2024年春(4月~6月)に放送されたアニメ映画一覧 18

あにこれの全ユーザーが2024年春(4月~6月)に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月14日の時点で一番の2024年春(4月~6月)に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

73.7 1 2024年春(4月~6月)アニメランキング1位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)

2024年3月22日
★★★★☆ 3.9 (31)
114人が棚に入れました
東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

後章前夜に一挙轟音上映をやるだってぇ〜!!??。(お金は何処からも貰っておりません)

 まだ前編なので評価は確定できませんが、評判通りの次が楽しみな意欲作です!。


 原作は読んでないし、浅野さんの作品は弟が中2期に「プンプン」にはまっていたのを横目で見ていたくらいであんまり縁がなかったですが、本作は「地球外少年少女」を制作した新鋭のProduction +hが手掛け、脚本はお馴染み吉田玲子さんと私の興味を引く要素が揃い、信頼がおける方々の評価も高いので見に行っちゃいました(監督さんの前作が評判悪いから二の足を踏んでたのですが)。



 第一声としては、やはり「セカイ系」はこういうダークな破滅へ向かう話のがイイネ!ということに尽きます。新海さんの「君の名は」以降の作品や「シンエヴァ」も、独りよがりなくらいにセカイ=自分であるが故に現実の世界や他者に対する恐怖だったり不安だったりがダイレクトに出ていた、歪だからこその魅力だったのに作家性を捻じ曲げて無難な大衆性に着地しちゃった感が物足りなかった。


 しかし、本作はちょっと直接的過ぎなくらいだけど、社会というトンネルのカナリアとも言える作家が3.11後やコロナという不安を感知して描いた作品として非常に社会性が高い。だから立派で価値がある!なんて言いませんが凡百の作品より遥かに興味深く、かなり風呂敷も謎も広がっているのでどう収拾するのか?或いはケンイシカワの如くぶっ壊して終わるのか?。とにかく続きへのヒキが素晴らしい。


 アニメーション全般としては、浅野さんのとは少し違うかもだが背景とキャラが非常に上手く調和していて、主張し過ぎないが実に良い「雰囲気の魔術」を産み出せてるし、タレント声優ともいえる主役の二人も非常にはまっている!。デブ過ぎるがイケメンな諏訪部さんのお兄ちゃんも良かった。ただ、声優といえばまさか本作がTARAKOさんの遺作とは知らず驚きました。イソベヤン、漫画の中だと杉田さんなんだから劇中でも杉田さんの方が良かったのになぁ…ってもあります。


 まぁ、後半で力を得たあの子がああなっちゃうのはちょっと展開に無理ないか?とか、親が毒親なのもなんか作為的な毒親感で少々不満もあった。これからはわかりやすい明白な毒親より、全然悪人じゃなくて一般的には良い親なくらいなんだけど根本的に大切なことに対して無力だったり思考停止してたりするリアルな駄目親の方が描かれて欲しい。


 繰り返しになっちゃいますが、結局まだ前編なので評価は保留な感じですが、とにかくこの物語やキャラがどんな結末に行き着くのか見たくてたまらなくさせてくる作品ではあることは間違いないでのオススメです!。子供時代のオンたんだけで個人的には良し!。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 12

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

衝撃作です。青春と正義と災害を描いた壮大な日常系本格SF。追記 2回目見ました。

 インデペンデンスデイ、ニーアアンダー7、ヒドゥン、デスノート、マイケルサンデル、ゴジラ、時をかける少女、311、機動戦艦ナデシコ、タコピーの原罪、ドラえもん…の要素が入った日常系です。
 他にもあるでしょうが、要するに要素が多いです。それぞれの視点で分解する難易度は高くないです。

 いや、すごかったですね。上映時間120分らしいですが、体感時間は80分くらいかな。情報量は180分くらいのが圧縮されている感じです。ジェットコースターの様でいてのんびり女子だけ(ではないですが)青春ものでもあります。

 浅野いにお氏の作品は「うみべの女の子」が好きで何度も読んでいますが、それ以外はどうも性が合わず本作も1話を試し読みかにかをして切っていたと思います。ただ、本作を見てやはりマインドは一緒かな…と。読んでみたくなりました。結末は違うと公言されているみたいですし。

 大人になる意味、現実社会に生きる思春期の精神の中身といえばいいのでしょうか。進路、恋愛、性、親、天才と凡人、いじめ、正義、友人…そういうものが襲い掛かってくる小学校から高校時代の生きづらさをSF的表現で見せたような感じです。

 災害のオマージュとして、日常と非日常のシームレス感あるいは断絶感が同時に存在するような作品ではありますが、一方でこの思春期に襲ってくる精神的なクライシスのオマージュとも見えます。

 テーマは結末を見ないと何とも言えませんが、ストーリーとしての結末は分かりませんけど、思春期の落としどころになるのかなあ、という気はします。

 特筆すべきは映像がすごい…というと語弊がありますかね。2次元アニメ的なアニメ表現ですが明らかに3DCGですよね。見やすいのなんの。エフェクトだよりでなく、戦闘シーン頼りでもないです。それでいて構図はいいんです。

 脚本も詰め込んだなかに映像表現で上手く補完しているので、結構頭を使わなくても話の筋は素直に読めます。伏線とか考察とかそういうのを無理にする必要がない分かりやすさです。考察系とエンタメ系の要素のいいところが上手く組み合わさっています。演出も面白さと迫力と緊迫感と上手く表現できていたと思います。

 むしろ頭を使うのは別のところですね。頭がクラクラします。SFと書きましたけど表題がデーモンなので…まあ、それは後半ですね。

 稀にみる名作になる可能性を秘めています。後半次第ですけど。私は絶対に行きます。
 で、映画で一儲けした後でいいので、120分×2で240分です。つまり20分×12で1クール行けますよね?広く世間に公開してはどうでしょう?

 私平日に見ましたが、サービスデイなのに2人しかいませんでした。この作品が埋もれるのはもったいないです。



追記 無理無理時間作って前章も見てきました。

 後章がもう始まっていますが、なんとか上映館を見つけ無理無理見てきました。やはり面白いのは前章、感動・深さは後章という印象です。

 前→後→後→前という順番で見ました。

 で、2回目を見て気が付きました。この作品は「これからどうなるの?」がとても素晴らしい構成にまとめられています。ですので、面白さで言えば1回目が圧倒的に面白かったです。

 ただ、後章をみてから前章を見ると、ああ、そういうことか…とか、微妙な伏線に気が付いたり、意味が重層的になったり見方が変わったりという深堀りができるようになります。

 まこととふたばがなんで田舎から出てきたの?とか東京という意味が分かってくると味方が変わります。
 あるいは、前章の小学生の門出の正義と、後章のシップと小比類巻の正義の対比の構造とか面白いですね。
 イソベやんはもちろん「トモダチ」ですが「未来」「正義」「便利道具」などなどいろんな意味を後→前で見ると感じました。

 で、あとはアメリカで12巻まで含めたであろう、配信版が始まったらしいですね。コミックスで確認しているので、マストではないですが、見たいものです。

 あと、EDのANOさんという声優の人の曲の入りは本当に良かったです。(いやもちろんANOさんという人の名前と顔くらいは知ってますけどね。歌手だったんですね)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 11

