1988年秋(10月~12月)に放送されたおすすめアニメ一覧 35

あにこれの全ユーザーが1988年秋(10月~12月)に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年03月29日の時点で一番の1988年秋(10月~12月)に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

82.6 1 1988年秋(10月~12月)アニメランキング1位
トップをねらえ!(OVA)

1988年10月7日
★★★★☆ 4.0 (778)
3403人が棚に入れました
人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は宇宙生物群(通称・宇宙怪獣 (STMC))による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の後継機であるバスターマシン「ガンバスター」を製造。その搭乗員に選ばれたトップ部隊隊員の一人であるタカヤ・ノリコの双肩に人類の未来がかかる。

声優・キャラクター
日髙のり子、佐久間レイ、川村万梨阿、若本規夫、渕崎ゆり子

kororin さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『イナーシャルキャンセラー全開・・・よーし、やってみる!!』「死ぬ気?!」「うっ!」「やめてぇぇぇ!」  『パパ、スミス・・・私を守って。』

光速を突破したした宇宙船を作り出した人類は星々を食いつくす宇宙怪獣群体と遭遇。地球人類の存亡をかけて「時」を越える戦いが始まった・・・・


発表(発売)当時、1巻2話収録のOVA3巻全6話作品。
今更どうこういうモノでもない高評価作品ですが、「ロボットオタク(スパロボ系)」なら『一度』は見ておかなければならない『聖典』です。(大層かな?)

本作は色々と逸話のある代物。
・発表された時分は「世間」では全然騒がれてなかったけど、オタクの内々では注目株だった「庵野秀明」氏の初監督ということで期待があったということ。(今じゃもう・・・ネェ)
・その仕事ぶりは当時のチープワンパターンな他作品と比べて「どこか一味違う・こだわりが面白い」というもので(オタクの内々では)定評がありました。
・当時の宣伝コピーは「『トッ〇ガン(ト〇・ク〇ーズの出世作)』と『エースをねらえ!』が一つになった!」というふれこみでしたが、
庵野監督は「エースをねらえ!」は見ていても「トッ〇ガン」は一度も見たことがなかったそうで、本作を見て判るように「エースをねらえ!」の特色が濃厚に出ていますね。
・主題歌は「酒井法子(ノリピー)」、主人公は「タカヤ・ノリコ」、中の人は「日高のり子」と、何かと『ノリコ』づくしなアニメ。
・「トップ」を狙うつもりはなかったのに、口コミ定評でOVAビデオ(VHS)の売上(アニメ部門)も「トップ」になったとか、ならなかったとか・・・etc、etc
・キャラ設定は「超時空要塞マクロス」でお馴染み、「目」が特徴的なキャラの「美樹本晴彦」氏。

SF考証も世界観も、古典SFの引用・1960年代の人間が創造したような未来。1988年に発表された当時から見て所謂「レトロフューチャー」な世界。
・宇宙空間も「真空」ではなく「エーテル」で満たされいるという設定。小難しい物理用語が多数出てきますが、これで宇宙物理学や古典SFに興味を持った人も少なからず多かったのでは? 私?私はサラっと流しましたヨ(笑)ウラシマ・エフェクトは多少判りましたが・・・
(後の太陽フレアが原因で発生したプラズマ雲「ゲドゥルトの海」に覆われた宇宙空間を漂流するハメになった少年少女の葛藤物語『無限のリヴァイアス』なんかを思い出します)
・敵対する「宇宙怪獣」も今まで我々が認識する動物の様な形態概念ではなく知性は無い様で生体本能のみで活動する「デッカイ珊瑚」のようなモノ(最小でも数十メートルの多足昆虫型のモノもある)。そんなモノが数えきれない群体で(体当たりで)襲ってきたらもう・・・ヤッパリ怖い!
・対する人類は「マシーン兵器」と呼ばれる「8m程のロボット」で対抗準備。日々特訓の続くノリコ達。しかしこのマシーン兵器(RXシリーズ)、恐ろしく視界が悪い上にアナログな計器類を読み取ってと勘と予測で動かす効率の悪い兵器。最大の立役者「ガンバスター」が出るまでの「かませ犬」みたいな存在でした(笑)

ドラマの方は主人公・ノリコの(戦いと)成長の物語。
憧れの先輩お姉さま「アマノ・カズミ」、トップ部隊に選抜し冷徹な猛特訓を強いるが信頼厚い「(オオタ)コーチ」、ライバル「ユング・フロイト」、地球に残した親友「ヒグチ・キミコ(名前の由来は周知の通り)」、華と散った初恋の相手「スミス・トーレン(ヤぁってやるぜ!)」、
様々な人と出会い、別れ、時間のズレた世界で再会したりして、ノリコは人類の運命を背負う覚悟を決める!
所々に庵野監督が気いった邦画の演出(「パクリ」じゃないよ「引用」だよ)が使われてたり、庵野監督が好きそうなオマージュがあったりと、思わずニヤリとしてしまったらあなたは間違いなく『オタク』です。

初めて見る方はチョット地味目なストーリーが淡々と続いて飽きるかもしれませんが、とにかく4話「発進!! 未完の最終兵器!」迄は我慢して、我慢して、我慢して~~見て欲しいものです。一気に目が覚めると思いますから。
それで本作を見直す(チョイと気に入った)気になれば後は怒涛の第5・6話に引き込まれることでしょう。

特に第5話「お願い!! 愛に時間を!」は・・・緊迫するドラマと早い展開もさることながら、スパロボ好きには鳥肌が起つ演出!今までの地味目な伏線を吹っ飛ばすような勢いです。(テーマ曲が流れる「アノ」シーンの虜になった人は多いハズ!)
そして第6話「果てし無き、流れのはてに…」は・・・スペクタクル大河ドラマの雰囲気を醸し出した構成。ワザと画面を「アレ」にして最後に・・・・もう涙と鼻水無しにはいられない締め方です。

とにかく「面白く見せる(エンターテイメント)」という意味で「伝説」、又は「教典(大袈裟?)」的な作品だと思います。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 15

ちゃぶ台返し さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

80年代OVAの金字塔的作品!!

 当時高校3年生の夏だった。それ以前から『美樹本氏の美少女キャラと妙なデザインのロボットの組み合わせだなぁ~』と存在だけは認知していたが、レンタルで借りた最終巻を見た時は脳天を打ち抜かれる様な衝撃を覚えたものだ。1巻でエロパロ路線が際立った学園モノと思わせといて、2巻でシリアスな流れとなり、3巻であそこまで飛躍したストーリーを創造したスタッフらに畏敬の念を感じた。特に6話で『あの演出』を取り入れたのは並大抵ではないと今でも思う。俺も他の人同様にTVが壊れたかと思った位だw その後ガイナックスはNHKのシリーズアニメ「ふしぎの海のナディア」を作り、数年後「エヴァ」を作った。若い時にこの流れをリアルタイムで感じる事が出来たのは幸せだったかと思う。アニメ業界ではないけれども、今の仕事に就くことに、確かな影響を及ぼした作品ではないかとも思う。ムック本のインタビューの中で庵野監督が語っていた「(同時期に出ていた)OVAパトレイバーより確実に面白いものを作る」という目標は確実に達せられていると万人が認識出来るのではないだろうか。あれから20余年。今見ても面白いと思うよ。皇帝・若本の熱い演技も必聴だ!!

投稿 : 2024/03/23
♥ : 13

ペエ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いま観ても面白いアニメ史に残る作品

1988年の制作にもかかわらず、いまだに多くの人に支持されていることに驚きます。
監督はエヴァの庵野秀明さんですが、パロディの入れ方やSF的な話のまとめ方からも岡田斗司夫さんの作品という印象があります。
と学会の次はダイエット本がブレイクしたオタキングですが、こんなに面白い作品を作ってくれたことに感謝です。

OPでは当時はトップアイドルののりぴー(酒井法子)が歌う80年代アイドルソングを堪能できます。

後半は主人公を演じる日高のり子さんが技名を絶叫する有名なシーンがありますが、「のどが潰れてもいいように最終日に収録した」というエピソードを知ってから観るといっそう盛り上がります。
しかし、のどが潰れてもって日高のり子ののど潰しちゃ駄目だろw

とにかく作り手が全力で作ったアニメだっていうのが伝わってくるそんな作品です。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 7

72.9 2 1988年秋(10月~12月)アニメランキング2位
銀河英雄伝説(OVA)

1988年12月1日
★★★★☆ 4.0 (56)
500人が棚に入れました
田中芳樹の手掛けた壮大なSF小説を原作としたOVAシリーズ。 遥か未来、宇宙に進出した人類は銀河系を二分する社会体制を構築していた。片や専制政治で統治された銀河帝国、そしてそれに対するは民主政治を敷いている自由惑星同盟である。この二国間は150年余の長きに渡り戦争状態にあったが、この停滞した状況に風穴を開けるべき逸材がほぼ同時に双方の軍にて頭角を現した。貴族社会を憎み自らが頂点たらんとする野望を抱く帝国軍のラインハルトと、卓越した用兵術を度々披露しながら本人は戦争嫌いという同盟軍のヤンである。この両雄の周囲にそれぞれ異才が集結し、やがて互いの国家の存亡を懸けた戦いが始まった! 音声だけ聴いていても十分楽しめる、といわれるほど超豪華なキャストによる掛け合いは絶品。外伝も含め計160エピソード以上もある圧倒的ボリュームは空前にして絶後だ。

