の中では一番キャラが弱かったのですが、ギャグ漫画のクダリでハネましたね♪ 今後、皆に属性がバレた後のユキも観てみたいです(笑)

佐藤先生は、ド下ネタに笑ったw 最近、年のせいか、女子高生キャラより、大人なキャラに萌えるw 一緒にお酒呑みたいですね~♪ サキュバスなのに、ウブなのが良い(耳年増的なw)。

EDは、このアニメの良さを象徴していますね。スケッチブックに手描きしたような柔らかなタッチと、音楽は、このアニメの空気感そのもの。次第についていくカラフルな色は、亜人ちゃんを含め、「十人十色(個性の尊重)」を暗示しているようでもあり、高橋先生と出会ったことで色づいていく、亜人ちゃん達の心情を表しているようでもあり。名EDでした♪
{/netabare}


【余談 ~差別についての私見~】
{netabare}
胴体と首が離れた「デュラハン」の同級生(女子高生)がいて、あなたならどんな声をかけますか?

「大変そうだね?」「何か手伝おうか?」「私達は何も変わらないよ!」

いずれも間違っていないし、優しさ溢れる、素敵な言葉だと思います。

本作の主人公、ひかりは、こう言います。

「特殊なエッチプレイができそうだね」

私はこの言葉に、度肝を抜かれました。一見、危うく差別的に見えるこの言葉には、凄く深い部分での「公平」な視点があることに気づきます、作品を見て、ひかりのキャラクターを掴めば、必ず。彼女が差別的な意図をもった発言をする人じゃないことは分かります。

日本人はよく、「人種差別に対する意識が低い」と言われます。アメリカとかフランスとかみたく、「なぜ、戦わ(デモをし)ないんだ」とか、「配慮が足りない」「相手の文化や背景を知ろうとしない」とか。

いままあ、それは確かにそういう一面もあるでしょう。

でも、それは日本人の「差別意識の少なさ」故だと思うんですよね。「(差別をしないし、されないから)差別に興味がない」と言い換えても良い(まあ、一歩海外に出ると、黄色人種が被差別階級だと感じますが、日本国内で暮らしてるとね)。

だって、アメリカとかフランスとかの方が、絶対に差別も差別意識も凄いでしょ。目に見えやすい部分だけを取り繕っているだけでしょ。と、冷めた目で見てしまっています(苦笑)

若い時ですが、車を修理した時に代車がなくて、しょうがなく実家から親父のBMWを借りて仕事に行ったことがありました。その時の職場には60台くらい車が並んでたんですが、次の日には言われたんですよね。「BMじゃん。買ったの?」みたいなことを何人かに。

正直、「怖っ」って思ったんです。

だってそれ、まず「あ、駐車場に昨日まで無かったBMWがある。誰乗ってるんだ?」「(たくさんの車の中から探して)あ、剣道部の車がない。じゃあ、剣道部がBMW買ったんだ」ってことじゃないですか(気付き+疑問+捜査)。

私、それまでも自分がどんな車乗ってるかなんて特に公表してませんでしたし、職員の誰がどの車に乗ってるかもほぼ知りませんでした。

だって、興味がないから。

まずそもそも車自体に興味が薄いし、誰がどんな車に乗ってるかなんてもっと興味がないし。

でも、世の中には「誰がどの車に乗ってる」かを凄く気にしている人もいるし、その中には、人の価値の一部を乗る車のランクで考える人もいる(実際、前述のBMの件では、ややヒガミを感じることもありました)。若い時、そんなことを感じました。

おそらく、普通に日本で生まれ、日本で暮らしてきた日本人の多くにとって、人種差別はとても縁遠いものでしょう。また、日本人は基本、自己肯定感が低く、海外の文化や人をリスペクトですからね。無条件に「スゲェー」って思っちゃうというか。

昔、外国のある記事で「日本人は黒人を差別している。なぜなら、アニメに出てくる外国人の多くが白人であり、日本人キャラですら、白人のような肌の色をしている」というバカみたいなものを読んだ。

いやいや、そんなに深く考えてないから(苦笑)

多分、作り手には何の差別意識もない。が、普段から差別について敏感な(=差別されたり差別したりしている)人からすれば、そう見えるのだろう。

もし、作り手に恣意的なものがあるとすれば、「黒人キャラを出したら、あえて黒人にした意味を持たせる必要がある(面倒くさい)から」かな。

それを、「ほら、白人中心の社会を受け入れてるじゃん」と言われれば、まあ、確かにそうだが。ただ、多分、「あえて出す方が差別っぽい」というところもあると思う。

例えば、ハリウッドでは出演者の人数比を、肌の色で均等にしていくみたいな方向性にあるが、日本でそういう議論が出ないのは、「そういう風に、配慮して取り上げることが、逆に差別的じゃないか?」と考える人が多いからじゃないかと。

これに関しては、どちらが正しいとか間違ってるって話じゃないだろうけどね。

というか、多分、もっとシンプルな問題で、「単純に白人の女の子の方が可愛く感じてる」からじゃないかなと。

私個人の好みを言えば、白人女性と黒人女性なら、一般的に、白人女性の方が可愛いと感じます。黒人女性の「強い」顔があんまり好みじゃないんです。というか、白人女性の整った顔よりも、日本人女性の「優しい」顔立ちの方が、なお、好みだしね。

これって、、、差別なのかな? 別に、黒人女性のような顔立ちや、東南アジア系が好きな人がいても全然良いと思うし、なんなら黒人男性とか格好良くて、若干憧れるしね。

話はズレましたが、おそらく、悪意の中で生きていた人は、他人の悪意に敏感になるし、自分の中の悪意や、悪意と思われてしまうかもしれない言動に敏感になる。

逆も然り。善意の中で生きてきた人間は、他人にも優しくなれたり、他人からの悪意に気づきにくかったり、自分の発言で相手を傷つけてしまう可能性にも無頓着になってしまう気がします。

ひかりの「特殊なエッチ」発言もそう。(下世話で申し訳ないですが)だって、普通の女子高生同士だって、例えば体操部でめっちゃ身体柔らかい同級生とか、吹奏楽部でオーボエ吹いている同級生に、下ネタトークしてもおかしくないじゃないですか(知らんがw)。

ひかりの両親が、ひかりのヴァンパイアとしての特質を、配慮する部分と配慮し過ぎない部分をちゃんと区別して、「双子の妹」と同じ温度感、愛情をもって育てたことが、ああいう感性をもった子供に育つのでしょう。

本作は、めっちゃ萌え度も高い上に、こうい小難しいことも考えさせてくれる懐の深さもあるから、私は好きなんですよね~。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆
ヴァンパイアが血を吸わないのを「ベジタリアンみたい」。デュラハンに対して、「(首持ってるから)カバンとかもてなくて大変そう」など、なんかスゴくフラットな目線に好印象。小鳥遊ひかりは、どことなく、「ちー様」っぽいかな。

2話目
京子回。デュラハン=寂しがり屋 って、なんて優しくて新しい解釈。「先生も首が飛ぶ」って、デュラハンギャグw エッチで特殊なプレイ(笑) 薄い本が出そうだ(笑)

3話目
佐藤先生回。サキュバスの現代的な悩み。家呑みしてる眼鏡女子に萌えるw サキュバスなのに、いや、サキュバスだから純情なんだね。ひかりも馬鹿可愛いw 図書室のシーン、空いてる本棚の横でずっと映っている本が、森鴎外の「ウィタ・セクリアス」ってのが良いね。(内なる性欲を)暗示してる。

4話目
雪女ちゃん回。とみせかけて、ひかり回。いや~、ひかり妹が、可愛いドラキュラのキャラのキーホルダーをつけてるとか、良いね~。おっ、デュラハンちゃんに巨乳要素を付け加えるわけですな。屁理屈デミ好き教師w しかも否定しないとかw

5話目
雪女回。悲しい涙は凍るけど、嬉し涙は凍らないとか、素敵だな。ひかりのカジカジ、可愛いなw 佐竹君、良い感じのキャラだw

6話目
ひまり回。ひかりとひまりの姉妹喧嘩がウケたw 血の慣用句連弾w アニメでは珍しい、仲良し家族にほっこりする♪ ひかりの通常の髪型も良いね、てかあの髪型、セットしてるんですね。ひまり、良い娘やな~。ラストのマチと先生のクダリも胸キュンですね♪

7話目
佐藤先生、テンパり過ぎw 男と男の会話やな~。良い感じ。

8話目
雪の「ウソです」からの独白、かなり笑ったw 普通に良い娘過ぎて、デミ3人娘でキャラ負けしてたけど、ここにきて挽回だね。テストか。まあ、ひかりの期待を裏切らない馬鹿っぷりがナイス! ひまりはプライスレスとか、いちいち視点が温かい。

9話目
佐藤先生の、冒頭の一人呑み、ウケたw 「三角定規が~三角の部分が、え? 分度器もなんですか? チョークもお願い! 教育されちゃう~」って、ド下ネタですやんw このアニメ、たまにぶちこんでいく下ネタも良いよね♪ 眼鏡をとった佐藤先生、可愛い! 宇垣さん→佐藤先生にも、温かい視点があるね。雪のツッコミ、なんか可愛くて良い感じ。

10話目
デュラハンの便利さw 説教されて泣くマチ、可愛い。ひかり、LINEでドラキュラのスタンプ使うんかいw ん? 大学のつくり(内部)が、ウチの大学にそっくりなんだが。あ~でも校章的には普通に武蔵野大学がモデルか。まあ、ウチの大学、文系だしな。マチに夢が出来た。素晴らしい夢だね♪

11話目
少しだけシリアス回。まあ、亜人というより、障害を持っている方への差別という視点もあるんだろうね。ビデオレター、ひかりだけないのが、また良い。信頼感やな。はい、ひかりさん、正論です。素敵♪ なんだよ、教頭も良い奴かよw

12話目
はしゃいで恥ずかしがるひかり、可愛いw アクティブな佐藤先生、可愛いw ゆきの笑いのツボが浅いw たかだかプールの中も、生まれて初めて見たなら感動するよねw 最後の遅刻のクダリも良いね♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 57

gazabata さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

正座をして懺悔をしながら見ましょう

このレビューはレビューというよりもエッセイに近いのでこのアニメが面白いかどうかということに関してはあまり触れない。だが一応最初に全体的な感想は言っておこうと思う。

全体的な感想:
ストーリー、アニメーション、声優、大して気になるようなことは見つけられなかった。1~3話はすっごく良い。4話は個人的にはそこまでの面白さが全部なくなるほど嫌なことに気づいたのでそこから面白さはほとんどなくなった。ただ普通にみる分には問題はない。大して変化を感じることはないだろう。

アニメとしての点数:6/10

ここからはこのアニメのとても否定的で屁理屈じみた分析を試みるのでこのアニメが大好きな人は読まないほうが良いかと思う。あとこれは結構実験的なのでうまくできていない可能性が高い。暇な方だけ読んでいただけると嬉しい。


ではこれからは、このアニメの世界についてとこのアニメの登場人物と原作の作者について、の2つに絞って話していきたいと思う。長くならないようになるべく簡潔にいきたい。

キャラ/作者:
私はこのアニメ/漫画の作者のキャラの使い方は好きではない。
アニメの4話は最悪だったと先ほども言ったがその理由がこれである。4話で大きなシーンが二つある。それはひかりが陰口をしていた女の子に立ち向かうシーンと、先生がひかりの妹のひまりに亜人の個性についてどう思うか説明するシーンだ。このシーンの両方が本当に説教臭い。作者が正しいと思っていることをただただ聞かされるためだけに存在するシーンである。なんかもう正直聞いていて胃が痛くなるほど気分が悪かった。あの言葉から感じられる優越感はもう半端ではなかった。「私は正しい意見を持っていて批判のしようがない」という様に構築された文章だった。その証拠に先生がひまりに説明した後、ひまりが「うっ、非の打ち所がない」みたいなことを言っていた。どれだけ自分が大好きなのだ?原作者は大真面目に自分が考え付いた亜人の扱い方について視聴者に説教をした後その考え方に「非の打ち所がない」と別のキャラに言わせたのだ。原作者はここまで自己認識力が低いのか?
そしてひかりのいじめっ子に対するスピーチも似たようなものだ。いかにも何時間もかけて考えた陰口に対する返答。「陰口はしていいけど私がそれを見つけたら絶対に文句を言うからね!」みんながこのようにすればいじめはなくなる。いじめは論破された。このように考えつくされた「いじめ」に対する返答はまるで作者が「俺がもし学校に戻っていじめを見つけたら絶対にこう言う。そしていじめっ子を論破するんだ」と思って考えられた返答に思える。そして作者は間違ってはいない。間違ってはいないが論破をしたところで何も変わらないことに作者は気づいているだろうか。いじめは論破するものではないのではないだろうか?実際アニメでもいじめっ子たちを変えたのはひかりのうざいスピーチではなく、そのあとに続いた感情ではないのだろうか?にもかかわらずなぜあのスピーチをそこまで重要視したのだろうか?
このような説教じみた、作者のエゴを膨らませるような内容がいっぱいちりばめられている。
他にも道徳的でない部分でも作者の見せびらかしは止まらない。デュラハンの首のワームホールがどうのこうのとか、雪女の物語はどうして似通っているのかとか、このようなことを説明するときに使われるのが主に主人公の先生である。しかもその説明の仕方が変だ。普通自分の世界を作ったときはその世界のルールは常識として説明されることが多い。歴史の授業だったり、年寄りが説明してくれたり、だがこのアニメは違う。このアニメにおける我々の世界とは違う「常識」はいつも「発見」として提供される。主に先生が「よく考えてみたらこうかもしれない」と誰かに教えるのだ。ではなぜこの「常識」を「発見」として提供されたのか。もちろん発見したほうが面白いからという理由もあるのだが原作者が頑張って考えた設定を視聴者に説明してすごいと思ってほしいからではないかと思う。常識として説明してしまえばそのすごさはなくなってしまうから、ちゃんとどういう風にその結論にたどり着いたか過程も加えて説明すれば視聴者もこの「常識」がどれだけすごくて、これを思いついた人がどれだけ頭がいいかわかってくれるはずだ。こういうことではないだろうか?

原作者は主人公の先生を自分であるかのように扱っているような気がする。もちろん他のキャラを通して原作者の「説教」を聞くこともあるのだが先生を通して聴くことが一番多い。個人的には先生が原作者の代わりであるということだと思うのだがそう思うちょっと面白い根拠を一つ。
最初の三話の中で先生が一度自分のことを「屁理屈野郎」だと言うシーンがある。だがその三話の中で先生が「屁理屈野郎」だと感じるシーンは一つもないしアニメの中でも一度もない。多分この「屁理屈郎」は原作者が現実でよく言われていたのではないだろうか?それで自分を漫画に入れるときに、自然と「屁理屈野郎」と言ったのではないだろうか?とまああんまり説得力はないかもしれないがもし本当だったら面白いなと思う。
話題は戻して、もし先生が原作者の代わりであれば、(そうであると言っているわけではないが、その可能性は高いと思う)原作者のナルシシズムはスピーチだけでは止まらない。先生は完ぺき人間だからだ。欠点がひとつもない。いや、二つある。一つは「女たらし」であるということ。もう一つは「頑張りすぎ」であるということ。アニメの中では欠点であるかのように提供されていたがこれは欠点だろうか?自分で言う欠点が欠点でないどころか、見方によれば誉め言葉ではないだろうか?実際頑張りすぎなのは後でひかりに「頑張る人に追いつけないからと言って頑張るなというのはおかしいと思う」と言われていたし。
それに加えて先生による数々のセクハラとも呼べる行為を合わせるとまた嫌な気分になる。自分の生徒に「吸血は性的な要素があるならセックスと比べてどうか?」と聞く教師がどこにいるだろうか?それでもって許しがたいのが、そのセクハラとも呼べる行為が「熱中するとデリカシーがなくなるから」ということで正当化されているということだ。生徒になれなれしすぎだ。疑似デートに出かけたり、ハグをしたり、生徒にキスをされても何も言わなかったり、関係性が完全におかしいのはよく分かる。「鈍感」や「デリカシーがない」で正当化できるものだろうか?しかも挙句の果てには最終話で「生徒は自分の子供みたいにしか見れません。恋愛感情はありません。」と何の信ぴょう性もないことを言う。これは最初の何話かで済ませるものではないだろうか?本当にこの方向性で行くつもりだったのだろうか?最終話でやってしまっては今まで視聴者からの関係性への疑問や心配への投げやりな返事のようにしか見えない。批判を緩和する目的にしか見えない。やり方が卑怯臭くないか?先生が生徒に対して恋愛感情がないということは最終話の感動的なシーンで言うようなことではありません。
先生はモテる。先生は頭がよくて筋肉がある。先生は亜人を理解して受け止めてくれる。先生は生徒に人気がある。
要するに原作者のナルシシズムでてんこ盛りなアニメだと言いたいのだ。少しだけならまだしもここまでひどいとさすがに引いてしまう。

もう一つだけ言いたいことがある。十一話くらいに先生とサキュバスの先生が「話し合い」をするシーンがある。その中でサキュバスの先生が「人と話するのは楽しいなぁ。意見が一緒じゃなくても意見の言い合いをするのは楽しい」に似通ったことを思うシーンがあるのだがそのシーンはものすごく変だった。
まずサキュバスの先生が自分の意見を言う。次に先生がその意見は違っていて自分が正しいと思う意見を言う。するとサキュバスの先生のさっきのナレーションが流れる。で何か反論していたがナレーションがかぶさっていたので何を言ったかは分からない。もしかして作者は自分が考えた意見に対する反論を思いつけなかったのではないだろうか。この作者なら考えられる。意見の言い合いは楽しいと言いながらも自分の意見の反論を思いつくことすらできない。結局は自分が考えた問題に関する答えを出していただけで会話にすらなっていなかったのではないだろうか。このアニメはそういうのが多い。会話と称して実はただ作者が自分で思いついた問題に自分で結論を言って、周りのキャラはみんな納得する。いっつも納得してちゃ口論じゃないじゃん。結局は一人芝居なのだ。
あと社会に当てはまらない人を受け入れるアニメにしては意地悪なジョークがあったと思う。柔道技かけられてクラスメイトの前で自分がMであることを知られたあの子は本当に可哀想だった。それを笑いのネタにするのは意味が分からない。いじめっ子だったからよかったと思っただろうか?結局いじめをする人は悪なのだろうか?