73.5 2 2024年春(4月~6月)アニメランキング2位
劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 4.0 (31)
56人が棚に入れました
メディアミックスコンテンツ「ウマ娘 プリティーダービー」を初の映画化。
国民的人気スポーツエンタテインメント「トゥインクル・シリーズ」でのフジキセキの走りに衝撃を受けたジャングルポケットは、最強を目指すべく、レースの世界へ飛び込む。トレーナーと共にデビューを果たしたジャングルポケットは、一生に一度しか走れない栄誉あるクラシック三冠レースに挑む。だが、そんな彼女の前に、天才的な頭脳を持つアグネスタキオンやミステリアスなマンハッタンカフェといった同世代のライバルたちが立ちはだかる。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

反時代的作画考察。力点をタキオン>ポッケ君にした方が良かったかなぁ〜。

 to the topに続いて本命のこちらも見てきました。公開する前からポッケ君主役で濃厚なドラマを描けるか心配でしたが、予想通りその面は正直大したことなかったです。ただ、シンプルで面倒くさい要素がないので、凄いコクはないけどスッキリ見易い作品ではありました。


 タキオンが良いキャラなのは勿論、特にフジ先輩にこんなに花を持たせるとは思ってもみませんでした。丹下ジムみたいな橋の下の貧乏ジムの緒方さんな老トレーナーも良い。ただ、嘘理論でもいいからこういう理屈の特訓をやったからポッケ君は強くなれました〜という流れで、緒方さんトレーナーの有能ぶりを描いて欲しくもあった。あと、カフェをもっと活躍させてよぉ〜!!(ちょいちょい入るくすぐりなネタは嫌いじゃなかったです)。


 あしたのジョーの力石ポジにタキオンがいるみたいなもんだから、カーロスにあたりそうなカフェとか、ホセにあたるオペラオーの描き込みこそもっと必要だったような。ダンツちゃんやフジ先輩は涙のカットで。



 それにしてもタキオンが一番興味深いキャラで最後の展開とかは、「こうなったらいいなぁ〜」と思ってたのに少し近かったけど、もっと詰めて欲しかった。データキャラや博士キャラは、最終的に合理性だけじゃ限界を超えられないって展開とセットでこそ素晴らしくなる。タキオンはもう自分の脚の限界、ここが自分の最高点だと皐月賞で察したからこそあの判断だったのだろう。合理的に考えればそれは決して間違いではない。しかし、それでも…な展開こそ一番の要だったように思えた。


タキオン 「全く三女神とやらは残酷だよ…。」


     「ウマ娘の才能とは祝福ではなく一種の呪いだったんだ。」


     「もうあの絶頂は望み得ないかもしれないのに。」


     「脚が完全に壊れて走るどころか歩くことすらできなくなるかもしれないのに。」


     「ウマ娘の本能…、いや一般化して誤魔化すのはもうよそう…。」


     「才能という名の呪いを受けてしまった私は…」


     「彼等に、なにより私自身に突き動かされる!。」


     「合理も不条理も走破しろ!その脚と魂で走破しろ!と。」


     「意味も目的も超えた先に!、走り続けること自体に!、私の求め続けたものが…、ある!。」


    
 みたいなぁ〜ダメ押しがあったら傑作認定だったんですけどねぇ〜。未実装のポッケ君はやはり主人公というより狂言回しなポジションの方が良かったかも。



 というと、本作はそんな大したことない作品なのかというとそうでもなく、こちらは予想通りだが期待を大きく超えてきた作画アニメとしての力が迸ってました!。とにかく作画がもはや異常の域に達しているテンションで、to the topの時に垣間見えた領域の遥か先にいってます。それも、それも演出も手のこりようも過剰も過剰!もうマシマシです。


 昨今では様々な面でソフト化が進んで、作画に於いても平均的に整ってること、スーパーな作画場面でも1カットずつ止め絵としても見れるくらいの丁寧さの方に傾きがちで、荒々しいほどのエネルギーの奔流の如きアニメーションが好きな自分としては、「良い子ちゃん」過ぎる風潮は少々不満でした。しかし、本作はもうそういった時流の対極も対極です。ぶっとい筆で描いてるような線で表されるオペラオーの勇姿、目も眩むようなエフェクト作画の乱舞、「走る」という下手すると単調なアニメーションになりがちなところ避けるアングルや撮り方の妙、全てがハイパー状態です。



 正直作画が殆ど目的化しているアニメはあんまり好きじゃないのですが、本作はシンプルなストーリーキャラという確かな足場の上で、しかも猛烈なテンションを発散しているので心が離れちゃうことなく最後まで見れました。


 正直凄い傑作!とは太鼓判は押せないですが、時代の波に逆らい我道を征くアニメーター監督の志には打たれたので◯。ウマ娘という大人気コンテンツという後ろ盾、それもストーリー性はそこまで強くない作品だったからこその冒険だったのかもですが、こういうラーメン二郎的、反時代的なまでの熱量と勢いは応援し続けたいので今後も楽しみです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 8

NInOf07786 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

いやぁ、面白かった

自分がアプリのウマ娘もやってるしアニメも1〜3期全部見てるから
だいぶ偏った感想になってると思うんだけど面白かった!
ウマ娘好きだったり知ってたら絶対見て欲しい。
逆に好きじゃない、知らない人にはあまりおすすめできないかも…

映画の内容はジャングルポケットがメインなんだけどタキオンもたぶんメイン。
コメディさはほどんどなくてシリアスに話がどんどん進んでくのでアニメのウマ娘とは
雰囲気がちょっと違うんだけど熱いシーンはいつも通り。ちょっと泣かせてくるのもいつも通り笑
映画ならではのテンポの良さで、二時間があっという間に過ぎてった。

アニメの3期がちょっと残念だと感じてウマ娘のアニメから離れてしまった人がいたら
一度映画館に足を運んでみてほしいな。またウマ娘に熱を感じられると思うから

投稿 : 2024/06/08
♥ : 4

あと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

満足度は高いがメリハリあるストーリーではない

 ジャングルポケットを主役に据え、憧れたトゥインクルシリーズの舞台で最強を目指す物語。アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ダンツフレームの3人とともにクラシックの舞台を疾走する。作画のクオリティや遊び心はこのアニメらしさがあってとても可愛く、そして躍動感のある走りとカメラワークは見ているこっちが疲れるほどの密度と熱量があった。
 この物語で起こる挫折と再起の話はとても良かった。だが、そこで起こる内省的な展開の都合でほかのキャラクターのことを描写できず、(まあ尺も結構短めではあったんだろうけど)彼女たちのことをよく理解できないまま最後まで行ってしまった。マンハッタンカフェがどういうキャラかなんてそりゃアプリやってるから知ってはいるんだけどこのキャラがさらっと菊花賞勝つのはまあまあ不自然よね。テンポ感が冗長に感じて途中は鬼滅の映画の途中見てる感じなってた。アクションシーンって見てると疲れて眠くなるんだよね。もうちょっと休ませてほしかった。
 話の流れはよくわかるし作画のクオリティが素晴らしいしキャラが可愛いということもよくわかる。彼女たちウマ娘が走っているだけでレースシーンはとても素晴らしい。だが、そこに感情がついてこなかった。
 感想としては、劇場版RTTTのようには熱くなれなかったので残念。こちらは4話を収めたこともあって話がすっきりしたうえで繋がりを良く描いていて見ごたえがあったが、新時代の扉ではレースシーンの躍動感に、ゴール後の余韻が残ってこず、キャラに感情移入できず盛り上がらなかったのでメリハリを感じられず。終わったあとキャラが可愛かったね、としか言えなかった。だが、タキオンとのライバル関係にはとてもしびれたし熱くなった。ウマ娘はやっぱりライバル関係で描くものだわ。
 総評としては個人的には迫力のアニメーションを見るだけでも見る価値は十分にある作品ですが、楽しめるかはこの世界観に感情移入して入り込める人か、という感じです、