声優・キャラクター
堀川りょう、富山敬、広中雅志、佐々木望、森功至、若本規夫、榊原良子、キートン山田、屋良有作

MryvE15360 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

古さに目を瞑ったら最高の作品

政治系/戦争系SFアニメ。

私は原作ファンですが、是非オススメしたい。
超ロングセラーで未だにファンも売上も伸ばしている人気作品。傑作の類いです。
作者が歴史/時代小説も手掛ける方なので、その知識をフルに使って創作された登場人物や物語は見ごたえあります。
歴史好きには登場人物のモデルやエピに史実のモチーフを見つけるのも楽しいかも。
壮大な作品を最後に綺麗に集約させていく様子は圧巻です。
正直、SF系/政治系/戦争系アニメでこれ以上の作品を知りません。
ただ、古い…古いです(-_-;)
私も年齢的に原作から入らなければ見れないレベルで古いです。
リメイクして欲しい(-_-;)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 4
ネタバレ

ストン さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

これを神アニメと言わずして何を言うか

数年前に一気に観ました。

仕事から帰ると観て、次の日に響かないギリギリまで観て寝る。
そんな生活を余儀なくされた作品です。

ラブコメ要素は皆無に近いが、ゼロではありません。

話数は多いけれど、
それでもこの壮大な物語を描ききるに必要にして充分な、
全く無駄がありません。

出てくるキャラのほとんどが魅力的で、
絶対的な善も悪もなく、
三国志に近いかもしれません。

バトル・戦略・英雄ものを観るなら、
このアニメを見ずに他を観る選択肢はないでしょう。

物語・声優・キャラに関しては未だコレ以上のアニメを知りません。

まだ見ていない人は、
食わず嫌いせずに観てください。
マジでショックを受けると思います。

観終わった時、壮絶な疲労感、喪失感、爽快感、充実感を味わえることを保証します。

{netabare} ヤンが死んだときは、リアルで泣きました。 {/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 5

琴吹みつる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

声優好きにはたまらない作品

田中芳樹先生のスペースオペラの名作をアニメ化した作品です。

こういうのも何ですが、
画面を観ていなくても大丈夫な作品です。

もちろん初回はちゃんと画面見ましたよ!
アニメーションも良い出来です!
しかしナレーションとキャラクターのセリフだけで内容がほぼ理解できるのです。
そのおかげでよく作業用BGMにしており、
何回も観る(聴く?)機会を得ました。

個性豊かな豪華声優さん方の演技が素晴らしいです。
今は亡き昭和の名声優の演技、
今を支えている声優の新人時代の演技を聴くことができます。
難点は女性が少ないことですかね(笑)

話の内容や、テンポ等好き嫌いの分かれる作品ではあるとは思います。
長い話なのにしっかりとまとまっていて、作画のクオリティも安定しているので、
安心して観られる作品です。

キャラクターの個性も強くて、一人一人みんな応援したくなります。
そしてその良いキャラクターの誰が生き残るか……
ハラハラしながら観るのが田中作品の楽しみ方でもあります。

アニメ界の歴史に名を残す作品であるので、
アニメが好きな人には話のネタにでも一つ観てもらいたいです!
長編の固い作品だからと言って、難しく気構えをせず観て欲しいですね。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 5

66.7 3 1988年秋(10月~12月)アニメランキング3位
冥王計画ゼオライマー(OVA)

1988年11月26日
★★★★☆ 3.7 (88)
315人が棚に入れました
大迫力のメカアクションと衝撃的なストーリーテリングで、数多のロボットアニメファンを魅了したOVA。秘密結社・鉄甲龍を率いる少女・幽羅帝は、配下の八卦衆に対し世界征服のための決起を表明した。しかしその前に立ち塞がるは、組織を離反した木原マサキが奪取した八卦ロボ・天のゼオライマー! 現在は普通の少年・秋津マサトによって操られているその機体が秘めた絶大なパワーは、次々に八卦衆の命を奪っていく。気弱なマサトが、ゼオライマー搭乗時に突如豹変するその冷酷さの正体とは? 原作となったのは18禁コミックで、時折挿入されるセクシャルな描写にその名残がある。とはいえ引用したのは部分的な設定のみであり、基本的にはアニメオリジナルといっていい作品となっている。

声優・キャラクター
関俊彦、本多知恵子、田中秀幸、荘真由美、鈴置洋孝、佐久間レイ、佐々木優子、勝生真沙子、玄田哲章、塩沢兼人、速水奨、辻村真人、政宗一成
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

脳髄に直接叩きつけられる衝撃。神と悪魔の如き聖戦。

これは、イクサー1と同じくレモンピープルという雑誌に連載されていた漫画作品(原作者は違います)を平野俊弘(現:俊貴)監督が映像化したアニメです。

こちらもやはり美少女が出てくるし際どい性描写も出てくるのですが、イクサー1のような娯楽要素はなく、むしろ対極のような存在であります。


原作からの改変もなされ(原作読みました)、より『人の業』が感じられる哲学めいたストーリーですね。

敵味方入り乱れる人間関係。
どのキャラも自分の欲望や感情を包み隠さずぶつけ合う、対立の連続。どこまでもドロドロな人の闇が描かれています。

そして愛し憎み合う中で発覚する驚愕の真実・・・!
自分は自分なのか?どこまでが自分でどこまでが他人なのか?
設定の妙によって黒幕の存在意義がますます高まっています。
(これに似た設定を平野監督はロウランでも使ってましたが、ゼオライマーの秀逸さには敵いませんでしたね。)


このアニメで最も揺さぶられるのは『自我』の概念だと思います。
非現実的な設定なのに、登場人物の心情描写が生々しい現実感を帯びているせいで説得力があります。
ここでも幽羅帝(ゆうらてい)を演じる荘真由美さんの好演が素晴らしいです。今回は主人公のマサキを演じる関俊彦さんの鬼気迫る演技も鳥肌ものです!!



僕はスーパーロボット大戦というゲームはやったことがありませんが、どうやらゼオライマーはその性能から有名らしいですね。
スーパーロボット、と呼ぶにふさわしいと思います。ゼオライマーは本編では人の業を裁く神のごとき存在です。搭乗する人間によっては悪鬼に姿を変えます。
どんなときでもゼオライマーを見ているとその異様なオーラに呑まれてしまいます。怖いし、身震いさせられます。



最後までどうか見届けて下さい。最後の晴れやかな三人の表情にこそこのアニメの真髄があります。
時間の都合上話の繋がりに雑な部分があるのは残念でならないですが、とても感銘を受けたロボットアニメです。



すごーーくどうでもいいこと。
{netabare}
駅の改札で他の利用者がICカードで通ろうとして。
そしたら残高不足で『チャージしてください。』って引っ掛かってたんですよね。
そのとたん頭の中に『チャージなどさせるものか!!』ってマサキの声が浮かんできて(笑)
笑いをこらえるの大変でした。


それだけです。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 10
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ややこしいよ!

 初見でした。全4話各30分のロボットもの。
 ロボットものなんですが、この作品の魅力はロボットよりも人物描写にあるように思えます。ストーリーもよく練られていますし、かなり堪能できました。その後の作品にかなり大きな影響を与えていることは間違いないでしょうね。影響を受けていそうな作品がいくつか浮かびました。想像したよりも平均評価が低くて少し残念です。

 私はロボット関連の知識は全くないので、その辺については言及しません。
 そもそも私がロボットものを見るときは、組織の相関図と人物の相関図がどう動いていくかしか見ていませんからね。この見方が常に正しいとは思いませんが、この作品に関して言えば正解だったように思えます。ロボット好きな方もそっちの方に目を向けてみると、違う視点で楽しめるかもしれません。

 この作品を一言でいうと、「ややこしい」です。陰謀系のストーリーなので、全体像が明らかになるのが後半になってから、というのもあるのですが、陰謀のネタの部分はその後の作品で流用されていたりするので、意外と何とかなると思います。それ以上にややこしいのが、首謀者のキャラクターですね。非常に読み難い。組織間の争いがあって、ロボット同士が戦って、人物描写もトリッキー、ということもあって、2時間作品にしては結構てんこ盛りだったように思えます。尺が短いというよりは、分厚いという印象を受けました。

 以下では、物語の骨子の部分とエンディングから入って、これを前提に個人の話に移っていこうと思います。全ての基礎はマサキにあり、です。以下ネタバレが過ぎるので要注意。