この部分の結論として言いたいことがある。
これを読んでいる人は自分の言葉に酔った人を見たことはあるだろう。アニメのレビューサイトにいれば見たことがあるのは当たり前である。もしかしたらこのレビュー自体がそうかもしれない。そしてこのアニメは私から見れば、自分の言葉に泥酔して中性アルコール中毒になっているひとが作った話である。それが言いたかった。以上。


一番言いたかったことはここまでなので疲れた人はここで終わってもらって構わないです。ここから下は追加というか、続きみたいなもんです。暇な方はどうぞ。

アニメの世界:
私はこのアニメの世界があまりうまく作られていないように感じる。亜人が実際存在したということだけが我々のいる世界との違いなわけだが、このアニメはとても現実的な取り入れ方をしている。市役所には亜人科という部署があり、ヴァンパイアには国から血が支給される。だいぶ細かいところまで考えられているのはとても良いことなのだが、細かいせいで逆に気になるところが無数に出てきて大変だ。このアニメはもぐらたたきのように出てくる問題をとりあえず解決していたわけだが全然追いついていない。結局は説明がつかないようなことがあったり現実世界では考えられないような部分があったりする。
まずはこのアニメの人たちは亜人に対する知識において考えられないほど無知であるということがある。
主に主人公が気づいたり、考察したりして出た結論は明らかに一般知識であるべきだと思う。それまで実験はされなかったのか?学者は亜人を研究しようとは思わなかったのか?人類は理解ができないことができる人を快く受け入れることなどはしない。勿論このようなことはあまり考えたくないような内容ではあるが、そのような質問をされてもおかしくないような世界であることは分かっていただけるだろうか?
この細かい疑問を相殺するとしたらいくつか理由が考えられるわけだが個人的にはただ単に作者が怠けているだけだと思う。亜人がいる世界が作りたいけど主人公に亜人たちの手助けをしてほしいし、でも障害者の比喩だからちゃんと社会になじみこんでないとだめだし、でも自分で亜人の秘密を発見してほしいから亜人の性質が知れ渡っていると困るし、とまあこんな感じで現実との比喩と自分の妄想の中間をとることでこのようなとっ散らかった説明のしようも無い世界ができるわけだ。
あと一つものすごく気になったのはサキュバスが教師になれるということ。無理だろ、どう考えても。別にサキュバスに対して差別とかそういう意味でなくて、現代でサキュバスが存在したとしたら、世界(特に日本)は絶対に学校で働かせることなどしないはずだ。あと毎朝早く学校に行かなくても車の免許取ればよくないか?


読み返してみたらこれは良いレビューではないな。長すぎるし。うるさいし。好きだったアニメがダメになるのって悲しいですね。せっかく楽しみにしてたのに。最初の三話だけまた見ようかな。残念...

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

どっこいそれでも生きていく

原作知らず。

楽しく笑い、そして、ちょっと世の中について考えるきっかけになる。コメディーと問題提起との二面性を併せ持つ、上質の作品と思います。多くの方にご覧いただきたい作品の1つです。

―― 以下、ヒトと表記する場合は生物種としてのヒト(=ホモ・サピエンス・サピエンス)を指します。ひと・人・人間と表記する場合は、社会的存在としてのひと(人格を有するもの)を指します。センシティブな事柄も含むので気をつけて書いてはいるつもりですが、問題に思えるものが合った場合にはお目こぼしいただければ幸いです。 ――

ほとんど我々の世界と同じ世界。でも、ここでは基本はヒトだけど、ヒトとはちょっと違うバンパイアや雪女などが稀に生まれてくる。彼・彼女らは「亜人(あじん)」と呼称されるが、女子高生など若い子の間ではこれを「デミ」と呼ぶ。そんな世界のとある高校に通うバンパイア、デュラハン、雪女の女子高生、勤務するサキュバスの先生と、生物担当の屁理屈デミ好き教師(ヒト)・高橋鉄男を中心に描くセミファンタジー日常もの。


―― お話・物語・キャラ
基本はコメディー。かなり上質と思う。設定の妙味を軽快なテンポと実力十二分のキャスト、随所に見せる「顔芸」、そして不意に放り込まれる下ネタで展開していく。デミちゃん達の性質を、とても上手く笑いにつなげている。

ほとんどヒトだけど、ヒトとは異なる存在「デミ」が話の中心になるのだが、この設定がほどよく練りこまれている。デミがヒトとは異なりながら同時にひとであること、それによって生じる苦労や悩みを、時に面白可笑しく、時にシリアスに描いている。もちろん、「この先は深く考えてはならない」が結構露わになっているが、デミそれぞれに対する設定が面白さにもシリアスさにも大きく寄与している。

全体としては、高校を舞台としたデミ女子高生、デミ女教師と男性教諭の日常もの。だが、脚本・構成が秀逸で各エピソードがあっというに感じる。エピソードの引き方がうまく、ほっこりとした気持ちで終われることが多い(緊迫した終わりのエピソードもあるにはある)。終盤のドラマ(第11話)はclichéではあるが、"機能するCliché"であり何ら問題ない。むしろ、、よかった。ぐすん。最終12話は1つ前のエピソードで展開されたドラマから、「せんせーとデミちゃん達の日常」にきっちりと戻しつつ、第1話を踏襲しながら上手くまとめていたと思う。とても良い幕の引き方だった。

お話の中心となる高橋教諭を(僕でも声だけでわかる)諏訪部順一氏、バンパイア女子高生・ひかりを本渡楓氏が演じている。ひかりがとにかくかわいらしい。元気はつらつな女子・・・高校生にはあまり見えないのだが・・・自身がデミであることでの「陰」をもちながらも、元気に明るく過ごす女子を好演している。

―― 作画
静止画としても動画としても上の上。
キャラデザはいずれも好ましい。デミ3人娘はいずれも可愛らしく、デミ先生もサキュバスの名に恥じない。比較の問題でThe最高とはいえないが、アニメーションとして上質。特にバンパイア娘・ひかりの細々とした動きは愛らしく、みていて楽しい。顔芸もふくめた表情の描写が秀逸だし、3枚絵回しを上手く使ったコミカルな演出も良かった。

随所に「視覚言語」を盛り込んでいて({netabare}ひまりと高橋先生の下校シーン、車道外側線を挟む二人→おなじ歩道を歩く二人、など{/netabare})、こった作りになっている点も良かった。図書室で並べた本のタイトルには結構笑った(視覚言語ではないですが)。

―― 声優・演技・演出
会話が軽快に交わされる会話劇の側面もあるが、先に述べたとおりキャストのいずれもが秀逸。
高橋先生とひかりの会話は聞いているだけで楽しい。サキュバス先生の表の声と裏の声はさすがのひとこと。後半にキャラ崩壊を起こしていく雪女・ゆきも楽しい。全話を通して、ひかりの演技は賞賛に値すると思う。個人的には、第1話のデュラハン・まっちーの愛想笑いのシーンの演技が作画面も含めてとても良かった。

また、脚本のせいか原作のせいかはわからないが、作中で語られる日本語が綺麗だと思った。ひかりの話す言葉は少し強調された軽いノリの現代の女子高生なので例外だが、たとえば京子や雪が高橋に向かって話す言葉や小鳥遊家での会話シーンなどでは「丁寧な日本語」で脚本が作られている印象を受けた。舞台が高校であり、対話の一方は「先生」なので当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、良い意味で気になった。

―― OP・ED・劇伴
OPは、おそらくこの作品のために作られた楽曲だと思う。OP作詞が彼の方で驚いた。作品によくマッチしていて、気分をあげてくれる良い楽曲だと思う。EDは一転して落ち着いた雰囲気。気持ちの底を持ち上げてくれる気がして、こちらも好き。本編中の劇伴は「使い方がうまい」という印象を持った。曲自体はこれといって印象に残っていないものの、とにかく使い方、さし込み方がうまい。

以下、思うこと(長い・・・長いです){netabare}

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そうはいっても、頭を手で持って運ぶのはやっぱり怖く、いかがなものかと思う。

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「海外の反応」とあわせてみていた。「海外の反応」動画としても、結構楽しい。

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サイエンスフィクションっぽい一面もあるが、そちらに関しては粗っぽい印象はある。雪の氷・冷気の発生に関しては、熱力学の大原則が抜けていて「そうはならんやろ」な部分もある。京子の「首」の理屈には無理があると思う(量子云々は深く知らないので何とも、でも、10話での量子論の説明自体は「おっ」となった)。サキュバスの能力は科学的論証ゼロだった。なんとなく辻褄が合いそうなのは、バンパイアだけだったかな。いやでも、経口摂取で貧血おさまるものなん?

一方で、細部の理屈には違和感を感じるところがあるものの、作品が語る人文学的・倫理的主張にはおおむね同意する(↓)。

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自称社会派・人権派やらフェミニストやらにこそみてもらいたい。そして、本作に対する感想なりレビューなり考察なりを公開してもらいたい。それを元にその人を信用するかしないかを判断したいので。特に、前半のエピソードに対して、テレビや雑誌やらで物言う「ゆうしきじん」な方々がどのような言葉を並べるか、興味がある。

・・・僕自身の人間性を疑われることを覚悟をしつつ。{netabare}

本作のデミなる存在が、社会的マイノリティーの代置たり得るという点は、いまさら指摘するまでもないことと思う。作中でも「差別」を口にしている。

ところで、「個性化・多様化」に関連して道徳の教科書に採用されたり(おくすり問題で)議論を呼んだりしたあの有名な楽曲、「世界で一つだけの花」が僕は大嫌いである。おくすり問題はラチ外なので気にもしていない。この詩がもともとはまるで違う観念のなかから出てきたものだということもよく知られた話だが、言葉は受け取った側が解釈するものなので、作詞者の実態もここでは考えていない。

嫌いな理由は、この詩が100点満点にすると50点にしかならないと思うから、そして、詩自体に矛盾が見えてしまうから。以下に対しては、批判や反論は当然あるものと思いますが、僕の一方的な主張として流していただければ幸いです。

A) どんなヒト(ここは「ひと」でも可)でもみんなOnly Oneなのだから、君は君のままで良い。

これはその通りだと思う。現実はどうか。こと、日本においては「みんなとおんなじOne of them」に押し込めることから始まるように思う。
これはこれとして、しかし、

B) そんな君のまま、君はひと・人間として生きていく

がこの詩にはない(バケツの中、花束をどう捉えるかによるが、Only Oneほど明示されていない)。

A)の上にB)が成立して初めて、つまりはどんな形であれ他者と関わってはじめて、「ひととして生きる」が充足されると思っている。別に経済活動に参加しなきゃならないとか、社会貢献がーとかではなく(あればなお良いのはその通り。でも、なんなら、ここ[あにこれ]でぽちぽちサンキュー押すのだって他者との関わりだと思ってます)、他者との関わりを考えずに「とりあえずそのままでいいよ」は無責任だと思う。だから50点。もちろん、状況によっては簡単にB)を実現することが出来ない場合もあるだろう。それは承知の上で。

歌詞の中に「それなのに僕ら人間はどうしてこうも比べたがる?」とあるが、これが矛盾だと思うところ。はじめて聴いたときから「馬鹿なのかな?」と思っていた。当たり前じゃないの、比べるからこそ「他とは違うonly one」たり得る。この「比べる」が順位付け(No.1)に対する批判として持ってこられたのは間違いないだろう。でも、1番2番を比べるのも、同じか違うかを比べるのも、本質的に同じではないだろうか。ヒトは物事を比べる生き物であり、そうであるからこそ、ひとはひと同士の間で比べられるものだと考える(ヒトに限らず、でしょうけど)。比べる・比べられることなく存在する「only one」が成立する世界は、個体数1の世界でしかない。比べた上で理解・認識されたOnly Oneだからこそ、その違いが何に由来するのかがわかり、かつ、必要であれば助けることも助けられることも可能になる。大前提ではないか、と。

僕にとってこの曲はダイバーシティ・多様性の尊重をうたったものではなく、手段の伴わない目標、すなわち夢想にしか思えない。見たい側面だけを見て、コインの裏側をさも忌避される物のような雰囲気に仕向けている様に思えてならない。だから、この曲が嫌い。

では、いかなるOnly Oneなものも「ひと」としてあるためには、すなわち、A)かつB)が満たされるためにどうしたら良いか。ここまで偉そうに言っておきながら、残念ながら答えはわからない。でも、可能性があるとすれば(これもありきたりですが)C)相互理解と(お題目ではなく手段/実践としての)多様性の尊重だろうと思う。

本作では、第1話からこの点に真っ向からぶっ込んでいる。先に挙げた町京子とクラスメート(ひかり以外)と会話しているシーンがこれにあたる。"デュラハンである自分の体質"を町が口にしたとたん、クラスメートは腫れ物に触ることを避けるかのように話題を変える。「違う」ことには触れない、触れてはいけないというこの空気。相互理解の真逆を行く日本の風潮をスタート時点でぶち上げている。そして、作品全体を通してB)彼女らがデミ、かつ、ひととして生きる姿を描き、C)相互理解/違いの尊重にむけた「デミの特徴・性質」の理解を高橋教諭が実践している。それが、第11話でC)に向かう学生の意識変化として結実する、という展開となっている。もちろん、第11話はデミちゃんsと高橋先生の間でのハートウォーミングなお話しが主題だが、その土台にあるのはA)->C)の展開だと思う。

僕が本作を評価するのは、お題目のみの「Only One」やら「共生」やら「相互理解」をぶち上げるのではなく、「ちょっと違うけど、ひととして生きていく」ことを全面に押し出しているから。その上で、ともすれば暗い物語になりかねない問題を真正面から扱いつつも、コメディーとして成立させていることがすばらしいと思う。

上で述べた問題は突き詰めるというか並行するものとして、さらにドロドロとした事柄を孕む。が、コメディー作品としてきっちりまとめた作者・アニメスタッフの意を汲むなら、必要以上に踏み込むべきではないのかもしれない。という建前で、ここら辺で留める。{/netabare}
{/netabare}

[2020/09/07 v1]

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

67.1 21 2017年度のファンタジーアニメランキング21位
メアリと魔女の花(アニメ映画)

2017年7月1日
★★★★☆ 3.5 (143)
651人が棚に入れました
「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の米林宏昌による新作アニメーション映画。

イギリスの女流作家メアリー・スチュアートによる1971年の児童文学「The Little Broomstick」を原作に、11歳の平凡な少女メアリの奇想天外な冒険を描き出す。

声優・キャラクター
杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶ

gazabata さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ポストジブリジブリ

長い間見るのを引き延ばしてきた映画です。引き延ばしていた理由は特にありません。

ストーリー:
ちょっと良くてちょっと残念な内容。
なんとなーく面白いが、何かが足りない。結局は同じようなストーリーをもっと面白く伝えている映画や本を知っているからあまり衝撃や影響を受けることはなかった。

キャラ:
あんまりよくないかな。
キャラの個性が基本的に薄くて声優があまり上手でないのがそれを強調してしまってる。
セリフは結構ジブリっぽいのだが残念ながら声優が本当にへたくそ。特に佐藤二朗がひどい。本当にひどい。これは宮崎駿がいたからできたことで他の監督にはできないのかなと思う。

アニメーション:
部分的にはジブリの過去作品を超えていると思う。色がはっきりしているのも好きだった。オープニングの三分はなかなか素敵だと思った。全体的に素晴らしい。
一つだけちょっと残念だったのが見せ場が少し似通っていたことだった。うにょうにょ液体のアニメーションがたくさんでもう少しバリエーションがあっても良かったかなと思う。