投稿 : 2024/06/08
♥ : 1

71.6 3 2024年春(4月~6月)アニメランキング3位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 3.9 (21)
48人が棚に入れました
「ソラニン」などの浅野いにおによる漫画をアニメーション映画化した2部作の後章。
入試に合格した門出と凰蘭は、亜衣や凛と同じ大学に通い始める。大学では竹本ふたばや田井沼マコトと意気投合し、尾城先輩がいるオカルト研究会に入部する。一方、宇宙からの侵略者は東京各地で目撃され、自衛隊は駆除活動を続けていた。上空の母艦は傾いて煙を上げ、政府転覆をねらって侵略者狩りをする過激派グループの青共闘も暗躍するなど、世界の終わりに向かってカウントダウンが始まるなか、凰蘭は再び不思議な少年、大葉に遭遇する。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

世界を変える想いが主人公特権じゃないが故の興味深い混沌

引き続き原作未読で劇場鑑賞。

【物語 4.0点】
率直に言って、スッキリとは終わらない、凄くモヤモヤする幕引きとの印象を受けました。
ですが興味深いとの感想も得ました。

主人公の“おんたん”こと中川鳳蘭が小山門出を想う気持ちが、
世界に大きな影響をもたらしていたというシナリオ。
本作の場合これが主人公補正の無限チート能力ではなく、
{netabare} “侵略者”から提供された並行世界の別時間軸にシフトする{/netabare} 高度な技術が裏付け。
技術が有限である以上、おんたんの想いが世界を変える力にも限度がある。

さらに、想いで世界を変えたい、一矢報いたいのは、おんたんや門出だけじゃない。

後章、実質3人目の主役ポジだった大葉。
人間のアイドルの身体に“侵略者”の意識を移植した彼もまた、
{netabare} おんたんへの恋慕{/netabare} も交えた想いを原動力に最終決戦に挑む。

“侵略者狩り”集団を率いる小比類巻 健一も、
想い人を喪失した復讐という負の感情から“侵略者狩り”を行い、
人類終了後の新時代主導を目論んだ。
彼もまた、想いで世界に影響を及ぼそうとした一人でしょう。

その他にも、世界にぶつけたい想いを抱えた登場人物は数多くいましたし、
各並行世界に現れる事象というのは、こうした無数の想いが入り乱れて成される。
よって一個人が世界を思うがままに改変したいというのは不毛。
例え、その想いが高度な文明の支援を受けたとしても、
宇宙から、さらに{netabare} 次元越しに存在を瞬時に消滅できる{/netabare} 神の審判レベルに超越した存在が干渉してくれば、大局の主導権は敢え無く奪われてしまう。

やり直しなど無意味とこぼした“侵略者”の警鐘?が、
終盤になるほど重たく鳴り響きます。


個人が世界を変える限界をこれでもかと描写できているからこそ、
世界を決め付ける自称絶対の法則やイデオロギーよりも、
自分にとって絶対なあの人と共に生きることを大切にしよう。
人類終了騒動の顛末と併存する、おんたん&門出のゆる~い日常がかけがえのないものに思えて来ます。

事態は混沌としていましたが、終末を前にした各登場人物たちの想いは整理された良シナリオだったと感じました。

脚本・吉田 玲子氏が私の鑑賞動機の一つでしたが、
人の心を扱う物語をさばかせたら彼女は一級品だと再認識しました。
吉田氏、次は今夏末の山田 尚子監督映画『きみの色』の脚本。
私も終わらない夏休みを夢想しながらw心待ちにしたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・Production+h

巨大円盤とそれに対抗する決戦兵器という想像し易い凄さ、ワクワク感があった前章に比べ、
原理すら想像が付かない未知の存在への畏怖がより強調された3DCG。
黒い護岸ブロックを巨大な浮遊球体として構築したような“ゼロ磁場”から繰り出される超常現象の再現が象徴的。

“侵略者”、人類共に血しぶきを上げて弾け飛ぶなど、
グロ表現も容赦なく、
暴力の是非について鑑賞者に突き付けるのに十二分。

異なる時間軸を行き来したり、覗き見たりしながら、
時系列も前後する複雑なプロット構造でしたが、
碁盤調にワイプする画面演出など、作画の支援もあって、
私は何とか付いていくことができました。
ただ換言すれば、背景、作画からの情報も読み解いていかないと置いていかれるので、集中力は必須です。


【キャラ 4.5点】
大学に進学した、おんたん、門出たち。
平和主義者の竹本ふたばを取り込んでいく“侵略者”保護を叫ぶ集団SHIPと、
それを潰そうとするカウンター勢力など、
我こそが絶対の社会正義だと思い上がるキャンパスの痛い連中も、高解像度で再現。

一方で展開される、おんたん、門出それぞれの恋模様、二人の友情とのコントラストで、
世界を決め付ける絶対のイデオロギーより、個人にとっての絶対であるあの人と一緒にいたいという論点がより明確化。

その流れから、私がずっと追っていたのが、ジャーナリストの三浦太郎。
“侵略者”の扱いを巡り対立を深める両陣営からは距離を置き、
社会正義に血眼になる学生に、
後々、笑い話になることを祈るよと冷めたアドバイスを送る。
だが、彼もまたポジショントークで上手く立ち回っているように見えて、
結局はバランス良く真実を追求する気分を視聴者に与えるコメンテーターという商品を提供、消費される存在に過ぎなかった。
その“商品価値”が毀損されるに及び、訪れた顛末もまた考えさせられるカットでした。

この観点から、おんたんの兄で、“自宅ネット監視員”中川 ひろしも、
SNS等で意識高い系や陰謀論者が続々沸いて出てくる惨状を嘲笑する、
私が前後編通じて、視点を共有しやすい良キャラでした。

終盤には{netabare} CG映像に取って代わられた荻野総理{/netabare} などディープフェイクの要素も絡んで来たりして、社会風刺は上々。
それらを織り込んだ独特のセリフ回しにも含蓄がありました。

私がツボった、かつ可哀想だなと思ったのが、
{netabare} 高校卒業して晴れて“解禁”となった渡良瀬先生との恋愛がイマイチ進展しないことに苛立った門出の腹いせに、とばっちりでク◯リプを投稿された芸能人の件w{/netabare}


あとは、大学のオカ研会長の“ブロッコリー”尾城先輩。
これ見よがしに空を覆う巨大母艦なんてUFOじゃないとのオカルトの主張。
私も全力で同意しますw


【声優 4.0点】
大葉役の入野 自由さん。
無味乾燥だった“侵略者”が人の想いを知って変わって熱くなっていく過程を好表現。

小比類巻健一役の内山 昂輝さん。
躊躇なく“侵略者”を虐殺する圧倒的な暴力を行使し、
非暴力を主張する“侵略者保護”の学生運動にぬるいとマウントを取る言動。
人間が暴力を否定し続けても尚、惹かれてしまう理由。
正論なんだけど怖いし間違っている気がする。
微妙なさじ加減を、おどろおどろしいボイスを駆使して体現。