組織間の争い:{netabare}
 二つの組織が争っているように見えるのですが、この裏には常に第三勢力が見え隠れしています。この第三勢力の台頭が、エンディングにつながっていきます。エンディングを読み解くために、陰謀やロボットの要素を排除して、普遍化した全体像を掴んでおきます。

 世襲された王政に対し、軍事クーデターが起こって、さらに市民革命が勃興する。
 これだけですね。歴史的な流れと同一視で構いません。

 ユウラという人物。彼女は先代のもと、ゼオライマーに搭乗するはずだったわけです。つまり、軍事統帥権を持って後継するはずだった。それにもかかわらず、ゼオライマーの搭乗資格が備わっていないし、ゼオライマー自体も指揮下にいないわけです。軍事統帥権が毀損された状態で、女王に就いてしまいます。しかも、広く知られていたわけではないものの、種(たね)の不適格まで明らかになる始末。彼女には、女王たる資格が名実共に備わっていなかったわけです。これにより王政は弱体化していきます。

 これに対して反旗を翻したのがマサキという人物。彼は、女王の力を減退させた張本人なわけです。彼はゼオライマーを開発・管理し、パイロットも手中に収めています。軍事力しか持っていないものの、その軍事力に関してはハードもソフトも備わっている。この力を背景にして、王政に対してクーデターを起こします。そして、女王の近衛軍を蹂躙していきます。

 しかし、このクーデターにほころびが生じ始めます。協力者からの反発(イサオ)です。何とかこれを撃退するも、今度は「内部分裂」が生じます。取り込んでいたはずの弱きもの、第三勢力であるマサトの反乱によって、軍事政権は崩壊し、武装市民が戦場に現れます。
 マサキを取り込んだマサト(新マサト)は、ユウラのもとへと到達します。

 面白いのは、マサトもユウラもマサキであるということです。すべて同一人物を使って、上記のような疑似戦争が描かれているんです。
 つまり、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。こういう構造を持っているわけです。これを上記の例に当てはめると、<王政vs軍政vs市民>の戦いは、<人間同士の戦い>である、ということですね。
 無力なままのマサトでは、この戦争を終結させることは出来ませんでした。戦争を終結に導いたのは、ユウラでもマサキでもなく、武装した新マサトです。力無き者が力を得ることで、戦争を終結できると説明されています。その終結の方法とは?これがエンディングとテーマにつながります。
{/netabare}

エンディングとテーマ:{netabare}
 ユウラは新マサトに対して冥王決定戦を持ちかけます。「勝者こそが真の冥王」だと言っています。そして「全世界を破滅させるスイッチを入れる」ことを伝え、「止められるなら来るがいい」とまで言っています。破滅させたいだけなら宣言する必要はないわけですから、止めて欲しいわけです。

 それに対して新マサトは、「もう一人の僕(ユウラ)と決着を付け、たった一人の男(マサキ)の怨念を消さなければならない」と言っています。また、ゼオライマーの前で「お前が僕の宿命ならば、共に消えればいい」とも言っています。つまり、新マサトが消したいのはマサキ(ユウラと新マサト)であり、ゼオライマーなわけです。新マサトが消したいものに自分が入っているがポイントですね。

 そして、ユウラはスイッチを押し、その前に新マサトが現れます。このとき、新マサトが行ったのは、ユウラと新マサト、そしてゼオライマーの消滅を同時に達成できる手段、「自爆」なんだと思います。すべての発端であるテッコウリュウの本拠地を巻き込んで、終焉となります。

 世界は滅んだのか、というと滅んでいません。描写的にも地球の一部に大規模な爆発が起こっただけとして表現されています。ユウラの破滅スイッチによる効果が全世界に波及する前に、新マサトの自爆スイッチによる阻止が成立したんだと思います。そもそもユウラと新マサトの思惑は合致しています。二人とも世界を破滅させたいのではなく、マサキの遺産を無くしたいだけです。「勝者こそが真の冥王」なわけですけど、「自爆」によるマサキ同士の同士討ちですから、勝者なし、冥王なし、すなわち破滅なし、という終結なのでしょう。新マサトは確実に勝てる状況にあるんですが、勝者(冥王)になりたかったわけではない、ということです。


 で、テーマの話。前項で述べた例で言えば、市民が王政を打倒してハッピーエンド、というのが通常の流れだと思います。でもこの作品では、市民が王政もろとも自爆してしまったわけです。なぜ自爆しなければならなかったのか。それは、力無き市民ではなく、武装した市民だったからです。力無き市民というのは、マサトのことであって、新マサトのことではありません。市民であっても武装してたらダメなんだと、この作品は言っています。テーマって反戦力っぽいんですよね。例え出自が弱きものであっても、戦力を取り込んでしまったり、戦力自体を持ってはダメ、と描いているわけですから。
 ゼオライマーは、核を優に超える能力を持っています。こんな強大な戦力を描いておいて反戦力なの?と思ってしまったんですが、否定したかったからこその強大な戦力だったんでしょうね。戦争を悲惨に描かなければ、反戦は出てこない、というのと同じ論理です。
 ゼオライマーは、とことん強い存在でなければなりませんでした。ただ否定されるためにだけに。そんな悲しいロボットなんだと思います。
{/netabare}

マサキ①(ユウラ・マサト):{netabare}
 主人公はマサトなんですが、彼について考えていくと、最終的にはマサキという人物に行き着いてしまいます。一方、マサキを中心に考えていくと、マサト以外の人物もクリアに見えてくる。この作品は、マサキという人物が軸としてあるように思えます。彼はどういう人物だったのか。
 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。ここから始めます。

 ユウラ。彼女は、マサキのコピーの中で愛が一番強く描かれています。マサトとマサキで新マサキであるならば、彼女もユウラとマサキで新ユウラというべき存在であったはずです。新ユウラの中にマサキがいることを知っているルラーンは、彼女を「美しい」と言っています。

 マサキ。彼は、破壊衝動に駆られ、その願いを完遂するために、ゼオライマーと幾人かの人物を造った男です。これだけを見れば、悪の存在なんですが、必ずしも悪だけとは言い切れないところがあります。
 そもそも破壊衝動に疑問が残ります。単に世界を破滅するためならば、テッコウリュウの長になるユウラの破滅スイッチだけで足りたはずです。ユウラがゼオライマーに乗れば盤石です。でも彼は、マサトというもう一人の分身を用意してゲームを始めました。しかし、ユウラとマサトの行き着く先は、マサキの破壊で一致しています。自分の野望を止めるためにゲームを始めたのでは?そんな風にも勘ぐってしまいます。
 また、マサキは「愛」という言葉に拒絶反応を示しています。にもかかわらず、マサキが造ったゼオライマーのシステム(ミク)は人型です。しかも女性型。また、彼の分身であるマサトとユウラは「男と女」です。そして皮肉なことにも、彼らはいずれも「愛情」を知ることが出来ました。彼らがマサキの造ったものであることを踏まえると、「マサキは愛を求めていた」そんな風に写ります。

 マサトとミク。「僕が造ったみんながきれいで、なぜ僕だけがこんなに薄汚いんだ」これは、新マサトの中にいるマサキの言葉。「あなたの中にきれいなものがあったから、それを生んだのよ」がミクの返しです。「造った」に対し、「生んだ」と返す。これはミクの優しさなのか愛なのか。少なくともマサキが単なる悪であるのならば、ミクのこのセリフは出てこないはずです。


 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である、と述べました。これを今度は縮小側のベクトルで見てみます。<マサキvsマサキvsマサキ>の戦いは、<マサキ内部の戦い>である、となります。つまり、人間の内部にある破壊衝動と愛情のせめぎ合いが、別のキャラクターを使って描かれているのだと思います。
 象徴的なのは新マサトの「ゼオライマーがある限りキハラマサトになる」というセリフです。これはマサキの「戦力がある限り破壊衝動を持つ」という自戒なのだと思います。作中のマサキは、その悪の部分を担ったキャラクターだというだけであって、マサキという「人間」自体は、悪が全てではなかったのだと思います。

 新マサトや新ユウラが愛情を知ったことや、ルラーンの「美しい」という言葉は、元来のマサトとユウラの影響によるものだというのは、否定できません。しかし、マサキを悪に固定してしまうと、なぜマサトが生まれたのか、なぜミクに人格を与えたのか、という主人公達の存在意義が薄れてしまうのです。
 マサトは「自分が誰なんだ」と自問しています。マサトとマサキの間で揺れるマサトの姿というのは、愛情と破壊衝動の間で揺れるマサキの姿に他なりません。マサキという「キャラクター」は破壊衝動を担ったものですが、マサキという「人間」には、破壊衝動と愛情が混濁していたんだと思います。
 マサトはマサキを受け入れました。その上で自爆という選択をしています。つまり、人間の中には、愛情以外にも破壊衝動があることを受け入れ、そのうえで破壊衝動に飲み込まれないように、戦力を放棄したんだと思います。つまり、この作品は、一人の人間の中にある愛情と破壊衝動を、複数の人物に分離させることで、擬似戦争を描いている、とも言えるのです。
{/netabare}

