1998年度に放送されたアニメ映画一覧 39

あにこれの全ユーザーが1998年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
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年代別アニメ一覧

77.9 1 1998年度アニメランキング1位
PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)

1998年2月28日
★★★★☆ 3.9 (647)
3019人が棚に入れました
アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

こんな怖いアニメがあるとは

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 80分の作品。初見だと思って見ていたのですが、いくつか見覚えのあるシーンがありました。TV(WOWOW?)でやってたのかもしれませんし、どこかでトレーラーを見たのかもしれません。ちゃんと見たのは初めてです。

 いわゆるサイコサスペンスに属する作品です。ショッキングなシーンも多いし、音楽も怖いしで、いろいろと大変でした。でも、おばけ的な超常現象を扱っているわけではないので、ホラーってわけではないのかな。まぁ幻想をおばけと捉えればホラーと言えなくもないけど、謎解き要素が強いのでやっぱりサスペンスのがしっくり来るように思えます。この辺のジャンル分けは人によるかも。
 この作品の楽しみの一つに、いくつか発生する事件の犯人を探し当てることがあるのですが、現実の世界と妄想の世界と劇中劇という三つの世界を使うことによって、あの手この手でミスリードを誘ってきます。最終的には犯人が明らかになりますし、劇中劇が一部事件の解説をしてくれているので、最後まで見ても分からないということはないでしょう。今敏監督作品を見たことがない人は、この作品から入っていくのがいいかもしれません。客観を排して主観に傾倒した今敏監督の特徴そのままに、分かりやすいストーリーになっています。

印象に残ったシーン:{netabare}
 レイプシーンの直後の、メイク室で鏡台の電気を消すシーンが印象に残りました。この作品には2種類の光の描写があって、一つは普通の光、もう一つはスポットライトの光です。この鏡台のシーンでは、スポットライトからの延長で光が使われています。つまり、アイドルの光。この光をミマ自身が消して、ため息をつき、その後に長い静止が描かれていました。「あ、アイドルのミマは死んだんだな」って、ストンと気持ちが落ちてしまいました。「死んだ」というよりは「ミマ自身が殺してしまった」というほうが正しいかもしれません。ルミにとっての「アイドルのミマ」が死んだシーンでは、ルミがたくさんの涙を流していましたからね。それとの対比で描かれた静かな死にやられてしまいました。その後の展開に関わる重要なきっかけとなったシーンでした。{/netabare}

エンディングについて:
 今敏監督作品の特徴は、エンディングにあると思うんですよ。私が今まで見てきた「千年女優」や「パプリカ」は、エンディングで明かす内容に違いはありますけど、最後に一気に収束する手法は同じだと思いました。パーフェクトブルーも同様なのですが、パーフェクトブルーとこれらの作品を比較すると、エンディングでのカタルシスは少し弱いように感じました。これは、事件の犯人探しに注視してしまう視聴者側の心理が影響しているのだと思います。犯人が分かり、事件が終息した段階で、こちらの気持ちが一段落してしまうので、エンディングまで緊張感を維持しておくことが結構難しいんですよね。一方で、この作品はサイコものですので、エンディングでの一言は、異様なぞくぞく感がありました。
{netabare}
 エンディングの最後のセリフは「私は本物だよ」でした。このシーンを見たとき、正直に言って意味が分かりませんでした。結局このシーンだけ繰り返すハメに。。。
 今敏監督のもう一つの特徴として、「嘘がない」ことが挙げらえると思います。登場人物たちは、基本的に本当のことしか言わず、その真意を隠すために映像表現を使っている、という印象を私は持っています。登場人物も嘘を言い、映像でも煙に巻くとなると、もう作品として成立しませんから、この感覚はおそらく正しいと思われます。つまり、上記のセリフは、裏読みさせるための「偽物」を言いたかったのではなく、やっぱり「本物」であることを言いたかったのだと思います。作品自体でなく、監督の傾向から作品の解釈を進めるのはいささか卑怯な感じもしますが、さすがに3作品目なので勘弁願います。

 問題となるのは「何が本物」だったのか、です。一応、エンディングに至る流れを確認しておきます。
 ミマは、アイドルのミマに化けたルミをトラック事故から助けます。そして、病院のシーンに移って見舞いをし、車に乗るところで先のセリフに至ります。これが一連の流れです。

 トラックのシーンで重要なのは、ミマが助けたのはルミではなく、「アイドルのミマ」だということです。ルミがトラックの前に出る直前は、化けたルミでした。そして助けられた後も化けたルミです、しかし、ミマが助けた瞬間は、スポットライトを浴びた「アイドルのミマ」として描かれています。ミマが見たのが化けたルミであれば、トラックから助けなかったかもしれません。しかし、ミマは「アイドルのミマ」を見てしまいました。だからこそ助けたのだと思われます。
 「アイドルのミマ」は、女優を目指すために穢れてしまったミマを非難する存在として描かれてきていました。つまり、暗黒の現在に対する栄光の過去の象徴です。彼女を救うための直接的な要因には乏しいので、なんらかの意図があったと考えるべきでしょう。この描写は、現在のミマが過去のミマを救った、すなわち、現在と過去が対立から共存へと軸を移したことを表現していたのだと思います。

 次に病院のシーンです。このシーンで重要なのは時の経過です。病院より前のシーンでは、髪の毛は肩までですが、病院のシーンでは胸元近くまで髪が伸びています。この時間の経過で描かれているのは、「ミマの出世」です。どれほどの時間が経過しているのかは明らかではありませんが、少なくとも劇中劇が成功裏に終わったのだと思われます。医師と看護師のセリフから、ミマが女優として成功したことが分かります。
 もう一つ重要なのは、ミマのセリフです。「もう会えないのは分かっているんです。でも、あの人のおかげで今の私があるんですから」と言っています。このセリフをルミに宛てたのは当然ですが、アイドル化したルミに宛てているということは、「アイドルのミマ」に宛てたことと同じであることに注意しなければなりません。アイドルの自分に戻ることは出来ないけれど、アイドル時代があったから女優として成功した今の自分が存在している、と読めます。ここでも、過去の自分に対しての対立ではなく、共存または許容が描かれています。

 最後にエンディングのセリフのシーンです。このセリフを発しているのはバックミラーに写った「アイドルのミマ」です。現実のミマは茶髪になっていますから、バックミラーに写った黒髪のミマは現実のミマでないことは明らかです。話しているのはあくまでも「鏡の中」のミマです。つまり、「アイドルのミマ」が「私は本物」であると言っているのです。これを乗っ取られた的な発想で見てしまうのはミスリードで、トラック事故と病院のシーンから続く共存・許容の先にあるものであることを踏まえなければいけません。したがって、幻想であったアイドルのミマが、現在のミマにとっては「本物」と同格になったということです。二人のミマの対立が、二人のミマの共存に至り、一人のミマとして消化・融合されたということなのだと思います。もちろんこの結論に至るためには女優としての成功、つまり新しい自分の居場所が確立されることが不可欠でした。

 この最後のシーンを見て、「あ、そういう話だったのか」とキョトンとしてしまったのですが、現実に置き換えて考えると非常に分かりやすいテーマなんですよね。高校や大学への進学、就職や転職の際に、想像していた生活と現実の生活のギャップに苦しみ、時には過去を美化してしまうというのは往々にしてあることだと思います。この乖離がもたらす自己喪失が、作中では「私は誰なの?」というセリフでたびたび繰り返されています。そして、幻想のミマも「あの光の中には戻れない」と言っていました。このギャップを乗り越えるためには、エンディングでミマが言うとおり、「過去には戻れないけど、過去があるから今がある」という一定の割り切りが必要になるということなんだと思います。ちょっとチープな表現ですが、五月病とかホームシックの乗り越え方と変わらないわけです。そう思えば、少し見やすくな…らないですねwそこに至るまでが怖すぎますw
 テーマは新社会での自立ですので、別人格などの表現はテーマを描くための手段に過ぎなかったのだと思います。そうは言ってもインパクトは大きいですけどね。このような手段とテーマの使い分けは、エンディングを踏まえて考えれば、「千年女優」よりは「パプリカ」に近いように思えます。エログロ部分は置いておいて、この作品における表現の部分が気に入った方は、「パプリカ」も好まれるのではないでしょうか。{/netabare}

対象年齢:
 R15であることは前提としても、人を選ぶような気がします。エログロとそれに関する暴力描写が苦手な人は極力避けた方がいいと思います。もし、視聴するのであれば、自分のメンタルケアができる準備をしておいた方がいいでしょう。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『PERFECT BLUE』作品紹介と総評+考察「自己の確立と乖離」

今敏監督が初監督を務めた作品。
「アイドル」「ホラー」「熱狂的なファン」の3本柱から展開されるサイコスリラー作品です。

(あらすじ)
アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させつつも事務所の方針に流されるままに、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく。
しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。本当の自分の姿なのか。自分が望んだことなのか。そんな疑問を抱く中、何とかインターネットに接続して見たホームページに自分の行動が本人の記憶以上に詳しく描写されていることに気づく。未麻はストーカーに監視されていたのだった。また、未麻の周辺で関係者が次々と殺される事件が発生する。(wikipedia参照)

まず初めに…「よくこれをアニメでやろうと考えたな!」という感想しか思い浮かびませんでした。過激な描写と内容の連続で、視聴にはそれなりの覚悟を要すると思われます。いやはや、「R-15指定」というレーティングをされているだけの事はあります。

物語としては”主人公視点の思考を体感するサイコホラー”とでも言いましょうか。”現実の自分”と”なりたかった自分”の乖離が引き起こしたストレスにより陥った不安定な思考が描かれ、視聴者に対しても”現実と非現実”が混同する感覚を引き起こさせます。この事もあり、最後の展開はなかなかスリリングなものに仕上がっていると思います。

作画もセル画主体ですが、全体的に綺麗に描かれています。ただ、キャラデザで敬遠される方もいるでしょうね。登場人物の大半が目が離れている(いわゆる”インスマス面”)のため、不気味に感じる方も多いと思います。しかし、この不気味なキャラデザがさらに物語自体を引き立てていると思うので、個人的には違和感なく観る事が出来ました。

さて、いろいろと考察が出来る本作ですが、ここからは心理学的な考察をしたいと思います。
テーマは本作のキーでもある「自己乖離」についてです。


{netabare}・自己の確立と乖離
まず、自己乖離の「自己」とは何かという事について説明したいと思います。
”自己(自我)”とは”自己意識”のこと。つまり、「自分は何者か」という事を意識する事です。この意識をしっかりと確立することを”自己同一性(アイデンティティ)”と呼びます。

この事について、心理学の祖でもあるドイツの哲学者カール・ヤスパースは以下の様に定義しています。

・アイデンティティ確立の4つの指標
1.能動性自我意識=自分が考え、感じ、行動しているという意識。
2.単一性自我意識=自分は単一の存在であって、複数ではないという意識。
3.同一性自我意識=過去と現在の自分が同一人であるという意識。
4.限界性自我意識=外界や他人に対する自我の意識。

上記の4つが全て揃って自己は確立されますが、1つでも損なわれれば自己は喪失されます。
これが”自己乖離(自己喪失)”と呼ばれるものです。

自己乖離に陥れば、自分が自分であるという感覚や意識が失われ、解離性障害などの精神疾患を引き起こす原因にもなります。
私の考えでは、未麻はこの状況に陥ったのではないかと思われます。


・未麻の症状(内因性精神疾患)
未麻はアイドルから女優に転向する事で、自らのスキルアップを目指しました。しかし、来る仕事は思っていたものとは違い、その事が苦痛となりストレスを感じる様になります。そして、自身のファンが制作したホームページを見た事がきっかけで、アイドル時代に戻りたいという願望を抱き始めます。

これは”現実の自分(辛い女優業)”と”なりたかった自分(充実していたアイドル業)”の乖離を引き起こし、自身のアイデンティティが失われたこと(自己乖離)だと言えます。「4つの指標」で言えば、3つ目が喪失しているという事ですね。

この結果、自身のアイドル時代の幻覚を見たり、自身と自身が演じる役との混同などの精神疾患的症状が現れます。

「何が現実で、何が非現実か」という区別がつかず、自分自身を信じられなくなっていきます。物語自体が彼女の視点で描かれているため、必然的に視聴者も同じ感覚に陥ってしまうのです。しかし、本作のストーリーがややこしいのにはもう一つの要因があります。”自己乖離”に陥ったのは彼女だけではないからです。


・”犯人”の症状(解離性同一性障害)
殺人を実行した当人も未麻と同じく”自己乖離”を引き起こし、精神疾患的症状に陥いってしまいます。

未麻の熱狂的なファンである犯人も彼女と同様に”現実の彼女(女優)”と”理想の彼女(アイドル)”の乖離を引き起こし、自己乖離を引き起こします。ただ、未麻と違うところは”理想の彼女”を自身に投影してしまった事。この事により、自身と”理想の彼女”との混同に陥り、もう一つの人格を形成してしまった。それが”解離性同一性障害”です。

解離性同一性障害とは簡単にいえば多重人格症状のことです。投影された人格が一人歩きをし、彼女を女優業へと誘った人物達に復讐を加えるだけでなく、最終的に”現実の未麻”をも否定するまでに至ってしまったのです。

”恋は盲目”という諺がありますが、熱狂的過ぎるファンも同じ心情だったのではないかと思います。


・熱狂的ファンは盲目
この犯人の心情(理想への盲目的な愛)に近いと感じてしまった出来事があります。(実際に私が経験したわけではないですが…)
それは”2次元キャラへの熱狂的ファン”です。

よく耳にする謳い文句に「〜は俺の嫁!」というものがあります。ようは「私の最も好きなキャラは〜です」と同義ですね。しかし、この発言に対してそう感じたのではなく、この事を”実際に行動として起こす現象”の話を聞いて異常と感じてしまいました。

例えば、過去に『ラブプラス』という恋愛ゲームが流行りましたが、ゲームの中の彼女と実際に宿をとって旅行に行ったという話があります。また、好きなキャラとともに誕生日やクリスマスを祝うという話もありますね。キャラの画像と対面してケーキを食べるそうですね。

この様な行動や現象も”自己乖離”ではないかと私は考えます。
自分の”理想の彼女”と同じく自身を2次元キャラに投影し、あたかも自身が二次元世界にいるかの様な錯覚を起こしているのではないか。”リアル”と”ヴァーチャル”の境が見えなくなるという話をよく聞きますが、まさにその典型的事例に思います。

”萌え”というのは、所詮幻想に過ぎず、現実にあらず。
私が”キャラを愛でる”という事を理解出来ないのは、この考え方のためですかね。

この作品は、現代の”この様な事態”を予見していたのかもしれないですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

アイコン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「パーフェクトブルー」意味は察してください。

原作未読。

といっても、
原作とはかなり違う仕上げに
なっているようです。
ざっくりとした原作のテーマだけを
並べて題材にした作品のようで、
原作はあってもないようなものです。
なのでまぁかなりオマージュを加えた
原作派生のオリジナル映画として
受け取って頂ければと。
その原作者様からも
「好きにつくってくれ」と
言われたそうです(笑)
本当は実写化の予定だったとか。
なので、
「パーフェクトブルー」という
今作のタイトルはあまり意味を
成していないようです(笑)

そんな今作、今敏さんの監督としての
処女作だそうで。
実はこの人の作品は妄想代理人しか
見ておらず、個人的に言ってしまうと
妄想代理人が面白くなかったので
名作と謳われる今作もそんなに
期待していませんでした。
そんな状態で見させていただきました。

それでは、今作の感想を述べていきます。

まずは物語や舞台設定から。

この作品のスゴいところは
皆さんが語っているように
90年代の映画とは思えない
現代的で斬新なテーマを
取り扱ったものだと言うこと。
それは他の方が説明してくれているので
ここでは省きます。
なので当時この作品を見た方は衝撃を
受けたのでしょうね。
元アイドル女優という設定も上手く活用され、
良くできていたと思います。
この間、インランドエンパイアという
これと似たような洋画を見たのですが、
もしかして今作の影響を受けているのでは?
という気がしています。
このパーフェクトブルーを元にした
「ブラック・スワン」という
映画も作られたそうですし、
とあるシーンのために版権を取った作品も
あるようで、この映画がかなりの人に
影響を及ぼしたことが伺えます。