実力者声優二人の競演が、後章のクライマックスを引き立てる聞き所。


【音楽 4.0点】
後章ED主題歌は幾田りらfeat.ano「青春謳歌」
主役二人がポジションを前章から入れ替えてのコラボソング。
世界をひっくり返す危険性が醸されていた前作よりも、
ゆる~いギターサウンドがリードする日常系で穏やかに締めくくる。

“人類が終わる”その時のシーンでは、
2015年に原作者が作詞でコラボしたアイドルソング、でんぱ組.inc「あした地球がこなごなになっても」が起用。
こちらも世界が滅びるからって深刻にならず楽観的に過ごす、
本作の世界観を拡張する明るい曲風。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 17

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

半端な結末が生み出す不思議なカタルシス。期待以上ですが余韻が薄いかも。

 感想を一言で言えば期待以上にカタルシスが大きかったという感じでしょうか。結末がすべてな気がします。今までの積み上げが意味を持つ瞬間という感じです。いや、意味を失うからいいのかもしれません。

 面白いかと問われると一般的には面白くない…というと語弊はあります。途中から一体どういう物語の着地をするんだろう?という部分に関心が行ってしまいました。それを面白いというのかはわかりません。

 物語は前章でも感じた通り借り物ばかりです。ですので普通に考察していた人は普通に物語の構造は読み取れていたと思います。
 一方含意についてですが、前章で「ドラえもん」「時をかかる少女」オマージュがすごかったですが、後半はどちらかと言えば「エヴァ」が露骨でした。ですがエヴァよりも格段に中途半端です。

 この作品は、その結末の中途半端さ、描かない部分がいいんですよね。要するに人類が続く限り同じことを繰り返すわけだと思います。それが何かハラ落ちというか、胸にきてしまいました。
 となってきたときに結局明確な答えなどない、修正もできない、リセットなんて都合よくできない。誰がいつ死ぬか、何があるかわからない世界で人とつながりを大切にしながら、生きてゆくしかないじゃんという結論になりそうです。

 政府や企業はみんな深く考えているようで、結局場当たり的なところがこの社会の愚かさを適格に表現していた気もします。陰謀論なんて実際はこんなものなんでしょう。

 一方で日常パートですが、都会に生きる生きづらさっていうとそれも違う気がします。生きている方はみんな日常を普通に生きている感じです。好きとか嫌いとか、誰が死んだとかいなくなったのかとか。その感じが重すぎずかといってご都合主義でもなく、非常にその部分にリアリティがありました。
 それを是正しようとしても、結果的にもっと大きな悲劇を生むこともある、というのが前章までの部分です。

 話それ自体は新海誠監督の「君の名は。」「天気の子」のリメイクのような感じも受けます。「君の名は。」を手直ししたような構造ですし、災害ものですから当たり前なんですけど…どうしても助けたい人がいる。文明が子供を苦しめるなら文明など滅びてしまえ、という感じもあります。
 そういう気分をより分かりやすい世界系にした感じはあるんですけど、ただ、世界系と言われるとなんか気分が違うんですよね。選択というより一択というか、積極的に世界なんてどうにでもなれば的な感じがしました。

「インデペンデンスデイ」や「第9区」にUFO的なビジュアルイメージや一部設定は似ているといえば似ていますが、やっぱり本作の方がアメリカの娯楽SFでは到底到達できない人の気分にまでいきつけていると思います。

 最後の方のUFO上のシーン。「未来少年コナン」のギガントとかそういうのを思い出しますが、なんとなくですがそういうすっきりした物語の物語性をどこかで相対化したかったのかな?という気もします。

 総評すると、結論がないような説明がないようなメッセージ性がないようなオマージュの様な中途半端な結末ですが、その中途半端さになぜか非常に深く共感し、納得もし、そして意味不明に感動してしまいました。
 このあと咀嚼してから大人買いしてしまったコミックスを読んで、ひょっとしたら2回目を見に行きます。ただ、この作品は結末の1回目の衝撃がいい作品な気もします。

 前章を見たときにTVシリーズにしたほうが、と思いましたが後半を見ると一気に見た方がいいかもという気もしました。それは結末に向けて収束する感じがいい作品だから、短く見せられても咀嚼しきれない気がしたからです。


追記 原作読みました。

 原作を読みました。意味は劇場版よりわかりやすいです。題名の意味も読み取れたと思います。人類の「希望」をわかりやすく表現していました。ただ、そこまでの部分は劇場版の最後で読み取れるとは言いませんが、想像できる種まきはありましたので、そういうことなんでしょう。

 ただ、私は滅びにもロマンを感じますので、そっちの方向もあり得た方がいいのでオープンエンディングの「開き度」が大きい劇場版の方がよいです。

 トモダチの意味は分かりやすかったかな?劇場版は恋愛メインのような雰囲気はありますが、恋愛は代替可能だし面倒です。大事なのはトモダチですよね、という感じは原作の方が強いです。
 トモダチということと結末の暗示の点で「イソベやん」の意味性はより深かったかなという気はします。

 劇場版で消化不良を感じている人は読む価値はあります。劇場版ではキャラのエピソードの省略もありました。
 前半の意味性については、構成の関係で原作の方が置いた位置はいいかもしれません。時間をおいて後半を見ると、少々トモダチの意味が希薄になる気がしました。

 ただ、やっぱり劇場でアニメで見た迫力…というのは説得力があります。力業ですけどね。その点でも劇場版の方がいまのところは評価高いです。もう一回通しで見たいですけどね。


再追記 2回目見てきました。

 この作品、オマージュかを探すと結構ありますね。あげるときりがないくらいです。それが意図的なのかどうかは不明ですが、ただそっち系の考察はどうなんでしょう?
 ドラえもんと時をかける少女(かどうかはわからないがループものの救済とその危うさ)についてに注目したほうが考える的を外さないかな、という気がします。

 そして8.31=3.11、トモダチ、今の社会の生きづらさは社会のせいでもあるし自分たちのせいでもあるというような2面性、恋愛事情とか、まあいろいろ考えるヒントはたくさんあると思います。ここまでの作品ですからいろいろ入ってはいるんでしょうし。

 最終的に大場の血は赤かったということと、あの場所で終幕したことで想像を広げてゆけばいい気もします。肝心なのは世界かトモダチかという選択ではなくトモダチ一択だったということかな、という気はします。愛の物語とも言えますがやっぱりトモダチと言ってくれてれてますしね。

 それと改めて、声優さんについては、触れるのを忘れるくらい違和感がないですね。ダブルヒロインともにぴったりの声優さんでした。

 なお、2回目を見るのはどうかな?という気はしました。1回目の衝撃が良かった作品なので、考えながら見るよりも初めての時の感情の動きをそのままにしておいた方がよかったかも。



 そして一番の衝撃。幾田りらさんって、YOASOBIの人なの?びっくりしました。イクラさんって別名なのね。アクアさまの声優さんがエライ美人なのでびっくりしたより驚きました。
 それで声優もできるんだ…才能なのか努力なのか…すごい人がいたもんです。正直この作品の面白さは2人の声優さんの力が大きいですからね…




追記 見て数日は最高の作品だと思ったし、今も出来の良さについては同じ印象なんですけど…なぜか、余韻の減衰が非常に速い気がします。まあ、考えるテーマは描き方はすごかったんですけど、内容的には平凡と言えば平凡です。面白さも1回目の「驚き」に依存するところも大きいですしね。

 2回×2回みて、原作も読んでいろいろ咀嚼して、それほど浅い話だとは思わないんですけど、引っ掛かりがないのかも。それと原作の12巻がちょっとノイズになったかなあ…それもまあオープンエンディングではあるんですけど、SFで考えるとかなり限定されたハッピーエンドなんですよね。

 うーん、むつかしいですね。いったんストーリーの評価の5を4に下げます。

 ただ、です。この映画の価値で再認識しているのは、やっぱり原作を読んでなんですけど、ヒロイン2人の声優さんの掛け合いです。これは原作にはない良さです。素晴らしかった。いままでのアニメヒロインの中でもっとも心地よかったかもしれません。2人ともミュージシャンということで声質がいいのか、音楽的なリズムなのかわかりません。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 8

70.2 4 2024年春(4月~6月)アニメランキング4位
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★☆ 3.7 (16)
92人が棚に入れました
北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届いた。今回キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だという。ビッグジュエルを追い求めるキッドが、なぜ刀を狙うのか…?