避けては通れないジブリと比べるセクション:
まず全体的にストーリーが多数のジブリ作品に似通っているところから。
この過去作品に似ているのを理由にこの映画がノスタルジアとコマーシャリズムの塊であるという見方をするのは非常に容易いことだが、個人的にそれは、まず第一間違っていると思うし、第二に結構意地悪で悲観的な見方であると思うのでそのようなことはしない。(これはノスタルジアやコマーシャリズムを利用している部分がないと言っているわけではなくこの映画の中心がそれではないという意味)
それではなぜここまで似ているのか。個人的にこれはジブリ及び宮崎駿に対する反抗のような、独立宣言のようなものだと思う。自分のほうが良いものが作れると。(それに成功したかどうかは置いといて)
話が似ているのはジブリ間を出すためではなくその真逆で、ジブリでなくなったジブリがどう違うか見せつけようとしたのではないかと思う。ただここで発生する大きな問題がさっきのノスタルジアとコマーシャリズムだ。これが色々なところにちりばめられているせいでこの映画の意味や目的を勘違いされる。映画のキャッチコピーが「魔女、ふたたび。」だと勘違いされるのも仕方がない。耳をすませばの「やなやつ」に似通ったセリフを入れたり、千と千尋の有名な食事シーンに出てくる食べ物を背景に出したりするとこれはもうあからさまなノスタルジアではないかということになる。このようなものをスタッフが入れたのはノスタルジアが目的ではなくではなく、ジブリに対するリスペクトの証のだったかもしれないがそれは自分たちとジブリの違い(変化や進化)を表すために作った映画に入れるのは大きな間違いだったと思う。

好きだった部分:
思ったよりネガティブなレビューになってしまっているので(結構好きな映画なのに)バランスをとるために好きな部分を書いていく。
とにかく最初の三分は素敵。
動物の反乱シーンはすごく好きだった。多分一番好きなシーン。とても素敵。
クリーチャーデザインがぶっ飛んでいてすごく好き。想像力いっぱいで素敵。最後の化け物はピクミン3のラスボスみたいで楽しかった。
建物のデザインもすごく好き。素敵。
色づかいが凄く好き。

まとめ:
もう少しいじればすごく良い映画が作れたと思う。惜しい。キャラクターは全体的に残念。
最後に言いたいのは、これは宮崎駿がいなくなったジブリ(正式にはジブリではないが)の一作目にしては大健闘だということだ。もう少し頑張って自分らしさを見つければとても良い映画を作る日が来るかもしれない。少なくとも自分はそう願いたい。


点数:7/10

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

GHIBLI NO OWARI

【概要】
 2017年夏公開の劇場長編。イギリスの児童文学が原作の魔法ファンタジー。監督は「思い出のマーニー」「借りぐらしのアリエッティ」などジブリ作品でお馴染みの米林宏昌。制作したスタジオポノックはジブリの元スタッフが多く、本作も「ジブリっぽさ」があちこちに感じられるものになっています。

【感想】
 映画評論家の小野寺さんがRealSoundの記事で「絶望的なまでにつまらない」とケチョンケチョンに貶していたので一体どんだけヤバいんだ・・・と身構えてしまいましたが、案外普通に見れてしまいました。

 いや、確かに宮崎駿作品と比べると厳しいものがありますよ!でも深夜アニメにはこの数段しょうもないものがゴマンとあるし、劇場アニメに限定しても少なくとも僕は「ひるね姫」「打ち上げ花火」「未来のミライ」より楽しめたのでこのくらいの点数は付けておきたいかな。キモかわいいキャラが色々と出てきて、視覚的には面白い。こういうキッチュな感じはわりと好みだったりするのです。本作に関しては金曜ロードショーでタダ見させていただいた身分なので、劇場で見た人よりやや評価が甘くなってしまうのかもしれません。

 ただまぁ、世間の評判が芳しくないように、確かに色々と問題点はあるように思います。細かな欠点を書き出すとキリがないので2点だけ言及しておきますね。

{netabare}
■1つ目はメアリちゃん独り言多すぎ!問題。

 メアリちゃんは独り言がすんごく多い。おまけに動物やら、植物やら、鏡やら、天井やら、人以外のものにやたらと話かけるもんだから、いくら幼いとはいえちょっとイタイ子のように見えてしまう。そもそもこの映画、会話シーンが少なくないですか?あっても一方的に話して終わることが多いように感じました。この作品で一番面白いのは終盤、魔力を使い切って地面に落ちたほうきを拾いあげる場面なんじゃないかと思う。

メアリ「ほうき君、ほうき君!ねぇ返事をして!!」

 ここまで笑いを取ろうとして滑っているシーンが多かったように思うけどさすがにこのシーンでは笑った。おいおい、ほうきはここまで一度もしゃべってねーだろwwwwwwwww

 でもこれは笑い話で片づけられることではなく、脚本の問題であり、いくら子供向けのアニメであっても全てを台詞で説明してしまうのは好ましくないように思います。


■2つ目はジブリのパロディ多すぎ!問題。

 元々題材からして否が応でも「魔女の宅急便」を連想してしまうのだけれども、実際に鑑賞すると・・・

 猫を追いかけていく導入部は「耳すま」とかぶるし、魔女大学の校長とドクターは「千と千尋」のキャラと似たような雰囲気があるし、ヘラジカに乗るシーンは「もののけ姫」チック。

 と、どこかで見たような感覚にたびたび見舞われる。極めつけはクライマックス。なぜか「ラピュタ」のような舞台が用意されていて、例の「バルス」のような展開で話を〆るという節操のなさ。

 これらの演出に関しては意図的だという見方もあります。というのは、本作の一夜限りで魔法を捨てるというプロットは、「ジブリの威光」という魔法を利用して映画を作るのはこれが最初で最後だよというスタジオポノックの表明になっているという解釈です。なるほどそれなら理解でき・・・ません。なぜなら、本作からはこれから先、魔法なしで勝負していくために必要な、監督の個性や作家性を感じることができないからです。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

【評価辛目】私にはまだまだ……もっと魔法が必要です

原作児童文学は未読。

『アリエッティ』以来の“動”のアニメへの再挑戦となった米林宏昌監督の独立後初長編作品。

『マーニー』のように“静”の繊細な心情表現を得意とする監督が、
動いて楽しいアニメーションを追及、奮闘したことがよく伝わってくる映像構成。
豊富なイマジネーションを詰め込み表現された魔法ファンタジー世界には、
芸術性を感じさせ、劇場鑑賞する価値を有した作画が並んでいたと思います。

ただ、私としては、もう一つ、楽しさが突き抜けなかった印象。
もっとオテンバで飛ばして欲しい所で、今ひとつ無茶しきれてない感じでした。

私がひとつ象徴的だなと思ったのは、
{netabare}メアリが魔法大学へ行く途上、絶壁から一段一段とびとびに突き出した階段を上るシーン。

ここは例えばメアリが派手に足を滑らせて、今の普通、落ちるだろうwというオーバーアクションで、
目もくらむような高さ等の危険を観客と共有したりできる絶好の仕込みどころ。

ところがメアリは恐る恐る登っていくのみ……。{/netabare}

こうしたリアリティから飛翔しても飛び切れていない。
勿体ないと感じる場面がちょくちょく目につきました。

もちろん監督もヒロインに危なっかしさを出す必要性は十分認識していたはず。
それは冒頭メアリのドジっ娘属性?の強調という形で決意表明?もされてはいました。

オーバーアクションのエンタメ性についても理解されていて、
登場キャラの奇妙なステップやドクターの奇抜な移動手段や、
その他、変顔の生物たちによって楽しさの構築が図られています。

けれど、これらの点でも、今一歩、逸脱できてない感じ。
観ていて、その動きオカシイだろう(笑)とか、危ないwとか、
一緒に手に汗握るシーンがもっと欲しかったです。


例えばメアリが {netabare} 万策尽きたピンチシーンで、にわか雨ひとつ落ちてこない。{/netabare}
浅いヘコみ演出から、クライマックスへ一緒にジャンプアップするには、
鑑賞者側に想像力の飛躍が必要になるとも感じました。


その上で渋いテーマを提示されても、
魔法に酔い切れてない私には理解できても、今ひとつ共感はしきれませんでした。

要するに{netabare}メアリに「もう魔法なんか要らない」と一皮むかせる成長物語。
ある種のコンプレックス解消手段として現れる魔法の奇跡や魔法大学の甘言。
それらを乗り越えて、少女が今の環境に向き合う強さを手にするという筋書き。{/netabare}

良い主題だったとは思いますが、私としては受容する前に、魔法でもう一暴れしたかったです。


とは言え、新たなファンタジーにチャレンジした監督の意欲は買いたい一作。
本作が、課題は見えている上で、進化の途上にある作品だったと信じつつ、
引き続き、米林監督とスタジオポノックの今後に注目していきたいと思います♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

73.2 22 2017年度のファンタジーアニメランキング22位
うらら迷路帖(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (524)
2553人が棚に入れました
迷路町――そこは"うらら"と呼ばれる占師の町。
うららになることを目指して国中から少女たちが集まってくる中、
山育ちの女の子・千矢(ちや)もある思いを抱いて迷路町の門をくぐる―。
果たして彼女を待ち受ける運命とは?
占い乙女達の夢物語、ここに開幕です!

声優・キャラクター
原田彩楓、本渡楓、久保ユリカ、佳村はるか、茅野愛衣、諏訪彩花、高倉有加、咲々木瞳

rFXEy91979 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

TBS制作アニメ、また外れになっちゃうのかな…と思いきや、どっこいまさかの今期当たりアニメに逆転しました!!

一占「少女と占い、時々おなか」
元々さほどの期待もなく何となく触れてみたけど、う~ん世界観どころか需要すらも見えてこないな。山育ちの野生児ガールが迷路町って町に下りて、うらら(=占い師みたい)目指す話らしいけど、本題からいちいち外れて満腹のお腹と謎の謝罪。どうもこれは僕が好きなタイプのアニメじゃなさそうかも…。まあそんなこと言うんだったら、見なきゃいいって言われそうだが、生憎こうして触れた以上、ちゃんと最後まで見なきゃボロッカスに貶す権利はないと思う次第なので、最終回までしっかり見て答えをまとめようと思う。まあ美味しい役回りのキャラクターはいるから良いけど。

二占「探し物と夢、時々甘味」
一種の階級制というのが迷路町にはあるんだね(そんな風ではないんだろうけど)。そこに(言い方が悪いけど)世間知らずで無知な千矢が入り込んで大騒動。決して悪い女の子ってわけじゃないんだろうけど、軽率な行動が多々ありすぎて共感できない…。うんやっぱりこのアニメ、二話もそりが合わないな。
マツコさんのエピソードは大変面白かったから(ちょっとホラー風味なのが、なおスパイス効いてたし)、できることならノノ関連のエピソードをもっと求む。

三占「仲間と友達、時々ライバル」
弁天さんの声がねえ、夏木マリさんそっくり(笑)これ初見の人、勘違いする人何人かはいたでしょ(実際は井上喜久子さんだったが)。店内の内装ゆえか『千と千尋の神隠し』みたいだし。
それにしてもやっと今回、楽しく見れるポイント得られた。前半だと紺のコスプレ七変化(ていうか四変化?)が男子アニメファンサービスwああいう真面目で和が合う子の変化って面白いね。そこはとっても弁天さんに画面の外から感謝しました。
後半はのっけから百合アニメ臭全開!佐久ビジョンも百合アニメ色を余計に盛り上げてるし、あれこんなにニやつくアニメだったっけ?面白いぞ。なお今回もマツコさん、非常に美味しい役でした(感謝)

四占「良いこと悪いこと、時々くすぐったい」
前半はこれまでより不満なく楽しんでた。凶に戦々恐々な三人とすべてを楽しむ千矢。初めて千矢の奔放さを有難いと感じました。怖がるより楽しむスタンス、そこは見習うべきでしょうね。
後半戦はまたもや紺が男子サービスくれましたwこのアニメ、ちょいちょい百合をぶち込むようになりましたね(元の原作も同じ場面があるのかな。ちょっと気になる)。最初の頃よりアニメの方を大分好きになってきたかも。
ところでさ確認だけど、佐久隊長は男子じゃないよね?

五占「花嫁と神様、時々はっくしゅん」
男いたのねこの世界(笑)てっきりいないと思ってたから。大分アニメに慣れてきたのか、落ち着いて見れてきました。千矢が神様と思わしき何かに酔った状態で出会う場面、千矢が神様を見たかもしれない事実に少し嫉妬する紺。やっと抑揚の効いた流れに進んだようで安心しました。もしこのまま同じ流れなら、切ること本気で考えてたかも。
あとやっぱり女の子はお色直しをすると変わるね。千矢なんかめんこい子に大変身遂げちゃってるし、この面白さを序盤で既に確立してたら良かったのに…。

六占「恋と追跡、時々よーしよしよし」
”天然痴女”と”妹バカ”で幕開けるとか笑っちゃうな。佐久隊長は変装スキルの勉強が必要ですし、おもわぬ形でニナ先生の運命の人認定にwで、結局ニナ先生の件はどうなったの?
後半はコックリさんに取り憑かれた紺回でした。まさか友達申請を断られた過去持ちとか、取り憑かれた紺さんは動きも行動も大胆そのもの。てか狐のコックリさんはM属性をお持ちですか?

七占「祝詞と魔女、時々覚悟」
前半回はうらら界の”祝詞”事情とノノ回でした。祝詞勉強に悩める姿は受験生の悩みと同義で、まさに王道展開を紺は地で行ってました(徹夜で目の下もう真っクマ)wあとノノが自分の特技を皆と一緒の勉強の中で、見つけて発揮する様はちょっと嬉しくなりました。やっぱり壁を打破する子は無条件で魅力的です。
初めて小梅がメインを張った後半回はビターでした。偏見にも異能に対する恐怖心にもあっけらかんと構えていられる魔女のマリに小梅がずっと憧れるのも分かります。最初からあっけらかんとできたわけではないだろうけど、苦労を一切感じさせないマリの笑顔は強くて素敵で、”ああ、自分もこんな風に強くなれたらいいな”って、感想文を打ってる今、ふいに思ってしまいしました。珍しく今回は特に不満ナシでした!なのでちょっと星の方も上げました!次はどうだろ!?

八占「いけないこととわかんないこと、時々すっぽこぽん」
紺ってたまに”ド天然の問題発言”ブチかますよねwこういう真面目なガリ勉キャラがいかがわしいことを言うと、通常よりもその威力が一気に倍になるんですよね。
八占は紺がどれほどいい子か伝わる回でした(ドンドン面白くなってるよ)。どれだけうららで過ごす日々や千矢たち皆が大好きか、とてもこっちに伝わったし、ますます紺株上がりました。
あとニナ先生、だらしない(苦笑)

九占「母と心得、時々あなたのため」
紺の母さん登場とノノ厄災防止回です。歌歌って空元気の紺、揺るがない千矢ちゃん。そしたらまさかの試験オチで落とし込むとは、先生怖いw
九占のテーマって”一人よりも、皆で挑む”?「三人いれば文殊の知恵」のことわざがあるように、一人よりも皆で挑んで、切り開ける道もある。よく聞く言葉だろうけど、その大事さは一生不変。1占頃よりこのアニメ、今はホントに楽しいです!

十占「四人と昇格試験、時々試練」
紺ママコワい(震)”全員公平に厳粛に、ぶっ潰すつもりでいきます”って…。あと紺、ハチマキが”よかったあ”になってたぞ(できれば『クレヨンしんちゃん』みたいにちょいちょい違う文字出て欲しかった)。ショッカーみたいな鬼も出るし、佐久隊長はトドメを刺される(破廉恥なニナ先生に)。笑いどころが沢山あって、笑ったなあ。楽しかった!
今回まさか次回へ続くエピソードとは思わなかった。壁の眼が千矢のことを既に知っているようだったし、そろそろ千矢とうららの神様の関連性が分かるかな?

十一占「千矢とくろう、時々涙」
神様の事は分からなかったけど、千矢の母さんはうららの何かから”裏切者”になってるみたい。娘・千矢を狙う黒手に壁一面にビッシリの目。うららの裏の脅威なのか、それともまさか一番占?脅威を救った謎のくろうは、神様じゃなくてマスコット(占いの)?とても沢山の謎はあるけど、らびりんすの皆が一緒に九番占へ昇級したから、まあ今はいっか(千矢と紺と同じですね)w
ちょびっとホラーテイスト入って、ワクワク一気に高まったけど、次でいよいよ最終回か。もうちょっと見ていたかった。

十二占「お風呂とお祝い、時々笑顔」
ただの祝勝会(回)でした。一発芸を披露するわ、酔い潰れて湯当たりするわ、とにかくメチャクチャ騒いでましたが、それがとにかく楽しかった!仕事疲れを忘れました。
あとやはり千矢と紺はベストカップルすぎますね。この二人が一緒に出るとき、雰囲気全然違いますもん。二人でいっそ『桜trick』ゲスト出演しちゃえばいいのに(笑)
ぶっちゃけ途中で切ろうかなって開始頃は考えてたのに、今はあそこで切らなくて良かったと思ってます。TBS制作アニメで、やっと当たりに出会えました!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

やっぱりべっかんこーって言いたくなるよねぇ

自分、嫌いじゃないのだけど日常系ってなかなか完走できません。
どうしても途中で見逃す回が出来て、その後はもう見なくていいかって気持ちになってフェードアウト…。
各話に跨るストーリーがあればそんなことは起こさないのだけど、1話完結型で繋がりもあんまりない系統だとどうしてもそうなっちゃうんだよねぇ。
嫌いじゃないんですよ?