ただ……演出がちょっと。

シリアスギャグや次シーンへのシフト、
そして表情や動きの描き方、
それはすごくよかったと思います。
かなり人間的にキャラが動いて
人間臭さを覚えるほどだし
あのファックス音からのBGMへのシフト、
すごく印象に残ってます。
アニメ的でとてもよかったと思います。

でも、無駄にエロいシーン、無駄にグロいシーン。
多々ありました。グロい描写はまぁ
出てくるタイミングや設定的にも
処理できるのでまだ良いのですが
エロいシーンはちょっと……。
突起物どころか、下の毛まで写す始末(笑)
ホントクソありがとうございましたm(__)m

正直、あんなに過激でなくても
もっと不条理を描けたのではないのでしょうか。
多分監督の自己満足も入ってるのでは(笑)
だって、女性のあれやこれやが写るわりには
男性の描写はほとんど隠れてるんですよね。
まるで監督の「男のモノなんぞ見たかねぇから、
全部隠しちまえ」みたいな思惑が
所々伝わってくる感じで(笑)
今敏監督、もっと欲抑えようぜ(笑)

あと、ホワイトアウト→開眼ッ!!
がちょっとくどかったかな(--;)
ああいったオチならもっと
減らしてもいいような気がします。
作品のテンポを悪くしていました。

{netabare}そして個人的に、
少しルミさんについて言わせてもらうと、
ルミさんはあくまで
「アイドルとしてのミマ」を
自分の中に具現化しただけのはずです。
それなのに邪魔だからといってそうも
簡単に人を殺せてしまうのでしょうか。
解離性同一障害だからといって、
人格が変わったら平気で
人を殺してしまうものなのでしょうか?
サイコパスとしか思えません。
つか、あれがミマを具現化したというなら
あんたはミマの何を見たんだと(笑)
そんな風に思ってしまいました(笑)
アニメ的に表現した、これはサイコホラーだ、
と言ってしまえばそれまでなのですが、すいません。
私はどうも受け入れられませんでした。
まぁ、「催眠」というどこかの日本映画のように
多重人格サイコホラーだからといってラストが
ギャグになってしまうようなものではなかったので
よかったです、いい具合のシリアスギャグでした(笑){/netabare}

作画は昔の作品としてはかなりいいです。
音楽もよく、劇中でかなり
不安を煽ってきてくれました。
声優さんも皆上手く、
潤子さんの演技は主役さながらの
演技を見せつけてくれていました。

でも、その声の中に
まさかサトシがいるとは(笑)

ホラー要素については、
ホラー映画やアニメをよく見る方なら
平気でしょうが、耐性がないと
+エログロ描写もあるのできついかと。
なのでよく考えてから見てください。

でも、深いとこに突っ込まなければよく
出来ていたなぁと思います。
自身や人間関係での悩みは必ずしも
その自身の周りだけの問題ではなく、
社会にも影響してくるものだと思います。
そして、その社会自体が本当は
主な問題の原因だったり……。
そしてそれがまた、人間関係の
すれ違いを起こす原因となったり。
これは、それに気づかない人たちの、
視野の狭い偏見的な考えや思い込み、
そんな人間の心理の恐ろしさを
描いた作品だと思います。
そしてその上で、
ミマの自分自身への葛藤や不安を描くという
ストーリー的な部分もあり、
所々ミマ以外の心理描写は
詰めが甘い気もしますが、
(わざとあまり描かないようにしてるのかも)
かなり作り込まれているなあと
私は思いました。
しかも80分強でこのクオリティ。
かなり上手く詰め込まれた気がします。
万人が見れる作品ではありませんが、
見ても損はしないと思います。
個人的にものすごく面白い!
というわけではないんですが、
かなりテーマ性に長けた作品です。
是非ご視聴を。


今度は東京ゴッドファーザーズやパプリカも
見てみようと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

76.7 2 1998年度アニメランキング2位
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(アニメ映画)

1998年7月18日
★★★★☆ 3.9 (494)
3333人が棚に入れました
幻のポケモン・ミュウのマツゲを元に、悪の組織により戦闘能力などを強化され人工的に作られたポケモン・ミュウツーは、人工的に造られたという不純な生立ちから自身の存在意義を見出せずに答えなき自問自答に苦しんでいた。やがてミュウツーは自分を造った組織を裏切ったことをきっかけに、ポケモンを統制するシステムへの反発や自分を利用するためだけに作り出した人間たちへの憎しみから人類に対する「逆襲」を企てる。
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

歩き続けてどこまで行くの?

ポケモン映画第一作目です。

どんなものでも一作目というのは少し特別です。
作品にもよりますが案外その方が後続の作品より粗削りではあるけれど伝わってくる魅力が強いからです。

ミュウの細胞からより強く作られた最強のポケモン「ミュウツー」。
しかし、彼は自分がいったい何者かわからない。
「生きる」ことに価値が見い出せず思考することを止めて、彼は自分を生み出した人間に逆襲を決め込んだ。
「これは戦争でも攻撃でもない。逆襲だ。」

作品はこどもにとってはえらく重々しく暗い雰囲気を帯びたプロローグから始まります。
この辺は改めて観てみると一度観た作品なのにまったく覚えのない話でした。
小さい頃にここの部分を観てもまったく印象にさえ残らないことが分かります。
その後からの流れは薄っすらと記憶していましたが、
やはり改めて観てみるとその場での言動や立場、行動など「役割」としての意味が物語を鮮やかにし、ひとつの筋が紡がれていきます。
本作の持つ物語の性質はなにも小さい子に限ったことではなく、あらゆる人間に対しなにかを訴えるだけの力を持ったものだと思います。

映像だって今のものに劣っていません。
ポケモンたちはよく動きますし、そこに躊躇いはなくできる限りのリアルが追及されています。
肉迫した戦いの息遣いはすぐそこで聞こえます。
OPのバトルはもちろん良いですし、EDはさらに良いです。個人的にとても好き。
曲といいアニメーションといい最高です。残念ながらアニメ映画のEDでこれを越えるものはいまだにありません。

何度観たって面白さを感じられる少ない作品のひとつです。



{netabare}

こども向けのアニメ映画でよく自己定義について触れました。
僕は高校生2年になるまで考えたこともなかったですw
まあでもあえてテーマを探るならばそれはそこにはなく、
ではどこにあったのかというと、僕は「本物」と「コピー」の戦いが非情にも無意味だということにあると思います。

俯瞰的状況としては
まず初めにミュウツーはトレーナーを呼び込みコピーと対決させて負かすことで
人がポケモンを育てることを否定し、また人につくポケモンも否定しました。
この後ミュウが出てきて「コピーなんかに本物は負けない」なんてアホな啖呵切って大混戦。
もうどちらも後には引けません。
だが、なかなか決着のつかないミュウ、ミュウツーを前に他のポケモン達はだんだんと力尽きていく。
そして最後ミュウとミュウツーの戦いを止めたのがサトシの自己犠牲でした。
なんだかナウシカみたいでした。彼女もまたその体現者ですから。
石化したとはいえ、現実的な死です。死のメタファー。
ポケモンですからさすがに人が死ぬ描写はできません。だからこういうかたちを通してそれを表現したのだと思います。
ここでやっとミュウツーも彼なりの答えを見つけることができ物語は良い方向に導かれ幕を閉じました。

サトシたちは初めから本物もコピーも同じポケモンだと主張していました。
けれどミュウツーにはミュウツーなりの意志がある。
彼は自分の存在と生に悪くも執着してしまったことによりさらに、そのときに多くの人間の悪に触れたために、
出口のない迷路に入り込んでしまい、自分に「逆襲者」という答えしか出せませんでした。
人と人に寄り添うポケモンの全てを否定し、コピーという名の十字架を背負い強く生まれてきた我々こそが本当の存在であると。
だからミュウツーに従うコピー達も戦いました。
傷つき、疲れ果てようが、戦って勝つことでしか報われないから。
一番印象に残っているのはやはりピカチュウです。
泣きながらもビンタを続けるピカチュウ。傷つけることは嫌だとしてもこっちだってやめられない。
にっちもさっちもいかずにはたき続けるピカチュウと黙って受け続けるピカチュウ。観ていてやりきれません。

だってこの戦いはどこまでいっても「戦い」そのものでしかないのです。行き着く先なんてありません。
答えはすでにでています。彼らが今存在していること、そのままが答えなのですから。
それぞれが生きている一匹のポケモンであること。
ミュウツーたちコピーが本物に準じるものではないことに正しく意識を向けることが彼にはできなかった。
サトシのメタフォリカルな死がなければミュウツーはこれに気付くことはできず誰も救われなかったでしょう。

ここをこの映画が映像として表現したのだと僕は思います。
まあそんなものは得てしてあるはわけではありませんが。

最後の締め方はどうだったでしょうか。
「このことはなかった方がいいだろう」とミュウツーは反省しました。
いや反省というより、自分を認めることができたというべきか。
立つ鳥跡を濁さずといったスッキリとした終わり方。これは後々公開されたポケモン映画の大半がそうです。
本編の方に支障がでないようにしているのでしょうか。 少し作為的な臭いもしますw
しかし、やはり意味のある発言であったと認めることの方が意義があったと言えるでしょう。
この台詞は受け取り方によっては深みがありました。
自分がきっかけで起こってしまった今回の一連の出来事。「なかった方がいい」なんて簡単に言えるはずがない。
彼はこうは言いながらも裏ではこのことに関して、自分がすべての罪を背負うことの決意としてみることもできました。
死人が誰かの中で生き続けるように、経験に基づいた記憶は個人の中で反芻されていく。
文字通り何度も思い出すことでそこから大事な栄養得ている。
風化することのないそれは鮮やかなままひとりの人間の宝物として心の奥底でいつまでも火を灯し続ける。
今回の出来事をそれらと同じように人々の記憶に残せばそれは傷であり、苦しめるほか使い道のない記憶なのです。
けれどもひとりの人間の「死」を通してやっと知り得た教訓は決して忘れてはいけないもの。
だったらぜんぶまとめて私が背負おう。そういったミュウツーの決心がここで見られたと思います。

一番印象に残ったのはミュウツーにかけたサトシの最後の一言 「みんなどこに行くの?」
これ聞いた瞬間身震いしました。なんでだろう。
サトシなら「どこ行くんだよー!」とかなのにらしくないほどに優しく訊いていました。
すごく象徴的とも思える一言でした。(『われわれはどこから来たのか。われわれは何者なのか。われわれはどこへいくのか』)


読んで下さった方ありがとうございました。
あ、書き忘れてたけどボイジャーさんかっこよかったです!
「海を知りたきゃ波止場のかもめに訊いてみな。」って声も良いし、台詞もかっこよすぎる!w
この人すごく好きw

海を渡ってるときよくトゲピーは死なずに済んだよなー、なんてw
あでゅー。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

哀しみの最強ポケモン

これが原点にして最高峰――――――


この今週末公開の本作リメイクCG映画『~ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』PVの宣伝文句。
『~ミュウツーの逆襲』ほどこの言葉が似つかわしい作品も珍しいと思います。

最強ポケモンを作ると言う、人のエゴで産み出されたミュウツーが、
“創造主”への憤怒をたぎらせ、復讐を決意する長いアバンは、
ハードSFと言って良いほどの強烈な先制パンチ。

命とは何か?を問う作品テーマは、
ポケモンバトルの掟では拘束できないほど重厚。

そして“ラスボス”小林幸子さんがEDで歌う命と冒険の賛歌。

もう、何もかも迫力が違い過ぎます。


公開当時、世界は前年発表されたクローン羊“ドリー”の製造を受け、
宗教観、倫理観が揺らいでいた時代。
巷では俄にクローンを題材に命について考える言説で溢れました。

けど本作は決してクローンと言うニュースのネタに乗っかって、
親御さんの歓心も得てみようと言う安易な企画ではありません。

『ポケモン』は初代ゲームの頃から、
カラカラ親子のイベントや、サカキ率いるロケット団との激闘。
TVアニメでも、はぐれポケモン・ヒトカゲのエピソード。
など、人とポケモンの関係を通じて、命について考え抜いてきたコンテンツ。

そして、ついに最強の人造ポケモン・ミュウツーに挑んだ本作は
劇場版一作目にして、熟成した命と言うテーマの集大成でもあります。


あれから20年余り……。

“伝説”を再来させるタイミングとしてはどうだろう?と、
昨年のリメイク発表から私は思案していたところ、
また、俄に世界が騒がしくなって来ました。

狂気の類人猿クローン実験に突き進む中国。
引き続き、中国人科学者に発表された世界初のゲノム編集ベイビー製造の衝撃。

私は、技術的には、そろそろ……と思っていましたし、
“革命”で倫理や道徳の土台を打ち壊した上に立脚した市場経済社会から、
こうした発表が飛び出したのにも、さして驚きはありません。

ただ、唖然とするのは、
マンガのマッドサイエンティストよろしく“成果”を強調する輩に対して、
世界のほとんどが、うわべだけ倫理で飾った、
臭い物に蓋をするような、反撃しかできていないこと。

“ドリー”からも、20年余り……。
自らが、人に産み出された、作り直された、
誰かのコピーであったと言う事実に直面した、
命のアイデンティティーとか……。
こうしたポケモン映画でも問われたような内容ですら、
どうやら世界は受け止め切れていないようです……。


世界は、人類は、もう一度、ミュウツーに逆襲されるべきなのだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

カリューム さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

実は完全版があって・・・

今度のポケモン映画でミュウツーが出るらしい
ということで、この映画について語りたくなってしまいました(^^)

本作品はなんとまぁ、アメリカで公開された日本映画中最も興行収入の高い作品だったりします
(最新の記録は知りませんがさっきwikiみたら2010年時点では更新されてないそうです)
もちろん日本でもその年の興行成績第二位だって言うのだから、凄いですね
まぁ単純に当時のポケモン人気故なんですけど
でもこのアニメ映画のテーマは個人的にすごく好きです


物語は最強のポケモンと言われる『ミュウ』の化石から、強化クローンとして作りだされた『ミュウツー』を主軸にして進んでいきます
あんま話しちゃうとネタバレになっちゃうので、簡単にこの話をまとめると、

『強化クローンとして生み出されたミュウツーははたして何者なのか?』

って感じです
ぶっちゃけ子供向けのアニメで取り上げるテーマなのか疑問です(^_^;)
『自己の存在を証明する』
『何のために生まれてきたのか考える』
そういった内容を含んでいます

元々任天堂という会社が作った『ポケモン』というゲームにはところどころ暗く深いテーマが潜んでいたりします(もちろん子どもたちが気づかないようにさりげなく)
詳しくはゲームの話になっちゃうので省きますが、任天堂さんは何かしら子供たちに伝えたいこと、考えてほしいことがあるんでしょうね

私はこの作品を子供の頃みて強く印象に残り、後日思い返してみると感慨深くなるという不思議な感覚を体験しました
再放送も何回かされていて、そのたびに思い入れが強くなりました
しっかりとしたテーマ性に基づいている作品なので、きっと多くの人の視聴に耐えうる作品だと思います
ただ、ポケモンらしい作品をお望みならちょっとこの作品は雰囲気が違うので注意してください
自分の思い出に残る名作です



今度公開されるポケモン映画のミュウツーは本作のミュウツーとは違うのかな?
数年前から観なくなっていたポケモン映画ですが、今年は観に行ってみようと思います


実はレビュータイトルにも描いたように、完全版があります
ミュウツー誕生の経緯を細かく描いたものなのですが、観ると本編に対する解釈がより深まると思います
というのも、ミュウツー誕生の経緯を詳しく描いたもので、作中のミュウツーの想いがより理解できるようになります
もし観ていない人がいれば、DVDが出てるのでおススメです

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

73.5 3 1998年度アニメランキング3位
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness(アニメ映画)

1998年8月8日
★★★★☆ 3.9 (434)
2160人が棚に入れました
先の戦争終結より3年が経った西暦2201年。地球と木星間に和平(休戦条約)が結ばれ、人類は再び一つになろうとしていた。そんな中、ボソンジャンプを新たな交通手段として使用する計画「ヒサゴプラン」のコロニーが次々と襲撃される事件が発生する。連合宇宙軍ナデシコB艦長ホシノ・ルリ少佐は、事件調査のためターミナルコロニー「アマテラス」へ向かうが……。

声優・キャラクター
南央美、うえだゆうじ、桑島法子、日髙のり子、三木眞一郎、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、飛田展男、小杉十郎太、小野健一、横山智佐、菊池志穂、長沢美樹、置鮎龍太郎、松井菜桜子、大谷育江、一城みゆ希、山寺宏一、仲間由紀恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テレビ放送編から5年…状況は大きく変化していました