一方、西の名探偵・服部平次とコナンたちも、函館で開催される剣道大会のために現地を訪れており、犯行予告当日、平次がキッドの変装を見事見破り追い詰めるが…!?

時を同じくして、胸に十文字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で見つかる。捜査線上に浮かび上がったのは、“死の商人”と呼ばれ、アジア一帯で武器商人として活動する日系アメリカ人の男。

彼は戦時中の軍需産業に深く関わっていた斧江家初代当主が函館のどこかに隠したとされるお宝を探していた。それは、当時、日本の敗色濃厚だった戦況を一変させるほどの強力な兵器だという噂も…。そして、そのお宝とキッドが狙う刀はどうやら関係があるようで、刀を狙うキッドに対し、謎の“剣士”の影が迫り…

刀に秘した“真実”が、闇夜を切り裂き、いま月下へと導かれる――
天下分け目のお宝争奪バトルミステリー、ここに開幕――!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

親心いつも子知らずな函館ミステリー

【物語 3.5点】
主要キャラクターが黒の組織関連など以外は、ほぼ全員集合したお祭り映画。

函館・五稜郭、土方歳三絡みのお宝を巡る怪盗キッドに、
告白絶景スポットの宝庫・函館にて、今度こそ和葉に想いを伝えようと力むw西の名探偵・服部平次。

二者を軸に、多くの登場人物に出番を与えるためか、
事件解決もコナンらの頭脳から導き出される推理よりも、
豊富な人脈から偶発的にもたらされるヒントとなり得る情報を、
雑学知識豊富なコナンらが事件を解く鍵に無理やり変形加工して強引に突破口を切り開く感じ。

各キャラの得意分野で見せ場を作るためか、
やたら“泳がせる”展開が多かったのも合理性を欠いたリスクオンに感じました。

よってミステリーとしては大味となるのでしょうが、
刀剣などを活用したパズル要素のある謎解きもあって、
それなりの知恵熱で脳に程良い汗はかけましたし。

事件に仕込まれた父と子の人情ドラマ(※{netabare} 一組とは限らない{/netabare} )も良好なテーマ。
告白でも、家業でも、男という生き物は見栄っ張りで中々本音をこぼさないもの。
母と娘なら思い詰める前にどうにかなる事も、父子が絡むと煮詰まって事件に
発展してしまいます。

終わってみれば恋に事件にアクションに。
エンドロール後まで気になる要素が数多く詰まった、
エンタメ祭りとしては上々の興行でした。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・トムス・エンタテイメント

平次から和葉への告白絶景スポット探しなどと称して、
スクリーンに花開く函館・北海道聖地ゴリ押しアニメw
エンドロールでは例のごとくロケ地の実写映像で締める念の入れよう。
函館推し度という意味では史上最強アニメなのではないでしょうか。

ただ、ここまでゴリ押されても、北海道に憧憬を抱く私には不快感は少なく、
むしろアニメでも実写でも五稜郭の桜きれいだったなぁ~という満足感が残りましたし、
海が見える坂道と市電を絡めたアクションシーンも絵になっていました。


劇場版『コナン』を観る度に地味に凄いと感心するのが、
最新のIT機器、機能を使いこなすコナンたち。
本作では電子ホワイトボードを活用した捜査会議が印象的でした。

ミステリーや恋愛要素が絡む作品の中には、例えば携帯をガラケーからスマホにすると、
個人情報スキルの向上で、トリックや駆け引きのシナリオが破綻する等のリスクから、
長期連載で当初の世界観設定が時代遅れになっても、リメイクしても、
ガラケーのままという作品も結構あったりして。

貪欲に技術革新を取り込むコナンたちの柔軟さが案外、作品長寿の秘訣なのではないでしょうか。
今回は{netabare} 情報技術の進歩も真相を引き立てるスパイスでした。{/netabare}


【キャラ 4.0点】
2017年の劇場版『から紅の恋歌(ラブレター)』向けに登場し、
平次と和葉の間に割って入ってトライアングル形成を強行せんとした、
かるたチャンプ・大岡紅葉が、平次の恋路をややこしくするため、
本作でも上空より飛来w

怪盗キッドといい、ヘリに乗ったお嬢様・紅葉といい、
空飛ぶキャラは、お祭りでこんがらがったシナリオを力技で打開するのに便利な飛び道具ですw
そもそもキッドも平次から“キスの恨み”を抱かれているようですし。

さらに事件の鍵も握る居合道の達人・福城聖(ひじり)も和葉にグイグイ迫り……。
恋の行方は混迷の一途w

平次の告白の険しさに比べれば、一連の刀剣争奪騒動など大した問題じゃないように思えて来て、
海外からわざわざ来日したのに、アクションシーンを盛り上げる噛ませ犬になった死の商人軍団が何か不憫でしたw


【声優 4.0点】
土方歳三が関係する今回の事件。
土方役を務めたのは津田 健次郎さん。
アニメ『ゴールデンカムイ』の尾形役などで土方と対峙を重ねたツダケンもついに鬼の副長に!
と思いきや、イケメン土方役は乙女ゲーで既に経験済みとのことでw
津田さんは{netabare} 『コナン』と同じ原作者の『YAIBA』から再度ゲスト出演した鬼丸猛役{/netabare} も兼任し青山ユニバースな遊び心をアクションシーンに付加。

ゲストとして登場したのが{netabare} 川添役の大泉 洋さん。{/netabare}
人を欺く演技にも定評がある俳優を際どいポジションに配役し鑑賞者に考え込ませる。
こういうゲスト俳優なら歓迎です。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は劇場版『コナン』3作連続の菅野 祐悟氏。
出だしからメインテーマに和楽器をアレンジし、今回は日本史絡みに合わせて和風重視かなとも思いましたが、
結局、徐々に恐慌も煽る『PSYCHO-PASS』な菅野節でアクションを彩る。
一方で恋愛ラブコメ対応では、ピアノやストリングス等を駆使してムードを演出。

ED主題歌はaikoさんが「相思相愛」で『コナン』と初タイアップ。
内容は勿論ド直球なラブバラード。
この起用からして本作のクライマックスが事件より恋愛だということは明白です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 12

66.0 5 2024年春(4月~6月)アニメランキング5位
好きでも嫌いなあまのじゃく(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 3.5 (12)
25人が棚に入れました
「ペンギン・ハイウェイ」を手がけたアニメスタジオ『スタジオコロリド』による長編第4作。雪が降ったある夏の日、山形県に住む高校1年生の八ッ瀬柊は、頭にツノが生えたの少女・ツムギに出会う。人間の世界に母親を探しに来たというツムギは柊を旅の道連れに……。