で、そんな中この作品は問題なく完走できました。
うっすらとではあるけど「この世界ってどうなってるん?」「主人公たちはどこまで占いが上達できる?」っていうストーリーがあったお陰だと思います。
とはいえ繰り返しになるけどストーリー部分は非常にうっすら、そこら辺期待しても大した掘り下げ・進展はありません。
一方でストーリーはナシでひたすら日常を眺めていたいって人にとっては邪魔な存在だったっぽい?
その結果中途半端になっちゃったってことなのかなぁ?
コレ系で自分が完走できただけでも評価に値するのだけど、世間的にはそんなにウケてはない…のかな?

{netabare}まず世界観だけど、女性だけしか占えないってことで女性だけが住む占いの町=迷路町ってのがある。
15歳を過ぎると占い師見習いとして迷路町入りが許され、10段階ある占い師ランク(下から十番)を上げるべく親元を離れ住み込みで修行する。
…って感じで女性しか登場人物が居ない理由付けをしてるのだけど…その…時代が江戸だか明治時代っぽい感じで、町のすぐ隣にお歯黒ドブが流れてそうな印象を持ってしまうのは自分が汚れてるせいだろうか。
迷路町外に住みつつ修行に通うってことではなく、住み込み必須な丁稚奉公みたいなシステムがそう思わせてしまうのだろうか。
将来茶屋から暖簾分けしようってことでもなさそうだし、茶屋そのものが繁盛してるようにも見えないせいもあるかな?他にもっと稼ぎのいい“副業”があるように感じてしまってのう。
いや、それが占いなんだろうけどさ…ひょっとしたら見習い受け入れで奨励金が出てるのかも?

で、物語の方だけど、2話までかけて世界観(あとキャラ)の説明をこれでもかというくらい丁寧に続けます。
てっきり客から難題な占いを頼まれて4人+人形一体であくせくしながら解決してく話なのかと思ってたら、まだ客を取れる立場ではないらしい。
かといって一心不乱に修行に明け暮れることもない。
まぁそこはそれ、基本日常系なのでのほほんとゆる~く修行をしていきます。
が、そんな中たまに見せる不気味な部分が、自分が見続けることが出来たポイントになるかな?
上で書いた色町っぽいことや神を探ってはいけないこと、ニワカがヤバい占いに手を出して大変なことになるんじゃないか等々。
実際千矢がいなかったら紺の行ったキツネ憑きは結構危なかったんじゃ?
可愛い女の子たちを「あーもう危なっかしいなぁ」とハラハラしながら見守るってのがこの作品の視聴姿勢なのだと思う。
…って、オッサン向けやーん!
思えばタイトルからして「うらら」と聞いたら「べっかんこー」と答えたくなるような人を選別する、踏み絵みたいなものだと思えなくもないようなそうでもないような??

あ、それとこの作品はあえて花に注目しながら見ました、これも全話完走できた要因かも?
普段は気にしたところで作ってる側もそこまで徹底はしてないだろうってことでスルーしてたんだけどね…この視聴姿勢ならきらら系は完走できるようになるかも?{/netabare}


園芸ネタ
{netabare}各キャラごとのシンボルフラワー
・千矢:サクラソウ
・紺:ワスレナグザ
・小梅:梅
・ノノ:ヒイラギ
マツコさんは無いっぽい、見落としてるだけかも?

・ニナ:ヒルガオ(ナツメじゃないんだ)
・佐久:アサガオ
・大島:絵だけでは同定不可、順当にノギクの一種と思う
・塩沢:ペンタス?ランタナ?ちと分からん。よく見たら4弁なので…ライラック?バーベナ?花弁数を気にしなければペンタスが一番近いんだが…
・時江:ネモフィラ?(これも自信ナシ)

・棗屋内にある一輪挿しはコスモス(恐らく造花)、鉢植えはハートホヤ

作中の季節は春~夏(初夏)までの間。
9話で縁起物としてナンテンを探す話があったが、単にナンテンってだけならそこら中にあるハズ。
リアル自分の家の近所でもそこかしこに植えられてる(勝手に生えたものもある)し、占いの町であるなら尚更のことかと。
ヒイラギナンテンやホソバナンテンも含めれば頻度は更に増す。
ただ“実付き”を探してたのであるなら季節的に困難なのも納得、と解釈。

12話、風呂や池?の手前の植え込みで咲いてた花はぱっと見た感じ椿、けど季節的に合わない。
ハマナスかとも思ったが違う。
次の候補として夏椿が浮かんだが、あれ?桃花の夏椿って流通しだしたのは最近だったような…。
んで更によく見てみると…ああ、これフヨウだ。
シベの描き方や絞り咲きのせいですぐに思いつけなかったけど、草姿としてこれが一番近いかと。
むしろ作中では酔っぱらうネタがあるので、絞り咲きなのはスイフヨウ(酔芙蓉)を表してるのだとしたらなかなか小洒落た演出かと。
同12話後方でオレンジの花を着けてる樹木は…季節と花のまばらさからしてザクロ?
ややマニアックな気がするけど(メジャーならノウゼンカズラを木に絡ませる)古い民家なんかだとよく見る光景か。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「日常の迷路で人は時に道を失う、そんな時占い師は君に選択の矢を与えるだろう…それを操る条件は15歳を過ぎた少女であること…時に女神、時に魔女、占い街の乙女たち」

この作品の原作は未読ですが、きらら系の作品と知って視聴を決めました。
そしてキャスティングを聞いて大喜び…
主人公を演じるのは、「月曜日のたわわ」でアイちゃんを演じた原田彩楓さんじゃありませんか…
アイちゃんで原田さんは私の中でブレイクしました…でも、それだけじゃありません。人気赤丸急上昇中の本渡さん、はいふりの鈴ちゃんを演じた久保ユリカさんに、SHIROBAKOの安原絵麻を演じた佳村はるかさん…
キャスティングに関する作り手の気合を感じながら視聴に臨みました。

この物語の主人公は15歳になったばかりの千矢…
彼女はずっと前から決めていた事が一つありました。
それはもう顔も覚えてないけれど、15歳になったらお母さんに逢えると言われている迷路町に行く事…
だからずっと15歳になる日を待ち続けていたんです。

そしてとうとうその日がやってきました。
彼女は見習いうららになるための紹介状を手に迷路町への向かうのですが…
これまでずっと山の中で過ごしてきた自由奔放な千矢の毎日は常に山の動物たちと一緒…
だから集団でたくさんの人が住む場所での生活とは雲泥の差があったんです。

見渡す限りたくさんの人・人・人…
それにちゃんと「ごめんなさい」って謝っているのに誰も聞いてくれない…
お母さんに逢いたいだけなのに…

でも、そんな独りぼっちは千矢だけではありませんでした。
迷路町で一緒になった紺、小梅も千矢と同じ紹介状を持っていたんです。
こうして3人は迷路町の一番外れとなる10番占で、かやのん演じるニナ先生のもとニナ先生の妹であるノノも見習いうららとして一緒に勉強していく事となり物語が動いていきます。

一刻も早くお母さんを探したい千矢でしたが、迷路町には自分が持っている札までしか立ち入ってはいけないという絶対遵守事項がありました。
だから9番占の札を持っていない見習いうららは10番占しか出歩く事が許されないんです。
しかも一つレベルアップするには難しい試験を突破しなければならないとか…

きっとはやる気持ちで一杯だったと思います。
お母さんは千矢が逢いに迷路町に来ている事を知らないかもしれない…
そしたら、千矢がお母さんのもとに辿り着くまでにどこかへ行ってしまうかもしれない…
こんな不安な気持ちだってゼロじゃなかったと思います。

でも千矢は偉かったと思います。
ズルをする事無く迷路町のルールをしっかり守って、その上でお母さんを探すと決めたから…
きっと一人だったら…これまでの千矢だったら絶対選択できなかったと思います。
だって山の中ではそんな窮屈な決まりは無く、やりたい事をやりたい時にやりたい様にできたのですから…

千矢が人の全うな道を選択できたのは、3人のかけがえのない仲間ができたから…優しい先生がきちんと諭してくれたから…
何より千矢にとって大切な居場所ができたから…

でもこの物語の主軸はあくまでもうららとしての占い道です。
最初から何事も上手くなんてできません。
だから一生懸命練習して…自分だけの占い方法を見つけていくんです。

すごく短い間でしたが色々な事がありました。
良かれと思ってやった事が必ずしも良い結果に結びつくとは限らない事を知って…
直向きに向き合った…ただそれだけなのに、超えてはいけない一線に一喜一憂したり…
物事の優先順位…いつの間にか自分が2番になっているのがとても自然で…
不安で圧し潰されそうな時、涙が堪え切れない時…必ずみんなが傍にいてくれるのが当たり前になって…
そんな4人を背中をそっと押すニナ先生の全てを包み込むような優しさはやっぱり偉大な先輩うららである事を実感して…
4人はまるで新緑の若葉の芽吹きの様に真っ直ぐ成長したと思います。
彼女たちの成長の真価…どの様な形で視聴者の気持ちに応えてくれるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、見習いうらら4人組で構成されたユニット らびりんずによる「夢路らびりんす」
エンディングテーマは、Luce Twinkle Wink☆さんの「go to Romance>>>>>」
4人の可愛らしさが上手く表現された曲と背景だったと思います。

1クール12話の作品でした。
放送途中に、この作品の評価がちらほら聞こえた事もありましたが、私的には評価の高い作品です。
キャラの可愛さ、作画の綺麗さは言うに及ばず…
目標に向かって努力している人ってやっぱり輝いています。
一生懸命向き合いながら流す涙…とても綺麗だと思います。

頑張り方や力を入れるタイミングやポイントは人それぞれ…
だけど、何があっても4人一緒に…の心を持ち続けたみんなは輝いていました…
こういうキャラの輝いている作品…大好きです。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

71.0 23 2017年度のファンタジーアニメランキング23位
魔法陣グルグル (2017)(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (248)
1000人が棚に入れました
1992年に月刊少年ガンガンで連載を開始、
1994年、2000年に続き、連載25周年を記念して3度目のテレビアニメ化!


魔王を倒す勇者を募るというお触れを見た勇者マニアの
父と母によって、半ば強制的に旅に出されたジミナ村の少年ニケ。
村のしきたりに従って、村外れに住む魔法オババの元を訪ねたニケは、
そこで不思議な魔法グルグルを使う少女ククリを託される。
オババの話によれば、彼女はミグミグ族というグルグルを
使うことのできる一族の最後の末裔で、
いずれ現れる勇者を待ち続けていたのだという。

お調子者の小さな勇者と天真爛漫な魔法使いの少女が繰り広げる、
「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」
王道冒険ファンタジーが今、幕を開ける!

声優・キャラクター
石上静香、小原好美、小西克幸、大地葉、藤井ゆきよ、櫻井孝宏、大西沙織、岡本信彦、石田彰
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

スーパーハイテンポで、頑張って24話にまとめたと思う

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
内容的にはギャグ。ある意味、異世界ファンタジーなのでしょうか(笑)

まあ、原作ファン、また、旧作を少年時代に観た人間にとってみては、懐かしさだけで胸いっぱい♪ 正直、思い出補整かかっているから、本作単体の客観的なレビューは、若いレビュアーさんか、旧作未視聴の方の方が良いかもしれません(汗)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
魔法陣グルグルの良さは、魔法(グルグル)が失敗すること。1+1が常に2になるとは限らない。その時の思いの強さ(愛の深さ)がグルグルの威力であり、成功率。グルグルを通し、ククリとニケの信頼関係、愛情の深さを描くことで、単なるギャグで終わっていないのが良さです。

好き話はいくつかあるけど、「7話(発見! 妖精の村!)」なんか特に良かったです♪

恋バナ大好きな妖精の村(オリジナリティある設定)。恥ずかしがるククリ(萌え)。何度も死ぬキタキタおやじ(古典的ギャグ)。可愛い妖精の服ではなく、いつもの黒い服を選ぶククリ(その時にオヤジの服を持ってこられての「ワシがこんなの着るんかーい!」というツッコミには笑ったw)。ピンチになるニケ(バトル)。勇者を守る為に、怖がっていたバームバームを使うククリ(成長)。ククリの「私は綺麗な服は着れないし、今は旅をしてるんだもん。アタックなんてできない。でも……いいんだもん! だって私、魔法使いなんだから~! 魔法で勇者様を守るの! それが、私のアタックだ~!!」という言葉には、胸が熱くなった。ニケも、格好良い台詞を言うし(ホーイミーツガール)。その後は、ワンチンのビジュアルやギップルのクサイ台詞アレルギーw 臭い毛布なんかでちゃんと落とす(気楽さ)。消える妖精の村(ファンタジー)。最後には新たなグルグルを得て次の冒険へとすすむ(RPG感)。実に、グルグルらしさ、良さを詰め込んだ良回だったと思います♪

さて、この2017版のアニメですが、ものすっごいテンポが早いです。旧作では1期(45話)+2期(38話)で描いたストーリーを24話にまとめているので、単純計算で旧作の3倍以上のテンポで話を進めることになります。そのため、かなりギャグを削っています。それはしょうがないんですが、同じギャグでも、「間」を削ってしまったのは、少し残念でした。グルグルのギャグは、もう少し「間」を長くとった方が面白いものも多いので(あと、やっぱりナレーションツッコミは欲しかったな~と)。

それから、自分的には「グルグル」=「神曲」のイメージが強い(神曲→奥井亜紀「晴れてハレルヤ」・「Wind Climbing 〜風にあそばれて〜」)。そこまでではないものの、本作は、1クール目OPの「Trip Trip Trip」は、なかなか良かったかな。

ただ、最終話の挿入歌として、「Wind Climbing」が流れたのは嬉しいサプライズでした(そしてやはり、旧作の音楽の良さを感じました。ただ、恋するハートの挿入歌としては「晴れてハレルヤ」の方が良かったかも。そして、特殊EDでWind Climbing流してくれたら、より嬉しかったかな)。

……なんて、文句っぽくなっていますが、総括で述べたように、グルグルを復活させてくれただけで満点嬉しいんですよ、基本的には♪ ククリは相変わらず、絶妙な可愛さですしね♪ 旧作のカットにしても、きっと泣く泣くだろうし、3倍速という無理難題に果敢に挑み、キッチリまとめきった制作には拍手を送りたいです。グルグル愛を感じました♪

この作品をきっかけに、グルグルを知ってくれる、好きになってくれる若い方がいればそれで満足ですね、オジサンとしては。

(ちなみに、自分的に一番おもしろかったのが、Cパートの「グルグルぷちあにめ劇場」だったりしましたw 毎週楽しみにしてました♪)
{/netabare}

【余談~ 実はゲーム(SFC)が面白い ~】
{netabare}
グルグルは、確か2度ゲーム化されています。私は1だけプレイしましたが、結構面白かったです。

1は、基本的には「トルネコ」や「風来のシレン」のようなローグライクゲームです。

特徴としては、①「戦闘では魔法使い(ククリ)のみが捜査可能」②「難易度がやや高く、結構死ぬ」③「グルグル作りが面白い」④オリジナルストーリーながら、絶妙な原作再現度。ですかね。

①ですが、ニケは基本的に、作戦通りオートで戦うので、援護系が好きな方にはオススメ。

②は、初心者救済用にチート魔法がひとつあるものの、それを使わないという縛りをかければ、結構難しい。(この時代のゲームにありがちですが)ザコキャラに普通にやられますw

③は、一番のオススメポイント。ストーリー進行と同時に魔法陣の「要素」を覚えていき、それを上手く組み合わせないと正しくグルグルが発動しません。方程式みたいなのを複数覚えておかなければならないのが、作業感を減らしてくれます。

④ですが、原作2巻くらいでゲーム制作してるんで、ほぼゲームオリジナルストーリーです。でも、「グルグルを失敗したり」「ザコキャラに負けたり」「宝箱から変な物が出てきたり」「使え(意味)ないグルグルがあったり」「強いグルグルは簡単に覚えるのに、ククリのMPが足りなくて使えなかったり」「ニケが基本的に役立たずだったりw」と、そういうエッセンスとしての原作の良さをよくゲームで再現したなという感じです。

もちろん、凄い古いゲームだから、グラフィックなんてカスだし、色々と荒いけど、それもまたレトロゲームの味です。レトロゲーム好きで、本作(2017版アニメ)でグルグルに興味をもったなら是非、プレイしてみて下さい♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
まあ、グルグルだね。安定感はありますが、「懐かしい」と思えない視聴者にとっては退屈かも。あっ、「さっぱり妖精さん」お久しぶりっすw

2話目
原作や前作をうまく省きつつ、テンポよく進めていってますね。

3話目
生きてて良かった~かw 段々RPG感が出てきたね。

4話目
ギップルきた~♪ 修行、なんか「マギ」にも似た展開あったな。

5話目
ギャグのテンポが早いな(汗)

6話目
レイド、にくめない良キャラだよな~。

7話目
良い話。好きな話。

8話目
前衛が盗賊。後衛が魔法使いって、RPGならバランス悪いw ギップル、好き(笑)

9話目
なんかグルグルらしからぬ、魔法バトルしてるw

10話目


11話目
トマの墓w

12話目


13話目

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」王道冒険ファンタジーが今、幕を開ける!