マサキ②(テッコウリュウ):{netabare}
 流石に長くなってきたので簡潔に。テッコウリュウもマサキが求めた「男女の愛」という視点から見てください。個人のコンプレックスではなく、「男女の理想像」からの乖離として描かれているのが分かると思います。
 第一話のタイハは、本音は充足していますが、建前(社会性)の部分で不足しています。
 第二話のアエンとタウは、サイガ(男)を断り女性二人での出撃です。
 第三話のリツは、一人で男性と女性の役割を担っています。
 第四話のロクウェルとギソウは片思い、サイガは偽りの愛です。

 これをベースにマサキ・マサト・ユウラの「男女の愛」の部分を掘り下げていくと、「ゼオライマーは男女が乗っているから強いんだ!」みたいに見えてくると思います。
 マサキは他人の愛を否定していましたが、マサトとユウラのカップリング、つまり自己愛を目指していたわけではなかったんだということも見えてきます。
 「ゼオライマーのパイロット」という概念が、「男女の理想像」を担っていて、それを具体化したマサトとミクは、理想から乖離していってしまったということも分かると思います。

 少なくとも、ストーリーの骨子も、キャラクターの解釈も、全てマサキを起点に始まり、マサキに帰着するというのを忘れずに。何度でも言いますが、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>ですよ!
{/netabare}

対象年齢等
 ロボットものとして見るなら、中高生の男子が中心かな。サラッと見ようとすれば見れてしまうのですが、考察しようとするとかなりの高難易度だと思います。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 7

夢咲ヒロ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

スパロボMXの影響で見たが

ゼオライマーがカッコ良すぎて惚れ惚れしました。
後、キャラクターが個性的でいい!
ただ、尺の短さが気になりましたね。
1クールぐらいの長さでやれば良かったのかな……なんて思います。
しかし、それすらもどうでも良くなるロボットデザイン!
私は特にゼオライマーはもちろんのこと、月のローズセラヴィーがかなり好きです。
さらに、物語を面白くしてくれるのが、木原マサキの外道なカリスマ性でしょうか。
見てて、スカッと(!?)出来た、そんな作品でした。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 0

66.2 4 1988年秋(10月~12月)アニメランキング4位
機甲猟兵メロウリンク(OVA)

1988年11月21日
★★★★☆ 3.6 (26)
113人が棚に入れました
ギルガメスとバララント両国家によって展開された百年戦争の終結間近、濡れ衣という形で軍上層部の陰謀に巻き込まれた少年兵士メロウリンクは、戦友たちを死に追いやり、自らをも陥れた士官たちへの復讐の旅に出る。その後に待ち受ける過酷な運命も知らず……。

声優・キャラクター
松本保典、大塚明夫、玉川砂記子

65.4 5 1988年秋(10月~12月)アニメランキング5位
戦国奇譚 妖刀伝 炎情の章(OVA)

1988年11月25日
★★★★☆ 3.6 (12)
34人が棚に入れました
謎多き「妖刀」を持つ3人の若者を主人公とした伝奇時代活劇OVAシリーズの第三作目にして完結編。本作のラストで多くの謎が明らかになる。 本能寺の変が勃発。この機に乗じて織田信長と森蘭丸を討たんとする綾之介たちはついに本懐を遂げたかに見えた。だが実は影武者で、本物の信長は妖魔の跋扈する安土城で魔神の力を手に入れんとしていた。だがその一方、綾之介の仲間の陰三流のひとり左近は戦いに疑問を抱き、綾之介の真の姿=女忍者の綾女に向けて愛を説く。これに動揺しつつも、安土城へ向かう綾之介と仲間の龍馬。途中で戦いに加わった左近の応援を得ながら、何とか安土城にたどり着き、綾之介はついに巨大な魔神と化した信長にとどめをさす。だがそこに現われた蘭丸の口から発せられた言葉は……。 本作の実制作もアニメスタジオの南町奉行所が担当。完結まで3年かかった本シリーズだが、巻を追うごとに制作期間が短くなったという。それでもこの第3作目は前作「鬼哭の章」より5分も収録時間が長かった。

テンガロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

3つの妖刀と織田信長との戦いを描いた力作!

古いアニメな上、マニアックなアニメなので
知らない人の方が多いと思います。
(一応、劇場版にもなってるんですけどね(^_^;))

本作は乱心した織田信長が3つの忍の里を襲い、
その復讐に伝えられてきた「妖刀」で信長を倒すため
主人公の綾之介が立ち上がるという物語です。

OVA3部作
炎上の章は最後の3作目になりますが
唯一サムネがあったのでこちらにまとめて書いてます(笑)
忍者モノなのでもちろんバトルはあるのですが
一番気に入ってるのは忍故の「儚い恋」という
何ともシビれる演出が魅力的でした!

当時は作画も綺麗で音楽も良かったです(^^)
個人的にはキャラデザが好きで見始めたんだと思います。
衣装デザインも好みでしたねぇ
おかげでドラマCDやサントラも購入して
聞くくらいハマってしまいましたね(^_^;)

綾之介の声がアンパンマンの人です!
いやー男前な声でした!カッコ良かったです!

機会があればまた見たいですねー!(^^)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 19

65.3 6 1988年秋(10月~12月)アニメランキング6位
魔界都市<新宿>(OVA)

1988年10月25日
★★★★☆ 3.6 (34)
115人が棚に入れました
2030年、魔物の巣窟と化した新宿では、魔道士レヴィー・ラーが地球連邦首席の暗殺を企んでいた。首席の娘・さやかと出会った少年・十六夜京也は、父親ゆずりの「念法」と木刀"阿修羅"を武器に宿敵ラーとの闘いに挑む。原作は、SFホラーの第一人者・菊地秀行のデビュー作。『妖獣都市』に続いて、二度目の菊地作品のアニメ化を手掛けたのは、川尻善昭。作画監督には恩田尚之を起用。

声優・キャラクター
堀秀行、鶴ひろみ、小林清志、頓宮恭子、永井一郎、屋良有作、銀河万丈、青野武、阪脩、向殿あさみ、龍田直樹、掛川裕彦

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

菊池+川尻+マッドハウス 第2弾

幼獣都市の翌年に発表された記憶があります。
タイトルの通り、同じ製作陣による作品ですが
原作のシリーズが違いますので、続編などではありません。
幼獣都市は「闇ガード」シリーズ、
この作品はその名の通り「魔界都市シリーズ」

地球連邦首相の暗殺をもくろむ魔道士レヴィー・ラー
彼を倒せねば世界の平和は愚か連邦主席の命も風前の灯。
そこで主人公、十六夜京也に依頼に来たのは連邦主席の
娘ラマ・さやか、と言う
菊池氏にしてはあまりに捻りの無いプロット。
ちなみにさやかは清純可憐な美少女というベタベタな落ち。

この作品と前作(と言っても続編ではないが)の
大きな違いは、プロットと山場の盛り上がり方。
2作目としては、前作を越えられなかった印象です。
(特に最後はあっけなさ過ぎです。)
あっ、そう言えば前作に比べエロ・グロがないです。
(まさか、私の満足度が足りないのはそれが理由?)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 3
ネタバレ

入入 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ぶ、

新宿で魔物とバトル/感想 {netabare}初っ端からトンでもねー規模のド派手な災厄が新宿を襲う。物語の舞台となる「魔界都市新宿」の誕生である。この大胆な展開には面食らった。いや玉ゲたねオレは。「最初にこんだけ派手にやっちまったらラスト厳しくなんじゃねーかな~」と心配になった程であった。でそのラストである。大苦戦の末に復活を遂げた主人公は、なんと一撃で敵の大将をブッ倒してしまうのであった。これにはやや拍子抜けではあった。だが、主人公にアレくらいの圧倒的な強さがなけりぁ、あのバケモンが倒せるワケが無い。何つっても相手は新宿区を丸ごと無理矢理地盤沈下させてしまうような過激な男なのである。だからあの終わり方でよかったのだ、と都合良く解釈してその辺はテキトーに処理した。走行中の電車が瓦礫に突っ込んだ際、電車の下に張り付いていた主人公は何故無傷だったのであろうか。電気代はどこの誰が負担しているのであろうか。とかそういうトコロをツッコンではならないのであった。もはやあの地は半分魔界と化しているわけだから、人間界の常識など通用しないのである。ところで、メフィストというキャラが良かった。彼は極めて切迫した状況下でも常に冷静な思考を保ち続けるデキる男。さらには大変に美しい顔立ちの持ち主でもある。清潔な身なりと気品漂う身のこなしの他、頭脳明晰にして喧嘩もすこぶる強いときた。肝が座っており、土壇場で見せる判断力の高さには目を見張るモノがある。負け無しで非の打ち所の無い男。激戦の最中でも表情を崩さない。口数も少ない。もはや "オーラ" が違う。こういった「デキる人物」を「ディスる」ことで、我々は「ひがみ根性丸出しな己の狭量を知る」ことにもなるであろう…、つーかまぁこういう美形でキザなキャラをギャグ抜きで描ききれる川尻監督の技量に、冗談抜きで深く敬服した次第である。とまぁそういう具合に、{/netabare}玉ラねえムード全開でoreのハートを熱く魅了してくれた作品であった。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 0