この作品はTVアニメ版の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、TVアニメ編を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

火星での壮絶なラストから5年…物語は突飛なところから始まります。
ミスマル・ユリカの父が墓前の前でお墓に向かって話しかけているのですが、その相手が何とTVアニメ版の主人公とメインヒロインだったアキトとユリカなんです。

メインキャストを序盤でバッサリって…頭の中は?マークでいっぱいになりました。
「どんな展開になっていくんだろう…」
と思っていた矢先にナデシコが登場するのですが…艦長はなんと電脳美少女のホシノ・ルリだったんです。

ルリちゃんは16歳になっていました。
世間では「史上最年少の天才美少女艦長」と呼ばれており、大人から子供までもが知っている人気ぶりなんだとか…
そしてこの劇場版は彼女を中心に物語が動いていく事となります。

TVアニメ版のナデシコの乗組員は個性派揃いでしたが、憎めない人たちばかりでした。
劇場版で見たかったのはみんなの勇姿…けれども蓋を開けてみると当時の面影は僅かにしか残っておらず、みんな地球でバラバラになってしまっていたんです。

「ナデシコに乗り込む」という事は、危険に向かって自ら進んで行く事…
だから地球上で危険と隣り合わせではない普通の生活を臨んでも構わない訳ですし、自分がその立場なら間違いなく安全を取ると思います。

でも、全員が安全を選択したかというと必ずしもそうではありません。
ナデシコの新艦長であるルリちゃんが良い例です。
彼女はナデシコを自分の居場所とし、メインコンピューターである「オモイカネ」との繋がりをとても大切にしていました。
それにオモイカネも相変わらず茶目っ気タップリで応えています。

変わる事は決して悪い事ではありません。けれど、変わらない事を選択する勇気も大切だと思います。
彼女が変わらずナデシコに自分の身を置いているのは、この場所を守りたかったから…
アキトがいて…ユリカ艦長とみんなと過ごした大切な場所だから…
自分を変えてくれた場所だから…

改めて考えてみると、ナデシコに乗り続ける理由ってたくさんあるように思います。
自分の意思でそれを忠実に実行しているルリちゃんを見ていると本当に彼女は変わったんだなぁ…と思いました。

一方、物語の方は謎のコードネーム「OTIKA」がコンピューター上に表示されてから予想外の方向に転がり始めます。
ここで感じるのは5年の歳月がもたらした傷の深さ…だったと思います。

絶対変わりたくなかった…だけど変えられて…もう戻れなくなった…
時間の使い方は自分で決める…そんな当たり前の事すらできなくなった…
途切れない思いと行き場を失った思いが交錯する…答えなんて出せないくせに…

そしてルリちゃんは呼びかけます…
旧ナデシコ乗組員はその呼びかけにどう応えるのか…気になる方は本編でご確認下さい。

約80分の作品でした。ラストも綺麗な纏まっていたと思いますが、個人的にはそこまで綺麗に纏めなくても…と思ったのも事実です。
でもルリルリの衝撃発言や続編を示唆する伏線がたくさん残されています。
絶対続編を期待させる展開なのに…
大人の複雑な事情が色々あるようですが、続編が決まったらファンが大喜びする事間違いなしの作品だと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ホシノルリが美しい。ブラックサレナがカッコイイ。

 バブルが崩壊しているのにノリだけは引き摺って、真面目が間抜けと同義になったころの作品。アニメの演出も悪ふざけ的でそういった時代性が色濃くでています。
 ただ、初めは悪ノリが鼻につきますが、ワンカットワンカットがえっというくらい尻切れトンボで作られており、戦闘シーン、ナデシコ艦橋、SF的な設定などの確かさと相まってこのノリというかテンポが心地よくなって行きます。すぐに映画世界に引き込まれてゆきます。もちろんこのノリは昔のナデシコの続きである証でもあります。

 その後、地上での墓参りのシーンなどに象徴されますが、そういった悪乗りは抑えられて、物語のダークな部分を際立たせています。

 で、中盤の終わりの墓場のシーン。非常に印象に残っております。青空の下の喪服姿のルリルリの美しさはもちろんですが、レシピを渡すシーン。彼には未来の無いことをアキトはルリに宣言します。明示されませんがレシピが彼の人生の象徴なのでしょう。たとえユリカが救われても2人には将来が無いような予感がしました。ここが本作の一つのクライマックスな気がします。
 アキトとホシノルリの強い絆が伝わって来て、美しいながら悲しいシーンでした。

 このシーンを見て思い出すのが、ホシノルリもまた遺伝子操作された人間だということです。こういう非人間的な暗さを相対化するためにも、悪ノリが必要だったのでしょう。TVシリーズもノリの部分が強調されて明るいストーリーに見えますが、実はすごく暗い設定が根底にあるので、そこを強調したのだと思います。

 で、本作はボソンジャンプの支配権をめぐっての争いと陰謀がストーリーの幹になっていますし、それこそがアキトとユリカの悲劇的な状況の元凶ですが、これ自体はストーリーの本筋ではありません。
 やはりナデシコという戦艦に乗り込んだ人間たちが勝手な事をやっているように見えて一致団結して敵を倒すということ、何よりボソンジャンパーとしてのアキトの悲惨な現状と未来をちゃんと説明して結末を迎えるのが、この映画のメインストーリーだと思います。

 TVシリーズの続編として、ナデシコの世界を終わらせるストーリーは暗く悲しいストーリーですが、いい話だったと思います。2期の企画が駄目になった話をよく聞きますが、この映画の出来からいってこれでも良かったのかなという気がします。

 結論を言えば面白いと言うよりは非常に「いい映画」でした。時代性はありますがそれが素晴らしくて味わいたくなります。アニメの出来は最高水準でした。

 それにしても、ホシノルリは美しかったです。デザインもさることながら、演出や画が良くできていました。ナデシコ艦橋でほぼ立ったような姿勢で、指揮を執る姿はゾクゾクしました。
 あとはブラックサレナですね。音楽の良さと合わさって、鳥肌が立つくらいカッコ良かったです。
 ホシノルリとブラックサレナは出色の出来なので、これだけでもこの映画を見る価値がありました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

lostmemory さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

あまりにも衝撃的だった劇場版

当時リアルタイムで見に行ったけど
これほど出だしで衝撃を受ける劇場版も
まあそうないよなあという感じ
ネタバレは防ぐけど、ちょっとだけ。
普通アニメで主人公務めたキャラはそのまま
劇場版でも主人公なのが当たり前だが
主人公が交代した時点で驚きに値する

なおアニメの方を見てないと分からない
ところだらけなのでアニメの方は先に
必ず見ておこう。

作画は今見てもかなり高いレベルで良い
ちゃんと色々設定を練り込んで作ってある
のが良い。あと音楽。個人的に最高だった

ロボットアニメではあるけど主役はタイトル
通り戦艦。こういのって宇宙戦艦ヤマト以来
な気がする。それはともかく戦艦も一応活躍
するけど、それ以上に多くのキャラクターの
群像劇がこの作品の最大の魅力。パトレイバー
とか思い出す。ロボットや戦艦はあくまで
引き立て役というか。個人的にロボットアニメ
の理想がソレなんだよねえ

多少脱線したがアニメを見て気に入ったら
こっちも見ておいて損は無い。凄くショック受ける
人もいるかもしれないが、個人的にはここまで
挑戦した意欲的な劇場版アニメはそう無いので
高く評価したい。よくあるアニメで人気でたから
勢いで劇場版も作りました!みたいな軽いノリの
作品ではないので。むしろ重すぎる


※追記※
この作品の終わりに納得出来ない人は、ちょっともう
手に入りにくいですがキャラデザと作画監督努めた
後藤圭二氏の画集でルリがドレス着ているのが表紙の
やつを買ってください。これの巻末に後藤圭二氏自ら
描き下ろしの後日談の漫画があります。これが凄く
良い内容で、何故これを映像化しなかったんだ!と
言いたくなるくらい綺麗な終わり方してます。
本作ではメインヒロインから交代したユリカがしっかり
メインヒロインに戻ってるのが素晴らしい。
ただ画集自体はナデシコは半分くらいなのでそこは注意。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

72.0 4 1998年度アニメランキング4位
帰ってきたドラえもん(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.9 (60)
451人が棚に入れました
人気アニメ「ドラえもん」の映画版第19弾「のび太の南海大冒険」と併映された短編アニメ。未来の世界に帰ることになってしまったドラえもん。突然の出来事にのび太はショックを隠せない。彼はドラえもんを必死でひきとめるが、ついにある決心をする。それは、ドラえもんが安心して帰れるように、これからは自分ひとりで問題を解決しようとするものだった。いよいよせまった別れの日。町へ散歩に出たドラえもんとのび太の前にジャイアンが現れる。いつものようにケンカをふっかけてくるジャイアン。そこでのび太がとった行動とは…。

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ドラえもん併映作品の感動系エピソード。

映画ドラえもん併映作品の中でも感動系シリーズの1作。
今作ではドラえもんが未来に帰る「さようならドラえもん」と帰ってくる「帰ってきたドラえもん」を原作にしています。

特にドラえもんとのび太の友情を描いていてドラえもんファンなら見てほしい1作です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

ビックリヤングコーン さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

涙腺が〜!

これはこれは感動もんす!あの、のびたが必死にジャイアンに向かってく姿がたまらないです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

くかす さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

感想

ドラえもん屈指の感動する話
ドラえもんが安心して未来に帰れるようにのび太が男を見せる話

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

71.0 5 1998年度アニメランキング5位
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 Death and Rebirth(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.7 (517)
3740人が棚に入れました
西暦2015年。人類を襲う謎の兵器「使徒」に対抗するため、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンを完成させた特務機関ネルフは、14歳の少年少女達をパイロットにエヴァを実戦投入する。しかしその後ろでは同時に「人類補完計画」が進行していた……。95年10月よりTV放映され、大きな反響を呼んだアニメシリーズの劇場版。本作は多くの謎を残したまま終了したTV版の総集編と最終話という事だったが、制作が遅れに遅れ、その結末は本当の完結編、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)/Air/まごころを、君に」で描かれた。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

(前編)シンジはヘタレ?

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 テレビ版の総集編に該当するのがこの『シト新生』ですね。ただ、見ればテレビ版の内容が分かるようなものではなく、テレビ版を見た人だけが分かる内容になっています。その点では、総集編としては特殊なものかもしれませんね。

 このレビューはもともと、旧劇場版のレビューとして書いていたものです。ですが、レビュー自体が思いのほか長くなってしまったので、導入部として書いた旧劇場版開始前までの内容、つまり、テレビ版第24話までの内容をここに分割掲載することにしました。(前編)となっているのはそのためです。(後編)が旧劇場版のレビューですね。
 ですから、このレビューでは『シト新生』を取り上げているわけではありません。テレビ版に掲載すべき内容なのかもしれませんが、あっちはあっちで別のことに使ってしまったので、そのしわ寄せとしてここを使っています。

 このレビューでは、ストーリーの細部までをフォーカスせずに、シンジが抱えるテーマだけを見ていきます。この(前編)では、「なぜシンジはあそこまでヘタレてしまったのか」というの明かすことを着地点にしています。ここを起点にして旧劇場版のレビューである(後編)に話をつなげます。


ざっくりした話から:{netabare}
 『エヴァ』がどんな話かをごく簡単に説明するのなら、「シンジの成長譚」ということになると思います。このテーマを全26話という長い期間を通じて描いていました。これを表現するためのツールとなっていたのが、「謎が解かれない謎解きロボットもの」というジャンルですね。

 で、このテーマとツールというのがどちらも曲者なんですよね。『エヴァ』は賛否両論ある作品ですが、テーマに連なる「シンジをどう見るか」で是非があって、ツールに連なる「謎解きや演出をどう見るか」で是非がある、というのが大まかな傾向なんだと思います。全く違う2つの事柄にそれぞれ賛否があるので、議論が拡散しちゃう。これが『エヴァ』を収拾のつかない作品にしている一つの要因なんだと思います。

 ただ、実際には賛否両論ではなくて、賛成多数だと思います。賛成派はわざわざ主張せず(サイレントマジョリティ)、反対派は大きな声を上げる(ノイジーマイノリティ)というのが世の常ですからね。賛否両論でバランスが取れているように見えたのなら、おそらく8割くらいが賛成派だと思います。各論反対であったとしてもね。

 私はツールの方も見るようには心掛けていますが、基本的にはテーマで作品の評価を決めています。もちろんテーマ自体に貴賤はないですから、その結論に至る論理性を見るってことですけどね。ですから、以下のレビューでは、「シンジの成長譚」としての論理性から『エヴァ』を見ていくことになります。謎解きに資するレビューにはならない、ということはあらかじめ断っておきますね。
{/netabare}

ストーリーの全体像:{netabare}
 ここはテレビ版で書いたレビューと大して変わりません。テーマだけで見ていきます。
 最終的な目標は、シンジの自立、「心の補完」です。この過程だけで24話も要しました。かなり丁寧にこれを積み上げています。そして結論で2話。非常にポジティブな形で終わります。シンジの自己実現の過程を見ていきます。

①とりあえずの居場所を確保する過程(第6話のヤシマ作戦まで)
 この世界に居場所のないシンジが、エヴァを取っ掛かりとして小さな自己実現をする過程です。勢いでパイロットになることを決めてしまったために、逃げては乗ってを繰り返します。目的意識がありませんから、日本中の電力を預かるという「周囲の期待」にも応えることができませんでした。これを乗り越えて、エヴァという初めての居場所ができました。

②とりあえずの居場所で成功体験を積み上げる過程(第7話から第16話の戦闘前まで)
 シンジが、エヴァによって勝利を積み重ね、他人に認められていく過程です。ゲンドウに認められることで、初めて自己実現欲求を自覚します。アスカとのキスがあるのもここですが、軸としてはあくまでもエヴァとゲンドウへの信頼です。シンジのエヴァに対する自信のピークは第16話の戦闘前ですね。第16話は「死に至る病、そして」の回です。

③とりあえずの居場所が崩壊し、自己喪失に陥る過程(第16話戦闘後から第24話まで)
 エヴァに乗って死にかけたという第16話、エヴァとゲンドウのせいでトウジを殺しかけたという第17・18話で、エヴァとゲンドウへの不信が高まります。カジのアドバイスで復帰しますが、その先に待っていたのは、エヴァに乗って自らの手でカヲルを殺してしまうという辛い結末でした。初めて得たエヴァという居場所が失われ、自己喪失に陥ります。これが第24話のあと、第25話の開始前の状況です。

④疑似的な自己実現ではなく、本質的な自己実現をする過程(第25・26話/旧劇場版)
 ①エヴァがないときはダメでした、②エヴァがあれば何とかなりました、③エヴァがあってもダメでした、から続くのがここ(④)です。シンジのダメさは、エヴァがあってもなくても同じだったんです。シンジが抱える問題は、周囲の環境にあるのではなく、シンジ個人にあるということ。
 最後の二話では、このシンジのダメな心を前向きに転換することと、環境のベースであるエヴァ(母親)とゲンドウ(父親)からの脱却が描かれました。そして、「おめでとう(自立)」となります。
 旧劇場版では、この後ろに「シンジとアスカ」というラストシーンが追加されました。それについては旧劇場版のレビューの最後で書きます。

 『エヴァ』のストーリーは、シンジにフォーカスすればシンプルな起承転結です。「①自信→②成長→③挫折→④再起」という形。でもこれがちょっと分かりづらい。『エヴァ』の問題点を一つだけ挙げるなら、「謎が解かれない謎解きロボットもの」というツールのせいで、テーマである「シンジの成長譚」が分かりづらいこと、だと思います。
 ですが、シンジの成長の過程で出てくる「エヴァがあってもなくても同じ」というのは、テーマに対するツールの立ち位置と同じですよね。ツールが面白いかどうかは作品の評価に大きく影響しますが、ツールだけだと中身のない作品だと非難されてしまいます。つまり、テーマあってのツール。テーマが読み難いのなら、ツールは無視してしまえばいいのです。
 次項からは、ツールを無視したときの『エヴァ』を見ていきます。
{/netabare}