この作品の原作は未読である上、恥ずかしながらアニメ化の発表があるまでこの作品の存在を全く知りませんでした。

物語を完走してwikiをチラ見して知ったのですが、もともと原作は1992年8月~2003年9月まで10年以上もの間連載が続いていた作品で、この間に2度もアニメ化されていたんです。
そして2012年から本編の続編の連載が始まり…そして今回のアニメ化に至っているというのが、この作品のこれまでの経緯です。

物語はごく自然に始まったので、まさか続編とは思いもよらず本作を思い切り完走してしまいました。
ですが、今回のアニメ化は続編とは言え原作の冒頭から始まっているのだそうです。
なので、途中の出来事はゴッソリ抜けているのかもしれませんが、物語をキチンと時系列を追いながら視聴できていることを知りホッとしました。

従って今回のレビューは過去2作のアニメ作品未視聴で、今回初めてこの作品を視聴したものになります。
もともと、この作品に食い付いたのは、キャラデザが可愛いこと、アニメーション制作がProduction I.Gさんであったこと、この2点でした。

Production I.Gさんがこういうゆるキャラ系の作品を手掛けるのが自分にとってちょっと意外でした。
だって、これまで獣の奏者 エリン、ギルティクラウン、PSYCHO-PASSや攻殻機動隊など、どちらかというと硬派な作品を手掛けるイメージがあったからです。
だから、当然期待もしていた訳なんですけれど…

この物語の主人公はジミナ村という辺境の地で生まれ育ったニケ…
彼は幼い頃から勇者になるべく父の厳しい修行に耐えながらここまで生きてきました。
そして物語の序盤…思い切りご都合展開なのですが、国王から勇者募集の案内をきっかけにニケは魔王討伐の旅に出ることになるのです。

ニケの住んでいた村には言い伝えがありました。
この村から旅立つとき、魔法オババのところに立ち寄らなければならない、ということです。
ニケは言い伝えに従ってオババを訪ねたところ、ククリという少女に出会う事ができました。
彼女は「グルグル」というミグミグ族にしか使う事のできない魔法使いだったのです。
でもククリの魅力はグルグル使い、だけではありません。

キャラがデフォルメされているので、分かり辛い…いいえ、デフォルメされていても可愛らしさが滲み出るほどの女の子なんです。
物語の展開上、キャラがデフォルメされていることで救われた一面もあるので結果オーライなのですけどね。
こうしてニケとククリは魔王ギリを討伐する旅に出立し、物語が動いていきます。

ニケとククリの旅は決して順風満帆ではありませんでした。
どの場所でも敵が総力戦を仕掛けてくるのが一番の理由ですが、そもそもニケとククリは駆け出しの冒険者でレベルが低すぎる点、も困難に輪をかけた要因になっています。

でもこの絶対的不利な条件がニケとククリには似合っています。
何故ならピンチになればなるほど、お互いを助けたいと強く思う間柄でしたから…
その強い思いが二人の新たなページを開き物語が進んでいく、という展開が基本なんです。

それと、相当の試練を伴う旅のはずなのですが、今一つ緊張感に欠けたパーティー構成も見逃せません。
常に二人に付き従うのは、風の精霊で道案内を兼任するギップル…
外見は一見可愛らしくみえるのですが、衣装が著しく個性的なんです。
それにクサい台詞を聞くと悶絶して倒れてしまうというオマケつき…
まぁ、時には頼もしい存在でもあるんですけどね。

でも、旅を続けるニケとククリとは全く別の意志が介在し…結果的に一緒に行動する機会の多かったのが通称キタキタおやじ…
彼はキタ村に代々伝わる「キタキタ踊り」を伝承する相手を探して旅をしていたのですが、偶然か、必然かは別にして何度も死線を一緒に潜る仲になりました。

別にニケとククリは望んでいた訳じゃないんです。
ただ、ふと気が付くとそこにいるんだから、そのおやじは本当に不思議です。
しつこいし、暑苦しいキャラではあるのですが、嫌いになれないタイプのキャラでした。

後は物語の展開に応じて同行する仲間がちょいちょい変わりながら二人の旅は続いていきます。

私はこの作品では声優さんに先行して食い付かなかったので、後から知った事が多いのですが、中々の声優陣で構成されています。
主人公のニケを演じるのは石上静香さん…
石上さんには演技の幅の広さに驚かされっ放しです。
「精霊使いの剣舞」では完璧な姉を羨望の眼差しで見つつ、自分の不甲斐無さを責め続ける公爵家の次女を…
「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」では下ネタテロ組織の首魁である華城綾女を…
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」では豊饒の女主人の元でベルの帰りを待ちわびるシル・フローヴァを…
この様に様々な顔を持つ石上さんですが、個人的には「食戟のソーマ」の水戸郁魅や「落第騎士の英雄譚」のメインヒロインだったステラ・ヴァーミリオンの様な、芯が一本通る凛とした女性の配役がとても似合っていると思っています。

目に入れても痛くないほどの可愛らしさを有するククリのCVは小原好美さん…
まだ新人さんの様ですが、2016年春アニメで「わたしにとってそれは…まるで月あかり」
この一節が胸に刺さった純愛物語「月がきれい」のヒロイン…水野茜を演じた声優さんです。
ククリと茜の性格は真逆…でもどちらも心に残るキャラに昇華されたのは小原さんの功績にほかなりません。

ギップルのCVが櫻井孝宏さんと知った時は、全然気付かなかったのでビックリでした…

ちょいちょい一緒にパーティーを組む仲間の一人だったジュジュちゃんのCVは大地葉さん…
これまで色々な配役をこなしていますが、一番好きなのは「プリンセス・プリンシパル」のドロシーです。
ドロシーは作品の中でも1,2を争うほど魅力的な女性でしたから…

この様な旬な声優さんと一緒に積み重ねる2クール全24話…
グルグル魔法の謎と真意…その他の伏線がきれいに回収されていきます。
このレビューのタイトル通り「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

ククリちゃんの可愛らしさを堪能しつつ、RPG感を味わいたい方にはピッタリの作品だと思います。
物語の締め方もこの作品ならでは…という感じで良かったと思います。
やっぱり完結するアニメって良いなぁ…と思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

おぬごん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あの名作をラストまで再アニメ化!代償は爆速テンポ…ギャグの補完はwebで

90年代前半から「ハガレン」登場までの約10年間、少年ガンガンを支えた名作が再アニメ化
作者が元々ドラクエ4コマ劇場の作家なのもあり、内容はファンタジーRPGのパロディギャグ&一応王道の冒険モノ
昨今流行りの「剣と魔法の世界」「勇者と魔王の世界」系の作品の元祖と言っていいかと思います
私自身原作も後述する旧アニメも本当に大好きで、実家に原作が全巻あるにもかかわらず、大学時代にサークルの部室用に再度全巻購入し直したくらいですw

94年にテレ朝系でゴールデンタイム(!)に4クール(45話)、00年にテレ東系の夕方枠で3クール(38話)のアニメが放送されていましたが、前者は途中からオリジナル展開になり、後者も原作完結前ということで途中までのアニメ化に終わりました
今回は晴れて原作の最初から最後までを通しでアニメ化となったわけですが、その話数はなんと2クール24話!!
そのため話のテンポがとんでもなく早く、94年のアニメで3クールかけてやってた話が、なんと今回は7話で終わりますw
同様に00年のアニメ3クールの放送範囲も8話~17話の10話で消化!
このテンポのため、一部展開に加え、作品の肝でもあるパンチの利いたギャグがかなり削られてしまいました
また旧アニメで非っっっ常にいい味を出していた冷めたナレーションもなくなり、原作準拠のテロップに変更
これらの変更のせいで原作ファンや以前のアニメを見ていた層には当初あまり評判が芳しくなかったように思います
かくいう私もナレーション消滅やギャグカットに不満を持っていました…パンを尻にはさんで右手の指を鼻の穴に入れて左手でボクシングをしながら「いのちをだいじに」と叫ぶ王子が見たかった…

ただスタッフもギャグカットは心苦しかったようで、次回予告やwebアニメ「ぷちあにめ劇場」で原作はもちろんドラクエ4コマ劇場のネタまで拾ってくれたりとかなり頑張って補完してくれていました
カットに伴うストーリー展開の変更に合わせて本来は別の場面のギャグを盛り込んだりもしてくれていましたし、
終わってみればスタッフは2クールという枠の中で最大限の原作愛を示してくれていたように思います
最終回には旧アニメファンに嬉しいサプライズもありましたしね!

キャスティングは旧作が17年前ということで一新
ニケ役の石上静香は発表の時点でピッタリなのがすぐに分かりましたが、ククリ役の小原好美も初々しく可愛くて良かったです
キタキタ親父役の小西やギップル役の櫻井は旧作とあまりに違うので最初は違和感がありましたが、お二人とも流石に上手くすぐに慣れました

作画はドット絵風の演出には賛否両論あるでしょうが、さすがのProduction I.G.
音楽は劇伴は良かったんですが、OPとEDは旧作の良さを考えると物足りなかった印象


このアニメで初めてグルグルに触れた方、旧アニメと比べて不満を持っている方は、ぜひ原作も読んでみて下さい!
前半の絵の下手さと後半にかけての絵柄の変化に驚くと思いますが、ギャグの面白さは最高です!
キタキタと2………? ………まあお好みで(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34

79.6 24 2017年度のファンタジーアニメランキング24位
このはな綺譚(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (559)
2409人が棚に入れました
あの世とこの世の間にある宿場町に建つ「此花亭」。
ここは神様に仕える狐っ娘たちが働く温泉宿。
期待と緊張で胸をふくらませ「此花亭」へ奉公にやってきた柚。
個性的な先輩たちに迎えられ、仲居修行が始まりました。
ある日、ちょっと頑張り過ぎてしまった柚は、お客様である薬屋さんを転ばせてしまい、
先輩仲居である皐とともに謝罪へと向かうのですが…。

声優・キャラクター
大野柚布子、秦佐和子、諏訪彩花、久保田梨沙、加隈亜衣、沼倉愛美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ギリギリ踏ん張った

1話感想
{netabare}タイトルからしてそうだけど、ひょっとして花ネタをガチでやる?
着物の柄がキャラの名前通りの花になっててビビった。
ってか蓮(=ハス)に至っては名前紹介される前から「あ、ハスだ」と分かってちとフフっとなった。
お陰でキャラの名前は全員一発で覚えられました、これは珍しいことでっせ。
(あ、柚の着物の柄はちょっとう~んって感じ。合ってはいるけど…)
いやね、キャラを花の名前で統一してる作品は過去にもあるけど、それがちゃんと連動してるかどうか疑わしいモノが多くてねぇ…。

で、そうなると気になってくるのが、これ、季節変わるんだろうか?って点。
夏の花もあれば秋の花もあるワケで…ずっと春ってことは無いと思うのだけど、背景ちゃんと描けるのだろうか?
夏の桜なんて毛虫が着いて大変ってイメージしか無いぞ?

ところで他の方も指摘してるけど、とても“うらら”っぽいですよね。
うらら好きだったので良いのだけど、そのうち「占いにハマる」なんてネタが来たら腹抱えて転げ回ると思います。

それとOPのスタッフにもりやまゆうじの名前が…。
ついこの間“ようこそ実力主義~”の11話でも見かけたが…多分その時はアクションシーン担当したと思うのだけど、こっちそんなアクションするような作品じゃないよね?{/netabare}

2話感想
{netabare}え?ムスカリ?
序盤の風呂シーンで背景に咲いてる青紫色の花ね、導入自体は明治頃らしいが流通しだしたのは30年前程度という外来種。
作品の雰囲気的にブチ壊しな花なワケだけど、OPでセーラー服の女子高生らしいのも出てるしなにかの伏線なのか?
そういやけものフレンズでも2話でヤツデが出て伏線になってた(冷奴)っけ…そういうこと?
ああ見えて時代は現代とか。
とりあえず考証を怠ってたってことだけはマジで勘弁して欲しい、現状違和感しかない。
一方OPで巫女装束キャラも出てるので名前はヒイラギかサカキなんじゃなかろうかと思ってたら、当たっちゃった。
(宛てられてたキャラは違うけどね)
ついでに風呂シーンの翌朝、桐が女将に呼ばれるシーンで手前に配置されてたのは多分コデマリ、縮尺がワカランので自信ないけど。

感想は…あの神様の正体を探ろうと占いすると追い出されるとか闇に落ちるとかそういうのに違いない。
まだこれといって親交深めてないのに泣き出すのはちと早急な気が。
ずっと春なんじゃなかろうかと危惧したがどうやら季節は変わるっぽい、夏の花や秋の花期待してもいいんだよ…ね?
とりあえず桜終わったら次はキリ、サツキ辺りか…その後にヤマボウシが来るかどうか見所かな。
いやね、落第騎士~って作品で季節の移り変わりにサクラとアジサイの間の期間にハナミズキを使うという演出してたので。
それを超えるくらいのことはして欲しいので…。{/netabare}

3話感想
{netabare}ちと1話の感想の書き忘れから。
仕事に追われて周囲に目もくれずにいたのを「もうちっとのんびりしましょう、季節の移ろい見よう」と示したのが櫻と柚のやり取りだと思います。
良い話ではあるけど…即ち今後背景にちゃんと季節ごとの花を描いていかないと台無しなワケで「ハードル上げてくなぁ、大丈夫?」という思いを抱いてます。
別に違ってたとしても「ほれ見たことか」と論(あげつら)うつもりは無いけどね、むしろ心配するというか。
と、そんな前提のもと↑の感想は書いてました。
「花ネタうっせーよ」ではなく「花ネタ注目していきましょう」って作品かなぁ、と。

さてそんな中の3話。
期待通り季節に合った花が次々と出て…っていうより出し過ぎじゃね?
サクラは終わったけどまだ水仕事はキツい時期。
前回風呂場の背景ムスカリで「なんで?」と思ったが今回はキンセンカ、庭にはスズラン。
回想シーンでミズバショウ、掛け軸にアサガオ(この2つは季節微妙に違うが問題ない)、そして蓮と柚の会話シーンでサツキ(orツツジ)に見せかけて…んん?この花の付き方はシャクナゲじゃないか。
妙なところで妙なチョイスしますなぁ。
しっかしこんなに使っちゃって今後ネタ続くのかな?まぁ使い回しても構わんけどさ。
ネタに詰まって海外種に頼ることにならなきゃいいけど…(といっても戦後導入種でなけりゃ気にしない)。

内容の方は…。
柚が底抜けにお人好しで蓮が「少しは疑うことを知れ」みたいなことを井戸に叫ぶが、人物ボカしながら悩み打ち明けた時まんまと見抜かれてて…ん?柚って結構目ざとい子なのか?
ボケっとしてるように見せかけて案外食わせ者だったりして。
でもって3話は全部通して蓮の皐スキスキ話だけど…う~ん、個人的に最近百合ネタは食傷気味というか。
とはいえこれはタイミングが悪いってだけで作品が悪いということではない。
それよりも…少年キャラだと?
この手の作品で少年が出るって珍しいような?
まぁショタには興味無いんだけど、ホモじゃなくて普通に女の子に興味あるみたいでなんか斬新に見えてしまう…ちと自分汚れすぎかも。
レギュラーなのかどうかも分からないけどねー。
ってかなによりも気になるのは、こいつらって大人になると犬面になるのか?
そうであるなら…成人してからのほうがタマランって人も居そうな予感、どうなんだいそこら辺。{/netabare}

4話感想
{netabare}冒頭ひなろじ難民救済、またやってくんないかなぁ。
今回ってもしかして本来原作では複数のエピソードだったのを1つにまとめたのかな?
というのもあの世界の設定紹介(生と死の狭間だったのか)と夢がどうたら~って件を同時にやられるとなんか混乱する…回想シーンで回想やられてる感じ。
最初謎の少女は座敷童かと思った。
折角(キャラ名)桐が居るんだし、娘が生まれたーって話なら(木材の)キリと絡めることはできなかったのかな?
(自分は反物といったら桐箪笥とは切っても切れないってイメージがある)
蓮ってカワイイと言われて照れるキャラだったっけ?「そんなの当然よ」とフフンとするタイプだったんじゃ?
最後親子で階段登るシーンは途中振り返ったらアカンやつかな?と思ってしまったのは無粋だろうか。
う~ん、なーんか展開に強引さを感じてしまいます、テンポがおかしいのか?