64.9 7 1988年秋(10月~12月)アニメランキング7位
きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい(アニメ映画)

1988年10月1日
★★★★☆ 3.7 (36)
154人が棚に入れました
 2月、春日恭介と鮎川まどかが二人で受験した大学の合格発表の日。 二人で会場に向かう途中、恭介はある言葉を聞きつけた。「私の出るお芝居、見に来てくださいね!」 それは去年の夏に、檜山ひかるが恭介に言った言葉と同じものだった。
 その言葉と共に、恭介の脳裏に去年の夏の光景が再び浮かび上がってきた。それは二度と戻らない夏の、そして苦い――まどかとひかると恭介たちの三角関係の終わりが来た夏の……。 ひかるは芝居の特別公演のオーディションに応募することを決め、一方恭介とまどかは大学受験の受験勉強の最中。 その間にもひかるは「恋人ぶり」を発揮してどんどん積極的になるし、まどかはその様子を見て恭介から離れて行こうとする。しかしある日、ひかるはまどかの恭介に対する気持ちに気付いてしまう。 その頃、恭介はある決意を決めていた。それから三人の関係はだんだん揺れていき……
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

少年期の終わり

【2016/08/26 追記】


夏の終わりごろになると、ふと思い出されて見返したくなる。

思春期の終わりと一つの恋の終焉とが、夏の終わりと周到に重ねられて印象的だ。

三角関係の破綻と清算を丁寧に描く、というよりも、大仕掛けな物語を排してそれだけを追い続ける本作が、問答無用で二股恋愛への嫌悪をむき出しにする多くのアニメファンの感性にも関わらずあまり評判が高くないように見えるのは、原作やTVシリーズの世界観と断絶して感じられるからだろうか。

確かに、独立した映画作品であるという事を考えあわせても、同じタイトルを冠した「シリーズ」との不連続性はいささか行き過ぎている。
シリーズの締めくくりというよりも、「あり得たかもしれない物語」といったところだろうか。
しかし、この不整合は、製作者が原作やTVを蔑ろにして暴走したというよりも、主人公の春日恭介という「少年」に、むしろ深く愛着を覚えていたからではないか、と感じられる。


{netabare}原作を含めた「シリーズ」の世界観の中で「三角関係」を清算するとしたならば、おそらく「ひかる『が』恭介を振り、まどかを祝福する」といったあたりが落としどころとして妥当だろう。

これならば、少年マンガ的な、少年の自己愛的ユートピアを傷つけることはないからだ。

「罰」は、「罪」に対するペナルティであると同時に、それを受けることによって「罪」が贖われて「赦し」が与えられた、という事でもある。
少年のユートピアとして展開された「楽しい」三角関係は、少年の「罪」が「振られる」という「罰」を受けることで帳消しにされ、贖罪の済んだ安全なものとして解消されて、ユートピア性は少年の中に無傷で温存されるだろう。

だが、この「赦し」の先の未来に想像されるのは、自己愛的ユートピアを無傷で通過した、歳を重ね身長が伸びただけの「少年」に過ぎない。

少年マンガには相応しい「落としどころ」だが、製作者の恭介への過剰な愛着が、それを選ばせなかったのではないか。
「青年」として恋愛の官能を色鮮やかに生きる青春の黄金期を、恭介に与えてやりたいという思いが、本作の「逸脱」を決定づけているように思われる。


本作内で、仮想の「落としどころ」とは裏腹に、恭介には「罰」が与えられることはない。
製作者は「罰」という「赦し」を与えることなく、ただ自分の「罪」を噛みしめることしか恭介には出来ない。

自分が、言い訳も解消もしようのない「罪」を抱えているのだと骨の髄まで自覚し、もはや無垢の、「赦し」に浄化された「キレイな」少年ではないと思い知ること。
思春期の夢想的な恋を脱し、恋愛の恍惚を生きる青年へと至るための不可避の通過儀礼として、恭介の苦悩は描かれなければならなかった。
眼を背けたくなるほど無様に足掻く『ひかる』の失恋は、彼女にとっての通過儀礼であると同時に、何よりも恭介の「罪」を具体化するために、周到に配置されている。

製作者がここまで過酷にキャラクターを揺さぶる描写は、単に三角関係にオチを付けるだけにとどまらない意思を持っていたのだと思わされる。
三角関係は「いけないもの」だから解消させるという安直な規範意識では、一編の映画の半分以上も使って延々と恋の破綻を描写し続ける説明にはならない気が、どうしてもする。

そもそも近代的な情熱恋愛の観点からは、三角関係だろうが不倫だろうが否定されるものではない。
あらゆる規範や倫理に反していてもなお、とどめようもなく囚えられるのが近代的な恋愛というものだ。

だが、恋愛のプレイヤーとして恍惚と官能を生きる近代的恋愛の主体は、やはり大人でなければならないだろう。
たとえ三角関係であろうが、自らの選び取ったものだと倫理に背を向けて恋愛を生きるには、「自ら」を持つ成熟した内面が不可欠だ。
規範を知り「罪」を知ってなお、自らの恋愛を生きるためには。

少年マンガ的な自己愛のユートピアの住人には、それは不可能だ。
なし崩しに出来上がったユートピアに遊んでいる子供には。

「シリーズ」の整合性を超えて「ユートピア」の破壊とリセットを企図してしまったのは、製作者がキャラクターに、とりわけ恭介に接近して、子供の世界から先へ進ませたいと思うほどに愛着を抱いてしまった現れに思える。

あるいは、やはり本作はTVシリーズの影響下に構想された現れでもあるのか。

対象年齢の関係だろうか、アニメ作品の中の恋物語は、理念的な愛については語るが、恋愛の官能性にはまるで無関心であることが殆どだ。
(官能性は、単に性行為が描写されるかどうかという即物的なことではない)

記憶にある限りでは、官能性に自覚的な描写を意識していたのは冨野由悠季作品くらいだが、例外的に「TVシリーズ」では、物語の先に官能性をうっすらと予感させることがあった。
使用された数々の楽曲のイメージに影響されているのかもしれないが、この恋の「先」、加齢したキャラクターたちには次のステップがあると予感させるところが。


いずれにせよ、青年化と恋愛の官能は、製作者の中では結びついているようだ。

だからこそ、単に三角関係を解消するのではなく、思春期の終わりとして、青年期の第一歩として「罪」に慄く苦悩をキャラクターたちに科したのだ、とは牽強付会な妄想だろうが、今でも忘れがたく印象に残り続ける理由だと思う。

本作で恋愛の官能の入り口に立ったキャラクターたちは、もしかすると、いずれ三人での恋愛関係を結び直すかもしれない。
だがその時には、これが自分たちの選択であると、倫理規範など歯牙にもかけずに恋愛のプレイヤーとして恍惚を生きることができるだろう。
「自ら」の恍惚を。
少年期という夏の季節の終わりの物語は、そんな想像を膨らませてくれる。{/netabare}




シリーズ性を離れて、単体の作品として本作を振り返ると、脚本に力の入っていることが印象に残る。
活劇もなく日常描写に終始する映像は現代のアニメ表現力と比べるとかなりつらいのだが、脚本の力でストーリーを最後まで追わせることができる。特に、三角関係の破局が不意に到来するのではなく、時限爆弾がカウントダウンするように最初から破綻を内包しているのだと周到に構成されていて見事だ。
ひかるに「わたし、知ってたもん」というセリフを言わせるのは、何度観ても背筋を寒くさせる。


それにしても、メールもLINEもなく、公衆電話と親が取り次ぐ固定電話の距離感は、現代ではどう伝わるだろうか。
30年前の若者も、一生懸命恋愛していたのだ。


【追記】

上記の感想は、本作のテーマが原作およびTVシリーズよりも優れているという「評価」ではない。

原作の、大人になる直前に許された一瞬の「ユートピア」を切り取って作品世界として固定するというモチーフは別に悪いものではないし、劣っていると言われなければならないものでもない。
もしかすると、少年は社会規範の網の目に組み込まれた大人に「成長」しなければならない、という制度性への批判が「ユートピア」のモチーフを要請したのかもしれない。

本作と「シリーズ」と、一つのモチーフへの異なる方向からの愛着が、異なる物語を生み出したという事で、どちらが優れている/劣っているという話ではない。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 3

64.8 8 1988年秋(10月~12月)アニメランキング8位
名門!第三野球部(TVアニメ動画)