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

衝撃的なつまらなさ。私が間違ってるのかなあ…と不安になる。

「うしおととら」を新海誠ソース、ジブリ風味でお届けします。物語性とテーマ抜きであっさり仕上げました。キャラは無味無臭にしたのでお好きにお楽しみください。

 衝撃です。こんなに意味内容が見いだせない映画をよく作りましたね。荒唐無稽なのは映画だからいいんです。省略があっても想像で補えるだろうという計算があるなら全然かまいません。多少偶然の要素が不自然でもいいんです。

 最悪なのは人の行動が不自然なことです。見知らぬ少女を息子が連れてきて、夕飯をふるまって風呂に入れて泊めてって。それが超田舎の大家族でお人よしならいいんですけど、現代的な家庭で父親は教育虐待的な毒親にも見えます。一般論ではおかしいし、特殊なお人よし精神を持つ家族としても主人公との関係性で違和感しかないです。ここがテーマじゃないんだ?というのがものすごく不思議でした。

 突然いなくなれば心配するのは親として当たり前の描写です。それ以前の主人公とヒロインのぶっ飛んだ行動があるので、その行動に唖然とします。主人公の苦しみも全然伝わってきません。むしろ親に同情してしまいます。

 後半のヒロインの両親との対比も考えたのでしょうけど…うーん。鬼とは何か?が描けていないので世界観が薄っぺらいんですよね。言いたいことを言えない=鬼ならそれはどういう一族なの?

 そしてサブキャラ描写も性格造形がわからないので、目の前で話は動くんですけど何を見ていいのかさっぱりわかりません。

 これって誰かシナリオを事前チェックしたんでしょうか?テーマは小学生低学年の道徳の教科書レベルでしかない気がします。

 むろん、私が読み取れない深いテーマとか民俗学的な教養があれば気づく何かとかあるなら申し訳ないですが、見たところ言いたいことは言おう…にしか見えません。
 画面も、珍しく寝落ちしそうになるくらい同じような景色の繰り返しだし、キーとなる場面転換で人間の里と鬼の里の違いも絵として表現できていませんでした。

 で、鬼の種族なのか村なのかわかりませんが、選ばれて役割を果たすキャラの葛藤が浅すぎてちょっと信じられません。

 最近オリジナル劇場版(ネット配信含む)が増えてきたのは喜ばしいですが、粗製乱造になるのはいただけません。劇場アニメが増えるのは質が上がる分にはいいんですけど、金になるから…と言ってこういうレベルの作品を作っておいて、人手不足はないだろう?という気がしました。

 ネットフリックの姿勢はコンテンツ作成ではなく投資ですね。脚本のコンペをする実力がある審査機関を作るなどしないと、お金の無駄遣いですよ。

 考察…はしていないので印象とか感想の類です。読み取れていない部分があったら申し訳ないですが、底が浅い…というか薄っぺらい映画に見えてしまいました。金と時間を返してほしい…けど、ちょっと珍しいくらいのつまらなさで、得難い体験なのかもしれません。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 5

計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-(アニメ映画)

2024年4月29日
★★★★☆ 3.6 (7)
28人が棚に入れました
週刊少年マガジン連載のサッカー漫画を原作とした、テレビアニメ「ブルーロック」初の映画化。並外れたサッカーセンスを持つ凪誠士郎の視点から描く。
「めんどくさい」が口癖の高校2年生、凪誠士郎は、W杯優勝を夢見る同級生、御影玲王にサッカーの才能があると言われる。誘われるがままにサッカーを始めると、凪は圧倒的なサッカーセンスを発揮し、ある日、ブルーロックプロジェクトの招待状が届く。そこで待ち受けていたのは、潔世一、蜂楽廻、糸師凛ら、全国から選ばれたストライカーたちとの出会いだった。凪は玲王と始めた世界一への挑戦に挑んでいく。

計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
クラユカバ(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★★ 4.2 (5)
25人が棚に入れました
第27回ファンタジア国際映画祭の長編アニメーション部門にて観客賞・金賞に輝いた長編アニメーション。
私立探偵の荘太郎は、世間を惑わしている集団失踪の捜査をスタートさせる。目撃者はなく、意図も不明なその事件の現場には必ず、“不気味な轍”が残されていた。手がかりを求める荘太郎は、街の地下領域“クラガリ”へと足を踏み入れる。そこで出会った黒鐵の装甲列車とその指揮官タンネが、荘太郎の運命を大きく揺れ動かしていく。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

和風レトロな地下世界で列車が砲弾をぶっ放す浪漫活劇映画

和風スチームパンクな“大帝都”にて発生した地下世界“クラガリ”への集団失踪事件。
依頼を受けた自堕落探偵・荘太郎が広大な地下鉄が張り巡らされ、地下ギャング“福面党”が蔓延(はびこ)る地下領域“クラガリ”へと踏み込むオリジナル長編アニメ映画。

【物語 3.5点】
地下鉄・装甲列車の砲が火を噴いて作品タイトルが打ち出される滑り出しが象徴するように、
本作のメインは大正浪漫なスチームパンクでドンパチやるアクション活劇。

私は探偵が主役と聞いてミステリーも期待していましたが、
昼間から飲んだくれる無精髭の主人公の迷探偵ぶりを目撃して、
早々にアクションエンタメ満喫路線に乗換えw
推理もしないことはないのですが探偵という主人公設定は、
自由に帝都や地下世界を巡る“カメラ”ポジションを狙ってとのこと。
上映時間も{netabare} 60分余り{/netabare} と短尺ですし。

ただ中身が無いかと言うとそんなこともなく。
主人公自身が抱える忘れかけた過去への憧憬が、
地下世界の禁断とリンクする脚本は独特かつ妙味。

このシナリオ軸については、本作と同日公開となったスピンオフ作品『クラメルカガリ』の、
地下世界から地上の未来へと生き急ぐ少年とベクトルが対になっており、
見比べることで今現在という地に足を付けて生きるメッセージ性のコクが出る構成となっていますので、
本作鑑賞後は間を置かずに『クラメルカガリ』もチェックすることを推奨致します。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・チームOneOne

クラウドファンディングで実現したという本企画。
スタッフには如何にもスチームパンク好きそうな経歴の持ち主が集結。
細かいことはさておき、私は煙(けぶ)る地下世界にて装甲車や多脚機巧がド突き合うアニメーション活劇が繰り広げられるだけで幸せなのです。

背景美術、人物作画共にCGがメインで、利点を活かしてフィルムスコアリングも実現し、音響一体となった活劇を演出。
小物設定も凝っており、口径大き目の銃なども、この種のファンタジー設定にマッチしています。


【キャラ 4.0点】
ヒロインで装甲列車“鬼の列車長”タンネ。
だらけた私立探偵の主人公・荘太郎と凸凹コンビで地下領域を巡る。
堅物な性格のタンネですが、弁は立ち、荘太郎らと講談調の軽妙な掛け合いも繰り広げ、
作品に独特なリズムをもたらす。

街と地下世界を“活動大写真”を駆使したサーカス団の類が暗躍するのも、
個人的にストライクな設定で、スチームパンクな世界観との掛け算で多幸感が倍化します。

地下世界で“伝書動物”として活用されるクダギツネなど、
“クラガリ”にはまだ描き残された未知の生態系が広がっています。
シナリオとしては一応区切りが付く本作ですが、
“クラガリ”の深淵については一端を垣間見せただけで、
次への欲も残した内容となっています。