でもって今回の風呂場の背景の花はアスターかデージーに見えるけど…え、アスター?ちょっと自信ない。
後半に出てた花も違いを強調して描かれてるでなければイラストでボタンかシャクヤクかを見分けるのは無理。
作品の内容的に…アカン、それでもワカラン。
いずれにせよ紅白に絞って黄花を紛れさせなかったのは好印象、やっぱ雰囲気的にね。

今回注目するのはEDが変わったこと。
夏がテーマで、これってつまり3話ごとに春夏秋冬の4パターンのEDが用意してあるのか?
EDの入り、1カット目が今回よく出てたボタンorシャクヤクで、それ含め似たようなカットが3枚続きました。
次回はアジサイでその次はヒガンバナをテーマに計3話やるってことじゃなかろうか、ヒガンバナが一気に季節飛ぶけど。
因みにその3カットの後は主要キャラに即した花が描かれてたけどサクラとナツメはハブられてました、季節じゃないから仕方ないね。
最後はホタルブクロ、それよりもよくまぁキリの花を描いたもんだ、結構無理してて苦労が忍ばれます。

ところでEDに百合の花は出てませんでした、秋に回すには無理がある気が…。
これ系で百合が出ないってのはちと考えにくいのだけど「ユリ?毎回散々出てるじゃないか、女の子同士がイチャイチャすることで」ってトンチ利かせてるワケじゃないよね?
もしそうだったら…評価せざるをえない。{/netabare}

5話感想
{netabare}マツコさんキター!
やっぱりうららの続編作ろうよ。
繰り返しになるけどOPでセーラー服キャラ居たので心構えはできてたが、リボンとか西洋ネタ来たけどそこら辺の塩梅もうららのが上な気がする。
神道だとあの世界に行くって感じなんかね?クリスチャンは無理そう。
後半の機織りの話は…ええいこれでは桑畑が出ないじゃないか。
しかも今回風呂シーン無し、ノルマじゃなかったのか。
乳首見えないなら風呂シーンなんて有っても無くても一緒なのだが、何気に背景にどんな花が植えられてるかをチェックするのを楽しみにしてたのでちと残念。
でもって今回花はアジサイの一点推し。
エンディングでタチアオイが出てたので梅雨ネタに絡めるかと期待したのにスルーとはこれ如何に、桃色パラドックスでは使ってたのにね。
次回出るんかのう?
しっかし、作画頑張ってはいるけどやっぱりもう一杯一杯でギリギリ踏みとどまってる感。
単なる指定ミスかも知れないがアジサイの縮尺がおかしいカットが…ひいい頑張れ。{/netabare}

6話感想
{netabare}EDで6話はヒガンバナをメインにすると予告されてたワケですが、果たして夏にヒガンバナってどういうこと?と思ってたら…なるほど!
夏→怪談→ヒガンバナってことだったのね。
更に現実の季節の花は一切見せず、回想シーンではサザンカでした。
つまりは、夏の回なのに夏の花ナシ、けどちゃんと夏の話というなかなかの変化球。
洒落たことやってくれるねぇ、お約束崩しをして中だるみ回避も狙ってたのかも?
けどこれで秋にヒガンバナ、冬にサザンカを使うストックを減らしてしまったような…重複してもいいけどさ。
ところで4話の母子は天国?への階段を登って行ったのに、今回は三途の川なの?と疑問に思ったが、これって悪霊になって悪さをした罪があるせいかなーと思ったり。
すぐに赦免されるとは思うけど、ここら辺ちゃんと使い分けてるのだとしたら評価したい(ただの気分なだけな気もするが)。{/netabare}

7話感想
{netabare}前回イキな演出をやって、これで調子が上ってくかな?と期待しての第7話。
…。
あびゃああ、ヤベーくらいに作画がギリギリ。
脚本だかコンテだか、早い段階で手間を減らす配慮がされてるせいかキャラクター自体に崩れは無いが、兎に角動かないし、民衆を最低限しか映さない。
キツネがキツネの面を被るのは本来フフっと笑うシーンだったのかも知れないが、これも作画の手間を軽くする方策なのかなーと穿った見方をしてしまう。
前も書いたけどギリギリ踏み留まってる感…ひいい最後まで堪えてくれ、なんか違った意味でヒヤヒヤする。
内容は…前回に引き続き柚が“あっちの世界”へ行きそうになるという…感受性が高くてそういうのに飲まれやすい性質なのかね?
悪霊なのもお構いなしに親切に接した恩により戻ってこられたが、自分の立ち位置をしっかりしないと連れてかれちゃうってことなのかも知れん、お菊も今はそういう目に遭いやすいって言ってたし。
蓮はなんかこじらせちゃってる感、正直コワイ、こっちのが先に闇落ちして“あちら側”へ行ってしまうんじゃなかろうか。
「一見穏やかだが一歩間違ったらヤベー世界に行きかねない、そんな危なっかしい世界が舞台」ってのはうららと共通するが、危なっかしさの表現が物足りないような…これも作画のせいか?
リアルの祭りでしんこ細工って自分見たことないかも…。

でもって花。
冒頭と桐が年齢訊かれた時にツンツンしてたのはワレモコウ、それと後半2カットだけ出たのは…なんだこれ?
自分にはクルクマに見えたが…クルクマ!?
同じ仲間のウコンならギリギリ世界観に合うと思うが、葉が無いのはなんか変。
画面でピンクに見えたのは花でなく葉(ハツユキカズラとか)の可能性もあるけど「このはな~」ってタイトルでそんなの出すかなぁ?
そして予想通りED変わりました。
あんまり花が出てなくて予想立てるには物足りないが…お、アカマンマあるね、オママゴトする話でも来るかな?{/netabare}

8話感想
{netabare}いやぁヒヤっとした。
この世の人がこのはな亭へひょいひょい行けてしまうのは何度も死の淵に立ってるせいなんじゃ?と思ってしまい、少年はああ見えて難病持ちで何度も危篤状態になったり余命幾ばくもなくで、更に当人は知らずに大人達だけ知ってるとかいう切な過ぎる話かと思った。
オチで実は犬でしたって明かされてホっとしたけど、犬が自分は犬だと自覚せず人間だと思い込んでるって話はたまに聞くが、それとは関係ないかな?
そういう犬は「飼い方が悪いと」って例なので、盲導犬はそんなことないでしょう。
…まさか盲導犬の訓練は死と隣り合わせとか、そんなハードじゃないよね?
オヤジについては、意識戻っても失明してるってオチが用意されてるのならその前に美しい光景を目に焼き付けるって話があっても良い気がした、このはな亭ってそういう場所ちゃうのん?と。

冒頭に出た花は季節的にノボタンかと思ったが葉が全然違う。
ひょっとして前半は別の季節?ってことならハナシノブが一番近いかな(それでも葉の着き方はアレだけど)。
だとすると季節は春で海の水はまだ冷たいぞ、ヤベーって、そりゃあ死にかける。
中盤でヒガンバナ出してなんとか秋っぽくしてたけど、他にもいくらでも花あるじゃーん?と思うも、やっぱりそこまで美術拘ってらんねーってことなんだろうか。{/netabare}

最終回まで見ての感想
{netabare}毎回植物当てクイズに挑戦してみようかな~と思ったのだけど…途中で断念。
全っ然出ない回(キンモクセイが止め絵で1カットあるだけ)があって気力萎えちゃいました。
↑でも書いてますが「夏なのに夏の花が出ない回」というなかなか凝った演出の回があるだけに、じゃあ他の回はそれを引き立たせるためにも頑張って季節の花を出さなきゃアカン…となると思うのに、それができてない。
これはスタッフも途中で力尽きたのかなぁ?
作画も崩壊一歩手前でギリギリ踏ん張ってた感じだし、エンディングで蓼(タデ)が出てたのに本編に出てないのもそう思わせる。
それ以前に同期に放送してる作品に魔法使いの嫁ってのがありまして、そっちも毎回植物出るってワケではないのだけど、出す時は驚くくらい拘った描写をしてまして、どうにもそっちに軍配が上がってしまいまして…。
日本庭園vsイングリッシュガーデンって図式を勝手に妄想してましたが…まぁ~勝負にもなってなかった。

1話がサクラ咲く季節からのスタートで、てっきり作中で丸一年を描くのだと思ってたら最終回は正月で〆でした。
2月3月が無い、まさか旧正月だったりする?
放送時期(2017年10月~12月)からして最終回近辺がリアル時期と合致するため、見終わったら「じゃあ実際に外出て何が見れるか散策してみよう」って人も多いんじゃないかな?
そういう意味でも後半…冬の植物は気合いを入れて欲しかったが、もうなんかもう全然でした。
比較ばっかりで恐縮ですが、2クール作品の魔法使いの嫁は放送後ネモフィラ畑(5月の連休が見頃らしい)へファンが行きそうな気がするけど、こっちの作品ではそんなの無い予感。
一応旅館が聖地になるのか?

内容に関しては、柚が不思議空間へ迷い込むネタが多かった印象。
少なくとも3回は迷い込んでるよね?
最終回も「またか」って感じで目新しさを感じなかった。
回想シーンで柚がビクニに拾われる直前、威嚇してたのは意外。
そんな子がビクニの元であんな丸くなって…と思ったら「物足りなさ」の正体が分かった。
ああ、ガチ怒りするシーンが無いんだ。
それやると優しい世界にケチが付くと判断したのかねぇ?
自分のためでなくとも人のために怒るシーンあっても良いと思うんだがなぁ…けもフレで「カバンちゃんを返して」としがみついてたシーンでホロリと来た人も多いと思うんだがのう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

みゅ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

こういうの大好きです

癒されますね。
やさぐれた心に染み渡ります。

日常萌えアニメというよりは、「ARIA」のようなヒーリングアニメの分類かと思います。
癒されるだけでなく、台詞一つ一つがとても深く、考えさせられます。
現代に擦り込まれた醜い常識というものが覆るような、物事の本質を捉えた作品だと思います。
悪い言い方をすれば、綺麗事の塊です。
でも大好きです、こういうの。ただの綺麗事ではなく、心に響きます。
この作品のタイトル「このはな綺譚」は的を射ていますね。
まぁ、タイトルは1度改定されたようですが。
元々は「此花亭奇譚」だったようです。
ですがその変遷を見ると、「妖しくも、美しい物語」という二つの意味が同居していることが分かる良いタイトルだと思います。

2chなどでは女の子が可愛いだけとか萌え豚御用達とか言われてます…
まぁキャラデザはかなり可愛いですし、視聴の動機にもかなりの割合で影響しています…キャラデザが好みじゃなかったら観ていなかったかもしれませんが…
それよりも注目するべきはシナリオと、それを引き立ててくれる、非常によく練られた演出です。

シナリオはとても心温まる内容で、人誑しな性格をした主人公が登場人物を次々と魅了します。
主人公は育った環境の影響で、非常に澄み渡った考え方を持っています。
見習いたいと思うほどに。
なんだか臭い台詞を吐くヒロインは数多居ますが、ただ物事に鈍感なだけか、発達障害を疑わざるを得ない頭の中身だけ幼稚園児なおバカさんである場合が殆どです。
幼稚な性格=可愛い という安直な方程式が組み込まれてしまってるんですよね。
幼稚=純粋 とか。それが通用するのは子供までだと思うのですが。
まぁそんなヒロインばかりが溢れているので最近はなんとも思わなくなりましたが…

しかしこの作品の主人公は幼稚でも鈍感でもありません。
むしろ達観していると言っていいです。それでも嫌味がない。
上でもチラッと述べたように、人誑しなのです。
他人の感情の変化や心情には機敏に反応し、その人物が最も欲している言葉を捧げてくれます。
作者の技量が伺えますね… どうやったらこんな台詞や考え方が次々浮かんでくるのか…
そんな主人公に登場人物たちは惹かれていきます。
現実にこんな友人がいたら一生ついていきますね(笑)

多くの人が抱えていそうな悩み、時には辛過ぎて逃げ出したくなるような事柄に対して、とても前向きな考え方を提供してくれます。
主人公は日常に潜む小さな幸せを心から慈しみ、どんな後ろ向きな感情にも前向きに向き合って登場人物たちの心を救います。
主人公は、といいましたが、此花亭がそういう場所なのですね。
台詞一つ一つが突き刺さります。


私は「ARIA」も観ているのですが、好きな作品ではあるのですが中々手が進まず、2期の序盤で停滞中です。
というのも、ああいった綺麗な雰囲気に映像がついていけてない感じがして見応えを感じないのです。
これはひとえに現代の優れた技術を用いて作られたアニメに慣れてしまい、私の目が肥えたことが原因かと思われます。
シナリオは好きなのですよ。
その証拠に、同じスタッフが似たコンセプトで作った「たまゆら」という作品はすんなり観終えることができました。
余談ですが、この2作品は、主人公の性格や取り巻く環境が、このはな綺譚と似ている部分があります。


なぜここのレビューに他作品の話をわざわざ書いたかと言いますと、映像の美しさがどれほど作品の良さを引き出すかを伝えたかったからです。
この作品は、非常に安定した作画に、こだわり抜かれた演出が合わさり、とてつもないことになっています。
背景の美しさはこの作品の魅力をかなり引き立ててくれています。
第5話の、「梅雨送りし」での色調を落とした演出は、狙っている効果は見え見えなのに鳥肌が立ちました。
毎話非常に高水準な映像美が繰り広げられますので、ここで語るには長くなり過ぎます。
ご自分で堪能してください。

キャラの表情芝居もとても細かいです。
京アニ程ではありませんが、細かい表情の動きが丁寧に表現されています。
今のご時世、「とりあえす可愛い女の子をキャピキャピさせときゃいいだろ」とか「最強の主人公が敵も女の子も無双しとけば売れる」みたいな政治的思想がダダ漏れの作品が多いですが、そういった作品は得てしてキャラデザ頼りで作画は不安定、表情は乏しく全く魅力がありません。
1無表情2赤面3笑顔4怒り5寝顔
精々この5パターン前後くらいを記号的に使いわましている、俗に言う量産アニメですね。
いや、そういうアニメも無くてはならない物だと思いますし、私自身も観ますので非難したいわけではないのです。
表層的な部分に囚われて一緒くたにして、自ら視野を狭めるようなことをしないでいただきたいのです。
粗探しをするのではなく、良さを見つけた方が、いろんなものが楽しめると思いませんか。
上記のようなアニメを毛嫌いする人は割と大勢居ます。
ですが、キャラデザなどの表層的な部分だけで作品を決めつけ、「萌え豚アニメなんて糞食らえ」とか言わずに中身を観て頂きたいと思います。
私自身最初はその手のアニメだと思い流し見要員で視聴を始めましたので、まさか見入って感動させられるとは思っていなかったのです。
こういった1話完結型のいわゆる萌えアニメで泣いたのは初めてのことでした。
ウルっとは来ても中々泣けない体質(?)なのでいつも涙が引っ込んで残念な気持ちになるのですが、この作品は耐えきれませんでした。


某アニメ作りのアニメに出てくるいろんな意味でプルンプルンしてる監督が、「アニメってテンプレの代名詞か!?違うだろ!!」とかなんとか言ってましたが、まさにその通りで、記号的な表現を貼り付けるだけではこういった作品は仕上がらないと思います。
まぁそうは言っても萌えアニメ感は強いですので、その方面の記号的表現は多々ありますが…(苦笑)
そこだけを抜き出して叩くのは違うと思います。

まぁとにかく映像が綺麗なんです。

映像が綺麗で作画が安定していてキャラデザが可愛くて感動するという事を言いたかっただけです。


割と止め絵も多く使われていて、上手く作画カロリーを抑えているのもこのクオリティーの維持に貢献していそうですね。
基本的にはよく動くんで。


実はまだ最終回までは観ていないのですが、何回か泣かされかけて、いよいよもって泣かされたのでレビューを書かずにはいられませんでした。

ラストの締めで評価が落ち込むようなことも、もしかしたらあるかもしれませんが、今抱いている印象が消えるわけではありません。
素晴らしい作品です。
もっとこういった風に丁寧に作られたアニメが増えるといいですね。


(その後最終回まで観ましたが、最後まで素晴らしい作品でした。
1話もつまらない回がありませんでした。中々無いですよ、そんなアニメ。
原作もまだ続いているようですし、読んでみたいと思います。)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

美しいものを美しいと思う、あなたの心が美しい。 by みつを

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
とても美しい作品でした。

それは、映像だったり、風景だったり、音楽だったり、人の心だったり。

自分が観てきたアニメの中で、(設定はちがいますが)一番近い雰囲気がするのは、「ごちうさ」かな? どこまでもピュアピュアで微百合なところがね。

日常系百合萌えアニメとしては、かなり高いクオリティにあると思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
、、、でも、ピュアピュアハートを直視できない私は、心の汚れた大人です(笑)