1988年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (10)
60人が棚に入れました
『週刊少年マガジン』に連載された、むつ利之による本格派高校野球漫画をアニメ化。アニメの制作は『ハイスクール!奇面組』、『涼風』のスタジオコメットが行っている。いつもいじめられてばかりの高校生・檜あすなろ。彼が通う私立桜高校は名門中の名門で、あすなろの所属する野球部も一流なのだが、彼を含む面々は野球部の3軍……落ちこぼれ同然であった。1軍選手や監督の鬼頭からバカにされるあすなろたち。だがある時、あすなろたち3軍は1軍との勝負を希望、自分たちが落ちこぼれのクズじゃないことを証明しようとする。はたして必死の特訓の努力は実り、ついに3軍は1軍に勝利をおさめるが。

64.3 9 1988年秋(10月~12月)アニメランキング9位
美味しんぼ(TVアニメ動画)

1988年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (115)
479人が棚に入れました
東西新聞文化部の山岡士郎と栗田ゆう子は、同社創立100周年記念事業の「究極のメニュー」作りに取り組むことになった。しかし、帝都新聞が「至高のメニュー」という企画を、美食倶楽部を主宰する海原雄山の力を借りて立ち上げた。実は山岡士郎は海原雄山の息子で、士郎は雄山に勘当されていた。それから「究極」対「至高」の親子料理対決が幾度か繰り返された。

声優・キャラクター
井上和彦、荘真由美、大塚周夫、阪脩、加藤精三、嶋俊介、加藤治、富田耕生、若本規夫、渡部猛、佐久間レイ、水原リン、福留功男、島津冴子

ぶっかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

時代が、そうさせたんだろうなぁ

後にも先にも並ぶものはあるまいて
無理だよね、コレ今やってもウケないと思うしw
大体、全136話+スペシャル数話なんてスケールデカ過ぎだしね
内容はご存知の通り。 食いモンに能書き垂れまくってちょっと感心すると、今ならDQNとか言われそうな大人が出て来て揉める → 山岡ちゃん激怒 → 心配する栗田 → 料理でねじ伏せ → 大団円w
毎回これだけど見れちゃうんだよねぇ
雄山かっけぇしww大好き
今となっては、間違いも沢山あるけど、色々教えてくれた
もう理屈抜きで、ノスタルジックな気持ちにさせてくれる
究極だか至高の作品

投稿 : 2024/03/23
♥ : 3

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

見ているだけで腹が減る。

時はバブル全盛期。グルメブームとともに現れたのがこの漫画、美味しんぼである。数多くのグルメ漫画が存在する中で一番料理としてしっかりしていて一般人ではなかなか食べれない「究極」やら「至高」の料理が出てくる。

駅前のサラリーマンが安いラーメンや立ち食いそばを食べながら読むのだが、内容はバブル期の乱痴気騒ぎ感が強く、絢爛豪華で昨今の日本の経済状況を考えると贅沢三昧な事を吐き捨てる。

海原雄山と山岡士郎の関係はまさしく昭和の「巨人の星」なのだが、アニメは昭和のど根性ぶりが嘘のようにトレンディでバブリーな内容になっている。

現在の会社組織で会社のお金を使って取材だと言って世界中を飛び回ったり、高級食材を買いあさったりしたら大問題に発展しかねないが、時代である。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 19

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

料理漫画のススメ。「ラーメン発見伝、「食の軍師」アニメ化希望。

なんだかんだ言って本作なしには現在にまで至る私も大好きな料理漫画のジャンルの隆盛はないだろう。個人的には、主役二人の結婚までやって欲しかった。

本作についてはもう賛否含めて語り尽くされているし、今更は私風情がなんか言っても仕方がないので、ここでは個人的にオススメな料理漫画について書きます。


「食の軍師」


「孤独のグルメ」でお馴染み久住さん原作のしょ~もない食のギャグ漫画。


「孤独のグルメ」の醍醐味は何か?。ゴローちゃんが旨いものを食うことか?。


否!、なんといっても大の大人が外食先でしょ~もないことに悩んだりしてる情けなさが、可笑し味と悲哀になっているのだ。


本作はその可笑し味を強調、テンション上げた作品でよりギャグ調である。


店ごとに勝手に脳内で勝負を挑み、ライバル力石にこれまた脳内で勝負を挑んでそのたびに連戦連敗な主人公の姿が描かれてクスクスできる。


本作の特徴としては、独特の言語センスも挙げたい。「タマリマセブン」、「ノケゾリッチ」、「反社会的悦楽行為」等々。たいして現実は派手なことは起こってないのに主人公はテンション高く喜ぶ姿は駄目大人のチャーミングさがある。



それにしても、私も年のせいか主人公の安くて渋い店推しで、並んで食う人ゴクローサンな姿勢が心地よいのだ。


ラーメンもよく食べる主人公だが、芹沢さんが非難していた中華そば原理主義な「この安い味がうんめぇ~」、「ラーメンなんてこんなんでいいんだよ」台詞が目立つのだが、その辺も地味に共感してしまう。


ラーメンは進化したものもあって良いが、立ちそば的なざっかけない食い物としての魅力でやっていく方向もこれからもあって欲しい。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 17

63.2 10 1988年秋(10月~12月)アニメランキング10位
ひみつのアッコちゃん[1988年](TVアニメ動画)

1988年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (19)
152人が棚に入れました
アッコちゃんは、ニュースキャスターの父と絵本作家の母をもつ小学校5年生の明るくて元気な女の子。幼い頃パパからプレゼントされた手鏡をとても大事にしているオシャレな女の子です。ところがある日、この大事な手鏡をおっちょこちょいのママがうっかり割ってしまいます。アッコちゃんはガッカリ・・・・・きれいな満月の夜、壊れてしまった鏡を庭に埋め、泣きながら眠りに就いたアッコちゃんは優しい声に呼ばれて目を覚ましました。「初めましてアッコちゃん。私は鏡の国の女王です。いつも鏡を可愛がってくれてありがとう。壊れてしまった鏡の変わりにこのコンパクトをあげましょう」鏡の国に連れて来られたアッコちゃんは、女王から不思議なコンパクトをもらいます。「テクマクマヤコン、テクマヤコン、お姫様になあれ」アッコちゃんがコンパクトを開け、鏡に向かって呪文を唱えると、どうでしょう!!アッコちゃんはたちまち素敵なドレスを着たお姫様に変身してしまったのです。

声優・キャラクター
堀江美都子、杉山佳寿子、塩屋翼、つかせのりこ、上村典子、山本圭子、中原茂、銀河万丈、太田淑子、渡辺菜生子、佐藤正治、色川京子、増山江威子

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

☆魔法のコンパクト

アッコちゃんシリーズ第2作☆

魔法少女の変身アニメのルーツといえる作品。

女の子の変身願望を満たしてくれる楽しいアニメです♪


原作/赤塚不二夫

制作/フジテレビ、読売広告社、東映アニメーション


放送期間
1988.10.9-1989.12.24全61話
フジテレビ日曜18:00-18:30枠

追記欄_
平成と昭和の間にあたる2作目でパパがニュースキャスターに
変更点されている。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 1

63.1 11 1988年秋(10月~12月)アニメランキング11位
それいけ!アンパンマン(TVアニメ動画)

1988年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (82)
370人が棚に入れました
パン作りの名人、ジャムおじさんが作った最高傑作。それが、アンパンマン。正義の為には、どんな困難も乗り越えて大活躍するかわいいスーパーヒーロー!でも、そんなアンパンマンの事が大嫌いな悪い奴がいる。そいつの名前は、バイキンマン。汚れたものが大好きでバイキンたちの親玉的存在。いつも強気で迫っていくが、大好きなドキンちゃんにだけは頭が上がらない・・・。そんなアンパンマンとバイキンマンのやりとりを、たくさんの愉快な仲間たちと共に展開していくお話。

声優・キャラクター
戸田恵子、中尾隆聖、増岡弘、坂本千夏、佐久間レイ、山寺宏一

ゅず さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

見れば見るほど面白くなってくる(面白さ語ってみた

繰り返しって長いアニメの基本だし、子どもが大好きなんだよ
「またか!」が面白いっていうやつです。

ニコニコ動画を見たことでアンパンマンの顔投げる集ってやつ見たら面白くて・・・顔変えるとカメラ目線になったり、ジャムおじさんがいつも「焼けたよ☆」って言うことすら笑えてくる、アンパンマンの顔投げたら邪魔されてピタゴラススイッチのように誰かがアンパンマンの顔どうにかするし・・・つっこみどころ満載。
アンパンマンの新しい顔に変わる集↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7109740

顔が汚れてパワーダウン集↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7124447

ついでにバイキンマンとドキンちゃんの夫婦漫才も面白くなってくる。バイキンマンもたまにはいいことするのに・・・アンパンマン捕まえてもとどめをささないバイキンマンがまた面白い

アンパンマンツアーってのがあるんですw

投稿 : 2024/03/23
♥ : 11

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

シンプルで優しいですから、、、

子供の頃、一切見なかったのに、、
今ではしっかり映画まで見ます。
もちろん子供の為に、、、

もう、娘の絶対のヒーローなんで。
鬼のような数のキャラ達もしっかり覚えます。
家にしっかりキャラ辞典みたいなものまであります。
(自慢していいのか、恥ずべきポイントなのか
不明!)
恐らく100回以上は見ているこの作品の様々な話。
本質は勧善懲悪じゃないのが良いです。
ポイントは善悪ではなく、もっと高位な
無償の奉仕にあるのかな、、、
子供には本当に良いと思います。
シンプルで優しいですから、、、
絵も内容も。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 4
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

色々と考えさせられる究極のアニメ

これは只の幼児アニメではない。深い..深すぎる..//
どうやって完璧な球体のパンをトレーの上に作り出すのか..
巨大なアンパンを軽々と持ち上げて、絶妙な角度・速度で顔の取り替えを実現させるジャムおじさんの腕力!
自分の顔を食べさせてまでして仲間を喜ばせる執念!
こんな奥が深いアニメは初めてだァッ!!
それを大半の日本の幼児は自発的に見ている、、なんて素晴らしい!