【声優 3.5点】
講談調の大正浪漫なやり取り演出のため、
主人公・荘太郎役に人気講談師・六代目神田 伯山氏を招く意欲的なキャスティング。
相手役のヒロイン・タンネ役には黒沢 ともよさんを起用して盤石と行きたいところでしたが。

私は率直に、好素材を集めた割にもう一つ突き抜けなかった印象が残りました。
主人公が失踪事件に深入りする契機となったサキ役の芹澤 優さんは講談調対応もまずまずでしたし、
キーキャラクターを演じる活動弁士・坂本 頼光氏も持ち味を発揮していました。
が、例えば『アンファル』で落語調の掛け合いもこなしている、ともよさんならもっとやれるでしょうとの欲求も残ってしまったのですよね。

掛け合いも味わい深かったのですが極上とは思えず。
パンフレットで答え合わせしてみたら案の定、キャスト陣は分散収録。

ここはリスクを取ってでも同時収録で掛け合いの空気感、ディレクションももっと追求して欲しかったという要望も込めて声優3.5点で。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はアカツキチョータ氏。
物語終盤にかけてサーカス団が仕掛ける幻惑の中で、
主人公が地下≒過去に吸い寄せられる展開を見せる本作ですが、
夢幻に誘うようなミステリアスなBGM、エコーも含めた音響による演出が素晴らしく、
禁断に足を踏み入れたくなる主人公心理を鑑賞者も追体験するかのような没入感を得られました。
ここが私が劇場鑑賞の価値を最も感じた部分です。

ED主題歌はチャラン・ポ・ランタン「内緒の唄」
アコーディオンもアレンジしたサーカス風の楽曲で、
地下世界への未練も引きずる余韻を残す。


【付記】
4月公開で『クラメルカガリ』と共に、もう流石に上映はほぼ終了している本作。
ゾーンは狭いですが刺さる人は狂喜できるニッチな需要があると思いますので、
ピンと来た方は、配信レンタルリリースなどが実現したら是非チェックしてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 10

fBAtg62143 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1時間

上映時間は約1時間しか無いが体感ではもっと長かった気がする。というのもこの映画1時間しか無いためもの凄いテンポで話が進む。けれどしっかり起承転結があり、結構大冒険してるのにちゃんと1時間で終わっている。
アニメとしてもちょっと独特な作画で新しい雰囲気を楽しめた。
スピンオフのクラメルカガリをメインに見に来たがクラユカバも見て良かったと思える位には面白かった。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 2

計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
クラメルカガリ(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★☆ 3.6 (4)
20人が棚に入れました
「クラユカバ」のスピンオフ小説として執筆されたシナリオを原案にした群像エンタテインメント。
零細採掘業者がひしめく炭鉱町「箱庭」で少女カガリは、日々迷宮のように変化する町を地図に書き留める地図屋を営んでいる。一方、幼なじみのユウヤは、箱庭からの脱却を夢見ていた。やがて2人は箱庭で頻発していた“不審な陥没事故”に巻き込まれていく。

計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:(アニメ映画)

2024年6月7日
★★★★★ 4.4 (9)
16人が棚に入れました
テレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」を再編集した2部作の前編。
極度の人見知りな“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりは高校でいつも一人ぼっちで過ごしている。バンド活動に憧れギターを始めるも、自室で寂しく弾いてはその動画をネット上に投稿する日々を送る。気づいた時にはバンドメンバーを見つけるどころか友だちが一人もできないまま高校生になっていた。ある日、ロックバンド“結束バンド”の伊地知虹夏に声をかけられたひとりはバンドに加入する。

計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
リンダはチキンがたべたい!(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★★ 4.2 (5)
10人が棚に入れました
フランスのとある団地を舞台に、チキン料理を食べたい少女と料理が苦手な母を描いたコメディ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

パプリカみたいに色とりどりな社会の縮図を炙り出した絶品フレンチ団地コメディ

フランス・パリの社会住宅(政府が整備した低所得者向けの団地)
夫を亡くして以来、現代社会への適応も上手くハマらず、
生活、子育て全般に折り合いを欠くシングルマザー・ポレットが、
一人娘リンダに亡きパパが得意だったパプリカチキンが食べたいとせがまれ、
ストライキが続くパリで何とかチキンを手に入れて料理しようと、
挙げ句、{netabare} 生きた鶏を奪取してシメようとして、{/netabare} 周囲を巻き込み騒動を巻き起こす社会派コメディ映画。


【物語 4.5点】
現代社会の病理を炙り出しつつ笑いも取る傑作。

社会や時代についていかないと取り残されるけど、ついていけない、生き辛い……。
近年、私もこの種のストレスが強くなっていますが、これは決して歳のせいばかりではない。

都市は子供が無邪気に遊び回れないように設計。オフィス街でまともに子供が出歩いている姿などほぼ見かけない。
疎外された子供たちが夢想を花開かせるのは、部屋での寝静まれない夜だけ。
羽を伸ばせない大人たちも不満や鬱憤(うっぷん)が溜まっている。
そりゃパリ市民もストを起こしたくもなるというもの。

個人に大した調理スキルがなくても食材や料理にありつける現代社会。
これをストで麻痺させることで時代に適応しようと足掻いてきた現代人が、
パプリカチキン騒動を通じて、原材料から料理一つ満足に作れなくなる程に“生きる力”が劣化してしまっている様を浮き彫りにされるプロットも苦くて妙味。

人間が人間のため作った文明に合わせるため、人間が失われているという皮肉。
その世界観ベースにコメディをスパイスして、箍(たが)を外していき、
最後は人間解放感の中で、高い共感度を伴った独特の笑いと感動を味わうことができる。
脚本レシピも練り込まれた、各国際賞レース連勝も納得の逸品です。


【作画 4.5点】
大胆かつ独特。だが決して手抜きではなく、計算に基づいた映像が構成されている。

各キャラクター、各物体ひとつごとにワンカラー配色し、
人種の坩堝でもある団地の多様性もカバー。
絵の具をぶちまけたようなベタ塗りが、閉じない輪郭線からはみ出したりする。
まるで子供のお絵描きみたいな奔放な絵面が、
現代社会に圧殺されている諸々と、そこから弾け出すエネルギーを体現。

さらに強烈なのが夜の描写。
撮影で暗さを演出するのではなく、各人、各物と輪郭線のカラーを反転させた、
ブラックボードアートのような配色で闇を表現。
リアル以上に漆黒な画面が、
暗闇の記憶の深淵に、幼少のリンダが封じて来た父との思い出も効果的に示唆。

作画カロリーは軽量ですが、フットワークの軽さを活かして、
プレスコ(収録の後に作画)も実現。
実際に子供に遊ばせた音を拾って、それに合わせて作画することで、
ガキんちょは何をしでかすか分からない、子育てアルアルのリアリティ再現にも成功。

何よりシンプルかつカラフルな画面により状況把握もしやすい。
なくした指輪とか、固有カラーで光ってくれたら、失せ物探しに重宝するのにと、私もちょっと羨ましかったりw
鑑賞者に読み取らせる負荷をかけない、スムーズな心情伝達が、
アニメなんだけど妙にリアルという感想につながっているのだと思います。


【キャラ 4.5点】
主人公リンダの母として奮闘するポレット。
ひとり親というだけでなく、現代社会が要求する様々な適応能力に関して弱者であり、格差社会の貧困層を体現。