別に嫌いじゃあないんだけど、そういえば「日常系百合萌えアニメ」って、どハマりはしないな~と。

「ごちうさ」も、「うらら」も、「ひなこのーと」も「きんモザ」も、嫌いじゃないし楽しめたけど、そこまではハマりませんでした。

どちらかと言えば、「ゆるゆり」とか「ゆゆ式」の方が好きですね。つまり、ややギャグよりの方が好みということです。

とはいえ、自分の好みを度外視すると、やっぱりハイクオリティなアニメだったと思います。お気に入りは、櫻、でしたw 和みましたw

本作の特徴としては、主人公の柚がとにかくピュアだということですね。一点の曇りもない、澄み渡った春の空のような柚の視点で物語が紡がれるため、ドロドロとしたものは描かれません。描かれないというか、ドロドロしたものに、柚のエッセッンスが1滴でも加わると、すっと綺麗な物語に変わるんですよね。他の登場人物達も(ゲストキャラ含め)、柚のピュアピュアハートに触れることで自分の中にある「黒いモノ」が、スッととかされていくようでした。

例えるならば、「油汚れの~J○Y♪」のCMのように(油汚れに1滴垂らすと汚れがパッと散るような感じw)。

多分、柚にはいろんな事が美しく見えている、見ようと努めているのでしょうね。

尤もそれは、柚が生まれつきもっていた資質ではなく、実際、幼いときの柚は、「あの人嫌い」「きっとこういう風に(悪く)考えてるんだ」なんて言っています。でも、八百比丘尼に深く愛され、育ったことで、人を愛せる力を身に付けたのでしょう。実際、子供の時に(親などから)深い愛情を受けて育った人は、大人になってからも、しっかり人を愛せるように育つと言いますしね。

やはり、柚の心が綺麗だから、世界は美しく見えるし、そんな本作を楽しめた皆様は、やっぱり心が綺麗なんだと思いますよ♪ (私と違ってw)

、、、ところで、主人公の柚を、「おおきく振りかぶって」の「三橋 廉」に似ていると思ったのは、私だけでしょうか(笑)? 口の形とか、ピュアピュアでカワイイところとかw
{/netabare}

【余談~ 美しい作品、「美」の語源 ~】
{netabare}
「美」は、やはり「美人」「美声」「美化」など、「外形がりっぱできれい。うつくしい」という意味合いで使われます。

しかし、本来の「美」はもともと、「心の有り様、心の美しさ」を表す言葉でした。

「美」を上下に分解すると「羊」と「大」に分けることができます。大きな羊が美しい? というのは、「大きな羊は皆で分け合って食べることができる。その様が美しい」ということです。

誰かのことを考える優しさ。誰かを救い、共に在ろうとする心。それが本来の「美」であり、「美人」。

そう考えると、やはり柚は「美しい人」なんでしょうね。作風にぴったりの漢字です♪

※勿論、語源には諸説あります。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
萌え&百合系? そこまで好きなジャンルではないかな。絵と音楽はかなり綺麗だね。ロリっぽいキャラデザはあまり好きじゃない。1話で二人のキャラ紹介とか、かなりテンポが早い。主人公の柚は、「おおふり」の「三橋」っぽい(笑)

2話目
例え家が焼けても優雅にw やはり、テンポが早いな~。桜満開から祭の流れは、いくらなんでも早すぎないか? 情緒不安定かw 今のところ、イマイチついていけてない。

3話目
みんな同じことしかできないなら、仲間はいらない。その通り。百合百合してるな~。柚だから気がつかないのもアリだと思ったがw 百合百合してるな~(汗)

4話目
なんかこう、どこまでも素敵なアニメで、逆に、観るのがツラい(苦笑)

5話目
まず、雨粒を機織りするというのがね、なんともこの作品らしいね。

6話目
柚の資質が後天的であることが分かる回だね。

7話目
夏祭り回は鉄板だね~。迷子が逆w ここでこの間の幽霊さんが登場って、素敵♪ 蓮の二面性、深いところのコンプレックスや心の傷は、愛しくなりますね。

8話目
ウソップとカヤみたいだな、ONE PIECEの。ん? なんかこう、人間界の世知辛さと、此花亭の温かさとの対比かな? なるほど~、よく出来た、いや、よく出来すぎた話だな~。劇団ひとりさんの小説、「陰日向に咲く」みたいだな。

9話目
コメディタッチだね。あわなみ? 知らない神様だな。

10話目
柚の成長だね~。ゴシップ好き(笑) お姉ちゃん(笑) なるほど、柊の真実、やっぱり優しい世界だ。

11話目
ハロウィン、ディスってる、イイねw 二人の神様、マツコさんとミッツさんがモデルかな(笑) 人形、女の子の友達ってのは、素敵解釈。お菊、今、初めて遊んでもらってる最中だから、成仏しないんだね。

12話目
自分の為の願いは、自分で叶えるものだから、自分の為以外の願いしか叶えない。なるほど。邪なものの中にある、美しいもの。ウカ様、いなこんw 椿(女将さん)の真実、いいね♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43

65.7 25 2017年度のファンタジーアニメランキング25位
ブラッククローバー(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (250)
1192人が棚に入れました
かつて世界が魔神とよばれる存在によって滅ぼされようとした時、1人の魔導士が現れて魔神を打倒し、世界を救った。後にその魔導士は伝説となり、魔法帝と呼ばれた。

それから時は過ぎ、クローバー王国は代々の魔法帝とその下に存在する9つの魔導士集団「魔法騎士団」によって、平和を謳歌していた。そこに住む貧民の孤児の少年・アスタは、同じ孤児である少年・ユノと共に、魔法帝を目指して日夜鍛錬を続けていたが、魔法の才能溢れるユノとは正反対に、アスタは全く魔法を使えずにいた。

やがて15歳になり、魔導書(グリモワール)が授与される日、ユノをはじめとする周囲の者達へ魔導書が与えられるが、アスタだけには与えられなかった。その後、ユノの魔導書を狙う盗賊によって、アスタは自分が生まれながらに魔力を一切持たない人間であることを知る。アスタは絶望して夢を諦めかけるが、ユノの「アスタは俺のライバルだ」という言葉に闘志を再び滾らせ、魔法を無効化する力を宿した「五つ葉の魔導書」を手に入れ、盗賊を撃退する。

改めて魔法帝を目指すことを決意したアスタは、半年後、最低最悪の魔法騎士団と言われる「黒の暴牛」に、ユノは最強の魔法騎士団「金色の夜明け」にそれぞれ入団する。2人の魔法帝を目指すための一歩が、ここから始まる。

声優・キャラクター
梶原岳人、島﨑信長、諏訪部順一、優木かな、福山潤、室元気、村瀬歩、日野聡、水樹奈々、安野希世乃、松田健一郎、森川智之、鳥海浩輔、小西克幸、小林ゆう、浪川大輔、小野大輔、寺島拓篤、西明日香、逢坂良太、中尾一貴、久保田未夢
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

1話感想
{netabare}第一話は恐ろしいくらい世界観の説明をしてくれて、親切というよりしつこいと思うくらい。
特に「この世界では魔法が全て~」って台詞が連呼され、まるで「別の世界」があるかのような錯覚さえ覚える。
けど…そんなことは無いんだよね?
とてもその世界で暮らしてるキャラクターの言葉ではなく、作者や制作に喋らされてる感がバリバリだったが…仕方ないのかなぁ?

で、話としては主人公がデルフィングの代わりに5つ葉のクロニクルを手にして物語スタート、のための設定紹介ってところでしょうか、1話は。
優秀な幼馴染が居たり目標は魔法帝になることだったり、物凄く分かりやすいというかシンプル。
ここから複雑になっていくのか、キャラメインで行くのか、原作知らんので展開サッパリ知らないけど入りとしては悪くないんじゃないかな?

ところで自分は何故か“牙”が頭をよぎったのだけど(多分幼馴染のせい?)、あんな展開になったら神アニメだけど、そんなことは無いよねぇ?{/netabare}

3話までの感想
{netabare}2話は殆ど回想シーン。
この作品全何話か知らないけど、ひょっとして長くやる予定?
話数多いんだったらこのくらいのペースは気にしない。
が、次の3話。
1・2話で出た“追放されて悪さしてた魔法騎士”の暴れっぷりを見て村の騎士志願者が尻込みしてしまい、結果的に村からはアスタとユノの2人だけしか王都へは向かわない。
ってのは余計なキャラ出さずに絞り込む手段として上手く追放騎士ネタを落とし込んだなぁと思ってたのだけど、肝心の2人の王都までの旅路が…なーーーんもこれといったイベント無し。
あっれー?
山賊に襲われるとか魔物(居るのか?)に遭遇するとかナシ。
とはいえ、出立を出送る教会の人達とかのシーンもあることだし、これ以上イベント挿入したら3話はかなり詰め込まなきゃいけないことになってた?
一方で何もアクシデント無しで旅が終わってしまうのはこれはこれで物足りないというか…なんか帯に短し襷に長し状態。
とりあえず、ここまでがプロローグですかね。{/netabare}

6話までの感想
{netabare}↑で「ここまでがプロローグかな?」と書いたが、まだまだでした。
6話まで進んだのに未だ王都が何と戦ってるか分からない、騎士団の業務内容が分からない。
それが分からないから騎士団入団試験も意味が分からない(戦力だけが重要なのか?等)。
これまた↑で書いた感想にかかってくるけど、最果ての村から王都までの道中トラブルも無かったし治安も良いみたいだし…。
凶作に見舞われて貧困にあえぐ村から年貢の取り立てをするとか、貴族と平民を天秤にかける事態に陥って貴族救うために平民見殺しにするとか…まさかそんなのはあるまい。
ハテ、他国にでも侵略してんのかね?
騎士団の志願者を募るのも、魔法が使えなきゃ価値が無いってのも、何かを想定してのことだと思うのだが…まぁ今後明かされるんだろうけど、そこまでやってくれないとプロローグまで至ってない気分。
えらくスローペースだなぁ、1年以上放送する予定なのかな?
こうなったら、むしろ暫くは王都が何と戦ってるかは見せずに、雑用をこなしつつ段々と世間が見えてくるって方向のが面白そうな気がする。
折角国の裏側・汚い部分の処理担当と思われる暴牛団入ったんだし雑用シーン描かないのは勿体無い気がするが…ジャンプマンガでそれを期待していいものかどうか。

ところで主人公の声だけど、個人的にはボンバーマンジェッターズのガング(アメリカザリガニの柳原哲也)みたいに感じる。
そこまで不快には感じないが、変っちゃあ変よね。{/netabare}

82話までの感想{netabare}
自分は大抵こういうの(ジャンプ系の話数の多いアニメ)って途中で脱落するのだけど、ブラッククローバーは未だ何故かずっと見続けてます。
といっても凄く面白いワケでもなし、新章開始の頃は何度も脱落しかけてるんですけどね、海底都市編の始まりの頃はかなりヤバかった。
で、感想も「いつものジャンプアニメだな」ってだけで特段語ることもないのですが、ひとつ気になってることがあって。

チャーミーウゼェ

王都襲撃編では他の連中が大わらわだった中コイツだけ余裕ぶっこいて暴食の限りを尽くすわ、海底都市編でも食っちゃ寝で大して苦労してないわ、それでいて「どう、カワイイでしょ?」ってな振る舞い(アニメ上での扱い)はなかなかにイラっと来ます。
「モッチャリモッチャリ」とか聞く度に殺意が沸く。
死ねとまでは言わんけど(本音としては死んで欲しい)、ちょっとはギャフンなりトホホと言うような描写が無いとヘイトばかりが溜まります(※)。
とはいえこれってなーんか既視感があって、原作未読なので原作ではどういう扱いなのかは知りませんが、ひょっとしてこれって…尺稼ぎでアニオリのキャラ付けがされてる?
キン肉マンの与作や五部刈りの小芝居って当時スゲー嫌いでした、当時見てたガキは誰も不満に感じてなかったと思ったら大間違いでっせ。
もうちょい新しいのでいえばドラゴンボールZの「一方そのころ──」とナレが入ってカメハウスで始まるど~~~でもいい茶番、あれでガクっと来た経験のある方は多いんじゃない?多くない??
ブラクロのチャーミーってそれに相当するポジなのかな?とは思ってて。
アニメが原作に追いついちゃうのは仕方のないことで、尺稼ぎの苦肉の策としてチャーミーの要らない活躍を挟んでるとするならウザがるのも悪いかなぁ、と(とはいってももうちょいヘイト貯めない描写できんのか?とは思うが)。
数話に渡ってまるまるアニオリ展開されるのとどっちがマシなんでしょうね?
因みにブリーチやナルトはアニオリ展開(多分)で脱落しました。

恐らく「フッハ」も似たようなものだと思うのだけど、こっちは※印で書いたようなギャフンやトホホがあるんですよね。
なぜチャーミーで同じことができない?と不思議に思えたり…ここら辺が「どう、カワイイでしょ?と扱ってる」と感じる部分なのかな。

なーんてことを思ってたら、82話がチャーミースペシャル。
ひえええと身構えてたら実際はプチットクローバースペシャル…見覚えのあるものだったり無いものだったりの混在で1話まるまるプチクロ。
「それ本編のずっと前のネタじゃん」と突っ込み入れたくなるのもあったけど、それ以前にプチクロって人気あるのか?たまに笑えるのもあるけど。
で、結局そこでも「どう?チャーミーカワイイでしょ?」推しされててアニメスタッフの認識がよーく分かった。
扱いが下手だと推せば推すほどヘイトが溜まるだけだと思うのだが…。{/netabare}

85話までの感想{netabare}
あしまった、すっかり忘れてた。
ナルトが有名だけどこの系統って作画は基本イマイチで、だけどたまーに凄い回があって。
で、凄い回だけでも話数メモっておこうと始まった頃思ってたのに、すっかり忘れてたー!

ということで84話は作画良いです。
但しキャラの描き込みを極力抑えてアクションを派手にした系ね、方向性としてはガイキングの13話的な。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm60536
瓦礫が立方体だと自分はどうしてもコレ思い浮かべちゃうのよねー。
最近キャラの描き込み省略してると「作画がヘボい」と言う人が居るらしいので一応。

当然現在までに他でも作画良かった回あったのだけど、何話だか忘れちゃったなぁ。
とりあえず今からでもメモ残すようにしときます。

内容は、主人公のアスタ戦じゃなくてユノ戦でコレなのには笑った。
82話でプチクロ回挟んだのはこれの布石だったか。
制作が同じぴえろ製の“パズドラ”では毎回驚くくらい安定して作画(キャラの絵)が良くて、だけどあんまり動かない。
果たしてブラクロ方式とパズドラ方式、どっちが良いんだろうか。{/netabare}

95話までの感想{netabare}
一時期…といっても結構長い期間作画が酷かったけど、実は最近良くなってます。
おや?どうした?と思って調べてみたらどうやら砂川貴哉と赤坂俊士って方がこのアニメのメインアニメーターらしい。
で、酷かった時期はこのお二方が抜けてる時期で──かといって他の作品に借り出されてたとかでもなくスコンと抜けてる時期があって…具体的には53話~71話の間──長期休暇してたのかずっと先の担当を決めてそっちに注力してたのかちょっと分からない。
まぁ抜けるなら抜けるで代わりのちゃんとした人付けろよって話で、作画が酷いという評価には文句無いけど72話超えてからは随分マシになります。
そこまで耐えろって言う気も無いし、またいつ長期離れるか分かったもんでもないけどねー。
最近のにしても、トーナメントの決勝と魔法帝vsリヒトが続いたので注力しただけで、次からは再び低カロリーモードに移るかも知れない。
関わってる時期であっても所詮飛び飛びなのでどうしても回によってのバラつきはあります。
ということで魔法帝vsリヒト戦の93話は作画良いです。
94話も上記のお二方居ないっぽいのだけどソコソコ。
但し最新の95話は…う~ん。

作画ばかりの話をしても何なので内容について。
結構序盤の頃から引っ張ってた「魔石」の謎、もっと具体的には「魔石集めたらどうなるのん?」が遂に明かされる…っぽい。
またこれまで殆どスルーで触れられずに居たアスタとユノの出生にも迫りそう。
原作読んでないけどクライマックスなのかな?
ってかこっちでも転生ネタやってるのはクスっと来た。
元々色んな作品の寄せ集め臭い作品ではあったけど転生まで取り入れるかぁ。
そうそう、最新の95話は9割以上が回想シーンです、そりゃあもうドーンと回想。
ぶっちゃけ作画よりも回想の多さが「うわぁ」ってなります。
しかもここで回想入れちゃうと「アスタ含め知らない人間に事情を知らせる」シーンで繰り返しになりそうでナンとも嫌な予感…。{/netabare}

100話までの感想{netabare}
100話、キーアニメーター参加の作画良い回。
但し担当してないと思われる「戦闘以外の部分」の作画は平均値で、同じ回の中で落差が激しいw
記念すべき第100回ってことでこだわりとかあったのかな?
非常に懐かしい初代のOPが流れたり本編がエンディングに食い込んでたりプチクロが無かったり。

初代OPが流れたのが一番そう思わせるんだろうけど、「いい最終回だった」と言いたくなってしまう…が、イヤ待て待て、気になることが山積みでここで終わられても困るw
「原作読めば良いじゃん」って言われそうだけど、他の国…ダイヤモンド王国や魔女の国は今回の騒動でどうなってるの?転生魔法の範囲なの?が一番気になるかな。
転生を解除する方法はファナの件がヒントになりそう。
また、フエゴレオンにサラマンダーが宿ったことといい、ファナの件に意識が向くように仕掛けてる気がする。
で、そうなるとダイヤモンド王国も絡んでこない?マルスは現在スパイとして潜入してるんだよね?
エルフが強く恨んでるのは王族で、そいつらを血祭りに上げるために転生は王族を避けてる気がするのだけど、魔女王はどういう扱い?
100話で影響受けてないバネッサが登場したが関係あるのかなぁ?{/netabare}

113話までの感想{netabare}
あはは、誉めたと思ったらこれだもんなぁwまぁいいけど。
101話以降、キーアニメーターの砂川&赤坂が再びスコンと居なくなっちゃって…ずっと先の回に取り掛かってるのだろうか?
別にこの2人以外でもちゃんと描ける人が居てもおかしくないと思うのだけど、なんでこうもクオリティが低くなるのか不思議なレベル。
話数の多い長い作品なので「この回は見せ場」ってのが隔離分布してて、それの繋ぎの回が正直しんどいワケだけど、101話以降ずっとそれが続いてる。
ってか本当にチャーミーが出るとガクっとつまらなくなるねぇ、いい加減コイツに痛い目見させようよ。
MP無限回復ってのもど-なん?緊張感が一気に削がれた気がするのだが。

で、文句ばっかりも何なので一応内容的に興味ある部分を。
↑でクローバー王国以外は今回の騒動どうなってるのか気になる旨を書いたけど、それっぽい情報はチョロチョロ出てきてる、のか?
エルフの記憶には魔女の国は存在してるみたい、バネッサは人間に与してるから粛清対象ではあるけど魔女の国そのものには攻め入るつもりは無い?
ダイヤモンド王国についてもファナクローンで僅かに触れたようなそうでないような。{/netabare}

139話までの感想{netabare}
久々の途中感想。
砂川&赤坂の担当回が来たら書こうと思ってたら、101話からずっと…無い!
あれー?もう後進の指導役にでも回っちゃってる?