{netabare}何言ってるんだ私..{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 2

62.1 12 1988年秋(10月~12月)アニメランキング12位
1ポンドの福音(OVA)

1988年12月2日
★★★★☆ 3.4 (12)
44人が棚に入れました
人気漫画家・高橋留美子が20年の長きに渡って不定期連載を続けていた原作を、比較的初期の段階でOVA化した作品。素質はあるものの、旺盛な食欲に抗えず減量のままならない若手ボクサー・畑中耕作。そんな彼の想い人は、修道院で修行をしている見習いシスターのアンジェラだ。果たして、恋と試合で勝利を勝ち取れるのか? 監督のさきまくらは、名作ボクシングアニメ『あしたのジョー』を手掛けた出崎統のペンネームであり、その組み合わせも話題を呼んだ。

62.0 13 1988年秋(10月~12月)アニメランキング13位
竜世紀 神章 A.D.1990 璃子(OVA)

1988年10月26日
★★★★☆ 3.4 (10)
32人が棚に入れました
久保書店の青年誌「レモンピープル」に連載された、異才漫画家・竜騎兵の伝奇SF『竜世紀』が原作のOVA。 20世紀終盤の地球各地に、伝説上の生物と思われていた竜が突如、出現。人類は軍備を整え、無抵抗な竜たちを次々と虐殺していった。中でも日本自衛隊の青年兵士・相良匡は、竜との空中衝突で上官が死亡したのを契機に上層部に直訴。竜殺戮の特殊部隊「ドラゴンバスター」の編成まで敢行した。そんな中、人間嫌いでひそかに世界滅亡を願う高校生・璃子(りこ)は、親を殺された幼児のドラゴンを保護。カーマインと名付けてひそかに育てることにする。だが世界各地で竜が出現する裏には、謎の存在「悪魔」の秘めやかな暗躍があった。 アニメ制作はA.I.C.。物語は現代編の本章から未来編の「魔章」へと連鎖する。『鋼の錬金術師』『機動戦艦ナデシコ』の脚本家・會川昇がシナリオを担当し、その文芸性が強く出た隠れた秀作とするファンも多い。

60.3 14 1988年秋(10月~12月)アニメランキング14位
宇宙の戦士(OVA)

1988年10月25日
★★★★☆ 3.3 (10)
26人が棚に入れました
90年代末には実写映画化もなされているハインラインが著した古典SF小説を全6話のOVAとしてアニメ化。 21世紀。外宇宙への進出を果たして発展を遂げる人類だが、そんな彼らはついに異星人と遭遇。友好的な接触がなしえないまま地球人と異星人ははからずも交戦状態へ陥ってしまう。そんな中、高校生の少年ジョニーことジュリアン・リコは軍隊へ志願。かねてより反対していた母からも入隊を認められたジョニーは、実戦同様のパワードスーツ(機動歩兵)での訓練をこなし、ついに一人前の兵士として卒業する。宇宙艦ロジャーヤングに乗船したジョニーたちウィリー山猫隊の面々を待ち受ける過酷な運命は……。 本作の制作はサンライズが担当し、監督は『マクロス7』『ぶぶチャチャ』などのアミノテツローが手がけた。OVAでの完結後、1991年初頭にTV東京での地上波放送も行われている。

56.7 15 1988年秋(10月~12月)アニメランキング15位
METAL SKIN PANIC MADOX-01(OVA)

1988年12月16日
★★★★☆ 3.1 (17)
54人が棚に入れました
機械工コージは、扱い方もわからぬまま大型パワードスーツに似た対戦車小型メカ・Madox-01にうっかり乗りこんでしまう。MADOX-01から降りられなくなった彼は、軍に追われる羽目となった。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
ガルフォース3 スターダスト・ウォー<宇宙章・完結編>(OVA)

1988年11月2日
★★★★☆ 3.9 (7)
34人が棚に入れました
A.I.C.初期の看板作品(OVA)となった、美少女SF戦争ロマン「ガルフォース・宇宙章」三部作の最終編。 広大な宇宙を二分して戦う二つの種族パラノイドとソルノイド。その戦乱は双方壊滅の構図で終焉を迎えつつあった。老齢化した太陽系「シグマナース」の宙域を最終決戦場と定めるソルノイド側。だが同軍の精鋭で数奇な運命を潜り抜けてきた戦士ルフィーは、新たな仲間シルディ、スピア、アミィの3人とともに独自の行動に出る。それはパラノイドとソルノイド双方の完全滅亡を回避せんと努力してきたソルノイドの上官ネビュラート大佐との会見で、当のネビュラートはかつてルフィーが共に戦ったアンドロイド少女キャティのモデルとなった人物でもあった。最終戦争への時が刻まれる中、人類の未来を求めるルフィーたち。その想いはいずこへ向かうのか。 第1巻「Eternal Story」の時点から壮大な宇宙叙事詩を構想していたOVAシリーズの決着編。パラノイドとソルノイドの戦争の起源、宇宙人類の未来と希望を託された「太陽系・第三惑星」の存在、キャティの出自など、かねてから設定されていた伏線が収束すると同時に、大戦争の中、最後にまた「個」としての戦士に戻る主人公ヒロイン・ルフィーの描写に当時の多くのファンが涙した。世界観と劇中人物の想いは、時空を超えた「ガルフォース」第二章たる『レア・ガルフォース(「ガルフォース地球章」)』の物語にやがて継承される。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
ハーイあっこです(TVアニメ動画)

1988年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (6)
29人が棚に入れました
ロングセラー漫画『小さな恋のものがたり』の原作者みつはしちかこによるファミリー主婦漫画のアニメ化。アニメ制作は『ドラえもん』のシンエイ動画。 さりげないふくよかさが魅力の女性「あっこ」ことあつこ。彼女はハンサムでスマートな恋人・坂本ジュンイチと結婚。晴れて同家の嫁となる。だが元来いっさいがざっくばらんだったあっこの実家と違い、坂本家は家風の格式も高い。とくに俳句が趣味で和風美人の姑セツコはなかなか気難しい印象だ。だが嫁として坂本家で暮らすあっこは、この義母が実は心の暖かい人間味ある女性だということに段々と気がついていく。そんな中、あっこの体に、一家待望のおめでたの知らせが……。原作は1980年から2002年まで新聞に長期連載された大人気作。アニメも3年強のヒット番組となり、原作の魅力とファミリーアニメに強いシンエイ動画の実力を再確認させた。あっこ役の小宮和枝ほか声優陣の好演も番組の人気に大きく貢献している。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
ロジャー・ラビット(アニメ映画)

1988年12月3日
★★★★★ 4.6 (7)
26人が棚に入れました
全編に渡る実写とアニメの合成が話題になった超娯楽大作。アニメーションのキャラクターが現実世界の人間と共に生活を送る、47年のハリウッドを舞台に、彼らの住む漫画の町“トゥーン・タウン"の利権をめぐる殺人事件をミステリー・タッチで描いたコメディ作品。ストーリー自体も面白いが何と言っても合成技術の素晴らしさが目をみはる出来で、ドタバタコメディのスピーディさを維持した作りは圧巻! 登場する歴代アニメキャラクターの数もハンパじゃなく、ベティ・ブープからミッキーやドナルド、はたまた「ファンタジア」のカバのバレリーナまでと、どのシーンに誰が出てくるのか探すだけでも楽しめる。合成技術の成果は、アカデミー特殊効果賞・編集賞・音響効果賞、リチャード・ウィリアムズの特別賞受賞へと実を結んでいる。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ミッキーとバックスバニーの共演

アメリカのカトゥーンのキャラクターたちと、「パルプマガジン」と呼ばれる1920年代から1950年代にかけて流行った「探偵もの」小説の実写化を融合したディズニーの実写+アニメ作品(配給はワーナー・ブラザーズ)

まずミッキーやバックスバニーが公式で共演しているという偉業だけでなく、アメリカンアニメーションの黄金期のキャラクターたちがかなり出てきたことでも話題を呼びました。