ストーリーの具体化:{netabare}
 繰り返しになりますが、『エヴァ』は一人の少年の「①自信→②成長→③挫折→④再起」の話に過ぎないですよね。ここまでストーリーのプロットを単純化してしまえば、そこらにある少年マンガと何ら変わりません。
 ツールを無視してもテーマは読めるはずですから、『エヴァ』を別の形に具体化してみたいと思います。ここでは、野球マンガを例にします。野球のルールあんまり分からないけど…。①から④の記号はプロットに対応したものです。

①居場所の確保(ヤシマ作戦まで)
 自分に自信のない14歳の少年が、父親の勧めで野球を始めました。「どうして野球してんだろ」状態でしたが、ファインプレーがチームを救い、野球の楽しさを実感し始めました。チームにもなじめるようになりました。
②成功体験(勝利の積み重ね)
 試合での活躍が続き、晴れてエースになれました。「将来は野球選手になろう」と思えるほどになりました。
③-1 挫折(トウジ)
 調子に乗っていたら、チームメイトに怪我をさせ、彼の選手生命を奪ってしまいました。野球を辞めたくなりました。

 で、このあとに「再起」を描くのが通常の少年マンガのプロットですよね。
○少年マンガ的展開
 落ち込んでいたけど、励まされて「チームメイトの分まで頑張ろう」と思えるようになりました。そして大会優勝。

 でも、エヴァはちょっとだけ違うんです。挫折が二段階になっています。トウジの後にはカヲルがあるんです。
③-2 挫折(カヲル)
 落ち込んでいたけど、励まされて「チームメイトの分まで頑張ろう」と思えるようになりました。その矢先に、親友兼ライバルに死球を与えてしまい、命を奪ってしまってしまいました。

 つまり、「自信→成長→挫折→再起」の「挫折」部分はもうちょっと細分化されていて、「挫折→再起→挫折」で構成されているってことです。起承転結の転の部分が、一つの波ではなく、トウジとカヲルという二つの波で構成されているのが『エヴァ』の特徴ですね。そして、その二つの波の内容は、どちらも大きな挫折で共通しています。

 で、ここが第25・26話と旧劇場版のスタートですよね。そして、こんな感じにストーリーが展開します。
④-1「野球で生きていこうと思ってたんだ」「でも僕はもう野球やっちゃダメだ」「もう生きていけない」
④-2「野球だけがあなたの人生じゃないのよ」

 この野球の話って、エヴァと同じことやってるのに分かりやすいですよね(たぶん)。テーマを描くためのツールが野球だったら、「エヴァは分からん」なんて文句は出ていなかったと思います。
 エヴァって何?、使徒って何?、人類補完計画って何?、というツール自体の分かりづらさが、テーマをも分かりづらくしてるだけなんです。ツールばかりを見てるとテーマが分からなくなってしまうという好例ですよね。
 つまり、「謎が解かれない謎解きロボットもの」←大体こいつのせいなんですよ。ツールが分からないせいで、テーマへの共感が不十分になってしまう。ツールが気にならない人にとっては「分からないけど面白い」のに、ツールが気になる人にとっては「分からないからつまらない」という結論になっているんだと思います。

 次は、シンジが直面した「二つの大きな挫折」について考えていきます。
{/netabare}

テーマの一般化(二つの大きな挫折):{netabare}
 「なぜシンジはあそこまでヘタレてしまったのか」を解明するために、「大きな挫折とは何か」「それを二回繰り返すことにどんな意味があるのか」を探っていきます。今度は具体化ではなく一般化です。

 普通は挫折って、成長させるために描きますよね。成長のための必要悪として挫折がある。成長譚には、挫折は不可欠な要素なんです。その点では、小さな挫折も大きな挫折も変わりませんよね。
 でも、両者には明確な違いがあります。大きな挫折には「否定」と「喪失感」が付きまとうのです。

 野球でもエヴァでも、大きな挫折が起こると、まず「ツールの否定」が行われますよね。「野球をやりたくない」とか「エヴァに乗りたくない」とか。そして、そこで留まらないときに「自己否定」が起きてしまう。「野球をやってる自分はダメだ」とか「エヴァに乗ってる自分はダメだ」とか。「自己否定」をしてしまうから、自分の「存在意義」を見失うことになってしまい、「自分には何もない」という「喪失感」が出てきてしまうんです。「ツールの否定」が、巡り巡って「自己の喪失」として跳ね返ってくる。
 「そのツールが無ければ」「自分がそのツールを選ばなければ」「こんな思いはしなかったはずだ」という心の動き、つまり、ツール否定に自己否定が混じることが、自己喪失をもたらすのです。ツールに対する思い入れが大きいほど、「喪失感」も大きくなりますよね。「失敗しちゃった」程度の小さな挫折では、こんな「否定」や「喪失感」は生まれません。

 また、小さな挫折を繰り返すことと、大きな挫折を繰り返すことも全く違いますよね。
 小さな挫折の繰り返しは、ボトムアップとして人の成長を描くんです。乗り越えられることが前提としてあるから、いろいろな小さな挫折を乗り越えさせることで、人としての全体的な成長を描くことができる。
 でも、大きな挫折の繰り返しは違いますよね。乗り越えられるかどうかという瀬戸際に追い込んだ上で、更なる挫折で「絶望感」を与えるんです。こういう作品てあまり多くはありませんが、その代表格って『clannad』だと思います。{netabare}トモヤは愛妻のナギサを失っちゃうよね。この挫折で「自己喪失」に陥る。ナギサの分まで頑張ろうってなるけど、今度は愛娘のウシオを失ってしまう。トモヤがナギサという{/netabare}大きな挫折を通して成長できたとしても、同じような挫折が繰り返されると、更なる成長を考える前に「絶望感」を感じてしまうんです。主人公も、視聴者も。

 シンジが感じた挫折というのは、単なる「失敗しちゃった」程度のものではありませんよね。自分に存在意義を見出せない少年が、エヴァという存在意義を得た矢先に、そのせいで友人を失ってしまう。そんな大きな挫折なんです。このときの「エヴァの否定」と「自己否定」が、シンジに「喪失感」を与えてしまったのです。
 そして、その「喪失感」が、二度繰り返される「絶望感」なんです。「謎が解かれない謎解きロボットもの」のせいで読み難いけど、野球マンガや恋愛ものに具体化し、心情を一般化してしまえば、簡単に共感できると思います。

 次が(前編)の最後です。「シンジはヘタレなのか?」です。
{/netabare}

シンジはヘタレ?:{netabare}
 よく、シンジに対して「ヘタレ過ぎ」「ウザ過ぎ」という意見がありますけど、本当にそうでしょうか? 私にはすごく妥当な反応に思えるんですよ。ヘタレ「過ぎ」ではなく、「妥当な」ヘタレに見える。

 もし、14歳の私が将来の夢にしようと思えるほどに野球に打ち込んでいたとしても、チームメイトの選手生命を奪って、親友兼ライバルの命まで奪ってしまって、「それでも私は気にせず野球を続けよう!」なんて前向きに思えるのかなぁ、なんて考えてしまうんです。そんな友達に、「野球続けなよ!君には野球しかないよ!」なんて言えるかなぁ、と。
 きっと、私はヘタレてしまうし、励ます言葉もスラスラ出てこない。

 シンジがカヲルを殺すときに、なぜ葛藤しているのかを読めない人はいないと思います。カヲルが「使徒」というツールをまとっていても、「人類のために親友を殺せるか」という簡単なテーマだから読める。トウジのエピソードだって、単体で見たらシンジの心情は分かりますよね。テーマが読めてるときにはツールは邪魔にならないんです。

 シンジを否定的に見ている人がどれほどいるかは分かりませんが、シンジへの共感が不足しがちになってしまうのは、『エヴァ』がややこしいからなんです。全体を俯瞰しようにも26話もあってまとめ難いし、起承転結の転の部分が二段階構造になってるし、その中身は同じ大きな挫折が二回なんていう珍しいものになってる。
 それに加えて、ツールが「謎が解かれない謎解きロボットもの」だから、テーマへの理解を助けてくれない。挙句にこのツール自体が圧倒的に面白いから、テーマを忘れてのめり込んでしまう。
 結果としてシンジのヘタレている理由が未整理になってしまい、「なんだかよく分からないけど、ウザいから叩いとけ」となっているんだと思います。シンジの心情を読むのなら、まずは「謎が解かれない謎解きロボットもの」を無視した方がいいんです。テーマを読む時にツールが助けにならないのなら、ツールは無視した方が良いってことです。

 でも、万が一、心情を分かったうえで叩いているのなら、私にとってはちょっと恐ろしい。14歳の少年が、友人の選手生命を奪い、命まで奪い、その上で葛藤することを許さずに「さっさと野球しろよ」と言っているわけですよね。「俺なら野球続けるぜ」と。二度も愛する人を亡くした人に「さっさと次を見つけろよ」「俺なら次を見つけるぜ」と。これは私の理解の範疇を越えています。それゆえ恐ろしさを感じてしまう。
 そんな鋼の心を持った人なんていないと思いま…いるのかな? まさか私がヘタレ…?
{/netabare}

 というわけで、シンジはヘタレてるけどしょうがないよ編でした。
 続きは、旧劇場版のレビューになります。「三度目の挫折」「エンディング(シンジの救済)」「エンディング(シンジとアスカ)」の三本立てでお送りします。
 こんな長文に付き合わせた上でお願いするのも恐縮ですが、「三度目の挫折」だけはここの続きになっているので、できればそこまで読んでいただけると嬉しいです。エンディングは書かないとマズイかな、と思って書いただけなんで、実質おまけだから読まなくて大丈夫です。
 リンクは貼らないので、直接探しに行くか、私のレビュー歴からお願いしますね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

ただの総集編は酷過ぎる……そしてオナニーキモ過ぎ……

開幕早々 1時間40分の内、最後の30分以外はただの総集編
いやー手抜き過ぎません?

てかTV版で「惣流・アスカ・ラングレーです。→アンタ馬鹿?→チャーンス!」を
10回くらいイントネーションを少し変えて連読するシーンがあって
CV:宮村優子の演じ分けの下手さに聞いてて不愉快だった場面を
また総集編で続けざまに見せられることで不快感が臨界点突破!!!!
いやーキツ過ぎるんだぜい……


それに加え…

これを観る前の皆に 言っておくッ! おれは今 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 Death and Rebirthを 視聴した

あ…ありのまま 今 起こった事を話すんだぜい!

「シンジがアスカ起きてよーとか言いながら チラ見した乳首でシコシコし始め ハァハァと喘ぎ声を出しながら精液を射精した」

な… 何を言っているのか わからねーと思うが 

オレも 何でオナニーシーンを観せられているのか わからなかった…

気持ち悪くて吐き気を催した… ロボットだとか人造人間だとか

そんなチャチなもんじゃあ 断じてないんだにゃー…

3分の2がただの総集編に 常人が考えたとは決して思えねえオナニーシーンを制作したスタッフ一同には 驚愕を通り越して信仰すら覚えたぜよ…

終始開いた口が塞がらなかったんだぜい…


【導き出される結論は…】
観る価値のないゴミ
でも魂のルフラン【曲】だけは良かったぜよ


2021.08.22
PS.旧エヴァのTVと旧エヴァの映画を制覇した段階の感想

裸の王様だなという印象
エヴァンゲリオンというタイトル自体が神格化され過ぎていて
「これを名作と感じない奴等は見る目がない!考察ができない似非オタクだ」的になっている
だから周りの人達も正直、『つまらない』『意味不明』と思っているのにも関わらず
『素晴らしい』『名作』と同調しているに過ぎない
特に日本人は独りになることを恐れ、周りに合わせることしかできない弱い人種
正直に言って美徳とは言わない、ただの臆病

時にはこうも言える
ポロックの絵と同じで評価している人達も深層心理では内容を特段良いと思っておらず
ただ複雑な中二的要素や設定を理解している私・俺・僕ってスゲーって自分自身に酔っているだけ
真実はただの絵の具の落書きに過ぎないのに、馬鹿みたいに自称評論家が馬鹿にみたいな金額を付ける
それと同じ

一歩引いて、周りの目を一切気にせず自分自身と向き合えば、おのずと見方は変わるだろう

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

弦楽四重奏 JOHANN PACHELBEL Kanon/D-Dur

TV版のおさらい用の総集編です。
これ単体で観てもある程度把握は出来るけど、同じ場面でも語り手が変わっている箇所があるので、一度TV版を観てからの方をお勧めします。

碇シンジが渚カヲル=最後の使徒を殺す18か月前。
その日、シンジは長野県第2新東京市の中学校の講堂でチェロの調弦をしていた。弦楽四重奏の音合わせをやるためである。やがて他のメンバーが次々と顔を出す。
勝気な第2ヴァイオリンの少女、無口なヴィオラの少女、浮世離れな第1ヴァイオリンの少年―――
彼らはパッハベルの『カノン』を奏で出す。
シンジが迎えるであろう、苦悩に満ちた戦いの記録を曲に乗せて。

弦楽器の奏でる音楽と回想の内容にギャップがあり、不思議な感覚に陥ります。
普通の総集編と違い、単体でもとてもいい作品だと思います。


ここからは『エヴァQ』視聴後に再度視聴して気になった点を羅列していきます。
{netabare} カヲルとの対峙の「その18ヶ月前」、シンジは長野の中学校でチェロの練習を初めた。合奏するメンバーを待つためだ。他の3人は次々とやってきて、そろった所で合奏を開始する。

昔に観た時には気付かなかったが、下記の点が気になる。
1. 入ってきたメンバーはレイ、アスカ、カヲルなのか?
2. 何故この3人が18ヶ月も前に、シンジの故郷の学校で合奏をしているのか。

これは、上映当時の考察ではシト新生公開の1997年3月から18ヶ月前がテレビ版が放映開始した1995年10月にあたるという物で、「イメージ的なシーンと解釈すべき」と明言されている。

しかし、『Q』が公開された今、話は変わってくるんじゃないだろうか?

もしこの仲睦まじく楽器を演奏する4人がチルドレンなら、これ以上無いハッピーエンドの描写になるんじゃないだろうか?
「旧劇場版」との繋がりとは『シト新生』も含まれるのではないだろうか?