そして内容。
とりたてて面白いってワケでもなくダラダラ見てるのだけど、じゃあ何で見続けられてるのかといったら一応気になる部分があるから。
前の感想でも書いた様に、他の国はどうなってる?というのが個人的な興味ポイントでして。
エルフの一件は世界を揺るがす大騒動じゃん?その後の悪魔やスペードの侵攻とかも。
クローバー王国に攻め込むチャンスとか人間同士で諍い合ってる場合じゃないとか、政治的な思惑が交錯するのを期待したのだけど…。
サクっとダイヤモンド王国は崩壊(崩壊度合いは不明)って明かされた時は正直ガックリした、アスタもマルスやファナクローンのこともっと心配してやれよ。
と思ったらハート王国に赴いて多少「おおっ?」とはなったり。
付かず離れずというか生かさず殺さずというか、ギリギリのラインで興味の糸を繋いでる感じ。

そして最新話、どの勢力にも属さない永世中立的な魔女の国が舞台とあって、魔女王は政治的にどう動くつもりなのか前回予告された段階から期待してたら──。
あれ?これアニオリ??
シナリオ的にやりたいことは分かるのだけど妙にお粗末、二種類の魔法が紹介された瞬間に組み合わせるオチはモロバレ。
キッズ向けと思えばそれ自体は構わない、とはいえ人形ショーを子供に見せて感動話みたいにするパートは、要る?
魔獣との戦闘最中に閃くって展開だとアクションシーンが大変なので、ローコスト化するために無理やり捏ねくり出したのかなぁ?
まぁなによりも、折角他の国のトップを登場させといて、もっとネタを仕込めるところをこんな話で消費しちゃっていいの?
どうなってるんだろう、本気で我関せずでお終いなのかな。
意図的に政治的な話は避けてるのかなー、けどだったら魔法帝と王様で最高権力を二分するような設定は要らないような…。

また、アスタの師匠夫妻は無事だった模様。
えっマリエラも?
ダイヤモンド王国、実は結構平和だったりして。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

魔法帝はオレの夢だから(苦笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
これが現在のジャンプの主力のひとつと聞き、元ジャンプ少年として、頑張って27話まで観ましたが、力尽きましたw (てか、2クールでも十分すぎた気がする)。

ジャンプ系列らしい、王道能力バトルもので、少年のサクセスストーリー。「NARUTO」「青の祓魔師」に近いかな。

それはつまり、大外れにはならないということ。まあ、大外れはしないんですけどねぇ、、、。

どこかで見たキャラが、どこかで見た能力を使い、どこかで聞いた台詞を叫び、どこかで知っているストーリーをこなす。

多分このアニメ、我々(あにこれ住人)のような、たくさんのアニメを観てきた層には高評価されないと思います。が、「既視感」に目をつぶれるなら、シンプルに楽しめるの「かも」しれませんね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
うずまきナルトがFAIRY TAILに入団してたら、こんなアニメになるんだろうね(苦笑)

「ちきしょう、それなりにはおもしれぇじゃねぇか! てやんでぇ」

というのが、(序盤の)感想。ウルトラテンプレで、これ以上ない既視感なのに、展開は全部予想つくのに、そこそこ面白い(後半はかなりダレたけど)。

やっぱり自分は少年漫画が好きなんだな~と思った。

アニメとしては、時に語ることはない。強いて言えば、ツンデレ界の革命的名言「あんたが勝手に私の下にいるのよ」が良かったかなw ただ、ノエルの可愛さ以外は、あまりにもシンプル過ぎて、真っ直ぐすぎて、何を言えば良いのか分からない。

もしかしたら、現役の少年は、心を踊らせ、真っ直ぐに楽しめるのかも。でも、少年OBのオッサンである私は、過去に心を踊らせてきた名作達が脳裏をかすめ、真っ直ぐには楽しめない。

とはいえ、少年の大先輩たる更に上の世代の方々に言わせれば、私が少年時代にハマった名作達も、過去の作品に似ていたのかもしれない。

歴史は繰り返す。

ピラミッドの壁画にも、「近頃の若者は……」的な嘆き書いてあったらしいし。まあ、年寄りが現役世代に色々文句をつけたがるのは、何千年も変わらない、人間の性みたいなもんだろうけど、あんまり、格好良い年の取り方ではないかな。自戒を込めて。

(でも、「既視感」を理由にしなくても、能力バトルものとしてはかなり低レベルだと思います。折角、各キャラに固有の魔法があるのに、「どの属性でも何でも出来ちゃう」から、つまらなくなるんですよね。例えば、ミモザの植物創成魔法は、現実にはない植物を創成できちゃうので、超ご都合主義魔法になっています。普通に、回復や毒など、薬系の効果だけで良いのに。と思ったら、マルスが炎回復魔法って、おい。ミモザの個性を殺してるし。じゃあ、風回復魔法でも煙回復魔法でもなんでも良くなるし。ロータスの煙魔法も、煙の性質を活かしてるやつは良いけど、乗り物作って移動するとか、だからなぜユノ(風魔法)の個性を殺しにいくのさ。。。NARUTOなんて、限られた能力の組み合わせや応用が本当に上手だし、勢いだけで誤魔化してる感のあるFAIRY TAILにしたって、もっと色んな魔法があってそれなりに差別化はできています。これに関してはアニメの問題じゃなく、原作者の力量の問題だと思います。ヒドイ、、、。)
{/netabare}

【余談~ これが今のジャンプのエース格と聞いたので、ちょっと原作読んでみた。 ~】
{netabare}
結果→そこまでは面白くないけれど、アニメよりはずっと面白かった。

違いはテンポと勢い。原作はわりとテンポが早く、サクサク進むから、なんか雰囲気で熱くなれる。絵も、上手いとは思わないけど線に勢いもあるし、背景もわりとちゃんと細かく描いているから、迫力があった。

アニメでテンポが落ちている一番の理由は、アスタの叫び声(汗) うるさく感じるとかだけじゃなく、シーンが間延びしている(まあ、原作を忠実に再現しているとも言えるけど、文字と声の違いを計算しないとね)。他のキャラも、わりとモッタリ話すキャラ多いし。あと、キャラにセリフ話させる時に、動かしながらではなく、棒立ちで話させる演出ばかりだからテンポが落ちるんだよね。

あと、アニメだと魔法のエフェクトがいちいち長い。原作では、わりと一コマを大きくとって、一気に魔法の全容を見せているシーンが多いけど、アニメだと結構長々見せている。この原作の魔法が、個性的で面白い魔法が多いなら、「魔法そのもの」をたっぷり見せても良いだろうけど、そもそも原作からして、魔法が単なる一装置にすぎない。(ドラゴンボール系というか、「必殺技(ドラゴンボール)」と「能力バトル(HUNTER×HUNTER)」の違いだよね)だから、ノリと勢い重視なんだから、アニメもそれに準じても良かったと思うけど(キャラは良いから、それを生かす方向で)。

もっとも、アニメ化されてる辺りをサラッと読んだだけだから、今現在はどうかは分からないけど(作者も成長するし。それ言ったら、私のNo.1少年漫画のSLAM DUNKも、最初はヒドイし笑)。

まあとにかく、以上のような理由で、アニメが原作よりつまらなくなっている気がします。だってこのアニメ、毎回「実質8分くらいしか中身ないよね」って感じてましたし(苦笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
醜いアヒルの子パターンだね。皆が魔法使える世界で唯一魔法使えない少年と、魔法の天才少年のダブル主人公? まあ、ナルトとサスケだよね。こういうのって、性格逆に出来ないのかな? 少年漫画らしい王道だね。

2話目
魔法使いが当たり前の世界で唯一魔法が使えない主人公の能力が、魔法無効化って、これだけ以上ない定番。動く漫画というような映像表現。アリか?

3話目
修行、別れ、王都への道中と、わりと丁寧。

4話目○
黒の暴牛? 守った額より被害額が多い変態の集まり? うん、FAIRY TAIL(苦笑) 主人公、入団決定w クソ~。分かってる展開なのに、やはり胸熱だな。

5話目
つまんないw 設定やキャラはNARUTOだけど、バトルの面白さ、キャラの深さで、圧倒的な差がある。これっていわば中忍試験なんだろうけど、NARUTOでは負けた相手も含めて、その後に大活躍だけど、アスタとユノ以外目立ってないし、勝ち方もパワープレイ。これは、アニメじゃなく原作のせいでしょ。これ、いつかヤミ団長、死ぬでしょ(汗)

6話目
王族の落ちこぼれ。メインヒロインでしょうね。落ちこぼれと落ちこぼれのカップルは、意外と珍しいかも。デレるの、早いな(汗)。

7話目
マグナ、かわいいな~。

8話目○
ツンデレ界の革命的名言「あんだが勝手に私の下にいるのよ」(笑)

9話目
このアニメって、超展開遅いよね。中身的には、10分ないくらいな気がする。

10話目
剣も氷も、刺さらないのね。部下達は、なぜ見ているだけなんだろう? その反射のやつも、どっかで見たな。いや、アスタは確かに努力してるけど、ある意味天才だから、あまり参考にならないでしょ。

11話目
フアつくてw 悪い意味で、あっという間に時間が過ぎるな。内容がすごく少ない気がする。

12話目
魔法帝の性格も、NARUTOっぽいな。ホントにあっという間に終わるなw

13話目
サリム、分かりやすいよね、小物っぷり。植物創成って、現実にない植物を創成できて特殊能力を付加できるから、ご都合主義になるんだよね。

14話目
新OP、なかなか格好良かった。RPG感w 展開に、セリフに、全然新鮮さがない(笑)

15話目
だから、モクモクの実だろ? 植物回復魔法とか、じゃあ煙回復魔法でも風回復魔法でも、何でも良いじゃん。いや、入り口が1ヶ所で、数的優位な状況で、何かを持ち帰る任務なんだから、敵を倒す方が優先されるでしょ。退路に敵がいるわけだし。アホか。パートまたぎで、同じシーン流しすぎ。

16話目
だから、煙で乗り物とか作るなって、何でもありになっちゃうから。強化人間か。強いヤツ殺し合いって、最後の一人までやるのは、勿体なくない? 戦力的に(仲間を殺せば魔力の上限が上がるからいざしらず)。

17話目
だから、まんまナルトvs我愛羅なんだよな。

18話目
だから、水が蛇になってれば、なぜ強いんだろ? ややBLEACH風味。ネクロマンサーね。定番だね。高笑いキャラが飽和状態。

19話目
最初の「魔法帝と呼ばれた~」から、OP飛ばそうとして1分半早送りしたら、まだ先週の復習をやっていて、逆に笑えたw

20話目
相変わらず、ストーリーが薄いな~。

21話目
空間転移させた魔導師の中に、空間転移が出来る騎士団員が一人もいないという、ご都合主義。風系統はマナ感知が得意とか、初耳w 植物でマナ感知してたやん。「俺は死ぬほど負けず嫌いなんだよ!」は、熱くて良かった。

22話目
だからそのモフモフパンチが、魔法である必要って、あったのかな? ただの、「スゲェパンチ」と同じダメージだよね。

腕もげて、止血もなにも。生まれた時から逆境、は良かった。

26話目
暫く感想書くの忘れてたw 魔法帝なのに、思ったより強くない(笑)

27話目
組織を大きくする(人数を多くする)と、秘密組織なんてやってられない。その辺、NARUTOの暁は上手かったと思う。たがらその「並んで戦えるくらい強く」って、ヒナタじゃん。

、、、力尽きました(苦笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

師弟共闘

この作品の原作は未読です。
元々は2017年の秋アニメとして放送が始まり、それから3年半もの間放送が続けられた作品です。
全170話もの超大作ですが、原作の連載は未だ続いているみたいですね。

レビューのタイトルにした「師弟共闘」は公式サイトのトップページに記載されていた文言です。
物語の序盤なら意味がチンプンカンプンですが、全170話を視聴して改めてこの文言を目にするととても感慨深いモノがあります。


週刊少年ジャンプ50周年を迎えた2017年―。

話題沸騰中の人気コミックを、数々のジャンプ作品のアニメ化を手掛けてきた
「スタジオぴえろ」×「超豪華声優」で完全アニメ化。
圧倒的かつ唯一無二の創成魔法ファンタジーが誕生。

「夢に向かってあきらめない」ということをテーマに、
僕が構想した「ブラッククローバー」のすべてがアニメでは描かれています。
アニメという映像表現は、僕の想像していた「魔法の凄さ」を具現化してくれました。
子供から大人まで、みんなが楽しめる、魔法ファンタジーを体感してもらいたいです!!
原作:田畠裕基


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

原作者の方が言っているように、この作品は基本的に原作に準拠しているのですが、所々にオリジナル要素が加えられているそうです。
何でも原作ではサラッとしか触れられなかった部分もしっかり掘り下げてあるんだとか…

原作を端折りすぎるアニメ作品には何度かお目見えしましたが、原作をアニメで補完するという神対応がこの作品では取られていたんです。
これってとても珍しいことだと思いませんか。

一方、物語の方ですが、辺境の村の教会に同じ日に捨てられていたアスタとユノが魔法帝目指して研鑽を積んでいく、という感じです。
ユノは元々魔法の資質が高かったのですが、アスタは全く魔法が使えませんでした。

それでも、魔法帝への夢を諦めきれないアスタは、魔法を無効化する力を宿した「五つ葉の魔導書」を手に入れるのです。

そして、アスタは最低最悪の魔法騎士団と言われる「黒の暴牛」に、ユノは最強の魔法騎士団「金色の夜明け」にそれぞれ入団して物語が動いていきます。

INTRODUCTIONに「超豪華声優」と記載がありましたが、その言葉に嘘はありませんでした。
最初から凄い声優陣とは思っていましたが、物語の進展に合わせて次々と旬な声優さんが投入されていくんです。
週刊少年ジャンプ50周年という節目の作品だから…なんでしょうか。
これがジャンプの底力なんでしょうね。

そして続編は劇場版との事です。
このTVアニメ版→劇場版というパターンは、もう常套手段になってしまったのでしょうか。
「鬼滅の刃」はたまたま劇場版の尺に合った物語が存在したから実現できたと思うんですが、この作品は現在スペード王国との決戦の真っ只中ではありませんか。
これまでの話の展開を踏まえると、とても劇場版の尺で収まるとは思えません。

もしかすると最終話が劇場版の布石になっているのかな、なんてことも考えられるかも。
スペード王国に乗り込むあと2日間が劇場版で描かれるとか…?
アスタはユノに続く唯一無二の親友との絆を深めて更なる強さを手に入れて…
ユノも、そして今にも飛び出しそうだったノエルだってこのままじゃいられない…
でも、そうなると「これからスペード王国に乗り込むぞ!」エンドになるのですが、この幕の引き方はあんまりですよね^^;
どんな作品を視聴できるのか、今から楽しみです。

オープニングテーマとエンディングテーマは、どちらも13曲の楽曲が使用されました。
多いので記載は割愛します。

全170話の物語でした。
こういう作品を「骨太の作品」と言うのでしょうね。
物語は完結していませんが、3年半もの間、作品を提供し続けてくれた作り手の皆さまに感謝します。
そしてラストまでアニメ化されることを期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
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