offingbook さんの感想・評価
4.3
7万年前の涙
1989年3月に公開されたドラえもん映画シリーズの一作。約1時間40分。
ドラえもん、のび太たち5人はそれぞれの理由から家出を決意し、
みんなでタイムマシンに乗って7万年前の日本へ、史上最大の家出をする。
太古の世界が舞台の冒険ストーリー。
映画ドラえもん10周年記念作品に当たるその名の通りに、
物語に非常に厚みがあって、見応えのある作品になっていると思います。
自分の中での好きなドラえもん映画でも上位にある作品です。
子供たちのちょっとした一歩が、そのまま夢や希望にあふれた冒険になる楽しさ。
太古の世界が舞台だけど、それだけに留まらないきめ細やかに繰り広げる物語と世界観の設定。
ドラマチックに展開するストーリーの流れにはいつも惹き込まれるし、
ワクワクもドキドキもユーモアも感動も全部がつめ込まれていて、
それなのにとてもバランスの取れた作品になっていて、すごいと思うし、すごく大好きです。
そしてそんな冒険を乗り越えた先のラストシーンはもう…いつも泣かされます。(笑)
もう僕は昔のドラえもん映画は誰かと一緒に観るのは無理かもしれません。
泣いてる姿を人に見られたくないからw
そんな僕が常に泣いちゃう(笑)ラストシーンを含め、今作を彩る主題歌『時の旅人』も、
遠い過去に優しく想いを馳せるような、素晴らしい楽曲ですね。
子供ながらに漠然と良いと思ってたけど、大人になってからより一層歌詞や歌の深みが沁みるようです。
…ちょっと褒め過ぎた気がします。すみませんw
でもよく出来た物語で、観終えたらきっと温かい気持ちになれる名作だと思います。
もしドラえもん映画を観たことない人に、
旧・ドラえもん映画のオススメは?と質問されたら(されませんが)
この『ドラえもん のび太の日本誕生』と答えると思います。
余談ですが、今作のゲストキャラクター・ククルの子孫が、
同原作者の別の漫画『チンプイ』の主人公・春日エリだと後に知り、一人にやけました。(笑)
更に余談ですが、のび太の家の冷蔵庫が空っぽになった時、
ビールだけは手付かずで残されていて、あれは今作の未成年は飲酒をしてませんよーっていう、
制作者たちのある種の配慮だったのかなーと改めて観て思ったりw
更に更に余談ですが今作を観ると、昔ハマったファミコンソフト
『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』を無性にやりたくなります。
ドラえもんの世界観にドラクエのRPGシステムを合わせたようなゲームだったんだけど、
あれもすげぇ面白かったなー。(…余談過ぎました。ごめんなさいw)