『新劇場版』ではシンジがチェロを弾く描写は無いため…繫がりとしては薄いですが、一つの考察として記します。{/netabare}
(11/20追記)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

69.8 6 1998年度アニメランキング6位
劇場版 新機動戦記ガンダムW[ウィング] ENDLESS WALTZ 特別編(アニメ映画)

1998年8月1日
★★★★☆ 3.8 (145)
1108人が棚に入れました
かつての戦いから1年。全ての武力を放棄して平和への道を進む世界に対し、トレーズ・クシュリナーダの実子を名乗る少女マリーメイアを頂く謎の軍が宣戦布告した。放棄された筈のMSリーオー他旧式戦力に新型MSサーペントを加えての武力侵攻と、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンの拉致というマリーメイア軍の暴挙に対抗すべくヒイロ・ユイとデュオ・マックスウェルは行動を開始する。しかしその前に立ちはだかったのはマリーメイアの軍門に下ったトロワ・バートン、そしてガンダムパイロットの中でただ1人ガンダムを手放していなかった張 五飛だった。一方特務機関プリベンターを組織して、亡きトレーズの意思を継ぎ地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンはルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図るが、対応に追われていたレディ・アンの前に「火消しの風・ウインド」を名乗るゼクス・マーキスが現れ、プリベンターとして活動する権限と封印されたトールギスIIIを貸し与える様に願い出た。そして廃棄される筈だった4機のガンダムは、カトル・ラバーバ・ウィナーの手によって再び地球圏へと舞い戻る。

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

特別編と通常版どちらを見るべきかについては、断然、特別編

ガンダムWの劇場版。OVA作品Endless Waltzの再編集版となっています。
劇場版ガンダムには再編集版というパターンが多いですが、本作は元が全3話のOVAで本作が90分の作品になっているため、再編集である特別版のほうが長く、通常版をそのまま繋いで新作カットを追加したものになっています。
そのため、重要なシーンのカット、ナレーションでごまかす、そもそも完結していないなどはなく、過去の劇場版ガンダムを比較し満足度の高い作品になっています。
もちろんガンダムW本編を前提知識として見ている必要はありますが、本作できれいに完結となっています。

ストーリー、感想は通常版と同じなので、そちらを参照で。

特別編と通常版どちらを見るべきかについては、断然、特別編です。
特別版には戦闘シーンを中心に新作カットの追加や主題歌の変更、つなぎの修正などが行われていますが、それ以上に通常版には登場しないドロシー・カタロニアのシーンが追加されています。
戦闘シーンの新作カットなどは正直、見比べないとわからないくらいなのですが、特別版で追加されたドロシー・カタロニアが民衆を鼓舞するシーンと、「私の知っている男は、墓の下か、あそこにしかいないわ!」というセリフはガンダムWを象徴する場面の一つと思っているので、通常版だと、個人的にはちゃんと見たことにならないレベルと思います。

ドロシーのシーンはなくても話は通じるので、ドロシーの眉毛がむかつくという方については通常版であってもストーリー的に問題はないのですが、そうでない限りは、特別版をおすすめします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

E4GLS さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

平和とは何か、簡潔明瞭にまとめられている

本作はOVA版に新作カットが加えられ、挿入歌が変更になったものです。内容はほとんど変わりませんが、個人的にはこちらがお勧めです。以下、内容です。

ガンダムW本編から1年後、地球で起こった騒乱を描いた物語です。

ガンダムWの完結編として質の高い作品だと思います。
若きガンダムのパイロットやゼクス・マーキスが戦後の騒乱で何を想い戦うのか納得できる形で描かれていました。

ガンダムW本編は突っ込みどころが多い作品でしたが、本作においてはそのようなこともなく短時間でうまくまとめられているのが非常に好印象でした。

作画と音楽も作品の盛り上げに貢献しています。Wガンダムゼロのデザインが本編と大きく異なるのは賛否ありそうですが、個人的には本編から続くガンダムの切ない役割を象徴するデザインとして肯定的に捉えています。

戦争、平和、革命の終わらないワルツが続くというマリーメイアにヒイロ達が何を提示するのか。本編を視聴された方には是非こちらも観てみて欲しいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「俺達は後何人殺せばいい?」

TV版続編


~感想~
OVAのリメイク・追加シーンという事で
劇場版の方を視聴することにしました
TV版の続きということだけでも魅力的ですが
ガンダムシリーズの中では珍しく戦後を描いている作品

本作は兵士の思いを代弁していました
世界が平和になれば戦場でしか生きられないこと
戦っていけない自分達の居場所が無くなること
そのことへの強者としての自分が失われることへの不安
しかし命を奪い続けねばならないことへの苦しみと
終わらない戦いからの解放を望む葛藤がありました
兵士は本当に戦場以外では生きていけないのか?
その答えは本作できちんと描かれていました

気になったことと言えば
主人公達の機体のデザインが一新されてたことです
TVで戦争が終わりそれから機体を…ってことになりますよね?
本編で戦争が終わったのにそんなことしていたんだね
なんて思ったりしました
とは言え機体はよくなっていたと思います

最後に機体を破壊してしまうシーンには寂しさを感じました

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

69.8 6 1998年度アニメランキング6位
クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(アニメ映画)

1998年4月18日
★★★★☆ 3.8 (167)
964人が棚に入れました
悪の組織"ブタのヒヅメ"が、新たなコンピューター・ウィルスを作り出した。それを知った正義の組織"SML"の女スパイは"ブタのヒズメ"からパスワードが入ったトランクを盗み出し、お台場へと逃げる。ちょうどその頃、屋形船では、ふたば幼稚園の先生と園児たちが、宴会を繰り広げていた。そこに女スパイが逃げ込んできて…。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第6作。
1998年公開。


【前置き】

原恵一さん、脚本&監督作品の第2弾。

本作のタイトルでピンとくる方も多いかもしれませんが、この第6作目は、しんちゃんが描いた空想上のキャラクター

『ぶりぶりざえもん』

が主軸となった映画です。
そのシナリオもさることながら、シリアスな銃撃戦や迫真のアクションシーンも展開し、本作を劇場版一と押す方も多いとか、そうでないとか。

私は当時、友人と映画館へ見に行きましたが、そのまま3回も続けて見てしまった程でした。
(昔の映画館は、席指定もないし一度入れば何度でも見れたんですよね………。
 じゃなかったっけ……(・_・;))

久しぶりに見返すと、少~~し涙がちょちょ切れちゃいました。



【あらすじ】

『ブタのヒヅメ』と呼ばれる悪の秘密結社と、正義の組織『SML』との戦いがメインとして描かれます。

ブタのヒヅメが開発する電子生命体の奪取に成功した、SMLのメンバーの「お色気」(←コードネーム)が、

しんちゃん達ふたば幼稚園の皆が乗っていた屋形船に偶然に乗り込んだことから、しんちゃん達『かすかべ防衛隊』は、その戦いに巻き込まれていくのです。



【論じてみる】
{netabare}
まず、「かすかべ防衛隊」(風間君、ネネちゃん、マサオ君、ボーちゃん)が、メインストーリーに終始関わる作品は、本作が初めてですね。
この頃にもなると、本編で「人形を殴るネネちゃん」「実は知的なボーちゃん」等の個々キャラが完全に確立されていたので、映画でも見ていて楽しかったです。

それに途中、5人が荒野で野宿するシーンがあるのですが、しんちゃんの存在が図らずも皆に勇気を与える演出も生まれました。

「いやぁ~、それほどでも~。」

という、しんちゃんのいつもの台詞。
いつもは、「褒めてない!!」と返されるお約束のパターンですが、その時だけは風間君が静かに

「褒めてやるよ…。」

と言うシーンが、とても印象的でした。

最後の状況でも、皆がしんちゃんを必死に敵から守ろうとしたり、今作は家族愛に加えて「友情」も色濃く描かれていましたね。
これは、後の名作「カスカベボーイズ」の片鱗を見たような気がしました。



しかし、おなじみの魅力溢れるオリジナルキャラは、今作でも負けてはいません。

SML(←正義の、味方、ラブ、の略称www)のメンバー、コードネーム「筋肉」と、コードネーム「お色気」のバツイチお姉さん。

特に「お色気」お姉さんの、細身ながらの豪快なアクションシーンはメチャクチャに格好良かったですね。
夫婦喧嘩で鍛えたと自称するその強さもさることながら、しんちゃん達と同じぐらいの年の息子がいることもあり、子供達への優しさも人一倍なのも魅力です。

だからこそ余計に、彼女が暴力をふるわれ鼻血を垂らす中盤のシーンは、見るに耐えなかったですね。
作中最強の敵「ママ」に関しては、悪者ながらどこか憎めない敵キャラという、シリーズの定番を少々覆しかねない程でした。
その分、最後の勝利が気持ち良いのですけど。


「筋肉」さんも、声が玄田哲章さん(アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替え役でも有名ですね)なので、このテロ組織に立ち向かうゴリマッチョなキャラクターが非常に合っています。
渋いだけでなくどこか抜けていて、ボケ担当もしっかりこなしてくれますしね。

特に笑ったのは、「お色気」お姉さんと巻き込まれたしんちゃん達を助ける為、みさえとひろしに身なりが分かる写真提供を求めて現れる冒頭のシーン。
頑なに同行を断る「筋肉」さんは、みさえの策にハマり、
『一週間のお便秘もたちまち治る便秘薬を10倍』
飲まされ、同行を賭けた壮絶なトイレ争奪戦へと誘われるのです。

ここのシーンは、第5作でも好評だった濃い絵のタッチが再度採用され、これまた見応えが抜群です。

「馬鹿めっ! 正義の味方がクソなぞ漏らすか~~~っ!!!!」

アーノルド・シュワルツェネッガーが言っているように想像してしまうと、余計に面白かったですね。
{/netabare}



【救いのヒーロー、ぶりぶりざえもん】
{netabare}
ただ、そんな魅力的なオリジナルキャラクターも、後半から登場する『ぶりぶりざえもん』に、全て食われてしまった感はありますね。
こればかりは、ハッキリ言って相手が悪いです。

元々はしんちゃんが創りあげた空想上のキャラクターですが、その絵を偶然見て閃いた博士が電子生命体として作り上げたのが、本作に登場するぶりぶりざえもんです。

故にこのぶりぶりざえもんは、しんちゃんのことなぞ知らずブタのヒヅメの教育により、世界に恐怖を振りまく存在と自分を認識しているのです。

ただ、あの性格はそのままなので、その下品さはしんちゃんと同率1位。


『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』


などは、しんちゃんすら超えた下品極まりない発言だとさえ感じましたね。

「死ぬまでに、一度で良いから言ってみたい台詞」リストに、私はコレを入れています。



終盤、ぶりぶりざえもんを宇宙衛生に侵入させ、核ミサイルを発射させようと企むブタのヒヅメのリーダーの策略に、しんちゃんはこう言います。

「違うよ ぶりぶりざえもん。

 オマエはオラの友達で、救いのヒーローなんだよ。」

その言葉に、ぶりぶりざえもんは初めて他者に心を動かされ、しんちゃんが作った「ぶりぶりざえもんの冒険」という本の内容に、耳を貸すのでした。

その内容は、「人に感謝されることの大切さと喜び」を学び、彼が救いのヒーローへと変貌していく様が描かれたもので、彼にとって…今の自分とは真逆の人物像でした。


最後に、博士がワクチンソフトを使ったことで消え去るぶりぶりざえもんが、こう言います。

「しんのすけ、ホントは私のチ○チ○の方が大きかったよな!」

必至に否定するしんちゃんに対し、

「バカっ!! こういう時は嘘でも「うん」と言うものだ。

 …………じゃあな。」

キラキラと輝きながら身体が徐々に消えていく、ぶりぶりざえもん。
消え去る間際まで繰り広げられた、しんちゃんとの下品ながらも「彼ららしい」やりとり…。

BGMと演出も感動的で、ここは劇場版シリーズ内でも個人的にベスト5に入る涙腺崩壊シーンでした。
一瞬だけ、しんちゃんの頬を伝う雫の演出もたまりません。


そんなぶりぶりざえもんはクライマックスにもう一度、今度は救いのヒーローとして参上し皆を救い、爆炎の中に姿を消すのでした。
それを認知出来たのは、しんちゃんただ一人……。

カッコ良過ぎるでしょ、コレは……。。。。
{/netabare}



【総評】

シナリオにも大きな破綻は無く、スケールの大きなアクションと感動が込められた快作となっております。
主題歌を担当したSHAZNAの曲も格好良くて印象強いですしね。(これまた、実際に出演もされてます。)

ただ冒頭で、スパイとして敵陣に入り抜け出す「お色気」お姉さんのシーンや、
攫われたしんちゃんの安否を心配するみさえが、自暴自棄に泣きじゃくるシーンなど、
およそクレヨンしんちゃんらしくない演出も多々。

目を覆いたくなる暴力シーンがあったり、作中で登場する銃器も全て実在のもので出方や装弾数まで細かく考証されている点などを考えても、「100%子供向けを意識して作った」とは、とても言えない内容でしょうね。(苦笑)


それでも本作が、世代関係無く楽しめる作品になったことは間違い無いと思っています。
何より、本編の中でも圧倒的人気を誇る『ぶりぶりざえもん』をメインとした劇場版が、本作なのですから。

休日の夜長に、お気が向きましたら是非。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


次回作は、第7作「爆発!温泉わくわく大決戦」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ぶりぶりざえもん』声 - 塩沢兼人さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『お色気』声 - 三石琴乃さん



ここから、「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、『故 塩沢兼人さん』について語ります。
本筋とは少しズレますので、興味の無い方はスルーして下さい。
{netabare}

さて、この「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、塩沢兼人さん。
「ガンダムシリーズ」を始めとして、以降も多数の個性派キャラクターを演じ、洋画の吹き替えでも活躍。

当時から実力も知名度も抜群の方でしたが、46歳という若さで転落事故により他界されました。


私は、この「ぶりぶりざえもん」というキャラクターは、この方が演じたからこそ、これほど人気のあるキャラクターになったと断言出来ます。

二枚目で気品溢れる声から、殴られて情けない声の高低差。
その声の臨場感は、他の声優さんの中でも群を抜いていました。

当時の私は、そのキャラクターにばかり目が行き声優さんの存在なぞ考えもしませんでしたが、一緒に本作を見ていた父親がこの声を絶賛していたのは、今も鮮明に憶えています。


業界内部でもこの方の存在感は圧倒的だったようで、事実この方が演じられたキャラクターは、原作者や制作スタッフの意向により以降そのキャラクターを再登場させなかったり、登場しても喋らせない作品も出た程です。

実際に、この「ぶりぶりざえもん」も以降、登場しても喋らないキャラクターとなりました。

「このキャラクターの声は、塩沢兼人さんでしか絶対に成立しない!」

というのが、原作者やスタッフの総意だったからだそうですね。

作中でも群を抜いた人気キャラクターが声を発しないというのは、作品に多大なダメージを与えることは必至。
当時スペシャル版では、きまって「ぶりぶりざえもん」が登場して、その渋さと寝返りと情けなさで、一番の笑いを掻っ攫っていましたから。

それでも、彼の後でこの「ぶりぶりざえもん」を演じられる方なんて、誰も存在しないのですから仕方ないのでしょう…。

今も公式のファンクラブが存在して、実際に今でも掲示板でやりとりがされています。
第2作の紗ゆりさんの時にも述べましたが、声優さんが亡くなられても、演じられたキャラクターはファンの中で一生生き続けるということが、見ていて伝わりました。


ただの1ファンの私ですが、それでも…なんか文章を作っていて少し涙が出てきました……。

塩沢さんが演じられたキャラクター「ぶりぶりざえもん」が、今でも私はクレヨンしんちゃんの中で一番好きです。

感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

★ほのぽん★ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

笑いあり感動あり、バランスが取れていてよかった!

しんのすけが生死不明の報を受けたひろしとみさえ。

二人の悲しむ様子から

普段はしんのすけの奇行に手を焼いていても、

二人がしんのすけをいかに大事に思っているかが

よく分かり開始すぐに涙腺が緩くなりました。

「オトナ帝国」ではひろしが主人公かと思わすような

活躍ぶりでしたが、

今作ではひろしではなくみさえの格好良さが

際立っていました。

普段はしんのすけと一緒におバカをしているみさえが

しんのすけを追って海外まで追いかける行動力や発言は

惚れ惚れとします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クレしん映画の中で1番観たかも

シークレットシューズのくだりや、銃撃をコサックダンスで避けるしんちゃん。笑いどころいっぱいです。
その中でも下剤を盛られ→トイレまでの攻防戦はめっちゃ笑いました。なんだよ、その劇画タッチ!迫力がwww

観たのは遥か前だけど、ラストシーンは今でも覚えています。
まさかあんなふざけたヤツにほろりとさせられるとは。
それにしても、ぶりぶりざえもんの声優さんがデビモンと一緒なのは後で知って衝撃でした。声優って凄い…。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

69.4 8 1998年度アニメランキング8位
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.9 (83)
917人が棚に入れました
一部の若者層に圧倒的な支持を得た話題のTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。97年春に公開されたその劇場版「シト新生」に続く劇場版の完結編。 アスカが乗った弐号機と量産型エヴァとの戦い、人類補完計画の行方、 そして、シンジの心の旅路の終着地点はいったいどこなのだろうか。全てのファンが待ち望んだ物語の結末が、ついに明かされる。

声優・キャラクター
緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子、石田彰、山口由里子、立木文彦、清川元夢、山寺宏一、関智一、岩永哲哉、優希比呂、長沢美樹、子安武人
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

25話26話=まごころを、君に=シンエヴァでしょう。

 意味不明と言われていたエヴァンゲリオンTVシリーズの25話、26話のやり直しのAIRと26話で出た予告編「まごころを、君に」の実現ですね。DEATH2は総集編ですので省きます。

 綾波、アスカ、ミサトがどういう存在だったかを説明するのが目的だった気がします。途中で5人の女性に感謝とクレジットがあります。現実の女性のことなのか、作中の女性なのか。この3人にリツコを加えて、後1人は誰でしょう?母=エヴァ?マヤ?