スティーブンスピルバーグやジョージルーカスの映画はインディージョーンズにしろ、スターウォーズにしろ全て実は元ネタがあり、

1920年代にアメリカで流行った「パルプマガジン」(クエンティン・タランティーノの「パルプフィクション」の元ネタでもある)に連載されていた三文小説から全て引用しているんですね。

「パルプマガジン」で連載されていた作品はスーパーマンやスパイダーマンなどのアメリカンコミックの原点とも言える小説で、SF、西部劇、ホラー、サスペンス、恋愛、社会派ドラマなどなど全てのジャンルを網羅する世界初の大衆向け雑誌だったのです。

現在におけるハリウッド映画や日本の娯楽作品全般はここから来ているといっても過言ではありません。

中でも1920年代当時はハードボイルド「探偵もの」小説や映画が大流行。フィルムノワール(暗く陰鬱な映画の総称)もこの時にできた言葉です。

この作品はそんな時代背景を舞台に公式でパロディ化した日本で言うところのギャグマンガみたいな作品です。

奇しくもこの映画が公開された1980年代当時の日本の空気感とソックリなので、そういう浮かれた気分で見る良作コメディ映画になっています。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 4

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
陽あたり良好! KA・SU・MI 夢の中に君がいた(アニメ映画)

1988年10月1日
★★★★☆ 3.1 (9)
22人が棚に入れました
あだち充の大人気青春コミックスの劇場版アニメーション。テレビ版で描かれた世界の後日譚を描く。下宿屋・ひだまりに住む、岸本かすみや高杉勇作たちのさわやかな青春模様を描く。かすみは国際的なバイク・レーサーを目指す克彦という年上のボーイフレンドがいたが、同級生の勇作の存在も気になっていた。そんな中、克彦が「2年後、君と結婚するために帰ってくる」との言葉を残しアメリカへと旅立っていった。それから2年、克彦が、約束通り一流のバイク・レーサーになって帰国してきた……。森尾由美、三ツ矢雄二、井上和彦、塩沢兼人ら、大人気声優が多数出演。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
小助さま力丸さま コンペイ島の竜(OVA)

1988年10月10日
★★★★☆ 4.0 (7)
21人が棚に入れました
1988年に行われた週刊少年ジャンプ20周年のイベント「ジャンプアニメ・カーニバル」で上映されたアニメ。製作はJ.C.STAFF。上映時間は50分。『ドラゴンボール』で知られる漫画家・鳥山明が脚本、キャラクターデザインまですべてを手がけている唯一のオリジナルアニメ。
 世界で最後の竜がいる海に浮かぶ小さな島・コンペイ島。この島の自由と平和を守る警備隊・小助と力丸の兄弟は今日も夕飯の食料を得るために狩りに出ていた。そんな中「東京から来た学者を迎えに行く」という約束を思い出し港へと急ぐ。東京から来た学者・狸小路桜子は竜の研究のために、竜に会わせるように頼むが、小助は「竜は島の守り神で、竜がいなくなると人も生きてゆけない」と断る。その次の日、桜子の持っていたチョコを食べた二人は、竜と会わせる代わりに「チョコと自転車をもらう」という約束で、竜に合わせることになった…。その頃、島の上空では山田大八郎の一味が竜の額に輝く「竜の石」を自分のコレクションとするため、島に向かっていた。はたして小助と力丸は竜を守ることができるか……。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
戦国奇譚 妖刀伝 鬼哭の章(OVA)

1988年11月25日
★★★★☆ 3.7 (7)
20人が棚に入れました
安土桃山時代を舞台とした伝奇時代活劇OVAシリーズの第2作目。本作は前作「破獄の章」からおよそ1年後の物語が描かれる。 天下統一を企む魔人・織田信長は妖魔忍者を従えて伊賀忍者の撲滅を計画。それは信長の覇業の邪魔となる「妖刀」を持った影忍・陰三流に、伊賀側が協力していたからだ。一方、綾之介たち陰三流は妖魔の入れない伊賀の里に信長をおびきよせる計画を進めていたが、それを信長の小姓・森蘭丸が看破。結局、伊賀の里は4万もの大群に囲まれてしまい、綾之介は密通者の存在をいぶかしむ。だがそんな綾之介たちを甲賀の女忍者が救出。彼女の顔がかつての戦いで命を落とした仲間の桔梗に酷似し、さらに甲賀が信長に組みしているという情報もあって動揺する一同。女忍者・佳代は自分が伊賀忍者の総代・百地三太夫の妹で、甲賀のすべてが信長に加担しているわけではないと訴えるが……。 本作は前作のスタッフ編成をそのまま移行して制作。アクションシーンには作画枚数の制限を設けていない、という点がセールスポイントでもあった。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
宮沢賢治 名作アニメシリーズ どんぐりと山猫(OVA)

1988年9月30日
★★★★☆ 4.0 (3)
19人が棚に入れました
童話作家・宮澤賢治が著した同題ファンタジー絵本を約25分のOVA化。本作はコナミによる「バオバブレーベル/宮沢賢治名作アニメシリーズ」のひとつとして刊行され、同時期に『風の又三郎』も発売されている。 ある日、山猫から一郎君のところに一通の手紙が届く。山で裁判長を務める山猫は、めんどうな裁判があるので、一郎君に立ち会ってほしいというのだ。りすたちにたずねつつ、山猫のもとへ向かう一郎君。山猫の頼みとは、たくさんのどんぐりたちの中で誰が偉いのかを決めてほしいというものだった。一郎君はこれにどう答えるのか……。 本作のナレーターは音楽家のクニ河内が担当。実制作は映画『幻魔大戦』などのプロジェクトチーム・アルゴスが手がけ、またキャラクターデザインと作画監督は『楽しいムーミン一家』ほかの名倉靖博が務めた。通常のセルアニメとは一風違った絵画的な映像として仕上がっている。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
悪魔(デイモス)の花嫁 「蘭の組曲」(OVA)

1988年10月5日
★★★★☆ 3.8 (3)
16人が棚に入れました
池田悦子原作、あしべゆうほ作画による大人気ホラーファンタジーコミックのOVA化。原作コミックの連載誌「プリンセス」の発行元・秋田書店から発売された。 妹ヴィーナスを愛したため天界から追放され、悪魔となった美青年デイモス。そのヴィーナスもまた罰を受けて、生きながら体が腐っていた。デイモスはヴィーナスの魂を宿す肉体の代替として、妹にそっくりな人間の美少女・伊布美奈子を発見。彼女の誘惑を図るが、実は時空を超えたヴィーナスの転生である美奈子に、デイモスは段々と心魅かれていく。そしてそんな彼らの周囲では、心に闇を抱く人間たちの悲喜劇が毎回のように発生。今回は大庭家の美しい姉・瞳子とその弟の美青年・要の間で切なくも忌まわしいドラマが……。 原作の一エピソード「蘭の組曲」を原作者の池田悦子自らがシナリオ化。マッドハウスのスタッフと監督・りんたろうが30分の小品ながら妖艶な雰囲気のOVAを完成させた。ちなみに本作のメインゲスト・大庭要役の塩沢兼人は、かつてドラマ版のLPでデイモスのCVを演じていた実績がある。今回のデイモスは野沢那智が担当。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
夢見るトッポ・ジージョ(TVアニメ動画)

1988年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (2)
16人が棚に入れました
日本アニメーション制作のTVアニメシリーズ『トッポ・ジージョ』の続編。24世紀から1980年代にやってきた未来の英雄ネズミ、トッポ・ジージョ。彼は人間の少女ジーナやそのペットであるハツカネズミのミミたちと楽しく暮らしていたが、そこに船員だったジーナのパパが一年ぶりに帰宅。それはいいが、パパは船乗りネズミでキザな性格のホーリーまで連れてきた。男臭いホーリーにミミはよろめきかけ、ジージョは突然現れたライバルに対抗心を燃やすが……。前作が諸事情で急に終了したのち、放送局を変えて登場した第二シリーズ。世界観は前作から、ほぼそのまま継承されている。内容面では、ファンタジー系の回や冒険アドベンチャー風の前作より挿話が多くなった。

計測不能 16 1988年秋(10月~12月)アニメランキング16位
風を抜け!(OVA)

1988年12月16日
★★★★★ 4.3 (2)
14人が棚に入れました
原作は村上もとかの本格モトクロス漫画。主人公・一文字彗と、宿敵ジェフ・アネモスとの日本GPジュニア250ccクラスの激闘をピックアップし、映像化した作品だ。一足先にジュニアクラスへ特別昇格したジェフ。彼への雪辱を晴らすため、連戦連勝を続ける彗に、ついにジュニアクラスへの昇格が訪れた。ジェフとの再戦の場は日本GP。そこで彗を待っていたのは、最良のパートナーとなるメカニック・ジュンとの出会いだった。主人公の彗役に、俳優として活躍する真木蔵人を起用。さらに彗の父親役を、蔵人の父親である俳優・マイク真木が担当し、親子での競演となっている。
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