諸々の対処法が分からないポレットは、
{netabare} 生きた鶏捕獲{/netabare} というとんでもない手段を取ったり、
姉その他色んな人に相談を無茶振りし、迷惑をかけてしまう。
このポレットが象徴する関わりたくない社会的弱者だが、
厄介だからと言って見捨てると、ますます孤立して社会的コストになりそうな感じ。
イタいほどリアルなのですが、私が彼女を見放せないと感じるのは、
次の時代が核心的と強いたスキルやシステムに順応できなければ、
明日は我が身、リンダママとの焦燥感を私も抱いているからだと思います。

そのポレットに厄介事をふっかけられる姉・アストリッド。
ヨガ・インストラクターの“できる女”として活躍する一応の社会的強者。
振り回されても妹その他を見捨てられずストレスを溜めていく彼女を見ていて、
ふと、私が以前行った整体院にて先生に聞いた、心身を整える達人であるはずのヨガ講師が、意外と整体の常連という小ネタを思い出し笑いしてしまいました。
社会的役割をクソ真面目に演じるばかりでは擦り減ってしまいます。
ストレス解消のため禁断のスイーツに現実逃避するアストリッドが、
最後{netabare} テキトー極まりない警官・セルジュ{/netabare} と昵懇(じっこん)になったのは、
中々のラブコメだったと思います。

総じて見ていれば誰か共感を覚える人物が見出だせる。
キャラも妙にリアルな群像です。


【声優 4.0点】
※日本語吹替版を劇場鑑賞。

俳優タレントがメインを担当した吹替キャスト陣。

主人公リンダ役は層の厚い子役界から落井 実結子さんとあって、
さほど心配しておらず実際安定。

一方で母・ポレット役の安藤 サクラさんは、
アニメ声優初挑戦となった前作レビューにて私が酷評コメント書いていることもあって、
結構心配でしたが、オロオロしながら騒動の起点となるキャラクターを、
まずまずの吹替で再現されており杞憂に。

最近、私は俳優タレントの収録に関しては、日本アニメより外国アニメ吹替の方が、
安心して聞いていられるという感想を述べることが増えています。
洋画吹替界隈の、リップシンクには頼れないので、ちゃんと声を張って伝えるという収録傾向が、
濃厚キャラボイスを過剰摂取する私の深夜アニメ脳に馴染むのかもしれません。

どうも私が俳優タレントのキャストにアレルギー反応を示す要因は、
“ちゃんとした声優”かどうかより、ボソボソ喋ってセリフや心情の起伏を捉えづらい、
邦画の悪習にあるような気がしてきました。


【音楽 4.5点】
音楽担当はクレモン・デュコル氏。
方々を巻き込みながら転換する場面に、
管弦楽をベースに、柔軟なメロディ変化で好対応する上々のコメディBGM。

挿入歌のスパイスも効果的で、男声テナーのクッキングソングも楽しげでした。
日本語吹替用に翻訳もされた「Dormir,dormir」は夜に遊び足りていない子供たちの想いがうごめく眠れない人向けの子守唄。

ED主題歌はフランスのシンガーソングライター・ジュリエット・アルマネットさんの「Un souvenir ou deux」
最後はラブコメ、愛だねで幕を引く本作。
在りし日の愛の思い出を静かに語るバラード曲は程よく甘い食後のデザート。


【付記】
4月の封切りから上映している映画館は流石にもう上映終了してきていますが、
5月GW後に少ないながらも上映開始する館もあるようです。
前衛的な作画で堪能するフレンチ・コメディ。
ご賞味されてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 13

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久しぶりのフランス映画

リンダが食べたいのはパプリカチキン。
ネットを検索すると、ハンガリー料理として紹介されているので、彼女のお父さんはハンガリー系の出身だったのかな。

お話はリンダとお母さんの小さな誤解から始まる諍(いさか)いと、それを解くための大切な約束が「チキンがたべたい!」につながる流れです。
そのあとは、まるでドタバタなベタ風といえばその通りな展開でした。

そのなかでひとつ思ったのは、フランスのとある下町の集合団地が積み重ねてきた人情というか、風情というか。
その描き方がとても心地良いものでした。

フランスの政治=暮らしは、デモクラシー抜きには語れない側面がありますので、いわゆる民衆の力の底の厚さや、大衆的なベクトルといったファクターみたいなものが、あちらこちらで拾えそうな印象です。

このあたりは日本の作品にはなかなか見られないところです。
例えばジュブナイル系作品を見渡すと、セカイ系や転生ものの趣向が強く顕れているのが、いかにも日本的というのが特徴の一つです。

その点、本作の場合は、子どもの主体性に重きが置かれていて(それはフランスでは当たり前なのかもしれませんが)、無邪気さと同時に、図々しさもふんだんに(しかも極めてリアルに)描かれています。

リンダはもちろん、多くの子どもたちがまるで民衆の一員として位置づけられ、世間への態度がいっぱしの大人ぶりとして描かれているところが、フランス的風味というか、ちょっと面白いところかなと感じました。

いよいよ鶏が調理に供される直前、リンダが鶏にそっと語りかけ、涙をすうっと流すシーンがあります。
そのフレーズは、とても子どもらしいあどけない発想で、大切な家族を思う重要なステップに感じました。

私が鑑賞したのは字幕版でしたので、声優さんの演技はそのまま受け止めましたが、吹き替え版にも興味を持ちました。
日本の声優さんが字幕の台詞をどんな演技をされたのか、リンダの気持ちがどんなふうに表出されたのか、機会があればと思っています。

はっきり言って子ども向けの作品だと思いますが、ほど良いエスプリ(精神性)と、茶目っ気たっぷりのカリカチュア(風刺戯画)が効いていますので、大人の方の視聴にも十分応えられるのではないかと思います。

あとキャラデザですが、キービジュアルそのままです。
けれど、意外なことに、それがアニメーションになれば、一瞬も目が離せない、味のある表情を見せてくれます。
そんなリンダたちに、観終わったあとは、なんとも心地の良い豊かな気分になれたのも不思議と言えば不思議。

少し気分を変えたい時などに、軽い気持ちで視聴なさってみるのもいい作品。
そうお伝えしておきますね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6

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 サクラの身を案じながらも、サクヤはロゼとして、七煌星団が討つべき敵を見定めさせ、団員たちを鼓舞する。
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計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
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計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
夢追いウサギ(アニメ映画)

2024年4月12日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
「ソウルフルワールド」劇場公開時に同時上映の短編。
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計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
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計測不能 6 2024年春(4月~6月)アニメランキング6位
「ツキウタ。」劇場版 RABBITS KINGDOM THE MOVIE(アニメ映画)

2024年6月14日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
架空の芸能事務所、ツキノ芸能プロダクションに所属するアイドルたちの活躍を描いたプロジェクト「ツキウタ。」シリーズ初の劇場版。
Six Gravityリーダー睦月始とProcellarumリーダーの霜月隼は、偶然立ち寄った古書店で、自分たちが出演予定の舞台の原作本を見つける。そこには違う世界の彼らの物語が描かれていた。世界は黒と白に分かれ、本来対であるはずの2つの世界は、出会わず未完成で不安定なまま。周辺諸国の災いに心を痛める黒兎王国の若き王、始と側近らは世界会議と在位15周年記念舞踏会の準備に追われ、白兎王国では、魔王を自称する隼の提案で黒兎王国へのピクニックが行われようとしていた。
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