 以下勝手に私が女性たちについての意味を解釈しました。

{netabare} 綾波は簡単に言うと虚構の恋人=アニオタの嫁としての萌えキャラです。巨大化した綾波に女性器のメタファの割れ目ができるのが露骨ですし、作られた存在=クローンでした。性格も記憶も作られていましたし。同時に母でもあるところが結構いじわるです。
 世界が綾波によってのみ込まれる=内面が萌えキャラの妄想に浸食されるということでしょう。

 アスカは現実の女性です。だから当たりはきついです。首を絞めたくなるほどです。それにせっかく相手から心を通わせようと近づいてきても、性的な目でしか見れないです。自分の邪な心をしっているので距離感がつかめません。余裕もありません。
 だから、冒頭でオカズにしてしまいます。最後、首を絞める=犯すのメタファだと思いますが未遂に終わって泣いてしまいます。そこで「気持ち悪い」ですから、救われません。
(それとも本当に殺したかった?現実の女性など死んでしまえと?そっちでも取れますね。ただ、キモオタシンジが勝てるわけもなく…)

 ミサトはセックスを知っている大人の女性です。普段はバリバリ仕事をこなし、少年の憧れで指導者ですが、性に溺れている姿など見せません。女性の性的な現実を知って少年は落ち込むでしょう。

 この3人の女性は少年から見た性の対象の3形態です。虚構の恋人である綾波レイは消えてなくなります。そして本来男女の関係としての接点など持ちようがないミサトも死んでしまいます。この中で恋愛対象とすべきはアスカだったわけですが、結局シンジはエヴァにすら乗れずアスカを見殺しにしてしまいます。

 最後の実写パート。そして、キモオタたちが映画を見ている姿、エヴァの登場人物のコスプレをした少女を見せつけられます。そろそろ現実に戻りましょうかという意味でしょう。{/netabare}

 リツコは父の愛人ですから、彼女もある意味女性の性の形ですね。ですが、少年の性愛の対象とは対極にいます。
 カヲル君ですが、エア友達でいいんでしょうか。または良心?
 量産型エヴァが綾波に変わりますよね。そしてそこに性的なメタファとして槍がささるわけです。これは2次創作?グロテスクなのは歪んだ性欲を表していた?

 で、感想ですが、非常に面白いです。TVの2526話が比較にならないのはもちろんですが、ストーリーがある分シンエヴァよりも格段に面白いです。アニメ絵としては最高のクオリティで、ストーリーも構図も演出もセリフもテンポも最高でした。

 内容はシンエヴァとほぼ同じですね。かつ、試しに25話26話も見ましたが、これも同じですね。後になるほどどんどんわかりやすくなっています。
 なお、シンエヴァではアスカの立ち位置が微妙に変わっていますね。アスカも萌えサイドに移っていました。だから、アスカは苗字が変わってマリが必要だったのでしょう。あとは現実の女性の象徴は北上というギャル隊員がいましたね。
 
 面白かったですが、また最後のところが寸劇になってしまいました。現実へと視聴者を誘導する手法が思いつかなかったんでしょう。ですが、TV版よりはるかにストーリーになっていたし、理解しやすかったでです。
「まごころを、君に」の読点ですが、「君に」を強調したかったのでしょう。つまり見ている我々にメタ的に言いたい事がある、という言いではないでしょうか。

 
 結局25年もかかって、現実に戻れを繰り返し言っていたわけです。で、SSSSグリッドマンの最後を見てみると感慨深いものがあるかもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

人と人の繋がりこそが「人間らしさ」を決める。

「平成」が終わって、「令和」になりましたが、「平成」を物語る上ではこれ以上のアニメはないと思うくらい平成の総括的なアニメ映画だと思います。

これはアニメ業界にとってもはや「事件」と言える内容だとも言えます。

その前にも富野喜幸の劇場版「伝説巨人イデオン」の接触篇発動篇や、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」などの「事件」はありますが、ここまで「時代」とシンクロし、当時から今の時代に続く(「進撃の巨人」や「デスノート」などの)社会不安をそのまま映画化できたのは奇跡だと言えるでしょう。

アニメーション表現の限界だとも言える本作は、日本にしかできない独特のエロティシズムや倫理観や人間観が最大の特徴でしょう。

未だに、「日本映画」として凄いことを庵野監督は行ったと思います。

新海誠さんや、細田守さんや湯浅政明さんなども凄いアニメ映画監督だとは思いますが、衝撃的でセンシティブな表現ではないんですよね。

先の監督にはどこか「安全圏」から映画を作っているのです。

しかし、庵野監督や宮崎駿監督にはそれ以上の「本気さ」が見えるのです。
まるで観客とガチンコで喧嘩をしているような真剣さがあるような気がします。

未だにこれを越える衝撃的なアニメ映画には出合っていません。無論、こういったものを作ろうとする映画監督にも会ったことありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

ソース さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

総集編としては...

DEATH(TRUE)2を視聴
エヴァが好きなので評価的には高めになってるけどテレビシ
リーズを見てるから楽しめたのであって、総集編としては...時系列もバラバラだしファンサービスだなこれは

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

69.3 9 1998年度アニメランキング9位
名探偵コナン 14番目の標的[ターゲット](アニメ映画)

1998年4月18日
★★★★☆ 3.7 (280)
1892人が棚に入れました
目暮警部がボウガンの矢で撃たれる事件が起こった。蘭の母・妃英理、阿笠博士も相次いで命を狙われる。その犯行現場には、なぜかトランプが残されていた。このトランプの意味するものは一体!?コナンは持ち前の推理力で被害者の名前とトランプのある関係に気付く。
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

平均的面白さ

劇場版名探偵コナン二作目の本作は前作に比較してよりスリリングな展開が楽しめる。
また、蘭の記憶の底に眠る毛利小五郎と妃英里の過去に纏わる話の伏線も上手く張り、後半の回収も良かった。


以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
湖のほとりで、母の妃英理を見つける毛利蘭。思わず駆け寄ろうとする蘭だが、英理は大声で蘭を止める。どこからともなく銃声が聞こえたかと思うと、英理が地面に倒れこんでしまう。そんな夢の中から焦るように抜け出した蘭は不安になり、英理に電話をかける。それを笑う英理だが、蘭が「夢で見た母は今より少し若く見えた」ということを伝えると、なぜか英理は表情を曇らせる。

一方、江戸川コナンは少年探偵団と共に航空博物館に向かうことになり、阿笠博士を待つ間、歩美は占いのゲーム機でコナンとの恋を占うが、表示された結果は「Aの予感」。古い隠語で"A"はキスを意味する。

1週間後、公園をジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される事件が起こった。現場には西洋の短剣らしきものが残されていた。その後、今度は英理がチョコレートを食べた途端に苦しみだし倒れるが、すぐに胃の洗浄をしたため命に別状はなかった。そして今度は事務所の郵便受けに紙製の花が入っていた。阿笠博士の家で、今回の事件について考えるコナンだが、突然、玄関のガラスが割れ、外を見に行った阿笠博士はバイクに乗った何者かにボウガンで狙撃される。コナンは犯人を追うが寸前のところで逃げられてしまい、現場からは剣のようなものが発見された。

コナンは、数々の遺留品がトランプの絵札に関連していること、その犯行がコナンや小五郎に関連した人物を狙ってることを突き止める。一方で目暮警部も、犯人は仮出所したばかりの村上丈であることを突き止めていた。帰りの車中、コナンと蘭は白鳥刑事から、村上丈を取り調べた際にトラブルが起きて、小五郎が英理を拳銃で打ったという事実を語られる。

目暮警部は、「十」のつく辻弘樹に事件のことを知らせ忠告するが、辻はヘリコプターのフライトをやめようとしない。小五郎と目暮警部も同乗することを条件にフライトに許可を出し、コナンも潜入に成功する。その後、米花町上空を飛行中に、辻が目の不調を訴え墜落の危機を迎えるが、コナンの助けを借りて不時着を決行し惨事を免れた。

次に狙われるのは「八」のつく人物ということで、沢木公平を尋ねたコナン一行。沢木はこれから海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行くのだと語り、コナンたちはそこで「九」のつく旭勝義の名前を目にする。そして、コナンたちも「アクアクリスタル」に向かうことになり、そこで同じく招待されていた、小山内奈々、仁科稔、宍戸永明、ピーター・フォードと会することになる。しかし、彼らもまた名前に数字を持っていたのであった。
{/netabare}

本作は登場人物の名前になぞらえて、次々と襲撃事件が起こる。他作とはまた違った緊張感があり、また、小五郎と絵里の過去についての話もあり、中々良い出来だった。

{netabare}
残念なのは、いよいよクライマックスというところでの、
犯人の無理やりな殺人計画。いままでの綿密な1人1人殺していくような殺人に比べて、残りを一挙に始末してしまうような投げやり感があった。また動機が不純で、1人殺す為に何人殺すつもりなのかとも思った。
{/netabare}
主題歌も割と好みで、何度も見返せる作品だと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

毛利小五郎の不器用な愛情を知れた

劇場版コナン第2弾。
もう何度目の鑑賞になるでしょうか。

第1弾も犯人のイカレっぷりを評価しましたが
こちら第2弾の犯人も相当なイカレ加減がいい感じ◎

今回は蘭と新一ではなく
毛利小五郎×妃英理の夫婦愛が描かれていて、
個人的には最も好きなカップリングです!

{netabare}
過去に妃英理が犯人に人質にされた際
銃の扱いがずば抜けていた刑事時代の毛利小五郎が
妃英理の足に銃弾をかすめて怪我をさせ
その後犯人を確保したという回想シーン。

それを知った戸惑う蘭に言った新一の
事実と真相は違うかもしれないという言葉が印象的。

実際この話の真相は、
撃った事は事実だけど足を怪我した人質は
犯人にとって逃亡の邪魔になるため連れていかれない
という考えからとった毛利小五郎の行動だった。

その結果、
足は怪我したものの連れていかれ殺される
という最悪な未来から妃英理を守ったんですね。

泣けるじゃないか小五郎のおっちゃんよ〜(>︿<。)


今回の事件では蘭が人質にとられ
過去の妃英理と同じ立場を経験することに。
そして過去の毛利小五郎の立場をコナン君が。

今回コナンくんは新一時代にヘリの模擬操縦した事や
ハワイで拳銃の練習してたのがかなり役立ちましまねw
{/netabare}

それにしても犯人の犯行が酷すぎて
犯人としてはいい意味で最低最悪の人間でした。

{netabare}
ワインのソムリエなのに味覚障害になってしまい
その原因となった人達を殺す計画を立て、
名前に数字が入ってる人たちをトランプの1~13に
当てはめて殺していくところまでは分かる。

だけど1~13に当てはめるためだけに恨みとは関係ない
目暮十三〚13〛、白鳥任三郎〚3〛、阿笠博士〚11〛、
工藤新一〚1〛、妃英理〚12〛、と多数の人物までもが
殺人リストに入れられ殺されかけた。

いい感じに胸糞悪いイカれた犯行でしたね本当、、
{/netabare}


エンドロールが終わった後の話も素敵で、
{netabare}蘭とお母さん(妃英理)との会話で
小五郎が足を撃った理由を本人は知っていたし
家を出ていった理由も明かされてました。

その怪我した体で必死に作った料理を小五郎が
「こんなもの作る暇があるなら寝てろ!」
と言ったことが原因だそうなwww

安静にしていて欲しいという
小五郎の不器用な愛は伝わらず、、
{/netabare}

妙に噛み合わないお似合いの夫婦がとても好き(*´ ˘ `*)
素敵な夫婦愛に触れることができました。

少年探偵団もほんのちょっとだけでも
活躍の場が与えられていて嬉しかったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

オレンジジュースの粋なアシスト

シリーズ2作目。
{netabare}
主要キャラも交えて、1~13の数字にまつわる名前を持つ人物が次々と襲われるという劇場型犯罪を描く。よく思いつくなーと。ちょっと無理やりな感じもしたけれど。

前作同様に建物爆破やチェイスシーンもあり、なかなか派手な演出が見られ、次誰が襲われるのかハラハラした。

でも前作以上にツッコミ所は多い。
犯人が小物。ちょっと動機がひどい。それで4人も殺そうとするなんて。まだ事故の原因を作った女に復讐を果たすのは分からないではないけど、その他3人については殺害の動機としては弱すぎる。被害妄想と言っても良い程である。
トランプの数字と結び付けて目的の人間を殺すという思いつきを実行に移すのだが、正直面倒だし、ハイリスクノーリターンな方法だったと思う。そもそも目的以外の人間からしたらボウガンの刺され損で、とばっちりでしかない。実に迷惑な犯人であるし、捕まった時に罪の重さが跳ね上がるだろうに。それにどうせ爆破する気で、罪の無い人間も別に巻き添えになってもいいのなら、いちいちナイフとかで殺してないで、最初から爆破しとけばいいんじゃないのとツッコまざるを得ない。

ただし、今回も冒頭の小五郎が人質である妻を撃って警察を辞めたエピソードが伏線となり、ラストシーンに綺麗に結びつくのはスッキリするし、感動した。コナンが撃つところは特に作画や演出が光ってたと思う。

実は銃の腕前も一流で、人質を先に撃った行動にも意味があり、それを周りに多くは語らずにただ警察を去ったという小五郎がやたらかっこよく演出されていたのは素晴らしいと思った。

後半にかけてオレンジジュースが大活躍する作品。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

66.1 10 1998年度アニメランキング10位
ムーラン(アニメ映画)

1998年9月1日
★★★★☆ 3.6 (27)
151人が棚に入れました
ディズニー・アニメの第36作目。2000年前から語り継がれてきた『木蘭辞』に登場するムーランの伝説をもとにアニメ化したアドベンチャー・ファンタジー。フン族の軍勢に苦しむ戦乱の中国。皇帝は各家から一人の兵士を出すように命じる。ムーランは、老いた父親に代わって軍に兵士として加わることを決意。髪を切り名前をビンと変え、勇猛な兵士に変装する。ムーランは過酷な訓練を経て、戦場で目をみはる大活躍を繰り広げる。

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女性が「女」を捨てるとき。

1998年に中国の伝説『花木簡』を題材に制作されたディズニーアニメーション作品。
主人公はファ・ムーラン。女性です。両親にお見合いを勧められ、結婚を願われますが本人にはまったく興味がありません。
その時代に求められる美しい女性像は彼女に当てはまらず、ついでに礼儀もなっていませんでした。
そんなことよりも、何も気にせず自由なままでいることの方が彼女の性分に合っていました。
ところがある日、フン族が攻めてきたことをきっかけに各家男子1人に対し徴兵がかかりました。
男は1人しかいないファ家の父は前の戦争で生活に支障が出るほどの傷を足に負っていましたが、
そんなことは聞いてはもらえず、戦争に出ざるを得なくなりました。父のことが大好きなムーランは見ていられませんでした。
自分は結婚もせず、父は苦しむばかりだ。ムーランは一大決心をします。
長く美しい髪をばっさりと切り落とし、体を鎧に包み、雨の降る明け方に父の代わりに出兵しました。
女が出兵したと知られれば大変です。さあムーランはばれずにやり遂げることができるのでしょうか。

すごく好きな作品です。
あなたはジャンヌ・ダルクを知っていますか?僕は大好きなので名前とほんのちょっとだけ詳しく知っています。
時は15世紀初頭。英仏百年戦争の後半。
「フランスは1人の女によって沈められ、1人の少女によって救われた。」と言います。
前者はイザボー・ドゥ・バヴィエールという淫乱女で数多くの貴族と肉体関係を持ち、国をめちゃくちゃにします。
そしてそれを戦いによって救ったのが後者であるジャンヌダルク。本名ジャンヌ・ド・ピュセル。
13歳で天命を受け、命を懸けてそれを実行し見事やり遂げますが、異端審問により(私怨もあり)19歳で火刑を宣告されます。
ジャンヌは天命を受けてから男装に身を包み、神を誰よりも深く信じ、ずっとそれだけを見つめてきました。
しかし19という若さで死刑に処されてしまいます。火刑で炎に体が焼かれる中、彼女は神の名前を叫び続けたと言います。
悲しいお話です。
僕はムーランにも似たものを感じます。彼女の場合はジャンヌのように悲しくはなく、むしろその頑張りが報われるお話です。
しかし、女性に生まれてきながらそうしては歩むことはできずに、なにかのために自分を捨てる姿はすごく悲しい。
ほんとうに悲しいけれど、どうしてかそういう姿に僕はとても惹かれてしまいます。

本作『ムーラン』でもムーランは決して女性であることを嫌がってたわけでも、また戦闘に長けていたわけでもありません。
ひ弱でちょっとわがままな可愛い女の子です。
そんな彼女が父のために戦地へ赴く姿を見ると身を切られるような冷たい感覚に襲われます。
しかし、訓練を重ねて愉快な仲間と立派な隊長の下で成長していく姿や、戦いで功績をあげたときには得も言われぬ感動がありました。
ひとりの少女の生活や戦いにおける苦しみがよく描かれ、またそれが報われるストーリーには救いがありました。

本作ではディズニーおなじみのお騒がせも出てきます。
その名はムーシュー。かつて守り神であったけれど失敗して1人死なせてしまい、ドラ叩きに降格した龍です。
そしてもう一匹。クリキーと言う名のコオロギです。それも「幸運のコオロギ」という嘘のコオロギ。
そういう役って大抵は1人なのですが、今回は2人。この2人でこそこそと色んな企みをしているのがなかなか笑えました。

女性が「女」を捨てるとき。
それは男がなにかを捨てるときとは違った切なさや苦味が口いっぱいに広がります。
なぜそんな運命を辿らなくてはならなかったのか。どうしようもない哀しみがとめどなく溢れ出てきます。
しかし、それでも凛として生きる彼女のたちの背筋の伸びたまっすぐな姿にはどこか惹かれます。
この作品でもそれは十分に感じられました。とても良い物語でした。
ラストの、娘であるムーランを迎えるシーンでの父の対応も素晴らしかったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男装の道化師

日本語版をTVで観たので
原曲がどんなだったのかわかりませんが、セリフを兼ねたミュージカルな歌の日本語版のリズムや歌詞がアイタタ タ…でした。声優さんがとっても歌いにくそう。歌についてはそれ以上あまり考えないようにして観ました。


主人公ムーランは不器用で情けなくも芯のある女性で。
いわば男装の麗人、なんだけど帳尻合わない感じでカッコ悪くて、一生懸命で。親近感が湧きました。
男装ならではのお風呂シーンの混乱も、ディズニーならではなのか?品の良さがありました。

紛れ込んだ軍隊のメンツ、凸凹おかしな奴らで楽しかったです。
(でっかい大らかなひょうたん顔の人が誰かに似てるな〜?と思っていたら、四畳半神話大系のお師匠でした。)

敵の強烈な邪悪さや、戦で焼かれた町に漂う無言の哀しみの表現など、言葉でなく絵の力で見せてくるシーンが印象強かったです。


家の面目を保つためには、一旗あげなければ帰れないと思っていたムーラン。
面目なんて考えると窮屈だろうけど、出来うる限りの柔軟さで挑んだ姿は、かっこよかったな。

働く女性を意識した現代的なテーマを絡めてたのかもしれないけど、そういうこと考えなくても子供の頃にディズニーの色気が苦手だった私にはサッパリ観やすくて良かったです。

これはディズニーの中でも好きな作品になりそうです。



一旗挙げたあとの皇帝による表彰のスピーディーさ(日を改めずその場で!)が面倒なくて良かったけど、速いね。エコだね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Who I am inside? 最悪から一転。

日本ではあまり人気が無い本作ですが、アメリカだとかなり人気の高い作品。
日本語に訳すと臭過ぎるセリフなので、出来れば字幕を切って見て欲しい。

さて、最初の10分の印象は最悪。
期待せずに見たけれど、期待を裏切るクソさ。
ここは、はっきり文句を言っておこう。

「登場人物が全員釣り目!!」

アメリカ人から見た中国人のステレオタイプに吐き気がする。
人種差別も甚だしい。ディズニーに対して激しく抗議したい!

が・・・主題歌のReflectionが流れてから一転。完全に涙腺が崩壊しました。

「本当の自分とは何か?」

というテーマが見えてからは、もう涙が止まりません。神曲多すぎっす!
泣きすぎて右の袖がびしょ濡れっすwww


大量の水分を奪われてしまったので、これから中華粥作ります!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

65.8 11 1998年度アニメランキング11位
ザ☆ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.6 (17)
96人が棚に入れました
ドラえもんズの友情を描いた短編アニメーション映画。映画版「ドラえもん」の第19弾「のび太の南海大冒険」の併映作品。監督は「ザ☆ドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状!」を手がけた米谷良知。ロボット学校の修学旅行を楽しむドラえもんズ。しかし最終日には卒業試験が控えていた。試験の内容はムシムシランドのムシロボットとペアを組み、日没までにロボット学校へ帰るというもので、これをクリアできなければ落第になってしまう。ムシムシロボットを探し、学校へ向かうドラえもんズだったが、彼らの前にはさまざまに困難が待ちかまえていた。

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

短編のドラえもんズ作品。

同時上映のザ★ドラえもんズの作品。
タイトルからは分からなかったが、ドラニコフが主役に据えられている。
他のドラえもんズも活躍しててよかったです。
ドラえもんズの作品では面白かったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

ootaki さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

虫か…

生まれつき自分は虫が大の苦手なので、この作品を楽しめないと思いましたが、まあまあ楽しめました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

65.2 12 1998年度アニメランキング12位
スプリガン(アニメ映画)

1998年9月5日
★★★★☆ 3.5 (99)
519人が棚に入れました
 大友克洋監修、江口寿史がキャラクターデザインを務めた、たかしげ宙・皆川亮二による人気コミックの映画化。世界各国の超古代遺産を守る秘密組織“スプリガン”の活躍を描く。躍動感溢れるアクション・シーンと幻想的な映像世界が見事に交差。17歳にして最高の腕前を誇る日本人のスプリガン・御神苗。彼はある日、何者かにプラスティック爆弾を送りつけられる。不穏な事件の匂いを嗅ぎ取った彼は、トルコ山岳地帯の遺跡発掘場へ向かうが・・・。

声優・キャラクター
森久保祥太郎、相ヶ瀬龍史、城山堅、子安武人、玉川砂記子、高野拳磁、鈴木勝美、矢島正明

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

"ノアの方舟"をめぐる、壮大なSFアクションムービー!

監督は川崎博嗣、『AKIRA』で知られる大友克洋が総監修を勤める、劇場版SFアニメ作品!
原作は、原作/たかしげ宙、漫画/皆川亮二によるコミックです。

17歳の高校生"御神苗優"。彼はその突出した身体能力を生かし、超古代文明の人々が残した遺産をあらゆる権力から守り、封印し破壊する組織、"アーカム財団"のトップエージェント"スプリガン"として任務についていた。
ある日、トルコの山中でアーカムの調査隊が、ノアの方舟を発見。その3ヵ月後に、ノアの方舟をめぐる敵方の策略によって、友人が目の前で自爆するところを目撃してしまう。友人や殺された仲間の敵を取り、敵の野望を防ぐため、彼の戦いが始まります!!

最大の魅力は、壮大で神秘的な音楽!作品を見事に彩っており、とても印象的!
荒れた山々、雰囲気のある町並みや行きかう多くの人々、細部まで丁寧に描かれた作画が、本当に素晴らしいです!
大迫力の、スピード感のあるアクションも見所!
ノアの方舟の神秘的な演出、敵のSF要素満載な設定も面白いです。
主人公の暗い過去の真実も暴かれ、後半になるにつれて、「AKIRA」を彷彿とさせる演出がとても多く見られます。
ただ、原作の長編ストーリーの中で1エピソードを取り上げて作り上げているため、どうしてもこの作品だけでは、登場人物の関係性や舞台背景がややわかりにくいように感じます。
とは言っても、かなり見ごたえのある作品には違いありません!
原作のファンの方、SF作品の好きな方、「AKIRA」のファンの方!是非、見てみてください!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

gkc さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

アメリカが敵です。

重要な遺跡を守るために組織された集団をスプリガンとよんでいます。
そして、そのスプリガンに属する少年が主人公。

この主人公が嫌味がなくてかっこよかったです。

物語の7分目くらいまでは結構面白かったです。
サラッと見れました。

結構古い作品だと思いますが、古さを感じさせない絵で細部まで凝っています。

戦闘シーンでは大げさな言い方ですが神速みたいなものを感じさせる演出も良かった。

物語の内容的な部分でアメリカの暗躍が設定されてますが、
確かにいくらなんでも、国の名のもとに何をやってもいいものでは無いなと感じます。

終盤ですが、重要な遺跡にも焦点を当てていますので、単に主人公の強さだけでなく、お話をきちんと作りあげようとする意図は伝わってきますが、

最終、SF過ぎて現実離れしすぎてた様な気がします。
短編なので仕方ないかとも思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

負け猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

古代文明とかロマンすぎる

全11巻の漫画が原作で
その2巻の120P程をアニメ映画にした作品

内容は、古代文明の遺産(オーバーテクノロジー)を悪事に利用されないように
主人公とその組織が守ったり破壊したりするお話。

そんな中でも今作は 「ノアの箱船」 を題材にしている。
(できるだけ知名度のあるものを選んだのかな?)

基本、ロマン溢れる古代文明の話と、バトルアクションが売りなわけだが、
劇場版というだけあってかヌルヌルヌルヌル動きます。

原作が元々安定しない作画なためか、アニメのキャラの表情は微妙という・・・

とまぁ、難しい雰囲気だったり設定だったりするので
ファン向けの作品でしょうね^^

アクションシーンは秀逸なので好きな人にはオススメできる!!

アーマードマッスルスーツ・・・カッコイイ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

65.2 12 1998年度アニメランキング12位
ドラえもん のび太の南海大冒険(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.5 (68)
438人が棚に入れました
夏休みの宿題に、しずかちゃんたちと海の研究をすることになったのび太。しかし、彼は「宝島」の本に夢中になるばかりで、ちっとも研究は進まない。それどころか、ドラえもんに本物の宝島に冒険がしたいと言い出したのである。いつもののび太のわがままに、仕方なく宝探しのセットを出してやるドラえもん。ふたりは、しずかちゃんたちを誘ってミニ帆船に乗り込むと、宝島へと出発するのであった。

HG anime さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

カリブの海賊

バイオテクノロジーを駆使してつくられた合成生物が登場する。わたしは小学生のころにこの作品を見たが、そんな生き物たちを観ているだけでわくわくした。是非、子供に夏に観てほしい。海に行きたくなる作品である。
2013/04/13

追記:2015/11/02
久しぶりに観ました。この作品を観るのはたぶん中学2年の時以来です。
ベティという登場人物をすっかり忘れていた。思えば私は小学生の頃ベティが大好きだったんだ。なんで忘れていたんだろう・・・
ジャイアンの歌声をうっとりと聞くベティ。ピアスをしててサバサバしているけど優しいベティ。男勝りの身体能力や物言いなのに女の子の魅力があって笑顔がキラキラしてるベティ。特に終盤のおしり印のきび団子を食べたキマイラが逃げ出すシーンのベティのあの笑顔・・・ ハッとするような美人ですね。
ジャイアンの数少ないラブストーリーなのかねこれ。(ベティちゃんに手を出したら許さんわあのゴリラ)
エンディングの吉川ひなのさんの『ホットミルク』は小学生の頃の私はてっきりベティが歌ってるものとばかり思っていた。
改めて見るとやっぱり名作ですね。
変更点:声優★3.5→4.0 音楽★3.5→4.0 キャラ★4.0→4.5

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

可もなく不可もない冒険もの

シリーズ19作目。
{netabare}
本作はのび太の思いつきとたぐいまれなる勘によって、宝島を目指して冒険をしていくところからスタート。

いつも以上に冒険感が演出されていて、さらに今回もドラえもんの道具が制限された回でもあり、島に住む見たこともない危険な生物など、観た子供たちはワクワクすること請け合いであったろうと思う。

結構敵が悪党で、改造生物を作っては売ることを目的にしていたが、よくよく考えると「日本誕生」のときにペガサスとかドラゴンとかをのび太も作ってたけど、あれはいいのかと疑問に思った。

結構ゲストキャラが魅力的でベティとジャイアンの関係も良かったし、るフィンは万能でかわいかった。

非常にシンプルな冒険もので、普通と言えば普通なんだけど、悪いところもそんなに目立たない作品。

吉川ひなののエンディングがかなり斬新だった。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

のび太達が宝島で大冒険!

ドラえもん映画の南海大冒険です。
今回はのび太が宝島に行って冒険したいと言い出して、ひみつ道具を使って宝島を探し出し、ひみつ道具を使いながら宝島を探しに出かけますが、途中で怪しい怪物たちと遭遇して・・・ということで始まります。
今回はのび太、ジャイアン、海賊の活躍が良かったです。
ゲストキャラのジャック、ベティ、キャプテンキッドがかっこよかったです。
海賊、宝島テーマの回は好きですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

64.1 14 1998年度アニメランキング14位
タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…(アニメ映画)

1998年12月11日
★★★★☆ 3.5 (32)
207人が棚に入れました
 1980年代に爆発的なヒットとなった人気アニメ『タッチ』のアフターストーリーであり、主人公・上杉達也が甲子園出場を果たした3年後が舞台となる。 ヒロイン・朝倉南が新体操界のアイドルとして活躍する一方、達也は普通の大学生として自堕落な毎日を過ごしていた。しかも、高校時代から二人の関係は一切進展していない。そんなある日、達也の前に香織という気になる女性が現れる。そして南は、高校時代の達也のライバルであり、今や大学野球界のスターとなった新田と再会するのだが――。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、日髙のり子、井上和彦、林家正蔵、銀河万丈、中尾隆聖、冨永みーな、沢井なつ美
ネタバレ

Britannia さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

評価変更★4⇒★5

もう見ないだろうから処分のつもりで、再視聴・・・

あれ~~?
こんなに良い作品だったけ。

TV版、甲子園出場から3年後のお話です。

■好きな所{netabare}
由加が相変わらず魅力的、第三者の立ち回りが良いね

子供だったキャラクターが大人になりそれぞれの人生を歩む。
心理描写が良く出来ていて、西村の栄光と挫折見てると、胸が「キュー」ってなる(切なくて心に響きます)

日高さんの演技が凄い、めちゃリアル
プロだよなぁ、声だけの演技なのに「表情・涙・無言の間」緊張感が伝わってきます。

3年前に達也から南に告白して、その3年後南から達也へ
ベタだけど好きです。

ED曲も凄く良くて、うるうるするよ
処分なんて出来ないやい。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

ななろう さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

タッチ 大学生編

TVアニメ”タッチ”の続編である大学生時代が舞台のTVの2時間スペシャル版。

TV版で南に告白した達也だけどその時その返事をしていない南…。

今回の回想シーンでも、その後の3年間に進展は無い模様(笑)

南や新田、西村が活躍する一方、達也は普通の大学生…物語のお約束のように、達也のそばにちらつく女性の存在とその存在に動揺する南…。

達也の動向と南との関係に進展があるのか…。

そして、3年前の河原での達也の告白に、南の返事が…。

まぁタッチファンなら、その後を見てみるのも良いかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

らすきき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

思い出補正あり

これに関しては思い出補正満載でいきたいとおもいます。

そもそもタッチすきです。
南ちゃん好きです。
その南ちゃんが嫉妬します。
それだけでも最高なんです!

当時金曜ロードショーで見終わった後、また直後に録画していたのを見返したのは忘れられない思い出です。後にも先にもこの作品だけです。 
特におすすめはしませんが、個人的にはとても思い出深い作品です。 
劇中歌 hi hi high めっちゃ良い曲です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

64.0 15 1998年度アニメランキング15位
スレイヤーズごぅじゃす(アニメ映画)

1998年8月1日
★★★★☆ 3.5 (29)
203人が棚に入れました
リナとナーガがやってきたのは、街中活気に溢れ、美味しい食べ物が名物の城下町。しかし、そこへ突然、鎧姿の少女が率いるドラゴン軍団が襲撃してくる。ドラゴン軍団はリナによって撃退されるが、止めをさそうとした途端、ドラゴン軍団と対峙していたはずの城の兵士によって押し留められる。

arts さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ファンタジーもの好きにはおすすめ

劇場版の4作目。
本作では、ドラゴン使いの王族の親子喧嘩にリナとナーガが巻き込まれます。

本作は他の劇場版に比べても、戦闘シーンが多いように感じました。
特に、終盤のドラゴン同士の戦いってファンタジーものでも意外に見ることがない構図の気がしました。
それ以外にも、スレイヤーズらしい魔法戦の場面も多かったので、ファンタジー好きなら楽しめると思います。
また、敵の親玉を倒すのに力押しではなく、奇策を用いるあたりも何となくスレイヤーズらしいと思いました。
あと蛇足ですが、ゲストヒロインのドラゴン使いの姫様が可愛らしかったです。
作中ではほぼ甲冑を着込んで活躍しているので、そういったキャラが好きな人は見てみてもいいかも知れないです。

ただ、ストーリーはあいかわらずコメディよりなので、そういったのが嫌いな方にはおすすめできません。
しかしテンポがよく気軽に楽しめる作品なので、ファンタジー好きの方ならおすすめしたい作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ドラまたリナ

劇場版第4作目。
相変わらずのありえない展開とドタバタ劇でスレイヤーズらしさは良くでているのですが、面白いというよりはマンネリ気味という感じがしました。
しかし「ドラまたリナ」の面目躍如的な展開を見せてくれたのは非常に良かったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

「ドラまた」リナ

ドラゴン使いの王族の親子喧嘩にリナとナーガが巻き込まれる展開。

戦闘シーンが多かったような気がするけど、
マンネリ感が否めない感じだった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

63.8 16 1998年度アニメランキング16位
機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズリポート(アニメ映画)

1998年8月1日
★★★★☆ 3.4 (115)
855人が棚に入れました
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』は、1998年に公開されたアニメーション映画。『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別編』との同時上映作品。
宇宙世紀0079―。ジオン群の秘密兵器アプサラスと接触した8小隊は善戦するも捕獲に失敗。シローは飛び去るアプサラスと応戦中、消息を絶つ…。無事帰還したシローだったが、その間の行動を不信に思った軍は、情報部の女性士官アリス・ミラーに調査を指示。ミラーの巧妙な質問に敵であるアイナへの想いをシローは語り始め、遂には審問会にかけられる。上層部に対し「敵でも分かり合える人間はいる」と主張するが、「君は敵を撃つことができるか?」との高官の問いには答えることができなかった。その答えを見出すべくシローは、仲間であるゲリラの村に潜入した敵との戦いに出撃する…。


声優・キャラクター
檜山修之、井上喜久子、優希比呂、小山茉美、玄田哲章、藤原啓治、藤本譲、高島雅羅

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

最初から本編を見た方が良いかと思います

第08MS小隊の劇場版です。
基本的には本編の総集編のようになっており、本作オリジナルのパッケージにある女性、アリス・ミラーによるシロー・アマダの監査報告のような形で纏められています。
また、本作はガンダムWの劇場版と同時上映ということもあり、総集編のような形を取りつつ、1話と、中ごろの内容をピックアップして再編集しており、ラストも"続く"という終わり方になっています。
最初から本編を見た方が良いかと思います。内容が中置半端なため、本作を見たことで、本編の概要がわかるというものでもなかったです。
加えて、本作のラストでシロー・アマダが言ったセリフが、この後本編で彼が取った行動を考えると、大変無責任な発言に思えてならないです。
ネタバレになりかねないので具体的には記載しませんが、本編視聴済みの自分としては、このシロー・アマダの発言はその場しのぎの言い逃れと思えてならないです。

面白いかというと微妙。
オリジナルキャラのアリス・ミラーも、行動に謎が多く、結局誰の思惑で動いているのかわからないまま急に感情的になるため、魅力を感じませんでした。
中途半端な総集編ではなく、本編のサイドストーリー的なものなら良かったのにと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

オパマ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

意味の無い作品。

公開は劇場から。
本編の物語には不必要な追加エピソード。
経営上の様々な事情があって創られたのだろうが、視聴者には制作会社の都合など考慮に入れる義務は無い。
つまらない、「不要なモノ」は自然と切り捨てられる。
これもそういったどうでもいい駄作の一つ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ストーリーの振り返り

本編第7話後に主人公が女性士官にこれまでの経緯を質問される話。
第1話と6話終盤~7話を振り返りそれに8話を足した作品です。
女性士官に質問される以外に追加要素はないです。
長編アニメによくありがちな中盤にストーリーを振りかえる内容ですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

63.2 17 1998年度アニメランキング17位
るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌-レクイエム(アニメ映画)

1997年12月20日
★★★★☆ 3.4 (72)
437人が棚に入れました
幕末、薩長同盟の締結場所・鈴屋に「人斬り厳達」と呼ばれる剣客ら数人が襲撃してきた。護衛に当たっていた緋村抜刀斎は「人斬り厳達」と斬り合い、葬ることに成功する。その後、同盟は成立、そして時世は新時代と突入するのだった。時は過ぎて明治11年。新しく建設された洋館を見物するため、陸蒸気で横浜に向かった剣心達一行(なお左之助はアニメでは陸蒸気を極度に恐がっていたが、なぜかここではとても興奮していた)。その帰路、酔った外国水兵が器物破損等の迷惑行為を働いている現場に遭遇する。直後、一人の女性が水兵に悪行三昧を止める様に説得するが彼らの矛先は彼女に向かってしまう。そこに時雨滝魅という男が現れ剣心と共に水兵に立ち向かう。時雨はその剣腕で水兵の持つ武器を一瞬で破壊するが遅れてやって来た警官隊から身を隠すため、剣心とある寺に向かう。

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

青空は高くどこまでも澄んでいなければならない

じつはるろ剣唯一の劇場版作品だったりする

剣心が天翔龍閃を会得していたり左之助が二重の極み!を使ったりしているあたりから京都志々雄真実編の後くらいと推察できます。

最初の厳達と剣心の戦闘シーン、後半途中まで何度も回想されるのでややうっとおしかったですが、一応終盤の伏線になっていたので納得。

ストーリーの方は剣心の過去にも触れつつ彰義隊や白虎隊の幕末要素もとりいれつつといった感じなのですが、どうもよくある時代劇チックな展開でこれならわざわざ劇場版にしなくても…といった印象でした

OPがL'Arc〜en〜Cielの虹だったのが一番驚きましたね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

紅椿白式 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

やっぱ戦争はだめだよね・・・・。

明治維新のつらく切ないストーリーだった・・・・。
なんでこんなことがあったのにまた戦争をしたのかなと思った

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

しげ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

え~

兄を殺された女と剣心がニコニコ話し合ってるのが非常に不自然だと思った。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

63.2 17 1998年度アニメランキング17位
劇場版ポケットモンスター/ピカチュウのなつやすみ(アニメ映画)

1998年7月18日
★★★★☆ 3.4 (44)
330人が棚に入れました
1998年に『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』と共に上映された『ポケットモンスター』の短編映画。夏休み、ポケモン広場にやってきたサトシたち。そこでピカチュウは、サトシに他のポケモンの面倒を見るように言われる。ポケモン広場を楽しもうとしたピカチュウだったが、一緒にいたトゲピーがお腹を空かせたのか、泣き出してしまう。ピカチュウたちはあやしたり、子守唄を歌ったりして、トゲピーを寝かしつけるが、そこにブルーやライチュウたちがしゃべりながら通りかかり、その声でトゲピーが起きてしまう。慌ててピカチュウたちがブルーたちに駆け寄るが、それがきっかけで言い争いとなり、やがて対決モードに……。ポケモン広場で、ピカチュウたちの熱い夏休みが始まる。
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思い入れのある作品

子供の頃に何度も何度も何度も
録画のテープが焼き切れるくらい観てました。

{netabare}ピカチュウとライチュウが頬っぺくっつけて
走り回るシーンが特に印象的で、{/netabare}
久しぶりに観たけどやっぱりそこが1番好き(*ˊᵕˋ* )

この番外編(?)のような作品の時は
ポケモン達のお留守番というのがテーマだから
{netabare}サトシたちは最初と最後に後ろ姿or足元と声しか
出演がないのも凄くいいんですよね。

特に最後の方!
ドタバタと色々な事が起きたピカチュウ達の元に響く
サトシの「おーい!」というお迎えの叫び声。{/netabare}
あれを聞くと私も子供ながら安心感が湧いてきてたのを
今でも強く覚えています。

もうこの声を聞けなくなるのかと思うと
寂しくて仕方ありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

ポケモンたちの遊び場、それがポケモン広場。そこに遊びにきたピカチュウたちはライチュウ、カラカラ、ブルー、マリルの4人組とケンカになってしまう。ポケモンたちがくりひろげるハラハラドキドキの大騒動。ピカチュウたちの友情と可愛さ満載のミュージック ファンタジー。

最初の劇場版短編。
可愛いよね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

nagi さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ピカピカ

ピカチュウの声優さんすごいですよね。
ピカでほとんどすべての感情を表現できています。

ミュツーの逆襲のおまけアニメです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

62.8 19 1998年度アニメランキング19位
ワンピース映画 倒せ!海賊ギャンザック(アニメ映画)

1998年7月1日
★★★★☆ 3.4 (24)
167人が棚に入れました
『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』(ワンピース たおせ!かいぞくギャンザック)は、ONE PIECEテレビアニメ化以前、「ジャンプ・スーパー・アニメツアー98」において上映されたアニメ作品。Production I.Gがアニメーション制作を手がけた。監督は谷口悟朗でキャラクター設定は尾田栄一郎。テレビアニメ版とは声優が異なり、ルフィを高乃麗、ナミを豊口めぐみ、ゾロを高木渉がそれぞれ声をあてている。また同作は、浜崎達弥によりノベライズもされている。週刊少年ジャンプにてこの作品が応募者全員サービスとしてOVA化された。

59.6 20 1998年度アニメランキング20位
銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.3 (21)
71人が棚に入れました
機械人間との戦いの旅から一年、地球に戻った少年・鉄郎は、今では新たな支配者・総督ボルカザンダIII世から危険分子とみなされ、処刑されようとしていた。
ところがその時、メーテルを乗せた999号が鉄郎を救った。
999に乗り込んだ鉄郎はメーテルと再会。
彼女から宇宙に暗躍する闇の支配者との戦いに鉄郎の力が必要であることを聞かされ、懐かしい車掌や星屑になった筈のクレア、新しい仲間である電子妖精のカノン、そして猫のミーくんらと共に、終着駅アルティメイトへ向けて新しい旅に出発する。
太陽系を通り越して、次の停車駅である惑星大テクノロジアへ向かう999。
途中、その軌道に異変を察知した銀河鉄道は、ブライトリングファイヤーフライ駅に緊急停車した。だが、そこで彼らを待ちかまえていたのは、闇の支配者の先兵、女騎士のヘルマザリアだったのである…。

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「さよなら」の続編

1999年、「999」にちなんで「完結編」を企画していたそうだ。
その序章にあたる作品で、最後に「1999年... 銀河鉄道999 宇宙の中心へ!」の文字が躍った。
しかし、配給収入が目標に届かなかったため「完結編」は中止となり「ヤッチマッタ映画」になってしまった。
原作通りではないらしく、かなりの苦情がでたということだが、原作を読んでいない私にとってはフツーに楽しめた。
まぁ、相変わらずの鉄郎の正義感と、困った時のマッテマシタ・キャラの登場(最後にはとうとうヤマトまでチラッと)と、悪い意味の松本らしさは出ているが・・・。
54分で1駅に停車なので、TV版の2話分である。
1駅分の物語として観る場合は、「いつも通りの松本作品」として楽しめるだろう。
しかし「完結編」の序章とした場合、この調子ならば「完結編」が出なくてよかった気もする。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

レイン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

他のレビューを見たけど思ったより良かった。

これ短くするためなのか原作とかなり違いますよね。
鉄郎のキャラデザインからして映画版の続きというより
テレビ版の続きとして見たほうがいいですね。
ストーリーは松本零士らしい話でしたが映画向きでは無かったですね。

作画は頑張ってましたが前半の999の作画はCG臭さが強くてイマイチでした。
でも後半の戦闘シーンになってから作画が一気に良くなりました。
さすが映画版って感じです。

声優は豪華ですね。
ハーロックの声は合ってない感じでしたがしょうがない。

これ長編として最初からちゃんと作っていたらもっと良くなっただろうに。
999の新作だったのにもったいない作品で終わってしまった感じですね。

ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

これで続編なしかぁ

過去の映画版で2枚目だった鉄郎の顔が戻り、これはこれで人間味が出ていていいかなと感じました。

もっとも、導入部のみの映画化とはいえ、1時間は短いという印象で、ヘルマザリアと鉄郎の対決がクライマックスというのはちと物足りなさを感じましたね。この後に一行が深刻な問題に直面してさあこれからと思ったらエンディングに入ったのにはびっくりしました。

どうやら興行的に失敗したそうで、それによって次回作が作られなかったみたいですが、出来不出来はともかくとして完結させて欲しかったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

計測不能 21 1998年度アニメランキング21位
アナスタシア(アニメ映画)

1998年8月1日
★★★★☆ 3.9 (7)
40人が棚に入れました
『タイタンA.E.』のドン・ブルース&ゲイリー・ゴールドマンが、20世紀FOX初のアニメスタジオで制作した第1弾。イングリッド・バーグマンの『追憶』で知られるロマンティックな物語を壮大なスケールでアニメ化。ロシア、ロマノフ王朝の皇女アナスタシアを巡る謎をファンタジックな映像で綴る。声の出演にメグ・ライアン、ジョン・キューザック。宮殿で幸せな日々を送っていた少女アナスタシア。しかし邪悪な魔法使いラスプーチンが皇帝一家にかけた呪いによりロシア革命が勃発。混乱の中、アナスタシアはひとり取り残されてしまう...。

計測不能 21 1998年度アニメランキング21位
それいけ!アンパンマン てのひらを太陽に(アニメ映画)

1998年7月25日
★★★★★ 5.0 (1)
25人が棚に入れました
「アンパンマン」映画化10年記念作品にして、日本テレビ開局45年記念作。やなせたかしによる作詞の歌「てのひらを太陽に」がテーマとなった作品。ゲスト声優として菊池桃子、アナウンサーの福澤朗が出演。旅公演を終えただいこん役者の旅一座は、「どうしても探したい人がいる」と言う座員のリナの願いにより、くらやみ谷へと出かける。しかし、一座より一足先に、くらやみ谷にたどり着いていたばいきんまん。彼はここに隠されているという伝説の宝物を探していた。

計測不能 21 1998年度アニメランキング21位
ようこそロードス島へ!(アニメ映画)

1998年4月25日
★★★★☆ 3.7 (3)
23人が棚に入れました
水野良原作のファンタジー小説『ロードス島戦記』、それを原作とした4コママンガが『ようこそロードス島へ!』であり、本作はそれをアニメ化したもの。なお、『ようこそロードス島へ!』は、TVアニメ版『ロードス島戦記-英雄騎士伝-』において、番組ラストに短編アニメとしても放映されていた。 聖騎士を目指す主人公・パーンは、修行としてドラゴン退治の旅に出る。仲間たちとともに数多の苦難を乗り越え、ついにドラゴンを倒すパーン。その帰り道、“灰色の魔女"の異名を持つカーラが、神聖王国ヴァリスのフィアンナ姫を誘拐しようとする場面に遭遇する。パーンたちはそれを防ごうとするも、大ボケをかますばかり。それを見たカーラは呆れ果て退散、フォアンナ姫の救出に成功したパーンははれて聖騎士の称号を与えられた。そして、ロードス島征服を目論むベルドとの戦いに挑むのであった。

計測不能 21 1998年度アニメランキング21位
CG版ビーストウォーズ メタルス(アニメ映画)

1998年12月19日
★★★★★ 4.5 (2)
23人が棚に入れました
動物などから変身するロボット戦士の活躍を描いた「ビーストウォーズ」。その特別版『映画版ビーストウォーズ スペシャル』全3作のひとつとして上映された。 悪のメガトロンの策略によって戦死したかに思えた正義のコンボイだったが、彼の爆発がきっかけとなって惑星エネルゴアの上で稼動中のビースト戦士のボディに変化が発生。特殊なエネルギー波=クアンタム・サージにより金属の表皮を持ったメタルス戦士が誕生し、さらにコンボイもメタルス戦士として復活する。そんな彼らの戦いが続く中、かつてのデストロン兵士スタースクリームの不死性の研究から誕生したプロトフォームXがエネルゴアに漂着。Xはカニモンスターへ変身する兵士ランページとして起動してしまう……! 本作は1998年秋季からのCGアニメ『ビーストウォーズメタルス』の放映に先駆け、すでに欧米で放送済みだった1エピソードを抜き出して上映したもの。

計測不能 21 1998年度アニメランキング21位
ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー SPECIAL(アニメ映画)

1998年12月19日
★★★★★ 5.0 (1)
22人が棚に入れました
おもちゃメーカーのタカラとハズブロの共同開発による変身ロボット玩具「ビーストウォーズ」をモチーフとした映画作品。野生の力を入手し、ビースト戦士となって生まれ変わった超生命体トランスフォーマーたちの活躍を描く。本作は、アメリカでCGを駆使して制作されたアニメーション「激突! ビースト戦士」「ビーストウォーズメタルス」と、日本で制作されたアニメ「ビーストウォーズ2 ライオコンボイ危機一髪」の3本立て。
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